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1953/03/19 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 大蔵委員会 第21号
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1953/03/19 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 大蔵委員会 第21号

#1
第019回国会 大蔵委員会 第21号
昭和二十九年三月十九日(金曜日)
   午後二時十六分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     大矢半次郎君
   理事
           藤野 繁雄君
           小林 政夫君
   委員
           青柳 秀夫君
           木内 四郎君
           白井  勇君
           安井  謙君
           土田國太郎君
           成瀬 幡治君
           野溝  勝君
           東   隆君
           堀木 鎌三君
           平林 太一君
  政府委員
   大蔵省主税局長 渡辺喜久造君
   大蔵省主税局税
   関部長     北島 武雄君
   大蔵省理財局長 阪田 泰二君
   大蔵省管財局長 窪谷 直光君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       木村常次郎君
   常任委員会専門
   員       小田 正義君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○理事の補欠選任の件
○株式会社以外の法人の再評価積立金
 の資本組入に関する法律案(内閣提
 出)
○関税法案(内閣提出)
○関税定率法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(大矢半次郎君) これより大蔵委員会を開会いたします。
 理事の補欠互選についてお諮りいたします。去る十七日菊川理事の委員辞任に伴い、理事に欠員が生じましたので、この際その補欠を互選いたしたいと思いますが、前例により委員長より指名することに御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。それでは理事に菊川委員を指名いたします。
  ―――――――――――――
#4
○委員長(大矢半次郎君) 次に株式会社以外の法人の再評価積立金の資本組入に関する法律案を議題といたしまして、その内容の説明を聴取いたします。
#5
○政府委員(阪田泰二君) 株式会社以外の法人の再評価積立金の資本組入に関する法律案、これにつきまして簡単に内容を御説明申上げたいと思います。御承知のように、株式会社につきましては、再評価積立金の資本組入の法律が従来からございまして、組入もいたしておるわけでありますが、株式会社以外の法人、具体的に申しますと、合名会社、合資会社、有限会社或いは特殊の協同組合その他の法人でございますが、これらの法人につきましては、従来その再評価いたしました積立金を資本に組入れる根拠法規がなかつたわけであります。従来、これらの法人につきまして規定がございませんでした理由につきましては、いろいろ考えられると思いますが、まあ法律的に多少複雑な問題もあつたわけでございますが、やはり株式会社の資本を組入れるほどの実益がないと申しますか、そういつたような考えが主でございまして、そのままになつておつたものであると考えるのでありますが、併しこの株式会社以外の法人につきましても、やはり積立金の資本組入れということを認める必要がいろいろあるわけであります。根本的に言いまして、これらの法人につきましても、資本金が過少であるというような点を是正いたしまするために、再評価積立金を資本に組入れて、その事業の実態にふさわしい適正な資本に変えて行くということが根本的に必要であると思います。なお、そのほかに、個々の具体的な問題になつて参りますと、例えば税法上の関係におきまして、同族会社につきましては、出資金の四分の一を超過した積立金につきましては従来は五%の税金が課せられた。今回改正案が提案せられておりますが、それによりますれば、やはり四分の一を超過した分の新規の積立金に対して一〇%の税金がかけられる。こういうふうになつておりますので、資本金の大きい小さいによりまして課税される額が違つて来るわけであります。そのような点で、やはりその会社に相応した資本金にしておくということが、課税の適正を期するという上からも必要になつて参るわけであります。なお協同組合のようなものにつきましても、これは全部の組合ではありませんが、一部の組合には、利益の中から積立金に上げた分は法人税を免税されるというような規定がございます。いろいろそういうような関係で、税法関係におきましてこれを認める必要が生じて参つたというような関係がございます。なお今回やはり租税のほうの関係で、新規の増資、或いは再評価積立金からの資本への組入れというものに対しまして、今後それに対する新規増資でありますれば一割、再評価積立金からの組入れでありますれば五分に相当する分を、法人税を免税しようという案が提案されておりますが、そういうような関係におきましても、この問題が影響して来るわけであります。そのほかいろいろな組合法で、配当の制限、出資に対して何割までの配当しか認めないというような、配当を制限しておる場合もございますが、それらの場合におきましても、資本金、出資金の如何が具体的に影響をして来るわけであります。いろいろなさような問題がございますので、今回このような法案を提案いたしまして、株式会社以外の合名会社、合資会社、有限会社、或いは組合等についても、積立金の資本への組入れを認めることといたすということに立案いたしました次第でございます。
 それで、提案されております法律案の条文の順序に従いまして、簡単に内容の御説明を申上げたいと思います。
 第一条は、これは只今申しましたような趣旨でございまして、特に御説明申上げることはありません。
 それから第二条の再評価積立金の資本組入れの決議の問題でありますが、これは定款変更の場合と同様の特別抉議によるということでありまして、株式会社と同様に考えておるわけであります。
 その次に出資口数の増加の問題でありますが、これらの法人が出資を口数に分けております場合には、ここにございますように、再評価積立金を資本に組入れる場合には、その組入れる金額だけの割合の口数が増加したものというふうにいたしまして、現在の出資者は、その出資口数に対しまして、現在の出資額に対して、組入れにより増加した出資額の割合だけ口数が殖える、こういうふうにいたすことにいたしたわけであります。これは株式会社等につきましては、積立金を資本金に組入れますが、それに相応する株式を先行しない場合も考えられているわけでありますが、組合のこういうような出資口数の分れております法人につきましては、ここにありますように、すべて再評価積立金で組入増資した場合には、出資口数の増加になるというような規定にいたしたわけであります。なお勿論、割合に応じて増加いたしますから、一口未満の端数の割当が生ずる場合があるわけでありますが、それにつきましては以下の条文で、その処理について規定してございますわけであります。
 次に第四条でありますが、第四条と五条以下に書き上げておるわけでございますが、第四条は全額がすべて無償交付の場合の規定でありまして、第五条以下が、これは一部払込みと、一部は無償で増資する、こういう場合の規定でございます。第四条の規定といたしましては、端数が生じました場合には、二週間以内に、その端数の出資をその組合等の出資者となる資格者に対しまして売却して、その売却した対価を端数であるために出資をもらえなかつた出資者に対して分配をする、こういうふうな規定でございます。第二項の規定は売却ができなかつた場合の規定でありますが、この売却ができなかつた場合には、この場合といたしましては、その分だけは資本に組入れなかつた、そのまま再評価積立金に残つておる、こういうふうに処理いたすわけであります。
 それから払込を伴う資本組入、第五条の場合でありますが、これは例えば千円の出資に対しまして、例えば一部二百円で払込を無償で交付いたしまして、残り八百円について払込をする、こういうやり方をする場合でありますが、この場合には、ここにありますように、それぞれ積立金から充当する額と、払込する額と、増加する出資の総口数との比率、払込期日等をきめまして、出資者に通知するわけであります。第二項は、払込金額は分割して払込をさせることができない、こういうような規定なのでございますが、何回にも分割して払込ませますと、いつまでも資本組入が確定しない。数年間非常に中途半端な状態になりますので、大体一回に払込をさせれば十分であろうということで、かような規定を置いたわけであります。
 第六条は、その出資金額の一部を払込ませる出資増加の決定をいたします場合に、出資者に対して決議の内容を通知するということになつております。第二項におきまして、「通知を受けた出資者が、払込期日までに払込をしないときは、払込をしない口数の出資に関する権利を与えられないものとする。」こういうふうにいたしてございますが、これは一般の株式会社でありますれば、株主を募集する、株主が応募するという問題があるわけでございますが、この規定におきましては、そういうのに代えまして通知をする。この通知を受けた出資者は、払込期日までに払込をする。こういうことによりまして、いわば株式会社におきまして募集をし又応募をするのと同じ観念をとつておるわけでございます。
 それから第七条が、先ほど申上げました払込のない組入れの場合と対応しまして、一部払込のある増資の場合の端数株の処理の問題でありますが、この場合には、ここにございますように、全株無償増資の出資の場合と違いまして、その端数の株式について、それからそのほかこれは一応増資のような形になりますので、払込期日までに払込をしない、即ち一般の株式会社の場合であれば、申込をしない、応募をしないというものが出ることも考えられますが、それらの口数につきまして、やはり有資格者に対しまして、出資者となるべきものを募集すると、こういうことになるわけであります。募集に際しまして、払込期日は二カ月以内、こういうふうに相成つております。この払込金につきまして、分割払をしない、一回限りの払込をするということは、最初の募集の第五条の場合と同様でございます。それで、こういうことで募集して残りました株或いは端数の株につきまして、出資者が集まりまして払込みがされますと、先ほどの端数の株主に対しましてはその払込金を端数に応じて分配をいたします。
 それから第七条第五項の規定でございますが、最後の募集をいたしまして二カ月以内に払込みがなかつた場合には、その分はいわば応募がなかつたということでございますので、その分は資本に組入れられなかつたものとして、そのまま積立金の金額といたしまして、資本がそれだけ組入れられなかつた、増加しなかつたということに計算をいたすわけであります。
 それから、このような一部払込みをいたさせまして増資する場合におきましては、その増資が行われた日をいつにみるかということでありますが、第八条にありますように、最後に払込みが行われた日、従いまして払込みがなかつた分、或いは端数の口数等につきまして、あとから改めて出資者を募集する場合におきましては、最初の払込期日の翌日から二カ月以内ということになつておりますから、その二カ月以内におきまして最後に払込みが行われた日に増資の資本組入れの効力が発生する、こういうことになるわけであります。
 それから第九条の規定は、これは例えば協同組合等におきまして、一人の出資者が総体の出資の四分の一以上を保有してはいけない、こういうような規定があります場合に、端数株の整理等のために、増資後におきまして四分の一以上を持つているという形になる場合があるわけであります。そういうような場合には、これは規定違反になるわけでございますが、直ちにそれを処分せよ、整理せよということは無理でございますので、その分は資本増加の効力が生じた日から六カ月以内に譲渡しなければならない、六カ月の猶予期間を置いてそういう限度超過分を処理させよう、こういう規定でございます。
 それから第十条は、これは合名会社、合資会社に関する規定でございます。九条までの規定は大体、組合等に適用が多い規定でございまして、合名会社、合資会社等には関係がない規定でありますが、合名会社、合資会社につきましては、ここにございますように、こういうような制限規定を置いたわけでございますが、要するに、社員が出資の履行をしていない、未払込の出資がある、これらの会社におきまして、そういう未払込みの出資があります場合に、再評価積立金を資本に組入れて、その未払込みの分に充当してしまう、こういうようなやり方をいたしますると、これは会社の資力を減殺すると言いますか、債権者の権利を害する点が出て参りますので、そういうことはできない、未払込の分はそのままにしておいて、増資という形で再評価積立金を資本に組入れなければならない、こういうふうに制限しておるわけでございます。
 それから第十一条は、これは有限会社の規定でございますが、有限会社につきましては、商法によりまして、いろいろ質権の効力或いは登録質の効力等が、それぞれ出資者が端株の代償として受けます金銭とか、そういつたような従来の出資に対する質権が追及する規定がございますが、そのような有限会社に対する規定をこの場合に準用しましたわけであります。
 それから第十二条は、これはやはり端株の売買等によりまして株主が受ける金額が法人税法の益金になる或いは個人の所得になるということがないように、益金に算入しないという規定、並びにその法人につきましては、そういうようなことにいたしまして分配いたしました端数株に相当する金額、これが法人の損失金にならない。いずれにいたしましても、法人の所得の計算上、益金にも損金にも入れないというような規定であります。
 第十三条は罰則でありまして、別に御説明申上げることはございません。
 それで附則の点でありますが、従来は再評価積立金の資本組入に関する法律というのがございましたが、これが今度株式会社以外の法人につきましても再評価積立金の資本組入を認めることになりましたので、従来の法律は株式会社だけに関する規定でありますので、標題をその内容に適合するように、「株式会社の」という字を付け加えたわけであります。そういう題名の改正であります。
 その次に第八条第三項の改正の規定がございますが、これは多少実際問題としてもいろいろ問題のあつた点についての規定でありますが、これは、大体、会社が有償無償のいわゆる抱合せ増資、例えば増資をいたします場合に、五十円の株式に対しまして、そのうち十円は無償で再評価積立金を組入れて増資する、残りの四十円は有償で払込をとる、といつたような有償無償抱き合せの増資をいたします場合に、その増資の端数の株、或いは先ほど申上げましたような、申込がなくて応募し残つた株、こういうものが出ました場合には、それを会社が更に処分しなければならないわけでありますが、その場合に、払込み金額以上の価格で処分してもいい、募集してもいいという規定でございます。これは従来の規定でありますと、五十円払込の株は五十円以上でなければ募集してはいけないわけでございますが、先ほど例に挙げましたような十円無償、四十円有償というような場合でありますと、四十円が払込金額でありますから、四十円以上の価格であれば、今申しました残つた株を募集できるというような規定であります。
 それから資産再評価法の改正でありますが、これは無償で交付されました株を、法人の益金、個人の所得に算入しないという規定でございますが、今回の法律によりまして、株式ばかりではなく、出資証券等も、無償で交付せられる、増加する場合が生じますので、そのような出資証券は、それを受けました法人或いは個人の益金に算入しない、こういうような規定であります。
 大体以上のようなことでございまして、簡単でございますが、御説明申上げました。
#6
○委員長(大矢半次郎君) 御質疑を願います。
#7
○土田國太郎君 この再評価の資本組入について主として御説明せられたようですが、ほかの営利というのもちよつと表現が悪いが、農村の協同組合とか、或いは商工業者の協同組合というようなものは、再評価の資本組入はできんのですか。
#8
○政府委員(阪田泰二君) 最初に合名会社、合資会社、有限会社のほかに組合等と申上げましたが、その中に、只今お話の農業協同組合でありまするとか、水産業協同組合或いは森林組合、中小企業等協同組合、或いは塩業組合或いは信用金庫とか或いは農林中央金庫、商工組合中央金庫、こういつた式のものがすべて入るわけであります。
#9
○土田國太郎君 すると、一般の商工業者の協同組合はその中に入らないわけですか。ほかの商売ごとの協同組合がありますな、営業ごとの……。そういうものの協同組合は入りませんか。
#10
○政府委員(阪田泰二君) 中小企業者の組織しております、協同組会法によります協同組合は当然この中に入つております。
#11
○土田國太郎君 この十条の合名会社、合資会社は、これはいわゆる出資証券の中へ入るわけであつて、仮に出資証券が一万円の人もあろうし、三千円の人もあろうが、これはその金額通りに平均して、この再評価の割当を受ける、こういう建前ですか。
#12
○政府委員(阪田泰二君) 合名会社、会資会社につきましては出資が口数に分れておる、株式のようになつておるというような関係がございませんので、只今お尋ねのようなことには必ずしもする必要がないわけであります。それで第二条によりまして再評価積立金を資本に組み入れる決議をいたしますが、その決議をいたしますときにどういうふうにそれを殖やすか、どういう割合で出資者にどういうふうに割り振るかということは、その決議できめればよろしいわけでありまして、口数がありまして、その口数が全体の組み入れ額の比例で殖えるというような観念を必ずしもとる必要はないわけであります。
#13
○藤野繁雄君 この法律に該当する再評価積立金はどのくらいあるのでございましよう。
#14
○政府委員(阪田泰二君) これは非常な正確な調査というわけではないのですが、一応調べましたところによりますれば、昭和二十八年末現在で百四十二億六千九百万円という数字が出ておるわけであります。なお、御参考までに、その調査の対象となりました法人数は十七万五千二百二十五という数になつております。
#15
○藤野繁雄君 これは有価証券取引税は課せられますか。
#16
○政府委員(渡辺喜久造君) この再評価積立金の資本組み入れによる分につきましては、有価証券の取引税の課税の問題はございません。課税になりません。
#17
○野溝勝君 今、藤野さんがお伺いしたのですが、大体これは収入予定額は二十八年度はわかりましたが、前と比較してどのくらいの差になつていますか。前は株式会社を対象にしておりましたな。今度はこの改正法律案を見ると、資本組入を認めるものは、今、土田委員からの質問の通り広汎になるわけですね。商工団体もあるし、農業協同組合等も入るわけですね。そうすると、その開きというものはどのくらいになりますか。
#18
○政府委員(阪田泰二君) 先ほど申上げました百四十二億という数字は、これは現在、現在と言いますか、昨年末までに、合名会社、合資会社、有限会社、或いはいろいろな組合等について、再評価法の規定に基きまして再評価いたしました、その結果できておりまする再評価積立金の額を申上げましたのです。
#19
○野溝勝君 積立金の……。
#20
○政府委員(阪田泰二君) はい。この再評価積立金のうちから今回の法律によりまして資本に組み入れられるという額が出て来るわけでありますが、その資本の組み入れに際しまして課税されるということはないわけであります。再評価する場合に再評価税がすでに課せられておるというわけでございます。
#21
○野溝勝君 ああ、そうですが。これは見ようによつては法人の特典改正法というわけですが、結局これは事務上の便益ということなんですか。実際こういうふうな法案によりまして法人が利益して行くと思うのでございますが、その法人に対するかような便益と言いますか、有利になるような法律案は、果して日本の財政が貧困なところへ持つていつて、だんだんと、こういう法人のほうの弾力のあるものを有利にして行くというと、そこに税の公平と言いましようか、均衡をやる上において蹉跌を来さないかと、老婆心ながら思うんでございますが、こういう点について、主税局長、理財局長の御見解を聞きたいですな。
#22
○政府委員(渡辺喜久造君) 税のお話でございますので、私からお答えいたしたいと思いますが、現在の制度におきましてこの資本組入の問題と直接関係を持つて参りますのは、同族会社における、いわゆる超過積立的な場合における課税、この問題がこの資本の関係で実は関係を持つて参りますのですが、今までは株式会社につきましては、この資本組入のことが自由にできることになつていたのでございますが、合資会社、合名会社、そのほか株式会社以外の法人につきましては、商法の上でいろいろ複雑な問題もございますので、再評価積立金を作るまではできますが、資本組入ができなかつた。ところが現行税法で、これはこの前、御改正願つた場合の規定から生れているんですが、払込資本金の四分の一か、或いは百万円か、いずれか多い金額を超えまして積立金を持つております場合におきましては、現行税法でございますと、その超過した額について、毎年百分の五の税率で税金がかかつて行く。今度の場合におきましてそれを多少改正する方法をとつたのでございますが、いずれにいたしましても、株式会社の場合におきましては、再評価積立金が資本に組み入れでき、合名会社、合資会社等におきましてはそれができないというのは非常に不権衡ではないか、こういう御批判が当委員会におきましてもあつたように思います。従いまして我々のほうとしましても、理財局のほうにもお願いしましていろいろ検討した結果、こういう法案を提出するわけでございまして、どちらかと言いますと、課税の上から見ましてこういう措置をとつておかないと、負担の上に不権衡ができやせんか、こういう心配がございますので、こういう改正法案を御提案申上げておる次第でございます。
#23
○野溝勝君 そうすると、株式会社と、例えば合名会社、有限会社と、この間に不平等だということの意見があつたので、これを対等に扱うということにする、この合名会社、有限会社と同じようなものであつたならば、私はその株式会社などの会社を一本にしたほうがいいと思うのです。私が調べた範囲では、合名会社、有限会社のそれぞれに特徴がある。更にこれは小範囲のものだと思うのですね。小範囲のものと相当広範囲なものとで画一に扱わなければならんという論拠が私にはわからないのですが、もつとほかに対等に扱わなければならんという論拠がありましたならば、この際一つお知らせ願いたいと思います。
#24
○政府委員(渡辺喜久造君) 確かに法律の建前からいたしますと、合名会社と合資会社と株式会社との間には、法律から性格的な違いがありまして、例えば非常に多数の人から資本を集めようとしようとする場合におきましては、合資、合名のような姿ではとても会社ができませんので、まあ株式会社でやる。株式会社のほうの制限は株主が七人以上だと思いましたが、まあ一応の制限はございますが、一応そこの姿においてできておりますものを見ますと、合名、合資会社と株式会社と非常に似たような姿のものも実はあるわけでございまして、株式会社の中には、まあそれこそ何千という株主を持つておる会社から、比較的少い人数の会社まであるわけでございまして、そういう小さな会社になりますと、まあ合名、合資と非常に似たような性格のものがあるわけでございますが、株式会社の中でそれを更に区別して課税上取扱うということもいろいろ論議はございますが、やはり非常に困難な事情になつておりますので、そういつた点を考えまして、やはり現実にある株式会社というものを見て参りますと、合名、合資につきましてもこういう措置を考えるべきではないか、こういう結論に出たわけでございます。
#25
○委員長(大矢半次郎君) 他に御発言もないようでありますが……。
#26
○東隆君 この法律をお作りになつた効果、狙つておる効果は、一体どういうことを狙つておるのですか。
#27
○政府委員(阪田泰二君) これは最初に申上げましたように、まあ株式会社等につきましても、やはり今回再評価の法案を御提案いたしまして、いろいろ再評価資本組入れ等につきましても御審議をお願いいたすつもりでありますが、やはり根本的に見まして、資本金、出資金というものがそれに適正な額になつておるか。過小資本ということがその企業の形として適当でないということは、まあ根本的に言えると囲うのですが、そういうような根本的の事情、そういうものを現在の会社なり組合なりの実態にふさわしい適正な資本の形にして行こう、こういう問題と、もう一つは、先ほど来お話に出ておりますような、資本の組入れが認められませんために課税その他の面におきまして却つてどうも不均衡な面が出て来ておる、それを是正しなければならない。こういつたような大体大きくとりまして二つの点があるのでございます。
#28
○東隆君 そうすると、この株式会社以外の法人の中には、営利を目的にした法人と、それから営利を目的にしない法人とが二つ入つておるわけです。それで却つて同一に見られてこれらの措置を講ぜられることによつて、例えば協同組合の場合はこれによつて配当その他の問題を中心にして課税の問題が出て参ります。そんなような問題で、この法律によつて協同組合なんというのは非常に不便な扱いを受けるのじやないか、こう考えますが、その点はどうですか。営利を目的にした法人と、それから営利を目的としない法人とをごつちやにしてあるわけです。それで、それから起きて来るいろいろな関係があると思うのですが、その辺はどういうふうに考えますか。
#29
○政府委員(阪田泰二君) これは先ほど合名会社、有限会社、合資会社のほかに、いろいろな組合等が入ると申上げたわけでございますが、大体まあ組合と申しましても、ここにございますように、再評価積立金の資本の組入れということに関する規定でございますので、組合でありましても、まあ出資をとつてないというような組合、ただ寄付を徴収してそれを支出に充てておるといつたような形の、いろいろまあいわば事業をやつていないような形の組合は、この中に勿論入つて来ないわけでございまして、従つて組合といいましても、これは出資をとりましてそれで設備なりを持ち、事業を営んでおるという、まあいわば非営利と申しましようか、非営利ということかもしれませんが、やはり組合の共同の目的のために事業をやつておると、こういうようなものに適用になつて来るわけでございまして、その辺におきまして、同じようにそういうような立場から資本の組入れを認めると、こういう点から同じように考えて行つていいのじやないかというように考えております。
 なおこれによりまして不利益を受けるということは、まあこの法律の規定上からは、特にこれによりまして不利益を受けるということはないのでありまして、只今先ほどから申上げましたような、今申上げましたような税法等の関係によりまして、今までまあ不釣合に出資が小さく見えておりまするために、税等も重くかかつておつたというものが軽減されるというようないい面が出て参りまするが、これによつて負担が増加するということは普通には考えられないことです。
 なお勿論のことですが、この法律といたしましては、再評価積立金の資本組入れを強制するという規定ではないのでございまして、組合なり会社なりの自由に任せられるのであります。
#30
○東隆君 この法律の立案に対して、農林省その他関係農業協同組合関係、関係をしておる各省との協議その他ございましたら。
#31
○政府委員(阪田泰二君) これはお尋ねのように、この組合を所管しておりまする各省と協議いたしました上立案いたしましたもので、各省のほうからいろいろこういう法律を早く出してもらいたいというような要望のありましたような点はございました。
#32
○東隆君 これは別なことですが、相互保険会社はあれはどういう部類に入るのですか。
#33
○政府委員(阪田泰二君) 先ほど御説明申上げましたように、これは再評価積立金の資本組入れに関する法律でございますので、出資というものの関連のない相互保険会社等には、この法律案は適用はしないわけでございます。
#34
○委員長(大矢半次郎君) 他に御発言はないようでございますが、御質疑は終了したものと認めて御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないものと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。
 別に発言もありませんので、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○委員長(大矢半次郎君) それではこれより採決に入ります。株式会社以外の法人の再評価積立金の資本組入に関する法律案を原案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#37
○委員長(大矢半次郎君) 多数であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお諸般の手続は先例により委員長に御一任願います。
 それから多数意見者の御署名を願います。
  多数意見者署名
    藤野 繁雄  安井  謙
    小林 政夫  土田國太郎
    青柳 秀夫  堀木 鎌三
    木内 四郎  平林 太一
    白井  勇
  ―――――――――――――
#38
○委員長(大矢半次郎君) これより関税法案及び関税定率法の一部を改正する法律案、以上二案を議題として質疑を行います。
#39
○野溝勝君 私、二、三点お伺いしておきたいことがあるのでございます。と申すのは、この関税法に関連してこの際質問をするのでございますが、この関税法案によりますると、第二十九条に保税地域が規定されておるわけです。大体、保税地域の中には、具体的にはよくこれを知ることができないのでございますが、事務所などはどういうふうになるのでございますか。
#40
○政府委員(北島武雄君) まあどちらの事務所でございましようか、一応承わりたいのでございますが、恐らく野溝先生の今の御発言の趣旨を忖度して一応お答え申上げますが、この保税地域の規定は、一昨年、昭和二十七年に若干の改正を頂きました。その前までは、関税法におきまして保税地域と言いますのは、税関構内、それから保税倉庫、税関仮置場、その他、税関長が外国貨物を蔵置し得べき箇所として指定又は特許したる場所を言うというような条文がございます。税関構内というのが保税地域であつたわけであります。この税関構内と申しますのは非常に言葉が漠然としておりますが、税関所属の土地、建物を言つたものでございまして、昔は、税関は単に庁舎だけでなく、その敷地、更に広大な上屋、倉庫等の不動産を所有いたしておりました。それらのものが保税地域ということになつておつたわけでございます。そこで昭和二十七年に税関構内の文字を削りまして、新たに又、指定保税地域という観念を導入いたしまして作つたわけであります。その際、従来のいわゆる税関構内のうちで税関の建物のうち、庁舎に使用せられるものにつきましては、これはまあ保税地域の必要がないのというので、一応指定いたしておりません。但し税関の所有しておる建物の中で、旅具検査場とか或いは改品場と俗に申しておりますが、貨物の検査場でございますが、こういうものにつきましては指定保税地域にしておるところが大部分でございます。
#41
○野溝勝君 私の聞いた事務所というのは、税関構内にある事務所を指したのでありますが、今、部長さんのお話によりますと、土地、建物全部が保税地域になるというお話でございますから、私はよくわかりました。
 そこで、この保税地域に対しまして指定された地域が転用されるような場合がありますか。若しありとするならば、どういう手続を経て転用することができるのでありますか。
#42
○政府委員(北島武雄君) 現在の関税法の二十九条の四、今度の新法によりますれば、三十八条でございますが、指定保税地域の指定を受けた土地又は建物等につきまして或る一定の処分その他の行為をする場合には、あらかじめ税関長に協議しなければならんという規定になつております。その中で野溝先生のお話のありましたようなことが第一号にございまして、「当該土地又は建設物その他の施設の譲渡、交換、貸付その他の処分又はその用途の変更」、これをいたしまする場合は、指定保税地域の指定を受けました土地又は建設物その他の施設の所有者又は管理者は税関長に協議しなければならないことになつております。
#43
○野溝勝君 そこでお伺いをするのでありますが、この三十八条の規定によつて転用ができるということでございますが、ただこの税関長だけでできるのでございますか。これはよくわかりませんが、やはり主務大臣の了解などはなくてもよろしいのですか。
#44
○政府委員(北島武雄君) この三十八条は、関税法に基く税関長の一定の権限を規定したものでございまして、他の法令によりまして主務大臣等と協議を要する場合は、これもその方面の手続が要るわけでございます。
#45
○野溝勝君 そうすると、関税法に基く場合においては税関長と協議の上に決定する。そうすると、例えば保税地域内の場所を税関以外のものにこれを転用する、例えばその地域を貸し与えるというような場合は、主務大臣の了承を得なければできないと思いますが、そういう点は如何ですか。
#46
○政府委員(北島武雄君) これは管財局長から、あとで又補足があると思いますが、指定保税地域の所有者は、国、地方公共団体又は日本国有鉄道というものになつております。これが所有し又は管理するところの土地、建設物等の施設でございます。公共団体がこれを処分いたします場合には、私は寡聞にして存じませんが、恐らく国有財産法の規定の適用はない。ただ国が所有いたしておりますものにつきまして譲渡いたしましたり、貸付いたしましたり、その他の措置をいたします場合には、これは国有財産法の規定の適用を受くべきものと存じます。
#47
○野溝勝君 管財局長の御所見は如何でございますか。
#48
○政府委員(窪谷直光君) 処分と申しますか、態様によつて若干異なるかと思いますが、保税地域でありまして国有地になつておりますものは行政財産でございますので、国有財産の法上における管理者はやはり税関長に相成るわけでございます。従いまして、その土地の一部を税関行政の目的を妨げない限度において、他の有用な用途に貸付いたします場合には、税関長限りで、できるわけです。併しながらその土地を譲渡をいたすということに相成りますると、行政財産のままで譲渡をすることはできないのでございます。これを行政財産から外しまして、普通財産といたしまして処分をしなければならない。その場合に、普通財産になりますと、原則として大蔵大臣に所管大臣から、引継ぎいたすことに相成ります。税関も大蔵省部内でございますが、大蔵大臣の補佐機関が違つて参りますので、それは財務局又は財務部に引継ぎを受けるべき土地に相成るわけでございます。その引継ぎを受けました土地を今度譲渡いたします場合におきましては、その土地の面積によりまして、本省まで承認の伺を立てさせるものと、現地の財務局限りで処理できるものと分れるわけであります。現在本省の承認を受けさせておりますのは、土地につきましては、坪数について千坪を超えるもの、金額にいたしますと二千万円を超えるものは本省の承認を要する。これ以外のものは、現地の財務局限りで処理できる。こういうふうな建前になつております。
#49
○野溝勝君 そうすると、先ほど部長さんの御所見では、保税に関係したものは税関長、保税以外に使うとか或いは貸与するという場合においては税関長ではできないという御所見、今、管財局長さんの御意見だと、それは税関長で処理できる、但し譲渡をするというような場合は、補佐機関が違うから、これは申請しなければならんという御所見なんですが、どちらが本当ですか。例えば国有財産法第八条によると、行政財産の処分は主務大臣に引継ぎ普通財産とするというようなふうに明記してあります。そうすると、私はいわば権限が財務局に移るというふうに解釈をされるのでございますが、この点の解釈統一が明らかにされておりませんので、これをはつきり一つここで……。
#50
○政府委員(窪谷直光君) 私の御説明申上げ方が悪かつたかと思いますが、関税法第三十八条は関税法の見地においてのみ規定しておるのでありまして、若しこういう行為が他の法律、例えば国有財産法の規定によりまして承認とか協議を要するものにつきましては、関係方面の法律の規制を要するわけでございます。その上に更に関税法に基いて、関税法の見地から税関長に協議をしなければならないということになつております。
#51
○野溝勝君 そこで問題がいよいよ具体的になつたのでございますが、これは池田勇人君が社長をやつておる名古屋製糖会社が神戸の税関保税地域に半永久的に十二億有余円を投じまして素敵な建物を建てた。これは七千坪からありますから、当然主務大臣の決裁を仰ぎ、且つ又それぞれの機関において協議されて了承したことと思うのでありますが、この間の経緯について国民は非常に疑惑を持つております。私は税関の保税地域がこういう厖大な地域を貸与したということを未だ曽て聞いたことがありません。更にそれが関係のない一個人の営利会社にかような措置をするということについては、全く国民が疑問を持つことは当然のことであり、いわんや先に大臣をやつておつたというような関係で睨みが利くというようなことを言われておる。更には、最近における砂糖ドルの問題で問題になつている。池田君と言えば問題を絶えず発散する男なんだ。大蔵省の新進官僚のまじめな諸君には気の毒だと思う。こういう先輩を持つたために、非常に、ない肚をさぐられて誠に気の毒だと思うのであるが、実際においては明らかにしておかなければならない問題でございますから、この際お伺いをするのでございますが、その間の経緯について一つお二人からお答えを願いたいと思います。
#52
○政府委員(北島武雄君) 恐らく神戸の第八突堤の根元の土地であろうかと存じますが、これは税関所有の土地ではございませんで、税関としては何ら関知いたしていなかつたかと存じます。それから或いは又、私もちよつと神戸の指定保税地域の図面を持つて参りませんので、よく存じませんが、まだ指定保税地域にはなつておらなかつたのではなかろうかという感じがいたします。そういたしますと、税関といたしましては、一応関係がないということになつて参ります。そのときその土地が或いは国有の土地であつたかどうかは、管財局長からお答えがあろうかと思います。
#53
○政府委員(窪谷直光君) 私は甚だどうも恐縮でございますが、この事柄について、詳細と申しますか、全然承知いたしておりませんので、至急調査をいたしまして、御答弁いたしたいと思います。
#54
○野溝勝君 それでは委員長から、今、本会議が定足数を欠いておりますので、一時中止されたいとの申出がありましたから、特に調査していずれ後刻お答えしたい、こういうことでございますから、後刻にさせて頂きたいと思います。
#55
○委員長(大矢半次郎君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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