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1953/05/08 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 人事委員会 第10号
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1953/05/08 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 人事委員会 第10号

#1
第019回国会 人事委員会 第10号
昭和二十九年五月八日(土曜日)
   午前十一時二十三分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     松浦 清一君
   理事
           宮田 重文君
           千葉  信君
   委員
           溝口 三郎君
           湯山  勇君
           紅露 みつ君
  国務大臣
   法 務 大 臣 加藤鐐五郎君
  政府委員
   総理府事務官
   (内閣総理大臣
   官房審議室統轄
   参事官)    田上 辰雄君
   人事院事務総局
   給与局長    滝本 忠男君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       熊埜御堂定君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○国の経営する企業に勤務する職員の
 給与等に関する特例法案(内閣送
 付)
○連合委員会開会の件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(松浦清一君) それでは委員会を開会いたします。
 国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法案を議題に供します。前回の委員会で加藤国務大臣から提案理由の説明を伺つておりますが、本日はこれに対する質疑を行いたいと思います。質疑のあるかたは順次御発言を願います。
#3
○千葉信君 加藤国務大臣にお尋ねいたしますが、この国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法案を見ますと、どうも憲法に抵触するきらいがあると思います。加藤さんも御存じのように、憲法の第七十三条の第四号によりますと、「法律の定める基準に従ひ、官吏に関する事務を掌理すること」、こういうふうになつておりますし、従つて官吏制度に関する身分の問題、給与の問題等、現行法によりますと、一切法律できめられて、そして政令に委任せられる場合等を含む官吏に関する事務については、これは勿論内閣において行う、そういう建前に立つておりますし、従つて現行法の殆んどを見ますと、今回の提案されました法律の案に比較いたしますると、例えば給与の問題にいたしましても、殆んど法定されておるという状態があるのに、今回の法律によりますと、主要なる大部分が大臣の権限に委任されておるという状態になつておりますが、この点については大臣はどういう御見解をおとりになつておられますか。
#4
○国務大臣(加藤鐐五郎君) 只今の御質問もう少し具体的に御指摘願いたいと存じます。
#5
○千葉信君 まあいろいろな角度から考えてみましても、例えば戦争中における官僚制度の弊害を除去するとか、或いは又民主的な行政を遂行するために、そして又能率的な行政を遂行するための必要として、公務員に関する制度が民主的な方法において決定された。従つてそういう決定の根本になつておりますものは、大臣とか或いは上級官僚の恐意のままに、ほしいままなる方針によつて官吏の地位が左右されたり或いは給与が左右されるということになると、そこにいろいろと弊害が起つて来る。従つてそういう意味から、例えば官吏の身分の保障という問題にしても、或いは又給与の問題にしても、その他の労働条件にしても、ほしいままなる取扱いをするということは非常に弊害が起るということが実験的に立証されておりますので、そういう弊害を避けるという立場から、できるだけ法定するというのがこの憲法の精神なんです。従つてその精神の上に立つて、公務員制度が設けられ、公務員制度が設けられたのちにおいて、給与の問題等については派生的な法律もそれぞれ設けられましたけれども、それでもその法律の中でも、やはりその精神は或る程度生かされて来ておるんです。ところが今度の法律から言うと、この点が非常に行過ぎな恰好で取扱われておる。例えば給与の根本基準の問題にしても、従来の方針に或る程度の変更が加えられた。実際の給与の決定については大臣の権限によつて決定される。給与の各細目については勿論そうです。そういうやり方をするということになれば、この憲法の第七十三条の四にも或る程度抵触することになりはしないか。まだほかに質問ありますけれどもこの点についてお答え願いたいと思います。
#6
○国務大臣(加藤鐐五郎君) いろいろ御意見はありまするが、大体今度のこの特例法を御審議を願いますのは、今までの公労法適用者に対しまして、一般職の同じく現業に従事しておる者の収入が少いのでありまするが故に、その均衡をとろうとする意味から、これはできておるのでございまして、これによつてそれらの一般職の諸君の収入を殖やすという目的以外ない。公労法適用の諸君は御承知のごとく団交権がありまして、それによつて終始権利を保有し、伸長して行くことができるのでありますが、一般職の者はその均衡がとれませんから、それを増すということであつて、主務大臣が勝手に権限を揮つて、その権利を縮小さすとか何とかいうような趣意でできてはおらんのでありまして、只今御心配のようなことは私なかろうと、実際の方面においてなかろうと、こう思つている次第でございます。
#7
○千葉信君 大臣の言われるように、この法律の狙つているところは私もわかつたのです。おつしやるように同じ国の企業に従事する職員の中で、公労法適用者と非適用者との間には待遇上かなり不均衡が生じている、その点を是正しなければならない、その点をこの法律が考えていることはわかつているのです。併しそこにも問題はありますが、私はその以前のことをお尋ねしているのです。たとえ、そういう不均衡を是正しようという善意に出た方針であるとしても、併しやはり憲法なり法律の体系というものは、そう勝手気儘に乱すべきでない。その乱すことによつて起る――今の御説明の通りに私はこの法律の立案が不均衡を是正しなければ気の毒であるという善意に出たことは私も了解しているのです、併し了解はしますけれども、一方から言うと、そういう善意に出た方針ではあつても、この法律の適用如何によつては、今度はむしろ逆に悪用されて不利益に扱われる場合が出て来るのです。そういう問題もありますが、その点はまだ先の問題として、その以前の憲法上の問題について、私は憲法の趣旨なり考え方に副つている法律であると考えているかどうかという点を、大臣に私はお尋ねしているわけです。
#8
○政府委員(田上辰雄君) 只今千葉委員の御質問にありました官吏に関する事務を掌理することについて法律の定める基準に従わなければならないという憲法の趣旨に対しまして、この特例法が反しておるとは考えられないのであります。給与基準をこの特例法一におきましては主務大臣に委任するということになつておりまするが、これはこの特例法という法律に基いて、この給与についての給与準則を定めるのでありますからして、飽くまでも法律に基いて法律的な基礎を以て制定されるものでありますから、従つてこの給与準則の内容自体を法律できめなくても、法律に根拠をおいて給与準則自体がきめられるならば、決して憲法第七十三条に違反するものであるとは考えられないと思うのであります。政令又は大臣に委任するということが法律によつてされておりまする場合は、他の場合においても極めて多いのでありまして、特にこの給与に関係する法律に基礎をおいている場合を見ますというと、現在の各特別会計にあります規定も同様であります。千葉委員の仰せになりました憲法第七十三条違反の問題は起らないと信ずるのであります。
#9
○千葉信君 まあ違反という言葉が少し大袈裟であれば、これは抵触ということに直してもいいと思うのです。
 それから今の御答弁を聞いておりますと、この特例法が給与そのものについて法定するのだからという御答弁でございますが、成るほど外観的に見れば、そういうことも言えると思うのです。給与はどういうふうにしてきめるとか、どういう根拠によつてきめるとか、そういう点では成るほど給与のことを法定しておるようにも思われますけれども、私の申上げている給与を、そのほかの問題もそうですが、法定しなければならないという意味は、広汎に権限を委任して、そうして給与等がたとえ法律上の根拠に基いて大臣がきめるとしても、そのきめ方には相当広汎な幅がもたされている。そうすると、どういう恰好でか広汎な幅を与えて、その決定権を委任するということになれば、当初考えた少くとも公務員に関する諸制度は、明確に法律で決定しなければならない、その決定しなければならない理由は、それぞれの立場なりそのときどきの情勢や都合によつて左右されるようなことがあつては、そのために国の公平な而も民主的な行政が阻害される。従つて又官吏制度そのもの、公務員制度そのものも絶えずそのときの条件や情勢によつて左右される虞れがあるから、それでは再び過去のような弊害が生ずるから、それを避けなければならない。そういう意味から、かなり細部に亙つて細かく決定されて来たのが現行法なんです。そういう現行法の趣旨の建前から申しますと、例えば一般職の給与法におきましても、そういう現行法の建前から比べて見ると、今回の特例法は著しくそういう明確な規定をあいまいなものとして、大幅な権限を委任している。そうすると、成るほどおつしやるように、形式だけは概念的には法律によつて、又その法律の委任によつてきめるということになるから、これは法律できめられてあるじやないかという強引な答弁も成り立つかも知れないけれども、今申上げたように、実態から見ると、これは法律できめられたものとは言い難いという状態がはつきり現われている。従つてそうなると、少くとも憲法の精神は生かされておらんじやないかということになる。その点はどうですか。
#10
○政府委員(田上辰雄君) 法律で委任された場合におきましても、権限委任が相当広範囲に亙る場合においては、これはその幅を明記しておかなければならんというお話は、これは千葉委員のおつしやる通りであると思うのであります。本特例法の第三条におきましても、「職員の給与は、その職務の内容と責任に応ずるものであり、且つ、職員が発揮した能率が考慮されるものでなければならない」、及び第二項の条項もありますし、又第六条にありまする職員の勤務時間、休憩、休日、休暇につきましても、第二項にあります通り「一般職の職員の給与に関する法律の適用を受ける国家公務員の勤務条件その他の事情を考慮したものでなければならない」といつた一つの枠があるのであります。これは抽象的でありまするけれども、この給与準則を定める上においての一つの枠と、只今お話の幅を明記しているということになつていると存ずるのであります。この具体的な問題につきましても、この給与準則はいわゆる五現業の各局部におきましては、それぞれ事情も違うのでありまして、この内容を具体的に定めるということは、法律においてこれを定めるということは極めて不適当であるような事情もあり、そういう点から、むしろこの内容を具体的に挙げるということが法文としては適当でないということも申し得るのではなかろうかと思うのであります。要するにこの権限委任の場合において、抽象的ではあるけれども、全般に亙つた一つの幅というものも、この特例法に一応の規定がある。更に具体的には、この法案の実施に当つて、各主務大臣がそれぞれ実情に応じた給与準則をきめ得るような法的基礎をここで与えているという法案であるのでありますからして、その点は御了承頂きたいと思うのであります。
#11
○千葉信君 今の御答弁聞いておつて感ずることは、例えばその給与を決定する根本基準というか、乃至はその幅というか、その問題についても問題があるのです。例えば従来のこれに対する根本基準は、その官職の職務と、責任に応じてこれをなす。ところが今回はそれに対してその職員の発揮した能率に応ずるものでなければならないという条件が入つて来ている。この条件が果して妥当なものであるかどうかということについては問題がある。まあ併し、あなた方は、そう言えば、この例は何も今始つたことではない。例えば電々公社等の場合においても同様な条件が給与決定の基準としてきめられているじやないかと、こういうかも知れない。実際電々公社等の場合に、特別にその場合に考慮されている条件があるのですが、そのときどきの情勢なり、条件の変動に応じて、特に考慮するという条件なんかがそこに入つておりますが、併しまあそういう問題があるということと、それからもう一つは法定するとしても、五つの現業の中にはそれぞれの事情があるから、それを画一的にきめることは困難だからという理由がありましたが、困難だということは、結局はこれを研究する、勉強する努力の不足ということになりはしないか。若しそういう点が完全に行われていれば、なかなかきめ難いからと言つて、そのために五つの現業の間に不均衡や、不利益が生ずるという不合理を防止できるはずなんです。それをそういう困難だからという理由に基いて、五つなら五つの同じ国の事業に携わる職員の中に、事情が困難だからという理由で、不利益や不均衡が生じていいということにはならないと思います。まあ併し、私は今そういう答弁があつたから、その点を突ついたので、それらの細かい点については追つて相当究明しなければならない問題ですから、それらの問題についてはあとで又ゆつくり御質問申上げますが、私のお尋ねしている趣旨は、こういう恰好の、大幅な給与決定の委任をしておくことによつて起つて来る弊害を防止する確信があるかどうかということが重点になつて来ているのです。一方では憲法第七十三条の四号に抵触するきらいがあるし、而もそういう抵触するきらいのある法律によつて今後予想されることは、再び曾つてのような強大な権限を大臣が持つて、そのために官僚制度の弊害が再び復活して来ることがないかどうか。大臣の権限で以てやつてもらうということになれば、相当その大臣の権限には蟻が蜜にたかるような恰好の行動が出て来る虞れがあると思う。弊害は単にそればかりじやないと思うのです。そういう点については、一体単に憲法に抵触するというばかりではなくして、そういう点についての確たる所信があるのかどうか。その所信は一体どういう考え方から、どういう具体策から出て来るのか。そういう点も御質問申上げる。
#12
○国務大臣(加藤鐐五郎君) 千葉君からいろいろ御質問がありまするが、法案ができますれば、如何なる法案でありましても、その欠点、短所を算えますれば、これは私は人間が作らんとする法律でありますので、その欠点がありますが、その重点がどこにあるかと申しますれば、先刻申しましたごとく、公労法適用のものと、それでないものとの不均衡を是正して、この一般職の、同じく仕事に従事しているものをよくせようという大趣旨の下にできているのでございますがゆえに、その諸欠点、或いは各五現業でも、或いは或る現業、或る現業で相違がある。この欠点をどうするかという御議論もあると思いまするが、とにかく大綱においてそういう主義でできておりますがゆえに、その欠点の少しくらいある点はあるだろうと思いますが、それは適当な機会に、或いは御指摘を得ますれば、若しこれを直すべきものがありましたならば、これはお直し下さつても構まわんわけでありますが、要するに欠点のみを御覧下さらんで、大綱の点を先ずお認め願いたいと、こう思つている次第でございます。
#13
○千葉信君 これは大臣のお言葉までもなく、私はその重点なり、目的としているところがいいということ、立派たということについては、もう率直に褒めてもいいのです。率直に褒めてもいいが、併しその褒めるここのできる重点が立派だからと言つて、それによつて起つて来る弊害や、或いは不利益や、不均衡というものがあるとすれば、これはやはり国会の審議の上においては、その点は究明され、できるだけその弊害を防ぐ、そうしてそういう不利益や、不均衡や、弊害の起らない方向で立法するのが国会の任務だと思う。それかり又これは単に国会の任務ばかりではなくて、大臣の立場からも、重点が立派だからいいじやないか、だから同じ政府の中の五つの現業の中で少々な不均衡や不利益が起つたつていいじやないか、こういうことにはならないと思うのです。こういうことでは全体の給与の問題を担当しておられるとい、大臣の職責上からいつて、私は見上げた考え方だとはとれないのです。そういう点はやはり国会も責任があるけれども、大臣としてもその点については十分用心してかかる必要があると思う。大臣は、ここで若しそういう欠点があるなら適当にあとで直すとか、あとでそれを是正することにすればいいじやないか、その点は別に考えたらいいじやないかということを大臣は言うけれども、それは大臣が大ざつぱな立場でものを考えるからの話であつて、実際この法律が通つた場合に、この法律が適用されて、そのために起つて来る不利益や不均衡のために、有利になる者はいいけれども、不利益になる者の立場を考えずに、大臣が法律を出して来ていいという話はないと思うのです。今のような大臣の答弁は、給与の問題を考え、又責任を持つてきめる我々としては誠に遺憾な答弁だし、又それでは給与を担当しておる大臣の資格について、私は疑義を持たざるを得ないと思う。少々だといつても、おのおのこうむる職員の一人一人の立場に立てば、決して少々な不利益とか、少々な欠点では済まないものだと思うのです。結局はこの法律案を提案することになつた政府の根本の考え方にいたしましても、全体の公務員から見れば数の少い職員でしよう。三万人以下です。併し三万人以下であるけれども、他の公務員に比べて不利益な扱いを受けた、或いは同じ給与の中で不公平な扱いを受けておる、だからこれを直さなければならんじやないかというところに、この法律を立案している政府の目的があると思うのです。そうすると、数の相違こそあれ、やはりそういうこの法律を立案するに至つたところの原因であるところの不利益、不公平というものが、今度はこの法律の枠の中で同様に起るということであつたならば、これはやはり重大に考えなければならないことであると思うのです。その点はどうも大臣の今の答弁は、そのままでは納得しきれないと思うのですが、むしろ国会でそれを審議して欠点を直すからいいじやないかということでなく、大臣のほうでそういう不利益や不公平があるとしたら直すべきだという、大臣のほうからの強い意思表示があつたほうが、却つてこの法案審議の上に有効だと思うのです。適当だと思うのですが、この点はどうでしよう。
#14
○国務大臣(加藤鐐五郎君) 私は先刻来申しましたごとく、作つた法案は完全無欠であるとは申しませんが、あなたのお説を承わつておりますと、欠点のみをお挙げになりまするが、具体的にまだお挙げになりませんから私わかりませんですが、これは私どもは欠点があつてもかまわんじやないかというような考えは持つておりません。大体においてこれでよかろうと信じて、この法案を提出いたしたわけでありまして、欠陥があろうが辛抱しろとか、何でもかまわんというような、毛頭そういう考えは持つておらないということを御了承おきを願います。
#15
○委員長(松浦清一君) ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#16
○委員長(松浦清一君) 速記を始めて。
#17
○千葉信君 水が入つたから一応このくらいにして、次の問題に入りますが、この法律案によつて心配になることは、こういうところにも重点があるのです。それはどういう点かというと、この法律によつて団交権を持つておる職員の場合には、その団交権を基底として、そうしてそれぞれの立場から給与の問題等についても或る程度適正な解決が行われる。併しこの法律に包含されておる団体交渉権を持たない一般職の職員の場合には、そういう裏付けがないために、従来偶然にも不均衡な状態が起つたから、その点を是正しなければならない。まあこういう立場から、この法律が立案されておりますから、それはまあ一応いいと思うのですが、併しその目的のためにこの法律案が提案されて、これが仮に通つた場合、そうすると、今度は給与を決定する権限がこの法律に基いて予算の範囲内で大臣がこれを給与準則で決定することになる。そうすると、善意を以て適正なる給与を常にまじめに考えて決定してくれる大臣の場合には、職員は一応安心をしておることができるけれども、若しも当該大臣が重点さえ若しくは目的さえよければ、少々の不合理や不均衡があつても止むを得ないなどというような考えを持つような大臣がいて、そうして公労法の適用なき一般職の職員に対しては、ほしいままなる給与を決定するようなことになつたら、これは明らかにそれらの職員は不利益をこうむらざるを得ないということになる。併し現行法によれば、例えば公務員の給与に関しては、国家公務員法第二十八条に基いて勧告が行われる、そうしてその細部に亙つても比較的公平に明確に規定されておる。そうしてその保障が公務員法によつてちやんと確立しておる。ところが給与の問題に関する限りは、今度は団交権もなければ、そういう法の保護も受けることのできない職員がここに出て来ることになる。数は少いでしよう。数は少いけれども、三万人近い職員、それらの職員に対して、そういう不利益を将来何によつて一体保障するのか。ただよらしめよ、信ぜよだけでは済まないと思うのです。その意味じや、これはそういう事態が仮に起るとしたら、起ることを十分考えなければならないとしたら、これはとんでもない悪法なんです。その点については何かの保障がありますか。
#18
○国務大臣(加藤鐐五郎君) 千葉君のお話を聞いておりますと、まるつきり私どもと違つた観点から御批判になつておる御質問のように思つております。
#19
○千葉信君 これは常識ですよ。
#20
○国務大臣(加藤鐐五郎君) 私どもは、一方のほうにおいては団交によつて賃金の値上げその他収入の増加が図られる。然るに一般非適用職員においてはそういう同じ仕事をしつつ、そういう団交権によつて獲得する賃金の値上げというものが得られない。一般国家公務員と同様である。そういう場合でありますが故に、団交権について均衡を保つて行きたいと、こういうのでありまして、今の御質問によるというと、私どもは一般職の人事院の勧告によつてこのほうがいいではないかというのが、御質問の御趣意のように承わつておるのでありますが……。
#21
○千葉信君 違う、
#22
○国務大臣(加藤鐐五郎君) そうなれば、この法案を提出した趣旨と全く違つた立場においての御質問のように承わつておるのでありますが、これは今回行われる非適用の職員を優遇する趣意から全部出ておる立法であります。今のような御心配は余りに御杞憂に過ぎるものではなかろうかと思うのであります。
#23
○千葉信君 大臣は僕の質問を殆んど了解されておらないと思うのです。法律を提案する場合の、若しくは法規となつたその動機なり若しくはその方針なりが、仮に善意なものであつても、これを運用する者が将来若しもその善意に副うておらないような考えを以て、その法律を運用する者があり、その場合に、法律に明確に規定されていなければ、法の保護は受けられないために、不利益を生ずるものが将来起つては困る、そういう点を立法の責任を持つ者は十分に考えて法律を審議しなければならない。その点で大臣の耳には痛いかも知れないけれども、現在の国家公務員法にいたしましても、争議権を制約する代りに国家公務員法を改正して、そうして公務員の利益を擁護する機関として人事院を設けて、そうして集中的には法律の中に第二十八条に基く勧告の制度を設けて、それによつて争議権なり公務員職員の利益を擁護する、こういう建前で法律が立案され、而もその法律の立案当時の方針としては、争議権がなくともこういう勧告の制度によつて勧告されれば、政府はその勧告を採用して、そうして公務員の不利益にはならない、決して争議権がなくても、この制度がある限りは、公務員の不利益にはならない。不利益にはならないということは、慎重に而も広汎に深く研究して、そうしてどの程度の給与が正しいものであるかということを人事院が考えて、これを勧告すれば、それを政府が守るという前提の上に立つて、この公務員制度が設けられております。だから法律の立案の動機なり方針なりはその点でははつきりしております。ところが加藤さんの属しておる自由党の内閣では、未だ曾つてその法律の精神を尊重し、遵法したことがないじやありませんか。従つてそのために公務員諸君が計り知れない不利益をこうむつているじやありませんか。立法の精神がどうとか、動機がどうとかいうことによつて、その法律がいいということにはならないと思うのです。だからそういう場合に、例えば国家公務員法の場合には、そういう政府の出現することを予想して、この勧告は政府において完全に遵守しなければならないとか、実行しなければならないという一字を加える程度の親切さが、立法府では必要だということになるのですかその問題とこれは同様なのです。今は成るほどあなたがおつしやるように、団体交渉権のない一般職の職員の場合に、その団体交渉権を持つて或る程度適正な給与を獲得しておる脚員と同じように、一般職の職員の例えば管理職にあるような者、例えば監督の職にあるような者、こういう人たちの給与を適正に引上げてやろうということを方針にされておることは、私もわかつておるけれども、又それに対して法律提案の動機ということもわかつておりまするが、そういう善意によつて運用される限りにおいては、この法律は心配ないけれども、若しも今公務員法の場合について申上げましたような方針で臨む為政者なり大臣なり内閣なりが出て来た場合に、この法律が運用される。その運用される場合に、例えば国家公務員法の適用を受ける一般職の職員或いは団体交渉権を持つ職員の場合に、一方は法律の保護があり、一方は団体交渉権を持つておるけれども、今ここで是正されるというその職員の一般職の団交権なき職員の場合に、その場合何によつて保護されるか、何によつてその点が保障されるのか。何もないじやないですか。何もないところを、一体どうして政府はこの点について心配のないように図るという答弁ができないのか。ただ単に善意ある方針だから、善意あるやり方でこの法律を提案したからということではすまされないと思う。
#24
○国務大臣(加藤鐐五郎君) 団交権があります現業の者は、これによつて自分の利益を擁護して行けることは御承知の通りであります。そこで只今のお税を聞いておりますというと、一般職の者は争議権も団交権もございませんが故に、人事院があつていろいろこれを擁護して行く、それでも只今の場合、団交権のある者のほうが終始有利な地位を取つて参りますが故に、その均衡を直そうということがこの法律の目的でありますが故に、いつでも団交権のありますものに均衡を保つて行くのでございますが故に、私は今のような御懸念というものはどういうところから来るのであるのか、むしろ今の御質問の御趣旨を忖度いたしますというと、一般職であつたほうがいいではないかというような、まだこれは人事院というものが擁護して行くほうがいいではないかというような御趣意のように拝聴いたすのでありますが、私どもは全く考えを異にいたしておりまして、御心配の筋は余りに杞憂に過ぎるのではないかと、こう思つておるのであります。
#25
○政府委員(田上辰雄君) 大臣の答弁に補足して私から申上げますが、給与準則の準則を濫用して、そして職員が不利になるようなことが生じないかという御懸念につきまして、差当りの事情といたしましては、この特例法を提案いたしました事情は、大臣からの御答弁にもありましたように、これは不均衡を受けておる各職員の声はもとより、関係五現業の各大臣、幹部におきましても、この不均衡を是正しなければならないという強い熱意を持つておるわけであります。又単に関係者だけでなく、これは一つの輿論でもありまして、これを是正したいという気持の集りから、こういう特例法を提案したと申しましても過言ではないと思うのであります。従つてこの特例法の成立を見ました暁には、できるだけ速かな機会にできるだけの不均衡の是正を図りたいということを、一同念願しておるようなわけでありますので、現在の問題としては、この給与準則が濫用されるどころではなくして、直ちにこの不均衡を是正し、いい成果を期待できると申し得ると思うのでありますが、御心配の将来の問題といたしましては、これは仮に例をお挙げになりました一大臣がこれを濫用し運用して、不均衡を一層甚しくするような悪意があつたといたしましても、それは職員自体の声もありましようし、又不均衡是正ということは、これは社会通念でありまして、国会の監督もありますし、又輿論もありまして、御心配のような濫用は、到底やろうとしても、やり得ないということが、はつきり申し得るだろうと思います。なおこの非適用職員の給与についての保障は、国家公務員法の第八十六条以下の規定もございまして、これによつて法的に救済を受けるという途も開けておるわけでありまするが、これは、以上申上げました次第で、この給与準則が将来濫用されるというふうなことは到底あり得ないと存ずるのであります。
#26
○千葉信君 どうもどつちの答えも私の重点としている質問には、全然答えておらないのです。大臣に私はそれでは簡単に例を引いて私の心配している点を尋ねたいのですが、例えば、こういう問題が予想されると思うのです。それは今までは給与の改訂は、インフレの経済現象の中で、常に給与を或る程度適正なものに引上げるという改訂であつた。ところが若しも仮に万一自由党内閣の方針が成功するとして、デフレ傾向が進化して物価の大幅な低落が起つた場合、若しくは自由党内閣でなくとも、将来そういう方向に突き進んだ場合、そういう場合に、今度は給与を引上げるということではなくて、その物価の状態に応じて逆な立場から給与を改訂するという段階が生じないとも限らない。そういう状態になつて来た場合に、仮定の問題として続いて我々は心配しなければならないことは、例えば公務員法なり一般職の給与法による若しくは人事院の考えた給与準則による給与の支給される職員の場合と、それから争議権とはいつても、本来の争議権を持たない単なるもう名目的な団体交渉なり名目的な労働協約をすることができる程度であつて、その裏付けとなる争議権のない職員の場合、その場合に、これはその給与改訂等において、法律の保護を受けているものの場合のほうが有利であつて、法律の保護を受けない、而も実質のない団体交渉権なんかを与えられている職員の場合とでは、差異が生て来る虞れがある。そういうことなると、法の保護を受けておるもののほうが有利で、今度は逆に法の保護なき団体交渉等によつて自分たちの立場を擁護して来た職員との間に差ができないとは限らない。こういう点は一体将来の問題として考え得るか考えられないか そういう現象が絶対に起らないと考えておるのか。そういう現象が起るかも知れないとお考えになるのか、先ずこの点をお伺いしたい。
#27
○国務大臣(加藤鐐五郎君) ご質問のように、今までの実際はインフレのために給与が上つて来たことは事実でありまするが、若しこれがデフレになりまして非常な場合を仮想いたしまして、非常に物価が安くなつたという場合には、人事院が一般公務員に対しても内閣に対して勧告をすることがあり得ると、こう思うのです理論としては。そういう場合にこれを国会がどうするかは問題は別でありまして、たた今後そういう場合が絶対ないとは言えませんが、併しながら実際問題といたしまして、なかなかその給与を下げるというふうなことは困難なことでありまして、殊に弱いとは仰せられますけれども、団交権がある以上、さようにむやみに下るわけではないのであります。そういうことは理論としてはあり得ると思いますけれども、実際問題としてさようなことは先ず少いであろうと、こう思うのであります。それでその場合におきましても、一般公務員は保護されておらないではないか、そういうことも理論としては成り立つであろうと思うが、こういう問題は実際問題として私は考えてみたいと思う。理論としてはあり得ると思うが、実際さような御心配はまあ杞憂でありませんかと、こう思う。
#28
○千葉信君 それじや大臣にお尋ねいたしますが、仮にそういう場合があるとすれば、それは団体交渉権を持つている公労法の適用職員のほうが、法の保護を受けておる一般職の職員よりは、必ずしも今と同じようにそのときにも有利な条件で待遇されるだろうということにはならないと思うのですが、その点はどうですか。
#29
○国務大臣(加藤鐐五郎君) いい場合もあるし、悪い場合も、これは想像されます。
#30
○千葉信君 そういたしますと、まあいい場合もあるかも知れないけれども、悪い場合もある、大臣も悪い場合もあるだろうということはお認めになつた答弁だと思うのですが、そういうことになりますと、今度はその両者以外の職員がこの法律によつて出て来るわけですから、その職員の場合には、どうなるとお考えですか。法律の保護もなければ団体交渉権もない、これは大臣からお答え願いたい。筋道の通つた理窟だと思うな、僕は。
#31
○国務大臣(加藤鐐五郎君) もう一度御質問願います。
#32
○千葉信君 今日は時間ですから、この次又ゆつくり次の内容にも進みたいと思いますので、かなりたくさんありますから、あとの機会に……。
#33
○委員長(松浦清一君) ほかの委員各位で今日御質問のかたございませんか。
#34
○溝口三郎君 この特例法案が出ましたのは、これは公労法の適用者と管理者との給与の不均衡の是正を目的として出されたのですが、今、千葉委員の御質問のようにこれを裏切られると、却つて管理者、監督者のような適用を受ける人たちは非常に不利益をこうむる、これは将来そういうむずかしい問題が出ますと、十分これは検討する必要があると思いますが、差し当りこの法案を見まして伺いたいのは、公労法が出まして、公労法の適用者は団体交渉で給与の引上げができたのであります。昨年の夏頃、郵政、林野の職員が二号から三号ぐらい給与引上げになつたので、それぞれ十数億の経費の増になつたと考えておるのでございます。従つて団体交渉によらない一般の管理、監督者のほうは不均衡になつた。そういう問題が当時出たのでございますが、それを是正ずるためにこういう法律ができて来た。新聞等には三月頃にもこういう試案、この通りのような試案が発表になつておつたのでございますが、この適用を受ける職員の数がどのくらいになるか知りませんが、不均衡是正ということは当然予算を伴う問題であると思うのでございますが、若し公労法の適用者について、林野のが例えば三号とか四号上つた。それと同じように管理者のほうも上げて行かなければならんと、相当予算が要ると思います。五現業等につきまして、二十九年度の給与の予算の関係は、それらを見込んでおるのでございますか。若しこの法律が成立しまして、適用者に給与の引上げをすると、相当の予算が要ると思うのですが、その辺はどういう取扱いになるのかお伺いいたしたいと思います。
#35
○政府委員(田上辰雄君) 只今溝口委員の御質問になりました、従来の公労法適用職員、それからいわゆる非適用職員等の人数は、お手許に資料を差上げてあると思いますが、その別表にございますが、公労法適用の職員は大体二十六万一千百二十名、それから非適用職員は二万三千七百四十三名ということになつております。尤もこの非適用職員の中から、いわゆる管理監督の立場にある者数百名はこの特例法の適用から外されますので、その非適用職員から引いて行かなければならないのであります。
#36
○千葉信君 数字をもう一回言つて下さい。
#37
○政府委員(田上辰雄君) 公労法適用の職員が二十六万一千百二十名、それから非適用職員が二万三千七百四十三名であります。併し、この特例法の適用を受けまする職員の中から管理監督に当る者は除外されまするので、いわゆる非適用職員の二万三千と申しました数からそれだけの人数はこの特例法適用外に残されるということになるわけでございます。
#38
○千葉信君 それは何人ですか。
#39
○政府委員(田上辰雄君) これはこの法案にございまする政令によつて指定されるわけでありまして、その人数はまだ確定しておりません。それで予算的措置のお話でありますが、これは本年度の予算には、この特例法によつて、仮に給与準則によつて、不均衡の是正に必要な予算は計上されておらないのでありまするが、併しこれは各五現業それぞれの特別会計のやり繰りによりましてできるだけの配慮をいたしたい。来年度の予算につきましては、この法案が適用になりますれば、当然その給与準則の適用によりまして必要な予算は要求されることだと考えるのであります。併しその金額につきましては積算をいたしておりません。
#40
○溝口三郎君 只今田上さんの御答弁で、二十九年度の予算には計上していないのだ、若しこの法案が成立しますれば、各企業ごとにやり繰りで適当に処置するのだと、私は二万三千七百四十三人といううちで、今度政令でこの法案に適用する人が大分出て来るのではないかと思うのです。本当の一般職の企業に該当するものは僅かになつて来るのではないか。昨年郵政の調停案のときにも、私は当局に質問したことがあるのですが、郵政以外にはこういう問題は波及はしないのだ、郵政企業の内部だけで頭打の是正等をやるのだ、そのために一・六号ぐらいの引上げがあるのだということでありましたが、これは資料課で拝見しましたのですが、そのほかの現業も調停をやつた、だんだんに各企業が、非常に現業のかたよりか給与が少いということ、又恐らく将来は団体交渉や調停が出て来るだろう、本年出ないとも私は限らないと思いますが、こういう場合にも予算は前通りなのだ、この方法で通つてしまつたのだというようなことになると、又そのときに混乱を起すのじやないかと私は思うのでございます。そのために、給与総額の問題なんかもありますが、これもあとで問題は出ると思いますが、能率の向上というのをどう判定をするのか。給与の根本基準でも先ほど問題がありましたが、国家公務員法の基準のほかに、能率の字句や何かも但書で入つておつて、それから勤務時間等についても、何か勤務条件を非常に緩和するといいますが、時間を非常に余計にすることもできるような印象を与えておるのです。こういう特例をこの際急に出されたのですが、提案理由を拝見いたしますと、給与の根本原則とか給与総額の規定は従前の各企業の特別会計で定めてあるものと同様な規定にしたということになると、各企業ごとにやつてあるのを抽象的にここへまとめたのだというようなことになつて、それでさつき千葉委員からも問題が出たので、給与の準則の内容の問題であると私は思うのですが、内容につきましては、給与の原則にしても、俸給表にしても、恐らくはこれは団体交渉等できまつたその額にスライドして管理者のを是正しようという趣旨だろうと思うから、各企業ごとに給与準則の内容というものは違うのが当りまえなので、今の特別会計そのままになつておれば、こういう問題は起らなかつたのだが、どうしても私が法律を見ましたのでは、余り勉強してないのですが、このうちで差当つて必要なのは、政令で二万三千人の区分をするということと、あとは特別会計を五つのやつをそのままここへ抽象的に持つて来たのだ、それ以外に制定したことに何か特別の問題があるのでございますか。
#41
○政府委員(田上辰雄君) お話のいわゆる非適用職員である二万三千人の不均衡に困つておる者を救済するというための法案であるのでありますけれども、この二万三千人だけを救済するためのやり方、これはいろいろあるだろうと思うのです。そしてただ従来の公労法適用の職員と、いわゆる非適用の職員との不均衡を是正する。できればこれはもう同一に取扱つて行きたいという趣旨から言いましてこの公労法適用の職員と非適用の職員を一本の法律に扱うような形のほうがふさわしい。そのためにこの特例法におきまして、特例法の第二条の第二頁に、この法律においての職員の定義を下しておるのであります。これは企業官庁の全職員のうち管理又は監督の地位にあるものだけを取除いて、あとの機密の事務を取扱つておる職員、公労法適用の職員全部をここに一本の職員として、この法律で取扱つて行こうということになるのであります。そういうやり方と考え方で、この特例法ができておるのであります。特別会計でそれぞれ規定しておりまする関係上、それぞれの企業において内容はいろいろ異つおる、この特例法が適用されましても、その体系は決して崩れないわけであります。崩れないのでありますけれども、この五現業のすべての非適用職員、これの救済はこの一本の法令で救済して行こうというのが建前になつております。
#42
○溝口三郎君 第二条の二項の政令で定める官職、政令の案はもうできておりますか。
#43
○政府委員(田上辰雄君) 只今五現業その他関係職員の間でいろいろ検討を加えており、未だ結論には達しておりません。大体の行き方等について意見が一致しかけておるのであります。問題がまだ少し残つておりますので、成案には至つておりません。
#44
○溝口三郎君 何か承わりますと、大体この適用の範囲は課長級以下のようなふうにも聞いておりますが、それはそういう話もあるのですか。
#45
○政府委員(田上辰雄君) 大体の今研究しておりまする意見の一致した線といたしましては、本省におきましては課長以上、これを管理又は監督の地位にあるものとして残して行こう、いわゆるブロックの機関におきましては局長、部長を残そう、各現業に至つては全部この特例法の適用を受ける職員としまして、管理又は監督の地位にあるものからはずしてしまおうというような大体の線でありますけれども、併し各五現業のそれぞれの実情は多少違つておりますので、一律には参らない点もございますので、それらの点についてなお個々の検討を加えまして、できるだけ速かに結論を出して行きたいと、こう考えております。
#46
○溝口三郎君 只今のお話で本省においては課長級以上くらいがこの法律の適用の範囲外になるのだ、もつと簡単に、簡単にといいますか、こういう不均衡の是正で一番簡単に行くのは、公労法の四条の政令できめてある範囲をもう少し緩和して行けばいいと思いますが、そういう管理、監督の地位にあるものの補助のようなものを今度は給与だけをこれを適用しよう、そういうものは公労法の四条の適用のところへ入れても補助職員のようなものであつたらいいのじやないかと私は考えるのですが、そういう一歩進んであの公労法の四条の政令の適用の範囲をもう少し拡大するのだ、課長以下のような補助職員については……。そういうふうな論議は今までなかつたのですか。
#47
○政府委員(田上辰雄君) 公労法の改正につきましては、この特例法を制定する上において何ら触れておらないのであります。ただこの特例法はたびたび申上げますように、いわゆる五現業の非適用職員の不均衡だけを是正したいという考えで出発しておるのであります。その点につきましては政府として触れておらないことを申上げます。
#48
○溝口三郎君 もう一点伺つておきます。五現業の企業の内部で現業の職員として公労法の非適用者との均衡の是正をやりたいということなんですが、現在の制度では企業の内部の監督者の給与というものは、そのほかの一般の職員、国家公務員等のあの給与との均衡は大体どういうふうになつておりますか。非常に低いのですか。それが今度は一般の公務員と五現業の企業職員がほぼ均衡が全体の国家公務員とすればとれるというお見込みなんですか。それは企業の内部で今のような分け方をしておると人事の交流は非常にできにくいのじやないかという論があるのですが、若し企業の内部は均衡がとれるとするなら、従つて一般のほうの公務員とはまだ均衡がとれないのだということになると、どこまでも一般の国家公務員の人事の交流というものはやはりできにくいのじやないかというふうに考えられるのですが、その点についてどういうふうにお考えになつておりますか。
#49
○政府委員(田上辰雄君) 一般公務員に属しております管理、監督者と、それから公労法適用の職員、並びにこの特例法によつて救済されまするい声ゆる非適用職員との均衡の問題ということは、これはこの特例法では解決されないのでありまして仮に第二条第二項の「政令で定める官職にあるもの」につきまして線を引いてみましても、どこまで行つても均衡というものはその点においては是正されないということは只今溝口委員のおつしやつた通りでありますが、従つて交流人事等におきましては、多少の支障を起すであろうと思うのであります。ただその支障ができるだけ起らないような考慮から政令で定める職員の具体的な問題を只今検討を加えている次第であります。
#50
○委員長(松浦清一君) 加藤国務大臣はほかのほうからも呼ばれておられるそうで、退席をしたいという御希望があるのですが、退席をして頂いてよろしゆうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#51
○委員長(松浦清一君) ではどうぞ……。
 溝口さんそれで今日よろしゆうございますか。
#52
○溝口三郎君 もう一つだけ、これはお願をしておきたいのですが、二万三千人、すべて今度適用になつた場合に、各企業として今まで団体交渉で給与が変わつて来たんだと、それを均衡のとれるようにするには、二十九年度で幾らくらいに予算はなつて来るのか、それは計上してないと言うが、何かやり繰るということになりますが、それを数字的に幾らくらいになるか、計算はできると思います。その資料はこの次あたりに頂けませんか。
#53
○政府委員(田上辰雄君) それは今度この五現業の関係各省におきまして相当苦慮して検討を加えて出さなければならん数字でありますので、御希望のように数日の間にそれをまとめて出すということは、御希望に副いかねると思うのであります。この特例法が成立いたしました後においてそ、れぞれ五現業の希望に従つて、できるだけその均衡を救済するような具体的な措置を考慮して行くということになるだろうと思うのであります。只今資料を提出いたすということは、ちよつと困難であると思います。
#54
○溝口三郎君 この次には大体のお見込みでもいいが伺わないと、予算措置は全然わからないのだと、こういうことで法律を通すということでは、金額はそう大したことはないと思うが、全然わからんで法律を通すということは困るのじやないかと思いますので、お打合せの上で大体のお見込みでも伺いたいと思います。
#55
○委員長(松浦清一君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#56
○委員長(松浦清一君) 速記を始めて下さい。
 まだ質疑がおありだと思いますが、次の機会に譲つて、本日の質疑はこれで打切ることでよろしゆうございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#57
○委員長(松浦清一君) それでは本日の質疑はこれで打切ります。
  ―――――――――――――
#58
○委員長(松浦清一君) それから昨日の労働委員会で、只今問題になつておりまする国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法案について、本委員会と合同委員会を開きたいと、そういう御決議をされまして、申入れを受けているわけですが、まだ私は委員長に会つておりませんので、こういう決議をされましても、何日に合同委員会を開きたいということを決定しているかどうかがわかりませんから、大体本委員会の次回の定例日は明後々日十一日火曜日、こういうことになつておりますから、向うのほうで差支えがございませんならば、十一日の委員会にお受けをして合同委員会を開くということにいたしたい。それから若し向うの都合が悪ければその次の本委員会で打合せておりまする定例日は火、木、土でありますから、最も近い機会に合同委員会を開くと、こういうことにとりきめたいと思いますが、その辺のところ委員長にお委せ願いたいと思いますが、よろしゆうございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#59
○委員長(松浦清一君) それではさように決定いたします。
 本日の委員会はこれで散会をいたします。
   午後零時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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