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1953/04/20 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 厚生委員会 第31号
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1953/04/20 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 厚生委員会 第31号

#1
第019回国会 厚生委員会 第31号
昭和二十九年四月二十日(火曜日)
   午前十時三十八分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     上條 愛一君
   理事
           大谷 瑩潤君
           常岡 一郎君
           湯山  勇君
   委員
           高野 一夫君
           谷口弥三郎君
           廣瀬 久忠君
           竹中 勝男君
           有馬 英二君
  委員外議員
           藤原 道子君
  国務大臣
   厚 生 大 臣 草葉 隆圓君
  政府委員
   厚生省公衆衛生
  局環境衛生部長  楠本 正康君
   厚生省医務局長 曾田 長宗君
   厚生省薬務局長 高田 正巳君
   厚生省保険局長 久下 勝次君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       草間 弘司君
   常任委員会専門
   員       多田 仁己君
  説明員
   厚生大臣官房総
   務課長     小山進次郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○医薬関係審議会設置法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○らい予防法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○小委員の選任の件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(上條愛一君) 只今から厚生委員会を開会いたします。
 まず委員の異動を報告いたします。四月十九日付を以て藤原道子君が辞任せられ、同日付を以て竹中勝男君が選任せられました。右御報告いたします。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(上條愛一君) 次に、四月十六日本委員会において決定いたしました、覚せい剤取締に関する小委員の数及び小委員を指名いたします。小委員の数は七名といたしまして、小委員には左の方にお願いいたします。高野一夫君、横山フク君、谷口弥三郎君、常岡一郎君、堂森芳夫君、有馬英二君、欠員の一名は後刻指名いたします。
  ―――――――――――――
#4
○委員長(上條愛一君) 次に、医薬関係審議会設置法案を議題といたします。政府委員から説明を願います。
#5
○説明員(小山進次郎君) 医薬関係審議会法案について御説明を申上げます。
 この法案は全文八条からなりまする簡単な法案でございますが、内容の大筋を申上げますと、昭和二十八年に制定公布されました医師法、歯科医師法、及び薬事法の一部を改正する法律に規定されました審議会について規定したものでございます。以下条文に従いまして御説明を申上げます。
 第一条は、医薬関係審議会の設置について規定したものでございます。昭和二十六年の医師法、歯科医師法及び薬事法におきましては、それぞれ特定の事項につきましては、厚生省令を以て定めるべきことを規定し、同時に厚生省令を定めるに当りましては、別に定める審議会の意見を聞くべきことを規定しているのでありますが、この「別に定める審議会」が当時においては設置されておりませんでしたので、この法律に基きまして、設置しようとするものでございます。この審議会は、昭和二十六年の法律におきましては、「別に定める審議会」ときめてありまするので、当然法律を以て設置をきめなければならんということになりまするので、この法律でそれを定めるということにいたそうとするのでございます。この審議会は、性質上当然厚生省の附属機関として設置されるわけでございます。この趣旨のことが第一条に規定されたのでございます。
 なお、第一条にこの審議会の任務或いは権限とでも申すべきことが規定されているのでございまして、それは昭和二―十六年の医師法、歯科医師法及び薬事法の一部を改正する法律の第一条、第二条、第二条、それぞれ省令を以て定むべき事項について、この審議会の意見を徴すべきこととされている。それらの事項について調査審議をするということを任務として規定されているのでございます。具体的に申上げますと、お手許に参考資料として差上げてございまする医師法、歯科医師法及び薬事法の一部を改正する法律の第一条におきまして、医師法の二十二条を次のように改正することが規定されております。「第二十二条、医師は、患者に対し治療上薬剤を調剤して投与する必要があると認める場合には、患者又は現にその看護に当つている者に対して処方せんを交付しなければならない。但し、省令の定めるところにより処方せんを交付することが患者の治療上特に支障があるとされる場合は、この限りでない。」、第二項におきまして、「厚生大臣は、前項但書に規定する省令を制定し、又は改正しようとするときは、別に定める審議会の意見を聞かなければならない。」、かように規定されてございます。この第二十二条の但書に定めてありまする事項を省令できめまする場合に、これについて意見を聞くということが、審議会に課せられた任務の一つになつておるのでございます。第二条の歯科医師法におきましても、同様の趣旨が規定してございまするが、これもこの審議会の任務に入るわけでございます。第三条におきまして、薬事法の一部を改正しておりますが、薬事法の第二十二条では、「薬剤師でない者は、販売又は授与の目的で調剤してはならない。但し、医師若しくは歯科医師が左に掲げる場合において、自己の処方せんにより自ら調剤するとき、又は獣医師が自己の処方出小により自ら調剤するときは、この限りでない。」のでありまして、その第二号に「省令の定めるところにより診療上必要があるとされる場合」、これは勿論厚生省令であります。第三号に、「省令の定めるところにより薬局の普及が十分でないとされる地域で診療を行う場合」と規定されておりますが、この二号、三号につきましては、第二項で、「厚生大臣は、前項第二号及び第三号に規定する省令を制定し、又は改正しようとするときは、別に定める審議会の意見をきかなければならない」と規定されております。この事項について意見を求められた場合に、調査審議して意見を答申するということが、この医薬関係審議会の任務になるわけでございます。この趣旨が第一条に規定されておるわけであります。
 第二条はこの審議会の組織について規定したものでございまして、委員を二十五人以内といたしております。委員の内訳をどうするかということはこの審議会の任務から見て極めで重要な事項でございますので、それぞれ委員を選出すべき場合の基準について、第二項に規定しているのでございます。即ち二十五人を四つのグループに分類いたしまして、それぞれ人数を定めているわけであります。第一のグループが医師、歯科医師及び薬剤師として任命される人々でありまして、これを全体のうちで最も多い十人と予定しております。第二のグループは医療を受ける立場にある者でございまして、これはかかる角度からの検討も必要だという意味で選ばれるものでありますので、割当てられまする人数は最も少い三人を予定しております。第三のグループは、学識経験のある者として選ばれるグループでありまして、勿論大部分の人々は医学、薬学或いは歯科医学等について学識経験のある人々でございまするが、これにつきましては、第一のグループと並びまして最も多い九人を予定しております。第四のグループは、関係行政機関の職員でございまして、これには厚生省の医務、薬務、保険の局長を予定しております。以上のような内訳を以てこの審議会を構成しようとするものでございます。
 第三条には、委員の任期を規定しております。医薬関係審議会はややもすれば医薬分業の新らしい態勢が発足する際にだけ必要だというような誤解が世間にあるわけでありまするので、医薬分業の態勢が継続して行なわれて参ります限りにおきましては、先ほど御説明を申上げましたような事項について調査審議して行かなければならない場合が絶えず出て参るわけなのでございまして、その意味におきましてこの審議会は臨時の審議会ではなくして、常時の審議会になるわけでございます。その意味において委員の任期というようなものを定めておく必要があるわけでございます。
 第四条は、会長及び会長の職務を行なう委員等につきまして、通常の例によつて定められております事項を規定しているのであります。
 それから第五条の会議も同様でございます。
 それから第六条に部会を設け得ることを規定してございます、この審議会の性質から見まして或いは部会を設ける必要がある場合に備えまして設けられているわけでございまするが、部会を設けるか設けないかというようなことにつきましては、すべて審議会発足後審議会自体の御意見を中心にして定めて参りたい。法律ではただ部会を設け得る可能性だけを規定しておきたい、かような考え方で条文が整備されております。
 第七条には幹事についての雑則的な規定を設けたのでございます。
 それから附則におきましてはこの法律が公布の日から施行されること及び二項、三項におきまして審議会が設置されることに伴いまして、厚生省設置法及び医師法、歯科医師法及び薬事法の一部を改正する法律のそれぞれ部分的改正を規定したものでございまして、いずれも技術的な改正でございま
 す。以上でございます。
#6
○委員長(上條愛一君) 次に御質疑を願います。
#7
○竹中勝男君 今の御説明のこの条項の点ですが、二頁と言いますか、二十五人の委員の中の、第二の「医療を受ける立場にある者」というのはどういうことですか、今ちよつと聞き漏したのですが……。
#8
○説明員(小山進次郎君) ここで規定しております趣旨は、広く医療を受ける立場に立つて、医薬関係審議会に課せられましたいろいろの事項について調査審議して頂くに適当な人ということで規定されているわけでございますが、具体的に考えるということになりますれば、多くの場合、例えば社会保険関係の代表者というような人々を中心にして選考される、こういうことになろうかと思つております。
#9
○竹中勝男君 社会保険の医療を受ける立場にあるものの代表者と言われるわけですね。
#10
○説明員(小山進次郎君) 申上げ方が不正確でございましたが、多くの場合という気持でございますから、そのほかになお日本には社会保険に入つていない階層の人々もございまするので、或いはそのほかにもつと一般的な意味において医療を受ける立場において参画して頂くという人が考えられる可能性はあると思いますが、大体のところ、例えば健康保険とか或いは国民健康保険その他いろいろの社会保険がございますが、そういう人々の代表者というようにお考え願つていいんじやなかろうかというように考えております。
#11
○竹中勝男君 そうすると非常に八千五百万の国民が医療を受けるものなんですけれども、その代表者が三人というときに、例えば健康保険組合、健康保険の被保険者の代表というようなことは考えられますが、そういうことが具体的に代表とあなたが言われる言葉だつたら、代表ということはどういう意味ですか、それは……。
#12
○説明員(小山進次郎君) 正確に代表するという意味で考えれば先生のおつしやるように非常にむずかしい問題になると思いますが、大体においてそういう立場に立つてものを考えて頂く、こういう趣旨でこのグループが分けられているわけでございます。それで国民全部につきまして、今のところ約六割強の人々が、何らかの意味において社会保険に入つておりまするので、そういう意味において社会保険の団体で全国的な組織を持つているものの代表という人々が、多くの場合医療を受ける立場にある人の側に立つてものを考える場合に、一番考えられやすいであろう、こういう趣旨で申上げたわけでありまして、勿論それ以外の人々が全然これに入らないということは考えておりませんし、又そこのところは将来の問題として考えて行きたい、こういう態度でございます。
#13
○竹中勝男君 これは簡単と言えば簡単ですけれども、むずかしく考えれば三人がそういう医療を受ける立場にあるものを代表するということは非常にむずかしい。社会保険が六割でしたら、あとの四割もやはり医療を受ける立場にある人で、社会保険だけが医療を受ける立場にある人じやないのですから、若し社会保険を受ける人の代表ということを考えるのだつたら、社会保険を受けない人の代表も考えなくちやならんということに理論的にはそうなります。まあそれは、この意味がはつきりそういう人を代弁し得る人ということもむずかしい問題があると思いますけれどもね。こういう項目を設けられたということに意味があるかと思いますけれども、意味がもう少し明療ではないと私は思います。それから学識経験のある者というのは、今の御説明では医者の学識或いは歯科医の学識、薬剤の学識と限定されますのはどういう意味ですか。
#14
○説明員(小山進次郎君) これも私の申上げ方がやや正確を欠いたのでございますが、この医薬分業の問題のうち、医薬関係審議会の審議すべき事項について、一般的な意味において学識経験のある方をここで考えているわけでありますが、具体的にこの審議会でどういう事項を審議して頂くかということを考えますと、先ほども申上げましたように、処方箋を出すことが適当でないかどうかというような病症を判断してきめるとか、或いは処方箋を出しましても、出したお医者さん自身に投薬して頂くことが適当である場合はどういう場合だというようなこと、或いは医薬分業の態勢を、どれだけの地域では実施しないことが適当であるかどうかというようなことというように、非常に専門的な知識を必要とすることが多うございますので、一般の場合に言われますような、非常にラフな意味での学識経験ということではなくして、そういう専門的な問題について学識経験がある。従つてその意味において大部分の方がそういう関係の方でなければ、いろいろの意味で審議の場合に工合がよくないことがある、こういう意味で申上げたわけでございまして、それだけに限るという趣旨ではございません。
#15
○竹中勝男君 よく御説明の意味がわかりましたのですが、審議会を作る場合に、審議会の委員が余り専門家といいますか、直接の専門家だけが大多数であつて、第二項の医療を受ける立場にあるもの、実際に国民が医療を受ける場合に、受ける利害得失というものを代表するものが少いように私は思うのですね。というのはそういう意味で学識経験のあるものというものも、もつと医療を受ける立場に立つて医療を受けるものの利害を代表するというような意味で、学識経験者というものも考えられたほうがいいんじやないかというふうに私は感じたから、二項と三項と関連してお尋ねしたのです。と言いますのは、更に私疑問に思つておりますのは、この医薬分業という考え方或いは医薬分業の組織、制度が実施された場合に、医療を受けるところのものがどういう利益を持つておるかということについてお尋ねしたいのです。即ち医療費の問題、或いは医療給付を受ける医療の内容がどのようによくなるか、医療費つがどのように軽減されるか、或いは現在のままであるのか、軽減されるのか、或いはそれとも増加するとか、増加するという場合には、それに従つて、どれだけ医療給付内容がよくなるのかという点について、一般の医療を受けるものの立場というものを非常に疑問に思つておるのです。その点現在ある資料によつて御説明を願いたいと思います。
#16
○説明員(小山進次郎君) 具体的な問題については、それぞれ所管の局長から御説明を申上げることにいたしまして、概括的に申し上げますならば、医薬分業することによつて、どういう利点を狙つているかと申しますと、勿論医療費については、このために医療費が上るということがあつては、これは国民の側から見て決して利益とは言えないわけでございますので、大体絶対的な意味合いにおいても、総体的な意味合いにおきましても、絶対的な意味と申上げますのは、医療費の金額そのものが非常に上るということであれば、如何に非常にいい内容の医療が得られたとしましても、それはちよつと工合が悪い、その意味において絶対的な意味と申し上げたのですが、総体的な意味と申しますのは、それで御想像をして頂けばという意味でございます。そういう意味においても、余り医療費が上らないようにするという前提の下に、よりよい内容の医療が得られるようにして行くということを狙つているわけでございます。なお医療費その他の点につきましては、医務局長から申上げます。
#17
○政府委員(曾田長宗君) この医薬分業を実施しました暁に、医療費が如何ような姿になるかということは非常に大切な問題でございますが、医療費自体につきましては、皆様方も御承知のように近年におきまして非常に相当な勢いで逐年増加しておるような状況でございます。勿論、これはこの国民経済等もだんだんとふくらんで参つておるというような関係から、これは当然なことでもございますがだんだんと医術、医学が進んで参りますに従つて、医療費も逐次高騰して来ておる。又一方におきましてはいろいろ社会保険というようなものが発達して参りまして、医療の利用の途もいろいろと広く開かれて参りますものですから、そういう関係から逐年増加の勢いにあると思うのであります。併し私どもが考えておりますのは、この医薬分業をいたしましたその直接の影響というものは、これ医療費に大きな影響を与えずに考え得るではないかというように思つておるのでありまして、只今総務課長のほうからもお答え申上げましたように、私ども区厚生省と申しますか、政府と申しまするかにおきましては、その医療費に大きな変動を来たさずして、この医薬分業を行うことが大体できるであろうという見通しを以ちまして、この案を練つておるような次第でございます。又それぞれこの医薬分業いたしました結果が医学、或いは薬学と申しますか、この分野で以て国民に対する医療の質を向上させ得るかどうかということにつきましては、調剤関係については薬務局長のほうからお話があると思うのでありますが、医学といたしましては、今まで薬剤師でない医師が調剤の仕事に責任を持つておつたわけでありますけれども、そういうような責任から免れて、医師でなければできない技術に専念するということになりますれば、その部門における診療内容というものに対して、よりよき何と申しますか、努力を注ぎ得るというような意味におきまして、決してマイナスにはなうん、プラスになつてもマイナスにはなうんというふうに考えているわけでありまして、経済的な影響というものが、それほど大きなものでないといたしますならば、医薬分業の実施ということは、医師の担当いたします診療内容においても、決してマイナスにはならんというような考え方を持つております。
#18
○竹中勝男君 ちよつと今の点の、無論プラス、マイナスという点から言えば、医療費の負担が国民に殖えても、医療内容がよくなればそれはもうプラス、マイナスの点から言えば何もないということに、結局いいということになるわけだと思いますが、併し今国民が心配していることは、今医務局長が言われましたように、直接大した増減はないと、医薬分業によつて医療費の増減が直接は余りないだろうと言われることのうちで、減になつたら問題ないのですけれども、少しでも増になるという場合は、どういうときに考えられるわけでしようか。もう少しその点数、例えば社会保険の医療に関して点数の点あたりから、こう我々素人にわかりやすいように、点数で計算する場合に、この調剤の技術料というような点数があるのかないのか、あると思いますけれども、そういうものがどういうふうにプラスされて来るかを説明して頂きたいのです。
#19
○政府委員(曾田長宗君) 大体の考え方を申上げますならば、現在も薬治料という形で、この医師の診療技術料と申しますか、こういうものと、それから薬品に含められておりますいわゆるこの原価及び調剤に要しますいろいろな物品費、それに調剤技術料と申しますか、少くとも調剤を担当いたす人間に対する報酬というものが、全部含まれているわけなんであります。これが今日においては病院、診療所において支払われ、一括支払をされているわけであります。これを二つの部分に分けまして、この医師の診療技術料に当るべき部分は、診療所、病院において支払われる。病院の医局と申しますか、お医者さんの側に払われる。そうしてあとに残りました部分、薬品の原価及び調剤に要するものの経費及びこの調剤に従事いたします者の技術料、人件費といつたようなものは、これを薬局で支払う。病院の場合には薬局が整えられておりますから、病院で払いますけれども、これは病院の薬局のほうに払うものであるというふうに、二つに分けて支払いを行うのでありますから、私どもはそこに何ら増減は起らないと考えられるのであります。併しながら、ものは一つのものを二つに分けまして、それから又それを継ぎ合せますときには、必ずしも丁度になりませんで、そこに多少重複が出ましたり、減少が生じたりいたしますので、いろいろ技術的にはそういう程度の差は出て来るのでないかというふうに思つているわけであります。今申上げましたのは基本的に私どもが作業をいたしております方針を申上げたのでございまして、これにまあいろいろと複雑な考慮が加わつて参るとは思うのでございますが、大筋としてはかように考えております。
#20
○竹中勝男君 これは私はまあ経済学……、この治療を受けるものの、医療を受けるものの立場から常識的に判断してみますと、診療に関する技術料というものは、今まで我々が負担しておつたわけですが、お医者さんから薬をもらう場合には、調剤の技術料というものはその中に入つてなかつたというふうに考えております。ところが分業になりますと、少くとも調剤に関する技術料というものがそれに新らしくプラスされるようになると思いますが、そうしますと、お医者さんのほうでは薬の原価だとか、その他の費用ですね、調剤に対する費用、或いは調剤の技術料というものも今までは医者のほうに、医師のほうに我々が支払つておつたのですが、これを分けると、半減されるわけですが、半減か何か、とにかく二つになるわけですね。二つになるわけですからして、医者の収入が減るということ、少くとも医者の収入が減るということに数学上はなる、計算上はなるわけですが、それで以て開業されておる医師の方が、医療によつて生活所得が保障されるかどうかということも疑問になるわけですが、第一にお尋ねしたい点は、調剤技術料というものが殖えるということは、結局医療を受けるものの医療費の負担がそれだけ多くなるんじやないかという点です、お尋ねしたいのは……。
#21
○政府委員(曾田長宗君) これも薬務局長からお答え願うのがいいかも知れませんですが私のほうにも関連いたしますので、私から便宜御返答申上げます。私どもが今度医薬分業を行いました場合の薬剤師に対する調剤技術料というものがどこから出て来るのであろうか。何もないところから、今までは特別に調剤技術料というものが謳つてなかつたのであるから、それが新たに謳い出されるすれば、それだけのものを何かどこからか引き出さなければならん。出て来るところがなさそうに思うが、そうすればその分だけ医療費の増額になるのじやないかという御質問だと思いますが、私ども考えておりますのは、今申上げましたように、大体医師の技術料というもののほかに薬剤費と、薬剤費と申しますか、薬治料というもののうちには、そのものの経費だけではなしに、人の労力が、現在も医師以外の労力も入つておるわけであります。その部分を今まだ集計をいたし、十分に検討いたしておる最中ではございますが、私どもが集めました若干の資料から推定いたしますと、そのうち例えば病院のようなところでございますならば薬局がありまするので、薬剤師を現に雇うておるわけでありまして、薬剤師の人件費、俸給というものが一剤当り幾らぐらいになつておるかということの推定がつくわけでございます。結局これが額においては妥当か否かという問題がございましようけれども、一応薬剤師に対する調剤技術料というものに該当する。医師におきましてもこの勤務いたしておりまする、この医師ばかりのところ、いわゆるまあ公立病院というようなところでありますならば、医師の俸給が結局技術料になつて来るものと考えられるのであります。それと同じように薬剤師の俸給から、一剤当りどれくらいの技術料になつておるかという、少くとも現状はわかつて参るわけであります。ところが私立の病院とか、或いは私立の診療所というものになりますというと、その分析が非常に困難になつて参るのであります。併し今のような、この医師も薬剤師も勤務いたしております、勤務者として俸給を受けておるものというような経営の施設の分析を基礎にして考えてみますと、或る程度それに応じた分け方ができるのではないか。例えば私立の診療所におきましては、医師のいわゆる俸給に当る部分というものが明確でございません。併しながらこの薬剤師或いは薬剤助手を使つておりますその経費というものは出て参るのであります。これもまだ正確なことを申上げる域に至つておりませんが、今作業をいたして私どもがつかんでおります資料から推定いたしますと、これはちよつと意外なのでございますけれども、却つてこの私立の診療所におきましては、大きい病院で薬剤師を雇つておきますのに比べて、薬剤師がなく、看護婦或いは看護助手に手伝いをさせて、調剤をいたしておりますその調剤の人件費が却つて高いというような事実が認められておるわけであります。こういうようなことを考えますれば、仮に病院の今日の勤務薬剤師という人たちの俸給を基準にした、この調剤技術料というものを定めるということにいたしますれば、診療所におけるこの調剤人件費よりもむしろ低いくらいになつて来ております。でありまするから、先ほど申上げましたように、この額が如何様なところが適当であるかということが問題なのでございますが、診療所まで考えるならば、現在の病院に勤めている薬剤師の俸給よりも幾分高めても、この診療所の人件費以内にとどまるのじやないか。診療所のこの調剤人件費の額よりも却つて安くなるのじやないかというようなことが考えられます。それから更に、これはもう全然今から予想するわけには行かないのでありますけれども、現在医師の技術料というものが独立して徴収されず、勿論例外はございますけれども、大体通例といたしましてさようことがなく、いわゆる薬代として医師の技術料が併せ徴収されている関係から、或いはその調剤の、投薬の必要がないような場合にも、この調剤が行われているのではないかというふうにも思われますので、医薬分業となれば、その投薬剤数が減りはせんかというようなこと、或いは薬剤師がまとめて整つた設備を以て調剤をいたしますれば、小さい診療所というような所で馴れない看護婦或いは助手というような者が調剤いたします場合よりも遥かに能率が上るのじやないか。或いは薬品のロスも少いのじやないかというようなことを考えれば、よほどそこに大きな目で見ますれば、益するところが出て来るのじやないか。又その程度には薬剤師に対する調剤技術料というものも今日の病院の勤務薬剤師よりは或いは幾分上げる余地がその辺から出て来るのではないかということが考えられますので、今申しましたところがいわゆる薬剤の調剤技術料のまあ出所として私どもが睨んでおるところでございます。
#22
○委員長(上條愛一君) ちよつとお諮りいたしますが、厚生大臣は衆議院の厚生委員会におきまして厚生年金保険法案が質疑打切りになるので、十一時までにそちらへ行く予定になつておつて待つておられるようでありまするので、本問題についてはあとに譲つて頂きまして、らい予防法案のほうを議題に供したいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○委員長(上條愛一君) 御異議ないと認めます。それではらい予防法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 なお、藤原議員より委員外発言の申出がありましたので、これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#24
○委員長(上條愛一君) 御異議ないと認めます。それでは御質疑を願います。
#25
○委員外議員(藤原道子君) すでに各委員から御質疑があつたように承わつておりますので、私は極く簡単に二、三の点についてお伺いいたしたいと存じます。
 先ずお伺いいたしたいのは、この癩予防法については、昨年非常に社会に衝動を与えるような大問題となつた法案でありまして、これを施行するについては、よほど心してやつて頂かなければならないわけでございますが、その後の在宅患者の収容の状況は如何な状態でございましようか。それを先ずお伺いをさして頂きたいと思います
#26
○政府委員(楠本正康君) この点に関しましては、かねて私ども都道府県の係官を指導たいしまして、人権を尊重しつつ、而も秘密漏洩のないような措置を講じつつ収容に努めておる次第であります。それで現在入所者は逐次増加しておりますが、現在入所者は一万二千名程度でございます。そのうち生活保護の適用を受けております者は百乃至百五十程度の世帯数を占めております。
#27
○委員外議員(藤原道子君) 政府はしばしば秘密漏洩はよほど心しておると言われるのでありますが、法案審議に当つてもこの点が一番問題になつた。ところがその後政府の答弁と異なつているよう事例をしばしば耳にいたすのでございますが、この点すでに御質問があつたかもわかりませんけれども、大阪ごときはわざわざ近所へ触れれ歩いてあそこでは癩患者が出た、だから注意してくれというようなことを係官が触れて歩いたというようなことも耳にしておりますので、それは真偽のほどはどうなんでございましようか、
#28
○政府委員(楠本正康君) この点につきましては、私どもも御指摘のような点を耳にいたしたわけであります。そこで早速現地について調査をいたしましたところが、その結果は、事の起りと申しますのは、その当人は近所に実は自分は今回癩療養所に入ることになつたからと言つて、まあ別れの挨拶に廻つたわけであります。そこで近所の八たちはそこから急に気が付いて、それは大変だということになつて、一々消毒を保健所のほうに頼んで来た。こういうようなところに問題が発しておるのでありまして、この点は甚だ残念は結果になつたわけでありますが、ただ、今巷間伝えられておりますように、故意に暴露をしたとか、或いはラウドスピーカーを以て触れ廻つたというような事実は全然ございません。
#29
○委員外議員(藤原道子君) その点は私御信頼申上げたいと思いますが、そういう調査の場合にも、一方的に係官に聞くだけでなくて、地元のほうにも十分両者の意見を聞くようにして、こういうようなことが再び起らないように御注意を願いたいと思います。
 それから家族援護の問題でございますが、その種類、範囲、程度の問題は今後別途規定するというようなことに法案になつているのでございますが、どういうふうなお見通しでございましようか。
#30
○政府委員(楠本正康君) この点につきましては、従来の生活保護法等によりまするところの基準、或いはその判定というものが極めて巾がないところに原因がありますので、今回の患者家族援護の問題につきましては、勿論これは生活程度その他或いは財産の状況等も重要な参考にいたしますが、これらの点はできるだけ巾を持つて実情に即した考え方で進みたいと考えております。従つて私どもといたしましては現在生活保護法におきましては大体四・五程度が対象と、まあぎりぎりのところ考えられるわけでありますが、今回の私どものとりました措置におきましては、差当り約三〇%程度の援護ができる予算措置を講じております。
#31
○委員外議員(藤原道子君) これは生活の援護と共に、学童の進学等に対しては生活保護法よりももつと高い線まで見て頂けるような心組みでございましようか。それはどうなんでしようか。
#32
○政府委員(楠本正康君) 子供の学資に要する経費等も勿論基準のうちに入れてございます。而もこれらのものは只今お答え申上げましたように、生活保護法の範囲よりも遙かに率をよくいたしまして例えばこの保護率という点から申しますと約三〇%程度の予算が要求してあるわけでございます。
#33
○委員外議員(藤原道子君) 在宅患者が入所を拒む理由には、家族のその後の生活、子供の教育といつたようなことが一番大きな問題なんです。従来生活保護法は子供が高等学校へ行くと援護が打切られているのです。そういうことはこの場合に限つてはないでございましようね。その点明確にしておいて頂きたい。
#34
○政府委員(楠本正康君) これも只今先ほどからお答え申上げましたように、私どもといたしましては生活保護法とは別個にこれは考えて参りますので、勿論必要があれば、中学或いは高等学校等に通学いたしまするのに対しましても、当然援護の対象になるべきものは取り上げて行く所存でございます。又かようなことが今回特に生活保護法と切離しまして援護の措置を講じた理由でございます。
#35
○委員外議員(藤原道子君) その点はまあ間違いはないと思うのでございますが、しばしば問題になる点でございますので、くどくお伺いしたわけでございます。是非患者が自分の責任でもないのに、不幸にしてこういう病気になつたために、人間的な幸福をすべて犠牲にして療養所へ入るということは、社会福祉のために自分が犠牲になるということをよくお考え頂きまして、子供の教育等には遺憾なきを期して頂きたいと強くお願いしておきます。
 次にお尋ねいたしたいと思いますのは、過日九州でございましたかしら……、未感染児童の進学問題について大分問題を起したようでございましたが、あれはその後落ちついたようにも聞いておりますが、問題はどういうことであつたのか、これはただ学校乃至父兄の偏見であつたのか、当局に対策上手落ちがあつたのではないかとも考えるのでございますが、その点をちよつとお伺いさして頂きたいと思います。
#36
○政府委員(曾田長宗君) 未感染児童の通学問題につきましては、全国的に見ますると全部解決が付いたというふうにも申上げかねる状況でございまして、熊本及びその他の地域にも、なおこの未感染の患者児童が一般の学校に通学できない状況におるという所があるのが実情でございまして、私ども非常に遺憾と考えておるわけでございます。この子供たちに対しましては、保育所の中にもよりの学校の分教場というようなものを設けて、若干名の先生に来て頂いて教育を行なつておるわけであります。併し父兄であります患者及び子供たちも、成るべく一般の子供たちと一緒に教育を受けたいというような希望を持つておりますので、いろいろ私どもの各療養所の所長等がもよりの市町村或いは学校当直といろいろ話合いをいたしまして、この問題の解決を一時も早く図りたいというふうに努力を続けて来ておる状況であります。今年の春になりまして園長からこの問題を地方法務局に御相談申上げたような次第であります。それで予定しております小学校のPTAのほうにも正式に申込んで、更にこの際お考えを願いたいそういうことを申出でましたのでありますが、熊本におきましては御承知のようにあそこの土地の特殊な事情もございまして、前に癩の患者が非常に多かつたというようなことで、地方の人たちも非常に過度の恐怖心を抱いているというような事情もございまして、直ちにPTAの総員の賛成を得るということができませんでした。で、併しながらこの問題は何としてもやはり患者の子供を差別待遇するというような結果になつては困るからというようなことで、強く園のほうではこの癩というものの病気の性質とかいろいろなことを御説明申上げておりました。一方法務局のほうではこういう話が園のほうから通じて参りましたので、いろいろ局地的に関係者を呼んで調停の労をとられたようでありますが、なかなか地的にも話が付かないというようなところから、熊本の法務局から法務省のほうに照会も参つたようでございまして、それで法務省と文部省とそれから厚生省の私どもと三者が一遍集まりまして、そうしてこの問題はどういうふうに解決するのがいいだろうかというような御相談をいたしました結末、厚生省において十分な患者の子供の健康状態の検査、或いは監視というようなものを怠らんというような手を打ち、そしてその限りにおいてその患者の中からの感染を早期に発見して、他に感染するということを事実上皆無にするという責任を負つてくれるならば、文部省としても法務省としてもこれは異論はない、これは当然学校に共学さすべきものだというように考えるというような結論が出まして、これをこの熊本のほうに申し送りました。そうして熊本のほうでもその線に沿つて、この熊本の法務局が中心になつて更にPTA或いは教育委員会等々といろいろお話合いを下さいまして、今二年生以上が二十一名かと思つておりますが、そのくらいおりました。今年新たに入る子供が四名ございます。それには一応テストのような意味もあつて、新入学の四人だけを通学させようではないかというような話が出たそうでございまして、私どもも大体そこで以て話がまとまるものというふうに考えておりましたところ、その四人についても通学させられるのは困るというような強硬な意見がございまして、まあそういうところからその反対派の人たちがこの子供を全部休ませるというような事態が起りまして、今日までまだそれが解決付いたというようなふうには聞いておりませんのですが、いろいろPTAの会長或いは教育委員会の方等でいろいろ御心配になりまして、例えば癩の検診、治療につきましては、私どもとしては日本において有数な学者の一人であると思いますが、その当事者でございますために、菊池恵楓園の園長さんの言われることだけでは、一般の人たちが信用しないというようなところから、或いは東京とか京都とか或いは九大とかいうようなところからでも、いわゆる公平な第三者的な立場にある先生にでも来て頂いて、子供の状況をよく見て頂き、それから一般にも説得して頂くというような方法等を更にとつてみたらどうかというなことを努力しておりますのが現状でございます。
#37
○委員外議員(藤原道子君) 大臣が非常にお忙がしいそうで非常に遺憾でございますが、まだいろいろお伺いしたいことがございますが、これは又の機会にお伺いすることにして、大臣に強く要望しておきたいことは、九項目の附帯決議につきましては、湯山委員、廣瀬委員等の御質問等に対して大臣が決意をお示しになつたということを伺いまして、なおこれ以上申上げることはないのでございますが、定員の充足とか或いは従業員の待遇の問題等々についてもまだまだ遺憾な点があるようでございます。ただこの際、特殊なこうした不幸な病気のために悩んでおるこれらの人が安じて療養でき、その人の家族の福祉を守るという点につきましては、大臣の人間性に信頼いたしまして、もつともつと御努力を願いまして、社会の人も共に安心のできるような措置を今後講ぜられんことを強く要望いたしまして、大臣の時間の関係もあるそうでございますから、私の質問は終りたいと思います。
#38
○委員長(上條愛一君) 他に御発言もございませんようですから、質疑は尽きたものと認めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○委員長(上條愛一君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方はそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
#40
○谷口弥三郎君 私はこの際自由党を代表いたしまして、本案に対し次の二項目の希望条件を附けまして賛成したいと思います。
 先ず第一の希望条件は、先刻も藤原さんからもお話がありましたように、又昨日もございましたように、昨年の本会議においての九項目の附帯決議があるその中で、而も緊縮予算と言つておる際にかかわらず、家族の援護、国立研究所等の設置というようなことができたことは、政府当局の努力の結果といたしまして、大いに敬意を表する次第でございますが、その他の項目につきましても、是非一日も早くこれが目的を達しますように希望をいたす次第でございます。
 それから第二の希望事項は、国立癩研究所ができましたということに対しては、心から賛成する次第でございますが、今なお設置場所が定まつておらんのでありますので、いずれそのうち決定されると思いますが、これにつきまして三つの点について希望を申しておきたいと思います。その一は現在文明各国におきましては、殆んど癩患者は消滅しておりますのに、今なお比較的非文明の国においてのみ癩があるのでありますから、これは決して国の誇りではないのであります。而も観光日本を紹介するという宣伝の上から申しましても、研究所を日本の首都に置かねばならないというようなことは、中央集権も事によりけりと思いまするので、成るべく地方に設置されるようにして頂きたい。
 第二の要望は、癩の病原体が今なお純粋培養もできぬような状態でありますので、研究所の設置は癩患者のおりますところ、いわゆる療養所内に設置すべき必要があると思いますので、その療養所内に設置して、而もその周囲に完全な研究機関の備わつておるところをお選び頂きたいと思うのでございます。
 第三にその次の要望事項は、日本におきましてただ一カ所の刑務所ができました場合に、菊地恵楓園がその選に入りました場合に、入園患者はたとえ同病の者であつても、殺人罪とか或いは傷害罪に問われておるような人々と、同じ軒の下に、而も一生そこを住所としておるものでありますから、どうしてもその設置には同意することができんと反対しておりましたが、その際いずれそのうちに癩の研究所ができる時が来たならば、同園に設置してやると、設置するように考慮するというお話があつたために、反対を中止したというようなことでありますから、今回研究所を設置する場合には、それらの口約束が一時逃れの方便であつたというようなことが思われんように一つ十分御注意をして頂いて、設置場所をきめて頂きたいと存ずるのであります。若しこれが一つの方便に使つておつたということになりますと、今後困つた事態が起らんとも限りませんから、十分その点を御注意して頂きたい。
 以上の二項目を附しまして、私は本案を賛成しますと同時に、いよいよ場所がきまるような場合には、一応できますならば、当委員会にも御相談をして頂きたいということを申上げておきます。以上。
#41
○廣瀬久忠君 私はこの改正案に賛成をいたすものでありますが、ただそれと共に第十六国会において非常な委員諸君の御熱心な御審議の結果、九項目の附帯条件を提出いたしまして、それにつきまして緊縮予算ではありましたが、非常にまあ政府当局も努力をして、或る程度の予算措置もできたように思うのでありますが、まだ非常に遺憾の点が多く、誠に残念に思つておるのであります。つきましてはこの九項目につきましてはもつと充実を願つておきたいと思います。
 そこで特に私二点について強く希望しておきたいのでありますが、先ず第
 一にはやはり私はこれは科学的に十分にこの医療、医療の面から、治療の面、薬剤の面等から科学的に十分に研究をしてもらいたい。そうしてそのために今回の研究所を設けるわけであります。是非一つこれにもつと力を入れて頂かなければならん。今回の規模は甚だ貧弱であつて、まあどういう工合にこれから運営して行かれますか、これは第一歩を踏み出すに当つて細心な一つ御注意を願いたい。是非一つ科学的の研究について遺憾なきを期して頂かなければならんと思いますが、これについては予算も要りましようけれども、これが基本でありますから、どうぞ一つ十分にこの点に力を入れて頂きたい。
 その次には、私は人道的の立場からお願いをするわけでありますが、私はこの前も申上げたのですが、是非一つ患者に希望を与えて頂きたい。あそこへ入つてあのままで終つてしまうのだということでは、誠に情けないのであります。なおつて外に出られるように、そして又癩の患者があつても、その家族は別に心配することはないのだ、近隣のものも心配する必要はないのだ、なおるのだからということ、又伝染だから予防さえすればいいのだということについてはつきりとした希望を与えてもらいたい。それはどうしてもやはり科学的研究が基本だと思いますから、是非やはり人道上の立場に立つて、希望を与えるということを一つ目標に持ち、同時に非常に熱情を持つて頂いて、そしてできるだけ早くこの希望を満たすという熱情を一つ持つてもらいたいと私は思うのです。それで厚生省の行政におきまして科学の面、熱情の面というものが私はやつぱり厚生行政の中心だと思いますから、それで殊にそのテイピカルのものはこの癩患者に対する厚生行政に現われると思う。厚生行政全体が科学を基礎とすると同時に、人道を中心とした人の熱意にあるのだと私は思うので、この癩患者の問題については特に私はそれが重要だと思う。無論今までも貞明皇后の思召等を体して、厚生省はその方針でやつて来たのでありますが、なお一層科学及び人道の両面に本当に細心の注意と同時に、熱をこめたる努力ということを注いで頂きたい。
 この二点を強く要望をいたしまして、私は本改正案に賛成をいたすものであります。
#42
○湯山勇君 私は本案に若干不満な点が多々ありますけれども賛成をいたします。
 只今小委員長であつた廣瀬委員のほうから内容に関する詳細な御討論がありましたので、私は別な面から特に要望したいことを申上げたいと思います。
 それはこの十六国会において患者たちがああいう一つの事件を起しました。で、そういう事件があつたために、今回乏しい予算の中から、先ずまあ厚生省当局の努力が認められるような措置がなされておる。でああいうことがあつたから、こういう措置がなされたのだということであつてはならないと思うのです。そういうことの印象を与えないために、或いは又ああいう事件が再び起らないようにするためには、やはり厚生当局としては、更に政府としてはそういうことのあるなしにかかわらず、こういう問題を真剣に考えておるのだ、こういうことを事実を以てお示し願わなければならないと思うわけでございまして、そういう点に関しましては、只今までの討論によつて明らかにされました点、それらについて十分御配慮をお願い申上げたい。
 こういうことを要望いたしまして本案に賛成いたします。
#43
○有馬英二君 私は改進党を代表いたしまして本案に賛成をいたします。それにつきまして私どもの希望を一、二述べたいと思います。
 先ほど来同僚委員の御希望がありましたが、大体私も賛成であります。特に前小委員長でありました廣瀬委員からの希望条件は、私も賛成いたすものであります。ただ今回の改正におきまして厚生省が特に希望、我々の附帯決議を尊重されて、新らしい研究所を作るということに努力をされたことを深く多とするものでありますが、この研究所の設置については、未だにまだどこに設置するかということが決定されておらないというようなことであつて、先ほど谷口委員からは必ずしも日本の中央に設置すべきではないというような御意見がありましたが、これも一応御尤もな説であると思いますけれども、私はこの設置の土地を決定するに当りましては、ただ地方的のいろいろの感情その他を考慮すべきものではないので、これは全国の学者がどこへ行つて研究をするにいたしましても不便のないように、又材料の取扱い等につきましても決して不便がないように、ただ学者が不便である不便でないというばかりでなしに、すべての点につきまして全国的に最も多くの人にも便利であり、例えば患者の収容につきましても地方でやりまするというと、その地方だけが非常に便利であるが、他の地方には不便であるというようなことのないように、その他研究をしに行く人が最も便利でなければならんと思いまするし、又薬品その他施設におきましても特にそういう点を考慮されまして、決してあとから一回設置しますというとなかなかそれを取り替えるというわけには行かないのでありますから、十分その点を考慮されまして、あとの悔いのないように、又将来の研究にも支障のないように取計らわれたいということを私は希望するものであります。そういう希望を附しまして本案に賛成の意を表します。
 以上であります。
#44
○委員長(上條愛一君) 他に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて差支えございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#45
○委員長(上條愛一君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。衆議院送付案に賛成の方は挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#46
○委員長(上條愛一君) 全会一致でございます。よつて本案は衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたしました。
 それから委員長が議院に提出する報告書には、多数意見者の署名を附することになつておりまするから、本案を可とされた方は順次御署名を願います。
  多数意見者署名
    大谷 瑩潤  常岡 一郎
    谷口弥三郎  廣瀬 久忠
    湯山  勇  有馬 英二
    竹中 勝男
#47
○委員長(上條愛一君) 署名洩れはございませんか。……署名洩れはないと認めます。
 なお、本会議における委員長の口頭報告ついては、委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#48
○委員長(上條愛一君) 御異議ないと認めます。
  ―――――――――――――
#49
○委員長(上條愛一君) なお、医薬関係審議会設置法案は御質疑が多々あると存じますので、これは次回に譲りまして、厚生年金法案を議題といたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
#50
○竹中勝男君 先ほどの私が御質問申上げました点について、もう少し具体的に医療費、国民がどういうように医療費を分業の暁に負担するかということについての資料をこの次までに御用意願いたいと思うのです。これは一般の国民が非常に知りたがつておる点でございますので、殊に医療費の負担能力に欠けつつある大衆が、分業ということについてはただそれだけを関心にしておるのであります。医療費の負担が多くならないだろうか、或いは医療給付の内容が低下しないだろうか、この点が私どもの一番この問題について重要な点です。同時に又現在の開業しておられる町のお医者さんたちの生活がそれによつて脅かされるのではないかということ、或いは現在の薬局を経営しておられる方々の生活がどうなるだろうかというような点もあると思いますが、一番主な点は医療を受けるものの立場からそういう資料を御提出をお願いしたいと思います。
#51
○政府委員(曾田長宗君) この資料提出につきまして御尤もな御要求があつたのでありますが、この数字の点につきましては、最近非常にテンポを早めて作業が進んでおるのでございますけれども、まだ十分検討を経ておりませんので、どうもお示ししがたいかと思いますが、私どもが考えておりまするかような構想であるということを箇条書にしたようなものならば、資料として差上げられるかと思いますが、それでよろしうございましようか。
#52
○竹中勝男君 実はお医者さんのほうからは、こういうふうになるとこういう点数が殖えて、これだけ患者に負担が多くなるというようなことが、まあ一般の患者のほうにはそういう数が示されておるようなんですが、私もそれをちよつと見たことがあるんですが、そういうことが、国民の医療を受ける者については非常に不安を与えておると思いますので、そうならないのか、厚生省の計算ではそうならないという、少くともそれに対するもつと根拠のある基礎を示して頂きたいというのが私の希望であります。
#53
○政府委員(曾田長宗君) その程度のものでございますれば、何とかまとめてお手許に差上げたいと思つております。
#54
○竹中勝男君 更に希望したいことは、一つ十分国民を納得できるような数字的な基礎を御用意願いたいということであります。
#55
○委員長(上條愛一君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#56
○委員長(上條愛一君) 速記を始めて下さい。
 それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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