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1953/03/02 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 内閣委員会 第5号
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1953/03/02 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 内閣委員会 第5号

#1
第019回国会 内閣委員会 第5号
昭和二十九年三月二日(火曜日)
   午後一時四十九分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   理事       上原 正吉君
            竹下 豐次君
   委員
            井上 知治君
            白波瀬米吉君
            松本治一郎君
            矢嶋 三義君
            山下 義信君
            野本 品吉君
  衆議院議員
            松前 重義君
  政府委員
   総理府統計局長  森田 優三君
   行政管理政務次
   官        菊池 義郎君
   行政管理庁次長  大野木克彦君
   行政管理庁統計
   基準部長     美濃部亮吉君
  事務局側
   常任委員会専門
   員        杉田正三郎君
   常任委員会専門
   員        藤田 友作君
  説明員
   総理府恩給局次
   長        八巻淳之輔君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○統計法の一部を改正する法律案(内
 閣提出)
○科学技術庁設置法案(衆議院送付)
○行政機構の整備等に関する調査の件
 (恩給に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○理事(上原正吉君) これより内閣委員会を開きます。
 統計法の一部を改正する法律案を議題といたします。提案理由の御説明をお願いいたします。
#3
○政府委員(菊池義郎君) 統計法の一部を改正する法律案の提案理由でございますが、これを提案いたしまする主な狙いは国費の節約を図ろうということでございまして、一回国勢調査をやりますると今日の金にして大体二十五億から三十億もかかろうというぐらいの厖大な経費を要するのでございます。それが終戦後人口の移動が激しかつたために、五年に一遍ぐらいやつておりましたが、これを延長いたしまして十年に一回ということにしまして、そうして仕事を省こうというようなわけであります。要するに国勢調査といいますると人口の調査でありまするが、御承知のように単なる人の数を調べるというだけでなくその性別から家族の数、職業、職業にいたしましても農業、商業、水産業、何百何千の仕事についての調査でございまして非常に煩瑣を極めまして、手つとり早くはなかなか行かず相当の期間を要するわけでございます。ところが今日すでに人口の移動がそれほどはげしくないようになりまして大体落ち着いて参りましたので、このときにおいて外国並みに日本でも十年に一遍ということで元に戻そうというわけでございます。
 昭和二十一年に統計法が公布されます以前の国勢調査は明治三十五年に公布されました国勢調査ニ関スル法律によつて行われて参りました。この国勢調査ニ関スル法律は、国勢調査は十カ年ごとに一回施行するほか、調査後五年目に当る年に簡易なる国勢調査を行うよう定めていたのであります。そしてこの法律による十年ごとの国勢調査は大正九年、昭和五年及び昭和十五年の三回に亘つて実施されたのであります。
 昭和二十一年に新たに統計法を公布するに当りまして国勢調査ニ関スル法律を廃止いたしますと共に、統計法の第四条に国勢調査に関する一条を設けましたが、その当時は終戦に関連して人口の移動の激しい時期にありましたので、国勢調査を五年ごとに行うよう定めるのが適当と考えられたのであります。
 統計法に基く最初の国勢調査は、昭和二十二年に臨時の国勢調査が行われたましが、次いで前の国勢調査ニ関スル法律によつて行われた最後の国勢調査である昭和十五年の国勢調査から算えて丁度十年目に当る昭和二十五年に、国際連合加入諸国と共に世界人口センサスとして統計法に基く国勢調査が行われているのであります。従つて現行統計法によれば次期の国勢調査はそれから五年目に当る昭和三十年に行われることになるわけであります。
 政府は行政の簡素化についてかねてから研究を続けておりましたが、国勢調査実施の間隔の点についても、その見地から検討を加えました結果国勢調査と次期国勢調査との間にはその中間を繋ぐ標本調査が発達し、且つ終戦直後のような激しい人口移動も行われなくなつている今日、厖大な金額に上る国費をもつて、五年ごとに国勢調査を行うことを定めている現行統計法を改めて、曽つての国勢調査ニ関スル法律が定めていたように、国勢調査実施の間隔を十年ごとに改めると共に国勢調査を行なつた年から五年目に当る年に簡易な方法により国勢調査を行うよう統計法の改正をいたすべきであると考えるに至りまして、ここに統計法の一部を改正する法律案を提案いたしました次第であります。従いましてこの法律の改正が成立いたしますときは、昭和三十年には簡易な国勢調査が実施されることになるのであります。
 なお近年統計の国際比較性が重要視されるようになつておりますが、世界各国とも大規模の国勢調査は十年ごとに行われており、それらの大部分の国の実施の年度は、この法律の改正により我が国において国勢調査を行うことになる年度と合致することになります。
 以上本法律案の提案理由並びに内容の大略を御説明申上げました。何とぞ慎重御審議の上、速かに御賛同あらんことをお願い申上げます。
#4
○理事(上原正吉君) 何か補足の説明をなさいますか。
#5
○政府委員(美濃部亮吉君) もう十分でございます。
#6
○理事(上原正吉君) 本法案につきまして御質疑がありましたら御発言を願います。
#7
○竹下豐次君 本調査費に二十四、五億かかるだろうというお話がございましたが、簡易調査だとどのくらいかかるのでございますか。
#8
○政府委員(美濃部亮吉君) 今はつきり幾らと申上げることはいろいろな事情からできませんけれども、大体半額程度であろうというのが私のほうも又統計局のほうも大体そのくらいで意見が一致しております。勿論簡易と申しましても、どこにするかということはそのときの情勢の相対的な問題でございますから、それによつて経費を上下いたしますけれども、大体半額前後と見ておいて頂ければ余り大した違いはないだろうと思います。
#9
○竹下豐次君 現行法の前、簡易調査をおやりになつたですね。そのときには経済調査なんていうのは入つてなかつたような記憶があるのですが、それはどうでございますか。
#10
○政府委員(美濃部亮吉君) 前と申しますのは戦前でございますか……戦前の簡易調査は非常に簡単でございました。例えば大正十四年の簡易調査は氏名、男女別、生年月日、配偶の関係だけでございます。それから十年の簡易調査も常住地がそれに加わつておりますけれども、大体それと同じでございます。併し戦後は情勢が大分変つておりますから、戦前の簡易調査はこれは少し簡単過ぎるので、もう少し項目を殖やさなければなるまいと思つております。
#11
○竹下豐次君 私それをお尋ねしました気持は、前に簡易調査ということでお調べになつた先例がある。その先例は今お話の通りでありまして経済調査など入つてない今度も同じ簡易調査という名前がつきますと、又先例がどうだとかいうことで余り窮屈に解釈されて必要な経済調査なども簡易調査に加えることがちよつと行きにくいということになりましては困るようなことが起りやあせんか、という気持をちよつと持ちましたのでお尋ねしたわけであります。今のお答えによりましてその心配はありませんで、そのときに従つて適当にやつて行く……。
#12
○政府委員(美濃部亮吉君) そうであります。只今のところは産業別人口はまあ大体調べなければならん。まあ職業別が多少問題でありますけれども、これも財政が許せる限りにおいては産業別、職業別はできるだけ入れたいと思つております。その他の問題は大体においてそのときの情勢で財政その他と見合つてできる限りのことをするということになるだろと思います。
#13
○竹下豐次君 わかりました。
#14
○理事(上原正吉君) 森田統計局長より技術的な答弁をいたしたいというお申出がございますが、お申出をお受けしたいと思います。
#15
○政府委員(森田優三君) 只今の御質問に補足さして頂きたいと存じます。簡易なる方法につきまして、もとの国勢調査に関する法律第一条第二項には「前項の規定による調査後五年に当る年において簡易の国勢調査を施行する」と、今回の但書とほぼ同様な規定があつたのでありますが、この戦前の簡易なる調査が専ら調査事項の簡略という意味において運用されておつたようでありまして、即ち大正十四年の簡易国勢調査では氏名、男女の別、出生の年月日、それから配偶の関係と、又昭和十年の簡易国勢調査におきましては氏名、男女の別、出生の年月日、それから配偶の関係、それからこの回には常住地を調査事項として調査をいたしております。併し戦後の複雑化いたしました社会経済情勢に鑑みまして、特に当面の各種行財政上の要請に応えますためには、戦前のような簡略な調査事項のみを調査いたしたのでは極めて不十分でありますことな只今御意見の通りと存じます。今回の改正法案の提案の趣旨も行政の簡略化による予算の節約という点に狙いがあるものと了解いたしておりますので、ここで簡易なる方法というものは余り金のかからない方法というように了解いたしたいのでありまして、勿論調査事項の簡略化につきましては、行財政上の緊要な要請のないものは省略いたすべきことは申すまでもないわけでございますが、只今御意見のありましたように現在の社会経済情勢におきましては、人口の産業別、職業別構成など、国の経済力に重要な関係のある事項が十年ごとにしかわからないということでは、事務当局といたしましても甚だ不十分と考えますので、今後の調査におきましては簡易なる方法による場合におきましても、必ずしも戦前の例に拘束されることなく、各方面の意見を尊重いたしまして、財政当局と緊密な連繋の下に必要な調査事項は最少限度におきまして取入れまして、而もなお一面調査の方法をできるだけ簡略化することに万全を期したいと考えておる次第でございます。以上お答え申上げます。
#16
○理事(上原正吉君) ほかに御質疑はございませんか。御質疑がございませんでしたら、本日はこの法案はこの程度にいたします。
  ―――――――――――――
#17
○理事(上原正吉君) 次に科学技術庁設置法案を議題といたします。発議者の提案理由の御説明を願います。衆議院議員松前重義君。
#18
○衆議院議員(松前重義君) 只今議題となりました科学技術庁設置法案につきまして提案者を代表いたしまして、提案の理由並びに内容の概略について御説明申上げたいと存じます。
 現代におきまする原子力を中心といたしまする科学技術の進展が、産業界に第三次産業革命をもたらさんとしております今日、我が国の自立経済の達成も又この科学技術の画期的振興と、生産技術の向上以外に、現下の高物価低品位の窮状を打破することはできないことにつきましては、すでに御承知の通りでございます。
 この立遅れました科学技術の振興を図るため、科学技術に関しまする総合的且つ基本的な施策の企画立案、関係各行政機関の所掌いたしまする科学技術行政の総合調整、科学技術に関する試験研究、資源の総合的利用及び防災に関しまする調査等を行いますると共に、科学技術振興に関する権限と責任の所在を明確にせんとするのがこの法案の目的でございます。
 現在各省にはそれぞれ科学技術に関する行政機関が設置されておりますが、それらを総合調整いたしまする科学技術に関する総合的行政を行いまする機関が存在しておりませんため極めて無統制にして、重複せる研究の無駄があるのでございます。この科学技術庁の設立によりまして貴重なる国費の節減とこれが重点的活用によりまして、画期的科学技術の振興に資するものと信ずるものであります。
 次に、法案の内容について簡単に御説明申上げます。科学技術庁は総理府の外局としてこれを設け、長官は国務大臣を似てこれに充て、次長、長官官房、企画調整部及び資源調整部を置きますると共に、長官に直属いたしまして重要なる庁務に参画いたしまするために、科学技術官及び調査官を置くことといたしたのであります。
 次に附属機関といたしまして資源調査所、防災研究所、中央航空研究所、科学技術資料所を設置することにいたしたのでありまするが、この資源調査所と申しますのは、現在通産省の工業技術院の下に地質調査所というものがございます。それをこちらに持つて参りまして、そうしてこれはいわゆる地下資源だとか産業に必要なる資源のみならず、国土総合開発に必要なる地質、或いは又その他の建設省の建設に必要なるもろもろの地上の調査、こういうものを総合的にやりまするために、或いは又農林省における土地改良に関する土壌の調査、このような地質調査をこれによつて行いまして、もろもろの農産或いは又地下資源、或いは又発電所の建設等に必要な地質の調査、こういう各省に亘るものをこれで行わんとするものでございます。これにつきましては現在非常に貧弱な情勢でありまして、僅かな予算で方々からの委託によつてお雇いの仕事をしておる、請負の仕事をしておるというような状態で、現在発電所を造るためにダムを造ろうとしてもその地質が完全に調査されておりません。我が国のこの狭いところで殆んど地質の調査も完全でないという状況でありまするので、これらをもつと強化いたしまして、この下に附属せしめる必要があるというような意味から、この科学技術庁に特に資源調査所を附設するということにいたしたのであります。
 防災研究所は御承知のように建設省のいわゆる河川に関する問題が最も重点をなすものでありまするが、これと共に気象台、即ちお天気を予報し、或いは又雨量を測るというようなことによつて、その災害の予知をするというようなことも必要でありまするし、又農林省におきまする山林の培養、即ち植林事業等との関係、こういう治山の問題とも関係いたしまするので、各省にまたがる問題をここに一カ所に集めなければならないということに相成るのでありまするが、いずれにいたしましてもこの土木試験所のごときは、何と言つても建設省に置いたほうが能率がいいのでありまして、又林業試験所という農林省にある試験所はやつぱり農林省に置いたほうが能率がよろしい。気象台は運輸省に現在属しておりまするが、これは又気象台として独立して存在せしめたほうがよろしい。併しこれらを総合化するためのいわゆる研究所と称しましてもそれらのそれぞれの研究所或いは試験所或いは気象台等からの兼務の人をここに集めまして、そうして僅かの人間を以てこの研究所を構成し、各省にまたがる問題の調節を取りながら、それぞれ総合したる研究をここにいたしまして、これによつて防災の目的を達する具体的な資料を集める必要があると思うのであります。我が国にとつて最近災害が多いのでありまするから、これはどうしても中央機関を小さな規模でも、各省との連絡をつけることによつてこれを設置する必要があると思うのでございます。
 中央航空研究所なるものは現在保安庁において航空研究所を作らんとする提案がなされ、通産省において又航空研究所の提案がなされ、又運輸省におきましてその提案がなされました。三カ所で同じような研究所を作ろうとする傾向でありましたのでなかなか予算の成立を見なかつたのでございます。これらの問題を一括いたしまして、この科学技術庁の下に中央航空研究所を設置せんとするものでございます。
 科学技術資料所なるものは我が国の科学技術の世界的なレベルがどのようなものであるかということを見るためには、どうしても海外の科学技術の状態を知らなければなりません。従つて或いはヨーロツパに或いはアメリカにそれぞれ科学技術に関する専門家を置きまして、これらの世界に張られたる網によつて提供されたる資料を集めて我が国の現状を知り、向うべき方途を定めようとするのが科学技術資料所の任務でございます。このような意味におきまして科学技術資料所なるものを科学技術庁の下に設置せんとするものであります。
 そもそも科学技術庁はこのような研究所は一応置きまするものの、原則として科学技術庁自身が研究所を経営するという立場をとらないほうがよろしいと思うのであります。即ちこれらの四つのものは少くとも各省にまたがるものであり、どこかにまとめるところがなければならないものでありまするので、これだけはいたし方ないといたしましても、その他のものは現在あるところの研究所をできるだけ伸ばして行く方向に科学技術庁が努力を払うということが最も肝要ではないかと思うのであります。
 なお同じく附属機関といたしまして、この法律施行と同時に科学技術振興審議会、資源調査審議会、防災審議会、航空審議会を設置することといたしております。
 科学技術振興審議会なるものは御承知のよう諸所におきまするもろもろの試験機関、即ち工業試験所のごときものは大阪府にもあれば大阪市にもあります。兵庫県にもありますればあらゆる県や府にこのような機関が置かれておるのでありまして、地方の産業の発展のためにそれぞれ特徴ある研究をなすべき使命を持たせられておるのでありまするが、これらに対しまして何らの連絡もなく指導的な働きかけもありませんので、それらの機関はおのおの暗闇を盲のように探つて歩くようなやりかたでありまして、殆んどその効果を挙げていないというような実情にあるのであります。我が国の地方産業の振興、殊に特徴あるその地方の歴史と長い伝統とを背景といたしましたところの地方産業の振興は、我が国の輸出の目的のためにも最も重要な問題であり、これらにチーム・ワークを持たせまして海外発展への素地を作りますることは今日最も重要であると思うのであります。その意味におきまして科学技術振興審議会を作つて、そうして全国よりの代表者を似てこの方向を決定し、総合的に日本全体の地方産業を振興せんとするものであります。資源調査審議会はこれは又先ほど番上げましたように、もろもろの資源の調査に関する審議会でありまして、詳しく御説明申上げる必要もございません。防災審議会又先ほど御説明申上げましたような目的でありまして、防災に必要なるもろもろの問題についてその方向を決定せんとする審議会でございます。航空審議会又然りであります。このようにいたしまして、この審議会が中心となりまして、大体国のおもむくべき方向を決定し、予算の重点性をここに発現いたしまして科学技術の振興に資せんとするものであります。
 これらのものの組織及び所掌事務及び委員などにつきましては、他の法律に別段の定めがある場合を除きまするほか、政令で定めることといたしておるのであります。なお日本学術会議と政府との連絡につきましては、従来の科学技術行政協議会を以て当らしめることといたしまして、その事務は科学技術庁において掌ることといたしたのであります。このため科学技術行政協議会法の一部を改正いたしまして、この協議会の審議すべき事項を明確にいたした次第であります。日本学術会議は代表を科学技術行政協議会に送つております。そうして科学技術行政協議会が審議いたしましたところのものを具体的にこれを行政的に処理せんとするその作業をなすものが科学技術庁でありまして、こういう意味におきまして日本学術会議との繋りを持ち、そうして日本学術会議の活動を旺盛ならしめるためにこの科学技術庁は動かんとするものであります。以上本法案の提案の趣旨及び内容の概略について御説明いたしました。
 只今私どもが聞いておりまするところによりましても、現在アメリカと英国とは共同いたしまして原子力発電所を造つております。又ノールウエーとオランダとは共同いたしまして同じく原子力発電所を造りつつあります。或いは又フランスにおいても同じような研究がなされ、そうしてそれぞれの国におきましてこの原子力が従来の火力発電所に代つて大きなエネルギー源として用いられんとすることはここ十年を待たずして、我々の目の前に現われて来るであろうと思うのでございます。こういう時期に当りまして、これを戦争兵器に使うことはどうしてもこれは禁じられなければならないのでございまするが、平和的利用、そして又新しい科学技術の将来が、この人類の社会における生産的な経済的な大きな原動力となりますることは申すまでもございません。どうかこのような理由におきまして科学技術庁を一日も早く設置いたしまして、科学技術に関する少くとも政策の決定並びにそれが遂行に当らしめる一応のサービス機関、行政機関を政府内に置きますることは最も重要な問題であると確信いたすものであります。どうぞ皆様方の慎重なる御審議を賜りまして、御賛同あらんことをお願い申上げる次第でございます。
#19
○理事(上原正吉君) 本法案に対しまする政府の御意見を承りたいと思います。
#20
○政府委員(大野木克彦君) 実はこれは非常に重大な問題でございますので――長官から申上げるのが適当じやないかと思いますが、只今長官は衆議院の予算委員会のほうに出ておりますので御了承願いたいと思います。
#21
○理事(上原正吉君) この法案の内容に対しまする御質疑は、政府提出の行政機構関係の各法律案の提出を待ちまして、一緒に並行してお願いをいたしたいとこう考えますが、御異議ございませんでしようか。
#22
○矢嶋三義君 それに異議ございませんが、その際における審議の資料として、前以て提案者でも結構、政府委員でも結構ですから要望いたしておきたいと思います。それは委員長において然るべくお取計らい願いたいと思うのですが、その資料とは、現在各省にそれぞれ置かれている科学技術に関する行政機関の一切の一覧表、それと定員、それから予算とそれらの一切の資料を後日審議できるときまで提出できるように委員長からお取計らい願いたいと思います。
#23
○理事(上原正吉君) 承知いたしました。
  ―――――――――――――
#24
○理事(上原正吉君) ほかに御発言ございませんければ、行政機構の整備等に関する調査に関しまして、恩給制度につきまして政府のお考えを承わつておきたいと思います。昨年の第十六国会に政府から提出されました恩給法の一部を改正する法律案におきまして、旧軍人の恩給に加算制度を認めないという方針をとり、これに伴つて文官恩給にも従来あつた加算制度を全廃することといたしたのであります。そうしてその過渡的措置として附則第四条の規定を設け、改正法律施行の日の昨年八月一日から現に在職する者の改正法律施行後六カ月間、即ち本年一月までの在職年の計算については従来通り加算制度を認めることとしておつたのであります。当委員会ではこの法律案を審査いたしました結果、原案の附則第四条、第六条第二項及び第七条の規定の一部を修正する案が発議されまして、この修正案は成立するに至つたのであります。この修正案と申しますのは、原案の附則第四全等の規定に六月とあるのを八月に改める点にあつたのでありまして、即ち先に御説明いたしました過渡的措置を今年三月まで延長することになつたのであります。政府は今月中に右に申述べました附則の経過規定について、何らかの立法措置を講ぜられるお考えであるかどうかこの点につきまして明確な御所見を伺つておきたいと思うのであります。
#25
○説明員(八巻淳之輔君) 昨年の法律百五十五号で廃止になりました加算、加給の規定の問題でございますが、この問題につきましては昨年御審議を願いました際にも御説明申上げました通り、最近における給与体系というものが、一般職の給与に関する法律第四条によりましても、各職員の受ける俸給というものがその職員の複雑及び責任の度に基いて且つ勤労の限度、勤務時間、勤労関係その他の勤務条件を考慮してきめなければならないというようなことからいたしまして、これら加算の対象になりましたような勤務条件というようなものが、すでに給与体系の中に織込まれておる。そこで二重にダブつて恩給面でこれを考えるということをしないという意味におきまして廃止になつたわけでございます。その際国会のほうの修正によりまして、人事院から国家公務員法に基く新恩給制度というものが政府に対して勧告になり、政府はこれに基いて適当な法案を出すであろうから、それまでの間において混乱を避けるためにその施行時期を延ばしたらどうかということで、その施行時期を八カ月延ばしたわけでございます。これに対しまして先般の内閣委員会におきましても、国家公務員法に基く新退職年金制度というものにつきまして人事官のほうから御説明があつた際に、こうした加算制度というものを新恩給制度においても考えておらないように承つております。従つて私ども事務当局の者といたしましては、只今のところ非常にこの改正しようという点につきましては消極的に考えておる次第でございます。
#26
○理事(上原正吉君) 更に何か政府のほうにお尋ねすることがありますれば……。
#27
○竹下豐次君 今の問題につきましては事務当局の御意見でありますが、それはそれで今日承つておきましてやはり政府の責任のあるお方においで願いまして、もう一遍承るということが必要じやないかと思います。
#28
○山下義信君 竹下委員の御意見に全く同意でありますが、只今恩給局次長が一応の御挨拶のような程度で申されたことは、私といたしましては承服いたしがたいということを申上げておきたいと思うのです。この問題についての経緯は、当時私は本委員会の委員でございませんでしたから、詳細なことを承知しているとは申上げにくうございまするし、又当時直接の関係者としての或いは発言権がないかもわかりませんが、只今委員の末席に加えさせて頂いておりますので申上げたいと思いますが、当時委員会の外にはおりましたけれども、経緯につきましてはまあ存じておるわけでございます。従つて前回の委員会にもこの問題をお取上げになりまして、関係の深い内閣委員会としてどうするかという相当重大な立場に委員会が置かれておることに言及されまして、本日又重ねて当局の真意を叩いてみるというふうにお取扱いになつたのだろうと思うのですが、只今の次長のお話の程度では、前回の恩給法において加算を削除することにした政府のその当時の方針をおつしやつて、それはそれでいいわけなんですが、給与関係で是正して、従つて加算制度はやめるんだという当時の方針である。それで当時当委員会で御延期になりました理由は、政府の恩給法の改正をいたすその前提条件である諸般の給与状態の関連措置、それができていない。対象者もあり、慎重に取扱う必要があるというので施行期日の延期があつたわけなんです。院は政府の法律案修正後における政府の措置の善処を求めているはずなんです。即ち、国会は政府に対しまして施行期日を延期することによつてその間の必要なる措置を要求していることは極めて明白であります。然るに我々がお尋ねしようとすることは、その施行期日を延期した期間に政府は如何なる措置をとつたか、如何なる努力をしたか、どうしようとするかということをお尋ねをしているわけなんです。前回又然り、本日又然りであります。然るに前回においても又本日も、政府のいわゆる事務当局、併し恩給局としては首脳部です。それのお答えになるのは、人事院の新恩給制度の勧告をとらえ来たつて、その新恩給制度の中にこの種の措置がなされていないことを御指摘せられて、然るがゆえに政府全般とは申しませんけれども、恩給局においては如何ともしがたいかのごとき口吻が漏れるのであります。私はこれは御説明にはならんと思う。だから御挨拶という程度では聞いておりますが、御説明にはならん。いわんや答弁にもならん、それは要するところ政府部内の主管の恩給局の責任といいますか、私どもは政府を相手にするのでありますから、政府が責任でありますが、事務局的に申上げれば恩給局の仮に責任とすれば、それを人事院の勧告というか、新恩給制度の構想に転嫁しておいでになるのであつて、これでは政府部内の間のお言訳にはなるか知らん。或いは又その間の事情の一つの材料であるかは知らん。併し政府対国会という関係においては、只今の御挨拶の程度では私どもは筋が通らんと思うのであります。私は恐らく国会が期待しましたことは、人事院が勧告するであろう新恩給制度のその内容等に期待をおくのではなくいたしまして、新恩給制度の内容がどうあろうとこうあろうと、それがこの種のことに及んでいなければ及んでいないような措置のとり方がある。今は新恩給制度の勧告が、加算制度について何ら言及されてもいなければ、又どうするのであるかということについても何らお触れにならないのであります。従つて私は竹下委員の仰せのように、次回政府の責任者を以て、十分責任のある御答弁を得たいと存じますが、ただ御挨拶を聞き放しにしておきますことは、速記がありますので、委員が只今の次長の御陳述に異議がなかつたような痕跡が残りますると、後にそのことが差障りになつてもいけないと存じまして、皆さん御承知のことでございますが、一応おさらいの程度で附言をしておきまして、今竹下先輩の仰せのように、次回政府の責任者の御出席を得て十分御答弁を願いたいと思います。
#29
○理事(上原正吉君) 田中官房副長官が見えるそうですから、ちよつとお待を頂いて……。
#30
○矢嶋三義君 速記をとめて下さい。
#31
○理事(上原正吉君) 速記をやめて。
   〔速記中止〕
#32
○理事(上原正吉君) 速記を始めて下さい。本日はこの程度にいたしまして、又次回の委員会に譲ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○理事(上原正吉君) では本日は散会いたします。
   午後二時四十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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