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1953/05/19 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 水産委員会 第26号
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1953/05/19 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 水産委員会 第26号

#1
第019回国会 水産委員会 第26号
昭和二十九年五月十九日(水曜日)
   午後二時十五分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     森崎  隆君
   理事
           秋山俊一郎君
           千田  正君
   委員
           青山 正一君
           森 八三一君
           木下 源吾君
           菊田 七平君
  衆議院議員
   水産委員長   田口長治郎君
           鈴木 善幸君
  政府委員
   北海道開発庁次
   長       谷口 明三君
   海上保安庁次長 島居辰次郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       岡  尊信君
   常任委員会専門
   員       林  達磨君
  説明員
   公正取引委員会
   経済部長    坂根 哲夫君
   水産庁漁政部長 立川 宗保君
   水産庁生産部水
   産課長     小池 彌六君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○水産政策に関する調査の件
 (北海道暴風雨被害に関する件)
○輸出水産業の振興に関する法律案
 (衆議院提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(森崎隆君) それでは只今から委員会を開会いたします。
 先ず最初に北海道暴風雨被害に関する件を議題といたします。本件に関しましては、この被害発生直後に早急に委員会を開会いたしまして、関係官庁から成るべく詳しい速報を頂くことに考えていたのでございますが、当時は何よりもやはり捜査、救援が大事だということで、そのほうに全力を傾注させて頂きたいというような強い希望もありまして、実は今日まで遅れたのでございまするが、或る程度の被害の状況がわかつて参りましたので、今日海上保安庁並びに水産庁のほうに、これからこれが被害の全貌に関しまして一応の説明をお願いいたしたいと思います。
 先ず海上保安庁からお願いいたします。
#3
○政府委員(島居辰次郎君) 九日夕刻から北海道を通過いたしました低気圧による遭難船の状況及びこれに如何に救助に当りましたかということの実績その他につきまして順を追つて御説明申上げたいと思います。
 九日夕刻低気圧が日本海の北部を東進中だという気象通報によりまして、私のほうの海上保安庁の第一管区本部、これは北海道にありまして、本部は小樽にあるのでありますが、北海道方面の海上保安部の各部署及び巡視船に対しまして非常配備を指令したわけであります。これに基きまして行動中の巡視船は哨戒を強化し、又基地に在泊しております巡視船は燃料、食糧、飲料水、それに医薬品その他必要な物資を搭載いたしまして乗組員の上陸を禁じて出動に備えたのであります。
 その翌日の十日早朝、根室の漁業無線から第一幸漁丸という船が花咲の南南東約百三十マイルで遭難中という通報を受けましたので、釧路の海上保安部は、数日前よりこの花咲の南南東約百九十マイル附近で機関故障で漂流中だという推定のありました第五旭丸というものの捜索に巡視船の「だいとう」が出ておつたのでありますが、そのさつきの通報を受けましたので急遽これを反転させまして、百三十マイルのほうに帰らしたのであります。同時に基地に待機しておりました巡視船二隻を現場に急行せしめたのであります。次いで次第に遭難情報がだんだん明らかになつて来ますと、この方面、東南方面で、さけ、ます漁船に相当大きな被害が発生しているというふうな情報が入つて来たのであります。そこで全道の大型巡視船の主力なこの方面に集中いたします方針を立てまして、稚内、小樽、函館から大型巡視船五隻を釧路方面に急派いたしました。これによりまして北海道周辺の巡視船は続々同方面に集結を開始したのであります。当時同方面は、低気圧の余波はまだ収まりませんで、風速は海上三十五米を超え、うねりは九に達したような非常に困難な状況であつたのであります。
 だんだん時間が経過するに従いまして遭難船の数はますます殖えて来るという情報が入つて参りました。併しその場所は釧路からいずれも南東方約百マイルから二百マイルの遠洋で、而も非常に広大な範囲に分散しているということがだんだんにわかつて来たので、私のほうの中央におきましては、これは北海道だけの巡視船ではとても追つつかないということで、第二管区、これは東北地方でありますが、塩釜から巡視船を三隻、又第三管区、これは本部に横浜にございますが、ここから巡視船を一隻第一管区にそれぞれ派遣しまして、合計十五隻の巡視船を同方面に向わせたのであります。そうしましてこの十五隻を第一捜索船隊、第二捜索船隊、第三捜索船隊の三つに分けまして、第一捜索船隊は巡視船「だいおう」これは七百トンでありますが、これを中心にして合計六隻で以てこれに当らせ、第二捜索船隊は七百トンの「むろと」を主力にしてあと四隻合計五隻でこれに当らせ、この一、二の捜索船隊は北緯四十度三十分から北緯四十二度三十分、東経百四十六度から百四十九度を以て囲まれた海面並びに北緯四十二度三十分から北緯四十三度、それから東経百四十六度から百四十七度を以て囲まれた海面、こういうものに当らせたのであります。これは主としてきけ、ます漁業の行われておる地方であります。そのほかの第三捜索船隊は巡視船の「ふじ」これは二百七十トンでありますが、そのほか三隻合計四隻でありますが、これは知床半島を中心として網走より根室に至る沿岸のほうの捜索に当らせたのであります。
 次に救助の活動の状況を申上げますと、非常に風速もありますし、うねりも九という非常な大きな波でありますが、レーダーを活用しまして、この非常な暴風雨の中を十一日の十一時三十分に巡視船「だいとう」は先ほど申上げました花咲の南南東約百三十マイル附近におきまして浸水してまさに沈没に瀕しておりました第一幸漁丸、十三トンで七名乗組員が乗つておりましたが、これを無事に救助したのであります。又「だいおう」これは先ほど申上げました主力の七百トンでありますが、これは十二日の夜中の午前一時に花咲の南東約百四十マイルにおきまして漂流中の第三喜保丸、これは約二十トンで十名乗つておりましたが、これを救助し、又巡視船の「てんりゆう」は夜中の午前一時に花咲の南東約百五十マイルに漂流中の第一太平丸、これは十七トンで九名乗つておりましたが、これを救助し、又巡視船の「あぶくま」は同日の夜明方午前五時頃遭難中の朝海丸、二十五トンで十一名乗つていましたが、これと、第二ともりう丸、これは二十トンで八名乗つていましたが、それぞれを荒天下に決死的作業でそれぞれ救助したのであります。このほかこういう実例をだんだん挙げて見ますと数限りありませんが、巡視船は漂流中の遭難船で応急修理可能のものはこれに応急修理を施しまして、飲料水その他必要な物資が不足した漁船にはこれを与えまして、又漂流中のものでも差当つて危険が認められないようなものは状況確認の上すぐあとから来るからということを約して、更に他方面の緊急の救助を要するもののほうに向う等、臨機応変に活動しておつたのであります。又一方米極東軍には十一日の夜中に花咲の沖の遭難船に対しまして航空機による捜索方を依頼したのであります。こういうふうにいたしまして第一次捜索海面はやつたのでありますが、それは第一次は事件発生から十四日の朝六時までであります。
 第二次は十四日のそれから十七日の朝七時まででありますが、捜索海面はお手許に資料が行つているかと思いますが、だんだん東のほうに移つたのであります。第二次の捜索海面はお手許の地図にございますと思いますが、これはその意味は昨年さけ、ます漁業が非常にここで豊漁だつたというようなわけで、恐らくこの方面も行つているだろうというので、第二次捜索海面を十七日まで続けたのであります。その二次においては漁船の五隻の安全を確認し、一隻に飲料水を補給したほか、漂流物を多数揚げております。
 次に十七日の午前七時から十八日、昨日の十六時まで捜索海面を又東のほうに移したのであります。これはこんな遠い所は如何かと思うのでありますが、併し十日以降の風力及び海流のことを計算いたしますと東経百五十二度以東に漂流しているかも知れないというような道庁側の要請もありますし、又地元の要請もありましたので、余裕を持ちまして百五十四度まで捜索海面を拡げて参つたのであります。この間におきましては救助の寅実績は浮流物をちよつと揚げたほか余り手がかりはないのであります。
 ごの第一、第二、第三のその囲まれた面積は、それぞれ第一次は一万八千二百平方マイル、第二次の場合は三万二千四百平方マイル、第三次の場合は一万六千二百平方マイルに当つておるのであります。
 それから昨日の午後四時から現在まで、今度は捜索海面を少し西のほうに元の現場のほうに移しまして、東西約百七十マイル、南北約九十マイル、一万五千三百平方マイルの海面を捜索及び救助に当つております。ここにおいては浮流物を揚げたほか何ら手がかりはないのであります。
 その他の海域におきましては、知床方面においては巡視船四隻を以て先ほど申しましたように第三捜索船隊を組成して、十日以降遭難船の捜索を実施中でありましたが、十六日を以て大体遭難船があるという公算の海面の全捜索を打切りまして、一般の哨戒と情報の収集に移つたのであります。この方面の救助実績は、漂流中の漁船より人員五名を救助しましたほか、死体三体を収容いたしたのであります。又一方ソ連側へは、遭難情報の提供の依頼につきまして、十一日以降再三巡視船からソ連向けソ連語で、遭難船の情報があれば通知序得たい旨を放送したのでありますが、今日に至るまで何らその返答を承わつていないのであります。又今日は米極東空軍がなおもう一度捜査には出るという回答を得ておるのでありますが、天候の都合その他もありますが、今日は出るということには一応なつております。
 こういうふうにいたしまして、現在のところその確認した被害状況を申上げますと、全部で三百七十一隻であります。これを分けますと、花咲の南東方海域において十六隻、その他の海域におきまして三百五十五隻。細かく申しますと、乗揚が十三隻、機関の故障が十隻、沈没が五十八隻、破損が二百七十二隻、浸水が一隻、流失その他が十七隻となつております。なお人員につきまして、この花咲方面で沈没した八隻の人員の死亡したものが七十二名確認されております。なおこのほかに消息不明の状況を申上げますと、今日まで消息のつかまつていない漁船は四十隻であります。トン数にしますと六百十四トン、人命にいたしまして三百十四名であります。これは花咲の方面及びその他の海域で分れるのでありますが、合計いたしますとかような状況であります。
 これにつきましてなお海上保安庁といたしまして総合して結果を申上げますと、右のうちで援助を与えて無事に帰港させましたものが六十一隻、曳航して救助をしましたものが五隻、沈没船その他の人命を救助しましたものが五十四名、死体を収容いたしましたものが三体。遭難船の漂流物としては地図とか漁網、ビン玉、ボンデン、ドラム罐その他のものや種々収容いたしまして、これはどの船のものであるかということは今なお調査中でございます。今日までの最初からの状況を時間を追つて御説明申上げ、又今日における状況を申上げれば以上の通りであります。
#4
○委員長(森崎隆君) 只今一応の捜査の経過報告がありましたが、それに関連しまして、質疑がありますか。
 ちよつとお諮りいたしますが、水産庁の報告を先にしましようか、あとにしましようか。
#5
○千田正君 ちよつと出かけますから……。
 今の行方不明になつた四十隻ですか、こういうもののうちにはソ連側に或いは漂着しているのじやないかという観測も行われるでしようが、先ほどの御説明によるとソ連側に対しても今度の暴風に対しての協力方を連絡してあるようでありますが、その点については何らの向うからは答えがないのでありましようか。
#6
○政府委員(島居辰次郎君) きようであります。
#7
○委員長(森崎隆君) よろしうございますか……。
 それでは水産庁からこれまでの報告を頂きます。
#8
○説明員(立川宗保君) 私どものほうに各道府県から時々被害の状況が報告をされておるのでありますが、それが昨日までのところでその大体のところを申上げますと、関係は北海道、宮城県、岩手県一道二県から報告が集まつておりますが、漁船については、被害の隻数三百九十八隻多少海上保安庁の数字と食い違がありますが、これは或いは県のほうでいろいろ事情があるのかも知れません。金額にいたしまして七億円、それから漁具が同じく三つの道府県で八億九千万円、圧倒的な大部分が北海道でございます。そのほかに養殖施設としてかきの筏が若干、それから共同施設が幾らか、漁港の被害が岩手県でこれはそれぞれ軽微ではあると思いますが、十二カ所ほど出ております。合計して十七億はどの被害の数字が参つております。これに対していろいろ対処する処置を講じて参つたわけでありますが、先ず、ともあれ一番最初に手を着けられるものは漁船保険の関係でありますので、今月の十三日に関係の地方に対しまして成規の精算手続を待たずに災害のあつたものについては概算で支払うからすぐその手続をとられるようにという電報を打つておきました。十五日に保険課の主任者を北海道に派遣いたしまして、一番被害の甚大だと思われます根室に月曜日に到着をしております。そこで各保険組合と協力をいたしまして、すぐ指導かたがた手伝いまして、概算払の手続を講ずるその必要な保険書類を航空便でこちらへ送るようにいたしまして、こちらに到着いたしましたならば、五日乃至一週間の間には必ず現金が現地に届く措置を講ずるような工合にいたしております。それから先週のうちに、十四日、十五日頃に北海道の信漁連の会長やそれから北海道の水産部長等と東京でいろいろ当座の処置についてお話いたしましたが、幸いにも、北海道が非常に北海道信漁連が強力なところでありますので、当座必要な資金を現地に供給をするという処置については十分自信があるというお話でありました。なお北海道の漁業信用基金協会、これは全国第一の強力な協会でありまして、現在すでに出資を九億二千ほど持つております。昨年度の保証実績も十六億ほどあるのでありますが、その保証協会がすぐ活動をいたしまして、保証協会のメンバーが必要とする資金につきましては、裏打をして貸出をするというような準備を講じようということでありました。更に北海道の道信漁連、その他漁業協同組合等でまだ漁業権証券を相当な額持つておりますが、道の信漁連が当座の資金を調達するために、若し必要であれば当方においてその手持の漁業権証券を買上げて、いわば或る意味では一種の政府資金をここに追加信用をするという恰好になりますが、そういうことで資金の活動は十分できるだろうという見通しを一応得ております。それから更に今度は基本的な措置といたしましては、すぐに必要な、災害をこうむりました漁船に対して、それを再び漁業者が建造することが必要でありますし、漁具その他養殖施設等も、これを復旧をして又生産に入る必要があるわけでありますが、これについては昭和二十六年以来、ここ数年の間にこのような被害がありました際に講じました措置、即ち昨年では第二号台風、第十三号台風、一昨年ではオホーツク海の暴風雨でありますとかいうような、その前には二十六年の十月の台風でありますとか、そういうようなときにそれぞれ特別立法をやつたわけでありますが、それによつて復旧に必要な資金に対する損失補償、或いは利子補給というような制度を布かれておりますが、今回も私どもは同じようなことを速かに実行いたしたいという工合に考えて、今その準備を進めておりますが、なお政府の内部において、その意見の一致を見たという段階ではありませんので、今後なおその点に折衝をいろいろ要するかとも思いますが、私どもといたしましては、従来の手段と同じようなことを今回も講ずべきであろう、こういう工合に考えて措置の準備を進めておる次第でございます。なお災害が起りました直後に当方から漁政課長を先週の土曜日に北海道に派遣をいたしまして、現地の事情を十分見て、更に現地で必要な臨機の措置を講ずる要があれば、現地で所要の措置を講ずるようにということで現場に参つております。恐らく災害の現地に今行つておるのであろうと、こういう工合に思つております。
#9
○青山正一君 こちらに北海道の開発庁の次長なり皆さんお見えになつておりますから、北海道に関する水産の被害だげを極く簡単に、どういう対策を講ずるのかという、その結果を御説明頂きたいと思います。
#10
○委員長(森崎隆君) そのようにいたそうと思つております。
 それから次に北海道開発庁次長の谷口次長さんが見えられておりますから、谷口次長から一応の御報告を頂きたいと思います。只今青山委員の御希望もありますので、水産関係を中心といたしまして被害状況並びにその後の応急対策等につきまして一応の御説明を頂きたいと思います。
#11
○政府委員(谷口明三君) 五月の十日の暴風におきまする北海道の各種の被害中お求めによりまして水産関係の被害の内訳を御説明いたしたいと思います。お手許に私のほうで作成いたしました資料を差上げておると考えますが、そこにございまする通り、漁船、漁具、漁業関係の施設、養殖の施設、漁港、これらのものが今回暴風によりまして損害を受けましたものの大体であります。漁船、私のほうでわかつておりまする隻数は三百六十隻、それから漁具は二十一万七千件、それから施設中漁舎が八棟、それから各種の養殖施設がございますが、これが一万、それから漁港が六カ所の損害を受けております。これを金で見積りますというと、約十六億の損害であります。
 これが対策といたしましては、まだ開発庁といたしましては具体的な対策は持つておりません。ただ御承知のように、今般急遽私のほうの長官がこの風害の実情調査並びにその善後措置のために渡道いたしまして、本日夜帰つて参りますので、明日早速これが救済対策の協議を開きまして、できるだけの対策を講じなければならんと考えております。
#12
○委員長(森崎隆君) 以上五名のかたの御報告がありました。これより質疑がありますれば順次御発言を願います。
#13
○青山正一君 今度のこの北海道の災害につきましては、この漁船の損害は殆んど二十トン以下のものが非常に多いわけでありまして、先ほどから漁政部長の説明のいわゆる災害保険とか或いは船員保険法の適用を殆んど受けていないものが多いのじやなかろうか、こういうふうに考えておるわけであります。つまりこのさけ、ますのほうの漁業の被害と申しましても、その殆んど全部は中部千島のさけ、ますの流網漁船の被害が多いのではなかろうか、かように考えております。そうしますと、折角政府がいろいろ御尽力なすつて、お世話をなすつておられるものの対象から殆んど離れておりはせんか、こういうふうに考えておるわけであります。勿論北海道の信用基金保証協会とか或いは信用組合とかそういつた面は非常に御努力なすつておられる面はわかつておりますけれども、それとても殆んどこの対象から離れておるのではなかろうか、こういうふうに考えております。成る場合におきましては、殆んど船主は倒産の憂き目を見ておるのです。船員に至つては殆んど家族は非常に困つておりはせんか。そこでそういつたこの中小漁業者を助ける方法を一つ特に御研究願いたいということと、又そういうふうな対策はどういうふうにやつておるかという問題と、それからもう一つには、先ほど御説明のあつたこの救済策ですね、いわゆる法律によつての救済策、今国会に間に合うかどうか、例えば政府促出の何か臨時措置的な法律によつてこれをなす考えかどうか、それとも議員提出でやるべきものか、その点が十分はつきりしていませんので、若し政府ができないならば、これは議員も相当考えて行かなければならん問題だろうと思います。その点についてもう少し詳しく御説明願いたいと思います。
   〔委員長退席、理事千田喜正君着席〕
#14
○説明員(立川宗保君) 北海道の根室、釧路の地方は非常に漁船保険組合の活動が活溌でありまして、根釧保険組合と申しますか、義務加入も非常に促進いたしておりまして、若干釧路のほうが遅れておりますが、四〇数%の保険には加入いたしておるところであります。それにいたしましてなおかなりまあ半分ほどのものが義務加入のものになつておらないはずでありまして、そういうものに属するものがかなり被害を受けておるだろうと想像をいたします。それにつきまして今御心配の二十トン以下くらいの非常な小漁船、これにつきましては北海道の信漁連の会長とも相談をいたしましたときにも、特にそういうものについては組合、現地の単協が中心になつて十分急速に復旧を図るようにしよう。而も根室の漁業協同組合はこれ又非常に活溌な組合でありまして、是非現地もよく働いてやるようにしようじやないか。で、信濃連のほうからもそれに必要な当座の資金は十分供給し得る見通しがある。こういう力強い話でありましたので、安心をいたしておる次第であります。その後現地から非常に困つたという話はまだ信漁連のほうからは参つておりませんから、活溌に進行しておるものと考えております。
 さて、次にお話の法律の問題でありますが、これは何を申せ非常に会期も極く間近でありますので、これもまあ政府の内部でも実はまあ話が根本的な結論に達しておるわけではないのでございまして、まあいろいろ相談の最中であります。政府の立法と言いますと、従来の例を見ますと、非常にやつぱり時間が長引くというようなこともありますので、これは私個人の一つの観測でありますが、国会の方面の御努力というほうがスピードが早くないかというようなことも考えております。なお政府部内においても極力努力をいたしたい、こういうふうに考えております。
#15
○政府委員(谷口明三君) お答えいたします。これに対する救済の具体策につきましては、先はど申しました通り長官の帰京を待ちまして具体的な策を立てるつもりでございまするが、私といたしましては、現在救済の面から申しますと、或いは間接的な救済ではないかと思うのでありまするが、問題は漁民の救済にあると考えまするので、今後漁港の修築その他漁村近辺における道路、河川等の修築、いわゆる公共事業の実施に当りましてできるだけ今回の暴風によりまして被害を多くこうむりました漁民等にそういうような賃金等が流れるような考えをしなければならんということを考えております。なお、若しできまするならば或いは追加予算とかというようなことも可能ではないかということを考えておるのであります。主として私どもといたしましては公共事業の執行に当つてこの問題を真剣に考えるということに尽きると思います。
#16
○青山正一君 漁政部長にお伺いしたいのですが、先ほどの漁港の損害についての数量をちよつともう一度御説明願いたいと思います。
#17
○説明員(立川宗保君) 只今報告が参つておりますのは岩手県のみでありまして、岩手県から十二件、金額にいたしまして四百六十三万円。以上であります。
#18
○青山正一君 それだけですか。
#19
○説明員(立川宗保君) 只今のところそれだけであります。
#20
○青山正一君 北海道の状況は全然わかりませんか。
#21
○説明員(立川宗保君) まだ参つておりません。
#22
○政府委員(谷口明三君) 私のほうに参つておりますのは、六カ所、千六百万円ということが現在来ております。併しながら、もう少しあると思います。
#23
○森八三一君 今開発庁のほうからのお話の、公共事業費を既定予算の中で重点的にやりくりをして五月十日の暴風によつて被害をこうむつた漁民の諸君の当面の救済ということを考えるということでありますが、すでに予算が成立して数カ月と言うか、二カ月たつているわけです。公共事業費の使い方については大体計画が立つていると思うのです。その計画を変更してこの災害対策ということにすり替えて既定予算が使えるというふうに了解してよろしうございますかどうか。
#24
○政府委員(谷口明三君) 私が只今申しましたのは、漁港の修築にいたしましても全道沿岸にたくさん……、数カ所或いは数十カ所の漁港の修築を二十九年度においてもやつておりまして、いろいろな人夫を、地元に人夫をたくさん使うのであります。そういう際に当つてできるだけ災害を受けた漁民に賃金が流れるようにいたしたい。又道路河川等の修築に当りましても、勿論被害地の遠距離にあるものは仕方がありませんが、可能ならばそういうような漁民の労力によつて漁民に賃金が流れるように配慮いたしたいというのでありまして、決定いたしました予算を勿論変更することはできません。金の使い方を注意してやろうということであります。
#25
○森八三一君 ただそのお話を聞いていると非常に体裁がいいと思うのですよ。が、実際問題としてすでに予算が成立して百日ばかりになるのですから、それぞれ公共事業の施行場所というものは開発庁でもおきまりになつていると思う。そうしますと漁民を救済すると言つてもそれぞれ生活の本拠を持つているのですから、あつちこつち動かしてやるわけにも行かないということでおのずから制約があると思うのです。だからそういうようなことを考えてはいかんと言うのじやありませんし、努めてそういうことを考えることはいいが、そういうことで今度の災害が救済できるのだというような考え方はこれは私はおかしいと思うのです。若しそういうことでやれるということなら、我々が審議した予算というものはでたらめなんで、こんなことを予想したのじやないから……。そういう気持は諒といたしますが、そういうことを何かやれるような感じを与えるということは非常に誤解を生むと思いますので、恐らく今後長官の帰京と一緒に根本的な対策を考えられると思いますが、今度の災害というものは予測せざる災害ですから、その復旧については既定の予算にとらわれることなしに考えて頂くということを基本にして頂きたいという希望を持つのであります。
 そこで個人的な見解として追加予算を組まなければならんだろうという表明があつたのですが、我々が昭和二十九年度の予算を審議するときには、いわゆるデフレ予算といいますか、均衡予算といいますか、そういうような観点からして、すでに予算審議の当時においてはこの予算では不満足であつて補正追加をしなければならないという必然があつたにもかかわらず、政府はそういう用途については既定予算のやりくりで始末をして、昭和二十九年度に関する限り絶対に補正追加をいたしませんということをきつぱり言い切つておられるのでありますが、今の御発言は何か大蔵省との間に本当にこれは予測せざる突発的なことだから予備費等では賄いがつかんので追加補正をやらなければならんというような話があるのかないのか。単純な開発庁の私見であるということか、その辺はどうですか。
#26
○政府委員(谷口明三君) 二つのことをお答えいたします。
 先ず、すでに予算が決定しているのでそう簡単に動かせるものではないというお話、尤もであります。ただ先般の冷害対策におきましても、御承知の通り追加予算を頂きました。けれども、それ以外に私どもといたしましては各種の公共事業の執行に当りまして、多く冷害を受けた農民の労力を使うようにということで相当な効果を挙げた実績があります。ただ今回はそれが漁船でありまするので、冷害対策におけるごとく多くの賃金等は入り得ないと思いまするが、併しながら先ほど申しました通り現に漁港の修築をやつておりまするので、人の使い方につきましては私は或る程度のことはできるのではないかと考えます。もとよりこれのみを以て今回の被害の救済になるとは毛頭思つておりませんが、私ども公共事業を執行する者といたしましては、こういう方面によつても一つ救済しなければならんと考えておるのであります。
 次に追加予算の問題でありまするが、これは結論を申しまするならば私どもの事務当局だけの考えであります。ただ先般この問題につきまして大蔵省の事務当局に話しました。なかなか追加予算ということはむずかしいが、併しながらまだ損害の実際というものがわかつておらんから、もう一遍そのときに一つ相談しようということで、これは事務当局だけの意見でありまして、もとより政府の方針にはなつていないと思います。
#27
○秋山俊一郎君 水産庁のほうにお伺いいたしますが、今回の漁船損害は数においても非常に多いのでありますが、先ほどのお話によりますと、漁船保険に加入しているものも相当あるようなお話でございましたが、大体どれくらいのものが加入しておつて、どれくらいのものが未加入のものであるか、数字は大体おわかりになりませんか。
#28
○説明員(立川宗保君) 現地の報告を頻りに求めておりますが、まだ確実な数字をキャッチしておりません。が今の、いろいろな従来の根室、釧路地方の漁船保険の加入の状態、それから若干入つております資料から推定をいたしますと、少なければ三〇%、多ければ五〇%程度は保険に入つておるだろうという工合に推定をいたしております。
#29
○秋山俊一郎君 勿論、この損害については全損或いは部分損というものがございますが、一組合でこれだけの損害がありますと、漁船保険組合の経理は非常に困難になつて来ると思いますが、そういつたような面について実は私もこの点心配していろいろ聞き合しておりますが、中央会方面には何も状況報告はございません。従つて保険に加入していなかつたのじやないかというふうに考えておりましたけれども、お話によりますと三〇%乃至五〇%というと、組合の負担も今日ようやつとまあ細々と発足したばかりの組合が、これだけの損害になるとなかなか容易でないと思いますが、これらに対して水産庁としては、そういう場合の対策は何かございますか。
#30
○説明員(立川宗保君) お話のように非常に集中的に参りますと、保険組合は一割当然自分で負担しなければなりませんので、組合として非常な苦しい事態が生ずるということになろうと思いますが、まだそれぞれその保険組合別にどのくらいの自己負担が出るかというようなことの数字がはつきり捉えられておりませんので、なおもう少し推移見まして、これはもう一つ一つの組合別の問題でありまするので、特に主として根釧漁船保険組合の問題であろうと思いますので、その数字が出ましたあとで、その必要に応じた措置を考えて見たい、こういう工合には考えておるのであります。ただ概論といたしまして、根釧組合というのは非常に規模も大きい組合でありますし、従来の蓄積もかなりある組合でありますから、かなり強力な波でも或る程度堪え得る組合ではないかというようにも想像しております。
#31
○秋山俊一郎君 実態に即してということでありますから、それ以上お伺いいたしませんが、今回のこの遭難状況を見ますというと、沈没船も五十八隻或いは行方不明と思われるものは四十隻或いは四十一隻と出ておりますが、百隻に近いものが消えてなくなつておる、そうしますとこれは漁業としては非常に大きな損害と見なければなりません。従つて私の想像するところでありますけれども、船型が非常に小さい、従つてこれを経営する人たちはみずから船に乗つていたんじやないかと、そういう者が相当あるんじやないかと思いますが、若しそうだとするならば、この復旧は殆んどできないのじやないか、経営主体が潰れてしまつたので、融資をする途も絶えてしまうが、そうするとそれらのあとに残つた家族たちの救助ということになつて来るだろうと思うのです。そういつた方面は水産庁直接の問題ではないかも知れませんが、どういう方法で以てそれを救済して行くか、本尊が残つておればそれらの人に金を補助するなり融資するなりしてその再建を図ることができるのですが、そうでないものが相当あるんじやないか。私のこれは想像でありますけれども、この小さい漁船から見ると恐らく船主船長といつたようなものでこの仕事が運営されておつたんじやないかと思いますが、その点について何かお考えがございましたらお伺いしたいと思います。
#32
○説明員(立川宗保君) これはほかの従来の災害の例でありますが、今お話のような船主兼船長兼漁撈長というような恰好で乗組んでおる、或いは家族の男が全部乗組んでおる、それが災害を食つたというような例の場合に、所によりますと漁業協同組合が必要な資金を借受けまして、その漁業の許可を受継いで協同組合の自営でやると、そしてその収益で一家族を援助して行くというような例もあるようであります。それも一つのやり方かと思いますが、今のお話の問題は非常に重要な点であると思いますので、北海道の現地の人々ともよく相談をして、そういう場合の措置を何とかうまく考えて行くように努力をして参りたいと、こういう工合に考えております。
#33
○青山正一君 最後に希望だけ申上げておきますが、先般の十勝沖に地震があつた場合それから例のオホーツク海の暴風浪の際におきまして特別措置法というものが出ましたわけです。それから問題は別でありますが、例の李承晩ラインの問題につきまして、特定海域における損害の特別措置法というようなものが出たわけなんですが、そういつた法律をこの場合一つ十分に政府提案として至急出して頂いて、そして何らかの方法を講じて頂きたい、できるならば本国会に間に合うように一つ出して頂きたい、どうしても間に合わない場合におきましては、丁度李承晩ラインのあの問題のように、一つ政府のほうでできるだけ積極策で進んで頂いて、次期国会にこの問題をはつきり裏付けして頂くという途を一つ講じて頂く、それからどうしてもこれが農林省の内部においてまとまらない場合におきましては、例えばオホーツク海の暴風浪、十勝沖のあの法律、あれを日にちを変えてでもよろしうございますからして、何かそういうふうな途を講ずることができるかどうか、その点を一つ十分御研究して頂いて御提案願いたい、こういうふうに考えております。
#34
○理事(千田正君) ほかに御質疑はございませんか。
#35
○秋山俊一郎君 本件はまだ調査も完了したわけではございませんので、今後いろいろ新らしい問題、被害状況その他のものが出て来ると思いますが、どうか関係各庁においては新らしい事態が生じた場合においては、当委員会に御報告下さるように一つ委員長にお願いいたしておきす。
#36
○理事(千田正君) 只今秋山委員から申入がありましたが、現在のところは一応各関係官庁の皆様から経過の御報告を得た程度でありますので当委員会といたしましてなお慎重にごの問題の解決に当りたいと思いますので、更に又改めて次の機会になおその後における経過の御報告を頂き、或いは各行政官庁の意図する方針についてなお明らかになりましたならば改めて御報告を頂きたいと思います。
  ―――――――――――――
#37
○理事(千田正君) 次に本日の議事日程としましては輸出水産業の振興に関する法律案、この法律案に対しましていろいろ御審議或いは御質疑を頂きたいと思います。
 なお本日は公正取引委員会の板根経済部長さんも見えておりますし、又水産庁からは永野生産部長、小池水産課長、衆議院から只今間もなく見えられますが、田口水産委員長及び鈴木委員が見えましてこの法案に対するところの御質疑に対してお答えをするはずであります。
#38
○青山正一君 衆議院のほうからまだ提案者がお見えになつていないのですけれども、全貌は専門員にお聞きなされば大体のことはおわかりだろうと思いますが、この際来るまでブランクにしておくよりもそういう連中に聞いたほうがよかろうと思いますから特に御列席願うように一つお願いいたしたいと思います。
#39
○理事(千田正君) 間もなく衆議院の田口水産委員長、鈴木委員が見えられますが、その間若しこの問題につきまして水産庁及び公正取引委員会の坂根さんに御質疑がありましたら御質疑願います。
#40
○秋山俊一郎君 水産庁にお尋ねいたしますが、大体これは水産庁にお尋ねしていいのかどうかもまだはつきり私もわからないのですけれども、この法律の第二条に政令で定めるということがあるのです。この政令で定めるというのは、政令で定める範囲はどういうふうに考えておるかどうか、この点をお伺いしたいのですが、提案者でないから答えられないと言えばそれまでですが、いずれこの政令は役所で作るはずなんですが、どういうふうにこの範囲を考えておられますか。
#41
○説明員(小池彌六君) 只今生産部長が参りますが、今の政令の点でございますが、まだ私ども十分検討いたしておりませんので、これからよく検討してきめて参りたいと思います。
#42
○秋山俊一郎君 私どもはこの法案を審議するに当つてそれが非常に重大な問題である。範囲もわからずにこの法律は扱いにくい、それでいわゆる輸出水産物というのは何であるかということがはつきりしないことにはこれはどうにもしようがないと思う。これはいつ頃そういう範囲がわかりますか。
#43
○説明員(小池彌六君) なかなか時期の問題でむずかしいのでございますが、実は私個人の考え方でございますが、衆議院でいろいろ御審議になつておる過程におきまして、例えばまぐろの冷凍とか缶詰とか、さんま、いわしの缶詰その他二、三の品目が挙げられておつたような段階もあつたのでございますが、従いまして我々が考える場合に、そういつたものをよく考えてなおその後の検討に待ちましてきめることになろうと思います。それじや今すぐどれかということになりますと、ちよつとはつきり時期は申上げられないのではないかと思います。
#44
○秋山俊一郎君 この法律案は今度出たのは出たのですが、大分前かり問題になつていろいろ研究された問題でございますので、できれば今国会に上げなければならんものだと私どもは考えておる。ところがこの輸出水産物は何であるかという前提がわからなければこれはうつかり上げられないということになる。それで勿論政府提案でないから水産庁においてはまだわからないと言えばそれまでで、それも尤もだと思うのですけれども、もうかなり前からいろいろこういう問題については論議されておつたから水産庁は無関心でおつたわけはないと思うのですが、今日なおさつぱりわからないで、水産課長の御意見を承わつたところでしようがない。もう少し責任ある人か何らかの意思表示をしてもらわんと扱いにくいことになると思います。
#45
○理事(千田正君) 皆様にお諮りします。提案者でありますところの衆議院側の田口委員長及び鈴木委員が見えるまで休憩することにして差支えございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○理事(千田正君) それでは休憩いたします。
   午後三時十六分休憩
   ―――――・―――――
   午後三時四十二分開会
#47
○理事(千田正君) それでは休憩前に引続きまして、委員会を再開いたします。
#48
○秋山俊一郎君 先ほど水産庁当局に対して質問をしたのですが、どうも要領を得ませんので、提案者に対してお尋ねいたしますが、この第二条において輸出水産物というものを政令で指定すると、こういうことになつておるが、この政令で指定せられる品目はどういうものであるか、これはこの法律における骨子をなすものであつて、これが漠然としておつてはこの審議が進行しないと思う。従つて提案者としては如何なる狙いを持つておるかということをお答え願いたいのですが、先ず第一点、これをお尋ねいたします。
#49
○衆議院議員(田口長治郎君) かつお、まぐろの冷凍品、缶詰、それからいわし、さんまの缶詰、それと、さけ、ますの缶詰及び魚糧、それからビタミン・オイル、その程度を考えております。
#50
○秋山俊一郎君 提案者としてはさようなお考えを持つておられるということはわかりましたが、この法律には何らそういうことはなくて、政令で指定するということになると、政令は官庁で作るのであるから、それが提案者の意図の通りに作られるがどうかということについては私どもは疑問があるのですが、それを如何にして提案者は決定されるお考えですか。
#51
○衆議院議員(田口長治郎君) 政令制定に当つて、公式にではありませんけれども、衆参水産委員会と打合せを願う、こういうことを考えておるわけであります。
#52
○秋山俊一郎君 大体昨今の法律の行き方から見ますとかなり細かい点まで法律にきめて行くのが昨今の法律の立法技術のように我々は思つているわけだが、この法律においてはここが非常な重要な骨になつておる。その骨の表現を隠さないでここに明文として挙げたらどんなものでしようか。挙げて行くということは何か差支えがあるのですか。
#53
○衆議院議員(田口長治郎君) 一応そういう考え方で列記したものを原案として研究した時代がありますが、品目の指定というものは極めて複雑でございまして、国際の需給関係だとか、或いは生産状況の問題だとか、時々刻々に違う点もございますし、それと時々刻々の問題を離れないでも相当慎重なる調査を必要として、調査の下に品物を決定しなきやならん、さような事情もございますし、むしろこれは官庁で十分資料を集めて、そうして審議会の意見を聞いて決定したほうが穏当である。殊に最近御承知の中小企業安定法で各業種を法律に指定しましたところが、実際に一年間やつて見ますというと、どうも動きがない、こういうことで、今国会に、前国会に作つた指定業種を又削除いたしまして、そうして政令できめさせる、こういうような法律案を今国会で改正したにがい経験もありまして、非常に慎重を要する調査の下に指定したほうがいいという考えで、又逆転いたしまして本案の通りにいたしたような次第であります。
#54
○青山正一君 それに関連して……。実際輸出の対象になつておる、現在輸出の対象になつておる品目、例えば先ほど田口委員長からお話の品目を並べてその他政令で定めるものと、こういうふうにしたらどうかと思うのですが、それに対する御意見はどうですか。
#55
○衆議院議員(田口長治郎君) 実は公取の関係で、余りに品目を殖やして、言い換えますというと内需に相当使われるようなものまでこの品目に指定されては困るということで、公取はできるだけ品種を少くする、そういうようなことを希望しておるわけなんです。
 それから水産庁の事務能力から考えますというと、今予算が伴わないからたくさんの指定はできない、こういうような事情もありまして、相当厳選をいたしました結果、本当にこの程度ならば公取も了解をし、そうして水産庁の事務能力の点からもうなずかれると、こういうような両方の面から大体只今申しました種類を考えた次第であります。
#56
○秋山俊一郎君 それならば、我々は何もここに種類をたくさん羅列しようというのじやありません。今提案者から御説明があつた範囲で結構だと思う。我々はもうちつと縮めるかも知れない。だからして、その程度のものをここに書上げて、今青山委員の言われるようにその他のものに伸縮性を持たして政令で定める、若し今後これに加わつて来るものがあるならば、そのときの実情に応じてそれを政令で定めて行けばいいのであつて、先ず骨子となるべきものの何品目かというものをここに挙げて、その他政令で定めるというようにすればぴつたり行くと考えておりますが、これは議論になつて来るのでありますけれども、私どもはそういうふうに考える。そこで公取のほうにおきましても或る程度ならばよろしいというのならばその範囲を入れておいたらいいと思う。一番はつきりする。そうしないと、これがあとで伸縮されるということになると折角のこの法律がぼやけたものになると思うので、その点は私どもはできるだけ小範囲にとどめてそうして品目のどうしてもこれだけは現実にやらなきやならんというものはここへ明記したほうがいい。曾つての四月頃の本法案要綱を見ますと、今お話のようなそのうちにかに罐ののようなものも入つています。が、そういうようなものが要綱の中にあつた。それが落ちたということは、いろいろな話もありますけれども、結局公取関係があつたんじやないか。併し公取の関係も今水産委員長のお話のような程度において了承されておるのならば、それだけのものは私ははつきりするために出しておいたほうが最もいいんじやないかと思う。
#57
○青山正一君 その問題に関連して。公正取引委員会から三人お見えになつておりますが、只今の秋山委員なり私の意見に対してどういうふうにお考えなすつておられるか。少くとも最小限度の品目を挙げてもいいんじやないかと、こういうふうにも考えておるわけなんですが、如何でしよう、その点について。
#58
○説明員(坂根哲夫君) 只今政令の定める範囲ということで問題になつておりますが、これにつきましては私どもは当初法案作成の段階で只今田口委員長からお話のありましたように御相談を受けた際は、成るべく国内向け商品と輸出向け商品とが明確に区別されておりまして、国内消費者に対する影響が余り考えられない、且つ又問題の主要輸入国でありますアメリカのまぐろ缶詰業者に対する特殊事情があるというような点で、立法措置をとられることについては初めから賛成しておつたのでありますが、ただ今申上げましたような点で成るべく対象の種類を限定してもらいたいという話合いをしておりまして、その立法の形式の問題につきましては田口委員長の申されましたように衆議院当局にお任せした次第であります。衆議院議員(田口長治郎君) この政令で定めるもの、その政令を制定する場合に衆参両院でなお案について打合せをし、そうして本法の審議会にもかけて決定したほうが、我々としてもただ第六感でこの程度だろうという程度の品目をここに列記するよりも、そのほうが実際にいいんじやないですか。
#59
○秋山俊一郎君 私は逆の考えを持つている。もうここに委員長も意図されるところがはつきりしているし、それらのものについて恐らく異論はないと思うのです。むしろそれよりももう少し狭めたほうがいいのじやないか、くらいの意見はありましても、そうめちやくちやに拡げるという意見は差当りないのじやないか。若しそれがあるとするならば、そういいう場合にこそ審議会で審議したほうがいい。本来どうしてもこれだけのものは挙げるべきだというものは挙げておいたほうがいい。すつきりする。そうしないと、法律は通つたけれども品目が何だかわからないので、これから審議会で以て決定するということになると、この法律というものはいつになつて発効するかわからない。従つて今後政令で定める必要のできて来たものはその都度審議会でやるほうが私は最も適当である。かように考えますが、これは提案者としてはかような原案を出しておられますから、これに対して又我々の意見と違つた意見を出されることも私は当り前だと思う。まあそういう考えで進んで行くので、御意見を承わつておけばそれでいいのじやないか。
#60
○衆議院議員(田口長治郎君) 実はその思想、その考えで中小企業安定法を作つてああいう失敗をしたから今度失敗してはいけないという、そういうような考えが多分にあるわけなんです。
#61
○秋山俊一郎君 これは中小企業とは違つて、現在もうちやんと出ておつて、提案者御自身もこれだけのものはどうしても挙げにやならんと思つておられるに違いない。今そういうように御発言があつた。それだけのものを入れておいて、あとのものこそ政令で引込めるものがあれば引込める。だけれども今それだけのものは引込める必要はない。若しその必要があるならはこの際論議して引込めておいて、最小限度のものを挙げておく。例えて言えば、かつお、まぐろとか或いはかつお、まぐろの缶詰、かつお、まぐろというのはめかじきも入りますが、かつお、まぐろ及びその冷凍品、或いはいわし、さんまといつたようなものは現実に数量的にも金額的にも非常に大きなものであつて、これだけは誰が何と言つても当然入るべきものだ。そこでそのほかの或いは魚種、いわゆるシー・ミール或いは水産油脂であるとか、或いはその他のさけ、ますといつたようなもの、これらについてはなお論議をしてもいい。私はそういうふうな骨子のもの、少くとも提案者が意図されておるものは狂いがないものと私は見ておる。それだけのものを挙げておいて、その他のものを若し入れる必要があるなら審議会できめて政令で定める、これが私は筋じやないかと思う。
#62
○衆議院議員(田口長治郎君) 衆議院の委員の中には対支貿易品に水産物を是非入れろというようなそういう意見が相当強かつたわけなんです。ところが現実は御承知の通り塞がつておりますが、これが途が開けるとそのために又法律改正をやらなきやならん、こういうようなことにもなりますから原案の政令に譲つたほうが都合がいいのじやないか、こういうような意見が強くなりまして、それともう一つはこの種類を入れるのだつたらこの種類を入れろといういろいろな考え方があるわけなんですね。そういうような調整もありますし、政令を作るとき衆参両院の水産委員会に相談してもらうということで今お考えになつている点は結局処置できるのじやないか、こういうふうに考えるわけなんです。
#63
○青山正一君 委員会に相談してきめると、こういうことにおつしやつておつても、これが二年後、三年後に委員会が又内部機構が変つたり、いろいろ事情が変つたり、又この頃言つておる農林水産委員会というように合併されたりしたあとにこういうふうなものを相談してきめるということは、これはなかなか不可能なことであつて、現実の委員会においてはそれは現在もう輸出しただけきめることはできるかも知れんけれどもその後の二年後、三年後のやつをきめるということはなかなか容易ならんことだと思います。
 それからもう一つは、衆議院のこういつた法案が通つた際におきまして何かこの品目について名前を挙げて附帯条項とか何とかに何か名前を入れておきましたかどうですか。その点これは説明だけにそういうことをおつしやつておつても、政令を作る建前のほうでこういうものは入れないんだというふうなことで今後進んで行けば、これが全然入らない筋に進んで行く、そういうふうな恰好になつて行こうと思います。その点について私は非常に心配をしておるわけなんです。
#64
○衆議院議員(田口長治郎君) その委員会の問題は、水産委員会が継続しようが、或いは農林水産委員会になろうが委員会と私ら言うやつは同一の意味なんでございますが、さような意味で相談はできると思うわけなんです。そういうような関係で情勢によつて、例えば真珠なんかにしても場合によつたら或いはこれになお追加しなきやならんかも知れんし、そういう必要度の問題によつて決定するわけなんですが、その都度法律を改正しなければならんでは非常に困る問題が実際に起るのではないのですか。
#65
○衆議院議員(鈴木善幸君) ちよつと速記をとめて頂いて、ちよつと御懇談したいのですが……。
#66
○理事(千田正君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#67
○理事(千田正君) 速記を始めて下さい。
 それでは本会議が開会になつておりますので、議事運営の都合上もありますので本日はこれにて散会いたしまして、明日更に午後から当委員会を開会いたしまして、衆議院の皆さんのおいでを願いまして、又質疑を続行することにいたしたいと思いますが、お差支えございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#68
○理事(千田正君) それでは散会いたします。
   午後四時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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