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1947/05/18 第2回国会 参議院 参議院会議録情報 第002回国会 予算委員会 第23号
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1947/05/18 第2回国会 参議院

参議院会議録情報 第002回国会 予算委員会 第23号

#1
第002回国会 予算委員会 第23号
昭和二十三年五月十八日(火曜日)
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  本日の会議に付した事件
○昭和二十三年度一般会計暫定予算補
 正(第三号)(内閣送付)
○昭和二十三年度特別会計暫定予算補
 正(特第二号)(内閣送付)
  ―――――――――――――
   午後二時四十三分開会
#2
○委員長(櫻内辰郎君) 只今より開会いたします。質疑に入ります前にお諮りをいたしたいことがございます。それは、昭和二十三年度の本予算が國会に提出になりました時には、公聽会を開くことになつておりますので、その公聽会の時日並びに公述人を予め考えて置かなければならんと考えまするので、本予算が提出されました場合において、その時日の選定と公述人を決定をいたしますことを委員長並びに理事にお委せを願いたいと考えるのであります。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(櫻内辰郎君) それから尚その公聽会に出席をして頂いて、こういう方に公述人になつて貰つたらばというお考えの方がありましたらばお申出を願いたいと、こう考えます。では質疑に入ります。木下君。
#4
○木下源吾君 二、三お尋ねしますが先ず第一に財政法第七條による年度内の出納に関して、政府が必要があれば大藏省証券というものを発行するとか一時借入金をするということが規定されておるが、この地方自治体においてこういうような措置を採ること、例えば村債と言いますか、何か法的根拠のあるものを、國がやるようなことをやるということを考えておるかどうか、というのは、近時非常に町村の財政が逼迫しておりまして、殆んど地方においての自治体では給料も満足に拂われない、必要なことは何もできないというような実情にあるのであつて、これを救済するためには、政府が何らかの手を打たにやならんと考えるのであります。併しながら今日の制度においてはこれを如何ともすることができないという実情にあるので、このままに推移するならば、地方の財政が、金融その他一切が経済の面に至るまで破綻を來すような実情にある今日、何か政府がこれに対して考えておらんか。前段に申上げたような、國の財政法第七條によるような、それに似たようなことを一つやつたらどうか、こう考えるのであります。これを一つ当局に一遍お伺いしたいと思うのであります。
 それから次には、本予算におきまして公共事業費が非常に少い。これはすでにもう当局も分つておられることだと思うのでありまするが、外の歳出に圧迫されて、公共事業費が少いのであろうと思うのですが、併しながら今年度におけるところの公共事業費は、例えば河川にしろ、砂防にしろ、その他土木の関係等においては、特に昨年の水害の関係で留意しなければならんと私は考えておるのであります。この暫定予算におきましても、砂防費のごときは殆んどありません。この頃新聞でも御案内の通り、太陽の黒点が分裂する結果として、豊作ではあるけれども他面においては天災地変があるのだというような新聞が出ております。又昨年のような轍を踏むのではないかということで、農民も、又一般國民も非常に不安を感じておるような時であります。このような時には、政治は是非とも民心を安定させるのみならず、災害復旧等に留意しなければならんと考えておるのでありますが、非常に予算が少いので、これはどういう考えで公共事業というものをこういうように圧迫しておるかという点について、一つ忌憚のない御説明を願いたいと考えるのであります。
 尚もう一点は最後に、最近金融機関が政府のやつておる措置に不満を抱いて、何か報復的な態度に出ておるのではないかというような節が考えられる。というのは、軍事公債の利拂を一ケ年棚上げするというようなことに対しては、金融面においては賛成をしておらないということは、もう公知の事実であります。それを政治の面において棚上げしなければならんという実情になつたならば、同じく國の再建のために役割を果すべき金融機関も、喜んでこれに協力しなければならんと我々は考えるにも拘わらず、金融機関において、若しも政府の措置に対しで不満を抱き、必要な金融等に対して怠慢の態度があるとするならば、今日の金融界において、國家再建の面において非常な損失を被むると考えるのでありまして、かくのごとき政府の措置を一面に執られると同時に、他面においては金融界に対して如何なる措置を講じておられるかというような点について、一つ大藏大臣からこの機会に御説明を願いたいと考える次第であります。
#5
○國務大臣(北村徳太郎君) 第一点の地方財政の問題でありますが、これは中央において健全財政をどこまでも堅持いたしまして、収支のバランスを取ることに努力いたしておるのでありますが、そのことは地方においても又同樣でございまして、地方の財政は例外であるというわけには参りませんので、中央地方を通じてどこまでも健全財政主義を以て一貫しなければならないということに努力をいたしておるのであります。ただ御承知の通り、中央においてもそうでございますが、特に地方において最近例えば自治警察の問題であるとか、或いは新らしい教育制度の問題であるとか等々から、地方の歳出の膨脹というものは非常に大きくなつております。これに対應する財源が極めて乏しいので、現在地方財政委員会等においても、税制その他について地方財源の確保のためにいろいろ檢討されておりまするし、私共は又地方の財政の健全化のためにいろいろこれは研究を進めつつあるのでございます。ただ中央でやります大藏省証券或いは一時借入金というようなものに対應すべきものが、地方ではどうかという御意見であつたと思うのでありますが、現在地方において地方債を発行するという手もありまするけれども、現下の國民蓄積の度合、金融市場一般の情勢等から見まして、実際問題といたしましては、これはどうも地方債の消化ということが極めて困難である。そこで結局地方は借入金を以て一時中央における大藏証券のような工合の繋ぎの借金をするというようなことしか仕樣がないのじやないか、現にそういうふうな方法で一應の金融的措置によつて財政的な欠陷を補われておるのであります。これも併しながら財政の不均衡を実は金融の面において補うということが健全財政の主義ではございませんで、かようなことをなからしめるために、地方においても税制全般における全視野に亘つてこれを再檢討しなければならんというふうなことを痛感いたしておるのでございます。
 それから第二点でございますが、公共事業費のことが問題に取り上げられたのでございますが、これは実は私共も公共事業費を通じて地方の土木等、これは食糧増産等にも重大な関係があり、又生活の治安の上にも大きな関係を持つものが多いのでございますからそういうものを含めた公共事業費については、てきるだけ多くのものをこれに充てたいという願いを持つておるのでありますが、只今占領治下にありまして、私共の思うように参りかねる点もございまして、本予算においてはもう少し御満足を願い得るような数字を持出したい、かように存じておるのでありますけれども、これはどうも止むを得ませんので災害復旧費のごときは少く共昨年度の分だけを引上げをする。あとの一般のものの分は少し幅は狭くなりますけれども、今回の暫定予算においてはこれで一應御辛抱を願いたい、かような考えを持つております。
 それから第三点は、金融機関に関してでございますが、これも御説のようなこともあるのでございますけれども何と申しましても今は金融機関の強力なる後援といいますか、協力を求めなければなりませんのでございましてインフレを阻止すると申しましても、或いは國民蓄積を増加すると申しましても、金融機関の活動に俟つところが非常に多いのでございます。從いまして金融機関のためにならんような措置は避けなければならんということは深く感じておるのであります。今回のお話に出ました軍事公債利拂の問題等は、これは金融機関に対して余り損害や迷惑が起らないようにしなければならんというので、さような考慮から、政府といたしましては、それぞれの措置を講じまして、法律案を提出することに相成つております。近く御審議を願うことに相成つておるのでございますが、例えば一年間に利拂期の到達する軍事公債と目すべきものについての利拂は償還期まで延ばす、延ばしますけれども、償還期において支拂をするときには、同率の利率を附加してこれを支拂う。尚金融機関にしてそのことのために必要な措置を必要とするならば、これは例えば未拂、未收利息勘定として計上することも臨時の措置として認める。そういたしまして收支の計算のバランスを考える。考えるが現実は金が入つていないということのために、別段なる金融的措置を必要としますならば、これもさような手配をいたしておるのでございまして、このことに関しましては、金融機関代表の諸君と懇談をいたしまして、すでにさようなことは申述べまして、一應了解を得ておることになつております。以上三点について御答弁を申上げます。
#6
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御質疑はございませんか……それでは質疑のあるお方が今日は御出席になつておりませんから、明後二十日の午後二時から開会することにいたしまして、本日はこれにて散会をいたします。
   午後二時五十六分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     櫻内 辰郎君
   理事
           木村禧八郎君
           西川 昌夫君
           岡本 愛祐君
           村上 義一君
           中西  功君
   委員
           中村 正雄君
           木下 源吾君
           小泉 秀吉君
           波多野 鼎君
           小串 清一君
           小野 光洋君
           左藤 義詮君
           寺尾  豊君
           木内 四郎君
           佐々木鹿藏君
           飯田精太郎君
           岡部  常君
           奥 むめお君
           河野 正夫君
           高田  寛君
           東浦 庄治君
           渡邊 甚吉君
  國務大臣
   大 藏 大 臣 北村徳太郎君
  政府委員
   経済安定政務次
   官       藤井 丙午君
   大藏政務次官  森下 政一君
   大藏事務官
   (主計局長)  福田 赳夫君
ソース: 国立国会図書館
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