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1953/05/11 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 通商産業委員会 第38号
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1953/05/11 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 通商産業委員会 第38号

#1
第019回国会 通商産業委員会 第38号
昭和二十九年五月十一日(火曜日)
   午後二時六分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
五月十日委員石原幹市郎君辞任につ
き、その補欠として井上知治君を議長
において指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     中川 以良君
   理事
           松平 勇雄君
           海野 三朗君
           小松 正雄君
   委員
           大谷 贇雄君
           小林 英三君
           酒井 利雄君
           西川彌平治君
           岸  良一君
           豊田 雅孝君
           三輪 貞治君
           藤田  進君
           武藤 常介君
           白川 一雄君
  国務大臣
   通商産業大臣  愛知 揆一君
  政府委員
   外務政務次官  小滝  彬君
   通商産業大臣官
   房長      岩武 照彦君
   通商産業省軽工
   業局長     中村辰五郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       林  誠三君
   常任委員会専門
   員       山本友太郎君
   常任委員会専門
   員       小田橋貞寿君
  説明員
   通商産業省軽工
   業局化学肥料部
   長       柿手 操六君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○小委員の補欠選任の件
○通商及び産業一般に関する調査の件
 (日ソ貿易促進に関する件)
○通商産業省関係法令の整理に関する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○硫安工業合理化及び硫安輸出調整臨
 時措置法案(内閣提出、衆議院送
 付)
 (第十八回国会継続)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(中川以良君) 只今より通商産業委員会を開きます。
 最初にお諮り申上げます。西川委員が一時通商産業委員を辞任せられましたので技術士法案に関する小委員が一名欠員となつております。この欠員互選を行う必要がありますが、西川委員が通商産業委員に戻られましたので、同委員に再び小委員をお願いいたしたいと思いまするが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(中川以良君) 御異議ないと認めます。それでは西川委員を小委員に指名いたします。
 ちよつと速記をとめて下さい。
   午後二時七分速記中止
   ―――――・―――――
   午後二時三十三分速記開始
#4
○委員長(中川以良君) 速記を始めて下さい。
 それでは先般来水産委員会との連合委員会においていろいろ御審議を願つておりました対ソ貿易促進に関する件につきまして、連合委員会においてお打合せを申上げました通りに、只今より通産委員会だけでこの問題を一応質疑をいたしました上、通産委員会の意のあるところをまとめたいと考えております。
 先ず最初に本件に関して政府側に御質疑をお願いいたします。
#5
○西川彌平治君 大臣にちよつと伺いますが、ソ連と日本との国交は回復いたしておりません。従いまして表立つたいわゆる貿易というようなことはあり得ないのでありまするが、聞くところによるとやはりまあ密輸とでも申しますか、或いは物々交換が行われておるやに私は聞いておるんですが、ソ連でなければないような品物はどうしても欲しいから物交か何かでやつておるというようなことに私は解釈をいたしておるのでございますが、事実はどういうのでございましようか。そういう点についてお差支えなかつたら一つ伺いたいと思います。
#6
○国務大臣(愛知揆一君) ソ連との貿易につきましては、現在ココムという機構が御承知のようにございますが、これを通じて西欧諸国と同一の国際的な線に沿つて戦略物資の輸出統制が行われておるわけでございます。その統制の範囲は現在のところでは中共に対する場合よりも却つて範囲は低いと申しますか狭まつておるような状態でございます。政府といたしましては今後とも西欧諸国の動きに対応いたしまして国際的な線に沿つた措置をとつて行きたいという考えでおりますが、只今も御指摘がございましたが、例えばソ連の材木、木材の輸入というようなものは日本といたしましても非常に望ましいことでもございまするので、最近におきましても、例えばソ連船の修理等バーターと申しますか、というような関係でソ連材の輸入をいたしておるような状況でございます。
 それから大体の日ソ貿易の現状を申上げますと、一九五二年におきましては輸出がこれは大体いわゆる求償取引を承認した額でございますが、輸出が十四万五千四百五十ドル、輸入か十四万五千四百五十ドル、こういうことになつておりますが、そのうちで輸入いたしておりまするものが、粘結炭が大部分でございました。それから輸出をいたしましたものは人絹糸が大部分でございました。
 それから一九五三年になりますると、輸出、輸入それぞれ三百七十八万九千ドルということになつておるのでありまして、これは只今一例として申上げましたが、船舶の修理が輸出として計上してございますが、これが大部分でございまして、やはり粘結炭等が輸入のほうの大きなものになつているわけでございます。
#7
○西川彌平治君 最近これは伝えられるところによりますと、漁船用の発動機であるとか、まあ漁業用の漁具というようなものが相当ソ連において希望されておるやに私は聞いておりますが、そういう方面の商談というものは事実上において進んでおるものでございましようか、如何でございましようか。
#8
○国務大臣(愛知揆一君) 私どもの承知いたしておりまするところでは昨年の暮以来ソ連側において我が国の消費者との間には比較的活発な引合いが行われているようでございます。で、どういう品目であるかと申しますると、ソ連向きの分はやはり船の関係でございまして、ソ連から入れる商談の引合いといたしましては、先ほど申上げましたが、石炭、それから油も或る程度話に乗つているようであります。それからこれも先ほど申上げましたが、木材、それからクローム鉱、マンガン鉱、綿花等の輸入が予想されるものとしては話合いになつているようでございます。で、恐らく今年は的確なまだ集計が随時できておりませんけれども昨年に比較いたしまして相当大幅に輸出入とも拡大されるのではないかというふうに見込んでおりますし、私どもはそのことは結構であるというふうに考えているのであります。
#9
○西川彌平治君 今後、今まで貿易品目の制限を相当中日貿易より以上に秘めているはずでございますが、これの枠を順次拡大して行くのではないかとは考えているのですが、そういう見通しについては如何でございましようか。
#10
○国務大臣(愛知揆一君) 先ほども申上げましたように、現実の問題として比較いたしますると中共に対するよりも制度として緩和された……。
#11
○西川彌平治君 そうですが。
#12
○国務大臣(愛知揆一君) 制度として緩和されているのでございます。それから先ほど申しましたように、今後におきましてもまあ当分の間はココムを通じて西欧諸国と足並みを揃えて行くべきであるというふうに考えておりまするから、西欧諸国全体の足並みに従つてもつと禁輸品目を緩和するというような動きになれば当然我が国もそれに歩調を合せて参りたいと考えております。
#13
○西川彌平治君 有難うございました。
#14
○委員長(中川以良君) ほかに御質問ございませんか。
#15
○海野三朗君 これはちよつと、この前お伺いいたしましたことなんですが、ソヴイエトから学会への招待が来ましたときに、この三月でしたか招待が来ましたときに、どうして日本はその旅券を交付しなかつたのでありますか。私は学会への場合の招待に対しては旅券を交付してやるのが本当じやないかと思うのです。それは個人の安全を保障できないからとか何とかいろいろ理由もありましようが、それは学者を向うへ遣わして、向うの内情を見ればよくわかることなんです。そういう場合に学会のことに対して、学者のつまり招待があつたわけです。向うの原子力の学会、それに対して日本ではそれを拒んで旅券も交付しなかつたということは私は非常に間違つているのじやないかというように思うのでありますが、そういうことに対しましては大臣は如何ようにお考えになつていらつしやいますか。
#16
○国務大臣(愛知揆一君) 旅券の関係は御承知のように外務省の所管になつておりますので、外務次官がお見えでございますから外務次官から御答弁、御説明を願つたほうが適格であると思います。
#17
○政府委員(小滝彬君) この問題につきましては過日の連合委員会においても御答弁申上げました通り、従来我が政府のほうでは共産圏諸国との人の往復というものを極度に制限し、これは原則として許可しないという方針をとつておりますため、御指摘の学術会議に出席したいというかたに対しましても旅券を下付いたさなかつたのであります。学術会議に限らずいろいろな会合等について共産圏諸国からは相当数の招待が参つております。学生の会合があるとか、或いは学術関係のもの、或いはスポーツ関係のもの等これまでも非常に多数の人が、若し制限せざりせば相当数の人が向うへ行つたであろうと考えます。併し政府といたしましてはどうも平和会議においてもソ連のほうは平和条約に参加することを拒み、従来どちらかと言えば相当敵意の含んだような声明等も行われ、その後マレンコフの政権になりましてから、日本に対するのみならず自由主義諸国家に対する態度もいささか変つて来た点もございますけれども、何か日本側と交渉しなければならないような問題がある場合、例えば引揚問題のごときも日本の場合は全然これを引延ばし、これを相手にしないといつたような態度をとつて来ておりますので、日本のほうからいろいろソ連に対して厚意的と申しまするか、ソ連との間にもつと政府と非常に違つた考えを持つた人が自由に往復せられるということは、国家の利益という点から考えましても好ましくないし、又御指摘のように生命財産の保護につきましてもソ連とは国交関係もなく、而も代表部というような認められたものもないために交渉の途もございませんので、日本人の生命、身体の保護というふうな立場から考えましても、事ソ連との往復乃至共産圏の諸国との往復というものはこれを差止めるほうが適当と認めまして、そのような措置をとつて来たのであります。若し学術会議だけでございましたら、或いは御指摘のような特に許可をするということもできたかも知れませんが、一つの会議に出席しようとする人を許可いたしました場合には、他の類似の申入に対しまして、これに差別待遇を与えることはできないというような旅券法の建前もございまするので、学術会議に対する出席のための申請を却下いたしたような次第でございます。
#18
○海野三朗君 私は学問にも共産圏の学問とか自由主義の学問とか、学問には、真理の探究にはそういうふうな色がないと思うのであります。で、共産圏であるからその学会にやらないということそのこと自体が、私は何としてもわからないのでありまして、外務省のとつたその態度は、学問というものには国境がないはずなんであります。ただ応用の点については国境がありますけれども、真理の探究については国境がない。勿論共産圏も何も、学問については共産圏の学問などというものはないのです、真理の探求に対しましては……。それでこの学会から招待が来たのに、あの学術会議のほうから勿論外務省に申入れたのでありまするけれども、頑としてその旅券を交付しなかつた、日本においてはそういうふうなことが果してどうか。東洋においては秦の始皇帝が学問の本を皆焼いた、そういうふうな考え、私はそのことを想い起して、日本の、つまり政府というもののこの学術ということに対する偏見、私どもは偏見とそれを思うのでありますが、それに対してはもう少し深く考えて頂かなければならないのじやないか。でほかの場合、学生をやるというようなときは、勿論これは赤に染つて困りますから、それは私も更に異論がないのでありますけれども、真理の探究に対しまして、殊に原子物理学の学会に対しましては向うにやらなかつた、旅券も交付しなかつたというのは、私は外務省当局がどうもぴんと来ないのでありますが、その点については或いは小瀧政務次官は党の方針に従つてそういうふうにお答えになつたのか、本当にあなたの良識からお考えになつて如何ようにお考えになつていらつしやるか、それをお伺いしたいのです。
#19
○政府委員(小滝彬君) 学術の、この真理の探究というようなものに対してこれを抑えようという趣旨からいたしたものではございませんので、学術会議と申しましてもいろいろそれの及ぼす影響がございまするために、このモスクワで開かれる学術会議については出席を認めなかつたのであります。私は良心的にそれではそういう取計らいを支持しているかということでありまするが、私は現在の旅券法の建前から申しますと、これも止むを得ないことと考えます。何となれば今海野さんが御指摘のように、目的が比較的に、一方のほうの旅行の目的が比較的に尤もなものであり、一方のほうはそれほど重要性がないものだから片一方の比較的重要性のあるほうに出席する者に対する旅券の下付を認め、片一方の比較的重要性の少いほうには旅券を下付しないというようなことは旅券法第十三条の規定から考えましてなし得ないのであります。特定地域において生命、財産、身体の保護も得られると認められ、且つ国家にとつて大きく利益を害するということが認め得られないような場合には、その申請者が誰であつても、或いはその人がそれほど国家のために役立つ仕事をしようとも思われない場合にも、許可しなければならないというようなことになりまするので、今の旅券法の建前から見ますると、これを許すならば、その他のスポーツ関係も、或いはいろいろな講習会というような名前のもの、或いは文化関係の会合に出席しようとするような人、相当多数の人をすべて許可せざるを得ないというような立場に我々は置かれるのでありまして、その法律によつて行動しなければならない当局といたしましては、その問題となつております学術会議の出席というものも、認め得なかつたということを御了承願いたいと存じます。
#20
○海野三朗君 大臣は三時からお忙しいようでありますから、私はこの辺で質問を保留しておきます。
#21
○小松正雄君 私はこの際通産大臣に一言お願いをしておきたいと思う。というのは連日に亙つて水産、通産の連合委員会がありまして、それは日ソ貿易を一層拡大せんとする一環の問題からして、本日ここに各派とも意見を持ち寄つたわけでありまして、日ソ関係が一層ここに友愛的にもなるという前提からも考えまして、又日本の貿易の振興の上においても必然的、当然なことであるという考え方から、たまたま私どもの通産委員会としての立場から考えますると、水産だけに任せることでなくて、通産もこれに相入つて、そうして一緒にでも日ソ関係に関連して旅行したい、旅行さしてもらいたいという考え方を持つわけでありまするが、何分いろいろな関係があることを憂慮いたしまして、ここに水産委員会の決議に待とり、こういうようなことに相成つたわけでありますからして、まあ通産大臣におかれましては、水産委員会で決議をされるかどうか知りませんが、一応まあ日ソ貿易の点にも触れて大きく進んで行くと思いますので、でき得る限り、この水産委員会で決議されて日ソ貿易のために派遣されるということになりまするならば、それらの人に対する便宜を与えることについて、できるだけこの通産委員会にかかつている、貿易の振興になるように努力をして頂きたいということを、まあお願いをしておきたいと思います。
#22
○国務大臣(愛知揆一君) 誠に御尤もであると考えますので、さような御趣旨に副いまして、できるだけのことをいたしたいと考えます。
#23
○委員長(中川以良君) ほかに……。
#24
○海野三朗君 大臣にお伺いいたしたいのでありますが、今日中小工業の有様はよく大臣は御承知であると思うのでありますが、あの日平産業の問題にいたしましても、これはその二つの現われでありまして、この中小工業を救うということについては如何なる構想をお持ちになつていらつしやいますか。今日殆んど危殆に瀕せざる中小工業なしと申すも過言ではないと思うのでありますが、これに対する大臣の御構想を承わりたいと思います。今全部行詰つているのでありまして、この品物なんぞにいたしましても、値が安くなると言つても、安くなるより、もう会社が潰れてしまつているというようなのが続出している有様であります。不渡手形につきましても何千件も一カ月にある。この状況を救わんとせられる大臣の御構想を承わつておきたいと思います。
#25
○国務大臣(愛知揆一君) 昨日衆議院の本会議の緊急質問でもお取上げになつた問題でございますが、私どもといたしましても、非常に中小企業の問題については憂慮いたしまして、いろいろの手を打つているわけでございます。で、金融関係等につきましては前々から全体としての考え方を申上げておりますので、それはあとに譲るといたしまして、只今御指摘の日平産業、その他の大企業から中小企業への下請代金の支払の遅延ということにつきましては、公正取引委員会とも十分協議をいたしまして、先般認定の基準というものを作りまして、その基準に違反して支払を遅延させるものは、中小企業法違反であるという断定をして、これに警告をすることは勿論、場合によりましては審判にかけるということで、現在その具体的な事例を調査を至急取急いでいるような次第でございます。
 それから中小企業の定安法というものが御承知のようにございまするが、その第二十九条を発動いたしまして、先般マツチとか、タオルというようなものにつきましては、調整命令を発動して、自主的な体制を作り上げるということについて政府が助力をするというようなことにいたしたわけであります。
 それから通商関係で申しますると、先般きめました外貨予算にも関連いたしますが、加工貿易等について、特に中小企業等の便宜を図りまするような意味合いにおきまして、その方面に対する外貨の割当を非常に大幅に増加をするというようなこともいたしておるような次第でございます。
 その他考え得るあらゆる問題につきまして、できるだけの手を講じておるようなわけでございますが、特に中小企業公庫のごときも、資金源が少いことは遺憾ではございますけれども、不渡等の関係におきましても、貸すに或る程度の時日を以てすれば、立直る見込のあるものであつて、而もその取引の金融機関等において積極的な救援の手を延べ得るようなものにつきましては、特に中小企業公庫が長期の運転資金を醵出するということをきめまして、これも又できるだけの手を差延べるような工夫をいたしておるというような次第でございます。
 なお又東京に限らず、或いは大阪でありまするとか、その他各地特有の現象が起つておるような場合もございます。例えば九州におきましては、石炭……、中小炭鉱をめぐりまして、相当事態が悪化しておりまして、これらの地域、或いは特定の業種等については、例えば九州に対しましては、責任者を直ちに派遣いたしまして、具体的な対症療法を発見することに努める等の措置を講じておるような次第でございます。
#26
○大谷贇雄君 時間がないようですから、ちよつと簡単にお尋ねしたいと思いますが、先ほどの、中共よりもソ連の貿易のほうが幅が広い、こういうお話ですが、まあ今まで国会でも、又民間でも、日中貿易の面は非常にやかましく言われておつたし、又おるわけですが、ところがまあソ連のほうでは非常に幅が広いというお話も伺つて、意外にちよつと感じたわけですが、それはどういう理由かということと、又そうしますると、中共に対しての貿易については、通産省としてはなお一層この後、無論推進をなさつておると思いまするが、なお今後も積極的になさるのかどうかという点を伺つておきたい。
#27
○国務大臣(愛知揆一君) これらの点につきましては、外務省からも御説明があつたほうがよろしいかと思いますが、現実の問題は、先ほど申しましたように、ソ連向けはココムという、機構を通じてやつておりますから、西欧諸国と同じ歩調になつておりまして、具体的に言えば、禁輸されておる品目が非常に限定されておる。中共のほうが却つて窮屈であるという状態になつております。
 でそのどうしてこうなつておるかと申しますると、沿革的ないろいろの理由はあるわけでございますが、特に中共が国連の関係におきまして交戦国といいますか、正確な国際法上の用語は私存じませんが、いわゆる侵略者と定義をされておるというようなことから、特に中共に対しましては、アメリカを通じて国連に協力をしておる日本の立場におきまして、この交戦状態にある間においては、特に禁輸の幅を拡げて、国連に対する政治的な協力の実を挙げようということが、私は主たる理由になつておると思うのでありますが、そこで併しながら、目的が目的でございますから、一時のように非常に広い範囲のものを禁輸する必要はないのでありまして、これは戦略物資でないものはできるだけ禁輸の幅を狭めることが、理想的でございますので、今ここで正確な品目の表を持つて来ておりませんが、今年の正月に私が就任いたしまして以来でも、品目にいたしましても随分多くのものを禁輸のリストから外しておるような次第でございまして、今後におきましても、その努力は続けて参りたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。
#28
○委員長(中川以良君) それでは大臣はもう御退席の時間も迫つておりますので、私から一言お伺いを申上げておきますが、先般来水産委員会と連合委員会を開きまして、水産委員会において熱心に調査しておられる、水産を中心にしたところの対ソ貿易の促進の問題に関しましては、連合委員会の結果、当委員会といたしましても、水産委員会が主張をしておられるこの水産中心の貿易促進に関しましては、できる限り御協力を申上げ、政府にも一つこの旨を強く要望し、政府の一層の一つこれに対する御熱意を示して頂くことを皆ひたすら念願をしておる次第でございます。この点につきましていずれ水産委員会から、通産省なり、又外務省なりに御要望が何かの形で以てあると存じまするが、その際には是非一つ真剣に御考慮を頂きまして、殊に水産代表のソ連の派遣に関しまする問題等につきましては、できる限りの便宜をお与え頂き、水産中心の対ソ貿易が促進をされまして、将来これによつて日ソ間の通商の途も漸次友好に進展をして参りまするような一つ御努力をお願いしておきたいと存じます。この点一つ当委員会におきまして、通産、並びに外務両省の御見解を明らかに御表明を頂きたいと思います。
#29
○国務大臣(愛知揆一君) 只今委員長から御指摘のございました、水産委員会でお取上げになつておりまする決議の問題、又両委員会の連合の御審査がありました経過についても、私も十分よく伺つておるつもりでございまして、只今委員長の御指摘になりましたような具体的な点につきまして、一つ通産省といたしましては、できるだけ誠意を尽して、御要望に副うようにいたしたいと思います。
#30
○政府委員(小滝彬君) 参議院の水産委員会において目下審議せられております決議案と同様の趣旨の決議は、衆議院の同様委員会においてもなされたところでありまして、外務省といたしましても、この決議の趣旨によつて、この主管当局、即ち水産庁、農林省のほうで是非人を派遣することが必要であるというようなはつきりした御意向の表明があれば、先ほど申しましたように、原則としてはソ連への入国は認めないということにいたしておりますけれども、これが例外としての取扱を考慮するように十分協力いたしたいという考えを以ちまして、これまで衆議院の決議に対処いたして来ておりまするが、当院においても同様の決議がありましたら、そうした趣旨によつて問題を処理して行きたいと考えております。
#31
○豊田雅孝君 外務政務次官に伺つておきたいのでありますが、先般の私の質問の際にちよつとはつきりしなかつた点がありまするので、お答えおきを願いたいと思います。すでに今日の午前中参事官からは答弁を得たのでありますけれども、それは水産関係の代表として海外渡航をすることは、除外例としてこれを認めるということでありますが、通商一般の問題として、先ほど来委員長初め他の委員からも、現下の情勢から見て、日ソ貿易の促進は誠に必要だということでありまして、私も誠にその通りである、何とか局面を打開するように努めなければならんと思つておりますが、その線に沿つて民間代表として、通商促進のために海外渡航するというようなことについては、現在のところこれを認めがたいというお考えなんでありましようか、その点お伺いしたい。
#32
○政府委員(小滝彬君) 過日も私といたしましてははつきり申上げたつもりでございますが、この通商に関しまする問題は、通産省においていろいろ検討せられておるのでありまするからして、その主管省の意向というものを十分私どもは尊重しなければならないと考えます。そこで一体この問題が具体的にはどう取扱われるかということによつて、最終的に決定せらるべきでありまするからして、今抽象的にそういう場合には必ず許可をするとか、しないとかいうことを言明することは差控えたいと考えます。過日言及いたしましたように、非常に厖大なる使節を出そうというような案が仮にあるといたしまするならば、これは一線を画して、貿易のためであると申しましても、相当世界の新聞雑誌が取上げるということになつて、あたかも日本が非常に大きな政策的な転換をしたというふうな誤解を招くことがあるかも知れない。又そういうようになりますと、使節を出すほうの人から言えば、誠に目的は純真でありまするけれども、実際商売の面を考えまするならば、どうも相当大きな使節が出たから、アメリカの商売人は取引をしない、向うで引つかかるとこわいという懸念からいたしまして、まあ現在も許されている中共との貿易についても、アメリカの商社とのより大きな商売のことを顧念いたしまして、許されたものでもそれをやらないというので、みずから自制しておる。これは自制する必要ないと思うのでありますが、自制しておる会社もあるくらいでありまするからして、この問題は具体的にどういうように取扱われるかということが非常に大きな決定のための考慮の要因になるであろうと考えます。でありまするから、これは豊田さんに対する返事といたしましては或いは不満足かも知れませんが、貿易関係について使節を出すというような問題が起つたときに、早速これを例外として取上げるかどうかということは具体的に個々のケースを考えて見なければはつきりと申上げられないということをもう一度繰返して申上げまして私の答弁といたします。
#33
○豊田雅孝君 念を押しておきたいと思うのでありますが、水産代表を派遣することはよろしいと、併しながら通商関係一般に及ぶがごとく漠然たるものはいけないけれども、具体的問題になるならば通商関係、貿易関係についても民間代表を送るというようなことについては考慮し得る余地はあり得るのだというふうに了解してよろしいのでしようか。
#34
○政府委員(小滝彬君) 只今のところはソ連人の入つて来ますことについても一つ一つの場合を検討してこれを認めよう、それについては通産省のほうからいろいろ意志表示もあろうから、その際に考えようというふうになつておりますので、水産と多少違う点もあろうかとも考えますが、必ずしもソ連に入らなくても中立国で、中立国と申しますか、他の国で会合を催し得るというような可能性も考えられますので、一概には申上げられませんが、併し結論的に申上げまするならば、水産であるからどう、通商関係であるからこれは別個に考えるというのでなくして、個々のケースに応じて考えたいと存ずる次第でございます。
#35
○豊田雅孝君 只今の問題はまあそれで一応了承しますが、海外渡航免許につきまして外交関係の成立しておらん国に対しては原則としては出さん。併し例外的には個々の場合の具体的実情を判断して出す場合があるというふうに了解すべきものかと思うのでありますが、そのほかに海外渡航免許についてもつと具体的の認可基準といいますか、そういうものがこの際明らかにしてもらえますならば幸いだと思うのでありますけれども、併しもう今までお答えになりましたケース・バイ・ケースで判断して行くよりほかないのだということであるならば、又それはそれで結構だと思いますが、その点一つ……。
#36
○政府委員(小滝彬君) この問題につきましては始終私議会においても頭を悩ましておるのでありまするが、原則の例外として認めますのはこれまでも御承知のように中共、ソ連からの引揚の場合というような極めて特殊の場合に限つたのでありますが、併し国交が開かれていなくても代表部を設けておりますようなインドネシアだとか、フイリピンに対しては旅券を出しておるのは御承知の通りであります。共産圏との往復につきましては、原則としてこれまでのところ旅券を発給しない。併しこういう人道上の問題、特に必要止むを得ない、ほかに方法がないというような場合には、これまでのところは一般旅券ではなくして、先ほど海野さんにもお答えいたしましたように一般旅券において一人に出すというと、差別的に他の人には目的がそれほど重要でないから出さんということはできない面もございますので、こういう特殊の場合におきましては公用旅券の発給の措置を今までとつて来た次第であります。
#37
○海野三朗君 只今の豊田委員からの御質問に関連をいたしまして、只今小瀧政務次官からのお話でありますが、場合々々の、個々の場合に応じて出すときもあるし、出さないときもあるというお話でありますが、私は重ねてお伺いしたいのは、学術会議がある、これはどういう根拠に立つて出されなかつたのか、これは単に一方に出して一方に出さないから悪いというような簡単なるお考えであつたとすれば、外務省当局は学問に対して甚が理解のない態度であると私は思う。この学術の探究に対しての案内状が来た際に、これを再三懇請したにもかかわらず外務省が頑として出さなかつたということは私は誠に遺憾であると考えておるものでありますが、その点について率直に外務省のとつて来たやり方が間違つておつたのだというふうにお考えになりませんですか、どうなんですか。それを私はお伺いしたい。一方に、例えばスポーツのときに出さないから学術会議のときに出しては工合が悪いのだというような簡単なお考えでありますけれども、この真理の探究に対する学会の招待などに対しては、こういうふうなお考えであつては、外務省のかたがたもう少しお考えを改めてもらわなければならないというふうに私は思うのですが、政務次官は如何ようにお考えになつておりますか。
#38
○政府委員(小滝彬君) 先ず特殊の場合のとおつしやいましたが、ここでお断りして置かなければならないことは、非常に限られたる特定の場合に旅券を発給したことはありまするけれども、これは公用旅券であつたのであります。特殊な引揚というような任務を帯びている特定の任務のために行く、非常に日本の多数の人のために行くのでありまして、公用旅券を出したわけであります。ところが今の学術会議は勿論関係省からの、或いは公務員として、或いは個々の特定の任務を帯びて公用旅券を要求して行こうとする人ではなくして、これらに対しては一般の旅券を出さなければならないわけであります、ところがあの会議については、海野さんも御承知と思いますが、相当多数のかたが参加しようとせられておつたのであります。ところが或る特定のかたはこれは成るほど学術探究のために行くそうだから渡すが、そのあとは削つて来いというようなことは外務省としてはそういう権限を持つておりませんからいたしかねるのであります。又いたし得ないのであります。学術会議と言えば勿論名前から言えば学術探究にも貢献するであろうということは一応考えられまするが、これまでのいろいろの経験からいたしまするというと、或いは必ずしも学問の探究とかいうものだけには限られなかつたような例もあるやに聞いておりますので、名目が学術会議出席だからというので果してこの際全部のかたに一般旅券を発給すべきであつたかということを振返つて考えて見まするというと、私は、あの際において許可をしなかつたのは止むを得なかつたというように考えるのであります。
 今申上げましたように公用旅券でありますると特定な目的のために発給する旅券でありまして、これについては政府が自由裁量を用うるような旅券法の規定になつております。が併し、一般の旅券でありますると、或る特定地域しついて国家の利益及び行く人の生命、財産の保護というような見地からこれに対して拒否することは認められておりまするが、外務省のほうでこの会議のほうは非常に重要だから許してやる、こつちのほうはそう国家的に見て利益がなさそうだからこれは蹴ろうというようなことは、今の法制下においては認められておりませんので、私は海野さんのおつしやる気持は非常によくわかるのでありますけれども、残念ながらそうした趣旨による発給の仕方はできないという現状でございます。
#39
○海野三朗君 学術会議のほうでは向うから名指しをして来た人はいけないと言われましたので、学者の二、三十名の名前を書いて、このうちから外務省のお気に入りの学者をやつてくれと言うて重ねて懇請したのでありますが、どれもこれも皆いかんということではねられた。それはどういうわけなんでございますか。この特定の人を向うでは偉い学者であるから来てくれと言つて来ました。ところがそれじやいかんと言われますから、それでは同じクラスの偉い学者の名前を皆書いてこのうちから選んでもらいたいということを懇請してやつたのでありますが、それはやつぱり選んでもいかん。とにかく出さんということの態度であつたように私は聞いている。それは私は非常に遺憾だと思うのでありますが、どれでもいいから選んでやつてくれ、このうちからお気に召す人を、それを断つたのです。これは私は学問に携わる者としては納得できないのでありまして、そこの点をもう一度私は御説明を願いたい。どういうわけでそのたくさんの人を出しておるのにかかわらず、このうちからどれでもお選び下さいと言つて、外務省に出しておる、それをどれも駄目だということの態度をおとりになつたか。これは私は外務省としましては学問に理解ができないのである、こういうふうに私は考えるのでありますが。
#40
○政府委員(小滝彬君) 外務省が特定な人を指定して、人に甲乙をつけて選ぶということはこの旅券法において認められてないのでありまして、そういう選択ということはこの際なし得なかつたのでありますが、併し海野さんのおつしやいます御趣旨は私も個人といたしましては十分理解もできるところであります。まあ今のような点をもう少し是正したらいいじやないかという立場から旅券法の改正ということも現に考慮中でございます。なお今の御発言の趣旨は大臣にもよく伝えておきたいと考えます。
#41
○委員長(中川以良君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#42
○委員長(中川以良君) 速記を始めて下さい。
#43
○海野三朗君 外務次官に特にお願いをいたしておきますことは、この学問には赤も青もないのであります。で、これをはつきり外務省、殊に外国との外交関係に従事しておられるかたがたでありまするから、この点をよく考えて頂かなきやならない。日本の相当なる学者を外国から招待されたというような場合には慎重審議をして、特にこの主義とか、共産主義とか何とかに、そんなことに関係ない真理の探究の学者でありますから、そういう際にはよく慎重にお考えを願つて、そうして時代に遅れないようにして頂かなければならない。私は今このソヴイエトに対してやらなかつたということに対して、今鉄のカーテンの中に閉されている向うがどこまで進歩しておるかわからない。これを今後五年なり、十年なりたつて日本がこの鉄のカーテンを上げて見たときにすでに向うが日本より遥かに進歩しているというようなときでありますと、あたかも日本が昔においては遣唐使を派遣して支那の学問を学んだというような時代が来たならば、この学問に対して遮つたというところのその責任は実に重大なるものであると私は考えまするが故に、どうかこの学術のことにつきましては今後とも一段の御考慮をお願いいたしまして、そのことに対する私の質問を打切ります。
#44
○委員長(中川以良君) 速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#45
○委員長(中川以良君) 速記を始めて下さい。
 それではいろいろ御審議願いました水産委員会において取上げておりまする水産を中心とする日ソ貿易促進に関する決議案に対しましては、当委員会といたしましては本日の委員会の模様を委員長が水産委員長につぶさに御報告を申上げまして、口頭を以て大体次のような趣旨を御伝達を申上げることにいたします。
 即ち、水産を中心とする日ソ貿易促進に関する決議案につきましては、当委員会におきましても慎重に検討をいたしたのでございまするが、このお示しの御決議に対しましてはその内容が一般通商関係に言及をされておりまして、水産委員会が御提出になる決議案といたしましては本委員会におきましても異論があり、この決議案に対し全会一致を以て御同調を申上げるわけには参らなかつたのであります。殊にこの決議案に対しましては水産を中心とする内容を持つた決議として水産委員会においてお取扱を願うべきであるという多数の意見があつたのでございます。これらを一つ御勘案の上、水産委員会の適宜なる御処置に御一任を申上げたき旨の結論に到達をいたしたわけであります。なおこの日ソ貿易促進につきましては、当委員会といたしましても独自の立場より政府を鞭撻、督励をいたしまして、誠意を持つて極力努力をいたしまする所存でございます。
 かような意味合いを口頭を以て水産委員長に申上げ、御了解を得たいと存じまするが、御異議ございませんでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○豊田雅孝君 最後のところ、本日相当委員長初め督励をせられましたので、すでに十分督励もしたが、今後もなお一層督励に努めるというふうにしておいてもらいましたほうが……。
#47
○委員長(中川以良君) 畏まりました。それではさようにそれを附加えることにいたします。それではそういうふうにできるだけ早い機会に水産委員長に御伝達をいたすことにいたします。
  ―――――――――――――
#48
○委員長(中川以良君) それでは次に通商産業省関係法令の整理に関する法律案を議題といたします。本法律案につきましては先般提案の理由を聴取いたしましたが、なお内容の説明を聴取いたします。岩武官房長。
#49
○政府委員(岩武照彦君) 議題となりました通商産業省関係法令の整理に関する法律案でございまするが、この法律案は概要提案理由で御説明申上げたわけでございまするが、大要二つに分れております。
 一つは、現在いわば死文化しております法令をこの際廃止しようということでございまして、この関係の法令が第一条に十三ほど並んでおります。この法令につきましては政府部内におきましていろいろ検討いたしました結果、現在事実上死文化しておりますし、これを存置するまでの必要もございませんので、これをこの際形式的に廃止の措置をとろう、こういうことでございます。法制局を中心に審議いたしまして、そういうふうな結論に到達いたしたわけでございます。
 それからその次の部分は現在存置し実施しております法令につきまして、その手続等につきましていろいろ煩瑣な条文が残つておりまするので、これを簡素化いたしまして、行政のいわばスピーデイな運用を図つて参ろうというふうな趣旨の問題でございまして、その関係の条項が第二条以下に並んでおるわけでございます。
 第二条の関係はこの輸出品取締法の関係でございまして、この法律は御案内のように輸出品の品質を高めますために規格をきめ、これに合うような検査等の措置を講じて参つておるこの法令でございますが、その中に聴聞会の規定がございまして、これは異議の申立等がありましたときに、それを処理する聴聞会でございまするが、これは非常に詳しく規定されておりまするので、ほかの法律等の関係から見まして、どうもこの輸出品取締法の関係だけが体裁を失して著しく詳しくなつておりまするので、これはむしろ簡素化いたしまして、通常と同じような手続にいたしたいと考えております。これも占領時代の法令でございまするので、ややそういう点が桁外れて複雑でございますので簡素化しよう、こういう考えでございます。
 それから第三条にございまするのは外国為林及び外国貿易管理法の改正でございます。これには二点ございまして、第一点はこの法律の構成といたしまして、貴金属というふうな概念をきめておりまして、この貴金属の輸出入につきましては、これは貨物の輸出と別な扱いをしまして、つまり貨幣準備等の関係もございますので、貴金属の概念に当りますものは、これは貿易外の取引というふうな扱いをいたしておりますが、その貴金属の範囲がこの通常の金以外の銀、白金或いはロジウム、パラジウムといつたものまでも含んでおりますので、これは現在の取扱から見まして行過ぎておりますので、これを金並びに金の合金、或いは金貨、金メダルというふうな金を主とした材料のものに限ろうというわけでございまして、銀以下は通常の貨物の扱いをするということで、その点を改正いたすわけでございまして、それから第二点はこれも手続上の問題でございまするが、不服申立に対する決定をいたしました場合に訴訟の規定を入れておるわけでございます。これも実は御承知のように、こういう政府の行政処分に対しましては、一般裁判所への訴訟等が認められておるわけでございまするので、これは民事訴訟法の関係の規定によりますか、行政事件訴訟特例法の関係で参るのが通常の例でございまするので、この法律だけに限つてこういうふうな訴訟の規定を設けておるのは、これはいささか例が違つておりまするのでこれを削除いたすという考えでございます。
 それから第四条の関係は、これは火薬類取締法の改正の問題でございまして、火薬類取締法は、御承知のように火薬類の生産或いは輸送、販売、貯蔵等の過程におきまして、危険物でございまするので、所要の取締を行なつておりますが、そのうちの一部の、現在輸出につきまして届出の義務を課しておるわけでございまするが、これは輸出につきましては、別途この外国為替及び外国貿易管理法に基きまする輸出貿易管理会の別表で許可品目にいたしておりまするから、こちらのほうの届出は事実上いわば貿易管理会のほうでチエツクできるわけでございますので、こちらの届出のほうを削除いたしたいという関係の改正でございます。
 それから第五条は、これは計量法の関係の改正でございます。計量法は御承知のように度量衡、その他の計量につきましてその適正を期しまするために製造、販売等の免許制、或いは器具等の検査制度等を持つているわけでございまするが、今回の改正はそのうちに三点ございまして、一つは、ガスの熱量計に関しまする規定を削除したものであります。これは先刻御承認を得ましたガス事業法の中のほうで、ガスの熱量の測定義務を課しておりまするので、こちらのほうの法律と重複いたしますのでこちらを削除したわけでございます。
 それから第二点は、計量器使用事業場におきまする定期検査を受ける義務を免除したことでございます。これは計量器使用事業場と申しますのは、計量証明専業者、つまり何と申しますか、サベエヤーでありますとか、或いはトラツク輸送の貨物の量を計ることを業としておるというふうな業態がございますが、その業者におきまして、この特定の計量器を使用いたしまして計量しておる、計量器使用事業場をやつておるわけでございますが、その使用事業場の指定を受けておりますものは、これはそういうことは業務でございますから、国家試験を受けました計量士等を置きまして、随時この計量器の狂いのないように自己検査もできることになつておりまするので、定期検査を受ける義務は免除して自己検査で万全を期させよう、こういう考えでございます。
 それからもう一つの点はこの計量器の狂い等を直しますために、計量器につきまして定期検査というものの義務を課しておりまするが、その公示の期日が現在は二カ月以内に行なつております。これは実情に適するように一カ月以内にしよう、まあ事柄自体は比較的簡単かも知れませんが、これはむしろ実情に即するために却つて便宜が大きいかと思います。
 大体以上がこの法令簡素化の一部として御提案いたしましたこの法律案の概要でございます。
 なおこのほかに別途先刻御承認を得ました商品取引所法の改正も、これも法令簡素化の趣旨から一部改正をしたところがあるわけでございまして、大体通産省関係としましては、取りあえず以上のような改正を以ちまして、法令簡素化の趣旨に副いたいと、かように考えております。
#50
○委員長(中川以良君) 御質疑をお願いします。御質疑はございませんですか……。他に御質疑もございませんようですから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#51
○委員長(中川以良君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べを頂きます。
 格別御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#52
○委員長(中川以良君) 御異議ないものと認めます。
 それではこれより採決をいたします。
 通商産業省関係法令の整理に関する法律案を採決いたします。本案を原案通り可決することに賛成の諸君の御挙手をお倣いいたします。
   [賛成者挙手]
#53
○委員長(中川以良君) 全会一致でございます。よつて本案は全会一致を以て原案通り可決することに決定いたしました。
 なお本会議における委員長の口頭報告等、事後の手続は委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#54
○委員長(中川以良君) 御異議ないと認めます。
 それから報告書には多数意見者の署名を附することになつておりまするので、本案を可とされたかたの順次御署名をお願いをいたします。
  多数意見者署名
    松平 勇雄  西川彌平治
    大谷 贇雄  酒井 利雄
    豊田 雅孝  岸  良一
    海野 三朗  小松 正雄
    武藤 常介  白川 一雄
  ―――――――――――――
#55
○委員長(中川以良君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#56
○委員長(中川以良君) 速記を始めて下さい。
 それではこれより肥料関係の二法案を議題といたします。
 両法案とも先般衆議院を修正可決されております。修正の個所等につきまして一応通産省側から両法案に対するその説明を聞き、なお通産省側の意見等をも併せてその際に承わることにいたします。御承知のように本法案は臨時硫安需給安定法案と共に去る十六国会末期に提出をされまして、第十七、第十八、第十九国会へと継続審議に持込まれて今日に至つたものでございます。当委員会におきましては第十六国会にも限られた審議期間ながら可能な限り審議を進めまして、農林委員会との間に両法案につきまして相互に連合審査も行いまして、更に継続後の休会中には議員派遣による現地調査をもいたし、又参考人を招致いたしまして意見を聴取する等、一応の審議は行なつたのでございますが、本法案と密接不可分の関係のありまする臨時硫安需給定定法案に対する両院農林委員会の審議が進まないので、その後は本法案に対しまする当委員会の審議は中断をいたしまして、需給安定法案に関する結論の出るのを待つておつたのであります。然るところ問題の需給安定法案は相当大幅の修正が加えられまして、去る四月三十日漸くにして衆議院本会議を通過、本院に送付され、又硫安工業合理化及び硫安輸出調整臨時措置法案も去る五月七日衆議院通産委員会におきまして修正議決され、昨十日衆議院本会議を通過いたしまして本院に送付されて参つたので、本委員会といたしましては本日より改めて本審査に取りかかることと相成る次第であります。審議の経過の概要は以上の通りでございますが、審議再開に当りまして先ず委員長より政府当局に対しまして次の諸点について説明を求めたいと存じます。
 第一点は臨時硫安需給安定法案に対する衆議院における修正点であります。それが形式的に合理化及び輸出臨時措置法案に如何なる影響を及ぼし、その結果同法案がどのように修正されたかという点、並びに需給安定法案の修正が硫安工業界及びその他の化学肥料工業界に実質的に如何なる影響を与えることになつたかという点につきまして併せて説明を望む次第であります。
 第二点は本法案の構想が成つてから今日まですでに一年を経過いたしておるのでありますが、この間における硫安工業の実態は如何なる推移を迪つて来たかという点について説明を求めるのであります。合理化の進捗状況、生産の状況、生産コストと国内市価との関係、輸出の状況、輸出価格等、その他流姿工業の全般について説明をされたいと思います。
 第三点は一カ年間における硫安工業の客観情勢の推移にもかかわらず、なおこの法案が提案当時と同様の意義と価値とを持つておるかどうかという点を承わりたいのであります。これらの点に対しまして、政府当局の率直なる所信を一つ承わり、なお修正点等に対しまする通産省側の意見等もこの際腹蔵なく御開陳を願いたいと存じます。
#57
○説明員(柿手操六君) 只今委員長から御要望になりました項目につきましての一応の御説明を申上げたいと存じます。
 先ず本委員会に付託されております硫安工業合理化及び硫安輸出調整臨時措置法案と裏腹の関係をなします臨時硫安需給安定法に関しまして、衆議院のほうで御修正になりました点を先ず以て御説明をいたします。
 先ず第一に臨時硫安需給安定法に掲げておりましたこの法律の適用の対象を、原案では「硫酸アンモニア及び政令で定めるその他のアンモニア系窒素肥料をいう。」というふうになつておりましたのを修正では「硫酸アンモニア及び政令で定めるその他の重要肥料」というふうに修正になつたのであります。従いまして臨時硫安需給安定法という法律の名称も臨時肥料需給安定法というふうに改められ、あとに出て参りますこの法律の運用上重要事項を審議することになつておる硫安審議会というものも肥料審議会というふうに改められたのであります。それから更に新らしい条文として、通商産業大臣は肥料の需給の適正化を図るために必要があるときは肥料審議会の意見を聞いて生産業者に対しまして肥料の種類、数量及び品質を定めてその生産を指示することができるという新らしい条文が加わつたのであります。それから肥料の国内需要量の約一割に相当するものを常時国内に保留するということを考えておるのでありますが、その保留肥料の保管団体につきまして、特にこの保管団体を政府が指定する場合において、農業者を面接又は間接に構成員とする団体に限つてその保管を指定するのだという新らしい条項が加わつておるのであります。更にその保管団体に保管をせしめる数量の問題でありますが、これも原案では需給計画を政府が定めて、その需給計画の中に織込んでおる調整保留数量というものをきめるのでありますが、そのきめた数量は、その全額を保管団体に保管をせしめるということが原案でありますが、これは必ずしもその需給計画において定めた調整保留数量の全額でなくても、その範囲内で適当な数量を保留するというふうにそれは改められたのであります。
 それから次は農林大臣が、保管団体に対しまして保管肥料の譲渡その他の指示をする場合においては、原則として肥料審議会の議を経て、そういう措置を講ずることになつておるのでありますけれども、ここでは明らかに災害その他緊急の場合においては、あらかじめ肥料審議会に諮ることなく、急速に譲渡指示ができるということを明らかに条文で書く、併しそういう場合においては、農林大臣は遅滞なく審議会に報告しなければならないということを新らしい条文として附加えるというふうに修正になつたのであります。
 それから六番は、政府が必要があると認めるときは、保管団体が農林大臣の指示に基いてする、肥料の買収及び保管に必要な資金について、融通の斡旋その他の適切な措置を講ずることということも新たな条文として附加わつたのであります。
 更に七番目は、この法律によつて販売価格の最高額をきめることができるという条文があるのでありますが、その最高額を定める定め方につきまして、この法律の第十一条第二項でございまするが「販売価格の最高額は、政令の定めるところにより、生産費を基準とし、農産物価格その他の経済事情を参しやくして定める。」という第二項の規定があるのでありますが、その「その他の経済事情を参しやくして」という、参酌事項に、肥料の国際価格というものを参酌事項にするということを明らかにするという点が修正になつておるのであります。
 それから第八番目は、肥料審議会の調査審議事項の中に、本委員会で御審議を願つております流安工業合理化及び硫安輸出調整臨時措置法案にあります、日本硫安輸出株式会社の業務に関する重要事項についても調査審議するということを附加えられたのであります。
 九番目は肥料審議会の委員を、原案では九人でありますが、それを十五人に改められたのでございます。その内容は、肥料の生産業者を代表するもの三人、これは原案では二人であります。肥料販売業者を代表するもの二人と改めておりますが、原案では三人であります。肥料の消費者を代表するもの三人以内となつておりますが、原案では二人であります。学識経験のあるもの七人以内となつておりますが、これは原案は二人以内であります。要するに初めから行きますと、三、二、三、七というふうに改められたのでありますが、原案では二、三、二、二というふうになつておるのでございます。
 第十番目は、只今も委員長から仰せのごとく、法案を提出いたしましてから、相当期間たちまして、従つて大体五カ年間の臨時立法にするという考え方でございますので、従つてもう一年延長して、三十三年七月三十一日とありましたのを、三十四年七月三十一日に改められたのでございます。この臨時肥料需給安定法というふうに修正されました、今御説明を申上げましたのに対応いたしまして、硫安工業合理化及び硫安輸出調整臨時措置法案につきましても、前の法律の条文をこちらに引用しております条文がございますので、それをそれぞれ修正をするというふうに衆議院の農林委員会において修正をされ、本会議において可決されたのでありまして、それはお手許にございますように「肥料審議会」という引用の文字が「硫安審議会」というふうになつておりまして、第三条の文字を「肥料審議会」に改める。第六条第二項に「臨時硫安需給安定法」というふうになつておりますのを「臨時肥料需給安定法」というふうに改めるという、「硫安」を「肥料」に改められたことによりまして当然に変つて来なければならない点を修正をされ、実質的な修正はこの法律においてはなかつたのでございます。施行の期限につきましても三十三年を昭和三十四年に改めるという程度に改められました。法案の内容については原案は全く修正がないのでございます。両法案の衆議院における修正個所につきましては以上の通りでございます。
 次に最近の硫安の業界における事情につきまして御説明を申上げます。先ず需給の関係から御説明を申上げます。先ず生産でございまするが、非常に生産は順調でございまして、当初に我々が予定いたしておりました本肥料年度、即ち去年の八月から今年の七月までの予想いたしました生産量より相当の増産が見られる見込でございまして、現在はすでに五、六万トンの予定以上の増産をいたしております。最近の事情で申しますと、毎月十八、九万トン程度の予想をいたしておつたのでございますが、三月のごときは二十一万二千トン、これは……。
#58
○委員長(中川以良君) 今の、資料があれば資料によつておつしやつて頂きたいのですが、配つてございますか。
#59
○説明員(柿手操六君) これは配つてないのでございます。これは日本の硫安界始まつて以来の月産量というふうな、非常な生産の好調でございます。本肥料年度一方年間は少くとも二百三十万トンの生産は確実にあるというふうな状況でございます。
 内需につきましてでございまするが、これは当初昭和三十五年、六年、七年の肥料年度の三カ年の内需量を平均いたしまして、二十八肥料年度の農業生産計画による肥料の消費量の増見込等を入れまして、百七十万トンというふうに推定をいたしておつたのでありますが、現在のところ大体その百七十万トンは確実に消費され、更にこの五月、六月の状況を見なければわかりませんが、或いは百七十万トンを幾分オーバーするのじやないかというふうに、内需としては当初百七十万トンがどうかというふうに考えたのでございますけれども、内需の需要も相当に旺盛であります。
 次に輸出でございまするが、輸出はこの肥料年度、去年の八月出初に御説明申上げましたように、日台貿易協定による台湾との長則輸出契約がございまして、昨年の暮までに十二万トン、今年春、尤もまだ一部積出中でございますが、十三万トン、合計二十五万トンの長期輸出契約ができしまして、それが予定通り積出しをいたしておるのでございます。それからこれが数回に亙つておりますが、韓国に対する復興特需の問題でありまするが、これはアメリカの援助資金によりまして、アメリカ政府が日本から肥料を買付けまして韓国に復興特需として援助しておるという硫安が昨年の暮から正月にかけて四万五千トン、この四、五、六月の春に十二万トン、合計十六万五千トンが大部分輸出されておるのでございます。その他のフイリピンでありますとか、沖縄とか、一部中共にもございまするが、この近東諸地方に対して輸出いたしますのが三万三千トン、合計目下確定いたしておりますものが、四十四万八千トンというものが目下きまつております。これに対しましてなお七、八万トンの今肥料年度末までにおいてはなおまだ輸出余力があるのではないかというふうに考えられます。今のような生産数量、輸出数量、内需の見込等から申上げまして、大体このままで全然輸出をしなかつたら二十五、六万トンは残るだろうという大体の予想が立ちますので、今後の国内の内需の出方等とも睨み合せる必要がございますが、なお適当な機会があれば輸出を認めて行つてもよろしいのじやないかというふうな、量的な関係からはこういうふうな推定が出されるのであります。
 それから全席の数量の関係、輸出の量的な関係はそうでありますが、我々が一刻も早くコストを下げて国際競争に耐えるように持つて行かなければならんということを我々の最も重点として仕事いたしておるのでありますが、この二十八年度におきまする硫安工場の合理化につきましてこまごましたいろいろな手はたくさん打つておりまして、それを一々申上げるのはどうかと思いますが、一番私どもが重点を置いております硫安の合理化工事を促進する最も大きな中心としていろいろ仕事をやつておりますのは開発銀行の融資による合理化の促進という問題でございますが、これにつきましては今年度東洋高圧の北海道工場、東北肥料の秋田工場、日本水素工業の小名浜工場、昭和電工の川崎工場、別府化学の別府工場、これは兵庫県の明石の附近にある別府工場、新日本窒素の水俣工場、この六工場につきまして開銀融資を申請いたし、開銀当局においてそれぞれその工事を適切であると認めまして合計七億一千万円の六工場に対してでありますが、融資がこのほど決定をいたして工事を着々進められつつあるのでございます。この所要資金は約二十六億円でありまして、それに対し開銀融資七億一千万円で、その他はこれは増資、社債その他従来の取引関係と市銀との協調融資によつて資金の調達の見込がついておる次第でございます。
 それから国内の市況の問題でございますが、これは一昨年の秋から昨年の夏までが二十七肥料年度でございます。昨年の夏から今年の春までが二十八肥料年度でございまして、大体二十七肥料年度、つまり二十七年の秋から二十八年の春におきまする市価というものはこれは取引所があるわけではございませんが、御承知のように全購連が五割以上これは買つているのでありますが、全購連と各メーカーとの間に秋肥、春肥ごとに取引価格をきめて標準の相場を出しているのでありますが、大体二十七肥料年度は八百七、八十円というこれは大体の大勢であつたのであります。二十八年の肥料年度、去年の秋の肥料は平均いたしまして八百五十五円程度でございました。この二十九年の春はまだ最後まで行つておらないのでありますが、八百二、三十円くらいをスタートといたしまして、大体平均八百四十三―五円というところを目標に全購連と各メーカーとの間で契約が行われておる次第でございます。
 それから輸出の量の問題は御説明いたしましたが、輸出の価格の問題でございまするが、これはお手許に資料を差上げてございますのでこれを御覧を頂きたいのでありますが、一昨年の秋、即ち昭和二十七年の秋に、昭和二十七年の春までは大体国内価格よりも五ドル乃至十ドル輸出の価格が高かつたのでありますが、二十七年の夏の終り、秋から国際相場が非常に急激に下つたのであります。その原因はいろいろ国際情勢の緩和等から外航運賃が非常に下つたというようなこと、或いは一時的に相当国際的に物が余つたというようなこと等から非常な下落をして、日本も四十ドル余りでインドに売つたというようなことがあつたのでありますが、それ以来去年の秋頃から幾分持直しているような感が、今御説明いたしました四十数万トンの量についてはあるのであります。併しさりとてその量も台湾との取引で二十五万トンが五十六ドル八十セントでありまして、これも台湾が是非出したいというものを日本が買つておるというようなこと、それから台湾としてはその必要な肥料、硫安が買えるというようなことから、台湾としては大体日本の国際価格よりも二割程度は高くてもそれは日台貿易協定の特殊な関係から高く買おうというようなことから得た五十六ドル八十セントであります。それから朝鮮の復興特需の関係は、これは非常に緊急の差迫つたもの、要するに期近物等で六十ドル或いはそれに近い数量で取引されておるのでありますが、この配付された二枚目の紙を御覧頂けばわかりますが、各国の入札価格を見ますと、入札のときからその品物の調達をする時期が差迫つておつて、もはや日本からでなければ物が間に合わんということで高く売れたものがありますが、入札価格を見ますと依然として四十ドル、四十二、三ドルと、いい場合でも五十ドルというような相当なやはり安い価格で入札をいたしておるのでありますが、私ども今非常に一昨年の秋に驚きましたときより幾分いいような感じもございますけれども、本質は余り変つておらない。最近各社が競つていろいろな技術導入その他で欧米に行つておりますので、帰朝して来る技術者のかたがたが皆言うことは五十ドル目標の合理化ではこれは危いのじやないか。やはり四十五ドル目標ぐらいにする必要があるだろうということを申しておるのであります。ということは、やはり向うのコストがはつきりいたしませんけれども、いろいろな原材料の価格等から見ても相当安いし、更に問題は需給関係でありまして、無論社会的に需要も殖えておりますけれども、各国が競つて増産の計画を着々と進めておるというようなことから一昨年の秋非常に、五ドル、十ドル高く売れておつたものが逆に十ドル、十五ドル安くならなければ売れなかつたというようなことから、幾分値段がよくなつてはこの一カ年間おるのでありますが、本質はやはり変つておらない。やはり各国がそれぞれ買うほうも、売るほうも一本になつておるというふうなことに対しまして、日本としてはそういうふうな体制を整えて、できるだけ有利に売つて行くという、更に国内の販売価格と輸出価格との間には或る程度のやはり二重価格とならざるを得ないというような状況、又それをやらなかつたならば輸出はできないというような状況はやはり依然として変つておらないというふうに考えるのでありまして、我々といたしましては昨年の七、八月にこの法案を提出いたしましたときと本質的な状況は変つておらないというふうに考えるのであります。是非ともこの制度の一日も早く成立いたしますことを希望しておりますという次第でございます。概要を御説明いたしまして、いろいろ又御質問にお答えいたします。
#60
○委員長(中川以良君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#61
○委員長(中川以良君) 速記を始めて下さい。
 それでは質疑をお願いいたします。
#62
○豊田雅孝君 先ほどお話の六工場七億円の開銀資金の各会社内訳をちよつと言つてもらいたい。
#63
○説明員(柿手操六君) 東洋高圧北海道工場の開銀融資の決定額は七千万円でございます。東北肥料秋田工場が一億円、日本水素小名浜工場が一億五千万円であります。これは二カ年間継続の見通しでありまして、大体二十九年度においても少くも一億五千万円程度は開銀融資がされるという見通しでございます。昭和電工川崎工場は一億二千万円。別府化学は一億一千万円。新日本窒素は一億六千万円、合計七億一千万円であります。
#64
○豊田雅孝君 この前本会議で問題になりました各社の生産コストの問題ですが、何か秘密会か懇談会ならば明らかにするということだつたのでありますが、その結末がどうなつておるのか。又この委員会においても秘密会なりで明らかに一つしてもらいたいと思うのですが。
#65
○説明員(柿手操六君) 硫安の各工場別のコストの調べを御要求になつたのでございまするが、実は各社から工場別コストの調査報告を求めておらないのでありまして、私どもが執務参考にいたすために私どもの行政上調べ得ます各種のデータ、或いは従来の経験等から大体工場別に非常には一つ一つ正確な見当はつかんけれども、大量観察的に全体の平均的な原価のめどというものは大体つきますのでそういうものを作成いたしたいと思いますので、そういうものを、御説明を他の委員会においていたしておりますので本委員会においてもそういうものの御要求がございますれば御説明申上げたいと思つております。
 更に先ほど来御説明を申上げました開銀の融資につきまして私どもでこういう工業については相当なコスト低下が期待できるところであるから開銀融資を一つやつて頂きたいということにつきまして、これは硫安ばかりじやなしに、通産省としましては各重要産業について開銀に対しまして参考意見を申上げておるのでありますが、その一環といたしまして硫安につきましてもこの六工場を推薦をいたしましたのでありますが、そういう工場につきまして私どもは大体まあこの工事の内容でありますとか、或いは、工事の効果とか、いろいろな資料も頂いております。又この工事を推進する場合において工場からも担当官も参りまして、我々の担当官といろいろヒアリングなんかいたしましてそういうようなものを元にいたしまして監督工場の原価が大体どのくらいになつておるかという見当をつけておるものもございますのでそういうものを御説明いたしたわけでありますが、本委員会に対してもそういうような資料を求めておりますれば御説明を申上げたいと、かように存じております。
#66
○豊田雅孝君 只今の生産費に関する説明、或いは本日か、次の機会でもできるだけ早い機会に説明をしてもらいたいと思いますことと、それから農林委員会において説明乃至は資料を配付せられたものは一切当委員会にも要求なくとも積極的に、自発的に一つ早い機会に提出乃至説明をしてもらいたいと思います。
#67
○委員長(中川以良君) 次回にできましたならば御説明願います。
#68
○説明員(柿手操六君) 承知いたしました。
#69
○海野三朗君 この硫安輸出実績という資料ですね。この資料の三頁にあります硫安工業合理化の総合的効果というところに金高が書いてありますが、これは硫安工業合理化に基いて二千五百八十五円かかるというのですか。それから操業度向上によるコスト引下げ千八百五十円引下げて、こうなつたというのですか。千八百五十円安くなつたというのですか、この資料で。硫安輸出実績というのです。そこの硫安工業合理化の総合的効果、そこに書いてありますこの数字、これが総計五千五百九十八円となつておりますが、この数字を皆、全部加えて行きますとこれ以上になるし、電気代値上りによるコスト両の見込として五百二円と書いてありますが、五百二円だけ高くなるというのですか。
#70
○説明員(柿手操六君) これはその紙のあと二枚に会社別工場別、それから工事の名前、所要資金というものがございまするが、これをこういう計画でこういう合理化をやりますことによりまして一番初め書いてある硫安工業合理化に基くコスト低下額が二千五百八十五円になります。それからこれは現在もうすでに相当な設備能力を持つておるんでありますが、まだその電力等の関係から操業度がまだ余裕がある。電力等がまあ少し殖え、或いはガス法等においてももう少し技術が進めばこの程度までは電解法七五%、ガス法九八%までは操業度が上昇いたしますから、それによるコストの低下によつて千八百五十円下ります。
 次に三番はこれは今非常にむずかしい問題でありますが、電気の料金は、二審によつて電源開発により操業度が向上しコストは下りますが、これは電気料金は特に硫安工業に対しては標準電気の割当にいたしまして、いわゆる政策料金的に電力料金は安くなつておりますが、それにしてもこれは一般的に電源開発に伴う電気料金の平均値上げというものは二三%程度はこれは確保しなければならないだろうというふうに、これは私どもで想定をいたしたのでありまして、現在このまま二三%ということがこの通りであるかどうかということにつきましては、省全体としての確認までは得ておらんのでありますが、まあその昨年の秋頃にこの制度を研究いたしましたときには、平均的なコストの値上りというものは大体二三%程度だろう、だからこの程度の値上りは我々も覚悟しなければならないだろうというので、これは地方としてはマイナス五百二円というものが見ておるのでありますが、五百二円上り、電気料金の単価が二三%上ることによつて、逆にコストは上るだろうというフアクターが三番に五百二円。
 四番は最近この資料を作りました当時より大分状況は変つておりますが、石炭鉱業の合理化によりましてコストの下りが原料炭で一六%、一般炭で一四%程度は竪坑その他の開発によりまして下るだろうというふうにしてそれを千六百六士五円、一、二、四の合計から三番目を引きまして五千五百九十八円というふうに一応の推定をいたしたのであります。
#71
○海野三朗君 今のこの数字は五千五百九十八円にならんじやないですか。この五百一円を引くのですか……。
#72
○委員長(中川以良君) 差引じやないですか、
#73
○海野三朗君 これじや数字が五千五百九十八円にならないじやないですか。五百二円は引くのですか。
#74
○説明員(柿手操六君) 先ほど私が御説明いたしましたように一、二、四は現在より下る因子というふうに見たんでありますが、三番はこれは現在より電源開発による電気のコストは上つても、硫安には上げないという特別な政策料金を作ればともかくも、一般に電源開発に伴う全体の一キロワツトアワー当りのコストの値上りというものは、硫安もこれは支払うという前提をいたしますというと、この程度は電気料金の単価の値上りによるコスト増というふうに見られますので、これに五百二円というものを、マイナス五百二円というふうに註をすべきであつたのでありますが、一、二、四を合計しまして、それから五百二円を引くと計のところの数字に合うと思います。
#75
○海野三朗君 電気代値上りによるコストが高くなるというやつを、これを引いているのですね。一と二と四から三を引いているのですか。
#76
○説明員(柿手操六君) この硫安工業合理化の総合的効果というものは現状からこれだけ安くなるだろうということを計算するのがこの計算の目的でありまするが、併し逆に高くなるフアクターが三番目にありますので、それを差引計算をいたしたというのでございます。
#77
○委員長(中川以良君) ちよつと伺いますが、この際における平均の生産原価は幾らに見ておられますか、トン当り……。これだけつまり合理化で安くなるのですか。元の値段は幾らに見ておるのですか、この場合……。
#78
○説明員(柿手操六君) この計算は各社の現在のコストというものから実は計算をいたしておらないのでありまして、各社のここにありますような金をかけてこういう工事をやれば現在より幾ら安くなるだろうかという差引計算をいたしたのがこの資料でございまして、現在トン当りどのくらいになつているだろうかということにつきましては、各社ごとに把握をいたしておりませんが、大体この次にも御説明いたしまするが、コストは現在の市価とそうひどく相違はないというふうに考えております。これにつきましてはいずれ資料を詳しく、この次の機会に、秘密会においてでも詳しく説明いたします。
#79
○海野三朗君 そこのところを私は今伺つておるのですが、硫安工業合理化に基くものが二千五百八十五円安くなるというのですか、高くなるというのですか。これだけ原価がかかるということを言つておるのですか。ただざらつと数字を並べられただけでは意味がないのです。その趣意がどこにあるかということを伺つておる。
#80
○説明員(柿手操六君) これは硫安工業を合理化しましてコストが安くなる金額を、トン当り安くなる金額をここに推計いたしたわけであります。三は、これは電源開発によつてどうしてもコストが高くなるから、電気の料金が二三%程度は高くなるであろうということを見込んで逆にこれは高くなるほうでございますから、安くなる計算から差別かなければならんということでございます。
#81
○委員長(中川以良君) 本日はこの程度にいたしておきたいと思いますが、御異議ございませんか。
#82
○豊田雅孝君 次回に需給安定法案の修正について質問したいと思うのですが、通産当局から説明、答弁というわけにも……、おできになればいいのですけれども……。
#83
○委員長(中川以良君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#84
○委員長(中川以良君) 速記を始めて下さい。
 それでは只今御懇談中にお話がありましたごとく、農林委員会から連合委員会の申入がございますけれども、当委員会独自で以て農林省側その他関係業者、それから修正に当つたところの衆議院議員等においでを頂いて、この委員会で審議を十分にいたしまして、その上の適当な時期に連合委員会が必要であれば申入をする、こういうことにいたしまして、農林委員長にはさような旨を委員長からお答えを申上げておきますが、御異議ございませんでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#85
○委員長(中川以良君) それではさように決定をいたします。
 それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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