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1953/05/25 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 厚生委員会 第45号
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1953/05/25 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 厚生委員会 第45号

#1
第019回国会 厚生委員会 第45号
昭和二十九年五月二十五日(火曜日)
   午後一時三十四分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     上條 愛一君
   理事
           大谷 瑩潤君
           常岡 一郎君
           竹中 勝男君
   委員
           榊原  亨君
           高野 一夫君
           谷口弥三郎君
           廣瀬 久忠君
           湯山  勇君
           有馬 英二君
  国務大臣
   厚 生 大 臣 草葉 隆圓君
  政府委員
   厚生省医務局長 曾田 長宗君
   厚生省薬務局長 高田 正巳君
   厚生省保険局長 久下 勝次君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       草間 弘司君
   常任委員会専門
   員       多田 仁己君
  説明員
   大蔵省主計局主
   計官      大村 筆雄君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○小委員長の報告
○連合委員会開会の件
○医薬関係審議会設置法案(内閣提
 出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(上條愛一君) 只今から厚生委員会を開会いたします。
 この際お諮りいたしますが、覚せい剤取締りに関する小委員長の報告を受けることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(上條愛一君) 御異議ないと認めます。では覚せい剤取締りに関する委員長の御報告を願います。
#4
○高野一夫君 私から小委員会の様子を報告を申上げたいと思います。
 この小委員会は去る四月十人目に覚せい剤取締りに関する小委員会として設置されまして、常岡、藤原、堂森、有馬、谷口、湯山各委員に私が加わりまして、七名の委員が選任されて調査立案を命ぜられたわけであります。爾来小委員会は私が小委員長に選ばれまして、各委員熱心に慎重審議を重ねて頂いた結果、重要事項に対する一応の基本的の調査を完了いたしまして若干の結論に到達することができましたので、ここに概略の報告を申上げたい次第でございます。
 本問題の調査に関しましては、五月六日、十一日、十三日、十五日、二十四日並びに本日と前後六回に亘つて小委員会を開催いたしました。この間各小委員におかれましては所属の各党にお持帰りを願つて小委員会案の再検討を続けられた次第でございます。小委員会といたしましては参議院法制局を中心といたしまして、厚生省の薬務局、法務省の入国管理局、並びに刑事局各関係者の意見も十分聴取いたしまして、その実相の把握に努めながら検討を続けて参つたのでございます。その小委員会でまとめました一応の結論について概略説明を申上げます。
 先ず覚せい剤取締法の改正を企図するに当りまして、この覚せい剤そのものを禁止したほうがよくはないか、禁止すべきかすべからざるか、この議論にスタートを切つたわけでございます。この点につきましては、一応小委員会といたしましては、現在のごとく覚せい剤の正規のものを禁止するというのでなくして、覚せい剤取締法の現行法を基礎にして改正を進めて行く、こういう結論に相成つた次第でございます。それは現在覚せい剤として挙げられておりまする二つのものがそれぞれ化学構造式に立脚しました誘導体でございまして、更にこれに類する誘導体は幾らでも合成できるのであつて、なお又現在覚せい剤として指定されているこの化学式に該当しない全然違つた化学式のものがすでにアメリカにおいて製造もされ、日本においても輸入されている現況でございまするので、いろいろ化学合成上から考えまして、そういう合成品の禁止ということが非常に実際問題として不可能であるということが一つございます。もう一つは単一の化学式でなく、各種の化学式を持つた覚せい剤が現われているということであるならば、これを禁止するということにすれば、覚せい作用を持つた一切の薬品を禁止する、こういう面で行くよりはかなかろう。そういたしますれば多くの薬品が持つております通りに、二つ以上の作用を合せ持つているような薬品において、そのものが一面において覚せい作用を持つているというような場合は、これもことごとく禁止しなければ意味をなさない。こういうような両面から、又各方面からいろいろ小委員会において検討されました結果、そこで現在の段階におきましては、覚せい剤そのものの正規の製造、正規の使用を禁止することは適当でない。こういう考え方に到達いたしまして、現行の取締法に基いての改正を進めて行く、こういうことに相成つたわけでございます。
 先ずその第一は、覚せい剤の定義の拡大を図つた点でございます。現在は御承知の通りに、フエニルアミノ・プロパンやフエニル・メチル・アミノ・プロパン、この二つの誘導体が挙げられているわけでございますが、これ以外の誘導体が現われる可能性は多分に合成化学上考えられるのでございますし、更に又これと全然違つたアミノ・ヘプタンというようなものもすでに現われているのでございまして、今後そういうようなすでに現在現われているものであつてこの法律の対象にならないもの、又は将来現れることを予想されるようなもの、そういうようなものにつきましても今後覚せい剤取締の対象とするということを今きめておいたほうが万全ではなかろうか、こういうことでありまして、そういうものが、現れましたならば、厚生省が正規の機関で試験、調査の結果、現在の覚せい剤と同様の覚せい作用を有するものであるという判定が下されましたならばそれを政令で指定して、指定したものは現在の覚せい剤同様に取締の対象物にする。こういうことにしたらばどうであろうか、こういうことに一応小委員会の意見が一致いたしたのでございます。
 なおもう一つ、きまつた点から申上げますが、次には罰則の強化でございますが、現在は御承知の通りに罰則が比較的低いのでございまして、麻薬違反と大分違つた軽い刑が課せられる。そのために依然として密造、密輸入、不法使用というようなものが跡を絶たないような現状にあると考えまするので、ここで罰則を非常に高度に引上げてみたらどうであろうか、こういう論議が始まつたわけでございます。特に最初はその根源をなす密造者、密輸入者、ここに主眼を置いて重罰を科することにしたらどうであろうかと、こういう意見がございましたところが、法務省検察関係の意向といたしましては、それは誠に結構であるけれども、昨年の統計から見ても犯罪者の殆んど七、八割が不法所持である、或いは不法使用者である。だから不法所持と不法使用者にやはり密造、密輸入と同様の重罰を科するということにすれば、犯罪捜査上技術上非常に重宝であり便利であつて、そして検挙の実績を挙げることができるであろうと、こういうような意見もございまして、そこでいろいろ小委員において吟味をされました結果、密造者、密輸入者、密売買者、不法所持者及び不法使用者、これは同格に扱つて五年以下の懲役又は十万円以下の罰金と、こういうことにいたしたわけでございます。更に又これを営利の目的又は常習としてやるというようなものに対しましては七年以下の懲役又は五十万円以下の罰金、こういうようなことにいたした次第でございます。その他の正規のものについての処罰の方法、すべて一応高度に引上げてございますから、皆さまのお手許に配つてありまする原案を一つお読みを願いたいと存じます。これによりまして今後検挙されたる者に相当高い体刑が科せられる、こういうことが期待されるのでありまして、犯罪の根源を断つことに一歩々々近付けるのではなかろうかと、こういう結論に達した次第でございます。この罰則の強化は大体麻薬取締法と同格、同程度のものにいたした次第でございます。
 次には覚せい剤研究者が覚せい剤の研究のためにいろいろ研究する場合は、従来は人体にこれを用いて研究をすることが禁止されておつたのでございまするけれども、これは臨床試験上どうも妥当でないのでありまして、そこで厚生大臣の許可を受けたならば人に対しても覚せい剤を使用し、又は研究のために製造することができると、こういうようなことに改正をいたしたいと、こういうことにきめたわけでございます。
 次に、覚せい剤製造業者が厚生大臣に或る営業所を届出た場合、その営業所も又覚せい剤を保管し得る場所として認める、そうして製造所と保管所相互間の覚せい剤の移動について十分厳重な規定をする必要がある、こういう結論に達してさようの条文を置いた次第でございます。それは現在は覚せい剤の保管場所は、御承知の通りに製造所のみに限られておるのでありまして、例えば製造所から遠隔の地に、離れました営業所なり、倉庫なり、支店なり、そういうところに保管しますることについては何ら法的の解釈をつけられない。こういうような事情にございまするので、この点の解釈も十分つけられるように、且つ取締が十分できるようにいたした次第でございます。
 次に、覚せい剤の製造業者又は施用機関におきまして、或いは研究者におきまして、その所有する覚せい剤を廃棄する場合には、現行においては何ら規定がなかつたのでございますが、その際都道府県知事に届出て薬事監視員に立会つてもらつてその立会の下に廃棄処分をする、こういうことにしたほうがなお万全を期することができやしないか、こういう結論に達した次第でございます。そのほか細目のことは以上の報告に従つてこまごました条文の整理を行なつた次第でございます。
 なお、研究した結果保留されました二点について申上げておきたいと思います。それは先ず最初に取締方法の強化の立法といたしまして、現在ありまするところの麻薬取締官並びに麻薬取締員が麻薬の捜査検挙に当りました場合には、多くそこで覚せい剤の違反行為にぶつかるのでありますから、そういうような場合に、麻薬の捜査検挙に当つたその現場においては麻薬取締官麻薬取締員にも一般司法警察職員と同様の権能を与えて覚せい剤の違反行為の取締ができるようにしたらばどうであろうかと、こういうことにつきまして今日も午前中まで長い間に互つていろいろ検討を加えたのでございまするけれども、このことは更になお一般司法警察職員と特別司法警察職員とのいろいろな関連、或いはこの麻薬取締官及び取締員の人数の問題、そのほか麻薬取締上の問題、或いは行政上の職務遂行上の問題も考えまして、この問題については更に研究を将来に留保したい、こういうことで一応この改正の原案からはオミツトしたほうがよくはないであろうか、こういう結論に達したわけでございます。
 もう一つは、最初検討されましたのは、出入国管理令を改正してもらつて、そこで麻薬取締法の違反者は強制退去を命ずることができるようになつておりますが、覚せい剤取締法の違反者も同様にこの出入国管理令によつて強制退去を命ずることができる、これは第三国人の場合でございますが、強制退去を命ずることができるということにしたらばどうであろうか、こういう論議を闘わしたのでございます。ところが、この点につきましては、麻薬のごときものは、これは各国相互間取締つておる問題でございますから差支えないのでございまするけれども、覚せい剤については諸外国において取締つておるところはどこもございませんで、日本だけでございますので、さような日本だけでやつておるものをここで出入国管理令の中に織込むということは、国際慣行上どうも面白くない、こういうような意見が法務省あたりから述べられたのでございます。更に又一方今度の罰則の強化によりまして、一年以上の体刑を受ける者が出るはずだから、そこで一年以上の懲役又は禁錮に処せられた者は強制退去を命ずることができるという規定がございますので、恐らく大部分はこれにひつかかるであろう。従つてこれにひつかかるならば、第三国人が違反者である場合には強制退去を命ずることができるはずだから、暫く現在のままの管理令によつて、この検挙の工合を見て、判決の工合を見て一応この研究を将来に又留保したほうがよくはないだろうか、こういう結論に達した次第でございます。従つて麻薬取締官、取締員がこの取締に参加することと出入国管理令の改正という問題は一応除外して、先ほど申上げた点について案を練ることにしたらばどうであろうか、こういう大体の意見に小委員会としては到達いたしました。
 それから申し忘れましたが、中毒患者を病院その他に強制的に収容して治療し矯正するということについて強いいろいろな論議が闘わされたのでございますが、或いは精神衛生法の改正とか、或いは現在はすでに予算編成後でございますので、予算を伴う措置はできませんが、予算を伴わずして何らかの条文を作ることができやしないかということについても、いろいろ論議が交されたのでございまするけれども、この問題も仮に来年からするにいたしましても、再来年からするにいたしましても、やはり必然国庫予算の必要性があろうかと思いますので、その予算編成の将来の方針と関連いたしまして、その強制収容の問題については、今後厚生省当局において十分な一つ吟味をして頂いて、他日の機会に適当な案が出ましたならば、政府原案或いは議員立法として提出ができるように運んで行きたい、こういうことの結論の出たことを附加えて、御報告申上げておきます。
#5
○委員長(上條愛一君) 只今の高野小委員長の報告通り了承することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(上條愛一君) 御異議ないと認めます。
  ―――――――――――――
#7
○委員長(上條愛一君) 次に、内閣提出の水道法案の審議のために建設委員会と連合委員会を開くことといたしまして、日時、手続その他は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(上條愛一君) 御異議ないと認めます。
  ―――――――――――――
#9
○委員長(上條愛一君) 次に、医薬関係審議会設置法案を議題といたします。御質疑を願います。ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#10
○委員長(上條愛一君) 速記を始めて下さい。
#11
○政府委員(高田正巳君) 昨日当委員会で御質問が出ましたアドポンコーワ錠の問題でございますが、大体の経緯は昨日お話が出ましたように、昨年の十月に二十二、三才の青年の方でございますが、アドポンコーワを買いまして、そうして、それを飲んだところが視力障害を起したというので、その薬局に関係者がそのことを申し、その薬局のほうから直接製造所のほうにその問題を持つて参り、それで製造会社のほうでは、薬のために起きたのかどうかその点はわからないけれども、そのことも究める必要があるし、それから又同時に、人道上の立場から申しましても捨ておけないというので、日大病院でございましたか、早速入院をさせて治療を受けておると、こういうことでございます。その後会社といたしましては、二ヵ月ばかりは医療費、入院費全部の負担をいたしましてやつておつたようでございます。その後の経済問題等につきましては、会社とその当事者との間に、いろいろと問題が起つているようでございます。
 私どもがこの問題を耳にいたしましたのは、本年に入りまして、三月の八日でございました。で、早速当時の製薬許可のいきさつ或いは会社側、それから被害者側、いろいろ取調べてみまして、それからなお病院についても、係官が出張をいたしましていろいろ意見を聞き、なおその担当医師の意見を文書で出して頂いたり、一方薬につきましては、昨日申上げましたように、同一ロツトのものにつきましては回収を命じ、それからその現品につきましては、国立衛生試験所で品質検査並びに毒性試験と申しますか、薬理試験をやつている。昨日課長から四月の初め頃か三月の終り頃だつたと思うという記憶から、お答えをいたしましたが、四月の末に国立衛生試験所のほうに参つているわけでございます。
 大体そういうふうな経緯でございまするが、この問題につきまして、アドポンコーワという薬の中身につきましては、これは非常に専門的な問題になりますので、後刻課長から御説明を申上げたいと存じますが、これは類似の薬も他にいろいろあるわけでございます。大体この痙攣性の疼痛というようなものにきく、まあ胃潰瘍とか十二指腸潰瘍とか、そういうような場合に、痛みが出た場合にきくというようなものでございます。他にいろいろ類似の薬もあるようでございます。
 なおこれを許可いたしまするときの経緯といたしましては、一昨年の二月に製薬の許可の出願がございまして、その後いろいろ内容を検討し、昨日申上げました薬事審議会の新薬品部会、それから常任部会等にかけまして許可をいたしましたのが、一昨年の十月に許可をいたしております。その際の詳細な経緯も御質問があればお答えをいたしたいと存じますが、約二百数十例の臨床データを東大分院その他で持つております。資料といたしましては完備したものであつたということでございます。
 それからこの薬とその視力障害との因果関係、これが非常に要点になると存じまするが、担当の日本大学病院の担当の医師から、詳細な報告が文書で参つております。この患者は最初視力障害を起したというので、眼科に入院をいたしたわけでございまするが、その後他に病気があつてどうも内科の領域であるということで内科に移つた。それで爾来療養を重ねまして、最近におきましては相当恢復をいたしているという状態であるように承知しております。それでこの眼科並びに内科の担当医師の意見書でございまするが、いろいろ所見或いはいろんな試験等の結果が詳細に記述してございまするが、結論となるところを読んでみますると、眼科のほうで申しておりまするのは、「茲に翻つてみるに斯る視束網膜炎が少量のアドポン錠内服に因るものか否かに就ては我々は未だかかる経験例を有しないので、その判定は困難である。文獻上アドポンによる副作用はむしろアトロピン作用による調節麻痺が挙げられるが、本患者に於ては之は証明出来なかつた。」それから内科のほうはより非常に詳細な意見書でございまするがそれの結論といたしまして、「以上を綜合すると、本患者は急性腎炎の発病後視力障碍のあらわれる頂度前に興和化学製アドポンを内服したと考えられる。急性腎炎の発病は潜行性におこることが少くなく、またその初発症状が視力障碍であることも稀ではない。従つて、患者が腎炎症状を自覚しない時期に、頂度アドポンを服用し、その後に視力障碍が初発したと考えるのが妥当ではなかろうか」と、こういうふうな所見を結論としてつけております。それでこういう医師の所見並びにこの薬と大体類似の薬品が市販されているのでありまするが、この当該のアドポンコーワにつきましても相当な量がすでに市販をされておりまして、かような事件はこれがただ一件私ども耳にしておるだけでございます。さようなことから総合して判断をいたしますると、この薬によつてさような症状の起つたと断定することは到底困難である。むしろ医師の意見では逆に薬ではないのではなかろうかという意見のほうがむしろ若干の疑問を、そうして断定はいたしておりませんが、こう考えるのが妥当ではなかろうか、こういうふうに申しておられますので、その点についてはまだ究明の余地があるかと存ずるのでございます。一方この薬そのものにつきましての分析は、四月の末から衛生試験所でやつておりまするけれども、これは昨日申上げましたようにまだすつかりでき上つた結果が出ておりません。えらい長いじやないかというお叱りでございましたが、薬理試験等につきましては動物を使いましていろいろ試験をしなければならない、そういうふうな関係からもう少し時日を要するものと考えるのでございます。大体の経緯はかようなところでございます。
 なお、詳細につきまして専門的に亘る事項でございますれば、担当の課長からお答え申しますし、御質問によつてお答え申上げたいと思います。
#12
○委員長(上條愛一君) この問題はちよつと後に譲りまして、なお発言者の堂森君もおりませんから後にいたします。
 それでは医薬関係審議会設置法案の質疑を願います。
#13
○榊原亨君 大臣が御出席になりましたので、一応大臣に極く大略のことをお伺いさして頂きたいと考えるものであります。この病気というものには非常に個人差があるということは、これは大臣はそのほうの御専門ではありませんけれども、よくおわかりになつておいでになることと思うのであります。若しも病気に個人差というものがひどくありませんならば、これは一つの部屋に何人もの患者を入れまして、何か機械かなんかですぐに一人々々を診断を下して、治療を下して行くということができるわけでありますが、なかなかこれができないということは、一人々々の個人によつて同じ病気の名前でありましても、同じ性質の病気でありましても、非常に個人の差がある。これは大臣は特に宗教の方面の御関係の方でありますから説教をするにいたしましても、一つの部局にたくさん信者を入れておいて一度に説教して全部を信者にさせるというようなこともできますが、結局は一人一人の個人というものに安心立命を与えるということが、心の病気を持つている者にとりましては必要だ、身体の病気につきましても同じことが言えるのではないかと私は考えるのであります。従いまして公衆衛生というような面は別でございますが、疾病の治療ということに関しましては、どうしてもこの個人差ということを強く認めざるを得ない、そういう点につきまして昨日大臣に対してどなたか御質問がありましたように、公的医療機関と私的医療機関はどうだ、飽くまでも公的医療機関として医療機関は共存さすべきものである、殊に公的医療機関が各所管によつて濫立して、一方におきましては廊下の板が外れまして、そうして患者が躓くような病院を作つておるかと思いますというと、一方においては数億円を投ずるような立派な病院ができておる。こういうふうなことは一応国費の濫費でありまして、何といたしましてもこれは日本の国に相当した病院というものを、この予算を効率的に使うという面から申しましても、こういうことはもう少し合理化しなければならん。昨日も大臣が国民の医療の合理化のために医薬分業ということが問題であるということをおつしやつたのでありますが、分業ということだけが国民医療の合理化ではないと私は思うのであります。従いまして公的医療機関と私的医療機関に対します、殊に公的医療機関に対しますところの整備の問題にいたしましても、或いは私的医療機関に対するところのいろいろな助成の問題にいたしましても、これは病気の個人差ということから見ましても、これは是非必要なことであると思うのでありますが、その点に対するところの大臣の御意見はどうでありますか、昨日もお答えがあつたようでございますが、一応お尋ねする次第であります。
#14
○国務大臣(草葉隆圓君) 御質問の要点が私ちよつとつかみにくいのでございまするが、結局公的医療機関、私的医療機関の上において、病気は個人差が甚だしいから、これに即応するような医療体系をとつてくれ、従つていわゆる申しておりまする医薬分業と、これがどういう関係にあるかというような或いは意味ではないかと存じまするが、治療そのものの上から申しますると、公的医療機関或いは私的医療機関共々に日本の現状におきましては強く推進して参つて、この両方を活かしながら国民の医療、保健というものに貢献して行くように政府としては希つておる次第であります。そうして又その上におきまするやり方の上におきまして、一層これを治療の上における合理化を考える場合に、昭和二十六年に制定されました医療関係、薬剤師或いは医師或いは歯科医師というこの三法が制定されました趣旨に鑑みまして、その制定された趣旨は一方においては医薬の合理化の趣旨を含んだものである。医薬の合理化そのものは必ずしもそればかりじやなしに、お話のように或いは医療体系の整備或いは公的医療機関の普及徹底、併せて又私的医療機関の強度の国家的な推進というようなものと相待つて来ると存じております。これらのあらゆる点を総合して、国民保健の向上というものが初めてでき上ると考えております。
#15
○榊原亨君 次にお尋ねいたしたいと存じておりますことは、只今も申上げましたように疾病には非常な個人差があるということばかりではないのでありますけれども、今の国民医療といたしましては、社会保険がまあ大部分を占めて来ておる。年々この社会保険の比重が重くなつて来ておるということはこれはもう何人も認めるところでありますけれども、その社会保険のほかに、一部分たりとも自由診療というものが存在しておることは否むことができないのであります。今医薬分業をするということになりますと、この場合医薬分業というのはいわゆる法律を以て強制しますところの分業のことを意味するのでありますが、そういたしまするというと、その場合に社会保険におけるところの分業はどういう影響があるかということも考慮する必要があるのでありますが、一面におきまして残されました自由診療の面におきまして、この分業の影響がどうであるかということも考慮に入れる必要があるのではないかと思うのでありますが、その点についての大臣のお考えは如何でございましようか。
#16
○国務大臣(草葉隆圓君) 御尤もであると思います。現在では大体数から申しますると、保険加入が約全体の世帯の五八・一%くらいは社会保険の加入者であると存じます。そのほかに生活保護等がありまするので、保険加入或いは生活保護以外は三九。二%くらいになつておると存じておりますが、これらはお話のように保険以外の治療、両方に影響しておる。従つて両方に関係して来る。で一般治療のほうとそれから社会保険関係の治療のほうと両方を検討しながら行つていると、かように考えております。
#17
○榊原亨君 なお只今大臣が御指摘になりましたように、国民医療におきましては自由診療と社会保険診療があるということは当然でありますが、そのほかに昨日も問題になりましたところの売薬、或いは按摩、針、炙、柔道、マツサージというようなものに対するところの医療の面があるのでありますがそれらについても同様な関係にあると私は思うのでありますが、その点についての大臣の御所見は如何ですか。
#18
○国務大臣(草葉隆圓君) 全体のいわゆる国民保健という立場から考えますと、御指摘のようにこれらの売薬或いは更に医療補助機関と申しまするか、いろいろ法で定めておりまする按摩、はり、灸、柔道整腹術というような関係も国民保健の上には相当強く影響して来ておると考えております。
#19
○榊原亨君 医務局長にお尋ねいたしますがその比重はどうでございますか。
#20
○政府委員(曾田長宗君) お配りいたしました資料によりますと、医師、歯科医師に支払われました医療費というものが、先日申上げました通り千三百億という程度だと申上げた。そのほかにこの二十七年に調査いたしました結果によりますと、薬局に支払われました医療費というものが百八十八億ばかりという数字になつております。それから医師、歯科医師に支払われましたものが千三百億というのに見合う数字であります。それからそのほかのものといたしまして按摩、針、炙、それから若干産婆に対する謝礼が入つていると思いますが、これが四十億程度、それからそのほかに直接の診療或いは治療或いは看護というものに対して支払われましたまあ直接医療費というもののほかに、病気になりましたためにいろいろ患者が使います氷嚢でありますとか或いは氷類、或いは病院に通います交通費だとかこういうような間接のものが二十三億程度というような数字で、全体を合算いたしますと約千五百億余りということになつているわけであります。
#21
○榊原亨君 只今は費用の面における比重をお話し下さつたと思うのでありますが、患者の数における比重はおわかりじやございませんでしようか。
#22
○政府委員(曾田長宗君) 今手許に持つて来ておりますものが資料としましてはちよつと古いのでございますが、治療件数で見ますならば、昭和二十五年に医師にかかりました疾病が五〇%余り、それから歯科医師にかかりましたのが三%余り、それから按摩、はり、炙を利用いたしましたものが三・五%、それから売薬を用いましたものが四一・五%そのほかが一・五というような数字になつております。そのほか治療日数で、その数字もございますが、これによりますと医師にかかりましたものが六〇・四%、それから歯科医師が二・七%それから売薬を併用したというこの治療日数は三二・五%というような数字になつております。これは、一遍病気をいたしましてその際に医師にもかかり売薬も飲んだ、最初に売薬を飲んで後に医師にかかつたというのは両方に数えているのであります。
#23
○榊原亨君 大体今医務局長のお話によりますというと、いろいろ統計のとり方があるかも知れませんが、ここに百人患者がございますと、そのうち半分だけは医師にかかる、あとの三割は薬剤師のところへ参られまして薬局で売薬を買われる、あとの二割がまあそのほかの治療を受けられると、ざつとこう見て私はいいのじやないかと考えるのであります。そういたしますというと、病気になります患者のうちで半分が師医にかかる。その医師にかかつた者の、先ほど厚生大臣のお話によりますというと四〇%が自由診療で、六〇%が社会保険ということになりますというと、今ここで私どもが分業はどういう影響があるかというようなこの国民医療の面における影響を考察いたしますときに、社会保険だけでこれを研究いたしましたのでは、なかなかその影響がわからんのではないかということを私は考えるのであります。昨日久下保険局長のお話によりましても、それじや社会保険において一体どういうふうな対策をしているのだというどなたかの御質問に対しまして、この医薬分業の影響というものは社会保険だけ研究したのではわからんのです、そこで医務局が中心になつて今御研究になつておられるのだ、こういうような意味の御答弁があつたと私は承わるのでありますが、私の考えはそれでよろしいのでございましようか。厚生大臣にお承わりいたしておきたいと思います。
#24
○国務大臣(草葉隆圓君) いろいろ数
 学的な点から考えますると、先ほど来申上げました通りでございますが、私は保険契約、保険加入者の数から申しましたが、支払額と医療費の面から申しますると、契約負担が八三・五になつております。それから個人負担及び自由負担が一六・五というように数がずつと減つております。そういういろいろ先ほど来申上げた通りでありますが、昨日来申上げましたのは、この医療制度、医薬関係の、いわゆる医薬分業問題の今度の設置法そういう点、又は一般に関係の部面は各関係局或いはその他に及びまするが、いろいろの仕事のとりまとめその他で便宜がいいので、大体これの体系付けというものを医務局が中心になつてやつておる。そうしてここで資料等を集めて又法律的には又別に取扱つておりますが、そういう恰好でいたしております。
#25
○榊原亨君 大体よく了解するのでありますが、そういたしますると、今例えば端的に医療費の問題ということを論じ、或いは医療費の問題の影響を考えると言います場合、社会保険の診療報酬だけを調べたのではなかなかこれがわかつて来ない。成るほど社会保険の診療報酬というものは一面規制されておりますから、統制されておりますから、そこで厚生省は社会保険の診療報酬に関しては、社会保険の医療に関しましては、これこれである、これこれであるということをきめることはできるでございましよう、法律を以て……。ところが先ほどから私、厚生大臣もお認めになりましたように、社会保険以外のものの分業の場合の診療報酬というものはこれは自由でありますから、なかなかこれはきまつて来ないのではないかと私は思うのであります。その点についてどんなお見通しを持つておられるのでございましよう。
#26
○国務大臣(草葉隆圓君) 実はお話のように、先に申上げました一六・五以でございますか、その費用の額から申しますると、それだけの個人並びに自由負担、或いは世帯から申しますると三一%の社会保険加入者以外或いは生活保護法受給者以外というような人たちは、いわゆる自由診療になつておると申しますか、自由契約になつておる、従つて現在は医療費というものについては特別な規制というものはないわけでございます。それだけの或いは額、治療に応じ、本人の負担に応じと申しまするか、治療に応じて支払いがなされている。このほうは従来とは違いまして自由支払という恰好になつておりまするから、政府なり法の力では、現在のところでは取締つたり或いは指示をしたりという考え方も持ちませんし、又そうすべき状態ではないと考えます。ただ社会保険に対しまする場合において一点単価なり、その内容なりが、ここで分れて来る点であると考えます。
#27
○榊原亨君 そういたしますると、ここで例えば先ほど私がお話いたしましたように診療報酬をきめて、そうしてまあ医薬分業をやるといたしましても、自由のほうは野放しだという話でございまするというと、その影響がどうなるかこうなるかということは、なかなかこれは判定しにくいのではないかと思うのであります。勿論医師の団体こか何とかいうところにおきまして、自発的にこれを規制いたしまして、成るたけ一定の比率を以ちまして社会保険診療報酬とマッチするように比重を持つように努力はするでございましようけれども、例えば五〇%しか医師のほうに行かんのでありますから、従つてそのほかの部面におきましても一定の影響がある、こういうことになつて来ますというと、なかなかこれが簡単に解決しないのではないかという考えが出て来るのでございますが、その点について何かお考えがございますでしようか。
#28
○国務大臣(草葉隆圓君) そこで個人負担或いは自由負担と申しまするか、その場合におきましては、現在もいわゆる個人負担であり自由でございますから、結局患者並びにこれに治療を施すほうと治療を受けるほうの中の契約と申しまするか、支払という形になつて現われて来る。これは現在法律その他によつて規制をしていない、自由でございます。でありまするが、このやり方の上においての或いは処方箋或いは医薬を給する方法というのが二十六年の法律によりましてその方法を規定しておるわけでございます。この方法によつての支払いなり或いは金額なりというのは自由に相成つて来ると存じます。これは従来と何ら変りないと存じます。社会保険におきましては、従来の金額を中心にいたしてこれが分担をどうするかというのが社会保険におきましてはこの問題に直接影響し関係して来る点であると考えております。
#29
○榊原亨君 大臣のお答えは少しはつきりして来なくなつて来たのであります。私はこういう考えは如何かと思うのであります。先ほど来私が申上げましたように、疾病というものにつきましては非常に個人の差というものがありまするし、又何といたしましても自由診療というものの面を否定することができない現状でございますのでありますので、そういう個人と患者の間の間柄のところに法律の介入が、法律を以てこれを強制するとか規制するかという法律の介入が入るということそれ自身に、いろいろな矛盾撞着が出て来るのではないかと私は思うのであります。従いまして例えば社会保険というものは法律でちやんと診療報酬も規定されておる。一定の規制もあるのでありますから、そこに分業なら分業ということを強制するということも可能でございます。けれども自由診療とか、或いはあん摩、はり、きゆうとか、そのほかのほうへ行くような人までも分業という形で法律を以てこれを規制するということ、そこに無理があるのであつて、若しもそういうことでございますならば、なかなかこの影響ということがはつきりして来ない。例えて申しますと、今問題になつている売春法でもそうであります。その売春という問題、この売春法というものを作りまして、そうして個人の生活の奥底に及んでいるものを法律を以て規制するということ、それ自身が……。又先日も何か厚生省では食品栄養改善法の一部を改正する法律案というようなものを出そうとして私御相談を受けました。それでよく聞いてみますと、まあ食品栄養基準を厚生大臣がきめて、それでこれに右へ並へというようなことでやるのだというようなお話のようであります。これはもうとんでもない間違いだ。どんな味噌を食べてもこれは各自の自由であつて、うまいと思うものを食べればいいのだ。ただこれは指導する上におきまして、成るべくビタミンの入つたものはこうだというふうにやつて行くのは、これは普通であると思うのであります。従いまして社会保険におきまして、分業を強制することはできるでございましようが、自由診療の面におきましてこれを強制するということには、なかなか困難さがある。それが悪いというのではない。あとから私が申上げますように、悪いというのではありませんが、甚だ困難さがあつて、そうしてその影響を数字で検討し、又八月三十一日までにこれを出すと何とかいうことは、なかなかこれは困難性があると思うのでありますが、そういう無理を押切つてまでも八月三十一日までに適正な算定がお出しになれるお見込みがあるかどうかということについて、私は承わりたいのであります。
#30
○国務大臣(草葉隆圓君) これは先ほど来申上げまするように、医療体系、医療という上から考えて、医療そのものが、いわゆる医師の診察、或いは技術、或いは薬というもの、その他器具等いろいろありましようが、そういうものによつて医療というものができ上つている。併し具体的に申しますると、いわゆる調剤と診察、或いは治療、技術というものがそこに現われて参りまするから、この点は社会保険でありましても、或いは自由診療でありましても病気に対する治療を受けるほうと、治療を施こすほうとの関係は同じであると思います。ただ金の支払いと、これをどうして支払うかという点において、個人が負担する場合と、国家の責任、或いはその他の社会保険による場合、生活保護等のものによる場合、共済組合等による場合、いろいろその支払いの方法が違つて来ると思います。まあ一種の医療体系と申しまするか、医療そのものについては同じである。病気をした人がお医者さんにかかつて治療を受ける、その治療費をどうするかということによつての違いが生じて来ると思う。従つてその医療そのものについての考え方とか、願わくば将来は個人負担というのがだんだん減つて来て、そうして社会保険その他のものに全面的にやつて参りまする場合に、いわゆる国民社会保険というものが完成したと言えましようが、現在そこまで行つておりません。一部分はまだ残つておりまするけれども、これは一つのこの医療費の負担の方法の問題である。従つて医療費の負担は、今後恐らくだんだんと自由負担というものは侵蝕され、少くなつて、そして国家負担その他の公共負担、或いは他の社会保険、社会保障的なものに変つて来ると存じます。又変つて来ることを私どもは望んでおります。でそういう状態でございまするから、この費用の負担につきましては、今後だんだんと移動して来ると思います。併し治療そのものは、内容を向上し、或いは合理化し、或いは進歩いたして参りましても、社会保険、自由診療というものとの影響というものとは又別になつて来るのではないかと考えます。
#31
○榊原亨君 これ以上私は大臣に御質問申上げてもあれですから、申上げませんが、私が申上げたことを一つ大臣、とくとお考え置きを願いたいと思うのであります。そしてこれが八月三十一日までに、今下僚の人が計算していらつしやいますが、そういう目で一つ御覧下さいますと、成るほどこれはむずかしいことだということがおわかりが行くだろうと思うのでありますが、それ以上はもう私申上げません。そこで、大臣は今あれでございますが、続けてよろしうございますか。
#32
○委員長(上條愛一君) どうぞ。
#33
○榊原亨君 そこで医務局長にお尋ねしたいのでありますが、昨日も大臣に対して御質問があつたのでありますが、今日の医療の体系でどこが悪いのですか、どこが改善を要するのですか、ということをどなたかお聞きになつたのでありますが、それらに対する大臣のお答えは、合理化しなきやならんというお答えがあつた。これはあとから大臣がお出ましになれば、又もう一遍私質問したいと思うのでありますが、まあ今の医療体系でどこが悪いのですかということを、端的に医務局長、どんなふうにお考えでございますか。承わりたいと思います。
#34
○政府委員(曾田長宗君) 只今の御質問は如何ように私お答え申上げたらいいのか実は苦しむのでございますが、御質問の趣旨が如何ようなところにありますか、今日の医療行政と申しますか、これを担当させられております私としては、今日の日本の医療の現状というものに対しては、是非改革すべきものがあると思うのでありまして、余りいろいろなことを申上げるのは、この席で不適当ではないかと思うのであります。若しもこれが何ゆえにこの今日の医療制度を改革する、合理化するという、その一環として、この医薬分業を取り上げたかという問題でございますならば、私は承知しておりますところを申し上げたいと思います。若しも足りませんでしたら、又質問願うことといたしまして、この医薬分業が今日の日本の医療制度の合理化になるか、むしろ改悪であるかということにつきましては、すでにこの当国会におきまして、すでに十分御論議のあつたところと思うので、私どもといたしましてその御決定に従いまして、一応それを実施するということについて専念いたしているのでありますが、私ども了解しておりますのは、医薬分業を行いますならば、医師は患者の診療、それ自体に当る。そして薬剤師はその治療に使います薬品というものの調剤に当る。これは勿論今日においても医師がやつているのでありまするけれども、これは分業としてそれぞれが業務に専念するということによつて、その業務の質的な向上が図り得るというふうに考えられているものと思うのでありまして、で勿論そのほかに今日例えば……再々もう申上げたことで繰返す必要はないかとも思いますが、いわゆる薬治料、薬代というようなものが、医師に本来支払わるべきこの診療技術料というもののほかに、この薬品に対する代価、或いは調剤ということに要する技術料、医師でなくても、他の者ができる仕事というものを一切含んでおりますために、医師本来の技術に対する報酬というものがぼやけている。そういうようなところから、医師につきましては医師のこの診療技術料に対する正当な報酬を支払わるべきだということが明確に出ておらないで、即ち投薬をしなければ、医師の技術料が支払われないというような現状では、非常に理論的にも不当であり、そうして又実際問題としましても、医師は患者を診て病状を判断し、そうして如何ように治療し、療養をすべきかということを指示して、それに対して相当な代償が与えられなければならんはずであるにもかかわらず、さような筋が浮んで来ておらん、こういうような点も是正できるというような意味で、とかくいろいろな理由があるかと思いますが、この医薬分業は決してこれはマイナスのものではない、非常にプラスの面が大きい。ただそれにつきましては、質の向上、医療の内容向上を期せられるという御意見だつたと思うのでありますが、それに伴つていわゆる今度経費の何と申しますか、総額とか、そのほかマイナスの面がありはしないかどうかというようなことについていろいろ御意見もあつて、さような面を極力是正すると申しますか、それを措置するというような方策が立つか立たんかということが、当面において検討されて、そして只今の方針がきめられたものと私は記憶しておる次第でございます。
#35
○榊原亨君 今の医療の体系でどこが悪いのですか、それはいろいろあるのだ、そこでまあそれを分業にしぼつてみれば、医療内容の向上だと、その医療内容の向上とは何かと言つたら、それは医師が一生懸命に診療に従事することができるように、それから薬剤師は専門の技術を応用されまして、そして調剤に専念することができる、まあこういうことが医療内容の向上だとおつしやるのですか、そうでございますか。
#36
○政府委員(曾田長宗君) それもその医療内容の向上の一部分であるのであります。先ほども申上げましたように、そのほかのこともたくさん内容としてはあると思います。
#37
○榊原亨君 そうしますると、この昭和二十六年かにこの法律が制定せられましたときには、これをやることによつて医療内容の向上ということが図れる、又この医療の普及が図れる、国民の経済には余り影響はないかも知れん、或いは国民が便利になる、国民の生活についてもいい影響があるというようなことが言われており、又それをするためには相当の準備が必要である。例えて申しまするというと、薬品のことにつきましては、この薬品の合理化が必要である、医師に対する課税は一つ十分これは考慮する、医師並びに薬剤師に対する課税は十分これは考慮する、設備につきましては融資の面を実現する、社会保険の診療報酬につきましては国庫の負担を実現するというようなことが約束されて来ておるわけであります。従つてそういうことを実現してこの分業ということをやりますならば、医療内容の向上を来たし得るというお約束でございましたが、今私が申上げましたことが今までに実現しておるのでございましようか。中には社会保険に対します特に国民健康保険につきましての国庫負担ということが実現したでございましようか。その大多数におきましては、未だ実現しておらないばかりでなしに、医師の課税の面等につきましてはなおこれがもとへ戻つておるというような実例もある。又一方におきましては、国民を啓発しまして、これは昨日問題になつたのでありますが、国民を啓発してそうして無形の技術に対するところの正当なる報酬を支払う慣習を養うのだというようなことをお約束になつておるのでございます。それにもかかわらず厚生省当局はまだそういうことに対する御努力は、昨日の御答弁の範囲においては私は認めることができないと思うのであります。その点について医務局長の御答弁をお願いたします。
#38
○政府委員(曾田長宗君) 私どもといたしましては、できるだけ努めておるつもりなのでございますけれども、なかなか十分にやりつくしたと勿論私ども自身でさえも考えておらん状態でありますので、皆様方から非常に御叱正を受けるということも当然私どもも覚悟しておる次第でございますが、併し何もしなかつたとおつしやられますことは、少し激し過ぎるのではないかと思うのでありまして、私どもの直接担当いたしておりますることでは、これも誠に私ども遺憾ではございますが、まあそうして殆んど形ばかりではございましようけれども、多少なり、この今言われました医療融資というような問題についても、まがりなりにも多少芽を出したと思つておるのでございます。また、そのほか保険局或いは薬務局のほうでもそれぞれ私は相当におやり下すつたと思うのでありますが、これはそれぞれ担当の局長から御答弁があると思います。
#39
○榊原亨君 薬務局の局長にお尋ねいたしますが、薬の混合販売は今でも実行されておりますか。
#40
○政府委員(高田正巳君) 薬の混合販売はいたしておりません。
#41
○榊原亨君 国民処方につきましては昨日お話がありましたのでありますが、これは戦時中にきめられましたことでありまして、理想的から申しますならば、これは廃止するということに努力しようというお話であつたのでありますが、これは今でもやつておられるのでありますか。
#42
○政府委員(高田正巳君) 国民医薬品集第二部の御質問だと存じますが、これにつきましては昨日も御説明を申上げましたのでございまするが、これのできましたいきさつは、これは御承知のように売薬法時代に数万或いは十万も数えたと言われておるのでありますが、それくらいの種類の薬局で製造をいたしておりました売薬があつたのでございます。これは丁度いろいろな資材、物の不足というふうなことから、たしか昭和十八年頃であつたと存じまするが、これを実は全部、何と申しますか、端的に言えば取上げてしまつた。許可を得て製造をしておるその権利を、一口に言えば取上げてしまつた、こういうふうな実は形になつて、併しその中で非常に典型的にいい処方であると思われるようなものを百二十処方ほど残しまして、これを規格を統一いたしまして、そうして百二十処方にいたしまして、これを国民医薬品集第二部として収載をいたしたのであります。従いましてこの国民医薬品集第二部は今日も存在いたしております。併しこの国民医薬品集第二部の薬品を製造して販売をいたそうとする場合には、薬局はそれぞれ厚生省に許可を受けて製造販売をいたしておるわけでございます。かようなわけ合いでありまして、この医薬品集第二部というのは、何と申しますかけしからんものだという意味の御質問であるとすれば、私は決してさようなものではない、これは薬品の製造販売だ、而も法規の上に認められ、その手続を踏んでいたしておるものでありまするから、決してこの医薬品集第二部がけしからんものであると私は考えておりません。ただいろいろとこの販売の、例えば品目数でありますとか、百二十という品目数でありまするとか、或いは名称でありまするとか、それから販売の形態でありまするとか、いろいろ改善すべき余地も多分にあると存じまするので、只今それらのことを検討中でございまして、近くこの国民医薬品集の改訂と同時に徹底的な整理をいたしたい、かように考えておるわけでございます。
#43
○榊原亨君 只今承わりますと、いろいろ改善されるというようなお話でありますが、これはこの前医薬分業の問題が問題になりましたときに、すでに問題になつておる点なんであります。三年経ちました今日において、まだ今これは御研究だということでありますから、私は強く追及いたしませんが、こういう点についても改善の余地があるのではないかと私は考えておるものであります。
 昨日薬務局長に私お願いしたのでありますが、谷口委員からお話になりました薬事監視員のことにつきましての御報告を煩わしたいようにお願いしたのでありますが。それができておりますのでございましようか。
#44
○政府委員(高田正巳君) 非常に詳細な結果の表ができておるわけなんでありますが。概略を申上げてみますると、二十七年の一月から十二月まで、二十七年中における成績でございまするが、例えば監視の対象が薬局或いは医薬品製造業、輸入販売業、それから販売業、それから配置員、病院、診療所、家畜診療所というふうにいろいろございますのですが、立入すべき個所数が十八万五千余あるわけでございます。それで二十七年中に現実に立入検査をいたしました個所数が十五万七千、端数がついておりますが、あるわけでございます。この中で小さい違反も全部入れまして、工合の悪いことを見つけたというのが二万六千あるわけでございます。これはその内訳が不良品発見件数とか、不正表示品発見件数とか、広告違反件数、無許可、無登録品発見件数、偽造品発見件数、無登録業者発見件数といろいろ内訳が分れておりまするし、又これらの数字が重複をいたしておる場合もあると存じます。同じ不良医薬品を或る店でも或る店でも発見したというふうなこともあると思います。非常に詳細な表でございまするが、大体の状況を申上げてみますれば、かような状況に相成つております。
#45
○榊原亨君 先ほど医療内容を向上するということは、ただ単に医師がひまができて、そうして治療に専念するということだけではないと私は思うのであります。例えて申しまするというと、この設備を整備いたしますとか、或いは技術を尊重するということ、又それに対する適正な評価がなされるということ、或いは医療内容の向上を可能ならしむるような環境の改善ということもこの中に含まれておると私は思うのでありますけれども、今医務局長が御指摘になりましたことは、そのうちの一つでありますところの、医師は専門技術を以て治療に専念することができるようになるのだというお話である。又薬剤師の方はその調剤に専念することができるというようなお話であるのでありますが、そういたしまするというと、若し分業ができますならば、薬剤師の方々は今店頭に売つておいでになるところのソーダ・フアウンテン、或いは蚤取粉、或いは蚊取線香というようなものの販売、シヤボンの販売、その他いろいろあるのでありますが、そういうことは成る程度規制されるのでございましようか。今のままでああいう物品販売業をしながら、片手に薬剤師の持つておられるところの調剤の技術を応用されて、そうして調剤に専念されるというようなお見込みでございましようか。その点は薬務局長は如何にお考えになつておりましようか。
#46
○政府委員(高田正巳君) 昨日でございましたか、大体薬局の収入というものが七〇%程度は医薬品の販売から得ておるというふうな状況を大体御説明を申上げたわけでございます。従いましてこの数字から申しますると、薬局が、只今いろいろお挙げになりましたが、その重点は医薬品の販売というところにあることは今の数字が示しておる通りでございます。従いまして、この医薬品の販売という仕事は、これは薬剤師がこれを行うに最も適当した人間でございまして、その教養からいたしまして、薬品の管理、保存、鑑定、さような点につきまして薬剤師が一番能力を持つておられるわけでありまするから、この医薬品の販売業と申しまするものは、分業の暁におきましても当然薬局にいたさせたいと私はかように考えておるものでございます。
#47
○榊原亨君 そのほかの飲料水なんかのソーダ・フアウンテンとか何とかいうようなことはどうですか、そういう経営は……。
#48
○政府委員(高田正巳君) かようなものは私どもの何と申しますか、行政の対象外の営業でございます。これをいたしまするのは営業の自由でございますから、別に私どもがとやかく申す筋合のものではないと思います。ソーダ・フアウンテンというようなことは、私アメリカでそういうことが随分行われているのは知つておりますが、日本の薬局で余りさようなものは見ないのでございますが、若しさようなことが実際にやつておるといたしました場合に、調剤のほうが非常に忙がしくなりまして、さようなことができなくなるということであれば、これは当然おやめになることでありましようし、又人が足らなくなるということであれば、そのほうは誰がやつてもよろしいのでございますから、薬剤師は当然自分では調剤をいたして、さような面には人を傭うとかいうようなことで解決すべきものと私は考えております。なお、薬局の要件といたしましては、薬局は開設者みずから薬剤師であるか、或いは専任の管理薬剤師をどうしても置かなければならぬ。専任でありますから他の職業と、他の仕事と兼務ということではなくして、専任の薬剤師というものを必ず置かなければならない、こういう法律上の拘束もありますから、その点は別に分業に関連してどうのこうのと御心配して頂くほどのことはないのではないかと、私は一応かように考えております。
#49
○榊原亨君 これはあとから又お尋ねいたしたいと思うのでありますが、今の薬剤師に対するところの医療費を分けて、そうしてこれを調剤の部分は薬局の先生のほうに分けるということでありますが、その場合に薬剤師のほうにおきましては、昨日のお話では余り人件費なんかはかからない、今のままでできるんだというような御構想のように、違うかも知れませんが承わつたのでありますが、医務局長さようにお考えでありますか。
#50
○政府委員(曾田長宗君) これは或いは私よりも薬務局長のほうが御答弁申上げるのにはいいのかも知れんのでありますが、私ども今考えておりますのでは、例えば病院におります患者の投薬というようなものは、これはすべて薬剤師及びそれに若干の調剤助手がついてやつておるのでありまして、これは薬剤師が現にやつてそれで生活もしておるわけでございます。そういう意味から参りますれば、大体病院あたりの調剤室、薬局の経営の状況から算出しましたところが一応の基準として、民間の薬局においても支払われて然るべきものじやないかというふうに思つておるのであります。これは原則的な考え方でありますが、そのほかいろいろ又考慮すべき点はあろうかと思います。
#51
○榊原亨君 夜間の調剤ということについて人件費は増さないでやれますか。
#52
○政府委員(高田正巳君) 薬局には、今申上げましたように、開局者が薬剤師であるか、或いは専任の薬剤師がいなければならないという法律で拘束があるのでありますが、それで夜間にその薬局に薬剤師の寝泊りしている率を私どものほうでは調べて見ました。市部におきましては八五%、郡部におきましては九一%という数字が出ております。大体こういうふうなパーセンテージでございますので、夜間にさして御迷惑をかけるようなことはないものと私どもは想像をいたしております。なお法律的な問題でございまするが、薬局において薬剤師が宿直をする義務を持たせたらというようなことも、立法論としては考えられるわけでございまするが、これは御承知のように診療所におきましても医師の宿直の義務は、今は法律上はございません。さうな均衡上から申しましても、そこまで立法論といたしましても考えるのに至らなかつたと存じておるわけでございます。今のような状況でございまするので、大体において御迷惑をかけるようなことはないものと思つております。
#53
○榊原亨君 そういたしますると、それはわかるのでありまするが、そこで、医療費の問題になつて来る、新らしい医療費の体系ということが言われておるのであります。その場合にこの新らしい医療費の体系ということは、分業を前提とした場合と考えられるのでございまするか、或いは分業を前提としないものとしてお考えになつておるのでありますか。昨日の医務局長のお話では、新らしい医療費の体系というものは、分業を前提としたようにちよつとお話を承わつたように私は思うのでありますが、その点はもう一度失礼ですが、如何でございましようか。
#54
○政府委員(曾田長宗君) 先般の当委員会におきまして私たしか最後にお答え申上げたと思うのは、いわゆる新医療費体系というものと、医薬分業とは、それ自身としては別個の問題である。併しながら分業を実施いたします場合には、そのいわゆる新医療費体系のうち、薬治料に関する部分だけは、一応新らしい筋が出ないと実施に移すことは困難であろうその意味において関係があるというふうに考えております。
#55
○榊原亨君 そういたしまするというと、新らしい医療費の体系というのはどういうことか一つ承わら曾田長宗君) これも前に申上げたと思うので、重複することは非常に恐縮なのでありますが、かいつまんで申上げますれば、例えば薬治料というようなもの、或いは患者の特殊な処置料、注射のようなもの、こういうような薬をもらい、処置を受けたというようなときの医師に対する報酬が今日までは、医師の専門的な技術というものに対する報酬に合せまして、その薬、或いは処置に含まれております物的及び医師の介補者である人たちの人件費というようなものが、皆一括して支払われておつたというような状況でございまして、従つて特に投薬を行い、或いは処置をいたさないというような場合には、原則として医師に診療報酬が支払われないというような慣習になつておつたので、これを改めまして、医師の患者に対する診察、又治療方針の樹立、或いは患者に対する指導、こういうようなものにつきましても適正な報酬を定めて、他の薬とか或いは特別の処置をしたとかしないとかいうことに関係なしに、当然支払わるべき報酬が他のものから区別してはつきりと定められておる、こういう体系にすることが、新医療費体系の一つの狙いであろうというふうに考えております。
#56
○榊原亨君 そういたしますと、今お話になりました医療費の体系というものは、結局国民の経済というものを勘案しながら、医療の向上ということを目的として行かなければならないのではないかと思うのでありますが、その点はさよう了解いたしましてよろしうございますか。
#57
○政府委員(曾田長宗君) 当然そう考えるべきだと考えております。
#58
○榊原亨君 そういたしますと、医療の向上ということは只今現在の医療費を、薬と医師とに分けることによつて、医療内容の向上ということが期待し得るのでございますか。
#59
○政府委員(曾田長宗君) 必ずしも医療費の増大ということを伴わずに、或る程度まで内容の向上ということは期し得るのではないかと思つております。
#60
○榊原亨君 その場合に当然この新らしい医療費体系の中に含まれる技術料ということが問題になつて来ると思うのでありますが、この技術の評価ということについて医務局長はどんなふうにお考えになつておりますか。
#61
○政府委員(曾田長宗君) これも先般御質問があつた点でありますが、私必ずしも現在の医師に対する報酬というものが十分なものだ、満足すべきものだというふうには考えておらんのであります。医薬分業が実施に移ります場合には、一応今日程度の医師の報酬というものに著しい増減を来さないように新らしい姿に移つて行くということを目途といたしておる次第であります。
#62
○榊原亨君 先ほど来お話になりました新らしい医療の対価といいますものは、医療の向上ということを国民の経済と勘案しながらやるということであると私は了解し、今医務局長もそうおつしやつたと私は思うのであります。そこでその中に含まるるところの技術料というものが、増大することなしに、今のままで医療内容の向上ということが期待できると……、どういうふうにして医療内容の向上ということが期待できるのでございますか。それを具体的にお話を願います。
#63
○政府委員(曾田長宗君) いろいろ今まで申上げましたことを又繰返すようなことになるのも恐縮と存じますので、或いは又抽象的だと言われるかも知れませんですが、一応必ずしも経費の増大ということを来さずとも、内容の向上というものは私は期し得るものだと、少くとも期し得るものだという可能性はあるというふうに考えておるのでありまして、いわゆる分業と協力と申しますか、こういうような工合にいたしていろいろな仕事をいたします。この作業の組織を合理的にするとか或いはいろいろな冗費を除くとかというようなこともいわゆる合理的経営、従つていろいろな作業、医療に獲限らずいろいろな医療内容向上ということには資し得るものだと考えております。
#64
○高野一夫君 曾田局長に伺いますが――私は榊原委員がお尋ねになることは榊原委員は診療体系の答申を我々と共に調査会で一緒に作つたお一人なんです。そのことは一部始終御承知なんです。御承知の上であなたに御覧閲するのだから、あなたに私が伺いたいのは、その診療体系について私どもが答申したその答申の案文ですね、案文というかその内容を全部御承知でそれを答弁されているのか、それを御承知で答弁されているなら、恐らく榊原委員の御質問はぴたつと私は納まるだろうと思つているのですが、それをちよつと伺いたい。
#65
○政府委員(曾田長宗君) 私の勉強が足りないかも知らんのでありますが、一通りはあの答申は目を通しております。
#66
○榊原亨君 そういたしますると、技術料の中に含まれるその技術の評価というものは誰の評価が標準になりますか。
#67
○政府委員(曾田長宗君) 私ども今検討いたしておりますのは、いわゆる新らしい医療費のあり方という点を只今直接にぶつかつております問題としては取上げておるのでありまして、従つて医療費のあり方それからその額といたしましても、額を如何ような方法で一応求めて行くかということに努力をしておる状況なのでありまして、従つて医療費の額が如何ようなところが適当かということにつきましては、今はまだお答え申上げかねるのでありますが、ただ如何ような狙いで行くかということにつきましては、これ又重複になりますけれども、一応この医薬分業に移行いたします際には、現在の医師の収入というものを動かさないように新らしい体系に移してみたい。で、今日におきましても医師に対する報酬というものは不十分ではないかということは、これは今後も残る問題だと思うのでありまして、この問題は又今日も検討いたしておりますけれども、将来も引続き検討して参らなければならん問題だというふうに思つております。
#68
○榊原亨君 私の御質問申上げますのは、その技術料の中に含まれるところの技術の評価というものは、専門家の立場において評価したその評価であるか、或いは素人の人が評価するその評価であるかということを承わりたいと思います。
#69
○政府委員(曾田長宗君) 現在におきましてもいわゆる何と申しますか、全科標榜の医師の方々もおられますし、又専門を標榜しておられる方々もおられるのでありますが、さようないろいろな方々がおられる現状において得られておる医師の収入というものを標準にして参りたいと思つております。
#70
○榊原亨君 そういたしますると、技術料の評価は医師がするということでございますか。
#71
○政府委員(曾田長宗君) これは先ほど大臣に対する御質問がありました点に多少関連して来るのではないかと思うのでありますが、今日におきましては大多数と申しますか、大部分の診療というものが社会保険或いは社会保険で規定しておりまする診療報酬の基準というもので支払いが行われていると思うのであります。なおそのほかにいわゆる自由診療という部分も残つておるわけでありますが、そういうような意味でこれは或る程度部分的には規制されておるわけでありますが、一部分この無規制な部分がある。併しこの無規制な部分と申しましても、一部分規制されておる診療が行われておりますというと、何と言いますかその影響を受けているということはございますが、こういうようなのが現在の状況でありまして、私はその自由診療に関しては建前から申しますれば医師と患者との自由な話合いによりまして、相当多額な報酬というものが払われることも可能であるし、又中には無料で行われることもあろうと思うのでありますが、こういうような工合で、まあ医師が勝手にきめたものでいいかという御質問につきましては、今のような意味で或る程度は自由でおきめになる点もあるんだが、これは大きい目で見ますというと、やはり社会的に或る規制を受けているのだというふうに思つております。
#72
○榊原亨君 そういたしまするとこれは重大なことですから、もう一回復調させて頂きますが、社会保険におきましては技術料というものは或る規制を受けておる。併しながら自由診療の技術料というものに対する評価というものは、これはもう自由でいいのだと、従つて患者と医者との間の契約に基いてやればいいのだと、こういうふうなお考えですか。
#73
○政府委員(曾田長宗君) 私は何と申しますか、特に規則とか、或いは役所か官庁が介入いたしまして、その規制をするとかいうようなものではないという意味で申上げたのであります。まあどれくらいこの診療報酬を如何ように高いものを取つてもいいのかというような御質問でございますれば、これは結局まあ常識の問題と申しますか、道義の問題と申しますか、そういう点でありまして、非常に困ると、好ましい姿ではないと思いましても、官庁としましては何らそこに介入することはできないのであります。
#74
○榊原亨君 そういたしますると、話があとへ戻つて来るのであります。先ほど私は厚生大臣にも申上げたのでありますが、こういう分業というものを法律で規制するのは、統制以上でございまするところの社会保険においては、できるでございましよう。併しながら自由診療においてはできないのではないかということを私は申上げたのであります。それに対しまして大臣は適正なお答えがなかつたのでありますが、今医務局長のお話を承わりますというと、自由診療におけるところの医療費というものは、もうそれはどうでもいいのだ。患者とあれとの間の話合いでつくのだということになりますというと、この医療費の問題といいますものは、国民の経済に及ぼす非常に重大な関係があるものと私は考えておる。それが六%であるか一〇%であるか知りませんが、非常に重大な問題であると考えるのでありますが、その問題の中で、先ほどお話になりましたように、この四〇%も占めるような自由診療の部分が野放しでいいのだ、そしてその医療費というものはもうどうでも患者とあれとの話合いでいいのだ、こういうようなことになりますと、国民経済に及ぼす影響をどう検討することができるでございましよう。先ほどからお話になりましたように、八月三十一日までに政府はこの分業に対するこの診療報酬の医療費の体系、新らしい医療費の体系というものの算定について御報告になり、又その他国民生活に及ぼす影響ということについても御報告、資料を願うということでございますが、それじやどんなふうな御方針で今一生懸命に御研究になつていらつしやるのでございましようか、私ちよつとわからんと思うのでありますが、その点少し御説明をお願いいたしたい。
#75
○政府委員(曾田長宗君) これはかようなことを申上げてはどうかと思うのでありますけれども、私ども考えておりますのでは、いわゆる自由に患者と医師との間の話合いが進むということにいたしましても、私は一つの社会的な現象としては、これは途方もない、何らの規制のない事件が起つて来るものではないのではないか、個々の事件としては相当なことが起るかも知れませんが、これを一つ大きく見まするならば、そう国としてと申しますか、官庁として何らそこに関与しないということを申しましたからと言つて、今でも別に関与しておるわけではございませんので、そう医療費がめちやめちやに上つて行くというようなことはないんじやないか。それで今日におきましても、事実自由診療の部面におきましては、相当高い、何と申しますか、報酬が医師に払われている場合もあると思うんです。併しながらいろいろ私ども調査いたしましたのでは、いわゆる自由診療と申しましても、この保険診療というものとそうむやみに違つたものというふうにはなつて来ない。今申上げましたのは個々の施設、個々のお医者さんのところでは起つておると思いますが、一つ国全体として考えますときには、そうむちやな響きはない。先ほど大臣もちよつと申されたのでありますが、人口の立場から見まして、いわゆる社会保険の対象になつておる部分と、それからこれに加入しておらない人たちというものは、大体四〇と六〇、四、六という工合に分かれておるというようなことを申されたのですが、このいわゆる四の中の人たちの中でも病気になりますると、殊に結核のような場合にには到底自費で以てなかなか賄い切れないというようなところから、この結核予防法による半額の負担だとか、或いは止むを得ないときには、遂に生活保護の御厄介になるというような方が出て参りますために、金額としましては殆んど八割、二割ぐらいの割合になつているのじやないかと、私どもは一つの計算としては数字を得ておるのであります。こういうように自由診療というものも案外に少く、予想外に小さな部分になつております。それから御承知のように相当数のございます公立のいわゆる公的医療機関というようなもの等におきましては、自由診療の患者に対しましてもおおむね社会保険の診療報酬を基準としてやつておるというような事情がございますので、今日においても自由診療の部分というのが、そうこの保険診療の場合に比べてむちやに高い報酬が払われているというものではないと思うのでありまして、この医薬分業に参りましても、或いはその切換のときあたりには多少の混乱が起るかも知れませんが、事態が落ちつきますれば、私はそうこの自由になつておる部分だからといつて、そう無茶に上るというものではないというふうに考えております。
#76
○高野一夫君 私は医務局長に伺いたいんですが、私はこういうふうに考えるべきじやないかと思うんですが、曾田局長のお考えを伺いたいんですが、第一先ほど厚生大臣が四〇%、六〇%と言つた、ああいう数字は局長あたりが訂正なすつておいたほうがいいと思います。あの厚生省の統計で承知しておる限りは、最近社会保険のパーセンテージは邊かにもつと上廻つておるはずだと考えておる。そういう点は、こういうふうに大臣が御答弁になつた場合は、直ちに一つ訂正をなすつて、大臣に教えておいてあげないといかんだろうと思う。そこですでに七〇%以上社会保険の患者になつておる。この社会保険の患者に対してのみが新らしい医療費の体系を立てた場合に強制し得るわけなんですが、そういう新らしい医療費の体系というものは、金額の如何ということのほかに、非常に強い意味を持つていることは、あの合理化性にあることです。無形の学問、技術を評価した技術料、或いは病院、診療所の所要経費、人件費、そういうように原価計算式に非常に納得のできる計算の体系にしておるというところに意味がある。だから現在の自由診療みたいに、なぜ一日の薬代が三十円取られるか六十円取られるかわけがわからん、なぜ一本の注射が二百円取られるか五百円取られるかわけがわからんというようなことでなくて、高ければ高いだけ、安ければ安いだけ、合理的に成るほどこういうように内容がなつているのかというふうに、よく患者が納得して気持よく払えるようにしてやる、これが私は診療体系の別の面から見た非常に重要な意味だと思う。若しもさようなことであるならば、こういうような体系が社会保険で強制されるならば、私は自由診療の患者を扱うお医者さんは、やはり良識のあるお医者さんであると僕は信頼したいから、結局そういうような合理的の医療費のとり方でなければ一般の患者が納得しない、こういうようにお考えになつて、そうして患者に対して医師みずから薬局においても薬剤師みずから、社会的な啓蒙と普及指導をして打つて、そうして社会保険の合理的な医療費のとり方に右へならえして行くべきじやなかろうか。だから現在では診察料百円取ろうが千円取ろうがお勝手だが、けれども、これも又時代というものがありまして、時代の推移、世の中の推移に従つて、やはりこの八〇%、九〇%社会保険が普及して来ますれば、そのこともおのずから私は自然に是正される、必ず私は医師みずからがこれを是正して下さるに違いないと思う。こういうような私の考え方から行けば、必ずしも僕は榊原委員のお考えになるような不安な気持は持たないのであります。これは役所も医療担当者もすべてが良識を持つて、この一つの診療体系の精神を生かすということで考えて行くならば、やはり非常にスムースに行くんじやないか、こういうふうに私は考えているんですが、曾田局長はどういうふうにお考えになりますか。
#77
○政府委員(曾田長宗君) 私がいわゆる自由診療の診療報酬も、社会保険診療の標準がきまりますれば、何らかの形で以て影響を受けるというようなことを申上げました。その内容を申しますれば結局只今高野委員がおつしやいましたように、社会保険診療というものにつきましては、とにかく或る時期において得られましたデーターと申しますか、資料と申しますか、これに基いてとにかく少くともそのときにおいては最も妥当だと考えられたものが実施になると考えられるのであります。でそのことは又逆に時期が移りますれば、これは当然改訂さるべきものということも影には含まれて来ると思いますが、こういうような性格のものでございますから、自注診療と申しましても、ただ無制限に動揺をするものではなしに、おおむね只今申しましたような適正なところを中心として動き、又それから多少動くといたしましても、若干上る下るという程度のものであろうというふうに思つております。大体高野委員のおつしやる通りの意味で考えております。
#78
○高野一夫君 もう一つこれはどうも我々榊原さんにしても、私にしてもこんなところで同じ与党で、二人の議員が仲がよくないのですが、この医療費の問題もこれも設置法案に直接の問題じやないが、出ているから私も伺いたいのだか、この治療日数というのが只今厚生省の社会保険の統計を見ますと、必ず一件当りに対する治療日数の統計が出ている。私が承知している限りでは、健康保険を二十数年前に日本に……、何年でありますか、そのくらいになると思うが、従つて当時の治療日数は平均一件について七日だつたと考える。その後十年経ち、十五年経つうちに日本の医学、臨床医学も非常に進歩をして来ている。薬剤師も非常に進歩して来ている。従つて一治療日数七日が六日になり五日になるならばそれはわかると思う。それがだんだん殖えて来て、七日でなおつたはずの治療日数が八日になり九日になり、甚だしきは一昨年なんか十四日という統計も出ておつたように記憶しております。現在幾らか知らんけれども少くとも十日以上、曾つて七日で治つたはずの統計の数字が今日十日以上に、倍以上の日数を費さなければ、治療日数がなければなおらない、こういうふうな統計が出ている。これはどうしても学問の進歩から考えてみて臨床医術の進歩から考えてみても、私は納得できないのですが、これは若しも治療日数が学問、薬剤の進歩に従つてどんどん減つて来るというのならよくわかる。同時に減つてくれば減つて来るほど患者の負担する医療費というものはぐんぐん減つて来るわけです。これが殖えるということは保険経済が殖えて来るし、又そのほかに自由診療においてもそうであるならば、やはり自由診療の患者の負担はやはりどんどん殖えて来るはずです。この点について治療日数が統計上殖えて来るということは、何かの計算の誤差であるのか、誤りであるのか、それとも何らかの社会保険の治療の方法によつてこうなつて来るのかどうか。私は余りそのことは知らないので、これは一部医務局長から、一部保険局長から詳細にこれについて明快なる私どもの納得できるような、素人でわかるような説明を願いたい。
#79
○政府委員(久下勝次君) 保険局関係の資料がございまするから御参考に申上げますが、ここにございまするのは、各年度別の昭和二十六年度から二十八年度に至ります間の一件当り日数の移動でございます。先ず入院で申上げますと、昭和二十六年度は一九・八日でありまして、昭和二十七年度は一九・四日、若干減つております。昭和二十八年度では更に減りまして一九・二日になつております。それから入院外の日数は二十六年度が九・一日、二十七年度が八・七日、二十八年度が五・六日と、それぞれ治療日数は減つております。今申上げましたのはこれは一般診療でございまして、歯科について申上げますと入院の場合は昭和二十六年度が一件当り日数一二・五日、昭和二十七年度は一一・四日、昭和二十八年度は一三・二日、こういうことでありまして、歯科につきましては今一般診療で申上げました場合と若干傾向を異にしております。歯科の入院外につきましては、昭和二十六年度、二十七年度、二十八年度共に五・一日でありまして、変動がございません。以上申上げましたのは政府管掌健康保険に関する過去三ヵ年の傾向でございます。船員保険、共済組合、健康保険組合、それぞれ各別に数字が出ております。これを申上げますとくどくなりますから、これら各種保険、政府管掌健康保険、船員保険、共済組合及び健康保険組合を合計いたしまして平均を出しましたのを申上げますると、一般診療におきましては、昭和二十六年度の入院が一九・六日、二十七年度は一九・二日、二十八年度は一八・八日で漸減の傾向を辿つております。それから入院外の診療におきましては昭和二十六年度が八・九日、昭和二十七年度が八・六日、昭和二十八年度が激減いたしまして五・五日ということに相成つております。それから歯科診療におきましては、昭和二十六年度が入院が一二・七日、二十七年度が一一・五日、二十八年度が一二・六日であります。二十七年度で相当下り、更に又二十八年度で若干上つておるという数字でございます。歯科の入院外は昭和二十六年度が五・一日でございましたのが二十七年度、二十八年度それぞれ五・〇日に相成つております。これを要しまするのに、全体の傾向は一件当り日数は二十六年度以降漸減の傾向にございます。
#80
○高野一夫君 私の記録しておる統計が間違つていたらば私が取消します。その点はお詫びいたします。私は曾つて十幾日という統計を持つて厚生省当局に伺つたところが、どうも何かいろいろな結核がどうとかいう話があつて納得ができなかつたから、その記録で以て今伺つたのでありますが、さように次第に漸減を辿つておるということであるならば、誠に当然のことであり、結構なことだと思いますから、先ほどの私の質問についての一部は私は取消すことにいたします。
 そこでもう一つついで私は伺いたいのでありまするが、ここに資料か参つておるのでありまするが、そこでこれは薬務局長に伺うべきか、医務局長に伺うべきかわからないのでありますが、現在薬事法二十二条において医師に調剤が許される場合は、医師みずから調剤しなければならないということになつておるわけでありますが、或いは薬剤師に代行させる、これについて各病院は別でありますけれども、診療所において果して医師みずからが調剤しておるかどうかということは、一般においてとかくのいろいろなことを言われますけれども、一応それはそれとして、この診療所における医師の調剤行為についての管理はどこでやるのですか。これを一つ伺いたい。
#81
○政府委員(高田正巳君) これは薬事法の問題でございますから薬務局所管で、薬事監視員でやるべき筋合のものと考えます。
#82
○高野一夫君 従来それについてのこの実績と申しますかなんか監視された場合、その結果そういうようなことの何か統計資料がございますか。
#83
○政府委員(高田正巳君) この表に載つておりまする違反件数というのは、上の横にずつと並べてありまする件数でございまして、この中にはございません。それでこの医師みずから、或いは薬剤師に調剤をいたさなければいけないという、薬事法二十二条の規定になつておるわけでございますが、これの全国的なこの取締の状況は、私ども只今把握をいたしておりません、甚だ申訳ないのでありますが、ただこの限られた府県におきまして、薬事監視としてほかの監視のこともあるわけでございまするが、さような場合に行つて、これを違反の事実を確認したというふうなものが、私ども部分的に承知をいたしております。その件数は、監視をいたしました個所と、違反の事実を確認をいたしました個所との比率は、非常にまあ違反の事実が多いという数字は上つております。併しこれは非常な部分的なものでございまして、全国的にその取締をいたしました数字的な資料を持合せておりません。この問題は非常に何と申しますか、取締が非常にむずかしいのでございまして、まあ昨日来いろいろ質疑応答の中にも出て参つておりまするように、現実に自分で調剤をされておる、お医者さまは、非常に少ないのではないだろうか。併し他のものにやらしておるけれども、自己の監督の範囲内において、自己の監督の目の届く範囲内において、まあ手伝わせてやつておられるというふうなことであれば、一応の法律的ないろいろのむずかしい解釈もございましようが、一応まああれでできるものではないか。ただその自己の監督の外にあるか、中にあるかというこの認定の問題が非常に困難でございまして、結局私どもこの問題は医師のそれぞれの方々の理性に待つて、この規定の精神を活かして行くよりほかに、薬事監視の方法といたしましては、非常にむずかしいのではないか、かように考えて取締に苦労をいたしておるのでございます。
#84
○高野一夫君 「自らの調剤」を広義に解釈するか、狭義に解釈するかということは、昭和二十三年の医薬制度調査会で大分問題になつたのでありますが、これが裁判になつたときに、知らない人たちはこれを広義に解釈するようなことがまま現われているように、私も裁判記録を見て承知をいたしております。この「自らの調剤」行為というものは、極めて狭義に解釈するということは当時薬事法を作つたときに、その解釈の仕方は、そういうふうにきまつているはずだと私は解釈しているのであります。そこで我々の考えますのは、そういたしますれば、先ずそうでなくても、広義に仮に解釈しても、看護婦や書生や奥さんに調剤させるということが、薬事法の違反行為である、そういう違反行為を良識ある医者にやつてもらいたくない。そこで又次から次へ患者を待たしておいて、実際に「自ら調剤」をするということは、事実においてこれは非常に困難だと思うので、そういうことから、違反行為からも、又そういう面倒な仕事からも解放をされて、そして患者の診察治療に専心当つてもらうことが患者の受ける恩恵が一層倍加するのじやないか、こう考えていることが一つの患者の面から見ての医薬分業のやはり私は一面であろうと思つております。従つて今後分業の実施された後は勿論のこと、それから実施されない現在におきましても、医師を以てかくのごとき違反行為を生ぜしめないように、医師は専心良識ある治療に従事することができるようなふうに、指導監督は十分薬事監視のほうでもやつてもらわなければならないと私は考えておりますが、この点について局長のお考え、意見を、覚悟と言つては角が立つかと思いますので、お考えを伺いたいと思います。
#85
○政府委員(高田正巳君) 分業が実施をいたされました暁におきましては、片一方におきましては、今御指摘の「自ら調剤」する云々というこの規定を厳守して頂かなければならない。同時に又一方におきましては、先般来いろいろと御質問のありました薬局方面におきまする業務の適正化ということも、これも十分にやつて行かなければならない。この両方が相待ちまして、分業の狙つておりまする職務目的を達するものと私は考えておるわけであります。従いまして、さような事態になりまするように、私どもは、今日千六百人ばかりの薬事監視員を抱えておるわけでございますが、これらのものを督励いたしまして、さような事態を実現いたしまするように、努力をいたしたいと、かように考えております。
#86
○榊原亨君 保険局長にお尋ねいたしますが、若しこの分業が実施されるということになりますと、二五%を占めておりますところの薬治料を分けるというようなことになるのでありますが、ところが専門の各科によりまして、内科、小児科或いは外科というような各科によりまして薬治料の比重は違うわけでありますが、先ほど医務局長のお話によりますと、医師の収入は減少させないのだというようなお話でありますが、そういたしますと、この薬治料を分けました場合の具体的な措置についてどうお考えになりますか、御成案がありましたら伺いたい。
#87
○政府委員(久下勝次君) 私に対するお尋ねでございますが、昨日も他の委員の方の御質問にお答え申上げた通り、厚生省におきましては、社会保険の診療報酬の決定を含めまして全般的な立場から只今検討いたしておる途中でございます。従いまして具体的の問題を私からお答えする段階に至つておりませんので、御了承願いたいと思いますが、原則的な考え方は大臣なり医務局長より縷々申上げております通りの考え方でございます。
#88
○榊原亨君 医療費が上るか下るかということは、これは非常に重大なことで、昨日もいろいろ御質問がありましたのでありますが、昨日の御質問の範囲におきましては、少くとも分業をいたしました場合の処方箋に使いますところの紙、その他の費用につきまして、結局プラスされるということを医務局長がお認めになつたと思うのでありますが、ところがそればかりではなしに、今度は医師の薬局に従事しておりまするところの使用人が昭和二十二年度におきましては二・二人、それが二十六年、二十七年になつて参りますというと一・一人、今は一人を割るというような状態である、そういたしますというと、若しも薬を分けました場合には、それらの使用人というものは一人以下の使用人を首から上切つて渡し、胴のほうは医者のほうにとつておくということはできないわけでありますが、従つてそこには当然二重のことができるということは、昨日の竹中委員の御質問によつても私は了解することができるのでありますが、そういう点から申しましても、これが二重になるということは、私は避けることができないことではないかと思うのであります。調剤の手数料につきましても、この今現に薬を置きまして、医者が調剤することによつて取つておりますものと、調剤の手数料というものが、その手数料が薬のほうに行く、薬局のほうに行くということになれば、現実において医師の取り分は少くなるわけでありますから、どうしても医師の取り分を減らさないということになれば、そこに二重になる。又いわゆる医師が自分の好みの薬を合せておりますから、自分の薬局においては自分の使いやすい薬を備えておくのでありますが、これを若し薬局で合せて行くということが大多数ということになれば、殆んど医者が要求しますもの、処方箋に書きますところの薬は殆んど備えなければならんということになれば、今健康保険におきますところの薬価基準に示されておるところの薬を一通り揃えるだけでも七十万円要るという計算を私はしておるのでありますが、而もそれで又ジアスターゼならジアスターゼもいろいろ種類があり、アスピリンもいろいろの種類があるということになつて来ると、医師の薬局において薬を用意する以上の薬を薬剤師のほうが用意をして頂かなければならんということになつて来る。又医師のところにございますところの薬局にいたしましても、或いは注射をいろいろするというようなこと、これのために医師の薬局は当然そこに小規模ながら置いておかなければならんということになつて来る。そうすると近い話が電燈も一つを二つに分けるということはできないわけでありますから、どうしてもその面において二重の施設を要するということになるのは当然なことだと私は思うのであります。それらの事実を今ここで考えまするというと、当然それらの点は二重になりますから、この医療費は高くならざるを得ないというふうに私どもは判断するのでありますが、昨日からの医務局長のお話を承わりますと、それは今のままでいいのだ、今のままでできるのだというお話であるのでありますが、そうしますと、どこにどういうふうなしわ寄せをすることによつて、それができるのであろうか、或いは又医師が処方箋料というものを安くしなければ、それができないようになつて来るのではないかというように思うのでありますが、それらの点につきましてくどいようでございますが、もう一度医務局長の御意見を承わりたいと思います。
#89
○政府委員(曾田長宗君) 私はこの点につきましては繰返し申上げたと思うのでありますが、結論を申上げますれば、一応基本的な考え方としては、今まで一つだつたものを二つに分けて、医師の診料所に支払い、又一方は薬局に支払うというのであるが、細かい点については若干重複というようなことは考えなければならないかも知れんということは申上げましたのであります。ただそれをその重複する部分があるとしても、ただ数パーセントしかそういう治療費には響いて来ないということを御説明申上げた。それが而も、その問題になりました部分も完全にそれを重複させなければならんものか、その部分的な重複で済むのではないかということは、私ども更に検討を要する点だと思つておりますが、さように考えれば一層これが僅かなものに減少して参るというふうに御説明を前に申上げたのであります。
#90
○榊原亨君 これ以上は見解の相違でございますから、いずれ厚生省がいろいろな資料をお出しになりました上におきましていろいろ御検討を願うことにしまして議論は避けますけれども、私どもの見解から申しますというと、もう医療費は上るということは当然である、只今お話になりました点から申しましても、昨日の谷口委員の御質問のお答えから申しましても、少しぐらいは上るだろうというようなことまで言われたということでありますが、まあ上らないとおつしやるのだから、これ以上私は何も言わないと思うのでありますが、そういたしますというと、一応私は大蔵当局の御見解を承らさして頂きたいと思います。今いろいろ問題がありまして、久下局長など困らせておりますが、一点単価を上げるとかどうかと、税金をどうしようとか、こうしようとか医療費が行詰つた現状におきまして、我が国の国民経済といいますものが、まだアメリカの水準にまで至つておらないという状態におきまして、若し医療費が上るということが認められた場合には、この分業はすでに三年前に作られた法律でございますが、それにこの医療費が上るのだ、上つても大蔵当局としては止むを得ないという御判定を持つているか、その点についての大蔵当局の御見解を承らさして頂きたいと考えるのであります。
#91
○説明員(大村筆雄君) 医薬分業の結果、医療費が結局上るのではないか、それに対して大蔵省はどう考えるかという御質問かと思いますが、私どもこれまで厚生省御当局から聞いております範囲では、医薬分業の結果医療費が上るというふうには承知いたしておりません。
#92
○榊原亨君 只今のお答えは医療費が上らないということを聞いておるというようなお話でありますが、これは国会においていろいろ御検討を又願うことになると思うのでありますが、若し国会において検討されました結果、医療費が上るという結論が私ども出ました場合に、その場合にでもなお分業は医療内容を向上させるために必要であるということを、大蔵当局は御賛同になるのでありましようか。その点如何でございましようか。
#93
○説明員(大村筆雄君) 医療費が上りました場合に、上る程度によりますが、現在の国民生活におきまして医療費の負担が相当なものであるということは仰せの通りであると思いますが、そういう点を勘案されまして、医薬分業の問題が当然国会等におきまして総合的に検討されることと存じておりまして、只今のところ私どもといたしましては、医薬分業の結果当然に医療費が上るものというふうには考えておりません。
#94
○榊原亨君 結局いろいろまだ問題が残つておるのでありますが、あとに御質問の方もございますので、御迷惑と存じますから、この程度にとどめたいと思うのでありますけれども、とにかく今まで私が質疑をいたしましたところによりますというと、社会保険の規制、統制されました医療においては、分業ということを法律を以てきめるということは、或いは国民の利益になりますことならば、これはいいことではあるが、併しながら医療費が上るというようなことでございますならば、これは考えるべきことではないかと思うのでありますが、ところがなお自由診療というものが残つておる。その自由診療の面にまでも医師と患者の間に法律を介入させてまでも、この分業をやるということにつきましては、多大の疑問を私は持たざるを得ないのであります。外国におきましても、現に世界中探しましても、まあアメリカに一洲、そのほかに一つ二つくらいで、殆んど法律を以て分業を強制している国がないのであります。法律を以て強制している国がないにかかわらず、まだ国民の所得と申しますか、国民経済というものが、昔のように帰らない現在におきまして、これを分業をやるということにつきましては、多大の疑問を持たざるを得ない。これを判定いたしますためには、更に厚生省におきましては、八月三十一日までにこれらの資料が出るということを言つておられるのであるが、私は衆議院の厚生常任委員会の速記録によつても承知いたしておるのでありますが、さようでございますか、厚生大臣から承わりたいと思います。
#95
○国務大臣(草葉隆圓君) 医薬分業に関しまする医薬審議会設置法の関係において、只今お話のありました、これによつて、医療費が高くなりはしないか、それに対しまして、私どもは高くならないようにするし、又高くならないという考え方である。むしろそれによつて医療内容が向上し、合理化するように一つ努力をいたして行きたい。従つてその作業なり、或いは医薬治療費の配分なり、従来の医師に支払つておりました薬代、或いは技術を含めたものと、これを分ける場合における作業等が、八月一ぱいに大体できるように厚生省は言つておるが、その点はそういうふうな目安として進めるかという御意見だと承知しますが、そのような準備を進めております。従いまして私は九月一ぱいに衆議院の厚生委員会でこれは発表し得るかという御質問であつたかと記憶しますが、その当時はいたしますとお答え申上げておつたのであります。その準備はそのように進めて参つております。
#96
○榊原亨君 その準備はそのようにお進め下さいまして出せるお見込みでございますか。
#97
○国務大臣(草葉隆圓君) 出せる見込みであります。
#98
○榊原亨君 先日医務局長が、この分業問題にからみまして、原価計算方式打合委員会或いは病院、診療所の実態調査に関しまして、何か医師会或いはそれに類する団体が協力をしなかつたから、今まで準備ができないのだ。私は違つていたら大変失礼でございますが、まあそういうふうに解し得る御発言があつたと私は聞いておるのでありますが、さようなことがありましたのでございますか、速記録がまだとれませんので……。
#99
○政府委員(曾田長宗君) 実は御承知のように、委員の方々の中から御質問がございまして、どういうような事情でできなかつたかというお質問に応じまして、実はかような事情でありましたということを申上げたのでありまして、私ども今のような計画通りに事が進みませんでしたことを、すべて他に責任を転嫁するというような気持は毛頭持つておりませんので、この趣旨を十分に了解して頂く、或いは又実際に無理なお願いであると考えますれば、そのように他の方法を考えなければならなかつたでもありましようし、そういう意味で私ども自身といたしましてはあの失敗と申しますか、若干の齟齬というものに対しては十分責任を感じておるのでありまして、ただ自分の責任を他に転ずるがごとき言葉だととられるような発言でございましたならば、私の表現が非常に悪かつたのだと思つてお詑びを申上げておきます
#100
○榊原亨君 保険局長にちよつとお尋ねいたすのでありますが、社会保険中央医療協議会に、この問題について何か御研究になり或いは御提案になつて、御意見を求められたことがありますか。
#101
○政府委員(久下勝次君) 御質問の趣旨がわかりませんが、この問題とおつしやいますと……。
#102
○榊原亨君 分業をいたします場合の社会保険の診療報酬についてであります。
#103
○政府委員(久下勝次君) この問題は先ほどの御質問にお答えを申上げた通りでありまして、まだその段階に至つておりません。
#104
○有馬英二君 大臣が御出席のことでございますので、大臣に二、三お伺いをしたいと思います。これはまだ大臣が大臣に就任される前のことでありましたので、或いは大臣に直接責任がないということを言われるかも知れませんが、一点単価の問題を一応お伺いしておきたい。一昨々年でありましたか、丁度ここにおられる谷口委員が医師会会長の任務に就いておられたとき、一点単価の問題が全国の医師会の非常な大問題となりまして、そうして政府当局へも一点単価の問題について考慮を求めた、時の大臣は橋本龍伍君であつた。そうしてその当時の医師会の要求は一点単価を十八円であつたかと思いますが、或いは十八円五十銭であつたかにしてもらいたいという医師会側の計算によるところの要求である。ところが橋本当時の厚生大臣がいろいろ苦慮の結果、或いは大蔵省と御折衝になつたかも知れませんが、一点単価を十円から十一円五十銭、十二円五十銭に上げる、その当時のたしか医師会会長であつた谷口委員と折衝のときにはこれは暫定措置である、暫くこれで我慢してくれれば必ずそのあとは更に考慮すると言われた。ところがそのままで今日まで継続しておる、少しもこれが行われておらないことは御承知の通りであります。そこで私が草葉厚生大臣にお伺いするのでありますが、大臣は現在行われておるところの一点単価十一円五十銭、並びに十二円五十銭をこれでいいものであるとお考えであるか、これが妥当であるとお考えであるかどうか。これは草葉さんが大臣になられたのでありますから、この点は十分お考えになつて下すつたことと私は思うのであります。これは御承知のように社会保険を扱つておるところの現在の大多数の医者、而も七〇%、九〇%社会保険の患者であるというような現在におきましては、医者の死活問題であるのでありますから、この点については、大臣は十分御考察のことと思うのでありますが、どういう工合に考えておるか、それを一応伺いたい。
#105
○国務大臣(草葉隆圓君) このことは実は先刻御質問がありまして、大体お答え申上げたのでございますが、それで、それは決してこれで適正であり、これで十分だというような意味から私どもは肯定しておるという意味ではございませんという意味を先刻申上げたわけです。それで、これが安いとか或いは高いとかいう点になりますと、いろいろ影響して参りますし、私はむしろ現在の医師会の方々が、医師会と申しますか医師の方々が、この社会保険の精神から十分御協力を頂いておると考えております。この点は感謝いたしております。
#106
○有馬英二君 私が先ほど出席しておりませんでしたから、前の質問を聞いておりませんで、重複したことは誠に申訳なく存じます。併し、この一点単価の問題は、まだ残された大きな問題であつて、これはどうも改善されなければならない問題だと思うのですが、大臣は、改善するようなお心持ちであるかどうか。
#107
○国務大臣(草葉隆圓君) これは結局、直ちにこれを改善いたしますということは、単価の値上げといいますか、上げるということに相成つて来る問題だと存じます。で、従つて大変影響するところが大きいのであります。或いは予算関係すべてに影響して来る。そこで先ほど申上げましたように、いろいろの立場から考えますると、昭和二十六年頃でございますか、それ以来ずつとそのままの状態、昨年入院費だけが単価よりも点数を増して参つたのでございますが、そういう点を考えますると、今これをこの一点単価の基準額を検討いたしますることは、誠に実際上は困難な状態になつて来る。併し、その単価そのものに対する医師の方々の御協力に対しましては、この社会保険の立場から相当犠牲を払いながら御協力を頂いておるという意味において感謝をいたしておる次第であります。
#108
○有馬英二君 御承知のように今回分業がいよいよ行われるというその基礎的な準備と申しましようか、新医療費体系を算定するというのが、ほぼ一点単価から算定すると私は信じておりますが、そうするというと、こういう低い不当な一点単価を基にして、そうして今度は新医療費体系というものが作られる。少くとも医師の技術料或いは診察料というのが、この一点単価の何%であるというようなことから、これは算定される嫌いがあるのであります、そうすると、今度の新医療費体系というものも甚だどうも当を得ていないところのものになるに違いはないと、私どもはどうも考えざるを得ないのであります。それをどういうような工合に是正されるか、どうしたならば本当に国民も医者も薬剤師も、すべてが満足できるような価格が得られるかというように何かいい案をお持ちでございましようか、それを一つ伺いたい。
#109
○国務大臣(草葉隆圓君) 実は社会保険におきまする一点単価は只今申上げましたように、これは御協力を頂いておりまする結果、円滑に進んでおると存じております。従いましてこのいわゆる医薬分業を実施いたしまする、いたしませんにかかわらず、この点につきましては、私ども大いに又考えるべき点は考えて行かなければならないと存ずる次第であります。でその立場と別に、この一月一日から医薬分業ということに相成つて参りますので、その医薬分業をするにつきましては先刻平縷々お話し申上げておりまする薬治料の分割の仕方であると存じております。具体的に申しますと、従来或いは十二円五十銭或いは十一円五十銭、そうすると薬治料に二点なら二点といたしまする場合におきまするこれをどういうふうに分割してやるか。で、私が根本的に考えておりまする点は、そうしてそれが作業の上にも必ずそう現れて来ると確信いたしておりまする点は、従来これは昨日来医務局長から縷縷申上げた点でありまするが、薬品原価が大体三分の一である。医師のこの薬品に含まれている技術料が大体三分の一、その他の諸経費が大体三分の一で、この薬品原価は当然一薬の購入でございまして、そつちのほうへ参ると思います。その他の諸経費の三分の一の中で、或いは印刷とか紙代というようなものが薬局なら薬局に参りましようが、あとがその先ほど来だんだんと電燈を半分にするかどうかという問題になつて、含まれていると存じますが、従つて成るべく実収入は、現在の情勢においてこの医師のほうに入つて来る状態においてこの医薬分業はなされて、その薬の原価その他の一部というものが薬局に払われて来る。従つて医師に払つておりまする実収入というものを減ずるということは、決してこの医薬分業の正しい行き方ではないと私は考えております。私自身といたしまして、むしろそういう無理なことをすると、このいいことが却つていろいろ支障を生じて来るのじやないか。従つてそういうことのないようにして、収入を減ずるというようなことのないようにしながら、この仕事が合理化し、そうして医療制度そのものが進展するという状態に持つて来なければならないのじやないか。この作業が大体八月一ぱいぐらいにでき上る、恐らくはつきりそういうふうに現われて来るという考え方、又私どもはそういう方針で行きたいという考え方で参つております。
#110
○有馬英二君 それは先般の衆議院の速記録を見ましても、やはり医務局長或いは薬務局長あたりが同じような答弁をしておられるので、今大臣が御答弁になつたことは、もうそれとちつとも違わないので、結局厚生省のお考えはまあ判こで捺したように千篇一律である、私どもは承認ができないのです。というのは減らさんと言うても、トータルにおいて減つて来るに違いない。これは当然だ。一部分を割いて例えばそれが薬局のほうへ廻つて来るのですから、一部分減るにきまつてるんです。それは併し薬価というものを払わなくてもいいのですから、その支出も減りましようが、収入が減ることも明らかであります。併し収入は減りましても、それは損にはならないかも知れません。それは又別でありますが、併し一般の医業者が、開業医が心配しているところは、やはり収入が減るということが非常にまあ苦になるに違いないと私は思うのです。私自身でも若し開業していれば、非常にそれが苦になると私は思うのです。そこでですね。幾ら厚生省のほうからお医者には損をかけないようにすると言われても、どうも皆が納得しない。これは実際納得しておらんと私は思うのです。それでありますから、今もこの医薬関係審議会設置法案が出ると同時に、各地の医者からたくさんの陳情書が来る、又薬局のほうからもたくさんの陳情書が来ている点から見ましても、これは一つの大きな彼らの悩みになつているということは明らかであります。これはどうしてももつと確かな計算をお出しになつて、そうして医者側からも薬剤師側からも相当の人が皆出てお互いに納得の行くように協議をして、勿論これは医薬協議会でおやりになると思うのでありますが、そうしてみんなに不安のないように早く資料をお出しになるということがやはり必要であろうと思うのであります。今まで三年間も、ちつとも国民にも、又医師会にも、又薬剤師会にも、少しもそういうことについて思考の資料を出してお出でにならないということは、これはどうしても厚生省の怠慢であると私思うわけであります。一日も早くこれは出されんことを希望するのでありますが、勿論先般来当局は八月一ぱいにそれを出すということを言つておられますから、我我は大いに期待している。若しその際にその資料が出ました際に、私どもはもう一遍国会でもつてよくそれを審議いたしまして、そうして実際に果してどういう工合になるかということをよく検討した上で、初めて分業が行われるようになつて行かなければならんと考えているのであります。この点について先ほど来同僚委員からも実際にその資料が出るのかどうかというような御質問がありましたが、大臣からも又医務局長からも出る考えであるというようなお言葉であつた。その点私ども了解しているのであります。私自身は医薬分業ということに少しも反対していない。これは我々の国情といいますか、社会というか、だんだん進歩いたしまして、或いはアメリカのように或いはヨーロツパのようにもつと社会状態が完備したというようなときには自然に行われるので、これは法律で強制しなくても自然に行われるものだと思う。併し法律できめれば、或る点まで強制されると、医者も薬剤師もその通りやつて行くでありましよう。併しながら実際において迷惑をこうむるのは医者でもない薬剤師でもない、国民であると私どもは考えるのでありますから、省令で定むるところによつて治療を受けている患者自身若しくは看護に当つた人が、医者から薬をもらえるというように、法律を我々がこの前に審議してそういう工合に作つたのでありますから、それは当然のことであると思うのであります。ですからしてこの審議会設置法案を私どもは何も反対していない。一日も早くこういうものが完備されて、そうして実際に国民に迷惑を及ぼさないような態勢を整えて、それから実行されるというように希望するのであります。厚生当局は十分それについて確信を持つてお出でになると思うのでありますが、大臣はどうお考えになりますか。
#111
○国務大臣(草葉隆圓君) これは十分その確信を持つて進んでいる次第であります。ただお話の中にありましたように、トータルでは成るほど減るのじやないか、併しそのトータルそのものは、全体としますると近年ずつと場合によりますと約百億乃至百七、八十億ずつ殖えております。この保険並びに医療費に対しまする負担であります。例えば昭和二十六年は千百三十億であつたのが昭和二十七年は千三百億というふうに医療費全体が殖えております。そこでトータルで必ずしも減るということは、去年よりも、来年どういうふうになりますか、必ずしも減らんかも知れないという状態が現われて来るかも知れませんが、併し医薬分業の形におきましては、少くとも薬価のうちの薬品原価というものは薬局のほうえ参りまするから、それだけは減るということになるのであります。ほかの問題につきましては、御指摘の点さような確信を持つて進んでおります。
#112
○廣瀬久忠君 私ときどきどうも欠席をいたして、質問が或いは済んだものもあろうと思います。医薬関係の審議会の法案についての御審議でありますが、分業に関する問題が非常に中心に御議論になつております。それを承わつておりますと、大体医療費体系の問題とか、或いは医療費の国民生活に対する影響、或いは社会保険に対する影響というようなことについて、非常に詳細に御議論になつておられるように承わるのでありますが、非常に微に入り細に入り質疑応答を重ねられているのを伺つておりますと、なお只今榊原委員、有馬委員からの御質問もあつたのですが、それに対するはつきりとした御答弁が、どうも私には伺えなかつたような気持がいたしますから、その点を極く簡単にお伺いいたしたいと思います。私は患者というような立場から一つお伺いをいたして見たいと思いますが、先ず第一にお伺いいたしたいことは、簡単に一つ御答弁を願つて結構でありますが、患者と医師との関係というものは、治療については相互の信頼関係というものが、治療上非常に重要であると私は思いますが、大臣はこの相互の信頼関係の重要性をお認めになりますか、どうですかということを一つ。
#113
○国務大臣(草葉隆圓君) 御質問のように、私もさように心得ております。
#114
○廣瀬久忠君 次にお伺いいたしますが、そこで私はこの相互の信頼関係というものは非常に大切なものであつて、患者の立場から言つても、お医者の立場から言つても非常に大切なものであつて他人がこれに口ばしを入れないほうがよろしいと私は思うのであります。いわんやこれは法律とか、或いは権力とかというようなものでこの間に立入ることは、誠に望ましくないことであると私は考えるのですが、この点についての大臣の御意見は如何でありましようか。
#115
○国務大臣(草葉隆圓君) 全く同感でございます。
#116
○廣瀬久忠君 そこでもう一つお伺いしますのは、医薬の強制分業というものが、そういうことになりますと患者と医師との信頼関係に、法の力を以て立入つているということに私はなると思うのでありますが、それはならないのでありましようか、その点をお伺いいたしたい。
#117
○国務大臣(草葉隆圓君) 実は現在も殆ど病院その他の大きいところでは全然別になつていると思います医師は治療並びにこれに対する指示その他ということになつて、薬局は又全然別なんであります。ただ無床診療所等の中心が多くそのような状態である。患者が医師を選ぶ場合には、全くお話のように自由に甲の医師を選び、或いは自由に乙の医師を選び、そこで選ばれた患者と医師との間には、信頼感を一種のその人を尊敬する心持等によつて結ばれておる場合が大多数であると思います。それに対する治療の方法についての場合におきまして、現在の多くは薬局等で行われておる大病院その他が多いのであります。一般にこれを普及する意味におきまして、二十六年のこの制度になつたと存じております。但し、患者がやつぱりそのお医者さんに薬をもらいたいという場合におきましては、この今度の三十年の一月一日からの法律におきましても、自由に患者が欲するときにはその治療を求めた医師から薬ももらい得るということになつておりますから、その点はもうそこまで信頼を結ぶという意味におきましてはなし得るということに相成ると思います。
#118
○廣瀬久忠君 そういたしますと、まあそこはお互いの見解の相違になる点もあるかとも思いますが、私は只今の大臣の答弁を伺つてみましても、この信頼関係に強制分業を実行すると、信頼関係に或る程度の強権を以つての立入りがあるのだということは認めなければならんと思いますが、その点は如何でしようか。
#119
○国務大臣(草葉隆圓君) これは考え方と取り扱い方によつて違つて来ると思いますが、普通の整備されたる医療機関と申しまするか、それでは、現在におきましても調剤は薬剤師、或いは診療、診察等は医師というので大体はつきり分れてなされておるのが実態であると思います。従つて今回の医薬分業におきましても、本人が好まざる場合においても、これを強権的に分離するという形は妥当でないから、そういう形が日本では相当今まであつたので、その旧来の一つの習慣というのは残すという意味において、この前の一つのこの法律のときに議員修正としてあの一項が加わつたと存じております。そういう意味から、今度の医薬分業の形は必ずしも強権によつてこれを信頼を分けるという意味にはならんのじやないか、かように私は存じます。
#120
○廣瀬久忠君 その点については、或いは見解の相違かも知れませんが、私はあの二十六年の法律はこれは強制分業であつて任意分業ではないのである、強制分業の建前をとつておつて、そうして非常にやわらかくした強制分業であると私は信じておるのであります。これはまあ見解の相違になるかも知れませんが、私はそういう工合に思つておる。それから今の問題はなお又将来論ずることがあるといたしまして、そこでお伺いしたいのは、強制分業によつて患者と医師との間に立入らなければならないという何か必要を特に感じておるということが立法の理由になつておるのかどうか、それを伺いたい。
#121
○国務大臣(草葉隆圓君) これは実は私どもの考えでは、昭和二十六年の制定当事のことを考えますると、先ほど来だんだんお話にありましたように、一人の患者を診断し、これに対する投薬をみずからの手でやるというような状態が現在の状態でございまするが、一方日本にも相当開局薬剤師がたくさんある、その方面に、投薬の面はいわゆる割愛して、そうして専心治療並びに治療の向上というものに医師のほうの力を注ぎ得る態勢になつて来ることが最も医療の向上の本質的なものである。又片一方のほうにおきましては、その示されました処方箋に基いて十分薬を選択して、そしてそのほうを専門にやつて行くことが医療制度の向上に資するゆえんである。かように考えて、かような意味においてこの二十六年の法律も検討され、そうしてこれが国会においても採択されたゆえんであり、私もその立場からこれを推進するようにいたしているような次第でございます。
#122
○廣瀬久忠君 私はまあ先ほども申上げたように、今大臣のお話を承わつて見ましたが、非常に遠慮をした強制分業ではあると思いますが、何と申しましてもこれは法律によつて強制をする強制分業と言わなければならん、その建前をとつていると私は思う。そこで私は任意分業の論者である。で、私は自分の長い間厚生省におつた経験……、丁度学校を出て私が内務省の衛生局に入つたのが今から四十年前でありますが、その当時からすでにこの分業問題というものはなかなかやかましい問題であつたことを記憶をいたしているのであります。併しながら昭和二十六年には遂にこれが実行ができた。実行されたのは占領治下において実行をされた。で、長い間に亘つて分業の強制というものが実現されなかつたということから考えて見ましても、これは国民の人情というものに基いた我が国の伝統というものがどうも軽んぜられた傾向があるのじやないか。殊に私は甚だ遺憾に思うのは、先ほど来問題にしばしばなつたのでありますが、かくのごとき一つの伝統が我が国にあり、そうしてそれが大きな病院であつて、薬剤師が病院におつて調剤をいたしましても、やはり医師と患者との関係は治療について非常な信頼関係、精神関係があると私は思うのであります。そこでこういうところにまで伝統をまあ無視し、そうして私から言わせれば人情にも或いは反する点があるのじやないかというような点も考えると、どうもこれは根本的に見て強制分業ということはどうも適当ではないのじやないか、そうして厚生省として甚だ私は顧みて申訳ないと思うのは、この伝統というものがあつたのに対して、啓蒙ということについて今大臣は非常にいい制度だということをさつき有馬委員に対する御答弁の中に言つておられたが、非常にいい制度、つまり理想的な制度だとお考えになつているとすれば、何故にもつと国民に啓蒙をせられなかつたか、その点は甚だ遺憾に存ずる。そこで私は自分の考えを申上げて最後に私がお伺いしたいことは、先ほど有馬委員も質問せられたのですが、私はこれは理論的に強制分業ということは決していい制度だ、理想的な制度だとは思わない、任意分業が理想的の制度だと思う、で、薬剤師にしても、医師にしても、これは非常に知識階級に属する人であつて、それらが皆立派な人である、これは任意分業ができないはずはない。任意分業をやつて、医師は医師としての向上を図り、薬剤師は薬剤師としての向上を図り得ると思う。然るにこの私の意見から申せば、任意分業にも反し、伝統にも反する、こういう制度をおやりになつて、そうして果して円滑な施行ができるのであろうかどうか。今日私どもは医師側と薬剤師側と双方から非常な意見を承わつておるのです。私はこの点を非常に心配をするものであります。殊に私が学校を出て初めて内務省衛生局に入つてこの問題に触れてから何十年、四十年の間いろいろ接したところから見て、これが却つて円滑な施行が果してできるだろうか。先ほど大臣は非常な確信を持つて言われたが、私はその点が非常に心配である。若しこの点に確信があるとするならば、まあこれは大臣は就任まだ日浅いわけでありますが、厚生省として何故にこの円滑な施行についてもつと最善の努力をしなかつたのだろうか。殊に八月末に各種の分業に関する必要資料を提出せられるというような話で、これはもう各委員から厳重に責められた問題でありますが、私も非常にこれは驚いているのであります。こういうようなことであつて、私は円滑な施行ができるかどうかということを非常に疑う。この点は非常に重要な問題でありますから、大臣のこの法律施行に関する確信を重ねて一つ念のためにお伺いしたい。
#123
○国務大臣(草葉隆圓君) 実は昭和二十六年にこの法律が実施されましたときにおきましても、準備期間という意味並びに国民の認識という意味から昭和三十年一月一日に実施するということに施行期日を延ばして、そうしてこれを実施することに相成つたのであります。従いましてその間におきましては、この医師会関係の医師の方々、或いは薬剤師の方々、或いは厚生省自体におきましても、先般来お答え申上げましたようにこれの準備並びに啓蒙等に資して参つたと存じます。併し実際これの点につきまして或いは御期待に副い得ん点もあつたのではないかと存じますが、とにかくそういう心持を以て準備を進めて参つたのであります。で、いよいよ明年の一月一日に実施いたしまするので、その間成るべくあらゆる情勢と事情とを具体的にこれを資料について検討して、そうして具体的の問題は先ほど来申上げました保険、社会保険等に現われる治療費の配分の問題が最も具体的な問題になつておる点でございます。これらの点につきましては、できるだけいやが上にも現状を詳かにしながら、先ほど来だんだん申し上げた実収入の変動を来たさないように努力して資料を作つておるような次第であります。これは先ほど申上げましたが、これらの準備につきましては九月になりますると十分御発表申上げる準備をいたし、又その確信を持つて進んでおる次第であります。実は廣瀬さんのお話のように、殊に内容についてはよく御承知の、恐らく数十年来のこれは懸案であつたと存じます、誠に日本の医療業におきましては最も重大なる問題の一つとして論争され、検討されて来た問題がいよいよ近く具体的に解決され、実施されようといたしておりまするので、私どももこれらの点につきましては、十分あらゆる点から厚生省全部を挙げまして円滑に、而もそこには不安のないように最善の努力をいたして参るべきものと心得ておる次第でございます。従いまして私どもの不十分な点が今後ありまするならば、又いろいろと委員会等におきましてもお智慧等を拝借いたしたいと存じます。厚生省自体におきましてはさような心持を以ちまして進んで参りたいと存じております。
#124
○廣瀬久忠君 只今大臣の懇切な答弁を頂きましたが、併し私は分業が法律を以て実行されたことについて私は遺憾の意を表するものであります。これはどこまでもやはり任意でやるべきであると私は信じておる。併しながら今日の実情から申してすでにその法律も通つておる、そうして今日まで相当な経過も経ておる。只今大臣は八月末を以て満足を得る資料を提供すると言われますから、そのときに又再び二の問題を論議する機会を得ることと存じますので、本日はこれを以て私の質問はやめておきます。
#125
○竹中勝男君 実は議事進行について発言しようと思つたんですけれども、その前に極く簡単に要約して三点ほど大臣にお伺いしたいのです。
 第一の点は、今日この法案をめぐつて医師会と薬剤師会といいますか、医師と薬剤師という二つの職業的な集団が対立しておるという現実を認めざるを得ないんです。両方から対立した希望が陳情されておりまするので、それで大臣にお伺いしたいことは、なぜ対立しておるかという理由について大臣の御説明を願いたい。利害関係の対立か、或いは職業に忠実であるが故に、それぞれの職業階級が医薬分業をしないほうがいいという立場が出て来るのか、或いは医薬分業をするほうがいいという立場が薬剤師のほうに出て来るのは、なぜこういう対立が出て来るのかということについてのお考えを述べられて、そうしてどうしてこの対立を緩和して行くか、審議会法を通して行くことによつて、これをどういうふうに緩和して行くかということをお伺いしたいことが第一点。第二の点は、私自分がはつきりわからないのですが、この対立の中にあつて国民は一体どつちを支持して行くだろうか、どういう立場から支持しておるかということが、支持しておるとすればどういう意味において国民はこの分業を支持しておるのかということについて、大臣はどういうふうにお考えになりますかということが第二の点。それから第三の点は大臣のお言葉にもあつたと思いますが、医薬分業が一つの進歩、医薬分業が医療行政といいますか、医療の現実をもう一歩合理化し発展さす、これが段階であるというふうに御説明になつたのですが、この分業が進歩だということは社会的職業が分業するということが進歩だというようにも考えられるのですけれども、又総合することも一つの進歩になるのですが、どういう意味においてこれが進歩、即ち国民の医療ということについての実質的促進になるか、改善になるかという点を御説明願いたいのです。それぞれ専門的の仕事に専念できるからということは、まあ社会的職業の分業ということからは一応正しいと思いますけれども、医療自身の、例えば医療が公営化される、或いは社会化される、国営化されるという方向を示しているとするならば、分業がどの意味において、医療の社会化、医療の公営化、ひいては医療の国営化というような方向にこれがコントリビユートするかという、この三つの点を簡単ですが、説明が足りないと思いますけれどもお答え願いたい。
#126
○国務大臣(草葉隆圓君) 誠に、要約しては三点ですが、中心の、核心に触れている問題ばかり、実は何故にこのようにしたかという問題は、これは先に廣瀬さんもお話になりました数十年来、或いは七十年来と申しますか、医師法が日本に施行されて以来の、一つの問題でなかつたかと思います。日本の医師法の一つの建前は、医薬分業という建前で医師法を作つておつた。そうしてその但書のうちに、たしか私の申上げることが、或いは間違つているかも知れませんが、そこへその当分の間の治療、投薬というものを認めておつたと思います。それが幾たびかその後変遷はあつたでしようが、従つて長らくこの問題は両方の間に論争され、その論争は何故かというと、その医療制度の日本の最初のスタートが、そういうスタートから来たことに起因すると思う。それがすでに昭和二十六年に一度、一応はピリオドを打ちましたので、今度むしろ審議会は、その実際の行き方をどうして行くかという問題についての問題ですから、すでに昭和二十六年に一応ピリオドを打たれたが、やはり先ほどの廣瀬さんの御質問にありましたが、審議会の法案であるけれども、ついその実質に触れて来るという結果になつて来ると思います。それが現在にまでやはり及んでいる問題ではないかと思います。そういう意味において、国民の支持という点につきましては、いろいろ立場々々によつて見当が違つて来るかとも存じます。で、結局これは進歩なりや、或いは医療そのものが十分になし得るような状態、経済的にも余り圧迫を受けずに十分になし得る状態に進んで来るならば、国民の支持というものが強くなつて来るという恰好になつて来ると思う。そこで私は幸い昭和二十六年でこの問題は一応このピリオドを打つて参りました。そのピリオドを打つた状態において、これが実施がいよいよ明年の一月一日に迫つたので、この迫つた状態を考えてみると、これが進歩であるべき方向に厚生省自体は両方の御協力を頂いて、まあ両方と申しまするよりも三者、医師、歯科医師、薬剤師、この三者の方々の御協力を頂いて、そうして進歩であり、医療内容の充実をするし、且つ又国民負担の増さないような方向で進んで行くべきものと考えまして、その方面に最善の努力をさして頂きたいと存じておる次第でございます。
#127
○竹中勝男君 もう一つ医療社会化とか、医療公営化、或いは医療国営化ということについては、この関連について大臣はどういうようにお考えですか。
#128
○国務大臣(草葉隆圓君) これは先ほども申上げましたが、なおこの社会保険その他の、俗な言葉を使いますると、それによつて医療を受けておらない人たちが三十数パーセントあります。それでこれらの数を減して参りたい、たしか三九%であると思いますが、費用から申しますと一六・五%になります。そこでこれらの数を減して、その医療費等も、或いは社会保障或いはその他で負担をいたし得るような状態に早く持つて来ることが必要であると考えております。従いまして個人負担と申しまするか、そのほうがだんだん減つて来て、そして社会保険、社会保障的な負担というものが及んで参りまするときに、医療というものは充実して来るのではないか、かように考えております。
#129
○委員長(上條愛一君) よろしうございますか。
#130
○竹中勝男君 議事進行について発言したいと思つてつい又質問して……。できれば一つもうこの昭和二十六年の質問が主なようになつておりますのですが、審議を昭和二十九年にもどしてこの法案を何とか一つ審議して促進して行く方法を考えたいと思うのですが、一つもう質問を成るだけ簡単に打切るような方策をみんなで協力して、一つその附帯決議の内容などについてもつと懇談したらどんなものかと思うのですが、秘密会でも開いて、そうしてこれを促進したいというふうに私は考えておりますのですが……。
#131
○委員長(上條愛一君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#132
○委員長(上條愛一君) それではちよつと速記を願います。
 それでは本案の質疑はこの程度にいたしたいと存じますが御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり)
#133
○委員長(上條愛一君) 御異議ないと認めます。
 それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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