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1953/05/15 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 人事委員会 第12号
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1953/05/15 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 人事委員会 第12号

#1
第019回国会 人事委員会 第12号
昭和二十九年五月十五日(土曜日)
   午前十時五十六分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     松浦 清一君
   理事
           千葉  信君
   委員
           松岡 平市君
           後藤 文夫君
           湯山  勇君
           紅露 みつ君
  国務大臣
   国 務 大 臣 加藤鐐五郎君
  政府委員
   総理府事務官
   (内閣総理大臣
   官房審議室統轄
   参事官)    田上 辰雄君
   人事院事務総局
   給与局長    滝本 忠男君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       熊埜御堂定君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十九年六月に支給されるべき
 国家公務員の期末手当の臨時措置に
 関する法律案(千葉信君外六十七名
 発議)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(松浦清一君) それでは委員会を開会いたします。
 先ず日程の第一、昭和二十九年六月に支給されるべき国家公務員の期末手当の臨時措置に関する法律案を議題といたします。先ず提案趣旨の説明を求めます。千葉信君。
#3
○千葉信君 それでは只今議題となつておりまする昭和二十九年六月に支給されるべき国家公務員の期末手当の臨時措置に関する法律案の提案の理由を御説明申上げます。
 現在、一般職の職員の給与に関する法律等に基く国家公務員の給与の実態は昨年七月の人事院勧告に基く給与水準を下廻るものであり、又その改訂された時期も予算上の理由等により人事院の勧告の基準となつている時期から著しく遅延した経緯もあり、この間のしわよせが公務員の家計に与えた影響も少からざるものが認められるのであります。
 御承知のように国家公務員の期末手当の制度は一般職の職員の給与に関する法律等によりまして六月及び十二月にそれぞれ給与月額の百分の五十及び百分の七十五を支給することになつておりますが、本法律案は前述の事情等に鑑み当面の臨時措置として本年六月に限り期末手当の増額支給を図ろうという趣旨に基くものであります。
 その内容といたしましては、本年六月の期末手当については、在職期間が六月の場合の支給割合を百分の七十五に増加し、その他の在職期間の場合もそれぞれこの増加率に応じて改めようとするものであります。何とぞ御審議の上御賛成あらんことをお願いいたします。
#4
○委員長(松浦清一君) ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#5
○委員長(松浦清一君) 速記を起して下さい。
 それでは本件に対する質疑のあるかたは順次御発言を願います。
#6
○紅露みつ君 これは提案者の千葉委員にお伺いするのですが、勿論予算に絡んでいる問題で、期限が大変迫つている問題ですから、早急にこれが出るからには結末をつけようと思つていらつしやるんでしようが、予算のほうがどうなつているか、どういう経過をとつて、どこまで政府のほうの了解ができているのか、何か目安があつて来られたと思うのですが、全般の経過、それから政府との交渉の様子、見通し、そういうものを一つ御説明をして頂きたいと思います。
#7
○千葉信君 お答え申上げます。政府との従来の交渉の関係につきましては、まだ具体的な話合いは只今のところ行なつておりませんが、従つて、これは私どもとしては議員立法として御提案申上げた次第でございまして、御質問の予算の関係につきましては、この法律案の建前は、御承知のように当然〇・二五カ月分に該当する予算を必要とする建前になつておるわけでございます。御承知のように、この法律に基いて必要とされる予算につきましては、当然私どもの考えといたしましては、予算編成権を持つところの政府において、この予算についての措置を考慮せらるべきだと考えている次第でございます。従いまして、当然私どもとしては、支給期である六月十五日に間に合いますようにその措置がとられることを前提とし、且つこの法律の提案に当つて、その点を希望する次第でありまするが、ただ私どもといたしましては、現在の状態の中で、にわかにその措置がとられ、且つ最終的に解決するものとは考えられない場合が生じて参りますので、その場合には、二十九年度予算に計上されておりますところの期末手当の分について、本措置をとるように、適当な措置を講じてでも、この法律を実施すべきであるという建前に立つているわけでございます。従いまして、そうなると当然この法律の成立によりまして、十二月支給さるべき期末手当の分については、何らかの措置が将来に向つてとられなければならないという前提に立つて、この法律が提案されている次第であります。以上であります。
#8
○紅露みつ君 政府委員、おられるのですね。ああいうふうな提案の理由で出てるんですが、よろしいのですか。どういうふうにお考えになるの、政府は。
#9
○政府委員(田上辰雄君) 事極めて重大な問題でもあります。私から、事務的な仕事をいたしております者から、お答えできない問題と思うのでありますが、ただ只今千葉委員のお話がありました期末手当を、現在の百分の五十を百分の七十五としますとすれば、百分の二十五の期末手当の増額が必要になるということなのであります。その金額が仮に〇・二五の期末手当を全職員に増加するということを考えますと、相当厖大な予算を要するということになるのでありまして、これを一般会計だけについて考えましても二十一億五千二百万円の予算が必要だ、更に特別会計におきましては十二億六千六百万円、合計しまして三十四億一千八百万円の、予算が必要であるということであります。これだけでなくて、この増額は当然政府関係機関、いわゆる三公社、そのほか各種の金庫がございます。その職員、いわゆる政府関係機関と申しておりますが、その職員の関係で二十五億八千百万円、それから地方公務員、これが三十二億五千百万円、それから教育公務員は二十二億五千万円、これらを合計いたしますと百十五億ぐらいになるのでございます。私からはただ只今の御質問に関連いたしまして、これに伴う予算の増加の必要額だけを以上御説明申上げる次第であります。
#10
○紅露みつ君 これはなんですか、提案者に伺うのですが、こうした厖大なものになるのでしよう。その場合全く具体的なお話合をなさらずに、これを押し通そうとしていらつしやるのですか。もら少し詳しく腹を割つてお話にならなければだめですよ。
#11
○千葉信君 この法律を提案するに当つて予算上の問題等が当然起つて参りますので、その点について政府のほうと事前に何らかの話合をすべきではないか、そうして又どういう状態に実際なつているのか、その点を明らかにしろという御質問でございますが、先ほど申上げましたように、この法律は、政府のほうと非公式にただ一回折衝を持つただけでございまして、まだ政府のほうでその後においてこの期末手当の増額の問題についてどうするかという方針なり態度がまだ殆んど前進しておらないという、そういう、状態の中で、御承知のように、その支給期が六月十五日という状態なので、荏苒とこの法律の提案を差控えるということは、却つてむしろ問題の解決を不可能ならしめるという考え方の上に立ちまして、取りあえず議員提案としてこの法律案を提案し、そうして衆参両院における人事委員会等の審議を通じて、この問題についての望ましい解決を所期した次第でございまして、従いまして、今までのところまだ本法律案による予算措置等の問題については具体的な話合いとか、若しくは又腹を打ち割つた方針というものは、只今申上げている程度なんでございまして、それ以上非公式にも今お話申上げている状態以外には、何らの話合い若しくは又方針もないわけでございまして、全く真実が今申上げた状態でございます。
#12
○紅露みつ君 政府と抽象的にお話がちよつとあつたように伺うのですが、それは加藤国務大臣。
#13
○千葉信君 これは私どもとして交渉申上げたと言うよりも、当該利害関係者の陳情に同席して、そうして福永官房長官、加藤国務大臣とお話を申上げ、その非公式の会談では、できるだけ早く、たしかこれは十日でございますが、その後できるだけ早く十五、六日程度に一応政府としての態度について中間の御報告を承わるという話合いになつておるのでございます。
#14
○紅露みつ君 人事院の給与局長に伺うのですが、まだ人事院は人事院としての存在を続けておられるわけでございますか。この問題についてはまだかかわり合いはできていないというふうな立場をとつていられるのか。どういう考えで臨んでおられるのか、一応伺いたいと思います。
#15
○政府委員(滝本忠男君) 人事院は厳として存在いたしておるのであります。(笑声)こういう問題は、人事院として、給与体系の一つの問題として考えておる次第でございます。すでに昨年の給与に関しまする勧告におきまして、期末手当のあり方というものについて勧告をいたした次第でございます。そのときには、年間を通じまして、期末手当或いは勤勉手当、それの合計というものは毎月支給の給与というものの大体年間を通じましてニカ月分ぐらいが適当である、これは人事院の独断と申すより、我々が民間給与等を調査いたしまして、そういうものからいろいろ研究いたしました結果でございまするが、体系といたしましては、その程度が適当である。給与体系におきまして、期末手当或いは勤勉手当の額を増額する方式で参りますと、通常の毎月の給与というものがどうしても低めになり勝ちでございますので、そういう方式は給与の制度としては好ましくないと考えておる次第であります。たまたま額におきましては、額と申しますか、割合と申しまするか、年間を通じましてニカ月ということは、給与法改正によりまして政府側が御提案して国会で決定になりましたものと符合いたしておるのでありまするが、その勤勉手当、期末手当の割り振りにつきましては、必ずしも人事院が勧告いたした通りになつておらないというような関係がございますが、先ずは期末手当、勤勉手当を含めまして、大体年間ニカ月分ぐらいというものは、割合というものは体系としては好ましい、このようなことを考えておる次第であります。まあ昨年はそういたしたのでございますが、七月十八日に勧告いたしまして、政府側がおとりになつて、これが実現したのは本年の一月からで、御存じの通りであります。まあ人事院としてはすでにそういう勧告をして政府側が提案し、国会で一応議決されたことでございまするので、振返つてとやかくのことを申上げるということは如何なものであろうかというふうにまあ考えております。実は昨日官公労のほうから初めて私のほうに、神田人事官と私も同席いたしたのでありますが、この問題につきまして、まあ直接人事院に対する要求という形ではございませんでしたが、お話を承わつた次第でありまして、取りあえずの措置として、人事院がどういう見解を持つかということにつきましては、まだ時間的余裕がございませんで、その研究はできておりません。我々とすれば、むしろこういう問題は、やはり給与全体の問題と併せて考えうるべきではなかろうか。まあ七月十八日を目前にいたしまして、人事院がやはり公務員の給与俸給表その他が適当であるかどうかということについて勧告しなければならないということになつておるのでありまするから、その際に、これは全給与体系の一環といたしまして、どういうふうにするのが適当であるということを申上げることになるだろう、まあこのように考えております。
#16
○紅露みつ君 これは給与体系の一環として人事院は考えて行きたいというのですが、ここのところでは、これはもう切離して処置しなければならないのですね。そういう場合に提案者はどうなさいます。
#17
○千葉信君 お答えいたします。私どもの考えといたしましても、事給与の問題につきましては、只今給与局長からお答え申上げましたように、全体の給与の一環としての立場から体系立てられた給与が望ましてという考え方に立つておりまして、その意味では公務員に対する給与は、期末手当であるとか、その他の諸手当というふうに、個々に切離して問題が審議され解決されるということについては、私どもも決して常道であるとは考えておりません。併し御承知のように、昨年の八月勧告されましたその勧告は、その実施におきましてかなり低水準にきめられておりまするし、而もその勧告の基礎になりました昨年三月の物価水準からみますると、本年三月までの状態では一〇%以上の上昇を示しております。従つて一方においては、その決定が御承知のように四月から十二月までの実際の給与の増加額が切捨てられ、而もその人事院の勧告いたしました給与の水準と比べものにならない低水準の給与が決定されまして、この両者の合計額を検討いたしますると、少くとも千二、三百円程度は人事院の勧告と現行法が開きを持ちましたことは、当時の審議でも明らかになつておるところでございます。そういう状態でありますれば、先ほど申上げしたように、給与全体の体系の中で考えられなければならないという方針ではありまするけれども、現在までのこのような状態から見ますると、本来は人事院当局として、公務員法の二十八条に基く給与改訂の勧告が当然の措高として現在までの間に行われていなければなうな、はずでございます。只今の給与局長の答弁からいたしますると、昨年の七月十八日に給与改訂の勧告をしたのであるから、人事院としては本年七月十八日までの間に再び給与の改訂を勧告するという立場に立つておられるようでありまするが、この方針というのは二十八条第二項における給与改訂の勧告の方針でございまして、第二十八条によりますると、情勢適応の原則から一年以内に国会と内閣に対して給与の状態を報告することと併せて、五%の増減があつた場合には給与の改訂をそのときには勧告しなければならないことははつきり明文化されておりまするが、併しこの第二十八条の前段から見ましても、そういう五%の変動があつた場合には、給与の実情の報告に附帯して勧告しなければならないという条件から見ますると、すでに一〇%以上も上昇している現在の物価の状態から見ますると、荏苒と第二十八条後段の措置をとればよろしいという態度で待つているということは、人事院に付加せられた公務員の利益を擁護するという人事院の権限からいたしますると、必ずしも現在の人事院がとつておりまする態度は望ましいものではないという考え方を、私どもは持つておるわけでございます。従いまして、そういう措置が人事院によりとられない現在の段階におきましては、取りあえずの措置としては、公務員の現在の生活の状態、或いは物価の状態、民間の給与の状態等かう考えまして、私ども当然この場合には応急の措置として、せめて期末手当の〇・二五カ月分ぐういの増額はどうしても必要である、こういう方針で、この法律案を提案するに至つた次第でございます。そうして又只今給与局長から御答弁がありましたように、公務員の期末手当の年間を通じて二カ月分程度の手当の支給率につきましては、勿論これは人事院の方針としては民間におけるこの種手当の支給率はたしか二二・五%程度であるという民間の給与の調査になつているようでありまするが、併しそれも私ども単に期末手当だけの比較からいたしますると、そういう数字が出て参るかとは思いまするが、併し給与全体の水準という立場から考えますると、現行法が先ほど申上げたような非常に不利益な状態で決定されているという点も、この際併せて考えてこの法律案の提案の根本的の考え方とした次第でございます。
#18
○紅露みつ君 いろいろ伺いたいこともありますけれども、提案者のほうが多くて適当じやないのですね、余り質疑を続けることは。この辺で各会派の出席があるまで質疑をちよつと保留しておきたいと思いますが、如何でしよう。
#19
○委員長(松浦清一君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#20
○委員長(松浦清一君) 速記を始めて下さい。
#21
○湯山勇君 先ほどこの法律が通つた場合の財源について、政府のほうから御説明があつたのですが、若干私の考えておるのと違いますので、その点についてお尋ねいたしたいと思います。
 二十九年度の予算が組まれたときに、一般会計において一般公務員の給与費が大体七百五十億、それに対して税のはね返りがありますから、実質は大体四百四十四億くらいで処理される。こういう説明があつたわけです。これは一月にベース・アツプを実施するときに大蔵大臣、主計局長から同じような説明がありました。そのことから計算しますと、実際は予算化されるのは、一般会計においても十六億程度であるし、これの実支出は、税のはね返りを除けば十億以内で済むということが考えられるし、まあそうなくちやならないと思うのですが、どうも政府のほうの御発表になるのは、こういう審議の段階においては、いつも大きくおつしやつて、いざ出すときにはずつとちぢむというのが例であつて、例えば一月のベース・アップのときに、一ー三月の三カ月間には大体百九十億いるのだということをずつといつておられて、実際出されたものは百八十二億ですか、そんなふうにちぢんでいた例もありますから、今の政府の予算措置についての御説明はどういう計算から出たのか、どうも納得いたしかねますので、これはもう少し予算等々と附合した計数をお出し願いたいと思います。七百五十億といたしましても大体十二カ月で割つて、それの四分の一になれば十六億程度にしかならない。四百四十四億を四百五十億と踏みましても、これを十二カ月で割つて四分の一ならば、それは十億以内で済むわけですから、すでに一般会計においてそういうふうに非常に違いがありますかう、もう一度御検討になつて正確な資料として一つ政府のほうからお出し頂きたいと思います。それからもう一つ、これは大臣がお見えになつて聞いたほうがいい問題でありますかう、その点だけ一つ、なお、それについて御意見があれば、この際お聞きして……。
#22
○政府委員(田上辰雄君) 先ほど申上げました数字は実は大蔵省の関係当局に至急に必要な資料として調査をさせましたものであつて、確実な数字とは存じますが、只今特に念を押された御質問でもございまするので、その点につきまして数字的な基礎等も重ねて調査をいたしまして、この次にその点をはつきりお答えいたしたいと思います。
#23
○委員長(松浦清一君) 速記を止めて。
   午前十一時三十三分速記中止
   ―――――・―――――
   午前十一時五十六分速記開始
#24
○委員長(松浦清一君) 速記を始めて。
#25
○湯山勇君 大臣にお伺いいたします。実は只今大臣が御検討下さいましたように、そういう法律案が議員提案によつてなされたわけでございます。で、昨年の夏期手当についても大体同じような措置がなされましたが、その経緯は、暫定補正第一号の審議に当りまして、参議院の予算委員会で、大蔵大臣が夏期手当についてはとくと考慮する、こういう答弁をされまして、同時に総理府の責任者である緒方副総理も又同じようにとくと考慮するということを述べられました。ところがその後章ごたごたしておつたのですけれども、六月の終りになりまして、更にこの問題についての質問に対して、重ねての御質問でもございますので政府としても善処いたしますという御答弁があつたわけです。で、その善処の形はこの十二月の期末手当の引上げ支給といろ形で以てなされたわけですが、今回の場合におきましても、提案理由にもありますような事情もありますし、更に政府のほうで意図しておられる物価の引下げということもまだ実際には実を結んでいないのであつて、むしろそれ以後においては上昇の形をとつている。そういうことなどを検討いたしますと、これはむしろ議員提案がなされる以前に、政府のほうからこの問題についてはこうだ、昨年は給与担当の大臣がおられませんでしたので、そういう形を取つたわけですけれども、本年ははつきり大臣が給与関係を御担当になつておられますので、給与関係担当の責任大臣として、この法案に対してどのようなお考えをお持ちになつておられるか、或いは又法案が出される、出されないにかかわらず、政府としてはこれについてはこういうふうに検討中であるとか、考えているとか、そういう点を一つ大臣から明確にして頂きたい、こう思うわけでございます。
#26
○国務大臣(加藤鐐五郎君) 只今湯山委員からの御質問の一般公務員の給与をよくするという御趣意につきましては、私ども同感でございまして、国家の財政が許すならば、これは当然よくしてその職務に喜んで従うようにしなければならん、こう思つております次第でございますが、併しながら今の国家の財政の状態から申しますれば、直ちに御趣意に副うようなことにはなかなか行きかねるではないか。殊に今回の予算というものは御承知のごとく緊縮の建前をとりまして、一兆円内において抑えようといたしておることは皆さま御承知の通りでございます。今まで善処するということを申したか、これは私よく存じませんが、そう言うたに相違なかろうと、こう思いまするが、只今のところ直ちにこの提案の趣意に副うことは困難であると、こう率直にお答え申上げます。
#27
○湯山勇君 善処するとか或いはとくと考慮するとかいうことは、昨年の経過を申上げたわけでございます。で、昨年も初めは今大臣がおつしやいましたように、予算或いは財源の関係でできないというようなことをおつしやつておつたのですけれども、それがとくと考慮するというように変つて参りましたし、更にそれが進歩いたしまして善処すると、こういう形に変つて、政府としては予算措置はそのときには講じないで、既定予算の範囲内においての繰上支給という形を昨年の場合はとつたわけでございます。で、昨年の勧告の実施が、実質的には勧告の額に合わしたとは言つてはおりますけれども、非常にそれを下廻つておる実情にありますことや、その後において公務員の生活は改善されていないという事実、そういうことと、それかう又一兆予算の裏付けをなすものは物価の引下げということが前提になつておるわけですけれども、それも未だ実を結んでいない、まだ実が現れていないという段階におきましては、差当つて何とか措置しなければならないというのが、これはもう誰でも考えることだろうと思うわけです。そういう建前からこういう法案が出されたわけなのでございますから、これに対して大臣は、その点については更に今おつしやつたような御趣旨かう言えば、できれば出すようにしたいという御趣旨を御答弁になつたことから考えれば、そういう前提に立つて御検討になられるというお心がまえがあるかどうか、その点をもう一度一つ承わりたいと思います。
#28
○国務大臣(加藤鐐五郎君) 私の気持を正直に申上げますれば、只今の国家公務員の生活は必ずしも優遇されておるとは思いません。併しこれは国の予算に関することでございまするがゆえに、これで御辛抱を願つておくほかはないと思つておりまするが、許す範囲におきましては、私は優遇とまでも行かなくても、幾分生活の改善に資したいと、こう思つておりまして、先般も提出いたしまして御審議を願います五現業の国家公務員の引上に関する法律案でございまするが、あれも御承知のように今まではなかなか議論がありました。議論をすればいろいろあるであろうと思いましたけれども、まあ少しの欠点はとにかくおいて、五現業に従事しておられる一般職員のかた約二万何千人でありまするか、そのかたらに幾分でもよくする途を講じたいと思いまして、事務当局のかたにお願いして、昼夜兼行、あの法案を提出いたした次第でございますので、その趣旨におきましては、私は是非とも優遇して、喜んで国家の仕事に従事して頂きたいと、こう思うその熱意に至りましては、私は強く持つておる次第でございます。ただ先刻もお答えいたしましたごとく、今日の現状におきまして、一般職の方々を少しよくするということはどうであろうかということでは、頗る躊躇せざるを得ないのでありまして、一面において産業界におきましては、中小企業の諸君が非常な、御承知のように窮状に陥りまして、不渡の手形は非常に多く出て来る。倒産、廃業、これは非常なものでございまして、殊にそういうところに従事しておられる諸君は、今月の月給はもらえず、来月の月給ももらえず、遅配々々で三月前の俸給を分割に受けておるというような状態であるのでありまして、そういう場合に、予算のないところで、国家公務員だけと言うと、言葉が悪うございますが、それをすることは、一般の上から見てもどうであろう、只今申しましたように、予算の上もどうであるかということで、気持と実行の面とは誠に違つて、この点は誠に私遺憾に思つておる次第でございまするが、実情右のような次第でございまして、誠に相済まんわけですが、この法律案に直ちに従うということは困難で亙る、率直にこう私の気持を申上げておきたいと思います。
#29
○湯山勇君 大臣のおつしやいました民間産業の実態ということについては、又別な観点があると思うのですけれども、只今は大臣の担当しておられる国家公務員の給与といろものだけについて限定して考えた場合のことを申上げたいと思います。それについて言えば、大臣はこの問題については気持としては積極的な気持を持つておるけれども、予算その他の問題で躊躇せざるを得ないというような御趣旨だと思うのです。そこで最終的に簡単にお答え頂いて結構と思うのですが、ただ大臣がこの法律に賛成するとかしないとかという問題を離れて、夏期手当についてはやはり何らかの考慮をするべく努力される、そういう大ざつぱな表現にしたいと思うのですが、そういう御意思を今、先ほどからの御答弁かう我我酌取つてよろしいかどうか、この点だけ一つ明確にして頂きたいと思います。
#30
○国務大臣(加藤鐐五郎君) 率直に申しますれば、先般も公労法の代表の諸君が、公式か非公式か知りませんが、私に会見を求められまして、私としては、できるならば、私の気持は端的に言えば先刻来申上げた通りであります、口ではいろいろのことを申しましても。拒絶のことを明白に申しましたが、一面におきましては、大蔵当局に対しましてできるだけ何か実現する余地はないかということを強くいろいろいたしました。それでその結果、どうしても行かないということでありますがゆえに、私はそのままになつて、その代表者のおかたにもそのまま御返事もいたしておりませんが、予算が許し、国家財政が許しましたならば、当然私はよくしたい。併しながら民間の企業のことも考えにやなりませんけれども、それは又別として考えたいと思つておりまするけれども、実情右よろの次第でございまして、気持と実行とは違うことを甚だ遺憾に思いますが、これも率直に歯に衣を被せず露骨に申上げる次第でございます。
#31
○委員長(松浦清一君) 提案者の千葉君は、政府委員に対する質疑のために委員席に戻りましたから、若し提案者に改めて御質問のある際には、又提案者の席に戻つて頂きますから御承知願いたいと思います。
#32
○千葉信君 私提案者の席におりましたが、この御提案申上げた法律案に関連する五現業に対する給与の特例法案等も含んで、この際この両案に関連する事項について加藤国務大臣にお尋ねをしたいと思いますが、先ず劈頭お尋ねしたいことは、加藤国務大臣は特に前例のない給与を担当する国務大臣として積極的にこの重要問題の衝に当られることになつたわけでありますが、どうも過日来の委員会或いは連合委員会等における加藤国務大臣の答弁を聞いておりますと、私は少々ならず疑念を生じて来ているのです。加藤国務大臣の答弁を聞いておりますと、大蔵大臣が答弁しているのか、給与を担当している大臣が答弁しているのかわからないような錯覚に我々陥ることがしよつちゆうございます。そこで先ず手初めにこの際はつきりお尋ねしておきたいことは、加藤国務大臣は現下のいろいろな国内における経済情勢なり、若しくは又政治情勢なりの把握の上に立つて、この給与問題を処理するというその前提として、一体もつと賃金水準なり国民の生活水準を切下げなければならないという立場に立つて、若しくは又その他の条件かうもそういう立場に立つて、給与をこの際切下げようというために給与を担当する国務大臣になられたのか、それとも給与をもつて適正な、例えば公務員の現在の生活の条件に鑑みてもつと適正な給与、つまり公務員に対する一般職員の給与法なりその他の給与法に照らして、もつと合理的な給与の体系を打立てなければならないという立場に立つてこの問題を担当しようとしておられるのか、その点を先ず承りたいと思うのです。
#33
○国務大臣(加藤鐐五郎君) 千葉君の御質疑はいろいろに亙つておりますが、私は適正な給与を与えたいと、こう思つております。
#34
○千葉信君 そうでなくてはならないと思うのです。少くともこの問題を担当するに当つて、法の命ずるところに従つて適正な給与を飽くまでも実施するという立場に立つて、この問題を処理してもらわなければならないと思います。そういう場合に、今湯山委員から聞かれた期末手当の問題についても、私は給与を担当している大臣の答弁としては遺憾至極だと思う。成るほど加藤国務大臣は、公務員諸君に一生懸命公務に励んでもらつて、そうして国の行政を立派に遂行しなければならん、そういう立場からも公務員の給与については何とかしなければならんと思つているという一般論は、俺は熱意を持つているのだという裏付けで以て答弁されておりまするが、そういう一般論の陰に隠れて、今度は直ちに、併し財政上どういう事情があるのかその点もつまびらかにしないで、ただ財政上の理由から、直ちにはそういう方針はとれないとか、今実施をすることが困難だというような大蔵大臣の答弁らしい答弁しか与えられておらない。少くとも加藤国務大臣が給与の問題等について適正な給与を支給するようにしなければならんという考えに立たれている以上は、他の給与も同様ですが、例えば現在の公務員諸君に対する期末手当が果して現行で妥当なものかどうか、物価の水準が一体どういう恰好で事実問題として変動して来ているか、そういう中で一体公務員の給与なり或いは又現行の期末手当で公務員諸君が、少くとも国民と同じ程度の、国民全体と同じ程度の生活をやつているかどうかということを先ず考えて、そうしてそういう問題について、仮に国務大臣が公務員の現在の生活は国民一般の生活の水準と同様なう同様、或いは事実が同様でないという恰好で下廻つているものとすれば、これに対しては給与法を改正するような措置をとるとか、或いは又累積している赤字の状態に対してはどういう手当を、どういう措置を講じなければならないかということについて、少くともこの問題を担当している大臣としては、そういう具体的な問題に対する明確な方針なり検討が行われて、それに対する答弁が国会としてはなされなければならん。又我々もその点を十分大臣に問い質さなければならないのです。ところがそういう点については大臣は全然考慮しないで、公務員の実際の生活の状態とか公務員の給与の水準が、どういう恰好で現在の経済的な条件に合致しない惨めな恰好に放置されておるかどうかということについては、全然触れようとしない。それでは一体給与を担当する大臣としては完全にその職責を果すことにはならないと思うのです。だから我々の聞かんとするところは、大臣が今御答弁になつたように、俺は少くとも適正な給与をきめるためにやるのだという、その答弁を具体的に、それではどうするかという問題については、まあこの特例法案のほうはこれは又追い追い審議するわけですかういいですけれども、この問題とも関連を持つ例えば期末手当の問題等についても、大臣は一体今の公務員の生活の状態、それから現行の給与法で支えられている公務員の経済的な状態というものがどういうものかという点について、大臣はどの程度に把握しておられるのですか。具体的には、公務員は全体の奉仕者として一方においては権利の制約を受けておる。全体の奉仕者であることには間違いはないけれども、併しそれかと言つて、若しも国民全体の生活の水準から比べて、遥かに公務員の生活水準が低いとすれば、これは財政上の理由で、そういう低い恰好に据置くとすれば、政府としても、国会としても、国民としても、これは公務員に対する不当な待遇をしているということになると思う、そういう点について大臣は現在の公務員の状態をどういうふうに、現行給与の水準と併せて把握しておられるか。この点を先ずお尋ねしたい。
#35
○国務大臣(加藤鐐五郎君) いろいろ御意見がありまして、御意見は御意見として拝聴いたしておきまするが……。
#36
○千葉信君 意見ではないですよ。聞いているのですよ。
#37
○国務大臣(加藤鐐五郎君) 御意見の下に御質問でございますが、そういう御意見は拝聴いたしておきますが、私は神様の目から見て、これが公正であるか、適正であるかということは、これはわかりませんけれども、私どもの政治常識においては、今は勿論十分ではないことはよくわかつておりますけれども、国家のあらゆる点を参酌いたしまして、今の給与は或る点までこれで御辛抱願うほか止むを得まい、こう思つておるのでありまして、熱意があつても実行しなければだめじやないかという御意見もありましたが、熱意だけで、実行しなければだめでございますが、熱意を持つて国の財政の上において漸次、優遇とまでも行かんけれども、水準を上げて行くことに努力したい、こういう考えを持つておるのでありまして、今の給与が果して一般国民の水準とどうなつておるか、こういう御質問もありましたが、まあこれで御辛抱を願つてもらうよりほかいたしかたない、かように考えております。
#38
○千葉信君 大臣の御答弁を聞いていると御辛抱答弁であつて、公務員諸君に辛抱してもらわなければならんということは浮彫されて、その点ばかり強調されておりますが、大臣の全体の答弁としては、国家の財政云々の問題は抜きにして、現在の公務員の生活の状態、そして又国の待遇が、国民の生活の水準に大体匹敵し適合する程度の生活の不可能の給与だということは、お認めになると思うのですが、その点はどうですか。これは政府の統計にもはつきり出ておりますが、大体現在の国民生活の水準かういいますと、生計費のうち食糧費に支出する割合が大体半分、五〇%程度という恰好になつておりますが、一方公務員諸君の分だけの同種の統計の中では六割近いものが食纈費として支払われておるのですが、その点については、大臣はどう確認されておるか。
#39
○国務大臣(加藤鐐五郎君) そういう数字は、私まだ正確な数字を手にいたしておりませんので、正確にお答えするわけには参りませんけれども、私は今の国家公務員の生活水準は国民全体の生活水準に比較して甚だしく悪くないと、かように思つております。
#40
○千葉信君 それでは、その問題については後刻資料を整備して大臣にお尋ねすることにいたしまして、次の問題としては先ほども触れましたけれども、本来給与を担当する国務大臣の立場としては、先ず公務員に対する給与が、公務員の生活の現状等を勘案して、そしてどういう程度の水準にならなければならないか。それから又期末手当の問題にしても、今までの経過の中から、これは統計上もはつきり現われて来ておりますが、昨年の三月を基準にして改訂された現在の給与がどの程度か、かなり詳細に科学的に調査をして結論を出した人事院の勧告と開きがあるかということ。それから又同じく現行給与の水準になつている昨年の三月からどういう物価の変動が起つたか。この点は経済審議庁でも資料を発表しておりますから、これは大臣も御承知だと思う。そうすると、そういう条件の変動の中で公務員諸君の生活がどういう状態におかれているかということを大臣としては考えられて、そうして先ず給与を担当する国務大臣の立場としては、どの程度の期末手当を出すのが至当であるか。若しくは給与をいつ頃どの程度に改訂しなければならんかという方針を先ず持つてです。それかうそれを実現するためには、政府部内においても或いは又閣議においても、給与を担当する国務大臣としてその問題の解決を図るという努力が裏付にならなければならない。そうしてその場合に今の内閣設置法から言つても、総理府設置法から言つても、或いは行政組織法の建前による各省の分掌している仕事の振合いから言つて、給与を担当する国務大臣としては、その問題の解決のために大蔵大臣と予算上の折衝を行うという順序にならなければならないと思う。そういうことになると、一体給与の問題を担当している国務大臣として、先ず給与なりそれから又給与の一環としての期末手当等の問題について、どういう改訂を行い、若しくはどういう程度の給与を行わなければならないかということについて、方針を先ず確立する必要がある。それをやることによつて、初めてこの問題が前進をし、好ましい結果が少々でも出て来ると思う。それを一体加藤国務大臣は、この委員会に臨まれても、一遍に飛躍をして、そういう点についてはどう考えておるのか、現状等をどう把握しておるのか、どういう方向に持つて行かなければならんかというようなことについては、全然抜きにして、一般論だけを展開して、そうして答弁の中核をなすものは、財政上どうこう、予算上どうこうという理由に籍口して考えておるんだけれども、それは国家の経済上からどうこうという答弁に一遍に飛躍されてしまう。それでは給与を担当しておる国務大臣としての立場としての答弁にはなつていないし、又国会としても、我々としても、そういう恰好の答弁ならば、何も給与を担当している国務大臣を呼んで聞かなくても、いきなり予算上の問題はどうとか、財政上の問題はどうとか、大蔵大臣に聞いても、その程度のことは済んでしまう答弁だ。そこでやはり我々としては加藤国務大臣としては、この特例法案の問題もそうですが、同時に期末手当の問題についても、今の物価の状態、それから今の公務員の生活の状態から判断して、大臣としてはどの程度の期末手当を考えなければならんか、現行でいいのか、それとも何とかしなければならんかという条件があるとすれば、それに対して大臣としてはどうするかという考えを、先ず大臣として持たなければならない。その点の答弁がちつともないのですが、一つその点について、大臣からもつと具体的に、現在の状態の中で給与を担当する大臣としての立場から、どうこうするという具体的な問題として御答弁を願いたいと思う。
#41
○国務大臣(加藤鐐五郎君) 毎々この人事委員会に伺つておりますが、千葉君の御満足行くような御答弁は私としてはできませんのでありまして、私としてはできるだけ御満足の行くように御答弁いたしたいと思うのですが、いずれにしても御満足は得ることはできまいと思うのですが、私は繰返して申しまするが、公務員をよくしたいということは思つておりますが、この公務員をよくしたいという金は、今更申すまでもなく、国民の税金でございます。国民全体及び企業に従事しているもの全体、いわゆる民間の企業に従事しているもの全体をみて、そうして公正適正なところだと思うところ、これも見る人によりまして、適正でないという非難もあるし、適正だろうという御意見もあるでありましようが、そこへ持つて行きたいと、こう思つているのでございますが、給与のベースの問題のごときは、これは又人事院が勧告もされることであろうし、勧告されるかどうかわかりませんが、これは人事院の勧告を待つて、私どものほうも考える。然らばその間放つておくかというと、放つておくわけではありませんが、これは人事院の意見に従い、尊重しなければならんことは申すまでもないのであるし、それから今の給与が適当であるかどうかというような問題につきましては、しばしば申上げましたように、公務員制度の調査会というようなものもありまして、その道の専門家、有識者が寄りまして、いろいろ審議をいたしまして意見も述べることでありますし、そういう御意見も尊重して、何人も満足することは、これはできまいと思いますので、政府を信じて、或る程度適正であるというようなことの措置をいたしたいと、かように考えているような次第でございます。
#42
○委員長(松浦清一君) 担当大臣は、法務委員会を途中で出て来ていらつしやるので、再三催促が来ているのですが……。
#43
○千葉信君 加藤さん、併し委員の質問に対して、満足して頂くように答弁できないと初めから言つてるような恰好では、これは政府のほうから出して来る法律案でも、委員に対する質問に満足に答えられないということになれば、片つ端から今後通らんことになるが、いいんですか、それで。
#44
○国務大臣(加藤鐐五郎君) 私の言うたのはそういう意味ではありませんで、千葉君のいつものなにでは、なかなか千葉君の御納得を得るようなふうには行くまいと、こういうことを露骨に申上げたことでございまして、全部のかたが納得いかないということではなかろうと、こう思うのでありまして、その辺は一つどうか……。その点は決して誤解のないように……。(笑声)
#45
○湯山勇君 大臣に、まあ私はこの委員会に出て間もないのですけれども、もう少し、給与問題の担当大臣でしたら、給与問題としつかり取組んでおられると思つていたんです。ところが私が出ましてからも、結局給与のほうは何だかこうつけたりのような恰好で、いつお出になつても、もうお座りになつたときから、次のほうへ気分が動いておられる。どうも最初から給与を御担当になつて、その上で法務のほうをやるかどうかということは、大臣の御判断の上でおきめになつたのですから、給与のほうを犠牲にするのであれば、法務大臣のほうはお断りになつて然るべきじやないか。それを今も、こういう段階になつても、もはや書類をしまつてかかられて、これじや質問する気も起らない。私は、それは誠意を以て給与をよくなるように努力するとおつしやいますけれども、もう大臣のそういうふうなしぐさから、どうも信頼を持てないのです。ここのところは大臣もう少し、実際大臣がどんなに誠意があるとおつしやいましても、今のようなところからは受取れないので、私は、この委員会のまあ慣例などを存じませんものですから、非常に不満に堪えません。で、只今の問題にいたしましても、もつとお聞きしたかつたのですけれども、まあ書類をもうしまいかかられたので、私もその意欲を失つてやめたわけですが、本当にやられるお気持かどうか、給与の問題を。それだけ一つ、一遍はつきり言つて頂けば、それで、まあ他の委員のかたはどうか知りませんが、それだけはつきりさして頂きたい。
#46
○国務大臣(加藤鐐五郎君) 只今いろいろ御注意を頂きまして、恐縮に思つております。実は御承知のごとく、法務大臣を引受けました関係上、いろいろ法務省から提出いたしましたる法案も一時に殺到いたしておりまして、今朝あたりも参衆混ぜますと、委員会が十時あたりから五つか六つ開かれておりまして、それが少しずつ私に出て来いということでございまして、私、出ております。まあこういうふうに本をしまいまして、何かせせこましいようでして、これは恐縮に存じておりますが、いろいろ私は国務大臣といたしまして、給与担当の大臣といたしまして、細かいことは私はとても……、これはほかの政府委員が十分やりまして、国務大臣として、給与担当大臣といたしまして、大綱を私は示して行きたいと、こう思つているような次第でございまして、決して不誠意に、すぐ顔を出してすぐ次の委員会へ行くというつもりはありません。その細かいと言つちや失礼ですが、詳細の点にまで私に御質疑にならなくても、政府委員の答弁は私の責任においていたし、私がその責任を持ちますから、できるなうば技術的その他の方面につきましては、他の政府委員に御質疑を願つて頂ければ、私もそれで務めが足ることであろうと思います。これは勿論そこに、終始一貫その委員会に出ているのが本義でございますが、事実上只今できませんですから、この点は決してこの委員会、どの委員会を軽視するなどというつもりは毛頭ございませんが、事情右様の次第でございまして、悪しからず御了承おきを願いたい。大綱を私は申して参りまして、今後も政府委員の答弁は、私の責任ある答弁と御了承おきを願いたいと思います。
#47
○千葉信君 加藤さん、今までもう数回この委員会に出られましたが、この委員会で、加藤さんが答弁するには適しないような細かい問題で、加藤さんに質問が出ましたか。
#48
○国務大臣(加藤鐐五郎君) この大小という問題に至りましても、上下があるわけではありません故に、如何なる問題が小さい問題で、如何なる問題が大綱だと、こういうことに――これは少し言葉尻をつかまえるわけではありませんが、これは一つ聡明なる皆様の良識に愬えて、一つ御判断を願いたいと思います。
#49
○千葉信君 皆様でなく、私に答弁してもうらたい。今までこの委員会で何か大臣に答弁を願うには適しないような小さい問題、細かい問題が、大臣に向つて質問されたような印象を、今の大臣のお話ではほかの諸君に与えられた。私も又はつきりそう感じているのですが、そういう事実があつたと大臣はお考えになつておられるのですか。若しそうであるとすれば、ますます給与の大臣としての欠格条項を加えることになると思います。はつきり御答弁願いたいと思います。
#50
○国務大臣(加藤鐐五郎君) 私の言葉が悪いかも知れませんが、まあ言葉尻は抜きにいたしまして、私の気持をはつきり申上げておきまして、今まで細かい質問があつたとかなかつたとかいうことは、これはかれこれ申しません。これは大綱の問題が――それも大綱大綱とおつしやるかも知れませんけれども、とにかく私が出て一々御意見を承わり、御答弁をいたすのが本義でございますが、事情を一つ御諒察を願いまして、一つ千葉君のごときはよく御承知のことでございますので、一つ御了承願いたいと思います。
#51
○委員長(松浦清一君) 私からも加藤大臣に申上げておきたいのですが、今この委員会にかかつております法律案は、公務員法の改正、それから五現業、二つの政府提案の案件がかかつておつて、本日又この期末手当の問題であなたのお関係ができたわけなんで、今まで政府提案の二つの案件につきましてもまだ序論的な、大綱的な質問を始めたばかりで、具体的な質疑には一つも入つていないのです。まだ大綱の序論的な質問さえ終了しないということは、結局今湯山委員が言つたように、大臣ここへお出になりましても、もう五分か十分たてば、どつか次の委員会から使いが来て連れ出して行かれる、こういうようなことで尻切とんぼになつて質疑の続行ができない、そういう状態にありますのが、委員会の限られております議案の審議状態なんですから、法務大臣になられたことがいいとか悪いとかいうことは別問題として、おやりになつていらつしやるのですから非常に忙しいでしよう。併しこの委員会として来て頂くあなたの立場は、給与担当の国務大臣として御出席願つているわけですからして、法務大臣たる加藤さんの立場といろものが、事情は心情的には了解ができますけれども、委員会の事案の審議過程を通しては、法務大臣であるから、人事委員会における給与担当国務大臣としての御出席の時間が短くてもいいんだと、こういう了解にはならんわけですから、その点は一つよくお含みの上で、法務委員会等の御都合等もございましようけれども、できるだけ御便宜を願いたいと思います。
#52
○国務大臣(加藤鐐五郎君) 御注意慎んで承わつておきまして、決して軽く見るとか、逃げるという意味でございません。委員長の御注意慎んで拝聴いたしておきます。
#53
○委員長(松浦清一君) 今は行つて頂かなければしようがない……。
 それでは本日は、日程の第二、第三を次回に審議することにいたしまして、日程第一の昭和二十九年六月に支給されるべき国家公務員の期末手当の臨時措置に関する法律案の審議は、次回に続行して行うことにして、これを以て散会をいたします。
   午後零時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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