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1953/02/18 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 内閣委員会 第4号
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1953/02/18 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 内閣委員会 第4号

#1
第019回国会 内閣委員会 第4号
昭和二十九年二月十八日(木曜日)
   午後一時四十一分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
二月十日委員松原一彦君辞任につき、
その補欠として八木幸吉君を議長にお
いて指名した。
二月十二日委員大山郁夫君辞任につ
き、その補欠として堀眞琴君を議長に
おいて指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     小酒井義男君
   理事
           上原 正吉君
           長島 銀藏君
           竹下 豐次君
   委員
           白波瀬米吉君
           山下 義信君
           堀  眞琴君
           野本 品吉君
  政府委員
   内閣官房副長官 田中不破三君
   法務政務次官  三浦寅之助君
   法務省人権擁護
   局長      戸田 正直君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       杉田正三郎君
   常任委員会専門
   員       藤田 友作君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○連合委員会開会の件
○行政機構の整備等に関する調査の件
 (法務省人権擁護局の機構に関する
 件)
 (公務員制度の審議機関に関する
 件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(小酒井義男君) それでは只今より内閣委員会を開会いたします。
 実は地方行政委員会のほうに付託せられました警察法案及び警察法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案の二案に対して連合審査の申入をいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(小酒井義男君) それでは連合審査の申入をいたすことに決定をいたします。
  ―――――――――――――
#4
○委員長(小酒井義男君) 次に行政機構の整備等に関する調査を議題といたします。法務省人権擁護局の機構に関する件につきまして従来の経過を先ず杉田専門員より説明を求めることにいたします。
#5
○専門員(杉田正三郎君) 一昨年の第十三国会におきまして法務省の人権擁護局が存置せられることにきまつたその経過を御説明いたしておこうと思います。
 現在法務省の内部部局の一つといたしまして人権擁護局が置かれておるのでありまするが、一昨年の第十三国会におきまして内閣から提出されました法務省設置法の一部を改正する法律案におきまして、人権擁護局を廃止することになつておつたのでありまするが、当内閣委員会におきましてこの法律案審査の結果、人権擁護局を存置すべき旨の修正案が発議されまして、その修正案が成立するに至つたのでございます。その当時この原案の人権擁護局廃止の理由として政府当局から述べられておりました要点を御紹介申上げますると、人権擁護の問題は政府においても決してこれを軽視するものではないのであるが、現在この局の定員は十四名にすぎず僅少であつて、且つ事務量から見ましても一つの局として存置するのは局としての体裁をなさないから、これを廃止して民事局をしてこの事務を行わしめんとする考えである、元来人権擁護の問題は単に政府のみに依存すべき問題でなくして、在野法曹の努力によつて一般国民が人権に関する認識を深め、人権擁護に目覚めるのが本筋である云々というような政府からの御説明があつたのであります。当時当内閣委員会におきましては、法務委員会との連合委員会をも開きまして慎重に審査に当つたのでありまするが、当時内閣委員及び法務委員の方々が、この人権擁護局を存置する必要のある理由として述べられておりますその要点を要約して申上げますると、現在の人権擁護局はその規模定員が局として存置するには小さ過ぎるであろうという政府の御説明であつても、政府の人権擁護に対する至誠と熱意とを示す意味においてもこの局を廃止すべきものではない。元来その所掌しておる事務が極めて重要なものであるならば、その規模定員如何にかかわらず局として存置すべきものである。人権侵害事件として従来採上げられた件数は昭和二十三年この局が設置せられて以来逐次激増の歩をたどつておる状況であるのみならず、破壊活動防止法が成立して今後この法律の運用に当る公務員によつて人権が不当に侵害される場合の発生することを予想するときには、なおこの人権擁護の重要性が認められるが故に局の廃止には反対である。なお人権擁護局の予算すなわち人権擁護の重要なる事務を処理するための人件費及び事務費はいかにも僅小であるが故に、今後政府において人権擁護に関する予算の増額についても一段の努力をされたいという強い希望意見も述べられたのであります。又人権擁護の機構としては将来行政委員会制をとるのが適当であると思うが、これは今後の課題として政府において十分研究せられんことを要望するという有力なる御意見も述べられたのでございます。第十三国会におきまする当委員会の経過を以上御説明申上げました。
#6
○委員長(小酒井義男君) それでは本件について御質疑ありましたら質疑をお願いします。
#7
○野本品吉君 これはこの前一応の話は聞いておるわけですが、最近の人権問題を中心とする大体の傾向と申しますか、問題といいますか、どんなことが主になつておりますか、ちよつとお伺いしておきたいと思います。
#8
○政府委員(戸田正直君) 只今の御質問に対しましてお答えいたします前に、人権侵犯事件の傾向と申しますかにつきましてちよつと申上げたいと思います。
 先ほど杉田専門員からお話もございましたが、人権擁護局は昭和二十三年の二月十五日に設置せられました。人権侵犯事件を二十三年度に受理しました件数は全国で僅かに四十八件、それが二十四年におきましては一躍五千七十六件に増加いたしました。二十五年度におきましては五千六百九十二件、更に二十六年度におきましては一万五千六百八十九件、二十七年度は二万七百五十七件、二十八年度の総計は二万九千百四十四件というふうに逐次激増と申しますか、非常に事件が増加いたして参つたのであります。そのうち人権擁護局で侵犯事件として最も重要な問題は、公務員による人権の侵害、その公務員の中では、特に事件の大半は主として警察官でありますが特別公務員、それから税務署の職員、刑務所の職員それから地方公務員である教職員の事件等が重要な問題になつております。更に村八分、人身売買等が人権擁護局で取上げております事件の主なるものでございます。そのうち特別公務員の侵犯事件を例にとりますと、二十八年度の総計だけでまだ内訳が詳細できておりませんが、二万九千百四十四件のうち侵犯事件として実際に調査をした事件が大体その二割程度かと存じております。更にその調査事件のうち公務員による人件侵犯事件が大体そのうちの約二割ではなかろうか、おおざつぱな計算でございますが、二割くらいではなかろうかと考えております。それからまだ統計はとれておりませんが、今年に入りまして非常に事件が急激に又殖えて来つつあるような傾向でありまして、特に警察官による人権侵害事件がこの一月、二月に入つて昨年度より殖えて来つつあるような傾向が見られるのでございます。事件の例等は只今の御説明程度でよろしうございましようか。
#9
○野本品吉君 逐年件数が激増しておるということは、何といいますか国民の人権ということに対する思想が行渡つて来たためであるか、それとも人権擁護局、その他の関係の役所等の人権擁護に対する活動といいますか機能が活発になつて来たためであるか、どういうふうな御見解でございますか。
#10
○政府委員(戸田正直君) お答えいたします。人権侵犯事件が逐年増加しつつあるという傾向に対しては、これはまあ大体の傾向を申上げたのでございますが、自由人権というものに対する一般の国民の認識が逐年普及されて来た、認識されて来ておつたのじやないかということは第一に私たちとしても考えておるところでございます。それからこの人権擁護が国民の基本的人権の擁護ということが重要であるにかかわらず、なお一面においては先ほど申上げたように、非常に普及されて来ておりまするが、一面においてはまだこの人権の擁護ということに対する熱意が欠けておるのじやないか。例えば公務員の事件にとりましても、公務員が公僕としての本当の気持というものをまだ本当につかんでおらないのじやないかというようなことが権力を濫用して、国民の人権を侵害するというような傾向がまだあとをたつておらないのだ、この両方の面から事件が逐次殖えておるのじやないか。一般の国民が人権というものに対して目覚めて来て、自分の人権の侵害に対して泣寝入りをしてはいけないのだということが法務局或いは人権擁護委員に訴え出る件数が非常に殖えたというふうに、二つの面から私のほうでは考えておる次第であります。
#11
○野本品吉君 先ほどの特別公務員にこの種の問題が一番多く起つておるということですが、これを何といいますか世間で最近言われております逆コースというか、何だかそういうような一つの社会の流れに乗つて、自然にそういう特別公務員による問題が起つておるという、そういう見方はできますか。
#12
○政府委員(戸田正直君) さように断定するという資料がございませんので断定はいたしかねるのでございますが、只今も申上げましたように、公務員としての公僕として全体に奉仕する、又主権在民のこの憲法の本当の精神というものがまだ理解されてないないものがあるのじやなかろうかというようなことが、国民の基本的人権に対する認識の程度が低いために或いは捜査等に当つても、捜査に熱心の余り相手方の人権の尊重ということに対して欠くるような結果、公務員の事件がなおあとをたつておらないのだ。この傾向がいわゆる最近よく言われまする逆コース的であるかどうかということに対しては資料がございませんので、一概に断定はちよつといたしかねるのでございますが、御承知の最近の警察官による思想調査等の新聞等の情報によつて我々得ておるのですが、こうしたような動き方も或いは逆コース的な動きがあるのじやなかろうかと言われも止むを得ないような感じがいたすのでございますが、特に教員の生徒に対する体罰の問題がここ二三年来急激に殖えて来ております。なぜかこれが全国的に揆を一にしたように体罰の事件が非常に多くなつて来たということも、何か又こうした逆コース的な空気に支配されておるんじやなかろうかというような想像をいたしておる次第であります。
 大変恐縮なんですが、人権擁護局の機構をおわりかと存じますが、一応説明さして頂きますれば大変便利かと存じまするが……。
#13
○委員長(小酒井義男君) どうぞ。
#14
○政府委員(戸田正直君) 大変恐縮でありますが、人権擁護局の機構というものにつきまして御認識を賜わりたいと思います。
 昭和二十三年の二月十五日に当時の法務庁に人権擁護局が設置せられたのでございますが、設置せられました当時の詳細は私存じておりませんが、連合軍側の指示によつたものであるということは大体考えられるのでございますが、当時の法務庁としては人権擁護局に対しては非常な関心と申しますか、非常に重点をおいて最初設置されたようでありまして、これは国会の議事録等における法務総裁の答弁等から見まして非常に熱意を持つてこれを設置されたように承知いたしております。当時の人権擁護局の職員は二十五名でございまして、そしてこの人権擁護局の中に一課、二課、三課と三つの課を設けまして、一課におきましては庶務的な仕事或いは企画等、それから人権擁護委員、これは後ほど御説明いたしますがこれの運用というようなことをいたしまして、二課では人権侵犯事件の情報の収集と調査をやりまして、三課では自由人権思想の普及高揚のいわゆる啓蒙活動、それと貧困者に対する法律扶助等を主管いたしておつたのでございますが、そこで二十三年に二十五人でございましたが、二十四年、二十五年、二十六年と逐次行政整理によりまして人員の縮小をされまして只今十四名ということになりましたが、実際に仕事をしておりまする数を率直に申上げますと十六名でございます。二名は法務局から借りまして使つておりますので、実際の仕事をしておりますのは十六名ということになります。
 それから人権擁護局の下部機関といたしまして、全国の都道府県の高等裁判所の所在地、東京、大阪、名古屋、広島、高松、仙台、福岡、礼幌の八カ所には法務局を設けましてその法務局の中に人権擁護部というものを持つております。それからこの八カ所以外の四十一カ所の各府県には地方法務局を持つております。地方法務局の中に人権擁護課というものを持つて人権擁護の仕事をいたしておるのでありますが、この四十一カ所の地方法務局と八カ所の法務局の職員の全体の数は只今百五十五名ということになつております。従つて一局当り平均いたしますと三名ちよつということになるかと思いますが、この百五十五名を以ちまして四十九法務局におけるいろいろ人権擁護の仕事を賄つておつたというのが実情であります。
 そこで人権侵犯事件の数は先ほど申上げましたが、今度はこの人権思想の啓蒙活動がどういうようなことをしておるか、又どの程度の仕事をしたかということを申上げますと、御承知のように日本におきましてはこの人権思想というものが非常に立遅れておりますることは言うまでもございませんので、先ず人権擁護の大きな仕事として国民の一人々々に人権というものの尊重を認識してもらうということが最も必要である。特に農村等における人権思想の低いということが日常生活等にも非常に影響いたしておりまするので、この啓蒙活動にも重点をおいて仕事をいたしておる次第でございますが、啓蒙活動の方法としては主として講演会、討論会、座談会それから人権相談所の開設というものを主としていたしておりまするが、この回数が二十七年度におきましては全国で四千六百回を超えております。それだけの啓蒙活動をいたして参りました。
 それから更に人権擁護委員につきましてちよつと御説明いたしたいと思います。この人権擁護の仕事というものは到底人権擁護局の職員等によつてこれが十分にできるものではございませんので、どうしても民間の有力な人たち、特に農村等において人権侵害のような問題が多く起きまするので、全国のすみずみまで民間の人たちの協力を求めなければこの人権擁護の仕事の全きを得ないというような考え方から人権擁護委員という制度を作つたのであります。これが昭和二十三年には百五十名でございましたが現在は全国で四千三百名、大体でございますが委嘱いたしております。そしてこの人権擁護委員は各法務局ごとに連合会を組織いたしております。従つて四十九の連合会を持ち法務局の支局ごとに協議会を作つております。この協議会が二百九十三ございます。それから全国を一つとした全国連合会というものを組織いたしまして縦横の連絡をとりながら、人権擁護の侵犯事件或いは啓蒙活動等を行なつておりまして、最近におきましては非常に活発な活動をいたしておるのでございます。
 そこでこの機構でどの程度の予算でいろいろ仕事をしておるかということも一つ御参考までにお聞き取り願いたいと思いますが、人権擁護局の予算は二十九年度におきましては二百十九万三千円、これが人権擁護局の一般事務費と人権擁護委員制度の運営費と人権擁護の啓蒙宣伝費、人権侵犯事件の調査費、これを全部合せまして二百十九万三千円。それから地方法務局の四十九法務局の全部の予算を申上げますと、これが九百四十三万三千円。この予算の内訳は人権擁護委員制度の運営費と人権擁護啓蒙宣伝費、人権侵犯事件の調査費というのが主なる項目でございます。これで九百四十三万三千円、従つて一庁あたりいたしますと年間二十万ぐらいということに相成りますか。この中には人権擁護委員の弁償金と申しまして一人につき大体基準を千円。この弁償金と申しますのは報酬とか手当とかいうことじやございませんので、これは人権擁護委員はすべて無報酬ということでお働き願つておりまして、調査等に実際に使いました費用を立替えておいてもらつてあとで弁償いたします金が人権擁護委員一人につきまして年間千円。従つて月八十円ちよつと超えるぐらいというような大変貧弱で申訳ないのですが、この予算でいたしております。この予算として三千九百二十三名分頂いておりまするから三百九十二万三千円。これを全部含めたものが先ほど申上げました九百四十三万三千円という極めて僅少な予算で仕事をいたしておるような次第でございます。大体機構と予算等につきまして概略を説明しました。
#15
○委員長(小酒井義男君) ちよつとお尋ねしたいのですが、今の説明ですと、又先ほど配付された資料を見ましても人権侵犯の件数というものは非常に年々殖えて来ておるのに二十七年度以後予算がだんだん減つておりますね。そういうことに対して予算の要求をあなたはなさつておるのかどうか。或いは委員の手当といいますか弁償金にしてもとても一人一カ年千円で、それも実際の人員だけないというようなことで委員をやつておる人は非常に自分から負担をしてやつておられるというようなことになつておると思うのですが、そういうことに対して今までどういうことをやつて来られたか一応説明して頂きたい。
#16
○政府委員(戸田正直君) 委員長からの御質問でございまして、非常に事件が殖えて来たのに予算がむしろ減つておる。これは大変私としても申訳ないのでありまして、人権擁護委員に無報酬で働いて頂いておるということは、無報酬ということはむしろ自腹を切つてもらうことであるという結果に相成るのでございまして、而も多少横道に行くようでありますが、先ほど申上げたような啓蒙活動等をいたす予算というものは地方の本局に一銭も差上げておりません。認めておらないのであります。従つて四千六百回からの啓蒙活動に一銭の予算もなくやつておるということで、然らばその金は一体どこから出て来ておるのかということになるのですが、これは人権擁護の皆さんが自分たちの仕事に自腹を切つておるばかりでなく、各市町村にいろいろ人権の啓蒙活動に要しまする費用を負担金と申しまするかまあ或る意味の寄附をして頂いてその金で賄つて、先ほど申上げたようなたくさんの啓蒙活動をいたしておるというふうな次第でございます。そこでこの実情は私にはわかつておりますので大蔵省にもこの予算の増額につきましては極力もう努力いたしております。ただ力が足りませんので大変言い訳がましいのでこれは申訳ないのですが、どうもこの人権の仕事に対する予算の資料というものが非常にとりにくい関係もあるかと思うのでありますが、なかなか予算を認めてもらえない。それから千円の弁償金が先ほど申上げたように一カ月八十円そこそこの金、こんなたばこ二個くらいのことで仕事をできるかどうかということは常識でもわかるのですが、御承知のような国家財政でなかなかその単価の値上げということをいたしてくれませんので少いだろうということは考えてもらえるのですがなかなか増額をして頂けないというふうな実情でございます。更に人権擁護委員の数も実際には殖えて来たのですからその数だけの予算を見て頂くように、これもかなり強い要望をいたしておるのですが、これも人権擁護委員を殖やすことが公務員の増員かなんかのようにやはり考えておるのじやなかろうかと思うのですが、人間を殖やすということがなかなかむづかしいということでこれ又認めて頂けないというようなことで、依然として前のままの人数の予算しか頂いておらない。そこで私の考えといたしましてはもともとこんな僅かな予算で仕事ができるわけがございませんので、政府として各市町村にいろいろの負担金を願うということに対しては、実は私としてもいろいろ考えはございますのですが、併し予算がないからといつてこの重要な人権擁護の仕事をなおざりにするわけにも行きませんので、私の私えとしては多少私としては工合が悪いようでありますが、当分はどうしてもいろいろ市町村の負担金等の援助を得てこの重要な人権擁護の仕事をやらなければならないという考えでありまして、従つて人権擁護委員の数も私は二十九年度におきましてはできる限り多く委嘱いたしたいと考えております。従つて予算はございませんが、もともと問題にならん予算でございますので、人権擁護委員の方々には申訳ないのですが、予算なしに大勢の人権擁護委員を御委嘱申上げて一つ人権擁護のために御努力願いたいというような考えを持つております。
#17
○委員長(小酒井義男君) 次官に伺いますが、この前委員会でやはりこれが問題になつたときにも、人権擁護局を以前言われたように課にするというような改革は法務省としても反対であるということを言われておるのですが、やはり人権擁護の仕事というのは非常に重要な仕事だということで犬養さんが各所でやはり人権擁護をするということが自分の誇りだというあいさつをしていらつしやる。ですから重要な仕事だということはお考えになつておることと思いますが、十三国会の際に課にしようとしたときにこれを委員会にしたらどうかという意見があつたそうなのですが、そういうことについて何か御研究になつたことがあるか。或いはないとしたら、独立したそういう性格を持たしたほうが本当に人権擁護委員の仕事が権威を持つてやつて行けるのではないかというように私は考えるのですが、次官はどういうふうなお考えを持つていらつしやるか、御答弁を願いたいと思います。
#18
○政府委員(三浦寅之助君) 人権擁護の重要であるということは今更申上げるまでもないのですが、そういう意味におきまして、或いは今の機構を拡充強化しなければならんということにもなろうかと思うのでありますが、現在の行政機構の改革の問題などにおいて誠に遺憾な状況になつているようにも聞いておるのでありまして、誠に申訳ないのでありますが、只今の委員長の御意見につきましては実はまだ大臣とも打合せをいたしておりませんので、かような事件についてはよく打合せをして重要な問題ですからあとでお答えいたしたいと思います。
#19
○委員長(小酒井義男君) それでは実は全国の人権擁護委員の連合会の山口という方から意見資料として配付されたものを見ますると、法務大臣の官房に人権擁護部を設けてその事務を引継がせることだというふうに、私どもの知らんことが説明されておるのですが、これは全然そうすると法務省としては考えておられないのですか、どうですか、その点は。
#20
○政府委員(戸田正直君) 人権擁護局を官房の部に入れるという案は、自由党行政改革特別委員会におきましてさような案を作られたように承わつております。そこでその後これが行政管理庁のほうに参りまして行政管理庁でこれを確定案とされたかどうかが、実は最近の様子がちよつとわかりませんので、どうも機構改革の問題がちよつと立消えになつたような形ではつきりいたさないのでございますが、大体人権擁護局を官房の部にするという案に、確定はいたしておりませんが、大体落ち着くのではなかろうかというふうに承わつておる次第でございます。
#21
○委員長(小酒井義男君) それじや次官からお答え願いたいのですが、私などの考えておるのは行政機構の改革をやろうという政府の狙いというものは、法文の整理をやつて事務量を減らす、或いは機構の簡素化を図つてむだな人員を減らして行く、こういうことによつて国費の節減を図つて行こうというお考えと了承しております。ところが今問題になつておる人権擁護局などの仕事というのは、ただそういう事務的な問題として処理して行く性格のものじやないと思うのです。やはりこれはもう少し政治的に考慮を払つて、ただ簡素化するとか経費を省くとかいうことだけを目的にして取扱うべきものじやないと思うのですが、若し行政管理庁がそういうやり方でやつておるとしたら、あなたはこの問題について止むを得ないのだというようなことでそれを了承されるというようなことはないと私は思つておるのですが、これは飽くまでもこの権威を守つて行くという建前でこの人権擁護の任務を一層重要に今後扱つて行くように進める御方針があるかどうか、一つ次官からお答え願いたいと思います。
#22
○政府委員(三浦寅之助君) 只今の御趣旨は誠にその通りでありまして、若し人権擁護局を事務的に取扱うようにして縮小して行くということになりますれば、人権擁護という重大な問題について、いろいろ社会的にも及ぼす影響が多いと思いますし、又こういうような重大問題を軽視したというような印象を受けるということも非常に困るわけでありまして、そういうような点からみましても、この問題はそういうただ事務的に取扱うべきものじやないということはその通りであります。ただ局長から申しましたような線において研究されておるというように聞いておるのでありますが、そうような今後の問題等につきましても、微力ではありますが私のできるだけのことは、只今委員長の御意見のような方法に従つて努力はいたすつもりでありますので、御了解願いたいと思います。
#23
○野本品吉君 今委員長からお話がありましたが、法案が成立するしないは別として、聞くところによれば機密保護に関する法律も出るという、或いは教員の政治活動制限に関する法律も出るというふうな拘束感を与えるような法律が出れば出るほど、一面においては人権の擁護ということが重大視されなければならないと私は思う。そういう問題とからみ合つてこの問題をお考えになるといつたようなことはおやりになつたことはないのですか。
#24
○政府委員(戸田正直君) この機構改革のときにも御承知の丁度破防法が提案されております時期で、あの破防法というものが国民の人権を侵害する危険性があるのではなかろうかということが非常に大きな問題になつた。たまたまそのときに人権擁護局を縮小するという案が出たのであります。これはどういう因縁か宿命的な人ですが、今度も警察法が改正され警察の力が非常に強化されるという時期に、又人権擁護局の縮小が現われて来る。偶然なんですが宿命的の一面に人権の問題が非常に必要性を感じて来るときに、人権擁護局の縮小問題がこれ又現われて来るというようなことで、関連性はないと思うのですがどうも時期が悪いのですが、むしろ人権擁護に対するいろいろの施策を十分考えなければならん時期に縮小するというようなことは、どうも私一個の考えですが非常に面白くない。むしろそういう時期においては或いは一面において警察法の改正等によつて国民の人権が侵害される危険がないとは言えない、その代り一方において国民の人権を擁護する機関を強化拡充するのだということが均衡上から見ても、又理論上からもそれが妥当なのではないか。そうでないとこれはどうも一連の逆コース的な考え方だというふうに見られてもやむを得ないのではなかろうかというふうに考えております。で、只今のお説のようにむしろこういう重要な警察法なり、教員の政治活動の制限法とか、非常に国民の人権に関係ありまする重要な法案の出ておりますときには、むしろ人権擁護局というものをこういう機会に強化するというような方向に持つて行つてもらうのがよろしいのではなかろうか、というふうに私は考える次第であります。
#25
○委員長(小酒井義男君) それでは人権擁護局の点につきましてはほかに御質疑がないようでしたら、本件に対しては本日はこれにて打切ることにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○委員長(小酒井義男君) ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#27
○委員長(小酒井義男君) 速記を始めて下さい。
  ―――――――――――――
#28
○委員長(小酒井義男君) それでは次に公務員制度の審議機関に関する件を議題といたします。
#29
○野本品吉君 この前の委員会で田中副長官から、人事院から出ております年金制度等の問題をも併せて公務員制度の審議会を内閣に作るというようなお話があつた。そこでその公務員制度審議会は国家行政組織法の第八条の規定に基くいわゆる法律の定めるところによる審議会であるかどうかということを先ずお伺いしたい。
#30
○政府委員(田中不破三君) 只今のところこの前ちよつと触れましたように、その条項に基かない審議会を作るつもりでおつたのでございます。
#31
○野本品吉君 そこで実はそれと同じような事柄が曾てこの委員会で非常に熱心に論議されたことがありますので、私はここで当時の記録をそのまま必要とする部分だけ読みましてそれに対するお考えを承わりたい。それは行政組織法の第八条には、府、省、庁等の各行政機関には、特に必要がある場合においては、法律の定めるところにより審議会及び協議会を置くことができる旨を規定しておるのであります。然るにこの規定があるにもかかわらず、法律の規定によらずして単に閣議決定とか、或いは省議決定とかの形で審議会等が置かれているものが次々に現われて来ておるのである。只今申述べましたような法律の規定に基かない審議会が置かれておるということは、法律上から見れば或いは無効ともいうべきものでありましよう。政府がこの法律の規定を全く無視したようにも見えるのでありまして、誠に遺憾と言わなければならないのであります。というような論旨で、この前言及されておることと、それにこういうものの考え方と、今おつしやつておられるような、法律によらない審議会で行くという考え方についてどういうようなお考えでございます。
#32
○政府委員(田中不破三君) 只今お読み上げになりましたどなたからの質問でございますか、それに対して政府側の回答というものがどういうふうになつておりまするか、存じないのでありまするが、只今での政府側の考えとしましては、政府のいわゆる非公式の審議会或いは協議会として設けることは、その条項には抵触しないというふうに一応考え方を持つております。そのときの只今お読み上げになりました質問に対しまする回答が、どういうふうな考え方を政府が述べておりまするかはわかりませんが、最近におきましては今申上げたように考えております。従いまして、最近におきましても、その法律に基かないいわゆる非公式の審議会或いは協議会を設けで実務に役立たせておるというのでございます。ただ非公式に設けまする関係上、いきおいこれは審議会とか或いは協議会とかいいましても、まあ英語でいいますれば全くのブレーン・トラストといいますかこれに類するものという考え方でございまするので、もとより権限その他があるわけでも何でもございませんし、全くの私的な専門知識の集合の会であり又研究の集まりである。たまたまそれを審議会或いは協議会と形だけは名付けて集まつて頂くというふうな意味で、只今は一応非公式のこういうふうな会合もその法律には抵触していないのだというふうに私ども考えておる次第でございます。
#33
○野本品吉君 そこで現在置かれております審議会或いは協議会等で、法律によつておるものと、特に法律によつておらないものとの幾つかを、田中さん等が直接関係しております問題について例示して頂きたい。
#34
○政府委員(田中不破三君) 今即座にはたくさんは申述べられませんが、この間作りました売春対策審議会といいますか、これが一つあります。それから公共企業体経営合理化に関する会でございます。これが最近一つできております。まだほかにあるかとも思いますが、今すぐ浮びましたのはそのようなものであります。
#35
○野本品吉君 そうしますと、法律の規定によらない審議会というものの任務とか、権限とか、政府との関係とかというようなことは、一応皆さんの意見を参考に聞いてみるという極めて軽い程度のものですか。
#36
○政府委員(田中不破三君) お話の通りでございます。
 なおもう一つ思い出しましたのは、昨年作つてありまする治山治水対策協議会、これもいわゆる非公式の会でございます。従いまして今お話の通りに別に権限も規定してありませず、その他の事項も何ら規定してございませず、全く政府の、或いは或る省の関係事項についての学識経験を持つておられる方々の知識をそこで披露して頂くという程度でございまするので、内輪ぎめとしておよそ人数はどれくらいにするという程度のことは勿論きめるのでありますけれども、それ以外のことについては勿論何ら規則めいたものもないのでございまして、人数の制限程度或いは幹事をどういうふうなところから持つて来るという程度、そうしてその会の対象になる事項、例えば先ほどの例で申しますれば売春に関すること、或いは治山治水に関することというような大まかな項目はきめてあるという程度でございます。
#37
○野本品吉君 すると一般的に考えて比較的軽いといいますか、影響する範囲が少いとか、狭いとか、そういうようなものは今言つたような軽い扱い方でいくが、さもないものは法律によるガツチリした審議会でゆく、こういう考え方ですか。
#38
○政府委員(田中不破三君) 今までの扱い方でどういうふうな考え方でやつておるかは別としましても、私どもとしましてはいろいろの問題になります事項につきまして、どうも政府の成る部門だけでそれを考えていたのでは、まだいろいろ専門的な知識の吸収に欠けているというようなことが予想されますときには、そういうふうな会議を持ちたい、こう思うのでございます。勿論法律によりまするものは相当恒久性を持ち又その内容等についても相当大きな事項が大体法律による会議として今までずつと盛られて来たようであります。併しその限界は御承知の通りになかなか区別しにくいのでございまして、例えば先ほども申上げました公務員制度の今度作りたいと申しまする審議会等にしましても、或いはこれは法律でやつたほうがいいのじやないかというふうな考えにならないこともないわけでありますけれども、いずれにしましても、法律によるということになりますると非常にその制度が恒久化され、そうして始める時期等につきましてもおのずから制約を受け、この間も申上げました通りに、公務員制度の審議会等につきましては、もうすでに人事院からの勧告案も出ておるわけでありまするので、成るべく手つ取り早くそういうふうな人知を集めたいという私どもの希望としましては、手軽なやり方で早速勉強いたしたい。こういうふうな気持になるのでございまして、そういう点なかなか区別はむづかしうございましようが、動機はいろいろとそういうふうに手軽な方法で早くやつて行きたいというものについて、非公式に審議会或いは協議会が設けられるものと思うのであります。
#39
○野本品吉君 それで私がこの点特にお伺いいたしますのは、公務員制度一般の問題を審議検討して、その審議会の結論というものが今後の政府の施策として重視尊重されて来るということになりますと、その審議会の答申なり結論というものが数十万或いはもつと多い公務員の利害ということに直接関係を持つて来る問題でもありまするししますから、やはり軽い意味でちよつと参考に意見を聞くという程度で済ますことのできる仕事ならいいのですけれども、その研究の結果が尊重されて扱われるようにするためには、私はやはり法律による審議会で、形の上からみても実質的にも権威のあるもので臨まれることが、将来の公務員制度のもろもろの問題を処置して行きます政府の施策の円満な推進という点から考えてよいのではないか。こう思うのですが、お考えはどうですか。
#40
○政府委員(田中不破三君) 御尤もなお話でございまして、全く公務員制度について、又殊に差当つては公務員の退職後の年金なり或いは又給与準則なりが差当り勧告されておりまして、まあ差当りはそれを手がけて参りたいと思うのでありまするが、併しお話の通りにゆくゆくは公務員制度全般についても審議の対象になるかも知らんと思います。そういたしますとなかなか大きなと言いますか、内容の豊富な審議会というものになるだろうと思います。ただ私どもこの審議会を設置したいと考えましたときにも、只今お話の通りに法律によるべきかよらざるべきかということの検討をいたしてみたのでございまするが、御承知の通り一方法律によりまして人事院が只今ございまして、それがこの公務員関係の給与等について専ら所掌いたしております。それで人事院がその権限に基きまして作り上げましたもの、それを政府に勧告いたして参るということでございますので、そこで政府としてこれを受けておるわけでございますが、そのときに又改めて人事院の勧告に対して特に法律的に権限を与えられた機関で批判をして行く、というふうな組織を作るほうがいいのかどうかということをまあ考えたのであります。政府が受けた、そういたしますると、これは政府がこれを何とか処理しなければいかんわけでございます。そこで考えましたのは、一方をちやんと法律によつて国民の総意として人事院が給与に関する権限を持ち、それで勧告した。それに又一方国民の総意に基いてそれを批判する機関を作るというのは少し形がおかしいようにも思う。これはやつぱり受けた政府がこれを処理しなければならんのが当然であり、それを処理しなければならん政府に努めて研究漏れのしないように人知を吸収して、先ほどのお言葉通りブレーン・トラストで一つそれを補つてもらおう。こういうふうな考え方でやはり非公式の審議会のほうがよろしかろうとこういうふうに考えたのであります。併し、そして又実際にこれが内容が将来どういうふうなものを扱うようになつて参りますか、場合によつては非常に大きな内容の豊富なものを扱わなくてはならないということになつて参りますれば、おのずから又そのときには審議会のあり方というものについても考えてみなければならないだろうが、まだ店開きをしないわけでございますので、店開きをいたしまして今後の推移に応じてはこの審議会を置いたほうがいいということも考えられるでありましよう。又一方人事院につきましてもいろいろと変更があるかも知れませんということを考えておりまして、差当つて非公式な審議会、こういうことにいたしました。
#41
○野本品吉君 それで結局この審議会が取上げて検討を加える範囲は、どの範囲にするというようなこともまだしつかりおきまりになつておらんということですか。
#42
○政府委員(田中不破三君) その通りでございます。差当つては先ほど申しましたように二つの大きな項目がございますが、人事院の勧告とそれ以後おのずから併しお話のように発展して行くのではないかと思われます。
#43
○野本品吉君 最後に一つお聞きしておきたいと思うのですが、人事院の勧告の内容を見れば従来のと非常に違いまして、雇員から全部を対象とした相当大きな問題であろうと思うのであります。問題が大きくあるだけにこの問題の扱い方について将来一般から素直にそれが受入れられるような慎重さと申しますか、それがなければならんということを私は考えるものですが、以上のことをお伺いしておるわけです。従つて今後審議会としての問題の取上げ方如何によつては只今のお考えが修正されるかも知れないということも言えるわけでございますか。
#44
○政府委員(田中不破三君) 今後の、まあ始つてはおりませんけれども、当分たちましたあとの公務員制度の審議に関する事項によりましては、お話の通りに性格を変えて行く必要は起るかも知れんと考えております。
#45
○竹下豐次君 まだ諮問される範囲まではきまつていないというお答えですが、併し公務員制度の改正ということになると、これに関連して恩給の関係も研究されることと思いますが、そういう重要なことになつて来ると、公務員全部に関することが審議会では当然審議される、切り離して審議ができないはずです。そういう意味から審議会をお作りになる以上、やはり広い範囲というものを初めから覚悟されて政府のほうでは国家公務員というお考えでおやりになるようですが、併し同時に地方公務員のこともこれは関連して審議会において審議する。それを地方のほうは今諮問しないのだからそれは後廻しということになつたら、審議会の会長になる人は動けないだろうと思います。そうしますとやはりその委員会をお作りになる以上は相当に重要な範囲も広い審議会になつて行くということは政府として考えておかなければならない。そうすると公務員というものに直接の関係者も必要だと思いまし、又各政党によつての考え方も違うという非常に大きな問題がからんで来るわけであります。従つて成るべく慎重な態度をとる必要があるのじやないかと思います。又法律でできている立派な資格を持つている人事院の勧告を、やはり法律で以てこしらえた委員会に持つて行つて改めて審議することは面白くないのじやないかとの説明ですけれども、今度の問題は人事院から現在勧告されておる範囲以外のことについても委員会で審議されるのだと思います。殊にその委員会に国会議員をお入れになるかどうかわかりませんが、先ず入れられる御希望じやないかと私は思います。何人かを。そうするとその選定等についても政府で考えられない妙な疑惑があるというようなことも想像されるのです。或いは又政府のほうで考え過ぎて人選するというようなこともないとは限らない。で、人選などにつきましても国会で審議しまして、これは適当だということを国会議員が承認してできた堂々たる審議会でありますならば、そのあとの運営はスムースにやつて行ける、非難を受けるようなこともなくきれいに行くのじやないか。まあどこにでも何とか悪口を言えば言えますけれども、併し国民は、政府としてはできるだけのことをやつている、かれこれ言つても仕方がないと考えるのであります。私はそういうふうに思いまして、成るべくやはり法律としてその人選もやはり社会通念から堂々たるものにする。そういうことがいいので、この前の旧軍人恩給復活の問題の審議会のあのときにもちよつと考えましたけれども、これは非常に大きな問題と言えば大きな問題だけれども、一部といえば一部かも知れません。軍人恩給の場合も文官恩給の場合も包含する、或いは地方まで包含するということになりますと、一遍審議されたものだからそうやることもなかろうというふうに軽く扱われるには、ちよつともつたいないような大きな問題じやないかと思いますがね。
#46
○政府委員(田中不破三君) 竹下さんからもお話が出ましたが、その通りでございまして、名前そのものから問題になるわけでございます。つまり公務員制度審議会、仮にそういうふうな名前を付ければ、公務員全体の審議の制度になりまして、これは将来非常に大きなものになります。又最初私たちが店開きをしようとしておりますのは、今申しました勧告、年金それから給与準則の先ず二つを最初に手がけようとしておりまして、それで行きますると今度はむしろ国家公務員給与改善審議会でもいいわけなんです、名前は。併し丁度只今竹下さんもおつしやいましたように、例えば年金を審議して行くということになれば、おのずから地方公務員も問題になるであろう、或いは全体の公務員も問題になりましよう。先ほども申しました通りに公共企業体経営合理化審議会といいますか、こういうものが一応できて、そちらのほうでも、いわゆる公共企業体、国鉄或いは専売等のような公共企業体の審議機関を設けておりまするが、その公共企業体のほうの公務員、公務員といいますか従事員との関係も又当然出て来る。だから広範なことになるのでございます、お話の通りに。併し只今の私どもの陣容といいまするかではそこまで急になかなか手が延びかねまして、差当つてとにかく大急ぎで何とか片付けてみたいと思うのは、只今の給与準則と年金の問題。年金もおつしやるように地方公務員の関係もありますし、旧軍人恩給の関係もありまするし、なかなか骨の折れるところでございますが、或いは又一方からいいますればいわゆる今まで唱えられておりました社会保険の統合という問題も起るのでございますが、これ又いよいよ大きな問題になります。けれども差当つては今受けた勧告についてどうしようというところを手がけて行こうと思つておるわけであります。だからあとになりますると、先ほどもお答え申上げました通りになかなか内容豊富なものになつて、極く手軽に設置した審議会では不十分であるということが出て来ると思われます。そこまで発展いたしますると大きな審議会ということになりましよう。只今差当り大急ぎで二つ片付け、併しそのほかにも地域給の問題等もございまするし、まあ併し実務的な問題が先に行くだろうと思います。そこでまあこれでよろしいかなと思つておるわけであります。先ほどその構成人員等のお話もございましたが、例えば勧告等について差当り手がけるということになりますると、先ほどのお話に国会議員も中に入つたほうがいいんじやないかというお話がありましたが、これはむしろ国会議員の方が入られるとおかしなことになります。国会にも勧告が来ておるのでございまして、それで政府のほうにも勧告が来ております。政府は政府としてそれをどう受けるかということを検討するわけでございますから、その場合には国会議員の方が入られると却つて工合が悪いようにも思います。そこで初めにそういうふうなのを手軽に手がけて行きます。そうしてあとは皆さん方の御意見なり或いは審議会の委員になられた方の御意見によつて、どういうふうにこの委員会を公務員制度について持つて行つたらいいかということが起つて来るだろうと思います。差当つては今申ましたような考え方で出発いたしたいと、こう思つております。
#47
○竹下豐次君 そうすると公務員といつて大きな言葉で審議会ができるわけじやないんですね。
#48
○政府委員(田中不破三君) そこで名前のことになるのでございまするが、それでまあ公務員制度審議会なんという大きな名前じやなしに名前を変えたらいいじやないかというお考が出て来るだろうと思いまするが、まあ一応そうは考えまするものの、やはり竹下さんがおつしやられましたと同じように自然にこれは将来大きくなるのじやないか、研究範囲対象が広くなるのじやないか。それならば公務員制度云々ということを初めからかけておいたほうがいいのじやないかという考え方も政府部内にあつたわけであります。将来もそう遠い将来じやございませんでしようが、将来を予想したような形の名前になりましようけれども、そういうふうな考え方がやはり自然に出ては来ております。
#49
○竹下豐次君 まあ私の感じとしては現に社会保障についてそういうものがあるし、その考え方の一部分は今度の又今お作りになる審議会で取上げられるということになる。或いは公共企業体のほうは又それでできる。その一部分も入つて来るですね、それに関連して。非常に大きな問題になる。そうすると例えば鉄道審議会あたりにしても御存じの通り国会議員がやつぱりなつておるとかいうようなことで、これはまあ私の個人の意見としてはなるべくそういうことがないほうがいい、国会議員は国会に出て来たときにすつかり徹底的に批判すべきだということがいいのじやないかということも考えてはおりますけれども現在行われておる。だからこの問題の場合でもそんなに大きいのだつたら国会議員も入れたほうがいいということを言うのでなくて、政府はやつぼり頼んで来られるだろうとこういうふうな予感を実は持つたわけなんです。お入れになつたほうがいいということは私は考えておりません。どうも国会法の三十九条を見ましても国会議員と行政府とはなるべく一緒にならないことがいい建前になつておりまするし、その点から申しましても区別したほうがいい。今はなかなかそうは行かない……。
#50
○政府委員(田中不破三君) 最初のときには或いは国会議員の方は入られないほうがむしろ筋としてはよろしいかなと思いまするし、又近い将来でございましようが仮にこれを発展さして公務員全般の問題に及んで行くというときになりますると、或いは国会議員の方が入つて頂いたほうがいいのじやないかという気もします。今度のは差当つて行ないますのは勧告を中心にしてでありますので、先ほど申しましたような理由で国会の審議に先立つて政府のブレーン・トラストの中に国会議員が入られるということが却つてどうも悪いようだという説のほうが多いようでございましたものですから、私はその考え方でおりますのでございまするが、併しこれがそういうふうな勧告の問題等が片付きましたあとで、まあ名前が示す通りな方向に発展すると仮定しましたら、これは衆参両院議員の方々もお入り願つて本当に審議してもらつたほうがいいような気もいたすのです。
#51
○竹下豐次君 それからその問題じやなくて言いますけれども、もうすでに勧告されるまでに相当に人事院でも研究しておる問題でありまするし、それを更に批判しなければならないのだからそういい加減にはいかんです。そんなことだつたらやらんでもいいじやないかということになるのかもしれないから、よほどむづかしい審議会でなくちやならない。そうすると人選などにもよほどお考えにならないというと、世間からどうも政府の都合のいいような人を集めた、ごく端的に悪い表現になりますけれども、人事院の勧告を政府がいつも受入れておらない、そのままには受入れないような結論を出してもらいたいような委員会になつてしまつちや困る。それには人選が問題で私はいろいろなそういう人選等についちや考えられないほどの非難も起るし心配がありやしないかという気持もいたします。
 それから国会議員、ちよつと今の問題から直接でありません離れますけれども、国会議員を審議会委員会などに入れるか入れないかという標準は政府のほうでは何かお立てになつておられますか。
#52
○政府委員(田中不破三君) これは別に何もありません。
#53
○竹下豐次君 今のお話で行くと、成るべくまあこの際入れないほうがよろしいというふうに聞えますが、現在外務省で企画している移民のほうの関係には国会議員を入れてもらいたいと言つておられますが、その辺のことも、私は今日までの政府の審議会や委員会の設置のときが、そのときそのときの都合で何だかこう方針が一貫していないのじやないか。現に今の二つ一緒に起つている問題が、片一方は国会議員を入れて片一方は国会議員をなるべく入れないように……、そこが私は非常にどうかと思いますがね。
#54
○政府委員(田中不破三君) 只今のお話でございますが、この公務員制度審議会というのは仮称でございますが、この公務員制度審議会の発足のときから或いは国会議員に入つてもらつたほうがいいという考えは持つております。そのほうがいろいろなことの勧告でございますから、実際はこれが政府として国会でいろいろと御審議願う場合に便利じやないかということも考えておつたのであります。けれどもそれは先ほど申しましたような理由で、国会議員の方々のほうでもそれは入らないほうがよろしいというふうな御意見が多いものですから、実は私どものほうでもそれならばと思つておるのでございますが、それで私どもからしますると、やはり勧告案を御審議する前にやはり一緒に御審議願うといいますか、御協議願うほうが実は便利なのであります。結局それは殊に勧告案につきましては先ほど申しましたような理由で慎重にしなければ、これは国会議員としてのお立場が全然おかしなことになるというので国会議員の方々もそういう考えが多いようでございますので、実は只今のところ発足早々は入つて頂かないほうが双方の、と言いますよりも国会議員の方々のためによろしかろうとこう思つて、只今のところは入つて頂くつもりにしておらないのであります。審議会等におきましては、やはり入つて頂くほうが何かと国会とその会といいますか、或いはその省といいますか、又政府との関連におきまして非常に好都合であるということは皆考えておりますので、おのずから国会議員の方々を非公式の審議会にも委員になつて頂くという機会のほうが非常に今までの例は多いと思います。例えば私が直接関与いたしております治山治水協議会でも、議員の方々の専門のかた、政治的のいろいろの御批判については、これは国会でやつて頂くにしましても、やはりそれを兼ねておられる専門の方々に入つて頂くという形をとつております。
#55
○竹下豐次君 この国会法の三十九条の問題なんですが、これは先ほども申し上げましたように、行政府と立法府と分離するという建前で、できるだけ兼務しないという建前になつておる。ところがおつしやるように政府の御都合としては国会議員を引つ張りこんでおいたほうが都合がいいのです。委員会で賛成しておいて、そうして国会では反対するというわけには行かないので、国会議員が入つたほうが政府のほうでは非常に都合がいい。私はこれまでの六年七年の経験からみまして政府はあの三十九条を乱しておられるのです。あれは止むを得ないときにはどうしてもそれがしが特殊の技術を持つて、特殊の知能を持つて、ほかの言葉で言えば余人を以て代えるべからざる知識を持つておる権威者というようなところに、国会議員の場合これを除外するというわけに行かないという場合も考えられてあの除外例が設けられておるのです。あれを乱用されまして、そうして受けられる人は政府から頼まれるといろいろな事情もあつていやとは言えない、お受けになる人が相当多い。そうして三十九条の根本義というものはくずれる、現在くずれております、実際に。そういうところは断わればいいじやないか、政府のほうではそうおつしやるだろうと思います。当然そうおつしやるだろうと思いますが、それは言えます、政府としては。それは受けるか受けないかは自分で判断すればいいじやないか、国会議員じやないかと言われる、今の事情から見るとね、やはりそう受けないわけに行かない。殊に与党の議員の人はなおそうだろうと思います。いやとは言えない事情があるのじやないか。どうかして、三十九条の立法の趣旨というものは誠にいいと思いますので、政府が都合がいいからというようなことは余り考え過ぎないで、あれをよく運用するように政府のほうでも気を付けて頂かなければならない。我々も自粛しなければならないと考えておりますが、これは丁度今日この問題が出ましたのでいい機会ですから一つ私の気持を申上げましてお考え願いたいと思います。
#56
○野本品吉君 人事院の勧告をどういうふうに扱われますかということにつきましては、先ほど来お話のございますように、国家公務員といわず、地方公務員といわず非常に大きな関心を持つておるわけですが、で今までの副長官のお話を通しまして、政府がこの問題に対して非常な熱意を持つて一刻も早く何とかしなければならんというそのことに対しましては、私は非常に敬意を表するわけです。いろいろお話のございましたように審議会の構成、運営等につきましては、全国の公務員の諸君が成るほどと言つてうなずき得るような審議会になることを希望してやまないわけです。
#57
○政府委員(田中不破三君) 承知いたしました。
#58
○委員長(小酒井義男君) それではほかに御発言がないようですが、本日はこれで質疑を打切ることにいたして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#59
○委員長(小酒井義男君) それではこれにて散会いたします。
   午後三時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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