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1953/05/06 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 本会議 第41号
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1953/05/06 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 本会議 第41号

#1
第019回国会 本会議 第41号
昭和二十九年五月六日(木曜日)
   午後零時四十九分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第四十一号
  昭和二十九年五月六日
   午前十時開議
 第一 株式会社以外の法人の再評価積立金の資本組入に関する法律案(内閣提出、衆議院回付)
 第二 建設機械抵当法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第三 公共工事の前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第四 建設省関係法令の整理に関する法律案(内閣提出、衆議院、送付)(委員長報告)
 第五 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第六 利息制限法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第七 高知県山田町の地域給に関する請願(委員長報告)
 第八 福岡県泉村の地域給に関する請願(委員長報告)
 第九 愛知県塩津村の地域給に関する請願(委員長報告)
 第一〇 岩手県黒沢尻町の地域給に関する請願(委員長報告)
 第一一 島根県六日市町の地域給に関する請願(委員長報告)
 第一二 山口県小野田市の地域給に関する請願(委員長報告)
 第二二 新潟県青海町の地域給に関する請願(委員長報告)
 第一四 新潟県糸魚川町外五箇町村の地域給に関する請願(委員長報告)
 第一五 茨城県石岡市の地域給に関する請願(委員長報告)
 第一六 岐阜県神戸町の地域給に関する請願(二件)(委員長報告)
 第一七 福井県の地域給に関する請願(委員長報告)
 第一八 岡山県香登町の地域給に関する請願(委員長報告)
 第一九 高知県後免地区の地域給に関する請願(委員長報告)
 第二〇 山口県深川、仙崎両町の地域給に関する請願(委員長報告)
 第二一 千葉県木更津市の地域給に関する請願(委員長報告)
 第二二 愛媛県吉田町の地域給に関する請願(委員長報告)
 第二三 埼玉県鳩ケ谷町の地域給に関する請願(委員長報告)
 第二四 三重県名張町の地域給に関する請願(委員長報告)
 第二五 静岡県磐田市の地域給に関する請願(委員長報告)
 第二六 栃木県黒磯町の地域給に関する請願(委員長報告)
 第二七 岡山県勝山町の地域給に関する請願(委員長報告)
 第二八 愛媛県興居島村の地域給に関する請願(委員長報告)
 第二九 兵庫県飾磨郡の地域給に関する請願(委員長報告)
 第三〇 愛知県形原、西浦両町の地域給に関する請願(委員長報告)
 第三一 滋賀県近江八幡市合併地域の地域給に関する請願(委員長報告)
 第三二 三重県津市の地域給に関する請願(委員長報告)
 第三三 北海道三石町の地域給に関する請願(委員長報告)
 第三四 栃木県宇都宮市等の地域給に関する請願(委員長報告)
 第三五 合併市町村の地域給に関する請願(委員長報告)
 第三六 島根県江津市の地域給に関する請願(委員長報告)
 第三七 富山県古里村国立療養所古里保養園の地域給に関する請願(委員長報告)
 第三八 新潟県安塚村の地域給に関する請願(委員長報告)
 第三九 国家公務員に対する寒冷地手当及び石炭手当の支給に関する法律中一部改正に関する請願(委員長報告)
 第四〇 石炭手当の免税措置立法化に関する請願(委員長報告)
 第四一 国立病院等の職員の特別手当に関する請願(委員長報告)
 第四二 熊本県牛深町の地域給に関する陳情(委員長報告)
 第四三 岐阜県神戸町の地域給に関する陳情(委員長報告)
 第四四 群馬県水上町の地域給に関する陳情(委員長報告)
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議長(河井彌八君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#3
○議長(河井彌八君) これより本日の会議を開きます。
 内閣総理大臣から、留保された答弁のため発言を求められました。発言を許します。吉田内閣総理大臣。
   〔国務大臣吉田茂君登壇、拍手〕
#4
○国務大臣(吉田茂君) 去る二月十日の本議場における湯山議員の御質問に対し、答弁の留保されている点についてお答えをいたします。
 学童たちが銃を取つて戦場に赴くことのないように祈る点におきましては、私も同様であります。又平和を愛する念においても変りはないのでありまするが、併しながら、現在の情勢の下において、国力に応じ防衛力を持つことは、独立国として当然のことでありまするから、学童、少年等においても、国を守る愛国的誇りを持つようにいたしたいとも考えます。
 又、政府は、学校教育の政治的中立の確保は必要と考えまするが、教職員を不当に弾圧するというような考えは毛頭ございません。(「しているじやないか」と呼ぶ者あり)
 次に、廣瀬久忠君の御質問に対してお答えをいたします。廣瀬君の御質問に、犬養前法務大臣の辞表はどういう理由かということでありますが、前法務大臣の辞表には「都合により」と書いているのであります。又、前法務十臣の辞職については政府は極力その慰留に努めたのでありますが、前法務大臣として重大なる決意をなされてその進退を決せられた以上は、政府として無理にこれを何でもかんでも留任してくれということも言えないのでありましてその犬養君の意思を尊重いたしまして政府はその辞職に同意いたしたのであります。
 又、検察庁法の第十四条を犬養法相が発動したのは誤まりであつたと認めるかという御質問でありますが、これはしばしば申しまた通り、現在の国会に提案中の重要法案等の審議を促進するために、佐藤幹事長の逮捕を延期することを必要と考えたからでありまして、真に止むを得ない措置であつたのであります。国会におかれても、この事情を了解されて、法案の審議を促進せられることを希望いたして止みません。(拍手、「それは国会できめます」「答弁になつておらんぞ」「院議をどうするんだ」と呼ぶ者あり)
     ―――――・―――――
#5
○松本治一郎君 私はこの際、汚職についての吉田首相の政治責任に関する緊急質問の動議を提出いたします。
#6
○天田勝正君 私は、只今の松本君の動議に賛成いたします。
#7
○議長(河井彌八君) 松本君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発言を許します。松本治一郎君。
   〔松本治一郎君登壇、拍手〕
#9
○松本治一郎君 吉田君、会いたかつた。健康はどうですか。全快祝の酒がきいて健康を回復されたとしているのならばお祝い申上げます。
 今、国民にとつて関心事の中の関心事は、疑獄、汚職の問題がどう解決されるか。そうしてその渦の中の吉田政府が、どういうふうに解決付けられるかということについて国民は注視しているのであります。私は日本社会党を代表し、社会党は国民を代表して、吉田君の政治責任について今から質問せんとするものである。(拍手)
 世の中に「之を戒めよ、之を戒めよ、汝に出ずるものは汝に反る」と、又「伐矜にして專を好むは挙事の禍なり」という言葉がある。この言葉は、たまたま好機会を得て権力の座を占めた者が、強きに諂らい、数に物を言わせて専横の限りを尽し、それが禍いして破滅することを戒めたものである。(拍手)吉田君、君は戦後偶然の機会に(笑声、拍手)政権を握つてすでに五、六年になるが、この言葉のように、今や君の政治家としての運命も尽きたようだ。(拍手)君は、今まで嘘の常習者である。君は国会における答弁と……、側近や実業家の団体や会合等では本当のことを語つているが、国会では嘘を言つている。日本は独立したと国会では言つておるが、自分の親しい者のところでは、まだ本当の独立はしていないと言つている。どちらが一体本当か。これが聞きたい。
 去る四月二十四日、両社会党によつて衆議院に上程された内閣不信任案は、改進党所属議員に対する君たちのあの汚い切崩しが功を奏して、辛うじて否決となつた。吉田君はそれを以て、まだ国民の信任があると言つているが、若し君、一片の政治的良心があるとすれば、心中恥ずかしいものがあるはずである。(拍手)又、参議院においても警告決議案が可決された。あやふやな答弁でごまかそうとしている。院議を無視するもほどがある。(拍手)責任を感じないか。今新聞やラジオその他のあらゆる報道機関によつて伝えられておる国民の声というものは、今まで政府を支持していたものまでが、吉田内閣の退陣を要望しているのだ。君が最も頼りにしているところの財界ですら同様である。愛想をつかしている。衆議院の内閣不信任案は否決されたが、国民の不信任案はすでに可決されているのである。(拍手)君が国民の声を無視して、曾つて東条がやつたように、権力にしがみついていられたのは、国会におけるところの議員の頭数が多いというだけであつて、その頭数は、結局金の力で揃えたという事実が、今度の汚職事件によつて国民の前にはつきりとさらけ出されているのである。(拍手)今や国会の多数は、国民の多数を代表していないが、君はこれをどう思つているか。私は去る十六国会方の劈頭において、君に対して当を代表して質問をやつた。その中でこういう質問をしておつたということは君も記憶しているだろう。「今日までの政党運営の資金や、大臣、政党幹部どものあの豪奢な貴族好みの生活は、政商、資本家どもの献金によつて賄われている。選挙のたびごとに何億という政治献金が資本家や政商どもから出されているのを見ても明らかである。即ち国民の税金で賄われるあの厖大な財政投融資の大部分は、この政治献金の返礼ではなかつたか。」、(拍手)こう私は言つておつたと思う。ところが私の指摘したことが今や事実となつて暴露され、吉田君の内閣の閣僚や与党の三役を初め多くの議員が司直の手に調べられ逮捕されているではないか。吉田君、国会において汚職問題に関する政府の責任を追及された場合、いつも、「検察当局の取調べにより全貌の判明するのを待つて善処する」と君は言つている。いよいよ事件が進展して佐藤幹事長の身辺に逮捕の手が及ぶようになると、にわかに前犬養法相をして検察庁法第十四条により、検事総長に不当な政治的圧迫を加えさせ、事件の全貌の判明するのを阻止したではないか。君がそのような非常手段にまで訴えて佐藤幹事長を救つた口実は、政局の安定と重要法案の通過を期するにあると嘯いているが、その実は、佐藤幹事長に尻をまくられて、事が吉田に及ぶことを恐れて、異例な強権発動をやらせたというのが真相ではないか。(拍手)今日国民の大多数は吉田内閣による政局の安定よりも、民生の安定を願つているのである。(拍手)吉田内閣の総辞職を希望しているのである。君は重要法案と言うが、一体何を指して言うのであるか。君の言う重要法案とは、MSAや防衛二法案、教育二法案などであろうが、そういうものはアメリカと吉田政府にとつては、重要法案であるかも知れないが、国民にとつては無用法案であり、有害法案でもあるのである。(拍手)而もその審議の遅れたのは、吉田君、君が常に仮病を使つて国会に出て来なかつたからではないか。自分の都合のいいときは全快祝いをして、都合が悪くなれば、全快祝いの酒のにおいのまだ消えないうちに、病気と称して国会を休んでいる。そういうことで議会審議の遅れたことは、君の重大な責任である。それにもかかわらず政局の安定と重要法案の通過を口実にして、検事総長に対する指揮権を発動させたことは、明白に法律の政治的濫用ではないか。(拍手、「その通り」と呼ぶ者あり)前犬養法相が法の権威を傷つけ、検察庁全職員の憤激を買つた責任は重大である。弱い犬養君にそうさせたことは、吉田君の責任又重大である。
 今保守陣営において新党結成促進運動を起している。これは疑獄と汚職等によつて起きている国民の不平と不満を回避しようとする手段ではないか。それは又吉田棚上げの新党結成云々の芝居であろう。すでに国民からも見離された君は、今、君の党からも見捨てられているのである。最近の新聞は一斉に君の外遊が確定したと報じている。吉田君、君は何の目的で、何の使命を帯びて、国民の血税を使つて外遊しようとしているのであるか。日米安保条約やMSA等によつて国をアメリカに売つた君は、近い将来、独立と平和を求めて立ち上る国民に脅えてアメリカへ亡命する準備のためではないか。(拍手)君は二十九年度予算を組むに当つて、国民に耐乏を強要し、一兆の緊縮予算を強調した。緊縮予算は大いに賛成である。併し各省の予算が減額されているのに、内閣官房費だけが増額されているということはどういうわけか。職員の給料や手当は減額して、吉田君が直接関係する交際費五百万円、そうして庁費と営繕費は三百七十万円も殖やしている。何が故に働く者の給料を削つて自己の交際費は殖やし、而も営繕費、庁費には、君の大磯の私邸の費用まで含まれておるという噂を聞いている。(「つまらんことを言うな」と呼ぶ者あり)こう考える、君の贅沢三昧の生活は、一国民の血税を浪費しているのではないか。この点に関して殊に吉田君の明確な答弁を要求する。吉田君、若し君に一片の政治的良心があるとするならば、汚職と疑獄と専横によつて、国民の政治に対する不信と不満を醸成し、国会の権威と法の威信を失わせたその政治的責任はどうとろうとするのであるか。よし法律の盲点を利用して、法の上では逃れることができても、政治道徳上から許されないと僕は思う。政治は恥と責任を知る者のみがやることである。(拍手)君が恥と責任を知るならば、直ちに退陣すべきである。これが国民の声である。あえて答弁を求むる。終り。(拍手)
   〔国務大臣吉田茂君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(吉田茂君) いわゆる汚職事件については、今松本君が言わるる通り、私の返事は、只今お話の通り答えるつもりであります。即ち現在、司直の手にあつて取調べ中であつて、その全貌が未だ明かならざるときに、政府としては軽々しく進退はいたさないのであります。又法務大臣の指揮権発動についても、これはしばしば申す通り重要法案の審議に支障を来たすから、止むを得ずここに至つたのであります。併しながら、捜査そのものについては、何ら政府は拘束も干渉もいたしておりません。又政党に政治資金を献金するということは、これは政党政治がある限りは、政党に資金を供給することがあることは当り前であります。社会党自身においても同じことがあることは、諸君のみずから考えられればよくわかるであろうと思う。又その他、私の生活と公金とは何ら関係はありません。
 又、更にここに申述べますが、松本君は、絶えず我々に対して罵詈誹謗を尽されるが、私は罵詈誹謗に対してお答えをする責任を持ちません。(拍手、「答弁足らんぞ」「議長、答弁足らんじやないか」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
#11
○議長(河井彌八君) 静粛に願います。
 吉田総理大臣にお尋ねしますが、まだ説明が足りないと言われておりますが、更に発言を求められますか。
   〔「その通り」「答弁せよ」と呼ぶ者あり〕
#12
○議長(河井彌八君) 吉田首相は、すでにこれ以上答弁をしないということであります。
     ―――――・―――――
#13
○議長(河井彌八君) 日程第一、株式会社以外の法人の再評価積立金の資本組入に関する法律案(内閣提出、衆議院回付)を議題といたします。
#14
○議長(河井彌八君) これより本案の採決をいたします。本案の衆議院修正に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#15
○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。(拍手)よつて本案は、衆議院の修正に同意することに決しました。
#16
○議長(河井彌八君) 日程第二、建設機械抵当法案
 日程第三、公共工事の前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律
 日程第四、建設省関係法令の整理に関する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上、三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。建設委員長深川タマヱ君。
   〔深川タマヱ君登壇、拍手〕
#18
○深川タマヱ君 只今議題となりました建設機械抵当法案、公共工事の前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案及び建設省関係法令の整理に関する法律案について建設委員会における審議の経過及び結果を御報告申上げます。
 建設機械抵当法案は、建設機械の抵当制度を確立し、建設工事の機械化の促進を図ることを目的とするものでございます。その提案理由の説明によりますと、近時建設工事量の増加と規模の拡大によりまして、その機械化を図ることは緊急を要する問題でございますが、従来建設業者は機械購入に要する資金を主として短期運転資金によつて調達いたして来たのでございますが、これが事業経営に大きな負担となつておる状況でございます。従つて、かかる建設機械について動産担保制度を確立いたし、金融機関からの長期融資の途を容易ならしめることは、建設工事の機械化を促進いたすところ大であると申すのでございます。
 法案の大要は、第一、建設機械について他の農業動産、自動車、航空機の例に従い、個々に抵当権を設定することができる動産抵当制度をとることでございます。而して、かかる建設機械は、相当規模以上の政令で規定するものに限定いたしております。
 第二は、公示の方法といたして登記制度をとり、建設大臣又は都道府県知事が記号の打刻をした建設機械についてだけ、所有権保存登記をすることができ、これに対して抵当権の設定ができることでございます。
 第三に、抵当権の内容、対抗要件、抵当権の効力等、抵当権に関する所要の規定は、いずれも民法の規定に準じております。
 第四は、強制執行等に関する規定、この法律の実効を確保するために必要な罰則、並びにこの法律施行に伴う自動車抵当法、道路運送車両法、その他の法律に所要の調整をいたしたことでございます。
 委員会におきましては、本案に対して慎重な審議をいたしましたが、詳細は会議録によつて御承知を願います。質疑応答中主なるもの二、三を挙げますと、
 一、「本制度は、自動車抵当制度の例に倣うものであるが、同制度の成績如何。」これに対しては、「昭和二十七年度中に抵当権が設定された自動車台数は四万二千台、債権総額百四十七億九千四百万円、自家用は新車が多く、営業用は旧車が多くを占めておる」旨の答弁がありました。
 二、「本制度の対象となる建設機械は、大体一個百万円程度以上のものとするならば、中小企業者は利用することができないのではないか。又現在の業界はすでに建設工事量が漸減しつつあるのに対して一方機械類は昨年あたりまで相当無理をして買入れており、十分これを活用しておらん状況であり、従つて本制度も、これら遊休機械の金繰りに利用されることが多いのではないか」との質問に対して、「業者は運転資金は、公共工事の前払、金融機関からの融資等の途があるが、設備資金に苦しむ実情にあるので、本制度によつて中小業者も機械購入ができることとなる。又、本制度が購入済の機械の資金繰りに利用されることは認められるが、本制度によつて新規購入に資するところ大であることが主眼である」旨の答弁がございました。このほか現在の建設機械稼働状況、必要な修理施設、国が機械を購入して業者に貸与する制度、業者の共同利用、モータープール制、建設機械設備のための融資計画等についても質疑応答がございました。
 かくて質疑を終了、討論に入りましたところ、田中委員かち、「本法案に養成する、希望条件として、一つ、本制度の運用について政府は、中小業者の融資に関する配慮が十分でない。よつて大企業者に偏せず中小業者に対する援助育成に十分留意すること、二つ、組合組織等によつて業者共同利用の途を講じ、遊休建設機械をプールする等、相当高度の機械化を図ることを希望する」旨の発言があり、小澤委員からは、「建設業の合理化、能率化を図るために本案に賛成する。建設機械を設備することも必要であるが、これを活用するためにはその整備が必要である。よつてこれに関する施設については、本制度の運用において十分留意するよう」との賛成意見が述べられました。
 次いで採決の結果、全会一致、原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 次に、公共工事の前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案について、建設委員会の審議の経過及び結果を御報告申上げます。
 本法律案は、只今報告いたしました建設機械抵当法案と同様、建設工事の機械化を促進いたすことを目的とするものでございます。即ち公共工事前払金保証事業法によつて設定されておる建設業保証事業会社をして、従来の業務のほか、新たに政府、地方公共団体等が建設機械の製造代金を前払いするに当りまして、その保証をなし得ることとすると共に、建設業者が建設機械購入資金の融通を受ける際に、その債務の保証をなし得る途を開き、以て建設業の機械化促進に寄与せんとするものでございます。
 法案の主なる事項は、第一に、前払金保証の対象として建設工事に関するもののほか、新たに公共工事の用に供する建設機械の製造に関するものを加えることでございます。第二は、建設機械抵当制度に関連いたして、建設業者が建設機械購入資金を金融機関から融通を受けるについて、保証事業会社がその債務の保証をなし得ることでございます。第三は、保証事業会社が兼業として行う金融保証事業は、今後重要性を加えますので、その保証約款についても、建設大臣の承認を必要としたことでございます。
 本法案に対しまして建設委員会は慎重な審議をいたしましたが、詳細は会議録によつて御承知願います。質疑応答の主なる事項といたしましては、一つ、中小建設業者の前払保証制度利用状況、二つ、保証事業会社設立以来の実績、三つ、保証事故数とその原因、四つ、今回保証の対象を拡張いたして建設機械の製造を含めた理由、建設機械製造の保証に当り、メーカーを審査する基準、五つ、大規模な機械を設備するについて、業者の資金調達方法等でございました。
 かくて質疑を終了いたし、討論に入りましたところ、田中委員から、「本法案に全面的に養成するが、保証事業会社設立以来の業績は良好で、保証額は不足を生ずる状況である。従つて増資をする段階にあるようである。増資に当つては、その方法が偏して、一部の出資者、金融機関等の独占的なものになる等、片寄つた資本体系となることのないよう留意を望む」旨の賛成意見が述べられました。
 次いで、採決の結果、全会一致、原案通り可決すべきものと決定いたしました。
   〔議長退席、副議長着席〕
 次に、建設省関係法令の整理に関する法律案について、建設委員会の審議の経過及び結果を御報告申上げます。
 本法律案は、建設省関係諸法令のうち、実効性のなくなつたもの、及び事務の簡素化をすべきものについて、所要の整理を行おうとするものでございます。
 法案の摘要の第一は、現に死文化しておるもの、又は存在の意義が消滅している三件の法令を廃止することでございます。次は、事務簡素化のために、現行水防法によると、都道府県知事が樹立する水防計画は、建設大臣の承認と国家消防本部長への報告を要するのでございますが、これを改めて二都府県以上に関係する水防計画についてのみ、これらの手続を要することといたしております。建築基準法の改正は、都市計画区域内における建築物に関して、都道府県知事が指定する区域内のものについては、建築主事の確認を不要といたし、又工事着工又は除去の場合の届出義務を建築主から工事施行者等に移すことでございます。
 委員会における本案審議の詳細は会議録によつて御承知を願いますが、本案に関連いたして、水防計画については、今回の事務簡素化のほか、更に一般と水防に努力を払い、その完備を図る必要があること、文建築基準法について同法実施の結果に鑑み改正を要する点については、十分研究することを要する趣旨の質疑応答がございました。
 かくて質疑を終了いたし、討論を省略いたして採決の結果、全会一致、原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申上げます。(拍手)
#19
○副議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより三案の採決をいたします。三案全部を問題に供します。三案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#20
○副議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よつて三案は、全会一致を以て可決せられました。
     ―――――・―――――
#21
○副議長(重宗雄三君) 日程第五、地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 先ず委員長の報告を求めます。地方行政委員長内村清次君。
   〔内村清次君登壇、拍手〕
#22
○内村清次君 只今議題となりました地方税法の一部を改正する法律案につきまして、地方行政委員会における審議の経過並びに結果の概要を御報告申上げます。
 現行地方税制はシヤウプ勧告を基礎として、昭和二十五年に制定されたものでありまして、一応理論的にはすぐれた税体系として高く評価せらるべき面もあるのでありますが、我が国の現状に即応しない点もあり、現に附加価値税のごとき、未だ実施に移されていないものもあるのであります。従つて政府においては、その改革について種種検討を加えると共に、地方制度調査会を設けて、地方の行財政制度の全般に亘つて具体的な改革方法について答申を求め、更に税制調査会からも国税地方税を通ずる改正の一環として、地方税制の改革についての答申を得て、今回これらの答申の趣旨に副つて本法案を立案、国会に提出いたしたものでございます。
 現行地方税法の問題点といたしましては、第一に、自主財源に乏しく、財政の自立性がないこと、第二に、この乏しき税源が地域的に偏在していて、地方団体間の貧富の差が甚だしいこと、第三に、地方税の税種相互間及び同一税種の内部において負担の不均衡があること、第四に、道府県において住民が広く負担を分任する税種がないこと、第五に、税務行政が国、道府県、市町村の三者の間で、それぞれの独立性を尊重する余り、ばらばらに行われて繁雑であること等を挙げることができるのでありますが、政府今回の立案の趣旨も、これらの点を是正することが主眼となつているのであります。
 而してその改正の第一点は、負担分任の精神を導入するために、市町村民税の一部を道府県に委譲して、道府県民税を創設することといたしていることであります。
 改正の第二点は、事業税に関するものでありまして、附加価値税を廃止すると共に、現行の事業税及び特別所得税を統合して事業税とし、これに所要の改正を加えていることであります。即ち負担の軽減を図るために、個人事業税においては、基礎控除の額を所得税の場合の額とおおむね同一とし、税率を現行のおおむね三分の二とすると共に、法人事業税についても所得五十万円までの部分について税率を軽減いたしております。そのほかいわゆる外形標準課税となつている事業のうちから、海運業や小運送業などを除くこと、原則として非課税の範囲を整理すること、課税標準たる所得の算定方法を所得税又は法人税のそれに合わすこと等の改正をいたしているのであります。
 改正の第三点は、不動産取得税の創設であります。本税は、土地又は家屋の取得に対して、その所在する道府県において課するものでありまして、不動産の価格を課税標準とし、その標準税率は三%であります。ただ本税の創設により、現在極度に払底している住宅の建設を阻害することがないように、新築住宅については百万円、新築住宅用の土地については六十万円までの部分に対しては、非課税の措置が講ぜられているのであります。
 改正の第四点は、自動車税に関するものでありまして、車種相互間の負担の合理化を図ることと、揮発油税の増税とも睨み合せて、揮発油により運行するものと、他の燃料により運行するものとの間の負担の均衡を図ることを主たる目的として、税率の変更を行うことにしているのであります。
 改正の第五点は、狩猟者税の税率に関するものでありまして、狩猟を業とするものと、その他のものとを区別することが困難であるという理由から、一律に現行制度に改正する前の税率に戻そうとするものであります。
 改正の第六点は、たばこ消費税の創設であります。地方団体に対しては、一面新たな独立財源を附与する必要があり、他面地域的偏在度の少い財源を附与すべきであるとの要請があるのでありまして、本税はこの二つの要求を充すために、取上げられたものであります。即ち本税は、日本専売公社が、小売人に売渡す煙草に対し、小売定価を課税標準として、小売人の営業所所在地の道府県及び市町村において、公社に課するものでありまして、その税率は、道府県が百十五分の五、市町村が百十五分の十であります。
 改正の第七点は、市町村民税について、道府県民税の創設に伴う所要の改正を加えたことでありまして、市町村民税を道府県に委譲する部分だけを減額する趣旨の下に、税率の引下げを行おうとするものであります。
 改正の第八点は、固定資産税に関するものでありまして、改正の第一は、税源配分の合理化を期するため一定の価額を超える大規模の償却資産については、その所在地の市町村の課税権を制限し、この一定の価額を超える部分については、新たに道府県に課税権を与えようとすることであります。第二は時価を課税標準とする固定資産税は、税率を据えおく限り、評価増により増加し過ぎる半面、償却資産に対する本税の負担を軽減することは、我が国産業の発展にとり望ましいことでもありますので、不動産取得税の創設とも関連して、税率の引下げを行おうとするものであります。第三は、発送変電施設、地方鉄軌道、重要物産の製造並びに企業合理化用の機械設備、外航船舶、国際路線用航空機、航空運送事業用航空機等、我が国の経済再建上、重要な固定資産につきましては、課税標準の特例を設けて、税負担の緩和を図ろうとするものであります。第四は、償却資産に付する固定資産税の免税点を五万円に引上げることであります。
 改正の第九点は、自転車税、荷車税について両税を統合してこれを一本化し、徴税事務の簡素化を図ろうとすることであります。
 改正の第十点は、電気ガス税についてであります。既定の非課税分との均衡を図るため、地方鉄軌道、金属鉱物の採掘等を非課税範囲に追加することであります。
 改正の第十一点は、入場税を国税に移管し、その九割相当額を譲与税として、道府県に配分する制度を設ける関係上、地方税としてはこれを廃止しようとすることであります。
 以上が、改正の趣旨並びに内容の概要でありますが、これに対しまして衆議院においては相当程度の修正が行われ、四月八日、本院に送付せられたのであります。その修正の第一点は、事業税につきまして、個人事業税の基礎控除額を政府原案より更に引上げると共に、非課税範囲の追加及び輸出所得の損金算入の取止めを行うことであります。その第二点は、不動産取得税について、非課税範囲の追加及び公営住宅の払下げを受ける場合の負担の緩和であります。その第三点は、遊興飲食税について、大衆飲食店等に対する免税点の引上げ及び大衆旅館に対する免税点の新設であります。その第四点は、自動車税について、政府原案の税率を若干引下げると共に、トラツクについて自家用、営業用の区別を設け、税率に差等をつけることであります。その第五点は、狩猟者税につきまして、現行通り二本建とすることであります。第六点は、道府県民税及び市町村民税について、寡婦などの非課税の範囲を十二万円に引上げること等であります。その第七点は、固定資産税についてでありまして、その制限税率を百分の二・五に引下げること、地方鉄軌道、重要物産の製造並びに企業合理化用の機械設備及び航空機運送事業用航空機に対する負担緩和の特例措置の遡及適用を取りやめること等であります。
 本法案はその重要性に鑑みまして、去る三月十七日の本院本会議において政府の提案理由の説明があり、これに対し各会派の代表から質疑が行われました後、本委員会に付託せられたのでありまするが、何分にも、シヤウプ勧告に基く地方税制の改革以来の大改正でありまして、改正条文数も約三百八十条に達する厖大且つ複雑なものであるのみならず、地方自治の根本にも影響する重要法案でありますので、本委員会といたしましては慎重に審議いたしたのであります。併しながら、地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案、入場譲与税法案、昭和二十九年度の揮発油譲与税に関する法律案、地方財政法の一部を改正する法律案等の本法律案に直接関連する諸法案の政府提案が遅れましたこと、本来税制改正に先行すべき地方制度の改革に関する地方自治法の改正法案の提出が未だにないこと、衆議院の通過が遅れたこと、而も本法案は本来、年度内に成立すべき性質のものであつて、その成立が急を要すること等の理由によりまして、本委員会といたしましては審議上遺憾に存ずるような点もあつたのであります。而して本委員会におきましては、三月二十二日に塚田国務大臣より提案理由の説明を聞き、爾来委員会の回を重ねること前後十二回、その間三日二十七日には公聴会、四月十五日には入場税について国税移管の関係上、大蔵委員会と本委員会との連合委員会、四月二十三日には本委員会と通産委員会との連合委員会を開き、衆議院修正案については、床次衆議院議員から修正理由の説明を聴取し、又同君に対して詳細な質疑を行いました。そのほか運輸、通産、建設の各委員数氏の委員外発言があり、農林委員会、建設委員会及び通産委員会からは、それぞれ書面を以て修正意見の申入れがありました。而して本委員会におきましては本法案と地方行政制度、地方財政全般、警察法案等との関連につきましての基本的問題については勿論、政府の改正の趣旨が、果して額面通り実施せられているか、道府県民税、不動産取得税等の新税の創設は適当であるか、その性格並びに実際の運用はどうな参るか、事業税、自動車税、固定資産税等の改正点は適当であるか等のほか、逐条的に改正案全般に亘つて塚田国務大臣、小笠原大蔵大臣及び政府委員との間に詳細な質疑を行なつたのでありまするが、その内容は、多岐多端に亘りますので、会議録により御承知をお願いいたしたいと存じます。
 かくて質疑を終了し、討論に入つたのでありまするが、先ず緑風会の小林委員から、養成意見と共に修正案並びに附帯決議案が提出せられました。
 修正案の第一点は、事業税に関するものでありまして、法人の行う林業を非課税とすると共に、バス事業等を所得課税に改正することであります。
 第二点は、不動産取得税に関するものでありまして、民有林野を国有林野と交換する場合の不動産の取得、住宅金融公庫の業務上の不動産の取得及び同公庫の貸付金の回収に関連する不動産の取得を非課税とすると共に、道府県の住宅協会等の法人が同公庫から資金の貸付を受けて不動産を取得した場合、及び同公庫から資金の貸付を受けて防火建築地帯内に耐火建築物を新築した場合の課税標準の算定について一定額を控除することであります。
 第三点は、現行入場税中、国税に移管されていないことになつている第三種施設について所要の改正を加え、娯楽施設利用税として道府県法定普通税とすることであります。
 第四点は、遊興飲食税に関するものでありまして、大衆旅館の飲食代を除いた部屋代の非課税の範囲を衆議院修正では、一泊四百円から七百円の範囲内で地域区分によることとなつているのを一律に七百円以下とすることであります。
 第五点は、道府県民税及び市町村民税に関するものでありまして、法案成立の遅延に伴い道府県民税の市町村への配賦期間を五月十五日とし、市町村民税の特別徴収額の通知期限を六月十日とすると共に、寡婦等の非課税の範囲が衆議院修正では十二万円となつておるのを十三万円に引上げることなどであります。
 改正の第六点は、固定資産税に関するものでありまして、非課税の範囲に国家公務員共済組合等の所有する保健施設及び水力発電所の魚道並びに流筏路を加えると共に、昭和二十四年一月二日以降の建設にかかる発電施設の課税標準について、政府原案の六分の一を四分の一に改めることであります。
 又附帯決議案は、
 (一) 納税義務者にして、その帳簿書類その他の物件の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者、虚偽の記載をした帳簿書類を呈示した者、徴税吏員の質問に対し答弁をしない者又は虚偽の答弁をした者に対する一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する旨の罰則の規定は税目ごとに設けられているが、これを統合して規定を簡素化すると共に、その罰則は重きに過ぎるきらいあるを以て適当にこれを緩和すること、なお徴税吏員の質問に対し答弁をしない者に対する罰則は行過ぎと思われるので、将来にこれを改めるよう考慮すること。
 (二) 個人事業税については多くの問題があり、国会修正の基礎控除十万円は昭和三十年度より実施することを強く要望すると同時に、この際、併せて事業税の府県における賦課徴収については、特に零細業者の負担について関係政府機関ともよく連絡の上、適当の配慮を加え、実情に合する取扱をするよう政府においても連絡するよう希望する。
 以上でありました。
 これに対しまして秋山委員は、日本社会党第四控室を代表して、衆議院送付案及び小林委員の修正案並びに附帯決議案に反対、堀委員は、自由党を代表して、各案とも賛成、松澤委員は、日本社会党第二控室を代表して、各案とも反対、笹森委員は改進党を代表して、各案とも賛成、加瀬委員は各案とも反対の討論がありました。
 次いで採決に入り、小林委員の修正案は多数を以て可決せられ、右修正案を除く衆議院送付案は、これ又多数を以て可決せられました。よつて本法案は、本委員会において多数を以て、修正可決すべきものと議決した次第であります。又附帯決議案も多数を以て可決せられました。
 以上、御報告申上げます。(拍手)
#23
○副議長(重宗雄三君) 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。秋山長造君。
   〔秋山長造君登壇、拍手〕
#24
○秋山長造君 私は、社会党を代表いたしまして、只今議題となつております地方税法の一部を改正する法律案に関し、衆議院送付案並びに小林武治君外提出の修正案に対しまして反対いたすものであります。
 第一に、今回の地方税改正は、入場税の国税移管や道府県民税、不動産取得税、たばこ消費税の創設など、シヤウプ勧告に基く現行地方税体系を大きく変更せんとするものでありますが、その大前提となるべき肝腎の地方制度の改革は未だ明らかにされず、懸案の地方自治法改正でも、塚田自治庁長官もしばしばの言明にもかかわらず、未だに提案されないのであります。言うまでもなく、現在吉田内閣の企てつつあるMSA再軍備や、吉田総理の知事官選論、警察法改悪、教育破壊立法など一連の反動的施策は、本来権力の分散と住民の福祉を基調とする地方自治を根本的に否定し、骨抜きにする方向を示すものであり、地方制度の行方が深刻な不安と疑惑に包まれている現情勢の下において、これに明確なる結論を示さずして、いきなり地方税法のみ大幅に動かすことは本末顛倒も甚だしい。特に一方で知事公選を否定し、府県を国の出先機関と化するような言辞を弄しながら、他方において府県自治、負担分任を強調して、府県民税を起すがごときは矛盾の最たるものであります。
 第二に、政府の立てた本年度の地方財政計画は、九千六百五十三億円、地方税総額は三千四百七十四億円となつているのでありますが、その内容をつぶさに検討するとき、国の一兆円予算のしわが地方財政に寄せられている、とを痛感せざるを得ません。この点はすでに委員会において論じ尽されておりますのでここに繰返すことは避けますが、現に去る三月九日附で政府が国会に提出した「地方財政の状況報告」でさえ、地方財政窮乏の実情を国家財政と比較しつつ詳細に述べたのち、その結論として、(一)地方財政の赤字は二十七年度三百億円、二十八年度三百六十億円に達しているのに、その再建整備について何らの手当も考慮されていない。(二)地方公募債の消化政策として地方団体中央金庫の創設が必要であるのに全然取上げられていない。(三)少くとも三百億円程度の財政規模の是正が必要であるのに百四十九億円しか認めず、而も半面百二十億円の節約を見込んでいるので、実質的には僅か二十九億円の是正にしかならないなどの点を強く指摘しております。ことは、地方財政に対する政府の施策が如何に貧困且つ不十分なものであるかを政府みずから告白したものであります。
 第三に、今回の税制改正により、六百二十四億円の独立財源の増強を図つたというけれども、そのうち四百三十一億円は自然増収であつて、国から地方に持込まれたのは、ただ一つたばこ消費税のみであります。それも売上代金の百分の三十という当初の線からは遥かに後退をして百十五分の十五にとどまつているのであります。而も一方入場税のごとき最も伸張度の高い有力な地方財源は、逆に国税として持出され、又道府県民税百七十三億円は市町村民税からの吸上げ、不動産取得税四十四億円は固定資産税の先取りでありまして、いずれも現行地方税の枠内操作に過ぎない。これを要するに地方財源の強化は、国税を大幅に地方に委譲するという地方財政本来の要求に副うてではなく、徴税強化による自然増収を過大に見積つたり、重税にあえぐ地方住民に更に新税を課したりの形で行われているのでありまして、真の意味の増強にはなつておらないのであります。
 第四に、地方財源の偏在調整のため入場税を国に取上げ、譲与税の形で地方に還元するというけれども、これによつて期待される調整作用の幅はせいぜい五十億円程度、これが衆議院修正で更に半減して、ただ国税移管を強硬に主張しましたところの大蔵当局の面子を立てただけに終つているのであります。又入場税と共に一旦は国税移管にきまつていた遊興飲食税が地方に残つて入場税のみ取上げられたいきさつにつきましても、納得の行く説明は遂に与えられず、極めて悪いあと味を残したのであります。而も入場税中、徴税の容易確実な第一種、第二種のみ国に取上げまして、徴税の困難不確実な上に業者の反対が特に強かつたと伝えられる。パチンコ、麻雀、球撞きなどの第三種はそのまま放置して顧みざるがごときは、政府の無定見と地方財政に対する不誠意な態度を如実に証明するものでありまして、むしろ入場税はそのまま地方税として残し、政府の意図する偏在調整は地方交付税か或いはたばこ消費税の増額によつて行うことのほうが、遥かに明朗且つ合理的と考えるのであります。
 第五に、最大の地方税たる事業税についてその矛盾と不均衡が何ら是正されていない点であります。即ち同じ事業税でありながら、法人にさえすれば、課税標準から自家労賃が落せるのに、個人のものにはそれが一切認められず、弱小業者に対して非常な重圧となつておりますことは周知の事実であります。この矛盾と不均衡を除くためには、個人の事業所得についても、自家労賃は落せることにするか、或いは基礎控除額を少くとも二十万円程度に引上げるか以外に方法はないのでありますが、今回の改正は、ただ申訳的に税率や基礎控除額を若干動かしただけで、問題は一向に解決されていないのであります。又課税標準たる事業所得を機械的に国税の決定額によらしめることとしたことは、府県知事をして地方の実情に即した自主的措置を行わしめる余地を全然なくするものであり、税務署が依然として割当課税を強行している現状と相待つて、デフレ政策下、深刻な不況に悩む全国二百五十万の中小業者をいよいよ窮乏に追い込み、倒産や一家心中の悲劇を続出せしめるであろうことは火を見るよりも明らかであります。(拍手)
 第六に、固定資産税について、現行の標準税率百分の一・六を百分の一・五に引下げることにより、五十六億円の減税を図つたと、うけれども、一方資産の評価替により、実質的には百十億円程度の増徴となるので、一般納税者には、相当な負担過重となることは明らかであります。而もその半面、発送電施設や地方鉄道、地下鉄、外航船舶、航空機などの重要産業、大企業の機械設備については、それぞれ特例を設けて、総額二十数億円に上る減税措置をとろうとしておるのであります。我々もこれらの重要産業に対する保護助成の必要はあえて否定するものではございませんが、それは飽くまで国の責任において行うべきであつて、貧弱な地方財政の負担において行うべきではないと考えるものであります。衆議院の修正案が、この点に鑑みまして、原案の遡及適用を取止めたことは当然の措置でありますけれども、将来については、なお原案通り特例を残したことは不徹底のそしりを免れません。特にこれらの大企業を中心に疑獄、汚職の醜態が続出し、国民の疑惑と憤激の的となつている現状においては、何よりも先ずこれを徹底的に究明し、解決した後、その保護助成の効果と国民的利益とが完全に一致するという現実の保障が確立されて初めて考慮さるべきものであります。然らずして今句々の間に、かかる特例措置を認めますことは、国民の疑惑と不信をますます深めるのみならず、疑獄、汚職を更に奨励する結果にもなりかねないので反対せざるを得ません。(拍手)
 第七に、従来徴税吏員の検査を拒み、妨げ、又は虚偽の記載や答弁をした者に一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金を科するところの罰則の規定かあつたことはやむを得ずとするも、単に徴税吏員の質問に答弁しない者にまで同じ罰則を適用することは、そもそも自白の強要を禁止するところの憲法の精神にも抵触する苛酷な規定であり、これが来たるべき徴税攻勢に万能の威力を発揮しないと誰が保証できましよう。(拍手)かかる不当な罰則は本税法改正を機会に速かに削除すべきであつたにもかかわらず削除されておらないのであります。
 以上、衆議院送付案につきまして、我々の反対理由を簡潔に申したのでありますが、最後に、小林武治君の提出されました修正案について一言しておきたいと存じます。
 この修正案は、市町村民税について未亡人控除を衆議院修正十二万円より更に二万円引上げて十三万円としたこと、固定資産税について国家公務員共済組合等の所有にかかる保健施設を非課税としたこと、又遊興飲食税について大衆旅館の宿泊料について非課税範囲を一律に七百円以下としたこと、更に耐火建築その他について不動産取得税の非課税規定を整備したことなど、不十分ながらも我々の主張に一歩近付いた点を少からず含んでおるのであります。併しながら、本修正案は、市町村民税からの吸上げによるところの道府県民税の創設や、最も本来的な地方財源たる入場税の国税移管を原案通り無条件に認めておるし、特に事業税について、法人の行うところの林業を新たに非課税としましたことは、植林から伐採に至るまでを同一法人が行う場合、非課税の線をどこで引くかに複雑な問題があるのであり、直接的にはパルプ会社の利益に繋がるところの極めて不明朗な修正でございまして、我々の断じて容認し得ないところであることを附言いたしまして、私の反対討論を終ります。(拍手)
    ―――――――――――――
#25
○副議長(重宗雄三君) 石村幸作君。
   〔石村幸作君登壇、拍手〕
#26
○石村幸作君 私は自由党を代表いたしまして、只今議題となりました地方税法の一部を改正する法律案につきまして賛成の意を表するものであります。
 現行の地方税制度は、昭和二十五年、シヤウプの勧告に基きまして画期的な改正が行われたものでありますことは各位のよく御承知の通りであります。而してこの制度は、理論的には誠に優れた面もあるのでありますが、何分にも我が国の伝統と実情に適合しない点が多々あつて、未だにその一部分が実施されないほどで、世上相当の批判もありまして、その根本的改革は当面の課題であり、且つ各方面の要望であつたのであります。政府はこれらの点に鑑み、先に地方制度調査会を設けて、地方の行財政制度全般に亘つて当面の事項についての答申を求めたのでありますが、更に税制調査会からも、中央地方を通ずる税制改革の一環として地方税制の改革に関する答申を得ているのであります。政府の今回の提案は、大体これらの答申の線に沿つて立案されておるのでありまして、なお検討を要する幾多の問題点が残つておるとは思いますが、国の予算とも睨み合せて、おおむね妥当なるものと認めると共に、政府の労を多とするものであります。現在地方税についての問題点といたしましては、先ほど委員長の報告中にもありましたが、第一に、地方の自主的財源が少く、財政の自主性に乏しいこと、逆に申すならば、中央に依存する度合が高いこと。第二に、その乏しい財源が更に地域的に偏在していて地方団体間の貧富の差が甚だしいこと。第三に、道府県の財源は、事業税、遊興飲食税、入場税等、主として都市に依存しておりながら、その行政の実体は却つて農山漁村に主力が置かれているような不合理があること、即ち道府県に負担分任の税種がないこと。第四に、負担の不均衡があること。第五に、税務行政を簡素化し、国、道府県、市町村の間に協力体制を確立する必要があること等々に要約することができますことは、関係者のつとにこれを認めているところであります。そのほか地方税の弾力性が地方財政需要の増加に即応しないこと。更に国民の税負担がすでに限度に達し、殊に個人事業税の負担が過重であること等が挙げられるでありましよう。従つて政府の今回の提案は、どの程度までこれらの問題点が解決されているかということによつて評価されるべきものであると存ずるのであります。よつてこの見地から本法案を検討いたしますならば、たばこ消費税、不動産取得税等を創設して道府県市町村の自主的財源を充実し、入場税の国税移管を断行して、その九割を譲与税として人口按分によつて道府県に配賦することによつて、税源の偏在を是正し、道府県民税を創設して道府県に負担分任の精神に基く税種を与えているのであります。
 又シヤウプ勧告によつて制定されて以来、遂に今日まで日の目を見なかつた附加価値税は、今日の経済情勢と国民輿論の動向に鑑みて、これを廃止して事業税を存続したのでありますが、このうち個人事業税の基礎控除の引上げ、税率の軽減等を行い、従来とかくその税負担の過重を叫ばれていた個人事業税の負担の緩和を図ると共に、負担の均衡を期しているのであります。更に固定資産税については、税源配分の合理化を図るために、道府県に大規模償却資産に対する課税権を与えたほかに、固定資産税の税率を軽減して、土地、家屋等の所有者に対する負担を緩和すると共に、償却資産に対する産業上の負担を軽くしているのであります。又、税務行政の面でも、事業税の課税標準である所得の算定については所得税又は法人税のそれによることにいたしており、又、道府県民税は市町村民税に合せて市町村で徴収することにいたしております等、徴税の簡素化、国、道府県、市町村の協力体制を図つているのであります。
 なお衆議院において、以上述べました事項に関連したもののほか、更に不動産取得税、自動車税、遊興飲食税、狩猟者税等に対し、負担の均衡と軽減の措置を講ずべく若干の修正が行われているのであります。
 以上のごとく、今次の改正案は地方税上の問題点の解決に少くとも数歩前進していますことは何人も否定できないところと存ずるのでありまして、私はこの意味において、多少の不備の点は将来の検討に移し、ここに本案に賛成するものであります。
 更に小林君の修正案は、衆議院における修正を更に補正したもので、事業税における法人の行う林業の非課税、乗合貸切自動車事業の課税標準、寡婦等の非課税点及び旅館の宿泊に対する遊興飲食税並びに住宅金融公庫に関する不動産取得税等、いずれも負担の均衡、住宅建設の促進の見地から必要な措置と認めるものであります。殊に、国際移管の際、取残されております従来の入場税の第三種分を道府県法定普通税として存置するため娯楽施設利用税を創設いたしましたことと、二十九年度における発電施設に対する固定資産税の課税標準を按排して、市町村税収入の激減を緩和したことは、地方の財源を充実し、税負担の公平を期する上から見て、最も適切な修正と存じ、衷心賛意を表するものであります。
 以上を以ちまして私の討論を終ることにいたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#27
○副議長(重宗雄三君) 松澤兼人君。
   〔松澤兼人君登壇、拍手〕
#28
○松澤兼人君 私は日本社会党第二控室を代表いたしまして、只今委員長から報告のありました地方税法の改正法案及び委員会におきまして多数を以て通過いたしました修正案に対し、反対の意を表明しようと思うのであります。
 今回の地方税法の改正案は、地方制度調査会の答申を中心として考えられたものでありますが、なお、そこに幾多の問題が残されているのであります。
 第一に、地方制度調査会の答申は、単に税の面だけではなく地方行政の機構改革まで含めているのでありますが、政府は地方制度そのものの改革は棚上げといたしまして、当面の税制の改革だけを取上げているのであります。近く地方行政機構が改革されなければならないことは、これは当然でありまして、そのときに税制の問題も再び取上げられて検討されなければならないことは私が申上げるまでもありません。地方の行財政は一体として解決されなければならないのに、政府は一方的に地方行政の改革を延期して、極めて不完全な当面の税制改革だけを提案しているのでありまして、この点につきまして私たちは非常に不満の意を表明しなければなりません。
 第二に、地方制度調査会では地方団体の赤字は三百億乃至三百六十億に上ると考えているのでありますが、今回の改正によつて是正される額は約半額の百四十九億に過ぎないのでありまして地方財政の規模九千六百五十三億のうち独自の地方税によつて賄い得られる領は三分の・一強の三千四百七十四億のみであります。かくては現在の赤字の上に更に赤字が累増されて行くことは明白であります。
 第三に、同じく地方制度調査会の答申によると、地方財政の赤字は過去におけるその累積によりまして地方財政が極めて窮乏の状態にあるので、我々は地方財政の両建整備計画を樹立せよと言つているのでありますが、政府はこれに耳をかさず、如何にして地方財政を立て直すかを示していないのであります。これをこのままで放置すれば、地方財政はますます窮乏することは火を見るよりも明らかであります。
 第四の点は、地方制度調査会は地方財源の偏在是正のために遊興飲食税と入場税はこれを国税に移管すべきことを述べているのでありますが、徴収に容易である入場税のみを国税に移管して、抵抗の多い遊興飲食税は疑惑を含みつつこれを地方税として存置することにしているのであります。我々この二税とも地方税として残すべしという立場に立つものではありますが、政府は一税を国税にし、一税を地方税に残したことについて、明確なる理由を示さず、その政策決定については幾多の不純なるものがあると、世上、噂をされているのであります。
 これらの地方制度調査会の答申を中心として税制改革がなされたと言つているのでありますが、併し重要な点については政府はこれは同時に考慮することなく、その一部だけを取上げて、極めて不健全、不十分なるものとして提案されましたことは誠に遺憾でありまして、これらの点から強く反対をしなければならないのであります。
 なお国の立場と地方の立場との関連から考えてみますときに、地方税の問題について政府は依然として何ら根本的な税源の調整をなさず、国の財政があつて地方の財政なしという態度をとつているのであります。国は一応一兆円の均衡健全財政の線を堅持すると称しておりますけれども、その犠牲は一切挙げて地方におつかぶせているのであります。地方財政の問題は量と質との側から考えられるのでありますが、量の点では地方財政の需要を充足するに十分なる税収入がないということであり、質の点から言いますならば、自主性のある独自の財源が乏しいということであります。その問題を解決せずして、地方財政の基礎を確立することは困難であることは言うまでもないのであります。最近町村合併が着々として進行しているのでありますが、将来の財政の確立を措置するという十分なる政府の根本的な対策がない限り、今日において進んでおります合併が、将来又再び重大な窮乏に瀕するということも想像しなければならないのであります。
 更に政府はこれまでのインフレーシヨン的な傾向を是正して、デフレの政策をとろうとしております。すでに中小企業の破産、倒産するものが続出している現状でありますが、本年の下半期になりますならば、この傾向は更に激化するものと想像されるのであります。然るに今回の税制改革におきましては、地方税の増徴が考えられているだけでありまして、このデフレの結果、政府の基本的な政策の結果、破産、倒産或いは営業に困難を感ずるであろうと考えられる中小企業に対する何らの措置も講じられておらないのであります。我々は一方、これらの零細或いは中小企業の立場の擁護を図らなければならないことも考えるのでありますが、同時に増徴を予定されているものが、果して二十九年度に把握できるかどうかという問題も考えなければならないのであります。苛斂誅求ということが、これらの中小企業或いは零細企業に対して押付けられるということも考えてみるときに、政府は一方においてデフレ政策を強行し、他方において地方税において苛斂誅求をやろうとする、この態度の一貫性を欠いていることは、我々は不満の意を表明しなければならないのであります。(拍手)
 個々の問題につきまして、新らしく道府県民税が創設されたのであります。
   〔副議長退席、議長着席〕
 従来道府県民税と市町村民税と二本建であつたものが、シヤウプ税制によりまして市町村民税のみが残されたのでありますが、再びここに道府県民税がおかれることになつたのでありまして、この点につきましては、現在の市町村民税の二五%を道府県民税に与えるということでありますが、将来再び増徴されるという危険が極めて多いということ、及び府県の性格は市町村のごとく完全なる自治体でないということ、これらの府県に対して若し必要があるならば、国庫がこれを負担することが当然であるのに、市町村民税と同じ性格の道府県民税を認めるということに、我々は賛成ができないのであります。
 事業税につきましては、この税は最も問題のあるものでありまして、我々としましては可及的速かにこれを廃止しなければならないという主張をもつているのであります。特に個人事業税の法人事業税に比べますと著しく不利の取扱を受けているのでありまして、我々は一カ月二万円、年二十四万円の基礎控除をなすべきであるという当面の対策をもつているのでありまして、この意味から事業税の今回の提案に対しましては反対の意思表示をしなければなりません。
 なお、我々は遊興飲食税につきましても、この遊興飲食税はいわゆる遊興的なものと普通一般の大衆的飲食とを区別して、大衆的飲食に対しては、これを非課税とすべきであるという立場をとつているのであります。入場税の問題と関連いたしまして、遊興飲食税が、今回は地方税として残されましたけれども、将来再びこれが取上げられるということも考えられるのであります。これらの点を考慮して、遊興飲食税を全く遊興的なものと大衆的飲食とを明確に区別する必要があると考えるのであります。
 なお、具体的に申さなければならないのでありますが、これを要するに我々今回の税制改革というものを考えて見ますときに、単に国の立場だけを考えて、実際の市町村、完全自治体というものに対する考慮が十分でない。この点を考えて、十分なる財源を措置すること及び地方自治そのものに対する根本的な政府の対策を考慮して、全面的な改革をなすべきのに、当面、いわゆるその都度的な方法によつて、今回の提案を見たのでありますが、これらの地方自治というものの基礎を確立する根本的な立場から、今回のこの地方税の改正に対しては、これを返上して、地方行政そのものの改革と一体をなした地方税の改正を提案すべきものであると考えるのであります。
 政府は中央地方を通じて反動的な性格を強化し、再び警察国家或いは軍事国家を再現しようとしているのでありますが、我々は先ず地方行政を完全に国家権力から解放し、その財源的裏付を保障して、民主主義国家を建設する重要な基盤とすべきであるということを強く申上げたいのであります。
 以上、我々の立場を表明しつつ、衆議院の送付案及び修正案に対して反対の意を表明するものであります。(拍手)
    ―――――――――――――
#29
○議長(河井彌八君) 小林武治君。
   〔小林武治君登壇、拍手〕
#30
○小林武治君 私は緑風会を代表しまして、只今議題となりました地方税法の一部を改正する法律案に賛成するものであります。
 即ち我が国の地方税法は、終戦後いわゆるシヤウプ勧告に基き、昭和二十五年に根本的に改正されたのでありまするが、その内容は改善というよりもむしろ改悪に近く、即ち地方税をばらばらにしたものであり、而も府県と市町村との関係は、市町村を偏重して、むしろ府県を著しく軽視したものであると言わなければなりません。と申しますのは、府県税は事業税、遊興飲食税及び入場税の三税を主としたものでありまするが、これらはいずれも徴収極めて困難であるばかりでなく、景気の変動を敏感に反映する不安定なものであるばかりでなく、その直接の課税客体は商工業者のみに止まり、一般の県民には及ばないのであります。即ち、いやしくも府県を自治体と称する限り、その財政は全住民により負担せらるるのが当然であるべきなのに、現行法の下におきましては、府県によつてはその税を負担するものは全住民の僅かに一割にも及ばない現状であり、負担分任の原則に著しく反するものであります。この意味におきまして、このたびの改正案において、現行の市町村民税の一部を割愛して府県民税を設け、約百七十億の普遍的税源を府県に与えたるは、誠に時宜を得たものと申さなければなりません。又不動産取得税を復活したことも、これを諒とするものであり、更に現行の市町村民税たる固定資産税は、その施設の所在の関係より必然的に市町村間に著しく税の偏在を来たし、その弊害の顕著なりしに鑑み、このたびの改正案におきましては、昭和三十年度よりその一部に対し府県に課税権を認めたるは、これ又妥当と申さなければなりません。かかる観点からしますれば、改正の狙いとするところはおおむねこれを諒とするものでありまするが、更にこれを根本的に検討いたしますれば、我々はここに大なる不満を表明せなければなりません。と申しまするのは、このたびの改正案において約二百九十億円のたばこ消費税を創設し、当然国庫に帰属すべき専売益金中よりこれを県、市町村に附与することとしたるは、唯一の異例措置として大いにこれに賛意を表するものでありまするが、その他の改正措置はおおむね単に地方の従来の地方税源の配分方法を変更したるものに過ぎないのであります。即ち政府の説明によりますれば、前年度に比し約三百数十億円の増収を企図したと申しておるのでありまするが、この程度の増収は地方の財政需要より見ますれば誠に些々たるものであります。即ち我が国の現在の税収入を中央地方を通じて大観いたしますれば、約一兆一千億に及ぶのでありまするが、そのうち国税は約七千五百億円であり、全体の七割余を占め、従つて地方税は残りの僅か三割、即ち三千四百七十億円に過ぎないのであります。而も一面歳出の面を見ますれば、国の歳出は九千九百九十五億円、これに対し地方の歳出総額は実に九千六百五十億円でありまして、殆んど国家財政に匹敵しておるのであります。従いまして国としましては、財政を論ずるには常に中央と地方とを一体として考えるのが当然であります。然るに右のように歳入歳出を併せて考える場合、税収が国家に著しく偏在しておることを我々は見出すのであります。即ち国家財政におきましては、全歳出の九〇%が国税及び専売益金を以て賄われておるのに対しまして、地方におきましては、府県と市町村を通じまして税収は全歳出の僅かに三六%に過ぎないのであります。府県に至つては平均して二四%、貧弱県に至つては実に一〇%に満たないものがあるのであります。かような状態からいたしまして、地方が国庫に依存する程度は極めて強く、本年度におきましても地方、交付税国庫支出金及び地方譲与税を合算するときは、実に四千百四十億円に及び、その依存度は地方の全歳出の四三%に該当いたしておるのであります。而も国債の発行はこれを避けておるのでありまするが、一方地方債は本年度もなお一千億円にも及ぶのでありまして、国家の健全財政、緊縮財政は実に地方にしわ寄せされておると言うても過言でないのであります。即ちかくては地方自治の実態はどこにありやと、地方の自主独立は全く名目のみに終つておるきらいがあるのであります。而して、かかる顕著なる不合理の根本的原因は、要は税源が過度に国家に偏在するからであります。(拍手)従いまして私どもは今回の地方税法の改正は、一つの段階といたしまして一応これを肯定するものでありまするが、畢竟いたしまするに、今回の改正はもともと地方の固有税源であつたものを地方相互間に再配分してこれが調整を図つたのに過ぎないのであります。よつて、この際私どもは政府に対し、真に地方自治の実を挙ぐるためには地方に対し更に大幅に固有の財源を与うる方向に向つて、地方税法を抜本的に改正するよう強く要望するものであります。
 なお入場税の国税移管の問題でありますが、私どもはその結論はこれをやむを得ないものと認めるのでありまするが、その取扱方については極めてこれを遺憾と考えるものであります。特に遊興飲食税が最初に取上げられたと聞くものでありますが、これらがいろいろの運動陳情のため行方不明となり、これと全く類似の関係にある入場税のみが国税に移管されたごときは、その間極めて不明朗なるものがあり、私は関係者の反省を強く促すものであります。(拍手)
 なお最後に、事業税のことでありまするが、本税は、今回の改正により税率の引下げ並びに基礎控除の引上げ等により、前年度に比し相当の減税になつてはおるのでありまするが、本税の対象は零細なる個人企業者が多く、従つてその負担は極めて困難にして、而も本年度はデフレの影響も大なるべきに鑑み、これが徴収に当りましては、府県当局等においても十分思いやりある態度を望んでおるものであり、政府当局におきましても、本法案における基礎控除の十万円への引上げを昭和三十年度より実現されるよう強く希望するものであります。
 なお最後に、本改正案の実施に当りましては、府県並びに市町村当局間の緊密なる協力を特に要望して私の賛成討論を終ります。(拍手)
    ―――――――――――――
#31
○議長(河井彌八君) 笹森順造君。
   〔笹森順造君登壇〕
#32
○笹森順造君 只今議題となつております地方税法の一部を改正する法律案に対し、私は改進党を代表いたしまして若干の希望意見を付してこれに賛成をいたします。
 地方税法改正の要望は、地方自治体の強化と住民の税負担の公平化の上から強く打出されて参つておるのでありまするが、近年における同制度変遷の経緯並びに国税と地方税の関係及び国民担税力の限度等から見まして、急激なる大変革を企て一挙に理想的な案を策定し得ないとするならば、過般衆議院において修正せられましたるところの諸点並びに今回本院において緑風会から修正案が提出せられました点等を以てこれを諒としなければならないと思うのであります。政府提案の理由は、ほぼ肯綮に当るものといたしましても、その掲ぐる目標と実際の内容との間には相当の懸隔がある諸点を指摘いたしまして、政府に対して本法成立後の運営に当つて細心の注意を促し、更に改善の努力を希望せなければならないのであります。
 第一に、改進党の主張は、我が国経済自立政策の建前から、国家予算一般会計の規模を当分の間毎年一兆円以内の低額となし、地方公共団体の予算規模も又これに準じて圧縮すべきであるとなすのであります。然るに昭和二十九年度の地方財政計画は九千六百五十三億円で、地方税総額は三千四百七十四億円となつております。今これをつぶさに検討して見ますると、地方財政需要額は増し、このたびの新税源と相殺されて、なお不足となる有様であります。政府はこのたびの措置で地方団体の確保する独立財源の充実を図るために、その自主財源を拡充すると申しておりますが、これを額面通りに受取りましても、而も地方団体はその歳入の半ばを中央政府に依存しなければならない境地に放置せられておるわけであります。地方財政規模は三百億円の増大を必要とする実情に置かれておるのにかかわらず、百五十億円しか認められない実情であります。従つて地方税制の改正に当りましては、地方に配分せられる税の比率を更に高め、又別途に税源の委譲を策定しなければ、地方財政はいよいよ窮迫することは今日すでに明白であります。
 第二に、地方団体相互間の税源配分の合理化が唱えられておりまするが、そのために市町村税の一部を道府県に割譲することは、さなきだに財源欠乏に苦しんでおりまする市町村をいよいよ窮乏させるものでありますから、これはむしろ毎年余裕を残して参りました国の財源の過去に鑑み、これを割くべきであつて、酒消費税の地方復元のごときも又考究に値するものでありましよう。そのために入場税が挙げられておりまするが、その九割を道府県に譲与して、国が一割を取得することは、必ずしも妥当と申されません。なぜなれば市町村が道府県民税徴収に要する費用に当てられておりまする率の四倍を国が取得するからであります。よつて国家取得の相当額を何らかの方法において更に地方に還元して、税配分の合理化を図るべきだと思います。入場税を国税に移管して、これを譲与税として税源配分に活用しようとするのでありまするならば、遊興飲食税も同様に措置しなければ、条理一貫しないということを政府みずからも認めながらそれをなさず、而も遂にその理由を明示し得ず、割切れないものを残しておるのが事実であります。但し衆議院において大衆の利益のために免税点を引上げ、大衆飲食店の百二十円以下、甘味喫茶店百円以下と修正したことには賛成をいたします。又大衆旅館宿泊室料の地域区分を取りやめて、一律に七百円まで非課税といたしました緑風会修正に同意を表します。
 第三に、地方税の過重と税種相互間の負担の不均衡とを是正すると申しますが、不動産課税においては、たとえその税率を下げましても、土地家屋等の評価を上げると税額は更に重くなるばかりであります。従つて課税の実施に当りましては、不当な評価の上昇をせぬよう政府は十分に注意すべきであります。又不動産取得税を改めて課することは、多少の基礎控除があるにいたしましても、戦後創痍まだ全く癒えない国民住宅復興計画を阻むものと考えます。従つてこれを修正し、公営住宅の払下げによる取得税を軽減し、土地改良区及び同連合会の本来の事業用資産の取得を非課税とし、別に発電所の魚道、流筏道を非課税とする緑風会修正案に同意をいたします。
 自動車税の増額は手放しに原案に賛成いたしかねますので、営業用小型車等に対し幾分か軽減したわけであります。又揮発油以外の燃料車の税率引上げは、我が国の石油不足事情に鑑みまして、この種自動車の必要に促された新考案作製、改良並びに利用の奨励を妨げるものとの難点を有するものと考えます。バス事業の外形課税を所得課税に改める緑風会案は適当と考えます。自転車や荷車のごときは大衆並びに農業労働者等の手足と見て、進んで免税すべきものと考えます。事業税中、個人事業税におきましては自家労賃を認めないために過重となり、その不合理是正が強く要望されておりますので、その基礎控除を、昭和二十九年度においで七万円に引上げ、政令で定める年から十万円に引上げるとの修正に対しまして、昭和三十年度から実施せよとの緑風会の附帯決議はこれ又適当と考えます。非課税の種目に修正を施して、水産業協同組合共済会、教科書供給業、新聞広告取扱業、教育的映画作製業等を加え、更に緑風会案により、法人の林業を加えたことは機宜に適することと思います。
 第四に、税の負担分任の理論から、新たに道府県民税を起しておりますが、これを市町村民税から割譲することには異論があります。これは日本民主化の基礎を市町村自治体の育成にありとする思想に反して、中央集権、官治強化に逆転する兆しであるならば、大いに警戒しなければならないと思います。県歳入の不足分は市町村から吸い上ぐべきものではなくして国の税源から移譲すべきであると思います。殊に個人均等割をば一律に百円の標準税率としたことは、地域区分段階制を実施しておりまする現状を無視し、貧弱町村に一層重荷を負わせる、同情ない措置と言わなければならないと思います。よつてたばこ消費税の新設には同意を表しますが、百十五分率というわかりにくい算定法をやめて、百分率とし、税率を更に上げて、他の道府県市町村税の軽減に活用すべきであると思います。なお、寡婦の非課税を、所得十二万円の修正を十三万円に引上げる緑風会案は必要最低限度と認めます。又第三種娯楽施設利用税を普通税として存置することによつて税源を増し、他の減税領に充てる緑風会案に賛成いたします。
 第五に、税務行政の簡素合理化が掲げられておりますが、納税者が税の目的を判然と身近に感じ得るように徴収され、配分されなければ、納税意欲を養いにくいのでありまするから、税務行政の簡素化のみに走つて、市町村に賦課徴収を委任することによつて、国、道府県及び市町村の三者間における責任の帰属を不明確にし、所得配分上の紛淆を来たし、延いては住民の納税意欲を鈍らせることのないように十分に注意すべきであります。なお徒らに徴税に手数と費用とを要し、結果の挙がらぬ小口、零細の大衆課税は漸次廃止すべきものと考えます。
 これを要するに、本案は完璧と言いがたく、更に改正の必要を認めますが、今日のところ、本改正案の成立を急ぐ地方自治体の必要に鑑み、その要望の一端に応えるために、緑風会提出の修正並びにこれを除く衆議院修正、及びこれらを除く部分の本法律案に対して養成をいたすものであります。(拍手)
#33
○議長(河井彌八君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。委員長の報告は、修正議決報告でございます。表決は記名投票を以て行います。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。氏名点呼を行います。議場の閉鎖を命じます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#34
○議長(河井彌八君) 投票漏れはございませんか……投票漏れはないと認めます。
 これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#35
○議長(河井彌八君) 投票の結果を報告いたします。
 投票総数 百九十四票
 白色票 百二十八票
 青色票 六十六票
 よつて本案は、委員会修正通り議決せられました。(拍手)
     ―――――・―――――
   〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名 百二十八名
  河野 謙三君   佐藤 尚武君
  小林 武治君   小林 政夫君
  岸  良一君   加藤 正人君
  片柳 眞吉君   上林 忠次君
  楠見 義男君   柏木 庫治君
  奥 むめお君   石黒 忠篤君
  飯島連次郎君   加賀山之雄君
  赤木 正雄君   森 八三一君
  森田 義衞君   村上 義一君
  溝口 三郎君   三木與吉郎君
  三浦 辰雄君   前田  穰君
  廣瀬 久忠君   後藤 文夫君
  野田 俊作君   中山 福藏君
  常岡 一郎君   土田國太郎君
  田村 文吉君   館  哲二君
  竹下 豐次君   高橋 道男君
  杉山 昌作君   高瀬荘太郎君
  新谷寅三郎君   白井  勇君
  横川 信夫君   深水 六郎君
  木村 守江君   伊能 芳雄君
  青柳 秀夫君   高野 一夫君
  西川彌平治君   石井  桂君
  井上 清一君   川口爲之助君
  吉田 萬次君   酒井 利雄君
  佐藤清一郎君   剱木 亨弘君
  森田 豊壽君   谷口弥三郎君
  宮本 邦彦君   長島 銀藏君
  長谷山行毅君   宮田 重文君
  田中 啓一君   大矢半次郎君
  石川 榮一君   岡崎 真一君
  石原幹市郎君   植竹 春彦君
  岡田 信次君   松岡 平市君
  大谷 瑩潤君   團  伊能君
  一松 政二君   西郷吉之助君
  中川 幸平君   北村 一男君
  左藤 義詮君   寺尾  豊君
  吉野 信次君   重宗 雄三君
  大屋 晋三君   津島 壽一君
  大達 茂雄君   青木 一男君
 大野木秀次郎君   小滝  彬君
  古池 信三君   伊能繁次郎君
  榊原  亨君   大谷 贇雄君
  高橋  衛君   横山 フク君
  西岡 ハル君   重政 庸徳君
  小沢久太郎君   木内 四郎君
  藤野 繁雄君   雨森 常夫君
  石村 幸作君   青山 正一君
  秋山俊一郎君   高橋進太郎君
  上原 正吉君   郡  祐一君
  山本 米治君   小野 義夫君
  川村 松助君   堀  末治君
  白波瀬米吉君  池田宇右衞門君
  島津 忠彦君   松野 鶴平君
  小林 英三君   黒川 武雄君
  石坂 豊一君   井上 知治君
  岩沢 忠恭君   市川 房枝君
  三浦 義男君   石川 清一君
  最上 英子君   武藤 常介君
  寺本 広作君   井村 徳二君
  紅露 みつ君   八木 幸吉君
  有馬 英二君   堀木 鎌三君
  笹森 順造君   菊田 七平君
  鶴見 祐輔君   一松 定吉君
  苫米地義三君   松原 一彦君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名  六十六名
  豊田 雅孝君   永岡 光治君
  三輪 貞治君   湯山  勇君
  大和 与一君   内村 清次君
  秋山 長造君   阿具根 登君
  海野 三朗君   大倉 精一君
  河合 義一君   岡  三郎君
  亀田 得治君   小松 正雄君
  永井純一郎君   近藤 信一君
  竹中 勝男君   成瀬 幡治君
  小酒井義男君   重盛 壽治君
  江田 三郎君   小林 孝平君
  久保  等君   田畑 金光君
  森崎  隆君   高田なほ子君
  安部キミ子君   矢嶋 三義君
  藤田  進君   岡田 宗司君
  田中  一君   戸叶  武君
  栗山 良夫君   吉田 法晴君
  藤原 道子君  小笠原二三男君
  菊川 孝夫君   若木 勝藏君
  山田 節男君   天田 勝正君
  松本治一郎君   三橋八次郎君
  千葉  信君   羽生 三七君
   荒木正三郎君  三木 治朗君
   曾祢  益君  山下 義信君
   東   隆君  松永 義雄君
   松浦 清一君  須藤 五郎君
   平林 太一君  八木 秀次君
   加藤シヅエ君  加瀬  完君
   千田  正君  松澤 兼人君
   上條 愛一君  長谷部ひろ君
   相馬 助治君  村尾 重雄君
   棚橋 小虎君  羽仁 五郎君
   大山 郁夫君  堀  眞琴君
     ―――――・―――――
#36
○議長(河井彌八君) 日程第六、利息制限法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 先ず委員長の報告求めます。法務委員長郡祐一君。
   〔郡祐一君登壇、拍手〕
#37
○郡祐一君 只今上程されました利息制限法案の委員会における審議の経過とその結果について御報告いたします。
 現行の利息制限法は、明治十年の公布にかかわり、その後明治三十一年と大正八年の二回に亘つて改正され、今日に至つているものでありまするが、我が国の経済情勢は非常な変遷をいたし、金利の実情も全く一変いたしておるのであります。さような次第で、本法案は現在の国民経済生活に適合するように利息の限度を改めると共に、これに関する諸規定を改めるため現行の利息制限法を廃止し、新たな利息制限法を制定せんとするものであります。
 本法案の要点を申しますると、利息の最高限を引上げたほか、利息を天引した場合において、天引額のうち受領額を元本として、所定の利率により計算した額を超える部分は、これを元本の支払に充てたものとみなすこと、及び従来商事債権についてはいわゆる遅延利息についての予約が当事者の約定に任されていましたのに対して、一定の制限を設けること等であります。
 委員会におきましては、慎重に審議を重ね、各委員より適切なる質疑がなされました。問題となりました主な事項は、利息の最高限を本法案のごとく定めた基礎、利息を天引した場合の計算方法、脱法手段の問題等でありまして、これに対し政府側よりそれぞれ説明がなされたのでありまするが、詳細は速記録に譲ることといたします。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、羽仁議員から「経済界混乱の現状に鑑み、その対策として、根本的基礎に立つ、例えば金融を国営にするなどの解決策を講ずべきであるが、本法案は借主貸主の立場の保護について低いレベルで考えられておるために、真の保護になつていない。庶民金融の充実を図ることになると思われないので、本法案に反対する」旨の討論があり、終つて採決に入りましたが、本法案は、多数を以て可決すべきものと決して次第であります。
 右、御報告いたします。(拍手)
#38
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#39
○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。よつて、本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#40
○議長(河井彌八君) 日程第七より第四十一までの請願及び日程第四十二より第四十四までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#41
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。人事委員長松浦清一君。
   〔審査報告書は都合により附録に掲載〕
   〔松浦清一君登壇、拍手〕
#42
○松浦清一君 只今議題となりました請願三十六件及び陳情三件につきまして、人事委員会における審査の結果を御報告申上げます。
 先ず公務員の地域給に関する請願三十三件、陳情三件でありますが、これらはそれぞれの地域における物価、生計費その他の事情から、現行支給割合を引上げ、又は新たに指定されたいとの要望のものと、合併市町村区域内における級地の均衡を図るための是正の措置を講ぜられたいとの要望であります。地域給の制度については、人事委員会におきまして合理的解決を図るため努力いたしている次第もあり、委員会においては、これらの願意は、いずれもおおむね妥当なるものであり、政府をして十分に調査研究の上、所要の処置を講ぜしめる必要があるものと認め、一括してこれを採択し、議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたしました。
 次に寒冷地石炭手当に関する請願一件、石炭手当の免税措置に関する請願一件でありますが、寒冷地石炭手当に関する請願については、国家公務員に対する寒冷地手当及び石炭手当の支給に関する法律等について改正を加え、その必要量並びに支給率を増加すると共に、薪炭手当を制度化し、これらに関する勧告については完全に実施するよう明文化する措置を講ぜられたいとの要望であります。又、石炭手当の免税措置に関する請願については、手当支給の本旨に鑑み、多額の税を徴収することは不適当であるから、所得税の課税基準より除くよう特別法の制定措置を講ぜられたいとの要望であります。
 次に国立病院等の職員の特別手当に関する請願一件でありますが、国立病院並びに国立療養所に勤務する職員のうち、特に危険な業務、嫌悪度の多い業務並びに労苦を伴う業務に従事する職員に、これらの業務に当る職員の実情を考慮して、速かに特別業務手当を制度化して、支給の実現を図られたいとの要望であります。
 人事委員会といたしましては、これらの願意は、いずれもおおむね妥当なるものと認め、これら請願、陳情を採択して、議院の会議に付して、内閣に送付すべきものと決定いたした次第でございます。
 なおこの件名、地域等につきましては、五月四日付公報第百三号によつて御了承を願いたいと存じます。
 以上御報告を申上げます。(拍手)
#43
○議長(河井彌八君) 別に御発言もな分れば、これより採決をいたします。
 これらの請願及び陳情は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#44
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は、全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
 本日の日程は、これにて終了いたしました。次会の議事日程は、決定次第公報を以て御通知いたします。
○本日の会議に付した事件
 一、汚職についての吉田首相の政治場責任に関する緊急質問
 一、日程第一 株式会社以外の法人の再評価積立金の資本組入に関する法律案
 一、日程第二 建設機械抵当法案
 一、日程第三 公共工事の前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案
 一、日程第四 建設省関係法令の整理に関する法律案
 一、日程第五 地方税法の一部を改正する法律案
 一、日程第六 利息制限法案
 一、日程第七乃至第四十一の請願場
 一、日程第四十二乃至第四十四の陳情
ソース: 国立国会図書館
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