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1953/04/08 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 地方行政委員会 第19号
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1953/04/08 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 地方行政委員会 第19号

#1
第019回国会 地方行政委員会 第19号
昭和二十九年四月八日(木曜日)
   午後一時四十分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     内村 清次君
   理事
           石村 幸作君
           堀  末治君
   委員
           伊能 芳雄君
           伊能繁次郎君
           高橋進太郎君
           長谷山行毅君
           小林 武治君
           島村 軍次君
           秋山 長造君
           若木 勝藏君
           松澤 兼人君
           笹森 順造君
           加瀬  完君
  政府委員
   国家地方警察本
   部刑事部長   中川 董治君
   厚生省社会局長 安田  巖君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永與一朗君
   常任委員会専門
   員       伊藤  清君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○質屋営業法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(内村清次君) それでは地方行政委員会を開会いたします。
 質屋営業法の一部を改正する法律案を議題に供しますが、先の委員会におきまして、公益質屋の全国の状況、それから民間質屋関係の全国の状況についての資料要求がございましたので、この資料に基いて先ず厚生省の社会局長から公益質屋関係の資料について説明を聞くことにいたします。
#3
○政府委員(安田巖君) お手許に差出してございます公益質屋全国概況というのがございます。これに基きまして簡単に御説明申上げます。二十七年度と申しますのは、これは二十八年の三月に調べましたもので、そういうふうに書いてあるわけでございます。
 先ず第一頁の府県別の公益質屋設置状況というのがございますが、これの一番下の計のところを御覧になりますとわかりますように、公益質屋総数が五百二十五でございます。括弧書きは経営の主体数を示すものでありまして、一つの経営主体が二以上の公益質屋をやつておる場合がございますので、こういうことになるわけでございます。内訳はそこに書いてあります通りで、市が三百十八、町が百八十六、村が二十一、こういうわけでございます。それから一質屋あたりの平均賃金が、市の場合が二百八十五万、町村の場合が九十万五千円、一番最後の欄は連合会設置の有無でございます。五百二十五施設と申しますのは、現在そういう状況でございますけれども、一番多かつた時期は昭和十四年の千百四十二という時代があるわけであります。その後戦災等によりまして、或いは又戦後いろいろ運転資金等がうまく融通できないというようなことでだんだんなくなりまして、現在は五百二十五だという、こういう数字でございますが、私どもといたしませば、せめて一番最盛期のときまでは是非一つ殖やして行きたいという計画を持つておるわけでございます。
 その次の頁に資金貸付弁済状況というのがございます。これは資金総額が都市のほうが九億六百三十五万一千円、町村が一億八千八百十九万四千円合計十億九千四百五十四万五千円でございます。次に貸付額でありますが、この額の多いのは大体入質の期間というものが四ヵ月でありますので、大体二回半くらい回転するわけであります。一番下に御参考までに弁済額が書いてございます。
 その次に職業別利用状況が載つております。この単位は口数であります。俸給生活者が一番多くて、それから労働者、商工業者、農漁業者、その他となつております。貸付の額は数字は書いてないと思いますが、都市で一口平均が大体九百十九円くらい、町村で八百五十一円、非常に零細なものでございます。
 それから経理の状況でありますけれども、上の欄は収入でございますが、利子収入の計のほうだけを申しますと、これが二億三千百四十二万三千円、それから処分手数料が収入の中に入つております。この処分手数料と申しますのは、流れたときにその物を処分いたしますが、それについての手数料であります。その他は、これは流質によりますところの利子相当額でありますとか、預金利子とか、そういうものが入つておるわけであります。支出のほうは人件費、事務費、その他となつております。大体数字は申上げませんけれども、ここに書いてある通りでございます。御了承を願いたいと思います。
 それでこの表以外のことを申上げますというと、現在公益質屋法というのかございまして、これは昭和二年にできた法律でございますが、設置の主体は市町村なり或いは公益性の非常に高い社会福祉法人ということになつておりまして、現在のところでは殆んど全部が市町村が設置主体になつております。それから市町村のほうからこういうものを設けたいというときには、設置費に対しまして二分の一の国庫補助がございます。これは昭和二十六年度、七年度に一千万円ずつございまして、二十八年度が千五百万円、二十九年度が千五百万円でございます。これは現在市町村におきましては公益質屋を設けたいという希望が非常に多うございます。今経理状況の統計をお目にかけたのでありますけれども、いろいろ社会福祉関係の仕事をやりまして、とにかくとんとんでやつて行けるという仕事は公益質屋くらいのものでありまして、而もそれが非常に住民から喜ばれておるということで、各市町村から非常に設置の希望がございます。併しながら今申上げましたように、予算が非常に少うございますので、こういつた求めに応じかねるというような状況でございます。
 それから利子でございますが、これは現在月三分をとつております。で、一月に満たない場合は、十六日以上でございましたら一月でございますけれども、十五日未満でございましたならば、これは半月計算でやつております。それからなお、返済できないで、質物を流す場合がございます。そういう場合には元金利子と、先ほど申しました手数料若干をとりまして、なお残りがありますならば、これは入質者に返すという規定になつております。そういつた点が一般の質屋とは違うところではないかと思います。
 なお又、御質問等によりまして、お答え申上げたいと思います。
#4
○委員長(内村清次君) それでは中川刑事部長。
#5
○政府委員(中川董治君) お手許に提案いたしております法案に関連いたしまして、統計その他審議の御参考になろうかと思います事柄をまとめて印刷にいたしましたのをお配りいたしました。それに基いて御説明いたします。十二項目ばかり御審議の御参考になろうかと思いまして、まとめてみたのでございますが、大体御審議のポイントになるような点から逐次御説明いたしたいと思います。
 先ず、只今公益質屋の数について御説明がございましたので、ここの二十頁の民間質屋の数から申します。公益質屋につきましては、只今安田政府委員からお話の通りでございますが、これは公益質屋を除く民間の質屋の数でございます。大正十三年以来の数字が出ておりますが、漠然と言いますと、大体一万数千店舗という状況でございますが、昭和十八年以降相当減つております。ところが現在は大体戦前と類似の数字が出ている。昭和十八年前後に若干減りましたけれども、前後を通じ一万七、八千店舗であるという状態が、これによつておわかり願えるかと思います。かくのごとき数字は大体昭和十八年以降を除いては大差ないのでありますが、同じ質屋さんがずつと継続しているとは限りませんので、ずつと別の統計は我々調べたのでございますが、調査費料はないのでございますが、最近におきましても廃業なさる質屋があり、新設なさる質屋があり、プラス、マイナスでありますけれども、全体の店舗の数に著しき変化がないのがあります。一万八十二百十店舗が昨年の六月末現在の状況でございます。それから、この前の委員会で特に御質問頂きました利率計算方式でございますが、これは相当後ろのほうの、二十二頁の次に表がずつと出ておりますので、十一表というのがございます。この利息計算方法、民間の質屋の利息計算の方法を全国の一万八千店舗についての調査でございますか、先ず計算方法を民法の期間の規定による計算方式によるものと、それから暦の月を基準にするものと大別いたしましたところが、一番最後の欄のパーセントで御覧頂くとその傾向がわかるかと思いますが、パーセントにいたしますと、民法のほうは百パーセントで言いますと百分の一・六%でございまして、民法のほうの計算方式のほうは一・六%でございまして、残りの九八・四%が暦の月を基準にする計算方式をやつております。そのうち月を基準にして計算しておりますのが九八・二%、半月を基準にして、即ち月を二つに分けまして半月を基準にいたしておりますのが十分の二、〇・二%、それから民法の方式によりましてやつておりますのが月利計算が一・五%、日歩計算が千分の一、こういう状況でございます。計算方式に関する全国の質屋に関しての調査でございます。
 その次にもう一つ前をめくつて頂きまして、前の大きい表の利率調というのを御説明いたします。相当大きい表でございますが、利率調におきましては、今申したように暦による計算方式と民法の計算方式に従いまして二分いたしまして、それから月利計算と半月利割算とこういう恰好に相成るわけでありますが、先ず月利計算のほうが圧倒的に多いわけですが、この左のほうにずつと書いてありますのが私どものほうのものでございまして、要するに府県別でございます。北海道につきましては五方面に分けてありますが、要するに府県別でございます。その質屋の利息は一番該当が大堰のが一割でございます。全質屋のうちで七七・七%が歴による月利計算であつて、一割の利息を現在徴収いたしております。一割未満のものが四・九%、一割を超えるものが一五・五%、一番ここでは高く上げられておりますのが一割五分で一・三%、こういうふうに相成つております。それで半月利計算は月利計算と比較する場合には、半月でございますので、二倍にして頂くと見当がつくわけでありますが、充分というのが前の一割に大体パラレルに考えて頂く利率になろうかと思いますので、一番高いのが八分、月に直しますと一割六分になろうかと思いますが、一店舗しかございません。
 それから右のほうの欄は民法の方式によつている月利計算の方式でありますが、これはここに御覧頂きますように数としては百分の一・五%、乃至は日歩の計算のときは千分の一、こういう状況でございます。それが利率に関する説明でございます。これは全国の貸屋一万八千店舗を通じての調査でございますので、御了承願いたいと思います。
 その次に、質屋の内容に入るわけでありますが、利率と計算方式につきましては、全国の質屋を虱つぶしに調査いたしましての統計でございますが、内容の点になりますと非常に複雑でございますので、各府県の県庁所在地の商店街にあるもの、住宅街にあるもの、中都市にあるものというふうにピツクアツプしての典型的な調査でございますので、以下それをお含みの上御了承願いたいと思います。
 先ずどれぐらいの質契約が多いかということにつきましては、折表の九でございますが、折表の九に貸金額調というのを統計して見たのでありますが、これは社会局長の御説明の通り、公益質屋も少額金融が多いと言われたのですが、民間質屋も同様の結論が出るわけであります。と申しますのは、百円以下の貸金内容の状況がこういう状況でありまして、一番ひどいのは百円以下が四六とずつとなつております。千円以下が大部分を占めております。百円以上本門以下を合計いたしますと、この前も御説明いたしましたか七九・八%が千円以下の質契約である。足し算するとわかるのですが、十円以下が七九・八%に当ります。五万円を超えるもののごときは極めてわずかな〇・〇〇四%、こういうふうに相成るわけでございます。
 それからその次にどれぐらいの期間の質契約か多いかという点につきまして御説明申上げます。折衷の八のほうを御覧頂きたいと思います。折衷の八のほうで申上げますと、一番該当の多いのが一月以上二月未満、真中の表でございますが、折衷の総計で申しますと、一月以上二月未満がこれが一番該当が多いのでございまして、一月以上二月未満の質契約が全体の一五・八%、その次には二月以上三月未満の期間の契約が一四・五%、こういうふうで以下ずつと数字で御覧頂きたいと思うのですが、大体一カ月、二カ月という結論が出ようかと思います。ここに県庁所在地の商店街、住宅街、中都市、農村とこういうふうに細分類いたして見ましたけれども、その傾向は著しき差異は出て参りませんので、細分類いたしましたけれども、総計の欄が大体似通つたことが農村についても都市についても言い得ると、こういうふうに考えられるのであります。
 それから流質の状況でございますが、これは折表でなしに本当の頁数の三十一頁を御覧頂きたいと思いますが、三十一頁を御覧頂きますと、流質に関する調べ、これは大量観察で典型的質屋を摘出しての調査でございますけれども入質口数に対して一割前後の、農村とかを入れて若干の差異がございますが、合計いたしまして一割くらいが流質しているという状況でございます。その他いろいろな点をこの印刷物にまとめて参りましたが、御審議に特に重要な点であり、而もこの前に御質問頂きまして、統計をまとめて差上げますとお答えいたしました点を摘出して御説明したわけでございますが、御質問によりまして、更に答えさして頂きたいと思います。
#6
○委員長(内村清次君) それでは各委員のかたがた御質問を。
#7
○堀末治君 さつきの御説明ですがね、やつぱり公益質屋は非常にこの通り利用されているのですよ。そうすると、各市町村ではやつぱり公益質屋を置くことを希望しているというなら、千五百万円本年度の予算に載つておるのですが、これで一体同軒くらいできるのですか。
#8
○政府委員(安田巖君) 大体甲型と乙刑というのをきめまして、それで大体甲のほうで百二十万円を規模に考えておりますので、その半分の六十万円、乙のほうが六十万円でございますから、その半分の三十万円、合せまして、四十カ所くらいになると思います。
#9
○堀末治君 乙型が何ぼですか。
#10
○政府委員(安田巖君) 六十万円でございます。それでそれの半分の国庫補助でございますから三十万円行くわけであります。
#11
○堀末治君 そうすると、みんなで何ぼくらい、軒数がわかりませんかね……これで。まとまつてみないとわからないのかな。
#12
○政府委員(安田巖君) 軒数と申しますと……。
#13
○堀末治君 今あなたがおつしやるのには甲型が百二十万円、乙型が六十万円、その半分ずつでやると言うから、千五百万円だとおよそ何軒くらいできるか。
#14
○政府委員(安田巖君) 四十軒ぐらいであります。
#15
○石村幸作君 厚生省にちよつとお伺いしますが、一般質屋は流質が約一割ですが、公益のほうはどんなふうになつておりますか。
#16
○政府委員(安田巖君) あとで調べてお答えいたしたいと思いますけれども、私がいろいろ各地で見て参りましたところによりますというと、流質が非常に少いのであります。
#17
○堀末治君 公益のほうわね。
#18
○政府委員(安田巖君) はい。
#19
○石村幸作君 国警のほうにちよつとお伺いしますが、公益質屋はこの調査もしつかり出ていて、この流質の場合には精算して手数料を取つて、残金があれば返金する。この一般質屋のほうはどんなふうになつておりますかしら。この資料には現われていないけれども、流質した場合に質屋の利益というと、余り利益のないものもあるかもわからんが、損失がどんなふうになつておりますか。大体ありますか。
#20
○政府委員(中川董治君) 先ず流質物の処分に関する一般質屋の法律関係でございますが、差上げました印刷物の九頁に「質屋は、流質期限を経過した時において、その質物の所有権を取得する。但し、質屋は、当該流質物を処分するまでは、質置主が元金及び流質期限までの利子並びに流質期限経過の時に質契約を更新したとすれば支払うことを要する利子に相当する金額を支払つたときは、これを返還するように努めるものとする。」となつておりますが、質物によつて担保されておる債権の確保のために質物の所有権が質屋に移ると、こういうふうになつております。移りました結果、これを流質の場合には処分するわけでございますが、処分守る場合において非常にそれによつて元利金を完全に支払うというふうになるためには、比較的高い質物に対して安く貸しておる場合はそういうこともあり得るのでもりますが、これを全国的に調査することは非常に困難でありますので、大体東京を中心に調査いたしましたところ、流質いたしました件数の一口当りの流質単価が八百八十七円になつておりまして、それによつて担保されてる債権の元利金が一千一百六十三円になつておりまして、差引二百何十六円の損失になる。こういう計算が東京の調査においては出ておるのであります。もう一遍繰返しますと、担保されている債権が比較的高いものでありますので、流質処分いたしましても、概して元利金合計いたしましたものよりも、一件あたり二百七十六円くらいの損失になる、こういう計算になつております。
#21
○政府委員(安田巖君) 先はど流質の率の御質問ございましたが、二十七年度が一万五千五百七件でございまして、利用いたしました総件数が二百八十百五万六千八百五十六件で割りますと、〇・五%でございます。
#22
○堀末治君 公益質屋と普通の質屋とそういう流質の差が多くあるのはどういうわけですか。
#23
○政府委員(安田巖君) これはいろいろ原因があると思いますけれども、一つの原因と思われますのは、公益質屋で今一番困つておりますのが実は運転資金、貸付金をどこから持つて来るかということでありまして、東京都あたりでもそのお金がないために折角その希望がありながら、貸付けることができないということであります。従いまして、勢い貸付の金額が少くなるということ、それは或いは質草の価値に対しまして、貸金が少くなるということにもなるかとも思いますので、そういう点で流質のほうが少いのではないかとも考えられるのであります。
#24
○委員長(内村清次君) それでは条文の説明を中川刑事部長から伺います。
#25
○政府委員(中川董治君) 今川提案になりました法案の条文についての御説明をいたします。内閣から出ておりますところの条文は改正要綱のみ附記しておりますので、これを参考資料のほうで現行質屋営業法に当てはめまして印刷いたしましたのが、この印刷物の十五頁でございます。十五頁が政府が提出しております法案の条文でございますが、現行質屋偉業法は、三十五条まで本則はなつておりまして、ずつと質屋営業の内容とか、公安委員会の許可を得なければ質屋が営業できないとか、そういつた条文を挙げまして、最後のほうに罰則の規定がありまして、例えば許可を得ずして質量を営業した場合においての罰則その他かずつとあるのですが、その最後に三十六条を今回改正として加えたい、これが政府原案でございます。その加える法案の内容は、質屋に対する出資の受入、預り金及び金利等の取締に関する法律、この法律がこの条文の基礎になりますが、この法律の質屋につきましての適用はこういうふうにするのだということを質屋営業法の最後に附加えたい、これが内容でございまして、この質屋以外の一般の利息は、只今政府が別途提出しております法案、これは印刷物の十八頁に出ておりますが、十八頁にこの全部の金銭の貸付を行なうものに対する刑罰法規を別途政府が提案しているのでございますが、それによりますと、十八頁の第五条でございます。別途これは大蔵委員会に付議されたように承知しております。第五条によりますと、「金銭の貸付を行う者が、百円につき一日三十銭をこえる割合による利息の契約をし、又はこれをこえる割合による利息を受領したときは、三年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」こういう規定がございます。別言いたしますと、貸金業者その他すべて金銭貸付をする者は日歩三十銭を超える契約をしてはならない。その契約をした者は、又はそういう利息な受領した者は刑事罰に付する。その二項には、一般の貸金業の場合日歩計算の方式はとりますけれども、貸付期間が著しく短期十五日未満のときはこれを十日の計算で、たとえ一日の貸借関係でありましても十五日の計算でするというのが第二項の規定でございまして、この第五条の第一項及び第二項がすべて貸金業者及びすべて金銭貸付を行なう者に対する刑事罰の規定を今回政府は提出したの、でございますが、質屋につきましてこれをそのまま適用いたしますと、先ほど御説明いたしましたごとく、九九%近くまでのものがこの方式でない、こういう結論になりますので、この第五条第二項の計算方式を質屋営業法の一番最後の末条で、先ほど申上げましたように、十五頁の条文で読替えよう、こういう趣旨でございます。三十六条に戻りまして御説明いたしますが、質屋に対する只今の法律の「第五条第一項の規定の適用については、同法同条第二項中「貸付の期間が十五日未満であるときは、これを十五日として利息を計算するものとする。」とあるのは、「月の初日から末日までの期間(当該期間の日数は、その月の暦日の数にかかわらず、三十日とする。)」、この括弧の意味は大体月計算が大部分でございますので、二十八日の月も、二月はおおむね二十八日ですが、閏の年でも二月は三十九日ですが、三十一日の月でもすべて期目的に三十日と計算する。「を一期として利息を計算するものとする。この場合において、貸付の期間が一期に満たないときは一期とし、二以上の月にわたるときは、そのわたる月の数を期の数とする。」というふうに、出資の受入、預り金及び金利等の取締に関する法律の第五条を、質屋の今日の営業の実態の九九%近くがとつている計算方式の実情に鑑みて、この法律を、貸金業の出資の受入、預り金及び金利等の取締に関する法律の五条の適用を、質屋につきましてはこういう適用の仕方をしよう、こういうことでございます。従いまして、この前御説明いたしましたごとく、質の利息の契約は、質置主と質屋との自由契約に委ねるのであるけれども、月計算方式で三十日分、即ち九分、日歩三十銭でございます。月九歩を超える契約をするものにつきましては、刑事罰を科する、その刑事劉を科する以外の範囲内におきまして、質置主と質屋との自由契約に待とう、こういう趣旨でございます。この条文が読替え規定になつておりますので、ややこしいのでありますが、そういう結論になるのであります。
#26
○委員長(内村清次君) 御質問ございませんか。
#27
○堀末治君 条文に関係はないのですがね。つまり本年だと区千五百万円で四十軒ほどできる、できるだけ殖やしてやれば皆助るのですね。それをいささか殖やしたということについて、実際の質屋さんにどのくらいの影響があるだろうかね。それはね、私の言うのは、民業を余り圧迫するというのはよくありませんけれどもね、とにかく一割と三分でしよう、そうすると、使う人になつてみると非常に助かるわけです。主として統計を見るというと非常に困る人が多いというわけですね。それですから、それで質屋さんもどんどん軒数が殖えるかというと、どうも殖えていない。まあ一万八千軒くらいでととまつておるのなら、これは民業を余り圧迫するというのならお気の毒ですけれども、そうでなければ、要するに庶民階級のいわゆる金融としてもう少し政府が殖やしてやつたらいいじやないかと、私はこう思うのでです。併し余り殖やした故に折魚一万八千軒もある人が又次から次へとやめることになると、これ又お気の毒ですからね、大体どの程度まで殖やして行つたら、現在の一万八十軒の人を圧迫ることなく行けるかというそこらの検討が付かないものかというのです。
#28
○政府委員(安田巖君) これは公益質屋の数と、されから民官質屋の数とのバランスという問題があるのでございますけれども、それともう一つは公益質屋でどの程度の資金を貸出すか、資金の額の問題があるわけであります。それで現在では非常に一般からそういう要望がありながら公益質屋の数が少いということと、既存の公益質屋も金がなくてフルに動いてないということがありますので、大体今のような状況なら大して影響はないだろうと思います。私どもは先ほども申しましたけれどもせめて戦前までは持つて行きたいと思うのでありまして、大体の目標といたしましては千五百くらいのところまでは是非もつて行きたい思つておるのであります。で現在は資金総額の財源を申しますというと、一般会計が一億四千四百九十五万八千再で大体一割二分、それから都道府県の中から貸付金というような形で出ておりますのが一億八千九百五千七万三千円で一制七分、地方の起債で賄つておりまするのが、それが四割三分で四億七千七百万ばかり、その他の金融機関、八千九百二十七万問ばかり、八%でありまするが、十億九千万円ばかり、こういうことになつております。ちよつとその額にも非常によると思うのであります。
#29
○堀末治君 民間の総額は何ぼくらいになるのですか。
#30
○政府委員(中川董治君) この公益質屋につきましては、公共団体の仕事ですから、その資金の関係が極めて明白にわかるのでありますが、民間の関係は貸付関係が明白にわからないのです。それで私どもはその関係を調べるためにいろいろ工夫したのでございますが、東京都の例で調査いたしました結果を申上げてみたいと思うのですが、一店舗平均の流動資金が五十一万円余りくらいになるのです。いつも貸しておる、ずつと貸金の総計はもつとありますけれども、いつも今日の時刻を捉らえて貸しておる金が五十一万円くらいになりますので、それを一万八千軒をかけて来ると、漠然としたことになるが、極めて大ざつぱな議論になるのですが、九十億くらい民間質屋のほうへ大体借りておると、或る時期を捉らえて……。ちよつとこの計算は乱暴な計算になると思いますが、その資金は公益質屋につきましては、それぞれ公共団体の資金でございますが、民間質屋はどういう方面から資金を調達しておるかということも我々で研究してみたのですが、それは資本の四六%が借入金、残りの五四%が自分の資本と、こうなつております。で大部分は自分の資金をお使いになつて、四六%くらいには他の人から借りておる。他の人から借りておるうちの大部分が又その銀行等たけでなくして、個人の資金を借りていらつしやると、その利息はまあ人によつて違うわけですが、月三分前後が多い状況である。二分九厘とか三分前後のお金を借りていらつしやるのがある。但しそれは他人の資本の場合で、自己資本か五〇何%でしたか、この五〇何%は自分の資金ですが、ところが借入資金のほうは月三分くらいの金を借りておる実情である、こういうことが言えると思います。
#31
○石村幸作君 この利息の問題で、そうするとこの条文を具体的に読むとこういうことになるかしら。例えば十五日から三十日までですと、これは月計算で行く場合に十五日から三十日までたと一ヵ月取れるわけですね。それで十五日から来月の十五日までだと二カ月取れるわけですね。非常にタブるわけですね。そこでこの附則の終いに、こういう場合には「百円につき一日三十銭の割合」によるということになつておる。そうすると、この別の法律の最高限度が一日百円について三十銭という最高で計算しろということに、附則ですね、そう解釈してよろしうございますかね。
#32
○政府委員(中川董治君) 先ず附則の御説明に先たちまして、本文から申上げますと、石村委員のおつしやる通り、只今石村さんの御指摘のような場合は二カ月になるわけであります。附則のほうの条文はですね、これは此先ず法律、この質屋営業法と別途の、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締に関する法律が、月の一日から施行した場合は無意味に帰するわけです。今日の質屋は暦を中心にやりますので、暦の一番最初の日から施行いたしますと、政府が提案しております法文の規則は幾ら続んでもゼロになりますから無意味になるわけでございます。ところが法律でございますから、月の途中から施行になることがある、こういう場合を予定した附則でございます。そうすると、質屋の計算は暦の月で計算いたしますので、例えば七月の十五日から施行になりますと、七月の利息はどうなるのだと、こういうことに答えるための附則でございます。七月の十十五日にこの法律が施行になつたときに、その七月の利息はどうするのだということに答えるための法律でございまして、それは全くこの附則によつて計算するわけでございますが、七月十四日までは従前の契約の利息で行く、従前の月何分でございますか、例えば月一割なら一割の計算で行く。それで七月十五日から今度の九分の計算で行く。それでそういうことに備えての条文でございますが、施行の月だけ響くんでございます。
#33
○石村幸作君 そでうすると、ここに調べの表が、十の利率の調べが出ています。そうすると、今後はこれは過去の何で、今後はこの高率の分はなくなるわけですね。
#34
○政府委員(中川董治君) 今後は率で申しますと、高率のやつは刑事責任を負わされますのでなくなつてしまう。それで九分以下のものだけが活きるということになるわけであります。
#35
○石村幸作君 それからさつきの貸金金額の調べ、これは非常にに百円以下というのが相当数があるんですが、これはいつの調べですか。数年前のものか……。
#36
○政府委員(中川董治君) この調べは昭和二十八年一月から十二月までの一カ月の調べ、即ち昨年十二月分の調べでございます。
#37
○堀末治君 公益質屋と民間質屋と比較することは甚だ不合理ですけれども、先ほどのこの表から見ると、平均一割の金利になるんですね、大体一割くらいの金利になつているわけですね、民間のほうの質屋が、そうすると、どうですか、あなたがたお聞きになつて質屋さんの経理状況は……。
#38
○政府委員(中川董治君) 公益質屋の場合は公共団体で、予算、決算、極めてはつきりするのですが、民間の質屋のバランス・シートというものは、私ち徒らに調査するわけに行きませんけれども、我々いろいろな点から研究しておるのですけれども、これを非常にざつくばらんに申しますと、非常にはやる場合は儲かるのです。はやらん場合は損をする。廃業なさるという質屋も出て来るわけです。それば利率が例えば一割という店舗が非常に多いわけですけれども、一割の利率を取つていらつしやいましても、廃業なさる原因は非常にはやらん場合と、それからもう一つは、目利きが悪くて比較的安い質物を高く担保していらつしやる場合はだんだん商売が不振に終わりまして、工合が悪くなつてしまう。ところがそういう点について正確であり、而も利用者の便益について非常にお考えを用いられれば、あそこの質屋さんはよく目も利くし、一々正確に貸して頂けると、不当に過少な貸金をしないという質屋がはやる。そういうところは大体相当の収入があるんではなかろうかと思うのですけれども、利率が一割であるために儲かるとか、同じ一割の利率でも儲からないとか、同じ利率でも得をしたり損をしたりするので一概に申せませんが、まあ大量観察的に申しますと、公益質屋の場合はずつとここの表に出ておりますけれども、公益質屋の場合と民間質屋の場合との支出の相違は、公益質屋の場合は、先ず第一に設備費を公共団体だから余りそういうことは考えていない、こちらは設備について融資その他を受けてやつていらつしやいますので、そういう利息の支出が必要である、最初作るときにですね。それからその次に公益質屋の場合は公租公課がかからない。民間質屋の場合には公租公課がかかつて来るから、それだけをあれするという問題がある。それから公益質屋の場合は、貸す資金がそれぞれ市町村の財政を経て借りられますので、比較的安く入手できる。民間質屋の場合は、金融について銀行のつ取扱事務が著しく煩瑣になつておりますので、自然銀行等から資金を得ることが困難でありますので、個人資金をお借りになる。個人資金は銀行の資金に比べて比較的利子が高い。月三分である。こういうことから勘案いたしますと、儲かる質屋もありますが、大量観察的に言うと、まあ普通の事業であろう。それでこれが又全く自由企業でございますので、非常に儲かる状態であれば誰でも質屋をやればいいのでありますから、そうすると質屋が殖えて来る。殖えて来れば自由競争になつて又安くなる、こういう現象もございますので、質屋につきましては、公安委員会の許可事項がありますけれども、公安委員会は法律の欠格条件に該当しない限りは許可しなければなりませんので、隣りに質屋があるからといつて許可しないというわけに行きませんので、非常に質屋が殖えて来る。そうすると需要供給の関係で、従つてサービスもよくなる、利子も下る、こういう現象が起るのじやなかろうかと、こういうふうに思うのです。
#39
○委員長(内村清次君) ほかに御質問ございませんか。
#40
○高橋進太郎君 質屋の営業でですね、有価語勢なら有価証券だけを取扱つて、あとのもの預からないというような営業の仕方というものはできるのですか、できないのですか。
#41
○政府委員(中川董治君) 只今高橋委員の御質問の点、正確な調査がないのでございますが、法律上は可能でございます。ところが実際有価証券だけ預かつて、それ以外の時計とかそういうものを取らんという質屋はちよつと、もつと正確に調査しないとわかりませんが、ないように思うのであります。
#42
○高橋進太郎君 というのは、私、質屋が比較的一割とか一割二分とかいう高率になつているのは、例えば物品とかそういうもののあれで、倉庫とかそういうもので相当保管料も要るからなんで、暫し一方において、利息制限法にあるにかかわらず、今言う有価証券のようなものだけを専門に取扱い得る質屋ということになると、そういう質屋営業で而も有価証券を損保にした一種の脱法的な高利貸といいますか、そういうものが発生する余地が出やしないかと思うのですが、その点はどうなんですか。
#43
○政府委員(中川董治君) 高橋委員の御心配、非常によくわかりますのですけれども、現行質屋常業法は質物の保管設備につきまして、公安委員会が命令権があるわけです。各公安委員会は、この表にも書いてございますが、出していらつしやらない公安委員会もあるのですけれども、相当多くの公安委員会は、これこれの規格の質倉を建てなければならないと、こういう規定を作られてしておりますので、有価証券だけを取扱うようなことになりましても、やはりそいつを公安委員会がそういう指示を出しますと、これは倉を建てなければならん。まあそういうことは余り予定しておりませんものですから……。
#44
○高橋進太郎君 ただ私はそこで法律上矛盾が出やしないかと思うのは、先ほどおつしやるように、質屋は自由営業であり、どなたでもあれなんだと、こういうものであるにもかかわらず、非常に規格条件がむずかしくて、倉は何棟建てなくちやならん、こういうことになつて来ると、そこのところが先ほど言う原則として質屋は自由だということに反するのじやないか。従つて法律上有価諦券のみを取扱うところの質屋営業というものは可能であるということになれば、今言う有価証券を保管するに足るだけの金庫を持つとか、そういう簡易なあれで実質的には……。なぜこういうことを申上げるかというと、一方保全経済会だなんていうものが押えられて来て、私は質屋営業という形においてああいうものが発生しやしないかと、而も今度は合法的に利息制限法の規定を超えて、質屋ならば一割とか一割二分とかいう高利も取り得るような、そういうあれが発生しやしないかと思うのですが、そこらについての御研究があつたかどうか、そこをまあお聞きしているわけです。
#45
○政府委員(中川董治君) 誠に適切な御意見でありますが、現在は、まあ現在はないということが前提であつたものですから、その深い研究についてつまびらかに……、正確でないのですけれども、質屋という営業実体があつて、質屋という実体を備えておれば、欠格条件がなければ許可しなければならない、これはその通りでありますが、質量とは何ぞやというと、有価証券だけを質に取る質屋というものも観念上考えられる、これも高橋委員の御指摘の通りなんですが、ところが質屋につきましては、質物の保管等について公安委員会が規格を定めることができるという規定がございますので、そういつた規定の運用等によつて質倉が空になるような質屋という実体がちよつと想像しにくいものですから、公安委員会の基準制定権によつて相当チエツクできるのじやないかと思いますけれども、将来の経済現象というのはなかなか我々役人が考えている以上にいろいろ出て来ますので、心配の点は確かにあろうと思いますけれども、現在の実情が動産たる質物を中心にしております状態であり、而もそれを前提にした質物保管施設の基準方式等もありますので、そう脱法的なものはないのでなかろうかと思いますけれども、これは経済現象になりますので、どういう形態になりましようか、そういう利率の点も計算方式について異なる方式を認めたのであつて、利率そのものにつきましては日歩三十銭というものを基準にしておりますので、著しく一般の金融よりも高いという結論でもありません。問題は計算の月をまたがる関係だけの特例でございますので、その特例だけで脱法的にたくさん出て来るかどうかの心配と関連するのでございますが、そういう計算方式だけの特例であるという点と、それから質物保管施設の基準制定権等によつて高橋委員の御心配の点は比較的防止できるのではないかと考えておるのでございます。
#46
○高橋進太郎君 まあいいです。
#47
○委員長(内村清次君) この法案はまだ衆議院から廻つて来ておりませんから、予備審査でございますから、これはこの程度にしておいてよろしゆうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#48
○委員長(内村清次君) ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#49
○委員長(内村清次君) 速記を始めて。
 それでは本日はこれを以て散会をいたします。
   午後二時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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