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1953/04/13 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 電気通信委員会 第16号
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1953/04/13 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 電気通信委員会 第16号

#1
第019回国会 電気通信委員会 第16号
昭和二十九年四月十三日(火曜日)
   午前十一時五分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
四月九日委員島津忠彦君辞任につき、
その補欠として小沢久太郎君を議長に
おいて指名した。
四月十二日委員小沢久太郎君辞任につ
き、その補欠として徳川頼貞君を議長
において指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     左藤 義詮君
   理事
           久保  等君
   委員
           新谷寅三郎君
           山田 節男君
           三浦 義男君
  政府委員
   郵政省電波監理
   局長      長谷 慎一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       後藤 隆吉君
   常任委員会専門
   員       柏原 栄一君
  説明員
   会計検査院検査
   第四局長    大沢  実君
  参考人
   日本放送協会会
   長       古垣 鉄郎君
   日本放送協会理
   事       岡部 重信君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○日本放送協会昭和二十七年度財産目
 録、貸借対照表及び損益計算書並び
 にこれに関する説明書(内閣提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(左藤義詮君) 只今より委員会を開会いたします。
 日本放送協会昭和二十七年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を議題といたします。
 これより本件の質疑を行うことにいたします。質疑のおありの方は御発言を願います。
#3
○新谷寅三郎君 私の要求した資料が出ておるのですが、これについて極く概略でいいですから、どなたからか簡単に御説明を願つたほうがいいかと思います。と言いますのは、結局今拝見しておりますと、予算上は予定しておらなかつたと思うのですが、前期繰越金が出て来たわけです。予算総則に書いてありますけれども、それをどういうふうに割当てて使つたかということ、これは第一の問題ですが、それから各費目につきまして、非常に予算と違つて増減があることです。これは勿論予算総則に書いてあるところに従つて、経営委員会の議を経て、増減されたのだと考えるのですが、その主なもの、恐らくこれは予算に組立てられた当時とは何か違つた事情が発生しているのではないかと思うのです。この費目は特にこういうふうな理由で非常に大幅に殖やしたとか、或いはこういう理由で非常に減らしたという理由があるのだろうと思うのです。その主なものについて簡単に御説明を頂くと非常にわかりいいかと思います。これをお願いしたいのです。
#4
○参考人(岡部重信君) お手許に差上げました昭和二十七年度収支予算決算対照表について説明さして頂きます。
 一応、予算額といたしまして国会で御承認を頂きました予算を一番左の欄に掲げております。それから増減額といたしまして、只今御指摘の総則に基く増減を次の欄に加え、そうしてその合計を出し、決算額を次の欄にしまして差引を出したのがこの資料でございますが、承認予算額につきましては、特別申上げることはないわけでございますが、増減欄につきまして申上げますと、先ず、前期繰越収支剰余金、これにつきましては総則に基きまして、前期繰越収支剰余金をここに掲げたわけでございます。それで次の収入の増の一億八千三百万円、これは下から五行且ほどにございますが、事業収入一億八千三百万円、これは何によるかと申しますと、受信料の予定以上に増加いたしましたことに基く増収分、それと選挙放送の交付金の予算に比して増額された分が四百六十一万一千円、それから次に雑収入の増加五千三百三十九万円、この内訳は摘要備考欄に掲げてございますうに、役務収入の増が三千五百九十八万五千円、それから雑収入の増が千七百四十万五千円でございます。
 それから次の頁に移りまして下から七行目でございますが、増減の欄に三億三千八百七十二万二千円とございますが、この金額はどういう金額かと申しますと、ラジオの資本支出に当てられた分の一億七千四百十八万七千円と、ラジオの事業支出に当てられましたところの二億一千九万七千円、それから次の頁の予備金という欄がございますが、下から八行目でございますが、プラス一億四千二百四十四万八千円と、マイナスの一億八千八百一万円との差引額をプラスした額に相成るわけでございます。それではその二行飛びました資本支出の一億七千四百十八万七千円、これはどういうことかと申しますと、繰越収支剰余金の中から一億三千五百六十二万五千円と受信料雑収入の増収分から二千五百万円、予備金一千三百五十六万二千円をここに増加いたしたわけでございます。それから事業支出の総額の合計欄が一番下の行でございますが、二億一千九万七千円、これは増収分から一億一千六百六十五万三千円、それと繰越収支剰余金から二千五万三千円、それに選挙放送の先ほど申上げました増収分四百六十一万一千円、註解軍放送の増収分三千五百九十八万五千円と予備金の振当て分の三千二百七十九万五千円を合計いたした金額でございます。
 それで次に繰越収支剰余金の振当て状況、どういうふうに振当てたかという問題でございますが、総則に、先ほど申上げました二十七年度におきますところの前期繰越収支剰余金の一億五千五百六十七万八千円、これを総則に基きまして先ず借入金の返還をいたしました。それから総則に基きまして、前年度の事業計画で建設工事の延伸、繰延べによるもの、及び設備の改善というのに当てたわけでございます。その金額は借入金の返還が三千五百万円、二十六年度建設予算の繰越が五千九百八十万八千円、設備の改善が六千八十七万円でございます。このうちちよつと附加えさせて頂きますと、選挙放送は御承知の通り二十七年度に衆議院の選挙は一回と予算では見込みましたが、二回ございましたのがこの増収分の主なるものでございます。それから駐留軍放送の増収は、時間の延長と物価の値上りに伴うものでございます。それから次に増収をどういうふうに振当てたかと、この増収が先ほど申上げましたように、一億四千二百四十四万八千円ございました。主たるものは受信者の増加に伴う増収でございます。これが一億二千五百四万三千円あります。それでこの振当てといたしましては、通信施設の改善に三千二百万円ほど振当てた。その他は聴取者の増加のための対策の経費その他の経費などに当てまして、なお長期借入金の返還を総則に塞ぎまして二千五百万円いたしているような次第でございます。それらが主なる要因となりまして、この増減を総則に基きましていたした次第でございます。
#5
○新谷寅三郎君 細いことを言う必要もないし、言うつもりもないのですが、放送協会のほうの予算を拝見しますと、前期繰越金がいつもゼロになつている。毎予算がそうなつておる。ここでもやはり前期繰越金というのが相当出ておりますし、二十七年度の決算をされた場合にも、ここに書いてあるように一年度繰越が出ておるわけです。これは当然あれだけの大きな舞台でなさる場合に、決算をしてみると何がしかそういう繰越金のようなものがないと、つまり財政的に多少でも余裕がないとやつて行けるはずがないと思うのですが、それを予算の編成のときはいつも前期繰越金はゼロというような形でお出しになつておるのですが、それは何か特別に繰越金が幾らかわからない、予算編成当時に大体どのくらいあるだろうかという見当もつかないから、そういうことをしておられるのですか。その辺は会計年度のことはわかつておりますが、予算編成のときにこういつたものを見込むことは何か工合の悪い点があるのですか。
#6
○説明員(大沢実君) 前年度剰余金を予算に見込むこと自身が、それはいわば的確にといいますか、相当蓋然性が出るということが予想されれば予算に見込むことは何ら差支えないことだと思つております。
#7
○新谷寅三郎君 放送協会のほうで、これは固く考えればわからんと言えばわからんわけですが、とにかく毎年必ず出るのだし出るべきものなんです。それが一億五千万円になるのか、一億になるのか、五千万円になるのか、これはわかりませんが、それを建前上はいつもゼロになるというふうに国会のほうにお出しになつて、決算してみるといつも余り、予算と違うというところで、結局は予算総則によつて、それを又、最近は大分よくなりましたが、設備の改善に当てるとか経営委員会のほうに、ある範囲では任してしまうということになるわけです。やはり私は成るべく的確を期する意味で、予算を編成の当時から、前年の例から見ても、この程度は剰余が出るであろうというようなものは、ほぼ推察さえできれば、ラウンド・ナンバーでよろしいから、やはり計上したほうがいいのじやないかと思うのですが。担当の岡部理事から、その点二十九年度の予算も済みましたが、三十年度の予算からでもやはりとらなきやいかんじやないかと思いますが、何かお考えございませんですか。
#8
○参考人(岡部重信君) 今御指摘の通り、やはり決算におきまして収支剰余金が出ることは当然なのでございますが、それ以前の場合ですと、御承知の出る原因が、「基本支出において年度内に支出を終らないときは、同一計画事項の場合に限り、予算の残額を翌年度に繰り越して使用することができる。」という総則がございますが、これが殆んど大部分なのでございますが、ただ御指摘の通り予算におきまして、前期繰越収支剰余金を実際問題としてつかめるものもありますし、つかめないものもあるというので、従来零にいたしているわけでございますが、私どもとしましても、この決算のときの収支剰余金が翌年度、大体どう振当てられるかという予想は、決算のときにはつくわけでございますが、十分、又検討して行きたいと思います。
#9
○新谷寅三郎君 今お話で、私ちよつと気が付いたのですが、この繰越金の中にはこういうものが入るのですか。例えば予算で一応承認を受けた或る工事をやる場合に、例えば放送局を作るというようなそういう場合に工事が遅れて、その年では完成しなかつた。従つて、経費のほうも余つて来て、翌年度に繰越すというようなものもすつかりこの中に入るのですか。それだと、これは予算総則の建て方の問題になつて来るのですが、純粋に、いわゆる剰余金というものでなしに、ただ仕事が遅れた、当然それは承認がされておるのだけれども、施工時期が翌年度に亙つてずれるのだというようなものもすつかり入つて来ておるとすれば、これは予算総則の問題で、そういつたような政府予算でもあるような、継続費というようなもので、翌年度でも続いてやれるような工合にしておいて、二ヵ年ならニヵ年間でこれだけの事業をやると’うことにしておいてもいいのではないかと思いますが。
#10
○参考人(岡部重信君) 今御指摘のような翌年度どうしてもやるというので、前年度まだ支出しなかつたというような建設がこれに入つているわけでございます。
#11
○新谷寅三郎君 そうしますと、そういう、つまり既定計画以外で、既定計画は当然計画通り遂行するものとして、純粋の、何といいますか、狭い意味の剰余金といいますか。収支を決算して見たところが、収入が予定よりも殖えた部分もある。或いは経費の支出のほうも、予定よりも非常に節約をして出さなかつた部分もあるというので、つまり翌年度に、そういう紐付きの経費じやなく、翌年度予算として、自由に使つてもいいような剰余金、それはどのくらいになるのですか。その点と、それから今のお話のようだと、非常に総則の読み方について奇異な感じを起すのですが、今持つておりませんが、予算総則では、多分収支剰余金があつた場合には、それを長期借入金の返還に当てたり、或いは設備の補充、取替えのほうに使つたり、私、御注意申上げて或る程度減価償却に当てるとか、そういう方面に当てるのだということが予算総則に書いてあつたような気がするんですが、そうじやないんですか。若しそうだとすれば、その部分というのは同じ収支剰余金と言いながら非常に違つたものなんですね。今の、繰越して当然翌年度においてやらなきやならんような工事に対する経費というものとは違つたものだろうと思うのです。翌年度において自由に、と言うと語弊がありますけれども、既定経費に関係なく新らしい財源として使用し得る剰余金というのはどのくらいあるか。それを考えておられたからああいう予算総則ができているように思うのですが、そうじやないんですか。
#12
○参考人(岡部重信君) 収支剰余金の場合に何といいますか、同一計画事項を翌年度に繰越して使用する場合でございますが、収支剰余金の出方がいろいろありまして、例えば放送債券が御承知の通り金融市場に相当左右されますので、年度内に或る期間をおいて出して行く、そして建設がそれに見合うほど進まないというような場合におきましては、金と共に計画も繰越されているというので、それを総則の先ほどのでやつておるわけでございます。それから又長期借入金でやる建設額につきまして、建設が遅れているのですから借入をしておく必要はない、そういう場合にはやはり借入金と共に工事の翌年度の繰越しというような現象が起るわけでございまして、いろいろの場合がございますので、収支剰余金というものが紐付きのはどれだけというようなふうに、その年度においてははつきりしますが、各年度についてというと、いろいろそういう要素がございますので、複雑になりますが、この二十七年度におきましては、五千九百八十万円ほど前年度の繰越しの建設を実施いたした次第でございます。
#13
○新谷寅三郎君 大体わかりました。御説明で言つておられることはわかりました。そこで建前としては、来年の私は宿題にして特に郵政省のほうに御注意しておきますが、今のような点をもう少し予算上明確になるように、次の予算編成には科目の立て方をはつきりさせたらどうかと思うのです。同じような収支剰余金といつても、今御説明のように、いわゆる繰越金というものもあるし、それから狭い意味の剰余金、翌年度においてそれを財源として事業をやるとか或いは償却を大いにやるとかいうように、何かそこで使途を来年度予算において十分に考え得るようなものも入つている。それは予算総則からいうと、五条と八条に分れて書いてある。それを一緒にしてしまうものだから非常にわけのわからんものになつて来るわけです。この点多少放送協会の会計に関するいろいろの規定類に変更を加えなければならんかも知れませんが、されてもいいと思うのです。改善するならばそうされて、次の予算の提出の時期までには概念をはつきりとし、取扱ももう少し明確にして、こういう疑義の起らないようにされたほうが私はいいと思います。今すぐにこれをどうしようということじやありませんが、次の機会までにその点を特に御注意願いたいと思います。
 それから続いて質問していいですか……。
#14
○政府委員(長谷慎一君) 只今御指摘の点、御尤もと存ずる点もございますので、十分研究してみたいと思います。
#15
○新谷寅三郎君 念のためですが、例えば先ほどおつしやつたような繰越使用のようなものですね、これは予算に一応お載せになつても、当然国の予算でもあるように、その経費は当然支出しなければならない筋合いのものだと思うんです。若しそれを中止することになると逆に補償費を計上しなきやなろんでしよう。そういつたものは一応少し建て方もこれもついでに変えて、今の予算総則による繰越使用することができるというようなことではなしに、政府の財政法なんかにもいろいろ規定があるから、そういつたものも参酌されて、これについても再び国会の正式の承認を得ないことには、新年度において使用できないんだというような形のものがいいかどうか検討を要すると思いまするから、これについても併せて再検討して頂いたらいいと思います。
 それからもう少しお伺いしたいのは……
#16
○山田節男君 これは大沢局長にちよつとお尋ねするんですが、会計検査院として二十七年度の決算を検査されて、たしか不当事項、批難事項があつたように思うのですが、今の新谷委員の、質問に関連してこの法律上の公社ではありませんが、公益法人であつて一つのパブリツク・コーポレーシヨンと考えていいわけです。会計検査院として決算を検査される場合に、今の新谷委員の言われたようなことをどう考えるか。これを郵政省のむしろ決算が、やはりこういう公益法人或いは公社の経理に対しては、これは各官庁と違うが、併し会計検査院としても一つの標準がなくちやいかんと思うのですが、この点について会計検査院はどういう考えを持つているか。それからついでに、これはあなたから過日の委員会で報告があつたかも知らんが、二十七年度のNHKの決算の検査、一体どのくらいの職場を調べたのか、それも併せて。それから同時に全体的な今の問題に引かけてNHKの決算に対する全般的な批判を会計検査院としてとう考えているか、それを一つ。
#17
○委員長(左藤義詮君) 山田委員に申上げますが、職場を調べたこと、それから注意事項については、前回詳細な報告があつたのです。
#18
○山田節男君 それでは今の新谷委員の言われた問題ですが、これを会計検査院としてどう考えるか、こういう点を一つ御説明願いたい。
#19
○説明員(大沢実君) これは日本放送協会の決算を会計検査院が検査することになつているのでありますが、この日本放送協会の予算に対する国会の審議ということが、普通の公社などの予算に対する審議と違つております。法律上違つておりまして、普通の公社などはいわゆる予算を国会に提出して、その予算に対する決算というものを国会に提出して国会が審議するということになつております。日本放送協会の場合、予算が国会に提出されますのですが、この予算に対する決算というものが国会に提出されるということになつてなくて、別にいわゆる財務諸表、これが国会に提出されて審査される。でありますから、簡単なことを言いますと、現金収支を予算として一応国会へ審議される。現金収支の予算に対する現金収支決算というものは、一応、先ほど資料として御提出になりましたのですが、こういうものは正式に出ていないという法律上、我々の眼から見ますと少し法律がおかしいのではなかろうかと思われる点があるのであります。従いまして我々としましては、一応現金収支の予算が国会に付されるならば、それに伴う決算というものも国会の、審査に付されるべきではなかろうか、そうしますれば、只今新谷或いは山田委員のお話のありましたような点がどうしても表面に出て来ざるを得ない。それがはつきりする。例えば、繰越しなら繰越しとして決算上に現われるのじやないかと思いますが、先ほど申上げました財務諸表ということになりますと、繰越しという問題は財務諸表の面からは消えてしまいますから非常におかしな恰好になる。私としましても、会計検査院としましては財務諸費の検査ということになりますまで、このほうの正確性を検討しております。一歩進んでこの収支予算に対する決算の正当性、これは勿論調べておりますが、これが表面に決算上出て来ることになつたほうがいいのではなかろうかというふうに考えております。
#20
○山田節男君 今の大沢君の見解によると、少くとも公社それから官庁の特別会計、こういつたものは全部内閣を通じて国会に出す、そうすればこれも決算委員会で審査するわけです。この件は、今あなたのおつしやるように特殊のものであつて、国会といえども一常任委員会が審査される、これは予算の場合も然り、決算の場合も然り、これは私は国会議員という立場から言えば、少くとも決算委員が決算の検査報告を内閣を通じて国会にするということになれば、これが常任委員会であろうが、電通委員会にかけられようが、決算委員会にかけられようが、その審査というものは平等でなくてはいけない。従つて決算委員会で審議する場合の問題を検討する心構えというか、これは公益法人であろうが、官庁の特別会計予算であろうが、一般会計予算であろうが、或いはNHKのような、又公社ともつかないような、一種の公益法人の決算を検査する場合も、私は心構えは同じものだろうと思う。で、今あなたのおつしやるようにNHKの場合は、予算総則に繰越金に対する規定があつても、これはNHKのほうにおいて自由裁量と言つちやおかしいけれども、いわゆる公社並み或いは官庁の特別会計予算、或いは決算……、特殊な自由な決算をしていいということになるのかどうか、この点を会計検査院はどういうようにお考えか。この点一つ見解をお聞きしたいと思う。
#21
○説明員(大沢実君) 只今の山田委員のお言葉でありますが、自由な決算をしてもいいということにはなつてないと思います。つまり結局予算が国会に提出されまして、その線に沿うて経理される、そうして予算総則の予算の範囲において費目の流用その他を行いまして決算をされるということになつておりますので、予算の制約は飽くまでもNHKには、相当国の予算から比べますれば楽にはなつておると思いますが、その制約はあると思つております。
 なお、附言いたしますが、会計検査院がNHKの検査をいたします場合の心構えは、これは当然各公社等を検査いたしますのと同じ心構えでやつております。ただ先ほど申しましたように、予算が非常に融通性があるといいますか、そうした面がありますので、国の会計ならば予算の目的外の使用になることでも、NHKの場合には内部の流用その他によつて予算の目的外使用にならないという場合もありますのですが、気持としては同じ気持で検査いたしております。
#22
○山田節男君 今、問題になつている、例えば繰越金を毎年会計年度決算においてゼロにするということは、会計検査院が見ればこれは妥当だと見るのですか。NHKの決算としては妥当なのかどうか。会計検査院の見解を聞いているわけです。
#23
○説明員(大沢実君) 只今の御質問の決算で剰余金をゼロとするというお言葉でございますが……。
#24
○山田節男君 決算ではないのですよ。例えば、繰越金は常にゼロにしておくということが今問題なのですね。従来の繰越金というのは、次年度への繰越金というものをNHKは毎決算報告において、毎会計年度内ということを今新谷君も言われたが、それに対する注意があつて、郵政省はこれに対して善処するという答弁があつたわけです。それは正しいのですかどうですか。会計検査院の見解を聞いているのです。
#25
○説明員(大沢実君) 先ほど新谷委員のおつしやつたことは、予算上いつも剰余金というものを組んでいないが、剰余金があることを認められれば予算上組んで国会がそれを承認して、財源に使うべきではないかという御趣旨であつたと思います。私はその点はそういうように組むべきが妥当ではなかろうかと考えています。決算上剰余金がゼロになるというようなことには、現在のところも、この決算という言葉如何によりますが、現金決算の方は、決算が表面に出ておりませんですから、剰余金の問題も決算上は出て来ておりませんですが、財務諸表上の剰余金も当然決算上表示されておる。決算上剰余金がゼロということではないのじやなかろうかと考えておる次第であります。
#26
○山田節男君 そうするとこういうことは確認していいですか。NHKの決算というものについては、これも特別会計、或いは公社の予算総則があるわけですから、電電公社にも今回新たに予算総則を設けて、NHKという特殊なこれは法人ですが、特殊性に鑑みて、これは言葉は非常にあいまいになるけれども、予算総則に忠実にやつておれば、忠実にやり且つ又、もう一遍あいまいな言葉であるが、自由という言葉を使いますが、この点は会計予算としては、妥当とは言えないと思いますけれども、止むを得ない。併しこれは不正ではない、不当ではないというように思われるのですか。
#27
○説明員(大沢実君) そう予算総則で許される範囲内における自由性は止むを得ないと思つております。
#28
○山田節男君 それは公社或いは特別会計の決算において許される範囲というか、枠、その枠には拘束されないという意味なのですか。今私が申上げている自由というのは、自由裁量という意味ですね。それは公社の、例えば電電公社とか国鉄よりも、もつと予算の範囲内においてはいわゆる自由裁量の、自由裁量がより幅が広いということを意味しているのかどうか。
#29
○説明員(大沢実君) 普通の公共企業体の予算総則よりもNHKの予算総則のほうはゆるやかになつているかというお尋ねでございましようか。
#30
○山田節男君 ゆるやかになつているようにこつちは思うのです。
 そのゆるやかになつているならば、そのゆるやかな枠をきめられている予算総則の範囲内においては、これは自由にやり得るのかどうか。融通性というのですか、公社よりももつと伸縮性を持たせることは妥当と見るのかどうか。
#31
○説明員(大沢実君) 私はそれは止むを得ないと思つておりますのは、いわゆる公共企業体というのは、国が全額出資している完全な国の機関であります。NHKは国からは何ら出資はない。公共的な機関ではありますが、国からの出資はない機関であります。このほうの経営が普通の公共企業体よりも予算の制約が多少ゆるやかになるということはまあ止むを得ないのではなかろうかと考えておる次第であります。
#32
○山田節男君 関連質問をやめます。
#33
○新谷寅三郎君 少し内容的なことですが、この二十七年度では、ここには勿論載つていませんが、外貨の予算をどのくらいお使いになつたか、外貨予算は政府のほうでも随分不手際の話ですが、大体の計画はあつたが、今年になつてやつと外貨予算を組んだという恰好で、恐らく二十七年度あたりはNHKが使い得る外貨予算はこのぐらいときめられてはいなかつたと思うのです。二十七年度当時どのぐらいの外貨を使つていたか。この間の予算の時にも私考えておつたのですが、時間がなくてその点まで質問しなかつたのですが、二十九年度は、それに対して外貨予算を一体どのくらい見込んでおられるのか。NHKの収支予算には載つていると思うのですが、外貨に直して使い得る予算とは一体どのぐらいになつておるか、併せて御説明願いたい。
#34
○参考人(岡部重信君) 通産省でございますか、大蔵省、その都度外貨の割当を受けてやつているわけでございますが、なお只今お話のように詳細調べますが、只今私どもの記憶しておるところでは、二十七年度はテレビジヨン関係を始めたので、特に多い年でございますが、三億九千万ほどの外貨を使用したと記憶しております。
#35
○新谷寅三郎君 三億九千万円ですか、これは……。
#36
○参考人(岡部重信君) さようでございます。
#37
○新谷寅三郎君 二十九年度はわかりませんか。
#38
○参考人(岡部重信君) 誠に申訳ないですが、二十七年度は三億でなく三十九万五千ドルです。二十九年度の分は又調べてこの次に……、三十九万五千ドルです。
#39
○新谷寅三郎君 この外貨の中には勿論外国から招聘されるような芸術家なんかの謝金も入つているものと考えますが、最近の各ラジオ会社とか或いは新聞社等がいろいろ外国から芸術家を招聘しておられるようですが、今後の問題になりますけれども、二十九年度の外貨はどのくらい使えるか、それから今後も日本の水準を高める意味では私も非常に結構なことだと思うのですけれども、一方からいつて非常に重要な原料、或いは国民生活の推進になる輸出の原料になるようなものを輸人する外貨もない際に、協会も余り外国からたくさんいろいろなものを買つて来たり或いは謝金を払つたりということは、成るべく避けるような方針で進んで行かれなければいけないのじやないかと思うのですが、古垣さんその点如何ですか。勿論交換放送とかいろいろな面で外貨をお使いになる面が非常に多いだろうし、必要だろうと思うのです。併し一方から言うと外貨の重要性ということもあるのだし、これはよほど考えてお使いにならないと、国全体から言うと無駄使いになる傾向もないことはないと思いますがね。
#40
○参考人(古垣鉄郎君) 只今のお話の通りでございます。私ども二十九年度、の予算によつて実施して参ります上につきましても、すでに理事会等で只今の御意見のような意見を申合せております。できるだけそういうような御趣旨を体しながら、同時にNHKの公共性とか文化を向上するという使命も欠けることのないように、そこを創意工夫して節約をしながら、前々通りの踏襲でないようにして行きたい。そして単に招聘や何かについて考えるばかりじやなくて、通常事跡、そういうようなものも、例えば海外特派員の問題などについても、そういうふうにしてやつて行きたい。すでに只今の御意見のような趣旨に基いた方策も実施いたし始めております。
#41
○新谷寅三郎君 郵政省のほうに伺いますが、例えば或る放送会社が相当高い謝金を外貨で出して外国から芸術家なり何なり、或いは野球とか何とかいうような運動の関係の人たちを招聘して来る、これはやはり一社だけじやいけないので、一社に許すと軒並みに成る程度公平に各関係の所には許して行かなければならんということになると思うのです。そこでこれはあなたのほうの担当でないことはよくわかるのですが、大蔵省とか或いは通産省、つまり外貨を握つておる機関官庁と、こういう問題について相談されたことありますか。若しなければ、私は最後で言つてしまいますが、至急に御相談になつて、公平に大体の枠はこのくらい、最も有効に使うにはこういう方法で行こうということを相談されておかないと、外貨の使用がこの点については相当混乱するのじやないかと思うのですが、今までにやつておられるか、やつておられないのか、若しやつておられないとすれば、この点について大臣とも御相談の上で、相当各関係庁ではつきりとした線を今から出しておかれないといけないじやないかと思うのですが。
#42
○政府委員(長谷慎一君) お答え申上げます。民間放送につきましては、NHKとの関連でなお一層微妙な問題になるわけでして、非常に関係するところが広いように思いますが、施設、つまり送信機とかいろいろな機材関係の輸入を予定しておる場合には、見込等につきましては、関係官庁ともよく外貨の割当が増される見込があるかどうかもチェックをしておる。併しその後におきまして民間放送の運営上、今まで外国から民間放送会社が直接に呼んでおるという例は極めて稀であります。殆んどその例はないくらいです。そういう問題が今まで起つて来ておりませんけれども、若しも御指摘のように相競争して無駄と思われるほどまでに競争して外国からいろいろな芸能人を呼ぶというようなことになりますというと、いろいろな面からやはり考えなければならん点が出て来ると思います。関係の方面とも諮りまして研究してみたいと思いますが、今までのところではそういう問題は起つていなかつた問題ですので、私どもとしても積極的に大蔵省その他と話合つたことはございません。ございませんが、若しも御指摘のようにそういうような傾向が現われる場合には我々としても適当な方策を考えてみたいと思います。
#43
○新谷寅三郎君 その点は民間放送会社だけの問題ではないと思うんですが、新聞社なんかとの、これは多少種類は違いますけれども、新聞社なんかとの関連も考えなければならんと思うのであります。それから今、テレビなんかでは例えばこれはどちらが外貨をもらつておるのか、出しておるのか私は知りませんが、例えばNTVなんかでは外国のテレビ二一ユースを流しておりますね。そういつたのは却つて広告になるからこちらで幾らか料金をもらつているのかも知れませんし、或いはこのフイルムを借りるについてこちらから払つているのか知れませんが、そういう問題も僅かではあるけれども、毎日ですから、そういう問題もあるわけでしよう。ですから民間放送会社という今お話になつたそういう狭い範囲じやなくて、もう少し広く考えられて、ますます外貨は窮屈になるにきまつているんですから、これの一つの方針を関係官庁と連絡をされてきめておかれませんと、二十七年度のようには今後は行かないということは確実ですから、至急にそれではこの点は手配をして頂きたいと思います。
#44
○政府委員(長谷慎一君) お答え申上げます。この建設の場合でございますと、申請者が放送局の建設の計画をしておるのでありますが、果してその通り行えるかどうかという意味におきまして、若しも外国からの機材の輸入ということを予定しておる場合には、それが確実に行われるかどうかということを私どもとしてチエツクをしなければならんという立場にございますが、今お話になりましたように、芸能人を呼んで来るという場合になりますというと、いわゆる番組の編成上の問題にも引かかつて来る。郵政省といたしましては、放送の規律という立場でしかその面は出て来ないのであります。非常に微妙な問題になると思うのでございますが、単に外貨の節約という面からだけの関係者の間のバランスをとつて行くという点でございますというと一つの道であるかと思いますが、郵政省がその場合にどこまで出て行くかという点もいろいろ問題になると思いますが、御趣旨の点、よく承知いたしました。検討してみたいと思います。
#45
○新谷寅三郎君 いや、あなたがたは番組については自由だ、番組の自主性は重んずる、これはよくわかるんです。併しその番組の自主性を守らせようという責任はあなた方が持つておられるから、外貨がうんとかかるような番組ばかり編成される、併し外貨というものは限りがあるというので、あなた方も大いに関心を持つて非常に少い外貨を公平に使わせるように、勿論有効に使わせるように、そのためには外貨問題は郵政省の所管じやないというので黙つておられたのでは、本当に外貨の割当という機械的な割当だけにしかならないから、そういうことをあなたに申上げておるのですから、誤解のないように。そして私もこれでやめますが、もう一つ、これは会計検査院の注意事項になつておりましたが、共済会に対する交付金ですが、これは趣旨も私はわからんわけでもありませんし、相当に恐らく職員組合でもいろいろの折衝があつたのではないかと想像するのですが、併し予算額に比しまして三倍以上になるような交付金を思い切つてお出しになつたことについては、不当と言わないまでも、形の上では勿論合法だろうと思いますが、行過ぎじやないかという感じが強いのです。共済会の交付金をお出しになつて、共済会としては一体これでどういう仕事をされたのか、する必要があつたのか、その点をもう少し具体的な御説明を願わないと、共済会交付金五千万円増というのは、多少私は疑いを持つているのですが、どうしてもその当時五千万円出さないと何か計画が考えられておつた協会事業が行えなかつたか、共済会というのはどういう実情にあつたのか。
#46
○参考人(岡部重信君) 共済会につきましては只今御指摘の通り(会員相互の扶助共済等福利の増進を図るというのが大眼目でございますが、その事業を大体三通りに分けて申しますと、冠婚葬祭といいますか、そういうような給付関係、それから住宅貸付、医療費の貸付などの貸付給付、一般生計資金の貸付といいますか、そういう貸付の制度、それから会員の宿舎施設の建設運営、それらの事業をやつておりまして、只今御質疑の通り、経営の交付金として一千二百万円と五千万円を臨時に交付したわけでございます。そしてなぜ五千万円を交付したかと申しますと、丁度二十七年度におきましては、受信者一千万突破というものを目標にして各部門とも動いたわけでございます。それで予定の月より六カ月ほど短縮してその一千万突破というものができた次第でございます。即ち八月の初旬にこの一千万を突破することができました。それで考え方はいろいろあると思いますが、一応いろいろの事務能率の向上ということや、経費を節約しましてそうして五千万円を交付して、そして職員の福利厚生に資したい、一時に資金を個人に渡すことなく、それによつて長く続く職員の福利に当てたいというのでこの交付金をいたした次第でございます。それを交付金のときに借入金をして交付したというようなものではございません。それでこれによつて総体的にみますと貸付金関係も増加いたしましたし、又会員の何といいますか、会員の寮といいますか、宿舎のようなものも建設運営するということもいたしたような次第でございます。
#47
○新谷寅三郎君 それでその交付金は共済会ではどう使われたのですか。又その当時、例えば職員の宿舎を拡張したいから、このくらいの資金が是非要るのだというような要望が共済会からあつたのですか。
#48
○参考人(岡部重信君) かねがねこの共済会の宿舎など、その他住宅の貸付なども、金額が少いものですから思うように運用できなかつたわけでございます。それで総体的のことになりますが、共済会が土地を購入し、建物を建て、それから貸付金を増加するというような使途に当てられたわけでございます。尤も貸付金でございますから、その分はあとで回収して何かに使うということになると思います。
#49
○新谷寅三郎君 貸付金から返つて来るとおつしやるけれども、結局それは協会の財産でなくて、共済会の財産になるわけでしようね。その帰属はもう移つてしまつているわけです。ですから私は申上げているのですが、共済会を勿論育成して行かれることは結構ですが、併し程度を超えておやりになることは如何かと思うのです。殊に今の御説明の中で、これは会計検査院も注意事項として挙げておられるに過ぎない、いわば適法な処分で、特に我々がここで取立てて言うべき問題ではないかも知れませんが、今の御説明の中でも、これは借りてまでも交付したものではない、みんなが節約をしてやつたのだから、五千万円ぐらいは共済会に交付してもいいじやないかと、こういうふうな意味に取れたのですが、私はそのお考えが如何かと思うのです。日本放送協会というものは、勿論特別の法律による特殊法人でありますけれども、併しその財産というものは、放送法制定の当時もさんざん議論したところですが、国民全体の出した聴取料からだんだん組立てられたものだと思うのです。それ以外に協会は収支がなかつたはずです。過去においてもだんだんにこういうふうに組立てられた。勿論経営者の経営の仕方の当を得たということもありましよう。従業員の大いに努力されたということもありましよう。が、協会全体の資産というものは国民から託されているというような考え方でやつて行かれないといけないのじやないかと思います。放送法にもそれに類するような、その精神を窺えるような規定もあることはあるのです。ですから協会のほうとしては、別に外から借りて新らしく借金をしてやつたのでなければ、予算総則の範囲内においてそういう処分をしたつてかまわぬじやないかというお考え方が、私は日本放送協会というものの理事者としてはもう一遍その点を再考される必要があるのじやないかと思うのです。
#50
○参考人(岡部重信君) 私言葉が不適切だつたかと存じますが、問題はこの一千万の聴取者の達成という画期的な事柄につきまして、如何に全職員の努力に報奨するかという観点からこれを実施したわけでございまして、ちよつと変えるのだからいいというふうに私が申上げたとすれば、さような考えではございませんので、御了承願いたいと思います。
#51
○新谷寅三郎君 別に誤解をしているわけじやないのですけれども、併しそういうふうにして行かれますと、例えば郵政省関係では、これは官庁ではありますが、今度は電電公社なんかもそうですが、例えば電話百二十万突破或いは百五十万突破、そのたびに共済会或いは関係の団体に交付金を出したり或いは特別賞与を出したり、郵政省でも特別会計で例えば貯金二千億突破とか、簡易保険一千万件突破とかいうことで、一々そのために関係の職員の団体にこういうふうな形で以て交付金を出すというようなことになりますと、これは単に放送協会だけの問題でないと思う。こういうふうなむしろ形の上では、私は合法であつても、内容的に見ると悪例だと思う。こういう悪例を作り出さないようにしてもらいたい。もとよりその職員に対しましていろいろな面で予算の許す限り協会自体が待遇をよくしてやるとか或いは記念式典をやつて皆で喜び合うというようなことは、もとより結構なことだと思いますが、まとめてこういうふうにして交付金で出して、それで労をねぎらつたとおつしやるが、果してその点が職員の労をねぎらつたことになるのかどうか、非常に疑問でもありますから、私はそういう観点からこの問題についてはもう少し慎重にお考えになつて頂きたいと思いますので、お尋ねしておるわけです。
#52
○参考人(古垣鉄郎君) 私からお答え申上げます。只今の御意見はその通りでございまして、この五千万円を出しますときも経営委員会、理事会でも数回この問題について慎重に検討いたしまして、決して単に一千万を突破したからねぎらうというような簡単な気持でなくて、かねぞれ御指摘のように放送協会の職員が労多くして報われない、実質的に報われないという点も我々非常に関心を持つております。併し一方国民から預つている放送協会の事業であるという点も大いに周知徹底することに努力いたして参つたのでありますけれども、一方において職員が萎靡沈滞しないように、ますます奮励して、一層国民に奉仕して欲しい、職員の待遇を適当に改善して行くということが、結局は国民全体に奉仕する、放送の面で国民に奉仕させたいというのが主になつて、十分回を重ねて慎重に審議しました結果、こういう措置をとつたものでございます。併し将来におきましても、只今の御指摘のように私ども考えてやつて行きたいと思つております。決して形式的にただお祭事でやつて行くというようなことをしないように、一つ本当に国民に奉仕する立場で、こういう交付金をやることがいいかどうかということを考えた上でこの措置をやつて行きたいと思います。
#53
○新谷寅三郎君 まあそういう気持でやつて頂ければ結構なんです。繰返して申上げておきますが、私は不当、違法であると思いませんし、必ずしもそれが全般的に経費を支出されることが不当であるとも思わないのですが、ただ併しこういう形でお出しになつておきますことは、将来に対して非常に悪い例を残す、類似の団体に対しても悪例になると考えますので、再びこういうことはおやりにならないでしようが、こういう形で今後お出しになつた場合には、私は決算につきましても委員会としてもつと討議をしなければならんと思いますので、これはあらかじめ警告を申上げておきます。
#54
○委員長(左藤義詮君) ちよつと関連して、委員長から申上げておきますが、この問題につきましては、わざわざ会計検査院から注意も受けておるのでありまして、只今新谷委員の御発言の通りであり、更にもう二言附加えますれば、二十七事業年度には固定資産の減価償却というものが十分できていない。正規の償却費に約八〇%しか計上していない。それで国民の予算が食い潰されて来ているというような、昭和二十七年度の決算状況でありまして、その中で只今の御支出がありますということは、私検査院の御注意の通りだと思うのでありまして、最初の岡部委員の御説明から、更に進んで会長が将来に対してもよくお話になりましたので了承しましたけれども、初めのお話のような、ただ一千万突破したからというような安易なと言つちや失礼でありますが、法律にさえ触れなければいいんだというようなお気持でなしに、とにかく償却の問題を非常に心配して、今度の値上げ等についても非常に私ども苦労したことでありますので、この点につきましては、検査院の御注意を体して、他の類似団体等にも影響いたしませんように、厳重将来に対して御注意願いたいと思います。
#55
○山田節男君 一つだけ申しますと、テレビジヨンとラジオの会計は別個にする、こういうことになつておるのでありますが、併し他面から言いますれば、ラジオ放送とテレビの放送とを両方兼営することによつて、プログラムにおいては勿論のこと、経費の点においても経済的に行くのではないか、そういう実例を、これは民間放送でありますが、アメリカの場合においては明らかにそういう事実があるわけです。二十七年度の決算では、勿論昨年の二月からテレビの放送が開始されて二月、三月しかなつていないわけですが、テレビジヨンの事業費とラジオの事業費、例えば今提出されておる二十七年度の損益計算書を見まして、事業支出のほうでテレビジヨンとラジオと、項目は二つに分れているわけです。こういつたような場合に、NHKとしまして、ラジオ放送とテレビの放送と、例えばテレビジヨン放送をラジオに、ラジオのものをテレビジヨン化する、こういつたような融通性といいますか、そういつたようなことが私はあり得るし、又あつていいと思うのです。こういつた損益計算書に現れた場合、例えば二十七年度のラジオのほうの事業支出、これが五億六千五百二十三万何がし、テレビジヨンの事業支出が三千六百五十万円余になつておるわけです。この中でまあ経営者としてそういつた若しラジオとテレビジヨンとの両方兼ねるといいますか、テレビのをラジオにとり、ラジオのをテレビにとる、こういうことが今日まであり得たかどうかということ、若しあつた場合にこういつたような損益計算書にラジオとテレビジヨンの経済に、例えば事業支出として現われる場合に、どういうようにしてこれを取捨選択するのか。例えばこれは七分まではテレビジヨンのものであるから、それをラジオに利用するのであるから、それをテレビジヨンの費目に入れる。或いはラジオにおいては逆の場合、こういうことが実際あり得るかどうか。これは二十七年度におきましては二カ月でありますからそういうことが或いは現われてないかも知れませんが、二十八年度においてそういうことがあり得たかどうか。これは数字は別として、そういつたような事例があり得るかどうか、あつたかどうかということを一つお聞きしたいと思います。
#56
○参考人(岡部重信君) 只今御指摘の通りニカ月でございましたから、回数という点では僅かのものだと思いますが、私のほうで申しますラジオ、テレビジヨンの教養番組と申します、例えば「二十の扉」とか、ああいうもの、それから音楽などでもございますが、その場合には、ラジオにつきましてはラジオ関係の、ラジオだけでございますれば、きまつた、それだけの経費でございますが、テレビジヨンに出演頂くためには、更に或る程度のリハーサルも余分に要ります。そういう関係でラジオのほうだけの経費を一応算出いたして、テレビジヨンに出演して頂くためにかかる余分の経費、大体三割乃至七割ぐらい余分にかかるわけでございますが、その経費はテレビジヨンから支出するというような区分でやつておるわけでございます。大体テレビジヨンのほうをラジオヘという例は二十七年度はなかつた。二十八年度はあつたと思います。
#57
○山田節男君 ですから二十七年度は僅かニカ月でありますから、そういうことがはつきり言えないかも知れません。併し今のような「二十の扉」というようなものがあるかも知れませんが、二十八年度もすでに一年間経過しておりますから、そういう事例がますます殖える傾向にあるということですね。同時に今のように「二十の扉」を、ラジオとテレビジヨンで七、三にする、或いはテレビジヨンが発展すれば逆の場合もあり得るのですね。そういつた場合に、事業支出としておやりになる場合、共通のプログラムであつた場合に支出に入れるという場合、「二十の扉」では七、三というように分けると言われたのですが、これはやはりプログラムによつて或いは五分々々になる場合もあるだろうし、或いは逆に六、四の場合もあるだろう、こういうことはやはり実際に即して、少くともテレビジヨン経済とラジオ経済は別個にするんだ、その間の流用相ならんぞ、こういうことになつておる。半面においてはラジオとテレビジヨンを兼営することによつて、いいプログラムであり、又安くやる、これが我々立法者としての狙いだつたわけですね。ですからそういうことが、我々の意図していることが、二十七年度は無理ですが、二十八年度では我々の意図したところが果して実行上実現されておるかどうか、又そういうことがあり得たかどうかということをお聞きしておるわけです。若し二十七年度になければ、二十八年度にそういうことが殖える傾向にあつたかどうかということですね。
#58
○参考人(古垣鉄郎君) 只今の御質問にお答えいたします。二十七年度は只今申上げましたような短い期間であり、発足当時でもございましたが、二十八年度になりますと、非常に今の御指摘のような傾向が出て参ります。先ず最初にテレビジヨン、ラジオを別々に番組を編成いたします。勿論一つの企業体でありますから、そこに連絡もありますけれども、違つた人たちが番組を組みますから、従つてラジオとテレビジヨンと番組が二筋できるわけです。従つてテレビジヨンの番組が大変いいというので、ラジオのほうで頂戴する、又ラジオの番組はずつと大掛りですから、人数やいろんな点で伝統もあるために、それが非常な参考になる。参考になるだけではない、頂戴するということが非常に多いわけでございます。例えばテレビジヨンからラジオに頂戴するというものに芝居中継などします。そうすると、それがテレビに出る。主としてテレビの番組でありますけれども、それがラジオの面で利用されるというのがだんだん多くなります。ところが最近になりますと、又ラジオとテレビジヨンは本質的にやはり違つている。従つてそこには限度がある。無限大に殖えて行くということはない。ラジオに非常に適するものでも必ずしもテレビに非常に適しない。テレビに非常に合うというものが、ラジオにはそのままでは合うということにはならないというので、この限度がどこにあるか、限度を越えてはいけないというような反省も最近起つておりますことを御了承願います。
#59
○山田節男君 この二十七年度の損益計算に現われておるラジオとテレビジヨンとの関連経費というものは、どういう性質のものですか。
#60
○参考人(岡部重信君) 若干、議案の十九頁の下から三行目の所にございますが、「関連経費は、未収受信料欠損償却二千万円、放送債券発行差金償却一千五百二十六万九千円、支払利息」云々と、要するに事業として行けば、当然関連的に費用が出る、というような考え方も一括してこれらを総合した経費でございます。
#61
○委員長(左藤義詮君) 委員長からお尋ねしておきますが、検査院からの注意事項が二つありましたうちの、助成金の交付については只今質疑がございましたが、もう一つ資産の管理について、テレビジヨン放送のために協会が東芝との間に結んだ協同研究契約で四千三百八十万円、そのうちで二十六年度が二千二百万円ですかを負担して、その研究で完成した機械を全部取得しておられるのですが、元来これは本放送に使用されるときには、施設費の経費使用として固定資産に計上すべきものであつて、価格も相当高価なものであるから、本放送に使用されるまでに固定資産に準ずる物品として物品出納簿に計上して取得額を明確にしておくべきものである、それがしてなかつたということについて会計検査院の御注意があつたのでありますが、これに対してNHK当局としてはどういうふうにお考えになつているか。将来に対してどういうような考えを持つておられるか伺つておきたいと思います。
#62
○参考人(岡部重信君) この会計検査院の指摘された事項につきまして、現在いろいろ処理方法研究の結果、固定資産に準じて管理の処理を行いまして、実験施設が本放送に使用されたときは固定資産として計上する、会計検査院の御指摘のように処理することにいたした次第でございます。
#63
○委員長(左藤義詮君) 先に新谷委員からお話のありました外資の問題は時節柄非常に大事なことだと思いますので、二十七年度三万九千五百ドルですか、二十八年度ももう計算が出ておると思うのでありますが、これが芸術家の招待だとか機材の問題その他オリンピツク等に相当新聞社や民間と競争してどうしても特派員なんか出そうとする、いろいろな問題があるのでございますが、二十七年度、二十八年度の外資の実積、それを細かく内訳にして二十九年度のはどういう方法で外貨の企画を立てておられるかということを、一つ先ほどの御説明では不十分であつたと思いますので、次回には詳細に御報告を瞬いたいと思います。
 本件に関しましては更に次回の委員会で質疑することにいたしましてれ次の議題であります電波行政に関する調査も次回に譲りまして本日はこの程度で散会したいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#64
○委員長(左藤義詮君) 御異議ないと認めます。
 なお、電波行政に関する定員の問題につきまして、いずれ当委員会としても議をまとめたいと存じまするが、取りあえず内閣委員会に委員長又は理事が出席いたしまして、この問題について発言をしたいと思いますが、お任せ願いたいと思いますが如何でございましようか。
 ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#65
○委員長(左藤義詮君) 速記を始めて。
 それでは御異議ないと認めてさよういたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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