くにさくロゴ
1953/04/06 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 通商産業委員会 第28号
姉妹サイト
 
1953/04/06 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 通商産業委員会 第28号

#1
第019回国会 通商産業委員会 第28号
昭和二十九年四月六日(火曜日)
   午後一時三十六分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
四月一日委員西川甚五郎君及び安井謙
君辞任につき、その補欠として西川彌
平治君及び大谷贇雄君を議長において
指名した。
四月二日委員高橋衛君辞任につき、そ
の補欠として吉田萬次君を議長におい
て指名した。
四月五日委員吉田萬次君辞任につき、
その補欠として山縣勝見君を議長にお
いて指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     中川 以良君
   理事
           松平 勇雄君
           海野 三朗君
   委員
           石原幹市郎君
           小林 英三君
           西川彌平治君
           岸  良一君
           豊田 雅孝君
           西田 隆男君
           藤田  進君
           武藤 常介君
           白川 一雄君
  国務大臣
   通商産業大臣  愛知 揆一君
  政府委員
   通商産業省通商
   局次長     松尾泰一郎君
   通商産業省公益
   事業局長    中島 征帆君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       林  誠一君
   常任委員会専門
   員       山本友太郎君
   常任委員会専門
   員       小田橋貞壽君
  法制局側
   参     事
   (第三部長)  菊井 三郎君
  説明員
   工業技術院院長 駒形 作次君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○技術士法案(海野三朗君外十四名発
 議)
○通商及び産業一般に関する調査の件
 (外貨予算に関する件)
 (電気料金に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(中川以良君) それでは只今より通商産業委員会を開きます。
 最初に御報告を申上げまするが、去る三十一日に当院の水産委員長より通産委員長宛次のようなお申入れがございました。これを一応朗読いたします。
   技術士法案に関する修正要望について
  貴委員会において御審議中の技術士法案について第三条第二項第一号の大学等の中に「水産庁設置法(昭和二十三年七月一日法律第七十八号)に基く水産講習所及び旧水産講習所官制(明治三十年勅令第四十七号)に基く水産講習所」を加えて頂きたい。
   理 由
  農林省水産講習所は学校教育法による大学と同程度であり、又旧水産講習所は旧専門学校令による専門学校と同程度の学校として取扱うことが必要である。
 以上でございます。かようなお申入がございましたので、どうぞ御審議中におきましてこの点皆様方はよろしくお願いをいたします。
 それでは本日は先ず技術士法案に関しまする質疑を行います。
#3
○白川一雄君 提案者の提案理由を拝見しますと、今日日本が貿易を振興する上におきましてもあらゆる面に技術を高度に高めなければいかんということは非常に間接的であるようだけれども焦眉の急のように思いまするので、誠に当を得た提案理由を考えますが、よくこれを拝見いたしましてお伺いいたしたい点が数点ありますので、その点を御説明願いたいと思います。最初の一つは非常にこの法案が遠慮がちのような案のように見えまして、技術士たる者の義務、責任というものは刑罰まで規定したものを加えておるが、果してこれで技術士となつた人の特権がどの程度まで端的に言えばあるのかということに非常に判断に苦しむ点がありましたので、この点を御説明願いたいと思います。
 次は大学の教授等を七年間いたしましたら技術士になる、この技術というのは、実務能力と学識能力とは又分野が違う点があるんじやないか、大学の先生をしたからといつて必ずしも事務のエキスパートとはいえないのじやないかという感がいたしますので、こういう点から考えますと、技術の面にも方向はおのずから二つありまして、現業そのものを指導し、又アドバイスして行くという線のものと、高度に技術を向上さす、いわゆる研究の要素を多分に含んだものと二途あるのではないか。どうも技術士というものを一つの恰好のうちで技術士とするのではなくして、或いはA、Bというように二種類の技術士を創設するというのが非常に妥当じやないという感がいたしましたのですが、この点の御説明をお願いいたしたいと思うのであります。
 次にこの人の能力だけでは今日の技術の向上はむずかしいのであります。設備の充実ということと相待たなければならないと思うのでありますが、この規定の中には設備に対する事柄は余りありませんが、若し技術士としての特権を認めるならば、今日或いは国有であり或いは公共団体等の持つておる研究設備というものを利用できるという何かの因果関係を持たないと、個人的の力ではなかなか今日の科学の進歩を図るということは困難ではないか、こういうように考えられたのであります。この資格について試験制度があり、片一方は通産大臣の認定という二つの要素になつておりますが、高度の技術を有する人のそれの資格を又試験すると、相当試験官というものの能力、試験官というものの編成というものが非常に大事でないかと思いますので、この試験官の程度というものがどういうところに考えておられるのか、又この通産大臣の認定というのは、あらゆる法案の中に通産大臣の認定というのがありますが、猜疑心を持つて言うわけでもありませんけれども、科学技術というようなものは実に実務的と申しますか、現実的なものでありますので、政治的理由の下に、或いは認定され、或いは認定されないというようなことがあれば、おのずから技術士というものの価値を下げてしまうことになりませんか。技術士というものができた限りは、日本の技術を高度に高めて行く面と、現業を合理的に導いて行くという二つの要素が先ほど申上げましたように大切なことでないかと思うのでありますが、通産大臣の果して認定するというのはいろいろな要素のかたがおられるので十分できるというお考えだろうが、まあ特殊な人が運動したからこれを許すというような情実が生じても、仮にそれが一つあつてもこの技術士というものの尊い使命というものをスポイルされるのじやないか、こういう考えから、通産大臣の認定というものは相当シビヤーな枠を設けておかないと間違いの原因となるのじやないか、こういうように考えましたので、この数点、この法案を見まして疑念を持つた点を御説明を願えれば結構だと存ずるのであります。
#4
○法制局参事(菊井三郎君) 只今の御質問誠に御尤もだと思います。先ず第一点につきまして考えますのに、この法案を立案中にもその点はいろいろ考慮を加えたわけでございますが、技術士制度を設けまして、ここに特権的な、或いは何らか独占的なものがないのに刑罰を加えるという制裁まであるということはどうかという点、極めて問題になつたわけでございます。併しながら技術士の業務というものが非常に広範囲に亘つております。又その技術の面からいたしまして、やる兼務というものが経済的にも、場合によりましては大きな建設物、工作物につきましては公衆の人命にもかかわるというような問題がございまして、この技術士の業務の遂行に当りましては、その倫理的なものを確立する必要がある、こういうような観点から技術士の義務というものを認めたわけでございますが、これは技術士の倫理を確立するという面からの要請からでありまして、この刑罰を加えるゆえんのものもその特殊の倫理の確立を図るためでありまして、その倫理が確立されて行くならば技術士の水準と申しますか、業務というものは非常に社会的に信頼を得るという観点から、やはりその倫理というものを確保するためには、こういうような制裁をもあえてしなければならないのじやないか、こういうようなことからこの刑罰規定を設けた次第でございます。
 第二の問題でございますが、技術士の資格につきまして、原則といたしましては試験によることを建前といたしておりまして、例外として大臣の認定という制度をここで採用いたしております。この認定をする場合におきまして一定の大学教授又は助教授の職にあつた期間が通算して七年以上になる者、こういうような認定の基準の規定がございますが、この点につきまして先ほどAクラス、Bクラスというような分け方はどうか、こういうお尋ねでございますが、この立案過程におきましてもそういう点は考慮をいたしたのでありますが、何分にも技術士の業務というものが範囲が非常に広汎でありまして、その技術の段階と申しますか、そういうものをどういうように段階ずけるかということも極めて困難ではなかろうか、こういうように考えました結果、この案といたしましては、その建築士などにつきましては、一級建築士、二級建築士というような区別をいたしておりますけれども、この案におきましては一応そういう区別をすることなしに、一本建の技術士ということにいたしたほうがよいのではないか、かような観点からこの区別を認めなかつたわけでございます。
 第三点の設備の利用の問題でございますが、これもこの制度を設けましても技術士が設備の利用をしなければ、果して依頼を受けた事項について万全の依頼に副うことができるかどうか、こういうことも立案過程におきましては問題にいたしたのでございます。併しながらどうも技術士というものが職業として技術的なサービスを行うという建前になつて参りますと、法律の面で国なり地方公共団体の設備を利用できるとはつきり書くことはどうであろうかという点に疑念を持ちまして、そういう場合には技術士個々の人がたが、国なり大学なり地方公共団体の設備の利用を話合いの上で利用されるよりほかないのではなかろうか。法律におきましてこれを規定いたしますと、そういう利用関係が当然にできるということになりますると、少しその点は私企業としてこの建前から行過ぎではなかろうか。こういうように考えまして、その規定をここにいたさなかつたわけであります。
 第四点の考査委員の問題でございますが、この技術士制度につきまして試験をいたしたり、或いは大臣の認定によりまして技術士の資格を与えることになりますが、この考査委員につきましては、この法案では関係行政機関の職員及び学識経験者と、こういうことになつておりますが、この学識経験者につきましては、この運用の問題でございますが、立案の過程におきましては、少くとも日本における技術界の権威者を網羅するというように考えておるのでございます。なおこの運用問題につきましては、現にここに工業技術院の院長がおられますので、その点につきましてもお伺いして頂きたいと思うのでありますが、立案の過程におきましてもそういう考え方でおつたのでございます。
 第五点の大臣の認定でございますが、この法案では大臣の認定につきまして、考査委員の意見を尊重して通産大臣が認定する、こういうように規定いたしております。この考査委員の意見を尊重してという点につきましては、法律的に申上げるならば、通産大臣が結局決定権を持つておるのでありまして、意見を尊重しないでいいかどうかと、こういう問題があるのでございますが、事実上の問題といたしましては、尊重をしなければならないと、こういうように考えておりますので、大臣が認定するに当りまして、政治的な配慮によつて認定する、こういうことはあり得ないのではなかろうか、かように考えておる次第でございます。
#5
○説明員(駒形作次君) 考査委員の点につきましては、今御質問がございました通りに、非常にこれは考査委員を適当な人にきめるということが重大なことと考えております。御指摘がありましたように、学問、いわゆる学術だけの事柄ではございませんで、経験なり実地ということをやはり十分身につけた権威者が必要であるということを考えておる次第でございます。大体現在考えておりますのは、考査委員といたしましては、二十五名程度ぐらいを考えておる次第でありまして、この中で学識経験者といたしましては、その過半数の十五名ぐらいを学識経験者として考えたらどうかというふうに思つておる次第でございます。以上でございます。
#6
○白川一雄君 第一点の特権と義務とのバランスがとれておらないのは、倫理的目的だという御説明でございますが、少くとも一つの技術士の資格を与えるという前提においては、今更修身で教えなければいかんような要素を入れるということは、余りに観念的でないかという感じがするのでございまして、結局特権と責任とがバランスのとれておらんということが結局責任を回避するという逃げ道にもなるのじやないか。この法案を拝見すると、ただ技術士という名前をもらつただけにしか過ぎないようなふうに見えますので、条文を揃えて刑罰に処するというような義務を加えておりますけれども、技術士として果してどれだけの技術を持つておる人の特権かどれだけ具体的に規定されておるかということがちつとも窺うことができない。ほかの法案と比べて見まして甚だ不可解に思う点がございます。それから大学の先生を七年やつたらということは先ほど申上げましたように、今日の日本のように非常に経済的にも苦しい、而も技術も余り進んでおらんところに大学の先生が直接意見を言われたら、結果においてむしろ迷惑になることが多い。むしろ現業は現業として実情に適した指導をするところの指導者が欲しいというのが、現在の大部分の小さい工場におきましてはそういう実情でないかと、こう思いまして、決して大学の先生に対して無礼をするわけではないのでありますけれども、現業というものと、大学の先生の持つておるセンスというものに隔りがあるということで、一方は研究的要素を多分に含んでおりますし、一方は研究より仕事そのものから上る結果に目標をおいておる、又数字的なものに目標をおいておるところにギヤツプがありますので、大学の先生をしたからすぐ工場の指導その他に役に立つと、直線的に行くことは我々どうかという考えを持つておる。それから学識経験者というお話もありますが、往々権威者ということになりますと、抽象的なきめ方と、事大主義的なきめ方か日本の今までの通弊でありまして、年取つた人とか名前の売れた人とかいうのでございますが、日本の技術の、ものによりましては資格も要らん、何も要らん、小学校出たくらいの人でも尊い技術というものがあるわけであります。一例を申上げますれば、鋳物のようなものは特にそうではないかと思うのであります。今日大学の先生の話を聞いて鋳物をやつたら経済的には往々失敗することが多いのでありますが、本当の勘でやられる長い間の経験を積んだ人の鋳物に対する技術というものは、一つの学問を越した学問になつておる面がありますので、そういう点におきましても、権威者で二十五人選んでやるというのが従来あらゆる審議会、或いは何々とかいうもので見てみますと、名前の知れた人、古い人というようなところに中心を置いておる事柄が、日本の今日の技術にフレツシユな空気を植えつけて進歩させないで遅れをとつておる原因ではないか。ものによりましては、戦争前の技術と、戦後の技術の間にはレボリユーシヨン、進歩を越したものがあると思うのであります。この場合に戦後の技術を我が物としてやられたら、今日持つておる技術の進歩に邪魔になるようなものもあるのではないかという点から、この権威者の二十五人ということを選ぶのがこれは大変な問題でないかというように考えるのでございます。それからこういう技術の面に余り政治的要素が入ると、通産大臣の認定というものが一つの機関の意見を尊重して相談してやつてくれれば日本の国の今日の混乱はないのですが、往々大衆の声、権威者の意見というものを尊重しないで行われるところにたくさんのトラブルと社会の混乱ということが起つておる実情から見まして、むしろ通産大臣の認定ということは、むしろ通産大臣はそれを実行する役で、その機関の意見においてきめるほうがむしろ無事ではないかと、我々は考えられる幾多の事例を知つておるのでございますが、そういう点について御考慮される点がないかどうか、もう一度伺いたいと思います。
#7
○説明員(駒形作次君) 只今のお話御尤もでございまして、単なる学者或いは単なる大家というものではこの技術士の試験及び認定といたします上には不十分であると考える次第でございます。今のお話のような点につきましては十分そういうふうにすべきであると私どもも考えている次第でございます。そうしてこの認定の件につきましては、第十二条の三項にもありますように、認定は考査委員の意見を求めまして、その意見を尊重しなければならないというふうになつておりますような工合に、その考査委員の意見というものが十分尊重され、認定の結果に出るような工合にされることと思う次第でございます。
#8
○法制局参事(菊井三郎君) お答えいたします。この法案におきまして刑罰まで加えておりながら、技術士に対する何らの恩典的なものがないという点でございますが、先ほど申上げましたように、技術士制度の確立という点から考えましたものでございますけれども、この技術士制度を創設する当初におきましては一応特権的なものを将来の構想として残しながら、一応技術士制度を法律の上に認められるというふうに前提をおきたい。こういうような考え方と、いま一つは、この技術士制度を施行いたしまして、その成果を見て、然る後に技術士を独占的な業務にする、或いは技術士に対する何らかの恩恵的な制度を考慮いたしたい、こういうような含みを以ちまして、先ず差当つては制度を創設するという点に主眼を置き、従いましてこの法案におきましては技術士に義務のみ課されて、そうしてそれに伴う制裁があるというような形になつておりまするけれども、この考え方といたしましては将来における含みを残しつつ、考慮いたしておるわけでございます。
#9
○白川一雄君 私別に技術者でありませんので、技術上のことは権威を持つて御質問申上げられないのでございますが、ただ我々過去の経験から見まして、日本の技術というのがとにもかくにも向上させなければ、資源の少い貧困な日本としてはほかに生きる途はないのじやないかというような考え方を持つておるわけでございますが、日本では、非常に一般に技術といい、又科学というものに対して謙虚な気持が少くて、すぐに或る程度まで達すれば、あとはセンナメンタリズムで技術をごまかすような線が見えますので、こういう法案が出る限りにおいては、私どもの受ける感じとしては何だか独占的な資格を与えることを遠慮しておるように見えるのでございますけれども、むしろ独占的な資格を与えて、これに厳格な義務をつけるほうが日本の科学をうんと振興さす途で、漠然としているという事柄はむしろ技術士そのものの向上心もにぶらすのじやないかという感が非常に強くいたしますので、先ほどから御質問申上げたわけです。日本の技術というものはもう少し突つこんだところまで国のほうでもいたすように指導して頂かなければいけませんし、我々現実に業務をやつておる者から見ましても、日本の技術が出足は早いが、尻のほうでしぼんで参りますのは、結局技術というものにイマジネーシヨンなり或いはセンチメンタリズムを非常にくつつけ過ぎるというところにあるのじやないか、そういう意味においてもこの法案が余りにセンチメンタリズムをくつつけてあるように感じまして、果してこの法案が日本の権威ある技術士を養成できる途であるかどうかということに非常な疑問を感じましたので御質問申上げたわけでございす。
#10
○豊田雅孝君 私は三点ほどお伺いしたいのですが、第一点はこれが政府提出案にならなくて議員立法で行くようになつたその実情というものがどういうものだつたか、その点も伺いたいと思います。大体議員立法で行く場合には政府案で行くほど確信がないというような場合に議員立法になつたりする場合が多いのでありますが、併し今回は我々同僚議員であられる海野委員が御説明になつておるので信頼できると思うのでありますけれども、併しどうもこの点について率直な意見を一度伺つておいたらどうだ、と思うのであります。それから成るべく時間を節約する意味におきまして併せて伺つておきますが、もう一点はこの提案理由説明の中にも書いてありますが、コンサルテイング・エンジニアのアリカメの制度にもヒントを得られたように書いてあるのでありますが、アメリカは御承知のようにマネージメント・コンサルタントという経営面での、これもやつぱり同じ技術士だと思うのでありますが、これが相当活用せられているようでありまして、一面においてコンサルテイング・エンジニアだけの面だけでなく、マネージメントのほうも併せ考慮すべきではなかつたかと思うのでありますが、この点についてもご意見を伺つておきたいと思います。もう一点は、これは只今御質問のあつた点でありまして、私も提案賛成者の一人になつているのじやないかというようなことになるのでありますけれども、この法案自体が名称独占以外に一向特権というものはないようであります。そうすると果してこういう法律案を出して見て、これが通過し実行段階に入つた際にどういう実益を生じるのか、その点について将来を考えると相当考えさせるものがあるわけでありまして、その点についても本当の将来の見通しというものをどういうふうに見ておられるか、その点を伺いたいと思います。
#11
○海野三朗君 前からこの科学技術議員連盟がございまして、私ども技術者が寄つて常にこういうことを話しておつたのであります。どうしてもこういうものが、日本だけになくて、外国ではこれがもうずつと以前からやられておりまするので、私ども技術出身の者といたしましては、長年に亘つてこの点について非常な関心を持つておつたのでございます。それでこのことにつきましては、ここにおられます駒形工業技術院長あたりにも話をいたしまして、やはり工業技術院あたりでもそういうふうな考えを持つておるし、又この技術者方面の技術士会というようなものにおきましても、やはりその方向へ非常な関心を持つておつたわけであります。私ども技術出身の議員といたしまして、どうしてもこの際ここにこの技術士法案というものを提出して、そうしてこの日本の産業の発展に資さなければならないという考えから、同志相図つていろいろ相談をいたしまして、その意見の大体一致を見ましたので、ここに法制局に頼みましてこの法案を作成にかかつたわけでございます。そうしてこれは私ども技術者ばかりでなしに、実際にこの仕事をやつておられるかたがたからも広く意見を聴しまして、このたびこの法案の作成というところに至つたわけでございます。もともとの起りがこの科学技術議員連盟、技術者である私どもが、この点について非常な関心を持つておりました結果、政府の提案として出させようかと考えましたのでありますけれども、どうもそれではおかしいじやないか、結局議員のほうから出すようにしたらどうだというようなことで、まあいろいろ、再三再四会合を重ねまして、民間のかたがたとも、関係方面のかたがたとも回数を重ねることここに約十回ぐらいに及んでおるのであります。そうして漸く今日議員提出の法案といたしまして、この科学技術議員は各党に跨がつておるものでありますから、各党の代表のかたがたともよく相談をいたしまして、まあ大体皆様の御賛成を得て今日ここに至つたのであります。
 第二番目に、マネージメントにつきましてのお話がありましたが、これは御尤もであると思います。その点につきましても、私どもはこの法案だけで決して十分ではありませんので、併し未だ曾つて経験せざるこの法案でありまするから、先ずこれを出しまして、そうして次々とこの不足なるところ、欠点を又補わんとするものでございます。一遍にして完全なるこの法案というものにはなかなか到達できないと思いますので、マネージメントにつきましても、今豊田委員の仰せられました、その通りでございます。その点につきましては、私も全然同感でございます。
 第三番目に、如何なる利益があるか、これは例えば小さい工場にいたしますと、経費なんぞの都合からして、相当偉い技術者を雇うことができない日本の現状であります。そうだけれども、その工場を拡張したいとか、或いはこういう方面に仕事を伸ばして行きたいというふうに考えましたときに、偉い技術者がいなければ、その工場の仕事というものは発展するものじやありません。そういう際に、この技術士会のほうに申込みまして、適当なるエキスパートを招待して、そうして立案なり設計なりをしてもらい、又その人の知識を十分活用することができる、これが最も大きい利益であろうと存じます。又或る仕事を始める、会社が仕事を始めるというときに当りまして、そうすると、銀行から金を借りようというような際に、ただむちやくちやに設計をした図面を持つて行つたつて銀行では信用しない、そういう際に技術士何のだれそれの承認を得た図面である。設計費ついてもかくかくである、又生産についてもこういう見通しを持つておる、その専門の技術士の判というものが、そういう際には十分役立つものではないか、こういうふうに考えておるものでございます。そのほか、つまり最高の権威者の智能を十分に活用できる、民間の小さい工場の仕事であつても活用できるという、そういう利点があると存ずるのであります。
#12
○豊田雅孝君 今の御答弁によりまして、将来は通過いたしましたならば、その実効のあるように、この点は政府関係とも御連絡願つて、その効を挙げるような法律にすることを強くこの際希望いたしておきます。それと同時に、マネージメントのほうでありますが、マネージメント・コンサルタントの制度を別途に認める、或いはこの法律の中へ併せて一つ認めるということが今の段階としてできないとしますならば、私はこの試験科目の中へ考慮を加えられて然るべきではないか。というのは、只今の御答弁にもありましたように、大体これを利用するのは中小企業方面なんでありまして、従つて技術だけの立場からやられても、それは実情に合わない技術指導になつたりする場合が相当あると思うのです。少くとも中小企業対策というか、或いは組合法制論というか、或いは小小企業金融制度論くらいは心得ておる行き方でないと、折角こういう制度を作つても、仏作つて魂入れんということになる。弁理士法に基く試験制度等も私恐らく法制的な科目も入つているのではないかと思うのでありますが、かような点から見まして、試験科目に最小限度、マネージメントのほうの基礎的な知識に関係のある科目くらいは附加えておくことが、この制度を活かすゆえんではないか、特に日本の現在の実情からいつてもそれが必要ではないか、というふうに考えるのでありますが、御意見はどうでございましようか。
#13
○説明員(駒形作次君) この技術士は技術のサービスを目的とするものでございまして、企業、特に中小企業というものに対して、特に日本の現状といたしましては、重要性を帯びておる、従いましてその科目の中に、試験をやるときの、判定をいたします試験の中に、今お話がありましたような経営、特にその他品質管理とか、或いはいわゆる管理技術といつたような面は、是非必要であるというふうに考えておつたのでございますが、今のお話のような点につきましては、最小限度は勿論この中に附加えなければならないというふうに思つておる次第でございます。
#14
○豊田雅孝君 最小限度に附加えるというのは、もつと明確に言うとどういうことですか。
   〔委員長退席、石原幹市郎君着席〕
#15
○説明員(駒形作次君) 経済或いは法律関係のものを主体にするわけには参りませんのでございまして、そういうフアクターを中に織込む必要は勿論あるということは事実であります。
  ―――――――――――――
#16
○委員長代理(石原幹市郎君) ここでちよつとお諮りいたしますが、通産大臣が只今お見えになつております。そこで本日の調査案件になつております外貨予算に関する件、電気料金に関する件について通産大臣との質疑応答に入りたいと思いますが、如何でございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○委員長代理(石原幹市郎君) それでは先ず外貨予算に関する件について御調査を願いたいと思うのでありますが、去る三月三十一日外貨予算発表に際しまして通産大臣から説明を求めるはずであつたのでありまするが、その機会もなく今日に至つたのであります。過般発表の外貨予算の編成方針につきまして、先ず大臣から説明を求めます。
#18
○国務大臣(愛知揆一君) 外貨予算の問題につきましては、当委員会におきましても折にふれて申上げておつたのでありますが、去る三月三十一日に第二百回の閣僚審議会におきまして昭和二十九年度上期外国為替予算を決定いたしたわけでございます。その内容につきましては、同日取りあえず当委員会に対しましてもその概要をお届け申上げておきましたので概要につきましては御承知と存ずるのでございますが、その内容なり、或いは決定いたしました方針、考え方というようなことにつきましては、今日説明をさせて頂きたいと思うのでございます。
 先ず第一に当委員会にもかねて申上げておつたと思いますが、二十九年度の外貨予算の輸入貨物に対するところの輸入外貨の割当は、年間を通じまして二十億ドルということを基礎にいたしておるわけでございます。これはいわゆる外貨予算の編成ということになりますと、二十一億五千万ドル程度の予算ということになるのでありまして、現実の外貨の決済に対する時期等の関係で予算といたしましては二十一億ドル余りになるわけでございます。そこでこのいわゆる二十億ドル基準ということにいたしましたのは、先ず輸出と、それから特需とにつきまして、それぞれ輸出計画、或いは特需の獲得計画から見ますと、よほど内輪に見まして作りましたのでありまして、一方、輸出と特需はそれぞれ一月以来御説明申上げておりまするように十三億六、七千万ドル及び七億六千万ドル程度というふうに見込んでございますが、輸入外貨の積算の基礎としての外貨獲得の計画としては輸出は十二億五千万ドル程度、特需は七億一千万ドル程度というふうに内輪に見まして、さような規模にいたしたのであります。
 それから第二の枠としての考え方は、昭和二十九年度中においては国際収支を均衡に戻すことは望ましいことではあるが、これを強行すると却つて無理ができるという考え方から二十九年度末における国際収支の赤字を九千万ドル乃至一億ドルというふうにきめたわけでございます、即ち二年の努力で以て昭和三十年度において国際収支の均衡を回復して行こう、こういう考え方をとつたわけでございます。そういう関係から先ほど申しましたような規模に相成るわけでございますが、その結果あとで主要な物資別につきましての大体の見込を申上げたいと存じまするが、先ず先ずこの程度の輸入計画ができまするならば、輸出用の原材料、或いは生活必需物資の食糧その他といつたようなものにつきましては、十分需給の均衡がとれる必要なものが確保できるという恰好になつたものと思うのであります。併しながらその半面におきましては、勿論のこととは存じまするが、不用不急品等は徹底的に削減をいたすことになつたのでございます。
 さて、それで以上申しましたような考え方で、この内容が大体どういうことになるかということの概略を申上げますると、前年度と同様に先ず最初六カ月間の上期の予算を作つたわけでございます。この六カ月間の期におきまする予算の総額は、輸入貨物の予算として十億五千万ドル、それから貿易外の予算を三億一千余万ドル、合計十三億六千余万ドルの計算にいたしたわけでございますが、これを二十八年度の同期間の六カ月の修正予算と比較いたしますると、修正予算と言えば常識的には大体実績に近いものと御覧頂いてよろしいかと思いますが、それに比べますると、輸入貨物の関係で約一億六百万ドルの減少になつております。それから貿易外の関係では、八千四百万ドル余りの減少になつておりますから、貨物と貿易外と通計いたしますと、一億九千余万ドルの減少ということに六カ月間で相成るわけでございます。
 それでお手許に資料が配付してあつたと存じますが、その各項目のうちに特に特色のあるものと思われまする点の二、三について、例示的に御説明いたしたいと存じます。
 先ず第一に食糧の関係でございますが、食糧は金額にいたしますと二億二千五百余ドルに相成つております。この点について補足して申上げますが、今回の政府のやり方といたしましては、いろいろの国会内にもご意見がございましたので、それをも十分参酌さして頂きまして、物によりましては細かい地域別、或いは品目別等の詳細に亘るような数字は、政府としては公表しないという建前をとりました。従いましてこの公表のものでは如何にも抽象的であるわけでございますが、情報関係その他に対しましても、求められる場合におきまして、大体の見込というものは政府側として御説明をし、或いはお答えをしておるような関係になつております。
 そこでこの食糧につきましては、只今申しました金額の基礎はどういうふうに考えておるかということでございますが、第一に二十九年度は米も麦も平年作であろうということを前提にいたしておるわけでございます。そうして米についてこれを申上げますならば、二十九年度中の日本内地への到着量は、別に予算のほうで策定いたしました輸入食糧補給金の根拠といたしました、いわゆる買上量百十四万五千トンというものを基準にいたしまして、このために必要な年間の買付量を九十七万五千トンと算定をいたしたわけでございます。このうち上期の六カ月間におきまして約五十万トンを計上することといたしたわけでございます。同様に小麦につきましても二十九年度の到着量は百八十四万三千トンとしてこれに必要な年間の買付量を百七十五万八千トンと算定をいたしまして、このうち上期において八十五万トンの必要量を計上いたしたような次第でございます。これらはいずれも食糧政策を差当り変更しない、従来通りということを前提にいたしておるのでございまして、食糧関係で輸入が相当減少いたしておりまするのは、主として昨年に比べて減少しておりまするのは、凶作対策が必要でなくなるということで、主要食糧の緊急輸入分の残りがまだございますが、それは含めておりますけれども、今年度平年作ということを前提にいたしました加減でかなりな減少と見ることができたわけでございます。それから食糧の中に実は砂糖も入れてあるのでありますが、砂糖につきましては結論として輸入糖は八十万トンにすることにいたしております。そうしてこの提出いたしました資料におきましてはその半分四十万トンを今期において輸入するということを積算の基礎にいたしておるのでございます。二十八年度の砂糖の消費量は約百八万トンでございました。二十九年度におきましてこの八十万トンの輸入ということにいたしますると、年間の消費量は八十五万トンに相成ります。従つて相当の減少に相成るわけでございますが、御承知のように最近の砂糖業界関係者等の間におきましては八十万トンの年間の輸入計画があるならば、という関係かと思いまするが、一時見られましたような思惑による砂糖相場の暴騰というようなことは一応鎮静に帰してだんだん下つておりますことは御承知の通りでございます。実はこの点も前に申上げたかと思いまするが、二十八年度に比べまするとこの輸入量では消費量が非常に減るのでありまするが、二十七年度と比べれば一割以上も増加するのであります。そういう関係がございまするのと、大体家庭で主婦が購入いたしますところの砂糖はその消費量のうちで四十万トンになるかならないかと推定せられまするので、こういう関係が十分納得して頂ければ不当なる思惑などが起らない、需給のバランスは十分とつて行けるというふうに考えておるわけでございます。
 それからその次に、一例といたしまして繊維関係の問題を申上げたいと思います。繊維の原料といたしましては先ず原綿でございますが、二十八年度の輸入並びに輸出計画に基いた綿糸の生産の量は、全部が純綿の糸として計算いたしました綿糸の生産量は一月当り十九万三千梱でございまして、これが今回の輸入計画外貨予算によりますると二十九年度の生産は月当り純綿糸のベースにいたしますると十八万梱に相成るわけでございます。なお綿布の輸出は昭和二十八年度におきましては十億ヤールと推定されるのでありますが、二十九年度の綿布の輸出は目標を十億二千万ヤールといたしまして、その目標を更に上廻つた場合には必要な原綿を確保することとして、年間二百十万俵の外貨予算を組んでおるのでございます。従いまして輸出目標を突破いたしました場合に今申しました月当り十八万梱という純綿糸ベースの月当り生産量は十八万三千梱となるわけでございます。更に輸出振興のために二十九年度上期から輸出業者に対する外貨割当を実施することといたしたいと思うのであります。又他面におきましてはスフの増産によりまして混紡綿糸が増加いたしますれば綿糸の生産は増加いたしまするので、別途経済政策全体のデフレ的効果による需要の減退と相待つて、この程度でありまするならば十分に需要を充足することができる、又価格に対する影響はないというふうに見込んでおるわけでございます。それから繊維の原料で、いま一つ原毛の関係でございますが、原毛の外貨予算は御承知のような事情で相当削減せざるを得ないのであります。従つて二十八年度の七十万俵に対しまして二十九年度は六十一万俵、約九万俵の減少というこれでは計画に相成つておるのでありますが、スフの増産によりまして高度の混紡を推進することによりまして、生産といたしましては二十八年度の一億九千万ポンドに殆んど相匹敵する一億八千五百万ポンド程度が確保されるものと考えられるわけでございます。
 その次に特に国会におきまして衆参両院の農林委員会から御決議も頂戴いたしております関係で、例えば加里質肥料の加里塩の輸入問題でございますが、農林委員会の御決議、御希望の通りに大体これは外貨予算の上でも組んだつもりでございます。年間買付量といたしましては三十万トンといたしておるわけでございます。
 その他重要なものとして鉄鋼で申上げますると、大体この輸入計画で参りますると、二十九年度の鉄鋼生産は普通鋼鋼材が五百万トン、それから高炉銑を四百五十万トンということにいたしまして、これに必要な製鋼の原料等を輸入する計画を作つたわけでございます。これは二十八年度の高炉銑四百五十五万トン、普通鋼鋼材五百三十七万五千トンという実績に比べますればやや減少をいたしておるわけでございますが、全体の二十九年度の国民経済の規模から申しますればこれが適当なところではないかと考えておるのでございます。
 最後に油の関係を申上げたいと思うのでございます。最近逐年急激な石油の需要増加によりまして石油の輸入は急増して参りましたが、二十九年度におきましてはできるだけ輸入を抑制して外貨支払の節約を図ることにいたしたいと考えました。そのために重油と揮発油の二十八年度の年間の消費量は、重油におきましては五百三十七万キロリツター、揮発油は二百十五万キロリツターであつたのでありますが、二十九年度においては重油については消費量は二十八年と同様、増加を見込まないということにいたしました。揮発油については約一〇%程度の増加を見込みまして、重油は五百三十七万キロリツター、揮発油は約二百四十万キロリツターということにいたしたわけでございまして、原油、重油、揮発油の年間の買付量を約九百八十万キロリツター、上期六ケ月間に五百二十万キロリツター計上することといたしたわけでございます。この点につきましては、あとでちよつと補足して申上げたいと思います。
 以上が大体重要なる輸入物資についての数個の例でございますが、その半面におきまして、例えば自動車は二十八年度の輸入の実績は完成車が約五千六百台、組立の車が約四千台、合計九千六百台のほかに、補修用部品等を含めまして、千八百万ドル程度の外貨払いであつたのでございますが、二十九年度におきましては通商協定等に基きまして、どうしても輸入しなければならないものがございまするので、その関係で、千二百台程度に抑制することにいたしたわけでございます。それからなお不用不急品の輸入でございますが、これ又自動車と同じく通商協定に基く場合はいたし方ないのでありますが、化粧品、自動自転車、ウイスキー、菓子、バナナ、パイナツプル罐詰、コーヒー豆、紅茶、ココア等といつたようなものは、協定において特に掲げられたもの以外は輸入を全然見ておりません。又輸入品目から全く削除して一ドルも割当てないというものが競走用の馬、製造たばこ、テレビジヨン及びその部品といつたようなものは、全然外貨の割当をいたさないということにいたした次第でございます。
 以上が概略の御説明でございますが、なお加工貿易の原材料といつたようなものにつきましては、割安な輸出用原材料の輸入を確保をして輸出の増加を図るという気持から、加工用貿易原材料の部におきましては、二十九年度においては二十八年度より大幅に拡大をいたしまして、輸出振興のために六千万ドルというような予算を計上いたしました。又自動承認制度等につきましても、相当の改善を加えたような次第でございます。こういうふうな状況でございまするが、これも前々から中間的に申上げましたように、こういつた外貨予算を編成いたしました場合に、国内の物資の需給関係に対して与える影響、或いは物価に対して与える影響等をいろいろ検討いたしまして、いわゆる国内措置が必要であるかどうか、一口に言えば何らかの統制措置が必要であるかどうかというようなことにつきましても、政府といたしましては非常に慎重な研究をいたしましたが、その結論といたしましては、先ほどもちよつと触れましたが、この程度のことで外貨予算の編成ができまするならば、需給関係その他からいつて差向きいわゆる統制等の措置は必要としないというような結論になつたわけでございます。ただ一つだけ例外と申しますかございますのは油の関係でございまして、この問題につきましても、当委員会におきまして前に御説明申上げたことがあると思いますが、これは石炭と重油との調整総合燃料対策としてやはり考えなければならない問題であることと併せまして、石炭、重油の調整措置と併せて、石油に対しましては若干の使用の規制というようなことを考えたいと思うわけでございます。余り長くなりますから、極めて簡単に申上げますと、大体三つの内容になります。
 その一つは、一般に重油の消費節約運動を展開して消費の節減を図りたいということであります。例えば火力発電、セメント製造業における混焼ボイラー等についてはできる限り、専ら石炭を使用して頂くように行政指導を行いたいということが一つであります。
 それからその二は、煖房用、厨房用、浴場用等強いて重油を使用しなくても済む用途に対しましては、今年の冬に備えまして今から予告いたしまして、できるだけ重油の使用を遠慮して頂きたいということを勧奨すると同時に、今年の十月一日以降必要に応じて消費規制の法的な措置も行いたいということを発表いたしたわけでございまして、先般御審議を願いました国際的供給不足物資等需給調整の臨時措置法によりまして、この点は今年十月一日以降消費規制を行うだけの準備をいたしておきたいと考えておるわけでございます。
 その三は、農林水産用、船舶用等の内燃機関用の重油につきましては、これは消費の節約に協力して頂きたいということは勿論でございますが、これらの用途には絶対に重油を必要といたしますので、その必要量につきましては輸入の際から消費者に至りますまでのルートを関係業界の御協力を願つて、指導によつてこれが確保を図るという考え方で只今関係の向きと細かい実施の方法等につきまして協議を進めておるようなわけでございます。
 以上が石油につきましての措置でございますが、この半面におきまして石炭につきましては適正出炭の規模といいものを大体四千八百万トンという基準を考えまして、合理化を図り、コストの引下げを図り、需要者の協力を得て国内資源の活用を図つて頂きたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
 以上大体外貨予算並びにこれに関連いたしまする考え方の概略を申上げた次第でございます。
#19
○豊田雅孝君 三点ばかり伺いたいと思います。
 第一点は、食糧輸入の御説明が只今あつたのでありますが、MSAの麦の輸入関係との相互関係がどういうふうになつておるか、その点。
   〔委員長代理石原幹市郎君退席、理事海野三朗君着席〕
 それからもう一つは、先ほど繊維関係につきまして綿糸の生産月当り二十八年度が十九万三千梱、二十九年度が十八万梱というようなお話であつたのでありますが、綿布の輸出のほうは二十八年度が約十億ヤール、二十九年度が一応目標十億二千万ヤールと殖えておるそうでありますが、これはどういう操作によつて綿糸は減る、輸出綿布のほうは逆に殖えるということになるのか、その点伺いたいと思います。
 それからもう一点は、厨房用、或いは煖房用について重油の使用規制を法的にやられようというわけでございますが、切符制度というか、直接統制については弊害があることはもう言うまでもないのでありまして、この点については極力現政府は回避せられて来たようでありますが、今回法的規制をやろうとする、その具体的な方法はどういう方法を考えられておるのか、その点を伺いたいを思います。以上三点をお伺いいたします。
#20
○国務大臣(愛知揆一君) 第一のMSAの問題は二十八年度分三十万トン、それから二十九年度分といたしまして二十七万トン、合計五十七万トン分が五千万ドル分といたしまして計上されております。それからなお二十九年度分につきましては、外貨が現実にこれは要らない分につきましては、予算の執行としてはその分を輸入貨物の年度間で五千万ドル、貿易外で千万ドルの予備費を一応考えておりますので、そのほうに使用せられるという関係になるわけでございます。それから第二の石油の問題でございますが、これは国際的供給不足物資につきまして、第二条の第三号だつたかと思いまするが、この規定を採用いたしまして、一定の用途に対しまして、例えばビルデイングの煖房用の用途に対しましては、重油としてはこれを使つてはならないというような、さような政令をこの法律に基いて出すことに相成ると考えております。今のは第三の問題だつたかと思います。
 それからいま一つは綿布の輸出の関係でございますが、これにつきましては輸出の奨励策ということから申しまして、或いは又内需を抑えても輸出のほうに向ける努力をするという関係から、二十八年度の輸出の実績が大体十億ヤールと想定いたされますが、それを二千万ヤール程度更に上廻るような目標を作つておきまして、そうして又この目標を更に上廻るというような場合には、必要なこれに対する原綿を特に確保するというような措置を講じたいと考えるのでありまして、これらにつきましては例えばスターリング地域等についての二方の外交交渉等とも歩調を合せまして、輸出の奨励並びに輸出奨励に対する原材料の優先的割当というようなことで、この目標に向つて参りたいと考えておるわけであります。
#21
○豊田雅孝君 繊維関係につきましては、内需の規制をせられようというような含みがあるでしようか、その点。それからもう一つは煖房用についてはよくわかつたのですが、厨房用の使用制限についてはどういう方途をとられるのか、その点について。
#22
○国務大臣(愛知揆一君) 綿布等の内需の問題でございますが、これは実は一般的なデフレ政策の滲透に伴いまして、何といいますか、消費性向ができるだけ下つて、貯蓄性向が上るであろうというような、国民的な動向をも加味いたしまして、できるだけこれは輸出に向けて内需は遠慮をしようというような考え方でございます。
 それから厨房用等の消費の規制でございますが、これにつきましても法規的に考え方は煖房用の規制と同様でございますが、先ほども申上げましたように、これらの点については今からもうすでに予告を始めたわけでございます。その予告の効果が十分に挙がれば、あえて法的な制度を用いなくてもいいとも考えておるのでありまして、御参考までに申上げますが、この範疇によりまして、重油の消費が規制されると思われる数量は約三十万キロリツターと考えておるわけでございます。それからなおその点についてちよつと申し落しましたが、附加えますると、重油の消費量は二十八年度と同じ程度以上には外貨の割当をしない、こういうふうな建前をとつておるのでありますが、その関係は二十八年度の年度末等においては非常に重油の消費量が殖えておるようであります。その最後の数カ月を基準にして、そうしてその勢いが二十九年度更に膨れて行くということであると、百万キロリツター程度の需要が増加する、これを抑えたいというのが一番大きな狙いになつておるわけでございます。
#23
○豊田雅孝君 繊維関係については、繊維関係と言いましても綿の関係につきましては購買力の減退を織込んで輸出を極力促進する、その結果が先ほどお話のありましたように純綿計算では二十九年度は減つても、輸出綿布の数量は却つて殖える、国内向けについて内需の規制はする考えはないというふうに了解してよろしいのでありましようか。同時に、私どもデフレ政策の推進に伴つてこれの裏付けたる通産政策の確立、特に基本的な統制の行き方というものはやはり考えなければいかんだろうと思うのでありますが、直接統制は過去において非常に失敗をした例がありまするだけに、この点については特に戒心すべきものがあるのじやないかというふうに痛感しておるわけでありまして、いろいろ伺つておるわけでありますが、只今の綿布関係等につきまして今私が質問いたしましたような趣旨に了解をいたしてよろしいのでありますか。
#24
○国務大臣(愛知揆一君) 大体さように私ども考えておるのでありまして、先ほども私どもの考え方を率直に申上げたつもりでございますが、この外貨予算の編成に当りまして、特にその国内的の措置というものの要否並びに必要とすればどういう考え方、どういう方式でやつたらいいかということについて非常に慎重且つ深刻に研究いたしたのでありますが、大体業界その他の動向や考え方等も十分取入れつつ組んで参りましたつもりでありますので、只今お話のようなところでやつて行けるのではなかろうか、それ以上のことは只今のところ考えておらないわけでございます。
#25
○白川一雄君 輸入外貨割当につきまして陶磁器に関してお等ねいたしたいと思います。陶磁器は御承知の通り殆んど100%が外貨獲得になる輸出商品でございます。繊維類に比べましたら外貨獲得の比率は二倍に今達しておるはずです。私丁度十六年前でありますが、名古屋の陶磁器の工業クラブの役員をしておる関係上、通産省の依頼に基きまして海外十七カ国の陶器工場を視察して参つたのであります。その頃の日本の競争国というのは、チエツコスロヴアキヤとフインランドとイギリスで大体ございまして、アメリカなんかは全く競争圏外であつたのでございますが、本年初めあちらに行つて見ますと、今日ではその当時なかつた磁器も陶器も日本に優るものを作つておる状態でございまして、そのいろいろな困難の中に現在ともかく年間約三千五百万ドルの外貨を獲得する輸出をしておるというその努力は非常に買わなければならないのであります。而も業者の数と言えば、非常に多数な小さい業者でございますが、それが今日の状態はいわゆる自転車経済というような恰好で、とつたら倒れるから何でもかでも注文をとつて行かなければいかんということのために、採算も割つてやつておるという窮状でございます。それに対しまして、元ありました輸出組合のような組織を以て当局で指導してやらなければ零細な陶器の大事な歴史を持つた輸出産業というものが駄目になるのじやないかという点が一点でございます。
 なお金を陶器に付けることによつて輸出を増進しておるわけであります。成るほどできるだけ外貨割当で輸入を減らさなければいけませんが、大体年間に要るところの金の価格というものが百八万ドル程度でございまして、現在日本の金が五百十五円で買わされて、今度五百三十円になるそうでございますが、国際価格は四百五円だという、こういう悪条件にありますし、石炭にいたしましても大体倍以上の、外国が使つておる倍以上の石炭を使つておる実状になつております。木材もそうでございます。金液につきましても今申上げたように違うわけであります。そういう悪条件の中でとにもかくにも三千五百万ドルの外貨を獲得しておるのであります。これに金を付けることによつて輸出金額が上つて来るのでございまして、全体に対しまして金と金液の輸入の比率というものは二・七%でございますが、高級品として金を付けて輸出しておる比率というものは八%から一〇%に上つておるというような事実から見ましても、金を獲得する百八万ドルを出してやるということによつて輸出のほうの金額が殖えるのだという事柄は必ずしも外貨を縮小する途ではなくて、むしろ日本の金がそういうふうに高いならば、安い外国の金なり或いは金液を輸入さしてやつて輸出を増進するということは、国としては外貨を多く獲得できる途でございますし、又千何軒というあの小さい業者が仕事で潤うて行くという、いわゆるギヴ・アンド・テイクの方法が一挙両得の結果を生むのではないかという考えを持つておるのでございますが、陶磁器の金液輸入ということに対する外貨につきましては、御当局は考慮の中におありかどうか承わりたいと思います。
#26
○国務大臣(愛知揆一君) この問題は先般来熱心に研究しておる問題でございまして、只今事情は御指摘の通りでございます。でこの金液を必要の量輸入を特に認めて外貨の割当をするがいいか、或いは国内産の金の政府の買上価格で必要の分を払下げるがいいか、或いはそのほかにも方法があるわけでございますが、これらの点の利害得失を関係政府部内におきまして研究をいたしまして、できるだけ早く、遅くも三月一ぱいには結論を出したいと思つておつたのでありますが、これが延び延びになりまして誠に遺憾でございますが、できるだけ速かな機会におきまして政府の態度をはつきりきめたいと考えております。
#27
○白川一雄君 金を輸入するだけが今日の業者に対する助成方法でないということはよくわかりますので、今日の陶器業者というものが先ほど申上げましたように、もうとまつたら倒れるという苦心を重ねておる、それがいつまでも続くわけではございませんので、御当局としては一日も早くこの大事な日本の歴史的産業として早く活路を見付けてやつて頂きたいということを特にお願申上げたいと思います。
#28
○西田隆男君 私通産大臣に一点お伺いしたいのですが、石油の外貨の割当に関連して、これは通産省に資料の提出を求めておるのですが、未だに出て来ないので、詳細なる質問は資料が出てからしたいと思うのですが、今の通産大臣の御説明の中に依然として石炭は四千八百万トンの出炭を想定しておる、こういうお言葉があつたので、非常に重要な問題ですから伺います。我我の調査によりますと、二十九年度における石炭の消費量は多くて四千五百万トン、四千四百万トンから四千五百万トン程度が最高ではないかという一応の結論に到達しておるのですが、通産省のほうで各通産月報を通じて資料をお集めになつておるだろうと思うのですが、若しそうなりますと、あなたのおつしやる四千八百万トンということを一応想定されると、貯炭の置場がないという事情になると思うのですが、石炭の生産原価の切下げの段ではなく、石炭が出せない状態になつた場合には逆に生産費の高騰を見なければならない。従つて今お考えになつておる石油に対する諸対策はこの国会の初期において私が御質問申上げたよりも一歩前進をされた規制の考え方になつておるようですが、若しも通産省でお集めになつております資料が、消費が四千数百万トン程度しかないということとがはつきりしましたなら、そのときには大体通産大臣は日本の総合燃料対策として石炭と石油に関する対策を、今お話になつたようなことより以上は進められないとおつしやるのか、或いはこれに即応してもう一歩前進した、いわゆる燃料の規制政策をとられるお考えがあるのか、この一点だけを一つ御答弁願いたい。
#29
○国務大臣(愛知揆一君) 御要求の資料等がまだ出ておらないようでございまして、この点誠に申訳ございません。早速提出をいたすように督促いたします。
 只今お尋ねの点は、先ほども私は率直に何度も申上げたほうがいいと思つて申上げたのでありまして、その狙いとしてどうしても四千八百万トン程度のものは消化しなければ、それを前提にしないと、石炭業界の何と申しますか、立直りということ、或いはコストの引下げということができないであろうというのは私の見解なんでありまして、併し果してそこまで行けるかどうかということにつきましては、私も若干のまだ自信がありません。この点は現在の目標として検討を加えておるわけでございます。
 それからその次にそれが依然として四千四、五百万トンという場合であればどうかというお尋ねでございますが、これはどうしてもそうであるという結論になりますれば、只今のお言葉の通り一歩前進の措置をとらなければならないと考えております。
#30
○西田隆男君 あなたの考え方はそうであることは、これは国会の初期にお伺いしたのですが、いやしくも通産大臣がそう考えられる、通産当局はそう考えておるということは、石炭の生産業者が石炭の売炭契約をする場合において消費が四千四、五百万トンしかないという事実を政府が四千八百万トンの出炭ベースを考えているというこの二つの事実は非常に大きな影響を現実にもたらす。従つて通産省として、通産大臣としては個人的な考え方だけではなくて、もはや具体的な数字を発表されて通産行政の面における基本的な考え方はこうだということを対外的に証明される段階に来ておると思う。これは今この席で御発表下さいとは申しませんが、早急に発表してもらわないと石炭業界に与える打撃は非常に大きい。その点一つ御留意頂いて、早急に通産省の燃料対策に対する考え方を御発表願いたい、これは特に私希望いたしておきます。
#31
○国務大臣(愛知揆一君) 誠にご尤もでありまして、この点は一日も速かにさような方途をとりたいと思います。
#32
○石原幹市郎君 外貨予算と直接の関連はございませんが、先般来論議されておりました米国の可燃性織物禁止法の関係について、若干ちよつと聞いて見たいと思います。この前当委員会におきましてもいろいろ論議いたしました際、先ず国内の当面の対策としては、これらの関係する業者の間でそういう問題を一つ考えるということ。それから輸出保険法の問題につきまして、繊維局長はこの前別段特別の取扱はしていないということを答弁をされたのでありますが、その後調査しましたところ、通商局長から保険会社に対して事前に協議しろというような通牒が出ておつたようでありますが、これはその後不当な特別の取扱はしないという言明を得ておるのでありますが、その後どういう措置をとつておられるかということ。それからアメリカに対する外務省なり或いは通産省でその後いろいろの措置をとつておられることと思うのでありまするが、それらの経過の概要についてここで御説明を願いたいと思います。
#33
○国務大臣(愛知揆一君) この問題につきましては私は全く大きな問題であり、又率直に申しますると、こういうふうな事態が起つて参りましたことについて早期にいろいろの手配をするだけの準備がなかつたということにつきましては、誠に申訳なく思つております。併しそれはそれといたしまして、只今お尋ねの点でございます、先ず輸出保険の点につきましては、三月二十七日の日付を以ちまして従来通りの条件を以て輸出保険を引受けるという趣旨を通産省から各保険会社宛の通牒をいたしました。同時にその趣旨を関係地方長官宛に通牒をいたしたような次第であります。それからその後連日対策を協議いたしておるのでありますが、その概要を申上げますと、例えば絹人繊糸布の輸出組合なり或いは繊維製品の輸出組合なりと当局との間におきまして、連日協議を進めまして、アメリカの国会の公聴会等における弁護人、説明人、これをどういうふうな方法で早く派遣することができるか、その費用はどうやつて調達するかということ。それから一方試験機構の輸入でありますとか、或いは不燃加工方法の導入をいたしまする方法論等、これらにつきまして検討し、且つその具体的な方法、基金の調達というような点について相談をいたし、それがまとまりつつございます。それから一方通産省の関係におきまして、工事技術院所管の二十九年度の鉱工業試験研究補助金の申請受付の期限は二月末日までであつたのでありますが、可燃性織物に対する研究につきましては、特に四月末までこれを延長して受理することにいたしました。これも各通産局宛、地方にも通知をいたしておりまするし、先ほど申しました輸出保険に関する取扱方針と併せて公表もいたしておるような次第であります。それから可燃性のテスト、不燃加工の研究というようなことにつきましては、ひとり工業技術院だけではございませんで、他の試験研究機関からも専門の技術者の派遣協力を求めて実行いたしつつあるわけでございます。
  それから三月末日にこの施行細則案の原文が届きまして、これは専門語が多いので翻訳に時間がかかりましたが、これも直ちに翻訳印刷いたしまして、お手許にも御配付する運びにいたしております。なおこの施行細則の関係から申しましてはつきり除外されるということが只今までに確認されておりますることは、衣料品以外の例えば絶縁材料、加工用原材料といつたようなものの輸出の場合には、本法の適用はないということがはつきりいたしました。これは当然のことと思いますが、明確になりました一点でございます。
 それから第二は花嫁用のベールでありますとか、婦人の帽子に附着する薄絹等、通常洗濯せずに使用するものにつきましての可燃性のテストは洗濯をせずにこれを行う、ドライクリーニングは別であるが、洗濯をせずにテストを行うということもはつきりいたしたようなわけでございます。なおこれが国内的な措置とは別個に、三月の二十四日私自身も外務省だけにお願いすることをせずに、米国大使館の経済担当参事官その他を招致いたしまして、特段の協力を懇請いたし、詳細に実情等を説明もいたしました。これは法律の問題であり、国会の問題でございまするが、それにしてもアメリカ大使館側といたしましても、私どもの見るところでは非常に真剣に協力を惜しまないでくれておるのでありますが、それらの結果を取りまとめるまでに、まだ本国からのいろいろのこちらが要請いたしました質問事項その他がまだ十分納得のできるまでの取りまとめはできておりませんが、これは回答あり次第、或いは中間的にも更に詳細に御説明いたしたいと思つております。
#34
○石原幹市郎君 そうしますると、これから米国でも公聴会等が開かれるわけのようでありますが、その模様によつては、この施行細則等が若干これは案のようでありますから修正されて、我々の最小限の希望が入るとかどうとかということがあり得るかどうかということと、それから今アメリカ側の空気ですね、日本の我々業界一般の要望が幾らか反映しつつあるかどうか。
 それから国内問題として、先般繊維局長等がお話のありました業界側が非常に困つておる場合には特別の中小企業金融等も講じたいということをここで言明されたのでありますが、そういう措置がその後講ぜられておるかどうか。以上について重ねてお伺いいたしておきたい。
#35
○国務大臣(愛知揆一君) 国内措置として通産省でやらなければならないこと、やり得ることは十分手配をしてやつております。
 それからもう一つ先方との問題でございますが、これは申すまでもございませんが、アメリカ政府としてどうこうということでございますると、大使館等も非常に問題の取上げ方は容易であると思うのでありますが、何分にも法律案の問題或いは国会で更に施行規則等につきましても立案されておるというような関係がございまするので、その交渉については必ずしもと申しますか、隔靴掻痒の感なきを得ないのでありますけれども、先ほど申しましたように当局と申しますか、関係筋は日本でのこの問題の非常に大きなことは十二分に私は認識してくれたように思います。従いまして、例えばこの施行細則は一切挙げてアメリカの政府といいますか、行政機関のほうに任せるというようなことにでもなりますれば、更に一段と円滑な話合いができるのではないかと思うのでありますが、只今のところは先ほど申上げましたように当方として困る点、或いは是正してもらいたい点その他を詳細に政府としても申出ており、そうして在米の日本大使館でも一生懸命訴えるべきところに実情を訴えることに努力しておる、こういう状態でございまするので、見込はどうかというお尋ねでございますと、私は見込でございますからはつきりしたことは申せないのでありますが、これだけやつておれば或る程度の成果はできるのではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。
#36
○理事(海野三朗君) それでは私からお伺いをいたしますが、先ほど通産大臣からのお話で外貨割当の段におきまして鉄鋼のことを大体承知いたしましたが、スクラツプにつきましては外貨の割当はどんなふうになつておりましようか。それから数量は少いのでありますけれども、国内産業と睨み合せましてカーボン・ブラツクの外貨割当は如何ようになつておりますか。この二つお伺いしたいと存じます。スクラツプの問題、鉄鋼の鉱石の割当、そのうちで外国からスクラツプを買うことでございます。
#37
○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど申上げましたように、二十九年度の鉄鋼生産につきましては、普通鋼鋼材五百万トンベースということで、その前提の下に鉄鉱石、粘結炭、鉄鋼スクラツプの所要量を算定をいたしております。その鉄鋼スクラツプでございますが、二十八年度の鉄鋼屑の消費は六百三十五万トン、このうち輸入の屑が約百二十万トンでございましたが、二十九年度におきましては鋼材生産が或る程度減少することと、それから混銑率を引上げることとによりまして、鉄鋼屑の消費を五百六十九万トン、輸入屑の消費は約八十万トンといたしまして、これに基いて年間の買付量は九十万トンと推定をいたしたわけでございます。
 カーボン・ブラツクはちよつと今これは手許に持つておりませんでしたのでいずれすぐお答えいたします。
#38
○理事(海野三朗君) 皆さんにちよつとお諮りをいたしますが、衆議院の通産委員会から通産大臣の出席を要求して参つておるのでありまして、委員長のお使いのかたが再三お迎いに来ておられますが、如何いたしましようか……。それでは通産大臣に対する御質疑はまだこれで尽きておりませんのでありまするが、再三衆議院からの御要求でありますから、通産大臣の御退席を願つて差支えございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○理事(海野三朗君) それではさよういたしたいと存じます。
  ―――――――――――――
#40
○理事(海野三朗君) 次に電気料金に関する調査に移ります。
 本件につきましては、三月二十六日の通産大臣の声明により一応棚上げの形となつておりますが、三月十二日から十八日の間に亘る政府主催の料金改訂に関する聴聞会の結局がまとまつていますので、この際政府から説明を聴取することといたしたいと存じます。
#41
○政府委員(中島征帆君) 只今配付いたしました資料は細かい事項別に聴聞におきまして述べられた意見を集計いたしまして、数字的な統計として現わしております。これは事項別に細かく分けました関係上、同じ人がほうぼうへ顔を出しておるというような関係もございまして、例えば料金問題だけにつきましての意見を全部集計いたしますと、聴聞参加者の総数より超過する、こういうふうな関係になりますが、この点は御了承願います。
 聴聞は三月十二日から十八日までに亘りまして全国九地区で行われましたが、全国を集計しまして参加者総数が五百四十六名であります。地区別に見ますというと北海道が二十八名、東北が七十一名、東京が六十七名、中部が百七名、ここが一番多数であります。北陸四十四名、関西七十六名、中国四十二名、四国五十一名、九州六十名、かようになつております。この参加者の職種別と申しますか、分類をいたして見ますると、大体各業種につきましてほぼ均等にばらまかれております。特に多いのは官公署関係の八十七名というのが特別に多数でございますが、あとは大体各業種におよそ似たような数字が現われております。それでその総括的事項といたしましては、配付資料の一番初めに表がございますが、この表はちよつと見にくい書き方をいたしておりますけれども、この中で主な意見をとつて見ますと、第一に値上げは低物価政策に反するから反対であるという意見、これは非常に多数でありまして、百九十八名、それからこれに対して成る程度の値上げは適正である限りは止むを得ないという意見が八十六名でありました。それから三番目の極力合理化を行なつて低率の値上げをせよ、こういう意見を八十二名ございますが、この2と3とは大体或る程度は止むを得ん、こういうふうな意見であるように見られます。その他いろいろニユアンスがありまして違つた意見もありますが、六番目に金利、諸税及び公課等について国家補償等の措置により料金の値上げをできるだけ抑止せよ、この意見が非常に多数ありまして、これは値上反対業者と賛成業者を問わず、この意見は非常にほうぼうで強く叫ばれております。
 それから値上問題と並行いたしまして料金制度の問題があります。制度の変革につきましての賛成、反対というものの数字を見ますと、これは賛成のほうが圧倒的多数でございます。十二番目のところにございますが、賛成者が百十七名、それに対しまして反対が四十一名、こういう数字がでております。それから十七番目に電力会社の発表の値上率以上に上つておるじやないかという意見がかなり余計に出ております。七十三名という数字が出ておりますが、これは全国で一割四分四厘、地区別にいろいろありますが、その平均値上率と比べますというと、自分のほうは無論これより高く上つているし、又ほかのほうを聞いて見ても皆これより多いものばかりだというような意見がかなりあるわけであります。これは一種の誤解に基く点でございますが、値上率の基準となつておりますその前提要件の考え方が、電力会社のとつておりますやり方を十分徹底しておらなかつたという点に原因があるようであります。
 それから少し技術的な点に関しましては、三頁以下に細かく分れておりますが、このうちで特に注目すべき点だけを申上げますと、三頁の上から十行目に2のロといたしまして、石炭価格は高過ぎるというふうな意見がかなりあります。それから下に参りまして5のロに配当に関する意見としまして、申請配当率は少し過大であるというふうな意見が三十三名、これは一割二分の配当を予定した申請でございますが、それに対する意見が三十三名あつたということでございます。
 それから四頁の下から三行目でございますが、全体の経費に関しまして一般経費を合理化によつてできるだけ圧縮しようという意見が各地ともかなり多数ございます。
 その次の頁で一番上に電燈と小口用の電力の値上げにつきましてはこれは絶対反対であるという意見と、できるだけ小さくしようというものが非常に多数出ております。六十名という数字です。
 それからそれ以外の点につきましては多少技術的になりますが、六頁の下から十二、三行目でございます、契約電力超過の場合の違約金、これは契約電力を超過しました場合に、いわゆる契約電力料を少し割増しするわけでありますが、その制度につきまして反対意見が割合に多かつた、廃止せよという意見が相当出ておるのであります。
 それから次に先ほど申しましたことでありますが、八頁に割当制度そのものにつきましての意見といたしまして八頁の下から十二行目のところにあります、(ロ)として現行割当制度を存続せよという、つまり料金制度改訂につきましての反対意見が二十五、それに対しまして新らしい料金制度につきまして賛成というのが(ハ)で五十名というふうに現われております。
 それからあと基準負荷率と力率割引ということにつきましても専門的な意見はかなりありましたが、その点は飛ばしまして十頁に農事用電力につきまして意見が出ております。これにつきましては灌漑排水用の電力料金は特別料金にして上らないようにしてくれという意見が相当出ております。これは各地区とも共通の問題でございます。
 それからこれはまあ取立てて言うべき必要もないかも知れませんが、十三頁にその他の項といたしましてサービスの向上、それから供給責任というものを十分確保してもらいたいという意見がこれも特に東のほうの地区において強く出ておりますという点であります。
 それから最後に十四頁でありますが、水火力調整金に関する意見であります。これはもう数字を見ますというと廃止せよという意見が五十九名、それからできるだけ地域差を縮小しろ、つまり調整金制度をもう少し縮める、縮めるといいますか、拡大しないという意見と、それからもうそれを全然地域差を撤廃して、つまり一本料金にしてしまえという意見、これを合せまして数学的に見ますというと調整金制度の廃止が五十九名、その反対意見が二十九名、こういうことになつておりますが、これは地区的に見ましていわゆる水力地区におきましてはいずれも廃止の意見が強く、それから火力地帯におきましてはなお一層これを存続する、或いはもう少し拡大しろ、こういう意見が多いのは当然であります。ただ地区を間わず電産の組合だけはその主張からいたしまして地域差は撤廃するようにというふうな意見であります。で、こういうふうな状況でございますが、まあ値上げの可否ということにつきましての意見は別といたしまして、制度その他の細かい技術的な問題につきましての意見につきましては、ここにも出ておりますけれども、いろいろ非常に参考になる意見がありまして、今後制度を研究する場合に我々としても十分考慮して、場合によつては、或るものにつきましてはその趣旨を取入れるということで、必要であると考えられる点がかなり多数あつたことを申上げておきます。
#42
○理事(海野三朗君) どなたか御質問がございますか。
#43
○石原幹市郎君 これに直接関連じやないのですが、電気事業法案というか、電気事業に対する検討はどういうことになつておりますか。
#44
○政府委員(中島征帆君) 大体法制局の審議は終りまして、一応の成案を得ております。ただ一、二の点で各省折衝がまだ事務的にまとまらない点がございまして、それはそのまま一応次官会議までは昨日出したわけでございますが、結局その点がまだ未確定でありますので、政府として提出する段階に至つていないのであります。その点はどういう点であるかと申しますと、第一は例の電力復元問題に関連しましての意見が地方自治庁から出ております。又水利権の、発電用水利権の許可に関しまして、現在我々が考えております法案の内容が建設省としては容認しがたい。この二つの点がありまして、これはいずれも通産省としては事務的には入れがたいという見解の下に現在までまだそのままになつておるわけであります。
#45
○理事(海野三朗君) 皆様にお諮りをいたします。別に質疑がなければ先ほどの技術士法案の質疑に入りたいと存じますが、如何でございましようか。……別に御質疑がなければ先ほどの技術士法案の質問を続行いたしたいと思います。
   〔理事海野三朗君退席、理事松平勇雄君着席〕
  ―――――――――――――
#46
○理事(松平勇雄君) 御質問ございますか。
#47
○岸良一君 技術士を作るということは技術者仲間で前から各方面で研究していた問題でありますが、これはかなり範囲の広いもので、第二条にも理学、工学、農学、医学等自然科学の部門に属するというような範囲の広いものであり、現在の官庁関係においても或いは建設、農林、いろいろな広い範囲に亘つておるのであります。従つてそのところには優秀な専門家もおる。これらの人の判断によつて技術士等の決定も正確に行くだろうと思いますが、そういうような点から考えますると、通産大臣の管理の下にこれを置くということになつたのは私妙に邪推をすれば議員立法によつて早くこれをまとめて作り上げようといつたような意図もあつて十分に検討されなかつたような気もするのです。むしろそういう意味から言いますと、もう少し十分に練りまして、これらの面が従来のそれらの多数の専門家を持つておる地域との関係を調節して、或いは総理府、或いは内閣等にこれを置く、内閣等の管理に置くといつたようなことのほうが適当じやなかつたかと思うのですが、その点についてどういうふうにお考えになつておるか、どういう御研究になつたかということをお聞きしたい。
 それからもう一つは、アメリカ等においては随分前からあるようでありますが、これはいずれもそれらの例をならつて研究されたんだろうと思いますが、この法律を見て、先ほどどなたかもお話がありましたように、非常に罰則が多い、むしろ当初においては技術士の資格をきめるということをやつて、そうして実施の結果を見てからそういう面に入つて行くというほうが適当じやないかという考えであり出すが、アメリカ等の立法においてはこの点がどういうふうになつておるかということが一つ。
 なお第三に、まあ一方において科学技術庁を一つの独立した官署にするといつたような動きもあるのでありますが、これらのことをやる場合に、将来こういうものを作れば、これらはこれに引継がれて行くものか、この点についてどういうお考えを持つておるか、その三つの点をお聞きしたい。
#48
○法制局参事(菊井三郎君) この技術士法案につきましては、主務大臣を通商産業大臣にいたしておりますが、只今御指摘になりました点につきましては、誠に御尤もなことと考えております。この法案の主管官署をどこに持つて行くかということは、立案過程におきましてもいろいろ検討を加えたわけでございます。今お話のございましたように、技術士の業務というものが非常に技術の範囲といたしましても広範囲に亘りまして、通産省、建設省、農林省、運輸省或いは厚生省にも跨がるというような観点から、どこへ持つて行くかという点は非常に問題となるわけでございます。この立案過程におきまして考え得ましたことは、この法律が出ました暁におきまして、この運用の問題としてはどつか一つの行政機関に置かなければならないではないか、これを各個ばらばらに試験を行う、登録をするということになりましては、甚だこの運用上権衡を失する面も出て参りますので、どつか一つにまとめる必要がある、こういうふうに考えたわけでございます。そしてこの一つにまとめます場合に、どこへ持つて行くかということでございます。只今お話のありましたように、総理府に置いたらどうだろうかということを考えたのでございますが、総理府の内容を見ますと、総理府は内部機関と外局と附属機関から成つておりまして、その附風機関におきましては各種の委員会、審議会というようなものがたくさんございます。併しながらこの各種の委員会、審議会というものの性質を検討いたしますと、主として審査をするとか、或いは協議をして、勧告をし、建議をする、こういうようなものになつております。それから外局を見ますと、公正取引委員会、或いは国家公安委員会とか、こういうような組織でありまして、又内局を見ましても、この事務をにわかに総理府に持つて行くということは、この内局、外局、附属機関の性質から見ましても、どうもふさわしくないのではないか、こういうようなふうに考えまして、総理府に持つて行くということは一応理想ではございまするけれども、今直ちに持つて行くことはどうかという点躊躇されたわけでございます。又内閣に持つて行くという点も検討いたしましたけれども、内閣それ自体は国務大臣の会議体になつておりまして、内閣にこの事務を持つて行くということもにわかに決定いたしかねたわけでございまして、結局そういたしますと、この事務はどつか各省の一カ所に下げるよりほかないのではないだろうか、こういうように考えたわけでございます。この法案の内容におきましては、行政機関のタツチする面は一般的な監督権限というものにないのでありまして、試験を施行する、又試験に代る認定をする、又試験を通つた、認定を受けた者について登録をする、登録の取消処分をする、懲戒をするというふうな、限られた事項につきまして行政機関かタツチするという建前になつておりまして、試験、認定につきましても、これは考査委員が行い、認定の場合には考査委員の意見を尊重して決定する、こういう建前になつておりましたので、どつかの行政機関、省に下しました暁におきましても、それほど行政機関の権根というものが強く響かないのではなかろうか、こういうような観点からどつかの省に下す必要があると、こういうように考えたわけでございます。省に下すということになりますと、差当つてどこへ持つて行くか、こういう問題が出て参るのでございますが、これは建設省へ持つて参りましても、どこへ持つて参りましても、いろいろと問題が出て参るのでございますが、この法案の技術部門という面から見ますると、通商産業大臣の関係する部面が比較的大きいという一点、並びに通商産業大臣の所管に現に工業技術院が設けられておる。その工業技術院は「工業の科学技術に関する試験研究等の業務を強力且つ総合的に遂行し、生産技術の向上と成果の普及を図り、」というような事項を所管をいたしておりますので、通商産業大臣に差当つては持つて行くことが妥当なんではないか、こういうように考えたわけでございます。なお通商産業大臣の所管には特許とかいうような問題も所管されております。この点につきましては、一般的な問題でありますけれども、そういう事項をも所管しておるというような観点から通商産業大臣に持つて行くことが妥当なんではないか、こういうように考えたわけでございます。併しながら将来の問題といたしまして、科学技術庁、先ほどお話がありましたように、そういう組織が総理府の外局というようなことで設けられるということになりますれば、将来の問題といたしましては、そういうところに移ることが最も妥当なのではないかと考えられます。現在におきましては、通商産業大臣が最も適切なのではなかろうか、こういうように考えまして、これに落ちついたわけであります。
#49
○岸良一君 今申上げましたアメリカの例等について……。
#50
○海野三朗君 先ほどここの案文に大変刑罰が多いじやないかというお話でございますが、アメリカのコンサルテイング・エンジニア、いわゆる参考のためにただ聞くというようなことではなしに、技術士がこれを調査し、設計し、アドバイスしました際においては、その専門的立場に対しましては絶対の信念がなければならない、少しでもごまかしがあつてはならないのでありまして、あなたかもアメリカの大学においてはただ漠然としクチヤーを聞くというような制度と、日本におきましては一々試験をして確かにその学力があつた者に対して採点をして行くという、やはりそこにおのずから違いがあるのではないかと私は考えるのであります。従つてこの技術士が一たび依頼をされましたことについては、自分の専門に対しては全責任を負うという、それだけの権威をあらしめるためにやはりここに相当の責任を持つてもらわなければならない、こういうふうに我々技術者といたしましては考えまするので、単にただ自分が知つているから漠然とアドバイスをしたというようなことにはならないのでありまして、その事業なり、仕事なりに対して依頼を受けましたことについては、自分の知れる範囲について信念のあるところについては寸分の嘘、偽りがあつてはならない。従つてその技術士の関与しましたことについては絶対に信を置けるというものにいたしたいと、こう思いますので、ここに刑罰のほうが大変重いように出て参りましたけれども、この技術士の品位の向上、そうして本当に商売を離れて、技術そのもののために努力をするというところに狙いを置きましたために、この責任を持たせるというところから刑罰に大変重きを置いたようになつたわけでございます。
#51
○岸良一君 このお話は私よくわかるのですが、少し私は飛び過ぎているような感じがするのです。実際において或る資格を与えた者がコンサルテイング・エンジニアとして働いてそして相談に応じて直してやるということの程度ならば、こんなむずかしいものを作らんでもそれをやり得る資格の人をきめてやつて、そうしてそういう資格のあるような者に頼める途を開けばいいと思う。曾つて私もそういうようなことを考えたことがあるのですが、併しこれを見ますと結局そういう制度を作つても死んでしまうのじやないかと思うことと、まあ通産大臣でもいいのですが、今の技術の面を分解しますとそれぞれ専門のところにみんな権威者がある。それをただ一カ所の役所でやつても、幾らとういう技術員があつたつて、土建の建設省の仕事をやるとか、或いは農業土木の仕事をやるとか、或いは造船の仕事をやるとか、そういうものを一括して事務処理をやり得るということはなかなかあり得ないことだと思う。それでむしろ私はこういう点から言うと、主務大臣でその判別をするという制度に直すか、或いは総合的のところに持つて行くほうがいいのじやないかというような感じがするのですが、これに対する御意見を一つ……。
#52
○法制局参事(菊井三郎君) 誠に御尤もな質問でございます。この点につきましては、各省の連絡調整と申しますか、そういつた一面をもこの法案では考える必要があるわけでございます。そこでこの法案の最も中心となります試験なり認定という問題につきまして考査委員がタツチするわけでございますが、その考査委員につきましては「通商産業大臣が関係行政機関の職員及び技術士に関する事項について学識経験のある者のうちから任命する。」という一項を設けまして、各関係する行政機関のうちの技術的な権威のあるかたがこの考査委員に必ず入るということを考慮いたしておるわけでございます。又一点は、この法案の三十五条におきまして、通商産業大臣は考査委員を任命しようとする場合において、あらかじめその考査委員にかかわる技術部門に属する技術についての主務大臣の意見を聞かなければならないとか、或いは又第十九条第一項の規定による登録の取消処分、又は懲戒処分をしようとする場合についてはあらかじめ他の主務大臣の意見を聞かなければならない、或いは又登録を抹消したり、法人についての制限事項がございますとその制限事項の適用のある場合についての届出、こういう場合につきましてはその関係主務大臣にその旨を通知しなければならない、こういうような規定を設けましてその間の調整を図つておるわけでございます。
#53
○岸良一君 それも私条文を読んだからわかつておりますが、先ほどの電気の話でも、なかなか電気事業法が出るのに骨が折れるのと同じように、これはほうぼうの専門部門に且つているのですから、よほど慎重になさらないと結局ものが動かなくなると思うので、私はそれらに対しては一つ発案者のほうでできるだけ御研究を願いたいということと、それから委員長には、できるだけ各専門部門の参考人を呼んでその意見を聞くことが大切じやないかと、こういうことを私は希望します。
#54
○西川彌平治君 どうですか、どうも余り熱がないようだから、委員がみんな帰つておりますし、それから折角私これから質問いたしましても、あとのかたが来て又同じような質問をするようなことになると、ダブるようなことになると私はいけないのじやないかと思います。ほかのかたが御質問がないのならば別だと思いますが、恐らくまだ御意見があると思いますので、私がこれから質問をいたしますと二、三十分かかると思いますが、そうしたことが、又同じような質問が次に繰返されるようなことがあつてはいかんと思うのですが、これで一つ今日は散会しては如何でしようか。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#55
○理事(松平勇雄君) それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト