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1953/02/10 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 通商産業委員会 第6号
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1953/02/10 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 通商産業委員会 第6号

#1
第019回国会 通商産業委員会 第6号
昭和二十九年二月十日(水曜日)
   午後二時五分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     中川 以良君
   理事
           藤田  進君
           小松 正雄君
   委員
           石原幹市郎君
           大谷 贇雄君
           黒川 武雄君
           西川彌平治君
           酒井 利雄君
           岸  良一君
           豊田 雅孝君
           西田 隆男君
           海野 三朗君
           山口 重彦君
           白川 一雄君
  政府委員
   通商産業大臣官
   房長      岩武 照彦君
   通商産業省公益
   事務局長    中島 征帆君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       林  誠一君
   常任委員会専門
   員       山本友太郎君
   常任委員会専門
   員       小田橋貞壽君
  参考人
   東北電力株式会
   社社長    内ケ崎贇五郎君
   東京電力株式会
   社社長     高井亮太郎君
   中部電力株式会
   社社長     井上 五郎君
   北陸電力株式会
   社副社長    西  泰藏君
   関西電力株式会
   社社長     太田垣士郎君
   関西電力株式会
   社常務取締役  芦原 義重君
   電気事業者連合
   会事務局長   平井寛一郎君
   電気事業者連合
   会事務局次長  福田 勝治君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○通商及び産業一般に関する調査の件
 (電気料金に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(中川以良君) それでは只今より通商産業委員会を開会いたします。
 本日はかねてお打合せを申しました通り、電気料金の改訂に関する調査をいたします。本問題は法律的に申しまするならば、電気事業の健全なる運営と、それから消費者の利益等を勘案いたしまして、政府においてこの料金は決定するものでありますが、今日祖国再建の途上、電気事業の運営の適否というものは、産業の面におきましても、又国民生活の上から見ましても、極めて大きなる重要性を持つておるものでございます。殊に最近政府におきましては緊縮予算を上程をいたしておりまして、これからの諸物価の引下げに対しまして、大きなる意図を持つております。これらの物価引下げに関しましても、この電気料金というものは至大なる関係を持つておるものと存ずるのであります。かようなる重要性を持つておりまするが故に、本委員会におきましては、この電気料金改訂の問題を最も慎重に扱わんといたすものであります。これがために去る五日には政府側から改訂案の概要を聴取いたしまして、更にこれに関連をいたしまして、通産大臣に対し質疑を続けて参つておるのでございます。本日はその調査の一環といたしまして電気事業の首脳者及び電気事業連合会事務局から参考人として御出席をお願い申上げまして逐次御意見を聴取をいたしまして、当委員会は飽くまで公明なる立場におきまして多角的に、道義的に且つ良心的に公明なる検討を加えたいと存ずる次第でございます。
 次に参考人の皆様方に御挨拶を申上げます。本日は御多忙のところを御出席を賜わりまして、誠に有難う存じました。当委員会の只今申上げました意のあるところを十分御諒察賜わりまして、この機会において率直なる御意見を御開陳賜わらんことをお願いを申上げる次第でございます。御公述を願いまするお時間は大体二十分乃至三十分の範囲内にして頂きたいと存じます。御公述の内容は前以てお願いをいたしました資料等によりまして、その点を重点的に御説明を願いたいと存ずるのでございます。
 最初に先ず電気事業連合会の平井事務局長から改訂案の全貌並びに各会社の共通事項等につきまして御説明をお願いをいたしたいと存じます。
#3
○参考人(平井寛一郎君) 私ども九つの電力会社並びに電気事業連合会が本日から明日に亘りまして、当委員会の席上にお呼び出しにあずかりまして、皆様に今回の電気料金改訂並びに料金制度改訂のお願いの件につきまして、御説明を申上げ得る機会をお与え頂きましたことを厚く御礼を申上げる次第であります。
 財政緊縮による経済安定政策が強く推進せられようといたしておりますこの際におきまして、電気料金の値上げを申請いたしますることは、私どもといたしましても誠に心苦しい極みであり、国民の皆様に対しましては、甚だ相済まないこととは存ずる次第でありますが、にもかかわりませず、この際値上げの申請をせざるを得ないに至りました事情並びに申請の具体的内容につきましては、今明日に亘りまして、各電力会社の代表者より順次詳細に御説明申上げるはずでありますからして、それらを通じて何分の御賢察をお願いいたしたいと存ずるのであります。私は最初にお与え下さいましたこの時間の範囲の中で、一応全国的な、概括的なお願いを申上げることによりまして、本件に関する皆様の御理解の一助ともなるならば幸甚と存ずる次第であります。
 先ず前半のお時間を頂戴しまして、簡単に今回の料金値上げ申請の概要等を御説明申上げた上で、後半におきましてお手許にいろいろ差上げてありまする資料、特に大分いろいろたくさん出ておりまするが、特にその中で若干の図表に基きまして数字的な補足説明をさせて頂きたいと思つておりまするし、その他の大部分の資料につきましては、むしろ後ほどいろいろと御質問のございました場合におきまして、必要に応じて御覧を頂くというふうにお願いをいたしたいというつもりでおるわけでございます。
 今回の電気料金の値上げは、新規電源の開発による電力原価の高騰によるものであり、その原価高騰を招きました主要原因は、資本費負担が急激に増加したためなのであります。即ち私どもは再編成以来、全力を挙げてこの電源の開発を強行して参つたのでありまするが、これらは前回の丁度昭和二十七年の五月の料金改訂から後になりまして、漸く順次完成の域に達して来たのであります。で、二十九年度までに約この三年間で二百万キロワツト、特に二十八、二十九では百七十万キロワツトというふうにしまいに多いのでありますが、こういう出力増強を見るに至つたのでありまして、これがために前回料金改訂を願いました当時と比べまして、供給力のほうでは約二〇%、これを出炭の販売電力量に換算いたしますると、ロスの軽減等によりまして二三%の供給力増加を見ておるのであります。然るにこれら電源開発によつて増加いたしました稼働資産のほうは、いずれも最近の高い建設費のものでありまするために、右二カ年間に二千三百億円ほど殖えておるのでありまして、二十七年度末の稼働資産が丁度三千九百億円でありましたのに比べまして、資産の面では六割という急激な増加となつております。即ち供給力は二割設備で殖えておるのに対しまして、六割の純稼働資産増を見ておるのであります。このほかに第三次再評価によりまする増、約千百億円を換算いたすことになつておりまするので、二十九年度末の稼働資産総額は約七千四百億円に近くなる予定でございます。このように新設分につきましては建設費が非常に高いために、新設分の料金単価は二十七年度末現在の既設分全体の平均の料金単価に比べまして、約二倍の値段に上るのでありまするが、これは全く資本費負担が急激に増加したためであり、企業内部では如何に合理化をいたしましても、資本費自体は如何ともなし得ないというふうなところに追込まれるのであります。このように新規の開発によりまして供給力が増加を見ますると、自然従来の安い既設分とこれとが混りますので、平均の料金単価は漸次高騰せざるを得ないという傾向になるのであります。元来電気料金は原価主義によりまして、一切の費用を原価に織込んできめるということが肯定されてはおるのでありまするが、併し私ども電気事業者といたしましては、原価主義の原則があるとは申しまするものの、これをこのまま全部料金の形で消費者の皆様に負担をして頂くということは、目下の我が国内外の経済情勢に鑑みまして極力避けたいと、こういうふうに考えまして、昨年の六月以来半歳余に亘りましていわゆる電力緊急対策というものを打立てまして、そうしてこの開発促進と電力原価高の矛盾をば解決するために、原価高の主要原因でありまするところの金利、税金、即ち資本費の軽減方を中心として、政府及び関係方面にいろいろと要請、陳情をいたしておるのであります。私どもはその効果には相当の期待をしたいと思つておるのでありまするが、何分にもこれは政府の御施策と国会の御決定を必要といたしまするために、未だ何ら確定をいたしておりませんので、今回の料金の値上げ申請の中には、その未確定の部分は織込んではないのでありまするが、確定いたしました暁は、その分だけは料金の値上げを軽減をいたしたく、その用意を持つておる次第であります。私どもは今日でもなお引続きその金利、税金等の軽減については努力を続けておるのでありまするが、何分とも皆様におかれましてもこの点をよろしくお願いいたしたいと存ずる次第であります。
 以上の結果、二十九年度の電力原価の総計と申しますか、私どもはこれの総括原価額と申しておりますが、その総括原価額は送電損失とか石炭消費率の向上とか、各種の事業内部における合理化、これを織込んでいろいろ圧縮はしたのでありまするが、なおその総額が二千百二億円、約二千百億円となつておるのでありまして、これを前回の料金認可を頂きました昭和二十七年度の総括原価額千四百四十八億円に比べますると、丁度六百五十四億円の増加となつておるのであります。併しながらこの二カ年間には先ほど申上げましたように二〇%からの供給力の増加をいたしておりまするからして、自然現行料金によつての収入増によりまして、これは大体三百九十億円ほどになりますが、この収入増によりまして、石炭消費量の増加その他の一般諸経費の増加は十分賄えるのでありまして、そうしたものを差引きました二百六十四億円がこの原価の純増と申しまするか、実際の収入見通しと原価費との差の不足になるのでありまして、これはこの不足分はすべて資本費の増加によるものでありまするが、この不足分を吸収いたしますために、これを料金値上げの形で実はお願いした形になつておりまして、その値上げ倍率は全国平均で一四・四%になるのであります。この点は後ほど資料についてもう少し詳細に申上げたいと思います。今一四・四%と申しましたが、これは前回の認可を頂きました料金単価との比較における数でございまして、実際にはその後石炭の値段が大分下つております。我々石炭の値段の上り下りに応じて、石炭条項という条項に基いて料金を上げたり或いは下げたりする調整の面を御認可頂いておるのでありまするが、幸いに石炭の値段が下つておりまするので、動力関係の料金につきましては若干の値下げを実はいたしておるのでありまして、現在のその値下げをした後の料金と比べますると、只今申上げました一四・四%に相当する数字は一七・一%に当つておるのであります。
 なおこの料金の改訂の申請と同時に、現行料金制度の改正のほうを実は申請をいたしておるのであります。現在の法的な電力割当制度は、終戦後の電力不足に対応するための過渡的措置として策定されたものではありまするが、この制度その後日がたつて相当欠陥面がたくさん出ておりまするので、そうした欠陥を漸次是正をして、そうして消費者負担の公平を図り、且つ電源増強による電力需給の緩和を反映いたしまするために、料金制度の正常化に一歩を進めたところの新らしい料金制度を確立したいという考えなのでありまして、その内容は電源開発の進捗度と見合いまして、一本料金制又は負荷率別二段料金制を採用いたしまして、又更に電力を原料として使用する電解、電炉工業等については特約料金制を取入れまして、そうして個別割当制度にこれを代えることによりまして、同時に制度の改正による急激な影響をできるだけ緩和するように努めた次第であります。
 結論といたしまして、私ども電気業者は今回の緊縮財政によりまする経済安定政策には全面的に協力いたす覚悟であります。併しながら今回あえて料金の改訂をお願いいたしましたのは、電源開発に伴いまするところの電力原価の増嵩をば、最底限度電気料金に織込まして頂いて、予想される一層の悪条件の下で電源の開発を引続き強力に進めまして、一日も早く電気の不足を解消することを念願するためなのであります。若しここに増加いたしまするいろいろな資本費等の回収が困難となり、会社の経理の安定性を喪失するような事態に追込まれまするといたしますると、増資、社債発行等の建設資金の調達に非常な困難を生ずるのでありまして、延いては目下最盛期の工事にありまする電源の開発にも重大な支障を生ずる虞れがあるということを私どもは深く憂うる次第なのでありまして、今回の段階におきまして、料金の改訂をお願いせざるを得ないこの衷情につきましては、何分の御賢察をお願い申上げる次第でございます。
 以上料金の改訂並びに料金制度の改正をお願いするに至りました事情を縷縷申上げまして、各位の御理解と御協力をお願いいたしたい次第でございます。
 以上いろいろと概括的に申上げたのでありまするが、この数字的な裏付けと申しますか、数字的に若干補足説明をお手許にございまする配付資料によりまして、番号順に主だつた点を若干御説明さして頂きたいと思います。
 資料の一の「電気料金改訂について」と書いてありまするのは、この際九つの電力会社が料会の改正を申請いたしまするにつきまして書きました趣旨でございます。その次の二は、料金改訂の理由が要約して書いてございまして、その主だつたところは、先ほど申上げたのでありまするが、例えば資本費の増嵩、或いはその他の修繕費、燃料費等の増加等の具体的内容がここに詳細に書いてございます。この二つの資料の裏に主要項目原価対比表という表が載つております。この表をちよつと御覧頂きたいと思います。従にいろいろな項目別に資本費その他のいろいろな一般経費が書いてございますが、横に二十九年度と二十七年度と二つの数字が出ております。二十九年度の原価と申しまする欄に、先ほど原価額の二十九年度の所要原価額の総額が二千百億と申しました数字が、一番下の合計欄に載つておりますし、内訳がそれぞれ載つております。それから需用端を販売電力量で割りました一キロワツト・アワー当りの原価をそれぞれ内訳に書いてありますのがその右にございます。同じようなことを前回の料金改訂の当時の原価千四百四十七億について、キロワツト・アワー別にも出して見たのでありますが、一番上の資本費の欄を御覧頂きますと、前回は、一円四銭であつたものが、一円九十銭八厘というふうに、約一八三%、八割三分の資本費のキロワツト・アワー当りの負担分が、急激な増加のあるところが出ているのであります。
 次の燃料費は、実は石炭の消費量は、前回の改訂当時と今回とでは二七・八%消費量が殖えておるのでありますが、それにもかかわりませず、いろいろな石炭の値下り、消費率の向上、それから炭質の向上等によりまして、実際には四百五十三億が五百億に、約一割しか殖えておりません。従いまして供給力のほうは二割以上殖えておりまする関係上、実際のキロワツト時当りとしましては、むしろ燃料費の負担分は九一・六というふうに減つております。そのほか人件費、維持費等いろいろございますが、右の端の欄を御覧頂きますと、資本費を除く他の費目につきましては、大体現行料金の、多少でこぼこはございますが、全体を通じますと、おおむね現行料金の、単価の料金の枠内で吸収できておるのであります。ただこの中で一番下の一般経費が二九%殖えておりますのは、金額としては小さいのでありまするが、お目にとまるかと思うのでちよつと補足説明をいたしますると、この表のすぐ下の註の一、一般経費の中の殖えましたものの内訳がここに出ているのでありまして、御覧の通り殆んど事業税とか水利使用料、電柱敷地料、道路占用料というような公租公課的なものと、それから購入電力料金の或いは値上り或いは数量の増加というものによつておるのでありまして、一般の費用としましては決して殖えておらないのであります。これが今回の値上げの要素を、挙げて資本費の増加にあると申上げました一端なのであります。
 次に、資料三というのがございます。この表は、発電設備、言い換えれば発電所の水力及び火力別。上のほうのハツテイングを示したのが火力でございますが、水力、火力別の発電力がどういうふうに増加したかを表にいたしております。この辺の資料は、再編成後の状態を見て頂くという意味もありまして、二十六年度以来の数字がいろいろ載つておりまするが、御覧のように二十六年、七年の間では余り伸びておらないのでありますが、二十八年度、二十九年度においては急激な設備の増強がここに現われております。これが料会改訂後において約二割の設備の増加を見ているということを申上げた内容なのであります。右のほうは、それによる発電電力量の数字を出しておるのであります。
 次の頁の四と番号を打ちました資料を御覧を頂きます。これは需用端における、需用家に差上げる電力量の増加の傾向を数字で出しておるのでありまして、前回の改訂後の二十七年度が三百五億に対して、二十九年度は三百七十四億キロワツト時。これが二十七年度に比べますというと、丁度二三%弱になつているのであります。ハツテイングしたのは、そのうちの電燈のキロワツト・アワーであります。
 その次の五という横に長い表は、只今申上げました発電力の会社別、年次別の総キロワツト数の内訳でございます。水力、火力別に出ておりますが、そこは省略させて頂きます。
 その次の表が第六という表でありまするが、六、七、八の三つの表は、企業内部の合理化は一体どういうふうに進展しておるか、又今回の料金認可申請の中には、更に合理化の意図をどれだけ入れておるかという点の一端を御覧を頂く意味で挾んでおいた次第なんでありまして、そのうちの第六という表は、左のほうにございます電力損失がどういうふうに減つておるかを表にしたものでございます。電力損失の一番左の表には、二十七年度のときには二五・七七%の平均ロス率でありましたものが、今回の申請では二四・五五になつております。この間の二十八年度の実績はこの計画数字と余り違わないのでありまするが、こういうふうに年々漸減の実績を挙げつつあり、又今回もそうした努力目標を入れておるのでありまして、若し例えば前回の料金改訂後今日までロス率の軽減という努力が払われていなかつたとしたならばどれだけ電力量の損失が違うかということを真中の欄に出しておるのでありますが、この九億の減少と書きましたのと、三億の減少と書きましたのとを差引きました六億キロワツト時が二十七年度からの二年間のロス率の軽減の数字になるのでありまして、これを発電力に換算いたしますと、右の表で二十四万と八万の差、十六万キロワツトの発電所を造つたほどの効果になつておるのであります。
 次の第七表は、石炭の火力発電用炭の能率改善がどういうふうになつておるかということを示したものでございまして、左のほうの石炭消費率の二十七年度が〇・九二パーキロワツト時であつたものが〇・八一と、十数%の改善を見るようになつております。この関係も同じような意味で石炭の節約量で換算いたして見ますと、右の表で百四十六万トンと十二万トンとの差、約百三十四万トンの石炭を節約した勘定になるのであります。
 第八表は、同じような意味で労働生産性がどういうふうに推移しておるかを御覧に入れた表なんでございまして、一番左にハツチングをしてありますものが昭和十年の古い標準でございまするが、これが戦前の平常時におきまする最も生産効率の上つた年の実績で、従業員一人当りに、これは戦争時代でありますが、二十四万六千キロワツト時の販売電力量を分担しておりましたのが、一人当りの分担量の数字を御覧になりますと、終戦後むしろ減つておつたのが、最近漸次戻つて参りまして、それはパーセンテージで下の欄で御覧頂きまするように、昭和十年に対して一一%生産性が上つておるという数字になつております。
 次にナンバー九という表を御覧頂きたいのでありまするが、この表は稼働設備及び固定負債がどういうふうに推移いたしておるかを示したものでございまして、左のハツチングをしましたのが稼働設備であります。言い換えれば完成して営業運転に入つております営業設備の資産額であります。真中の点の打つてありますのが固定負債額で、その右のほうは資本金の額でありまするが、昭和二十七年、八年の間では殆んど大きな変化がないのが、二十八年から九年、十年と急激に設備が完成いたしましたにつれまして、稼働設備の資産額が急激に伸びております。七千二百七十八億円と三千八百八十六億円の差、三千三百九十二億円でありますが、こういうふうにして非常に殖えております。この中の二千三百億円程度が純資産増であり、残りの千百億円程度が再評価による増加であります。真中のハツチングをしましたいわゆる固定負債で御覧頂きましても、約二十八年から三十年の間に二倍強、又資本金にいたしましても二倍半程度に伸びておるのがおわかりになるのでありまして、これだけ増強をいたしますのに、急激にやはりこうした資本金だとかその他の負債が殖えて来るというところがここに出ておるのでありまして、これが資本費が急激に最近増加して来たという元になつておるわけなんであります。
 次の頁の十という資料も、稼働設備の内容を、もう少し再評価分とそうでない分とに分けて示したものでありまして、二十七年度においては三千八百億円の資産のうちで、数字は載せておりませんが、二千八百億を引きました約一千億円だけが実際の借入或いは払込を受けた金に相当するものでありまして、上のほうは再評価積立金で、これは償却の対象にはなりまするけれども金利の対象にはなつておらない部分なんであります。右のほうが三十年度における予想でありまして、丁度稼働資産の総額においては、一・八八倍くらいにふくれておりますが、下の金利の対象となる部分の金額について見まするというと、三倍以上に伸びておるのであります。その傾向をここに示したものでありまして、如何に金利が急速に殖えかという事情の内容がこれでおわかりになると思うのであります。
 次の第十一表でございますが、あともう少しお時間を頂きまして、この十一表は前回の料金認可のときと今回の申請の場合との総括原価額の内容を示し、これを比較しておるのであります。御覧のように資本費その他いろいろと絶対額はふくれておりますが、先ほど「資料二」で御説明申上げましたように、原料費その他の諸経費は、いずれも合理化と、それから現行料金による増加収入で賄われておるのでありまして、資本費の増加分、これは約三百九十六億円資本費の増加分がありますが、このうちの三分の一は現行料金収入でどうにか繋げるのでありますが、残りの約二百六十四億円だけはどうしても現行料金で賄えないという関係になつておる事情をここに表にしておるのであります。
 第十二表は、更に資本費の比較を細かく書いておりますが、説明を省略いたします。
 第十三表は、これは現在電気事業関係が負担しております公租公課の総額がどのくらいになつておるかを御参考に載せたのでありまして、百十五億が百九十一億と、非常に膨脹いたしております。私どもが租税公課についての減免措置を原価の不足の補填策としてお考え頂きたいと緊急対策を打出しました事情がこの辺から具体的につかみ取られるのではないかと思うのであります。
 第十四番の資料は、その総括原価額の算定の明細をば詳細に費目別に書いて、又その算出根拠等も載せてあるのでありますが、これは後ほど御覧を頂くことにしまして、説明を省略いたします。
 三枚ほどめくつて頂きますと、第十五という資料がございます。これは「新旧料金収入比較表」となつております。先ほど御説明申上げましたときに、今回の値上倍率は、全国平均において一四・四%それから石炭の値下りによる燃料費条項を適用した場合の支払額と比較すると一七・一%になるということを申上げたのでありますが、その数字がこの表の一番右の下に載つております。括弧したものと、してないものとはそういう意味における区別なのでございます。これをば更に電燈と電力とに分けたものを御覧頂きますと、右の欄の真中ほどの電燈の値上率は一六%程度になつております。又動力の平均値上率が一三%、それから石炭条項を見たもので見ますというと一七%七四というふうになつております。こうしたものの各社別の倍率の内訳はこの表の中に眼をざつと通して頂きますとおわかりになりますように、それぞれ地方事情を反映いたしましてでこぼこになつておりまして、値上倍率の大きいところは二割四分程度、少いところは六%余になつております。これらの点全体を御覧頂きますと従来は火力地帯のほうが非常に値上率が高かつたのでありますが、今回の値上倍率を見まするというと、むしろ火力地帯の値上倍率は低いほうになつて、水力地帯において値上倍率が多いような形になつております。これは一面石炭の価格が著しく値下げをいたしました点が反映されて、火力による原価の低下が一つの要素になつておりますし、又火力の新増設分は料金原価的に見ますと、既設のものに対してむしろとんとん、或いは以下というふうな傾向にありますのに対しまして、水力の原価は昔の安い設備からみますと非常に高いものでありますから割高に出るわけであります。従つて水力地帯、特に水力の開発が大量になされたところにおいてこの値上倍率が大きく出るという形になつております。併し倍率ではそうなのでありますが、これは別に資料があつたかと思いますが、この表で御覧になつてもわかるのでありますが、一番下の、先ほどの値上倍率のすぐ上の欄に今度の改正料金収入単価が出ておりますが、この単価について御覧頂きまするならば、従来の地域差というよりはむしろその絶対額の値上りの点ではおおむね値上げの程度が似たような程度であつて、地域差は若干むしろ従来よりは平均のほうにお互いに近寄る方向に前進したような結果になつておりますということが申上げ得るのであります。
 あと大分資料もございまするが、これらの、例えば第十六という資料は料金規程の細目をそれぞれ会社別に詳細に要点を書きまとめたものでございまするから説明を省略いたします。
 それからそのあとに参考資料が大分載つておりますが、これは需給計画その他の資料がたくさん出ております。資料だけを申上げますと二十九年度の需給計画、それからそれに関する実情、それから参考資料の四というのはこれは三千キロワツト以上の業種別の電力使用状況の資料が或る特定の会社について調べて見たのであります。言い換えれば一つの地域におけるいろいろな業種別のお顧客様の現在お払いになつております料金の平均単価が如何に大きく幅広く動いているのかというのを御覧頂くための資料であるのであります。その他若干資料もございまするが、又御質問に応じまして補足説明をいたすことにいたしまして、私の説明をこれで終らして頂きたいと思います。大変長い時間どうも有難うございました。どうぞよろしくお願いいたします。
#4
○委員長(中川以良君) それでは最初に委員長から只今の電気事業連合会からの御説明に対しまして総括的に御質疑を申上げたいと存じます。
 先ず第一点は今回の値上案に関しまする連合会事務局と、それから各電力会社及び監督官庁との関係について伺いたいのでございます。料金の改訂の認可申請は勿論各電力会社の責任においてなされたものと了解をいたしておりますが、電気事業の特殊性といたしまして水火力の調整金をどういうふうに決定をなさるのか、又地帯間の電力融通をどうするかというような点につきましては、九電力会社において御協議をなさなければならんものがあると存じます。又或いは関係会社相互間において協議を要するものがあると存じますが、かような事項の取扱は一体どういうふうにやつておいでであるかという点であります。
 それから第二点は、水火力調整金並びに電力融通量の協定のこの基本方針はどういうふうになつているかを御説明を願いたいのであります。
 第三点でありますが、これは料金改訂案の基礎となりまするところの電力需給計画は現行の法規によりまするならばこれは通産省で決定することになつております。ところが前記の水火力調整金及び電力融通につきましてもう当然これは認可を要するはずでございますが、今回の改訂案につきましては当局との間にどの程度の下打合せの御交渉ができておつたのか、又されつつあるのか、又それらの只今お出しになつた数字は変更の余地がまだ残されているものか、全くぎりぎりのところをお出しになつているものか、その点をお伺いしたい。
 第四点でありますが、これは改訂案は料金制度の変更を含んでおりまして案の作成には相当皆様時日をかけてここまで作業をなさつたものと了解をしております。作業の日数との関連から見まして、最近政府はいわゆる緊縮政策を引つさげまして、物価引下げの基本方針を今国会にも、国民にも示しているのでありますが、この政府の今回の緊縮政策の方針との間にどういうような関連を持ち、この方針が如何に今回の電気料金の中に反映をされているかという点をお伺いしたいのであります。
 それから最後に電気料金の値上案は御承知のごとくいつも反対が強いのであります。今回も各方面から我々も御陳情を受けております。ところが従来はこれは曲りなりにも実現をして来ているのであります。平井事務局長は曽つて公益事業委員会におられまして料金値上げの当時認可をされておつたのでありますが、料金値上げの認可基準につきまして法律的の御説明を一応承わりたいのであります。以上の五点に関しまして一つお答えをお願いを申上げます。
#5
○参考人(平井寛一郎君) 第一の御質問の点で、これは連合会の責任の範囲はどの辺にあるかというような面からの御質問であると了解しておつたのでありますが、電気事業連合会と申しますのは、九つの電力会社が寄つて作りました会合機関でございまして、電気事業者の共同の利益のための連絡機関という性格のものなのでございます。従つて独立した意思行為を持つ機関では、それ自体はないのであります。ただ委任を受けた場合については、その限りにおいて扱うことはあるわけでございますが、ところで今回の料金の問題につきましては、全然連合会はそういう決定とかそうしたものを、行為権の委任を受けておらないのでございます。従つて連合会の責任ではなくて、今回の料金の申請は挙げて九つの電力会社がそれぞれ独自の責任、それぞれの責任において直接に申請書をお出しになつておる、こういうような内容でございます。ただ共同のいろいろの打合せをし、或いは内部の連絡をするという必要がございまするので、いろいろと申請をいたしますについては連合会の機関を利用して、横の連絡、お打合せ等は相当慎重に行われておるということの事実はございます。
 それからその中で、水火力調整金或いは地帯間融通はどういうふうにきめておるかというお話でございますが、これらもやはり問題によりましては連絡機関によつて集まつて、そして協議をして話合いできめるという場合もございまするし、問題によりましては、例えば融通の問題等については大筋の話はいたしましても、個々の細かい協定等はそれぞれの直接当事者間で直接にお話を願うとかいう両方の面が併用されております。
 それから第二の御質問でありまするが、これは今大体一の中で御答弁申上げましたのでよいかと思いますが、併し水火力調整金、地帯間融通等は、いずれもこれは政府の認可を要する事項でございます。
#6
○委員長(中川以良君) その基本方針を何かおきめになつておられますか。
#7
○参考人(平井寛一郎君) そのほうは後ほど社長のどなたかから御返事願うことにいたしましよう。
 第三の今回の需給計画は、これは政府が決定すべきものなのであるが、事業者は事前にどの程度の打合せをしたかという点でございますが、これは当然政府の御決定に待つことでありまするが、事業者としましては、一応事業者の独自の立場からいろいろと算出をいたしたのであります。併しそれが不用意に我々の恣意的な考えだけで持出すことはいけませんので、一応は非公式にはそれぞれの連絡の方法をとりまして、政府側の御内意等は伺つてはおります。併しながらそれはどこまでも連絡はいたしましたが、これは事業者の自主的判断において出したものである、従つてこの申請その他決定権は、これは当然法律の条項に基いて政府にあるとこう考えております。
 それから第四の……。
#8
○委員長(中川以良君) 只今の政府の施策にどの程度にこれが協調をしておるか、政府の施策が如何に反映をするように御努力になつたかという点であります。
#9
○参考人(平井寛一郎君) 私どもといたしましては政府のおよそお考えになつておられるのではないかと思われる点は我々の判断において十分考慮し、而も自主的にそれをきめておる。そしてそれを申請いたしたというふうに申上げるよりしようがないと思います。
 それから第四の御質問の点は、制度の変更となつておるので、相当長く調査したであろうと思うが、緊縮政策下の方針との関係及び影響の程度はどう考えておるかというお話だと思うのでありまするが、お話の通り私どももこの制度の変更につきましては昨年以来非常に長期に亘りましていろいろの案を考えたのでありますが、何分にも現行の割当制度というものは、その制定当時における長所とは別途に、非常に年数がたつにつれて弊害面がたくさん出て来まして公平を欠くという面が大きく出ておる。一面一つの使命であつた需給の不均衡に対する面もかなり情勢が変つておる。そういうふうな事情の中でありますので、いずれ将来において順次需給の状態が良好になるその段階において、やはりそこへの前進の一つの中間的な制度の改訂をどうしても一度やらざるを得ない、こう考えましていろいろ検討しました結果、今回申請申上げましたような制度案にきめたのでございましてこれらはやはり需給不均衡の状態の相違、或いは水力火力等、いわゆる原価構成上の会社自体の相違等も斟酌いたしまして、東北、北陸につきましては全部一本料金、その他の地域については一部負荷率段階別二段料金という形をとらして頂きました。随分これについては研究した結果、これが一つの前進への一番、影響の程度をも緩和するのにいい方法じやないかと思つてやつたのであります。
 それでただここで御理解頂きたいのは、例えば同じ地域における同じ業種、或いは同じ需用部門においての値上り倍率というものについては、平均といたしましてはその公正なる原価額の配分の線に沿うておるのでありますが、そういうふうな形にしました結果、平均と実際にはでこぼこが相当ありまするのでそういうふうな点で特に非常に特殊な事情で、同じ業種の中でも高い料金をお払いになつておるところと、非常に安い料金をお払いになつておるところとが、先ほどの参考資料にもありまするように、三倍も違うというのがある。そういう同じような種類の使用状態の差を、若干緩和する方向の措置になつておりますので、影響がその平均値通りぴたつと行くわけには、個個に参つておらないかと思います。ただ私どもといたしまして一番懸念いたしまするのは電解、電炉とか、或いは肥料というふうな、従来は特殊な電力をお使いになつておりましたものが、今日では割当制度により、殆んど標準電力量を大部分お使いになつておる業種におきまして、只今の料金制度だけをそのまま適用いたしますると、若干値上り倍率がひどくなりまして、影響の程度が相当深刻な姿が全面的に出る虞れがありますので、これにつきましては、特約料金制度というものを設けております。内容は資料にもございますように、各社によつて若干違つておりますが、考え方は、そういう電気を多量にお使いになる特殊な産業におきましては、電気の質は若干下つても量においてできるだけ差上げるということによつて、むしろ生産も上るし、値上り倍率もその意味において、おおむね標準並みのところまで吸収できる。こういう考え方から特約料金制度というものを、従来と違つて大幅に打出しております。目下これについてはいろいろ、それぞれの御需用家におきましては御懸念の向も多いと思いますが、各個のお話合いできめつある次第でございます。
#10
○委員長(中川以良君) 只今の御答弁中でございますが、四点の今の御説明はよくわかるのでありますが、私のお伺い申上げておつた一つの大きなポイントは、この作業は恐らく昨年の秋頃から各社とも開始をされて、いろいろ数字を積み重ねておいでになつたと思いますが、最近殊に政府がこの緊縮政策をとつて、物価を引下げると声を大にして申しておりますが、この際において更に自粛をして、その案を縮めて、できるだけこの物価引下げの政策に御協力になつたであろうかどうかという点を伺いたいのであります。
#11
○参考人(平井寛一郎君) その点はやはりこの春の情勢をできるだけ考慮いたしまして、いろいろとこの際削減すべきものについて緊縮の数字を出して、そうしてここへ持ち出して来たわけでございます。この点は社長からもう一度御説明を申上げることと思います。
 もう一つ料金の認可基準につきましてどういうふうになつておるかという御質問でございましたが、電気料金の認可は、電気料金は現在法律によつて認可制度となつております。公共事業令が昭和二十七年の七月に改正になりまして、法律第二百八十三号として今日に来ておりますが、この中の第三十九条を見まするというと、料金の認可の問題につきまして供給規程の認可という形において条文が入つておりまして、この条文の趣旨を要約いたしますると、電気事業者は料金を設定し或いはそれを変更しようとする場合には政府の認可を受けなければならないということが一つ明記してございます。それから通商産業大臣はこの認可申請があつた場合には、その申請の内容を四つの条項に適合しておるかどうかという意味において審査しなければならないということが出ております。そうしてその審査の条項の第一のところが問題でありますが、第一のところに、料金がその通商産業省令で定める基準に従つて算定されておるかどうかということがこの判断の一つの大きな基準になつております。そしてこの裏付けとしましては、通産省のほうでは電気料金認可基準というものを御設定になつております。私どもといたしましては、その認可基準に副う……電気料金算定基準に基いて原価をそれぞれ弾いてそうして今回の申請をいたしたわけなんであります。これは今後の御審査によつて御査定はあることと思いまするが、更に第三十九条の第三項のところへ、「前項の規定により審査した結果、その申請が同項各号の基準に適合していると認めるときは、第一項の認可をしなければならない。」、審査の結果、条項が適合している場合、いわゆる原価主義という建前で算定基準ができておりますが、その原価主義がすなおに貫いてあれば、査定の結果それを認可しなければならないというふうに謳われておるのであります。私どもはその条文に基きまして申請をいたしたわけなんです。
#12
○委員長(中川以良君) 今の補足御説明があるようでありまするから、高井社長に……。
#13
○参考人(高井亮太郎君) 水火調整金は電力各社間の融通のきめ方について連合会において何か基本的な方針ありや、こういう御質問だと思いますが、水火調整金は御承知のように再編成の際に各会社間の電力料金の地域差が余りに甚だしくならないために、当分の間古い水力に対して一定の金を出し、火力を焚くほうに対して若干の調整金を出したという制度でございまして、各会社間において協議をいたしまして、この認可を当局にして頂く。若しも協議が整わなければ、たしか通産大臣がこれを命令でしたか、決定することができるという法文になつておると存じます。連合会におきましてはこの水火調整金の扱いを当分の間過当な地域差が料金に出ないようにというその根本方針に副つて相協議いたしまして、そしてこれを契約いたしまして認可を申請するという形になつております。
 なお電力融通につきましても、各会社間でお互いの立場を考えまして、でき得る限り各地区の需給状態に余りにひどいことのないように、でき得る限りの協力をいたしましてお互いにまとめて行くという方針と申しまするか、実情になつております。
 それからいま一つ忘れましたが、委員長から、先般来の政府の特別な緊縮方針に対して業者は何を考えたのかという御質問であります。これにつきましては、実は私どもといたしましては少くとも十二月下旬には申請書を提出いたしまして御批判を仰ぎたいということに考えて参つたのでありますが、いろいろなものの動きもございまするし、なおかような際に何か幾分やまをかけたと申しまするか、なお切詰めの余地があり、なお時間をかけて考えたらいいじやないかというようなものが若しも出るようなことがあつては、これは国民各位に対して相済まぬという考えから、更に提出の期日を延期いたしまして、実は原価計算上、只今提出してありまするより以上にお願いしたいことが幾つかあつたのでございまするが、例えば只今の再評価されておりまする資産に対する償却のやり方というものから、当然非常な償却不足がその資産のいよいよ命数の尽きましたときに出るのでありまするが、その不足償却額を特にお認めを願いたいという数字を出してもありましたし、又修繕費、償却費との関連におきまして取扱方法が会計上のやり方からはなお一段のお願いができる筋ではありましたが、例えばさようなことは全部抹殺をいたしまして、そうして値上りの幅を最小にするようにやり直しまして一月の二十日に提出申上げた次第でございます。
#14
○委員長(中川以良君) それでは先ず只今御説明のございました電気事業者連合会側に対する御質疑をお願いいたします。この御質疑が終りましてから各電力会社ごとに御公述を願いまするので、各電力会社の細部に亘る御質疑はそのお話を終つてからに願います。
 先ず総括的に電気事業連合会に対する御質疑をお願いいたします。
#15
○藤田進君 それについて。只今委員長から質疑を行われてその御答弁なぞを総合いたしますと、やはり一応五電力の代表のかたに御説明を願つて、そうしてそのあとでそれぞれの委員から質問をいたしますように議事進行を変更して頂いたらどうだろうか。但しどうしても先にお帰りになる御都合がありましたならば、それはあらかじめ委員長に連絡されてそのかたについては特に個別に御質疑をする。でありませんと理由は省略いたしまするが、どうも前後いたしまして、御答弁なさるかたもそうですが、私ども質問をする側としても説明を後刻されれば、聞く必要がないものも出て来るかとも思いますので、御変更願います。
#16
○小松正雄君 関連いたしまして。私は今藤田委員より申されましたことについて、更に平井事務局長よりの委員長に対するお答えの中に、この電力料金の値上げをやろうとするのについて、電気事業連合会として九会社の委任を受ける、委任というか、全体的な代表としてやつたらばどうかということについて、その点についてただいろいろ打合せをするとかということについては関連したが、この値上げに関しては、何もタツチしていない、九会社はおのおのそれぞれの立場において申請をされておる。こういうことでありまするので、やはりその会社の代表者のかたがたから、一応あり方を言つて頂き、それに基いて質問するということのほうがいいじやないかと、こうも思いますのと、同時になお又事務局長のほうで資料も出しており、代表的に質問することについて答弁ができるということであれば、委員長より言われたように、それを先にしてもいいという考えを持つものであります。
#17
○委員長(中川以良君) それでは只今藤田君、小松君の御意見のございました通り、御質疑はやはり各会社に関連すると存じますので、それでは各会社の一応御公述を先に願うことにいたしますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○委員長(中川以良君) ではさようにいたします。
 それから実は本日或いは時間内に終りませんでしたから、明日の午前中続行せざるを得ない状態になると存じますが、その際に、明日東北電力と北陸電力と関西電力は御所用のために、本日御出席の代表者のかたは明日は御出席できないということでありまするので、順序を変更いたしまして東北、北陸、関西の順序で始めたいと存じまするから御了承を頂きます。
 東北電力株式会社社長内ケ崎贇五郎君。
#19
○参考人(内ケ崎贇五郎君) それでは私は、先ほど九社に共通の線は平井事務局長から御説明申上げましたから、それは省略さして頂きまして東北電力特有の点について御説明さして頂きます。東北電力の今次料金改訂申請理由の主眼点を御説明申上げます。
 先ず今回料金改訂の理由は、ただ一点、電源開発の進捗に伴うものであるということでございます。この電源開発の進捗によりまして、東北地区における電力の需給状況は著しく改善せられるに至りました。更に二十九年度における当社の電源開発の見通しは、現行割当制度の廃止を可能ならしめるに至るものと存じまするので、今回改訂に当りましては、この制度の廃止を前提といたしまして基本料金制による電力量料金一本建の制度といたしました次第でございます。このことは日本経済再建のために絶対必要のことでありまして、我が国輸出産業振興の見地からもすでに世論とさえなつておるものと考えております。
 次に電源開発の進捗によりまして、原価の高い新規電源の稼働による資本費の増嵩が今回料金改訂の唯一の理由になつております。即ち今回の改訂は現行料金による収入百四十三億円に対する改訂料金総括原価百七十億円との差額三十五億円の原価増に基くものでございまするが、現行総括原価中の支払利息及び減価償却費の合計額二十一億円と今回の総括原価中の支払利息及び減価償却費の合計額五十七億円との差額はすでに三十六億円に達しておる状況でございます。なお今回当社の値上率は全国平均値上率を上廻ることになつておりますが、これは当社の電源開発の異常なる進捗に基くものでありまして、誠に止むを得ないところであると存じます。なお只今申述べました通り北陸及び当社は割当利制及びこれに伴う高率追加料金制の廃止を前提といたしておりまして、この点は他の七社がなお逓増二段料金制を一部採用しておるこのとは著しく趣きを異にし、従つてその点において単なる表面上の値上率によつてこれを同日に論ずることはできません。以上の点を先ず御了解願いまして、お手許の資料を御覧頂き、且つ以下申述べるところをお聞きとりを願いたいと存じます。
 当社は電気事業再編成以後、電力不足の解消を需用家に対する最大のサービスと心得、全社を挙げて電源の開発に努めて参つたのであります。その結果二十七年度までにすでに約七万キロワツトを新規に稼働せしめ、続いて二十八年度においては十四万五千キロワツトの開発を終え、引続き二十九年度の半ばにおいて約十万五千キロワツトの開発を完了する予定になつております。即ち当社発足以来今日まで開発をし得たものの合計は二十一万五千キロワツトとなり、当社発足当時の発電設備の合計八十二万キロワツトに対し約三割に当り、更に二十九年度の落成予定のものを加えますと増加出力の合計は約三十二万キロワツトに相成り、旧設備の約四割に相成る次第でございます。これら新電源の開発によりまして当社の電力需給状況は著しく好転し、もはや現行割当制度及びこれに伴う高率追加料金制度による需用の抑制を必要としない状態に立ち至つたので、今回の料金改訂を機として、この際電気事業本来の姿に立ち返つて基本料金制による電力量料金一本建の料金制を採用することといたしたものであります。
 そもそも現行割当制度及びこれに伴う高率追加料金制度は戦後の著しい電力不足に対処するため止むを得ずとられた措置でありまして、その不合理はここに申述べるまでもないと存じます。殊に当社のように供給力の殆んど全部を水力発電に依存しておるところでは、毎日々々の供給と需用の不均衡を来たし、当初の目的である需給の調整に反するような結果になつておつたのでございます。又一方割当超過使用電力量の僅かの増減が料金面に著しい変動を及ぼし、需用家側の生産計画、事業運営計画に支障を来たし、延いては将来計画の樹立をも妨ぐる結果を招来している実情であります。勿論割当制の廃止は電力需給調整規則の改正に待たなければならないのでありますが、当社の電力需給改善の実情に鑑み目下その改正を監督官庁に対してお願いをいたしておる次第でございます。
 今回当社が採用せんとする料金制度は、この割当制の廃止を前提とするものでありまして、当社の水力地帯たる特性を十二分に生かし、毎日々々の需給の均衡を保ちつつ、安定した良質の電気を供給するため電気の質による格付を行い、その質に応じた料金を設け、需用家の選択に応じてこれを供給せんとするものでございます。即ち年間を通じて需用に応じ得る常時電力、豊水期、最豊水期等一定期間を限つて供給し得る期間常時電力、毎日の供給は必ずしも保証し得ないが、大よそ年間の総供給量を保証する調整電力、及び不時出水時又は深夜間等にのみ供給する特殊電力の四種類に区分し、それぞれの原価に見合う料金を設定し、電力量料金についてはその使用量の多寡にかかわらずこれを一本とする建前といたしております。この結果電解、電炉工業の電力のごとく多量の電力を必要とする半面、容易にその使用量を調整し得る需用家に対しましては、低料率の調整電力の供給を契約することによつて仕上り料金を最低限に抑え、東北地方の特色たる水力電気を原料とする産業の立地を容易ならしめる措置を講じ得るものと存じます。又負荷の性質上電気の使用を調整することの困難な需用家、例えば鉱山、紡績、機械工場等はおおむねその製品原価中に占める電気料金の比重も軽く、むしろ電気の質の向上、即ち安定した電気の供給を希望している実情にありますので、高率追加料金制の廃止と相待つて、今回料金改訂による影響を最小限に緩和し得るものと存じます。一般小口電力及び電燈需用についても、安定供給と追加料金制の廃止とによつて従来の不合理を是正し、特に従量電燈においては従来の最低料金制が施設の大小にかかわりなく一律の負担となつておりました点を是正してアンペア制を採用し、使用設備に応ずる基本料金の設定によつて負担の公平を期し得ることといたしたのであります。
 次に今次料金改訂が新設備の稼働による原価の増嵩を唯一の理由とする点に関しまして申述べます。
 当社は再編成後二回に亘る料金改訂を行いましたが、その二回を通じて改訂の主因をなしましたものは、終戦後の物価、賃金等の高騰に基くものでございました。今回の改訂理由はこれと全く異なり、専ら新増設設備の稼働による経費の増嵩に基くものでございます。先ほど申述べました通り、電力再編成後今日まで当社の開発した新規電源は二十一万五千キロワツトに及んでおりますが、この新規発電設備の建設費は、平均して一キロワツト当り約七万八千円になつております。これに対しまして再編成当時の旧設備は第三次資産再評価を行なつてもなお約三万五千円に過ぎない状態でございます。このように新旧設備の間には資産価額にすでに著しい開きがあるのでございますが、なおそのほかに新旧それぞれの設備にかかる資本費の上にも大きな差異がございます。申上げるまでもなく新設備については、その建設費のの全額に対して約一割前後の金利がかかるのでありまするが、旧設備即ち再評価資産については、再評価差額に対する資本費の負担が殆んどかからないために、資産額に対する金利は僅か二分前後に過ぎないのでございます。当社の新旧両設備についてそのおのおのの発電原価を試算いたしました結果によりますと、旧設備については発電端一キロ時約一円三十銭、新設備については約三円余と相成つております。これに附帯する送変電設備等の新規稼働分を考慮に入れますると、新旧設備による電力コストの比率は大体において旧設備一に対し新設備三と言い得るのではないかと存じます。勿論このような新旧設備のコストの差がありましても、新規分の稼働が比較的少いうちはいわゆる企業努力によつてこれを吸収することもあながち不可能ではございませんが、新設備の比重が増大するにつれておのずからその限度がございます。先ほども申上げました通り当社の新設備は現状においては旧設備の約三割、明二十九年度においては約四割の多きに達します。これを新旧設備の比率で申上げますと、大約旧設備七・五、新設備二・五と相成り、これに先ほどの新旧設備のコストの比率一対三をそれぞれ乗じまして両者を合算平均いたしますと、統合経費は一・五となり、旧設備の経費に対し五割の増という概算に相成ります。当社が今回料金改訂を申請するに至つた理由はひとえにかくのごとき新設備の稼働に伴う資本費の増嵩に基くものでありまして、大約五割の原価増に対しまして今回当社の値上率二割四分九厘はその約半額に相当するものでございます。これを結果から申上げますれば残り半額は経営の合理化、企業努力の成果によつてこれを吸収し得たものということができると存じます。
 御参考までに当社の企業努力の一端を数字を以て申上げれば先ず従業員一人当りの販売電力量は昭和二十六年度は二十一万八千キロワツト・アワー、同じく二十七年度は二十四万九千キロワツト・アワー同じく二十八年度は二十八万四千キロワツト・アワーと逐次向上を示し、昭和二十六年度を一〇〇といたしますると二十七年度は一一四、二十八年度は一三〇という結果に相成つております。又総合ロス率は昭和二十六年度は二七・六%、同じく二十七年度は二六・三%、同じく二十八年度は二四・七%と、これ又逐年減少を示しております。これらはすべて経営の合理化、企業努力の成果によるものでございまして、設備の自働化、機械化による人員配置の合理化、設備の改良、改善によるロス率の直接の減少に基くもののほか、極超短波無線電話の採用等による通信施設の改善強化、線路の巡視、事故復旧、連絡等のための機動力の採用による合理化等、一切の企業努力が総合されてもたらされた成果でございます。
 最後に当社の今次料金改訂における値上率は全国平均値上率を上廻る二割四分九厘ということに相成つておりますが、これは只今まで縷々申述べましたごとく新規設備、なかんずく新規電源の開発に伴う誠に止むを得ない結果でございまして、この点は深く御了承を賜わりたいところでございます。併しながら値上げと相伴いまして供給力の増強に基く割当制の廃止、高率追加料金制度の解消、並びに安定供給による電力の質の改善は十分に値上げによりこうむる需用家の不利を補い得るものと確信いたしております。殊に東北地方の特色たる電力を原料とする産業については期間常時電力、調整電力、特殊電力等の総合供給により料率の低廉を期し得るのでありまして、一例を申せば化学肥料関係の値上率は一割八分程度で、これら産業の存立、誘致にも魅力のあることを附言いたしまして御説明を終りたいと存じます。誠に有難うございました。
#20
○委員長(中川以良君) 有難うございました。
 それでは次に北陸電力株式会社西副社長。
#21
○参考人(西泰藏君) 北陸電力の申請につきまして御説明申上げます。
 電力料金改訂の理由の本旨つきましては平井事務局長から概要を申上げましたので省略させて頂きまして、北陸電力の特殊事情につきまして御説明を申上げます。お手許に上げてございますこの資料をちよつとお取り下さい。これの二頁をお開け下さいまして、甚だ失礼でございますが、これを読みつ御説明したほうがよくおわかりになると思いますのでお許しを願います。
 当社は北陸の深刻な電力不足を早急に打開するための電源開発工事を進めて参りましたが、すでに福井県で五条方、富山県で伊折という発電所が完成しましたし、その次に神通第一発電所、同第二発電所、この四ヵ地点が本年度中に完成するのでございます。なお富山県内の北陸地内の大口需用家の特殊なかた、北陸電力が入りまして十二社で作りました富山共同自家発会社というのがございます。この富山共同自家発会社の二万五千五百キロの発電所でございますが、見座の発電所というのができたのでございます。これを加えまして合計最大出力は十八万一千キロというものがこの三月までに完成をいたすのでございます。この年間の発電電力量は九億五千万キロワツト・アワーであります。このうち関西から従来第二融通その他いろいろ受電をいたしております。その一部を自動的にこれをその発電から返すということにいたしまして、差引き需用端におきまして当社の供給区域内に需用家に増加供給ができますのが六億キロワツト・アワーということになるのであります。ところでこの新設の発電所の建設費は約百五十億を要したのでありまして、一キロ当りは八万五千円でございます。なおこれに関連しまする送変電設備等の建設が約五十億円かかるのでございまして、電力原価は需用家まで持つて行きますと、一キロワツト・アワー当りは丁度四円五十銭となるのでございます。これは新設分だけにつきましてそうなるのであります。
 従来の当社の販売電力量の平均単価は一キロワツト・アワー当りが約二円五十銭、二円四十七銭五厘でございますが、若し同一電力料金でこれを供給いたしますと総額約十二億円の赤字となるのであります。従いましてこの際合理的な料金の改訂をどうしてもやらなければならない避けがたい事態に直面したわけであります。若し上述の新規電源の電力原価と従来の原価との仮に算術的の計算で平均をいたしましてもおわかりの通りに、一キロワツト・アワー当り三円五十銭となるのでございます。これは現在の私のほうの平均単価の二円五十銭との差は一円と相成ります。これは二円五十銭に対しまして約その値上率は四〇%となるのであります。何とかしてこういう四〇%というような大幅な値上げを避けたいというためにいろいろ工夫をいたしまして、実は神通第一の発電所がこの一月にできましたので昨年の暮から東京電力のほうへも渇水期の電力を高価に買つて頂くことにしまして送つております。又本年度末といいますか、二十九年の末から三十年の渇水期にかけましては、中部電力にも高価な値段で買つて頂くことになりまして、その融通をすることにいたしたのであります。こういうことをやることにいたしまして、供給電力の原価を切下げたいということに努力をいたしたのであります。
 なお、そのほかにこの先ほどのお話のように、全国の地域差料金調整のための水火力調整金を少し減らしましたし、なお、関西電力との受給電力の更改等によりまして更にこの値上率の程度を抑制する方法をとつたのでございます。又そのほか社内におきまして経営の合理化に努力いたしましたことも、各社ともでございますが、一人当りの販売電力量もかなり上昇いたして参りました。又一方この送配電のロス率につきましては、逐年努力をいたしまして、低下して参つております。後ほど資料の頁数を申上げますが、当社は本年度は全国の平均のロス率は二四・五%でございますが、私のほうは一六・八%ということ計画に織込んでおるのであります。その他一般経費につきましては、経営態勢も戦後の混乱時から脱却いたしまして、漸次常正に向いつつありますので、合理的な運営によりまして更に節減を図り得ることを期待をしておるのであります。
 こういたしまして、コストの引下げに非常に努力いたしました結果、今回の値上率を辛うじて二割二分三厘ということにとどめ得たわけでございます。この値上げの程度は一応別といたしまして、これを如何に需用家に割当てるべきかというようなことにつきまして、いろいろ問題があるところでございます。当社といたしましては従来の大口電力料金は勿論電燈、小口電力料金につきましても全国で一番安いのでございます。今般も一般の小口供給につきましては大体全国並みの値上げ程度にしたいということにいたしまして、残つたものは全部大口電力部門のほうへ持つて行くという方針をとつたのでございます。ここに全国並みと申しましても、値上率は先ほど説明ございましたように一割四分四厘、当社は二割二分三厘でございますが、大体当社のほうは平均より高いのでございますが、併しながら現行料金がすでに低いということでございますし、値上げの料金の絶対額はやはり日本全国最低でございます。なお大口電力部門に原価負担のしわ寄せをすると言いましても、新規開発分の電力を全部増加供給をいたしまするので、その供給します程度によりまして値上げの影響が参りますようにしたのでございます。当社の増加供給量は他社に比しまして断然割合から言いまして多いのでございますが、値上額も値上げの料金も最低である。ただ従来安かつたために値上率だけが最低でないというような形になつておると思います。
 なお料金自体は他社に比しまして安くありましても、とにかく値上げになるのでありまして、負担を更に軽減するために当社といたしましては大口工場の設備、操業の実情並びに当社の供給力としつくり合いますように、電力の受給ができても最も合理的に能率的に多量の電力の受給を行う、そうして工場の支払料金総額が極端な増加にならないように、防ぎたいというような供給制度と料金規程を作成したのであります。勿論大口電力につきましてさつき東北電力の社長が説明申されましたように、今回は割当を廃止しますので、常時電力、期間常時電力、調整電力、特殊電力というような種類に分けまして、その工場にしつくり嵌まるような特約契約をいたしたのであります。全国九社のうち当社と東北電力の二社が全需用時に対しましては料金を一本建にいたしました。ほかのところは皆電燈から五百キロまでは一本建でございますが、あとは二本建でありますが、私どものところは五百キロ以上は全部一本建にいたしたのでございます。大口電力の質におきまして先ほど申上げましたように、御契約を願いまして、なおいろいろそれに応じました料金を設定しました。そうしてそれを需用家の御選択に任したというようなことにいたしたのでございます。この制度によりまして従来の割当制度による場合、不合理な問題が解消するのでありまして、あとは工場の経営者の創意工夫と努力によりまして低廉に電力を使用せられる門戸はここに初めて開放せられたというようなわけであります。こういうことにいたしましてできました料金制度は、一般の電燈の値上率が一三・三%になりまして、電力のほうは二五・六%となつたのであります。電燈の値上率は全国平均一六・二%強でございますが、私どものほうは一三・三%で低うございます。特に当社といたしましては、定額電燈は零細なる消費者というようなことにいたしまして、料金の値上は差控えまして値上をいたさなかつたのでございます。なお電力のほうの値上率は全国平均一七・七%でありますが、当社は二五・六%であります。併し当社の計画では本年度は相当に多量な電力の供給増加ができまして、而も他の七社のごとく追加料金と言いますか、火力料金を存置しないでやるようなことにいたしましたので、一本料金ということにいたしましたので、自由に利用ができる制度を使つて頂くという、こういうようなことにしましたので、その一本料金は少し高率料金とはなりますが、これは追加料金がなくなりましたので、すでに御了解が願えると思うのでありますが、以上料金改訂につきまして今やり方を述べたのでございますが、ここに尨大な新規電源開発によつての料金改訂はやむを得ない当社の実情をよく御参照下さいまして御協力下さることをお願いしたいと思うのでありまして、つきましてはその前のページの一ページに数字がございまするので簡単に今申上げましたような概数を掲げましたが、最初に一ページを見て頂きたいと思います。これは数字的根拠Aでありまして、新電源開発による増加供給力は十八万一千キロワツトアワー、発電端では九億四千九百万キロワツトアワー、需用端では七億八千九百万キロワツトアワー、ロス率が一六・八二%、そこで投下資金といたしましては二百三十一億一千三百九十四万一千円、発電所の建設費が百五十四億七千五百三十四万六千円、関連工事費四十一億九千五百万円、一般拡充改良三十四億四千二百万円、こういうことであります。新電源の原価といたしましては三十八億九千二百万円、発電所分二十八億三百九十八万円、関連工事分十億八千八百四十二万円、こういうことでございますが、先ほど申上げました発電端のキロワツトアワーで割りますと一キロ四円十銭、需用端の一キロがキロワツトアワーで割りますと四円九十三銭になる、そこで従来の原価はどうであつたか、二十七年の五月一日からこの原価は五十二億五千三十二万七千円になつておるのでございます。そこで新電源のことを考えないで従来のまま出しても二十七年度の原価のときの不足があります。その不足額を入れまして六億九百万円というものが必然的に増加いたしますと、合計五十八億五千九百万円、これを需用端電力量二十二億二千八百万キロワツトアワーで割りますと二円六十三銭になります。この新電源のほうの原価と従来の二円六十三銭を合せまして総括的に合算してみますと、これが九十七億五千二百万円になりまして、需用端全体のキロワツトアワーで割りますと、これは中部電力なり東京電力に送つたものを合せて計算したものですが、これで三円二十三銭という単価になるのであります。そこでどういうふうに努力したかと申しますと、いろいろ原価低減努力をいたしましたが、これにより得たる金額十二億四千二百万円となつておりますが、これは需用端において二億二百万キロワツトアワーになります。これが平均六円十三銭というものが出ております。こういうふうに高く渇水期の電源を買つて頂きまして低減したという結果を申上げたのであります。その結果ここにございますように八十五億九百万となつておりまして、今度二十九年度の電力量の需用端二十八億一千四百万キロワツトアワーで、平均三円二銭三厘ということになります。それから現行料金による収入が六十九億五千九百万円でありますが、これで比率を割りますと値上率は一二二・三%、こういうような数字になるのであります。
 先ほどちよつとロス率のことを申上げましたが、八ページをちよつと見て頂きますと、八ページに二十九年度電力需給対照表というのがございます。これで御覧下さいまして、右側の比較増減というのがございますが、二十七年度と二十八年度の対比が書いてございますが、全体では電力としまして二割六分殖え、一二六%、二十七年度に比較して殖える。二十八年度に比較しますと二割殖える。二十七年度等に比較して大体六億殖えるわけであります。このうち一番大きいのは三百キロと五百キロの間でありますが、百四十六とか百三十八、四割六分になる。或いは本年四割かた増加をいたしております。こういうような実情でございます。なおその下に各社の総合損失率というのがありますが、これは私のほうは一六・八二%、こういうようなことでござまいす。概略を申上げましたが、数字的の根拠でございますが、何卒当社の特別なる状態を御認識下さいまして、よろしくお願いいたしたいと思います。
#22
○委員長(中川以良君) 有難うございます。
 それでは次に関西電力株式会社太田垣社長にお願いを申上げます。
#23
○参考人(太田垣士郎君) 太田垣でございます。
 今回の値上申請の概略につきましてはすでに電力連合会の平井局長から一通りの御説明がありましたので、私からは関西電力を中心にして御説明を申上げたいと思います。なお共通事項につきましては一、二重複するところがあるかも知れませんが、その点よろしく御了承を願いたいと思います。
 弊社が電気事業再編成以来、いわゆる公益事業の使命といたしまして、一日も早くこの電力不足を解消して、電力需給の均衡を保ちたいために、今日まで全社を挙げて電力の開発並びに設備の拡張に邁進して来たわけでございますが、これを具体的に申上げますと昭和二十六年度、即ち会社の発足以降二十九年度末までに水力合計四十万キロワツトの電源開発をやつたと、こういうことになるのでございまして、すでに尼崎火力の増設は昨年来稼働いたしておりますし、椿原、打保、坂上というような水力の発電所もお蔭様で本年初めから稼働をいたしておるような始末でございます。なお当社といたしまして最も期待をかけております十二万五千キロワツトを出します丸山発電所も工事が非常に順調に進みまして、近い将来において発電の運びになつておるのでございます。これらいもゆる開発の成果といたしまして、当社は設立当初に比べまして約十八億キロワツトアワーの発電量を増加したことになつておりまして、これがパーセントにいたしますと約二二・五%の増強となつて参りまして、今日すでに供給力の不足は著しく改善して参つておるのでございます。併しながら、一方これらの新規稼働設備の増加に伴います資本費の増嵩が必然的に電力原価を著しく高騰せしめますことはすでにお聞きとりの通りでございまして、当社におきましては何とかしてこれを内部の合理化によつて吸収したいということに実は今日まで専念して参つたのでございます。即ち電気料金の改訂ということが国民経済に及ぼす影響が非常に大きいものでありまするが故に、我々といたしましても合理化の面に何とかやらなければならないというので、従来従業員の適正配置とか或いは又組織の合理化であるとか、事務の能率化等を常に努力を払つて参つたのでございますが、その結果、当社発足以来以上述べましたように一応設備の拡張、電源の開発をいたしましたが、従業員の数におきましては逆に一千名以上の減少を来たしておるわけでございます。なお内部的にも資材の整理とか業務の機械化等、当社は鋭意企業内部の合理化に専念しておるわけでございますが、特に技術面におきましては、我が国初めての二十七万ボルトの超高圧の新北陸幹線というものを完成いたしまして、送電線損失の軽減を努めますと共に、屋外メーターの取付等、擅用の防止等に努力をいたしました結果、送配電損失は著しく改善して参つておるのでございまして、このことは約二万五千キロワツトの水力発電所を毎年新設したと同様な結果を生じておるわけでございます。
 なお火力発電におきましても、尼崎第二、飾磨港の設備増設を図りまして、特に重油の混焼に努める等鋭意設備の改善、或いは熱効率の向上を期しました結果、石炭の消費を著しく節約することができたのでございまして、これを二十九年度の需給計画において見ますと、約十五万トンの石炭を節約するということになるのでございます。その他資材の面におきましても、従来当社がその処置に困つておりました火力発電から生じまする煤煙をセメントに混入して使用するという方法を研究いたしました結果、昨年度よりこれを実行いたしまして、本年度では約セメントにいたしまして一万トンの節約を見るという成績を収めております。これらは一応顕著なる二、三の例に過ぎないのでございます。只今申上げましたような合理化の結果、弊社といたしましては約二十億円の経費の縮減を実現いたしておるのでございます。従いましてこれに伴いまして値上率におきましても約五%の減少がすでに見込まれておるという状態でありまして、かたがた今次値上率そのものも比較的小巾に止まつたというような結果になつておるのでございます。併しながら開発に伴う原価の増嵩は到底これらの内部合理化のみによつては吸収でき得ないものでございまして、おのずからこれに限度があることでございまして、私どもはコストの増嵩の主要原因になつております金利、税金等の軽減につきましても過去半歳に亘りまして、関係方面に特別の御配慮を懇請して参つたのでありますが、この点につきましても先ほど連合会の平井局長から種々御説明申上げました通りでございまして、今後ともなお一層御配慮を蒙りたいと、こう考えております。なお今回私どもが申請いたしました改訂の内容には勿論只今平井局長が御説明になりました通りに、これらの措置を織込んでおりませんので、これが実現の暁には相応の修正は当然行わるべきものであると考えております。従いまして当社といたしましては、一応燃料費調整前の現行規定収入を基といたしますと、二十九年度が四百十二億円を見込まれておりますので、これに対しまして不足原価二十六億円、従つて六分四厘の電気料金の収訂をお願いいたしておるわけでございます。
 なお最後に私ども電気事業者といたしましては、本年度予想されます我が国経済の諸情勢、なかんづく低物価政策のやかましい時代に当りまして、今回あえて電気料金の改訂を申請いたしますということは誠に申訳ないことでございますが、今後予想されますところの悪条件、例えば政府の財政投資を削減されるというような場合にはこれを放つておくわけには参りませんので、どうしても我々といたしましても電源開発を鋭意強力に進行せねばならないのでありまして、それにはやはり会社の経理を堅実化いたしまして、この上とも自己資金の調達によつて一層の努力をして、一日も早く電力不足を解消して国家経済に寄与しなければならないと私どもは固く念願しておる次第でございます。なお我が国の経済の安定を長い目で眺めます場合、生産の基礎動力であるところの電力の開発を少しでもゆるがせにしますと、忽ち明日の生産に支障を来たすということを衷心から憂うるものでありまして、過去において、戦時中に開発の停頓がもたらしたあの電力不足の実態を我々は身にしみて体験いたして参りまして、私どもといたしましては、我が国の産業経済の堅実なる発展のために、どうしても電力の開発は一日もこれを怠ることはできないということを固く信ずるものでございます。殊に一般産業のコストの引下、即ち一般産業の企業の合理化ということは漸次量産によつて行われようとする傾向が見えて参つたのでありまして、緊縮政策の中にあつてもこういう傾向は電力の需用を依然上昇いたすものと私どもは考えておるのでございます。更に物価変動の過程におきまして電気料金は価格形成の上から常に一般物価の変動に遅れながら動いて参りましたので、国を挙げて低物価政策に移行しておる際、私ども甚だ心苦しいのでございますが、電源の開発に伴ういわゆる増加原価の最小限度の料金改訂を行わざるを得ないような結果になつたことであると御了承願いたいと存じます。
 以上を以ちまして甚だ簡単でございますが私の説明を終らして頂きますが、お手許に差上げました資料の具体的説明につきましては、ここに担当重役の芦原常務を帯同して参りましたので、同君から御説明並びに詳細の御質問にはお答えさせて頂きたいと存じます。
 なお甚だ勝手でございますが、私は今日どうしても所用がございますので、帰らせて頂きますが、芦原常務に委嘱しまして、明日も芦原常務が出席するということになつておりますので、詳細の御質問はお答え願えると存じますので、その点も御了承置き願いたいと思います。
#24
○委員長(中川以良君) 有難うございました。それでは芦原常務から一つ御説明を願います。
#25
○参考人(芦原義重君) 只今の説明に補足いたしまして、お手許へ差上げました電気料金の改訂申請に関する資料、関西電力株式会社、これにつきまして、関西の特色を御説明申上げたいと思います。
 第一ページの料金改訂を必要とする数字的根拠、これにつきまして一言申上げたいと思います。先ほど社長から申上げましたように、電源開発に伴いまして、電力量におきまして二十九年度には九十九億、これはあとに数字が出ますが、九十九億キロワツトアワーになりまして、二十七年度に比しまして十八億三千キロワツトアワー、二二・五%増加いたしました。併しながら新規電源開発によつて増加しました供給力は、そのコストが高くつきますので、二十九年度の原価は二十七年度に比しまして百四十七億円増加いたすのであります。そうして合計で四百五十九億七千万円となりまして、現行料金の収入は、供給力増加による自然増収を含めまして四百十二億円となりまして、一一・五%の値上げとなるのであります。この一ページの表の左側の一番下であります。併しながら企業努力によりまして二十一億円減少いたしますので、これを差引きまして四百三十八億円を四百十二億円で割りまして、この上のほうの六・四%の値上げと相成るのであります。これを今回申請いたしたのであります。当社は先ほどの東北、北陸電力さんと違いまして、燃料費調整というものを規定しまして、これによつて石炭材の値下りに応じまして、電力料金の値引きをいたしております。この額が約十六億円に相成りますので、この前述の現行料金収入四百十二億円は、実際は三百九十六億円と相成るのであります。これが右下の表に載つております。これに四百三十八億円の二十九年度の原価と比較いたしますと、一〇・七%の値上げ、こういうように相成るのであります。
 なお、この数字にありますものにつきまして、この石炭価格は下げておるのであります。二十七年度の石炭の単価より今回のものは下げておりますので、二十七年度の価格の通りで、石炭が下がらなかつたと仮定いたしますと、約三十億円ばかりこれよりまだ原価が高くなりますので、値上げが高くなるのであります。申上げましたこの原価の増加分百二十六億円であります。これは企業努力分を差引きました正味の増加額でありますが、その内訳は、資本費が七十四億円、修繕費、人件費、その他一般経費の増加五十二億円でありまして、この資本費の増加は二十八、二十九年度における稼動資産の増加が六百八十億円でありますので、これに見合う償却費、支払利息、配当金、税金等の増加であります。併しこの配当金は二十九年度は一二%、一割二分に下げる計算にいたしております。併しながらこの百二十六億円の中から、この販売量の殖えます自然増収の八十四億円を差引きまして、正味この値上げ額は四十二億円、これは燃料費調整後のものに対しまして四十二億円に相成るのであります。この数字が一ページに書いてあります。
 なお、このあとのほうにいろいろ出て参りますが、当関西電力の特色といたしましては、水火併用の地帯であるということであります。火力発電所を非常にたくさん持つているということと、もう一つは、この水力電源が非常に遠隔の地にある、まあこういう二つの特長を持つておりますので、他社に比較いたしまして建設費が多くなる。又電力損失も物理的にこれは多くなるということは、まあやむを得ない会社の欠点であります。
 それからもう一つ附加えますが、この表の中に二十八年度実績というのが少し出て参りますが、これは御承知のようにまだ済んでおりませんので、一部推定のものを含んでおりますから、さよう御了承願いたいと思います。
 それで第一ページはこの原価と値上げ、それから収入の関係をここへ書きました。その下のほうにはこの合理化の、先ほど社長が申上げました二十一億円の内容をここへ書いてございます。
 それから二ページでありますが、これは今回の値上げの理由がすべてこの資本費によるのだ、まあそういう説明の資料でありまして、左のほうに今回申請の原価、それからその次に現行料金の原価、二十七年度にきまりました原価、それとキロワツトアワー当りの原価の増減を書いております。これで燃料費、石炭費等におきましては、量が殖えておりますにかかわりませず、三十九銭これは減つております。それで資本費が七十七銭殖えている。最後のすべてを集計いたしましたところで六十九銭殖えている。これが先ほど申上げました値上げ額になるのであります。でありますから資本費の七十七銭の増加までも値上げをしてないと、その他のものは石炭の値下り、企業努力によりまして、全部吸収いたして、低い値上げ率になつているわけであります。
 それから第二に、三ページに料金及び料金制度改訂に関する当社の特殊事情を書いてございます。これを簡単に申上げますが、定額電燈におきましては、アイロン料金、それから公共用街路燈の割引というふうなものを今回新らしく設けました。それから従量電燈につきましては、現在通り最低料金制をとりましたが、これは一本料金といたしました。
 それから四ページへ参りまして、当社は料金に季節差を夏と冬と、春と冬といいますか、この季節差をつけております。これも現在もつけているのでありまして、現在のものを少し修正をいたしましたが、やはり季節差を残しました。
 それから五ページへ参りまして、小口電力の基本料金は、当社のこれは術語になりまして恐縮でありますが、不等率といいまして、各需用家さんの申込の契約よりは、実際電気が一緒にかかります量が少いものでありますから、基本料金はそれを見込んで割安になつております。
 それから大口の今回の料金改正によりまして影響のやや大きい会社につきましては、特約の契約をいたしましてできる限り電力の使い方を工夫して頂きまして、値上げを吸収いたしたい、まあそういうように考えております。
 それから六頁、七頁には電力の需給及び燃料使用計画でございます。一番左に二十九年度の申請を書きまして、それに二十七年、八年の計画との比較を書いてございます。これで御覧願いますように、上から五行に融通とありますが、弊社は年に五億キロワツトアワーだけ隣接の他の会社に電気をお送りしているわけであります。
 それからロスは二八・八八というふうにこの絶対値は相当大きいのでありますが、過去に比べますと順次改善されて、非常に小さくなつているのであります。
 それから石炭の消費量はまあ石炭と重油とを計画で分けておりますが、双方を合算いたしまして、下から二行目の二百五十三万トン、まあこういう計画になりまして、最初申上げました当社の特色として火力比率は非常に大きい会社でございます。
 それから次に八頁、九頁には総括原価及び収支計算書をここへ書きまして、これは二十七年度と八年度との計画の比較を書いてございます。これは特に申上げることはございません。
 十一頁、十頁には二十七年度及び二十八年度の実績においてこの需給並びに燃料使用計画を書いてございます。これは前頁の計画とは少し実績は違つております。いずれもこの需用のほうは相当潜在需用があると申しますか、需用は供給力さえあれば計画以上に使われるのでありまして、まあ公共事業の建前といたしまして、我々供給力のある限り送電をいたしまして、需用家に報いているわけであります。
 それから十二頁、十三頁には今回の申請の総括原価と、まあ収支計算の実績との比較を書いてございます。この二十八年度の実績につきましてはこれは先ほど申上げましたように推定を含めてありますので、今後の状態並びにこの推定のいろいろ考え方によりまして最後の数字は少々変るかと存じております。
 それから十五頁にこれは新旧料金の対照表、これが書いてあるわけでありまして、ここに新料金によつて影響を受ける需用家及びこれに対する対策、そういうことをここへ文書で書いてございます。これを要約いたしますれば、関西で最も問題になります私鉄、電鉄でありますが、電鉄に対するもの、並びに化学肥料等に対するものをここに書いてございます。その結論は先ほど申上げました特約をやります。又私鉄におきましては電気税が今回減税になりますれば関西は一般の値上率も小さいものでありますので、その影響は割合少い、そういう結論を申上げてあります。
 その次の十七頁には新料率と新料金制度により改善された事項、それを項目ごとに書いてございますが、これは大体各社共通的なものであります。一部各社特徴のあるものもございますが、大体共通的なものでございます。
 それともう一つ参考資料といたしまして当社で作りました電気料金改訂についてそういう資料を差上げて、それに当社のいろいろと数字も載せてありますから御参考になれば幸いであります。以上であります。
#26
○委員長(中川以良君) 有難うございました。
 それでは次に東京電力株式会社高井社長にお願いいたします。
#27
○参考人(高井亮太郎君) 大綱につきましてはすでにいろいろ御説明がございましたので、当社の立場を簡単に申上げます。
 改訂の理由でありまするが、これも従来の各社と大同小異でありまするが、東電の電力需給上の問題点は、需用の増加が著しく平均年間一割を超えておりますので、この旺盛な需用に対処いたしまするために当社の直接工事といたしましては管内としてすでに比較的乏しくなつておりまする水力地点の開発を急ぎますることと、新鋭高能率の火力設備の増設に力をいたすという点でございます。初め当社の五カ年計画といたしましては、水力二十七万キロ、火力約四十五万キロ、併せて七十二万キロワツトの建設の予定でございましたが、この電力需給の逼迫の状態に応じまして、豊洲と申しまする埋立地に建設する、東京火力と言つておりまするが、これの工程を非常な無理をいたしまして繰上げまして三十年の暮から三十一年の初めにかけて十三万二千キロでありまするが、竣工を繰上げまして、三十年の暮から三十一年の初めにかけて当地方の電力不足を払拭してしまおうという計画を立て、更に千葉方面に十二万五千キロ火力を引続き竣工する予定を立てまして、結局再編成以来約六十万キロワツトの火力を三十一年の暮までに造るということに決定いたしました。鋭意電力不足解消に努力をいたしておる次第でございます。この結果二十七年から二十九年度中に稼動いたしまする新規の水火力発電力の合計は約三十六万キロになりまして、火力用の石炭は二十七年の九十七万トンから、二十九年度には百六十万トンに急増する次第でございます。尤もこれは先ほどの関西のお話のように重油を混焼しておりますが、これを石炭に換算した値いでございます。従いましてこれらの発電設備並びにこれに伴つて必要でありまする送変電、配電設備の拡充に要しまする資本のためにその償却、支払利息、諸税等の資本費が著しく高騰いたしました。なお物件費でありまする燃料費も炭価の若干の値下りにもかかわらず著しく増加する結果となりました。一方でき得る限りの資金を引続き獲得いたしまして、電源並びに供給設備を拡充いたしますることは是非とも続けて参らなければなりませんので、そのためにはやはり企業の確立ということが絶対必要でございまするので、公益事業としての必要限度における収入というものを確保して、この安定度を確立して参る必要がありまするので、それには現行料金収入を以ては到底収支の均衡を保ち得ませんので、やむを得ず非常な緊縮の叫ばれておりまするときにもかかわらず、値上げの申請をいたしました次第でございます。勿論当社はこの原価の上ることによりまする料金の値上げを極力避けまするために、事業内外に亘つてあらゆる努力を続けて参りましたことは申上げるまでもありません。
 即ち事業内部におきましては電力損失の軽減、それから設備の機械化、又サービスの機動化、それから燃料消費率の低減、事務の能率化、その他諸経費の節減等、経営万般に亘りましてあらゆる合理化を推進して参つておるわけでございます。サービスの機動化は漸次進みまして、遠からず営業所、出張所のごとき単位は指導者の行動半径によつて適当に調節しなければならない時期が目前に参つておるという次等でございます。
 一例といたしまして電力損失のごときも、二十九年度の需給計画におきましては、二十七年度の計画よりも約三%を軽減することを目標といたしまして二二・七五%といたしております。当社の場合これは約三億キロワツト時以上の供給力増加となりまして、殆んど六万キロワツトくらいの水力発電所新設に匹敵するものでございます。又すでに説明のありましたように事業外部に対しましては他の事業者と共に金利、諸税の軽減等供給原価引下げの外部的措置を緊急対策として関係方面にお願いして参りました。これらにつきましては関係方面の御努力にもよりまして或る程度その効果を期待し得るものと考えておりまするので、その達成いたされましたる分につきましては只今の申請には算入されておりませんので、当然これに相当する分は実際に達成せられるならば値上げ率を引くべきものと心得ておる次第でございます。ただ刻下の経済事情におきまして基礎産業の料金を値上げするということをお願いいたしますることは誠に心苦しいのでありまするが、只今申上げましたような事情によりまして、やむを得ず必要最低限度のものとして平均一割四分程度の値上げをお願いいたしました次第でございます。
 二十九年度の原価の内容について極く簡単に御説明を申上げます。二十九年度需給計画の当社の総供給電力量は約百十四億キロワツト時でありまして、二十七年度の九十七億キロワツト時に比較いたしまして約一六・七%の増加と相成つております。これから電力損失を考慮いたしますと、実際に需用家に供給せられます電力量は約八十八億キロワツト時となりまして、二十七年度の七十三億キロワツト時に比較いたしまして約二〇・九%を増加いたしております。この電力供給に要しまする経費は約四百九十六億円でありまして、二十七年度の三百五十一億円に比較いたしまして約四一・一%の増加となつておるのであります。勿論キロワツト・アワーも殖えておるのであります。このうちの最も主要な増加費目は次に申上げるようであります。
 第一に資本費でございます。これは稼働設備の増加に伴いまして支払利息約二十億円、減価償却費約二十七億円が増加いたしまするほか、法人税、事業税等、諸税約十一億円、配当約九億円、その他を併せまして資本費は合計約七十億円を増加いたします。差上げてございまする説明資料の第一ページに要領を附しておりますからちよつと御覧願いたいと存じます。只今の七十億円は一ページの表の資本費の一番右のほうに書いてございます。これが合計増加の中の五〇%を占めておる次第でございます。
 次に物件費でありまするが、二十九年度におきましては火力発電量が増加いたしますので、石炭の消費量は先ほど申上げましたように約百六十万トンになりまして、現行の料金織込額より約六十万トンの増加となります。このために燃料費は炭価の値下りを見込みましても約二十八億円を増加いたします。但し一キロワツト時当りの燃料費は勿論二十七年度よりも下つているのであります。絶対量の増加でございます。更に設備の増加に伴いまして修繕費も又六億円を増加いたしますので、その他運炭灰捨等々を含めまして、物件費は合計約三十四億円の増加と相成ります。これは只今御覧になりました資本費の上の行にありまする右の総括数でございます。資本費を主といたしまして、これを含めまして全体増加の中の七五%を占めておる次第でございます。
 その他その表に御覧になりまするように、人件費とその他のものがございます。絶対量の増加でありまして、キロワツトアワー当りの値いは勿論減つておるのでございます。
 かようにいたしまして、経費の総計はいわゆる総括原価に対応するのでありますが、約四百九十六億円と相成りますが、これから他の会社への電力販売量と、その他の収入合計約十八億円を控除いたしますと、電力料金の原価は約四百七十八億円と相成ります。これは販売一キロワツト時当り五円四十四銭、これはその一頁目の上の表の二行、三行を御覧になりますとおわかりになります。五円四十四銭三厘である。それから現行料金によりまする二十九年度の収入一キロワツト時当りがそこにございまする四円七十五銭四厘となる。この比率が一四・五%の値上りであるということを申上げておる次第であります。
 それで料金改訂案の内容でございまするが、電灯、電力等各供給種別ごとの値上り率はおおむね原価主義に準拠いたしまして次の通りとなります。定額電灯が一割五厘、従量電灯が一割五分七厘、大口電灯が一割六分七厘、業務用電力が一割二分八厘、小口電力が一割六分一厘、大口電力で今まで甲、それが一割二分一厘、乙、一割二分八厘、丙一割六分八厘と相成ります。特約電力は一割二分六厘、電灯、電力の総平均におきまして只今申上げましたように一割四分五厘の値上げ率となる次第でございます。
 次に料金の制度並びにその他の供給条件でありまするが、電力の割当制度を廃止することといたしまして、業務用電力及び大口電力の電気料金は、需用家の過去の実績を基準といたしまして算定するという方式に改めました。
 電灯以外の電力料金には、供給電圧別料金を採用いたしましたが、これと共に業務用電力及び大口電力以外の電力量料金は、従来の標準料金と追加料金の二本建を廃止いたしまして一本単価といたしました。
 従量電燈料金は大口の電灯及び電力料金と同様に固定費を補う基本料金と可変費を補いまする電力量料金によることといたしまして、基本料金は需用家に流しまする電流の大きさによりまして算定いたしまするアンペア制度を採用いたしました。これによりまして需用家の負担は一段と公正を期し得るものと存じます。
 定額電灯のうち公道保安用の街路灯に対しましてはその社会性を考慮いたしまして割引料金を適用することといたしました。又ネオン、螢光燈は小型機器扱いを廃止いたしまして電燈扱いとすることといたしまして、実質上料金の引上げ措置を行いました。
 そのほか料金制度以外の供給条件につきましても、事業の社会性を考慮いたしまして、例えば停電割引の大巾な拡大、工事費に関する需要家負担の軽減等、それぞれ適当な改善を加えたつもりであります。
 今回の改訂案につきましては、次の諸点を考慮いたしたものであります。種別ごとの値上げ率決定につきましては、原則として法規に基きまして原価計算から算出したものではありますが、現行料金との関連等をも十分考慮いたしまして、各種別間の公正を期したつもりでございます。
 次に需用家への影響につきましては、割当制度廃止後の料金制度につきましては、各需用家の負担の公平と制度変更に伴う影響とを考慮いたしまして、二段料金制をとる種別には過去の実績を尊重したしまする負荷率別料金制度を採用いたしますと共に制度変更と値上げに伴う影響を極力最小限度に抑えるために、特約料金制度の拡大や二段料金適用限度の制限、それから負荷率割引の拡大等を行うことといたしました。差上げてあります資料の最後の頁の上にございまするが、我々の案によりまして比較的影響の大きな需用家がありますので、電解、電炉であるとか或いは製氷、冷凍或いは電鉄等につきまして、実際面より只今申上げましたような精神によりまして負担の急増をしないように具体的処置をとるようになお研究をいたしておる次第であります。
 これを要しまするに、当社が今回電気料金の変更をお願いするに当りましては、その影響をできるだけ回避するために各方面に配慮を加えておりまするが、特に刻下の我が国経済事情を深く考えまして、原価主義の基準にはよりまするが、政府の低物価政策にもでき得る限り順応するように努めたつもりであります。これによりまして必要最低限度の公益事業としての安定を是非とも確保さして頂きまして、電源の拡充、供給設備の充実を遅滞なく実現さして行きたいと存じます。どうぞ皆さんの御支援をお願いいたしたいと存じます。
#28
○委員長(中川以良君) 有難うございました。
 それでは最後に中部電力株式会社井上社長にお願いいたします。
#29
○参考人(井上五郎君) 只今四社のかたがたからお話もございました。事情は大綱におきまして同様だと思いますので、そうしたことを一切省略さして頂きまして、中部電力の特殊事情だけを申上げたいと思うのであります。
 一言にして申上げますならば、中部地区というものが最近におきまして電力から見まして需用の増加が非常に著しい。それも電灯需用、家庭であるとか、大口電灯であるとか乃至はビルデイング等に使います業務用電力等の増加に比しまして、生産用、産業用の電力需用が非常に著しいということが私どもの地区の特徴であるかと思うのであります。そうした面から私どもの事情を一応お聞き取り願いたいと思うのであります。
 お手許に差上げました資料の八頁を御覧願いますと、今日までどういうふうに私どもが電源を開発して参つたか、需用の増加に応じて参つたかということを一応記述してございます。昭和二十七年度に当時販売いたしました電力量が三十六億四千万キロワツト時であります。今回二十九年度の想定をいたしましたものが、四十七億一千万キロワツト時となつておりまして、差引十億七千万キロワツト時、パーセンテージで申しますと、二九・四%増しているわけであります。でこの率は相当大きいのでありますが、過去の実績がその二頁前、六頁のところにございます。昭和二十四年から二十七年にどういうふうに私どもの地区の需用が増したか、これが通算をいたしまして四五%、年平均して一五%ずつ増加している。こういう実績を見ているのであります。それに対しまして、私ども前回電気料金の改訂を申請いたしましてから、今日まで合計二十四万六千キロワツトの電源を開発いたしております。これは火力と水力との合計値でありまして、只今の六頁のところにその内訳が書いてございます。これが合計して二十四万六千キロワツト。なお再編成以来、前回の料金値上前までにその他若干のものを開発しておりまして、これを合計いたしますと、約三十万キロワツトのものをすでに開発をしたことになるかと思うのであります。にもかかわりませず、中部地区が非常に需用の増加が多い。そういつた関係から、只今申しましたような電源開発をいたしましたにもかかわらず、又他の地区から相当二十九年度は応援の意味におきましての融通電力を頂戴をいたしますことでお話合いができております。これは先刻平井局長からお話がありましたように、事業者相互間の話、並びに当局の斡旋によりまして、相当多額の電力を受けることになつております。にもかかわりませず、年間を通じましては、まだ七%に近い不足が生ずるといつたようなことが予想されるような状態なのであります。そういうようなわけで、稼動設備で申しますと、前回二十七年度末におきまして四百十五億円でありました。そのそうした私どもの稼働設備が二十九年末には七百六億円になり、これに第三次再評価を加えますと八百億円になる、こういつたような大きな資本がかかる。
 先刻から、各社から御説明がありましたように、今回の値上は殆んど全部と言つてよいほど資本費の負担増である。この点は私どものほうもほぼ同一なのでありますが、私どものほうは、只今申しましたような事情で、全国に比べて非常に需用の増加率が高い。従いまして、こうした資本費の増加のほかに、燃料費の負担増というものが相当多額になるのであります。
 数学的に申しますならば、前回料金改訂のときに、私どものほうは年間を通じまして、重油換算も含めて六十万トンの炭を焚いたと考えられる。それが今回の想定におきましては百十三万トンになり、一・九倍を必要とする。こういうふうに大きく燃料のトン数が殖えました。
 先ほど関西電力で御説明がありましたような意味におきまして、私どものほうも燃料の単価は下げております。単価は下げておりますが、それに比べまして数量的に殆んど倍近く増している。こういつたようなことのために、燃料費の負担増というものが現在の料金では呑み切れない。この二つの理由によりまして、今回大幅な、やや前年比率に比べまして比較的に大幅な料金値上申請をせざるを得ない、こういう事情にあるわけであります。
 それに対しまして、内部の企業努力をどういうふうにしたのか。これも大体各社がおつしやるのと大同小異であります。燃料費の節約ということは、当然私ども努めた点でありまして、パーセンテージで申しますと、実は私どもの会社の火力の燃料効率と申しますか、石炭一トンに対して発生し得るキロワツト・アワーの効率は全国で最高なのであります。
 なお御承知と存じますが、近く外貨によりまする最新式の火力も作るつもりでおりますし、又それとは別に、更に国産による火力も作つて、今後ますます効率は増進するつもりであります。今日までにおきまして、燃料の効率は全国で最高を得ておるかと思います。ロスの軽減につきましても、やや各社と同様の傾向にあると思うのでありますが、昭和二十四年との対比におきまして、今日七九%まで減つております。人件費につきましても、同様の傾向にあるのでありますが、昭和二十四年との対比におきまして、従業員一人当りの取扱電力量も、比率で申しまして、只今一七四%になつております。事故を減少して、需用家へのサービスを高めるという意味におきましても、配電線互長百キロメートル当り、当時年一七・三回の事故があつたのでありますが、最近の実績におきまして、一一・九回まで減つておる。大体六割減つたということが言えるかと思うのであります。そうしたことは各社と大体同様な傾向にあるものでありまして、余り細かい数字を並べることも却つて恐縮かと思うのであります。
 そうした事情で、若干企業努力に努めたつもりでありますが、なお且つ全国最高に近い値上率をお願いせざるを得ない。これには只今申しましたような、非常に増加が大きかつたということが本質的な理由でございますが、御案内のごとく、電気事業再編成以来、二回電力料金の改訂をいたしております。その二回改訂をいたしましたときの料金の改訂率、三頁を御覧願いますと、第一回のときに全国平均で三割一厘、値上をしております。でその当時中部電力は二割七分九厘であります。第二回のときに、全国平均は二割八分値上をしておりますが、その当時中部電力は一割九分六厘値上をしております。今回全国平均一割四分四厘の値上に対しまして、中部電力が二割四分八厘の値上を申請しております。この通りの率であると仮定いたしまして、この三回を通算いたしますと、全国平均で九割五厘であります。それに対しまして中部電力が九割九厘でありまして、ほぼ全国の平均率になるものと考えておるのであります。平均率であるからいいということを申上げる意味ではないのでありまして、そうした点も加味しまして、若干今回は値上率としては高くなります。併しながら只今申しましたように、全国を通算いたしまして、且つ三回を通算いたしますれば、ほぼ平均値であるといつた関係からいたしまして、絶対値と申しますか、キロワツト・アワー当りの料金で申しますれば、ほぼ全国の平均値にとどまつておるかと考えるわけであります。
 細かいことにつきましては、却つて重複をすると思いますので、省略をいたさせて頂きたいのでありますが、そういうことで、私どもといたしましては、非常に需用の増加が旺盛である。今日まで若干電源開発に努めたにもかかわらず、未だ需給のバランスが得られない。私どもの見通しを以てしますれば、まだ二カ年今日のようなスピードを以て電源開発をしなければ一応の需給の均衡が得られないかと、こういうような見通しを持つております。従いまして、冒頭に委員長から緊縮政策との関連を如何考えるかという御質問もございました。当面の問題といたしましては、できるだけ緊縮をし、できるだけ抑制をいたしました最小限度のお願いをいたすつもりではございますが、逆に申しまして、ここで電源開発をストツプすることは絶対にできない。今回国がこうした緊縮の政策をおとりになるということにつきましては、私ども大賛成でございますが、このことは逆に申しまして、決して緊縮のための緊縮、デフレのためのデフレではない。将来において必ず生産を拡張し、国際物価にさや寄せをして、そうして輸出の振興を図るという意味におきまして、生産の原動力でありまする私どもの事業がそのときになつて依然として需給のバランスがとれないというようなことは、悔いを将来に残すものと考えるのでありまして、何をおきましても、ここ数年電源開発を続行しなければならないと決意している次第であります。その意味におきましては、今回の最低限度の値上げを是非御承認を願いないと考えるわけであります。若し又詳しいことにつきまして御質問等ございますれば、営業部長を帯同しておりますのでお答えいたすつもりであります。
 概括的に一応私どもの事情を申述べさして頂きました。
#30
○委員長(中川以良君) 有難うございました。速記をとめて。
   〔速記中止〕
#31
○委員長(中川以良君) 速記をつけて。
 それでは五時まで約十分間休憩をいたします。
   午後四時五十二分休憩
   ―――――・―――――
   午後五時十分再開
#32
○委員長(中川以良君) それでは休憩前に引続き、これより再開いたします。
 これより委員の御質疑をお願いいたします。御質疑の順序は通告順にいたします。なお時間は、本日できれば六時頃までに終りたいという考え方でございますので、どうぞその辺御勘案頂きまして、時間は然るべく一つ重複の質問がないように御整理をお願いいたします。藤田君。
#33
○藤田進君 私、次に他の会議を五時半から受持つておりますので、先に簡単な質問をいたしたいと思いますので、お答えをお願いしたいと思います。お答えを願うかたにつきましては、非常にこれから質問申上げる内容が共通の問題でございますので、適当なかたにお願いする以外に、こちらから御指定申上げるのは非常に無理かと思いまするので、御相談の上でも結構でございますからお答えを願います。
 今日、吉田内閣のいわゆる財政政策、投融資等の関連、言い換えれば物価引下げ、こういう政府の方針であるようでありますが、これと政府が認可すべき電力料金との関係が非常に今後の日本の経済に、殊に国民生活に及ぼす影響が大きいのでありまして、このことはすでに昨年の秋以来電力料金の問題として大きくクローズ・アツプされていたところであります。その電力料金の今回改訂になる経緯については、政府当局におきましてはすでに岡野通産大臣の当時、電力料金の値上げは止むなしと、かなり明確な数字まで挙げて一割前後の値上げ止むなしということが談話で発表もせられ、昨年の秋以来新聞でもこれを報じているところであります。ところが今回従来のその岡野通産大臣はおやめになりまして、新らしい大臣が就任されているのでありますが、依然として吉田内閣であることは変りがないのであります。まあこういう関連から、私は電気料金の今次改訂に至りまする経過についてお尋ねをしたいのであります。
 以上若干触れましたように、私どもの予想では今回全国平均一割四分四厘、個々の会社によつて差等はございますが、この認可申請を出されたについては他面非公式というか、通産当局との間にかなり話合いが進められた結果、こういうものが出されているように思うのであります。従来電気料金の改訂に際しては、自主的に各社がこれを計算し、然る後政府に申請をするという建前になつておりますけれども、併しながら慣行といたしましては、突然何割かの値上げを申請するのではなしに、数字的にその他電力需給の計画等々、いわば内意を得て改訂の申請がなされ、爾後公聴会その他諸般の手続を経て行きまする過程に、それぞれ消費者の立場から或いは生産者の皆さんの立場から御主張があつて、先ず再検討しろということで、例えば二割のものであれば一割なり一割二分なりという若干の切下げの形で再度申請がなされる。こういう経過を辿つておりまする電力料金の慣行から申上げましても、又重ねて申上げますると、昨年秋以来の通産大臣の談話なりからこれを想像いたしましても、およそ一割四分四厘の出て来ました過程に、或いは第一次の案、第二次、第三次の電力料金改訂の案、こういうものがあつて、結局ここに出されておりまするそれぞれの会社の値上率が来ているものであろう。このように考えられるのでありますが、従来本委員会において調査を進めました過程からも、容易に政府当局との関連が読み取れるのでありますが、率直にその間の経過について御説明が願いたいのであります。これが第一の点でございます。
 更に第二の点でございますが、今次料金改訂に関して最も大きな部分は資本費の増加、これだと言われておりまするし、このことは数字によつて明らかにされております。この増大の資本費の内容についても若干の資料が提供せられております。そこでこの資本費について直ちに電力料金にこれを転嫁することなしに、一つの国家政策、電力料金の政策として政府がとるべき面があるやに思うのであります。今日通産大臣が明らかにいたしましたところによると、開銀等による金利の引下げ、或は配当をこの利益に計上しないとか、その他の税金、電力税と言いますか、一部についてこれを検討するというまあそれぞれの項目について検討せられて、およそ五十億前後のものが電力会社に、何といいますか、負担の減として計上せられることになる、これがまあ全体の今次値上の立場からすれば、二分二厘でございますから、何かに見合うだろう、まあこのようなことが言われております。従つてこれに対してはそれだけ今次値上の一割四分四厘というものから差引いて値上率を下げてもよろしいというような皆さんの御主張でもあるように聞いております。そこで私は、ここに二十九年度の収支予想をせられまして、それぞれ値上率をきめられておりまするが、これは飽くまでも昭和二十九年度の収支予想に立つておられるようでありまするから、従つて御要求の通り仮に電力料金が改訂せられるといたしましても、又物価も予想通りといたしましても、更に開発が進むにつれて、五カ年計画でございますので、従つて昭和三十年度、三十一年度というふうに又この電力料金問題が提起せられるのではないだろうか、このように考えるのであります。この事情についてお尋ねしたいのでありますが、政府の政策も無論この昭和二十九年度だけではない、二十九年度以降も緊縮政策であるように考えます。そういたしますると、電力の開発自身が五百十万キロでございますから、これが進むにつれて、殊に電源開発が非常に厖大に行われまする地域ですね、こういう地域とそうでない地域、こういつた関係もありまするが、併し開発に伴つて更に三十年度以降の電力料金について改訂という問題が提起されるんではないだろうか、このことは容易に我々想定するのでありますが、この点についてはさような事実があるのかないのかという点であります。
 更に第三点でございますが、抽象的にお尋ねするのでおわかりにくいと思いまいが、簡単に質問もする考えでございますから、どうぞお含みおき願いたいと思うのであります。第三の点は、いろいろ資料を総合いたしますと、電燈、いわゆる一般の需用家、それから大口等の需用家の割合というものが出されております。この数字は、一般の需用家の電燈或いは小口、こういう電力量というものは全体の中に占める割合は非常に小さいようであります。いわゆる大口需用家の消費いたしまする電力量というものが殆んど大半を占めております。ところで中部の社長も公述せられましたように、今次値上が大口需用の伸び、従つて電力の開発はこれを端的に言えば、開発自身は大口需用家のための開発、こういうことがやはり言えると思います。給電操作でごつちやになつておりますから、これは分けがたいといたしましても、これを論理的に分けるならば新しい開発は新らしい大口の需用の増大にこれは向いて行くのだ、このように考えるのであります。そう考えることが間違いではないと思うのですが、間違いでないとするならば、一般の需用家の需用というものは非常にパーセンテージも小さいのでありますから、現有設備で十分賄なえる。大口の需用が伸びるから、一般の需用家の制限をしなければならない。こういう理窟なんでありますから、そういたしますと今度仮に会社経営の面から、資本費が増大いたしまして、料金の改訂ということになれば、これを一般の需用家に対しても殆んど同率で以て、若干の相違はございますが、電力料金を上げてしまうということになると、極くしろうと目に考えてみましても、一般の需用家はついでに我々の電燈に対しても料金が嵩むんだという感じを持つようでありますから、勢いそうであるならばせめて大口需用だけでも検討されたらどうかという議論さえ若干出て来つある状態であります。こういう点につきまして、いわゆる原価主義をとつておられるならば、その供給の種別によつて、若干今申上げたようなことの考慮が払われるものか、払われないものか、その弊害がどういうふうになるのか、これが第三の点でございます。
 それから第四の点ですが、今日の九電力について見ますと、開発の進捗度といいますか、完成度合いというものは必ずしも一定いたしておりません。これは北陸或いは東北のごときは若干進捗度もいいように思うのでありますが、その他についてはかなりこの開発も遅れておりますし、その完成度合いも遅々としております。要するに資本費についてもそれだけ支払がなされていないとも考えられるのであります。こういうこの開発の進行度合いと関連して、今次料金改訂というものがおよそ画一的な基準に基かれているような気がいたすのであります。これはどういう説明になりまするか、お伺いをいたします。なおそれに関連をしまして、やはり第四のうちですが、今度の料金改訂を見ましても、従来と同じように会社の企業経営の内容につきましては、同一基準というか、わかりやすく申上げると、配当は、中部は二割なにがし改訂するようだから、これは需用家に申訳ないから配当はやるまいというのではなく、又非常に値上率の比較的低い関西についても、やはり配当の問題は同一に見られているように思います。又かなりのウエイトを占めます物件費等についても、今度は上げないという基準には基いておられないように思います。或いは人件費につきましても、一つの共通の基準に基いたいわば現行ベースというか、こういうものに基いておらんから、私どもがこれを見ますると、今次値上率の大小、高い低いはございますけれども、それは諸般の事情で、経営内容については同一であるが、立地条件或いは開発の状況、こういう面から率の高低があるのであつて、会社経営自体としてはこの高低、料金の高い低いというものによつて経営自体というものは全然変らない。むしろその経営の難易が大体揃うように、同じような状態にする、この点につきましても、何だか結果だけ見ますると、料金値上率の低い所は大変遠慮されて、多い所は慾張つておるようなふうに、その結果だけ見ると思われますので、その間の事情についてお尋ねをいたしたいのでございます。お答えの内容如何によつては再質問をいたしたいと思いますので、この点留保いたしたいと思います。
#34
○参考人(太田垣士郎君) 答弁になりませんで、若し不備な点がありましたら、後刻又補助的に皆様がたから御答弁願いたいと思います。
 第一の点につきまして、今度の値上に対して、御当局と話合つて率の問題とか何とかについて一応御了解を得てやつたのかというお話でありますが、今度の値上は今までの値上と異りまして、いわゆる電源開発のコストの増嵩ということでありますので、私どもも何とかしてこれはやつて頂きたいと考えておつたのでありますが、むしろこれは大臣がたは政治的にいろいろその当時の何を見ておつしやるから、ございませんが、当局としては非常な難色があつたのであります。そこで我々といたしましては、我々はこのままにしておけば将来の電源の開発に支障を来たすということでありますので、といつて、それじやこういう社会の情勢下にあつて単に増嵩、コストが高いからすぐ上げてくれというような安易な考え方を持つてはいけないということで、もつぱら今まで我々といたしましては、いわゆる政府の緊急措置、例えば財政投融資による開銀からの七分五厘をせめて五分にして頂きたい、或いは又固定資産税、その他の事業税の点におきましても、これをどれくらい下げて頂きたい、そうすれば一応今度の値上はやらずに或る程度吸収し得る。たとえやるにしても非常に低いものでやり得るから、何とかしてこの点をやりたいと申しまして、この点につきましては、半歳に亘つて、恐らくここにおられる社長さん連中は次々に陳情もいたしましたし、了解も得るというふうに努力して参つたのが現状でありまして、従つて最近まではいわゆる我々といたしましては、その方面に殆んど努力を費しておつたというのが事実であります。併しながら、これはそれじやそれをいつまで待つておつても、我我の経営が成立つかどうかという問題になりますと、我々はやはり二十九年度において或る程度のはつきりした数字が出ませんと、経営の将来について計画が立たない。例えばこれだけの料金が上つた、これだけの収入があつて、そしてこれだけの自己資金が調達できるということであれば、例えば政府の財政資金がこれだけ枠が少くなつても、自己資金でその幾分をカバーして行くというような、一つの経営計画が立たないというので、我々はその緊急措置に対する運動を非常にやりつつその効果を待つておつたのでありますが、この本年度に至りましても、まだ効果が現われて来ない。そこで我々といたしましては、これは我々の年度計画として立てるにはどうして四月の一日を期して値上して頂くということが、我々としてはこれからの経営について非常にやりいいことになるので、計画が立つので、それについては事務上の手続もありいたしますから、一月の二十日付というもので申請したわけであります。これは一面、これは内輪話でもありますが、我々はどうもそういう具体的な緊急措置がとられない以上は出さざるを得ないのだということを我々としてはお互いが考えまして、そして自主的に今度は出したわけであります。そしてその後に至りまして、いわゆる二月の一日からいわゆる開銀の利子も七分五厘が六分五厘になるとか、或いは税制の改革案も出るということでありますが、これも即ち我々の立場から申しますと、法律になつて、そしてきちつとしたことでなければ、我々としては今それをすぐ引いてどうこうするということができないために、そのままの一応計画を立案して、そして申請を敢行した、こういうのが現状であります。
 それから将来電源の開発と共に、恐らく又将来再値上ということが、資本の増嵩があるというふうになれば起るであろうという御質問でありますが、それは端的に申上げますれば、一応電源の開発をやれば、これは今の国家経済状態がそのままでありとすれば、恐らく私はそういうことになるかも知らんと思うのであります。併しながら我々といたしましても、この間まだ非常に時日もありますししますし、これもやはり我々が今まで考えておつたと同様に、一つ何とかしてこれ以上の緊急措置をとつて頂いて、そうしてこれも解決して頂きたい、こう考えておりまして、今後とも我々といたしましては、我々の事業に課せられたるものが他事業と比較して、余りに少し酷であるというような点は、漸次お願いして、そしてできるだけ将来の開発に対するコストの増嵩というものを吸収して行きたい、こう考えております。なお且つ経済状態が変化いたしまして、或いは石炭が今の二割も三割も安くなるということもあり得ることでありますし、現実に又今度の値上につきましても、石炭費が比較的安いがために、火力地帯において値上が割合幅が狭かつたというような点もありますので、そういう面についても我々は極力努力をいたしまして、そうしてできるだけ電源開発はするが、併しながら我々の力の及ぶ限りは一つ何とか他の方法によつてこの増嵩を吸収したいという考えは持つております。大体二点は私からお答えいたしましたので、ほかの点はどなたか一つ……。
#35
○参考人(井上五郎君) 第三点の問題、私のほうにも若干関係があるようなふうに伺いましたので、私からお答え申しますが、電燈と電力との割合、従つてその電燈、電力に対するコストの振分けの問題かと思うのであります。先ほど私発言いたしました点が多少言葉が足りなかつたかも知れません。勿論私のほうでも電燈も電力も殖えているのであります。新らしく開発しましたものがコスト高になる、そのコスト高になるものは新らしく殖えたものに転嫁すべきであるという若し建前をとるといたしますれば、新らしく家が建つて新らしく電燈をつけたものは、在来の電燈の需用家より高い料金になるということになるかと思うのであります。私どもといたしましては、電気は総括した原価で差上げるのが一番いい、工場で増設をなさつたからその部分だけの電気が高いという政策はとるべきでない、こう考えているわけでありますが、そういう意味におきまして、電燈と電力とはどこまでも正しいコストの振分け方による、こう考えております。電燈であるが故にこうであるということを政策的に私ども考えるつもりはないのでありますが、ただ非常に専門的なことを申上げて恐縮なんでありますが、電燈、電力、あらゆる業体に対しまする電力料金のあり方、コスト振分け方ということについては非常に学者の間でも議論がございます。どういう振分け方をするのが一番正しい算式であるかということについてはいろいろ議論もありますので、そうした算式の相違によつて若干の差はできるが、原則といたしましては、総括原価を最も公平な形において振分けるのだというふうに私ども考えております。ただ成るべく、甚だ露骨な言葉になりますが、零細な事業家のかたがたの御負担が公平である、過当でないことのために、先ほど御説明がありましたが、アンペアー制をとる、或いは定額に対しては成るべく上らないような計算法方法をとるといつたような手心はいたすつもりでございますが、原則として只今申しましたように、コストを原価的に公正に分ける、こういう考え方をいたしております。
 それから四番目の御質問でございますが、はつきり私御質問の点をつかみ得たかどうかわかりませんが、進捗度合い、その他いろいろの事情で値上率が違う、値上率が違うについては多少値上率の高い所は少しは遠慮をしたのか、こういうような御質問であるかと存ずるのであります。先ほど私申しましたように、中部電力といたしまして、確かに値上率が高いのであります。それは本質的にはさつき申しましたように、電源の開発が非常に大きかつたということであるのでありますが、それだけではなくて、一方において火力の燃料費が増した。いま一つ、過去二回におきまして、電力料金の値上げをした、全国平均数字で申しましたが、過去二回におきまして、たしか全国平均で六割六、七分上つたと思いますが、二回通算いたしまして、中部電力は五割二分しか上つておりません。そうした関係もございまして、率としては今回若干高くなつたのでありますが、逆に申しまして、キロワツト・アワー当りの価格で申しますならば、全国平均を維持し得ておるかと思うのであります。そういう意味におきまして、言い換えればこれも第三の質問点と同様なのでありますが、電力はどこまでも原価であるべきである。若し私どもの企業努力が足りないの故を以て、若し需用家に過当な値上率を要求するならば、これは私どもとして当然御遠慮を申上げ、内部的に努力をいたすべきであります。若し一応ほぼ同様の企業努力をお認め願えるものといたしますならば、必要なる経費、電源開発を進めて行くために必要欠くべからざる経費というものにつきましては、是非只今法律で認められておる形におきましての原価を認めて頂きたい、こう私ども考えておるわけであります。その意味におきまして、配当率におきましても、全国九社大体同様の配当率をお願いをいたしております。又先刻私申しましたように、故障等も是非減らして行かなければならないという建前で、決してその率が見かけ上若干高いが故を以て修繕を怠る、怠るという言葉は少し悪いかも知れませんが、少くとも修繕をしないで行くというような考え方はとつておりません。或いはお答えになつておらないかと思うのでありますが、一応私どもの立場を……。
#36
○藤田進君 まあお尋ねするのでございますので、意見は申述べませんが、先ほど太田垣社長から御答弁がございました二点についてですが、全然通産当局との何と言いますか、連絡なしに今回は特にやつたという御答弁のように伺つたのでありますが、電力の需給計画についてもこれは会社独自の立場でこれを定めて、これは後刻政府が別にきめるであろうというふうな御説明も先刻あつたと思うのです。併しこの値上率なり、収支計算をいたしましても、いわゆる原価をはじいて見ても、なかなか将来の想定というものが大きい。殊に出水がどうだろうかというようなことにつきまして、大変見込がよく違つたり、悪く違つたりすることで問題は多かろうかと思うのであります。こういう電力の料金コストというものが非常に見込みの上に立つという点等から見ますると、やはり或る程度通産当局との間に連絡をしつおやりにならざるを得ない面があるのではないか。殊に昨年来の通産大臣の談話等を見ますると、又私どもの質問に対する大臣の答弁からいたしましても、電力会社のほうから値上をやかましく言つて来ておる、これを検討するときに、若干の値上は止むなしというような、かなり明確な御答弁まであつておる今日でございますから、これらからみると、大臣が言われたのが嘘なのか、全然そのような連絡がなかつたのかということを実は疑わざるを得ないのであります。でありますから、この際率直に連絡の程度はどうであつたろうか。延いては一割四分四厘という値上についても、必ずしもこれが前後を通じて一回しか出なかつたものかどうかについては、私はやはり若干の疑問を持つのであります。いろいろ案を持たれたでありましようが、結局この案が認可申請されたと、その事情についてはやはり当局との連絡折衝の過程からこのようになつたのではないだろうか、こう推定をいたしましたので、この点を明確にお答え願いたいと申上げたのでありますが、先ほどのお答えではどうもその点が極めて不明確でございましたので、若しできれば重ねてお答えを願いたいと思います。
 第二の点につきましては、質問が十分御了解行かなかつた点もあるやに推察いたしたのでございますが、申上げた要点は、今次料金改訂は昭和二十九年度の収支見込の上に立たれておる。これが違えばノーと言つて頂けばいいのですが、こう私は見ておるのです。その中でウエイトは資本費だ、こうなりますと、その資本費は開発資金にまつわるものが殆んどである。恐らく六〇%ですか、言われている。こうなつて来ますと、年次ずつと開発が進むにつれて、その資本の増加もされるわけですしいたしますと、やはりコスト高になる。再評価して三万五千円でしたか、実際は北陸、東北は割合安い。これが八万円、キロワツト当りですね。併し全国平均十万円、キロワツト当り、そのままそろばんをはじけば、新しく電気を生産すればそれにそれだけかかつて来る、つまりコストが増大して来る。こう考えてみると、やはり昭和二十九年度はこれでいいが、昭和三十年度になると若干又料金率の改訂をしなければならなくなるのじやないか、物価変動がないものと見て私は早合点をしたのですが、今回この料金率の改訂をいたしましたならば、物価の大きな変動のない限り、無論将来物価の変動がないものと見込むわけですから、そうなりますると、料金の改訂というものは将来はないのだ。その資本の増大、資本費は見積つているのだから今回は……その点がどういうものなのか、そこがお尋ねしたかつた点なんです。いろいろ努力して上げないようにしたいとは言われているのですが、無論努力は努力ですけれども、これを数理的に言つて、昭和二十九年度だけなので、将来もこれでいいのか、こういう点です。
 それから井上社長のお答え願いました点ですが、これは実はお答え願つた点が若干食い違つているので、申上げたのは今次料金率の改訂、何と言いますか値上げですね、値上げには今縷々申上げた資本費は開発費だ、こういうことになりますと、開発についてはおのおの会社でおやりになつているわけですが、おのおのの会社で開発の進行状態が相当違つております。而もこれは電力会社で開発されておられますものもありますが、殊に東北など顕著な例として電源開発会社自体の開発で、その供給発電はすべて電力会社がそれを配電する、こういうことになつておりますので、やはり開発が進んでいる会社と、開発が進んでいない会社については、おのずからそこに資本費の影響というものがあるわけですから、このことが若干料金率の決定には考慮されなければならないだろうかと思つているわけですが、併し料金の今回の改訂を見ますると、この開発の進捗度合というものを余り考慮されていないように私は思うのです。それが間違つているかも知れませんが……、その点をお伺いいたしておるのでございます。その点が一つだつたのです。
 それからもう一つの点は、端的に申上げると、今次値上げの率は中部乃至関西のごとく非常に高低があるけれども、二割乃至六分ですか、あるけれども、そのことは取りも直さず会社経営は大体均衡を保つているのだ、会社経営の難易ですね。つまり中部のごとき場合には非常に経営がよくなり、延いて株価も上るかも知れないというものではなくて、やはり現状においては逆に言うと中部は非常に経営がむずかしい、だから二割幾ら上げれば大体他社並みになる。関西では六分程度上げればいいのだ。これは中部が二割二分何厘でしたか、上げられる程度の経営状態に関西では六分上げればいいのだということですから、電力経営の難易というものは大体申請されている六分乃至二割何がしという高低はあるけれども、経営自体の難易というものは同じものだ、こう窺えるわけです。そうではなしに、たくさんの料金改訂をする、つまり率の高いところは非常に経営が楽になつて、関西のごときは経営が中部ほど楽ではないのだ。なぜならば六分しか上げないのだから、こういうものではないようにも思うので、意味がわかりましたかどうか、説明をやり過ぎて却つてわからなかつたかどうか知りませんが、この点についてお伺いをいたしたのでございます。
 それからついでですが、これは個別になりますけれども、関西の場合を見ますと六分程度の値上げ、こうなるとすれば、ロスを見ますというと非常に大きのです。これは特に説明が加えられておりましたように、非常に遠い所に発電所があつたり、或いは火力に関する事情を芦原常務さんでしたか御説明になりましたが、併しどうも考えてみますと、若干の合理化はされているけれども、例えばお隣りの中国なり、或いは殊に北陸なりを考えてみると、中国は火力もあるようですが、相当の開きがあります、一割何がしの開きがあります。又地域の拡大、いわゆる立地条件を論ずるならば、北海道あたりを見ましても、北海道並みにしても合理化ができるのではないかというように考えますと、或いは供給範囲の広い東京電力ですね、どう見ても、これは数字が無論証明するので間違いはないでしようが、私どもしろうと目に見まして、その合理化が何だか極端に遅い、されていもないというか、ロス率が高い。従つてこのロス率がよそ並みよりちよつと何しても六分程度は浮いて来るのだから、料金改訂なんかしなくたつてよさそうに思えるのであります。これは非常に細かい問題になりますけれども、料金値上については大きな問題でございますので、特にお尋ねしたい。
#37
○参考人(太田垣士郎君) 只今の第一点の点につきまして、私の御説明が不徹底なようでありましたので、改めて申上げますが、御当局との連絡の有無ということは、少くとも料金の値上の申請をするということが、或いは料金の率においては何ら御当局の指示は得ていない、我々どもは自主的にやつたわけであります。これは法律に許された範囲で我々が一応値上の申請をする。ただ問題は今藤田さんのおつしやつたように、一応融通とか技術的な問題になりますと、我々が値上げするとすれば、どういうふうな融通になるかというような技術的な面においては、参考までに参考までにお伺いするという点は、確かにおくと、こういうことでありますから、御了承願います。
 それから将来上げなくていいかという御質問でありますが、これは最前申上げましたように、我々としては緊急措置を非常に努力する、なお経営合理化も努力する。併しながらこれは各社別々に、これから後もやることでありまして、電源開発の遅れている所は非常に急がなければならない。そうすると非常にそれが資本費が増嵩すれば、その会社はやはり上げなければならない。その会社も恐らくそういうような緊急措置によつて或る程度の吸収はいたすでありましようが、それによつてのみ吸収ができない場合は、やはり会社の措置として上げなければならない。従つて私どもは、将来それじや一斉に値上の申請をするかということになるのでありますが、恐らく私は将来はだんだんそういうことはなくなるのではなかろうか、各会社の特殊事情というものが何されて来るのではなかろうかと、こう考えております。
 それからロスの軽減につきましては、誠におつしやる通りでありまして、関西は他に比較して非常に現在では高い、現在高いということは実は過去の何が非常に高かつたがためでありまして、これも何といいまして一気にやることができないために、過去関西は最高は二十四年度ぐらいでございましたか、三六%くらいあつたわけであります。それを今日まで実はいろいろな最前申上げましたような合理化によりまして低下して来て参つたのでありまして、ただその絶対値だけを御覧になると、非常に高くお感じになるかも知れませんが、前の絶対値と比較して御覧下さいますと、割合努力の跡が私は見えるだろうと思うのであります。従つて、なお私どもはこれは何とか将来においても努力したいと思つておりますが、ただ一気によそさん並みに行けないということでありまして、その点一つ御了承願いたいと思います。
#38
○参考人(芦原義重君) 只今のロスの問題につきまして、ちよつと補足させて頂きます。実績でありますが、昭和二十三年には三七・四、二十五年には三六・八、これが二十七年に二九・九になりまして、今回の二十九年の申請が二八・九、こういうふうに非常に向上した。勿論資金も注ぎ込んでおりますが、向上いたしておるのであります。これに示しますように、だんだん最高の限度に近付きまして、今後は相当軽減はむずかしい、そういう実情になつておるのであります。その技術的な関西の特異な点として申上げたいのは、水力電源が大部分区域外にありまして、需用の中心地であります京阪神地区まで電力を長距離輸送をする必要があるのであります。これは他社とは少し違つている点であります。例えば私どもの黒部川の電力を大阪に運びますのに、北陸回線は三百キロメーターあります。これは一番他の社より長いのであります。又最近設けました新北陸回線も三百二十キロに及んでおるわけでありまして、どうしても距離が長いとロスが多くなるわけであります。併し発電所を近くへ持つて来るわけにはいかないので、これはもうどうしても宿命的で止むを得ないのであります。それともう一つは、京阪神に持つて来ます送電線の数が他社より少いのであります。今六回線ございます。六回線しかございませんので、一回線あたりの平均電力も九万キロ程度になつておりますので、やはりロスが少し多くなるのであります。併し新北陸回線と同様な回線をもう三つも作りますと、一つでも三十数億、或いは四十億ばかりの金がかかりますので、電源開発にも資金を注ぎ込んでおりますから、これを早急に送電回線を作ることも不可能なわけであります。それからもう一つは、火力の発電の所内用の動力をロスに算入して計算いたしております。やはり一割見当の所内用の動力を使つておりますから、火力発電が多いということもロスがやはり多くなるわけであります。そういうものと、もう一つはこの関西の需用の地理的の分布が京阪神地区に過度に集約されておりますから、やはり特別の電圧の段階も一つは多くなつているという実情もありまして、技術的にどうしてもロスが数パーセント他社より多くなるということは、まあ止むを得ないのであります。
#39
○委員長(中川以良君) ちよつと申上げますが、これは参考人のかたにも、又委員のかたにも申上げますが、時間がだんだん迫つて参りましたので、成るたけ一つ要点の御質問を頂き、又御答弁のほうも要点にとどめて頂きまして、若しもそれに附加える御答弁がございましたならば、文書を以てあとでお出し願います。委員長は適当な機会にそれを速記に載せることにいたします。
#40
○藤田進君 先ほどの御答弁を願います。
#41
○参考人(高井亮太郎君) 簡単に補足さして頂きます。藤田さんからの第四問でありますが、開発の進んだ所も進まん所も何か似たようにして、資本費の取扱いというものが何かルーズになつているのじやないかというようなお尋ねでありますので、それは今までに発電所なり変電所が幾らできた、それから二十九年度内にはどこに何が何日にできると、従つてそのできたときから先の利子なり償却はオペレーシヨンに入る、それまでは建設利息として入るということが、個々別々に扱つた内容で申請がしてあるのでございますから、それを御了承願いたいということと、それから第一問の通産当局との間云々ということは、私どもが申請書をお持ちしまして、結局お願いに上つたとき、時期も非常に悪いし、内容は見なければわからん、何とも言えんということがそのときの話でありました。ということだけを申上げれば、はつきりすると思います。
#42
○参考人(井上五郎君) 先ほど私のお答えが、或いは外れたかも知れませんが、最後におつしやつた意味で、つまり値上率は違うのだけれども、究極において会社の経営が同じむずかしさというか、同じやさしさ、同じ程度になるのだという意味で言うならば、さようであると思います。言い換えますれば、公正なる原価に基いて電気料金が定められるという考え方で算定しているわけであります。
#43
○藤田進君 他の同僚委員の御質問も多いようであります。これ以上は非常に迷惑かと思いますが、ただ二十九年度の料金改訂と、それ以後三十年以後の場合については、どうもお答えが不明確でございますので、ちよと残念ですが、要するにお答えの要点は、いろいろ緊急対策その他努力をして、上げないようにしたいがということで、ただ一斉に上げることはないが、個別に上げるようになるかも知れないと、こういう御答弁でありますので、一体上るのか上らないのか、つまり前提条件を申上げているわけですから、物価がどうなるかということを予想される必要はないので、これはもう物価の変動なしと見てということでしたが、どうもこの点これ以上お尋ねすることが無理なのか、お答えないようでございますので、大変残念でございます。若しお答えができれば重ねてお願いしたいのですけれども、例えば関西さんはどうかというふうに言えばはつきりでるかも知れませんが、それだけが私の心残りのことでございます。
#44
○委員長(中川以良君) 只今の御答弁がございましたら一つ文書でお願いいたします。
#45
○小松正雄君 私は、本日のこの電気料金改訂に関しまして、五社の社長初め事務局長等の方々から、電気料金をどうしても上げてもらはなくてはならない現段階になつて来たということについて詳しく御説明もあり、又資料に基いて考えて参りましても、この段階に来るまでには、相当諸般の経営に関して節減のできることは節減をし、或いは又他の応用によつて重点的に経費の節減をして頂くというようなことから勘案して考えまするときに、どうしてもこの電気の料金値上げに関しましては、先にも同僚藤田委員からの御質問の中にありました通り、現大臣といたしましても、当然幾らかの値上げをしなくちやならんだろう、こういうようなことも伺つておりまするし、私自身もそういつたことをここに考えまするときに、若干の値上げはせなくてはならないだろう、かように私は考えるものであります。併しながらこれに対しまして各社の方々が、直接小口需用者であり、或いは又電燈等に限つて値上げをせない、大口需用家のほうに転嫁するというお考えも必要でありましようし、又政府に伺つて諸般のことについて陳情を重ねてやられるということも必要じやなかろうかというのは、過般の委員会におきまして、私は今次二十九年度の予算の大要から見まして、これが又通産省の事業であり、通産省の事業的良心、通産行政としてのあり方について通産大臣の説明がありまして、そのときに私は電気料金値上げに関しまする問題を御質問申上げたのでありまするが、率直に申しますると、この政府の施策は緊縮政策であり、又国内の生産品を値下げするということを申されておるということから考えましても、電気料金の値上げをされるということは、国民の家庭に直接響くものがあるのでありますということを指摘いたしまして、これらに関して需用者等に電力の値上げを押しつけるようなことのない施策、方法を考えられておるかということをお尋ねいたしましたのに対して、大臣は、はつきりと、この料金値上げに対して国民生活の上に響くことが大であるからして、何とかしてこの料金値上げに関しましては、国民の家庭の上に響かないような施策を考えて行くように、例を挙げますると、金利の引下げ、租税改訂その他いろいろここですぐ即答できないようなことまで大蔵省との折衝の過程にある、かように御答弁があつたのでありまするからして、あなた方といたしましては、当然電気料金はこれだけは上げてもらわなくちやならないということは、さつき申上げましたように、説明等によりまして私も了承するものでありまするが、いやしくも公共的な事業であるということの意味において、そういう観点におかれまして、少くとも小口需用者、或いは又電燈に関しましてはどうしても上げないようにして頂きたいということを私は前提としてお願いを申上ぐるものであります。
 なお、時間が足りませんのでここに二、三私はお尋ねをして見たいと思うのであります。それは農業団体から私どもに対しまして、今次電気料金の値上げに関しまして自分たち自身にもらわなくてはならない電柱の敷地料、これらの点について電力会社がどのように考えておるか。又これに対して率直にその非を挙げておるのであります。例えば只今では電柱料金としては、一本につき農家には二十円しか払つていない。その半面に、収入については、電力会社は一本の電柱に対する広告料は五千円という多額な金を取つておる。総計いたしますと六十億円に上ぼるというような収入が現れておるということを、私どもに対しての或る種の陳情の文面の中にはつきりと出されておりまするが、こういうことがあるのであるか。或いは又二十円をどういうふうに上げてやろうとするのであるか。この点を一つお伺いしたいということが一つと、第二点は、雑収入でありまするが、雑収入と申しましてもいろいろあると思いまするが、大きくここに飜つて考えまするときに、例えば電力会社から或る業者が電力を供給してもらうときのそれの施設は、その供給を受けるほうが全部その施設をやらなくちやならないということに相成つておりまして、そうしてこれは配電を廃止する場合におきましては、その施設はそのまま電力会社に無条件に引渡すという契約に相成るというようなことがあると思いますが、これらの収入というものは相当の額に上ると思いまするが、その収入は数字的にどのくらいに見積られておるかということと、第三は、新設或いは旧設でありまするところの水力、火力の償却方法はどういうことになつておるか。例えば何十年間かに償却をするということに仮定いたしまして、今度の電気料金の改訂の中に織込んであると思いまするが、一年平均を漸次何十年かに割つて計算をされたものであるといたしまするならば、私は五カ年計画を以て電気の需用は万全を期するという計画の下になされてあるということを考えまするときに、その償却というものは十年後に大きく償却を持つて行き、又そうして二十年先に大なる償却を持つて行く、三段階に分けて行つてこそ初めてこの電気料金の値上げもせず、需用が満ちて、償却を十年、二十年後にと三段階に割つてするということになりますれば、そう会社のほうもきつくないでいいのではないか。この際新設をするその資金さえも大きな金利を付けて設置しようとするその苦境の中に、この電力料金の改訂によつて、そうして償却を織込んで行こうというお考えよりも、むしろそういうふうなことに持つて行く、その代償といたしましては、九社の今次値上げをせんとする総額は何ほどで何百億になるか知りませんが、これらの金も、そういう意味合いにおきまして、長期の借入をなさることに政府に対して申請をし、以て長期の支払によつて行くということになりますれば、私の今指摘申上げましたように、償却も加えてそれと相待つてすることができるのではないか、かように考えます。これらの点についてどういうふうなお考えであるか、御質問を申上げる次第であります。
#46
○参考人(井上五郎君) 只今非常に数字的な問題でございまして、若干数字につきましても意見がございますが、むしろ文書でまとめてお答えをいたしたいと、こう思いますが、如何でございましよう。
#47
○参考人(福田勝治君) 今のことにつきましてちよつと簡単に、余り詳しい数字は持つておりませんが、御説明申上げたいと思います。
 先ず第一に、農業団体から電柱敷地料のことについてろいろ我々も伺つております。現在御承知のように、まあ各会社によつて多少違いますが、電柱一本当り二十五円とか、三十円という程度のものを支払つております。これは実はいろいろ各社の事情によつて違うものでありますので、全国一律にこれをどうするというようなことはできないと思つておるのでありまして、各会社個々の実情に応じて多少のことは考慮されなければならんと、こういうふうに一応考えております。
 それから第二番目は、工事の負担金のことだと思うのでありますが、工事の負担金につきましては、大体現在額といたしましては、実績としては大体二十四億くらいのものをもらつております。併しこれは御承知のように全部それだけ薄価を建設費から切り下げておりまして、それだけ差引いたものが簿価に載つておる。工事費から差引いたものだけが簿価に載つているということでありまして、それだけ工事費が安くなつているという恰好に相成つております。
 それからなおこの工事の負担金につきましては、今回の料金改訂に当りまして、できるだけ需用家から頂くものを少くしたいと思いまして、或いは事業者の負担する限度を従来よりは多少多くするように、会社も、事業者が負担する限度を多くするように今回供給規程では変更されております。従つて需用家の負担は、工事負担金として頂くものは、それだけ多少なり従来よりは少くなる方向に向う予定であります。
 それから先ほどの、これは私が申上げていいのかどうかわからないのでありますが、先ほどの五カ年計画に対する償却を三段階に分けてやつたらどうかというようなお話もありましたが、これは私個人の気持でありますが、実は御承知のように、電気事業は今回相当多額の工事資金が要る。従つて一部政府の財政投資も仰がなければならんが、併し御承知のように財政投資も非常に圧縮されますし、工事を、どうしても建設をやるためには自己資本並びに内部留保金というものを相当多く、多くといいますか、そういうものを十分取つてこそ、償却金をその工事の金繰りに使うということが、結局建設費が安くなり、従つて現在金のかかる費用がそれだけ少くなる、原価がそれだけ下るのだというふうに一応考えておるような次第であります。
 なおそれに関連いたしまして、先ほどの藤田さんの質問にも関係あるかとも思いますが、小口電力或いは電燈については余り電力が殖えないのだから、増加する経費は殖えるほうへ持つて行つてはどうかというような御意見が今の中にもあるんじやないかと思うのでありますが、実は現在の料金が非常に安いということは、結局減価償却その他が旧設備において十分見ていない。従つてその結果といたしまして、現在事業者は内部留保金が殆んどない。従つて建設する金は全部外から借りなければならない。つまり金利の高いものを借りなければならないということでありまして、過去に安い電気料金で負担して頂いた結果が、間接的に言えば、今日それがコスト高になるということなんであります。従来、戦前当時におきましては、建設工事のかなりのパーセンテージは、内部留保金で以て安く、ただの金を、ただの金というと語弊がありますが、金利のわからない金を使つておりましたが、電気料金の原価が償却不十分であつた、内部留保金が少なかつた、その結果といたしまして現在建設するには、内部留保金が殆んどない。従つて全部外から借りなければならない、結局現在のコスト高ということは、従来のコストが十分ペイされていなかつた、その影響が今日現われておる、こういうことでありまして、殖えた電力に今後の増加経費を全部かけるというようなことは、多少理論的にもそういう点でいろいろ矛盾があるような感じはいたすのでありまして、先ほど井上さんの御説明もその通りでありますが、私は一応そういうふうに考えておる次第であります。
#48
○小松正雄君 重ねて申上げることは甚だどうかと考えまするが、私のこの償却のあり方を三段階にしたらどうか、こういうことを申上げておりまする一つの対象といたしましても少くとも五カ年後には各社が持つ目的の電力の開発が終る、そうして予定通りの運営ができるという見地から考えますると、少くとも今日のお話の中ではロスにいたしましても一割、所によつては一割何分というロスがあるということを申されておりまするが、これらを需給することによつて、需用がはつきり殖えて参りまするならば、当然このロスというものは半減乃至三分の一に相成ると私は考えます。そういたしますると、それから来る収入を振向ける形に相成りましても、十年後に、或いは二十年後に償却を割戻してできるという考え方から、そういうことを申上げたのでありまするが、その点についての御見解をもう一度御説明をお願いします。
#49
○参考人(高井亮太郎君) あとで文書にしまして……。
#50
○委員長(中川以良君) それでは一つ文書をお出し頂きまして速記に載せますから、小松君御了承願います。
#51
○石原幹市郎君 私は先ほど止むを得ない会議のために不在しておりまして、私がこれから伺いますことが、すでに御説明済みであれば極めて簡単にお答え願えれば結構であります。
 今回の値上げの根本論議につきましては、私は後日に譲りたいと思うのでありまするが、一つ非常に疑問に堪えないことは、今回電源開発が最も進んでおりまする東北並びに北陸の料金値上率が最も高いということであります。而もこれらの地方は、大体今までに水力調整金いうと私から言わしむれば、誠にわけのわからないものを払い続けて来ておるのであります。これはこの制度ができました当時においては、だんだん漸減する、五年間くらいに整理するという話であつたのでありますが、一向漸減の傾向も見せていない。それから又考えようによりましては、電源開発によりまして電力が殖えるというと、融通量もだんだん殖えて来るんじやないか。そうすると或いは又調整金も逆に殖えるのじやないかくらいに私は考えられるのでありまして、そこで開発の最も進んでおりまするこれらの地帯の犠牲において電気料金の今回のいろいろの変更が考えられているのではないかとすら考えられるのでありまして、こういう根本問題につきまして、東北電力社長はどういうふうに考えておられるか。又こういう問題について連合会等においても、今回の電力料金の値上げ問題について、何らかの検討を加え、或いは調整というようなことを考えられたかどうかということについて、先ずお伺いしたいのであります。
#52
○参考人(内ケ崎贇五郎君) 電源の開発の最も進んだ東北、北陸が最高の値上率になつたということについて説明せいというお話でありますが、先ほど来私も縷々申述べましたし、ほかの社長からも申上げましたように、今度の料金の値上げの最大の理由は、新らしい電源が、原価が高くついておる、それに原因しておりまするので、従つて値上率が高いということは、一番開発が進んでおるという証拠であるというふうに御了解頂きたいと存じます。
 なお、ただそうなりますというと、今後東北や何かが困るんじやないかという御心配だろうと思いますので、附言さして頂きます。新会社ができましてから過去二回の値上げがありまして、今度は三度目でありますが、これを通計して考えますというと、東北の値上率は低いほうから第二番目でございます。三回を累計するというと、決して高い値上率じやなくて、値上率それ自体においても低いほうから第二番目でございます。なお絶対値において申しますというと、北陸に次いで第二位で、大変安いのでありまして、この点も今後の未開発地域の開発には一向支障ないどころじやなくて、ますますよい状態になつておるということですから、さように御了承頂きたいと思います。
#53
○参考人(高井亮太郎君) 只今水火調整金に対しましても御質問がございましたが、先ほど申しましたように、法の精神に従いまして、連合会の中で相談をいたしまして、御認可を受けているわけでありますが、ただ方針といたしましては、先ほど申し遅れましたが、水火調整金は漸減の方針をとるということまでは一致いたしております。いつ幾らになるかは別といたしまして。従いまして、一向減らないというお話でございまするが、この四月から初めの値いの二割五分に相当する分量だけは実際において減少する約束をいたしましてあるわけでございます。
 それからなお水力がたくさんできると調整金でも取られるのじやないかというお話でありますが、これは総額がてつぺんのきまつた数でありまして、再編成当時すでにできてしまつておつた水力のみに対するものでありまして、それ以後のものに対しては水力調整金はございませんでございますから、御承知のこととは思いますけれども、念のため申上げます。
#54
○石原幹市郎君 どうも私は一向了解ができないのでありまして、開発が進み、電力をたくさん豊富に提供するようになればなるほど値上率が高くなければならんということは、而もその電力は相当のものを他地方に融通してやつておるにかかわらず、開発地帯がそういうなにを負わなければならんということにつきましては、只今までの説明では私は一向了承できない。
#55
○参考人(内ケ崎贇五郎君) それではお答え申上げます。この問題は、先ほど藤田委員からの御質問の、今見えませんが、お答えにもなろうと思いますが、今後一体開発して行くというとどんどんと高くなつて行くのじやないかといつたような御心配があつたのでありますが、今度の値上げは、従来の料金がずつと安くなつておる、ところが新らしいのが先ほど申上げたように原価が約三倍である、そういうことから来ましたので、相当大幅の値上げを我我のほうはやることになつたのでありますが、その結果相当に高くなる、その結果、今後開発する発電所の原価が今度の平均の値上率よりも高くつくならば、依然としてこの値上げをして頂がなければならん。併し政府の低物価政策もありますし、物価が今後は横這い、或いはそれよりも下るという見通しも相当に期待してよかろうと思いますし、ただ今後の開発地点は非常に不便な所にある、そういう面から或いは何がしかは原価の増加はあるかも知れませんが、大体今度の料金で相当に平均の料金が高くなつておりますから、今後の開発する地点が、今度やつて頂いたその値段よりも高ければ値上げをして頂かなければいかん、安ければ値上げの必要はないのだ、こういうことになりますので、先ほどの藤田さんに、その御返事をしようかと思つたのですが、時間がありませんので申しかねましたけれども、必ずしも今後は相当の値上げをせんければいかんというのでなくて、電源開発地点でも、今度は相当の料金になつて来ますから、できればそこに大きな値上げをせんでも済むのじやないか。東北について申上げますというと……(石原幹市郎君「考え方だけでよろしい」と述ぶ。)従来の金がたしか三百三十幾らであつたのでありますが、今度は四円三十九銭五厘、相当に上つておりますから、今後の開発がこの原価と引合うかどうかという問題、恐らくそう大きな値上げをせんでも済むのじやないか、我々のほうはさように考えております。
#56
○石原幹市郎君 それでは水力調整金というものを出して、電力料金の一時に変動することをあのとき抑えようとしたわけであろうと思うのでありますが、電力の、水力電源の豊富な所が他地方に電力を送つて、而も水力調整金を出しておるというこの考え方と、今度電源開発が進んで豊富に水力電源を作つておる所が非常に高い値上率を以て値上げをして行かなければならんというこの考え方、この二つの間にどうも私は割切れないものがあると思うのでありまして、この点について御説明を願いたい。
#57
○参考人(西泰藏君) 石原委員の御質問の趣旨は、高くついたものを又他地区に融通するとなお高くつく、こういうような御質問のようでもございますが、先ほど北陸のほうの御説明をいたしましたときに、石原委員おいでにならなかつたのでありますが、私のほうは今年全国の中でも一番比率の高い開発進度でございます。従つて当然資本比の割合がこの開発の原価としましては大部分を占めておりますので、現在の金利並びに税法上から行きますと、どうしても開発が余計できたものは高くなります。但し他地区に融通しまして、先ほど北陸の説明をいたしましたけれども、他地区に融通しなければ四割ほど上げて頂かなければならんのを、他地区のほうへ融通して原価を低減いたしました。そうして二割二分にいたしましたという説明を申上げたのであります。いずれ又あとで御説明申上げてもよろしうございますが、ほかの委員の方が一応お聞きになつておりまして、大体御了承を願つておると思います。そういう意味で一つ、他地区へ融通しても却つて上るのじやないかというお考えは御訂正願いたいと思います。
#58
○参考人(内ケ崎贇五郎君) 私からも同様のことを申上げるわけでありまするが、自分の管内で売捌く平均の値段と他地区のほうへやる場合よりは、新たにこれから供給するものは高くなつております。北陸の場合も同じようであります。なお昔からこういう分については、昔の一部分安いものもありますが、だんだんにこれもコンマーシヤル・ベースに切換えて行くということでだんだん変化しつつあります。なお水火力調整金の問題は、だんだん漸減しまして、今度も二億五、六千万円は前年度よりも減ることになつております。そういうことでこのほうもだんだん解消するということで、決してよその影響のために東北が非常に高いものを東北の需用家に使つて頂くということではない。従来は何がしかそういうことはありましたが、今後はそれはもう殆んど解消するところへ持つて行く、こういうつもりでおります。
#59
○石原幹市郎君 それならばこういう値上げの障に、この水火力調整金というものをやめてしまえば、東北、北陸が非常に高率な値上げをこうむらにやならんということが、私は或る程度調整されるのじやないかと思うので、そういう点について、各電力会社の間でいろいろ話合いをされたか、或いはそういう考えを以て今後東北なり、北陸の電力会社は強力に進みたいというお幸えを持つておられるものか。
#60
○参考人(内ケ崎贇五郎君) 九社の間においてこの問題については実に熱烈なる討論をいつもやるのでありまして、今度の料金の申請につきましても、水火力調整金が決定しませんと申請できませんので、前以てこれは九社において討論いたしました結果、先ほど申上げたように、従来の八分の八であつたのが八分の五・五というものに減つております。それが先ほど申上げた二億五、六千万円の金になるわけであります。なお今後我々といたしましては、これは速やかに水火力調整金は撤廃する方向へ努力をする、かように考えております。
#61
○石原幹市郎君 この問題は又後刻政府その他に対しましても私は更に根本的に検討して行かにやならんと思うのでありまするが、更にもう一点東北電力にお伺いしたいのでありまするが、この電燈料金のみについて、今川上期、下期の料金差をつけておるのはどういうことかということと、更に、これは先ほどからの質問が大体重複するのでありますけれども、私はこの再編成のときなどにも、家庭用の電燈というようなものは社会政策的のような意味も考えて全国余り差があつちやいかんという、これはまあできるだけ安いものでなきやいかんという考えを持つておるものでありまするが、今回の値上げを見ますというと、むしろこういう方面の料金にしわが寄つているという感じが強いのでありまするが、こういう点について何か再考慮される考えはないかどうか。
#62
○参考人(内ケ崎贇五郎君) 冬と夏と電燈料金が違つているのは東北、北陸でありますが、これは北陸、東北のほうは冬になると非常に雪が多い。それで電燈を使用する期間も相当に長いということで、定額電燈が当然原価が高くなるということは、それだけでおわかりになると思いますが、なお従量電燈におきましても、冬の総出力は減つて参ります。私のほうは火力を余り持つておりませんので、それに順応したような量をお客さんに供給する関係上出力が減る。そういう関係で原価が冬のほうは割高である、こういうことから、冬は高く頂戴するということになつたわけであります。なお電力と電燈との値上げの比率は、平均二四・九に対して、電燈のほうは二四・七、電力のほうが二五%こうういうことで、何がしか一般の大衆の皆さんの負担が少しでも軽減する、こういうような心持を以つてお願いしているわけであります。
#63
○石原幹市郎君 今回税法の改正によりまして、法人税も幾らか引下げになり、或いは事業税、固定資産税も改正になるわけでありますが、こういう面は今回の値上げについて織込んであるのかどうか。これは連合会からでも、どこからでも結構でありますが。
#64
○参考人(平井寛一郎君) 私からも御説明の際に申上げたのでございますが、まだ確定いたしておりませんのでそれは織込んでおりません。併しながらこれがきまりますれば、それだけは当然値下げをする用意はあるのであります。
#65
○石原幹市郎君 これは何か資料をもらえれば結構でありますが、再編成前と今度で電力界のいわゆる人員というようなものは相当整理されて来ておるのかどうか、企業合理化の面と関連して伺いたい、のでありますが、整理されたかどうか、或いは給与というものはどういう程度に増額して来ておるか、こういう点につきまして、人員の問題は後刻資料で結構でありますが、お願いします。それから私の感じとしては給与の面なども、他の一般の業界に比して非常に高いのではないかと、こういうふうに我々は考えておりまするので、今回相当の値上げをしようという際でありますから、相当企業の合理化その他の面については、真剣に電力会社として私は検討してもらわなければならんと思うのであります。そういう面について、勿論努力は払われたと思いますが、それはどういうふうなものである。これはもうすでにお話があつたと思いますから、人員の問題だけについて、資料を頂ければ結構であります。
#66
○委員長(中川以良君) 只今のは一つ文書で御回答願います。
#67
○海野三朗君 どうも現在の電力料金は、火力料金の高価をカバーするために水力発電から調整金を徴収されておるのでありますが、火力発電のない東北地方は最も余計に取られておる。昭和二十六年は八億四千余万円、二十七年度は八億四千万円ほど附加されておるのでありますが、これは昭和二十六年の電力再編成のときに、年々二割だけ低減して五カ年目、即ち三十年には解消するということの了解事項であつたと思います。ところが毎年低減もない。今後二カ年半で解消する見通しもないように思われるのでありますが、これは誠に遺憾であると思うのであります。これが第一点。第二点は、各会社の借入金の償還計画を承わりたい。先ほど小松委員からのお話もございましたが、この償還が五年で済む、或いは六年で済むと言えば、済んでしまえばどうなるか。その際には電力料金を値下げするのかどうか。そういう点も承わりたい。これが第二点。第三点といたしましては、先ほど石原委員から申されたことで、もう一言大口料金の優遇政策をとつておられるように見受けられるのでありますが、これは一般の電燈というものを考えまするときに、大口料金の優遇政策ということと、公益事業の本質との関連について御高見を承わりたいと思うのであります。以上三点であります。
#68
○参考人(内ケ崎贇五郎君) 第一点についてお答えいたします。この問題は、只今石原委員にもお答え申上げましたように、最初はたしか九億六千万円くらいあつたと思います。再編成の当時において、東北の出し前が。それが今度は二十九年度の料金に入りますものは、五億九千万円で、相当額減少いたしております。なお今後これを全部なくすように大いに努力をするつもりでおります。
 次は第二点、資金の償却は五カ年計画だから、五カ年で皆償還すればあとは非常に軽くなるのじやないかというお話でありますが、なかなか以て五年に償還はできません。相当に長いことかかつてもなお且つむずかしい。この資金の償還計画は、実に今後電力会社としても非常に大問題になろうと考えます。なかなか利子の支払いや何か、それは相当なものになりますので、なかなか五年たつて解消するような事態ではございません。
 第三点、大口料金を優遇しておるんじやないかというお話でありますが、さようなことはございません。すべて原価主義によつて算定いたしまして、料金を申受ける、こういう建前でやつておりますから、さよう御了承願いたいと思います。
#69
○海野三朗君 償還の御計画は、何年を以て、何年くらいに見ておられるのでありますか。それから従量電燈、そういう方面に使うところの大衆向きの電気の量は、全体の二割くらいでありまするのに、これより徴収するお金は約四割を占めておるのが事実でございましよう。それを私が申すのであります。大口料金の優遇政策をとつておられたのではないかということを、私はお伺いするのであります。
#70
○参考人(内ケ崎贇五郎君) 資金の償却のほうでありますが、これは何カ年に計画を立てておるかというお話でありますが、何カ年計画というようなことは、今直ちに申上げかねますが、いろいろ二十年くらいの資金を借りているのもありますし、社債のようなものは五年になつております。それから設備資金として三年くらいの期間を以て借りておるものもあります。いろいろでございまして、一概に何年で償還するというようなことは、これは到底今直ちに申上げかねます。非常にむずかしい問題でございますから、さように御了承願いたいと存じます。
 それから今数字をお示しになつて電燈のほうが高いのじやないか、こういうお話でありますが、電燈料金は成るほど高いのです。高いのですけれども、これは原価主義で行くということ、先ほど申上げたように原価が高いのです。というのは、大口の料金は、発電所から参りまして、十五万ボルト送電線を伝つて来まして、十五万ボルトで供給する所もあります。或いは六万ボルトくらいに降圧しまして送る場合もありますが、一般の電燈はそれから先が長いのです。送電線を伝わつて行く。変圧器をくぐる、それから又配電線をくぐるということで設備も相当かかるし、ロスがだんだん殖えて来る。東北になると相当ロスが多いほうでありますが、御承知の通り、東北は本州の三分の一を占めています。人口は甚だ稀薄であるといつたようなことから原価は非常に高くつくのです。そういうことで飽くまでこれは原価主義でありまして、決して優遇は大口にするようなことはございませんから、さよう御承知を願いたいと思います。原価が高いから止むを得ず高い料金を頂戴している、こういうことであります。
#71
○西川彌平治君 時間がございませんから端的に一つ御質問を申上げたいと思います。政府は緊縮政策をとつて、物価の引下げを今企図しているのでありますが、物価の引下げの何というても一番大きなフアクターになるものは米であると思うのであります。その米を生産いたしまする農家のこの電気の問題を一つ考えて見るときにおきましても、灌漑排水に使つております電気料金が、私の調べたところによりますると、相当これは確実な資料をつかんでいるのでありますが、非常に値上りをしているのであります。灌漑排水の電気料金は、平均いたしまして四割の増加になつているようであります。これを更に詳しく申上げまするならば、五馬力までのものに対しましては、一番高い所は中部電力の七割五分、北陸の六割二分という値上りになつております。東京が四割九分、それから百馬力程度になりますと、東京は八割五分、中部が八割、北陸が六割九分、更に五百馬力程度になりますと、東京が九割六分、中部が八割七分、北陸が七割五分、更に一千馬力程度になりますると、これは少しく下つておりますが、東京が三割一分、それから中部が四割六分、北陸が七割三分、こういうような数字が出ているのであります。今日米価の問題はもう我々の生活に最も直接に響く問題であります。而もこの農業の灌漑排水というような、いわゆる水利費と申しますものは、農家は非常に今日これを気に病んでいる問題であります。恐らくこの水利費というものの中におきましては、電力が大部分を占めていると申上げてもいいと思います。電力が相当な率を占めているものでありますから、恐らく七割も八割も電力が上つた場合におきましては、この農家の水利費に非常に大きな影響があると思うのでありますが、今日これはどういう根拠を以てお出しになつておりますか。私のこの調べは農地局から出ている調べでありますから、恐らく私は相当根拠のあるものとして考えておりますから、この点について一つどういう根拠でこれが出ているかということをお伺いいたしたいと思うのであります。
 それからいま一つ私は伺つておきたいのは、これは特に北陸電力に一つ伺つておきたいと思いますが、北陸電力は、本年四カ所の発電所が完成をするということで、九億五千万キロワツト・アワーの電力が出るというふうなことで、それから約六億の電力が自今の管分に供給されるというようなことを今お話を承わつているのでありまするが、これであなたの管内は電力はプールするのであるかどうかということを一つ伺いたい。それから今まで電気が不足の場合におきましては、恐らく私の想像でありますが、北陸は電気炉であるとか、電解炉であるとかいうような電炉の工業が非常に多い土地であるのでありまするが、そういう所で私は電力の調整をしておつたんではないかと思うのであります。従つてその調整をいわゆる電炉工業に対して何パーセントくらいの電力を今まで送つておつたかということを一つ伺つておきたいと思います。
#72
○参考人(西泰藏君) 北陸の特殊事情についての御質問でございますから申上げますが、大体北陸は今回開発されますというと、電力で五十八万キロくらいになるのでありますが、そのうち電解電炉方面に三十八万キロを供給するような勘定になります。大体六割五分でございます。キロワツト・アワーで行きますというと、二十九年度は二十八億キロワツト・アワーを一般の需用にやるのでございますが、そのうち電解電炉は十七億キロワツト・アワー、キロワツト・アワーでは大体六〇%、それからキロワツトでは六五%ぐらいの予定になつております。従いましていろいろな調節は、この電解電炉連盟が各工場の御都合、又非常に低廉に使用しようというような御趣旨から、よく御相談をしまして、いろいろピーク時とか、そのほかの渇水時には制限をお願いして、そうして調節をするということにいたしております。従いまして現在でも電燈、一般小口動力、或いは三千キロ以上出ない電解電炉を除きますというと、何ら制限もしていなければ、停電も何もありませんような現状でございます。従いまして二十九年度もその予定でございますが、大体電解電炉連盟は、まだ戦前の稼働設備が相当にありますので、今回相当に開発しまして、電解電炉にそれだけ余計やりましても、稼働は約五〇%ぐらいの稼働になるのでございます。現状までは四二%ぐらいの稼働であつたのであります。需用家のほうは、六〇%乃至三六%ぐらいが戦前の稼働率であるから、そこまでは是非電力を供給してもらいたいということを言うておりますけれども、一般の需用のほうは大体先ほど申上げましたように、制限をしなくてもよろしい状況でございます。
#73
○西川彌平治君 今の農家の問題はどうですか。
#74
○参考人(西泰藏君) 農事用電力でございますが、私どものほうは農事用電力全体といたしましては、今仰せの通りに農家に対する影響を非常に考えまして、全体の値上率は二割二分三厘でございますけれども、農事用は一割二分ほどの値上率にとどめておるのであります。併しながら今おつしやいました灌漑用の六割以上とか何とかいうのはいろいろ使用状況とか、いろいろなことが違うのじやないかと思うのでございまして、これは文書を以ちまして御回答申上げたほうが、数字的の問題でございますから、よろしいと思います。
#75
○西川彌平治君 この農業の灌漑排水の問題は非常に重大な問題でございまするから、どうか一つ詳細に、この問題は一つ文書を以て御返答頂きたいと思います。
 いま一つ私は北陸電力に伺いたいのは、御承知の通り電解とか、或いは電炉工業におきましては、殆んどこの電気が、要するに原料と同じような私は性質を持つているものと考えておるのでありますが、この場合に、かように北陸は料金が安いということであすこに工場が集中したものと考えておるのであります。ところが今度値上率が一番高いということは、それは絶対値において安いかも知れませんけれども、今まで安い料金を使つて工業をやつておつた者といたしますならば、やはり値上げの割合は大きいのでございます。かような場合におきまして、この値上げをいたしまするに対しまして、あなたの管内におきまする各工場に対しまして、かような値段が出た場合にどういうふうなことになるかということに対しまして御相談をなされ、又御相談なさつた結果、その影響がどうあるというようなことが出ておりましたら、ちよつと御知らせを願いたいと思います。
#76
○参考人(西泰藏君) 値上率が電解電炉のように電気を原料といたします事業が非常に高い、こういうお話でございますが、実は先ほど御説明を申しました中にもございましたように、今回は成るべく一般国民生活に影響するような電燈、小口のほうを値上げを低くいたしまして、今回開発しました増加分の大口電力のほうへしわ寄せをいたしまして、これは先ほど御説明いたしましたようなわけでございます。従いまして大口のほうは少し高くなつて参りました。併し絶対値は飽くまでも非常に低いのであります。又値上げをいたします額も非常に低いのでございます。例えば硫安なら硫安が一トン当りに四千キロワツト・アワー要る。その場合に値上率は二割五分とかいうようなことでございますけれども、キロワツト・アワー当りは五十銭しか上らない。これはほかの地区のことを申上げまして甚だ失礼でございますけれども、ほかの所は一割五分しか上げないけれども、一円上るのだ、同じ硫安を作ります場合には、ほかの地区はそれだけやはり高くなる、そういうような意味合いをお考え下さいまして、御了承願いたいと思いますし、なお工業の方々とは、先般来引続き交渉いたしております。そして北陸の特殊的の事情による電気の出方、それから工場のほうのお使い方とをよく勘案いたしまして、最も安くなるような料金方法で御相談しております。今のところ大体御了承は得つつございますけれども、全般的に御了承願つておるというふうにお考え下さつて結構だと思います。
 それからなお、先ほどの農事用の電力の問題でございますが、これは文書で御回答申上げますけれども、お手許の今おつしやいました数字がどういうようなプリントの数字でございますかわかりませんので、ちよつとお手許にございましたら、あとでお示しを願いたいと思います。
#77
○海野三朗君 先ほど御鄭重な御説明を伺つたのでありまするが、私時間がありませんからよく落着いて……、まだ私がお伺いするところにぴんと来ないのです。それでわかつたようなわからないようなことでありまして、私元来余り頭がよくないものですから……。で、どうも今日はもう時間がありませんから、今日はもう質問をやめておきます。
#78
○委員長(中川以良君) そこで、本日は非常な御熱心なる御質疑を頂いたのですが、時間のないために十分に御質疑ができなかつたと存じますので、なお今のような御質疑なさる問題がございましたら、文書で一つ委員長の所にお出し願います。委員長はそれを各会社に又申上げて、文書で御回答を願うことにいたします。これはいずれも速記録に残しますから……。一つさようにお取計らいを願いますことに御了承願います。
 参考人の皆様方にお礼を申上げますが、本日はお多用中を当委員会のために電力会社の首脳部のお歴々の方方が御出席を賜わりまして、非常に誠意を以て御説明を賜わり、又各委員の質疑に対しましても懇切丁寧なる御答弁を賜わりましたことは、私どもも誠に感銘を深くするものでございまして、厚く御礼を申上げる次第でございます。
 御覧のごとく当委員会におきましては、本日はかように遅くまで、実にこれは異例でございますが、かく熱心に委員諸君が審議いたしておりますことは、取りも直さず今日全国民がこの電気料金の改訂に対しまして重大なる関心を寄せておりますところの立派なる現れであると思います。当委員会といたしましては飽くまでこれは超党派的に公明なる立場におきまして今後とも調査を続けて参ります考えでございます。私どもは本日いろいろと御説明を伺い、御答弁も承わりまして、今後の審議の上に非常によい参考となつたのであります。又電力会社におかれましても、委員の御質問なり、或いは意見の開陳等につきまして大いに御参考になつた点があると存じする。こういう点は十分に一つ御検討を賜わりまして、かような時期におきましてこそ、公共事業としての御使命の達成に十分御努力を賜わりまするように、この機会にお願いを申上げる次第であります。本日は誠にどうも有難うございました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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