くにさくロゴ
1953/02/11 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 大蔵委員会 第4号
姉妹サイト
 
1953/02/11 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 大蔵委員会 第4号

#1
第019回国会 大蔵委員会 第4号
昭和二十九年二月十一日(水曜日)
   午前十時四十九分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     大矢半次郎君
   理事
           小林 政夫君
           菊川 孝夫君
           森下 政一君
   委員
           青柳 秀夫君
           藤野 繁雄君
           土田國太郎君
           前田 久吉君
           三木與吉郎君
           野溝  勝君
           松永 義雄君
           堀木 鎌三君
           平林 太一君
  政府委員
   大蔵政務次官  植木庚子郎君
   大蔵省主税局長 渡辺喜久造君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○国有財産法第十三条第二項の規定に
 基き、国会の議決を求めるの件(内
 閣提出)
○開拓者資金融通特別会計において貸
 付金の財源に充てるための一般会計
 からする繰入金に関する法律案(内
 閣送付)
○緊要物資輸入基金特別会計法等を廃
 止する法律案(内閣送付)
○所得税法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○法人税法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○相続税法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○酒税法の一部を改正する法律案(内
 閣送付)
○印紙税法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○砂糖消費税法の一部を改正する法律
 案(内閣送付)
○骨牌税法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○酒税の保全及び酒類業組合等に関す
 る法律の一部を改正する法律案(内
 閣送付)
○租税、金融制度及び専売事業等に関
 する調査の件(税制改正に関する
 件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(大矢半次郎君) これより第四回の大蔵委員会を開催いたします。
 国有財産法第十三条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件を議題といたしまして、政府より提案理由の説明を求めます。
#3
○政府委員(植木庚子郎君) 只今議題となりました国有財産法第十三条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件につきまして、その提案の理由を御説明申上げます。
 御承知のとおり現在皇室用財産として管理している正倉院宝庫においては、千二百余年に亘つて貴重な宝物が保存されてきたのでありますが、ここに収蔵してある宝物を更に、永久、且つ、完全に保存するためには、完全な管理のもとに修理を施す必要がありますが、現在完備した施設がなく支障を来たしている現状にあります。
 これがため昭和二十八年度予算を以て新に正倉院保存修理室を新築することとなつたのでありますが、この建物は、宝庫の収蔵物管理には必要欠くことのできない重要性を有するものでありまして、宝庫と同様皇室用財産として取得する必要がありますので、国有財産法第十三条第二項の規定により提案した次第であります。
 何とぞ御審議の上速かに御承認下さるようお願いいたします。
  ―――――――――――――
#4
○委員長(大矢半次郎君) 次に開拓者資金融通特別会計において貸付金の財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案(予備審査)、緊要物資輸入基金特別会計法等を廃止する法律案(予備審査)、所得税法の一部を改正する法律案(予備審査)、法人税法の一部を改正する法律案(予備審査)、相続税法の一部を改正する法律案(予備審査)、酒税法の一部を改正する法律案(予備審査)、印紙税法の一部を改正する法律案(予備審査)、砂糖消費税法の一部を改正する法律案(予備審査)、骨牌税法の一部を改正する法律案(予備審査)、及び酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案(予備審査)、右十案を一括議題として提案理由の説明を求めます。
#5
○政府委員(植木庚子郎君) 只今議題となりました開拓者資金融通特別会計において貸付金の財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申上げます。
 開拓者資金融通法により開拓者に対し貸し付ける資金の歳入歳出につきましては、開拓者資金融通特別会計を設けて経理いたしており、同特別会計法におきましては、開拓者に対する貸付金の財源は、同会計の負担による公債の発行又は借入金によつて調達することとなつておりますが、従来、この貸付金の財源は、一般会計からの繰入金をもつて充てることとする措置が講じられてきたのであります。
 本法案は昭和二十九年度におきましても前年度と同様、開拓者に対する貸付金の財源に充てるため、一般会計からこの会計に十四億八千五百五十六万五千円を限り繰入金をすることができることとしようとするものであります。
 なお、この繰入金は、将来、貸付金がこの会計に償還された際に、繰入額に相当する金額に達するまでの金額を、予算の定めるところにより、一般会計へ繰り戻さなければならないことといたしております。
 次に緊要物資輸入基金特別会計法等を廃止する法律案について御説明申上げます。
 この特別会計は、緊要物資の取得及び売払のため、昭和二十六年一般会計より二十五億円を受け入れ発足したのでありますが、その後これら物資の需給も著しく緩和いたしてまいりましたので、昭和二十八年度限りこの会計を廃止し、その資産のうち現金を産業投資特別会計に、その他の資産及び負債を一般会計に引き継ぐ等必要な措置を規定しようとするものであります。
 以上がこの二つの法律案の提案の理由でございます。
 次に所得税法の一部を改正する法律案ほか七つの法律案について、提案の理由を説明いたします。
 政府は、過去数回に亘つて減税を行い、国民負担の軽減につとめてきたのでありますが、国民の租税負担の現状はなお相当重いと認められますので、情勢の許す限り更にその軽減を図ることが望ましいのであります。併しながら現下の財政及び経済の情勢に鑑みるときは、この際、消費意欲を刺戟し、また歳入総額の減少を来すがごとき税制の改正は、これを避けることが適当であると考えられる次第であります。
 特に低額所得者の負担を軽減するとともに資本蓄積の促進を図り、併せて奢侈的消費の抑制、国際収支の改善等に資するため、税制について若干の調整を加えることが適当であると考えられますので、所得税、法人税等の直接税の負担を軽減合理化するとともに奢侈品、高級品に対する課税を中心として間接税の増徴、新設を行うこととし、その他課税の適正、簡素化及び地方財源の偏在是正を図る等のため必要と認められる改正を行うこととしたのでありまして、差し当りここにその関係八法律案を提出した次第であります。以下順次各法律案について内容の大略を御説明申し上げます。
 第一に、所得税法の一部を改正する法律案について、その大要を申上げます。
 所得税につきましては、先ず、主として低額所得者の負担の軽減を図るため、基礎控除額及び扶養控除額を引き上げることとしております。即ち、基礎控除額を六万円から七万円に、扶養控除額を、最初の扶養親族については三万五千円から四万円に、二人目及び三人目については二万円から二万五千円に、それぞれ引き上げることとしたのであります。但し、昭和二十九年分については、この改正を四月から実施したものとして計算した金額とし、給与所得に対する源泉徴収については、四月以後の分については、この改正後の平年度の金額により計算した税額によることとしているのであります。
 次に、資本蓄積の促進に資するため、生命保険料の控除額を八千円から一万二千円に、但し、昭和二十九年分については一万一千円に引き上げることとし、又、別途租税特別措置法の改正により、個人の長期の定期性予貯金等の利子並びに配当所得に対する源泉徴収税率を引き下げることといたす予定であります。
 次に退職所得及び山林所得の負担の軽減合理化を図るため、退職所得についての現行二十万円の控除額を、勤務年数が十年を超えるものについては、勤務年数に応じて最高五十万円まで引き上げることとし、又、山林所得については、他の所得と分別して、五分五乗方式により課税することとしているのであります。
 更に青色申告の普及に資するため、青色申告者についての専従者控除の限度額を基礎控除額と同額まで引き上げると共に、配偶者についても専従者控除を認めることとしているのであります。
 次に、申告所得税について手続の簡素化を図るため、予定申告制度を予定納税制度に改めて、前年分の所得税額を基礎とした税額により、申告を要しないで予定納税することとし、又、変動所得の課税方式を簡素化しようとしているのであります。
 第二に、法人税法の一部を改正する法律案について申上げます。
 法人税につきましては、税率の引下げ等による一般的な軽減は行わないこととし、別途租税特別措置法の改正により、資本蓄積の促進、資本構成の是正及び輸出振興等に資するため所要の軽減措置を講ずることを予定しているのでありますが、本法律案におきましては、法人の積立金に対する累積課税の制度を廃止し、同族会社が一定限度を超えて新たに利益のうちから積み立てた場合には、積み立てた年度において一回限り、その積み立てた一定の金額に対して一〇%の税率により課税することとしております。なお、この機会に同族会社の範囲について、現在株主の一人が株式の三〇%以上を有している場合に同族会社に該当することとなつているのを、五〇%以上を有している場合に改める等によりその合理化を図ることとしております。
 第三に、相続税法の一部を改正する法律案について申上げます。
 相続税につきましては、主として相続財産等の価額が低額である場合の負担を軽減するため最低税率を引き下げる等により税率の緩和を図るとともに、生命保険金及び退職金に対する控除額を現行の三十万円から五十万円に引き上げることとし、その他相続財産に含まれる立木について、所得税の負担を考慮して評価の合理化を図ることとしているのであります。
 以上のほか、所得税、法人税及び相続税を通じて、申告後一年以後に更生が行われた場合等について利子税を軽減することとし、又、第三者通報の制度を廃止することとするほか、所要の規定の整備を行うこととしているのであります。
 第四に、酒税法の一部を改正する法律案について申上げます。
 酒税につきましては、昨年税率を引き下げた事情もあり、これを全般的に引き上げることは、現在の酒税の負担状況からみて適当でないと考えられますので、今回は高級酒類を中心として清酒特級及び第一級、ビール並びに雑酒特級について、その税率を五分乃至一割程度引き上げることとしております。これにより、酒類のびん抜小売価格は、清酒特級では一升九百四十五円が千五円程度に、ビールは一本百七円が百十円五十銭程度になりますが、このほか原料米の値上り等により製造原価の若干の引上げ等を考慮すれば、これよりも若干高くなる見込であります。
 第五に、砂糖消費税法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 砂糖消費税につきましては、最近における砂糖の消費状況等に顧み、樽入黒糖及び樽入白下糖を除き、分蜜白糖に対する税率を百斤につき現行二千三百五十円を二千八百円に引き上げる程度の増徴を行うこととしているのであります。
 第六に、骨牌税法の一部を改正する法律案について申上げます。
 骨牌税につきましては、現在麻雀は一率に千五百円となつておりますのを、その素材によつて税率に区分を設け、象牙製のものは六千円に、牛骨製のものは四千円に、その他のものは二千円に引き上げ、その他の骨牌については二割程度増徴することとしているのであります。
 第七に、印紙税法の一部を改正する法律案について申上げます。
 印紙税につきましては、昭和二十三年以来税率が据置かれておりますが、その後における一般物価の上昇等を勘案し、定額課税の印紙税の税率を、委任状については二円を五円に、受取書等については二円を十円にそれぞれ引き上げる等相当程度引き上げることとしているのであります。尤も、小額の受取書等に課税することは適当でないと認められますので、免税点を千円から三千円に引き上げることとしているのであります。
 最後に、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案について申上げます。
 最近における同法実施の状況にかえりみ、酒類業組合等の実情に即した運営を図るため、酒類業組合等の定めようとする協定の内容が、当該組合等が直接又は間接の構成員となつている連合会又は中央会が大蔵大臣の認可を受けて定めている協定の内容と同一であるときには、改めて大蔵大臣の認可を要せず、届出を以て足りるものとし、手続の簡素化を図ることとしたのであります。
 以上、八法律案につきまして、提案の理由と内容の概略を申上げたのでありますが、右に申上げた措置によりまして、所得税において約二百七十五億円、法人税においては、租税特別措置法による改正分を加えて約十九億円、相続税において約三億円のそれぞれ減収となります反面、酒税において約三十七億円、砂糖消費税において約五十七億円、印紙税及び骨牌税において約五十五億円の増収が見込まれるのであります。なお、以上のほか、別途再評価税について約二十四億円の減税、物品税について約十億円の増税、揮発油税について約三十一億円の増税、高級繊維品に対する消費税によつて約八十五億円の増収を予定しておりますので、これらを通算して、今回の税制改正の結果、直接税において約三百二十一億円の減収、間接税において約二百七十六億円の増収、差引四十五億円の減収と相成るのであります。
 何とぞ御審議の上、速やかに賛成せられるよう切望する次第であります。
  ―――――――――――――
#6
○委員長(大矢半次郎君) 次に税制改正に伴う収支の見込及び税制関係の提出法案の問題点等について説明を聴取いたします。
#7
○政府委員(渡辺喜久造君) お手許に二十九年度租税及び印紙収入予算の説明という資料が御配付申上げてあると思いますが、お手持のないかたにはすぐ持つて参りますから、これを土台にして御説明申上げさして頂きたいと思います。
 今度の歳入予算の見積りにつきましては、一ページに一応総括的な説明を書いてございます。二十九年度においての一般会計における租税及び印紙収入の予算額は七千七百十八億円でございます。この金額は二十八年度の予算額七千五百六十六億円に比べますと百五十一億円の増加となつております。尤ももう一つそこに「なお」と書き出しまして註釈がついてございますが、二十九年度から制度を改正いたしまして、租税払戻金を差引いた金額を以て歳入予算に計上するようにしたい。このため別途所要の法案を提出する見込みでございます。従いまして、この予算はその方式で一応計算してございますので、これを従前の計算による場合に比較いたしますと、九十億円だけ差引いたものに計算ができております。従いまして、二十八年度の予算との比較百五十一億円というのは、その基礎を同じように引き直しますと、二百四十一億円の増加と、こういうことに相成るものと思つております。で、只今御説明がございましたように、税制改正によりましては、直接税関係によりましては三百二十一億円の減、間接税等の関係におきまして二百七十六億円の増と、差引き税関係では四十五億の減ということを見込んでおります。尤もこれも別途提案されておりますたばこの価格のピースにつきましての引上げというので四十五億円見込んでございますので、このたばこも一応大きな意味での税と考えまして、税全体を通じまして増減収なしというつもりでできております。
 この予算を見積るに当りましては、そこの一ページに極く概括的な説明を書いておきましたが、二十九年度におきましては緊縮財政の実施によりまして、一応最近までのインフレ傾向が一掃され、生産は戦前のおおむね五割増、この線に安定する。物価は若干低落する。雇用量、賃金水準はおおむね現状維持、他面国民の消費抑制によつて貯蓄の増強、資本蓄積が促進されることになり、国際収支も漸次均衡回復の方向を迫る、大体こういつたような想定の下に全体の見積りをしておるのでございます。
 只今御説明申上げました税制改正のことによりまして、どの程度の内容的な増減があるかということにつきましては、四ページに一応ございます。所得税につきましては、基礎控除の引上げによりまして、源泉所得税で百四十二億の減、申告で十七億の減、こういつたようなことがそれぞれ扶養控除の引上げによる減、生命保険料の引上げによる減と、一応の内訳がそこにございますので御覧願いたいと思います。
 各税の見積の方法といたしましては、先ず現行法による税収を一応出しまして、それから改正法による増減を別途計算いたしまして、そうして改正後における税収を計算する。こういう方法でやつてございます。
 先ず所得税でございますが、これは源泉所得税と申告所得税の二つに分れます。源泉所得税におきましては昭和二十七年、これは暦年でございますが、この期間における給与支給人員、給与支給金額というものを一応とりまして、二十九年度分につきましては、支給人員は大体二十七年と同じ〇・一%の減になつておりますが、二十八年度分に対しては一%の減、一人当りの給与額は二十七年度に対しては二割六分一厘、二十八年度に対しては四・四%の増、給与総額におきましては二十七年度分に対して二六%、二十八年度分に対して三・四%の増。これで一応その支給人員と給与総額を出しまして、これから失格見込人員とこの人たちに対する支払給与の見込を差引きまして、課税有資格人員見込、支払給与見込というものを出しまして、これから給与所得控除額、基礎控除額、扶養控除額、生命保険料控除額、社会保険料控除額というものを順次差引きまして、課税所得金額を出しております。一人当りの課税所得が九万九千百円であります。これに税率をかけまして、一人当りが税金で二万五千円、これに日雇労務者の賃金に対する税金、これは別途徴収しておりますので、これを別に計算いたしましてこの分が十一億、これを加えまして二千百四十八億という数字を出しまして、それから不具者、老年者の控除を差引きまして、同時に今年度の収入見込額をそれぞれの収入割合をかけまして、同時に滞納分の増を入れまして、一応今年度の収入見込額を二千八十七億と計算いたしております。それから預金利子に対する税額とか配当所得に対する税額とか、これは別途源泉徴収をいたしておりますので、課税実績を基にいたしまして、これらの金額を三百五十三億円、この合計二千四百四十一億円から還付税の二十億円を差引きました二千四百二十一億円、この数字を以ちまして現行法における収入を見込んでおります。
 改正法の場合におきましては、大体同じようなことをやつておりますが、基礎控除が六万円から二十九年度におきましては六万七千五百円に上ります。又扶養控除につきましても三万五千円が三万八千八百円に上り、生命保険料控除が一万一千円に上りますので、それによりまして失格見込人員も変りますし、又課税される人の税額もおのずから変つて参りますので、それを全部計算し直しまして、同時にその後につきましては大体現行法の場合と同じような計算をとりまして、二千百五十七億円というのを以て改正後の税額としております。
 次に申告所得税でございますが、これにつきましては二十七年の課税実績が一応出ておりますので、それを先ずもとにいたしまして現行法の税額を計算してございます。二十七年分に対する二十九年分の所得の増加割合、これを生産、物価及びそれの相乗積、それから申告及び能率の増等による調整と書いてございますが、この辺を見込んで総合的の指数を出しております。括孤の中が昭和二十八年分の所得に対する増加の割合でございまして、括孤の外が昭和二十七年分所得に対する増加の割合でございます。農業のところで以て申告及び能率増等による調整が括孤の中に百十一となつておりますが、これをちよつと一言御説明申上げたいと思いますが、これは二十八年分の所得におきましては、御承知のように災害、冷害等がございまして農業所得におきましては相当所得率が減つている。これがまあ本年はそういうことは万あるまいというので、もとへ戻るということで一応二十七年分に対しましては百の計算になつておりますが、二十八年分に対しましてはその減つた数がもとへ戻るという意味において一応百十一という計算になつております。で、これをもとにしまして人員を計算して参りますと、現行法の場合におきましては、営業で百二十六万人、農業で八十九万人、その他の事業が十八万人、その他が三十五万人、計二百六十八万人の課税人員になります。総所得が八千九十一億、一人当りが三十万円、基礎控除、扶養控除を差引きまして同時にその他の控除を差引きまして一応課税の所得金額を出しております。課税所得金額は一人当り十三万九千円、これの税額を出しまして、更に不具者、老年者、寡婦、勤労学生控除税額を差引きますと一人当りの税額がそこに出ます。一人当り二万七千三百円。なお源泉控除をした分を入れますとそれが三万八千三百円ということに相成るわけでございます。これに翌年度へ繰越決定の分がございます。これを差引きまして、更にこれに本年度の税額を出しまして、収入見込歩合を掛けまして本年度の収入見込を出す、同時に前年の繰越決定分、これは本年に入つて参りますので、これを加えまして、同時にその収入歩合で以て大体本年度の収入見込を出す、それから滞納の中で本年の収入見込を出す、これで以て七百四十億という数字が出ます。それから還付見込税額を差引きまして七百三十億、これを一応の現行税法の下における収入見込額としてございます。
 改正法におきましては大体同じようなやり方でございますが、基礎控除が上り、扶養控除が上りますので、その辺を一応計算して参りますと、人員も、営業の場合の百二十六万人が百十六万人に減ります。農業も七十四万八千人に減り、人員も減りますし又課税金額も順次減つて参ります。同じようなやり方で以て大体改正後の数字を出しまして、還付見込税額十億を差引いて七百十八億という数字が出て参ります。この場合割合に減税額が少く出ておりますが、これの裏腹としまして事業税のほうで相当大きな減税を考えております。大体個人が中心でございますが、法人を加えまして約百億以上の減税になります。事業税が減になりますと、必要経費がそれだけ減になるという関係からしまして、所得税のほうへその一つの撥返りが出て来るというような事情もあることを申上げておきたいと存じます。
 次に法人税でございますが、法人税につきましては十三ページ以下に書いてございますが、二十七年十月から二十八年九月までの申告税額、これを調査課所管分と税務署所管分に分けまして一応出しまして、これに生産、物価、所得率、これを総合した数字を出しまして、二十九年度中の申告見込税額を一応千七百二十三億、前国会における税法改正、これは初年度でございまして、ここに数字が出ておりますのは初年度分しか顔を出しておりません。これを平年度化するためやはり減収を見込んで行かなければなりませんので、これを差引きますと、二十九年度の申告見込税額千五百五十三億、これに前年度よりの徴収猶予額を加え、翌年度への徴収猶予額を差引きまして、収入見込歩合を掛けますと千四百八十八億になります。そのほかに更正決定による増差額を最近における実績から一応計算しております。次に最近相当法人税が多うございまして、これは一面所得税の減になりますが、一面法人税の増になります。その法人税の増を見込みまして、同時に滞納額の収入を見込みまして千九百五十五億という数字を出し、欠損繰戻し等の還付見込税額六十億を見込みまして、結局現行法による分、千八百九十五億と出してございます。これに対しまして主として臨時措置法による分でございますが、それによる増減を差引きまして千八百七十六億を以て改正後における税収を見込んでございます。
 相続税におきましては、二十七年分の相続税の二十七年度における課税実績、これが決定には多少申告のズレ分がございますが、二十七年度の課税実績を出しまして、それに財産価格の騰貴率を掛けまして一応二十九年度分の相続税、贈与税の見込を出してございます。それから相次相続の控除を差引き、翌年に繰越される申告見込額を差引き更正決定分を加え、それから物納見込額、延納見込額を差引くとともに、過去の延納分の本年度における徴収分を加え、こういうような操作をいたしまして、大体従来と同じ計算方法でございますが、改正前三十四億六千三百万円、これが改正後になりますと三十一億六千二百万円計上してございます。
 再評価税でございますが、再評価税につきましては、現在まだどういうふうな改正をするかということについて細目的にきまつておらない点がございます。一応アウトラインは大体話が出ておりますが、もう少し変るかも知れませんが、税収としましてはこの程度を動かさないということを前提と考えております。現行法としましては先ず一次、二次、三次の再評価税額を出し、前年度よりの延納額を加え、翌年度への延納見込額を差引き、徴収決定見込額を出しまして、これに徴収歩合を掛けて行く。個人、法人を通じまして八十二億九千七百万円、これは現行法による分であります。改正による分は五十八億九千七百万円計上してございます。
 次に酒の税でございますが、酒税につきましては、清酒におきまして大体内地米七十四万石、昨年度は九十四万石でありましたが、二十万石の減の七十四万石、ほかに外米を八万石ほどもらうように一応の話ができておりますが、この八十二万石を基礎にして、清酒の数量を或る程度三倍増醸も増加することも予定しておりまして、二百十二万石という数字を出してございます。数量が減りますので、その分は合成酒、焼ちゆうが或る程度代替するということを計算の見込みに入れております。こうした基礎の上に立ちまして、現行法を千三百七十億、それから高級酒類、ビール等の税率を引上げておりまして、一応の増収を見込みまして、改正後において千四百七億という見込みを出しております。
 それから砂糖消費税でございますが、砂糖消費税につきましては、一応二十八年の二月から十月までの課税実績の基礎にいたしまして、同時に最近の消費の状況、今後の見通し、大体輸入砂糖が八十五万トン程度入つて来るということを前提とした見込みで全体の計算を組んでおります。改正後におきましても、まあ砂糖の消費が、かなり今年も輸入が減りますが、消費の減はないということで全体の予算を組んであります。
 それから揮発油税につきましては、二十八年の二月から十月までのこの課税実績、大体これがそのまま一応横ばいするという想定の下に、二百六億を改正前の数字としまして、一キロリツターについて二千円引上げるということを入れまして、二百三十七億という数字を組んでおります。
 それから物品税につきましては、これも二十八年の六月から九月までの課税実績を基にいたしまして、今年の緊縮予算によりまして或る程度消費の減もあるというふうな見通しを立てまして、物品税の現行税法の関係で二百三十三億、改正法を二百四十三億見込んでおります。
 それから繊維消費税でございますが、これは高級の織物、メリヤス、レースということに課税するということで、一応八十五億見込んでございますが、細目につきましては、なおいろいろ論議もございますので、もう少し時間の御猶予を頂きたい。決定次第御提案申上げるつもりでおります。
 あと取引所税で、これは大体最近の実績を基にしております。
 有価証券取引税も一応最近の実績等を考えまして、十億一千四百万円。
 通行税が同じやり方で二十三億七千九百万円。
 それから関税も最近の状況を基にし、同時にまあ関税のかかるような品物は、或る程度輸入がそれほど大きくなるものでもあるまいといつたような点を考慮しまして、二百五十億計上してございます。
 それから屯税は大体実績を基にしたものであります。
 それから印紙収入税につきましても、大体現在までの実績を基にしまして、五%程度の増加というところで、一応の数字を、収入印紙の分を百六十四億見込みまして、改正による増加を骨ぱい税で三千七百万円、印紙税と合せて二百七億。それから現金収入で同じような計算方法によりまして現行法で十億、改正法で二十二億、こういつたような計算になつております。
 それからなお入場税でございますが、これは別途法案が近く御提案できると思つておりますが、今度交付税及び譲与税配付金特別会計というものを設けまして、これに繰入れ、九割を地方に人口割で配付しまして、一割だけ一般会計へ入つて来る。一種、二種と分けまして、これの見込額を百九十二億見込んでございます。一種は、現在一種として取つております映画、演劇等でございますが、その税率は現在と変つております点は、先ず第一に、一つは免税点、二十円以下を免税にする。それから税率は四十円以下の場合におきましては二割、七十円以下は三割、百五十円以下四割、その他それ以上は五割、いずれもこれは税の入らない金額というもので、そういう区分を付けてございます。なお現在の地方税法にございます、いわゆる純音楽とか、純舞踊とかいうものにつきましては、現在二割の税率で課税することになつておりますが、これは一応そのまま今度の税法にも盛り込んでございますが、ただ税抜きの料金が七百円を超える場合におきましては、四割の税率というのも入れております。それから博覧会、展覧会、遊園地等につきましては、これは一割の税率で組んであります。大体現在の入場税法を、一応そのやり方をそう変えないで踏襲して行くということで、すでに閣議決定も経ておりまして、印刷中でございますので、近く提案できるものと思つております。
 以上を以て一応の説明を終ります。
#8
○委員長(大矢半次郎君) 個々の法案に対する御質疑はのちに譲りまして、今日は全般についての概括的の御質問或いは資料の要求があれば、お願いいたします。
#9
○小林政夫君 今の税収見込みの中で、大蔵大臣、経審長官等は二十九年度においては物価を下げる、できれば一割程度の範囲において下げるということになつているにもかかわらず、この税収見積りのほうでも、申告所得税或い法人税等において物価は二十八年度に比べて上るようなことで計算されておるのみならず、相続税の場合におきましては、二十九年度の登記率を二十八年度に対して三〇%ということで予定してある、こういう点はどうなんですか。
#10
○政府委員(渡辺喜久造君) 一応我々も大蔵大臣、経審長官の言われたその線をそのまま想定の基礎にいたしまして計算してございます。考え方としましては、大体現在が物価の一応ピークであつて、来年度の終りには、今より一割ぐらい下つて行くだろう。併しそれはそう急激にどかつと下るのではなくて、一応徐々に下つて行くのじやないか、こういう想定でやつております。それで昨年度におきましても、まあ現在の物価が初めから、年度の当初からそういう姿であつたというわけのものでございませんで、やはり年の途中で徐々に上つて来て現在の姿になつた、こういつたようなことになつておりますので、年度平均をとつて見ますと、今申しましたような想定の上に立ちましても、なお或る程度の誤差が多少出て来る。申告所得税の場合におきましては、農村物価など全部入れますと、昨年度に比べて九九・五%になつておりますが、それの内訳につきましては、普通の営業の場合には、一〇二・六とか農業は九四・〇、これは米価の関係でございます。御承知のように、凶作加算金のようなものが去年は付いた、去年の産米につきましては。今年は凶作加算金が凶作がなければ問題になるまいというようなことで、一応そういうものも入れてございまして、僅かな誤差でそういうようになつておりますが、それは結局昨年度におきましても、現在の姿が年度の初めからあつたわけじやないけれども、こういう点で大体こういう数字が出て来るものと思つております。来年度におきましても、年度の当初からすぐに一割の物価値下りが来るわけじやない。これもやはり年度末を一応の目途としまして、そうした物価の引下げが行われる。従つて、年度平均をとつて参りますと、そこに多少こうした誤差が出て来るというふうに御了解願いたいと思います。
 それから相続税でございますが、相続税につきましては、これは土地の価格などにつきましては、これは或る意味においてかなり土地の値段が終戦後上り方が非常に遅れておりまして、それがまあ最近かなり大幅に上つて行つた。少くとも過去においてそういう実態があつた。従つて、最近多少土地に対するいろいろなあれがあると思いますが、そう大きくこれが下るといつたような関係もちよつと期待できないかも知らんといつたような関係なども加味して参りまするし、それから株式の場合におきまして、大体これは価格と申しますよりも数量と価格との相乗積でこの計算は実はできております関係もございまして、三〇%の増加を見込むというのは、そう過大な見積ではないというふうに私は考えております。
#11
○小林政夫君 もう一点、法人成の見込みでありますが、その法人成の速度といいますか、前年度よりも、この二十八年度或いは二十七年度に比べて、二十九年度はかなり法人成は阻止されるのじやないか。というのは、事業税が軽減される。個人と法人と比べて今まで個人の事業税が非常に重くて、結局個人と法人との課税額を比較した場合、所得のランキングにもよるけれども、法人が軽い、こういう現象があつたわけで、それが全部の理由じやないと思うが、その事業税が軽減され、特に個人の場合の事業税が大幅に軽減されるとすれば、法人成の現象は足踏みをするのではないか、その点は織込んでありますか。
#12
○政府委員(渡辺喜久造君) 今度事業税を改正する場合におきましても、現在の法人成ができているゆえんの一つが税負担の問題、殊に事業税の問題にあるのじやないか、これは何とかしてやはりそう税の上だけにそうした姿が出ないように考えて行くべきじやないか、我々はそう考えておりますので、或る程度やはり法人成の現象は従来に比べては減つて来るのじやないかということは一応考えております。昨年の数字を見て参りますと、昨年度半年で約四万六千ほど法人成が出ておりますが、従つてそれを引伸ばしますと、まあ九万というような数字になりますが、一応六万程度のものが法人成になるのじやないかということで、まあどの程度、程度はなかなかむずかしいと思いますが、少くともお話のように或る程度法人成は減つて行く、従来と同じようなテンポでどんどん法人成ができて行くものではないという見込みは、我々も立つております。
#13
○小林政夫君 その法人成の前の資料は出ておりまするが、最近の情勢を知るために、今言われたような点を資料としてもらいたい。
 それからもう一点、大分繊維消費税で苦労されておるようですが、その個個の問題については、いずれ税法を見て意見なり質疑をする予定でありますが、私は当初それに代るべきもの、或いは物品税等についても、かなり前から大分いろいろ業種によつて高低というものがあるので、参考にしたいから資料をもらいたいのですが、売上高、特に生産財を除いた消費物資の売上高に対して、売上税的なものを創設するとすれば、現在の繊維消費税八十五億と物品税収二百億、この約三百億程度のものを直接消費物資から売上税を取るとすれば、一体どの程度の税率でいいかということですね、そういう資料を作つてもらいたい。
#14
○政府委員(渡辺喜久造君) 御要求でございますから作りますが、非常に推定の入つたむずかしいものであるということだけを御了承願いたいと思います。随分その点我々も研究もし、税制調査会でも論議したのですが、例えば石炭一つをとつてみましても、ストーブへ焚くときは恐らく消費財だということに、小林委員のカテゴリーでも入るのではないかと思いますが、それが例えば熔鉱炉に焚かれれば、これがまあ生産財だ、そうすると、石炭の中でも消費財になる場合と熔鉱炉に焚かれるような生産財になるような場合とある。或いはボイラーに焚かれる場合、これはまあ煖房に使われると消費財かも知れませんが、それが蒸気になりまして機械を動かすエンジンになれば、これはやはりでき上つて品物のコストに入ると、こういう性格のものであるのではないかと思います。まあ課税技術の上から考えましても、随分そこにややこしい面倒な問題があるという意味と同じことによりまして、数字を計算いたします場合におきましても、よほどの推計を入れませんと、ちよつと計数が出ないのではないかと思いますが、その辺は小林委員よくおわかりの点でございますから、あらためて申しませんが、一応の推計だけはしてみたいと思つております。
#15
○小林政夫君 もう一つそれと別に同様の含みを以て資料としてもらいたいのですが、附加価値税というものを今度はつきりやめるということになりましたが、附加価値税の課税基礎数字ですが、課税額、非課税額、これを活かして、それに附加価値税をかけるとすれば、一体今の三百億程度のものを取るのにどのくらいの税率になるか、むしろそのほうがしぼり方としてははつきりしぼれるのではないかという気持がするので、これをもらいたい。
#16
○政府委員(渡辺喜久造君) まあ大きな数字は或る程度出ると思いますが、御承知のように、現在まだ生きておりまする附加価値税には相当各種の細かい規定もございまするので、あの辺をどう見るかという点で相当数字も変つて来るのではないかと思いますが、これも一応やつてみますが、ただ両方共時間は或る程度頂かして頂きたいということだけ、御審議の間に合わないような遅れ方はいたしませんが、今日伺いましてすぐ明日とか来週の初めとか言われましても、ちよつと我々のほういろいろ仕事が詰つおりますので、その点だけは御了承願いたいと思います。
#17
○野溝勝君 私からも一、二点資料の点で申上げておきますが、入場税の問題ですが、入場税の問題は、前年度との比較、例えば地方税としてこれを徴収しておつたときはどのくらいのあれになつておつたか、それからそれとの比較といいますか、予想それが一つ。
 それから遊興飲食税が最初当局の原案としては計上されておつたと言いますか、予定されておつたわけですが、それがよい悪いは別として、姿を消したわけですが、そうするというと、その大よそ、大体遊興飲食税等が中央税となつた場合における収入予定額、それが今度は遊興飲食税だけ元通りということになつたようですが、大体それに対する穴埋と言いますか、その財源をどこで一体補填したのかという点、私は第二の点は資料でなくてもよろしいから、どこで一体その穴埋をしたのか、その点をこの際お聞きして置きたいと思います。
#18
○政府委員(渡辺喜久造君) 最初の点につきましては、資料として提出することにいたしたいと思つております。
 それから第二の点につきましては、大体こういう考え方で進んで参つたわけであります。遊興飲食税が現在地方の予算で約百七十億ほど計上してございます。国に持つて参ります機会におきましては、課税範囲を大体狭めておりますが、それから税率等におきましても、一応調整をいたしまして、大体現在地方でとつております百七十億程度を国に持つて来ても、そのままとるように税法を大体課税範囲、税率等で加減する、こういうふうな考え方で、これは地方制度調査会、税制調査会でも同じような方針が出ておりますが、その趣旨で実は一応の作業を進めて見たことがございます。そういうような過程でありますので、国に持つて来れば、そこに大きな増収を考えていた、従つてそれが国に持つて来なくなつたから、どこかで穴埋をしたろうという関係では、実はなかつたわけでございますので、それを御了承願いたいと思います。
#19
○野溝勝君 細かいことはよろしうございます。
#20
○堀木鎌三君 私は資料を頂戴したいと思うのは、今御説明になつた租税及び印紙収入予算の説明の中で、大体地方税が三千四百七十四億上つているのですが、その内訳を頂戴したいと思うのです。
#21
○政府委員(渡辺喜久造君) かしこまりました。
#22
○堀木鎌三君 大体できましたら過去三カ年ぐらいの地方税の業種別の内訳、そういうものを頂戴したい。国税のほうは頂戴しているのでわかりますが、地方税のほうがわかりませんという点と、それからさつき直接税と間接税と大体とんとんで、少し今回の税制改正の結果、直接税において三百二十一億円の増収が、間接税において約二百七十六億円の増収、差引四十五億円の減収と相成りますというのでありますが、たばこのピースの値上り、これはどうして計算に入れないのか、その理由を一つ聞きたい。先ずそれだけを一つ伺いたい。
#23
○政府委員(渡辺喜久造君) 地方税の関係の資料につきましては、わかりますのは決算、それからわからないのは予算ということでお許し願えれば、これは提出できると思います。
 それから今のお尋ねでございますが、提案理由の説明で四十五億の減ということを申上げましたのは、租税及び印紙収入、大蔵省の中でも、主税局で直接関係しております分だけについて申上げたわけであります。従いまして私の補足的な説明の場合におきましては、このほか別途ピースの値上げを考えております。それによる専売益金の増を予定しておりますので、これを広い意味におきまして租税というカテゴリーに入れますれば、差引増減なしということになりますということは申上げたつもりであります。
#24
○小林政夫君 この委員会で私、特に緑風会の委員のかたが伺つておるのですが、たばこの専売益金を益金という形ではおかしいじやないですか。むしろ税、たばこ税というふうに、はつきりピースとか品種別に税の形において表示したほうがいいのではないか、こういう意見を強く述べております。これについて主税局の考えはどうですか。
#25
○政府委員(渡辺喜久造君) たばこの関係におきまして、これを専売にして益金にするか、或いはたばこ税を作るか、これは各国いろいろなやり方をやつており、アメリカなどは民間に任せまして、その代りたばこ税を取つておることは御承知の通りであります。ただ日本におきましては、現在のところ御承知のように専売公社で以てやつております。専売公社の実情を経理について見てもらいますと、まあコストを引いた残り、これを一応専売益金として一般会計に繰入れておるわけですが、それをすべて税と考えるのがいいか悪いか、或いはそこに普通の営業としての利益といいますか、償却のために必要な経費などもあると思いますが、そのような意味におきまして、この金額というのは、実はかなり現在の制度でございますと、相当動いているわけでございます。で、それを例えばはつきり一応幾らとフイツクスしまして、コストはコストでこれは相当動きますから、これをやつて参りますと、税のほかにコスト、その中間に或る程度の損益が、或いはマイナスになつて出ることもあるし、プラスになつて出ることもあろう、そういう関係にございますので、確かにお説のようなものを、一つの考え方として思いますが、現在といたしましては、政府としては今のような制度をとつているものですから、今の場合にすぐ専売益金幾ら、これは税に相当するのだというものを書き出すことは、ちよつと困難ではないだろうか。よほど会計全般の建前なり、全体のものの考え方から建直して参りませんと、ちよつとすぐには困難ではないだろうか、一応こういう考え方があり得るということは我々も考えておりますが、現在の専売公社の制度、或いは専売の制度から見ますと、すぐこの分が税だといつてたばこに表示することは困難ではないか、かように考えております。
#26
○堀木鎌三君 もう二つ御注文申上げたいのだけれども、税制調査会の答申を尊重したということを政府が言つておられるのだが、私のほうで比較表を作ればわかるのですが、政府のほうが比較表は楽だから、比較表を作つて、なぜ税制調査会の答申案と違つているかという理由を説明してもらう機会を一つ与えてほしいと思います。
 それからもう一つは、物品税について大体従来の考え方と同じで繊維品の消費税は挙げられたのですが、外国の例と比べて、大体こういう物品税式のものが、外国の税制制度の中では収入全体の中でどれくらいを占めているものか、それから国民所得に対してどれくらいの割合を占めているものかという表が、実はさつき小林さんのと違う観点なんですが、そういう表を作つて頂いて頂戴したい、こう思います。
#27
○政府委員(渡辺喜久造君) かしこまりました。ただ実は税制調査会の答申を尊重したということは、私のほうはちよつと言いかねておりまして、説明には申上げたことはないと思つておりますが、それだけはちよつと何か誤解じやないかと思いますが、御注文の点は早速作業いたします。
#28
○平林太一君 ちよつと議事進行で申上げたい。時間がありませんが、只今本日の日程議事が審議せられておるのでありまするが、私はこの際優先して、一応我々の審議の参考となることにも重大なこれは関連を持つておるので、大蔵大臣を招致して、現在当面大蔵省に関係のある問題、現に保全経済会問題であるとか或いは船舶融資に対する問題と、融資の対象となる日本開発銀行の融資に対する態度、それから利子補給、こういうものは非常に当委員会に対していろいろ関係を持つております。でありますから、事柄の是非の如何は、以前に臆測を云々するものではない。かような際には大蔵大臣が進んで当委員会に来て、それらの経過に対して説明をすべきことがこれは当然である。かようなことをいたさないということは、非常にこの委員会に対する大蔵大臣としての常識的の態度ではない。併し先日も私は委員長に向つて、休会明けの当初においては、総括的な見地からいつても、大蔵大臣が出席して、そうして全体の問題に対する、委員会の行動いたすことに対する大蔵大臣としての何らかの挨拶があつて然るべきじやないか、それを早く請求すべきである、こういうお話を申上げたのでありますが、今日来てみますと来ておりません。これは事務当局から説明を聞くということは技術的のことを聞くのである。政治的な大きな問題としては我々は大きなものを把握して、そうして技術的な問題に対するいわゆる方向というものが判断されるわけです。それが来ておらないということですが、これは私としては何よりも優先していたすべきものだと思う。委員長はどういう処置をおとりになられたか。大蔵大臣の出席に対すること、及び現下の、只今申上げましたことは、衆議院におきましては、もうすでにこれが果敢に取扱われておる。こういうことをお話合いになられたのか、理事会においてこういう問題が話題になつたのか、全然ならないのか、その点委員長にちよつと伺つておきたいと思う。
#29
○委員長(大矢半次郎君) お答えいたします。大蔵大臣に成るべく早い機会に当委員会に出席を求めて、財政金融全般のことについて、その意見を聴取しようということにして、この前も平林委員からも御要求がありましたので、その手続はとつておるのですが、まだ今日それは実現いたしておりません。今日の委員会はこの前に皆さんといろいろ御相談して申合せた結果、大体十一日頃は本委員会に付託される重要法案のうち租税関係のものは大体出揃うのではなかろうか。それで十一日に委員会を開いて、一応その提案の理由の説明を聞こう、こういう申合せになつておりましたからして、それを主と考えて取上げたのであります。平林委員のかねてからの御要望のあつた成るべく早い機会に大蔵大臣の出席を求めて、財政金融全般に対しての御意見を聞こうということはなお今後も至急に取計つて成るべく早く実現したいと思つております。
 それからお話のありました保全経済会の問題、或いは船舶融資に関連する各種の問題になりつつある件等を本委員会において取上げて、この際深く審議するのがいいか、冒頭からやつて行くのがいいかどうかということにつきましては、理事会で十分御相談して、その結果によつてやりたいと、こう考えております。
#30
○平林太一君 今の委員長の御答弁は私も了承いたしました。只今お話を承わりますと、目下世論の話題になつております問題については、まだ理事会でそれをお取扱いになつておらない、こういうお話です。それでよろしいのです。よろしいのでありますから、これは理事会でどういう取扱いをせられるかは理事会の権限に委せます。併し今申上げる通り扱つていないということは、理事会といたしては私からいたしますと非常に何か怠慢のそしりを受ける傾向があるではないかということを、この際申上げておきます。それでありますから、取扱う取扱わないということは理事会の権限でありますが、併しこれを何か全然無関心のごとくいたしておつて扱わないということは、私は理事会の本質としてさようなことではならないことと存じますから、その点よく委員長もこれをお含みの上で、これらに対する取扱いをすることを、今日は私のほうからこういうことを要求いたしておきます。
 それから只今、この前の申合せによつて法案が出揃うから十一日から審議をお始めになる、これは結構なんです。結構でありますから、それもよろしいのでありましよう。よろしいのでありましようが、法案の審議というものは十一日に出揃つたから十一日に一括して全部やるというわけではない。十数案件の法案というものは、今日提出せられた法案に対しましての十数案件と承知いたしますが、その一つ一つをこれからいたして行くわけですから、それが出揃つたから今日初めて何かそれでやるのだということでは、私のほうでは非常に了解に苦しむ。だからそういうものが出揃つたから、今年のこの法案、この議案の全体というものに対する性格というものを総括的に大蔵大臣から政府の懐抱しておりますところの考えというものを説明しなきやならない。むしろ我々に了承を求めなければならない。そうして個々の各法案に対する問題というものに対して、関係当事者からそれぞれの専門的なことを聞く、こういうふうでなければ、如何にも私自身といたしましては、国会自体がこの技術的な……、これは政治ではなくなつてしまうことになる。いわゆる大蔵省の何か出先機関のようになつてしまうのです。それなら政治的な全体の傾向というものを大蔵大臣から説明を聴取しなければ、個々の審議をいたす上におきましても、これは非常な性格的な根本において錯誤を生ずるという憂いが、私自身としては少くとも生ぜざるを得ないのであります。それでありますから、先ず第一に今のお話でも承つておりますと、何か向うの都合で云々ということをおつしやつておりますが、次回の委員会には、委員長としてはいわゆる委員長の権限を以て大蔵大臣を招致するということを一つお取り運びを願いたい。それが正常なる、これら法案に対する審議の第一の前提行為であるということを私申上げておきます。それでありますから委員長、それに対しまして御同意下されば、でありますが、若しそういうことでなければ、一つ御意見を承わりたいと思います。
#31
○委員長(大矢半次郎君) ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#32
○委員長(大矢半次郎君) それでは速記をつけて下さい。
 本日はこれを以て散会いたします。
   午後零時二十四分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト