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1953/04/23 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 通商産業委員会 第35号
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1953/04/23 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 通商産業委員会 第35号

#1
第019回国会 通商産業委員会 第35号
昭和二十九年四月二十三日(金曜日)
   午前十時四十四分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     中川 以良君
   理事
           海野 三朗君
   委員
           石原幹市郎君
           黒川 武雄君
           小林 英三君
           西川彌平治君
           酒井 利雄君
           大谷 贇雄君
           岸  良一君
           豊田 雅孝君
           西田 隆男君
           三輪 貞治君
           武藤 常介君
           白川 一雄君
  国務大臣
   通商産業大臣  愛知 揆一君
  政府委員
   通商産業省鉱山
   局長      川上 為治君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       林  誠一君
   常任委員会専門
   員       山本友太郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○石油及び可燃性天然ガス資源開発法
 の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○石油資源探鉱促進臨時措置法案(内
 閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(中川以良君) それではこれより通商産業委員会を開きます。
 ちよつと速記をとめて下さい。
   午前十時四十五分速記中止
   ―――――・―――――
   午前十一時三十三分速記開始
#3
○委員長(中川以良君) 速記を始めて下さい。
 只今より石油関係二法案を議題といたします。前回に引続き質疑をお願いいたします。
#4
○西田隆男君 私政府側にお伺いしたいのですが、今まで政府側で出しておつた石油関係に対する補助金に対する納付金が現在どういうふうな状態になつておるか、これを一つ御説明を願いたい。
#5
○政府委員(川上為治君) はつきりした数字を今持つて来ておりませんが、大体二回と思うのですが、総額におきまして二千万円足らずのものが納付されておると思つております。又今後成功しますにつきましては入つて来ることになつておりますので、これは厳重にやつて行きたいというように考えます。
#6
○西田隆男君 納付金が二千万円くらいしか入つていないということなんですが、終戦後相当な金額が石油採取事業ですか、これには補助金が出ておるんですが、二千万円しか入つていないという理由はどういうふうになつておりますか。
#7
○政府委員(川上為治君) 現在施行されておりまする石油及び天然ガス資源の開発法に基きまして、現在その納付金を取つておりますものが二千万円程度と私は記憶しておるのでありますが、戦争中或いは戦後におきましては殆んど取つていないというふうに聞いております。
#8
○西田隆男君 石油天然ガスの法律に基いてから助成金をやつているんですが、その助成金は大体どのくらいの金額になつておりますか。二千万円というのは余りに少いと思う。
#9
○政府委員(川上為治君) 二十年度が交付額全体で五百十三万九千百四十円ということに相成つております。それからそのうち帝石が三百七十三万四千百円。それから二十一年度が全体で六百三十万九千二百五十八円、それが帝石の分が四百万四千四百五十二円。それから二十二年度が交付総額が大体三千六百万円、そのうち帝石の分が二千六百万円。それから二十三年度が一億一千万円程度の全体交付額になつておりますが、帝石の分が六千六百万円。それから二十四年度が全体で一億七千万円、帝石の分が約一億四千万円程度ということになつております。現在納付されましたのは、先ほど申しましたように、はつきりしたあれを持つて来ておりませんが、大体二回か三回と思うんですが、二千万円というふうに記憶しております。
#10
○西田隆男君 二十五年、二十六年、二十七年、二十八年もあります。そうすると金額としては相当な金額です。そのうち二千万円しか入つてないというんだから、通産省はどうしておつたのか、なぜ納付金を取らなかつたか。
#11
○政府委員(川上為治君) これは当つたものから取ることになつておりまして、当らんものからは取らんということになつておりましたので、やはり大体成功率というのは十本に一本というふうな割合になつておりますが、それ以上によかつたと思うんですけれども、そういう意味からそんなにまだ納付金が集まつてない。又助成金を出しまして折角今試掘中のものもありますので、そういうものからまだ入つてないというような状態でありまして、これは勿論大蔵省ともいろいろ相談いたしまして、大蔵省のほうも早く納付金を納めろということを言つておりますが、今の状況ではそういうふうになつております。
#12
○西田隆男君 過去のことを追及したつて仕方がないと思うから追及はいたしませんが、今度の助成金を交付するについて五カ年計画によると五十億か六十億の金額を交付するというようなことを政府で一応考えられているようですが、五十億六十億という金額が若し計画通りに行つたとして、帝石側から納付金でこの金額を完納するには一体どれくらいの期間で完納できると予定しておりますか。
#13
○政府委員(川上為治君) 大体五カ年計画を遂行しましてその五カ年計画通りに助成金を出すということになりますと、それが納付される期限は大体五年間において納付してもらいたいというふうに考えておりますので、大体十年ぐらいというふうに考えております。
#14
○西田隆男君 十年ぐらいとお考えになつているのだが、今度の納付金のやつは率が多少変つたのは、元のやつで納付金額に到達してもなお納めるというのが変つた程度で、過去の実績から考えて十年間くらいの間にとても納付金が納付されるということには、私には考えられませんがね。ということは、調査通りに実行されたとしても十カ年に納付するとすれば年五億を納付しなければならない。これは帝石が利益があろうとなかろうと納付しなければならんはずですね。利益があつたときにこれを納付するのだというならなお更帝石の利益というものが厖大な利益が生れないと納付金というものは納付ができない結果になると思うのですが、どんなふうにお考えになつておりますか。
#15
○政府委員(川上為治君) 現在法律におきましても基礎控除というのがありまして、それ以下のものからは払う必要がないのですが、それ以上のものから入るということになりまして、それは相当一本当りますと非常に儲かるということになりますので、そこで儲かる方面から相当入つて来るのじやないかというふうに考えておりますので、大体先ほど申上げましたように、これは相当細かく検討を大蔵省との間にやりましてそういう規定になつているわけでありまして、十分入つて来るのじやないかというふうに我々のほうとしましては考えております。
#16
○西田隆男君 十分大蔵省と検討はしてあるでしようが、過去のやつは十分大蔵省と検討されてやられたにもかかわらず何十分の一しか今までに入つていないという実情ですからね。納付金の問題は簡単にお考えになつちやいかんので、もう少しはつきりしたことを説明して頂かないと……。
#17
○政府委員(川上為治君) 実は今日は計算の基礎をそのまま持つて来ておりませんが、これは計算の基礎を持つて参りまして、十分あとで御説明申上げたほうがいいのじやないかと思います。
#18
○西川彌平治君 この助成金の問題でちよつと伺つて見たいと思いますが、水攻めとか、或いはガス攻めの第二次採取に対しまして補助金が出ているのでありますが、その補助金は今ここに数字を並べました中に含まれているのでありますかどうでございましようか、その点を伺いたい。
#19
○政府委員(川上為治君) 二次採取の関係のものにつきましては一億三千万円の中に入つておりますし、又従来助成金を出しましたものの中にそういうものは全部入つております。試掘の助成金だけではなくて、採取関係の助成金も全部入つております。
#20
○西川彌平治君 この二十年からの、ずつと今二十四年までの助成金の数字を大体拝見いたしましたが、その後にも出ているだろうと私は思いますが、その結果といたしまして帝石あたりから聞いて見ますと、水攻め、それからガス攻めのいわゆる二次採取法におきましてはもう画期的な成績を収めているというカーブを示されて、実は私は現場で拝見をいたしているのであります。そういたしますと厖大な還付金が入つているわけなんでありますが、それが今二千万円というようなお話を聞きまして実は私意外に考えているのでありますが、その点如何でございましようか。
#21
○政府委員(川上為治君) 二次採取法につきましては二十七年度から入つておりまして、そしてその還付金は今年入ることになつております。
#22
○西川彌平治君 わかりました。
#23
○西田隆男君 資料が出てからの御説明で我慢しておきましよう。言つて見ても仕方がないでしようから……。
 私は通産大臣にお伺いしたいことがあるのですが、帝石に助成金を出してこういう法律を作られた、これは石油の増産をされること誠に結構なことと思うのです。帝石の五カ年計画の遂行によつて増産された石油、原油といいますか、この原油と海外からの現在輸入している原油との問題になるのですが、こういう増産計画を立てられて国内の産業を増産されることは結構だと思うのですが、日本の国の総合燃料対策の見地から、今後帝石で増産されただけの原油に対して、外国からの輸入を減らすというお考えの下に増産しようとしておられるのか、国内で増産されたものは増産されたものとして、国内の消費を殖やし、輸入原油は輸入原油として今までの考え方と同じような考え方で輸入するのだというお考えで、この問題を考えておられるのか、一つ総合燃料対策の見地から通産大臣に伺いたいと思います。
#24
○国務大臣(愛知揆一君) 原則的には国内で増産しただけ輸入を切りたいというふうに考えております。
#25
○西田隆男君 当り前のことで、それはそれでわかりました。そこでこの問題に関連して大臣にお尋ねしたいのは、今日までまだ資料が出ていないのですが、日本の国の総合燃料対策に対して通産大臣がこの国会早期に、もつとはつきり言えば二月十二日の私の質問に対して答弁をされておりますが、その答弁の内容と現在の日本の国の総合燃料対策を考えて見ると、先ず石炭の生産の面において、非常に情勢の変化がもたらされておる、従つて当然通産行政としての方針が変えられなければならない段階に私は来ていると思うのですが、これに対して通産大臣はどうお考えになつておるか。
#26
○国務大臣(愛知揆一君) 私が前に申述べましたのは、二十九年度の適正出炭規模について、でき得れば四千八百万トンということを基礎といたしまして総合燃料対策を立てたいということを申上げました点に関連しての重ねての御質疑と存じます。その間資料等につきまして提出が遅れておりましたものが相当ございまして、この点は誠に遺憾でございますが、今明日中に御要望の資料を御提出できると考えております。
 二月の当時に私が考えましたのは、でき得れば四千八百万トンというものを適正出炭規模として、それに対して、それから逆算してその合理的な対策を講じて、価格の引下げを見通して需要者の協力を求める、それを背景にして石油類の輸入を、外貨予算編成の際に切ろう、こういう点が一つと、いま一つは石油の消費規制に一歩前進したい、こういうことでやつて参りますので、四千八百万トン、或いは石炭鉱業のその後の状況については、その当時私どもが希望として見通しておりましたところと相当程度の違いが出て参りましたことは事実であります。この点は只今お尋ねの通りでございますが、併し私どもは基本的な考え方として総合燃料対策の上においてやはり適正の出炭規模というものをきめ、それから只今申しましたような筋書で、いろいろの問題を考えて見たいということは、私としては基本的な考え方については変える必要はなかろうと思つております。ただ大体重油のこの前御説明いたしましたのは、前年度程度に消費を抑える、その関係において外貨を節減するということを申したのでありますが、それを前提としての今日見通し得る、石炭の実際の需要というものは四千八百万トン程度と予想されるのではないかと思うのであります。従つてこの年度の当初、即ち只今から直ちに四千八百万トンの石炭の需要を実現することは困難かと思いますけれども、併し石炭鉱業の全体の安定と、合理化の推進、それから炭価の合理的な処理ということから言えば、やはり私は四千八百万という出炭態勢というものができるだけ早期に確立できるように、なお一層の努力をいたしたいと考えております。
 それから当面のいろいろの石炭対策につきましては、先般来御承知のように、現地の責任者も集め、関係金融機関方面もいろいろ協議を進め、その対策につきましては、鋭意現在検討中でございます。
#27
○西田隆男君 今の通産大臣の御答弁で、大体はわかつたような気もいたしますが、重ねてお伺いしたいことは、通産大臣の今の御答弁は非常に弱いので、私の考え方を聞いて頂きたいと思うのですが、日本の総合燃料対策を決定する上において、先ず日本の動力源というものは、どういう状態であるかということを第一に考えなければならんと思う。私の調べによると、日本の動力源というものは、石炭が半ば以上を占めておる。その次は電力が三〇%を占めておる。重油が輸入重油を入れて八%から一〇%、その他の燃料というふうに承知いたしております。従つて日本の動力資源、総合燃料対策を決定するには、私は半数以上国内で生産されておる、而も消費せられておる石炭に、第一に基本を置いて、日本の総合燃料対策を検討しなければならんと思う。従つて補助的と言つたらおかしいのですが、どうしても使わなければならん面もありましようが、重油とか、その他の燃料というものは、石炭の対策が確立された基盤の上に立つて考えられるべきだ。石炭を除外しておつて他のものから方針を先に決定して行くということは、通産行政の面から考えて、正常な措置ではないと私は考える。従つて先ず第一に、通産行政の面から対燃料策を考えた場合に、石炭対策を第一義として樹立されて行かなければならん。その石炭対策が最近言われたように四千五百万トン、今四千八百万トン生産ベースだけは合理化の面から考えなければならんということでありますが、四千八百万トンのベースを仮に出すということになれば、四千八百万トンの仮に消費があるという前提に立たなければ、四千八百万トンのべースは、現在負担しきれない貯炭を持つておる石炭鉱業としては、なかなか口で言われただけで、実際はやりにくい。だから石炭を四千八百万トン出さなければならんという基盤に立つて他の動力源、燃料対策を当然検討しなければならん。こういう観点から再三再四通産大臣にしつこいほど、重油対策について一番密接な関係がある石炭の問題をお尋ねしたわけでありますが、日本の今重油を使つている諸産業で、重油でなければならないものはこれはいたし方がないと思うのです。これを切れとか、減らせということは幾ら外貨事情があつてもいけないと思いますが、この石炭の対策を考えるということに対しては、いま少し積極的な方針をおとりにならないと、今通産大臣の希望せられる四千八百万トンの生産、国内消費四千八百万トンくらいにしなければ、石炭の生産業者の整理もできなければ、合理化もできないという関係からしても、これは非常に困難じやないか、こう思うのですが、それじや通産大臣はどういうふうにお考えになつておるか。又石炭の四千八百万トンという生産ベースは壊さない、重油も輸入制限はできないということになれば、何かほかに石炭四千八百万トンの生産ベースが守れるような具体的な対策を明示して頂かないと、石炭鉱業というものは途方に暮れるだろうと思う。これは箪笥にしまつてもおけないものだし、四千五百万トンの二十九年度消費見込に対して、四千八百万トンの生産があれば貯炭の置場がないということになる。今日の新聞で見ますと、カロリー当り七十五銭という標準が立てられたようです。ところが現実の石炭の情勢というのは、そんな生やさしい情勢ではありません。もう若松の市場では生産原価を相当に割るというような実態で、投売りされているという情勢なんです。こういう情勢が今後続きますと、石炭鉱業は大きな痛手をこうむり、石炭の値段を下げなければならんということになると、石炭が生産できないような状態になる。こういう点に対して通産大臣は、どういうふうなお考えを持つておるのか。せつぱつまつた第一四半期もうじき終るし、石炭の見通しはますます悪くなる一方のように私には受取れるので、若し現実の状態の認識の上に立つて何とかしなければならんというお考えを持つておるのなら大臣の考え方を一つ伺いたい。
#28
○国務大臣(愛知揆一君) 只今申しました通り、又私は終始一貫申しておるつもりでございますが、私の考え方は、総合燃料対策の中心は石炭の適正規模というものを確保することであるというふうに、私は間違つておるかも知れませんが、考えております。そこからすべて割出して行きたいということで、一月以来その当時においては、一つの基準として四千八百万トンというものを私としては考えたつもりでございます。先ほど率直に申上げましたように、二十九年度のところが只今現在の見通しで消費のほうから申しますと、四千五百万トンというふうなところにしかならない、この点についてはさつき申しましたように、一つの見通しというか、計算違いということを認めておるわけでありますが、併しそれにもかかわらず私としてはやはり四千八百万トンという目標を貫徹いたしたい。貫徹するためにどうしたらいいか、只今御指摘になりましたように、すでに重油の問題についても、法的の規制までも私といたしましては決心をいたしまして、三月に所要の向きに対しての重油の消費規制は、十月一日から場合によつて法的規制をいたしたいということも打出してありますから、あとはこの面においては、程度問題ではないかというふうにも考えておりまして、基本的な考え方の数字だけは一応私はできておるつもりでありまして、重油の関係においては、そのやり方を更にいま少し進めるかどうかという点で一つの考え方が更に充実して来ると思います。それから石炭鉱業自体に対しての当面の急を要する措置については先ほど申上げましたように、いろいろの方面に当りまして、場合によつては一般的な方針では行かないものもある。ケース・バイ・ケースに救済というか措置をしなければならないものもあると思いますが、この面についてはできるだけの処置を講じたいというふうに考えておるわけであります。
#29
○西田隆男君 基本的な考え方は初めから聞いている。基本的な考えだけがおきまりになつても、具体的に実施されて、それが石炭の炭鉱のほうに好影響を及ぼして来なければ何もならない。お考えになつているだけで実際の面の効果が現われないのでは、これは行政をやつているという意味をなさないので、その点を私はお聞きしているので、仮に四千八百万トン生産ベースを絶対に維持することが最良の方法だというお考えなら、四千八百万トンの消費が国内で行えるようなふうに何らかの具体的な措置をなされなければならない。統制をしようとは思つているとおつしやつても、今現在考えておる統制というものは重油の消費に対する全般の規制を行うという統制の考え方じやないように私は承わつておる。従つて僅かな石油の量では今の四千五百万トンと四千八百万トンの消費と生産のベースの二つの対立を解消するということに役立つとは考えられない。従つて設備の転換が楽にできるもの、具体的に言えば鉄鋼とか、銅とか、セメントとかいうようなものに対してどういうふうな重油の規制をやるお考えがあるのか、そういう点を具体的に言つてもらわないと、基本的な考え方においては私の考えと同じに違いないが、同じであつても効果が現われて来ないと、時期が遅れると石炭鉱業は潰れてしまう、こう私は思つている。通産局で案ができていなければ、無理に今日御答弁願わなくてもいいのですが、お考えがきまつていればはつきり具体的な問題についてお答え願いたい。
#30
○国務大臣(愛知揆一君) 基本的な考えが、何か考え方の基本として考えているのかというお尋ねでございましたから、私は前々から申しておるのをくどいようでございますが繰返して申したのであります。それから具体的な対策について、先ほど申上げましたように御批判はいろいろございましようが、私どもとしてできるだけのことを今一生懸命考えておるのだということを先ほど申上げた通りでございまして、それから何か考え方を示唆するような点を申上げたのでありまして、これ以上は遺憾ながら今日お答えするだけの用意はできておりません。
#31
○西田隆男君 もうお答えなさる用意ができていなければお答えしてもらわなくてもいいのですが、産業は生きておるのです。毎日々々が生きている。頭の中だけでいろいろなことを考えておつたところで、これは実際は大変な結果になる。消費が四千五百万トンで、生産は四千八百万トンならば、三百万トンの差が出て来る。これに対してはどうしてそれを埋め合せるかというふうな、そんなことは長く何カ月もかかつて考えなければわからない問題ではないと思う。関連するところは極めて大きい。石炭を使わないものを石炭を使えというようなことをお考えになつて、実際の面に現わしても効果がない。従つて問題になるのは重油を石炭に転換する場合を考えておるか、どういう方法でいつ頃からやろうとしておるか、これはできないことはないと思うのだ。準備ができていない、答弁がされないということなら無理に答弁は聞きませんが、石炭の生産原価と現在の市場の販売価格の差ぐらいのことは、十分に通産大臣は承知されておるはずだ。通産行政がそういうふうに観念と現状の実行されることとが食い違いを起して来るというと、日本経済は大混乱ですよ。これはよく一つお考えになつて、今日準備ができていなければ準備ができてからでも、実際準備ができてから資料を出されて御答弁を願いたい。私は石炭局長に早くから資料の提出を望んでおつた。ところが資料はどうしても出て来ない。資料が出て来ないところを見れば、結局案ができていない。それじや困る。これは委員長のほうにおかれても資料を……、先ず資料に基く説明を聞いて、具体的に如何にどうされるかという結論を委員会で一つ出して頂くようにお願いいたします。
#32
○西川彌平治君 この石油二法案の問題に関連をいたしまして通産大臣に一つ御意見を伺つておきたいと思うのであります。石油の消費量が非常な勢いで増して参つております。国内石油の産額は三十四万キロリツター程度であるというようなことを思うわけでありまして、曽つて石油の一滴は血の一滴であるとまで言われて、我々に対して石油の節約を徹底的に政府は我々に要請をいたして参つておつたのでありますが、私どもの最近に見ておりまする石油の消費のやり方は、或る部門におきましてむしろ濫費という線が出ておるのではないかと、私は実は狭い観察でありますが、そういうところをたくさん見ておるのであります。でありますが、輸入を以てこれに当てる政策に対して、全国民に対しまして石油の消費に対する一つその考え方を何とかやつて頂かなければ私はいかんのではないか。幸いこの緊縮予算というようなこの二十九年度の予算が出されておる際でありますから、この石油の消費に対する徹底的な石油の節約の線を各部門に対しては幾らとかという消費規制ということでなく、全国民に対して石油の消費節約を一つ徹底させるお考えはございませんか、伺いたいと思います。
#33
○国務大臣(愛知揆一君) これは石油について特にそうでありますが、現在の日本の立場において非常にこういう点が苦しいという点、それからこういう点は国民的な御協力を願いたいという点については、経済審議庁を中心にいたしまして国民的に訴えるような、何と申しますか、資料を現在用意をいたしております。それを、例えば一、二の民間の団体等から大いにそういうものを利用させて欲しい、そこと結付けていろいろな運動を展開したいというような案が数日来相当熱心な御希望の向きも出て参りまして、非常に私は有難いことと思つておりますが、それらと結付けた一つの運動を展開いたしたいと考えております。
#34
○西川彌平治君 どうかこの点は強く一つこの際打出すことを、特にお願いいたしまして終ります。
#35
○三輪貞治君 私少し遅れて参りましたので、すでに質疑がなされたかと思いますが、この衆議院における附帯決議案に対しては、各項目に亘つてそれぞれ質問をされたようでありますが、特に私は三の点について今一応お伺いして見たいと思います。三には帝石重役陣の内紛が絶対今後起らぬように厳重に措置すること。万一再燃する場合は円満解決するまで昭和二十九年度の助成金を支給しないこと。こうあるのでありまして、これは非常に重大な意味を含んでおると思うのであります。過去この帝石の内紛というものは一つの歴史的なものでありまして、その原因するところだんだん考えて見ますと、会社の経営に当つておられる重役陣に二つの大きな違つた考え方があるのではないか。それがこの内紛に大きな根本的な原因をなしていたのではないか、かように考えられるのであります。即ち一方におきましては、石油鉱業の公益性というものを主として主張されまして、その上に立つて経営を進めて行こうとする考え方、これは私は当然そうあるべきだと思いますが、ところが他方におきしましては、実に遺憾ながら特定の株主の意見を基礎といたしまして、飽くまでも一般の私企業と同じような運営を行うとする考え方がありまして、この二つが対立している。ここにこの内紛の大きな原因があつたと思うのであります。通産当局が中におられて、この内紛の起らないような処置をされたのでありますが、なお又今後この決議案の趣旨に副つて絶対にこれが起らないように厳重に措置するということになりますと、一体これはどうすればそういうことができるのでありましようか。内紛の種が全然なくなつておればこれは別であります。ところが内紛の種は依然として私は払拭されていないと思う。そういう状態において違つた考え方が依然として存在しているままにしておいて、内紛を起さないようにするには一方の場合を非常に強くして、多数の勢力を以てその考え方が勝利すれば、一方のほうは敗退をして重役陣から引下つて行く、こういうことでなければ徹底的な内紛の駆逐はできないと思う。そういう点について大臣から一つ御所見を伺つておきたいと思います。
#36
○国務大臣(愛知揆一君) 重役陣の内紛の問題につきましては、当委員会におきましても随分詳しく私の心境を申上げたつもりでございます。今のお話に附加えるべきものもございませんし、私の申上げた説明について、そんなことでは駄目だという御意見のあるかたのいらつしやることは私も承知いたしております。併し私はこの帝石について、今回御審議を願つておりまするこの法律案が出て、例えば配当についての制限というようなこともできます。その他考えようによつては相当ドラスチツクな権限を通産省に与えて頂くことになるのでありますから、これを背景にし、且つその法律が幸いにしてできますならば、その法律によつて帝石の私は性格が実質的に変ると信じております。従つて従来政府は持株は持つておつたかも知れませんが、いわば純然たる私企業であつた場合には、特に株の操作等によつていわゆるそういう意味の妙味を発揮するというような面白味というものは帝石には否定されることに私はなると、そういう観点から申しまして、人事等についても非常に私はやりやすくなる面があると思うのであります。それから具体的に当面の措置としては、何度も申しましたが、私といたしましては現在の執行部、これを更に具体的に言えば、現在の社長の帝石の経営に対する考え方というものも我々は賛成し、且つこれを支持し協力をして行きたいと思いますから、現社長がいろいろの点からいつて客観的に見てやりやすい状態を作つて上げるということに、先ず第一のステツプをとつたつもりでございます。それからそれで工合が悪いようでございましたならば、人事権については法律上の権限はございませんけれども、当局側といたしまして断固たる措置をとつて行く、こういうふうな決意は前回も申上げた通りでございます。それから内紛が収まつたか収まらないかということは、問題が問題でありますから、私は客観的な基準はないと存じます。併しこれは当局において内紛がこれによつて一応鎮静したと認めた場合においては、我々の責任において助成金を支給させて頂きたい、こういうふうな考えでおるのでございます。
#37
○三輪貞治君 現在の重役陣においては、私がさつき述べましたような過去における内紛の大きな原因であつたと思われる二つの対立がやはり依然としてあると御認識になつておりますか、もうすつかりそれは氷解してなくなつたと、こういうふうにお考えになりますか、その点だけを一つ……。
#38
○国務大臣(愛知揆一君) それは私率直に申しますが、人様の考えられることでありますから、人の考え方がどうであろうか、内心はどうであろうかということまで突つこんで私には自信を持つてお答えするだけの勇気はございません。併しながら先ほど申しましたように、本件については、こういう法律の御審議を願つておる当局の立場といたしましては、帝石の性格が変つたのだと、而もすでに衆議院においてはこういう附帯決議が決議されたという具体的な事実がもうすでにできておる、こういう客観的条件の下においては、或る一派の人たちの考え方も変らざるを得ない、のみならずその人たもの考え方は相当私は変つて、帝石を公共事業としてこれは守り立てて行かなければなるまい、過去において或いは考えたかも知れないその人たちの考え方というものは、この帝石の今回の帝石をめぐるいろいろの情勢からいうて、これはうまくない、つまり自分たちが従来考えたであろうかも知れない考え方は捨てざるを得ないというようなふうに私はなつて来ておるというふうに考えております。
#39
○委員長(中川以良君) 三輪君にちよつと念のために申上げますが、実はお出ましになるのが遅かつたのでありますが、最初に先般の皆様方の御意向によりまして、衆議院の附帯決議につきまして、衆議院議員に来て頂いていろいろ御質問をする予定でございましたところが、衆議院側がどうしてもいろいろな都合で出席をされませんので、鉱山局長からその際の経過をお話があり、それに対する政府の所信を述べられまして、それに対して各委員から御質疑がございまして、一応これは懇談会でやつたのでございますが、約一時間以上かかりましてこの問題は一応皆さん御了承を頂いたわけでございます。念のためにちよつと申上げておきます。
#40
○三輪貞治君 そこでもう一つお伺いしますが、勿論人の心でありまするから、それを一々客観的に忖度するということは、これはできないことは私もよく了承します。併し少くとも国家が重要な事業として巨額の資金を投ずるのでありますから、こういう形が望ましいということについては、もうこれは誰も異存のないところであります。その場合に、その二つの性格、公益性と私企業性との二つの性格のうち、公益性が主であつて、私企業的な性格が従でなければならない、こういうこともはつきりしておるのであります。そういう意味において、今までのそういう内紛の原因であつたものは、しこりは必ずしも全部解けてはいないけれども、併し大きく公益性が表に浮び上つて、私企業的な経営を望む考え方が従的に引込んだ形で解決されて行く、こういうことが望ましいということは、これは大臣の御発言の中からも十分酌み取れるわけでありまするが、さように考えてようございますか。
#41
○国務大臣(愛知揆一君) その通りに考えております。
#42
○三輪貞治君 その場合に実は、九月二十日に重役の任期の来るかたがありますね、これは主として田代社長を中心とした、まあ俗に言う田代派と申しまするか、その人々の数名がこの任期が満了すると思うのであります。その場合に若し再選をされなかつたら、そういう望ましいと思つておられる形が逆な形になる虞れがありませんかどうか、その点を重ねて伺いたいと思います。
#43
○国務大臣(愛知揆一君) 私は現在のところさようなことにはならないと思いますし、又ならないようにいろいろの手を尽したいと当局としても考えております。併し先ほども申しましたように、私どもとしては今後の帝石の重役陣が、どういうふうな考え方で、どうやつて行くであろうかということについては常時厳重に監視して行かなければならんと思いますから、只今御指摘の点だけではなく、ほかの点にも亘りまして十分監視して参りまして、この衆議院の附帯決議の御趣旨なり、十分副うようにやつて参りたいと思つております。
#44
○三輪貞治君 そういう事態が起らないと思うということは、再選されないということはないと考えると、期待すると、こういうような意味でありますか。
#45
○国務大臣(愛知揆一君) 要するに望ましい人が再選されないような事態は起さないようにいたしたい、こういう考えであります。
#46
○委員長(中川以良君) ちよつと申上げますが、通産大臣は只今当院の予算委員会より、すでに只今質問が出ておりますので、成るたけ早く出席を求められております。
#47
○海野三朗君 通産大臣にお伺いいたしたいと思います。只今西田委員から、縷々述べられましたが、私もこの石炭対策について、又日本の燃料の国策の見地からいたしまして、重油の輸入、これについては関税を免除しておるのであります。そういうことが私は非常に片手落の政策であると考えられる。従つて今日石油、この方面の非常に需要が増して来た、こう申しておりますけれども、関税のほうを眺めると法律で以て一割の関税をかけるとなつておる原油に対する関税が一年ごとに延期されておるのである、かけないと言うておる。そういうふうなあり方は、燃料国策の見地からして先ず第一間違つておるのではないか、従つて国内の高い石炭より重油にだんだん変つて行く、工業方面においてもそうである。それであるならば、この石油開発のこの法案を考えましても、国内の石油というものを掘つて行かなければならないんだというふうな見地から考え、又国内の石炭を使いこなして行くという見地から考えましても、この原油に対する関税の免除ということは、どうも私は納得が行かないのであります。この点について通産大臣は、それは関税は大蔵省関係であるとおつしやるかも知れんけれども、通産行政を担当しておられる大臣としましては、どういうふうにお考えになつていらつしやるか、甚だ私は矛盾しておるやり方である、こういうふうに考えられまするが、如何ようにお考えになつていらつしやいますか。
#48
○国務大臣(愛知揆一君) この関税の問題は、しばしば当委員会におきましても論議があつた点でございますが、どうも只今御指摘の通り関税定率法の関係で一年間更に延長するという法律がすでにできてしまつておるのでありまして、なぜ一年延期が更に行われたかという理由等は大体こういうことであると思うのであります。どうしても重油を使わなければならない向きというものが比較的零細な分散した消費者でありまして、即ち農林とか水産関係の用途が多い。その面から言えばこれはどうしても重油を使わなければならんというようなことから、少しでも価格が安いほうがいいということで、その方面からの意見が強くて更に一年間の延期ということになつたように私は承知いたしておるのであります。この点については前にも申上げたと思いますが、国民的にこう考えて見まして、丁度賛否両論が相半ばするというようなこれは率直な言い方でありますが問題でございますために、政府といたしましても非常にこの処理には苦心いたしたのでありまするが、十分その御意見のありますところは私も御趣旨はよくわかりますので、これはまだずつと将来のことになりますので恐縮でありますが、この次の場合におきましては十分一つ慎重に扱つて成るべく御趣旨に副うようにいたしたいと思います。
#49
○委員長(中川以良君) ほかに御質疑ございませんか。大臣に対する御質疑がございましたらどうぞ……。
 それでは他に御発言もないようでございまするが、石油関係二法案に対しまする質疑は終了したものと認めまして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#50
○委員長(中川以良君) 御異議ないものと認めます。
 ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#51
○委員長(中川以良君) 速記を始めて下さい。
 それではこれより石油及び可燃性天然ガス資源開発法の一部を改正する法律案及び石油資源探鉱促進臨時措置法案につきまして討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを頂きます。
#52
○豊田雅孝君 私は希望条件を附しまして本案に不満足でありまするけれども賛成をいたします。その希望条件は衆議院の通産委員会における附帯決議の第五号に、「国家助成をうける石油採取事業の公益性にかんがみ、配当については他の公益事業と同様にすること。」の条件が附帯決議としてなつておるのでありますが、この附帯決議を充足するのには、私はこの法律案の修正をいたし、具体的に言うならば、第十七条の勧告だけでは目的が達せられない場合が相当予見できるのでありまして、この勧告に応じない場合においてはどうしても命令までするというふうにこの法律案の第十七条を修正すべきものだと思うのでありますが、勧告について只今私の申しますような強い意味を以てこれを運用いたし、その運用によろしきを得ることに万全の努力をせられるということで進まれ、而してなお且つこれが充足できない場合におきましては、将来適当な機会に第十七条を修正いたしまして、命令までし得るというような意味における改正をせられるということを希望条件に附しまして、私は本案に賛成いたします。
#53
○西川彌平治君 私は自由党を代表しまして石油二法律案に対しまして賛成をするものであります。国産原油の生産量は年間三十四万キロリツター程度で、我が国原油の所要量の一割にも満たない現状におきましては、いろいろの角度から考えまして、石油資源の開発の促進を図らなければならないことは改めて申上げるまでもありません。この見地からいたしまして、探鉱五カ年計画を樹立されまして、二十九年度より着手されることは喜びに堪えないのであります。併しながらこの種の事業が特定数社に限られておりまして、特に帝国石油株式会社が殆んど九〇%を占めておられる関係上、この二法律案に対しましてはいろいろの問題点があるのであります。衆議院におきましても、附帯議決を附けて本院に送付されたのも、私は恐らくこの点にあると考えておるのであります。監督官庁といたしまして、又帝石の二三%の株式を所有いたしておりまする政府としては、この法律の運用に対しましては、特に厳重なる監督をなすべきであると思うのであります。先般来委員会において、いろいろと論議をされました事柄をよく委員長におきましては委員長報告の中に織込みまして、本会議において十分に一つ御発言を頂きたいということを希望いたしましてこの案に賛成するものでございます。
#54
○三輪貞治君 私は日本社会党を代表いたしまして、以下述べます条件を附しまして二法案に対して賛成をいたします。
 その条件の要点を申上げますと、一つ、将来石油開発事業は国策会社法の制定を見るという前提の下に本法の運用を厳重にすること。二、帝石の経営並びに役員の構成は国策に副うものでなければならない。これに反する場合は、政府は断固たる処置をとるべきである。三、国家助成を受ける石油採取事業を主たる業とする企業の配当の標準は、公益事業並みにする。この三つの条件であります。
 先ず順次簡単にその趣旨を申上げますと、一の、将来石油開発事業は国策会社法の制定を見るという前提の下に本法を運用されたいということでありまするが、この石油開発事業というものは、これは各委員御承知の通りに、多額の資金と高度の開発技術を必要とするものでありまするから、国家の指導、援助なしではその成果が得られないところの実情であるわけであります。かような特殊事情からいたしまして、世界の各国におきましての石油資源の開発事業は、経済的脆弱性、及び開発、技術の貧困である二、三の諸国は別といたしまして、今日まで二十数カ国がすでに国営或いは国有、国家管理等の政策を採用いたしまして、ブラジル、メキシコ等のような国でさえも国営を実施し、最近においてはビルマもその国有化への方向を出しておる状態であります。そのことはその国の経済、政府の立つておりまする基盤でありまするイデオロギーがどのようなものでありましようとも、前に述べましたような、石油資源の開発が、国家みずからの手で行わなければならないという石油鉱業の本質的な性格から来ておるものと考えられるのでありまして、前に上げました二十数カ国の例等も必ずしも社会主義的な経済を万般に亘つてやつておるという国では必ずしもないのであります。我が国におきましても、昭和二年に石油試掘奨励金交付規則を制定いたしまして以来、今日まで二十数カ年間、国家助成が続けられて来ました。最も多額の助成の行われました年は、現在の物価水準に換算いたしますると、三十四億円が助成されたときがあるのであります。殊に昭和十六年には帝国石油株式会社法という特別法を制定いたしまして、独占企業を設立されておるのであります。勿論この場合におきましては、この目的が戦争という問題に結付いておつたことは否定できないのでありまするけれども、戦後におきまして集中排除法の適用を受けた際におきましても、単に試掘鉱区の一部を放棄することだけで、集中排除法の適用が終結いたしまして、その独占的企業形態において何らの変革も加えられなかつたことは、極めて重要な問題を含んでおると考えられるのであります。かような意味におきまして、将来における石油開発事業は、どうしてもその政府を構成しておる政党の政策が如何なるイデオロギーに立つといたしましても、この問題については特に国策会社法、これは仮称でありますけれども、の制定を見るというような前提の下に本法の運用が公益性を主として厳重に運営をされて行く、こういうことをば我々は期待をしておるのであります
 第二番目の帝石の経営並びに役員の構成が国策に副うものでなければならない。これに反する場合は、政府は断固たる措置をとるべきである。これは前の質疑でも大臣から御意見を伺いまして、その決意のほどを知つたのでありますが、先にも申しましたように、帝石の過去の内紛の原因というものを考えて見まするに、一方に公益性を主張する側と、一方に私企業的な経営を主張する側とが対立をいたしまして、これが内紛の長い歴史の原因を作つていたように思うのでありまして、而もこれは今日その公益性が非常に大きく表に浮び出て、私企業的な経営の面が蔭にひそんだとは言いながら、その根本的な内因は、決してこれは払拭されておらないのであります。特に九月二十日において任期の満了いたしまする数名の重役が若し再選されないというような事態が起りまするならば、これはもう直ちに非常に好ましくない私企業的な経営を主張する側のウエイトが重役陣において非常に高くなるのでありまして、この際におきましては、そういうことが、再選されないというような事態が起らないことをば期待するという大臣の御答弁、更に私は、その言葉の裏から、国家は二十数%の株式権も持つておるのでありまするから、法律において人事権というものが認められておらないといたしましても、何らかの処置をいたしましてさような事態が起らないような処置をされるという意味であると実は先ほどの御発言を解したのであります。さような意味におきましてこの目的に反するような結果に、経営の基本をなしまする重役陣の構成がなりませんように一つ厳重に監督をされるように望む趣旨でございます。
 第三番目の国家助成を受ける石油採取事業についての配当の問題でありますが、これは過去におきまして相当この事業の重要性に鑑みまして、法人税等においても優遇措置がとられて参つたのでありまして、その優遇措置のとられたものが過去においては二割の高率配当をなす一つの原因にもなつていたかと思います。これは実に遺憾なことでありまして、私は将来におきましてはこの事業から挙つて参ります利益が増大いたしまするならば、それは更に次のもつと高度な五カ年計画、増産の計画に対して投資をすべきである、こういうふうに考えまする立場から、これは一般の電力事業、ガス事業等の公益事業並みというよりも、むしろその事業の重要性から考え、又非常に多額の資本を投入して、飛躍的な増産を図ろうとするこの計画の性質から考えまして、むしろ他の公益事業以下に抑えらるべきである、かように実は希望いたす次第であります。ほかに細かい点はいろいろと法文についてはございますが、大体右の三つの点を厳重に一つ運営の面について取入れて頂きましてこの法律を制定いたしまして、国が重要な燃料の自給の度を高めて行くというこの遠大なる理想が、運用によつてますます発揮されまして所期の目的が達成されるように特に期待をいたしまして、この法律案に賛成いたすものであります。
#55
○委員長(中川以良君) ほかに御意見はございませんか……ほかに御意見もございませんようですが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#56
○委員長(中川以良君) 御異議ないものと認めます。
 それではこれより採決を行います。
 石油及び可燃性天然ガス資源開発法の一部を改正する法律案、石油資源探鉱促進臨時措置法案、以上二法案を一括採決いたします。二法案を原案通り可決することに賛成の諸君の御挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#57
○委員長(中川以良君) 全会一致でございます。よつて二法案は全会一致を以て原案通り可決することに決定いたしました。
 なお本会議におきまするところの委員長の口頭報告の内容、並びに事後の手続等につきましては、例によつて委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#58
○委員長(中川以良君) 御異議ないものと認めます。
 それから報告書には多数意見者の署名を附することになつておりますので、両案を可とされた方の順次御署名をお願いをいたします。
  多数意見者署名
    海野 三朗  石原幹市郎
    黒川 武雄  西川彌平治
    酒井 利雄  大谷 贇雄
    岸  良一  西田 隆男
    三輪 貞治  武藤 常介
    白川 一雄  豊田 雅孝
#59
○委員長(中川以良君) この際、愛知通産大臣より発言を求められました。
#60
○国務大臣(愛知揆一君) 只今石油関係の二法案につきまして、全会一致を以ちまして、御採決頂きましたこの機会に、特に石油資源探鉱促進臨時措置法につきまして、一言所信を申上げたいと存じます。
 本法案の御審議に際しまして、各委員から御熱心に御発言のありました点につきましては、この法律の施行に際しまして、十分にこれを取入れまして、施行に遺憾なきを期したいと存じます。なかんずく帝国石油株式会社の経営並びに役員の構成につきましては、特に政府におきましては厳重に事態の推移を監視いたしまして、この会社が国策に副うものとして運営せられまするように、十分の監視を遂げ、又必要に応じましては断固たる措置をとるべきことを政府といたしまして決心をいたしておる次第でございますので、御了承願いたいと存じます。
#61
○委員長(中川以良君) 本日はこの程度にいたしておきたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#62
○委員長(中川以良君) それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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