くにさくロゴ
1953/05/20 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 通商産業委員会 第43号
姉妹サイト
 
1953/05/20 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 通商産業委員会 第43号

#1
第019回国会 通商産業委員会 第43号
昭和二十九年五月二十日(木曜日)
   午前十時二十七分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     中川 以良君
   理事
           加藤 正人君
           海野 三朗君
   委員
           井上 知治君
           黒川 武雄君
           小林 英三君
           西川彌平治君
           高橋  衛君
           岸  良一君
           豊田 雅孝君
           西田 隆男君
           藤田  進君
           武藤 常介君
           白川 一雄君
  衆議院議員
           川島正次郎君
           福田  一君
  政府委員
   通商産業省通商
   局次長     松尾泰一郎君
   通商産業省軽工
   業局長     中村辰五郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       林  誠一君
   常任委員会専門
   員       山本友太郎君
   常任委員会専門
   員       小田橋貞寿君
  説明員
   農林省農林経済
   局肥料課長   林田悠紀夫君
   通商産業省重工
   業局車両課長  馬郡  巌君
  参考人
   日平産業株式会
   社副社長    石原  励君
   日平産業株式会
   社購買課長   宮本 義雄君
   日平産業株式会
   社資金課長   鐙谷 忠吉君
   日平産業株式会
   社資材課長   内山 政元君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○通商及び産業一般に関する調査の件
 (下請代金支払問題に関する件)
○硫安工業合理化及び硫安輸出調整臨
 時措置法案(内閣提出、衆議院送
 付)
 (第十八回国会継続)
○自転車競技法等の臨時特例に関する
 法律案(衆議院提出)
○小型自動車競走法の一部を改正する
 法律案(衆議院提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(中川以良君) それでは只今より通商産業委員会を開きます。
 本日はかねてお打合せをしておりましたことで日平産業の下請工場に対する支払の問題につきまして調査をいたします。
 本日は参考人といたしまして、日平産業の石原副社長以下三名のかたが御出席になつておられます。最初に参考人のかたに御挨拶申上げます。先般来御会社におかれましては誠に御困難なる御事業の状態に立入りまして、いろいろと御苦心のほとを拝察いたしまして誠に私とも御同情申上げますると共に、我が国のいわゆる武器を製造をされておりまするところの有力なる会社がかようなる状態に立入りましたことを誠に遺憾に存じております次第でございます。本日は御多用のところを当委員会のために副社長以下お揃いで御出席を賜わりまして誠に有難うございました。厚く御礼を申上げます。実は当委員会におきましては、御会社の下請業者が、会社が、お支払になつたところの手形が不渡になつておる、又たくさんの未払金があるというような点で非常な悲惨なる状態に立至つておりますることを承知をいたしまして、先般四月二十二日にこれら日平産業の下請関係のかたを当委員会においでを願いまして、即ち稲川次郎君ほか三名のかたの御出席を願いまして、つぶさに実態につきましてお話を伺つたのであります。それによりますると、誠にお気の毒な状態でございまして、御承知のごとく関係の業者はそのときのお話では三百有余もあるような状態である。殊に只今下請協力工場といたしまして債権が一応その総額が出ておりまするのを拝見いたしましても、三億二千万円余に到達をいたしておるという状態、これらの会社或いは工場等の従業員、その家族を含めますると、たくさんな人が実に惨憺たる事態に只今直面をいたしておる。すでにその後割引いた手形が不渡になつて破産をされたかたもあると承わつたのであります。そこでその際のお話では、日平産業再建促進協議会をお設けになりまして、会社側と鋭意折衝をしておられるということを承つたのであります。四月の末日までには日平産業のほうで再建案をお立てになつて、これをこの再建促進協議会にお示しになつて、双方において話を進められるやに承わつておるのでありまするが、その後の状態がどういうふうになつておるかという点をこの際に明らかにして頂きたいのであります。
 それから先般の皆様のお話を開きますると、もう昨年来下請業者に対しまするところの支払というものは非常に遅れておりまして、又契約等におきましても、いろいろと杜撰な点があり、当初の契約金額に対して後に非常な減額を強いられるというようなこと、或いは手形の発行までに相当の時日がかかる、又もらつた手形は金融ベースによらないような長期の期日の手形であるというような点等が幾多指摘をされるのでございます。私どもはこの点は昨年来公正取引委員会に強く要望いたしまして、大企業が下請業者に払いまするところの支払の基準を確立をさせまして、その基準に副うて今後事業をして頂き、下請工場を培養育成をしてもらうことを念願をいたしたのでありまするが、その矢先においてかような現実の問題が出て参りましたことを、我々も本当に残念に存じておる次第であります。これらにつきまして、一体今までどういうような御経営の下に下請業者に対しておられたかという点等につきましても、この際率直にお述べを頂きたいと思います。会社のいわゆる新らしい兵器の製造の草創の際、いろいろの御苦心があり、又経理面においても困難なる事態があつたことは、私どもは想像ができるのでありまするが、併しこの下請業者の本当に育成培養については、どの程度にお力を注いでおられたかという点でございます。それからこれは将来こういうような問題が起つた際に会社側とされましても、これは先ず起る前にこの事態を当然未然に防がなければならんが、それに対して今後会社が再建をされまする際に、どういう方法をおとりになるか、又将来万が一こういう支払不能のようなことが起るということがあるといたしまするならば、それに対して一体どういう対策を請じるべきか、殊に政府といたしまして、これは大企業に対しましても、又下請工場に対しましても、何かこう新らしい打つ手が、あなたがたお考えになつてあるかどうかというような点、即ち政府、国会等に要望をされまする点等をもこの際に忌憚なく御開陳を願いたいと准ずる次第であります。私どもは決して日平産業に対しまして、いろいろ無理難題を申上げる意味は一つもないのでありまして、我が国の産業の健全なる発展のためには、大企業、下請工場共に今後とも立派に伸びて頂き、御協力を願つて我が国の再建に御貢献を願いたいという一途からこの問題も取上げておりまする次第でございまするので、どうぞそういう意味合いの下に、本日は十分に御意見をお述べを頂きたいと思う次第でございます。
 先ず石原副社長から一つ従来の経緯、それから只今お尋ね申上げました点等につきまして概括的にお話を願います。
#3
○参考人(石原励君) 只今委員長より御懇切なる御指示がございまして大変恐縮しておる次第でございます。日平産業株式会社が本年の三月中旬に不渡の事件を起しまして、業界並びに関連しておりまする方面に多大の御迷惑をかけましたことを我々は深く陳謝する次第でございます。只今委員長は武器を製造する会社、特に国として重要に考えておる武器製造会社から、かようなことが起つたということは今後に対する非常な検討すべき資料ともなるのであるから、十二分に経緯を話をするようにというようなお話がございました。只今委員長からもお話がありました日平産業のいわゆる下請協力工場は、横浜工場関係と伊讚美工場関係を合せまして三百十六社でございます。横浜工場関係が二百三十七社、伊讚美工場関係が八十九社でございます。そうして横浜工場の二百三十七社のうち、日平産業と生死を共にしておると考えられる、いわゆる七〇%以上の依存率を持つておる会社、五〇%以下のものと分けて考えますと、一〇〇%全部すべての仕事を日平産業のためにやつておるという工場が、横浜工場関係で十一社ございます。七〇%から九九%までの工場が十社ございます。従いまして七〇%以上、要するに日平産業の横浜工場に依存いたしておりまするところの下請加工業者は二十一社でございます。その他が二百十六社となつております。
 伊讚美工場関係、これは一〇〇%伊讚美のために依存しておりまするものが二十一社、七〇%から九九%までのものが八社、七〇%以上が即ち二十九社でございます。そうしてその他が六
○社でございます。で横浜工場と申しまするのは、兵器を作る部門と、工作機械を作る部門と、デイーゼル・エンジンを作る部門とございます。更に横浜工場の兵器を作る工場と申しまするものを細分いたしますると、金属部品を加工いたしまする部門と、火薬を購入いたしまして、そうしてそれを金属部品に加工して詰める、装填する、いわゆる加工業者と二つに分けることができます。従いまして横浜工場の協力工場二百三十七社が、これが全部が武器製造に関連しておる下請工場ではございません。伊讚美関係の工場はこれは全部農業用の発動機を作つている工場でございますので、これも武器製造とは何らの関係がございません。ここに我々が約三億三千万円の支払手形と、そうして買掛金等を持つておりまするこの協力工場の中で、武器のための、要するに買掛金或いは又支払金、それは追つて資材課長から詳細説明させますが、起つておりまする大半の我々が持つておりまする債務は、工作機械、デイーゼル・エンジン、農発に関するものが大半であると御了承願いたいと思います。と申しますることは、昨年我々が横浜、伊讚美で全部生産いたしましたその生産の分野は、大体民需品が七割五分、それから兵器というものが二割五分でございます。金額にいたしまして片やは二億五千万円から三億円、片や八億、こういうようになつておりまするので、ここに起つておる債権、我々の持つておりまする債務の大半は、これは工作機械の鋳物を購入するとか、或いはデイーゼル・エンジンのクランク・シヤフトを購入したとか、或いはそれに関連するいろいろな加工をして頂いたもの、或いは伊讚美関係の農発に関連するところの下請業者に対するところの支払に対する債権、こういうように御了承願いませんと、如何にも武器を製造しておつたがためにかような多大の債権が起つたと、こういうように考えられましては今後進んで行こうとするいわゆる防衛生産に対して一つの誤解を招くことになると思いますので、その点をあらかじめお話申上げておきたいと思います。
 昨年参議院の通産委員会より、やはり下請業者に対するところの支払が非常に円滑を欠くと、こういうようなことで会社当事者がこちらへ呼出されまして、そうして下請業者たちに対する支払の方法の改良、並びに社内の組織の改良、並びに現金支払と手形支払との比率、その他のものを御勧告に従いまして計画を立てて、十二月からそれの実行に移つたのでございます。従いまして三月の支払から、要するに支払手形の支払が不能になつたその手形の大半は、十二月に切つておるものでございます。そうなりますると丁度我々は御勧告に従つて、今まで買掛金として滞つておつた我々の債務を一刻も早く下請業者に金が廻るようにと言つていろいろ計画を立てて参りましたその途端にここに挫折を来たして、いわゆる金融上の挫折のために各協力工場に迷惑を及ぼしているということは誠に我々として遺憾に堪えない次第でございます。従いまして我々は、この今支払がとまつている手形の問題、並びに今買掛金となつているものを、如何にして協力工場にお支払して行くか、これが我々に課されました最大の任務であり、又我々がこれを円満に解決して行くことが、我々に課せられた一大義務であると考えまして、日夜その線に沿いまして協力工場の人たちとも絶えず協議いたしておるのでございます。会社が若しも死んでしまいましたならば、これを再び息を吹返すということには多大の日子がかかる、又協力工場の人たちに対しても非常な御迷惑をかけることになりまするので、協力工場の人たちには細々と我々は生きて行きたい、細々と生きつつそうして今後正常な作業がやつて行けるような仕組に持つて行きたい、つまりこれが一つの日平産業の再建の根本方策となつて来なくちやならないと考えまして、そのこともよくお話申上げまして、協力工場の人たちも一日も早く共に生きる、又我々の考えといたしまして、我々企業というものは、我々独自で立つて行けるものではないということは十二分に了承しております。有力なる協力工場、有力なるいわゆる下請加工の業者があつてこそ、初めて我々の企業というものは成立つて行くものでありまして、そのためにはおのおの協力工場が強い立派な専門化した協力工場になつてもらうことを我々は念願しておつたのであります。念願するばかりでなく、我々が協力工場に常に語り合うことは、立派な専門化した加工業者となり、下請業者となつてやつて行こうじやないか、これが大企業の生きる途であり、又中小企業の生きる途であると、共に語つておりながらこういう失態を来たしまして、我々といたしましては誠に申訳ない。少くとも四月の終りまでには我々は再建方策を立てまして、そうしてその再建方策の案によく協力工場の人たちも、他の債権者も、或いは我々に注文を下さる側の人たちも、十二分に納得して頂ける案を作り出して、そうして細々と息を続けておつたものが、だんだんと息を太くして行く。いわゆる血管の流れがだんだんと細つておつたのが、これが正常な血管の流れになつて行くようにしたいというこの再建方策を考え、それを推進めるべく考慮をしておつたのであります。従いましてこの再建方策というものはその根底はどこにあるか、つまり我々は三月の十五日に手形の支払ができなくなつて来た、いわゆるここに経営の破綻を来たしたのでございます。従つてその経営の破綻を来たした原因、その他がどこにあるか、外部にその原因があるか、内部にその原因があるか、いろいろとそれを検討し、共にこれを反省し、そうして正常な姿に持つて来るのにはリ・オルガニゼイシヨンが必要ならば、リ・オルガニゼイシヨンに切替えなければならない。こういうような構想の下に進んで参つたのであります。併し御承知の通り一つの大きな機構がここに今まで正常な軌道の上をまつしぐらに走つておつたものが急速にブレーキをかけてスピードを緩めてしまう、そうして今緩やかにその軌道の上を走つておるのかとまつておるのかわからない、これを又普通のスーピドまで持つて来るのには尋常一様の方法を以てしてはこれは到底できるものではない。又ちよつと滑り出してすぐとまつてしまうようなことがあつた場合にはこれは協力工場の人たちに迷惑をかけることは更に多大になつて来るのみならず、事業そのものの進展というものが求められるどころでなく、更に悪い結果を及ぼすであろう。そうなれば滑り出すのは幾分のろくとも滑り出したならば停滞することなく順次スピードを上げて行つて、そうして一定の期間にはそれが又従来の通りのスピードになつて来るようにというこれが我々の願つておつた再建の基本方針であつたのでございます。四月三十日と皆様方にお約束しておいてすでに五月も二句を越して来た、もはや一刻も猶予のできない時期に来ておることは我々みずからも十二分に了知しておる。少くともここ一週間以内には智様が納得される案を出さなくてはこれこそ協力工場のおかたばかりでなく、関係方面あらゆるところに御迷惑を更にかけることになると、こう我々は考えて進んでおる次第でございます。大変概略でございましたが、詳細につきましては各部を担当いたしております課長から御説明申上げますし、更に足らざるところは私みずから御説明申上げます。
#4
○委員長(中川以良君) それでは今のお並びになつている順序でよろしうございますか、御発言は。それでは宮本購買課長お願いいたします。
#5
○参考人(宮本義雄君) 私本社の購買課を担当しております。本社の購買課では主といたしまして機械器具、その他完成部品の購入を取扱つておりますので、一応下請工場とは関係のない立場にございます。下請工場の問題に関連いたしまして、そういつた購買関係につきまして又御質問でもございましたらお答えいたしたいと思います。
#6
○委員長(中川以良君) それでは鐙谷資金課長。
#7
○参考人(鐙谷忠吉君) 私、資金課長の鐙谷でございます。先ほど委員長からのお話のように、例の不渡手形がその後どうなつているかというお話がございまして、それに触れてちよつと簡単に……。三月十五日全面的な不渡を起したのですが、その一月前の二月十五日に伊讚美地区の分として常陽銀行の支払手形、当日の期日が千八百万ばかりあつた。会社全体としては一億一百万のうち千八百万は常陽銀行、これと本社からの送金が僅か三百五十万程度であつたもので、その他は現地で賄う予定のところが少しずれまして、伊讚美地区において不渡を起した、これは三月の初めにおいて約手四百万ばかりの処理をしました。その残額が最近約百万ばかり残つておりますが、これも今月中に大体お話で解決いたしますので、第一回分の二月十五日の分は先ず最初に解決できる見通しとなりました。その後の分につきましては逐次上の根本方針に副いながら成るべく早く解決をしたいという線で来ておる次第でございます。
 それから先ほど将来の問題と政府への要望ということがございましたが、これは私らからはまあ根本的に申上げられる問題じやないと思いますが、資金課の今までの経験といたしまして、兵器産業について融資準則上非常に銀行においてはよく取上げておられませんでした。ただ貿易手形によつて融資の途を受けられておつた。事実この一月には当社も七千五百万ばかり日銀の手形の融資を受けまして、これは製品納入の代金の受領から溯つて八十日サイトで行くために事実上の仕事をするには非常に期間が短くて間に合わない。その前にどうしても代金を受けなければならない。その方法がなかなか得られない。今後も契約金額が大きくなれば絶対にこれは不可能である。それには貿易手形の前貸し、要するに輸出前貸しの制度をもつと取上げて頂いて、この兵器産業には特にそこを考慮して頂けば今後非常にやりよくなるということを申上げて資金課長としてお考え願いたいと思います。
#8
○委員長(中川以良君) それでは最後に内山資材課長。
#9
○小林英三君 少し大きい声で。
#10
○参考人(内山政元君) 私横浜工場の資材を担当しておりますが、主として外注協力工場、もつとはつきり申上げれば一般市販品じやない、特に当社の設計図によつて作つてもらう、機械加工してもらうというふうなものを主として担当しておる課であります。最初に、先ほど副社長も申しました兵器、工作、デイーゼル・エンジン、内燃機関の率をちよつと申上げさして頂きます。横浜工場の外注下請協力工場の総数二百三十七のうち、兵器関係は四十九社、工作部関係、それ以外の工作機械、デイーゼル・エンジン関係です、それは百八十八社。それに対する情権額というものは兵器産業のほうは約七千万、あとの大部分は工作部関係ということになつております。而もそれが一〇〇%の……ここに七〇%以上の表を手許にお廻してあると思いますが、その中から行けば兵器関係のほうのは一七二はございませんで、その他のほうに大部分が入つております。言い換えれば兵器産業のほうは日平だけに依存してやつておるということは殆んどないというふうにお考え頂いてよろしいと思います。
 それから先ほどの委員長のお話にございました契約の減額の問題とか、手形の振出に長い期間を要したとか、或いは手形の期日が非常に長かつたということについては、減額問題は多少はあることはあつたのですが、私が担当しましてからはよくお話を申上げて先方とも御了承の上、もつとはつきり申上げれば、材料工数その他詳細に検討した上で、少くとも横浜工場の外注下請工場に対しては現在まで減額のお話もして参つたつもりでございます。それから手形の振出しに長期を要したというのは、殊に兵器関係にそれは多かつたのですが、兵器関係は検査が工作部、或いは内燃機関と違いまして、例えば二万の発注があつて二万の個数が入れば一々それに対して二万の一品々々についての検査を要求されております。非常に検査に手数を食いまして、非常にそのために書類の整理が遅れ、従つてお支払のほうについても相当遅れたようま傾向がございますが、いろいろ努力して見ましたが、こんな小さい歯止みたいなものまで一々ゲージを当てて検査をしなければならんというように非常に厳重な要求を受けておりますものですから、私どもとしても努力をいたしましたが、なかなか思うように参りません。相当御迷惑をかけたものもあるだろうと思います。それから手形の期日については資金課長から御返事すると思いますが、大体九十日から百日ぐらい、それから特に私どもいろいろ中のお話伺つている間において先方の御事情によりましては必ずしもそういう線を守つていたわけじやございません。下請に対する方針、態度というものについて今どこでもそうなんでしようが、別に外部の人間などとかいう意味じやなくて、私どもの下請に対する依存度というものは非常に大きいものですから、むしろ内部と同じように考えて現在までお話も伺い、私どももお話もし、現在まですべてのことを処理して来たつもりであります。なおいろいろな詳しい、御質問ございますればお等えさして頂きたいと思います。
#11
○委員長(中川以良君) 只今一応の御説明を承わつたのでありまするが、副社長の非常に熱意のあるお話を承わつたのでありまするが、お話がいささか抽象的でございまして、現実に再建計画を出しておられるか、下請工場をどういうふうに救つて行こうかというような点に対するはつきりした御発言がなかつたように存ずるのでありますが、殊に只今再建計画がまだできていないにいたしましても何らかの構想はすでに持つておられるのじやないか、新聞紙上等に拝見いたしましても、千葉銀行とのお話合いも進めておられるようでありますので、こういう点がどの程度になつているかという点、差支えない限りお話を頂きたいと思います。
 それからもう一つは、債権者団との交渉を進めておられるのでありましようが、その経緯がどうなつておるか、特に大債権者との間には担保等があつて、大債権者は一応会社の資産を押えて担保物件を持つておる。然るに下請業者のかたがたはそういうものは全然なくて、この際債権を確保する何ものの権利も主張し得ないというような状態にあるのではないかということを私は憂慮しております。そういう点は一体どうなつておるか、これに関連いたしまして、只今は細々仕事をやつていらつしやるという話でございますが、社内の賃金等はお支払いになつておられると存じますが、下請業者のかたもいろいろな資材の代金はともかくといたしましても、その従業員の給与というものに対しては何としてもお払いにならなければお因りだろう、大勢の家族がそのために非常に悲惨な状態になつておる。こういうことに対して、その給与ぐらいは、ともかくもその細々の中から出す工夫をしておられるかどうか、こういう点等にも触れて一つもう少し具体的の説明を先ずお願いしたいと思います。
#12
○参考人(石原励君) 初め御説明いたしましたことは数字その他にも余り触れず、ただ構想の概念をお話申上げまして、デテールに亙る分をこれからお話申上げたいと思います。我々の考え方といたしまして、今如何に我々が再建の案をデツチ上げて見ましたところが、あとを引受けてやつて下さる人、他に言葉を換えて申上げますと、我々が今行詰つたのは何で行詰つたか、金融の途が絶えたからここに行詰つた、この行詰つたのを打開して行くのには金融の途がついて来なくちやいけない、金融の途がついて来るためにはいわゆる誰しも納得して行くような日平産業の姿にならなくてはいけないということは、これははつきりしたことであつて、金融の途がついて来たらはつきりした姿になるのだというので、金融の途を作つて行こうとするならば先ず日平産業それ自体がはつきりした姿にならなくちやいけない、今我々が日平産業の経営を行詰らしたその一因であります。従いまして我々が如何なる案を作つておろうと、今度金融の途がすつきりとついて来る、その人たちが実行せられる案でなくちやいけない、その人たちが了承せられる案でないと如何に我々がここに案を作つて見ましたところが、その案はただ我々の希望で実行が伴わない案であつた場合にはこれをお示しいたしましたところがどうにもならない。ただ石原の私見を言えと言われるならそれは幾らでも私見はあります。併しこれは私見で何ら価値のないもの、価値のあるものということはいわゆる日平産業の再建を担つてやつて下さる人たちがこれを実行に移すと確約されてそれを世の中に示された、これが本当の案であろうと、こう私は考えておるのであります。ただ我々が希望いたしておりますところは、先ほども申されましたように大きな債権者は担保を持つておるじやないか、そうして零細な資金を以てやつておる協力工場、こういう協力工場の人たちには裏付けをして上げるものがないじやないか、私は、裏付けのしてない、そうして零細な資金を以てやつておられる人こそ真つ先に救済すべきである、これが私の信念であります。大きな債権を持つておられるところは資力があるからこそ大きい債権を出された、ところが零細な資金を以て我々のために品物を加工して納めて下さる、多額な労銀です、こういう人たちこそ蓄積もない、又社会の信用度も少い、こういういわゆる下請加工業者にこそ先ず再建の第一歩として手を延ばして行くべきじやなかろうか。その現われといたしましては、細々と我々が生きておる、我々の工場の従業員、これも遅配さしております。四月分の給料が約五三%払つたに過ぎないのでありまして、五月の二十六日になつて参りますと、又五月分が一カ月溜まると、こういうような状況でありまするが、生きて行く上にはやはり又何とか品物を作つて行かなくちやならない。品物を作るのにもそれが現金化されるものでなくてはいけない。我々が如何に貿手を組んでやるとか、いろいろなものを組んである品物がありましても、今その品物を作つて我々が納入したところが、その貿手のほうに流れてしまつて、一文の金も我々の手には入らない。こういうようなものは一カ月、或いは二カ月我々はストツプしてでも、すぐ金が入つて、そうして下請業者にもお金が払えるようなものに集中生産をやつて行こう、こう考えまして、僅かな資材を以てまとまつて行く品物を急速に作つてこれを納入し現金化して行くと、こういう方法をとつております。三月以降我々が購入いたしまする資材、その他のもの、或いは加工して頂く、そういうような品物は従来の未払金とか、或いは不渡手形とは別個に考えましてやつて行く、こういう構想の下に、得た僅かな金もこれを協力工場或いは材料を作つておるところへお金を持つて行つて、それで購入して入れてもらつておる。大体三月以降五月十五日までにいわゆる加工業者或いは又材料屋等に支払うこういう現金が一千四百万円、これは我々の要するに営業収入全体から見ますると、大体二割に相当しております。二割に相当いたしておるということは正常な姿で我々がやつておる場合には、材料関係、加工関係その他で毎月支払います額が大体収入の四割或いは四割五分でございます。今正常な姿で我々は物を作つておるのじやない、本当の僅かばかりの収入のその中で、大体二割に相当する額を材料購入費或いは加工品の購入にやつておるということは、まあ我々が熱意を以て、協力工場の人たちの再生と、そうして協力工場の息の根がとまらないようにという念願の現われと御了承願いたいと思います。
 伊讚美の方面に関しましては、実は特別な事情がありまして、一般の会社の手形の支払ができなくなつたのが三月十五日以降の手形でございますが、伊讚美のほうは一カ月前にすでにそういうことが起りまして、この間我々当事者といたしましては、支払手形の、要するに支払ができなくなるということが、これは社会に及ぼす影響甚大である、何とかして食いとめなくちやいかん、何とかして食いとめなくちやいかん、そのためにはまあ一旦伊讚美の方面でそういうことが起つた場合には忽ち他に及ぼす影響が甚大であるから、何とかこれを食いとめる方法はなかろうか、そこで二月十五日払いの手形を三月五日に切替えてもらうとか、或いは又三月十五日に切替えてもらうとか、いろいろ伊讚美関係の下請業者に協力をお願いし、共に生きる途として、然らばどういう方法をとるべきか、その前伊讚美の方面では日平から頂いた支払手形というものはなかなか銀行で、最近割れなくなつて来た、中央金庫から、一つこの日平の手形を割つてもらうような方法をとりたいと、こういうようなことを協力工場からも申出があり、会社もそれに賛成しまして、伊讚美工場ででき上つた製品の千台、これを一つ抵当として一定の場所に保管して、その限度において中央金庫で日平の手形の割引をやつてもらおう、こういうような運動と、そうしてその方法が随時講ぜられつつある矢先、不渡問題が起つて参りましたので、伊讚美のほうには我々は共に生きなくちやならん、要するに品物を買わなくては、伊讚美の方面の農発はできない、殆んどが外注工場に依存しておる。重要な部分品を伊讚美で加工し組立てはやつておる。併し殆んど大分の部分品は、これは協力工場に加工もしてもらい、或いは材料を供給してもらつている。伊讚美の工場が生きて行くのには材料を供給してもらい、加工をしてもらわなかつたならば、伊讚美は生きて行かれない。そこで今後品物を売ろうとしても、売るのにはいわゆる協力工場から品物が入らないと完成品として売ることができないので、今後どういうような方法をとるべきか、材料を買うのだ、こうするならば我々が債権を一つ、協力工場に多大の債権を持つている、又我々も売掛金を持つている、その売掛金の五千万円を限度として、その売掛金を会社が持つて帰つて来た場合には、その売掛金の半分は会社が使用し、半分は協力工場の材料隣入費のほうに廻そう、更に千五百台の完成品に質権を設定し、そうして設定せられた品物を今度販売して行つた場合には、その販売したものの半額を会社がとり、半額を協力工場に渡して行こう、こういうような紳士協定を結んだのであります。これは或いは債権の平等ということから行くならば、何故に伊讚美の協力工場に対してはこういうような措置をとつたかという点も相当これは論ぜられる点でありましよう。併し一面から考えて、品物を買わなかつたら、要するにやつて行けないのだ、買う方法として要するに半分渡して、半分会社が使うのだ、これは私は常識論からいつて何も債権平等とか、やかましい法律論を闘わして生きて行くよりか、お互いに納得して、従つてみんなが安心して行く方法をとつて行けば、これが要するに円満な更正方法ではなかろうか、そうして紳士協定を結んだのでありますが、これも殆んど実行不可能に終つておる。誠に申訳ない。極く最近は質権設定してある千五百台のうち、五百台、伊讚美の協力会並びに横浜の日平産業再建促進協議会、この横浜の下請業者のお集まりの団体の賛意を表せられて、そうしてこの五百台の質権を設定したるものを、これを譲渡する、これを譲渡いたしまして得た金は、これは又会社と、そして協力会とよく相談して、会社の紳士協定に則つて、半分は会社が頂き、半分は協力会の人たちにお渡しして、材料或いは又その他協力会で最も困つておられる人たちの方面に金を廻す、こういうような方法をとりたいと思いまして実行しております。更に我々が……。
#13
○委員長(中川以良君) ちよつと御注意申上げますが、委員諸君からいろいろ御質問もあると存じますので、一つ時間も余りございませんので、簡単に一つ……。
#14
○参考人(石原励君) そうしますと、今大体現在とりつつある方策ということに対しましては御了解得ましたでしようか。
#15
○委員長(中川以良君) 皆さんから御質問があると存じますから……。
#16
○小林英三君 副社長の石原さんにお伺いしたいと思いますが、先ず日平産業が三月十五日、或いはその前からじりじりだんだん不渡を出すに至りました遠因といいますか、それから急にそうなつた原因といいますか、それを先ず第一番にお伺いしたい。
 それからその次に不渡後におきまする現在、どういうふうにしてやつておられるか。例えば工員はそのままにしておられるか、工賃、給料等の支払のことについて触れておられましたが、現在どういうふうにして会社を運営されているか、その状態ですね。
 それからその次に今債権という問題に対していろいろ御心配があつたと思いますが、宮嶋社長がおいでになりましてから今日まで会社の債権ということに対してたびたび重役会を開いておられると思いますが、重役会のこれに対する相談、それからこの大きな債権者が納得するような姿でなければいかんということは御尤もでありますが、それら外部と折衝があつたかどうか、或いはあなたのほうからしばしばこの債権者のために外部の有力者等といろいろ折衝されたかどうか、それから大きな債権者である銀行、金融業者等との間に積極的に重役の諸君がいろいろ折衝されたことがあるかどうか。
 それからその次に銀行又は商社に担保をとられていて、下請業者にとられていない。この銀行が持つております担保というものは銀行に担保を提供したままになつておるか、例えば金融業者がそれを処分したとか何とかいう事実はないか。
 それから、これは重役の諸君がいろいろこの会社の多くの債権に対して御心配願つておると思いますが、宮嶋社長の今日の心境ですね、例えば今副社長が会社の外部の金融業者、債権者の納得する姿でなくちやならん、こういうお話がありましたが、この納得する姿というものはいろいろな問題がありますが、今後の経営の問題、その他いろいろ問題があると思いますが、例えば金融業者が現在の重役陣に退陣を願うというような、外部の折衝があるかどうか。そういう場合におきまして宮嶋社長はどういう御心境を持つておられるかということが、これは実際は本人に聞かなくちやわかりませんけれども、併し副社長としていろいろ折衝なさつていると思いますので、いろいろそういう心境を承わつておられると思いますから、若しこれが話して頂けたら話して頂きたいと思います。
 それから先ほどの御説明の中に下請の三億二百七十万円でしたか、この中に兵器産業をやつているものもあるし、又フルに、一〇〇%全部日平産業にやつているという下請もある、その他のかたもあるというようなお話でありますが、これは仮に石原副社長がお残りになつて、将来この会社の再建をするというような場合、これらの下請工場に対する債権の支払という問題については、フルに日平のことをやつておろうが、おるまいが、兵器であろうが、民需品であろうが、平等に債権に対してお考えになつているかということをお伺いしておきたいと思います。
 それからもう一つ会社の資産状態、これを若しお話願えたらお話して頂きたいと思います。つまり三億三千万円に対して会社の資産というものは現在の時価に見てどれぐらいであるのか……。
#17
○参考人(石原励君) 不渡の発生いたしました、つまり原因、これを遠因と近因とに分けて御説明いたしたいと思います。
 我々は要するに一二・七ミリの銃弾を契約をいたしまして、そうしてこの一二・七ミリの銃弾に対するいわゆる設備というものを考えました。我々が持つておりまする設備、これで十二・七に転換使用し得られるものは全面的にこれを転換使用し、そうして不足しているもの、特に又十二・七に対して最も能率的であり、合理化の線に沿うた機械、こういうようなものはこれを購入し、更に購入するのにも国内で調達し得られるものと、海外でなくてはいけないものと分けて考えてずつとやつて来たのであります。どうしても会社がそれをやつて行きますためには約三億という金が必要となつて来る。この三億の金を国家財政資金のほうから融資を受けたい、こう考えましてその計画を立てて進めておつたのであります。そうして現実の問題として一二・七という銃弾を受注しているのでございますので、我々はこれに対していろいろと準備は進めて行かなくちやならない、品物を購入する契約をしなくてはいけない、或いはこれらに対するところの材料その他のものも折衝して行かなくてはいけない、こういうことでいろいろ進めており、まあ開発銀行から融資を願うことが唯一の手である、開発銀行から融資をお願いすることができ得れば材料関係その他の関係については、市中銀行の協力なり、協調融資もやつて頂ける、こういうような考えの下に進めて参つたのでございますが、時利あらず、いわゆる開発銀行の方面から借用予定の金がいろいろな事情があつたことと思いまするが、ここに一時見合わすという線が出て参りましたので、今まですでに準備しておつた、つまり千葉の千葉銀行から三億という金を我々は借用いたしましたのも開発銀行から出て来ることを条件として借用し、そうしてそれを廻しておつたのであります。ところがそこで開発銀行からぴつたりと出ない。千葉銀行といたしましてもこれ以上の融資は自分のほうの枠並びに金融引締のこの鉄則、そういうような意味合いから融資はできない、こういう情勢の下に我々はここに三月十五日からの手形に対するところの決済資金が溜まつてしまつた、こういうことでございます。
 それから不渡後の工員その他に対するところの状態、実は我々は四月の中旬頃までにはいろいろな線ができて、そうして少くとも五月の中旬からは軌道に乗るに近い姿に持つて行きたい、こういうような希望を持つておりましたので、工員をすぐそこで縮小する、減員するという方策はとらなかつたのです。又工員をすぐそこで減員するという方法をとるとする場合には、相当の解雇手当とか、或いは予告手当というようなものも準備してかからなければならない。金融のめどがつかない矢先、いわゆるここに方途を迷わすような方法をとつたのではこれは由々しき問題が起る。我々は歯を食いしばつてでも要するに再建の方途がはつきりわかるまで、要するに工員を抱えて行こう、その代り給料その他の面において支払が遅れるとか、こういうことがあつても一つ我慢してもらいたい、こういう方法をとつたのであります。但し伊讚美のほうではそういう方法をとるがいいか、或いは又一部休業、約五十名の従業員に休業して頂きまして、そうして過去六カ月間の平均実収入の要するに六割、理論月収の八割程度のものを出してずうつと今までやつて来たのである、こういう状況でございます。
 それから重役会議でいわゆる論じ合つた再建方策、この再建方策には御承知の通り債務の返済計画と、そうして今後の企業の再建と、この再建方策は私は二つの部門から成立つて行くものであろう。主といたしまして私自体はこの企業を今後採算ベースに乗せて行く、或いは又今まで資金その他が不円滑であつた理由は、要するに生産高と営業収入というもの、或いは営業収入と材料の手配、或いは支出、こういうような面から見て要するに入つて来る金が常に支出面よりか多ければ、銀行から金を拝借する必要もなければ或いはぶつ潰れるというような心配もない。出を極端に縮小して入りを多く図る。又入りを多く図ることができなかつた場合には出を極端に節約することが、これがどうしてもとるべき手段であろう。そのためには会社の機構も一大改革しなければいかん。いわゆる間接人員、或いは又非常に経費が嵩むすべてのものはここに全部やめちまう、簡素化した組織の下、そうして冗費と思われるもの、こういうようなものは全部削つてしまつて、いわゆる一般管理費、販売費、そういうようなものは極度に切詰める、そうして材料面その他の面に対しては安いものを買つて失敗を繰返して行くよりか、物は高くても、トン当りは高くても生産した後においてはそれがうんと安くなる政策をとらなければいかん。一トン七万円の鋳物に惚れこんででき上つた場合にはとてつもない工数をかけて失敗に失敗を重ねて大変高い品物になるというような政策はよして、一トン十一万円出してもいい、十二万円出してもいい、その代り工数において非常に削減できる、こういうような政策をとつて、如何なるものが採算ベースに乗るか、或いは銃弾十二・七というものがどういうような方法をとつて行つたならば、世の中に、いわゆる出血受注でないようになるかというようなことを主眼として再建政策を立てたのでございます。そうするとだんだんと冗費がなくなる、或る期間が来るというと剰余金が出て来る、そうなつて来れば株主さんには泣いてもらつてもその剰余金は今までの我々が借りておる方面に毎月ぐんぐん返して行く方法を考える。今掛用金というものは、ここに三億三千万円の中に手形と買掛金とあります。手形はこれは今協力工場の人たちも、買戻しだとかいろいろなことで非常に困つておる。買掛金のほうは、これは会社が動き出したならば今までの買掛金というものは全体から見れば三億ぐらい……。
#18
○委員長(中川以良君) 石原さんにちよつと申上げますが、たくさんの委員のかたが御質疑がまだありますので、どうぞ簡単に明瞭にお願いいたします。
#19
○参考人(石原励君) よく納得してもらいたいと思いまして。
#20
○委員長(中川以良君) 急所だけを極めて簡単に……。
#21
○参考人(石原励君) そういうような方法で協力工場の人たちに納得の行き得るような方法でやつて行きたい。こういう計画を立てたのであります。併しそれは会社が立てた案で、これを今度引受けてくれた人に納得してもらうように説明するのが当事者の我々の役目だろう、こう考えております。
#22
○小林英三君 外部との折衝。
#23
○参考人(石原励君) 外部との折衝と申しましても、特に再建方策ということに関しましては我々は挙げて我々の相談役であり、或いは又大債権者である千葉銀行の古荘頭取にお願いしてございますので、古荘頭取に対して折衝しております。又片や我々は防衛生産の一翼から、こういう不始末をしてはいかん、日本の防衛の政策のあり方ということで経団連の会長が非常に心配して下さつておりますので、経団連の会長にも会いまして、いろいろ我々のあり方を御報告申上げて御相談にあずかつた、こういうことでございます。
 それから銀行、商社の担保、担保に入つておりますのは、銀行は千葉銀行だけでございます。これは横浜工場全体が三億の担保に入つております。併しこれを千葉銀行はどうしようというふうなことは申しておられません。それから商社に対する担保、これは商社は住友商事、これは、住友商事は我々が兵器を作るときにいわゆる代行機関として金融の途をつけてもらつておつたのと、それから材料を入れておつた関係上、その当時担保を設定しまして、大体横浜にあります機械三百十一台を担保に設定したのであります。
 それから伊讚美関係で、江商にやはり金融その他の面を見てもらつている関係上、江南に伊讚美工場を担保に入れてあります。それ以外銀行、或いは商社への担保というものはございません。
 それから宮嶋社長の心境と言われると、どうも社長自体の心境を私がここで語らうこともできませず、新聞その他の社長談として出ておりますので、どうか社長の御心境はそれで御了承願いたいと思います。
 それから資産は横浜、伊讚美全体を引つくるめまして低く見て、私、五十億だろうと思います。低く見て……。
#24
○小林英三君 もう一つ簡単にやりますが、今のその宮嶋社長の心境ということについては、あなたは知るまいが、今日経団連にお願いしているとか、或いは古荘頭取にいろいろお話になつているというお話ですが、そういう際において重役陣の今後の退陣とか何とかいうような問題について、重役間においていろいろお話になつていると思いますが、そういうような問題について触れたことはございませんか。
#25
○参考人(石原励君) 私は今この経営が行詰つた、経営の破綻を来たしたということは、社長お一人の責任じやない。全重役の代任である。従つて全役員総退職することが、これが要するに当然途であろうという信念を持つております。
#26
○小林英三君 もう一つ、私の質問の中の債権、各下請業者に対する、その債権の支払というものが将来行われるときにおいて、兵器産業とか、或いはこれはもう直接のフルに日平産業の仕事をやつているのだからそういうことに対する見境いということはつけませんか。
#27
○参考人(石原励君) 最も公平に、どなたが見ても公平である、こういう方法をとつて行きたいと思います。
#28
○小林英三君 私の質問は終ります。
#29
○豊田雅孝君 大分質問したいと思つておつたのでありますが、委員長及び小林委員からもう殆んど触れられましたので、私は二点だけ質問いたします。
 第一点は日平産業が銀行取引の停止になつたのは三月十五日というふうに聞いているのでありますが、二月の十五日頃にすでに一部の不渡が出ておつたし、又昨年の八月頃からも、一回も支払を受けておらん下請も少くないということを聞いているので、その未払額は先ほど来お話のあります通り数億に上つているのでありますが、その一面において宮嶋社長を中心とする支払、使途の不明な金が六千万円、或いは八千万円、或いは一億に及ぶと言われているのでありますが、この相互関係を副社長は如何に見ておられたか。その点を先ずお伺いしたいと思います。
#30
○参考人(石原励君) 八月以降、要するに下請関係その他のものに全然支払していないと、この席上で、私が、お前は副社長じやないか、経理その他の、而も十分責任がある答えをしなけりやいかん、こういうお叱りをこうむるかもわかりませんが、当時、現にもそうでございますが、立派な我々のところには経理担当の専務がおりまして、専務が要するにそういうよう面を担当し、私は要するにあとから報告を開く、こういうようなことで、主といたしまして生産面、これに対しまして私は全力を集中しておりましたので協力工場に八月から一文も払つていないと、私は協力工場にはよく金は払え、できたら優先的に要するに協力工場に払うべきだという主張を、絶えず公の席でも申述べるばかりでなく、経理の方面その他の方面にも申しておりまして協力工場全体、五百社ならば五百社、今三百幾つありますが、支払全体の口数から行けば五百或いは六百となるでしよう。その詳細なリストを殆んど検討いたしておりませんので八月以降払つていないというような点があるかないか私には今ここでお答えできません。
 それからいろいろ新聞紙上そのの他で出ておつた事項と支払関係という豊田委員からの御質問でございますが、それの関連性に対しまして私は答えることはできませんです。
#31
○豊田雅孝君 お答えになるのができないということでありますと、これは追及してもしようがないことでありますし、又私は副社長としての責任をここでとやかく言うべき筋合のものじやないと思う。たださようなことになつておつた事実を副社長個人として如何に見られておるかということを私は伺いたいのです。
#32
○参考人(石原励君) 私はそういう事実があつたかどうかということも、これは新聞その他で承わつておるだけでございまして、内容の詳細はまだ検討いたしておりません。
#33
○豊田雅孝君 誠に意外なことを承わるのでありまして、私は甚だこの点を遺憾といたします。
 次の点は、もう一点でありますが、これは下請業者諸君から日平産業の首脳部に折衝を重ねた際に、日平産業の代表取締役は宮嶋社長一人であり、他の取締役は代表取締としての代表権がないというのでもう終始逃げをはられたというふうに漏れ聞くのでありまして、まさに下請業者は血のしたたるような折衝をしても終始さようなことで暖簾に腕押しに終つたというのであります。併し今日石原副社長、先ほど来御答弁を承わつておりますと実に八面六臂信念を持つてお答えになつておるのでありまして、私は代表取締役というものが宮嶋社長以外にないのだというので終始逃げをはつたというふうに思わないし、又思いたくないのであります。併しさような声が出て来るというところは一体どこにあるか。まあ先ほど来承わると宮嶋社長を中心に一億になんなんとする使途不明の金、それについては全然関知もされなかつたし、知らなかつたし、これを如何に思うかということについても答弁ができんということであるし、殊に生産面を御担当だつたというのでありますが、最も下請は生産面に関係の深いものでありまして、昨年の八月以来全然支払を受けておらなかつた、下請業者が而も一人や二人じやない非常に多いという事実をお聞きしたのでありますが、これも御承知ないということでありますから、或いは如何に下請業者が血と涙で折衝しても暖簾に腕押しに終つておつたかも知れんという感じは私どもも遺憾ながら持つのであります。この点について、私は誤りであつたことを、私が聞いていることが誤りであることを非常に念願するのであります。殊にこれから将来のことを一つ関連して承わつておきたいと思うのでありますが、それについて……。
#34
○参考人(石原励君) 御答弁いたします。私は協力工場の人たちと会うときに、決して卑怯なことは言いません。併し私の権限において即答し得られることは即答いたします。併し私が回答をして、直ちにそれが第三者に対して効力を発生するような場合、これは要するに代表取締役でなくてはできないものに対しましては、私は役員会を招集するとか、或いは又即時常務会を招集しまして、そうしてその決議に基いて、私は協力会の人たちには答弁いたしております。若しも協力会の人たちが代表取締役に聞かなくては、これは私も重要問題につきましては、今自分は代表取締役ではなく、従つて自分が今ここで皆さんに回答を迫られても、その回答が何ら効力がないじやないか、従つて自分が、要するに今社長事故のとき、副社長として社長の職務を代行している、その代行の範囲において自分は答弁もし、或いはこれを越えるというような場合には、自分は役員会、取締役会、並びに常務会を開いて答弁すると言つて、私は必ず協力会の人たちには答弁いたしております。
#35
○豊田雅孝君 先ほど副社長の御答弁の中にあつたのでありますが、後任の社長等に引継ぐ関係もあるので、単なる希望なり、或いは信念というものなりに応えるということでお話合いになつたのでありますが、私はかような社会問題を起したような案件につきましては、私は如何なる後任社長が現われようとも、下請が小口債権であるが故に不平等なる扱いを受けるというようなことでは、私はもう社会の批判が許さない。輿論が許さない。従つて日平産業というものは、本当の、真の意味における再建というものはできんと思う。従つて先ほど副社長のお話にあつた、信念による、或いは希望であるというふうに前提はせられましたけれども、小口債権である下請の債権というものにこそ、先ず優先的に解決の途を図つて頂く。それを後任の社長なり、或いは今後のあと……。あなたもお引受になるかも知れませんが、そのあとがこれを先ず実行に移して行くということを、先ず先決問題としてお考えになり、そうしてそれを又下請業者の人たちにもそれを闡明せられ、而して後任の新陣容にこれを引継いで行く……、あなたもその中に含まれておるでありましようが、その責任を持つて行くのだという、私は信念、その希望というものは非常に意味があると思うのであります。それを是非この際おやり願わなければならないし、又それを私は希望するのでありますが、その点御意見は如何ですか。
#36
○参考人(石原励君) 豊田委員から御懇篤なる御意見を承わりまして、私ども有難く拝聴いたしました。あなたの御意見をそのまま、私は今日ここへ来ております課長連中に、立案するときに漏れなくやらすように命じます。
#37
○西川彌平治君 私が質さんとするところは、小林委員から大体触れられておりまするので、今聞きたいことを率直に一つ私が何つておきたいと思いますのは、小林委員が、このようになりましたるところの原因、即ち遠因、並びに近因はどこにあるかということに対しまして、副社長から縷々御説明がございましたが、その御説明は一二・七ミリの砲弾を受注して、そのために設備の転換をする必要がある、そのために約三億円の資金が必要であつて、その三億円の資金を、いわゆる国家資金を借入れたいという予定であつた、即ち開銀から金を借入れたいという予定であつた、併しながらそれがうまく行かなかつたのであるが、その借入れるまでの間、千葉銀行からいわゆる手当をしておつた、かようなことのお話がございましたが、さようでありますならば、今日千葉銀行に対する債権がそのまま残つておりまするのでありまするので、かようなことによつて直ちに手形の支払が停止をしなければならないようになつたということは、私はちよつと意味がとれないのでありますが、この点について私は伺つておきたいと同時に、これは私の想像を申上げまするのでありまするが、果して今まで日平産業が市場におきましてあの株価を保ち、あの市場におけるところの一体その評判が、経営をやるところのいわゆる首脳部が或る目的のために何かカモフラージユをしておつたというようなことが、私は非常に思われてならないのでありまするが、実際問題としては、もう過去におきまして相当欠損を続けて来ておつて、それをカモフラージユしておつたのじやないかという気が私は非常にするのでありますが、この点について一つ伺つておきたいと思います。第一にそれを伺いまして、次に御質問申上げたいと思います。
#38
○参考人(石原励君) いわゆる金融がつかなくなつて来た。これは金融がつかなくなつて来たということが、取りも直さず経営陣に対するところの信用が薄らいで来た、こう我々は考えるばかりでなく、開発銀行からお金を借りることができなかつた。他の市中銀行からは正常なる手形の割引をやつて頂いている。併しその手形の割引も御承知の通り歩積みの範囲において手形の割引をやつて頂いている。何かここにやはり金の流れができて、そうしてそれが、市中銀行、その他へ渡つておつてこそ、ここに手形の決済もできるのでございますが、三月の手形の決済に対して、手形決済資金が銀行にない。これが要するに会社自体が信用を失つた。誠に私は業界、或いはその他に対しまして申訳ないことであると自粛、反省している次第でございます。
#39
○西川彌平治君 私は数字をはつきり今覚えておりませんが、日平さんが増資をいたしまする前には、恐らく株の価格は二百円を突破しておつたのではないかというふうに私は今記憶しているのでありますが、恐らくこの三億の設備を更新をいたしまする資金などは、私はそれが、増資資金がその設備更新資金であつたと私記憶をいたしているのでありますが、どうも今副社長のお話からいたしまして、私は直ちにさような行詰りを生ずるわけはないと私は考えているので、恐らく過去において相当の欠損が続いて来ているのじやないか、いわゆる経営の面において非常な不合理な点があつたのではないかということを私は只今お伺いしているのでありますが、如何で、ございましようか。
#40
○参考人(石原励君) 先ほども私申上げましたように、収入の面と支出の面とこのバランスがとれない、こういう点もあつたでしよう。それから増資をした。この増資をしたときには、すでにその前に銀行から借用しておつた金、四億五千万円という金は、その増資資金において返している。そうして入手した金は五億円足らず、これが要するに設備資金、或いは運転資金として流れて行つたところが、会社は要するに設備を作るばかりでなく、今後一つの資本金に応じて生産を上げて行かなければならん。計画生産と申しましようか、工作機械にいたしましてもデイーゼル・エンジンにしましても、農発にいたしましても、これを従来よりも或いは五割の増産、或いは倍以上の計画を立てて進んで行く。そうなつて来ればそれに対するところの材料の手当その他の面をやらなくもやいかん、工員も五百名、六百名であつたものが千名となり、千五百名となり、全従業員が二千名となつて来る、こういうようにあらゆる面において一つの拡充政策をとつて行つた、こういう点で金の不足も生じて来たのであります。
#41
○西川彌平治君 そうすると過去において欠損はなかつたということをおつしやるのでありますか、如何です。これだけはつきりと伺つておきたいと思います。
#42
○参考人(石原励君) 我々は考課状を出し、或いは又考課状の欠損というものは、これは取引委員会というのですか、あすこでも私はやはり一特出してよく承認を得てやつておつたのでございます。
#43
○西川彌平治君 それではその点はまあこの辺にいたしておきまして、去る四月の二十二日に下請業者のかたからのお話を承わりますると、下請業者が昨年の八月頃からいわゆる下請の協力会を作りたいということを会社のほうに再三再四申入れておりまするが、会社がこの協力会の結成を拒否しておると、会社で言うておるのでありますが、この点については如何でございましようか。
#44
○参考人(石原励君) 私は協力会を作るべしということの第一人者でございます。私は神奈川県においても中小企業者によく呼ばれて交渉までもやる、そういうときなどもやはり一つの事業所に来るところの人たちはそこに協力会を作つてそこで懇談会をやる、或いは技術の錬磨をやる、或いは金融の面を協議する。私は協力会の必要性を認めた第一人者でございます。
#45
○西川彌平治君 それが実際において協力会を作ろうという相談を持つて行つておりまするけれども、その担当者がその協力会を作ることに対しては賛成をしておらない。拒否しておるということがはつきりとこの四月二十二日の会合でお話が出たようでありますので、私はどうもこれは非常な問題であると私は今考えておるのでありますが、まあ副社長がそう言つておりまするから、これは改めていつかの機会に一つ私はもう一遍研究をいたしまして機会があつたら一つ伺つておきたいと思います。今日は時間がございませんから以上にしておきます。
#46
○委員長(中川以良君) 他に御質疑ございませんか。
#47
○小林英三君 この機会に丁度幸い下請企業の中小企業のかたも見えておるようですからして、若し委員各位の御同意があれば下請業者のかたから、いい機会でありますから石原副社長にも質問をしてもらつたらどうかと思うのですが、委員各位にお諮りを願いたいと思います。
#48
○委員長(中川以良君) ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#49
○委員長(中川以良君) 速記を始めて。
#50
○西川彌平治君 横浜の問題でありますが、横浜でいわゆる下請というものを非常に踏みにじつておるという一つの事例を私は申上げたい。これは八月の十四日に印刷機の、ロールのある工場に注文をした。ところがその見積りは一万八千円で見積りをいたしまして、そうしてそれを仕事をやれやれと、急いでやれとやらしたところが実際問題といたしましては、そいつが注文書を出したときには六千円という価格になつている。かような一方的な受注のやり方をいたすべきものではないと私は考えている。これは一つ、私は事実を聞いているのでありますが、横浜の外注の係がおりますようでありまするが、一つ伺つておきたい。八月の十四日と私は承知しております。一万八千円と見積りしたものが六千円になつております。これは一つの下請をいじめておる私は事例を申上げておるのです。今ここで御答弁できなければいずれ……。
#51
○参考人(石原励君) よく調査いたしまして、若しもそういう事例がありましたならば、これに対しまして適当な措置をとらします。
#52
○委員長(中川以良君) ほかに御質疑ございませんか。
 それではお諮りいたしますが、本日参考人からいろいろ実情を聴取いたしまして、調査をいたしまする件はこの程度にとどめたいと存じますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#53
○委員長(中川以良君) それでは参考人のかたに申上げますが、本日は御多用のところを当委員会のためにお出ましを頂きまして、殊に今会社再建途上非常な御苦心をなしておられ、寸暇も惜しいこの時間をお割き頂きましてつぶさにいろいろな実情を御開陳頂きまして誠に有難うございました。私どもも誠に日平産業に対しては御同情申上げておるのでございまして、今日もお話がございましたように、どうぞこの機会に従来の経営に対しても十分に御反省を頂きまして、折角いい優秀な技術を持つておられる工場でございますので、今後是が非でも一つ立派に再建の方途をお立て頂きまして、そうして今日日本の防衛帝業に寄与して頂きたいと存ずるのであります。ただ只今の日本の防衛産業は御承知のごとく従来戦前のいわゆる軍需産業とは違いまして、非常なかなりな茨の道を歩んでおる際であります。決して安易な気持で私は経営はできないと思う。本当にコンマーシヤル・ベースに乗つた堅実な経営をして行かなきやならん。曽つての時代のように軍にすべてをおんぶして、軍の丸抱えで経営をされておつたような気持で以て御経営になることは、これは非常に大きな私は誤りであると思います。この際に大いにこの点は御反省をして頂くべきものは頂いて、合理化すべきものは合理化して頂いて、今後の明るい前途に御邁進を頂きたいと思います。殊にこの機会におきまして是非ともいわゆる再建整備の御計画が弱い者にしわが寄るというようなことのないように、一番かわいそうないわゆる協力工場、下請関連工場に対する点をお考え頂きまして、副社長がお述べになつたように、どうぞ一つこの点は下請企業のかたに優先的に一つこの際あらゆる御配慮をお払いになりまして、今社会問題にならんとしておる事態を一つ立派に御解決を頂きまして、日平産業本来の立派な使命にお進みを賜わらんことを重ねて私はお願いを申上げる次第でございます。なお当委員会といたしましてもこの点は十分御協力いたしまして政府側も鞭撻いたしいろいろな面において今後こういう事態がないように、又この再建が円滑に参り下請企業がこの苦悩の中から救われるように今後とも努力をいたしたいと考えておりますので、どうぞさようなお気持を持つてこの上ながら一つ御精励をお願いを申上げたいと思います。本日は誠にどうも有難うございました。
 それでは本日はこれにて暫らく休憩をいたします。
   午後零時二十一分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時二十六分開会
#54
○理事(加藤正人君) それでは休憩前に引続きまして委員会を開会いたします。
 今日は硫安工業合理化及び硫安輸出調整臨時措置法案について質疑を続行したいと思います。質疑のおありのかたは御発言を願います。
#55
○岸良一君 これは別段大したことじやないのですが、五条の「日本硫安輸出株式会社」というのは、大体どのくらいな資本で、どういうふうな内容でやろうというのですか、その内容をお聞きしたい。
#56
○政府委員(中村辰五郎君) 輸出硫安会社の組織及びその規模につきましては、私のほうで具体的に成案は実は得てございませんが、会社法の附則にもございます通り、硫安会社十四社に対して、通産大臣は輸出会社の設立を指示するということに相成つております。で硫安会社十四社が恐らく全員参加して、本法に基きます輸出会社を設立することに相成りますが、その際の資本金等につきましては、確定案は現在持合せておりませんが、この額の確定は見ておりませんが、数億……、相当範囲が広くなりますが、三億から四、五億程度のものが妥当かと考えております。できるだけ役員その他、規模につきましては、経費の節約、最少経費でやるという建前で、できるだけ少数で参りたいと考えるのでございます。普通の商事会社の例で申しますと、取扱数量の二十分の一が資本ということでございますので、まあ基準から申しますと、大体五億という金額が出るのでありますが、只今申しましたように、諸般の事情を考慮して、まあ只今申しましたように、三億から五億くらいの間で具体的に検討した上できめたい、こう考えております。
#57
○岸良一君 この今回の二つの法律で、国内の肥料の値段を安くするということと、輸出を増進するということが達成せられれば非常に結構でありますが、結局根本になることは、生産費を安くするということでこの間から御質疑があつたのであります。本年開発銀行から融資された七億五千万でございましたか、これらの金を融通して一応の改善ができることによつてどのくらい生産費が下るものか。
#58
○政府委員(中村辰五郎君) 今般の二十八年度の融資の具体的な内容によつてそれぞれ異なります。例えて申しますと、日本水素が採用いたしますコツパース法の粉炭の完全ガス化によります合理化計画によりますと、これは計画自体は二カ年に亙る継続工事を必要といたしますが、これによりますと、硫安トン当り大体七ドルから八ドルの引下げを最終的にいたしたい、こういう目標にいたしております。
   〔理事加藤正人君退席、委員長着席〕
勿論これは常磐炭の低カロリーの石炭を完全ガス化して利用するという観点に立ちまする計画でございまして、常磐炭の最近の炭価の状況によりましては、私が申しました多いほうの合理化、例えば八ドル近くも行くのではないかと、こういう工合に考えておる次第であります。なおそれ以外の東北肥料でございますとか、或いは新日本窒素、東洋高圧、こういうものにつきましても、それぞれ具体的のこの工事の進捗によりまして三ドルから五ドルくらいの合理化はできると考えております。日本水素の計画が一番根本的なアイデアによります合理化計画でありまするので、それにつきまして特に合理化の幅の大きいものを申上げたわけでございます。
#59
○委員長(中川以良君) ほかに御質疑ございませんか。それでは只今お手許に配つておりまする「臨時硫安需給安定法施行令要綱(案)」とがございます。これを農林省側から説明をしてもらいます。
#60
○説明員(林田悠紀夫君) 先ず第一に、国内消費見込数量の算定でございまするが、これは安定法の第三条第三項に国内消費見込数量は、政令の定めるところによるというふうに規定してございまして、その定め方は、過去三肥料年度におきまする生産業者及び保管団体の国内出荷数量を平均して得た国内消費実績の推定量を基準にするということにしておるわけでございます。そのほかに、農業生産の事情を勘案してきめるということになつておりまするが、これを農作物の作付予想面積とか耕種改善に伴う反当施肥量の傾向を参酌して定めることにしておるわけでございます。それで特に保管団体の国内出荷数量というのをここに出しましたのは、初年度におきましてはこういうものはないのでございまするが、この法案が五カ年の限時法になつておりまして、次年度以降は保管団体の国内出荷数量もあるということになるわけでございまするので、この両方の、生産業者の出荷数量と、それから保管団体の国内出荷数量と、それを加えたものが国内出荷数量ということになるわけでございます。それで、それを過去三肥料年度について平均して得るということにしたわけでございます。それから第二点は、この旧法の五条、現在の修正されました法律の第六条でありまするが、農林大臣が肥料の需給の調整を図りますためにその指定する団体に対しまして政令の定めるところによつて肥料の生産業者からその生産した肥料を買取る旨を指示するものとするということになつておるわけでございます。それでその指示の方法でございまするが、この買取の指示は、買取の時期と数量を示しまして指示するということにしておるわけでございます。それから次は、この保管団体の経理を区分してやらなければいかんということが第七条、修正されましたほうは第八条でございます。保管団体は肥料の買取とか、肥料の保管及び処分の業務につきましては、政令の定めるところにより、毎肥料年度、他の業務と会計を区分して経理しなければならないということになつておるわけでございます。それで、この政令はその区分経理の方法について規定したわけでございます。農林大臣の定める様式の帳簿及び記載方法によつてしなければならないというふうなことを規定する予定でございます。それからその次は旧法の第八条、修正になりましたほうは第九条でございまするが、欠損の補填でございます。欠損の補填を政令の定めるところによつて欠損金の額に相当する金額を当該団体に補助するということになつておるわけでございます。これは具体的にこういう場合ということをおのおの明示することが非常に困難でございまするので、当該保管団体の責に帰することができない原因によつて損害を生じた場合というふうに、結局保管団体が故意とか過失とかによつてやつたんでなくて、不可抗力に基いて、保管団体の責に帰することができない原因によつて損害が生じたというふうな場合を規定したいという予定でございます。それからその次は、旧法の第十一条、修正のほうでは第十三条でございます。この生産業者の販売価格の最高紙を政令の定めるところによつて生産費を基準として農産物価格その他の経済事情を参酌して定めるということになつておるわけでございます。それでこの定め方は、これはいろいろ肥料対策委員会の審議の経過におきまして定まつたところをここにきめたいということを考えておるわけでございまして、その方法といたしましては、硫酸アンモニアの生産費を基準といたしまして、農産物価格指数、或いは肥料価格指数、企業の合理化及びその他の経済事情を参酌して定めるということにいたしたいと存じておるわけでございます。それから最高販売価格の決定の基準となる生産費でございまするが、最低生産費の硫酸アンモニアの生産工場の当該年度におきまする生産見込数量に生産費のより高い生産工場の生産見込数量を順次加算いたしまして、その合計数量が当該年度における硫酸アンモニアの国内消費見込数量と需給調整用としての保留数量の合計数量に達するまでの各生産工場の生産費を加重平均して得た額とするということにする予定でございます。これはどういうことかと申しますると、大体過去三肥料年度の出荷の平均数量というものが百七十万トンになるわけであります。アンモニア系窒素肥料としまして百七十万トンになりまして、それが大体この硫酸アンモニアの国内消費見込数量ということになるわけであります。その百七十万トンに、需給調整用としまして大体その一割を基準にしてきめまして、十七万トンというふうになりましたならば、その十七万トンを加えるということになるわけでございます。従つて百八十七万トンになります。生産費の安い工場から順次高い工場へと百八十七万トンのところまで積上げて参りまして、その生産費を加重平均して得た額とするということになるわけでございます。
 それからその次は、販売価格の例外許可でございまして、旧法の第十二条の第三項でございまするが、政令の定めるところによつて、農林大臣及び通商産業大臣の許可を受けましたときはその価格を適用しないという場合でございます。それは特別の事由がある特定の契約とか、支払又は受領に係る場合に限りまして適用しない。例えば、特に見本用の肥料というようにいたしまして、別個に生産がされた、別個の価格を考えなければいかんというふうな場合、或いは又非常に遠隔の土地に送りまして、運賃が国内のプール運賃ではいかんというふうな場合とか、いろいろございまするが、そういうような場合に例外許可をするということになつておるわけでございます。
 その次の報告事項でございますが、これは旧法の第十三条第一項でございまして、政令の定めるところによりまして肥料の生産費とか、その他肥料の需給調整及び価格の安定に関しまして必要な事項を調査するため必要がありまするときは、肥料の生産業者又は販売業者に対して必要な事項の報告を求めることができるわけでございます。その必要な事項を規定したわけであります。例えば生産数量とか、在庫数量、出荷数量、或いは販売数量とか、或いは販売の価格、生産費、硫安の生産に必要な原材料の購入及び消費の状況、労務者の就業状況並びに生産施設の能力及び稼働状況、生産業者の資産及び経理の状況、こういうふうなものを報告してもらうということでございます。それから特に肥料の販売業者に対しましても必要な事項の報告を求めることができるように規定したわけでございます。それは販売業者の購入数量とか、在庫数量、出荷数量、販売数量、購入価格及び販売価格、これは常にこういうふうな報告を求めるわけではありませんが、特に必要が起りました場合にこういう報告を求めるということになつておる次第でございます。大体こういうことを政令で定めたいと考えておるわけであります。
#61
○委員長(中川以良君) ちよつと伺いますが、この第五の法第十一条第二項の規定でありまするが、これは修正によりますると国際肥料価格を勘案することになつておりますが、そういうことはこれには一つも書いていないのですが、これは一体どういうことなのでしようか。
#62
○説明員(林田悠紀夫君) 実はこの政令はまだ政府の原案として出しましたものにつきまして考えておりまして、修正されたものについては考えていないわけでございまするが、この法律が肥料の国際価格ということが入りまして通過いたしましたならば、当然政令におきましても肥料の国際価格についてどういうふうな斟酌の仕方をするかということを規定するわけでございます。
#63
○委員長(中川以良君) そういたしますと、この修正されたものが通つた場合には、又これが変るということですか。私どもの伺つておるのは、この修正に基いての政令の案を伺つておるので、あなたは以前からの古いものを持つていらつしやつた。私は新らしいものを要求したのですが、そのときはまだそれはできませんからという御答弁があつた。これならば恐らくこの前もあつたと思うのですが、その点は甚だどうもいかんと思うのですが。
#64
○説明員(林田悠紀夫君) 実はその点は政府の原案というものを先ず考えまして、それに対する政令というのでいろいろ審議したわけでございます。それでこの政令案はこの通産委員会に初めて出したようなわけでございまして、政府としましては、今まで審議を重ねて参りましたが、いろいろこの価格の決定の方法なんかにつきましても、通産省のほうとなかなかまとまりがつかなくて、最近まとまつたような次第でございます。それで非常に提出が遅くなりましたが、その点恐縮に存じておる次第であります。
#65
○委員長(中川以良君) どうせお出しになるなら修正案を基礎としたものをお出しにならなければ我々の審議には何の役にも立たない。私はその点非常に今の御答弁は詭弁を弄しておられると思いますが、これ以上追究申上げませんけれども、一つ新らしいものに基いたものをお作り願います。
#66
○豊田雅孝君 第三の保管団体の区分経理については農林大臣が帳簿の様式及び記載方法を定めるということになつておるのですが、この程度のことでは保管団体の経理関係のみならず、他の一般の経理から来る損失なり諸般の数字的な操作を持込んで来てもなかなか、これはそう言つては何ですが、官庁はそういう経理監督が得意ではないのですから、巧妙に繰込んで来られたらこれを看破するということは非常に困難だと思う。そうしてそれに対しては損失を補填するということになる傾向が多分にあると思うのですが、その点についてはどういうふうにお考えですか。
#67
○説明員(林田悠紀夫君) 仰せの点誠に御尤もでございまするが、この方法といたしましては、保管団体の通常の業務として買入れ或いは販売しておりまするものとは全然別個に経理をさせるようにいたしまして、別個の帳簿を以ちまして、その買入とか、或いは保管販売の経理をさせようという考えでございます。それで勿論この損益の計算におきましても、全然別個に損益計算書も作らせまして、決して通常の業務と混同させないような方法を以ちましてやつて行きたい、こういうように考えております。
#68
○豊田雅孝君 当然そういうふうに言われるだろうと思つて質問しておるのですけれども、一般経理を区分経理のほうへ巧妙に持つて行くということは、これはもう次々あり勝ちなことなんですが、あつてはならないけれども、又それが故にこの保管団体に対しての政府の欠損補填ということをめぐつて、我々非常にいろいろなことを考えさせられるので、それが故に保管団体というものは農業者団体だけに限定したりすることは、少くともいろいろな疑惑を招くもとになると思う。そういう点で、これは農業者団体のみならず配給の五〇%を商業者がやつておるならば、その商業者団体も保管団体にはし得るのだ、少くともし得る場合があるという建前ぐらいとつておかないと、こういうことでは、区分経理はすると言われるけれども、他の損失をこの区分経理のほうへ持込んで来る。そうして政府がそれを損失補填する。それは農業団体の過当なる政府の補助と繋がつて来る。それを相手にしている商業者というものはもうまともな商売はできない。一体それは正当なる競争関係と言い得るかどうかというような問題になると思うのですが、これはそういう問題がありますのと、そういう疑惑を持たれるということを十分にお考えになつておられて、先般通産委員長から農林委員長に申入れられたような点を十分にお考えになることが私は農林省のために必要だと思うのです。
 それから次にもう一点は第四なんですが、責に帰することができない原因によつて損害を生じたときに欠損を補填するというのですが、これは先ほどの説明だと、故意過失にあらざる場合を言うことなんですが、これ又故意にあらざる場合というのも抽象的なんで、具体的にはどういう場合を想定しておられるのか、それを承わりたいのです。
#69
○説明員(林田悠紀夫君) この点は先ず第一に、保管の途中におきまして災害に見舞われたというふうな場合も考えられまするが、大体普通の場合におきましては災害の保険にかけておる次第でございまするが、保険事項に該当しないというふうな場合もございまするので、そういうふうな場合には補填をしなければいけないだろうということを考えております。
 それから第二は通常価格の変動におきまして、普通の場合でございましたならば、そんなに大きな欠損が出るということは考えられないわけでございまするが、異常なる価格の変動がございまして、而もそれが保管団体の責に基かないというふうな場合におきましては、この条項に該当するのじやないかというふうなことも考えておるわけでございます。いろいろ該当する場合が出て来ると思うのでございまするが、まあ特に大きな欠損でございまして、而もそれが保管団体の責に帰することができないというふうな場合にのみ、できるだけ狭義に解してこの欠損の補填ということを行なつて行きたいというつもりであります。
#70
○委員長(中川以良君) ほかに御質疑ございませんか。
#71
○海野三朗君 ちよつとお伺いしますが、この硫安の価格というものはここに記載された通りにしてまあきめられるのでありますけれども、多量生産して外国のほうにも売れて行かないというような場合には、自然の結果として値下りが生ずる、そういう際にもやはりその他下りを考えないで、やはり農民にはそれを売るというお考えですか、どういうお考えですか。
#72
○説明員(林田悠紀夫君) ちよつと御質問の趣旨がよく呑み込めなかつたのでありますが……。
#73
○海野三朗君 もう一度申上げます。この硫安の値段というものは、つまり生産費から計算してこれこれの値段だというふうにきめるのでありますけれども、たくさん作つて増産をして、それでも外国のほうに売れて行かないというときには過剰になる。そういうときには、従つてこの硫安の値段も下つて来なければならない。生産会社のほうでどういうふうになるかわからんけれども、とにかく下つて来なければならない。そういう際にも一定の価格を保持して農民に売りつけるというお考えであるかどうか。値が下つたときはどうするか、多量生産で以て……。それをお伺いしているわけです。
#74
○説明員(林田悠紀夫君) この法案の趣旨といたしましては、できるだけ肥料の価格が、特に原価が下つて参りまして、合理化によつて肥料の価格を引下げまして、それに応じて農産物の生産にもできるだけ安い原料によつてやつて行けるというふうなことを目的にしておるわけでございまして、お説のような場合におきましても、当然五カ年間はまだまだ国際価格に対しまして十ドル乃至十五ドルの開きが現在あるような状況でございますので、この法案通り実施して行きたいというふうに考えておる次第であります。
#75
○海野三朗君 私のお伺いするのとは少しずれているのです、問題が。つまり国際価格に合せるようにして行こうというお考えでやつておるのだが、つまりプラスの場合をお考えになつているからいいが、マイナスの場合に当つてはどうするかということをお伺いしておるのです。つまり生産が多量になつて、そうして外国のほうにもそう売れて行かないというときになるというと、これは国内の需要と供給の関係によつて値が下つて行くわけです。そういう際にも一定の価格を保持して行くお考えであるか。若しそうであつたとすれば、単に硫安の工場にサービスするためのことにしかならない。そこを伺つておくのです。プラスのときだけお考えになつている、この法案は。マイナスのときどうだということを私は伺つているのです。たくさん作つたところが品物が売れない。国内に一ぱいになつた。そうするとどうしてもこれは農民に使つてもらわなければならんからというので、自然と需要と供給の関係で値が下つて来るわけです。そういう際にも一定の価格を保持して高く売りつけるかということを私は伺つておる。その場合は如何なものでありますかということを伺つている。
#76
○説明員(林田悠紀夫君) 現在の状態から考えますると、輸出の需要と申しまするのが非常に多く出ておるような次第でございます。特に最近におきまして中共地区あたりからも需要がございまして、東南アジアの市場といたしましては、まだまだ需要の余地があるわけでございまして、そういうふうな観点から考えますると、次第に合理化をして行きまして、国際価格にまで引下げようというときにおきましては、必ずそれに伴う需要が出て来るのじやないかということを考えておる次第でございます。若しそういう需要がないというふうな場合におきましても、先ず当面の問題としては、第一に合理化をいたしまして硫安の価格を引下げて行くということを考えておる次第でございまして、それが達成される五カ年の間はこの法律によりまして価格も公定いたしまして、農家も最終的に安く硫安を得ますために成る程度協力をして行かなければいかんというふうな状態にあるのじやないかと存ずる次第であります。
#77
○委員長(中川以良君) 海野先生にちよつと申上げますが、ちよつと御質疑中でありまするが、実は松尾次長は今アメリカ大使館のほうに時間を約束しておりますので、退席をする前に、先般豊田委員の御質問に対する御答弁をしたいと言つておりますので、それをちよつと聞いて頂きます。それからあとあなたに継続して頂きます。
 それでは先般豊田委員の通商関係に関する質疑がございました点につきまして、通商局から御答弁を願います。
#78
○政府委員(松尾泰一郎君) 先般豊田先生から、この肥料の輸出会社を作らなくとも、現行の輸出入取引法に基きまする輸出業者の協定なり、或いは輸出組合の機構を以てして間に合わないのかというお尋ねがあつたかと思うのであります。この点につきましては大臣からも簡単に御答弁があつたということでありますが、通商局といたしましては、この問題が最初から起りましたときにそういう点につきましても十分研究をいたしたのでありまするが、どうも現行の取引法に基きまする協定なり輸出組合としてはなかなかうまく行かないんではないかという結論に達したわけであります。それは細かい点から申上げれば、例えば輸出組合の設立の条件として三十人の発起人を必要とするというようなことでありまするが、これらの問題はどつちかと言えば枝葉の問題でありまするので、取引法を改正すればできないこともないわけでありますが、まあそういうふうな点を別にして考えましても、現行の輸出入取引法そのものの根本の精神というものは、何と申しますか、輸出入業者、商社を中心とした協定なり組合でありまして、飽くまで輸出業者がイニシアチブをとるという建前で法律ができているわけであります。ところがこの肥料の輸出の場合を見ますると、まあ物理的には輸出業者がイニシアチブをとつて不可能というほどは言えないかと思うのでありますが、いろいろな国内的な制約、それから現在の段階におきましては、ともかく当分のうちは出血輸出をしなければならんというふうな点から考えて見ますと、輸出業者を以て形成をしたその協定なり或いは組合なりにおきまして、出血をあえてする気持になるかどうかというまあ問題、まあそれが長い目で見ますれば数年後にカバーができるであろうと言いましても、ともかく現在かなり大きな損失を負担をして行かなければならん場合に、まあ正直に申しましてメーカーを助けるために輸出業者が今ここで損をかぶつて将来の利益で以てこれをカバーするという、長い見通しで果して輸出業者というものがそういうことができるかどうかという点を考えて見ますと、正直に申しましてそれはなかなかむずかしいことではなかろうか。やはり肥料を生産いたします生産業者が自身の問題でもありますし、又肥料の審議会で答申されておりまするように、肥料の製造業者が中心となつて現在の損失を将来の利益で以てカバーするような組織を作るほうがいいのではないかということで、どう考えて見ましても、取引法による組合なり協定では円滑なる運営ができないだろうという結論になつたわけであります。まあこれは一言に申しますと、今も申しておりますように、肥料の特殊性なり、或いは今出血をしておいてあとでカバーするというこの問題の解決には、どうも現在の取引法ではうまく対処ができないんではないか、こういう考え方でございます。
#79
○豊田雅孝君 私が疑問を抱いておりまする点は、輸出振興第一主義ということを政府が今回特に最高政策の一つとして掲げておるわけでありますが、従つて今後輸出振興を大いに図ろうということになりますと、肥料についての問題のみならず、鉄鋼について、或いはセメントについて大いに輸出振興をやるためには、今のお話のように、仮に輸出組合制度というもので足らんということになるというと、今回のような輸出会社を一々作らなければならん。そうなると特別法を一々作る、或いは場合によると国内肥料との関係から国内統制まで裏打をして行かなければならん、これは非常に大きな問題になると思います。大体輸出振興を大いにやるために共通な一つの制度として輸出組合制度というものが考えられ、当時通商局次長も、これは商社中心のみならず、輸出出メーカーも、輸出する意図と能力があれば、これはもう組合員になれる。組合員になれるということは、それだけで組合を作つたつていいでありましようし、それから今お話のごとく出血輸出になるということでありますが、今度の肥料関係の輸出会社はまさに出血輸出になるであろうし、その損失は必ず赤字になつて出て来るでしようが、これはあの会社というものは、会社というけれども、結局カルテルであります。結局その構成分子、株主であるところの輸出メーカーにその損失を醵出させなければならんことになつて来ると思うんです。結局会社といつておるけれども、輸出組合とちよつとも変らんじやないかということになるわけでありまして、更に三十人に一応発起人が限定せられておるというような点がありましよう。こういうのは改正すればいいことであります。従つて私の疑問とするところは、輸出振興第一主義を今後更に一層唱え、又これを具体化して行くということになるというと、徹底的な輸出振興方策をとらなければならんが、今の輸出組合制度というものでは足らんのだということになると、一つの国策会社的なものを作る。これは海外に対しても私は非常に一つのシヨツクを与えるんじやないかと却つて思う。輸出組合のほうで巧妙にやつて行くほうがいいんじやないか、国内市場に対するものもそのほうがいいんじやないか、輸出組合制度がうまく改正せられて本格的な輸出振興に役立つ弾力性のある行き方ができるものならばそれを運用して、いろいろな諸品目の輸出振興が図られる。ところがそのほうでは足らんというので今度のような輸出会社で行くということになると、今後も輸出振興を大いにやるという建前をとる以上、又それを実行推進せんとする以上、今度の肥料輸出会社、それに伴うこの特別法というものは将来一つの先例になる。これは相当真剣に考えなければいかんと思います。そういう点について通産大臣にこの問題は質したいと思いますから、今日は次長も急いでおられるようですからこれ以上は申上げませんが、多くの疑問を抱いておるのはそういう点でありますから、そういう点の研究をせられて、通産大臣から納得の行くように答弁してもらいたいと思います。
#80
○政府委員(松尾泰一郎君) いずれ大臣から御答弁を願うことにいたしまするが、現在のこの輸出入取引法を最近のいろいろな実態から考えて見ました場合に、若干やはり先生の言われますように改正をいたさなければならん面も出て参つておるのでありまして、特にまだ我々最終的な結論は出ませんが、我々事務的に考えますると、どうしても輸出品の製造業者のカルテルと申しますか、そういうものを認める段階にまで行く必要があるということは考えるわけであります。従いましてそれらの点については目下研究もし、結論が出ますればいずれ国会で法律改正ということでお願いを申上げることになろうかとも思うのでありますが、この肥料の場合について考えますと、例えば鉄鋼の場合にしましてもその他の商品にしましても若干出血のあるものもあるわけでありまするが、今ここで肥料のこういう例ができたからあとの商品につきましてもそういう単独の輸出会社で行かなければならないかという点につきましては必ずしも我々はそういうふうに考えておりませんで、一言に申上げますると肥料の特殊性から見ましてこういう会社が必要になつて来たのではないかとも思うのであります。まあこれは軽工業局長のほうからお答え願えれば十分でありましようが、要するに鉄鋼なり肥料なり比べて見た場合に、ともかくこの商品が大分、何も物質的に違うという意味じやありませんで、対農民との関係、それから国内のいろいろの関心の度合、内需と輸出との区分の仕方とかそれらにつきましてなかなかほかの商品と非常な差があるわけでございます。その差が単に価格上の違いということではなしに、いろいろの違いからしてこういう独立の輸出会社を必要とされるようになるのではないかとも思うのでありまして、我々はこれが先例になつてほかの若干現在におきましても出血受注にありますような商品については又会社ができるのではないかというお尋ねに対しましては、どうも我々はそういうふうに考えておらないのでありまして、こういう商品別の会社をどんどん作つて行くということは、本当に必要があればこれは止むを得ないことだと思うのでありますが、現在の段階におきましてはどうもまだ我々は必要を認められないのではないか、肥料の特殊性から見てこういう会社の設立が望ましいのではないかと、こういうふうに思うのであります。
 それから対外的な影響につきましてはお説確かに御尤もであるのでありますが、幸いにしまして肥料につきましては主として需要先が東南アジアであるということ、それから買付の相手方も又おおむね単独的な国家機関なり或いは民間の機関が独占的な買い方をしている場合が多いというようなことなので、こちらが一本の会社、輸出会社で行つた場合におきまして向うの反響は比較的薄いのではないか、却つていわば統一的な活動のできるほうが望ましい場合が多いのじやないかというように考えておるのであります。要するに肥料の特殊性から見てこういう輸出機構を求める必要があるのではないか、従いましてこれは必ずしもほかの商品の先例にはならないのではないかというように考えております。
#81
○豊田雅孝君 その点肥料の特殊性というものはまあわかるのでありますが、それだけに輸出会社のような制度で行くと国内を相当刺激して今回のような特殊の法律を又肥料需給安定法なんという立場から作らなければならないということにもなるじやないか、そういうことが考えられることが一つ。それと、これは聞いておつて或る点においてはわかりもするのですが、矛盾もしているような気もするのですが、組合制度で他の業種ならば殆んど間に合うということならば、肥料には特殊性があると言うけれども、あると言えばあるので、輸出の見地から言えばそう特殊な立場にもないわけでありますから組合制度でやはり間に合う。肥料が組合制度で間に合わんぐらいだと他の業種のものについても徹底的に輸出の振興をやろうということになるというと、やはり組合制度では間に合わん、又会社で行かなければならんという問題にもなろうと思うのでありますけれども、そういう面においてこの輸出組合制度を現在不便だと思われる点について根本的な改正をするとかという方向へ向いて行くことが一つ必要なんじやないかというようにも思うのでありまして、それらの点は殊に他の物品についても特に輸出振興、貿易振興を図らねばならないという政府の意気込みですから今後こういう輸出会社というものをめぐつて如何に政府は考えて行かれるのか、これは重大問題でございますので、いずれ通産大臣に質したいと思いますので、従つて僕の疑問を抱いている骨子はこういう点ですからなお御研究を願つておきます。
#82
○海野三朗君 私のお伺いいたしますことは、政府が硫安需給安定法、これは誠に結構な制度ではありますけれども、多量生産をして外国に余り売れて行かない、過剰になつて来たというような場合に、その値がどんどん下つて来た、そういう際においてはどうなるのか、国内の価格だけは一銭も損をしないように荷を崩せることを政府は大いに協力してやるのかどうか、その点を伺いたいのであります。
 それと、あのペニシリンの発明によつて理研が株式会社になりました。ペニシリンの儲けで以て十分やつて行けるとあの亡くなつた仁科君か盛んにこれを主張しておつたのでありまするが、二、三年たたざるうちにあのペニシリンが過剰になつて値がぐんぐん下つて来た、お蔭であの理研が今日の悲惨な状態に立至つておるのであります。でありますから、値の、高いときの値を考えておいてはいけないのだ、過剰になつた際にはどういうふうにするのだというお考えであるか、その点を私は政府の御当局からはつきり伺つておきたい、こう思うのであります。
#83
○政府委員(中村辰五郎君) 只今の御質問にお答えいたしますが、第一の問題点は、御指摘の硫安輸出というものの見通しの問題に触れて一言申上げておきたいと思います。
 硫安の輸出問題につきましては、これは日本側の国内市場、或いは我々の硫安工業のできるだけ量産をすることが願わしいというような一つの点から考えておるのではありませんので、勿論この硫安と申すものがどの程度の国際的な需要があるものであるかどうか、こういう問題点について私たちが今日までの経緯並びに今後の国際的な需要の推移というものを考えなければならないと思うのでありますが、この点につきましては先般も触れたかと思いますが、日本は硫安を輸出するに極めて立地的に有利でございます。東南アの地域を考えますと、今日大体百七十万トン程度の輸入をいたしております。勿論インドその他について硫安工業が一、二起つておりますが、これらの生産を差引きまして百七十万トン程度の輸入を必要とするような状況でございますが、同時に東南アにおける英国でやつております例のコロンボ計画等のいわゆる農業開発というものの状況も極めて積極的に進められておりまして、化学肥料の需要というものが年々数%ずつ上昇の状況でございまして、その見地からいたしますると、我が国の硫安の最高生産量、これを三百万トン程度に考えましたときに、国内需要を差引きまして大体百万トン程度の輸出は可能ではなかろうかと思うのであります。で、こういうような状況でございまするので、私たちは硫安工業の生産規模というものを相当大幅に考えて然るべきじやなかろうか、と同時に只今の百七十万トンという数字は、昨今非常に問題になつておりまする中共の需要を織込んでおりません、私どもといたしましても、この中共の需要に対しましてはできるだけ応じて参るということが勿論必要でございまして、只今まで五千トン、或いはこれに多少増加するような輸出ができるのではなかろうかという状況でございまして、向う側で要求しております五万トン、或いはそれ以上の需要については実は応じ切れないという状況でございます。中共の農業政策、或いは農業技術の進歩ということによりまして、これらの中共におきます需要も更に殖えるんではなかろうかという意味合いにおきまして、私は実はまあ楽観に過ぎるという御非難があろうかと存じますが、相当見通しについては、いい条件下にあると、こういう想定の下に立つているのであります。同時に硫安、勿論硫安もそれぞれの肥料の進歩に従いまして、他の尿素或いは塩安というようなほうのものの需要関係も、硫安に代るものもあると思いますが、これに対応する施策としては、すでに硫安五カ年計画の中に尿素の増強ということを謳つて積極的に指導している関係もございまして、肥料工業としては相当長期に亙つて、これらの国際的な状況、或いは肥料形態の変遷ということにも対応し得るような態勢を実はとつているわけでございます。なお先ほど林田課長からも答弁がございましたが、国内の需給が緩和いたしまして、その際政府は公定価格を維持するような意味合いにおいて、農民に安く買えるにかかわらず、公定価格を押付けるというようなことであるかどうかというような点について、私は率直に申上げたいのでありまするが、需給安定法の狙つておりまする点は最高価格を抑えるという点でございまして、現実に取引せられる価格がこれより下廻るということを抑制をする意図は毛頭ございません。肥料の取引はまあ大きな部面は全購連を中心とする商取引があろうと思いまするが、全購連とメーカーとに個々の取引、或いは商業者を媒介といたします個々の取引というものがこの最高価格の線を下廻るということを需給関係から見まして、私たちは本法はそれを抑制する意図がないのでございまして、公定価格制度は飽くまでも農民の利益になるような意味において最高価格を定めるに過ぎません。勿論農民の経済的利益のために国内調整用の放出というような制度も、足らん場合にはこれを調整しようとして放出するのでありますが、若し緩和いたした場合、マル公価格を割るような経済事実がございます場合は当然その経済事実に立脚して個々の取引が結ばれるという見地に立つておるのでございます。
#84
○海野三朗君 わかりました。
#85
○委員長(中川以良君) ほかに御質疑はございませんか……。
 ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#86
○委員長(中川以良君) 速記を始めて。
 本日は肥料関係の二法案の審議はこの程度にいたしておきたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なしと呼ぶ者あり〕
  ―――――――――――――
#87
○委員長(中川以良君) 次に競輪とオート・レースの法案を一括して議題にいたします。
 それでは昨日に引続き御質疑をお願いいたします。
#88
○豊田雅孝君 先に小型自動車競争法関係ですか、地方財政改善の必要があるということは我々でも十分了解できるわけでありまして、その点からのいろいろ改正が行われて今回おるようでありますが、根本問題としまして射倖心をそそるような競技法はこの際廃止の方向に持つて行くべきじやないかという議論が強いのでありますが、又そういう社会的な輿論も一部にあるようでありまして、さような際に今回の改正、まあ呑屋関係等の規定の整備はこれは別でありますけれども、特別の組合に施行を認めるとか、或いは市町村の施行を認めるというようなことが更に射倖心をそそる方向に向いて行きけしないだろうか。抑制しようというのと逆行するようなことになりはしないだろうかというのでありますが、ほのかに聞きますと開催回数は制限される、その範囲内においてやるというようなことでありますから具体的に一カ所の競争場を県と市がどういうふうに使用して行くか、そういうような点について伺つておきたい。
#89
○衆議院議員(川島正次郎君) 只今の豊田さんの御質問にお答えいたしますが、この法案を立案しますときにはいろいろ関係地元市町村並びに府県庁の意向も問い質したのでありますが、成るべく回数を余計にして市町村府県財政の復興に寄与してもらいたいという希望は痛切にありました。ありましたけれども、仰せのようなこの競走法の反社会性というような点もありますので、それに鑑みまして回数は従来の通産省の行政指導方針に従つて年十二回に限る、現に千葉県の船橋市におきましても、埼玉県の川口にしても、月一回、年十二回開催しておりまして、それを割りまして府県と地元市町村、こういうふうにいたすのでありますからして、
   〔委員長退席、理事加藤正人君着席〕
特に回数を殖やして射倖心をそそり立てるというようなことはないように留意をして立案いたしております。
#90
○豊田雅孝君 今の御答弁でその点は明らかになつたのでありますが、地元市町村が施行できるというようなことになると、各市町村とも現在財政が非常に困難でありますので、まだ未設置の県についてオートレース場の新設を要望するというような声が全国広く起つて来るのじやないかと思うのでありますが、こういう要望が起つて来た際にはどういう措置をとられるか、そういう方針についてお伺いいたしたい。
#91
○衆議院議員(川島正次郎君) そういう要望がありました際一応許可する、しないは通産省の方針によるのでありまして、私ここで何とも申上げかねるのでありますが、若し仮にそういう要望が起るとしますれば、現在のような府県限りにやらしておつても同じような状態じやないかと思います。府県のほかに地元市町村に許したからといつて、特に要望が急激に殖えるとは考えられないと思うのであります。現に計画しておりますところは東京、神奈川、静岡、福岡、この四つだけでありまして、現在競馬、競輪というのは多いのでありますからして、その間に交つてむやみに新設しましても売行きが思わしくないでありましようし、それに東京附近で言いますと埼玉県、神奈川県、千葉県、東京とこの四都県で競輪、競馬が多数開催されまするので、そう開催日数を余計とるということが不可能になつております。例えば千葉県には千葉市と松戸に競輪場があります。船橋に競馬場とそこに併用したオート・レースがありまして、この四つが同時に開催いたしますと、やはりフアンが少くなるのでありまして、そこを調整しながら同じに重ならないように開催しているのでありまして、大体むやみに殖やしても限度があるのじやないか、こういうふうに考えておるのでありまして、この法案が通りましたからといつて開設の申請がむやみに殖えるとはちよつと考えられないのであります。それともう一面、大体新らしく競輪場を作りますと、オート・レース場を作りますと、一億円金がかかります。現在の経済状態なり金融面から考えて簡単にこういう資金が出ないのでありまして、銀行などでもこういう方面の資金は一切貸出し相成らんという政府の方針もありますからして、そうむやみに御心配になることはなかろうと私は考えております。
#92
○豊田雅孝君 今回の改正案は議員立法ではあるのでありますが、将来の新設方針については政府当局とお打合せがあつたかと思つて今伺つたのでありますが、今の御説明でややおのずから限度があるという実際問題はわかつたのでありますが、政府のほうの将来の新設に対する方針、これを一度確かめておきたいと思います。委員長のほうでお取計らいを願いたいと思います。
#93
○委員長(中川以良君) 政府委員が今日は出張しておりませんので、委員長において然るべく取計らいます。どなたか御質問ありませんか。
#94
○小林英三君 今豊田委員から御質問がありましたことに関連いたしまして今の川島議員からの御説明によりますと、同数は年に十二回ということは殖やさないで、つまり十二回のうちで、府県で何回やる、或いは地元の市町村で何回やるということを特に政令か何かできめ、従来十二回の府県の開催につきましては地元がたしか百分の二、二%の金を県からもらつておつたわけですね、ところが今度はそのうちの何回かが地元市町村でやつて、あとの大部分は県でやられるということになりますと、全部の十二回の開催については二%というのは全然地元へはもらえなくなるのじやないかと思います。そういたしますと、地元がやり得ることになつたために地元の回数が若し少くきめられたとしますと地元に来る実質的のトータルの金というものがむしろ少くなるというようなこともあり得るかと思うのですが、その回数の問題につきまして政府のほうとどういうような打合せになつておりますか、大体お聞かせ願いたいと思います。
#95
○衆議院議員(川島正次郎君) 只今小林さんの御質問でありますが、大体通産省と私どもとの打合せは、地元に対する交付金が百分の二でありまして、それをいろいろ計算をしまして、十二回のうち府県八カ所、市町村四カ所くらいでいいのじやないかというような話合はしております。併しこれは別に出ております自転車競技法等の臨時特例に関する法律案の中に今後競輪、オートバイ、モーターボートについては特に省令で以て回数、それから割合をきめるということになつておりますからして、今後も通産当局と相談をしまして従来の地元市町村の手取りが少くならないような回数にいたしたいと思つております。なお御参考までに申上げますが、さつきの豊田委員の御質問に関連するのですが、只今小型自動車競走場を設置しておる場所は五カ所であります。競輪は二百四十二回、ボートレースは二十四回、競馬が百五十二回、こういうことになつております。ボートレースは極く回数は少いのじやないか。そうこれも殖えるという見込はなかろうと思います。……ちよつともう一遍改めて申上げますが、競走場の数は小型自動車が五カ所、それから競輪は六十三カ所、ボートレースは十七カ所、競馬は七十一カ所でして、開催数のほうは先ほど申上げましたように、小型自動車五回、競輪が二百四十二回、ボートレースが二十四回、競馬が百五十二回、こうなつておりまして、こうなると小型自動車以外に競輪、ボートレース、競馬は府県のほかにでも地元市町村、若しくは競馬のごときは戦災都市まで開催権を与えておりますからして、開催日数は多くなつております。初め申上げたのは開催回数でありまして、あとから申上げましたのは競走場の数であります。
#96
○小林英三君 今の回数は一カ月の回数ですか。
#97
○衆議院議員(川島正次郎君) 一回が六日です。ボートレースは一回が十日か十一日になつております。ボートレースは長いのです、これは法律で無制限になつておりますから……。
#98
○海野三朗君 お伺いいたしますが、その競馬のほうは年間百五十二回で利益がどれぐらい上つておりますか。
#99
○衆議院議員(川島正次郎君) ちよつと私はその競馬、競輪、ボートレースの利益のあれを持つておりませんが、これはいずれ農林省のほうへ聞きまして資料を出すようにいたしたいと思います。
#100
○海野三朗君 大分赤字のところもあるようですし、この自転車競走などは非常によからん風聞を聞いておるので、初め競輪などはそんなことでないように立法したのでありましたが、とんでもないことに発達して行つておるので、その利益がどれだけ上つてどういうふうに処分をしておられるのか、それを一つお伺いしたい、その資料を御提出をお願いしたいと思います。
#101
○衆議院議員(川島正次郎君) 小型自動車、競輪、ボートレース、競馬、全部についてでございますね。
#102
○海野三朗君 そうです。
#103
○衆議院議員(川島正次郎君) 全部ならば至急に一つ当局に要求して持つて来るようにいたします。
#104
○海野三朗君 そうして儲けたお金がどういうふうに行つているかも承知いたしたいと思います。どうぞお願いいたします。
#105
○衆議院議員(川島正次郎君) 承知いたしました。競馬は農林省、ボート・レースは運輸省関係でありまするからちよつと資料がありませんが、競馬と小型自動車がここにございますそうですからお聞取り願います。
#106
○説明員(馬郡巌君) 競輪のほうにつきまして御説明いたします。競輪のほうはすでに配付いたしました資料の中に自転市競技法(競輪運営の概況)という中に入つておりますが、この中で申上けますと、昭和二十三年に競輪を始めましてから二十八年まで、二十八年度は推定が入つておるのでございますが、施行者の純収入といたしましては百六十四億七千三百万が施行者の純収入でございます。
 この使途はこれも若干推定が入つておるのでございますが、庶民住宅の建設に二六%、教育施設に約二〇%、それから土木及び都市計画に一四%、公共福祉施設に七・六%、あと中小企業及び農商工の振興対策に五%、失業対策に三%、その他二〇%ということになつております。なお競輪に関係しまして国庫納付金としまして二十三年以後国庫に納められました金額は八十九億八千九百万円でございまして、このほぼ三分の一でございます十九億四千万円が自転車産業振興費として予算上計上されて支出されたのでございますが、そのうち輸出振興の関係としまして三億二千五百万円、技術向上、品質改善の使途といたしまして三億二千百万円、中小企業の振興対策といたしまして一億一千二百万円、貸付金として十一億五千万円、その他として二千三百万円、合計十九億四千万円と、こういう使用報告になつております。
#107
○海野三朗君 競馬のほうは如何でしよう。競馬のほう出ておりますか。
#108
○説明員(馬郡巌君) 競馬のほうは農林省の関係でございまして、私のほうでございません。
#109
○衆議院議員(川島正次郎君) それは私のほうで農林省に聞きまして、至急に提出するようにいたします。
#110
○豊田雅孝君 一つ資料の要求をいたします。これは今回の競技、競走関係全般につきまして非常に細かい資料が出ておるのですが、一々見るのは大変なんで、要点だけ書抜いてもらえればそれでいいので、各種の競技場の全国の数、先ほどまあ伺つたのですけれども、それからそれぞれの開催回数、それからその売上金、それからそのうち従来国庫納付金になつておつたものがどの程度なのか、更に今回新らしい連合会に対して納入せしめたものがどの程度である、地方団体に残る分がどの程度であるというふうな、そういう要点だけをちやんと書いて出されるといいのです。資料というと細かいことをずらずら書かれるが、殆んど役に立つのは少いので、そういうポイントだけを一つ、場所、回教、それから売上金国庫納付金、地方財政補填のために残るものが幾らと一覧表を作つて出してもらいたい。委員長お諮りをお願いいたします。
#111
○海野三朗君 この競輪の法律を出しますときには競輪の輸出振興、それから材料の改善、その科学的研究ということに主眼を置いたのでありましたが、只今伺つたところによりますと、そのお金は現実目先のことばかりに使われておつて、品質の改善とかそういう方面には余り使われていないように思うのであります。この自転車にいたしましても部分品は何百とある、それが日本品は皆駄目だというようなのが今日の定評になつておるのでありますが、そういう方面の材料の研究とか、そういう方面に、つまり科学技術の進歩、向上の方面に一段と力を入れなければならないんじやないか。今日国産品は駄目だというような定評があるのは、その部分々々についての研究を怠つておるからであると私は思う次第です。で、日本には相当の学者がいないのかと申しますというと、金属の方面に関しても世界のレベルに対して恥しくない学者が綺羅星のごとくあるのでありますが、研究費がないために材料の研究などできない。そういうのが日本の現状であると思いますから、この自転車競技法、この法案につきましても私は将来この方面にどれだけの金を出すというお考えを持つておられるのか、そういう点の二つお考えを承わりたいと思います。ただ住宅を建てた、それから中小企業に廻した、そういうことでは将来性がない。小型自動車なり、或いは自転車の将来に対しての生命がない。従来に対する生命にもつともつと儲けたお金をぶち込まなければならないのであるというように私は考えるのでありますが、提案なさつたかたがたは如何ようにお考えになつていらつしやいますか。
#112
○理事(加藤正人君) ちよつとお待ち下さい。只今豊田委員の資料に関する御要求に対しましては委員長において適当に取計らいます。只今の御質問は提案者に対しての御質問ですか、政府に対してですか。
#113
○海野三朗君 提出者に伺いたい。
#114
○衆議院議員(福田一君) お答えをいたします。お説非常に御尤もでありまして、私は競輪をやつて行く、オート・レースをやつて行く、或いは又モーターボートをやつて行くという限りにおいては、お説のごとき方向に持つて参りまして、技術の振興を図る。併せて輸出振興を考える。こういうふうな方向に是非持つて行きたい。これが単なる地方財政の収入の程度、今御質問もございましたが、地方財政でどういうふうに使うかということはそれぞれの県によつて違います。総合的に国の施策に十分それが貢献するような方向に是非とも持つて行きたいものである。こういうふうな私は考えを持つております。従いまして、今回提案いたしました法律を実施する場合におきましては、お説のごとき点に特に重点を入れて行きたい、そういうふうにやらなければならないという考えを持つておるものでございます。
#115
○海野三朗君 それにつきましては何か腹案がおありでございますか。ただ単なる御希望でいらつしやいますか。その点をお伺いいたしたいと思います。
#116
○衆議院議員(福田一君) 大体の構想といたしましては、実はこの元の法律になつておるのは海野委員が御関係もあつたようなので、よくおわかりと思いますけれども、これは自転車の改良とか増産、輸出の増加、国内需要の充足、まあ当時は自転車がなかつたからこういう条項が入つたと思いますが、とにかく自転車の改良、増産ということから部分品等についても研究をすると、こういう意味で政府としてもとつた金の一部をそういう方面に支出して参つておるのでありますが、今回この法案が通りますと大体予定されますのは自転車関係、競輪の関係で申しますと、約六億二千万円ほど金が上る予定でございます。そこで六億二千万円でございますが、そのうちの約三億円はこれを自転車の方向に大体使いたい。そうしてそのうちの一億五千万円ほどは貸付金、従来やはり自転車産業の振興のために貸付をいたしております貸付に使う。あとの一億五千万円は輸出振興と技術の改善のほうに使いたい、こういうふうな考えを持つております。なお残りの三億二千万円のうちで、約二億五千万円前後のものはこれは元の法律とは違いまして、先ほど申上げましたような趣旨に基きまして、一般の中小機械工業の技術の振興、こういう面の振興並びに改良という面に向けて行きたい、かように考えております。
   〔理事加藤正人君退席、委員長着席〕
それから約五千万円前後は、これは純然たる日本の技術振興費として民間団体に出してでもいいから大いに一つまあ……、その例としては理化学研究所がございますが、そういうようなものを大いに育成して、とにかく技術の振興のためにやつて行く。若し御希望がございますればこういう予算の配分等についてはなお又考慮をいたしまして今の御趣旨のように私は副わせて行きたい、こういうふうな考えを持つておる次第であります。
#117
○海野三朗君 はい、わかりました。
#118
○豊田雅孝君 只今提案者から御答弁のありました数字の内訳を一つ資料として配付願いたいと思います。
 次にこの法律案の提案につきまして、一部から強い反対があるのでありますが、その反対理由としては先ず第一は射倖心をそそる競技法は全廃すべきだ、そういう際にかような行き方をやるということは、輿論に逆行するではないかという点が一つであります。それからもう一つの点は、地方財政に影響を与えるから困るというこの二点が反対理由になつておりますが、その点につきまして御答弁を願いたいのでありますが、特に地方財政に及ぼす影響につきましては今回の連合会に対する納入金制度を行うことになりますと、どの程度地方財政に従来の計画に狂いを与えるか、この点をお願いいたしたいと思うのであります。
#119
○衆議院議員(福田一君) お答えをいたします。お説のようにこの競輪ができまして以来、非常に射倖心が殖えて参つたと申しますか、そういう意味で悪い影響を与えた、或いは一部にそれをやつた場合において、何といいますか車券競技が不正に行われたというような問題で事件が起きたりしたこともございました。併し最近になりましては、この不正な競争が行われるようなこともない、或いはそれに基いて群衆といいますか、入場者と施行者の間で争議が起るというようなことは、いろいろ取締その他をいたしました結果、だんだんなくなつて参りましたが、射倖心のほうはお説のように随分高揚して参つたようであります。尤もこの射倖心というのは敗戦以来特にひどくなつて参りましたので、こういうことからいいましたら街のパチンコなどというものはやり方を見て頂いてもわかりますように、非常にまあそういう面が高揚されて来たということは非常に遺憾であります。なぜこういうことになつたかということを考えますと、それはむしろ将来に対する自分たちの生活の抱負とか或いは国の将来に対する希望とかいうようなものがなくなりますというと、いわゆる敗戦の後には常に起つて来る一つの現象でございまして、それがまあ特にひどくなつて参つておるのであります。従いまして競輪を最初予定して作られましたときの売上額などというものは殆んど三、四億円の大体予定でございましたが、現在に至りますというとまあ個所も随分殖えて参りまして、先ほども申上げたように六十三カ所というように殖えましたけれども、六百億円以上の売上げがあるというような段階に参つております。
 以上のごとく別件心に基いてこういう競輪が非常に栄えて来たということについて、どう考えるかという御質問でございますが、私としては、こういうものは好ましからざることではありますけれども、これは政治全般の問題といたしまして、国が立派に一つの希望を持つて立上る、又産業がこれによつて起り、そうして将来に対して一つの貯蓄心というようなものが起きて来たり、又生活自体も安定して来るということになりますというと、おのずからこれが減つて来るのではないかと思うのでありまして、現在このように出て来ておりまするところのこの射倖心というものを一片の法律、その他の方法だけで以て取締るとすれば、或いは又これがもぐつて変な博打がはやるというようなことにならないとも限らない。これは私は決して競輪を弁護する意味で申上げておるのではありません。実情はそうなるのではないかというふうに考えるのでありまして、将来に亙りまして先ほど申上げましたように政治をもつと立派なものにいたしまして、そうしてこういうものがはやらなくなるようにしなければならない、或いは又或る種の制限を設けるというようなことも順次考えて行つていいのではないかというふうに私自身は考えておるわけであります。
 なお次に地方財政との関係でございますが、実はこの予算編成の時期に当りましても、自転車関係法案には明瞭に自転車の改良、増産、輸出の増加ということがあるのでありますから、本法自体を廃止するのでなければ、この法律が生きている以上においては、自転車の改良、増産に競輪から上つた金を使うということは、是非まあ私はその法律の趣旨を活かして行かなければならない。かようにまあ考えておつたわけであります。そうしてまあ種々大蔵省その他とも折衝し、政府とも折衝をいたしておつたようであります。それは政府部内においてもいろいろ話合いがあつたのでありますが、御承知のように一兆円予算というような関係もあり、一つは競輪、競馬その他のこういうようなものによつて上りまするところの金は、これは一応国ではとらないのだ、その国でとらないという意味は、必ずしもすぐ全部地方財政へ渡すという意味ではありません。それを言えば法律が現存している以上矛盾を政府が侵すことになりますからそうは行かない。一応国ではとらないのだという形において実は予算が編成される。そこでその後におきまして現法の趣旨を汲みまして、何かやはり自転車の関係の分についても経費を充当するようにして、元の議員立法の精神を生かして行かなければならないんじやないかということをいろいろ考えたのであります。そうして考えて参りまして実はこの法律案を考えたのでありますが、そこでその場合において地財との関係でございますが、これも数字があるかと思うのであります。大体地方財政計画というものを、これもあとで数字で御提出申上げたいと思うのでありますが、地方の財政計画で申しますというと、競輪が二十二億、モーターボートが四億、オートレースが三千万円、小計いたしまして二十六億三十万円、宝くじが十億円、合計いたしまして三十六億三千万円が、国庫が受入れるといいますか、国庫が二十九年度も同じような、この法律がなく、又例の臨時の一年間、こういうものをやらないという特例がないといたしますれば、三十六億ほどは国庫に入るわけでございます。ところがこれをやめることについて、それでは地方財政へどれくらい行くかと言いますと二十二億でありますが、その内訳は、競輪が十三億、モーター・ボートが四億、オートレースが三千万円、小計いたしまして十七億三千万円、宝くじが五億、合せて二十二億三千万円が地方財政へ廻るような計画になつているのであります。かようにいたしますというと、その差は約十四億円ほどあるのでありまして、その十四億円の中から六億円を吸い上げるのでありますから、なお、且つ、地方財政は予定収入よりは若干殖える形に相成ることは御承知の通りでございます。で、この数字も、これは競輪の売上げがどれくらいになるかというようなことから又考えて行かなければなりませんが、大体競輪関係は去年は六百億円ほどでありましたけれども、今年は五百七十億円くらいしかないだろうという見込で推定をいたしました。モーターボートの分につきましては、これは順次殖えるような傾向にありますし、大分モーターボートに、先ほど射倖心のお話がございましたが、いろいろそういうような増設気分もあり、興味を持つ人も多いようでありまして、今年は大分売上げが殖えるだろうという予想であります。以上のような基礎に基きましてこの数字を作つているわけでございますが、いずれにいたしましても地方財政に大きな、何といいますか、勿論この法律がなければ六億も全部地方財政へ行つてしまうのでありますけれども、地方財政それ自体がこれによつて非常な影響を受けるというようなものではないと私たちは考えておるわけでございます。
#120
○豊田雅孝君 売上金の一定割合を振興連合会等に納入するというようなことになつているようでありますが、別表を見ますと、売上金額如何によりましてそれぞれのすべての金額が違うようでありますが、平均いたしまして一定割合というようなものはどの程度になるのでありまするか。その点と、今回は従来の納付金に比べるというと、大幅に売上金に対する率を減率したというふうに説明書等に出ているのでありますが、大幅というのは一体どの程度になつているのでありますか、その点を伺いたいと思います。
#121
○衆議院議員(福田一君) お答えを申上げます。先ほどの競輪の分について申上げますならば、従来の実績は平均は三・六%、これが従来の平均でございます。今回は一・〇六%くらいなるのでありまして、約三分の一になります。それから今回の場合におきましては、収入の少いような所からは徴収をいたさないのでありまして、従来は競輪の売上げについて一定部分が一応の比率で以てずつと徴収に相成るようになつておりましたが、今回は六千万円を超えない分につきましては、六千万円以下のものにつきましては、これは納入させないことに相成つております。六千万円以上の分について、先ず六千万円前後でありましたならば一%、それから順次上つて、二億くらいになりますと約二%くらいにする、売上の多い所になれば累次パーセンテージを上げる、この数字も或いはお手許へ出してあるかと思いますが、場合によつては又追加して差げたいと存じます。
#122
○豊田雅孝君 今の御答弁によりますと、一般に言われておるよりも地方財政の収入減というものが激しくないんだという結果に趣旨は相成ると思うのでありますが、一面におきまして予算委員会等における予算審議をいたしましたる当時の行き方と今回の行き方が変つて来ておる。予算審議当時におきましては、国庫納付金は全然やめて、地方財政収入に全額なつて行くということであつたにかかわらず、今回は新たに法律を出され、それによつて民法上の社団法人である連合会というもに納付金をせしめる、予算審議当時と非常に違つた行き方をするということは、予算審議権を無視するものだという議論が一部にあるわけなんでありますが、これにつきましてどういうふうにお考えになつておりますか。
#123
○衆議院議員(福田一君) 御説の通り、政府といたしましては、少くとも一年間はこれはもう国庫に納入させないようにするんだという法律を出しておるのでありまして、従つてそういう御答弁も申上げておると存じます。併し我々は議員立法というものにつきましては、従来いろいろの疑義も起きております。又議員立法の可否の問題もございますけれども、少くとも法律が存在をいたしておりまする以上は、その法律を尊重するというのでなければ、これ又議会政治というものは運営できないんじやないかと、かように考える。そこで政府としてはどうしてもとらないということでありましても、とにかくこの議員立法自体の法律の中には、やはり自転車の地方財政の増収を図るということだけで競輪が成立つておらないということでありますならば、何らかのこれは措置を講ずることが法律の精神を生かすことになり、延いては議会政治を高揚することになるのではないか、こういう私たちは考えを以ちまして、この意味でこの法律案をいろいろ研究をいたしました結果、こういう法律案の形において提出いたした次第であります。従つてこの面において政府と私たちとの間においては、表面の言葉の上において若干の差異が出て来るかと存ずるのでありますけれども、まあこれも政府のやりました措置も一年間という暫定措置でございます。私たちとしては、これは将来は根本的に又考えて然るべきものである、或いは政府予算のうちに又こういうものを入れるなり、或いは公社のようなものを作るなり、或いは又政府の予算とする場合でも特別会計を作るなり、何らかの方法があり得るのではないかと思いますが、現段階におきましてそういうような措置を講ずるというのは非常に至難と相成つて参ります。そこでこの法律の精神を生かす意味でこういう法律を作りまして提案いたしたような次第でございます。
#124
○豊田雅孝君 現法との関係につきましては御答弁誠に御尤もだと思うのであります。併しながら予算審議をした当時にお説のごとくならば何故にさような新制度を出しておらなかつたか、そこにおきましてこの予算委員の方面から、これは予算審議権を無視せられる行き方だという強硬な反対論が出ておることは御承知と存ずるのでありますが、それにつきましてどういうふうにお考えになりますか。現法との関係につきましては私ども全く只今の御説明で了承するんでありますが、予算審議権との関係につきまして御意見を伺つておきたいと思います。
#125
○衆議院議員(福田一君) 私は予算審議権というものは確かに院全体の大きな任務であります。この予算を編成し審議をいたしております過程においては、十分将来の一年間の問題、或いはもつと数年後に亙る問題についても審議をするのは、これは当然これが予算審議権だと存じます。併し特殊の事情があつた場合においては、追加予算とか補正予算というような措置もあつて、ここに又補正予算というような問題も出て来るわけであります。然らばこれをなぜ補正予算にしなかつたかということになりますというと、先ほど申上げましたように、私としてはこういうものは今年限り出さないという方針をとつておるのでありますから、そうすると補正予算というわけには参りません。かといつて元の法律があります以上は、何らかの措置を講じなければならない。こういうことになりまして、その点におきましては若干お説の通り矛盾があるではないかと言われると、御尤もな点もありますが、併しこの法律というものは予算を作ります場合にも何をやります場合にも社会の公共の福祉を増進するということを目的にしてやつて参つておるのが、これが法律の精神と言うか、予算審議権のやはり内容だろうと思うのであります。そういう意味から言えば、一応予算には抜けておる。併し補正予算を出せないような状況になつておつても、一応こういう法案を出しまして予算審議とは若干相違しておるけれども、成るべくやはり法の精神を生かすほうがいいと思うから、どうぞ御審議を願いたいと言つて出して参つておるという意味合いで御了解を願う以外に実は途がないかと考えておるわけであります。
#126
○豊田雅孝君 この予算審議権の問題になりますと、補正予算として改めてお出しになるんだつたらこれはもう議論はないと私は思うのであります。にかかわらず補正予算でなく、かような行き方、社団法人新設による納入金という形で行かれると裏道を行くというようなところに一部の反対論があると思うのであります。その点について更に御意見を伺うというのもどうかと思いますが、問題はそこにあると思うのであります。それと、その点お答え願えれば結構でありますが、そのほかに、然らば将来今回の制度を前提といたしましてどういう筋の立つた行き方をなさるのかということについて、併せて御答弁を願えれば結構だと思います。
#127
○衆議院議員(福田一君) 先ほどの予算審議権の問題でもう少し補足をさして頂きますならば、実はこういうやり方をするかどうかということは予算審議の途上においては研究中であつたわけでありまして、政府としてもこういう法案がもうできて、議員立法で出るということになつて確定をいたしておりましたならば、或いは答弁の内容が違つておつた、こういうことも考えておるというような答弁ができたかと思うのでありますけれども、当時においてはまだ不確定といいますか、何かしなきやならないがどういう方法でやるかどうかということはまだきまつておらない。従つて国会における答弁においても、豊田委員が申されましたような答弁をいたしておつたのだろうと思うのであります。又そういうような事情があつたということを一つ御了承を願いたいと存じます。然らばそれではこういうものは今後どういうふうにしてやつて行くつもりであるかという御質問でございますが、来年度の予算の編成の時期におきましては、もともとこの法律も一年間の臨時立法でございます。この法律自体が一年間の臨時立法になつておるのでありまして、従いまして来年度の予算編成に当つては、これをもう一遍どういうふうにするかということが当然議題になつて参るわけでございます。その場合には私たちとしては、先ほども海野委員の御質問もございましたので、できるならば若しこういう制度を残しておきますならば、これはむしろ公社のようなものを作つたほうがいいんじやないか、そうしてそこに運営さして行くというような形が或いは適当ではないか。併しもともと公社の使います経費というものは国の経費に準ずべきものでございます。国の経費のようなものでございますから、その場合にはむしろ国がどうしても取上げなければ、そういうことも考えなければならん。競輪を存続するという場合にはそういうことも考えなければなりませんが、併し筋を通して参りますならば、これはやはり政府の予算の中に入れて使つたほうがいいんじやないか、先ほど申されましたような予算審議権の問題等もありますが、そういうふうな方向に持つて行つたらよろしい、かように考えております。なぜ公社というようなことを考えておりますかと申しますと、御承知のように競馬なども今国営の競馬がございますが、これも民営に移すというような場合にはやはり公社的なものを作るように聞いておるのであります。若しやるならば競馬の場合は馬匹の改良という点に重点を置いておるようでございますが、この競輪の場合におきましては、技術の振興というような面に大いに重点を置いて、そうして一つそういう公社的なものでも作つてやつてはどうか、かように考えております。なぜ今回はそういうものを出さなかつたかと言いますと、僅か一年限りの臨時立法で特に公社のやうなものを作つたりすることは、どうもじき公社ができた時分には法律がなくなつてしまうというような形にもなりますので、臨時立法でございますので、従来あるものを使つてやらせるようにしたらどうか、こういう構想に基いてこの法律を出したような次第でございます。
#128
○豊田雅孝君 これは御参考までに申上げておきたいと思うのでありますが、曾つて愛知通産大臣が新任早々だつたかと思うのでありますが、本委員会において競輪等の射倖心をそそる競技法から来る国庫納付金というものはやめるんだ、これは射倖心をそそるような関係の金というものは国庫がタツチすべきものでなくして、これを地方に任せるほうが少くとも一歩ベターのほうに前進するんだ、こういう意味合いの答弁、説明があつたのでありまして、従つて私どもはそういう方向に考えを持つておつたのであります。先ほど来伺うと、一兆円の予算に圧縮したい、それがために国庫納付金には受入れないで、地方に廻す。廻しつぱなしでは困るから、かような行き方になつたという点でありまして、ここに緑風会等の一部に相当強い反対論が出て来る問題があるわけであります。この点をお含み願つておきたいと思いますことと、更に来年以降の問題につきましては、むしろかような射倖心をそそる競技法を存続せしめるならば、むしろ国庫納付金という形ではつきりさしたほうがいいのじやないか。さような意味で本年は一年限り一兆円予算に圧縮せんとする特別の予算技術の操作からかようなことに相成り、従つて一年間の臨時立法にするんだということは、いいか悪いかは別としてわかると思うのでありますが、将来は公社で再出発をするということでありますと、いずれ再出発するならば今回公社で行けばいいじやないかという問題になつて来ると思うのでありますが、この点については如何でありますか。
#129
○衆議院議員(福田一君) 先ほど豊田委員から申されましたことでございますが、この点は政府の考え方と言いましても個々のあれがありますから、勿論政府が答弁をいたされますれば、これは統一された答弁で、これがもう一番権威を持つた答弁に相成るわけでありますが、併し政府と与党と言いますが、これは自由党と改進党の共同提案になつておりますから、自由党の党内におきましては、これは何かしたほうがいいじやないかという意見がありまして、いろいろと政府と話をしておつたりしてまだ態度がきまらなかつたときに通産大臣が就任をした。御承知のごとく通産大臣はもともと大蔵政務次官をなすつておいでになりまして、そうして予算を絞るほうの側に立つておいでになつたわけであります。その後通産大臣になられましたので、党との関係その他についても或いは十分なまだ打合せがなかつたかも知れません。私はその間の事情はどうとも申せませんけれども、今でも通産大臣自体は御答弁を申上げたようなお考えを持つておるかも知れませんけれども、併し私がこのお答えをいたしております趣旨は、少くとも自由党としては一応こういう考え方を持つておつた。私としてもそういうような一応考えを持つておつたという意味で御答弁を申上げておるのでありまして、将来競輪を廃止するか否かという問題につきましては、私が今度は政府側として答弁を申上げるわけには、ちよつと差出がましくなりますのでお答えを申上げられないわけでございます。併しどうせやるならば一つ公社でやつてはどうかということにつきましては、実は随分いろいろと研究をいたしたのでありますが、お説の通りこれがもともと補助金等に関する一年間の特例がございまして、国庫納付金を停止しておくという考え方でこの法律が出ておるわけでございまして、その停止というのが将来もう一遍続けてこの停止を認めて行くかどうかというような問題がまだ残つておるわけであります。従つて法律が、その法律が通つておりましても、三十年度になりますというと、三十年度の予算編成の場合には又その納入金の問題、国庫に入れるかどうかという問題が当然起きて来るわけでありまして、その際どういうふうに措置をするかどうかということは、今後の政治情勢経済情勢等も勘案して政府としては十分検討の上で態度をきめたいという肚ではなかろうかと私はまあ想像いたしておるわけであります。といたしますと、一年間というものについては一応こういう措置をとる。将来の問題については少くとも法律に現われている面ではまだ確たる方針を政府は決定をしておらない。然るにこの一年間において現法でありますところの自転車競技法というものが残つております限りにおいては、その一年間においては何とかしなければならないじやないか。一年間でやるならば、これは一つ今言う、先ほど申上げたような、提案理由その他で御説明申上げたような措置でやつておいて、そうしてこの間において我々も十分に法の運営の状況その他を見、いろいろ勘案をした上で一つ一番最善の方法に持つて行きたい、かように考えておるわけでありまして、その意味で、筋を通せという豊田委員の御意見については十分我々も考慮をさして頂きたいと、かように考えておるわけであります。
#130
○豊田雅孝君 それでは最後に事務的なことを一点伺つておきたいと思いますが、それは振興連合会が貸付を行い、又補助金を交付する、その事務は商工中金に委託するということになつておるのでありますが、具体的に申しまして振興連合会が金融機関に融資をする、その場合には商工中金にも融資をする場合があり得る、こういうものを一括して商工中金に委託をするという意味でありましようか。なお補助金交付の点につきましては、商工中金に委託せられますと、商工中金から補助金を交付するということになるのでございましようか。これらの点について具体的の事務の運び方を伺いたいと思いますことが一点。それからその関係条文の中に、最後に、その他の振興業務というのがあがつているのでありますが、その他の振興業務というものはどういうものを想定いたしておりますか。
#131
○衆議院議員(福田一君) 私から説明を申上げまして政府委員から補足をさしたいと存じますが、これはこの振興会は、やはりそういうような自転車の改善とか或いは輸出振興とか、或いは中小機械工業の技術の振興或いは改書、或いは又日本における技術の振興というような経費について、一応受入れたものを支出する一応名義上の責任者になります。併し実務はすべてこれは通り抜け勘定になりまして、商工中金に全部やつて頂く、こういうことに相成ります。そこで商工中金は中金の中に特別会計を設けられまして、勿論その事務費はこれは商工中金に出すわけでありますけれども、ほかの予算と混淆しないようにいたしまして特別会計を作ります。そうしてその中において運営をいたすのでありますが、その場合においては、通産省に協議会がございます。その従来もあります協議会に、もう少し第三者的なものをたくさん加えまして、そうして輸出振興とか、或いは技術の改善というような面に特に重点を置いてこの会を運営し、通産大臣はこの諮問委員会に諮問をいたしまして、その諮問に基いて通産大臣がかなり具体的にその内容を指示いたすことにいたしておるわけであります。従いまして商工中金が包括的にその任務の授権を受けるわけではないのでございまして、通産大臣の比較的具体的な指示に基きましてこれを運営いたして参りますので、やり方といたしましては国の予算を使うような形式において運営をさして行きたい、このような考え方を一応とつておるわけであります。でありますからして、施行者団体ではないその協議会、自転車振興会連合会というようなものは一応名前は借りることでありますが、振興会自体には何も金は一文も入らない。ただ名前をそこへ貸しておる。じや、なぜそういうことをしないで商工中金自体に金を徴収することにしないかという疑問が起きて来ますが、それは商工中金ということ自体の、これは最もよく豊田さんおわかりの点でありますが、商工中金ならば国の委託事務については一部保険その他についてもやつておりますが、併し一応必ずしも商工中金本来の仕事以外には絶対にやつてはいけないということになつておらないのでありまして、まあ一応臨時的にこの仕事を一年間だけやつて頂こう、こういう意味で商工中金に事実上の事務をやつて頂く、こういうことにいたしておるわけでありまして、従つてこれにつきましてはよく疑義があるのでありまして、振興会というのは今までも余りろくなことはしておらない、そんなところに金をやつて金を使わせるというようなことにしたら何をやるかわからないというような議論もあると思いますが、振興会自体は何も一銭一厘といえどもこの金に触れることができないように、この法律に定められてあるということを御了承を願いたいと思います。
#132
○豊田雅孝君 ちよつと質問のポイントをはつきりさせておいたほうがいいと思いますから……。今福田議員からの御答弁のありました点は、抽象的にはわかるのでありますが、今回の法律案の第二条の第一号に、「左の業務を行う。」というので、「前条第二項の規定による納入金の受入」これははつきりしておつたのでありますが、第二号に、「機械工業の振興に必要な融資のための銀行その他の金融機関に対する資金の貸付」これも大体わかりますが、第三号は、「機械工業の振興を目的とする事業に対する補助金の交付」これが第三項では、「自転車振興会連合会等は、第一項の業務を包括的に商工組合中央金庫に委託しなければならない。」というようになつておるのでありまして、「納入金の受入」「資金の貸付」、ここらまではわかるのでありますが、補助金の交付まで包括的に商工組合中央金庫という金融機関に委託しなければならないものであるかどうか。それから四号の「その他機械工業の振興を図るため必要な業務」を包括的に委託して行かなければならないのか、委託せられた場合、実際の運用はどうなるかという疑問を持つておるのであります。その点の答弁をお願いいたします。
#133
○衆議院議員(福田一君) 補助金の交付のような仕事までも包括的にこれを商工中金にやらせるということは、実は自転車振興会というものについては、いろいろ疑義があつたりしまして、そういう事務を扱わせますと、場合によつては弊害が起きやしないかということを我々は非常に恐れておる。ところが商工中金は、御承知のように公的な性格を持つておるものでありまして、その意味で我々もまだ自転車振興会よりも信用はある。そういう信用のできるところにやらせるのでなければいかんと、こういう意味で自転車振興会は一切の事務をやらないで、そうして包括的に全部商工中金に金の出し入れの問題を全部やつて頂く。今までは商工中金あたりは若干なことはあつても大きなミスを見ておらない。我々は実際そこを信用していいんじやないかというので、包括的に商工中金にやつて頂く、こういう考え方であります。
#134
○豊田雅孝君 御趣旨はよくわかるのでありますが、納入金の受入という業務、或いは資金の貸付業務ということについては、これは商工中金としましても手慣れたものでありまして、当然お手伝いすべきだと思いますが、補助金の交付や機械工業の振興を図るために必要な業務ということまでやらなければならないということになりますと、商工中金が一応官庁業務までやるということになると思うのでありまして、その点、そういう実際の運用になるのかと、その点を疑問にいたしておるわけであります。
#135
○衆議院議員(福田一君) 実はその商工中金が、今言いましたような包括的な事務をやります場合には、貸付金その他については勿論商工中金がエキスパートでありますが、補助金交付その他については、そういうことはやつておられなかつたことは事実であります。こういうことにつきましても、先ほど申しました通産大臣の指示がなければできないことに本法ではなつておるのであります。従つて、通産大臣が具体的にどこそこへどういうように出してやれということを指示するわけでありまして、その指示に基いてその金額をそこへ交付する、その金銭の授受の関係のみが、その場合においては、この補助金の場合等においては商工中金の仕事に相成る、こういうわけでありまして、貸付金等の場合においては、十分商工中金の御意見を尊重するのでありますが、補助金その他の分につきましては、今御質問のような点につきましては、これももう通産大臣の指示一木で大体動いて行く、こういうことに相成ると思います。
#136
○豊田雅孝君 然らば最後に伺うのでありますが、「その他機械工業の振興を図るため必要の業務」というのは、具体的にどんなものを想定されているのでありますか。
#137
○説明員(馬郡巌君) この業務の内容につきましては、さつき福田先生からお答えございましたように、協議会に諮問して最終的には決定するわけでございますが、一応私どもが現在考えております点は、補助金の交付という形をとらずに、業務の委託という形をとりまして、或いは従来自転車でやつておりましたような総合カタログを世界に頒布するための事業をやつて行きたい、こういうような仕事を考えているわけでございます。そのほか中小企業の振興のために必要な診断員を置く事務を委託するというような点であります。
#138
○豊田雅孝君 そういうものも通産大臣の指示があれば、商工中金が扱うということになるわけでございますね。
#139
○衆議院議員(福田一君) 一年間でありますから、大変商工中金には御苦労だと思いますけれども、お願いをいたしたい、かように考えているわけであります。
#140
○海野三朗君 先ほど伺いましたその技術のいわゆる研究、材料の研究というようなものに対してはどれだけ、何%ぐらいお出しになるお考えでありますか。
#141
○衆議院議員(福田一君) これは法律にもございますけれども、委員会が通産省にございます。その委員会に通産大臣から諮問がございます。どれぐらいの金をどつちのほうへ使つたらいいかということを諮問するわけであります。それでまあその諮問によつて、通産大臣が大体きめて行くわけでございますから、ここで明確な御答弁を申上げることは困難でございますけれども、原案といたしましては、まあ一応先ほど申し上げた趣旨でございますから、自転車関係で一億五千万円ぐらいが輸出振興と技術の改善、こういうほうに考えられる。それから又貸付をいたします場合でも、改善すると、改善、改良というものでなければ貸付をいたさないということになつておりますのと、もう一つは科研その他に補助金を出すというような場合、これは五千万円を一応予定しております。これももつと殖やしてもいいと思うのでありまして、必要があればその諮問委員会で十分一つ御研究を願つて、出して頂くようにしたいと思つておりますけれども、我々の考え方としましては、できるだけそつちのほうに重点を置いて、まあせめて罪滅ぼし的にでも考えて行かなければ、これは意味がないのじやないかというような私たちは考えを持つているわけであります。この趣旨は衆議院におきましても附帯決議がついております。技術振興に十分金を余計出すようにという附帯決議がついているので、法案が通りますれば、政府においてもこの附帯決議を十分尊重するだろうと思いますし、又当委員会においても、特にその点については、海野委員からもしばしば御質問がございました。これは十分我々としても、政府はこれを尊重して運営して行くべきものである、かように考えます。提案者としましては、そういうように運営されるように、まあ幸いにして御承認を得ますならば、一つお骨折りをさして頂きたい、かように考えているのであります。
#142
○海野三朗君 もう一つ、その諮問委員会といいますのは、構成メンバーは局長あたりの人ですか、どういう人を以て構成されるおつもりですか。
#143
○衆議院議員(福田一君) この協議会のメンバーといたしましては、関係官庁の職員といたして、通産省の重工業局長、それから工業技術院長、これは御承知のように補助金を出しております。それから運輸省船舶局長、大蔵省の主計局長、関係業者の代表といたしまして、自転車、自動車、造船関連工業、一般機械工業の代表を一人、それから一般の学識経験者、経済学者、それから機械工業の技術者、こういう者を入れております。それから事務取扱者といたしまして自転車振興会連合会、小型自動車競歩会連合会、全国モーターボート競争会連合会、商工組合中央金庫等からも一人くらい委員を入れたい、かように考えておる次第でございます。
#144
○委員長(中川以良君) 他に御質疑ございませんか。それでは本日はこの程度にいたしておきたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#145
○委員長(中川以良君) 明日は午前中は技術士法案の小委員会を開きまして、午後一時から委員会を開くことにいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト