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1947/04/01 第2回国会 参議院 参議院会議録情報 第002回国会 予算委員会 第14号
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1947/04/01 第2回国会 参議院

参議院会議録情報 第002回国会 予算委員会 第14号

#1
第002回国会 予算委員会 第14号
昭和二十三年四月一日(木曜日)
   午前十時三十七分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十三年度一般会計暫定予算
 (内閣提出、衆議院送付)
○昭和二十三年度特別会計暫定予算
 (内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(櫻内辰郎君) それでは只今より開会いたします。前会に引續き質疑を行います。木村禧八郎君。
#3
○木村禧八郎君 大藏大臣に御質問申上げたいんですが、先ず第一に、この暫定予算は四月分だけですかどうですか。五月以後は本予算になつて出て來るのでしようが、そのお見通しを先ずお伺いしたいのですが。
#4
○國務大臣(北村徳太郎君) お答え申上げます。暫定予算は大体四月で、成るべく早い機会に全体の予算を提出いたしたいと、今その準備を大童にやつておるところでありまして、恐らくもう一度暫定予算を願うということにはならないと存じております。
#5
○木村禧八郎君 それでは今度出て参ります本予算、それには今問題になつておりますこの軍事公債の利拂停止、これが予算化されて出て参りますかどうか、その点をお伺いいたします。
#6
○國務大臣(北村徳太郎君) 大体只今木村委員のお話になつたようになると思うのですが、このことはまあ非常に影響するところが多いのでございまして、と申しますのは、只今外資導入と関連いたしまして、現に日本の國債にして日本人以外の所有に属しておるものが少くないと思います。それでそういうような方面に與える影響等がございますので、愼重に処理したいと考えておりますけれども、大体論としては、只今木村委員のおつしやつたような方向に向けるべきである、こういうふうに考えておる次第であります。
#7
○木村禧八郎君 そういたしますと、くどくは御質問申上げませんが、この前いわゆる利拂停止的措置、これについてその懇談会を設けるということになつております。その又構成メンバーも発表されたようでありますが、この懇談會におきましては利拂停止的措置、例えば利拂停止した場合、金融機関にいろいろ影響を及ぼすわけですが、そういう場合、例えば金融機関の利益を以て負担させるとか、或いは金融機関の積立金、資本金を以て負担させるとか、或いは第二封鎖預金の元本打切りによつてカバーする、金融機関の貸出金利を引上げる、或いは第一封鎖預金の利拂停止によつでカバーする、或いは又金融機関の固定資産の評価價利益を以てカバーせしめるとか、又金融機関の、これは我々は反対ですが、日本銀行よりの借入金を落してカバーせしめるか、いろいろこういう方法があるわけですが、又これ以外にも適切な有効な方法があるかも知れませんが、そういう点について懇談する。そうしてこれは一つの参考の意見として聽いて、あとは政党間の話合によつて決定する。その懇談会というのは政治的な一つの決定をする権限を持つていない。そういうように解釈してよろしいのでしようか。

#8
○國務大臣(北村徳太郎君) お答え申上げます。只今お挙げになりましたような方法があると思いますが、その他にも方法があるかも知れませんが、これはまあ懇談会の会員たる方々に研究して頂くということにいたしたいと思うのであります。それからこれは必ずしも最後の決定機関とは考えておりませんので、その與えられた結論に基いて更に愼重に政府においても考慮する、こういうふうになろうと思います。
#9
○木村禧八郎君 そうしますと、そういうふうになりますと、非常に問題が具体的になつて参りますのですが、實は軍事公債の範囲というようなものも直ぐ問題となつて参りますね。その場合に、今日本銀行に臨時軍事費の借入金約七十億円が残つておるのです。聞くところによると、三分六厘ですか、利子を拂つておる。これは当然軍事公債の性質を持つていると思うのですが、そういうふうに解釈して差支ないのですか。
#10
○國務大臣(北村徳太郎君) 何が軍事公債かということの決定はやや困難な問題でありまして、これについては懇談会のメンバーにおいて十分御檢討願つて、どこへ線を引くかということもおのずからそこで決めて頂きたい。そういうふうに考えておる次第であります。
#11
○木村禧八郎君 次にお伺いしたいのですが、財政法第三條の實施が問題になつておるのですが、第三條の實施期日は大体いつ頃に決定される方針ですか。
#12
○國務大臣(北村徳太郎君) まあ成るべく早く法案を提出したいと思います。多分法案の提出はここ一両日中に提案することができるであろうと思います。その上でそれが決定いたしましてから或る期間を置いて、政令でその期日を定める。こういう法案を提出することになろうかと思つております。
#13
○木村禧八郎君 それから先程軍事公債の利拂と関連しまして、それが外資導入その他にいろいろ影響があると思うので愼重に研究中というお話ですが、實は総理大臣にもお話願いたかつたのですが、外資導入の受入態勢というのが問題になつて眞劍に考えられておりますが、受入態勢として一番重要な受入態勢とは一体何であるか。そういう点について政府の御方針を承わり、特に一番関係の深い大藏大臣に御意見を一つ伺つて見たいと思います。
#14
○國務大臣(北村徳太郎君) 外資導入と申しましても、政府対政府の場合もございます。民間資金の導入もございます。いろいろの場合があると思うのでありますが、これはまあ全体として何が最も優先的に導入すべきかという問題もございましよう。その他民間の場合におきましても、諸條件等を勘案いたしまして、これがまあ非常に乱雑になることもあるまいと思いますが、極めて無秩序の状態になつたのでは非常にこれは問題でありますので、いろいろの面を綜合勘案いたします必要がございまするので、安定本部を中心とする委員会等を設けまして、これによつて逐一受入態勢というものを具体化して行きたい。大体こういう方針で只今行つております。
#15
○木村禧八郎君 只今のお話は受入態勢の具体的いろいろな措置に関するお話のようでありましたが、私がお伺いいたしたいと思つたのは、受入態勢としての日本の國内態勢です。これは單に経済的にばかりでなく、政治的に文化的にもそういう態勢を整えないと、外國資本が入りにくい、そういう意味なんでありまして、もつとこれを具体的にいいますと、今外資導入ができても、將來日本は貿易のことを考えますと、これは東亞において例えば中國その他南方との交易を盛んならしめることによつて、その外資導入なるものが生きて來て、それで日本の將來の経済的安定ができるわけです。從つて外資導入問題を考える場合に、世界の輿論というものもよく聽いて置かなければならん。日本が今後東亞貿易も盛んならしめよう、そういうことによつて將來における日本の経済的安定というものが促進されるという考の場合に、中國側が日本の経済に対してどういう考を持つておるかということを、やはり十分認識して置く必要があると思うのです。それに関連して、外資導入の受入態勢というものも、そういう考からも考えなければいけないと思うのです。例えば伝統的に非常に優れた日本通をスタッフに持つておる「大公報」という新聞では、こういうことを書いておるのです。「危險なるは帝國主義の復活である。第一次大戦後戰勝國家はドイツに対して種々の懐柔をなし、英國は最も力を入れた。これはあからさまにいえば、ドイツを導いて反ソ戰線に立たし、それによつて欧州勢力の均衡を求めようとしたのである。初めはドイツはおとなしく命を奉じていた。併し最後にこの政策は失敗に帰した。ヒツトラーが現われたのは歴史的根拠があり、社会的基礎がある。我々は日本にこの道を歩ましてはならない。更に我々は指摘しなければならん。日本社会は尚徹底的に監視を必要としておる。曾てイギリスがドイツに対して採つた、政策を踏襲し、日本帝國主義の残滓を復活させるならば、それは無限の禍を招くものである。」、そういうふうに見ておるのです。從つて我々は外資を導入して、それを本にして將来日本が東亞との交易を盛んならしめて日本経済の安定を確保して行く上においては、外國において日本経済又は日本の民主化に対してこういう考を持つておるということをよく念頭に置かなければならんと思うのです。そうして又これまで進行した日本の民主化が或いは擬装的な民主化じやないかというような疑いを持つておる輿論も相当あるのであります。従う導入された外資が再び日本の帝國主義の復活に利用されない、そういう態勢を作ること、即ち本当に日本の政治的、経済的民主化を徹底させるということが、外資導入の基本的な條件じやないかと思うのです。その基本的な條件を前提として初めていろいろな外資が入つて來る。例えば最近問題になつておりますように、労働組合を弾壓したり、或いは法人税を軽減したり、配当制限を緩和したり、そういう直接の資本優遇策を、目先的な優遇策をやつただけでは、将来本当の外資は入つて來ない。やはり外資が本当に入つて來るような態勢を作るには、それがこの前のドイツのように日本の帝國主義の復活に利用される危險がないという、そういう態勢をはつきりと作り、そうして外國をして信用させる、安心させるということが必要ではないかと思う。そういう基本的な点についてお伺いして見たいと思います。そうしてそういう方向に努力して頂きたい。この点について大藏大臣の御所見を承わりたい。
#16
○國務大臣(北村徳太郎君) 只今お話がございましたように、外資導入と申しましても、いわゆる平時体制の中には、日本の経済的民主化、政治的民主化、その他文化的の一層の高度化とかいうような諸問題が含まれることは当然でありまして要するに、それらのことを通じて、國際的な信用を高めるということ以外にないと考えるのであります。その点において、只今木村委員のお説は全く同感でございまして、そういう工作、そういう基礎工事というものがなくちやならんということは我々も信じておるところでございます。ただ外資導入によつて、もう一度帝國主義化するじやないかというようなことは、日本にとつてはあり得ない、又あらしめてはならないのでありまして、從つてそういうことについての諸外國の信用というものがなければ外資導入もできないのでございますから、この点は一層政治的にも経済的にも民主化を徹底するという線に沿つて行きながら國際信用を高める。從つて苛くも國際信用に危惧の念を懐かしめるとか、或いは國際信用に何らかの暗影を投ずるというようなことが國内にあつてはならない。こういう点において我々十分戒心をいたして行きたい。最近関係方面から出ました數回の或る書翰のごときも、日本の國内の体制というものが、今の不安な状況を除去することに一層努めねばならんというふうなことを指示しておると思うのでありまして、そういう線に沿つて行かなければならん。労働不安、社会不安等をできるだけ早く安定せしめるということも又極めて重要なことであります。かように考えまして、政府ではそういう面に対してもできるだけの努力を拂いつつある次第でありまして、お説の点は大体私共も同じことを考えておるのでありまして、そういう意味において、政治的民主化、経済的民主化に沿つて國際信用を高めるという方向に努力を續けるということをいたしたい、かように存じております。
#17
○木村禧八郎君 外の方の御質問もあろうと思いますから、私は最後に一つだけお伺しいたいと思うのですが、それは本予算の編成等に関連しますのでこの際お伺いして置かなければならんと思うのですが、それは本予算編成の基礎になる物価改訂の問題なんです。これについて今周知のごとく、財政、バランスが一般会計においてはとにかくバランスは合つておるようですし、徴税やなんかで、二十二年度はとにかく数ケ月の時間的ズレはあつても、バランスが取れるようなふうに存じておりますが、結果特別会計については、独立採算制ということが問題になつておりますが、若しか二十三年度において特別会計についても本当にバランスを取るということになると、これは鉄道会計においても、通信会計においても相当の運賃或いは通信料金の引上げというものが行われるのじやないか。それに連れて又物価も相当の大幅の改訂が行われるのじやないか。そういうふうに思われるのですが、その特別会計の独立採算を一挙にして取らせるのか。その独立採算の問題はこれはまだ細かく決まつておらないと思うのでありますが、大体の構想で結構です。それと物価改訂の方針その二点についてお伺いしたいのです。
#18
○國務大臣(北村徳太郎君) お説のように物價改訂は一部行わなければならんと思いますが、その種類、程度等につきましては、只今安定本部等といろいろ協議を進めておりますことでありまして、從つてそういうことのために本予算の編成が遅れておるというようなわけで、これを急いでやるように、そういう方向に今努力いたしております。それから特別会計における独立採算制の問題でございますが、これはどうしても今の行き方では赤字が殖えるばかりでございますから、何とかして本当の言うところの独立採算制というものを具体的に實現しなければならない。このことは極めて困難なことでございます。併し、さればといつて赤字を全部カバーする程運賃、通信料金の値上げができるかと申しますと、これは國内の現在の物價、國民経済全体に及ぼす影響等から考えまして、恐らく簡單に行かんのじやないか。この点についても只今鋭意研究をいたしておりますので、ここで具体的に申上げる段階に入つておりません。甚だ残念でございますけれども今ここで具体的に、いつ頃からどの程度まで上げるということは申兼ねるのでございますけれども、どうせこれは改訂をするのであります。その改訂の場合に全赤字をそれによつてカバーすることはできないであろうということだけは申上げまして、一方本当の意味においての独立採算制への一般的な工作から進めて能率化を図つて行きたい、こういうふうに考えている次第であります。
#19
○木村禧八郎君 まだ私はいろいろな問題についてお伺いしたいのでありますが、例えば最近インフレの前途に対する楽観論が相当行われておりますし、それについてのいろいろな根拠その他についてこの際質問したいのですが、今の予算案と直接に関係はありませんし、時間もなく、又外の方の御質問もあろうと思われまするので、一応大藏大臣に対する私の質問はこれで終りたいと思います。
#20
○委員長(櫻内辰郎君) 大藏大臣に対する御質疑はございませんか。
#21
○中西功君 大藏大臣に対しては實に沢山な質問があるのですけれども、大藏大臣の方の衆議院の方の関係もあるような都合を聽いておりますので、外の点は後に保留いたしまして関二千九百二十円ベースとそれに関連した最近の労働問題、それについてだけ今質問したいと思います。後の点は次の午後からに保留したいと思います。
 その一つは、この前の衆議院の予算委員会、これは追加予算のときであります。そのときにおきましても、或いはここの参議院の予算委員会においても、大藏大臣はこの二千九百二十円、即ち一月から三月までの二十九百二十円の支給については條件としない、政府としては呑んで貰いたいということを非常に考えている。それは政府の意向であるが、これは條件にしない、條件ではないのだ、呑むということは條件ではないのだということは私が、くどいように言つて質問し、何回かそういうふうな言明をして貰つたのです。併し實際のそれ以後の状態におきましては、條件としないどころか、徹底的な條件である上に、それ以後我々が予期しなかつたようないろいろの細かいことまでが縺れて、あの全官公廳の労働争議を非常に解決困難な状態に追いやつて來ておると思うのであります。それで私は大藏大臣があの当時その支給についてああいうふうに言明されたこと、更にそれ以後政府が全官公労との爭議に対してとつた態度との間に矛盾が、食い違いがなかつたかどうかということが一つお聽きしたい。
 更にもう一つ序でに言いますれば、二千九百二十円ベースに絡まるところの、政府職員の俸給等に関する法律案、この法律案がそのまま御存じのように給與水準と給與体系の問題がいろいろの形で織込んであるわけでありますが、我々が前に政府側の答弁として加藤労働大臣から聽いた範囲では、この水準並びに体系の問題、要するに三千九百二十円のこの問題は一月から三月までの問題である、それで後四月以降においては新物價の改訂の問題もあるだろうし、いろいろあるから、それはそのとき又改めて團体交渉によつて協議或いは決定すればいいのだと、とにかく政府はこれで一月から三月までの問題としてこれを出しておる、こういうふうな話であつた。ところが、その後我々が私自身も直接政府側と交渉して見ますと、實はそうじやなくて、二千五百円をこの法律に從つて支給するのは勿論のこと、残りの四百二十円も全然変らない同じ趣旨で支給するのである。この法律の第二條には、「この法律の本則第三項の規定による俸給等の額及びその支給に関する事項一を定める法律の規定が適用せられるまでの間」、即ちせられるまでの間二千五百円を支給するという点について、こういうふうないろいろの附則があるわけでありますが、我々はこの二千五百円についてこういう附則で支給されると考えておる。そうしてこの四百二十円については別の法律が出て、その法律によつて支給されると、こういうふうに考えておつたわけでありますが、併し實際に当つて見るとそうではない。すでに政府としては法律が通つておる。法律が通つておるから二千五百円も四百二十円も共にこの國家が決めた法律によつて支給するのである。若し四百二十円だけ別の支給の仕方をすれば、それは法律を壊わすことになる、こういうふうな見地をはつきり取つておられるということを我々は知つたわけであります。そういうことは我我としてはそういうやりに政府の答弁を受けなかつた。又この法律を解決した場合にも我々はそう解釈した。そうして實は私は、この点を確かここではつきりと二千五百円と四百二十円とに問題を分けて質したわけであります。そのときに今井給與局長が大藏大臣の代弁者として現われて、趣旨としてはそうでありますという答弁をしたということも、私はつきり覚えておるわけであります。そういうふうに、實はもつとこの問題を遡つて行けば沢山あるのであります。即ち政府は、我々に対する回答において、或いは労働組合関係者への回答においても、中労委の裁定並びに臨時給與委員会の答申、それから國会の決議、この法律を尊重して、その建前に立つてやつておるのだ、それを尊重するということが必要である、特に國会においてすでにこういう法律が通つた以上は、どうしてもこれを壊わすわけにはいかん。こういうふうな建前で、労働組合側にも、又我々が交渉した場合にも、そういう立場を取つて來ておる。ところが果してそれならばその過程においで政府側に落度がなかつたかというと、私は政府側に重大な落度があつたと思うのであります。中労委の裁定を非常に尊重しておる。こう言うが、實際に政府自身が非常に重大なものを無視しておると思うのであります。それはこの中労委の裁定によつて臨時給與委員会が生れた。臨時給與委員会においては、中労委がはつきり言つておりますように、決してこれは團体交渉的なものではなくて、技術的な立場から一定の案を作つて、政府及び組合側に諮り、そうしてそれをどう決めるかは政府及び組合側において團体交渉を以てやるというふうな建前に臨時給與委員会は立つておるのであります。答申はそうなつておると思うのであります。ところが政府はどうしたか。臨時給與委員会の答申案ができましたときには、それについては一回の團体交渉も組合側としなかつた。そうして直ちにそれを法案化して、そうしていわゆる國会の名前において組合側にこれを押し付けた。私はこの前もそういうことを指摘したと思うのでありますが、あの法案の審議のときにおいても、政府はずるいじやないか、即ち組合側の承認を得ることも、或いは又團体交渉もせずに直ぐ議会にこれを持込んでき来た。そうして私は、当時殆んど多くの議員はあの法案の内容を知らなかつたと思う。そうして急遽通して、國家の法律になつた以上は許せないというような建前を取つて、この爭議を極めて解決困難にしてしまつたという点があると共に、もう一つは、臨時給與委員会が最初発足いたしましたときには、給與水準だけを決めると、こういうような建前を取つておる。これについて政府側に質しましたが、政府側は明快な答弁をその後もしないわけですが、實際に國鉄以外の組合がこれに入らなかつたということは殆んど給與水準だけを論じ、給與体系を論じなかつた。給與体系を論じなくて給與水準だけを論ずるようなものでは、實際の水準は出て來ないというようなところから、その他の組合は入らなかつた。ところか途中になりましてから、その臨時給與委員会が急遽給與体系を入れた。勿論この給與体系は、政府側と組合側においては非常に大きな相違があるわけであります。そうして最初入れないと言つておつたのを途中から入れて、一方的に給與体系を持込んでしまつた。そうしてそれを中労委の裁定によつてできた臨時給與委員会の答申として議会にも持込んで來ておる。そういう事情を正確には説明していないので、議員の人たちも知らない。即ち從來政府がこの爭議全体を通じて取つて來た点に非常な落度があつたということを例として挙げたのですが、(「簡單に願います」と呼ぶ者あり)こういうふうな状態が、實際爭議の解決を極めて困難にしたと思うのです。それで大藏大臣の御答弁を願いたい。もう一遍結論を言いますと、一つは、さつき申しましたように、前の答弁とこの實行との間に差がなかつたかどうかということ、一つは、一月から三月までの臨時的なものというふうに、臨時的だと言うとおかしいのでありますが、ともかくもあの追加予算に上程されたものについては、一月から三月のものというふうにして我々は受取つた。ところが實際になつて來ますと、もう一定の動かすことのできない水準及び給與体系として組合側に與えられたというところに矛盾はなかつたかどうか点差異はなかつたかどうかという点でありますが、それをお聞きいたしまして、私は最近の爭議の問題につき、或いは全財の問題についてもう少し質問したいと思います。
#22
○國務大臣(北村徳太郎君) 只今の中西君の御質問にお答えいたしたいと思います。第一の点でありまするが、條件を附けたのか附けないのかという御質問であります。これは、ここで私が申上げたように、條件ではない、併しながらこれを呑んで貰いたいということを労働團体に懇請しておるのであるということを申上げたわけでありまするが、そのことはその通りであります。と申しますのは、これは現在の内外の情勢が、どうも外資導入その他の問題があり、対日援助のアメリカ議会の提案等がありまして、関係するところが非常に多いので、何とかして只今の労働紛議というものを解決しなければならん。それでこれをチャンスとして、労働組合側には甚だ不満足な点もあろうけれども一應呑んで頂きたい。そういうことを懇請するのであつて、必ずしも絶対的な條件ではないということもここで御説明申上げたのでありまするが、それはその通りに考えております。それで今も尚これを呑んで頂きたいために努力をしておるのでありますが、不幸にして紛議が起つておる、こういうふうな状態であります。これは結果から見た話でありますけれども、私はそのときの説明通り、これを絶対的な條件とはしておらんという答弁は、その通りであります。それからその他の細かい点でありまするが、これは第一、給與審議会を設けましたときに、各労働組合に加入を求めたのでありますけれども、不幸にして國鉄以外の方々の参加を得なかつたことは極めて遺憾でありましたが、そういう方法によつてやつて來たということは、これは今のところ止むを得なかつた方法であつて、これで決まつたということに対して御承認を願うより外はない、こういうふうに考えておるわけであります。
 その他多岐につての御質問がございましたが、今幸い労働大臣も見えましたので、私の答弁以外の点は、労働大臣より御答弁願うことにいたしまして、衆議院の予算委員会で早速来いということでありまして、甚だ相済みませんが、済んだら早速参りますから、さよう御了承願います。
#23
○委員長(櫻内辰郎君) この際、國土計画委員長の赤木正雄君から発言を求めておられますので、これを許可いたします。赤木君。
#24
○委員外議院(赤木正雄君) 簡單にお伺いいたします。第一は、災害復旧の最も急を要するのは申すまでもありません。生産の上からいつて必要なことはこの前も申しました。併し一般の治水事業、例えば今直ぐ堤防を復旧して置けば、或いは堤防を作つて置けば、水害は起らない。併しこの提防をこのままに不完全にして置けば大水害が来るという場合に、これは災害復旧と同じように、或いはそれ以上に重要な仕事だと思います。今僅か十万円くらいの金を掛けて堤防の一部を完成して置けば、それによつて水も入つて來ん、從つて耕地も荒れないという場合に、経済の部面から見ましても、災害復旧以上にこの一般治水事業は重要に思う点もあります。これに対して私は災害復旧と一般治水事業には、場所によりますが、決して、その甲乙のない重要性のように考えておりますが、大藏大臣のこれに対するお考えを先ず伺いたいと思います。
#25
○國務大臣(北村徳太郎君) 只今の赤木委員長のお言葉は極めて御尤もでございまして、例えて申しますと、災害復舊は対症療法であつて、治山、治水がむしろ根本療法であるというふうに考えるのでありまして、その点委員長のお考えと私の考えておりますこととは全然一致いたしております。
#26
○委員外議員(赤木正雄君) 私の思つておることと大藏大臣のお考えと全く一致しておる点を大変喜びます。つきましては災害復旧の今回の四億六千九百万円ですか計上されておりますが、この中の二億円は二十二年度の公共事業費の中から廻つておるように聞き及んでおります。これはまだ承認をされてない金から行つておる、これも誠にその通りと思います。併し地方といたしましては、とにかく公になつておりませんが、これ程の仕事が來るものというふうな考え方を予め持つて二十二年度の仕事を着手しておるのであります。むしろそれが今まで残つておるということは、これは仕事する方も不都合でありますが、もともと承認を得られてない、これは非常に不合理であります。これは政府当局も今後は第一にその承認を得るように、今後とも一段の御協力を願いたいのであります。こういう点から行きまして、二十二年度の仕事がまだ残つておる、そのためにその二億円を以て災害復旧の方にお充てになるということは、結局根本治水に対してそれだけの欠陷が起るというふうに思います。この二億円の欠陥に対してはどういうふうに御処置なさるお考えでありましようか。これを承わりたい。
#27
○國務大臣(北村徳太郎君) 極めて御尤もな御意見でございまして、殊に治山、治水のこと、これは日本においては耕地は國土の十七%しかないのでありまして、傾斜地帶、山が非常に多いのであります。從つてこれに対する手当をしなければならんということは勿論でございまして、從つてこれに対しては今後も優先的に処理いたしたい。できるだけ、特に國土委員長の御計画、或いはお考え等に副うようにいたしたいという念願を私は持つておりますが、何分どうも苦しい財政の中でやり繰りをしなければならんという實情でございますので、今回のここは特に治山、治水のことを決して忽せにするわけではございませんけれども、もう東北地方においては、水害のあと雪解けが來まして、今大変な状態になつておるので、一應この急場を何とかして早く救わなければならんというような、緊急止むを得ざるに出でた処置として、二億円をこれに入れるということにいたしたのでありますが、治山、治水のことは、先に申しましたように、實はこれは根本療法である。從つてこの面に対して、今後財政の何とか都合の付く限り優先して、成るたけ早い機会に御希望に副うようにいたしたい。かように存じております。
#28
○委員外議員(赤木正雄君) もう一点伺います。戰爭中におきましても、公共事業費の一般予算に対する割合は平均一割一分に相当しております。終戦以來、終戦処理費を加えた全体予算に対する公共事業費の割合は四分五厘又終戦処理費を除いたその他の予算の合計に対しては六分五厘、要するに公共事業費が非常に少いのであります。併し一般の國民は、もう戦争もなくなつたのだから、公共事業をよくされて、道路を直し、港湾をよくし、治水を完成する或いは土地の改良をされる。そういういうことによつて日本の再建を要望しておりますから、これは御無理な注文か知れませんが少くとも戦前或いは戦前以上に公共事業の率をお上げ下さい。これを希望する次第であります。私の質問はこれで終ります。
#29
○委員長(櫻内辰郎君) 大藏の事務当局に対する御質疑がありましたら、この際にお願いいたしたいと思います。
#30
○中西功君 今日までの徴税實績は、大体分つておるでしようけれども、分り易く一つ説明して頂きたいと思います。
#31
○政府委員(河野一之君) はつきりした最近までの數字は、或いは主税局の方から申上げた方がいいかと存ずるのでありますが、本年度の予算におきまする租税收入は円予算額は千三百五十三億九千万円ということになつておりまして、そのうち四月から十二月までの實績が四百四十八億七千八百万円、一月の實績が九十六億八千万円、二月の實績が三百三十五億二千百万円、三月の見込は、最近までの實績が手許にございませんのでありまするが、大体二百十億程度というふうに考えております。四月以降残額は大体徴收できるという見通しを持つております。
#32
○木村禧八郎君 ちよつと資料をお願いしたいと思います。日本銀行の最近の收支状況、例えば最近通貨が非常に殖えて、二千億を超えておりまして、相当発行利益があると思うのですが、その発行利益をどういうふうに使つて、おるか。納金はちつともないわけですから、そういう事情を知りたいと思うのです。
#33
○政府委員(河野一之君) いずれ後程提出いたします。
#34
○委員長(櫻内辰郎君) それからこの際、厚生省の政府委員がお見えになつておりますが、厚生省に対する御質疑がありましたらお述べ願いたいと存じます。
#35
○川上嘉市君 医療が近來非常に高くなつて來まして、極く田舎の方でも一回の往診を頼んでそれに一日分の医薬を加えますと、約二百円というような程度になつております。それから歯科医のごときは歯を一本治すというと千円、二千円というのが殆んど通り相場なのです。それから又外科医の手術料が、極めて小手術と思われるようなものでも千円というような単位になつております。到底現在の國民の收入で以て賄い得ないような程度に逹しておるように我々は考えます。これが公定がどのくらいでありますか。又闇に対してどういうふうなお考えを持つておりますか。一應御返事を伺つて、續いて又御質問したいと思います。
#36
○政府委員(東龍太郎君) 只今御質問のありました通り、現在医療費が、殊に一般の開業医に掛かります場合の医療費が非常に高いということはお説の通りであります。併しながら一方又國民の経済負担能力の範囲内で行われる医療もあるわけであります。御承知の通り社会保險の診療がその主なるものでございます。この社会保險の診療費でありますというと、診療の單價というものを決定いたしております。一点一点と申します点数計算になつておりまして円その單價が現在のところでは六円を基準といたしております。三月以降は六円を基準といたしておりまして、例えば入院いたしますというと、入院料は二十点ということになつておりますから、百二十円でございます。そのうち半額の十点はこれは食費でありまして、十点が純粋の医療費ということになつておりますから、入院の場合には医療費が六十円で、食費が六十円というふうな程度でありまして、その他投薬いたしますれば、水薬は何点、或いは又手術をいたしますれば、その手術の程度によりまして何点々々という点数が決まつておりまして、只今の入院料から御想像頂けます通り、この診療單價による保險診療費というものが、決して法外な値段ではないと考えておるのでありますが、ただ一般の開業医の取ります診療費は極めて高額であるということは、これは御説の通りであります。これは又医師、歯科医師等の側から申させますというと、とにかく生活をして行かなければならん。それから医療に用ゆるところの医薬品その他が非常に高い。それから又税金が医師に対しては非常に過重であるというふうな理由を挙げまして、その医療費が正当であるという主張をいたしております。その中には我々が是認し得るものもありますが、今お説の通り是認し得ない程高價なものがございます。ただ併しながら医療費につきまして、これを公定價格というふうな考えを以てこれに臨みますことは、現在私共は考えていないのでありますが、何らかの医療費の標準、妥当であり、又國民の経済負担能力と餘りに懸け離れていないというふうなものを我々としては設定いたしたいと思いまして、目下その資料を整理中であるわけであります。
#37
○川上嘉市君 これは單に医療に関するばかりでありませんが、当業者がこれだけないと赤字だという数字というものは、實は非常に掛け値があります。これは農家についても、或いは漁村についても、皆税が沢山かかるのであります。この通り赤字だということを官庁に対して説明はいたしますけれども我々實際の民間人が膝を交えて話をするときには、そんなことを言つておりません。例えば開業医が、私の友人の子供が博士でありますが、外科の方で、病院を造るというので、一昨年でありましたが、その当時何も金のない人ですが、病院を造つて、七十五万円ぐらい掛かつた。こういう話。それでその金をどうして返すのだと聞いて見たところが、一年やれば直ぐ返せると言つておりました。昨年聞いて見ると、その後返して、又八十万円借りて病院を建て増しておると、こういう話をしておりました。恐らくはどこの病院も、民間の開業医の病院は皆同じような計算でありはせんかと私は想像しております。このことを曾て議会で以て、貴族院の時分でありましたが、私話しまして、それでその時聽いておつた竹中組の社長が、あんなことをあなたが言つたけれども、そんなことがあるかと思つておつたところが、實は自分の所で以て病院を建てることを頼まれた。その人は百万円掛けた。百万円掛けてどうかと思つておつたところが、やはり一年経たんうちに皆返してしまつたというので、やはり本当でしたというような話をしておつた。實はいろいろな方面で我々が調べて見て、大抵の場合に当業者は、これは赤字だ、これでなければ困ると、こう言つておりますけれども、實はそうでない場合が大部分でありまして、名刺を持つて、官廳の役目の書いた名刺を持つて調べに参りますと、皆そう言うかもしれませんけれども、そうでないということを一つ御承知を願いたいと思います。それで先程國民保險の医療の点数のお話がありましたけれども、それと開業医の決めております……組合で決めておりますか、どういうのですか存じませんけれども、その割合はどんなふうになつておりますか、それをちよつてお伺いして置きたい。
#38
○政府委員(東龍太郎君) 只今の實例を挙げてのお話、これに対しましては、私もそれを否定する意思は毛頭持つておりませんで、そういう事實のあることは承知いたしております。從つて開業医の申します計算を、そのまま私共は鵜呑みにする気は毛頭ございません。我々といたしましては、そういうふうな一方的な計算の虞れのないような病院、診療所を選びまして、十七府縣に亙つて目下四百余りの報告点得まして、そうして今のような点数計算をいたしております。その集計はまだできておりませんが、大体やはり妥当なところと申しますか、保險診療単価のような程度のところに落ちて参りますようであります。從つて開業医といたしましても、いわゆる大きな利益を見込まないでやつておる者については、やはり保險診療單價が決して余りに低いということではないと言えると思うのでありますが、一方医師が持つております、いわゆる慣行料金と申しておりますが、保險診療單價でない、いわゆる世の中で行われております慣行料金でありますが、これと一点單價との間の開きは、時期によりましていろいろ違つておりますが、仮に現在医師会方面におきまして、先般保險料金の値上げの場合に、いろいろと議論をせられましたものを以て比較いたしますというと、先ず二倍というところであります。医師会が要求いたしましたのは、保險診療單價の二倍程度のものを以てごの一点單價にして貰いたいという要求でありました。
#39
○川上嘉市君 二倍とおつしやいましたけれども、實際にそれが守られておりますか。これらの点について實はもつとよく監督をして頂きたいと考えるのであります。國民保險があるでないかというような最初のお話がありましたけれども、私共いろいろ實情を聞いておりますというと、患者がこの保險によつて医療を受けに行く場合と、そうでない場合とのお医者さんの取扱いは全く違つております。お医者さん同士の話を我々聞いております。その話を聞いて見てもそういう患者は特別扱いであつて、うるさくてしようがないというような待遇でありまして、全然親切に取扱つているということは殆んどありません。從つて國民は医療費が高いに拘わらず開業医にかからなければならんというような現状であるのであります。これはどこまでも、一つ國民の味方になつて、いわゆる医療というもの、正しい医療が安く行く、そうして病気になつた不幸な人たちが本当に幸福になり得るように、一つ御心配を願いたいと思うのであります。そうでないというと、今日ちよつと病気をして医者にかかつたら、もう破産をしてしまわなければならん。殆んどすべての家庭がみなそうだと思います。それでこの監督でありますが、どういうふうにやられますか。事實料金が適正に守られているかどうか。それらの監督、監査というようなものは、どんな方法でどういうようになつておりますか、伺いたいと思つております。
#40
○政府委員(東龍太郎君) 保險医療に対する医師側の方の態度が面白くないというお話でありますが、これは誠に遺憾なことであります。併しながら事實として認めなければならないことでありまして一この点は医療における最も根本的な問題で、これは医師そのものが医療というものを如何に考えているかというところに帰着すると思うのであります。それで、医業は一つの商賣、ビジネスというふうな見方が今までの多くの開業医の態度であつたろうと思います。これは併しながら根本的な誤りでありまして、医療、医業というものは、これはビジネスではなくつて社会に対するサーヴイスである。これが医師の当然守るべき本分であろうと思います。それが今まで日本において行われませんでしたことは、これは専ら医育機関がその責を負うべきものであろうと思うのでありまして、私自身も医育機関の者でありますが、その点は自分自身の責任として痛切に感じております。特に厚生省に参りまして以来、痛感しておりますので、医育方面における医学生の訓育の面に、社会に対するサービスという感じが十分に入つていない。卒業して医業をやれば暫くの間に資産家になれる立派な優位な事業であるというふうな考えがある。これが間違の本だと思つております。この点につきましては、厚生省といたしましては、公共的の性格を持つた医療機関というものが日本の医療の本流であるという厚生省の考えを明らかにいたしておりまして、開業医というものは現在において成る程数においては大多数を占めておりますがあのやり方が日本の医療の主流であつてはならない。公共的な医療機関即ち保險診療程度の診療費を以て十分な医療を行い得るような機関がこれが國の医療機関の主流であるべきである。そういう工合に我々は持つて行きたいと考えておるのでありまして、現在數は少ないのでありますが厚生省が直接運営いたしております國立病院療養所等は正にその線に副つた施設でありまして、こういうふうなものを國に多くにいたしますことが、現在のような開業医によつて示されるような弊害の点を除去する唯一の途だと考えております。
 医師に対する取締りの問題でありますが、直接今のような医療費に対する監督を私共厚生省としては行なつておりませんで專ら医師会へ委せておつたのであります。この医師会會御承知の通り最近新らしい医師会に全然改組いたされまして、從来の医師会の同業者の組合同業組合業権拡張とか、或いはそういうことに専念する虞れのあるような医師会ではないものに相成りました。開業医は勾論のこと大学病院或いは大学等に勤めております医師、或いは厚生省その他におります衛生技術官等全部の医師を網羅した医師會と相成つておるのでありまして、この医師会がその機能を正当に発揮いたしまするならば、診療費の監督、不当なる診療費を取るような医者に対する監督というようなものは、医師会の手においで十分に行われ得るものと信じております。すでにアメリカ、イギリス等点医師会におきまして、さような点まで余程完全に行われておると聞いておるのでありまして、將來は医師会の力において、医師の自粛と申しますかを行わせたいというのであります。但し料金の今の標準につきまして当、厚生省、私共の手許において妥当と思われるような標準の料金点数を示しまして、この標準によつて、勿論地域その他によりまして多少の幅はございますが、この標準を開業医といわず、公的医療機関といわず、すべてが、これを守つて行くように医師会を通じて指導いたしたい。さような考えを只今持つております。
#41
○川上嘉市君 只今の医師会の料金が私は適当なりやどうかということについて、非常に疑問を持つております。という理由は、我々の仲間の医師の話を聞きますというと、この公定の値段が、他の物價が六十五倍になつたと、六十五倍というその基準まで大体似たようなふうに話しております。これは非常なる間違いであります。例えば、物によつて六十五倍ということは、工場製品におきましても、非常に沢山造るものと、そうでないものと、その間に開きを置くべきものだ、一律に六十五倍ということは、非常に間違つておる。例えば映画館というような興業物であつて、一つの映画で以て非常に沢山の人が、千人も二千人も三千人見ても同じだ、原価は同じだと、こういうものに対して六十五倍を掛けるということは、非常な間違いであると同様に、医師の診療の相手というもの、患者というものは、数が非常に多い、一人の医師に対して何人も行くというときには、他の物價が六十五倍であつたら、遥かに以下でなければいかんというのは、これは原價計算を苟くも知つておる者は直ぐに肯定し得るのであります。ところがこの頃聞いて見ると、医師が、ついこの間まで、三月か四月前に漸く三十倍まで漕ぎつけたと、それが最近聞いておると、もう六十五倍になつたというようなことを言つておるのです。これは非常な誤りです。明らかに私は断言します。この半分でもよろしい、或いはもつと低くてもよろしいと、こう考えるのであります。そういうような意味で、今ある医師の診診費というものは決して安くない、高過ぎる。而も先程税のお話がありましたけれども、我々いわゆる勤労所得の税はまあ十万円とか十五万円とか越しますというと税が八割二分であります。八割二分しか自分の手に残らん、五分の四以上税に取られるのであります。ところがお医者さんの税というものは我々知つております。我々友人の租税を知つておりますけれども、恐らんそんなに納めておる人は一人もありません。五十万円の收入があつても二割も出さない。こういうようなことで、皆私に言わせれば嘘であります。嘘つぱちを言つて沢山に取つておると言うのが現状であつて、そうして國民は困り抜いておるというのが当状であります。医療の監督を担当されます厚生省におきましては、もつとこの國民の本当に困つておる大多数の人の味方になつて、將來今申しましたようなことを御参考になさつて強力に一つもつと改善して頂くように希望いたします。
#42
○姫井伊介君 國民健康保險組合法の改正案は、いつ頃お出しになりますか。それをお伺いいたします。
 次は、大藏当局に伺つたのでありますが、分與税関分與金と、生活保護費の交付金関係でありますが、御承知の通りに市町村におきまする生活保護費の負担の関係から、ともすれば保護の適用が壓縮されておる。從いまして分與金の内訳に交付額が明示されるならば市町村も非常に安心してこの仕事が推進されるわけなのであります。大藏当局の御答弁では内訳を明示することは困難だということであります。他のものを一々明示することは困難でありましようが、これは國民の最低生活保障の上におきまして非常に重大な関係を持つのでありますから、若し分與金の中に生活保護費補助の意味が含まれておるものでありまするならば、はつきりと示す方が法の活用上非常に有効ではないかと思いますが、この点につきまして厚生省側ではどういうふうにお考えになりますか、お尋ねいたします。
#43
○政府委員(東龍太郎君) 只今の御質問は私医務局長の所管外でありまして、第一問は保險局長、第二の御質問は社会局長の方の所管になつておりますので、その方から答弁いたすように私から申し傳えたいと思います。
#44
○委員長(櫻内辰郎君) 午後一時三十分まで休憩をいたしたいと存じます。
   午前十一時四十二分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時十八分開会
#45
○委員長(櫻内辰郎君) 只今より開会いたします。休憩前に引續き質疑に移ります。商工省の政府委員がお見えになつておりますから、商工省に対する御質疑を願いたいと思います。岡本君。
#46
○岡本愛祐君 商工大臣に質問の通告をいたしておいたのでありますが、商工大臣がお忙しいというので見えませんから、政府委員にお尋ねいたします。
 この商工省関繊維局で繊維製品の需給調整に関する事務を処理するために三万二千円、それから繊維製品の生産に関する資材の割当及び繊維製品の統制事務を処理するために七百四十二万一千円という暫定予算の四月分計上がありますが、どういう仕事をしておるのですか、御説明を願いたい。
#47
○政府委員(鈴木重郎君) 繊維局予算の需給調整に関する事務でございますが、これは繊維局といたしましては、この需給計画そのものは、御承知の通り経済安定本部で編成をいたしておりました基本計画に基きまして、先ずその衣料品になります原料に関する需給計画、生産計画を立てるのでございます。即ち棉花について申上げますれば、その期別の生産計画のうち安定本部が司令部の御了解を得まして作りました國内用、輸出向けの數量の範囲内におきまして、繊維局といたしましてはこれの工場ごとの生産計画、品種別の生産計画を作るのでございます。更にその生産計画に基きまして第二次の製品でありまする衣料品の生産計画を編成いたすわけでありまするし、更に續いてでき上りました衣料品、即ち作業衣であるとか或いはその他の衣料品につきましてはこれの用途別、或いは地域別配当計画というような計画を作りまして、その採用をいたすわけでございます。その際その最終の製品でありまするいわゆる衣料品以外の製品につきましては、その生産の都度それに必要な原料の割当をいたすのでございますが、その割当業務はいわゆる指定生産資材といたしまての繊維原料で当ございまして、それの各工場別割当計画を立て、それに基きましていわゆる購入割当切符の発券事務は全部繊維局において担当いたしておるわけでございます。大体主なる仕事はこれらの繊維製品即ち棉花、羊毛、麻、絹、人絹、スフといつたような原料関係から、それを原料といたしまして作るところの糸、織物更に織物を原料といたしておりまする衣料製品の生産計画を立て、それに必要な原料の割当を行い、できました製品のいわゆる國民配給の消費割当をいたすというような業務が、繊維局における生産配給に関するいわゆる需給調整の業務の主たるものでございます。
#48
○岡本愛祐君 その業務のために職員を何人使つているのですか。
#49
○政府委員(鈴木重郎君) 昨年の既定予算とそれから新らしい配給制度の切替えに伴いまして、民間の機関を資材の割当等の業務に協力を求めておりましたが、これらの民間團体が諸般の事情でこれが活用することができなくなり、且つ一面民間の統制團体等も解散、閉鎖を命ぜられました結果、これらの統制業務に関する事務を政府側に委譲するごとに相成りましで、それに伴ういわゆる物資調整官と申しておりますが、これらを以てそれらの事務を担当するように充足せられて、現在は予算面で持つておりまする職員が、繊維局でこれは全部の職員を含めまして予算面上で編成されておりますのが八百三十名ばかりでございます。ただ現在のところはまだ民間の團体も全部閉鎖されてはおりませんし、又從いまして差当りは漸次民間國体の閉鎖に伴いまして、その団体におりました職員を漸次政府側の職員といたしまして採用するような手續を進めておるのでございます。現在のところではまだ人員は三百十名足らずだと思います。たしか最近のところで三百十名くらいが充足されておるような状況でございます。
#50
○岡本愛祐君 その三百十名というのはどこに勤務しておるのですか。本省であるか、又地方商工局であるかということを伺いたい。
#51
○政府委員(鈴木重郎君) 只今申上げましたのは、全部本省の繊維局におる職員だけでございます。尚これに関連いたしました各地方の商工局に繊維の割当業務の一部を委譲しておりますが、只今申上げました職員は全部本省の繊維局のみの職員でございます。
#52
○岡本愛祐君 昨年七月でしたが、連合國の方の解散命令によつて解散をした日本織物統制株式会社というのがあつたそうですが、その解散後の処置、それからそれの取扱つておつた織物、そういうものの事務はどこがやつておるのですか。
#53
○政府委員(鈴木重郎君) 御承知の通り、從来はこの日本織物統制会社が國内におきまする生産された織物の一手買取、一手販賣をやつておりました統制会社でございましたが、昨年十月一日に閉鎖命令を受けたのでございます。その当時すでに数ケ月前からこれらの統制機関が閉鎖されるということが事実上連絡を受けておりましたので、その当時主として持つておりましたもの、これは原反でございます。衣料品でございません。綿織物、絹織物、麻織物等の原反につきましては、この実際の業務はこれらの統制会社の代行機関といたしまして、從来の民間の業者を代行人として利用して参つたのであります。從つてその当時におきましても、現実にはこの統制会社の代行機関である個々の民間業者が、これらの從來の経験なり専門に從いまして、綿製品用なり、絹製品なり、麻製品を担当しておつたのでございまして、そこで大体閉鎖の間近であるということを予想されまして、司令部方面の了解を得まして、日本の國内における配給業務の円滑な切替えをしたいというので、司令部の許可を得まして、その閉鎖以前に持つておりました在庫品は一部のものを除きまして、從來この営業を担当しておつた民間の代行人に譲渡するために手續を終らしたのであります。閉鎖指定以後は指定業務といたしまして、御承知のように一部の業務は許されて参つておりますが、それは特に進駐軍関係の繊維製品についてでありまして、進駐軍用に必要な原反については、この統制会社が、その後も引続いて尚今日まで進駐軍関係の原反を取扱つて参つております。現在のところでは、これは極く最近に完全閉鎖になるわけでございますが、その際は無論閉鎖機関処理委員会の手續を経まして、持つておりまする進駐軍関係の原反も他に譲渡するようにいたしたいというので準備中でございます。閉鎖指定の以前に大部分のものは肩替りをし、進駐軍関係のものだけは今日尚引続いて作業しておる状況でございます。この会社の監督、指導は現在のところは、やはり指定業務につきまして繊維局が主掌いたしております。
#54
○岡本愛祐君 その代行会社又は産元会社に拂下げ、肩替りをしたその原反の所有権は今どこにありますか。
#55
○政府委員(鈴木重郎君) 織物会社が所有しておりましたものを代行人に譲渡いたしましたので、その所有権は譲り受けた代行人の所有になつております。尚それの配給につきましては、その後御承知の通り登録販賣業者制度が施行されまして、それらの業者はいずれも販賣登録業者になつておるわけでございますけれども、特に登録が受けられなかつた業者は登録された他の業者にその持つておりました物を譲渡させております。又その数量の調整につきましては、いわゆる販賣業者割当制度を適用しておりますので、特に沢山の数量を持つておりました業者は、その割当数量に充たない他の登録業者に譲渡するというような方法によりまして調整をいたして、今日國内の指定生産資材としての原反の割当、國民衣料品としての生地の割当の給源になりまして、所有権は引受けました代行商社の所有になつております。
#56
○岡本愛祐君 民間で傳えられるところによりますと、日本織物統制会社が閉鎖を命ぜられまして、その取扱つておつた織物が、從来の代行会社とか産元会社に拂下げ肩替りした、その時に公定價格は旧の公定價格で拂下げをした、從つてその会社は非常な大きな儲けをした、こういうことが傳えられております。尚その閉鎖と前後してできた他の指定会社はその恩典に浴することができなかつた。こういう不公平があるようですが、その点について知つておられることをお述べ頂きたい。
#57
○政府委員(鈴木重郎君) 閉鎖の指定を受けましたのが十月一日でございまして、大体その年の肩替りの価格につきましては、概ね八月頃決定せられました新物価体系に基く新価格で譲渡をいたしておりますが、尚決定の遅れたもの、或いは決定以前に肩替りいたしましたものについては、今お話のような古い価格で譲り渡したものがあるわけでありますが、これは当然会社の手許のリストによりまして、当然その價格差益金を政府に徴收されるように相成つておるわけであります。從つて尚その譲り渡しを受けられなかつたような他の商社、それは御承知の通り十月以降になりまして新らしい販賣登録会社ができたわけでございまして、從来の統制会社の代行店でなかつた新らしい会社につきましては、手持品がない、こういうふうな場合があるわけでございまするが、これは國内の衣料品に関する限りにおきましては、先程申上げました通り、販賣業者割当を行いまして、この代行店であつた登録業者の持つていたものも一定數量を超えたものは、他の新らしく登録された販賣業者に譲渡さしておりまして、この点で概ね調整を取つて参つたのでございます。ただ指定生産資材のいわゆる販賣業者でありまする業者につきましては、この指定繊維資材、この原反につきましては販賣業者の割当制度が実行できない事情にあつたわけでありまして、従つて指定繊維資材の販賣業者につきましては、需要者である各工場からの注文がない限りは仕入れることができない。こういう一つの不合理があることは事実であります。この点につきましても、衣料品である生地類と同じように販賣業者割当をいたしまして、その間の調整を図りたいと思つたのでございますが、これは実は関係方面といろいろの連絡の都合がございまして、結論といたしましては、そういう販賣業者割当をすることができない事情に立ち到りましたために、指定生産資材としての原反を持つている登録業者については、今お話のような不公平と申しますか、原反の比較的手持数量の少い業者と、織物会社の代行店であつたものは比較的多数の在庫品を持つことができた。こういうふうな点がでたことは事実でありますが、今日ではもはや相当の時日も経過して参りまして、これらの販賣業者の指定生産である繊維資材につきましては、大体需安工場から環流して來る切符によつて仕入れるという方式が、大体軌道に乗つて参りましたので、その在庫品が多いとか、少ないとかいうことによる弊害は、今日のところは見受けられなくなつておるような状況でございます。
#58
○岡本愛祐君 この日本織物統制会社か連合國から閉鎖を命ぜられて、それに対して、その從來の縁故のあつた代行会社又は産元会社だけが恩典を受けて、そうしてその他のものが受けられなかつたという不平は非常にあるようです。今御説明のあつた事情は大体了承いたしましたが、何とかこの不公平か緩和されるような処置が講ぜられないのかどうか、それを伺いたいのです。
#59
○政府委員(鈴木重郎君) この統制会社の在庫品を肩替りいたしましたのは、その当時の代行店として統制会社の実務を担当しておりました各社別のその当時のそのままの姿で肩替りをいたしましたので、物によりましてはすでに今お話のように沢山持つていた代行人もある、比較的少く持つていた代行人もあるわけでございますが、この点は先程申しましたような調整で実はやりたいということであつたのでありますが、衣料品を除きましては、その操作が実はうまく行かなかつたという事情でございまして、從つて多少の價格差益金等の問題にも関連いたしまして、今後におきまして、例えばこの販賣業者割当ができない現状におきましては、その取扱実績と申しますか、取扱う實績の基礎になつた手持品の数量等を考慮いたしまして何らかの措置を講じたい、この点は研究いたしたいと思つております。
#60
○岡本愛祐君 過般の本会議で、総理大臣の施政演説に対しまして、緑風会の同僚議員からも、繊維製品の極端な國民的窮乏を何とかする方策を考えていないのかという質問があつた次第であります。二十二年中の一般家庭配給を調べて見ますと、六人家族で足袋一足、靴下一定、晒手拭二本、これだけしか配給が行つてないのであります。繊維製品について……。それから戦災者として配給を受けたものは、雑綿布半ヤールだけ、こういうような状態であります。それから二十三年、今年の切符制になつて、今までに六人家族の家庭が配給を受けましたのが、縫糸が五匁、靴下が三足、足袋が三足、これだけであります。で、これは戦時中から繊維製品の統制が始つて、段々窮屈になつて來て、戦争終了後はこういう有様で、もう戦災を受けた者これはいうまでもなく、戦災を受けない者も、非常に繊維製品が枯渇して來た。これはもう何とかして頂かんと、肌着も靴下もない足袋もない、この夏の浴衣をどうするかと、少し贅沢をいえば、シーツも破れてどうにもいけない、蒲團のカバーもどうにもいけないというふうになつて参りまして、これはもう何とか政府の方でして貰わなければならないのであります。幸い、新聞の報ずるところによると、六千万ドルの棉花借款もできそうであります。棉花その他についての一億五千万ドルの回轉資金等もできたようであります。日本も段々棉花とか羊毛とか多くなつて來るのでありますから、これを政府の努力によつて、少しでも一般家庭配給に廻すように努力をして頂きたい。このことについて、どういうふうに今年は計画しておられるか。それをお尋ねしたい。
#61
○政府委員(鈴木重郎君) 昨年度の昭和二十二年度の配給計画といたしましては、御承知の通り一人当り、人口総平均で一ポンド八分という配給計画になつておりまして、而もそのうち主として鉱山、工場等の労務者用の配給品或いは農村の供米報奨用その他戦災者、学童、妊産婦、引揚民といつたような、特殊の事情の方々に対する特殊配給の数量が大部分を占めておりまして、從つて一ポンド八分の中で、いわゆる今お話のような、一般家庭配給は約その半分以下でございます。從いまして特に今お示しになりましたような指定品目、タオルであるとか、縫糸であるとかといつたような指定品目につきましては、この裏付けを確保する措置をとりまして、昨年の登録制度が軌道に乗りましてから、第一回の割当が昨年の十一月漸くできたような事情もございまして、その後本年度の割当は去る三月の二十七日で第三回の割当をいたしまして、いわゆる國民配給の分は一応全部割当を了したのでございます。併しながら現物はこの中央から各府縣に割当てられました品物が、各府縣の末端の配給機関であります小賣店別に割当がありその小賣店に対する割当が終りましてから、小賣店が問屋から仕入れて來て一般家庭に配給せられる。こういう手順に相成りまするので、所によりましては相当に円滑に行つてみる所もございますが、今御指摘の通りまだこの衣料切符によつて家庭に割当てられましたものが、全部済んでないことは事実でございますが、今漸次それらの品物が末端の小賣店に充足せられつつございますので、大体これの見通しといたしましては、この六月頃までに本二十二年度の割当切符に相当するものは全部完了いたしたい。こういうつもりで極力努力いたしておるのでございます。時期的には今申したような事情で少々遅れるのでございます。
 二十三年度の分といたしましては現在のところまだ決定的な措置が付かないのでございますが現在安定本部を中心にいたしまして、國内衣料の計画を編成中でございます。ただその根本をなしますのは、只今御指摘のありました通り羊毛、棉花等割合原料の輸入見通しは楽観しておるのでありますが、要はその後輸入されました原棉なり原毛なりが、我々の國内用の方にどの程度使用することが許可せられるかというところに掛かつておるのでございます。昨年は大体六月以前は、輸入した原料の消化いたしました数量の大体六月までは二割、七月以降はその三割を國内に放出を許されて参つて今日に至つておるのでございますが、二十三年度畫計画といたしましては、漸次國内事情の窮乏も更にひどくなつて参りますので極力國内需要の割合の増大方をお願いして折衝をしておるのでありますが、ただ現在のところとしてはその程度にまだ決定を見ておりません。併しながら大体のところは、我々といたしましては少くとも四割程度のものは國内に使わせて頂きたいということで今お願いをいたしております。大体その線に沿うて計画を立てて見ますると、本年度よりは相当程度の増加が期待できるのであります。先ず少くも二ポンド二、三分から二ポンド半ぐらいまでは何とかして國内の方に配給できるように計画を立てたいということで検討中でございますが、まだ決定したところまでは参つておりません。併し一方更にこれを緩和すると申しますか、というような点も考えまして、從来この指定四品以外の点数切符に相当する品物はなかなか点数を貰つたが欲しい品物がないというような点も非常にありますので、これは数量的には割合少いのでございますが、点数切符で買えるような品物は割合最近あるのであります。丹前であるとか寝巻であるとか「じんべ」といつたようなもの、或いは半纏、襦袢下といつたようないわゆる肌着類のようなものを、これは一部は当初の計画に余裕があると申しては何でありますが、そういう物品を配付しようといたしました方面の需要が、やや希望が少いと申しますか、余裕がありましたので、これを一般配給の方に振向けたような次第でございます。尚新聞等に報ぜられておりますような、輸出用といたしまして生産いたしました例のシャツのごときものも、出來ますならばこの際國内に放出して頂きまして、この國民衣料の給付を緩和するというようなことにいたしたい、こういうような点も考慮いたしておるのでありまして、現在のところまだはつきりどの程度のものが行けると確定はいたしておりませんが、そういうような暫定的な措置をする。又出來得る限り國内放出の原料の緩和方を懇請中でございます。

#62
○岡本愛祐君 切符があつても現物を買うことができないという状況で非常に國民は困つておりますから、政府の懸命の御努力を期待いたします。ところが、この綿製品にしろ、絹織物にしろ、又毛織物にしろ、この不正の闇賣をいいますか、それがなかなか横行しておる。これはどういう理由であるか、浴衣も實は一反二百円出せば手に入る、足袋一足二百円出せば手に入る、ワイシャツのポプリンなんかでも一着千円出せば手に入る、そういうふうで又ホームスパンなんかも五千円から一万円出せば自由に手に入るというような状況になつておる。これはどういうことからそういうことになるか。それについての御所見を伺います。
#63
○政府委員(鈴木重郎君) お答えいたします。この闇物資の給源と申しますか、どこから出て來るかという御質疑でございますが、從來私共の一応の推測によりますれば、闇物資の給源は一つは終戦当時におきまする、いわゆる軍需物資、或いはその当時のこの混乱に乗じまして、或いは生産業者或いは販賣業者等の手持品がルートに乗らないで、一般の闇市場に流れた。御承知の通り隠退藏物資の調査をして、それらの報告を求めて、これを適正ルートに乗せるように努力して來たのでありますがそういつた際にいわゆる報告を怠りまして、その軍需物資の流れた物、或いは当時持つていたような物が、闇商人の手を通じて残存しておるというのが、少くとも今までの最も大きな給源であると考えておるのであります。これは本來からいえば、生産業者なり販賣業者の手持品に、その後の手持品につきましては、しばしば調査もし、殊にこの配給制度によりまして、大体毎月の報告を取つておるのでありますが、今申したような他のルートに出て行つた品物については、いわゆる不正資源の調査をいたしました当時の報告以外には資料がないわけでありまして、それが報告された数量よりも相当大きなものが残存しておつたのではないかと、これが原因のように思われるのであります。尚それ以外の物といたしましては、これは比較的中小工場に多いと思うのでありますが、いわゆる指定生産にいたしましても、この一定の原料から生産されまする製品の、いわゆる歩止りが必ずしも元単位通りではないので、多少余裕を見て原料の配給をいたしております関係もありまして、この残反出目というものがあり得ることは事実であります。從いましてこれらの今申しましたような生産業者につきましては、各自のその生産状況、原料の消費状況、出荷状況等を全部計算いたしておりますので、大きな漏れはないわけでありますが、いわゆる完全に割当てられたものを供出いたしました残りに、多少の残反出目があるのでありまして、これが場合によりましては報告をいたさないで、他方面に横流しをするというようなことがあるのではなかろうかと想像いたすのであります。又実際において何故そういうことが行われるかと申しますれば、特に闇價格の点もありまするし、又時によりましては供出すべき價格、供出價格が決定せられないで、甚だしきは半年以上も現品は送つても値段が決まらない、値段が決まらないから金が貰えないというような事態も昨年は相当長期に亘つてあつたのでございます。從つてそういう間におきまして、いわゆる金融の都合等からも、工員には賃金を拂はねばならないということから割当てられた数量は、これは是非とも確保せねばなりませんが、今申上げましたような残反出目のあるものにつきましては、ごまかしても数量的にはごまかし得るというようなことから、場合によつては横流しをしたという事実があるということが、しばしば検察当局の手にも掛かつて事実が判明いたしております。從つてそういうようなルートから出て來る。これが先ず大体給源でありまして、それ以外には先ずあり得ないのであります。これの取締につきましては、特に検察当局、警察当局と御連絡をいたし、又私共の方に、司令部の方面の情報網に掛かつて來るこれらの不正の物資の取引につきましては当相当多数の案件が連絡を受けまして、例えば電話或いは手紙の検閲等に現われて参りまするこれらの不正取引につきましては、一々連絡を受けまして、特に検察当局、警察当局に連絡をいたし、その給源を検討いたしまして、場合によつてはその事実を確かめ得たことがありますので、給源といたしましてはそういうところから出て來るように思うのであります。これにつきましては、極力取締を厳重にいたしまして、しばしば各縣の会合等にも、この点をお願をいたし、特にこの不足した繊維製品の闇市場における取引を防止するように努力をいたしておりますが、何分にもまだこの点に不十分な点があるように存じまして、更に一層関係方面の協力を得るようにいたしたいとこう思う次第であります。
#64
○岡本愛祐君 只今お話の、指定生産者が歩止りが甘いのを利用して、その残反出目といいますか、それによつて横流しを非常にやつておる。この事実は明白でありまして、そういう業者の集つておる町はこういう時代に拘わらず非常な贅沢をしておる。又そこらの業者が遊覧地なんかに参りますと、非常に素晴しい豪華なことをしておる。こういうことは一面には綿製品の國民的窮乏に拘わらず、金のある者は何でも買える。金さえ出せばそういう繊維製品は何でも買えるという悪を助長しております。又一面にはそういう豪華な贅沢をして外の國民を朦朧せしめ、又羨ませるということになつております。これは嚴に一つ商工当局において取締つて頂きたいと思います。又絹織物にしましても養蚕農家が自家用のために屑繭の使用をされておる。ところが屑繭から取つた糸だと称してやはり供出しない糸を使つて、これを賃織屋にやる。賃織屋は一反二百円くらいで織りまして、農家はそれを闇に流す。又賃織屋は三反について一反ぐらいの残反といいますか、それを作りましてこれも亦闇に流しておる。これが銘仙とか何とか絹織物が世の中に闇に流れておる原因であります。こういうことを十分取締つて頂きたいことを希望して置きます。
 それからもう一つだけお尋ねいたしますが、これも民間で噂されておるのですが、商工省の一部の官吏が不正切符を発行して、つまり切符を附けて綿製品とか、毛織物とかそれを賣つておる、こういう噂があります。そういうことはありませんか。
#65
○政府委員(鈴木重郎君) 衣料品の割当につきまして繊維局の一部の官吏にいわゆる不正な切符を発行しそれを賣つておる者があるではないかということでありますが、切符の割当、切符の発行につきましては、今手續的には非常に厄介なのでありますが、この割当は極めて厳正公平にやることが必要でありまするので、單に一係官の手許においてこの切符が発行せられるというような簡單な手続を採つておりません。これは特にこの公正を確保する点と万一数字等にも間違いがありましては困りますので相当にいろいろな関係の方面の目を通しまして、最後に切符が発行せられて参りますので、只今御指摘のような点は、繊維局に関する限り、断じてないと申上げてよろしいと思います。
#66
○委員長(櫻内辰郎君) 岡本君はもうよろしうございますか。……大藏大臣に対する御質疑をお述べ願いたいと存じます。
#67
○左藤義詮君 四月の暫定予算が政府の不手際から大変遅れまして、而も昨日はでき上らなかつた。場合によつては、政府の誠意の示し方によつては、今日もできないかも知れない。今日一日の予算がなくて全く空白になつたというような事態は、実に空前なことだと思うのでありますが、これが各方面にどれだけの影響を與えておりますか。又それに対するどういう政治的な責任をお感じになつておりますか。その点を一つ伺いたいと思います。
#68
○國務大臣(北村徳太郎君) お答え申上げます。実は非常に御審議の期間が短くなりまして、その点は誠に恐縮に存じております。ただ何としても災害復旧費と六三制に関する経費を計上いたしたいということで、これはまあ相当に努力を続けまして、何とかしてこれを織込んだところの暫定予算を提出いたしたいと、かれこれ奔命いたしておりますうちに時間が迫りましてこれではどうもちよつと困るというようなことから、万止むを得ず一応只今の二つの科目を抜きにした暫定予算を出しまして、御審議を願つておる次第でございますが、その後今まで遅れたことの一つの大きな原因でございます災害復舊費並びに六三制の経費、これがまあ漸く了承を得ましたので、これは一両日の中に必ずこの暫定予算の追加として提出いたしまして、御審議を願いたい、こう考えておるわけであります。この件につきましては審議について甚だ御無理を願つておるのでございますが、御承知の通り暫定予算は緊急止むを得ざる一ケ月分のものでありまして、それがためにでき得べくんば昨日中に通過を願いたいということで、それぞれお願い申上げておつたわけでありまするが、何分政府の提出が遅れたためにかような事態になりまして、申訳なく存じております。ただこのことのために來る一つの困難なことは、利拂いが一つございまして、四月一日を期日とする利拂いがございまして、これがために非常に腐心いたしておりますが、本日幸いに本件が両院御通過を願うことに相成りますれば、これはまあ何とか処理ができるというところで、只今甚だ焦慮いたしておる、こういう次第でございます。この点に関して提出が遅れたために非常に審議期間を短くしたという点は、只今申上げた二つのものを是非取入れて御審議を願いたい。又二つのものが入らなければこれは審議がなかなか行かんぞということも非公式に伺つておりまして、さようなことになつてはますます困難であるということから、総理を初め閣僚殆んど総掛かりで、このことのために努力いたしたつもりでありますが、それが遅くなつたという点については甚だ申訳なく存じておる次第であります。

#69
○左藤義詮君 本日予算が空白になつたために利拂の問題で困難が起つておる、併しこれは今日通れば解決できる、こういうような話でありますが、今日一日空白になつても取返しがつくということでありますれば、二日か三日、どうせ序ですからもう少し愼重に審議をいたしましてもやはり取返しがつくものでありますか、今日一日ならば何とかできるが、二日、三日は困るという何かそこに変つた特別な事情がございましようか、その点を一つお伺いいたしたい。
#70
○國務大臣(北村徳太郎君) お答え申上げます。実は昨夜緊急に衆議院において各派交渉会を開いて頂きまして、衆議院としてはできれば昨夜のうちに通して貰いたいということを懇請したのでありますが、そのときに遅くて、實は多分これは私共の甚だまずい楽観であつたかも知りませんが、昨夜、これは大体通りそうであるというふうな情報なりそういうふうな傾向に察しましたので、こういうことにならんと實は考えておつたのでございまして、利拂いのこと、その他のことについては、当時それぞれの答弁等の機会に申上げておつたのであります。ところがどうもそういうふうに行かなかつたものでありますから、緊急に各派交渉会開いて頂きましてでき得るならばこれは本日の午後一時半頃までに両院が通るように願いたい、そうすると大体事態の收拾ができるということを申上げまして、御審議を願つたのでありますが、相当御質疑が多く、これは御尤もでありますけれども、いろいろ長い質疑が出まして、それがために時間が掛かつた、こういうわけなんでございますが、今日は甚だ恐縮でありますけれども、是非通過するように格別の御配慮を願いたい。明日に相成りまするというと、これは行詰りまして、政府としては進退極まると、こういうことに相成る次第で、是非本日通過を願いたい、このことを切に願つておる次第でございます。

#71
○左藤義詮君 お苦しい立場はよく分りますが、昨晩遅く通れば何とかなるということで、衆議院の方に非常に懇請されたが、通らなかつたので、今日一時半までならばいいのであるが、それがまだ通つていないというようなことでありますが、政府としては又いろいろ考えておられるようでありますが、五十歩百歩と申しまするか、そこまで何とか收拾が政府が責任をお取りになる範囲でできるものでありまするならば、私共は参議院の審議に相当愼重を期したいと思うのでありまして、若し今日これが通らなかつたらどういうような困難が起つて参りますか、今日の一時半までは解決できるが、明日ならば解決できないというような、何かそこに質問的な困難の根拠がございますか、その点を伺いたいと思います。
#72
○國務大臣(北村徳太郎君) 私の申上げたことに多少誤解を生じ易いことがあつたかと思うのでありますが、私は、衆議院の方の各派交渉会を緊急に開いて頂くと同時に、参議院に駈け付けたのでございますけれども、少し遅うございましてもう大部分お帰りになつておる方が多くて、漸く予算委員長にはお目に掛かることができて要請を申上げたような次第でありまして、参議院にも同様に懇請をいたしたような次第であります。それから一時半頃までにと申上げましたのは、一時半頃までに大体通して頂けば諸般の手續ができるというようなことでお願いいたしましたのでありますけれども、今日も今となりますれば、今日のうちにこれの通過を見ることができますならば、これは今日のことですから、今日から始まる予算において処理ができんことはない、明日に相成りますると、これは收拾ができなくなります。從つて明日になります場合には、法律的な処置を特にお願いしなければならんというような恰好に相成るわけであります。と申しますのは、四月一日を支拂期日どする國債の利拂いは一千万円でございますけれども、これは御承知の通り無記名公債でございますし、只今日本人以外の人々の手にも相当渡つておつて、これが手形交換を通じて取付けられる。その他これは四月一日を支拂期日とするものでありますから、四月一月に支払わなければならんということに相成りまするので、これを拂わないということになりますと、國家の債務に対して不拂いをしたというようなことになり、もつと法律的に考えますというと、そのことを原因として損害賠償を請求するというようなことに相成りまするので、そういう事態に陷れては相成らんと、これは勿論提出の遅れたという点に重大な点がありますけれども、遅れたのは、先に申上げたように、災害復旧並びに六三制を何とかして活かしたいということで、かれこれ奔走しておるうちに時が経つたというようなことでありますので、質的には、今申上げたように、一例でございますが、例えばそういうような問題もあるというところを一つ御了承を願いたいと存じます。
#73
○左藤義詮君 その点については、御苦衷誠に御尤もでありますから後に譲りまして、併し國民の聞かんと欲するところだけは愼重にやはり伺いたいと思います。先ず第一に、この二億円程の國債費、只今もお話の通り四月一日の分もございましたのですが、この國債費の中には問題になつております軍事公債も勿論含まれておると思うのでありまするが、その分はどれ程でございますか。それは四月一日の分、或いは四月十五日の分、或いは四月三十日の分もあるかも知れませんが、過去三月三十一日以前の利子を拂うのでありまするか、或いは四月新年度の利子もそこに含まれておるのでありまするか、軍事公債の分がどれだけありまするか、又その内訳、銘柄等を一つ伺いたいと思います。
#74
○國務大臣(北村徳太郎君) 本日の支拂期日になつておりますものが、軍事公債の分は、只今ここに資料がございませんからはつきり申上げることはできません。これは過去六ケ月分の後拂いになります。御承知の通り、公債は後拂いになつておりまして、過去に遡る分を今拂う、こういう状態になつております。
#75
○左藤義詮君 それは本日お支拂いになる分でございまして、四月十五日お支拂いの分もやはり軍事公債の中には相当あると思うのでありますが、これは二十三年度に入つての少くとも四月十五日間は該当するわけでありまして、二十三年度の軍事公債の利子もやはりお支拂いになるおつもりでありますか、その予算もこの中に含まれておるのでありますかどうか、それを伺いいたします。
#76
○國務大臣(北村徳太郎君) 今のところ予算に計上いたしております。拂うものとして計上いたしております。
#77
○左藤義詮君 その額はどのくらいありますか。
#78
○國務大臣(北村徳太郎君) その額は、政府委員よりお答えいたさせます。
#79
○政府委員(河野一之君) 全体で、軍事公債の範囲が明確を欠く点がありまするが、大東亞戦争並びに支那事変関係のものを合計いたしまするならば、大体二千万円程度でございます。
#80
○左藤義詮君 軍事公債利子の打切りの問題は、政治的に非常にやかましかつた問題で、又現に解決していない問題でありますが、私共眞横におりますので聾桟敷でございますが、了承いたしまするところでは、三党の政策協定において、軍事公債は打切ると、但しその処置については、委員会或いは懇談会において研究される、かように了承しておるのでありまするが、若し打切るということを前提といたしておられまするならば、四月の暫定予算の中にそれが含まれておりまするということは、政策協定に忠実でないことだと思うのでありまするが、その間の微妙な関係を、一つどういうふうになつておりまするか御説明願いたいと思います。
#81
○國務大臣(北村徳太郎君) 御承知の通り、政策協定は、これを具体的にいつから實施するかということについては、事それぞれの事情に應じて勘案をいたしまして、この分はいつから實行するとか、この分はどういう方法で實行するとかいうことは後に決まる問題でございまして、一応の輪郭を決めたものでございます。
 それからこの利拂いを停止するということが仮りに一つの前提といたしたといたしましても、これは若しそういうことによつて新たに法律案を提出いたしまして國会の御審議を願いました場合には、法律は将來に向つて效果を発生するということを原則とするものでございますから、過去に遡つて、今までの既得の権利として当然御請求に相成るべきものを、これをどうも殺してしまうということは不合理であるというような考え方をいたしております。それからこのことに関しましては、先程申述べましたように、過去のものを今拂うのでございますから、從つて一應暫定予算を組みます場合には、その質において拂うべきものを計上するということを、私共はこれは妥当であると、こういうふうに考えております。尚本件の関するところが非常に重大でございまして、先に申しますように、日本人以外の人にもございますし、とれに或る重大な影響を及ぼすというようなことがあつては、只今問題となつております外資導入その他國策としての大きな問題にも影響するところが少くないのでございまして、從つて打切るという場合にはどういう方法で打切る、或いは打切つた場合に起るべき混乱をどうするかというようなことが、極めて具体的に決まらなければ相成りませんので、それがために只今それぞれその道の専門家をこのことの委員にお願いいたしまして、併せてそのことを考究するということに相成つておる次第でありまして、今回の暫定予算にはこれを計上するということを妥当である、こういうふうに考えた次第であります。
#82
○左藤義詮君 私共も実はその軍事公債の打切は非常に影響するところが大きい。又日本人以外のお話もありまして、非常に私共心配するのでありますが、大藏大臣も御就任以前には絶対に打切りはしないと民主党の最高幹部として、そういう御方針だつたように伺つておるのであります。徒らにこれは公債を持つておる金融界に混乱を生じ、結局それを政府が補償してあぶはち取らずになつてしまう、そういう御意見であつたのでありますが、政策協定のために困難な御事情は了解するのでありますが、そういうような懇談会でいろいろ御研究になるのでありますが、困難な事情が若し解消いたしませんといたしますれば、政府として大藏大臣としては、軍事公債の利子打切りは断乎從來に從つて御中止になる御決心をお持ちになつておられるかどうか。四月の予算の中にすでに頭を出しておることでありますから、そのことを特に一つ伺つて置きたいと思います。
#83
○國務大臣(北村徳太郎君) 私共の只今の考え方といたしましては、政策協定というものを守るつもりでおりますので、従つて政策協定に現わされておる文言によつてこれを処置する、こういう考えを持つております。
#84
○左藤義詮君 昨日民主党は役員会において、公債利子の支拂停止をしないという従來からの御方針を再確認せられたということでありまするが、民主党出身の大藏大臣として、その点においてはどういうふうのお立場でありまするか、伺いたいと思います。
#85
○國務大臣(北村徳太郎君) 実は同様の御質問が、今左藤さんのおつしやる通りの御質問がずつと衆議院で出ておつたのでありますが、丁度私は委員会から委員会へ駈け廻つておりまして、まだ民主党でどういう決議をしたか、決定したか、全然知りません。ただ私には民主党というものの立場もございましようけれども、政策協定はこれは政策協定でありますから政策協定の線に沿つて行動すべきであるというふうに考えておる次第であります。
#86
○左藤義詮君 民主政治、その実現としての政党政治という点から申しまして、政党の役員会、代議士会において決議したことを、その出身の閣僚が全然御承知がないということは甚だ腑に落ちないことでございまするが、委員会から委員会へお忙しくはございましようけれども、党から浮いてしまつて、政党から離れてしまつた大藏大臣じやないと思うのでありまして、その点一つ若し御承知がないのでありましたならば、これから連絡をお取りになつて、総理もお見えになつたことでございますから、民主党の立場と大藏大臣としての御所信を伺いたいと思います。
#87
○國務大臣(北村徳太郎君) 先に御答弁申上げた通りでありまして、民主党の役員会でどういうことを決議したか知りませんが、例えばそういう決議がありましても、それが三党政策協定というものを超えて行われるべきものではないのでありますから、その点は政策に関する限りは、三党の政策協定という線に沿うべきである、かように私は了解いたしておるのであります。
#88
○委員長(櫻内辰郎君) この際、総理大臣がお見えになりましたから、総理大臣に対する御質疑のみをお願いいたしたいと思います。
#89
○左藤義詮君 只今大藏大臣にお伺いしておるのでありますが、軍事公債の利子の打切りを、民主党では役員会においてこれを停止しないということを、昨日、從来からの熱烈な御主張を再確認なすつたというのであります。その点につきまして民主党総裁である総理大臣の御所見を伺いたいと思います。
#90
○國務大臣(芦田均君) 左藤君にお答えいたします。この問題につきましては、衆議院においても一昨日來いろいろ質疑応答が行われておるのであります。その際に大藏大臣より又私より一應政府の所見を申述べたのであります。本院におきましても只今まで大藏大臣よりいろいろ政府の所見を申し述べたのでありますが、政府としましては無論政府全体としての決定を持つており、又私自身その意見について全面的に責任を取つておるのでありますが、回答の内容は先程大藏大臣がこの席で申述べた通りであります。さよう御了承願います。
#91
○左藤義詮君 衆議院で述べられたことは私存じませんし、又大藏大臣の今の御答弁も甚だ明確を欠くのでありまして、政府として所信をお持ちになつておるとおつしやいますならば、端的に一つ軍事公債の利子は三党政策協定によつて必ず打切る、こういう御所信でありまするか。それとも昨日民主党役員会で再確認せられたように打切りはしないという御方針でありますか。端的にお伺いしたいと思います。
#92
○國務大臣(北村徳太郎君) 先程來申上げておる通りでありまして、これは打切りを前提とする委員会を設けて、委員会で善後処置についての考究をして貰うという考え方であります。
#93
○國務大臣(芦田均君) 只今大藏大臣が申述べた通りに、政府としては方針を決めておりますから、私のお答えする内容も右の通りと御了承願います。
#94
○左藤義詮君 それでは政府の御方針としては、公債の利子を打切ることはこれは政府の三党政策協定で、國民への公約でありますから、政治的所信に從つて利子の打切りをなさる。今後懇談会を開かれますのはその法的処置、善後処置、そういうものを考究されるので、打切りは必ず三党協定を御実行なさる。かように了承して差支ないのございますか。
#95
○國務大臣(芦田均君) お答えいたします。御承知の通りに現下の日本の置かれておる状況におきましては、政府が具体的に政策を取上げるという場合に、更に政府の政策決定をいよいよ具体化する場合においては、必ずしも政府独自の見解のみでは行われない場合が間々あります。從つて政府でそういう方針で委員会を設けた場合と雖も、尚その決定通りに実行ができるかどうかということについては、多少協議を必要とする場合もありますから、その点を留保して、左藤君の御解釈の通りとお答えいたします。
#96
○左藤義詮君 それでは政府としては政策協定の通り公債利子の打切りをなさる。併し國際情勢というものによつて延長されるかも知れない。併し政府自身の自主的な立場からはどこまでも國民への政治的公約に從つて、三党協定の趣旨によつて、打切りをするような方針でお進みになる。若しそれが変化があるならば、それは政府の立場でなく、全く他の理由によるものである。かように了承いたして差支ないでしようか。
#97
○國務大臣(芦田均君) 政府がいよいよ政策を実行に移すというときには、たとえ如何なる周囲の状況があろうとも、政府は独自の責任において政府の決定として行うのでありまして、それに政府の方針を貫徹するということではない。政府が方針を変える場合もあり得るということを申上げて置きます。
#98
○左藤義詮君 民主党の昨日の役員会で御決定になつたことは大藏大臣のごときは全然御承知ない。総理あたりは御承知かも知れませんが、これは全く別のまとであつて、政府としては三党協定の方針でお進みになる、かように了承いたしましたのでありまするが、そういたしますと、四月の十五日当相当拂うべき軍事公債の利子がここに計上されておるのでありますが、十五日までは少くともその打切りの措置はなさらない、法律的な措置もなさらないで、十五日以後において先程おつしやいましたような打切りの措置をなさる。かような解釈で間違いないのでありましようか。
#99
○國務大臣(芦田均君) お答えいたします。大体左藤君の御了解の通りでありますが、暫定予算に出ております金額の本月の利拂いは行うことになつておることは御承知の通りであります。その後のものについては、具体的にいろいろ協議をいたしまして、その決定に基いて措置をいたしたいと考えております。
#100
○左藤義詮君 実は政策協定というものは三党の政策の最大公約数でありまして、國民への公約でありまするが、それが組閣以来一ケ月以上にもなるのでありまするが、未だにはつきりしてない。昨日衆議院では、最初は打切りは前提としないので、ただ懇談会でこれから研究する社会党の稻村君の御質問があつて初めて、打切りはするが、打切りを前提としてこれから研究するのだというような、こういうような食違いがあつたように伺つておるのでありまするが、すでに組閣以來一ケ月以上にもなりまして未だにその方針が決まらない、而も四月の暫定予算にこれがすでに計上してある。本来なら私はこういう重大な問題は暫定予算をお出しになるまでに御決定になるべきであつて、この暫定予算をお出しになつてまだ方針が決定してない、四月分は拂う、そうしましたら、五月になりましたらはつきりこれを打切りをなさるかどうか。五月以降にお出しになるべき五月以降の本予算には、この暫定予算のように又御計上になるのか。それとも全然御計上にならないのか。その御方針を一つ承つて置きたいと思います。
#101
○國務大臣(芦田均君) 先程私はその点も含めてお答えいたしたつもりでありますが、遠からず委員会の議を経て、具体的にこの問題を取上げる際には、諸般の状況を勘案いたしまして、その曉に政府の具体的の方針が決まるのであります。できる限り早くこれを決定いたしたいと思つております。
#102
○左藤義詮君 最近の例に徴しましても、必ずしも長くない内閣の寿命におきまして、巷間では三ケ月内閣なんと申すものもおります。それをすでに一ケ月以上もこういう根本の問題が解決しないで、四月の暫定予算の中に組入れられておることにつきましては相当我々としては検討しなければならんと思うのでありますが、その点は一つ別にいたしまして、從來から民主党といたしましては、公債の利子打切りは全く有害無益である、金融界に混乱を起し、結局その後始末を政府がしなければならん、こういう御意見であつたのでありますが、今後懇談会をお開きになつて、從來御主張になつておりましたようなその理由が消滅し、或いはそういう困難を何らか解決するような具体的のお見通しを持つておるかどうか。これは政治家としての識見といたしまして、何らかの私はその解決のお見通しがなければ、懇談会を開くということは意義がないと思うのでありますが、そういうふうな從來民主党として御主張になつておりましたことを全く解消して、軍事公債の利子打切りが祖國再建の上に非常に役に立つというような積極的な成算をお持ちになつておりますかどうか。その点を一つ承つて置きたいと思います。
#103
○國務大臣(芦田均君) 左藤君のすでによくご承知の通り、政党はおのおのその独自の政策を持つておることは疑いありません。併しながら今日のような我が國の政情においでは、連立内閣を作らなければ、議会の多数の意見を代表できないというときには、連立内閣を作るというために、その連立に加わる各政党の間に、それぞれ協実を結んで、各党がおのおの多少の譲歩をしない限り、連立内閣の一つの屋根の中に入ることができないのであります。從つて若し各党がそれぞれその多年掲げた主張を最後まで主張するということであつては、今日の日本において議會に多数を制する内閣というものはできない。これも私が申上げるまでもなく御承知の通りであります。從つて今日の時局を乗切るために、連立内閣が止むを得ざる要請であるとするならば黨各党各派も亦多少の譲歩をその政策の上に試み、そこで当面の危局を乗切るということが今日の時代において止むを得ない必要事として起つておるのでありますから、そういう意味において、簡単に公債の利拂問題のみならず、諸般の政策の上にも各党が多少の譲歩をすることは止むを得ないことでありまして、現に左藤君が衆議院に議席を持つておられた頃、吉田内閣が総選挙に臨んで國民に公約した多くの政策が實行されずに終つたことは数々あるのでありまして、これは必ずしも民主党内閣であろうと自由党内閣であろうと、環境がかくのごとくなさしめたというに過ぎないのでありまして、よく御了解下さることと思うのであります。
#104
○左藤義詮君 私の質問の的が、少し違つたようでありますが、只今総理からお教えを頂きました連立内閣の必要ということにつきましては、私共所見を異にいたしますので、こういう一ケ月以上も政策の決定ができないような、別々のものが一つの屋根の下におることが、私は日本の政治力を結集することができない根本の原因であると思うので、あります。世間の最近の輿論が示しますように…。輿請についてもいろいろ総理には御意見があるようでありますが、私共ははつきり解散をして、そうして強い政治力を持つた政府ができることが根本であると思うのでありまして、連立内閣を止むを得ざる要請とは私共は了解いたさないのでありまするが、この点私の質問以外の御教示でありましたので、別にいたしまして、私のお尋ねしたいことは、あれ程までに民主党としては、軍事公債の利拂打切りについては各般の困難が起る、その困難ということを御主張になつており、昨日而も民主党の役員会では、その点を再確認しておられるのでありまするが、その困難を何とか打開なさる非常な妙策と申しますか、御成算がおありになるかどうか。それでなければ私は懇談会をお開きになつても、又解決しないまま二ケ月、三ケ月、それこそこういう根本の問題が國民の前に宙に浮いてしまうと思うのであります。私共は、四月の暫定予算に軍事公債の利子が計上されておりますることから、五月以後のことも非常に心配いたすのであります。その点においては、民主党の御主張になつておりました困難をどういうふうに打開なさいますか。その見通しがつかなければ、五月以後の本予算も編成できないし、そうすれば私共は四月の暫定予算に対しても、このままでは盲判が押せないのでありまして、從來から御主張になつておりました軍事公債利子の打切りに伴う非常な困難、これは私共同感でありまするが、民主党として御心配になつておりましたその点を、どういうふうに打開なさる、どういうふうに解決なさる御成算がおありか。具体策を一つ伺いたいと思います。
#105
○國務大臣(芦田均君) 公債の利子を打切る場合においては、その善後措置として考えなければならない幾多の問題、殊に金融機関に対する預金の保証の問題であるとか、各種の問題を伴うわけであります。無論さような際における対策なくして、ただ公債の利拂いを打切るというわけに行かないのでありますから、そういう政策を採るときには必ず我々のこれならば大丈夫という案ができたときでなければ行う筈はないのであります。その具体的な案等につきましては、今それぞれの党において研究もいたしております。又近く学識経験のある人々をこの委員会に参加を求め、廣く金融機関の代表或いは経済学者の意見、各方面の意見を聴取した上でその対策に遺憾なきを期したいと、こういう考えでおりますから、今日この席で私から具体的にこれこれの方法が決定したということを御報告申し上げ兼ねることは甚だ残念でありますが、正直に申しますと、そういう状態であります。
#106
○左藤義詮君 懇談会を開いて、各方回の意見を聽取して、その案をお作りになるということでありますが、各方面と申しますのは沢山ないろいろの方面から文字通り集まるのでありますから、若しその意見が纏まらなくて今お示しのようなことができない、これからお考えになるのでありますが、そういう仮定である案ができなかつた場合には、やはり軍事公債の利子の打切りはお止めになる、かように了承してよろしいのでありますか。必ず打切ることは打切るのだが、その方法については考える、その案ができるか、できないか分らないということになるのでありますが、案ができなかつたらどうしてもこれを円満に解決する。民主党が從來御心配になつた問題を解消する成案ができなかつたときには、やはりこれは支拂うという御方針と伺つてよろしいのでございましようか。
#107
○國務大臣(芦田均君) 委員が集つたときに意見が纏まるか纏まらないかという問題、又委員会の意見が纏まつても、これを政府が全面的にどこまで採用するかという問題を決めなければならん場合もありましよう。又政府が採用してもいよいよこれを実行に移す場合には、各方面の状況を参酌して考えなければらんといういろいろな條件が加わつて参ります。言葉を換えて申せば、今日只今から一定の結論に到逹するには、その中途に未知数の問題が多少残つておるのであります。只今から確実にそういうような場合を見通してお答えすることは非常に困難であるという事情を御了承願います。
#108
○左藤義詮君 実は私共政治というものは、はつきりしたガラス張りの中で、はつきりとした形に國民の前に示してお進めを願いたいと思うのであります。その点において政策協定が、特に今問題になつておりますような軍事公債の問題等につきまして、はつきりとしないままに組閣をせれたということほ、これは非常に困難な因があると思うのでありますが、そのために今どうなるか分らないような、本來ならば四月から打切らなければならんものを、こうして暫定予算の中にお入れになつておる、四月十五日までは御決定にならないというような曖昧な政策協定がこういう困難を來しておると思うのでありますが、その曖昧であるだけに、國民としては一日も早くそれがはつきりした形になることを待望しておるわけでありまして、組閣以來一ケ月以上もそれが解決しない。又四月十五日までの利子は私共が今予算に計上して協賛を求められている。こういうような私は不徹底と申しますか、茫漠たる形のままでこの予算を私たちは審議しなければならんということを非常に遺憾とする者でありまするが、今打切りをなさるならば、その困難をどういうふうになさるか、何かの成案がおありなさるかと思いましたが、その成案についても委員会に責任転嫁と申しますか、お譲りになる、その案ができ上つても國際情勢というものによつてどうなるか分らないというような、甚だはつきりしないままでこの予算を審議しなければならないということは甚だ遺憾とする者でありまして、その点については我々としてはこの予算に対しましてその点を一日も早く明確にされることを要望してこの予算を審議いたしたいと、かように存するのであります。その点を遺憾の意を表して置く次第であります。
#109
○木村禧八郎君 私はこの際総理大臣に御質問申上げたいのでございますが、二つの点について御質問申上げたいと思います。その一つの点は六・三制に関する問題でありまするが、ちよつと速記を…。
#110
○委員長(櫻内辰郎君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#111
○委員長(櫻内辰郎君) 速記を始めて。
#112
○木村禧八郎君 第二点は外資の受入れの問題でありますがこれについてはいろいろ問題があると思うのですが、先ず最初に、最近外資導入ということが非常に盛んに言われておりますが、これはどの程度に、どういう外資が、例えば民間の労務もありましようし、政府の労務もあると思うのでありますが、どういう形の外資が問題になつておつて、それがどの程度の額で、どの程度に話が進んでおりますか、そういう点について先ずお伺いして見たいと思います。
#113
○國務大臣(芦田均君) 外資導入といいましても千差万別、いろいろの形のものを一括して外資導入という言葉で盡しておるようでありますが、御承知の通りに、今日まで連合國から輸入する多くの食糧品はアメリカ軍の軍需品を拂下げて貰つて、それを日本のバランスシートに、借り方として載せておるというのが、先ず第一の種類であります。それから現在アメリカの國會に提出されている來年度予算の中には單なる援助費として日本國民が債務を負わなくても済む援助費というのが相当の金額出ております。又食糧以外の物資についても、重要な資材、或いは鋼鉄、石油、塩、その他の資材の輸入のために必要とする予算も計上されております。これは恐らく終結においては日本國民の債務になるべき輸入物資であると思われます。それから民間の銀行、金融業者からする貿易品、例えば棉花の買付資金のごときも、或いは又日本國内の産業に対する投資の形で行われるものもありましよう。そういうふうに一概に外資導入といいましても、その性質、その形態において千差万別であることは今更私が申上げるまでもありません。それがどの程度まで入つて来るかという見通しをつけることが非常に困難な状態にあることは、現に極くあらい計算をいたしまして、最近までアメリカの國会に提出されておつたそれら諸々の予算を合計すると、七億六千万ドルというふうな数字に一時なつておりました。併しそれが果して無事會議会の承認を得られるかどうかということは可なりまだ不安な点があります。現にこの数日來も我が國内の労働不安が傳えられた結果、アメリカの日本に対する一億八千萬ドルの復興援助基金は會議会においてこれを一応取止めるという決定を、ついこの間いたしたばかりであります。さように考えて見ますと、果して予定されている外貨といいますか、外資の導入がその通りに行われるかどうかということは、我が國の國内情勢の一挙手一投足によつてもそれ程大きな變化がありますから、今後の國際情勢及び日本國内の受入態勢の如何によつては、幾多の変化があることも予想して置かなければならん。かように考えるのでありまして、今日から的確に幾ら幾らということを、確實なものとして計算をすることは非常に困難なりと考えております。
#114
○木村禧八郎君 次に外資導入に関しての受入態勢の問題でありますが、只今日本における労働争議というようなものが頻発しているために、それが支障になつて、一億八千万ドルの復興援助資金の費用がアメリカ會議会において取止めになつたというようなお話を承つたんですが、そうしますると、この受入態勢というものが、果してそれが事実かどうか、これはまだ確かめたわけじやありませんが、必ずしも労働争議のみがこの一億八千万ドルの復興援助費會議会提出を取止めにさした契機であるかどうか分らないと思うのですが、とにかく受入態勢というものが非常に重要であるということは、総理のお言葉にもありましたが、私も重要だと思うのです。ところが最近民間においてこの受入態勢整備ということを盛んに言つておりますが、その受入態勢として考えられていることは、例えば法人税の引下げとか或いは又労働関係法規の改正によつて労働組合運動を抑えるというような、それはまあ不当に抑えるというような傾向になり易いような考えも含まれているんではないかと思うのです。そうして大体の方向は、資本に対してもつと自由にする、そういうようないろんな方向を迫ることが受入態勢の整備である。即ち自由資本主義を復活する方向に向けて行くのが受入態勢の根本方針であるというようなふうに、最近民間方面でもそういうようなことを主張しております。そういうふうに受取れるのであります。受取態勢というものはやはり総理のお考えではそういうようなものなんでありましようか。この受入態勢の根本的な考え方についてお伺いいたしたいと思います。
#115
○國務大臣(芦田均君) 只今の御質問に対しては、私が三月二十二日の施政方針の演説において相当はつきり申述べたつもりであります。我が國がアメリカより種々の物資を輸入するのに対する國民全体としての態勢、並びにいわゆる外資導入に際して、民間の投資等を受入れる場合には、その隘路となつておる具体的の事実を検討して、必要の場合には法律を以てこの隘路を除くことも起り得るというふうに、やや具体的に施政の演説において述べたつもりでありますが、それによつて御承知のごとく、受入態勢ということは、今日民間の実業家が言つておるような狭い範囲のみで私は使つたのではなくつて今後安んじて外國人が日本に復興の援助を與えてやろうという気持になり得るような、國民全体の態勢、これも受入態勢と申して差支ないと思います。又實業家なぞの重点を置いておるいわゆる外國の資本を借りて來るという側の人からいえば、法人税が非常に高くつて、到底投資としては算盤が取れない、或いは國内の法律上の保障が必ずしも十分でなくつて、今後いつ何時日本の政治体制が又フアシヨに變るかも知れないというような慮れのある、つまり戰時中の法規がまだ残つておるような部門、これを改正することを必要とする部門もありましよう。その他課税の問題については、やはり外國資本が相当の利子を國外に持つて帰ることができず、收益の大部分を日本の課税によつて徴收されてしまうということであつては、好んで日本に資金を融通する者はないわけであります。そういう点をどうするか。極めて複雑な問題を含んでおるのでありまして、政府におきまして大体の方針は外資導入を容易ならしめるということに決定はいたしておりますが。さてこれを實質的にどういう法律を以て、どういう形で彼らに安心感を與えるかということは、多少時間を籍して專門的な研究を必要とする段階にあるように考えております。
#116
○木村禧八郎君 只今受入態勢の條件につきまして具体的なお話があつたのでありますが、又総理の施政演説におきましても我々これを承知いたしたのでありますけれども、併しながら外資の受入態勢の一番基本的な問題は、これは世界の輿輪が、日本に金を貸しても日本が再びそれを本にして、例えば将来軍事拡張等をやつて再び帝國主義の復活を図るようなことになつては大變だということが、世界の輿論としては一番心配の種ではないかと思うのです。從つて金を貸してももうそういう心配がないということをはつきりさせることが外資導入の一番大切な点であつて、法人税がどうの…いやこれも技術的には全然問題にならんということではないのですけれども、一番本質点な点はそういう…この前第一次大戦後のドイツが敗戦した後において、ドイツの復興を非常に外資によつて援助しましたが、その結果が結局ヒットラーを生んで、そうしてああいうフアッシズムを成長さした、そういう結果になつたのでありますが、再び日本が外資導入によつてそういうふうになることを世界の輿論は非常に心配しておるのではないか。殊に中國における「大公報」などの新聞の論調を見ましても、そういう点を指摘して、再び日本が帝國主義化する危險はないか、日本をそういうふうにさしてはいけないということを非常に論じておるのであります。即ち外資導入にとつてはこの点が一番重要であると思うのです。そのためには日本の平和的な民主化、これは経済、文化、あらゆる面についてその徹底が必要だと思うのですが、そういう点についてまだ不十分な点が非常にあるのではないかと思うのです。例えば軍事公債の利拂い停止の問題につきましてもこれは侵略戦争の戦費を賄つたそういう公債の利拂いをこの暫定予算に含めておる。そうしてこの間は一番日本を民主化し、平和的な日本を作るための教育費が落ちていたのです。これはいわば政治的折衝において漸くこれを入れることになつたのでありますけれども、侵略戦争の戦費の利拂いを入れて、そうして日本民主化に殊に必要な六三制の費用が抜けておる。又災害救済費とかそういう民生安定に必要な費用も落ちている。そういうような予算編成の仕方であつたわけでありますが、そういう点から見ても、まだまだ日本の本当の民主化というものは、この予算についてもそうでありますが、その他の面においてまだ徹底していないと思うのです。そういうことであつては安心して外資が入つて來ない。ところが外資導入の條件について、一番そういう根本的な点に觸れないで、その他の技術的ないろいろな金利がどうの、保障がどうの、そういうようなことに捉われてやつておると、本当に外資は入つて來ないのじやないか假又仮に外資が入つて來ても、その外資を利用して、今後東亞においてやはり貿易を復活、振興させなければ日本の経済の再建安定はできないと思いますが、中國において日本の帝國主義の復活を非常に心配しておるというような輿論があるとすれば、これは日本の將來にとつて非常に重大な問題ではないかと思うのですが、そういう外資導入の基本的な非常に重要な点について総理としてはどういうお考えでありますか、この点を十分はつきり一つさして頂きたいと思います。
#117
○國務大臣(芦田均君) 只今木村君の御意見のごとく、我が國が民主化を徹底的に実行しなければ諸外國の信頼を博することはできない。外國人をして安心して日本を取引させることもむずかしいという御意見は全然同感であります。日本の中に帝國主義的か勢力が台頭しつつあるとか、或いは日本が次第に共産化しつつあるというようないろいろの観察が行われておりますが、これはその立場、その人々意見によつて異るのでありまして、政府としてはこの点について日本の國内において特に帝國主義的な勢力が盛んになつたとか、或いは又特に共産化のスピードが促進されたというようなことは考えてはおりません。
#118
○木村禧八郎君 私が御質問申上げたのは、帝國主義的な勢力が盛んになつたというのではなく、その復活の危險があるのではないか。その復活の危險というのは民主化が徹底していない。特に今お尋ねしたいことは、外資導入ということを利用して、資本の面においてそれを利用して、いろいろ有利な條件を獲得しよう、そういうことは又再びそれが帝國主義化の、例えば独占金融資本というようなものを段々成長させて、それが又帝國主義化の基礎になる危險があるのではないか。そういう点についてこれは、十分お考えにならなくてはいけないのではないかと思います。法人税を軽くしたり、その他配当利子税を撤廃したり、資本の自由を保障するということは、これは日本の現在の危機の状態においては、そんな專前のように急に資本に対して自由を與えるというようなことはでき得ないのであつて、假に日本において資本に対してそういういろいろな制限があつても、外國資本に対しては特例を設けて保障をすればそういう点から外國資本を保護すれば入つて來ると思う。我々留意しなければならん点は、外資導入ということを利用して、それを口實として、そうして又内面において潜行的に独占的な金融或いは企業というものが段々台頭して來て、そうして前のドイツの二の舞いを演ずるような危險がないとは保證できない。こういう点は十分監視しなければ、前にもドイツの例があるのでありますから、そういう点を特に注意され、留意されたいとそういう意味なんです。今そういうものは台頭しておるというふうにして御質問したのではないのでありまして、そういう復活する危險が潜在的にいろいろある。外資導入というものを利用してそれを好餌としていろいろそういう運動なり何なりが行われておる、こういう点については政府としても十分お考えにならなければならんでありましようし、いろいろな御用意もあると思うのです。そういう意味においてお尋ねしたわけであります。この点について、例えば資本を餘り又偏重的に擁護する、そういうようなふうにどうも最近の傾向では受取られるのでありますが、それが國際的にいい影響を私は及ぼすのではない、そういうように考えておるのですが、そういう点について御質問申上げたわけであります。
#119
○國務大臣(芦田均君) 私の今漠たる予想によりますと差当り日本が一番急務としているのは、物を輸入するということ、又實際問題として、世界大戦前の世界経済市場におけるがごときドル資金による純粋のクレジットを、日本國内に導入するというようなことはむしろ非常に困難なことである。無論なにがしかは行われましようが、その大部分は物資の形を以て輸入される。かような大体の見通しをつけております。從つて今木村さんのお話にあつたように、純粋のドル資金を日本に持つて來て、それを利用してそうして日本における帝國主義的な運動の助けにするといつたようなことは、現在のところでは私は想像できないというふうに考えておるのであります。無論我が國としては資本の蓄積ということが経済再興の一つであるというふうに私は信じております。ということは、戦争以來日本の産業全般を御覧になれば分る通り、資本というものを不必要に虐待したという事実が数々あつた。又終戦後勤労階級の團結の勢力が強くなつて、その一つの半面において経済活動においては労働という部門が非常に強く表面に出て、そうして資本というものの働きを不必要に軽蔑して來た傾きがある。併し私共の考えによると経日本の経済活動を旺盛にするには、何といつても労力、経営、資本とこの三つのものをして調子を揃えて、同じ立場で、平等の立場において調子を揃えて行かしめるのでなければ日本の産業の回復は非常に困難だ。ところが御承知の通り日本には経験以來不必要に資本家と称すべきところの固まつた形はなくなつた、多くの者が勤労階級に堕してしまつた、そこに纏まつた資本を集めるのに非常に困難がある。この困難を打破つて行くにはどうしても大衆の資本を集めなければならん、大衆をして資本を尊重せしめ、資本の必要性を十分納得せしめるということが今日我が國の再興上必要に迫られている。かような意味において去る二十二日の演説においてもこれを述べたのでありまして、私は決していわゆる資本家を擁護しなければならん、資本家擁護の政策を採るというて意味のことは私は考えでいないのであります。私の答が木村さんの御質問にぴつたり符合しているかどうか知りませんが、一応お答えいたします。
#120
○藤田芳雄君 総理大臣にお伺いしたいと思つておりますることは、六・三制の問題につきましては先程木村君の方からお尋ねがありましたから省略いたしますが、ただこの暫定予算が四月の急を要する予算であるというのでお出しになつたのでありますが、今全官公庁労働組合の者が非常に労働問題で不安な状態になつております実情を見ますというと、事実上相当事務に停滞を來しておると思います。そういたしましたときにこの四月の緊急の予算を出しますのは、実際職務に就いておる者が何も仕事をやつていないのに予算を通してもこれは何にもならないのじやないかと思う。予算を通す前にそうした不安を除去するように早くこの問題を解決しなければならんと思うのでありますが、いろいろ解決の点に向つて努力はされておることとは思いますけれども、現在どこまでその状態が進んでおりますか、それをお聽きいたしたいと思います。
#121
○國務大臣(芦田均君) 官公廳の罷業につきましては、すでに全逓方面の罷業は連合國軍司令部の命令によつてこれを停止するように命ぜられております。いわゆる地域的ストと称するものも、北海道が果してどういう状態になつておるかは今朝までははつきりは分りませんようでありましたが、大体において沈静するものと考えております。その他の官聽における罷業は大体終息いたしまして、昨日までの見通しによれば大体今日、或いは明日になれば官公庁罷業も終息するような見込を持つております。仕事をしないで罷業をした者に対しては日割で以て賃金給料を引去ることになつておりますから罷業した者は一切政府の給與は受けない、こういう建前になつておるわけであります。
#122
○藤田芳雄君 私のお聽きしたいのは、只今お話がありましたように、司令部の方からの指令によつて爭議が一応終息の形は取つておりますけれども、それは爭議の解決ではないと思うのであります。少くとも全官公廳の者が納得をして本当に自分の職務に携わり、その能率を向上させるところに解決の鍵があると思うのであります。私はその納得の行く解決のために政府がどこまで努力し、今なしつつあるかということをお聽きしておるのであります。そうしてどんな納得の行く解決方法に具体的に進んでおるか、その話をお伺いしたいと、こういうのであります。
#123
○國務大臣(芦田均君) 申すまでもなく官公労働組合の要求を全面的に政府が容れる場合には爭議はその瞬間に止まることはよく私共了承いたしております。併しながら私共の立場は國民全体の利害を天秤に掛けて労働問題を処理することが一番必要であると考えておりますから、その点に多くの困難があるわけであります。無論今日政府か示しておる二千九百二十円の基準によつて給料を出しても生活がこれで樂になつたとは少しも考えておりません。できるならばこの給料はもつと生活を樂にするように上げたいという内心希望は持つておりますけれども、さて然らばそういう余裕が國庫にあるのか、誰がそれを支拂うのかということになると、必ずしも官公庁職員の要求する通りを政府が支給するということかできないという事情にあることは、藤田君もよくお分り下さると思う。その兼合いはどこにあるのかということで、一應政府は最近の発表になつた二千九百二十円の基準によつて、新給與の基準が決まるまでこれで納得して貰いたいという立場で今日まで進んでいるのであります。今日となりましては問題はほぼ解決いたしておる筈であります。多少一部分に不平を抱いておる者があることは或いは想像し得るのでありますが、併し大多数の組合員は今日の政府の條件で満足しておるように私は存じております。
#124
○藤田芳雄君 そういたしますと、只今の御答弁によりますと、二千九百二十円の基準というものは、新給與の基準ができるまでそれで納得して貰うつもりだというお話のように承知いたしましたが、そうしますというと、いずれ新給與の基準というものが、又ここで改めて決められるように考えられるのでありますが、その点は如何ですか。
#125
○國務大臣(芦田均君) 給與審議会というものができておりまして、主として給與の問題はその委員会で決定されることになつております。委員会が決める標準はその時々の物価その他の情勢によつて変更を加えられるのであります。その委員会において今後新らしい給與令ができた場合には、現在の政府の発表した基準の二千九百二十円が変更される。その変更があるまでは現行のままで我慢をして貰う。こういう方針に決まつたわけであります。
#126
○藤田芳雄君 次に施政方針演説にもあり、先程のお話にもございましたように、教育制度は現政府の重要な政策の一つであるから、どこまでもこれが実施に努力するというのでございますから、多分二十三年度の、今度の本予算には相当政府においては努力されたところの予算が組まれるものと信じまして、全幅の信頼を掛けて期待する次第でありますが、尚その政府の根本的なものとして三党政策の中に軍事公債の利拂いということについては何か問題があるようにお伺いしておりますが、この席上でその点の質問があつたかどうか私聽き漏しましたので、重複するかも知れませんけれども、この四月の暫定予算に極く少部分ではあるけれども、その戦時公債の利拂費が含まれている。これについても何かもうお話合いが三党の間についたものでありますか、それともまだつかないのか。或いはそれについて三党間においてどこまで話が纏まつておりますものか。その点をお伺いしたいと思います。
#127
○國務大臣(北村徳太郎君) お答え申上げます。只今の御質問の件につきましては、実はたびたび御答弁申上げました三党政策協定の文言に從つて政府はその通り行動するということに決定いたしておる次第であります。それから四月の云々のお話がございましたが、それは本日支拂いをする公債利子の今日期日のものがあるのであります。これは勿論四月分でありまして、後六ケ月分は後から支払うのでありますから、その分については当然本予算の中に織込んであります。今後これはどうなりますか、從來の問題としていずれ利拂の停止と決まればそれは法律的の措置を要しますので、その法律か出ました場合に、將來に向つて效果を発生する。それができるまでの間は当然これは織込むべきものであると、こう考えております。
#128
○委員長(櫻内辰郎君) 藤田君、今の問題は先程來から詳しく大分繰返されておりますがね。ですから総理は非常にお急ぎになつておりますから、これは簡單に願います。
#129
○藤田芳雄君 ただ一つ今の御答弁の中に私腑に落ちない点があります。四月一日に支拂わねばならんから、それは今までのものの六ケ月間のものであるというけれども、この中には四月十五日に拂うものも含まれておるということも聞いております。そうしますと、今の御答弁と少し違う点があると思われますが、その点もう一度お伺いいたします。
#130
○國務大臣(北村徳太郎君) お答えいたします。四月十五日の分も勿論ございます。けれどもこれは未だ法的の措置がございませんので、政府といたしましては一応予算に計上してということになつております。
#131
○委員長(櫻内辰郎君) 中西君。
#132
○中西功君 私芦田総理に主として最近の全官公の爭議の問題について質問したいと思うのであります。私の質問の骨子は……。
#133
○國務大臣(芦田均君) 労働大臣を呼んで來ましよう。私爭議の内容はよく分りませんから……。
#134
○中西功君 私が聞きたいのは総理が本当に責任を持つてこれに当つておるか、又当つたかという点をはつきりお聞きしたいのです。それについてまあ六つ位に分けて質問したいと思うのであります。さつきから藤田委員の質問に対する総理の答弁を聞いておりますと、確かに今総理が言われましたようによく知られない、非常にとんちんかんの答弁がなされておると私は思うのです。まるきりもう罷業が終れば即ちスト行爲。表面的なスト行爲が終れば、もう問題は解決したかのような答弁でありますし、又國庫に余裕があればそれと兼合いでこれは考えなければならんというふうなことも答弁されておりますが、こういう答弁は現に先月の二十日以來非常に問題になつた深刻な爭議のお互いの意見の不一致の根本問題を本当に理解されていないと私は思う。むしろ問題は國会も二千九百二十円の支給を認めた財源も用意されておる。問題が起つて來ましたのは、その支給方法を、主として給與体系に非常な問題が起つて、これが難関に逢着したのだと思うのです。で内容について私ここでいろいろ聞くのではない。この爭議を通じて政府がとつた態度、私いろいろ指摘いたしますが、それが芦田総理として正しいと思うか、或いは多少政府にも落度があつたかと思われるかどうかという点なのであります。労働大臣に対して私後で以て内容に亙つてお聞きいたしたいと思うのでありますけれども、第一の問題はこの爭議の過程において政府はいろいろの点で、種々の点で、私落度があつた、こう思うのでありますが、その一つは、簡単に申します。総理は恐らく十分具体的には或いは知つておらないかも知れませんが、若しそういうことがあつたとすれば、私が言うようなことがあつたとすれば、それは落度である、或いはそれが正しいと思うということを答えて頂けばよいわけなのであります。第一この二千九百二十円の水準並びにその支給方法即ち体系の問題、こうしたものは中労委の裁定に基いて、そうして臨時給與委員会で決めて、案を作つて、それを政府並びに組合側が團体交渉で或る種の妥結点を見出す見通しが立つた上で、政府はそれを法案化して國会に提出すべき筈であつたと思うのでありますが、実際の措置におては臨時給與委員会が答申いたしました後一度も團体交渉をやらなかつた。これは中労委の裁定精神に反しておるのであります。そうして急遽法案を提出して、而もこれは非常に法案化が急遽行われまして、相当異論もあつたわけでありますが、こういうふうな落度のために、組合側の種々の了承を得ることができずに、問題を余分に不必要にこじらしてしまつたという点は点私この点は政府の大きな落度であつたと思う。さつき藤田議員に対する蘆田首相の答弁を聽いておりますと、蘆田首相自身組合側と政府との間に、團体交渉というようなものが、組合側がそういう國体交渉権を持つておるというようなことは全然考えられていない。ただ給與委員会で決めて、それを實行するんだというふうな考え方の答弁のように聞いた。そういうところに政府側の非常に認識不足があると思う。從來から労働協約もありますし、各省大臣を相手に組合側はちやんと團体交渉権を持つておるわけであります。そういうふうなものを全然無規して掛かつておるという点ですね。これが實は総理自身の答弁にもそれが見えておりますが、こうしたことが問題を余分にこじらしておる。これが第一点であります。これは要するに從來の慣例であります國体交渉権を非常に政府は軽んじておるということでありますが、そういうことが若しありとすれば、蘆田首相としてそれがよいと考えるか、悪いと考えるか、これがその一点であります。
 更に差別支給の仕方の問題につきましても、私はこれは詳しくは申しません。ここで何回か申しておりますので詳しく申上げませんが、議会の答弁において非常に区々である。而も区々であつた上に受諮を條件としないということを何度か言われたのです。現實の問題としては、その点に非常に固執して給與体系を認めない限り駄目だ、こういうことで、これが又組合側を刺戟した、これは事実であります。この点が第二点であります。
 更に実は全官公廳争議解決に対する勧告決議として、これはまだ通つておりませんが、衆議院の財政金融委員会で一応作つた決議案があります。この中の第二項は、先に國会が可決した政府職員の俸給等に関する法律は、一時支拂いの暫定給與である。從つて政府は一時給與の暫定支給に関する法律であるというふうに、これはきめつけております。我々も又こういうふうに理解してあの法案を見たのであります。ところが實際の交渉においてはそうでなかつた。私が直接苫米地大臣と會つてそれを確かめたのでありますが、その法律は暫定給與二千五百円に対する一応の法律案であつた。我々はそう理解した。衆議院の財政金融委員会もこういう勧告をあの中に書いておる。ところが實際に組合側に対しては、もう法律は通つたのだから二千五百円の問題はもう解決した。あとの四百二十円の体系の問題で進んで行くんだ。この体系の線を非常に政府によつて押された。そうして爭議の中心点が四百二十円を如何に支給するかということに集中された。而もその政府の体系を認めるか認めないか。即ち法律で通つておるのは二千五百円なんであります。ところが現実に政府と組合で問題になつた四百二十円、その四百二十円については、政府はこの法律案の外別に法律案を用意して議会に出しますと書いてある。ところがその四百二十円、政府がまだ國会に対しては末解決である筈の四百二十円の支給の問題で揉めた。その揉めるのは僕は、いいと思うのでありますが、揉めた場合に政府は恰かも法律で通つておるのだ、動かすことはできないのだ、こういう態度で押して行つた。ここに私は解決が非常に困難に逢着した一つの大きな原因があると思うのであります。その点で國会が承知しておることと、政府が組合側に対して言つたこととの間に相当の相違があつた。私自身交渉の中に入つて痛感したのであります。若しそうであるならば芦田首相はどう考えるか。これは交渉を通じて政府に相当落度があつた。そのことのために非常に解決を困難にしたという一つの例證になります。尚これは私の質問の第一点であります。その後又續いてやりたいと思います。
#135
○國務大臣(芦田均君) 只今中西君から今回の官公廳の爭議について政府は團体交渉さえも行わなかつた。そうして中労委の裁定を呑んで、それを法律案にして議会に出した。議会が通つてそれで一方的に片付けようといつたやり方であつた。こういうお話でありました。が、政府は二千九百二十円の基準を呑むことについて團体交渉を現実に行なつたのであります。決して團体交渉を行わなかつたというわけではありません。ただ四百二十円の支給の方法についていろいろ政府側と意見の違うことのあつたのは私も聞いておりますが、これももうこれで話合いを打切るというのではありません。四百二十円の支給についてはこの上尚話合いを続けて行こうじやないかと、政府としては門戸を開いて、喜んで話合いをする態度を採つておるのであります。中西君から見れば或いは政府に落度があつたと思うかも知れません。それは中西君の御意見として謹んで承つて置きます。
#136
○中西功君 團体交渉を行なつたというような断言をされましたが、これは私は事実に反しておると思う。私の知つておるのは、臨時給與委員会の答申案ができた後、法律案ができるまで、その間團体交渉を行なつたか、行わなかつたかということを言つておるので、これは私の記憶にして、或いは私の聞いたことにして誤りなければ政府は行わなかつた。こう思うのであります。首相はそれを行なつたというのですから、私は事実をよく確かめます。先の芦田首相の答弁が私の個人的な意見だ、意見として聽くというふうなことでありますが、これは私の意見とか何とかいうのではなくして、これは事実を申しておるのであります。
 それは一つ別にしまして、第二の問題というのは、実はこの度総司令部の方から覚書が來まして、そうして二・一のゼネスト禁止の事実は活きているというふうなことに対する注意の喚起があり、それに從つて政府に対してストライキ行為の中止について指令があつたわけでありますが、私は事ここに至つたいろいろの事情をよく考えて見ますと、政府のこの法案が通り、予算が通りましてから、官公廳の連中は御存じのように、二十日以來條件を非常に低めまして、できる限り妥協したいという態度に出て、いろいろ交渉いたしましたし、特に二十五日の晩におきましては、非常に近い妥結点に到逹したのであります。ところが、その二十五日の晩に非常に接近した妥結点に到逹したにも拘わらず、即ちこれは昨日伝ええられました一つの妥協案として、妥物試案というふうなものとして新聞に出ておりましたが、大体あれに近いような、あれと殆んど変わらないような妥結点に到逹したのであります。ところが、それが突如として種々の原因から政府自身によつてこれが破棄された。政府は以前の閣議決定を一つも覆えすわけに行かんということで、これが政府の方から破棄された。これは有田次長がその翌日はつきり通告したのであります。そういうふうにして交渉の過程をよく見ますれば、政府自身がああいう妥結点に到逹したに拘わらず、即ち今日妥結しているような状態に二十五日行つたのであります。ところが政府はそれを一方的に取消した。そして組合をますます強硬な態度に持つて行つたわけであります。いわばよく新聞に書かれてある言葉を使えば、最悪の事態にそういうことで入つたわけです。而もそういうことによつて連合軍からの覚書が結局来たわけであります。私はこの関連を考えて見ますのに、政府が若し自主的に二十五日の晩に解決しておれば、本当に誠意を持つて当つておれば、あの覚書は必要でなかつたと思うのであります。ところが政府自身は一方的に何の意図があつたか知りませんが、とにかく二十五日の妥結点を蹴つてしまつた。そうして恰かもその覚書の発するのを待つかのように、爭議をますます最悪の方向に引張つて行つてしまつたというふうな点さえ我々には考えられるのでありますが、そういう点政府が自主的に解決しようとしなかつたということが、私日本人としていろいろの自主的な能力を疑われるような処置を採らざるを得ない、結局においては日本の我々の全体としての日本人の活動にいろいろの厄介、即ち活動に対して連合軍を煩さなければならんというような不幸な状態に來ておる。そういう責任…私ははつきりこういうふうに政府が今日同じような條件で妥結できるならば、二十五日においてやはりできたと思う。或いは日本政府がやる場合にはもつと組合側に有利な、同情のある態度でできたと思う。その点、それをやらなかつたことが覚書となつて出て來た。こういうことを考えますれば、政府自身として結局自主的に、自分自身で解決し得なかつた責任、或いは又その自分の無能、こういうものを実際どう考えておられるか、或いはああいう覚書が出たことを芦田首相は喜んでおられるのか、それとも悲しんでおられるのか、どう考えておるのか、私はそれをはつきり聞きたいと思うのであります。
#137
○國務大臣(芦田均君) 総司令部より覚書を発せられたということは、日本國民として政府といわず國民といわず、皆均しく心中遺憾の意を抱かないものはないと思います。中西君の仰せのごとく、國内の問題を我々みずから解決する能力がないかのごとき印象を世界に與えるということは、どの点から見ても日本國民の名誉でないと固く私は信じでおります。ただ中西君の只今の御意見によれば、事ここに至つたのは政府のやり方が悪かつたんだという点については、私不幸にして納得することができません。政府には政府の主張があり、組合には組合の主張があつたでありましよう。それだからお互いに話合いをつけて、双方の間に円満な妥結を見るということは、これは世の中の人情の当然の行き方である。その際に組合側としては政府の責任だと、こう言われるのは、それはまた組合側の御意見に過ぎないのでありまして、政府としてはこれを納得することはできないということをお答えいたします。
#138
○中西功君 いや、それでは私は一歩譲りまして、政府側にも……これは実は今日私新聞紙面で見たのであります。はつきり正確な出所は忘れましたが、この度の爭議については政府側にも責任があり又労働者側にも責任があるというふうな、アメリカ側の報道を見たのでありますが、若しまあ一歩譲りましてそれに帰從いたすといたしまして、第三者としてもそういうふうに見ておるといたしましたならば、政府としては、それならばこの度そういう事態に至つたことについて、自分自身の責任というものを全然負う必要がないのか、又多少はあつてこういう点は自分の責任と考えておるというふうな点があるのかということをお聴きしたいのと、更にそれを続きまして、交渉の経過を私は非常に明瞭に國民の前にはつきりさせられることが非常に必要だと思うのでありますが、私たちは實際に、芦田首相も御存じのように、二十六日或いは二十七日に爭議の解決のために奔走したのであります。そうしていろいろそこで私たちは條件やその外の問題で政府と交渉したのであります。その交渉が結果として、二十五日の妥結案が全く政府側のあれによつて、どうにもならない。これは私は詳しく申しませんが、西尾國務大臣と話しましたときに、全くこれじや二十五日の話合いとは逆じやないかというようなことをはつきり知つたのであります。政府の態度は変つておるのである。だからそういうふうな点は詳しくややこしく申しませんが、ともかくもそういう点も實際にあるのでありますから、私はそういう交渉の経過をはつきり國民の前に示して貰いたい。これはここでなくてよろしいですが、そういう発表をされることが必要だと思うのであります。
 序にもう一つ、これは第三の私の問題であります。実はこの経過をよく知つおる方面や或いはいろいろ國民の方からは、閣内に不統一がある。そうして或る一方では非常に解決に近いような案を常に用意しておつたし、又そういうふうに努力しておつたが、或る一方の連中が非常なぶつ壊しをやつた。そうしてこのぶつ壊しをやつた連中は、むしろ連合軍の力によつて、或いは権威によつて、労働運動を徹底的にぶつ壊させなければ、とにかくそういう妥結には絶対に行かないようにするというような策動があつたというふうに、一般巷間に博えられておると思うのです。そういう点について首相の一つ考えをここで述べて置いて貰いたいと思います。

#139
○國務大臣(芦田均君) 中西君から、いろいろ今回の労働爭議に伴つて内閣の内部に意見の対立があつて、或る者は司令部の覚書発動を期待しておつたとか促進せしめたとかいう噂もあるというふうだが、これについて、私がどう思うかというお話であります。政府は今回の労働争議に臨むときには、或いは労働関係の閣僚の懇談会若しくは重要な問題は一々閣議に掛けて、政府の方針を決めたのでありまして、その方針の決まるに至る中途においては、成る程意見の異る人もあつたろうと思います。凡そ数人以上の者が集まつて一つの議を纏めるどきには、政府部内に限りませず如何なる場合にもいろいろの意見が出る。併し一旦意見が決まつた以上は、これを確定した方針としてその通り堅持するのでありますから、若し閣議の際にあちらこちらから異つた意見が出たということをお話になるならば、これはもう如何なる閣議の場合もそうです。いろいろな意見が出ます。併し政府の方針が決まるのは結局閣議の多数の意向に基いて決定するのでありますから、これが少しも珍らしいことでもなし、又特にこれを指摘して政府の態度を非難さるべき理由ともならん、私はさように考えております。今度の問題について責任を感じるかというお話ですが、正直に申せば、苟くも國民の負託を受けて政治の責任を取つている者である以上一人の負傷者が出ても責任を感ずることはこれは当然のことであります。電車の事故が起つても煎じ詰めればやはりこれは政府の責任だということは、理屈は立ちます。待つてかようなストが起つたこと自体についても、我々は衷心責任を感じております。その点は如何なる場合においても私は責任を逃れようとは考えておりません。
#140
○中西功君 第四点でありますが、今日來の新聞紙面では妥協試案ができたというふうに報ぜられております。私又組合側からいろいろ聞きましたところにおいても、大体それに近いものを聞いておりますが、その新聞発表の中においても加藤労相はこれを極力通したいというふうな談話もいたされている。私は思いますのに、昨日早朝に、ともかくも総司令部の意向をも酌んだ或る程度の形において妥協案ができているのじやないか。いや総司令部の点はこれは新聞紙面には除いてありますが、ともかくも権威ある妥協試案ができているということは事実であり、加藤労相もこれに対しては責任のあるような言葉を発表されている。で私は非常にそういう点にやはり相互の見解の相違、歩み寄りという点については非常に接近したということは事実なんでありますが、それがその後杳としてはつきり解決したというニュースに我々は接していない。これ程近ずいて、而もすでに新聞にも発表されているというふうな状態であるのに、何故これを早急に芦田首相は内閣の責任を持つ人として、これを早く解決しないのか。本当に今私が申しましたごとく、内閣の中において、或いは外においてこれを阻害しようとするような策動が本当にないのであるか。閣議内が本当に意見が一致しているならば、これ程接近し得た試案が現にできているのに、何故早く閣議はこれを正式なものとしてこれを円満に解決しないかということを、これは私だけでなく非常に多くの人が不審に思つておると思う。その点について私は芦田首相が本当に決断をはつきりここで下して、この大きな問題を一日も早く、即日解決して貰うことが非常によいことだ、又私はそれを望みたいのでありますが、それに対してお答え願います。
#141
○國務大臣(芦田均君) 只今のお話の妥協案という問題は私は実は何も承知していないのでありますが、或いは労働省の当局でも呼んで聽けば何かそういう話があつたのかも知れません。実はそういう細かい点まで一々承知していないのは甚だ申訳ありませんが、率直に申しまして、そういう事実を知らないのでありますから、さよう御了承願います。
#142
○中西功君 私は首相のその言葉を聞いて非常に遺憾に思うのであります。恐らく昨日の早朝、零時か或いは二、三時頃その案ができているといたしますれば、必ず昨日の閣議に掛かつていると思うのであります。で労働組合側は昨日以來その閣議の回答を待つているというふうな状態のように私は闘いでおります。ところが、ここでそういうふうに問題の中心を避けられる、全然聞いてないかのように、而も今朝の新聞にそれが載つておる。新聞を読まれるぐらいの時間は私はおありだと思うのでありますが、新聞に若しそれが出ておつたとすれば、これは一体どういうことぐらいのことは閣議に掛かる。若し掛からないとすれば掛けていいと思うのであります。それで私はずつと藤田議員に対する答も聞いておつたのでありますが、芦田首相のこの問題に対して、問題を知らないだけじやなくして、本当にこれを急速に解決して、円満な解決に逹するという熱意が、誠意が実際、どれだけあるかということに対しては非常に私は疑問に思つたのであります。だから私が聞きたかつたのは、そういうふうな態度、知らんというそういう態度がこの問題をかくまでこじらして多くの人に迷惑を掛けておると私は思うのです。
 最後にもう一つお聞きいたしますが、実は政府の面子やいろいろの問題もありまして、今後これを急速に解決するためには、どうしても政府職員の俸給に関する法律案に續いて、急速に四百二十円をどうするか、或いは又新給與体系の問題を大体において、どうするかというふうな法案が急速に國会に出されなければならん。少くともこの國会が休会になるまでに出される必要かあると私は思うのであります。その点はこの衆議院の勧告決議案にも述べられてあります。國鉄を含む官公庁労働組合連絡協議会と團体交渉を行い、從業員の意向を尊重し、速かに國会に法律案を提出すること、こういうふうになつておりますが、この「速か」といな意味は、具体的にいえば、これが休会になるまでということなんであります。政府は自分の四月の暫定予算を通すためには非常に急ぎまして、衆議院に対しても、参議院に対しても種々の申入れを行なつておるわけであります。私はそれと同じような熱意を以て、この予算案の基礎になつておる二千九百二十円問題もやはり同じような熱意を以て解決しなければ、法案を提出するために努力しなければ、結局非常に片ちんばというか、片手落の処置になると思う。ともかくも予算案だけは何とかして急いで頼みますというふうなことをとにかく沢山言つて置きながら、その基礎になつておる問題、二千九百二十円の問題については、一向新らしい法律案を提出するというふうな、急いでおる気配が見えない。私はこれは勿論非常におかしいと思うのです。ですからそういう点で、これは総理大臣でも大藏大臣でも結構でございます。早く法律案を作つて出ず用意が實際できておるのか、できてないのか、それをお聞きしたいと思のであります。
#143
○國務大臣(芦田均君) 中西君のお話の法律案を出す必要の点については政府も全然同感であります。只今四百二十円の支給方法について組合側と話合いをまだ続けております。これが終了いたしましたならば、これに即應してできるだけ早く法律案の御審議をお願いすることになると思います。
#144
○中西功君 最後にくどいようですが、この國会の休会を申しますか、自然休会前に出される意図があるのかどうか、くどいようですけれども、一つ……、
#145
○國務大臣(芦田均君) 休会前に提出することに極力今進捗いたしております。
#146
○委員長(櫻内辰郎君) 川上嘉市君。
#147
○川上嘉市君 総理大臣にお伺いいたしますが、今回の暫定予算の根抵になりましたのは、二千九百二十円と現行の公定物價、これを基準にして編成されたものでありますが、聞くところによるというと、この物價体系を近いうちに変更するというような噂がありますのでありますが、これに対してお考えをちよつとお伺いしたいと思います。
#148
○國務大臣(芦田均君) 川上君にお答えいたします。價格改訂の問題は、すでに周囲の環境に即応するごとく凸凹を調整しなければならん問題も沢山に起つております。と同時に、又これを改訂するに当つては、現在のインフレーシヨンの状態に顧みて、これを助長するごとき過ちを犯しては相成らんと同時に、又生産の増強を妨げるごとき状態に今日の日本の経済を打ち棄てて置くわけにはいかない。かれこれ各般の情勢を考えて後に行わるべきものであると考えております結果、正確に何月に價格改訂を行うかというふうな見通しを今日申上げることは非常に困難な状態であることを御了承願います。
#149
○川上嘉市君 價格改訂の問題は非常に愼重を要するのでありまして、これは申すまでもありませんのであります。曾て前内閣の石炭國管問題のときに、その石炭の價格をどうするかという点について、石炭連合会とか、その他のいろいろの調査を聞いたり、又希望も聞きました。その当時石炭の生産費がトン約五、六百円乃至九百何十円という相場であつた。幾らに上げて貰つたらいいのかという私たちの質問に対して、千円に上げて貰いたいと、こういうふうな話でありました。千円に上げて貰えば最も成績の悪い、最も儲からない炭鉱でもどうにかやつて行けるという返事でありましたのでありますが、その後今日に至りまして、約五ケ月後の今日において、その千円に上げた、これならいいとこう言つたのが、今日仄聞いたしますというと、二千円に上げないというといかんというような説を聞くのであります。この点から考えるというと、物價改訂というものが、ただ機械的に何倍に上げたらいい、この前のように六十五倍に上げるというような、そんな概論で行くべきものでないということを痛切に感ずるのでありますが、今後物價の改訂に当りまして、大体の方針で結構でございますが、どんなふうな行き方をなさる御腹案でありますか。これもちよつとお伺いしたいのであります。
#150
○國務大臣(芦田均君) お答えいたします。今後價格改訂を行うとすれば、その基準としてどういう尺度を採るかという御質問のように拜聽いたしました。お説のように、この前の六十五倍云々というような一つの基本的な標準を決めて物價改訂をやるのがよいかというようなことについては、いろいろ考慮すべき点があると思います。今後の價格改訂に際しては、そういつたような窮屈な標準でなしにもつと實状に即することに努めるべきが当然であると考えております。但しこの問題は、余り事前にはつきりと世間に標準を示すようなことが却つて物價の釣上げを促すような結果に終りはしないかという点にも十分政府は考慮すべきことと存じておりますから、又今後の物價改訂の基準をどこに置くかということは、政府においても確定したわけでもありませんし、又私個人の大まかな水準などをこういう席で申上げるべきでもないと存じますから、いま暫くお待ちを願いたいと思います。
#151
○川上嘉市君 只今の総理大臣の御答弁は、御尤もと思いますからして、その問題についてはうこれで打切ります。それから税の問題でありますが、今回の、むしろ今後の予算がどれ程殖えるだろうかというような問題でありますが、只今お話の通り、價格の改訂は止むを得ないようなお話でありますし、これはどの邊まで参りますか、又その範囲もどの邊まで及びますか、これらの点によつて非常に違いますけれども、昨年の物價体系の変更によりまして、追加予算が九百二十二億、この中で丁度半分だけが物價体系の変更のための値上りであつた、こういうことを当時の安本長官から答弁がありました。そういう見地から申しますと、随分今後この暫定予算にアルフアーを加える、そのアルフアーが非常に大きいものになるということを我々は予想するのでありますが、それに從つて税を、徴收するということが非常に困難になる。恐らくは今年の予算には御当局の方が非常な御苦心をなさつて、非常に困られておるということを我々は考えるのであります。ところでその税の負担の方でありますが、これが又非常にまちまちであります。非常に均衡が取れていないのであります。これは私共が考えるのに、國民が税の負担において皆均等に行く、均衡が取れておる、こういうことが第一條件であると考えるのでありますが、或る闇をやる方面、その方面では可なり税が少い当政府の当局の方は、恐らくはできるだけのことをしておると、こういうふうな御答弁があると思います。又從來たびたびそういう御答弁がありましたけれども、事實を見るというと、非常にそれが散漫であります。例えば繊維製品などにつきましても、愛知縣辺りでやつておりますいわゆるガラ紡というものでありますが、これらは非常に沢山の利益があります。その利益があるに拘わらず、その税というものが非常に少い。織機一台について幾らということが、私の調べましたところによるというと、大幅の織機一台について年に七、八千円の所得税ということになつております。同じ織機に対して、滋賀縣では二万五千円と、こういうふうなことであります。それで實際申しますと、ガラ紡の利益と申しますか、これは殆んど皆闇でありますが、大幅六ヤールの織賃が三百円で、その一日の織上高が百ヤール、一日一台の利益だけで以て五千円、十台ありますというと日に五万円、年にすると千八百万円、こういうふうなべらぼうな數字に上つておりまするが、それがその所得を算定するときに年に七、八千円の税というようなことは、殆んど我々の想像を絶することであります。我々勤労者の税金は、十五万円ですか、二十万円ですか、その程度になりますというと、八割二分の税であります。五分の四以上を税に取られるのでありますが、こういうふうな連中の税というものは、一%当二%にも当らんような状況であります。而もその金額から申しますと、そういう者が大部分を占めておる、こういうのでありますというと、本当に税を出し得る力を持つておる連中は殆んど税を逃れておる。而もどれだけ生産をやりどれだけ動いておるということは、全部白晝公然と織つておるのですから、調査は直ぐできます。而もその値段が幾らで織つておるか、これも我々門外漢が聞きましても、全部公然と話して呉れる。そのくらいの程度でありますけれども、これを金脈下に亙つてやつておるのがそのまま放任されておるという實情であります。これでは本当の税を出すべき者が税を出さないで、そうして貧乏な者から段段余計取つておる。それを取つても幾らも集まらんのですから、今年の予算の編成は非常に困難であろうと考えるのであります。これに対して將來どんなふうな徴税…本当にただ一生懸命やるというのでなく、もつと具体的に何か方法をお講じになつたらどうかと思いますが、これについて御所見を伺いたいと思います。
#152
○國務大臣(北村徳太郎君) 只今の川上委員の御指摘は極めて御尤もと考えます。申すまでもなく非常に公正に且つ適切であるということを根本の理念といたしまして、從つてどうして實態を掴むかということに精々努力をいたしておるのであります。只今御指摘のような工合でありまして、闇利得をどうするかというような問題がしばしば起るのであります。これを対蹠的に勤労者は一〇〇%取られておる。然るに逋脱し易いものはそのままになつておるのじやないかというようなことから、非常に御不満がある向もあるように存じておる。從いましてこれらの是正につきましては、全力を挙げていたしたい。これは國民感情から申しましても、その他社会正義の考え方からいたしましても、どこまでも税は公正であるという点を納得して頂く方法を採らなければならない。ところが具体的の問題といたしましては、最近納税者の数が約七倍、これに対して現在の税務機構が七分の一であるところの定員の七割程度しか充足されていないという現状でありまして、かような徴税機構ではどうしてもいけないというので、先ず税務関係の増員強化等を十分いたしたい。只今その方面へ相当力を入れて殖やすようにいたしております。同時に又公正な取扱いということが非常に大事な問題ですから、これらの問題については財務局長を集めまして、今後の方針につきまして十分指示をいたしておりますので、今後は精々納得して頂いて納めて頂くというようにいたしたいと思います。荷只今御指摘の静岡縣、愛知縣のごとく非常に相違があるものが若しありといたしますれば、私共はこれに対しても十分検討いたしまして、さような不公正がないようにいたしたい。只今御指摘の点につきましては、特に注意をいたしまして調査をいたしたいと思います。尚一層詳細なことは主税局長が参つておりますので、主税局長に答弁をいたさせます。
#153
○政府委員(平田敬一郎君) 只今課税の不公正の問題につきましてお尋ねでございますが、私共といたしましても先ず何と申しましても納める力のある方面から、先ず先に納めさして貰うというのが、税制を通じます場合におきましても、それから又課税上の調査をいたします場合におきましても、最大の理念となつておるところでございます。今御指摘のインフレ利得等につきましては、極力力を挙げて調査をいたしておるのでございますが、先程大臣からもお話がありましたように、何しろ納税者の数が相当殖えたのに対しまして、税務の徴税機構が現在は極めて貧弱な状態にある。その点からいたしまして、勢い大きな方面につきまして漏れ勝ちでございますが、この点につきましては、本年度といたしましては、各財務局、税務署等に注意いたしまして、先ずとにかく大きな利得者等に重点を置いて調査するようにということを指令して参つたのでございます。その結果といたしまして、私共の方に報告の参つたところによりましても、所によりましては相当成果を挙げておる所がございます。で大藏省におきましても投書等がございました場合におきましては、直接出動いたしまして、適切な調査をいたしまして、相当な事績を挙げておる向もございます。この問題は結局におきまして制度自体といたしましては、調査が徹底をしますならば現行当税制で相当の目的を逹し得る。問題は結局調査機構の擴充と調査の方針に帰着すると私共考えておる次第でありまして、多数の納税者の方々に非常に重い負担を現在課しまして、最近は非常に納税成績も良くなつておりまするが、こういう際におきましては特に御指摘のような点につきまして、万全の注意をいたしまして、できるだけ調査の徹底を図つて、適正な課程をして参りたいというふうに考えておる次第であります。尚本年といたしましては、その施設の一例といたしまして、現在全國の税税務官吏のうち比較的優秀な中堅官吏を高等財務講習所というものに收容いたしまして、そこで特別の教育を施しておるのでございますが、その生徒多数の発意によりまして、非常に今の税務の輻湊しておる際、何とか私たちも手伝わせて貰いたいという希望がありましたので、約百五六十人でありますが、その人間を、主として今の大口利得者の調査に從事せしめております。現在東京大阪、名古屋、北九州等に派遣いたしまして、お話のようなインフレ下におきまして、特別に利益のある方面に対しまして、特に特別調査をやるということで目下進めておりまして、まだ詳細な報告は來ておりませんが、中間的にも相當な事績を挙げておるようであります。今後におきましては、一層の充実を図りまして、お説のような方面におきましては極力課税の徹底を期しまして、以て善良なる納税者の成績の向上を期待しておる次第であります。
#154
○服部教一君 段々時刻も進みましたし、お急ぎのようでありますので、私は簡単に申上げたいと思うのであります。いろいろの問題がありますけれども、これは省きまして、教育のことについて一言申上げたいと思うのであります。六・三…これは大藏大臣にもちよつと残つておつて貰いたい、直きですから……六三制度の問題につきましては衆議院においても参議院においてもたびたびいろいろの点から質問がありましたので、これは私は省きます。六・三制をして中学を義務教育にされたということは、これは日本の教育上非常な良い改革でありまして、将來これは喜ばれることと思つておるのでありますが、併しながらこれはアメリカでさえもまだ六・三制度でないところが沢山ありまして、経済上非常な無理をされたものであります。これは無理をせずに行ける方法もあつたのです。どういうことかというと、点はその点について三点申上げたいと思うのであります。この問題は國家の重大問題であるのです。文部大臣だけのものじやないのでありまして、私は一昨日この予算委員会において文部大臣にに上げました。その速記録を御覧下されば、私の申したことと、文部大臣のお答とはつきり分つておりますから見て頂きたいのでありますが、今ここに簡單に申上げたいと思いますことは、アメリカにおいては六・三以外に八・四、小学校八年、中学校四年、八・四という制度が沢山行われておりましてこれは非常な便利なことがあるのであります。アメリカにおきましては遠方の児童はスクールバスによつて生徒を迎えたり送つたりしております。日本ではなかなかそういうことになるのは容易のことでないから、そこで遠方にある中学に行きにくいのでありまして、私の知つておる一つの例を申しましても、昨年までは八年間小学校で学べたが、高等小学を止めてしまつて中学にしたために、貧乏な村は中学を設けることができないために、山を越えて四十町ばかりの道を行かなければならん。女の子などは殊に冬などは非常に困るというように、余り突飛にやつたがために改善でなくて改悪になつておる所もあるのであります。又第二点といたしまして、貧乏な家庭の子供は義務教育九年ということは耐えられずして、どうしておるかというと、四月の始めにちよつと出るけれども、後は金儲けに行つて学校へは行くことはできんというような家庭もあるのであります。これは日本だけではない、アメリカにもありまして、そういう子供のためには例外を作つておるのであります。ところが日本ではその例外も取つてしまつたのでありまして、この貧乏人の子供はやはり困つておるのです。事實上これは實行できないことで、去年、今年の統計を取つたならば、必ず学校に行かずして金儲けをして親を助けておるという子供が沢山出ることと思うのであります。第三には、アメリカにおきましてはこの義務教育を助けるために國有土地というものを学校土地として與えておるのでありまして、非常にこの経済が都合よく行つておる。それで今度もこの六・三制度の教育費の補助について或る方面ではこれに反対しておるということを一昨日聞きまして、私は非常に心配をしたのであります。幸い昨日首相が行かれまして都合よく解決されたということは誠にお目出度いことであつて、衷心喜んでおるのであります。併しながら大藏大臣におきましても、首相におきましても、この二十三年度の予算はどうするか、又その次の予算はどうするか、こういう問題についてはなかなかまだまだこれから非常に苦まれることと思います。それでこの日本の学校の建築などに現在ある國有林などを利用するということは、アメリカなどにおきましてもやつておるのでありますから、これは一つ十分に考慮しなければならん。ただ金がない、ただ止むを得ないということでは市町村が非常に困ることと思います。現に今日寄附金などでなかなか無理をしております。次に教育費もアメリカあたりにおいては義務教育というけれども、町村と縣と分担してやつております。余り義務とい名に捉われて画一主義ということのために日本では無理が行つております。この点は勘案する必要があると思う。
 これらの小さい問題は別にいたしまして、私の今ここに立つて申上げたいことは、もつと大きな問題が一つ残つておるのです。これは一昨日文部大臣との間に問答をいたしましたが、私はそれで満足していない。ここでやはり総理大臣にも大藏大臣にも聞いておいて頂きたい。これは國家の財政にも大いに関係のあることでありますからちよつと簡単に申上げたいと思います。相当詳しいことは一昨日のこの予算委員会における速記録を御覧下すつたならば分りますから、今日は簡單にちよつと申上げたいと思います。それはどういうことであるかというと、アメリカにおきましては、昨年の学校教育法で日本がアメリカの制度に学んでやつたのでありますが、それは六・三・三・四、小学校六年、中学三年、高等学校三年、大学四年、こういうように一本調子にやられたのであります。然るにアメリカにおきましては六・三・三・二という、制度がある。小学校六年、中学三學と、高等学校三年と、その上に二というのがある。これは御承知の通りジユニアーカレツジ、初等大学と申しますか、下級大学と申しますか、二ケ年程度の学校であります。これは最近の発逹でありまして、今から十七、八年前には四百ばかりであつたのが今日は六百ばかりになりまして、生徒も七万ばかりなのが今日は三十万からになつておるのでありまして、これからますます発逹しつつあるのであります。これはどういうことであるかというと、日本の専門学校、今日あるところの専門学校、高等学校、大学予科に相當しておる学校でありまして、日本においては名は違うけれども事実あるのです。これを廃止してしまつて、そうしてアメリカの六・三・三・四という一方だけを眞似したのであります。これは非常な間違いであると私は思つておる。アメリカに行きますと、大学四年やるよりは家に帰つて息子が百姓の手伝いをする。これから先各村に中学ができるようになつたならば、これから四年、五年、七年、八年、十年後においては非常に大学、専門学校に入る生徒ができて來る。そのときにこの予算をどうするか。やはり押問答でやらなければならんときが來ると思う。丁度今好い改革であるから、今現にこの問題は各府縣において囂々として起つておる。殊に將來女子専門学校のごときは四年の長きに亘れば結婚時期も遅れる。それ程の必要がない。こういうような声で日本は各府縣で困つておる。現に困つておるのです。それを昨年決めた六・三・三・四で抑え付けようとしておるのであります。この点を私は申上げたいと思うのです。これは速かに改革し、又現にある専門学校のようなものを、高等学校のようなものを残して置けばそんなに苦しまないでできる。土地の事情に感じて段々昇格させ、その土地土地によつて都合好く改革して行けばいいのであります。余りに無理をするためにこういうことが起つておる。而もこれは將來必ず改革してやはり又、名は違うけれども、同じようなものを置かなければならんときが来ると思うのです。これは今ここで総理大臣や大藏大臣のこれに対する返事を聞かんでもいいのです。こういう問題が起つておるということを御承知置き頂きまして、これに対して善処して頂きたい。こういう希望を申上げて置きます。
#155
○委員長(櫻内辰郎君) この際お諮りいたします。六時まで休憩いたすことに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#156
○委員長(櫻内辰郎君) それでは六時まで休憩いたします。
   午後五時十九分休憩
   ―――――・―――――
   午後六時二十二分開会
#157
○委員長(櫻内辰郎君) 只今より開会いたします。休憩前に引續き質疑に移ります。
#158
○西川昌夫君 大藏省にお尋ねしたいと思います。今回の予算は二十三年度の本予算の前哨的なものでありまして、本年度の予算は全貌を窺うために、本年度の國民所得はどのくらいに踏んでおられますか。詳細に御説明を願いたいと思います。それと本予算、この四月の分を加えての廣い意味のこういう予算は、大体の見込が現在の給與並びに現在の公と仮定して、大体どのくらいの予算に納まるかという見通しをお願いしたいと思います。
#159
○政府委員(福田赳夫君) 二十三年度の國民所得につきましては只今鋭意檢討中なんであります。いろいろの説があるのですが物價基準というものがどうなるかということが前提問題であります。物價基準ということは只今企業の採算の状況から見まして、どうしても物價というものを或る程度の調整を加えなければならん、かような情勢になつて來ております。それからもう一つは特別会計につきまして独立採算制を採るという見地から、鉄道、通信料金の改訂ということを考慮いたしておるのであります。この二つの面からいたしまして、物價全体の或る程度の調整ということが必要になるので、物價の調整をいたしますると、それが生活費に響いて、その結果人件費の増加というようなことにもなつて來るのであります。只今この國民所得の計算の基礎となる物價問題全体の構想というものを只今検討中でありまして決まりません。從つていろいろ修正線から見ると一長一短でいろいろなことが言われておりますがいずれも権威のない一種の研究的なものでありまして、物價基準というものを確立する、物價の調整ということを具体的に決定する、それに基きまして今後國民所得というものは幾らに規定するか、それを検討する、かようなことに相成るのであります。從いまして誠に遺憾でありまするが、この席上では幾らということはまだ申上げる段階に至つておりません。
 それから次に来年度の予算の規模でありまするが、これ又その大体の規模を申上げる前提といたしまして、この物價というものがあるのであります。その物價が賃金に行く。そうするとその賃金が二千九百二十円というものを維持するか、又これを改訂するか一というような問題になつて來ると思います。それから又更に予算の面におきましては未確定要求でありまするところの終戰処理費、これをどういうふうに処理するか。これはまだ関係方面との折衝も進んでおりません。更に又價格政策の見地から補給金をどう扱うかということが検討されておりません。又價格政策の如何によりまして、復興金融常庫の資金というものが相当厖大に上る可能性があるのでありますが、それをどういうふうにするかということがまだ決まらないのであります。從いまして予算の総額についても、只今まだ推定を見て、その結果を申上げるというような段階に至つておりません。
#160
○西川昌夫君 今大体伺いましたが、檢討中であるというお話でありましたが、大体いつ頃明示して頂けますか。その見込をどうぞ。
#161
○政府委員(福田赳夫君) 只今非常に急いでやつておるのでありますが、今後一週間乃至十日以内ぐらいに大体見当を付けたいというふうに考えております。
#162
○西川昌夫君 去年の追加予算の檢討の際も、國民所得の推定というものにつきまして、当時の大藏次官あたりから説明を聽きました。誠に杜撰なもので、我々の納得の行かないものでありますが、どうか可なりの納得の行くものを、数字を書類で一つお示しを願いたいと思います。
#163
○政府委員(福田赳夫君) 適当な方法によりまして御納得の行くような説明をいたしたいと思います。
#164
○西川昌夫君 次に地方の自治体の財政のことに関してでありますが、昨日もちよつとお話があつたようでありますが生活保護法による要保護者のなにが國庫から八割あると、地方から二割という状況になつたのでありますが、この二割というものが地方の町村によりましては昨日もお話がありまして、隣保共助の精神から地方自治体がこれを負担するというような理由の御説明をちよつと聞きましたが、終戦後の特殊な状況によりまして、軍の空いた建物があるとかいうような事情から、町村によりましては途方もない大勢の要保護者階級が入り込んでいる。引揚者だとか、戦災者だとか、そういうようなのがおりまして、私の手許に持つております資料の町村のごときは、五千五百名の町でありまして、町民税総收入が大体百六十五万円の徴收をしておる町でありますが、これは総額五百二十四万円の生活保護費をその町内で支弁しておるのであります。これの二割というものは莫大な金額でありまして、その中の半分は都府縣で出しておるということであります。一割というものは、地元の町村の負担しておる町民税百六十五万円中で、驚くなかれ、五十二万四千四百七円の負担をその町村からしてあるのでありまして、概算町民税の三分の一を地元村には縁もゆかりもない要保護者階級のために支出しておるのでありまして、もとよりこれの負担は、担税能力がある外の町民が負担して、実に困つたことであると町民も役場當局も非常に苦心しておるのでありまして、かような点は、ほどほどの数字であるならば、又町村関係者であるならば、隣保共助の精神も結構でありますが、町民税の三分の一、百六十五万円の町民税のうち、五十二万四千円の負担を掛けるということは、余程考えて頂かなければならんと思うのです。ここら辺の政府の考えをお聞きしたいと思うのであります。
 尚これと同じように最近新警察制度におきまして、この町村では、從前は駐在所が六ケ所で済んでおつたのが、人民割から行きまして、署長以下四十人の警察を設置することに相成つておりますが、これも近き將來町村の負担に相成るというようなことでありまして、その町の財源なり、直か直かに町から上げ得る財源というのには制限がありますし、尚消防署の町営ということになりまして、財源を検討いたしまして、町民税百六十五万円のうち、五十二万円四千円をそういつた要保護者の方に引かれると、あと四十人の警察官を抱えますと一人仮に五万円、一年間人件費、事務費を想定しますときに、二百万円というような警察費が、元六人の巡査で済んだのが、町村で二百万円の負担をする。全然新らしく負担させられる関その外に又消防署関係の経費が掛かることは、非常な町民の将来の憂欝な材料になり、又どういうように國家では考えておるか。この点を一つ詳細に御説明願いたいと思います。
#165
○政府委員(福田赳夫君) 生活保護法の施行に伴いまして、非常な多額の金が要るのであります。二十二年度におきましても四十億円くらいの金が要りましたし、來年度、二十三年度といたしましても、只今の物價、賃金と、さような基礎から見まして、昨年二十二年度の五割増しくらいの経費は掛かつて來るのであります。これは國家全体といたしまして、非常な負担でありますが、その負担の分担といたしまして、地方においても、二割の金額を持つて頂く、かようなことになつておるわけであります。從つて地方といたしましても、この金は相当重い負担になつて來るというわけでありまして、それか又警察につきましても同様であります。警察機構というものが今後拡充されまして、而してその系統が國家警察、地方警察と分れます。で、地方の警察費を地方において負担するというようなことになります、地方の負担というものは非常に多くなるというのは御説の通りであります。この情勢に対処いたしまして、今後地方の自治ということの徹底、即ち地方團体の独立ということを徹底的にいたすというような趣旨からいたしまして、その一助といたしまして、只今中央、地方を通ずる財政の調整ということを檢討中でございます。これによりまして、地方において拂うべき経費、國において負担すべき経費、これをはつきり区分いたしまして而してはつきりいたしました結果、從来地方が負担しておつたものが國の負担になるものもあります。それから國が從來持つておつたもので地方の負担に移つて行くものもあるのであります。さような歳出面の調整をいたすと同時に、歳入即ち財源につきましても、從來國で持つておつたというようなものを地方に委譲するというようなことも起ります。或いは地方において新税を起すというようなことも考えられ、結論といたしまして、現在國におきましては、いわゆる收支均衡の原則、即ち公債は募集せず、それから財政法にも謳つてありまするが、万一公債を出す場合におきましても、公債は生産事業公債、或いは公共事業というように、特定の使途にしか使えないわけであります。この同じ原則を地方公共團体にも適用して参りたいというふうに考えておるのであります。即ち地方團体にも或る程度の財源につきまして見通しを與える、その見通しが與えられた基礎の上に地方自治団体は独立してやつて行けるというような中央、地方の歳出面、歳入面の調整をいたすということに考えておるのであります。これは只今殆んど成案を得つつあるのでありまして、極く最近の機会におきまして御審議を煩わすさようなことに相成ろうかと考えます。
#166
○中西功君 私安本長官に。実はこの暫定予算で二千九百二十円がベースになつておるわけでありますが、今まで政府当局が、特にこの前の追加予算のときに我々にいろいろ説明したところでは、二千九百二十円で満足でない、これでは食えないということもよく承知しておる。併しいろいろの事情を考慮して、ともかくも一月から三月の間までは、ともかくもこれで辛棒して貰いたいというふうな意向である。更に又四月以後は新物價体系とも睨み合して、その他労働組合側とも團体交渉の結果、これを妥当なところに改訂したいと思つておるというふうな答弁であつたと思うのであります。ところが暫定予算においては、まあ暫定ということのためかどうか知りませんが、ともかくも二千九百二十円で計上されておるし、この問題については関尚私は労働組合関係と政府が團体交渉をやつたということも聞かない。むしろ今日におきましては、この二千九百二十円を組合が呑まなければ駄目なんだという強い態度で政府は押しておる。こう思うのですが、それで一つはこの四月以降に一應又再考慮いたしますというふうな政府の以前の答弁、そういう考え方は今日どうなつておるのかということが私聞きたい。
 更に又先だつての本会議におきまして、波多野議員から新物價体系の原則的な問題については國会に諮るかどうかというふうな質問があり、それに対する安本長官の答弁は何か非常に曖昧だつたと思うのです。諮るような諮らないような、例えば財政法第三條で規定されておるようなものは諮りますというふうなことで、その根本的なプリンシプル、これについて何か諮らないような話だつたと私記憶をしておるのであります。それが正しいかどうか、これが第二点であります。それから実は第三点としましては、この新物價体系のプリンシプル、特に勞賃と米價とそれから工業生産品の價格の決め方と、この問題についてちよつとお聞きしたいのですが、それは次の質問にいたします。
#167
○國務大臣(栗栖赳夫君) 第一のお尋ねは官公吏諸君の給與の二千九百二十円の問題であると思うのであります。これは中労委の裁定の線に沿うて処置しようと思うのでありまして、そうして四月以降において物價の問題をどうするかということを先ずここで申上げて置きます。それは昨日でございましたか、一昨日でございましたか、そのときちよつと申上げたように、物價につきましては、この價格が甚だしく不当とか、当を得ないというようなものもあるようでございますから、今回補正をいたしたいと思つております。補正的の改訂をいたしたいと思つております。全面的に改訂をするということは必要もないものを又することになりまして、物價が釣り上つてインレーシヨンが昂進する原因となりますから、そういうものは避けて、補正的の改訂をいたしたいと思うのであります。そういう面からいたしますと、財政法三條に関する特例の法案が出る筈だと思つております。それが出ますれば、その通過と睨み合せまして、それから更に鉄道とか或いは通信料金、その他の引上げとも睨み合して物價の改訂をいたしたいと思うのであります。四月の未か五月という間に入ろうと思うのであります。それがどういうように決まりますか、只今檢討をいたしておるのでありまして、ここで申上げるまでの、詳細を申上げるまでの域に逹しておりません。そういう新らしい改訂をした、補正的の改訂をした物價と睨み合して、賃金がどうかというような問題になるのであります。そこでこの必要があれば又この賃金水準を引上げて、そうして又官公吏諸君の給料というものも、そこで睨み合して処理すべきであるということに相成ろうと思うのであります関そういうような関係になつておりまして、この前ここで話があつたというのでありますが、私はそう詳しいことを申さなかつたと思いますので只今申上げて置きたいと思います。
 それからその次の財政法三條の問題であります。これは、この特例に関する法律が出るようになると思うのであります。それにしましても、この基本的なもの、或いはこの通信料金とか、或いは旅客の料金とか、貨物の料金とかというようなものは、恐らく御相談を、國会の御承認を得てするということになろうと思うのでございます。併しながら物價の細かいところまで財政法三條とは関係のないところでありますが、物價の細かいところ、例えば、一々の物價その他について、これは財政的收入というような意味でなしに原價計算、その他から出て参るものであります。そういうものまで一々國会に御相談をするということは、これはいろいろの運営、その他の上においてもむずかしいことであり、又非常に煩瑣なことにもなると思うのであります。そういう関係から政府の責任においてやりたいと思つておるのであります。これは政策の実行でありますから、そう考えたいと思うのであります。
 それから物價或いは予算その他に関連しまして、基本的にどういう取り方をするかという問題については、これは御質問もありましようし、私もお諮りをして、何かの機会があります際にはお諮りをして行きたいとも思つております。併しながらこの物價を個々のもの、殊に詳細なる原價計算から出るものについて一々國会にお諮りするの當は、その性質上適当でもなし、煩雑でもあるかとも、こういうふうにも考えますので避けたい、かように思つておる次第であります。
#168
○中西功君 今の安本長官の答弁を結論しますと、一つは來たるべき新物價改訂は補正的なものであるということとそれから財政法第三條の特例とも関連させていえば、結局國会には諮らんということになると思うのですが、私が質問しましたのも、個々の商品を、詳しい原價計算をここに示して、そうして國会に諮れと言つたのではないのであります。そういうことは正に言われる通り煩瑣であります。そうすれば私が言うのは基本的な原則であります。その前に私は原則についてもう少し聞きたいのですが、その前に改訂が補正的であるということは、これを二千九百二十円の問題で、具体的に申しますと、以前の千八百円問題のように、基礎は二千九百二十円であるが、その他の補正をなす関係からはね返りを考える、はね返りとして或るものを考えるという意味になると思うのです。いわゆる補正的改訂ということを二千九百二十円の賃金の水準についていえば、基礎は変らないが、はね返り的のものを考える。これはこの前は二百円というものを考えたわけでありますが、そういうふうなものであるということを考えたわけでありますが、そういうふうなものであるというように理解していいですか、どうですか。
#169
○國務大臣(栗栖赳夫君) 先程の御質問と、今の御質問とに対して、もう少し補足的に申上げて置きたいと思いますが、物價、その他の問題、一般物價のことについてお尋ねであつたと思うのであります。これは財政法三條についての関係からお尋ねであるのか、予算その他の物件費に影響を及ぼしますので、そういう点についてのお尋ねであるのか、どちらか判明しないのでございますが、併しながらいずれにしましても、予算の場合の物件費の中に織込まれる物價というもの、或いは財政法三條で言われる、に関係するところのそのものということにしましても、いずれにしてそういう場合は、基本的な点は御質問もあり、又お答もする、そうして御審議を願つて進んで行くことになると思うのであります。それ以外の一般物價については、これは中西君もお話の通り、個々のものにも亘りまするので、これは政府の責任おいてやつて行く、こう申したいと思うのであります。
 それから二千九百二十円の給料の問題でありますが、これはいろいろ解釈的なお言葉がありましたけれども、我我としては、今後は物價の推移、その他の上に見て、そうしてこれと睨み合して考えて行く、こういう趣意でございまして、それは中労委の裁定の線にも沿つて考えたい、それを尊重する意味においても考えたい。さよう御了承を願いたいと思います。
#170
○中西功君 それで実は私はそのプリンシプルというのは非常に簡單だと申しましたのは、これは労賃についていえば從來採られたような企業別平均賃金制というふうなものでやるのか、或いは最低賃金制としての精神を酌み、その態度でやるのか、これがプリンシプルだと思います。更に米價格の問題についていえば生産費を正確に、或いは親切に考慮して米價を決めるのか、それとも從來のようにパリティ計算でやるのか、これが二つの別れ道だと思います。更に工業製品についていえば從來原價主義となつておりますが、これの点におきましても同じように非常にいわば厳格な理由でこの生産費を計算するものを從來のようにただその生産業者が申告したものを大体において呑んでおる。或いは一定の比率を決めておいてやつて行くと、これもいわば弾力的な行き方と生産原價による厳密な行き方と二つあると思うのです。それで私の言つでおるのはその二つのプリンシプルの対立だと思うのです。それで私はこういうふうな問題は是非とも政府において國会にいろいろ問題を出して貰いたいし、國会自身としてもこういう問題は絶対本當に取上げて一定の決定を見ておかなければならんものだと私は思うのです。ですから私は簡単だと申したのはそういう点であります。今日私は實はこの問題については勿論余り言わないつもりなんです。といいますのは、これを言い出しますと非常に時間をとりますので、これは質問としては殆んど省略いたしますが、そういう。プリンシプルの問題を今後考えて貰いたい。それでこの最低賃金制、別の言葉では生活給を加味するというふうなこと、これを從來政府において、或いは政府側の答弁おいては、いろいろ間違つたふうに言われておる、又は理解されておるというふうに思うのです点だからそういう点についても實際は討議したいのでありますが、今日はこれをやつておると時間が掛かりますので止しまして、次の機会にしたいと思います。
#171
○國務大臣(栗栖赳夫君) この賃金の組み方或いは物價の組み方について、殊に米價のパリテイ計算と他の物價において原價計算主義を採つておる。それから更に原價計算主義を採りますについても、どの程度までとるかというような考え方についてのお尋ねがあり、而もそれを留保せられたのであります。この問題につきましては政府といたしましても尚檢討もいたしておりますし、別の機会において、機会を捉えて御質問を願いまして、私もその際に十分時間の余裕を見てお答をし、又御質問も承わりたいと思う次第でございます。
#172
○委員長(櫻内辰郎君) 御通告による質疑はこれで終了いたしました。他に御質疑はございませんか。
#173
○中西功君 時間もないようですから大藏大臣に二・三質問をいたします。一つは全財に対して今度取られた措置の問題であります。この前でありますか、二・三日前だつたと思いますが、池田委員からここで大藏大臣に全財の爭議に対する政府の措置について質問があつたと思います。そのときに私は非常に意外に、又残念に思つたことは、あのときの質問はたしか午後かなり時間が過ぎておつたと思います。ところがそのとき、大藏大臣は池田委員の質問に対して官吏服務紀律を適用するかも知れんとか、或いは恐らくそういうことになるであろうとか何とかいうふうに非常に曖昧に、するのかしないのか分らぬような答弁であつたのであります。ところがその時すでに正午において、はつきりとそういう決定が閣議においてもなされておつたにも拘わらず、あの時にもうすでに新聞にもちやんと出ておつた。然るにあの日は非常に態度が曖昧で濁したような答弁だつたと思います。私自身もそういう決定をすでに聞いておりたのでありまして、実に意外な答弁だつたとそう思つておりました。それは或いは北村大藏大臣ができるだけそういう処置はしたくないという氣持からこういう答弁になつたと考えますれば、これ亦考え方は別であります。非常にそれはいいと思うのですが、その時の北村大藏大臣の答弁の中では賜暇休暇はストライキ行爲である。從つてこれは労調法三十八條に違反する、從つて官吏服務紀律でこれを取締る、こういうことだつたと思うのでありますが、私はこの答弁の中に非常に大きな矛盾といいますか、大きな考え方の矛盾があると思うのです。と申しますのは労働運動としてともかく認めておる。即ち簡單にいいますと、現在の官公吏が二つの人格があると思うのです。一つは官吏としての人格であり、一つは労働組合員としての人格であります。この二つが官吏服務紀律が適用されるのは、その官吏としての人格に対してこれを適用するのでありますと一万円以下の罰金でありまして、決して馘首ではないのであります。だからそういうふうな労調法の違反として扱うなら、これはあの労調法の違反の罰則を適用すべきである。ところがそういうふうに言つて置きながら、他方においては官吏服務紀律という別の人格に対する法律を適用しておる。これは最も明らかな私は矛盾と思う。更に賜暇休暇が果してストライキ行爲であるかどうかというのは、政府が一方的にこれを認定するのでなく、中労委の裁定に掛けて、そうしてこれを認定しなければ発令ができないと思うのです。その手續を取つたというふうに新聞にありますが、結論は出ていないと思います。從つて私今度の処置に落度がある。若し政府当局が大藏大臣が組合、いわゆる大藏省に勤めておる全財組合員諸君の組合運動を認め、更に団体交渉権、そうしたものも認め、つまり組合活動を是認しておるけれども、この組合運動だということがはつきり分かつておる、このことに対して官僚服務紀律を摘要するということは非常に誤りである。そしてこれは結局根本を探ねて行くと官吏諸君の組合運動を否定しておる。そこから出て來ているということになりますし、又法的な問題を考えれば、若しはつきりと労働組合運動として問題を大藏大臣が出しておるならば、即ち労働組合法の第十一條の違反であります。ああいう処分は十一條の違反であります。そういう点到る処に矛盾撞着があるわけなんでありまして、その点をもう少しはつきりとここでやつて貰いたいと思う。
#174
○國務大臣(北村徳太郎君) 只今の中西君のお尋ねにお答えいたしたいと思います。第一官吏服務紀律は一つの法律でございまして官吏の身分について規定したものでございます。それから労働関法規において労働関係の法規のあることは勿論でありますが、我々は労働法規に基いて司法的な処置を取るか。あるいは官吏服務規律に基づいて行政的な処置を取るかということは、政府に與えられた選択の自由であります。そうして私共は後者を取つて、行政的な官吏服務規律に反した行動であつたと、かように思いましたので、これに從つて処置を取つたのでございまして、前会のときに、そういうことになるかと思うという言葉を使いましたのは、懲戒委員会にお願いすることに決定いたしましたので、懲戒委員会の顔觸れ等まだ決定しておりませんでしたので、私の承知しておる限りでは委員長が決まつておりませんでしたので決定がまだ私には不確定であつて、そのことについてはつきり申し上げる段階に逹していなかつたのでありまして、行政的な処置でなく、これは又司法的な処置と併せて取ることもあるのでありまして、このことはおのずから別問題でありますが、簡單にお答えする次第であります。
#175
○中西功君 それから行政的処置を取る場合、その官公廳の特に全財の人たちのこの度の行動が、それが組合運動としてなされておるということを、これを認めるか認めないか、それに問題があると思うのであります。
#176
○國務大臣(北村徳太郎君) これは両面の見方があると思います。官吏として官吏の服務すべき紀律に反したという点におきまして雇傭主たる官庁において処置するということ、労働法規に照して処置するという場合と両面があります。組合運動を否認するとかいうことは勿論ありません。これは労働協約をやつております。又団体交渉もやつておる。殊に全財の諸君に対しては全財の労働の量と質に鑑みまして、今の待遇はよろしくないということを私共率直に認めて、先ず以つて私から会見を申し込んで全財の諸君に対する待遇改善、身分と給與の改善について提案して両者から委員を出して大いに検討しようということまで申し出て、さような團体協約においてそういうふうなことを、國体交渉においてそういうふうなことで進行しようと図つたりいたしたのであります。のみならず一面においてはさようなことはございますけれども、現下においてその税行政というものは國の一つの重大な骨子になるものである。そのことは労苦は認めますけれども、そうかといつて一齊に職場を放棄するような形を取るということは、如何にも官吏服務紀律に照して官紀粛正ができない。二月十七日にすでにこのことについては全官職に対して予告しておることであります、注意を促しておることでもあります。その後閣議において再確認いたしまして、さような方針に基いて官紀の粛正をいたしたい、これは國会においてしばしば要求こせられたことであります。國会の御要求なくとも官紀は粛正をしなければならんということを痛感いたしておりますので、これに基いて処置を取つたということであります。
#177
○中西功君 それでは私普通の会社における例を取りますが、普通の会社におきましても労働組合があり團体協約も團体交渉権もあると思う。他方において会社として一定の会社の服務紀律とか、服務紀律という名前でなくともそういうようなものがあると思います。これは最近においては職場規律とかいう形で労働基準法に基いて出来ておりますが、そうした場合、会社としてこれを労働運動の違反として処罰しようと、或いは又各会社が一応自分で制定したところの一定の規定において処罰しようと、それはいわゆる会社経営者に委せられた自由であるとして、いわゆる労働運動が起つた場合にその指導者を首を切つたといたしました場合に、これを若しいわゆる労働委員会に提訴いたしましたならば、明らかにこれは労組法十一條の違反であります。今までそういうふうな裁定がなされてきております。如何なる名目によつてなさろうとも、結局労働組合運動として発生したものである、これを首切るとするならば十一條違反であることはこれはもう事業今までそういうことに裁定されて來ておると思います。ところが政府の場合において、若し政府が官吏の労働組合運動を認めていない、國体交渉権もやつていない、労働協約もない、こういうことがはつきりしておるならば、私は官吏服務紀律でどしどしやつて構わぬと思う、許されておると思います。併し現にそういうことを政府は認めておいて、そうしてこれはどちらでやろうと我々が勝手ということは私できないと思います。やはり認めておる以上はそれに應じたような、政府自身も主務大臣自身もそれに應じたようなやり方は僕はしなきやいかんと思います。民間の場合においてそうなんです。政府の場合のみ特別だということは私は言えないと思います。
#178
○國務大臣(北村徳太郎君) お答え申上げます。只今の中西君の御議論は、一般民間の営利会社と行政官庁とが若し同一でございますならばその御議論は正當であると私は思います。これは行政官吏という……從つて行政官吏が法律によつて規定を受ける、殊に行政官吏の立場において強制を受ける、又行政官吏に対しては法は罷業権は與えておりません。そういうふうな点も違うのでありまして、これらの企業体と行政官庁とはおのずから性質を異にしておる。從つて只今の御議論は一応拝聽いたしますけれども、私は承服いたし兼ねる。これは幾ら申しましても結局は見解の相違となると思います。私は閣議において決定したことで政府として採りました今回の処置は違法ではないと確信いたしております。
#179
○中西功君 それじや水掛論になるらしいのでそれは止しまして、この度全財の待遇値上げ問題或いは待遇値上げ活動ということにつきまして、政府が採つた処置は極めて強硬な処置であつたわけでありますが、こういう処置が非常に多くの地方においていわゆる従業員、税務官吏の憤激といいますか、憤りを買つておることは事実であります。今後全財の方では恐らく馘首されました、免官になりました人たちの復職を要求するでしようし、又全官公労組全体といたしましても、この要求は飽くまでも捨てないだろうと思います。でこれが今後とも非常な紛争の種になると思うのです。事実現に徴税の問題につきましては非常に緊急を要されておるし、税務官吏の人に大いに働いて貰わなければならんというような時期であるのに、実はこういう紛争が起つて今後この処分のためにますます、例えば待遇問題が一応解決しても、この処置のために却つてこの紛争状態が続いて行くということになると思うのであります。で、これは今日藤田議員からも出ましたが、政府は單に大藏省に限らず、商工省でも文部省でも、或いは逓信省各方面におきましてもです。今度の問題で非常に官吏たちの動揺といいますか、問題を解決せずに一時は一齊賜暇休暇ということも行われておつて、國務は非常に澁滞しておると思うのです。そういう問題を十分解決せずにこの暫定予算をどうして組んだのか、そういう自分自身の働らくその本拠があれ程動揺し混乱しておるのに、よくこの暫定予算が組めたものだというふうな氣も我々はしたわけでありますが、まあそれは一応別といたしましても、尚前に申しましたように、こういう処断のために、たとえ一應待遇問題が解決したとしても、このために私は非常に混乱、動揺が今後続くと思つておるのです。政府には先に言われたように言い分はいろいろありましようけれども、大局的な見地から見て、その処分問題について今後政府は何らか考慮される余地がないであろうか。それを又私としては何とかしてこれが円満にうまく丸く納まつて、そうして紛争の種がなくなり、徴税機構が十分整備されて行くということを望みますためにそれをお聽きするわけでありますが、何らか今後適当な処置が、何とか情勢が來ればこれが丸く納め得るものかどうか、その点をお聽きしたいと思います。
#180
○國務大臣(北村徳太郎君) お答え申上げます。前申上げますように官紀振粛ということは現下の非常に重大な問題であると思います。それは今回政府の採りました処置に対して一部組合員の方々の間に憤激を買つておるというような言葉で、これ又さもあろうと思つておるのであります。それ故私共はそういうことをしたくないというのでたびたび直接会い、代表者と会見をし、或いはいろいろな点において協調を図ろうとしたのでありまするけれども、遂に聞かれずに業務命令が出ておるに拘わらず、これに反して爭議行爲と認むべきようなことが起つたという事態に対しては、これはどうしても官紀を粛振しなければならんという立場に立つたのであります。尚このことに関しては今日のごとく國家の財政が税に依存するところが大部分でございまして、税務行政が極めて重要なときに、國民は実に重税に喘ぎながら、この敗戦下の日本の再建のために随分我慢をして税を納めで頂いておる。かような極めて重大な時期に、そのことに與かる官吏が門戸を鎖して一齊賜暇ということを繰返すということは、國民に対しては申訳ない次第でありまして、一部の方々の憤激を買つたかも知れないけれども、このことによつて恐らくは大多数の國民の中には、これで多少官紀が粛振するであろうというような期待を掛けて頂いた点も確かにあると考えるのであります。このことについて将来どうするかというお話は、今何とも申上げられません。緩和するかと言われても、緩和いたしますと答えることは、ちよつと今の私としては困難であります。
#181
○中西功君 それでもう一つの点は、これはこの前出されました政府職員の俸給等に関する法律案でありますが、この理解について今尚我々自身も非常に帰趨に迷つておる点があるのであります。その点もう少しはつきり大藏大臣に具体的な点について答弁して置いて貰いたいと思うのです。これは政府職員の俸給等に関する法律案、この前に出ました問題であります。これは一月から三月までの間の而も二千五百円の暫定給與について出された法律である、こういうふうに理解してよいのでしようかどうか。從つて又あとの四百一十円については法律案が別に出るべきであるかどうか。
#182
○國務大臣(北村徳太郎君) その点は政府委員より答弁をいたさせます。
#183
○政府委員(福田赳夫君) 二千九百二十円全額の給與を支給するに当りまして別途法律をお願いするごとに相成ります。それからこの法律が出るまでの間は二千五百円の暫定給與で行く。このことにつきましては、その支給方法につきまして先に御審議を頂いた通りであります。
#184
○中西功君 そうすると、ちよつとそこはややこしいのでありますが、四百二十円については別途法律が出る。更にそれが出るまでの間は二千五百円を支給して置くので、その支給についてはこの法律でやる。こういう意味でありまして、そうしてそうなりますと、四百二十円の支給については必ずしもこの法律にこだわらなくてもいい、こういうふうに理解してよろしいでしようか。
#185
○政府委員(福田赳夫君) さように私も了承しております。
#186
○中西功君 実は私自身今までこの爭議解決のために、奔走した一人として、この問題が非常に問題であつたのであります。この問題に対しては政府の閣議乃至大臣の中で見解が相違しておつた。私はこれは非常に遺憾だと思うのであります。その見解の相違が纏り掛けた交渉をいつもぶつ壊して來た。こう思うのであります。何故ならば具体的に申しますれば、私が西尾國務大臣に會いましたときには、これはすでに二千九百二十円についての法律なんであつてこれを政府は一歩も退くことはできない。要するに二千五百円を與えるのは、これは單にこういう全体のこの法律の中の一部を内金としてとにかくやるに過ぎないのであつて、そのことと即ち二千五百円と四百二十円との間の支給方法については差はないのだ。一緒なんだ。それはこの法律が通つておる。だから四百二十円について組合側が幾ら交渉をしてもそれは無駄なんだ。とにかく給與体系を呑むということ、これを呑むということが前提なんだ。ところが組合側としてはそうではない。この法律は二千五百円の法律なんだ。あとの四百二十円についてはまだいろいろお互いが歩み寄つて解決する余地があるのだという見地に立つてずつと交渉した。その点に内閣の或る人はそういうふう直考えておるように私は受取つたのであります。併しながら或る人はそういうことはてんで問題にならんという見地で、交渉がそういうところに来ると打ち壊された。こういう事実があるものでありますから私としてはその点をはつきりとして置きたい。今日衆議院を恐らく通過しただろうと思いますが、その勧告決議案におきましても、実は我々が考えておつたようなそういう理解に立つておるのです。これは國会自身こういう理解だつだと思う。我々があの議案を審議したときもそうだつたと思います。これはそう書いてあります。その法律は一時支払いの暫定給與である。この法律はそれに関連するものであるという見解に立つて、こういう見解に立てば交渉はもつと樂に組合側の意向も十分これで私は妥結できたと思う。残急ながら一部の人にはそういうのではなくて、それがあとの四百二十円を含むんだという見地から常に交渉がぶつ壊されたということを私が遺憾に思うので、その点をはつきり聽きたかつたのであります。ですから今の政府委員の説明によりますれば、四百三十円についてはこれは別途出る。そういたしますればこの別途出る法律、これについては恐らく組合側と團体交渉によつていろいろ交渉をされるわけでありますが、私はこの点についてもう一点具体的にお聽きして置きたいのは、この法律が、實は今度の衆議院の交渉会あたりではもう三日頃から休会に一應入ろうじやないかという意見もあるそうであります。そういたしますと、それまでに実際にできるのは、さつき芦田首相は大体そういうふうに努力しておるというお話ですが、実際できるのかどうかという点と、それからもう一つは……。(「簡単々々」「もうよいよ」「打切り打切り」「採決」「忘れちやつたんだろう」と呼ぶ者あり)ちよつと度忘れしたんだ。さつき言つた点は、三日休会前までに出るかというやつと…。(笑声)それから…(「簡單々々」「御自身疲れたよ」と呼ぶ者あり)疲れたんだよ。それとですな…。(「忘れたところでもう」と呼ぶ者あり)一言なんだ。度忘れしたんだ。(「打切り打切り」と呼ぶ者あり)余り簡単に打切ると、後で又こういう法律を出さなければならんことになるんだ。(「じや早く思出せ」「議事進行」と呼ぶ者あり)
#187
○委員長(櫻内辰郎君) 中西さん、明日予算委員会がありますから…。
#188
○中西功君 それじや大藏大臣にさつきの点を一点、休会前までに必ず出せるかどうか、まだ出すことになつておるかどうかという点をお聽きしたい。
#189
○國務大臣(北村徳太郎君) 先程総理からお答え申上げましたように、いろいろ盡力いたしておりまして、成るべく早く妥結を見たい、そういう方向に向つておるということまで私は承知いたしておりますが、それで休会開けまでに必ず出すというお約束はちよつといたし兼ねますけれども、成るだけ早く出したい、こういうことは願つておる次第であります。
#190
○政府委員(福田赳夫君) 只今法律の解釈論につきまして御意見がありましたが、(中西功君「それなんだ」と呼ぶ)その問題は前回國会を通過いたしました給與に関する法律案に書いてある通りでありまして、これは本文に、その法律は本文に二千九百二十円の給料を支給するんだ、附則は持つて來まして、この法律が本文の支給細則ができるまでは二千五百円を支給するんだ、かようなことになつておるわけなんです。
#191
○中西功君 要するに、この法律はその点は極めて曖昧なんです。非常に曖昧なんで…。
#192
○政府委員(福田赳夫君) それで先程四百二十円については別に法律をどうこうというお話でありましたが、これは四百二十円について別に法律を出すという建前ではないのであります。二千九百二十円について法律を出す。從いましてこの差額……二千五百円をその通過しました法律において支拂つたその差額が、おのずから解決する、かように私考えております。
#193
○中西功君 (「議事進行」「打切り」「同じことだ」と呼ぶ者あり)同じことなんだ。私忘れておつたのはその点なんです。(「もうよい、分つておるよ」と呼ぶ者あり)大藏大臣に最後にお伺いしたいのは(「最後が幾つあるのか」と呼ぶ者あり)二千九百二十円が、予するにこの暫定予算の基本べースになつておること、これは勿論分り切つたことでありますが、これに附帶する二千五百円の支給についての法案が、いわばまだ今日通つていないわけであります。で、そういうふうな法案が通つていなくて、この暫定予算全体がこれが本会議を通つたといたしましても、効力があるのかないのか。或いはそういう事情は一体どうなつておるのかという点なんであります。
#194
○國務大臣(北村徳太郎君) 予算は今の二千九百二十円の緊急止むを得ざるもの全部網羅しておりますので、これは労働に関する紛議が全部解けるまで待つわけには行きませんから、二千九百二十円を大体それで受諾をして貰えるもの、かように想定いたしまして、それに基いて組んだのであります。
#195
○委員長(櫻内辰郎君) お諮りいたします。質疑はこの程度にして打切り、直ちに討論に移ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#196
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないものと認め、討論に入ります。討論は先に賛否をお述べになりまして、お願いいたしたいと存じます。
#197
○姫井伊介君 暫定予算案の原案に賛成いたすものでありますが、言附加えて置きたいことがございます。申すまでもなく、新予算編成におきましては、今日問題になつております税制の根本改革、物価並びに給與基準というものが改訂されまして、それがその予算に織込まなければならないことは申すまでもないのであります。併し本予算におきましてはそういう操作ができないから、取敢えず四月の暫定予算となつた。一方二十三年度の本予算の提出期がいろいろ質疑も行われましたが、はつきりいたしません。さつき申しました現制改革並びに物價及び新給與基準が一体いつ改訂されるか。御答弁によりますと、四月と言われ五月になるかも知れないと言われるのでありますが、若し、五月に本予算が提出されるといたしますれば、やはりもう一ヶ月五月分の暫定予算を出さなければならないような状況に立入るのではなかろうか。安本長官は成るべくそれは避けたいと言われております。併し現実の問題としてそこには不安がある。それにつきまして、この四月の暫定予算におきましては、歳入部面におきまして、歳入時間的のズレが、空虚があるわけなんです。即ち所得税その外諸税の歳入におきまして、乃至は官有物賣拂代並びに宝籤等発行者の納金といつたようなものが、ただ年間の歳入を十二分したというような程度で、四月に果してそういうものの確実なる收入は考えられない。そこでその空虚を補うためには、約百二十億円の大藏省證券を発行すると言われておりまするが、これらの操作は私はやはり國民に一つの暗さを與えるのじやないか。やはりはつきりした或いはそれを大藏省證券にしようか、或は借入金なら借入金、はつきりしたバランスの建前をとることが疑念を起させない途ではなかろうか。或いは予算編成の技術上そういう点が認められるかも知れませんが、私は今日の場合やはりはつきりさしたい。そういたしまするならば、若し五月におきましても同様な暫定予算ができまして、歳入部面において同様なことが繰返されるというようなことは私はどうかと思うのであります。この点につきましては當局におきまして十分御考慮が煩わしたいと思います。このことを申し附加えまして、本原案に賛成の意を表するものであります。
#198
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御発言はございませんか。
#199
○中西功君 日本共産党は本暫定予算に反対であります。これを返上したいと思うのです。第一に私が非常に遺憾と思いますのは、皆様方も同様だと思いますが、審議の時間が殆んどなくて、恐らく多くの委員の方々も実際にこの暫定予算の隅々については殆んど聞かれる暇がなかつたと思うのであります。或いは私一人が予算問題を餘り知らないために、質疑が十分でなかつたと思うのかも知れませんが、併しともかくも私一委員として種々の我々が疑念を持つて、又知らなければならないと思う点について討議が十分できなかつたことを非常に遺憾と思うのであります。例えば私はここにおきまして、非戦災者税が皇室及び皇族に掛かつておるのであるかどうか、それについてどういう処置をしたのかということを問うてあるが、その返答さえ私はまだ受けておらない。更に私はもつと問題だと思いますことは、西尾副総理に対しては、この予算委員会が始まつて以來私は執拗に出席を求めておるのであります。併し未だに出席しない。私は幾ら副総理が忙しいといいましても、少しぐらいは、一分か二分ぐらいはここに現われて来るのが当然だと思うのです。こういうことを我々参議院の予算委員会として放置して置いていいかどうか。即ちこれは参議院の予算委員會はこれは放つて置け、どうせあれは通るのだろうというふうな氣持で以て副総理がおるとするならば、私はこの委員会の権威に係わるところ非常に大きいと思うのです。又加藤労働大臣も、これは私十分彼が出席できない理由は考えられるわけであります。今非常に爭議の解決に奔走しておるわけですから、それでありますが、それにしてもここで実際にこの二千九百円の問題であれ程紛糾しておる問題を、我々は當の責任者から何ら一言も聞くことができなかつたということは、やはり客観的に見れば、私たちは遺憾と思うのです。そういう点今後もいろいろあると思います。この前の政府職員の俸給に関する予算案或いは法律案を我々が審議しましたときも、極めてこれが柔軟性に富むと申しますか、複雑怪奇な法律案であつて、その解釈如何が実にむずかしくなつてしまつた。で衆議院と参議院によつて政府当局はおのおの答弁を異にしておるようなことをやつておる。そういうことを我々が見逃しておるということが実際にこの衝に当つて解決を非常に困難にしたと思うのであります。從つてそういう点からいいましても私は日本のこの國会の本当の権威を付けるためには、やはり各委員の方々、この委員会自体としてはもつと愼重でなければならんと思うのです。勿論そういうことを考えるのは、或いは非常に私が物が分からなくて、事情もよく知らないせいかも知れません。まあそういう点で私が非常に関かしいことである関係からそうなのかも知れませんが、私自身としてはその感を非常に深くするのであります。で、私は共産党を代表いたしましてこの暫定予算に反対いたします理由は、もう殆んど述べる必要もないと思うのです。何故ならば、この暫定予算は大体において前二十年度の本予算並びに追加予算案の単なる延長であるという点を見ましても、基本的な点で殆んど變つていないわけであります。そういう点もありますと共に、私がやはり特に強調したいと予いますのは、この予算案の基礎になつておる例の二千九百二十円という問題に対して、政府はまだこういうふうに解決するという曙光さえも我々にここではつきりすることができない。政府はこういう案によつて解決しようとしておりますというような説明さえなされない。そういうことを實際にまだ十分やつていなくて、この基礎であるベースの問題がそういう状態にあつてこの予算案というものが実際組めるかどうか。あるいはまた全材の問題にいたしましても、先程私が質問いたしましたように、非常に混乱状態にあるのです。そういうことも十分解決の見通しが付かなくてこの予算案をたとえ作つたつて、これは空文であるというふうな氣もするのであります。まあその他病院收入の増加や、或いはそうした個々の小さな問題沢山ありますが、更に又民主自由党の方から質問されましたように、二十三年度の國民所得に対しても何ら成算がないというふうな情けない状態でこれが作られておるというような理由もありまして、私たちとしてはこれに賛成することができない。特に現在の官公庁の問題を本當に解決するというふうなはつきりした問題がなくて、この予算案を我々としては漫然として通すわけには行かないという見解なんであります。私は以上のような見解によりまして反対をいたし、返上をするわけであります。
#200
○小野光洋君 私は本暫定予算に対して、遺憾ではありますけれども賛成の意を表します。芦田内閣は衆議院におきましては極めて少数の多数、参議院におきましては少数でありましたが、劣勢を以て指名をせられたのでありました。併しながら、三党協定という華々しい政策を掲げて國民に公約をいたしまして出発したのでありますが、その政策の実現は、主として予算の上に現れなければ意味をなさんのであります。今ここに提出せられました暫定予算は、その点から考慮いたしますというと、殆んど三党協定の政策のどの部分が現れておるのか、私共は了解に苦しむのであります。凡そ政府の掲ぐるところの政策が具体的に何らの意味をなさないようなものであるとするならば、國民を徒らに迷わせるものであり、國民に対して空手形を渡すものであると言わざるを得ないのであります。併しこれもただ組閣間もなく、まだ政策を検討し、具体的なものを樹立することができないとすれば、これも亦止むを得ないのでありますが、併しながら、閣僚の大部分は全片山内閣の方々であり、又基盤とするところの内政党は片山内閣のときと同様であります。掲げるところの政策は、四党協定から三党協定と、一つ協定の党派がなくなりましたけれども、併しこれを推進するところのものは同様であります。急速に若し熱心にその掲げるところの政策を實現しようとする政府であつたとするならば、當然かような暫定予算ではなく、立派な本予算ができなければならんと思うのであります。要するにこれは三党協定というような狗肉を売つたものではないかという点について、甚だ不満足に思う次第であります。併しながら今日におきましては、(「あつさり賛成しろ」と呼ぶ者あり)ここに新年度に一歩を踏み入れて、而も今日の政治を運行するところの予算がないというような、空前の醜態を現わしておるのでありますから、これを尚引続いて数旬を費すというようなことに相成るのも如何かと思いまして、野党としてはこれを返上いたしたいと思うのでありますが、一歩を譲つて遺憾ながらこれに賛意を表する者であります。
#201
○藤田芳雄君 不満ではありますが賛意を表します。非常に急いだ暫定予算で、急いだだけにこれの実行はできるだけ早く有効に百%活用されることが第一の條件だと思います。然るに未だ全官公庁の組合員は納得して争議が終わつたとは思われないのであります。第一線に働く重要な人々がそうした気分でこの予算を運行いたしますならば、折角の取急いで作つた暫定予算も死んでしまうと思うのであります。その意味におきまして、できるだけ早く納得の行く解決をされんことを希望いたします。尚三党協定に謳われておりますそれぞれの政策は、本予算におきましてもつとはつきりと十分その意を盛つたものにして出して頂きたいと思うのであります。さうしてこの度のように審議の余地もないような短い期間でなしに、充分審議し得るように余裕を付けて出して頂くということを希念いたしまして賛成いたします。

#202
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御発言はありませんか。
#203
○西川昌夫君 私は甚だ遺憾ではありまするが、賛成いたします。その遺憾である点は先程も事務当局にお伺いしたのでありますが、暫定予算ではありながら新年度の最初の廣い意味の本予算に該当すべきものが、事務当局の御意見では大きな掴み方、國民の総所得というようなものも推定できず、又全予算の見通しも付かなく、丸でその日暮らしの予算でありまして、我々はこれを本当の國会議員としての良心を以て審議するのに非常に恥かしいような気持がするのであります。どうぞ十分な審議の期間を與えて頂きたいという先程のお説もありますが、それと同時に一日も早く二十三年度の全貌を把握できるような予算を早急に出して頂くことを希望し、それができなかつたことを非常に遺憾としますが、四月一日において公債利子も支払わなければならんし、又対外的にいろいろ関係もありましようから、遺憾ながらでありますが、賛成いたします。
#204
○岡田宗司君 日本社会党といたしましては、本予算案に賛成するものであります。内閣が成立いたしまして、本内閣が行なうべき政策は三党協定において根本が決まつたのであります。然るに本予算案にはその三党協定に盛られましたところが何ら現れておらないということにつきましては、私共といたしまして甚だ遺憾に考えるものでございますが、これは内閣成立早々のことで止むを得ざることであろうと考えるものであります。併しながらこの三党政策協定によつて掲げられましたところは、本内閣が至急行なわなければならんことでありまして、そのためにはそれらの政策実現をいたしますための予算を至急に本予算において盛り込んで頂きたいと思うのであります。四月分は暫定予算でございますが予又五月分も暫定予算ということのないように予五月分からは本予算になるように、大藏大臣におきましては十分に御留意予つて、急いで本予算を提出されんことをこの際申し添えまして、本予算に賛成するものであります。
#205
○委員長(櫻内辰郎君) 別に御発言もないようでありますから、討論終局したものと認めて裁決をいたすことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#206
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないものと認め、裁決いたします。昭和二十三年度一般会計暫定予算、昭和二十三年度特別会計暫定予算について原案通り可決することに賛成の方の御起立を願います。
   〔起立者多数〕
#207
○委員長(櫻内辰郎君) 多数と認めます。よつて本案は可決を決定いたしました。
 本会議における委員長の口頭報告は予め多数意見者の承認を経なければならんことになつておりますが、これは委員長において本案の内容、委員会における質疑応答並びに討論の要旨及び表決の結果を報告することとし、御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#208
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認めます。
 これより委員長が議員に提出する報告書に多数意見者の御署名を願います。
   〔多数意見者署名〕
#209
○委員長(櫻内辰郎君) 御署名漏れはございませんか。なしと認めます。これにて散会します。
   午後七時五十一分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     櫻内 辰郎君
   理事
           木村禧八郎君
           西川 昌夫君
           西郷吉之助君
           中西  功君
   委員
           岡田 宗司君
           木下 源吾君
           中村 正雄君
           波多野 鼎君
           村尾 重雄君
           森下 政一君
           小串 清一君
           小野 光洋君
           左藤 義詮君
           寺尾  豊君
           深水 六郎君
           大島 定吉君
           木内 四郎君
           小畑 哲夫君
           鈴木 順一君
           飯田精太郎君
           岡部  常君
           岡本 愛祐君
           川上 嘉市君
           島津 忠彦君
           島村 軍次君
           鈴木 直人君
           高田  寛君
           服部 教一君
           姫井 伊介君
           渡邊 甚吉君
           池田 恒雄君
           藤田 芳雄君
  委員外議員
   國土計画委員長 赤木 正雄君
  國務大臣
   内閣総理大臣兼
   外務大臣    芦田  均君
   大 藏 大 臣 北村徳太郎君
   労 働 大 臣 加藤 勘十君
   國 務 大 臣 栗栖 赳夫君
  政府委員
   経済安定本部財
   政金融局長   佐多 忠隆君
   大藏事務官
   (主計局長)  福田 赳夫君
   大藏事務官
   (主計局次長) 河野 一之君
   大藏事務官
   (主税局長)  平田敬一郎君
   厚生事務官
   (医務局長)  東 龍太郎君
   商工事務官
   (繊維局長)  鈴木 重郎君
ソース: 国立国会図書館
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