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1953/05/20 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 厚生委員会 第42号
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1953/05/20 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 厚生委員会 第42号

#1
第019回国会 厚生委員会 第42号
昭和二十九年五月二十日(木曜日)
   午前十時四十五分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
五月十七日委員吉田法晴君辞任につ
き、その補欠として竹中勝男君を議長
において指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     上條 愛一君
   理事
           大谷 瑩潤君
           常岡 一郎君
           竹中 勝男君
   委員
           榊原  亨君
           高野 一夫君
           谷口弥三郎君
           西岡 ハル君
           横山 フク君
           廣瀬 久忠君
           藤原 道子君
           堂森 芳夫君
           有馬 英二君
 政府委員
   厚生省公衆衛生
  局環境衛生部長  楠本 正康君
   厚生省医務局長 曾田 長宗君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       草間 弘司君
   常任委員会専門
   員       多田 仁己君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○理事の補欠選任の件
○連合委員会開会の件
○社会保障制度に関する調査の件
 (水爆の降灰被害に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(上條愛一君) それでは只今から厚生委員会を開会いたします。
 委員の異動を御報告いたします。五月十四日附を以て竹中勝男委員が辞任され、吉田法晴君が選任されました。又五月十七日附を以て吉田法晴委員が辞任ざれ、竹中勝男君が選出ざれました。
 以上御報告いたします。
 次に、理事の補欠互選を行います。前理事竹中勝男君の補欠互選を行います。その方法は如何いたしましようか。
#3
○高野一夫君 理事補欠互選の方法は、成規の手続を省略して、’委員長の御指名とせられることの動議を提出いたします。
#4
○委員長(上條愛一君) 高野君の動議に対し御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(上條愛一君) 御異議ないと認めます。それでは私から指名いたします。竹中勝男君にお願いいたします。
  ―――――――――――――
#6
○委員長(上條愛一君) 次にお諮りいたします。行政機関関係職員定員法の一部を改正する法律案について内閣委員会と、又学校給食法案について文部委員会と連合委員会を開くことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(上條愛一君) それでは御異議ないと認めます。
  ―――――――――――――
#8
○委員長(上條愛一君) 次に、社会保障制度に関する調査の一環としてビキニ灰の本邦、特に京都地方の降灰に関する水道その他に及ぼす影響等について、厚生省当局から説明を聴取いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(上條愛一君) 御異議ないと認めます。それでは御質疑を願います。
#10
○竹中勝男君 五月十九日の京都の都新聞に、京都大学の応用物理学の四手井教授が、十六日の雨に二万八千カウント以上という記録的な放射能が検出されたと十八日に発表しております。同教授によりますと、十六日の夜十二時頃十分間ほど降つた雨の中に、毎分ざつと二万八千カウント、即ち一リットルの水の中に二万八千カウントが検出された、これは恐らく世界で初めての数字であろう。精密測定の結果、これを上廻る数字が出るかも知れない。同教授は、自分は物理学の教室の者なので、医学的な人体にどのような影響がこの雨によつてもたらされるかということについては言明を避ける。併しながら直接この水を飲むならば非常に危険だと思う。又この雨水の入つた水道の水がこれを濾過できるかどうかということも疑問であるというふうに語つておる。新聞は京都測候所の話と四手井教授の話とを両方出しておりますけれども、この大きな見出しの中に「生水一合飲めば危険」というような見出しを付けております。で、私ども全然こういう科学の知識のない者にとりましては、即ち一般の市民にとりましては、非常にこの記事が不安を与えておるということは事実であります。東京の新聞にも野菜その他に相当量の、量というのですか、これは放射能のカウントが現われておるということがまあ東京の新聞その他地方新聞にも出ておるように思います。これは非常に国民にとつて不安な印象を与えております。ただ魚だけでなく、今度は水や野菜にも危険性があるということになるわけですから、全くこれは我々が生活して行く上において、致命的な問題を予想させることによつて国民を不安に導いておると考えなければなりませんですが、こういうときに、やはり政府として厚生省は、こういう記事をどういうように解釈されるのかということを先ずお伺いしたいと思います。
#11
○政府委員(楠本正康君) 只今御指摘のような内容の報告を一昨日私ども京都府から受けまして、至急その内容を精細に調べるために連絡をいたしております。ただこのサンプルの取り方或いは測り方等にも私どもが日常やつております点と多少違う点もございます。又時間的に見まして、時間の経過と共に二万八千カウントが減つて来ておるような事実がございます。併しながらこれはあとの野菜の問題に関連いたしますから前以てお答えをいたしますが、なお十六日の雨につきましては、東京におきましても勿論これを調査いたしております。で、東京におきましてはこの数字は極めて差はございます。併しながら何分にも測ります基準が、物差が違つております関係もありまして、直ちに比較することはできませんが、併し東京におきましてもかなり濃度の高い放射能を持つた雨が降つていることは事実でございます。従つて時間的ないろいろな経過はありますが、やはり十六甘の京都に降りました雨も同様にかなり強い放射能を持つておるものと私どもは判断をいたしております。又これが正しいと信じております。私どもといたしましては、かような点は極めて重大な問題でありますので、直ちにその後、例えば井戸水にどんな影響を与えておるか、或いは水道のカランから出ます水にどんな影響を与えておるかというようなことにつきまして調査を進めておりますが、これらのものに関しましては未だ何ら反響が出ておりません。
 ただ問題は、只今御指摘のように、京都に降つた雨或いは東京に降つた雨というようなものが人体に危険であるか否かという問題でございますが、若し仮に今御指摘のような数字を示す雨が降りまして、かような水をそのままかなり大量に使用したとすれば勿論人体には危険でございます。併しながら十六日の雨を全国的に平均して見ますと、大体時間的にも差がありますし、最初は強くて、終りは弱くなります。平均大体私どもは五千程度と今のところは概算をいたしております。五千程度の水でございますれば、勿論これを長期間連続使用することは人体に被害を及ぼしますが、短期間の一時的な僅かな使用であるならば人体に支障ないものと考えております。なお野菜の点につきましても、これも御指摘の通りでありまして、特に報告されておりますのは、一応庭先或いは畑等から直接取つて来て調べたものにつきまして、只今御指摘のよろな結果が出ております。私どもが直ちに市販されておるものにつきまして調べました結果は、これは一例もかような放射能を示しておりません。又同じく畑から取りましたものでも下葉、余り雨に当らん下葉等は大した変化もございませんし、又極めて滑らかな葉を持つておるようなものも大した支障はございません。なおこれらのものを水で洗つて見ますると、勿論十分の一程度の減少を示しております。ただこれ又この程度の、只今御指摘のようなもので果して人体に害があるかどうかという問題でありますが、仮に御指摘のようなものがあつたといたしましても、まあ普通水で洗つたりなんかして食べる性質上、私どもが今まで実験いたしました程度におきましては、先ず人体に危険はないものと考えております。併しながらかような点は極めて重大な問題であります。御指摘のように国民に不安を与える点も極めて大きいと存じまして、目下継続調査を進めておりまして、恐らくここ一両日ではつきりした結論が出る、或いは万一今後も続く場合にはどうしたらことに対処し得られるかということも一両日ではつきりお答えできるものと考えております。
#12
○竹中勝男君 概略御説明の点わかつたんでありますが、もう一つお尋ねしたいことは、これは環境衛生局長にお尋ねすることは無理かと思うのですけれども、一体こういう放射能を持つた雨がどの程度に、どの期間に、どれくらいの期間、例えば間もなく来る梅雨などにやはり含まれるという予想でおられるわけでしようか。
#13
○政府委員(楠本正康君) 次に御指摘の問題につきましては、この放射能の本体でありますが、自然界にも、天然の雨の中にも、勿論降り方或いは気象の関係等におきましてかな強い放射能を証明し得られることがございます。併しながら今回のものは特にその量も大きいし、又東京、大阪、京都等に証明されておること等を見ますると、やはりこれは天然のものにプラスナルフアの何物かがあるのではなかろうかという点が予想されます。併しながらこれをはつきりいたしますには、このものを分析しなければなりません。その雨のいわゆるこの物質を分析して結論を得なければなりません。これに若干手間取つておるわけでありますが、そこで分析の結果、或いは何かこれが人工的な物質によるものということがわかつた場合、これが今後一体続くかどうかという問題でございますが、この点は実は今回の十六日の雨というようなものの原因が、いつの、どういうものであるか、或いは気象学者等にも聞いてみますが、やはり成層圏、亜成層圏等の気流の関係からなかなかいつのものだということも予想もできないそうでありまして、従つて今後どう推移するかということは、今ここで即断はできませんが、併しながら従来の経験からいたしますと、恐らく今後の雨にはかような変化がないのではなかろうかと考えております。併しながら私どもといたしましては、今後も引続き雨の調査を進めまして、これが更に継続証明せられるようでありますれば、これは又そのときに別個な対策を考慮いたしたいと考えておる次第であります。
#14
○竹中勝男君 先ほど局長の御説明の中に、測定の方法が必ずしも一定していない、違つておるというふうに言われたと思うのですが、まあ今後全国民がこうやつて神経質になつておりますから、至る所で測定するだろうと思います。測定して、そうしてこれこれのカウントの放射能があるというような発表が至る所に行われると思いますが、それにつきまして、何か信頼できる測定方法といいますか、測定基準を厚生省から科学研究所だとか、或いはそういう医者だとか物理学者だとかいうものの集団に向つて示しておかれる必要があるのじやないかと思います。
#15
○政府委員(楠本正康君) 全部の研究所に対しまして測定基準というようなものを徹底して行くということ、全く必要なことだと存じますが、ただ私どもといたしましては設備の関係、或いはいろいろな関係もありますので、すべての研究所に漏れなくかような方法でやれということはこれは申されませんが、併しながら私どもは現在各県衛生部、或いは気象台等とも連絡をとりまして、総合的に目下調査を進めております。かような調査につきましては、勿論御指摘のように、例えば雨にしてみれば何リットルを取るとか、或いは計数器はどういうものでどういう方法で測るかというようなことを、勿論きめて指示をいたしてございます。ただ何分にもその他一般の研究所がおやりになるものを一々こうせいと言うことはなかなか困難な事情もございますので、従つて私どもといたしましては、どういう測定方法をとつたかということをはつきりいたしまして、まあ換算するといいましようか、それを参考にしつつ概要を知るという程度にとどまるものと存じております。例えば一例を申上げますと、京都のものは一リッターの水を煮詰めて蒸発させてその内容を調べております。而も計算器を直接その物質に当てておるのですが、ところが東京で私どものやつておりますのは、これは時間が非常にかかりますので、一〇CCの水、雨を調べる、だから単位が大分違つて参ります。そこで単位の補正をしなければならんという問題が出て来ます。従つてこの点は先生がおつしやるように、今後少くとも私どもが総合的に調査いたします限りにおきましては、かような基準を決定いたします。
#16
○竹中勝男君 一人で大変恐縮ですが、今後継続して、この放射能を持つた、相当な量、相当な放射能を持つた雨が降るかどうかということについては今のお話の通りですが、まあ降るものとして、やはり今から対策を立てておく必要があるのじやないかと思います。例えば水については、どういう程度のものは差支えないとか、或いは食物は、先ほどのように、洗えば十分の一くらいの放射能になるとか、或いは魚は一体どういう、どれくらいの放射能を持つているのか、それは無害か有害か、何か厚生省で国民の食物に対する不安を除く一つの教育的な方法といいますか、そういう広報活動をもつと活濃に一つ展開して、この不安を除いて頂きたいというように考えておりますが、そういう点について。
#17
○政府委員(楠本正康君) 全く御指摘の通りでございまして、私どももかねて魚につきましては絶対安全の措置を講じまして、機会あるごとに心配がないということを徹底さして参つております。それから一方今度の雨の問題、或いは野菜の問題等につきましても、先ほど申上げましたように、今のところは別に人体に直ちに支障あるものとは考えられません。併しながらこの点につきましては今後十分に調査をいたしまして、特に天水を飲んでいる地方、雨水をそのまま飲んでいる地方もございますので、かようか点は極めて重要でございますので、御指摘のように直ちに結論を得て、一両日中に各地に徹底させる方法を講じたいと存じます。併しそういうことが研究の結果たければ仕合せでございますが、万一あつたら、さような措置は当然講ずるつもりでございます。
#18
○竹中勝男君  有難うございました。もう一度。京都からわざわざ新聞を送つて来まして、京大の四手井という教授が、相当京都人というものは京都大学の連中の言うことをやはり信用しているものですから、早くはつきりしてもらつてくれということをいうて来ておるのです。一つ京都にも成るべく早くそういう結果を知らせてやつて頂きたい。
#19
○有馬英二君 関連質問ですが、只今の雨水の放射能の測定は、厚生省としては全国どの地方にどれくらいにやらしておられるのか。或いはただ大学その他研究所が勝手にべつているとい、りことを認めて、ただ放置していうのを待つておられるか、どうい態度をとつておられるか、それを伺いたい。
#20
○政府委員(楠本正康君) 私どもはかねて原爆症調査研究協議会というものがありましたので、ここに環境衛生部会、或いは食品衛生部会等を設けまして、それぞれ専門学者を委嘱いたしますほか、地方の衛生部に指示をいたしまして、できるだけ総合的な系統的な調査を実施して参つております。ただ私どもは、或いはお叱りを受けるかも知れませんが、正直なところを申上げまして、必ずしも結果がはつきりしないものを発表すると徒らに国民に不安を与えるというようなこともどうだろう。そこでまあ研究の結果、人体に支障ないものというようなものであれば、これはそのままにしておくというような態度をとつて実は進んで参りました。ところが学者のほうは、やはりこれは研究の発表もございます。又多少まあそろ言つては何ですが、我れ勝ちにというような感じも手伝うのじやなかろうかとも思われまして、とかくいろいろな発表がなされるわけでございますが、併しこれらを私ども統制したりすることはこれ又どうかと存じまして、かような結果になつておるわけでございます。併し私どもは只今お答えを申上げましたように、できるだけささやかながら地方の組織、或いは自分たちの直接の機関を動員いたしまして調査をいたしておる次第でございます。なお今回水産庁が南方に派遣いたしました調査船にも、厚生省の担当官と申しますか、代表いたしまして五名が乗り込んで調査に当つておる次第でございます。
#21
○有馬英二君 私は大体どれぐらいの数を全国で、例えば北海道は何カ所である、或いは九州は何カ所でやつておるというようなことを伺いたい。
#22
○政府委員(楠本正康君) 現在各県衛生部に依頼をいたして、指示をいたしておりますが、ただかようなものを調査研究いたしますには、やはり新らしい専門的な技術と、これに伴いまする各種の機械類等が必要であります関係で、なかなか思うように全国的調査けできませんが、併したがら少くも従来魚を荷揚げしております府県等におきましては、すでに魚の調査を始めましてニ月余りを経過をいたしております。かような所におきましては、かなり正確な調査も進んでおります。又一方大学の所在地等におきましては、これらの機関と連絡をいたしまして、これ又相当な調査が進められております。
#23
○有馬英二君 こういろ工合に雨の中に非常にたくさんの放射能成分の物質が含まれておると、そうしてそれがことによるというと、或いは野菜その他のものを通じて人体にも被害が及ぶかも知れないというよろな、まあ極めてどうも我々としては重視しなければならないようなものが次々と発表されるようでありますから、厚生当局としては勿論全国に、まあ例えばこれも新聞に発表されておりましたが、北海道の雪についてはそう多くはなかつたらしいのでありますが、放射能性の物質が測定されたというようなことがあるくらいなんですから、全国にどこにどれくらいの量が降るかということは今のところよくわからん。雨というものは全国一様に降るものでは決してない。北海道に雨が降つておつても、こつちが晴天なときがたくさんあるわけですから、各地でやはり相当な技術を持つている人がそのことに当つて、日本全国にどういう工合にして降つて来るのか、その放射能を含んでおる物質がまあ南から来るか、或いは西から来るか、そんなことも今のところわかりませんけれども、そういうことさえもだんだんに明らかにしなきやならんと思うのでありますが、そうするとどうしでもこれは全国で一様に相当な技術者がいて、それぞれ専門的の技術を以て研究に当つてもらわないというと、誠に我々不安であり、又今後の対策にも関係すると私は思うのでありますが、当局も勿論そういうことについて研究しておられるようでありますけれども、その対策におけるシステムですが、どういろシステムでやつておられるか。或いは先ほどもお話しになつたよろですが、カウント片方は一〇CCでやつている。片方は一〇〇〇CCでやつておるというところに技術上の不一致な点があるのでありますから、用いる機械も必ずしも統一していないように私どもは新聞の上で拝見をしているのですが、そういうことでなしに、何かもつと統一してやられなければならんのではないかというように私どもは思うのであり’ますが、その点について一つ御意見を伺いたい。
#24
○政府委員(楠本正康君) 全く御指摘の通りでございまして、目下先ほども申上げました原爆調査研究協議会の中に、食品部会、或いは環境衛生部会等を更に拡充いたしまして、これらの研究者をそのメンバーに加えまして、さような一つ組織的な活動の下に、協会の組織的な活動の下にそれぞれの立場で研究をして行くというようなことをいたしたい所存でございまして、目下予算の許す範囲におきまして、臨時委員その他の委員を追加いたすように考慮をいたしておる次第でございます。
#25
○谷口弥三郎君 お尋ねしておきたいと思いますが、同じ放射能力を持つておりますラジウムなどにおきましては、ラジウムの一定のエマナチオンになると、或いは身体を障害したり或いはほうほう破壊したりするが、併しエマナチオンの少いもの、そういうものであつたら却つて植物の発育をよくするとか、或いは枝葉なども却つて反対に増殖されて困るというようなことが大体わかつているように思うのですが、従つて今度のやつに入つている物質の性質がはつきりわからん結果、そういうようなふうに不安が非常にあると思いますけれども、今度のやつにしましても、もらすでに二ヵ月余りもやつておるのでございまして、或る程度以下は人体に障害を及ばざんというだけでなしに、人体の障害どころか或いは植物あたりにも却つていい作用を起す。こか以上であつたら非常に悪いというような境界線はまだはつきりわかりませんか、その点を一つ。
#26
○政府委員(楠本正康君) かような点につきましては、何分にもこれは日本で最初の、世界で最初の経験でもあります関係で、只今御指摘のような点は成るほど御尤もでございますが、未ださような限界点ははつきりいたしておりません。のみならず甚だお恥かしい話でございますが、一体食べた場合に、どれくらいまでなら本当に安全かというような点も、漸く動物実験で推測する程度でございまして、一応私どもは安全率を持ちまして、十センチの距離で百カウントが危険だという数字を出しておるような次第でございまして、併しこれらの点は今後一そう研究を進めまして、これらの恕限度等を明らかにしなければならないと存じます。なおかような原爆問題は、只今先生の御指摘のようにいい点もあるのでございますので、これらの平和的利用と申しましようか、もつと積極的に役に立つ方向に利用することも目下考えておりまして、差当り私どもといたしましては、食品を放射能によつて消毒することを研究をいたしておる次第でございます。
#27
○谷口弥三郎君 それからしまして、実は御承知のようにラジウムあたりでも、温泉にラジウム・エマナチオンをかなり持つておるところの温泉がよく効くといろので、温泉の一つの広告にもしておるくらいでありますので、この分量をこれほ何とかして早くどの点以下はかまわんが、以上はいかんのだということを早く国民に知らして頂きたいというのが我々の最も希望しておるところですから、その点を一つ……。
#28
○高野一夫君 この放射能の問題について私もいろいろ質問を申上げたいのでありますが、今日の質疑応答は速急であつたからかして厚生省の調査はまだ不十分であると思うのです。そこで先ほど有馬委員からお話がありましたように全国、鹿児島あたりでも出ておるようですが、北海道そのほか調査資料を十分集められて、そうして測定の方法もまちまちでありますからして、どういうふうに統制したらいいかというような厚生省の考えもまとめられて、それから又谷口委員のお話のようなその別なプラスの面があるかも知れないということだから、十分一つ資料を集めておいて頂きまして、そうして他日適当な機会にこの問題に取組んで質疑を続けて行きたいと思いますが、今日はほかに重要法案もございまするので如何でしようか。
#29
○榊原亨君 今谷口委員がおつしやいましたように、その場合におけるエマナチオンの問題は非常に重要だと思うのです。そこで今お話になりましたような一リットルを取つて幾らカウントがあつたというようなことは国民にはつきと、ぴんと来ないということでありますので……。従つて今降つた雨は例えば三朝の温泉のカウントの何倍である、或いは恵那峡におけるところの水の何倍であるというようなことで御発表を願いますというと国民も安心して、現に恵那峡やなんかではそのラジウムを含んだ水を飲んでおる。それくらいなら大丈夫だというようなことがわかるのではないかと思うのでありまして、そういう端的な一つ御発表を願うということもこの際必要じやないかということを関連として申上げておきたい。
#30
○竹中勝男君 局長にお尋ねしたいのですが、これはまあ非常に考えによつては重大な問題なのですからして、これに対する対策を厚生省で立てられる上に、調査の点においても、それから国民に対する指導の点についても予算的な何か特別予算措置、新聞で百八十万円とか二百万円とか、こういうことを予備費から準備されたということを伺つたわけですが、これがそれくらいのことでできるものですか。先ほど御希望の中にあつたように、全国の調査をやつて相当人も殖やさなければならないし、組織も作らなければならないというのに、二百万円や五百万円というような、思い切つてこれは国民に安心感を与える意味からも相当額のやはり放射能対策費というようなものを考えられておりませんのですか。
#31
○政府委員(楠本正康君) これは御指摘のように単に国民生活の点だけでなく、将来の日本の国防計画、或いは世界の国際平和問題等に関連もいたしますし極めて重大な問題だと存じております。従つて私どもとしましては、さような観点からこれを徹底的に究明する点は究明し、対策としてやるべきことは確立をいたしたい所存でございます。そのように努力いたしておりますが、予算の点につきましては誠にお恥かしいお話でございますが、一応五カ月分として百八十万円が予備費で認められております。併しながら先ほどもお答えを申上げましたように、今後原爆症調査研究協議会の組織を拡大しまして、多数の人間、専門家をメンバーにするというようなことをして全国的な組織に拡大いたしますというようなことになりますと到底できないわけでありまして、そこにどらも多少縛られる点がございまして、総合的な調査に事欠く点もございます。併しこれらの点につきましては、今後も予算に努力をいたしますと同時に、少い予算をできるだけ有効適切に使いまして所期の目的を果したい所存でございます。
#32
○藤原道子君 関連して。予算の範囲内でとさつき楠本さん言われて、確かにあなたならそう言う以外にはないと思いますが、こんな重要な問題が予算の範囲内という、百八十万円ですか、それも五ヵ月ですか、そんなべらぼうなことはないと思うのです。それは成るほどプラスになる面もあると言えるのです。それはいつも一定にある場合の問題なんで、今度の問題などはいつ降つて来るのだか全然わからないのです。この国民の不安な感情というものは我々の想像以上だと思います。だからもつと強い、これではできんということでもつと強い態度で折衝してもらわなければ困る。それからいま一つ伺いたいのは、今度台湾方面からとつて来たお魚からも内臓から六百カウントとか出たというような厚生省の発表であつたと思うのですが、こういうことになると、南洋だけではなくてすでに台湾方面における海域の海水も汚染されているということが一応考えられるのでございますが、それはどういうふうな考えを以て対処されておりますか。それからいま一つは、こういうことによつて漁民の生活が極度に参つてしまつている。私昨日塩釜へ行つたのでございますが、塩釜あたりではもう何軒も魚問屋さんが潰れているのです。こういう間接的な国民の被害というものも非常に重大な問題だと思うのですが、こういう場合にこれらの人に対する、いわゆる間接被害の補償というようなことも考えておられるかどうか、もつとしつかり対策を立ててもらわなければ不安でしようがない。
#33
○政府委員(楠本正康君) 予算の問題等につきましては一応五カ月分でございまして、五ヵ月が過ぎましたら又改めて大蔵省と折衝いたすことになつておりますが、そのときはできるだけの努力を傾けたいと考えております。それから次に、只今御指摘の台湾沖でとれた魚類の放射能でございます。これ又私どもがいろいろ正確に調査いたしました結果は、えら、内臓或いは特に多く骨の中等に放射能を証明いたした、そこでこれらのものが果してこの台湾沖附近の海水の汚染から来たものかどうかという問題でございますが、これはすでに骨に吸着されている点から見まして、かなりの時日がたつているものと考えられます。そこでまぐろその他の遊泳距離等から判断いたしまして、これは私のでなく水産専門家の意見でございますが、恐らく南方において何らかの被害を受けてそれがここまで遊泳して来てから捕まつたものであろう。従つて台湾沖の海水の汚染ではないという判断を一応下しております。それからなお第三に漁民、漁業が極めて重大な影響を受けております点につきましては、全くその通りでございまして、私どもといたしましては取りあえず水産庁とよく相談をいたしまして、少くも直接被害だけは早急に賠償のけりをつけたいという考えで、目下直接被害の分だけは外務省に資料を渡し、外務省を通じて折衝をいたしております段階でございます。なお間接損害の点につきましては、これは計算の仕方も極めて困難なのでありますが、直接損害に比べましての何十倍にも相当する金でございます。これらの点につきましてはどういう対策をとるか、これは勿論私どもといたしましては資料を整えてやはり賠償の対象にいたしたい所存で目下外務省とは話合いをしている現状でございます。但しこれらの主管は一応水産庁がこれに当つております。この点を附加えさして頂きます。
#34
○藤原道子君 時間の関係で御発言がございましたので、質問はこの程度にいたしますが、非常に重大な問題で今の政府の答弁では不満足でございます。従いまして委員長に希望を申上げますのは、関係委員会とも曾つて連合審査をいたしましたが、そらした手続をおとり頂いて水産庁、外務省その他にも出席を求めてなおこの問題を究明されるような御努力をお願いしたいと思つて、このことを提案いたします。
#35
○堂森芳夫君 二、三関連して伺いたいのですが、この間の新聞で、私ちよつと見ただけで内容を覚えておりませんが、南方から帰つて来た船の船長が、漁船の船長が血を吐いて下関か門司に入つて死んだ、恐らく水爆の患者ではないか、こういうふうに書いてあつたと思うのですが、何か医務局長のほうへそういう報告があつたか。或いは環境衛生部長のほうにそういう船がどこにおつてどういう径路をとつて入つて来たのか一つ御答弁を願いたいと思います。その点先ずお伺いいたします。数日前の新聞だと思います。
#36
○政府委員(曾田長宗君) 只今のお話につきましては、私どものほらでまだ報告も受けておりませんし、十分のことがわかつておりませんから……。
#37
○藤原道子君 新聞読みましたか、新聞を。
#38
○堂森芳夫君 医務局長も環境衛生部長も何にも知らんというわけですね。新聞はお読みになつたのでしようね。
#39
○政府委員(曾田長宗君) 私朝日と日経だけは見ておるのでございますが、ほかのを見ておりませんので見落しておるかも知れません。早速取調ベて見ます。
#40
○堂森芳夫君 今日は丁度水爆に関連して御質問ございますから、この前のこの問題に関する委員会で我々第一国立病院と東大の病院を見舞つたわけですが、その後新聞を見ておりますと、或る新聞にはもうよくなつてかなりの人が退院する、こういう記事も読みました。或る新聞ではそうでもないというふうなことも読んだのですが、その後の患者の予後の経過、そう細かくなくてもいいのですが、あらましのことを御報告願いたいと思います。
#41
○政府委員(曾田長宗君) 初めの時期におきましての経過はおおむね御承知かと思いますので、最近の様子をかいつまんで申上げますれば、全般的に申しますれば、白血球数等は逐次回復の傾向が見えるということは申上げられるのではないか。一時千台くらいに減少いたしておりました患者等は三千から四千近くくらいまで殖えておると、これもまあ殖えておると申しますか、これはいろいろ専門家のかたがたがおいででございますから十分御了承願えると思うのでございますが、多少殖えたかと思うとずつと数の少い結果が出たりいたすのでありますが、大体の傾向といたしましては、逐次増加の傾向にある。併しながらそれに対しまして初めのうちにそれほど低くなかつたというような患者が、この時期を経て来ますに従つてむしろ幾分その減少の傾向を示しておる。初め五千くらいございましたのが、それが四千くらいになつているという者も若干はあるのであります。で、こういうようなことで、初めに非常に重態であつたという者は幾分回復の傾向を見せておりますが、却つて初めそれほどでもなかつたという者が、それでは急速に回復しているかというと必ずしもそうではなしに、却つてそういう人たちの状況が停滞しておるというようなものもございます。ただまあ全体を通じて申しますれば、この一時極端に白血球の少なかつた患者というようなものは、状況が幾分回復しつつあるということが申せると思う。私も専門ではございませんので、いろいろ患者の世話しておる人たちの話をお伝えするのでありますけれども、結局こういうような状況というのは、この灰をかぶつた直後の影響というようなものからは逐次回復しつつある。併しながら若干ずつ体内に吸収された、或いは又外からの働きにいたしましても、この何と申しますか、相当緩慢に働いて来る放射能の作用というようなものによるいわゆる慢性の汎骨髄麿でございますか、こういうような状況にだんだん移り変つているのではないかというような懸念を持つておられるようでありまして、でありますから患者の状況については、灰をかぶつて、その影響としてどんどん急速に状況が悪化してというようなことは一応食いとめられるのではないかというふうに見ておられるようでありますが、長期の何と申しますか、影響というものについては、必ずしも楽観といいますか、余りに安易に考えるわけには行かず、今後とも十分注意して患者の徴候を見、それからその手当に誤るところがないようにして行かなければならんというような考えでおるのでありまして、決してこの患者に、非常に患者の予後が悲観的というわけではございませんが、油断はできないという状況だと思うのでありましていろいろその模様が新聞等に伝わりますというと、そこに色合いが違つて参るものでございますから、或る記事は非常に楽観的のように見えたり、或る記事は非常に悲観的に見えたりしているのであります。なお退院問題等はこれは勿論いずれこの問題は出て来ると思うのでありますが、一時新聞に少し大きく伝えれらたような事実がございましたが、たしか東大の美甘院長の談とか何かであつたと思いますが、院長はあのような記事に表現されるような意見は述べなかつたのだというようなことを申しておられたのであります。
#42
○堂森芳夫君 もう大分前ですが、第一国立病院へ参りましたときに、各医員、受持は医員ですね、それから副院長ですか、非常に治療費に困つているんだ、金が十分ないのでいろいろ困るんだと言つておつたのですが、その点はうまく行つているのですか。
#43
○政府委員(曾田長宗君) この治療の経費につきましては、この予算上の制約というものはないと思うのであります。ただいろいろな機械類とか、或いは例のEDTA、こういうようなものでございますとか、こういうような純度の高いものと申しますか、或いはその性質の、性状のはつきりしているもの、こういうようなものなんかを入れるというようなこと等にいういろいろ苦労があるということと、それからもう一つよく言われておりましたのは患者は病院におりますから患者は衣食には困らないわけであり退すが、家に残して来ました家族の生活のことを患者が非常に心配しているということで、担当の医員のほうからも、患者の診療上にも影響のあることであるから十分処置をしてもらいたいというようなことは伝えられたのでありますが、これは差当りといたしましては、漁業組合のほうから相当額の経費を廻して頂きまして、これで患者の家族の生活というものには、少くとも今日までのところ困らせるようなことはしていないというような現地からの報告も受けまして、大体これを外務省のほうを通じまして、患者の医療費及び家族のその期間における生活費というようなものについて賠償を要求いたしておりまして、外務省のほうのお話でも、大体これは承諾を得る見込だというようなことを申しておりますが、いわゆる立替になるわけでございます。これが余りに長期になつて、そうして賠償の問題がいつまでも解決いたしませんと、これは又考え直さなければならんものと思うのでありますが、今のところはどうにか間に合つているというふうに思います。
#44
○委員長(上條愛一君) それでは如何でございましようか……。
#45
○竹中勝男君 もう一つ、今のに関連してですが、これは原因がアメリカにあると思うわけなんですが、今度行かれてアメリカと日本の治療との、治療の状態に対する報告に対して、アメリカが誤解しておつたとがいうふうなことで、今度行つて初めて日本の治療が正しかつたというようなことがわかつたというような報道が、この間新聞に出ておつたのですが、日本の政府として、殊にこれを代表して厚生省が正しい報道を患者についても、治療についても、又特に雨の問題について、日本にはこういう放射能の濃度の高い雨が降つておるという正確なことを、やはり厚生省が責任を以て日本政府の発表として、私はアメリカにも十分知らしておく必要があると思うのですが、こういう点について、厚生省の御意見を伺いたい。
#46
○政府委員(楠本正康君) 全く御意見の通りでございまして、私どももかねて例えば魚の調査の結果、或いは廃棄の資料その他雨の問題等は、すべて外務省を通じて資料を提供してこぎいます。なお関連いたしましてアメリカからもいろいろな資料を逆に得ておるわけでございますが、こちらの資料は十分に向うに伝えるようにしてございます。
#47
○委員長(上條愛一君) それではこの問題はこの辺で一応質疑を打切りたいと思います。なお政府におかれては、放射能の各地の実情については正確なる調査を願い、その対策等を立てて、適当な機会に本委員会に御報告を願いたいと思います。それから藤原委員の御提案の関係各委員会との連合委員会も適当の時に開催いたしまして、総合的の質疑を行いたいと存じます。それではこの問題、以上で質疑を打切りたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#48
○委員長(上條愛一君) 御異議ないと認めます。それでは休憩いたします。
   午前十一時四十五分休憩
   〔休憩後開会に至らなかつた〕
ソース: 国立国会図書館
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