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1947/11/29 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 予算委員会 第27号
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1947/11/29 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 予算委員会 第27号

#1
第001回国会 予算委員会 第27号
昭和二十二年十一月二十九日(土曜日)
    午前十一時十一分開議
 出席委員
   委員長代理 理事 川島 金次君
   理事 稻村 順三君 理事 小島 徹三君
   理事 苫米地英俊君 理事 庄司 一郎君
   理事 川野 芳滿君 理事 東井三代次君
      田中 松月君    海野 三朗君
      加藤シヅエ君    河合 義一君
      黒田 寿男君    島田 晋作君
      中崎  敏君    西村 榮一君
      川崎 秀二君    五坪 茂雄君
      佃  良一君   長野重右ヱ門君
      山崎 岩男君    青木 孝義君
      淺利 三朗君    磯崎 貞序君
      角田 幸吉君    小峯 柳多君
      西村 久之君    今井  耕君
      船田 享二君    大神 善吉君
      中村 寅太君    野坂 參三君
 出席國務大臣
          商工大臣  水谷長三郎君
 出席政府委員
        大藏政務次官  小坂善太郎君
         大藏事務官  河野 一之君
         大藏事務官  今井 一男君
          厚生技官  濱野規矩雄君
 委員外の出席者
         文部事務官  寺中 作雄君
         專門調査員  芹澤 彪衞君
         專門調査員  小竹 豊治君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 昭和二十二年度一般會計豫算補正(第九號)
 昭和二十二年度特別會計豫算補正(特第四號)
    ―――――――――――――
#2
○川島委員長代理 それではこれより會議を開きます。
 質疑にはいるに先だちまして、商工大臣から特に本案に關連のある商工省分室設置に伴う必要な經費に關する説明の求めがございますので、大臣からの説明を聽取することにいたします。商工大臣。
#3
○水谷國務大臣 商工省廳舎買收計畫につきまして御説明申し上げます。商工本省におきまする現在廳舎の事務室總坪數は二千九百八十一坪でありまして、十月十四日現在人員は三千八百六十六人、これに目下充員豫定のもの千五百九人を加えますと五千三百七十五人となりますから、一人當りの坪數は〇・五五坪にしかならない有樣であります。なおこの充員豫定のものは司令部の指示によりまして調査統計事務、重要物資の檢査事務に携わるものでございまして、その充員は絶對に抑制することを許されない要員であります。さらにこのほかに司令部の指示によりまして産業團體の閉鎖または解散に伴い、産業團體から引繼ぎを受け、官吏として採用するものが本省關係で二千五百人、この人員は地方商工局配屬分を合わせ一萬二千人、このうち本省に勤務するもの三千人となるのでございますが、この二千五百人が本省關係で殘つておりまして、この人員も明年一月以後に逐次收容しなければならないものであります。現在におきまする職員の執務状況は、以上のようにきわめて狹隘な事務室に、むりに集結しております關係上、ほとんど滿足なる執務ができず、能率があがらない上に、關係者にも非常に迷惑をかけておる次第であります。商工省といたしましては以上のような事態に對處いたしまして、少しでもこれを緩和したいと存じまして、民間事務室の借上げ、國有財産の物色等、あらゆる努力を重ねてまいつたのでございますが、他の官廳におきましてもきわめて狹隘で困つておりますことは同樣でありまして、ほとんど處置に窮しておつた次第であります。事態はかくのごとくでございまして、このまま放置いたしますならば、あるいは好まない法的措置に出ずるのやむなきに至ることを恐れる次第でございます。たまたま新宿區若松町に、學校の寄宿舎で鐵筋コンクリートの建物がございまして、學校當局といたしましては、今後生徒の減少等のため讓渡してもよろしいという意向がありましたので、これを買い受け、事務室用に補修いたしまして當座の打開に充てたいと考えまして、關係方面とも打合せの上本案を提出した次第でございます。このほかに商工省といたしましては目下戰災を受けました木挽町の元地質調査所を修理中であります。本案による廳舎買收と、元地質調査所の修理とを加えまして、總坪數千三百八十坪を増加いたしますので、合計四千三百六十一坪となり、現在の一人當り使用坪數の〇・五五坪が〇・八二坪に緩和される見込みでございますが、官廳事務室の一人當りの使用坪數の基準は一坪となつておりますので、右の措置をとりましても、なおかつ基準に及ばない状態でございまして、今後の充員計畫と並行いたしまして、さらに何らかの措置を講じなければならないと考えておる次第でございます。以上のような實情は一度實地調査をしていただけば一目瞭然とするような次第でございます。
 以上述べましたように本案はさしあたり緊急の必要に迫られましてやむを得ずとりました手段でございまして、これが實現できないことになりますると、商工行政の遂行上きわめて重大な支障を來すことに相なると存じますので、どうかこの事情を御了解くださいまして、御協贊をお願いする次第でございます。
#4
○川島委員長代理 商工大臣のただいまの説明に對して、何か御質疑ございませんか。ございませんければ引續いて一般の質疑にはいりたいと思います。稻村君。
#5
○稻村委員 給與局長にもう一度石炭手當の問題について質問しておきたいと思うのであります。この前のお話によりますと、寒冷地手當というものは別に出ることになつておるそうでありますが、この寒冷地手當の支給の仕方につきまして、今まだはつきり決定していないにいたしましても、大體目標がおありになると思うのでありますが、どういうふうな率でもつて、たとえば非常に寒いところ、それからそれほどでもないところというところが、寒冷地でもあるはずでありますから、その比率について多少の御意見があれば聽いておきたいと思います。
#6
○河野(一)政府委員 給與局長がおりませんので私が代つて答辯いたします。いずれ後ほどまいります。寒冷地給につきましては、その土地の状況によりまして、大體現在までいろいろ考えております程度で申し上げますと、二段階ないし三段階になるのではないかと考えております。最高のところで、俸給、勤務地給その他合わせましたものにつきまして大體一割五分程度、最低のところで五分程度、平均一割前後のものになるようにただいま考えております。
#7
○稻村委員 平均一割程度ということになりますと、中位のものが一割ということに大體みてよろしゆうございますか。
#8
○河野(一)政府委員 北海道のような特別た寒冷なところが大體一割五分程度。その他内地の東北でありますとか、その他あるいは北陸でありますとか、そういつたようなところが大體一割程度になるのではないか。通常のところで一割程度で、大體御質問の通りであります。
#9
○稻村委員 大體一割といたしますれば、今のところ千八百圓ベースに考えてみますと、家族もちであつても二千圓前後のものだというふうに私たちは想像しておるわけであります。そうしますと田舎では、大體月二百圓程度と言えば、三箇月というと八百圓くらい。そうしますと現在のこれはほとんど寒冷地手當の中の燃料にしか相當しないのであります。ところが豪雪地帶などになりますと、窓が支えられないために板を打つとか、あるいは雪かこいをするためにわらを使うとかいうようなことで、これはどうしても、北海道のようなところであれば、比較的雪の質が、ガラスをこわしてしまうとか何とかいうようなことはないのですが、たとえば北陸の方へ行きますと、非常に雪が重いために、ガラスをこわすとかなんとかいうことがありまして、そういう雪がこいというものの費用は、現在の情勢ではおそらく八百圓くらいのものならば足りない。こういうふうに考えておるわけなんで、これも必需品の部に屬すると考えるのでありますが、こういうふうな方面に關して月二百圓くらいな程度でこの準備ができないことは明らかであります。それに對して何らか考えておいでになるかどうか。
#10
○河野(一)政府委員 寒冷地給は大體冬の間最高のところで五箇月間、それからそれほどでないところで四箇月間といつた冬期の間に限つてとるというふうに考えております。このわけ方の問題でありますが、非常に特殊の給與でありますので、なかなかそのけじめがむずかしいのでありまして、その生計費のほか、その他保温のために要する各種の經費ということの調べ方にもいろいろありまして、極端に高くするということも考えられるわけでありますが、現在の段階におきましては、ある程度普遍的に給與をやるというような情勢に、勞働組合その他の關係でなつておりますので、御趣旨のような點も相當あるかと思いますが、現在までの進行段階におきましては、なかなかそこのところまで考えるのが困難なような状態に實際はなつているわけであります。御趣旨のような點も相當あるかと思いますが、こういう點につきましてはよく研究いたしまして、いずれ善處いたしたいと考えております。勤務地給の一種でありますので、この勤務地給が非常に各方面と比較して違うということになりますと、一般の生活給との關係もありまして、よほど給與が違う。これは一種の附加給で、實體的にはこのものの給與になるわけでありますが、各種の社會情勢その他との關係上、一定の限度を現在のところつけざるを得ないような状況になつていることを御了承願いたいと思います。
#11
○稻村委員 大體苦心のほどはよくわかるのでありますが、なおこういうことについて、非常に困つている場合には善處をしたいというふうにお考えになつていることだけ伺つておきます。次に北海道の石炭手當の問題――これは本會議でも問題になりました點でありますけれども、たしか七千六百圓というものと、それから三千四百圓というものでもつて、大體家族もち、世帶もちは七千五百圓かで、家族もち獨身者は三千四百圓というのが地方委できまつたはずであります。これは鐵道局でそれに局長が同意を與えた、與えないの問題は、これはきのうもはつきりしておりませんが、それはともかくといたしまして、その地勞委でこれだけのものが非常に必要であるというふうな裁定を下したのであります。それが中央にきまして三千圓、千圓というふうに變つていつたことでありますが、この點です。財政上の問題もありましようけれども、こういう點に關しまして官公職員待遇改善準備會ですか、それらの方面との間に了解を得てこういうふうな豫算ができたのかどうか、その點折衝の經過を簡單に御報告願いたい。こう思つております。
#12
○河野(一)政府委員 この問題につきましては、御承知のように石炭手當といたしまして、相當巨額の要求がありましたことは事實であります。お話にもありました財政上の點もあるのでありますが、そのほかこれは官公吏に對する特別の措置になつておりまして、そうでない一般の自營業者の薪炭費についてはどうするといつたような問題がほかにございます。すなわちそれだけほかによけいに利潤が認められているのであろうか、あるいは價格にその要素がはいつているのであろうかというようないろいろな問題がありまして、一般の自營業者あるいはその他の勤勞者との振合いもありまして、いろいろ考慮いたしました結果、三千圓及び一千圓ということになつたのでありまして、この點につきましては組合側と折衝していろいろ經緯もあつたように承知いたしますが、大體御了承いただいたことになつております。
#13
○稻村委員 組合側と折衝を得たということになると、地勞委の決定をこういうふうにかえるのについて、組合側が一應納得を與えたというふうにとれるのでありますが、これに對して北海道地方の勞働組合においては、まだ十分な納得をしていないということを聽いておるのであります。あなた方の見解としては、これは政府と、全國官公勞職員待週改善準備會との間の話合が、地方の官公職員組合の間に十分に浸透していないというふうに解釋して差支えないのか。またそうでないとすれば、別に原因があるのか。あなた方にはおわかりにならぬのですか。
#14
○河野(一)政府委員 この點につきましても私折衝の經過については直接當りませんので、いずれ給與局長から御答辯申し上げたいと思うのでありますが、先ほど申しましたような事情で、地域を限るということが非常に困難な實情と、それから一般の自營業者との關係もありまして、實際問題として、地勞委の御要求もそうでありますが、他方政府職員全體のことも勘案いたしまして、中央においていろいろ折衝いたしました結果、御不滿でもありましようけれども、この程度で御了承願つたというふうに承知いたしておる次第でございます。
#15
○稻村委員 個々の豫算について給與局長にはつきりと伺つておかないと、今後の問題として相當殘ることがあるだろうと思いますから、給與局長に話を聽くことにいたします。
 なおこれも給與局長に聽かなければわからぬ問題だと思いますが、どうもこれは官廳に在勤する者だけへの豫算のようであります。官公廳といえば公吏が相當はいつておりますし、殊に公吏の方がかえつて多いように考えられるのでありますが、公吏に對する石炭手當はどういうふうになつておりますか。
#16
○河野(一)政府委員 北海道廳あるいは北海道における市町村に勤務いたしております公吏の石炭手當につきましても、各公共團體において支給せられることを、政府としては期待しておるわけであります。
#17
○稻村委員 そうすると地方財源が今日のように非常に窮屈な時期におきましては、財源をどうするかということがただちに問題となつてまいります。放つておけば政府の方で支給せよといつたところで、おそらく支給できないのが現状ではないかと思つておりますが、その財源はどういうところに發見されるのかお伺いいたしたいと思います。
#18
○河野(一)政府委員 北海道に勤務しております公支のうち、警察官の義務教育關係の學校の教員の分でありますが、これは國が二分の一を負擔いたします。今囘提出いたしました豫算にも、その補助及び負擔金として計上されておるわけであります。問題になりますのはそれ以外の職員及び警察、學校職員の殘りの二分の一に相當する分でありますが、これが約七、八百萬圓餘に達するように聞いております。この分につきましては前囘提出をいたしまして本院を通過いたしました補正第七號の豫算におきまして、八十億ほどの分與税が増額せられております。これは前年に比較いたしまして約八倍ほどの増額になつておりますので、それに基いて北海道に配當せられる分も相當巨額になりますので、大體この中から支辯できるのではないかというような考えで、特にそれがための補助は計上しなかつた次第であります。
#19
○稻村委員 應急の措置として政府から金融の措置を講じてやるというような話も聞いておりますが、この點どういうふうになつておりますか。
#20
○河野(一)政府委員 分與税のわけ方がある程度機械的に流れておりますので、個々の團體に當りました場合において、財源に相當窮屈をいたす向きも相當あろうかと思います。そういつた状況につきましては、ただいま大藏部内においていろいろ相談をいたしておりますが、できるだけ公共團體の歳出の節約等によつて處理していただくつもりでありますが、なおやむを得ない分については、ある程度の金融も考えねばならぬのではないかというので、具體的の數字その他について檢討しておるような實情であります。
#21
○稻村委員 もう少し具體的に、たとえばこれは議會を通じてのいろいろな話になりますけれども。この話が全國の官公吏の人々の相當注目のまとになつておると考えますので、官公吏の人人が安心するように、どれだけの額をどういう金融機關を通じて、こういうところに放出するように準備しておるとかなんとかいうようなことは、あなた方はなかなか言えないものでしようか。
#22
○河野(一)政府委員 お答えします。この金についてはできるだけ預金部の金によつて何とか處置したいと考えておるわけでありますが、そのほかにおいて北海道、殊に北海道廳でございますが、今囘の災害關係その他で相當地方財政も苦しいような状況になつております。從いまして北海道地方の財政の状況全體を見まして、やむを得ず金融措置に頼らねばならぬものは、その全體を通じて考えていかねばならぬのであります。ただに北海道だけに限りませんが、特に北海道における現在の地方財政の状況に鑑みまして、ある程度の措置はいたすべく、目下檢討しておる段階でありまして、現在までのところ、いくらの金をどうするというようなところまで申し上げるほどの段階に、實は至つていないことを御了承願いたいと思います。
#23
○苫米地(英)委員 今の問題に關連してお伺いしたいのでありますが、北海道廳などにおきましては、公吏と官吏とが同じ部屋に鼻をつき合わしておる。ところが官吏の方は石炭手當がもらえるが公吏の方はもらえないのではないかというような不安がありまして、それに官吏の方の組合も同調いたしまして、相當穏やかでない空氣もあるやうに聞いておるのであります。大藏省の方では大體銀行から金を借りて間に合わしたらよいではないかというような御説と伺つておりますが、實は北海道の財政は非常に行き詰つておりまして、銀行の方にも相當多額の借金があるのであります。今のところでは借りられるとすれば拓銀でありますが、拓銀は國家の保證がなければ借さない。これに見合うところの擔保品もないような状態にあるわけであります。そこで分與税がどのくらいいただけるものかいまだはつきりしておりませんし――、銀行は金を貸してくれないし、税金も御承知の通り北海道は他の府縣よりも非常に割高になつており、これ以上とるということもできないというような状態にありますから、何とか國家の方で、どうしてもしようがなければ預金部でもよろしいし、銀行でもよろしい、金が借りられるように、ひとつ御配慮を願わないと、ぐずぐず議論していると年も暮れてしまいます。この點に對しどういうふうにお考えでありますか。お伺いいたします。
#24
○河野(一)政府委員 北海道の財政が非常に苦しいということは苫米地さんのお話の通りであります。現に北海道の現地側から資料をもつて來ておられます。それらも檢討してできるだけ御趣旨に副うようにいたしたいと思つております。資金を出すにつきましてもいろいろ税金の問題もありますし、預金部の方の問題もありますが、財政全體として百億程度の地方債のわくをもつておりますので、そのわく内の運用において、できるだけ善處したいというつもりで現在やつているわけであります。御了承願いたいと存じます。
#25
○苫米地(英)委員 この石炭問題は大體道廳關係で六千萬圓、市町材關係で三千萬圓かかるのでありますが、これに越冬資金が加わると相當大きなものになると思います。そこで石炭問題だけでなしに、この際まとめて、越冬資金の方で何とかわく外になつて、もひとつ御配慮いただかないと動きがとれないと思いますが、いかがでございましようか。
#26
○河野(一)政府委員 現在地方費財政が非常に苦しいということは御指摘の通りであります。今囘の石炭手當のほか、現在中勞委の裁定による二・八箇月分をいかがいたしますか、問題が進行いたしておりまして、國の職員としては財源の點、その他を考えて出すとしても、地方の分としては相當問題があるのじやないかと思います。これらの點については政府といたしましては非常に困つておる次第でありますが、現在の財源の状況からいたしますと、國庫において地方の分はとうてい出し得ない。警察及び覺校職員の分については二分の一を出すことにいたしますが、その他の分については現在のところ困難な状況でありまして、地方財政としては今囘増額になりました分與税八十億の範圍内と、かつ先般も國の方におきまして、人件費及び物件費の節約をやつたのでありますが、そういつたような手段を講じていただきまして、できるだけ財源を出していただく。こういうふうに考えておるわけであります。現在のところ一般的に地方團體に對して補助金をやるというような考えはもつておりません。
#27
○苫米地(英)委員 國家の財政が行詰つていることも十分了承いたしておるわけであります。ただこの際金融的措置をいたすにいたしましても、北海道廳の手ではとてもいかないところまで追い込まれておりますので、これは中央の御助力を得て、なんとか問題を解決していかなければならぬ、こう考えておるのでありますが、これはお約束願うわけにはいかぬでしようけれども、他の地方並みな越冬資金も御配慮いただき、石炭手當は豫算にも出ておるのでありますから、公吏に對しても同じように均霑させていくように中央で御配慮いただきたい、こういうわけでございます。これは必ずしも國庫から出してもらわなければならぬ、分與税を増してもらわなければならぬというのではございませんで、金融的措置をするのに力をお添え願いまして、目的を達するようにという希望なのでございます。
#28
○河野(一)政府委員 かりに一箇月を地方團體に出しますと、警察及び覺校職員に半分國から補助がいきます場合、殘りを地方で負擔するといたしまして、大體十五億くらいの見當になります。この前千八百圓ベースに直しましたときに、地方團體において待遇改善のために必要とする金額が五十四五億でございます。その上に十五億ほど殖えるということであります。從いまして前囘の八號に計上いたしました分與税の豫算が八億ほどでありまして、大體待遇改善だけで餘りが出るということにはなりますが、しかし物件費の騰貴もありますし、その他災害等により地方團體の負擔も相當増嵩して來ておりますので、この十五億ということは決して容易な金額ではないと私どもは了承いたしております。この問題については内務當局とも十分打合せをしておりますが、御趣旨のような點に副つて努力してみたいと考えているわけでありますので、どうぞ御了承願いたいと存じます。
#29
○海野委員 大藏當局にお伺いしたいと思いますが、今年の八月二日の電力危機突破に關する決議案の中に、總合燃料對策の樹立ということがあります。また八月六日の石山賢吉君の産業科覺機關の設置に關する質問に對する片山總理大臣の答辯書を讀んで見ますと、まずもつて既存の研究機關を最大限に活動できるようにすることが、實際上最も時宜に適した有效な方途であろうと考えられる。それに重點を置いて施策を進めておる。緊急を要するようなものがあるとすれば、これに對してできるだけの努力を拂いたいと考えておる。こういう答辯があるのであります。この追加豫算の文面を見ますると、どこにこの片山總理大臣の趣旨に副つた豫算が組まれているか。燃料に關する對策の豫算もなければ、今倒れかかつている民間の九十九の財團法人の研究所、それは學者が皆やみ屋をやつておるというような、まことに緊急を要する、救わなければならない學者が溢れているところの研究所、それを救濟する經費が一つもこの文面に見えていないのであります。この電氣の危機突破に關する決議案の中にも、總合的燃料對策の樹立ということが決議されておるのでありますが、それに對してこの豫算は、どういうお考えからお組みになつたのであるが、大藏當局の所信をお伺いしたいと思います。
#30
○河野(一)政府委員 燃料對策の重要なることにつきましては、海野さんのおつしやる通りであります。今囘の追加豫算には特にその點に關する豫算は計上しておらないのでありますが、これは去る十月十四日の閣議決定におきまして、人件費、物件費を一律に一割程度減少する、こういうような措置をとつているのでありますが、それがまず八號豫算に計上されたわけであります。この際におきましても各種の科學研究費の重要なることを考慮いたしまして、文部省關係の研究機關に對する補助費については全然節約はいたしません。その他各省の試驗場その他の研究機關につきましても、全然節約をいたしませんで、かえつてある程度の物價騰貴に伴う經費を増加計上いたしたという状況になつております。燃料對策の點につきましては、なお明年の豫算におきまして相當の金額の要求があるのでありますが、現在までのところ商工省等より豫算の要求がないような状況であります。議がまとまりますれば、できるだけ今後の適當なる機會において、御趣旨に副うように考えていきたいと思つております。
#31
○海野委員 ただいまのお話で研究費とそういうものを、削つたことがないというようなお話でありますが、事實はこれに反しておるのであります。例を申し上げるならば、商工省燃料研究所の研究費の削減、また東北地方から出ます亞炭、殊に山形縣から出ます亞炭は發熱量が五千カロリーから五千五百カロリーの亞炭を出している。つまり石炭を出している。この石炭に近い亞炭を、優良なる石炭と同じように働かせるために、亞炭の研究所が必要であるという豫算を出しましたところが、それも削られてしまつた。それから熱管理に對しましても、燃料研究所から出たのでありますが、それが商工省をようやく通つて大藏省に行つたところが、大藏省はこれを削つてしまつたという報告がはいつているのであります。ただいまのお答えは私は間違つていると思いますが、いかがでありましようか。
#32
○河野(一)政府委員 私の言葉が惡かつたかも存じませんが、商工省關係の各種の研究機關の要求があるわけであります。その中に御趣旨のような點もはいつておつたかと思うのでありますが、この研究機關の豫算の運營であります。豫算を要求いたしますときには、いろいろと事項を立てて、こまかく要求せられるのでありますが、實際的な動きになりますと必ずしもそうでないのでありまして、豫算全體を合わせて一本でやつておる。その時々の必要に應じた研究をやつておる、こういう建前になつております。御趣旨のような點につきましても、既存の燃料研究所、あるいはその他の商工省の機關におきまして、現在の豫算の運用によりまして、できるというような考え方もありまして、特にその點をマークいたしまして計上することをいたさなかつたのであります。最近の物價騰貴で相當研究機關が苦しくなつてまいつたのでありますが、これにつきましては、ある程度の物價騰貴に基く經費を増額計上して、新事態に基く研究について十分善處していただくという考え方をとつた次第であります。
#33
○海野委員 この前も私は申したのでありますが、不得要領な御返事を伺つて、はなはだ不滿に考えておるのであります。昨今電力危機で電燈が毎晩毎晩消える。昨夜などはある地方はほとんどつきませんでした。これはつまり石炭の不足から來たのでありまして、この石炭を最も有效に使うところの研究、すなわち熱管理、これこそ今足もとに押し寄せておるところの大問題である。しかるにこの追加豫算を見ますと、新日本國民運動推進助長に關する必要な經費というようなのがあるが、これこそ二十三年度の經費にまわされても差支えないのじやないか。今困つておること、これを認識なさらないのであるか。しからばこの熱管理にはどれほど金が要るかと申しますと、たつた二千萬圓程度でよろしいのである。また財團法人の民間にある九十九の研究所の經費が何ぼ要るか。二千萬圓程度なのである。そういう方面にこれをおまわしなさつて、ほんとうの文化日本の建設に邁進される考えがおありになるか、ならないか。この豫算面を見ますと、ただつじつまを合わせるだけの豫算しか私は考えられない。どこに未來性があるか。どこに日本人として立ち上るところの光が見える豫算が組まれておるか。まことに心細い限りなのであります。この熱經濟、熱管理の問題、それから學界では數年の間、學者が研究したところのその報告を、一般に發表することができないで困つておる。この學者が研究したところの報告を發表して、今まで戰爭一本で來た日本じやないのだ。文化日本の反映を世界の人たちに知らしめなければいけないのじやないか。今國内におけるこの運動も必要であるかもしれませんけれども、まず日本は講和會議を急がなければならない。それには文化日本を認識してもらうということが、最も大事なことではないか。それに對するところの經費は何億というものではありません。たかだか二、三千萬圓くらいのものである。それをどこからか捻出なさつて、そうしてこれを助け、學者の報告を一刻も早く發表して、世界の人類に對して日本の學者がこれほどやつておるのだということを知らしめるということが一つ、またこの足もとに横たわつておるところの燃料問題を解決するために、石炭の節約、亞炭の利用、そういうことによつてこの豫算を何とか御都合なさるお考えがありませんか。それをお伺いしたいと思います。
#34
○河野(一)政府委員 燃燒指導の問題が非常に重大なことは御指摘の通りでありまして、從來の熱管理につきましては、大體燃燒指導ということが、實は中心になつておつたようであります。石炭なり油なりを、どういうふうな燃し方をしたならば熱の逃げ方が少いかということの研究が、主としてあつたと思うのでありますが、海野先生がどういうふうにお考えか存じませんが、この問題について商工省としても既存の研究機關があります。そのほかのいろいろな方法、あるいは選炭の方法、いい炭をより出す方法でありますとか、熱管理の問題が方々にあると思うのであります。そういつた點につきまして、十分今後國の經費の配分も考えていきたいと存ずるのであります。今年度の豫算におきましては、七億二千五百萬圓ほどの試驗研究費の實點費がはいつております。さきに本院を通過いたしました豫算の補正第七號におきまして、五千萬圓ほどの實驗費の不足を計上いたしたのでありますが、そのほかに現在出ております豫算におきまして、約一億圓程度の試驗研究費の經費の増加が、農林省關係でありますが、計上いたしてあると考えております。そういつた點でただ具體的な計畫その他が確定しないという關係もありまして、各試驗研究機關からの豫算の御要求その他も、まちまちばらばらになつておりますので、この豫算の計上につきましても、まとめまして計上することができなかつたわけであります。今後商工省その他試驗研究機關の豫算の要求がありますならば、財源等とも考え合わせまして、できるだけ御趣旨に副うようにいたしたいと思つております。學會の報告につきましては、現在文部省におきまして多少の豫算をとつて、各種の雜誌を出しておられるようであります。學術研究會議、あるいは振興會その他に對して、ある程度の補助金が出ておりますので、その中においていろいろな事業をやつておられるわけであります。なお最近の物價騰貴に伴う豫算の不足等に對しましては、十分實情を調査いたしまして、檢討していきたいと考えておるわけであります。
#35
○海野委員 學術振興會のことでありますが、あそこに爐、フアネスの材料及び築爐、それから燃料節約についての一〇三小委員會がございます。そこには學者及び技術者、民間のエキスパートをよりすぐつたところの、三十數名の學者ばかりでやつておる學會がありますが、これが戰爭中におきましても、常に民間の會社を歩きまわつて指導しておつたのであります。ところが今年度の豫算をみましたところが、たつた三萬四千圓しか與えられていない。三萬四千圓では何も仕事ができないのであります。それだけの學者、技術者を活用するためには、少くともここに百萬圓くらいの豫算がなければいけないのだ。ところが學術振興會の一〇三小委員會は、三萬四千圓の研究費では何もできないのであります。これは何ゆえであるかといつて文部當局に迫りましたが、大藏省が首を横に振つてだめなんだ。それだからこういうふうに豫算はもらえなかつたのだということを聞いたのでありますが、これはほかの方面のことと違うので、この物を産み出すとか、物を節約するという建設的な方面に金を向けていただかなければならないと思うのであります。大藏當局は來年度とおつしやつたのでありますが、來年度まで待つてはおれないと思うのであります。この熱管理の問題にしましても、今々に迫つておる問題であります。この方面はたつた合わせて數千萬圓であります。一億に足らない金である。これに對して何とかくふうをして、今年度から文部省の方に何とかやつてやろうというお考えがあるのかないのか。あるいは來年度でよいといつて放つておきなさるお考えであるか。一つお伺いしたいと思います。
#36
○河野(一)政府委員 文部省におきましての自然科學の研究費、學振の豫算でありますが、これは當初豫算として五千萬圓計上をしております。御指摘の委員會に三萬圓配當せられておるということで、その點よく私はわかりませんが、この金をもつて時局柄最も有效な研究をしていただくという建前になつておりますので、文部省當局におきまして、この配分について御指摘のような點に重點的に配分していただくことを期待しておるわけであります。何しろ全般的にやらなければならぬことが多くて金が足りないという御趣旨であると思いますが、大藏當局としては少くともそういうことを期待しておる次第であります。最近の物價騰貴その他の點もありまして、非常に困難な研究をやつておられることと存ずるのでありますが、實情によりまして財源その他の點も勘案いたしまして、非常に事業の運營上困るというような點につきましては、適當に善處いたしたいと考えます。
#37
○海野委員 それではそういう方面の必要な研究に對しては、大藏當局におかれましては、臨時にも何とか金を都合してやろうというお考えであると了承してよろしうございましようか。
#38
○河野(一)政府委員 今後の財源の問題もありますし、現在これ以外におきましても相當要求がございますので、的確にいくら計上するというふうなお約束はいたしかねるわけでありますが、既定の經費の状況もよく考え、事業の運營の状況等もよく檢討いたしまして、できるものにつきましては財源の配分について相當考慮してみたい。こういうふうに考えます。
#39
○磯崎委員 實は先日御質問を申し上くべき二、三の漏れがございまして、この場合重ねて御質疑を續けたいと思います。今囘の追加豫算の中におきまして拜見いたしますと、數多くのいわゆる國民運動に對する費目が盛られております。すなはち新日本國民運動の助長に對する費用とか、あるいは國民貯蓄運動推進に對するものとか、危機突破に對するものとか、こういうような各種の運動が行われ、これに費用が投ぜられるのであります。特にこの場合當局にお尋ねいたしたいことは、この貯蓄運動につきまして、當局の大童なこうした御期待は、實際にいたしますと、なかなか民衆は踊つてまいりません。と申しますのは、從來政府の御趣旨によつて忠實に御奉公いたしました多くのものが、政府のおつしやるようにしますと、いずれも現實に損をしている。眞面目に貯金をしているためにかえつて損をしているというこの現實の問題におきまして、最近はいづれも厖大な金額を箪笥の中に納めたり、あるいは物にかえるというようなことによつて貯蓄心を害しております。いかなる形においてこの思想を善導せんとするのであるか、具體的な御方針をお示し願いたいと思います。
#40
○河野(一)政府委員 御指摘の通り、各種の國民運動の經費が盛られております。新日本建設運動につきましては五百萬圓、國民貯蓄につきましては二千三百五十萬圓、その他最近の機會におきまして、納税運動につきましての豫算を、近く御要求申し上げたいと存じております。これらの運動はいわば一體の問題でありまして、別々にやるのも一つの考えでありますが、全體を總合して、現在の日本の財政經濟を匡救するためには、いかにあるべきかというような運動として展開するのが、相當だと考えております。國民貯蓄運動といたしましても、そういつた點に眼目を置いてやることが必要だと思うのでありまして、單に國民に貯金をせよ、貯金をしても損がいかないのだ、得するのだというような行き方ではいかぬのでありまして、財政經濟の全體について、今後日本の再建をするにはこれが基本になるのだ。それを個人的な利害にとらわれてやるならば、かえつて國全體を滅すもとになる。こういう考え方で現在の國民運動は進んでおります。納税の運動、新日本建設の問題、あるいは前囘の豫算に御要求申し上げました民主政治教育連盟の問題、おのおの一貫した思想で日本經濟を再建するという目的のために、この運動が展開されることを希望している次第でまります。
#41
○磯崎委員 そうしますと、貯蓄運動に對します問題をおもにお尋ねをするのですが、何かこうした方面に對する特殊な一つの報奬制度とか、そういうふうなことについてもお考えがあるのかどうか。かつてはいろいろ特殊物資を給與なさつたというようなことがあつたのでありますが、そした問題に對してのお答えをこの場合伺いたい。
#42
○河野(一)政府委員 貯蓄運動についてでありますが、最近福徳定期預金という制度を設けまして、物賞の制度を最近始めた次第であります。そのほかにおきましても、次の豫算で御要求申し上げたいと思つているのでありますが、郵便貯金につきましても割増金の制度を開きまして、その利子に相當する金額のものを預金者に差上げるというような制度を開きたいと考えております。すなわち預金部の特別會計から、その利子相當額を通信事業に繰入れまして、大體八千萬圓程度の金額でありますが、その金額で物を買いまして、定期預金の預金者に對しまして、その利子相當額として物を差上げる、こういうような制度を考えております。
#43
○磯崎委員 先日ちよつとお尋ねしたのですが、花柳病の豫防對象に對する問題、これはむろん普遍的に各府縣において政府のお力添えを願つてやつておりますが、特に敗戰後における進駐軍所在地域におきましては、こうした病者が大分激増しております。これに對しまして府縣の窮乏財政の中から、なかなかまかないきれないほどの大きな負擔を背負つているのであります。これに對しましては先般もちよつと御質疑を申し上げたのですが、時間が足りないでどうも滿足な御答辯を得なかつた。これは全額に近い補助は當然あつてしかるべきであるというふうに考えているのでありますが、この花柳病問題に對しまして特にひとつこまかな御説明を願いたい。
#44
○河野(一)政府委員 御答辯申し上げる前にちよつと訂正いたしておきます。先ほどの郵便貯金に對する物賞の制度でありますが、割増金附定額郵便貯金制度、これは今囘提出いたしました特別會計第四號の豫算に提出いたしております。訂正いたしておきます。
 花柳病豫防に關する豫算でございますが、この花柳病の豫防に關する國の補助は、大體三分の一程度をいたしております。ある程度の收入がございますので、これに對して三分の一程度の補助をいたす。その他診療所の設置等につきましても國が補助いたしているような次第であります。ただ地方によりましては、いわゆる接客者の多い地方がございます。たとえて申しますならば、濱のごときは、全國の關係の接客者の六〇%も占めておるような地區もありますので、そういうとにろにおきまして、公共團體が特殊な事情で巨額な負擔をするということは困難な實情もありますので、そういう府縣につきましては、二分の一程度まで補助率を上げて豫算を提出いたしておるような次第であります。そういう業態者について全然收入がないということも考えられないのでありまして、適當な方法によつてその金額を徴收いたしまして、なお足りない分については國が二分の一程度を増額補助しているような状況であります。
#45
○磯崎委員 タバコの專賣局の職員につきましてちよつとお尋ねしますが、これは現在金品の支給以外にタバコ現品支給等が行われているようでありますが、その通りでございましようか。
#46
○河野(一)政府委員 これは數は存じておりませんが、勞務特配ということで、これは買うわけでごごいますが、ある程度の現品支給をいたしております。
#47
○磯崎委員 本年度は大分タバコに大きな追加の要請をされております。從いましてタバコの耕作反別もいくらか殖え、それによつて收納せられた葉タバコが相當數の増量になつておるというに想像せられるのであります。これは少し話が豫算外になるかもしれませんが、重要な財源であるタバコに對しまして、現在政府當局では製造數量及び數量によつては、一部はもちろん輸出されるものもありましよう。そうしたことに對する配給數量というような、いわゆる製造から配給までの計畫數量を計數的にお示し願いたいと思います。もし今お伺いできなければ、後日に願つても結構です。
#48
○河野(一)政府委員 タバコの耕作面積は前年度には大體二萬二、三千町歩とありましたが、その後賠償價格の引上げその他によりまして、タバコ耕作の氣運が乘つてまいりまして、現在五萬町歩の計畫でやつておるわけであります。大體今年度一ぱいには、その目的を達し得るのではないかと考えております、ただそういたしますと、五萬町歩の耕作面積を確保いたしますと、大體戰前の耕作面積と同じになるわけでありますが、それ以上の増段ということは、食糧問題その他もありまして困難かと存するのであります。面積としては五萬町歩で十分でありますが、問題となりますのは、反當の收量でありまして、最近における肥料の不足その他の状況から、從來反當り百七、八十キロ程度とれておりましたのが、最近では百二、三十キロというような状況になつております。この點に今後のタバコ耕作上の重點が注がれるのではないかと思つております。そうしてそれによつて生産される數量は戰時中におきましては、大體七、八百億本を生産しておりまして、大體一グラムを一本と計算してその程度でありますが、今年度の當初豫算におきましては、五百十億本程度のタバコを生産する計畫でありました。ところが電力の制限その他によりまして、その豫定の計畫に達しませんで、この補正豫算を中心とする豫算の説明にもあります通り、今年度の年度末までに大體五百四、五億本の計畫にしておるわけであります。來年度以降工場の復奮等によりまして、相當増加する見込みでありますが、現在のところ葉タバコにつきましては、非常にストツクが少くなつてまいりまして、今年におきましては、一月ごろには、今年度できた新しい葉を使わなければならぬ状況になつております。從來ならば收納後半年ないし一年、少くとも一年はおきまして、枯れた葉を使うのでありますが、現在の状況ではだんだんストツクが少くなりまして、一月ころには新しい葉に手をつけなければならぬ状況であります。そういう状況でありますので、來年のタバコの生産については、原料の方面から非常に憂處されておるのでありますが、先ほど申しました肥料の配給による増産、及びある程度のストツクの繰上げ充用で、少くとも六百億本程度のものはつくりたいと考えております。現在の計畫でいきますれば、二十七、八年ごろには一應戰前に近い程度まで、生産の復興ができるのではないかと考えております。
#49
○稻村委員 給與局長がおみえになりましたので、石炭手當の問題についてもう一度伺いたいと思います。北海道の地方勞働委員會では大體七千六百圓、三千四百圓だと思つております。數字の上では非常に問題があると思いますけれども、これで大體その裁定ができたはずでありますが、それが今日この豫算の上では三千圓、千圓ということになつております。この千圓、三千圓は、先ほど主計局次長にお伺いしますと、大體官公廳職員組合待遇改善準備會との間に了解を得たことであるというふうなお話があつたと思いますが、しかしながらそういう場合でも、私の想像するところによると、地方廳と北海道の官公職員組合との間に、十分な了解はまだ得ておらないように考えられるのであります。さうしますとこれは地域的な給與でありますので、北海道の官公職員組合の方で十分な了解を得ていないとすれば、中央の待遇改善準備會との間に、一應の了解を得たとしても、これがはたして實施するときに問題にならぬような手順になつておるかどうか、この點をまず第一にお伺いしたいと思います。
#50
○今井政府委員 ただいまお話の通りこの三千圓、千圓の數字は、九月の末近くだつたと思いますが、全官公廳の委員會の方で話合もできた數字なのでございます。その際その前から北海道の組合の諸君がもつてこられましに數字は、それよりかなり上まわつておつた、たしか六千圓くらいだつたと思います。いろいろ政府の立場を申し上げましたが、結局こういつた問題は地域的な問題ではございますけれども、何分にも團體交渉の性質からいたしまして、――團體交渉というものは申すまでもなく團體協約の基礎の上に行われるものでございますので、その點から申しますと、國鐵とか全遞とかいう單一組合は、運輸大臣、遞信大臣と、中央の總連合と團體協約を結んでおります關係もございまして、結局中央において妥決しなければならぬものだと政府側では考えております。特に寒冷地給でありますとか、北海道の特別手當というものは、冬期間に必要な額そのものを、そのままもつてきて基礎にするわけに、いかない特殊な事情がございます。と申しますことは生活給の一面でありますだけに、生活給の問題になりますとこれを部分的に切り離しまして、そこで大小を論ずるという給與の體系は、政府としてもとりたくないところでありまして、從來からこの點は方針を明示してまいつております。すなわち一年間の生計費を全部ひつくるんだ上で大小を比較する。北海道の生計費をみますと、たしかに冬期間におきましては非常に莫大な金額が必要になりますが、食糧品の自由物價が比較的安いために、年間の生計費を通算いたしますと、それほどの金額が出てまいりません。そういつた含みがございますので、冬期間の燃料費をそのままもつてきまして計算の基礎にすることは、從來から差控えております。地勞委の今囘の裁定は、趣旨そのものはもちろん政府として尊重しなければならぬ筋合のものでございますが、そういつた點につきまして從來の政府の方針とは違つて、冬期間の必要計費だけをピツクアツプしまして、それだけのものにつきましての裁定と了承されます。私どもといたしましてはこの三千圓、千圓が、中央におきまして組合側の了承、少くとも我慢していただくという協定のできた數字でもございます。またこの協定の方が北海道國鐵勞組の地勞委調停の以前に確定いたしました數字でもございますし、その後炭價その他につきまして特殊な事情も見受られませんし、また問題の性質上、こういつた點は、やはり温暖地方に生活しておる職員に對する一種の差別待遇でありまして、この差別待遇が温暖地方の職員に對して我慢できる。温暖地方の職員も資成するといつたところが一つのめやすだろうと思います。そういつた觀點をかれこれ合わせまして、この三千圓と千圓の案をお願い申し上げる次第でございます。
#51
○稻村委員 私の言つておるのは、適當だとか非適當だとかいうことが問題になつておるのではないのでありまして、地勞委の決定したものを、一應拒否というところまでいかないにしましても、その裁定を變更して、そうして全國官公職員待遇改善準備會、あるいはそこの全國委員會で、その千圓、三千圓をのみこんだのかどうか、これはのみこむのには、北海道の官公職員組合の人々をも納得せしめることができるということを前提に、もしのみこんだならばそうだろうと考えるのでありますけれども、そういうふうな意味合ではつきりとこれを承認しているのかどうか、團體交渉の結果承認しているのかどうか。その點をお聽きしたいのであります。
#52
○今井政府委員 全官公廳の準備會におきましては、もちろん組合側のことでありますから北海道の職員の意見も十分聽いた上だと私ども推察いたしておりますが、その席でこの案につきましては地勞委の裁定の下る前、一月ばかり前に我慢してもらうという了承をいただいております。なおその後私もこの問題につきましては、北海道の代表諸君と數囘會つたのでありまするが、最近におきましては北海道全般の代表という立場におられる人は、やむを得ない、我慢をしよう。今の日本の現状から言えば我慢をしようというような空氣のように、私も直接看取いたしました。これは正式な交渉ではございません。
#53
○稻村委員 官公廳待遇改善準備會の正式の機關と、それから大藏當局との間に、これは完全に了解ができ、正式な話がきまつたものであると解釋してよろしゆうございますか。
#54
○今井政府委員 結構でございます。
#55
○稻村委員 そうしますと地勞委の裁定の一月前であつたと御返答でありますが、地勞委の決定したのに對しましても、官公廳待遇改善準備會の方では、何らそれに對して意見が出ていないわけでありますか、またそういうものについて話合いは全然まだしておらぬのでありますか。
#56
○今井政府委員 全然特別な申入れを聽いておりません。
#57
○稻村委員 私の質問はこれで終ります。
#58
○川島委員長代理 時間が大分過ぎましたが、この際文部省から係の方が見えておりますから、河合さんの質問は簡單でございますならば、この機會に質疑を終了したいと思います。
#59
○河合委員 私はまず第一に新日本國民運動と、その綱領内容についてお尋ねをいたしたいと思うのであります。
#60
○寺中説明員 新日本建設國民運動につきまして、去る六月二十日に閣議決定がございまして、この經濟危機と對處しまして、七つの目標としまして、勤勞意欲の高揚、友愛協力の發揮、自律精神の養成、社會正義の實現、合理的、民主的な生活慣習の確立、藝術、宗教、スポーツ及び平和運動の推進、この七つの目標に向つて國民が耐乏生活に耐えて、生産を増強し、文化的な生活を送つていくべきであるという聲明があつたわけであります。その後これについて各方面で協議會が行われ、あるいは青年關係、あるいは婦人關係、あるいは宗教關係、文化團體の關係とか、各種の團體の間に國民的熱意によつて、この目標に向つて邁進しようという會合が幾度か行われたわけであります。豫算としては未だ計上されておらなかつたのであります。しかしながらただ目標なくして、國民の單なる指導的な活動にまつだけでは、はなはだ弱體でありまして、この運動は政府が主催し、政府が主體となつてやつているわけではございませんで、國民の主動的な活動を單に助けるという意味において、いわば會合の斡旋をする。あるいは國民運動のための資料を作成する。あるいは論文、あるいは演劇、脚本というものを募集するとか、各地で討論會、協議會等を開催してもらうというふうな仕事のために豫算を計上せられたわけで、その額が大體五百萬圓になつております。そのうち政府において資料の作成、あるいは中外協議會の開催ということのために、約三百五十萬圓くらいが使われ、地方の活動に對して百五十萬圓くらいが計上できる豫定でありまして、この經費は國民運動の推進をうしろから援助する、あるいは補助するというような意味において使われることになつている次第であります。
#61
○河合委員 このたびの補正豫算については、同僚委員から指摘されたごとく、國民貯蓄運動推進に必要な經費、または危機突破、生産復興運動、文化費等に必要な經費の豫算が現われております。ただいまお聽きしたところによると、新日本國民運動、その他の種目があげてありますが、この二つの運動費の關連はどうなつておりますか。お伺いいたします。
#62
○寺中説明員 新日本建設國民運動というのは、ただいま申したように國民の主動的な運動であります。たとえば農民の層において供出の促進の運動を行うとか、青年層において青年の勤勞意欲の高揚の運動を行うとか、婦人層において合理的な生活慣習の確立を行うとかというような意味の民衆運動であつて、必ずしもこの名稱によつて統一的に、總合的に行われるわけではないわけであります。他の方面で、たとえばただいまお話のあつたような救國貯蓄運動というようなもののございますのも、いわば新日本建設國民運動の一環というふうに考えられるわけであります。しかしながら豫算の形の上では、救國運動に關しては大藏省の關係において計上されており、新日本運動の方は内閣の豫算に計上されているような次第でございます。
#63
○河合委員 この問題は相當大きな問題だろうと私は思う。先ほど同僚委員の一人から、こういう費目はあまり急を要する費目でないというようなお言葉もありましたけれども、私は今日わが國民の實情を見まして、最も適切なる新日本建設國民運動を始める必要があると思うのであります。しかしこのわずかな時間でこれを論議することは、はなはだむづかしい問題でありますし、いずれこれは二十三年度の豫算も現われることと思いますので、この際に私はとくと論じて見たいと思います。ただ氣づいております一二點を申し上げて御意見を聽きたいと思います。歐洲大戰の間に、英國ではデー・ライト・セイヴイング・ビルという法令を布いて、一時間時計の時間を繰上げたいというようなことを聞いております。今日わが國民において最も必要なものは生産であります。生産をするのには時間を要する。ところが今日ほどわが國でこのデー・ライトが空費されている例は、世界中探してもないと思います。一例を申しますと、當豫算委員會にしても、十時の開會が大抵十一時で、その間一時間はむなしく消えている。先ほど商工大臣からの説明を聽いておりますと、商工省に勤めている人は五千三百七十五人だそうでありますが、これらの人が一日一時間づつ勤勉に働きましたならば、一日で六百七十二人の人が出てくるわけであります。私は都内の交通機關に乘つて登院いたしますが、十時前後がいちばん人が混んでおります。たとえば虎の門で地下鐵を降りる人は、この附近の官聽に勤めている人が大部分だと思いますが、これが大體十時ころがいちばん多い。私たちが各省にいつて局長、課長さんたちに會おうと思つても、十時でなければいつも會えない。十時から仕事をするといたしますと、午前中に二時間、午後は、近ごろは各官廳で定刻に退廳することが行われておりますから、一日のうちほんとうに働く時間はほんのわずかである。九時、十時といえば田舎に住んでいる人は、すでに一仕事して腹の減つた時分であります。こういう點から考えて、時間を空費することは最もいけないと思いますので、デー・ライトをセーヴするということを、國民運動の一つに取り上げてもらいたい。
 それから次には物を粗末にすることは非常にいけない。不舍寸物寸土耕であります。一寸のものでも粗末にしない。わらくずでも、なわぎれでも粗末にしない。そして寸土から物を生産するというくふうを國民の間に養つてもらいたい。これも國民運動の一つに取り上げてもらいたい。
 もう一つは、増産です。石炭の増産も必要でありましようが、石炭の増産に次いで食糧が必要であります。私は何を申しましても今日食糧を増産するほど急務はないと思う。これは田舍に住んでいる者ばかりではありません。都市に住んでいる人も深い關心を拂つてもらいたい。田舍におります者は一生懸命に生産をいたしております。都市の人はほとんど生産ということには心を寄せない。いかにしてうまいものを食うか、いかにして輕快なる衣服をまとうか、いかにしておもしろい映畫を見るかというようなことに關心を拂つておりまして、食糧を生産することには少しも關心をもつていないように見受けられる。これではいけない。まさか都會の中央で菜つ葉をつくつたり、芋をつくつたりすることはできませんけれども、都市では肥料になるものが非常に粗末にされている。そこらには皆肥料になるものが多い。それを農村に還元するというようなことに、都市の人も心を寄せてもらいたい。これも食糧増産に寄與することになる。こういう必掛けを都市の人にももたすように、國民運動の中にこれを織りこんでもらいたい。食糧増産につきましては、國民が氣違いになるというところまでやつてもらいたい。フランス語にアフオーレという言葉があります。これは氣違いになるという言葉であります。人が見て、あれは氣違いになつたのではないかと思われるほど、食糧増産に國民が一生懸命にならなければいけないと思います。これは危機突破の第一の要諦であります。こういうことも考えてもらいたい。その他ありますが、大體この三つのことが一番大事なことだと思います。ただいま主税局長からタバコのことについても御説明がありまして、今までは二萬三千町歩つくつておつたのが、今日は五萬町歩になつたと言われましたが、これは、元來からいうならば、各委員もよく御承知でありましようが、タバコの害毒ということは、學術振興會におきましても折紙がついている。試驗濟であります。このタバコをたくさん國民に吸わせて、これからたくさんの税金をとるということには私は絶對反對なんです。禁酒禁煙というようなこともひとつ國民運動に織りこんでもらいたい。インフレの防止ということは、公の經濟と個人の經濟との赤字をなくすることであります。タバコをのむために赤字がかさんでいくということは、これは事實なんです。收入をはかるためをいえば、國民にタバコを吸わすことはいいことかもしれませんが、國民運動としては絶對反對をしたい。そういうことも織りこんでもらいたい。そのほかにも多々ありますが、私の氣づいたことは、いずれまた二十三年度の豫算のときに申し上げたいと思います。私の今申しました點について、御所見を伺つておきたいと思います。
#64
○寺中説明員 ただいまデー・ライトを活用するということ、それから物を粗末にしないという點、また増産のために氣違いになるほどしつかりやれというようなこと、あるいは禁酒、禁煙というような問題がありましたが、いわゆる新日本國民建設運動におきまして、そのような點を最も重要視しておるような次第であります。ただいま申し上げました七つの目標のうちの第五に、「合理的、民主的な生活慣習の確立」ということがありまして、「生活の無駄を省き、ぜいたくを填しみ、物事を合理的に考え、能率的に處理する生活態度を養う」ということを、非常に強調しておる次第であります。ただいま御指摘のような點は、特に重點を置いてこの運動を進めてまいりたいと考えておるような次第であります。
#65
○川島委員長代理 それでは次會は來る一日の月曜日午前十時から開會し、同時に當日質問は大體において終了する模樣と思われますので、できれば各黨で御準備を願いまして、本案に對する討論を行いたいと思いますので、御了承願いたいと思います。
 本日はこの程度で散會いたします。
   午後零時五十六分散會
ソース: 国立国会図書館
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