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1947/11/21 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 予算委員会 第24号
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1947/11/21 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 予算委員会 第24号

#1
第001回国会 予算委員会 第24号
昭和二十二年十一月二十一日(金曜日)
    午後一時五十六分開議
 出席委員
   委員長 鈴木茂三郎君
   理事 稻村 順三君 理事 川島 金次君
   理事 小島 徹三君 理事 苫米地英俊君
   理事 庄司 一郎君 理事 川野 芳滿君
   理事 東井三代次君
      田中 松月君    加藤シヅエ君
      黒田 寿男君    島田 晋作君
      竹谷源太郎君    中崎  敏君
      中原 健次君    西村 榮一君
      安平 鹿一君    山花 秀雄君
      押川 定秋君    古賀喜太郎君
      五坪 茂雄君    佃  良一君
     長野重右ヱ門君    原 健三郎君
      山崎 岩男君    青木 孝義君
      淺利 三朗君    磯崎 貞序君
      植原悦二郎君    小峯 柳多君
      鈴木 正文君    西村 久之君
      今井  耕君    中村 寅太君
      野坂 參三君
 出席國務大臣
        内閣総理大臣  片山  哲君
        大 藏 大 臣 栗栖 赳夫君
 出席政府委員
        大藏事務官   福田 赳夫君
 委員外の出席者
        專門調査員   芹澤 彪衞君
        專門調査員   小竹 豊治君
十一月二十一日委員荒畑勝三君辭任につき、その
補闕として田中松月君が議長の指名で委員に選任
された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 昭和二十二年度一般會計豫算補正(第七號)
 昭和二十二年度一般會計豫算補正(第八號)
 昭和二十二年度特別會計豫算補正(特第三號)
    ―――――――――――――
#2
○鈴木委員長 會議を開きます。
 これより昭和二十二年度一般會計豫算補正(第七號)、昭和二十二年度一般會計豫算補正(第八號)、昭和二十二年度特別會計豫算補正(特第三號)を一括議題といたして討論に付します。討論は通告順によつて發言をお許しいたしたいと存じます。中原健次君。
#3
○中原委員 私は日本社會黨を代表いたしまして、ただいま本委員會に御付託になつておりまする補正豫算に對しまして、わが黨の意見を申し述べたいと考えるものであります。
 大藏大臣は本豫算を御説明になりまして、あらゆる困難を排して健全なる豫算を編成いたしたいという御説明をもつて終始されたのであります。なるほど體裁から考えますれば、確かに收支の權衡を失していないかのごとき感がないではないのであります。しかしながら問題はその現われております數字的な點をもつて決するのではなくて、それが内容をなす歳入歳出の點に關連して、健全と不健全とが決せられるものと考えるのであります。しかしながら思うに本年度のこの追加補正豫算は特に本年度はじめてその豫算編成の基礎的な諸條件が生れたのではなくて、すでに本年度本豫算において、あるいは前年度、前々年度の豫算においてその因子が貯えられておるわけでありまして、そのような過去の豫算との關連から思いますならば、今日のさし迫りましたいわゆる緊迫諸情勢の中において、實質的には健全ではないと斷ぜざるを得ないような内容を、また取上げなければならなかつたであろうということについて、一應の了解をすることができないというわけではございません。しかしながら少くとも片山内閣の性格から考えまして、そのような過去の因子を一掃して、少くともここに新たなる面目をもつ追加補正豫算であつてほしかつたと、われわれは衷心から遺憾を表明せなければならない次第であります。いろいろ申し上げたいことはございますけれども、今さらあまり多くの論を用いましても、この補正豫算に關する限りにおいてはいかんともいたし方のないことと考えますので、ただここに一、二のことを指摘いたしまして、申し上げてみたいと考えるのであります。
 少くとも豫算において最も重要視されなければならない問題は、いずれよりその財源を求めてくるか。すなわち歳入の求め方の可否いかんにかかわると考えるのであります。しかるにこの補正豫算におきましては、その財源の對象としていわゆる徴收しやすきものを對象として終始しておる。とりわけ税收入の大宗である所得税において見ましても、所得税收の中に、實質的な收入から考えますならば、勤勞者の所得税收入を主といたしておる。殊に一般の所得は申告をもつて取扱われるに至りまして以來、ここにその税收の成績を見ることもできず、從いまして所得税中の實際の收入面は、隱れ場所のない源泉課税である勤勞所得にその大部分が、求められておる。またその他の面について考えましても、いわゆる勤勞大衆が常にその負擔を感じ、非常に困難を經驗いたしております間接消費税に、その大部分が求められておる。このような事柄は少くとも勤勞大衆の生活に留意をせなければならぬ今日の段階において、最も愼しむべき事柄ではないかと思うのであります。今わが日本が置かれております經濟再建の構想から考えましても、勤勞大衆が眞に心を同じゆうして、安んじて生産の意欲をいやが上にも盛り上げて、しかして再生産のために心身ともにそれに打ちこみ、わが日本の經濟再建の重要なる役割を果し得るという事柄が、何よりも大切なのであつて、それをなすためには、勤勞大衆に大いなる犧牲を強要するというようなことがあつてはならないのであります。しかるにこの豫算によつて考えますならば、勤勞大衆に押しつけたその犧牲があまりにも過大である。これを目を轉じまして、しからば財源の求め方をいかなる方向によるべきかと思いますならば、少くともわが日本の現在の經濟諸情勢のもとにおきまして一番中味のある財源は、何と申しましてもあの戰爭中使いました二千二百億の豫算の消費對象である軍關係の諸物資、その軍關係の諸物資が敗戰の瞬間において各方面に分散、散在いたしておるのでありますが、いわゆる隱退藏物資、この隱退藏諸物資の跡始末に重點を置かなければならないということは、また議論の餘地のないところであると考えるのであります。もちろん現在の内閣は、組閣以來隱退藏物資の追究については、日夜いろいろなる苦心を拂つておることを認めるものではある。また特別委員會をもつてこの點についての處理に、重要なる努力が拂われておることも承知いたしておりますが、なおかつその究極の成績を收めるまでには至つておらぬのでありまして、殊にまたこの隱退藏諸物資に對しまする追究は、同時にその隱退藏諸物資のもつておりまする物力、經濟力、それを國の歳入を賄うための對象に轉換させるような處置が講ぜられなければならぬと思うのであります。隱退藏物資について本年の三月であつたかと思いますが、さきの九十二議會におきましても、決算委員會の席上の隱退藏物資處理委員會の副委員長の言によりましても、大體マル公價格にして五百億圓程度のものがあろうと證言をいたしておられましたが、その後いろいろ各方面からの情報によれば、實數はそれに倍するものがあるであろうとさえ言われておる實情であります。また國民はこの隱退藏物資を、各地に目のあたりその肉眼をもつて散見いたしておるのでありまして、この隱退藏物資の處理がほんとうに徹底的に、成功的になされますならば、恐らく現在わが日本が置かれておりまするこの財政上の痛苦を解消するに、少くとも相當部分の役立ちをなし得るであろうと考えられるのであります。從いまして政府はこの隱退藏物資の處理とその解決について、一層の努力を拂うと同時に、これを國家財政の歳入對象として、十分の措置を講ずべきものであると考えるのであります。さらにこのような考え方からいたしまして、少くとも今後の措置は、從來の取上げ方とはまつたくその方法を異にすることを必要とすると考えるのであります。從來のような、いわゆるもてる階級に對してあまりにも遠慮勝ちであつた、むしろもてる階級に對して阿諛迎合するというようなきらいのある行き方を、大膽に改めて、少くとも現下のわが日本の窮状を眞に見詰めることができるならば、そのような躊躇をすることはもはや許されないのでありまして、少くとも可能な面から、擔税し得る面から、その財政の收入源を求めなければならぬと思うのであります。從いまして本年度のこの補正豫算に關しまする限りにおいては、そのような大膽な措置を講ずることの困難であつたことを思いまするために、一應それをそのままに見送りはいたしまするけれども、この點を十分、次年度の豫算編成にあたりましては、少くともこのわれわれの指摘にこたえるような努力を要請してやまぬのであります。さらにここに配付されておりまする文書によりますると、自由黨西村君の修正案がございまするが、この修正案に對しまして一應私どもの見解を申し述べてみたいと思うのであります。
 まず歳出の面でありまするが、酒類の配給公團等に支出豫定額四億なにがしを修正減額するという項があるようであります。私どもは現在わが日本の歳入對象として、最も大きなるものを酒の中に求めておりまするが、同時にまたこの酒は國民の生計費中のかなり相當の部分を占むるものなのであります。從いまして配給公團の過ちなき機能の活動によりまして、この酒のやみ、横流れを完全に食止めることができるならば、國民の生計費の負擔を輕減することはまた言うまでもございません。このようなことを思いまするならば、一應ここに私は横流れ、あるいはやみ買の部分を一年百萬石と假定いたしまして、これを安くみて大體平均五百圓とみましても、そのやみと横流れのための過重負擔は、およそ五十億に相なるかと思うのであります。このような過重負擔を緩和し、眞に國民の消費生活の面を、より低い線に切下げることができまするならば、この公團の機能の働きに期待するところもまた必ずしも小ではないのではないか。さらに産業經濟費中の農業生産調整費についても、同樣減額の修正案が窺われるようでありまするが、なるほど農業生産調整そのものにつきましては、もちろんいろいろ議論もあると考えられまするけれども、今日わが日本のおかれておりまする食糧事情を考えまするならば、少くとも供出米の確保、あるいは農業生産に關する重要なる措置といたしましては、このやむを得ざる情勢下において、農業生産調整法の效用を十分發揮せしめるために、最も積極的でなければならぬと思うのであります。從いましてこれらに關する諸經費としての――全豫算から考えますると、大して大きな部分ではないこの減額を、この場合必要とするということ、そのことに對していささか疑念をもたざるを得ないのであります。少くとも農業生産に關しまする限りは、この際相當積極的な支出をさえ必要とするのではないか、かようにわれわれは考えるものであります。もつともこれは法律案とも見合いになりまして、いろいろな御議論も漏れ聞いておるのでございまするけれども、少くともこの財政の建前から申しまするならば、これは兩者ともに進行してよろしいものであると考えるのであります。殊にあらかじめこれが通過をみなければならぬと考えられておりまする問題である限りにおいて、この減額修正のことは、必ずしも妥當ではないというふうに私どもは考える。從いましてこの歳出の修正に關連しての歳入の修正面でありまするが、これについても、從つて歳出の面の必要を認めまするならば、これとの關連による歳入の減額も、當然理論的なつながりをもつものでありまして、必ずしもこの歳入面における減額修正を、この面においては少くとも必要でないというふうに考えるものであります。
 われわれは少くとも今囘のこの補正豫算に關しましては、十分審議し、これを盡して、國民の了承し得る程度の議論をもつて結論を求め、そうしてわれわれの確信に滿ちた決定をみたいと考えたことでございましたが、はなはだ殘念ながら時間の關係もあり、いろいろな支障に妨げられまして、十分の審議を盡すことのできなかつたことを遺憾に思うのであります。從いまして本豫算を承認するにあたりまして、私はここに一、二のことを申し上げておきたいと考えるのであります。
 さきに豫算委員長から政府に要望されておられましたが、すなわち次年度、昭和二十三年度の豫算の提出のことにあたつては、少くとも今囘のような時間的な窮屈を與えることのないように、十分これを審議し、討議するための時間を與えるような餘裕をもつて、次年度の豫算はこれを提出してもらいたい。そうして國會は十分の時間をもつて、國民の意思を率直大膽にその豫算の上に現わさしめて、そうして必要ならばまた容赦なき修正を加えることもせなければならぬと考えまするし、また政府はそれだけの十分のゆとりをもつて、次年度豫算の提出をお取運びが願いたいと考えるものであります。
 さらに官公廳の職員給與に關する問題でありまするが、さきに中勞委からその仲裁案が提示されましたが、その中勞委の裁定につきましては、政府はあらかじめ中勞委の意思を十分尊重するということを繰返し御言明になつておられましたのでもありまするし、かつまた中勞委の權威に對しましても、少くとも政府はできるだけの誠意をつくさなければならないということは、今さら議論の餘地のないところであります。從いましてこの中勞委の裁定に對して、あくまでこれが實現を期するための十分の努力を拂われまして、遲滯なく官公廳職員諸君の期待にこたえるようにお骨折りを願いたいと思うのであります。もちろん政府はそれだけの誠意を示して、十分の御審議のことと考えますが、私どもはこの官公廳職員諸君に對する生活補給金の問題に關しまして、政府が財源さえあれば何とかこたえることができるというふうに言われたと思いますし、またさきに第二分科會におきましても、勞働關係の主務大臣である米窪氏もそのように誠意をもつて答えていられたのであります。私どももその財源については三、四の心當りをもつているわけでありまして、殊に公廳會におきまして、全財勞働組合の品川君の證言によりましても、およその見透しがつきますように、今囘のいわゆる價格差益金の問題であります。この價格差益金の問題にいたしましても、政府はようやく百億を計上しているに過ぎませんけれども、實際税務官吏が誠意を傾けてその徴收にあたることが許されるなら、税務官吏は税務官吏の責任において、優にそれに三倍するものを徴税し得るであろうということを、この席上において言明しておられましたが、これは少くとも責任ある勞働組合の執行委員長として、殊に公廳會に臨まれました人の責任において、おそらく根據のない發言ではないと私は固く信じておるものであります。從いましてその措置よろしきを得ますならば、おそらく價格差益金收入から考えましても、優に今囘の官公勞に對する新給與の措置はなし得ると信ずることができるのであります。たまたま話が全財勞組に及んだのでありますが、今後わが日本の財政を健全ならしめるための最も大切な一つの對象は、この税務官吏をして心魂を打込んでその職責にあたらしめることのできる體制をつくることであると思うのであります。今や税務關係の職員諸君は、ほとんど文字通り窮乏の中に追いこまれ、ときには許すべからざる良心を犠牲にして、いわゆる役得の行爲をなすことさえあるというようなことを、みずから歎いておるのでありますが、少くとも政府はこの際税務關係の職員諸君の處遇問題について、最も大膽なる取計らいをせられる必要があるのではないか。そうして税務關係の政府職員が顧みるところなく、その職責に集中することができるならば、おそらく政府が今後立てられるであろうところの歳入計費について、十分の實績をあげることができるのではないかと考えるのであります。話はそれましたが、そういう意味においてこの官公廳職員の給與問題に關しては、確信をもつて政府は突き進んでいただきたい。何ら躊躇逡巡することなく、大膽にこの中勞委の裁定にこたえてもらいたいということを、私は衷心より懇請してやまない次第であります。このことが決して官公廳職員の十分なる滿足を滿すに足るものだとは考えておりませんけれども、少くとも暫定措置として、今日の窮乏打開の一つの方途として、これだけのことは取上げられなければならぬのではないか、このように考えるものであります。殊に今後のわが日本の經濟再建の構想の最も大切な點は、ある程度までの統制が強化されていかなければならぬということとの關連において考えますならば、特に官公吏諸君が、從來のような心構えを完成に一擲いたしまして、眞に官公廳の職員諸君が日本民主化の先導者として挺身することのできるような體制をとらしめることが、最も大切であると考えるのであります。從來統制という問題に關連してすぐに起りますことは、いわゆる官僚統制の弊に對する國民の不愉快な思い出でございますが、今後わが日本における統制の行き方は、從來のごとき不愉快なる印象をもつて今日までまいりましたあのような意味の官僚統制であつてはならないということは、いまさら申し上げるまでもありません。しかしながらこのままにして進みますならば、やはり依然としていわゆる官僚統制の弊を繰返すのおそれなしといたさぬのでありますが、今後はいわゆる官公廳の民主化の徹底をはかり、民主化を徹底的に十分になし遂げまして、官公廳の職員諸君が、おのずからわが日本の民主主義達成のための先導者としての自覺をもつに足るような處置をもつて臨みたいものと考えるのであります。このようなことはただ單純に考えますと、官公廳の職員諸君の給與その他の處遇に必要な經費は、一にかかつて國民の負擔、犠牲であるというような考え方がただちに起り、またそういう吹聽をする人々もあるのでありますけれども、これは職員諸君が眞に心を打ちこんで國の再建に挺身し、そうしてわが日本の民主化徹底のために盡すことができますならば、それは十分これをカバーして餘りあるのでございます。從いましてそのような點についてはいささかも遲疑逡巡する必要はない。これだけの誠意を傾けて政府が待遇するにもかかわらず、官公廳の職員諸君が、もし依然として舊態依然としてその弊風を改めないということがもしありましたならば、そのとき初めて官公廳の職員諸君に、國民の最も峻烈なる批判が下されるであろうと考えるのであります。彼ら職員諸君は、もとより顧みてみずからを責めるの誠實をもち、良心を十分にもつていると信じております。このようなことに關連しまして、もとより官紀肅正の徹底を期するということは言うまでもなく、また同時に機構の擴充強化についても十分の心を傾けなければならぬことは言うまでもございません。かようにいたしましていわゆる政府の全機構をまつたく一新し得るに足るだけの條件を、ここに確保していかなければならぬと考えますし、このことに關連いたしまして、あくまで官公廳の事務能率の向上、簡素化、民主化の徹底ということは、當然これに附加して斷行しなければならないことであると考えるのであります。
 以上のやうな觀點から、少くとも政府はあらゆる面において一大轉換を要することと考えます。從いまして從來のような慣習をそのまま繰返すことも、大膽率直にやめてもらい、そして少くとも今後は政府の編成いたしまする豫算の内容としましては、今日のこの補正豫算に見るがごとく、極端な表現をもつて申しますると、石橋財政のむし返しではないかというようなことを言われ、あるいは思われるようなおそれのある行き方を、斷然清算してもらいたい。そして少くとも社會黨を首班とする現内閣におかれましては、社會黨のもつておりまする諸政策を十分豫算の中に具體的に織りこむような措置を講じてもらいたい。國民は社會黨に對して今期の政權を擔當せしめるの要請から、ともかく社會黨を第一黨たらしめたということは、必ずしも偶然ではない。わが日本の行き詰れる經濟打開の唯一の行き方は、少くとも經濟民主化の徹底、政治の民主化の徹底、このことを國民は期待いたしておるのであります。從いまして特に經濟民主化の面におきましては、社會黨がかねがね約束しておりまするような、重要産業に對する國營、あるいは國營につながる強力なる國家管理の斷行、このような事柄が國民の要請に答え、わが日本國家再建の要素の重要なるものであると私どもは固く信じておる次第であります。希わくはこれらの諸點を勘案されまして、次年度の昭和二十三年度豫算の編成にあたりましては、十分の考慮を拂われて、その豫算の面に具體的にこのことを表現いたしていただきたいと希望してやまぬ次第であります。
 以上をもつて次年度豫算に對する希望を加え、そしてここに提出になつておられまする補正豫算に對しまする贊成の意見を申し述べた次第であります。
#4
○鈴木委員長 次は鈴木正文君。
#5
○鈴木(正)委員 本補正豫算案に關して日本自由黨の意見を表明いたします。
 今囘の補正豫算は、本年の七月に實施された新物價體系の影響を受けて、本豫算を修正せざるを得なくなつてきたところに根本的の理由があるということは、大藏大臣も衆議院の本會議における財政演説で述べておられる通りであります。從つて補正豫算を通觀して、國家活動の上にも、あるいは民間の企業の上にも、何ら積極的な復興の意圖も、方式も盛られておらず、單に擬制的な數字の上における健全財政の形骸だけが竝べられて、物價の昂騰に處しておるというのが、大體において本豫算の性格であり、そういうた結果を生じておるのはまことに當然であると思うのであります。しかもこの補正豫算は大藏大臣の呼號するところの健全財政、健全金融とはおよそ反對に、豫算自身それが進行の過程において、その編成の基礎となつておる新物價體系をつき崩して、第二、第三の物價體系の制定を餘儀なくする性質をもつておると同時に、本年度中にも第二、第三の補正豫算を提出せざるを得なくなるであろうという、重大な自己矛盾を包藏しておるものと思うのであります。その理由は大體次の通りであります。
 まずこの補正豫算における歳出の中で、終戰處理費、賠償施設處理費、價格調整費、公共事業費その他補助的のものを合わせますると、追加豫算額の九百二十一億圓のうち、これらのもので約八百億圓に達するのでありまして、これらが直接に生産増強という方面に働かないということは、性質上やむを得ないと思うのであります。さらにもし政府が中央勞働委員會の裁定に從つて、官公職員の待遇を引き上げるとするならば、ここにも同じ性質の支出が百億圓前後要するということになるでありましよう。これに對して歳入の方はどういう形で、いわゆる形式的健全財政のつじつまを合わせておるか、大藏大臣は衆議院において、當初補正兩方を通じて二千六百六十億圓の歳入の中で、租税收入によるものが、補正分六百三十七億圓、當初豫算を通算して千三百三十二億圓であり、歳入のうち租税の占める比率は、追加豫算のみで六九%、當初豫算を通算して六五%であつて、それから直接税と間接税との比率は七對三というぐあいになつておる。であるから健全財政の態樣というものは、決して破れておらないというふうに説明されております。しかし租税體系の内容を見るならば、わずかに非戰災者家屋税、非戰災者税などのほかは、いずれも單に税率を平面的、機械的に引上げを行つたというのにすぎないのでありまして、それからもう一つは自然増收を勝手に歳入と見合う程度の數字において竝べたというのにすぎないのであります。まずこれらの全般的の最近の變化に應じたところの税制の根本改革というような、最も重要な問題に對しまして、手をつけようというような氣魄は、その片鱗さえも現われておらないのであります。すでにしばしば指摘された通りに、上半期において豫定額に對する三割前後の滯納があり、これに追加豫算に示されたところの厖大な租税を合わせて、本年下半期において徴收されるのであるといたしましたならば、おそらく大藏大臣の御答辯のいかんにかかわらず、それが完全に行われると考えておられないだろうと思うのであります。税務官吏の待遇というような問題は、われわれもまた當然これを斷行すべきものであると考えておりますけれども、それをしたからといつて、根本的にむりのあるところの租税體系を、飽和點をすでに突き破つてしまつたところの國民の擔税力、この二つの大きな穴を埋められるかどうかということは、とうてい考えられないのでありまして、年度末までにこの面から來るところの政府の支拂超過というものは、おそらく相當の額、數百億圓に達することになるだろうと思うのであります。加うるにさきにも申しました通りに、おそらく明年匆々、あるいは本年中にも、政府はさらに諸般の情勢から考えまして、新しい追加豫算を出さなければならないと思うのであります。そこにも租税の増徴が伴つてくるので、これらの面を總合しただけでも、健全財政はすでにむしろ單純な徴税の面において、算術的に完全に破れ去つておるといつても過言ではないと思うのであります。さらに根本的な破綻は、大藏大臣が豫算編成の基礎としたと言われておるところの物價體系の破綻の中におるのでありまして、しかもこの豫算そのものが、物價體系を必然的に自分から破綻せしめていくであろうというところの要素を、多分に含んでいる點にあると思うのであります。一體千八百圓ベースは、これを堅持するかどうかという議論が行われているし、政府も今日でもこのベースを堅持すると言つておりますけれども、今日すでにまつたく崩壞してしまつているということは、詳しく言うまでもなく、政府も實は承知しておられるだろうと思うのであります。もつと端的に言うならば、本年の七月にそれが決定されて以來今日まで、一瞬間といえども、實はこの千八百圓ベースは現實には成立しないといつても過言ではないと思うのであります。つまりこの豫算はすでに崩壞しているところの千八百圓ベースの上に立てられて、さらに豫算自身がそのベースの崩壞に加速度的に拍車を加えるという性質を内藏しておるのであります。
 では、どこにそういつた性質が内藏されておるか。第一に無理な機械的の租税徴收によつて滯納を生じ、數百億圓政府の支拂い超過が招來されるであろう。結局大藏大臣の辯明にもかかわらず、日銀によつて赤字が始末されなければならないという状態になる。ここにインフレの基因の一つが横わつている。それから復興金融金庫の政府出資は、豫算面においては百億金となつておりますが、それくらいで、いわゆる産業資金が賄えるはずがない。おそらく四百億圓くらい以上放出しなければ、民間事業は崩壞してしまうであろうと思うのであります。これを復興債券で賄うとしても、現在の情勢においてその大部分は、おそらく結局日銀の背負いこみという形に、何らかの形でならざるを得ないと思うのであります、しかも、復金は當初の使命があるところの復興的の金融よりも、救濟機關としての仕事に忙殺されている現状でありまして、生産増加という積極的な面にこれらの資金が向けられるということは望み薄なのであります。かつての日銀による軍需資金の紙幣發行ということに代つて、復金というトンネルを通してインフレ助長の大穴は、大藏大臣の説明いかんにかかわらず、實は完全に塞がれておらないのでありまして、財政資金の膨脹からくるところの産業資金への重壓は、この復金というトンネルを通して、資金のつじつまを合わせていくより仕方がないというようなことになりはしないかと思うのであります。次に必然的に提出されるであろうところの、今後の追加豫算の施行からくるところの相當量の支出が豫想される。その額を今から計算するということは、資料を持たない私どもとしては不可能でありますが、これもおそらく相當量にならざるを得ないと思います。ここからも相當量の實質的の赤字が出るにきまつておるのであります。以上を合わせて考えるとき、大藏大臣の言うように、赤字による日銀券の増發を抑えるということは、この豫算の性質上絶對にできるはずがないのであります。そうして政府の支拂い超過と、民間金融に對する日銀の支拂い超過とを合わせるならば、おそらく巨額、――人によつては千億以上というふうなことを言つておりますが、千億を越すか越さないかは別といたしまして、相當巨額なものがここに現われてくるだろうと考えられるのであります。
 以上が健全財政と健全金融のやがて露呈すベき實態でありまして、こういう状態のもとにおいて、インフレの増高、物價の急騰は、貨幣面からみて必至だと思うのであります。一方生産の方は例年のごとく下半期において下降する。特に石炭、電力等の現状をもつてするならば、下降線というものは、例年よりは急カーブを描きこそすれ、例年よりは良好なカーブを描くというようなことは、とうてい考えられない現状なのであります。物資との見合いにおいても、インフレ高進は當然拍車をかけられざるを得ないと思うのであります。こうした情勢にて、經濟白書にうたわれたところの國家財政と、企業と、家計と、この三つの總合性というものがはたして保たれるであろうか。大藏大臣は間接税増徴を極力避けて、大衆負擔を輕減したと言つておられるけれども、補正豫算について見るに、所得税、總合所得税、非戰災者家屋税、非戰災者税等を合わせて、直接税の系統で三百八十億圓に對し、間接税約二百億圓、タバコ專賣收入二百五十九億圓であつて、大衆の負擔が輕減されたなどという説明は、とうてい私どもには受取れないのであります。
 さらに、これは直接豫算に關係はない問題でありますが、主食の配給を受けるための支出の増加、生計費の増加というものは、豫算面には現われておらないけれども、大衆の生計費の大きな重壓となつてくるだろうということも豫想されると思います。それから、鐡道、通信等の赤字も、政府がしばしば説明した通りであります。一般會計から七十五億圓を補給しておるけれども、なお厖大な赤字が殘されておるので、鐡道運賃、通信料というものの値上げは必至であり、それが大衆課税の性質を帶びたものであるということも言うまでもないことであります。これらのすべての點から總合して、千八百圓ベースはすでに完全に破れ去つておるのである。この豫算の編成された基礎が崩壞しておるのであります。さらに、豫算を實行することによつて加速度的に崩壞されていく性質を、豫算自體がもつておるわけなのであります。おそらくわが國に今日まで現われた豫算の中で、今日の補正豫算ほど性格の破綻した、矛盾の多い豫算はないと思うのであります。もちろん私たちも今日の日本の外的の立場の微妙な關係、内的條件の困難等は十分考えております栗栖大藏大臣の苦衷を了とするものでありますけれども、それにいたしましても、この豫算はこのまま遂行していつたならば、インフレの最惡の段階に突入すること必至であり、とうてい健全豫算などではあり得ないと思うのであります。しかし、この中には終戰處理費も含まれており、かつ政治經濟の空白を眼前にいたしました今日の状況から考えるに、根本的の修正のごときは困難であると考えますので、自由黨といたしましては、別に一部の修正案を提出してあるのであります。
 修正案の問題に、先ほども社會黨の中原委員から御批判もありましたが、私ども自由黨の考え方といたしましては、酒額の配給にいたしましても、もちろんその適正な配給という問題は、社會黨に劣らず十分考えておるのであります。しかし、戰爭以來失敗の極印を捺されておる官僚統制の弊に堕すおそれが多分にある公團の制度――官僚統制の弊を避けるべしということは、社會黨の諸君もしばしば言つておられるのでありますが、その弊に陷る危險の多分にある公團制度そのものによらずして、別箇の觀點に立つた、妥當適正な配給方法を採用するというのが、自由黨の考え方なのであります。また農業生産調整法についても同樣でありまして、私どももまた現在の日本の實情からして、農業生産面においても、農業生産物の配給においても、妥當適當な統制を加えていくということは、決して反對ではないのでありまして、それに對する自由黨としての政策も準備はしているのでありますが、ただいま議會に提案されている臨時農産物生産統制法は、私ども自由黨の考え方といたしましては、まつたく根本的に反對であり、現在の日本全體の經濟統制とのつり合をはるかに行きすぎて、うつかりするとせつかく社會黨の諸君の努力によつて、農地改革を通して解放された農民諸君を、別の形でもつて奴隷化するおそれさえあるという考えのもとに、私どもは別個の形でこの問題を取扱わんとしておるのでありまして、あの調整法全體については反對の立場をとつているのであります。從つてこれに計上せられたる經費に對しましては、考え方が違うのであります。かつこの二つの法案とも現在まだ成立するかしないかわからない立場に立つておるのでありまして、これを今この補正豫算のうちに計上するということは、財政技術から言つても妥當でないと考えるのであります。私どもがここにこの修正案を提出した意味は、こういつた考え方と、もう一つは、この豫算を通じまして大衆への課税が――これは社會黨の委員の方たちも、その他の政黨の方たちも、委員會においてしばしば指摘せられたところでありまして、一擧にこれを取除くということは困難にいたしましても、多少でも、金額は少くとも、でき得る面においてこの考え方を表現したいという意味のもとに、本修正案を提出した次第なのであります。
 修正案とともになお最後に、以上申しました趣旨を總括いたしまして、政府に對して次の諸點を強く警告し、本補正豫算の修正案以外の部分につきましてはこれを認めることにいたしまして、その警告の内容を附け加えて申し上げておきたいと思います。
 一、行政整理及び企業整備を速やかに斷行してインフレ高進の根因を芟除すること。
 二、税率の機械的引上げによる増收を再檢討し、國民の負擔力を勘案し、税制を根本的に改正して實收の増加を期すること。
 三、歳出各部門に對し嚴格なる監査を實施し、支出の適正化を期すること。
 四、形式的健全金融の生産の復興を阻害しつつある實情に鑑み、すべからく生産とつり合う彈力性ある産業金融政策を樹立すること。
 五、官公職員、特に税務官吏の待遇に關しては、その生計の實情を勘案し、速やかに適當の措置を講ずること。
 六、災害復舊費竝びに六・三制豫算の増額に關しては、速やかに追加豫算を提出すること。
 七、國鐵特別會計における食糧増産費三千萬圓は、食糧行政に對する異例の取扱いなるについき、次年度よりこれを全廢すること。
 以上であります。
#6
○鈴木委員長 次は押川定秋君。
#7
○押川委員 民主黨を代表いたしまして討論をいたしたいと思います。
 本提出の追加豫算案は、御承知の通りわれわれのかつて體驗したことのない特段の時局にあたりまして、つじつまをとにかくもつけられたいわゆる政府の健全財政と言われる豫算案を御提出に相なりましたことは、少くとも當局の御苦勞を感謝しないわけにまいらぬと思うのであります。委細にはいつて相當論議を盡したいと思つておりましたが、社會黨の諸君や、自由黨の諸君がこまかに御討議に相なりましたから、民主黨といたしましては重複を避けまして、簡單に要點だけを申し上げてみたいと思うのであります。
 歳出の面について考えてみますると、本委員會におきまして本日までにおいてすでに次の豫算が出てくる、追加がさらにあるということは、當然にわかり切つたことであります。從いまして、ただいま論議をいたしておりまする本豫算が、歳出の上において相當これに増加されるのであるということは、私が申し上げなくてもわかると思います。從つて健全財政の方式から申しまして、歳入は別として、歳出という面から考えましても、當然にこの九百三十億の額よりは上つてくる、こういうことがわかるのであります。從つてこのままでいきまするならば、當然本年度内においてすら、この健全財政の方式を破棄しなければならぬということに相なるのではないかと非常に憂うるのであります。こういう觀點から考えまして、民主黨といたしましては、この矛盾を解決いたしまするためには、大方の諸君が指摘いたしておりまする通り、行政の整理と勞働に對する方策を速やかに立てられまして、斷行されたいということを希望いたしておかなければならぬと思うのであります。かくのごとくいたしまして、どうか支出の調整を今より完全にはかつていただきたいということをお願いいたしたいと思います。
 次に歳入の方面から考えますと、歳出の方面にわたつて先ほど社會黨の代表から御議論がありましたが、中勞委の裁定に基いてこれを圓滿に政府が實行していくようにということであります。そういうことになりますると、從つて歳入の面にこれが増加をいたしてこなければならぬということに相なろうと思います。歳入から考えてみますと、世の中にはいろいろ議論をする人がたくさんありまして、非戰災者税竝びに非戰災家屋税というものが、まだ餘分にとれる餘地がある。あるいは價格差益税は相當收入の見込がある、と言われている方もあるのでありまするけれども、私どもの考え方からいたしますると、本年の四月に實行いたされました財産税竝びに増加所得税におきまして、いずれの方面が一番打撃をこうむつたか、こう考えてみますると、これは農村であります。全國の農村は昨年來黄金の波がだぶついていると言われましたが、本年の春におきまして、かかる特別税をかけられました結果、今日農村の資本の枯渇いたしておるということは、當局もよく御承知であろうと思います。ここに非戰災者税竝びに非戰災家屋税をかけられますことは、結局は負擔するところは農村ではないかと憂うるのであります。また物の價格の差益税というものを相當見積つて、あるいは百億という人もあるし、ある方からは百三十億という議論も出たのでありますが、かようなことになつてこれが徴收をするということに相なりますると、ここに私は大なる蹉跌が來ると考えるのであります。なぜかというと、物というものは始終動いているのであります。この動いている物にある時點をもつてかけるのでありますから、結局今日のこの危局に瀕したわれわれの生活から、われわれの經濟から、この動いているある時點をつかまえてやつておりますると、一年も一年半も前の時期をつかまえておるわけであります。それが一年半なり一年なり經ちました今日においては、相當にこの間たけのこ生活をやつているのでありますから、新たに前の時點で税金をかけられることによつて、相當の苦痛が増してくることは明らかとなつております。かように考えますと、大衆のためには相當の税金を減らしていかなければならぬ。その他の産業資本というような方面においては、支出に要する金がだんだんと増加いたしますものの、ほとんどこれで賄えということになりますと、負擔の均衡ができるかどうかと考えるのであります。なるほど今日の時局は、今までの時局と變り、國民ひとしく平等に、この大負擔を背負いこみまして、日本の再建に向つていかねばならぬことははつきりしております。しかしそのためには大衆であろうと、資本家であろうと、産業家でありましようとも、ひとしく公平な、均分による税金であるならば、當然これを負擔して日本の再建に努力しなければならぬと考えますから、この點につきましては、收入の面に特に政府は御留意を賜わりまして、現實のわれわれの生活の上において負擔力のあるところに、その性質のいかんを問わずぜひ御勵行になつて、收入を得ていただきたいと、こう希望しなければならぬと思います。今囘の厖大豫算におきましての收入は相當の見積りでありますが、考え方によつてはまだ餘裕があろうという考えがあるかもしれません。しかしながら私ども關知するところによりますと、勤勞者大衆のみならず、一般國民が生活の上において困難をいたしておるということは、ひとしく事實でございます。かかる觀點よりしまして、九百三十何億というものを、はたしてとれるかどうか非常に懸念されるのであります。さきに一千億近くの財産税をおとりになるというもくろみでやられて、その收入がその三割以上未だに未收入である。ほんとうにとれたのは半分くらいにすぎないということを考えてみましても、こんどの收入の豫算が、はたして完全にいけるかどうか、われわれは疑わざるを得ないのであります。かような關係でありますから、健全財政を立てられましたならば、健全財政という紙の上の計數では、私は健全財政ではないと思います。豫算の執行にあたつて、結果が双方ともに償いましたならば、そこに初めて健全財政ということが言えると考えますので、民主黨といたしましてはぜひ最後の健全財政をよく堅持していただきたい。紙の上の健全財政でなく、實行の上の健全財政をもつていつていただきたい、こういう考え方をもつものであります。
 以上の通り、抽象的な簡單な意見を述べまして、時局やむを得ない今日の提案であると考えますから、本追加豫算に贊意を表しまして贊成意見を述べた次第でございます。
#8
○鈴木委員長 次に川野芳滿君。
#9
○川野委員 私は國民協同黨を代表いたしまして、本案に贊成の意を表せんとするものであります。
 昭和二十二年度の追加豫算は、一般會計竝びに特別會計を合わせますと厖大なる數字に上るのであります。厖大なる豫算が、表面は健全財政堅持の建前から、數字はつじつまは合つておるのでございますが、しかしその内容を檢討してみますと、將來の負擔に讓るべきものや、あるいはまた近く莫大な追加豫算が豫定され、あるいはまた鐵道運賃、通信料等が大幅に値上げされる兆しも、本豫算の中に見出されております。また國民大衆に過重の負擔を負わしておるのでございまして、本來から申しますならば、國民協同黨といたしましても豫算の修正をいたしたいのである。しかし現下の實情は國會の會期も餘すところ少く、しかも本豫算の中には、生活に密接の關係が非常に多く、近く支出に迫られておる關係もございますので、修正をやめまして希望條件を附して原案に贊成いたすことにいたした次第でございます。今日國民生活の安定ということが最も必要な問題でありまするが、國民生活の安定の一環として、政府は先般新物價體系をお定めになつたわけであります。總理大臣、安本長官の御意見を伺いますと、はね返しを豫想して大幅に引上げた、こういう答辯でありまするが、しかし大幅に引上げた新物價體系が堅持されることになりますならば、私は現内閣の新物價體系は、大成功であつたと言わなければならないのであります。しかし新物價體系の一部はすでに崩壞をいたしておる。すなわちその一環をなす千八百圓ベースの點を考えましても、官公吏以外の民間の賃金水準というものは、九月には二千四百圓になつております。また今囘中勞委の裁定をみましても、生活補給金として相當の金額を官公吏に支出せよとの裁定があつたようである。政府におかれましても多分この裁定を受け得られるものと考えまするが、そういたしますと、官公吏の俸給水準というものも、千八百圓ベースを實際的に上まわることになつてまいると考える。なお近く鐵道の運賃竝びに通信料の大幅値上げが實施されることになりますると、これによりまして物價水準に影響をきたすことは當然である。しかいたしますると、現在においてもすでに新物價體系の一翼というものは崩壞いたしておつたのでありまするが、近き將來においてはこれはほとんど全面的と申しましても差支えないような崩壞になるのでないかと私は考えておるのであります。私は政府に對しまして新物價體系の失敗に對して非難をいたすものではございません。政府においてはすべからく今囘とり行いました新物價體系につきましては、これは失敗であつたという點をお認めになりまして、潔く千八百圓ベースを變更になり、新物價水準をおつくりになつて、しかもその場合には業者等の御馳走政策にお迷いになることなく、獨立の觀點から御研究になつて物價水準をきめる、こういう方針の下にやつていただきたいと私は考えておるわけであります。今日官公吏等の俸給水準によりましても、千八百圓ベースでは食えないということは當然である。相當値上げをされるものと私は考えておるのでありますが、これについては財源等もございませんので、政府は速やかに行政の整理を斷行されたい。しかもその整理は思いきつたところの整理を斷行していただきたい。從來過去の内閣におきましても、行政整理というものは斷行されましたが、ほとんどおざなり的の行政整理に終つているのでございますので、今囘はひとつ思切つた行政整理竝びに企業合理化をやつていただきたいと存ずる次第であります。
 次は六・三制竝びに災害復舊費の問題でありますが、この問題につきましては、總理大臣、大藏大臣より近きうちに追加豫算として、あるいはまた豫備金の中より必ず支出する。こういう御言明がありましたので、これ以上私から申し上げることは必要ないかとも考えますが、しかしこの二つの問題は、今日國民が非常に關心をもつて臨んでいる問題でございますので、速やかに豫算的措置を講じてもらいたいということを希望する次第であります。
 なお金融機關の補償百億が今囘削減に相なつておりますが、しかし農業會の解散を間近かに控えておりますので、この農業會解散の圓滿なる實施に支障ないように、これまた豫算的措置を講じていただきたいと考えます。
 なお治山、治水及び水利の根本對策の問題であります。この問題は今日非常なる災害が起つておりますが、その根本的原因を取除かなければ、災害というものは年々歳々その累を及ぼすものと考えますので、至急に根本的對策を立てていただきたいと考えます。なお土地の改良費等につきましても、相當なる豫算を計上になり、そうして食糧増産に資していただきたいと考えます。なおまた食糧確保の上に、農業技術員が研究するために、相當費用を計上していただきたいと願うわけであります。なお先刻もいろいろ同僚からお話がございましたが、今日まだ國民に納税の負擔力あるようなお話の方もありますが、私をして言わしむるならば、今日國民の納税負擔力というものは、私は絶頂なりと申し上げたい。殊に本豫算におけるところの租税の未徴收が四百億、今囘また六百億の税金が賦課されるということになりますと、本年の末から來年の春にかけまして、一千億の税金を國民の頭上に割當てるということになります。これは國民にとつて相當なる負擔であると私は考えますので、今囘の税金を國民に負擔せしむるにあたりましては、國民が納得するような課税をしていただきたいと考えます。本年の三、四月のころには相當に國民より税務署に對して怨嗟の聲があつたようであります。すなわち現在においては、財務當局が地方税務署に對しまして、税金の割當をする。そうすると地方税務署は、その税金の割當の上まわりをとるように賦課する。こういう事柄が國民に無理な課税を強いることになりまして、税務署に對する怨嗟の聲になつてまいつたのであります。今囘課税にあたりましては、國民が納得するような課税をしていただきたいと考えます。
 なお最後に希望を申し上げますことは、今囘の追加豫算を提出されるにあたりまして、會期切迫の折に御提案に相なりました。われわれ委員といたしましても、十二分なる職責を盡すことのできざる憾みがあるのでございますので、次の國會における豫算の提出にあたつては、早目にひとつ御提案になつて、十二分に委員に審議の時間を與えるように切に要望いたしまして、はなはだ簡單でございますが、補正豫算に對しまして、賛成の意を表する次第であります。
#10
○鈴木委員長 次に東井三代次君。
#11
○東井委員 私は第一議員倶樂部を代表して本追加豫算案につきまして意見を申し述べたいと思うのであります。
 先ほど來も、また本委員會においてこの追加豫算が、形式的には健全財政の形を整えておるが、内容においては眞の健全財政でありや否やという質疑が再々繰返えされていたのであります。私も本追加豫算につきましてはさように考えておるのでありまして、ほんとうにこの豫算が健全性を保持するというためには、相當の努力と苦心が要るように思うのであります。この豫算につきまして第一に私が申し述べたいのは、公定價格の改訂の結果、インフレーシヨンというものが新しい段階に發展してきたというように思うのでありますが、この追加豫算によつてさらにこれが拍車をかけるということを指摘いたしたいのであります。今かりに赤字財政が一應の克服が形式的にされたといたしましても、國庫の支出と收入の時間的なずれ、あるいはまた復金出資金の削減その他この追加豫算がもつておりますところの六〇%以上の消費的な經費というもの、こういうことから考えまして、どうしてもインフレをさらに高進せしめるのじやなかろうか。すなわち金融面を通じて日銀券の増發が起つてくることが必至である。この點に非常に危險性をはらんでおると考えるのであります。
 第二には、この豫算は酒、煙草等の値上げによつて、性格的に見て一般大衆課税によつて國民負擔を非常に加重してやるということ、他面またインフレ利得者及びやみ利得者の捕捉が完全に行われていないというようなこと、これは國民負擔の公平を缺くという點から考えましても、まことに遺憾な話でありますが、また他方におきまして國民總所得中の財政負擔の過大ということが國民消費資源を減産することになつて、その結果國民生活に非常な重壓を加えてくるということ、これらのことは國民生活の上に本豫算の及ぼす點として、重大に考えなければならぬと思うのであります。
 第三には本豫算が文字通り健全であるというためには、その前提要件といたして公定價格が嚴守されなければならぬ。主食、副食物の完全なる配給がなされなければならぬ。またやみ所得の適當なる捕提がなされなければならぬ。あるいは脱税、滯納税等に關しては嚴重なる措置が講ぜられて、税收入の確保がなければならぬということ。こういう點につきまして政府の確信ある總合對策というものが、十分に伺えないということに關連いたしまして、本豫算が實施の曉には、はたして新物價體係が維持されるかどうか。從いまして千八百圓ベース堅持ができるや否やということ。さらにまたわが國の豫算制度の通弊といたしまして、豫算が國會を通ると同時に、多大な國庫支出があるというような慣習が、いきおい物價を混亂せしめて、それらによつて起つた物價の不安定というものが、流通秩序をますます破壞して、勤勞者の實質賃金の向上を阻害し、生産意欲の不振を來さしめるというような可能性を多分に存しておるということ。こういう點を指摘いたしたいのであります。
 第四には、先ほど川野委員から論ぜられたのでありますが、六・三制の實施あるいはまた旱害、水害等に對する國庫支出に關する政府當局が行つた國民に對する確約というものが、本追加豫算においてその大部分が無視されておるというような事實、これは金額の大小は私は問題としていないのであります。政治に對する國民の信頼の保持という觀點からいたしまして、これは政治の本質的な問題であると考えるのであります。戰戦中からその政治ということに對して、國民は相當な呪詛の聲を放つておるのでありまして、今こそこれを斷ち切つて、新しい平和的な民主政治を打立てて、かくして國の政治に對する國民の萬幅の信頼をかち得るということ。
    〔委員長退席、川島委員長代理著席〕
かくのごとくして初めて文化國家の建設ということの基礎が打ちこみ得るのだと思うのであります。この認識に立つて、金額はたとえ少額でありましても、六・三制實施に關する經費、その他旱害、水害等に對して、政府がはたしてまじめにこれをお考えになるかどうかという點、これはまことに重大な點ではなかろうかと思います。
 最後に第五の點といたしまして、この追加豫算にはすこぶる科學性が缺如しておるということ。先日も私は申し上げたのでありますが、この科學性が缺けておるということを、二點においてもう一遍指摘をいたしておきたいのであります。その第一點は、豫算が國民經濟に及ぼす作用と反作用というものを十分認識しつつ、當初豫算が過去六箇月の間にどういうふうに實行されたかということ。特に今度の追加豫算は十月以降の未使用の部分、すなわち、残額と合算して今後六箇月間實行されるものでありますがゆえに、この點に留意してその合計額をはつきり把握することによつて、これがわが國民經濟に對していかなる作用、反作用を與えるかということ。この點がはなはだ不確實であつて、また政府がこの點に關する參考資料を全然提出しておられないということを、はなはだ私は遺憾に存ずるのであります。第二の點は、この追加豫算は當初豫算とともに國民經濟の總合的循環過程において考えられ、編成されたかどうか。國民總所得算定に關する政府の御答辯によつても、この點に關して多大の疑問を懷くのであります。
    〔川島委員長代理退席、委員長著席〕
 以上五點につきまして大體私は本豫算のもつ缺陷ないしは危險性というものを簡單に申し上げたのであります。これらの點につきましてそれぞれ政府の懇切なる答辯はあつたのであります。大體において私たちも了承をいたしたのでありますが、さらにここに私は今申し述べました五點について再び繰返して申します。第一に、政府は金融の健全性を確保してもらいたいということ。第二は、國民總所得中における財政資金を、今後は他の生産資金及び國民消費資金に對して均衡を得せしめるために努力してもらいたいということ。第三は、本追加豫算の實行にあたつて、その健全性確保の實體的前提をなすべき總合施策を十分に講じてもらいたいということ。第四は、六・三制の實施に要する經費その他旱害、水害等に關する補助金などの、いやしくも國民に約したことは、いかなる場合があつてもこれを實行して、政治に對する國民の信頼を保持することに努力してもらいたいということ。最後に、豫算に對する科學性を附與するために、政府はあらゆる科學的説明資料を整備し、これを國會に提出してもらいたい。また先ほど來しばしば述べられておりましたごとく、時間的の餘裕を與えてもらいたいということ。これらの點を強く要望いたしまして、私は第一議員倶樂部を代表いたしまして、本豫算案に對して贊意を表するものであります。
#12
○鈴木委員長 次に野坂參三君。
#13
○野坂委員 私は日本共産黨を代表して、本補正豫算に反對の意見を申し上げたいと思います。
 詳細な點はもう申す必要はないと思います。きようのこの討論會に各黨代表として發言された方々の發言内容を見ましても、また當豫算委員會が十囘近くも開かれたここにおける政府の答辯、あるいは委員諸公の質問、またその間開かれた公聽會に出席された專門の方々の發言の内容が、大體一致して認めることは、この補正豫算は結局インフレの因子を含み、今の日本の經濟的環境のもとではさらにこのインフレを促進し、日本の經濟にとつて重大な危險をもたらすものであるということは、大體言葉の表現や、あるいは程度の差はありますが、認められたところではないかと私は考えます。この意味におきまして私たちはこの豫算がここに提出されて、それがそのまま國會を通過するということには反對したい。從つて結論としましては、この豫算をいわゆる返上する。そうして再編成していただきたい。この要點について簡單に三點について書いたものがありますから、これを讀むだけに止めます。
 第一點は、當追加豫算を含めて本年度豫算總額は三千億の巨額に達し、國民所得を一千数百億も超過する。これはわが國民經濟を過重に壓迫するとともに、インフレをますます激成する。このことは豫算常任委員會における政府の答辯や資料が證明している。豫算面における數字的均衡にもかかわらず、當豫算は最も不健全なインフレ促進豫算である。
 第二點、歳出面において資本家援助の經費が大部分を占めているにもかかわらず、勤勞人民の生活改善や社會政策のためにきわめて少額の支出しかしていない。全勤勞者の要求である千八百圓ベースを超す給與支給などはまつたく無視されている。他方歳入面では半分以上を間接税が占め、しかも直接税の中でも、勤勞所得税その他の大衆課税が大きな割合を占めている。ゆえに當豫算は資本家を擁護し、大衆を犠牲にするものである。
 第三點、當豫算にはインフレ克服と經濟再建に對する何らの積極政策が盛られていない。むしろ反對に豫算の半分以上が非生産的に使用されている。ゆえに當豫算はわが國の復興に役立たないだけでなく、經濟力を消耗し枯渇せしみ、經濟的破綻をますます進行させ、かくしてわが國の獨立を危うくする性格をもつものである。
 以上の理由によつてわが共産黨は一、インフレの抑制のための拔本的政策、二、國民生活の改善、三、經濟の復興等に實質的貢獻をするような新しい豫算を再編成することを政府に要請する。これが私の意見であります。
 きようここに出されてあります附帶決議、あるいは警告というものがありましたが、この内容は私たちもこれには贊成するものでありますけれども、前提がこの追加豫算を前提とした附帶決議であり警告でありますので、これに對しても私は贊成することはできないのであります。
#14
○鈴木委員長 討論は終局いたしました。
 これより採決にはいります。まず自由黨の西村久之君提出の昭和二十二年度一般會計豫算補正(第七號)修正案の採決をいたしますが、採決をいたします前に、お手もとに修正案を配布いたしてございまするが、念のために朗讀いたします。
 西村久之君提出、昭和二十二年度一船會計補正(第七號)修正案、
歳入 税中物品税において六億一千八百萬圓を修正減額し、前年度剩餘金において二百三十六萬七千圓を追加増額す。よつて歳入修正減額は六億一千五百六十三萬三千圓となる。
歳出 政府出資金中酒類配給公團等に支出豫定額四億二千五百萬圓を修正減額するほか、産業經濟費中農業生産調整費一億九千五十萬四十圓と、行政共通費中三萬九千圓とを修正減額の結果、歳出修正減額は六億一千五百六十三萬三千圓となる。
以上が西村君提出の修正案でございます。
 採決いたします。本修正案に贊成の諸君の起立を願います。
    〔贊成者起立〕
#15
○鈴木委員長 起立少數。よつて本修正案は否決せられました。
 次に昭和二十二年度一般會計豫算補正(第七號)、同(第八號)昭和二十二年度特別會計豫算補正(特第三號)の原案に贊成の諸君の起立を願います。
    〔贊成者起立〕
#16
○鈴木委員長 起立多數。よつて各案は原案の通り可決せられました。(拍手)
 この追加豫算の審議にあたりまして、私は委員長といたしまして、はなはだ不熟練でございまして、不行屆きの點が多うございましたが、皆樣の御協力によつて本日ここに可決するに至りましたことに對して、厚くお禮を申し上げたいと存じます。
 この際ちよつと御報告いたしておきたいことがございます。打割つたお話でございまするが、實は昨日の理事會におきまして決定いたしたものではございませんが、大體附帶決議というようなものをつけてはどうかという意見もございましたので、一應その對象になる原案というものを私において起草してみたのであります。それは參考のためにお手もとに差上げてございまするから、ちよつと讀んでみます。
一、今次追加豫算に關し時間的制約のため審議上支障の少くなかつたことに鑑み、政府は占領下の事態等も勘案し、豫算編成に關しても國會の意思を反映せしめ、また審議にあたつては、修正等もなし得る時間的餘裕をもたしむるよう努力しなければならぬ。
二、官公廳職員の給與に關し、政府は速やかに生活補給金竝びに新給與の實施につき、中央勞働委員會の裁定を勘案して、必要なる措置を講じ、その他行政機構の根本的改革を斷行する等、適切なる對策を立てて、もつて官公廳事務の能率向上をはからなければならぬ。
三、歳入豫算の實施に關し、政府は一方において脱税及び滯納の防止竝びに徴收、やみ利得の捕捉等に努め、勤勞大衆竝びに中小商工業者、農村への負擔の偏重に陷らざるよう萬全の措置を講じ、地方において急速に税務官吏の増員及び待遇改善をなすとともに、官紀肅正に伴う機構の擴充強化をはからなければならぬ。
 これは一つの草案でございました。しかしこういう附帶決議というようなやり方に關しまして、關係方面の御意向もございますので、大體私一個として多少の打合せをいたしたのでありまするが、そういう御意見によりますると、從來古い議會において行われてまいりましたいわゆる各案に對する附帶決議というようなやり方に關しましては、それは單なる議會の政府への希望的意見にとどまるものである。國會の權威のために政府に希望的な意見のようなものを述べることは、新らしき國會において意義をなさぬし、またそういうことをしないがよかろう。もしそういう必要があるならば、政府を拘束するところのもの、たとえばどういう措置をとつたかということを委員會に對してちやんと報告させるとか、あるいはまた法律を提出するとかいうような、政府を拘束するようなものを出すということにすべきである。こういうような御意見もあつたのでございます。それにつきまして私といたしましてもその通りに考えられますることは、御承知のようにこの豫算委員會において、さきに補正(第一號)に對する附帶決議をつけました。その附帶決議の第一項に、酒類、タバコ等、勤勞者の生活に重大な關係をもつものの値上については、國會の愼重な審議を經た後これを行うこと、こういう附帶決議を付したのでございました。ところが御承知のようにこういう附帶決議をつけましたのにかかわらず、その後この決議を無視して、政府は十一月一日にタバコの値上を、國會に諮ることなく斷行され、また續いて御承知のように財政法の第三條の規定の特例に關する法律案というものを御提出になつて、政府事業の値上等については、今後國會に諮る必要がないというような法案を御提出になつて、いわゆる附帶決議というものが無視されてまいりましたような現實をみまして、私もやはりこういう從來の古い附帶決議をつけるというようなことは、とりやめた方がよかろうと考えまして、昨日一應私としての草案をつくつてはみましたが、理事會に重ねてお諮りすることを差控えたような次第であります。しかしながら一應お話合いをいたしました決議の趣意に關しましては、特にこの豫算委員會においては、前に小委員會ができておりまして、豫算案に關する調査の小委員會をつくつてございまするから、私といたしましては、この小委員會は來年度の豫算、または今後の追加豫算に對しまして、この議會があるいは閉會となりましたような場合にあつても、この小委員會はできるだけ活動いたしまして、政府の豫算の編成に十分國會の意思を、この委員會または豫算委員會を通じて反映するような方法を、できるだけとつていきたいと考えております。そういうような方法をとつてまいりまするならば、ここでいろいろこういうような附帶決議をする必要がなく、委員會として、また小委員會として、あるいは豫算委員會としての意思を、十分に豫算案の上に反映するような方法がとれると考えますから、そのように取計らいましたことをちよつと御報告いたしておきたいと思います。
#17
○庄司(一)委員 ただいま本追加豫算に關する修正業を提出せるも少數否決となりしがため、日本自由黨所屬議員西村久之君ほか日本自由黨所屬全議員一同においては、本會議に少數意見を提出し、その説明を要望する。右委員長まで念のためお屆けおくものなり。かようなことを願つておきます。
#18
○鈴木委員長 了承いたしました。
#19
○野坂委員 念のため申し上げますけれども、私も少數意見を本會議に提出いたしたいと思います。
#20
○鈴木委員長 それではこれをもつて散會いたします。
   午後三時四十三分散會
ソース: 国立国会図書館
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