くにさくロゴ
1953/04/13 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 通商産業委員会 第31号
姉妹サイト
 
1953/04/13 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 通商産業委員会 第31号

#1
第019回国会 通商産業委員会 第31号
昭和二十九年四月十三日(火曜日)
   午後一時三十九分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
四月十二日委員長島銀藏君辞任につ
き、その補欠として草葉隆圓君を議長
において指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     中川 以良君
   理事
           松平 勇雄君
           加藤 正人君
           海野 三朗君
           小松 正雄君
   委員
           石原幹市郎君
           西川彌平治君
           酒井 利雄君
           岸  良一君
           豊田 雅孝君
           西田 隆男君
           三輪 貞治君
           天田 勝正君
  政府委員
   通商産業省重工
   業局長     徳永 久次君
   通商産業省繊維
   局長      吉岡千代三君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       林  誠一君
   常任委員会専門
   員       山本友太郎君
   常任委員会専門
   員       小田橋貞寿君
  説明員
   通商産業省繊維
   局繊維検査課課
   長補佐     滝沢  農君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○地方自治法第百五十六条第六項の規
 定に基き、繊維製品検査所の出張所
 の設置に関し承認を求めるの件(内
 閣提出、衆議院送付)
○日本製鉄株式会社法廃止法の一部を
 改正する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
○委員長の報告
  ―――――――――――――
#2
○委員長(中川以良君) それでは只今より通商産業委員会を開きます。
 本日は先ず地方自治法第百五十六条第六項の規定に基き、繊維製品検査所の出張所の設置に関し承認を求めるの件を議題といたします。先ず政府側より内容の説明を聴取いたします。
#3
○政府委員(吉岡千代三君) 神戸繊維製品検査所鹿児島出張所の設置につきまして、地方自治法の規定に基く御承認を受ける件につきまして御説明を申上げます。
 現在鹿児島には繊維製品の検査所が設置されておらないわけでございまして、福岡の検査所から必要に応じて出張して検査をいたしております。鹿児島の港から輸出されます品物が、昨年度の実績によりますと、大体年間三十億近くあると承知いたしております。そのうち約一割、三億円程度が繊維製品ということになつております。それでその仕向先といたしましては、主として沖縄、それから一部台湾とか香港等もあるようでございます。御承知のようにこの繊維製品の輸出検査は、現在原則として国の指定いたしました民間の検査機関によつて行われておるのが原則でございますが、絹人絹織物につきましては、いろいろの関係から国営の検査をやつておるわけでございます。それで民間の検査機関も実は最近までは鹿児島には検査施設を持つておらなかつたのでございますが、地元のほうから非常に強い御要望もありまして、昨年の中頃あたりから鹿児島から輸出されます繊維製品についての民間の検査機関による検査はすべて現地に出張所等を設けまして実施をいたしておる。ただ絹人絹織物につきましては、これは国営検査になつております関係等もございますので、国会の御承認を頂く関係等から遅れておるという状況でございます。そこで現在出張して検査をいたしておるわけでございますが、これは通産省令によつて定めております出張の場合の受託出張による検査ということになるわけでございますので、検査の申請者におきまして検査員の出張に関する費用を一般の検査手数料以外に負担しなければならないということになつております。そこで検査の手数料そのものは、これは勿論国の制度でございますし、又この輸出検査の趣旨に鑑みまして、むしろ民間の検査手数料よりも低いわけでございまして、大体現在のところこの検査を受けます品物の価格に対しまして千分の一以内程度を目標にして、これが料率をきめておるわけでございます。そこで、先ほど鹿児島の港から輸出される品物は約三十億であり、そのうち約一割、三億が繊維製品であるということを申上げたのでありますが、この絹人絹織物の占めます割合は更にその約一割でございます。大体年間三千万円程度ということになつております。従いまして金額としましてはそう多くないとも言えるのであります。又これに対する検査手数料はその千分の一であるといたしますと、三万円相度であるということになるわけでありますが、先ほど申上げましたように、検査員の受託出張の旅費を負担するという関係になりますので、これが福岡から出張いたします関係で、一回出張いたしますと少くも四千円近くはかかる。現在月に三回乃至四回出張いたして検査をいたしておりますので、これを年額に換算いたしますと約二十万円程度の負担になる。従いまして直接の検査手数料は三万円くらいだけれども旅費の負担が二十万円になるという、まあ非常にこれは申請者にとりましても酷な結果になつております。申すまでもなく、これらの輸出業者の利潤と申しますか、こういうものも一般に非常に低いわけでございまして、そういう関係等も考慮いたしまして、是非とも鹿児島に出張所を設けてもらいたいという要望が強く出ておつたわけでございます。これに対しまして、検討いたしました結果、勿論この人員なり機構を拡大し乃至は国の経費を殖やすということはこの際としては適当でないと考えますので、従来の福岡支所の予算人員の範囲内におきまして現地に出張所を設け、そこで検査を実施するということにいたしたわけでございまして、従いまして本件の御承認を願いましても、これによりまして人員なり国の経費の負担が殖えることがないというわけでございます。大体そういう趣旨でございまして、これを御承認願いますれば、関係業界は勿論、輸出の振興の上にも効果があるものと思いますので、何とぞ御審議の上御承認を頂きますことをお願いいたしたいと思います。
#4
○委員長(中川以良君) 御質疑をお願いします。
#5
○加藤正人君 これは何ですか、新設については人員並びに経費の増加を必要としないというが、これが出張所の場所はどうなんです。その家屋はあるのですか。
#6
○政府委員(吉岡千代三君) お答えいたします。これは現在のところ鹿児島市の商工会議所の御好意によりまして、その建物等をお貸し願いまして、その建物を利用いたしまして従来とも民間の検査機関並びに国の検査を実施いたしております。従いまして、その関係は従来通りであるわけでございまして、勿論庁費等の認められております範囲内におきまして、例えば電気料金でありますとか、そういうものは当然これは従来の予算内で支出いたす場合があると思います。その建物施設等につきましては従来とも、そういつたことであります。それはそのままに利用さして頂く、こういうことであります。
#7
○加藤正人君 これね、この前いつの国会だつたかな、金沢から小松に出張していたことがありますね。それで小松に出張所を設けるといつたときに、非常にやかましく論議されたことがあるのです。これで、やつぱりこれで人員や経費増加の問題、これが最終だといつたようなむずかしい何かことを言つて承認したことがあるのです。たしかね、改進党の境野清雄君などがね、盛んに論議していましたがね。僕らはこれをきめるのに人員や経費の増加することが特に予算とか何とかに又その要するようなことは、予算の内でできるということが、それで便宜になつてスムーズに仕事が進むならいいように思うけれども、あのときはなぜあんなやかましく論議されたのですか、僕はちよつと記憶にないのですがね。何か経費や何かのほかにむずかしいことがあるでしようかね。
#8
○政府委員(吉岡千代三君) 実は私直接そのとき担当いたしておりませんでしたので、只今聞いて見ますと、その際は人員の増加という形においてお願いをしたということに承知いたしております。それでちよつと申上げますと、今度お願いいたしておりますのは、現在福岡に三名検査員がおります。ただ福岡におきましては直接の、そこから積出すという関係がございませんので、むしろ民間の検査機関の監督所が中心になつておる、それで従来から先ほど申しましたように鹿児島に毎月出張しておりましたうちの福岡の三名のうち、実は一名を今度は鹿児島出張所を設置すると同時に、一名をそこに常置をさせる、こういうわけでございまして、
   〔委員長退席、理事松平勇雄君着席〕
実はまあ出張所と申しましても極めて恥かしいような程度のものでございまして、従つて福岡は従来三名おりましたのが二名になるという関係でございまして、まあそういうような、何といいますか、規模を考えて頂ければ人員、経費とも増加がないということを御了解頂けると思います。
#9
○三輪貞治君 鹿児島に出張所ができますと、その所管の区域はどういうふうになるのですか。
#10
○政府委員(吉岡千代三君) これは一応鹿児島県ということを予定しております。と申しますのは、最初から輸出向けというつもりで作りましたようなものは大体生産地でありますとか、或いは神戸とか大きなところで大体検査を受けておるわけであります。ところが鹿児島の場合は一般の形といたしましては現地の、まあ百貨店が一軒あるそうでありますが、まあそういうところ、或いはやや大きい商社が要するに地元で売るというような形において仕入をいたしまして、まあいわば内地物として仕入をいたしまして、その中で沖縄あたり、或いはその他からの引合に応じて話のまとまつたものを出す。従つて一般の内地物として極端に言いますとデパートあたりで仕入れたものを輸出しなければならんというような場合が大半であること。そこでまあそういうものは輸出検査を受けておりませんので、具体的に鹿児島において売らなければならん。こういう必要が生じて来るように思います。
#11
○三輪貞治君 隣接している宮崎等はどうなるのですか。やはり福岡でやるのですか。鹿児島と同じような必要のある場合ですね。
#12
○豊田雅孝君 関連質問、ちよつと併せて。今三輪委員から御質問が出ているわけですが、そういう質問が出て来るのはやつぱりもうちよつとこれの説明を具体的にしてもらうといいじやないかと思うのですが、というのは、大体鹿児島に織物の検査所ができるなんということがちよつと想像がつかんのですね、従来の織物の生産額等から言うと。従つて今の政府委員のほうの説明で大体わかりかけたのですけれども、一体県内の生産がどの程度なんで、むしろ輸出するつもりでなかつたのだが県外から入つて来て輸出するようになつたものがどの程度あるか。織物の種類はどういうものであるか。更に輸出が急増しつつあるわけですが、これも沖縄の関係だとか、台湾の関係だとかいうようなことが出ているからほぼ見当はつくのでありますけれども、もう少しそういう特殊の輸出であるという点等を明らかにせられて、具体的に、何故に鹿児島に織物検査所を置かなければならないようになつたかということを説明をされると、大分はつきりして来るのではないかと思うのですが、その点伺いたいと思います。
#13
○政府委員(吉岡千代三君) 鹿児島で生産される繊維製品といたしましては、縫製品と申しますか、ミシン加工をいたしておりまするような品物、それからメリヤス類がいずれも極く僅かございまして、そのほかに奄美大島で戦前或いは戦争中やつておりました大島紬が一部鹿児島のほうに出ておる。それから従いましてそのうち縫製品とか、メリヤス製品等はこれは民間の検査機関で検査をすることになつている品物でございます。国営検査の対象となつておる品物と申しますと、先ほど申しましたように輸出の絹織物並びに人絹織物でありまして、昨年度の実績で申上げますと、鹿児島におきまして検査いたしました数量は両者合せまして一万六千八百九十五点、点と申しますが、大体反というふうにお考えになつても大して間違いはないと思います。延べヤール数にいたしまして二十四万ヤール、金額にいたしまして先ほど申上げましたように約三千万円でございます。そのうち約九割近くが人絹織物でございます。一割そこそこが絹織物ということになつております。この絹織物の中に大島紬が幾ら入つておるかということは実ははつきりいたしておりませんが、恐らく仕向地等の消費水準等から考えましてこういうものは殆んどないのではなかろうか。従いまして先ほど申上げましたように、要するに鹿児島にこの出張所の設置をお願いいたしますという趣旨は、他の鹿児島で生産される品物の検査と申しますよりは、むしろほかの生産地でいわば内地物として生産され、鹿児島まで持込まれたものが鹿児島の港から出る。従つて輸出検査を受けておらない。そういう関係上、ここに検査機関の設置の必要が出て来たというふうに了解をお願いしてよろしいかと思います。従いまして先ほどお尋ねのありました宮崎にいたしましても、宮崎の製品を鹿児島の港から出すという場合には当然鹿児島で検査をする結果になると思います。
#14
○三輪貞治君 宮崎、熊本、大分等、鹿児島に隣接している地域で沖縄その他の南方向けの輸出をやる港ですね。開港場、これはどんなものがほかにありますか、鹿児島のほかに。
#15
○政府委員(吉岡千代三君) 私も直接のあれでございませんので或いは多少不正確かとは存じますけれども、大体沖縄向輸出の港といたしましては門司、長崎が鹿児島のほかにございます。その他は阪神方面のものが多いというふうに聞いております。
#16
○三輪貞治君 宮崎の福島、油津港は旧そういう輸出はありませんか、南方向けの、特に沖縄あたりですね。これは開港場になつておるのですね。特に、そして鹿児島の場合九割が人絹だ、これは人絹工場というのは恐らく鹿児島にはないのじやないかと思います。隣りの宮崎には旭化成というて大きな日本でも有数な人絹工場があります。スフ、ナイロンの生産工場があります。鹿児島の傍に福島という開港場がある。若しそこで検査ができれば、本店は大阪ですから、大阪へ持つて来て、そこから出すのが一番いいケースと思いますけれども、そういうものができれば、その地元でこれらのいろいろなもので又縫製品というものも作つておりますから、若し検査所が近くにあれば、そこから出すというようなこともこれは地元では恐らく考えることではないかと思います。その辺の御調査といいますか、これはどういうふうになつておりますか。
#17
○政府委員(吉岡千代三君) 実は先ほど申上げましたように、現在の陣容からいたしますと、この九州管内におきましては、福岡は実はこれは神戸の検査所の支所でございまして、ここにまあ三冬おるわけでございます。で、そのうちの一名を今回鹿児島に出張所を設置いたしまして、そこへ常駐させようということであるわけでございますが、従つて考え方といたしましては、現実に相当量の輸出の取引が行われて、而もそこに検査機関がないために、先ほど申しましたような出張検査その他に非常な御迷惑をかける、これを避けたいというのが今度の出張所設置の趣旨でございまして、或いはお話のように、そういう開港場がありました場合に、そこに検査機関を設置するということは、輸出促進上確かに有意義であるということは御指摘の通りでございますけれども、まあ私どもの側の今までの考え方といたしましては、まあ何と申しますか、非常に消極的かも知れませんが、現実の必要のあるところにまあできるだけ御迷惑を避ける意味において設置する。現在のところその程度の考え方でございます。併し例えば現在検査機関のない、設置のない港におきまして非常に輸出が殖えて来たということになれば、これはおのずから民間の検査機関もそこに出張所を設けて便宜を図るということになると思います。又私どもといたしましても、全体の人員の適正配置という面から申しまして、そういう必要が起つて参りました場合には、改めてここで……。
#18
○豊田雅孝君 検査数量が非常に急増して来ておるというのですが、これは輸出検査が励行せられるようになつたために急増するようになつたのか、或いは沖縄その他において実際的に購買力が殖えて来て急増しつつあるのか、そういう実情が起きておりますか。
   〔理事松明勇雄君退席、委員長着席〕
#19
○政府委員(吉岡千代三君) これは沖縄の購買力と申しますか、そういう関係もあるかと思いますが、この繊維製品の輸出検査自体がだんだんに強化されて来ておるという関係もあるわけでございまして、特に昨年の六月以降におきましては、従来自己検査でもよいという形になつておりましたのが、強制検査という形になつて参りました。まあ検査数量なり金額の増加はそういうわけでございますが、沖縄、鹿児島の港を出ます数量自体が殖えておるという点は、御指摘のように現地もやはり逐次そういう機運になりつつあるのではないか、そういうことではないかと推測いたしますけれども、直接の担当の仕事でございませんので、それ以上どうも余り確信がございませんが、そういうことではないかということを考えます。
#20
○西田隆男君 ほかに、こういう例があるのですか。いわゆるいろいろと国内品として仕入れたものを海外に出す場合に、検査を受けておるというようなところがありますか。
#21
○政府委員(吉岡千代三君) ほかには今のところ承知いたしておらないのでございます。
#22
○西田隆男君 鹿児島だけにそういうことが行われておるということはどういう理由なのですか。
#23
○政府委員(吉岡千代三君) 何と申しますか、ほかの地区のように最初からまとまつて、こういう品物がこれくらいまとまつて一つの品種について相当量の需要がある、従つて輸出業者なり、或いは産地において最初から輸出向けという形において生産をいたしまして、そのまままとまつた形において、輸出のルートへ流れて行くというのが一般の形であると思います。鹿児島の場合は先ほど申上げましたように、主として沖縄を対象にするような関係もございまして、又数量も、まあ個々の数量はそうまとまつて一つのロツトを作るというほどにもなつていない。従いまして、結局内地物というふうな形においてそれが鹿児島のデパートなり、そういう市場に行きましたもののうちで、向うの好みに合つたようなものがそこで初めて輸出というような形において契約される、そういう関係ではないかと思います。いわゆる外国向けの輸出絹、人絹織物の好みとか、取引関係と、その点がそういう関係でそういうふうに違うのではないかと思います。そういう事情ではないかと思います。
#24
○西田隆男君 鹿児島から出されておるものは、個々の商品として、個々の製品として出されておるのですか。生地で行つておるのですか。
#25
○政府委員(吉岡千代三君) 国営検査の対象となつておりますものは織物の生地でございます。
#26
○西田隆男君 さつきの御説明では綿が二十四万ヤールというお話でしたが、二十四万ヤールという数量はそう少い数量ではないわけですが、初めて取引をする年度くらいは別として、その後継続的にそういう需要があるとすればやはり輸出品としてのそういうものを作らして検査をして出すというのが私は正当な方法だと思うのですが、御説明を承わつておるとちよつと奇異に感ずるのは、デパートあたりが生地を仕入れておいて、余つたものを沖縄に出しておるというふうに受取れるのですが、そうでないのですか。
#27
○政府委員(吉岡千代三君) 少し御説明が不十分だつたかと思いますが、勿論沖縄向けでございましても沖縄向けのものを鹿児島の港から出します場合においても産地なり、他の神戸なりで検査を受けることは何ら妨げるものではないわけでございまして、ですから最初からそういうまとまつた注文があり、契約ができるという場合におきましては、これは便宜の点から申しましても産地で輸出検査を受けておられますれば、それは改めて鹿児島で検査を受ける必要はないわけでございますが、従来の実態は先ほど申上げましたように鹿児島まで内地物として来たもののうちから輸出契約がまとまつて、従つて輸出検査を受けておらない製品が出される場合が多いということを申上げたわけでございまして、これは今後数量なり金額が増加して参ればおのずから只今申上げましたような形に行くということも考えられると思います。
#28
○西田隆男君 じや、お尋ねしますがね。鹿児島港から積出されておる沖縄向けの品物ですね、それは主に鹿児島市内の商人なりデパートなりが仕入れた国内用品のうちから積出されておるわけでしよう。
#29
○政府委員(吉岡千代三君) 鹿児島市において輸出品を扱つておる輸出商社と申しますか、商社は今のところ百二十程度あるようでございます。ただその中で山形屋というデパートがあるそうでございますが、まあこれはデパートという表現がいいのか悪いのか問題かと思いますが、恐らく卸商社の機能も持たせてやつておると思いますが、まあその扱つてお石ものが相当量を占めておるということでございまして、全部がそれでやつておるということではないわけでございまして、まあ相当の商社が関係を持つておるということは事実のようでございます。
#30
○西田隆男君 山形屋デパートで年間に売上げておる絹、人絹、まあ絹はたくさん売つておるでしようが、人絹の生地が大体一年間にどのくらい取引されているのですか、鹿児島市内で。
#31
○政府委員(吉岡千代三君) ちよつとその数字は私承知いたしておりません。
#32
○西田隆男君 これは非常に重要な問題でしてね、年間三千万円の人絹を輸出をしておる、或いは国内用品として賢入れてそれを検査を受けて出すというこの事実から考えて、若しそれが真実であれば、山形屋デパートの鹿児島市内における人絹の生地の取扱の販売高ですか、これは相当な金額に上つておらん限り、あなたの御説明を素直にそのまま受入れがたい。これは一つ早速に調査されて本委員会で一つ御説明にあずかりたい。でないと、私が申上げたように数量が少なければ輸出するのを国内向けに仕入れるということに何か特典があるように思われる。でない限り、正式な検査を受けて山形屋デパートは当然取扱うべきである。まあいずれにせよ出張所を設けるという以上、もう少しはつきりしたものでない以上、私どもは理由を認められない。今取引高の問題は非常に重要な問題であるし、又一番最初私が申上げたように、山形屋デパートが取扱つておるものが人絹の売れ余つたものだけを出しておるというふうにも考えられないことはない。その二つの疑点が生ずるので、山形屋デパートが鹿児島市内において販売しておる年間の、人絹だけでいいですから、絹はたくさん扱つておるわけですから、人絹のヤール数はどれくらいなのか、これを一つ私の疑念を晴らすために御調査になつて御提出願いたい。
#33
○委員長(中川以良君) ほかに御質疑ございませんか。
#34
○海野三朗君 ちよつとお伺いしますが、福岡は支所になつておりますか、神戸の検査所の支所になつておりますか。
#35
○政府委員(吉岡千代三君) さようでございます。
#36
○海野三朗君 福岡からはどれくらいのものが一年間に出されておりますか。その大体の金高及び品目を承わりたい。
#37
○政府委員(吉岡千代三君) 先ほど申上げましたように福岡の支所には現在三名おりますが、このうち現業、現実の輸出検査の仕事といたしましては、先ほど申上げましたような鹿児島の港から出る製品の検査が主たる事業でありまして、数字的に申しますと従来は鹿児島の出張所を設けておりませんでしたので、福岡支所ということで昨年年間の検査数量が二十六万ヤール、それから点数にいたしまして一万七千五百五十八点でございます。そのうち先ほど御説明いたしましたように鹿児島に対する出張検査の数量がヤール数にいたしまして二十四万ヤール、点数にいたしまして二万六千八百九十五点でございますので、結局現在の福岡支所の仕事といたしましては現業としては鹿児島の港における出張検査が大半を占めておるという状況でございます。
#38
○海野三朗君 そういたしますと、福岡のほうがつまり出張所になつて、鹿児島のほうが支所になるわけですね、実際は。つまり今まで主客転倒しておつたというようなことになつておりませんか。
#39
○政府委員(吉岡千代三君) これは検査所の仕事に二つございまして、一つは現実の検査員による輸出検査でございます。同時に絹、人絹織物以外は民間の検査機関が検査を実施しております。それに対する監督と申しますか、ときどきスポツト・チエツクをやりますとか、そういう仕事が一部あるわけでございます。従いまして確かに現実の面から、直接の国営検査の面から申しますと、御指摘のように鹿児島における仕事が大半になつておるということは事実でございます。そのほかに綿とか麻とか毛とか既製品類とか約十以上の民間検査機関が全国各地にあるわけでございますが、それの監督のためにときどき抜打ち的の検査もやりまして、民間検査機関の検査が適当に行われておるかどうか、そういう仕事もやつておりますので、従つて人員から申しますと三人のうち一人が交替で鹿児島へ行つておつて、あとの二人がほかの仕事をやると、こういう形になつておるわけであります。
#40
○海野三朗君 そうしますと、民間の検査所というのはつまり福岡にどれくらいありますのですか。
#41
○政府委員(吉岡千代三君) 御承知のように久留米はああいう有名な産地でございますので、綿、スフの関係の検査機関が久留米にございます。それからその他は先ほど申しましたように、やはり鹿児島にそれぞれ出張の松査機関を置いておりまして、たしか八種類の検査機関が鹿児島にあるように記憶しております。
#42
○海野三朗君 そういたしますと、先ほど申しましたように、福岡のほうが却つて出張所になつて、鹿児島のほうに支所を置くのが順当じやありませんか。そういうふうにちよつと考えられるのです。その辺はどういうふうにお考えになつていますか、逆である。
#43
○政府委員(吉岡千代三君) これは民間の検査機関におきましては大きな工場はそこで自己検査をやるような場合もございます。九州の各地区にいろいろの種類の工場等が散在しておるわけでございます。それらに対する全般の監督事務なり、又関係の機関等の連絡というふうな意味合いから申しまして、福岡に設置するのが最も便宜であるという趣旨の下に福岡に設置されているのだと思います。
#44
○海野三朗君 それがおかしいのじやありませんか、そういうような民間の検査所が鹿児島に相当たくさんある。それを、鹿児島のほうに今までなぜ支所を置かないで、福岡のほうに支所を置いておるか。むしろ鹿児島のほうが主体ではないかということを私は伺うのです。鹿児島のほうが実績から言つて主体であるのじやないか。それを今まで福岡のほうに支所を置いて、鹿児島のほうに置かなかつたのはおかしいじやないか、それを私伺つておるのです。
#45
○政府委員(吉岡千代三君) ちよつと御説明が悪いかと思いますが、この絹、人絹以外は先ほど申しましたように民間の検査機関が検査する建前になつておる。これは、非常に種類も十何種類ございますし、又工場も各地に散在しておる。従いまして大きな工場におきましては自主的に検査施設を持つておる場合もあり、又各工場に検査機関の検査員が出張いたしまして検査をやるという場合も多いわけでございます。そういう面から申しますと、やはり九州全般を所管し、それらの検査機関乃至は検査の実施状況を監督するというような面から申しますと、鹿児島の港から出るものという意味じやなくして、要するに九州で生産された品物の輸出品は、これはすべて輸出検査を受けなければならんわけでございます。それが絹、人絹織物を除きましては民間の検査機関によつて行われているというような関係等もございまして、何と申しますか九州にある港から出る数量とかいうことだけでこれを決定しがたいような面もあるわけであります。例えば九州地区の産地で生産されましたものが神戸なり横浜から出る場合もあるわけであります。それを九州地区内の生産者の手許で検査を実施する、ただ先ほど申しましたように、国が直接やつております、国営でやつておる絹、人絹織物に関しましては、九州地区内には産地は余りないけれども、他の産地のものが内地取引という形で鹿児島まで持込まれまして、そのうちから先方の嗜好に合い、又契約のできたようなものが輸出される場合がある、その際において、そういう関係上、出る港の場所において検査をやらなければならん場合が生じておる、こういう関係でございまして、そういう意味から申しますとやはり中心地である福岡に支所があつたほうがいいというように考えておるわけであります。
#46
○海野三朗君 重ねてお伺いしますが、御説明がぴんと来ないので、福岡では二十六万ヤール、一万七千五百五十八点であるというお話、鹿児島では二十何万ヤールまで行つておるのでしよう。それでありますから、福岡に支所を置いたのが本末転倒じやないか、鹿児島のほうに支所を置かなければならんのじやないかということを私は伺つておるのです。今まで鹿児島に置かなかつたということがむしろ逆であつて、福岡に何も支所を置く必要はなかつたのじやないか、鹿児島のほうに支所を置くべきはずじやなかつたかということを私は同つておるのです。
#47
○政府委員(吉岡千代三君) その点は検査所乃至支所の仕事が現実の直接の国営検査中心にお考え願いますれば確かにお話の通りだと思います。ただ同時に先ほど申しましたように輸出繊維製品金保についての民間検査機関がやつておる輸出検査を監督するという面から申しますと、これは九州におきましても産地は各地にあるわけでございます。そういう関係からやはり本拠は福岡に置きまして、ただ実際の現業事務といたしましては鹿児島にどうしてもこの支所なり出張所がなければ業者としては非常な負担になるという関係で今回の措置をとりまして便宜を計つて行こう、こういう考えでございます。
#48
○海野三朗君 私伺いたいのは福岡に支所を置いたというその根拠、それを伺いたいのです。福岡に支所を置かないで鹿児島に置いたほうがよかつたのじやないか、福岡が大都会であるからあそこに支所を置かなければならんというその理由を今ちよつと同つて見たのです。
#49
○政府委員(吉岡千代三君) これは御承知のように検査所といいますのは戦前からあるわけでございまして、それでたまたま戦争の結果として沖縄がああいうふうな形になりまして、沖縄に出す物は輸出検査を受けなければならんというふうな関係が生じて参りましたので、先ほど来申しておりますような関係で鹿児島において輸出検査をする。ですから例えば戦前において鹿児島から沖縄に品物が出ておりましても、これは内地の取引でありますから、輸出検査という問題は生じなかつたのであります。その辺も一つの大きな理由じやないかと思います。
#50
○海野三朗君 今の問題ではありませんので、福島のことを伺いたいんですが、福島県には相当の繊維業者があり、たくさん輸出品を作つておるわけですが、その福島はどうなつておりますか。山形県のほうは鶴岡に検査所があり、米沢に出張所がありますが、福島のほうはどこに入つておることになるのでしようか。
#51
○政府委員(吉岡千代三君) 福島県の管内におきましては、川俣に支所がございまして、それから小高に出張所がございます。それで川俣の支所を本所に昇格をしてもらいたいというふうな御希望もあつたわけでございますが、これを本所に昇格するということになりますと、いろいろ会計事務を扱う等の関係で、どうしても多少の人員とか経費が殖えざるを得ない、そこでただ、併し重要な産地でありますし、支所であるが故に御不便をかけるということも如何かと思いまして、これは極めて最近でございますが、先月の終りでありましたか、或いは今月の初めでありましたか、この川俣に対する本所でありまする横浜の検査所から大幅の権限の委譲を行いまして、実際の検査事務については、川俣において全部御処理を願えるという措置をとりましたので、まあ現状におきましてはそれで一応御了承を願えるものと考えております。
#52
○松平勇雄君 今の海野委員の御質問に対して関連質問をしたいと思うのでありますが、実はその川俣の支所の昇格問題は、ここのところ五年くらい続けてお願いしておるわけなんでございますが、いろいろな御事情で未だにその実現を見ないわけなんでありますが、今も繊維局長からお話があつたように、三月二十五日付の横浜繊維製品検査所長からの川俣支所長及び小高出張所宛の手紙で拝見いたしますと、大体六項目の権限を委譲されたことになるわけでございまして実は私はこれで以て大体実務の上においては検査所と同じような仕事をやれるものと思つて私は喜んでおつたんですが、去る十一日に川俣へ参りましたところが、支所長の話では、多少は違つたが、余り相違がないというような話を、業者からの又聞きでありますが聞いたのですが、そこでお伺いしたいことは、検査所と支所とそれから出張所との仕事の範囲と申しますか、違いを別々に一つお知らせ頂きたいと思うのであります。
#53
○政府委員(吉岡千代三君) 極めて技術的の問題でありますし、制度上の問題でございますので、お許しを願えれば説明員からお答えをいたしたいと思います。
#54
○松平勇雄君 若しあれでしたらあとから書面で……。
#55
○委員長(中川以良君) 今滝沢説明員がおりますから……。
#56
○政府委員(吉岡千代三君) それで内部で、事務処理の規程等で詳しく定まつておると承知いたしておりますので、若しその点は後ほど又御必要があればお届けをいたしたいと思います。一応大体のところを説明員から説明いたしたいと思います。
#57
○説明員(滝沢農君) 本所と支所の区別の問題でございますが、本所のほうといたしましては、一応会計事務とか、公務員法による事務、それからその他の事務、健康保険とか、そういう共済組合関係の事務、こういうものがございまして、検査員だけでは現状では仕事ができないような実情でございます。それで本所に昇格をいたします場合には、そういうような職員も予算を頂きませんとできないことになつておりまして、昨年の十一月二十日でございますが、参議院の委員会におきましてもその請願が出されまして、そのときも一応行政機構の改革のほうがまだ話が進んでおりませんので、その結論を待つということと、私のほうといたしましても大蔵省のほうと折衝をいたしました結果、予算的な見通しがつかなかつたために、止むを得ず現状通りにいたした次第でございます。それから出張所のほうは、支所との大きさといいますか、大体の感じ程度でございまして、別に支所とか出張所によつて権限が違うとか、そういうことはございません。
#58
○委員長(中川以良君) 何かほかに御質疑はございませんか。
#59
○松平勇雄君 そうすると、問題は人員を殖やさなければならないからその昇格ができないということにだけにとどまるのでございますか。そのほかに何か理由がありますか。昇格問題の未だにはつきりしない理由を伺いたいと思います。
#60
○政府委員(吉岡千代三君) 勿論実体的には経費並びに人員の点が中心であると思います。ただそういう関係からいたしまして、申すまでもなく行政機構、形だけでも何かこう昇格ということをやりますと、最初はそういうつもりをしておつても、いずれは又経費なり人員の増加を伴うんじやないかということで、実はこの鹿児島の出張所の設置につきましても、そういう何といいますか、一般論からして行政管理庁でもいろいろ御意見があつたわけでございます。ただ併し余りにも現実の検査手数料の数倍の出張所費を関係業者が負担しなければならん、又現実に相当の額が殖えて来ておりますし、県、市、商工会議所からも昨年来しばしば非常に強い御要望がありましたので、特例として本件については御了承を願つておるという関係でございまして、これはまあ当然のことかと思いますが、いやしくも機構の拡大というふうな点につきましては極めて厳重な扱いになつておるということを申上げたいと思います。
#61
○松平勇雄君 行政機構改革が厳重になつておるときに、今度は鹿児島の出張所というものが新らしくできるわけなんですが、そういつた点から言えば、川俣のほうの昇格というものは、ただ会計なり、そういう事務のほうの者を一人殖やせばできる問題で、むしろ私はそういつた点から論ずるならば、川俣の昇格のほうが簡単じやないかと思うんです。
#62
○政府委員(吉岡千代三君) 実は先ほどちよつと申上げたのですが、この鹿児島の出張につきましては、経費、人員の増加は一切伴わないということになつております。ただ一般論といたしましては、実は戦前に比べまして国営検査関係の人員は相当減少しておるわけでありまして、一人当りの取扱高を申しますと、戦前に比べて約二倍の検査を現在やつておる、一人一日当り五百点程度の検査をやつておるということで、率直に申しますと、実は特に最近の人絹織物の輸出増加に鑑みまして、全般として非常に手不足であるということを申上げたいと思います。で、先般の行政改革におきましても、そういう面もお考え願いまして、人員整理の率としては最も低い率を適用して頂いておるわけでございまして、我々原局の立場、又絹人絹織物に対する輸出検査の適正という面から申しますと、全般として機構も人員も多ければ、これはあらゆる面において便宜はあるかと思いますが、一面そういう一般的の御方針からいたしまして、今回の御提案いたしましたのは経費、人員の増加を伴わないということで御了承願つたような次第でございます。
#63
○松平勇雄君 くどいようですが、そうしますと、川俣の支所の昇格の問題も、荒しも現在の人員で予算も殖やさずにやるということが見通しがつけば、昇格のことは考慮されるんでございますか。
#64
○政府委員(吉岡千代三君) これは先ほど御説明いたしましたように、本所になりますと会計事務その他を扱うということが一般的にきめられておりますので、そういう前提で現在の人員で本所にいたしますと、直接の検査に従事する人間がむしろ減らざるを得ないという結果になりますので、それでは昇格を御要望になつておる趣旨からいたしましてむしろ反するのではなかろうか。従つて実質的に充実するという意味におきましては、その場合にはどうしても最小限の人員の増加をお願いせざるを得ない。従いまして取りあえずの措置といたしまして、できるだけ御便宜を図る意味において内部の権限委譲でこれを処理せざるを得ないという事情でございます。
#65
○松平勇雄君 局長御承知のように、川俣の現在の支所は、元はやはり検査所だつたのでありますが、途中で支所に格下げされたような状況なんでございます。で、而も現在は福井や金沢と並んで羽二重の輸出としては非常に取扱高が多いわけなんです。金沢とか福井とかは割合に近いのですが、別々に検査所があるわけで、ひとり川俣だけが取残されたような形になつておるわけなんです。やはり三つを同じようにお考えになるならば、成るべく早い機会においてこれを一つ昇格して頂きたいと思うのですが、希望を一つ述べて私の質問を終りといたします。
#66
○海野三朗君 只今の、支所と出張所とは仕事の内容において何ら変りがないという御説明でありました。それならば紛らわしいから出張所というものは皆なくして全部支所になさつたら如何です。この点が一点と、もう一つは、福岡の仕事の量と鹿児島の仕事の量と伺うというと、鹿児島のほうが余計だつたのです、お話によりますと。それならば鹿児島のほうが主体になるベきものではないかということを伺つたのでありますが、それに対しての局長の御答弁がどうももやもやしておるのであります。どうも私はぴんと行かないのです。それが何も福岡に支所を置かなければならん……仕事の量が少いならば、福岡に何も支所を置かなくてもいい。鹿児島を支所にしてもいいんじやないか。又人間も仕事の量が少いところに二人置く必要はない。鹿児島に二人やればいいじやないかというふうに私は考えるのですが、これに対してのはつきりした一つ御指示をお願いしたいと思います。
#67
○政府委員(吉岡千代三君) 支所と出張所は、これは普通感じの問題と言われますが、人員その他から言いまして、或る程度規模の比較的大きいものを支所という形をとつております。先ほど申しましたように、今回の鹿児島の出張所はまあ一名で取りあえずやらしたいということでございますので、これは全般の制度にも関係することでございますしいたしますので、今後の問題といたしまして、名称の問題等は研究さして頂くことにいたしたいと思います。
 それから福岡と鹿児島の関係につきましては、先ほど申上げましたように、検査の仕事の内容が、直接の検査員による国営検査と同時に、絹人絹以外の全部の輸出繊維製品につきまして、各検査機関を監督し、スポツト・チエツクをやつておるわけでございますので、その事務を両者を併せてやつておる。その直接でないほうにつきましては、これは一々具体的の検査をやるわけではないのでございますが、併し数量なり金額としてはむしろこれは大半を占めておるわけでございまして、ただ直接にはやつておりませんが、その責任におきましては、これはやはり同じように考えざるを得ない。ですから、それらの点から考えますと、やはり現状におきましては、従来通り福岡をそういう意味の中心といたしまして、鹿児島は出張所という考えで参りたいと思います。将来非常にそういう点が変つて参りまして、どうしても鹿児島も支所にすべきであるという必要が生じました際には、その際にこれも検討いたしたいと思つております。
#68
○海野三朗君 只今お話の規模の大小ということを言われましたが、規模というのを御説明を願いたいと思います。規模の大小ということによつてということをおつしやつたが、これは仕事の種類ですか、仕事の量ですか。ただ大都会であつて大きい建物があるからというような意味か、その規模の大小によつてと言われましたが、その規模というのは何を言つていらつしやるのでありますか。
#69
○政府委員(吉岡千代三君) これは直接の検査権限においては変りはないということは先ほど申上げておる通りでございまして、従来から福岡に支所がございまして、そのうち一名をその直接の輸出検査のために鹿児島に出張所を設けてそこに常駐させる。従来から鹿児島におきましてはその直接の検査の仕事が中心であり、又そのために一名が出張いたしまして検査をやつて事務を処理できておつたということであります。要するに鹿児島に一名現実に検査の人間を配置すれば、その他の一般の監督等につきましては、従来通り福岡において九州地区全部を総括して扱つて差支えない。従いまして人員としては二名と一名ということでございますけれども、そういう意味におきまして、従来出張検査でやつておつたところに取りあえず一名を常駐をする、そういうことでありまするので、先ず現在の制度の上におきましては、一名でありますから、これ以下の規模というものは考えられないわけであります。出張所という形においてこれを処理いたしたいというふうに考えております。
#70
○海野三朗君 御趣旨といたしましては私は賛成なんでありますが、どうもその点が実に私ははつきり、幾たび御説明を伺つても規模の大小という、そういうことでごまかしなさるものですからわからないのです。どうもこれは逆にならなければいけないのじやないか。仕事の内容からも鹿児島のほうが支所になつて、福岡のほうがむしろ出張所というぐらいにならなければいかんのじやないかということを伺つたのですが、それから、支所と出張所とどこが違うかというと、内容においては何ら変りません。それならば、この出張所をやめて、皆支所にしたらいいじやないか。私はそういうところか非常にはつきりしないのでありますが、大体の御趣意は私は賛成ですけれども、その辺のはつきりした御説明をもう一遍聞かして頂きたいと思います。
#71
○委員長(中川以良君) 私はちよつと関連してお尋ねをしたいのですが、いろいろ御説明を伺つておりますが、恐らくこういうことではないかと思うのですが、従来福岡に支所があつた、そこで鹿児島での輸出が最近急に伸びて参つたと、併しこれはまだ永続性のものかどうかわからないので、取りあえず暫定的の処置として一時出張させることは官としても、又業者に対しても迷惑であるから、取りあえず出張所を置いた、而うしてこれが永続的に鹿児島が輸出が殖えて行くことであれば、支所ということが考慮される。現在はそういう意味において出張所にしているのだ、こういうことでないかと思いますが、どうでございますか。
#72
○政府委員(吉岡千代三君) 只今委員長からお話のように、将来非常に重要性を増すということになれば、これは又考えたいと思います。こういう名称は、これは官庁におきましても、民間においてもそうだと思うのですけれども、何と申しますか、一種の格というふうな沿革的なこともございますし、同じならみんな支所にしたらいいじやないかということもこれは確かにそうかと思いますが、従来こういう形でずつと来ておりまして、それだけで全部根本的にこの際制度を変えるということも、実際問題としてこれはやりにくい、殊に行政管理庁との関係も、そうなりますとこれは全部の問題として起つて参りますので、実は名称をそういうふうに変えること自体なかなかむずかしいわけでありまして、まあ今回の件につきましては、その実質を御判断願いまして、同時に、これは甚だ申訳ないことでございますが、直接これを所管しております検査課長が、実は先月末で転任いたしまして、後任者が地方のほうから参りますので、検査課長がおりますれば、更に的確な御説明がなし得たかと思いますが、全体の趣旨といたしましては、これは別段経費、人員の上にも膨脹するものでもないし、又これによりまして、非常に輸出の上にもやりやすくなるという面があると思いますので、甚だ私も不勉強で、この点は今後注意いたしたいと思います。本件につきましては、一つ、できますれば御承認頂ければ仕合せだと思つております。
#73
○委員長(中川以良君) 速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#74
○委員長(中川以良君) 速記を始めて下さい。
 本件に関しては本日はこの程度にとめておきたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#75
○委員長(中川以良君) それではさように決します。
  ―――――――――――――
#76
○委員長(中川以良君) それでは、次に日本製鉄株式会社法廃止法の一部を改正する法律案を議題にいたします。先ず政府側より内容説明を聴取いたします。
#77
○政府委員(徳永久次君) この法律は、実は極めて内容的には簡単でございますが、趣旨につきまして、この提案理由の中で十分に表明したほうがいいかと思いますので、洗いざらい実は書いておつたわけでございます。一口に申上げまして、この法律の経緯は、御承知のように日鉄法の廃止の際に、旧日本製鉄株式会社が一般担保権の設定を認められておつたわけであります。この日鉄法の廃止に伴いまして、子会社が二つに分れまして、八幡製鉄と富士製鉄とできまして、その両会社に従来から認められておりました一般担保権というものを、そのまま認めさしておきまして、これが或る経過期間の間に工場財団の組成の準備をさせようということで、従来二度に亙りまして二年ぐらいの時間的の余裕を与えて頂いておつたわけでございます。二度目の際には、具体的に申上げますと、政府原案の、実はあと一年あればよろしうございますからということで、国会に一年の期限で、二度目の際に、延長頂きますようにということをお願い申上げておつたわけでありますが、国会側でこういう問題がとかく起りがちでもありますので一年では不十分ではないか、従つて念のために二年にしておけというような御注意もございまして、さような修正が行われまして二年になつたわけであります。その二年の期限というのは実は本年の八月に到来することに相成つておるわけであります。で私どもその間に会社側にも或る程度工場財団組成のための準備というものもさしてもおつたわけでありますし、又会社当局としましてもそういう措置を着々進めておつたわけでありますが、ところが実はその間に若干率直に申上げまして、別な問題といいますか、が少し出て参つたわけでありまして、別な問題と申しますのは、債権確保のためにいたしまする一般担保権の問題は従来ではこういう旧日鉄会社のような特殊会社或いは現在ありまする電力会社等のような、まあ特別法によりまする特別の会社だけにそういう特典と申しますか、担保権設定上の便宜が認められておつたわけでありますが、これも通産省として考えて見ますと、産業金融の一つの便宜といたしまして欧米にもありますような一般担保権の制度というものはむしろ従来考えられておつたような特定の会社だけという感じよりももう少し広く考えたほうが適当じやなかろうかということで、通産省部内におきましても一般担保権の制度につきまして、或る一案を実は草しておつたのであります。問題がそういう一つの基礎法的な性格を持ち、極めて法律技術的な色彩を持ちまするので、その点を法務府のほうに相談いたしました結果、法務府のほうでその成案をあずかろうということになりまして、法務府のほうでいろいろと研究頂きまして、現在或る成案が実はでき上つて来つつある段階に来ておるわけであります。その段階では先ほど申上げましたように、従来はいわゆるゼネラル・モルゲージの規定というものは特殊会社に認められておつたのを或る程度の規模以上の会社に適用し得るような一般法を作ろうというようなことででき上つておるのであります。ところがその法律が実は従来、最近の状況によりまして法務府では私どもの今御提案申上げておりまする法律に関連いたしまして、今年の八月この国会に提案になる予定くらいに進行するということを実は内々承知いたしておつたのでありますが、その後法務府のほうでも只今一応の条文の体はなしておるわけでありますが、経済界とのいろいろ打合せと申しますか、金融機関等との相談、事前打合せ、極力実情に即したようなものに仕上げたいということの事前打合せの段階におきまして、私ども承知いたしておりますところによりますると、主な点二つあるそうでありますが、その第一点はゼネラル・モルゲージを適用する債権の範囲をどの程度のものに限定するかという問題が一つと、それから適用する規模を資本金どの程度以上というようなきめ方にするか。その規模の問題につきましての産業界との意見調整、いろいろな実情調査の打合せがまだ熟しておりませんので、さようなことから法案自体の骨組は固まつておりますけれども、提案をこの国会は見合せたい。従つて次の通常国会にしたいというような法務府のお話でございまして、そうなりますと実は私どもこの八月でこの期限が、従来まあ法律によりまして与えて頂いておりました期限が切れて参りますので、併し次の通常国会で法案が提案されまして成立いたしました場合には、まあ常識的に考えまして八幡製鉄、富士製鉄両会社はこの一般法……、一応法律の件名は企業担保法というふうに予定されておるようでございますが、その担保法ができます際には、その法律によりまして従来得ておりましたよな一般担保制度というものが適用できることに相成ることには一応予想できまするので、この際僅かの期間だけブランクができるということも甚だ常識的でないという感じがいたしまするので、この際又改めまして期間の延長をお願い申上げたいというふうに考えたわけであります。従来二度に亙りまして二年ずつ来ておりまして、今の法務府の案の進行の段取りは只今申上げましたような事情でございますので一応一年でもよかろうかという気もいたしたのでございますけれども、まあこの前羮に懲りたといいますか、一年でよさそうだと思つたのがなかなか思うように行かなかつた関係もございますし、又仮に必要以上の期限になつておりましてもこれは何ら実害を伴うことでもありませんので、たびたび手違いが起りまして国会に何度も御審議をお願いするということも恐縮かと思いますので、まあ一年でよさそうだと思いながら更に一年の余裕をとりまして二年間の延長をお願い申上げる提案を申上げたような次第でございます。会社当局におきましても先般来の改正によりまして先ほどちよつと申上げましたように工場財団組成の準備というものも相当進めて参つておつたのでありますが、その後いわゆる製鉄業の合理化計画の遂行に関連しまして債務も急激に増大もいたしましたし、又それに伴いまして資産も急激に増大いたしました事情もございましたので、そういう工場財団組成の準備というものが資産内容が殖えました関係で、その仕事もずつと殖えて来たことにも相成つておる点もございますが、同時に法務府のほうで進行しておりました企業担保法の進行が相当具体化しておるということを会社当局も知つておりまして、なかなか率直に申上げましてこの工場財団組成の手続が無理やりに八月に間に合わすことは、最近に至りまして少しまあスピードが落ちておつたといいますか、というような事情もその後進行状況も見ますと見受けられるわけでございますが、その点企業担保法がこの国会に出るというふうに私どもも予想いたしておりましたし、会社当局も予想しておりましたような事情もあつて、精神的に多少のゆるみが出ると申しまするか、というような点もあつたかと思いますが、この点私どもとしても少しまあその督促の仕方が不十分であつたという点もあろうかと思いますが、併し先ほど来申上げますように、企業担保法という制度は法務府で今扱つて頂いておりますけれども、通産省といたしましてそういう金融の一つのまあ進歩の、新らしい制度としまして、是非実現させたい制度とも考えていることでもありますし、それの進行の多少の誤算からもかようなことに相成つた点があるわけでございますが、その点折角この制度が固まりかけておりまする事情もお酌み取り頂きまして、この際これができるのに、わざわざ工場財団を作らして、又それができたらそつちのほうによりまして、それの適用ができるようにするのも如何にもまあ無駄なような気がいたしますので、この間の事情、今申上げましたような事情から、かようなことに相成つたわけでございますが、その進行の段取り等は参考資料の中に統計的なもの、若干のものを掲げまして御参考に供しておるような次第でございます。
#78
○委員長(中川以良君) 御質疑を願います。
#79
○豊田雅孝君 この改正法律案自体の問題ではないのでございますが、八幡、富士鉄両社の合併について噂があるわけでございまして、これはまあ単なる噂にしても噂の出るだけの必然性というものはあるのではないかということになると思うのでありますが、これに関連してこの八幡、富士両社対立の長所、短所、これらについて鉄鋼政策から見た通産省の御見解というものはどういうものか。これは法律案自体に関連いたしましても、やはり資金計画が両社それぞれ立つというようなことにも相成るわけでございまして、これらに関連してこの際政府当局の見解を伺つておきたい。
#80
○政府委員(徳永久次君) 非常にむずかしい問題でございますが、まあ私の意見と申しますか、申上げます前に、新聞を賑わしました記事の性質につきまして、あらかじめ御了解を得ておきたいと思います。広畑の新らしいストリツプの動きまする際に、八幡の社長が西下しました際に、記者につかまつて話したのがああいう記事になつたのでありますが、これは後で聞きますると、新聞に取扱つたことく極めて明確な意思表示は何らしていなかつたようでございます。まあ私が聞きましたところによりますと、当時新聞記者も新らしい新聞記者が担当してあすこに来たそうでありますが、まあ渡辺社長が新聞記者の誘導訊問といいますか、今年は鉄は大変な年のようですね、ということで、まあ自分たちもそんなふうに思つているのだというふうなことから、それでまあ輸出の困難或いは合理化問題等から、或いはカルテルとか或いは極端に行けば富士、八幡の競争関係をどうするか、合併というような問題も問題になるのですかというような質問に対して、まあ問題が深刻になればそういうことも議論になるかも知れないなあという、そういう程度の応酬がああいう派手な記事に現われたということでございます。従いましてこの合併の問題を考えます際に、事実といいますか、事の背景といたしまして、あの記事が今言つたような性質のものでございますから、会社当局におきましてその問題をまともに考えるような背景、雰囲気というものは、今のところ事実問題としては極端に申しまして何もないということは言い得るだろうと思います。ただこれは、今の御質問の御趣旨はそういう問題について、役所として現実の動きというものから別に離れて、どう考えるかということの御趣旨だろうと思われるのでございますが、この問題非常にまあ両会社の問題にも関連し、デリケートでむずかしい問題でもございますので、両社が分離します際に、御承知のように司令部の管理当時に分離の命令が出まして、日本政府としてそれに対する当初この反対意見をいろいろと出しておつたわけであります。結局のところいわゆる財閥解体の一翼として八幡と富士ということに分離をすることに相成つたわけであります。まあ当時の経緯によりますれば、分離反対の意向のほうが強かつたというふうに了解いたしておるわけであります。但し分離によります利点というものも確かにあるという議論も一部にあつたわけでありますが、結局は先方に押切られたというのが事実に近いというふうに了解しておるわけであります。勿論この財閥解体の思想の中に、その両方分けました考え方は、昔のように一つで話つては独占的な形が濃厚過ぎるので、両社を相競争せしめるという長所、それを期待した経済民主化の一環として期待して分離させたというのが分離の趣旨であつたわけであります。私どもこの問題を将来の問題として、一つのテーマとして考えます際に考えなければならんことは、事実問題としては会社当局のこの問題に対する態度、或いは人の和という技術的の要素までも企業運営上のやつぱり非常に重要なポイントでありますから、それも一つの大きな要素として考えなければならないと思いますが、それから第二のポイントとしまして、現実に両方が分離いたしておりまする結果といたしまして、プラスの面とマイナスの面とがあろうかと思いますが、マイナスの面があるかないかということから、あるとしてそれが防ぎ得ないかどうかということ、そういうことを考えなければならないのじやないかというふうに私思うわけでありますが、と申しますと、極めて単純に我々のほうといたしまして、或る程度競争することは差支えないわけでありますが、競争のために設備的に見ましても過重重複投資が行われて、その結果競争が激烈であるかも知らんが、いずれの設備もフルに動かないというような欠陥というものが起りますならば、これは一見競争のごとく見えて国民経済的に見れば必ずしも賢明でないということが言い得るかと思うわけでありますが、その点が合同問題によく問題にされるわけでありまして、と申しますのは、八幡は一応銑鉄から鋼材まで一貫しまして、殆んどあらゆる種類の製品を造つておるわけでありますが、富士のほうはいわば銑鉄のほうに重点が多く、鋼材のほうに重点が薄いわけでありまして、従つていわば鉄製品として見ますれば半製品で売つておるような立場に相成つておるわけでございます。そのまあ弱さといいますか、という面から八幡並みに鋼材、いろいろなものをやりたいということを考え、その考える結果として、その設備というものが製鉄業の一つのマイナス面といいますか、近代的な設備でまあ大規模な大量生産的な設備でありまするので、それを造ることが日本全体として無駄になりはしないだろうかという問題、富士のほうにそういう意欲が相当あつて、それが具体化された場合に無駄なものが造られて、その結果として無駄な出血競争が起りはしないだろうかということが問題になるポイントだと思うわけであります。現在できました広畑の工場につきましても、そういう議論が出ておりますことは確かであります。これは私率直に申しましていろいろと調べて見ておりますけれども、日本の経済力の現状及び近い将来の状況から見まして、あの程度のものにつきまして亜鉛鉄板及びブリキに移行しておるようでありますが、重複投資になるほどのものと考えてないわけでありますが、ただ併し、どの程度の実効を考えておりまするか、将来の問題としては多少重複投資になるような慮れのある意欲を持つておるという面もあるようでございます。先ほど申しましたように、銑鉄に主体がありますので、鋼材の品種を揃えて行こうという動きがあるわけでございます。ところがまあ日本のマーケツトが小さいものでありますから、他方鉄の機械というのは、最大、大規模のものの或る一つの装置があれば日本のマーケツトを全部賄える。極端に申しますれば、その典型は大型レールのようなものだと思いますが、八幡にあるワン・セツトだけで日本の全需要が十分賄えますし、又従来朝鮮、満州、大陸の需要も賄つておつたということでありまして、まあそれで製鉄設備というものは、日本のマーケツトの狭さということも或る限界に突き当るわけであります。そういう面から見まして今後の両社の発展の如何が、国民経済的に重複投資を顕著にさせる虞れあり、その結果競争による利益というよりも重複投資によるマイナスのほうが大きいというようなことになります場合に、それを抑制して行くという途があるかないか。若しその途がありますならば、両社並存という形は、両社が一本化されまして、或る程度独占的といいますか、競争意識がにぶくなることによる技術その他の進歩の停滞ということと関連して考えますと、両社があつたほうがベターであり、ただ併しそれは今後の問題をはらんでおるというふうに理解するのが現状として正しいのではないかと、まあそういうふうに考えておるわけであります。
#81
○豊田雅孝君 大体わかりました。それで具体的にいつて、重複投資の抑制なり両社の調整をして行くのには、どういう具体的な措置を今後とろうというふうな考えを持つておられるかその点。
#82
○委員長(中川以良君) 局長、恐縮ですが、大きな声でお願いします。大分お聞きとりにくいかたがあるようです。
#83
○政府委員(徳永久次君) 只今のところ特別の法的根拠というものは実は持つておりません。只今政府がやつておりますことは行政指導が主になるわけでありますが、その解決には長期の設備資金になりますと金額も大きくなりますし、それだけの限度というものがおのずから限定されて参ります。開銀のような国家資金の使い方、或いは興銀、長期信用銀行というようなところの協力がうまくできなければ、巨額の設備投下というものは企業だけの力でなかなかいたしかねる事情がございます。それらの金融機関に対しまする政府側の推薦の意見といいますかこれはこういうことで大いにやつたほうがいいと思います。或いは又設備の重複投資になるというように政府としては考えますので、できるだけ融資は少いほうがいい。まあそういう措置が一つでございます。それからいま一つの問題は、これは本年度から多少そういうことも考えて行かなければならないような状況に相成つて来たのでありますが、製鉄設備の基本のところの設備になりますと、或る程度輸入機械が必要にたつて参るのであります。相当国産でできる面もございますけれども、基本のところは従来とも輸入機械によつておりますので、それの輸入許可に関連いたしまして、まあ昨年頃までの状況では、合理化のための機械については殆どまあ無制限に資金操作もありましたし、許可いたしておつたのでありますが、二十九年度以降になりますると、合理化用の設備機械を自主的に抑えるつもりはないわけでございますけれども、何か重複投資になるようなものも無制限に入れるほど金がないという状況に相成つておりまするので、この輸入機械の許可の運用によりましてそういう重複になるものを抑え得る権限が行政上あるという実情がございますので、それらは、いずれも手段でございますが、私ども業界と十分の相談をいたしまして、他のいろいろな角度からの判断というものを申上げまして、それによりまして自粛して頂くものは自粛して頂き、私どもが協力すべきものは協力して行くという方向で仕事をいたしたいと考えておるわけでございます。
#84
○豊田雅孝君 大体現在の経済的な動向から見まして、好むと好まざるとにかかわらず統制の方向に向いて行きつつあるように思われるわけですが、その際において大衆的な、大衆というか末端的な統制、これは極力、殊に直接統制の形などは避けるべきだと思うのですけれども、鉄鋼のごとき基礎産業に対して而も基本的な統制の行き方というものはどうしても必要になつて来ると思うのです。これは資金の面においても、設備、生産の面においてもそういう傾向を辿らざるを得ないと思うのですが、そういう際において基本産業に対する基本的なあり方というものに対しては、やはり一つの法的措置があつて然るべきじやないか、又それでないと抑えがきかないんじやないかというふうに考えられるのですが、その点はどういうふうに見ておられるのでしようか。
#85
○政府委員(徳永久次君) これはまあ私どもの感じが多少甘いとお叱りを受けるかも知れませんが、製鉄業界、勿論いろいろな問題に考え方の違い、思想の不統一、いろいろございますけれども、併し大局的に見まして企業者の大半のかたがたが個々の企業の立場もさることながら、そのときどきの国の経済の要請と申しまするか、そういう要請に即応して物事を考えて行こうというふうに、と言いますかが比較的濃厚な業界だと私ども感じておるわけでございます。そういう観点から只今のところ本年度の鉄鋼業界の動かしかたと申しますか、こういうことを考えて見ますと、今御指摘がございましたような、或いは統制的なことも場合により考えなければ乗り切れないというような点も二、三ないわけではないのでございますが、目下のところ私ども業界に対しまして国の立場からの注文をつけまして、こういう枠の中でどうやつたら一番いいかということを業界として相談して、意見をまとめて下さいということを実はお願いいたしておるわけであります。いわば試験問題を出して答案を出してもらうというわけであります。答案と言いましても我々と結局合作になりますけれども、そういうことで考えておるわけであります。ただ併しこれはまだ全体の置かれておりまする環境というものがその程度で乗り切れる場合と、いま少しく深刻に置かれて参ります場合とで、そういうことで済まない問題もいろいろと出て参ろうかと思います。まあ戦後の新らしい民主化の感覚、独禁法というようなものの環境下におきましてどういう進み方が最も適当なことであるか、私どもとしましても新らしい事態に直面しておるというようなつもりで直剣に今後の問題を考えて見たいと思つておるわけでありますが、ただ併し先ほど申しましたような業界の現状におきましては背景もございまするので、いきなり統制的な、或いは権力的な規定というものを政府が用意しなくても、国の大きな方針と申しますか、デフレの方針なり、或いは外貨節約の要請なり、或いは輸出振興の要請なり、そういう要請から来まする一つの注文をつけまして、その枠の中でどうやるかという問題を相共に考えるという形で当座は行き得るんじやなかろうかというふうに私は考えております。
#86
○豊田雅孝君 今最後に言われたような線で行つて、目的が十分に達成できるならそれは結構だと思うわけでありますけれども、なかなか容易ならん段階に入りつつあると思いますので、そういう根本問題については特に今後御研究を願いたいということを希望いたしまして、私は終ります。
#87
○加藤正人君 今企業担保を立法準備中だというお話がありましたが、これが将来法律になりましたら、それ以後は工場財団を設定するというような場合は依然残るのでありますか、残つても非常にそれが範囲が限られてしまうのであるか、或いはこの企業担保法というものは或る程度以上の会社というか、企業というか、それがアプライされる範囲がおのずからきまるだろうと思いますが、それらの点はどうなるのですか。
#88
○政府委員(徳永久次君) この企業担保法を今進行しておりまする試案を私ども拝見してのことでございますが、工場財団という制度は現在あるわけでございまして、これはそのまま残るわけであります。ただ工場財団を設定することなしに或る種の企業につきまして、或る種と言いますと少し定義の仕方が不明確でありますか、或る規模以上の企業と申しましようか、工場財団を設定する手続、企業の担保力というものは必ずしもその物的な設備だけによるものでなしに、人的物的のいろいろな要素の一つの活動している姿、それが一つの大きな担保の実体であるという観念か、そういうふうに観念し得る程度の企業につきましては、工場財団を設定することなしに担保権を認めて行こうというのが企業担保制度の趣旨でございまして、これができますれば従来は先ほど申しましたように、現状で言いますと電力会社はこの制度があるわけであります。ああいう特殊会社だけしがなかつたのでありますが、今後どうなりますか。例えば資本金四十億以上とか五十億以上の企業にはどこでも認めるといいますか、というような制度にしようじやないかというのがこの企業担保法の狙いでございます。
#89
○加藤正人君 それは何ですか、資本金の高できまるのですか、企業の種類、性質というものは入らないのですか。
#90
○政府委員(徳永久次君) 法務府で今できております原案はそこらの実体的なことがまだ固まつておりません。法的手続としての条文ができておりまして、実体的なほうの事業の種類によるか、種類と、それから資本金等で表現される規模の限定を受けるが、その内容的にはどういうふうに考えるのが最もこの制度の趣旨から見て適当であろうかということについて金融機関或いは産業界に相談して意見を聞きつつある。それをいろいろと聞いた上でこの実体のところをほどほどに見て行きたいというのが只今の進行状態であります。
#91
○加藤正人君 なおもう一つ承わりますが、今豊田委員が触れられた問題ですが、この八幡、富士のいろいろな仕事の上の企業合同というのは直接現われる場合と、成る問題を介して現われる場合があると思うのですが、この間うち東洋鋼板に関するブリキの原料の供給問題、東洋鋼板のほうからというか、東洋製罐というか、八幡と契約をしかけたところが、従来取引している富士のほうで何か別に薄板というか、ブリキの材料を造る設備を外国会社と提携してその資力というか、その技術というか、これこそ二重設備になると思われるような設備をするということで、東洋鋼板が驚いて、又よりを戻すような状態をとつたといういきさつを新聞で散見しているのですけれども、若しこういうものが調停する者でもなければ、一工場でというか、一の機械で日本全国の需要を満たすような設備が日本の中に又別に設備されるというようなこと、これこそ全く二重投資で非常に避くべきことだと思う。あのいきさつは非常に私は関心を持つていたのですが、その後茫漠としてあとがわからない。結局今どう落ちついたのですか。ちよつとついでに……。
#92
○政府委員(徳永久次君) 私どもも会社当局から聞いたのでございませんので、ただ鉄鋼業界と近いところにおりますので、大体こんなことのような程度でお聞き願いたいのであります。御承知のように只今富士が広畑にブリキの工場を作ろうかという問題があるわけであります。今のところブリキ原料になります薄板を造るところまでできた、東洋鋼板というのはそれをブリキにメツキする工場であるわけであります。東洋鋼板が従来は八幡から材料を買いまして、ブリキにし、又東洋鋼板と同じ傍系になりまする東洋製罐が罐詰工場、罐詰の空罐を造つておるという関係に相成つておるわけであります。富士のほうで薄板ができるようになりますので、今まで八幡から買つておつたこのブリキの原料板を富士のほうから買おうかということを考えたようであります。それには東洋鋼板が電気ブリキ、ブリキの設備を殖やそうとしておつたが、それが富士でブリキまでできればその関係でどうだろうかということを多少考えてブリキは私のほうが全部引受けることにしよう、その代り八幡でできる薄板を自分のほうで取ろうじやないかという話であつたように私は聞いておるわけです。まあ八幡にいたしますれば今までの原料を供給しておつた売先きを失うことにも相成りまするし、薄板の一番大きな需要が製罐用のブリキ板ということになりまするので、別にこのブリキは八幡でもできるわけであります、製罐工場を別に作りたいというようなことを対抗として考えようとしておつたようでございます。ところが、まあ富士のほうといいますか、東洋鋼板のほうでもいろいろと将来の需要調査、外国における需要の変化等見てみますと、日本の戦前と最近におけるブリキの状況、需要量を見てみますに、まだまだ戦前より遥かに下のところにあるわけでありまして、それから輸出の罐詰類の伸びる将来性というものも一緒にして考えて見ましても、富士のほうでブリキまででき上つて、東洋鋼板が考えておるブリキができる外にできても一向差支えない、それが重複になりはしないだろうかという懸念も考えて、そういうことをもくろんでおる。そういう心配がないということから、自分のところは自分のところでやはりブリキをずつとやつて行くし、富士のほうはブリキをやめたらどうかということを言つておつたんだけれども、併しいろいろなことを調べて見ると、うちの設備を殖やすだけでは足りそうもない、富士は富士で殖やしてもらいたいということのほうが結構だ、だから富士と東洋鋼板との話合いはこれはもうなしにしよう、なかつたものにしようというふうになりまして、一応そんな話が出ましたが、自然解消というような形に相成つておるわけであります。八幡のほうにいたしますれば何と申しますか、多少感情的なものと申しますか、折角数十年に亙つて原料の供給先として考えておつた相手が、ひよつと提携先を変えるという動きを、解消しましたけれどもそういう動きがあつたわけでありまして、そこらのところから将来ともずつとまあ信頼し得る供給先の安定した供給先として考えていいだろうかどうだろうか、そういうような不安が若しありとするならば罐詰のことを考えて見ましても、罐詰が御承知のように罐詰の空罐業が、東洋製罐、北海道製罐もとは一緒でございましたが、これは事実上の日本の需要の大半を供給しておる関係もありまするし、その後における欧米各国におきまする製罐技術の進歩ということもあるし、日本に新らしい製罐工場というものが新らしい技術のものが導入されても、日本の製罐業の将来から見ても過剰にもならんというふうに考えられるようでありますし、それには実現には数年を要することでもありましようけれども、そこらの事情等も考えてそういう線を、やはりそういうことの動機から考えたことであるからその線をやはり推進して行こうか、或いはまあ従来通りの関係だけにとどめて行こうかと、まあ目下のところ八幡と東洋鋼板との関係のポイントのほうはまだ結論に到達しないでおるというのが、今の段階ではないかと、私は承知いたしております。
#93
○天田勝正君 ちよつと、質問する前に委員長にお聞きしますが、繊維製品検査出張所のほうの質疑は全部終つたわけでありますか。
#94
○委員長(中川以良君) まだ終りません。明後日に多少残つております。
#95
○天田勝正君 それじやわかりました。目下のところは、今の日本製鉄株式会社法廃止法の一部を改正する法律案だけを……、それじや、それで私は簡単に質問いたします。今提案されておるものの関係は字義通り狭く解釈いたしますれば、これはそれぞれ年限を二年変更するということであろうし、それが二年であろうと、三年であろうと、一年であろうと、一向積極的に反対すべきものはないけれども、説明書のほうを見ますと、企業担保法をすでに作る用意をしておる、こういうことでその内容等が今質疑されたわけでありますが、内容がどうなろうと、つまりこの説明を見ますれば、企業担保法ができるまでの経過措置だと、こういうふうに解釈されるのですが、そう受取つてよろしうございますか。
#96
○政府委員(徳永久次君) 私どもこの二年延長を御提案申上げた趣旨はさような趣旨でございます。
#97
○天田勝正君 そうしますと、質問いたしまするが、そうでありますれば、これはいろいろな経過を見て次の国会に提出するのだと、こういうことが説明されておる。そうすれば、一年でも半年でも一向差支えないというふうに考えられますが、それを特に二年と、こういうふうにきめたのには何かほかに事情がございますか。
#98
○政府委員(徳永久次君) 事務的な点を申上げますと、次の通常国会に出されまして、国会のことですから安全を見まして、来年の三、四月に法案が上ると想定いたしまして、その後の施行法、施行規則等の期間というか要るだろうと思う、で一年間でまあ順調に行きまして間に合わんことはないという感じの時期的な段取りになろうかと、まあ思うわけでございます。そうしますと、まあ間に合わんことはないかと思いますが、仮に一、二カ月でもいろいろな政令省令等の手続等で遅れてギヤツプができることもつまらないし、ということも考えまして半端の点、これは将来のことでございますので、あとまあ政治的な動き等で多少の変化もあろうかということも考えますと、一年では間に合わん、十分だと言い切れないという感じの期間でございますので、少し安全を見たいという意味が主でございます。
#99
○天田勝正君 私はどうしてこういうことを聞くかというと、元来これはもうすでに一遍改正しておるのです。で、最初にこの廃止法が出されたときは二年とか三年とか、そうなつておつて、それを提案する場合にはそれぞれ政府側からはこれで十分でございますという説明をされるにきまつておるのです、これは。それを更にこう延長をする。そうして、又ここへ来て再延長、こういうことになつておる。で、その都度その都度、要するにこれで十分でございますということで提案されて来るわけで、これが一体、私はこれ自体に反対するとか、そういうことを申上げておるのではないのだが、誠に不見識なんですね。で、事態が特段変つて来たということで、この法律ばかりじやございません、一般法律についてこういう情勢の変化等があつたので、それで法律が実際に適合しないという事態が生じたから、ここに改正を提案するのだと、こういうことなら一般論として話がわかる。併しこの法律を廃するという法律は、まあ要するに曽つての日本製鉄株式会社というものを第二会社を作つて、その経過措置として廃止法の中へ、一つの規則の中へ経過的に止むを得ざるものを特例として規定しておいた。これだけの話なんです。それがまあ提案されたときに三年なり四年なりというものが規定されて、そいつが又更に現行法のように延びて来て、そして又再延長をやる、ここが誠に私はこの法律一つを言うのじやないが、不見識極まると思うので、どうしてそのように一体次々と変るのかと、こういうことを私は伺つておきたい。
#100
○政府委員(徳永久次君) この、今御叱りを受けました点は御尤もでございますが、実は先ほどちよつと最初に私がお断り申上げましたのですが、この前の法律改正のときの猶予期間内に工場財団を設定するというつもりで、そのためには二年あれば結構でございますからということでお願いしてあつたんでございます。その間に多少の変化と申しますれば、先ほど申しましたように、巨額の設備投資を伴いまする合理化の遂行によりまして、財産内容が非常に殖えて来ましたので、手続上の面倒くささということがあつたということはございます。併しこれは、直截に申上げまして、今お叱りを受けますようなことに対して十分な理由に相成らんと思いますが、その当時はその企業担保法ができるということは、二年以内にできるということは、実は想定いたしてなかつたのでございます。ところが企業担保法は、実はその後通産省が産業金融の問題の改善案の一つとして一般担保制度創設の一案を持出して法務省に持込みましたところが、大いにまじめに考えるということで法案がほぼできたような段階に来ておりまするので、最初お尋ねのございましたのにお答え申上げましたように、今の段階として考えますると、無理やりに会社等にせつつかれますれば、期限が切れます八月末までに工場跡団を設定さすということは不可能ではないかと思います。不可能じやないかと思いますけれども、併しそれを延ばしまして次の国会に企業担保法ができることも目に見えておりますのに、又それによりまして一般担保権が設定できるというようになるのに、如何にもおかしいような感じにも思えますので、この際の延長は今もう目前に見えかけております企業担保法の進行工合に鑑み、又その制度は担保制度としても一つの進んだいい制度でもありますし、而して両会社は従来その担保制度は特別法によります恩典を持つておつたことでもありますので、そこにそのまま乗り移るようにさしたいという趣旨からお願い申上げることにいたしたわけでございます。
#101
○天田勝正君 何しろ率直で、十分な理由にならないかと思う、ということをお認めになつておるのだから、もうどうも質問しても止むを得ないのですが、そこで私は注文をつけておきますが、一体八幡の製鉄所というものは、これは会社の名称だけを言つておるのではありません。あそこの八幡の製鉄所というものは官営であつたり、特殊法人になつたり、従来製鉄所長官なぞという長官制度があつたことも私は承知しておりますが、そういうことであそこの幹部というものは本来みんないわば政府の息がかかつて任命されておつたのですよ。それが特殊法人になろうとも、やはり大多数の株は政府自身が握つておるところだから、その慣行がずつとできておる。で、今の第二会社としてできている八幡並びに富士というものがどうやら一般の民間会社のような形をとつて来た。こういう経過からして見ると、日本製鉄株式会社法が適応された当時の法人というものは、これはもう今の通産省、その当時の商工省とは人事の交流さえ行われておつた会社なんであつて、そういう観点に立つというと、役所にせよ、日本製鉄の側にせよ、この範囲内でできるかできないかということは時期が迫るまでもなく明瞭にわかるはずです。大抵一つの機構を廃止するという場合には、一体二年か三年でできないはずはないのです。而もその見通しもつかんでやつているなどということになつては、これはもう話にならんです、実際。それで更に延長をして、又再延長、誠にこれぶざまな話で、いろいろ現実にこうなつて来た事柄について御説明がありましたが、万止むを得ないことではありますけれども、他の一般の法律にも私は関連して参りますので、再びこういうことのないように一つ注意されて、それでもう今までだつて四年、五年というような、長期な期限があつて、この機会に整理ができなかろうはずがどうしても常識的にいつてない、こういうところは如何にも役人の古手の仕事を作る場所というような感じを与えて世間的に影響されるというようになるのです。それですから、とにかく十分な理由にならないことは局長みずから認めておられたから、私は追及しませんが、この種類のものは次にそういうことのないように希望いたしておきまして、一応私の質問は終ります。
#102
○海野三朗君 最近アルゼンチンあたりに対しても輸出、それから又ビルマあたりに対しても商談のために幹部が行つているようですが、いずれも出血受注です。それを覚悟の上でやるようですが、それよりこうむる損害はこれから先相当なものになると思うのですが、これは八幡製鉄に限らず、日本鋼管もそうです。そういう際に、その損失というものを誰が一体負うべきものでありましようか。又通産当局としては、その出血受注に対して如何ようにお考えになつておりますか、それをちよつとお伺いいたします。
#103
○政府委員(徳永久次君) まあ世界的に鉄が供給過剰の状況になりまして、輸出競争が非常に価格的にも激化して来ておるわけであります。日本の鉄鋼輸出が出血になるということも問題に今なつておるわけでありますが、これはまあ率直に申しますと、外国も出血して輸出しておるというふうに私どもは或る程度判断いたしておるわけであります。ただ、日本の製鉄業の場合には、外国よりも不利な条件と申しますか、これも相手の国々によつて必ずしも同一ではございませんが、日本は原料の鉄鉱石等、原料については国際的に見て必ずしも不利でないということが言えると思つておりますが、石灰原料につきましては、速いところから運んでおります関係、それから国内炭も非常に割高であるというような事情から、割高のものを使わなければならない不利というものを持つておるわけであります。技術上の能率といいますか、その点から見ますと、日本の製鉄業は国際的に殆んど遜色がないというふうに見えるかと思うわけでありますが、今の原料の中の石炭代が割高につく一つの国内的な石炭業の価格の現状から来るマイナス、或いは外国の石炭が入らないマイナス、その限度のものはいわば或る程度業者の責任にあらずという見方が立つ余地があろうかと思うのであります。その限度のものにつきましては、私どもできるだけのことは考えて見たいと思つておりまするけれども、いわゆる前から問題になりましたような補給金制度というようなものは、理窟はともかく、いろいろ弊害のある点もありまして、実行不可能の事情もございますし、実行もできないわけでありますが、ただ、幸いにしまして、今アルゼンチンとの場合、主としてアルゼンチンが日本の鉄鉱石輸入の非常に大きな部分を占めておるような事情にございまするが、アルゼンチンと日本の貿易がバーターでなければ輸出もできないというような事情があり、又而してそのバーターによります際に、先方側が有利な為替レート、複数レートを採用しておりまして、そういうバーター貿易の場合に、為替レートを有利に扱つてくれておるという事情もございますので、その為替レートの差益を少しでも多く出血の可能性の多い鉄のはうに充てるというような操作で、少しでもそれを軽減するというようなことを考えて見ておるわけであります。それだけでは不十分かとも思いますけれども、なお今後の成行き、これは相手のあることでありますし、相手がなお更にどの程度の出血を強めるか、それによつてこちらもあふりを受けるという問題もあろうかと思います。もう少し今後の成行きによりまして、今の程度のことで済まないという問題も起るであろうかと思いますが、目下は差当りさようなことを忍びつつ、将来の成行きに非常に関心を持つておるというようなのが現状であります。
#104
○委員長(中川以良君) それでは本件に対しては本日はこの程度にとどめておきたいと存じますが、御異議、ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#105
○委員長(中川以良君) それでは次回は採決までいたしたいと存じますので各会派ともお計らいを願います。
  ―――――――――――――
#106
○委員長(中川以良君) 御報告を一つ申上げますが、先般来当委員会において御決議を願つておりました厚生委員会に対する清掃法案の修正の問題は、幸い本日の厚生委員会におきまして修正をされまして、修正の個所につきましてはお手許に印刷物として差上げてありますので御了承頂きたいと思います。いろいろ各会派の厚生委員のかたに御心配を頂きまして誠に有難うございました。
 それから明後日お打合せ通り石油関係の二法案に対しまして参考人を呼ぶことになつておりまするが、委員長にお任せを頂きましたが、その後選考いたしまして、次の三人のかたにおいでを願うことにいたしました。東京大学教授、石油及び可燃性天然ガス資源開発審議会会長上床国夫君、それから帝国石油社長田代寿雄君、帝国石油探鉱部長、石油及び可燃性天然ガス資源開発審議会委員中沢通理君、以上三名にお願いをすることにいたしております。
 それからなお今日は人数が大変少くなつたのでありまするが、本日日平産業の下請工場の代表者が見えまして、先般来日平産業がああいう状態になりましたにつきまして、下請工場は非常に打撃を受けまして、下請工場は約四百五十ございまして、なお購買関係の商社は百五十、この売掛債権の総額は実に六億八千万円の大きに達しております。これらの工場の従業員は一万五千人、家族を合せますると七万人の死活問題になつております。それで、これらの人々が日平産業株式会社再建対策促進協議会というものを作りまして、当委員会に陳情に参つたのであります。これは委員長と、豊田委員、小林委員と承わりましたが、一応当委員会において代表者から皆様にお話を聞いて頂いて、当委員会として善処方を一つ考究いたしたいと存じます。つきましては適当な時期にこれを呼びますることに対しまして委員長にお任せを頂きたいと思いますが、御異議、ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#107
○委員長(中川以良君) それでは呼びまする人数その他人選等につきましては委員長にお任せを頂きたいと思います。それではさように決定をいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト