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1953/02/26 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 厚生委員会 第12号
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1953/02/26 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 厚生委員会 第12号

#1
第019回国会 厚生委員会 第12号
昭和二十九年二月二十六日(金曜日)
   午後一時三十五分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     上條 愛一君
   理事
           大谷 瑩潤君
   委員
           高野 一夫君
           中山 壽彦君
           西岡 ハル君
           湯山  勇君
           堂森 芳夫君
           有馬 英二君
  国務大臣
   厚 生 大 臣 草葉 隆圓君
  政府委員
   厚生省社会局長 安田  巌君
   厚生省児童局長 太宰 博邦君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       草間 弘司君
   常任委員会専門
   員       多田 仁己君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○児童福祉法の一部を改正する法律案
 (内閣提出)
○身体障害者福祉法の一部を改正する
 法律案(内閣提出)
○日雇労働者健康保険法の一部を改正
 する法律案(内閣送付)
○消費生活協同組合法の一部を改正す
 る法律案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(上條愛一君) 只今から厚生委員会を開会いたします。
 児童福祉法の一部を改正する法律案、身体障害者福祉法の一部を改正する法律案、日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案、消費生活協同組合法の一部を改正する法律案を一括議題といたします。
 提案理由の御説明を願いたいと存じます。草葉厚生大臣。
#3
○国務大臣(草葉隆圓君) 只今議題となりました児童福祉法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申上げます。
 改正の第一点は、身体に障害のある児童に対し、生活の能力を与えるため児童に対し、生活の能力を与えるために必要な医療即ち育成医療の給付を行うことにいたした点であります。肢体不自由、聴力障害、視力障害又は言語機能障害のある児童に対しましては、従来、児童福祉法の規定に基きまして、保健所において定期的に療育相談を実施し、身体障害者手帳の交付を受けた児童に対しまして盲人安全杖、補装具の交付を行なつておりますほか、特に必要のある児童は、肢体不自由児施設等の児童福祉施設に入所の措置をとつて参つておるのでありますが、身体に障害のある児童は、これを早期に発見して早期に適正な治療の措置を講じますならば、比較的短期間に且つ低廉な費用で治癒する可能性が多いにもかかわらず、従来このための予算が計上されることがなかつたのであります。これは身体障害児対策として画龍点睛を欠くものということができるのでありまして、このたび昭和二十九年度予算案に三千百一万五千円計上すると共に児童福祉法に必要な規定を設け、身体障害児対策に一貫性を持たせることにいたしたのであります。
 改正の第二点は、身体障害者手帳の交付を受けた児童に対して交付することになつております補装具の名称を整理し、補装具の交付又は修理を行う機関を明記したことでありまして、従来からありました規定を身体障害者福祉法の規定に合せたものであります。
 以上が改正案の大要でありますが、何とぞ、御審議の上、速やかに可決せられんことをお願い申上げます。
 次に身体障害者福祉法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申上げます。
 身体障害者の障害を軽減又は除去するための更生医療の給付につきましては、永年関係者の間において要望されていたところでありますが、これを昭和二十九年度より実施することとし、又同法の適用を受ける障害の範囲につきましても、若干の改正を加える等の必要が生じて参つたのであります。これが本法律案を提出する理由であります。
 以下、本法律案の内容の大略を申上げますると、
 第一に、身体障害者更生援護施設のうちに、ろうあ者更生施設を加えることと致して居ります。これは現行法において欠けて居ります聴覚障害者に対する専門の施設を設置せんとするものであります。
 第二に、身体障害者に対して、その障害を軽減又は除去し、以てその更生に資するために、更生医療の給付を行う旨を規定いたして居ります。この更生医療の給付は、原則として厚生大臣の指定した医療機関に委託して行うこととし、医療機関の指定等につきましては、おおむね他の立法例にならつて居ります。
 なお、更生医療の対象者は全国で約五万を数え、昭和二十九年度には国庫負担額八割負担といたしまして、約二千万円を計上いたしております。
 第三に、本法の対象となる身体障害の範囲を規定している別表につきましては、現在本法の対象とされていない障害のうち、その程度より見てこれに加えることが必要であると認められる若干の障害を加え、併せてその表現について修正を行い、より正確を期せんとするものであります。
 上述いたしました三点がこの法律案の主要な点でありますが、この他に、中央身体障害者福祉審議会に出版物、芸能等について推薦又は勧告の権限を与える等の点について改正し、又、これらの改正に伴つて字句等について所要の訂正を加えることといたしております。
 なお、附則におきまして、本改正に関係ある社会福祉事業法、社会保険診療報酬支払基金法等の一部を改正し、又本法との規定の調整を図るため、戦傷病者戦没者遺族等援護法、生活保護法等の一部を改正することといたしております。
 以上がこの法律案の内容の大略であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速かに可決せられんことを希望いたします。
 次に日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申上げます。
 日雇労働者健康保険法は、本年一月十五日から、全面的に施行され、三月からは、保険給付が開始される運びとなりましたが、御承知のごとく、本法の給付内容は療養の給付及び家族療養費の支給三カ月となつており、制度発足以来、常に、その改善に腐心して来たところであります。今回の改正はその第一歩として、当面最も必要な給付期間の延長を行い、現行の三カ月を改めて六カ月としようとするものでありまして、これに伴い、昭和二十九年度予算案において給付費の一割に相当する額を国庫負担として計上いたしているのであります。
 以上が提案理由の大要でありますが、何とぞ慎重御審議の上、速かに御可決あらんことをお願い申す次第であります。
 次に、消費生活協同組合法の一部を改正する法律案提出の理由について御説明申上げます。
 消費生活協同組合法が施行されましてから、既に五年を経過いたしましたが、その間、国民生活の安定と生活文化の向上のために組合が果した役割は、相当大きいものであつたと考えられます。
 併しながら、半面、経済事情その他の社会情勢の変遷に伴いまして、組合の組織及び運営について、相当の変化が見られるのでありまして、中には、組合本来のあり方と相当かけ離れたものすら出て参つている状態であります。そのような事態を規正し、且つ、健全な組合の発達を助長することの必要性は、改めて申上げるまでもありませんが、そのためには、現行法の規定のみでは不十分でありますので、この際所要の改正を加える必要が起つて参つたのであります。これが本法案を提出した理由であります。
 以下この法案の内容について、その要点を概略御説明申上げます。
 第一は、組合が市中の中小商人等に組合の名義を貸すことを禁じたことであります。最近、税の関係等から中小商人等が協同組合の名義を借り、組合もそれを容認するような傾向が諸方に出て来ているのでありますが、このようなことは協同組合本来のあり方にも反しますし、諸種の問題を惹起しますので、この際、明文で禁止しようとするものであります。
 第二は、都道府県の区域を越えます地域連合会は、傘下組合の指導連絡業務のみ認められておりましたが、同様な職域連合会は、一般組合事業を行うことも許されている点から考えて、この際これらの地域連合会に対しても会館、宿泊施設の経営とか、一般組合事業の経営を認めようとするものであります。
 第三は、組合の業務運営を適切にするための技術的な修正でありまして、総会の議決事項に規約の設定、変更及び廃止を加え、財務を適正に処理するための必要な基準を定め、理事の欠けた場合の仮理事の選任を定める等の事項であります。
 第四は、組合が、組合員の出資額に応じて剰余金を割戻す場合の制限が、従来は、年五分を最高としておりましたが、出資の増強を図るために、これを年一割まで引き上げようとするものであります
 第五は、組合の設立認可の際の審査基準として、従来の、法令違反、設立手続違反の有無等に加えて、事業を行うに必要な経営的基礎の有無を新たに加え、又組合からの報告徴収、行政監督等の規定についても、実情に即した修正を加えようとするものであります。なお、従来の解散命令については、特に慎重を必要とする点から組合にあらかじめ弁明の機会を与えることを新たに規定いたしております。
 以上法案の要点について御説明申上げましたか、何とぞ慎重御審議の上速かに可決あらんことを御願いいたす次第であります。
#4
○委員長(上條愛一君) それでは次に政府委員から法案の内容について細部の御説明を願いたいと存じます。先ず児童福祉法の一部を改正する法律案。
#5
○政府委員(太宰博邦君) お手許に資料が出ておりまするが、全貌をおわかり頂くためには、法律案要綱というのが資料三で出ておるわけなんであります。児童福祉法の一部を改正する法律案関係資料というのが差上げてございます。その中の頁数で申上げますと十五頁あたりに、資料第三として児童福祉法の一部を改正する法律案要綱というのがございますので、便宜それの順序で御説明いたしたいと思います。
 現在我が国に身体障害児童の数がどれくらいあるかということにつきましてはいろいろ推計がございまして、数十万というような数を言う人もございますが、先年の六月に私のほうで全国の要保護児童の調査をいたしました。それから弾いてみますると、肢体不自由児が大体十二万九千、それから目のない、盲児が一万六千七百人、聾唖児が二万七千七百人計十七万三千六百、こういう一応数字が出たわけでございます。もとよりこれはサンプル調査でございますので、大体の傾向を見るというふうにとどまるだけかと存じますが、こうしてこういうような身体に障害がありまする子供たちの大半は、早期に又適切なる手当をいたしますれば、その障害の部分が非常によくなおる、全治と行かないまでも、社会生活を営むに十分なだけの程度にまでなおることができる。これが放つておきますると、だんだんなおりにくくなる、更に程度がひどくなつて行くと、更になおりにくくなつて行く。こういうような傾向も見られるのであります。
 それで従来身体障害児に対します政府の施策といたしましては、大臣の提案理由の説明にもありましたように、全国の各保健所において、定期的に療育の相談をしておる。それから程度の非常にきつい子供に対しまして、盲人安全杖とか補装具というようなものの交付を従来やつておる。又必要に応じまして、肢体不自由児施設などというような児童福祉施設に入所の措置をとつて参つたのでありますが、只今申上げましたように、早期に発見して、早期に手当をいたしますならば、これも完全と行かんまでも、これがなおるんだということになりますれば、当然その方向に施策が進んで行かなければならないことは言うまでもないことでございます。そういう面に対する要望が非常に強く出て参つたので、幸いにいたしまして明年度予算案におきまして、若干の経費をみることができましたので、今回この児童福祉法の一部を改正して、その措置をとることをいたしたいというので提案いたした次第でございます。
 第一に、身体に障害のある児童に対して、生活の能力を与えるために、医療給付の途を講ずる。これは生活の能力を得るためと申しますと、将来自活して社会に生活して行くという点もございますが、更にその点にまで至らなくても、日常の生活を行うに必要な程度までこれをなおすことができますれば、それだけでも非常に幸いするわけでございますので、これはあとで出て参るかと思いますが、大人のほうの身体障害者の場合よりも、その適用の範囲が若干広くなるのじやないかと考えておる次第であります。その給付の医療の名称は、従いまして、この大人のほうにつきましては更生医療という名称を従来用いております。又今般改正をお願いいたします案にも、それが載つておると存じますが、児童の場合におきましては、症状が必ずしも固定していないというようなものも含む。それから又たとえ只今の段階ではさして重くないと見られるものでありましても、将来著しい機能障害をもたらすような虞れのあるものにつきましては、たとえ現在はさほど著しいものでなくても、やはりこの治療でもつてなおしてやりたい。かような意味を含ませまして、特に名称を変えまして、育成医療という名称を付したわけでございます。
 それから二の対象の児童はそこに肢体不自由、聴力の障害、視力障害或いは言語機能の障害あるものというふうに出ておる。この数は先ほど申上げましたような大体の推計でございます。さようなもので治療して、それがよくなるという可能性のあるものにこういうふうにいたしたいと考えております。
 三の育成医療の範囲でございますが、これは従来医療給付を、生活扶助などの医療給付などが、身体障害者福祉法に定めてあります。医療給付の内容は同一でございまして、原則として現物給付でやるけれども、場合によつては金銭給付の途も一応開いておく。内容といたしましては、診察、薬剤又は治療材料の支給、医学的な処置、手術及びその他の治療並びに施術、というのは例えばマツサージとかいうようなものが或いはこういうものに含まれると存じます。或いは脱臼などの場合においては柔道整復というようなものが入つて来ると思います。病院又は診療所への収容、看護、移送これは大体従来出ております範囲と同じような範囲でございます。
 それから給付を行いまするのは、児童福祉の他のあれとの均衡もございまして、大体その児童の居住地又は現在地を管轄する都道府県知事ということにいたしたいと存じております。その給付はどういう医療機関にさせるかということでございますが、これは身体障害者福祉法のほうで、規定する指定医療機関を指定いたしまして、そこに委託してやるというようになるのでございます。そこでこれと歩調を一にするという意味におきまして、私どものほうの関係では、別に新らしく医療機関を指定するということを避けまして身体障害者福祉法で指定しました。医療機関が同時に児童福祉法のこの関係の医療も担当するとこういうふうにいたしまして歩調を合せたわけでございます。
 それからその指定医療機関の診療の方針或いはこの診療の報酬などにつきましては、大体健康保険の診療方針、報酬というものによることを原則といたしております。勿論国立の病院とか療養所というようなところでいたしますれば、これは普通の健康保険のあれよりも、例えば診療報酬などは安くなるかと存じますので、そういうような例外がございまするが、原則として健康保険の診療方針、診療報酬の規定による。それからそれの請求した額の審査、支払、これはやはり社会保険診療報酬支払基金に委託してやるようにいたしたいと存じております。同時にそういう指定医療機関のその診療のやり方、或いはその請求の内容の適正を期するというために、厚生大臣、都道府県知事がそこに監督権と申しますか、立入検査させるような措置をそこに講じておいた次第でございます。
 それからこの給付の措置に要する費用でございますが、これは児童福祉法の建前と同一でございまして、やはり本人及び扶養義務者から負担能力がある限度において、負担してもらう。併し負担できない場合においては公費で見まして、国庫はその八割を負担する、こういうふうにいたしたわけであります。ただ、この場合において、本人及び扶養義務者が負担いたします分につきましては、これはいろいろ考えました結果、医療機関の窓口に直接その分だけ支払わせる、こういうふうにいたした次第であります。これは児童福祉法のための保育所、その他の施設に入所措置をとりました場合の費用の徴収方法といささか変る点があるわけでございまするが、従来の実績などを調べてみますると、やはりその都度医療機関の窓口において徴つたほうが、徴収成績がいいというようなこともございますし、又そのほうが簡便であろうというようなこともございますので、そういう措置をとつた次第でございます。
 その次に、これは大したことではないのでありまするが、従来身体障害者手帳の交付を受けました児童に対して補装具を支給しておるのでありますが、それが従来の規定によりますると、現行の児童福祉法の第二十一条三には「都道府県知事は、身体障害者手帳の交付を受けた児童に対し、盲人安全つえを交付し、又は補聴器、義し、車椅子等の補装具を交付し、若しくは修理することができる。」というような規定がありまして、この盲人安全つえ、又はこれこれの補装具を交付する、「盲人安全つえ」が補装具でないかのような書き方をいたしておるのでありますが、これは申すまでもなくやはり補装具の一種類でありますので、この機会にこの補装具の名称を整理いたしまして、その点を明らかにいたしますと共に、先ほどの本人の負担する分については、直接医療機関の窓口に支払わせましたものと形を整えまして、その補装具の修理又は交付に要する費用の中から、本人、扶養義務者が負担できるものは、業者に本人から直接支払せる、こういうふうにいたしたわけであります。
 あとは、この法律によつて支給される金品に対して公租公課、或いは差押えを禁止する、こういう規定を設けたのでありますが、これは生活保護法、或いは身体障害者福祉法などにも規定されておるのでありまして、児童福祉法に規定が従来なかつたのでありまするが、それに調子を合せたわけでございます。
 それから同じようなことが指定医療機関が、育成医療の給付について支払を受けた金額については、事業税を課さない、その課税の対象外とする。これも生活保護法、或いはその他の社会保険などの法律にありまするが、この児童福祉法にございませんでしたので、この機会にこれも又合せた、かようにいたした次第であります。あとはこれに伴いまして関係のありまする社会保険診療報酬支払基金法の関連の条項、或いは厚生省設置法等について必要な部分の一部改正をみただけでございます。施行の日は二十九年四月一日からというふうに予定しておる次第でございます。
 簡単でございますが、一応御説明申上げました次第であります。
#6
○委員長(上條愛一君) それでは次に身体障害者福祉法の一部を改正する法律案について、並びに消費生活協同組合法の一部を改正する法律案について御説明を願いたいと思います。
#7
○政府委員(安田巌君) お手許に差上げておきました身体障害者福祉法の一部を改正する法律案関係資料というのがございます。この最初のところに身体障害者福祉法の一部を改正する法律案要綱というのがございます。
 第一は、「身体障害者更生援護施設にろうあ者更生施設を加えること。」ということでございます。現在は身体障害者を収容し訓練する施設は、肢体不自由者更生施設と、それから身体障害者収容授産施設でございますが、聴覚障害者に対する施設はないのであります。その障害の程度を見て治療を加えるにしても、独自の施設を必要とし、又その訓練についても或いは視覚に訴え或いは補聴器によつて残存聴覚を利用する等特殊な技術を必要といたしますので、このための専用の施設を設置せんとするものでございます。これは別段予算が特に取れたというわけではございませんが、将来府県等につきまして、このような施設を作ることを予想いたしまして、ここに書いたわけでございます。
 それから第二は、「中央身体障害者福祉審議会が芸能、出版物等について推薦又は勧告し得る旨を規定すること。」これは児童福祉法その他に現在ございますけれども、同じ趣旨のことをこの際規定いたしたわけでございます。
 それから第三は、「援護の実施機関と、援護を受ける身体障害者との地縁関係を明らかにすること。」というのでございます。これは住所がはつきりしないような場合にそういう方の援護は府県知事が行うということを明らかにしたわけでございます。
 第四が、「援護の実施機関は、身体障害者が更生するために医療が必要であると認めるときは、その者の申請により更生医療を給付し、又はこれに代えてこれに必要な費用を支給することができる旨を規定すること。」これは先ほど児童局長から説明がありました児童の身体障害者の療育児童と同じ性質のものでございまして、本年予算が二千万円弱入つておるわけでございまして、昭和二十七年に戦傷病者戦没者遺家族等援護法ができました際に、戦傷病者については全額国庫負担でこの更生医療というものが始められたわけであります。その後成績もよろしうございますし、一般の身体障害者のほうから、そういうような要望が強うございましたので、今回それを実施することにいたしたのでございます。
 それから第五の、「更生医療の給付又は補装具の交付若しくは修理に当つては、当該身体障害者又はその扶養義務者からその負担能力に応じ、その費用の全部又は一部を徴収し又は指定医療機関又は補装具の製作若しくは修理を業とする者に支払わせることができる旨を規定すること」これは大体今までもこういうような趣旨でやつてきておつたのでありますが、この際負担能力に応ずるということをはつきり書いた次第でございます。
 それから第六に、「更生医療に関する規定の新設等に伴つて、費用に関する条文を整理すること。」これはここに書いた通りで別段深い意味はございません。
 それから第七の、「別表の身体障害の範囲を調整すること。」これは現在本法の対象とされていない障害の中でその程度より見てこれに加えることが必要であると認められるもの。視野狭窄、こういうふうに前が少ししか見えないで横が余り見えない、視野狭窄、それから平衡機能障害、それから一方の手の親指を欠くもの。これは親指を欠きますと力が入らなくて案外不自由なものでございますが、一方の手の親指を欠くもの。それから両足の指を欠くもの等を加えまして併せて従来の表現等に不確実なものがありましたので、そういう表現に修正を加えましてより正確を期せんとするものであります。
 その他は先ほど大臣の提案説明にありました通りでございます。
 それから次は消費生活協同組合法の一部を改正する法律案の説明でございますが、これも説明資料というのがお手許に配付してございますが、その第一頁のところを御覧頂きますというと要綱がございます。これは先ほど提案理由に相当詳しく御説明してございましたので重複することを避けたいと思うのでございますけれども、第一は消費生活協同組合及び消費生活協同組合連合会は、その名称を使用することを他人に許してはならないということでございますが、これは第三条の第三項に新設いたしたのでございます。言おうとするところは、小売の商人に名義を貸しまして消費生活協同組合という看板を掲げさせるのでありますけれども、実際は、もう実体的には関係がなくて会員が行くと幾らか割引きをするというようなことで、その商店から組合はただ看板料のようなものを取つておるというのが相当あるわけでございますが、こういうようなことをいたしますというと、いろいろ脱税等の目的に悪用される場合もありますし、それから消費生活協同組合自身の信用を落しまして、将来発展を図る上にも障害になりますので、これをはつきりと、してはならないということを規定したのでございます。
 それから第二は、消費生活協同組合地域連合会の事業制限を撤廃すること。これは職域はいいのでございますけれども、地域の組合の府県を超えた連合会というものが仕事をしてはいけないという規定が入つておつたのでございますけれども、まあやはり消費生活協同組合というものが将来発展して行くためにも、連合会がありましてそれが或る程度の事業をすることは望ましいことじやないか。中小企業の協同組合のほうにおきましてもこういう規定がございませんので、従来のそういう事業制限を撤廃することを明らかにした次第でございます。
 第三は、四十二条の準用規定に民法五十六条を加えた、これは仮理事の選任という点につきまして従来の規定が不備でございましたので附加えた次第であります。
 第四の、総会の議決事項に、規約の設定、変更及び廃止を加えること。これもここに書いた通りでございます。
 それから第五は、出資割戻に関する制限を一割までに緩和すること。これは剰余金が出ましたときに事業分量に応じて割戻しをいたしますのと、それから出資金に応じて割戻しをいたしますのと二通りあるわけであります。けれども、出資割戻しに関しては従来五分を超えてはいかんというふうになつていた。併しこういうふうにいたしますというと、ただでさえ生活協同組合の資金というものはなかなか集まらないのでございますので、今のそういつた経済金融のほうの常識からいたしますというと、一割までは許すというのが至当であろう、こういう規定でございます。
 それから第六は、財務基準を新らたに設けること。これは農業協同組合等にございますが、この際そういつた現在の定款だけでは不十分な点を補う意味におきまして基準を作ろうということでございます。
 第七は、設立認可に関する覊束主義に対して一定の事由については裁量の余地を与えること。現在までは法令違反とか設立手続違反のみが却下の理由になつておつたのであります。今度は事業を行うに必要な経営的基礎を欠く等その事業の目的を達成することが著しく困難であると認められる場合というのが加わつたわけでございます。これはこの組合は許してもうまく行かないのだということがはつきりわかつているような場合にも、従来でございますと設立を認可せざるを得ないというふうなことでございまして、そういうようなことを防ぐためにこの規定を設けたのであります。一例を申上げますというと、極端に出資額が少い、これではとてもやれないということがわかつておりながら認めざるを得ないというような場合がございますので、こういう規定が入つたわけでございます。
 それから第八は、設立認可後、六箇月間登記の申請がなされない場合は認可を失効させること。これもここに掲げた通りでございます。
 第九、行政庁の報告徴収、検査、措置命令、解散命令等の監督権を実情に即して拡張し且つ解散命令については、当該組合に弁明の機会を与えてその権利保護を図ることとする。これは第一に、報告徴収、検査、措置命令は法令違反のみが行政上監督できたのが従来でございますけれども、法令違反のほかに、運営が著しく不当であるという場合にも、措置命令ができるようにしたということが一つ、これは中小企業協同組合にもございます。第二は、名義貸し、一年以上休業いたしました場合にも措置命令を出し得る。措置命令できかん場合には解散命令が出し得る。その次はそういつたような場合に新らたに弁明の手続をすることができる。弁明をする機会を与えた。これが第九の改正の要点でございます。
 以上が法案の内容でございます。
#8
○委員長(上條愛一君) 次に、日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案の細部の説明については、保険局長の都合によりまして次回に廻したいと存じます。
 法律案の質疑は、いずれも次回に譲ることといたしまして、本日の委員会の審査はこの程度にいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(上條愛一君) それでは御異議ないと認めます。
 本日の委員会はこれで散会いたします。
   午後二時十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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