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1953/05/13 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 地方行政委員会 第36号
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1953/05/13 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 地方行政委員会 第36号

#1
第019回国会 地方行政委員会 第36号
昭和二十九年五月十三日(木曜日)
   午後二時四十八分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     内村 清次君
   理事
           石村 幸作君
           堀  末治君
           館  哲二君
   委員
           伊能 芳雄君
           高橋進太郎君
           小林 武治君
           島村 軍次君
           秋山 長造君
           若木 勝藏君
           松澤 兼人君
           笹森 順造君
           加瀬  完君
  国務大臣
   国 務 大 臣 塚田十一郎君
  政府委員
   国家地方警察本
   部警備部長   山口 喜雄君
   自治政務次官  青木  正君
   自治庁行政部長 小林与三次君
   自治庁財政部長 後藤  博君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永与一郎君
   常任委員会専門
   員       伊藤  清君
  説明員
   自治庁行政部公
   務員課長    松島 五郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○地方自治法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○地方行政の改革に関する調査の件
 (北海道における暴風の被害状況に
 関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(内村清次君) それでは地方行政委員会を開会いたします。
 地方自治法の一部を改正する法律案を議題に供します。先ず提案理由を塚田長官からお願いいたします。
#3
○国務大臣(塚田十一郎君) 地方自治法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概略について御説明申上げます。
 御承知のように政府は、地方制度全般についての改革に関する意見を求めるため地方制度調査会を設置し、同調査会から昨年十月地方制度改革について取りあえずとるべき措置に関して答申があつたのでありますが、地方公共団体の種類、性格等の根本的改革に関しては、なお、今後の審議に待つべきものとされているのであります。爾来政府といたしましては、右の答申に関して慎重に検討を加え、成案を得たものについては逐次提案することとして参つたのでありますが、地方行政制度の改革に関する事項については、なお検討すべきものが少くなく、この際は、警察法の改正に伴う技術的規定の整備その地取りあえず必要と認められる最小限度の範囲において改正を行い御審議を願うことといたしたのであります。以下改正法案の要点について御説明申上げます。
 第一は、警察法の改正に伴う規定の整備に関する事項であります。警察法の改正に伴い関係法令の規定を整備するため、警察法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案が提案されておりますが、右法律案では地方自治法に関する規定の整理が行われておりませんので、本法律案において関係規定を整備しようとするものでありまして、全くの技術的な改正であります。
 第二は、市の人口要件に関する事項であります。現行法の下におきましては市の人口要件は三万とされているのでありますが、これを五万に改めようとするものであります。市は町村と異り行政を高い水準において維持することが要求されるものでありますが、これに関し地方制度調査会の答申もございますので、この際改正を加えようとするものであります。最近町村合併の進捗に伴い、現行法の要件の下において市の設置されるものが少くないのでありますが、現に促進中の町村合併に伴う市制の施行については、本法律案の附則において必要な経過規定を設けることとし、この改正によつて特に支障がないようにすると共に、市の設置は、町村合併計画に基いて総合的な見地から行われるように配慮することといたしたいと存じます。
 第三は、財産区に関する規定の整備に関する事項であります。昨年来、町村合併促進法の施行に伴い町村合併が進捗するにつれ、町村合併の際財産区を設置するものが逐次増加いたして来ているのでありますが、現行法の財産区に関する規定は関係住民の意思を反映するにいささか不十分の憾みがあり、町村合併の促進にも、この際規定を整備することが必要とされておりますので、財産区の財産又は営造物の管理及び処分の適正を期し、関係住民に不安なからしめると共に、一面において財産区がその属する市町村等の一体性を損なうことのないような考慮をいたしたいと存じます。これがため、財産区の管理に関する簡素な審議機関である財産区管理会に関する規定、財産又は営造物の処分に関する規定、財産区をめぐる紛争の解決に関する規定等を整備することにいたしたのであります。右のように財産区の規定を整備することにより、町村合併はいよいよ促進されるものと考えております。
 第四は、助役と教育長との兼職に関する事項であります。市町村の教育委員会の教育長につきましては、一般市町村の実情に鑑み、市町村の助役が教育長を兼ねる途を開いておくことが適当と認められるのでありますが、昨年御審議を願つた地方自治法の一部を改正する法律によりますと、その期間は本年三月三十一日までに限られておりますので、当分の間兼職できるようにいたしたいと存じます。
 以上がこの法律案を提案いたします理由及び内容の概略であります。何とぞ慎重御審議のほどをお願いいたします。
#4
○委員長(内村清次君) それでは北海道における暴風の被害状況に関する件を議題に供します。質問の通告がございます。堀君。
#5
○堀末治君 この際、大臣にお尋ねいたしたいと思うのでありますが、それは御承知の通り、先般来北海道では突然な大旋風が起つて、それに雪まで混えて非常な大災害があつたことは御承知の通りであります。これは、損害そのものに対しては自治庁直接ではございませんでしようけれども、なかなか何年来の大きい災害だと思うのです。聞けば、黄海に生れた低気圧が突然脹れ上つて、そうして北海道の江差方面から上つて、丁度中央部を南西から東北にまん中を突き抜けて、そうしてオホーツク海に抜けたというのでありまして、中央部は二十七メーター、南部が三十六メーター、北側のほうは三十二メーター、こういうような速力で台風が通つたということであります。で中央部は主として雪のため、まあ雪も而も今時分一尺も降つて、丁度札幌地方は花見の最中なんでありますが、殆んど花は散つてしまつて、そしてそれによつて北海道は御承知の通りでありますが、今丁度温床苗代が盛んに行われている。その温床苗代が大部分吹き飛ばされてしまつた、雪と両方で……。又この被害の坪数はよくわかつておりませんけれども、この災害は頗る大きいものだと思う。で、すでに衆議院の農林委員会のごときは議員派遣の決議をしたということも聞いております。
 なお又、その漁船の災害も非常に多いのであります。今朝のラジオで聞いてみましても、百四十隻かのうち五十三隻と言うたか、五十六隻と言うたか、どうも沈没を免れないような、数隻のごときはソ連のほうに流されて、ソ連に助けられたようなこともあります。幸いに進駐軍が飛行機を五台か六台出して探してくれていますが、なかなかあの辺は濃霧の多い所で、今時分は殊に濃霧の多い所でありまして、濃霧が多いために視界が十分でなくてなかなか探せない。昨日も横須賀からフリゲートがあとを追つかけて行つたということでありまして、災害としては最近稀に見る大きな災害だと思うのであります。従いまして北海道庁としては、これに対して十分な手は打つていると思うのでありますが、何しろそういうようなことで全道に亘つての広範囲な被害だから、なかなか善後措置は容易でなかろうと思います。幸い政府のほうでも北海道開発庁長官が十五日に向うにそんなこんなでお出かけになるということを聞いておるのであります。それにいたしましても、直接損害そのものには自治庁としては関係はございませんでしようけれども、それらのいろいろな後始末は究極自治庁との関係にもなることでございますので、これに対して自治庁の長官として、又国務大臣としてどういう御処置をとられるか。報告の程度も幸い国警のほうでおわかりでしたら、この際詳しくお聞かせ願いたいと思うのであります。
#6
○国務大臣(塚田十一郎君) 北海道の風水害は、私の今お聞きするところでも何しましたように、いつもはこちらから行つてだんだん北海道へ上つて行くというのが、突然に北海道だけがやられたので、情報もあまり早く承知しませんでしたし、従つて又被害の状況なども十分承知しておらなかつたのでありますが、だんだんわかつて来るにつれて非常に大きなものであるということで私も非常に心配をいたしておるわけであります。先日取りあえず北海道知事に宛てて十分善処されるようということをお見舞いかたがた電報で御連絡を申上げておいたのであります。まあどんな工合に今度の災害が出て来るかわかりませんけれども、災害の場合における自治庁としてのとるべき態度というものは昨年中のいろいろな災害の場合にも十分経験をいたしておりますので、問題が自治庁の処置すべき事態として出て参りしまたときには、適切に而も時期をずらさないように処置をいたしたいと考えておるのであります。それにいたしましても非常に心配をいたしておりますのは、金がどうせ又要るようになられていると思うのでありますが、交付税その他が遅れ遅れになつております上に、又新らしい資金的な需要が起つておりますように感じられますので、一刻も早く国税問題その他も片付けて、できるだけ御困難を軽減させるようにして差上げなければならない。こういうように考えておるわけであります。
#7
○若木勝藏君 私もこの北海道の災害につきまして長官にお尋ねしたいのであります。これは昨日の本会議におきまして、私全般に亘つて緊急質問をしたのでありますが、丁度長官がおいでにならなくて、青木政務次官からそれぞれ御答弁があつたのであります。今堀委員からもお話がありました通り、これは非常に今度の災害は、まあ昨年の内地におけるところの大風水害に比べますというと、目立つたふうにはないのでありますけれども、殊に農林漁業関係におきましては何といいますか、広範囲に亘つて苗代であるとか或いは麦であるとか、或いは播種期であつて播いた種が駄目になるというような、こういう極めて目立たない地味な方面の被害が多いのであります。そこで今いろいろ調べておるようでありまするけれども、現地におきましても、まあぽこつと大きなものがつかめない。併し調査が進むに従つてこれは相当の厖大な被害が浮いて来るのであろうと、こういうことが考えられる。そういう関係からまあ各方面に亘つて私御質問申上げたのでありますが、特に地方財政関係といたしまして昨日伺つた点は、地方税とかそういうふうな方面に対する減免或いは徴収猶予の点なんであります。これはそれぞれ前の法律があつて、それに従つて行われるものであろうと思うのでありますが、これにつきましては、去年の風水害というような場合におきましてもどういうふうなことが条件となつて減免が行われておるか。そういう点を先ず私伺いたいと思います。
#8
○政府委員(後藤博君) 昨年の風水害のときの減免及び徴収猶予の標準は、大体所得額とそれから被害額とを組合せまして、所得額が一定以下のものについては減免額を多くする。こういう所得額とそれから被害額との組合せをいたしまして減免率を定めていたのであります。その定めておりましたものを冷害関係にもやはり大体準用いたして通達をいたしております。従つて今度の風水害も去年の冷害の大体標準で或る程度は行けるのではないか。こういうように私どもは考えております。私どものほうで新らしく通達をするかどうか、まだ伺つておりませんけれども、特殊の災害であるとすれば、特殊な減免のやはり措置をすべきであろうと私ども考えておるのであります。ただ実情がわかりませんので、今朝も前総務部長が来ておりましたので、今日飛行機で帰るということで挨拶に来ましたので、もつと具体的に対策をきめて連絡してもらいたいということを細かくお話をしておるのであります。税の減免の問題は、これはあとの問題でありまして、一応は現在の段階では徴収猶予をいたしまして、そして減免をやりまするのは年度の終り、こういうことに相成ります。従つて一応は徴収猶予の形を、私どもが黙つておりましても市町村はとると思います。それよりも先に問題になりますのは、一時資金をどのくらい必要とするか、これは災害の起債及び国庫補助に見合うところのものでありますが、そういうものを幾らぐらい必要とするかというのが従来の災害の場合の一番大きな問題であります。災害を或る程度の資料を中心にして考えなければならんという問題がありますので、我々が大蔵省と折衝するのに資料を早く出してもらいたいということを申しておいたのであります。
 それからもう一つ交付税の概算交付の問題に絡んで、従来は年度の中途でありましたので交付税の前払いをいたしておりました、繰上げの支給の方法を、今度は繰上支給というよりも、第一回の概算交付が出ておりませんので、第一回の概算交付の際に北海道に特殊な計算をいたしまして出す方式を考えたらどうかというので、これは現在計算をいたしております。できればそういうことによつて早く資金を流してやりたい、より多くの資金を流してやりたい、こういうふうに考えている次第であります。
#9
○堀末治君 ちよつと相談ですが、こうしてこの被害の状況を聞いて頂かないと、皆さんの状況がおわかりでないと思う。これからそういうことの御質問に入りたいと思います。そういうことにお取計らいを願います。
#10
○若木勝藏君 東京の事務所から非常に新らしい資料が来ているから、これを渡しますから……。
#11
○委員長(内村清次君) それでは山口警備部長から……。
#12
○政府委員(山口喜雄君) 今回の北海道におきまする暴風雨による被害の状況につきまして御説明いたしたいと思いますが、概括的に申上げまして、今回は雨は非常にたくさん降つたというのではないのであります。風が強かつたのが特徴であります。従いまして道路が決壊するとか堤防が決壊するというようなことよりも、風によりまして家が倒れる、或いは電信電話のほうにいろいろ故障が出る、又一つの大きな特徴といたしまして、漁業のために沖にと申しますか、遠方に出ておりました漁船が相当被害を受けておる、これが一つの特徴と申せば特色と思われるのであります。それでなおもう一つ雪が降つているのであります。従つてこれが作物に及ぼす影響という一点であります。これだけがまあ今回の災害につきまして一つの特色と申しますか、そういう点になつておるのであります。
 お手許に資料が配つてありますが、一枚刷りのものとそうでないものとありますが、そうでないほうのものはこれは前に作りました資料であります。お手許に配りました一枚のほうは今朝の九時で作つた表であります。従つて数字といたしましては一枚のほうが新しいと御了承をお願いいたしたいと思います。特にこの釧路地方がやはり被害の数字が殖えて参つておるようであります。
 なお数枚の綴りのほうの印刷物について御説明を申上げますと、風速等の状況は一面に書いてある通りでございます。
 次の裏の二の一般の被害状況につきまして、被害の特にひどかつた町村がそこに掲げてありますような町村であります。このうち災害救助法を適用せられております町村も相当出ておるわけであります。
 それから二の出漁及び繋留中の船舶の被害、これはここに掲げてあります数字は、これは非常に初めのものでありまして、まあ余り御参考にして頂かないようにお願いをいたしたいのであります。実はこの出漁中の船の被害が私のほうにもわかりましたのが相当時日が経つてからであります。誠に申訳ないのでありますが、従いましてこの数枚の綴りのほうに掲げてありますのは、不十分な資料でございます。
 それから三の救護措置の概況につきましては、そこにまあそれぞれ各地方におきますいろいろな食糧その他応急物資、生業資金等につきましての対策の状況を掲げておきましたので、御覧をお願いいたしたいと思うのであります。
 一般の状況といたしましては、例えば昨年関西地方或いは九州地方に起りましたいわゆる水害と異なりまして、堤防が切れて非常にまあ市町村の大部分が水浸しになつたとかいうような災害の状況とは趣きを異にいたしておるのであります。先ほど申上げましたように、暴風雨による被害というものが主たる形態をなしておるような状況でございまして、現在のところ一般の治安状況から見まして、非常に憂うべき状態にあるというようにはなつていないとまあ私のほうでは考えておる。これは勿論治安上の見地からの問題でございます。
 なお、漁船の捜索につきましては航空機による捜索もやつております。海上保安本部からも船舶を出し、又警備隊からも船を出して捜索をいたしておるのでありますが、この数字がまあ非常にはつきりしない点もございますが、一応私のほうにわかつておるのを申上げますと、海上保安庁から私のほうに連絡があつたものであります。遭難中のもの五十三隻、救助されたもの五隻、自力で帰港したもの二十隻、沈没五十五隻、坐礁八隻、大破八隻、中破十四隻、小破百九十、合計三百五十三隻というようになつております。それからなおこれはまあ遭難したとはつきり言い得ないのでありますが、いずれにしてもこの消息が不明という船が昨日の正午現在で八十二隻あつた。これは警察が掴んだ数字でございます。乗組員が六百十八人、これが消息不明であります。遭難したと思われまするが、遭難したとはつきりはまだ言えない。併しとにかく連絡がつかないという船が昨日の正午現在で八十二隻、乗組員が六百十八人という数字が入つておるのであります。
 以上を以ちまして一応の御説明を終ります。御質問がございましたらば、お答え申上げます。
#13
○秋山長造君 警備部長にちよつと伺いますが、今の消息不明の八十二隻、乗組員六百十八人というのはさつきの遭難中のもの五十三隻というのとは別ですか。
#14
○政府委員(山口喜雄君) 前のは海上保安本部で掴まえまして私のほうに連絡を受けた数字でありまして、遭難中と言いますのは、これはまあいろいろな方法で飛行機とかいろいろなもので確認した数字を挙げているものだと思います。あとのほうのはこれは警察で漁港その他基地でまあ調査をしてまとめたものであります。これはとにかく未だに連絡がない、遭難したかどうかもちよつとわからない、恐らく遭難しただろうと思われる船。
#15
○秋山長造君 そういたしますと、とりまとめた所が別品ですから、ダブつておる面もあるかも知れないですね。
#16
○政府委員(山口喜雄君) はあ相当あるかと思います。
#17
○若木勝藏君 まあ大体今の御説明で概況が皆さんおわかりになつたと思うのでございます。それで私は更に先ほどの質問を続けて行きたいと思うのであります。減免の措置並びに徴収猶予、こういうような措置については大体わかりました。もう今回の場合も昨年に倣つてそういうふうな基準によつて行われるかどうか、この点をはつきり確認したいと思うのです。
#18
○国務大臣(塚田十一郎君) 被害の状況を調べまして、是非そのように扱いたいと存じております。
#19
○堀末治君 私ちよつと昨日これは聞いたんでありますがね、去年の風水害にいろいろ救済の法律がたくさんできましたけれども、ただその中には今度のこの被害の特徴の温床苗代などというものはないですね、実際農作物がその被害を受けたやつは救済されることになつていますけれども、まだ温床ですから、これからやるために苗代に種籾を播いて、そうして何分か伸びて、その上に油紙をかけておいた、これがもう飛んでしまう、こういうものが皆対象になつておらないということが要するに今度のなんですよ、この災害の特徴なんですね。それですから、これはこの委員会の受持ではないと思いますけれども、これらの点について如何でしようか、長官お考えありませんかな。
#20
○国務大臣(塚田十一郎君) これはまあそれぞれの災害に特殊な事態がいつも出て参りますからして、どこにどういう種類の災害が出て来ておるかということで恐らく所管の省において適切な措置が打たれるであろう、こういうふうに私どもは思います。
#21
○若木勝藏君 次に伺いたい点は、いわゆる被害を受けたところの公務員等に関しましては、昨年は国家公務員も、又地方公務員もそれぞれ特例を設けられた。今回の場合災害としては一つの特徴を持つていますけれども、公務員の立場からみればやはり被害を受けたことには変りがない。そこで昨年のような一つの例に倣つて今回も措置をおとりになるかどうか、この点を伺いたい。
#22
○説明員(松島五郎君) 昨年度は災害がありまして、特別法が国会において議決されまして、それに基きまして共済組合法の特例措置が設けられたのが第一点でございます。それによりまして、通常の災害がございました場合に共済組合法によります災害見舞金が最高三カ月となつておりまするのを、五カ月まで支給することができるという改正が行われまして、それに基きましてそれぞれ国家公務員並びに府県の公務員並びに公立学校等の職員につきましては措置をされております。ところが市町村につきましては御承知の通り共済組合制度がございませんでした関係上、これにつきまして、その特例法で市町村が一カ月分以内で災害見舞金を出しました場合には国家がその二分の一を補助するという規定が設けられたのでございます。それによりましてそれぞれそのような措置が講ぜられたのでございますが、今度も若しもそういうことが必要であるといたしますならば、恐らく立法措置を講ずる必要があるのではなかろうかと考えます。
#23
○若木勝藏君 あとのほうが声が低くて聞えなかつたのですが、結局そういう事情があれば今回もそれに準じた方法が設けられる、こういうことになりますか。あなたの今の御答弁、私あとのほう聞きとれなかつたのですが……。
#24
○説明員(松島五郎君) 立法措置が講ぜられなければ、直ちには昨年度行われましたと同程度の救済措置を講ずることは困難であろうというふうに申上げたのでございます。
#25
○若木勝藏君 どうもこの部屋は大きいからか、大事なところが聞えないのですが……。
#26
○国務大臣(塚田十一郎君) 声が小さくてお聞きとりにくかつた点も合せて補足いたしまして重ねて申上げますと、結局昨年度のことは一般共済制度の扱いの上に特例法を設けて、共済の範囲を拡げて額を殖やす措置をいたしたわけであります。従つて今度の被害の状況を調べた上で、やはり同じ程度の被害であるとすれば、特例法をやはり作つて同じように措置しなければならんのじやないだろうか、こういう考え方でありますが、併しそこまで行かないということでありますならば、今の共済法の許す範囲で最大限に措置することになるであろう、こういう考え方であります。それにつけても問題になりますのは市町村の職員の中に共済制度のないものがありまするので、これも今御審議願おうとしておりますものができますならば、それも今度は同じ扱いができるようになるわけであります。従つてこれは若しこの法案が御賛成願えるということであれば、何か救済洩れの部分も措置をいたしたいと、こういう考え方を持つております。
#27
○若木勝藏君 そうしますと、大事な点は今度の災害が昨年の公務員の受けた災害と比べましてどうであるかということによつて、それに準じたところの適用がされるかされないかということがきまつて来るのでありますが、これははつきりした一つのけじめというものがつきましようか。何か基準があるのでしようか。
#28
○国務大臣(塚田十一郎君) やはりこの特例法を作るか作らないかということは災害の程度、被害の程度ということも問題になると思うのでありますが、やはりそれともう一つの考え方としましては、この公務員の災害の方面にそういう特別な法的措置をしてまでするかしないかということは、この前の例から見ましても、他の部分の被害をそれぞれやはり特別措置法を作つてまでやるかという考え方と一連の関係があると思います。従つて全体として被害が非常に大きくなつて、他の被害の部分も昨年の災害のときのようにいろいろな特別法ができるという状態になれば、おのずからこの共済の部分、公務員の被害の部分、災害を受けられた部分についてもそういう措置になる、こういうふうに御了解願いたいと存じます。
#29
○若木勝藏君 その点はどうも私の了解の行きにくいところなんでございますね。例えば家屋が崩壊したとか、或いは農業関係の被害の程度によつてああいういろいろな特例法ができている。ところが今度の災害と昨年の被害とを比べてまあ性質が少し違つている。併し受けているところの公務員の災害というものは必ずしも特徴が違つておつても、受ける程度によつて同じ場合があると思います。そうすると他の農業とか、或いは漁業とかいうふうなものと切離してこれは公務員の場合は考えられなければならないところがあるだろうと思います。それを他方ができなければこれも又できないというようなことになりますと、ちよつと私には了解しにくいのであります。そういう点をお伺いしておきたいと思います。
#30
○国務大臣(塚田十一郎君) 考え方としては御指摘の通りなんであります。他の被害が非常に少くて、特殊に公務員の被害額だけが多いというような場合には、それだけ考えるという考え方もあり得ると思うのでありますが、併し実際問題としては公務員の被害がひどいときにはやはり他の部分も恐らくそれぞれ被害が多くなつて来るだろうと思いますので、実際に法的措置をするという場合にはやはり一連ということになるだろうと思うのでありますが、若し非常に今度の災害の形態が特殊で、公務員だけの被害について特段の措置を必要とするという事態であれば、これについてだけ特別措置ということも考えて然るべき問題だ。ただ一般の程度の災害ではそういう場合を予想して現存の共済制度というものが相当に救済制度というものを内容の中に盛つておりますから、それでできるべき性格のものになつているわけのものでございます。
#31
○若木勝藏君 大体それでわかりましたが、これはまあ公務員の場合ばかりではなしに、ほかの農業とかそういうふうな場合におきましても、昨年の六月、七月のあれは、法律はあのときだけの法律だと思うのであります。それで直ちにあれを準用するということはどうも法的にもできないかとも私は考えるのですが、似たようなそれに準じたような取扱というものは何か政令かなんかでできるのですか、その点を……。
#32
○国務大臣(塚田十一郎君) 政令ではできないと思います。併しあの法律が恐らくまだ現存しているはずでありますから、これから早急に被害状況を調べました上で、或いはこの国会中にあの法律のどれかの部分を今度の災害に対しても運用するというような立法措置をお願いするということは、時間的にもまだ間に合うのじやないか、こういうふうに考えられます。
#33
○若木勝藏君 次にお伺いしたい点は、先ほど長官からもお話がありましたが、何と言つても早急にこの災害に対して対処するためには金の問題である。それでまあ起債か何とかいうことについても御心配になられるというようなお話であつたようでありますが、これは地方税の減免とか何とかいうことにも関係して参りますから、大体昨年のいわゆる起債に関する特例法、これに準じたような措置が考えられなければならないと思うのでありますが、これは手続的にどういうふうなことによつて十分地方の実情に合した、これを救済するという方法がとられるのか、この点をお伺いします。
#34
○国務大臣(塚田十一郎君) この起債の面も特例法で前に扱いました同じ扱いをするということになれば、やはり災害の他の部分、他の面の救済と同じように特別な法的措置を必要とするということになると思います。それから実際の行き方といたしましては、早急に資金需要があるでありましようからして、短期のつなぎ融資を出して行く。そうしてそれを逐次被害額に応じて或る部分は国からの補助で出るか、他の部分はそれに合せて、若しくはそれとは別個に起債で見るか、そういうものを逐次決定して参りまして、取りあえず出したつなぎ融資を逐次そういうものに切替えて行つて本格的に処理をする、こういうことになる。従つて当面の措置はどちらにいたしましてもつなぎ融資という金融措置の面で先ず当面の問題を解決して行く、そういうことになると思います。
#35
○若木勝藏君 その昨年のような特例によつてやることができないとしても、現在の起債の制度の上からみると、最大限のものをこの場合にやるということが私は必要だと思いますが、そういう点については御考慮になつておりますか。
#36
○政府委員(後藤博君) 起債につきましては、公共災害でありますれば、勿論負担関係の百パーセントを起債で以て見ることになります。単独事業の分につきましても、やはり単独災害の今年も枠がございますので、その中から出したいと考えております。
 それから先ほどの起債の特例法の問題でありますが、特例法の起債というのはこれは特別平衡交付金に代るべきものとして考えたものでありまして、いわゆる一般の起債とはちよつと性格を異にしておりまして、あれは赤字起債の一種なんであります。従つてああいうものは法律がなければできない、法律がなければ十分にはできないと存じますが、但し従来特別交付金で以て消費的経費等につきましても、その大部分のものは交付金の交付の際やはり算定をいたしまして、間接測定の方法で以て見ております。その方法はやはり特例法がなくてもできまするので、その方法でやつて行きたい、かように考えております。
#37
○若木勝藏君 それでは次に一つ伺つておきたいことがあるのでありますが、まあ災害の起つた場合には特別交付税で以て措置するという場合に、これは従来からそういうようになつておる。私昨日質問したのは、それを優先的にやる御意思、お考えがないかということであつたのでありますが、何か特別交付税というような場合に、こういう大きな災害の場合には他に比べて優先的にやる方法があるものかどうか、この点をお伺いしたい。
#38
○政府委員(後藤博君) 優先的という意味がよくわからないのでありますが、従来北海道の場合を申しますと、昨年は非常な冷害であつたのでありますが、昨年の冷害の際においても冷害だけを見ますると、北海道の交付金、特別交付金は特殊な経費を見たことになりませんので、昨年の場合でもやはり凶漁対策というものを北海道庁は非常に強調いたしております。つまり漁業が非常に不振である、そのために凶漁対策というものを相当市町村が計上しているのであります。そういうものをやはり併せて特別交付金のときに見たのであります。従つて今年のような場合にはこの凶漁対策と申しますか、漁業不振によるところの財政需要の増というものを或る程度見なければならんのではないか、かように私ども考えております。優先と申しましても、やはり交付金の枠の中で以て取上げる項目として優先するということになるのではないかと私は現在考えております。それは一つ十分考えて行きたいと思つております。
#39
○若木勝藏君 次にこれは所管の事項でないので、この点は先ほど堀委員からもお話があつたようでありますが、一番困る問題は何と言いましても今の温床苗代の問題であると思います。この温床苗代の二十九年度におけるところの大体の設置数というものは四百三十万坪程度になつております。そのうちの二百六十万坪程度のものが今度壊滅しておるのであります。ところが今年の温床苗代というものは去年の災害の国庫補助費一億一千万円によつて、これは賄つたものです。ところが今度は一挙にしてやられてしまつたんだから、今年度の問題はどうするかということになつて来るわけです。それでこれは恐らく農林省関係になるだろうと思いますけれども、地方財政、地方の市町村の状態から見て重大問題だと思うのです。何でもまあそれに要したところの油紙であるとか、そういうものの損害もさりながら、これはこれによつて今後田植の際を考えて見ますると、大体計算してみて今度の損害というものは愛媛県の面積よりもちよつと少いぐらいの程度であります。これだけのその反別植付ができない、こうなるというと、これは苗代の上から考えてもなかなか大きな問題があるし、費用の上から考えても大きな問題があると思うのです。地方自治、地方行政の立場から特にこの点については農林大臣と十分御協議下さつて何とか緊急の対策を講じてもらいたい、こう考えます。
#40
○国務大臣(塚田十一郎君) そのように是非努力をいたしたいと存じます。
#41
○委員長(内村清次君) ほかにございませんか。
  ―――――――――――――
#42
○委員長(内村清次君) それでは地方自治法の一部を改正する法律案を議題に供します。補足説明を求めます。
#43
○政府委員(小林与三次君) 地方自治法の一部を改正する法律案要綱というのをお手許にお配りいたしておきましたから、それに基いて御説明申上げたいと思います。
 第一は「警察法の改正に伴い必要な技術的規定を整備するものとすること。」これは特別に申上げることはございませんので、警察法が今度変りますというと、それに伴いまして市町村の自治体警察が府県警察一本に統合になりますので、それに伴いまして、警察法の改正に即応した規定の整備を自治法の各条項においてする必要がありますので、そうした条文を全部整備することにいたしておるのでございます。特別の中身はございませんので、特に申上げないことにいたします。
 それから第二は、「市の人口要件を五万とするものとすること。但し、改正法施行の際現に手続中のもの及び改正法施行の際都道府県知事が現に作成している合併計画に基いてその設置の申請が行われるものについては、なお、従前の通りとするものとすること。」この点で御説明申上げる必要のあるのは、この但し書以下の経過措置でございます。市の人口要件三万を五万にすることは、先ほど大臣の提案説明の中にあつたのでありますが、その現実の扱いといたしましては、現に進捗中の市制設置の問題につきまして、これを経過的に適当に調整する必要がありますので、この改正法施行の際と申しますというと、大体この改正法の施行はこの法律公布の日から三カ月を越えない範囲で政令で定める。こういうことになつておりまして、大体まあ三カ月、最終のときが基礎になつて政令が施行されるものとおおむね予想されるのでありますが、その際に現に町村の合併計画、合併の手続が町村会において行われまして、府県に手続が進んでおる。府県の手続がまだ経過中のものにつきましても従前の扱いによるものといたすと共に、更にその施行の際に都道府県知事が作成しております町村の全体的な合併計画中において、或る村と或る町が集つて市にするとこういうふうに合併の全体計画になつておる場合には、その後具体の手続が進んでおらない場合におきましても、そのまま現行法の基準で扱おう、こういう考え方でございます。それでありますから、その合併計画にさえ乗つかつておれば、今年であつても来年であつても一向にかまわない。こういう考え方でございまして、これはついには市の設置はやつぱり町村全体の総合的な合併計画を基礎にして行われるというところに非常にまあ意味がありまして、そうすることによつて選び取りのような形で市ができて、あとから食い散らかされたような形で若干の村や町が残る。そういうような妙な形にさせないで、全体として均衡のとれた市町村の性格ができるその計画の一環としてでき上つておるものならば、現行の基準のままでそのままでやつてもいいじやないかと、こういうように考えておるのでございます。この規定さえあれば大体現地における要求は百パーセントまあ満し得るものと考えておるのでございます。
 それから第三番目には財産区に関する問題でありまして、第一は、「財産区管理会を設けることができるものとし、財産区の財産又は営造物の管理及び処分で重要なものについては、その同意を得なければならないものとすること。」、第二は、「財産区は、その財産又は営造物を財産区所在の市町村又は特別市若しくは特別区に譲渡する場合を除くほか財産区設置の趣旨を逸脱する虞れのある重要な財産又は営造物の処分については、都道府県知事の認可を受けなければならないものとすること。」、第三は、「財産区所在の市町村又は特別市若しくは特別区は、財産区と協議して当該財産区の財産又は営造物から生ずる収入を当該市町村等の一般財源に充当する場合においては、都道府県知事の認可を得て、その充当の限度において、財産区の住民に対し不均一の課税等をすることができるものとすること。」、第四は、「市町村又は特別市若しくは特別区と財産区との間の紛争については、都道府県知事がこれを裁定することができるものとすること。」この規定は現在御承知の通り財産区の規定は最初の市制町村制以来ずつとあるのでありますが、その規定は最初市制町村制を施行した際に、やはり町村の大合併をやつた際に財産を持つておる部落とそうでないものとがなかなか統一的な合併ができない。そこでまあ一応町村はまとまるが、旧来の財産を持つておつた地域のものだけが財産区として財産を保有できる。こういう形で明治二十九年の町村合併も実は解決して参つたのであります。ところがこの現行の財産区の規定は財産区の管理、財産権の主体としてそうした特別の法人は認めておりますが、実際の管理処分の手続は市町村が管理者になつてやることになつておりまして、関係住民とは直接関係はない。ただ関係町村住民がどうしても自分たちの意思を表明するために必要だという場合には特に知事が乗出しまして、財産区の議会を置くことができることになつておるのであります。財産区の議会を置けばまあ従来の地域の住民が議員を選びまして、そこでまあ普通の町村議会と同様に財産区に関する重要問題の議決にあずかるのでありますが、これを作らないというと、一般の町村会で財産区の問題を議決する。こういうことになつておりまして、法律上は財産権の主体にはなるが、現実の財産の管理所属については地元のものの意思が十分に反映しない。そういう問題があるのであります。そういうことになつておりますのは、従来の規定では成るだけ町村は統一したほうがよろしい。財産区というものを認めるというと、却つて町村の体制を損うというので、万得むを得ない財産区は認めるが、その管理処分は成るべく一体的にやつたほうがよかろうというので、通常の町村の一般の事柄と同様に扱うということを現行法がとつているのでございます。それも頗る尤もな点があるのでありますが、今度の町村合併を御承知の通り急速に進めて参ります場合におきまして、やつぱりこの財産があるかないかということが問題になつておるのでありますが、現行の財産区の規定ではどうも安心して合併ができない。つまり財産区は作つても現実の管理について自分たちがタツチができない。そこに不安心がありまして、そいつが合併を妨げる大きな理由になつておるのであります。その点を解決いたしまして、その住民も財産区は作つてその管理に或る程度タツチできる。そうして住民が安心して財産区を作つて、新しい町村に統合する。そういう途を開くということが極めて必要でありまして、現地からもこういう要望が非常にまあ強いのでございます。併しながら一面そうかと言いながら財産区が余りにも完全に独立したような形になりますというと、村の中に又村を作るという形になつて、そこをまあうまく調整する必要が実はあるのでありまして、今度の改正はそうした点を考えて、一面においてまあ住民もタツチできるような管理方式を考えると共に、全体としての町の統一も破壊せんように何か調節ができないかというふうに考えた結果作りましたのがこの規定なのでございます。そこでその一つの考え方といたしまして、財産区に必要なる財産区管理会というものを設けまして、これはまあ町村合併の際の協議へかけ得ることにまあいたしてあるのでございます。そうしてその管理会はその協議でその内容を見定めることにして、その管理会の管理委員というものを住民の間で適当に互選するなり、その選び方は全部協議に任して、そうしてその管理会を七人以内程度で設けて、関係住民の中から選んで、その管理会が財産区の財産の管理処分の重要なるものについてみな相談にあずかる。町村長が管理の責任者になりますが、常に財産区管理会の相談を基礎にして事を運ぶ。まあこういうことを考えたらどうか。それから更にこの要綱には書いてありませんが、更に一歩進みまして、話がつけばむしろ個々の管理行為も、町村長が必ずやるという建前だけにせずに、町村長がその管理事務を管理課へなり、或いはその管理委員の中の一部のものに任せるという規定を法律の中に置いておりまして、必要ならば従来の山の管理は関係者のものがやり得るということにして、住民が従来通り山を守つて行ける、扱つて行けるとこういうことにまあいたしたのであります。それがこの三の一項に当る問題でございます。
 それからその二番目の問題は、一面におきましてこの財産区を作りましても、よく山を売払つてそうしていろいろ問題を起しておるのでございまして、当委員会から今までそういう議論も我々拝聴いたしたのでございますが、そこを何とかして抑える必要がある。そこで一面において財産区の住民が自由に財産の管理にタツチできると共に、住民の意思等から言つて、その山を勝手に処分するということがあつては却つて公共団体としての性格に合いませんので、そこでその財産を新しい町村にまあ統一するために処分するというのならこれはまあ話がわかる。そうでなしに勝手に自分たちの個人的の利害だけのために売払つて代金を分配すると、こういうふうなことがあつてはなりませんので、そういう場合の問題を抑えるところに、まあこれはこういうところに監督行為を出すのは非常に遺憾なことでありますが、止むを得んのでそれを都道府県知事の認可にかけよう。大抵の公共の目的に従う場合はこれはまあ自由にしたいと思いますが、そうでなしに、それ以外に財産を売払うというふうな場合には、知事の認可にして山を十分に管理して行く途を確保しようというのが二項でございます。
 それから三項の問題は、実際たくさん保有林を持つておられまして、山からの収入が相当莫大な金額に上る所もあるのであります。その場合に一体その金額をどう利用するか、専ら関係住民だけでこれを使うということになると、そうした山を持つておらん地域の人たちがやはり非常に気持は面白くない。そこでその金をむしろ話合いの結果町村の経費の中へ入れてそうして使い得る途を開いたらどうだ、町村自体の事業としてそれぞれの道を直すなり、公会堂を作るなり、いろんな施設をやるなりのことを考える。併しながら財産区を持つている所だけからそういう山の収入が上るのでありますから、その場合には財産区の住民に対して不均一の賦課をする途を開いて、そしてほかの部落の人たちとの均衡を図つたほうがよくはないか、こういう考え方で仕事はまあ新らしい町で総合的、統一的にやつて行く。併しまあ負担関係だけは不均一賦課という途を開いて調整をしよう、こういうことを考えたのはこの三項でございます。
 それから四項は、更にまあ新町村と財産区との間において、これはまあ考え過ぎかも知れませんけれども、なおやはり問題がしばしばこれは起るのであります。現にまあ旧来の財産区につきましても、その財産区対属する町村との間にいろいろいざこざが起つているところもあるのでございますが、その紛争を調整する途が今日ありませので、そういう場合には何か間に入つて事を裁く途をつけておく必要がありはしないか、特にこれからだんだん財産ができますというと、そういう問題が多くなろうと予想されますので、そこでまあ知事が中間に立つてこれを裁いて行くという途を開くことにいたしたらどうかというのが第四でございます。
 大体以上のような恰好で現行の財産区の規定を整備いたしまして、今度の合併の促進にも大いに役立つてもらおう。それに旧来の財産区につきましてもこの規定をみんな適用する途を開きまして、旧来の財産区の管理処分についても適切な方途を講じよう、こういう考えでございます。
 それから最後の四番目は「市町村の教育委員会の委員の任期延長の措置等に伴い、助役と教育長とを兼職できる期間を当分の間延長するものとすること。」、これはまあこの前の地方自治法の改正で現に教育長と助役の兼任の措置が講ぜられておりまして、特に御説明申上げる必要もないと思うのでございますが、三月三十一日限りということになつておりますので、むしろ当分の間その途を開いておくことが必要じやないか、そういうので「当分の間」ということに規定を直したのでございます。以上が今度の改正案の内容でございます。
#44
○委員長(内村清次君) 実は塚田長官は衆議院の本会議に出席のために時間をちよつと急がれております関係上、何か一般質問で特に塚田長官に質疑がある部分だけを質疑を展開して頂きたいと思います。
#45
○秋山長造君 長官の余裕はどのくらい……。
#46
○国務大臣(塚田十一郎君) 今何か代議士会をやつているそうですから……。三時半からやるということになつておつたのがそういうふうで、事実上のあれで遅れているようでありますが……。
#47
○秋山長造君 そういたしますと時間の余裕は殆んどないようなんですが、項目は極く僅かなんですけれども、一応やはりこの問題の前提として地方自治制度全体の問題になるから、やはり一応はお尋ねしたいと思うけれども、中途半端になるものですから、いつそのこと次回にでも長官への一般質問は廻して頂いたほうがいいんじやないかと思いますが……。
#48
○堀末治君 ちよつと……。財産区というものを大体僕は知らないのですが、財産区というものはどういうもので、由来がどうしてできて、今日本にどのくらいある、そこらを一つ一括して願えませんかね。
#49
○政府委員(小林与三次君) 財産区と申しますのは、現在の地方自治法の二百九十四条以下で設けられておるのでございまして、この差上げました赤黒にも入つていると思いますが、そこで財産区は、「法律又はこれに基く政令に特別の定があるものを除く外、市町村並びに特別市及び特別区の一部で財産を有し又は営造物を設けているもの(これを財産区という。)があるときは、その財産又は営造物の管理及び処分については、この法律中地方公共団体の財産又は営造物の管理及び処分に関する規定による。」この規定は簡単なんですが、要するに法律上申しますというと、市町村の一部で、だから一部落か、或いは町内というような部落でありますが、そういう一部が公有林、普通は公有林が一番多いのでありますが、その山を持つている、そういう場合に、その部落がその財産権の法律上の管理の主体になつて、財産区の名前においてその山を管理処分することができる、財産権の管理処分のできる特別の公法人を実は認めたわけなんです。その趣旨は先ほどちよつと申しましたように、最初に市町村制を施行したときに、例の市町村の大合併をやつたわけです。そのときにやはり現在と同じ問題で、山を持つている村とそうでない村がある、そのために合併が事実上困難でできない、山をすぐに新町村に統一するのを皆いやがりまして、町村は合併するが、元の山は元の住民だけで持ち得るようにしようじやないか、そこがつまり財産区になつたわけです。旧村をそのまま財産権の主体にして認めて、そうしてその部落保有の財産として実は認めたわけなんです。そこで実際こここに書いてあります通り財産権の主体になるが、管理処分は現行法の普通の財産の管理処分に関する規定によるということになつておつて、そうして通常は町村の議会で管理方法の根本をきめ、予算もその町村の議会の、町村の予算一本に載せて、ただ財産区の予算として区別して載せて、現実の管理行為は町村長がやる。併しその財産の果実と申しますか、収益その他の帰属は旧部落の人間たちに帰属するようにいたしてあるわけなんです。それが財産区なんです。だからそれが今日の合併の場合でも、山のある所とない所が常に合併問題で議論があるのと同じ恰好が昔ありまして、それをそのまま認めて、今度の合併促進法で御案内の通り、合併の場合には財産区を協議で作り得るという規定が促進法に実はあるわけなんです。それで大低の合併を見ておりますと、その促進法の規定を非常に活用いたしまして、財産区を作つて取あえず合併するという例が非常に多いわけです。今資料、これは今日ちよつと遅れましたが、明日きつとお届けできると思いますが、全体の財産区の数とか、その中身とか、そういうものを一応調べまして、昔からあるもの、それから合併促進法でどれだけ財産区ができたか、そういう関係の資料を作つておりますから、明日お配りいたしたいと思います。ちよつとおわかりにくいかも知れませんが、法律上ちよつとややこしいかも知れませんが、大体そういうことになつております。
#50
○堀末治君 明治何年にやつたの。
#51
○政府委員(小林与三次君) 明治二十一年から二十二年にかけてですね、例の初めて市町村制を施行するときに、七万ほどありました町村を一万五、六千に大合併をやつたわけなんです。そのときに大抵できたのです。その後成るべくまあ村を統一したほうがいいじやないか、財産区を解消しようというのがその後の内務省の方針でありましたりして、できるだけ解消するという方向へ来てはおりますが、併しなかなかやつぱりそうは行かんので、まだ数千きつと残つておるはずです。その後新しくできるということはだから原則として認めておらんのです。ただまあ町村合併をやる場合に、持つておるほうがそのまま山を全部新町村にやるのはいやだからというので、そこだけは財産区として残そう、こういう形で残つたわけです。皆さん御承知の通りで例えばその顕著なのは道後温泉、道後の温泉が、元は道後町ですか、そこで温泉を町営でやつておつたわけです。それが松山市に編入になつたわけです。そうすると、そのものを持つておかんいとかんというので、道後町が財産区として温泉を持つ、現在持つているのです。その財産区をめぐつて今市と財産区との間にいろいろ問題があるわけです。まあそれが顕著な事例の一つです。大抵は山です。山林です。
#52
○堀末治君 とにかく一遍出して下さい。今になると大した財産になるね。
#53
○政府委員(小林与三次君) 相当あります。
#54
○堀末治君 明治二十二年……。今の時価にしたらどのくらいあるかわかりませんね。
#55
○政府委員(小林与三次君) まあ値段までわかりませんが、公有林の面積だけはたしか調べた資料はありますから、それも併せて差上げたいと思います。
#56
○委員長(内村清次君) それでは、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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