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1953/03/30 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 本会議 第25号
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1953/03/30 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 本会議 第25号

#1
第019回国会 本会議 第25号
昭和二十九年三月三十日(火曜日)
   午前十時三十七分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第二十五号
  昭和二十九年三月三十日
   午前十時開議
 第一 日本国とアメリカ合衆国との間の国際郵便為替の交換に関する約定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)(委員長報告)
 第二 中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第三 農産物検査法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第四 食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第五 放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件(衆議院送付)(委員長報告)
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議長(河井彌八君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#3
○議長(河井彌八君) これより本日の会議を開きます。
#4
○永岡光治君 私はこの際、上田市における公安調査官による信書の秘密侵犯に関する緊急質問の動議を提出いたします。
#5
○天田勝正君 私は、只今の永岡君の動議に賛成いたします。
#6
○議長(河井彌八君) 永岡君の動議に、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発言を許します。永岡光治君。
   〔永岡光治君登壇、拍手〕
#8
○永岡光治君 私は長野県下に起りました思想に対する弾圧と人権の蹂躪及び信書の秘密侵犯事件、特にこれが破防法の実施と共に設置されましたところの公安調査官によつて行われておるという事実、誠に由々しいこの事件につきまして、吉田首相以下関係大臣に対しまして、若干の質問を行わんとするものであります。
 で、事件の内容を明らかにするために去る二十三日付の朝日の朝刊の「声」の欄に投書されております「公安調査庁へ」と、こういう記事が出されておりますが、念のためにこの記事を先ず読み上げてみたいと思うのであります。「さいきん思想調査という問題がいろいろ論議されている。これをまた裏書きするかのように『公安調査庁のもの』と称する人物がうろついて、われわれ郵便外務員をなやましている。身分証明書を出してみせるところをみれば、まんざらニセモノとも思われないのである。それは、われわれが郵便を配達している途上で、いともいんぎんに呼びとめられるのである。そして『某機関紙は一日に何通くらい郵便で出されるか』とか『何町の何某へは郵便は来ていないか』とか、また『何某へは主としてどういうところから通信があるか』とか、明らかに憲法第二十一条違反、郵便法第九条違反と認められることばかりを質問する。それに対する回答を拒めば、こちらの姓名を問う。それも拒絶すれば『では、いずれ責任者のかたにお目にかかつて……』とやや皮肉げにいいすてて、立ち去つて行く。いつたい公安調査庁とは、このように憲法に違反し、また当務者として絶対に守らなければならぬ郵便法に違反せよ、とわれわれに強要する役所なのだろうか。まだ、この問題はこの町だけのことなのだろうか。憲法で保障されている『通信の秘密』とは、ただ通信文の内容のみに限られているのではない。差出人または受取人の住所氏名、取扱つた年月日、郵便物の種類、統計を除いた数量などなど、秘密の範囲は決してせまくないのである。ぜひとも調査が必要とあれば、なぜ正々堂々と筋を通して調査をしないのか。これ以上われわれ外勤者を悩まし、不愉快な思いをさせることはやめてもらいたい。われわれ外勤者は調査官のかたがたほど太い神経をあいにく持ち合せていない。回答を拒絶すればシンパじやないかと思われはしないか、などと心配するほど気の小さい者が多いのだから」、こういう投書がなされておるのであります。これは記名されまして、「長野県・洞口十四雄」という氏名が明確に記されております。
 私はこの記事を見て非常に事の重大さに驚いたのであります。ところが、同じく朝日新聞の二十七日の朝刊には、この投書の欄を裏付ける事実が明確に三面記事に掲載されております。即ち、これは上田市に起つた事件でございました。上田郵便局の外勤員になされておるのであります。而もこれはただの一回ではありません。昨年の暮から今日まですでに四回に亘つて行われておるという事実であります。(「そのほかにもあるぞ」と呼ぶ者あり)而もこの事実を見るときに、私は気の小さい内気な郵便局員の現在の状況からするならば、恐らく全国至るところにこのような事件があるのではないかということを恐れるものであります。
 従つてこの問題が、私は内容は二つに亘つて重大なる問題があると思うのであります。即ち、一つには思想の弾圧、人権の蹂躙というこの問題と、今一つは憲法で保障されておる、そうして郵便法で保障されておるところの信書の秘密を、公然とです、公然と調査官が侵犯をしておるというこの事実、このことを特に重大問題として取上げて、政府の所見及びこれに対するところの措置を伺わなければならんのであります。今日思想の弾圧、人権の蹂躙は、ひとりこの事件に限りません。先には本院で問題になりましたところの茨城県下の教員に対するところの警察官の思想の調査によるところの弾圧、或いは青森県下におけるところの教員の思想調査によるところの思想の弾圧、或いは自由なるべき学園におけるところの学生の思想の調査によるところの弾圧、数え上げればきりがないのであります。
 そもそも破壊活動防止法が本院に提案されたときに、私たちは挙つてこの法律に反対をいたしました。曾つての治安維持法以上に、世界の最も悪法と言われておりますところの治安維持法以上に重大なる法律の内容を持つているのだ。若しこの問題が現吉田内閣の手によつて運営されるならば、正に暗黒政治を惹起し、日本の民主主義は破壊され、従つて経済の再建もなければ、民生の安定もなし、国民の自由というものが奪われてしまう。こういうことで猛烈に反対をいたしました。その際に、首相以下関係各大臣の答弁は、挙つてです、挙つて、そのような行き過ぎは断じて行わないということを言明いたしました。皆さん、御記憶に新たなるところと思うのであります。併しながらそのような確約をしたことは一片の効力もありません。今日見るような事実として、この問題が起きているからであります。従つて私は、この問題について吉田首相及び関係大臣に質さんとするものでありますが、一体責任はどのようにしてとろうとされているのでありますか。私はこの問題について、関係大臣の答弁が、中央においてそのようなことを指示したとか指令をしたことは絶対にありません、ということだけでは済まされない重大な結果が、事実に起つていることであります。その言葉は極めて巧みでありましようとも、私たちが問題にするのは、その人の主観がどうであろうとも、現実において、そのような事件が起つていること、これによつてますます民主主義が否定され、思想の自由が弾圧されて、国民全部が萎縮してしまうその事実について、如何なる責任をとろうといたしておりますか。吉田首相、法務大臣、郵政大臣に対して質問をいたすものであります。
 それから第二点といたしましては、実は信書の秘密の侵犯であります。これはまさに前述いたしましたように、明らかに信書の秘密侵犯の意思を以て、意識をして現実に官憲がその行為を行なつたというこの事実に対して、法務大臣は如何なる措置をとろうといたしているのでありましよう。又法務大臣は、このことをなさしめたその責任を、どのようにとろうといたしているのでありましようか。
 そうして郵政大臣に対して特にお尋ねするのでありますが、この問題について如何ような具体的措置を講じ、そうして今後如何ようにこれを措置されようといたされておりますか。その点をお尋ねしたいのであります。
 そもそも、郵便局員が新書の秘密を守るために生命をかけて今日職務に従事いたしておりますことは、すでに御案内の通りであります。雪が降ろうと、雨が降ろうと、風が吹こうと、定刻にその暴風雨を冒して職に挺しているのが、郵便局員の現実の姿であります。北海道の猛吹雪におおわれ遂に生命を賭したけれども、郵便物はちやんと目印をつけてわかるようにスキーを立てて、その所在を明確にして去つたその事実、或いは暴風雨の中を冒して進んだために郵便物を川へ風で吹き飛ばされて、その郵便物を取らんとして、救わんとして飛び込んで生命をなくした事実、信書の秘密を憲法の命ずるところに従つて郵便局員は今日生命を賭して闘つておるのである。(拍手)然るにもかかわらず、今日政府の行おうとしておるところのものは、これに臨むに単なる行政整理を以て臨んでおるわけであります。郵便物の増加、それをさばくために、日夜営々として働いておる郵便局員の業務に対してこのような官憲が邪魔をするということであれば、私は行政管理庁長官であるところの塚田国務大臣に特に要望するのであります。警告を与えなければならんのでありますが、行政整理とは、このような不要な人を整理すること、このような不要な官庁を整理することが、本当の行政整理であつて、その憲法に命ずるところに従つて事務量をはかすために、国民の信頼に応えて生命を賭けて闘つておるところの職員こそ、このような現業の職員にこそむしろ増員を以て臨むべきが真の行政整理であろうと考えておるのであります。
 このように考えますときに、今回起きましたところの上田市における事件は、まさにこれは看過することのできない重大なる問題であるわけであります。従つて私は以上の問題について吉田総理及び法務大臣並びに塚田郵政大臣の答弁を求めます。
 更に私は、最後に念を押したいのでありますが、とかく従来の答弁の例を見ますと、そういうことを指令したことは絶対にありませんとか、中にはそういろ行き過ぎはあつたでありましようとか、そのような答弁では絶対に承服することはできないのであります。具体的なる措置と、真に誠意ある、責任ある、どのような責任をとつておるか、どのような責任を又とろうとしておるのか、明確なる答弁をお願いしたいのであります。答弁の次第によりましては改めて再質問の意思あることを留保いたしまして、私の質問を終ります。(拍手)
   〔国務大臣緒方竹虎君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(緒方竹虎君) お答えいたします。
 本件につきましては、今お述べになりましたような朝日新聞の「声」の欄によつて、そういうことが行われたということを知りまして、早速事実を調査いたしたのでありますが、調査の結果、今御指摘になつたようなことがあつたことは事実のようであります。この件は、いわゆる信書の内容を侵したことにはなつておりませんが、ただ郵便物の受取人の氏名と、憲法にいわゆる通信の秘密に該当する事項を対象として、郵便法の第九条に抵触すると考えられますので、今後こういうことがないように厳に戒飭をいたしました。なお詳細につきましては所管大臣からお答えをいたします。(拍手)
   〔国務大臣犬養健君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(犬養健君) お答え申上げます。
 只今副総理から申上げました通り、法務省におきましても、三月二十三日の朝日新聞の「声」の欄に、御指摘のような投書が出ましたので、私も驚きまして、早速調査方を命じておりますところへ、更に御指摘のごとく、二十七日に「親書の秘密調べ事実」という記事が出ましたので、それによつて直ちに上田駐在の駐在官の直属長官であります長野地方公安局の第二課長を上京せしめまして、詳細に質問いたしましたところ、まさに御指摘の通りの事実があつたのでございます。誠に申訳ない次第であります。従つて御指摘のように、これは郵便法第九条及び憲法第二十一条を尊重せず、これに抵触する虞れがありますので、第二課長を厳重に戒告いたしますと同時に、更に当人を十分に調べまして、事実を明らかにした上、相当の措置をいたしたいと考えております。
 なお調査の対象にいたしましたのは、朝鮮関係の非公然の機関紙類でありましたので、如何なる書類にしても、かかる措置を上るということは不穏当であります。もとより私の方針に反することでございますが、方針に反しておるから、それで済ますというような考えは毛頭持つておりません。厳重に調査の上相応の処分をいたしたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣塚田十一郎君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(塚田十一郎君) お尋ねの件につきまして、私のほうで調査をいたしました結果を御報告申上げます。
 事実は確かにその通りにあつたという回答であります。ただ幸いなことに、集配人は郵便の秘密ということを十分に守つてくれて、秘密は漏らしておらなかつたということでありますので、その点は一応安堵いたしておるわけであります。
 そこで早速現地の長野郵政局をして長野公安局に対して厳重抗議を申込ませました。長野公安局第一課長が長野郵政局に詑びに参つております。私は通信の秘密というものは憲法に保障するところであり、又郵便法に厳に明記せられておるところであり、これなくしては通信事業というものの円満な運営というものはできないものでありますからして、今後私としては、部内に対しましては通信の秘密というものは十分に法に保障されておるところであるから、如何なる事態があつてもこれを破ることのないように、又関係の各省庁に対しましては、今後こういうことの重ねてないように厳に通達、通告をいたしたいと存じます。(拍手)
   〔永岡光治君発言の許可を求む〕
#12
○議長(河井彌八君) 永岡君。
#13
○永岡光治君 再質問をいたしたいと思います。
#14
○議長(河井彌八君) 登壇を望みます。持ち時間は一分間であります。
   〔永岡光治君登壇、拍手〕
#15
○永岡光治君 只今の答弁では、極めて不満足でございますし、絶対に了解できないのであります。破壊活動防止法を本院に上程されたとき、吉田総理以下関係者大臣の答弁は、絶対にそのような行き過ぎは行おせませんということを責任を持つて答えておる。この事実を私は見逃すことはできないのであります。併し現実において今日このような事実がありとすれば、吉田総理以下関係大臣は如何ような責任をとろうとしておるのか。私はその責任を追及いたしておるのであります。ただ下部末端が行き過ぎであることもありましようという、そのことだけでは済まされないほど重要な問題であるということは、この法律を審議する際に十分私たちは申上げたのであります。それほど実はこの問題は重要な問題でありますので、その責任の問題と、若しその責任がとれないとするならば、この破壊活動防止法を撤回するという法律案をここで出すかどうか。その点をお答え願いたいと思うのであります。(拍手)
   〔国務大臣緒方竹虎君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(緒方竹虎君) 政府は責任を承知しておりますが故に、厳重に今後のことを戒飭いたしたのでありまして、今後再びこういうことが起るとは考えませんけれども、若し似寄りのことでも起りました場合には、その事態を至急調査の上に、その事態に応じまして処分をいたします。(拍手)
   〔国務大臣犬養健君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(犬養健君) お答え申上げます。
 責任は私にございますから、早速の措置といたしましては、全国の各調査局に厳重な戒告の通牒を出しますと同時に、最近の機会において会議を招集して、厳重にこのことを申合せ、再びかかることのないように全力を挙げたいと存じております。(拍手)
     ―――――・―――――
#18
○木下源吾君 私はこの際、日ソ国交調整に関する緊急質問の動議を提出いたします。
#19
○天田勝正君 私は、只今の木下君の動議に賛成いたします。
#20
○議長(河井彌八君) 木下君の動議に、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発言を許します。木下源吾君。
   〔木下源吾君登壇、拍手〕
#22
○木下源吾君 私は我が党を代表いたしまして、只今から質問をいたしたいと思うのでありますが、併し私の質問することは、一党一派の問題では、ございません。今日の状態において一番重大な問題であり、国民の中で、アメリカの資本援助によつて事業を行なつておる者、又、軍需産業によつて儲けようとする一連のグループを除いた以外は、全部これを望んでおるものであるから、私の質問に対して、総理大臣以下この議場を通して国民に所信を明確にし、そうして国民が安心の行くような答弁を望むものであります。
 直接の具体的な問題は、今、北海道の根室近海におきまして、先般かに漁に出ておる船が三、四隻拿捕されており、その以前に又、稚内近海において日本漁船が四隻ほどつかまつておる。これに対して、稚内の問題もそうでありますが、根室近海の人々は非常な当惑をしておる。御承知のように、根室は北海道でただ一つ機銃掃射をやられて全滅した町であり、御承知の通りあそこは一に漁業だけで生活しておる町で、そしてこの人々は、国交を回復、たならば、何とかして漁業が営まれるだろうと、千島から引揚げた人たちも共、に念願しておつたのです。ところがマツカーサー・ラインが撤回されましても、一向に条件がよくなりません。従来やつておつた漁民は、たまりかねて、昨年一般の漁が春以来不漁でありまして、どうかして一つ歯舞のほうへ行つて昆布をとらしてもらいたい。或いは又、国後南岸の近いところで帆立をとらせてもらいたいと、それぞれソヴイエトのほうに声が届くように、いろいろ嘆願いたしました。日本政府は勿論、何の援助もしておらない。却つてそういうことをやる者を国賊のような初めは態度をとつた。その結果、昨年は歯舞諸島の附近で昆布五千石をとつたし、又、向うのほうの領海に行きまして帆立を大漁して来たけれども、何らつかまることもなければ、つかまつた船も好意的に返してくれた。こういうことに根室地方の人たちは非常に感激をしておる。政府を中心とする反ソ或いは反中共というこの宣伝のために、国境附近にソヴイエトの飛行機が飛んで来て今にも爆弾でも溶すような宣伝をどんどんやり、新聞にもどんどん出しますけれども、御本人たちは何も心配しておらない。全く手を引つくり返すように違つておる。と申しますのは、現実に自分たちの生活に困つておつて、日本の海上保安庁が行くなといつても、行つてとつて見れば、今言うように非常に漁があつて都合がよろしい。ですから何ら不安と感じておらない。今年も昨年に慣れて、春から、かに漁に出ておる。日本近海の僅かなところでは五十貫か百ぱいの「かに」しかとれないのが、向うに行きますと五艘の船で一日に一万貫もとれる。一艘で二千貫もとれる。どんどん日魯その他のかに工場が今盛んにやつておる。こういうわけで非常に喜んでおつたところが、今度つかまつた。こういう事情でありますので、これは何とか早く返してもらいたい。泥棒に行つておるのではないということを政府が立証してもらいたい。これが一つの直接的な契機として私はこれを御報告し、政府はこれに対して交渉をする用意があるか。この事実を知つたならば交渉をせねばならんとお考えになるかどうか。これに対して、従来、日本政府は、外務省を通じて、講和を結んでおらんから交戦状態であるとか、いろいろこういう口実を以てサボつておるのであります。そのことはよくわかるけれども、講和を結んでおらんでも外交交渉はでき得ます。現に日本政府は昨年やりました。根室の近海に例の油船が流れて来たやつを、この根室の地方の五万の人々が大会を開いて、我々はこのようにしてもらつておるのに、これを競売などをしては非常にあとの結果が悪いから、何とかこれを返してやつてくれということを、大会を開いて決議し、要路に運動をいたしましたところが、海上保安庁は無線電信を向うに打ちまして、向うはこれを受けて、そして洋上において一定のところで渡してやつた事実がある。これは政府が国交が回復しておらないから交渉はいやだと言いながら、現にやつておる事実として私どもは認めざるを得ない。こういう方法でもよろしい。いずれにしても、この問題に対して、政府は進んでこういう交渉をするという意思があるかどうかということをお尋ねしたいのであります。
 次に、これらのことをやればできることであるし、全住民の要望であるにもかかわらず、政府がサボつておるという事実の裏には、一体どういう原因が潜んでおるのか。アメリカか或いは連合国がこれに対して何か干渉しておる事実があるのかどうか、この点について私はお伺いしたい。若しも干渉しておる事実があるとするならば、国民の大多数の要望であるこの問題に対しましては、一我々が改めて決意をしなければならないと思うからであります。
 次に、我が国の水産は御承知の通り八方塞がり、朝鮮海域においては、経済上の理由から李承晩ラインから締め出されておる。ほかのほうも説明を要しない。又只今の方面は、経済の問題ではなく、国防の上からこれをシヤツト・アウトしていることはもう事実である。四面楚歌、今又僅かなあのまぐろが、キビニによつて殆んど壊滅の状態にある。このような状態の下において日本の水産行政というものは遂行できるかどうか。そうして政府は、特に外務当局は水産行政に関して如何なる外交方針を持つておるかということをお伺いしたいのであります。
 たくさん私は国交調整に対する質問がありますが、御案内の通り、私は病気以来余り口もよくもとらないようなわけで、長くかかる。時間が制約されておるから、私はここでは外交だけのことを今お尋ねするのであります。
 今や日本は、MSAの受諾によつて軍事方面に非常に急速度に発展しておるのだが、日ソの漁業協定、日ソの貿易等の問題は、我が国のこの危機を救うただ一つの問題であります。もはやドルはございますまい。ソヴイエトとの交易においてはドルは要りませんぞ。粘結炭は樺太の、指呼のうちにある。沿海州の木材は私が説明するまでもない。日本の木材は年々生長する量を遥かに倍以上を凌いで伐採しておりましよう。三十年間に皆坊主山になると言われておる。このときに当つて、沿海州の木材は、人類のために生えておると我々は考えておる。(拍手)石炭において然り、木材において然り、重油において然り、あらゆるものが対岸にある。そうしてソヴイエトは、これらを交易したくて手を差伸ばしておるではないか。現に我が国の現状では、造船の疑獄、リベート等の問題が起きておる原因は、造船能力の過剰によると言われておるでしよう。現に六十万トンの能力を持つておる。ところが僅かに三十万トンより造つておらない。本年は又二十万トンに減るであろう。然るにソヴイエトでは、今現に日立だけでも二十四、五億円の注文を仮契約しておるではないか。函館船渠も、又これをやろうとして一生懸命にかかつておるし、又向島造船においても、現に向うの修理をし船を造つておるではないか。このような実情にあつても、向うがもつと注文したくていろいろ旅行したくても政府はこれを抑えておる。向うの通商副総裁というか、あなたたちのような責任ある人が来ておつても、日本内地の旅行さえ禁じておるではないか。そればかりではない。起重機であろうと或いは紡糸機であろうと、ソヴイエトの欲しておるものは、多々益々である。そうして価格は安い。我が国はこの現実を無視して、そうして自由諸国を神様のごとく崇め奉つておる間に、沿岸の漁民が飢えて行く。労働者は職がなくて街頭に放り出されるであろう。今こそMSAを契機として、政府は敢然として政策の転換を行わなければならない時期である。(拍手)副総理は、何で保守合同に血道を上げ、国民の死活の問題をよそに、更に政権持続のために汲々としているではないか。この重大な時期に、何で国民の要望に耳をかさないのか。私はあえて副総理にこの点に対して強く質問するものである。速かに日ソの国交調整に対して奮然と立ち、我が国の平和、自主経済の樹立のために闘う決意があるかないかをお尋ねするものであります。
 まだまだお尋ねいたしたいけれども、時間がありませんのでこれだけでやめますが、くれぐれも感情に走ることなく、国民のために国家百年のために誠意ある御答弁を期待いたします。(拍手)
   〔国務大臣緒方竹虎君登壇、拍手〕
#23
○国務大臣(緒方竹虎君) お答えいたします。
 日ソの国交の調整は、政府として希望しておるところでありまして、ソ連が、サンフランシスコの平和条約を認める態度に出れば、我が方といたしましては、いつでも国交調整、国交の回復に応ずることに少しも異存はないのであります。この点につきまして何か日本の態度について、アメリカから干渉があつて、或いは圧迫があつて日本の外交上の自由を拘束しておるではないかというような意味のお尋ねがありましたが、そういうことは私の承知している範囲におきましては、絶対にございません。先ほど御指摘になりましたいろいろな北海道方面におきまして、ソ連との間に不幸な事件が起つておる。これはいわゆる国交の回復ができませんでも、可能な限りにおきまして、具体的な問題につきましては、あらゆる方法をとりまして解決するよう努力いたしております。今後も十分その方面に努力するつもりでございます。今までも或いは邦人の引揚問題であるとか、或いは貿易の問題につきましては、具体的の事実が起りました場合には、できるだけの努力をしておるつもりでございます。御了承願います。(拍手)
   〔国務大臣保利茂君登壇、拍手〕
#24
○国務大臣(保利茂君) 我が国の終戦後の水産状況は、お話のように非常に困難な制約をされた中におりましたけれども、講和発効後、太平洋の漁業自由が確保せられ、一面又、従来我が国の漁場としては、未開発に置かれておりましたと申して差支えなかろうかと思いますが、北洋漁業におきましては、さけ、ます、或いは捕鯨等において見るべき発展を示しておることは、御承知の通りであるわけであります。更に又南氷洋の捕鯨にいたしましても、太平洋のかつを、まぐろにいたしましても、相当の躍進の跡を示して、今後の発展は決して悲観を要しないものとは存じますが、同時に東支那海、或いは朝鮮海域、或いはお話の沿海州、千島方面の、我が国にとりまして極めて重要な漁業地帯が今日の状態にありますことは、何といたしましても日本の漁業にとりましては大きな打撃であります。北海道に近い沿海州方面において本日までソ連に倉捕せられておりまするのは、お話の最近の根室沖及び海馬島沖の八艘を加えまして五十四隻に上つております。未帰還人員九十五人を数えておりますが、実際の状況は、いわゆるソ連の平和攻勢と言われるような時期になりましてからの扱い方は、いわゆるスパイ嫌疑でない領海侵犯だというようなものに対しましては、極めて寛大な帰還措置を講じてくれております。従いまして今日の状況は、この地帯においてその領海侵犯という疑いをかけられるようなことさえなければ、先ず沿岸漁民としても非常な安全性は高められておるわけでございます。只今いずれにいたしましても、副総理もお話のように、根本はやはり両国間の国交調整が行われない限りは、なかなか私どもの希望するような事態に立至らない。そういうわけで、両国の国交調整は私どももこれは望むところでございます。(拍手)
   〔政府委員小滝彬君登壇、拍手〕
#25
○政府委員(小滝彬君) 只今木下さんの御質問のうち、外務省に対する関係は、水産業に関する外交政策はどうかということであつたと存じます。
 この水産に関しまする外交政策については、平和条約の第九条にも書いてありまするように、日本といたしましては、公海における水産資源の保護及び開発について連合国その他の各国と協力するという建前をとつておるのでありまして、これまでもカナダ、アメリカ、或いは韓国、濠州というような諸国と交渉して参りましたが、不幸にして韓国との関係は、日本の公正なる主張が認められないで、デツド・ロツクの状態でありまするし、濠州との関係においても、友好的な話合いをして参りましたけれども、主張が非常に相違いたしておりますので、濠州については国際司法裁判所に訴えるという措置をとろうとしておるのでありまして、あらゆる方法によつて、直接交渉により、或いは国際輿論に訴え、或いは司法的解決という措置をとりまして、日本にとつて最も重要なる産業である水産業の発展保護のためには万全を尽したい考えであります。(拍手)
     ―――――・―――――
#26
○議長(河井彌八君) 日程第一、日本国とアメリカ合衆国との間の国際郵便為替の交換に関する約定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。外務委員長佐藤尚武君。
   〔佐藤尚武君登壇、拍手〕
#27
○佐藤尚武君 只今議題となりました日本国とアメリカ合衆国との間の国際郵便為替の交換に関する約定の締結について承認を求めるの件につきまして、外務委員会における審議の経過と結果を御報告申上げます。
 政府の説明によりますると、日本国とアメリカ合衆国との間の郵便為替の交換業務に関しましては、戦前は、明治十八年の約定及びその後三回に亘り追加された同約定の追加条款によつて規制されて参りましたが、戦後は、昭和二十八年四月二十二日にアメリカ合衆国政府から我がほうへ、サンフランシスコ平和条約第七条の規定に基いてこの約定及び追加条款を復活する旨を通告して参りましたので、同年七月二十二日以降これら戦前の約定及び追加条款が両国間に適用されておるのであります。併しこの戦前の約定の中には、今日の事態に適合しない規定が多く含まれておりまするので、政府は、新約定締結の希望を米国側に申入れますと共に、ワシントンに専門官を派遣しまして先方と予備交渉を行わしめましたところ、その内容についてほぼ両者の意見の一致を見ましたので、その結果に基き約定案が作成されました。そしてこの約定は、昨年十月二十九日に東京で、及び同年十二月十日にワシントンで、それぞれ署名された次第であります。
 この約定は、両国間の郵便為替の交換業務の改善を目的としておるのでありましてその内容は、為替金額及び振出料金に関する事項、為替の振出及び払渡手続に関する事項、為替総領の精算手続に関する事項等、専ら技術的な事項を規定いたしております。又本約定は、双方により合意される日に効力を生ずることと定められております。
 以上が政府側の説明でありました。委員会におきましては、別段の質疑もなく、三月二十九日討論を経て採決に入りましたところ、本件は承認すべきものと全会一致を以て決定いたした次第であります。
 以上、御報告申上げます。
#28
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本件の採決をいたします。本件全部を問題に供します。委員長報告の通り本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#29
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本件は、全会一致を以て承認することに決しました。
     ―――――・―――――
#30
○議長(河井彌八君) 日程第二、中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 先ず委員長の報告を求めます。通商産業委員長中川以良君。
   〔中川以良君登壇、拍手〕
#31
○中川以良君 只今議題となりました中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案につきまして、通商産業委員会における審議の経過と結果について御報告を申上げます。
 御承知の通り中小企業金融公庫法は、特に中小企業者の事業振興に必要な設備資金と長期運転資金を供給する目的で昨年八月に制定され、同年九月より中小企業金融公庫が営業を開始いたしたのであります、その後同公庫は機構を整備し、代理店網を拡張いたしましたが、業務開始当時の代理店数、百六十九は現在では四百六となつております。又その貸付状況は、本年一月未現在で代理店より公庫への貸出申出があつたものは三千九百三十八件、八十五億円であり、うち公庫ですでに貸付を決定したものは三千百九十件、七十一億七百万円であります。併しながら、今後の経済趨勢よりいたしまして、中小企業者の金融難は容易に解消できぬ見通しであり、従つて公庫の資金に対する需要も増大するものと予想されます。よつて昭和二十九年度公庫予算に計上してある資金運用部より借入金百五億円のほか、現行法に所要の改正を加えまして公庫の資本金を増加し、且つ公庫の融資対象の範囲を拡張する等の措置を必要とするに至り、ここに本改正法案の提出を見た次第であります。
 次に、その要点を申上げますると、第一に、昭和二十八年度における政府の一般会計からの出資金百三十億円に、新たに昭和二十九年度における出資金二十五億円を追加いたし、結局一般会計からの出資金を百五十五億円に改めることであります。第二は、中小企業者の定義を改正しまして、新たに塩業組合と消費生活協同組合及び同連合会を加えることであります。第三に、登録税法の一部を改正して、公庫にかかる登録税に対しては非課税とするよう改めることであります。
 当委員会におきましては、別に提案されました中小企業信用保険法の一部を改正する法律案と一括して慎重に審議して参りまして、中小企業金融対策の検討を中心に質疑応答が行われたのでございますが、その詳細は速記録によつて御承知を願いたいのであります。
 質疑を終り、討論に入りましたところ、海野、西川、豊田、武藤各委員より、それぞれ所属の会派を代表されまして、本公庫の資金が不十分なる故に、政府はこれが増強に努力すべきことを希望し、豊田委員は更に資金配分の枠が分散的なるが故に、これを重点的に利用できるよう運用に弾力性を考慮して欲しいとの希望意見を付しました、各委員ともいずれも本法案に賛成する旨の意見が述べられました。かくて討論を終り、採決をいたしましたところ、全会一致を以て、本法律案は原案通り可決すべきものと決定した次第であります。
 以上、御報告を申上げます。(拍手)
#32
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#33
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本案は、全会一致を以て可決せられました。
     ―――――・―――――
#34
○議長(河井彌八君) 日程第三、農産物検査法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 先ず委員長の報告を求めます。農林委員長片柳眞吉君。
   〔片柳眞吉君登壇、拍手〕
#35
○片柳眞吉君 只今議題になりました農産物検査法の一部を改正する法律案の農林委員会におきまする審査の経過及び結果を御報告いたします。
 現行の農産物検査法においては、政府に売渡す米穀等一部のものを除きましては所定の検査手数料を徴収することになつており、その手数料は収入印紙を検査請求書に貼付して納付することになつておるのでありますが、既往の事実に鑑みるとき、この方法は受検者に対して不便が多く、検査手数料の収入を確保するためにも制度的に欠陥があることが認められ、なお現在のやり方においては、検査済品に対する封緘措置等について何らの規定がないので、検査済品に対する不正行為或いは空包装の不正使用が行われる虞れがあるとし、これらの是正且つ防止を期して本改正法律案が提出されたのでありまして、これが内容の骨子を申上げますると、第一に、農産物検査手数料の納付は、新たに農林大臣が発行する特定の農産物検査印紙を以てするものとし、第二に、農林大臣は農産物検査印紙の売捌人を選定してその売捌きの業務を委託し、売捌人に対しては所定の売捌手数料を支払うこととし、第三は、右実施のため印紙を以てする歳入金納付に関する法律及び農林省設置法に対しても必要な改正を加える等であります。
 委員会におきましては、米麦の包装として俵或いは「かます」の当否、農業用「わら」の確保並びにこれが前提として古俵の利用、ひいては新俵と古俵との買入価格の調整、検査手数料の徴収及び支払に関する現行手続の当否、穀物検定協会と農産物検査との関係等、諸般の問題につきまして政府当局との間に質疑が行われたのでありまして、特に包装込み十七貫以上の米俵又は「かます」では運搬、貯蔵等の作業上支障があるので、「これを引下げる意思はないか」との意見が強く表明されたのでありまして、これに対し政府当局から、「現在はこれを引下げる意向はないが、今後十分研究して見たい」との答弁がありました。その他詳細は、会議録に譲ることを御了承願いたいのであります。
 かくして質疑を終り、討論に入りましたところ、江田委員から、本法律案については賛成であるが、この際本法律案に関連して米麦の「かます」包装の普及を図ると共に、取扱を容易にするため一包装当り重量の引下げについて早急に改正を図ることという付帯決議を行いたい旨の動議が提出せられ、河野委員からは、農村における「わら」資源の確保及び利用増進のため、政府における新俵と古俵との買入価格の是正、並びに穀物検定協会を廃止し、食糧のデリバリーに関する事項は、運送業者をして責任を以てこれに当らしめるよう措置すべきであるとの趣旨の希望を付して、法律案及び付帯決議に賛成があり、続いて上林委員から、一包装当りの重量の引下げによつて「わら」の消費量の著しい増大をもたらすことのないよう措置すべきであるとの趣旨の希望を付して同じく賛成があり、討論を終り、続いて採決に入り、先ず改正法律案の賛否を求めましたところ、全会一致を以て、政府提出、衆議院送付案の通り可決すべきものと決定せられ、続いて付帯決議については、多数を以て提案の通り可決せられました。
 右、御報告申上げます。(拍手)
#36
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#37
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本案は、全会一致を以て可決せられました。
     ―――――・―――――
#38
○議長(河井彌八君) 日程第四、食糧管理特別会計の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 先ず委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事藤野繁雄君。
   〔藤野繁雄君登壇、拍手〕
#39
○藤野繁雄君 只今議題となりました食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 本案の改正は、次の二点であります。第一点は、食糧管理特別会計法第四条ノ二の規定によりますと、食糧管理特別会計の負担に属する食糧証券、借入金及び一時借入金の総額は最高二千四百億円となつておるのでありますが、昭和二十八年産米については、生産者価格が引上げられたことと、昭和二十九年度においては米穀の買入数量の増加が予想されることからして、この特別会計の運営に支障なからしめるため、この限度額を二百億円引き上げ、最高限度額を二千六百億円としようとすることであります。第二点は、只今可決せられました農産物検査法の一部を改正する法律案によりますと、従来農産物検査手数料は収入印紙で納付していたものが、農産物検査印紙を以て納付することになりますので、食糧管理特別会計の歳入歳出の規定に所要の改正を加えようとすることであります。
 委員会の審議におきましては、昭和二十九年会計年度及び昭和二十九米穀年度における主要食糧の需給計画、なかんづく主要食糧確保の見通し、製粉等の食糧品工業に対する日本開発銀行の融資等について熱心なる質疑応答が交されたのでありますが、詳細は速記録によつて御承知願いたいと存じます。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、野溝委員より、「政府は食糧増産及び輸入食糧の確保に更に一段の努力をし、食糧行政に遺憾なきを期するとのことであり、又農林関係の産業界が日本開発銀行の融資の面で冷遇されないように努力するとのことであり、これらの点を必ず実現せしめられたい」との希望を付して賛成するとの意見が述べられ、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。
 右、御報告申上げます。(拍手)
#40
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#41
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本案は、全会一致を以て可決せられました。
     ―――――・―――――
#42
○議長(河井彌八君) 日程第五、放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。
 先ず委員長の報告を求めます。電気通信委員長左藤義詮君。
   〔左藤義詮君登壇、拍手〕
#43
○左藤義詮君 只今議題となりました放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件について、電気通信委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 本件は、日本放送協会の昭和二十九年度収支予算、事業計画及び資金計画について国会の承認を求めんとするものでありまして、その内容を申上げますと、先ず収支予算につきましては、ラジオ関係においては、収入支出とも総額百億二千二百余万円でありまして、前年度に比べてそれぞれ二十三億七千五百余万円の増加となつております。又テレビジヨン関係におきましては、収支総額おのおの十二億二千三百万円でありまして、前年度に比べてそれぞれ五億八千八百余万円の増加となつております。
 又事業計画につきましては、ラジオにおいては、その主眼を地域別放送の充実、相談業務の充実等によるサービスの向上及び放送番組の充実に、テレビジヨンにおいては、既設局の施設並びに番組の充実、広島、福岡及び仙台における放送局の建設等においております。
 次に資金計画につきましては、右の事業計画に基いて年度中における資金の出入に関する計画を記載してあります。而して右の収支予算等におきましては、受信料をラジオについては現在月額五十円を六十七円、三カ月二百円に、テレビジヨンについては月額二百円を三百円に改訂することを基礎としているのであります。
 以上の収支予算等に対しまして、郵政大臣は、受信料増額はやむを得ないものとして、結論においてこれを妥当と認める旨の意見を、附してあります。
 以上、本件の大要でありますが、当委員会は、本件は受信料改訂の問題を含んでおりますので、特にその審議の慎重を期し、政府当局及び日本放送協会の会長及び理事の出席を求めて、詳細綿密な質疑を行いましたほか、民間放送事業関係者及び放送事業に特に関心を有する人々の出席をも求めて参考意見を聴取し、又番組編集の自由の問題について、とかくの風評がありましたので、特に日本放送協会ラジオ局長及び出演者三木鶏郎君の出席を求めて事情を聴取するなどいたしました。
 今、委員会における質疑応答の大要を申上げますと、先ず、この予算案等の国会提出が非常に遅れたが、これには特別の事情があつたのか。又受信料値上額は協会が自主的にきめたものであるか。又は政府がきめたものであるかとの点につきましては、提出の遅れたのは、受信料値上の問題を含んでいるので、必要な準備に時間をとつたためであり、又値上額は協会が自主的にきめたものであること。又最近NHKの番組に対して外部からの干渉の事実があつたように伝えられているが、その事実の有無については、最近番組差換えの事実があつて一部に風評が起つたが、右の差換えは、協会内部の事務的操作によるものであつて、外部からの圧力によつたものではない。法律で保障された番組編成の自由はいささかも侵されておらず、又今後もこれは守る覚悟であると同時に、番組については常に中正を期し、独善に陥らぬように注意を怠らない方針であること。受信料値上は政府の財政緊縮方針に反するではないか。又特にこの時期に値上を行わなければならない理由についでは、緊縮方針は政府の大原則であるが、原則のために一局部の運行を阻害することも避くべきである。又受信料は昭和二十六年以来据置かれ、その間他の公共事業の料金の値上りがあり、協会の経費が増し、職員の給与ベースも他に比べて低くなり、施設の減価償却を行うべきものも行い得ない状況になつているので、時期は悪いが、政府も値上に同意したものであり、値の額も国民生活に大きな支障を来すものとは考えられないということ。次に、この予算並びに事業計画には、ラジオの地域別放送の充実が重点の一つになつているが、放送法の精神から言つて、聴取しがたい地域、即ち難聴地域の解消が先決問題ではないかという質疑については、難聴地域の解消は最も重要なことである、財源の関係上放送局の新設は予算編成の資料には入つておらんが、実行に当つては極力その実現に努力する。又三十年度以降は、年次計画を立てて難聴区域の解消を期すること。その他協会の性格、受信料の性質、受信料引上の他の公共事業の料金に及ぼす影響、国際放送の拡充、研究所の利用及び研究成果の公開、テレビジヨン事業の発展計画、テレビジヨン、ラジオ両事業の経理の独立、協会の機構、人員の合理化、経営委員会の運営状況、放送法改正の問題等について熱心な質疑応答がございましたが、詳細は速記録によつて御承知を願いたいと存じます。
 本三月二十九日、質疑を了え、討論に入りましたところ、自由党の津島委員より、受信料値上は時節柄遺憾であるが、公共放送を維持して行く上にはやむを得ないところであるとして、次の附帯決議案を提出して賛成せられました。その附帯決議案を朗読いたします。
   附帯決議案
  政府並びに日本放送協会は、左の事項達成に努むべきである。
 一、放送事業の現況にかんがみ、速かに放送法の根本的改正をはかること
 二、日本放送協会は、その事業運営の合理化並びに経理の堅実化につき格段の努力をなすこと
 三、難聴地域の速かなる解消につき具体的計画をたてこれを実施すること
 四、技術研究の公開、成果の一般利用につき二層の配意をなすこと
 次に緑風会の新谷委員より、財政緊縮、低物価政策を必要とする時期に受信料値上をすることは、国民に与える心理的影響の甚大であることを指摘し、地域別放送の強化よりも難聴地域の解消を優先させること、協会の冗費節約、組織、運営を一段と合理化すること、民間放送の進出に右顧左眄することなく、公共放送本来の使命達成に邁進すること等の希望を述べて、不満足ながら賛成。
 又日本社会党第四控室を代表して、久保委員より、協会の自主性及び番組編成の自由確保、目下未解決の職員給与問題の急速円満な解決を希望して賛成。次に日本社会党第二控室を代表して、山田委員より、政府及び協会は従来のマンネリズムを打破することに一層の努力をすること、難聴地域の解消を速かに実現すること、技術研究の公開利用、職員の適正給与による能率の増進、企業の合理化について希望を述べ、受信料値上は日本当面の経済政策に反するが、公共放送の維持のためにやむを得ないとして賛成の意見を述べられました。
 討論を了え、直ちに採決に入りましたところ、全会一致を以て原案通り承認すべきものと議決いたしました。
 次いで、津島委員提出の附帯決議案について採決いたしましたところ、これ又、全会一致を以て可決いたしました。本件の国会提出期日が遅かつたために審査期間が短かかつたことについて、委員より質疑並びに討論において不満の意を表明されましたので、委員長より政府に今後注意せられたい旨の申入れをいたしましたことを併せて御報告いたします。
 なお、右の附帯決議につきましては、政府当局及び日本放送協会会長より、極力その実現に努力する旨の発言がありました。
 以上を以て御報告を終ります。(拍手)
#44
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本件の採決をいたします。本件を問題に供します。委員長報告の通り、本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#45
○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。よつて本件は、承認することに決しました。
 議事の都合により、暫時休憩をいたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時二十六分開議
#46
○議長(河井彌八君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。
 参事に報告いたさせます。
   〔参事朗読〕
本日委員長から左の報告書を提出した。
 日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案可決報告書母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案修正議決報告書骨牌税法の一部を改正する法律案修正議決報告書物品税法の一部を改正する法律案可決報告書農業共済再保険特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案可決報告書国民金融公庫法の一部を改正する法律案可決報告書
     ―――――・―――――
#47
○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して、日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案
 母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上、両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#48
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。厚生委員長上條愛一君。
   〔上條愛一君登壇、拍手〕
#49
○上條愛一君 只今議題となりました日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案並びに母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、厚生委員会における審議の経過転びに結果を御報告申上げます。
 先ず日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案について申上げます。
 日雇労働者健康保険法は、本年一月十五日から全面的に施行され、三月からは保険給付が開始される運びとなりましたが、御承知の通り本法の給付内容は、療養の給付及び家族療養費の支給が三カ月と相成つておるのでありまして、給付内容の拡充が各方面から要望されておるのでありまするが、今回本制度改善の第一歩といたしまして、当面最も必要な給付期間の延長を行うこととし、現行の三カ月を六カ月に改めようとするものであります。これに伴いまして昭和二十九年度予算案において給付費の一割に相当する額を国庫負担として計上いたしてあるのであります。以上が、この法案の提案理由並びに改正の要点であります。
 厚生委員会におきましては、政府当局より、本法案に関し詳細なる説明を聴取いたしました後、慎重審議をいたし、種々質疑が行われたのでありまするが、その詳細は、速記録によりまして御了承を願いたいと存じます。かくて質疑を打切り、討論に入りましたところ、湯山委員より次のような附帯決議案が提出されたのであります即ち、「日雇労働者健康保険は、他の社会保険などに比し、著しく内容が劣る実情に鑑み、政府は更に国庫負担を大幅に増額し、その給付内容の充実改善を図ること、特に傷病手当金の制度を欠くことは、本保険の最大の欠点であるから、速かにこれを実施することを強く要望する。」というのでありまして、これに対しまして有馬委員が賛意を表されたのであります。
 討論を終結し、採決いたしました結果、全会一致を以ちまして、原案通り可決すべきものと決定いたしました。ついで附帯決議案について採決いたしました結果、全員これを承認することに決定いたした次第であります。
 次に、母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして申上げます。
 今回改正しようとする第一点は、父母のない児童に対しても修学資金及び修業資金を貸付けることにいたそうとするものであります。母子福祉資金の貸付等に関する法律は、母子家庭の福祉の増進のため極めて有効な働きを示しておるのでありまするが、父母のない児童に対しましては、社会的或いは経済的条件において母子家庭の子女よりも一般的に低いものがあるにもかかわらず、修学資金又は修業資金の貸付を受けることができないのであります。これは公平の見地から見ましても問題でありまするが、最近では一定の知識とか技能を身につけないと、一人で生活して行くのは容易ではないのでありまして、この父母のない児童の不利な条件を除去又は緩和するために、これらの児童に対しましても修学資金又は修業資金を貸付け、将来独立して自活することのできる能力を得る機会を与えることにいたしてあるのであります。
 改正の第二点は、特別会計の歳出に、貸付に関する事務に要する費用を加え、その限度を規制することにいたそうとする点であります。母子福祉資金の貸付業務は、都道府県の事務として実施されておるのでありまするが、貸付を行うに当つての調査、指導とか、償還とかに関する事務は、貸付制度の運用上欠くことのできないものであるにもかかわらず、地方財政の逼迫しておる現在、都道府県が事務費の必要額を十分に確保することが困難な実情でありまするので、事務費を一般会計からの繰入金のほか、償還金の利子、違約金等を財源として支出することができるようにいたしてあるのであります。
 以上が、この法案の提案理由並びに改正の要点でありまするが、この法案は衆議院におきまして修正議決と相成つたのであります。衆議院における修正の要点を申上げますと、「配偶者のない女子が扶養しておる児童又は父母のない児童の就職に際しても、支度資金を貸付けることができるようにいたした」ことであります。
 本委員会におきましては、政府当局より、提案理由並びに法案の内容について、又衆議院の青柳議員より、衆議院における修正点について、それぞれ詳細なる説明を聴取いたしましてから、慎重審議を重ね、種々熱心な質疑が行われたのでありまするが、その詳細は速記録に譲ることにいたします。
 質疑を打切りまして、討論に移りましたところ、常岡委員よりこの法案に対して修正の動議が提出されたのであります。修正案の要旨は、「現行法の規定によりますと、修学資金の貸付金に対しましては、据置期間経過後は年三分の利子を取ることになつているのでありますが、これを無利子とし、昭和二十八年四月一日から適用すること」にいたそうとするものであります。この修正案に対しまして藤原委員は賛意を表した後、更に母子福祉資金の貸付等に関する法律による貸付金総額は、将来逐次これを増額することとし、特に母子相談員設置に要する費用に対しては、国庫補助金として交付するよう親心を示し、以て母子福祉の増進のため一段の努力を払うべきことを政府当局に要望して、本案に賛成する旨を述べられました。討論を終結いたし、先ず修正案について採決いたしました結果、全会一致を以てこれを可決することにいたしました。次いで修正個所を除く残余の部分について採決いたしました結果、これ又、全会一致を以ちまして、衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたしました。即ち本法案は修正議決と決定いたしました次第であります。
 以上、御報告申上げます。(拍手)
#50
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。
 先ず、日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#51
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本案は、全会一致を以て可決せられました。
     ―――――・―――――
#52
○議長(河井彌八君) 次に、母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#53
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本案は、全会一致を以て委員会修正通り議決せられました。
     ―――――・―――――
#54
○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して、
 骨牌税法の一部を改正する法律案
 物品税法の一部を改正する法律案
 農業共済再保険特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案、
 国民金融公庫法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上、四案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#55
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。大蔵委員長大矢半次郎君。
   〔大矢半次郎君登壇、拍手〕
#56
○大矢半次郎君 只今議題となりました四法律案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 先ず骨牌税法の一部を改正する法律案について申上げます。
 御承知のごとく麻雀に対する現行課税率は、一律に千五百円となつておりますが、今回骨牌の使用状況に鑑みまして、素材の種類に応じて税率に段階を設けることとし、麻雀一組につき象牙製のものは六千円、牛骨製のものは四千円、その他のものは二千円にそれぞれ税率を引上げると共に、トランプ、花札等についても現行五十円を六十円に引上げようとするものであります。
 本案は衆議院において修正議決されたものでありましてその要旨を申上げますと、牛骨等を使用した麻雀につきましては、中小メーカーに与える急激な衝撃を緩和することなどを考慮しまして、一組につき牛骨を用いたものは二千五百円に、その他のものは千八百円にそれぞれ引下げることといたそうとするものであります。
 本案審議の詳細は速記録によつて御承知願います。質疑を終り、討論に入りましたところ、小林委員より、「衆議院の修正案については不満とするところであり、政府原案に戻すべきである。即ち麻雀のうち牛骨を用いたものは四千円に、その他のものは二千円に、それぞれ引上げることとすべきである」旨の修正意見が述べられ、討論を終り、採決に入り、小林委員の修正案は、全会一致を以て、可決すべきものと決定し、ついで修正部分を除く原案についても、全会一致を以て、可決すべきものと決定し、本案を修正議決いたした次第であります。
 次に物品税法の一部を改正する法律案について申上げます。
 本案は、奢侈的消費の抑制等の見地から、奢侈的高級品について増徴を図ることとし、軸距が百二十吋以上、又は気筒容積が四千立方糎を超える高級大型乗用車については百分の五十、高級時計については百分の三十、高級電気冷蔵庫及びラジエーターについては百分の四十とすると共に、新たにテレビジヨン受像機に対しては百分の三十、オルゴール製品については百分の二十の税率により課税を行おうとするものであります。併しながら、軸距が百吋以下で気筒容積が千五百立方糎以下の小型乗用自動車については、その普及を図る等のため税率を百分の十五とし、十四吋以下のブラウン管を使用するテレビジヨン受像機についても、斯業育成の見地より、昭和三十年三月末日までの間は特に百分の十五の税率とし、又内容積四立方史以下の電気冷蔵庫等については百分の三十の程度の税率をもつて課税しようとするものであります。
 又従来製造課税を行なつて来た高級毛皮製品は、取引の時期に制約されることによつて納税上不便等を来たしておりますので、これを小売課税に改めようとするものであります。
 本案は、衆議院において修正議決されたものでありまして、その要旨を簡単に申上げますと、高級時計、オルゴールに対する課税は適当でないものとしてとりやめることと、十四吋以下のテレビジヨン受像機に対する課税は向う一年間その税率を一二%に引下げるほか、ジュース類についてはその取引状況等に鑑みまして、当分の間一〇%の課税を行うことといたしまして、現在免税となつているものは、その期限を本年八月末日までとし、それ以後は一率に一〇%の課税をすることとしようとするものであります。又PX輸入品の横流しを防止するため所要の規定を新たに設けようとするものであります。
 委員会における審議の詳細は、速記録によつて御承知願います。
 質疑を終り、討論に入りましたところ、小林委員より、「自動車に対する税率の区分については、多少の意見もあるが、暫くこれをおく。緑風会としては物品税は、原則としてこれを廃止して、奢侈品のみに課税すべきであるとの方針を持ち、この替り財源としては一回限りの売上税を課するのも一つの方法であると考えている。この際物品税について全面的な再検討を行うべきであることを強く附言する」旨の賛成意見が述べられ、次いで菊川委員より、「本税は戦時中の遺物であり、マツチ、清涼飲料等必需品に課税することは疑問であると思われるから、この際根本的再検討を行うべきで、次回には必ず全面的改正案を提出すべきであることを強く要望する」との賛成意見が述べられ、採決の結果、全会一致を以て衆議院送付の原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。
 次に、農業共済再保険特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案について申上げます。
 昭和二十八年度におきましては風水害、冷害等が相次いで異常に発生いたしましたために、農業共済再保険特別会計の農業勘定における再保険金の支払が著しく増加し、多額の歳入不足が予想されましたので、その補てんのため御承知のごとく、第十七回臨時国会におきまして成立をみました、農業共済再保険特別会計の歳入不足を補てんするための財源措置等に関する法律によりまして、一般会計から八十五億円を限り繰入金をすることができる措置が講ぜられたのであります。然るところなお相当の歳入不足が予想されるに至りましたので、本案は、その補てんのために、昭和二十九年度におきまして一般会計から、この特別会計の農業勘定に、更に五十五億円を限り繰入金とすることができることにしようとするものであります。而してこの繰入金につきましては、将来この特別会計の農業勘定に決算上の剰余を生じました場合に、規定によつて再保険金支払基金勘定に繰入れるべき金額を除いた残額について、一般会計に繰戻すこととしようとするものであります。
 委員会の審議におきましては、政府再保険金の支払状況、農業共済保険制度運用上の諸問題と、これに対処する政府の方針等について熱心な質疑応答が交わされましたが、詳細は、速記録によつて御承知願います。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、野溝委員より、「(一)我が国農民の経済的地位は極めて薄弱であり、食糧の増産意欲を振起するには、農業共済保険制度の確立が最も必要であるので、最近の異常災害が殆んど全国的なものである現状から見ても、更に徹底した共済保険制度を確立されたい。(二)農業共済保険制度と他の制度との間において債権の相殺等が行われているが、農業共済再保険制度の運用に当り混同せざること。(三)農業共済基金の拡充を図られたい。以上の三点を早急に解決されることを特に強く要望して賛成する」との意見が述べられ、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。
 次に、国民金融公庫法の一部を改正する法律案について申上げます。
 国民金融公庫は、昭和二十四年六月に資本金十三億円を以て発足して以来、数回に亘る増資と資金運用部資金の導入によりまして、昭和二十八年十二月末までに累計約六百四十億円に達する貸付を行なつて来ているのであります。この資金需要は、昭和二十九年度においても相当の額に達することが予想されますので、昭和二十九年度において一般会計から、公庫に対する出資を二十億円増額することにより、その資本金を百九十五億円とするよう公庫法の資本金の規定を改正いたそうとするものであります。次に、公庫の業務の適正な運営を図るために、国民金融審議会の委員に、新たに大蔵省銀行局及び中小企業庁を代表する者を加えることといたそうとするものであります。
 本案審議に当りましては、国民金融公庫における資金量の問題、中小企業に対する貸倒準備金などの問題等について質疑応答が行われたのでありますが、その詳細は、速記録により御承知願いたいと存じます。
 質疑を終局し、討論に入り、小林委員より、「昭和二十九年度の公庫の貸出資金量の不足分は二百十億円プラス恩給貸付分であつて、公庫の資金源を増加することに不十分であるので、今後あらゆる努力を払つて増加することを要望する」旨の賛成意見が述べられ、野溝委員より、「公庫の業務の円滑な遂行を図るために、お座なりでなく公庫の拡充強化に関し具体的に措置せられることを要望する」旨の賛成意見が述べられ、堀木委員より、「資本主義経済の下においては、中小金融については特段の努力が必要であるので、今後政策の重点を中小金融に指向することを要望する」旨の賛成意見が述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、原案通り、全会一致を以て可決すべきものと決定いたした次第であります。
 以上、御報告申上げます。(拍手)
#57
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより四案の採決をいたします。
 先ず、骨牌税法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。委員長の報告は、修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#58
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本案は、全会一致を以て委員会修正通り議決せられました。
     ―――――・―――――
#59
○議長(河井彌八君) 次に、物品税法の一部を改正する法律案、農業共済再保険特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案、国民金融公庫法の一部を改正する法律案、以上、三案全部を問題に供します。三案に、賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#60
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて三案は、全会一致を以て可決せられました。
 次会は、明日午前十時より開会いたします。議事日程は、決定次第公報を以て御通知いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後三時五十三分散会
     ―――――・―――――
○本日の会議に付した事件
 一、上田市における公安調査官による信書の秘密侵犯に関する緊急質問
 一、日ソ国交調整に関する緊急質問
 一、日程第一 日本国とアメリカ合衆国との間の国際郵便為替の交換に関する約定の締結について承認を求めるの件
 一、日程第二 中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案
 一、日程第三 農産物検査法の一部を改正する法律案
 一、日程第四 食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案
 一、日程第五 放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件
 一、日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案
 一、母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案
 一、骨牌税法の一部を改正する法律案
 一、物品税法の一部を改正する法律案
 一、農業共済再保険特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案
 一、国民金融公庫法の一部を改正する法律案
ソース: 国立国会図書館
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