くにさくロゴ
1953/02/09 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 通商産業委員会 第5号
姉妹サイト
 
1953/02/09 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 通商産業委員会 第5号

#1
第019回国会 通商産業委員会 第5号
昭和二十九年二月九日(火曜日)
   午後二時十八分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
二月八日委員松本昇君及び北村一男君
辞任につき、その補欠として高橋衛君
及び大谷贇雄君を議長において指名し
た。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     中川 以良君
   理事
           藤田  進君
           小松 正雄君
   委員
           石原幹市郎君
           大谷 贇雄君
           高橋  衛君
           小林 英三君
           西川彌平治君
           酒井 利雄君
           豊田 雅孝君
           西田 隆男君
           武藤 常介君
           白川 一雄君
  国務大臣
   通商産業大臣  愛知 揆一君
  政府委員
   通商産業大臣官
   房長      岩武 照彦君
   通商産業省鉱山
   局長      川上 為治君
   通商産業石炭局
   長       佐久  洋君
   通商産業省公益
   事業局長    中島 征帆君
   中小企業庁長官 岡田 秀男君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       林  誠一君
   常任委員会専門
   員       山本友太郎君
   常任委員会専門
   員       小田橋貞寿君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○通商及び産業一般に関する調査の件
 (通商産業政策の基本方針に関する
 件)
○特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改
 正する法律案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(中川以良君) これより通商産業委員会を開きます。
 本日は先ず先に只今お手許に配付されておりまする「石油製品の需給状況について」という資料につきまして鉱山局長の説明を求めます。
#3
○政府委員(川上為治君) 石油の需給関係が最近いろいろ問題になつておりますので、この表に基きまして御説明申上げたいと思います。
 一番最後のほうから申上げますが、第八というところでこれは二十八年の一月から十二月までの石油類の販売実績であります。これは間違つております。昭和二十七年の十二月から二十八年の十一月までです。これを見ますと、二十七年の十二月の揮発油の販売実績が十六万七千キロリツターのものが、昨年の十一月におきましては十九万七千キロリツターとなつております。大体三万くらいの増になつております。それから燈油につきましては一万五千五百キロリツターというのが三万七千五百キロリツターになつております。それから軽油につきましては四万四千四百というのが五万七千四百というふうに殖えております。それから重油につきましては四十二万七千というのが五十一万七千というふうに殖えております。総計いたしまして、一昨年の十二月の販売実績、これは下の註にも書いてありますが、石油製造業者及び輸入業者の販売業者なり或いは直接消費者向けの販売数量でありますが、一昨年の十二月におきましては六十五万五千キロリツターというのが、昨年の十一月におきましては八十万キロリツターを超えております。そのうち最も目立つておりますものは燈油、それから重油、こういうものが目立つております。勿論軽油も相当目立つておりまして、特に燈油につきまして一万五千というのが三万七千と倍以上に殖えました理由は、これは石油コンロの普及が最も大きな部門ではないかと考えております。それから軽油につきましても相当殖えておりますが、これは最近大型のバスでありますとか、或いはトラツクのデイーゼル車、こういうものが相当殖えておりますし、それから又農村用につきましても相当殖えておるようであります。それから重油につきましても十一月が五十一万七千となつておりますが、恐らく現在におきましては五十五万に近くなつておるのじやないかというようなふうに考えられておりますが、これがこんなに殖えましたのはやはり重油転換が非常に大きな問題ではないかというふうに考えております。こういうようなふうに、特に重油或いは燈油というものが非常に殖えております。ガソリンにつきましても一昨年に比べますと最近におきましては殖えておるわけでありますが、これはやはり車体数が相当殖えておるということだろうと考えられます。これに対しまして二十八年の一月から十二月までの在庫の状況を次の表で見ますというと、二十八年の一月の在庫は大体におきまして、これは正常在庫に近い数量を持つていたわけなんですが、最近におきましては在庫が非常に減つておりまして、昨年の十二月におきましてはガソリンが九万一千、それから燈油が一万五千、軽油が二万八千、重油が二十八万四千、合計しますと大体四十一万九千となつておりまして、全体から見ますというと、一月の販売実績のうちの大体半月分くらいしかストツクはないという状況になつております。そのうちで最もひどいものはやはり燈油、それからガソリンが最近不足が目立つて来ております。重油につきましては半月よりも若干多いという程度であります。特に燈油につきましては、昨年の十月は非常にストツクが底をついておりまして、八千七百キロリツターくらいしかありませんでしたが、最近若干殖えて参つております。軽油につきましても十月が大体底でありましたが、最近におきましては或る程度殖えて参つております。ガソリンはその逆に昨年の十月よりも十二月のほうが減つておるという状況になつております。私どものほうで大体その正常在庫というのはどのくらいと考えておるかと申上げますと、大体二十五日ぐらいが正常在庫ではないかというようなふうに考えております。そうしますと十二月末の在庫が今申上げましたように半月ぐらいでありますので、相当ストツクが少くなつているということが言えるのではないかと思うのであります。ただこのストツクの問題につきましては、ここに挙げておりますのは石油の精製業者とか或いはその輸入業者とか、こういう大きなもので、相当施設を持つておるものだけの統計でありますので、特約店とか或いは需要者の手持がどういうような状態になつているかということはわかりませんので、或いはそつちのほうが普通の正常在庫以上に持つておるかとも考えられるわけであります。それからその前の表第七なんですが、これを御覧になりますと、これは十二月の価格の状況しかここには出ておりませんが、最近におきましては、これよりも更に上廻つておるのじやないかと思いまするけれども、ガソリンにつきましては、これはそれほど価格は動いていないようであります。それから重油につきましてもそう動いていないというような状況でありますが、燈油、軽油につきましては所におきまして非常に値が上つておる。例えば燈油の昨年九月の価格が東京におきましては二万二千五百円というのが十二月におきましては三万円になつております。それから小樽におきましては二万二千五百円というのが二万五千円ということになつておりますが、軽油につきましても丸亀地区におきましては九月の標準価格が一万四千五百円というのが一万九千五百円となつておりますし、東京におきましては一万七千五百円というのが二万三千円というふうになつておりまして、相当値上りになつております。これは石油協会即ち特約店の団体の標準価格がその団体員の最低、最高の価格を取つておりますので、それ以外の小売店とかというような所における販売価格はこれよりも相当上つておるというふうに見るべきだろうと考えられます。
#4
○西川彌平治君 単位は何ですか。
#5
○政府委員(川上為治君) これはキロリツターです。
 それからその前の表は、これは最近におきまして各方面から石油製品が足りないということでいろいろな訴えが参つているのですが、どういうところから来ておるかということをここに掲げてあります。或いは自動車関係、或いは農村関係、漁村関係がいろいろ問題が起きておるようであります。
 それからずつと前に帰りまして二枚目の所で一番の石油類年度別輸入生産状況というのがありますが、輸入の所を見ますと昭和二十五年度、これは行としましては三行の所ですが、二十五年度の輸入の合計は原油及び製品を合せまして二百五十九万九千キロリツター、それから二十六年度におきましては四百四十五万キロリツター、二十七年度が六百十九万キロリツター、それから二十八年度になりますと、これは第一次、第二次、第三次とありますが、計画を三遍変えて来ておりますので、第一次はこれは四月の計画であります。第二次はこれは九月の計画であります。第三次は十二月に若干計画を変えました。その三回に亙ります計画の一番最後のところをとりますと、年間計画としましては、八百六十八万八千キロリツターということになつております。昨年度だけで六百十九万でしたが、本年度におきましては八百六十八万八千キロリツターというふうに改訂されておるわけであります。そのうちで、その次の表を見ますというと、一番大きいものは、そのうちでやはり重油でありまして、重油の需要量を見ますというと、昭和二十五年度需要量というところがありますが、昭和二十五年度百十九万キロリツターというのが、昭和二十六年度におきましては、二百十七万キロリツター、それから二十七年度におきましては三百四十五万キロリツター、それから二十八年度におきましては、第一次が四百十二万キロリツター、それから第二次が四百六十万、現在におきましては五百万キロリツターという、重油は非常に特に増大しております。大体全体の石油類の半分以上を重油が占めておりますが、昨年の二十七年度に比べますると、本年度におきましては三百四十五万キロリツターから五百万キロリツターというふうに殖えておりまして、先ほど申上げましたように、而もなおストツクの状況が半月程度というような状態になつておるわけであります。それからその次の頁の第三は、どういう方面で重油を特に使つておるかというものを出しておるわけなんですが、鉄鋼につきましては、昭和二十六年度の消費、これが五十万三千というのが二十七年度におきましては、六十三万三千、それから二十八年度は八十六万九千、これは見通しを入れておりますが、八十六万九千、これは一番下のほうに全体で五百万ということにしまして、計画としましての見通しが八十六万九千ということになります。電力につきましては、二十六年度が十二万三千というのが、二十七年度二十九万五千、それが二十八年度におきましては四十四万四千ということになつております。窯業につきましても、非常にこれは殖えておりまして、最近におきましては、セメントその他の方面に相当切替えを行なつたのですが、或いは陶磁器そうした方面でも相当切替えを行なつたのですが、二十六年度におきましては七万三千というのが三十六万九千というふうに殖えております。それから繊維につきましても、一万八千というのが二十八年度におきましては二十四万というふうに殖えております。その他紙及びパルプ或いは化学製品等につきましては、相当程度殖えております。それから船舶関係とか、或いは農水産関係を見ますというと、二十六年度におきまして五十四万八千というのが、二十七年度六十八万六千、それから二十八年度の見通しとしましては七十八万、これはほかの産業と比べますと、非常に飛躍的に殖えてはいないように見受けられます。それから農水産につきましては六十三万四千というのが、二十七年度七十三万一千、二十八年度七十九万二千、それからその他というのが実は相当殖えておりまして、四万一千というのが五十九万二千というふうになつております。このその他の中にはいろいろなものが入つておるわけなんですが、煖厨房とか、そういうものが相当殖えておるのじやないかというようなふうに考えられます。この数量につきましては、こういうようなふうに最近におきましては相当殖えておるわけでありますが、金額につきましてどういうような趨勢になつておるかと申上げますと、その次の頁で二十五年度におきましては三千七百七十七万ドルというのが、二十六年度におきましては六千万ドルをちよつと超しております。それから二十七年度におきましては八千五百万ドルを超えておりますし、二十八年度におきましては一応予想としまして一億九百六十九万ドルというような状況になつております。この一億九百六十九万というような数字は、これはF
○B建にしておりますので、実際に支払うドルはこれよりも相当多いわけであります。大体船舶としましては、タンカーにつきましては半分程度を外国船、半分程度を自国船というようなことになつておりますが、そういたしますというと、少くとも一億五千万ドル以上に二十八年度におきましてはなるのじやないかというようなふうに考えられます。まあこういうような状況でありましたので、私どものほうとしましてはストツクの状況が非常に悪いし、又値段のほうも最近上つておるというような状況にありましたので、差当り昨年の十二月におきましては、その次の五の頁にありますように、五の一番最後の所にありますように、五十六万八千キロリツターの繰上使用と、大体半分程度が繰上使用なんですが、それから三十一万五千、供給力の増加によるもの、補填対策の所にありますように、約三十万キロリツターの追加輸入を認めたわけであります。これをやりましてもなお最近におきましてはやはり状況は非常に悪いというようなことでありますので、私どものほうとしましては、この際石油を最も専用に使うという方面に対しまして、これが事欠かないように措置するために、最近約三十万キロリツターの繰上輸入を認めたわけであります。その油は主として重油でありまして、これは農村或いは漁村、特に漁村向け、漁村関係のほうに油をどうしても確保したいということでそうした措置をとつたわけであります。
 表の説明につきましてはこの程度申上げたいのですが、最近におきましては特に外貨の関係、それから石炭企業との関係、そういう点を考慮いたしまして、私どものほうとしましては、特に石油を専門的に使う、代用品のきかないような、例えば漁船とか船舶とか或いは農村用とかいろいろなそういうような方面につきましては、先ほども申上げましたように、或る程度繰上げをしてでもこちらのほうには重点的に配給を確保したいというようなふうに考えております。それから煖厨房とか、そうした方面に対しましては極力これを使用しない、販売しないようにというようなふうに考えております。それから陸上の特に石炭企業と関係の深いものにつきましては、石炭企業を、これを圧迫するということもいろいろな問題につきましていろいろ問題がありますので、私どものほうといたしましては、どうしてもこの際使わなければならん方面とか、或いは石炭のほうに切替えがどうしてもきかないというような方面に重点的に配給したいというようなふうに考えておりまして、今申上げましたような考え方についての具体的な措置につきましては現在いろいろ検討をいたしておりますが、それにつきましては極力行政指導によつてこれをやつて行きたいというふうに考えております。
#6
○委員長(中川以良君) それでは御質疑をお願いします。
#7
○小林英三君 今の第五ですか、第五の表の三十一万五千五百六十六キロリツター追加輸入というのは、今局長から話がありました繰上輸入という意味ですか、これは……。
#8
○政府委員(川上為治君) 繰上輸入と追加輸入というのは、これは異なつておりまして、繰上輸入というのは、例えば本年の四月から六月までに入れるべき数量は幾ら、而もその外貨については幾らということにしましてそれを渡してあるわけでありますが、それをその計画通りに一つ業界のほうではやつてもらいたいということで指導しておるわけなんですが、併し、最近の事情からどうしても或る程度供給を殖やさなければならないということで、今申上げましたそういう計画になつておるものを或る程度繰上げて輸入させるというのが繰上輸入であります。それから追加輸入というのは、そういう全体の計画がどうしても足りないというものにつきましては外貨の追加の割当をして、そうして追加輸入を認めるというのが追加輸入になつておりますが、結局最後においては追加輸入も繰上輸入も大体同じような恰好になるのじやないかというふうに考えられます。
#9
○小林英三君 それから、一番しまいから二番目のやつなんですが、この価格の推移という御説明がさつきあつたのですが、この価格という問題については、これは通産省としては大体自由販売ですが、業界のほうに値段の高下についてはお任せになつておるのですか。又お任かせになつておるとしても、何らか値段の極端な高下については規制をするようなことになつておるか。それから、先ほど局長の御説明の中に、例えば揮発油について昨年の十二月の例えば東京の値段というものが一キロリツトルが三万三千円、こういうふうな話がありましたが、併しこれは現在ではよほど変つていると思うのですが、どうですか、その点は……。
#10
○政府委員(川上為治君) 私どものほうとしましては特別に値段の規制はやつておりません。併しながら、値段が上りますということは、いろいろその影響がありますので、業界に対しましてはこれは元売業者、それから特約店、そうした方面に対しましては値段を極力上げないようにという行政指導は行なつておりますが、その行政指導というのがどの程度効果があるか、これは甚だ疑問もあると思うのですけれども、一応大口の販売業者なり、或いは又小口ではありましても特約店程度のものに対しましては大体そう上げないようにという行政指導はやつておりますので、そうした方面の価格はまあそれほど上つていないのじやないかと思いますけれども、一般の小売店につきましてはこれはなかなかそういう行政指導もききませんし、又特約店も非常に数が多いですから、一々そういう行政指導ができませんので、恐らくここに挙げてありますような価格よりも、最近におきましてはそういうところからの販売価格は非常に高いというふうに考えられます。
#11
○小林英三君 そこで、例えばガソリンの場合についてお伺いするのですが、オクタン価の高いものと普通のものとの間の価格の差というのはよほどあるのですか。
#12
○政府委員(川上為治君) オクタン価の高い油につきましては、一応理論的にはオクタン価の高いものが値段は高いということが言えると思うのですが、いずれにしましてもこれは需給関係によりましてきまる問題でありますので、普通ならば今申上げましたようなことになると思うのですが、最近の情勢におきましては必ずしもそういうことが言えないのじやないかというふうにも考えられます。
#13
○小林英三君 それでは実際問題についてお伺いしましよう。大体東京の、我々が例えばガソリン・スタンド等で買う小売値段というものは、大体昨年から今年の初めくらいにかかりまして大体この三万五千円ぐらいが普通だつたのです。これはもうどこのスタンドでもそうだつた。ところが最近、これは今日の話ですが、最近これはオクタン価が高いというので四万五千円、これはオクタン価が高いガソリンですからというので四万五千円、つまり、我々が例えば自動車に二十リツトル入れますというと九百円。私どもにはオクタン価が高いか高くないかわからないが、とにかくオクタン価が高いと称して売つている。それから普通の奴が大体十リツトルが三百六十円、ですからしてここに書いてあります東京の十二月の相場三万三千円と比べますと約一割、それからオクタン価の高いと称する奴が大体四百五十円で小売をやつておりますのがたくさんありますが、そういうものはどうですか、鉱山局長。
#14
○政府委員(川上為治君) 多分そういうことはあると思うのですが、先ほども申上げましたように、私どものほうとしましては大口の販売業者でありますとか、まあ特約店の主なるものとか、そういうものに対しましては或る程度行政指導はきくと思うのですが、小売店とかそういうような方面における販売価格のこれの行政指導はなかなかむずかしいのじやないかというふうに考えておりますが、今おつしやいましたような相当名のある店のスタンドでそんなに上げて売るという事実、これは私余り聞いておりませんが、そういう点がありますれば私どものほうからそういう店に対しましては、そういう高い値段で売らないようにという行政指導はしたいと考えております。
#15
○小林英三君 そうすると、それは小売店かスタンドが暴利を取つているということですね、結論としては。
#16
○政府委員(川上為治君) これはよく調べて見んとわかりませんけれども、まあ販売業者が暴利を取つているのか、或いはその前の元売業者が取つているのか、或いはその精製業者のほうで取つているのかそれはよくわかりませんが、大体その精製業者或いは元売業者、そういうところはどちらかと申しますというと、私どものほうで或る程度行政指導はきくと思いますので、そういうところはそういう非常に高い値段で販売していないのじやないかと思いますけれども、これはやはり取引の問題でありますので実際を詳しく調べて見ないというと、我々が紙の上で指導をしている通り必ずしもうまく行つていないのじやないかということも考えられますが、これは若しそういうような事実がありますれば調べまして、業界の自粛なり、或いは行政指導に対しまする協力をお願いしたいと考えております。
#17
○小林英三君 私はこの問題に対して今直ちに通産省にとやこう申上げるわけじやないのですけれども、行政指導をなさつておつて、そうして多少小売がまあ場所によつて違うということはそれは止むを得ないといたしましても、今お話のようなオクタン価の高いものがそうべらぼうに高いものじやないということでありまして、而も私は現実に今朝四百五十円で買つているのだから、こういう問題を十分一つお含みの上で今後善処して頂きたいと思います。
#18
○西田隆男君 鉱山局長に二、三聞きたいのですが、通産大臣の通産行政の説明の中にも重油の問題はありましたが、二十九年度にはどのくらいの輸入をする予定なんですか。
#19
○政府委員(川上為治君) 実は二十九年度の問題につきましては、外貨の関係で今のところどの程度輸入するかということをまだ実はきめていない状況にありまして、私どものほうとしましては非常にこれを削減することがいいか、それとも現状程度に何とかしてとどめるべきかというような点につきまして現在検討中でございます。
#20
○西田隆男君 いつ頃きまるのですか。
#21
○政府委員(川上為治君) これはやはり全体の外貨予算の関係がありますので、成るべく急いでやりたいと考えておりますが、日にちをいつ頃きめられるか、その点につきましては成るべく早く一つ相談してきめたいと思つておりまして、そうでありませんというと、今後のいろいろな行政的な問題につきまして支障も生じますので、この点は通商局とも相談しまして、成るべく早くきめたいというふうに考えております。
#22
○西田隆男君 きまつていないものは仕方がないが、そういうことは早くきめるべきですね。予算を提出したときにはそういう問題はきまつておらなければならんと思うのですがね、それがまだきまつていないというと、結局日本の総合燃料対策という点についてはどうするのだ、こうするのだということは皆根拠のない議論になつてしまつて、我々通産委員会でそういうものの調査ができなくなつてしまう。それはもう早急に一つきめてもらわなければいかんと思います。
#23
○藤田進君 ちよつとそれに関連して、それできまらないというのは外貨割当の関係が重点で、それが今きまらないという大きな理由ですね。
#24
○政府委員(川上為治君) これは今おつしやいましたように外貨の割当の問題に非常に大きな影響、ウエイトを持つておりますので、やはりそちらのほうとよく相談しませんというとなかなか石油だけ突破してきめるわけにも行きませんので、今申上げましたように特に外貨の関係、それからもう一つは先ほど申上げましたように重油の問題につきましては石炭企業との関係が相当ありますので、そうした問題をいろいろ考えて早急にきめたいと思つております。
#25
○藤田進君 そうすると、外貨の問題は一応抜きにして、二十九年度の必要推定量ですね、それは幾らに踏んでいますか。
#26
○政府委員(川上為治君) これは業界あたりの意見もいろいろ聞いているのですが、業界あたりでは全体としまして一千百万キロリツターを超すのではないかということを業界のほうでは言つておるようであります。
#27
○藤田進君 通産省の意見です。
#28
○政府委員(川上為治君) 私どものほうとしましては現在いろいろその数字につきましては検討しつつありますので、若し自然のままに放置しましたならばどれくらいになるか、或いは又これに対しまして或る程度の行政指導をしましたときはどの程度になるかというふうな点について、先ほど申上げましたようにまだはつきりした数字は出ておりませんが、大体自然に任せますというと、恐らく千百万キロリツターを超えるかも知れないというような感じを持つておるわけであります。
#29
○西田隆男君 次にお尋ねしたいのは、なぜ日本で石炭があるにかかわらず重油がこんなに使われるようになつたかという問題に関連して、よく炭価が高いとかストライキで何だとかこういう議論が聞かれるのですが、現在の重油の値段なんかを見てみますと、値段の点なんかは現在の石炭の値段と大差はないというふうに私には受取れるのですが、これは非常な差があるのですか。
#30
○政府委員(川上為治君) 石炭の値段と、それから重油の価格につきましては、これは値段そのものにつきましても相当開きがあります。効率そのものから見ましても、これは重油を使つておる方面の意見でありますが、相当その効率が違うというようなことから、やはり石油のほうを、現状におきましてはどうしても石油のほうがいいというようなことを言つております。
#31
○西田隆男君 概念的に効率が違うということでなくて、あなたの答弁とすれば価格が幾ら違うとか、使用効率はどんなふうだということをもう少し具体的に説明して下さい。
#32
○政府委員(川上為治君) その資料を実はここへ今日は持つて参つておりませんが、大ざつぱなところを申上げますというと、大体C重油は八千円をちよつと超しておると思うのですが、これのカロリー計算等を見ますというと、その効率のほうから見ますというと大体石炭の倍とは言いませんが、倍近い程度まで効率としましては上つておるのじやないかというようなふうに考えられます。それから燃料費の点から言いますというと、石炭を使つた場合と重油を使つた場合におきましては、これは大体四割或いは五割程度の差があるというふうに一応これは非常にまちまちな資料が出ておりますが、そういう資料も一応出ております。それからその製品のコスト全体から見ますというと、まあ一割程度というような差があるように、そういう資料も出ております。
#33
○西田隆男君 そのことは私調査しておりませんからまああなたの言つておることを聞いておきましよう。従つてその重油を使つたためにその工場で造つた生産品の生産原価が一割差がつく、こういうお話のようですが、それは市場の販売価格の上に現実に現われておりますか。
#34
○政府委員(川上為治君) 燃料につきましては、今申上げましたように四割なり、或いは五割なりそういう違いがあるような資料も一部出ておるわけなんですが、全体のコストから見ますと一割程度違うというような資料も出ておりますが、それがそういうものを燃料として使いました製品についての一般の市販価格が、或いは輸出価格が非常にそれだけ安くなつておるかという点につきましては相当疑問なんじやないかというふうに考えております。
#35
○西田隆男君 疑問があるということでなくて、なつておるかなつておらないかということを開いておるのであつて、実際の輸出価格或いは国内の市場価格が下つておればこれは問題がないと思うが、併しそれが下つていないということになると新らしい問題が起きて来る。それははつきりわかつておつたら一つ説明して下さい。
#36
○政府委員(川上為治君) その製品価格がそれほど、じや安くなつておるかという点につきましては、先ほども申上げましたように、私は疑問があるんじやないか、といいますことはまあそれほど下つていないということになると思うのですが、併しそれによりまして燃料費が非常に瞬くなつたとか低くなつたとかいうようなことで利益が出ますと、それをいろいろな合理化の方面に相当余裕の金を使つておるんじやないかというようなふうにも考えられます。
#37
○西田隆男君 合理化のほうに使つておるから合理化したために生産原価はなお下らなければならんので、いずれにしても相当の期間に重油の殖え方が想像以上に殖えておる点から見ても、何らか社会的に重油を輸入することによつて貢献する点があればこれは殖えてもいいという議論は成立つと思うのですが、そうでなければこの重油のいわゆる増加により、日本の国内の総合燃料対策として日本の国で折角使うだけ掘れるような石炭にこの重油によつて非常に圧迫を加えておるという事実はこれは川上さんも御承知だろうと思うのですがね。そういう点から考えてあなたの説明だけを聞いておりますというと、重油が効率があるから重油だけ輸入してもいいんだというようにもとれるし、石炭と重油の点を勘案して重油の輸入をきめるんだという点から考えると、何らか石炭に対しても考慮を払われておるかのようにも考えられる。併しこの非常な石炭に対する影響を今後の重油の輸入の面からどういうふうに鉱山局は考えておられるか、鉱山局長としての心がまえを一つ承わりたい。
#38
○政府委員(川上為治君) 総合的な燃料対策につきましては、特に重油と石炭の関係につきましては現在先ほども申上げましたように、いろいろ通産省の内部で相談をいたしておりまして、今後石油につきましてどういうようなふうに持つて行くか、或いは石炭についてどうようなふうに持つて行くかというようなことはいろいろ検討しておりまして、そのうち総合燃料対策につきましては御説明できる時期が来ると思うのですが、私自身としましては、その石油類がそんなに販売が今までの状況でどんどん伸びて行きますことは、先はども申上げましたように外貨の問題から言いましても或いは又石炭企業との関連から言いましてもこの際よほど考えなくちやならない問題でありまして、先ほども申上げましたように石油につきましては貴重な外貨を使つております関係からどうしても石油のほうを専門的に使つておる方面に対しましてはこれは重点的に特別に配給しなければならないと思うのですが、その他の方面におきましては或る程度規制をして、そうして石炭のほうへ順次乗換えて行くというようなふうに持つて行くべきじやないかというようなふうに考えておりますが、ただ問題はこれは余り急激にやりますというと、いろいろ又問題も起きますので、その点につきましては緩急よろしきを得てまあ石炭企業に対しましても非常な打撃にならないようにすべきじやないかというふうに考えております。
#39
○西田隆男君 打撃にならんようにしたいと言つたつて、現在打撃が来ているのだから、今から先、将来打撃が来るであろうというようならば今のあなたのような考え方でよろしいと思う。現実に石炭に非常に大きな打撃が来ている。この打撃か続いて行けば石炭産業か立つて行けない虞れが多分に考えられる。ただ省内で協議をしておるということだけでなく、早急に案を立てて通産省の方針はこうなのだという方針を一つ示してもらわなければならんと思う。もう一つ聞きたいことは、通産省が重油の輸入の計画をして、そして設備転換を各企業に要請したことを私は聞いておるのですが、その際に重油の輸入が不可能になつた場合においては石炭に切替えられる両方の設備のボイラーにするという指導をされたことも私は聞いておる。従つて今直ちに重油から石炭に切替えられるという設備を持つておるものは現在どれくらいあるのですか。
#40
○政府委員(川上為治君) その点につきましては、先般来いろいろ調査をいたしておりますが、まだ実ははつきりした調査はできておりませんので、何とも答えられない事情にございます。
#41
○西田隆男君 そんな答弁は駄目ですよ。鉄鋼、電力、化成肥料、セメントと数えて行つたらわかりきつた産業、その大きな産業を、重油の統計が示すように余計使つておる産業、そういうものには必ず通産省としてはそういう指導をやつておるはずなんですから、そういうことを調べることは一週間もあれば往復文書でやればわかつてしまう。少くともそういうことはお調べになつておらんといけませんよ。少くとも何らか石炭と重油という総合燃料対策を考える立場から言えば、日本の石炭企業を圧迫せんためにも少くとも転換設備をしておるものだけでは早急に石炭に切替えさせるというくらいの考え方は常に通産省としては持つべきものだと思うのです。これが今日になつてもまだ総合対策がきまつていないのだ、今から研究してそのうち発表するのだというようなことじや誠に物足らなさを感じます。鉱山局長にやかましく言うのも何だから、石炭局長が見えておるようだから私の質問に対する石炭局長としての立場から鉱山局の重油の輸入に対してどういう考えを持つて今まで折衝して来られたか、それを一つ聞きたい。
#42
○政府委員(佐久洋君) 重油と石炭の調整の問題について省内で協議を進めておるということは先ほど鉱山局長のお話した通りですが、石炭局長としての考え方は実はこの前の前の委員会でございましたか、御説明申上げました。その内容は私個人としては重油の輸入が輸出の振興に非常に役立つとか、或いは一般物価に非常に役立つということであれば国全体の経済的見地から或る程度の圧迫が仮に石炭鉱業にあつてもそれは見逃し得る問題じやないかと思いますが、私の調査したところでは重油に転換したために輸出が伸びたという事実もありませんし、製品価格が下つたという事実も私は発見しておりません。ということは方面を変えて見ますると、重油に転換した企業の利潤は確かにコスト引下げによつて殖えているはずであります。その片方においては石炭鉱業に非常な犠牲があつて、つまり石炭鉱業の犠牲において数企業の利潤が殖えただけだということでは産業政策としてどうしても私どもには了解がつかん、こういう基本的な考えを持つて今日まで石炭と重油との調整問題を指導して参つておるような次第であります。私の調べた資料によりますると、各産業別に見ますると、重油に転換したために燃料費の下り方というものはそう大きな数字にはならんのでありまして、と申しますのは産業全体として見ると重油に転換した度合が少い、従つて大部分の製品というものは従来通り石炭を使つて製造されておる、その関係で製品価格が下つていない。こういうふうに思いますが、そこで従来重油を使つておつたものから更に石炭に再転換した場合にどの程度の燃料費の値上りが来るのかというようなことを産業別に調べて見ました。これは鉄鋼とか窯業、セメントそういう関係もかなり値上りを来たすことになりますが、一般産業について見ますると、そう大きな値上りは来たさない。従つて行政指導によつて重油でも石炭でも使える炉を再び石炭を使うように指導するということが可能であろう。一方又それだけの石炭の需要が増せばそれに応じた石炭のコスト引下げということも期待できようと思いますのでそういう方面に対する石炭の供給極格を下げ得るのじやないか、従つて全体的に見ますと国全体の燃料費としては値上りよりも、むしろ若干下り得る見通しが持てるのじやないかと、こういうふうな考え方を以て今検討を進めている次第であります。
#43
○西田隆男君 それはあなたが今ここで説明されたことをそのまま通産省が実行してくれればいいと思うのですが、併し同じ通産省の省内におつて同じ局長で省議を開いて石炭と石油というものに対する総合対策というものについてはしばしば話合いがあることと思う。それは今あなたがそう言われるけれども、実績を見ると石油がだんだん殖えるばかりで一つもあなたの意見が通つていないというふうにしか私には思われない。あなたが言われるように、私もそう考えているのだが、価格も下つていないし、大したことはないのだということになれば折魚日本の国でせめて使えるだけの石炭を抑制して、そして出せないようにするような重油の輸入の仕方ということは国の経済から見たらでたらめですよ。もう少し通産省は縦だけでなく横の連携を緊密にとつてもらつて日本の産業に対して誤りない方法をとつてもらわなければならんと思うのです。自由党の吉田内閣と言うと悪いのですけれども、吉田内閣のいわゆる行き当りばつたり政策をそのままただ丸呑みしてやられたのでは日本の産業は非常な迷惑をこうむるを思う。従つて二十九年度の電池の輸入に対して今あなたの言われるようなことを通してもらいたい。そしてこれは鉱山局長にもお願いするのですが、石炭局長も調べてもらいたいと思うのです。両方の設備を持つておるくらいのものはすぐ調べてもらいたい。石炭に転換することを一遍にやるというのも何だから或いはこれを一割ずつ裁やろうとか、或いは五割ずつやろうとか或いは三年間でやるとかこれほど行詰つた問題に対しては具体的な方策が早急に立てられないと国民は困つてしまう。これはどういうふうにしてやりますか。
#44
○政府委員(佐久洋君) 私の申上げたことは、これは石炭局長として率直に言えということで申上げたのでありますが、全然私の考え方が取上げられていないかどうかということは、重油と石炭の調整の施策というものが極めて近い機会に提出されると予定しておりますので、それを御覧になつた上で又御批判頂きたいと思いますが、私自身としては全然重油と石炭との調整問題がうやむやに終るということはないと、こういうふうに考えております。
#45
○西田隆男君 まあ一つあなたの言われたようなことでしつかりやつて……、これは私は石炭鉱業のためにばかり弁明しているのではないのです。日本の燃料の総合対策を誤らないようにするために言つているのです。これは国民としては大きな問題だと私は思うのです。その問題がしよつちゆうちぐはぐになつてそのために消費者は、生産者は、非常に迷惑をこうむる。これではどうにもならんと思うのです。今あなたが言われた品目のうち、セメントなんかは非常に単価に影響するだろう、こういうお話があつた。何%影響するかは別問題として、今セメントの価格はトン八千五、六百円恐らくしておると思う。これは石炭が六千円くらいしておつた頃の値段です。ところが石炭は今四千円台です。それでセメントの値段は八千五、六百円の値段で値は下らない。こういう点から考えて、セメントが重油を石炭に切替えたからといつて生産原価を、販売価格を変えなければならないほど生産原価に影響するとは私は考えられない。これは一セメントの例ですが、ほかの物が皆セメントと同様であるかどうかは、これは別問題です。それでなくてさえ企業の合理化、単価の引下げ、輸出の増進というような方針を通産省がとつており、石炭を重油に切替えたために何十%の生産原価が変つて来る、従つて国内価格も輸出価格も変えなければならんというような影響があるのなら、これは別問題だと思うのですが、私はそういう影響は断じてないと思つている。これは資料を持たんから断じてないという言葉だけですが、そういうことは抽象的にあなたがおつしやらないでも、通産省は資料を集めて計数を出せばすぐ出て来るはずです。出て来れば従つて結論は即時に生れなくちやならん、私はそう思うのです。ただ委員会で、言葉の上で答弁をされておつたのじや、国民も業者も非常に困るだろうと思う。これは大臣がお見えになつたら総合燃料対策については改めて聞き直すつもりにしておりますが、どうか一つ、石炭局長も、鉱山局長も、軽工業局長もおられるのですから、十分こういう点について話合つて国民経済に影響のないような、好結果をもたらすような、一つ省議を決定して頂きたい。
#46
○豊田雅孝君 先ほど鉱山局長の説明によりますと、大分石油については行政指導をやつておられるというお話ですが、どういう項目について、又それが内規にでもなつておるのかどうか、もつと具体的に説明して頂きたい。
#47
○政府委員(川上為治君) 行政指導の要綱といいますか、そういうものはまだ出ておりません。現在その案をいろいろ検討しまして早急に私どものほうとしましては案を以て指導をしたいというように考えておりますが、昨年度も十二月頃から私どものほうとしましては石油業界を何遍か集めまして、先ほども申上げましたような考え方で是非ともこの際重点的にと申しますか、特に配給をしなければならぬ方面に対しましては、その方面に配給が滞りなく行くように、又煖厨房とかそういうものについては、この際配給するのはどうかと思いますので、そうした方面については成るべく遠慮するようにというようなそういう言葉でいろいろ行政指導を行なつて来ております。又最近におきましては、漁業用の油につきましては先ほど申上げましたように、この際繰上げてでも特に確保をしてやらなければならぬというような状況にありますので、この漁業者関係と、それから石油の販売業者と両方いろいろ合せましてその確保の方法についても相談をさせつつありますし、又農山漁村用の燈油、軽油或いは重油につきましても、両方で今話合いをしつつある状況でありまして、そういうような方法によりまして、こういうどうしても石油を専門的に使うような方面につきましては、そういう油が必ず行渡るようにというような指導を業者をしてやつておりますが、一方鉄鋼とかその他の方面に対しましても私どものほうとしましては、早急にそういう行政指導を行なつて行きたいというように考えておりますが、今まだ具体的な案そのものをここで御披露するところまでは実は行つておりません。
#48
○豊田雅孝君 今の行政指導ですが、一面価格に関するものもあるでしようし、或いは用途の関係の行政指導もあるようですが、そういう行政指導というのは、法律的に見て行政指導でやれるのですか。
#49
○政府委員(川上為治君) 私どものほうとしましては、法律的に申しますか、そういう程度の行政指導はできるのじやないかというようなふうに考えております。まだ切符制とかそういう或いは法律に基く使用制限とかそういうところまでは行つておりませんが、その前のそういう行政指導はできるのじやないかというようなふうに考えております。
#50
○豊田雅孝君 実質的にはもうすでに統制の段階に入つているので、そういうことは行政指導でやるのは穏当でないと思う。これはやるなら法律でやらなければならぬと僕は思うのですが、そういう点について率直な御意見はどうですか。
#51
○政府委員(川上為治君) 従来とも例えば綿につきましてはリンク制とかというような方法をとりましたが、そういうようなことは統制というところではなくて、そういうところまでは行政指導として私どものほうとしてはやれるのじやないか。従つて先ほども申上げましたような程度の行政指導というのは、これはできるのじやないかというようなふうに考えておりますが、なおこの問題につきましては、いろいろその法律的な御見解もあると思いますので、今いろいろそういう問題を検討いたしております。
#52
○豊田雅孝君 やはりこれは行政によつて営業事務の一種の制限だと思うのですね。ですから行政指導というような言葉を使つておられるけれども、その実態は私は相当な重要性のあることだと思うのです。そういう面から今後やはり今言われたような点は推進せられるならば、この前も通産大臣が言つたのですが、適当な機会に方針を統制のほうへ向けるなら向ける、そうしてそれに必要な法律を出すなら出すというほうへ向つて行かれるのが然るべきだと思う。いつの間にやら実態はだんだん統制ということで、事実は行政指導だ、行政指導だと言つておられることが、一帯困る問題だと思うが、この点について大いに研究せられました方針をはつきりさせてもらいたいと思います。
#53
○小松正雄君 只今資料に出ております主要産業別重油消費の推移でありますが、これに示してあります二十六年度から二十八年度までの消費の推移が現われておりますが、これはここに示してある鉄鋼とか、いろいろこう出ておりますが、これだけに使用したというようなことに考えていいのですか、どうですか。
#54
○政府委員(川上為治君) 一十六年度、二十七年度の成績、これは二十七年度のものは実績でありまして、二十八年度の上期、これが実績でありますが、下期については見通しが入つておりますので、大体二十八年度においてはこれくらい使うのじやないだろうか。これは先ほども申上げましたように五百万キロリツターというので、一応計画的にそこを絞つておりますので、その五百万キロリツターということで行けば下期は見通しになりますけれども、大体こういうような実績になるのじやないかというようなふうに考えておるわけであります。
#55
○小松正雄君 そういたしますと、二十八年度のこれは実際年度内にこれだけ使うのだという見通しをされて、ここに提示されたということでありますが、この中には私の問わんとするところは、海上保安隊等に一応使つておる量というものがあると思いますが、そういうものはこの中に入つておりますか、どうですか。
#56
○政府委員(川上為治君) ここに入つておりますものは全部でありまして、そういうようなものも勿論その他の中に入つておると考えております。
#57
○小松正雄君 その他の中に入つておるとなるとどれくらい入つておりますか。
#58
○政府委員(川上為治君) 今この数字ははつきり覚えておりませんが、実は保安隊関係で使つております油は現在のところそうたくさんない。大体これははつきり覚えておりませんので或いは間違つておるかもわかりませんが、少くとも二十万足らずというふうに私のほうでは考えております。
#59
○小松正雄君 そういたしますと、さつきも西田委員よりもいろいろ指摘されて御質問がありましたが、二十九年度の総括した燃料計画というものについて、この保安隊というものが二十万と仮定いたしますならば、二十九年度に対しては行けるという見通しを持つておりますか、二十九年度に対する総合計画年度の中に織込まんとする問題について……。
#60
○政府委員(川上為治君) 大体来年度の保安隊がどれくらいになりますか、その点は保安隊のほうから十分な連絡がありませんので、私どものほうとしましては何ともどの程度になりますかその点はよくわかりませんが、少くとも保安隊のほうでこれだけ要る、而もそれは保安隊そのものに対して保安隊の何といいますかその需要を、その程度は見るべきだということになりますれば、やはりこれはその点見てやるべきではないかというふうに考えております。
#61
○小松正雄君 私は先日のこの委員会で二十九年度の石炭の需要という問題について大臣が来られたときに石炭関係についたこともお問い申上げたのですが、その場合にどうしても国内の石炭を使うという関係から、この重油というものは当然防止しなければならんと、こういう考えでおる、こういうお話でありましたが、鉱山局長はどういうふうに考えておられるか。
#62
○政府委員(川上為治君) これは先ほどもいろいろ西田さんからの話もありまして申上げましたように、重油を専門として使つておりますそれ以外の代用燃料のないものにつきましては、私どものほうといたしましては最近の需要を極力これを見なくちやならんというようなふうに考えておりますが、それ以外のものにつきましては石炭で代用できる、と申しますとむしろ石油のほうが代用じやないかと申されるかも知れませんが、そういう石炭を使つても、或いは重油を使つても、どちらでも使えるというようなものにつきましては、先ほど申しましたように外貨の需要とか、或いは石炭需要との関連とか、そういうような方面から或る程度節約をして、成るべく国内資源であります石炭のほうに切替えて行くように行政指導して行きたいというふうに考えます。
#63
○小松正雄君 先ほど石炭局長が石炭に関する問題について結論的なことは出しておりませんが、或る程度のことはここで披瀝されたのでありますが、それに関連いたしまして鉱山局長は特に協力されて、そうして二十九年度の石炭の殖えますという意味におきまして、重油の防止ということに御協力をされるという意思があるかどうか。
#64
○政府委員(川上為治君) 私は石炭局長の意見としては大体同じでありまして、やはり国内資源というものを極力私は使つて外貨というものは成るべく節約して行かなきやならんというふうに考えておりますので、石炭局長に協力といいますか、通産省の全体の方針に対しまして私は極力協力して行きたいと考えております。
#65
○小松正雄君 最後に只今のお説を聞きまして私も非常に意を強くし喜びに堪えない、一言お礼申上げていいと思いますが、どうかそういうような観点に立つて次期計画についての御説明をなさる場合にそれを現わせられた数字を以て御提出下されんことをお願いしておきます。
#66
○白川一雄君 最近航空輸送が盛んになつて参りまして、アメリカのほうへも一週週に二度日本航空は運航します。国内にも盛んに運航いたします。又聞くところによりますれば、保安庁は、空軍、航空機関係を増強するということを聞きますが、これに使用する高いオクタン価のガソリンを相当必要とすると思うのでありますが、それはこの計画の中に考慮されているのか。そういう必要は又別の枠において考えておるかを承わりたい。
#67
○政府委員(川上為治君) この本年度の需要の中には、そういうものは極めて少いと思うのですが、来年以降の問題につきましては、保安隊がまだそうした方面からの何らどの程度必要だという御連絡を受けておりませんので、まあ私のほうとしましては、そういう特殊な油につきましては、これはどうしても輸入しなければならんというようなふうに考えております。日本におきましては、そういう高級なガソリンはまだできるところまで行つておりませんので……。
#68
○白川一雄君 日本の外貨保有の国力等から考えまして、やはり燃料の面からも航空機輸送というようなことは或る程度制限を受けるものと考えていいのか。それとも航空機に関する限りは必要なだけ外貨を払つて輸入するという御方針なのか。又それを使用する面から通産省の統制を図つている方面と計画を立てるときに十分協議の上進めておられるのか。おのおの別々に考えてやつておられるのか。その辺の事情を承わりたい。
#69
○政府委員(川上為治君) 先ほども申上げましたように、どの程度将来航空機関係の事業が発達するか、そういう点はまだ私どもにはわかりませんし、計画も何ら私ども頂いておりませんので、従いましてどの程度高級ガソリンを輸入すべきかというようなことはなかなか今のところ困難であると思うのであります。現状から言いますというと、そうたくさんな量ではないというふうに考えておりますので、その程度のものはこれは輸入しましても外貨に対しましては支障はないものと考えております。
#70
○委員長(中川以良君) 私からちよつとお尋ねいたしたいのですが、今日頂いた表を見ましても各産業別に従来石炭を使つておつたところが重油を使う量が非常に殖えておる。例えば電力が約四倍近く使つている。それから繊維のごときは、これは約二十倍ほど使つております。その他パルプにおいてもこれは従来四千キロであつたものが十七万四千キロも使つている。非常な殖え方である。こういう点を考えますと、外貨を使つてたくさん石油なり重油なりを入れますということは、これは甚だまあ我が国の外貨事情からいつて考えなければならないことでありますが、併し先ほど石炭局長のおつしやつたように、こういうふうに重油の転換をいたしても大した合理化になつていない、コストも下つていない、而もそれがみんな利潤に殖やしているのだ。どうも一方においては利潤があつて石炭業者を圧迫しているという御説明があつたのですが、私はそういう御説明じやどうも産業界は納得しないのじやないかと思うのです。今日の自由経済下におまましては、やはりできるだけコストの安いものを作つて行つて、利潤を殖やすということを考えなければならんと思うのですが、それが産業道義の問題でございますので、そういう国家的見地に立つての総体的な考え方から、これをいわゆる善良なる行政指導をして頂、きたいと思うのです。現在どうも石炭局と鉱山局とは互いにお話が齟齬をしておるような点が私はあると思いますので、こういう点はどうぞ一つ円滑に両局でお話合いになつて、大乗的な見地の下に一般産業を行政的に御指導になるというお考えでなければ私はいかんと思うのです。その意味におきまして私は一つ資料を頂きたいのですが、産業別にこういうふうに殖えておりますが、この産業が現在の状況として、重油から石炭に転換をするためには一体設備の点でそのまま行けるものがどのくらいあるか、それから設備を替えるためにはどのくらいの費用がかかるのか、又石炭がどのくらいの値段になればこれが使えるのか、現在のまま石炭に置換えたような場合には、どのくらいの、いわゆる従来と比べて支出が多くなるかというような点を、一つ両局の一致した御意見の、御見解の下に一つ表を出して頂きたいと思います。これは一方的に石炭局なり、鉱山局がお考えになつて、おのおのそれをお出しになつても、これは受取るほうでは非常に相違があると思いますので、その辺一つ大きな見地からお考えを頂きたいと思うのであります。
 それから只今輸入されておりまするところの石油類が、いわゆる原油として輸入されておりまするのと、石油製品として輸入をされておる部分があるのでありまするが、この割合は一体どういう御見解の下に原油と石油製品とをお分けになつておられるか、それからこれに関係いたしまして、国内の石油の精製業というものが現在いわゆるその生産力に対しましてどのくらいの割合に動いておるかという点を一つ伺いたいのです。
#71
○政府委員(川上為治君) 先ほど石炭局長と私とが全く意見が齟齬していて一致しないように聞えましたことは、私のほうの言葉が足りなかつたためにそういう誤解を招いておりますことは、甚だ私としましては申訳ないことでございます。併し私は先ほど申上げましたように、両方協力してこの問題につきましては早急に総合燃料政策を立てたいということは、私も石炭局長も全く同感で、やつておりますので、その点は誤解ないように、又御安心して頂きたいと思うのであります。
 それから今お話のありました製品と原油の輸入の割合、この問題につきましては、ガソリンにつきましては大体一割五分程度を製品輸入として考えております。それから重油につきましては半分程度、これが製品輸入でありまして、それ以外は機械油が或る程度入つております。これは私のほうとしましては、ガソリンの需要というものを先ず考えまして、その一割五分程度は製品で輸入する、八割五分を原油で入れる、その八割五分のガソリンをベースにしまして、原油を入れておりますので、勢い重油につきましては相当量製品として輸入されているということに相成つておるわけであります。それから現在の精製設備がどの程度であるか、又どの程度稼働しておるかという問題につきましては、大体これははつきりした数字を今日持つて参つておりませんが、又最近におきましては稼働率が相当高くなつておると思うのですが、大体精製能力としましては、これはもう全部フルに動かしまして、日曜なし、修繕なしというようなことで行きますというと、大体八百万キロリツターぐらいの精製能力を持つているのじやないかというようなふうに考えるのであります。併しこの問題につきましては、今申上げましたように、或いは船舶の関係とか、港湾の関係とか、或いはパイプの問題とか、或いはタンクの問題とか、そういういろんな点がありますので、太平洋岸におきましては八五%程度、それから日本海方面におきましては六五%か七〇%くらいが、大体普通の稼働能力と見るべきではないかというようなふうに考えますが、六百五十万くらいの現在稼働能力があるのではないかというようなふうに考えております。それに対しましてどの程度動いておるかという点につきましては、大体現在その九〇%くらい動いておるのではないかというようなふうに考えておりますが、この詳細な資料につきましては、御必要がありますれば又の機会に持つて参りたいと考えております。
#72
○委員長(中川以良君) それで只今何でございますか、精製工場において、特に重点的に精製をしておる各工場によつて違うと思いますが、その点はどういうふうになつておりますか。
#73
○政府委員(川上為治君) 原油を入れますと、大体それからガソリンがどのくらいとれるか、或いは又重油がどのくらいとれるかというのは、一応一定の比率があるわけなんですが、私のほうとしましては、年末におきまして燈軽油が非常に払底して参りましたので、その際は極力そうした方面を生産してもらいたいという要望を出したことがありますが、いずれにしましても、これは一応の比率がありますので、その比率で自然に生産が行われるわけでございます。
#74
○委員長(中川以良君) 只今、燈油の足りない時分には特に燈油を作るというような行政指導をやられたのですれ、そういうようなことが、今後の石油のいろんな規制をやられる血において工場に対する行政指導をおやりになるのでありますか。
#75
○政府委員(川上為治君) それは必要によりましてやらなくちやならんと思つておりますけれども、今申上げましたように、これは大体一定の比率というものがありますので、それをそんなに幅広く動かすということは、これは自然的に、物理的にできませんので、まあ燈油が非常に足りない時分におきましては、成るべく燈油のほうを少し殖やして行くというような行政の指導はできると思いますが、一応の限界がありますので、必ずしもその通りには行かないと、技術的にも考えております。
#76
○委員長(中川以良君) 今日の石油化学工業というのは、どんどん進歩して行つておるのでありますが、現在稼働しておる日本の設備というものは、一応この程度において満足し得るのでありますか、それとも非常にアメリカその他と比べまして遅れているのですか、その辺の御見解はどうですか。
#77
○政府委員(川上為治君) 高級ガソリンというようなものにつきましては、日本におきましてはまだそれほど、例えば航空用のものにつきましてはできない状況になつております。それから機械油のほうにつきましても、非常に高級なものにつきましては、或いは特殊なものにつきましては、できない状況になつております。併しながら大部分の石油製品につきましては、殆んどアメリカその他の国にも負けないような現在は設備になつております。
#78
○委員長(中川以良君) 只今航空用のガソリンの話が白川委員からも出たのでありますが、将来日本としてオクタン価の高い航空用のガソリンもやはりどうしても或る程度必要とするというお考えの下に工場を指導しておられるのか、それを又奨励しておられるのか、又将来どういう御計画を持つておられるか、伺いたいと思います。
#79
○政府委員(川上為治君) その問題につきましては、先ほどもお話がありましたように、何分航空関係がどういうようなふうになつて行くのか、例えば保安隊関係の航空がどういうふうになつて行くのか、その辺が私どものほうとしましては、まだ全然つかめませんので、この際早急に精製業者に対しまして、そういう種類の石油を作るようにというような、そういう行政指導は全然いたしておりませんし、そういう計画が出ましてから私どものほうとしましては考えたいと思つております。
#80
○委員長(中川以良君) そこでお伺いをしたいのでありますが、四日市の燃料廠のあとの問題でありますが、これは先年来通産省の方針というものが何度か変りまして、最近数社に上る合同体が組織されることになつたのでありますが、これも又最近の情報によりまするとまだ判然としないというようなことでありますが、四日市のその後の状態というものはどうなつているか、又将来どういう御方針を持つてお臨みになつておられるか、承わりたいのであります。
#81
○政府委員(川上為治君) この問題につきましては、私から御答弁することはちよつと、余りにも問題がいろいろありますので、差控えたいと思うのですが、これは大臣がお見えになりましたときに御質問なすつて頂きたいと思います。
#82
○委員長(中川以良君) どうもそういう点においても、通産省における燃料政策というものが常にどうも朝令暮改式で一貫性を欠いているので、その辺を非常に遺憾に思うのでありますが、これは一つ、鉱山局長に承わつてもしようがないのですが、いずれ大臣に承わります。
 そこでもう一点承わりたいのは、これはどうも通商局が今日は来ておられませんので、鉱山局長に伺うのはどうかと思うのでありますが、イランの油の問題でありますが、最近の新聞を見ますると、イラン政府は是非米とそれから石油を買つてもらいたいと、日本とバーターの取引をするということを言つておるようであります。殊に最近は西山大使が出向いていろいろな折衝を進めておるようでございまするが、これらの点についてはどういうふうに只今進展をしておるのか。これは鉱山局長の御見解として、将来外貨を節約する意味においてバーター貿易ができればイラン油の輸入を歓迎されるのかどうか、この点を一つ承わりたいと思います。
#83
○政府委員(川上為治君) 私個人としましては、イランの油を輸入することは非常に結構なことだと考えております。第一値段が安いと聞いておりますし、又バーターがきくというふうに聞いておりますので、できればそういうところから成るべく石油類は相当引いて、そして外貨を使う方面につきましては成るべく節約して行つたらば非常にいいのじやないかというように考えておりますが、この問題につきましてはイギリスとの関係が政治的にありますので、まだそういうことを実現するところまでは行つていないのですが、そうした外交的な問題につきましては、むしろ外務省のほうからお聞きになつたほうがいいのじやないかと考えております。
#84
○委員長(中川以良君) それから石炭局長にちよつとお伺いしたいのですが、石炭業界の只今の御苦衷はよくわかるので、この間も私も御陳情を承わり、何とか一つ無駄な油はできるだけ節約して石炭に転換をするように、我々自体としても骨を折らなければならないと考えておりますが、先ず第一着の石炭の単価を引下げることに石炭業界としては努力されなければならないと思うのでありますが、その辺は今どういうふうに努力をされておりますか。
#85
○政府委員(佐久洋君) 炭価引下げの問題につきましては、これはもうかねがねの問題でありまして、長期的な方法と目先の方法と二つ考えております。一つの長期的な方法と申しますのは、しばしば御説明申上げたつもりでございますが、例の竪坑開鑿を中心とする合理化の推進、これをいたしております。それから目先の炭価引下げという点につきましては、何分にも二十八年度のように生産数量をうんと引締めなくてはならんような羽目に追込められては炭価の引下げようがございませんので、先ほど私が申上げましたように、石炭の需要を増大させるという措置を講じて、生産数量を増すことによつてコストの引下げ、炭価の引下げを図つて参りたいと、こういうふうに考えております。
#86
○委員長(中川以良君) 例えば竪坑の開鑿のごときも、今度は産業の投融資が枠が狭められましたので、なかなか思うように行かないのではないか。それから仮に増産ができましても、今五千二百万トンまでできるようでございますが、これは四千四、五百万トンの需要ではそれをやつてもしようがないというようなジレンマに陥つておるようでありますが、その点はどうですか。
#87
○政府委員(佐久洋君) 竪坑の開鑿は、二十九年度の計画としては、当初我々は大体財政投資として六十億くらいを期待するという計画を立てまして、合計して二十九年度に行います竪坑開鑿は三十九本くらいになる予定にしておりましたが、緊縮財政のために財政投資も今のところせいぜい行つて三十五億くらいではないか、その不足分は長期信用銀行なり或いは興銀からの融資増というのを交渉いたしておりますが、これに若干の期待は持てます。それともう一つは、かねがね問題になつておりました例の追加投資を税法上、経理上損金として処理するという問題をかれこれ一年来大蔵省と交渉しておりましたが、追加投資の思想それ自体を大蔵省が了承したわけではございませんが、具体的に毎日伸びる性質のもの、例えば坑道とかパイプとかレールとかいうものは損金に見よう、それから一定期間ごとに取替えなくてはならん、例えば捲揚げとか或いはポンプとかいうようなものについては償却期間の短縮を図つて経理両の負担を軽減しようというような話ができておりまして、その具体的な機具についての今交渉をいたしておるのであります。これによりまして社内の留保がまあ六、七億くらいの期待が持てるのではないかと思います。それで勿論、最初計画しました竪坑の開鑿は来年度におきましてその通りには進みませんが、若干圧縮はいたしますけれども、計画自体としては進めて行けるというふうに考えております。
 それから先ほどの重油の問題とからむ問題でありますが、来年度の鉱工業の生産活動その他から見て、大きな需要増というものが大して期待できないのではないか。今まで検討された結果によりますと、電力関係で火力発電の方面で或る程度の需要増が見られる。それと重油から石炭への再転換の行政勧奨によつてできるだけ支障のない限度で再転換を図りそのほうの需要を増すということで、一応私の個人の頭の中で考えておる数字は四千八百万トン程度のものは生産できる形に持つて行きたい、こういうふうに考えております。
#88
○委員長(中川以良君) そこで、石炭の問題は、ここには西田委員、小松委員等御権威のかたがおいでになりますけれども、私は燃料として使うことだけを考えないで、もうそろそろうんと増産をして、いわゆる石炭化学工業というようなものを日本で興して、それから又これをガスにして使うというようなことで、少くとも小都市においてもガス会社なりを政府が或る程度助成してでも作つて、一つ燃料をガスをして供給するというようなことを考えなくてはならんと思うのでありますが、そういう点については御検討しておられましようか。又そういうことは到底一つの理想案であつて実現不可能でありましようか。
#89
○政府委員(佐久洋君) やはり方向としましては、今委員長のお話のあつた通りに向うのが私は正しいと思います。単に坑内から掘り出して、それを燃料として使うというだけでは余りに能がないと思いますが、現在のところでは、それを化学製品の原料として使うという場合に、まあ主として従来やつておりますのは、薬品とか染料とかいうものはやつておりますが、もつと広い分野について開拓の余地は十分あるのだろうと思います。これはまあ私個人の話で恐縮でございますが、宇部にそういう方面の研究をする相当権威者を集めた、又設備も優秀なものを持つておるものがございまして、右岸の利用限度と利用範囲というものを拡大する意味で、そういう方面の研究を是非やつて頂きたいということは、知個人としては頼んでおりますが、まだ政府が正面切つて助成金を出すとか、指導するとかというところにまでは行つておりません。
#90
○委員長(中川以良君) もう一点伺いたいのは、只今石炭業界のかたがたが非常に苦心をされて、炭価の引下げに熱意を以て御努力をしておられるこの矢先に、又争議が始まつて、昨日来の交渉はなかなかまとまらんようでありますが、一つこの経過を伺いたいと思います。
#91
○政府委員(佐久洋君) この経過と申しますか、要するに賃上げの要求をいたしまして、経営者としては今の経理状況からは到底賃上げの余裕がないというようなことで、一応何といいますか、決裂という言葉は当りませんが、デツド・ロツクに乗り上げたような状況になつております。大分時日も経過しましたので、そろそろ交渉に入ろうというので、再び交渉に入つたのでございます。経営者のほうとしてはべース・アツプそれ自体はとても呑めない状況なので、一時金というような形で解決をしたいという回答をいたしたのでありますが、炭労のほうでは一時金というようなことは毛頭考えておらん、ベース・アツプそれ自体が主たる眼目であるから、そういう回答では満足できんというようなことで、ストに入つたわけでございます。これは私率直に申上げて、実は石炭と重油の問題がいろいろ鎖綜してむずかしい段階になつているときにストに入られるということは、私どもの重油から石炭への再転換という政策遂行上非常に支障があります。これは一昨年のあの長いストの直後でありますが、一般の工場において非常に大幅に重油転換が行われた。つまり適時に適量の適格の石炭が入るという点について心配があるということで重油転換したのでありますが、ここで又相当長いストライキでもやられるということになると、その心配を再び重油から石炭に転換してもいいというような気持の人に与えるわけでありますから、そこで相変らず行政干渉というような程度では、重油から石炭に転換ができないということになつてしまいますと、来年度における石炭の生産数量を増すということも不可能になつて来る、逆に却つて減らさなければならないという状況に追込まれるというようなことは、企業の整備というような問題を再びやらざるを得ないということになりますので、これは私考えますのに、どうも労働者の果してそれが利益になるのかどうかということについては疑問を持つております。もつと率直に申上げれば、昨年十二月頃には重油或いは外国炭を輸入するということが一つの政府の政策として行われた、その結果自分らの首切り問題を起したのだから、責任は政府にあるのだというようなことをかなり強硬に私どものほうへ言つて参りましたが、今度は逆に政府としてはできるだけ重油の使用も抑制したいという方向に向つている矢先に、ストライキをやられるということは、どうも私としては非常に迷惑している、こういうことでございます。(「それはおかしいじやないか、役所がそんなことを言つているのは……」と呼ぶ者あり)
#92
○委員長(中川以良君) 私の考え方は全く今御答弁にあつた通りでございます。そこで石炭鉱業のこの重要なる時期に、今経営者のかた、労働者のかたが争議でこの機会を、又重油から石炭に転換をするという機会を逸せられるということは、墓穴を掘られるようなことになりはせんかということを非常に憂慮しておりますので、経営者のかたも労働者のかたも、一つ大乗的見地から奮い立つて頂きたいことと、この際政府側においても一つ慎重なる行政指導をやられまして、国家のために最善の努力をせられんことをお願い申上げます。
 他に御質疑、ございませんか……。それでは一応燃料問題は本日はこの程度にいたしておきます。
  ―――――――――――――
#93
○委員長(中川以良君) 次いで、特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして内容の説明を聴取いたします。
#94
○政府委員(佐久洋君) 特別鉱害復旧臨時措置法と申しますのは、昭和二十五年の五月十一日に施行されまして、計画といたしましては五年間に戦時中の濫掘によつて生じた鉱害を復旧しようというのが内容でございますが、最初この法律が制定されましたときに予定いたされましたのは、鉱害の復旧予想額といたしましてざつと五十億程度ではないかというふうに見たのでございます。併し実際に個々の鉱害状況を調べて見ますと、七十九億くらいになりましてこの七十九億の復旧費の調達としてこれは炭鉱からの納付金と国の補助金、地方公共団体の補助金、それから復旧によつて利益を受ける者からの受益者負担金、そのほかの寄附金というようなものがその内容になつております。炭鉱納付金は鉱害を直接起しました炭鉱の或る一定期間の出炭にトン当り二十円をとります。それからその鉱害を起した炭鉱に所属する他の炭鉱の出炭につきましては、トン当り十円というものをとることになつておつたのであります。それがその後大分労賃、物価の値上りが参りまして、昭和二十七年に一応総復旧費の改訂をいたしました。九十七億ほどにそれがなつたわけでございます。で二十八年度まででこの鉱害の復旧が大分進捗いたしたのでありますが、途中の物価値上りや労賃の値上りのために計画通りの復旧は実はいたしかねて参つております。そこで一応この法律自体は余すところもう一年でありますが、一年間ではこの計画通り行くということは到底できないというので、炭鉱からの納付金の金額を五割上げまして、同時に最初の五年間という復旧計画を七年間に変更するというのがこの法律の内容でございます。五割の値上げと申しますのは、二十七年と昨年の十一月あたりの状況を見ますると、一般卸物価の値上りが五七%くらいになつておりますし、石炭の販売価格の値上りも四六、七%に上つております。大体五〇%の納付金の値上げということで、あと三年間には完全に予定通りの復旧がなし得る、こういうように考えております。
#95
○委員長(中川以良君) ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#96
○委員長(中川以良君) 速記を始めて。
#97
○政府委員(佐久洋君) 鉱害という問題は炭鉱地帯においては非常にむずかしい問題でありまして、鉱害に特別鉱害というのと一般鉱害という二種類ございます。特別鉱害と申しますのは、先ほど私がちよつと申上げましたように、これは一言で言うと戦時中の濫掘によつて生じた鉱害、こういうことになつております。そこで法律の目的自体は鉱害を計画的に早急に復旧すること、それから公共の福祉を確保するということ、これは普通の目的でありますが、特別鉱害、つまり戦時中の濫掘によつて生じた鉱害というのを一件一件通産大臣が認定をいたしまして、これは一般鉱害ではなく戦争中の濫掘によるのだというのを、農地なり或いは農業用の共同施設とか、道路とか橋梁、学校、一般の家屋、いろいろなものについて認定をいたしております。それを五年間で復旧しようというのがこの法律の内容でございますが、条文を御参考までに申上げますと、どういうものが特別鉱害かと申しますと、太平洋戦争中、戦争遂行のための緊急な国の要請に基く石炭増産の応急措置としてした法令による命令又はこれに準ずるものと認められるべき行政上の措置に基いて、通常の場合は鉱害防止のために採掘しない個所を採掘し、通常の場合は鉱害防止のために採掘の方法を制限する個所をその制限なしに採掘し、或いは通常講ずべき措置を講じないために発生した鉱害、こういうものが鉱害であります。それで今申上げたように、通常の場合ならば掘らないのを石炭増産の戦時中の強い要請によりまして、例えば飯塚市の町は普通の場合には掘ると危険であるから掘らないというのを、そういうところは石炭の柱を残してありますが、それを石炭の増産のために掘つた、或いは建物の下を普通の場合は掘らないが掘れば何万トンも増産になるというようなことで掘つた、これは現実にそういう問題があつたのであります。そのために起きた鉱害を復旧する、従いまして国の強い要請で掘つたという結果、鉱業法におきます鉱害賠償の責任と国の責任と、こういうものを噛み合せまして、普通の公共土木事業なんかに比べると相当厚い補助金が出ております。
 それともう一つこの法律の特徴は、例えば私なら私がその石炭を掘つたために鉱害を生じた、それの復旧の場合に私の費用でやるという思想でなしに、トン当り先ほど申上げましたように二十円、十円というものを取りまして、それをプールにして認定された鉱害を復旧するという思想であります。従つて例えば或る炭鉱が非常に出炭量は多い、併し鉱害を発生させた量としては極めて僅かだというような場合は、出炭量に二十円、十円を掛けるのですから非常に納付金としては多くなる、それを自分の費用で復旧する場合には鉱害の量として少い場合は費用としては少いのですが、この制度で行きますと納付金というものは非常に多くなるというような不公平が若干出て来るのであります。そこは公共福祉の増進という大きな見地から共同責任というようなことで問題を解決しようという思想に立つておるわけであります。それで鉱業法における鉱害賠償は原則として金銭賠償であります。復旧したほうが安くつく場合には金銭賠償の代りに原状回復ができるというような考え方に立つておりますが、これは飽くまで原状回復であります。そうしてその原状回復ができた場合には鉱業法上の鉱害賠償の責任というものは免除される、こういう考え方に立つておるわけであります。それでこの特別鉱害につきましては二十五年の五月十一日から施行されておりますけれども、その前に石炭が統制されておりました時代にすでにその思想に立つて鉱害の復旧というものは行われておるのであります。つまり鉱害復旧のための費用というものを統制炭価に織込みまして、その頃の配炭公団でありますか、そこから金が出て鉱害復旧は一部行われたのでありますが、昭和二十四年の九月に統制が解除されましたので、その仕事が続けられなかつた、そこでこういう法律によつて鉱害の復旧を行うということになつたわけであります。
 ところが最初考えましたのが昭和二十五年でありましたが、それ以来物価の値上り、或いは労賃の値上りというのが相当頻繁に行われまして、その値上りに応じて納付金を上げるのだというスライド制でもとつておけばこういう改正というような問題は起きないで済んだのでありますが、金額を特定いたしました関係で、それができない、そこでこの改正の法律が必要になつた、こういうわけでございます。
#98
○委員長(中川以良君) それでは通産大臣が見えましたので、只今の石炭局長の御説明は一応本日はこの程度にいたしておきまして次回に延ばすということに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  ―――――――――――――
#99
○委員長(中川以良君) それでは通産大臣に対する質疑を続行いたします。
#100
○西川彌平治君 政府は財政の緊縮と金融の引締めを計画し、以て単にインフレ傾向を阻止するのみならず、進んで国内の物価水準の引下げの方向において経済安定をもたらすことを根本方針として当面のあらゆる施策を輸出第一主義に集中しておると通産大臣は説明をされておるのであります。その輸出振興の推進をするためにはいろいろの方法があるということも同様にここにお示しになつておるのでございまするが、そのうちで私は工業技術の振興に関する問題について御質問をいたして見たいと思うのであります。
 輸出製品の向上を図るために試験研究の一層の推進普及が必要であり、通産省といたしましても、その管下の各試験所、研究所の機能を活用して鋭意その水準向上に努力しておる云々とも申しておるのでありますが、私は通産省管下の九つの試験所が実際にどういうふうな方法で運営しておるか、そうして大臣がおつしやつたようなこの輸出振興の面におきまして、製品の水準の向上、生産原価の引下げをするための方法とか、そういうものに努力をされておると言われておりまするけれども、実際の面においてさようなことがこの試験所並びに研究所で行われておるかということに対して、私はいささか疑問を持つておるのであります。先ずどういう方法で試験所を運用しておるかということが第一。それから試験所の予算を見ますと、殆んど人件費に終つておるように私は考えております。而も試験研究をいたしまして、製品の水準を引上げるとか、或いは生産コストの引下げを図るということになりますれば、少くとも試験研究費が相当なければならんと思うのでありますけれども、その費目は殆んど私は僅かであるというふうにこの予算書を見ておるのであります。いわゆるお題目だけを並べておるのではないか、而も麗々しくいろいろの面において指導々々という言葉が随分入つておりますけれども、実際指導はどういう方法において下部に指導をしておるかということを私は第二番目に聞きたいのであります。
 それから第三番目には、試験研究をいたしましたことが、実際の業界にはつきりと反映をしておるかどうかということであります。勿論立派な研究もあるように私は聞いております。そういうものに対しては、少くともこれを公開する必要があると思うのでありますが、パンフレツトなり、或いは講演会なり、或いは先ほど申上げました指導の面なりにおいて、これを一般に周知徹底をさせる必要があると思いますが、その周知徹底の方法がどの程度に行つておるかということを伺いたいのであります。
 その次には、私はこの通産省管下の九つの試験所の中の五つほど私は実際に見ておるのでありますが、私が行つて見まして、その試験研究をやつておりますものを見まして、本当に頭の下がるような、研究に熱中されておる職員のかたがたがたくさんおられるのであります。本当に頭の下がるような研究をされておるかたがございます。ございますが、そういうかたに向つて、あなたはこの研究をやつておりますのにどういうふうなことでお困りになつておるかというようなことを聞きますると、十人が十人とも試験研究費がなくて、折角或る程度の研究が進んでおるけれども、これから先は薬品や機械がないとか、或いは予算がないとかいうことで実は足踏みをしておるということを十人が十人とも言つておるのでありますが、今日政府は輸出第一主義を以て進んでおるこの際において、その試験研究を徹底的にこれはやはりやる必要があるのではないかと思うと同時に、その研究には立派な研究がたくさんあるのであります。その研究が一般に周知徹底を欠いておるようでありますが、かような問題に対しまして一つ大臣の御所見を伺いたいと思います。
#101
○国務大臣(愛知揆一君) 只今誠に御尤もな御質疑と思うのでありまして、通産省としては管下の各試験、研究所等につきましては、従来も只今御指摘のように乏しい予算で非常に熱心に研究を続けておるわけでございますが、今後特に中心としてやりたいと考えておりますことは、一つは新規の技術を何とかして工業化する方向に向けるのが通産省としての技術研究の一つの中心課題であろうかと思うのでありまして、この点は大学その他の研究所との或いは私は相違点ではなかろうかと思います。その点について特に重点を置いて参りたいと思つております。
 それからいま一つは、新規の国内資源の開発、例えば探鉱というようなところがやはり通産省としての資源研究等の中心課題であろうかと思います。今申しました新規技術を工業化することと、それから国内の新らしい資源の開発をするということにはどういう着想があるかということを中心にしてやつてもらいたいと考えておるわけであります。研究所の指導方針をどういうふうにいたすかということは、取りも直さず、只今御指摘の通り、その結果というものを業界に反映させるということでなければ、周知徹底できないわけでありますから、この点については私も従来のやり方等については、いろいろ御批判もあろうかと思いますが、そういう点は新たに勉強いたしまして、御趣旨に副うようにいたしたいと考えております。
 それから第三に予算の問題でございますが、これは申すまでもなく、従来非常に乏しく、又二十九年度の予算におきましても、十分の予算を計上することはできませんでしたことを誠に私としても遺憾に思う次第でございます。大体庁費等を中心といたしまして、本年度二十九年度の特別研究費が約二億円くらいには相成つておると思うのでございます。それから更に民間研究の振興のためにもいろいろ予算上の措置をいたしておることは御承知の通りと存じます。
#102
○西川彌平治君 私はいま一つ伺つて見たいと思いますが、先ほど私は非常に立派な研究ができておるということを御指摘申上げておるのでありますが、その研究が普及徹底をいたしておりませんために、やはり工業試験所が各府県にございますが、その工業試験所がこの試験所でやつておりますることと同じようなことを又やつておるのであります。これは先ほど私が申上げましたいわゆる周知徹底を欠いておる一つのはつきりとした現われであると私は考えております。でありまするが、やはり指導という観点から考えまするならば、少くとも府県にありまする工業試験所に対しまして、この通産省の試験所がそれぞれの部門において指導といいますか、連絡といいますか、指導をやるべきであろうと思いますが、今のような例がはつきりしておるのでありますが、この点をどんなように各府県の試験所でやつておるか、この連絡はどうやつておるかということを一つお答え願いたいと思います。
#103
○国務大臣(愛知揆一君) これはひとり通産省の試験研究機関だけではございませんで、他の公の機関或いは民設の研究機関の研究を総合的に且つ組織的に調整推進するということが必要であることは私も気付いておる点でありまするし、又従来もそういう方向でいろいろの努力がなされたと思つておるのでありますが、只今の御趣旨に対しまして今後特に留意して参りたいと思います。
 なお最近における実情ややり方等につきましては、私も詳細存じない点が多いので、政府委員からお答えいたさせたいと思います。
#104
○西川彌平治君 もう一つ私はこの試験所との関連性がございまするので、伺つておきたいと思いまするのは、いろいろ工作機械とか、或いはその他の機械に対しまして、いわゆる試作の補助金とでも申しまするか、そういうものが私は六億くらいの予算があるのではないか。これちよつと数字を私今はつきり覚えておりませんが、そういうふうなものを、これは相当に優秀なる工場にその試験研究の補助金を交付しておるのでございますが、まあいわば自力でもできる程度の大会社に補助金を出すよりも、中小企業でいろいろの問題に対しまして研究をして、いま一息というような問題が輸出品についても相当あるのでございまするが、そういうものに対しまする研究補助金というようなものが、もう昨年度、一昨年度あたりから出ているようでありますけれども、全く寥々たるものであります。その点に対しまして、政府はどういうようなお考えであるかということをお聞きいたしたいと思います。
#105
○国務大臣(愛知揆一君) 只今の予算のお話でございますが、二十九年度におきまして民間との関係におきましては、応用研究の補助金が二億円、それから工業化試験補助金が四億円、こういうものが只今御指摘の通り六億円ほどございますが、そのほかに発明実施化試験費の補助金として九百万円、同じく貸付金として二千万円というようなものがこの関係には出ているわけでございます。それから二十九年度におきましてはこの配分につきまして、メーカーのほかに使用者側にもこれが配当できるようにしたらどうかということを現在考えております。
 それから大企業と中小企業との関係でございますが、中小企業の方面におきましては共同施設の補助金を交付することになりましたので、その方面で今御指摘のような点を加味してこの補助金を配当することにしたらどうかと考えております。これは併し金額的には微々たるものでありまして、この点は当初申上げましたように、予算の総額が思うように任せませんでした点で御了承願いたいと思います。
#106
○西川彌平治君 いま一つちよつと方向を変えてお願いをいたしたいと思いますが、実は私は中小企業に対しまして、政府の施策のうち一番私はもうこれはうまい手を打つた、本当にこれは痒いところに手が届いたと思つているのは、要するに工場診断であると考えております。この工場診断は、中小企業に対しましては最も私はいいやり方であると思うのでありまするが、どうもこの中小企業が申込の四分の一か五分の一ぐらいにしか今の企業診断をやつておらないように私聞いておるのであります。それはこちらにあります表においては、数字においてはどうかも知れませんが、実際問題はもう申込んで見ましても実際四分の一か五分の一なのでございます。数字がどう出るか知れませんが、こういう問題を考えますと是非ともこの企業診断、工場診断をもう少しく徹底的にやつてもらう方法がないかということを一つお伺いいたしたいと思います。
#107
○国務大臣(愛知揆一君) この点は誠に適切なお話でございまして、私どもといたしましても非常に嬉しく感ずるのでございまして、中小企業の対策としては実は金融的の措置などが十分に行かない憾みがございますので、いろいろの総合施策を考えておりますが、その中で通産省、中小企業庁といたしましても企業診断には重点を置いて考えておるわけでございます。大体従来までの実績は工業関係の診断をいたしましたのが一万一千余件ございます。それから商業診断いたしました実績は三万七千件以上になつておりまして、それらのほかに更に産地の診断とか系列診断といつたような集団的な診断、それから中小炭鉱の診断というようなこともやつておるのでございますが、殊に今後におきましてはこの診断の結果が、例えば金融その他の政府の施策の土に具体的に結び付いて診断をしつ放しじやなくて、先般も衆議院でも話が出たのでありますが、成るべく医者が診断したその結果には薬が入るようにというところへいま一段と努力をしなければならん面があると思います。この点につきましては御趣旨を体しまして、十分の努力をなお一層続けたいと存じます。
#108
○西川彌平治君 私も実はこの企業診断が即融資の面に大きく響くという点からいたしまして、ますます私は企業診断の申込が多くなると考えております。ところが聞くところによりまするとなかなかその診断をいたしまする名医が、医者がないというようなことも伺つております。私もそれは成るほど尤もだと考えておるのであります。藪医者でなくて本当に名医をそこに振向けなければならんのでありますが、その名医がなかなかないということで御苦心なさつておる点は私もよくわかりますが、もう少し名医を作る方法がございませんでしようか。
#109
○国務大臣(愛知揆一君) 名医とそれから薬の調剤と申しますか、更にこれを投下するということがこれからの骨子だと思うのであります。この名医をどうやつて探し出すか、派遣するということにつきましては、中小企業庁長官もかねがね非常に心配しておりますので、それらの苦心の点は長官からもいろいろお聞き取り願いたいと思います。
#110
○政府委員(岡田秀男君) この診断制度が中小企業の合理化、特に今後経済状態が中小企業に対しまして非常につらい傾向を帯びて来れば来るほど、この診断制度を各中小企業者に活用願いまして、これを乗り切つて行く態勢を整えてもらうということが我々として最も望ましいことであると存じますので、特に診断制度の拡充、普及につきましては従来以上の努力を傾倒いたしたいと思うのでございます。それにつきましても、この診断制度が真にその効果を発揮いたしますためには、診断に従事いたしまする診断員、まあ人間に例えますればお医者が適当な診断をなし得る能力を持つておるということが最も必要であろうと存ずるのでございまして、我々といたしましては従来からそれぞれ関係の者を短期の講習会をやつたのでございますが、それだけでは不十分でございますので更に長期間の講習を開始いたしまして、或いは産業能率短期大学でありますとか、これは東京にあるのでございまするが、名古屋では中部産業連盟でありますとか、大阪は府立の産業能率研究所の三カ所に六カ月間の長期委託をいたしまして、先ず医者として通用し得るだけの能力を持つた者を養成をいたしておるのでございます。かような養成によりましてもなかなか簡単に人数が殖えませんので登録診断員という制度を作りまして、広く一般的に企業診断に能力を持つておられるかたがたを登録いたすことにいたしておるのであります。現在通産大臣の認可を得て登録されております診断員が約四百名あるのでございます。このかたを各全国の都道府県並びに五大市において診断を実施いたします場合にお医者が足らんという場合には、これから斡旋いたしましてその地方へ派遣する仕組をとつておるのでございます。これはすでに昨年始めたのでございまするが、数十件を超え、更に増加の傾向にございます。この場合におきましては都道府県が他の地方から私どもの登録診断員を招聘して診断をやりました場合におきましては旅費の半額を補助するということに現在いたしておるのであります。かような点も併せて診断員として有能なる方が診断に当つて頂きまするようにというふうに配慮をいたしておるのでございます。私どもといたしましてはこの登録診断員を中心といたしまして最近一つの団体を結成いたしまして、そして診断によりまして非常にその企業内容の向上いたしました企業のかたがたにも賛助を願いましてこの診断員の素質の向上並びに診断制度の普及発達に貢献し得る一つの有力なる団体を作りたいというふうに考えまして、目下準備を進めているような段階でございます。いずれにいたしましてもよき診断員を得るということが初めてこの診断の効果を挙げるわけでございまするから、一層の努力を払いたいと、かように考えております。
#111
○西川彌平治君 大変有難い話でありまして、是非さようにいたして頂きたいと、かように私はお願い申上げます。
 次に実は技術問題でありますので非常に私は結構なことであると思いまするが、最近労働省の関係からいたしまして中小企業者の子弟の技術向上の意味におきましていろいろ教育を施すというようなことを言うて参つておるのでありますが、こういう問題に対しましては長官あたりに横の連絡があつてさような計画ができておるのでありますか、その点について一つ伺いたいと思います。
#112
○政府委員(岡田秀男君) 従業員の教育の問題はまあ所管的に申しますと労働省との関係があろうかと思うのであります。我々といたしましては中小企業の生産性の最も低いことの大きな原因は大工場におきましては従業員を採用いたします場合に多く学校から出ましたまだ生な従業員を採用いたしましてそれに十分訓練を与えるというような制度をとつておるところが多いのでございますけれども、中小企業におきましてはどつちかと申しまするといろいろと流れてすでに経験を持つた方が多いというのが統計上出ておるのであります。これは採用したその日から役に立つという特典を持つておると同時に、一つの組織的に動いて行くという点には欠けるわけでございます。私どもとしてはやはり中小企業といえどもその従業員をその工場に合うように訓練し、養成し、教育して行くという方向へ中小企業を持つて行くことが必要であろう、こう考えまして、各地方の私どもの第一線でありまする府県乃至五大都市と寄り寄り連絡をしてその方向に導かすように啓蒙宣伝をいたしておるような段階でございまするが、その方向につきましては更に労働省方面とも連絡をとつて実効の挙る方法を考えたいと存じております。
#113
○西川彌平治君 大変その通りでありますが、実はもう中小企業にこの苦しい殆んど中小企業が伸るか反るかというふうな状態で幾ら働いてもなお且つ生産が上らない、コストが高くなるというときに当りまして、実は労働省は技術を向上させる、教育をするというふうな考えは誠に結構なんでありますけれども、一方的な方法で行きますと、さなきだに立たないところの中小企業がその子弟の教育のために潰滅するような現象が起きて来るのではないかということも考えられるのでありますが、十分に一つこれはそういう方面の連絡をとつて頂きまして中小企業の育成という意味において一つ適当な処置を講ぜられて頂きたいということを私は希望いたしますと同時に、いま一つ先ほど申上げました試験研究に対する結果の発表になりましたパンフレツトか何かがありましたらそういうものを頂戴いたしたいと、かように考えております。以上であります。
#114
○国務大臣(愛知揆一君) 承知いたしました。
#115
○小松正雄君 関連して。研究の問題でありまするが、言うまでもなく国内製品は他国に比べまして疲弊し劣つておるということでありまするが、これに関連いたしましておのずから諸外国に知人があつてそこらの人との連絡がついてそこへ行つてその国の機械類その他の専門的なものを研究しようという考え方で他国に出て行くときに対して研究費として補助が受けられるかどうか。
#116
○国務大臣(愛知揆一君) ちよつと私現在その点ははつきりまだ勉強しておりませんので、あとで御答弁申上げたいと思います。
#117
○委員長(中川以良君) 豊田君。豊田君に申上げますが、大臣は今日は時間が相当あるようでございますから、あと又質問の通告者もございませんから、どうぞゆつくり十分に御質問願いたいと思います。
#118
○豊田雅孝君 それでは一括して質問しようかと思つておりましたのですが、時間がおありになるそうですから、三つくらいに分断いたしまして質問をいたしたいと思います。
 先ず第一は中小企業金融と中小企業に関する税制の問題なんでありますが、御承知のように中小企業金融公庫の本年二十九年度の資金運用計画によりますと、年間百七十億ということでありまして、これを月割にしますと十五億足らずになるかと思うのでありますが、御承知のように代理店は四百以上、その窓口はかれこれ五千以上あるようでありますが、一つの窓口当りにいたしますと三十万円くらいにしかならんと思うのであります。ところが貸出のほうは一件当り一千万円までは貸す、組合の場合は三千万円までは貸すというようなことになつておるのでありまするけれども、只今申しまする通り窓口当りは三十万円くらいしかない。余りにもその懸隔が甚だしくて全く羊頭狗肉というようなことになるわけでありますが、これに対しましてどういう今後方針をとられるでありましようか、この点を先ず第一に伺いたいのであります。
 次にはオーバー・ローンの解消策がだんだん伝えられておるのでありますが、政府は日銀に外貨を売ることによりまして二千億円を獲得する、これを開銀、輸出入銀行、興銀、長期信用銀行あたりまではこれに対して出資をするということを漏れ聞くのでありますが、さような場合には是非とも中小企業に関する長期資金を扱つておる中小企業金融公庫に対しても当然出資せられて然るべきだと思うのでありますが、この点についての御意見を伺いたいというのが第二であります。
 次には指定預金の問題でありますが、自由党の政策綱領には指定預金を増額するというふうに新聞に発表せられておつたのでありますが、然らば今後指定預金の新規の預託ということが考えられると思うのでありますが、これに関連いたしまして更に従前から出ておりまする指定預金をこの際引揚げ延期をするということも併せ考えなければならんかと思うのでありますが、これについての御意見を伺いたいという点が第三点であります。
 更にこれは全然反対の情報でありますけれども、大蔵大臣は指定預金の廃止説を立てておられるやに聞くのでありますが、仮に指定預金というものを廃止するということになるならば、資金運用部資金を昔の低利資金のごとく直接中小企業専門金融機関等に貸出すような筋の通つた途をお考えになるかどうかという点を伺いたいのであります。
 次には金融債の引受でありますが、二十八年度は三百億であつたものが二十九年度には二百億になるというわけでありますが、これについて若しも中小企業金融関係の金融債引受が枠として少くなるというようなことになりますると、いよいよこの際大きな問題になると思うのでありまして、この点についての具体的な御意見を伺いたいと思うのであります。
 なお税制関係につきましては、先般通産大臣になられてから中小企業に対しまして特殊の税制の行き方についても考慮しておるというようなことを新聞紙上で拝見したのでありますが、これにつきましてはかねがね中小企業、特に零細企業に対する勤労控除を認めて然るべきじやないかという問題、又法人税率としましても、中小法人に大法人と同じ税率をかけて行くということは余りにも酷じやないかというような問題がありまするし、殊に準備金等に対するいわゆる税の特別減免措置というものは大法人でないというと利用ができない実情にあるのでありまして、この制度が利用できない中小法人の立場を考えますると、どうしても特別の安い税率というものを考えなければ中小法人は不公平だということになるのであります。
 なお従来から非常にやかましく言われております物品税、これが業種、品種別に見ましてもアンバランスでありまするし、又これが庫出しになつておるというような点で、中小企業者というものは立替払をしなければならんという建前上特に負担の重圧を受けておるのでありますが、物品税をこの際中小企業対策として如何ようにお考えになるか。
 なお事業税につきましてはこれは或る程度の軽減がすでに考えられておるようでありますけれども、特に事業税は農林業等には課税せられないで、商工業のみに課税される。その面から特に中小企業のごとき負担力の弱い面におきましては重圧を受けておるのでございますが、これについての御意見を併せて承わりたいと思うのであります。
#119
○国務大臣(愛知揆一君) 第一点は中小金融の問題で、特にその資金源のお話でございましたが、これはよく御承知の通りの現状或いは二十九年度の計画でございますから、詳細に数字を挙げて申上げることは省略いたします。特にあとの第二、第三、第四の関係がございまするので、それを合せてお答えいたしたいと思います。ただ中小企業金融公庫におきましては、二十九年度の資金源は百七十億円ということに相成つております。それから国民金融公庫におきましては昭和二十九年度の貸出の資金量は約三百十九億円に相成つております。それから商工中金につきましては御承知のように金融債の引受額がまだ未定でありますことと、指定預金の引揚げの関係がございますので、まだ二十九年度の資金繰りを確定的に幾らと申上げることはできませんが、大体明年度において現在見通しておりまするところでも、年間を通じて五十億円の増加を来たすことはあるまいというふうに見ております。
 それから第二のオーバー・ローンの解消策の問題でございますが、いわゆる池田構想と言われておりましたものについては随分まだ検討の余地がございまするので、現在大蔵省が中心になりましてできるだけ早くこの成案を得たいという努力をいたしておるわけでございます。併しながら大体の考え方は池田構想のときに考えられたのと大筋は同じでございますが、御指摘のように中小金融に対する配意があの構想では十分でなかつたというよりはむしろ表面に出ておりませんので、この点は通産省としては特に重視しておる点でございまして、池田構想の改案といいまするか、この成案に至りまするまでにおきまして、私といたしましては中小金融のほうに是非これは一口といいまするか、二口と申しますか、この中の相当の割前を是非確保したいと考えておるわけでございます。その際におきまして私は商工中金の関係が特に重点的に考えられるのじやないかと思つております。
 それから第三の指定預金の問題でございますが、これは先般も申上げたと思いますが、少くとも当面のところ相当これから三月までの間には国庫の対民間収支が揚超に相当なるだろうと思うのでありますが、それらとの関係を見まして、できるだけ引揚げを円滑にするというよりはむしろ調整を積極的に加えたいというふうに考えております。それから廃止の案というお託がございましたが、これはそもそも大蔵省的な考え方になるかも知れませんが、国庫金が実際政府の必要であるべき以上に多額に入つて来るというそのこと自体がおかしいのであつて、若しそういう事態であればこれはいわゆる本当の意味の収支均衡予算とは言えないのじやなかろうか、二十九年度の予算案においては自然増収はできない、従つて国庫と民間の収支の関係はとんとんであるということで、この二十九年度予算案が編成されておりますから、建前或いは理論的に言えば多くを指定預金制度に期待することができないということが言えるかと思いますが、併し実際はこれは生物でございますし、或る時期を見れば相当私は余裕のある時期もあるのではないか、その場合におきましては、当然金融の緩和という点から言うて二十九年度において特にこれが中小金融について考慮すべきものと考えます。それから若し制度としてこれは面白くない制度であるということで廃止ということに仮になつたといたしますれば、当然只今御指摘のように国庫金に一時余裕のありましたような場合にはこれを資金運用部を通ずるなり或いはほかの恒久的な機構を通じて運用ができるようにすべきものであつて、廃止のしつ放しで結果において引揚げつ放しであるというようなことになることは、私ども前から申しておりますように角を矯めて牛を殺す結果になると思いますから、この点は十二分に一つ考えて参りたいと思います。
 それから第四の金融債の引受は、現実の今日の問題としては三百億円が二百億円に削られておりまするので、その中で勢い商工中金の利附債券の引受も狭くならざるを得ないと思いますが、これは現在のところとしては私は或る程度止むを得ないことだと思うのでありますが、オーバー・ローンの解消措置がその間成案を得る運びになりますればそのほうと合せ、且つ指定預金の影響は商工中金に最も顕著でありますので、それと総合して、商工中金の資金源を何とか一つ確保するように努めて参りたいと思つております。
 それから第五の税制の問題でございますが、先ず税率の関係で申しますと、個人の場合におきましては、基礎控除が七万円に引上げられたということが一つでございます。それから事業税におきましては、法人について所得が五十万円に満たない場合におきましては、税率を従来の一二%から一〇%に引下げるという案を作つたわけでございます。個人の場合で申し落しましたが、妻を専従者としてこれを控除するということにも国税のほうは直るはずでございます。それからいま一つ、この中小企業に対する課税方法を簡素化するということから、従来の所得税の予定申告制度を予定納税制度に改めることにいたしました。それからいま一つ、事業税の関係では課税標準を原則として法人税或いは所得税のそれと一致させるということにいたしましたから、今後におきましては、例えば税務署が課税標準として決定した五十万円というものは、地方税である事業税の場合でも、その課税標準は五十万円ということに機械的にするようにいたしまして、課税標準がきまつて、納税者に二重の手続をかけるということ、或いは無用な紛争を起すことを避けるようにいたしたわけでございます。
 それから物品税等につきましては、実はこの点は或いは御趣旨と反対のようなことが若干あるかと思うのでありますが、例えばテレビジヨンでありますとか、そのほかの常識的にいわゆる高級奢侈品と思われるものは物品税が増徴されることに税法が改正になるわけでございますが、併しこれは先ほどお話がございましたように、小売業者をいじめるということを趣旨にするものでは当然ございませんので、高級奢侈品を買うところの消費者にその税額が完全に転嫁されるというような徴税方法でなければならないのでありまして、この課税の方法等につきましては高級織物の消費税等と併せまして、その徴税方法については、現在まだ政府部内におきましても最後の成案を得るまでに至りませんが、最後の成案を得るまでに日を要しておりますのは、ひとえに小売業者にその税が転嫁されることがないように、どうやつたらいいかという方法論につきまして、通産省としての意見とそれから他の大蔵省その他との間の話合いがまだまとまつていないからでありまして、この点は最後まで努力をするつもりにいたしております。
#120
○豊田雅孝君 指定預金につきましては二月が最も中小企業金融機関には応えると思うのでありまして、この点につきましては商工中金初めその他相互銀行或いは信用金庫等も非常な影響を受けると思うのであります。つきましては二月分について、特に早目にこれに対して引揚げを延期するというような措置をとつてもらいますることが、今非常に中小企業界にしわ寄せになろうとしております際だけに意義が大きいと思うのでありまして、この点を特にお願いをしておきますと同時に、物品税は奢侈品にかけられるという点でありますると、これはもう止むを得ないと思うのでありますが、お調べになればわかるのでありますが、物品税の場合は生活必需品と見なければならんようなものが相当あることによつて非常にアンバランスになつておるのでありまして、この生活必需品になつておるようなものについてだけでもこの際除いて行くということをお考え願いたいと思うのであります。
 次には輸出振興対策の関係でありますが、従来日本の輸出の基本方策を見ますると、最近特に重化学工業といいますか、原材料の輸出に非常に偏つた傾向があつたのでありますが、申すまでもなく完成品を輸出したほうが手取りも多く、国際収支の改善には非常にいいわけなんでありますから、できるだけ完成品で出すという方向に進むべきだと思うのでありますが、同時にかような考え方で行きますると、加工度の高いものは自然中小企業関係が多いのでありますから、中小企業関係の輸出振興方策というものを真剣にお考え願いたいと思うのであります。その一つの問題といたしまして労働基準法の緩和の問題でありますが、輸出関係につきましてはシーズンが非常にありまするし、又船積みを若しも遅れるとキヤンセルせられるというようなことがありますので、丁度農林水産業関係がシーズンがある仕事であると同様な関係があるわけであります。従つて農林水産業については労働基準法のすでに一部適用除外がありますので、農林水産業と労働関係もやや似ておるし、又季節的な関係もあるという点においても同じ立場にありますこの輸出中小企業について、労働基準法の一部緩和が行われて然るべきじやないかと思うのであります。今回労働基準法関係法規の改正で商店については或る程度考慮が加えられて来ておるようでありますけれども、輸出中小企業関係、或いは家内工業と見られるようなものについて何ら考慮がめぐらわされておらんのであります。この点について通産大臣としては如何なるお考えを持つておられるか、これを伺いたいという点が一つであります。それともう一つは中小企業に対しまする金利というものが非常に高いのでありますが、これが輸出の振興上非常に阻害になつておるのでありまして、輸出金融について金利の引下げということがどうしても必要なんじやないかという感がするのでありますが、これについての御意見を伺いたいということがその次でありまして、それからもう一つは今問題になつておりまする繊維消費税の関係でありますが、輸出の振興を図ろうというものにつきましては、繊維品については原糸を課税ずるということが一番はつきりしておると思うのであります。要するに国内消費を抑えるという意味において国内向けの原糸に課税するということが一番輸出振興にはいいと思うのであります。いろいろ持ち廻つた末、只今では繊維品の小売課税という方向に向いておるようでありますが、これについて輸出振興の立場から只今申上げまするように原糸課税で行くことが最も適切だと思うのでありますが、通産大臣としての御意見は如何でありましようか、これを伺いたいと思います。
#121
○国務大臣(愛知揆一君) 輸出振興策につきましていろいろいいお話を承わりまして有難く思うのでありますが、その中で労働基準法のお話が出たのでありますが、この点につきましては従来から労働省のほうといろいろ相談をいたしております。労働基準法それ自体を改正するということが果して適当であるかどうかということについては相当慎重に検討しなければならないと思うのでありますが、私も実は余り詳しくないのでありますが、基準法に基くいろいろの施行令や規則等についても或る程度の考慮を加えることによつてだけでも御趣旨の一端は実現できるのではなかろうかと思われる点もあるようでございますが、なおこの点につきましては引続き労働省のほうと緊密な連絡をいたしまして、できれば製造工業等の一部にも及びまして改善を加えて参りたい、こういうふうに考えております。
 それから金利につきましては、もうこれは申すまでもなく何とかして引下げて行くべきものと思つておるのでありまするが、どちらかと申しますと、大勢は、全般の金利情勢はこういう政策になりますと逆に行くような傾向もないではないのでありまして、この点はやつぱりいわゆる財政資金というような面において先ず下げることを工夫して参らなければならんかと思つておりますが、十分一つ研究させて頂きたいと思います。
 それから繊維の消費税の問題は、いろいろ紆余曲折がございましたことは御承知の通りでございますが、現在のところは先ほど申しましたように高級の、いわゆる常識的に考えればこの程度のものはここ一、二年は大衆生活としては我慢して然るべきものだと思われる程度のものに免税点を例えば引上げるとか、或いはできるだけ小売課税を幅の少いものにするとかというような点について、只今のところ更に通産省としても納得ができるような、まあ納得ができやすいような程度にまで調整をするということに最大の今努力をしておるようなわけでございまして、只今のところまあこれは率直に申上げるのでございますが、私からはちよつと原糸課税まで戻るのだと、そういうことも考えておるのかというお尋ねについては、その通りとは申上げかねるような事情にございますことを御了承願いたいと思います。
#122
○豊田雅孝君 小売課税で行きますと非常に徴税技術も厄介でありまするし、税務官等も増員をしなければならず、而も脱税が盛んに行われるという懸念があることはもう御承知の通りでありまして、最近幸いに商業者もやや経済道義に目覚めて来ておる矢先、脱税を誘発するような行き方をするということは非常に問題だろうと思うのでありまして、この点については先ほどお話のありましたように、小売業者自身がかぶらなければならんというような行き方でない方法を少くともお考え願いたい、御研究願いたいということを強く要望いたしておきます。
 それと同時に、百貨店の問題と、競輪の問題について極く簡単に御意見を伺いたいのでありますが、百貨店は昨年中非常に売場面積を拡張いたしまして、昨年だけでも売場面積は二割増になつたというくらいに言われておるのであります。更に関西方面のデパートの進出が激しいというようなことからいたしまして、小売商に対する影響が非常な今大きな問題になつて来ておるのであります。同時に又デパート相互間の同士討も非常に激しくなりつつあるということでありまして、結局昔百貨店法が制定せられておつた当時の実情と同じような状態を今再現して来ておるのであります。従つて、百貨店に対する一つの取締法というようなものが必要にもはやなつて来ておると思うのでありますが、これについて如何なる構想を持つておられるかということを伺いたいと思うのであります。
 それと同時に、もう一つは競輪の問題でありますが、競輪についてはまあ世間でいろいろ批判が行われておるのでありますが、競輪場を今後もやはり新設は許可せられるのかどうか、或いはそうでなく、競輪というものはもう廃止の方向へ漸次向けられるということになつておるのでありましようか、この点をお伺いいたします。
#123
○国務大臣(愛知揆一君) 百貨店の問題につきましては異常なる進出、異常なる競争というような場合におきましては私的独占禁止法によりましても取締ができることになつているのでありますが、現在のところは通産省といたしましては百貨店の現状、経営のやり方その他につきまして情報を的確に収集するように努めている程度でございまして、それ以上に現在すぐに何らかの措置を発動するというところまではまだ研究いたしておりません。これは併し御指摘のような問題でございまするのでこの上とも研究を続けまして、場合によりましては何らかの措置を講じなければならないようなことがあるかも知れませんが、只今のところまだそこまで考えておりません。
 それから競輪につきましては、御承知のように二十九年度の予算からは国が行いまする宝くじもやめたわけでございます。競輪についてもこれは大蔵大臣も委員会等で言うておりますように、この競輪からの財源を国の歳入にするということはこの際やめようじやないか。むしろこれによる歳入というものを期待するならば、地方の財源の充実なり、或いはその他の機構を作ることによつてその他の面にこれを寄与するほうがいいのじやなかろうか。まあ緊縮の折柄でもございますのできりつとした立場で国の台所を建直そうというときには、競馬はこれは諸外国共通のものであり、歴史も長いものでございますからこれだけは特別として、その他のものについては、国としてはむしろ地方或いはその他に移譲したほうがいいのじやなかろうか。こういう考え方で、実は通産省といたしましてもいろいろ当時から意見があつたのでございますが、そういう考え方に結論として従つたわけであります。今のような考え方はこれは法律の改正等も伴う問題でございますが、若し今の予算の建て方のような考え方で参りますならば、通産省として許可とか或いはやめさせるとかというようなことは、行政上その権限を離すことになるというふうに考えております。
#124
○委員長(中川以良君) 先ほどの小松君の御質疑に対しまして官房長から発言を求められました。岩武官房長。
#125
○政府委員(岩武照彦君) 先ほどの小松委員の御質問でございまするが、御趣旨は技術研究のための渡航について国において何らかの補助、まあ援助といつた制度があるかどうかというようなお尋ねかと存じております。実は現在通産省におきましては、国におきましてそういうふうな経費を補助したり、或いは負担したりするというような制度は持つておりません。ほかの省におきましてはどうでございますか私どもよく存じておりませんが、或いは農林省、厚生省あたりのほうにはあるかと存じまするが、通産省関係の鉱工業の技術研究につきましてはまだ実はそういうふうな制度を持つておりません。従いまして技術研究のために渡航される場合には向うから経費持ちの招聘とか、或いは例えばアメリカあたりにおきましては何とかという名前のフアンドでいろいろな後進国の技術研究者を招いて或る期間勉強させるというふうな制度があるようでございます。そういうふうなものを利用いたします場合以外はこれは派遣者のほうの負担に相成るというわけであります。それから外貨のほうにつきましては、これは渡航審議会のほうにおきまして一般渡航と分けまして別途技術者渡航を別のグループで審議いたしておりまして、適当と認めます者につきましては渡航許可もそれから外貨のほうの使用許可も同時に下りることになつております。
#126
○委員長(中川以良君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#127
○委員長(中川以良君) 速記を始めて。
 それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト