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1953/05/12 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 地方行政委員会 第35号
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1953/05/12 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 地方行政委員会 第35号

#1
第019回国会 地方行政委員会 第35号
昭和二十九年五月十二日(水曜日)
   午後二時十二分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     内村 清次君
   理事
           堀  末治君
           石村 幸作君
           館  哲二君
   委員
           伊能 芳雄君
           伊能繁次郎君
           小林 武治君
           島村 軍次君
           秋山 長造君
           若木 勝藏君
           松澤 兼人君
           笹森 順造君
           加瀬  完君
  政府委員
   自治政務次官  青木  正君
   自治庁選挙部長 金丸 三郎君
   大蔵政務次官  植木庚子郎君
   大蔵省主計局次
   長       正示啓次郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永与一郎君
   常任委員会専門
   員       伊藤  清君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○公職選挙法の一部を改正する法律案
 (館哲二君外二名発議)
○公職選挙法の一部を改正する法律案
 (衆第三十一号)(衆議院提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(内村清次君) 只今から地方行政委員会を開会いたします。
 公職選挙法の一部を改正する法律案(参第十二号)を議題といたします。本法律案は参議院議員発議の法案であります。先ず発議者小林君より提案理由の説明をお願いします。
#3
○小林武治君 参第十二号、公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由並びにその内容の概略を御説明申上げます。
 正しい民主政治確立の基礎として選挙制度が大きな役割を持つていることは申すまでもありません。これがために国会においては衆議院に公職選挙法改正に関する調査特別委員会、参議院地方行政委員会に公職選挙法改正に関する小委員会が設置されて、それぞれ慎重に審議を続けられておりますが、何分問題が広汎多岐に亘つておりますために、未だ成案を得るまでに至つていない現状であります。然るに最近の政治情勢に鑑み、政界粛正のために最も緊要且つ効果的と思われる部分についてだけでも重点的に公職選挙法の改正を早急に断行すべしとの声は今や輿論と申しても過言でないまでに高まつて参りました。国会に席を有する我々は平素政界の実情に接し種々体験するところも多いだけに、以上の国民的要望に応えるためにも、この際公職選挙法改正の急務なることを痛感し、先ず以て特に重要且つ緊急を要すると思われる点を取上げて、今回本法案を発議するに至つた次第であります。
 次に、改正の主要点について御説明いたします。改正の第一は衆議院議員の選挙について一人区又は二人区のいわゆる小選挙区制を採用したことであります。御承知のごとく我が国においては明治二十二年と大正八年には小選挙区制、その中間は大選挙区制、大正十四年には中選挙区制というような変遷を経て現在に至つているのであります。我々は現下我が国内外の情勢に鑑み、政局の安定と政界の粛正のために、金のかからぬ選挙を目指して、この際小選挙区制を採用すべきことは最も緊要であると信じます。もとより小選挙区制においても一長一短があるのは免れがたく、これに対して人により賛否種々の意見があるのも否定できないのであります。併し議論をすれば切りのないことであつて、事の緩急軽重を図つて多少の欠点弊害が伴おうとも、より大なる長所利点に着目して虚心に大局的見地から考えれば、前述の難局打開のために小選挙区制断行の極めて急務に属することは多言を要せずして明らかでありましよう。
 今回の小選挙区制案は以上の趣旨に基いて、以下列挙する基準に従つて作成したのでありまして大体選挙制度調査会の答申の趣旨に沿つております。即ち(一)議員定数は、奄美群島を含めて四百六十六人とすること。(二)各選挙区の議員定数は一人を原則とするが、事情により二人までを認めること。因みに結果としては一人区、二百二十区、二百二十人、二人区、百二十三区、二百四十六人、計三百四十三区、四百六十六人、という数字に相成つております。(三)議員定数の配当は、各都道府県に対して一人を平等に配当し、残余の定数(四百二十人)を昭和二十五年国勢、調査の人口に比例して配当すること。(四)選挙区の区域は、各都道府県別議員定数一人当り人口(十五万人乃至十九万人)を標準として、各選挙区の人口が成るべく均等になるように定めること。(五)選挙区の区域を定める場合においては(イ)郡市区の区域によるのを原則とすること。(ロ)必要がある場合には郡市区の区域を合せて一選挙区とすること。(ハ)むを得ない場合においては、郡の一部と他の郡市区を合せて一選挙区を定めることができること。(二)一市区町村の区域は、これを二以上の選挙区に分けることができないこと。
 改正の第二は高級公務員の立候補の制限であります。即ち現行法において在職中公職の候補者となることができないと規定されている者の範囲に日本国有鉄道等の役員の加え、各省の事務次官等の職にあつた者は、その職を離れた後二年間は国会議員に立候補することができないものとし、都道府県の知事又は副知事の職にあつた者は、その職を離れた後二年間は参議院全国選出議員の選挙における候補者となり、又は衆議院議員若しくは参議院地方選出議員の選挙において当該都道府県の区域の全部若しくは一部をその区域とする選挙区における候補者となることができない。国の行政機関の地方支分部局中二以上の都道府県程度の区域を管轄するものの長の職にあつた者についても知事に準ずる取扱いをするものとし、但し、これらの改正部分は法律公布の日から起算して三カ月を経過した日から施行することとし、その施行日前に改正規定により立候補を制限される職を離れた者に対しては、この制限規定はその離れた職については適用しないことにいたしました。以上の立候補の制限は、従来の選挙における実例に徴し、これらの高級公務員中にややもすれば在職中事前運動と見られる言動をなす者がありますので、以上の制限規定によつて在職中に温存された影響力が選挙に対して不当に利用されることを防ごうとする趣旨に出ずることは各位にも御了解頂けることと存じます。
 改正の第三は、公選知事の職が余りに長期間に亘つて同一人に独占されることは、健全なる民主政治のために弊害があることを慮つて、引続き二期に亘つて一つの都道府県知事の職にあつた者又はある者は、当該都道府県のそれに引続く期の知事の選挙における候補者となることができないことにいたしたのであります。
 改正の第四は、いわゆる連座制の強化であります。即ち一現行法には、選挙違反に対して免責規定等があつて、折角の制裁規定が骨抜きとなる場合が少くないことは選挙粛正上の癌とも見られますので、これらの点を改めて連座制の強化を図つた次第であります。
 改正の第五は、公職選挙法の罰則に触れて、刑に処せられた者に対する被選挙権の停止を強化するとともに選挙権は停止しないものとしたのであります。
 改正の第六は、罪の時効はすべて一年とし、犯人が逃亡したときは二年としたのであります。
 改正の第七は、法定選挙運動費用の制限額の引上げであります。即ち衆議院議員の選挙に関し第二百一条の四を改正して、現行の「四円」を二倍の「八円」に引上げ、運動費用の制限額を実情に即するよりにいたしました。参議院議員についてはその基準額は政令で定められることになつておりますが、同様二倍程度に引上げられることを予想しております。
 改正の第八は、出納責任者に関する規定の整備であり、その他条文整理的の改正を行なつた次第であります。
 何とぞ慎重御審議の上御賛成を希望いたします。以上。
#4
○委員長(内村清次君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#5
○委員長(内村清次君) 速記を始めて下さい。公職選挙法の一部を改正する法律案(参第十二号)は、今週土曜日に開催日程の公職選挙法改正に関する小委員会を変更して、委員会において質疑及びこの法案の取扱について審議をすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(内村清次君) それではそのように取扱いをいたします。速記をとめて下さい。
   午後二時、十九分速記中止
   ―――――・―――――
   午後三時十七分速記開始
#7
○委員長(内村清次君) 速記を始めて下さい。
 それでは公職選挙法の一部を改正する法律案を議題に供します。衆第三十一号、常時啓発の選挙費用の件です。質疑の続行をいたします。
#8
○堀末治君 大蔵政務次官に伺いますですが、この間この常時啓発の費用の問題について大分お聞きいたしたのですが、自治庁のほうからこういう費用に対しては特に多分に張り込んで欲しいということで三億円かお願いしたそうですが、今年はこんな財政の都合だから一億円だけということで一億円になつたそうでありますが、だんだんよく聞いてみますというと、それが平衡交付金のほうで配賦されるのですね。そうしますと、平衡交付金は御承知の通り行かない県並びに市町村がある。そうすると、これらはこのいわゆる折角費用はこうしてない中から一億円もらつておりますけれども、それが全部へ行き渡らない。従つて向うのほうでそれに対する責任感が薄くなる。こういう結果になるわけなんです。それですから、できることならばこれはこういう特別の経費ですから、成るべくその趣旨が徹底されるように、紐付きというような荒々しいことでなくても、何か別にしてもう少し張り込んで、そうして各都道府県並びに市町村に配賦されるようなお考えを願つたらどうかというのが、この間ここでしきりと私はかりでなく各委員から出た問題です。その点について一度一つ大蔵省の御見解をよく承わつておきたい、こういうことでございますが、如何でございましようか。
#9
○政府委員(植木庚子郎君) 選挙に関する啓発、或いは周知、その他宣伝につきまして、国庫から補助金を出して、そしてそれを紐付きにしておいたほうが当該府県市町村といたしまして忠実にこの仕事を行うようになりはしないか、そういうような予算の編成方針をとるつもりはないかという御質問でございます。大蔵省といたしましては、本年度の中央地方を通じます財政の調整の際におきまして、これに相当する費用といたしまして、おおむね一億円の金を仰せのごとく地方交付税の中に織込んでその交付金の中で処理をして頂くと、こういう考えで予算は作られておるのでございます。併し将来に亘つて今の仰せのごとき御趣旨によつて編成したらどうかという御意見でございますが、只今のところ大蔵省といたしましては、やはり今回のこの措置によつておおむね地方に対しては所要の財源が行つている、従つてその中で地方庁としては善処して頂きたい、かように考えておるのであります。尤も交付税交付金のことでございますから、富裕の府県、市町村に対しましては参らんことになりますが、併し選挙を公正に、そして又この選挙制度が円滑に運用されるようにすることにつきましては、これは交付金のあるとないとにかかわらず、当該地方自治体としては当然これは最も意を用いて頂かなかなければならない問題だと存じます。選挙はあらゆるいろいろな種類の選挙がございますが、どの選挙についても同様であり、そしてそのあらゆる選挙において地方民が、有権者が本当に正しい意味においての選挙権の行使をされることは、これは地方自治にとつても当然必要な問題でもございますしするから、富裕府県においてはやはり当該固有の財源のうちで、或いは交付税交付金を受けるところにおいては交付金の中において、こうした施設も是非地方の行政の一部分として実行して頂きたいと、かように大蔵省は期待している次第でございます。
#10
○堀末治君 御答弁の御趣旨はよくわかるのですが、その出されました資料を拝見いたしますと、折角交付金が参りましても、そのほうの予算化をしているのは県では五〇%、市町村では三〇%以下だ。あと交付金のことですから、貧弱な県はほかのほうに廻していると、こういうことなんです。それですというと、折角こういう法律を作つてもいわゆる仏作つて魂入れないというような形になりますので、それですから私といたしましては折角こんな法律を作るのですから、費用ももう少し思い切つて張り込んで頂いて、そうして厳重にそれがその目的に使われるように一つ大蔵省のほうでお考えになれませんですか。ただ単に市町村の自治的のやり方ばかりを希望するというのでは、やるもやらないも、もらつた金ですから、向うはおれが使うのだから勝手だと言えばそれきりになつてしまうのですね。
#11
○政府委員(植木庚子郎君) 一応御尤もな御意見ではございますが、何しろ全国府県市町村につきまして、今年の財源配分として考えました場合には、それを通じて一億円というような数字でございます。従つて一市町村について見ますと極めて少額な金になつてしまいますので、一例を申上げますと人口一万ぐらいの町村ぐらいになりますと、せいぜいその一町村に対してこのために配分し得る金が七、八千内外というような実は零細な金額になつてしまいますので、こうした金について一々紐付きにするのも如何かと考えられます。併し仰せのごとく思い切つてそれじやそれを三倍にも五倍にもしてという御意見も御尤もなんでございますが、何しろ国、地方を通じまして財政非常に多難な際でもありまするし、差当つての問題としては今考えております制度で一つ善処して頂きたい。かように考えまするし、将来財政の余裕でもでき、そうしてその余裕で以てこうした経費を相当殖やして見込むことかできるというような場合には、或いはその中から抜き出してそうして別途の特別な紐付き補助金にすることも考えられるかも知れませんが、私個人的な考えを申して甚だ恐縮でございますか、ここ一両年の近いうちにそうした財政的余裕ができるかというと、これは相当至難ではないかというふうに想像いたすのでございます。併しこうした金の盛り方であるから、仰せのごとく府県としても五〇%ぐらいの府県しかこの経費を計上しない。市町村としても三〇%ぐらいしか計上しておらないという実情であるといたしますと、これは誠に残念な状況でございまして、これについては自治庁その他から一つよく御指導を願つて、そうしてこの経費をできるだけ計上して、そうしてこの目的に副うような仕事をして欲しいと思うのであります。すでにこれは十二分に御承知のことと思いますが、地方財政平衡交付金の、現行のこの交付金法の二十条の二にもこうした場合に備える規定がございまして、若し府県市町村がそうした場合にやるべき当然の仕事をやらない場合には、当該関係の行政機関としてはこれに対して勧告を加えることができるという規定もございます。こういうような規定を適当に一つ発動して頂いて、そうして成るべく善処して頂きたい。まあ財政当局の苦しい切り盛りをしておる者としては、只今のところその程度のお答えしかいたしかねることを甚だ遺憾に存ずる次第でございます。
#12
○松澤兼人君 只今堀委員から御質問のあつた同じことなんですが、こういう選挙の常時啓発という仕事がまあ国家の仕事であるか、或いは市町村、或いは府県の仕事であるかということについてはいろいろ考え方あると思うのですが、それを本当に民主政治を確立するということ、国及び地方の選挙に対しても民主主義の理念を徹底するということから言えば本来国の義務ではないか、こうも考えられる。そうすれば当然必要なだけは国が見てやらなければならない、こういう論議になつて来ると思うのです。そこで私ばかりでなく皆さんやはり何とかして国から常時啓発に必要である十分にして確実な国家の財政的な措置を要望しているわけなんです。現在国の財政が苦しいこともよくわかります。同時に又地方の財政も苦しいので、こういう選挙に関する常時啓発が必要な仕事であるということであれば、やはり国がこの財政上の責任をとつてやらなければならない、こういう理窟になるのじやないかと思うのです。そこでお尋ねいたしたいことは、本年は平衡交付金或いは交付税交付金という形で計上されている。来年になりましてからこういう財政上必要な措置を講ずるということでなくて、選挙の常時啓発の費用は国の負担とするというようなふうに変えて、いわゆる紐付きで末端まで徹底するようにしなければならないのではないかと考えるのですが、来年でもやはり非常にむずかしいとお考えでございますか。
#13
○政府委員(植木庚子郎君) 先ほどもお答え申上げました通り、私の卑見といたしましては相当困難に考えます。と申上げましたが、併し考えてみますというと、あらゆる国のこうした時代における政治の一番根本の大事な問題は、選挙そのものが公正に、而も極めて間違いなく行われるということにあると思います。殊に今回こうして法律を改正せられまして、その選挙の常時啓発の問題を取上げられ、こうして制度化されるということにいたして参りまするというと、果して私が今財政上苦しいから云々と申上げることでいいかどうかには、私も大いに反省をしなければならん点があると存じます。従いまして、将来の問題といたしましては、財政の都合もさることながら、十分一つ研究をするだけの心構えは持つて参りたいとかように考えておる次第であります。
#14
○松澤兼人君 もう一つ、この選挙費用或いは選挙管理費用、その他の費用の負担と申しますか、或いは財政上の措置と申しますか、いろいろこの辺の条文の立て方が違つているようですが、仮に若し財政上の必要な措置を講ずると規定した場合に、そういう条文の中で別にこれを紐付きと申しますか、末端までこれは選挙の常時啓発の費用であるというふうに徹底させることはできないものですか。或いは必要な財政上の措置を講ずるといつても、現在の平衡交付金のようにごちやごちやになつて紐付きでなくなつて、しまいには行方不明になつてしまうというような形ではなくて、末端までその目的のために費途を限定して流すということができるかどうか、この問題です。
#15
○政府委員(植木庚子郎君) 現在のような平衡交付金でやります場合とか、或いは交付税交付金で処理いたします場合には紐付きにするということは適当じやない、或いはやつてはまずいというふうに考える次第でございます。選挙のこの常時啓発の問題につきまして国が専らその仕事に、仕事と申しますか、この所要財源の調達の責任に当るべきか、或いは市町村がいいかという問題につきましては、これも私の私見にわたつて恐縮でございますか、私はこうした常時啓発の費用というようなものは本来の性質として考えます場合には、やはり平衡交付金等のこうしたものの中に入れまして、そうしてこれが一般的に常時文化国家として、或いは選挙というものがあらゆる国の政治の、又地方の政治のすべての基礎になるものでございますから、それだけに当然の当該各地域における費用の中にそういうものが相当額盛込まれるということのほうが理論的に、私の考えでこれはなんですが、いいじやないか知らんと思います。併し仰せのごとく、これを紐付きの方法が予算の積算の方法として不可能かと仰せられますと、これは不可能でないと思います。将来適当に、本年度から一億円交付税交付金の中に盛り込んであるといたしましても、この仕事は国からの紐付きでやらすほうが効果が挙がるということになる、而も相当巨額の費用を計上することができるという事態になつて参りますと、或いはこれを国の予算に計上します。そしてこれを紐付きにして補助金にして出すということも決して不可能ではないと考える次第であります。併し先ほどの答弁でも申上げました通り、今日のごとく一億円内で先ほど申すような、人口一万で七、八千円しか行かない、こういうようなことになりますと、これを紐付きにすることは如何なものかと考える次第でございます。
#16
○松澤兼人君 自治庁にお伺いしますが、二百六十二条の「財政上必要な措置を講ずるものとする」という、左に掲げる費用ですが、これは全部これまでの平衡交付金、或いは交付税交付金の中にごちやごちやと入つてしまう費用でありますか。或いはこの中でもこの費途に使わなければならないということを特に限定して下へおろすことのできる費用がございますか。
#17
○政府委員(金丸三郎君) 二百六十二条には抽象的に財政上必要な措置を講ずるとなつておりまして、二百六十三条ははつきりと国庫の負担と書いてございますが、二百六十二条の中で三号の立会演説会の費用とか、四号の選挙公報の費用とか、こういう種類のもので衆参両院の国会議員の選挙の費用に関しますものであれば、これは委託費として仰せのいわゆる紐付き費用と申しますか、そういう形で交付いたしております。だから二百六十二条は、運用上は平衡交付金でもよろしいし、委託費でもよろしいと、非常に財政上必要な措置でございますから、或いは抽象的にもつと申しますれば、まあ地方税法の改正によつて財源を見てやるというような方法も可能な非常に幅の広い規定でございます。従いまして三号、四号等は平衡交付金でも可能でございますが、国の選挙につきましては、現在はむしろ委託費として直接にいわゆる紐付きで交付しておるわけでございます。
#18
○松澤兼人君 そういたしますと、この二十九年度予算では平衡交付金の中に含まれていて、いわゆる紐付きではない。併しこの条文をあのままにしておいても紐付きということにできないことはない。こういうふうにとつてよろしゆうございますか。
#19
○政府委員(金丸三郎君) 仰せの通りでございます。平衡交付金でもでき得ますし、委託費で交付するという方法も可能でございます。
#20
○松澤兼人君 そうしますと、この今回のまあ改正の二百六十一条の二ですが、国の財政上必要な措置を講ずるとこう書いてあつて、実際上この費用に限定して下へおろすことができますか。これは平衡交付金の中に入つているから今年は駄目だということになる……。
#21
○政府委員(金丸三郎君) やはり費途を限定するということは、まあむしろ全体としては平衡交付金の精神に反すると思います。
#22
○松澤兼人君 この提案になつております二百六十一条の二、これをこのままにしておいて、来年まあ三億なら三億というものが取れたとして、こういう常時啓発の費用に使うという場合に、交付税交付金でなくて、いわゆる委託費というふうにすることもできますか。
#23
○政府委員(金丸三郎君) 可能でございます。
#24
○松澤兼人君 最後に確かめておきますが、そうしますと、国会の意思なり、或いは自治庁の考えなり、そうして大蔵省も平衡交付金、交付税交付金の中に入れても三億、そして別に委託費としても二億でどちらでもかまわないということであれば、条文はこのままでも委託費として下へ流すことができる。こういうことになりますか。
#25
○政府委員(金丸三郎君) さようでございます。
#26
○加瀬完君 今の松澤委員の質問に関連をいたしておるのでありますが、常時啓発の費用を除きまして、ほかの選挙管理の費用というようなものは大体国が直接負担をするとか、或いは委託費という形をとつておるわけであります。この常時啓発の費用だけは平衡交付金ですが、交付金に任せましたのは、常時啓発の仕事というものとその他の選挙の管理のもろもろの仕事というものを何か階段をつけて考えておるのかという点が一つ。
 それからもう一つ先ほども申上げましたのでありますが、常時啓発の費用というものと関係して、而もそれは地方自治体の任意に任せておつては万全を期せられないという前提がありましたから、この費用というものを新らしく盛込んだということになると思うのです。そうするとその一番常町啓発を府県なり市町村なりとして必要な程度にやるには、府県及び市町村ではどのくらいの常時啓発の費用というものを必要とするかというその単位なり総額なり、そういう点について金丸部長に伺いたい。
#27
○政府委員(金丸三郎君) 常時啓発の仕事は、これはまあやりますれば非常にいろいろなことが考えられますので、実際に当つておるものといたしましては、どれくらいやつたならば十分だというような額はなかなか出て参らないと思います。私どものほうといたしましては、先般申上げましたよりに、府県、市町村として一応いろいろな事情等も考えまして、約一億五千万円、自治庁自体として五千万円、約二億程度が二十九年度は欲しいと考えておつたのでございますけれども、府県や市町村の選挙管理委員会の立場としては、いろいろな今までの経験上、三億程度が欲しいというような概算が出たりいたしておつたのでございます。まあ慾を申しますれば切りがございませんし、かたがたやはり国費にも限度がございますし、今年は一兆円以内というような予算編成の基本の方針もございましたので、本年度の予算に盛られましたような額でできるだけ効率的にこの運動を進めて行きたい、かように考えておる次第でございます。
#28
○加瀬完君 もう一つ一番初めに質問いたしましたですね、これを委託費或いは国直接の負担というふうにしないで、平衡交付金或いは今度交付税交付金というような形で盛り込みましたのは、一体常時啓発の仕事というものとほかの選挙管理の仕事というものに何か階段をつけたかどうかという点。それから今の常時啓発の費用を一応自治庁としては府県、市町村に一億五千万、自治庁五千万と考えたというわけでありますが、一億五千万といたしたところで、大体先ほど大蔵省から七、八千円という単位が出されましたが、一、二千円ぐらいの単位しか上らないと思う。こういうふうな単位で市町村の常時啓発というものが行われるというふうにお考えになつておられるのかどうか。
#29
○政府委員(金丸三郎君) 第一の御質問の点でございますが、常時啓発の仕事は選挙と違いまして、まあ一年中適当な時期に行なつて行かなければなりませんということと、それから常時啓発は、まあいわば広い意味で民主政治の基盤を培うと申しましようか、そういたしますと、国の選挙だけでなく地方の選挙もあるわけでございます。基本的には私どもは先ほど松澤委員の仰せがございましたように、日本の現在の段階といたしましては、やはり国がよほど本腰を入れて経費の面も見てやらなければ、なかなかこの仕事は実効を収めないというふうには考えるのでございますけれども、この運動自体の質を考えてみますというと、国に関する面もございますし、県に関する面もございますし、又市町村に関する面もございますし、又常時行なつて行くというような性質の運動でございますれば、平衡交付金に入れるということも一つの筋ではないかと、かように考えられまして、平衡交付金で今年度は財源措置をするということで、大蔵省と自治庁との了解がついたわけでございます。
 第二の費用の点でございます。これは仰せの通り、府県は八十八銭という額になつておりますし、市町村は一円二十銭という額でございますから、小さな人口が五千というような町村に参りますと、六千円という程度の額になつて参ります。実際に六千円では殆んど何もやれない。地方に講師を一人呼びましても、やはり往復の旅費等を考えますと、一万円程度の謝礼は最小限度しなければならないから、とても国のほうで面倒を見ておられるような額では、市町村の末端ではこの運動は展開できないのだということを、全国どこへ行つても聞かされるわけでございます。従いまして私どもも決して十分とは存じませんが、先ほど申上げましたように、国の財源にも限度がございます。民間の団体等守の利害もございますので、乏しいながら、いろいろな団体が計画を示し合い、お互いに助け合つて効率的にこの運動をやつて行くようにしよう、こういうふうに考えておる次第でございます。
#30
○加瀬完君 只今の御説明によりますると、運動の質を考えます場合、国が負担しなければならないものもあれば、府県なり市町村なりが当然負担すべきものもある、そういうふうな運動の質というものを判断をいたしますときに、これは平衡交付金という形をとるのが妥当であるというふうな御説明のように承わつたわけでありますが、それならばもつと常時啓発というものが行われておらなかつたその理由がどこにあるのかということを自治庁はどういうふうに考えるかということを反問したいのであります。例えば平衡交付金というものは今までもあつたわけでありますし、その計算の中にこういつたようなことも当然考えられて行つてよかつたわけであります。併しながらそれだけでは実際におきまして、常時啓発が非常に足りないんじやないかと国自身も、政府自身も判断をしなければならないような状態に置かれて来たわけであります。さつき堀委員のほうからも出ましたように、これを平衡交付金或いは交付税交付金ということにするならば、もらう所もあればもらえない所もある。自治庁の御見解の運動の質というものが一部を国で負担しなければならないものであるとするならば、そういう不公平を来すこともおのずと明らかなことであります。そういつたような点から考えましても、これは平衡交付金という形では実質的な常時啓発というものが万全を期せられないということが当然考えられなければならない。それをこういうふうな交付金という形にするというのは、自治庁の考えている常時啓発をしようという性格というものか予算の上でははつきり裏付けられるということにならない、こういう点如何でございますか。
#31
○政府委員(金丸三郎君) 大変むずかしい御質問でございますが、まあ運動自体はやはり国に関する面もございますし、府県や市町村の選挙乃至府県の自治、或いは市町村の自治、なかなか現実には切り離せませんけれども、そういう面があろうと思います。ただた財源の措置の仕方といたしまして、私たち方針といたしましては、全額国が持つというような行き方もあろうと思います。これはそうしてそれを直接に委託費なり補助金なり、そういうような方法で交付するということも可能でございます。又方法といたしましては、国が何分の一を負担する、府県が何分の一を負担する、市町村が何分の一を負担する、こういうような行き方も可能であろうと思います。勿論そういたしますれば、やはり県の負担分、市町村の負担分について、国と地方を通じて財源を考慮しなければならないことになつて参るわけでございますが、今年は不交付団体は仰せの通りございますけれども、そういう所は財政需要と収入との工合から見まして、やはり御自分の考えでやつて行ける、だろうというような考えの下に、本年度といたしましては、まあ平衡交付金で措置することに話合いがついたというわけでございまして、私、絶対的に当然に平衡交付金でやるべき筋合いのものであると、こういうように申上げたつもりではないのでございます。
#32
○加瀬完君 重ねて伺いますが、これは地方自治体の或る程度任意に任せてやるということを本体にするのか、そうではなくて、国が強い政策として、新らしくこういう常時啓発というものを打出そうと考えておられるのか、この点を一つ。
 それから、これは大蔵省にも伺いたいのでありますが、一兆予算、緊縮予算というときであるから、常時啓発ということは非常に必要であるけれども、要求されるような一二分な予算は出し得ないというような御説明があつたのでありますが、そこでお尋ねしたいのは、例年行われておりますところの選挙によりまして、一体違反、或いはそれに近いもの、或いは当然常時啓発が徹底すれば、そういうような支出なり或いはマイナスの面というのは防げるだろうと思われるところの国が負担しておるところの経費、一体こういうようなものはどれくらいあるのか、これと比べ合せて常時啓発の費用というものを考たいので、この点。
#33
○政府委員(金丸三郎君) 第一の御質問にお答えを申上げます。法律の六条にございますように、啓発という仕事は、法律上府県や市町村の選挙管理委員会に義務付けらつれた仕事であろうと思います。ただいわゆる公明選挙運動として現在各地にやられておりますこと自体が、当然にそれにあてはまるかと申しますというと、これは別に法律上のものではございませんので、趣旨としてはりまあ同じものに帰着するであろうと思いますけれども、やり方は府県或いは市町村それぞれ法律の六条の趣旨に適つた運動をやるべき義務は、これは法律上のものとして厳として存在すると思います。ただ公明選挙運動、いわゆる公明選挙運動自体とそれとは法律的には結果的には一致すると思いますけれども、一方は別に法律上の運動ではございませんので、当然に一致するとは言えないかと思います。
#34
○政府委員(植木庚子郎君) お答えを申上げますが、一兆円予算と今度のこの選挙関係の常時啓発に要する費用との問題でありますが、勿論今回の、今日におきましての国と地方との財源調整に際しまして、この際この経費に許容し得ると考えました経費が一億円ということで話合いをお願いした次第でございます。それから殊に今回これを交付税交付金に盛りました一つの趣旨は、補助金の整理という問題を今年の財政上の大きな措置として考えまして、その実行をいたすとになつたのでありますが、その際にも一番問題になりましたのは、零細な補助金を全国的にばらまくということがどうも効果が挙らないのじやないか、だから成るべく零細な補助金というものはむしろ当然地方にやらなければならないものであるならば、それを交付税交付金の中に盛込んでおいて、そうして地方としては常時その経費を最も有効に使つて頂くようにするということがいいという結論に相成りましたので、この点につきましても交付税交付金に入れた一つの大きな理由にいたしておる次第でございます。
#35
○委員長(内村清次君) 只今の加瀬君の質問は全然違いますでしよう。全然聞いていらつしやらないのつですか。あなたは今出然関係のないことを言つていらつしやる。
#36
○加瀬完君 重ねて伺いますが、今の自治庁のほうからお答えになりました問題は、端的に申せば次のような点であります。今度のこの常時啓発の費用というものを一応国が盛り込んだのは、地方自治体の任意に任せて、その補助をしようとすることなんで、それには一応国の政策として強くこの問題を取上げようという、どつちに重点を置いておられるかということであります。大蔵省のほうにお答えを願いたいのは、常時啓発というのを徹底して参りまするならば、少くとも選挙違反に対する捜査とか或いは公訴とか、そういつたようつな費用が、当然国の負担すべき費用を或る程度は防げるということになり得るのじやないか。そういうような費用というものを、一体どれくらい国のほうの支出を抑えることができるという、いや、今までどれくらいそれが出されておつたか、それでこれによつてどれくらい防げるかということの計算がおありなのか。或いは公明選挙運動というものは相当の費用をかけておられるわけですが、常時啓発をしておられれば、この公明選挙運動の費用というものは或る程度防げるのじやないか、それはどのくらい又節減できるかという、そういう計数をお持ちかということです。
#37
○政府委員(植木庚子郎君) いわゆるこうした金の積算に際しまして、従来選挙違反その他に関連いたして国がいろいろな経費を多額に使つております。そうした経費が今回のこの常時啓発によつてどの程度に節減できるかというような数字的の根拠等につきましては、遺憾ながらそこまでの資料はございません。併しながら今まで啓発関係等において使つておりました選挙関係の経費といたしましては、前回の選挙のときの例で申上げますと、約六千万円くらいのこうした取締りなりの経費を使つておりますので、常時啓発の費用を仮に一億円計上すれば、それでどれくらいの節減になるかということは、ちよつとどうもそこまでの推算は困難に考えられます。
#38
○政府委員(青木正君) 第一点の御質問の問題でありますが、地方行政委員の皆さんに私から申上げるまでもなく、この前の選挙のときに公明選挙運動を展開いたしまして、そのときの経験等からみまして、各府県の選挙管理委員のかたがた等が自治庁等に参りまして、どうしてもこの選挙の啓発の問題は、むしろ選挙のときだけやるよりは常時に啓発しなければいかんと、こういうことが関係の選挙管理委員のかた等から強い要望があつたのであります。誠に御尤でありまして、できることならば、これはもうこういう常時啓発をやらなければ、本当の公明選挙の運動というものは徹底できないということを私どもも強く感じているわけであります。更に又御承知のように、来年は今日国的に県会の選挙もありますので、これはもうどうしても民主政治の基盤である選挙を適正に行うようにしなければならんと、こういう考えに立ちつまして、今年は常時啓発の問題を自治庁といたしましては強力に取上げて行きたい、こういうことで国の政策として常時啓発の運動を展開したい、こういう気持でおつたのであります。そうするためには先般来お話がありましたように、できることならば全部補助金なり何なりで出すということが望ましいのであります。併しながら又考え方によりましては、これはもう単に国だけの問題じやなく、地方公共団体の関係している問題でもありますし、又国の財政の状態等から考えまして、まあ交付税で出すという考え方もまあ一つの考え方として取上げることもできまするので、今回は交付金でその費用は支弁しよう、こういうことで大蔵省とも話合ができまして、この措置をとるようにいたした次第であります。
#39
○加瀬完君 国の政策として強く打ち出したといつのであれば、一体交付金で、これをやつたほうがいいか、委託費でやつたほうがいいか、委託費をとらなかつたのはどういうわけか、それが一つ。それから大蔵省に特別取締のための警察の費用が六千万円だとおつしやられるのでありますが、これは一体恐らく自治警のほうの費用というのは入つておらない、或いは又裁判関係に関しての支出というものは入つておらないのであります。又公明選挙運動についての費用というものも全然数字が上つておらなかつたわけでありますが、そういうものを総括して見まするときに、そういう費用が少くも常時啓発というものを徹底すれば少くなるということは考えられるわけなんです。そうすると常時啓発の費用というものは一町村五、六千円とかし、八千円ということでなくて、もり少し幅のある常時啓発の実績の挙がるような範囲というものが考えられてよろしいのじやないか、こういうふうに思われるのでありますが、如何でしようか。
#40
○政府委員(青木正君) 元ほど来選挙部長から申上げましたように、委託費で出すという考え方も確かに一つの考え方だと思うのであります併し又この選挙運動というものが単に国だけの問題でなく、地方公共団体の選挙におきましても至大の関係を持つておりますので、両者力を合せてやる、こういう考え方に立ちまして、交付税の行き方で行くというのも確かに一つの考えであると思うのであります。私どもはできることならば当初は委託費というようなことで行きたいという考えを持つておつたのでありますが、そうしたこの運動の性格から見まして、又一面国の財政の状態等から考えまして、一つここで国もその点についてできるだけのことをするけれども、同時に地方におきましても一つ御協力願いたいという気持で、交付税の方式をとるということに態度を決定したわけでございます。
#41
○政府委員(植木庚子郎君) 先ほど申上げました前回の選挙のときの取締に要しました経費、約六千万円と申上げましたのは、国の警察関係及び検察庁関係の経費の極めて概算でございますから、さよう御了承願いたいと思います。仰せのごとくそれがいよいよ摘発せられまして、裁判等の場合において裁判所その他で使つた経費等も計上すればもつともつと多額になりはしないかということは、やはり仰せの通り相当の額になつていると考えます。従つて常時啓発の費用をでき得る限り多額にいたして行けは、おのずからこうした取締の経費やその後の事後処理の経費が少くなるのではないか、お説の通りでありまして、でき得るならばそうした方面にますます向いて行くようにいたしたいと考える次第でございます。併しながら選挙が公正に取行われるようになるということにつきましては、単に常時の啓発ということだけでなく、これにつきましては教育の問題もございましようし、日本の現在の国民全体の政治意識の問題もございましようし、その他文化、民度いろいろな点からだんだんとよくなつて参るように仕向けて行かなければならんと思うのであります。今日この一億円しか計上しなかつたことにつきましては、先ほども申上げましたように、今日の財政上この程度で我慢をして頂いて、最も有効に使つて頂きたい、かような考え方の下に決定している次第でございますから、この点御了解を仰ぎたいと存じます。
#42
○秋山長造君 ちよつと簡単なことをお尋ねしたいのですが、本年度はこの常時啓発の経費は交付金でやつているということなんですが、そうなりますと、本年度は不交付団体へは国からの金は行かないわけですね。
#43
○政府委員(金丸三郎君) さようでございます。
#44
○秋山長造君 そういたしますと、さつきの大蔵次官のお話で、本年度更にこの法律が出たからといつて特別な金を追加して出すというお気持もないようですから、結局この法律を作つたところで、この二百六十一条の二には都道府県及び市町村へ洩れなく国のほうが財政措置をとるということになつている。少くともこの中には都が、都というと東京都は抜けるでしようし、又大阪だとか何とか富裕府県というようなのは抜けるのでしよう、如何です。
#45
○政府委員(金丸三郎君) この規定は財政上必要と申しましようか、現在の地方財政の行き方が基準財政需要と収入と見まして、そうしてこのような常時啓発の仕事を都もやらなければならない、大阪市もやらなければならないというふうに六条でなるわけでございます。それに応じた需要が一方のほうに出て参りますが、すでにそのような下交付団体の財政収入というものは、そのような需要をも賄えるというようなことになつておりますれば、ここにいう「必要な措置」ということが当該の下交付団体には必要でない、そういうことになつて参るかと思います。
#46
○秋山長造君 これは選挙部長の何ですけれども、この条文を読んでそういう解釈はつきますか。これはやはりこの解釈は、この条文はさつきもお話が出ておつたように、常時啓発の費用というものは、やはり大体においては国か責任を持つてやるべきものだ、それを地方にやらせるのだから、その経費を全部というわけにも行かないにしても、相当部分を国が責任を持つて出してやるべきだ、こういう趣旨の改正でしよう。だからそうなると、これはこの条文を読んでみて、今おつしやるような解釈はよほど無理な解釈であつて、これはまともに読めは、やはり都道府県及び市町村の選挙管理委員会が常時啓発のために使う費用については国において財政上必要な措置を講ずると書いてある以上は、これは交付金の交付団体であろうが不交付団体であろうが、とにかく選挙の常時啓発の費用に関する限りは、国において財政上必要な措置を講ずるというのが、これはすなおな解釈でないでしようか。
#47
○政府委員(金丸三郎君) これは二百六十三条でございますか、そちらのほうとの条文とも……、このように当然国において経費を負担するというような規定でございますというと、全く秋山委員のおつしやる通りになろうと思いますが、二百六十一条の二は非常に幅の広い規定でございます。幅の広い規定で、財政上必要な措置を誠ずるということでございますから、都なら都にしろ、不交付団体自体の財政需要の中に公職選挙法六条の関係の義務を遂行するに必要な経費というものが見積られておる。併し基準財政収入自体がそれを補つて余りがあるという場合には、三百六十一条の二から申しますと、そういう必要はないのではないか。又二百六十一条の二を非常に広く見まするというと、これに必要な地方税の収入とか、地方税自体を改正しまして財政上余力があるようにしてやれば、それでもいいということに私は法律上の問題としてはなり得るのではないかと考えるのでございます。二百六十一条のこの改正規定自体は非常に幅が広うございますから、私は平衡交付金でもいいであろうし、税法なんかの改正でもいいであろうし、又国から直接に委託費等を交付するというような方法でもいいであろうし、非常に幅が広いのではないかというふうに感じております。
#48
○秋山長造君 そういう解釈ができるのかどうか。これはちよつと無理ですがね、この解釈は……。そうすると国において財政上必要な措置というのは何ですか、交付金の不交付団体なるものは、財政上必要なこの措置を講ずる必要がないから、だから当然この中には含まらないという……。
#49
○政府委員(正示啓次郎君) ちよつと大蔵省からもその点につきまして申上げておきますが、秋山委員の御質問御尤ものようにも拝聴するのですが、これはやはり現在の公職選挙法で二百六十二条にも同じような規定がございまして、自治庁から協議を受けましたとき、私どもも議論をいたしたのであります。御承知のように二十九年度にはたばこ消費税を府県、市町村に新らしく配賦する。これはたばこ消費税として新しく設けたのでございます。そういうことも含めまして、財政上の措置ということに解釈をいたしております。たばこ消費税がなかつた場合には交付金をもらう、或いは交付税をもらうような団体が、たばこ消費税をもらつたためにもらわないとか、或いは入場税の配賦が行われたために財政の状況が変つて来るとかというようなこともあるのでございまして、そういう固有の財源の措置をも含めまして、なお交付税ももとより含めまして、すべての財政上の措置がとられた上において、こういう常時啓発のために必要な経費を支弁して行く、こういう考え方で実は参つているのでございまして、只今の御疑問は或る意味においては御尤もでございますが、一応従来はそういう考え方から来ているということだけを申上げておきたいと思います。
#50
○秋山長造君 いや、そういたしますと、財政上必要な措置というのは、必ずしもこの直接常時啓発のために充てる経費というような狭いことでなしに、まあそういうものも含めた地方財政全般に対する措置ということであつて、税法改正というようなこともそれに含まつているという意味なんですか。
#51
○政府委員(正示啓次郎君) 要するに、これは各地方公共団体の固有の仕事といたしまして、非常に大切な仕事をやつて頂く、そうしてそういう仕事をやるというための経費がどのくらいかかるか、又いわゆる財政需要というものが一方において御承知のように出て来るわけでございますが、それに見合うところの財源の措置は十分なされていなければならない。いわば非常に大切な公共団体の仕事としてこういうことをやるために必要な財源措置がなされていなければならん、こういうふうな考え方であろうかと思います。
#52
○秋山長造君 で、この点は、この法案のあとに付いている提案理由にも、その財源措置を明確にする必要があるというように、非常に財源措置ということを強調しているのですがね。だからやはり今あなたのおつしやるような非常に広い漠然としたこの地方財政全般に対する措置というようなことでなしに、やはり狭く解釈して、常時啓発に直接必要な経費を国が負担をして行くということを端的にこれは意味しているのじやないですか。そうしないと、さつきのたばこ消費税をやつたからいいじやないかというようなことまで含めるとすれば、又その半面、たばこ消費税をもらつた代りに、東京や大阪は入場税を取られたからして、結局どちらも五十億円ぐらいで、結局プラス、マイナスしてちつともプラスにも何にもならんじやないかというような理窟も出て来るのですね。
#53
○政府委員(正示啓次郎君) これは御尤な点でございますが、実は私ども主計局で各省といろいろ折衝いたします場合に、いつも問題になる点でございまして、まあ先ほど青木政務次官からお話もございましたが、各省は大体紐付補助金にしてくれという主張が強いのであります。これに対しまして自治庁は、いつも基準財政需要の中に織込みまして、一般財源としてもらいたいというような御主張も非常に強いのでございます。今度の公職選挙法のこの「常時啓発」につきましても、沿革的には紐付補助金的な考え方はもとよりございましたのでありますが、先ほどお話のように財政的には一般財源で以て見て行く、こういうことでございまして、この一般財源で見ましたときも、もとよりこの分としての経費一億円というものは、全体として一方歳出の面に出て来るわけでございます。そうしてそれに対して先ほど申上げたようないろいろの地方税というものを挙げましたが、そうして最終的に不足分が、今年は従来のような交付金の算定方式で交付金を算定いたしたのでありますから、最終的に交付金の算定方法によるところの交付税額がきまつたわけであります。そういうやり方が自治庁の財政の立て方としてはむしろ非常に好ましいやり方であり、自治庁の主張は常にそういう点においてはむしろ一般財源に求めるほうが強いのであります。これはやはり地方自治を育成するという先般当委員会においても御議論のありました面から一一一品いましても、単に紐付き補助金で出すというよりは、一般財源を強化して行くということのほうが地方自治を育成強化して行く上には望ましいことではないかと、私どもも同じように考えておりまして、御承知のような補助金整理というようなことも御提案をしておつたような次第でございます。これは議論のあるところでございましようが、又この法律の表現自体につきましては、或いはいろいろ御議論があろうかと思うのでありますが、一応の考え方といたしましては、そういう点も考慮に入れまして、やはり自治庁としては各省のいろいろの組付き補助金は、できる限り各公共団体共通にやるべきような事柄は少くとも一般財源を以て支弁して行くというふうな方向に持つて行きたいという考えが強いようでありまして、私どももそれにできる限り同調している、こういうのか実情でございますので、御了解願いたいと思います。
#54
○秋山長造君 主計局のほうのお話は一応了承するのですが、そういたしますと、一般的には自治庁のほうのお考えは、こういう各地方団体共通の仕事は一般財源のほうをよしとしておられるというお話でありますが、私先ほど来聞いたところによれば、一般的にはそうかも知らんけれども、この選挙の常時啓発の問題に関する限りは、そうした漠然としたものでは消えてなくなりやすいので、自治庁のほうはむしろやはり二億なり三億なりの金目も殖やそう、それから紐付きといいますか、或いは委託費といいますか、補助費といいますかね、そういう一般財源でない特定のはつきりした財源で出したいという希望だつたけれども、一兆円予算の関係等があつて、なかなかそれは大蔵省のほうで聞き入れてもらえなくて、結局今まで通りこの交付金ということになつたのだというような御説明があつたように私は了解しておるのですが、そうじやなかつたのですか、先ほどの……。
#55
○政府委員(金丸三郎君) この補助金等に関しまする根本の考え方といたしましては、やはりできるだけそのようなものは整理して、一般財源として繰入れて行きたいというのが自治庁の基本的な考え方であろうと思います。ただこの運動が最近に起りまして、まあ経費が十分でない、非常に苦労して全国の市町村や府県の選挙管理委員会がこの運動を展開して行きますのに困つているという点から、ほかのものはいざ知らず、この経費につきましては、是非とも純粋にこの事業だけに使えるような形の経費で支給するように努力して欲しい、これは全国すべての選挙管理委員会の要望でございましたので、私どもといたしましては、この運動の最初の生立ちやら特殊性から、できるだけそういうふうにしたいという努力をいたしたのでございますが、最後には今のお話のように平衡交付金で措置をするということになつた次第でございます。
#56
○秋山長造君 これはよろしゆうございますか、今のあなたのは……。
#57
○政府委員(植木庚子郎君) ちよつと私から補足をさせて頂きますが、先ほど正示政府委員から申上げましたことと、金丸選挙部長から申上げておることとの間に違いがあるようにお聞き取りになること、御尤もでございます。それはむしろ違いがあるのが実は或る程度まで実情なんでありまして、金丸部長のおつしやるのは、いわゆる全国の選挙管理委員会としてこの事務をとつていらつしやる系統の人たちの要望を伝えておられるのであります。併し自治庁といたしましては、自治庁全体としていわゆる地方財政は如何にあるべきか、地方の財源をどういうふうに調達されるのが最もよろしいかというその立場から、自治庁としての最後の結論は、この予算及び制度ができましたように、交付金で以て一般的な財源で以て経常的に仕事をやつて行く、こういう結論になつたのであります。ちよつと先ほど正示政府委員が申上げました各省は紐付きを希望するが、自治庁当局はと言われるそれと同じことが、自治庁内でもこの問題に関する限りでは、選挙系統の人の希望としてある、ここに問題がある、それはもうその通りなんであります。これは現実の問題として曰く言いがたしの実情ではございますが、そういうことの結果が今日こうして現われる。従つてそれが答弁にもつい現われて来ると御承知願いたいと思います。
#58
○秋山長造君 ちよつと待つて下さい。今の食い違いの点はそう追及するつもりはありません。ありませんけれども、これは今大蔵次官がおつしやつたのは、両方うまく辻褄合せて御説明になつたのですけれどもね。併しはつきりこれはもう選挙部長なり青木政務次官の先ほど来のお話と、それから今の主計局次長のお話はこれは何ですよ、食い違つていますよ。食い違つてというよりも全然あべこべですわ。併しまあそれはそれとして、もう一度さつきの問題に戻りますが、この条文はこれは勿論議員立法ですからね、余り金丸さんばかりを責めるわけにも行かないかも知らんけれども、併しこの前の委員会でも金丸部長もこれに双手を挙げて賛成するというような強い御発言があつたわけです。それから又青木政務次官、又は植木政務次官にしても、これは衆議院において恐らく賛成なさつたのだろうと思うのです、この法案に……。だからまあ私しつこくお尋ねするのですが、どうですか。大蔵政務次官にお尋ねしますがね、この二百六十一条の二の「国において財政上必要な措置を講ずるものとする」という解釈は、さつき金丸さんのおつしやつたような、自由自在な勝手な解釈ができるものですかどうですか。又大蔵省が今度予算を組まれるような場合にはやはり同じような解釈で、ここに都道府県及び市町村と全部地方団体を網羅してあるけれども、実際に財政的な手当をするのは、適当にやればいいのだというような解釈がこれでつくものかどうか。その点お伺いしたい。
#59
○政府委員(植木庚子郎君) その点は、先ほど金丸選挙部長から申上げたのと同じ考え方を大蔵省でも持つております。それは従来ございます規定の二百六十二条におきましても、国において財政上必要な措置を講ずるという意味は、即ち必ずしも紐付とか、或いは紐付でなくても委託費とか何とか、特殊の恰好だけを考えておるのじやないのでありまして、中央と地方を通ずる財源の按配、財源の配分をいたしますその場合に、当該府県市町村としてこれに必要な財政需要を、基準財政需要の中に盛込んである以上は、それで以てそういうこの条文に規定しておるところの財政上必要な措置を国で講じたものと解釈をいたしておる次第でございます。
#60
○秋山長造君 従来の二百六十二条の解釈について、そういう非常に融通性のある解釈ができておつたということなんですが、そういう解釈が若しできておつたとしますならば、むしろその解釈のほうが、財政的な事情なり何なりの理由によるどちらかと言えば少し無理な解釈であつて、本来の解釈から言えば、やはりこう書いてある以上は、少くともほかの面はいざ知らず、この費用については国において財政的な措置を講ずる責任ができて来るという解釈のほうが正しいのじやないですか。それでこの際特に選挙の常時啓発のために衆議院が議員立法までせられ、又自治庁がこれに共鳴をして力を入れてやつておられるというのは、やつぱりそういう解釈をとつて初めて意味があるので、やつぱりこれは国において必要な措置を講ずるとは書いてあつても、これは何もこの金をその団体にやるということだけに限られているのではないので、税法改正から何からいろいろなことか全部含まれておるのだから、というこの広い解釈をとられるならば、特にこの際こういう特別な問題を取出して議員立法までやる意味がないので、又それにわざわざ都道府県及び市町村というように具体的にはつきり掲げるという意味もないのじやないかと思うのですがね。で、自治庁自身がそういう解釈をなさつて別に不思議はないというようなお考えだつたら、それはもう今までの特別な依託費だとか補助金だとかいうような、何かはつきり紐のついた形で金を出したいというような強い自治庁の考え方の意味がないと思うのです。それならもう何もそんなことを言わんで、大蔵省のおつしやるように、この費用は交付金の中へ含めてあるのだから、それで引下れと言われたら、それで、はい、さようならと引下つてもいいのであつて、特にこんな議員立法までして、わざわざここでそういう常時啓発の費用について我々がそう特にここで議論を改めてするほどの問題じやなくなるのじやないかと思うのです。その点如何ですか。私はどうも金丸さんのさつきの御答弁は納得できないのですが……。
#61
○政府委員(植木庚子郎君) 大蔵省側のお答えを申上げますが、今回議員立法としてこれの二百六十一条の二というものかできまして、そうして従来の二百六十二条と同じような用語でこうしたことか書いてございます。この点からいたしましても、先ほどお答えしましたように、基準財政需要に見てあれば、それが交付金の形で行こうと、固有財源の中にそれだけの需要が盛込んであつても、いずれであつても、両方とも通じて財政上必要の措置を講じてあることと考えておると申上げましたが、その点は何回お答えしても同じことをお答えするよりないのでありまして、特別に今年この際に二百六十一条の二にこうしたことを謳う以上は、従来の解釈を変えて、国から適当に財源をすべての、いわゆる不交付団体にも与えて行くようにするのがいいのじやないかというお説も一応考えられますけれども、今回交付金に見込みました一億円というものは、従来よりは相当実は張り込んだ金なのでありまして、従来はまあ二百万円に足りないくらいの金がこうした経費に充当せられておつたのであります。それが思い切つて、或いはまだ少いというお叱りを受けるかも知れませんが、一億円に増額した。それほどのことになつておりますので、それで今回こうしたことを特に法律に掲げまして、而もそれは下交付団体、交付団体を通じてその財源の措置が講じてある、こういうふうに考えておる次第でございます。
#62
○秋山長造君 その点についてもう一応参考のためにお尋ねしておきますが、そういう解釈が自由に成立つとしますと、仮にもう一文もこの費用を国が出さない場合ですね、一文も出さない場合にも、いやそれは税法改正なり何なりで、それぞれ税金の自然増収なり何なりがあるだろうが、ということもあるわけですね。そういう解釈もできるわけですね。
#63
○政府委員(植木庚子郎君) その解釈は少し無理かと思うのでございます。と申しますのは、今回の特に中央と地方を通じての財源の配分について全般的な見直しをいたしました場合に、基準財政需要の中にこの項目をはつきり計上しておる以上は、先ほどから御説明申上げておる通りでありますけれども、今のお話のように地方の自然増収その他かあるから、だから国は、全然面倒を見ないでおいて、而も財源の措置を講じたんであるということは、これは如何なものだろうか、私も甚だおかしいと思います。更にそれでもその場合におきまして、やはり中央地方を通じて財源の再配分、或いは配分し直す必要があるかないか十分検討いたしまして、そのときの年度及びその年度以降における財政状況を勘案して、そうしてこれは自然増収の中で地方で賄えるという結論に達しました場合には、やはりこれは仰せの通りの結論になると思います。併しそれを十分にしないでおいて、地方財政の余裕でやつて行く、だからそうしておきながら而も国において財政上の必要の処置を講じたということを強弁すると、これは行き過ぎであると私は考えます。
#64
○秋山長造君 これは程度の問題だろうと思います。仮に来年あたり、今年は一億円ですが、来年あたり何かの都合で総額を一千万円くらいに削つて、そうしてそれは総額は一千万円だけれども、併しそのほかのいろいろな面で地方財政に自然増収もあるし、いろいろな財政的な手当もしてあるから、別にこれに充てる経費は出るはずはないというようなことも、これは解釈としては言えないことはないじやないかと私は思うんですかが、私はやはりさつきも金丸さんかおつしやつておつたように、これだけ議員立法までして力も入れ、又政府もこれに全面的に賛成たという意思を表明しておられる。こういう立法ですから、これはやはり今の解釈次第でどうにでも拡げたり狭めたりできるような交付金によるのでなしに、今年はしようがないとしても、少くとも来年度からははつきり委託費なり何なりという、この一般財源じやなしに使途のはつきりした財源の形で国が負担し、そうして地方に与えるという形をとられて然るべきじやないか、そうしない限り、私は本当に特に議員立法をしてやるだけの効果が挙がらないんじやないか、意味がないんじやないかと私は思う。その点について一般財源によるのでなしに、そういう紐の付いた、使途のはつきりした方法で地方にこの経費を交付するというおつもりがないかどうか、お尋ねしたい。
#65
○伊能芳雄君 関連して、先ほど紐付きにしろという御意見なんですが、大体この自治庁がこういう普遍的な、各府県市町村の事業に対して一般的な一般財源にしようという考え方こそ、これは地方自治の自主性を高めるゆえんなんです。これがむしろ本当の行き方なんである。議員が骨を折つて金を作つたのだからこれは紐付きだ、それは農林委員会へ行つても、通産委員会へ行つても、文部委員会へ行つても、厚生委員会へ行つても、労働委員会へ行つてもそれは非常に多い。それをやられるのは実際は地方自治の一体自主性を高めるゆえんでないのだと私は思います。だから地方が今までそういう態度で来たことは地方の自主性を高める意味においてよかつたと思うのですが、今選挙部長のお話を聞くと、地方の管理委員会から是非紐付きでくれと言つたから自治庁みずから大きな……。
#66
○秋山長造君 それは私の答弁のあと、私の質問と全然逆な質問ですから。
#67
○伊能芳雄君 関連しておる。
#68
○秋山長造君 関連しておるけれども……。
#69
○伊能芳雄君 だから両方織込んでもらわなければ困る。
#70
○秋山長造君 私のほうの答弁が済んでからやつてもらいたい。
#71
○政府委員(植木庚子郎君) お答え申上げます。只今の御質問は、御指摘はやはりこうした議員立法までして、そうしてはつきりとこうした条文を置いて処置しようとする以上は、成るべく国において別途に補助金なり交付金なり、特別な恰好で紐付きで行くほうが至当でないかという質問ですが、この点につきましては、先ほどもちよつと触れましたように、私の一人の考えかも知れませんが、選挙というものか、何も国会の選挙だけじやなしに、地方選挙等も非常にたくさんに行われる。言い換えれば、中央地方を通じての選挙制度の全体に亘る問題であると考えます。従つてこうした問題につきましては、自治庁の中の財政当局か恐らくお考えになつておると考えられまするところの、一般的な経常的な常時施設をしなければならん経費である、従つてこういう問題については交付金というような一般財源、或いは一般財源の中で調弁するのが適当だろうと考えておる次第であります。併しいろいろな御意見があることは我々も承知しておりますから、将来ともその御意見を参考にいたして研究はしてみることにいたそうと考えます。
#72
○伊能芳雄君 そこでさつきの自治庁の方針を選挙部長が、選挙管理委員会からもそういう要望があるというので崩して、今度は紐付きにしようという方針でお進めになつたのですが、この点政務次官にお伺いしたい。
#73
○政府委員(青木正君) 一般論といたしまして、できるだけ地方公共団体の一般財源のこうした費用は入れるべきである、こういう一般論については先ほど大蔵省のお話もありましたけれども、私どももさように考えております。できるだけ地方財政それ自体を強化して、そうした財源は地方自治体が自分の力で或る程度賄えるようにしなければならん。従つて一般論はその通りであります。併し公明選挙に関連する常時啓発の問題につきましては、この運動がまだ始まりまして初期の時代でもありますので、できるだけこれを強力に而も有効適切にやらせるためには、むしろそうしたこういう運動を育成すると申しますか、国としてできるだけ面倒を見るという意味で、むしろはつきりした財源措置を講じたほうがいいじやないかということを当初私ども考えておつたわけであります。併しながら先ほど来お話申上げましたように、一般的な考え方、又この国の財政との関連等から考えまして、国も面倒を見るか、同時に地方も協力して頂きたいという、こういう線で最終的に落着いたわけであります。
 なお先ほど秋山委員からお話がありましたが、この財政上必要なる措置を講ずるものとこう書いたところで、交付金にする意味はどうかというようなお話でありますが、私どもの考え方では、この棄権防止の問題であるとか、或いは選挙運動の公明化の問題であるとか、こういうことにつきまして第六条に規定があるわけであります。併しこれに関する何ら財政的な問題について規定がありませんので、やはりこうした規定をはつきりしておく必要があるのじやないか、こういう意味におきまして、こうした改正は望ましいとこう考えるわけであります。
#74
○伊能芳雄君 大体選挙の常時啓発なんという事務は国の事務であるか、府県の事務であるか、市町村の事務であるか、どういうふうにお考えですか。その点先ず伺いたい。
#75
○政府委員(青木正君) これは先ほど来申上げましたように、国も勿論重大な関連がありますし、同時に地方公共団体の運営の円滑化のためにもやはり基本的には選挙の問題でありますので、国も関連があれば地方公共団体も関連がある。そこで丁度第二百六十二条の選挙人名簿調整につきまして、やはりこれはどちらの選挙にでも使えますので、国が財政的措置を講じなければならんとありまして、交付金で出しておると同じような考え方だと思います。
#76
○伊能芳雄君 そのお考えであるとすれば紐付きの交付金で打切りで、これだけやるから、これだけ運動をしろというような水くさいやり方こそ県や市町村が熱意を持たなくなる。中にはその交付金をもらつただけで、何だか一般に入つて来る一般財源で来たのでは、もらつたのかどうかわからないというような府県や市町村があるかも知れないけれども、今日民主主義を育てて行こうという熱意のない所、こういう所こそこういう団体自身を啓発しなければならないのですか、国から交付金が一般財源として行けば、殊に国会はこういう新らしい法律を作つたということによつて、そうしてその一部を補填してやるということになつて一般財源で行くということによつて初めて県も市町村も非常な熱意を持つと思うのです。これだけの金が行つたのだから、これだけ紐付だからこの限度で連動してくれと、こういうような広告社に物を依頼するような考え方で行つたのでは県や市町村というものは熱を持たない。従つて私は先ほど来秋山委員や加瀬委員から言われておる考え方には反対なんです。これはどこまでも一般財源でやつて、県も自身の仕事として、そうして自分も足してやる、市町村もそれならば大切なんだから自分の費用を一般財源からもつと足してやろう、これによつてもつと非常に運動というものに熱意を持つて来る。これは一つ簡単に紐付きがいいのだというようなことにこの委員会の空気がそうなつては困るので、この点一つ誤解のないようにお願いいたします。ただ、こういうことが困るのです。一番困るのは、財政規模が九千六百億幾らというのができておつて、そうして交付金は千二百十六億円とできて行つて、それを初め計算しなかつたものをあとで法律をこしらえたり、何か仕事をこしらえたりして、これも千二百十六億円に人つておるというのでは困る。これこそはあとから辻褄を合せて、交付金の算定基礎に入つていなかつたものをあとから加えて来るというのでは地方は困る。初めから人つていて一般財源として来るならば歓迎する。これこそ自主性を高めるゆえんです。これはややもすれば国会できめたことを直ちにやれ、これは大事なものだからやれというふうに押付けること自体が自主性を害するものだと思う。これは暮のときの年度末賞与、期末賞与の額をきめるときもそうした処置をしておる。処置をしおるからその通りにやれ、国会が希望を出したいという……私はこの点については非常に難色を示したけれども、それが幾らか役に立てばと思つて賛成しておきましたが、県によつてそれより余計やるところもあるし、少くやるところもある。それが自主性を高めるゆえんだと思う。ただ、今のような枠をきめてから仕事を押付けるのでは、この中に入つておるのだぞ、というやり方は大蔵省も自治庁も是非慎んでもらいたいと思います。
#77
○政府委員(青木正君) その点は私どもさように考えまして、千二百億の交付金がきまつて、その中に入つておるというのではないのでありまして、当初から二十九年度の基準財政需要の中に先ほど申しましたように入れまして計算しておるわけであります。それからなお府県側にも十分意思の徹底を図りまして、できるだけ府県のほうにおきましても、なお負担をしてこの運動を強力に推進して頂きたい、こういうふうにお願いしておるわけであります。
#78
○委員長(内村清次君) 私から正示次長に伺いますが、先ほどのあなたの答弁で、現行法の二百六十二条の財政上の措置を講ずるということで、これはたばこ消費税をやつたからというようなことで、こういうような財政措置をやつたから、この問題にはこういう手当をやつたからというように解釈されることはどうも私どもとしてちよつと納得が行きませんが、この点はどうですか。あなたのほうで幾らか訂正してもらつておかないと……。
#79
○政府委員(正示啓次郎君) お答えいたします。たばこ消費税は一例として引いたのでありますが、たまたま今年の新らしい税でありましたので引いたのでありますが、そういうふうな言い廻しをしたために誤解を招くという点がありますれば、これは一応もう少しすつきりした言い廻しにいたさなければならんと思います。その点は只今伊能委員のおつしやいましたように、やはり地方財政の計画上財政需要というものが一方出て参るわけでございますが、その場合に地方公共団体として公明選挙運動というものが、これが最も大切な仕事として国会の法律にもはつきりきめておられることでございますから、だから先ず重要な仕事としてやる。それをやるためには幾ら金がかかるかということを財政需要のほうに見て置く、そして一方この財政需要を賄う財政収入をそれぞれの税なりその他の収入によつて見て参りまして、そしてこれを補うものといたしまして交付金、今度は交付税でございますが、交付税というものが中央から交付されるのであります。或いは譲与税として譲与されるのであります。そういう場合に財政需要の中に最も大事な項目として見て行くという考えでありまして、この点は私がお答え申上げました以後、秋山委員なり伊能委員と政府委員の質疑応答によつてその点ははつきりしておるわけでございます。私も全く、同様の考えで申上げたのであります。ただ一例として引いた次第でございますから、正しい表現といたしまして、地方の財政需要に先ずこの仕事を見、これを補填し賄う意味で地方のそれぞれの個有の収入、そして最後には国からの譲与税、交付税の収入で見て行く、こういう趣旨に御了解願いたいと思います。
#80
○加瀬完君 蒸し返すようでありますが、こういう法律が出ないときに、選挙に対する常時啓発の費用というものはどういうふうな位置に置くべきかということであれば、只今大蔵省の政府委員の御説明もうなづけるわけでありますが、併しこの法律案の説明によりますると、「選挙管理委員会をして選挙の需要性を解明し、国民に民主政治の真義を知らしめるため常町国民の啓発に当らしめることは最も適当且つ必要と信ずるのであります。よつて、公職選挙法第六条の規定を改正して、この旨を明らかにすると共に、この重大な任務の遂行に必要な経費については、当然に国において財政上必要な措置を構ずる必要があります」、云々とあるわけであります。従いまして、当然に国において財政上必要な経費の措置を講ずる、それが交付金でやつたほうがいいか、或いは委託のようないわゆる紐付きでやつたらいいかどうかということを我々議論しておるわけであります。その点この法律案そのものの提案理由として説明しておる趣旨から、この法律案に反対するというならとにかく、これを認めるなら、この内容から検討してどちらのほうをとつたほうかいいかということを問題として解明して行くのでなかつたら、ちよつと筋違いじやないかと思います。そういう点自治庁の見解と大蔵省の見解が異なつてもいいわけでありますけれども、併しながらこの法案を認めるならば、この法案の趣旨はどちらをとるべきだということの結論を出して頂かなければ、只今の政府委員の説明では私は納得しかねる。
#81
○政府委員(青木正君) 再三申上げておる通りであります。この常時啓発の仕事の性格から見ますると、国も地方も共に非常な関係がありますので両者力を合せてやるべきである、こういうこと。又こうした一般の各公共団体共通の仕事につきましては一般財源で賭うべきである、こういう考え方。そうした一般論につきましては、私ども自治庁といたしましてもそうした考えに立つておるわけであります。併しながら又一面におきましては、この運動は非常に大切であり、初期の時代であるということから見ますると、特定の財源を紐付き財源としてやつたほうがいいじやないかということも一応の考え方としては成り立つわけであります。然らばどちらにしなければならんか、こう申しますると、これでなければならんと、こう決定的に申上げるわけに参らんと思うのであります。財政の都合も考えなければなりませんし、又本来のあり方からも見なければなりませんし、そこで私どもは当初はできることならば特別の補助金というような恰好で国が面倒を見るというあり方がいいのじやないかということも考えたのでありますが、併し又半面前段申上げましたような事情から考えますると、これがそうでなしに交付税というようなあり方で面倒を見ることもいいのじやないかということで、最終的には大蔵省と自治庁と意見が一致したわけでございます。然らば今後どうするかという問題でありますが、この後につきましては、又明年度の予算編成の時期になりまして、国の財政の都合等も勿論勘案しなければいかんと思うのですか、併し考え方といたしましては、要するに問題は公明選挙の運動に関連し常時啓発の仕事が適切に行われますればよろしいのでありまして、その考えに立ちまして、自治庁といたしましてはどうしても紐付きの財源でなければならんとこれを固執するわけでもありませんし、又仮に選挙が、衆議院の選挙というようなものが仮にあるとしますれば、こうした場合に公明選挙の運動、啓発宣伝の問題は特段に取上げなければならん、こういう事態が起つて来れば、勿論これは交付税というようなあり方でなしに、特別の措置を講ずる必要も起つて来ると思うのでございます。
#82
○政府委員(植木庚子郎君) 只今の御質問に対しましては、大蔵当局といたしましても、只今青木政務次官のお答えになつたと同じことを考えております。一つの法律の文言を解釈いたします場合に、今回のこの改正案に盛込んであるこの文言と、すでにその本来の公職選挙法そのものの二百六十二条に書いてある文言がたまたま全く同じ文言を使つてあるという場合におきましては、やはり従来の当該条文の解釈を今回新らしく挿入される規定についても解釈するのが穏当であると考えますし、のみならずこのような性質ということから考えましても、先ほど来申上げますように、中央地方共に力を入れるべき仕事であるとも考えますので、一般財源として交付金の中に織込んで行くといつた今回の措置でこの法律の立案者の御趣旨に十分副つているのじやないか、かように考える次第であります。成るほどこの法律が予算の編成後に提案にはなつておりますけれども、併し先ほど申上げましたように、本年度から従前に比べまして思い切つた増額もいたしております。この点も恐らく立案者は十分御承知の上で、本年度の予算措置についてもこの法律案に丁度ふさわしくなつておると、かようにお考え下さつておるものと私は推察いたす次第でございます。
#83
○委員長(内村清次君) 別に御発言もございませんようですから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#84
○委員長(内村清次君) 御異議ないものと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。なお修正意見がございましたならば、討論中にお述べを願います。
 別に御発言はないようでございますので、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#85
○委員長(内村清次君) 御異議ないものと認めます。
 それではこれより採決に入ります。公職選挙法の一部を改正する法律案(衆第三十一号)について採決いたします。公職選挙法の一部を改正する法律案(衆第三十一号)を衆議院送付案通り可決することに御賛成のかたの御挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#86
○委員長(内村清次君) 全会一致でございます。公職選挙法の一部を改正する法律案(衆第三十一号)は衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条によつてあらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において本法案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして、御承認願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#87
○委員長(内村清次君) 御異議ないと認めます。
 それから本院規則第七十二条によりまして、委員長が議院に提出する報告書について多数意見者の署名をお願いすることになつておりますから、本法案を可とせられるかたは順次御署名を願います。
  多数意見者署名
   堀  末治   石村 幸作
   館  哲二   伊能 芳雄
   伊能繁次郎   小林 武治
   秋山 長造   松澤 兼人
   笹森 順造   加瀬  完
#88
○委員長(内村清次君) 御署名漏れはございませんか……御署名漏れはないと認めます。
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#89
○委員長(内村清次君) それからちよつと御相談申上げますが、実はあと自治法の一部改正法案の提案理由とそれに対する説明を聞くことに予定がなつておりましたが、自治庁長官は御承知のごとく病気、それから政務次官が只今おりまするが、何か衆議院の重要な問題で席をはずされております。それでこれは次回に廻すことにしまして、今日はこれで散会することにしてよろしゆうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#90
○委員長(内村清次君) それでは本日はこれを以て散会いたします。
   午後四時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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