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1953/05/19 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 通商産業委員会 第42号
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1953/05/19 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 通商産業委員会 第42号

#1
第019回国会 通商産業委員会 第42号
昭和二十九年五月十九日(水曜日)
   午前十一時十六分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     中川 以良君
   理事
           松平 勇雄君
           加藤 正人君
           海野 三朗君
   委員
           小林 英三君
           西川彌平治君
           高橋  衛君
           岸  良一君
           豊田 雅孝君
           西田 隆男君
           武藤 常介君
  政府委員
   経済審議庁計画
   部長      佐々木義武君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       林  誠一君
   常任委員会専門
   員       山本友太郎君
   常任委員会専門
   員       小田橋貞寿君
  説明員
   通商産業省公益
   事業局次長   小出 栄一君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○通商及び産業一般に関する調査の件
 (昭和二十九年度電源開発に関する
 件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(中川以良君) 只今より通商産業委員会を開きます。
 本日は先ず最初に昭和二十九年度の電源開発計画及び同資金計画につきまして調査をいたしたいと存じます。先ず経済審議庁より電源開発計画及び資金計画につきまして提出をされておりまするこの資料に基いて御説明を願います。
#3
○政府委員(佐々木義武君) それではお手許に差上げております昭和二十九年度電源開発計画資料というのがございます。これを基礎にいたしまして今年度の電源開発計画の概略を申上げて見たいと思います。
 第一頁から申述べて見たいのでありますが、「昭和二十九年度電源開発基本計画について」という文句がございまして、これがなかなか重要な点でございますので一応読上げまして内容を若干附加いたした後数字のほうに移りたいと思います。
 昭和二十九年度の電源開発計画については、資金の調達面について今後変動も予想されるが、工事の円滑なる推進を図る上から取りあえず下記の方針により別紙のごとく計画を定めるものとする。なお爾後の経済情勢を睨み合せ適時修正を加えるものとする。
 1、電源開発の長期の目標としては既定の電力五カ年計画によるものとする。
 2、発電地点については継続工事の推進に重点を置くと共に継続工事と同等に取扱わねばならない新規の水火力地点若干を追加するにとどめ、その着工の時期は資金確保の見通しを得たる後決定するものとする。
 3、送変配電施設については、電源工事の進捗に伴い、これらに関連する施設の整備を行うと共に、従来遅れ気味となつている二次送変電施設及び配電施設の強化を図るものとする。
 4、改良工事については前年度に引続き発電能率の向上、電力損失の軽減等資金効率の高い工事を行い、供給力の実質的増強を図るものとする。
 こういうのが一番基本方針でありますが、先ず一番初めの中で「昭和二十九年度の電源開発計画については、資金の調達面について今後変動も予想されるが、工事の円滑なる推進を図る上から取りあえず下記の方針により別紙のごとく計画を定めるものとする。なお爾後の経済情勢を睨み合せ、適時修正を加えるものとする。」こうありますのは、これはどういうことかと申しますと、実は二十八年度の基本計画は去年のたしか九月頃になりまして審議会をやつと通つたような工合でございまして、これは勿論去年の予算の成立いたしましたのがたしか七月の末かと思いましたが、そういう関係もございまして、自然計画が遅れたのでございまするが、そのときに委員のかたたちから強い御注意がございまして、どうしても二十九年度からは年度の初めに先ず事故、変動があるとしても、概略のものはきめて、そうして継続工事等の進捗には妨げのないように一つやつてもらいたいという希望がございましたので、実は去年の暮頃から審議会でいろいろ審議を重ねておつたわけでございまするが、今年度は予算の成立と相前後いたしましてこの問題を審議会にかけてきめてもらつたわけです。ところが御承知のように、本年度の経済情勢は予断を許さんような情勢でありますので、仮に電力会社の例で申上げますと、社債とか或いは増資とかいつたような面等、いろいろ今後の経済情勢の変化に応じまして、初めに出しました予想と必ずしも一致し得るやどうか非常に疑わるる点もございまするので、そういう点も考慮しながらといつて、さつき申しましたような次第で、計画を定めないでそのままずるずる持つて行くというのも、非常に電源開発促進に阻害をいたすような関係にもありまするので、取りあえずこのあとに申上げるような計画を定めまして、そうして今後情勢の変化がありますれば、その都度御面倒でも委員のかたたちに集まつて頂きまして、そうして適時修正を加えて行く、変えて行くというふうな行き方でいいのじやなかろうかというので、今年度は今までの経驗からいたしましてもこんなことはなかつたのでありますけれども、年度の初めにはつきり計画をきめた次第でございます。
 それから記の1は電力五カ年計画によると申しますのは、これは実はこういう経済の変動期でございまするので、安定経済と申しますか、デフレ経済と申しますか、こういうもののもう少し進捗状況を見まして、その上で今後の発展等を見定めませんと、いろいろ今から先のことを考えましても、その誤差が非常に大きく現われるのではなかろうかというふうな懸念もいたしますので、今まで持つておりました五カ年計画、言い換えますと、その中でも特に需用面に対する想定に関しましては、当然変更の要があるのでございますけれども、併しながら今申したような状況でございまするから、もう少し経済の情勢がはつきりいたして参つた上で、今後の需用想定というものをいたしたらどうだろうかということで、二十九年度の初頭につきましては取りあえず従来の五カ年計画をそのまま採用いたしまして、そうしてその線に沿うて開発を進めて行くというふうにしたらどうだろうというので、一応掲げた次度でございます。
 それから二番目の点はまあ継続工事に重点を置くのは当然でございまするが、それでは新規の地点を一体どうするのだということでございまするが、新規の地点に関しましては、非常に資金の関係から問題が多うございまして従来は去年、一昨年くらいは年に四、五十件の件数を新規に着手したわけでございまするが、なかなか今度の予算から参りますと、そういうわけには参りませんので、極力継続工事に重点を置きながら、新規の工事は本当に止むを得ないものに限ろうじやないかということになりまして、それでは必要止むを得ざるものというのはどういう範囲かという点が非常に問題でありまするが、大体の考え方といたしましては、従来の継続工事が完成した際に、その完成したものをより効果的に運営できるというふうな点が一つ狙いとなつて来て参ります。その意味はどういうことかと申しますと、例えば水力を盛んに建設いたしましても、どうしても全部の水力が、冬のピーク時を救済するような大きいダム式のみというわけには参りませんので、自然火力もこれに併用して参りませんと、折角できました水力も年間をとりますと、フルに働けないというふうな考慮もありまするから、そういう地帯、地点等に関しては、火力も新らしく着工して、そうしてそういう欠点を補つて、言い換えますと、今までの開発を更に有効にフルに動かすような方針をとつたらどうだろうかと、それからもう一つは水力の面のみに関しましても、例えば逆調整のようなものがございまして、一つのダムができた場合に、その水を下流にコンスタントに流しませんと、農業開発に大きな障害を来たすわけでございますので、そういう意味から兼合いまして、どうしても本当の本ダムと申しますか、に附帯して、それと並行して現に考えなければならん性質のダムが相当ございますので、そういうものは当然これは工事そのものは新規といたしましても、事の性質といたしましては、継続とみなして然るべきものじやなわろうかというふうな観点から、そういうものは止むを得ざるものとして掲げるというふうなことにしておつたわけでございます。その後更にそうしてきめました新規地点に関しましても、着工の時期は資金計画の見通しを得た上で決定するというふうに、更に条件付けをいたしまして、そういうふうに一応きめてはおりまするが、もう少し資金の確保の見通しがはつきりしてから実際に着手したらどうだろうか、それまでは一種の準備ということで出発したらどうだろうかというふうな考えに立つております。
 それから三番目の送変電、配電施設でございますが、これはあとの表で御説明いたしますと、明瞭でございまするが、今までの厖大なこの建設費並びにその完成が逐次できて来るわけでございまするが、それに伴いましてどうしてもこの送変電施設というものが相伴わなければならんというのは御承知の通りでございまするが、その量が非常に今年度から殖えて参りまして、このほうに相当資金の量が食われるといいうふうな結果になつてございます。
 4のロスの軽減等に関しましては、これは非常に予想以上に進捗しておるわけでございまするが、今後とも更にこれを強化して参り、恒久的な意味の電源開発という意味でこのほうにも従来同様使われたらどうだろうかというふうにしてございます。
 以上が大体基本方針でございまして、以下がその内訳になるわけでございまするが、初め二頁、三頁が公表事項でございまして、今年度の基本計画として公表した分でございます。で、基本計画は三つのベースがございまして、一つは毎年長期の電源開発の目標というものを毎年作つてこれを公表するということになつておりまするが、この電源開発につきましては、先ほど申しましたように、取りあえずは当時の目標をそのまま採用するということになつておりますので、そういうふうにしてございます。
 それから次の第二点は、基本計画の第二点は、開発会社以外の開発担当者、言い換えますと、電力会社或いは都道府県、或いは自家発等でやつております開発に関しましては、出力並びに開発の所要資金等を公表いたしまして、そうしてその細部に亘る、地点、規模、様式等の細部の点は添附事項で公表するということになつておるのでございますので、そのままの形式をとつて公表してございます。
 それから第三番目のものは、電源開発株式会社に関するものは、地点等、基本計画が詳細にこれはきめて公表することになつておるのでございますが、これははつきりした基本計画の方法になつておりまするけれども、今年度は取りあえずのところでは新規というものは考えておりませんので、この公表事項には載つてございません。そうして第二頁を御覧願いますと、今年度の全部の資金、その開発に要する分が千二十億でありまして、それが三頁に移りますと、発電部門に千二十億そのままを受けまして、更にそれに送変電、配電部門、或いはロス等の軽減のための改良工事といつたようなものを合せますと、全部で千五百九十三億という資金で開発することになつております。大体従来とも電源開発の年間の費用は千六百億という狙いで進めておるわけでございまするが、大体まあそれに近い線できめてございます。
 それから添附事項の中に、これは電気事業でありまするが、四つありまして、水力では北陸電力と関西電力、火力は東京電力と中部電力というふうにいたしてございまするが、水力ではこのほかに東北電力に一つございまするけれども、これは公表事項は八万キロ以上のものに限るということになつておりまして、それ以下のものは公表する必要がないということになつておりますから、公表事項の中から抜いてございます。
 四頁以下それの詳細でありまして、四頁は昭和二十九年度の電源開発計画の総括表でございます。昭和二十九年度の総計が外資を含めまして千五百九十三億円でございまして、二十八年度、今年度はどうかと申しますと、これが千六百五十八億円でございます。それの千五百九十三億円のうち、新規の内訳並びに送変電等に対する内訳表がこの表でございまするが、御覧を願えればおわかりのように、新規の分は殆んどございませんで、四十二億五千万円ほどでございます。それに反しまして、送変電部門が非常に増加したということと、それから継続が、これはもう従来の工事が、非常に今年度、或いは来年度がピークでございますので、継続事業としては去年同様殆んど大部分にその資金が消費されるというふうな工合になつております、それから五頁の第二表でありますが、これは企業形態別所要資金表でございまして、一番上に電力会社があります。二番目に開発会社がございます。六頁に公営事業と自家用というふうにありまして、最後にその総計があるわけでございまするが、各企業体別に新規、継続といつたふうなものがどういうふうな恰好になつておるかということがこれでわかるようになつております。これで見ますと、二十九年度の新規はさつき申しました四十二億五千万円でありますが、そのうちの四十二億は電力会社に充当しております。水力、火力合せまして四十二億円というふうになつております。その地点は先ほど申しました五地点でございます。それから配電施設のほうは三百四十七億円ありまして非常に全体の量で大きな位置を占めております。それから開発会社のほうには先ほど申しましたように一応いわゆる発電としての新規は見てないのでございますが、この点に関しましてはあとで詳しく申上げて見たいと思います。それから公営電力は次の表にあります。新規に関しましては五千万円だけ見込んでございます。その点もあとで少し詳しく申上げて見たいと思つております。それから自家発電でありますが、これは今年度新規工事は零になつておりまして、これは殆んど希望個所はございません。ほかの電力がどんどん開発して参りますので、自然自分で開発しようという意欲がなくなつたものか、去年あたりから大分この自家発の傾向が減退して参りまして、今年度はないのでございます。第三表は二十九年度の電源開発資金の供給見込でございまして、各担当別の政府資金並びに民間資金の内訳がございまするが、最後のところに政府資金に外資とありまして千五百九十三億円という総計がございますが、これは二十八年度には政府資金が七百十億円でありまして、民間資金八百六十八億円、外資が六十八億円、合計千六百四十五億円というのが二十八年度の状況でございまして、この二十九年度の七百四十四億円、それから七百五十四億円、こういうふうに分けてありますのはどういうわけかと申しますと、実は自家発に関しまして開発銀行から出すはずの資金が、皆さんも御承知かと思いまするが、電気と申しましても電力会社でございまするが、電力会社と、造船以外の部面に関しましては本年度からは一括して内訳を作らないで、と申しますか、開発銀行のほうでお話があるかと思いますが、きめるということになつておりまして、まだ実はその一括の分には自家発のものが入つておるのでありますけれども、それがきまつておらんわけでありますから、それが十億円になりますものやら、二十億円になりますものやらまだはつきりいたしません。これは第三表の自家用のところを御覧願いますと、政府資金、開発銀行として十億円、二十億円というふうにございますが、その十億円、二十億円というのがまだきまつておりませんので、こういうふうにしてございます。それから第四表は企業形態別発電設備出力増加表というのがございまして、言い換えますと、電力会社、開発会社、或いは公営事業、自家発等がどういうふうなテンポでどういうふうなスケールで開発を進めて行くだろうかというのがこの表になつてございます。御覧願いますとわかりますように二十八年度には百三十万キロワツトができておることになつてございます。ただこの中で、木曽の丸山地点が三月末までには完成するだろう、従つて二十八年度に完成ということでこの中に含まれておつたのでございますけれども、皆さん御承知のように、それが少し延びまして二十九年度に完成するという事情、そういうふうになつておりますので、総計欄の上から申しますとこれが百二十万キロぐらいに減るはずでございます。実質は変りございません。それから二十九年以降に関しましても、大体百万キロ或いは百二十万キロというふうなテンポで開発が進んで行く予定でございます。三十一年以降漸減して参りまして、三十二年になりますと、十三万キロワツトというふうに、おかしいじやないかということになるわけでございますが、この点に関しましては、まだ実は三十年度の新規或いは三十一年度に着手いたしまして、そうして完成するのは未定でございますので、今までやつておる事業をそのまま延ばせばこういうことになるというのでございますから、こういうふうになるのは或いは当然かとも思います。従いまして、今後来年、再来年の新規分が入つて参りますと、この計数が逐次変つて行く予定でございます。
 それから二十九年度の詳細の各地点別でございますが、一番初めは電力会社でございまして、ここには新規地点といたしまして、見られますように、五カ地点を掲げてございます。(イ)、(ロ)の(ロ)は火力の「火」が落ちてございますが、これは「火力」でございまして、火力が二つ、水力が三つということになつております。さつき申しました東北電力の法量というのは、出力が六千八百キロワツトでございますので、これは公表の対象になつておりませんから公表事項から落してございます。それから十頁以降は、今までの継続の工事の地点を詳細に出してございます。これを御覧願いますと、各電力会社別に現在やつております工事の内容が出て参ります。これはあとで御覧になれば結構かと思います。それから十六頁になりまして、電源開発株式会社の本年度の建設内容が出ておりますのでございますが、この中には先ほど申しましたように、新規の分は考えておりませんが、併し只今近畿と申しますか、関西の和歌山、奈良、三重県に跨ります熊野川でありますが、熊野川の開発に関しまして、従来開発会社で調査しております調査も或る程度完成し、いろいろ三県の間に問題がありましたのも或る程度解決いたしましたので、これを検討しようということにまあなつてございます。そういう開発会社の新規の問題はどういう扱いに今後なるかと申しますと、まだ勿論今申しました熊野川にいたしましても扱いがはつきりきまつておるわけではございませんが、仮に審議会できめて頂くというような場合にいたしましても、この前のときにも御説明申上げたかと思いますが、どうも開発会社のやる地点は非常に権利の錯綜した、而も広汎に亘り、或いは数期に亘るような地点が多うございまして、なかなか開発会社にこの地点をやれというふうにきめましても、実際の着手までには、或いは水利権の問題、或いは補償の問題とか、その他調達資金の処理の問題とか、いろいろ問題がございまして、すぐ着手するというところまでは至りません。そこで開発会社の資金の効率的な運用等からも睨み合せまして、成るべくならば予備地点といいますか、そういうものを法案の許す範囲で、法案で指定いたしました条件にかなう範囲で今調査地点等の指定をしております中から各省相談の上、勿論審議会で委員の皆さんから御決定を願つて頂いて、そうして準備地点ということにいたしまして、そうして開発会社がやるということだけをきめまして、いろいろそういうような道路とか、或いは補償、水利権の問題等の解決を図りまして、そうしていよいよそういうものが解決をしたとなりますれば、すぐにでもこの資金に余裕がありますれば着工するというような段取りにすべきじやなかろうかという声が非常に強うございまして、先ほど申上げました熊野川等にいたしましても、今年度着手ということは非常に、或いは困難かと存じますが、そういうような意味合いで着工準備地点というような工合にして、そうしていろいろの諸準備を仮に審議会できめて頂きますれば取上げてやつたらどうであろうかということを考えておるのでございます。従いまして電源開発株式会社の今年度の着工予定地点といたしましては、今のところ厳格に考えておりませんのです。今のような工合におきまして或る程度着工準備地点というようなものは、調査の済み次第やるものが出て来るのではないかというように考えております。
 次に公営地点でございますが、これは殆んど毎年この問題は起きる問題でございまして、今年度もまだ最終的に決定しない分がございます。これは皆さん御承知のように、大部分のものはいわゆる河川の総合開発というものに該当する川でございまして、従いましてこの造りましたダムは水利にも役立つ、電力発電施設にも負荷する、併せて農業灌漑等にも水を引くというような多面的な目的を兼ねたものが多いのでございまして、その意味合いから申しましても大体公共事業費がつきまして、それと見合つて地方起債で預金部の資金がつきまして、そうして公共事業費と預金部の金でこの建設をやつて行くのがこの公営事業の大体になつておるのでございます。その他目的のダムの費用を国家資金の間で、或いは現地調達する起債分等で、どういうふうな振分けをすべきかという問題が非常にむずかしい問題ではありますが、そういう困難な問題も基準を政令で定め、そうして細部の点は各省で、主として審議庁が中心になつておりますが、その各省が集まりまして、一つ一つ相談をいたしまして、資金の配分、或いは建設の齟齬のないようにやりつつあるわけでございますが、一番問題になつておりますのは、今年度二十九年度が、切め百五十億ぐらいは最小限度ありませんと、今までの継続事業すらもなかなか仕事が進まないというので、最小限度百五十億ばかり実は予定しておつたのでありますが、預金部の状況から、とてもそういう要求は許されなくなりまして、最終的には百億という線で、大蔵省のほうからきめまして、そこで百億円で以て、非常にたくさんの件数があるわけですが、それに合わせて効果の挙るように、資金配分をやつたわけでございますが、その結果出て来たのが二十九年度の公営事業費でございます。この中でなぜそれでは百億という線できまつたならば、九十九億五千万円という五千万円の端数を残したかと申しますと、この端数は実は去年に、或いはそれ以前に公共事業費等がもうつきまして、そして実際の工事というものは、どんどん進んでおるわけでございまするが、まだこの地方起債分がそれに伴なわないというのがございまして、従いまして工事の実態から申しますと、継続事業費ではございますが、発電部分から申しますと、新規というようなものが相当ございます。そこでそういうものに相当するものを各省で是非一つ今年度から取上げてもらいたいというのがあるわけでございますが、さつき申上げましたような工合で、今までの去年から継続になつているもののみでも、十分にだききれない状況でありますから、まして電気の新規というのは、なかなか出ないのであります。新規と言いますのは、今言つたような、いわゆる新規でございますので、事情が許せば取上げなければならん性質のものではございますが、そういう資金面で非常に苦しい関係上、電気で新らしく取上げるというのは全部落しましてここには掲げておりませんが、なお各省間で先ほど申上げましたように、各省に関係の深いものでありますので、通産、建設、農林、或いは自治庁等が主になりまして、更に今年度新らしく仮に電気でやらなければならん地点というものは、万止むを得なければ、どこまでやるべきかということを研究中でございます。まだ結論には至つておりませんが、そういう意味を兼ねまして、五千万円という端数がここに上つております。
 それから4はこれは自家用でございまして、これは殆んど継続のみでありまして、今年度は新規はございません。これは希望がそれほど強い希望はないのでございまして、これでやつて行けるのではないかと思つております。
 それから参考資料でありますが、参考資料その一というのは、二十頁であります。これは各担当社別の資金の調達の内訳でございまして、民間資金の自己資金、或いは外部資金を書き分けたものでございます。それから二十一頁の参考資料その二と申しますのは、開発会社の今までの五カ年計画の大体の線と、本年度初めの四百五億開発会社では継続事業をやる必要があるというので要求しておつたのでありますが、これは御承知のように二百六十億に予算が削減されまして、自然資金面からいたしましても、補償問題とは別でございますが、資金面からのみ考えましても、相当工事の繰延べを考えざるを得ない状況でありますので、この表にありますような変更替えになつております。それからその次の表が二十二頁の参考資料その三でございますが、これは今年度の着工に関しまする主な地点の、電力会社のみでありますが、補償物件がどうなつているかということをここに書いてございます。まあ補償の問題が非常に重要なものですから、新規地点をきめる際に特に各省で手分けしまして、補償の問題が一体どうなつているのかという点を相当厳密に研究調査した上で新規事業ということをきめるように自然なさざるを得ないし、現在そうなつておりまして、こういう表を出しておる次第でございます。
 それから二十三頁の参考資料その四と申しまするのは、これは前に公表いたしたものが、出力等にその後実際に建設にかかりますと変更がございまして、その変更を書いておるわけでございます。それから変更理由等は二十六頁にございますので、これも併せて御覧願えれば結構かと思います。
 それから二十八頁に参考資料のその五というのがございまして、今まで電源開発促進法が施行されて以来、主として電源開発調整審議会でどういうふうな仕事をしたのかという点も記録にとどめる必要があろうかと思いまして、ここに今までの仕事をずつと掲げてございます。二十九年度におきます電源開発計画の概略は以上の通りでございます。
#4
○委員長(中川以良君) それでは、引続きまして只今の電源開発に密接なる関係のございます電力需給状況の最近の概況につきまして、公益事業局側より御説明を願います。
#5
○説明員(小出栄一君) 二十九年度の電力の需給の状況につきましては、実は毎年の例といたしまして、年度の初めに、年間を通じましての年間の基本的な需給計画というものを定めまして、それに基きまして年間割当計画、電力の割当計画というものを策定するのが通例でございまするが、本年度は御承知のように、すでに去る一月の下旬に九電力会社から電気料金値上げに関する申請が出ております。又この申請は、単に料金の値上げという点のみならず、併せまして基本的な料金制度の改正というものを同時に行うということが内容になつておりまして、簡単に申しますると、従来行なつておりまする大口電力の割当制度というものをこの際改めまして、原則として割当制度を廃止いたしまして、東北電力であるとか、或いは北陸電力というふうな地帯におきましては料金を一本化する。その他の地帯におきましても二段料金制度はありまするけれども、その立て方を根本的に改めるという内容になつておりまして、この料金制度の改正を内容といたしまする料金の改訂案が申請されておりまして、これに対する政府側の決定は、聴聞会を開きましたけれども、今日まで御承知のように、まだその態度は最終的に決定しておりません。従いまして今年度の、年間を通じましての暫定割当計画というものも実は今日まで策定されていないような状況でございまして、四月の割当も五月の割当も一応昨年度の同期の実績を基礎といたしましての暫定的な割当をいたしております。又六月につきましても、やはり同じような事情からいたしまして取りあえず六月までは暫定計画を伴わなくちやならないじやないか。こういうように考えている次第でございます。従いまして、まだ通産省といたしましても、年間を通じましての基本的な需給計画というものの策定を終つていないような状況でございます。従いまして詳細なまだここに数字を以て御説明をするまでに至つていないのは誠に遺憾でございまするが、大体の見通しといたしましては、御承知のように、二十八年度は予想以上の豊水でございまして、上期におきましても又下期におきましても、平水を上廻りまする出水率でございました。従いまして、今年はこの冬と申しまするか、初めて電力の使用制限をやらずに遂に済んだというような状況でございました。
 電力の需給面から申しまするというと、漸次電源開発の進捗に伴いまして緩和されているという趨勢にあることは明らかでございます。併しながら二十九年度の全体の見通しといたしましては、先ほどの計画にもございまするように、電源開発の進捗に伴いまして、一方において供給力も相当殖えまするが、他面において需用の見通しというものが、これ又非常に困難でございまして、殊にデフレ政策の効果が割合に早く現われつつあります現状におきましては、これがどの程度需用面において影響して来るかということの見通しが非常に困難な状況でございまするが、併しこれは必ずしも鉱工業の生産指数の伸びと、電力の使用というものは、必ずしも並行しないわけでございまして、却つてデフレ時代になりまして、各産業界が苦しくなりまするに伴いまして、生産指数の上においては上らなくても、例えば合理化というような面におきまして、合理化のための電力は、その需用を却つて増すというような実情もございまする関係上、これらの点から申しまして、デフレになるから必ずしも需用がそれだけ減退するというふうにも一概に断定しがたいような状況でございます。従いまして大体の見通しといたしましては、電力の需給関係は、更に年を追いまして、漸次緩和されると思いますけれども、なお無制限需用というものに対しまする供給力の不足というものは、勿論やや緩和されるといたしても、なお地区的には相当の供給力の不足を来たす面が多いのでありまして、例えば東京地区、或いは中部地区乃至は関西地区というような、東京、中部、関西というような地区におきましては、なお二十九年度の需給の面から申しましては、やはり供給力が相当に不足するのではないか。かように考えている次第であります。まだ年間の暫定計画の策定が終つておりません関係上、今日、只今ここで数字を以て御説明できないのは誠に遺憾でありますが、大体の需給の見通しというのはそういうようなものでございます。
#6
○委員長(中川以良君) それでは御質疑を願います。
#7
○西田隆男君 電源開発関係で、一つお尋ねしたいことがあるのですが、説明を聞いておつても、電源開発会社の開発は、水力に限られている。電源開発促進法は、水力も火力もやるようになつているはずなんだが、電力会社と自家発だけに火力を開発させて、電源開発会社が火力の開発をしない理由はどういう理由か、理由を一つ聞きたい。
#8
○政府委員(佐々木義武君) 特に積極的に火力をやつちやいかんということでチエツクしているわけでは毛頭ありませんので、できますれば、あの法案の一、二にありますような趣旨で応急な、開発困難な、或いは総括的な面の開発地点というものを主にして開発したいということで今までやつて来ているのでありますが、従いまして第三項に出て参りました、特に電力の需給を調整するため必要な地点に対しましては、火力もやるべきだという点までは今のところ伸びておりませんけれども、情勢がどうしても許さないようなと申しますか、地点によつては火力も積極的にやるべきだということになりますれば、或いは火力もやるべきではなかろうかと考えておりますが、只今のところでは九電力のほうで火力を相当大規模のものを着手してございますので、その分担関係と申しますか、両両相待つてやつて行けばいいのではなかろうかというような考え方でございます。
#9
○西田隆男君 電力会社の電力料金値上げの必要性の中に、やはりこの電源開発費が高くかかる。社債の募集とか或いは増資、或いは借入金というものが非常に困難であるから電力料金を上げてくれというのが非常に大きな理由になつておる。ところが電源開発会社の資金は大部分は政府資金を使つておる。普通の電力会社は一般市中銀行の借入金或いは社債或いは増資ということになつておる。これで見ると火力を相当に九電力会社は開発しておるのじやないか。それでなぜ開発会社が火力の開発をしないかという理由を僕は尋ねておる。
#10
○政府委員(佐々木義武君) なぜしないかとなりますと、非常にむずかしいのでありますが、先ほど申しましたように、仮に九州の例を挙げましても、九州電力のほうで相当火力に対して力を入れて、これも御承知のように国家資金でございまして、それでやつております関係上、まあまあ開発会社でも並行して火力をやるべきか、或いは火力のほうは九電力のほうに委ねて、主として水力開発に暫らくの間は重点を置くというような行き方がいいのか、そこら辺がなかなかむずかしい問題と思いまして、まだ最後まで踏切つておらんわけでございますが、開発会社のほうからも積極的に火力をやりたいという意思表示も今のところございませんしいたしまして、只今のところでは先ほど申しましたような次第であります。
#11
○西田隆男君 電源開発審議会のほうでは、火力の開発は今九電力会社でやつている程度で十分だという認識に立つておることが一つと、それから九電力会社の火力発電の開発に対する資金の融通だね、資金の融通を開発会社のほうで面倒が見られなければ、政府のほうでもう少し面倒を見て、火力の開発は九電力会社にやらせるという考え方がなければならんのが二つ、この二つがない限り火力の開発というものは現在の開発の程度で十分であるという何か理論的な帰結が需給のバランスの関係からか出て来なければならんと、僕はこう思うのだが、この三つの点について開発会社はどう考えておられますか。
#12
○政府委員(佐々木義武君) その点は開発会社のほうでと申しますか、審議会のほうで火力をもつとやるべきであるし、そのやるべき火力に対して今の九電力においては不十分であるから、当然これは電源開発会社にも着手させるべきだというふうな結論までは、実はまだ至つておらないのでありまして、さつきから繰返して申上げますように、今の九電力で意図しておる火力の分を促進して参りますれば、十分とは言えないまでも先ずこの計画の遂行上は支障を来たさないのではないかというふうに考えておりますので、開発会社でこれを取上げさせるよりも、主として九電力のほうで地方が多いわけでございますから、九電力のほうにやらすという考えであります。
#13
○西田隆男君 大体審議会で火力を水力と同じような程度に考えて、火力の開発をするかせんかというような問題を審議会で議論したことがありますか。
#14
○政府委員(佐々木義武君) 水火力の問題は勿論地区別のピークの問題、或いは地区別の需給関係を考えます際には一番根本的な問題でありまして、これがなしには地区別の計画が立たないわけでございますから、今までのところではでき得る限り検討はしておるつもりでございます。
#15
○西田隆男君 検討しておるつもりではなくて、審議会で議題になつたことがありますかということです。
#16
○政府委員(佐々木義武君) 基本計画をきめる際には勿論議題になります。
#17
○西田隆男君 その際に火力の発電は九電力会社の発電計画のままでよろしいという結論が出ておるわけですか。
#18
○政府委員(佐々木義武君) 今までの基本計画の、今日は持つて参りませんでしたが、基本的な考え方といたしましては、成るべくこの建設は電力料金が安く貢献するような水力に主力を置くべきであつて、火力のほうは水力の何と申しますか、欠点と申しますか、ピーク時に対する欠陥を、火力を以てこれを補足するという程度で考えを進めてございますので、今までのところでは主として水力中心にし、火力をそれにマツチさせまして、そうして水力、火力両方で全般的にピーク時に成るべく齟齬を来たさないように持つて行こうという考えでやつております。
#19
○西田隆男君 ピーク時のことを考えるのは、それは妥当でしよう、妥当でしようが、豊富な水量を持つておらない河川を持つ地方は、これが電源開発と言えば水力ではなく火力が主です。火力を主として開発しなければ需給のバランスがとり得ないというような地方は、あながち水力なら電力料金が安くなるからということだけにこだわつて、火力の開発を電源開発会社がやらないという理由にはならないと思う。ピーク時ピーク時と言われるけれども、ピーク時だけの問題ではない。平常の電力の需給のバランスから考えて、豊富な水を持つておる河川の多いところは、それは水力を主として開発するのはいいけれども、そういう河川を持たない地方の電源開発というものは、火力を主として考えなければならんものと考える。そういう地点の火力の開発も電源開発会社では手を着けていない。そうしてその地方の電力会社に任せ切つておるような状態です。結果的に見れば……。そういうことは電源開発促進法の精神ではないはずだと思う。そういうことが審議会で取上げられて、どういうふうな議論になつて、どういうふうな結論になつておるかということを僕は聞きたいわけです。
#20
○政府委員(佐々木義武君) 今までとつて参りました方針、態度に関しましては、先ほど申しました通りでありまして、それから火力の問題等に関しましては、御承知の通りでありまして、特に東京地区等は電力が特に逼迫しておる地点でありますが、御承知のように水力の地点は殆んどございません。そこでどうしても火力を並行して建設したいという要求が強うございまして、それは開発会社でやるべきか、東京電力がやるべきか、この問題に関しましてはいろいろ問題があろうかと思いますけれども、只今のところでは主として東京電力が中心でこの建設に当つているのでございます。又同じような条件は九州、中国等にも見られるわけでございまするが、そういう地点に関しましては火力の問題に関しましてもその必要性はわかるのでありますが、それではこれを開発会社が開発すべきか、或いは九電力が開発すべきかという問題に関しましては、いろいろ考える余地もあろうかと思いますので、今後研究して見たいと思います。
#21
○西田隆男君 今後研究されるんでは、五年計画なんで間に合わんので、早急に一つこれを取上げて、開発すべき地点は火力もやつぱり並行して開発するという建前をとつてもらいたいと思う。それがとれなければ結局電力料金値上げの内容に言われておるように消費者大衆の負担ということに持つて行けないと思う。これは法案に火力を入れた趣旨は、水力だけに重点を置いてやるということだけでは弊害が伴うから、従つて当面の電力危機を切抜けるためにはどうしても豊富な水力を持たない地点は火力の開発をやらなければならんという精神を盛込んだわけで、「特に」という言葉が使つてあるからといつてやらないでいいという趣旨ではない。そういう点は、大体電源開発促進法を作る考え方が水力だけをやろうという考え方なんで、それを我々が修正した趣旨を十分考えて、そしてあとでいろいろな批判の起らないように是非やつてもらいたいと、そうしないと電力料金の値上げの問題なんかにそういう意味の内容のことが盛られておるということ自体を考えて見ても電源開発会社としては十二分に配慮しなければならん問題だと思う。特にそういう点をこの際注意を喚起をしておく。
#22
○海野三朗君 火力発電は設備の点からいいまして水力発電と、水力のほうは水であるから結局ただのようであるけれども、その設備費をインクルードして見たときに火力発電と、それは長い間には水力発電のほうが得でありましようかどういうものですか、その設備費……。水力の関係から見まして火力発電と水力発電と比較しますとどちらが金が余計かかつておりますか。
#23
○政府委員(佐々木義武君) 計数的な詳細のとこはちよつと資料を持つて参らなかつたのでございますが、今のように補償等が非常に複雑になりまして水力の開発に今までより以上にいろいろな費用が嵩ばつて参りますと、もう少したちますれば必ずしも水力のほうが安いということは言い切れない事態が、或いは来るかとも思います。少くとも現在におきましては、まだやはり水力のほうが建設費は勿論火力よりも高いのでありますけれども、運転費その他遙かに安くなるわけでございまするから、それを合せますと水力のほうが安いわけであります。
#24
○海野三朗君 そこで私がお伺いしたいのは、火力発電でやりますというと資金が僅かで済むのです。年々これに石炭を注ぎ込んで行かなければならないということを計算に入れると長い間には高くなりましようが、短期間を考えるときになるというと、火力発電のほうが遙かに有利であるやに私聞いておるわけです。で水力発電のほうは設備費に実に莫大なる金を要するので、長年のうちにはその利益が挙つて来るのであるけれども、とにかく仕事としては水力のほうが損だというふうに私どもは聞いておるのでありますから、その資新を一つ出して頂きたいと思います。つまりでき上つてから一年々々に一キロワツト幾らぐらいになつておるかと、そうして火力のほうは年々どれくらいの石炭を入れて行くからつまり結局は高くなるのだということのはつきりした資料を一つ頂きたいと思います。それだけです。
#25
○豊田雅孝君 最近電気料金の問題については通産省はどういうふうな考えになつて来ておるか。特に先ほど小出次長からのお話だと上下半期等に予想外に豊水状態になつた。これが電力会社の経理状態に大きな影響を及ぼしておるというのでありますが、そういう最近の情勢を織込んで電気料金値上げ問題に対してどういう考えを持たれつつあるか、その点をお聞きしたいと思います。
#26
○説明員(小出栄一君) 電電料金の問題につきましては、御承知のようにまあ一月の二十一日に申請書が出まして、三月に全国で聴聞会を開きました。聴聞会の結果各方面の御意見を十分拝聴いたしたのであります。その結果に基きましてその結論を見出して行くべく検討中でございますが、非常にその検討に時間がかかつておるではないかという点のお叱りを受けるかとも思うのでありますが、先ほども申しましたように二十八年度の下期の決算の状況等とも一応関連いたしましてこれに検討を加える必要もございまするし、下期の決算は御承知のように予想以上の豊水に恵まれまして相当の黒字を出しております。併し実際に二十九年度への繰越をなし得るのはまあ十億円程度ではないか、かように考えております。出て参りました利益というものも設備の補修維持というふうなサービスの改喜の面にも相当投入しなければならないので、そこで電力会社側の申請は御承知のように四月一日に改訂しなければ二十九年度において、相当経営が苦しくなるという根拠に基いて出ておるのでありますが、ただそういうような二十八年度の決算の状況等とも睨み合せまして、ほぼ一、二カ月で、この四月は経過して来たんでありますが、電力会社においても或る程度まあ我慢して頂けるだけのまあ経理の状態になつているのではないかという見通しの下に、まだ結論は出ていないわけでありますが、一方政府の根本的なデフレ政策の遂行に与えまする影響とも睨み合せまして、そういう根本的な政策面の配慮と、それから極く事務的に総括原価というものをどの程度まで申請案に対しまして圧縮できるか。できれば料金を上げないで済むようにという念願の下に、できるだけ強い圧縮を計算上もいたしておる次第でありまして、すでに決定されました開発銀行の金利の引下げと、それから法人税及び事業税、固定資産税に対する或る程度の低減策というものがすでに実現されんとしておりますが、これらを合せましても申請案の一割四分四厘の値上率に対しましてこれを全部吸収してしまうだけのパーセンテージにはならないのであります。
 その他の面におきまして総括原価の点においてどの程度まで圧縮できるかということを一応試算して見ます。殊に大きな要素といたしましては燃料費、石炭費の問題でありまして、単価の申請が、単価の計算が御承知のように申請案におきましては昨年の九月頃の単価を基礎にして計算されております。それが本年の下期以降においてどういうふうな単価の見通しになるかということにつきましても、一定の見通しを立てまして、これについては相当の圧縮ができるのではないかというふうに考えております。で、これらを合せまして一応通産省といたしましても総括原価の試算をいたしまして、至急に結論を出したい。大臣も大体今月中には何らかの一つの見通しを立てたいというふうに考えておられるようでございまするが、できるだけ早い機会に結論は得られるのではないか、かように考えます。
#27
○豊田雅孝君 電気料金値上げの問題につきましては、これは私の直感なんでありますが、初めは通産省弱腰であつて、途中から国会の論議或いは輿論等からの影響かも知れないかと思いますが、相当強腰、又最近は弱腰になつておられておるように直感をするんでありますが、これは想像でありますが、そうでなければそれで結構なんですが、若しも最近弱腰になつておられるということになりますと、これは一般の輿論の期待を裏切ることになると思うのであります。而もデフレ政策漸くその緒につきかけたこの際に、電気料金の値上げをするということが全般的に如何に影響するかということは、これは真剣に考えて頂かなければならん。更に一般の経済状況から見まして各事業会社とも減配、或いは無配にどんどんなりつつある。一般に経済状況は悪くなつておるんでありますから、これと相対的に睨み合せて電気事業の内容というものを再検討しなければならない。又お話のごとく物価もどんどん、炭価その他下りつつありますから、これを織込んで新情勢に基いて、而もこの極く最近の情勢、先の見通しに基いて検討せられる必要があるということは言うまでもないのであります、そういう点から考えると、あの電気料金値上げの申請書というものは一応返還して返戻して、新らしい、新情勢に基く申請を受けて立上つて然るべきじやないかという議論も私はあると思います。早く結論を出さんならんということもさることでありますが、急がんならんということも勿論でありますけれども、急ぐがために世間の納得しないような結論が出て来るということは、これは大いに戒心しなければならん。心理的の影響から、又実際一般経済界に及ぼす基本的な影響それ自体から見て真剣に考えなければいかんと思つております。そういう点において急ぐことのみがこの際の一番とるべき方策でなく、むしろ新らしい情勢下においての検討を、この際もう一度再出発されるというような意味合いで真剣に検討願つて世間が納得するような行き方に行かれることをこの際特に希望しておきます。通産大臣にもお伝え願いたい。
#28
○海野三朗君 関連いたしまして……、只今豊田委員が縷々述べられましたが、初め電気料金の問題は岡野通産大臣のときには上げなければならないと言い、それから愛知通産大臣のときになつてからそれは簡単に上げられないというなかなか強硬な態度であつたように一般も見ておりますし、私どもも見ておる。ところがそれをその後検討して、只今検討中であると当局は言われますけれども、いわゆるこの国会が済んだあとに、知らないでいる間にぽかつと上げるようなお考えではありませんか。どうも私はそういうような気がするのでありますが、率直なところどうなんですか。
#29
○説明員(小出栄一君) 料金問題の聴聞会が終りましてすでに一カ月以上をまあ経過しているわけでありまするが、先ほど豊田先生からも御指摘がありましたように、デフレ政策の効果も意外に早く現われつつありますというような新情勢もありますし、又丁度二十八年度の下期の決算の状況とも関連いたしております関係上、その間炭価の見通しというようなものにつきましても、情勢を十分に検討しなくちやならんというような関係もありまして意外に手間取つているわけであります。従つて特に今海野先生がお話になりましたような、作為的にまあ国会開会中は知らん顔をしておつて、あとでまあ突如として態度を決定するというような作為的な気持でやつているのでは毛頭ございません。少くとも事務当局といたしましては一貫いたしまして、これはまあ御承知の通り料金算定基準というものが客観的にきまつておりまして、或る意味においては電力会社の経理はまあいわばガラス張りになつております関係もございますので、その客観的な基準に当てはめまして試算を続けておるという態度は一貫しているつもりでございます。それで非常に急いで結論を出す必要もないではないかというお話もございますけれども、すでに申請も出まして相当時間も経過し、電力会社自身もどういうふうになるのかと、その内容如何によりましては本年度の増資の計画、或いは従つて電源開発計画というものにも影響をして参りますし、経営の安定を失われるということもございますし、又需用者側から申しますれば殊に料金制度の改訂がどうなるかというようなこと、それから料金率がどうきまるかによりまして自分の会社への影響というようなものも見通しは立てにくい、従つて生産計画も立てられないというような状況にありますので、こういう状況を長く放置しておくことも非常に如何かと思いますので、若しこれが検討の結果、結局料金制度の改訂もしない、或いは料金率の引上げもしないという結論になりますれば、これはまあ当然申請案は一応取下げてもらつて、新らしい見地から又再検討することになるのでありまするが、一応すでに出ておりまする申請案であり、聴聞会もやりました関係もありまして、これを基礎にいたしまして只今試算を続けております。こういうような状況でありまして、国会の会期も迫りまして終ろうとするときに、まだ結論が出ないということは誠に遺憾でございますが、実情はそういうようなことになつておりますので御了承願いたいと思います。
#30
○海野三朗君 只今いろいろ調査しておられるというお話でありますが、この前会社のほうから提出されたその資料面においても、非常に水脹れなところもこの前西田委員が指摘したはずである。その資料に基いて当局がやつておられるということは私はその間にアンビギユアスな点が非常に多いということと、それを再検討していない、それと時代が変つて二、三カ月の間に経済方面でいろいろな変動が来ておりまするから、その古い提出したものを基にしてやつていなさる間に、時代がぐんぐん変つて行くと思うのです。ですから今豊田委員が言われましたように、再提出を求めて急速にこれは審議しなければならないのではないか。何カ月も前に出されたものを審査しておられるのでは時代に合わないのではないか、私はそういうふうに考えるのであります。そうして結局料金の問題につきましては、税金とか他の方面をよく考えて緩和して行こうという御趣意は誠に私は結構だと思つておるのでありますが、結局そうしてやつたあげくが何割かの上げなければならないのだというような結論に私は到達するのではないかというように思うのです。その資料についての再提出をしておやりになる、調べなさるお考えがないのか、元の古いやつで、杜撰な申請書に基いて、これを基本にしておやりになつているのでは私は心許ないと思うのでありますが、その点についてはどういうふうにお考えになつていらつしやいますか、それをお伺いしたい。
#31
○説明員(小出栄一君) 申請案はすでに一月に出ております関係上、かなりその申請案の基礎になつておりまするいろいろな計算の基礎は確かに古くなつておるわけでございまするが、併し料金の算定基準に使われております総括原価のそれぞれの各アイテムの立て方というものは、これは客観的にきまつておるわけでございまして、従つてそれは情勢の変化を織込んで、たとえ古い申請案でありましてもこれを修正するということは計算上可能であるわけであります。刻々に新らしい資料をその後の情勢によつて検討いたしまして、又すでに国会等においても御指摘頂きましたような点も十分に取入れまして検討を重ねているわけでございまして、只今のところ事務的には新らしい申請案を出し直して、今直ちに出し直さして、更に聴聞会を開いて再検討するというまでの必要はないのではないか、かように考えております。ただ検討の結果の結論によりまして、若し全然料金制度の改正もしないということになりますれば、これは全然申請の事案の統一性を失う、こういう関係上再提出ということになろうかと思います。
#32
○海野三朗君 只今のお話よくわかりましたが、私はその資料の、最も確実な資料をもう一度念を押して提出させる必要があるのではないか。聴聞会は又このほかにやれというのではありません。もうすでに輿論の大勢はきまつておりますから……。併し向うから出されたその資料においては甚だ杜撰なところをこの前指摘した通り、ああいうふうな水脹れなところを、我々ピンと来ないところのものを、あれを基準にしてあなたがたが机の上で算定しなさる、失礼ながら会社の実際の状況をあなたがた御承知ないだろうと私は思う。私はもう少しその点を本当に事実にタツチして、この算定をして頂かなければならないということを申上げるのです。聴聞会も世論の批評はもうすでにきまつているから、ただこの上は出されたその資料が、杜撰なものを基にしてあなたがおやりになつては、それじや困るということを私は言うのです。例えばこの前の炭価の問題にいたしましても大分違つている、あれを、それを出してから一割何ぼ値上げしなければならんという、そういうところを私は、そこを如何ようにお考えになつているか、つまりその資料が変つておるからして、検討なさるのは、あなたがたがもうすでに世論はきまつているのだから、だからしてこの際に、おきめになるときには最も確実なる資料を要求なさられなければいけないのじやないかということを私は申上げるのですが、前の資料は絶対に間違いないとお考えになつておるのか、それを私はお伺いしたい、前の資料は……。
#33
○説明員(小出栄一君) 修正案の前の資料は、いろいろまあ炭価の面を取上げましても先ほど申上げましたように、昨年の九月を基準にいたしておりますので現在の実情に合わない、従つてまあ或る意味においては杜撰であるということは言えるわけであります。従いまして、そういう点を我々は鵜呑みにするわけはないのでありまして、鵜呑みにできない関係上これを新らしい情勢に基きましてそういう点を修正再検討をいたしておる次第であります。そういう点にまあ相当検討の時間がかかる、こういう意味で申上げた次第でございます。杜撰でありまする点は勿論これを十分に検討いたしまして、的確な資料をつかんだ上で計算をしておるというような実情であります。
#34
○海野三朗君 わかりました。
#35
○西川彌平治君 ちよつと伺いますが、この電源開発計画の資料を頂いて、それからこの水力調査報告書二十八年度、こういうものを頂いておりますが、実は巷間伝えますところによりますと、非常に揉みに揉んだ只見川のこの本流案、分水案がいわゆる解決をいたしましたそのものには黒又は或程度の水を分水いたしまして、黒又川に第一、第二、第三、第四という発電所を造るということにおいて話が妥結したと私は承知しておるのでありますが、巷間伝えるところによりますと、その黒又分水がどうもあやしくなつておる、更に第四発電所ができなくなるのだというようなことが伝えられておるのでありますが、この調査書によりますると、黒又は第一、第二だけの調査ができておりまして、第三、第四が全然調査に載つておらないのでありますが、これはこれから調査なさるのでありますか、或いは巷間伝えるようにこれはやらないということになつておるのでありますか、この点を一つ伺つておきたいと思います。
#36
○政府委員(佐々木義武君) 調査書と申しますのはどれ……。
#37
○西川彌平治君 第一、第二だけで第三、第四はない。
#38
○政府委員(佐々木義武君) その調査書のほうは私余りよく知らないのでありますが、只今の黒又の開発を如何にすべきかという問題に関しましては、はつきりお答え申上げたいのであります。いろいろそういう話は私のほうも仄聞してございますが、そのたびごとにはつきり申上げておりますのは、あの審議会できめました通り黒又の開発はやるのでありますが、やる時期に関しましては、資金の関係、或いは調査の進捗状況等いろいろございますので、今はつきり予断するわけには参りませんけれども、あの計画を変えるというような趣旨は毛頭持つておりません。それから基本計画にきめます際には先ほども御説明いたしましたようにその年に着手する個所をきめるのでありまして、去年只見川をきめた際にも第一期の着手の地点といたしましては、黒又第一ははつきり謳つておりまして、第四に関しましてはそういう疑惑もあろうかと思いまして、たしか文面のはつきりした文句は忘れましたが、趣旨は飽くまでも奥只見の開発と睨み合せてそうして隧道を造る、隧道を造るということは要するに奥只見の水をあそこに流すのだという趣旨を織込んでおるわけでありまして、その点から考えても只今西川さんから御質問ございました点は政府側としては全然考えてございません。
#39
○西川彌平治君 その点は了承いたしました。次にお伺いいたしたいことは、この資料によりますと、二十八年度の建設の予算が相当額がまだ残つておるやに私は考えておるのであります。特に私がここに御指摘申上げたいのは、田子倉が二十数億という金が二十九年度に繰越されておる。而も二十九年度には三十億の予算がついておる、合計五十数億の予算が二十九年度においてやるようなことになつておるのでありますが、ところが非常にこのいわゆる補償問題がこじれまして、もう二進も三進も行かなくて二十九年度も工事が殆んどできないのではないかというような予想さえしておるのでありますが、若しかような最悪の事態に立至つた場合におきましては、その資金を最も効率的に運営するために、問題のない他の地点にこの金を振向けるというようなお考えはございませんか、どうでございますか、伺いたいと思います。
#40
○説明員(小出栄一君) 電源開発会社の関係でありますので便宜私からお答え申上げますが、只今御指摘になりました田子倉の建設資金でございますが、この電源会社の各地点別の建設費の割振りというのはこれは一応のめどでございまして、年度の計画を立てまする場合におきましては大体総額で以て政府資金を幾ら出すということ、それの一応の算定の基準として各地点別に割振つておるわけでございまして、それぞれの地点によりましてかなり実際の予定と工事の進捗によりまして凸凹を生じておるのは事実でございます。そこで田子倉の問題につきましては只今御指摘になりましたように補償問題がかなり重大な問題になつておりまして、四月の半ばに電源開発会社の現地の建設所長と福島県知事との間において一応の仮の勧告案のようなものができ上つたのでございまするけれども、併しこれはまだ水没地点の全部の部落の人の承諾を得ておるわけではございませんし、又電源開発会社本社としてはこれを関知していなかつたのでありまして、従つて本社としては正式にその福島県知事の勧告案はそのままでは呑みがたいという意思表示をすでにしております関係上、かなりこの補償問題の解決は時間的にむずかしい問題になつて来る虞れが非常にあるわけであります。すでにその単価なり或いは総額の点におきましてかなり高いと思われる面もございますし、勿論これは田子倉の部落の特殊事情というものもございまして、非常に他の地点に比べまして裕福な土地であることは想像できるのでありますけれども、併しそういうような特殊事情を十二分に織込みました上におきましてもなお且つ単価なり、従つて総額も高過ぎるのではないかというように考えられております。そのことがすでに田子倉のみならず他の電源開発の補償問題にも悪影響を及ぼしつつありますし、又電源開発のみならず建設省なり農林省で行われます公営の各種の開発事業にも悪影響をすでに及ぼしつつある実情でありまして、従つてこれはむしろ全般的な問題としてこれをどう扱うかということにつきましては、通産省としましても近く経済審議庁にもお願いいたしまして、関係各省相談いたしましてこれに対する態度を決定いたしたいと考えておりますが、場合によりましては、できるだけこの資金効率のよろしい地点に、若し田子倉の開発が補償関係の障害のために進まないという場合におきましては、これを他の地点に場合によつては振向けるということも最後には考えなくてはならないのではないかというふうに考えておる次第であります。
#41
○委員長(中川以良君) それでは暫時休憩いたします。
   午後零時四十一分休憩
   〔休憩後開会に至らなかつた〕
ソース: 国立国会図書館
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