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1953/04/23 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 地方行政委員会 第26号
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1953/04/23 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 地方行政委員会 第26号

#1
第019回国会 地方行政委員会 第26号
昭和二十九年四月二十三日(金曜日)
   午前十一時一分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     内村 清次君
   理事
           石村 幸作君
           堀  末治君
   委員
           伊能 芳雄君
           伊能繁次郎君
           長谷山行毅君
           小林 武治君
           島村 軍次君
           秋山 長造君
           若木 勝藏君
           笹森 順造君
           加瀬  完君
  国務大臣
   国 務 大 臣 塚田十一郎君
  政府委員
   自治庁次長   鈴木 俊一君
   自治庁税務部長 奧野 誠亮君
   運輸省自動車局
   長       中村  豊君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       伊藤  清君
  説明員
   運輸省港湾局倉
   庫課長     向井 重郷君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○地方税法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○委員長の報告
  ―――――――――――――
#2
○委員長(内村清次君) 地方行政委員会を開会いたします。
 地方税法の一部を改正する法律案を議題に供します。地方税法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員長から申入れが来ておりますから、それを先ず朗読いたします。
   住宅金融公庫法の一部を改正す
る法律案の修正に関し申入
 標記法律案について当委員会におい
ては昨日附則第六項(地方税法の一部改正)を削除修正議決しました。その趣旨は、同項の不動産取得税減免に関する規定は地方税法案が未だ貴委員会において審議中でありますので、議事の手続上これを先行することを避ける為であります。然し乍ら同項の規定そのものは住宅政策上若くは耐火建築の促進上緊要なるものでありますので、貴委員会において地方税法中にこれを取入れられるよう然るべき御措置方格別の御配意を相煩わしたくここに申入れます。
  昭和二十九年四月二十日
     建設委員長 深川タマヱ
  地方行政委員長 内村清次殿
 それからこれは各委員のかたがたに配付してありますが、昭和二十九年三月二十九日付で参議院の農林委員会から、これは委員長宛に来た書面でございますが、地方税法の一部を改正する法律案の修正等に関する申入、この申入の各条項につきましては省略いたしまして、お手許に配付されましたこの申入書を御参考の上に御審議のほどを委員長からお願いを申上げておきます。以上で報告は終ります。
 同法案の審議でございますが、政府の提案理由と補足説明だけは終つておりますが、あと総括質問から入りましようか、どうしましようか、その点御意見ございますか。
#3
○若木勝藏君 やはりこれはですね、今度の地方税法の改正は、これは相当の、政府としても五つの基本方針をきめてやつておりますので、それらに関連しますから、総括質問から入つて、そういう根本問題を先にいろいろ聞いたほうがいいのじやないかと思います。
#4
○委員長(内村清次君) よろしうございますか、それで……。(「結構ですね」と呼ぶ者あり)
 それでは総括質問から入ることにいたします。それでは委員の質疑を伺うことにいたします。
#5
○若木勝藏君 私、今度の税法を改正したところの基本方針について二、三伺いたいと思うのであります。
 先ず第一に、政府としては基本方針といたしまして、地方の財源の充実を図るというふうな問題があるのでございますが、これにつきましては、政府がどういうふうな一つの考えからこの財源の充実を、いわゆる地方財源の充実を図つて行くか、この点について私は伺いたいのであります。と言いますのは、まあ地方自治法の一部改正はまだ提案されておりませんけれども、かねて我々も新聞、或いはそういうもので知つておる点では、塚田長官を初めとして何か地方制度というふうなものを、知事の官選論なども言われておる通りでありますが、そういう一つの国のいわゆる出先機関化するような方向に進むように伝えられておるのでありますが、そういうふうな態度で行けば、この地方の財源の充実ということは、考えようによつては国の出先機関を充実するためにいわゆるこの地方の財源を充実すると、こういうふうにもとられるのであります。本当に地方の財源を充実して行くということの考え方としては私はやはり地方自治を育成するというふうなときにおいて初めてそういうことが言われるのであるし、それに対するところの方法も、税の課し方であるとか、そういうふうなことに対していろいろ考え方が違つて来るんじやないか、私は現在の政府の地方自治に対する考え方と、それから示されたるところの税法の改正から考えて行けば、そこにどうも矛盾があるように、こういうふうに思うのでありますが、この点について一つ伺いたいと思います。
#6
○国務大臣(塚田十一郎君) 地方自治を育成しなければならないという考え方は、私も基本において強く持つておりますのでありまして、そうして地方自治を育成するために結局地方自治団体というものが十分な財政的な基盤を持つていなければならないということも当然な帰結として出て参るのでありまして、そういう考え方で問題を見ておるわけであります。
 今度の改正は、いろいろ地方制度そのもののあり方について検討を加えなければならん面があるとは思つておりますけれども、併しこれはなかなか大問題でありますし、そういうことは頭に置くということでなしに、今度の改正はどこまでも現在の地方制度そのものを前提として、そこのところの財政基盤を充実するという考え方に則つてやつておるわけであります。
 それではこの将来の地方制度のあり方というものはどういう工合に出て来るのかということでありますが、私はいろいろにこうやつて見た上で地方自治は育成しなければならないけれども、その育成しなければならない地方自治というものが、今までの形のままの地方自治というものであるかどうかということについては、ここ戦後数年間やつてみた実績に照してみて、もう少し検討してみて然るべき問題があるのじやないかと、こう感じておるわけであります。繰返して申上げますが、まだそれはその程度の考え方でありますので、今度の改正法におきましては、現在の点では地方自治団体というもの、地方自治機構というものを前提にしてこれの財源基盤を充実して行くという構想で考えております。
#7
○若木勝藏君 そうしますというと、現在の制度に則つてそうして地方の財源を充実して行くということになりますれば、やはり地方自治というふうなことが本体になつて参るわけですな。国のまあ出先機関というふうな府県が、そういう形ではなしにどうしても府県自体に主体をおいて行かなければならん。そういう点から考えてみまして、地方財源の充実というふうなことよりも、現在とられておるところの地方制度がややその国の出先機関化しておる。全くこれは国の事務の七、八割もこれをやつておる。そういうふうになりますれば、この財源の充実というふうなことよりも、むしろそういうふうないわゆる制度のですね、改廃というふうなものを、いわゆる地方自治を本当にやられるような形に直して行くのが私は重要ではないかと思います。その点どういうふうにお考えになりますか。
#8
○国務大臣(塚田十一郎君) この点は、この地方自治というものについてのあり方の、考え方の基本の問題になると思いますが、私は今のこの府県という地方自治団体がかなり国の仕事をたくさんやるという形になつておると、又それからして市町村でも少し大きなものは結局まあ府県とどつちつかずという形になつておる。むしろ市町村にやらして府県というものがなくてもいいというような形のところまで大きく市町村というものが育つて来ておるというものもあるというような状態を考えてみるときに、いつでもこのどうも二段階に自治団体があるということに無駄があるのではないかという考え方も持つておるわけです。ですからして、どういうことに結局結論がなりますか、お尋ねに対する答弁がどういう工合に申上げたらいいのか、とにかく私といたしまして、今度の改革ではとにかく現在の自治団体を頭に置いては考えておりますけれども、私の考えるように市町村自治団体というものが育つて来るならば、私は自治団体というものは市町村というものが自治団体であるという解釈で、府県というものがその場合にはどういう形にして残りますか。国の出先機関という形になつても、十分自治の育成というものの本旨にも適い、自治制度の破壊ということなしに中央地方を通じたすつきりした簡素な行政機構というものが出て来るのではないか、こういうまあ考え方をいたしておるわけであります。
#9
○若木勝藏君 私はこういうふうに思うのです。今地方の財源を充実して行くということは、現在において国の事務を大巾に負つておるところの府県に対してこれを移譲すると同時に、財源を充実して行くというその両様相待つた形で行わなければならん。こう思うのでありまして、国の事務はそのままにしておいて、そして地方に負担をかけてその財源を充実して行くということになれば、これはおかしなものになるではないか。この点を聞いておるわけです。
#10
○国務大臣(塚田十一郎君) 移譲してというのはどういうお気持でしようか。要するに今国の事務である、国の事務であるが、府県に一つやつてもらつておるということになつておるのですが、そうでなしにそれをこういう国の事務でなく自治団体の事務にする、こういうお考えでありますか。
#11
○若木勝藏君 それに伴い地方の財源を充実されて来れば、地方自治の育成になる。こう考えられる。
#12
○国務大臣(塚田十一郎君) 現在委任しております、委任して府県地方自治団体にやつてもらつております仕事は、地方自治団体の事務という概念にし、従つてそういうものを固有の自治団体の事務という概念にし、委任を受けている事務を処理するに必要な財源というのでなしに、固有の事務を処理するに必要な財源ということで財政措置を考えるという考え方も考えられると思いますが、それにいたしましても、私は市町村というものあがり、府県というものがあつて、そういう工合になければならないということではないのではないだろうか。やつぱり行政機構としては中央地方を通じての簡素な機構というものは、自治団体は一段階でそこのところで整理できる性質のもの、本来の自治団体にふさわしいもの、若しくは相当自治団体が大きくなつて来れば、今まで或る程度国でやつておつたものも任せられるものも出て来るかも知れませんが、まあ自治団体の段階に応じて任せる事務というものをおのずからそこに規定して来て、それに応じた財源措置をして行くということでいいのではないだろうかという感じを私は持つておるわけです。
#13
○秋山長造君 ちよつと関連して。長官のお話を聞いておりますと、やはり今の地方制度というものに対して相当批判を持つておられる。この府県と市町村の二段階ということには無理がある。何とか遠からざるうちにこれを改めたいという御意見のようです。そういうお考えでやつておられながら、他方においては今回の税制改革のこの五大方針の一つとして、この住民の負担分任というような建前から道府県民税を新たに起される。而もそれも本来長官がよつて以て最も基本的な自治団体だとおつしやつておる市町村民税の中から、その反対を押切つて百七十億というものを道府県星税に吸い上げるという行き方は全然これは矛盾しておるのではないかと思うのですがね。その点どう考えておられますか。
#14
○国務大臣(塚田十一郎君) これは最初にも申上げましたように、まあ考えておることは、今申上げたように、私は市町村自治団体というものの一段階でむしろこれを育成して、県という中間段階というものが自然に消滅するようにしたらという感じでおるのでありますが、なかなかこれは大問題でありますし、その場合の構想自体だつて私に今こういう構想というように考えがあるわけでもないのでありまして、まあそんなような意味もあるものですから、今度の税制の改革というものはどこまでも現在の機構を頭に置いておるのでありまして、現在の機構の上では府県というものも、やはり自治団体として性格があるのでありますから、それに必要なる財源を求める。それで府県に必要な税源をどこから持つて来るかというと、やはり府県の税源としてこういうものが適当であるかという問題と、それからして市町村、府県を通じて、そういう性格の自治団体の税源として必要なものをどういう工合に配分するかという問題に帰結すると思うのでありまして、まあ市町村から取つたということはまさにその通りでありますけれども、ただ取りつぱなしにしたという意味でなしに、それだけ市町村から来たものは他の面で市町村の分はカバーして、そうして市町村は市町村として一応策定された財政計画の基盤に立つて必要な財源というものを確保しておる形でありますから、私はこの形がいいのじやないだろうか、こういう考えをいたしておるわけであります。
#15
○秋山長造君 長官のおつしやるのはまあ一応筋が通るような形にはなつておるのです。というのは、まあ府県の性格を変えるとか変えぬとかいう問題は将来の問題として、現在の現行法の下ではやはり府県が完全自治団体だから、住民税の原則に立つて道府県民税を創設するということも間違つてはいないという御説明はその通りだと思う。併しそれにしても、これは至極形式的な御説明に過ぎないと思うのであつて、現状はそうあるにしても、現状そのものを自治庁長官がよくないものと認めておられるのです。そして又早晩これを根本的に何らかの形に切替えたいというお考えを包蔵しておられる。でありますからして、そういう際に特に市町村民税の中から百七十億円をわざわざ反対を押し切つて吸い上げそうして特別に負担分任というようなことを強調して、道府県民税を新たにここで創設するということは非常に無理があり、又自治庁自身どこまで確固たる信念を持つて、自信を持つてそういう措置をおやりになれるかどうか、私は恐らく自信はないと思うのです。今成るほど制度は形式的には府県も自治体だということになつておるとおつしやるけれども、併しそれはもう現在にしても実質的には、早晩は形式的においても府県というものは自治体じやなくなそうという方針で行つておられれるのでしよう。その際に、こういう県を完全自治体として飽くまで守るという前提があつて初めて意味のあるような道府県民税を創設されるということは、私はみずから矛盾を犯しておるのじやないかというふうにも思われるのですが、若し自治庁長官がさつきおつしやるようなことならば、もう暫くとにかく自治法の改正なり何なりの見通しがつくまでは、少くとも現状維持で行かれたほうが私は筋が通ると思うのです。その点どうですか。
#16
○国務大臣(塚田十一郎君) そういうお気持のお尋ねであれば、これは感じの問題と、それからして物の考え方の問題だと思うのでありまして、私はまあ考え方としては自分はそう思うけれども、併しやはり現在あるものをこのままに放つておいて、本格的にそういうふうに地方制度自体の改革が行われるときに、それに応じた措置をするのがいいか、現在そのままであるときにそれに応じた一応の措置をし、又改革が行われたときにそれに応じた措置をするほうがいいかということを考えますと、やはり私は一応こうしておくほうが適切である、こういう感じを持つて今度の改革をいたしたわけであります。殊に自治制度の改革というものは繰返して申上げますが、これはなかなか私が一人考えたからといつてそう簡単にできるかどうか疑問の問題でありますし、たくさんの人の御意見もありますでしようし、かたがたやはり現在の状態というものを基礎において、取りあえず措置をしておく、殊に今度の府県に対するいろいろな考え方というものは、これはシヤウプ勧告のときに少し考え方が誤まつておつたと思うのでありまして、その後運営してみてまさにその通りであつたという感じが強くなつたので、本来から言えばもつと早く是正して然るべき問題じやなかつたかと思うのでありまするが、そういう意味で今度の措置が多少遅れた形にはなつておりますが、制度を変えたわけであります。
#17
○若木勝藏君 私もさつきから長官にお尋ねするのはそこにあるのです。今秋山君からも質問がありまして、とにかく大方国の事務をやらせながら、而も道府県民税をここに創設して、そうして住民に負担さして行くというような考え方は、これは何と言つても私たちに了解のできないところなんです。若し今のようなこの制度で当分行くということになつたら、当然これは国庫から十分支出すべきである。然るにその方面はそのままにしておいて、この負担分だけは府県の住民に負わせるという考え方は、これは何と言つても了解ができない。そこで今の長官の考え方から言えば、暫時暫定的にこういうふうにしておいて、そうして将来又地方自治の改正でもできたらこれを直して行こう、こういうふうな考え方は私は一応は言い得ると思う。併しそれが果して正しい行き方であるかどうか。今回のように根本的な税制の改正をやるというふうな場合においてはむしろそれを断行すべき時期である。それを一年延し或いは将来変つたときというような考え方で進めて行けば、いつになつたら地方の税制度の改革というものがすつきりしたものができるか、こういうふうに考えられるのでございますが、長官としては将来そういうふうに又直す場合があるというふうなことの御説明でありましたが、それらに対してはつきりした見通しというふうなものを伺いたい。
#18
○国務大臣(塚田十一郎君) これは今度の改革で出しました線は、御承知のように地方制度調査会でありますとか、税制調査会の答申で、もうこれは調査会としましても、又政府としましても、確定の線を出しましたのでありまして、今考えられておるいろいろの考え方の上に、更に私が考えておるような制度の相当大幅な改革というものは、これは繰返して申上げておりますように、私が過去何年間か地方自治というものを国会議員として見、又この一年近くの間自治庁長官として現在の地方自治制度の運営の実態というものを見ての私の個人の考え方でありますので、この考え方で以て、地方制度調査会や税制調査会の答申というものをそのまま抑えておくというほどの比重を持つているものであるとは私自身も考えておりませんが、ただ率直にいろいろお尋ねがありましたものですから、自分としてはこういう感じをいたしておりますということを申上げておる程度のものなんでありまして、私としてはやはり制度調査会の答申によつて考えますということをしばしば申上げて来、又その線で制度調査会も税制調査会も御検討下さつた答申に従つてやはり改革というものは一応やつて行くということのほうが私は正しい、こういう考え方をしておるわけであります。
#19
○秋山長造君 その点が私ちよつと自治庁長官も、不用意にこの問題は余り御発言ができ過ぎたために、余計我々にそういう疑問を持たせておるのではないかと思うのです。今のようなお言葉ならば、自治庁長官として長い将来のことはともかくとして、とにかくこの二年や三年、或いはもつと四年や五年ぐらいの間は、少くとも現在の制度のままで極力この制度を育成強化して行く、その過程の今度の税制改革だと受取れるのですけれども、ところがそれは長官としての公式の考えであつて、個人としての考えは、一日も速かに府県の性格を変えて、知事官選にして、そうして自治体というものは市町村だけにしたほうがいいというようなお考えのようです。その個人的な考えは、それは持たれるのはお勝手だと思うのですけれども、併しやはり自治庁長官というポストを持つておられる以上は幾ら個人的な感じなり考えなりを発表されましても、これは当然自治庁長官としての公式の考えなり御意見の発表だと受取られるのがこれは当り前だと思うのです。そこらに非常にいろいろな疑問を与え、又混乱を起した元があるのではないかと思う、大体今度のようなこういう重大な税制改革を、而も現行の道府県と市町村という二残階の自治制度というものを飽くまで堅持して行くという前提を認めなければ理解できないような、こういう道府県民税の新設というような重大な税制改革をやられるぐらいならば、そう先走つてただ個人的な、まだ感じに過ぎない、知事官選論だとか何だとかというようなことを先走つて放送されるということは、私は自治庁長官としては不用意だと思うのです。その点如何ですか。
#20
○国務大臣(塚田十一郎君) この点は非常に不用意だというお叱りは先般からいろいろの機会にたくさんのかたがたから頂いており、私も不用意かなと感ずることもあるし、併し又お尋ねがあれば率直に感じておることを私はこう思いますと申上げて。皆様がたにも一緒にお考え願つたほうがむしろ私は自治庁長官の立場としてもいいのではないかという感じもいたしておるのでありまして、これは不用意であるというお叱りがあるならば、お叱りは慎んで承わつておくわけでございますけれども、併し私は本当に考えて、今のような制度で果していいだろうかということに非常な疑惑を持つわけであります。殊にいろいろさつきから問題になつております税制度、財政制度の改革というものは、私は地方団体の機構のあり方というもの、これはもう府県というものが完全に自治団体にこのまま推移して行くか、或いは又別の形になるということは別にいたしましても、やはり充実しておくということのほうがいいのではないかというまあ感じもしないことではないわけなんでありまして、まあかたがたこういうような措置になつたと御了承頂きたいと思うわけであります。
#21
○秋山長造君 そういたしますと、今度の税制改革案というものは、自治庁長官として、まあ塚田長官自身としては、これは確信を持つて出しておられる案じやないのですね。これはまあちよつと、取りあえずこれを出しておくという程度なんですか。確信を持つておられるのですか、これは。
#22
○国務大臣(塚田十一郎君) これは今の段階では確信を持つておる案であつて、更にこれよりももつと確信の持てるようなものが考えられるのではないかという感じを持つておるわけです。
#23
○若木勝藏君 今の問題は極めて私重要な問題だと思うのです。確信を持つておるということになれば、いよいよ私はあなたの今度の税制の改革に対しての考え方というものは見通されるのだ。というのは、この改正の態形をずつと考えて見ますと、これはどうしても府県というふうなものを国の出先機関というものにするという、いわゆる自治体というものから離して行こうという傾向が税の体系から見える。それを一つ具体的に申上げてみるならば、先ず大体こういうふうな構想ができているのじやないか。府県民税を創設して、そうしてまあ町村民税の一部をこれを吸収する、吸い上げる。そのためにまあたばこの消費税を設けてやる、これが一つの考え方ですな。次は財政需要に対するところの財政収入の不足の分を交付税制度で以てこれをカバーして行く。これは従来の交付金制度に替えてしたものだろうと思う。第三番には、今度は入場税を国税に移管して、その九割を人口に按分して還元してやる、こういう形になるわけです。
 本当に私は地方自治の育成というような立場に立つたならば、これは恐らく今三つ言つた中の一つでいいじやないか。いわゆる交付税、私は交付税には反対なんです、けれども、まああなたのとられた方法の三つのうちの交付税制度によつて地方の財政収入の不足分をカバーして行くということだけで事は済むのじやないか。いわゆるそういうような行き方は在来の行き方であつて、不足分に対しては平衡交付金を交付して、そうしてこれによつて賄いをさせて行く、この方法だけでいいじやないか。まあ一番の府県民税の創設のためにはこういう替り財源を与えることは、これはいいじやないかというお考えもあるかも知れないけれども、三番目の入場税を国税に移管して、その九割を人口に按分してやるなんということは、これは全く地方の財源の枠内で以て操作することであつて、まあ地方から言つたら、国が要らないお厄介をしておるのではないか、こういうようなことをあえてしなければならないところにこの地方自治というものを国の一つの統制に持つて行こう、国家の統制を強くして行こうという考え方だ、いわゆるあなたの知事官選論から推して行けばこういうことが言い得るのじやないか、こういうふうに私は考えるのですが、その点はどうなんですか。
#24
○国務大臣(塚田十一郎君) なかなか穿つた御解釈があるものだと思つて伺つておつたのですが、私の感じではちつともそういう感じが出ておらんのでありまして、私は今度の地方財政の制度をどういう工合にするかということでは、まあ独立財源を成るべく余計確保したいということがこれが最大の主眼でありまして、その場合には要するに税として成るべく地方に余計に税源を与えるということもあるわけであります。従つてその考え方から行けば、交付税を殖やすという制度は逆行する考え方でありますから、これは余りとらないので、成るべく独自の税源で行く。入場税をなぜ国へ持つて行つたのだということでありますが、独自の財源が欲しいのでありますが、いろいろ考えてみてもどの税もどの税も大体みな偏在をする。同じところに偏在をする。そうして成るべく独自の税源を市町村自治団体に余計にやつて、而もみなそれが偏在するという形でありますときに、今考えておりますように、今の地方制度の基本のいま一つの考え方になつておりますような、富裕な県と貧弱な県とそう大きな差を付けさせないでやつて行くという考え方、つまり富裕団体と貧弱団体との間の財源調整をして行くという考えです。それに更に加えて行きますと、偏在するものをそのままにしておいて、交付税制度だけで調整をして行くということになると、これは交付税というものが非常にたくさん要るということになるわけです。交付税がたくさん要るということは、別な面で国民負担が殖えるということになるわけでありますから、そこで国民負担の面と考え合せて独立財源が欲しいが、従つて交付税を余り殖やされない。独立財源だけで行けばそういう工合にたくさんの金を持つて行かなければ地方の調整ができないというような、いろいろ異つた矛盾要請の調和をとろうとしたところにこの考え方が出て参つたので、入場税を国に持つて来たのはどこまでも、いつも申上げるように、その偏在をする数多くのものの中からその一部分を偏在是正のために使おうという感じで、こういう措置になつたわけで、勿論入場税の偏在の形は、その後国会の修正によつて私どもが当初意図した形とは大分変つて来たが、少くとも政府原案の意図しておつたところは今申上げたような考え方であつたわけであります。
#25
○若木勝藏君 まあ入場税の移管というようなことについては、私は先ほどのように国にこういうふうなものを取上げてそうして小遣いをくれてやる、こういうふうな形に行くのであつて、これは何と言つても地方の自治ということよりも、むしろ国のほうを主体にしてそれに統制して行こうというような形が強いのではないか、こう思われるのでありますが、それに対して長官は、いやそれはそういう意味じやない、それは穿つた解釈であつて、それはむしろ偏在是正である、こういうようなことを御答弁になつたのでありますが、そうしますと、偏在是正ということに対する又考え方が私は一つある。これはこの間の大蔵との連合委員会でも申上げたのでありますが、偏在しておることが私はこれは当然のことであつて、本当に各地方団体が独立財源で以て目分たちのいわゆる運営を進めて行くということになれば、当然これは認めてやらなければならないことではないか。従つて財源の乏しい方面に対しては国が面倒をみてやつたならば、おのおの団体が十分な施設とか、そういう方面に個性を発揮して、文化の方面でも、交通の方面でも、お互いに伸びて行くところの途がはつきりして来るのじやないか。その枠内においてそれを高いほうから低いほうに流して行こうということになれば、一応は偏在の形は是正されるような形であるけれども、伸びて行くところのものを頭を抑えて、そうしてそれの方面からいわゆる乏しい方面にそれを助けてやる、こういうことに結果がなるのであつて、これは私としては国の立場として、おのおのの地方団体を伸ばしてやるという立場に立つておらないものである。お互いに背比べをしてみても同じようなものがここにできれば、何ら一つの地方団体のうまみというようなもの、個性というものは発揮されない。これは地方自治の育成という方面から非常に私は考えなければならん。そういうことを考えて来て、ただ単に地方の財政のこの調整であるというふうに考えられることは、私は根本問題として狂いがあるのじやないか。そこに又私先ほどから申上げておるところの長官の地方自治に対する根本的な考え方が私と違うのじやないかと思うのでありますが、どうでしよう、その点は。
#26
○国務大臣(塚田十一郎君) この点は、この前の合同委員会連合委員会のときにもやはりお尋ねがあつてお答えしたところで、私も基本の考え方としては区別がある。能力に違いがあるなら能力に違いがあるままに育てて行くという考え方を持つているのであります。この点はむしろ私どもの立場からはそういう考え方が出て来るのであつて、若木さんのほうのお立場からは、個人の場合においても或る程度はこう均して行く、地方団体に対しても或る程度均して行くという勿論お立場があるのじやないかと考えておるのであります。
#27
○若木勝藏君 そんな抽象的な考え方は持つていない。
#28
○国務大臣(塚田十一郎君) そこで或る程度偏在はしているのが正しいとは思いますけれども、偏在をそのまま最高度に、これはまあいろいろな税源を組合せて参りますと、税源自体で以て偏在しないように組合せができると、私は一番自分の考える独立財源が偏在しないで、そしてどの団体も或る程度の仕事ができるという形になるのでありますが、残念ながら考えられる地方の税源はみんな同じように偏在をする。そして非常に偏在の激しい部分をそのままに放つて置いて、或る程度貧弱団体も仕事をさせようということになると、さつき申上げましたように非常にたくさんの交付税を国が支出しなければならんから、それでは国民負担が堪えられないというので、基本の考え方としては偏在是認の考え方でありますが、それが別の面の要素を、少し考え方を加えて、若干偏在を是正して行つたという考え方に今度の改革案はなつておるわけであります。入場税それから事業税、大きな固定資産税なんかにそれらの点が今度の改革で目立つておるものと思います。併しこれらの措置をいたしましても現実には依然として偏在というものは相当程度まだ残つておると思いますし、私も又残つておるのが正しいと、こういう考え方をしておるわけであります。
#29
○若木勝藏君 偏在是正ということは、長官の言われることはよくわかるのですけれども、私はその枠内で以てやらせるということに異議がある、これは。国が一銭も出さないで、そしてお前たちの間で以てやれという行き方については異議がある。私の考え方としては、国が十分そこに金を出して伸び得ないものに対してこれを補助して伸ばしてやるのが根本的な立場じやないか、地方自治の育成ということは。それをやらずして、そしてお互いにお前たちの中でやれということになれば、私は伸び方も又少いだろうし、政府の考え方としても地方自治のはうから見たならば、十分な成果を期待することができない、こう考えるが、この点はどうでしようか。
#30
○国務大臣(塚田十一郎君) この点は、若木委員のお話を伺つておりますと、国と地方というものを全く截然と区別して、利害相容れない団体、立場であるというふうに概念なさつているのじやないかと思うのであります。併し私の感じ私の感じではどつちに入つて行つても国民の懐ろから出るものは一つのものなんでありますからして、その一つの国民の懐ろから出るものを性格に従つて一部分は地方へ行く、一部分は国に行く、又国に行つた部分も或る程度帰つて来る、そして国民の懐ろから出るものは最小限で食いとめられて、国も地方も或る程度の仕事ができて行く。こういう形に考えて行くのでなければ、私は正しくないのじやないか。とにかく地方が非常に困るからそれは国が面倒みればいいじやないかといつても、国が限りなく自分で財源を捻り出せるわけじやない。やはり国民に面倒をかけるのでありますから、国民負担を考えると或る程度の調整というものは、地方団体の財源として国がきめたものの内部からでもこれは按配して頂かなければならん部分が出て来ると思うのであります。
#31
○若木勝藏君 その点は、長官はそういうふうに言われますけれども、私はそういうことによつてこれは地方自治というものは中央集権化されて行くところの一つのレールに乗つて行くんじやないかということを心配するのです。現に地方財政というふうなものは、今の国の予算に縛られておる点が私は十分考えられる。そういうこととこれは一様な一つの考え方に立つて来ておるんじやないか、こう思うのであります。地方としては、今度の地方財政計画としては従来の平衡交付金に比べて交付税というものは非常に少くなつております。こういうふうな点を考えてみますと、どうしても国ではこの面倒をみないで、そうしてお前たちだけでやれ、そうして財政のほうではこれを縛つて行く、こういうことになると、どう考えても国に主体があつてそれで以て統制して行くという形に見えて来る。交付税をたつぷりやるということになるとこれ又考え方が違つて来る。併し従来行われておつたところの平衡交付金よりは遥かに少くなつておるという点からみますれば、私の先ほどから質問しました点がはつきりされるんじやないかと思います。これはどうでしよう
#32
○国務大臣(塚田十一郎君) この点は私は全然逆に考えておるのであります。私は交付税が少くなつたということは、独自の財源が多くなつたということになると思うのでありますし、又地方の財政制度というものからすれば、独自の財源が余計になるということのほうがよいと思うのであります。本当に国に地方が縛られておる縛られておると言いますけれども、地方の税率をどうするかということは、直接にはこれは国の財政の要請から縛られるということで私はないと思うのであります。例えばまあ府県民税、市町村民税を通じて相当税率を上げる、そうして所得税を下げる、そういうことになればここのところで関連はありますけれども、併しそういうことを一応別に考えますならば、私は府県民税、市町村民税を税率を上げて行くということは考えられないことはないのでありますけれども、ただ税率を上げるときに国民負担がどうなるかということを考えるからして、この税率も或る程度で押える、こういうことに私はなると思うのです。従つて府県民税、市町村民税の税率若しくは固定資産税の税率というものがどこで押えられるかということは、国の財政要請から来るというよりも、むしろ国民負担をどの程度で押えなきやならないかというところから来るのでありまして、私はそんなに独立税源が地方にだんだん殖えて来るという場合には、国の財政状態のために地方の財政状態が抑えられておるという感じでものを見るのは間違いじやないだろうか、私はこういうふうに思つておるわけであります。
#33
○若木勝藏君 偏在是正の問題について話が入つて行つたのでありますが、現在においていろいろな政府が認めておる財源の偏在ということは、数学的にどういうふうになりますか。事務当局から……、資料が渡つておりますか。
#34
○政府委員(奧野誠亮君) 資料は、偏在としてはまだ出しておりませんので、いずれ急いで出したいと思います。総額的に見ますと、府県民税におきましては税総額のうちの二割余りのものがいわゆる超過額ということになつております。市町村の場合には一割余りだと思いますが、これもあとで正確な資料でお答えいたしたいと思います。
#35
○若木勝藏君 それでは詳しい資料で聞きたいのは入場税ですね、或いは遊興飲食税、事業税、こういうふうなものは県の間にどういうふうに偏在するか、その資料を一つあとでようございますから、お願いしたいと思います。
 大体私は……、私ばかりしやべつていてもなんですから、一応この辺で他のかたに代りたいと思います。
#36
○委員長(内村清次君) それでは只今小林委員のほうで、運輸省の中村自動車局長、向井総務課長に質疑があるそうですから、取上げたいと思います。
#37
○小林武治君 私は自動車局長に伺つておきたいのでありますが、自動車の税金のことで、バスとハイヤー並びにトラツク輸送、この点につきまして、このたびの改正案では、一方は外形標準課税をそのままにし、一方はこれを外したと、こういうことになつておりますが、これについて運輸行政の面からはやはりさようなことがよろしいと、どういう意見を持つておるか、ちよつとお聞きしておきたいと思います。
#38
○政府委員(中村豊君) 自動車税の改正の問題につきましては、関係の地方自治庁と立案中についてはいろいろ意見を申上げて御相談をして参つたわけでございます。その結果現在提案されておるような案になつたわけでございます。そこで結果はそうでございますが、運輸省独自の意見を言えと言われますれば、御質問の外形標準課税をバスだけに残したということについては、何とかトラツク、タクシー、ハイヤー並みに所得課税に直してもらえないかということを要望して参つたわけでございます。と申しますのは、事業自体が非常に経営上悪い状態にあるということも勿論でありますが、運賃の原価計算の中に外形標準課税として地方税を織込んで運賃をきめるという建前では、もう押切れなくなつたような状態になつております。ということは、一般の低物価政策の見地からも、又利用者の負担力の限度という点から考えましても、これ以上運賃は値上げすべきでないと信じておりますので、運賃の原価を構成する一部になるような税金というものを上げるということは適当でないと、かように思つておるわけであります。そのような意味から外形標準課税をバスについても所得課税に直して頂くようにこのような要望を申上げていたわけであります。
#39
○小林武治君 トラツクとバスとの運賃の認可と申しますか、これらについては何か差違があるかどうかを伺いたい。
#40
○政府委員(中村豊君) 運賃についての認可については差違はございません。すべて適正な原価計算をいたしまして、それに考え得る最小限度の利潤を加味しまして、認可しておるわけであります。違う点はトラツクの区域事業、或いはタクシー、ハイヤーの事業については陸運局長に認可権限を委任しておる。バスについては運輸大臣自体がやるという権限個所が違うだけであります。やり方はすべて同じであります。
#41
○小林武治君 そうすると、運輸省ではバスとトラツクとの間に課税の標準をどこへおくかということについて差別をつける何ものも理由はない。こういうふうな考え方でありますか。
#42
○政府委員(中村豊君) 運賃の算定及び認可については同じような考えでおるわけであります。なおもう一つ付加えて御説明申上げますと、バスの場合には道路上のことでございますので、そこに並行する鉄道又は軌道が多くの場合あるわけでございます。そうすると、それらのものとの競争関係を考えなければいけませんので、その場合に鉄道、軌道が外形標準課税であつて、バスが所得課税であると税制の建前が違うので、競争態勢におかれた二つの交通機関の間に取扱の不平等ということが起るではないかという議論も確かに理由はあると思うのでありますが、そのような場合には、従来の運輸省の長い間の政策として、並行線の鉄道、軌道とバスとは同一経営者又は同一系統の経営者で経営させるという建前をとつておりまして、その態勢は殆んど完成しておりますので、相互の間に競争関係は起らない。どちらに転んでも結局は同じことだという考えであり、そういう形をとつておりますので、そのような運賃の税制の取扱の不平等ということは考慮する必要がないのじやないかというふうに考えております。
#43
○小林武治君 今のお話のように、大体私鉄と、バスは兼営事業が多い。従つて同一経営内で以て私鉄とバスの課税形態を変える、こういうことについては、これはあなたは私鉄のほうはわからないと或いはこうおつしやるかも知れませんが、その点については如何か。一つの会社が私鉄を経営し又一方同時にバスを経営しておる、而してバスを所得課税にして、一方は外形標準課税、この課税のやり方を変えておるということが果して可能か、或いはそういうことができるものかどうか、これについてはどういうふうに考えておりますか。
#44
○政府委員(中村豊君) 最初の御質問のように、タクシー、ハイヤーなりトラツクと同じような自動車運送事業であるバスだけを外形標準課税にしておくことは建前がおかしいじやないか、かように思いますので、所得課税にすべきだと思います。そこで私鉄のほうとの関係が建前が違つていいか悪いかという御質問のようであります。鉄道のほうについてはどうも責任を持つてお答えができませんが、仮に建前が違いまして、バスが所得課税であり、鉄道が外形標準課税であつても、その相互の競争といいますか、摩擦関係は兼業又は同一経営ということで補われるわけですから、差して問題はないと思うわけでございます。
#45
○小林武治君 自治庁にお伺いしますが、今運輸省では、トラツク、ハイヤーとバスの間には課税上差別をつける理由はない、こういうふうに言われておりまするが、自治庁はどういう考えでああいう提案をされたか、お伺いしておきたい。
#46
○政府委員(奧野誠亮君) 根本の事業に対する課税の考え方において異つているのじやないだろうかというふうに思つておる次第であります。現在の制度ということになりますと、事業税から附加価値税に変ることになつております。個人的な儲けがあるなしにかかわらず、附加価値額がある以上は、事業者が給与を払うと同じように府県に経費を分担してもらう、こういう建前になつておるわけであります。併しこれにつきましてはいろいろな議論がありますので、現在の制度をそのまま踏襲して行きますと、そういたしますと、運送業全体に対しまして外形課税を実施するという形になつて参るわけでありますが、ところが数年前と違いまして、今日におきましては料金統制の面におきまして必ずしも全体に厳格に実行されているわけじやない。一部において料金統制が外されておるものもあるし、或いは又料金統制は行われておるけれども、必ずしも厳格にそれが実行されていない面もある。それなら成るたけそういう部分だけを外すことにして、一般の要望にも応えるようにしようじやないかというふうなことから今申上げましたようなものを外して行つたわけであります。そういう意味においてバス事業でありますと、定められております料金が厳格に守られておると思います。トラツクにおきましては御承知のような、例えば水戸から東京までというような形において起点が定められておる。必ずしもすべてについて厳格にバスのような路線まで規定されておるものではないだろうと思いますし、その間におきましてかなり大きな競争が行われておる、バスほど厳格に料金が守られていないのじやないか。又今申しましたような関係から守られがたいのじやないかというふうにも思われるわけであります。これが一つの問題であります。
 それと今一つの問題は、特に鉄道、軌道につきましては、従前通りやはり外形課税は継続して行きたい、これとの関係から考えました場合には、特にバスはやはり外形課税を存続する必要がある、こういうような考え方から外形課税をバス事業につきましてはなお存続して行きたいというふうに考えた次第であります。
#47
○小林武治君 今の御説明では、ハイヤー、トラツクというものは運賃は認可を得ても大体ひどく言えばでたらめであると、或る程度ルーズである、従つてこれに差別をつけておく、こういうお話でありますが、その点は自動車局長は承認されておりますか。
#48
○政府委員(中村豊君) 運賃制度は現在道路運送法で以て運輸大臣又は陸運局長の認可事項になつております。前の旧法ではその認可額は最高限度を押えて、つまり非常にぼるということを抑える建前でありましたから、その認可額以下であればまあ安くてもいい、むしろ安ければ安いほどいいという考えでありましたが、一昨年でありましたかの改正法で、すべてトラツクは確定運賃をとるように、バスもしたわけであります。それからタクシー、ハイヤーも同じように確定運賃額というものをきめたわけであります。そうなりますと、認可を受けた額よりも高くてもいけないし安くてもいけない、もう固定した運賃額でなければいけないということにいたしたわけでございます。バスなんかはその通り現に励行されております。タクシー、ハイヤーももう大体においてそういう体制ができまして、特にタクシーは御承知のようなメーター制でございまして、これは運賃そのものずばりでございます。決してそれより安いものでもないし、勿論高いものじやない。確定しておるものでございます。トラツクについては確定運賃制度をとりましたけれども、これは今お話のありましたように実情がまだそこまで熟しておりませんので、猶予期間を法律上置いておるわけでございますから、まだ実施はされていないわけでございますが、これもそういう空気が殆んど熟しましたので、成るべく近いうちに確定額にいたしたい、かように思つておるわけでございます。そうなりますれば、自動車運送事業全部が確定運賃ということになるわけでございますバスだけではない、こういうふうに考えております。
#49
○小林武治君 そうすると、現在の段階においてはバスとそのほかのものとは運賃の実施において差違があるということは御承知なさつておるわけですか。
#50
○政府委員(中村豊君) 正確に申しますれば、確定額が現在励行されておりまするのはバスとタクシーと、タクシーはメーターでありますから、それとまあ自動車運送事業に非常に近い、そうして外形標準から所得課税に今度直して頂いた通運事業、こういうものは確定額によつておるものでございます。トラツクだけは今そういう準備期間にあるわけでございます。
#51
○小林武治君 それはいつ頃になるかわかりませんか、実施は。
#52
○政府委員(中村豊君) それは全国一斉にやることは実情に合いませんので、早いものはこの六月から、遅いものも年内には確定額に持つて行こうと、そういうふうに今業界にも呼びかけてそういう指導をしておるわけでございます。
#53
○小林武治君 その点はまあその程度にいたしまして、もう一点伺つておきたいのでありますが、いつもバスに観光バスというものがあつて、この自動車税が他のバスに比べて相当高額になつておる。私はこれは或る程度当然そうあつていいと思う。というのは、これはまあ非常に素朴な感情でありまするが、何かこう贅沢、或いはあの車体を見ても特別な車体を使つておる。従つてこれらは相当な担税力がある、或いは場合によると賛沢だ、こういうふうな感じを世間でも持つておる。従つて他のバスより高くてもいいというふうに私は考えておるのでありまするが、最近におきましては観光バスの料金は高過ぎる、自動車税が高過ぎるということが頻りに言われておるのでありまするが、その点については自動車局はどういうふうに思つておりますか。
#54
○政府委員(中村豊君) 一般論としては普通の乗合バスよりも観光バスが多少高いことは、御承知のごとくまあ常識的に止むを得ないことであろうと思います。それで現行のようにバスが一万四千円、それから観光バスが二万五千円でございますが、それぐらいの差があることはまあまあ妥当であると、かように思つております。
#55
○小林武治君 これは私ども税金の立場から面接申上げる筋じやないと思うのでありますが、私は、今のような観光バスというふうなものに或る程度の担税力を持たしてもいい、又そう奨励すべきものかどうかということについても疑問を持つておるのでありまするが、余分なことを申上げますれば、ああいうものはやはり定期のバス会社ができるだけこれを兼営するというふうな方法で行くと、私は自動車の経営上もむしろ経済的に行きやせんか。ふだんは定期バスに使う、必要によつて貸切にする、こういう方法を押し進めて行けば、私は観光バスと普通のバスとの間に自動車税の差違を設けるというふうな必要はなくなるのじやないかと、こういうふうに思うのでありまするが、運輸省においてはその観光バスだけの会社を多く許可されておる。特に東京等において私はそれは必要があるかも知れませんが、地方の小都市等におきましても定期バスのほかに観光バスを許可されておる。非常に不経済に思われるのでありまするが、その点私は自動車事業の許可と申しまするか、その政策の上において如何かというふうに思われる。即ち今のようにバスの兼営にすれば、私は観光バスに特に高い自動車税を課する必要はないというふうにさえ思うのでありまするが、その点はどういうふうにお考えになつておるか、伺つておきたい。
#56
○政府委員(中村豊君) 御説のごとく観光バスは一般乗合バス事業者に兼営させるのが最も望ましい形でございます。従いまして、大部分はそのような形でお認めしておるわけでございまして、一般乗合バス事業者が観光バスを兼業してない会社は殆んどないはずでございます。ただ、それだけで全部完了か、もう十分かどうかという問題でございまするが、非常に観光バスだけを専業にしたいという事業の申請がたくさん参つておるわけでございます。そうするとそれに対して、道路運送法の免許基準に従つて需要供給の関係を見たり、或いは資力、信用の関係を見て、法律で期待した資格要件基準に適合するものはこれを免許しなければならないというここになつておりますので、或る程度ぼつぼつと新らしい専業者をお認めしておるわけでございます。それはバス業者を優先的に扱つて、それが全部済んでなお且つ不足する部分について専業者をお認めしておる、こういうわけでございます。その場合に、そのような新らしい事業者の申請をいろいろと理由をつけて抑えるということは、まあ既存事業者を擁護する、擁護に偏し過ぎるという非難もございますし、又国民の事業を開始するという自由と申しますか、そういうものを、法律に認められる範囲においてはそれを満たしてやる必要もあるというふうにも考えられますし、大体自動車運送事業に関する免許のやり方が非常に厳選過ぎて、国民の営業の意欲を抑え過ぎるというふうなお叱りをたびたび国会からも受けておりましたので、そういうようないろいろな見地から、免許基準に適合する限りはお許ししていたわけでございます。そういうために新規事業者が相当殖えたわけでございます。ただ今後の問題はどうかと申しますと、つまり一般の情勢においてはそのような建前で新規事業者も必要なもの、又資格のあるものは認めて行くべきであるのでございますが、今後の問題といたしましては、新らしい燃料事情、石油事情という観点、全く別の角度からもう一度これからは検討し直さなければいかんじやないか、かように考えられますので、観光バスについては今後審査を厳重にするようにということを最近通牒を出したような次第でございます。
#57
○小林武治君 私は一定の基準に合えば許可しなければならんというのは、これはアメリカの占領政策の一つの遺物であつて、こういう規定がほうぼうにあるので、これは或る程度直したらいいというふうに私は考えております。而して今のお話のように自動車の燃料事情が窮窟になつておるのに、ああいうふうに専門のバス会社に観光バスを許すということは非常に私は不経済なことである。こういうふうに思つておるのでありまして、実は地方の中都市ではそういう問題が非常にあつて、そうしてふだんはバスが寝ておる、そうして一方定期会社のほうは足りない、こういうふうな状態をしばしば私どもお見受けしておる。従つて私は今申すように一定の基準に合つたら許さなければならんというふうなアメリカ的の遺物というものは、或る程度一つこの際直して行つたほうがよかろう、これは政府全体の問題でありまするが、直したほうがよかろう。それから今のように自動車の経済的運営ということについて、私は自動車局としては十分注意をしたらよかろう。又そうでなければ、私どもは観光バスを特別扱いをして税金をたくさんとるということもこれは否定し得ない事実であるというふうに考えておるのでありまして、余分なことかも知れませんが、これは地方税の関係からも私は運輸当局にさような私どもの今後の要望を一つ申上げておきたいと思います。自動車局長に対しては、私はこれで質問を打切ります。
#58
○伊能繁次郎君 今の小林委員の質問に関連して伺いたいのですが、今自動車局長と税務部長のお話を両方伺つておりますと、自動車交通事業というものに対する基本的な考え方が少し政府部内でぴつたりしてないのじやないかという感じを受けるのですが、この点について私は税というだけのものでなく、自動車交通事業というものはどうあるべきか、それから税はどういうようにとらるべきかということについては、政府部内でもう少し明確な一致した御見解が欲しいと考えておるのです。実は塚田長官はお忘れかと思うのですが、私は先般本件について長官、鈴木次長、奥野税務部長お三方のほうに陳情に伺つたことがあるのであります。今回の政府原案の自動車税の値上は余りにきつ過ぎるということで緩和方を陳情に参りました際に、政府としてはこれ以上減額することは不可能である、併し自動車交通事業というものは免許事業であつて、運賃についても免許を受けるので、只今小林委員から御指摘になられたバス事業については、昭和二十六年八月以来一度も運賃の値上はしてないのですと、それは政府の低物価政策の一環としてそうされておるのですが、そういう点についても政府としては十分のお考えがあつてのことであろうかという私はお尋ねをしたのですが、それは運輸省のやり方で、私のほうは税金のほうをとればいいのですが、運輸省へ行つて運賃を値上をして頂いたら如何ですかというお答えがあつたことを、長官お忘れになつておられるだろうと思うのですが、そういう問題について今回の一兆円の予算の方針並びに政府全体としての低物価政策の問題と自動車交通事業が大衆に直結した免許事業であるという点について、昨年の八月以来一万円の自動車税が五万円にも六万円にもなるというようなことについての政府の御見解を私は伺いたい。
#59
○政府委員(奧野誠亮君) 伊能さんのお話は事業税の外形課税を中心にして……。
#60
○伊能繁次郎君 いや全般です。
#61
○政府委員(奧野誠亮君) 中心にしてお話になつたといたしますならば、法律で課税方式がきめられておりまするので、売上金額のうち一・六%の事業税を支払うものとしてきめられておるかと考えております。又法律でそう定められております以上は、料金をきめる際にそのように当然主管官庁において決定されなければならないものだと思います。自動車税の問題につきましては、この法律が成立いたしますならば、自動車税が増税されることになりますので、将来において料金が再検討されます際に、自動車税はこれだけ高くなつたものとして主管官庁において当然計算されなければならない、かように考えておるわけでございます。
#62
○伊能繁次郎君 併し昨年の八月の増税、今回の増税においても政府としては只今自動車局長のお話のように、低物価政策の一環として運賃はできるだけ上げない、又運賃を値上げする際にも税の面まではとても大衆負担からいつて考え切れないというお答えがあつたのですが、それについてはどういうお考えですか。
#63
○政府委員(奧野誠亮君) 料金が定められます際には当然原価計算が行われなければならないと思いますが、ただ公益事業でありますると、正しく行なつておりますものの利潤を先にこれだけ保証するというわけに参らないのが一般の例じやないだろうかというふうに思つておるのであります。ただそれだけ或いは自動車税その他の関係において殖えて来るかも知れません。併しそのことは合理化の面において吸収してもらわにやならん、或いは利潤が切り下げられにやならないとか、或いは全体的に利用回数が多くなることによつて吸収されるのではなかろうか、いろいろな見地が持ち込まれると思うのでありまして、主管官庁においては総合的に考えて、自動車税が上つても現行の料金が維持さるべきではないかというこういう判断からなされたんではないかというふうに考えております。公益事業でありますだけに料金統制が行われている。料金統制が行われているから地方税の関係につきましては、事業税等につきましても変つたやり方が行われているというふうに御了承を願いたいと思うのであります。
#64
○伊能繁次郎君 今のお話は私御意見として伺つて、了承できないのですが、外形標準課税の問題について最前から小林委員から御質問がありました。私はこの点については明らかに運輸省を地方自治庁との自動車事業に対する御見解が違うような感じを受けておりますが、もう一遍その点についてお答えを願いたい。
#65
○政府委員(奧野誠亮君) 運輸省との間について特に考え方が変つているということはないんじやないかと思います。ただ地方税法の改正を考えます際に、運輸省といたしましては運送事業全体に対する事業税の外形課税をやめてもらいたいと、こういう希望がございました。私たちは税の理論なり或いは地方財政の現況なりから考えまして、むしろ運送事業全体に対しても外形課税を継続して行きたい、少くともその附加価値税を実施しないならば、これに代るものの外形課税の基準は残して行きたい、むしろこれは拡げて行きたいと考えておるのであります。この両者の考え方がまあ結局中間的な線と申しますか、きめられた料金が戦後厳格に守られておるものだけに範囲を狭めて残すというふうになつたわけであります。これは別に自動車事業そのものに対する考え方の相違ではないのであつて、率直に申しますれば、業者の負担が軽くなるか重くなるかということが運輸省としては非常に重大な問題であつたかも知れません。併し私たちとしては料金がきめられる場合には、その中に地方税負担を的確に考えて行つてもらいたいという希望を持つておつたわけであります。自動車事業そのものに対する考え方の相違ではなかろうと、こういうふうに思つております。
#66
○伊能繁次郎君 最前トラツク事業とバス事業とについて、事業の運営について違いがある。又運賃徴収上同じ確定運賃でも違いがあるという御意見だつたのですが、これは違いはないという自動車局長の御意見で明らかになつたのですが、そうすると、自動車交通事業自体から行けばバス、トラツク、タクシー、ハイヤーというものはいずれも税は税法上において区別すべき事由が乏しいように思うのですが、特にどうしてもバス事業だけについて、殊に最前小林委員からお話がありました貸切事業、これは定路線でも何でもありません。こういうものについてまで同じような外形標準課税を適用するということは、定路線事業のことを主として最前強調されましたが、貸切事業については問題はないという議論が出そうなのですが、私どもは本質的には自動車交通事業というものについてはどうもバス、トラツク、タクシー、ハイヤー通運事業を税法上その他の問題についても政府として区別する事由が乏しいように思うのですが、どうしても特に区別をしなければならんという理由について伺いたい。
#67
○政府委員(奧野誠亮君) 第一点の問題の定額運賃のきめ方については差違がないと運輸省が言つているじやないかという点でございますが、この点につきましては先ほど来申上げておりますように、バス事業の場合にはそのきめられた料金が的確に守られ、トラツクの場合におきましては競争関係が非常に激しいのであつて、だからこそ又運輸省では近く定額運賃を最高、最低運賃制に改めたいと、こういうふうな考え方を持つておられるというふうに承わつておるのであります。そのこと自体がやはり実質的に相違がないということを御認識になつているんじやなかろうかというふうに思つております。
 第二には、通運その他についても外形課税を拡げるべきじやないかという御質問であります。私たちはこの外形課税をできればもつと拡げたいのであります。拡げたいのでありますが、運輸省との話合いの過程におきまして、特にバス事業に限定をし、そして又鉄軌道との均衡を保つように考えておるわけであります。
 第三は、貸切旅客事業を特に外形課税の範疇に入れることは適当でないというお話でございますが、現在一般貸切旅客事業を行なつておりますものの八〇%までが一般乗合旅客事業を行なつておりますので、一般乗合旅客事業に外形課税を適用いたします以上は、むしろ全体の運送事業に外形課税を適用したいと考えておる際でありますから、これにも外形課税の方針を適用するということにいたしたいと思つておるわけでございます。
#68
○伊能繁次郎君 私は公平にやるべきだという意見を言つておるのでありまして、拡張しろという意見を申したのではないのでありますが、折角政府が外形標準課税を所得課税に変えようと思つて自動車交通事業についての改正案を出された以上は、バス事業だけを特別にする理由について、今お話を伺つてもどうも納得が行きかねる。例えば通運事業については明確に確定運賃があり、それが守られております。又タクシー、ハイヤーについては御承知のようにメーターで明確に守られている。トラツクについては定路線事業は明確に守られておる。而も最前自動車局長のお話の中に将来の問題として、六月からは確定運賃を実施する、こういう意見で税務部長のお話のように最低、最高運賃でやるという意見ではないように伺つておりますが、その辺のところはどうも私自身としても納得が行かないと思います。今日は総括的質問でありまするけれども、小林委員から自動車局長について御質問があつたものですから、関連して私それだけお尋ねして、詳細に亘つては別の機会にお尋ねいたします。
#69
○政府委員(奧野誠亮君) 自動車事業全体について公平にやるべきだという御意見御尤もな御意見だと思います。ただ私のほうで考えておりますのは、同じような自動車事業でありましても、その中にはいろいろな種類があるのではないだろうか。いろいろな種類に分けた場合に、その種類相互間において必ずしも競争関係に立たないのではないか。競争関係に立たないのなら、そのうちの特例のものについては事業税の課税方式を変えても必ずしも事業相互間の不均衡な取扱をしたというようなことにはならないのではないか、こういうような、考えを以て一般乗合事業を中心にして外形課税を適用するようにしたわけであります。
#70
○小林武治君 ちよつと倉庫課長に伺つておきたいのでありますが、今の例えば港湾の埠頭或いは岸壁の倉庫等について特に運輸省ではこれを保護育成すると言いますか、そういう方針をとる必要があると考えておるかどうか、伺いたい。
#71
○説明員(向井重郷君) 本日港湾局長が都合悪く欠席しておりますので、代つて申上げます。只今の御質問に対しましては、特別に保護という点については何でありますが、現在我が国の港湾のうち特に一万トンの岸壁というようなものが非常に不足しておりますので、その整備を公共事業費を使いましてやつておるわけでございます。岸壁が整備いたしましても、結局それに附随するところの荷役機械、倉庫というものが追随いたしませんと、岸壁の効力を発揮できないわけであります。それから貿易政策という大きな点からこれを考えて見ましても、岸壁を整備し、又倉庫、荷役機械というものを整備いたしまして、ポート・チヤージ・マネーを節約し、更に積極的にそれを稼いで行くというようなことが刻下重要な問題ではなかろうかと思いまして、特に港湾における一万トン岸壁の整備という問題と並行いたしまして、その地帯の倉庫を今後建設し、又そ設備も近代化し完備するという線で進みたい、かように考えておるわけであります。
#72
○小林武治君 倉庫は現在免許事業でないと思うし、又これは公益事業であるとも思わない。ところが倉庫事業というものは他の事業と違つて資本が殆んど固定しておる。倉庫というものが一切の営業の手段である。従つて他の事業のように運転資金、固定資産というような比率については、倉庫は大部分が固定資産だというふうに言われておるのでありますが、私が今質問するのは、倉庫について不動産取得税或いは固定資産税、そういうものについて格別の恩典を認める必要を運輸省は持つておるかどうか、こういうことを念のために伺いたい。
#73
○説明員(向井重郷君) 倉庫は自動車運送事業或いは鉄道事業のように免許事業という形態はとつておりません。倉庫業法という法律がありまして、届出をすれば勝手に経営を営めるという事業でございます。ただ何が故にそうなつておるかということにつきましては、倉庫は自動車事業というようなものと異なりまして、当初の設備資金に、倉庫に余計な資金を固定してしまいますために、そう簡単に始められる事業でありませんので、一応現在の点で免許事業はやつて行けないというわけなのでございます。ただ事業の性格からいたしますと、海陸輸送の接点に位しております。奥地倉庫につきましても鉄道輸送の中継点に多く位置しております。又鉄道と自動車の輸送の接点に位するというような中継的な倉庫が非常に多いわけでございます。倉庫はその主要機能は保管事業であり、それから又倉庫証券を発行いたしましたりして、売買的な機能でございますとか、或いは又金融的な機能でございますとか、いろいろな機能を営んでおりますが、その中で占める輸送上の機能というものが最も大きいものでございます。そういうような意味合いからいたしまして、倉庫業は公益事業と言い切ることはできないと思いますが、最もそれに近い公益的事業ということが当るのではなかろうか、かような工合に考えるのでございます。免許事業にすべきかどうかという問題もそういうところから論議されるのであつて、できることならばこれを免許事業にするということが望ましいことであろうと考えておる次第でございます。そして今御質問の第二点にございました固定資産税その他について特別の扱いをする必要があるかどうかという点でございますが、この点につきましては、在来自治庁のほうとしばしば話を進めて参つた問題でございますが、業界全体から見ましても、なお機が熟しませんためでしたか、今回の原案ではさような特別扱いはなく進んでおるわけでございます。併しながらこの機会に私どもが考ええておることを申上げさして頂きまするならば、只今御質問の趣旨にもありましたように、公益的な事業であると同時に、特に港湾地帯における一万トン岸壁の整備に伴い、その岸壁に附随して建築する倉庫は、これは事業の採算というものを無視しても業者は建設しなければならないというような使命を帯びております。そういうような倉庫についてはまさに公益的というよう表現でなく、公益事業としての色彩を与えても差支えないのではないかと考えられるわけでございます。これは丁度植林事業などと同じく相当長期に亘つての事業の見通しを持たないと進出できない事業でございます。そういうような意味からして、特に建設資金に多額の資本を要する倉庫事業につきましては、固定資産税或いは不動産の取得税というようなものは相当の減免の措置を講じて頂いたら一番結構なことではなかろうかと思います。特に又奥地倉庫等につきましても、事業にとつて競争相手というような立場にあります農業倉庫、これが約全国に百万坪越すぐらいございますが、そういうふうなものも税金の面におきまして免税の措置をとつておいて頂いておりますので、こういうようなものと相共に共存共栄を図るという意味合いからいたしましても、然るべき御措置を願えれば結構でございます。こういう工合に考えておる次第でございます。
#74
○小林武治君 私はまあ税金のこともさることながら、税金に来る前に何らかの手段をとつておられるか、保護の手段をとつておるのですかということを伺つておきたい。
#75
○説明員(向井重郷君) これにつきましては、その前の手段として考えられますことは、先ず第一に免許事業としていろいろな競争相手をなくなして行くというようなこととか、或いは又先ほど来自動車運送事業について問題になつておりましたような料金の問題でございますが、免許事業という問題につきましては、先ほどお答え申上げました通りであります。又料金の問題につきましても、これは現在倉庫業法によりまして基準保管料という制度をとつておりまして、一定のこれは物差に過ぎないのでありますが、物差を示しております。それで業者はその物差に照して料金をきめて届出をして来るわけであります。この基準保管料というものが原価計算を基礎にいたしました物差であります。それよりも著しく高いとか著しく低いとかいうような事項のない限りそれを認めているわけなんでございます。その中には適正な利潤その他は十分に含まれておるわけでございますが、ただ倉庫業はサービス事業の一種に入るわけであります。特に食糧とかいろいろ国民生活の必需品を収納しておることが非常に多いものでございますから、そのときどきの状況に応じて料金を左右して、そうしてこれを荷主に転嫁して行くというようなことは、非常にむずかしいわけであります。そういうような意味合いにおきまして、なかなか料金政策の面から倉庫の育成を図るというようなことも困難であります。この税金に来る前における保護策というものにつきましては、只今のところ特別の手段というようなものを使つてはいないわけでございますし、又倉庫業法も助成法規的な意味合いのものは含んでおりません。
#76
○小林武治君 今の問題について自治庁に伺つておきたいのでありますが、運輸省の御意見は今お聞きした通り、只今私ども例えば輸出入貿易に専用される倉庫というようなものにつきまして、何らかの措置をとることによつて輸出入の振興というものにも或る程度役に立つと、こういうように思うのでありますが、この倉庫の課税問題につきましての自治庁の考え方を一つ伺つておきたいのであります。
#77
○政府委員(奧野誠亮君) 運輸省から倉庫に対する固定資産税を軽減するようにという要請はたびたび承わつております。ただ自治庁としてたびたび申上げておりますように、固定資産税の中で特権階級をできる限り作りたくない、やはり類似のケースが非常に多いものでありますので、特別な国の助成は補助金交付なり、低利の金融なり、何かそつちの面でやつて頂けないかと、こういう考え方を持ち続けておるわけであります。
#78
○小林武治君 今の点私はその趣旨を貫くならいいが、例えば電気の設備等については特別な措置をとられておる。そのやり方がいいとは思いませんが、これは例があると思うのでありますが、これは何かその特別に倉庫につきましても、私は同じようなことが、例えば輸出入貿易ということの経費の節減ということについては当面の課題としても私は考えてもいいのじやないかと思うのですが、みんな同じような扱いをするなら私もそれもいいと思うのでありますが、電気の問題は如何でございますか。
#79
○政府委員(奧野誠亮君) 先ほど申上げましたように、特権階級を作ることによつて類似のケースとの均衡を欠いて行く。併しその均衡を欠かないで特別な措置ができる場合もあろうかと思うのでありまして、そういう意味合いで御指摘のような電気などについてこのような措置をとつて参つております。ただ倉庫につきましては、単に倉庫業の持つております倉庫に限りませず、一般の工場等におきましても、みんな倉庫を持つているわけであります。これらの関連をどう処理するかということが非常にむずかしい問題でございます。殊に倉庫業につきましては、先ほど小林さんが御指摘になりましたように、まだ国としてとるべき措置というものが地方税の問題以上にたくさんあるのじやないか、そちらの問題が先に解決されなければならんという気持を抱いておるのでございます。
   〔委員長退席、理事堀末治君着席〕
#80
○小林武治君 もう結構です。
#81
○理事(堀末治君) それでは午前はこれで休憩いたします。
 なお、連合委員会は一時半から開会いたしますが、幸いに連合委員会が早く済むようでしたら、あとこの委員会を継続いたしたいと思います。
   午後零時四十一分休憩
   〔休憩後開会に至らなかつた〕
ソース: 国立国会図書館
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