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1953/04/13 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 大蔵委員会 第35号
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1953/04/13 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 大蔵委員会 第35号

#1
第019回国会 大蔵委員会 第35号
昭和二十九年四月十三日(火曜日)
   午前十時五十五分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     大矢半次郎君
   理事
           藤野 繁雄君
           小林 政夫君
           東   隆君
   委員
           白井  勇君
           土田國太郎君
           前田 久吉君
           三木與吉郎君
           堀木 鎌三君
           平林 太一君
  政府委員
   大蔵省理財局長 阪田 泰二君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       木村常次郎君
   常任委員会専門
   員       小田 正義君
  説明員
   大蔵省主税局税
   制第一課長   白石 正雄君
   大蔵省理財局経
   済課長     高橋 俊英君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○企業資本充実のための資産再評価等
 の特別措置法案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(大矢半次郎君) これより大蔵委員会を開会いたします。
 企業資本充実のための資産再評価等の特別措置法案を議題といたしまして質疑を行います。本法案は相当広範でありますからして、先ず逐条審議の形で質疑を進めて行きたいと思います。第一条について御質問願います。
#3
○小林政夫君 一応わかり切つた条文もありますが、質問を誘い出す意味において一応読んで、説明をされたい。政府のほうで……。
#4
○説明員(高橋俊英君) それでは私のほうから、税関係の分を除きまして私のほうで御説明申上げます。税の分は主税局のほうでやつて頂きます。逐条に読み上げて参ります。
 第一条、「この法律は、一定規模以上の株式会社(以下『会社』という。)について資産の再評価を強制するとともに、一定限度以上の再評価を行つた企業に対して再評価税及び固定資産税を軽減する等の措置を講ずることにより、資産の再評価及び資本組入れを促進し、あわせて必要な減価償却を行わせ、もつて企業の資本構成の是正に寄与し、その経営の安定と経理の健全化を図るとともに、これを通じてわが国の経済の正常な運営と発展とに資することを目的とする。」
 ここに書いております目的には、広い書き方をしておりますが、砕いて申しますれば、先ずここにこの法律によつて行いまする措置としましては、第一として再評価を強制するということ。第二点としては資本組入れを促進する。第三点は償却を励行せしめる。第四点といたしまして、以上の措置に伴い、再評価を十分に行なつたものに対しては、再評価税を軽減するということ。次に第五点として、固定資産税の問題で、再評価によつて減価償却、資産の課税標準が高くなる、それによつて固定資産税が徒らに高くなるということを暫定的に押える。こういう措置を含むものでございまして、この目的としますところは、言うまでもなく再評価を十分行うことによつて、いわゆる資本の食い潰しを防止いたしまして、そのことは同時に企業側から申しますところのオーバー・ローンを是正することにもなり、又一面におきましては、資本金というものを中心に考えておりますところの収益率とか配当率とかいうものが、実態以上に高く見られておるという点を、資本組入れの促進によりましてこれを是正する。従つて非常に安易な考えの下に経営されておりますところの現在の企業の実態を、これを明らかにして、この非常な難局を予想されます時代において、頭の切替えを行わしめる。こういうふうなことをやりたいというわけでございまして、それによつて、企業の堅実な経営、合理化を促進するという目的が達成せられるのではないかというふうに考えるのでございます。
 以上が第一条に掲げましたこの法律の目的の内容であります。
#5
○土田國太郎君 今の一条のうち、再評価税及び固定資産税の軽減措置ですね、それの説明はあとでありますか。
#6
○説明員(高橋俊英君) ございます。
#7
○土田國太郎君 固定資産税のほうはないのでしよう。
#8
○説明員(高橋俊英君) あります。これも条文も出ております。あとで詳細は申上げます。
#9
○委員長(大矢半次郎君) 次に第二条を願います。
#10
○説明員(高橋俊英君) (定義)第二条、「この法律において「再評価」、「再評価額」、「再評価日」、「減価償却資産」、「旧再評価」又は「旧再評価税」とは、資産再評価法(昭和二十五年法律第百十号。以下「再評価法」という。)第二条第二項、第三項、第四項、第六項又は第十三項に規定する再評価、再評価額、再評価日、減価償却資産、旧再評価又は旧評価税をいう。」
 この法律でこういう文句を使いましたときは、資産再評価法の中に規定しておるところの文句をそのまま使うのであるという意味でございますが、特にここで、再評価と申しますのは、昨年の八月に公布された再評価法の改正法律によつて行われるところの再評価を申すのでございましてそれ以前にいわゆる第一次再評価、或いは第二次再評価というものがあつたわけでございまするが、それらはすべて旧再評価というふうな名称で呼んでおりますので、その点だけ申上げれば足りるのじやないかと思います。
 それから第二項、「この法律において「事業年度」とは、法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)第七条(事業年度)に規定する事業年度をいい、再評価法第十三条第二項(みなす事業年度)に規定する法人の事業年度が六月をこえる場合においては、第十六条から第十八条まで、第三十五条、第三十六条及び第四十条の規定を適用する場合を除く外、同項の規定により一事業年度とみなされる期間をいう。」
 事業年度というのは、普通のいわゆる会社で申しますところの事業年度をいうのでございまするが、再評価法によりますると、事業年度が一カ年であるという場合には、それを二つに割りまして、つまり事業年度が二回あるかのごとくこれを擬制いたしております。それで大体事業年度の文句を今後使います場合に、これから再評価をする、再評価日をきめる、そういう場合には六カ月で切るのだと、そういうふうに了解して頂いていいと思います。併し配当を制限するというような場合には、一年のものを半分に割つてというわけには参りませんから、配当を制限するというような場合に使いますときには、それは会社で用いているところの事業年度を意味するのである。こういう意味でございます。
 第三項、「この法律において「帳簿価額」とは、法人又は個人が有する資産についての評価額(当該資産について減価償却又は評価額の減額をした場合において、当該償却又は減額をした額のうちに法人税法又は所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)の規定による所得の計算上損金又は必要な経費に算入されなかつた、又は算入されるべきでなかつた金額があるときは、当該金額を加算した金額)をいう。」
 帳簿価額、これも極く常識的には会社の帳簿に記載されているところの価額をいうわけでございまして、その点、格別に申すことはないのでございまするが、この括弧内に書いてございまするように、必ずしも会社でつけておるところの帳簿価額そのものを意味するものではなくて、それが、ここにありますように非常に低く評価されておるが、それが普通の償却によつたものではなくて損金に算入されない方法でやつた。例えば益金で償却をした。こういうふうな場合には、その分だけ現実の帳簿価額に加算したものをいう、こういう意味でございます。
 第四項、「この法律において「再評価限度額」とは、減価償却資産について再評価法第三章(再評価の基準)(第十七条第一項但書(耐用年数が短縮された資産の限度額)及び第三十五条(陳腐化した資産等の限度額)を除く。)の規定により計算した再評価額の限度額と当該計算を行う目における当該資産の帳簿価額(その日において当該資産について再評価を行つたときは、その再評価の直前の帳簿価額。第七条、第十条、第十二条、第十五条、第十六条、第十九条第三項及び第四項、第二十一条、第二十三条、第三十二条、第三十五条、第三十九条並びに第四十九条を除き以下同じ。)とのうちいずれか多い金額をいう。」
 非常に表現がくどうございますが……
#11
○小林政夫君 その説明が、全部読まなくても、一応括弧を除いて、例えば四項なら四項について、括弧を除いて読めばすらつと頭に入る。それで、特に括弧はこういう意味なんだと、あとでそれを説明して頂きたい。
#12
○説明員(高橋俊英君) 承知いたしました。
 只今の点でございますが、ここで言つておりますることは、再評価限度額というのは、再評価法のほうにあるのでございまするが、それは再評価法に、いわゆる第十七条第一項本文の限度額というものと、それからその第十七条第一項の但書によるところの限度額というのがあるのでございまして、本文による限度額と申しますのは、再評価法の別表に倍率表がございまして、それは取得価額にそれだけの倍数をかけたものが再評価の限度額というふうになつておるのでございまするが、それを意味するのである。通常この法律に用いているところの再評価限度額というのは、原則としてはその但書のほうを意味するのではなくて、本文の限度額である。但書と申しまするのは、第一次、第二次の再評価をやつた以後に途中に耐用年数が短縮された減価償却資産がございまして、それにつきましては、本文のあの限度額であるところの別表の倍率をそのまま当てはめますると、却つて限度額が現在の簿価よりも下廻るというような妙なことになるわけであります。その場合には、その短縮された年数の表をそのまま当てはめるのではなくて、別途に再評価の倍率を算出する方法によりまして、ちやんと耐用年数が短縮されたときから改めて償却率を変えて計算する。これは会社が自分で計算するわけでございまするが、そういう計算方法が書いてあります。それによれば、第三次の限度額が、第一次、第二次の限度額よりも実質において五割高く出るということになるのでありますが、耐用年数によつて表が分れております。この表をそのまま当てはめた場合に非常に矛盾したことが起るので、それを救済するために但書の規定というのがあるわけです。それは何も断わつてない場合には使わない。原則は機械的な別表の倍率をそのまま乗じた場合の限度額を意味するのである。こういう意味でございます。それに対しまして、他に特別に断わつてある場合がございます。例えば陳腐化資産等限度額というふうな文句がございまするが、これも特にそういうふうな断わり書がしてない限りは、陳腐化資産等につきましても、再評価の限度額と言えば機械的な限度額を意味するのである。陳腐化資産等と申しますのは、機械的な限度額に当てはめますると、そのもの自体の実際の時価よりも上廻つた再評価はすべきでないというところから、陳腐化資産については、それぞれ個別に実際の時価を評定いたしまして、それを超えてはならないというふうな規定がございます。そういつたものは特に断わつてある場合以外には使わない。こういう意味でございます。なお「当該資産の帳簿価額」という文句につきましても、「帳簿価額」と単に言葉がある場合には、その再評価をする前の帳簿価額であつて、再評価後の帳簿価額を言う場合には「再評価後帳簿価額」というふうな表現を用いております。ただ帳簿価額と言えば再評価をやる前の帳簿価額を意味するのである。こういうことでございます。ここに第何条、第何条というふうにたくさん条文を列記しておりまするが、それらの場合においては違う。こういう意味でございます。
 それから第五項に参りまして、「この法律において「要再評価資産」とは、法人又は個人が昭和二十八年一月一日において有する減価償却資産をいう。」
 ここにありますように、要再評価資産、つまり再評価の強制の対象となる資産という意味でございまするが、それは昭和二十八年の一月一日において現にあつた減価償却資産である。その後に取得しましたものは、これは現在の時価そのものが帳簿価額であつて、何ら再評価を必要としないので、勿論これは再評価を強制されておりませんし、再評価法にも、昨年の一月一日以降に取得した資産は、再評価の対象にならないということになつておりますから、それ以前に取得した資産で、現にそのときにあつた資産である、こういう規定でございまするが、ただ、この中に括弧書にありますように、再評価法の規定によるところの「基準日の特例資産」というのがございます。それと「帳簿価額のない資産」というのがございますが、帳簿価額のないほうは勿論これは再評価ができないのでこれが除かれるのは当然でございまするが、基準日特例資産と申しますのは、先ほど申しました昭和二十八年一月一日が普通は基準日である。通常の資産については一月一日であるけれども、特別なものについては別な日に現にあつたもの、それを再評価の対象とすることができるようになつております。例えば第二会社を作つて解散した会社がございまするが、その会社から二十八年一月一日後において現物出資を受けたという場合の、その第二会社なら第二会社へ解散した会社のほうから持つて行つた資産については、その出資の日を基準日とするというふうなことになつております。これは一月一日にはその第二会社には現実にはありませんけれども、その後に取得したものであるけれども再評価の対象になる、こういうふうな例でございます。そういう特殊なものは、ここでは要再評価資産に含ませておりません。理窟を申しますと、そういうものも再評価を強制すべきでありますけれども、原則としてはこれは除かれております。併し後に第六条に出て参りまするが、基準日特例資産であつても、或る特定の場合には要再評価資産になる、強制の対象になるというふうになつておりますから、全然除外されておるというわけではございません。その点、第六条のところへ行つて又御説明申上げます。
 第六項、「この法律において「要再評価会社」とは、この法律の施行の日において現に存する会社で同日において資本の額が五千万円以上であるもの及び資本の額が三千万円以上五千万円未満であつて同日を含む事業年度開始の日において当該会社が有する要再評価資産の当該開始の日における再評価限度額の合計額が一億円以上であるものをいう。
 但し、その括弧内にありまするように、(左の各号に掲げるものを除く。)のであります。要再評価会社と申しますものも、やはり再評価を強制せられる会社の意味でございますが、これを法律では要再評価会社と呼んでおります。その範囲は、この法律が実際に施行になる日に現存する会社であつて、資本金五千万円以上のものは一応全部対象となる。それから資本の額が五千万円未満でありましても、三千万円以上であつて且つその施行日を含む事業年度開始の日(施行日が仮に今月中でございますると、四月一日から九月末までを事業年度としておる場合には、その四月一日現在)においてその会社が持つている要再評価資産の額が、これを若し再評価限度一杯再評価した場合に一億円以上になるとしますれば、それらの会社は対象になる。要再評価資産の再評価限度額の合計額が一億円以上である場合に限りこれを要再評価会社とするという意味でございます。
 ここに括弧して(左の各号に掲げるものを除く。)とありますが、これは三千万円以上五千万円未満の会社のみではありませんで、五千万円以上であつても、皆この左の各号に該当すれば除かれる意味でございます。これを読み上げますと、「一、昭和二十八年一月一日後設立した会社」、「二、施行日から昭和二十九年七月二十日まで引き続き休業中であつて、同年七月三十一日までにその旨を納税地の所轄国税局長に届け出た会社」、「三、施行日において破産手続、和議手続、会社の整理手続又は会社の更生手続中である会社」、「四、施行日において清算中の会社」、
 一号にある会社は、これは昭和二十八年一月一日以後に設立した会社であり、再評価の対象とするにしても再評価の対象となる資産が原則としてはありませんから、これは当然強制しても意味がありませんから除かれます。
 二号、三号、四号は、正常な企業活動を行なつていない、現に休業中である、破産或いは整理というような手続にすでに入つておる、それから清算中の会社であるというふうなことで、普通の状態における企業活動をやつておりませんので、これらについて再評価を強制いたしましても非常に無理であるし、事実上、償却等をさせるわけにも参らん場合が多いでしよう。これらは初めから強制の対象としては除く。こういう意味でございます。
#13
○小林政夫君 「左の各号に掲げるものを除く。」という、この一から四までは、今の説明だと、資本金が五千万円以上のものも除かれるわけですね。
#14
○説明員(高橋俊英君) その通りでございます。
#15
○小林政夫君 そうすると、一体、法文の書き方として、こういう書き方では甚だ紛らわしいのですが、すらつと読むと、五千万円以上のものは除かれない。「及び」以下の、資本金三千万円以上五千万円未満であつて、要再評価資産の再評価限度額の合計が一億円以上であるもの、これだけにかかるようにもとれる。
#16
○説明員(高橋俊英君) そういう懸念があるわけでございます。それで特に私はそういうふうに申上げましたが……、
#17
○小林政夫君 説明はわかつたけれども、そうかかるなら、もつと別な書き方があるはずでね。
#18
○説明員(高橋俊英君) 私自身も多少そういう気がするのですが、いろいろひねくりました結果、こういうものが法制局の結論だということです。
#19
○小林政夫君 これは直さなければいかんでしよう。質問をしたついでに、先ほどの四項で、再評価限度額というのが、今の減価償却資産についての再評価の第三章の基準によつて計算した額と、そのときの簿価との、いずれか多いほうということになつておる。逆に言うと、簿価が限度額を超えておれば強制されなということになる。
#20
○説明員(高橋俊英君) その点、私、説明を漏らしまして大変失礼いたしました。その通りでございまして、帳簿価額のほうが多ければそのほうを再評価限度額とみなすわけでございます。
#21
○小林政夫君 だから、みなすのだから意味ないですね。
#22
○説明員(高橋俊英君) いいえ、これは非常に意味があるのでございます。それは、のちほど強制の限度を御説明申上げますが、強制の限度は、全体の資産についての再計価限度額の合計額を先ず基準にとりまして、それの八割ということになつておる。その全体の再評価限度額というときには、その中にある資産が、帳簿価額のほうがすでに限度額よりも高いという場合がありますから、その高いほうをとるというわけです。
#23
○小林政夫君 だから、そういう意味においては、次の例えば配当制限だとかというふうな場合において、これを限度額と見られるということは、かなり簿価が高い会社、すでに再評価をやつたと同じだけの簿価を持つておるもの、こういうものについては、配当制限或いは資本組入等の場合、資本組入は問題ないのですが、かなり基準が高くなるということは考えられますね。
#24
○説明員(高橋俊英君) それは、ただ簿価が再評価限度を上廻つた資産についてはその簿価を限度額とみなしますが、大体、実施額が一〇〇%であるときなら、その資産については、そのもの自体について見まするとすでに一〇〇%でございますから、従つて平均八割まで強制するというような場合には、その一〇〇%がものを言いまして、全体の平均を高めるということになるのでありますから、機械的な限度そのものをとる場合よりは多少からい点もございますけれども、それほど、つらいというふうなことはないのじやないかと思います。あえてその資産について再評価する必要はなくして、いつでも一〇〇%再評価を行なつているという計算になるわけであります。
#25
○小林政夫君 だから、あえて一〇〇%やつているようにみなす……みなすことにならんのじやないか、これを限度額と見るのだから……。
#26
○政府委員(阪田泰二君) 今の点は、要するに、ほかに再評価限度が簿価より低いという資産を、その再評価限度のほうを限度に採用しますと、その分で少し余裕が出るわけです。そうすると、ほかの再評価して殖やしました資産をそれだけしなくても済むことになつてしまうわけです。ですから、そこのところをこういうふうに帳簿価額を限度と見まして、そのほうが一〇〇%再評価されたとみなすから、ほかの資産のほうに影響を及ぼさないようにする、こういう効果があるわけです。それを放つておきまして、低いもので限度をきめますと、結局ほかのもつと再評価すべき資産をその分だけしなくても済むという効果が出て来るわけです。それをこういうふうにしてならして、影響がないようにした、こういうことで不利にしたということにはならんと思います。
#27
○小林政夫君 不利にしたということにはならないのですけれども、いや、不利にしたということにならないというか、あなたの言われた意味においてはそうなん、だが……。
#28
○政府委員(阪田泰二君) つまり再評価をしなければならない資産がありましても、ほかに例えばこういうふうな帳簿価額自体が再評価限度よりも非常に高いという資産がたくさんありますと、放つておきますと、要するに両方相殺して再評価する必要がなくなつてしまう。そういうふうなことにならないために、この分の帳簿価額が再評価限度より高い資産は、帳簿価額のほうを限度と見るということにしまして、再評価する資産は再評価を適正にするように持つて行くということにしたわけでございます。
#29
○小林政夫君 だから私の言うのは、要再評価資産についての全体のことですからね。要再評価資産全体についての再評価限度額なんだから、そこで個々の減価償却資産について言つているのですか。
#30
○政府委員(阪田泰二君) 総体の限度を算定するときには、或る資産については再評価限度で行くわけですけれども、帳簿価額が再評価限度額より高いという資産については帳簿価額、その全体を集計して来て、その会社の総体の再評価限度額というものを出す。あとのほうで八割まで再評価するという規定も出て来るわけです。
#31
○小林政夫君 第四項の再評価限度額というものは、償却資産個々のことについて言つているのか。集計を言つているのか。
#32
○説明員(高橋俊英君) 再評価限度額と申しますのは、個々の場合でございます。限度額の合計額というふうな表現を用いております。合計というときには再評価限度額の合計額でございます。使い分けております。
#33
○土田國太郎君 今の限度額は仮に六十であつても、トータルが八十ならよろしいのでしようか。
#34
○説明員(高橋俊英君) その通りでございます。
 次に七項、八項まで説明させて頂きます。
 第七項、この法律において「旧再評価法」とは、資産再評価法の一部を改正する法律による改正前の再評価法をいう。
 第八項、この法律において「再評価差額一とは、再評価法第四十条又は第四十二条に規定する再評価差額をいう。
 これは格別申上げることもないと思いまするが、旧再評価法というような名称を使つておりまして、これはこの法律だけで使つておるわけでございますが、一次、二次の再評価を規定した法律であつて、つまり昨年改正せられる前の再評価法を意味するのである。再評価差額については別に御説明申上げなくてもいいと思いますが、再評価法の規定しているところの再評価差額、帳簿価額と再評価前の帳簿価額との差額をいうというふうにお読みになつて頂ければ結構だと思います。
#35
○委員長(大矢半次郎君) 他に質疑がなければ次に移ります。第三条。
#36
○説明員(高橋俊英君) 第三条「この法律において別段の定がある場合を除く外、再評価法の規定は、この法律に基いて行われる再評価について適用する。
 これは、この特別措置法は再評価法の規定によつてやるところの任意の再評価を強制に改めたという考え方でやつておりますが、この法律に特別に何か書いてあれば別でございまするが、書いてないことはすべて再評価法の規定によつて再評価を行い、又それぞれいろいろなそれに伴う法規がありまするが、すべて何も書いてない部分は再評価法の規定によるのである。」こういう意味でございます。
#37
○委員長(大矢半次郎君) 第四条に移ります。
#38
○説明員(高橋俊英君) (資本の額が三千万円以上の会社の申告)第四条、施行日において資本の額が三千万円以上である会社は、昭和二十九年七月三十一日までに、その名称及び資本の額その他大蔵省令で定める事項を記載した申告書を、納税地の所轄税務署長を経由して、所轄国税局長に提出しなければならない。但し、要再評価会社が同日までに第八条第一項、第九条第一項若しくは第十二条第一項に規定する申告書を所轄税務署長に提出した場合、第二条第六項第二号に掲げる会社が同日までに同号の規定による届出をした場合又は第十三条第一項の規定に該当する会社が同日までに同条第二項の規定による申告書を提出した場合においては、この限りでない。
 この条文はただ申告に関する規定でございまするが、先ほど申しましたように、要再評価会社とは、原則として五千万円以上であるもの、或いは三千万円以上五千万円未満であつても再評価限度額の合計額が一億円以上になるものとなつておりますが、それらの会社については先ず申告をして頂かなければならない。それを税務署長を経て国税局長に提出してもらう。こういう趣旨でございますが、その場合には、その会社の株式とか資本金その他大蔵省令で定める事項を記載してもらう。こういう意味でございます。
 但書に書いてありますことは、後ほどそれぞれ出て参りますが、要するに、これまでにすでに実施した再評価を強制されるところまですでに実施済みであるというふうな場合に、それを申告している。或いは休業している会社はその休業の場合に届出をすることになつておりますが、その届出をしておる。破産等の場合にも申告書を提出している。こういう場合には、改めてこの第一項の規定によりますところの申告書を提出する必要はない。こういう趣旨でございます。
 それから第二項、施行日において資本の額が三千万円以上五千万円未満である会社が前項本文の規定により提出する申告書には、同項に規定する事項の外、当該会社が要再評価会社であるかどうかの別及び当該会社が同日を含む事業年度開始の日において有する要再評価資産の当該開始の日における要再評価限度額の合計を記載しなければならない。
 これは、三千万円以上五千万円未満の会社には、その全部が要再評価会社になるわけではありませんで、その要評価資産の再評価限度額が一億円になるかどうかということで対象会社になるならんがきまるわけでございまするからして、そのいずれに該当するやということを見分けるために必要な事項を記載してもらう、こういう趣旨でございます。
 第三項、前項に規定する会社が第一項の規定により提出する申告書には、前項に規定する要再評価資産の再評価限度額及びその算出に関し必要な事項その他大蔵省令で定める事項を記載した明細書を添付しなければならない。
 これはただ申告書の提出に際しまして明細書を出してもらうというだけの意味であります。
 第四項、法人が施行日後昭和三十五年三月三十一日前に合併した場合において、合併法人又は被合併法人が要再評価会社であるときは、合併法人は、合併の日から一月以内に、その名称、資本の額及び被合併法人の名称その他大蔵省令で定める事項を記載した申告書を、所轄税務署長を経由して、所轄国税局長に提出しなければならない。
 これは合併施行日後、施行日ではなくて、施行日の翌日から昭和三十五年三月三十一日前に、三十一日を含まないわけです。はつきり申しますと、この法律施行の翌日から昭和三十五年三月三十日までに合併した場合に、こういうふうに読めるのでございまして、今後も、この法律の中に施行日後とあります場合には施行日を含まない、以後とあれば施行日を含むと、こういう意味でございまして、前とか以前とかいう意味も同様でございます。これは結局この強制を中心とした法律の効果が、昭和三十五年三月三十一日を含む事業年度の前の事業年度まで配当制限等があることになりますので、そこまでに合併した場合、それらの利益配当の制限等の措置と符節を合せておるわけでございまして、その間において合併した場合には申告をしてもらう。それは要再評価会社が、合併法人又は被合併法人どちらか一方が再評価会社であつた場合には、その場合にこの法律の規定によりまして配当制限を受けるかどうかというようなことが関係して来るわけでございますからして、そのどれに該当するかを知るために、特別の申告をいたしてもらう。こういう意味でございます。
 第五項、再評価法第四十五条第三項及び第四十九条の規定は、第一項又は前項の申告書の提出について準用する。
 再評価法の規定の準用でございまして、手続的なことでございますからして、余り重要な規定ではないので省略させて頂きます。
#39
○委員長(大矢半次郎君) 質疑がなければ、次の第五条に移ります。
#40
○説明員(高橋俊英君) (資本の額が三千万円以上である会社の申告書の修正)第五条、前条第二項に規定する会社が同条第一項の規定により提出した申告書に記載した再評価限度額の合計額又は当該申告書に添付した明細書に記載した再評価限度額の計算に誤がある場合において、その誤がある事項の修正に因り再評価限度額の合計額が一億円以上となるに至るときは、昭和二十九年十二月三十一日までに、当該申告書又は明細書の記載事項のうち修正すべき事項その他大蔵省令で定める事項を記載した申告書を、所轄税務署長を経由して、所轄国税局長に提出しなければならない。
 第二項、前項の申告書には、大蔵省令で定めるところにより、再評価限度額の修正に関し必要な事項を記載した明細書を添付しなければならない。
 第三項再評価法第四十八条第五項及び第四十九条の規定は、第一項の申告書の提出について準用する。
 前条第二項と申しますと、三千万円以上五千万円未満の会社の場合でございまするが、それらの会社がすでに申告書を提出した。ところがその際には再評価限度額の合計額が一億円になつていないというような申告をしておつた。ところが、それをあとになつて誤りがあることを発見いたしまして、それを修正しますると、今度は限度額の合計額が一億円以上になつて、要再評価会社になつてしまう。こういう場合が予想されるわけでございまして、そういうときには改めて修正申告を提出してもらう。こういうわけであります。その期限は今年末日までにやるのである、こういうのが第一項でございまして、第二項は、その修正に関して必要な明細書を添付する、それだけの意味でございます。
#41
○小林政夫君 「大蔵省令で定めるところにより、」というのはどういうことか。
#42
○説明員(高橋俊英君) 主として書き方でございまして、どういう様式で計算したやり方を書くか、そういうふうになるかと思いますが、まだ省令その他をきめておりませんので、はつきり申上げられませんが、主として書き方をきめるというだけでございます。
#43
○小林政夫君 再評価限度額の計算に誤りがある場合ですから、これは例えば先ほどちよつと問題にした帳簿価額と再評価による基準によつて計算した限度額とのいずれか多いほうというのを間違えておつた、はつきりこれは計数的にわかる間違いでなくちやならんですね。それの特に形式を定めて云々という必要があるのですか。第一項でも「大蔵省令で定める事項を記載した申告書」というのがあるのですが。
#44
○説明員(高橋俊英君) こういう場合に、従来ともそれらの申告書の記載の方法とか、或いは明細書の記載の方法につきましては、一定の様式を定める等、手続き的なことにつきまして大蔵省令が統一しておるわけでございまして、各人が好きなように書いて来ていいというわけではございませんで、殊にこういうものが非常に恣意的な書き方になつておりますると、その間違いを発見した経緯その他を見るのに非常に困難する場合がありまするからして、たくさんの件数を扱うわけでございますから、これを画一的に定める。例えば税金の申告書の様式を定めるとか、或いはあとでそれを修正する場合の計算の根拠を示すというふうな場合と同じだと思います。
#45
○小林政夫君 第一項で、「大蔵省令で定める事項を記載した申告書」を出すわけですね。記載する事項は大蔵省令で定める。二項では大蔵省令で定めるところにより、再評価限度額の修正に関し必要な事項を記載した明細書」、とある。第一項と第二項との関係はどうなんでしようか。一方は明細書で一方は申告書……。
#46
○説明員(高橋俊英君) その通りでございます。一項は申告書のことだけを言つておる。二項に行つて明細書のことを言つたわけです。こういう書き方は今後も申告の条文に出て参りますが、至るところで申告書については一項を設け、又、明細書についても一項を設けておる。そういうやり方を再評価法以来ずつと一貫して使つておるわけであります。そういう点がくどい気がいたしますけれども、申告書と明細書を書きわけておるわけであります。
#47
○三木與吉郎君 再評価の限度額の合計額が一億円ということは、今度再評価したものが一億円という意味ですか。例えば今まで再評価積立金というのがありますね、それと今度再評価を行なつたものの合計が一億円以上、こういう意味ですか。それとも今度再評価する金額が一億円以上か。どちらなんですか。
#48
○説明員(高橋俊英君) これは勿論、減価償却資産の額の問題でございますが、従つて積立金とは一応無関係でございまして、減価償却資産を法に定めておるところの限度一ぱいまで再評価した場合に、その総金額が、総残高が幾らになるか、帳簿価額の総額が限度一ぱいまでやつた場合に一億円になるかどうか、そういう意味でございます。
#49
○三木與吉郎君 減価償却資産の合計が一億円以上になる、こういう意味なんですね。
#50
○説明員(高橋俊英君) さようでございます。
#51
○委員長(大矢半次郎君) 第六条に移ります。
#52
○説明員(高橋俊英君) (再評価の強制)第六条、要再評価会社は、施行日から昭和二十九年十二月三十一日までに開始する事業年度開始の日のいずれか一の日現在において、再評価法第二章及び第三章で定めるところにより、当該会社が有する要再評価資産について再評価を行わなければならない。この場合において、再評価日における要再評価資産の再評価後簿価総額は、要再評価資産の再評価限度額の合計額の百分の八十に相当する額を下つてはならない。
 先ずこの項について御説明申しますと、これは一番再評価の強制の骨子となる条文でございまするが、要するに第三次再評価と称せられておりますものは、昭和二十九年の十二月三十一日までに開始する事業年度開始の日、もつとわかりやすく言いますと、今年の十二月三十一日を含む事業年度の開始の日ということになると思いまするが、それまでの間に、その日が二回あるかも知れません。二回あるのが普通であろうと思います。四月一日或いは十月一日というふうなことになろうと思いまするが、その「いずれか一の日現在において」、再評価法の定めによりますると、チヤンスは二回あるが、実施するのは一回に限られる。どちらをとつてもよろしいけれども、一回だけしかやれない。そういうことになつておりまするが、そのいずれか一の日現在において、再評価法に定めるところによりまして、必ず要再評価資産について再評価を行わなければならない。その場合のやり方が次に書いてあるわけでございまするが、これは要するに要再評価資産の再評価限度額の合計額を先ず算出いたしまして、それの八割に相当する額に達するように再評価をするのである。そうしなければならない。こういう趣旨でございます。総額の問題でございまして、個々の資産につきましては必ずしも八割というふうには捉われません。或るものは再評価限度額一ぱいで、或るものは再評価限度の六割しかやらないということがあつても差支えないのですけれども、とにかく総平均においては八割に達するように再評価をしなければならない。こういう趣旨でございます。括弧に書いてあるところにちよつと触れますが、その対象となる資産の中に、普通は基準日特例資産というものは入れないのでございますけれども、ここにありますようにその再評価を実施する日を含め、或いはその前において、すでに基準日特例資産について再評価を行なつている際には、そういう基準日特例資産をも含めて強制の対象とするのだ、こういう趣旨であります。これは「再評価を行つている」と申しますのは、勿論第三次の再評価を行なつているという意味であります。
 なお次の「再評価後簿価総額」、この意味でございまするが、その日において再評価を行なつた資産の再評価額と再評価をしなかつた資産の帳簿価額を合計するのである。非常に丁寧な註釈を附しておるわけでありますが、「再評価後簿価総額」というのは、今の再評価法によりますと、申告書に書きますのは、再評価をやつた資産の額だけを書くようになつている、限度額を表わす場合にも、実際の再評価をやつた資産だけ申告すればいいようになつております。そういうことがすでに再評価法にありますので、それとの違いをはつきりさせるために、ここに敢えてお断わりしたわけでありまして、「再評価後簿価総額」というのは、必ずしも再評価をやつた資産だけではなくして、再評価を全然行わない資産も、その日に行わなかつた資産についてもみな書くのである、そういうことを現わしたわけであります。再評価限度額を言う場合にも同様であります。再評価をすると否とにかかわらず、対象となる資産についての全部の再評価限度額の合計額を意味する、こういうわけであります。
 なお、ついでにこの条項に関連いたしまして非常に肝腎な点でありますから、何故に八割にしたかという趣旨を簡単に御説明申上げたいと思います。理窟を申しますと、いやしくも再評価を強制するに当りましては、限度一ぱいまで再評価をすべきであるのが筋道ではないかと思うのであります。併しここに先ほど来いろいろ申上げました再評価の限度額と申しますのは、いわゆる再評価法による本文限度額、機械的な限度額というものでありまして、それを目標としてとるより仕方ない、ところがそれに対しまして、すべての資産について一〇〇%機械的な限度額までやり得るものであるかどうかという点になりますと、これは如何なる会社においても、たくさんの品物のうちには、限度一ぱいまでは無理であるというものが間々あるでございましよう。又、実情といたしましては、大抵の場合その限度額は高過ぎるということはないと思います。むしろ限度額が時価等に比して著しく低いという非難が多いのでありますが、大体それは全体の水準について言えることであつて、一品ごとには必ずしも一〇〇%まで強制すべきものであるかどうか疑問である。そうしてこれがすべての企業について言えることでありまするからして、中に限度まで達し得ないものがある。それを個々別々に官庁側においてこれを審査するということは到底不可能でございます。そこで、すでに任意にやりまして九〇数%まで平均やつておる会社もございますが、とにもかくにも強制の限界といたしましては、限度よりも二割下廻つた線を目途とする、そこまでを引上げることによつて、従来非常に二次再評価の場合にはでこぼこであつたところの実施割合を大体似たような線に揃えることができるのじやないかということと、そういうふうに平均で抑えますれば、二割の範囲内で恐らく通常の陳腐化資産等については処理できる。主として事務上の問題と申上げたほうがいいかと思いますが、どうしてもこの平均八割に達しないものについては又、別途に救済の方法を講じようということにしておるわけでございまして、これは又、後に出て参りますが、そういうふうな趣旨でございます。
#53
○小林政夫君 ここで見ると、最後の括弧書きの最低再評価限度額というのは総額ですね。
#54
○説明員(高橋俊英君) そうです。
#55
○小林政夫君 そういう書き方であるから、ちよつとまぎらわしいのですね。この点があるから逐条に読んで下さいと言つたのですが、それから第二条の第五項の括弧内で「以下基準日特例資産」というのがあるのですが、ここの中の「基準日の特例資産について」というのは違うのですかどうでしようか。「基準日の特例資産」と、「基準日特例資産」とは違うのかどうかということです。
#56
○説明員(高橋俊英君) 初めのほうは、「の」が抜けておるのでございます。これは御訂正をお願いしてあつたはずでございますが、「基準日の」と加えるように申入れをしてあります。
#57
○土田國太郎君 この八十ですが、五千万円以上の資格会社において陳腐化が多くて八十にならない場合はどうするのですか、何人が見ても……。
#58
○説明員(高橋俊英君) それは次に参りましてその節に詳しく申上げます。
#59
○三木與吉郎君 今度の再評価の中には、漁業権とか、或いはバス会社なんかのような路線の権利、こういうふうなものも入つておるのですか。
#60
○説明員(高橋俊英君) 強制の対象としては償却の対象となる資産は含まれます。減価償却資産でないものは除かれます。
#61
○三木與吉郎君 権利なんかは償却ができるのですね。
#62
○説明員(高橋俊英君) 償却を認められておるものであれば無形資産でも入ります。つまり有形でなくても、減価償却資産として認められておれば、それらは対象資産になります。
#63
○三木與吉郎君 実際において、権利なんかというものは、例えばバスの路線なんかは、曽つては権利代として払つたのですが、今は路線権なんというものはないはずなんです。併しそれでもやはり再評価をやらなくちやならないのですか。
#64
○説明員(白石正雄君) 事実上、路線権がなくして、会社がそういう権利を持たなければ、これは勿論問題にならないわけでございますが、併し専用側線利用権というような権利を無形減価償却資産として持つておりますれば、これは対象になるということだと考えます。
#65
○三木與吉郎君 そういう場合、帳簿に例えば現在三十万なら三十万円として残つておる、そういう場合には再評価をやらなくちやならないのですね。
#66
○説明員(白石正雄君) さようでございます。
#67
○小林政夫君 今の、帳簿には残つておるが現在はもう路線権というものはない、消滅しておる、これは実際のところ零にすべきものなんですね。
#68
○説明員(白石正雄君) 今のはよく聞きとれませんで間違えました。事実上権利がないものなら、それは又、別問題だと思います。
#69
○委員長(大矢半次郎君) 速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#70
○委員長(大矢半次郎君) 速記を始め
 て。
#71
○説明員(高橋俊英君) 第六条第二項、「要再評価会社が昭和二十九年一月一日以後施行日前に開始する事業年度開始の日現在において要再評価資産について再評価を行つている場合において、その再評価を行つた日における再評価後簿価総額が同日における最低再評価限度額に満たないときは、当該会社は、再評価法第十三条第一項本文(法人の再評価の時期)の規定にかかわらず、施行日から同年十二月三十一日までに開始する事業年度開始の日のいずれか一の日現在において、要再評価資産について再評価を行うことができる。」
 非常にわかりにくいのですが、実を申しますと余り重要な規定だとは思われませんから、例外規定であるという頭でお聞きとり願いたいのですが、要するに二十九年の一月一日以後、この法律を施行する前の日までに、前の日を含め、事業年度開始の日、それまでの間に、すでに再評価をやることはやつてしまつておる。併し中途半端な再評価をしたという場合です。強制されている最低再評価限度額に行つていない。そこまでやつてしまつた場合には、法律をそのままにしておきますると、もう今年中にチヤンスがない、再評価をやるチヤンスがないから、ここで、この規定を設けて、もう一遍やれるようにしてやつた、これだけの意味でございまして、実はこういう会社が普通はあり得るかと申しますとあり得ないと思います。通常の場合でしたら、ないと思います。と申しますのは、一月一日以後に開始する事業年度の終るのは今年の六月末で、申告をするのは八月末でございますから、申告は当然出ていないのが普通でございます。ですから、こういう規定は必要ないかのごとく見えますが、例えば仮に決算期を途中で変えるために一カ月或いは二カ月で決算をやつてしまつた。こういう場合にだけこの条文が使われる。こういう意味でございまして、実例があるかどうかはよくわかりません。
 第三項、「第一項の規定は、昭和二十八年一月一日以後施行日前に開始する事業年度開始の日のいずれか一の日現在において要再評価資産について再評価を行つた要再評価会社で当該再評価を行つた日における要再評価資産の再評価後簿価総額が最低再評価限度額以上であつたものが第八条第一項又は第九条第一項に規定する申告書をその提出期限内に提出した場合については、適用しない。」、この項は、この法律を施行する前にすでに最低限度以上の再評価をやつたという場合でございまして、その場合には改めてこれを強制しませんというだけの規定でございます。それは昨年中にすでに再評価をやつた。ただここで、すでに御承知かと思いまするが、お断わりしておきまするが、再評価をやつたとか、したとかしなかつたとかという場合に、一体どういうことを言うかということでございますが、普通まあ感じから申しますると、再評価は申告しなければ遡つて効果がなくなる。申告がその解除条件になつておるわけでございます。その申告は事業年度が終つてから二カ月以内に申告することになつておる。ところが再評価をするという日はその申告にかかる事業年度開始の日である。そこに半年乃至それ以上のズレがあるわけです。そのことをよく注意しなければいかんわけですが、再評価をしたといいましても、実際に申告をしていなければ実は、したのか、しないのかわからない、併し観念的にはすでにやつておるという場合があるわけであります。又それを禁止する規定はないわけであります。やつておるが、だから月月の例えば資産表等についてはすでにやつたものとして発表しておる場合があるわけであります。ただ公式の書類としては余りこれらの月々の決算というものは使われておりません。法的には余り意味をなしていない。そういうことでありまして、要するに、今までにすでにやつてしまつたものは、その分を、第八条或いは第九条に申告を補足する規定がございますが、従来の再評価法の規定によつて申告書を出しておる。そのほかに追加して足らないところを申告をします。そういうことをやれば第一項の規定によるところの強制の規定は適用しない。こういう意味でございます。
 第四項へ参ります。「要再評価会社は、第一項の規定により再評価を行う場合において、その再評価を行う日において有する陳腐化資産等の同日における同条第一項に基く再評価額の限度額又は帳簿価額のうちいずれか多い金額の合計額に、陳腐化資産等以外の要再評価資産の同日における再評価限度額の合計額を加算した金額が同日における最低再評価限度額に満ないときは、その満たない金額に相当する金額の範囲内において、当該陳腐化資産等について、同項の規定にかかわらず、陳腐化資産等限度額をこえて再評価を行うことができる。この場合においては、陳腐化資産等の再評価額は、当該資産の再評価限度額の百分の八十に相当する金額をこえてはならない。」
 大変読みにくいもので、恐らく非常に悪法中の悪法だと思いまするが、その点は十分御容赦願います。先ず内容から申上げますと、いわゆる機械的な限度に達しないものが陳腐化資産であります。機械的な限度まで再評価をしたのでは、それは時価を上廻ることになつて、それでは過大評価になるというのが陳腐化資産等である。従つてそれらは再評価法の規定によればもつと低いそれに適当した時価において再評価をなすべきである、こういう規定があるわけです。これは過大評価の禁止の規定であります。ところがこの強制をやるのにつきまして私どもが一番困難を感じましたのは、この陳腐化資産等の限度額の問題であります。これは非常に、主観的な価値判断の問題が多分に混じる虞れがあるのであります。つまり会社側においては、これは時価は非常に低いのだ、収益力が全くないのだから非常に低いのだという場合がある。併し同種同業の他の場合と比べますれば、それは今度は過少評価になるという場合があるわけでございます。それで、これらにつきましては、直ちにあとに又第十五条という規定があるのですが、それとの関連において、初めからそれぞれの会社が自分で適宜な再評価をして来て、それでこれは合格でございますと言われても困る。手続上それを認定するのには相当の日数もかかりますからして、一旦過大評価をさしておこうというのがこの法文でございます。いわゆる陳腐化資産等限度額につきまして、陳腐化資産等が多い会社におきましても、平均八割までのところは、平均して八割に達するまでに必要な額だけ過大評価してもらうという趣旨でございまして、それに対して多少制限がございます。それはつまり、どれだけの額を過大評価すべきかということは、その陳腐化資産以外のものについては十分な再評価を一応する。十分なと申しますのは、必らずしも限度一杯というわけではございませんが、まあできるだけの再評価をした陳腐化資産等につきましては、まあそれに対して適当だと認定される、これは客観的に認定されるところの限度まで再評価をした。やつたところがどうしても平均八割に達しない。総額において不足する。八割に達するのにはあとこれだけが必要であるという場合、その必要額だけ過大評価できるのであつて、無茶苦茶に過大評価することは勿論いけない。八割に達するに必要な額だけ過大評価をしてもらうのである。且つ又個々の陳腐化資産にして帳簿価額をとるのでありますが、つきましても、例えば限度額を一〇〇といたしまして、陳腐化資産等の限度価した額の限度額をとるのである。原額が四〇である、その場合にはこれをその一〇〇まで過大評価していいというのではないのでありまして、八割のところまで、限度の八割まで過大評価をしていい。ですから、それに必要なだけ陳腐化資産を捨つて来なければいかんわけです。それぞれ必要な額に達するまで過大評価をする、まあこれが条文でございまするが、大変括弧書が入つたりしまして面倒くさいのでございますが、ここでお断わりしておきますのは、いわゆる陳腐化資産等と申しますのは、何らこれは限度の何割までのものが陳腐化資産であるというふうな定めはないわけでございます。併しこの法律におきましては、陳腐化資産等限度と申せば、それは限度の八割に達割の間のものは一応陳腐化資産とは呼ばない。限度の八割未満のものを陳腐化資産と呼ぶことになるということでございますが、なおここに「(同日における価額又は帳簿価額のうちいずれか多い金額」という、この価額と申しますのは、あつさり申せば時価ということでございます。時価か或いは帳簿価額のうちいずれが多いか、時価よりも帳簿価額のほうが多くなつておれば、その多いほうをとるのであるということでございますが、非常にこういう「いずれか多い金額」というのが三カ所ばかり出て参りますので、非常に面倒くさいのですが、「いずれか多い金額」というのを一応忘れて頂いて読んで頂けば幾らかわかり易いのじやないか。つまり帳簿価額のほうが高い場合には、その例外として帳簿価額をとるのでありますが、原則としては時価をとる。或いは再評価した額の限度額をとるのである。原則はそうであるというふうにお読み頂いたらいいのじやないか。なおあとで御質疑にお答えいたします。
 第5項、「前項の規定により再評価を行つた陳腐化資産等については、当該資産の再評価限度額の百分の八十に相当する金額をその再評価額の限度額とみなして、再評価法第四十八条、第六十五条及び第百二十五条の規定を適用する。」
 これは勿論、前の四項に符節を合せまして、再評価法のこういう修正申告や限度額の再評価額の更正等の規定がございますが、その場合にその八割まで過大評価をして差支えないというふうにいたしましたので、百分の八十、限度額の八割がその陳腐化資産等の再評価額の限度なんだ、そういうふうに見なすという意味でございまして、この過大評価をするという規定に対してただ符節を合せる。こういうふうに御了解願いたいと思います。
#72
○小林政夫君 まあこういう規定も必要だとは思うのですけれども、立法の趣旨から言うと、ほかのほうが全部一〇〇%、限度額の一〇〇%の再評価をしている。ほかに取上げるものがない。そこで陳腐化資産を拾い上げて、無理をして八〇%までは拾い上げさせる、こういう趣旨に解せざるを得ないのですがね、この条文では。そうすると、実際問題としてその最低再評価限度額というものが法定の限度額の八〇%であるとすれば、陳腐化資産を水増しさせるよりは、先ず第一次に当然生きておる要再評価資産を一〇〇%まで膨らませる。そうして最低再評価限度額に達しさせる。これを第一順位にすべきではないか。そのほうが、企業経営の内容充実、健全化に役立つと思うのですけれども、そういう配慮は何かやりましたか。立法的にはないようでありますけれども。
#73
○説明員(高橋俊英君) 実は今、小林先生がおつしやつた点がこの法律を非常にやかましく書いた狙いなんです。つまり八割まで陳腐化資産等の過大評価をした場合に、同時に評価減を申請して、あとから取り崩してそれぞれの適正な限度まで再評価をしたことに姿を直すわけであります。そういうことをいたして、これはただ手続き上一応過大評価するということになつておるのでございますが、それをただ漠然と書きますと、陳腐化資産については、確かにそれは間違いない陳腐化で、而もそれを一〇〇%まで再評価する、過大評価するということになりますと、それだけほかの資産を再評価をしなくても済むようになり、八割を超えているものの中でも、八割ジヤストに再評価をするか限度一杯にするかというので大分幅がございます。そこで、これは陳腐化資産を除いた約八割以上の再評価をなし得るものについて、十分な再評価を先ず第一にしていなければならないのです。十分な再評価をしたにもかかわらずなお且つ平均が八割に達しない、こういう場合に初めて達しないこととなり、金額の範囲内で過大評価できるという制限があります。これに反している場合、後に陳腐化資算等の評価減を認めます場合に、これを承認しない、こういうことになり、承認しないということになりますると非常に困るわけでございまして、陳腐化資産が高いままで置かれる、平均はいずれにしても、この場合は八割でございますが、陳腐化資産のほうが一〇〇%になつて行つて、そうでないものが八割になつても、これは非常に姿としてもおかしいわけであります。むしろ八割のものを九割に引上げ、或いは一〇〇に引上げるということによつて、陳腐化資産の過大評価を少くすべきである、こういう是正があとで取り得るようになつておるわけでございます。この規定に認められた過大評価の範囲を超えて過大評価しておるというような場合には、これは承認しない。承認しないばかりではありませんで、それはこの条文によつて認められた特殊の扱いでありますところの過大評価の限度を超えておるという理由で、それは必要な限度まで更正決定される。つまり八〇に持つて来ていますけれども、四〇のものを八〇に過大評価した、併しその場合は四〇という数字が過大評価されたものです。その四〇は過大評価の範囲を超えておる。四〇は必要ないのである。それは本来二〇で然るべきである。従つて腐腐化資産を六〇に過大評価することは妥当であるが、八〇にすることは必要なきことを行つたのである。認められる範囲を超えておるのである。なぜというと、それはほかの資産において十分二〇だけ再評価をもつと上廻ることができる。だから不足するのは僅かに二〇であるにかかわらず四〇の過大評価をしたという場合に、それぞれ更正決定しまして、その資産に関する評価については六〇にすべきであるということになる。そうしますと、二〇だけ八割に達しないことになり、放つておけば、ほかのものをもう一遍再評価するという規定がない限り失格になつてしまう。再評価の強制に反したことになる。そうしますと、今度は更正決定が行われるために八割に下廻ることになつた場合には八割を追加再評価できるという規定がありまして、その追加再評価をやらせるということになります。それをあえてやらなかつた場合には、初めてこれは反則、強制規定違反ということになります。そういうことはあります。範囲を逸脱して過大評価をした場合には、ほかのものを十分にそれだけしろという意味におきましてこれを更正決定いたしまして、あとで追加再評価を行わせて、適正な姿における再評価を行わせる。でこぼこのないようにする。こういうふうな非常に面倒な手続きにいたしております。
#74
○小林政夫君 この点が実業界でも問題にしている一点で、そういうふうに、而も今のあなたのほうで認めないというときには、何か審議会の答申を経てその意見を聞いてやるのですね。そういう複雑な事務手続きをとらなくても、初めからこういうことはできないのだ、陳腐化資産については、むしろ趣旨から言うならば、いわゆる法定再評価限度額の陳腐化資産というものが四〇%なら四〇%ということになつておれば、陳腐化資産なるが故に四〇%ということであれば、その又八割にするというのが均斉がとれるわけです。他の資産について限度額が八割だということになれば、そういう強制額がある。それだから、初めからこの陳腐化資産というものはそういう含みで計算をして行くべきである。一応ふくらましてやつて云々ということでなしに、他のほうでむしろ限度額に達するように最初から申告をさせる、こういう方法はとれないわけですか。
#75
○説明員(高橋俊英君) 今おつしやいましたことは、若し全体の平均で必ず八割以上にするということになりますと、これはもうなかなか財界等も折合わない。すべての会社が必ず限度額の八割ぐらいになります。而もその場合、小林先生のおつしやるように、陳腐化資産については限度額の八割をとればいいのだ、こういうことになりますと、誰が陳腐化資産の限度額をきめるかという問題が起る。会社にこれを若し任せるとしたならば、私は恐らく強制再評価の意味も殆んどなくなると思うのでございます。会社に自分でこれくらいが適当であるという限度額でやらせますと、これは必ず法定限度額の下なのです。下の限度額をとつて来てそれの八割ということになれば、それは任意に任せた場合と違わないのではないか。つまり陳腐化資産限度額というものがそれぞれ何か機械的に算出し得るようになつておりますればいいのですが、これこそ千差万別でございます。又いわゆる陳腐化資産におきましても、物理的の意味での陳腐化でなく、収益力その他、いろいろ遊休施設であるとか、そういう事実に基く抽象的な観念なのでございます。必ずしも数字で規定し得るものではありません。そこで今後でも、この方法をとりました場合でも、なお争いは起り得ると思います。併し私どもとしては、抽象的ながら、今省令もございますし、省令で不十分であるというので、何らかの基準を設けたいとは思つておりますが、到底この法律に織込むには至らない。それほど権威のある、すべての場合を律するような基準を作るということは、私は不可能だと思う。結局、具体的の事例によつて個々に認定して行くということにならざるを得ない、そういうふうなものについて、いわゆる陳腐化資産限度額がもう現存するかのごとく考えますると、御説のようになりますけれども、私はこれは零から百までの間如何ようにもある。仮に八割を超えないものと限定しましても、現在の帳簿額そのものがすべて時価を越える場合、八割までの間において皆バラエテイがある。それだけの千差万別の、又原因もいろいろあるものについて、何か基準があつて陳腐化資産限度がきまつておるように言うのは当らないのではないかと存じます。
#76
○小林政夫君 併し再評価の限度額、殊に更正決定になると、そこに問題があると思います。一応更正決定をやります。それは主としてそういうことに問題を置いておると思いますが、更正決定が認められておるのだから、会社が任意に恣意的にそういうことをやつても更正決定すればいい、あなたのほうから認められて、これは非常に故意に過小評価しておるというような場合に、更正決定をして、そして八割なら八割、こういう計算をすれば、そのほうが手続が簡単じやないか。いずれにしても個々の再評価資産についてこれが適正な再評価であるかどうかということは、申請書が出てからそれぞれ検討しなければならんでしようから、一応ふくらませておいて、そうしてだんだん下げて行くというやり方より、むしろ最初に思うように申告させて、そして申告が不適正ならば更正決定をする。そうして一遍ゆすぶる。又減額申請については審査会にかけていろいろ検討する。結局更正決定してあなたのほうでふくらませるというようなことは非常に複雑ではありませんか。
#77
○説明員(高橋俊英君) それには問題が二つあると思うのですが、一つには、更正決定であつても申告額を上廻る更正決定ができるかということ、これは非常に問題じやないかと思うのです。更正する場合に、増額決定をする。会社の意思にかかわらず、これでは不十分であるからもつと上廻つてしなければならないという命令をする。そこの踏切りという点がかなり問題だろうと思うのです。この場合には、非常に迂遠な策でございますけれども、過大評価を抑えるという形によつて、実は追加再評価をしなければならんというふうな持つて廻つたやり方にしているわけです。
#78
○小林政夫君 だから追加再評価をやらなければならないように追込むのでしよう。それは自発的なように持つて行くけれども、とにかく強制的なんです、相対的には――。それならば、いわゆる問題になつている陳腐化資産についてこれは君のほうは過小評価だ。これは少くとも限度額の六〇%にするとか、四〇%だけれども六〇%に……。こういうようなことは、あなたの言うこととどつちが問題か。間接的な強制と直接の更正決定ということになるけれども、企業に与える影響は同じじやないですか。
#79
○説明員(高橋俊英君) 併しこの再評価の強制というのは飽くまで平均において八割だといつているわけです。会社によつては何万という件数を持つておるわけなんです。それらの陳腐化という場合に、或る工場分が全部陳腐化であるというような申請が出る場合もあります。工場全体が陳腐化しているのだというふうな申請があるような場合においては、これは確かに全体として不足している。それで、どのくらいであるという数字が出ます。その中で、どれを追加再評価の際に一〇〇にし、どれを九〇にし、どれを八〇にするということは、私は会社の選択に任せたほうが却つて円滑ではないか。それを官庁側において、この資産は一〇
○でなければいかん、これは九〇でなければいかんというふうなきめ方をするのは、恐らく事務的にも、非常に件数の多い会社等につきましては、これを官庁側が全部の個々の資産についてそれぞれ増額を命令するということは、私はそれは希望としてはありましても不可能であろうと思います。
 それと、もう一点は、今度の強制の趣旨は、成るほど中に陳腐化資産等が多いために、八割までやることが無理だという会社が例外としてあるということは、私どもも認めるわけであります。併しそれはやはり例外であり、従来の実績その他から見ましても、八割というのがそれほど無理なものである、或いは時価を上廻つたものであるというふうには考えられないわけです。できるだけ十分な再評価を行わせようという趣旨から申しますれば、とにもかくにも、陳腐化資産が多い場合でも、一律にみな八割まではして来なければいかんというふうにしたほうが、初めから適宜に自分で評価する場合よりも、より十分な再評価が行われるのではないだろうか。それで、この点、更正の手続の問題と絡みますけれども、それは、これらの対象となる会社は、強制の対象となるのは千数百社に過ぎません。併し再評価税の軽減というような問題、或いは固定資産税の問題、或いは増資をした場合の増資部分に対する配当の益金不算入、すでに租税特別措置法で出てお認めを頂きましたが、あれらの措置は、みな最低限度以上の再評価を行うことが資格要件になつておるわけです。そうしますと、その最低限度以上に合格したかどうかということの問題は、千数百社じやなくて、数十万の法人の全部、それから個人のすべてに及ぶわけであります。これらが全部、国税庁、税務署に持込んで、おのおの適宜な陳腐化等の認定をやりまして、これで私のところは十分な再評価をやりましたと言う。よく見るとそれは六割である。平均六割しかやつてなくても、これは陳腐化したのでございますからと言う。これを税務署が個別的に挙げなければならん。これはこの点は不十分であるということを認定してゆくのは、非常にむずかしいのじやないか。これを、むしろ八割に達しないなら達しないというだけの理由を向うから書かして、減額を申請させるということにするのが、便乗的な脱法的な行為を防ぐ上に是非とも必要である。そうでないと、とても抵抗しがたいということになつて、最低限度以上というのは恐ろしく幅の広いことになつてしまう。こういうことから来ているわけだと思う。主としては事務上の理由でございます。
#80
○土田國太郎君 この陳腐化は、先ほど御説明の通り評信が八〇%以下のものなんだが、これを今の平均の八〇にまで持つてゆく必要上この陳腐化を一〇〇まで持つてゆけるのですか。
#81
○説明員(高橋俊英君) それはできないようになつております。その陳腐化は限度の八割でとどめなければならんのであります。
#82
○土田國太郎君 そうすると八〇%以上はいかんということですか。
#83
○説明員(高橋俊英君) そうです。
#84
○土田國太郎君 それなら合理的ですね。
#85
○三木與吉郎君 陳腐化資産というのはどういうものを指すのですか。誰がきめるのですか。
#86
○説明員(高橋俊英君) 今まで申しましたように、客観的にということを言わなければいけないのですけれども、誰がきめるかということになりますと、甚だ申しにくい点がある。つまり客観的に認定するわけです。最終的には、やはり官庁側がいろいろその説明を承わつて、理由書を見て、確かに陳腐化であると思つた場合には、その申請を呑むし、これは会社側の申立てにかかわらず陳腐化と認むべきでないという場合には、全国資産再評価調査会、又は地方資産再評価調査会というものに大蔵大臣が諮問いたしまして、不承認の決定をするということになつております。
#87
○三木與吉郎君 実際問題としまして、優秀な会社の機械で、この機械は、優秀な会社としては陳腐化なんですが、これを三流なり四流なりの同業者へ売つておる場合もあります。ところがその三流会社としましては、この機械は非常にいいのだ、併し優秀な会社じや陳腐化だ、こういうことはありませんでしようか。
#88
○説明員(高橋俊英君) 私どもとしましては、一方に非常に優秀な機械が現われて、それのために現実に市場において非常な不利な競争になつておる、つまりその利益率が非常に薄いとか、逆に出血を続けている、そういうような場合に、やはり陳腐化として扱うべきものである。ですから、今おつしやられました甲という会社において陳腐化であつても、乙の会社では陳腐化でないというふうなことは、そういう目では見たくないのでありまして、それはやはり普通でいうその場合は、特に機械そのものの陳腐化の場合でございましようからして、やはり年数が非常に古いとか、能率が非常に落ちているとかいうものは、現実にそのために収益力が非常に下つているという場合には、やはり陳腐化として扱うべきものであると思います。併し実際の例として、折角優秀な機械を入れた工場が、他の業者などの圧力によつて、その機械を十分に動かさないで加減してやつておる。例えばこの例はどうですか、わかりませんが、ストリツプ・ミルというような場合、その機械そのものは優秀な機械があり、それがフルに稼働すれば、他の会社は脱落してしまつて太刀打ちできなくなるのだが、それが市場値段を余り崩さない程度に運転しておるというような場合がありますと、陳腐化となるべき機械を使つておる中小企業者において、それを陳腐化とすべきかどうかについては疑問がある。これは現実の影響が現われているかどうかというふうなことにもよるのではないかと思います。
#89
○委員長(大矢半次郎君) 次に第七条。
#90
○説明員(高橋俊英君) (最低再評価限度額以上の再評価を行つたものとみなす場合)第七条、「昭和二十八年又は昭和二十九年中に開始する事業年度開始の日のいずれか一の日において、要再評価会社が有する要再評価資産の帳簿価額の合計額が同日における最低再評価限度額以上となるに至つた場合においては、そのなるに至つた日において前条第一項の規定による再評価を行つていない場合においても、同日において同項の規定による再評価を行つたものとみなす。
 この条文は、すでに再評価をしている場合ではなくて、再評価をしなくても最低限度以上の再評価を行なつたものとみなされるという場合を言つておるわけであります。実際に再評価をその前にしておつたかどうかは問いません。とにかく昨年中或いは今年中に開始する事業年度のその最初の日において、その最初の日のいずれかどこかで一遍計算してみたら、すでに最低限度以上になつておつた、こういう場合には、改めて再評価をやらなくてもそれは有資格者と見るのであると、このような趣旨でございます。
 なお、ここでちよつと申上げておきまするが、昭和二十八年の一月一日現在における法人統計による法人全体の帳簿価額は、今度の第三次再評価を限度一杯まで全部やつた場合、つまり再評価限度額の総合計額に対しまして、これは推定でございますけれども、それに対して平均して七割になつております。ですから、これらの実際の問題といたしまして、再評価をしなくてもすでに八割になつているという会社が十分あり得るということでございます。これは総平均でございますからして、会社別或いは業種別には非常な差異がございまするが、七割になつておるのでありまして、そういう観点から申しまして八割という数字はむしろ低きに過ぎやせんかという、或いは八割まででは意味ないじやないかというお叱りもあり得ることでございまして、それほど高いものとは私どもは考えておりませんが、併し非常に低い再評価しかしてなかつたところがこれによつて大体同じような線に揃えられるという点で、相当意義はあるだろうと考えておる次第であります。
#91
○小林政夫君 今の七割というのはどういう計算で七割と見たか。一々各法人の持つておる取得年月日等に基いて再評価限度額を計算したのか。それほどの手を尽されたかどうか。
#92
○説明員(高橋俊英君) それは、その取得年次別のいろいろな資料に基きまして、減価償却資産の年度別の取得額、それが推計されるわけでございます。それによりまして二十七年末の法人統計によるところの現実の資産総額、帳簿価額総額を分けまして、第一次の再評価の対象となつたのは昭和二十四年末までの取得資産であります。昭和二十四年末までに取得したものが第一次、二次の再評価の対象資産、それから二十五年と二十六年と二十七年に取得されたものは、これは第三次だけの再評価の対象資産、これを分けてみますると、そのとき現在の帳簿価額では、新らしい資産のほうが帳簿価額の上ではむしろ多い。古い資産よりもむしろ多いくらいである。その新らしいものからは余り大した差額が出て参らないのであります。主として出て参るのは昭和二十四年末までに取得された資産から差額が生ずるわけであります。それを年度別に又更に推計によつて仕分けるわけであります。それぞれその耐用年数も平均耐用年牧によつて推計いたしまして、平均耐加年牧はおおむね二十年くらいと見ております。そうして、あの機械的な限度を定めてある別表の倍率を乗ずることになります。そういうふうな方法によつて推計してみましたところ、それによつて限度額の総合計に対して簿価がすでに七割になつておるということであります。
#93
○小林政夫君 そういう推計ができるだけの資料があれば非常に結構なんで、私たちも望ましいと思いますが、一体そういう各企業、少くとも法人の持つておる要償却資産の取得年月日或いは資産の種類を表わす耐用年数別の資産の仕分けですね。これができるような統計的資料というものはどこで手に入れたですか。そういう七割という確信が持てるような資料をどこで。
#94
○説明員(高橋俊英君) これは取得年次別の仕分けというふうなものにつきましては、主として主税局において調べて頂きました。主税局において従来とも第一次再評価のときにすでに使つておりますが、これは勿論、資料に基いた推計なんでございますが、それはあるのであります。それと私どものほうでやつております法人統計、両者から突き合わして、それを補正しながらやつて来たわけであります。非常に権威のあるものとは私は申しません。それは参考のために申上げただけでございまして、併しまあ大体七割前後であろうというふうな推計は成り立つも
 のと思います。
#95
○小林政夫君 まあ私のやつている会社も、要再評価会社になるかもわからないけれども、法人税の申告等にもそういうことは書きませんしね。資産の……。
#96
○説明員(高橋俊英君) 第一次再評価につきましては、その再評価をしたとしないとにかかわらず全部提出義務があつたわけであります。そのときにはそれぞれ現在の帳簿価額限度額を記載するごとになつております。ですから、その資料を厳密に集計すれば出ることは出るわけであります。ただ耐用年数別にやるということは非常に困難であります。それらについては、その平均耐用年数というふうなものを使つておる、こういうわけであります。
#97
○土田國太郎君 先ほど課長は、勝手に評価額を高めておる会社があるという御説明があつたのですがね、税務署のほうへ再評価の手続をしないで……。その会社はどういう必要があつてそういうことをやるんですか。
#98
○説明員(高橋俊英君) ちよつと……再評価を何ですか。
#99
○土田國太郎君 再評価の手続をしないで勝手に評価を高くしておる会社もあるんだという御説明があつた。
#100
○説明員(高橋俊英君) いや、私はそういう御説明をした覚えはないのですけれども。
#101
○土田國太郎君 そうですか。そういうふうに何か受取れたので、おかしいと思うから……。
#102
○委員長(大矢半次郎君) ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#103
○委員長(大矢半次郎君) 速記を付けて。
 それでは暫時休憩いたします。
   午後零時五十八分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時四十四分開会
#104
○委員長(大矢半次郎君) 午前に引続きまして会議を開きます。
 企業資本充実のための資産再評価等の特別措置法案を議題といたしましてれ質疑を行います。
 先ず第八条から説明を願います。
#105
○説明員(高橋俊英君) 第八条 第六条第一項の規定により再評価を行つた要再評価会社又は同条第三項に規定する会社が施行日以後最初に再評価法第四十五条第一項の規定により提出する申告書には、同項に規定する事項の外、当該申告に係る再評価を行つた日に再評価を行わなかつた要再評価資産の同日における再評価限度額の合計額及び帳簿価額の合計額、要再評価資産の再評価後簿価総額、最低再評価限度額並びに第二十条の規定により免除される再評価税額その他大蔵省令で定める事項を記載しなければならない。
 第二項再評価実施会社が再評価法第四十五条第二項の規定により前項に規定する申告書に添附する明細書には、同条第二項に規定する事項の外、左に掲げる事項を記載しなければならない。
 一 再評価法第十七条第一項但書の規定により再評価限度額をこえて再評価を行つた要再評価資産の再
  評価限度額及び同項但書の規定により計算した再評価額の限度額並びにこれらの額の算出に関し必要な事項
 二 第六条第四項の規定により陳腐化資産等限度額をこえて再評価を行つた陳腐化資産等の陳腐化資産等限度額及び再評価額並びにこれらの額の算出に関し必要な事項
 三 再評価を行わなかつた要再評価資産の再評価限度額及び帳簿価額度並びに当該限度額の算出に関し必要な事項
 四 第二十条の規定により免除される再評価税額及び第十五条の規定による申請をしようとするときは、当該申請に係る事項の承認があつたものとした場合に第二十一条の規定により免除されることとなる再評価税額の算出に関し必要な事項
 第三項再評価法第四十八条の規定は、前二項に規定する申告書又は明細書にこれらの項の規定により記載した事項に誤がある場合について準用する。
 これは(申告の特例)という見出しになつておりますが、要するに申告の追加的なものでございます。即ち再評価法によりますれば、再評価を行なつた場合には、当該再評価を行うべき資産について、大体、限度額や実施額等を記載して申告することになつておりますが、今度この法律によりますと、強制によつて先ず再評価を行なつた要再評価会社或いはすでにその施行日前に実施済みである会社、これらを今後再評価実施会社と、こう呼んでおりますが、それが初めて申告書を出す、施行日以後について最初に申告をするという場合には、ここに書いてありますような再評価を行わなかつた資産についてもいろいろ計算をし出さねばいかん、こうきめてございます。それが第一項であります。
 第二項のほうは、それに添付するところの明細書に書くべき事項を述べております。その二項の中の一号及び二号が少しわかりにくいかと思います。一号のほうは、本文によらず、再評価法十七条第一項但書によつて再評価をした、そういう資産につきましては、それの機械的な、この法律に規定するところのいわゆる再評価限度額も書かねばならんし、又、併せて但書によつた場合の再評価の限度額も書く、こういうことになります。それから陳腐化資産について先ほどいろいろ申しました過大評価と行なつた場合には、その陳腐化資産等限度額を書く。陳腐化資産等限度額と申しますのは、客観的に見て、機械的に限度よりは下廻つた、つまり陳腐化資産そのものの時価と考えられるものを言うわけでありますが、それを書く。且つその実際に再評価した額を書く。こういうことであります。他の点は余り問題にならんでしようが、四号は、今度再評価を完全にやりますると、再評価税を免除されるわけでありまして、そういう免除されるところの税額も書きますし、又「第十五条の規定による申請」とありますのは、陳腐化資産について過大評価を行なつたあとで、申請によつてその過大評価分を取りますというわけでありますが、そういう場合には、その申請したことが承認になつたものとした場合に、更にその再評価税を追加して免除を受けるという規定でございます。「第二十一条の規定」というのは、そういう場合に追加して更に再評価税が負けられる、その場合の再評価税額の算出に関して必要な事項、こういう意味でございます。
#106
○小林政夫君 この申告の特例で、第一項あたりを設けた趣旨は、陳腐化資産等の減額申請をする場合に、午前中の質疑応答で問題になつたような点を見究めるために必要として、要再評価資産でも再評価をしなかつたものについて、このような申告をさせる、こういう趣旨ですね。
#107
○説明員(高橋俊英君) これは今の資産再評価法によりますると、第一次、二次の場合と違いまして、再評価を行なつた資産については記載を要しない。そこで、それを今度書いてもらいませんと、全体の再評価の限度額の合計額が出ません。それを実施したものが八割になつておるかどうかということを見る必要がありますので、それで再評価をした資産だけ書くのではなくて、しなかつた資産についてもすべて必要な事項を記載する。計算上、総平均において八割までの再評価をしたかどうかということを見るために、これらの事項が必要となるわけであります。
#108
○委員長(大矢半次郎君) 次に第九条に移ります。
#109
○説明員(高橋俊英君) 第九条 再評価実施会社のうち第六条第三項に規定するものが施行日前に再評価法第四十五条第一項の規定による申告書を提出している場合においては、昭和二十九年七月三十一日までに、前条第一項に規定する事項及び当該申告書に記載した事項のうち第三章の規定の適用に因り修正すべき事項その他大蔵省令で定める事項を記載した申告書並びに同条第二項に規定する事項を記載した明細書を所轄税務署長に提出しなければならない。
 第二項、再評価法第四十五条第三項、第四十八条及び第四十九条の規定は、前項の申告書について準用する。
 これは、第八条の規定は、すでに実施済みの会社が、施行目前にまだ申告書は出してない、再評価をやつたけれども申告書を出してない場合の規定でございます。第九条はこれと違いまして、すでに実施をしてそれに伴うところの申告書を提出してしまつたという場合の規定でございます。その場合には足らない部分について更に申告をするのだという意味でございます。それと合せて明細書を提出させるということになつておるわけであります。だから「前条第一項に規定する事項」ということで、実質的には前の場合と何も変りないわけでございます。そのほかに、前に出した申告書の中に、この法律の第三章と申しますのは、再評価税及び固定資産税に関する規定でございますが、その規定を適用することによつて修正しなければならんこと、その他大蔵省令で定める事項を記載するのである、こういう趣旨でございまして、すでに申告書を提出しておつたか、おらなかつたかたけの違いであります。
#110
○委員長(大矢半次郎君) 次に第十条に移ります。
#111
○説明員(高橋俊英君) 第十条 要再評価会社で昭和二十九年一月一日以後開始する事業年度開始の日のいずれか一の日において要再評価資産について再評価を行つたものが提出した第八条第一項又は前条第一項に規定する申告書に記載した再評価後簿価総額又は最低再評価限度額の計算に誤がある場合において、第八条第三項又は前条第二項において準用する再評価法第四十八条の規定により修正申告書を提出してこれらの額を修正したことに因り、当該修正後の再評価後簿価総額が最低再評価限度額に達しないこととなるときは、その達しないこととなる金額の範囲内において、同法第十三条第一項本文の規定にかかわらず、当該修正申告書を提出した日を含む事業年度開始の日現在において、要再評価資産について再評価を行うことかできる。第六条第四項及び第五項の規定は、この場合について準用する。
 第二項、前項の規定による再評価を昭和三十年一月一日以後行う場合においては、追加再評価を行う要再評価資産の再評価額は、再評価法第三章の規定にかかわらず、昭和二十九年一月一日現在において当該資産について同章の規定により計算した再評価額の限度額から、当該資産を同日において当該限度額に相当する金額により取得したものとした場合における同日以後同年十二月三十一日までの期間に応ずる普通償却範囲額に相当する金額を控除した金額をこえることができない。
 第三項は、第一項に規定する要再評価会社が同項の規定により追加再評価を行つた場合において、同項に規定する修正後の再評価後簿価総額に追加再評価に係る再評価差額の合計額を加算した金額が当該修正前の申告に係る再評価を行つた日における最低再評価限度額に達したときは、同日において当該会社が第六条第一項の規定による再評価を行つたものとみなして、第十五条から第十八条まで、第三章、第三十五条、第四十条及び第四十八条の規定を適用する。
 第四項、前三項の規定は、第三十七条第一項又は再評価法第六十五条若しくは第六十七条の規定による更正があつた場合において、当該更正に因り、再評価後簿価総額が最低再評価限度額を下ることとなる場合について準用する。この場合において、第一項中「当該修正申告書を提出した日」とあるのは、「更正の通知があつた日」と読み替えるものとする。
 面倒なようですが、そう大した内容のものではございません。要するに、要再評価会社で、二十九年一月一日以後、今年になつてから開始する事業年度のその最初の日のいずれかの一の日で再評価をやつた。そして、その申告書を提出したところが、その中に誤りがあつた、再評価後簿価総額或いは最低再評価限度額の計算に誤りがあつたという場合には、放つておいても、そのままでも最低再評価限度額を下らないことになるというときには、これは差支えないわけでございますが、そうではなくて、修正をすると今度は八割を欠けてしまう、八割に達しない場合になるときには、それに対して何らかの救済措置が要る。それを救おうというのがこの法文であります。そういう場合には改めて追加再評価というのも行うことができる、本来なればチヤンスはないわけです。そういう機会はないが、特にこの場合に限つては、八割に達しないことになる金額の範囲内だけ、即ちその後に再評価を行なつたならば丁度八割になるというところまでは、修正申告書を提出した日を含む事業年度開始の日現在で追加して再評価ができるということであります。この場合にも、修正をして下つた額そのものが追加再評価できるというわけではございませんで、丁度八割に達するに必要な額だけはできるのだというふうに縛つております。
 ところが第二項の場合のように、昭和三十年の、つまり来年の一月一日以後に追加再評価をするというふうな場合には、実は再評価法の限度額がないのです。再評価法には二十八年と二十九年中の限度額が書いてありますけれども、その限度額がございませんから、その八年から九年に変つております。その限度額が下つておりますが、その下つたと同じ方法で三十年度分を自分で作つて、そしてそれに当てはめてやる、それを限度額としてやるという趣旨であります。早く言えば、普通償却範囲額だけが二十九年度よりも下るのである、こういう意味でありまして、特別償却等は一切除くという意味をこの括弧内で長々と述べておるわけでございます。全部除外しておるわけであります。
 それから第三項の規定と言いますのは、八割になるとかならないとかと言いましても、それは同じ一定の再評価日で本来ならば計算しなければならない問題でありますが、併しこの場合に限りましては違つた日で、つまりすでに再評価をやつた再評価日の計算のほかに、計算と言いますか、修正後の再評価後簿価総額と申しますのは再評価日のことを言うわけであります。ところが追加再評価を行なつたのはそれから時間がたつてから別の機会にやつておりますから、そのときに追加再評価によつて生じた差額、それをその修正後の再評価簿価総額に加えてみた場合に、それが再評価日における限度額の合計額の八割に達しておれば合格とみなすという趣旨の規定であります。
 四項の規定は、この修正の場合というのは、これは申告者のほうからみずから申出て修正する場合である、更正は官の側から更正する場合であります。そういう更正があつた場合におきましても準用するのである。こういう趣旨であります。
#112
○小林政夫君 第一項の一番最後の第六条第四項をこの場合において準用する、それは陳腐化資産の過大評価を許す、こういうふうに更正決定に達しなくなつて、足らずまいについて陳腐化資産をふくらますことができる、こういう意味に解すべきですか。こういう準用というのは非常にあいまいなんですね、実際において。
#113
○説明員(高橋俊英君) これは最低再評価限度額に達しないという意味ですが、もともとこれが最低八割という線そのものではなくて、陳腐化等によつて取り崩しが承認されたものである、そこまで再評価をしておつたというふうな場合に、更に修正を行なつた。ところが何かで誤りがあつたため、修正をしたらそれを更に割つた。こういうふうな場合がございます。それで、これを又、元へ戻すというふうな必要がある場合に、やはり陳腐化等の規定を準用することにしておきませんと、その前の額を割つたというだけで直ちに最低限度までやらなかつたとみなされるということになることもあるでしようから、そこで、達しないこととなる金額の範囲内において追加再評価はできるのであるが、その部分丸々できない場合がある。即ち、修正で落ちた場合に全部カバーできない場合があるでしようから、必要な、適正だと思われるところまでやればいい、一旦は過大評価をするのだけれども、その場合でも、陳腐化になる取り崩しをするとか、或いはその前の過大評価をして一応合格の線にしておく。なお私も最低再評価限度額というのを陳腐化等を含めた意味に申しましたが、丁度八割であつた場合というふうに訂正いたします。前の線が丁度八割であつた場合に、それが修正によつて満たなくなつた、ところが本来は再評価を追加する余地は全然ないという場合でも、一旦八割までは追加再評価をしまして、而してその分だけ又減額する。こういう措置になつております。
#114
○小林政夫君 だから、この第六条の第四項を準用するというのは、あなたの今の説明ではちよつとはつきりしないのだが、もつと端的に……。
#115
○説明員(高橋俊英君) 修正しますと、八割が例えば七割五分に落ちた、実施額が七割五分になる。ところが八割までやつおつたのがそもそも過大評価であつて、七割五分が適正だという場合がある。七割五分しかやれない、或いは七割八分まではいいけれども、陳腐化の関係で八割はできないという場合がございましよう。その場合は、一旦は八割に達するまでは再評価をやらなければいかん、そうしてやはり申請を同時に出しまして、それを七割五分なり或いは七割八分に落すという手続をする。こういうのであります。
#116
○土田國太郎君 僕らがお聞きしようというのは逆なんですけれども、この会社が、財産の半分というとわかりがいいでしようが、五割だけ一〇〇%やつた、あとに残つておりますね、これをこの法律によつてしなくちやならんわけですね。やろうというときに八〇にするために、あとに残つたものを六〇に評価して、そうして前の部分は一〇〇になつておるから平均して八〇に持つて行くということはよろしいわけですか。
#117
○説明員(高橋俊英君) それはおつしやる通りで結構だと思います。ですから、半分を資産の限度一ぱいに再評価しておりますれば、残り半分は六割まで再評価すれば丁度平均で八割になります。
#118
○土田國太郎君 それから今あなたの御説明になつた七割五分しかどうしてもできないものを八〇までやる。そうしてそれから審議会というものが地方へできるのですか、局か税務署に……。そこで審査して引いてくれる、こつちの要望を容れてくれるということになるのですか。どういうことになるのですか。
#119
○説明員(高橋俊英君) 後にも出て参りまするが、再評価調査会に付議いたします。それで拒絶をする。承認をしないという場合だけはそうする。承認をする場合には調査会にかけません。
#120
○土田國太郎君 それは税務署でやるわけですか。
#121
○説明員(高橋俊英君) それは税務署なり国税局がそのまま鵜呑にするときにはかけません。
#122
○小林政夫君 これは法制局に聞きたいのですが、こういう今の第六条第四項は、この場合については準用をするということで、まああなたの今説明したことは僕もその通りに了解しておつたのですが、果して法文上的確ですかね。非常に予定されている事柄は違うのですよ。違うというか、前文的な大分枕言葉は違うのですね。前のほうの言葉は。今度の場合は、更正決定で再評価限度額に簿価総額が足りないということ。前の場合は初めから足らない、それをその足らない限度において補う。今度は更正決定の結果、穴がある。その際に前のことを準用する。こういうのだけれども……。狙つておることはわかりますよ。あなたの説明の通りだと思うけれども、まあそういうふうに了解できればそれでいいのだが。
#123
○説明員(高橋俊英君) それは私は同じことだと思います。前の場合でも修正の場合でも、例えば限度額そのものの計算が間違つておる場合があります。一品ごとに或る品物のその限度額を超えて再評価しておりますると、それは自分で気が付けば修正する、又、官の側でそれを気が付けば削るわけであります、限度額まで。いずれの場合でもそれによつて再評価の実施額が全体として落ちるわけであります。だから原因が自動的であるか他動的であるかということだけでありまして、趣旨としては、やつぱり同じことだと思いますし、ここにある法文の体裁といたしましてもこれで私は読めるのだと思います。「前三項の規定は、第三十七条第一項」と申しますのは、限度額の更正等の条文でございます。後に三十七条第一項にこういうものを更正するという規定がございますが、それをただ分けて来ているだけでございまして、修正と更正とは実体は同じような場合が多いんじやないかと思います。
#124
○土田國太郎君 現在第三次再評価をもうすでにやつた会社が、再評価のうちでこれは高いなということをあとで発見した場合、それは税務署へ申請すれば更正は可能であり、又税金を直してくれることになるのですか。一般の再評価の場合ですよ。
#125
○説明員(高橋俊英君) その足らなかつた場合にそれを増してくれるかという御質問ですか。それともやり過ぎて……。
#126
○土田國太郎君 いや、やり過ぎて実際の時価と追つつかないものができて来たということを発見した場合には、税務署に申請すれば税務署長はそれを修正してくれるかどうか。
#127
○説明員(高橋俊英君) まだもう一回今年中に前の再評価法の規定によりまして当然やる機会がある場合には、それでおやり願うわけです。この追加再評価を行うという規定は、もうチヤンスがなくなつてしまつた、法律で認められた機会がないという場合に特に当てはまる規定なんです。ですから、昨年一回やりまして自分では八割だと思つておつた、ところがよく調べてみたら八割になつていないという場合には、今年になつてもう一回おやりになればいい。やる機会が二回あるわけであります。昨年やつた資産が同じ資産であろうが違う資産であろうが、今年になつてもう一回やる機会はあるわけです。ところが今年やり得る最後の機会を逃してしまつたという場合、その場合になつて、あとから、これは限度額に達していない、税務署から更生された或いは自分で気がついて計算してみたら下廻つてしまつたという場合には、修正申告を出して、同時に併せてこの追加再評価の申告をすればいいわけです。
#128
○土田國太郎君 私のはあなたの今の御説明のことと逆の話なんです。実際八〇しかないものを一〇〇と申告してしまつた、それで実際に調べてみたら八〇しかないものなんだ。申告は一〇〇になつておる。これを税務署へ申請すれば八〇に直してくれるかどうか。そういう問いなんです。
#129
○説明員(高橋俊英君) それは修正申告を出して直せますけれども、六カ月以内でないと修正申告はできない。六カ月以内にやることになつております。これは再評価法の規定を準用しておりますので、そうなつておりますので、若しそれを経過しておりました場合には、まあ話をされて、本当に無理なものであれば税務署のほうから更正してもらえばいいわけです。
#130
○委員長(大矢半次郎君) 第十一条に移ります。
#131
○説明員(高橋俊英君) 第十一条、前条第一項の規定により追加再評価を行つた要再評価会社は、同条第一項に規定する修正申告書の提出に際し追加再評価に係る再評価差額の合計額及び同条第一項の規定により追加再評価を行うことができる範囲額その他大蔵省令で定める事項を記載した申告書を所轄税務署長に提出しなければならない。
 第二項、前項の規定により提出する申告書には、追加再評価を行つた要再評価資産の再評価額、再評価限度額及び当該追加再評価に係る再評価に係る再評価差額並びにこれらの額の算出に関し必要な事項を記載した明細書を添附しなければならない。
 第三項、再評価法第四十五条第三項、第四十九条及び第五十条の規定は、第一項の申告書について準用する。
 これは、前条によりまして追加再評価を行つた場合の申告書及びそれに添附いたします明細書の規定でございますが、注意を要するのはただ一点だけでございまして、修正の場合に追加再評価をするときには、修正申告書を出すのと同時に、追加再評価の申告をしなきやならんということでございまして、これに対しまして、更正によりまして追加再評価を行う場合には、税務署或いは国税局のほうから更正通知があつた日から二カ月以内に申告書を提出する。それだけの違いでございます。これは修正申告の場合には、自分でその誤りなり何なりは、はつきりわかつておるわけでございますが、更正は更正の通知があつて初めてわかるわけでありまして、それから自分でも計算をし直して再評価をする、それだけの時間的余裕をおく必要があるということでございます。
#132
○委員長(大矢半次郎君) では第十二条に移ります。
#133
○説明員(高橋俊英君) 第十二条、「第七条の規定により第六条第一項の規定による再評価を行つたものとみなされる要再評価会社は、その再評価を行つたものとみなされる日を含む事業年度終了の日から二月以内に、当該再評価を行つたものとみなされる日において当該会社が有する要再評価資産の同日における帳簿価額の合計額及び最低再評価限度額その他大蔵省令で定める事項を記載した申告書を所轄税務署長に提出しなければならない。」
 第二項「前項の申告書には、要再評価資産の帳簿価額、再評価限度額及びその算出に関し必要な事項を記載した明細書を添附しなければならない。」
 第三項「第一項に規定する要再評価会社が同項の申告書をその提出期限までに提出しなかつた場合においては、第七条の規定にかかわらず、第十六条から第十八条まで、第三章、第三十五条、第四十条及び第四十八条の規定の適用については、第六条第一項の規定による再評価を行わなかつたものとみなす。」
 第四項「再評価法第四十五条第三項、第四十八条及び第四十九条の規定は、第一項の申告書について準用する。」
 第五項「第十条第一項から第三項まで及び前条の規定は、第一項の規定により提出した申告書に記載した帳簿価額の合計額又は最低再評価限度額の計算に誤がある場合において、前項において準用する再評価法第四十八条の規定により修正申告書を提出してこれらの額を修正したこと又はこれらの額について更正があつたことに因り、当該修正又は更正後の帳簿価額の合計額が最低再評価限度額に達しないこととなるときについて準用する。この場合において、第十条第一項中「当該修正申告書を提出した日」とあるのは「修正申告書を提出した日又は更正の通知があつた日」と、前条第一項中「(同条第四項において準用する場合を含む。)」とあるのは「(第十二条第五項において準用する場合を含む。)」と、「同条第四項において準用する同条第一項」とあるのは「第十二条第五項において準用する第十条第一項」と読み替えるものとする。」
 これは第七条の規定によりまして、全然再評価を行わなくとも、最低限度までの再評価を行つたものとみなされる要再評価会社があるわけでございますが、その会社の申告でございまして、これは、その再評価を行なつたものとみなされる日、その日を含む事業年度が終つてから二カ月以内ということになつておりまするが、若しもその事業年度終了の日が今年の五月末日前であるときには、その申告をするのは今年の七月末まででよろしいと、こういう意味でございます。申告書の内容については格別申上げることもございません。
 第二項は明細書に関する規定でございます。
 それから第三項の点でございますが、申告書を提出期限までに出さないと、折角みなされることになつたにもかかわらず、これは行わなかつたものとみなすということになつております。ですが、実際にこの規定によつて失格するというのは、再評価を行い得る最終の事業年度におきまして、この申告書を提出しなかつた。その最終の事業年度が過ぎてもなお二カ月以内に申告書を出さなかつた場合にだけ、こういう規定がこのまま当てはまるわけでございます。それ以前でございましたら、再評価をやつてないので、而も申告をしていないのでございますから、その提出期限が過ぎましても、次の事業年度になつて気がついてそれを出してもよろしいわけであります。実際にこういうふうになるのは、一番終りの機会にもなお且つ提出しなかつたという場合に失格会社として扱われると、こういうことになると思います。
 第四項も再評価法の規定の準用でございまして、大したことはございません。
 第五項は、このみなされる会社の場合にも追加再評価を行い得る場合の規定は準用するという意味でございます。修正又は更正等によりまして、再評価最低限度額に達しておるものと考えておつた、或いは申告書をすでに出しておつた場合に、後になつてその誤りがあつたので、そのために八割に達しないというような場合について追加されることの規定を準用するということを現わしたわけでございまして、いろいろ読み替え規定でございまして、複雑でございますけれども、内容的にはそれだけのことでございます。
#134
○委員長(大矢半次郎君) 第十三条に移ります。
#135
○説明員(高橋俊英君) 第十三条「要再評価会社について施行日の翌日から昭和二十九年十二月三十一日までに破産手続、和議手続、会社の整理手続若しくは会社の更生手続の開始決定がされた場合又は要再評価会社が解散した場合その他政令で定める場合においては、これらの場合に該当することとなつた日以後は、第六条第一項、第十七条、第十八条、第三十五条、第三十六条及び第四十条の規定は、その該当することとなつた会社については、適用しない。」
 第二項「前項に規定する場合に該当することとなつた要再評価会社は、同項の規定に該当するに至つたこと及びその理由その他大蔵省令で定める事項を記載した申告書をその該当するに至つた日から一月以内に、所轄税務署長を経由して、所轄国税局長に提出しなければならない。」
 第三項「再評価法第四十五条第三項及び第四十九条の規定は、前項の申告書の提出について準用する。」
 これは前に要再評価会社の定義のところで除きました正常な経済活動を行なつておらないと認められる場合と内容的には同じようなものでございまするが、その破産等の手続が開始されたのが、施行日現在にはまだそういう状態でなくて、施行日の翌日から再評価を行い得る日までにそういう状態になつたという場合でございまして、この場合と前の除く場合と違つております点は、政令で定める場合というのがありまするが、これは実際には、休業に入つた場合に、どの程度の休業をしたならば除くかということを規定するつもりでございまして、前の場合には、すでに現に休業中でございますからして書き易かつたわけですが、今度の場合にはこれから先に休業する場合でございますから、それを政令に譲つておるわけでございます。
 第二項はその申告の規定でございますから、あえて御説明を要しないと思います。
#136
○小林政夫君 解散後継続する場合を除いたというのは……。
#137
○説明員(高橋俊英君) 解散後また継続する場合がある。解散して清算に入つて、清算を結了して、なくなつてしまうのじやなくて、会社が再び存続する、継続するという、つまり普通の解散のように消えてなくなるという場合でなくて、事業を又継続する場合がある。そういう場合を除くという意味であります。商法第四百六条の規定による場合でございます。ちよつと読んで見ますと「会社が存立時期ノ満了其ノ他定款ニ定メタル事由ノ発生又ハ株主総会ノ決議ニ因リテ解散シタル場合ニ於テハ第三百四十三条ニ定ムル決議ニ依リテ会社ヲ継続スルコトヲ得、」継続決議とこれを称しておりますが、一旦解散した会社が早く言えば解散でなくなるわけです。解散が解散でなくなるというわけであります。追加して御説明しますが、普通にやつて行けなくなつて解散してしまつた場合には、余り、そう多くこういう例はございません。併し会社の存立について期間満了の定めがあるというような場合に実益がある、実際には、だから解散する定めにるなつておるけれども、解散でなしに一旦解散になつて直ちに継続決議をする、こういう場合でございます。
#138
○小林政夫君 それは商法の規定をよく知らんけれども、そういうふうな場合は事前に一応解散の形をして存続決議をしなければならんのか、その商法の規定はどうなんです。
#139
○説明員(高橋俊英君) 期間満了前に定款その他その期間を定めておるものを直してしまえば、それは期間の満了しないことになりますから解散じやありません。一たん解散に入つて、そしてまたもう一遍継続決議をする、こういうことだと思います。そのほか実際に解散になつて、何らかの要因で解散はしたが、直ちに又事業の見通し等がついて、解散でなく存続の決議をするという場合も、事例があるということも私は聞いてはおります。
#140
○委員長(大矢半次郎君) 第十四条に移ります。
#141
○説明員(高橋俊英君) 第十四条「法人が施行日後昭和二十九年十二月三十一日以前に合併した場合において、合併法人又は被合併法人が要再評価会社であるときは、合併法人は、左の各号の一に該当するときを除く外、合併の日又は同日後同年中に開始する事業年度開始の日のいずれか一の日現在において、要再評価資産について第六条第一項の規定による再評価を行わなければならない。
 一、「合併に因り会社が設立された場合において、被合併法人のいずれもが再評価実施会社であるとき、又は被合併法人の一方が再評価実施会社であり、且つ、他方が要再評価会社以外の法人であるとき。」
 二、「合併をする法人の一方が合併後存続する場合において、合併前において合併法人が再評価実施会社であり、且つ、被合併法人が再評価実施会社であり、又は要再評価会社以外の法人であるとき。」
 第二項「前項の規定により第六条第一項の規定による再評価を行わなければならない合併法人に対する同条から第八条まで及び第十条から前条までの規定の適用について必要な事項は、政令で定める。」
 これは再評価をこの法律によつてしなければならない会社が施行日後になりましてから合併をした場合でございます。そういう場合にも、原則としては、第六条第一項の規定によるところの最低限度以上の再評価をしなきやならんのだ。併しここに一号、二号に掲げておりまする場合においては再評価を改めてする必要はない、強制はいたしませんと、こういう規定でございます。
 先ずこれに入るに先立ちまして、施行日前のものはどうするかという問題がありまするが、施行日前でございますると、これはこの法律の強制を免れるような目的で特にするということはないわけでございます。合併をこの法律による強制を免れるためにやるというふうなことは考えられないわけであります。問題となるのは、この施行日後になりまして合併をした、そうすると、合併して新らしい会社をつくる場合もありますれば、又吸収合併によつて一方が存続する場合もございまするが、それらの場合において一体強制はどうするかという疑念が当然起るわけであります。この対象会社は、この法律施行日現在で現に存する会社ということになつておりまするから、特に、新設合併等のごときはこれは新らしい会社をつくることになりますが、新らしい会社であつても、要再評価会社が合併してつくつた会社であれば、原則としては強制の規定の適用を受けるのである。併しこの一号にありまする場合は、これは新設合併の場合でございまするし、二号にありますのは吸収合併の場合でございまするが、いずれにいたしましても、趣旨としては、合併をした要再評価会社が両方ともすでに実施しておるという場合、当然これは強制の対象にはなりません。つまり実施しておると申しますのは、八割までの再評価をすでにやつておれば改めて強制はしない。これは当然であると思いますが、一方が実施しておつて他方が実施してないというふうな場合、そういう場合どうかという問題ですが、この新設合併の場合におきましては、これは両方の会社が一たん消えて新らしい会社ができるわけですが、一方が実施しておりまして他方が強制の対象とならない会社であつたという場合におきましては、この実施しておつた会社の実績を見まして、それで差支えない。差支えないと申しますのは、いわゆる再評価を強制しない。こういうふうにいたしませんと、合併をするというには何らかの事由がございまするが、要再評価会社でない、つまり例えば資本金三千万円未満の会社を合併したような場合に、それらの会社が十分な再評価を行なつていないときには、うつかり合併ができないということになる。下手に合併をすると、その後、再評価を行なつてないものとみなされて、或いは非常に負担が殖えるわけですね。そこで非常に、まあ再評価をやつてないくらいですから、相当業績が悪いという場合があるのです。それらのものを合併したことによつて非常な負担を負わにやあならん。従つて合併そのものを阻害するということになる。今後相当不況といいますかデフレ的な効果が出て参ります際に、やはり潰れかかつた会社が合併するという場合がございましようが、一方は確かに十分な再評価をしておるという優良会社が、再評価の対象になつている会社は別でございますが、対象にならない会社を合併した場合、その会社の分までもう一遍完全な再評価をやれと言われることになると二の足を踏む。非常に業績の悪い会社を合併してやるのに、それを再評価のほうまで強制されるということになつたのでは、ちよつと困つたというので、時期を延ばそうじやないかということになるといかんと、そういう考慮もございますので、片方が再評価を強制されない会社である場合におきましては、一方がもうすでに実施しておる限りは改めて強制をしないという趣旨でございます。
 それから二号のほうの吸収合併の場合も、思想は似たようなことになりまするが、両方とも実施する場合は、先ほど申したように問題はない。ところが合併をしたほうが再評価実施会社である、先ずこれが一つの要件でございます。合併をした側が、吸収したほうが、再評価をすでに完全に実施しておる、勿論これは要再評価会社であつて、且つ実施しているということでございますが、他方、合併をせられたほう、吸収されたほうの法人が、これも実施しておれば問題ありませんが、そうでなくて、今度は要再評価会社以外の法人である、つまり三千万未満の会社であつたというような例でございますが、その場合には、その吸収合併された会社が、最低限度以上の再評価をしているとかしてないとかいうのに関係なしに、もうすでに存続しておるところの合併法人は、有資格会社として扱うのである。つまり配当制限やその他の制限をやりません。再評価を改めてやらなくても失格とみなさないと、こういうことです。
 第二項の点でございますが、ここにある意味は、これらの第一項によりまして、改めて再評価をしなければならない合併法人に対するところの必要な事項、合併法人につきまして、すでに実施をしておつた場合、実施済みであつた場合とか、再評価をしなくても再評価したものとみなされる場合、或いは申告追加再評価、そういうことについて必要な事項を政令で定めるというのであります。合併に関する条文はなかなか複雑でございまして、その割合にはそう多くの事例があるわけでございませんから、法律を簡単にするためにこの程度に規定したわけでございます。
#142
○小林政夫君 先ず第一項ですが、あなたの今の御説明だと、合併をすることによつて強制再評価を免れる虞れがあるので、そういう規定を入れたという意味で、成るほど新設合併の場合には、そういう事例があつたでしようけれども、吸収合併の場合には、そういう合併によつて強制再評価を免れるということはないのじやないですか。
#143
○説明員(高橋俊英君) 吸収されるほうの法人が、合併をしない前には要再評価会社であつた、そういう場合に、存続するほうは再評価をやつておる。吸収されたほうはやつていない。これは両者が合併によつて資産としては一緒になるわけですから、平均としては八割よりは大分下廻るという場合がある。こういう場合には再評価を強制すべきではないか。ただ吸収された側が強制されない会社である場合には、これは仕方がない。勿論、強制されないというのは、資本金等におきましても非常に小さい会社を意味するわけでございます。それを合併したことによつて、改めてその存続法人が再評価を強制されるというのは果してどうであろうか。そこまでは追及しないほうがいいのじやなかろうかということを考えておるのであります。
#144
○小林政夫君 それはまあそれで、十体趣旨はわかつたのですが、その趣旨を敷衍すれば、あなたが今説明された二号の関係を除外するというのは、まあ少し公平という点で、本来の再評価を強制するという趣旨から言えば、少し外れるのですね。まあ説明を聞いていると、どうも成るべく合併を奨励する趣旨を持つておられるようだが、企業単位を大きくすることによつて企業力をつけよう。とにかく再評価もできないようなものを加えたところで、企業力は殖えない。むしろうんと安く、合併条件を悪くしさえすれば、そういうことは免れるわけですね。合併の条件によつてどうにもなるので、特にこの法律によつて要再評価会社以外の法人を合併する場合におきまして加えないという趣旨と、第一項の本文の趣旨と少し矛盾しやしないですか。
#145
○説明員(高橋俊英君) 私どもとしては、三千万円未満の会社でありましても、全部十分な再評価をすることを希望するわけでありますけれども、今回これを、事務の便宜といいますか、実質を狙いまして、日本の経済のうちの主たる部分を占めるものと思われる大会社だけを対象にして、そういう精神か申しますと、たまたま小さい会社が、大きな会社へ、而もそれは八割までやつておるという会社に合併された途端に、もう一遍再評価をやり直さなければならんという制約を加えるのは、却つて強制の建前からいつて、少しおかしいのではないかという感じもするのです。片方は強制されておらない小さい会社です。それを十分にやることは結構ですが、もう一遍それをやらないと、増資の場合の配当の損金算入は認めない、配当制限をするぞということになるのは、少し厳し過ぎるのではないか。そう思つたわけです。別に合併を奨励するという意味ではありませんが、それに対して障害になるということもあるので困るという意味です。
#146
○小林政夫君 それから一項本文の中の括弧内に、(被合併法人が有していた要再評価資産で合併法人が合併に因り取得したものを含む。)これを事新らしく書かなければならんのですか。当り前のことではないですか。
#147
○説明員(高橋俊英君) これはやはり合併というのは、新設合併の場合でしたら、明らかに新らしい人格になるわけですが、法施行日後に作られた会社ですから、この場合は、はつきり断わる必要がある。要再評価資産というものは、昭和二十八年一月一日現在の資産ではないわけです。その会社が今後設立されたときに取得された資産、併しそれは前から引続いて来ているのですから、実質は変りないというので、これを押えたのです。吸収合併であるから、その存続する会社に吸収された側の資産を取得する形になる。合併の日において取得するということになる。この法施行日後に取得した資産というものは、黙つて放つとけば、要再評価資産から外れてしまう。要再評価資産とは、飽くまで基準日が昭和二十八年一月一日でなければならん。そのほか再評価法には基準日の特例資産がございますけれども、ここにおいて改めて要再評価資産というものは、こういうものを含むのだということを断わつておかないと、それは逃れてしまうということになるのです。
#148
○小林政夫君 税法の場合もこういう規定がありますか。これに類する合併の場合の償却資産について……。
#149
○説明員(白石正雄君) この法案についてでございますか。
#150
○小林政夫君 この法案じやない。合併会社の償却資産について、これは耐用年数の関係がありますから、そのときに本来の取得の時期を取得の時期とする、こういうことでないと償却がうまく行かないのではないか……。
#151
○委員長(大矢半次郎君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#152
○委員長(大矢半次郎君) 速記を始めて。
#153
○小林政夫君 第二項の合併の際には、一体、合併の場合の特別の場合を予想して政令で定める、これはどうも余りないように思いますが、どうなんですか。
#154
○説明員(高橋俊英君) 第二項は、第一項の一号、二号で除かれてないほうですね。再評価を強制されるものに該当はするのであるが、すでに両方通算してみたら、再評価はしないけれども限度額に達しておる、最低限度額に達しておるという場合であれば、殊に「同条第三項を除く」とございます。これは実施済みの場合ですから、それ以外の場合ですから、例えばみなす再評価、みなされる場合、そういうものが該当する場合に、おのおの合併した場合に、事業年度も違うこともございますし、極く単純に両方通算してどうこうといえない場合があるのじやないか。これについて、もうすでに或る程度あれがございますけれども、いろいろ字句の読み替えが非常に多いのであります。ですから、話をすれば非常に簡単なことでございますが、これらの条文がそのままそつくり当てはまるわけではございませんので、いろいろ字句を読み替えたりして、これらをその通り適用するのである。精神においては変りないのだ。こういうことなんでございます。
#155
○小林政夫君 だから、そうここに非常にシーリアスに考えてやつておるが、前の十条の第一項の、第六条第四項を準用するという場合においても、ここで政令云々ということであるなら、或る程度政令が要るのじやないか。適用と準用という言葉の違いもありましようが、適用だから政令で厳格に行く……そのまま適用ということを、言葉の不正確さから、ただ内容として読むという場合には、十分これで政令でなくても読めるんですがね。
#156
○説明員(高橋俊英君) 併し第十条の四項の場合に読み替え規定を作つておる。
#157
○小林政夫君 一項です。第六条第四項をこの場合において準用する、準用と適用と違うかも知れないがね、余り実体に関係のないことだからいいでしよう。
#158
○委員長(大矢半次郎君) 次に第十五条に移ります。
#159
○説明員(高橋俊英君) では朗読いたします。
 第十五条「第六条第四項の規定により陳腐化資産等限度額をこえて再評価を行つた陳腐化資産等については、当該資産の再評価額と陳腐化資産等限度額との差額に相当する額をこえて帳簿価額の減額をすることができない。但し、当該資産について再評価を行つた日後生じた事由に因り当該減額をする場合においては、この限りでない。」
 第二項「前項に規定する資産について同項に規定する差額に相当する金額の範囲内で帳簿価額の減額をしようとする会社は、当該減額について大蔵大臣の承認を受けなければならない。」
 第三項「前項の承認を受けようとする会社は、第八条第一項又は第十一条第一項に規定する申告書を提出すると同時に、陳腐化資産等について帳簿価額の減額をしようとする額、当該減額をしようとする資産の再評価額、陳腐化資産等限度額及びこれらの額の算出に関し必要な事項その他大蔵省令で定める事項を記載した申請書を、所轄税務署長を経由して、大蔵大臣に提出しなければならない。」
 第四項「前項の規定による申請書の提出があつた場合において、左の各号の一に当該するときは、大蔵大臣は、その申請に係る帳簿価額の減額の全部又は一部を承認しないことができる。
 一 当該申請書を提出した会社が当該申請書の提出と同時に提出した第八条又は第十一条に規定する申告書又は明細書に記載した事項に誤があることに因り第六条第四項の規定により再評価を行うことができないものと認められるとき。
 二 当該申請書に記載された事項に誤があるとき。
 三 当該申請書に記載された帳簿価額の減額の額が第二項に規定する範囲をこえているとき。」
 第五項「大蔵大臣は、前項の規定により帳簿価額の減額の全部又は一部を承認しない決定をしようとするときは、政令で定めるところにより、全国資産再評価調査会又は地方資産再評価調査会に諮問しなければならない。」
 第六項「大蔵大臣は、第四項の規定による申請に係る帳簿価額の減額の全部を承認する決定をしたときは、その旨、一部を承認する決定又はその全部を承認しない決定をしたときは、その旨及び理由を当該申請をした会社に通知しなければならない。」
 第七項「第三項に規定する申請書の提出があつた場合において、当該申請書の提出があつた日から一年を経過した日までに大蔵大臣が前項の通知を発しないときは、当該申請に係る減額の全部の承認があつたものとみなす。」
 第八項「陳腐化資産等について第一項又は算二項の規定に違反してその帳簿価額の減額を行つた場合においては、当該減額を行つた会社は、第六条第四項の規定による再評価を行つた日にさかのぼつて同条第一項の規定による再評価を行わなかつたものとみなす。」
 これが陳腐化資産等に関する取扱いでございますが、先ほど過大評価を一旦すると申上げましたが、それを今度は減額する場合の規定でございます。
 第一項におきましては、再評価額は、当然にこの場合、陳腐化の限度額を上廻わつておるわけです。過大評価でございますから……。そうしてその差額の分だけ減額をすればいいことになりまして、これがここに規定されておりますところによれば、その差額に相当する額をこえて帳簿価額の減額をすることができないという規定になつておりまして、多少この規定の仕方に問題があろうかと思いまするが、まあ理論的には再評価額が陳腐化等の限度額をこえているわけでございますから、その限度額までむしろ減額をしなければ辻褄が合わないわけでございます。必ず減額を申請すべきであるということになりまするが、この陳腐化限度というものがなかなかちよつと得体の知れないものでございまして、はつきり初めからきまつていないのです。いろいろな考え方がございましたけれども、結局ここに、超えて減額をしてはいかんというような、ちよつとこう腑に落ちない規定になつておりますが、趣旨は、どこにその陳腐化の限度額が来るかわかりませんけれども、とにかくそれと再評価額との差額を減額するのである、こういうふうに御了解を願いたいと思います。
 それから二項の規定は、それを減額をするについては必ず大蔵大臣の承認を受けなければならん。
 三項へ行きまして、その減額をする申請書を提出しなければいかんが、それは再評価の申告書と同時に提出するのである。その申請書には、減額しようとする資産の再評価額、これは再評価の実施額のことであります。この実施額を書き、且つ陳腐化資産の限度額を書き、それらをどういうふうな認定をしたか、どういう算出方法をとつたかというふうなことについて必要な事項を書いて出すのだ、こういうことでございます。
 次に四項におきましては、それに対して承認をしない場合、それを挙げておるわけでございますが、全部又は一部を承認しないことができるということになつて、それは先ず第一には、非常にわかりにくい規定で申訳ないのですが、この趣旨は、他の資産について十分な再評価を行なつておらない、従つて十分な再評価を行なつていないために、最低限度であるところの八割に達しない額が計算上大きく出て参ります。その大きくみずから計算した不足額だけ過大評価をした、こういうふうなことになるわけでありまするが、それは陳腐化の過大評価を認められた範囲をこえてやつておるというふうなことに結果的になるわけです。そういうことを「記載した事項に誤まりがあることに因り」ということになつておりまして、これはあたかも書き違いであるというふうに読まれるのでございますが、大体そういう趣旨ではないのでございまして、認識の誤りであるというふうに考えて頂きたい。ほかの資産については皆一〇〇%まで行けない。これも八〇、皆八〇だというふうにやつて、陳腐化のものはこれはもう四〇である。こういうふうに判定をしてやつて来ると、その不足額が非常に大きく出て来るわけであります。ところがその本人が、当該会社が、八〇だと思つた資産は実は一〇〇%までやるべき資産であつた。だからそうやつてやり直して見ますると、不足額は幾らも出て来ない。然るに大きな不足額が出て過大評価をたくさんに持込んで来た。これは誤りであろうというふうな趣旨であります。そういう場合には減額を承認しないという趣旨でございます。二号は、申請書に記載された事項に誤りがある。或いはこれは申請書のほうは、前に申しましたように、減額をしようとする資産の再評価額、陳腐化資産限度額というようなふうに書いてありますが、例えば陳腐化資産の限度額そのものが間違つておる。他の資産についての間違いではなくて陳腐化資産そのものの認定が間違つておる。こういうふうな場合でございます。それから三号のほうは、減額をしようとする額は必ず再評価額と陳腐化の限度額の差額をこえてはならんという規定がございましたが、その範囲をこえて書いてある。減額しようとする額がそれよりも大きいというふうな場合でございます。
 次に五項でございますが、これは、拒絶をする、承認しないという決定をしようとする場合だけ資産再評価調査会に諮問すると、こういうふうにいたしましたのは、鵜呑みにする場合について、すべての案件について全部これらの調査会にかけるということは、余りにも煩雑で、実際的ではない。申出でをした会社と官側との見解が全く一致する場合には、敢えて諮問しなくてもいいではないか。却下する場合に限つて諮問をすることにしたいということであります。
 六項は、ただこれらの承認又は非承認の通知をする。承認しないというふうなときにはどういう理由で承認しないかということを通知をするという規定でございます。
 第七項は自動承認制でございまして、この申請書と同時に提出するわけでございまするが、その日から一年たつても、なおその返事が来ないという場合には、これはもう自動的に承認があつたものとみなそう、そういうふうにまあ申請をした側の便宜を考えまして、いつまでもこういうものが不確定の状態におかれるということは、会社経理上非常なマイナスであるというところから、一年という最長期限をおいたわけでございます。これによつて国税庁関係の仕事も、成るべくならば半年くらいで、せいぜい一年の事業年度にまたがらないくらいで片付けたいのでございますけれども、実際問題としてそうばかり行かない面があり、さればといつて会社側の利便ということも考えなければならんということで、最長一年ということにしたわけでございます。
 八項は、これらの規定に違反いたしまして勝手に帳簿価額の減額をしたか、或いはその減額の範囲がこれらの規定に定めておるところをこえておつたというふうな場合には、再評価を行つた日に遡つて法に定めておるところの最低限度の再評価はやらなかつたものとみなすというふうにいたしまして、再評価法に違反したということに扱うのであります。
#160
○小林政夫君 全国資産再評価調査会の構成はどういうふうになつておりますか。
#161
○説明員(高橋俊英君) 実際のメンバーでございましようか。
#162
○小林政夫君 いや、どういう類いの人を……。
#163
○説明員(高橋俊英君) 構成といたしましては、再評価法の九十五条に書いてあるものもございますが、関係行政機関又は地方公共団体の職員、それと学識又は経験のある者及び産業界を代表する者のうちから、それぞれ大蔵大臣か或いは国税庁長官又は国税局長が任命する。但し産業界を代表する者のうちから任命される委員につきましては、それぞれ全国資産再評価調査会又は地方資産再評価調査会の委員の総数の二分の一未満でなければならない。半分未満だけが産業界を代表するもので、その他の者は学識経験者、関係行政機関の職員と、こういうふうになつておるわけでございます。
#164
○小林政夫君 関係行政機関というのはどういうものですか。全国と地方に分けて。
#165
○説明員(高橋俊英君) 中央の場合ですと、いわゆる産業界に関係のある行政官庁ですね、そこの次官だと私は思いますが、例えば通産、農林、それから……。
#166
○小林政夫君 あとで現在のメンバーを出して下さい。
#167
○説明員(高橋俊英君) 現在のメンバーを提出いたします。
#168
○小林政夫君 今あるのでしよう。任命しているのでしよう。
#169
○説明員(高橋俊英君) あります。
#170
○小林政夫君 今あなたの話は遠慮して言われておつたけれども、第七項の一年ですね、こいつは長過ぎると思うですよ。我々実業人のほうから見ると、最長六カ月だね。一事業年度をこえてやられるのでは困るね。
#171
○説明員(高橋俊英君) これは勿論御趣旨御尤もと存じます。私どもとしましてもせいぜい六カ月ということを、いろいろこれをきめます場合には希望はして見たのですけれども、実情を聞いてみますと、これを六カ月に縛られたのでは殆んど鵜呑みしかないだろうというふうなことなんであります。全部が全部六カ月ということで縛られたのでは、どのくらい実際陳腐化等の申請が出て来るか、まだ見当がつかないのであります。大よその目途としまして、まあ会社数から言つて一割かせいぜい一割ちよつとこえる程度ではないかと思うのでございますけれども、実際に出て来た場合に、而もこういう手続きをやるのが千数百社だけでなしに、数十万の法人或いは個人について全部この調べをするわけでありますから、本来、税務署或いは国税局等で審査をするわけでございますが、件数が予想がつかないために、本来の税務行政以外にこういつた余計な仕事をするわけでございますから、まあ会社の不便はよくわかるのでございまするが、一年はどうしても必要である。すべての場合に一年をかけてやるという意味じやございません。六カ月ぐらいでやるのが目途でございますが、自動承認するということにするのには一年という期限が要るわけで、これは国税庁側の事務的な見解でございまして、これに対して私どもが実情がわからないものですから、想像はつきます、非常に大変なものであろう、これが非常に甘くやるのだということになれば、そうなればなるほど、この申請はべら棒に殖えて来やせんか。これを一つの会社についてさえ何万件という件数を見るのに、それが何万という件数が出て来ておるのですから、ちよつと簡単に行かないのじやないだろうか。而もこれは大体一年間ぐらいの間に全部やる……。
#172
○小林政夫君 それはまあ、あなたのほうの、政府のほうの事務的能力の点で、わからんこともないのだけれども、事業会社のほうからいうと実際困るので、まあ原則を六カ月ということにしておいて、非常に、今何ぼ出て来るかわからないのだからちよつとこれは困るというときには、時効判断というか、通知を出して、お前のところは自動承認をしないぞ、承認しないが、その最大限は一年だと、こういう方法もあろうと思うのです。原則として六カ月と切つて、ただ通知を出して、お前のところはちよつと問題があるから待てと、こういう通知を出したところは一年まで延びると、こういう二段構えにしてもらうという方法もあるのじやないかと思います。
#173
○説明員(白石正雄君) 小林委員のおつしやることは尤もだと思いまして、私どももできたら六カ月程度でこれはならないかということを相当検討したわけでございます。御承知のように要再評価会社の問題だけでなしに、減免のほうのすべての会社にも絡みますので、六カ月ではどうしても事務的に非常に困難があり、御承知のように利子税のほうの減免も一応一年まではとるということになつておりますので、その一年間ぐらいの事務的処理は一応御了承願えるものと、あの場合の更正決定と今回の場合の承認とは必ずしも異質ではないと考えるのでありまするが、まあ今の税務署の事務的能力から見まして、一年間ぐらいの御猶予を願えるということを一応考えまして、一年ということにした次第でございますが、実際問題といたしましては、できる限り一つこの点は迅速に運ぶように国税庁をして指導せしめるようにいたしたいというふうに考えております。
#174
○小林政夫君 まあ言われることはよくわかるのですけれども、例えば非常に真面目というか、その減額申請をするのが、あらゆる資産に比べて百分の一だとか、百分の二ぐらいのパーセントですからして、或いはもうことごとく減額償却をしておるというようなものとは区別して、非常に減額申請の割合が多いというようなものは、これはちよつと待てとやつて、一件か二件ということもないでしようが非常に申請している件数が少い、或いは金額が少いというようなものはスムースに運ぶ。そうすると、どれもこれも皆一緒に……今のは一年は最長であつて、片付くものから片付けて行くという趣旨でしようけれども、それがその通りやつておられればいいですけれども、そうでない場合もあるから、一応は六カ月ということにしておいて、今言つたように、これはちよつと問題だというものは、それはよしんば全部に亘つてもしようがないですが、ちよつと待てと、こういう通知を出しておけば一年ぐらいはいい、こうすれば、そう大して、あなたのほうも、手紙を出すとか、これはまあ面倒でしようけれども、或いは持つて行つたときにちよつと窓口で一覧して、これはというので又出直すとか、こういうような方法がとれないものか。これはこの審議の過程においてもうちよつとお互いに研究して見なければならない。
 それから第八項の、これはもう、一つの罰則みたいな規定ですが、これは例えば一件でもこういうことがあつた場合には全部の恩典を剥奪するというのは酷じやないかと思うのです。何億という再評価限度額の中において、例えば一万とか二万とかいうことがあつた場合において、こういうことも想像できるのですね。
#175
○説明員(高橋俊英君) それは何といいますか、反則の程度の認定では、成るほどそういう問題はあると思います。例えば、それは例えるのは非常に悪いのですけれども、昔、一厘事件というような事件もございまして、非常に軽微なところが犯罪になるかならんかという問題がありましたが、この場合に、やはり重大なる反則を行なつた場合は再評価を行わぬとみなすというように書けば、御趣旨には副うわけでしようけれども、その重大なという程度は書き分けることができないわけです。どうせこれは一旦八割ということになつているわけです。これが打消すように書いてあるのは、すでにこれは八割までは機械的な限度まで行つておるわけですから、合格はしておるわけです。その場合に黙つて取り崩しをしてはならんという規定をしただけでございますので、あえて申請をしたものを全部についてやるならともかく、そのうちの一件だけ或いは一物件だけ減額を勝手にやるというふうなことはないのじやないだろうか。それは会社側としても何らの異議を持たないわけでございまして、陳腐化として申請したものを適正に減ずるまで自分で勝手に評価減をしてしまうということは考えられますけれども、申請したところの又そのうちの一部だけ勝手に取りますというふうなことは、常識としては余りないのじやないかと思うのでございますが、とにかく、たとえ僅かなことであつても、一応それを八割というのが最低の限度になつておるわけでございまして、それが七割九分九厘でもいけないというのがやはり法の強制の建前から言えば止むを得ないのじやないかと思います。たとえ一厘でも、その間、割つてはいかんのだというのが強制の規定にならざるを得ないというのであります。
#176
○小林政夫君 間違つておつたと……、これは非常に悪意な場合が多い。善意で誤つても修正申請すればいいのだ、こういうわけですが。
#177
○説明員(高橋俊英君) 修正の規定はあるわけでございます。それでまだ追加再評価もできる規定を置いておるのです。そこで救済の方法はあることになつております。
#178
○小林政夫君 わかりました。
#179
○委員長(大矢半次郎君) 次に第十六条に進みます。
#180
○説明員(高橋俊英君) 第十六条、「再評価実施会社が第六条第一項の規定による再評価を行つた日から昭和三十五年三月三十一日を含む事業年度の直前事業年度終了の日までに、要再評価資産について帳簿価額の減額をしようとする場合においては、大蔵大臣の承認を受けなければならない。但し、第六条第一項の規定による再評価を行つた日における当該減額をしようとする資産の帳簿価額から当該資産の再評価目簿価に第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合を乗じて得た金額を控除した金額の合計額が同日における再評価後簿価総額から最低再評価限度額を控除した金額をこえない場合においては、この限りでない。
 一、帳簿価額の減額をしようとする
  要再評価資産について当該減額を
  した場合における当該減額後の帳
  簿価額
 二、当該資産の帳簿価額の減額をし
  ようとする日における帳簿価額」。
#181
○小林政夫君 ここまで一つ。
#182
○説明員(高橋俊英君) ではここまでを一つ申上げます。これは、この前の条文に、陳腐化資産等について、申告と同時に申請をして取ります場合を規定したわけでございまするが、この条文で規定しておりますのはそうではなくて、その後に新たに生じた事由、例えばその後になつて陳腐化になつた。他に非常に優秀な機械ができてそれが一般的に使われるようになつた。そのために使つておつた機械が陳腐化になつて非常に経済価値が落ちたというふうな場合が含まれるわけでございまするが、そういつた場合には、再評価法においてはこれを減額することができることになつております。任意に減額できるというのが再評価法の建前でございまするが、今度はこれについて何らの規制を置きませんと、一旦八割にはしたが、尻が抜けたことになりまして、あとで幾らでも減額をして、同時に再評価積立金を崩してしまう、こういうことが行われた場合に、強制の規定がそこから完全に崩れてしまうわけでございます。そこで、こういうふうに、この場合もやはり大蔵大臣の承認を受けなければ減額をしてはならない。こういうふうに規定したわけでございますが、ここに最初のほうにあります括弧書は大したことではございませんし……。
#183
○小林政夫君 但書以下を……。
#184
○説明員(高橋俊英君) それでは但書以下を御説明いたしますが、この計算は非常に面倒な書き方でございますけれども、意味は、後になつて減額した場合に、その減額したときの帳簿価額はすでに再評価を行なつたときの帳簿価額より当然小さくなつているのです。これは償却を年々やつて参りますから、償却分だけは当然小さくなつております。従つてそのとき減額をしたと言いましても、その減額をした額は、直ちにそのままの計算で前の八割に比べますると不当に小さく表現されております。そこで、その減額をした額を再評価日に遡つて拡大投影するわけでございます。で、再評価日の簿価に直して見たならば幾らの金額になるかという数字を出すわけです。それだけ減額をした、ところがそれだけ減額しても、丁度その分以上に八割を上廻つておつた、再評価日の実施額が八割を上廻つておつた場合には、その金額の範囲内で取り崩したことになるという場合には、最低限度を下つておりませんからして、この場合は差支えないんだ、こういう趣旨でございます。その額を超えて減額をすれば八割に達しなかつたということになるという趣旨でございます。これは「減額後残存相当額」と書いてありますが、もつとわかりやすく申しますと、こういうふうに言えると思うのです。例えば再評価日において一〇〇%再評価をした、それが償却をしたために額において八〇%になつておる、その八〇%のものを半分に減額したという場合には、これは残存割合としては四〇ということになります。八〇のものを五〇%減額した、従つてそれは四〇残存しておる、その残存の四〇というものを再評価日に遡つて投影しますと、これは五〇ということになるわけです。八〇のものを半分にしたということは、一〇〇のものが五〇になつたということでございます。再評価日に遡つて言えば半分だけ残つている。従つてその場合の減額の額は五〇であつたということになるわけです。その五〇を再評価目の再評価後の簿価総額から差引いても、なお、八割を下らない、こういう場合は差支えないという規定でございます。
#185
○小林政夫君 だから、それを比率で半分だということなら、あなたのおつしやるように、投影すれば五〇ということになる。けれども、絶対額で価値の減耗を、例えば当初再評価日には一万円であつた、それが今償却して八千円になる、その四千円分減額した、その四千円というのを比率で当てはめて投影すれば五千円分になるというわけですが、四千円だと考えれば何も拡大投影する必要はない。
#186
○説明員(高橋俊英君) これは公平を期するという意味から申しますと、飽くまで再評価日において限度を八割平均までやつたかやらなかつたかということによつて、その後数カ年間、つまり三十五年の三月末日を含む事業年度の直前事業年度まで配当制限等を行うことになつております。今おつしやられた、その帳簿価額がすでに低くなつているので、その同じ半分でも、絶対額では少くなつておるのであるから、それを引いたからといつて、まあその額そのものを引いて比べればいいとおつしたるのでありますけれども、それは必ずしも一様じやないのでございます。非常に償却の率の大なるもの、或いは償却率の小なるもの、耐用年数の長い短い等によつて、いろいろ差異がございます。で、非常に耐用年数の短かいものでは、これを償却という問題と結びつければ、すでに償却をしてしまつたのであるからして、不十分な償却という程度は少くなつているんだから差支えないではないかとおつしやるでしようけれども、私どもとしては、どうもいろいろな権衡を考えます場合に、権衡問題として論ずる場合には、再評価日というものは本年の十二月末を含む事業年度の開始の日が最終の日になつておる、大体同じ時期において比較されるわけであります。そのときに八割をしておつたかしていなかつたかということが、後々数カ年に亘つて、会社によつて非常に影響があるわけであります。その場合に、あとから減額したときに、その額は比較的小さかつたから、まあ実害がないんだからいいじやないかという御意見に対しては、どうも権衡論からいいますと、やはり再評価日に遡つて十分にやつたかやらなかつたかということを計算してみていいじやないか。これはもう再評価した資産全部についてだんだん少くなつて来るわけですね。
#187
○小林政夫君 これは減額する事由によると思います。例えば再評価日には一万円だつたものが、今は時価が下つておる、或いは半値になつているというような事由で減額をする場合もある。そういうようなときに、あなたの言う、拡大して半分になる、そういう理由で半額にするならば拡大してもいい、併しそうでなくて、何らかの損耗をしたとか、何か従業員のミスで機械を壊したというような理由で減額しなければならん、使いものにするには、旋盤、或いは工作機械等で非常に精度が落ちて、価値を非常に減じたというような場合において減額するという場合に、比例では当てはまらない。だからその減額の事由によつて拡大する必要もあろうし、そうでない場合もある。これは非常に何といいますか、複雑にして、ここまでシリアスに考える必要はないんじやないか。全体が非常に複雑なことなんだから、成るべく手を抜くことも考えてみたらどうかと思うんですが。
#188
○説明員(高橋俊英君) 初めにおつしやつた場合は、まさにこの規定に該当するわけですが、あとの場合ですね。私、ここで税法上の理論ならむしろ白石さんにお願いしたほうがいいんですが、滅失毀損の場合は税法上の扱いは少し違うのであります。例えば災害等でなくなつてしまつたというような場合に、再評価をした資産を減額する場合には、通常は再評価積立金を取りますことができるという規定になつておる。併し災害等で滅失或いは毀損したという場合には、これを当期の税法上損金に扱つて行くということになつておりまして、積立金を取り崩さない。そういう取扱上の差異があるのであります。そういうことは別といたしまして、この場合に当てはまらない減額があるということを申上げると同時に、仰せのごとく非常に複雑になつておりますから、これを簡易化するという見地からいえば、確かに減額の額をそのまま再評価日の計算に持つて行つて当てはめて見て、八割を下らなければいいというふうにするということもございます。私どもとしては、これは、それを許さないという意味じやないのです。それは当然認めるのであるけれども、手続をとつてもらわなければならんが、手続をとらなくてもいい場合をここにおいて規定した。それだけのことなんでありますが、確かに私としては計算が相当複雑になるであろうということは十分わかります。
#189
○小林政夫君 私は今の毀損の例は悪かつたかも知らんけれども、そういう事由によつてこれに当てはまる場合と当てはまらない事由があると思う。で、成るべく……、さなきだにあなたのほうの官の手数も多いことであるし、そこまでシリアスに厳格に行く必要はないのじやないか。まあこれは意見でありますが……。
#190
○委員長(大矢半次郎君) 二項に移ります。
#191
○説明員(高橋俊英君) 第二項「前項の承認を受けようとする会社は、帳簿価額の減額をしようとする資産の帳簿価額、減額をしようとする額及び要再評価資産について既に帳簿価額の減額をしているときは、当該減額の額の合計額その他大蔵省令で定める事項を記載した申請書を、所轄税務署長を経て、大蔵大臣に提出しなければならない。」これは減額の申請書の規定でございまして、大して説明を要しないと思います。
 第三須要再評価資産について帳簿価額の減額をしようとする場合において、第六条第一項の規定による再評価を行つた日以後当該資産について既に帳簿価額の減額をし、又は前項の申請書を提出しているときは、第一項但書中「当該資産の再評価目簿価」とあるのは、「当該資産について既に行つた減額又は減額の申請に係る減額後残存相当額」と読み替えて同項但書の規定を適用する。
 この三項の規定は第一項の規定の補完的なものでございまするが、一回だけ再減額をするという場合には計算が非常に簡単でございます。八割になつているものの半分であれば四〇%、その四〇%を再評価日に戻して又五〇%にする、こういう計算を申上げましたが、ところが一旦又四〇%になつたものを更に又その半分にするという場合の計算方法を書いたわけでございまして、まあ非常に面倒でございますけれども、何回もただ掛算をすればいいという趣旨でございます。残存割合を掛けて行けばいい、四〇になつたものを又その半分にすれば二〇である、その二〇を投影すると、何と言いますか二五というふうな数字になりますか、そういうことだと思いますが、文句の上では非常にむずかしいのですが、やり方としてはそうむずかしいわけではございません。パーセンテージで何回も掛けて行けばいい。
 第四項「前条第四項及び第六項から第八項までの規定は、第一項の帳簿価額の減額について準用する。」
 前条第四項の中で一号と三号を除いておりますのは、申請書の誤りの場合だけがこれに該当する、誤りの場合だけ承認しないということがあるわけでございまして、この前条四項の一号、三号は当然除かれなければならない規定でございます。それから第六項から第八項までの規定は、承認の通知や自動承認、或いは無断で減額をした場合の再評価を行なつたものと見なさない規定、そういう規定をこの場合について準用するということであります。
 第五項「再評価実施会社が施行日以後昭和三十五年三月三十一日前に合併した場合における前条及び前四項の規定の適用に関し必要な事項は政令で定める。」
 やはりこれも合併の場合につきまして、このままでは使えないことになりまするからその規定の適用に関しまして、読み替えその他を伴うところの必要な事項を政令で定めるという趣旨でございます。
#192
○委員長(大矢半次郎君) 第十七条へ進みます。
#193
○説明員(高橋俊英君) 第十七条「昭和二十九年十二月三十一日を含む事業年度開始の日までに要再評価会社が第六条第一項の規定に違反して再評価を行わなかつた場合においては、当該事業年度から昭和三十五年三月三十一日を含む事業年度の直前事業年度までの各事業年産ておいて、当該会社の当該事業年度における資本の額の平均額の百分の十五に相当する金額に当該事業年度の月数を乗じて十二で除して得た金額に相当する金額をこえる利益の配当を行つてはならない。」
 第二項「前項の規定は、同族会社については、適用しない。」
 括弧書が非常に長うございますが、これは再評価を十分にしなかつた場合には利益の配当を制限する、その制限をするのには再評価を行い得る最終の事業年度、その事業年度から昭和三十五年三月三十一日までを含む事業年度のその前の事業年度、半年決算の場合でありますれば、昭和三十四年九月三十日を含む事業年度ということになるでしよう、三月決算の場合についてはそういうことになりますが、これは今はこの法律の効果がその時点まで大体において縛つておるということでありますので、それと合せたわけでございますが、とにかくこの再評価をしない場合の配当制限は、今年末を含む事業年度から直ちに適用されるという点が、あとに出て参りまする配当制限の場合と多少違つております。これは言うまでもなく、再評価を完全に行うということに、償却を十分にするという意味が直接にあるわけでございまするが、あとに、再評価は十分にしたけれども償却は不十分であるという場合につきましても、配当率を一割五分に制限しているというのでありまして、それよりも更に罪が重いと言いますか、そういう観点から、当然これは直ちに配当制限を受けるのが至当であろうという権衡の点を考慮いたしまして、こういう定めをしたわけでございまするが、ここで注意を要しまするのが、いわゆる資本金に対する百分の十五という配当率の制限でございますけれども、この資本金とは何を言うかと申しますると、この括弧内で言つておりますることは、発行済みの株式の発行価額の総額に対応する額である資本金、これを言うのであります。但し発行済みの株式の発行価額であるけれども、例えば無額面株を発行してプレミアムの一部を資本準備金にしたという場合がありまするが、そういう場合にはこれは除かれるわけであります。発行価額と申しましても、そういうふうにいわゆる資本金にしないで資本準備金にしたものがあつたときにはその部分は除く、通常観念せられるところの資本金でございます。それに対応する額を言うのでありまして、年度の途中で増資や減資があつた場合には日割計算によるということを長々と四行ばかりで書いてあるわけでございますが、趣旨は日割計算であるというだけのことでございます。で、こういう資本の額に対する百分の十五という配当の制限は、この次の条文にも出て参りますが、この場合でも意味は同じことでございます。
 それから二項におきまして同族会社をこの利益配当制限から除外しておりますが、これは同族会社につきましては、むしろ社内留保に課税するという規定が一方であるくらいでありまして、そういつておきながら配当のほうを制限するというのは筋が通らん、同族会社は普通の配当制限というふうなことは余り意味をなさないということから除外しておるわけです。それは次の条文においても全く同じことであります。
#194
○小林政夫君 その同族会社の点は、今言われた趣旨もさることながら、今度の租税特別措置法で再評価されたときの資本組入れに当つて、これに対する五分の配当を免税所得にするというのを、しないですね。そういう点のかね合いもあるのじやないですか。まあそれと直接関係はないということが言えば言えるかもしれませんが……。
#195
○説明員(高橋俊英君) 根本的な考え方は同じことでございまして、それだから社内留保に対して課税もするのであるし、資本組入れをやつても、その分については配当の損金算入は認めないということになつたわけでございます。つまり同族会社も非常に幅がございまして、今日では、普通の人は同族会社と思つてないような大きな会社で同族会社であるものでございます。併し大多数の同族会社は、個人が、営業上或いは税金のことを考えて、むしろ会社にしたほうがいいということから、個人の形態のままで、殆んど実態は個人であるのに会社になつておるというふうな例が非常にたくさんあるわけでございます。数から申しても圧倒的にそれが多いわけであります。そういつたものは個人と同じような目で見る必要がまま生ずる、その一つの現われであると思います。
#196
○小林政夫君 これは、速記をとつておるのだから、はつきり述べておくけれども、今あなたの言われたのは、私があとから言つたことは関係なく、同族会社というものは内部留保に対しては課税するのだ、従つて外部で出す配当金等については然るべくやれ、制限する必要はない、ただこういう理由だけでこの項が置かれていると確認していいですな。
#197
○説明員(高橋俊英君) その根本が問題であつて、その根本的な考え方から、その社内留保に対して課税するとか、或いはその資本組入れに対しても何ら恩典を与えないということ、そういうことが生れて来ると私は申上げたのであつて、根本的な考え方があつて、それからそういう二つの問題がすでに現在ある、そこへそれと同じ思想から出て利益配当を制限するのはおかしいと思う。同族会社について利益配当を制限してみても仕方がないではないか、又すべきではないという見解なんでございます。
#198
○小林政夫君 それでは別な聞き方をすれば、今の租税特別措置法の再評価積立金を同族会社が資本に組入れたものに対して五分の利益配当をした、これを一般の会社ならば免税所得にするわけですね。その規定を我々は甚だ不都合だと思う、次の機会には削除しようと思つておると、それを削除するならばこの規定とはどうなるのか。削除してもこれはこのまま置いておくかどうか。
#199
○説明員(高橋俊英君) わかりました。それは大いに問題だろうと思うのです。つまり資本組入れの場合の五分については恩典を同族会社に与えないというのは、それがあるからこの配当制限をおいたというのじや私はないと思う。三つの事柄が、配当制限もしない、それから社内留保に対して課税する、資本組入れは優遇しない、これはみんな一つの考え方から大体において出ておる。利益配当を制限するというふうなやり方、いわゆるたこ配ですね、会社のたこ配を防ぐということは同族会社にとつては余り意味がない。今日、経営者が大株主というような状態ではなくて、むしろその代りにたくさんの株主から委託された財産があるというのが通常の会社の状態です。ところが同族会社においては会社の財産即個人の財産であるといつても差支えないような場合があるわけでございますね。従つて資本組入れについて申しますると、利益の配当制限なんということは会社にとつて一向痛くない。同族会社の典型的なものについて申しますると、資本準備金なんかにしておかなくたつて、若しそれによつて法人税が軽減されることになりますれば、全部一遍に組入れまして二カ年間そのともかく税金が負けられるということであるならば、その配当率が二分であろうが三分であろうが、そういうことは一向構わない。配当の総額は減らさないように注意できる。組入れによつて株価がどうなるとかいうことは、余り普通の同族会社には関係がないことである。従つて制限規定としては何ら意味をなさない。従つて組入れをいたします面から言つても、通常の会社であれば配当率をこれ以上下げたくないという気持があるから、組入れについてしぶつておる。非常に自分の会社の株価が、三十円、二十円ということになつたんでは大変だということで、何とか額面を上廻るところを維持しようというのが経営者の考えです。ところが同族会社には全くそれがないのです。但し例外として、同族会社であつても、株が上場されておる、すでに高いプレミアムが附いて売買されておるものがございますならば、私はむしろこれらのものは改めて同族会社でないものにすべきであろう。そういうものは、今の法人税の建前から言えば、確かに同族会社に引つかかるけれども、むしろそういつたものが、間々二三あるからといつて、十数万とか言われる同族会社と並べて考えること自体がおかしい。若しどうしてもやむを得ない場合であつたらば、それは書きわけたほうがいいくらいだと思う。
 そういう趣旨でございまして、資本組入れを促進したりすれば恩典を与えるというようなことは、同族会社についてそれをやるということは、個人の所得税なり何なりと非常なアンバランスを来たすということになりますので、私どもとしてはやはり立法論として当然除外されて然るべきものだと考えるわけです。
#200
○小林政夫君 そこが見解の相違ですが……以上です。
#201
○土田國太郎君 今の同族会社ですがね。一般会社は二割配当をして、一割は損金に認める。そうすると、同族会社としては、八〇%の評価と九〇%の償却をすれば、再評価税だけは恩典にあずかれるんでしような。その六十五の半分と三十五以上は免税とか……。
#202
○説明員(高橋俊英君) それは再評価税に関する限りは、同族、非同族を問いません。これは個人にも同様でございますから、まあ会社ならば問題はないわけです。
#203
○土田國太郎君 結局、一割の利益配当が損金に認め得られないということだけの差と解釈していいわけですか。
#204
○説明員(高橋俊英君) 今申上げておりましたのは無償交付の場合だけなんです。無償交付について、五%の配当分だけは益金に見ないということになつておりますが、それを同族会社には適用しないだけであつて、有償増資の場合は、同族会社であつても、その有償増資分の一割に相当する分は益金の中から落します。
#205
○委員長(大矢半次郎君) 次に十八条に進みます。
#206
○説明員(高橋俊英君) 第十八条「再評価実施会社は、昭和三十二年三月三十一日を含む事業年度から昭和三十五年三月三十一日を含む事業年度の直前事業年度までの各事業年度において左の各号の一に該当するときは、当該事業年度における資本の額の平均額の百分の十五に相当する金額に当該事業年度の月数を乗じて十二で除して得た金額に相当する金額をこえる利益の配当を行つてはならない。
 一 再評価法第百九条及び株式会社
  の再評価積立金の資本組入に関す
  る法律の規定により当該事業年度
  終了の日までに資本に組み入れた再
  評価積立金の額が、再評価法第百
  二条第百八条若しくは第百十条又
  は第三十八条の規定により再評価
  積立金として積み立て、又はこれ
  に組み入れた金額の合計額から、同
  法第百三条第百四条第一項若しく
  は第二項第百五条第百七条第一項
  第三号又は第百十条の規定により
  当該事業年度終了の日までに取り
  くずした金額の合計額に同日後納
  付すべき再評価税額を加算した金
  額を控除して算出した金額の百分
  の四十に満たない場合」、次の括弧
  は重要でありますから読みます
  と、「(同日における再評価積立金
  の額が資本の額の百分の二十五に
  相当する金額以下である場合を除
  く。)
 二 当該事業年度において減価償却
  資産について行つた減価償却の額
  の合計額が当該事業年度の減価償
  却資産の普通償却範囲額の合計額
  の百分の九十に相当する金額に満
  たない場合」
 第二項「租税特別措置法第五条の十一第二項は、前項第二号の普通償却範囲額の計算について準用する。」
 第三項「要再評価会社が施行日後に合併した場合における合併法人に対する前条及び前二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。」
 これはいわゆる資本司評価積立金の資本組入れを或る程度まで行わしめようとすることと同時に減価償却を十分に行わせようとすること、この二点を主眼として規定したものでありまして、それに対しましては、これを行わない場合においても罰則等の適用はいたしませんが、配当の制限を行うというふうな、いわば間接的にこれを要請、強制すると言いますか、強制ではないのでございまするが、そういう手段によつて促進せしめようという趣旨でございます。
 その組入れのほうについて申しますると、原則的には、再評価積立金として積立てた額、それの四割に相当する額を昭和三十二年の三月末日までの間に組入れをする、昭和三十二年の三月末日を含む事業年度末ということになりますが、それまでの間に積立金の四割を組入れなさい。併しその場合の積立金と称しますものは、その一旦積立た額の総額を言うのじやなくして、それから再評価税などを納めます場合にはこれは取りくずすことになつております。それから譲渡損があつた場合にはこれを取りくずすとか、或いは損失の填補に当てる場合もございまして、これらにつきましては、再評価法において、当然、当然と言いますか、再評価積立金を取りくずすべきもの、或いは取りくずし得るというふうな規定がございます。それらの規定によつて取りくずしを行なつた額は、計算上、積立金の額から除外いたします。それらを除外した額の四割に相当する額であります。
 こういうことでございますが、そのほかに、四割はまだ組入れなかつたけれども、残つている積立金の額がそのとき現在のいわゆる資本金に対して百分の二十五以下である、こういう場合には、あえてそれ以上組入れを要請されることはない。組入れは多々ますます弁ずるとは思いますけれども、併し非常に小さな積立金になつてしまつて、資本金のほうが遥かに大きいというような場合には、そこまでむずかしいことを言わなくてもいいであろう。大局を規制すればいいのであつて普通の商法の規定によりましても、これは再評価積立金ではなく、利益準備金のほうでありまするが、百分の二十五は毎年益金から積立をしなければいかんという規定がございます。それと別に、この数字は合わす必要はございませんけれども、資本金の額の四分の一以下になつてしまつているのに、それのうちから更に資本金に組入れられて行く組入れの割合、そういうものが半端になつて来るということになる、実質的には、もはやそれは目的を達したものと考えてよろしいということで、最後の一号の括弧内においてこれを除外しておるわけであります。この組入れにつきましては、なおいろいろ御質問によつてお答えしたいと思いまするけれども、概して申しまして、なぜ四割という数字が出て来たのかという点を釈明さして頂きまするが、これは最初、資本組入れを要請する必要があるということになつたら、例えばどれだけをするかということを考えたわけでございますが、一部におきましては、もう陳腐化資産等の償却に充てたもの以外は全部組入れるべきだと、非常に極端な議論もありますし、一方では、この組入れという問題は全く会社の任意に任しておいて然るべきではないかという意見、両極端の意見があつたわけであります。私どもとしましては、これは強制するのにはいささか不適な面がある。強制はしないけれども、配当制限という手段によつて或る程度目的を達したいということから計算しましたところ、大体現在の資本金に対して総平均で一対一程度が限界ではなかろうかということを一つ頭に置きまして、それで今度この再評価の促進強制の法律によりまして、どの程度再評価するか。これは簡単に予測はできませんが、私どもとしては、平均としては第三次限度額の九割程度を平均では行うのではないか。と申しますのは、中にはすでに紡績その他優良会社は限度すれすれまでやつておる会社があり、電力会社におきましても十分な再評価をしておる。ところが、電力会社の再評価が非常に大きいそうです。電力会社の固定資産による再評価積立金の額は非常に大きい。それらのものが九九%、一〇〇%近くまでやるというものですから、総平均では九〇くらい行くであろう、そういう前提で、今までの積立金に対して、これらの再評価の強制の対象となる会社の分だけで四千百億くらい再評価差額が当然出るであろう。それを従来の積立金に加えて計算しますと一兆一千億を少し欠けるという程度になるわけであります。組入れの対象となる積立金の総額が一兆九百億円くらいに達するだろう。それの四割というものは、約四千四百億円になるわけでありますが、これを立案いたしました当時のこの再評価の強制の対象となる会社、五千万円以上の会社ということに一応了解を頂きたいのですけれども、それらの会社の資本金額が丁度そのくらいになる。資本金の総額が四千数百億である。それに対して組入れを要する額が、四千四百億である。ところがすでに組入れたものが四百億余りあるわけです。ですから、その分だけは除かれる。併しながら、これは若し強制ということによつて全体の会社をやらせれば、確かに今後三年間の間に四千億程度の組入れが行われることになつて来る。そうなると、証券界の皆さんが心配しているように、非常に有償増資を圧迫するということにもなりかねない。そこで強制ということにしないで、三年後においてもなお且つ一割五分を越える配当を継続しようという会社だけこれに引つかかつて来る。現に一割五分以下の配当をしている会社は何も関係ないわけです。極端なことを言えば何ら強制されない。初めから除かれてしまう。現在一割五分以下であるようなものは三年後になつて、二割も三割もするということは余り常識的には考えられない。年々配当の平均率は下つているのです。今では、五千万円以上の会社、上場会社等をとつてみると一割八分少し上廻る程度でございます、配当の平均割合が……。で、一割五分以下の配当をしている会社の数が、上場会社の全体の四割を占めている。ですから、四割の会社は当然脱落をする。その中に電力会社が多いわけですが、電力会社の積立金は先ほど申しました一兆九百億円の中で約四千億円を占める。四千億円は九電力会社の分だけで積立金が四千億になる。これは御承知のように現在は一割四分程度の配当が予想されるわけでありまして、当然強制と言いますか、それが強制の対象から除外されます。それらを除いてだんだんに計算して行きますと、この条文に従つて再評価を要請され、組入れを要請されましても、三年間の間にまあ計算上千二、三百億円程度の組入が行われるのに過ぎませんけれども、併しながら今までの実績に比べればそれは確かに多いことは多くなります。多いけれども、さりとて、その年々千四、五百億にも達する有償増資を著しくこれがために阻害するという程度には至らないであろうということと、実際の対象となる会社は高率配当をしている会社だけである。それらの会社は今後四割までの無償交付をしないと配当率を一割五分に下げなければならんことになりますが、その場合、仮に今三割している会社が、有償、無償等の増資をして参りますれば、自然にその配当率も下つて来るわけであります。而も配当率は下つてもなお株主に損害を与えないということは十分考えられることであります。一般的にただこういう配当制限の規定そのものが何か非常に証券市場に対して悪材料であるような印象を持つ向きがありますけれども、私どもとしては、これな今直ちにこれをやれというのではなくて、三年間にやればいいのであるという点と、その額が一部で考えられるほど巨額なものではない。併しいたずらに名目的な高収益とか、高率配当というようなことで、経営が放漫になりがちな面を是正するという意味においては、相当効果もあるであろう。三割或いは四割というふうな配当は、現在の過小なる資本金に対してだけ言えることであつて事実は決してそういうものはございません。もつともつと低い収益率であると思います。ただ何分にも、資産の再評価は行うことにしましたけれども、資本金のほうについては何も触れておりません。資産の部のほうの資産だけがふくれ上つておる。資本のそのふくれ上つた分の金額が積立金という名称で資本準備金の項目に計上されておる。而もそれは配当率や収益率を問題にする場合において何らその基準にとられておらない。そういうことから、名目的な高収益、高配当ということが起つて来る。尺度が狂つておる。目盛が狂つておる。狂つた目で皆見ておつて、見せかけの範囲額であるということになるわけであります。これを是正しようというのがこの資本組入れの目的でございます。
 なお二号のほうの償却については重ねて申上げなくてもおわかりと思いますが、今度再評価して償却の範囲額が上りますが、その上つたものに対して、直ちに償却を強制するといいますか、償却をしないと配当制限するぞというようなところまで行かない。今後約二年間たつたところで、九割の償却を要請する。それも何ら罰則を伴うものではございません。ただ九割までの償却もしないで、一割五分を超えるような配当をすることを禁止する。こういう趣旨でございまして、この点については却つて非常に甘いという印象すらあるのではないかと思うのであります。併し極めて稀に十分な償却をしないで配当しておる会社がありますが、最近の傾向といたしましては、償却については会社の実績も非常によいように見受けます。償却に熱心である。一般に、折角、税を払わないで償却できるのに、税を払つて配当をしたり、利益で償却するというようなことは余りやらないわけであります。特殊な会社を、海運業界というようなものを除いてみますれば、大体限度額の九五%の償却をしております。但しこの九五%はまだ再評価されない前の問題でございますからして、再評価した後においては実額としては償却の額は上ると思います。再評価の対象となる会社については、総額では四百億円前後の償却増があると思いますが、これは現在計上されておる利益に対しましては一〇数%に過ぎませんので、これが不可能だというふうには私どもは思つておりません。当然それがためにこそ再評価の強制もするのであるというところから、その締め括りをする意味におきましてこういう規定を設けた次第でございます。
 なお二項の点は、これは先般御審議願つた租税特別措置法の改正法律に規定されておることでございますが、料金を公定されておるもの、公益事業にあつて、税法の上では定率までやり得ることになつておる場合でも、この償却の範囲の規定の適用については定額のほうを計算の根拠にする、こういう理由でございます。
 次は第三項は、合併に関して、合併の場合の資本組入、償却というふうな点については、別に政令で規定するようになつております。
#207
○小林政夫君 この第一項の第二号の括弧内、「法人税法に基く命令で定める償却不足額があるときは、これを含まないで」云々とある。これは甘くしてあるわけですな。
#208
○説明員(高橋俊英君) そうであります。
#209
○小林政夫君 この点は相当問題のある点だから、あとでゆつくり質問をいたすことにします。
#210
○委員長(大矢半次郎君) ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#211
○委員長(大矢半次郎君) 速記を始めて。本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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