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1947/11/28 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 予算委員会 第26号
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1947/11/28 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 予算委員会 第26号

#1
第001回国会 予算委員会 第26号
昭和二十二年十一月二十八日(金曜日)
    午前十一時十分開議
 出席委員
   委員長 鈴木茂三郎君
   理事 稻村 順三君 理事 川島 金次君
   理事 小島 徹三君 理事 苫米地英俊君
   理事 庄司 一郎君
      海野 三朗君    河合 義一君
      黒田 寿男君    島田 晋作君
      中崎  敏君    西村 榮一君
      押川 定秋君    川崎 秀二君
      古賀喜太郎君    五坪 茂雄君
      鈴木 明良君    寺島隆太郎君
     長野重右ヱ門君    山崎 岩男君
      青木 孝義君    淺利 三朗君
      磯崎 貞序君    角田 幸吉君
      小峯 柳多君    西村 久之君
      今井  耕君    船田 享二君
      大神 善吉君    中村 寅太君
      野坂 參三君
 出席政府委員
        大藏事務官   福田 赳夫君
        大藏事務官   河野 一之君
        大藏事務官   今井 一男君
        厚生政務次官  金光 義邦君
        農林政務次官  井上 良次君
        商工事務官   細井富太郎君
        勞働事務官   賀來才二郎君
 委員外の出席者
        商工事務官   富松 四郎君
        商 工 技 官 柳澤 定男君
        衆議院參事   山崎  高君
        專門調査員   芹澤 彪衞君
        專門調査員   小竹 豊治君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 昭和二十二年度一般會計豫算補正(第九號)
 昭和二十二年度特別會計豫算補正(特第四號)
    ―――――――――――――
#2
○鈴木委員長 それでは開會いたします。
 まず、昨日政府委員の御出席がなかつたので、こまかいことを聽くことができませんでしたが、商工省の分室設置に關しまして、ただいま商工省から細井會計課長が御出席になりましたから、この問題についての政府委員の御説明を聽くことにいたします。
#3
○細井政府委員 商工省の分室廳舍買收竝びに修理等についての豫算につきまして御説明申し上げます。
 商工省は現在御承知の通り、會計檢査院の廳舍を中心といたしまして、特許標準局、それからもと貴族院關係の建物でございました小さいビル二箇所ばかりを中心といたしまして現在やつておりますが、現在の廳舍の使用状況は、各省の中でも一番狹い廳舍でございまして、大體現在の定員に比較いたしまして、一人當り〇・六坪あまりになつております。それでいろいろ關係方面から打合せ、陳情等がございましても、ほとんど立つたままで、いすも何もない。そうして狹い中で、まるで市場のような騒ぎをして仕事を進めておるようなわけでありまして、各方面から何とかしてくれないかという要求が強いのでございます。そこへもつてまいりまして、最近御承知の通り、産業團體の閉鎖または解散に伴いまして、從來産業團體がやつておりました物資調整關係に附帶した調査なり、あるいはいろいろの檢査事務、その他の事務を全部直接商工省がやらなければならないという事態に相なりまして、今後約一萬二千人ばかりの増員を豫定されておる次第でございますが、このうち約三千人は本省において執務いたすことに相なります。先ほど申しました〇・六坪あまりと申しますのは、現在の人員に對する一人當りの坪數でございまして、將來この増員をいたしますと、ほとんど收容できないという状態でございます。實はもうあしあたり物資調整關係の人を採用いたしますのに非常に困難を感じまして、廊下等もできるだけ間仕切りをいたしまして、ほとんど廊下という廊下で執務に使えそうな所は執務に充てております。こういうような状況でございますので、今後はこのままでまいりますと、非常に事務運營に支障を來すのみならず、今後の増員は絶對にできない。採用いたしましても執務する所がないというような状況に立至つておりますので、先般來各方面の方に連絡いたしまして、何とかして少しずつでもお借りする所はないかというふうに探しておるのでございますが、なかなか手ごろな所が得られないのでございます。また最近閉鎖機關に指定されました所の方からもお借りできないかということで、方々に連絡いたしましてお願いしたのでございますが、これもその中の大部分は最近できました新しい司令部關係のいろいろな機關に充當されるようなてはずに相なりまして、なかなかわれわれの方にはまだまわつてこないというようなことでございます。いろいろ八方手を盡しました結果、思いあぐんでおつたのでありますが、たまたま新宿區の若松町に、現在は學校の寄宿舍に使つておりますが、學校の定員も將來減るというような見透しもございまして、寄宿舍といたしましては他に適當な所に移轉いたしまして、そこは處分してもよろしいというようなことを承りましたので、打合せいたしました結果、國會の方の御協贊を得られるならば處分してもよろしいということに相なつたのでありますが、そこは鐵筋コンクリートの非常にりつぱな建物でございまして、千五百坪ございます。寄宿舍でございますけれども、一つ一つの部屋は相當大きうございまして、なお多少造修を加えますと、部屋と部屋との間を打拔きまして、相當りつぱな事務室になるというようなものでございます。これを買收して、商工省の局のうちで、比較的離れた所におつても事務遂行に支障がないと思われます調査統計局を中心といたしまして、若干の局部課をそれに移轉していただいて、あと現在狹くて困つておるところと、今後の増員に充てたいという意向で提案いたした次第でございます。何とぞ實情をお酌取りくださいまして、よろしく御審議を願いたいと思います。
#4
○鈴木委員長 御質疑ありませんか。
#5
○稻村委員 商工省が人員が増加していくということは、現在どうかというと、行政整理がやかましくいわれておる折柄、ちよつと珍現象に私たちは感ぜられるのであります。なるほど商工省においては、貿易廳の關係の仕事であるとか、あるいは物價調整の關係であるとか、需給調整の關係とかいうので、忙しい一面もありますが、他面またそう忙がしくなくなつたような點もあるので、新しい仕事に對して常に新しい官吏を採用するというその方式自身がどうかと思うのであります。あるいは公團形式その他によつていくものは、おそらくこの廳舍の中にはいることはないだろう、かように考えるのでありますが、その點まず第一にお尋ねしたいと思います。
#6
○細井政府委員 お答え申し上げます。商工省の最近の増員は、主として産業團體の閉鎖または解散に伴いまして、從來産業團體がやつておりましたものを、直接所管いたさなければならないということになりました理由に基くものが非常に多いのであります。なお、從來の仕事の少しひまになつたというような分があるかないかという點につきましては、從來の分で、若干終戰後仕事が手簿になりまして縮小できる點がございましたので、その分は配置轉換の方法によつて増員の分に充てております。しかしこの兩方を加除いたしまして、なおかつ先ほど申しましたような増員に相なるようなわけでございます。最近人員の増加を抑制するということは極力しなければならぬことは、御説の通りでございますけれども、内閣におきましても、そういう御方針で、新しい缺員の充足はやらないというようなこと、その他豫算の節約等の措置を講じておられますので、これに即應いたしまして措置をいたしておる次第でございますが、なお現在の執務状況は先ほど申しましたような實情にある次第でございます。
#7
○稻村委員 大體今の官公廳の關係において、野坂議員からもいくたびか質問があつたように、首切りが主たるところの行政整理が必要だ、こういうふうにいろいろな方面から聽かされているわけなのでありますが、こういうふうなことが起つているということは、いわゆる新しい仕事は新しく人を受入れるというような、そういう仕事の方には相當人が殖えるといたしましても、舊來の事務に從事している人間が相當能率をあげると。相當これは配置轉換をする餘裕があるのじやないか。私たち詳しいことはよくわかりませんが、よく聞くことでありますけれども、最近官廳にいる人たちの仕事が、どつちかというとないから、形式的に一生懸命に自分たちの仕事を通そうという話すらあるというようなことも聞いておるのでありまして、能率的にあげていくということになれば、舊來の仕事に從事しておつたところは新しい仕事の方に轉換できる。これは相當量できるのじやないか。そういうことが前提にならなかつたならば、馘首を前提とする行政整理云々ということが、政府の問題になるはずがないと私は思うのであります。そういうふうに片方に一萬何千人というようなたくさんの人が殖えることになれば、そつちの方面に古いところから相當人を出せる。こういうふうに考えられるのですけれども、その點商工省においてはどう考えておられるか。
#8
○細井政府委員 お答え申し上げます。先ほどからのお答えが少し足りなかつたのじやないかと考える次第でございますが、現在商工省におきましては、戰爭末期から終戰後を經まして今日に至るまでに、數囘の配置轉換を行つております。その結果現在は、大體現在の段階における執務の状況に應じまして、人の配置轉換が行われた態勢が整つていると存ずるのでありますが、なおかつ一人あたりのロードが相當大きいような情勢になつておりまして、局によりましては、ほとんど一人のロードではたえがたいというほど重荷を負わされておりまして、そのために關係方面からの御用も十分豫定の時期に達し得られないで、そのために何人かしばしば怒られているという状況でございます、私どもといたしましては、現在の定員は、先ほど申しました産業團體からの移管の仕事を別といたしまして、それ以外の事務におきましては、その筋の關係の仕事竝びに新しく次々に加わつてまいりますいろいろな統制方式の變更に應じまして、非常に一人あたりのロードが加重されているものと見ておりますので、特に局によりましては、來年度におきましても、これは若干の増員をしなければ大變なことになるというふうにさえも考えておる次第でございます。なお最近の増員は、先ほど申しましたように、産業團體閉鎖または解散に伴う増員でございまして、主として從來産業團體においてこれらの仕事をやつておりました人を吸收するという建前になつておりますので、新たに全然別個のものをもつてまいりまして増員していくというようなことでは、十分の仕事はできないわけでございまして、これは從來産業團體でその仕事をやつておりました中の全部ではございません、それをさらに壓縮いたしまして能率をあげていただくという意味で相當壓縮いたしました數字が、先ほど申しました數字でございます。以上のようなことでございまして、現在は大體配置轉換すべきものはして、それぞれの要職についており、手のあまつているものはないというふうに見ております。
 なお御參考に申し上げますが、先般行政監察委員會の實地の視察もございまして、そのときにも廳舍がこのような状況ではとてもこれは能率もあがるものでない、單に民間の方々が御迷惑されるばかりでなくて、これでは仕事ができないということを非常に強く痛感されまして、その點の解決を少しも早くやれというような御結論があつた次第でもございますから、この點御參考に申し上げておきます。
#9
○稻村委員 そうしますと、一人當りの仕事が非常に加重したということは、もう一つ考えますと、舊來のポストの中には、相當配置轉換その他について人間の餘裕が相當できたことを意味するのかどうか、その點をお尋ねいたします。
#10
○細井政府委員 お答え申し上げます。從來の仕事で配置轉換のできますものは、今までにすでに配置轉換いたしましたので、從來の仕事で分量の減つておりますものは、それだけ縮小された人をもつて當てているということでございまして、配置轉換いたしました人は、忙しくなつた新しい仕事にまわつているという状況でございます。
#11
○稻村委員 そうしますと、商工省の建物全體として考えてみますと、從來のものが燒けたり何かして非常に窮屈を感じているだろうとは思いますけれども、終戰直後の状態から見ると、先ほど局によつてといふうにおつしやいましたが、局によつてはある程度の人間が、そういうふうに一人の人の仕事が過重になつてきたということは、それは部屋の方面にも局によつては一應の餘裕ができたということを意味しないか、この點どういうふうになつておりますか。
#12
○細井政府委員 お答え申し上げます。現在の特別の人の配置は、實は局によつては非常に窮屈な局がございますが、これは機構改革等がございまして、從來の局を仕事の増加に伴いまして分裂したような場合におきまして、その仕事の増加に相當した人員の増加が、必ずしも豫算上その他の措置でできなかつたという點がございますので、それで局によりましては現在非常に手薄のままで困つているのが、比較してみますと、あるわけでございます。なお局によりまして部屋の上で多少餘裕のある局というのは、比較してみますと、たとえば纎維局とか、機械局というようなところは〇・五坪ぐらいに相當いたしておりまして、特に市場のような騒ぎをいたしているのでありますが、局によりましては〇・七坪とか、〇・八坪ぐらいでありますが、しかしその場合でも、大體現在の廳舍の標準は一人當り一坪を基準といたしておりますので、〇・七坪とか、〇・八坪とかいうことは、餘裕があるという意味ではございませんで、どうにか間に合わしておる。その他の特定の局におきましては〇・五坪くらいになつておりまして、特に困つておる、こういう状況でありますから、それの地ならしをやるといたしましても、大していい效果は得られないのであります。
#13
○稻村委員 これは普通の勞働者の場合などということになりますと、交代制というようなことも考えられるのでありますが、今はとにかくどこに行つても物資は不足であり、殊に住居、事務室すべてにおいて非常に困難を來しておるときに、わざわざ分室をもつていかなくても、ある程度能率を上げ得ることは、考慮すればできてくるのではないかというふうに考えておりますし、特に行政整理をしなければならぬということを、政府で盛んに言つておるとすれば、商工省は商工省ばかり考えなくても、どこの官廳でもある程度の分室を離れてもつとすれば、部屋の餘裕のある官廳もできるのであつて、お互い官廳同士の間で探せばそういうことはできると思うのですが、なぜそういうことをしなかつたか。將來また部屋に相當餘裕ができるということが問題にならないとすれば、何も人間が多過ぎるから行政整理をするということは、わざわざ言う必要はない。そういうようなことをして各官廳すべての間に、お互いに有無相通の關係をつくつていつたり、いろんなことをすれば、特に統計局その他の仕事というのは、私は一つにまとまらなければならないということはないと思います。そういうことをすれば、何もまとまつたビルを買うというようなところまでいかなくてもできるのではないかと考えておる。殊に一萬何千人の人間を殖すというのは、それは仕事のうんぬんということもあるかもしれませんけれども、特に新しく人を増員するというような場合には、やむを得ない増員のほかは、やはり現在他の官廳でも何でも勤めておる人間の配置轉換ということをまず考えて、それの受入れ態勢をつくらなければならないのではないか、こういうふうに考えておるのでありまして、商工省の仕事が新しく急に殖えていく、そのために人間を殖さなければならぬということはわかつておりますけれども、しかしその殖すのを他から求めるというよりも、同じ官廳内に求めるのが、私は原則として励行しなければならぬ問題ではないかというふうに考えて、そうしてそういうところに部屋の餘裕を見つけるということにすれば、このように新しくビルを買う必要はないと思う。こういうふうなことが起つたのは、あるいは商工省なら商工省の内部におけるところの、いわゆる局のモンロー主義とか、あるいは各官廳のモンロー主義によつて、お互いに自分たちの關係だけでもつて仕事をしよう、人間で仕事をしようというようなところから生じて來たのだと私は思うのであります。その點に關して會計課長は、的確な返答をしろと言つたところで、事務的な返答しかできないだろうと思うので、これまたいずれ商工省の責任ある人が來てから質問することにして、私の質問はこのくらいにしておきます。
#14
○鈴木委員長 今井君、農林省の井上政務次官は他の委員會の方にお急ぎのようですから、どうぞ先に農林省關係の御質問をお願いしたいと思います。
#15
○今井(耕)委員 農業災害補償法施行に伴う經費が七千九百萬圓計上されておりますが、これは非常に少いと思うが、これで事務費が十分に賄えるのかどうか、お尋ねいたします。
#16
○井上政府委員 農業災害補償の實施に伴います經費七千九百萬圓は少いではないかという御質問でございますが、實際あてはめてみますと、事實少いと存じます。しかしこれは一應そういう豫算を出しておるのでありまして、將來不足の生ずる場合は財政當局とよく折衝いたしまして、追加をお願いするつもりであります。
#17
○今井(耕)委員 なおこの保險金のことでございますが、今までは農業保險の場合に半額を農家が負擔し、半額を國庫から助成しておつた。今度の農業災害補償法によりますと、大體農家が五割五分ということになるのでありまして、五分だけ負擔が多くなる。それで農林常任委員會におきましても、農民の負擔が増加しないように國庫負擔を増加せよという附帶決議があつたわけであります。これに對して政府の方では、どういうふうに御相談になりましたか、何ら問題はなかつたのでありましようか、その間の事情を承ります。
#18
○井上政府委員 この災害補償法の負擔の問題でございますが、なるほど實際は今までの災害保險法に比べますと、五分方増加いたしております。しかしなから從來の災害共濟金に比べますと、今度は飛躍的にその共濟金額を引上げております。そういう關係から必然に、掛金においても増額をしてもらいませんと經營が困難に陷りますので、やむを得ず五分増額をいたしたのでありますが、しかしあと四割五分というものは、一應建前は國庫負擔ということになつておりますけれども、これは實は消費者負擔の關係で生れてくる金額でありまして、大體において共濟金の約半額は農民が負擔をしてもらう、約半額を消費者が負擔をするという建前をとりまして、特に普通災害の場合と異常災害の場合に分けまして、普通災害の場合においては大體農民が負擔をする。異常災害と超異常災害の場合につきましては、大體國庫においてこれを負擔していく。こういう建前をとつております。たとえて言いますと、共濟金平均九百圓もらえるということになりますと、このうち段當二十四圓は農民の負擔、さらにあと二十四圓近くのものが消費者負擔になつておる。こういうことになつておるということを御了承いただきたいのであります。將來國の財政が相當ゆとりが出てまいりますならば、當然國庫負擔の分を殖しまして、農家の經營に對して十分手當を加えていかなければならぬというつもりでおりますので、その點御了承をいただきたいと思います。
#19
○今井(耕)委員 今の消費者負擔の分は、主要食糧についてはそうなりますけれども、その他のものにつきましてはそういう部面がないのでありまして、これに對して當然保險金にしても國庫から相當の助成をすべきものであるというふうに考えるのであります。なおまた保險金の額が飛躍的に増大するので、この災害補償法がうまくいくかどうかということについては農村の實情から非常に心配されるのであります。もう少し何とか國の方で負擔をするようにしないと、これは非常にむつかしいと考えております。これはいろいろ大藏當局との折衝の關係もあるとは思いますが、こういう點を十分御考慮願つて實施されるように願いたいと思います。
 次にこの中に農業協同組合の施行に伴いまして、協同組合の指導育成、それから農業會の解散に伴うところの監査の費用というようなものが三百五十九萬圓出ております。これはこの前農林關係の分科會でも前もつて希望しておつたのでありますが、もちろん人件費につきましては都道府縣の職員費として、災害補償の方と合計いたしまして百七十三萬圓ありまして、合計五百三十萬圓でありますが、こういうものを合わせましてもわずか五百萬圓あまり、一都道府縣によれば十萬圓ほどである。こういうようなものでは、農業協同組合を眞に民主的にやらしていくという上におきまして、國が責任をもつてやつていくという經費としてはてんで問題にならぬところの小額であつて、一體こういうような經費で農業協同組合の育成指導がやつていけるという考えで、こんなものを出しておられるかどうか、これは非常に私は不審に思うのであります。少くとも二千萬圓や三千萬圓の金がなければこんなものはできないと思う。一體こういうような小額なものを出して、これでいけるとお考えになるかどうか、この邊ひとつお伺いしたいと思います。
#20
○井上政府委員 現在の農業會の解散に伴い新しくつくります協同組合の結成に對しての指導について、はなはだ經費が少いのではないかというお話でございますが、まつたく少いのであります。しかしながらこれは大體協同組合が農民の自發的な意思によつて設立するという建前になつておりますので、あくまで農民の自覺を促し、協同組合による農村の新しい行き方をよく理解をせしめまして結成をすることに指導してまいりたい。そのために大體各縣に專屬する職員二名ないし三名を置きまして、その管轄縣下の各農村に對して、この協同組合設立の必要を普及徹底さすつもりでおります。もちろんそのためにはいろいろな印刷物、あるいは出版物等を急がなければならぬ關係がありまして、相當の費用がかかると存じますが、これは追つて財政當局にお願いをいたしまして、もし足らぬ場合は次の豫算で皆樣の御審議をお願いするつもりでおります。實際上はこれでは不足をいたしますから、さらに次の機會においてお願いをするつもりでおりますからよろしくお願いいたします。
#21
○今井委員 ただいま御説明がございましたが、早速設立をしなければならぬ。このときにおいて農民の自覺を促すということはなかなか困難なことでありまして、この設立の際におきまして思い切つてやりませんと、われわれの考えておるようなほんとの民主化された協同組合ができてこないと思うのでありまして、後日どういう豫算を組まれるかわかりませんけれども、時期を失しては效果が薄いのであります。こういうことは農林當局の方では私が言うまでもなくおわかりのはずでなければならぬと思うのでありますが、これは何か大藏省との折衝の關係なんかで、むちやくちやに減らしてしまつておる、こうでも考えぬと解釋がつかぬのでありますが、われわれ農村の實情を知つております者といたしまして、こういうような少い經費ではどうしても納得ができぬ。また時期を失しては、これまた何にもならぬ。事實三百五十九萬圓の費用で、これをわけるといつたつて、こんなものではやりようがない經費である、こういうように考えるのでありまして格別の善處を希望する次第であります。
 なおまた農業會の解散に關する監査でありますが、これについては自治監査というようなものも相當やらなければ、一々縣の職員なんかではやりきれぬと思うのであります。それでこの自治監査に關する助成というようなものもする必要があると思うのでありますが、これにつきまして何かお考えがあればお伺いしたいと思います。
#22
○井上政府委員 農業會解散に伴う實際の監査については、當然嚴重にやらなければなりません。また解散に伴うていろいろな不正が行われ、農民が納得しきれないような事態が生じましてもいけませんし、また新しい協同組合に對してそれが移行されるというようなことになつてもいけませんので、それらの點を明確にいたしたい。そのために必要なる經費は十分各縣でよく調査をいたしまして適當に處置をしてまいりたい、こういうつもりでおります。
#23
○今井委員 ただいま御答辯がありましたが、これは急速に一時にやらんならぬので、縣の方で一人や二人の職員がまわつておつても、なかなかこれは困難なことで事實不可能のことであるということははつきりしているのであります。そう一時間や二時間で終りはしないのでありますから、それには何としても現在の自治監査連合會あたりを活用いたしまして、自治的にもそういうような監査をしていくということでなければ、都合よくいかぬということを痛切に感じておりますので、この點につきましても特別の心配をする必要であるということを痛感する次第であります。この點を特に希望いたします。以上をもつて終ります。
#24
○鈴木委員長 昨日の野坂君の御質問に對しまして、ただいま大藏省から河野主計局次長と、特に衆議院から説明のために山崎庶務部長が御出席されております。まず主計局次長からの御説明を願います。
#25
○河野政府委員 今囘の補正第九號に載つております國會關係の職員の給與に關する經費の豫算でございますが、まずここに載つておりますのは、手當及び給與金の方におきまして、衞視の七品料が衆議院において二十八萬九千圓、參議院において十八萬七千圓計上してございます。これは衞視の被服、帽子、くつ、カラーといつたような七つの品目でございますが、これが從來月額十八圓程度でありましたものを、月額百八十五圓に増額いたしております。次に衞視の宿料、すなわち住宅手當でありますが、これが衆議院において三萬一千二百五十圓、參議院において三萬七千圓、これは既定豫算がございますので、その關係を差引いてございます。從來衞視につきましては住宅手當、すなわち宿料といたしまして月五圓程度を計上いたしておつたのでありますが、これを五十圓に増額いたしております。
 次は速記者の特別手當でございますが、衆議院において四十四萬四千圓、參議院において二十七萬五千圓を計上いたしております。これも既定の經費がございましたので、これを差引き計上いたしております。從來におきましては月額四十圓でありましたものを月額四百圓に増額計上いたしております。
 次に特別手當といたしまして衆議院において二百五十六萬一千圓、參議院において百四十九萬四千圓を計上いたしております。これは居殘り勤務をいたしますので、勞働基準法の標準によりまして、一時間につき本給その他暫定加給を加えましたものの百分の〇・五三という計算でいたしております。新國會が開會せられましてから五月、六月は大體一日二時間程度、七月、八月は一日四時間程度居殘り勤務する、こういう計算で、同額に直しまして大體月收の二割五分程度を特別手當として支給する建前になつております。合計して衆議院において三百二十八萬六千圓、參議院におきまして百九十九萬三千圓でありまして、全部合計いたしますと五百二十八萬圓ほどになる次第でございます。
#26
○山崎説明員 國會職員の給與の基準は大體官吏と同じであります。それから手當の種類でありますけれども、臨時家族手當、臨時勤務地手當、その他退職手當等につきましては、政府職員の例によつて支給することになつております。なおこのほかに速記者特別手當、衞視特別手當、衞視宿料というものがございまして、金額は各院の議院運營委員會に諮つて定めるというふうになつております。そのほか特種手當、これも議院運營委員會に諮つて支給することができるようになつております。ただいま主計局の次長からお話になりました速記者特別手當は、一人平均四百圓ということになつておりますが、實際支給は運營委員會に諮つて定めることになると思います。國會職員の居殘りの場合の手當はどうかという御質問でございますが、政府職員に對する超過勤務手當が實施になつておりません關係上、政府職員の例によつて支給することができないのであります。このたび豫算に計上してある特別手當は、この居殘りの場合の過勤について手當を支給したい。もちろんこれも運營委員會に諮りその議を經て支給することになるわけであります。
 國會職員の給與と他の官公廳職員との差はどうかという御質問でございますが、從來他の官公廳の給與と比べまして低うございましたが、最近におきましては、この不均衡をなるべく是正しようと思いまして、大藏省の給與當局の御意見もありまして是正いたしたわけであります。衆議院職員組合と他の官公廳組合との關係はどうかいうことでありますが、衆議院の職員組合は他の官公廳勞働組合にはいつておりません。
#27
○野坂委員 二、三聽きたいことがあります。たとえば職員のうち速記者、衞視、事務員すべて含めて勤務時間の規定はどうなつておりますか。官公廳と同じように四時とか五時になつておりますか。
#28
○山崎説明員 衞視は特別勤務になつておりまして二十四時間勤務でありますが、他の職員は一般政府官吏と同じ勤務時間になつております。
#29
○野坂委員 そうすると今何時ですか。
#30
○山崎説明員 今は九時から四時までです。
#31
○野坂委員 しかしわれわれの經驗では毎日四時に終つたことはないと思うのです。先週などは十二時近くまでみなやつておりますが、ああいう場合の取扱いについて、居殘りの場合の特別手當、あるいは徹夜の場合の特別手當の點、それからその場合における宿舎とか設備の問題はどういうふうになつているか。たとえば速記の方などには非常に若い娘さんがおられます。ああいうような人は、十二時までいて泊つたり何かするのだろうと思いますけれども、設備は何かあるのでしようか。
#32
○山崎説明員 最近のごとき場合に非常に遲くなりますので、非常に努力しております國會職員のために、實は何とか早く超過勤務手當のお取計らいを願いたいと考えておりますが、いろいろの關係がありまして、今囘の補正第九號に載りましたのは、八月分までの金額でございますので、豫算が通過次第至急に支出したいと思います。九月以降の分につきましては至急に豫算の方のお取計らいを願いたいと思つておるのでございます。なお衞視宿料、衞視特別手當、速記者特別手當等につきましては、八月までの會期延長の國會關係の追加豫算におきまして、議院運營委員會にお諮りいたしましてその御承認を得た分でございますが、今囘さらに九、十、十一月という會期に延長に伴う分は、當然國會側として必要な經費となるのでございまして、その際に合わせまして、九月以降の職員の居殘りに對する過勤手當等も、皆樣の御配慮を願いたいと考えておるわけでございます。その場合に實際問題として私たちとしては八時間勞働の原則を守れないということがございます。たとえば超過勤務手當が一般職員に實施されないときでありましても、ここの職員につきましては、あくる日に延ばしてすますという仕事の性質ではございませんので、ぜひとも居殘りの場合に手當が必要でないかということを考えられるのでありますが、何分にも超過勤務手當というものが、政府職員に實行されていない場合には、内容は超過勤務手當という内容でございますが、私としては特別手當という形でなければ不合理だと思いまして、豫算の形におきましては特別手當という形によつて計上されたわけであります。この特別手當というものを出すことは合法的であるかどうかと申しますと、これは兩院の議院運營委員會の合同審査會によつて御決定願いました國會職員給與規定によりまして、議院運營委員會の承認がございますれば支出することになつておりますので、その方のお取計らいによりまして、豫算に計上せられました金額を、國會職員の方に支出することを御承認願いたい、さように考えております。なお皆が居殘りました場合の宿舍設備等はどうかというお尋ねでありました。これは現在のところ、まことに私といたしましては、國會職員の各位に氣の毒に思つておるのでございますが、別に設備はございません。それで、たとえば渉外課、委員部初めその他各課の職員が遲くなりますと、机の上やいすの上にごろ寢をするような状況でございます。私どもといたしましては、できるだけこれは何とかいたしたいものと考えておりまして、議員宿舍というようなものも、運營委員會の御承認を得たいと思つて、今設計の方の準備もできておりますが、そういうものの關係もありますので、議員宿舍の方が建設できますれば、國會職員に對する宿舍設備というようなものも、特殊な勤務者についてはお認め願いたいと考えておる次第でございます。ただいまのところは院内で夜を過すという状態でございます。
#33
○野坂委員 ついでに伺いたいと思いますが、超過勤務の特別手當の平約の額はどのくらいになりますか。たとえば速記にしても、衞視にしても、この間のように一晩殘つた場合においては、一晩じやないこのごろ毎日四時過ぎまで働いておられますが、平約の額はどのくらいになるか。これをお聽きしたい。
#34
○山崎説明員 超過勤務の額は平均どのくらいになるかと申しますと、ただいまのところ、豫算の要求書といたしまして、實は先ほど主計局次長が御説明申しました通りの額を計上したわけであります。一人平均としていくらになるかということは、實はまだその計數をとつておりませんので、はつきりしたことを申し上げかねるのでありますけれども、實施方法につきましては、内容はあくまでも實際に居殘つた者に出す超過勤務手當でありまして、形式としては特別手當の形で出すのであります。現實に大體一人當りいくらくらいになるかということは、大體國會職員が全部で千人おりますから、千人おります場合に、大體一人平均居殘り時間を三時間または四時間と見ますれば、その全部の總計がこの金額の範圍の中でやつていけるのじやないかというふうに思つておりますが、一人當りいくらの額になるかということはちよつと計算しておりませんので、まだお答えいたしかねます。
#35
○野坂委員 ただいま、まだ手當の基準もきまつていないような話で、これはずいぶんおかしな話だと思います。私たちここで見ても、ここの職員諸君は非常に過勞だと思います。これに對して四時以後の殘務、あるいは超過勤務といつた場合には當然拂つておるべきだし、將來も必ず拂うべきである。それがあなた方の方に全然まだ、平均がどのくらいか。たとえば速記とか、衞視その他について、一人當り一時間殘ればどのくらいになるというような基準が當然あるべきだと思う。これがもしないとすればこれは非常な問題であると思う。何かこの衆議院だけ特別扱いして、職員がおとなしい職員だから、これを今まで通りこき使うというような觀念がやはりあるのじやないか。もしそういうことがあるならば徹底的に今日から改めてもらうべきである。もう一つ、ここの仕事が非常に過重であるということは一般に認められておりますが、これは一つは給與の問題もあるし、同時に人員が相當に少くはないかという問題もありますが、この點どうですか。
#36
○山崎説明員 今のお尋ねの御趣旨十分拜聽しました。われわれもその線に沿つて努力してきたのでありますが、現在まで支給できなかつたのはきわめて遺憾であります。現在まで支給できなかつた理由は、豫算的措置がどうしてもとれませんので、いろいろな事情で遲れたのが原因でありまして、この點はまことに恐縮に思つております。それから、平均一時間いくらになるかというお話でありますが、平均、つまり個人的に受取る金額というものは、超過勤務手當でいきますと、時間給でいきますので、人によつて差異があります。たとえば、同じ一時間居殘つたといたしましても、俸給の高い人と安い人によつて時間給の差異がつくわけでありますが、國會職員全般にして平均一時間いくらになるかというお尋ねでございますと、大體八圓ちよつと上になります。平均給與が豫算的に七圓いくらになりますので、二割五分増と見ますと八圓ちよつと。こまかい資料は今持つておりませんので、はつきり覺えておりませんけれども、八圓ちよつとになります。それで實は一日千秋の思いで待つておるのでありますから、補正豫算が通り次第に、できるだけ早く支給いたしたいと考えております。なお、現在大體私たち職員全部で定員が千人であります。それに營繕關係の臨時職員がごくわずかおります。現在の定員では足りないのじやないかというお話でありますが、これはもうお説の通りでございます。で、最初二十二年度本豫算を編成いたします際に、やはり各部課の仕事の量とにらみ合わせまして、大體豫想されるところの定員を組んだのでありまして、どうしても千五百人くらいは必要だと思つたのでありますが、今までの帝國議會におきましては、常置職員が三百人ちよつと、それに議會中は臨時職員は採用しておりまして、議會のないときには大體常置職員が少くて間に合つたような關係で、急に人を殖やすことも、なかなか當時の状態として人が集まらぬのじやないか、それから、急に殖やしましても建物の容れ場がありませんので、それも考えなければならぬということもありますし、かたがた大體千人程度をもつておさめてくれないかというふうな財政上の話もありまして、それで一應、當時は運營委員會もまだできておりませんので、大體各派にお諮りしまして、千人というふうになつたのであります。これを考えてみますと、千人ではもちろん十分とは考えておりませんので、二十三年度の豫算におきましても、ある程度増員はやむを得ないのじやないかというふうに考える次第であります。
#37
○野坂委員 もう一つ、今ここに職員組合がありますけれども、これが官公廳の組合とは別個に獨立しておるというふうなことは、ここの當局の意向でこういうふうになつておるのか。將來やはりここも官公廳の職員である限りは、同じくやはり官公廳のある總連合的なところにはいるということを、やはり當局としても許されるのか。あるいは許されないのか。何かそこに特別の事情があるのかないのか。これをお聴きしたい。
#38
○山崎説明員 ここの職員組合につきましては、私たち現在はいつておりませんので、私から御答辯申し上げるのもちよつとへんかと思いますが、しかし私が承知いたしております點を申し上げますと、ここの衆議院職員組合の諸君がいろいろと意見を鬪わし、かつ職員皆さんのお考えでも、官公廳の組合にはいらずに獨立しておるということを承知いたしております。當局が別に指示するとかいうことは全然ございません。
#39
○鈴木委員長 ちよつとついでに、これは運營委員會で聽いてもいいのでありますが、この手當は八月までで、どうして九月以降はお出しにならぬのですか。
#40
○山崎説明員 ただいま委員長からお話の補正第九號に盛られました豫算は八月までの分であるが、その理由いかんということでありますが、今囘の補正第九號に盛られました豫算は、速記者特別手當、衞視宿料、衞視の七品料、これは五月から三月までの一年間全部であります。それから特別手當だけ七月、八月となつておりますが、これは補正七號に盛られております豫算と同じに、實は大藏當局と話を進めたものでございまして、その際この分だけは豫備金で出すという話があつたのであります。それでそれだけ落しまして補正七號の豫算ができたのでありますが、その金額だけは當時からもまとまつてできておりました。ところがいろいろな事情でもつて結局國會關係でございますから、追加豫算でなくてはいかぬだろうというお話も出まして、その豫備金でこちらの方にもらうという計畫が變更になりまして、追加豫算ということになつたのでありますので、とりあえずその分だけでも急いでいただきませんと困りますから、その分だけでも切り離して、それも印刷に辛うじて間に合つた程度でありまして、補正九號に入れてもらいまして、あとの九月以降はその次の豫算ということになつておりまして、私の方ではその九月以降の分につきましては、事務的な手續は大藏省に對して全部濟ましております。その點御了承を願います。
#41
○野坂委員 私はこの問題についてはこれ以上質問いたしませんが、ただ一言言いたいことは、國會の運營を圓滑に、また能率的にやるためには、まず第一には人員を適當に殖やすことも必要だろうし、第二には給與をもつと十分やつていただく、特に速記とか、飜譯とか、特別の技術を要する者は、聽いてみると人が非常に少いらしい。ところがこれには給與が安いので來にくいという事情もあるようです。だからこの問題は豫算委員としての今後の問題として、われわれ十分考慮していくべき問題ではないかと思います。先ほど申しましたように特別手當というようなものはすぐ實行してもらうことを重ねて申しておきます。
 きのう私の方で質問した中で、今度の豫算のうちで勞働爭議の豫防竝びに爭議解決に必要な經費、これの内容の説明をひとつしていただきたい。
#42
○鈴木委員長 勞働省勞政局長がおられます。賀來才二郎君。
#43
○賀來政府委員 お答えいたします。去る二十一日現在で全國の爭議の状況、特に爭議行爲を伴つておりまする爭議の數、言いかえますとストライキ、あるいは生産管理、あるいは工場閉鎖、怠業等々を伴つておりますのが五十六件、參加人員一萬五千餘人となつておるのであります。そのほか爭議行爲は伴つておりませんが、目下交渉をやつておりますのが、これは全官公廳初め相當な數になつておる状況は御承知の通りと思います。われわれといたしましては勞働爭議というものは、起るべきいろいろの事由があつて起るのでありまして、最も好まして状況は、これは起らないのがいいのでありますけれども、やはり事由があつて起るのであります。これを力によつて止める、あるいはこれを忌避するというがごときは、とるべき態度でないと思つております。ただでき得るならば現在のような情勢下におきまして、爭議というものが起りますならば、それが早く解決がつき、またなるべく爭議行爲を伴わずして平和的に解決がつくことが最も望ましいと考えるのであります。ところでこの爭議が解決し、あるいは平和的に爭議を解決するには、いろいろな方策、殊に根本的には勞働者の生活が保障され、安定されることが必要でありまして、これがためには各種の根本的な方策が講ぜられなくてはならぬと考えておるのでありまして、特に現在のような情勢下におきましては、非常にむつかしい問題ではありますが、やはり何とかそれらの努力は拂わなければならない、かように考えておるのであります。しかしそれらの根本的な、あるいは重要な事項は別といたしましても、勞働省の當局といたしましては、とにかく爭議が起りましたものは先ほど申し上げましたように、なるべく早期に、平和的に解決をしたい。その方法といたしまして、できるだけ爭議行爲にはいります前に、中央及び地方に勞働組合法によつて設置してありますところの勞働委員會の努力によつて、これが解決せられることをはかりたいという考え方をもつておるのであります。この勞働委員會はきわめて民主的に構成せられておるのでありますから、その勞働委員會が調停ないしは斡旋いたします事項について、これは行政官廳はもちろん、あらゆる團體に關係なくして、中正な、また權威ある裁定にまつことが必要である。それには勞働委員會の活動が十分にでき、また權威ある活動ができることを、政府といたしましては念願し、これに協力しなければならぬ、かように考えておるのであります。ところで最近は先ほど申しましたように、相當爭議は多いのでありますけれども、これに對しましてはまた中央及び地方勞働委員會は、御承知のように非常に努力をしていただいておるにもかかわりませず、經費が不十分な點があり、特に中央勞働委員會におきましては事務的な費用が少い。地方の勞働委員會におきましては、まず委員の方が本職を放擲されるような形で、連日御努力願つておりますにかかわらず、その委員手當は豫算平均をいたしまして會長が年一萬二千圓、普通の委員が平均いたしまして六千圓というふうな状況でありまして、これは何とか増額をいたしたいと努力してはおりますけれども、さしあたりのところは御承知のように調停委員會はとかくこれが夜に及ぶことも多いのでありまして、それらに對しましては一般的な手當は増額できないにしても、それだけ一日調停委員會をやつていただきましたならば、何とかその御勞苦には報ゆべきであろう。そこで謝金という形でもつて、大體一囘あたり二百五十圓程度の謝金を差上げるような形にいたしたい。それから最近は大きい爭議というよりも、いろいろな事情から、中小の事業場がいろいろ問題を起す機會が多いのであります。それには勞働委員會の調停委員、あるいは斡旋委員が現地に出かけられて、現場で解決せられる場合が多いのであります。また解決せられるにつきまして、權威あり、信頼ある解決をするには、十分の調査をしていただくことが必要である、かような意味で考えてみますのに、現在の状況では旅費が非常に少いのであります。また事務に關連いたします消耗品、あるいは會議費等が少いというので、これの費用をできるだけ差上げたいと考えまして、とりあえず本年度におきましては、五箇月分といたしまして百五十萬圓を、地方勞働委員會及び地方勞政事務關係にいただくようにお願いしております。中央勞働委員會につきましては、九十六萬圓という金をいただくようにお願いしているのであります。なお地方關係につきましては、國庫が補助いたしますのは百五十萬圓でありますが、およそそれと同額であります地方分與税を各地方に分與いたしますので、實質的には三百萬圓の金額に相なるのであります。以上のような地方勞働委員會及び中央勞働委員會の活動によりまして、なるべく早期に、かつ平和的に解決していただくように御努力を願いたい。これに要します經費の御審議を願うことにいたしているのであります。
#44
○野坂委員 この問題と離れてもう一つお聽きしたいのは、先ほど稻村君の方から、商工省分館設置に關する經費、の問題を出されましたが、私はこれは小さい問題でなくて非常に重要な問題だと思います。つまり豫算編成に關する基本方針なのであります。たとえば昨日財政及び金融委員會で、栗栖大藏大臣が述べられたところによると、やはり行政整理に從つてここでは人員の整理も必要であることを非常に強調されている。ところが一方では、こういう稻村君の言われたような、あるいは必要ではないかも知れない。あるいは今現在ある官公廳の建物などを、うまくやつていけばできるかも知れない。それにもかかわらず三千二百萬圓という相當な額が上してあるのであります。一體政府が今言つている行政整理は何を意味するのか。ただ首切りを意味するのか。こういう建物の問題は、行政整理の中へ入れて解決てきるのではないかと私たちは考える。これに對する基本的な豫算編成の問題ですが、局長の方で今答えることができなければ、大藏大臣の方から答えてもらいたいと思います。
#45
○福田政府委員 政府の人員ならびに經費の使用に關する態度といたしましては、終始合理化ということを目途としております。必ずしも人の首を切るということではないのでありまして、現有の定員をフルに活用して、人間につきましてはなるべくこれを増加しない。すなわちその内容を分析して申し上げますと、新規に定員の増加をなるべくいたさないようにいたしたい。もう一つの内容といたしましては、新規に人間を採用することを避けていきたい。かような方針をとつているのであります。先般さような趣旨で、第七號豫算におきましては、人件費一億圓の節約をいたしているわけであります。なお今後もその趣旨を推し進めていきたいと考えておりますので、九億圓の人件費の節約のほかに、さらに節約をはかつていきたいと考えております。物件費につきましても同樣に、できるだけ節約したいという趣旨で、先般の第七號豫算にもその節約費を計上しております。今後におきましてもできるだけ物件の節約をしていきたいと思つております。ただいま御指摘の商工省の廳舎につきましては、商工省の廳舎はきわめて狹隘でありまして、正確には記憶しておりませんが、一人あたり坪數〇・五坪というくらいの狹さになつておるのであります。丁度女子醫專の校舎が賣ものに出たというので、この際これを賣收するというのであります。全體の物件費、人件費に對して、できるだけ合理化をはかつていきたいということは變らざる方針であります。御了承を願います。
#46
○野坂委員 たとえば昨日栗栖大藏大臣の言われたところによると、機構の改革をやる。その場合に司法省、内務省の兩省についての整理が行われるというふうな言葉があります。私たちも新聞など承知しているところによると、兩省のいろいろな機構の縮少とか改變が行われれば、相當そこに建物の餘裕が起るんじやないか、そういうところをなぜ利用しないのか。
#47
○福田政府委員 行政機構の改變と申しましても、現在の人間が非常に減るというような構想のもとにできておるのではないのであります。たとえば内務省が解體になりましても、大體これがばらばらに數箇の役所に轉換されるので、大體それだけくらいな人數は要るのであります。というのは、仕事目體がなくなるわけではない。仕事は内務省が解體された後においても、引續きそれぞれ續くものですから、殘つていくというような關係になるのであります。そういう際におきましては、できるならば、たとえば内務省の職員が内閣に來るといえば、内閣の廳舎に内務省の人が移るということが理想的でありますが、現在なかなか餘裕がありませんから、從つて内務省の廳舎に殘るというような關係になるのであります。機構の改變は相當行われるのでありますが、人員の増加を抑制するというのが手いつぱいでありまして、なかなか減少するというわけにもまいらない状況であります。御覽いただきますればよくおわかりでありますが、内務省の廳舎等におきまして、廊下で執務をしておるというような状況で、ほとんど餘裕というものがないのであります。なお官舎等につきましても、できる限り配置の轉換を考えておるというようなことで、新規の買入れというようなことは極力抑制しております。さよう御了承願いたい。
#48
○野坂委員 最後に一言聽きたいのは、今のお言葉によると、結局行政整理というのは合理化の意味である。その中には人員の整理、人員の首切りということは大體含まないというふうに、われわれ了承して差支えないのでありますか。
#49
○福田政府委員 ただいまのところ、行政整理合理化という中には、人間の首切りということははいつておりません。
#50
○中村(寅)委員 商工省で吉岡彌生女史の學校を買收するという御説明であつたが、大體その敷地と建物の坪當りの單價をお聽きしたいと思います。
#51
○鈴木委員長 今關係の政府委員がおいでになりませんので、いずれあすにでも…。
#52
○野坂委員 もう一度主計局長にお聽きしたい。速記らしいのですけれども、きのうの新聞に、栗栖大藏大臣の財政及び金融委員會で申された言葉の中に、機構運營の合理化をやるわけであるが、そこには自然人員整理も起つてくると思う、こういうふうにあります。主計局長はこれを意味しないと言われますが、この點はどうですか。
#53
○福田政府委員 大藏大臣の言われた點と、ただいま私の申し上げた點とは違いはない。と申しますのは、行政機構全體としてこれを見ますれば、大體配置轉換という程度になるのでありまするが、しかしこまかい面においては、たとえばいろいろ問題になつております中央官廳の地方に對する出店の問題でありますが、これなどは實は整理をいたしたいという考えをもつております。その際に整理を考えますれば、これは仕事自體がなくなるのでありまするから、從つて、ある仕事のなくなつたという部面に關する限りにおいては、その人に職のなくなるという場面は出てまいります。しかしながら一方において増員の要請がありまするからかように職がなくなるという場合においても、大體他の方面でこれを吸收し得ることになつてくるのであります。この行政整理と申しますのは、機構の改變、人員の増加抑制竝びに事務能率の合理化というような内容をもつておるわけでありまするが、いずれの場合においても、人の首を強いて切るという方針はとつておらないのであります。
#54
○野坂委員 そうすると中央官廳の人員の整理は、方針としては大體やらないというふうに了解して差支えないのですか。
#55
○福田政府委員 ただいまのところにおいては、職員の首を切るというための首切りはいたしません。しかしながら自然に、たとえば老齡のゆえをもつて、あるいは病氣のゆえをもつて、あるいは官廳の仕事がいやになつたというような意味合においてやめるという人が出てくる。その際においては原則として、補充はいたさぬというように考えております。
#56
○野坂委員 これは特別に現在政府の言われておる行政整理と關連しない。たとえば老齡者はやめてもらうということは、いつでもあり得ることだと思います。これは私今問題にしておらない。今政府の言われておる行政整理という中に、人員の整理、つまり首切りということが一つの方針としてはいつておるかということをお聽きしたのでありますが、今のお答えでは、基本的には中央官廳における職員の整理はやらない、ただし地方に出店が出ておる。これは場合によつてはやるかもしれない。これで差支えないでしようか。
#57
○福田政府委員 その通りであります。
#58
○野坂委員 當初豫算及び追加豫算をひつくるめて、本年度の豫算總額のうちで、人件費は何パーセントを占めておりますか。
#59
○福田政府委員 本豫算、追加豫算合わせまして、豫算の總額は、一般會計において二千六十六億圓でありますが、そのうち人件費は概算百二十五億圓であります。
#60
○鈴木委員長 きのうの海野君の御質問に對して石炭廳から、熱管理課長で、熱管理課技官が説明員として御出席になつておりますから、簡單でありますから、ちよつとその説明を聽いて、それできようは散會したいと思います。熱管理課長富松四郎君
#61
○富松説明員 昨日質問のありました熱管理の豫算について説明いたします。昭和二十二年度の熱管理の實施に必要な經費として、中央、地方合して百三十萬九千圓でございますが、これではとうてい熱管理が圓滑に運営してゆけませんので、二十三年度として約二千萬圓、中央、地方各一千萬圓ずつを要求いたしたいと考えておるのであります。昭和二十二年度の豫算の非常に少かつたのは、熱管理について、從來一般の認識が足りなかつた點がございまして、これについては商工省においても六月にやつと熱管理課ができて、本年二月に熱管理規則が制定され、各工場、事業場においては、國家試驗を合格した熱管理士なるものがおりまして、それが熱管理の事務を擔當しておるという、そういうような熱管理規則がやつとできて、これによつて一般の熱管理に對する認識が増してきた。それまではそうゆう點はあまりに等閑視されておりましたので、そのために豫算も非常に少うございました。しかし今後はこの點大いにやりまして、石炭の合理的使用をはかつていきたいと考えております。
#62
○海野委員 今來年度豫算は二千萬圓と言われましたが、現在街の方では毎晩毎晩電燈が消されておる。これは要するに石炭が足りないからである。豫算面を見ると、そういうことに觸れたことが一つもなく、今さしあたり非常に困つております。ついてはこういう追加豫算をもつとただちにもらつて、そうして強力に熱管理を實行なさるお考えはありませんか。來年度と言われるが、來年度までお待ちになるのんきなお考えでありますか、そこの御見解を伺いたい。
#63
○富松説明員 ただいまのお話、ごもつともでございまして、われわれ至急にこの熱管理の運動を展開いたしたいと考えておりますが、豫算が非常に窮屈でございまして、大藏省ともいろいろ折衝いたしましたところ、今度の追加豫算については、大體大藏省の方針として、鑛山關係と石炭國管の問題以外は困難だというお話がございまして、熱管理の方でも、熱管理の一つといたしまして、進駐軍に使用されておりますボイラー・マンの講習を全國的にやりたい、こう考えまして、その豫算を百萬圓ほど要求したのでございますが、それも通らなかつたような實情でございますので、われわれとしてはともかくそれに代るべきものといたしまして、この熱管理の性質上、これはみんなが、各工場、事業場の盛り上る力によつて熱管理はやつていかなければならない。そういう意味におきまして、新たに熱管理協會というものを設置いたしまして、これによつて民間の盛り上る熱意を高揚いたしまして、それによつていろいろな事業を進めていきたいというので、とりあえず熱管理協會を中心にしてこの運動を展開していきたい。これによつて豫算のとれない點を埋合わせていきたい、こう考えております。
#64
○海野委員 これは今申しましたように、今われわれの日常生活が困つておるのである。毎晩々々電燈を消されて仕事も何もできるものではない。これは一に石炭の節約、これを強調することが眼前に迫つた問題である。これを大藏當局が理解しないというようなことで、これをお見送りになつてはいけない。きかなければ何遍でも大藏當局に足をお運びになつてこれを認識させて、これは大した豫算ではない。一億圓にも滿たない。二千萬圓、三千萬圓というような、豫算面から見れば蚊の涙に等しいものである。こんな豫算がわからないようでは、大藏當局がいけないと私は思います。要するに商工省當局においては、御熱心が足りないのであるというふうに私は考えるのですが、この熱管理を、一般の認識を深めてからおやりになるというような考えでは私は斷じていけないと思う。これはもう少し力を入れて御奮鬪なさるお考えがありませんか。この御決心があるかないかを私は伺いたいと思います。
#65
○富松説明員 先ほども申しましたように、この熱管理課というものも新しくやつと六月に生れたものでございまして、今まではそういうことについてはあまり積極的でなかつたという面もございまして、今そういう御忠告を受けたわけでございますが、今後大いにやつていきたいとこう考えております。
#66
○鈴木委員長 それではきようはこれで散會いたし、明日午前十時より開會いたします。
   午後零時四十五分散會
ソース: 国立国会図書館
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