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1947/03/18 第2回国会 参議院 参議院会議録情報 第002回国会 予算委員会 第8号
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1947/03/18 第2回国会 参議院

参議院会議録情報 第002回国会 予算委員会 第8号

#1
第002回国会 予算委員会 第8号
昭和二十三年三月十八日(木曜日)
   午後二時四十六分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○昭和二十二年度一般會計豫算補正
 (第十五號)(内閣送付)
○昭和二十二年度特別會計豫算補正
 (特第九號)(内閣送付)
○昭和二十二年度特別會計豫算補正
 (特第十號)(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(櫻内辰郎君) 只今より開會いたします。本日の議題は、昭和二十二年度特別會計豫算補正(特第九號)、及び昭和二十二年度一般會計豫算補正(第十五號)竝びに昭和二十二年度特別會計豫算補正(特第十號)であります。大藏大臣より艇出の理由の御説明を願います。
#3
○國務大臣(北村徳太郎君) 特別會計の分につきましては、一昨日御説明申上げましたので、本日一般會計豫算補正(第十五號)、及び二十二年度特別會計豫算補正(特第十號)につきまして御説明申上げたいと思います。
 この補正豫算は政府が臨時給與委員會の答申に基きまして、政府職員の給與水準を平均二千九百二十圓に引上げるために必要なる豫算措置及び本年度の既定豫算の不足を補う等のため、この際緊急止むを得ない必要な経費に關しまして、補正豫算第十五號及び特第十號として提出いたしたものでございまして、何卒早急に御審議をお願いいたしたいと存ずるのであります。
 先ず一般會計豫算補正について申上げます。この補正豫算(第十五號)の歳入歳出は、歳入の追加額三億千百九十餘萬圓、歳出の追加額百二十一億六千三十餘萬圓、修正増加額四千二百三十餘萬圓、修正減少額百十八億九千七十餘萬圓、差引歳出補正増加額三億千百九十餘萬圓でありまして、これをすでに成立いたしました昭和二十二年豫算額二千百三十九億四千四百餘萬圓に加えますと、二千百四十二億五千六百萬餘圓と相成ります。
 以下この補正豫算の内譯を申上げます。先ず歳出の追加額の主な事項について申上げますれば、政府職員の給與水準を二千九百二十圓に引上げるために必要な經費として、一般會計所屬職員分十三億千五百二十餘萬圓、地方公共團體補助職員分一億二千三百十餘萬圓、地方警察職員分二億五千七百三十餘萬圓、義務教育職員分六億五千八百九十餘萬圓、計二十三億五千四百六十餘萬圓、船員保險特別會計所屬職員の分の財源の一部を一般會計において負擔するため九萬餘圓、大藏省預金部、國有鐵道事業、通信事業竝びに簡易生命保險及び郵便年金の各特別會計の關係職員の分の財源について當該會計において調達し得るものを除き、一般會計より繰入れるため大藏省預金部特別會計へ繰入れ一億八千餘萬圓、國有鐵道事業特別會計へ繰入れ十九億九百十餘萬圓、通信事業特別会計へ繰入れ九億三千百九十餘萬圓、簡易生命保險及び郵便年金特別會計へ繰入れ一億七千二百六十餘萬圓、計三十一億九千三百九十餘萬圓、地方公共團体の財政の實状に鑑みまして地方費支辨の職員の給與水準引上げに必要な財源を地方公共團体に貸付けるため二十七億九千九百萬圓、合計八十三億四千七百五十餘萬圓が給與水準引上げに必要な經費となつております。政府は給與水準引上げの具體的措置につき早急成案を得て實施いたしたいと考えておりますが、政府職員の給與の現状に鑑みまして、取敢えず平均月額二千五百圓程度の水準までの暫定措置を講ずることといたしまして、別途政府職員の俸給等に關する法律案を提出いたした次第であります。尚この暫定給與と二千九百二十圓水準との差額については早急に、具體的措置を決定し支給したいと考えますが、事情によりその決定が遅延し年度内支出に至らない虞れもありますので、この場合はこの豫算の使用殘額を翌年度に繰越して使用したい考えでありまして、その御承認をも併せてお願いいたしておる次第であります。
 次に本年度の既定豫算の不足を補う等のため緊急止むを得ない必要な經費の主なものについて申上げますると、政府職員に對する超過勤務手當の不足二億三千三百三十餘萬圓、船舶運營會補助の増加十四億三千七百五十餘萬圓、刑務收容費増加一億百四十餘萬圓、徴收超過税金の拂戻及び割増金附郵便貯金の手數料に必要な經費三千三百二十餘萬圓、自家用發電施設の動員に必要な經費一億三千七百十餘萬圓、警察官の緊急増員に必要な經費二億八千九百大十餘萬圓、帝國石油株式會社その他に對する政府出資金の増加一億千九百十餘萬圖、税務施設の充實及び税務特別表彰制度實施に必要な經費一億三千九百二十餘萬圓、農地改革に必要な經費の増加四億二千萬圓、直轄學校及び附屬病院物件費の増加一億千四百七十餘萬圃、航路啓開費の増加三千八百十餘萬圓、在外者給與の支給等に必要な經費の増加一億七千十餘萬圓、主要食糧生産確保等に必要な經費九千百七十餘萬圓、炭鑛勞務者特別扶助及び石炭増産對策實施に必要な經費三千五百四十四餘萬圓、登記簿調製に必要な經費三千二百十餘萬圓、法務廳所管土地建物等買收に必要な經費四千五百餘萬圓、その他雑件三億七千四百五十餘萬圓と相成つております。
 次に修正増加四千二百三十餘萬圓は、地方統計機構の整備に必要な經費等であります。
 次に歳出追加額の財源に充當いたしました既定豫算修正減少額の内譯は、貿易資金繰入れの減少四十七億四千萬圓、復興金融金庫出資豫定額の減少四十億圓、價格調整費の減少二十億圓、賠償施設處理費の減少四億圓、引揚援護事業費の減少二億二千萬圓、掃海管船業務の厚生省より運輸省移管に伴う厚生省所管豫算の減少四千四百二十餘萬圓、農業生産調整法不成立に伴う減少一億九千五十餘萬圓、農地證券償却補足金の減少三千六百五十餘萬圓、森林資源造成に必要な經費の減少五千四百萬圓、歸還輸送費の減少七千八百八十餘萬圓、その他雑件八千六百五十餘萬圓、合計百十八億九千七十餘萬圓でありまして、差引補正増加額三億千百九十餘萬圓と相成つておる次第であります。
 この歳出補正増加額の財源といたしましては、漁船登録手數料等の増加による印紙收入の増加三千百四十餘萬圓、物品拂下代の増加二千二百六十餘萬圓、政府出資同收金收入二千百萬圓、直轄學校附屬病院收入の増加七千八百五十餘萬圓、實籤等廢行者納付金の増加一億四千五百九十餘萬圓、その他千二百三十餘萬圓、合計三億千九百九十餘萬圓と相成つております。
 次に特別會計豫算補正(特第十號)について申上げます。特別會計豫算補正は造幣局特別會計外二十一の特別會計に關するものでありまして、その豫算補正額は各會計を合計いたしまして歳入二百八億六千六十餘萬圓、歳出二百九億四百十餘萬圓の増加と相成つております。
 この歳出増加の内譯は、政府職員の給與水準を二千九百二十圓に引上げるために必要な經費三十七億九千四百四十餘萬圓、右の財源として他會計へ繰入れ三億五千百二十餘萬圓、政府職員に對する超過勤務手當の既定豫算の不足一億四千五百五十餘萬圓、國有鐵道事業運轉資金補足に必要な經費三十億圓、造幣局固定資本擴張及び改良に必要な經費三千五百萬圓、郵便貯金支拂利子の増加一億千四百七十餘萬圓、大藏省預金部所有金融債券利殖金返還に必要な經費七千五百八十餘萬圓、食糧證券等公債借換えに必要な經費百三十七億四百七十餘萬圓、その他雑件の増加五千八百七十餘萬圓、既定の豫備費豫算等の減少三億七千六百二十餘萬圓、差引二百九億四百十餘萬圓の増加と相成る次第であります。右のうち國有鐵道事業特別會計工事勘定所屬職員及び通信事業特別會計建設勘定所屬職員の給與水準引上げに必要な經費の財源及び國有鐵道事業特別會計運轉資金補足に必要な經費の財源は、これを公債金收入によることといたしました。その金額は國有鐵道事業におきまして三十一億三千餘萬圓、通信事業におきまして七千七百八十餘萬圓であります。
 以上を以ちまして、昭和二十二年度一般會計豫算補正第十五號及び昭和二十二年度特別會計腰算補正特第十號の御説明を申上げた次第でございます。本案の性質に鑑みまして、何卒早急に御審議を願いたいと存ずる次第でございます。
#4
○委員長(櫻内辰郎君) これより通告順により質疑に入ります。木村禧八郎君
#5
○木村禧八郎君 只今御提出になつた補正豫算に関連して二、三御質問申上げたいのであります。特に北村大藏大臣及び票栖安本長官の御答辯を煩わしたいのでありますが、栗栖安本長官はお見得になりませんから、主として北村大藏大臣からお答え願いたいと思います。先ず本案の審議に先立ちまして、私はどうしてもお尋ねして置かなければならぬ點があるのであります。それはこの補正豫算第十五號くらい國會議員及び國民を愚弄しているものはないと思います。それは國民を欺いているものだと私は思うのであります。その理由はこの前に片山内閣のときに、〇・八ケ月の官公吏の給與手當及び賃金改訂による豫算、これをまあ二つ引括めまして、その財源としては鐵道料金及び通信料金引上げより外ない、これを主張されたのです。ところが外に財源がどうしてもなければこれは又止むを得なかつたと思つている。常時〇・八ケ月分の三十四億の財源がないので、鐵道料金及び通信料金の値上げより外ない。ところが衆議院の方の決議によつてこれを撤囘されたわけであります。その當時においては財源がないと言つて、ところがですね、今囘芦田内閣になつたならば、忽然として財源が現われて來て、そうして今囘提出されましたように、貿易資金特別會計の繰入減少及び復金に對する出資の減少によつて財源が出て來ておるわけです。片山内閣のときには財源がないと言つて、芦田内閣になつてからは財源が忽然として出て來る。一應これはどういうわけなんですか。その間の經緯をお伺いしたいのであります。我我見るところによりますと、若し財源があるのにこれをないとして頑張つたとすれば、これは私はこの前の〇・八ケ月分の官公吏の給與問題及び賃金の値上げに對する財源問題、これを政略的に、政治的隠謀に使つたのではないか。それで頑張つて、そうして片山内閣が潰れるように持つて行つて、そうして潰してしまつたのではないか。そうでなければ今日この補正豫算において、どうしても鐵道運賃及び通料料金の値上げの財源が出て來なければならないのです。にも拘わらずちやんと貿易資金時別會計繰入減少と復金に對する出資金減少によつて財源は簡単に出て來ておる。このように簡單に出て來るのに、どうしてこの前においてあんなに執拗に財源がないと言つて頑張られて、そうして内閣を倒したのであるか。その點が私はどうも納得が行かないのであります。從つてその間の經緯について、どうして忽然としてこのように簡單に財源が出て來るのに、この前においてはどうしても財源がなかつた。この點一つ先ず最初に大藏大臣の御意見をお伺いしたいわけであります。
#6
○國務大臣(北村徳太郎君) 木村委員の御質問にお答え申上げたいと思うのでありますが、片山内閣の終り頃におきまして、御承知の鐵道運賃、遞信料金等の値上げを以て財源といたしまして御承認を得ようとしたことについては只今お話の通りであります。當時非常に憂慮いたしましたことは、税收入が甚だ芳しくなかつた。その點が一つあるのでありますが、その後その點は相當に好轉し参りましたのでございまして、常時の事情と異る點と申しますと、そういう點が多少異つておる。併しながら只今お尋ねの點に私はお答えを率直にいたしたいと思うのでありますけれども、これは少し事が外側に關係を持つことでございまして、御了解が行くようにここで申上げる自由を持ちません。ただ占領治下にありまして當時私共は鐵道運賃並びに遞信料金によらざる財源について非常に努力をいたしましたけれども、十分なる了解を得るに至らなかつた。それがためにあれ程強い反對がありましたが、萬止むを得ずしてこれを財源といたしたのであります。然るにその後少しく事情が變りまして、漸く了解を得るに至つた、こういう關係でございますのでありまして、これは私共が當時貿易資金の繰入れをさして貰いたい、或いは價格調整費の繰入をいたしたい、復金の資金の殘りのものを使いたい、こういうことによつて鐵道運賃値上げ或いはその他のものを一應引込めたいという願いを持つておつたことは、今の考えとその當時の考えと變りはないのでありますが、これは當時了解を得ることができなかつた。その點は社會黨の木村禧八郎氏でございますから、當時片山内閣がそのことのために如何程努力をしたかという點については恐らく御了承になつておるんじやないかと思うのであります。その點一應お答えを申上げて置く次第であります。
#7
○木村禧八郎君 只今の御答辯では何か外に政府は努力したんであるけれども、どうしても止むを得ない事情でそうなつたという話でありますが、一應その點も了承できないことはないと思うのであります。併しながら前の栗栖大藏大臣のときに、我々はこの財源の補足には相當一生懸命になつて、鐵道運賃、通信料金の値上げによらない財源によつて何とかして財源を見付けて、そうしてあの危機を乘切るように我々も蔭では努力したつもりであります。そうして栗栖大藏大臣も最後にその危機を避けるため和田安本長官と鈴木政務調査會長と三人會つて、そうして財源問題については好轉しそうになつたのでありますけれども、その前にすでに内閣は投げ出すことになつておつた。その間の事情を考えますと、本當に政府が眞面目になつて鐵道料金及び通信料金の値上げ以外の財源を捻出しようとして努力したのかどうか、私はこの點についてどうも努力が足りなかつたのではないか。更にもう一つ、これは大藏省と安本の對立というものがやはり財源發見を困難ならしめた點があつたのではないか。これはもう殆んど周知の事實でありましようが、安本の方で例えば所得税の張替の財源或いは貿易資金特別會計繰入金の財源というものを安本で持つて行つて、ここに財源があるじやないかと言うと、大藏省の方は、これは承知しない。非常に感情的にも大藏省と安本と對立していたやに私は聞いておるのであります。こういう點は今後の問題として、北村大藏大臣につきましても、栗栖安本長官につきましても、今後この點は相當考慮されなければならん問題であると思いますし、或いは御承知であろうとも思われるのですが、この前の財源についてはこういう點も一つあつたのではないか。先程の御答辯ですと、全然原因は他にあつたのである、我々が努力できないところにあつたのである、そういう御答辯ですが、私はどうしても、多少はあつたかも知れないが、併しそれはこちらの努力によつて打開できた問題だと思うのです。その點は、どうもあの間の事情は相當これは政略的に財源の捻出をサボつたのじやないか。又大藏省の事務當局においても財源發見をサボつたのではないか。この點は私は相當重大だと思うのです。若しか今後官僚が政黨化して、政黨色を帶びて、或る政黨の政策のためならば財源を見付けるけれども、それと反對の政黨のためには財源は見付けないというように若しかなつて來たならば、これは行政の立法に對する干渉になると思うのです。そういうことを許しておつたならば、國會の權威というものはこれは非常に傷付けられると思うのです。官僚が段々政黨化して、そうして或る政黨の、自分が好意を持つている、一致している政黨のためならば財源は見付けるけれども、そうでない場合にはサボるということになると、これは相當大きな問題である。そういうことを何も私社會黨だから言うわけではなく、今後民主黨でも、民主自由黨の方でも、官僚が餘り政黨化して來ると、これは行政の立法に對する干渉になつて來る。官僚勢力が常に温存されて、そうして民主的な運營ができない。そういう點を私は先程の財源の問題において痛感したのであります。ですから、大藏大臣がどうしても努力したのだけれども外に財源がなかつた、他に已むを得ない事情があつたというふうに責任を轉嫁されることは、私は納得行かないのであります。併しこれ以上いろいろ、追及しても大藏大臣の御答辯は恐らく同じではないかと思われますので、次に私は質問を變えて行きたいと思うのです。
 それは昨日御提出になつた補正豫算の特第九號、この中で「國庫の債務負擔行爲に關する件」これについては大藏省の河野主計局次長から昨日御答辯があつたのであります。その結果これははつきりしたのですが、財政法第十五條第一項の違反であるということは事務黨局において率直に認められた。併しながら大藏大臣からこの御答辯は聞かなかつたのであります。財政法第十五條第一項の違反であるということがはつきりしたのでありますから、これについて大藏大臣はどういうふうにお考えになつておりますか、大藏大臣の御答辯を煩わしたいと思うのです。尚先程の財源の問題についても御答辯がございましたら伺いたいと思うのです。まだ外に質問がございますが、一應この點についてお伺いしたいと思います。
#8
○國務大臣(北村徳太郎君) 只今のお尋ねの件は、誠にこれは當局として遺憾な點でございまして、實は早速國會に提出する準備をいたしておりますときに、片山内閣が倒れたと、それから政變、次いで組閣というふうな空白のことがありまして、一面において、先にちよつと觸れましたけれども、税收入その他專賣收入等が思わしく參りませんで、當局では非常に焦つたというような點もあつたと思うのでありますが、計畫したことを先に實行しちやつたというようなわけで、その間の行違いについては、誠にこれは申譯ないと考えておるのでありますが、昨日河野政府委員より答辯した通りでありまして、豫算が取れたらすぐに行うというような考え方をいたしておつたのでありましたので、國會の承認を經て然る後に富籤を附けるということでなければならんということは當然であります。それが行違つて先にそれぞれの發表があつた。今日になつてご承認を仰ぐということは、これは行違いでありますから、私より遺憾の意を表しまして御了解を得たいと思うのであります。
#9
○木村禧八郎君 次にお伺いいたしたいことは、この補正豫算第十號につきまして賃金ベースを二千九百二十圓に引上げて、そのための財政施策としてこの豫算か出て來たわけでありますが、本日衆議院の方の豫算委員會におきまして北村大藏大臣の御答辯為によりますと、二千九百二十圓は組合側で政府の中勞委の案を呑まなくても、承認しなくても、これは一應拂つてもよろしいと、そういう御答辯をしたやに聞いたのでございますが、この點について、そうでありましようかどうか、北村大藏大臣にお伺ひしたいのであります。傳へられるところによりますと、これを承認しなければ拂わないというように言われておりますが、そういうものであるかどうか、この點を大藏大臣にお尋ねしたいわけであります。
#10
○國務大臣(北村徳太郎君) 只今お尋ねの件は、私が衆議院の豫算委員會において申述べました通りでありまして、二千九百二十圓を拂うということに特に條件を附したものではない、呑めば拂うというふうな條件を附したものではない、何ら反對給付的な考えを附加したものではない。ただ今日のような内外の情勢に鑑みまして、どうかできれば勞働組合側においても闘争態勢を解いて頂きたい、そういうことを政府は願う、それで快くこれを呑んで頂きたい、成るべく早く呑んで頂きたい、お呑みにならない部分については支拂いが遅れることがあり得るから、どうか早く呑んで頂きたい、こういうことを言つたのでありまして、この點は私が本日衆議院の豫算委員會において申述べた通りであります。
#11
○木村禧八郎君 次にお伺いしたいことは、これは政府委員でも結構なのでありますが、二千九百二十圓の賃金ベースを決定したその根據について御説明願いたいと思います。
#12
○政府委員(今井一男君) 申上げます。これは御承知の通り、臨時給與委員會の答申をそのまま政府として承認したものでございますので、臨時給與委員會の意見を申上げることにいたします。
 今回のこの新給與水準の考え方として、二通りの見方が委員會においては意見が分れました。即ち民間給與との權衡から算出をすべしという意見と、一般國民の生活水準から算出すべしという意見とが當初對立しておつたのでございますが、關係方面の意向その他からいたしまして、結局のところ民間給與との權衡から先ずはじくということで話が纏まりました。民間給與との權衡をはじく場合には、同一條件の民間の同一職種のものとバランスをとつて行くという考え方に從つたのでありまして、この點は各員共に異論はなかつたのでありまして、結局資料が不十分なためにこの方法を割愛いたしまして、現實的には内閣統計局の毎月の勤勞統計を基礎に、これを根據にして民間給與との權衡を圖つて行くという行き方に相成りました。當時十一月までしか數字が分つておりませんでしたので、これを傾向値によりまして一月分を推定いたしたのであります。その一月分を推定いたしますと、三千二百七十七圓という數字に相成るのでありますが、尤もそこまでに至りま間に、民間給與の特質からこの勤勞統計に漏れておる部分があるであろうという議が出まして、その點をプラスしてございます。大體これは勤勞統計の約一・五%、この上に加算したものが只今の三千二百七十七圓という數字に相成ります。この數字を地域分布、或いは男女の構成比率、或いは職員勞務者構成比率、或いは扶養家族數でありますとか、といつたような因子によりまして調整を加えまして、更にこれを勤務時間によつて調整したものが二千九古二十圓でございます。一方この二千九百二十圓は國民の消費水準から見てどういうことになるかという檢算的な意味において、御承知の消費者價格調査からこれの檢討を試みました。消費者價格調査は御承知の通り當時は十一月までしか出ておりませんでしたので、これも傾向値の延長によりまして一月分を推算いたしました。そうして結局いわゆる乙地の二・五人家族というものを官公吏の水準とみなしまして、二・五人家族の乙地の一月分は幾らであるかという推算の結果が三千二百九十七圓という數字が出たのでございます。併しながら現在におきましての國民の消費水準といたしまして、その消費額は全面的に世帶主一人の而も經営的な勤勞收入によつてカバーされはいたしませんのでありますから、即ち國民に若干赤字生活の面がございます點 又オーバータイムその他で收入の殖える點、乃至は一世帶主以外の世帶構成員の收入によつて稼ぐなり、こういつた點を勘案いたしますと、二千九百六十七圓程度が至當である。これにより現在の勤勞者の消費水準に對する比率は、この數字は若干控除したものであるといつた見地に立ちまして、結局委員の結論は二千九百六十七圖という數字が出ました。これは二千九百二十圓を若干上廻つておりますが、とにかくそういつた檢算的意味におきまして二千九百二十圓という數字は、要するに妥當な數字であるという結論になりまして、これを政府に答申いたしたのでございます。尚この機會に序ででございますから御参考のために申上げて置きますと、一部にこの一月における二千九百二十圓というベースは、千八百圓べースよりも實質賃金として低いのではないかという議論が新聞等にも組合等にもございますが、實質賃金は何を基準とするかは議論の餘地がございますが、概ね今言われておりますものは、東京におきます闇物價指数を基礎として議論されておるようであります。それを基礎にいたしますというと私共の算盤によりましても殆んど騰つておらない、騰つたとしてもせいぜい數十圓というところであります。これは計算のとき點の採り方によつて如何ようにも議論できると思いますが、そうでなく、これをいわゆる實行價格即ち配給量と配給價格、闇の購入量と闇價格と絡み合わせたもので算盤を置きますと、實質的に税引計賃した上で、七月に對しましては約三割高い數字になります。これを附加えて申上げて置きます。
#13
○木村禧八郎君 私の質問はまだあるのでございますけれども、例えば大藏大臣が就任以來今の日本經濟の危機についていろいろ御意見を述べておられ、又軍事公債の利拂停止の問題もいろいろ御意見を述べておられます。併しこういう問題は今度は二十三年度の暫定豫算が出て來た場合に御質問したいと思います。他に御質問される方も多いと思われますので、私の質問はこれで打切りたいと思います。
#14
○委員長(櫻内辰郎君) 大藏大臣に對する御質問だけを先に集中して頂きたいと思います。
#15
○中西功君 この新らしい給與水準というものの性質を先にはつきりして置いて貰いたいと思います。以前千八百圓べースが決まりましたときには、それが新物價體系の基礎であるというふうな意味で、いわゆるベースが問題になつたと思うのでありますが、この度の給與水準というのは新物價體系との間に關係があるのかないのか、又これを策定される場合にそういうことが考えられたのかどうか、この點先にはつきりして置きたいと思います。
#16
○國務大臣(北村徳太郎君) お答え申上げます。二千九百二十圓の水準は、これは官公職員の給與というものが一般民間の給與に封して遲れておつた、これを取戻したと申してよろしいのじやないかと思います。そういう方向に向けた、こういうことになつておると考えてよろしいのでございます。それから新物價體系との關係というお話でございましたが、これはまだいわゆる新物價體系は手を著けておりませんのでありまして、勿論賃金水準の上昇によりまして物價に及ぼす影響等もございますから、これは改めて檢討しなければならんと考えております。どういう物價に修正するかということについては、まだ今日ここで申上げる段階に入つておりませんのであります。恐らくこの點につきましては、むしろ安本長官がお答え申上げる方が適當かと思います。さよう御了承願いたいと思います。
#17
○中西功君 それでこの度の支給でありますが、差當り二千五百圓というものにして、その間千八百圓との差を拂うというふうな話を聞いておりましたが、これはどうなつておりますか。
#18
○國務大臣(北村徳太郎君) お答えいたします。只今御質問の趣旨の通りに、さようにいたすことになつておるのでございます。一應二千五百圓程度のものを先ず拂うということにいたしまして、あとにはいわゆる職階制等の考え方を取入れまして、修正を要する點がございますために一應二千五百圓程度を先ず假拂いする、こういう考え方であります。
#19
○中西功君 そういたしますと、この度この豫算が通り、或いは財政金融委員會でそういう法案が通つて行くということになりますれば、一應二千九百二十圓ベースを認めた、國會としてはそれを認めたということになるのですか。それともこの給與水準の問題は、まだ勞働組合側でも十分承諾していない問題でありますし、即ち政府と勞働組合との間にまだ團體交渉としてこれは確定していない。確定していない前に實はこの豫算は國會に提出されておるわけですが、我々としてはこれを政府側は二千九百二十圓というもののベースを我々に承認しろというふうにして出しておるのか。それとも差當り二千五百圓までの支出を承認して貰いたいという意味で出しておるのか。それのどちらか聞いて置きたいと思います。
#20
○國務大臣(北村徳太郎君) 二千五百圓云々は支拂を實行する場合の一つの説明として附加えたのでございまして、二千九百二十圓水準というものを基礎にいたしまして豫算を組んでおるということは、先程御説明を申上げた通りであります。
#21
○中西功君 それから先程これの支拂については條件が附いていない、そういう非常にはつきりした囘答で非常にいいと思うのであります。ただ昨日でありますか、加藤勞働大臣が承認したことと、それとは又別の發言があつたと聞いております。だから大藏大臣の先のはつきりした發現で結局加藤勞働大臣の昨日の意見が全く覆つておると我々は理解するわけでありますが、尚その中で支拂が遲れることがあるということは、こういうことは申したというお話でありますが、支拂が遲れることがあるというわけが、どういう事情で遲れることになるのか、それを聞いておきたいと思います。
#22
○國務大臣(北村徳太郎君) これは先に申したかと思うのでありますが、我我といたしましては今の勞働情勢というものを見まして、できればそういう國内外の情勢から考えて、闘爭態勢を早く解いて貰いたいそれと交換條件として金を拂うという意味では毛頭ないということは先に申した通りでありますけれども、この賃金水準の引上げを一つの機會として、できれば闘爭態勢を解いて貫いたいということを望むのであります。又こういうことにおいて國民大衆に納得もして頂けるだろうということを考えましたので、どうか闘爭態勢を解いて經濟的の要求は一應このことで打切りになるように考えて貫いたい。早く氣持よく受諾して貰いたいというのが趣旨でありまして、受諾が遲れると從つて支拂が遲れるということを申したのは、必ずしも受諾の遲いところは賃金の支拂期が來ても支拂わんと言つたのではなく、言葉の綾と申しますか、理論的なことではないので、受諾をなさることが遲れると從つて支拂いも遲れるということがあり得るということを輕く附加えて置いたのでありまして、さように御了承を願いたいと思います。
#23
○中西功君 實は昨年第一囘國會でこれと同じようなことがあつたと思うのであります。と申しますのは官公廳勞組の方でたしか千八百圓を認めていない、併し政府の責任において千六百圓と千八百圓の差額二百圓を支給するというふうなことがありまして、これは完全に政府の責任においてやる、そうして官公廳勞働組合が承認しようとしまいと、それは實は當時承認していなかつた、それでも政府の責任において一律に支給したというようなことがあつたと思うのであります。でありますから、この度も支拂が遲れる場合があり得ると言つたり、何か奧齒に物の挾まつた言い方ではなく、先例が先にあるのでありますから、この際政府は責任を持つて支拂になる、一律に支拂つて貰うのは當然だと思います。ですから、そういうふうな、先程も理論的の話でないわけでありますが、それは一應但書が附いておるというような意味で何かすつりきりしないと思います。そのことは却つて、政府のそういうふうなやり方に多少の不明朗があつたとが、却つて現在の勞働問題の解決に妨げになるかも知れないと私は思います。ですから、その點こういうような條件がないように言つて貰えないかどうか。一つその點はつきり由して貰いたいと思います。
#24
○政府委員(今井一男君) ちょつと技術的な點がございますので私からお答え申上げますが、千六百圓から千八百圓に上りましたときには、御指摘の通り政府の責任で一方的に支拂をいたしましたが、このときには御承知の通り給與體系の問題には全然觸れておりません。從來の體系のものがそのまま十六分の十八で引上つた。今囘は給與委員會の方は答申というものが給與體系の問題に觸れておりましたので、その點組合側によく考えて貰つて、或る程度そこへ話が付いて貰わないというと、後々の細目の技術的な交渉段階に亦いろいろの面倒が起こつて來るといつたような事態が、今囘の場合と千八百圓の場合とで相違するということになりまするので、簡單に、政府の一方的な責任においてやるという行き方も取にくい點を一つ御了承願いたいと思います。
#25
○中西功君 それで、給與局長の説明では技術的に違う點があると申されますが、併しそれはやはり考えによつてどうにもなると思うのです。あのときだつて實際の問題としてはいろいろ技術的にまあ多少あつたとしても、ともかくも官公廳が承認していないのに政府はやるという建前は、これは同じだと思うのです。ですから、ただ大藏大臣も條件を附きないというふうなはつきりしたことを明言しておるわけなんですが、併しこれが實は新聞の上にもそうでないように載つた。又昨日の衆議院では加藤勞働大臣自身が、これとは別の發言をしたというふうなこともありまして、非常にすつきりしないものがあると思います。而もさつき私聞いておりましたところが、條件を附さないのだというふうなことが言われながら、その支拂が遅れるかも知れん…これはやはり一つの條件だと思うのです。ですから、この點そういうふうな無理な條件が附いてない、全然附さないのだということをもう一度はつきり言つて貰えれば非常に都合がいいかと思いますが、その點如何ですか。
#26
○國務大臣(北村徳太郎君) 曩に申した通りでありまして、條件は附けたわけではない、ただ希望はしておる、成るべく早く受諾して貰いたいという希望は持つておる、この點だけでございます。
#27
○岡部常君 私は大藏大臣に財源の點につきましてお伺いいたしたいのであります。只今の國民經濟の状況から申しまして、財源を新たに求めるということの困難なことは察するに餘りあるのであります。すでに前國會におきまして、それが動機となつて、政府が變るというようなことになつたのでありまして、又その經過におきまして、閣議の席上において、或いは薄いシャツが引つ張り廻されたというような状況でありまして、これはますます今後においても困難になることは察するに餘りあるのでございます。今回の豫算面にも現れております。これ極く金額は小さいのでありますが、富籤發行者納付金というものが擧げられておるのであります。これは政府直接おやりになるのではなくして、勧業銀行がやつておるのでありますが、事極めて重大でありますので、政府の方で深い御關心を持つておられることは私は信じて疑わないのであります。殊に國民の道義心ということを考えまして、政治と道議の關係というものを照し合せまして、これは決して輕々に取扱うことのできない問題だと私は信ずるのでございます。然るに從前の例を以て見まするに、二十萬圓の奬金を以てしても面白く行かない、そのために百萬圓の籤を設けた、然るにそれも面白くないので、今度は又五十萬圓の籤を新たに出すというふうにいろいろに變えて、信念を持つておやりになつておるとも考えられないのであります。この點につきまして政府はどういうふうなお考えでおられるか。今までのようなあつちに突當りこつちに行つてぶつかるというような、一定のお考えがないのではないか。果してこれはどういうところに限度を設けておられるのか。これは相當限度というものが考えられなければならないと思うのですが、從前のやり方から見ると、必ずしもそこにお考えを持つておられないように考えるのであります。近時日本人の願望が非常に下卑て來た、外國から歸つて来た人が見て、日本人の品格の低下しておるのに驚いたというような新聞を見ておるのでありますが、これは政治を擔當せられる政治家の大なる責任もあると私は考えるのであります。昔土方寧博士が貴族院におきまして、馬券問題のやかましかつたときに、馬が尊きか人が尊きかといつた名演論を今囘想するのでありまして、やはりこの富籤などを如何に處理して行かれるかということは、道義の頽廢の現下の國情から見まして、民情から見まして、私は重大なる考慮をお拂いになる必要があると思うのであります。それに對しまする政府のお考え方を承わつて置きたいと存ずるのであります。
#28
○國務大臣(北村徳太郎君) 只今の御質問は極めて概説的な御質問で、私共誠に心より敬意を拂うのでございます。結局問題はどう申しますか、經濟と道徳の一貫と申しますか、一如と申しますか、そういう社會の來らんことを願うことにおいて私共決して人後に落ちる者ではないと思つております。又富籤等によりまして、人間の或る意味においては弱點とも申すべき射倖心に愬えるということが、これは極く率直に申しますが、いいものではないことはもう岡部さんのお考えと私は全然同感であります。ただ只今の日本の置かれておる状態が、何とかして浮動購買力を吸收する、或は政府の必要なる財源というものを獲得しなければならんというような立場から、多少の弊害がある。砂糖がないために害があつても甘味料としてズルチンを使う、又止むを得ずサツカリンを使う、砂糖の潤澤なきときには禁止されておつたところのズルチンやサッカリンを使うと似たような状態でありまして、これは止むを得ざるに出でたものであるということを一つ御了承願いたいと思います。多少の弊害があるが、そうしてでも尚民間に流れておるところの購買力を吸收するということが可能であるならば、今の日本の時代に對してはこれは治療の一つの方法である、こういうふうに考えるでございます。ところが段々大きくして行つて、二十萬圓が百萬圓になるが、一體信念なしにどこまでもやるのだというようなお言葉でございまするが、これはどうもこういうことは段々、何といいますか、馴れて參りますというと刺戟がなくなつて來る。從つてそこに一つの射倖心に愬える方法の悪さがあると、私は率直に思うのでございます。恐らく今回「新生」で百萬圓の富籤を作つた。これはもう我々の考へる最大限ではないかと、私はかように考えておるのであります。根本的な精神、物の考え方において岡部さんと私とは違つているとは思いませんが、そういう方法を採つても、尚一面において外資さえ導入しなければなりませんのでございますから、民族資本を蓄積するという方向に、そういうことに愬えてまでも努力しなければならん、又そういうことに愬えてまでも購買力を吸收してインフレーシヨンを阻止するための一つの方法を講じなければならんということに、日本の置かれておる矛盾があるとも考えられるのであります。この點は誠に残念に存じます。私も土方先生の名演説をやはり想起いたしまして、誠にこれは早くそういう時代を來さなければならんということにおいては痛感いたす次第でございますけれども、この點誠に苦しい立場に置かれておるということを御了承願いたいと思うのであります。
#29
○岡部常君 只今の大臣の御答辯を頂きまして、お心持はよく分りました。つきましてはこの機會におきまして從前のこの納付金の成績はどういうふうになつておるか。これは政府委員のお方から御説明を願えれば結構であります。
#30
○政府委員(河野一之君) お答え申上げます。當初の豫算におきまして……これは中央實籤と、地方實籤とございますが、中央實籤の方で申上げますると、既定豫算において十九億五千萬圓ほど發行を豫定いたしておりまして、その納付金において九億五千萬圓という協定でありましたのが、發行額におきまして二十三億、納付金において十億六千三百萬圓というふうに増加しております。地方實籤でございますが、これは當初豫算におきまして二億五千萬圓、從つて五千萬圓の納付金がある豫定でありましたが、その後これは五億一千萬圓の發行、納付金、八千三百萬圓、こういうふうに増加して參つておるような状況でございます。
#31
○池田恒雄君 私はこの案に直接じやないのですが、現在進行しておる所得税の問題ですが、ずつと農村の中を廻つてみますと、税務署が所得税を申告させるに當つて、基準というものを農家に渡しまして、それによつて申告を書かせておるのですが、これは申告の制度というものから見まして、何か惡いことじやないかと思うのでございますが、如何お考えでございましようか。
#32
○國務大臣(北村徳太郎君) お答えを申上げます。實はまだ申告制というものが十分習熟されておりません。特に農村においてそういうふうな傾向が多いのでございまして、これは申告制の本當の精神というものを十分に徹底滲透するようにしなければならんということで、只今大量にやつているのでありますが、只今のお話は恐らく農村においてなかなか勝手に御申告願いますと言うても御申告にならない。それでこういうふうにして一つ御申告をということを申上げんというと手に入らない。こういうふうなことから來たものであろうと思うのでありますが、それ以上の意圖はないのでありまして、申告をして頂かなければならんが、抛つて置くと申告なさらない。それから申告して下さいと言つても、どうしてよいか分らんから言えと、こういうふうにおつしやるのが農村において殆んど共通の實情であります。從つて税務署としてはこういうふうにお書き下さるとよいのだと、こういうふうに御指導したいという程度であると思うのでありますが、さよう御了承願いたいと思うのであります。
#33
○池田恒雄君 大臣の答辯のようなものではないかと、私も基準ということを聞きましたときそう思つたのです。當然農民は申告ということは分りませんから、そういう意味であつたと私はそう思つたのですが、實際見ますというと、この基準というものが非常に強く申告を支配しておるのです。その基準の數字の問題ですが、私ここに全國から集まつておる税務署が出した基準の數字を持つておるのですが、これは一々申上げてもよいのですが、むしろこれは面倒だから後で御覧に入れてもいいですが、省略します。そういう基準を税務署が農家に出しまして、それによつて計算させて、それによつて申告させて、こういうふうな方法をとつておるのです。從つてこれが單に農家を指導するという意味にはとれないのです。むしろそれを強制しておると、こういうふうに見なければならない點があるのであります。
#34
○國務大臣(北村徳太郎君) 事實は私の前の答辯の通りでありまして、強制した事實があれば、それは必ず相當な處置をとります。
#35
○池田恒雄君 そうですか。それじや強制したかどうかということになると、これを犯罪なんかの場合をいえばいろんな議論になると思うのでありますが、私は只今税務署の中で、その税務署に政府の方から一定の税額が割當てられておる。それで税務署としてはそれだけの税額を上げるために、そういう一定の基準を設けて、そうしてとにかくそれだけの税務を上げようと努力しておると、こういうような話もまま常識ある農民から聞くのでありますが、私はそういうためじやないかと思いますが、どうですか。
#36
○國務大臣(北村徳太郎君) 只今この税收入が、只今だけではございませんが、國家の重要なる一つの財源でございまして、從つて豫算を立てます場合におきましても、漫然と税額を決めるわけじやございませんで、地區的或いは職業別的、あらゆる觀點から見まして、過去の實績というものを基礎にいたしまして、凡そこれぐらいは取れるという見當を付けるということは、これは豫算の面において當然のことであろうと思うのであります。そのことと、これを割當して、これだけお前の方は是非税額を呉れねばならん、というようなことを言つておることとは違うのでございまして、無見當にはやつておりませんけれども、強制するとか割當というような事實は全然ございませんから、その點は御了解を得たいと思います。
#37
○池田恒雄君 若しそういうことがなければ、私はああいう課税ということはないと思うのですが、特に税務署の人たちが所得以上の課税をしなければならないと言うことはないのじやないでしようか。そういう割當がなければ……私は常識的に一定の税金が或る地區から取れるとか、職業層から取れるということは、これは當然だと思うのです。その當然なことを私は質問しておるのじやなくて、常識以上に出ておる點がありますから實はここで質問しておるわけです。實例を出すと長くなりますから、私はここで實例を出さないで言つたのです。これは後でもよし、只今でもよいのですが、これは澤山全國から集まつておるのです。
#38
○國務大臣(北村徳太郎君) 只今お話のようなことがないと信じておりますし、あつてはならないので、その點の指導は十分督勵いたしておるつもりでおりますが、まあ税務官吏も人間でございますから、時に過ちが絶無であるとは無論申されません。併しその決定等につきましてはいろいろ機關等もございまして、これはできるだけの公正を期していることは御承知の通りであります。又間違いがあれば、いろいろこれは再調査等の途も開かれていることでございますし、その點私共は大體盡すだけのことは盡して、頂けるものを頂いている。こういうふうにいたしております。極めて具體的な實例等がございましたら、後に伺いまして、そういう點については若しそういうことがありましたら、これは公正點から是正をされなければならないので、これは税徴收に御協力願うということで、後程具體的例を私でも或いは當局の者にでもお示しを願いまして、それについてそういうことがあれば必ず是正きせる、こういうことにしたいと思います。よろしく御了承願います。
#39
○池田恒雄君 非常に細かな面倒なことは後で係の方といろいろお話いたします。只今是正の途もある、異議申立の道もあるというような御意見のように思うのですが、實はそこに問題があるのです。私が二、三の税務署を見學いたしましたところ、農民は前の日から上野の汽車に乘るように待つているのです。そうして朝税務署の前に整列いたしまして、そこで番號札を貰いまして、そうして一人々が面談するわけであります。そうして異議申立の事情を申している。ところが一日に千人くらい税務署に行くのだそうであります。そういうことになりますというと、税務署員が總動員しても千人の應接もできなければ、千人の再審査はできませんが、番號札を三百なり四百なり呉れまして、あとは追い歸えしますというようなわけであります。簡單な異議申立の書類の書き方も分らない人もありますし、計算することの分らない人もあります。そんな人は簡単に追い歸えされて、異議申立の期日が過ぎてしまうという人がある。いついつが異議申立の期日であるということが一方的にされている人もあるようであります。從つて今後大臣が指導するといつておりますが、異議申立の期日は私の見た地方では二十五日とか言つているのであります。ところが、ああいうように、何萬人が出すと思うのですが、何萬人という人々が二十五日までに間に合わないだろうと思う。でありますから、指導するとするならば、今直ちに大藏省が指導を開始し、なければ、これはえらいことになると思うのであります。而も税務署は異議申立は結構だが、税金を拂つて置いて下さい、こういうことになるのであります。これは法律上その通りだと私は思うのであります。ところが、簡單に申しますと、一町歩前後の土地を作つているというのは決して小さい方の農家じやないのであります。こういう農家に對して時に三萬圓とか五萬圓という税金が來ているのであります。これは百姓は最近景氣がよいというようなことを税務署の人逹が盛んに言い觸らしているのでありますが、ところが、幾ら百姓が景気がよくても、現なまを五萬圓も三萬圓も持つているということはない、というと、農民は税務署の窓口に罰金を取られるとか、處罰を受けるということが書いてありますから、驚いて、これはとにかく二十五日なら二十五日までに拂わなければならないだろうということで、馬を賣つたり或いは保有米を割いたり、そうして金策をしている。或る村では今まで米の闇値が一俵七千圓しておつたものが、税務署がそういうことを開始して以來、三俵一萬圓に下つたという、こういうようなことがあります。それかに牛を賣つたり、そういうようなこともやつております。私は今直ちに大藏省がこの問題に對して一定の對策を採らなければ、農民はそういうふうに自分のいろいろなもの賣つてしまうと思うのです。後で税務署がこれらのやり直しをしまして、農家に對して税金を返したつて金は何ら有効じやないと思います。物を失つて、物が闇市場に流れてしまへば、農家にとつては決定的な損失であります。牛を賣つて若し税金を拂つたとすれば、あと牛を賣つただけの代金が農家の方に戻つて來たつて牛は戻つて來ない。こういうような工合でありますから、ここ二、三日中に若し指導するというお考えがあるならば指導を加えて、農民に物を賣らせるということのないようにしなければならないのではないかと思います。殊に保有米なんか外して賣つているという農家は決して少くないのであります。これは保有の米が闇にどんどんその結果流れるし、あとで農民が飯米が足らないと騒ぎ出したら、どえらいことが將來起ると思うのであります。でありまするから、大臣が私の質問に對して極めてにこにことして答辯されましたが、これはにこにこと答辯するような事態ではないのであります。恐らく大藏大臣はどこかの税務署に明日から行つて見たらこれはびつくり仰天します。これは見て貰うと結構だと思います。とにかく緊急に方策を立てて貰いたいと思います。でありますから、細かいことは後で事務當局にお願いしますし、やりますが、それで大臣はこれに對して直ちにどういうことをお考えになるか、お考えを聞かして貰いたいのであります。今のことは嘘じやないのです。一つ一つ本當です。ここに資料が一ぱいあるのです。二十二の府縣から私集めているのですから……。
#40
○政府委員(河野一之君) お調べになりました資料を頂戴いたしまして、主税局において至急調査をいたしまして、適當なその事實があるものでありますならば適當に是正の途を講ずるようにいたしたいと思います。
#41
○池田恒雄君 これで終ります。
#42
○奥むめお君 大臣のおいでになります間にちよつと希望を申上げて置きたいと思うのでございます。時間もないようでございますから、今度お決めになりました給與水準につきましての御質問を差控えたいと思います。今度の財源の中から汽車賃や切手代の値上げがあんなに大騒ぎをした後にも拘わらず含まれていなかつたということは、家計を預かる主婦からいいましたら特に非常な安心だろうと思うのでございます。汽車賃、通信費というものは家計の中で占める割合は小さいのでございますけれども、直接間接にこれが及ぶ影響というものが非常に大きいことを私共問題にいたしておりましたのでございますけれども、まあ大變有難うございました。それにつきましてもこうして財源を外から求めるということになれば、大衆に轉嫁させないで大きな國の財政というようなものになりますと、苦勞して探して見れば出るものだということを私も考えて見たいと思うのでございますが、煙草の値上げのような問題も、もう少しこれが前であつたら、北村大藏大臣に御苦勞頂いたらあんな苦勞がなかつたのじやないかしらとも考えられるくらいでございますが、この上とも財源の問題についてはお願いしなければならんことが多いと思うのでございます。それは私は今までインフレは俸給から出て來る。國民の生活の物價の値上げや生活費の問題、人件費の問題というようなものからインフレが出て來るというので、そつちを抑えるということばかりに政府の態度があつたと思いますけれども、私はどうしても行政面を緊縮するより外にインフレの防止はないということを考えているものでございますから、豫算の委員に入りました當初からもつと國家の豫算面をすつきりと見られるようにもつと見易い一覧表を欲しいということをお願いして置いたのでございます。その結果、時々御説明書に近い細かいものを頂戴しておりまして、非常に助かるのでございますけれども、今度のように一般會計豫算補正第十五號にも及びまして、特別會計だけでも十號、二十何冊、三十冊近く次々、次次と出て參りますと、これを私たちがどうして一貫して見ることができるかということを考えますのでございます。こういうふうなことは、もう豫算委員といたしましても、豫算の實施を審議するについても、又豫算案を審議するについても、こういう別冊の十五冊も二十冊も三十冊も來たんでは、どうしても困ると思うのでございます。こういうものをやはり政府當局で責任を持つて見易い一覧表を出して頂かないと、作文でも次々と草案を直して行つて、結局直したものの清書というものが出て來なかつたら、辻褄が分らなくなるのです、そういうものをお出し下さる意見がおありにならないかどうかということをお伺いしたいと思ひます。ことに來年度の豫算の編成に當りましても、聽くところによりますと、一ケ月ずつ小刻みに出るらしいという話を聞くのでございますけれども、そういうふうになりますと、尚私が今お願いすることは必要だと思うのでございます。で、この方面の意見を大臣がお聞き下すつております中に、どなたかから伺いたいと思います。
 それからもう一つ、私は人件費にはもつと出していいから、物件費を削るより外にインフレの防止はないということを考えます上から、各役別にして、そうして例えば全體にしてまあ交際費は幾ら行つておるか、旅費は幾ら行つておるか、印刷費は幾ら行つておるかという一覧表は、是非とも頂かないと、私共の考えを進めます上に差支えがあると思うのでございます。これもお願いしてありますのですけれども頂戴できなかつたのですが、如何ですか。
#43
○國務大臣(北村徳太郎君) 只今の御質問極めて御尤もだと思います。初めの財源のことについてお話がございまして、私は前の〇・八の場合には、運輸大臣をいたしておりまして、鐵道運賃値上げに對して猛烈な反對があつたことをよく存じておるのであります。或る方は著名去れた方はこれだけあると言つて、持つておいでになりましたが、これは運賃値上げが好きか嫌いかといえば、運賃値上げは嫌いな方ばかりで、好きな方は一人もないと思うのであります。當時といたしましては、運輸大臣の立場から、運賃値上げはやりたくないけれども、當時は幾ら嫌いでも、國のためにやらなければならんことはやるということで、非常な反對があつたけれども尚且つやろうといたしたのでありまして、それほどに財源というもが困つておつたのであります。これは先程木村さんの御質問に答えたと同じようなことになりますけれども、今財源となつておるものが當時なかつたのではないのであります。ただ了解ができなかつた。どうしても了解が出來なかつた。これは私共が努力が足りなかつたという點もございましたけれども、當時運輸大臣としては運賃貨値上げをやらずにやりたい、これほど猛烈な反對があるのを押し切つて、やるということでなく、運賃値上げをやらずにやりたいということを思つたのでありますが。了解が足りなかつたということを思うのであります。將來につきましてもいろいろまあ國民生活に切實な關係を持つ面については、できるだけ氣を付けなければならんという點については、お話の通りでございまして、將來も十分注意をいたしたいと存じております。
 それから尚財政の面をつまり財政支出からインフレが來るというお考えも私も同感でございます。その通りであります。從つてこれをどうして匿縮するかということを眞面目に考えなければならん。國の財政は段々窮乏するけれども、支出は一向減らないというようなことでは相成りませんので、この點は何とかして行政の能率を上げるとか、行政の簡素化を圖るとかして、何とかして政府支出を小さい方に向けて行くということに努力しなければならん。これは皆様の是非御協力を願いたい。この點は極めて同感であります。
 最後の、豫算書類をもつと見易いものにしたらということは、實は私が議會の處女演税にそれをいたしまして、今の豫算書類は分らんじやないかということを非常に言つたことも、自分もありますので、まあ只今の程度にまで改善されたのでございますけれども、只今の御質問は御尤もと存じますし、この點は實は衆議院の豫算委員會が待つておるそうでございますから、關係の政府委員から御答辯申上げることにいたしまして、一應お話の筋に對しては私も極めて同感であり、そういう方向に向つて努力をいたしたいということをお答え申上げて置きたいと思います。
#44
○政府委員(河野一之君) お答え申上げます。奥先生からたびたび御有益な御指示を頂いておりますので、誠に御尤もだと存ずるのでございます。こう一年中次から次に豫算が出まして、御承知の通り十四號も十五號も出ますと、トータルで幾らかということはなかなが分りかねる。その通りでございまして、ただ非常に豫算の提出を急がれます關係上、御關係の資料を早急に提出申上げることが不可能なように事實上なつております。この點につきましては十分今度から注意いたします。昨年中に成立いたしました豫算、これは補正第十二號まででございますが、これにつきましては、それまでの豫算額を全部合せまして、これの説明書というものを現在拵えております。その後追加豫算が出ましたので、それを入れて書きますればよかつたのでありますが、ちよつと間に合ひませんでしたので、その分を合せて今説明書を拵えて印刷に付している最中でございますので、不日お手許に差上げることができるかと存じております。それから今年度の追加豫算といたしましてはこれを以て一應打切りでございますが、これを合せましたものにつきまして更に全體を説明するようなものを作りまして御参考までに供したいと思つております。ただ御審議の後において出るような恰好で、誠に申譯ないのでありますが、今言つたような事情も十分御了承お願いしたいと存ずるのであります。ただ豫算書の形式の問題、私共事務的な立場から申上げるわけではありませんが、この豫算書が非常に見にくいとか、或いは分けにくいとかおつしやることも成る程そうであると思うのでありますが、これはまあ新聞、雑誌というようなものと多少意味合が違いまして、豫算というものはどうしても官聽において實行いたすものでありますので、その官聽における實行の便宜ということも一應考えねばならぬのでありまして、例えて申しまするならば、或る省の経費を或る省のどこの局、農林省なら農林省の農政局の經費、或いは食糧管理局の經費というようなものを非常に細かく分ける場合におきましては、分りいい面もありますと同時に、非常に経理上、例えば農政局で経費が足りなくなつても食糧管理局で使えないというような事情で、そういつた面の制約もいろいろありますので、一概に豫算書がそう簡單にならない部面もあるのであります。從つて豫算書といたしてこれを政府の官廰が使う形式としては、それは即ち正式に國會に提出する書類としては分りにくい點も多々あるかと思いますが、これに補うのにやはりいろいろな説明資料を附ける、或いは違う角度から見た分折表を附けるというようなことによつてその足りない所を補つて行くというのが行き方であろうかと思つております。その方面については精々私共努力して参る考えでありまして、又足りない部分については何卒御指示を賜りたいと存じます。
#45
○奥むめお君 今の御答辯分りました。私もこれそのものが分らないというのではなくて、今おつしやつた通り大變結構だと思いますが、慾をいえば豫算審議が済んでから全體の一覧に便宜なものが纏まつたものができたところで、私達には用をなさないのであつて、むしろこれらのものは、人は殖やしてよいから、これを出したときには直ぐ前から續いて一覧できるようなお骨折が願いたいものだと存じます。これらのこともありますから、希望として要求いたして置きます。
 それから各省のいろいろな交際費とか印刷費というようにすベて細かく分けたものでなく、全體を合計したものを見られるようなものを、豫算委員としてきつと必要だと思います。お忙しい中を無理なことをお願いするので、私も餘りたびたび催促に行きにくいので遠慮しておりますが、そのかたがた一面歩み寄つて豫算委員の参考にして頂くと大變助かると思いますから、併せてお願いいたします。
#46
○委員長(櫻内辰郎君) お諮りいたします。本日は安本長官、商工大臣、文部大臣御出席ができかねるそうでありますから、明日午後二時から質疑を續行することにいたしまして、この程度で散會したいと思いますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#47
○委員長(櫻内辰郎君) 本日はこれにて散會いたします。
   午後四時十六分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     櫻内 辰郎君
   理事
           木村禧八郎君
           西郷吉之助君
           村上 義一君
           中西  功君
   委員
           中村 正雄君
           波多野 鼎君
           石坂 豊一君
           小串 清一君
           小野 光洋君
           伊東 隆治君
           鈴木 順一君
           飯田精太郎君
           岡部  常君
           奥 むめお君
           河野 正夫君
           島津 忠彦君
           島村 軍次君
           高田  寛君
           服部 教一君
           姫井 伊介君
           渡邊 甚吉君
           池田 恒雄君
           藤田 芳雄君
  國務大臣
   大 蔵 大 臣 北村徳太郎君
  政府委員
   大蔵事務官
   (主計局次長) 河野 一之君
   大蔵事務官
   (給與局長)  今井 一男君
   大蔵事務官
   (專賣局塩腦部
    長)     松尾 俊次君
   大蔵事務官
   (專賣局經理部
   長)      原田 富一君
ソース: 国立国会図書館
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