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1953/04/24 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 地方行政委員会 第27号
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1953/04/24 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 地方行政委員会 第27号

#1
第019回国会 地方行政委員会 第27号
昭和二十九年四月二十四日(土曜日)
   午前十時五十三分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     内村 清次君
   理事
           石村 幸作君
           堀  末治君
   委員
           伊能 芳雄君
           小林 武治君
           島村 軍次君
           秋山 長造君
           若木 勝藏君
           加瀬  完君
  国務大臣
  大 蔵 大 臣 小笠原三九郎君
   国 務 大 臣 塚田十一郎君
  政府委員
   自治庁次長   鈴木 俊一君
   自治庁財政部長 後藤  博君
   大蔵省主税局次
   長       正示啓次郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       伊藤  清君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○委員長の報告
○地方財政平衡交付金法の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○地方税法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(内村清次君) 只今から地方行政委員会を開会いたします。
 議題に入ります前に御報告することがございます。これは地方税法の一部を改正する法律案の修正に関し申入れの件でございます。参議院の農林委員会からでございまして、
  「地方税法の一部を改正する法律案」の修正に関し重ねて申入去る三月二十九日附を以て「地方税法の一部を改正する法律案」の修正等に関して申入御配慮を御願い致しておきましたが、右申入に追加して更に左記のとおり修正方併せて御配慮願い度、当委員会の総意を以て重ねて申入れます。
   地方税法の一部を改正する法律案に対する修正案
  地方税法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。
  第二章出第一節及び第二節を改正する規定のうち第百十一条の七第八号中「交換する場合」の下に「又は保安林整備臨時措置法(昭和二十九年法律第  号)第四条に掲げる森林等に該当する民有林野を国有林野と交換する場合」を加える。
   理 由
  「保安林整備臨時措置法案」附則第四項により、目下貴委員会において審議中の「地方税法の一部を改正する法律案」による改正後の地方税法を改正することとしているのであるが、「保安林整備臨時措置法案」の審議が先んずる見込であるから、この法案の附則第四項を、削除し、これに対応して、「地方税法の一部を改正する法律案」を本案のように修正する必要がある。
 以上でございます。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(内村清次君) 次に、地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案を議題に供します。本法律案につきましては修正がなされておりまして、修正部分につきましては、去る十六日の日に加藤精三衆議院議員から説明がなされております。勿論この修正案に対しましては、まだ質疑は展開されておりませんが、これも併せて本法律案と同時に政府委員からその説明をしてもらいたいという修正提案者の希望もございますから、この点もお含みの上審議をお願いいたします。政府のほうでの法案に対しまして、補足説明はありませんか。
 それでは委員のかたがたの御質疑をお願いします。今日は大蔵省のほうでは、実はその後の状況によつて大蔵大臣の出席を要求いたしておりますが、只今予算委員会開会中でございまして、そこに大蔵大臣は出席しておりまして、後刻当委員会に出席の予定でございます。で、大蔵省のほうからは主計局次長正示君が見えております。それから鳩山主計官が見えております。
#4
○若木勝藏君 長官に一つ伺いたいのでありますが、提案理由の説明の中でこういうことが言われておるのでありますが、「結局において地方財政平衡交付金本来の理念とは逆に、とかく地方財政の自主自律性を損い、安定性を減じ、地方団体をして中央依存の風潮を招き勝ちであることは認めざるを得ないのでありまして、」こういうふうなことを提案理由で説明されたのでありますが、これをもう少し具体的に御説明願いたいと思います。
#5
○国務大臣(塚田十一郎君) これは現在の地方財政平衡交付金制度というもののあり方から見ますならば、基準財政収入と財政需要との差額というものの全額をこれに計上いたしまして、そうしてそれを公正適正な配分によつてどの団体にも赤字というような問題の起らないようにしようと、又そうなるべき性質にこの地方財政平衡交付金というものはできておつたわけでありますけれども、さて現実にこの制度の下で軍用いたして見ますと、第一にこの大蔵省側と絶えず意見の合致がなかなかとれない、それに又自治庁といたしましても果してまあどこの点まで保証してやるということが、浪費を起さないで必要の最小限の数字というものを確保できるということになるかという見通しがなかなか困難であるために、結局この財政平衡交付金の総額というものが本来の平衡交付金法の考え方通りに行かず、そのほかのいろいろな考慮というものによつてきまつて参るわけであります。そういたしますと、制度自体が意図しておつた十分の効果が上らず、そういう工合にきまるものでありますからして、今度地方財政の側から見ても足りないのはこれは国に責任があるのだという考え方が絶えず出て、これはどうしても財政平衡交付金を増さなければ問題が解決しないのだというように問題をいつもその方向に解決を求めるということになつて、絶えずこの平衡交付金の額をめぐつて中央におきましては自治庁と大蔵省、それからして自治庁と大蔵省を含めて中央と地方団体との間で絶えず争いを繰返して行かなければならない。こういう状態では、たとえこの考え方が自体非常に理想的にできておつても、運用の上でうまく行かないから、そこでまあそういう実態を十分突きつめた上で何か考える途がないかということで、制度調査会の御意向通りにしたらどうかということで、大体そのような考え方を基準にし、それに若干の変更を加えてこういうような案を得たということになるわけであります。
 それで、まあ今度の考え方から行きますと、今までのものよりは自主自律性というものが出て来、安定性というものが出て来たと思うのでありまして、所得税、法人税、酒税の一定の割合できちんときめてしまうということになるから、そこに安定性があり、それだけ自主自律性というものも出て参つて、その代り今までのように足らなければ中央から取つて来るのだという考え方はここからは出て参らないのでありまして、その意味におきまして、単年度において、或る年度においては足らない部分もあるかも知れない。又他の年度においては幾らかゆとりが出て来る部分があるかも知れない。そういう年度間を通じて調整を考えて、それでどうしても相当長い年度に亘つてうまく行かないということがあつたら、そこで初めて制度の更改なり、又は交付税の率の変更なりというものを考えるというようにして、この面の欠陥が今度は補われたのではないかという考え方をしておるわけであります。
#6
○若木勝藏君 そうしますというと、今の御説明で以て考えてみますと、結局この平衡交付金によると、財源の平衡交付金の不足というふうなことが、これが中心になつて地方と中央とのその間においてなかなかうまく行かん、それで今度の交付金にするというと、その点が一定割合で以て取れるからして、そういうことは割合に避けられる、ここに利点があるというふうに私は聞きとつたのでありますが、さようでございますか。
#7
○国務大臣(塚田十一郎君) まあ不足ということだと思うのでありますが、ただその不足というのは地方の側から見ては不足と考えられる。そうしてその不足が中央に責任があると考えられるけれども、中央の側から見ると必ずしもそうばかりは考えられないというところで、なかなか意見の一致が出て来ない。従つてまあこれは財政の不足でありまするからして、その不足をどう解決するかは、収入を殖やすという面で一つ解決する方法もあろうと思うし、支出を抑えるという面で解決する方法もあると思うのでですからここの面が妥当な線だということになれば、それに合わせるように支出を抑えて行くという考え方が当然地方に出て来なければならんと思うのでありますが、地方の側からはこれは国が責任を持つべきものだ、つまり平衡交付金をもつと殖やして問題を解決すべきたという考え方を捨てないものでありますから、問題がいつまでも解決しない。そこでそういうことが起らないように、平衡交付金の額は今度は交付税で以てきちんと国の所得税、法人税、酒税の一定割合できまつておるというようにしてしまう。勿論その率をきめる場合には、平衡交付金の総額を算出すると同じような考え方を大体原則においてきめなければなりませんが、一旦きまつた以上は、或る期間の間はそれでやつて見るということにするというところが狙いであるわけです。従つて御指摘のように、御意見のように、不足ということが問題になつておるのか、中心になつておるのかということであれば、今申上げたような気持がやはり中心になつて考えられておる、こういうわけであります。
#8
○若木勝藏君 そうしますと、今の交付税の制度をとつて行くというと、まあ酒税とか、法人税とかそういうふうなものの一定割合で以てこれは安定性を持つて来る、こういうふうなお話でありましたが、在来の平衡交付金制度でありますと、その点で財源が不足した場合に更にまあ平衡交付金の増額を補正予算あたりで組んで行く、そうしてそれを補つて行くというようなことになるのでありますが、今度は一定割合で以て、その一定割合というのは何%になるか、私まだはつきりしませんけれども、何かこれによるというと、二〇%のようなところも出ておるようでありますが、そういうことによつてまあ一応安定するということになりまするけれども、途中においてこの財源が地方において不足した場合においては、今度は平衡交付金の場合と違つて逆にゆとりがなくなつて来るのじやないか、そういう場合にどういうふうにこの措置をされるのですか。
#9
○国務大臣(塚田十一郎君) これは今度の制度におきましては、そういう意味におきまして若干今までの平衡交付金とは或る年度だけについて考えてみまするならば、かなり窮屈であるという問題が出て来ると思うわけであります。併しこれは率できまつておりますからして、当然この所得税、法人税、酒税の従来の伸び方からいたしますならば、そのものの総額の中に、基本になる所得税、法人税、酒税の総額の中に伸びがあつて、需要の伸びというものと大体歩調を合せて行く面がある。今までは平衡交付金の場合には、需要が伸びて行けばそれを金額で以て伸ばして行く。そうしてその都度どれだけ伸ばすかを金額できめて行く。今度は率できちんと抑えてありますが、金額の点は今申上げたような三税の伸びに応じて伸びて行く。需要も恐らく大体それにつり合つて伸びて行くのじやないか。従つて年度間をずつと見ておりますと、そこで調和がとれておつて、そう大きな率を変更したり、制度の改廃、変更を考えなければならないという状態というものはないのではないかということになるわけであります。
#10
○若木勝藏君 そうしますと、今のお話では、所得税とか酒税とか法人税の伸びによつて需要のほうの伸びも出て来るから、それで非常に都合がいいじやないかというふうにお話がとれたのでありますが、その逆に、これが何かの都合で所得税とかそういうふうなものの著しい減税というふうな場合も又考えられる。そういうふうなときには却つて地方財源がそれによつて縮小されて来るというような憂いはありませんか。
#11
○国務大臣(塚田十一郎君) これは非常に減るという場合は所得自体が減つてしまう。例えば個人の所得、それから法人の所得が減る。又酒税の場合には酒の消費量が減つて来るという場合に、それに応じて減つて来るという場合と、それからして国が税を下げるということによつて減つて来る場合と二様あると思うのであります。自然に減つて来るという場合には恐らく経済界が不況であるということになるのでありますからして、物価も多少は下り目になるでありましようし、さような状態であるときには国も地方も国民の立場というものと合せて財政を締めて行くということも考えられなければなりませんからして、そういう面から減収が出て来る場合には、これはやはりそれに調子を合せて減らして行く、財政を縮めて行くということにむしろ重点を置いて問題の解決方向を求むべきじやないかと思うわけであります。ただ率を下げるというような場合に生じますものは、率を下げますときには当然そのために出て来る地方の交付税の総額の減少というものを頭に置いて税率の変更というもの、それから交付税の率の変更というものを総合的に考えて行かなければならないと思います。
#12
○若木勝藏君 そうしますと、交付金の制度というものと、それから交付税というものと、従来の配付税ですか、この三つのようなものが行われたわけでありますが、その間の長所、短所というふうなものがおのおのあるだろうと思います。その前例との比較についてどういうものであるかを伺いたい。
#13
○国務大臣(塚田十一郎君) これは大ざつぱに申上げまして、従来の配付税の制度と、それから今までやつておりました交付金の制度と、まあ手前味噌を申上げますならば、長所だけをとつて短所を捨てた中間の考え方だということになつておるわけでありますが、果してそんなにうまく運用できるかどうかはまあ何でありますが、細かいことは部長から御説明申上げます。
#14
○若木勝藏君 一つ三つの制度についてですが、建前とか、詳しくお話を願いたいと思います。
#15
○政府委員(後藤博君) 配付税と交付金とそれから地方交付税との性格的な差違を簡単に申上げますと、地方配付税というのは独立財源ではありますけれども、財源補償という観念が全然ありません。従つてその財源調整の機能が非常に不十分であると考えておるのであります。それから第二の平衡交付金でありますが、これは非常に徹底した財源調整機能を打つておりまして、而も完全な財源補償制度でありますが、地方の独立財源であるという観念が非常に薄いのであります。これは先ほども長官からお話がありましたように、非常に観念的には立派な完全な制度だと思います。併し地方の独立財源という観念が非常に稀薄であるというところに問題があるのであります。それから交付税はこの配付税と地方交付金との中間のものでありまして、むしろ真ん中よりも交付金のほうに近い性格を持つておるのであります。財源補償制度といたしましては、交付金より不徹底であります。でありますが、財源の財政調整機能は殆んど完全ではないか、而も又独立財源としての性格は交付金よりも強い、かように考えておるのであります。
#16
○若木勝藏君 そうすると、今までの平衡交付金制度における場合の財源というふうなものは、これは実際何によつて得られたのですか。平衡交付金のときのその交付金の財源ですよ。地方へ与えてやる例えば一千二百億なら一千二百億というものは何から入つているものであるか。その点をはつきりしないから伺うのです。
#17
○政府委員(後藤博君) これは国の一般財源、つまり国の収入は大部分税でありますので、税収入を財源としております。
#18
○秋山長造君 ちよつと今の問題に関連しまして、従来の配付税なり交付金なりの長所ばつかり集めて、交付税を作つたということで、自治庁としても非常に自信を持つておられるようなお話なんですけれども、併しこの間から新聞なんかで大蔵省と自治庁との間でいろいろ意見の相剋を聞いておりますと、自治庁自身これは完璧な制度であるということを考えておられんように思うのですけれども、その点はどうですか。
#19
○国務大臣(塚田十一郎君) 制度として完璧ということについては、私ども疑問を持つておるという意味ではないのでありまして、どのような新聞記事で御覧になつておるのか存じませんけれども、率の点につきましては若干意見の相違がある。これは当初の二〇%にも必ずしも十分納得の行つた意見の一致というものがあるわけではないのでありますが、その後に更にいろいろな国会修正その他で以て変更が加えられて参つたものでありますから、あの率を決定いたしますときに基礎になつておりましたいろいろな考えがある。基礎が変つてしまつたのでございますから、そういう場合においてもこれはもう少しあれは変更すべきではないか、こういうことでありまして、ああいう仕組自体につきましてはいろいろ過去の配付税、それから今までの平衡交付金制度というものを両方やつて見た結果出て来た第三の制度でありますので、一応今としては考えられる最もいい形ではないか、こういうように考えておるわけであります。
#20
○秋山長造君 制度としての問題と、それから率の問題は別だとおつしやるのですけれども、併しこの際はやはり従来相当長期間に亘つてやつて来た交付金制度をやめて、新しく交付税制度というやはりこれは一つの画期的な制度だと思います。そういうものを設ける機会ですからね。やつぱり最初の二〇%というものはただこれはどうにでも動かせる率だけの問題だということでなしに、やはり交付税制度そのものとこれは一体不可分の問題だと思います。この率は……。やはり最初の率を二〇%にするか或いは二五%にするか、まあこの法律を読んで見ますと、そのときの実情によつて若干動かせるということはあるのですけれども、やはり建前というものは非常に重大だと思う、最初であるだけに……。そのそもそもの発足当初の二〇%が適当であるか、二五%が適当であるか、或いは更にその上が適当であるかという線をきめるということは、これは自治庁自身にとつても非常に重大な問題だと思う。地方財政にとつても重大な問題だと思う。そういう重大な点についてそもそも最初からそういうように政府部内でも或いは意見の食違がいあるということであるならば、我々もこれを考える場合になお更これに対して非常に不安を持つ、疑問を持つのは当然なんですが、この二〇%という最初の原案をきめられたその根拠について、もう少し伺つて見たいと思います。
#21
○政府委員(後藤博君) 率の問題でありますが、率をきめます場合に、二十九年度は御承知の通り平衡交付金の算定方式によつて割出した額を逆に割返して率を出したのですが、三十年度以降の率をきめます場合に、考え方といたしましては、歳出面においては人口等の自然増、それから物価の騰貴等による経費の増額と、それから歳入面における自然増減の関係を一応抜きにいたしまして、現在の既定規模がどういうふうに変るかということを算定したのであります。現在の既定規模を基礎にいたしまして、その後一般の職員の行政整理の関係で財政需要のほうがどういうふうに変るか、それから警察制度の改正によつてどういうふうな経費の減少になるかという計算をいたしました。又歳入のほうでは、地方税の改正の平年度の収入がどういうふうに変つて来るか、それから又警察制度の改正によつて補助金がどういうふうな形で平年度なつて来るか、こういうふうな要素をそれぞれ考えまして、そして三十年度以降の財政規模というものを一応はじいてみました。そして現在の国税収入を基礎にして、それをはじき返して行きますと、大体二〇%になるのであります。そういう意味で二〇%というものをはじいたのであります。二十九年度の二〇%と大体同じくらいの率になつたのでありますが、これは結果的にそういうことになつたのでありまして、二十九年度の率を基礎にして、三十年度以降の率を考えたのではなくて、二十九年度は先ほど申しましたように、平衡交付金の方式でやる、三十年度以降は先ほど申しましたような方式で以て率をはじいて参りますと、二〇%になる、こういうことになつたのであります。
#22
○秋山長造君 その二十九年度二〇%、千二百十六億ということにまあなるわけですね。その二十九年度の千二百十六億というものが、丁度酒税の二〇%であり、その残りが所得税、法人税に振り当てて、一九・六六%になつたということなんでしよう。だからそうなりますと、やはり千二百十六億円という数字が妥当なものかどうかということになるのですね。それはやはり最初地方財政計画の問題について論議をしたとき、当時に返つて来るわけなんですが、この地方財政白書等にもはつきり政府自身が書いておるように、この財源不足額を千二百十六億程度にしか見ないということは、相当これは現在の実情から言つて無理がある。無理やりにその程度に財源不足額を見ておるということになるのではないかと思うのですがね。やはりこういう交付税制度という新らしい制度を作る以上は、この機会に従来の地方財政に伴ういろいろな問題をできるだけこの制度の切り換えのときに織り込んでやはり考えて行かないと、折角この建前としてはいい建前かも知れませんけれども、今後事ごとにこれが問題になつて来る、しよつ中政治問題が起るのでそういうことを避けるために交付税制度を作つたという説明でありますけれども、この交付税制度を作つても、依然として率をきめるのにいつも政治問題が起るのではないかというように考えるのですがね。例えばこの地方財政白書の一番最後のところにだつて地方財政規模の是正額として三百億円程度必要とするということを書いているにもかかわらず、百四十九億しか是正されてないし、而もそのうち百二十億円というのは無理やりな節約を見込んでおる。結局その差額の二十九億円しか地方財政規模は是正されてないというような非常な無理をやつて、そしてその上ではじき出した千二百十六億というものを根拠に政府のほうの原案の二〇%というものをきめておられるということはやはりそもそももう率をきめる最初から問題を孕んでおることになると思うのです。だからこの三十年度以降と二十九年度とは別だとおつしやるかも知れませんけれども、これは別ではないと思うのです。やはり本来言えば、自治庁が三十年度以降二五%という、あの修正の線を支持されるということは、本当は二十九年度からそうあるべきだということを意味しておると私はそう思うのです。その点如何ですか。
#23
○政府委員(後藤博君) 既定規模の是正が不十分であるというお話だろうと思うのでありますが、私どもも既定規模三百億程度の是正をお願いしたのでありますが、国の財政の関係もありますので、百五十億程度の規模是正にとどまつたのであります。従つて現在の地方団体の財政規模の問題が全部解決したとは思うておらんのでありますが、併し現在の国の財政の立場からやむを得なかつた、こういうことになるのであります。従つてその点が衆議院の地方行政委員会で問題になりまして、それを盛つた率の修正がなされたのであります。併し私ども大蔵省どの折衝におきましては、三百億程度の是正をするというふうに地方制度調査会の答申がなつておりますので、この点を十分に折衝いたしたのであります。それが残念ながら百五十億程度にとどまつて、非常に不十分であることは私どもも認めておるのであります。併し国会体の立場から考えて、現在の客観情勢上やむを得なかつた、こういう感じをいたしておるのであります。
#24
○秋山長造君 只今の点について大蔵省のほうの御見解をお伺いしたいのですが、この地方財政の実情については、大蔵省よく御承知の通りなんですけれども、この地方制度調査会の答申でも強く指摘しており、又その他いろんな地方自治関係のあらゆる団体等が、大体異口同音にこの地方財政の財政規模の是正という点を強く要求しておるのに対して、大蔵省のほうは殆んどそういう実情に対しては目をつぶつたままで、一方的にこの大蔵省の一兆予算の枠を押しつけているという感じを我々は強く持たざるを得ない。その点について大蔵省の御見解をお伺いしたい。
#25
○政府委員(正示啓次郎君) お答え申上げます。只今秋山委員から、大蔵省が地方財政に対して余り実情の認識が足りないのではないか、或いは国の一発予算の枠という御点から、非常に無理な圧縮を加えておるのではないかというような御意見でございます。この点につきましては、私どもとしまして、決して地方財政につきましてさような考えを持つておるのではございませんので、実は昨年の地方制度調査会或いは税制調査会におきましても、地方財政の問題は国の財政と同様に、或いはそれ以上に困難な問題があり、大切な問題であるという認識の下に委員も出まして、又省といたしましても積極的に御協力申上げて、いろいろ検討をいたしたのであります。今回の二十九年度予算の編成におきまして最も地方財政の難直しということにつきましては、これをに、大切な予算の一つの柱と考えまして、予算の説明その他もも明白に、或いは大蔵大臣の演説その他にも明白に述べております通りに、地方財政につきましては、相当大きな重要性を持たしておるつもりであります。全体の枠といたしまして、国の予算が相当の圧縮になり、国民所得に対する国の歳計の割合等が若干の減少を見ております際に、地方財政は御承知のように歳計の一つの規模といたしましては却つて増加いたしており、国民所得との関係等も地方財政の規模は前年よりも殖えておるようなことになつております。併しながら今日の地方制度を基礎にいたしまして、それでは十分なのかということに対しましては、もとより私どももなかなか十分とは参らない、地方といたしましてもいろいろなさるべき仕事があり、これは国の要請に基くもの、その他地方の個有の事情に基くもの等いろいろあるわけでございますから、その点は私ども決して十分とは申しませんが、併し今日の国家財政の実情から申しまして、以上申上げたような趣旨で相当の考慮を払い、できる限りの施策を講じたということを先ず申上げたいと思うのであります。
 つきまして、只今地方財政の実情という自治庁から出されました印刷物等につきましての御質問もございましたのでありますが、この点につきましては、先ほど財政部長からもお話がございましたが、若干理論的に我々としましては練り直したような点はもとよりございます。例えば既定財政規模の是正という点につきましては、先ほど国の財政の事情からだけのようなお話でございましたが、実は例えばこの物件費が非常に見方が少いというような点につきまして、国のほうでも物件費の見方につきましては、これは人件費を節約して物件費に廻しておるというような実情もありますので、それらの点も自治庁によく申上げたのであります。又この所得割、いわゆるオプシヨンIIの関係でございますが、この点につきましては是正の理論として一つの理論はあるのでございますが、今日の地方財政の実情からいたしまして如何であろうかというような点について相当突つ込んでいろいろお話合いをいたしたのであります。無論その問題がすべて解決しておるとは申せませんのでありますが、今日の国及び地方の財政実情から見まして、先ほど自治庁からも申されましたように、相当この点については努力を払つたというふうに考えておるのであります。まあ秋山委員御承知のように、既定財政規模三百億の是正に対しては、一方において二百億くらいの節約をせよというような御答申であつたのでありますが、その時からいろいろ事情の変更等もございまして、国が一兆予算ということが大きく謳われた関係もございましたので、節約の割合は絶対額においては少いのでありますが、既定財政規模と節約との比例から申しますと、少し比例は高くなつておることは事実でございますが、これは国のほうにおきましても非常に圧縮を加えておるような考え方から止むを得なかつたと思うのであります。まあ先ほど塚田長官お話のように、今日といたしましては、私ども少くとも政府の原案を作ります際におきまして、相当地方財政を重要視いたし、一兆予算の考え方から言うならはむしろ相当の何といいますか、建直しという点に重点を置きまして、ただ単に圧縮を図るというふうな見地からやつてはおらなかつたということだけは、はつきりと申上げることができると思うのであります。
#26
○秋山長造君 この地方財政白書というものは、自治庁で原案を作つたのには違いないのですけれども、これはもう大蔵省にしてもやはり政府部内である以上は共同責任だとおもうのです。内閣総理大臣吉田茂の名前で我々に出されておるのですからね。
#27
○政府委員(正示啓次郎君) お答えを申上げます。これは実は衆議院の地方行政委員会でも大分御質問があつたのでありますが、率直に申上げまして、所管大臣、総理大臣がお出しになつたように一応承知しております。私のほうへは正式の御協議はございませんでした。
#28
○秋山長造君 その点は我々としてどうも納得できないので、これだけの書類を内閣総理大臣吉田茂の名前で国会へ提出されて、それについて大蔵省はあずかり知らん、別な見解を持ち、責任は持たないということはちよつと我々としては受取りかねる思うのです。それで大蔵省自身にしても今度の税制改革その他いろいろな面で、地方制度調査会の答申というものは十分尊重されたかどうか、その点についてもう一度確認せざるを得ないということになるのですが、その点如何ですか。
#29
○政府委員(正示啓次郎君) 地方制度調査会の経過につきましては、先ほどちよつと触れましたように、大蔵省から委員が出ておりますことはもとより、役所として積極的に御協力を申し上げまして、御答申につきましては、御答申の結果につきましても大蔵省とじては極力これを尊重いたしました。これは内閣としても、閣議でもそういう御方針をおとりになつたことは明白でございます。ただその白書でございますが、これは予算の説明というのを私のほうからお配りしておることは秋山先生御承知の通りでありますが、これはやはり大蔵省主計局という名前でたしか出しておるはずでありまして、或いは税の説明は主税局という名前で出しておる、多少この点役所の文書の取扱いにつきましては、御指摘のようにやや我々も問題かと思うのでありますが、実情は早々の間に作りまして御参考に配つておるような書類もございまして、政府全体が常に協議を尽しておるものばかりとは限らないわけであります。
#30
○秋山長造君 只今の御説明は私納得できないのです。大蔵省から予算の説明として出されておるあの書類と、それからこの書類を一緒くたに考えられてはこれは大変だと思うのです。あれはもう大蔵省が予算の便宜的な説明の資料として出しておられるということはあれにもそういうように書いてある。これは内閣総理大臣が内閣総理大臣の責任において国会へ正式な公式文書を以て提出されておると思うのです。その点自治庁長官如何ですか。
#31
○政府委員(鈴木俊一君) これはちよつと今法律を持つておりませんので、条文がはつきり申上げられないのは遺憾でございますが、自治庁設置法の中に、毎年内閣総理大臣は地方財政の状況を内閣を通じて国会に報告しなければならない、たしかこういう規定があつたと思うのでありまして、それに基いて提出をしたものであります。この内容については先ほど大蔵省からお話のございましたように、大蔵省と協議をいたし、共同に提出をしたという事務的の連絡はいたしておりません。これは先ほど正示次長の言われた通りであります。ただ自治庁の地方財政を調査いたします所管の課におきまして編集をいたし、それを自治庁で整理をして提出をいたしたわけであります。
#32
○委員長(内村清次君) ちよつと委員長から補足するのはおかしいのですけれども、地方財政法の三十条の二に、「内閣は、毎年度地方財政の状況を明らかにして、これを国会に報告しなければならない。」これは明記されておるのです。「内閣は、」とこう書いてあるのですから、結局内閣の責任者であるところの総理大臣が報告したわけですから、内閣全体の責任において報告したということにこれはならなくちやならんですね。その点は正示主計局次長も今の条文を見て頂きまして、私はやはり一応取消しておかなくちやならんと思います。
#33
○政府委員(鈴木俊一君) 私が今御説明申上げましたのは、ちよつと正確でございませんでしたので、訂正いたしておきます。只今の法律上の根拠は委員長の御指摘になりました三十条の二でございます。これは国会に内閣から報告をしなければならない、こういうことの根拠によつていたしたものであります。
#34
○政府委員(正示啓次郎君) この根拠法規につきましては、委員長の御指摘のように地方財政法の第三十条の二の「内閣は、毎年度地方財政の状況を明らかにして、これを国会に報告しなければならない。」このことだろうと思うのでありますが、ただ意見に亘る点がございまして、報告ということかどうか、私疑問なのでございますが、その点は一応留保いたしまして、大体この規定によつてやることになりますと、これは内閣の問題になつて参りますが、先ほど自治庁次長から言われましたように協議を受けておりませんので、意見に亘るものでお前たちも同意かと言われましたので、さつきまごついたのでありますが、事実を事実としての報告につきましては、この規定によりまして、すべて私どもも同じように考えるのであります。
#35
○委員長(内村清次君) そうしますと、どうもしつくりしておりませんが、内閣総甲第四十四号というのはこれはあなたがたも否定はできないわけですね。内閣総甲第四十四号、これによつて内閣総理大臣吉田茂から参議院議長河井彌八殿と出しておる。だから手続上においては、やはり本拠は先ほど言いました地方財政法第三十条の二で、ここに本拠があつて、それによつて内閣はこの総甲第四十四号で出しておりますから、これをあなたが事務官としてお知りなかつたことはあり得るかも知れないが、併し責任の点はやはり内閣全体の責任ですよ。これをあなたが否定するわけには行かない。知らなかつたことはあなた自体の問題であるけれども、連絡がなかつたということはこれは内閣の手落であつて、あなた自体も否定できない問題だと思います。だからこの法律の本拠を否定するような発言だけは取消してもらいたいと私は要求しておるわけであります。
#36
○政府委員(正示啓次郎君) 法律の根拠は明確でございますから、内閣としてお出しになつたものに対しまして、我々が関知しないということは不穏当かと思いますから、これは取消しておきます。
#37
○秋山長造君 只今の点はあえてもうしつこく追及しませんが、併しそういう今のような大蔵省の考え方だから、だからなお更我々がこういう交付税制度なんかというような至極尨もらしい条説明を聞いても、それを額面通り受取れないのです。こういう今の地方財政の一番重要な文書でしよう、これは……。総理大臣が責任を以て国会に提出した、その最も重要なこの地方財政の文書についてすら全然関知しないし、まあそんなことは自治庁が勝手に作つたので、大蔵省の関知することではないというお考えなのです。だから私はさつき、大蔵省は地方財政の実情というものに対して余りにも冷淡ではないかという質問をするのは、これは当然の質問なのです。それに対してあなたのほうが、いや国の財政よりももつと地方財政を重視しておるのだという御答弁があつたが、これはただこの場の場限りのあなたの即席の御答弁であつて、我々はその言葉通りに、ああそうですがといつて引き下るわけには行かない。この総理大臣の責任において出された文書の最後に書いてあることは、地方制度調査会の答申を大蔵省でも大いに尊重したとおつしやるけれども、あの答申の中で、いろいろございますけれども、今の地方財政の実情から考えて、地方団体みずからも考え、又自治庁にしてもその他いろいろな地方関係の団体、あらゆる関係方面が考えても、最重要な眼目としておつたのは、地方財政の赤字三百億の処理をどうするかという問題、それから又財政規模の是正、三百億をどうするかというような問題、それから更に地方の公募債の消化促進策として、地方団体中央金庫を作るべきじやないかという問題、この三つだと思うのです。一番大きな答申の中での眼目は……。その三つの一番大きな眼目については、これは全然大蔵省はもう頭からこれは取上げていないわけです。それでこの地方の財政規模の是正といつたところで、成るほど三百億について是正する代りに二百億の節約ということもこれは言つております。言つておりますけれども、いずれにしてもその差額の百億というものは少くとも最小限度の要求として是正さるべきものということは強く言われている。それに対して百四十九億しか是正されない。而も節約が百二十億ですから、二十九億しか是正していない。結局答申案の四分の一でしよう。で、そういうように考えますと、これは大蔵省が地方財政というものに対して非常に冷淡だ、こう結論してもこれはあえて言い過ぎじやないと思う。その点は如何ですか。
#38
○政府委員(正示啓次郎君) 秋山さんもよく御承知のように、非常に役所のそれぞれの立場に忠実なものでありますから、つい言葉があれなのでございますが、先ほどの自治庁長官のお言葉でございましたが、二十九年度の予算については、実は政府案については自治庁ともぴつたりと呼吸を合せて、国会に出したことは間違いないのでございますから、その点は御指摘でございましたが、先ず基準財政規模の是正につきましては、各アイテムにつきまして自治庁とじつくり話合つたわけでありまして、順々に行きまして物件費の点については大体半分くらい是正いたした。オプシヨンIIは先ほど申上げたように、これは見解の相違というような点もあり、今日の実情から言つて先ずこの際は取りやめにいたそうというようなことで取りやめました。併し三百億ということから言うと半分くらいになつておる。然るに節約は百二十億であると、その点についてはさつきも申上げたように、御答申を賜りましたときと相当内外の財政経済の情勢も変りまして、率直に申して一兆予算というようなことを当時なかなか考えられなかつたのが、まあそういうことになりました関係もございまして、私は節約の割合が高くなつたことは、これは先ほども申上げた通りでございまして、まあその点地方としても相当今度は節約して頂くことになつておるのでございます。
  ただ私どもが理解が足りない、先ほど関知しないと申上げたのは、実は勉強としてはこれは何回も何回も拝読いたしております。拝読いたしまして、ただこれは大蔵省としてこれに対して尊重したかという御質問に対して、先ほど申上げましたような、内閣としてお出しになつたものでありますから、もとよりそれのあれはございますが、協議に応じておらなかつたということを申上げたのであります。考え方といたしまして、御指摘の点につきましては、十分我々も勉強いたし、今後とも実情の認識を深めるということは全く御指摘の通りであります。率直に申しまして、入場税の国税移管とか、交付税制度を設けるとか、警察制度は、これはいろいろお立場でいろいろ御反対の御意見もございましようが、やはり地方財政を強化するという狙いにおいては、その一点においては私どもも人後に落ちないのでありまして、余りに財政の見地に偏し過ぎてるじやないかというむしろ御批判が強いのじやないかと思うのであります。私どもは何とかして今日の地方財政を私どものほうから無理を強いておる点があれば、これを改めるべきであり、地方のほうに御努力願う点は率直に御努力願うんだ、こういう態度で実は今度の案を作つて出したような次第でありまして、その点は私は決してここでおざなりの即席の答弁を申上げておるわけではないことだけはお認め願いたいと思います。
#39
○秋山長造君 いや、それはおざなりの答弁ですよ。この前も入湯税の問題で渡辺主税局長ですか、渡辺主税局長と議論したんですが、入場税の問題一つ取上げましても、今次長がおつしやるように最初から自治庁と大蔵省との意見がぴつたりと合つてああいう結論になつたということじやないと思うのですよ。それはあなたのほうがむしろ実情と違うことをおつしやつているので、現に自治庁の税務当局の責任者自身に聞いてみても、これはやつぱり入場税なんかというものは遊興飲食税と同じにこれは最も地方税らしい地方税だ、一番本来的な地方税なんだ。それを無理やり国税へ持つて来て、而も最初は二つ持つて来ると言いよつたのをいろいろ運動があつたりして一つだけにして、而も反対の弱い入場税たけ一つ持つて来て、而もその入場税は衆議院でああいうような形で殆んど原形をとどめんまでにいじくり廻わされて、それでまあ参議院へ送り込んだ。あれで果して大蔵省が唯一の根拠として言つておられるこの偏在是正というような機能をどけれだ充たされるか。私は殆んど意味がないと思うのですよ。そんなことをするよりも、もう少し本当に今主計局次長のおつしやるように、地方財政に対して非常に熱意があり、又実際に具体的な、手当をやつて行こうという誠意があるならば、あんな僅かなものを無理やりに持つて来て、そうしてただ大蔵省の結論としては面子が立つたという程度以外には何の意味もないようなことをやめて、そうしてたばこの消費税でももう少し地方へ持つて来るとか、或いは交付税でもどうせ来年から二五%というような修正案まで現在出て来ておるんですから、だから今年の二〇%をもうちよつと殖やすとか、何かそういうことをなさつたほうがよつぽど私はやり方としてもすつきりするし、又地方に対する大蔵省の熱意なり親切なりというものが実際の裏付を伴うことになるのだろうと思うのですが、そういうようなことに改められる御意思はないですか、今……。
#40
○政府委員(正示啓次郎君) 先ほど申上げましたのは最初の政府の原案を出しましたときの、これはもとより内閣で閣議決定をしてお出しになつたのでありますから、そのときの段階のことを申上げたのであります。その後国会におきましていろいろの事情でまあ出す前に、先ほど秋山委員御指摘のように遊興飲食税の問題は政府原案を作る過程において変更になつたことは御指摘の通りでありまして、この点は大蔵大臣から先般来お答え申上げたように、諸般の情勢からまあやむを得なかつたということでありまして、国会に提案後衆議院においていろいろの御修正がありましたことは御指摘の通りでありまして、その結果当初の意図が相当何といいますか、減殺せられておるというふうなことも御指摘の通りかと存じます。まあこれらもいろいろの事情で私どもも考えた通りには参らなかつたのでありますが、それらの点につきまして、無論内閣の御方針がいろいろあつたわけであります。例えば税法の修正については、入湯税の修正については大体お認めになつたようでありますが、交付税の問題につきましては、なお内閣とされてもいろいろ態度を保留されたような面もございます。私どもとしましては、御指摘のようにやはり地方財政を強化するという建前から地方の固有財源をできるだけ豊富にする、又堅実にするということが私どもも望ましいと考えておるのであります。従いまして、国会でいろいろ御修正に相成つたのでありますが、できればやはり地方税の減収を生ずるような修正に対しましては、ほかの地方税で十分カバーできるような対策というふうなことがどうしても考えられるのが望ましいのじやないかというように考えておりますが、これらの点は今後御審議によつて決定をみるものと思われるのであります。
 なお先ほど申し落したのでありますが、赤字の対策について全然措置がなされていないではないかというふうな御指摘もございましたが、この点につきましては、自治庁ともよくお話合いをいたしまして、今回は交付税制度その他譲与税制度、警察制度というふうな一連の関係で或る程度の大きな改革が行なわれまするので、第二段の措置として今後において検討を加えようというふうになつておるのでございます。なお地方債の消化の機構につきましては、これ又非常に困難な問題でございまするし、今日の財政経済全般の考え方からいたしまして、今すぐ成案を出す段階に至つておりませんので、これ又今後の研究問題になつておるような次第であります。誠に我々としては十分の意に満ちるようなところまで至つていないのでありますが、漸を追うてやはり所期の段階に至るようにということで努力をいたしておるような次第でございます。
#41
○秋山長造君 只今の赤字の再建整備の問題については第二段の問題として考えるというお話なんですが、この赤字は御承知のようにこの財政白書によりましても、「二十七年度決算で繰上充用額が一五七億円、実質上の財源不足額三〇〇億円で二十八年度の実質財源不足額は現在三六〇億円に達するものと推定される。」ということでありまして、今後これは遅れれば遅れるだけこの赤字は大きくなつて来るのじやないかと思う。やはり一日も速かにこの問題に対しては政府として抜本的な対策を考えなければ、これは地方財政がどうにもならない。本当の文字通りの破局へ追い込まれると思うのですが、第二段として考えるという第二段のこの時期なり、或いはどういう形で大蔵省は考えられるおつもりであるか、そういう点についてもう少し具体的な御答弁をお願いしたい。
#42
○政府委員(正示啓次郎君) お答え申上げます。この点につきましては、まだ具体的にどういうことをするということは考えをまとめてはいないのでありますが、只今御指摘のように二十七年度の決算を見ましても、その前の年から上へまして悪化しておることは数字の上にはつきりと出ております。私どもとしましては、そういう事実は事実としてよくその事実を分析いたしまして、一方におきましては、本年度意図しました制度の改正の実施の状況とも睨み合せまして、従事国がやつておりました事柄で反省をすべき点は十分率直にこれを反省して参るという考え方で行きたい。そういう一方においては事実の分析と新らしい制度実施の状況との双方からの資料をよく検討いたしまして、今後自治庁当局ともよく連絡をとりまして、具体的に対策をきめて行きたい、大体そういうふうな今考え方をしておるような次第であります。
#43
○秋山長造君 とにかく二十七年度だけをとつてみましても地方財政の赤字は三百億ですが、これに対して国の財政のほうは二十七年度二千億以上の剰余金を出しているのです。この事実だけとつてみましても、今日のこの国の財政方針というものが如何に地方財政にしわ寄せされ、地方財政を軽視して行われておるかということをこれは雄弁に物語つていると思うのです。この事実を大蔵省は十分考えて、そうして今後の地方財政に対する手当ということをもう少し真剣に考慮してもらいたいということを私は強く希望申上げたい。
#44
○堀末治君 幸い大蔵大臣がお見えになりましたから、私は一番先に大蔵大臣にお尋ねいたしたいと思いますことは、地方政が今赤字だ赤字だと言つて騒いでいるのですが、一体この赤字に対して自治庁がいろいろ言つておりますけれども、自治庁の見解は何遍も聞きましたけれども、大蔵大臣は一体どういうふうに考えているかというその根本をお伺いしたいのですけれども。
#45
○国務大臣(小笠原三九郎君) 赤字につきましては、今までの地方財政で多少赤字のあることは私も承知いたしております。従いまして成るべく地方におきましても、国が非常に財政の節約をいたしましたと同様な意味で財政の節約も望みまするが、併しやはり何としても地方として必要なものは国として交付税その他でこれはいろいろ配慮する必要があろうと思つております。ただこの際私は、少し率直に申上げ過ぎて相済まんかも知れませんが、たとえて言うと、今度の案によると、又事業税などにつきましても相当大幅に事業税の控除額をお引上になつておるような修正がなされておるのでありまするが、これもほかの税その他との関連等もありまして、やはりこれらについてももう少し全体的な見地からお願いするほうがよいのじやないか、こんな工合に実は考えている次第でございます。なかんずく交付税の問題につきましては、これは大変な問題で、私ども非常にこの点は最初から御同意をいたしかねておる次第でございまするが、ただ地方の非常な赤字につきまして、国全体も非常な今容易ならざる財政のときでございまするので、国が財政の緊縮をやつておるときでございますから、どうか地方のほうもその考えを移して頂く、同時に地方についてこれは一体のものでございまするが、国の足らん分についてなし得べき最善を尽す、これはそういうふうに是非やつてもらいたいと考えております。
#46
○堀末治君 今の大臣の御意見はよくわかるのですが、私なぜこういうことをお尋ねするかと言いますと、これは私は随分長いこと地方財政をやつているのですが、あなたはこの委員会に出られて我々の質問を受けられるのは恐らく初めてだろうと思うのですが、前の大臣はたびたび見えたのでありますが、前の大臣はどうも地方財政は放漫だ、まだ節約する点がたくさんあるのだというところに大体その重点を置いて、かるが故に地方財政は赤字だ、そうして平衡交付金を余計寄こせということは無理だ、こういうようなお話をたびたび承わつているのであります。併し今度は今のお話の平衡交付金という制度を改めて交付税にするという、これは御趣旨はよくわかるのです。これはあとでお尋ねしますけれども、今以てあなたも同様に地方財政は放漫だ、むやみに国にばかり頼つて、節約すべきところを節約しないのだ、こういう建前に立つて一本地方財政を眺めておられるかどうか、ここなんですがね。
#47
○国務大臣(小笠原三九郎君) 私は地方財政を必ずしも放漫と考えておりません。随分国の事務が相当行つておる、事務多量のために増加しておる分もあることはこれは蔽いがたいことだと思います。併しながら、例えば地方で見ますると、中央でもしていないような相当な費用を使つておる。例えば昔県会議長なんというものは相当高級な自動車などに乗つた例はないのですが、今は東京でも乗つているし、地方にあるのは勿論ですが、東京でも乗つている。そうして県議会等にも非常にたくさんあつて、又交際費その他を見ると、中央の各省の大臣よりも多いような交際費がたくさん計上されております。それからそのほか県議会等についての費用も、これは私は直接県議会の関係者から聞いた話でありまするが、相当多額に上つておつて、もう少し節約の余地があるのじやないかと思われまするし、或いは役所につきましてももう少し規模を少くしても行けるのじやないかと思われるものは相当ございます。従つて、ただ地方におきましても、私はいろいろ地方財政がふくれておる原因には国の仕事の分量等が移つておるものがありまして、無理からん点は認めますが、併し国の財政等をもう少し見て、地方でも節約せんとすれば節約はできんことでもあるまいと、これは決して私は放漫という意味で申しはしないのですが、是非節約の余地はあると、かように実は考えておる次第で、これは私の率直な申上げ方で、どうもお叱りを受けるかも知れませんが、私はそう思つております。
#48
○堀末治君 何にも言いません。それ
 で結構です。そこで、私はここでたびたび地方の公共団体の長を呼んで公聴会で聞いておりますが、なかなか熱心に節約をして赤字を防ぐために努力をしておられる長がたくさんおられる。それらの人たちはここの公述の席でどういうことを言うておるかというと、こういうことを言つておるのです。こ
 こ数年来国税は黒字になつておる、地方税はどうかというと地方公共団体は赤字になつておる、これを見てもいわゆる国の黒字のしわが要するに地方公共団体に寄せられておることの事実じやないか、こういうこともここの席で有力な長の人から公述されておる。こういう点についてどういうふうにお考えですか。
#49
○国務大臣(小笠原三九郎君) どうも私は必ずしもさように考えませんでございますがね。
#50
○堀末治君 それは言い方が悪いかも知れませんけれども、この両三年要する国庫の収入が相当に多くなつた。一方公共団体のほうはだんだん赤字になつて、今秋山君から縷々御指摘がありました通り、又ここにおいてこの前申上げた通りで、これは認めておる。その赤字になつた原因はどちらかと申せば国のほうに重点があつて、しわがそこに寄せられた、こういう言い分なんですよ。我々は赤字になつておるが、現に国のほうが黒字になつておるじやないか、これは要するに国の政策が国に重点を置かれて、そして地方を虐待したために一方は赤字になり一方は黒字になつた証拠じやないかという、こういう公述がある。私はこれは一面の真理を語つておると実は思つて今お尋ねをするのですが、如何ですか。
#51
○国務大臣(小笠原三九郎君) それは確かに一面の真理を語つてはおりましよう。語つてはおりましようが、これも少し私は率直に言うてお叱りを受けることは覚悟して申上げますが、それは例えば遊興飲食税をこの間移管するつもりでいろいろ話合つてみますると、この遊興飲食税などというものは殆んど三割ぐらいしかとつていないのですが、国税に移管されたら七割、八割とられる、それではやり切れんということをいろいろ申されましたので、これは事実を申上げるのです、話をされたかたがあります。そこで国のほうは税を割合厳格に取立てます。ところが地方へ行つておりますと、なかなかこれはいろいろな事情もございましよう。いろいろございましようが、今申上げたようなこともあつて、国では例えばベース・アツプをしますですね、そうするとべース・アツプをしただけ源泉でとることになり、又いろいろなものをとりまするから、それだけ所得がすぐ殖えて参りまするけれども、どうも地方のほうではこういつたことがはつきりしたものもないという点もございましよう、実際は。ありましようが、地方のほうが税の取り方等についても中央ほど熱心さが足らんというような工合に実は私は考える点もないではございませんが。
#52
○堀末治君 大臣のそのお話はわかりまずし、地方が多少そういう点においてルーズということもよくわかるのです。併し先ほどから、私はこの前地方財政の政務次官を一遍あずかつたときから思つておるのですが、どうも大臣、あなたは今仰せのようにお考えかも知らんけれども、我々の感じだと、どうも事務当局の諸君になかなか地方財政のほうをいじめるような傾向がある。さつきもちよつと正示君が秋山君に、大分この白書の問題で突つ込まれて、おしまいには委員長の忠告で答弁を取消したようなもので、あれはもう実際私は言うと、失礼ながら大蔵省の事務当局にそういう心の根本に考えが流れているから自然に出る答弁だと思うのですが、如何ですか、こういう答弁につきまして。
#53
○国務大臣(小笠原三九郎君) 実は国のほうでもそう黒字でないことは御承知の通りで、今まで来ておりまするので、そこでまあ本年から何としてもこれは一つ過去の蓄積を食つたり、その他の借入金でやつて漸く辻褄を合せるということではいかんからということが緊縮予算をお願いした根本でありまして、若し又本年幸いに若干の黒字の所得を生ずることがあれば、これは又すぐ来年度の予算で使われることになつて参りまするので、従つてそれほど中央も決して楽でないことはこれはまあ御了承願わなければならんと思います。ただ全体として見ますると、やはり国の財政と地方財政という点に、よく国全体としての考え方からいろいろ配分方を考えなければなりませんが、やはり地方に財源を与えてくれということの御要望は相当強い、又御尤もだと私は思います。従つて私どもは税制調査会とか或いは地方制度調査会等の御答申に基いて、まあ入場税、遊興飲食税等をいろいろ考えたのでございましたが、遊興飲食税についてはなかなか困難の点がございまして、結局入場税だけにとどまつておる次第でございますけれども、それがいずれ交付税という制度ではつきりと今度は出るわけで、酒税、所得税、ああいうものではつきりした金額は出るものですから、これを交付税で差上げることにした、こういうのでありまするし、又今後ともあれなどにつきましては、これは勿論はつきりした一つの収入になるから、その点から言うといいのではないか。又例えば入場税にしましても今度人口割で入つて来る、九割は来るのだということになれば、非常に収入ははつきりして参りますので、そういうような意味などもいろいろあつて、何とか財源を一つお与えしたい。それから又それもできるだけ国全体としての調整をとりつつそういうことにいたしたいという考えは絶えず持つてはおります。
#54
○堀末治君 これは私は常に希望しておるのですが、折角国から多額の金をいろいろの費目で流して行くわけです。それが放漫に使われるということは誠にいいことではございませんから、今の制度を改めて自治庁長官にいわゆる地方財政の監督権を与えたらどうか、これは自治庁のほうでも考えておるそうですから、それは是非そう願わなければならんと思うが、併しこの間も公述の中に、各省がいろいろ紐付で各公共団体に金を出す、それですから例えば向うは多少の行政整理をしよう、こう思つても、要するにそれならばその金をやらないと言われて困ると公述しておる。それを露骨に言つたらどうかと言うと、どうもそれはあとの祭りが恐しいから、どうか役所で調べてくれと言う、自治庁にそれについて尋ねても、自治庁もやはり役所の仲間ですからそんなことは言いません。併し恐らく大蔵省のほうの立場から見られたら、確かにそういうことがおわかりだと思う。こういう点、大蔵省で予算を分けるときに、そういう点について御検討になつたことがございますか。
#55
○国務大臣(小笠原三九郎君) それは私どものほうでは、むしろ紐付でもらわないと、もらつた金がほかに持つて行かれるという反対の陳情を相当聞いておるのでありまして、その点については紐付も或る程度止むを得ないのではないか、むしろ反対に折角金を出してくれるなら紐付で出してくれないと他に流用される虞れがあるという話を聞いたほうが多いのです。
#56
○堀末治君 それは地方公共団体の事業なんかにはそういうことが恐らくあると思う。そうでなく、事務職員などにその点が非常に多い。これは職員の数が多いじやないか、もう少し地方公共団体の職員の数を減らしたいというときに、組付の関係で減らせないと言うのです。
#57
○国務大臣(小笠原三九郎君) 地方の職員は紐付でもらわなければ、地位の不安定を感ずるから紐付にしてもらいたいと私のほうには言つて来るのです。これは自治庁としては余り賛成されることじやないと思います。紐付のほうが身分がはつきりする点があるのではないか、そういうことをよく言つて来ます。これは是非紐をつけて減らされないようにしてくれという私のほうには反対の陳情をされる場合が相当ございます。これは自治庁は反対の立場にお察しします。
#58
○堀末治君 如何ですか。自治庁ではそういう点について内容を調べたことがありますか。
#59
○国務大臣(塚田十一郎君) これはまあそういうような噂は私どもも聞くことはあるのです。例えば、或る府県が衛生部をなくするという計画をしたら、厚生省から衛生部をなくするということは衛生行政に熱意がないことなんですから衛生関係のいろいろな予算がその県に対しては今後考慮しないというようなことで、結局それも実現しなかつたというような話があるのであります。併しまあそういう話は断片的に聞くだけでありまして、そうどこにもかしこにもあるとは私どもも思わないので、調査というようなものはいたしておりませんが、具体的にあちらこちらに何がしかの数はそういうものはあるようではございます。
#60
○堀末治君 そこで平衡交付金から交付税とだんだん変つて来たのでありますが、平衡交付金の特色については先ほどから塚田長官縷々御自慢のようでありましたが、ただここを読んでみますというと、そうでないように私は思いますが、どうもこれはうつかりするというと今申すような、中央から事務を押付ける大きい原因をなさないかという懸念を私はこの交付税で持つ。最初にここに地方財政の自律性を損い、安定性を減じ、地方団体をして中央依存の風潮を招く、こういうことをなくするために優先的にやつたのだと言われておりますけれども、この説明をだんだん読んでみますと、地方団体の基準財政需要額が茶準財政収入額を超える額を補填することを究極の目的とした、こういうふうに説明しておる。何かしらこういうところに私は大きい矛盾を感ずる。今の要するに交付税というのはかくかくの通りの特色がある。要するに先ほど秋山君の質問に答えられたように、或いは配付税、或いは交付金の欠点ばかりを捨てて、そして特色ばかりをとつたつもりだと、こう言つておりますけれども、だんだん読んでみますと、第三に収入額を超える額を補填することを究極の目的としておりますと、こう言つておりながら実際はそうでなく、中央が何かいうと地方の公共団体に固有事務以外の事務をたくさん押付けておつて、それに対して財清措置をしないというのがとかく我々の耳へ入る、強く入る。又我々もたまたま地方行政の調査なんかにも出ますと、そういう感じを痛切に受けるものですから、ここも僅かのところですけれども、ちよつと読んでみますというと、どうも折角地方財政の自律性を与え、それから中央依存のいわゆる風潮を除くんだ、こう言つて法律をきめておきながら、やはり究極はこれを埋めるんだ、こういうふうに一種の恩典的なような考え方があるというと、まああのくらいはやるという結果になりやすい、私にはどうもそういうような考え方が流れているように僅かの文章も見えるのですが、如何ですか、一体これは。
#61
○国務大臣(塚田十一郎君) その点は中央からいろいろ地方に仕事を頼む場合に財源措置が十分でないというそしりは今までもありましたし、私はその点は今度の制度の変革によつて余計になるとも思いませんし、又減るとも必ずしも保証申上げられませんけれども、併しその問題はどこまでもその問題だけでなくて、今後そういうことがあれば財源措置をするんだという地方財政法上の建前をはつきり実施して行くということで問題は解決できるのじやないかと思うわけであります。むしろ私などの立場からいたしますと、今までの場合にはどうせ中央から仕事をやられるときには財源措置をするんだ、財源措置は平衡交付金でするんだ、こういう考え方で以て行つて、さて仕事は先にやつちまつて平衡証交付金を算定をいたしますときに、その財源措置が十分行かないということでだんだんだんだんと尻がたくさん積つて、地方財政が赤字になつて来るということにあつたわけです。今度は法律でぱちんと交付税できまつておりますからして、それをきめます場合には、新らしく今後後生ずるそういう地方の負担増というものは考えて行かないという建前に立つておるのでありますからして、そういうものがだんだんと積み重なる場合には、それは当然別途に財源措置を講じなければ、もうそれ以上は絶対に引受けられないというような立場が却つて私ははつきりするんじやないかと思うわけであります。ですからしてそこのところはいつもお叱りを受けておりますように、自治庁は大蔵省に対して弱腰でいけないと、じきに気がいいものだから仕事だけ押しつけられて、金は何ももらえないということのないように私も頑張るつもりでありますから、皆さんがたからも大蔵大臣に特にお願いをして頂きたいと思うのであります。
#62
○堀末治君 これは我々地方行政を長くやつておりますと、そういう点を非常に心配するのです。大体言うとこれは我々こういうことを考える。自治庁のほうは折角交付税なんかたくさんもらつてもこれは自治庁自体の事業資金ではない。皆公共団体にやつてしまつてトンネル仕事だ、ところが他の各省になつて来るというと、あなたのほうへ行つてどんどん予算くれくれと言つて、これは自分のその事業資金でどうしても自分のほうは繁昌になるものだから、どうしても予算はあなたのほうに強く当るだろうと私は思うのです。自治庁にしてみるというと、トンネル資金で取つたつて別に懐ろに入るわけではございません。自分の官庁が繁昌するわけでもございませんから、どうしてもそういう点においてこれは弱腰になる。私が長官になつてもきつとそうじやないかと思うのですが、どうかこういう点について大蔵大臣としては十分お考えの上で、要するにそういうような押しつけるような事業は、事業資金は成るべく各省にやらないで、むしろ直接地方へやつて、これは要するに幸いに自治法の改正があれば厳重に監督ができる。そういうことに一つ成るべくお考えをきつちりときめておいて頂きたいと思いますが、如何でございますかな。
#63
○国務大臣(小笠原三九郎君) 仰せの点はよくわかりました。実はなかなか閣議では強く主張されるんですが、自治庁のほうはそれは相当強い主張があつて、私ども困る場合があるのですけれども、いつも最後に御辛抱をお願い申上げておるのでありまして、八カ国の事情を申上げまして御辛抱願つておるわけでありますが、(「八百長をやつている」と呼ぶ者あり、笑声)今仰せの点はよくわかりました。今後その心持ちでやりたいと思います。
#64
○堀末治君 それから最後に実際問題ですが、交付税は何ですか、私まだよく調べておりませんが、つまり酒税その他のものは二〇%、一九%六六は本年度だけれども。二〇%は増収があれば増収分をやるというわけですか、予算の面で配賦するわけですか。
#65
○国務大臣(小笠原三九郎君) 増収がありますと、その翌々年度にこれを差上げることになる。
#66
○堀末治君 決算が済んだあと……。
#67
○国務大臣(小笠原三九郎君) 決算が済んだあとで増収がはつきりすれば、二割に満つるまでは必ず上げることにいたします。
#68
○堀末治君 その逆に減収の場合はどういたしますか。
#69
○国務大臣(小笠原三九郎君) 実はこれは私ども減収ということを、理論の上は減収を予想しなければならん場合がありますが、実際問題としては減収はない、こういうふうに見ております。これは堀さんも御承知のように、実は税の見込みというものは、相当固く児積つておりますので、従つてまあいわゆる自然増収というものがあるのが普通でございまして、本年は予算の編成のときに、そういうものを見込んで歳出を立てることはいかんから一切見込みませんでしたけれども、見込まない方針でありましたけれども、併し事実の問題としては、相当ないつも政府が見積るよりか増収がございます。若し又例えば三十年度、三十一年度と行きまして、政府が見積る額が最初から少い場合もこれは予想できないとは言えないのであります。そこでさような場合は地方財政等の問題を勘案いたしまして、これは御相談申上げたいと考えております。
#70
○堀末治君 ここで両三年は、さつき交付税の中に盛られた酒税の大体何パーセントぐらい予算面より増収になつておりますか。
#71
○国務大臣(小笠原三九郎君) ちよつと数字ははつきりいたしませんが、大体年々所得税で二百億ぐらいのものが自然増収になつております。それから酒のほうは、これは世の中の景気如何によりましようが、法人税のほうも大体そういうふうになつておりますので、まあパーセンテージはちよつと出せませんが、二百億以上の増収は大体見通しが……。
#72
○堀末治君 大体年々ですね。
#73
○国務大臣(小笠原三九郎君) はあ。
#74
○若木勝藏君 大蔵大臣に伺いたいと思うのですが、何か新聞によりますと、いわゆるこの交付税に対する一定割合、いわゆる二〇%というふうなものを来年度から二五%にするという衆議院の修正に対して非常に大臣は御不満である、そういうふうなことが出ておつたのでありますが、そうしてもう一遍これを参議院のほうで以て二〇%に修正することを希望するかのようなことが出ておつたのですが、それは本当にそういうふうにお考えになりまし、ようか。
#75
○国務大臣(小笠原三九郎君) 新聞は私はよく読みませんでございましたが、私のほうも衆議院におきます修正のときにも、政府としてはどうも御同意を申上げかねるということを申しておりまして、私どもは現在も恐らくこれも少し率直にものを言わして頂きます。大体五分殖えますというと、三百億以上になります。そうすると普通予算を増額するといつても三百億に上る予算増額の修正ということも今まであつたことがございません。例えば本年よく攻撃される、社会党の各位から攻撃を受けるものに百七十億も防衛予算を殖やした、今年の予算が防衛編重だと言われるが、あれは僅かに百七十億でございます。それから又よく二十三でしたか二十六でしたか、ちよつと忘れましたが、法律にありましたものを一年間停止をして頂くようにして、そうして元の率でやつて頂きますものについてもあれは三十二億円だけの問題でございまして、大変な問題で、実は国の予算で今日三百億というのは非常に大きな問題でありまして、恐らく予算史上そんな修正を受けたことは私は未だ曾つてないと存じます。従いまして、やはりこれは元の原案でやつて頂きたい、こう心から熱望しておる次第であります。
#76
○若木勝藏君 そこでですね。我々先ほど来、二〇%というようなことについてはまあ自治庁長官に対していろいろ質問して、検討してみておつたのです。ところがいろいろまあ質疑の応答なり、そういう方面から考えますというと、二〇%の一定割合では果して地方財政が今までよりもよくなるか、こういう点についてまあ考えてみまするというと、これは地方制度調査会におけるところの答申の上に照らしてみましても、遥かに下廻つておる。ところが更にこれを昨年来の平衡交付金の金額に比べましても、これは予算の説明書にあるごとくに百六十億ばかり減じて来る。そしてそれをカバーするものとしては、地方税の自然増収の四百十一億で以て考えているらしい。ここにいろいろ検討を加えてみますというと、こういうふうな二〇%というふうなこの一つの割合では、到底やはり赤字の解消も救われなければ、地方財政の健全なる発達というふうな方面も我々は考えられないように思うのでありますが、これは大臣としてはどうしても二〇%程度でなければならないとする何か一つの根拠があるのかどうか、その点を伺いたい。
#77
○国務大臣(小笠原三九郎君) 実は私どもが最初自治庁のほうとお打合せ申したときに、この二〇%ということで予算を編成いたしまして、それで若し又来年度に至つて非常な実情に合わんようなことがございますれば、これはそのとき御相談申上げてもよいと思つておるのでありますが、併し私どもは、この交付税率というものは、御承知のごとくまあ主に所得税、酒税、法人税でございますから、はつきりはしておるのです。年々の趨勢も大体はつきりしておりまするので、こういつたものに対する根本の率は余り動かしたくない。又若しその必要等がございますれば、たばこの消費税、そういつたようなもので御相談申上げたいと、実はこれも率直な言い方ですけれども、考えておる次第でございます。それからこの交付税を、例えば今年はそれを二一にしよう、二二にしよう、二〇にしよう、一九にしようと、絶えず動くものでありましては、やはり中央地方を通じての財政計画を立てるのは困難いたしまするから、私どもはこの点はこういう太い柱を一本二〇でずつと貫きたい。ただいろいろ加減し得るものがございまするから、例えば今申上げたたばこ消費税のごときものでございますれば、これは若干操作し得る部分がございまするから、これについて御相談申上げて、この地方財政について御迷惑がかからんようにいたしたいと、かように考えておる次第であります。ただ本年のことはわかりませんが、まだ今お話になりましたような自然増収などの見込み等もこれははつきりいたしておりませんので、それがはつきりいたしました上で、三十年度の大よその見込みも立つて参りまするから、それについていろいろな措置を御相談したいと、かように考えております。
#78
○若木勝藏君 そうしますというと、今のお話で、原則としては国家の財政の上から二〇%としてどうしても今行きたいということになるのでありましようけれども、今後実際実施してみた上で、これは必ずしも長期に亘つて固定したものではない、そのときの事情によつては或いは率の変更もするであろうし、或いはたばこの消費税も考えるであろうと、こういうゆとりのあるように考えておられるというふうに了解して差支えございませんか。
#79
○国務大臣(小笠原三九郎君) まあこういう交付税というやつは、さつき申しましたように、非常に大きなこれに対する大木ですから、これはまあ成るべく変えたくないと私どもは存じておりまするが、引続き例えばそれが二年も三年もそういうことになりますることがございますれば、これは勿論その実情に応じて変えて行くようにいたさなければならんと思います。ただその場合の補いをどうするかと申せば、それはたばこ消費税その他そういうもので補つて参りたいと、かように考えておるのであります。
#80
○秋山長造君 ちよつと関連して……。今の大蔵大臣の御答弁のように、二〇%という太い柱はなかなか動かさないという方針ならば、なお更この制度の発足に当つて二〇%が妥当であるかどうかという問題を我々としては徹底的にこれはやはりこの際論議をする必要があると思うのです。衆議院のほうで来年から二五%というような修正が出て、非常に大蔵大臣は迷惑しておられるようでございますけれども、そもそもああいう修正が出るということ、そのことがもうすでにこの二〇%という政府の原案に相当無理があるということを何よりも物語つておると思うのです。その政府の原案の二〇%というものは何からきまつたかといえば、本年度の地方財政計画による地方の財源不足額を千二百十六億円と推定して、そうしてそれから逆に割出したところが二〇%という数字が出て来たということなんですから、千二百十六億という地方財政の財源不足額が妥当かどうかということになるのです。その問題になりますと、さつき大蔵大臣が来られる前にいろいろ論議したのですが、この政府が出されました地方財政報告書の最後に、二十九年度
 の地方財政の問題点として三つの点が政府みずからの手によつて指摘されておるのです。第一は、そこに書いてある通りに、三百六十億に達する赤字団体の再建整備について、地方制度調査会は、財政資金の貸付を行い、再建整備を行わせるように答申しておるにもかかわらず、今度の予算でそれが取上げられていないということ。第二は、地方団体中央金庫の創設ということが取上げられていない。それから第三は、この村政規模の是正、少くとも三百億の必要があるにもかかわらず、百四十九億しか是正していないという、この三つの問題点が解決されないままで見送られておるのです。而もそういう重要なポイントを見送つた上にはじき出した千二百十六億という財源の不足額というところに、非常に問題があると思うわけです。そこでこの財政報告書の今の三つの問題点、これはただ学者が問題点を指摘して論文を書いたものではない。政府自身がこういう未解決の問題点が残つておるのだということを指摘しておる以上は、これを何らか政府が責任を持つて解決する具体的な方法を政府自身がはつきりこれに答えを出さなければならない。その点について大蔵大臣の御見解をお伺いしたい。
#81
○国務大臣(小笠原三九郎君) これは率直に申上げますが、私はこれは初めて見たのであります。初めて見たのでありますが、まあ仰せの点につきましては、これはやはり政府の一部で出しておるのでありまするから、(秋山長造君「政府の一部ではないですよ、総理大臣が出しておる」と述ぶ)それでありますから、私は幾ら読まなくても知らんというようなことは申上げません。(笑声)申上げませんが、併しそれを見てのお答えといたしますれば、私は新らしい新制度でやつてみて、新制度に基いてのいろいろ欠陥が出て参りますれば、それに基いて三十年度以降を処理いたしたいと、かように考えます。
 なお、大体今二〇が二五になつておるというようなことをお挙げになつておる趣意は、こういうことをお挙げになつておるのでありましようけれども、主としてあれは入場税の問題が率が下つて収入が減るではないかということ等から出ておるのでございます。或いは又一部個人の事業税などをお変えになつて、何か六万円を七万円に変え、更に来年は十万円に変えると、これはほかの税法との関係で少し困るのでありますが、そういうようなことをいろいろ織込まれてのこれは三十年度に対する事柄と思いまするが、まあ税制の問題といたしましては、これはやはり税全体の問題としていろいろ御相談申上げたいと思つておりまするし、又全体の問題は飽くまで国の財政と地方の財政とにつきまして、十分御相談し合つた上で取りきめたいと、かように考えておる次第でございます。
#82
○秋山長造君 その大蔵大臣のおつしやる点はわかるのですけれども、本当はわからんけれども、まあわかると言
 つておきます。具体的にこれをどうするのかということを質問しておるのです。さつき主計局次長に聞いたら、これは勝手に作つたので、まあ取消されましたけれども、大蔵省の関知しないところだとおつしやる。併し我々としては、これは内閣総理大臣吉田茂の責任において政府から国会に出された地方財政に関する最も権威ある公式の報告書なんですから、で我々としてはまだこれは非常に問題を控え目にまとめ
 ているという不満を持つておるのだけれども、併し政府自身が控え目に控え目にとまとめられて、而もこれだけ問題点が残されているのです。我々はそれを根拠にして、では政府自身が提供しているこの問題点を政府自身は如何に解決されるおつもりであるかということを聞けば、そんな書類は見たことがない、今初めて見るのだということでは、これはてんで問題にならん。でこの三つの点はどうなるのですか。今後改めるといつたところで、この交付税制度なり何なり今度のいろいろな改革をきめられるときには、すでにこの三つの問題点が未解決のまま残されているということは大蔵大臣自身にもはつきりおわかりのはずなんです。この三つの問題点をどうされるのですか。
#83
○国務大臣(小笠原三九郎君) これは私どもよく検討しまするが、併し先ほど申した通り、この新制度を行いまするから、この新制度に基いたものでどういうふうなことになるか、その実情に応じてしたいと思つております。なお実は私はこれも少し言葉が過ぎるかもわかりませんが、内閣は毎年地方財政の状況を明らかにしてこれを国会に報告しなければならん、報告というよりこれはむしろ意見とか希望というものが入つておつて、単純な報告と見にくいようにも思うのですが、併し事柄はよくわかりますから、これは十分一つ考慮いたしましよう。
#84
○秋山長造君 併しこれは笑い事ではないと思うのです。笑い事では済まない問題だと思うのです。これだけ政府が今の地方財政の非常に困つている実情を報告し、而も具体的に数字を挙げて報告して、而も結論的にその問題点としての三点を挙げて、この点は遺憾ながら二十九年度の地方財政計画に織込むことができなかつたと言つて、今後の課題として政府自身がこれたけのものは残しておるのですよ。これは直接には地方関係だから自治庁長官の関係かも知れんけれども、何といつても財政を握つている大蔵大臣自身の責任にもなるし、我々も又大蔵大臣に期待するところが非常に大きいわけなんです。この問題点の三点について、一つ具体的にこれはどうする方針だということるお聞かせ願いたい。
#85
○国務大臣(小笠原三九郎君) 方針としては先ほども申上げました通り、この新らしい制度の施行状況を見て対処したいと思いまするが、なおこの問題となつた諸点はいずれも地方制度調査会は或い税制調査会等にもこういうものが出ておりまして、事柄はこの地方制度調査会の報告は見ておりまするから知つておりまするが、地方制度調査会等で取上げられた問題につきましは、実は事務的にも各省が十分話合いをいたしまして、それで事務的に話合つた結果について又閣議でも話合いまして、それで本年度の乏しい予算の配分方について相談した上やつたことでございまするので、これらの三点とも本年度の予算では乏しい予算で予算措置が講ぜられなかつた、こういうふうに御了承願いたいと存じます。
#86
○秋山長造君 いやそれはわかつているのですよ、それは大蔵大臣の説明を聞かんでも……。措置が講ぜられていないから、而も今後の問題として残されているから、今後をどうするのかということを質問しているのです。でこれはこういう地方制度調査会の答申の中漏れているのはこれこれだという、ただ学者が雑誌で論文を発表してその中で指摘しているというようなことじやないと思うのです。特にやはり執行の責任を持つ政府自身がこれだけの問題点が未解決のまま残つているのだと言われることは、取りもなおさず又その課題として残されておる問題は政府自身として何とか具体的にこれを解決する責任があるのだということをその言葉の裏に含められておるはずなんです。だから解決されてないということを答弁してもらつても何にもならないので、解決されてない点を今後大蔵大臣はどのようにして、如何なる時期に如何なる方法で解決される御方針であるかということをお伺いしなければ、質問しても意味がないと思うのです。
#87
○国務大臣(小笠原三九郎君) 二十九年度予算についてのお話はこれはこの通りでございまして、これは乏しい予算を配分したのでありまするから、そういうことになつております。一例だけ挙げれば、三つなら三つのいわゆるそのあとの半分程度をどうするのだというお話でございますれば、これはこの新らしい制度の実績を見て三十年度予算について、そのときに御相談を申上げる、只今のところこれはまだ次の三十年度の予算を編成するところにまで行つておりません。二十九年度予算が通つたところでございますから、只今ちよつと御返事を申上げるところへ行つておりませんが、ただできるだけのことはいたしたいと考えております。
#88
○秋山長造君 そういたしますと、大蔵大臣のお考えでは、今度の制度の改正によつて実際やつてみて、ここに掲げておるような問題点は解決されるかも知れない、又されないかも知れない、こういう御見解なんですか。
#89
○国務大臣(小笠原三九郎君) 三十年度の予算を編成するときに十分考慮いたしたい、かように考えております。それ以外に只今のところ二十九年度の予算案そのものは通りましたが、それに伴う法案等もまだ御審議を願つておるというものもあるような次第でございまして、さような際にこれについてうはこうい方針をとるということは、これは大蔵大臣としては一応の考えを持つておりましても、閣議の決定も経ないのに申すというと、先ほど笑いましたが、これは私承知しておりますが、実はたくさん書類が来まして、これを見ておるかとおつしやられても、さつきのように率直に申しておりまして、見なければ無責任じやないかとお叱りがあつてもいたし方がないのですが、見ていないものを見た振りして御返事申上げることはいかんから、正直に申上げた次第であります。
 それで、そういう次第でございまするので、これは三十年度の予算編成のときまでに十分研究いたしまするし、又この新らしい制度の実績を見ました上で、これについての対処策を考えたいと存じております。
#90
○秋山長造君 そういたしますと、この問題点として三点残されておるということははつきりお認めになるわけですね。今度の税制改革なりその他の改革を以てしても、この三点は解決をされないで将来に残されておるということはお認めになるわけですね。
#91
○国務大臣(小笠原三九郎君) 問題があることはよく承知しております。
#92
○秋山長造君 先ほど主計局次長の御答弁では、この三点の問題については今年の一兆予算の関係で一度に解決はできなかつたけれども、第二段の改革として、今後できるだけ早く何らかい
 い結論を出したいというような御答弁だつたのですが、大蔵大臣もその御方針で今後進まれるおつもりだと了解してよろしうございますか。
#93
○国務大臣(小笠原三九郎君) それは私どももできるだけこういうことついて予算措置をとりたいと思いますが、但し三十年度の予算のことでございまするので、これはできるだけとしかお答えはできません。
#94
○委員長(内村清次君) 大蔵大臣に委員長から申上げておきますが、先ほど各委員からの質疑もあつたようでございますが、衆議院で修正せられました平衡交付金の一部改正案、この問題については先ほどの大蔵大臣の御答弁でも、大蔵大臣としてはこれは了承を完全にしておらない、で参議院のほうで適当な修正を一つ希望するような発言もあつたのでありますが、この点につきましては修正をされました自由党といたしましても、或いは改進党といたしましても、特に又与党でありまする自由党の、内閣の大蔵大臣がその修正に対しまして了承が完全に一致しておらないということは、私たちといたしましても、参議院で審議する上におきましても、この点はやはり将来明確にしておかなくてはならない問題でもございます。又特に今問題になりました内閣総理大臣から参議院議長に報告されておりまするこの財政白書と申しますか、地方財政の状況報告につきましても、これも又法的根拠によつて内閣が責任を以て国会に報告すべき基礎が法律に明記されておるわけでございまして、これがただ大蔵省のほうは、事務官のかたも大臣も実はよく連絡がとれておらない、而も御存じでもない、こういうようなことは、この提出されました三月九日以後この地方行政委員会ではこれを中心といたしまして、そうして現在の地方財政の状況から将来に直つての論議を非常に熱心にやつて来た立場から、この委員会といたしましては、只今のお青葉は非常に遺憾に考えておるわけでございます。こういうような関係からいたしまして、残つておりまする問題点が、政府の立場からいたしましても問題点は残つておりまするし、これと関連いたしまた修正案のこの交付税の率の引上げ、これあたりも衆議院の討論関係をずつと見てみますると、やはり大蔵省の態度、地方財政に関するところのお考え方のどちらかと言いますると、稀薄な点からしてこういう修正もなされた、討論関係がなされておるような状態でもございますからして、この法案の参議院におきまする地方行政委員会の取扱方につきましては、十分大蔵省の、特に又大蔵大臣の意向も開きました上で、将来の地方防砂に対するところの見通しもはつきりいたしまして、この法案の最終解決をしたいと思いますから、各委員のおかたがたもまだ大蔵大臣に対しても質疑の通告がなされており、残つておりますが、大蔵大臣もお忙しいことではございますが、この法案を審議しまするときにおきましては、御出席を頂きまして、この点を明らかにして頂きたいということを私から特にお願いしておきます。
#95
○国務大臣(小笠原三九郎君) お話よくわかりました。実は私もできるだけ出席したいのですが、御承知の通り今予算委員会で隙き間もないということで、順序を変えて頂いてここに出席したような次第でございまして、誠に申訳ありませんが、今後ともできるだけ出まして、私どものほうで審議の御便宜に資したいと思いますから、どうぞよろしくお願いいたします。
#96
○委員長(内村清次君) それでは今日はこれくらいにして散会いたします。
   午後零時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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