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1953/05/19 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 地方行政委員会 第39号
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1953/05/19 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 地方行政委員会 第39号

#1
第019回国会 地方行政委員会 第39号
昭和二十九年五月十九日(水曜日)
   午前十一時一分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
五月十七日委員堀末治君及び高橋進太
郎君辞任につき、その補欠として、田
中啓一君及び酒井利雄君を議長にお
いて指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     内村 清次君
   理事
           石村 幸作君
           館  哲二君
   委員
           伊能 芳雄君
           酒井 利雄君
           田中 啓一君
           長谷山行毅君
           小林 武治君
           島村 軍次君
           秋山 長造君
           若木 勝藏君
           松澤 兼人君
           笹森 順造君
           加瀬  完君
  国務大臣
   国 務 大 臣 塚田十一郎君
  政府委員
   自治政務次官  青木  正君
   自治庁次長   鈴木 俊一君
   自治庁財政部長 後藤  博君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       伊藤  清君
   常任委員会専門
   員       福永与一郎君
  説明員
   自治庁長官官房
   調査課長    兼子 秀夫君
   自治庁行政部行
   政課長     柴田  護君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○地方財政法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(内村清次君) それでは地方を行政委員会を開会いたします。
 地方財政法の一部を改正する法律案を議題に供します。
#3
○秋山長造君 只今自治庁のほうから東京都の財政状態についての資料が配付されておりますので、実はこの問題は新聞等にもかなり大きく扱われておりますし、我々としても特に首都の財政実態というものをつかみたいとかねがね思つていた矢先でありますので、この資料について一応御説明をお願いしたらと思います。
#4
○説明員(兼子秀夫君) それではお手許にお配りいたしてあります都の財政調査の結果について、自治庁次長から都知事宛の通知について申上げます。一応読みながら御説明を申上げます。
   財政実態調査の結果について過般実施した貴都の財政実態調査の結果に関する当庁の所見は左記のとおりであるので今後の財政運営に当つて改善の指針とせられたい。なお貴都はその占める特殊の地位に鑑み健全財政の堅持に格段の努力を致されたい。
  追つて、本通知に基いて講じられた改善の方針及び措置については文書を以つて報告せられたい。
   記
  「貴都の初年度の決算状況を調査するに、昭和二十六年度においては実に四十四億七千百万円の歳計剰余金を、事業繰越を考慮した場合においても、四十億四千七百万円の純剰余を生じており、(もつとも予算に計上された事業繰越を考慮した場合の純剰余は十六億八千九百万円である。)
 この括弧に入つておりますのは、都でいわゆる単独事業と申しまして、補助事業で、公共事業でない都自身の一般財源を以て財源としております事業で、その年度にできずに繰越しましたものを、都の団体の意思から見まして、その年度に仮にやつたものといたしますればその財源を落さなければなりませんので、そうした見方をいたしました場合には、本剰余は十六億八千九百万円である。
 昭和二十七年度もまた、一応二十六億七千七百万円の歳計剰余金又は二十一億五百万円の純剰余を生じている。(この場合も予算に計上された事業繰越、支払繰延を考慮した場合の純剰余は五億八千五百万円である。)然るに貴都の見込によれば昭和二十八年度の決算については、前年度並の執行方針のもとにおいては、三十一億四千九百万円の赤字を生ずることになつている。」
 これは「前年度並」と書いてありますのは、計上いたしました事業を全部仮に執行いたしましたとした場合、それから又歳入等におきましては前年と同様なぺースで進んだ場合、そのような条件の下においては三十一億四千九百万円の赤字が生ずると見込まれる。併しながらその次の頁でございますが、もつとも昭和二十八年度においては、歳出の執行に一層強力な抑制が加えられるべきことを考慮に入れ、また歳入については税の自然増収が少くないので結局は決算面においては赤字を生ずるには到らないものと推定できる。しかしながらその実態について検討すれば既に財政運営の内容は悪化しておりこのままに推移することは許されない事態に立到つているものと考へられる。それを別な面から分析をいたしますれば次の通りでございます。即ち、前述の決算について別の面から考察するに、単年度として見た場合には昭和二十六年度は余裕のある財政運営をしていたものが昭和二十七年度には逆に十九億四千二百万円の赤字に転じ、単年度として見た場合はそれだけ減つておる。昭和二十八年度は更にこの傾向に拍車がかけられているものと思料する。また、昭和二十六年度においては、昭和二十五年度にする一般財源の増加額は、一般財源と申しますのは税と配付税或いは交付金、その合計額を考えております。理論的に申しますればそれ以外の繰越金等が入るわけでございますが、財政分析の上におきましては、税と交付金の合計額。昭和二十五年度に対する一般財源の増加額は、百二十八億二千九百万円であり、一方、人件費の増加額は五十一億三千五百万円に過ぎなかつたのに対して、即ち、二十六年度におきまましては税が著しく伸びたものでありますから、その差額約七十七億ばかりは財源が人件費のほう、即ち、仕事その他に廻つたわけでございます。それを昭和二十七年度においては、一般財源の増加額は七十三億一千三百万円であり、人件費の増加額は九十億六千万円であつて、一般財源の増加額を十七億四千七百万円超過しており、一般財源の事業費への充当を急速に困難にしつつある実情である。現に昭和二十七年度における一般財源の投資的経費への充当率を見れば、僅かに一三・八%に過ぎず、大阪府及び大阪市を併せて考慮した場合の一九・九%に比較すると相当に低くなつている。都政は、御承知のごとく大阪で申しますれば大阪府と大阪市を合せましたような行政の態様をなしておりますので、ほかに比較するものがありませんので、大阪府と大阪市を合せたものと比較をいたしております。それで見ますと、一般財源の投資的経費への充当率が低くなつている。
 又、都の昭和二十五年度以降における決算額中に占める投資的経費の率もまた逐年減少の傾向を起つている。
 一方、首都としての態容を完成する目的をもつて首都建設法に基き策定された緊急五ケ年計画についても屡々年度別計画事業量の縮少を余儀なくされ、最終年度を超えて昭和三十二年度以降に大巾に持ち越さざるを得ない実状である。仕事がうしろのほうに送られる。
 都の財政がこのように窮迫し、首都として当然実施しなければならない事業さえ殆んど思うに委せぬ事態に立至つた原因としては、昭和二十五年シヤウプ勧告に基いて行われた地方税財政制度の改正により、従来相当に有力な財源であつた地方配付税が廃止され、義務教育費国庫負担令を吸収した地方財政平衡交付金制度が創設され、都は不交付団体となつたこと。
これが都のほうから見ますと不利になつた点があるのでございます。と申しますのは、二十四年度には税が百七十二億、交付金が三十三億、義務教育費の国庫負担金が十三億でございまして、合計二百十九億のいわば一般財源があつたのでありますが、二十五年度におきましては、税は制度改正によつて二百十億に伸びたのであります。併しながら義務教育費の国庫負担金は廃止されてゼロとなり、交付金は一億八千五百万ばかりになりまして、合計で二百十二億と相成つておりますので、約七億滅つております。これは二十五年の制度改正によつて徴税がずれておる、税収が予定通り入つていないという点もあるのでございますが、平衡交付金制度で初年度では著しく不利になつておる。併しながら二十六年度以降景気の上昇に伴いまして、二十六年度は税が三百四十億、二十七年度は四百十三億と著しく伸びておりますので、この制度自体が都にとつて不利であつたということは必ずしも言えないのであります。ただ二十四年と五年を比較して見た場合には不利であつた、それだけ財政規模が著しく二十五年で締められているということでございます。又その次は、
 都制が布かれているため府県分の外に大都市分をも含めて一体的に取扱われているので、比較的不利な立場にあること。
 これはここに書いてございますように、府県のほうで、府県分で税収が伸びましても、市分のほうでそれほど、安定的な税でありますので伸びない、両方でキヤンセル、長所面と短所面が相殺をされております。一方歳出面、事業の面では窓口が一つでありますので、大阪府及び大阪市のやつております事業に対する国庫補助令の流れ工合というものから見ますと、東京は国庫補助金の流れるパイプが細いと申しますか、窓口が一つでありますので、その面が少いということが言われるのじやないかと思います。
 地方財政計画上の財源として考えられている地方債もまた、超過財源の大きい都に対しては、毎年度寧ろ圧縮される方向が採られていること。
 これは二十六年度、七年度、更に八年度逐年税収が著しく伸びまして、いわゆる平衡交付制度上のロスと言われております超過財源が大きくなつておりますので、地方債の配分上も圧縮の傾向にあるということでございます。
 また他面、都は毎年四十万人前後の人口の増加に対処するため厖大な財政需要の負担に堪えなければならないこと等の理由が挙げられるのである。
 最近は四十万人ずつ殖えておりますので、厖大な財政需要が、学校その他道路等財政需要が現われる理由が挙げられております。
 また財政運営上の原因としては、人件費において本俸が高く、且つ職員数が多いため、累次に互る給与の改訂と相俟つて当該経費の膨脹を特に著しいものたらしめたこと、及び財政収入において地方税の徴収努力に徹底を欠く等歳入確保の措置が充分でなかつた事を挙げることができる。
 この中に「財政収入において地方税の徴収努力に徹底を欠く」という点は、歳入のほうにも次に出ておりますが、少い人員で徴税をやつておりまして非常に努力はしておるのでありますが、徴税の方針等におきまして弱い点が現われておるのでございます。
  以下貴都の財政について特に改善を要すべき点を指摘すれば次のようである。
 一、予算の編成及び執行の根本方針について
 昭和二十七年度決算額について一般財源の充当状況を見れば一般財源充当総額を四百十億七千万円で、消費的経費
 説明をいたしますと、人件費、物件費その他に分れるのでありますが、その他のうちに生活保護費等が入つておるわけでございます。
 消費的経費に充当せられたものは三百五十三億九千七百万円で、投資的経費に充当せられたもの五十六億七千三百万円となつており、消費的経費の圧迫が大きいことを示している。しかしながら、首都建設を初め、首都の態様を整備をするためには年々厖大な財政需要があり、なかんずく大都市として児童及び生徒の増加に伴う教育施設の整備、都市的施設の整備等に要する経費は避けることができないものであ。よつて予算の編成及び執行に当つては歳入の見透しを確実に樹て、一般財源は極力投資的経費中の最も緊要なるものに逐次重点的に充当するよう考慮し、もつて長期的且つ計画的に首都建設を強力に遂行するようにせられたい。
 二、歳入
 1.税収入
 税収入については、徴税職員の配置が課税面に比較して企画面に相対的に多く措置されてていることは検討の余地があり、又、徴税職員のうち四分の一以上臨時職員によつて占められていることは徴税態勢として好ましくないので、早急にこれらの点についての合理化を図り、もつて実質的に徴税力を強化するように努力しなければならない。
 これは徴税職員は、一般的に東京都は、都知事の方針として職員を殖やさない、できるだけ減らして行こうという方針をとつており、止むを得ない面は臨時職員で賄つておりますので、税等におきましては四分の一以上の臨時職員があるという不自然な姿になつております。
 遊興飲食税は課税標準の決定が一般的に甚だしく低くなつているがこの点についても根本的に、再検討を加え、可及的速かに法令通りの課税標準額にまで調定を引き上げなければならない。
 これは従来税率が現在のごとく改正になります前、ちよつと取りにくい不自然な税率であつた関係もありまして、徴税の実態は著しく低くなつております。都自体から申しますと、逐年税額は上つて来ておると申しますが、現行法の面から見まして調定案の半分乃至それ以下のように見受けられるのであります。

  個人事業税については、納税義務者の捕捉を徹底して行う必要があるものと思料する。また、認定に当つて現に行つている基礎控除前の低額控除は、近く改正を予想せられる地方税法の新基礎控除制度とも睨み合せて再検討せられたい。なお、滞納処分の執行停止中の税額二十六億九千六百万円を滞納繰越分の調定から落しているが、これを含めた場合は、滞納繰越額は百十四億三千八百万円に達することになる。滞納処分執行停止分の圧縮、滞納繰越分の徴収歩合の向上になお一瞬努力しなければならない所以である。

  これを要するに貴都の徴税事務の執行及びその整理状況については概ね良好であると認められるが、税徴収上の根本方針に改憲しなければならない諸点が含まれているのである。
 そこに書いてありますように、税そのものから見ますと事務はよく処理しております。少い人員で相当能率を上げておるのでございますが、徴税の根本方針につきまして、宅地等につきましては前年の何パーセント上げということでやつておりますので、評価の実態とは著しく食い違つている。又遊興飲食税につきましては、大きい所は比較的よく目が届いております。相当手が伸びておるのでございますが、真ん中クラス、例えば銀座の裏と申しますか、ああいう所の、ほかの府県で見れば非常に大きい消費が行われている面が、都としては手が十分伸びてないという欠陥が見受られたのであります。
 2 税外収入

  昭和二十八年度における税外収入については、使用料手数料等は税率の引上、対象件数の増加を原因として概ね前年度に比し三〇%前後の増収となる見込であるが、財産収入については、現計予算十三億六百万円が決算においては三億二千七百万円となることが推定される。

  この原因は主として土地売払代の収入の見通し難に基くものである。しかもこれを特定財源とする事業については既に執行に移されている実情であるがかかる財源を歳入に見込む場合には年度内収入の見通しを充分にたてるとともに歳出についてはその執行に充分注意する必要がある。
 これは前の総論のところで申上げましたように、財源が窮屈になつて参りましたので財産の売払、不要土地の売却を予算に組みまして事業の財源に充てておるのでございますが、大手前の接収されております自動車プールの土地でございます。これが予定のごとく解除にならなかつた、そのために相当な金額でありますが、歳入に上つて来ない。而も仕事はしてしまつておるという問題でございます。

  次に出資金、貸付金の額が多額であり、昭和三十八年度においては二十七億五千九百万円を計上しているが、その償還については、すべて適確に行わしめる必要がある。
 産業関係、或いは民生関係の出資金、貸付金等がございますが、この回収が必ずしも熱心でない、やはり的確に回収して、更にそれが次に廻わつて行くような措置をとるべきではないかという考え方であります。
 三、歳出
 1. 給与

  まず第一に初任給本俸が昭和二十八年の修正後においても、なお国家公務員の給与基準に比し三号以上高くなつていること。
 二十八年から落したのでありますが、二、三号落しておりますが、なお三号以上高くなつているのでありますので、初任給が著しく従来高かつたのであります。
  第二に地域給については、一律に最高の措置をしていること。
 これは例えば三多摩の地域給の最高の支給地でない地域の勤務者に対しても、都心の勤務者と同様な勤務地手当を出しているのでございます。

  第三に定期昇給以外に一斉昇給、期間短縮、特別昇給等の特別措置を採つており、このため本俸において国家公務員の給与基準に比し、更に四号以上高くなつていると推定されること。
 これは過去におきまして過去のインフレの時代に中央の給与の措置がなされる前に、地方団体におきましては、何とかしなくちやならんというようなことで昇給をして職員の待遇を考えるという措置が行われたのでありますが、それがその後給与改訂におきましてはそのままスライドして切替えられておつたり、或いはここに書いております期間短縮と申しますのは、半年なり、或いは九ヵ月、一年、一年半で昇給期が廻わつて来るのでありますが、それを三ヵ月短縮を行うというようなこと、特別昇給と申しますのは、成績のいい者に対して特別に昇給をするというのでありますが、これが相当大きく行われていると、過去のこのような措置のために国家公務員の給与の基準に比して著しく高くなつております。

  第四に国家公務員に比し、昭和二十八年度においては、実質的に、期末手当が〇・四五月分だけ多く措置された結果となつていること。
 夏季手当と年末と合せて〇・四五ヵ月分多くなつております。
 このことについては、大部市の特殊性があるにしてもなお、都の財政を強く、圧迫し、結果として投資的事業、殊に首都として当然実施すべき事業の計画的な執行を困難ならしめ、他の地方団体にも好ましからぬ影響を与える結果となつている。
 よつて貴都としては、給与と財政との調整について速かに是正の措置を講じられたい。
 2. 職員数
  昭和二十五年五月現在と昭和二十八年五月現在において職員数を対比すると一般職員において三千五十七人、警察、消防職員において千百三十六人、教育職員において一万二千四百七十人、合計一万六千六百六十三人の増加となつていて、その主な原因は小学校教員の増加に基くものである。
 先ほど都知事の方針として人員は非常に少くして置くと申上げましたが、なおそのような厳重なる方針をとつて見ましても、その後の新らしい事務増のためにかくのごとく一般職員において三十五十七人、警察消防等もできるだけ殖さないで、人口が殖えましても元の職員数で措置をするという方針をとつておりましても千百三十六人殖えております。小学校教育職員の増加は全く人口増加に基くものでありまして、毎年三、四十万人口が殖えますので、この程度止むを得ない点があるのでございます。

  これは毎年の就学児童の自然増加によるもので、或る程度止むを得ない傾向であり、二面実学級当りの教員数についても基準内の定数ではあるが、なお、比較的に多く配置されていることにもよるものと認められるので教員配置について徹底した検討を加えることが必要である。
 と申しますのは、文部省の予算の基礎になつております教員数の算出の方法そのものから見ますと、東京都はやや基準外ではありますけれども、大都市は田舎と違いまして一学級は五十人までは入るのでございますので、教員配置は必ずしもそのような数を必要としないのではないか、大阪等と比較して見ますと東京は高い配置基準になつておりますので検討を加える必要があり、自然増加する場合に生徒の自然増加に伴う増員の場合にできるだけ殖やすのを少くして行く必要があるのではなかろうか、このように見受けられます。

  なお、都の正規職員以外に臨時雇用人が区関係を含めて約八千五百人もあり、その実態が漸次常備化しつつあるが、これについては人事行政上の見地からも早急にその実態を把握し取扱方針を確立し、将来に問題を生ずることのないように注意しなければならない。
 四、その他
 1. 昭和二十七年度より歳出予算の四半期配当制度をとつていること、及びこれを通じて歳出執行の抑制を強力に実施していることは健全財政維持の上に相当の効果を挙げており、その努力は、充分に認められるが、毎年翌年度への事業繰越の多いことは昭和二十七年度におきましては五十四億三千九百万円になつております。
 事業の執行の適正を期し、予算の効率的な使用を図る上において好ましくない傾向であるので実質的な改善に向つて更に検討を加える余地があるものと考える。
 2. 特別区の財政は、都の財政と不可分の関係にあるので、なお一層その運営の指導に努力する必要があるものと認める。
 これは丁度国と府県、市町村に対しますように、東京部内におきまして都と特別区の関係は財政調幣制度をやつております。富裕な区から逆に吸上げまして、それを貧弱な区の財源として配賦する。而も人件費等は区の職員、即ち区議会の職員以外は全部都の職員になつておりまして、その財源を都のほうで見ております。そのような関係がありますので、特別区の財政に対する監督というものは、規正の制度では非常にやりにくい関係になつておりますが、その辺を十分注意してやらないと、都のほうの財政負担が大きくなるという問題でございます。
 3. 都は行政的にも財政的にも規模が大であるため、機構が複雑多岐となつていることは成る程度止むを得ない現象ではあるが、一面において財政運営の円滑にして効率的な執行を困難ならしめている向があるように見受けられるので、機能的統一を図る上において特段の工夫を講ずる必要があるものと思料する。
 これは東京都は五大市と同様に財政と税が分かれ、そのほかの人事関係の総務局が別にありますので、府県の総務部が予算と人事を握つておりますのと著しく異にしております。従つて都におきましては、その上に立つ副知事がその両者の調整をしなければならないのでありますが、財政面からする統制が比較的弱い、そのことが財政運営を困難にして行く一つの原因ではないかと思われるのであります。
#5
○秋山長造君 この財政勧告に対して都側の反響はどういうことになつておりますか、その点ちよつと伺いたいと思います。
#6
○説明員(兼子秀夫君) お答えいたします。大体都におきましても、従来自身の財政の実態をつかみたいという考え方があつたのでございますが、今回私どものほうに調査をしてもらいたいという申出がありまして、一緒になつて財政の基礎を洗いまして把握をいたしたのでございます。従いまして都の政財当局におきましては、大体かような欠陥は何と申しますか、はつきり認めたのでございます。ただ税等につきましては、これは主税局長さんから十分聞いておりませんが、或いは若干は意見があろうかと思います。それ以外の点につきましては、都のほうに意見はないと思うのでありますが、いろいろと都の代表からの意見はあろうかと思います。それ以外の点につきましては都としては別段聞いておりません。
#7
○秋山長造君 この勧告の中に二十八年度に都側は三十一億の赤字が出る、それから自治庁のほうの見解では、そういう赤字は出るはずがない、これが一番大きな食い違いだろうと思います。この点について私新聞で畠都財務局長の談として出ているのを拝見したところによると、その食い違いの一番大きい原因は、都の人口が年に四十万人も殖える、自治庁のほうはその点を全然考慮してくれていないということを第一に挙げているんですが、その点は如何ですか。
#8
○説明員(兼子秀夫君) お答えいたします。只今の御質問の点は、人口が年に殖える点につきましては、平衡交付金の上でも或る程度見ておるのでございます。ただ人口が殖えるので、一番大きな問題は学校の問題でございますが、二十八年度から学校につきましては義務教育費の国庫負担金が出るので、大体それを振り向けることによつて問題は解決する。平衡交付金のほうから申しますと、基準財政収入額、基準財政需要額との差額、いわゆる超過財源が相当にありますので、都に対しましては、自治庁としては、財源が比較的豊かである、かような見方ができるわけであります。それから人口増加につきましては、個々の平衡交付金の計算において一部は見ております。ただ御質問の、都のほうは三十一億四千九百万の赤字が出ることになつておるけれども、赤字が出ないという見方はどうしてできるのかという御質問でございますが、これはそこにも書いてありまするように、都が予算に計上いたしました単独事業を全部やるという仮定に立つた場合でありまして、これは私どものほうはそのような見方を必ずしもいたしておらないのでございます。単独事業の繰越は翌年度の財源でやつたらいいじやないかという見方をいたしております。それ以外に税で、相当調べの時よりも法人事業税等が仲びましたこと、それから入場税、遊興飲食税も都の見込よりは伸びる点がありますので、歳入面で差が小さくなつて行き、それから単独事業の繰越は二十八年でなく、次の年度の財源で処理をすべきものだという見解に立ちますと、赤字にはならない。それからそのような一部赤字になるという計算が出まして、それに対しましては、二十八年度で起債を認めておるのでございます。赤字でない事業、単独事業の執行分に対しまして起債が認められております。これはまだ二十八年度の年度途中の調査の数字に基きまして、都のほうの主張は、歳入の見積りも低く、歳出も、単独事業等につきましては厖大な歳出を見込んだ上の数字になつておりますので、このような結果に相成ります。
#9
○秋山長造君 この資料は非常にいろいろな面について地方財政のいわゆる問題を含んでおる資料だと思うので、細かい点について突つ込んでお尋ねしたいと思うのですけれども、ただ本日の場合は時間が非常に制約されておりますので、この資料についての検討は後日適当な機会に又改めてやりたいと思う。
 ただ結論的にお尋ねしたいことは、我々は東京都は全国一の富裕団体だと思つておる。その富裕団体と思つておつた東京都についてもこれだけいろいろ問題があり、又都の財政或いは富裕団体という名前にふさわしくない相当苦しい財政状態ということもわかるわけです。で、自治庁としては、東京都ですらこういう状態なんですから、ましてその他の各地方団体の財政実態をこういう土場でお調べになるとすれば、更に複雑な深刻な問題が出て来るのじやないかと思う。で、今度の財政法の改正についても、一昨日の委員会で遅くまで議論になつた第四条の二の超過額の一部を積立てるなり何なりというようなことが要求されておるわけなんですが、そういうことから考えた場合にも、やはり地方財政の実態というものをよほど的確に把握される必要がある。特に今度は交付税というような新らしい制度、而も従来の平衡交付金のあの積上げ方式でなしに、まああてがいぶち的な方式をとられるわけですから、余計地方財政の実態の把握が必要になつて来ると思う。で、そういう点について東京都以外の地方団体に対してこういう同じような実態調査というようなものを行われる御意思があるのかないのかちよつとお伺いします。
#10
○説明員(兼子秀夫君) お答えいたします。二十六年度から府県、それから市に対しまして調査をしておりまして、大体済んだのでありますが、東京都が最後に残りまして、一番東京都が規模が大きく相当資料等も複雑でありますので、最後に実は残つてしまつた、今回の調査もほかの団体から見ますと資料等も一部不十分な点はあつたのでございますが、大体の大綱はこの調査によつてつかめたと思つておるのでございまして、ほかの団体につきましては従来もやつておりまして、引続き今後も調査をいたしておりまして、必要な何と申しますか、所見はその団体に送つて財政運営の指導に当つておるのでございます。
#11
○秋山長造君 その点の調査は何ですか、例えば国勢調査のように何ヵ年間かを区切つてやるというような調査のやり方なんですか。それとも年度年度、毎年全国の地方団体に対してやつておられるわけなんですか。
#12
○説明員(兼子秀夫君) お答えいたします。特に財政の窮乏しておりました団体につきまして、或いはその団体から一度見てくれというような希望があつて出かけることもありますし、或いは私どものほうで計数等から見ましてこちらから出かけて参ることもございますが、見方といたしましては、大体過去三カ年くらい、特にまあ二十五年の税制改正を見なければなりませんが、大体三カ年くらいの財政運営を見まして、それでその団体の財政、即ち一般財源でどれだけの仕事或いは仕事と申しますか、財政運営ができるかというようなバランスを如何にしてとるか、赤字にならないように財政を運営して行くというような点に力を入れて指導して参つております。なおその際制度として改善をすべき点は部内に報告をして参考に供しておるのでございます。
#13
○秋山長造君 その調査は従来やつて来られたということなんですが、その調査の結果に基いて、今回東京都に対してはこういうまとまつた、これは勧告書なんですか……、この勧告書がこれは長官の名前で出たのか次長の名前で出たのか知りませんが、とにかくまあかなり権威を持つた勧告として出された。その他の自治団体に対しても同じような形でその調査結果、自治庁として出された結論というものが関係当該団体に対して出されておるのかどうか。
#14
○説明員(兼子秀夫君) お答えいたします。東京都に対して出しましたのは、自治庁の次長名を以て都知事宛に出しております。これは法律上の勧告でなく、見ました所見を通知をするという形に法律ではなつております。なおほかの団体に対しましても、自治庁次長名で所見の通知を出しております。なお見ました結果、殆んど問題がなかつたという所に対しましては、その通知の内容も極く簡単にして事務的に直すべき点だけを述べておる、こういうふうな行き方でございます。
#15
○秋山長造君 従来調査結果についての通知を当該団体に出されて来たようでありますが、その通知を出した後において、その当該団体においてその通知の線に沿うて果して改善をされておるかどうか。勿論自治庁の結論が一方的に正しいということもこれは絶対的な問題じやないと思いますけれども、併しその通知が生かされておるか、どうかというようなことを確認はされて来ておりますか、どうですか。
#16
○説明員(兼子秀夫君) お答えいたします。出しました結果につきましては、その団体から、このような方針で再建を図りつつあるという連絡には接しております。併しながら、全部の団体がそのような方向へ動いておるということは必ずしも申上げかねるのでございますが、その線に沿つて参考にして財政の再建を、再建と申しますか、少くとも更に赤字が大きくなるのを防いでおる形であります。ただ、二十六年度から二十七年度におきましては、市に対しまして相当そのような指導をいたしましたので、シヤウプの二十五年の税財政制度の改正の時に厖大な赤字が出ました点につきましては、相当程度の赤字の増嵩を防いでおるということは言えるのじやないかと思います。ただ根本的に何と申しますか、これは状況報告のほうで御説明いたしておきましたが、財源と申しますか、仕事が多くて財源が少いと申しますか、財政窮乏の実態は逐年ひどくはなつて参つておりますが、個々の団体につきましては、調査いたしました効果は相当出ておるのではないかというふうに考えております。
#17
○若木勝藏君 関連して。今度のこの東京都のような調査は、これは財政法の第四条に非常に関連を持つておる調査であると思うのです。今の御説明では、昭和二十六年から随時やつておる、こういうふうな御説明でありましたが、前のいわゆる平衡交付金制度にせよ、今度の交付税制度にせよ、ああいうふうな制度が布かれる根本はやはりこういうふうなものの調査の土に立たなければならん。そういう点で在来調査を進められて来たことが、いわゆるこの交付金の交付とかそういうことに対して、どういうふうにこれを利用されておつたか、その点を先ずお伺いいたします。
#18
○政府委員(後藤博君) 調査課のほうで各団体を調査いたしましてその結論を出します場合には、各部の各課の職員が寄りましてその報告を聞きまして、そうしてその内容を検討して、こういうふうな結論を出しております。従つて東京都の場合もそうでありますが、各団体の状況報告書は、それぞれ勿論頂いておりますし、その説明の際は十分我々は拝聴いたしまして、そうして交付金の配分その他につきましても、又特別平衡交付金の配分につきましても参考にいたしております。
#19
○若木勝藏君 そうしますと今までの三年間についてそれぞれそういうふうな調査をしたというようなことになるのでありますけれども、これは極く一部分に私は限られておる、こういうふうに思うのであります。併し先ほどお話申上げた通り、これは非常に重要な基礎になる、交付税にしても……。これに対しては一つの方針を持ちまして今後もこの調査を進めて行かなければ、適当なところの交付税の交付というふうなことも行われないと思うのであります。それらに対して今後においてどういう方針で進まれるのか、はつきり伺いたい。
#20
○政府委員(鈴木俊一君) この地方財政の調査は、実は地方財政委員会時代に、あのような多額の平衡交付金を地方に交付するのでございますから、実施当時の地方財政委員会としましては、地方財政の実態、殊に平衡交付金が有効に使われておるかどうかということを調査しなければならない、又団体が果して平衡交付金をその通り必要とする団体であるかどうかということを明らかにしなければならない、こういうところから当初はそれほどの調査という特別の考えもなかつたのでございますけれども、そのためにわざわざ二十五名でしたか、増員を、特に行政整理の時代でございましたけれども、特別に増員をいたしまして、調査課というものを地方財政委員会に作つたのであります。その後自治庁と地方財政委員会が統合せられました結果、自治庁の官房に調査課というようなものを置いたわけでございますが、ただその機能がこれはひとり平衡交付金、要するに地方財政の面だけ、地方財政の需要と申しますか、歳出と申しますか、そういう面だけではなくて、やはり歳入の面にも及びますものでございますから、そこでこれは地方財政部ということよりも、やはり全体の地方財政に関するものとして官房に特に調査課というものを置くということにいたしたわけでございます。自治庁と合体いたしましてから、これはひとり地方財政という見地のみに考えるわけに参りませんので、行政部の関係につきましては、選挙につきましては余り特別の関係がございませんが、行政部の関係はいろいろあるわけでございまして、例えば今回東京都の実態調査につきましても臨時職員の問題をどうするかというような問題にも触れているわけでありますが、そういうふうに各部各課皆関係があるのでございます。それから自治庁としましては、この通達を出す場合には関係の部課長が皆協議をいたしまして、いろいろ検討いたしました末、それぞれの案を地方に示しているのであります。これは先ほど来いろいろ調査課長から説明もいたしました通りでありまして、相当いろいろな点を考慮して出しているのでございますが、それが果してどこまでこの参考として地方に示しました改善案が実施されているか、これらについては、まだ自治庁といたしまして全体的に取りまとめたものはございませんが、併しこれは早急にその結果を取りまとめたいと考えておりますし、又更に全体の調査結果を一つ取りまとめて見たい。それを更に、全体の地方財政の運営の一つの結果から帰納しました指導方針にもなるのでございますので、そういうことを今調査課で研究してもらおうと考えている次第でございます。
#21
○若木勝藏君 今の御説明につきまして、私重ねて伺いたいと思うのは、これは今の御説明によるというと、地方財政委員会が設けられておつた当時に比べて、何だか私の感じたところでは、こういうふうな調査はあの当時のように的確に行なわれないような印象も受けたのであります。ところが今回交付税制度になつて、なお又入場税の譲与、こういうふうなものも行われ、又地方財政の不均衡、財源の不均衡是正、こういうふうなことも行われることになつて来たのでありますからして、いよいよこういうふうな調査というものが必要になつて来るだろう。それに対して思いつきのようにあつちのほうへやつて見ようか、こつちのほうへやつて見ようかということでは、私は的確な地方財政の運営というものはできないだろう。それで今後は毎年度こういうふうなところの調査一をどういうふうな一つの方針によつて進められて行くか、こういうことが自治庁としては、地方財政の立場から、各省とは又関係を異にして単独にでもやるべきじやないか、こういうふうに思うのでありますが、それらに対するところの構想なり企画を伺いたい、こういうふうに思います。
#22
○政府委員(鈴木俊一君) これはやはり自治庁といたしまして一定の調査計画を作りまして、そしてそれに基いて調査をいたしているのであります。ただその際に地方の団体から特に自分のほうの財政が非常に困つている、どういうふうにしたらよいか、一つ現地診断をしてもらいたいという、自治財政診断と申しますか、そういう趣旨で要望して来る向があるのであります。そういう所にはそういう御要望に副つて特別に調査をする、併し自治庁自体として、一般的に県につきまして、或いは市につきまして調査の計画を作りましてこれを調査をする、こうにいたしているのでありまして、先ほど調査課長が大体の東京都を以て終ると申しましたのは、そういう計画に基いてやり、更に具体的に、特に依願のありましたものをやつて両方合わせて参りますと、大体明らかになるのであります。併しこのままで終つたらいいというわけではございませんので、第一回にさような調査をした結果がどういうふうになつているかということを、更に今後計画を立てて逐次現地について調査をして参る、そうすると先の診断と或いは今後行われる診断との間の関係が明らかになつて来ますし、実際の運営上の改善もできるというように考えているわけであります。
#23
○若木勝藏君 毎年度やつて行きますか。
#24
○政府委員(鈴木俊一君) これはもう常に調査課はそういうことのために活動いたしているわけであります。
#25
○秋山長造君 その点がさつきの調査課長のお話では、従来といえども毎年不断にこういう調査をやつて来て、そうしてその結果をこの当該団体に通知し、又その通知の結果がどうなつているかということも確認をしてやつて来ているというお話たつたのですが、今の自治庁次長のお話では、必ずしもそこまでやつて来てはいないので、大体一応の調査をやつて来て、そうして特に東京の場合は首都でもあるし、特別の要求があつたので、こういうまとまつた結論を出した程度で、全般的に調査結果の確認というようなことはまだこれからの問題だというような次長のお話なんですが、やはり次長のお話が実態なんですか、それとも調査課長のさつきおつしやつたのが実態なんですか、どうですか。
#26
○政府委員(鈴木俊一君) 私が申上げましたのは、全国の各府県或いは市について相当に今まで調査が進みましたので、特に府県については殆んど全部一巡したというような段階でありますので、ここでそれらの調査結果について、それぞれ運営上の指針を通知し、或いは監督をしております。そういうようなものを一つ総合して全体の状況を帰納的に判断したい、こういうことを申上げたのであります。個々の調査と申しますか、さつき申しました団体に対しましてはこの東京都に対していたしましたものと同じようなものをそれぞれいたしたい、これは先ほど調査課長が申しました通りであります
#27
○秋山長造君 そういう調査がまあ東京都ので大体一廻りしたことになるわけですが、そういうものをまとめたものを資料として提供して頂きたい。それからもう一つは、さつき調査課長がおつしやるように、個々の団体について、極く調査課長の下で、いわば事務的に調査をやつて来られたという程度の調査、これはおつしやる通りでしよう。併しながらやはり今次長のおつしやるような全般的な調査結果の取りまとめ、そうして又その取りまとめの上に次の地方財政に対するいろいろな計画を立てて行くというような取りまとめはまだ今後の問題として残されているようです。特に本年度のような、いろいろな税財政の関係の改革が行われまして、又このデフレ予算というような画期的な年度において立てられる地方財政計画というものは、よほどこは地方の、先ほど来のお話のような細かい、而も確実な調査結果というものをもととして、そうして飽くまで地方の実態に即した合理的な地方財政計画というものが立てられて然るべきものであろうと思う。にもかかわらず、今の自治庁のお話では、まだそういう段階にはないようでありまして、本年のあの地方財政計画というものは、そうでなくても非常に問題の多い計画であるが、特にその根本的な前提になるべきこういう地方の実態に即した詳細な調査結果というものがあの地方財政計画の中に活かして使われるまでに至つていないということは、私は非常に残念だと思うのです。で、今後早急にこの地方財政の実態調査の結果をまとめられて、そうして今後の財政計画なり、或いは地方財政に対するいろいろな対策を一つそういう確実な合理的な基礎の上に立てられるように、私はこの機会に強く要望しておきたいと思います。
#28
○松澤兼人君 ちよつとこの分について簡単に、これはあれですか、これがもう全部なんですか。これよりもうちよつと詳しい具体的なものの数字などを出したものがあつて、東京都に対してはそれを渡してあり、併し一般の発表はこういう概括したものということになつておるのか、これがもう一緒なんですか。
#29
○説明員(兼子秀夫君) このほかに調査の報告書はございます。調査の所見はこれでございます。
#30
○松澤兼人君 そこで、非常に要約してあるわけであつて、これは自治庁の考え、これがこういう結論になるということはまあいいことだろうと思うのですが、併し実際に行政を運営して行く立場から言えば、こういうふうに通知せられましても、必ずしもその通り行かれないということもあると思う。そういう意見の調整といいますか、それはただ反対に報告書を出すということだけでとどまるのか、或いはその行政の改善について、自治庁の側と或いは東京都の側との間で協議、研究会というようなものを開いて、更にこの通知書を検討するという機会があるのかどうか。その点は如何でしようか。
#31
○説明員(兼子秀夫君) お答えいたします。この通知に書いてございますように、「本通知に基いて講じられた改善の方針及び措置については文書を以つて報告せられたい。」ということになつておりますので、都のほうで大体検討いたしました結果、如何なる措置を講ずるか書面が近いうちに出て来ると思います。そういたしますと、それを基礎にいたしまして、研究、両者で話合いをするということにいたしたいと考えております。
#32
○松澤兼人君 併し、それはまあ今私がそういうふうに言つて質問するからお答えになるだけであつて、ほかの例えば府県などに対して、そういう行政改善に対する指導研究というようなことを従来もおやりになつたことがあるのですか。
#33
○説明員(兼子秀夫君) お答えいたします。従来ほかの団体につきましては、現地で作業をいたしておりますときに大体主な項目につきましては、調査官の意見でございますが、申上げております。大体それでその当事者と申しますか、団体の財政当局なり或いは市のほうのかたがたは御了解を頂いておるのでございますが、こちらの出しました所見に基きましてとりました措置を要求をいたして参りましたのは趣く最近でございます。従来は必ずしも文書を以てその結果の措置を要求はいたしておらなかつた。事実上報告は頂いておりますが、書面で正式に措置について御回答を求めるということはいたしておらなかつた。でありますので、調査いたしました事柄の内容につきましては、現地で十分に話合いはいたしておるのでございます。
#34
○松澤兼人君 こちらの調査官と向うの事務的な人々との間に話合いはできるだろうと思います。併し行政の方針ということになると、これはなかなか現地では調査の間に話合いをするといつたつて話合いができないと思う。例えば東京都知事の考えでは、できるだけ行政定員というものは殖やさない。徴税職員においても四分の一以上が臨時職員としてやつて行くんだ、こういう一つの方針がある。ところが結論としては、臨時職員が都の場合八千五百人もある、これは何とかしろ、こういうことであつても、何とかしろということの内容が、これを普通の常用の定員の中に繰込めということであるのか、首切れということであるのか、その辺のところがさつぱり明確にはわからんわけですね。こういうこともやはり都知事の方針でもあると思う。それを末端においてどうも臨時職員が多いから何とかしろ、こういうような話合いをしても解決のつく問題ではないと思う。ですから、やはりこれは報告書ができてから話合いをする機会が持たれなければならないと思うのですが、それはまあ別としまして、臨時職員の問題でも将来に問題を生ずることがないように取扱の方針を確立するというその内容は一体どういうことですか。
#35
○政府委員(鈴木俊一君) 現地で調査をいたしました結果の府県の通知或いは勧告というものの内容でございますが、これは余りこういうふうにせよと、手段方法までを明らかにして、そういう方法にすべきである、こういうふうに持つて参りますことは、やはり只今御指摘のように、それぞれの知事、或いは市長、或いはそれぞれの団体としての考え方、方針もありますからして、そういう手段方法までを具体化したものを勧告するということは、成るべく避けたほうがいいのではないか。殊に今御指摘のございましたような臨時職員の取扱につきましては、いわゆる臨時職員で本来の職員と全く同じような扱いをしなければならないか、臨時職員になつておる、殊に徴税関係の職員などにつきましては、やはり事務の性格から申しましても、臨時職員ということは適当でない者が相当あるわけでございます。そういうふうな者に対して、臨時職員をできるだけ早くこれを解消するようにせよという趣旨のことを言つておるわけでありますが、併しながらその解消の方策はどうするか、これはやはりいろいろな方法があろうかと思います。結局予算的な問題、財政的な問題に繋がつて来ると思いますけれども、数を少くして精鋭主義で行つて、その代り全く正規の職員に切替える、こういう行き方もございましようし、或いは相当長期に亙つて補充主義をとつて、正規の職員に穴があいたときに臨時職員を以て埋めて行く、こういうことで解消して行くことが考えられるでございましようし、それぞれの具体的の方策は、それこそ自治でありますから、各団体がそれぞれ工夫をして考えて行く。ただ方向なり目標なりを示すというようなことに、最後の勧告というものは集約をしていつも出す例にいたしておるのであります。同時に団体に対しましては具体的の資料、数字等を基礎にいたしました報告書を別途交付しておりまずので、その報告書から又いろいろ出て来るものがあるはずでございます。そういうような意見と申しますものはできるだけ圧縮したものにして、余り自治団体の運営の方式を拘束するということは避けよう、こういう考え方でやつておるのでございます。
#36
○松澤兼人君 この点、まだほかにも、例えば都の財政の中で消費的経費というような中に人件費、物件費、生活保護費というようなものが入つておる、こういう分け方についても私はちよつと異論があるのですよ。生活保護費というものは、これは消費的なものではあるだろうけれども、併しいわゆる役所費というような人件費、物件費というものと生活保護費を一緒に入れて、これを消費的経費と考えることは、これは定義の問題で私は異論があるのですがね。そういうことになれば、やはり学校教育は消費的な経費であるかどうかということにもなつて来るし、いろいろ問題もあると思うのです。或いは給与の問題でもある。併し委員長がこれを読み、他の代表的な府県或いは市町村のこれまでのいわゆる通知と申しますか、財政の実態に関する調査の結果、こういうものもひつくるめて機会があるときにやつて頂くということであれば、内容について詳細に質問しないでこの程度で打切りますが、如何ですか。
#37
○委員長(内村清次君) この点は、先ほどの質疑の中にも政府のほうからの答弁があつておりまして、今後やはり各団体の実情調査もした上において本委員会のほうにも報告をする、こういう確約もあつておりますから、まとまりましたならば本委員会のほうに提出してもらつて、この資料によつて審議をするということには御異議ございませんでしようね。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#38
○委員長(内村清次君) それではそういうふうにいたします。
#39
○秋山長造君 ちよつと自治庁長官にお伺いしたいのですが、この前議論になつておりました財政法の一部改正の中の第四条の二の、地方に金が余つた場合に積立てるというこのお話なんですが、この趣旨は、この前長官なり財政部長なりの御説明でよくわかつたのですが、結局地方団体の年度間の波をできるだけ押えて行こうという御趣旨であるということはよくわかつたわけですが、ところがこの同じ改正の三十六条の「母子手帳に関する部分は、当分の間、適用しない。」、これが衆議院修正で二十九年度に限るというようなことになつているのですが、この補助金の関係を、当分の間だとか或いは二十九年度に限るとかいうようなことを、そのときどきの国の財政の便宜によつてやつて行くということになると、この折角四条の二というような、年度間の財政規模の波をできるだけ押えて行こうという趣旨からはいささか外れて来るんじやないかと思うのですがね。その点まあ「当分の間」という、その当分の間とは何年くらいを指すのかというような質問もこの前出ておりましたが、この補助金の問題については、やはり今まで通り国が補助金を出してやつて行くという根本方針は依然として変つておらないのか。或いはそれとも漸次これは国から地方に肩代りをさして行こうという伏線であるのか。その点政府のほうの御方針をお尋ねしておきたい。
#40
○国務大臣(塚田十一郎君) これはまあ大蔵省の所管になりますことでありますが、私が承知をいたしております範囲におきましては、補助金の問題は一部分整理をしたものと、それから一部分国からひも付きで出しておつたものを平衡交付金、今度の交付税の中に織り込んで富裕団体に行くロスをなくするようにしたものと、勿論このひも付きにやるのを交付税に入れたものを、ただ富裕団体のロスをなくするということだけでなしに、細かい補助金を一々小さく分けるということの煩瑣を避けるという意味におきまして交付税の中にまとめるという考え方もあるわけでありますが、とにかくその二つの形があるわけであります。それで補助を打切つたものは、政府の考え方ではそれを国が出さないで地方に出させるという考え方ではないのでありまして、これは国も地方もそういうものに対してはもう補助をしないという考え方であつたのであります。それから補助は国からは補助は出さないが、併しなおやめられないというものは今申上げましたように、交付税の中に入れられるものは交付税の中に入れて、地方でやつてもらうという考え方になつていると思います。この三十六条の部分は、そのあとのほうに該当しておると思いますので、結局国は出さないが交付税に入れて地方に行く、こういうことになつておると思います。それを年度を限つたという考え方はやはりいろいろな御意見で、こういうものは国がひもを付けて多少のロスが出たり、若しくは煩瑣があつてもひも付きで国から直接やるということのほうが、これが政府の考えるように完全に行われるであろうというような意見もありますので、まあやはり国家財政の今日の段階において非常な困難な間だけ取りあえずこうするという考え方になつている、こういう考え方であつたと思います。
#41
○秋山長造君 そうすると国家財政の困難ということも又これ政府の考え方一つで、政府はなかなか国家財政が樂になつたということはおつしやらんだろうと思う。特に今後いろいろな自衛隊の強化だとか、そういう方面の経費の増嵩ということを考えた場合に。そうなりますとこの「当分の間」という、いわゆる財政の緊縮状態というものは殆んど半永久的に続くというように考えられる。そういたしますと、結局この三十六条の点は、まあ半永久的に続くというように考えておつたわけなんです。ところが衆議院のほうでは今年だけという修正をされておるわけです。今年だけということになると、そうすると来年からは又元の通りになるのかということになる。そこらに地方財政にとつての不安といいますか、影響といいますか、そういう点はかなり大きいものがある。特に教科書の無償配付という問題ですね。これなんかにしても僅か三億ですが、その教科書を今年はやらないとか、来年からはやるとか、或いは当分の間やらないとかいうような、そのときどきで国の都合によつて、一方に教科書の無償配付という法律があるにもかかわらず、片一方のほうでそのときどきでやつたりやらなかつたりというように、方針が年々変つて来るというようなことになると、例えば早い話が、今年なんかにしてもこの財政法の改正なり、或いは補助金整理の法律が出るのは、四月一日から施行という予定になつておつたのに、もう二カ月近く過ぎておる。この間にやはり地方の団体では今まで通りこの教科書なんかを無償で配付しているだろうと思う。ところがあとからこういう法律が施行になると、又一日配付したものを回収するわけに行かないだろうし、結局その尻は地方団体で持たなければならないというようなことになつております。而もそれが永久的にそうなるというのなら又話がわかるけれども、併しそれは今年だけだ、或いは当分の間だけだというようなことになると、この四条の二で保障して行こうとする年度間の波の抑制という問題が、同じ法律でありながら、一方においては徒らに年度間にこの波を起させるようなことを政府がやつておられるということにもなるのじやないかと思うのです。そこらはもう少し確固たる方針を確立してやつて行かなければ、とてもこの四条の二で期待されるような年度間の波を押えるというような効果は私は上らないのじやないかと思う。
#42
○国務大臣(塚田十一郎君) よく御心配になつている点がはつきりしないのでありますが、私どもとしましてはさつき申上げましたように、国がもう補助金をやらないということであれば、地方に負担はかからないと思いますし、今又教科書の例で御指摘のような場合に、すでに法律ができない間に実施してしまつたという分については、今年はやはりやるように修正を衆議院においてなされておる分もあるように承知しておりますので、そんなにそういう面において心配はないのじやないだろうか。そこで仮に三十六条に規定している部分が当分の間、若しくは二十九年度限りで終つてしまうということになつた場合にどういう結果になるかというと、それは交付税では出さない代り、今度ひも付で出すという結果になるのでありますからして、そこのところで財源調整というものが、おのずから理由があるところでありますからして、行われるということによつて、四条の二の考え方とは矛盾しない、勿論正確に交付税で行く場合とひも付で行く場合との財政関係は、個々の団体について見るというと同じでありませんから、全然影響がないということではないと思いますけれども、そんなに大きな影響がそれによつて出て来るとは私どもは考えておらないわけであります。
#43
○松澤兼人君 関連するわけでありますけれども、この四条の二の調整積立金制度ということは新らしい一つの改正であろうと思うのです。併し財政上の余剰が出た場合にはそうしなければならないということになつておる。併し却つて逆に赤字が出た場合にはどうしなければならないかということに対する政府としての解決策なり、或いは解決に対する援助なりということは何にも保証されていないわけでありますけれども、赤字の累積ということに対する政府の解決策、対策というものは一体どういうものがありますか。
#44
○国務大臣(塚田十一郎君) これはまあ結局再建整備、今衆議院で御審議が始められておるようでありますが、再建整備の方法で一応恒久的な起債、地方債という方向に振替えて、そうしてあと長い間にだんだん償還して行くという形にして行く以外に方法はないと思つております。
 今後赤字が出たらどうするかという問題でありますが、これはまあ実は非常に困る問題でありまして、赤字が出ておる、而も国の原因によつて赤字が出るというような財政を組んでおつてはならんはずなんでありますからして、私どもとしましては、そういう原因はできるだけまあ取除いて、二十九年度の財政計画を策定したつもりなんであります。殊に今年から交付税になりました以上は、或る一年度において足りない部分が出るということであれば、これから以後の分はそれは仕事の繰延べなり何なりでやつて頂いて、そういう状態が出るときには、恐らく後年度において若干交付税にゆとりが出る場合もあり得ると思いますからして、そこのところで年度間の調整をやつて頂く、こういうことになつているわけであります。それが非常に累年而も殆んど全部の地方団体について同じように赤字が出るという状態であれば、これは今度の交付税制度においても予定をしておりますように、交付税の率を変えるなり地方制度自体を変えるなりせなければ措置つかない事情であると考えられますが、そのときはそういう面で解決をして行く。個々の団体について赤字が出るという事情が私は多分にやはり当該団体の理事者の運営の仕方にもあるというように考えますので、これからはこれでやる、交付税で、国から足りない場合にもらわれないのだという考え方をはつきり頭に置いて、足りない場合は足りないで、それなりで済むように財政運営をやつて行つて頂くということにして行くのでなければ、いつまでたつても地方財政の健全化ということはできないであろう、こういうように私としては考えておるわけであります。
#45
○松澤兼人君 併しこれは累年の赤字ということは、或いは将来各団体について赤字が生ずるであろうということは、これは恐らく個々の団体の理事者の運営の方針がまずいということよりは、むしろ国の財政の立て方ということによるところが非常に大きいのじやないかと、こう私は考える。従つて再建整備ということが、よしんばこれは議員立法として法律化するとしても、何百億といつたようなものを果して国の方針として直ちに呑めるかどうかということに非常に大きな疑問があろうと思います。若し立法としてこれができた場合に、自治庁の長官は大蔵省にも話合つて必ずこの予算的にと申しますか、起債の枠をそれだけ確保できる自信がおありかどうか。
#46
○国務大臣(塚田十一郎君) これは起債の枠も公募の枠或いは預金部資金の裏付けのある枠というようにいろいろありますから、一概に申上げられないと思いますが、又どんな数字が再建整備の結果出て来るかということも、これも出て見なければわからないのでありますけれども、まあ国会で十分御審議頂いて、これだけの数字はどうしても再建整備資金として必要であるという数字をお出し頂いた以上は、私も勿論自治庁長官として責任をもつてその線に沿うて政府の施策を実現するように努力いたさなければならんし、又大蔵省側においても国会お御意思がそうであれば、必ずその線に沿うて協力をして行く、こういうふうに私は考えられます。ただ問題になりますのは、預金部資金の裏付けをどうしてもしなければならないという場合に、それに必要な預金部資金というものが得られないという場合には、これはどうにもいたし方のない問題でありまして、こういうような場合におきまして、他の部分に使う資金との配分の問題もありますのでありましようが、これは政策全体を綜合的に見なければなりません。やはり或る線以上はこういう面に出せないという事情が起つて来るかも知れない。そういう場合には一年でできなければ二年、三年というふうにして逐次緊急のものからやつて行くようにしなければならないかと思います。
#47
○松澤兼人君 そうすると塚田長官のお考えとしては、議員立法なりで或いは国会において成立したとすれば、必ずそれを実現させる自信がおありになるということでありますか、或いはすでにそういうものが出て来たときにはどうするかということと大蔵当局と共にお話になつたこともあるのですか。
#48
○国務大臣(塚田十一郎君) この再建整備の問題は昨年から国会において熱心に御検討願い、又御意見もしばしばこの委員会で承わりますので、二十九年度の地方財政計画を策定する場合においても、是非我々としても必要最少限度と思う線は資金的措置をしたいということで相当根強く大蔵省側と折衝いたしたんでありますが、しばしばお答え申し上げておつたような事情で今年は実現せずに延びております。
#49
○秋山長造君 さつきの長官の御答弁で、教科書の無償配給の問題は、衆議院修正ですでに与えたものは国が補助金を出すということになつたというお話だつたんですが、これは衆議院修正のどこにそういうことがあるんですか。
#50
○国務大臣(塚田十一郎君) 教科書の問題は私もはつきりと記憶いたしておらなかつたので漠然とお答え申上げて誤つたようでありますが、教科書の部分は、衆議院で御修正になつた部分が参議院で再修正になつて、これはやらないということになつたそうでありますので、若しも市町村が立替えをしてやつておるということになると、その範囲では現実にやつた人から取戻せないということになると、若干負担しておる部分があるかも知れません。御訂正申上げます。
#51
○秋山長造君 いや、その点長官のちよつとお言葉尻をとらえるようで恐縮なんですけれども、衆議院ではやるようにしておつたのを参議院で又再修正したというお話なんですが、これは事実に反するんではないですか。
#52
○国務大臣(塚田十一郎君) やはりそれは考え方としては、最初にお答えをした通りになつておるのだそうであります。二十九年度におきましても今までにやつておるもので現実に支給しているものがあれば、それは国から負担する。ただ現実にはそういうものはない、こういうことであります。
#53
○秋山長造君 その点をはつきりしておいて頂きたいと思いますが、例えばほかの一般の事業費の補助でしたら、これはそういうことが言えると思うのですが、ところが教科書の場合は、これは法律がきまらなければそれまで教科書を使わずに待つているというわけに行かない、四月早々に学年が始まるのだから。そうして新入生は初めから国語なり算数なりという教科書を現実に使うわけですからね。だからそれは今まで通りのやり方で新入生に対しては無償でやつているのですよ。だからそれをやつていないというはずはないので、やつているのが本当だと思う。
#54
○国務大臣(塚田十一郎君) これは文部大臣にお聞き頂かんと御答弁が誤つて無用な混乱を起こすかも知れないのですが、先日私はどれかの委員会でそういう質問があつたときの文部大臣のお答えを伺つておりましたら、何かやはりこういう法律ができて今年は支給しないという建前になり、予算も組まないということでありますので、そのように法律ができる以前にも各教育委員会に御通知になつたというようなことのようであります。ですからして、法律では結局今まで二十九年度の分も出しているものがあれば国から負担をするというように法律はなつておりますけれども、現実にはそういうものはない。こういう御答弁であります。
#55
○若木勝藏君 それはどうも私重大なことだと思うのですよ。それでは現実にそういうふうなものがないということであれば、一体文部省あたりからそういう指令が出ているということになると思う。今のお活のように、教育委員会などを通じてそういう法律のできない前に、政府がそういうことを何を根拠にして一体通知をしたり、或いは指令を出したり或いは政令を出したりすることができるか。これは問題です。これを如何お考えになるか。
#56
○国務大臣(塚田十一郎君) ですからこの間私の伺いましたときにもそういう点が問題になつてお答えになつておつたと私も拝承いたしたのでありますが、併しこの問題は繰返して申上げますように、私は伝え聞いたことを申しているのでありますから、どうか一つそれぞれの関係の政府のかたをお呼びしてお聞き願いたいというふうに考えます。
#57
○若木勝藏君 それと丁度同じような関係になるのですけれどもれ、私、母子手帳に関する問題ですね。これは衆議院の修正案の附則のところで疑問を起したのですが、これはこの間の私の質問に対して財政部長さんか或いはどなたかからお答えがあつたのですが、この法律が施行された後の分については、国は負担をしないけれども、その前のものは負担すると、こういうふうな御答弁があつたように思います。ところがこの附則を読んでみますと、「公布の日から施行し、第五条の改正規程は昭和二十九年度分の地方税から、第十条、第十条の四及び第三十六条の改正規定は同年度分の負担金から適用する。」、こういうふうに修正されている。この修正案文から考えてみるに、一体施行前のものは負担するというようなことはどこからも解釈ができない。これはどういうふうになりますか。今と同じようなケースでないかと私は思うのですが。
#58
○説明員(柴田護君) この間財政部長から御説明申上げましたのは、補助金等の臨時特例等に関しまする法律で母子手帳並びに母手相談に関しまする補助金は、その補助金等の臨時特例等に関します法律の施行になつた前において負担することになつたものは負担するのだが、それ以後のものについては、その法律の施行後において負担することとなるべきものについては負担しないというのが、補助金等の臨時特例等に関しまする法律の附則によりまして、参議院の修正でそう直つたということを申上げたのであります。従いまして地方財政法の一部を改正する法律案の附則の第一項、今申されました部分につきましては、その部分が矛盾して参るわけであります。この間の御説明のときに、そういうような点につきましても語をしろということでありましたので、たしか財政部長から、さようなことを、その分につきましては矛盾して来るから直して頂くことが必要であるということを申上げたと思います。
#59
○若木勝藏君 そうすると、実際におきましては、まあ補助金の特例法も恐らく四月一日ではないだろうかと思う、この施行されるのは。そうすると、実際問題としてこれはどうなるのですか。
#60
○政府委員(後藤博君) 補助金等の臨時特例等に関する法律が修正されましたので、その限りにおいて双方で矛盾しますから、その部分は当委員会で御修正を願いたいと思つております。
#61
○若木勝藏君 どういうふうな修正を希望するのですか。
#62
○政府委員(後藤博君) 三十六条の改正規定中に但書を加えて預きたい。その但書は、補助金等の臨時特例等に関する法律の施行前に国がその一部を負担すべきこととなつた経費をやはり除外すると、こういうふうにして頂きたい。
#63
○若木勝藏君 そうしますというと、施行前のものについては負担するということになりますね。そうすると教科書の場合も私は当然そういうふうな措置がとられると、こういうふうに考えられますが、どうですか、その点は、自治庁は、政府としてとういう考えを持つているか。
#64
○政府委員(後藤博君) 教科書のほうもやはり同じことになるわけでございます。
#65
○若木勝藏君 同じことになるわけですね。
#66
○政府委員(後藤博君) はい。
#67
○若木勝藏君 負担するのですね。
#68
○政府委員(後藤博君) 負担する。
#69
○若木勝藏君 長官はどうですか。
#70
○国務大臣(塚田十一郎君) 負担するという考え方が正しいと思います。又そのように御修正になつておる、さように考えます。
#71
○秋山長造君 そうなりますと、さつきおつしやつた文部省が前以て指令を出しておるという。その指令を出しておつたにしても、この法律が確定して、そうして今おつしやつたような政府の御見解で行けば、その指令が指令通り行われておろうがおるまいが、とにかく学年初めに教科書を無償で出しておれば、それは政府が責任を持つて負担をして出すということになるのですね。
#72
○国務大臣(塚田十一郎君) さようでございます。
#73
○委員長(内村清次君) 別に御発言もないようでございますから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#74
○委員長(内村清次君) 御異議ないものと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
 なお修正直見がございましたら、討論中にお述べを願います。
#75
○石村幸作君 私は自由党を代表いたしまして、地方財政法の一部を改正する法律案に対しまして賛成の意を表します。
 本法律案は、今回行われました地方税財政等諸制度の改正と、補助金等の臨時特例に関する法律等、地方財政に関連する諸法案の制定に伴う必要な措置であると認めますので、本案に賛成するものであります。
 なおこの際若干の修正をいたしたいので、お手許に配付いたしました案文の通りの修正案を提出いたします。今その修正の理由及び内容の概略を御説明いたします。
  地方財政法中には国と地方の間における経費の負担区分に関する諸規定があり、第十条第七号の二の母子相談員は、同条第八号の母子手帳に関しては、「母子福祉資金の貸付等に関する法律」及び「児童福祉法」によりまして政令の定めるところにより国がその費用の二分の一を負担することとなつているのであります。政府提出改正案にはこれについて補助金等の臨時特例等に関する法律との関係によりまして母子相談員及び母子手帳に関しては、当分の間、国は何らの負担をしないものとする改正を加えることといたしておるのであります。御承知のごとく補助金等の臨時特例等に関する法律につきましては、衆議院において修正を加え、これに伴いまして地方財政法の一部を改正する法律案につきましても、それに相応する修正を加えて参つたのでありますが、この補助金等の臨時特例等に関する法律につきましては、更に参議院におきまして、若干の修正が加えられました結果、地方財政法の一部を改正する法律案中、それに関係のある部分について、更に修正する必要があることとなつたわけであります。
  第一点は施行期日の遅れたことによる補助金、又は負担金との関係に関するものであります。補助金等の臨時特例等に関する法律は参議院で附則第一項及び第二項を改め、「公布の日から施行し、この附則に特例の定めがある場合を除いて昭和二十九年四月一日から適用する」ものとし、又「この法律はこの法律施行前に補助又は負担すべきこととなつた場合における補助金又は負担金については適用しない」こととし、昭和二十九年度分でも同法施行前に決定した分については従前通り負川又は補助をするものとしたのであります。ところが地方財政法の一部を改正する法律案第三十六条は、参議院における右修正を予定していないため、母子相談員及び母子手帳に要する経費については昭和二十九年度中は国は何等の負担をしない旨を規定していますので、この両規定にむじゆんが生ずることとなるので、補助金等の臨時特例等に関する法律附則第二項にあわせるため第三十六条に但書を加えようとするものであります。
 第二点は附則に関する修正であります。即ち附則第二項を削除する関係上、項番号を落すこととし、また、第三十六条の修正により、その適用関係がいよいよ疑義の入る余地がなくなつたため、附則には同条の適用関係についての規定が不要なので、これを削ろうとするものであります。「第十条の四及び第三十六条」を「及び第十条の四」と改めたのはこの意味であります。
 第三点は国家地方警察についての読み替え規定に関する部分であります。即ち本法案では本則に『第十二条第二項第二号中、「国家地方警察」を「警察庁」に改める』との改正規定を置き、附則第二項におきまして、これについては『昭和二十九年六月三十日までの間は「国家地方警察」と読み替えるものとする』との規定を置いている訳でありますがこの点についての改正はむしろ「警察法の施行に伴う関係法令の整備に関する法律案」にゆずることを、適当と考え、修正削除することといたしたのであります。
 以上修正案の内容等を御説明申上げました。
#76
○委員長(内村清次君) 他に御発言はございませんか。他に御意見もないようでございまするから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#77
○委員長(内村清次君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。地方財政法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 先ず討論中にありました石村君の修正案を問題に供します。石村君提出の修正案に賛成のかたの御挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#78
○委員長(内村清次君) 多数でございます。よつて石村君提出の修正案は可決されました。
 次に、只今採決されました石村君の修正にかかる部分を除いた衆議院の送付にかかる地方財政法の一部を改正する法律室全部を問題に供します。修正部分を除いた衆議院送付案に賛成のかたの御挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#79
○委員長(内村清次君) 多数であります。よつて地方財政法の一部を改正する法律室は多数を以て修正議決せられました。
 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条によつて、あらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において本法案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとし、御承認願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#80
○委員長(内村清次君) 御異議ないと認めます。
 それから本院規則第七十二条によつて、委員長が議院に提出する報告書につき多敬意見者の署名を附することになつておりますから、本法案を可とせられたかたは順次御署名願います。
  多数意見者署名
    石村 幸作  館  哲二
    伊能 芳雄  酒井 利雄
    田中 啓一  長谷山行毅
    島村 軍次  笹森 順造
#81
○委員長(内村清次君) 御署名漏れはございませんか。御署名漏れはないと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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