くにさくロゴ
1953/02/12 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 法務委員会 第2号
姉妹サイト
 
1953/02/12 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 法務委員会 第2号

#1
第019回国会 法務委員会 第2号
昭和二十九年二月十二日(金曜日)
   午後一時二十八分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
一月二十五日委員楠見義男君辞任につ
き、その補欠として宇垣一成君を議長
において指名した。
一月二十七日委員大達茂雄君辞任につ
き、その補欠として加藤武徳君を議長
において指名した。
二月十日委員赤松常子君辞任につき、
その補欠として田畑金光君を議長にお
いて指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     郡  祐一君
   理事
           小野 義夫君
           宮城タマヨ君
           亀田 得治君
   委員
           青木 一男君
           中山 福藏君
           三橋八次郎君
           一松 定吉君
           羽仁 五郎君
  国務大臣
   法 務 大 臣 犬養  健君
  政府委員
   法務大臣官房経
   理部長     竹内 寿平君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       西村 高兄君
   常任委員会専門
   員       堀  真道君
  説明員
   法務大臣官房調
   査課長     位野木益雄君
   中央更正保護審
   査会委員長   土田  豊君
   最高裁判所長官
   代理者
   (事務総局経理
   局長)     岸上 康夫君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○訴訟費用等臨時措置法の一部を改正
 する法律の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○検察及び裁判の運営等に関する調査
 の件
 (今国会提出予定法律案に関する
 件)
 (裁判所の二十九年度予算に関する
 件)
 (戦争犯罪人の釈放及び減刑等に関
 する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(郡祐一君) 只今より法務委員会を開会いたします。
 先ず訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、予備審査、本法律案につきまして法務大臣から提案理由の説明を願います。
#3
○国務大臣(犬養健君) 只今議題になりました訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を御説明申上げます。
 執行吏は、御承知の通り、一般公務員と同様に恩給を受けることになつており、その年額は執行吏の手数料に対する国庫補助基準額、即ち執行吏が一年間に収入した手数料がその額に達しないときに国庫からその不足額を支給するための基準になつている金額を俸給額とみなして算出することになつております。而してこの執行吏の国庫補助基準額は、昭和二十七年十一月一日以降は一般公務員の給与の増額に伴い、一万二千八百二十円ベースによる十万八千円になりましたので、同日以後に給与事由の生じた執行吏については、この増額された国庫補助基準額を俸給額とみなして算出した恩給年額が支給されることになつたわけでありますが、昭和二十七年十月三十一日以前に給与事由の生じた執行吏については増額されないままになつている次第であります。ところが、一般公務員につきましては、昭和二十七年十月三十一日以前に給与事由の生じた恩給等の年額の改定に関する法律即ち昭和二十八年法律第百五十七号によりまして、昭和二十八年十月分以降は、昭和二十七年十月三十一日以前に給与事由の生じた恩給についても一万二千八百二十円ベースヘの給与の増額に応じ恩給年額計算の基礎となる俸給額が増額されておりますので、執行吏につきましてもこれと歩調を合せ、昭和二十七年十月三十一日以前に給与事由の生じた恩給についても昭和二十八年十月以降の分を増額する必要があるのであります。
 これがこの法律案を提出する理由であります。何とぞよろしく御審議のほどをお願い申上げます。
#4
○委員長(郡祐一君) 只今説明を聴取いたしました本法律案についての御質疑は、本日直ちにお願いしてもよろしうございますが、法案の検討を願いまして、次回以降の委員会で御質疑を願うようにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(郡祐一君) 然らばそのように取扱います。
#6
○委員長(郡祐一君) 次に、今期国会提出予定法律案について政府委員の説明を聴取いたします。
#7
○説明員(位野木益雄君) 今国会に提出を予定いたしております法務省関係の法案について簡単に御説明いたします。お手許に刷物が参つておるかと思いますが、その順序で御説明をいたします。
 先ず最初に民事訴訟法の一部を改正する法律案でありますが、これは最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律というのが現在ございますが、本年五月末でこの有効期限が終るということになつておりますので、その善後措置といたしまして、上告裁判所の負担の調整等を図るために、民事訴訟法に所要の改正を加えようとするものであります。
 その次は、民事訴訟用印紙法の一部を改正する法律案、これは現在の経済情勢から見まして、民事訴訟用印紙法の印紙の額が適当でない部分がございますので、これを改正しようというのであります。例えば訴状に貼用する印紙が、その刻み方が古い貨幣価値の時代にできたものでありますから、非常に不合理なので、それを是正しようというのであります。それから又いろいろ申立てとか申請とかございますが、その場合に貼用すべき印紙の額等もこれを是正しようということを考えておる次第でございます。
 その次に、裁判所法の一部を改正する法律案、これはこの前の前の民事訴訟法の一部を改正する法律案と相関連いたしておるのであります。裁判所の間の負担の調整を図るために簡易裁判所における民事の事物管轄の範囲を拡張しようというのを主たる内容といたしておるのであります。現在三万円以下の少額の民事事件が簡易裁判所の管轄に属しておりますが、これを相当額値上げしようというわけであります。
 それからその次は、訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、これは只今提案理由の説明のありましたものであります。
 それからその次は下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案、これの内容は、行政区画の変更に伴いまして、簡易裁判所の管轄区域を若干変更することが必要なものが五、六カ所ございますので、それの手入れをしようというのと、先般奄美群島の復帰に伴いまして、奄美群島に設立されておりまする簡易裁判所、これをこの法律に基いて設立するということにいたそうというのであります。
 それからその次は裁判所職員定員法の一部を改正する法律案、これは今回政府の一般職員につきまして行政整理を行うということになつて、その関係法案が今国会に提出されることになつておりまするが、それに応じまして裁判所の職員の定員も或る程度減少されることになるかと思いまするので、その関係の改正を行おうとするのが主たる内容であります。そのほか若し聞に合いますれば、奄美群島の復帰に伴う職員の増員ということもこの中に或いは織込まれることになるかと存じます。
 その次は、弁護士法の一部を改正する法律案、これは主として現在の弁護士法に規定しております外国人の弁護士に関する制度を是正しようというものでありまして、或いはこれは従前の経過に鑑みまして衆議院のほうの議員提案ということになるかも知れないと思います。
 それからその次は刑法等の一部を改正する法律案、これはこの前昨年の十大国会でございましたかで御審議を頂いて成立いたしました刑法等の一部を改正する法律案に続くものでありまして、この前は二度目の執行猶予中という内容の法案でありましたが、今度は初度目の執行猶予者に対しましても保護観察を付し得るようにしたらどうかというのであります。御承知の通り、この前には、当初の政府の提案では、初度目の執行猶予者に対しても保護観察を付し得るというふうにしたいということになつておつたのでありまするが、国会で修正になりまして、もう一度この次まで研究して出したらどうかというふうなこともございましたので、今度提出いたしておる次第であります。
 その次は、犯罪者予防更生法の一部を改正する法律案、これは中央更生保護審査会の委員が現在定員三名になつておりますが、なおこの構成を強化して法律家等も入れたいということから五名に増員したいというのがその内容であります。それからその次の執行猶予者保護観察法案、これは刑法等の一部を改正する法律案の改正に関連するものでありまして、執行猶予者に対する保護観察のための特別の方法を新たに定めようとするものであります。これもこの前の国会における御意見を反映いたしまして立案いたしておるのであります。
 その次は、交通事件簡易処理法案、これば法案の名前が変りまして交通事件即決裁判手続法案ということになるかと思いますが、これは現在交通関係の刑事事件が非常に増加いたしておりまして、その処理に忙殺されておるのであります。それが国民のためにも非常に御迷惑になつておるようなことが多いのであります。何回も警察、検察庁、裁判所等に出頭を命ぜられるというようなことで、手続をもう少し簡素化したい、で刑事訴訟法の特例として簡易手続を定めようというのであります。これはもうすでに或いは国会に提案になつたか、今明日あたりになりますか、最近に御審議を仰ぐことになると思います。
 その次は、法務省設置法の一部を改正する法律案、これは外国人の出入国の頻繁な個所に入国管理事務所の出張所を数個所新設しようというのがその内容であります。
 それから次に、外国人登録法の一部を改正する法律案、これは外人登録の際に指紋を取ることになつておるのでありますが、費用の関係等からその指紋を取るという規定の実施が今まで延期されておつたのであります。ところが今年もそれが困難だということから、もう一年その施行を延期したいというのがこの内容であります。
 なお他に或いは一、二加わつて提案されることになるかも知れないものがございますが、その内容等はまだはつきりいたしておりません。
 簡単でありますが説明を終らして頂きます。
#8
○委員長(郡祐一君) 只今の説明に対しまして御質疑ございましたら、御質疑を願いたいと思います。
#9
○亀田得治君 未提出のもの数件、大体予定されるものがおわかりになつていたら件名だけでいいですから明らかにしてもらいたい。
#10
○説明員(位野木益雄君) 他の予定法案といたしましては、司法警察職員の懲戒処分手続に関する法律案、これは御承知のように現在刑事訴訟法の第百九十四条でございましたかで司法警察職員に対して懲戒処分の請求ができるという規定がございますが、これの手続規定が今までございませんでしたので、今度それを制定したらどうかということを考えておるのがございます。それから民事関係といたしましては利息制限法の改正、或いは動産担保の関係の法案というものの改正について研究いたしておるのでございますが、これはまだ成案を得るかどうか現在のところ未定であります。なお他省関係で法務省に関係するものといたしましては投資機関の取締に関する法案というふうなものもございますが、これ等もまだ成案を得ておりませんので、なおしばらく時間がかかるというふうに考えます。
#11
○亀田得治君 機密保持に関する法律といいますか、その関係のものはどういうふうになつていますか。
#12
○説明員(位野木益雄君) これは法務省の主管としては提案をするということは恐らくないのじやないか、出るといたしますれば保安庁の関係で出るのじやないかというふうに考えております。
#13
○亀田得治君 只今の機密保持の問題は、保安庁の関係で出るのじやないかというお話ですが、その法律が適用される対象は人権という問題に関連する重要な問題であると思います。それでただ兵器の秘密だから保安庁関係でやるんだというのは、考え方としては了解できる点もあるが、結果から見て少しおかしいように思うのですね。だからその取扱う委員会なり又提出の責任の省ですね、こういうところは少し検討する必要があるのじやないかと私は思つておるのです。そういう点は何か少し検討されておるのですか。もう兵器の秘密だから保安庁主管だ、そういうふうな簡単なことで処理されておるのですか、どうでしようか。
#14
○説明員(位野木益雄君) 御指摘のように内容によつては相当法務省としても重大な関心を持たざるを得ない。むしろ或いは主管の省として法案を考えるという必要もあり得る場合があるかと思いますが、現在までの段階では従前の政府部内のいろいろの法案の主管の取扱についての慣例とか、そういうふうなことから見まして保安庁の主管として立案されるのが適当じやないかというので、そういう方法で今までは進んで来ておる。併しながら法務省としてもできる、だけの助力をするというふうなことを考えで又やつておる次第であります。委員会のほうも、これは国会のほうでは然るべく合同審査等の方法も考えられます。現在のところはそのような建前で進んで差支えないんじやないかというふうに考えております。
#15
○委員長(郡祐一君) 他に予定法案についての御質疑ございませんか。
#16
○羽仁五郎君 今の亀田委員からもそういう御意見があつたのですが、法務省の提出の法律案では直接なくとも、人権などに関する法律案というものについては、やはり我々としてはそれに関心を常に持つていたいと思いますので、適当の機会にそういうふうな問題、最近のいろいろな立法或いはその他いろいろな出来事に関係する人権の問題について法相から説明を聞き、又我々も質疑をしたいと思いますので、にお取計らいを願いたいと思います。
#17
○委員長(郡祐一君) 承知いたしました。私からも一言伺いますが、例えば今お話の中に、他省との関連法案の中に、警察制度ということは言うておられませんでしたが、警察制度については私どもも人権擁護の建前から、又司法警察というものをどのような地位に置くことが最も適当であろうかというような重大問題があるように考えるのであります。司法警察職員の懲戒処分手続法等もそういうお考え方で或いは用意されるのじやなかろうかと思うのですが、それで今各委員から御指摘のあり、なした法律等については、法務省もすでに他省との間に或る程度の意見は交換されておると思いますから、法務省が率直にこういう点に特に重点が置かるべきでありこういう点に或いは問題があるというようなことは、それぞれ主管の局長等出席されて適当な機会に本委員会に説明をして欲しいと思います。
#18
○説明員(位野木益雄君) 承知いたしました。
#19
○委員長(郡祐一君) それでは法案について別に御意見ございませんければ、裁判所と法務省の昭和二十九年度予算に関して説明を聴取いたしたいと思います。先ず裁判所側から二十九年度予算に関する説明を願います。
#20
○説明員(岸上康夫君) それでは私から二十九年度裁判所所管予算のあらましを御説明申上げます。
 二十九年度の裁判所所管の予算額の総計は八十六億九千七百二十五万五千円というのでございまして、二十八年度の予算と比べますと、三十八年度は補正予算要求額も含めまして総予算額が八十五億二千六百四十万五千円でありますので、結局一億七千八十五万円というものが増になつております。
 その内訳のうちで主なものと思われるものを拾つて申上げますと、先ず第一は最高裁判所及び下級裁判所の機構の維持、それから経営的な行政事務を行うための経費といたしまして六十九億五千三百八十一万二千円が計上されておりますが、これを更に組織別に分けますと、最高裁判所の分が八億三千九百九十五万三千円で、高等裁判所の分が五億六千十一万八千円、地方裁判所の分が四十一億一千八百二十一万九千円、家庭裁判所の分が十四億三千五百五十万二千円とあります。
 それから次に、裁判官、司法修群生、裁判所書記官その他の裁判所職員の人格の向上、それから司法に関する理論及び実務の研修のための経費、それから裁判所書記官の調書作成の能率化を図る目的で、従来の要領筆記の方法に代えてステノタイプライターによる速記方法を裁判所職員に修得させるための経費といたしまして合計二億八千五百六十三万九千円を計上しております。
 第三は、労働事件、公安事件等の審理における法廷闘争に対処し、法廷の秩序を維持し、審判の迅速、適正な処理を行うための法廷警備を強化する必要の経費といたしまして六百六十万七千円を計上してございます。
 第四は、国選弁護人の報酬、証人、鑑定人及び調停委員等に支払う旅費、日当その他裁判に直接必要な経費、いわゆる裁判費と称しております。その分として十一億二千八十二万四千円を計上してございます。
 第五は、裁判所関係の営繕工事費として、新営費が二億円、施設整備費が三千万円、合計一億三千万円が計上してございます。
 六番目といたしまして、裁判所法の規定によりまする裁判所の予備費といたしまして八百万円、これを計上しております。以上が重要だと考えられます経費でございます。
 なおそれに附加えまして、裁判所関係の予算と国の予算というふうなものの比較、或いは裁判所予算の内部的な若干の比較というようなものを御参考までに申上げますと、裁判所予算概況という刷り物をお手許に差上げてございますが、それに基いて申上げます。
 昭和二十三年度から二十九年度まで一毎年の各年別に国の総予算額と裁判所総予算額との比率を先ず申上げます。それによりますと、二十三年度が〇・五一%、その後少しずつ殖えて参りまして、二十六年度に〇・九八%、二十七年度が少し減りまして〇・八三、二十八年度も同様〇・八三、二十九年度が〇・八七、こういう比率に国の総予算との関係においてなつております。
 それからその右のほうは、裁判所の予算額のうちの経費の種類別でございますが、大体人件費、物件費、裁判費、営繕費というふうに分けまして、それが裁判所の所管の予算の全体のうちのどれほどの率を占めておるだろうかという比率でございます。これによりますと、最初の人件費のところが二十三年度は三八%、その後逐次殖えまして二十九年度は七五%、物件費この系統は逆に二十三年度は二七%が漸次減りまして、三十九年度は九%減少しておるわけです。裁判費のほうは二十三年度は一二%、その後少し殖えて二十五年度が一九%、二十六、二十七年と少し減りまして二十九年度は一三%という数字であります。営繕費のほうは二十三年度が二三%、その後漸次減少の一途を辿りまして、二十九年度は三%、こういう数字でございます。
 それからもう一つ同じような分け方で三十八年度の予算額と二十九年度の予算額とを比較した表をもう一つお配りしましたのですが、裁判所所管二十九年度予算額前年度比較表という刷り物でございますが、これによりますと、前年度との比較でございますが、総額は前年度が八十五億二千六百四十万五千円に対して二十九年度が八十六億九千七百二十五万五千円で、結局二%の増になつております。それを内訳といたしまして只今申しました人件費、旅費、庁費、裁判費、営繕費というふうに分けまして比較してみますと、人件費においては七・八%の増、これは主としていわゆるベース・アップの関係でございます。旅費のはうは八八・九%で、一一・一%の減でございます。庁費系統は九二・一%でございまして七・九%の減、裁判費のほうは一八・六%の増、それから営繕費のほうは大幅に減額になりまして、六一・一%の減ということに相成ります。
 それが全体としての前年度の国の全予算との比較でございますが、今度裁判所の経費を事項別に目的に従つて一応分類いたしてみますと、お手許に差出してございまする二十九年度歳出予算額事項別調という刷り物にあります数字に相成るわけでございます。でこれにも事項を上げましてその各事項ごとに二十八年度と二十九年度との増減の比較が同時に上げてございます。簡単に申上げますと、一の裁判所の機構の維持に必要な経費、これはいわゆる経営的な人件費、経営的な庁費等でございます。これはここにありますように人件費のベース・アップによりまして、四億八千五百万ばかり殖えておるわけであります。二番目が裁判所研修所の機構維持に必要な経費、これは司法研修所及び書記官、速記官研修所の人件費と経営的な庁費を含んでおります。これも人件費のベース・アップの関係で若干殖えております。それから第三番目は司法研修所に必要な経費、これは司法研修所をやるための庁費及び旅費系統のものでございまして、これは若干滅つております。四番目は裁判所書記官研修所に必要な経費、これも同じく書記官研修所の研修事務に直接必上政な庁費と旅費系統でございます。それから五番目が速記宜養成所、これも同じく速記官の養成所に必要な費用でございます。それから裁判所図書館に必要な経費、これは裁判所図書館事務における庁費と図書の購入費とでありますが、これは前年度と同じでございます。七番目は、検察審査会に必要な経費、これは御承知の全国に二百三カ所置いてございます検察審査金関係の事業をやりますために必要な庁費、それから職員の旅費、審査員等に支払いまする旅費、そういうものでございます。これは若干減つております。八番目は家庭裁判所の整備に必要な経費、これは家庭裁判所に医務室を一カ所新らしくこしらえるための器具費、これに必要な消耗品の庁費等でございます。それから九番日の裁判手続の促進及び適正を図るために必要な経費、これは訴訟記録の複数化ということを目指しまして、或る印刷機によつてこれを複数化して各裁判官が一部ずつ控を持ち得るようにという目的の下に或る程度、極く僅かでございますが、今年は試みに三台ばかりの印刷機の経費を入れてもらつたのであります。それから十番目の商法等民事諸法規の改正に伴う必要な経費、これは法律改正に伴いまして法規集それからその解説書そういうようなものを作成して各職長に配付する、そのための経費でございます。それから十一番の行政事件処理に必要な経費、これは行政事件処理のために特殊な事件、例えば船舶の事件というふうなものに参考にするために船に試乗をする、そういうための経費でございます。十二番の新法令、これは新法令が出ました際にその解釈、取扱の統一を図るために会同をする、裁判官その他職員の会同する、その会同の旅費等でございます。それから十三番目の裁判に必要な経費、これは先ほど申上げました事務裁判費と称しまして、裁判事務に面接必要な経費、主なものは国選弁護人に対する謝礼それから調停委員に対する日当、旅費、証人に対する日当旅費、それから裁判の臨検のための職員の出張旅費、それからその他裁判記録の作成に必要な庁費等でございます。十四番の法廷警備態勢確立に必要な経費、これは先ほどちよつと申上げましたいわゆる法廷警備のための警備員の手当とか或いは出動旅費等でございます。それから十五番の裁判の統計に必要な経費、これは裁判資料の統計書の作成に要する費用でございます。十六番は人事行政機構の確立に必要な経費、これは各職員の採用のための試験の旅費、出張費でございます。それから十七番の情報宣伝の経費、これは裁判所にパンフレットをこしらえたり広報宣伝をするための経費でございます。十八番は裁判事務能率増進、これは裁判事務の取扱いを能率化するために事件カードをこしらえるとか、或いは裁判所の判例カードをこしらえる、法令カードをこしらえる、そういうふうなものをカード化して能率増進を図る。そのカード代の印刷費とか箱代等でございます。それから十九番の裁判所の営繕に必要な経費、これは先ほど申しました裁判所庁舎の新営及び施設整備費でございまして、これは二十八年度は六億五千八百万が二十九年度は二千三百六十万と大幅の削減になつております。二十番の裁判所庁舎の器具整備に必要な経費、これは庁舎の、主として法廷、調停室等の備品の整備改善費でございます。二十一番の執行吏の補助に必要な経費、これは法律できまつております執行吏に対する補助金の経費でございます。二十二番の裁判所職員の国際会議等に出席のための経費、これは裁判所職員がそういう会議に列席するための会議旅費でございます。それから二十三番の裁判所の予備経費、これは先ほど申しました裁判所法の第八十百二条に規定されております経費でございます。なお二十四番は二十八年度限りの選挙関係の費用でございますので、二十九年度は零ということになつております。
 以上の合計が先ほど申しました八十六億九千七百二十五万五千円、こういうことに相成るわけでございます。簡単でございますが……。
#21
○委員長(郡祐一君) 只今御説明いたしましたことについて御質疑ございませんか。
#22
○亀田得治君 只今御説明になつた事項別の十四項の法廷の警備態勢の確立に必要な経費、それからこれも最初朗読された予算説明書の七ページ、これは法廷の警備を強化するに必要があるということで六百六十万七千円、この両方が少し金額が違うのですが、この十四の中にこれが含まれるのですか、どうなんですか。御説明願います。
#23
○説明員(岸上康夫君) 申上げます。ちよつとこれは事項別調のほうで申上げました一千万六千円、これが正しいのでございまして、最初読みました刷り物にあります六百六十万七千円というのは下級裁判所の法廷警備関係だけのものでありまして、そのほかに最高裁判所のほうは実はこれは落ちたわけでございます。御訂正を申上げます。
#24
○亀田得治君 最初の予算説明書の七頁の六百六十万七千円というものは地方裁判所だけであつて高裁とか最高裁なども含めたらこの事項別の十四のこれになるわけですね。
#25
○説明員(岸上康夫君) さようでございます。
#26
○亀田得治君 そうしたら十四の説明ですが、一千万六千円の内訳ですね。これを少し説明して頂きたい。
#27
○説明員(岸上康夫君) 十四の内訳は事項的に申上げますと各裁判所に通じて法廷、警備員に対する警備手当、それから警察官に対する食糧費、それから警備関係の調査連絡旅費というふうな事項に分かれるのでございます。
#28
○亀田得治君 金額は……。
#29
○説明員(岸上康夫君) 金額を申上げますと、最高裁判所のほうの分を先に申上げますと、警備手当が二百九十三万円、それから地方裁判所の分といたしまして調査連絡旅費いわゆる出動旅費と申しますか、これが三百五十九万八千円、警察官等に対する会議費でございますが、これが二百十一万九千円、それから警察電話の維持費といたしまして八十九万円、大体こんなものでございます。
#30
○亀田得治君 地方裁判所に対しては警備の手当はないのですか。
#31
○説明員(岸上康夫君) これは予算の技術士最高裁判所のほうに一括して入つておりまして、必要に応じて出すということになつております。
#32
○亀田得治君 その警備手当二百九十三万円、これは何人分ですか。
#33
○説明員(岸上康夫君) これの積算の基礎は一人一時間十円の特別手当ということになつておりまして、延にいたしますと二十九万三千時間ということに相成るわけであります。
#34
○亀田得治君 結構です。
#35
○宮城タマヨ君 ちよつとお伺いいたしますが、初めの予算の説明書の五頁のところでございますが、二の項目で裁判官、司法修習生、裁判所書記官その他の職員の人格の向上、その他のために二億八千五百六十三万九千円というものが計上されておりますが、これは最高裁判所にだけ計上されておるというのは、こういうお仕事は最高だけでなさるのでございますか。
#36
○説明員(岸上康夫君) この二億八千五百六十三万九千円は、予算的には最高に入つておりますが、実施は各高等裁判所、或いは地方裁判所においても実施しておりますので、その必要に応じて必要な経費を最高の砥うから配賦する、そうして実施いたしております。
#37
○宮城タマヨ君 それからこの歳出予算額の事項、別の第八のところでございますが、家庭裁判所の整備に必要な経費というところの説明によりますと、これは家庭裁判所の医務室費等ということでございますが、これは家庭事件についての新たな経費でございますか。
#38
○説明員(岸上康夫君) 八番の経費は仰せの通りの医務室を十カ所二十九年度で新らしく新設するそのための器具費と、それからそこに勤務いたします職員の手当等でございます。
#39
○宮城タマヨ君 そうしますと、私伺いたい点は、少年事件につきましては鑑別所がこれは法務省関係でできておりますけれども、鑑別所と勿論別でございますけれども、それは少年のほうだけで、大人のほうのために医務室をお造りになるという意味でございましようか。
#40
○説明員(岸上康夫君) これは少年事件のためと、家事事件のためにも利用するという趣旨でございます。
#41
○宮城タマヨ君 そうすると、少年事件のためというと、結局今ある鑑別所というものが役に立たない、利用ができないというお建前でございましようか。
#42
○説明員(岸上康夫君) これは鑑別所の分を利用するというたけでは不十分で、やはり家庭裁判所にそういう少年関係の医務室が必要だということで、これは二、三年前から、はつきり数字は覚えておりませんが、大体毎年十カ所ずつ認められて来まして、二十九年度の十カ所を入れますと、全国の家庭裁判所の本庁の中に四十カ所医務室ができると、こういうことになるわけでございます。
#43
○宮城タマヨ君 そういたしますと、大きい立場から見ますと、今法務省でやつております鑑別所というものも大して役に立たない、今度の新らしい予算は九百万幾らでございますが、それで十カ所だというとそれも大したことはできないのじやないかというように思いますのでございますが、そういう点は研究なさつての上のことでございましようか。実際今法務省に所属しております鑑別所につきまして非常に問題がたくさんあると思つておるのでございますけれども、みんな中途半端なものがほうそれの畑でできるというわけにはなりませんでしようか。
#44
○説明員(岸上康夫君) 家庭裁判所で扱います少年事件のうちには、鑑別所のほうに行く前の、在宅事件といいますか、こういうようなものはやはり家庭裁判所の医務室で必要な調査をするということがどうしても必要だ。それからなお先ほど申しました家事事件についても必要な場合は利用したいという趣旨で、この医務室を従来も又今後も運用して行く、こういう方針でございます。
#45
○宮城タマヨ君 実はあの鑑別所というものは看板に偽りがありまして、一時収容所というようなことになつておるために、家庭裁判所に新らしく医務室というものが必要になつたのではないかと思います。今緊縮財政の折柄どこにでも中途半端なものを作るよりも、もつと鑑別所を強化して充実するということのほうが国家財政から言つたら得ではないかと考えるのでございますが、一体その点の研究や、法務省あたりといろいろお打合せはございました上でございましようか。その点お伺いします。
#46
○説明員(岸上康夫君) お尋ねの点は実は私のほうの家庭局で法務省等との連絡等を所管しておりますので、詳しい事情は私今存じていない点もございますので、その点は家庭局のほうに更に質しまして適当な方法で申上げたいと存じます。
#47
○宮城タマヨ君 それからその次は十九でございますが、裁判所の営繕に必要な経費のところでございますが、これは今年度におきましては地方裁判所から家庭裁判所を独立するというお見込のところは何カ所ございましようか。
#48
○説明員(岸上康夫君) 二十九年度の営繕費の二億円千万円という分で新規の事業にかかるというところは一つもないわけです。現在二十八年度から着工いたしております工事の継続分だけでございます。ですから新らしく家庭裁判所で新規にやり始めるという費用は含まれていないわけであります。
#49
○宮城タマヨ君 それから最後に二十四のところでございますが、これは衆参両院の選挙に伴いますところの経費でございますが、これは前年度限りできれいに打切られて、ちつとも予算が計上されておりませんというのは、これはどういうわけなんでございましようか。
#50
○説明員(岸上康夫君) これは二十九年度は只今のところ選挙関係が予定ができませんのでゼロになつておるわけでございまして、若し実際にそういうことがございましたら、これに必要な経費は大蔵省と折衝いたしまして適当な方法で認めてくれるわけでございます。又従来の例から言つても、予備経費等から支出を認められることと予想しておる次第でございます。
#51
○宮城タマヨ君 よろしうございます。
#52
○委員長(郡祐一君) 今宮城委員に対するお答えの中にありました営繕費で、そうすると非常に圧縮された営繕費で執行されるとすれば、繰延、年次計画の変更等が当然起ると思いますが、それらについて現に裁判所側で、構想、計画をお持ちでございますか。
#53
○説明員(岸上康夫君) この二十九年度の予算で今のところ実施計画を研究中でございますが、大体において現在施行しておりまする個所の継続をやりまして、そのうちの一部が二十九年度、で完成する、一部は完成の年次を更に三十年度に延ばさざるを得ない、そういう状況でございます。
#54
○委員長(郡祐一君) それでは本委員会に請願陳情等が、大分新築、新営等がありまして、それについて政府側から頂いておる報告ですと、希望に副うよう考慮したいというのが大部分なんですが、やや副い得ない部分が起つて来ると思いますから、それについての計画等が立てられたときには、適当な時期に本委員会に御報告を願いたいと思います。
#55
○羽仁五郎君 これは前からたびたび問題になつたことであるのですが、この際この二十九年度の予算に関係して伺つておきたいと思うのですが、最高裁判所の裁判官とか、或いはそのほかの裁判官の研究費の問題というものについては、今裁判所ではどういうふうにお考えになつておられますか。
#56
○説明員(岸上康夫君) これにつきましては、かなり前から内部におきましてもそういうものを是非つけたいという議がございまして、いろいろ研究いたしておるわけでございまして、現在なお研究中と申しますか、そういうものができればいいんだということは勿論考えておりますのですが、一般の情勢その他を考慮いたしまして、その実施の時期方法等について目下研究中でございます。
#57
○羽仁五郎君 その財政上のいろいろな事情ということもありますけれども、併しやはり裁判所、殊に最高裁判所は、紛争について国民がより頼む最後の場所ですし、そこで行われる裁判が直接に、そして又そこで責任を負つておられる最高裁判官の方々の教養という建ついては、その他のいろいろな事情に優先して考えられて欲しいように思うのです。それで折角現在我々が民主的な裁判制度を持ち、最高裁判所が昔とは違つてかなり高いレベルを発揮されることが期待されておるので、裁判官の研究が滞りなく満足にお考えになれるように行われることが私は必要だと思うので、毎年予算をお出しになるたびにこれを伺うのですが、いつも研究中ですが、一つ研究の結果を実施せられるように希望したいのです。
 それから第二に伺いたいのは、この裁判所図書館に必要な経費ですが、これはどういう裁判所を指すのですか。全国の裁判所、最高裁判所そのほかどういうものなのですか。
#58
○説明員(岸上康夫君) これは国会図書館の支部として、取高裁判所に附置されておると申しますか、最高裁判所にございまする図書館だけの分でございます。
#59
○羽仁五郎君 高等裁判所や地方裁判所には図書館というものはないのでしようか
#60
○説明員(岸上康夫君) 図書館という制度的なものは設けておりませんのですが、勿論図書室の程度のものは、大体の高等裁判所、まあ地方裁判所も大体には設けております。勿論内容の整備の程度はございますが、毎年或る程度の図書費を割きまして、必要なと思われる分から僅かでございますが逐次整備しつつあると、こういう状況でございます。
#61
○羽仁五郎君 その予算は……。
#62
○説明員(岸上康夫君) 今の図書の点は、図書購入費といたしまして二十九年度に計上されておりますのは、高等裁判所の分といたしまして百七十五万五千円、それから地方裁判所の分といたしまして二千三十九万一千円、それから家庭裁判所の分といたしまして一千百十万五千円、こういう金額が計上されております。
#63
○羽仁五郎君 地方裁判所というのは幾つですか。
#64
○説明員(岸上康夫君) 本庁といたしまして四十九カ所、支部が全部で二百三十五、その他に独立の簡易裁判所が五百六十八カ所、それだけを賄う分として地方裁判所に計上されておるのであります。
#65
○羽仁五郎君 その点も、その程度のもので裁判の権成が保持せられるということであれば大変有難いのですが、今御説明のように、地方裁判所から簡易裁判所まで入れれば数百の裁判所で二千万程度の図書費であると、一カ所ではほんの我々個人の図書費というものと比較しなければならんようなものになつてしまうのではないか。そうすると、最近のように社会が非常な勢いで動いておる時代に、裁判をなさる方方は、それによつて十分の知識を得られ、教養を持たれて、国民の納得するような裁判ができないのではないかということを非常に恐れる。それで、ここへお示し下すつた二十九年度の歳出予算額事項別調というものでも、先任ど亀田委員からもお尋ねがありましたが、警備の費用と図書館の費用とは、これは理論的に相対応するもので、納得すれば騒がないし、警備する必要もない。納得しないから騒ぐ、騒ぐから警備が必要になるということで、これは実際の予算の使い方としては、裁判官のレベルが上り、裁判が納得され、警備の必要がないという方向に行くべきものだろうと思うのです。警備についての費用が比較的多く、図書などの教養に関する費用が比較的少いというのは、裁判所の運営の高いレベルにおいて問題があるのではないかと思いますが、その点について今御説明願えるか、或いは又次の機会に伺つてもよろしうございますが、どうでしようか。
#66
○説明員(岸上康夫君) 只今の点は誠に御尤もでございまして、私どもといたしましても、図書の購入取得ということは、裁判所で一番大事なことの一つだということで、従来予算の折衝の際にもその点を強調いたしておるわけでございます。ただ、いろいろ結果におきましては、庁費節約というようなことから、なかなかこちらの思うように予算の計上ができていない点は残念に思う次第でありますが、大体本庁等にはできるだけ整備し、更に順次支部簡易裁判所のほうも整備して行きたいということで、まあ乏しいながらも、少しずつやりつつあるというのが現状でございまして、これで決して十分だというふうに私どもも考えているわけではございません。
#67
○羽仁五郎君 只今の御説明で原則的には満足をするものなんですが、今の御説明のような趣旨が実現せられることが実際に非常に必要手。ますます国民の進歩するほうのスピードが早くて、裁判官の進歩されるスピードのほうが遅くなつてしまうと、由々しい問題が生じますし、最近では随分若い青年でも、なかなかいろいろな本を読んでおりますし、そういう人々が法に触れる疑いを生じた場合に、裁判官が本当に納得されるような裁判を行うためには、只今の問題は、どうかアカデミツクな問題でなく、現実の問題として、来年度あたりには十分の覚悟を持つて予算を実現するようにして頂きたいと思います。これは余談ですけれども、この間私は旅行のときに、急行列車の展望車のライブラリーで、ほんの十五冊くらいしか本はなかつたのですが、私はよくあれを見てみると、その中にアラゴンのレ・コミユニストが入つておつた。一等の展望車に乗られるかたからアラゴンのレ・コミユニストを読みたいという要求があつたのか、それとも鉄道の図書を購入するかたがなかなか高いレベルであつたのか、なかなかみごとな図書です。展望車に乗るかたがああいう本を読んで頂くということはなかなか有難いことだ思うのですが、特に展望車などと全く違つて、裁判官が簡易裁判所から最高裁判所に至るまで教養を高められる機会を十分に与えて頂きたいということをお願いいたしておきます。
 それから最後にちよつと伺つておきたいのは、司法研修所の現状なんです。これについてちよいちよい批判を私は耳にします。それでこれもやはり、この司法研修所で教育を受けて、そして実際の法廷に立たれる方々の教養について国民が心配するからだと思うのですが、研修所を我々法務委員が拝見する機会もできるだけ多いことが必要だと思いますけれども、研修所の教育の内容について少し詳しい説明を書類でして頂くようなことができますでしようか
#68
○説明員(岸上康夫君) 只今の点は、司法研修所のほうに連絡いたしまして、適当な方法で御連絡申上げてできる限りのことをいたしたいと思います。
#69
○委員長(郡祐一君) それでは委員の皆さんの参考になる書類ができましたら、書類をよこされ、それによつて或いは適当な説明をする人間が出席されるように、私のほうでも要求いたしますが、用意をしておいて下さい。
#70
○中山福藏君 ちよつと羽仁委員のお説に関連してお尋ねしたいと思いますが、全くお互いの知識の向上というものが、これはまあ国民全般に対して要求せられるところでございますが、何分にも耐乏生活とか、予算の削減とかというここに大きな問題が横たわつておるのですから、一々購入するということもなかなか至難だと思いますが、併し私は、一つ裁判所当局が今日の特勢に鑑みて、各国の裁判所と連絡をとつて、画期的な判例を下すとか、或いは特殊な犯罪に対する判例とかいうようなものを無償で相互に供給し合うということを、これは外務省を通じておやりになるということが、国際連合とかいろいろな制度が設けられた今日においては当然至当な、私は人類全般の向上の上から、これはお互いに交渉さえすればできるものと思うのです。そういう問題に関する文献というものがですね。そういうことはお考えになつて交渉しておられるのでしようか、又そういう事例があるのでしようか。どうかそういう点をこの際おつしやつて頂きたいと思うのです。そういうことは一切着手しておられないのですか。
#71
○説明員(岸上康夫君) 私その関係は主管ではないので、詳しく存じないのは残念でありますが、聞きますところによりますと、たしかこちらのほうから最高の判例集等を贈つて、あちらからそれに対応するものを若干贈つて頂いておるというふうに聞いておりますが、感じでは、まだ極く僅か程度しかできていないのではないかと、こういうふうに考えます。一部はやつておるようであります。
#72
○中山福藏君 実は私カルカッタに参りましたときに、パール判事のお宅に伺いまして、極東軍事裁判の判例を見せてもらつたのです。あの人の書いたものを、日本語で書いてあるのを見せてもらいましたが、非常に立派な判決だと思つて帰つたのですが、こういうことはやはり時勢に目覚めるということが、最高裁判所においても必要じやないかと思うのです。単に日本の風俗、慣習、或いは特殊な犯罪に基いて国民の承服するような判決を下されるということは、これは必要でありましようけれども、次第に外国は、日本の常識の普通文になつていると同じように、外国のすべての特殊の事情というものは、日本人の思想の中に流れ込んでおるのですから、やはり各国の事情を判例その他の文献によつて裁判なさる方方はお知りになるということが絶対に私は時代の要求だと考えております。こういうことは、国際連合でも通じられて、最高裁判所においては早急にそういう手を打たれるということは、これは本当に日本の貧弱な財政の上からも私は必要だと思います。又そういう人類全般の幸福に関するところの判例なんかということは、これは国際連合でも必ず取上げてくれると私は考えます。どうかそういう点も一つ御参考にして、この際手を打つて頂きたいということを特にお願い申上げておく次第であります。
#73
○委員長(郡祐一君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#74
○委員長(郡祐一君) 速記を始めて。
 只今から戦犯者の釈放及び減刑に関する件につきまして土田豊君から説明を聴取することにいたしますが、この説明並びに懇談の内容は、速記はいたしますが、これを発表はいたさないという取扱いに、以下の分はいたしたいと存じますが、それで御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#75
○委員長(郡祐一君) それでは只今より秘密会を開きますから、傍聴人の退場を求めます。
   午後二時五十四分秘密会に移る
   ―――――・―――――
   午後四時三十分秘密会を終る
#76
○委員長(郡祐一君) 以上を以ちまして秘密会を終ります。
 なお秘密会開会前にもちよつと申上げましたが、只今の秘密会の記録につきましては国会法第六十三条及び本院規則第百六十一条によりまして、特に秘密を要するものといたし、会議録には掲載いたさないことと決定いたして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#77
○委員長(郡祐一君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。本日はこれを以て散会いたします。
   午後四時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト