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1947/03/19 第2回国会 参議院 参議院会議録情報 第002回国会 予算委員会 第9号
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1947/03/19 第2回国会 参議院

参議院会議録情報 第002回国会 予算委員会 第9号

#1
第002回国会 予算委員会 第9号
昭和二十三年三月十九日(金曜日)
   午後五時八分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○昭和二十二年度一般會計豫算補正
 (第十五號)
○昭和二十二年度特別會計豫算補正
 (特第九號)
○昭和二十二年度特別會計豫算補正
 (特第十號)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(櫻内辰郎君) 只今より開會いたします。前囘に引續き質疑を行います。河野正夫君。
#3
○河野正夫君 大藏大臣にお伺いいたします。今回の豫算に關連してでございますが、前内閣のとき片山總理が言明せられ、森戸文部大臣が更に本委員會においても他の機會においてもしばしば言明せられ、そうして更に文部省内部においては、各地方廳に大體の内示さえ與えたところの新制中學校舎建設費の三十一億なにがしかの金額の内、七億を國庫が補助しておりますが、殘額六億四千萬圓は最も近い機會に追加豫算として計上する。こういう言明があつたのであります。然るに先年末におきましては、この二・八ケ月の官廳給與の豫算案が、職員給與の豫算案が出ましたときにも、その二カ月分の場合も機會を得ず、更に〇・八の追加豫算のときにも機會を得ず、遂に内閣の更迭となつたのでありまするが、今囘の内閣は、その三黨の政策協定におきましても、更に閣議として最近決定されたと聞きおりまするが、内閣の方針といたしましても、六・三制の完全實施ということを標榜しておると思うのでありまするが、その意味において、片山前内閣からこの方針は引繼いでおると了承するのであります。然るに本年度における最終の追加豫算を提出せられたのを見ますると、そこには、そういう種類の經費が見込まれていないことは、二十三年度の四月かち始まるところの新制中學第二學年用の教室及びその設備についてでありまするが、年度末に至つても、尚且つその豫算が組まれていない。文教委員會等におきましても、文部當局からいろいろと言明をして、更に我々の方からも質疑をしておりまするところによると、事柄は、經済安定本部乃至は大藏省の方においてつかえておるというような状態であるのであります。もとより不時の水害があり、或いはここに上程せられておるような給與の増額というような當然の支出増があるが故に、文教費も特に今何とか遣繰りが付いておるから足許に火がついておるように感じなかつたのかも知れませんけれども、そういう意味において、輕視されておるのかも知れませんけれども、一體この前の内閣における約束は、この内閣において、如何に引繼がれたのであるか、特に前栗栖大藏大臣も、大體において私が今申上げたような線において、話を我々にもせられておつたと思うのでありまするが、この内閣における大藏當局としては、この六億何千萬圓という國庫補助の殘額をいつ國會に提出して、承認を求められるものであるか、我々の希望といたしますれば、當然今日においては、追加豫算として出すということが不可能であるとしますれば、當然四月分の暫定豫算の編成の際優先的に組入れられるべきものであると考えられるのでありますが、この點について、御答辯を承わりたいと思うのであります。しばしば財務當局は財源がないということを言われるのでありますが、確かに財源がないかも知れませんけれども、片山内閣の最後におきまして、鐵道料金又は通信料金の値上げというようなことを以つて、〇・八の官廳職員給與を出すより外に方法がないと言われたのは聽き間違いなければ、これは大藏當局ではなかつたかと思うのであります。然るに蓋を開けて見ますれば、その〇・八はそういう方向でなくして解決しておるのであります。あれやこれやといろいろな財源を求めることについて御苦心の點はいろいろ分りますけれども、ないと言つたものが出て來ております。この意味において二千億を突破する年度豫算の中において、たつた六億何千萬圓という金がないということは、我々には了承いたしかねるのであります。すでに本院におきましては、新制義務教育の費用の全額國庫負擔ということの請願を採擇し、政府にこれを通告しておる筈でありまするが、今日の財政状況から今直ちにそれを行なえと申すものではありません。けれども六千何億か、初めに文部當局でも計上せられた新制中學の組織が、三十一億に壓縮せられ、而もその内國庫の支出僅かに七億というのであつて、その後の六億二千萬圓が未だに宙に浮いておること八ケ月に及ぶということを我々としては甚だ不満に思うところであります。それ故に昭和二十三年度の暫定豫算の第一にこれを計上するお見込であるかどうか、この點について大藏當局としての確實な御答辯を得たいと思うのであります。
#4
○國務大臣(北村徳太郎君) 河野委員の御質問にお答え申上げたいと思います。六・三制の問題でございまするが、教育を尊重するということは片山内閣も、現内閣もこれは變りがないことでございまして、特に六・三制の實行に努力をするということは前内閣以來同様の考えを持つて努力をいたしております。ただ殘念ながら今囘の追加豫算に繰入れるために相當努力をしたつもりでございまするが、遂にこれができませんでした。この點は實に殘念に存じておりまするが、只今のお言葉は又私共も同じ考えを持つておりますので、何とかいたしましてこの際最も早い機會に六・三制の實施に必要な經費を計上いたしたい。こういうことを思つておりますのでございまして、このことのために芦田總理大臣も相當努力をいたしつつあります。又文部大臣も私もこれは共同の責任であるという考え方をいたしまして、相共に努力を續けておりまするし、現安本長官も前の大藏大臣として、このことには責任を痛感いたしまして、みんな一つ協力してやろうということで、目下努力をいたしておるのであります。ただ財源の點、竝びに財源の選擇が必ずしも自由でないという現状におきまして、いろいろ困難、障害があるのでございます。この點について詳しく申上げることはできませんけれども、とにかく最善の努力をいたしまして御期待に副うように、そういう方向に十分努力をいたしたい。かように考えておる、次第であります。
#5
○中西功君 大藏大臣に質問いたします。實は第一囘國會で千八百圓と千六百圓の殘額二百圓が支給された時には、御存じのようにこの度のようないろいろな、いわゆる不足とか或いは條件というようなものはなかつたのであります。この度に限つていろいろの條件が實際に出されておるわけでありますが、この度二千五百圓をともかくも支給する。ベースとしては二千・九百二十圓に決めたが、その内二千五百圓は暫定給與するというふうなことになつておりますが、この際問題が二つに分れておると思うのであります。一つは二千五百圓を暫定的に支給するという問題、これは即ち千八百圓と二千五百圓の差額、即ち七百圓を支給するという問題と、それから尚二千九百圓という新ベースと、二千五百圓の差額四百二十圓を支給するという問題とが二つ分れると思うのであります。それでこの二つの理解の仕方でありますが、一應二千五百圓は二千九百二十圓の基準に拘わらず支給するということになるのか、それともこの二千五百圓の支給も二千九百二十圓の基準が前提になり、それが受け入れられるか、受け入れられないかによつて、二千五百圓の支給をされるのか、その支給の性質という點ももう一度はつきり二つに分けて、即ち二千五百圓はこれはともかくも、千八百圓と二千五百圓の差として支給するのだというふうになるのか、そして又あとの二千五百圓と二千九百二十圓の差四百二十圓は、いろいろ職階が豫定されているそうでありますが、そういう給與體系の問題と關連するからそれが遲れるのか、どういう意味なのか、その點はつきりして貰いたいと思います。
#6
○國務大臣(北村徳太郎君) お答え申上げます。只今のお尋ねは、新らしい水準と千八百圓との差額の内、先ず今囘の二千九百二十圓の内から二千五百圓を先ず拂う。從つて二千五百圓と千八百圓の差額を先ず渡すということは、御理解の通りであります。後の四百二十圓についてはこれは勞働の質、量等を勘案いたしまして、職階制を取入れた、又地域差等も勘案いたしまして、その凸凹調整のために後に拂うという、こういうことになつておるのであります。
#7
○中西功君 そういたしますと、さつき財政金融委員會で加藤勞働大臣がこの問題に答えたことと、大藏大臣の返答との間には、少し差があると思うのです。この二千五百圓の支給を、加藤勞働大臣の理解によれば、これはやはり二千九百圓というものが前提になつて二千五百圓というものの暫定支給が出て來るのだから、やはり二千九百二十圓というものを承認するしないという、そういうことが前提としてある。こういうふうなことで、我々は加藤勞働大臣にいろいろ突つ込みました結果は、この二千五百圓が無條件な支給である。暫定的な支給であるというふうには言い切れたくて、結局これも二千九百二十圓という新水準が前提になつておる。從つて又それを呑むか呑まんかということが、やはりここに問題として介在して來る、こういうふうな結局答辯であつたと思うのであります。それで大藏大臣と勞働大臣の間に喰違いがある。その點はつきりとこの二千五百圓の支給はこれを受け入れるものも受け入れないものも、即ちこの新ベースを承認するしないに拘わらず、或いは二千九百二十圓に拘わらず、二千五百圓は支給する。こういう點をもつとはつきり……そう理解していいかどうか、從つて又加藤勞働大臣のそれに關する考え方が我々から見れば大藏大臣と喰違つておると思うのです。その點大藏大臣の御意見をお聽きしたいと思います。
#8
○國務大臣(北村徳太郎君) 私は別段喰違つておるようには思つておりませんのであります。それで二千九百二十圓については、これは現下の内外の情勢に鑑みまして、各勞働團體盤においても御不満の點もあろうけれども、呑んで頂きたいということを切に求めておる。又そういうことが受諾して貰えるという期待の下に決定したものと心得ておるのでありまして、それ以外にもう少し詳しいことを申上げることは困難でありますけれども、とにかく受諾はして貰えるもの、又受諾をして貰うように政府は誠心誠意努力をしたい。そういうことによつてできれば、とにかく少くとも現下の事情において闘爭態勢を解いて貫いたい。こういうことを念願いたしまして、そういう方向に向つて努力を續けておるわけであります。
#9
○中西功君 それで勞働組合がこの新らしいベースを呑むか呑まんかということは、これは勞働組合のいわゆる自主、勝手の問題だと思いますし、又政府がそれを呑ませるように努力するという問題も、これは政府の問題である。政府の責任の問題である。これは國體交渉權というのがあつて、政府と勞働組合において大いに協議され、圓滿な解決に到達されるようにする問題だと思うのです。で、國會と政府の問題は一應、政府が出して來たこのいわゆる問題、即ち國民の負擔になる、こうした行爲を國會として、政府のそういう方針を認めるか認めないかという問題だろうと思うのです。ところが、實際問題として政府の今の態度は、現實に勞働組合側との間にうまく交渉が纏まつていない。そういう問題を實は國會自身に持つて來ておる。こう思うのです。それにそういう問題を國會と政府との間に介在さして來ておる。我我の問題としては、政府がこういうふうな豫算を取ることを、よいか悪いか、これをまあ承認するかしないかという問題になる筈なんでありますが、併し政府が尚勞働組合と今後交渉する、或いは今後うまく交渉して行こうとするようないろいろの手がこの中に加わつて來ております。政府は別の言葉で言えば、いわば自分たちの不始末を國會の方に轉嫁して來ておる。從つて又その二千五百圓の支給という問題にいろいろ影ができておると言いますすか、或いは條件が附くとか、いろいろなことになつて來たと思うのです。これは先だつての第一囘國會においては私が指摘しましたように、あの當時全官公の勞働組合は全部千八百圓ベースを承認していなかつたと思う。併し承認していないということを政府はよく知つておつて、而も國會に千六百圓と千八百圓の差額を政府の責任において支給いたしますと言つて、承認を求めたと思うのであります。そういうふうな前例があるわけなんです。だから、その前例通り、組合が承認しようとしまいと、これは政府の責任において支給するということをあつさりどうして言えないのか、私はまあこう思うわけでありますが、而もこの千五百圓の支給を結局組合の分裂や或いはお互を競争させるというふうに使おうとしておる匂いが非常に多分にあるわけなんです、ですから、具體的な問題として言いますれば、政府は國鐵には、二十日に拂うとか何とかいうふうな話もしてあるそうでありますが、非常に具體的に言えば、國鐵竝びにその他の全遞及び全財、そういうふうな全官公勞働組合に同時に麦給するというふうにここで言明できるかどうか。技術的な點がいろいろあるという話でありますが、併し技術的な點から考えれば、國鐵に對しても全遞に對してもこれは同じだらうと思います。現に今までの政府の準備が整つておつたか、それはよく分りません。それで一つ私はここでお聽きしたいのは、同時に支給するということが言えるかどうか、又もう一つは今までこれを支給するについて政府自身どんな準備をしておるのか、具體的にどんな準備をしておるかという點をお聞きしたいと思います。
#10
○國務大臣(北村徳太郎君) お答え申上げます。政府は實は内外の情勢と又現在の勞働情勢とを見まして、これは一日も早く今のような情勢を理解して貰いたい。こういうことを切に願うが故に、中央勞働委員會において決定した方針によつて民主的な方法で二千九百二十円ベースが一應決まつたのでありまして、從つて同じことを繰返すようでありますけれども、同時に拂うかと言われると、同時に拂える状態になるように政府が努力するということは、皆氣持よく受諾して貰いたい。このことが現下の事情において極めて必要なのでありまして、このことは決して、政府の責任を國會に轉嫁するというような中西君のお言葉でありましたが、毛頭そういうことはありません。若し抑えるならば拂うようにいたしたいと、そのことは承諾を同時にして貰いたい。それでこれは各勞働組合の御同意も亦得べきであると思いましたけれども、時間的にその餘裕がなかつた。今後その努力を続ける。そういう意味で御了解願いたいのでありまして、この點について餘り具體的なことを申上げることはちよつと困難でありますけれども、その程度で一つ御承認を願いたいと思います。これはいろいろ關系がございます。只今問題になつておりまする外国の資本の導入というようなことなどにも關連するところが少くないと思いまするし、その他現下の情勢から見まして、この爭議態勢というものを何とかして解いて貰いたい。政府はそのことをこのチャンスにお願いするということを切に求めておる次第でありまして、これ以上、必らず同時に拂うかどうかというようなことにはお答えいたしかねるのであります。私は必らずや勞働團體の各位の御同意を得ることができるであろうと、こういうふうに信じておりますし、そのためには最善の努力をするし、その點政府を信じて御承認を願いたいものと、かように存じておる次第であります。
#11
○中西功君 大藏大臣の今の答辯は、結局政府としてはこのベースを呑んで貰いたいと思つておる。特にそのことによつて爭議態勢を解いて貰いたいと思つておる。又そのために非常に努力する、そういうのであるならば、いわば結局組合側が政府の案を承認して爭議態勢を解けば同時に支給ができる、だからそういうような意味で同時に支給したいような意味に考えておるということなんで、結局これは條件がここではつきりあると私は思う。つまりそういうふうに國鐵も呑んだ、全遞も呑んだということになれば、結局同時に拂いができると、こういうことなんで、又そういうふうに努力すると、そのことが同時的な支拂だということになりますれば、やはり條件はちやんとそこについておると思います。だから今まで衆議院の豫算委員會にしろ、財政委員會にしろ、いろいろ言われて來た、條件はありませんというように言われておりながら、私はやはり條件はちやんとあると思う。その點條件がないと言つて置きながら、或いは條件にはしないとこう言つて置きながら尚條件がある。これは非常に自分自身、大藏大臣或いは勞働大臣自身の言葉のペテンだと思う。これについてははつきりした問題として非常に簡單なんで、國鐵に對してと、全遞その他の組合に對してと、とにかく技術的な點は別にして、同時に支拂うかどうかということにあるのであります。そしてそれについて、私はやはり今までこの支給について官廳當局において、どんな準備をしたかということを具體的に聞いて置くことが必要だと思うのであります。
#12
○國務大臣(北村徳太郎君) 同じことを繰返しますが、同時に支拂えるように努力いたしたい。併し受諾が遲れると從つて支拂が遲れるだろうと、こういうことは通告にも示した通りであります。さように御了承願いたいと思います。
#13
○委員長(櫻内辰郎君) 外に大藏大臣に對する御質疑はございませんか。
#14
○服部教一君 今の同じ二千九百二十團の支給の問題でありますが、私は今日勞働大臣に質問するつもりでおつたのでありますけれども、見えないのであります。幸い大藏大臣が見えておりますから、今問題が出ましたから、序に同じことを申上げたいのであります。
 それは、先に大藏大臣が申された通り、日本の信用を世界から得て、アメリカあたりから外賓を導入する必要が大いにあるのであります。それにつきまして、日本の内部をもつと安定させなければならん。こんなにあちらでもストこちらでもストというふうでは、外國からの信用を得る上において非常に妨げがあると思うのであります。それで内閣も變つたのでありますから、まだ日は淺いですけれども、早くこれが勞働者との間によく話合いをして、ああいう到る處にあるストを止めて貰いたいと思うのであります。今日もここへ来る途中でも、やはり勞働者が示威運動をやつておるのを見て來たのであります。なぜああいうことを、前の内閣から今囘の内閣に引續いてあれをどうして止めることができんか、もうちつとよく中に立つて、調停委員などがしつかりと政府とああいう勞働者との間に立つてあれを止めるようにして貰いたいのであります。どつちが悪いのか、政府の給與の状態が悪いのならもつと増すことをやらなければならんと思うのであります。絶對にできなければああいうものを厳格に法令で止めるようにして貰いたいと思うのであります。どつちもつかずに何時までもぐずぐずと話合ができないということは、日本の国家として甚だ困つたことであると思つておるのであります。それに對してさつきから御答辯ありましたから、同じことは繰返して御答辯願わんでもいいのであります。どうかそれについてのどういうふうに考えておられますのか、努めてやる、豫算の許す限りやるという、だけではどうも不安に思うのであります。甚だたびたびのなんでありますけれども、もう一言それについての御意見を承わりたいと思うのであります。
#15
○國務大臣(北村徳太郎君) 服部委員より誠に國情を憂うるお心の底からのお聲を拜聽いたしまして、深く私は感動いたしたのであります。誠に御尤もであります。ただ一面今の勞働情勢は生活の不安定に原因しておる。この點は又極めて切實な問題でございまして、我々政府當局といたしましては、勤勞階級の生活安定のために最善の努力をしなければならん。そのことについては又當然の務めとして努力を續けますが、お話のごとく今のような闘爭態勢が續きますということは、何としてもこれは國のために甚だ憂慮に堪えないことであります。そういうことを除いて頂くために、今囘の二千九百二十圓ベースの決定を機會として。各闘爭團體に誠意を披瀝して、闘爭態勢を解いて貰うように努力中でございます。服部委員のお言葉の點は、私共は御尤も千萬であると思うのであります。又法を以てこれを止めさせるというようなことは、現下の情勢では非常に困難であろうと思いますけれども、仰せの點は極めて御尤もでありますし、又そういうふうな運動の由つて來たるところは生活の極めて不安定であるという點でございますが故に、流通秩序の確立等から、一面においては、實質賃金が内容的に豐富になるように、そういう方面に我々は努力するということは、又當然私共政府の務めでなければならん。さような點を十分努力をいたしたいと存ずる次第であります。
#16
○木村禧八郎君 私は本豫算案を一刻も早く審議が終つて、そうして通過させたいという念願でありますけれども、併し遺憾ながら財政金融委員會の方でも、この法律案についてこの第二條の、「支給することができる。」この「できる」ということがやはりその實際においては、これが條件的な意味を持つておるというように解されるのであります。若しかここで大藏大臣が差別をせずに同時に支拂うということを言明されますならば、財政金融委員會の方におきましても、この法案は直ぐに通過が可能であろうと思うのです。併し又、我々のところに全逓の組合の人たちも陳情に來られておりまして、若しかこのままで法律案が通つて、そうしてしばしば大藏及び勞働大臣が條件付きではないということを言われておりますが、實際において條件付きになる可能性があるのでありますから、そうなりますと、その後に起る事態については、我々は責任が持てないのであります。全逓その他の官公廳がストライキに入るというようなことがありますれば、これは憂慮すべき状態になると思うのです。我々は極力そういう事態に入ることを防がなければならない。それにつきましては、大藏大臣におかれましても、今の二千九百二十圓でも生活は困難なんでありますし、ここは一つそういう事態をよくお考え下すつて、そうしてここで本當に條件付ではない。それを又立證されるために、いろいろ言葉に綾を付けられずに、同時に支拂う、差別を設けずに支拂うということを御言明下されば、財政金融委員會においても、法律案は早く通知するでしようし、又この豫算案についても、通過が早くなるのではないかと思うのです。この點大藏大臣に御言明が願いたいと思うのであります。
#17
○國務大臣(北村徳太郎君) 木村君の御質問に對しては同様のことでございましたので、中西君にお答え申上げたと同じでありまして、我々はこの支拂において勞働團體の同意を得たい、又同意を期待しておるわけであります。從つて同時に必ず拂うということを約束するかというお尋ねに對しては、さようには参りませんと申上げて置きます。
#18
○木村禧八郎君 これは私の考えを以てしますれば、そういうことをお止めになつた方が、先程大藏大臣も申されておりましたように、爭議態勢を解く、そういう上に却つて效果があるのではないか、若しかこれを非常に固執される場合には、却つて惡い結果になるのではないか。そういう場合の一貫任は當然政府が、まあこれはお取りになるつもりでございましようけれども、國民としてはそういう事態に入ることは極力避けて貰いたいわけなんです。ここでそういう御言明をなすつた方が却つてそういう爭議態勢を解くゆえんである。そういうふうにお考えを直して頂けないものでしようか、重ねて御質問したいのですが。
#19
○池田恒雄君 大藏大臣にちよつとお尋ねいたします。大藏大臣は先程一刻も早く今の勞働攻勢の解消をしたいものだ、そう努力する、こう言われたのであります。そうして支拂の方なんでありますが、これは勞働組合側が呑んでくれなければ遲れるかも知れない。こう言われる。これは逆に言うと、呑まなければ拂わんということにも聞えると思うのであります。そうするとこれはちよつと大藏大臣の意圖と反する結果になりはしないかと思うのであります。今の勞働攻勢のために非常に困つておるのはひとり大藏大臣だけではないのであります。いろいろな部門において困つておるわけであります。でありますから、皆勞働攻勢が一日も早く解消することを望んでおり、我々も望んでおります。その時政府が、呑んだら拂うとか、呑まなかつたら拂わんとか、そういうような態度を取るとすれば、こういう大藏大臣並びに國民全般が希望する勞働攻勢の解消ということは、そのために却つて混亂して、却つて遲れるのではないか、こういうふうに考えるのであります。大藏大臣はどうお考えでそうおつしやるのか、先ずそれを私お伺いして置きます。
#20
○國務大臣(北村徳太郎君) どうも同じことを繰返すに外ならんと思いますが、我々には勞働團體の同意を得ることを期待しておるのでありまして、ただ呑めば拂うし、呑まなければ何時までも拂わんといつたような、そういう考えではございません。呑んで頂きたい。それがために最善の努力をして一齊に拂い得るようにいたしたいと、こう願つておるわけでありまして、その程度で御了承を得たいと思うのであります。
#21
○池田恒雄君 といふと、大藏大臣の先程のお言葉に對して私が誤解をしておつたということにもなるかもしれないのでありますが、併し大藏大臣の先程からの説明では、やはり私でなくても一般の勞働者諸君は私のようにまあ解釋するのではないかと思うのであります。とすると、やはり勞働組合はそれに對して適當な態度を取つて來るということになると思うのであります。まあそれに對して大藏大臣はいろいろな努力をされるというのでありますが、これはやはりどういう努力をされるかということはここで明らかにして、その上で國會の審議を求めるべきものではないか、こう思うのですが、その努力とは如何なる努力であるか、それをお伺いしておるのであります。
#22
○委員長(櫻内辰郎君) 他に御質疑はございませんか。
#23
○木村禧八郎君 只今池田委員に對する大藏大臣の御答辯の内、極力折衝して、呑んだ上で一齊に支拂いたいという御答辯であります。呑んだ上で拂うということは、これは條件付のことであることは明らかであります。大藏大臣は決して條件付ではないということを言明されておりながら、呑んだ上で一齊に支拂いたい。速記録を見て頂ければはつきりできると思うのです。それでは前の御言明と違うと思うのであります。その點どういうふうに大藏大臣お考えになつておるのでありますか。
#24
○國務大臣(北村徳太郎君) 只今の點は木村君の御判斷に委せます。
#25
○池田恒雄君 先程私大藏大臣に質問してあるのであります。その努力とはどういう具體的内容か……。
#26
○國務大臣(北村徳太郎君) 努力の内容についてはここで言明いたしません。
#27
○池田恒雄君 一體、そういう内容をここで出さないで、この問題に對して審議をしろというようなことは、これは一體どういうものでしようか。
#28
○委員長(櫻内辰郎君) 御答辯がありませんから……。この際國土計畫委員長の赤木正雄君から發言を求めておられます。許可いたします。赤木正雄君。
#29
○委員外議員(赤木正雄君) 私大藏大臣にお伺いいたします。
 昨年の水害が如何に慘害だつたかということは、よく大藏大臣も御承知であります。つきましては、災害復舊に對して國から相當の補助をされておるということも、これは明らかであります。又昨年の災害復舊に當りましては、今まで曾て例のないことでありますが、災害の査定検査をする前に、すでに一部の補助をお與えになりました。それ程とにかく災害當時におきましては、前内閣は、この復舊に非常に努力をされておりました。併しその後經過を見ますと、十分の補助もありません。從つて災害復舊に當つている各府縣は非常に困つております。これもすでに大藏大臣はよく御承知のことと思います。前内閣においては、二億圓の補助を最近に出すというようなことに言われておりましたが、これも實現に至らないで濟みました。もとよりそり當時三十億の補助を各災害府縣は要求しておりましたが、これも實現に至らなかつたことは御承知の通りであります。私は各災害府縣の實情もよく調査いたしましたが、それこそ金のないところから皆金を出し合いまして、或いは地方からして皆有志が持ち合いし堤防の一部を築くというふうにして、とにかく一日も早く災害の復舊を行つて今年の米を無事に護りたい、こういう熱意を以て今努力しております。然るにこれは國から補助をお與えにならんということになりますと、今までやつておる仕事も或いは水泡に歸することもありはせんかと非常に杞憂する者であります。從つてこの、今囘お出しになつた豫算は誠に緊急止むを得ないものでありますが、この農村のあの災害復舊の状況を見まするならば、今囘お出しになつたこの豫算と同じように、復舊も誠に重要なものではないか、こういうふうに私は考えます。これに對する大藏大臣の御所感を先ずお伺いいたしたいと思います。
#30
○國務大臣(北村徳太郎君) 只今の赤木國土計量委員長の御質問にお答え申上げます。災害地の農家が随分御苦勞なさつていらつしやることは十分承知いたしております。これに關係を持つ關係當局が、又非常に御努力になつておることも十分承知いたしております。又食糧生産の資力を囘復することがひとり個々の農家或いは個々の地方の問題でなくして、國としての極めてなさねばならん重大な問題である。こういう點についても十分に了承いたしておりまして、この災害の復舊のためにはできるだけ御期待に副うようにいたしたい。實は今囘の臨時豫算にもこれを計上いたしたいと存じまして、相當にやつて見たのでありますけれども、甚だ申譯けないことでありますが、そのように參りませんでした。成るべく早い機會に御期待に副うようにいたしたい。これは直ちに收穫にも影響することでもございますし、重大な問題でございますから、政府は決してこのことを輕くは思つておりません。只今のお話のような趣旨に從つて十分努力をいたしまして、できるだけ早い機會にできるだけのものを計上いたしまして、御期待に副いたいと思つている次第であります。
#31
○委員外議員(赤木正雄君) 只今大藏大臣のお話で、非常な御努力を願いましたが、今回の豫算に計上できなかつたことは甚だ遺憾に思います。併しできるだけ早い機會においてこれをお考え下さつてるということに私は信頼します。成るべく、一日も早くこのことを善處されるように特にお願いする次第であります。
 尚災害復舊のみならず、根本治水豫算に對しても九月三十一日の參議院の決議もあることでありますから、特に本豫算に對しては、この點を御留意下さるように切にお願いしたいと思いますが、これに對して大藏大臣のお考えをもう一度得たいと思います。
#32
○國務大臣(北村徳太郎君) 御希望に副うように努力いたしたいと思います。
#33
○岡田宗司君 關連しまして……。只今の大藏大臣のお答えでございますが、四月分の暫定豫算にその點は組まれることになつておりますか、その點お伺いいたします。
#34
○國務大臣(北村徳太郎君) 成るべく四月暫定豫算に組みたいと思つて、只今努力いたしております。
#35
○岡田宗司君 先程の問題に戻りますが、先程大藏大臣はこの給與案を勞働組合が呑むように努力すると言われました。その努力の内容については言明せられなかつた。これは大藏大臣の所管事項でないがために言明されなかつたものと私は考えるのでございますが、政府としてはその努力について何らかの方針は持つておるものと思う。その點について若し大藏大臣のお答えがなければ、私はこの際所管事項でありますから、勞働大臣に出席して頂きまして、その點についてお伺いしたいと思います。勞働大臣の出席を要求いたします。
#36
○委員長(櫻内辰郎君) この際文教委員長の代理として岩間正男君から發言を求めておられますから發言を許可いたします。岩間君。
#37
○委員外議員(岩間正男君) 先程河野委員から六・三制の豫算の殘額の問題について縷々申述べられましたので、私はこれについて餘りくどいことを加えることを差控えますけれども、それについて又大藏大臣のできるだけ近い將來において、即ち暫定豫算において努力するというような好意的な御囘答があつたのであります。併しながら今までのこの六・三制の豫算措置を見ますというと、こういう點について、今日この本年度の最後の追加豫算が決定されるに當まして、もつとこの問題を確實に、明確にすることを前提として、この論議をお進め頂きたいと思いまして、皆さん竝びに大藏當局に申上げたいと思うのであります。
 この前の第一囘の國會におきまして、片山總理は十一月頃であつたと思いますが、參議院の本會議におきまして、六・三制のあとの殘額六千四百萬圓、いや六億四千萬圓については、必ず第二追加豫算か、それとも何らかの豫備金か、こういう形で、何らかの形で出すということを言明されたのであります。そうしてその機會を待つておつたのでありますけれど、政變に會い、それが今度の内閣に確實に引繼がれたと思うのであります。又政策協定においても、先程申述べられましたように、五大政策協定の中の一つの重要な一項として、六・三制の完全實施が謳われておるというような立場から、當然今度の豫算に實は組まれるかと思つてこれは期待しておる。これは私が期待しておつたというよりも、全日本の、この問題を關知しておるところの父兄大衆が、實は咽喉から手が出るような切實な考えを以て期待しておるのである。これに對して恐らく今後はどうしたつてできる、それからそれに從つたところの文部省の措置によつて、地方においてはそのような工事も實は著々進行しておる。そういうような矢先に本年度においてこの豫算が組まれなかつたということは、何と言つてもいろいろ言い遁れはあるでありましようけれども、これは政府の文教政策に對するところの熱意、更にその熱意を裏付けるところの實行的な意思が缺除しておるというふうに考えられるのであります。併しながらこれを今日如何に追及したとしましても、この問題は解決することはできないのでありまして、さればと言つて、この問題を必ず次の暫定豫算において確實に組むというような言明が當局によつてなされることが、非常に重要な機會に立ち至つておるのであります。問題は前年度の豫算が二十二年度の追加豫算に組まれたのと、二十三年度の暫定豫算に組まれたのとでは僅か一ケ月の違いでありますけれども、その問題の性格、それから政府の文教政策に對する熱意の現われ方が非常に質的に相違を示しておるのでありまして、そういう點からも、今度は止むを得ないのでありますけれども、必ず暫定豫算において優先的にこの問題を取扱うというような確言を頂きたい。そういうふうに私は考えまして、文教委員會一同の意向を代表しまして、このことを大藏當局竝びにこの豫算委員の各位に衷心から披瀝いたしたいと思うのであります。(拍手)
#38
○政府委員(福田赳夫君) 大臣がちよつと出掛けましたので、代つてお答え申上げます。六・三制の問題につきましては政府全體といたしましてこれが實施に努力いたしておるのであります。二十二年度の計畫の殘額、即ち六億四千萬圓の金額につきましては、この追加豫算に計上することを非常に努力したのであります。併しながら各般の關係上それが遂に實現できなかつたということは、誠に遺憾千萬と存じておる次第であります。事ここに至りました今日におきましては、もうこれを暫定豫算において考慮するという外ないという状況でありまするが、この暫定豫算の經常化だけにつきましても、まだ結論を得ておりません。おりませんが、これはもう政府全力を擧げまして努力するという次第でありまして、總理大臣も非常に御努力なすつておるのであります。只今の段階といたしましては、政府全體といたしまして極力暫定豫算において實現するということを努力するということを申上げるに止まるのであります。
#39
○委員外議員(岩間正男君) 改めてくどいことを申上げる必要はないと思うのであります。實にこの問題に對する關心、それからこれに對する認識の程度が、非常にこれは現在の實際の姿を見る上において違つて來ると思うのであります。そういう點から必ず今の言明されました大藏當局の言明を確約されて、優先的に、如何なる事態があつても、今度の豫算においてはこれを組むというように進めて頂きたいと思います。こういうことを切望するのであります。
#40
○委員長(櫻内辰郎君) 池田君。
#41
○池田恒雄君 これは政府に對する質問じやなくて、委員長に對するお願いなんでございます。先程来我々はこの案を審議しておつたのでありますが、大藏大臣に對していろいろな質問をしたわけなのであります。ところが委員長御承知の通り、中西君の質問に對しましても大藏大臣はいい答辯をしてくれないのであります。木村君の質問に對しましても答えなかつたり、答えましても、ただ突つ放すというような態度なのであります。私の質問に對しましても何ら答えてくれません。そうしてよくよく考えて見ますと、とにかく今までのあらつぽい質疑應答の過程から見ましても、この豫算案をとにかくここで簡單に通過させて貰つて、そうして政府はこの豫算を握る。握つた豫算を政府が勞働爭議の手段に使う。こういうふうにしか我々は受け取れないのであります。而もこの審議に對する大藏大臣の態度はそういう爭議手段であります。これはまるで軍事費のようなものであります。そういう軍事費に對して白紙委任状を出せ、ただ了解してくれろ、こういうことであります。詳しいことは何にも言わないのであります。でありますからそういう態度を大藏大臣がとつている。こうしか私は考えられないのであります。私としましてはそういう政府の態度なのに、何の資料もなければ何の内容の説明もなく審議しろと言つても、これはできないことであります。こういうふうに私は考えるわけであります。併し今私は豫算委員としてまだ一年程くらいの經驗しかないのであります。幸い委員長は大分長く國會議員としての經驗もおありでございますが、私の考えに對しましても批判を頂いても結構なのでありますが、私としましてはああいう大臣の態度は國會を馬鹿にするのじやないかと思う。委員長どう考えられるか分りませんが、この際委員長がああいう大臣は嚴重に取締つて貰いたい。(「異議なし」と呼ぶ者あり)それを一つ願いたいと思います。
#42
○委員長(櫻内辰郎君) お諮りいたします。未だ質疑も終了いたしませんから、明日午前十時から引續き質疑を続行することといたしまして、本日はこれにて散會をいたしたいと存じます。御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#43
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認めます。本日はこれにて散會いたします。
   午後六時八分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     櫻内 辰郎君
   理事
           木村禧八郎君
           西川 昌夫君
           西郷吉之助君
           中西  功君
   委員
           岡田 宗司君
           村尾 重雄君
           小串 清一君
           小野 光洋君
           伊東 隆治君
           大島 定吉君
           木内 四郎君
           鈴木 順一君
           飯田精太郎君
           岡部  常君
           奥 むめお君
           河野 正夫君
           島津 忠彦君
           島村 軍次君
           高田  寛君
           服部 教一君
           池田 恒雄君
           川上  嘉君
           中村 正雄君
  委員外議員
           赤木 正雄君
           岩間 正男君
  國務大臣
   大 藏 大 臣 北村徳太郎君
  政府委員
   經済安定本部副
   長官      堀越 禎三君
   經済安定本部財
   政金融局長   佐多 忠隆君
   大藏事務官
   (主計局長)  福田 赳夫君
   大藏事務官
   (主計局次長) 河野 一之君
   大藏事務官
   (給與局長)  今井 一夫君
   貿易廳次長   新井  茂君
ソース: 国立国会図書館
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