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1953/04/27 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 水産委員会 第21号
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1953/04/27 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 水産委員会 第21号

#1
第019回国会 水産委員会 第21号
昭和二十九年四月二十七日(火曜日)
   午後二時三十五分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     森崎  隆君
   理事
           秋山俊一郎君
           千田  正君
   委員
           青山 正一君
           森 八三一君
           木下 源吾君
           菊田 七平君
  国務大臣
   国 務 大 臣 安藤 正純君
  政府委員
   外務政務次官  小滝  彬君
   厚生省公衆衛生
  局環境衛生部長  楠本 正康君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       岡  尊信君
   常任委員会専門
   員       林  達磨君
  説明員
   水産庁生産部長 永野 正二君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○水産政策に関する調査の件
 (ビキニ被爆事件に関する件)
 (漁船だ捕事件等に関する件)
 (補助金等の臨時特例等に関する法
 律案に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(森崎隆君) 只今より委員会を開会いたします。
 ビキニ被爆事件に関する件を議題といたします。
 速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#3
○委員長(森崎隆君) 速記を始めて下さい。
#4
○説明員(永野正二君) 一応私から御説明申し上げておきたいと思いますが、実は今お話の通り直接被害の中ではつきりと、例えばまぐろを何貫目捨てたというような関係はすぐ算出ができるのでございます。併しそれと関係いたしましてそりまぐろを捨てに行きます場合に、捨てに行きます場合の費用がございます。それから何日問かそのために時間を費やしますため、その時間の間同業者が損失をこうむるという問題もあるのでございます。で、これらを一括して私どもとしては損害を補償してもらいたいと思つておりますけれども、これらの損害を補償するという、何と申しますか、原則と申しますか考え方と申しますか、それにつきましてやはり政府全体といたしますと、或る程度アメリカ側と交渉をして、見通しを得た上に出したいと、従来は私は考えておつたのでございます。現在のところではその交渉がなかなか実は急速に、円滑に進んでおらないのは非常に残念でございまするが、なおこういう状態が続きますようでございますと、我々はその直接被害のうち、部分的に切離して、当然はつきりすべきものは切離して、中間的にでも政府として或る程度の措置をしなければならんのじやないかと、こういう考え方を持つておりますが、この点なお国務大臣、会長といたしまして政府部内の協議会で以て十分急速に検討して結論を出したいと、こう考えます。
#5
○森八三一君 今の永野部長のお話だと、私の非常に心配しておる取次ぎになつてしまうのです。日本政府で調査をして、これだけはどうしても被災者のためにやつてやらなければならんと計算をされたものがきまつてそれを対米交渉へ移して、向うのほうで容認された部分だけをやつてやると、こうなるというと、これは取次ぎになつてしまう。政府が確信を持つてこれだけはどうしてもやつてやらなければいかんという面接被害のものがきまつたらそれはすぐやつて頂きたいと思います。その確信に基いてこういうような交渉に移していいじやないか、それがきまるきまらんということは別問題です。
#6
○説明員(永野正二君) 只今森委員の御指摘のような方向で考えておるのでございまするが、政府といたしますと、やはりアメリカとの間の話合いにおいて原則と言いますか、考え方というものについて見通しを得た上でまあ従来としてはやりたいと、こう考えておつたのでございます。
#7
○千田正君 どうも今の永野部長の考え方はさつき森委員から尋ねられた通りお取次ぎするだけのことじやないように考えられるんですが、さつき私は外務大臣でもおれば……外務大臣が我々委員会並びに本会議においてこのビキニの原爆に対するところの問題について、はつきり答弁しておる。それでこれは丁度安藤国務大臣も来ておられますから、この際はつきり伺つておきたいのは、あの当時外務大臣がビキニにおけるところの原子爆弾、水素爆弾の実験に対しては日大は協力しなければならないということをはつきり言つています。協力しなければならないと。我々としては、成るべくアメリカで、やるならばアメリカ国内でやつてもらいたいんだと、日本の国民がこういう被害をこうむるということは、戦争であの通り長崎や広島でこうむつたほかに、平和な今日において又実験、いわゆるモルモットみたいなやり方をやられるのではとてもたまつたものではない、やるならば自分の国でやつてもらいたい、こういうことを我々及びほかの議員からも質問したときに、外務大戸が日米協定の中にあるように、我々は国連の仕事に協力するのだからこういうことは止むを得ない、当然なすべきことであるということを言つた以上は、こうした被災に対しては、日本の国として被災者に対し当然不幸な事態に対する補償はしてやるべきものである、私はこういう観点に立つております。でありますからアメリカが払う払わぬは別としまして、日本の政府としては当然協力すべきということをはつきり外務大臣が言つている以上は、国内においては当然政府がこうした被災民に対する補償をするものであるという観点に立つて私は質問するのですが、安藤国務大臣はどうお考えになつておりますか。
#8
○国務大臣(安藤正純君) それは先ど申上げましたように、建前として協力する、外務大臣もその点を言ついるのだろうと思う。実験をあの水域でやることを否定はできない。併し損害をこうむらせれば、それに対する賠償の責任はあると言つておるのですから、つまりそこから起つた損害だからアメリカに賠償を要求するというのは当然のことである。そういう建前でやつておるのですからそれで進んで行く。アメリカにおいてもこれを拒否することは必ずないと思います。そして額がこちらで算定した額より少いということはないと思う。それは算定の標準がそう違うわけはないから、同じところへ行くと思います。けれども万一それが総額の上において少いとか、或いは又少ければそれだけ日本が持つ、又余り遅れれば先ほどからお話のように、立替というのはおかしいけれどよ日本は先に出して、その救済に応じてやるという方針は持つておるのでありますから、要するに先ほどからのお話はよくわかりました。よくアメリカのほうの事情を探りまして、こちらから促進する途をとるべきものはとつて、成るたけ早く決定をしてもらつて、実行をしたい。それはまだなお遅れるようならば、臨時の処置をとるように進めて行きたいと思います。
#9
○千田正君 そこで、これは安藤国務相は、あす静岡の県知事を呼んで、実情をよく聴取すると、これも一つの方法でしよう。これは現実において非常に困つておる。これは水産庁当局も答弁をして頂きたいのですが、この原子爆弾の事件以来取つて来た魚は捨てなければならない。又仮に捨てなくても、検査の済んだ魚にしても、魚価は非常に低落してしまつて、そうしてこれに従業しておつたところの漁民は、当然もらうべきところの費用ももらえない。従つて自分の家族の扶養もできない。更に損害を受けた船が再び操業するまでの間なかなか容易な事態ではないのでありまして、このためには何らか融資をしてもらわなければ到底再び出港できない。家族は困つておる。又実際直接の被害を受けた者は病院に入つて明日か明後日かというような、死を前にした深刻な状況に立至つている。これに対して、私は単なる気休めを言つているわけには行かないと思う。そこで少くとも政府はアメリカに対しては、一応要求はしておる。同時に国内におけるところの現実をはつきり把握して、今日にも何とか考えてやらなければならない事態を生じておる。今日において荏苒アメリカの答えを待つておるということは当を得たものではないと思う。でありますから、間接の被害であつても、今日もはがきでたくさん陳情して来ておりますが、とにかく地方へ帰つて、原爆の被害を受けた、何とかして又行きたいのだが、百万円なら百万円融資を受けなければ、全部船の装備をかえて行かなければならない、融資を頼みたいと言つても、地方銀行は貸してくれない。それは政府から指示もなければ、親銀行から指示も何もないから、それでなくてさえも漁業金融の切迫しておる今日において、原子爆弾の被害をこうむつたからと言つて、地方銀行は直ちにそれに対して融資の方法など、全然講じておらない。こういう実情にあつて、なお荏苒として延ばしておくということは、これはアメリカと日本との感情上、非常にこれは国民感情から言つても、甚だ当を得た問題じやないと思う。そういう意味から言いまして、これは早く手を打たなければならない。そこで私は何らかの方法において、明日にでも明後日にでもよろしいが、最も近い機会を捉えて、政府は金融の措置なり、或いは従業員の家族に対するところの処置なり、或いは業者、この業者というのは資本漁業じやないのです、主として、中小企業家のやる漁業である。こういうものに対して、再び操業できるような方法を講じてやらなければならない。何かの方法を考えておるかどうか。この点を私は安藤国務大臣及び水産当局に伺いたいと思います。
#10
○国務大臣(安藤正純君) 今のお話の通り、静岡県の知事を呼んだのもそういう点で呼んだのですが、よく調べまして、その融資の点では、先ずあらかじめそれを極力斡旋して促進するつもりです。
#11
○木下源吾君 今のお話を聞いておると、アメリカから損害をもらわなければやらないのか、アメリカが一銭もそういうものを出さなくても、日本政府の責任において、これらの国民を保護するという建前から何らかの措置をしなければならないと考えておるのか、この点を先ずお伺いいたします。
#12
○国務大臣(安藤正純君) 先ほどから申します通り、アメリカの賠償の責任があるから、その建前で交渉しておるのです。併しながら日本の政府は、それで責任をアメリカのほうへなすりつけてしまつて、それで能事終れりと言つているわけじやありませんから、アメリカがよしんば出さんということは万々ありませんが、若しそういうような場合には、日本政府が責任を持つてやるという覚悟です。
#13
○木下源吾君 どうもその点がはつきりしないので、アメリカが出さんということはなかろう、ということと、それは別の問題だと思うのです。日本国民がこのような不時の災難に会つたのだから、政府は国民を保護する責任上、これに対していろいろな救済の措置をやるのだ。こういうことが先決問題としてやらなければならないのじやないか。例を言えば李承晩ラインのために拿捕された日本の漁船が向うさんからは賠償も何もないけれども、政府の責任においてこれらの拿捕された船の代船建造のための融資をする、併し政府はそうするためには法律を必要とするからというので、先に水産委員会では法律を作つてこれが救済の方法を講じたわけです。政府はそういう国民を保護するための融資なり何なりをしなければならないが、今の制度の上ではそれができないというならば、国会の我々は我々としてこれを救済する何らかの方法を講じなければならないと思うのです。ですから、政府に無理なことを我々は要求しておるのではなくて、その建前をはつきりして頂きたいと、こういうことなんです。今日の場合においては、我々はそれをはつきりして、政府が今これを救済する法律的根拠は何もない、であるからアメリカの損害賠償というものを待つておるのだ、というのであれば、それでよろしいのです。我々国会は国会として考えなければならない点があると思うのです。それをはつきりして、一つ御答弁を願いたいと思うのですが……。
#14
○国務大臣(安藤正純君) 何度も同じことを言うようですが、これはアメリカに対しまして賠償を要求するのが当然のことだと信じますので、アメリカに要求しているわけなんです。併し政府はやはり責任は持ちますから、アメリカに対して要求する、それがそれで解決すればよろしいし、解決せざる場合は日本政府が衝に当つてやる。こういう方針なんです。
#15
○木下源吾君 只今の御答弁でやや明確になつたのでありますが、アメリカが日本に、その問題について賠償するということと、日本政府が独自の立場から国民、漁民を保護するということは別問題ですね、これを一応お伺いしておきます。
#16
○国務大臣(安藤正純君) 漁民を保護するということ、これは政府の責任であると考えます。
#17
○木下源吾君 そういたしまするというと、今現行の法律の上では十分にこれを保護する方法があるのですか、ないのですか。
#18
○国務大臣(安藤正純君) 政府がこれを保護するのですか。
#19
○木下源吾君 ええ。
#20
○国務大臣(安藤正純君) 責任はありますが、どういうふうにしてやるか、ということは、そういうふうにきまればそう方針をきめてやつて行くわけになります。
#21
○木下源吾君 きまればではなく、今の制度です。これを特に救済するということができるのですか、どうですか。この間の李承晩ラインのときに我々は別の法律、融資をしてやるという法律を作つてやつたわけです。その点をお伺いしておるわけなんです。
#22
○国務大臣(安藤正純君) この、今多少の時間の間に、話が進んで行きますから、それによつて時間が余りかかるとか、或いはアメリカのほうが見込がないとかいうことになればおのずから臨時的の措置を講じて政府はその責に当ることになります。
#23
○木下源吾君 臨時的措置というのはどういうことをおやりになろうとしておるのですか。
#24
○国務大臣(安藤正純君) 今まだそれは考えておりません。
#25
○木下源吾君 そこなんですよ。アメリカから賠償をもらうということと、政府として漁業者なり、間接被害者なりの損害を補償するということは別だ、こういうことですね。それで別ならば別で政府はみずから進んでアメリカの問題は問題として別であるから、これを解決しなければならんのじやないかということをお尋ねしておるわけなんですが。それがなければ、政府として今やる方法はないというならば政府が進んで法律を出してこれを作り……法律を出すとか、或いは議員の側で出すとかいうことにしなければならんのじやないかということをお尋ねしておるわけなんです。アメリカとこちらの政府の国民に対する責任とは別なんですよ。
#26
○国務大臣(安藤正純君) ただ二重にするということはできませんから、アメリカのほうで解決が早くできればそれでよかろうと思うんですね。
#27
○木下源吾君 アメリカのほうは或いは出さないかも知らないんですよ、それは。というのは、李承晩は出さないんですね。そういう政府もあるんですよ。アメリカは出さないかも知らないんです。アメリカは出さんければいつまでもふつ飛ばしておくのかということになるんですね。
#28
○国務大臣(安藤正純君) アメリカは出さないと思つておらない。アメリカは出すと確信しているんですよ。併しながら長くなればおのずからそこに解決の途を講じなければなりません。
#29
○木下源吾君 出すと確信しておりましても、そのこととは別じやありませんか。アメリカが、一体アメリカ政府は日本の国民を保護する義務が今度の場合あるんですか。それが問題だと思うんです。アメリカ政府は今度の場合日本国民を保護する責任を持つておらんとするならば誰が一体、この漁民は誰に一体訴えるか。日本政府に訴える以外はないじやありませんか。日本政府はこれを取上げないという態度を今表明するんではなかろうと思います。アメリカにもらわなければこれを解決しないという、長くなればやるんだとするならばそれでやるんだ。併しながらやることの、遅い早いは別問題として原則的に日本政府が責任を以てやる、これを救済するんだということが明瞭だと思うんですね。この明瞭なことをなぜおやりにならないのかということを皆さんが今お聞きになつておるところなんですよ。
#30
○国務大臣(安藤正純君) 日本の政府が漁民を保護してやるということはこれは当然のことであります。その手段として今度は、それは建前なんです、その手段としてアメリカへ賠償を要求しているわけなんです。それはまあ順序なんですよ。併しながらアメリカのほうがそれに応じないという場合は日本の政府がその責に任ずると、或いは遅れればそれを臨時の処置をとろうというわけなんです。
#31
○木下源吾君 もう一言言つておきます。外務大臣の答弁では日本はアメリカの水爆実験に協力する、しなければならない、こういうことを言明しておるんですね。協力するということになれば、或いはどんな損害も、どんな生命を、財産を失つても協力しなければならないのかどうかという点もまだ残つておるんですよ、事実において。そういうことをはつきりさせるためにも日本政府の立場というものを明確にしなければ、アメリカのやることなら何でも協力するんだと、こういうことに誤解を受けてもこれは非常なつまらんことになるんです。日本国民としては非常な不安だと思うんですよ。この点は一刻も早く私は明確にしておくことが必要だと考えるのと、現実にも又これらの損害を受けた、被害を受けた者は非常に困難を感じておる。従つて日本政府はこの面についても、今までこんなに長くうつちやつて置くということはこれは当を得たことではないと考えておる。それで我々は、国会議員としては何とかこれを解決しなければならんというので、しばしば政府の事務的の、或いは政治的な方針を聞いておるわけなんです。政府がこれをおやりになるというお考えがないならば国会は国会で独自の立場として我々はものを考えなければならんのです。この解決のために努力しなければならないと考えておるのでありまして、それにしても今のような御答弁でアメリカからもらうということでこれを救済するのだということが政府が原則だというのであれば、それでもいいのです、政府のお考えならば。そうではなく、アメリカから救済を受ける、或いは賠償を取ると取らんにかかわらず日本政府としては日本国民を保護する建前からこれを、損害を賠償しなければならんと、こういうように政府が厳然たる態度であるならば、私はそれでアメリカは又了承するわけなんです。いずれともつかない今の御答弁では我々は判断を下すことができないと、こういうような立場をとつておるわけなんです。
#32
○青山正一君 先ほどから全水産委員が同じような口調で申上げておることは、例えば日本の内地において水害の問題があつても、政府がその措置を講じておる、或いは韓国の問題があつても皆措置を講じておる、又オホーツク海の地震の問題があつてもやはり政府が途を講じておる、こういつた自然的な現象に対しても、その他の現象によつて起きた問題についても、政府がいろいろ措置を講じておる。併し原爆、ビキニの問題については、三月一日以降、二月になつておりますけれども何らその措置を講じていない、だからアメリカの補償を待つておつたのでは、なかなか立つて行かないからして、アメリカの補償が来るなら来るで、それとは別に、一つ何とか政府として、水害の問題とか、或いは韓国その他の拿捕の問題、或いはオホーツク海の地震のような問題と同じように、国内的に政府として一つ途を講じて頂きたい。二月にもなつて今なお調査中調査中では困るというような、全部の委員の意向がそこにあるわけですから、その点特に政府のほうで御留意願いたい。この前の委員会も、十日にもなつておりますが、その際においても調査中、きようは十日後に行われた委員会ですが、現在に至つても調査中では困る、何とか途を講じて頂きたい、こういうような意思の下に、みんなやつておるわけです。
#33
○国務大臣(安藤正純君) 調査中ではないのですよ。もう直接損害は調査は終つて要求中なのです。間接被害のほうは先ほどから言う通り、限定の範囲というようなことについて今調べておる最中です。それから要するに、アメリカがやつたことなのだから、そのアメリカに対して損害を要求するのは当然だという建前なのです。それをやつておるのです。併しながら政府に漁民保護の責任がないのじやない、無論あるのです。ですから、従つて事実上から言えば、長くなれば困るから時間を限つて、余りに延びればそれはそれとして、日本政府が適当の措置を講ずることにしたい方針であります。
#34
○木下源吾君 そこなんですよ。日本の被害の漁民、又業者がアメリカに請求する権利があるのですか、その点をお伺いしたいのです。
#35
○国務大臣(安藤正純君) それは法律的にはどうか知りませんが、これは漁民が請求するか、しないか知らないが、日本の政府としては、アメリカが実験をして、危険区域外にいた船に損害を与えているのですから、これは要求する権利があると思います。
#36
○木下源吾君 漁民自身がですか。国民の一人々々がアメリカに要求するのですか。
#37
○国務大臣(安藤正純君) 国としてですね。
#38
○木下源吾君 そうでしよう。国には権利があるが、個人々々には権利がないとしたならば、権利のない国民に対しては、政府が救済しなければならないというのは自明の理であります。そのようなことであるならば、アメリカから来る来ないは政府の問題であつて、漁民対政府の問題ではないのではないでしようか。だから政府は一刻も早く救済しなければいかんということに我々は考えるわけです。
#39
○国務大臣(安藤正純君) 併し日本の国としては、アメリカに要求するのが当然の道筋だと思います。漁民に対する保護は、例えば治療のごときはやつておるのです。その他生活費であるとかいつたようなことは、それぞれ県庁等でその途を講じていると思います。それでありますから、今県知事等も呼びまして、その点を調べて、これに対して、差当り融資を斡旋をしてやる。併し根本的のアメリカとの解決が長くなれば、それは日本がやる、こういう今は順序をとつておるのであります。
#40
○木下源吾君 個人の生活保護とか、そういうものは別としましても、それは幾らかやつております、それは事実でありましよう、併しながら業者が受けた損害に対して何かやつておりますか。
#41
○国務大臣(安藤正純君) 業者に対しての損害はやつておりましようが……。
#42
○木下源吾君 それを言つているのですよ、皆さんが……。個人々々の病人に対する問題も不十分であるので、業者に対しては全然やつておらないじやないかと、業者が直接アメリカに交渉しろと政府が言うならばこれは別問題ですよ。そうではなくて、政府がこれを今までの例で行けば、自然的な災害その他においてもいろいろこれを、救済の途を講じておるのですよ。これは当然政府がやるべきなんです。そのやるべきことをなぜ政府がおやりにならんかということを、各委員が今言つているわけなんです。言葉は非常にいろいろ違つておりますけれども、それを言つているわけなんです。そうすると、政府は向うから持つて来れば、やるつもりでおられるのだが、なかなか来ないのだと、余り長くなるようだつたら何とかすると、おつしやるから……。何とかするという臨時的な措置というのはどうだと言うと、それはまだ講じておらない。どうするかわからん。これでは折角の御意見も何にも根底がない。皆さんがこうして聞いておることを、何を聞いておるかわけがわからんことになつてしまうのです。その点は大体おわかりになるだろうと思うのですが、どうでしよう。
#43
○国務大臣(安藤正純君) 差当り融資を斡旋をして、それで今の漁業者にとか漁夫とかいうものに対する途を講じよう、更に長くなれば、あなた方のおつしやる通りに、日本の政府で救済の途、賠償を増してやるということをする考えなのです。
#44
○木下源吾君 長くなればと言つて、相当長くなつているのですよ。初めのほうから見れば、これだけ長くなつております。次から次へと又来ておるのですよ。
#45
○委員長(森崎隆君) ちよつと、厚生省のほうは、ほかに要求があつて急いでおりますので、国務大臣に対する質問はちよつと待つて頂きたい。別にございませんか。
#46
○千田正君 議事進行について。私厚生省に伺いたいのですが、厚生省としましては直接の被害者であるところの漁夫の治療その他に対しては十分手を尽しておるようであります。且つ又漁船、或いは漁獲物その他に対しては、陸揚げ港において、それぞれの措置を講じておるようでありまするが、一体これで十分かどうかということは、我々は到底判断がつきません。もう一つは、いつか新聞でも書いておつたようでありますけれども、原子病と言いますか、原子爆弾におけるところの被害の治療というものに対しては、恐らく日本が最も深く研究しており、又広汎に実験の資料があるわけでありますが、これに対して、一体画一した治療の行政方針を立てておられるかどうか。現在の場合は、被害を受けた人たちのことしか考えておらないでしようけれども、次から次へと、これは起きて来る問題として我々は考えざるを得ないのでありまして、これについてはどういうふうな方針をきめておられるか、現在やつておることと、将来起るであろうという予測の下に、厚生省として立てておる方針について、一応お伺いしておきたい。
#47
○政府委員(楠本正康君) 現在各港におきまして、検査を実施いたしておりま丁が、これらは一つの基準を設けて廃棄すべきものは廃棄し、安全なものは検印しておるわけでありますが、これらの方法は、むしろ厳格過ぎると思われるくらい十分徹底しておるものと考えております。なお被害漁夫その他の救護の措置につきましては、これらは差当つては漁業会等が立替払をしております等の関係もありまして、差当つた措置としては、或る程度生活に不安がないものと考えております。
 次に、第二番目の御質問のこの治療方針の問題でございますが、これにつきましては、目下各学者を網羅いたしまして、委員会を組織いたしまして、それぞれの立場で、専門的に研究を続けております。逐次これらの実態が明らかになつておりますが、何分にも、まだ日本で最初の経験でもありますので、必ずしも最後的な治療方針というものは確定したとは言えないのでありますが、これらの点は極めて残念な問題でございますが、更に世界各国の協力も求めまして、これらの治療方針を速かに確立いたしたい考えでありますが、何分にもむずかしい研究でありますために、果してどの程度の成果が挙るかということは、今ここで直ちにお答えすることはできません。
#48
○千田正君 今お話の中にありました直接の被害を受けた漁夫一人々々に対しては、まあ最もひどいのは病院へ入れておる、その他の者は漁業協同組合その他から立替えてもらつて、一応漁夫の生活を支障のないようにいたしておるわけでありますが、立替は政府のほうで何ら方針を示さないので、現実は自分等の積立のうちからやつておるのであつて、政府の方針というのではなく、むしろ協同の精神でやつておる、こういうことだと私は思いますが、これに対しては水産庁としてのお考えを伺つておきたいと思います。
 もう一つは、この間第五福龍丸を政府が買取つて、そして今焼津ですかどこですかべ繋留しておるそうでありますが、地方民はそういう所へ置いてもらつては非常に困る、何とか処分してもらいたい。こういうものを放置しておいて、何ら環境衛生に害がないかどうか、厚生省としてどういうふうにお考えになりますか。
#49
○政府委員(楠本正康君) お答えを申し上げますが、被害者の治療その他につきましては、一切国の責任におきまして、目下治療を進めておるわけでありますが、ただその家族につきまして、先ほどお答えを申上げましたように、現在は漁業組合等からの立替払で支弁しておるわけであります。それならばなぜ政府はこれに対して直ちに適切な家族に対する援護の措置を講じないのかという問題でございますが、これは先般来お答え申上げておりますように、たまたま全員が被保険者でありますので、船員保険のほうから当初四カ月間に限つて全額の料金支給がもらえることに相成つております。併しながらこれらの額は実際の収入よりは保険料との関係もありまして下廻つておりますのみならず、現地の家族の意向といたしまして、今直ちにかようなものによつて処置されることは、やがて将来アメリカから賠償される金額等にも影響しはしないかという懸念もありまして、むしろ私のほうではできるだけ大幅に保険の措置によりまして生活を保護したいと思うておりますが、むしろ現地の希望によりまして、暫らく待つてくれ、これは一つ我々のほうでやるからという話で、これも尤もだと存じましてさような措置をとつておるわけでございます。勿論将来は、先ほど安藤国務大臣もお答えをしておりますように、賠償問題が決定した暁にはそれぞれ清算をいたしますし、又一方被保険者としての権利も当然そのときに清算いたすべきものと考えておる次第であります。
 なお第二点の福龍丸を現在まだ焼津港に繋留してあることは事実でございますが、これは当初政府が買上げまして、文部省がこれを管理することになりましたが、ところが文部省といたしましても適当な繋留場所、或いは持つて行く場所もないというようなことで、現在まで延び延びになつておるわけでありますが、ただ先般地元の静岡県と打合せました結果は、まあ今までやつたのに、今、ここで直ちにどこかへ急に行つてもらうということもないので、当分の間は焼津に置いて管理をしてもいいが、併しできるだけ速かに適当な所へ持つて行つてくれという意思でございます。なおこれらの船は目下張番をつけまして厳重に立入りその他を監視をいたしております。
 なお船体の放射能等もかなり減少いたしておりまして最近は当初の二〇%程度にまで減少いたしております。かような点から考えまして、殊に現在張番で人が近寄れませんので環境衛生上は別に何ら支障ないものと、かように考えております。
#50
○千田正君 今、環境衛生上はそう心配はないというのでありますが、焼津の人たちの不安が非常につのつておりまして、こういうものをここに置かれたのでは困る、実に我々は見るのも績だというのが率直な住民の考え方です。だからこれは早く何とかして処置をしてもらいたいと要求しております。
 それからもう一つ、原子治療に対するところの方針の確立について、厚生省当局としましては、恐らく予算は十分でないのじやないか。今の治療は差当りのものでありましようが、方針確立の意味におけるところの、やる裏付としての予算は十分でないだろうと思うのですが、そういう意味においてはつきりした方針が確立するために、予算の請求をすべきであると思うが、その点はどういうふうに考えておりますか。
#51
○政府委員(楠本正康君) 船につきましては、これは私どもも全く御指摘のように考えておりまして、できるだけ速かに適当な処置を講じたいと考えておりますので、この点はこれを管理すべき文部省に、至急、強力に主張をいたしたいと存じます。なお、この現在治療方針確立のためにいろいろ研究をいたしておりますが、取りあえず二十八年度予算三月分の経費におきましては、三十万円程度と存じましたが、これを支出いたしておりますが、なお新年度になりましてからも目下大蔵省に予算を要求中でありまして、近日これが最後的決定を見るものと考えております。その金額につきましては、この治療費を一応含めまして私どもは要求をいたしておりますので、これらが決定いたしますれば、この治療研究並びに治療等につきまして何ら支障はないものと存じておりますが、なお予算の見通しにつきましては、これは三月分の予算等に鑑みまして、まあ十分とは行かないまでも支障のない程度の予算が近日決定するものと見込んでおる次第でございます。
#52
○森八三一君 先日三崎の協同組合の組合長が来られて聞きましたお話に、今のお話では厚生省では非常にその後は厳密に検査をしておる、これはまあ当然なことで、やつてもらわなければなりませんが、その検査が、同一の魚をAの器械で検査をした場合には一〇〇なら一〇〇の反応が出て来る、Bの検査器でやつた場合には二〇だというように、検査をする器械によつて反応が区々まちまちであるというお話があつたのです。これは一体どういうことなのか、そんな検査の器械によつて区区まちまちだということになると、或いはその不要な廃棄しなくてもいいものまで廃棄すべしという結論も与えられておるような危険があつたのではないか、逆に言えば、廃棄しなければならんという程度のものも廃棄せんでもいいというような結論も与えておられたのではないかというような疑念を持つのでありますが、その検査ということを正確にやるということについてどの程度の確信があるのか、どういう方法でやればいいという見込なのかを承わりたいと思います。
#53
○政府委員(楠本正康君) この検査のやり方につきましては、最初比較的簡単な器械で全部を調べます。そのうち怪しいなと思われるものは更に精密な器械を使いまして念入りに検査をいたす次第であります。従つて検査が一応二段階に分かれますので、これらの単位が違つておりますので、そこで素人目に見ますと、それらの単位差から来る疑念が生じたのではなかろうかと存じておりますが、併しながら実際には慎重に検査をいたしておる次第であります。なおこれらの検査につきましては一つの基準を設けております。もつと詳しく申上げますと、一〇〇という数字を基礎といたしまして、一〇〇以上を大体目標に考えておる次第であります。そこで私どもといたしましては、検査の結果は飽くまで妥当なものであり、而も間違いないものであつて、従つて廃棄すべきものは廃棄し、差支えないものは差支えないと区別をいたしておると確信をいたしております。ただこの廃棄したらいいか、しないがいいか、つまりその限界点にありますものは、これには勿論問題はございます。併しながらこれらば如何なる場合にもある問題でありまして、この点は止むを得ないことと考えておりますが、とにかく検査の数字或いはやり方等につきましては確信を持つておる次第であります。
#54
○森八三一君 まあお話を聞いて一応了解できますが、先日も組合長の話では、この問題の起きた当初には厚生省のほうから現場にその検査をする器械を持つて来られてそれでやつておられた。ところがその器械はどういう必要があつたのか知れませんが、別の場所に引揚げをされた。そこで漁業協同組合が協同組合の負担において一基設備をしてそれでやつております。その二基で検査をすれば甲乙二つの結論が出て来る。それは同一の器械という話であつたのです。そこで今お話のように、二段階に検査をするといつても、その元の第一段階の検査が別々の結論が出ておるということになれば、二段の検査をやると、やはり基礎の検査が二重であれば結論もやはり二重に出て来るのではないか、こう思うから御質問を申したのでありますが、その点はどうなのですか。
#55
○政府委員(楠本正康君) この当初器械の生産が間に合わずに、検査の時間的ズレが出ましたために大変御迷惑をおかけいたしました。その結果止むを得ず現地においても組合のほうで検査を急ぎます関係もありまして、お買いを頂いたことは今になつては甚だ恐縮をいをしておる次第でありますが、併しそのときに二台た御購入願つたことも私ども承知をいたしておりますが、その二台の器械の間に差があつた云々という只今御指摘の点につきましては、恐らく何か器械の操作上の間違いではなかつたかと存じますが、この点はいずれ早速調査をいたしましてお答えをいたすことにいたしたいと存じます。
#56
○森八三一君 そうしますと、その器械によつて誤差が出て来て結論をあいまいにするということは絶対にないというものであると確信していいのか、器械によつてはやはり精密なものであるので、使用の方法如何によつては相当程度の誤差が当然出て来るというものなのか、その辺はどうなんですか。
#57
○政府委員(楠本正康君) これは比較的簡単な器械でありますし、簡単と申しますのは、その読み方が比較的簡単な器械であります。のみならず二段階の検査をいたしておりますので、少くも廃棄処分に値するものは、全然その誤差或いはその他によつて左右されるものとは考えておりません。
#58
○青山正一君 この問題について、水産庁に特にお願いいたしたいことは、先ほどから森委員なり或いは千田委員、或いは木下委員から再三発言のあつたように、国内的に政府自身が漁業の保護をやる、いわゆる政府自身が漁業者のためにしてやる措置と、それからアメリカの補償問題とこの二つの問題があるわけですが、安藤国務大臣と、それから政府当局、水産庁との連絡が非常に不調のように思われるから、水産庁は鋭意この調査を早急にして頂いて、この二つの問題を早急に解決願いたいということを特に申入れまして、又委員長からもそういう点を特に申入れて頂いて、これは別個に一つ十分に考えて頂きたいということを特に申入れて頂きたい、こういうようなことを念願したいと思います。
#59
○委員長(森崎隆君) それじや、私からちよつと楠本さんにお尋ねいたします。先般三崎のほうを視察いたしたのでございますが、この検査の結果の発表形式が、現地じやなくて厚生省で直接発表しておるという関係から現地の報道陣との間に多少いろいろな問題があるように聞いておりますので、その後この問題につきましては解決ができましたかどうかお尋ねしたいと思います。
#60
○政府委員(楠本正康君) 只今御指摘のように、発表を特に私ども慎重に考えまして、成るべく現地ではしないような指導方針をとりました。それが却つて現地の報道機関がいろいろ臆測をして発表する、或いは現地において記事がとれないためにとかくその現場の報道機関組合その他との間に若干の摩擦があつたことも承知をいたしております。これは御指摘の通りでございます。併し要は私どもは僅かなものの廃棄処分等はむしろ伏せてしまいたいというような実は感じで、かようなことをいたしたわけでございますが、なおこれらの点につきましては更にこの数、例えば先ほど一〇〇という単位ということを申しましたが、これらの点も将来賠償等の場合に問題となる重大なポイントでありますので、この辺も慎重を期してあえて発表を避けたわけでございますが、併し只今、その結果御指摘のような若干の摩擦ができまして、そこで私どもといたしましては、一方他の事務の簡素化と申しましようか、迅速というようなことからこれらの五港におきまする検査はすべて直接国がやることを避けまして、五月一日からは府県の責任において、国の委託事務として検査をやつてもらうことにいたしました。従つてこれを即応いたしまして、発表等も十分に注意しながらそれぞれ現地の責任において発表してもらうということにいたしまして、一応この問題は解決したものと、私どもは考えておる次第であります。
#61
○委員長(森崎隆君) 時間がありませんので、ちよつと厚生省に極く……。
#62
○森八三一君 今の点で、僅かなものは伏せたということは、これは非常に重大な問題なんですが、その魚は売れなくなつて皆困つておるのですよ。
#63
○委員長(森崎隆君) その問題は、伏せるというのは、例えば一千尾のうちで二匹、三匹、実際出たという場合にはそれは勿論廃棄するが、又出たと言えばそのときの全体が駄目だというようにとられやすいから、現地の漁業者の、二、三匹は折角でも捨てて、そうしてもう今度はなかつたというように発表してもらいたいという意味でございますから御了承願います。
#64
○森八三一君 それを説明してもらわんと……。
#65
○委員長(森崎隆君) それでは時間がございませんが、さつき森委員から申されました検査器の問題は非常に重要だと思いますので、まあ廃棄処分のまぐろが出る、出ないという問題で、まあ販売するルートがうまく行かないということよりもむしろ検査しておるが、あの検査が怪しいんじやないか、あの器械が悪いんじやないか、こういう噂が出ること自体がむしろ非常に魚価を下げる因じやないかと思いますので、まあ現地でも聞きますと、例えば検査器に出て来るところの計数がいろいろ変つて来るというような心配もあるとかいうようなお話もありましたが、そして又特に最近では検査器が大量生産されているとような点も考えられまして、検査器の検査ということを一つ十分正確にして頂きまして、これには絶対国民の信頼を得て検査をした結果、あとはこれは大丈夫だというような基礎的な条件を是非作つてもらいたいと思います。
 もう一つはも現地で三崎を見ましたが、極く少数の検査官の人が徹夜をして非常にやつております。これの超過勤務とか旅費等についてもいろいろ工面してやつておるだろうと思います。どうせ今のところは大蔵省から出ていないだろうと思います。あのままでは長く続かないと実は私は見ました。何とか一つ増員をするとか、又多少余裕がある、例えば病院とか或いはその他の官庁から応援を出すとか、十分に休養がとれるように交替制をもつと幅広くとるといつたような手段を講じまして、又そういう手段を講ずること自体が検査を本当に精密に正確にして国民の信頼に応えるということにも私はなると思いますから、こういう点も万遺憾ないように厚生省におかれましてお願いいたしたいと私考えます。
 もう時間がないようですから、厚生省のほうに御質問ございませんか。
#66
○青山正一君 この間厚生省のおかたはおいでにならなかつたが、三崎の魚市場と焼津の魚市場、塩釜の魚市場のその庭先で検査するということはやめてもらいたい。できれば三崎ならば城が島とか或いはその沖合で、そんなことぐらいは国家で設備しなければならんと思います。そうしなければ三崎に入つて一つのまぐろが放射能を持つておつたとなると、全部のものが放射能を持つておるということにみなされるわけであります。そういう点を考えて来年はその予算をはつきり計上して頂きたい、こういうことを特にお願いしておきます。
#67
○委員長(森崎隆君) 厚生省のかた、どうもいろいろ有難うございました。
 それで国務大臣に次に補償の問題でちよつとお尋ねしたいのですが、アメリカと交渉しておりまする補償の金額ですね。大体どのくらいでございましようか。交渉中の基本的な金額をお聞かせ頂きたいと思います。
#68
○国務大臣(安藤正純君) これは最後までの補償じやないんですね。中間的なものなんです。これはちよつと……。
#69
○委員長(森崎隆君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#70
○委員長(森崎隆君) 速記を始めて下さい。
 この金額の問題は別にいたしまして、これは対米交渉は直接被害についてやつておるわけでございますね。
#71
○国務大臣(安藤正純君) そうです。
#72
○委員長(森崎隆君) それで直接被害と間接被害との境界線をどういうところに置いておるんでございましようか。
#73
○国務大臣(安藤正純君) 直接被害は船の買上げ、それから船具、第五福龍丸に載せていた船具の損害、それから患者の治療費と生活保障費ですね、休んでおる間の。大体そういうところです。それから魚の、乗せていたまぐろに対する損害。
#74
○委員長(森崎隆君) これだけが直接被害だと、今も対米交渉の問題は中間的なというお話でございますが、今交渉しておる船具、船の賠償、治療費、生活保障費、又廃棄処分した魚類の補償等、全体を合せての直接被害は、全体の直接被害の一部かと、これは考えてよろしうございますか。
#75
○国務大臣(安藤正純君) 一部分、そうですね。
#76
○委員長(森崎隆君) それじや、これ以外に……。
#77
○国務大臣(安藤正純君) 例えば船のごときは一遍でおしまいですね。ですから、部分的なものと全体的なものとありますが、全体的に言えばその一部分です。
#78
○委員長(森崎隆君) それもよくわかります。それでその損害補償については、精神的な面は全然入れていないのですか。やはり科学的な資料だけで被害金額を出して、それに対して精神的な何といいますか、慰藉というか、そういつたプラス・アルフアの面は全然考えていないか、考えておるか、今津考える余地はないかですね。
#79
○国務大臣(安藤正純君) それは慰藉料のことを考えているのです。併しその前にひどく重体になるとか、死ぬことはないでしようが……、そういう場合と違いますが、これはやはり査定して、賠償を求めるつもりなんです。
#80
○委員長(森崎隆君) それでは直接被害、間接被害の明確な区別というものは現在までやつていないわけですね。少くとも直接被害とみなされるもののうちの主なものといいますか、若干のものが対米交渉の基礎になつているわけで、直接被害はこれこれ、これ以外にない。間接被害はこれこれだとはつきり区別はしているのですか、していないのですか。
#81
○説明員(永野正二君) 直接被害と申しましても、いろいろな種類のものがあるわけでありまして、例えば今後も放射能を持つたまぐろが参りますれば、それは廃棄処分にいたさなければならないわけでございます。
 それからこの問題が起りましたために、政府や地方公共団体、或いは民間の団体等で、これが対策のためにいろいろ措置をいたしました。これも直接と言えば直接と言えるような支出でございます。これらの点は一応あとの問題といたしまして保留いたしまして、現在まではつきり先方へ出ておりますのは、第五福龍丸関係の、只今大臣からお話になりました代船の取得に要する経費、それから船主及び乗組員のこうむりました経済的な損失、それから福龍丸に載せておりましたいろいろな船員の私物でありますとか、或いは漁獲物を、これは廃棄処分にいたさなければなりませんので、その関係の経費というようなものを一応取りあえず計上いたしたのでございまして、まだ今後の問題といたしましては、福龍丸乗組員一同が、今後身体に障害が残りますれば、そういう関係の精神的な補償といいますか、そういう問題と、今後起ります問題は、まだあとに保留してあるわけでございます。それから又、その後も廃棄処分に付しました漁偉物がございまするので、それらもなお今後の問題として残つておるわけでございます。
#82
○委員長(森崎隆君) それでもう一つ。アメリカの実験に対する協力ということは、すでに外務大臣からはつきり申されておりまするが、これは政府の根本的な方針だと思いますが、ただ私たちは、その点で、これは外務大臣に聞くのが妥当だと思いますが、協力の度合といいますか、例えば米国内で、国内で実験をして、米国人の中に、形は違いますが、今度のような日本人の受けた被害と同様な被害を受けた場合、これに対する救援資金を日本から若干出すと、これも協力だと思うのですね。こういうことの協力はできるだけ可能の範囲内でやつてもいいと思いますが、今度の協力は、外務大臣の協力という言葉を率直に聞けば、日本国民が少々犠牲を受けても、日本の産業が或る意味で壊滅しかかつても、やはり国連に対する協力という意味で、この実験には協力しなければならない。そういうように聞える面がたくさんあるわけです。そこにやはり国民自体、が非常な誤解、不満、忿懣を持つておるわけですが、それはやはり国民のまあ利害関係をしよつている日本の政治としましては、そこまでの協力を果してしていいかどうかという問題は、再検討して見なければならん問題です。単に国連の実験に協力するという簡単な言葉だけではなくて、やはりもつと具体的な面ですね、細かい、丁度法律に対して政令なり省令を出すように、実際この程度において協力するのだと、これははつきりして頂かなければならないですね。国民全体は非常な誤解を私は持つのじやないかと思います。これは一つ大臣から強く外務大臣のほうに、この点お話して頂きまして、国民の生命にもかかわるような産業の壊滅するような、そういう大きな犠牲を惜しまないで協力するのだということは、これは国民として承服しがたいと思います。又万一そういう肚で協力するのでしたら、そういう協力だということを、はつきり言つて頂きたい。
#83
○国務大臣(安藤正純君) お答えしますが、それは外務大臣が御答弁したのだから、外務大臣に私よく言いますが、併し私は外務大臣がその協力と言つたのは、おのずから限界があると思うのですよ。協力ということは、あのビキニの水域ですね、あの水域で実験をすることに対しては反対はしない、こういう協力ですね。その協力であつて、併しそうしてああいう非常に水素爆弾のような強い力を持つものを、今世界の大勢の上で実験をすることに賛成することは、これがその世界平和の維持になると、その意味の協力だと、岡崎君の言つたのは、そういう意味じやないかと思うのですね。でありますから、従つて日本のこの水産資源に大損害を与えるとか、或いは絶滅するとか、非常にそういうようなことにまで、協力してるんだから構わないんだと、そういうことでは勿論ないと思います。併しながら、よく外務大臣に相談したり、又この委員会の話をよく伝えます。
#84
○委員長(森崎隆君) 今の安藤国務相の申されることが、まあ岡崎さんもこういうふうに考えているだろうと思いますのですが、併し又それが事実だとしましたならば、この協力というのは即時取消して頂かなければならんことになるわけです。と申しますのは、アメリカで第二次的に発表しました禁止区域ですね、その外事に、日本の水産庁でもつと大きなスケールの一応警戒区域を作つてあるのですね。その警戒区域の外を通りましても、なお放射能を持つた船が帰つて来まして、日本の国内ではてんやわんやですよ。同時にそれによつて受けた、まぐろ漁場というものは、今根絶、壊滅の一歩手前にあるのですね。そういうことになりますと、アメリカがこれからは入つちやいかんというから、それに協力するということじや、これは収まらない。而も両院では実質的に、あの地域で実験することはやめてくれという意味の決議も一応出ている。それから考えましても、当時は常識的に岡崎外務大臣が、今のような協力ということを言つたのは、常識的に言つたのだろう、それはわかりますが、現段階においては、その常識ではとても許されないという大きな事実がすでに出ております。今になつて見ればあれは取消で、協力する、せんという問題じやなくて、あそこで実験するのはやめてくれと、そこまで行かなければ、日本国の外務省としては、国民に対して私は面子がないということを考えますが、そういう点も十分一つお取次ぎを頂きたいと思います。
#85
○国務大臣(安藤正純君) それは外務大臣によく言いますがね。外務大臣が言つたのは、恐らくまああの当時でありますから、協力というのはその常識的な意味でしようね。でありますから、協力という意味の解釈問題で、さつきあなたがおつしやつたような重大なところまでも協力してるんだから、どんな損害、大変な被害を受けても構わないということじやないと思いますが、併し、今日ではそれが明確でないということになれば、更にそういう点について明確にする必要があるでありましよう。
#86
○委員長(森崎隆君) その点お願いします。
 それからまぐろ漁業者のほうでは今非常に困つているので、早く政府による代替補償をせよということは、さつきから千田委員、森委員、又その他の委員から熱心に言われているのでございますから、さつきも大臣は、例えば取りあえずの多少の補償は県当局なんかやつているでしようが、というようなお話があつたのでありますが、これは静岡県知事も来られますから、お聞き頂いてもよろしいと思いますが、私は神奈川県のほうから聞いたのでございますが、昨年の李承晩ラインの問題で補償ができないのだ。そうして業者は困つたので、政府に幾ら泣きついても金は出さないというので、県のほうでやはり数千万円ほど金が要るだろうということでいろいろ出した。その後大蔵省のほうでは、お前の県は富裕県だ、そういうものが出せるのだから、大したものだから、あとお前のとこスベは出してやらんというので、出さたかつたということですね。これは現宝の問題としてあるわけですね。ですから今は各県当局もかわいい自分たちの県内の業者がこうして困つているから、何とか或る程度出したいという気持はあつても、思い切つたことができないのですね。やつてしまうと、金はお前のところにあるのだからお前のところは適当にやれというようなことで、国が成るべく出さないような方針らしい。そういうところもあるのです。それにもかかわらす、若干やつている点もございます。それで私はやはりこの問題は是非一つ考慮頂きたい。というのは、第二回目に出た金は、この間聞きますと、これまでの船主、或いは漁連等の銀行に対する信用で以て、或る程度の金を借りまして仕込みをして出たのですが、ところが魚価は御承知の通りもう百円を割つているくらいなのです。話にならないのです。採算がとれない。ところが今度は、第三回目は銀行も貸さないのですね。ところがもうどうも三回目の時期も来ておりますし、今度は又罐詰のまぐろが中心になつて来ましようと思います。非常に急いでいるわけです。それでさつきも申しましたように、アメリカとの交渉は、これは私は或る意味で大きなところをどつしりと一年間、二年間かかつてやつてこしらえてでも結構だと思うのです。併し半面ではこの第三回の出漁にもう本当にこれは困つており、或いは時期的に私のほうでは早く大体交渉等をやつてもらいたいと思うのです。これはさつき各委員からも申された通りなのですね。それでいつ頃までにこれができるのか。アメリカとの交渉がうまく行く、行かんにかかわらず、いつ頃までにやるのかというめどが今つきませんでしようか。例えば五月の十日頃までには、大体幾らほどの金を出してこれは各府県知事を通して融資をして、これまで出ておつたまぐろ漁船は、全部とにかく第三回の出漁はできるだけの措置は講ずる。それは大体五月の二十日なら二十日、或いは五月の末日になるかも知れないが、五月中には何とかするといつた、はつきりとした言葉が欲しいのですね。その言葉が今出なければ、そういう言葉がはつきりと公約できる時期はいつかということですね。大体まあこの月末、或いは五月の五、六日、まあ六日頃には、何日までにはそういう措置はする、大体金額は幾らだということをそのときに発表してくれても私はいいと思うのですね。そうしないと出漁の当てがつかないのですね。それがはつきりしましたら、漁業者のほうも又銀行からの信用で金を借りて、又行けるという見通しもつくわけですが、それが今はつきり言えますかどうか。言えなければ、これから何日かかつたら言える時期が来るか。そこまで今迫詰められておりますので、何か非常に性急に大臣をおいじめするようでございますけれども、それが聞きたいのです。
#87
○国務大臣(安藤正純君) いや、今それをすぐ即答するわけには行きません。でこれは各省寄つての、これは皆各省といろいろの関係もありますし、いろいろの立場もありますし、それぞれ調査したり、いろいろ進めていますから、その対策委員会によく協議しまして、又各省それぞれと打合せをして、その点をはつきりしたいと思います。
#88
○委員長(森崎隆君) それは結構ですが、次の対策委員会はいつ頃でございますか。
#89
○国務大臣(安藤正純君) 明日静岡県知事を呼んで、明日やるかも知れません。
#90
○委員長(森崎隆君) ああ、そうですが。明日やつて、明日の議題で……。
#91
○国務大臣(安藤正純君) はつきりしませんが、大抵明日やると思います。
#92
○委員長(森崎隆君) 明日の議題で一つ早急にこの問題を中心に取上げて解決できる見通しでございますか。
#93
○国務大臣(安藤正純君) よろしうございます。
#94
○委員長(森崎隆君) そうするとうまく行けば……。
#95
○国務大臣(安藤正純君) いや、今日それはここで即答するわけには私は行かないが、今日大分取つちめられたから、この状態を委員会に話して、(笑声)委員会の、いや、つまり委員と委員会の誠意をよく伝えて……。閣僚が寄つてやつているのですが、それはやりにくいのです。
#96
○委員長(森崎隆君) 各省が寄つたからなかなか議事が運ばないというのは、責任を免れることで……。
#97
○国務大臣(安藤正純君) それで責任を免れるというのじやない。ここの実情を、皆さんの要求をよく伝えて、又この話は無理もない話なんですから、よく話をして、成るべく早くはつきりするように進めます。
#98
○委員長(森崎隆君) それじや大体何ですね。その補償という形か、或いは融資という形でもいいですが、月末頃には、いつ頃までには融資ができる、補償ができるということが発表できますね。
#99
○国務大臣(安藤正純君) 月末はどうか知りませんけれども、遠からざるうちにそうするようにしましよう。
#100
○委員長(森崎隆君) 遠からざるというのが又一月も、二月もになつては困るのですが……。
#101
○国務大臣(安藤正純君) いや、その心配はないですよ。
#102
○委員長(森崎隆君) 大体どのくらいですか。あなたが委員長でございますから……。
#103
○国務大臣(安藤正純君) 数日間……。
#104
○委員長(森崎隆君) 数日間ですね。例えば五月の十日までには融資を幾らするということを発表できますね。
#105
○国務大臣(安藤正純君) いや、できるということは、ここではつきり確答はできませんが、そういうふうに進めます。
#106
○委員長(森崎隆君) 進めて頂けますね。
#107
○青山正一君 安藤国務大臣が確答できるまでには、やはり水産庁が協力しちやつて、そしてその調査中というやつを、一応調査を済ましたというような形をやはり安藤国務大臣に示さんことには、これは確答ができないわけなんですから、その点も一つ特に水産庁に申入れて頂きたいのです。
#108
○委員長(森崎隆君) いや、ちよつと待つて下さい。今の問題で永野君に岡きますがね。これはすぐ出る問題でしよう。細かいデータでなくて、出漁漁船はいろいろ隻数もわかつているし、困つている被害がわかつているし、調査しているものもあるわけであります。これはまあ大体百トンの船が乗出していても、かかる掛りはわかるわけです。現在現地に行きますと、乗組員の組合があるのですよ。乗組員の生活も、家族の生活も共に困つているのです。船主から金が来ない。来ないのも仕方がない。船主も困つている。そうかといつて、実際被害を受けているので、非常に今組合の間でもごたごたが起る場合もある。だから百トンの船を出漁させて、幾らつかみならつかみで、その船の六年先、七年先ということで計算をすれば、これはすぐ出るのですね。だから私は水産庁が協力するということは勿論でございますが、それよりも大臣のほうで大蔵のほうと折衝して、大体つかみが一億なら一億、三億なら三億ということになれば、これは大蔵省と折衝して早く出す途を、これは大臣の力で……。結局問題はそれなんです。
#109
○国務大臣(安藤正純君) それだから根底がないと困るのです。
#110
○委員長(森崎隆君) あれは根底はすぐ出ると思います。つかみでもいいと思いますね。
#111
○千田正君 さつきからの安藤国務大臣の御意図は十分わかつておりますので、そこで水産当局は、これはもう速急に二段も三段も構えなければならない。いわゆるこれは安藤国務大臣としましては、十分にこの意図を酌んでおられるのだから、実際の問題は、今委員長の言う通り、もう本当に漁民は困つている。もう給与もないのだし、もうこの状態で行くというと、非常に社会不安が募つて来ますからね。それで担当行政官庁としてのあなたがたのほうで、こうなつたらこうしなきやならないという一つの案を、勿論もうお持ちであろうと思う。そこで一番困つているのは、さつきも委員長が言つているように、もう金の借りようがない。だから融資斡旋なり、或いはどういう金が現実に手に入るというような方法として水産庁は斡旋するかという、すでに覚悟をきめておるわけです。それはもうこの次の委員会でもいいですから、我々は又お尋ねしますからして、十分腰を据えてかかつて頂きたい。この点だけ要望しておきます。
#112
○委員長(森崎隆君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#113
○委員長(森崎隆君) 速記を始めて下さい。
#114
○森八三一君 今の問題は相当長時間質疑をいたしまして、主管大臣である安藤国務相のお考えもわかりましたし、水産庁のほうの意図も大体わかりましたので、むしろこのことは時間的に急を要する問題がありまするのと、日本政府としての確固たる措置をするということが、交渉を妥結して行くためにも私は裨益する大きなポイントになると思いまするから、この次の水産委員会までに、委員長のところで適当に質疑応答の経過を集録せられまして、当委員会として、決議をして政府に申入をするという手続をとりますることが、この際としては私は必要ではないかと思いますが、そういうような進行をして頂くことの希望を私は持ちますので、お諮りを願いたい。
#115
○青山正一君 只今の森委員の問題に関連いたしまして、私も賛成でございます。殊に安藤大臣なり或いは水産庁当局がやりやすいように、一つ仕向けて頂きたい、こういうことを特に申上げまして賛成いたします。
#116
○委員長(森崎隆君) それではお諮りいたします。今回のビキニ被災の問題に対する国家の補償につきまして、早急にこれを実現するように、本委員会で決議することに御賛成頂けましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#117
○委員長(森崎隆君) それでは全会一致と認めます。なお決議案の案文は一つ委員長に御一任願いたいと思います。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#118
○委員長(森崎隆君) それではあとちよつと大急ぎで二件だけお諮りいたしますが、今月の六日に日本海員組合から中共に対して、一、拿捕船の返還。二、拿捕船員の送還。三、今後拿捕事件をなくする方途。この三件につきまして会談いたしたいという趣旨の書簡を送付したようでございますが、これに対しまして、中共より今月二十四日に電報にて、右三件について会談に応ずる旨の返電があつたという知らせがございました。そこで日本海員組合では、中央執行委員会を開きまして、中地副組合長と、高橋漁船部長の派遣を決定したようでございます。これにつきまして外務当局から公務旅券の交付せられるように本水産委員会に特に御斡旋を願いたい。念のために。というお願いでございますが、これは内容が今のようなものでございますので、本委員会もこれにできましたら賛成いたしまして、本委員会から外務省に強く要望するというようにいたしたいと思いますが、この問題について御意見がございませんでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#119
○委員長(森崎隆君) 賛成頂けますか。それではそのように委員長において取計らいます。
  ―――――――――――――
#120
○委員長(森崎隆君) 次にもう一点ございますが、先般補助金等の臨時特例等に関する法律案の修正申入に関する件につきまして松永特別委員長に、私の名前を以て申入れることにいたしておりまするが、その後も本委員会の懇談会で、第十三条、第十五条並びに第十六条の三件の修正がこの中に一応盛られてありました。このうち重点的に最後の第十六条シ削除するという漁船損害補償についてのこの問題だけを取上げて、強く要請するというようにいたしたいと思いますが、如何でございましようか。
#121
○千田正君 そのことには異議はありませんが、非常に今補助金等に対する特別委員会においては非常に難航を続けております。今のところ……。農林委員会の土地改良の面は或る程度削除されるのではないかという噂も聞きますので、一日も速かに委員長から特に日本の漁業に対して影響するところが大きいのでありますから、速かに申込をされんことを要望いたしまして、賛成をいたします。
#122
○委員長(森崎隆君) 御異議ないようでありますから、そのように決定いたします。なおこの委員会では非常に熱心に討議中でございますので、ここ十日以内に最も効果的にこれを要望しようと思います。その点委員長にお任せ頂きたいと思います。
#123
○青山正一君 先ほど森委員から発議のビキニの問題についての決議は、次の委員会で早急に一つ上程して頂きたいと思います。
#124
○委員長(森崎隆君) そのように取計らいます。速記をとめて下さい。
   午後五時八分速記中止
   ―――――・―――――
   午後五時二十一分速記開始
#125
○委員長(森崎隆君) 速記を始めて下さい。
 それでは本日はこれを以て委員会は散会いたします。
   午後五時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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