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1953/05/22 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 法務委員会 第43号
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1953/05/22 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 法務委員会 第43号

#1
第019回国会 法務委員会 第43号
昭和二十九年五月二十二日(土曜日)
   午前十時五十七分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     郡  祐一君
   理事
           上原 正吉君
           宮城タマヨ君
           亀田 得治君
   委員
           青木 一男君
           大谷 贇雄君
           小野 義夫君
           楠見 義男君
           三橋八次郎君
           棚橋 小虎君
           一松 定吉君
           羽仁 五郎君
  政府委員
   保安庁長官官房
   長       上村健太郎君
   法務政務次官  三浦寅之助君
   法務大臣官房調
   査課長     位野木益雄君
   法務省民事局長 村上 朝一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       西村 高兄君
   常任委員会専門
   員       堀  真道君
  説明員
   最高裁判所長官
   代理者
   (事務総局民事
   局長)     関根 小郷君
   最高裁判所長官
   代理者
   (事務総局家庭
   局長)    宇田川潤四郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○裁判所法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○民事訴訟法等の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○民事訴訟用印紙法等の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○日米相互防衛援助協定等に伴う秘密
 保護法案(内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(郡祐一君) 只今より委員会を開きます。
 本日は先ず裁判所法の一部を改正する法律案、民事訴訟法等の一部を改正する法律案、民事訴訟用印紙法等の一部を改正する法律案、以上三案を便宜一括して議題に供します。
 三案につきましてはすでに質疑は終了いたしておりますので、本日はこれより討論採決に入りたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(郡祐一君) 御異議ないと認めます。三案を一括して討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#4
○上原正吉君 私は自由党を代表いたしまして三案に賛成の意見を述べるものであります。この中の民事訴訟法等の一部を改正する法律案につきましては、予備審査の段階におきまして幾多の疑点を発見いたしたのでございましたが、これらの疑点は衆議院修正によりまして大部分が解決いたしております。そして最高裁判断における民事上告事件の審判の特例に関する法律、これが五月末日に施行いたしますまでこのままに放置いたしますれば、最高裁の負担は著しく増大いたしまして、最高裁判所本来の使命を達成することすら困難になろうと思われるわけでございまして、最高裁判所の負担を軽減することは焦眉の急務でございますので、賛成する次第でございます。併しながら最高裁判所機構の問題につきましては、更に研究すべき幾多の点を考えているのでありまして、この点は更に検討を続けなければならないと考えますので、今回は応急当面の措置として本案の改正に賛成する次第でございます。
 それから裁判所法の一部を改正する法律案、民事訴訟用印紙法等の一部を改正する法律案は、当然これに附随するものとして賛意を表する次第でございます。
#5
○亀田得治君 私も本案に賛成いたしますが、ただ資疑の過程で明らかになりましたように、原案が修正されて可決されたことによりまして、最高裁判所における上告事件の処理の問題とか、或いは上告制度一般に関する再検討、最高裁の機構の問題、そういつたような諸問題につきまして質疑の過程でいろいろ政府側からも意見が出たし、又衆議院側からも御意見がありましたが、ああいう線に沿つて一つ参議院の法務委員会としても小委員会等を設けて善後措置を誤りなく一つ処理する、こういう努力を一つすることを条件にいたしまして私どもも賛成をいたします。
#6
○羽仁五郎君 本案につきましては私は賛成をいたすものであります。併しそれにつきましては一言申すべきことがございます。それはこの最高裁判所が新らしい憲法によつて負われましたところの使命というものに対して国民が期待しているところは誠に大でございます。旧憲法時代には、憲法あれどもなきがごとし、新憲法時代にはそういうことがあつてはならない。然るに最近の世潮は、政府みずからが憲法あれどもなきがごとき態度をとつておられる。このために、殊に若い人の中には、やはりこの憲法に従い国会を通じ、合法的手段を以て国民の幸福と平和とを守ることができないのじやないかという考えを抱く人が日に日に殖えております。私自身に関する限りでも、そういうような手紙をもらつたり、或いはそういう人に会つたりして日夜心を痛めています。このままこういう状態が続けられて行くならば、やがて恐るべき風潮、即ち憲法により国会を通じ、そして最後には裁判所によつて妥当な納得できる解決が得られるのだという確信が確立しない。そして直接行動に出ようとする人があつても、俄かに、これを直ちに咎めることができないということになつては、誠に私は悲しいことだと思う。どうかこういう意味において、新憲法の下に最高裁判所が負われておりますところの非常な高い使命、そしてそれによつて国民、なかんずく若い人々に、日本にも民主主義を確立し、そうして平和を保障されることができるんだということを示して頂きたい。まだ憲法を守る意味における最高裁の使命というものが、いろいろな点において確立していない点があると思うのですが、併し只今申上げましたような最も重大な点、即ちいやしくも憲法が保障しておるところの基本的人権、即ち主権在民の原則、それから平和主義の原則、この二大原則、なかんずく基本的人権の尊重、これを最高裁判所が守られるというこの点を積極的に、日に日にその任務を実現されることを期待するものであります。これは国民の大多数の人々の期待であると思うのであります。この点を申述べまして、私はこれら三案に賛成をいたすものであります。
#7
○楠見義男君 私も只今議題になつております三案については賛成をするものでありますが、それに関連いたしましてこの議会に希望を申上げておきたいのであります。
 その点は只今羽仁委員からお述べになつたこととも極めて関連のあることなんでありますが、憲法の問題でこの委員会においてもしばしば私御質問申上げたことであります。それはこの法律が成立し、引続いて最高裁の機構なり運営その他について十分政府のほうでもお考えになる由でありますが、勿論我々としても今後検討を続けて行く立場にありますけれども、政府がその機構について、或いは運営その他について検討を加えて行かれるに当つて、是非考えて頂きたいことがございます。私はかねてそう思つておつたのでありますが、特にこの国会でMSAの問題、或いは現に只今参議院で審議しております防衛法案の問題、これらを通じて見ましても、痛切に感じますことは、一国の基本法である憲法の解釈がはつきりしておらないということほど、国民にとつて不幸なことはないということを痛切に感ずるわけであります。而もその憲法については、明治憲法当時のような或いは伊藤博文公の憲法義解その他確定的な権威のある拠るべきものもなければ、又一般的にも確定をしておらないのが新憲法の今日の状況であります。その憲法の条章についていろいろ疑義があります場合に、現在の最高裁のやり方では、直ちにこれを決定することもできない。こういうようなことで、冒頭に申上げましたように、いろいろの賛があり、而も確定をしない状態に国民が悩まされておることほど不幸なことはないと存ずるのであります。最高裁が今後のいろいろの面において検討せられるに当つては、是非政府においてもこの点を真剣に検討項目の中に取り上げて頂きたい。このことだけをこの機会に御希望申上げておきます。
#8
○委員長(郡祐一君) 他に御発言はございませんか……。御発言がなければ、討論は終局したものと認めて直ちに採決に入ります。なお念のために申上げますが、三案につきましては、衆議院において修正されておりますので、この修正を含めましたものが原案でございます。先ず裁判所法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の諸君の御挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#9
○委員長(郡祐一君) 全会一致と認めます。よつて本案は全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定されました。
 次に、民事訴訟法等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の諸君の御挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#10
○委員長(郡祐一君) 全会一致と認めます。よつて本案は全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 次に、民事訴訟用印紙法等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の諸君の御挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#11
○委員長(郡祐一君) 全会一致と認めます。よつて本案は全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、只今御決定願いました三案につきまして、本会議における委員長の口頭報告の内容その他は例によりまして委員長に御一任願います。
 三案についてそれぞれ御賛成の諸君の御署名を願います。
  多数意見者署名
    大谷 贇雄  上原 正吉
    宮城タマヨ  羽仁 五郎
    三橋八次郎  楠見 義男
    青木 一男  一松 定吉
    亀田 得治  小野 義夫
    棚橋 小虎
  ―――――――――――――
#12
○委員長(郡祐一君) ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#13
○委員長(郡祐一君) 速記を始めて。
 只今から日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法案に関する懇談会に入ります。
   午前十一時十四分懇談会に移る
   ―――――・―――――
   午後零時五十四分懇談会を終る
#14
○委員長(郡祐一君) それでは懇談会を閉じまして、本日はこれにて散会いたします。次回は明後二十四日午前十時より開会いたします。
   午後零時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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