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1953/04/22 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 大蔵委員会 第37号
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1953/04/22 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 大蔵委員会 第37号

#1
第019回国会 大蔵委員会 第37号
昭和二十九年四月二十二日(木曜日)
   午前十一時十六分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     大矢半次郎君
   理事
           藤野 繁雄君
           小林 政夫君
           菊川 孝夫君
           東   隆君
   委員
           青柳 秀夫君
           岡崎 真一君
           白井  勇君
           土田國太郎君
           前田 久吉君
           三木與吉郎君
           成瀬 幡治君
           堀木 鎌三君
  政府委員
   大蔵政務次官  植木庚子郎君
   大蔵省主計局総
   務課長     佐藤 一郎君
   大蔵省銀行局長 河野 通一君
  説明員
   大蔵省銀行局特
   殊金融課長   有吉  正君
  参考人
   国民金融公庫理
   事       最上 孝敬君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○日本国における国際連合の軍隊の地
 位に関する協定の実施に伴う所得税
 法等の臨時特例に関する法律案(内
 閣送付)
○補助金等に係る予算の執行の適正化
 に関する法律案(内閣送付)
○国の所有に属する自動車の交換に関
 する法律案(内閣送付)
○国民金融公庫が行う恩給担保金融に
 関する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○財政法等の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○冬季積雪地域における予算繰越の特
 例に関する法律案(東隆君外七名発
 議)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(大矢半次郎君) これより大蔵委員会を開会いたします。
 日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う所得税法等の臨時特例に関する法律案(予備審査)、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律案(予備審査)、国の所有に属する自動車の交換に関する法律案(予備審査)、以上三案を一括議題として、政府より提案理由の説明を聴取いたします。
#3
○政府委員(植木庚子郎君) 只今議題となりました日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う所得税法等の臨時特例に関する法律案につきまして、その提案の理由を説明いたします。
 日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴い、その円滑な運営を図るため、日本国内にある国際連合の軍隊、軍人、軍属又はこれらの者の家族等につき、同協定に基いて、所得税、内国消費税、関税等の国税の課税に関する特例のほか、国税の犯則取締並びにたばこ及び塩の専売に関して特例を設ける必要がありますので、ここにこの法律案を提出いたした次第であります。
 以下順次この法律案の大要を申上げます。
 先ず、国際連合の軍隊、軍人、軍属若しくはこれらの者の家族、軍人用販売機関等又は同軍隊の公認調達機関に対する所得税法、相続税法、通行税法、印紙税法、物品税法、揮発油税法、しやし繊維品の課税に関する法律又は入場税法の適用につきましては、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う所得税法等の臨時特例に関する法律の規定を準用して、これらの国税を課さず、又は免除することといたしております。
 次に、国際連合の軍隊、軍人若しくはこれらの者の家族又は軍人用販売機関等の輸入にかかる物品又は国際連合の軍隊により運航されている船舶若しくは航空機につきましては、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律の規定を準用して、関税、とん税及び内国消費税を免除することといたしております。
 次に、国税に関する犯則事件を調査するため、国際連合の軍隊が使用し、且つ、その権限に基いて警備している施設内において国税犯則取締法又は関税法の規定によつて臨検、捜索又は差押を行う場合におきましては、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う国税犯則取締法等の臨時特例に関する法律の規定を準用して、国際連合の軍隊の権限ある者の承認を受け、又はその者に嘱託して行うこととしているのであります。
 最後に、国際連合の軍隊、軍人、軍属若しくはこれらの者の家族又は軍入用販売機関等による製造たばこ又は塩の輸入等につきましては、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴うたばこ専売法等の臨時特例に関する法律の規定を準用して、その特例を設けることといたしております。
 次に補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律案につきまして説明申上げます。国の歳出予算は、国民から徴収された税金その他貴重な財源で賄われており、厘毛たりといえども、これが不正、不当に支出されるがごときことは、許されないのでありまして、政府におきましては、常に、これを公正且つ効率的に使用するように努めている次第であります。併しながら、昭和二十七年度決算検査報告によれば、不当事項として千三日余件が指摘され、そのうち約八割五分を占める千百余件は、補助金等に関するものであり、その内容は、事業費ついて過大に積算したり、不実の積算をしたものや、設計通りの工事を施行しなかつたり、甚しいのは、架空の工事や二重の申請をして国庫補助金等の交付を受けているもの等があります。補助金等が国の歳出予算の約三割を占めている現在、これら補助金等に係る予算の執行の適正化を図ることは、喫緊の要請であり、且つ又、第十七回国会参議院予算委員会において決議されました「予算の不正、不当支出防止に関する決議」をも尊重いたしまして、この法律案を提出した次第であります。
 この法律案は、補助金等の交付の申請、決定等に関する事項、罰則その他補助金等に係る予算の執行に関する基本的事項を規定することによりまして補助金等の交付の不正な申請及び補助金等の不正な使用の防止等を図るとともに、他面、補助金等の交付を受ける者に対しては、その不当な取扱いに防止する等の措置を講じ、以て補助金等に係る予算の執行の適正化を図ることを目的とするのであります。
 以下この法律案の主たる内容につきまして、その概要を御説明いたします
 第一に、この法律の適用を受ける補助金等とは、補助金、負担金、利子補給金その他、国が相当の反対給付を受けないで交付する金銭であつて政令で定めるものとし、補助金等に関しまして他の法律又はこれに基く命令に特別の定めのない限り、この法律によることといたしておるのであります。
 第二に、補助金等の交付の申請及び決定につき必要な手続を明確にいたしました。即ち、補助金等の交付の申請及び決定の手続を規定するほか、決定に際し必要な条件を附することといたすと共に、交付決定後に天災地変等特別の事情が生じた場合等において当該交付決定の全部若しくは一部の取消し又は決定の内容若しくは条件の変更ができることとしております。
 第三に、補助事業等又は補助関係事業等の遂行に当つては、常に善良な管理者の注意を以て遂行すべき義務を課すると共に、補助事業者等の提出する報告等により必要がある場合には、当該補助事業等を適正に遂行すべきことを命じ、又必要に応じ一時停止を命じ得ることとし、更に事業完了後は、必ず実績報告を徴し、その審査及び必要に応じて行う現地調査等により補助金等の額を確定することといたしておるのであります。なお、補助事業等により取得した財産等につきましては、補助金等の交付の目的に反する使用、処分等を禁止することといたしたのであります。
 第四に、補助事業者等又は補助関係事業者等が、補助事業等又は補助関係事業等に関し、法令等に違反し、又は補助金等若しくは補助関係利益を他の用途へ使用した場合には、補助金等の交付決定の全部又は一部の取消しをすするとができることとし、この取消しがあつた場合ですでに補助金等が交付されているときは、返還を命ずることとし、右の返還命令があつたときは、加算金を納付させることとし、返還金を納期日までに納付しないときは、延滞金を納付させることとすると共に、これら返還金等の納付がない場合には、他の補助金等の交付を一時停止若しくは当該補助金等と未納付額とを相殺又は当該未納付額を国税徴収法の例により徴収することができることといたしておるのであります。
 第五に、詐欺その他不正手段による補助金等の交付を受けた者、補助金等の他の用途への使用をした者等に対し所要の罰則規定を設けることといたしておるのであります。なお、地方公共団体に対しては、その団体の性格上罰則を適用しないことといたしたのであります。
 右のごとく補助事業者等に対し相当厳格な規律を以つて臨むことといたしたのでありますが、他面、補助金等を交付する側においてもその取扱を適正」にする必要を認め、補助金等に関する事務その他補助金等に係る予算の執行に関する事務に従事する職員に対し、事務を不当に遅延せしめたり又は必要な限度を超えて補助事業者等若しくは補助関係事業者等に対し干渉してはならない義務を課したほか、補助金等の交付の決定その他の処分に不服のある地方公共団体に対しては、不服申立の途を開くことといたしておるのであります。
 なお、日本専売公社、日本国有鉄道及び日本電信電話公社に対しましても、この法律を準用することといたしております。
 次に、国の所有に属する自動車の交換に関する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申上げます。
 財政法の規定によりまして、国の財産は、法律に基かなければ交換をすることができないこととなつているのでありますが、諸般の状況に鑑み、国が所有する自動車につき、当分の間、国以外の者が所有する自動車と交換をすることができる途を開き、これが効率的な活用を図り、かたがた経費の節減等にも資することができることとし、交換に際しまして、その価額が等しくないときにおける差額は、金銭で補足することとしようとするものであります。
 以上が、この三法律案を提出した理由であります。
 何とぞ、御審議の上、速かに御賛成あらんことをお願い申上げます。
  ―――――――――――――
#4
○委員長(大矢半次郎君) 次に国民金融公庫が行う恩給担保金融に関する法律案を議題といたしまして、その内容説明を聴取いたします。
#5
○政府委員(河野通一君) 只今議題となつております法案について御説明申上げます。
 この法案は先般提案理由の御説明を申上げましたときに大要については御説明が済んでおるのでありますが、更に要綱として概要を御説明申上げます。
 この法律案は、恩給等の担保の効力に関する規定を設けますと共に、国民金融公庫の業務の範囲を拡張することによりまして、恩給担保金融の円滑化を目的といたしておるのであります。
 本法の対象になる恩給等と申しますのは、恩給法による年金たる恩給、戦傷病者戦没者遺族等援護法による障害年金及び遺族年金並びに条例により支給される年金、これらのものを申しておるのであります。
 恩給等の担保の効力といたしましては、次のような規定を新たに設けることといたしたのであります。
 その第一は、担保に供された恩給等は、国民金融公庫だけがその支払を求めることができ、かつ債務者は債務を完済するまでは恩給等を受ける権利を放棄することはできないということにいたしたのであります。
 第二は、担保の効力は、遺族又はその後順位者の受ける恩給等については及ばず、又、恩給等の受給額が改定されたときにおきましては、その改定後の恩給等の上に及ぶということにいたしたのであります。
 第三は、恩給等の受給証書の国民金融公庫への引渡し等について、若干の技術的な規定を設けたのであります。この三点が主として新しく規定を設けた点であります。
 次に、国民金融公庫は、恩給等を担保とする貸付けに限つて事業資金以外の資金の小口貸付を行うことができるといたしたのであります。つまり国民金融公庫は、本来は、小口の生業資金と言いますか、事業資金の貸出し、これを本来の目的といたしておりますが、恩給担保金融に限りまして、いわゆる消費資金についてもその貸出をすることができる、こういうことにいたしたのであります。
 次は、国民金融公庫法を改正いたしまして、国民大衆の利益を代表する者一人を国民金融審議会委員に加えることにいたしまして、これは現在私どもが予定いたしておりますところでは、恩給受給者を代表するかたを以て加えられた一人に当てたいというふうに考えておる次第でございます。
 以上が今議題になつております法案の概要の御説明でございます。
#6
○委員長(大矢半次郎君) この際お諮りいたします。本法案の審査のため、国民金融公庫理事、最上孝敬君の出席を求めましたが、同君を参考人としてその発言を許可することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。よつてさよう決定いたしました。
 質疑を行います。
#8
○藤野繁雄君 従来の恩給金庫の業務をこの国民金融公庫がやるということになつておるのでありますが、この従来の恩給金庫の仕事を国民金融公庫はなぜ、せなかつにのか。せないように規定したところの理由はどこにあるのか。こういうことをお尋ねしたいと思います。それは従来は恩給金庫というものがあつて、そうして恩給担保の貸付をやつておつた。然るに今度国民金融公庫ができたとき、なぜそれをやめなければならないようになつたのか。それから今度それを復活せなければならなくなつたのはどういう理由なのか。
#9
○政府委員(河野通一君) これは主として技術問題でありまして、恩給金庫ができました当時の理由も、勿論その他のものにも及ぶわけでありますが、主として陸海軍、旧軍関係の恩給を受ける方々の金融ということが事実上中心になつておつたと思うのであります。ところが戦後におきまして陸海軍の旧軍人に対する恩給制度が停止をされたということで、本来、恩給金庫が通常主たる対象といたしておりました、その対象がこれで消えてなくなつた、こういうことでありますので、従来恩給金庫がやつておりましたような業務を続けるということは、その必要がない、こういうような判断で、当時占領下におきまして、占領軍司令部のほうの意向もあつて、こういう制度はとりやめた、こういうことになつた次第でございます。
#10
○藤野繁雄君 そうしますと、陸海軍の恩給とその他の者の恩給の受給者の数は、当時どういうふうになつて、金額の割合はどういうふうになつておつたのでありますか。
#11
○政府委員(河野通一君) ちよつと戦前のものは持ち合せませんが、去年できました旧軍人等に対する恩給の制度ができた後における現状を先ず御参考までに申上げておきます。昭和二十九年度における恩給等の支払の見込を申上げます。これは一時金を除いておりますが、そのうちで文官恩給が百二十八億で、受給人員が二十三万人、旧軍人関係のものが五百七十九億、百九十九万人、地方の公務員の恩給に当りますものが百二十九億、人員が二十二万人余りであります。これは恩給法に基くものでありますが、そのほかに、先ほどちよつと申上げましたように、戦傷病者戦没者遺族等援護法というのがありますが、それに基きまする年金、これは三十二億、受給者の数が十八万人余り、こういうことになつております。
 次に地方の条例によつて年金を受けるもの、この金額が十七億で人数は四万人余り、合計いたしまして二十九年度中に支払われる年金額は八百八十五億、人数は二百六十八万人、こういうことに相成つておるのであります。戦前における恩給の受給状況はちよつと正確な数字はございませんが、貸付をいたしておりまする総額についてはここにありますが、陸海軍の関係はどうなつておるか、文官の関係はどうなつておつたかという内訳につきましては今ちよつと調べができておりません。
#12
○藤野繁雄君 それでは第五条の第二項の、この法律ができたならば、遺族が受ける恩給等の上には及ばない、こういうふうに書いてありますが、これはどういうことなんですか。
#13
○政府委員(河野通一君) これは恩給金庫がこの恩給担保の金融をやつておりますときには、やはり同じようになつていたと思いますが、これは遺族の利益を守つてやりたいという趣旨でありまして、その恩給を受けております者が死にました場合においては、その遺族が、あとの扶助料と申しますか、そういつたものを唯一の頼りといたしております場合に、恩給受給者が金を借りたためにそこまで担保としてとられて行くということは、非常に遺族等に対しての利益を害するということでありますので、これには及ばないということにいたしているのであります。
#14
○藤野繁雄君 そうすると、大体その及ばないところの金額は大体どのくらいある見込でございますか。
#15
○政府委員(河野通一君) お尋ねの点は恐らくこういうことではないかと思うのでありますが、恩給を受けている人がそれを担保にして国民金融公庫から金を借りた、そうした場合に途中で金がまだ全部返らないうちに死んだという場合において、それが取れなくなるような場合がどのくらいあるか。こういうお話だろうと思いますが、これはそういう点も頭に置きまして、大体、恩給を担保にして貸金をいたします場合においては、最長三年ということで抑えて行きたい。従いまして、恩給受給者が恩給を受けてから死にますまでの、平均年限というのが、私の承知いたしておりますところでは五年ぐらいだと聞いております。そういう点からいたしますと、大体三年程度であれば心配はないだろう。又、万一そういうことが心配であります場合には、生命保険に入つて頂いて、その生命保険の保険金の受領を委任してもらう、そういつたふうな措置も場合によつてはできるかと思いますが、まあ大体三年で期限を抑えますならば、そういつた心配は先ずなかろう、こういうことが大体今までの実績からみても言えると思います。
#16
○藤野繁雄君 そうしますと、大体そういうふうなことはなかろうということであれば、国民金融公庫がこの資金の貸付をやつても損害はないということになりますが、過去にどれだけの金額が欠損になつたかという数字が現われておりますか。
#17
○参考人(最上孝敬君) それは調べれば或る程度わかると思いますが、再建整備のときに処理してしまいまして、今損失として現に残つているものは全然ございませんので、ちよつと今はつきりしたことは申上げかねるのでございます。
#18
○藤野繁雄君 それから第四条について、これはこういうようなことがあるかどうか知らないからお尋ねするのですが、「恩給等を受ける権利を放棄する」ようなことがあるのですか。
#19
○政府委員(河野通一君) これは恐らく放棄なさることはないと思いますが、現行法の下におきましては、これは今、国民金融公庫がやつておりますやり方は、代理受領、つまり恩給を代理で受けるということだけであります。そういたしますと、この代理で受領するということは、恩給受給者がその恩給の受給権を放棄するということは何ら差支えないので、放棄したらもう代理受領権というのはなくなつてしまうわけです。そういう点で、非常に法律的に事実問題として欠けておる担保の効力、こういう点で、この四条を置いて、放棄はできないということにいたしたのであります。実際問題といたしまして先ず放棄をなさることはないと思いますけれども、今申上げましたような法律上のまあ欠ということをこれで補充したいというのが目的であります
#20
○藤野繁雄君 そうすると今のお話によつて第四条は念のための規定であつて、国民金融公電には、恩給担保で貸付けておいても放棄する者がないから損害はないのだ、こういうふうに確認していいのですね。
#21
○政府委員(河野通一君) 今まではそういう例はなかつたようであります恩給金庫がやつておりました時分は……今後も恐らくそういうことはないと思いますけれども、まあ法律上はそういうことが可能である、そうした場合においては担保力が非常に欠けて来る心配がある、こういうことでございます。
#22
○藤野繁雄君 それから第二条第一項第二号の「その他の法令に規定する恩給」というのは、さつき局長さんがお話なさつたいろいろのあのこと慮りますか。
#23
○説明員(有吉正君) 二条に申しております恩給等の中でどういうものがあるかと言いますと、恩給法そのもので規定しております恩給のほかに、例えて申しますならば、恩給法の改正によりまして新たに附則に追加されて支給される恩給がやはりその他の法令に規定する恩給の中に入るのでございますが、そのほかに恩給法以外の法律といたしましては、例えて申しますれば、元南西諸島官公署職員等の身分、恩給等の特別措置に関する法律その他たくさんあるのであります。最近におきましては、鹿児島県大鳥郡十島村に関する恩給法の適用及びこれに伴う経過措置に関する政令があり、やはりその他の法令に規定する恩給の中に入るのであります。
#24
○堀木鎌三君 私、一点だけ伺いたいと思いますのは、前には恩給金庫があつたんだが、将来もう八百億以上になつて来たときに、昔のように恩給金庫を創設しようとする意思があるのかないのか。
#25
○政府委員(河野通一君) 只今のところは、財政の状況等から見まして、戦前にありました恩給金庫的なものを、別の独立の法人格として作つて行くということは考えておりません。今後において、財政状況その他から見て又、恩給受給者に対するこの担保金融というものを非常に盛大にやつて行くという必要が認められるということになりました場合においては別でありますけれども、只今のところでは、財政の状況等から考えても、そういうことは私どもとしては考えておりません。
#26
○堀木鎌三君 財政上の理由というのはどういう理由ですか。
#27
○政府委員(河野通一君) 恐らく、新らしくそういつた戦前にあつたような恩給金庫という制度を作りますならば、その貸付資源というものは恐らく財政資金でこれを賄わざるを得ないと私は考えております。尤も戦前の恩給金庫は、御案内のように一部は民間の資金でやつておりますけれども、今の金融状況等から考えますと、民間資金でこういつた種類のものを賄うということは恐らく私は困難じやないか。そういたしますと、金額を大体、政府資金、財政資金によつて賄うということになろうかと思います。そういたしますと、その金額は、独立の機関としてこういう種類の金融をやつて行くにふさわしい程度の規模の財政資金というものは相当多額になると思います。そういつた点から見ましても、財政上、私どもはそういつたことは考えられないと思います。
 なお只今第二の点で申上げましたように、仮りに財政事情がそういう余裕があるといたしました場合においても、こういつた制度を復活することがいいかどうか、全体の社会の公平という見地から見ていいかどうかという点についても、私は更に検討しなければならん点があるのではないか。こう考えております。
#28
○堀木鎌三君 では国民金融公庫に取扱わせる利害得失、それをもう少しはつきりさして頂きたい。
#29
○政府委員(河野通一君) 今申上げましたようなことで既存の金融機関によつて、非常に言葉は悪いのでありますが幾つかの業務のうちの一つとしてこういう種類のものをやらせるということにいたしました場合において、その取扱機関として最もふさわしいものは、言うまでもなく私は国民金融公庫であろうと思うのであります。現に国民金融公庫は過失におきまする恩給金庫を併合してこういう新らしいシステムができたわけであります。現に恩給部というものを持つております。尤もこれは整理事務が主たるものでございますけれども、持つておりますし、職員の中にも相当事務に慣れておる者もおるわけでありますから、こういう金融機関としては最もふさわしいものと、かように考えておる次第であります。
#30
○堀木鎌三君 いや、まあ国民金融公庫が過去の恩給金庫を収容したというのはほんの整理のためなんで、而もその時分は恩給の復活なんてないだろう、殊に一番大きい部門を占める軍人恩給なんというものは大体なくなるのだという観念で扱わしたのだが、現に国民金融公庫が行う仕事と恩給に関する金融の問題とは性質が違つているのですね。そこにもつて来て単純に金融の面からのみ考えられない面が相当ある。まあ露骨に言えば、事実として現われておる現象を言えば、こういう恩給を持つておる者が資金繰りを得ようとするような姿が非常に多くなつて来ておる。又それを何とかうまく運用しようというようなことから過般いろいろな問題が出たというふうな点から言うと、片手間でやるよりは、余ほど考えて親切に積極的に世話をやつて行けるような態勢、そういうものが必要なんじやなかろうか、こういうふうに考えられるから、あえて質問したわけなんですが、むしろ国民金融公庫のほうから言えば、この仕事はまあ手数のかかる、生産的な方面とは余り関係のない、さつき言われたような非常に消費金融的な、而も割合に何と言うか社会的な、殊に今後デフレ的に向えば余計そういう不時の金が要るし、而も生産面には余りタッチしていないという人の借りる金なんですね。だから、そういう点から考えると、片手間に国民金融公庫に扱わしておるというふうな態勢とは違つているはずじやないか。こういうような気がするのですがね。そういう点について、折角おいでになつておるのだから、国民金庫公庫側から、この恩給担保金融に関する事務、及び恩給の事務をどういうふうに扱つておられるか、又今後どういうふうに扱つて行くという御方針なのか、それをちよつと承わりたいと思います。
#31
○参考人(最上孝敬君) 私どものほうこの前、恩給金庫から引継ぎました恩給貸付で、なお外地居住者等のために残つておりますものが二万一千件、千七百万ほどございます。それが残務整理として今後まだ続いて行く仕事の一つでございます。それから昨年の十二月の終りに近ずきまして開始いたしたのでございますが、恩給担保で事業を営まれるかたの事業資金の貸付、これは法律の改正なしにできますので、先ほど局長が説明いたしましたような方法で取扱つておりまして、それがこの三月末まで貸付件数が七百六十二件、金額にいたしまして七千三百万ということになつております。お申込はかなりございまして、丁度三月末までの申込が三千五百ほどございます。三千四百九十八でございます、金額にいたしまして四億五千七百万ほどございまして、それに対して只今申上げましたような貸付をいたしております。今後はこれに対しましていよいよよく担保権を確実にして、仕事の取運びが容易になるようになりますとともに、事業資金という枠をはずすことになりますので、お申込が恐らくよほどふえると思いますが、これは、はつきりした見通しがまだつきませんけれども、それに対しまして資金のほうの手当は、只今計画が立つておりますところでは年間二十三億を貸付ける。そのうち三億は貸付けの回収金にあてるのでありまして、新らしく創設の資金としては二十億でございます。ですから、一月平均いたしますと二億ほどの金になります。只今のところお申込はまだ一億ほどでございますが、これがどの程度になりますか、今のところはつきり見当がつかないのでございますが、二倍、三倍程度のものであれば、私どものほうでそれほど困るほどの仕事の量にはなりません。資金といたしましても相当のかたに御満足が頂けるようにお貸付ができる、こう考えております。
#32
○菊川孝夫君 私、この国民金融公庫が行う恩給担保金融に関する法律の趣旨は結構だと思うのでありますが、そこで最近の中小企業等の金融の逼塞状態から考えまして、これは極めて重大な意味を持つていると思いますので、大蔵大臣に特に御出席願いまして、この法案と関連して一つお尋ねいたしたい。従いまして大蔵大臣の出席を委員長から御要求願いたいと思います。
#33
○委員長(大矢半次郎君) 今交渉いたします。速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#34
○委員長(大矢半次郎君) 速記を始めて下さい。
#35
○小林政夫君 それでは一点だけ。
 第五条の第二項で、これは読めば趣旨はわかるのですが、一つ政府のほうからこの立法の趣旨を説明して下さい。
#36
○政府委員(河野通一君) 先ほどちよつと御説明申上げたのでございますが、この第五条の第二項の趣旨は、遺族或いは後順位者、恩給受給を受けるべき後順位者の利益を保護するために、担保に供した人が死にました場合において、その担保の効力がその後順位者等に及ぶということにいたしますと、扶助料等を当てにしている遺族のかたが非常に利益を害されるということになりますので、その担保の効力はその人限りということにいたすことが適当であろうと、こういう趣旨でありまして、これは戦前にありました恩給金庫におきまする担保の場合と同じような取扱いをしておるわけであります。
#37
○小林政夫君 そうすると、その逆は、公庫のほうからいうと、結局そのときは棒引きだ、回収未済のものは棒引きだということになるのですか。
#38
○政府委員(河野通一君) この点も先ほどちよつと申上げたのでございますが、大体そういつた点も考えまして、この恩給を担保にいたしまする場合の金融は大体三年分ぐらいを限度にいたしております。それと、更に必要があります場合においては生命保険に入つてもらつて、この生命保険の代理受領権を得るといつたような方法もありましようし、又、保証人を必ず立てることにいたしております。そういつたことで、現在までにもそうそのために非常に大きな損失が出るということもございません。今申上げたようなことをやつて参りますならば先ず心配はなかろう、かように考えております。
#39
○委員長(大矢半次郎君) 本案についての大臣に対する質疑は後廻しにいたします。
  ―――――――――――――
#40
○委員長(大矢半次郎君) 次に財政法等の一部を改正する法律案及び冬季積雪地域における予算繰越の特例に関する法律案を一括議題といたしまして、先ず財政法等の一部を改正する法律案について内容の説明を聴取いたします。
#41
○政府委員(佐藤一郎君) 今回の財政法と会計法の改正は、主として財政、会計の手続の簡素化、これを三年ぐらいに亘りまして毎年できるだけやつて参つたのでありますが、なおそれに引続きまして簡素化すべきものを極力いたしたいと、こういう方針で改正案をお出ししたわけであります。
 特にそのうちで問題になりますのは、今御一緒に御審議を願うことになつております、いわゆる積雪寒冷地帯の予算の執行との関連でございます。積雪寒冷地帯につきましては、最近は、特に予算の成立等においても二十八年度のように非常に遅れたような特殊な事情も加わりまして、なかなか予定通りに年度内に工事が執行できない、どうしても繰越をせざるを得ない事態が非常に多いと、こういう状況にあるわけであります。従いまして、積雪寒冷地帯の特に公共事業等でございますが、これにつきまして、何とかそうした予算の円滑な執行ができるような仕組を考えて欲しい、こういう御要望が非常に強くなつて参つておつたのであります。それで今回会計年度につきまして、積雪寒冷地帯の予算執行の会計年度だけは少し延ばして欲しい、こういう御要望等も出て参つたわけであります。で、私どものほうといたしましては、財政制度全般の見地から、会計年度をこの分だけ変えるということは到底できないので、その代りと申しますか、できるだけ一つそういう御要望の趣旨に副いまして、できる限り財政法の趣旨の許す最大限度に、そういう執行の円滑のための便宜的な規定を置こう、こういうことになりまして、それが今回の改正の一つの中心点になつているのであります。
 先ず逐条的に御説明をいたします。
 財政法の十五条、これはあとの繰越制度の改正に伴う当然の整理の条項でございますので、ここでは御説明を省きます。
 その次の三十四条は、従来支払計画等の通知を一々会計検査院にやつておつたのでありますが、これはもつとまとまつた形で実際上の通知をやることにいたしまして、まあ少しでも手続を簡素化しようというので、検査院の了解も得ましてこれを削つたわけであります。
 その次の四十三条、これの二項の改正でございます。これが只今申上げましたいわゆる繰越制度をできるだけ簡単に、又便宜を図るようにしたい、こういう趣旨の改正でございます。これにつきましては、従来、四十三条の条文をお読み願うとわかるのでありますが、四十三条では、各省各庁の長は、繰越計算書を作製いたしまして、大蔵大臣の承認を経なければならない。繰越をしようとしますときには、大蔵大臣の承認を経なければならないと、こういうことが第一項に先ず規定してご奪いまして、それを受けまして第二項において、その大蔵大臣の承認があつたときには、その経費については予算の配賦があつたものとみなす、こういうことになつているのであります。御承知のように、国会の議決を経ました予算も、財政法の三十一条のいわゆる予算の配賦という一応形式的な手続を経て初めて執行ができる、こういう仕組になつております。それで繰越しの場合には、昭和二十八年度に仮に繰越しましたものは二十九年度において使えるわけでありますが、それはいわゆる成立した予算のほかにこの配賦があつたものとみなすわけであります。こういう規定があつたのであります。でこの規定の書き方が相当問題が従来からあつたのでありますが、承認を経るということを前提にしまして、その承認を経た金額が予算の配賦があつたものとみなす、こうなつておつたわけであります。そこで従来承認を大蔵大臣はどういうふうにいたしたかといいますと、二十八年の例で言いますと、いよいよその繰越しがほぼ決算的にも確実な数字が固まりまして、何円という細かい数字まではつきり、これはもう二十八年度中にはどうしてもできない、翌年に繰越さざるを得ないということがほぼ確定した金額を承認するのであります。従いまして、大蔵大臣のところに承認の申請が参り、それを大輪蔵大臣が承認いたしますのは、三月三十一日、即ち年度のぎりぎりのところが、若しくは更に四月に入りましていわゆる出納整理期間中に承認を行うのであります。その結果、承認にも多少の審査のための時日を要しますからして、四月に入りましてからいわゆる空白ができるわけであります。理論的に申しますと、その間は繰越しした事業を一時ストップをしなければならんという甚だいわば無理な事態になるのでありまして、これについてできるだけ、本来であれば、例えば二月であるとか、せいぜい三月の上旬には承認の申請を受けて、それに対して承認を与える、そうして四月に入りますれば直ちに仕事がスムースに、一日の空白もなく行える、こういうふうな仕組にすべきである。即ち事前承認、本来もともと事前承認の規定でありながら、実際問題としてどうしても先ほど申上げましたような空白を生ずるということは、甚だ繰越し事業の施行を円滑を欠かぜることになる。こういうことで改正をしたのであります。
 そこで、その書き方を、改正条文にございますように「前項の承認があつたときは、当該経費に係る歳出予算は、その承認があつた金額の範囲内において、これを翌年度に繰り越して使用することができる。」即ち二月の下旬頃になりまして、そろそろこの経費は大体とても年度内にはできない、大体五百万円くらいは繰越す、こういうことがわかつて参りましたらば、先ず五百万円の繰越し承認を大蔵大臣に求めてその承認を得るわけであります。ところが三月三十一日にいわゆる年度を越すときには五百万円までは要らなかりた、四百八十五万円繰越せばよかつと、こういうことでありますれば、四百八十五万円というものだけを繰越す。即ちその承認があつた金額の範囲内において繰越し使用することができると、こういうふうに、いわゆる承認の金額と、それから実際の繰越しすべき金額、即ち配賦せられたものとみなす金額と分けて考える。従来はその四百八十五万円がはつきりするまでは承認申請をしなかつたわけであります。それで非常に手続上遺憾な点があつたわけであります。この点をはつきりいたしまして、繰越しの承認をできるだけ年度の締切り以前に承認を与えてやる、こういう仕組にしたいというのがこの四十三条の規定であります。それから各省の大臣はこの承認の枠の中で適当に必要な範囲において繰越しができるわけであります。
 それから四十三条の三でございます。これは只今の繰越しの問題に関連いたしまして新たに設けた規定であります。これは「各省各庁の長は、繰越明許費の金額について、予算の執行上やむを得ない事由がある場合においては、事項ごとに、その事由及び金額を明らかにし、大蔵大臣の承認を経て、ての承認があつた金額の範囲内において、翌年度にわたつて支出すべき債務を負担することができる。」これはどういうのかと申しますと、例えば三月の中旬になりまして、新たにいろいろ、な障害があつたのを克服してやつと契約を結ぶというような段階になつた場合に、その契約金額が一千万円である。ところが、その一千万円の金額を、例えば三月の十五日におきまして、それは刑底全部は三月中には執行できないこはこれは明らかであります。そういしますと、三月中に行われるという見込のものと、三月以後に繰越さなけばならないというものとを分けまして、その繰越さなければならない部分については、大蔵大臣の承認を経ました上で別に契約をするわけであります。即ち五百万円なり一千万円なりの金額がありますと、二十八年度の三月三十一日までにやる分と、四月を越えて繰越す分と、いわゆる二本に契約をするのであります。これが非常に手続上厄介なわけでありまして、繰越しの承認を経ましたならばそれと同時に一本で契約をし得る、こういう途を開きたい、こういうのがこの四十三条の三でございます。これはいわゆる財政法の会計年度の原則、一会計年度に原則として予算の債務負担と執行をやると、こういう会計年度の原則の重要な例外をなすわけであります。この規定を置きますのには、私どもといたしましても、非常に重大な例外でありますので、よくく考えたのでありますが、まあこの程度のいわゆる年度越しの債務負担の規定を置きましても、一方においてそう弊害はなかろう。且つ又、先ほど申上げましたような繰越しの手続というものを極力簡素化したい、こういう要求も考えまして、この改正案を御提案申上げたわけであります。
 それから次に会計法でありますが、会計法におきまして第十三条の規定を改正いたしました。ここにおきまして「各省各庁の長は、必要があるときは、政令の定めるところにより、当該各省各庁所属の職員又は他の各省各庁所属の職員に、支出負担行為担当官の事務の一部を分掌せしめることができる。」即ち、従来から契約をするための支出負担行為担当官というものが置かれておつたわけでありますが、それの更に分任支出負担行為担当官というものをここに置きたいと、こういうことであります。
 御承知のように例えば公共事業、建設省関係の土木出張所等がございますが、これらは現在、出納官吏といたしまして、いわゆる資金前渡官吏ということになつておるのであります。で、資金前渡官吏と申しますのは、事業に応じて一定の、五十万円とか百万円の金額をあらかじめ支出官から分けてもらつておきまして、その範囲で契約もすれば支払いもできるという出納上の責任官吏であります。ところが、この資金前渡官吏には、一面において、余りにキヤツシユを巨額なものを渡しますと、これ又弊害があるわけであります。さればといつて、できるだ予算の執行の円滑を図るために、契約だけは円滑に行いたい。そこで、従来はキヤツシユの範囲で契約ができるということになつておりましたのを、分任支出負担行為担当官というものを置きまして、キヤツシユは例えば五十万円しか与えない。併し公共事業を執行するために三百万円なり五百万円の金額の契約だけは、もとの支出負担行為担当官の割当に従いまして、その割当の範囲内において適宜に契約をすることができる、こういうふうな仕組にしたい。これもまあいわば現場における公共事業の契約事務を便宜にしたい。こういう趣旨から置いた規定であります。
 その他の細かいところはこの規定ができましたための整理の規定であります。
 それからもう一つ第四十二条の改正であります。これは従来「各省各、庁の長は、出納官吏がその保管に係る現金又は物品について、これを亡失毀損したときは、遅滞なく、これを大蔵大臣及び会計検査院に通知しなければならない。」こういうことになつておつたわけであります。政府の持つておつた木炭が雨で流されたというようなもの、或いは盗まれたというような通知が、そのために非常にたくさん書類となつて出て来るのでありますが、ものによりましては一定期間分を取りまとめて通知すればできるというふうにしたいという意味において、「遅滞なく、」というのを削りまして、「政令の定めるところにより、」というふうに改正をいたしたわけであります。
 それから、その次の四十六条の二でございます。これが又、積雪寒冷地帯の予算の執行に便宜になるだろうと思つて入れた規定であります。これは繰越の承認手続でありますが、これは従来必らず中央の大蔵大臣のところまで全国の書類が参るわけであります。昔はそれを書類審査だけで各省から出て来たものに対して承認を与えておつたのでありますが、繰越をすることが適当かどうかについて、中央でただ書類審査をしただけでは不十分でありますので、最近では御承知のように、財務局財務部というようなものが大体腹心を連れて参りまして、それの意見を参酌しまして承認を与えておつたのでありますが、ものによりましては大蔵大臣が財務局なり財務部に、もう現場にこの仕事を委任してしまう。それが例えば北海道なら北海道の財務局及び財務部において適宜に繰越承認をし得るようにする。これは実際の手続並びに日数等から言いますと、これは非常にこの活用によつて便宜の途が開かれるわけであります。繰越につきましては、特殊なものは別といたしまして、例えば積雪寒冷地帯における公共事業につきまして、はむしろ財務局或いは財務部に任していいのじやないかというふうに考えておるものが非常に多いのでありますからして、これを活用したい、こう考えております。そのほか多少字句の修正或いは従来の立法を整理するというような改正が少しずつ行われております。
 それから衆議院で修正を受けましたのですが、これはむしろ私どものミステイクでありまして、例の予算執行職員等の責任に関する法律というのがございまして、そこで、この財政法、会計法の改正に伴つて当然字句の整理修正をすべき点を私どもが落したのでありますから、衆議院でお願いしまして御修正を願つたのでありまして、何ら実体的な修正ではございません。
 以上でございます。
#42
○委員長(大矢半次郎君) 質疑を願います。
#43
○小林政夫君 第一条の中で財政法第四十三条の三……。
#44
○政府委員(佐藤一郎君) これは失礼しました。四十三条ですか。もう一つその前に大きな点を忘れていましたから……。財政法の十五条の改正で、御承知の国庫債務負担行為の年限が従来原則として三年になつておつたわけであります。これを継続費と同じように五年にしたいという改正が入つております。その御説明を落しましたから附加えておきます。
#45
○小林政夫君 四十三条の三の改正で、先ほどの説明で大体わかるような気もするのですけれども、この中の翌年度というのは、繰越明許によつて繰越す年度なのか、その繰越が許された年度の次の年度ですか。
#46
○政府委員(佐藤一郎君) そうです。次の年度です。
#47
○小林政夫君 具体的に言うと……
#48
○政府委員(佐藤一郎君) つまり二十八年度の予算が二十九年度に繰越を承認されましたので、二十九年度であります。
#49
○小林政夫君 二十九年度のことでしよう。その場合に、今までは当然繰越明許になつたものは二十八年度から二十九年度に繰越して使用して差支えない。そして、それが例えば繰越明許費で認められている金額の範囲内における債務負担のものを、やはり今までは年度限りで区切つてやつておつた。例えば百万円の繰越明許費が認められておる。そのうち三月三十一日までに契約することができないものはその百万円の範囲内において二十九年度に契約をしなければならん、こういう場合においても、一応三月三十一日で契約を二本建てにしておつたというわけですか。
#50
○政府委員(佐藤一郎君) それは、小林さんのおつしやいましたのは、その前提に、御承知のように繰越には事故繰越と明許繰越があるわけでありますが、事故繰越は御承知のように、年度内に先ず契約をしまして、そうしてその支払い等が遅れた場合でありますが、明許繰越は、いわゆる予算権の繰越と申しまして、契約を全然しないで次の年度に契約をしてもいいのであります。併しいずれにしましても、明許繰越の場合にも、国会のこの予算の中でし得るという権限は与えられておりますが、更に明許繰越をいたしました場合にも、これは繰越すときには大蔵大臣の承認が要るのですから、その点は事故繰越と明許繰越とは変りないわけです。それで、明許繰越の場合にも大蔵大臣の承認が要る。その明許繰越が、契約を翌年度まで全然しない場合は、これは今の御質問の対象にならんわけですが、年度が迫つてから、土地の買収の話合いがついたという場合、いよいよ契約をするということになりますと、例えば千万円の予算、それを五百万円は三月三十一日までに使い切るが、あとの五百万円は四月に入るという場合に、従来は五百万を契約していたわけです。それを千万円一本で、一方、繰越の承認は経なければならんわけですが、その承認がありましたときには、そのうちでどうしても一本で契約をすることが適当だというものは一本でしてもいい、こういう規定を置いたのであります。これが四十三条の三の問題です。
#51
○小林政夫君 事故繰越のほうはおつしやる通りで、今まで通りでいいと思いますが、財政を厳重にやつて行く、濫に流れないという趣旨ならば厳重にやられることに越したことはないのだけれども、一応国会が予算審議の際にあらかじめ繰越すことを許した、いわゆる繰越明許費について、その繰越明許費を許されたものを、繰越すときに、その都度大蔵大臣の承認を経なければならん、こういうことにすること自体について、どうしてもそうしておかなければこういう弊害があるということがありますか。
#52
○政府委員(佐藤一郎君) これは第一点が勿論不必要な繰越はとどめたいということが根本です。勿論、国会で全体として繰越の権限は得ておりますが、併しその国会が繰越の権限を与えられた、その趣旨によつて繰越をさせる場合もあれば、当然、行政官庁の責任に帰すべきことでありますから、繰越をしておるものもある事態はいろいろあるわけであります。でありますから、財政の立場からいたしますと、できるだけ不必要な繰越は認められない。それから結局それは御承知のように、いわゆる毎年度不用額に影響して参ります。下用額は財政上の剰余金でありまして、財政計画に大きな影響を持つておる。又これは普通の場合には起らないのですが、財政法のいわゆる最後の一線と申しますか、昭和二十一二年の頃そういう事態が起りましたが、いわゆる歳入欠陥の問題が起つたことがあるのです。それで政府は結局強引にその支払い計画を引締めまして、そうして歳入が予定通り入りませんでしたから、歳出のほうを予定よりも切らざるを得なくなつたということがあるわけであります。で、やはり一定の財源確保という見地が最低線としてありますからして、大蔵大臣は、一体どのくらいが…つまり繰越を各省大臣に任しておけば、場合によつては繰越をしつ放し……するという場合としないで、放つておきつ放しという場合があり得るわけですが、それらのめどをやはり大蔵大臣としてつけておくというので、この規定は、ずつと戦争以前の会計法時代から、承認だけは経る、こういうことになつておるのです。
#53
○小林政夫君 それは支出を厳重にするという精神はわかるのだし、いいのですが、そもそも繰越明許費を置くときに、一体この費目は繰越明許として適当であるかどうか、又その仕事の性質等を考えて当然何がしかを繰越さざるを得ないだろう、こういう判定に基いて繰越明許費というものを許すわけですが、その事前に、予算編成の際に十分にその辺のことは審議された上で認めてある。それが今御説明のように、濫に流れたり、行政官庁の責任で当然年度内にやれるべきものがやれなかつたということは、会計監査の問題であつて、あとで締めるという方法もある。従つて、手続を簡素化するというような意味から行けば、これはまあ会計に関する限り、簡素化するということは濫に流れる元ではあるのです。まあそこはお互いの判定の問題なんだが、一応許したものについて、そこまでやる必要があるかどうか。歳入欠陥が生ずるという虞れがあつた場合には、そういうような事態においてはそれはこの明許費に限らない、何でも
 一応できるだけ引締めてもらいたい、今どういう使い方をしているのだというようなことを調べ、又報告させるということは必要でしようが、ノーマルな状態において、一旦繰越を許しておるもの、国会もその承認を与えておるものについて、そこまでやる必要があるだろうかというのが、僕の疑問なんですけれども……。
#54
○政府委員(佐藤一郎君) 尤もな御疑問ですが、繰越明許を当初予算で認めるときが問題なんです。これは予算編成のときでありまして、大体御承知のように三十年の予算はもう六月頃から各省が準備して、秋になつて実体ができるわけですね。その予算というものが三十一年になつて使われて、そうして三十二年の一、二、三月も使われるわけですが、その予算が繰越の明許を与えるかどうかの判断は、期間的に言うと随分遡つて行われているわけです。それからいわゆる事柄の筋として、例えばこれはアメリカとの対外的な折衝を待たなければできない経費だ、国際的な折衝を待つ経費であるからして、果して会計年度中に取極が行われるかどうかもわからんから、まあこういう経費は繰越明許を与えて行こう、例えば平和回復善後処理というようなものの性質上、或る程度延びることが予想される。これはむしろ予算自体が、第一に全然その契約自体が行われるかどうかもわからんというものですね。それから私どもはこの規定を置きまして、今度は来年度はこれに伴つて積雪寒冷地帯の予算だけはできるだけ繰越明許をとるようにしたい、こういう考えで、この予算の計上と、この規定が一緒になつて、積雪寒冷地帯の予算の執行を容易にしたい、こう思つておるわけですが、積雪寒冷地帯の例えば公共事業一括繰越明許をするといたします。繰越明許をいたしますが、併しその公共事業の施行については御承知のようにいろいろ問題があるわけでありまして、筋として一応明許をとるということでありまして、国会が明許を与えられる趣旨もまあこれは予算の内容によつていろいろ違うわけでありますが、繰越明許に関する限りは、そういう漠然というか非常に抽象的な……これは繰越した場合にももう一回予算の再計上をするということも不便である、だから繰越の権限を包括的に与えてやつていい経費じやないだろうかという程度の意味のつまり御審議を経ているわけです。それで、今度個個の事項の中のいわゆる各項各日の経費の執行ということになりますと、これは更にそれが各官庁にそれぞれ分れてやつておるわけですが、これは必ずしも、施行の実情を見れば、その抽象的な権限を得たという理由だけで承認もなくやるということになれば、いわば会計年度が二カ年に亘るということになつてしまいまして、非常にいわば濫に流れる。繰越については会計検査院の批難事項が非常に多いのです。そういう例もありますので、私どものほうとしましては、そこがいわゆる濫て流されないという財政上の要求と、それからいわゆる事業の実行の便宜を図るということの要求との、一種の調整点と言いますか、権限は与えられたが、その中で或る程度の審査をするということで調整……折り合うということだろうと考えております。
#55
○小林政夫君 そうすると、逆に言うと、繰越明許費が許されておるものでも、あなたのほうでこれは繰越すべからずと言つて取上げた、不用になつた事例があるのですか。
#56
○政府委員(佐藤一郎君) 繰越につきましては、そこが又従来は事前承認というのがなかなか行われなくて、三月三十一日頃に持つて来るのです。そうしますと勢い我々のほうでは四月に入つて書類の審査をして、四月の中旬か下旬に承認をするというようなのが実情であつたわけです。実態としてはもうそこまで来てしまつておるのですし、それから私どものほうとしましては、よくよくのものでない限り承認を拒否しないことにしておる。これは余ほど特殊な事情でもなければございません。ただまあ私どものほうとしては、ですから強いて拒否するという気持はなくて、従来の実績から言いましても、それを拒否した事例は殆んど稀です。でありますが、いわば会計年度の重大な例外として、先ほど申上げましたように、予算に計上されないで明年度、二十九年度の予算になる性質のものでありますからして、大蔵大臣としてはやはり一応の審査をして、そうして予算に計上されない二十九年度の予算というものをはつきりと確定する必要があるわけです。これは予算の配賦があつたものとみなすということにしまして、ですから私どもでは、二十九年度のいわゆる成立した予算と、それから二十八年度から繰越しまして大蔵大臣が承認して予算の配賦があつたとみなす部分、この二つを合ぜて予算現額と呼んでおるわけですが、いわば新たな予算になるわけであります。これを各省に自由にそのままどんどんやらせるということでは予算の確定もできないわけですから、そういう意味から最低限承認だけは経て頂くわけであります。
#57
○小林政夫君 どうも、一体、二十九年度に新規の予算を作れなくて前年度からの繰越の額が幾らであるかという確認の趣旨ならば、報告でいいわけです。厳密な報告をさせればいい。それを一々……一応国会も繰越してよろしい、これは繰越すことあるべし、こういうことで明許をしておるものについて、更に大蔵大臣が承認するしない、こういうことは濫に流れるということを防ぐという趣旨ならば了承するけれども、それならばそもそも繰越明許というものを作るときに厳密にやればいい。併しそれは一年も一年半も前の予算編成のときであるから少しも見通しがつかない、こういうことでありますが、特に今度出された財政法の改正によると、事故繰越でも、殆んど今までのこういう改正の後においての財政法を見ると事故繰越に相当するもので、繰越明許費も取扱いとしては殆んど変らない。併し、今のお話だと、今後積雪寒冷地帯に対してどんどん繰越明許費を作つてやるということだが、そういう今の四十三条の第二項を改正するならば、繰越明許費を積雪寒冷地帯にどんどん作つておくという必要もないじやないか。事故繰越と明許費というものの実際においての取扱いは殆んど違わないということになつておるならば……。
#58
○政府委員(佐藤一郎君) まあ事故繰越と繰越明許の根本的な相違は、先ほどちよつと申上げましたように、事故繰越は、いわば契約は少くとも結んでいなければ絶対できない。明許繰越であれば、とにかく契約も何もしていない、それでもとにかく四月以降に繰越して、そうして契約をする、いわば全然そのことに手をつけてなくてもいいという意味の、重大な違いがあるわけです。その点が繰越明許を即ち国会に得ておる根本でありまして、予算権の繰越をする。事故繰越の場合はたまたま支払いが繰越される、工事が完全に竣工しないという場合に限るのでありまして、非常に事故繰越は限られておるわけであります。で、繰越明許ということになると、そういう非常に大きな、当然普通の原則から言えば次の年度の予算に再計上すべき性質のものを、再計上する手続を省くという意味の、非常に大きな根本的な便宜を得ているわけです。そういう意味で御承認を得ておりますから、まあいわば経費の筋で抽象的に大きな項目で大体明許を得ているわけです。いわゆる手続におきましては、これはおつしやるような点があるかも知れませんが、政府としましては、例えば二十九年度の予算がどうなるかということは、これは本来ならば当然国会の歳次を得べきほど重要なものでありますからして、一片の通知を以て二十九年度の実際の予算現額がきまるということでは困るのでありまして、手続運用はたとえ簡略にいたしましても、一種の確認行為をしなければ、当然予算の配賦があつたとみなすという規定は置きがたいという立場に立つておるわけです。まあ実際問題としましても、そう繰越のために私どもとしましては日数をかけておらないのです。ただ従来のように、承認を経た額を以て予算の配賦額とみなすということにいたしますと、いわば決算的な数字を、まあ決算手続そのものほど複雑ではありませんが、殆んど決算に近い書類を揃えまして出して来るのです。これが非常に手数なんです。それで、この方法でやりますと、例えば五百万円繰越しそうだと、こういうことになつて、枠で以て承認を与えますと、その決算的ないろいろ細かい書類は全部要らなくなるのです。大体事柄を説明しまして、財務局あたりで事柄を聞きまして、まあ無理もないということで以て枠を与えれば、実際はやつてみますと五百万円が四百八十五万五千五百円であつたということであつて差支えない。従来は四百八十五万五千五百円の書類を作つて来なければならない。これが大変なんです。これがために非常に繰越をみんないやがる、おつくうがるのです。その書類を作る過程が省けるから、これは非常に大きな手続の簡素化なのでありますが、一面、最後のチエツクの手段だけは、これはそう始終起る問題とは思いませんが、財政当局としては持つていなければならない、こういう考え方でいるわけであります。
#59
○委員長(大矢半次郎君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#60
○委員長(大矢半次郎君) 速記をつけて。
 暫時休憩いたします。
   午後零時四十六分休憩
   〔休憩後開会に至らなかつた〕
ソース: 国立国会図書館
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