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1953/03/29 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 電気通信委員会 第14号
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1953/03/29 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 電気通信委員会 第14号

#1
第019回国会 電気通信委員会 第14号
昭和二十九年三月二十九日(月曜日)
   午後一時三十七分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     左藤 義詮君
   理事
           島津 忠彦君
           久保  等君
   委員
           石原幹市郎君
           津島 壽一君
           石黒 忠篤君
           新谷寅三郎君
           山田 節男君
           三浦 義男君
  政府委員
   郵政政務次官  飯塚 定輔君
   郵政省電波監理
   局長      長谷 愼一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       後藤 隆吉君
   常任委員会専門
   員       柏原 榮一君
  説明員
   日本放送協会会
   長       古垣 鐵郎君
   日本放送協会理
   事       岡部 重信君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○放送法第三十七条第二項の規定に基
 き、国会の承認を求めるの件(内閣
 提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(左藤義詮君) 只今より委員会を開会いたします。
 放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件を議題といたします。
 前会に引続き質疑を行います。
 テレビの負担がNHKのラジオのほうの料金値上げにおんぶしないようにということは前からの問題であり、一昨日も御質疑をしたのでありますが、人員等につきましても、先ほど申しましたような誤解を受けないようによほど御注意願いたいと思うのでありますが、この際テレビ五年計画、先日御出しを頂いた、その長期借入金がどこからどういうような条件で、又どういうような担保その他どういうような条件で借入れられておるか。又五カ年計画を通じてどういうような見通しを付けておられるか、放送債券並びに長期借入金の内容について、具体的に一つお示しを頂きたいと思います。
#3
○参考人(岡部重信君) 最初のテレビジヨンの負担がラジオの料金にかからないようにというお話につきましては、誠に御尤もなお話でございまして、過日の委員会でも申上げましたように、両者の経理をはつきりいたしまして、さようなことのないように十分留意してこれを運営して参るつもりでございます。
 それから次の資金の面でございますが、先般資料として提出しましたテレビジヨン長期計画、それとテレビジヨン五カ年計画の収支見込表、それについて申上げますと、従来、最初に、一昨年でございますか、立てました既定計画におきましては、総建設費が十六億六千四百万円、今度の計画におきましては十六億二千六百万円と、かように相成りまして、ただいろいろの建設の経費も増加し、又諸物価の高騰、それから御承知の通りテレビジヨンは最初の仕事でございますので、それとテレビジヨンがまだ進歩の最初の段階にございますので、予期しないいろいろの状況も起つて参るのでございまして、それらによりまして、残念ながら採算の年度が一カ年狂いまして、最初は五カ年て採算が取れるという計算でございましたが、今度の計画においては六カ年で採算が取れる。それで六カ年におきましてその間の累計を申しますと、放送債券が十三億、長期借入金が十五億五千万というふうな金額に相成るわけでございます。それで従来の放送債券の実績に徴しまするならば大体年間六億の放送債券の発行は、多少でこぼこはございましようが、五千万円ぐらい少くなることは或いはございますが、六億程度の放送債券の発行は可能でございます。それで今後どういうふうに動くかという問題もあるかも知れませんが、放送債券につきましては、この五カ年計画収支見込表にございますように、二十九年度におきましては四億円、三十年度においては五億円、三十一年度では二億円、三十二年度では二億円というので、放送法に規定されておりますところの放送債券の限度三十億以内の限度でこれを賄うことができるというような計画でございます。
 それから長期借入につきましては、いろいろの新たなる事態が出て参りまするならば、或いは又一つの問題は出て来ると思いますが、我々の見通しとしては、これだけの長期借入金、即ち二十九年度におきまして五億七千万、三十年度において四億八千万、三十一年度の一億四千万というものは可能である。その間に、勿論これは借りつ放しではございませんので、放送債券につきましては、償還もございますし、長期借入金につきましては、返還もございますので、現段階におきましてはこれらは可能であろう、かように考えております。
 それで長期借入金をどこから借りるかという問題でございますが、従来長期借入金につきましては、勧業銀行から借りておりますが、勧業銀行といたしましても普通銀行となりましたので、勧銀から、勧銀からと申してはいけませんかも知れませんが、長期信用銀行にも只今長期借入金の可能性につきまして、これは折衝を開始しておるような段階でございます。
 以上大体お尋ねにお答えいたした次第でございます。
#4
○委員長(左藤義詮君) 長期借入の条件ですね。利息とか担保とか……。
#5
○参考人(岡部重信君) 長期借入金の利息は只今日歩三銭で借入れてございまして、担保につきましては、放送法によりまして抵当権の設定というようなことは、これは国会の承認を得る次第でございますので、さような発動を必要とするという場合には、国会の御承認を得てそれを担保に供するというような約定になつております。
#6
○津島壽一君 今のに関連してですが、放送債券は法定の限度が三十億である。それをラジオとテレビジヨンで両方合計したところで三十億限度でやろうというのか、長期借入金というものの性質ですが、これは私の見たところは、放送法の規定にはないわけですね。実体的に言えば、放送債券を発行したほうが安定し、利率も安い、今も三銭ということですから。片方は八分五厘の利子を付ける。年限もちやんときまつておる。できるならばそうしたい。放送債券が発行者にとつても有利であり、安定性がある。長期財政借入金なるものは無限と言つてもいいですか。それは予算の枠がございましようが、累次借入れて行つて、放送債券が三十億に達し、長期借入金が三十億に達して合せると六十億になつても、放送法の精神には何らこれにもとることがないのでしようか。これは何か行政措置で制限をされておるというのがあるのでございましようか。又長期借入金なるものは、適当の機会に放送債券に肩替りするというか、いわゆる長期化する場合に、債券に肩替りするというような方針でもあるか。そこが問題であつて、元来法の精神から言えば、放送法では、NHKは三十億円まで放送債券を発行することができる。これは長期借入金を含めての限度という意味と解すべきで、ここに一つの枠があるわけであります。それが、長期借入金の名の下に無限に借りられる、制限なしとするのは如何かと思います。でありますから、例えばテレビの五カ年計画収支見込をとりましても、放送債券の発行は十三億円である。一方長期借入金二十億七千万円を見込んでおる。五カ年の長期計画でも、果してこれが健全であるかどうかということに、私はいささか疑問を持つのでありますが、長期借入金、あれは限度なしに借りられるものであるか。それから又放送債券に借り替えない長期借入金を認めていいものであるか。この点は法律の精神もあることですから、どういうふうに御解釈になつておるのか、ちよつと伺いたいと思います。
#7
○参考人(岡部重信君) 御承知の通り放送債券につきましては、放送設備の建設又は借入の資金に充てるためというように放送法に規定されておりますので、いわゆる一般の運営費というもの並びに放送設備の建設改修以外の、例えば社宅というようなものでございますね、そういうものは放送債券の対象とならないというので、今まで放送法の命ずるような対象につきまして放送債券は発行いたしている次第でございます。それで只今お尋ねの債券と長期借入金の問題でございますが、確かにこの放送債券によりますと、いろいろの経費その他を見ると、長期借入金とは大した差がございません部分か相当ありますが、返済期間が長いという点におきまして、資金の融通が、その効用と申しますか、これは債券のほうが有利である。それで今年度の予算におきましても、四億円の放送債券を出すわけでございますが、四億円のうち三億円は今まで長期借入金をいたしておりました放送設備の建設に要する経費を放送債券に乗替えるという予算を立てた次第でございます。それとこの協会としまして、一番ピークになると申しますか、今後経営して行く上におきますところの最高の放送債券及び長期借入金の一番ピークは三十一年度末でございまして、それが結局総額が二十六億二千六百万円であります。その内訳は借入金の残高が十五億五千万円、債券の残高が十億七千六百万円、かように相成りまして、そのピークのときでも、三十億は別の対象ではございますが、超えておらない。無論御指摘の通り、長期借入金の枠がきまつておりませんので、事業に及ぼす影響は至大なものがございますが、できるだけこれは経営の健全化を図つて行くという意味において、私どもといたしましても、放送法には規定はございませんが、長期借入金につきましては、十分経営に悪影響を起さぬようにということに十分留意しているつもりでやつている次第でございます。
#8
○津島壽一君 今のお話の、ピークになるのは二十六億二千万円、うち借入金が十五億で、ほかの放送債券が十億ばかりだ、こういうことですが、そのうちのテレビとラジオですね、内訳を見まするとどうなんですか。そう合せたものが二十六億二千六百万円で、借入金十五億、放送債券約十億、テレビのほうがそのうちでどのくらい占めているということになつていましようか。
#9
○参考人(岡部重信君) 今申上げましたのはテレビ業務だけでありまして、そのほかにラジオがこれは放送債券だけになりますが、三十一年度は十三億六千六百というふうになつておるわけでございます。
#10
○津島壽一君 そうしますと今の二十六億、三十九億が放送債券並びに長期借入金の合計と見ていいのですね、ピークが三十九億、こうなりますね。今のお話ですが、長期の借入金のほうが、初めのうちは有利であるとおつしやるけれども、安定性のないものであつて、いつまでに償還されるか償還の年次はわかりませんが、放送債券は発行者の利廻りで一割三分、日歩にすれば二銭八厘になつている。三銭で長期の借入金を借りているから、その採算上からいつて、放送債券のほうが有利であるとは言えますね。証券の印刷費とか何とかあるかも知れませんが、そういうように考えられる。テレビがピークでまだ今後十五億円も借入金するということは、非常に大きな事業を、日本放送協会がこうして将来五年、六年間、そういつた大きなマイナスがくつついて行くわけですから、この経営については非常に重大な注意を払うのみならず、本来放送法の規定を作つたときの気持というか、長期の資金というものは、つまり改修とか設営とか、固定資産的なものでしようが、三十億で賄えるだろうという気持があつてできたものだ。然らざれば、どの会計においても、政府の一時借入金においても限度は書いてある。いわんや国債発行とか債券発行、長期の借入金というものは、両方合せて、或いは別々にある場合には、債券又は借入金という限度をこうすると書いてある。年々の予算にそれが出て来るからいいようなものの、そのときに一々審議されて、法律以外の協賛というか、承認によつて借入金が自由に無限にてきるのだということは、少し会計制度の上において、ほかの各会計に比べて放送法というものが大きな抜け穴がある。併しそれは本来の精神ではなかつたかと思う。それでお伺いしたのは、精神はどうかということ、毎年度のこういう収支計画を承認を受ける時分に、そこで借入金という予算が出てから、それで承認受けるというのでは、法的の根拠がないだろうと思うのです。これが放漫に流れないような意味において運営上、法律改正もむずかしいでしようが、最も大切な点ではないか。これは意見になるのですけれども、そういつたような解釈が政府として、今放送協会としてでなく、政府側はどういうように御解釈になつてこれを、予算をお作りになるかという点ですね。
#11
○政府委員(長谷愼一君) この協会の資金ぐりの上におきまして、放送債券と長期借入金との考え方につきましては、只今津島委員からお話になりましたことを私も御尤もな点だと存じております。御指摘のように放送法が制定されましたときは、その当時は現に放送協会がテレビジヨンの放送を行なつていなかつたときでございます。そのときに限度を三十億までということで放送債券がきめられた。今ただその後テレビジヨンも協会として正式に進められました。従いましてこの放送債券というものについて、或いはその額の限度につきましての考え方も、当然再検討を要すべきことだと存ずるのでございまして、これは先般来郵政大臣からも申上げておりますように、放送法の全面的な改正を必要と考えまして、只今いろいろ調査いたしておりますが、この問題もその中の一つの、重要な研究項目の一つではないかと実は考えておるのでございます。只今お話の点等も十分私のほうも心に入れまして研究をしたい、こういうふうに存じております。
#12
○津島壽一君 今の政府委員の御説明で非常に私は満足するのですが、基本的の問題については、放送法を今の事態に即応するようにする、こういうふうに特に日本放送協会の場合においては、テレビという非常に大きな規模の事業が起つておる以上は、それに予見しなかつたようなものがここに現われておる。そういう観点からも放送法改正のときに十分御検討を煩したいと思います。
 それで、ついでですが、この長期借入金が現に今から三、四年後に十五億円になろう、こういう大きな金額がピークとして現われるんですが、現在の長期借入金において、銀行或いは金融機関との間における契約の条項の中に、単純に担保の問題に触れないで、一定の年限利率でこれだけの資金を供相するという契約になつておるか。又は将来これは担保に供せられるべき、他に担保を供するような場合があつた場合に、優先して当然にこれが担保の条項に駆り出すというか、順位をきめて担保権を取得するのだというような附帯的な条項というか、予約的な条項ですね、そういうものがあるのか。無条件に銀行はただ何年何分というもので何億円というものを貸しておるか、そこはどうなつておりましようかね。金融機関の貸出の条件のうち、特に担保に関する部分ですね。
#13
○参考人(岡部重信君) 銀行といたしましても、その点は重要問題の一つでございますので、私のほうとしては、又この放送法にその抵当権の設定の場合は、やはり国会の承認を得るというふうになつておるわけでございまして、それで契約条項の中には、銀行として抵当権の設定という場合を予想されまして、私のほうでも予想しまして、そういう場合には、国会の承認を得て抵当権を設定する、そういうような契約条項にいたしておるわけでございます。
#14
○津島壽一君 多分そういうことだろうと想像していたのですがね。そこでもう一つついでにお伺いしたい。この放送法においては、放送法改正の場合において御研究願つておきたい点でありますが、と同時に、今後の運営にも関係あると思うのですが、放送債券の場合は必ず十分の一に相当する、つまり未償還額のそれを積立てるという命令があるのです。ところが、長期借入金については、これを準用するか又は全然自由にしていいかということになれば、経営上長期借入金は借つ放しでいいのだ、仮にピークは十五億になるというけれども、だんだんやると二十億円も借りようという計画になつておるのだから、一方の放送債券は必ず十分の一は積立てて返さなければならんというのだから、まあ全然この元金を積立てんわけに行かない。それであるから事業の信用なりその他の項目で調達する放送債券はちやんとなくなるようにする建前は法律できまつておるから、運営者というものはこれに縛られるわけです。ところが長期借入金の場合は、そういつた何十分の一を積立てるという規定がないから、そこで借つ放しという……、まあそういうこともないでしようが、往々にしてこのほうはそういつた拘束外にあるために、収支の都合で来年は一応借入れたものは返さないで、又長期の借入をしようということになりがちなんですね。これはまあ運営委員会というか、経営委員会があつて、そういうことは十分注意されて行くこととは存じますが、そこに危険がありがちなのですね。そういう点において、私は長期借入金というものはよほど周到な用意を以てやらないと、財政の放漫、又非常な弱体というかが起る、現に今回の受信料の値上げにおいては、これは私は……、であるから郵政大臣にお伺いしたのですが、目的は何かこの中に企業の合理化ということもあるが、経営の堅実化ということが入つておるんです。堅実化ということは、一定の計画の下に収支の状況を堅実にして行つて、強固な基盤にNHKの財政を持つて行こうというためには、減価償却もうんとやるんだということで、これは値上げをやることになつた。借入金が一方テレビのために増加するという計画になると、それは幾ら値上げをしてこれを堅実化するといつても、今後にそういう抜けた点があつて、それを制御するところの法的根拠がないというのは誠にこれは……、経営者のこれは信頼によつて我々はいいと思うのですが、制度上もおかしいし、又将来の運営において非常に警戒すべき点があるのじやないかという点において、繰返して申しますが、借入金計画というものは、計画をなさる上に最も慎重な用意をして、今後のいわゆるテレビの収支予算を立てる上においての十分な御留意をお願いしたい、こういう趣旨でございます。
#15
○政府委員(長谷愼一君) 只今御指摘の点は、私ども一々御尤もと存ずる点が多々ございますので、放送法改正の際に十分検討いたしてみたいと存じます。
#16
○山田節男君 私ちよつと欠席いたしましたので、私の質問が、他の委員がすでになされた質問と重複しておりましたらば、御回答に及ばないことですが、二、三質問いたしたいと思います。
 過日、これは新谷委員からお話がありまして、或いは回答があつたかも知れませんが、この難聴地区の解消に対するNHKの計画でありますが、この間私ちよつと岡部参考人からお聞きしたときに、それは二十九年度においては、放送設備建設改修費の五億五千万から出すことになるというようなお話を聞いたんですが、この放送設備の建設改修費というものは、この中に相当説明があつて、果して難聴地区の解消のための施設の改善或いは新らしい放送局を、或いは中継局を設けるということには金が足らんじやないか、殊にこの、我々に提出されておる資料を見ますと、改善を要する局が全国で七十八局、それに所要の費用が十四億円以上に亘つているわけですが、これを何カ年計画で今後おやりになるにしても、少くとも十五億円近くの改善施設を講じなくては、難聴地区の全面的な解消はできないということになつておるんですが、この来年度の予算でそれに最大限度振当てられる金額、それから七十八局の改善を要する局、いわゆる難聴地区の解消のために所要の七十八局の中で、一体どれくらい二十九年度中において難聴を排除するための施設は、何局ぐらいできるか。若し具体的にこの予算上、大体のプランとしてお示し願えればお聞きしたい。
#17
○参考人(岡部重信君) 只今御指摘頂きました七十八局という中で、これは実は資料の説明が不足で恐縮だつたと思いますが、いわゆる難聴地区、どこの放送局のも聞きずらいという地区を改善いたしますのは、我々の一応只今持つておりまするところの資料におきましては、三十五局、五億四千万円、その他はいわゆる県別放送といいますか、そういう県別放送を活かすのにその残額九億円ほど要ると、こういうことでございます。
 それから今年度どのくらいやる見通しかというお話につきましては、御承知の通り、今年度難聴地区の救済のための新たなる局を置きますことと、今ある局を増力するということは種々の観点から今年度計上いたさなかつたわけでございまして、この間において何局やれるかということのお尋ねには、直接只今のところこの計画は具体的にはないわけでございます。ただ考えられますことは、予算総則の第七条におきましてこれを救済する途があるのじやなかろうかと、それで設備の改善というような途で救済をすることができるのじやなかろうかということが一つと、それから御承知の通り局によりましては、今年度の予算におきまして或いは空中線を改善するとか、或いは放送設備の老朽のものを取替えるというようなことで、若干のこれも改善が見込まれなければならない。なお数年来置局につきましては、無論受信機の低廉で優秀な受信機の研究ということもかたわら必要でございますが、人を極度に減す、或いは人の要らない遠隔地から操縦する自動放送機と申しますか、その研究が相当進んで来ておりますので、それを来年度急速に推し進めて行く、或いは現在難聴地区におきまして、それらの実験研究をしてき行たいと、かように考えておる次第でございます。
#18
○山田節男君 この件につきましては、当委員会でも最初からまあ相当重要視されていろいろ委員から御意見があつたわけですが、衆議院におきましてもその附帯決議の中に、難聴地区の解消ということは謳つておりませんが、とにかく放送法の趣旨に鑑みてこれはあまねくこれが普及するように努力すべしと、こういう附帯決議がすでになされておつて、当委員会に廻わされておるわけであります。今までの空気からすると、各委員もこの点については重大な関心を持つておられるわけです。又私も持つておるわけです。そこで今そういうことをおつしやいますが、大体国会がそういう意思を表明するということになれば、この予算を組まれた中で、少くとも国会の意思をやはり具現化される当然な私は郵政省並びにNHKはこれは義務を生ずるものだと思うのです。そうなれば今おつしやるようた実験研究というような段階だけでなく、もう多年の研究の成果を持つておられるNHKとしては、これは何かやはりそこに具体的なものを予算総則に定められて、流用し得る項目はあらゆる部面に亘つてそれを動員して具体化しなければならない。これは若し本委員会が重ねてそういう附帯決議でも出したならば、これはNHKとしてはやはり国民の意思に副うて行く途は義務付けられたものと見なければならない。そうすれば今おつしやつたようなことでなくて、もう少しこれは経営委員会とか、その他で、議決を経なくては公の意見は表明できないとおつしやるかも知らんが、こうして本案の本審査の段階に入り、衆議院の電通委員会における、或いは本会議における意思表示があつたわけですから、そうすればやはり何かこれにもつと具体的な難聴地区の解消に対する計画なり、具体的な着手が明年度において行われなくちやならん。ですから、単なるこの実験研究という段階ではこれは私は了承しかねるのです。でありますから、これは私はまだ予算の実行に入つてないし、責任あることはおつしやれないかも知れないけれど、併し技術関係としてもあるわけでありますから、大体我々に示されておる資料の中の比較的容易な場所からでもこれは着手し得るのじやないか、経費の点において、技術の点においてできるのじやないかと思います。これはもう少し我我に具体的な説明がお願いできないかと思います。
#19
○参考人(古垣鐵郎君) 山田委員の御質問にお答え申上げますが、私ども只今の御意見は誠に御尤もだと存じます。一昨々日でございましたか、丁度山田委員の御欠席の際に、同じ趣旨の御意見、又同じお力説が石黒委員からございまして、それを私からお答えいたしておきましたが、その様子は委員会その他国会の大きな方面、大多数の方々の御要望もございますし、又放送法に鑑みましても、この難聴地区の解消ということは、放送協会として最も力を用いてやらなければならないということを私ども深く考えております。今後そのために、この予算の表面はとにかくといたしまして、いろいろ御示唆もございましたので、総則或いは予算面のやりくりと申しますか、いろいろ使途も工夫して、御趣旨に副うように本年度から着手して行きたいと思います。又三十年度におきましては一層この面に力を入れて、二十九年度において足りない点を取返すという意味で一層倍加してやつて行きたい、かようにお答え申上げた次第でございます。
#20
○山田節男君 今の古垣参考人からの御発言は、これは二十九年度からできるだけ最大限度の、実際的な難聴地区の解消に努力されると、こういう意味に御答弁願つたと理解いたしまして了承いたします。
 それからこの予備費の今年度の、二十九年度の予算でこの予備費が、ラジオ関係で昨年に比べて二億円増加しておると、これはテレビジヨンのほうにおきましては二千万円、このラジオのほうの予備金が昨年よりも五倍も、五倍に増加したということは、この予備金のいわゆる差額二億円というものが昨年よりも殖えたというわけですね。それはどういうような理由で殖えたのか、どういう使途に使われる予想で以て計上されておるのか、この点をお伺いいたしたい。
#21
○参考人(岡部重信君) 予備金につきましては、実は若干沿革がございまして、二十六年度の予算におきましては一億五千万円の計上があつたのでございます。それが物価の増その他によりましてその後五千万円に圧縮して、その予算の総額のうちにおきまして編成したような次第なんでございます。それで毎年この予備金が不足しておるのを増収その他で従来賄つて、どうにか過ごしたわけでございます。二十八年度の決算はまだ締めておりませんが、二十八年度につきましては、これは又特異現象かも知れませんが、相次ぐ風水害で或いは受信料の減免というようなことで、収入は減り、施設は傷みまして、それから又いろいろの物価の値上り、それから又大電力の鉄塔の碍子というようなものの損失で、実は二十八年度におきまして予備金の支出の対象となる要素というものは二億五千万円を若干越しているくらいになるのじやないか、かような実情なんでございます。
#22
○山田節男君 それから今回お出しになつた原案については、初めて予算総則において、給与総額に対する弾力性を持たせる条項が入つているのですが、これは非常にいいことだと思うのですが、もとよりこの趣旨は、いわゆる業績賞与の制度であつて、節約、或いは増収をしたり、或いは職員のいろいろな能率のある活動によつて節約された部分を以て、その一部を特別の賞与というのですか、給与として職員に出し得る、こういう予算総則ができたわけでありますが、予定以上の増収があつたり或いは節約する、これは経営者の、或いは従業員の努力によつてできると思うのですが、この放送事業の特殊性から見て、職員の能率向上といいますか、これも勿論私は今回の予算総則に、新らしいこういう項目を加えたことについては、職員の能率向上によつてのやはり増収と申しますか、節約ということになると思うのです。そういうことを大臣も申しているわけでありますが、これを具体的に言つて、放送事業における従業員の能率向上というようなことは具体的にはどんなことか。その具体例ですね、これは一例でもよろしうございますから、ちよつと聞いておきたい。
#23
○参考人(岡部重信君) 甚だ具体的で恐縮かも知れませんが、例えば従来集金人が七千くらい持つてやつている。或る能率計算の下においてやつているというようなことが、職員の能率向上によつて七千五百というような勤労の成果というものが出来ますれば、その増収について業績賞与の制度が実施さわるのではないか、かように考えております。
#24
○山田節男君 今の岡部参考人の言われるのは集金人だけの問題であつて、集金人の能率向上によつて増収と申しますか、節約された面が、全体の給与に引当てられるということも考えられるのですが、今岡部参考人のおつしやつたことは、集金人の、例えば自分の担当の能率を上げて、七千人のものを八千人或いは一万人というふうにやることによつて、増収というものは集金人自体の賞与であつて、全体の従業員のプラスにはならんのじやないか。会計上の組織からいつて、やはり総則に言つたように、一つのプール組織にして集金人の能率が上つた点による増収、或いはその他いろいろな部門で、あれほど多角的な部門があるのですから、能率の向上ということは、経営者としてはいろいろなことを考えるだろうと思う。であるが故に、大臣もそういうことを、意見書の中に特に能率向上ということを謳つているのだろうと思うのですが、それ以外にあれば一つ具体的にお示し願いたい。
#25
○参考人(岡部重信君) 今具体例が極めて狭い具体例で御指摘のようなことが確かにあるのでございますが、昨年のことで申しますと、たしか二%でしたかの物品費の節約令を出したわけでございますが、そういう場合に、業務遂行に支障なくして更に或るパーセントを増したというような場合には、総体的に考えられるかと存ずるわけでございます。
#26
○山田節男君 これは私いろいろ当局の方が今後具体的にむしろ能率を向上させるべき点をお考えになれば、いろいろ余地があるだろうと思いますので、これ以上追及いたしません。
 次に、これは長谷局長にも併せて御説明願いたいと思うのですが、いわゆる高周波の放送が非常に発達して来て、これはアメリカはもとよりでございますが、ヨーロッパにおきましても、いわゆる波長の状況というものが非常に変つて来ている。これは殊にアメリカにおきましては波長の問題で、先ほど私前にも説明しましたが、高周波の発達ということが、今日の電波の非常な顕著な現象ではないかと思うのです。現にイギリスのBBCにしましても、あのBBCの中に特にVHF放送技術審議会というものを作つている。成るべく将来の放送事業は高周波に持つて行こう、現にアメリカにおきましてはNBCはVHFによるテレビジヨン放送を全国的に開始しているわけであります。これは郵政省としては電波行政において当然高周波に対する策がなくてはいかん。殊に高周波の放送をどういうふうにするか、日本の現在の中波はかなり飽和点に達し、飽和点に達しなくても他に流用すべき、要求される波長がたくさんあるとすれば、放送事業はNHKにしましても、全国においてはこれだけの周波数を使つておるわけであります。民間放送もこれまでに発達して来ているわけであります。又今日郵政省に申請されている放送免許の申請等見ましても、もう今日政府としては高周波の放送ということを十分研究してあるだろうし、又研究しなくちやならんだろうと思う。そういう立場から電波監理局としては、この高周波放送ということに対してどういう見解を持つているか。それからNHKとしましてはすでにああいう立派な技術研究所を持つていらつしやるのでありますが、技術研究所の中で高周波の放送、これはラジオもそうでありますが、音の放送ばかりでなく、テレビジヨンというものに対しての高周波の放送ということについても、若干なりとも研究しておられるのかどうか、この点一つお伺いしたい。
#27
○政府委員(長谷愼一君) お答え申し上げます。只今御指摘の点は、確かに私どもとしましても今後の大きな研究課題の一つだと存じております。只今御指摘のありましたようにヨーロッパにおきましては、特に国際的にきめられました放送に使い得る、いわゆる標準放送として使用し得る波長単位の中では、各国の要求する放送局の数が非常に多いために、その要求に応じ切れずに、すぐに超短波による放送が行われております。特に西ドイツその他において行われておりますが、日本はそれとはやや事情は違つて、標準放送によりまして只今までのところ相当放送が全国的に聞えるような線に向つて、出力計画等が行われているわけでありますが、若しも将来現在の放送だけでは世論に応えることができなくて、更に何らかの形で放送を拡充しようということになれば、只今御指摘の超短波による放送以外には途が残つていないのであります。そういう点からいたしまして、私どもといたしまして技術的に申すならば、又雑音に対する救済策とかいろいろの面から、超短波の放送というものに対しても準備を進めている状態でございます。ただ超短波による放送の場合には、現在聴取者が持つている受信機はそのままでは使えないわけであります。それに対する手当という問題もございますし、又放送をする側の技術基準をどこにおくかという問題等もございますので、いつこれに対する政府側としての基準を作り得るかということに相当の期日を要すると思います。又相当慎重に実際の日本の地勢等に即応した計画が立ちませんというと、将来禍根を残すとも存じますので、その点は慎重に考慮して行きたいと存じておるのであります。ただこの超短波による放送を考えます場合に、放送協会のように全国あまねく聞えるような状態にするという使命を持つておられる放送協会が、更に超短波による放送を行うということになりますというと、これも若しも全国難聴地域がないように、現在の第一、第二放送に並んで超短波放送も全国に聞えるということを考えるということ、これは一朝一夕では到底できない、大変なことになるわけでございます。と申しますのは、超短波放送が極めて限られた範囲しか電波が参りませんので、従来よりも高いとか、或いは特に現在の第一、第二放送が十分でないので、これを補足的に行うという意味で超短波放送を考えるときには、考える一つの対策として考え得るのでありますが、これによつて全国あまねくということになりますと、いろいろ問題もございます。と申しますのは、一方テレビジヨンによる全国放送も考えられているわけです。これと相対応して超短波放送というものは、果してどこまで考えるかという問題にもなるわけでございます。この点は特に技術的なことばかりでなしに、いろいろ研究しなければならんと存じておるのであります。
 なおアメリカにおきましては、御指摘のように、この標準周波数による放送以外に、超短波による放送が非常にたくさんできたのでございますけれども、その後テレビジヨンの発達によりまして、放送は従来のますます殖えて行く傾向から大体飽和状態になり、或いは只今いろいろ聞くところによりますと、廃止しようとする局等も相当殖えているわけであります。超短波放送は、波の面から申しますというと、そちらのほうに芳しも要望があるならば、向けて行かなければならない、途を開いて行かなければならんということになりますので、テレビジヨン放送というものとやはり相互的に考えなければならないのではなかろうか。集約して申上げますというと、技術的なことばかりでなしに、日本の放送をどう持つて行くか、或いはテレビジヨンとラヂオの関係をどうするか、そういう点も考えなければならない問題もございまして、その点も併せまして実は研究準備はいたしておる次第でございます。
#28
○参考人(岡部重信君) 協会といたしましては、テレビジヨン電波の開設、伝播の研究、及び東京、大阪におけるテレビジヨン電波伝播の測定、マイクロ・ウエーブのヘイジングと気象との関係というような研究、並びにUHF真空管及びVHF帯利用可能のアンテナ及びヒーダーの研究、UHF帯のPTM装置の実用改善を研究することにいたしておる次第であります。
#29
○山田節男君 今の長谷局長の御答弁ではラヂオ、テレビジヨンの放送に向ける高周波、殊に超短波については技術的に申されたような、何といいますか、欠点というか、難点がある。こういう御説明ですが、ではラヂオ、テレビジヨン放送以外に使用する無線電波といいますか、それに対しては今日マイクロ・ウエーブが、すでに中継電信電話、テレビジヨンにマイクロ・ウエーブがすでに開かれているわけですが、その他の方面においても成るべく今後の無線電波というものは、高周波の発達のほうに、高周波を利用する、技術的にも或いは周波数の割当においても、高周波のほうに重点を指向して行くという御意思はないか、簡単でいいのですが、これについて。
#30
○政府委員(長谷愼一君) お答え申上げます。私が申上げましたのは、決して今山田委員からお話のようなことではないのでございまして、絶えず新らしい電波の利用面の開拓には努めて行かなければならんことは当然でございまして、放送或いはテレビジヨンにつきましても、需要供給の関係を考えまして現実には考えて行かなければならんと存じますが、岡波数の高いほうの開拓には、これも自然にそこまで行かざるを得ない。そういう意味におきまして、現在現実的には、ラヂオの面において超短波による、つまりより高い周波数による放送ということに対する需要は、現在出て来ておりませんけれども、あらかじめ私どもとしましては、そのほうの研究準備もいたしておるという点を申上げたのであります。併しこれは果してそれならば、日本で現実にいつ頃からどういう規模で、どういう所にこれをやらして行くかということを考えるということになると、それは単に技術的問題ばかりでなしに、日本の放送をどこに将来持つて行くか、或いはテレビジヨンとの関係はどうなるかということも併せて考えなければならんのではなかろうか。従いまして技術的なことばかりじやなしに、そういう問題からも考えなければならんのではなかろうか、そういうつもりで実は申上げたのであります。
#31
○山田節男君 これ又この委員会でいろいろ質問も行われたし、更に質問が行われて明らかになつておるとは想像いたしますが、まあ私から重ねて念を押したいのでありますが、技術研究の問題ですが、この前に、古垣参考人は、いろいろと申入れて来たものに対しては、至れり尽せり親切にこれを指導といいますか、いろいろ回答を与えてサービスをしておる、それから又学習的な学術研究のそういう論文等の発表によつて、業界に、斯界にいろいろ寄与している、こういうような御説明があつたのですが、これはまあ郵政省電波監理局長にもお尋ねしたいのでありますが、何と申してもやはりエレクトロニツクスの科学は非常に遅れておる。電波監理局に何か電波技術研究所というのがある。日本電電公社には、電気通信研究所というものがある。NHKはNHKとしての技術研究所を持つておられる。これは民間放送の要望というだけでなくて、国全体から考えますと、やはりそういう総合的な、而も相当規模を大きく、人材を広く統合することによつて、より早く、欧米に遅れておる電子科学の遅れを取り返し得るのではないか。こういう意味から私も過日NHKの当局者に質問したわけでありますので、これは例えば具体的にいうと、民間放送業者は、ただそういう質問書を出して、それに回答を入れる、それで満足するのでなくて、そういう研究事業に、直接間接それに関与して、共同してやつて行く。こういう希望も私はあるのじやないかと想像するのでありますが、これは電波監理局としては、こういう意味から考えれば、既存の電波関係の技術研究の諸団体ですね、それにおいてこれを統合するという声がありますが、密接に協力させて無駄のないように、而もそういう広い人材をあらゆる角度から、かなり早く研究の成果が進むということ、私は今日においては、財政上の理由もありますから、既存のこれに対する研究諸団体と何かやはりそういう密接に協力をするような具体策が必要じやないかと思う。これはいろいろな隘路があるということは、勿論想像できますが、併しそれ以上に今日国家としての要請は強いものであるというように考えますと、電波監理局はこの技術研究については、相当私は真剣に積極的に方策を考えてもらわなくちやいけないと思うのです。この点に関して、実際問題としてできるできないはとにかくとして、政府としては何かここに具体策を持たなくちやいけない。これはNHKでありますが、NHKはすでに長い聞こういう問題について取組んでおられるのですが、公共放送の団体の立場としては、これはやはり積極的にそういう空気を醸し出して、みずからこれをリードする、というのはおかしいかも知れませんけれども、併し事実上はNHKが指導されて、官民揃つて技術研究をよりよく緊密にやる必要がある。かように私は考えるのでありますが、電波監理局なり或いはNHKなり、私重ねて質問申上げる点は、成るべく早く具体的にこの問題を処理して頂きたいという念願切なものがありますから、こういうことを強く申上げるのです。これに対して電波監理局なり、或いはNHKとして、みずから進んでやるというだけの気魂をお持ちにならなくちやいかんと思うのですが、この点に対する当局の御意見を伺つておきたいと思います。
#32
○政府委員(長谷愼一君) お答え申上げます。只今山田委員から御指摘の点は全く御尤もなことでございまして、私どももその必要性を常々考えておりまして、只今その具体的な方途についても研究をいたしておるのでございます。御指摘もありましたように、特にこの電波関係の技術は、単に電気の関係ばかりじやなしに、その研究のと申しましようか、技術の基礎には、一般の物理、化学或いは機械工学更に光学、熱学、音響関係、或いは更に電波全般の問題になりますと、天文気象の関係にまで及ぶのでございます。極めてその研究をいたします場合の分野が広い。非常な各方面に亘るのでございまして、一研究所におきまして全部を賄うということは到底現実にはできないのでございます。御指摘のように現在ある各研究機関が若しも不十分でありまするならば、それを拡充いたします一方、各相関連する研究所との間の総合によりまして、相互協力によりまして一日も早く研究の成果を得るように努力して行く、ここに問題がかかるのではないかと思うのでございます。従いまして只今御指摘のように、現在この電波関係の直接の関連のある研究機関といたしまして、放送協会の放送技術研究所、それから電電公社の電気通信研究所もその方面に関連する事項をたくさん研究しております。又郵政省の附属機関として設けてございますのは電波研究所でございますが、これは主として電波の伝わり方、電波がどんな工合に空間を伝わつて行くか、どういう目的にはどういう電波を使つたらいいかということを主として研究をいたしておるのでございまして、只今申上げた三者ともそれぞれの特徴を持つた研究機関でございますが、御指摘のように、一つの問題を解決するのにも、やはり相協力して行かなければ到底早急には結果が得られないのでございます。又電子工学の研究の、国としてなおざりにはできない点も、関係の間にだんだん納得されまして、最近通産省の工業技術院の電気試験所にも電子部というのが新たに設けられたこと等も考えまして、これらの相関係する機関の間におきまして、御趣旨の点を早急に達成いたすように、相互相協力して研究態勢を強化して行きたい。場合によりましては、相互間の研究題目等をお互いに相談の上で、或る点に重点を置いて総力を集中して行くというようなことも、場合によつては必要となつて来るのではなかろうかと考えておる次第でございます。
#33
○参考人(古垣鐵郎君) NHKの立場からも山田委員の御質問にお答え申上げます、私どもこの技術研究に対して非常な責任も感じております。只今お述べになりましたような趣旨でやりたいという熱意も非常に持つておるわけでございます。併し現在においても外部からいろいろの希望、要望、或いは批判等もございますので、そういう点も十分考慮しながら、一層国の放送技術の発展のために努力したいと考えながら仕事をいたしております。只今のところでは放送技術審議会というものをNHKに持つております。この放送技術審議会と申しますのは、全部外部の関係者の有力な方たちにお願いしまして、学界、実業界、或いは業界、或いは官界の関係者もお入り願つて、そこでいろいろの研究題目を定め、いろいろそういう国家的な見地からのNHKの協力というような方途についても審議して頂いております。この外部の委員という人たちは、外部のいろいろの学界とか、会議とか、只今長谷局長も述べられました方面、その他の方面に関係しておられる方でありますから、自然に外部よりの要望や批判、我々の反省すべき点も導入して頂くことになつております。又放送協会の放送技術の担当者としての幹部は、外部の今度はいろいろな、例えば電波技術協会等の役員をいたし、そこでは商業放送の技術関係者も皆席を並べて会議に参加をしております。そういうような対NHK及びNHKから商業放送を初め業界の人たちへの働きかけというようなこともすでに頻繁にいたしておるのでありますが、御指摘の通りでありますから、将来一層NHKの技術研究の成果がお役に立ちますようにいたしたいと、公開は勿論のこと、或いは技術協力或いは指導というような面もすでにやつておりますが、一層いたしたいと、かように考えております。
#34
○山田節男君 質問が前後しましたが、現在のNHKの経営委員会として、例えば経営委員の車馬賃その他の雑費で、年間、例えば今年度の見通しでもよろしうございますが、一昨年の二十七年度でもよろしうございますが、一体どのくらいお使いになつておるか。総額がわかれば二十七年度でも二十八年度でも結構です。ちよつとお示しを願いたい。
#35
○参考人(岡部重信君) 大体費途といたしましては、経営委員の方々に御参集を願う旅費並びに会議費、それから経営委員会の、何と申しましようか、方々に御参考になる外部の講師といいますか、そういう方に対する謝礼等でございますが、九百十八万円ほどであります。
#36
○山田節男君 このNHKの来年度の予算執行中に、或いは放送法並びに電波法の改正案が政府から出されるかも知れないのでありますから、念のために、この際ちよつと聞いておきたいのですが、この現在における経営委員、これは会長は例えば日本電電公社の場合においては、一種の特別委員の形で経営委員会に当然各所から参画されて重要な案件について議決をされるわけであります。会長は常任制であり、兼職を禁止されておる。相当の報酬をもらえることは当然なことだと思うのです。他の経営委員諸君は単なる旅費だけで、これはまあ日本電電公社の経営の場合もそうであるように私記憶しますが、このことが果して現在のNHKの経営におきます最高方針を決定するにおいて、こういうシステム、制度がいいかどうか、こういうことを我々は、私は疑問を持つわけです。で、念のためにお伺いしますが、今のような制度で、この経営委員、而も日本では地区代表的な経営委員を以て組織されておるわけですが、経営委員の方々の一年間における出席、欠席数、これは若しおわかりになれば、誰が何回というようなことは聞かなくともよろしいのでございますが、大体の出席率というものは現実にどうなのか、非常にいいのか悪いのか、この点だけを明日でいいですからお聞きしたい。
#37
○参考人(岡部重信君) 大体月に一度ございますが、今度臨時がございましたが、そうしますと年に十三回ということになりますが、その程度開かれております。それで出席率は非常に多いのでございまして、恐らく十三回のうち十回乃至十一回は全員出席しておるような現状でございます。
#38
○山田節男君 これは非常にいいことでありますが、こういつたような経営委員会、日本電電公社もその例をとつておるわけですが、イギリスの例を申上げますと、イギリスあたりで経営委員会の委員長は三千ポンド、と言うと約三百万円、それから副委員長が千ポンド、百万円、普通の委員が六百ポンド、六十万円、で、これだけの実際給与をしておるわけです。日本のこのNHKは、これに対して全く無報酬である。而も出席数百パーセントを見ておる。これは私は非常に外形的に言えばいいことだと思うのですが、やはり実際NHKの最高の経営方針を決定するということになれば、月一回とか二回とかいうもので、殊に今回のように日本の放送の状態が、商業放送ができ、テレビもでき、公共放送のNHKとしたならば、もつともつと真剣に経営委員自体が担当しなければならない仕事が相当多いのじやないか。一ケ月一回や二回の招集で以て満足し得るような経営委員会では、果してこれは執行すべき最高の方針を決定するというのについては、私は少し不十分じやないか、これは過去の経験、業績を調べるほかありませんが、そういう意味からして、やはりこれは私は適当の報酬を出して、そうしてもう少しこれは月に五回でも六回でも開く必要がある。必要がない場合には必要ありませんけれども、必要がある場合には毎日でも開くというふうにしなければ、私は実際にこの公共放送の経営自体の責任者として、又執行者の会長としての余りに仕事が重過ぎる。余りに事態が複雑である。そうして、このNHKの公共放送としての、今日は完全な独占形体ではありませんけれども、少くともこういう公共放送ということになれば、これは大きな国民に対しては一つの普及させる重大な影響力を持つておるわけであります。ですから若し、これが悪い意味での官僚化して来た場合、これは放送法の趣旨にもとる極めて危険な状態が発生するということも、これは予想しなければならない、現状はそうとは由しません。そういうようにNHKが官僚化して来たということになれば、これは放送法の趣旨に反することになるのじやないか。そういうことにさせないように努力するのが、経営者の重大責任であると思うのです。そういう意味から、私はやはりイギリス等がなぜかような、まあ高額とは申しませんが、極めて妥当な報酬を経営委員に出してやる、この点は私は大いに考える必要があるのじやないかと思うのですが、これは改正法をやるのは政府でありますけれども、まあ古垣参考人の過去の三、四年の御経験で、そういうものがまあいい悪いというような御意見を伺うわけではないけれども、併しイギリスのやつている経営委員会の制度というものに対して、どういう観念をもつておられるか、この点を御感想でもよろしいから伺つておきたい。
#39
○参考人(古垣鐵郎君) お説は一々尤でございます。今お述べになりましたような点は、私どももやはりそういう点もあると思いますが、BBCの只今御指摘になりました経営委員長は、これは殆んど全部そのBBCのために没頭するという条件が付いて高い給料は出しております。それから副委員長は、それに準じて殆ど三分の二ぐらいの自分の時間を使うということになつております。委員は別にそういう条件もなければ、従つて報酬も比較的に、委員長に比較して少くなつております。併し日本の経営委員の場合は、むしろ現実にいろいろの職業に、責任に携わつておられるほうがいいのじやないか。そうして従つて無報酬のほうがいいのじやないかという形になつておりますために、皆さん重要な責任をほかに持つておられる方ばかりであります。併しながら月に一回集まられましても、二日間の審議がありますし、その前後に又いろいろの準備的な調査、研究、検討がありますし、又事後の検討もございます。それからそれに旅行を加えますと、大体各委員が、NHKの経営委員として少くとも現実に一週澗は身体を使われるという形になつております。月に四週間のうちで一週間は肉体的にも、精神的には勿論でありますが、肉体的にもNHKの経営にとられるという形であつて、月に一回集まられるという形は、現在の立場におられる経営委員としては、非常な労力だと思います。それから制度が始まりましてから今日まで、実に皆さんが精勤であつて、病気で欠席された以外には欠席というのは殆んどないくらいでありますし、最近におきましては、数日後に又呼び返されて、飛行機で、或いは夜汽車で東京に参集されて、この予算の検討に当られたというような場合もございます。そのときには二、三欠席されたのでありますが、非常に精勤されて、又NHKというこの公共放送事業に対して極めて熱意を持つている人ばかりが経営委員であります。又経営委員になられた後も、非常に熱意を持つておられますから、表面に見えることよりも遥かに能率を上げておられる。経営委員が能率を上げておられるということを申上げたいのでありますが、それから従いましてこれは各地域別で選出されるというような制度とか、或いは他に重要な職業を持つていていいのかどうかというような問題、その他、或いはこれをずつと一年中経営委員がほかの仕事をしても差支えがないか。一年中経営委員が経営委員として、実際に会議を開き、NHKの経営に当るということがいいかどうか、理事会というものがございますから、それに対しての睨み合いとか、いろいろな問題があろうと思いますので、私どものほうでも、この放送法の調査委員会みたいなものを作りまして、今検討中でございます。
#40
○委員長(左藤義詮君) 他に質疑はございませんか。ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#41
○委員長(左藤義詮君) 速記を始めて。
 別に質疑もないようですから、質疑はこれにて終局したものと認めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○委員長(左藤義詮君) 御異議ないものと認めます。よつて質疑は終了することに決定いたします。
 ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#43
○委員長(左藤義詮君) 速記を始めて。
 暫時休憩いたします。
   午後三時二分休憩
   ―――――・―――――
   午後三時五十六分開会
#44
○委員長(左藤義詮君) 委員会を再開いたします。これより本件の討論を行います。討論は先ず賛否を明らかにしてから御意見をお述べになるよう願います。なお、附帯決議案は、慣例により討論の段階で提出することになつておりますから、御意見をお述べになるときに提出されるよう願います。
#45
○津島壽一君 私は議題となつておりまする日本放送協会の三十九年度収支予算、事業計画及び資金計画につき国会の承認を求める件について賛成の意思を表明するものであります。なお後刻提案したいと思いまするが、これには附帯決議を附して賛成をしたいと存じます。
 日本放送協会の受信料の値上けを含んだ本案は頗る重要なものでありまして、本来かくのごとき提案は、政府全体の予算、又経済政策に鑑み、値上げをすることについては非常に遺憾の点があるのでございます。でありまするが、収支予算、事業計画、資金計画等を検討してこの値上げは止むを得ないものと存ずるのでありまして、この意味において本案に対して承認を与えたい、こう思うのであります。
 ごの場合、原案承認に当つて附帯決議を提出いたしたいと存じます。先ず決議の内容を朗読いたします。
   附帯決議
 政府並びに日本放送協会は、左の事項の達成に努むべきである。
 一、放送事業の現況にかんがみ、速かに放送法の根本的改正をはかること。
 二、日本放送協会は、その事業運営の合理化並びに経理の堅実化につき格段の努力をなすこと。
 三、難聴地域の速かなる解消につき具体的計画をたてこれを実施すること。
 四、技術研究の公開、成果の一般利用につき一層の配意をなすこと。
 以上であります。
 この決議の趣旨は今更説明を申上げなくても十分御了承頂くごとと存じまするが、簡単なる説明をあえて附言いたしますると、今日の放送事業の状況は極めて急激な発展を見ておるのでございまして、先に制定せられ、今日実施せられておる放送法が今やこの事態に副うことができないようなものになつていると信ずるのでございます。この放送法の改正につきましては、すでに昨年の国会においても一応の案が提案されたのでありまするが、その後これに対して更に検討を加えるということでありますが、これは今まで申しましたような事情によつて速かに根本的の改正案を作られて国会に付議されることを政府に対して強い要望を出す次第でございます。なお特にテレビ事業の、NHKに関する限りにおいてはテレビ事業が大きな規模で今やその発足を見ておるのでございますが、これらについて放送法は全然それに順応すべき規定を欠くように思うのでありまして、この一点から見てもその必要を痛感するのであります。更に民間放送の急激なる発展普及ということも考えまして、更に一層この念を深くするのでありまして、これは政府において特にこの問題に対して深甚なる考慮を払つて、成るべく次期国会において本案の具体化を望む次第であります。
 なおこの事業の運営の合理化といつた面においても、本委員会においても各種の質問応答がございまして、NHK当局としてもすでに了承されると思うのでありますが、詳しくは申述べることは省略いたします。又経理の問題についても同様に、往々にして世人の見るところがどうも財政経理の放慢といつたような点が現に問題となつておる向が多いようでありまして、本委員会の審議においてもたびたびこの問題に触れたのでございまして、この点について格段の努力をなすべきものと確信いたします。
 なお難聴地域の速かなる解消、これについては抽象的でありまするが、具体的の計画を立てて、これを実施するという趣旨は二十九年度の収支予算計画の中においてもこの費目に的確に相当したものはないようでありまするが、併し本件の最も急速なる実施といつた意味において、実施の上においてこの実を挙げるようにこの附帯決議をする次第でございます。
 更に最後に、この技術研究の公開、成果の一般利用といつたような問題、これも説明を加える必要もなく、NHKの公共機関として多大の費用をそこに注ぎ、又十分なる技術の研究の成果も持つておる、又今後もこれを拡大するというその事態から行きまして、これを公開し、又一般に利用するような具体的の方法を考慮されるということが、この本委員会の決議として私は実現されたいことを希望するのであります。
 要約すれば、原案承認の案件は時節柄甚だ遺憾な点もありまするが、併し大局上の見地から本員はこれに養成の意を表し、併せて附帯決議を提出して本委員会の態度を御決定願いたいと思うのでございます。
#46
○新谷寅三郎君 本案に対しましては各種の角度から検討いたしました結果、不満足な点は多々あるのでありまするが、結論といたしましては私は賛意を表したいと思うのであります。
 但し次に述べます諸点につきましては、政府当局及び日本放送協会に対しまして只今から厳重に警告をなし、今後速かにこれに対して必要なる措置を講ずべきことを要望する次第であります。
 第一には、本案による受信料の引上げは、政府のとらんとする緊縮財政方針、殊にこれに基く低物価政策とは逆行するものでありまして、全くその時機を得ないものと認めざるを得ないのであります。受信料の引上げは、金額において比較的少額であり、又他の物価に直ちに影響するところは少いとは言いながら、千百万を超える多数の聴取者に与える心理的な影響は相当大きいものがあると考えられます。併しながら一面、日本放送協会の経理状況を検討いたしますると、従業員の賃金ベース、電信電話料金の引上げの状況、業務費の増加、減価償却費の問題等、成る程度の受信料の引上げを行うにあらざれば、現状維持さえも困難となるような実情にあることもほぼ察知し得るところであるのみならず、政府におきましては、本案を国会に提出するに当りまして慎重なる検討を加え、協会の当初の案を減額訂正して成案を得たという事実もあり、緊縮財政方針を厳守しようとする政府が或る程度の引上げも止むなしとして、その責任において本案を提出いたしました経緯に鑑みましても、公共放送事業の維持のために万止むを得ないものと考えられるのであります。併しながらかくのごとき事態に立ち至りました原因を探求いたしまするのに、日本放送協会は、放送法により政府から何らの監督乃至掣肘を受けない自主的な特殊法人でありますために、政府も積極的に協会に指示を与えることもなく、協会も政府の政策の動向を重視せず、飽くまでも自主的な立場において運営しようとしているところにあると考えられるのであります。併しながら如何に自主性の強い特殊法人でありましても、国家全般の基本的な方針に対して、これに逆行したり、これを無視するがごときことは許されないところであります。現行法の下におきましても、政府は協会に対し必要な指導を与えると共に、協会もその点に関し深く反貧すべきであります。更に近い将来においては、これらの問題を抜本的に解決するために、郵政大臣の言明の通り、放送法の根本的改正を行い、日本放送協会のあり方、従つて政府と協会との監督関係及びその協会が各界に直結しておる異例の関係、協会と国民との関係、即ち受信料徴集制度に関しましても適当な再検討を加え、その改善策を樹立すべきであると考えます。
 次に、日本放送協会の事業に関する問題であります。協会の事業は放送法第七条に定められてるところにより明らかでありまするが、協会はこの点をややもすれば軽視する傾向があるように認められます。今回提案せられました協会の事業計画におきましても、全国四十万世帯に近い国民がいずれの放送も聴取し得ず放置せられている実情にあるにかかわらず、協会はこの難聴地域の解消に対し積極的な努力を払わず、むしろ地域別放送の充実を主眼とする方針を強調しておりますことは了解しがたいところであります。幸いにして本委員会の審議の過程におきまして、郵政大臣心日本放送協会長もその認識を改め、将来は勿論、来年度におきましても実行計画策定に当つて難聴地域解消のために能う限りの努力をなすべき旨の言明をせられましたので、私はこの言明に信頼してその善処を期待いたしますと共に、協会に対しましては徒らに民間放送事業の進出等の現実に右顧左眄することなく、飽くまでもその本来の使命に向つて邁進ずべきことを強く要望するものであります。
 最後に、協会の経理に関して一言附言いたします。本委員会の審議が時間的に制約された関係もあり、詳細に協会の経理内容を検討し得なかつたことは事実でありますが、以上申上げましたような状況の下において受信料の引上げをなさんとする以上、協会はいやしくも各種の冗費の節減に努めることは勿論、その組織及び事業運営方法の改善によりまして、経費の節約を図るべきは当然であり、従業員は能率の向上に努め、最小限度の職員によつて事業運営に当ることが必要であると考えます。殊にこの点に関しまして、現在大電力の中央放送局の管轄において完全に第一、第二放送を聴取し得る地域内にある地方放送局のごときものは、その中継及び放送施設を速かに他に転用することとし、器材及び人員の節約に努めることが適当であると考えるのであります。
 以上のような要望を附しまして、私は本案に賛成するものであります。
#47
○久保等君 私は第四控室を代表いたしまして、只今議題に上つておりまする放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めておりまする案件に対して、賛成の意を表するものであります。
 そこでこの際次の二、三点につきまして、特に放送協会に対して強く要望をいたしておきたいと存じます。
 先ず最初にその一点は、今回この昭和二十九年度収支予算が国会に出されて参りました経過を見てみましても痛感いたすことでありまするが、少くとも公共放送をその使命としておりまする放送協会として、事業の健全なる経営という問題につきまして、従来からいろいろ努力をいたして参つておることとは存じまするけれども、併しながら少くとも今回出されました昭和二十九年度の収支予算というものが、いわば従来からの赤字経営の集積に基く予算という形態が非常に強く出て参つておるわけでありますが、こういつた点を一言にして申上げますならばやはり事業経営に対する積極性乃至は自主性という面につきまして、多分に疑念を持つ点があるわけであります。そういう点で、少くとも私は協会そのものが、この放送法で定められました目的、更に又この放送法に定められましたところの立場というものを堅持されて、放送協会の健全なる発展のために努力をいたす必要があるのではないか、かように実は考えるわけであります。この収支予算の中で、最もこのたび問題になつておりまするいわゆる聴取料の値上げの問題につきましても、非常に事業の積極面、建設面というものが影を没した形におきまして、経営的な経営の面における赤字を何とか克服するという意味における、消極的な予算の提出になつて参つておりますることも甚だ遺憾に存ずるわけであります。更に又この聴取料の値上げの問題に関連いたしまして、巷聞伝えられまするように、果して放送協会が放送番組の編集について、その自主性と自由というものを確保し得ておるのかどうかという点についても、疑念が持たれるような事態があつたことも考え併せてみました場合に、私は少くとも放送協会の国民全体から負託せられておりまする放送番組の自由確保の問題については、格段の今後放送協会として御留意を願いたい、かように実は考えるわけであります。
 最後に一点、簡単に申上げたいことは、かねがね放送協会と、更にこの放送事業に従事する従業員との間における給与問題についての紛争であります。この問題については、極めて今日まで荏苒日を送つて来たという印象を強く持つのでありまして、少くとも公共放送という重要な、この事業の健全なる運営を図る意味から申しましても、従業員の給与という問題、従業員の待遇という問題については、十分に日頃から留意して参らなければならない問題ではないかと思うのでありますが、私はこの予算案通過後におきまして、一日も早く只今問題になつておりまする給与問題について、急速に且つ円満に事態の解決がなされることを特に希望いたすものであります。特に今回出されて参りました予算案の中におきまして、予算総則の第七条第二項、これは少くとも従来なかつた規定でございまするが、これが新らしく挿入せられて参りました昭和二十九年度の予算におきましては、郵政当局並びに放送協会当局も、職員の能率向上、或いは又経費の節減等によるところの経費というものを、給与にその一部を当て得るという途を開いた点は、新らしい私は問題といたしまして敬意を表明いたすのでありますが、少くともこれを具体的な事実に当つて、どう運営して参るかは、少くとも放送協会そのものが適切な、而も積極的な努力によつて解決をされて参ることが必要だと考えるのであります。そういう意味で当面問題になつております給与問題につきましても、早急に円満なる解決のなされることを要望いたす次第であります。
 以上を以ちまして私の賛成討論といたします。
#48
○山田節男君 私は社会党第二控室を代表いたしまして、只今議題となつておりまする日本放送協会昭和二十九年度の収支予算、事業計画及び資金計画に対しまして、以下述べまする要望を条件といたしまして賛成をいたすものであります。
 本案は、二つの点において重要な意味を持つておると思うのであります。一つは、今回受信料値上げをすると、即ち従来の受信料に比較いたしまして三割強の受信料の値上げの問題、それから第二には、この予算案並びに事業計画、資金計画等に示されておりまするNHKの今後の経営並びに事業の方針、並びに資金計画の方針に対しまする重要性でございます。第一に申上げたいことは、一昨年民間放送、即ち商業放送が開始され、昨年夏にはテレビジヨンの民間放送が開始されることによりまして、爾来二十数年に亘りまして日本放送協会が持つておりました独占性というものがここになくなりまして、爾来民間放送と公共放送の間におきましては、いろいろな問題が生じておりまするけれども、併しこのNHKといたしましては、公共放送の使命に鑑みまして、進むべき途が十分考慮されなくてはならんと思うのであります。即ち公共放送は、従来長い間の独占形態によりまして、とかくこの経営というものが放漫に流れやすい危険並びにその経営が官僚的に陥る、かような危険性を持つておるのであります。併し幸いにしまして、従来の日本放送協会は、この独占形態の危険を避けるべく努力をしたことは認めるのでありますけれども、明年度のこの収支予算等を見ますると、やや安易に方針を定めたがるというような杞憂がなしとしないのでありまして、他の委員からも指摘せられた諸点におきましては、明年度の予算執行に当りましても、政府は監督の立場にあることはもとよりでありますけれども、日本放送協会の経営者としましては、この点を十分留意され、とかくこの長い独占形態によつて陥りやすきマンネリズムというものの打開を十分努められるべきだと信ずるのであります。
 次には、他の委員も指摘され、要望されましたが、第一に難聴地域の問題、これは公共放送の建前からいたしまして、放送法の第一条に鑑みましても、事業の第一義的任務であると認めまするが故に、このことは明年度予算におきまして、最大限度の留意をして、この難聴地域の解消に対しまして、具体的な早急の実現方策を立てることを強く要望する次第であります。
 技術の公開につきましても、これ又当委員会におきましていろいろ質疑応答を重ねられましたが、その本旨といたしますことは、日本放送協会が長い伝統、長い間の研究による偉大なる成果を持つておることは周知の事実でありまして、これを単なる一日本放送協会の所有に帰せず、広く日本放送技術、放送文化の発達のために寄与するよう、日本放送協会が明年度の事業年度におきまして努力されることを、これ又強く要望するのであります。
 それから今回出されました収支予算、事業計画等によりますると、予算総則におきまして給与総額の弾力性を持たしたということであります。このことは、本委員会といたしましては、日本電信電話公社法を作る場合におきまして、特にこの給与の弾力性を設けたのであります。その趣旨は、経済事情の急激なる変動に構えるべき規定として設けたのでありまするが、本予算総則によりまするというと、経費の節約、経営の合理化、又職員の能率向上等によつて増加した収入の一部を職員の給与の増額に充て得ると、こういう規定になつておるのでありますが、今回の値上げの直接の動機の一つでもありまする従業員の給与という部面におきましては、これはその職責の重要性、又その職務の特殊性に鑑みまして、他の産業の従業員に劣らざる給与をなすことは、これ又当然のことであります。かような意味からいたしまして、この予算総則において今回初めて設けられました給与総額の弾力性、これを裏から申しますならば、経費の節約、経営の合理化、職員の能率増進、この点は明年度において最も力を用いられてその成果を期せられることを強くこれ又要望するものであります。
 かようなる事態の下におきまして、今回の受信料の値上げの問題でございます。これは政府並びに経営当局者の申せられる点において、いろいろ理由を私ども首肯するのでありまするが、とにかく今回のこの値上げというものは、今日の政府のとつておりまする方針並びに日本の当面しておりまする経済情勢からいたしまして、これ又最も問題になつた点でありまするけれども、公共放送の今日その任務のますます大なることに鑑みまして、公共放送の育成発達を希いまするが故に、あえて今回のこの受信料の値上げ止むなしと結論いたしたのであります。
 以上の諸点を政府並びに日本放送協会当事者におかれまして、来たるべき事業年度におきまして極力その趣旨を徹底せしめるよう努力されんことを期待いたしまして、賛成をいたすものであります。
#49
○委員長(左藤義詮君) これにて討論は終了いたしました。これより本件の採決を行います。放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件、全部を問題といたします。本件に対し原案通り承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#50
○委員長(左藤義詮君) 全会一致と認めます。よつて本件は全会一致を以て承認すべきものと決定いたしました。
 承認することに賛成された方は順次署名を願います。
   多数意見者署名
    島津  忠彦  久保  等
    石原 幹市郎  津島 寿一
    石黒  忠篤  新谷 寅三郎
    山田  節男
#51
○委員長(左藤義詮君) 次に討論中に津島委員より提案されました附帯決議案を議題といたします。本件につきましては、津島委員の提案された通り附帯決議を附することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#52
○委員長(左藤義詮君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお本会議における口頭報告及び事後の手続等は、慣例により委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#53
○委員長(左藤義詮君) 御異議ないようですから、さよう決定いたします。
 なおこの機会に委員長から政府並びに日本放送協会当局に一言いたしますが、本件の提案が非常に遅延をいたしまして、審議の過程等においても非常な不便を感じました。今後かようなことのないように厳重に注意されたいと思います。
 次に、衆議院におきましては、只今も附帯決議のございました放送法の改正について、小委員会を設けて研究せられておるようでありますが、当委員会におきましては、電波行政調査の一環として今後主力を注いで参りたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#54
○委員長(左藤義詮君) さよういたします。
#55
○津島壽一君 只今御決定のありました附帯決議に対する政府の御所見を承わりたいと思います。
#56
○政府委員(飯塚定輔君) 只今御審議の結果御決定頂きました本法案に対しましては、当局といたしまして心から御礼を申上げます。
 なお只今委員長から特に御注意のありました提案の遅れましたことにつきましては、重ねてお詫びを申上げます。
 なお附帯決議として只今決議になりました四つの問題につきましては、当局といたしまして、速かに御期待に副い得るように努力いたしたいと思います。
 お言葉の中にありましたように、速かに放送法の根本的改正については、これは御審議中にも大臣並びに担当政府委員より、すでに当局においてはそれに着手しておることを申上げておりまするが、これも速かに成果を得るように努力したいと思います。
 なお事業の運営合理化等、更に難聴地域等に関しまして、或いは技術の公開等に関する御決議は、放送協会とも十分連絡をいたしまして、速かに御期待に副うようにしたいと存じております。
 なお、大臣が出席いたしまして、この問題についてお答えを申上げるはずでございましたけれども、先ほど委員長にまで申上げておきましたように、病気で休んでおりまするので、恐縮でありまするが、私代つてこの点について十分に大臣にも報告の上、速かに御期待に副うように努力したいと思つております。
#57
○参考人(古垣鐵郎君) 只今NHKの二十九年度の予算等に関します議案を御承認頂きましたことを厚く御礼を申上げます。
 なお、二十九年度予算案の提出に関し距して、私どものほうで編成の準備等に遅滞を来たしまして、本委員会初め国会に御迷惑をかけましたことは、申訳なく存じております。
 附帯決議についての四項目は、私ども心から共鳴いたしまして、今後御期待に副うようにいたしたいと思います。
 なお、御討論の際に各委員がお述べになりましたいろいろの有益なる御要望に対しましても、その意を体しまして、今後経営に邁進いたしたいと存じます。
 一応御礼を申上げます。
#58
○委員長(左藤義詮君) ちよつと速事をとめて。
  (速記中止〕
#59
○委員長(左藤義詮君) 速記を始めて。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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