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1953/05/18 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 水産委員会 第25号
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1953/05/18 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 水産委員会 第25号

#1
第019回国会 水産委員会 第25号
昭和二十九年五月十八日(火曜日)
   午後一時三十五分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
五月十七日委員片岡文重君辞任につ
き、その補欠として山田節男君を議長
において指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     森崎  隆君
   理事
           秋山俊一郎君
           千田  正君
   委員
           青山 正一君
           野田 俊作君
           森 八三一君
           木下 源吾君
           菊田 七平君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       岡  尊信君
   常任委員会専門
   員       林  達磨君
  参考人
   日本冷凍食品輸
  出組合専務理事  安達 義治君
   日本罐詰協会専
   務理事     岡  武夫君
   日本かつおまぐ
   ろ漁業協同組
   合連合会会長  横山登志丸君
   日本水産油脂協
   会専務理事   松下 七郎君
   日本鮪罐詰工業
   協同組合専務理
   事       馬場 孟夫君
   日本鰮罐詰工業
   協同組合専務理
   事       越藤 俊夫君
   日本さんま罐詰
   工業協同組合理
   事長      根本和三郎君
   日本寒天販売株
   式会社社長   家坂 孝平君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○輸出水産業の振興に関する法律案
 (衆議院提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(森崎隆君) それでは只今から委員会を開会いたします。
 本日は、輸出水産業の振興に関する法律案につきまして、関係団体の代表のかたを招請いたしまして、参考人としてこの法案に対します御意見を聞くことになつております。只今から参考人各位からお話を承わりたいと思います。
 それでは参考人の各位に一言御挨拶申上げます。今回衆議院から送付されました輸出水産業の振興に関する法律案につきまして、一応関係諸団体のかたがたからこの法案の内容に関する御希望なり、御意見なり、いろいろお聞きいたしたいということを本委員会では決定いたしまして、甚だ勝手でございましたが、本委員会のほうで人選をさせて頂きまして、安達義治君以下八名のかたに本日御足労を煩わしたわけであります。誠に有難うございました。つきましては只今から参考人としてこの問題に関しまして忌憚ない御意見を一つ公述して頂きたいと思います。なお順序は別にどういう……一応ここに書上げました順序でやりますが、よろしく御協力願いたいと思います。なお時間は最大限十分ぐらいのところで一応御意見を承わりまして、各委員のほうから御意見に対しまして質疑がありますれば、又お答えを頂きたいと思います。よろしく御協力頂きます。
 それでは只今から参考人の御意見を聞くことにいたします。
 先ず第一に、日本冷凍食品輸出組合の専務理事安達義治君からお願い申上げます。
#3
○参考人(安達義治君) 日本冷凍食品輸出組合の安達でございます。我が冷凍輸出業界は他業界とも幾多相通ずる悩みを持つているのでありますが、特に冷凍まぐろ輸出業界において痛切に感ぜられている問題は次の通りであります。
 一つ、業者の急増によつて来たる問題。元来業界には古きは二十数年以上の経験を有する商社が業界に多大の貢献をなして来たのでありますが、最近同業者の増加と共に、業者間には必要以上に激甚なる競争が行われ、遂にまぐろ業界の安定を危殆に瀕せしめる虞れもあります。例えば原魚高値買付競争の結果は営業上莫大の欠損を招くとか、又原魚獲得に余りに急であるときには品質に十分の考慮を払う余裕がなく、その結果クレームの形で買手側の苦情のもととなり、長年築き上げた当該商品の信用を損うような虞れがないとも限らないのであります。
 次に、関連産業との競争から起る問題。申すまでもなく、これはまぐろ罐詰と冷凍まぐろとの関係であつて、この関係は冬季、水揚げが比較的平均されているときはやや円滑に行きますが、夏季のサオ釣り時期に入りますと僅か一カ月の間に年間の六割以上の水揚げを見るのが記録の示すところであります。最近においては冷蔵庫、罐詰工場の設備が拡大されたため、両者とも相当の消化能力はありますが、時に無計画に厖大な販売契約が現われますと、それに基く金融力に刺激され、甚だしく罐詰との均衝を失う虞れがあります。従つて夏の盛漁期における罐詰と冷凍の調整が今までしばしば問題の種となりました。
 第三には、米国におけるまぐろ産業との関係から来る問題。冷凍まぐろの輸出には米国におけるまぐろの漁不漁が特に敏感に反映し、米国が大漁のときは日本のまぐろに対する関税問題が発生し、不漁のときは日本国内の罐詰産業を刺激するということになります。このうち後者は了解がつけば国内処置を講じ得るのでありますが、事関税問題となりますと冷凍まぐろも必ずや日本側ダンピングの口実となりますので、これに対しては日本側業界に相当の態勢が整備されていない限り反駁することが困難となります。
 以上当業界は内外共に幾多の悩みと問題を抱いておるのでありますが、御承知の通り日本のまぐろは現在冷凍まぐろだけでも年間千五百万ドル以上の輸出があり、まぐろ罐詰を合わすれば三千万ドルを突破する輸出品中の花形であり、その産業のあり方については極めて慎重を要するものがあります。
 今ここに審議されておる輸出水産業の振興に関する法律案は、右に列記した我が業界の諸問題を解決に導くものであると信じますから我々はこの法案の趣旨に対して賛意を表するものでありまする以上の通りであります。
#4
○委員長(森崎隆君) 有難うございました。
 それでは次には日本罐詰協会の専務理事岡武夫君にお願いいたします。
#5
○参考人(岡武夫君) 罐詰協会の岡であります。罐詰業の現況と、それから戦前との対比を考えて見ますと、戦前におきましては輸出水産物取締法もあり、各種の組合もございまして業者は自主的に調整をして参つて、輸出の振興、国内の能一勢が整備しておりました。戦後におきまして非常に生産も激減し、戦後の荒廃から生産を復興し、輸出を振興して行く、こういう線で業界を挙げて努力して参つたのであります。戦後におきましてはかかる根本の法規がありませんのでそのことは国内の調整或いは輸出の振興について事業者団体法或いは独占禁止法いろいろな戦後の新らしい法律のためにむしろ業者間の自主的調整というものには非常な苦難をなめて参つたのであります。その国内態勢の整備と、それから輸出の振興という対外的な折衝の両面におきまして本法案が提案せられまして審議されるに至つたことを大変有難く存ずる次第であります。
 本法案につきましては戦前の状況も考え、業界としましては更に一層ああして欲しい、こうして欲しいという点もあるのでございますが、現在の社会情勢におきまして一日も早く本法案が成立しまして、只今冷凍業者のほうで言われましたように、業界の安定と輸出水産物のうちの罐詰の振興、特に罐詰におきましては昨年度およそ三千万ドルの輸出をしておるのでありますが、輸出の振興をしておるのでありますが、輸出の振興に合せまして業者は、従来業界の罐詰業者は工場は四百から五百あるのでありますが、この輸出をやつておる水産のかたは百五十前後だと思うのであります、百五十社から二百社の間だと思うのであります、非常に濫立をしまして原料の競争買をする、或いは対外的には底値をつぎつぎと出して行つて海外市場を乱しているというふうな点が多いのでありますが、本法案の成立によりまして自主的調整というものが行われるならば国内の態勢が整備するのみならず輸出の対外的にもその目的を達して国民経済の発展に寄与するという点が多大であると思うので一日も早く本法案が成立することを希望するものであります。
 それからもう一、二言お答え申上げたいと思いますが、本日鮪罐詰工業協同組合、鯛罐詰工業協同組合、同じくさんまの罐詰工業協同組合の代表のかたがお見えになつておりますが、かに及びさけにつきましては戦前御承知のように厖大な輸出をしておりまして、今日その資源を失つたのでありますが、依然としてかににおきましてはその生産物の八割以上を輸出しておる、さけにおきましても値段は高いのでありますが、海外から引合が絶えないという事情でありますが、戦後におきましてこういう根本法規がないために、北海道におきましての事例でありますが、非常に工場が濫立しまして、製品も統一がとれない、輸出及び国内の市場を撹乱するという状態が多いので、本法案の第二条に先般はそういうような品目が挙げられておつたのでありますが、次には政令で指定するという規定となつておりまするので、その政令の規定の中に後ほど述べるでありましよう、鮪、鯛、さんまに合せまして、かに、さけの水産物罐詰をも是非この政令の中に入れられるように特段の御配慮をお願いしたいと思うのであります。
#6
○委員長(森崎隆君) 有難うございました。
 次には日本かつお・まぐろ漁業協同組合連合会会長横山登志丸君。
#7
○参考人(横山登志丸君) 私は横山でございます。水産業の関連産業といたしましてかつお、まぐろの業者から見ましたこの法案に対する意見を申上げたいと思います。本法案は衆議院におきまして幾多の曲折を経て参つたように承知しておりますが、その間におきまして、今日のように参考人として私も意見を開陳いたしました。大体において今できております法案については大体異存はないのでありますが、ただこの法案に現われておりませんところの政令に譲つてある点、それから更にこの法案が運営せられる場合においてどういうふうな工合になつて行くかということにつきましては、多少の懸念なきにしもあらずという感じを持つているのであります。その点を御参考に一、二申上げたいと思いますが、その前に、かつお、まぐろの漁獲物がどういうふうな用途になつておるかを申上げて見たいと思います。
 昨年二十八年度の状況を主として農林統計及び水産庁の統計によつて調べて見ますと、冷凍品、罐詰及びかつお節、この三つは輸出されておるのでありますが、これの金額といたしまして三千百五万一千ドル、邦貨にいたしまして百十一億七千八百万円、こういう数字が出ております。このほかにこの漁獲物から出ますところの輸出品は肝臓油、鱶鰭、こういうものがあるのでありますが、これは他の原料とも混つておりますので今すぐこのかつお、まぐろ漁業の漁獲物からこれだげのものが出るというふうな数字が判然いたしませんので、ここでは用意して参りませんでしたが、とにかく百二十億近くのものの輸出品の原料を提供しておると、こういうような実情であります。これに要しましたところの原料魚は二千百九十一万貫、これは昨年の総漁獲高は五千九百二十三万六千貫でありますが、丁度三七%ぐらいなものが輸出のほうに向いておりまして、その他は国内の需要に供しておるという実情であるのであります。この数字が示しますように、輸出というものは相当大きな影響をかつお、まぐろ漁業者に、その輸出の消長が影響しているという関係にありますが、この点をアメリカと比較いたしますと、アメリカはかつお、まぐろ漁業は主として罐詰の原料取り産業でありましてかつお、まぐろ漁業と言いますと即罐詰の漁業のまあ一部のような関係にありますので、この点が日本とこのまぐろの輸出先でありますところのアメリカとの間には重要な相違がある点をあらかじめ御了承を願いたいと思うのであります。
 次にこの法案に対しましての意見でありますが、初めに申上げましたように、大体において私どもは賛意を表しておるのであります。主として政令とこの運営方面につきまして御参考に供したい点は、第一登録制の問題であるのであります。私どもは我が国の現状から言いますと、食料問題と、それから貿易の問題が非常な大きなウェイトを持つた国策的の事業であるように思う。この両面を本かつお、まぐろ漁業は持つておるのでありますが、漁業者がこれを漁獲いたしましてどちらに向けるかはそのときの需給の関係、主として魚価の関係でありますが、魚価のいいほうに向ける。そこで漁船、魚をとります場合には、大体出漁の際にほぼ見当がつきますから、主として輸出品に向けるものを余計とるか、そうでないかということは見当はついておりますけれども、実際は陸へ着いてからでないとそこのところは判然いたさないのであります。最近までは冷蔵をして持つて帰りました。即ち漁業者が販売しますのは大体加工品でなくして鮮魚であつたのであります。最近には船が大型になり、それから漁区、漁場が非常に拡大いたしましたために凍結装置をつけまして、そうして直ちにこれを輸出、人の手に渡さないで輸出し得るものを持つて帰るようになつて参りました。そういたしますと、見方によりますと、いわゆる輸出業者であるのでありますが、ここでこの法案にありますところのこの輸出の施設ですね、輸出のいわゆる製造施設というこの施設を漁船で設備するという結果に当然なつて来るのであります。ところが漁船のあり方は、先ほども申しました通りでありまして、必ずしも輸出のみを考えてその施設を使うわけでもないのであります。それから漁船には大体において最も価格のいい値段のいいものを持つて帰るという使命を持つておるのでありまして、この政府におきまして、冷凍の施設をどうだああだと言つて、登録制とか、或いは許可を受けろとかいうような手を差延べられなくても、いいものを持つて帰れば、或いは鮮度のいいものを凍結して持つて帰れば、直ちに価格に影響するのでありまして、でき得れば漁業者はすべての漁船にこういう施設をしたいのでありますけれども、スペースの関係と、それから資金の関係がありますために、十分にできない。そうして大型船になつてはじめてつける、これを政府がコントロールするといつたような考え方で行くのが、実情に副わないのでありまして、むしろ融資や何かをして助長、奨励をする性質のものであると思うのであります。でありますから、この法で以て政府が一々これを登録するとか何とかいうようなことは実情に合わんのでありまして、漁船はこの三条に言つてあるところの、三条でありましたか登録のほうですね、登録の対象にはしないでもらいたいということを、衆議院でも私は主張いたしましたので、大体了解を得ているのでありますが、本案にはそれが現われておりません。大体政令のほうできめられるのではないかと思いますが、この点参議院のほうのかたにも十分一つ御了解して頂きたい。
 それから全般的に申しまして、私どもは冷凍であれ、罐詰であれ、輸出の振興は非常に熱願するものであるのでありますが、どうかいたしますと、利益が相一致する場合と、相反する場合がないとも限らないのであります。その例を一つ申し上げますと、冷凍品が非常にたくさん、或いは罐詰製品が非常にたくさん売れるというときには、或る程度これは並行するのでありますが、そうでない場合には、必ずこのしわ寄せが価格の面におきましては、漁業者の漁獲物のほうに来るということがあり得るのであります。こうなりますと、利害が反するということに相成るのでありまして、私どもはその点はこの法案を見ます上において、非常に慎重にまあ検討しつつあるわけであります。極く平たく言いますと、この輸出業者がいろいろな加工の、いわゆる加工業者及び輸出業者は、できるだけ漁業者のほうから言いますと、多数あることを希望するのであります。ところが先ほどのお言葉なんかにもありますように、又弊害もあるので、そう多数にあるということを、必ずしも業者のかたは歓迎しておられない。そういう点が、この原料を供給するほうの側と、必ずしも一致しないということがあるのであります。冒頭に申しましたように、私どもは若しこの罐詰業者或いは冷凍業者が、許されるならばできるだけたくさんの業者ができまして、そうしてまあ日本の国情から言いますと、中小企業者がこれに参加いたしまして、そうして輸出振興に当られたい、これが漁業者のほうの希望であるのであります。でありますから、これは業者が非常に多くなるということも又相当規制しなければならないということにもこれは両面の私は理由があると思いますが、それが余り極端のほうに行かないような運営を望んでおるのであります。大体主な意見は以上であります。
#8
○委員長(森崎隆君) 有難うございました。
 それでは次に日本水産油脂協会の専務理事松下七郎君の御意見発表をお願いします。
#9
○参考人(松下七郎君) 私は日本水産油脂協会の松下でございます。私の業界で輸出をいたしておりまする品種は、魚の肝臓から搾油いたしまする肝油でございます、戦前は皆さん御承知のたらの肝油という名前で専ら海外に大部分は輸出されておつたのでありますが、その当時は油を売つておつたのでありますが、終戦後におきましては油の中にありまするビタミンの単位を得る、つまり単位を基準とした取引が行われておるわけでございます。一般にはビタミンというような名称を用いておる場合が多いのでございます。我々の業界といたしまして、この本法案の設立を非常に待望いたしておりました主なる点は次のようなことでございます。
 我が国におきまするビタミンの生産高は金額におきまして大体七百万乃至八百万ドルでございますが、そのうちの国内におきまする消費は僅かに五%程度でございます。これも最近非常に殖えまして五%程度でございます。あとの九五%というものはアメリカが約七〇―八〇%、その他ノルウエー、フランス等のヨーロツパ諸国並びに濠州に輸出されておるわけであります。我が国のこれら世界におきまするビタミンの重要市場に流通されておりまするビタミンの総数に対しまする生産量は大体六割と推定されておりまして、世界のビタミン市場におきましても極めて重大なるウェイトを占めておるわけでございます。御承知のようにビタミンは主としてたら、すけそう、さめ等の肝臓から搾油されておりますが、その他かじきまぐろ、油かれい等いろいろな魚類の内臓から搾油されておりまして、その及ぼす範囲は全国の漁民に関係ありと言つて差支えないのであります。大部分が輸出品でございまして、従いまして海外におきまする市場価格というものが常に我が国の輸出総額というものに重大な影響があるのでございますが、今アメリカ市場におきまするたら、すけそう肝油というような我が国におきまする代表的なものの値段を調べて見ますと、過去一カ年ばかりの間、常に価格は百万単位、ビタミンの売買の単位でございますが、百万単位当り九セント半というような値段を維持しております。これは少しも動いておらない。これを我が国のFOB価格に仮に逆算いたしまして、アメリカ並みの相当の利潤を考えましても、先ず七セント半くらいの値段が妥当ではないかというように我々考えておるのでありますが、現在におきまする市場価格は常に六セント前後を上下しているというような状況でございまして、非常に不当に安い値段で取引されているというふうに考えて、おるわけであります。これはどういうわけでありますかと申しますと、大体全部がアメリカ市場である。国内におきまする生産者は非常にたくさんのものが競つてこれを生産し、而も三十数社というようなたくさんの貿易業者を通じましてこれ又非常な競争をいたしまして輸出をいたしております。まさにその安売の競争といつたような観があるわけでございまして、当然収得さるべき外貨をみすみす取逃しておるという、こういうのが現状でございます。これを調整をいたしまして、より多くの外貨を取得し、輸出の振興を図るためには、どうしても計画的な輸出、又はそれが輸出できまするような機構が必要であると思うのでございます。企業体自体の非常なる零細性等に鑑みまして、これを自主的に多くのものが運営して行くということは到底困難でございます。何らかここに法的な措置がございますればそれを基礎に我々業界の主立つたものは足並みを揃えまして、より有利な輸出を図つて行くことができるんじやないか。これは取りも直さずビタミンを搾つております生産者のためばかりでなく、この原料を供給するところの漁民にも極めて重大なる意義があるものと信じますので、本法案の設立と共に、我々はこの線に沿いまして輸出組合並びに共済の体制を速かに確立したいというので、この法案の設立を待望しておるわけでございます。以上を以ちまして水産油脂協会の報告を終ります。
#10
○委員長(森崎隆君) 有難うございました。
 それでは次に日本鮪罐詰工業協同組合専務理事馬場孟夫君の御発言を願います。
#11
○参考人(馬場孟夫君) 私は鮪罐詰の馬場であります。まぐろの罐詰は輸出品といたしましてはまぐろ油漬罐詰と言われる種類のものであります。それでこのまぐろ油漬罐詰は大体におきまして日本国内では嗜好されておりません。殆んど全部が輸出品でございます。昭和四、五年頃からアメリカのまねをいたしまして、アメリカ市場に輸出をするように製造試験をいたしましたのが始まりで、その後は逐年輸出数量を増加いたしまして、罐詰の対米輸出の一つの花形になつたのでありますが、その間絶えす関税引上げ、或いは輸入制限の措置の運動がアメリカの国内にありまして、アメリカの感情を害したり、アメリカの利益に反したりして輸出することは、まぐろの罐詰ではできないことでございます。それでアメリカの利益を阻害しないように日本の輸出の増進を図るということがまぐろ罐詰に課せられました一番大きな問題でございます。それにはどういうことが必要かと申しますと、第一に、日本から出るまぐろの罐詰は安売をしないということが第一の条件であります。日本からまぐろの罐詰を安く売りますと、それがアメリカの市場に参りまして、アメリカの同種の製造工場の値段に対して非常に大きな悪い結果となりますので、仮に安売をするようなことがありますと、これは直ちに日本商品のアメリカの輸入制限、関税引上げという運動が行われるようになるのでございます。それから今度は又アメリカの業者の利益を阻害しないような販売方法、輸出方法をとらなければならないということと、もう一つは日本は品質が極めてよろしいために対米の輸出ができるのでございますから、品質を現在のように世界一の水準に置くことを忘れてはならんということがまぐろ罐詰の対米輸出の一番大きな問題じやないかと私は考えます。
 それでアメリカの関税問題その他の経過を極めて簡単に申しますと、戦前五、六年頃に三万函、十五万函というようなことになりまして昭和八年に七十万函の輸出を見ましたときに関税を三〇%から四五%に引上げられました。そこで日本は大変であるというので、代表者を出したり、海外の公館にお願いしたり、いろいろ対米折衝をしたのでございますが、アメリカと折衝の成立を見ませんで、日本から一定の数量で自粛するということで代表者が帰つて参りまして、いろいろ国内態勢を整えまして、その当時輸出水産物取締法という法律を制定して、頂きまして、工場は許可制度にし、輸出の数量も統制し、価格も濫売のできないような価格にして頂き、品質も一定の限度以下のものを輸出できないようにさして頂きまして、終戦まで順調な輸出をしておりました。戦後におきましては二十三年に七万八十函ばかり輸出をいたしました。二十四年に十七万函、二十五年には百四十四万函の輸出をいたしました。その百四十四万画の輸出をいたしましたときに、アメリカではメキシコとの互恵条約の破棄ということを理由にいたされまして、関税を四五%に引上げられて参りました。これで日本のまぐろの油漬罐詰はアメリカに全然と言つていいくらいに輸出ができなくなりました。そこで日本の業者は折角のまぐろでございますので、幸い税率の安い塩水漬――ブライン、油の代りに塩水を入れた代用品を作りましてアメリカに輸出を再び始めました。そうして二十六年には二十一万函出しました。二十七年には百十万函になりました。二十八年には百四十七万函になりました。併しながらこの昭和二十六年に二十一万函ばかり出しましたときに、こういう自由な貿易を勝手にやつているようなことをしますと、アメリカはこのブラインに対しても再び関税引上げをし、日本からはもうまぐろの罐詰が全然アメリカには出なくなるという心配の下に、その当時いろいろ法律的に疑義があつたように考えられますけれども、ともかくも業者は率先して一人の反対者もなく共同販売を実施いたしまして、アメリカに出すものに限り、この窓口を一本にいたしまして価格の統制をいたしました。ヨーロッパその他の市場がございますが、これはまあ自由な値段で自由に輸出しますが、アメリカだけは一本の窓口にいたしまして、その効果が現われましたかどうかわかりませんけれども、二十七年にはそのブラインが存外アメリカで受けまして、一つの商品として成立つようになりました。その主な理由は油漬よりちよつとまずいと思いますが、これは温い料理に使えるということと、油がないために肥つた御婦人に大変に人気があるということで大変数量が殖えまして、先ほど申しましたように、一昨年は百十万函、昨年は百四十七万函に増加いたしました。そうして絶えずアメリカでは輸入阻止運動、関税引上げ運動もございますし、法案も一年に三つか四つずつは出ておるようでございますが、幸いに日本からは安値も出ないし、非常にアメリカの人を刺激するようなやり方はしないで、できるだけ自省してやつておりますので、今のところ非常な大きな危険というものは感じられませんが、片時も油断をすることはできないような対米輸出関係でございます。
 それで大体現在やつておりますことを私どもは法律的のバツクの下にやりたい。いろいろ法律上疑義のあるようなことで輸出をしていることは誠に困るので、法律のバツクの下にやりたい。法律に基いて我々は行動したいという我々の念願でございまして、それは丁度御提案して頂きました輸出振興に関する法律案は私どもの考えの一〇〇%というわけには参りませんけれども、大体におきまして私どもが対米輸出をいたして、将来これを維持して行くことに対してバツクとして頂く法律案としては誠に結構な法律案と存じますので、一日も速かに本案を御成立さして頂くようにお願いする次第でございます。
#12
○委員長(森崎隆君) 有難うございました。
 それでは次は、日本鯉罐詰工業協同組合専務理事越藤俊夫君にお願いいたします。
#13
○参考人(越藤俊夫君) 私鰐組合の越藤であります。先ず最初に大体今までのいわし罐詰の状況を簡単に御説明申上げて漸次お話したいと思います。
 昭和十年頃より大体平均百万函くらいを輸出いたしておりまして、昭和十三年には最高の百六十万函を輸出した実績になつております。その後大体百万函前後輸出いたしておりましたが、戦争が起きました関係で戦後の二十五年には約二十万函に減りました。二十六年に四十万、二十七年に六十万、二十八年に約六十万函というふうに数字が漸次増加いたして輸出されるようになつたのであります。特に昨年二十八年度はアメリカのいわし罐詰の状況が非常な大不漁だつたために全然生産がないというような状況でありました関係上、それに刺激せられまして非常な高値を呼びました関係もありまして生産に努力いたしました結果、百三十万函を上廻るような生産がありました。ところが不幸途中においてうるめいわしのクレーム問題がアメリカに起きました関係で非常な在貨を持つたというような事情が起きましたことと、東南アジア方面においては外貨の不足による輸入の抑圧等がありました、殊にインドネシアの関税が一〇〇%引土げられた、或いはビルマ方面ではさんま罐詰が伸びて来た関係でやや競合があつたというような関係もありまして、四十数万函の在庫品を持越すこととなりました関係上、非常な値下りを来たしたというような事情であります。この持越は特に主要生産者の大部分を占める長崎方面の業者を非常に苦境に陥らせたというような事情になつておりまして、我々としまして本年当初通産、農林両省等の御配意によつて砂糖の求償として二十数万函米国並びにフィリピン方面に輸出されることになりまして、現在ではその滞貨が全部輸出されるようになつた状況です。それでも我我としましてここで必然的に生産過剰による海外の濫売ということが舞台に出て来た関係上、どうしてもこの事態を切抜けなければならないというような立場に至りました関係上、昨年の七月全国六十数社の生産業者が自発的な熱意によつて現在あります日本鰐罐詰工業協同組合を結成いたしまして、そうして二十九年度における輸出の適正量を最高七十万函というように調整いたしました。そしてこの調整した七十万函を非常に有利な価格で販売して頂く関係もありまして、各組合員が出資いたしまして日本鰐罐詰販売株式会社というものを設立いたしました。そしてその組合員の事業の経営の安定と、生産された鰐罐詰の輸出の振興を図るということで、現在着々その成果を挙げておる次第であります。で、大体いわし罐詰を生産しておる製造業者というのはいわゆる中小企業を中心とする弱小な経営の規模のものが大部分でありまして、もう一つの特徴としましていわし罐詰の専業者であるということが一度海外市況が悪化すると非常な打撃を受けるというような不安定な状況にある状態であります。で又この製造業者が日本全国に散在しておりまして、品質的にも統一的ないい製品を造るということが非常に困難な事情にある関係もありまして、そういう意味合いにおきましても、販売会社を作りまして製品の統一をする、農林省その他の検査所の規格に合つたいいものを造るというようなこともありまして、又生産費の合理化というようなことも考えて販売会社を作つたというのが現在の実情であります。アメリカの大不漁による品不足は、アメリカ製品の消費国であつた中南米、フィリピン方面というような方面の市場も我々の手で開拓できるんじやないかというようなことで非常に期待しておつたのですが、事実はそういうクレームの問題、それによる値下げの問題というようなことで、生産費を割るような、出血しなけりやならんというような事情が起きた関係上、昨年度の生産が百三十万もありましたのですが、輸出は六十万くらいにとどまつたというような事情であります。
 次に参考までですが、大体各国の状況をちよつと御説明いたしますと、アメリカの罐詰生産状況というのは大体カリフォルニアの太平洋岸において一千七百万函程度を造つておるように統計で出ております。そのうち最も関係のあるいわし罐詰は大体二百万から三百万というものを大体約二十年間ずつと生産いたしております。そしてそのうちの、それは全生産量に対して大体四〇%、多いときは八〇%くらいに当るようであります。然るに近年の一九四九年に四百二十万、一九五〇年アメリカでは最高の五百四十万という函を生産いたしておりましたが、ところがその翌年の一九五一年には約三百万足らずの数字となりまして、一九五二年にはその三十分の一の約十万六千函というような大減産となつて昨年の統計では六万余りというようになつております。その事情は専門家によつていろいろ指摘されておるようですが、原因として濫獲が最も問題じやないかというようなことを識者は言つておりますし、プランクトンの変化とか、水温の異変とか研究には統一的な意見がまだ現在出ておりませんが、まあそれらの種々な総合的な原因だろうというようなことを言われております。今後数年又は数十年カリフォルニアサーデンというものは見込がないんじやないかというようなことを現在言われております。我々としてはこの市場が最も重要な市場でありますので、これを是非とも確保して有利な製品を送込みたいというのが実情であります。然るに先ほど申上げた通りうるめのクレーム問題が起りまして、一時停滞いたしましたが、それで相当な我々自身としては生産費を割るような状況に陥つたのであります。
 次にもう一つ申上げたいことは、そのアメリカ市場に対して現在南アフリカの製品が相当入り込んでいるというようなこと、現在、昨年度約三十万函がカリフォルニアの業者によつて輸入されておるという事実があるのでありまして南アにおいては大体四十万トンの水揚げがある、いわしの……、ということを言われております。これは生産費がやや我々より安いのでありまして、それがなぜかと言いますと、一つは英国の製品である関係上、関税関係に非常に有利に進んでいるというような関係もありまして、一大脅威になつているというようなことがあります。
 次に東南アジア方面の関係に移りますが、ここは昔から我々の市場として非常に大事な市場であつたのであります。然るに先ほどちよつと申上げたように関税障壁とか平和条約の締結の遅れているというような条件が重つております。それと又外貨の不足というような事情がありまして戦前のように活溌な動きをしていないというのが実情であります。併し約二十万ケース以上のものはやはり輸出されているというのが実情でありまして、その他の方面としてはベルギー方面、それにアフリカ方面に相当古い顧客となつて我々が進出している。この事情は余り変つておりませんが、やはり同様に数字的にはやや減りつつあるという事情にあるように考えております。これが大体海外の事情であります。
 現在の罐詰業としての隘路として第一に考えられることは、今年は非常に不漁である関係上原料が非常に高い。昨年に比して大体二割程度高いんじやないかということが生産費を非常に高くしているという事情でありますことと、第二は空罐のブリキ罐は非常に高い。大体製品価格の四割くらいに当るのでありまして、現在空罐価格を検討いたして見ますと、大体私たちが受取つておる罐詰の空罐価格は十一万円になつておるのでありますが、米国及び英国あたりのブリキ相場は大体八万円くらいであります。それで大体三万円くらいの差違があるのが日本における罐詰輸出の非常な欠点となつておるというように我々考えておりまして、これは現在八幡製鉄で一手にやつておりますので、我々としてはどうしても九万円程度の価格にしてもらいたいというようなことを希望しておるのでありまして、大体アメリカのブリキ原料によつて製罐いたしましても大体九万円くらいで業者に配給できるのじやないかというように考えておるのでありまして、この二つが非常な原因になつて生産費を割る出血輸出をせざるを得ないというような事情にあるように考えております。
 次に現在参議院において審議中の輸出水産業の振興に関する法律案に関して申上げたいと思うことは、第一条に「輸出水産業の振興を期するために、輸出水産物の加工度の向上及び品質の改善並びに輸出水産業者の自主的調整による経営の安定を図り、」とありますが、我々としてはすでにこの趣旨に副つておる法律第十八条の組合員の製造する輸出水産物の製造数量、出荷数量、品目、販売方法、販売時期、販売価格等の調整を現在すでに各組合員の自主的発意によつて調整しておりまして、この法律が当然その点を強調しているということにおいて我々は双手を挙げて賛成しておる次第であります。現存我々としては、先ほども御意見がありましたのですが、第一条のこれを実施するために貿易管理会等の法律的裏付けを受けたいと考えていたのですが、又私的独占禁止法の掣肘もかなり受けるというような実情にあるのであります。それで法的根拠の下で現在の悪条件を克服して貿易の振興を図る、そうして国民経済の発展に寄与したいというのが我々全部の意向であります。それで今度参議院においてこの法律案が審議せられるということに対しては、この際我々の今まで申上げた苦しい内容も御賢察願いまして、この法律案を一日も早く御通過願うように御配慮願いたいと思うことと、法律第二条に「政令で指定する」と言つておりますが、でき得るならば皆様と同様にいわし罐詰を法律にはつきり明記して頂くというように特別の御配慮を願えたら誠に結構じやないかと、かように考えております。以上。
#14
○委員長(森崎隆君) 有難うございました。
 それでは次は、日本さんま罐詰工業協同組合理事長根本和三郎君の御発言を願います。
#15
○参考人(根本和三郎君) 私さんま組合の根本でございます。組合の情勢を申上げながら法案に対する意見を申上げたいと思います。さんま罐詰が輸出商品としては歴史が浅いので、さんま罐詰がどれだけ輸出されておるか、更にどういう、まあ非常な勢いで輸出が躍進しておりますが、将来とも有望な商品であるかどうかということは、これは関係業者だけが知つていて、以外のかたは余り御存じないのじやないか、こう私思うのであります。さんま罐詰の輸出の発端と申しまするのは、長い間のいわしの不漁から太平洋沿岸の罐詰業者が試験的に昭和二十四年にトマト漬とボイルを二千函造りまして西アフリカと、それからエジプトに送つたのがこれが初めてであります。この試験的に輸出したことが予想外に好評を博しまして、それは価格の安いことと、品質の良好であるということが意外に好評を博しまして、翌二十五年には三万九千六百函、二十六年には四万四千七百函の輸出を見たのであります。二十七年には更に市場が東南アジアからヨーロツパの一部までに拡大されまして、一躍三十七万余函の輸出実績を示しまして新興輸出産業として大きく業界の注目を引くようになつたのであります。二十八年度は、この前年度のさんま罐詰輸出の好調に刺激せられまして、さば、いわし漁の不調等からさんま罐詰に大きな期待がかけられまして、東北地区及び銚子地区を中心といたしまして全国各地におきまして増産計画が進められた、又新規業者も急増して参つたのであります。併しながら、この見通しのない生産は必然的、た生産過剰を来たしまして、無益の販売競争の結果は海外への濫売となつて正常な輸出の伸展を阻害すると共に、生産者みずからも苦境に陥ることは明らかであります。ここにおきまして、昭和二十八年の六月に監督官庁の御指導の下に、中小企業等協同組合法に基く日本さんま罐詰工業協同組合が設立結成されまして、さんま罐詰生産希望者は殆んどこの組合に加入いたしまして、ここに秩序ある生産態勢が確立されたのであります。併し何にいたしましても、さんま罐詰は先ほど申上げましたように、突如彗星のごとくに現われた新興輸出商品で、歴史が浅いのでありまして、組合員の生産希望数量は厖大な数に上つたのでありますが、組合といたしましては、初年度はこれを五十万函に制限いたしまして、品質を統一して販売基準価格を定めて生産並びに販売の調整を行なつたのであります。併しながら結局は目標を五万余函も突破いたしまして五十五万函の生産輸出を見るに至つたのであります。それで二十八年度生産品は三月までに殆んどこれが販売を完了してしまつたのであります。その後海外からは相次いで注文があつたのでありまするが、遺憾ながら新物のできます九月下旬から乃至十月になりますが、これまでは注文を受けることができないというような、輸出不振の折柄非常に恵まれた状態でありますが、又考えようによつては非常に遺憾に思われる点があるのであります。さんま罐詰の生産上の難点は、回遊魚でありまするが故に九月から十二月までの四カ月の短期間に集約大量生産をしなければならんのでありまして、ここに金融、資材、労力といろいろ無理を伴うのであります。私どもはこの隘路を組合の力によつて逐次解決いたすべく鋭意努力いたしておるのでありますが、中小企業等協同組合法では隔靴掻痒の感を免れませんので、脾肉の歎をかこつておるのであります。よつて私どもは今回のこの輸出水産業の振興法に多大の期待を持つて、速かなる法案の成立を期待しておるのであります。昭和二十九年度におきましては、我が国の罐詰輸出伸展を阻害する大きな原因をなしておりました問題、只今いわし組合から意見がありましたが、ブリキ価格であります。割高なブリキ価格が逐次国際価格に鞘寄せして参つたことであります。並びに年間三百数十万函の生産をしておつた米国カリフォルニア州のいわし罐詰が年間五、六万函の殆んど皆無に等しい壊滅状態に陥つた。従つていわしと同種類のさんま罐詰に対しまして東南アジアからヨーロッパに亙る各世界市場から需要が殺到しておる、需要が旺盛である、これら諸般の情勢が非常に好調であることからして組合としては輸出目標を一応八十万函と計画発表いたしたのでありますが、これは外部に対する考慮からで、実際は百万画以上の生産輸出を企図いたしておるのであります。さんま罐詰一函当りの平均価格、生産者の手取は二千五百円といたしまして百万函の輸出で二十五億の外貨を獲得するわけであります。輸出までの各チャージを含めた販売価格を見ますと、更に相当額の増加をいたすわけであります。農林統計によりますれば、近年のさんまの漁獲量は毎年六千万貫を突破する好調であります。百万函の生産に要する原料魚は一画当り平均として七貫五百匁でありますので、百万函造るには七百五十万貫即ち漁獲総量の一割二分五厘でありまして、資源的に見ましてさんま罐詰はまだまだ数倍にも増加し得る余地を有するものと思われるのであります。
 なお特に申上げておきたいと思うことは、さんま罐詰は世界で一番安い魚の罐詰で、そうして品質良好で各国の市場で好評を博しておるということであります。併しながらさんま罐詰工業が更に躍進を稼げまして、我が国の窮乏せる国際貸借に貢献するには価格を維持して販売を調整する機関が必要であります。ここにおきまして組合設立当初からの懸案でありました、販売機関を設立することになりまして、六月上旬日本さんま罐詰販売株式会社がいよいよ設立されまして、組合員の事業経営の安定と、さんま罐詰の輸出振興を一段と推進することになつたのであります。かかる際に本法律が成立して輸出水産業のさんま罐詰として御指定を受けることは我々の考えておることと途を一にすることであります。我々は一日も早く本法案の成立を待望するものであります。
 最後に特にちよつと申上げておきたいのでありますが、この法案の中に指定品目は政令で定めるとということになつておりますが、私たちは、さつき鰐組合からも意見がありましたが、やはりこれは法文にはつきり明示して頂きたい。この法案のここまで進んで参りましたことはまぐろ、かつおの冷凍罐詰の確執からここまで持つて来たように世間では思つておるのであります。非常にまぐろのための法案ではないかというような誤解を生ずる虞れもありますので、日本の輸出水産業振興のための必要な品目はやはり法文に明記して頂くことがよろしいのではないか、私はこう考えるのであります。若しそれが不可能であるならばこの水産委員会ではつきりと何と何は指定品目にするのだというようなおきめを頂きたい、こう希望いたす次第であります。
#16
○委員長(森崎隆君) 有難うございました。
 それでは帰後に日大寒天販売株式会社君長家坂孝平君に御発言を願いすす。
#17
○参考人(家坂孝平君) 日本寒天の家坂でございます。この法案が輸出水産物の製造施設につき登録制を行い、その品質の向上を図ると共に、輸出水産業者の組合による自主的調整により、その経営の安定を図る必要があるという理由を以て立案せられておりますることは、我々寒天業界にとりましては誠に機宜に適した御措置と考えまして、満幅の敬意を表するものであります。
 さように考えられまする第一の理由といたしましては、御承知のように寒天製造業というものは、零細漁民の手によつて採取せられまする海藻が大体コストの半ばを占めるものでありまして、又これを製造する業者は、これ又山間僻地の中小農民であるという関係上、業態は頗る特異的なものでありまして、原始的であり、あらゆる点において恵まれざる存在であるために、加工度の向上とか、品質の改善等に至りましては、全く遅々として進歩するところがなく、又その経営につきましても協同する力を欠き、頗る不安定の状態に放置されておるという現状であるからであります。
 第二の理由といたしましては、日本経済再建の方途は輸出の増進にかかるところが多いと思いまするので、折角日本の乏しい資源を利用いたしまして輸出せられるこの寒天が、この法案の骨子となつておりまする自主的調整による計画輸出によつて業者の経営安定を期することができ得ると私は考えるからであります。
 次に法案の主要なる諸点につきまして若干意見を申述べさして頂きたいと思います。寒天業界は、終戦直後の統制時代を脱却して以来、自由放任の経営を続けて参りましたので、その製造施設につきましては、工場の数とか規模とか、製造高、或いは製造業者の数というようなものに関しましても、頗るその明確なるものを欠くのであります。これでは今後計画的にますます事業の発展を企画いたしますることはなかなかむずかしいのでありまして、よろしくこの登録制、これによりまして明確化を図ることが当然の帰結だろうと思うのであります。
 寒天製造業者は大体中小農業者が多いので、その個々の勢力は極めて弱小であるために、政治経済の面におきましても常に消極的であり、事業発展を阻害している点が多々あるのであります。而も寒天総生産高の五割を占める輸出寒天につきましては、その重要性に鑑み、何らかの製造業者の協力が考えられていました矢先、この法令により輸出水産業組合の結成を見るならば、誠に結構なことと考えられるのであります。業者はすべからくこの組合に飛び込んで、組合の内部よむ世界を達観してこの輸出に邁進しなければいかんと考えるのであります。この組合の事業内容が完全に実施せられるならば、業者の経営は必ず安泰となるでありましよう。又輸出取引に対して調整が実施せられることは、業者にとりまして非常な安心感を与えるものと考えられます。なお、その上に農林大臣命を以ちまして、調整規程と実質的に同一内容を有する制限をすべての製造業者に強いる権限を認めている点は誠に心強い気がするのであります。
 政府が必要ありと認めたときは、組合に対し「調整資金を確保するよう必要な措置を講ずる」とあるのは誠に心強い限りであります。組合としましても、又組合員としましても、十分に事業経営に対しては万全の措置をとつて遺憾なきを期することは当然でありまするけれども、天然現象に左右されることと、国際経済事情にも動かされることの多いこの事業のためには、かかる融資の後楯を持つことは何にも優る強みを感ずる次第であります。又この重要法案を運営するに当りまして、農林大臣が諮問機関として、又建議機関として振興審議会を設置されることは誠に妥当と考えられるのであります。
 以上私は全面的に寒天業界の立場からいたしまして、この法案に賛意を表する次第であります。ただ一言申添えたいことは、私ども寒天の指定品目に関連しますることでありまするが、これは先ほどもさんま、いわし業者のかたからもお話がありましたように、できまするならば法令の中に、又それができない事情もありまするならば政令におきまして、是非指定品目に指定して頂きたいということを申添えまして、速かに本案の御審議を完了して頂いて、是非早急に成立を見るようにお願いしまして私の意見といたします。
#18
○委員長(森崎隆君) 以上で安達義治君ほか七名のかたがたの一応の御意見の開陳は終りました。これから参考人のかたがたに対する質疑を始めます。質疑のあるかたは順次御発言を願います。
#19
○青山正一君 二点だけお聞きいたしたいと思いますが、先ず最初に横山さんにお伺いしたいんですが、漁船の登録を除外してもらいたいというような御意見があつたわけですが、それをもう少し詳しく具体的に一つ御説明を願いたいと思います。ちよつとわかりにくかつたから質問いたします。
#20
○参考人(横山登志丸君) まぐろの加工品の輸出の状況につきまして、私が見ましたところによりますと弊害が二、三ありまして、その弊害のうちで悪い競争をして値を下げる、或いは混乱せしめるという点は、すでに専門の団体のかたから述べられましたから、それは私は申しませんが、不合格品の性質をよく検討いたして見ますと、設備が悪くて不合格品になつたというよりも、鮮度の悪いものを原料にして出したというものが相当大きなウェイトを占めておるのであります。それで実は私は初めに申上げたいと思うのでありますが、大体通産省、農林省の例でありますが、輸出の弊害といたしましては、ただ調整する点は十分でありませんけれども、すでに通産省におきましてチェック・プライス、安い価格で売つちやならんということと、それから農林省で検査をしておられますが、併し官庁検査は一々の検査でなくして、これは団体の自治的の検査になつております。とにかくそういうように二重の検査が行われておるのであります。それから輸出の品目と数量は、政府が、これは通産省でありますけれども、承認をすることになつておるのでございます。私はこの三つが若し強力に行くならばです、強いて設備のことに政府は干渉しなくともいいのじやないかというふうに私は考えておるのであります。併しやり方によりましては、これは登録制になつておりますが、いわゆる許可制のようなひどく規制するような恰好にならなければ、まあ登録制もそれほど不賛成でない程度なんであります。今度翻つて漁船のほうで見ますと、すでに漁船からとつて来て陸揚げして、そちこち処理したものが輸出加工のほうに廻わるのでありまして、もう鮮度のよいということはこれはもう漁船の当然やるべき仕事なんであります。これによいところの凍結装置をつけるということは、これは最も望ましいことであつて、先ほど言いましたように漁船としてはできるだけよいものをつけるということが、即金を儲けることであるのであるから、これは別に政府からいろいろな干渉がましくてもらわなくても、私はいいのじやないか、ただそうばかり行かん点もありますが、然らばどうしても登録制にしなければならん点と、それから登録をしてからの利害得失を申しますと、漁船は御承知の通り非常に検査がたくさんあるのであります。船体検査、機関検査、それから装備等いわゆる定期の検査、いろいろ検査がたくさんありまして、ややもすると出漁に間に合わないというようなことで、この検査に対しては漁船は非常に悲鳴を挙げておるのが実情なんです。これは登録でありますが、冷凍のほうは造船の際にかなり詳しいところの検査をしまして、今までの例から見ますと、一番めんどい検査をしております。併しながら検査をしたからもう永久にいいかというと、そういうものでありません。必ず登録制を布いておれば、いつかは検査もして規格に適合するかどうかということをやらなければならんと思いますが、制度がこうなつておればこれは是非やらなければいかんのであります。そういうことを私は政府でやつてもらわなくても当然やるのであつて、やらなければならんという弊害が輸出の面から言つても大したことはない。仮にですね、国内に持つて帰つた漁獲物は当然国内では二重にも三重にも検査される。それからこれを直接に基地あたりで輸出します場合には、これは当然受取るほうが厳重に検査をするのでありますから、ここまでしなくてもいいじやないか、そして以上に迷惑を与えなくてもいいじやないかと、こういう意味であるのであります。
#21
○青山正一君 よくわかりました。もう一点、これは馬場さんにお聞きしたいと思いますが、先ほどの馬場さんの御説明によりますると、この法案が一日も早く成立を望みたいというような御意見でありましたのですが、過日日本水産新聞にあなたの談話が載つておつたわけでありますが、それによりますると、あなたはこの法案に対して期待するところが非常に大きかつたが、とうとう骨抜きになつた、問題は許可制度にあつたが、登録制などではこれは空文に等しい。只今の横山さんの御意見と反対の御意見なわけなんですが、それともう一つは、この共販の否認は、現状より後退していると否認しておる。要するにこの法案は監視規定で、むしろないほうが有利だ。こういうようなことをおつしやつておるわけでありますが、このお話の意味を一つ御説明願いたいということと、それからこの記事と今日御意見の結論とは全く相反しておりますが、これはどれが本当ですか。一つその点について御説明願いたいと思います。
#22
○参考人(馬場孟夫君) 新聞に書いてございました記事は私の考えておりましたと同じこともございますし、違つているところもございますので、公の席上といたしましては私は全面的にこれを取消しいたしたいと思います。青山先生から折魚の御質問がございましたので、私は自分の考えておりましたことを簡単にお答えいたしたいと思います。まぐろの罐詰といたしましては、できますならば工場は是非許可制度にして頂きたいということを私どもは念願しております。これは登録制度でございましては、何と申しますか、やりたいという人が続出してこれの収拾に困難を来たしはしないかという疑義を持つておりますので、事業の健全な発達にふさわしいように工場を許可制度にさして頂きたいということを考えております。
 第二は本法案でできます組合の事業の中に共同販売に関する事項を是非挿入さして頂きたいという希望を持つております。
 第三に審議会の委員のメンバーでございますが、仮に十五人の場合には、本日も参考人においでになつておるかたがかかる多数でございますが、少くとも十五人の場合は七人ぐらいは入れて頂きたい。過半数ということは議事の運営上まずいといたしましたならば、過半数にならない範囲内で成るべく多数を委員にさして頂きたい。こういうまあ希望を持つておりますから……。
#23
○青山正一君 そうすると馬場さんの御意見はですね、まああの新聞の発表は只今申述べられたことを主体としてそういうものを是非取入れて頂きたい。これを取入れられれば一〇〇%いいと、こういうような意味なのでございますね。
#24
○参考人(馬場孟夫君) さようでございます。
#25
○千田正君 私は先般水産代表としましてアメリカへ行つて、丁度日本の冷凍魚類の反対のストライキの最中に遭遇して、非常に議論を闘わして来た一人としまして、この問題に私は慎重を期すべく考えておるのですが、特に日本冷凍の安達さんに伺いたいのですが、この法律によつて対米輸出に関するところのいわゆる罐詰輸出業者、冷凍輸出業者との間の今までの桎梏というものはこれによつて或る程度緩和され、或いは制約されるというふうに考えるのでありますかどうですか、その点を。
#26
○参考人(安達義治君) アメリカで日本のまぐろが問題になるのは、これは
 アメリカに漁が非常に多いときには日本から魚が行かない、或いは罐詰もそう買いたくないという気持になる。それから向うで非常に欲しいときはこれは不漁であつて、どうしても向うの罐詰工場を動かしたい。そのときにはアメリカの罐詰もよく売れる。従つて罐詰もどんどん売れる。そこの間にまあ大漁の場合は対米関税問題、不漁の場合は日本の国内問題という結果になるのでありますが、仮にアメリカの工場が非常に日本の冷凍を要望しまして、そうして全部をアメリカへ持つて行つてしまうというようなことは、これはやはり日本の国内産業から見て甚だ不健全である。従つてアメリカがそんなに不漁のときは、やはり相当日本の国内は調整の必要があるのではないか。ところがアメリカが非常な大漁で日本の魚を希望しないというときは、これは又団結して関税問題に当らなければならん。これは漁のことでよく極端から極端に行くことが多いのでありまして、従つてそういう場合に日本側としましては、やはりお互いに国内で喧嘩をしておるようなことでは、アメリカの市場において日本の産業を振興させることはできない。日本のまぐろの売込みを有利ならしめることができないという立場からしまして、やはりこういう法的な裏付けがあつた場合に、万一の場合に非常に日本のために有利ではないか。それは勿論その場合に、商売のことですから冷凍のほうが非常によく出、罐詰のほうは少し遅れるというような場合があつても、これは特殊の事情があれば一応お互いに了解されることでありますから、必ずしもそうやかましく国内で以て紛争をする必要はないと思います。従つて或る程度こういつた法律があつて、基準があればお互いに紛争解決も楽ではないか。結局まあ我々日本側としてはどうしても、いずれにしてもアメリカを相手にいろいろ問題が起るわけですから、そのときはできるだけ協調的な態度でこれは進みたい。それについてはこういう法案があるときには非常に解決が早いのではないか。そういうことでそれは紛争が解決するかせんかということは、そのとき又話合いをしなくちやなりませんけれども、要するに問題が起る場合はアメリカが大漁であるとか、或いはアメリカが非常に不漁であるというときにだけ起る問題だと思います。
#27
○千田正君 そこでアメリカ側の意見としては二つの面があるのですね。例えばこの法律によつて一つの冷凍輸出組合という強固なものができた、或いは罐詰の輸出協同組合という強固なものができた、こういう場合には従来のフリー・マーケットじやない、一種の制限がなされる、そういうことによつて従来アメリカ側はまあ勝手に買いたい、場合によれば勝手に叩きたい、こういうことができなくなるという反対の面と、いやむしろ日米間の将来の貿易のためには、そうした日本側において自主的に組合を組織されて、正常なルートに乗せたほうがむしろ将来のためにいいだろう、こういう考えと二つあるのですが、ただ私が懸念するのは、こういう法律ができても、要するに今おつしやつたようにアメリカの漁、不漁と言いましても、漁、不漁ばかしでなく、アメリカの漁業労働者、或いは罐詰企業者とこれは一体のものでありますから、あの人たちの生活のリービングコストの如何によつてもう直ちに日本の輸出に対しても響いて来る。而も労働組合の背後には単に漁業労働者のみならず、全国のあらゆる労働組合がそれに声援する。一昨年のストライキの際はそういう状況であつたわけなんです。で、これは考えようによつては大きくもなるし、又将来の日本のこうした輸出に対しては大きな問題だろうと思うのですが、大体こういう法律によつてアメリカ国内に日本が仮に持込んだ場合に、ダンピングを或る程度これによつて抑えられるかどうか。仮に国内においてまあこういうことを皆さんおやりになるのな結構ですし、大いに大方のかたがたが御賛成のようでありますが、東南アジアにおいて仮に日本の漁船が向うで漁獲したものを冷凍して、日本には持つて来ずに直接アメリカに輸出する、或いは第三者の、例えばインド或いは香港或いは台湾、そういうところに行つてアメリカ側のバイヤーの手に渡つた。そしてあなたがたは一生懸命ここで協同組合の力で輸出して行く前に、すでにそれよりも低い価格によつてアメリカ側に輸入されておるというようなことが起りはしないか、こういう点も考えるのですが、そういう点についてはどうお考えですか。
#28
○参考人(安達義治君) アメリカの価格は千田先生も御承知だと思いますが、罐詰と漁師の組合とがありまして、それで一年の年間の値段を契約する、従つてきはだは三百五十ドル、或いはかつおは二百九十ドル、年間の値段がきまつております。若しアメリカがほかの方法で安い魚をほかの国から持つて来たということになつても、アメリカで水揚げの値段はこれはその契約値段より低くするということは労働問題がありまして不可能だと思います。そこでその間に安く買つた人はアメリカまで持つて行つたら儲かるということはあるかも知れませんが、そのために日本の自粛しておる或いはチェックプライスとか、自分たちの作つているアメリカを刺激しない値段で、そういうことをするためにアメリカの市場を失うということは先ず考えられないと思います。
#29
○千田正君 わかりました。まあ非常にそういう良心的な動きをして頂けば、それはこの法律が出ることは非常に結構なことであつて、我々も非常に賛成するのであります。ただ従来の状況を見ると、罐詰業とか、冷凍という魚類のほうじやありませんよ。例えば絹製品であるとか、雑貨だとか、そういう問題についていつでも日本商品が向うで問題を起すのは、売れなくなると結局ダンピングをやる。日本の商品は或る程度まで叩けば叩かれるのだ、例えば真珠のような問題にしてもニューヨークだとか、シカゴにおいてユダヤ人が暗躍すれば如何に日本側において一つの強固なあれを持つていても、直ちに値を崩されて、そうして彼らの思うようにコントロールされて行く。こういうのが現在の状況なので、そういうものができて、幸いにして皆様がたが良心的にこの法律に従つてやつて行くということならば、これに越したことはないと思います。で、日本罐詰のほうの岡さんにお伺いしたいのですが、四五%の関税がかけられて、我々も関税廃止に対しては微力ながら当委員会もあらゆる立場においてアメリカ側に反省を促し、或いは懇願もし、あらゆる手を尽して来たつもりでありますが、なかなか容易ではない。ただ今後において結局冷凍のほうがどんどん売れて行くという場合において、冷凍のほうとのいわゆる問題の解決が、今安達さんがおつしやつたように国内において十分これは話合えばわかることであるし、相当その点において手を結んで行かなければ勿論この法律の効果が挙つて行かないが、これは相当自信があるのでありますか。
#30
○参考人(岡武夫君) この問題は先ほど鮪組合の専務の馬場さんからもお話がありましたように、戦前においても相当問題がありまして、結局海外では話がつかないで、国内で農林省の当時の戸田水産局長の調整によつて冷凍三割、罐詰七割というような線が引かれまして、戦前には一つの途ができておつた。戦後におきましても、一昨年百四、五十万函の輸出ができて、向うで又関税の引上げ或いは輸入制限というような問題が起りましたときに、本問題の解決は向うに対して冷凍とまぐろが一体になつて行かなくちやいけない、こよいう意味におきまして、まぐろ業の協議会というものの会長に高碕達之助さんをお願いしまして民間の自主的な機関としまして冷凍及び罐詰からほぼ同数の委員を出して罐詰及びまぐろの協議会が行われた。只今安達さんからお話のありましたように、一昨年、昨年につきまして向うの不漁、国内の大漁という問題に併せて罐詰に対して注文が殺到すると同時に、向うの工場としては原料である冷凍を欲しい、こうなりますときに、こういうふうな根本的な法規もありませんので、それぞれの協議会を作つておりましても、冷凍側は注文によつて先にどんどん独走される。その協議会を作りましたときに、大体の大きい申合せは六対四、原料において六対四というように申合せを内規にして持つておつたのであります。そういう問題がありましたので、これを政府のほうでいろいろ指導されるにいたしましても、民間の自主的な機関では対外的に外務省を通じまして向うの徴税問題をいろいろチェツクするとか、向うに発言して頂くにつきましても、国ではこういうふうな規制をしているのだ、国でこういうふうに指導しているというような面は考えるわけですが、ここにこの法案ができまして、国内においてそういう問題が十分検討されて一本になつて行くということになれば国内的には勿論、対外的にもその線がはつきり出る、かように考えまして業者におきましては罐詰と冷凍を兼用されている業者も相当あります。絶えず顔を合せているのでありますが、平生の事業の面においてそういうふうな事例が起つたら一応協議会は、今眠つているそれぞれの何はやめて、そしてこの法案ということになつたような次第だと思います。これが根本でありますが、先ほどからお話もありましたように、それに合せてあらゆる輸出水産物が国内における態勢を整備してこれを中軸とし根幹として、国内の態勢の整備に合せて対外的に折衝して行くということになりますれば、いわゆる一致して一本のパイプで輸出されるという意味合いで堅実な発展に資するところは多大である、かように考えている次第であります。
#31
○千田正君 もう一つ、審議の過程において通産委員会のほうから輸出に際して通産大臣の同意を求めて欲しいという一項を入れてもらいたい、これは農林大臣だけで許可しますが、通産大臣の同意を求めて欲しい、こういう要望があつたのでありますが、こういう点につきましては仕事をやる上においてどういうふうにお考えになられますか。
#32
○参考人(岡武夫君) お答え申上げます。従来輸出の数量を、先ほど横山さんがおつしやつたように、貿易管理令でチェックされているので、窓口だけでチェックをされておつたのでありますが、何としましてもそこは窓口だけでありまして製造の根幹から根本のほうの生産数量を調整し、そうしてそこの業者が集まりまして販売も今生産者だけで販売を作つているわけであります。輸出者は入りませんでやつておりまして、そうして一本のパイプでやらないことにはいわゆる絵に画いたぼた餅になりまして、現実に実効が挙がらない、こういう事例は、ここに冷凍のかたもおいででございますが、冷凍のほうは販売会社ができていないのであります。なかなかそのチェックというものが通産省だけでは行かないのであります。従来数量を制限し、価格のチェック等も行われておつたのでありますが、これにつきましても法案では貿易管理令では関係大臣の同意を求めるというふうになつているかどうか知りませんが、通産省の所管であります。現実には絶えず水産庁、或いは対外的には外務省と官庁間との会議がしばしば行われまして、運営されておつたのであります。法律そのものとしましては、生産の面をがつちり抑えてそこに運用の面におきまして合理的ないろいろの方法が実際に行政面において行われるということが可能ではないか。そうであればこの法案の中にさようなものを持込まなくても問題の解決はできるのじやないか、生産者が、何としましても、いわば製品が仮に十ドルで売れるものであれば、その中の三%か五%で以て輸出の人は商売している。而もここの点ががつちりさえすれば、そこに三%の範囲内、或いは五%の範囲内で物が動いて行くいわば窓口に過ぎないのでありますから、その点において海外の情報なりいろいろな意味において意見を聞くということは結構でありますが、この法案の中にそれを織込む、所管主務大臣というものを一つきめたなら、それであとは行政面で筋が通つていいのじやないか、かように私だけでは考えるのであります。別に研究はしていないのであります。
#33
○千田正君 安達さん如何でしよう、今の通産大臣の同意を求めるという一項を入れて欲しいということを、通産関係の委員会から強硬に申入れられてあるのですが、この問題は輸出なんですか、同時にこういうことが今の岡さんの言うように、あえてそうしなくても、一つで行つたほうが、煩壇を避ける面においていいではないかとい御趣旨のようでありますが、安達さん如何でしよう。
#34
○参考人(安達義治君) 現在私どもの組合は輸出組合であります。ですから輸出入取引法によつて動いているわけなんであります。ところが私のほうのメンバーは殆んど大部分六割から七割まで、もつとあるかも知れません、殆んどみずから生産をして販売までやつておるということで、生産が主である組合が輸出組合をやつているということで、誠に変態的にいたしております。今まで輸出入取引法によりましていろいろ総会をやつたり理事会をやつたりいたしたのでありますが、どうしてもそれはまとまらない、結局こういう貿易管理令によつて政府のほうで処理して行つたらというような事態が殆んど大部分であります。ですからここにこういう法律ができるということは、これは専ら通産省を中心にして輸出の面に渡すまでの法律である。輸出組合乃至輸出業者には輸出入取引法というものがあるということになれば、ここに貿易管理令という変態的な為替管理令が貿易の実体まで左右するという変態的な運用はしなくても済むということになるかと思います。すぐ為替管理令を外すということは、これはなかなかむずかしいかも知れません。して見れば輸出入取引法は貿易面で、通産省のほうで十分にやつて頂く。生産面は農林省のほうで以て十分にやつて頂く。これも輸出品でございますから、これは勿論通産省との連絡は常に密にとらなくちやなりませんけれども、法律上そういうことを一々全部書いた場合には、更に又外務省の同意を求めるとか、いろいろなことになるかと思います。ですから成るべく法律は簡単にしておいて頂いて、煩項を避けたいという気持がいたしております。
#35
○青山正一君 只今の千田委員の質問に関係いたしまして私からもお聞きしたいと思いますが、皆さん水産委員会に出ておられるがために私らに遠慮して、いろいろそこ綾を持つてお話ななすつているのと違いますか。その点はやはりはつきり言つて頂かんことには、私のほうへは通産委員長の名前で、強硬にそういつた問題を申入れて来ているわけなんであります。そこを余り遠慮しておつしやいますと、私たちは本気にしますから、その点はつきり言つて頂きたいと思います。
#36
○参考人(岡武夫君) 私どものほうの協会はこちらのほうにおいでのかたがた以上に、罐詰協会としましては生産者が主体でありますが、資材、輸出、卸し、全部入つております。併しこれは作つております人が事情を調査し研究することが、又金も出し仕事をすることが主でなければ、ものは動かないのであります。輸出の振興、調整、すべての問題は主体は飽くまで生産者にあるという信念を持つておりますので、毛頭遠慮とか気兼ねを持つているわけではありません。信念を持つて申上げている次第であります。運用の面は別でございます。その点は生産者のかたがたは同意見のことは勿論のことであります。
#37
○青山正一君 恐らく通産委員会が皆さんを又参考人として喚門された際において、今の言葉を翻えすというようなことになりますと問題ですから、その点あらかじめ申入れておきますからして……。
#38
○参考人(横山登志丸君) 私は現在までは、全然通産省のお世話にならないで農林省一本でありますから、でまあ言わなくても言いように思うのですが、今当面しておる問題でありますので、実は衆議院で発言しましたから、同じことをここで申上げたいと思います。これは丁度初めにわざと言わないでおつたのであります。丁度この問題なんであります。先ほど言いましたように、チェック・プライス、輸出商品、これが通産省でやつておられるのであります。これも全部農林省のほうに来ますと、すらつとして、今まで発言なすつたようなことが、非常にすらつとするのでありますが、これが依然として通産省にあるとすれば、必ず私は将来ですね、官庁間に私はごたごたが起るのじやないかと思う。こういうことを憂えておるものであります。私も長く官庁におりましたが、こういう問題があつたときには、勢いのいいほうが勝つのでありまして、まあおとなしいほうは業者のために、自分で余り所管争いみたいなことをするといかんというので、私も漁船行政をやりましたときに、運輸省と殆んど正面衝突のようなことをやりましたが、私のほうがおとなしく出まして、運輸省の次官にまで、各課長に判をもらつて、同じ省の課長のようなふうで、ずつと廻つてその漁船の計画を完成したことがあるのでありますが、こういうふうに、どつちかが非常に譲歩すればいいのでありますが、どちらも元気がよくて、自分の所管に執着して争うことになりますと、迷惑するのは業者であります。そこで私は衆議院ではそんな詳しいことは申上げませんでしたが、こういうような実情にあるから、この点は何とか一つ、農林、通産両省で業者が迷惑をしないような方法をやつて頂きたい。こういうことを衆議院ですでにもうはつきり申上げておりますから、ここでは同一なことを丁度今問題になりましたから、この法案の中に入れるか入れんかというようなことは、これは法を作る技術のほうに任して頂きまして、私はそのほかに、そういう問題で今悩んでおる点があるのでありますが、こういう提案をしておるのであります。法案にまあ入れて共管にするなら一番いいのでありますが、その共管の仕方がやはり両省の間に了解事項をされまして、この点は主として通産省がやる、この点は主として農林省がやる、いわゆる発動的に主とする省をきめて、それから共管にやれば、私はそう悩ましいことはないと思う。それをやらないで、いきなり共管と、こういうことになつて来ると、両方が同じような勢いだと、迷惑するのは業者であります。どうかその点は一つ参議院の委員のかたがたには、そこがスムースに行きますように、私は一抹の不安を持つております。でありますからそういうようなことになりませんように、スムースに、この貿易振興になるように御配慮願いたいと思います。
#39
○千田正君 馬場さん如何でしようか。
#40
○参考人(馬場孟夫君) 私は只今岡さんのおつしやつたように、農林省の専管でいいと思います。
#41
○秋山俊一郎君 私も二、三点細かいことこついて、お尋ねしたいと思いますが、横山さんにお尋ねいたします。先ほど来漁船の施設の登録問題がありましたが、まあ従来、或いは現在におけるこの漁船が、漁獲物を冷凍して帰つて来ますね。そうした場合にこれを陸揚げせずに帰つて来る場合口もあれば、沖からいきなり輸出に持つて行く、或いは又帰つて来ましても、それを陸揚げせずに、直ちに輸出するというような場合がございますか。
#42
○参考人(横山登志丸君) 実はその点は、二年ほど前からいろいろ研究しておるのでありますが、沖であろうが、外国領土へ持つて行つてやろうが、これはやはり輸出になるという見解でありますから、私どもは現在の制度としましては、陸揚地については農林省の許可を得なければならんし、それから品物を渡す点においては、通産省の承認を得なければならない。勿論チェック・プライスの点も国法に適したようなやり方でやろうということで進んでおります。アメリカ側のほうは、母船及び漁船は、原則として他国のものをアメリカの領土に入れるということは、まあどの法律でありますか、大体禁止されておるそうであります。それから沖で買つて、アメリカへ持つて帰る、これも禁止されているそうであります。運搬船といたしまして、そして日本の領土で、或いは外国の領土で買う場合、これはアメリカの自由の島があるのですから、いわゆる自由港というようなものがあるのです、太平洋には……。そういうところで買つて、持つて帰るぶんには承認を得ればいいんだそうであります。で私どもは漁場がずつと拡大するにつれまして、南太平洋のだんだん東のほうに行きますと、アメリカのほうが近くなつて、そうすると日本に持つて帰つて、又六千五百マイルも運賃をかけて、アメリカベ売るよりもアメリカの近いところの島で、漁船が直接に取引ができれば、これはその間の運賃が両者で分けてとれるのでありますから、一層勿論業者のために、非常にいい。そういうような計画は現に進めておるのであります。又インド洋方面のほうは、むしろ向う側の国からそういう処置をとつてくれという、そういう要求が来ておりますが、契約の内容は必ずしも私どもが釈然とするようなものでないために、未だこれは全然進んでおりませんが、併し両方の利害が一致いたしますと、私はそれをやつていいのではないか。これはむしろ今、御承知でありましようが、かつお、まぐろ業者が原爆の関係は特別でありますが、それがありませんでも、一部の大型船以外はやはり非常に経営は苦しいのでありますから、これを打開するには少しでも魚価のいいところに売るということをせざるを得ない実情にありますから、それが若しも業者のためにいいとなれば、そういう方法をとりたい。これは二つあるのでありまして、冷凍品を要求するならば冷凍品を、大型船からは冷凍品が供給できるし、そうでないものは鮮魚として出す、これはいずれにしましても、政府の承認を得てやるつもりでおるのであります。
#43
○秋山俊一郎君 そういたしますと、現在では直接に漁船から持つて行く或いは船に積み替えて持つて行くということは行われておらないのですね。
#44
○参考人(横山登志丸君) 今サモアというところで行われておるのでありますが、これは私どもはタッチしておりませんで、七艘の中型の漁船と、それから貿易業者との間に契約をして、向うの罐詰業者と契約して行われている。これは私どもはこのあり方については必ずしも賛成をしておらない。これがどうなるかわかりませんが、現に行われておることは事実であります。
#45
○秋山俊一郎君 そういたしますとこの法律ができました場合に輸出水産業者という者が組合を組織するといつた場合に、そういうものがその枠外になるのでしようか、中へ入ることになるのでしようか。
#46
○参考人(横山登志丸君) これは私はそういうような含みも持ちまして発言をしておるつもりでありますが、この法案の運営なり何なりがとういうふうになつて行くものかを見極めましてから態度を決したい、こういうふうに考えております。
#47
○秋山俊一郎君 私の横山さんに対するお尋ねは、それはさつき登録から除けてもらいたいという御意見がございました。登録から除いてしまつた場合に、それが圏外に立つような結果になりはせんか、こういう感じがあるものだから私は申しておつたのであります。その点は如何ですか。
#48
○参考人(横山登志丸君) それは登録から圏外に除かれても、やはり輸出業者が直接に輸出する場合には、この輸出の何といいますか、団体に入るか入らんかは、それとは必ずしも一致さして考えておらないのであります、私ども方では……。
#49
○秋山俊一郎君 もう一つ横山さんにお尋ねしますが、現在先ほどもお話がございましたが、だんだん冷凍船がたくさんできて来て凍結して持つて来るが、小さい船になればそうは参りませんので、現在は沖で凍結して持つて来るのと凍結しないで冷蔵庫みたいなものに入れて来るのと、或いは氷詰めにして来るとか、その割合はどういうふうになりますか、おわかりになりませんか。
#50
○参考人(横山登志丸君) 今計画しておるのは相当たくさんありますが、現に動いておるのは、そうして完全に凍結のできる船は二艘であります。そうしてこれが持つて帰りますときには大体半々くらいで持つて来るが、積載能力が七、八万貫ぐらいでありますが、その半分を凍結し、半分を冷蔵する、これは能力から来ておるのでなく、内地向のものは凍結すると色が悪くなるから、内地向でさしみ用のものは成るべく冷蔵して帰る、これなら大丈夫輸出ができるというのは、これは色に関係なくして、やはり冷凍すればすぐいい値段で輸出のほうに向けられますからこれは冷凍して来る、これは半分です。今後は加速度的に多くなります。今どんどんどんどん船ができておりますから……。
#51
○秋山俊一郎君 そういたしますと、いわし罐詰の越藤さんにお尋ねいたしますが、この法律ができますと、技術的基準に従つて設備の登録をするということになつております。現在随分いわし罐詰の冷凍工場がたくさんあるように伺いますが、まだ技術士の基準というものは一向明示されておりませんので、一体どの程度のものを基準とするかということはこれから政令で定めることになりますけれども、皆さんのほうでは大よそこの辺ということの見当はおつきじやないかと思いますが、そうした場合に現在の工場で相当不適格工場ができるのじやないかと思いますが、それはどんなものでございましよう、相当割合としても何割もございますか。
#52
○参考人(越藤俊夫君) 只今秋山委員からのお尋ねですが、現在の我々の組合に入つているのは六十人ぐらいあるのですが、非常に弱小で一年間の生産能力は五百函足らずのものも入つておるわけであります。今後法律の中にあります基準を見ますと、政令で定める適当の基準を農林大臣がおきめになるように書いてありますが、その基準の取扱方はどんなふうにされるか、行政官庁と打合せいたしておりませんからわかりませんが、我々といたしましては、先ほどお尋ねになりましたのは五百函程度のものをするのを大体組合員としておりますので、一年間の操業月数から言いますと、大体三カ月ぐらいが普通なんですが、たまに一日ぐらいやつたり一週間やつたりというのも中に入つていないことはないのですけれども、それは以前に大きな実績を持つております。それが御承知の通り長崎方面におけるいわしが不漁になつたため、今年は余計造れない。例えば又東北方面は以前は非常に実績を持つておりましたけれども、現在はさつぱり魚がとれないために一部は中止しておるというような業者も一部入つておる。我々はこの法律に対する基準をどの程度にきめて頂いたほうが適切じやないかということは現在考えておりませんので、もう少し研究さして頂きたい思います。又行政官庁のほうの御意見もあるかと思いますが、その点も聞いておりませんし、ここで私個人の意見もまとまつておりませんので、ちよつとお答えしにくいかと思うのであります。
#53
○秋山俊一郎君 今お話の点は設備の規模のようにも考えますが、技術士の基準に適合することになりますと、必ずしもその数量の問題ではなくて、設備の中の機械類、その他の設備が相当技術上の基準になりはせんかと私ども想像しておるわけであります。これは今後いろいろ審議をして見なければわかりませんが、必ずしも数量の問題ではなくして、質の問題に入る場合もあると思いますが、全然そういう点は皆さんのほうではヒントも得ていないのでありますか。
#54
○参考人(越藤俊夫君) 実は私どものほうの組合に加入する際には申込書を受付けることになつております。これは組合できめております。それには先ず立地条件がどういうところにあるかということと、次には工場の内部の施設関係、次に衛生関係、次に大事なことは今の御質問の点に触れるわけですが、技術者の問題は非常に重要に見ております。この技術者の問題は学歴と経歴というような、罐詰に対する経歴ですが、それが大体中学以上は五年以上、高等学校、専門以上は三カ年以上というふうな規定を一応内規で定めております。それも特にいわし罐詰に対して経験のある技術者を工場に責任者として一名入つているという条件を内規で定めております。それを審査しまして、申込を受付けた際に調査をいたしまして、適切だと思えば我々の組合に加入するようにいたしますというようにきめております。大体技術者に対して非常に重点を置いている次第であります。
#55
○参考人(横山登志丸君) さつき申上げたことに補足したいのですが、私が申上げましたのは、単船繰業の漁船を言つたのでありまして、母船は別でありますから、それを申上げておきます。
#56
○秋山俊一郎君 母船は何ばいぐらいですか。
#57
○参考人(横山登志丸君) 母船は本年は十二、三船団くらい出る予定だそうであります。
#58
○千田正君 今の秋山委員の発言に関連いたしまして、法案の中に許可制の問題を、基準の問題が出ましたから、私はさつき馬場さんから、まあ濫立を防ぐためにはやはり登録制よりも許可制をはつきりしてもらいたい、こういう要望のようであつたのでありますが、この点につきまして、根本さんより、新らしくやつて行くというかたがた、その他のかたがたから、法案は登録制ですが、許可を厳重にして濫立を防いでやつていつたほうがいい、或いはこの際組合員としては、それを認めてやつて、登録制を法案通り認めてやつて、むしろ運営において厳重に取締つたほうがいいという問題があると思いますが、御意見を承わりたいと思います。
#59
○参考人(根本和三郎君) 只今の御質問にお答えします。この許可制の問題でございまするが、現在のこのさんま組合といたしましては組合員は八十三名でございますが、まぐろにしましても、いわしにしましても大体同じ程度の組合員を擁しておるのでありまするが、現在の各工場の設備、生産能力というものは相当の、割当の二倍、三倍の生産能力を持つておるのであります。でこれから実際のことを申上げると、もうすでにオーバーワークなんでございますね。更にこれが新規業者が殖えるということは共食いの状態になることでございます。併し私どもといたしましては、組合といたしましてはあとから出て来るものを決して拒むという考えは持つておりませんが、共食いして秩序ない生産でございますね、こういうことをやられては国家のために不利なのであるということから秩序のない生産競争を防ぐ意味において組合を作つて、そしてあとから来るものを指導してお互いに先進者の努力して築き上げた生産面、何と申しましようか、実績を乱さんようにしてもらうために後進を組合員が指導しておりますが、まあ実際の問題として立地条件と、それから漁獲の面から見まして無理がある場合には成るたけ遠慮してもらうというように指導しております。現在の生産能力というものは相当の設備がありまして、これからはむやみに設備の拡充ということは国家的に見て不利であるので成るたけ控えさせるように指導して行きたい、こういうふうに考えております。
#60
○千田正君 そうしますというと、まあ登録はあえて反対ではないと、併し登録に際しては基準をしつかりしたものを作つてもらつてその基準において、十分に将来の運営に対しての濫立を防ぐための基準をはつきりしてもらいたいと、こういう御希望ですね。
#61
○参考人(根本和三郎君) そうでございます。
#62
○秋山俊一郎君 もう一、二点……。日本寒天販売会社の家坂さんに伺つておきますが、現在のところでは生産業者の数や設備等がよくわかつておらないというさつきお話でございましたが、大体年額どれくらいの生産がございますか、日本内地において寒天の生産が。
#63
○参考人(家坂孝平君) 大体終戦後、極く最近落ちつきましてからここ四、五年の間は五十万貫平均と考えて頂ければいいと思います。五十万貫、製品にいたしまして……。
#64
○秋山俊一郎君 現在のところ生産或いは設備の調整をしなければならんというような段階に至つておりますか。
#65
○参考人(家坂孝平君) 生産上につきましてはまだ戦前の七割くらいしか造つておりませんので生産増強を図らねばならんという段階にあると考えております。大体現在はそういう段階になつております。
#66
○秋山俊一郎君 そういたしますと、まあ現在五十万貫あるようですけれども、その五〇%が大体輸出に向けるというお話でございましたが、そうして現在大体戦前の七割程度ということでありますと、現在急いでこれを調整するとか、或いは規制して行く必要は差迫つてないように感じますが、如何ですか。
#67
○参考人(家坂孝平君) ところが非常に寒天のまあ特殊性といいますか、今年は逆にですね、生産が非常に減退したわけです。それは去年の原藻害、日本の原藻採取量が非常に平年よりも少くなりまして、大体三割減くらいであつたわけです。その上に去年の十二月から一月にかけての御承知の暖冬異変のために、製品の腐れが出まして、それから一等品ができなくて三等品、四等品にそれが変つたというようなことで、輸出が非常に減退したわけです。去年の大体半半分くらいだと思います。今年度の寒天で輸出される量というのは。そういつたその暖冬異変、天然現象によつて非常に異変がある場合がありますので、仮にたくさんとれないから調整する必要がないということも言い得ないような状態であると思うわけであります。
#68
○委員長(森崎隆君) ほかに御質疑ございませんですか。参考人のかたがたに対する御質疑。
#69
○千田正君 若し大体終りしまたならば、或いは今日我々が質疑した後において、足りない点もあるでしようし、又お帰りになつていろいろ又総合的に考えましてですね、御意見を頂戴する向きもあるかも知れません。そういう場合においては御選慮なく一つ当委員会に御意見書なり何なりどうぞ御遠慮なく出して頂くように委員長から要請して頂きたいと思います。
#70
○委員長(森崎隆君) 一応質疑はこれにて終了いたします。
 安達義治君ほか七名の参考人のかたがたは今日本委員会にわざわざおいで頂きまして、御意見を頂きまして、誠に御苦労でございました。今千田委員から御発言がありました通り一応今日はこれを以ちまして皆さんがたに対する質疑は終つたものでございまするが、なお明日から本法案の審議の過程におきましていろいろお聞きしたい点も出て来るかと思いますが、そういう節には成るべく敏速に御連絡申上げますので、又御足労願いたいと思います。本日は誠に御苦労様でございました。誠に有難うございました。
 今日は議題はこの一本にいたしておりますので、これあたりで今日ば散会いたしたいと思いますが、よろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#71
○委員長(森崎隆君) それでは今日はこれで以て散会いたします。
   午後三時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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