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1953/02/24 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 本会議 第11号
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1953/02/24 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 本会議 第11号

#1
第019回国会 本会議 第11号
昭和二十九年二月二十四日(水曜日)
   午後一時三十八分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第十一号
  昭和二十九年二月二十四日
   午前十時開議
 第一 義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する法律案及び教育公務員特例法の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 第二 しやし繊維品の課税に関する法律案(趣旨説明)
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議長(河井彌八君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#3
○議長(河井彌八君) これより本日の会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。文部委員長から教員の思想調査問題等に関する実情調査のため、青森県、茨城県に木村守江君、加賀山之雄君、高田なほ子君を明日から三月六日までのうち五日間。山口県、静岡県に田中啓一君、荒木正三郎君、相馬助治君を明日から三月六日までのうち七日間。厚生委員長から最近の経済事情並びに地方財政の窮迫に伴う生活保護法の適用に関し、その実情を調査するため、大阪府、岐阜県に竹中勝男君、堂森芳夫君を三月一日から四日間。茨城県、福島県に常岡一郎君、西岡ハル君を三月四日から四日間の日程を以て、それぞれ派遣されたい旨の要求書が提出されております。各委員長要求の通り、議員を派遣することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。よつて各委員長要求の通り議員を派遣することに決しました。
     ―――――・―――――
#5
○議長(河井彌八君) 日程第一、義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する法律案及び教育公務員特例法の一部を改正する法律案。(趣旨説明)
 両案につきましては、国会法第五十六条の二の規定により、内閣からその趣旨説明を求めます。大達文部大臣。
   〔国務大臣大達茂雄君登壇、拍手〕
#6
○国務大臣(大達茂雄君) 今回政府において提出をいたしました義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する法律案につきまして、提案の理由並びにその内容の概略を御説明申上げます。
 そもそも教育上良識ある公民たるに必要な政治的教養が尊重されなければならないこと及びそのためには、学校においては、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治的教育が行われてはならないことは、今更申上げるまでもないことであります。それは教育基本法第八条において明らかに示しているところであります。殊に義務教育は、国民教育の基本をなすものでありますので、特にその政治的中立の確保が期せられなければならないのであります。この法律案の所期するところは、義務教育学校において教育基本法の期待するような正しい政治教育が行われることを保障するにあります。
 即ち、第一条に規定しておりますように、この法律は、教育基本法の精神に基き、義務教育諸学校における教育を党派的勢力の不当な影響又は支配から守り、以て義務教育の政治的中立を確保すると共に、これに従事する教育職員の自主性を擁護することを目的と下るものでございます。(「嘘言え」と呼ぶ者あり)
 然らばどのような方法によつてその目的を達成するかと申しますと、この法律案の第三条に規定するように、何人についても、義務教育諸学校の教育減員に対し、児童生徒に対して特定の政党を支持させ、又はこれに反対させる教育を行うことを教唆し、又は扇動することを禁止しようとするのであります。併しそれには条件が付けられているのであります。第一に、教唆又は扇動するに当つては、特定の政党その他の政治的団体の政治的勢力の伸長又は減退に資する目的を有することが一つの条件となつておりまして、この目的を欠く行為は禁止されないのであります。第二に、教唆又は扇動するに当つては、学校教育法に規定する学校の職員を主たる構成員とする団体、又はその団体を主たる構成員とする団体の組織又は活動を利用するということが条件となつております。尤も、学校教育において、特定の政党等を支持し、又はこれに反対させる教育を行うことを教唆、扇動するがごときは、如何なる目的に出るものでありましても、又如何なる手段に訴えるものでありましても、教育上の見地からすれば、好ましくないことではありますが、現実にこの法律を以て禁止するのは、以上のような特別の条件を備える場合にのみ限定した次第であります。
 次に本法の違反行為に対しましては罰則を設けておるのでありまして、第四条に示すように、前条の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処するとなつております。(「憲法違反だ、そんなのは」と呼ぶ者あり)そして第五条において、本法の違反行為に対する罪を論ずるに当つては、それぞれの学校を所轄する機関の請求を待つて論ずることとしました。
 以上本法案の提案理由並びにその概要を申上げました。慎重御審議の上、速かに御可決あらんことをお願いいたします。
 次に教育公務員特例法の一部を改正する法律案につきまして提案の理由並びにその内容の概略を御説明申上げます。
 公務員の政治的行為につきましては、現行制度の下におきましても、特別職を除き一般職の公務員に関しては、国家公務員たると地方公務員たるとを問わず一定の制限を加えておるのでありまして、これは、職員に対して政治的中立性を保障することによつて、国及び地方公共団体の行政の公正な運営を確保すると同時に、職員の利益を保護する趣旨に出たものと考えられるのであります。(「何が利益だ」と呼ぶ者あり)このような政治的行為の制限は、国立、公立学校の教育公務員につきましてもひとしく適用されているのでありますが、国立学校の教育公務員と公立学校の教育公務員との間には、現在法制上顕著な差が設けられております。即ち国立学校の教育公務員は、国家公務員として国家公務員法の定めるところにより制限されているのに対し、地方公務員たる公立学校の教育公務員は、地方公務員法によつて制限を受けまする結果、制限事項及び罰則の有無につき差異があるのみならず、制限を受ける地域の範囲につきましても、国立学校の教育公務員が全国的に制限を受けているのに反し、公立学校の教育公務員に対する制限は、原則として、その勤務する学校の設置者たる地方公共団体の区域内に限られることとなつているのであります。(「教育においては公私立の別はないぞ」と呼ぶ者あり)
 併しながら、教育は国民全体に直接責任を負つて行われるべきものであり、一地方限りの利害に関することではないのでありますから、職員の政治的中立性を保障して、その職員の職務たる学校における教育の公正な運営を確保するに必要な職員の政治的行為の制限につきましては、公立学校の教育公務員を国立学校の教育公務員と区別して規制することは適当でないと考えるのであります。(「それが独断だ」と呼ぶ者あり)
 よつて、教育公務員の職務の特殊性を考慮し、公立学校の教育公務員の政治的行為の制限につきまして、これを国立学校の教育公務員と同様の取扱いをしようとするものであります。
 以上本法律案につきまして、概略の御説明をいたしました。何とぞ慎重御審議の上、速かに御可決下さるようにお願いを申上げます。(拍手)
#7
○議長(河井彌八君) 只今の趣旨説明に対し、質疑の通告がございますが、御これを次会に譲りたいと存じます。御異議、ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。
     ―――――・―――――
#9
○議長(河井彌八君) 日程第二、しやし繊維品の課税に関する法律案。(趣旨説明)
 本案につきましては、国会法第五十六条の二の規定により、内閣からその趣旨説明を求めます。小笠原大蔵大臣。
   〔国務大臣小笠原三九郎君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(小笠原三九郎君) 只今議題となりましたしやし繊維品の課税に関する法律案につきまして、提案の理由を説明いたします。
 政府は、今次の税制改正におきましては、租税負担の調整及び資本蓄積の促進を図るため、所得税、法人税等の直接税について、その軽減合理化を図ることとし、これに伴い間接税については、或る程度の増徴を行い、併せて奢侈的消費の抑制を図り、国際収支の改善等に資することとしているのであります。併し現行の間接税の増徴だけでは、その増収額にもおのずから限界がありまするし、又、現在消費税を課せられる物品の範囲も相当広汎に亘つていること及び最近における繊維品の消費の状況等に顧み、これらの消費税の課税物品との負担の権衡を図る等のため、繊維品のうち奢侈的と認められる物に対して、新たに繊維品消費税を課することとし、ここに奢侈繊維品の課税に関する法律案を提出した次第であります。
 以下この法律案の内容につきまして主要な点を申上げます。
 先ず、繊維品消費税の課税の範囲について申上げますと、大衆の負担となることを避け、奢侈品課税といたしますために、販売価格又は保税地域からの引取価格が一定金額を超える高価な繊維品のみを奢侈繊維品として課税の対象とすることとし、着尺地等の小幅織物及び帯地につきましては一反又は一本につき七千五百円、洋服地等の広幅織物につきましては一ヤードにつき四千五百円、又、毛布につきましては一枚につき八千円といつた免税点を設けることとしているのであります。この案によりますと、小幅織物、広幅織物のそれぞれの生産高のうち、繊維品消費税を課せられるものの割合は、数量で七%程度に過ぎないものと推定されるのでありまして、従つて本税が大衆負担となる虞れはないものと考えておる次第であります。
 次に、繊維品消費税の納税義務者につきましては、一面消費税の負担の適正を図るためには、成るべく消費に近い段階で課税することを適当とする要請がありますると同時に、他面納税義務者の数をば成るべく少くして徴税上り手数を省く必要もあり、これらを慎重に考慮いたしまして、本税は、織物等の販売業者で小売業者以外の者が、小売業者、洋服等の縫製業者又は消費者に課税繊維品を販売した場合に納付しなければならないこととしているのであります。又、保税地域から引取るものにつきましては、原則としてその引取者を納税義務者としているのであります。
 次に、繊維品消費税の税率は、免税点その他負担の程度等を考慮いたしまして、百分の十五としているのであります。又、繊維品消費税の納期につきましては、最近における取引の実情に顧み、原則として販売の月の翌々月末日としているのでありますが、担保を提供した場合におきましては、更に一月以内の徴収猶予を認めることといたしますると同時に、その担保の種類等につきましても、できるだけ実情に即した便宜な取扱をすることにいたしまして、徴税に無理を生じないように配慮いたしているのであります。
 以上のほか申告及び記帳につきましても、納税義務者の手数を少くいたしまするために、課税される繊維品に関する事項に限定する等、できるだけ簡素な取扱をいたすこととしているのであります。
 なお繊維品消費税の税収は、昭和二十九年度におきまして八十五億円を予定しているのでありますが、繊維品消費税は、その創設の趣旨等に顧みまして、その実施期間を昭和三十一年三月三十一日までといたしているのであります。
 何とぞ御審議の上、速かに賛成せられるよう切望する次第であります。(拍手)
#11
○議長(河井彌八君) 只今の趣旨説明に対し、質疑の通告がございますが、これを次会に譲り、本日はこれにて延会いたしたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。次会は明日午前十時より開会いたします。議事日程は、決定次第公報を以て御通知いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時五十五分散会
     ―――――・―――――
○本日の会議に付した事件
 一、議員派遣の件
 一、日程第一 義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する法律案及び教育公務員特例法の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 一、日程第二 しやし繊維品の課税に関する法律案(趣旨説明)
ソース: 国立国会図書館
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