くにさくロゴ
1953/05/11 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 大蔵委員会 第42号
姉妹サイト
 
1953/05/11 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 大蔵委員会 第42号

#1
第019回国会 大蔵委員会 第42号
昭和二十九年五月十一日(火曜日)
   午前十一時十分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
五月十一日委員西川甚五郎君辞任につ
き、その補欠として岡田信次君を議長
において指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     大矢半次郎君
   理事
           藤野 繁雄君
           小林 政夫君
           菊川 孝夫君
           東   隆君
   委員
           青柳 秀夫君
           岡崎 真一君
           岡田 信次君
           木内 四郎君
           白井  勇君
           安井  謙君
           山本 米治君
           土田國太郎君
           前田 久吉君
           三木與吉郎君
           成瀬 幡治君
           野溝  勝君
           堀木 鎌三君
           平林 太一君
  国務大臣
  大 蔵 大 臣 小笠原三九郎君
  政府委員
   外務省条約局長 下田 武三君
   大蔵大臣官房長 石田  正君
   大蔵省主計局長 森永貞一郎君
   大蔵省主計局次
   長       原  純夫君
   大蔵省理財局長 阪田 泰二君
   大蔵省銀行局長 河野 通一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       木村常次郎君
   常任委員会専門
   員       小田 正義君
  説明員
   大蔵省理財局外
   債課長     上田 克郎君
   大蔵省管財局閉
   鎖機関課長   岩動 道行君
   大蔵省銀行局銀
   行課長     谷村  裕君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○経済援助資金特別会計法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○大蔵省関係法令の整理に関する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○閉鎖機関令の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○金融機関再建整備法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○旧日本占領地域に本店を有する会社
 の本邦内にある財産の整理に関する
 政令の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(大矢半次郎君) これより大蔵委員会を開会いたします。
 経済援助資金特別会計法案を議題といたしまして質疑を行います。
#3
○菊川孝夫君 昨日に引続きまして、第三条の運用等による収益金を以て充てる、こうなつているのですが、その収益金というのは、どういうものを指して言つておられるのか、御説明願いたいと思います。
#4
○政府委員(森永貞一郎君) 資金の運用に伴う収益でございまして、典型的なものは開発銀行に貸付けた場合の利息が大部分でございます。政令によりまして、開銀に対する貸付以外に、例えば投資ができるというようなことになりました場合には、その投資に基く配当金等も入つて来るわけでございますが、本年度の予算におきましては予定いたしておりません。本年度予算に計上いたしましたのは、開銀からの利息収入だけでございます。
#5
○菊川孝夫君 これは初めからですけれども、開銀に貸付をするということを盛んに言つておられるのだが、開銀に貸付するということは、この法律の中に明示をする必要はあるのじやないかと思うのですが、運用又は使用するというのは第四条でいつているだけですが、運用の中に開銀貸付も含んでいると考えておるのか。これはなぜ言うのかというと、資金に余裕があるときは、当該余裕金を資金運用部資金に預託することができるとある。資金運用部資金に預託するのは、只じやなくて利息がつくでしよう。これも一つの運用だ。これには資金運用部に預託することができると、わざわざ書いてあるから、開銀に貸付することは何も法律に書かなくても貸付はできる、ところが資金運用部に預託する場合にだけは、法律に明示しなければならない理由、これに資金運用部資金に預託することができるということを書くのであつたならば、やはり開銀に貸付することができるということをなぜお書きにならんか。その点、法律的にどうなつているか。立法者としてお答え願いたい。
#6
○政府委員(森永貞一郎君) この特別会計法の基になつておりまする経済的措置に関する日本とアメリカとの協定に、相互間で合意する条件に従つて贈与するということになつておるわけでございまして、この法律を立案いたしました当時は、如何なる条件で合意するかということにつきまして、まだ確たる見通しを立て得なかつたわけでございます。従いまして、政令で定めるこころにより、運用又は使用するということにいたしまして、この合意の条件が確定するに従つて、政令の規定を與えて参る、さようなことで、法律の甲には特に開発銀行ということをメソションしなかつたわけでございます。なお、資金運用部に余裕金を預託することができる、これは各特別会計の共通の規定でございまして、余裕金はすべてこれを資金運用部に預ける、これは勿論短期でございますために利率は低うございますが、利子がつくことは只今おつしやつた通りでして、その利子収入も第三条の収益金に含まれるわりでございます。
#7
○菊川孝夫君 私のお聞きしているのは、政令により運用又は使用するものとするとあるのですから、政令の際に開銀には貸付するというふうに決められるのだと思います。ところが預託のときだけがわざわざ四条の法文の中に入れなくちやならん。あなたが資金運用部資金に預託するというのは特別会計の原則だと言うが、原則だと言うのは、何も法律に書かなければならんという理窟はどこにあるのか、こういうことを言つておるのです。これは体裁たというなら別ですけれども、そんな体裁を作る必要はないのじやないか。こんなものは削つておいたつて何も「政令で運用又は使用する。」で、できるのじやないか。それから、それじや開銀に貸付ということは入れなくてもいいか、その理由、それに入れなければならん理由を聞かせて頂きたい。
#8
○政府委員(森永貞一郎君) 第四条の項は、これは資金の本来の運用方法でございまして、政令で決めるということになつておるわけでございます。それに対して第三項は本来の運用ではないわけでございまして、余裕金をどうするか、これは、こういう規定がございませんと、国庫の一般預金になりまして、日本銀行に国庫金として預けられるものの中に入つてしまうわけです。これは利子がつかない。こういう特殊の目的を持つた資金でございますから、預金部に預ける、すると、そこから利子が生れるわけでございまして、こういう資金の性格上、経理を明確にする意味からも、普通の国庫預金でなくて、資金運用部に預託させることのほうが適当である。これはこういう性質の特別会計にはすべて共通の問題でございますが、特にそういう規定を設けまして、資金運用部に預託させるということにいたしたわけでございます。本来の運用のほうで開発銀行云云ということを書ければ、当時書きたかつたのは当然で、まあ考え方でございますが、何分にも先方との交渉がまだ調つておりませんでした。今日においてもまだ条件について両方の意思がどこに合意するか、まだ確たる結論は出ていないわけでございまして、そういうところから書入れなかつた。又現在でも書入れないわけでございます。政令にこれを譲らざるを得なかつたわけでございます。
#9
○菊川孝夫君 次に、このMSA援助というものは、これは我々の見ているところでは、そう長いこと続かないように思つておりますが、仮にこれは打切られてしまつても、経済援助資金特別会計というものは相当長期に亘つて存続するようなことになるという見込みで、あなたの方ではこの法律を立案しておるのか。それとも、或る程度MSA援助というものが、もう打切られてしまうということになつたら、これは開銀に貸付けというやつを又出資というふうに切替える。こういうことも考えた上で、ただMSA援助が続いている間だけの特別立法というような考えで、この法律を立案しているのか。これはなぜかと申しますと、三十六億だが、まあ来年も三十億なり四十億なりあるとすれば、七十億ぐらいにはなる。それを十年間置いておくということになると、一割廻つたつて十割廻るのだから倍ぐらいになる。そういうものを長く存置して、一つのアメリカから援助して貰つた記念品的に残しておく。これは日本の自衛力増強の誘い水になつたというふうにして残しておくような意味を以つて、この法案が立案されているのか。それとも、援助協定に従つて特別の勘定を設けて整理するとなつているので、この援助協定が続く間だけは、この法律によつて整理をする。援助協定が終つてしまつたら、今まで開銀に貸付けているものは開銀出資というような切替えということも考えておられるのか。この点を一つ伺つておきたいと思います
#10
○政府委員(森永貞一郎君) 将来これに類似する援助の可能性がないわけでもございませんし、又仮にそれがないといたしましても、この三十六億が年年利息金を生んで参るわけでございますので、この会計の法律的な性格と申しますか、建前といたしましては、時限法的なものではなくて、金がずつとある間は続くというような建前で、この法律はできておるわけでございます。従いまして、MSA協定が存続するまでの臨時的な期間だけ、この会計を置いておくというようなことではないとされておるわけでございまして、ずつと続くような建前で法律的には出ておるわけでございます。併しこれをどうするか。例えばもうこの三十六億の金を分離運用する必要がなくなつたような場合に、この会計をずつと末長く残しておくかどうか。これは時の情勢で決めて然るべき問題であると考える次第でございまして、例えば見返資金特別会計、これは分離運用をいたして参りましたが、これは平和回復と同時に、この見返り資金の大部分を産業投資特別会計という新たなる会計に引継ぎまして、別な形態のものにいたしました。それと同じようなことが将来の情勢如何によつては考えられるわけでございます。或いは産業投資特別会計にこれを合併するというようなことも考えられましようし、或いは一般会計が引継ぐ、これはむしろ適当でないかも知れません。むしろ産業投資特別会計との関連であると思いますが、そういうようなことを考えなければならんような時代が来るかも知れません。これは一に将来の問題にかかつておるわけでございます。法律上の建前といたしましては、暫定的な、一時限を限つての特別会計ではなくて、ずつと続く会計という建前になつておりますが、将来にはそういう問題は残されておるわけでございます。
#11
○菊川孝夫君 次に大蔵省の昔の財務官というようなのが、今現地の公使の恰好になつておるか或いは大使館の参事官というような恰好で海外各地に派遣をされておる。アメリカにも当然沢山行つているだろう。どういう恰好で行つているか知らないが行つている。その連中からは、MSA援助についての詳しい報告、アメリカの動き或いは国会内における論議或いはアメリカの財務当局の計画というようなものの報告が来ておると思うのですが、あなたのほうも当然別に、一つの参考資料だけで将来どういうふうに変化をするかはわかりませんが、取り集めておるだろうと思う。僕らでも国会図書館等を通じまして資料を収集しているから、アメリカはなるべくここ一年か二年で打切るというような意見が強いというふうに、僕らが調査したところではなつておるのだが、あなたのほうではどういうふうな報告が来ているか。この点一つ伺つておきたいと思います。
#12
○政府委員(森永貞一郎君) 財務官という制度がなくなりまして、只今お話がございましたように、英米両方に大使館員として、公使なり、参事官がおることは、お話の通りでございます。これは建前として、大蔵省との間に直接情報のやりとりをするという仕組にはなつておりません。外務省を通じて参るということになつておりますが、只今お話がございましたように、MSA援助が一年なり二年だけで打切られるだろうという確実な情報は、私どもは得ておりません。併しアメリカにおきましても緊縮財政というようなことが言われておりますし、将来の一般的傾向といたしましては、これがずつと続くというふうにも常識的には考えられないわけでございます。併し私どもといたしましては、的確なことは申上げられないのでございまして、日本の自衛力漸増ということにからんで、日本といたしましてはMSAの援助を引続いて期待しなければならない立場にあるわけでございます。その意味で、そういう努力が行われておるものと存ずる次第でございます。
#13
○菊川孝夫君 そこで、こちらとしては永久に続くものというふうに楽観もできない。だからと言つて、来年どうなるかわからんというようなMSA援助でございますが、この三十六億を誘い水にして、設備の増強費はやる、完成兵器も援助を貰う。ところが兵器であるとか軍需産業で一旦設備をしたものが、而も利息を払つて金を借りて軍需会社のほうは設備をするし、一方、完成兵器のほうは一億五千万ドルか何ぼか今年来るが、来たものは年々直ぐ保安隊が演習にも使つて古くなつて参りますから、長く使えないだろうと思う。耐用年度というものはさまつておるから。特に最近の兵器は耐用年度は極めて短くなつておるのじやないかと、こう思うのですが、そうすると、勢い補充ということが、日本の経済力、財政的力というところから割出して、この計画も一応は事務当局としては立てなければならん問題だと思う。ただ単にこれだけを先ず来たものだから、何とかやれというのでは無責任だと思うのです。運用するに当つても無責任だ。これはどのくらいのものか。それでこれがいよいよ断ち切られるということになつた場合には何らか方法を講じなければならないと思うのですが、財務当局としては、少くともそういう面の見当ぐらいは行なつておるか、それとも全然見当も何もないか。来たものだからやつてみる、あとはそのときになつてみなければわからんという方針でこの法律が立案されておるかどうか、伺つておきたいと思います。
#14
○政府委員(森永貞一郎君) この法律の融資の問題と必ずしも直接の関係はないわけでございますが、保安庁の必要とする武器弾薬類、これには消耗資料と、然らざるものとがあるわけでございます。消耗資料と申しましても、耐用年数の比較的短いものも含めての詰でございます。今の保安庁の予算では、アメリカから貰うものと、日本で調達するものと両方あるわけでございますが、その一定量を保有していなくちやならん一つの基準があるわけでございまして、その基準量に対しましては、一定年限を基礎とした消耗率を考えまして、それが例えば五年目にどかつと消耗して役に立たなかつた場合に、一ぺんにそれが財政負担に出て参りますと、それは非常なそのときの財政負担になるわけでございますから、常時リプレースに備えて或る一定の補充をして行かなくちやならんわけでございます。昨年度あたりから、そういつたような考え方で保安庁の予算を組んでおるわけでございまして、昨年は割にその消耗に備うるリプレースなり予備なりを比較的多く準備することがてさ在したのて、今年保安庁の自衛力漸増に際しましても、幾らか楽をしたというような実情になつておるわけでございます。この一定数量ずつの補充は、消耗したときに一ぺんに計上しないで、年々に害つて行く、そんなような考え方を以て保安庁の予算の編成に臨んでおるわけでございまして、それによりまして幾らか財政負担の均分化に資し得ておると、さように考えておる次第であります。なお詳しい計数的な問題になりますと、資料を別に用意いたしましてお答え申上げたいと思います。
#15
○菊川孝夫君 今のような計算をあなたのほうでされる場合に、少くともあなた方、青年時代は、軍の要求と日本の経済力とを、どの点で調整を図るかということには苦労をされた経験をお持ちだろうと思うのです。今あなた方がその責任の地位に立たれまして、応今の日本の経済力から考えて、又外国の動き等も考えて、何パーセントぐらいまでは一応この軍事予算としては、これは今の日本の力からすると、軍事予算と言いますか、防衛力増強のための予算として組み得るというくらいなことは、計画としては当然お持ちにならなければならん。その何パーセントぐらいは必要最大限度、これより防衛援助協定には、そういうふうになるための向うから援助をよこすのだ、誘い水のような援助をよこしているのだと、こうい三とは書くとわかるのですが、今のところ経済力から考えたならば、総歳出予算の何パーセントぐらい、少くともその軽度で押えて行かなきやならんという点がなきやならんと思う。これは戦前に大蔵省と陸海軍との折衝が一番予算編成の場合にむずかしかつたのだから、将来その経験に基いて、あなた方もこの問題は今からやはりしつかりと考えておかなきやならん問題ではなかろうか。計画もお持ちになつているのじやないかと私は思うので、この際伺つておきたいと思うのだが、どのくらいのものを抑えられるものか。
#16
○政府委員(森永貞一郎君) なかなかむずかしい問題でございますが、今年は約一兆の予算に対しまして、防衛支出金と保安庁の経費合せまして千二百七十億ぐらいになつておるわけです。今後国民所得の伸びがどうなるかという問題でございまして、まあ若干ずつても伸びますれば、漸増という建前かり、幾らかでも防衛支出金と保安庁経費を両方合せたもので増加して行かなりればならんような態勢に立ち向うのしやないかと思いますが、本年度のこり緊縮予算の影響がどういうことになツますか。恐らくは国民所得の伸びもボり期待できないというようなことにばるのが常識的な見解であると考えられるのでありまして、そうなつて参りますと、財政当局の立場からいたしますと、防衛支出金と保安庁経費を合せましたもので、そう今年の総額を急激に上廻ることはできないのではないか。従いまして、自衛力を漸増して参ります上におきましては、防衛支出金のほうは幾らかでも減らして保安庁経費のほうへ廻して行くというような操作が、非常に重要な要素になつて来るわけでございまして、そんなことを漠然と考えておるというのが現状でございます。将来のことはなかなか的確なる予想が立てにくいわけでございまして、具体的にどうするというような計画は、今のところ持ち合せておりません。
#17
○菊川孝夫君 なぜ私そういうことをお尋ねするかというと、MSA援助を受入れて、向うもこれだけ援助してやるのだから、あなたのほうも今度はそれに応える意味において、去年が千二百七十何億であつたけれども、これだけ援助を与えてやつたのだから、お前のほうもこれに応える意味において、或る程度ふやせという要求は来るものであることは、大体考えておかなけれぱならんと思う。よく言われるが西欧各国でもMSA援助を受けるところは、その受入れに従つてだんだんと、軍事費、日本で言うと防衛支出金、防衛分担金というものがふえて来ておる、こういうことが言われておるが、あなたのほうでそういう調査をされておるかどうか、フランスなり或いはイギリスなりが、MSA援助を受入れた、その受入れたために、アメリカのほうとしても、これだけぐらいはふやして行け、お前のほうも応えてもらいたいという要求があつた場合に、だんだんとふえておる、こういうような傾向を辿つているかどうか。フランスもやつておる、イタリアもイギリスもやつておるということになると、お前のほうもやれと言われたときに、それを無擬に断わることも外交上むずかしいと思う。それは調査されているかどうか。
 これはなぜ考えるかというと、三十六億かそこらもらつて又ふえるということになると、結局援助をもらつた軍需工業だけはいいけれども、税金で負担しなければならないこちらのものが犠牲を負わなければならんということになるので、お尋ねしておくわけです。これと重大なる関係があると思うので、私はお尋ねしておるわけです。
#18
○政府委員(森永貞一郎君) 各国の実例がどうなつておるかということは、只今資料を持ち合せていないのでございますが、まあおつしやつたようなことを言われる可能性は非常にあるわけでございます。私どもといたしましては、国民所得の伸びの状況、国民の租税負担の限度、又、他の緊要なる国家歳出との関係も十分考慮いたしまして、日本の経済力の実情から考えて、適正なる限度にとどめるということに、常に努力をいたして参つておるわけでございまして、今後も同じ方針でこの問題に処して行かなければならんと考えるのでございます。先ほど防衛支出金と保安庁経費の合前額千二百と申上げたかも知れませんか、これは千三百七十の間違いでありよすが、これは国民所得五兆九千八百億に対しますると、二・二%ぐらいです。各国の軍事費負担の状況は、実はこれよりも割合が倍ぐらいにはなつておるわけでございます。まあそれだけの事実から、私ども、もう少し防衛費をふやす余地があるとは必ずしも考えません。国民の生活水準の問題所得水準の問題、そういつた問題もございますから、この割合が低いとは必ずしも我々考えないのでございますが、要するに今後の経済情勢の成り行きを考えまして、決して無理が行かないように、とにかくこの一両年は、国際収支の均衡化、自立の達成ということに全力をあげるべき年でもあると存ずるのてありまして、それを第一義としなければならん。そういつたような観点から、将来の膨脹に対しましては、十分これをできるだけ押えて参りたいという心組みを持つて臨まなければならないと考えておる次第でございます。
#19
○菊川孝夫君 この予算の特別会計の甲で欠損というようなものは考えておるかどうかということを一つお尋ねしておきたいのですが、これはなぜかというと、例えば開銀に貸付けしたら、ての開銀が貸代けるのはどういうところへ貸付けるか知らんが、そうすぐに利益のあがるようなところばかりとも応えられないので、日本の防衛産業の育成のために使うということになりますと、必ずしも今の日本の経済状態かつ見て、日平産業みたいな事態も起るびも知らんと思うので、そういうような支払い不能ということになつた場合は欠損ということを全然考えておらんりか、欠損はすべて開銀に背負わしてしまうと考えておるのか。欠損というリはちよつと見当らんのですが、それけ考慮しておられるのですか。
#20
○政府委員(森永貞一郎君) 理論的には欠損というような事態も起り得るかと思うのでございます。その場合の処置がこの特別会計にはございませんが、一般的な会計法規その他によつて処理し得るわけでございますが、実際問題といたしましては開銀に貸付ける、そして開銀がそれを原則としてコンマーシャル・ベースで貸付けるということを考えておるわけでございまして、政府から貸付けました金が欠損に終るというようなことがないように、開発銀行に対しましても十分監督をして行かなければならない、さように考えておるわけでございます。
#21
○菊川孝夫君 それからもう一つ聞いて置きたいのは、「運用又は使用する」とあるのですが、運用というのは分るのですが、使用というのは使つてしまうのだから、それだけなくなつてしまうことになると思うが、これは国として使用するのか、大蔵大臣が直接これを使用することになるのか、それとも各庁へ別途に予算として配付してでも使用すると、こういう運用を政令でやつて行く積りか。これを一ぺん聞いて置きたいと思います。
#22
○政府委員(森永貞一郎君) この使用は、国がみずから使用する場合と民間において使用させる場合と、二つあると存じます。例えば工業の助成、本邦の経済力の増強に資するような試験研究施設を作るほうがいいというような場合に、国でそれを作るのにこの資金を当てる場合と、或いは民間にそういう施設を作らせる場合と、両方あるかと思います。いずれの場合でも、殊に前者の、国が作る場合は大蔵省が作るわけではございませんで、この金を関係各省に移し替えまして、その省の予算に計上して作るということになると思います。移し替えというような一つの予算操作が要るわけでございます。それから民間に作らせる場合には一種の贈与みたいな形になるわけでございます。例えば民間の或る会社にこういう試験研究施設を作れという場合には、或いは大蔵大臣が直接その支出をするということになろうかと存じます。見返り資金の場合にも使用という途が開かれておりまして、公共事業等、或いは発電所の建設、ダムの建設等に使つたという例がございます。これは関係各省に移し替えまして、その省で予算を執行いたしております。
#23
○菊川孝夫君 特にこの使用について気がつかれるのはどういう使用を考えているか、これを聞いてみたい。
#24
○政府委員(森永貞一郎君) これは現在のところ、少くとも二十九年度に関する限りは、できるだけ使用は避けたいと考えております。
#25
○菊川孝夫君 そうすると、今聞いて来たことで大体これはわかつて参りましたが、将来これが長く続き、だんだん殖えて来ると、あとは援助がなくても少くとも利益だけでも殖えて来る。そうすると、今あなたの言われたような使用をやれるということになると、しまいにやるときには国の一般の歳入にまた戻すということも考えられますし、最後に行つてもう七十億なり何なりたまつた、五年なり七年なり経つて、五十億か七十億になつた、MSA援助のほうはもう打切つたというときに、しまいにこをれるやときに、全部残つたものを使用ということで、各軍需会社にそれぞれ目的に応じて贈与するということになりますならば、使用ということになると、その会社の財産になるわけですから、使用してしまつて、国の財産には恐らくならないだろう。民間に使用させるということになると、使いぱなしだと思う。そういうこともやろうと思えばやれるということになりますか。最後になつて七十億残つた。これを特別会計をやめてしまうというときに、それをすべて各軍需会社で今まで貸しておつたところへ、それぞれの目的のために使用する。使用する場合には、設備を増強するために使用ということもできるだろうし、又昨日の大蔵大臣の御説明では、大体試験程度のことを考えておられる。試験ということになると、一番頭に浮ぶのは、ジェット機の風洞とか、そういう試験設備を作るとか、原子力の研究ということがすぐ頭に浮んで来るのですが、水素爆弾ということが……。最後になつて七十億たまつた。これをそういうふうにやつてしまうということになれば、その貰つた企業が自分のところの財産になるわけです。工業試験所にしろ何にしろ、そういう措置もこれは法律解釈から行つたらできるということになるのですか。
#26
○政府委員(森永貞一郎君) これは政令で制約を設けるわけでございまして、只今お示しがございましたような使用は、これは全然考えておりません。せいぜい試験研究施設、それも国がやるような場合を主として考えておるわけでございまして、七十数億たまつた場合に、それをまとめて、民間会社に「のし」をつけて進呈するというようなことは全然考えておりませんし、又そういうことはやるべきではないと考えております。
#27
○菊川孝夫君 もう一遍お尋ねしておきたいのだが、その法律はそのまま生きているということになつた場合に、昨日も小笠原さんに言つたら、小笠原さんは怒つて、それは考えが違うのだから仕方がないと言うのである。だから、さて違うと言つても、これは五年、十年、今聞いておつたら、何年続くかわからんということも考えられる。考えの同じ小笠原さんがいつまでも運用に当られるとは限つておらん。そうすると我々の党が担当することになるかも知れない。そういう場合に、MSA援助のほうは打切られておる。MSAの援助協定が生きておる場合は法律ばこのまま生きておるが、MSAのほうは終つているということになつた場合に、政令によつて使用運用はできるのでありますから残つている七十億は、工業力の助成、この法律に書いてあるのは工業力の助成その他経済力の増強に資するためでありますから、その目的のためだつたら何も軍需工業とは書いてない。軍事目的のために使わなきやならないという法律ではないのですから、法律解釈とするならば、如何なる目的に使つても、工業力の増強ならどういう工業力の増強でもこういうふうに解釈できると思うのですが、法律は長い。それでなかなか廃止する見込みはない。小笠原さんの管理するうちは恐らくあり得ないだろうと思う。協定も生きているうちはちよつと難かしいかも知れない。合意その他によつて使わなければならない。協定が死んでしまつて特別会計だけが生きているという場合には、合意する必要もないでしよう。七十億という金があるけれども、協定は向うがあと続かなければ協定というものは続かないのですから、毎年来てこそこの協定は続くけれども、来年からもう援助は来ない。だから、金だけは残つている。そうすると、これはもう合意という必要はない。法律はこうして生きているということになつたら…。そういう解釈もできると、こういうふうに解釈してよろしうございますか。
#28
○政府委員(森永貞一郎君) これは、この法律の解釈の問題のほかに、予算を以て、具体的な運用なり支出の仕方を規制せられるわけでございまして、MSA協定乃至はこの経済的措置に関する協定が廃止されました後に、この「工業の助成その他本邦の経済力の増強に資する」と、この目的を非常に広く読みまして、例えば農業関係の資金の運用をするとか、そういう余地は勿論あると思うのでございますが、只今引例としてお挙げになりましたように、民間の一会社、一企業に、非常に莫大なる利益を与えるような、而も設備資金的なものの融資に替えてそれをやりつ切りにするというようなやり方は、私どもといたしましては相当問題があると考える次第でございまして、やはり設備資金に充当せられて、それによつて相当利益を受けるというような場合は…、飽くまでもこれは運用貸付乃至は将来の問題としては投資という形も考えられると思いますが、そういう形の経済的な形のものにしなければならないと私どもは考えているわけでございます。
#29
○菊川孝夫君 ちよつと僕の尋ねることがあなたによくわからんのかと思うが、尋ね方が下手の関係かも知れませんが、この協定はこれは長くいつまでも続くものではない。あと品物が来た、援助がどんどん続けて来る場合には、これは協定はだんだんと更新して行くだろうが、この協定というものは、続くかどうかわからないが、僕らの聞いているところでは、MSA援助というものはアメリカが打切りたいということは、あなたも先ほどの御答弁で、アメリカにそういう動きもあるということを言つておつた。そこでMSA援助を打切つてしまうということになると、特別会計の金だけは、僅かな金であるけれども、利息も殖え、又二、三年続いたということになると、百億になるかも知れん、三年経つて四年目にはこの協定もなくなつて、そうなつた場合には、この運用をしようということは、これは合意の必要は全然なくなつてしまう。今のところは、この協定の精神というものはそういうものがある。それとも一旦残して置くというふうにこの協定で書いてあるのだから、そのあとの援助はもう続かないにもかかわらず、やはり運用、使用については、合意というか、そういうことが或る程度必要であるものか、それともこの場合には、目的に自衛力増強のために工業を助成しということは全然この法律には書いてないのですから、だから工業の助成以外には使つてはいかんけれども、工業の助成、それから経済力の増強に……経済力の増強なんということは、これは考え方によればどういう使い方でもできると思うのですが、だから拡大解釈して、この協定さえ死んでしまつたならば、この使用、運用はできる、こういうふうにこの法律そのものが解釈できますか。勿論国会に出してこれは予算として承認を得なければならないのですけれども、その承認を先ず政府として出す場合には、そういう解釈の下に出すことができるかどうかということを聞いているのでございまして、その点はつきり一つ。
#30
○政府委員(森永貞一郎君) この会計の基になりました協定が死んでしまつたのちにおきましては、これは勿論この運用につきまして合意という問題は起つて参らないと思います。
#31
○菊川孝夫君 そうすると、これはもう自由にこの法律を解釈してやつてもよろしい、こういうふうに解釈してよろしうございますか。
#32
○政府委員(森永貞一郎君) この協定が死んだと申上げましたが、廃棄されたのちには、只今申上げたようなことになると思います。ただこれは三十六億をくれることについての協定でございまして、この三十六億をくれる際にどういう目的に使うかということを会議するわけでございますから、この協定が生きている限りは、この三十六億を年々運用するにつきましては、初めに合意いたしました条件に従つて、その精神を汲んで運用して行かなければならんわけでございます。協定が廃棄されたのちは、これはもう勿論合意の条件は死んでしまうと考えております。
#33
○菊川孝夫君 そうすると、この協定というものは、あと続かなくても、一旦もらつたものは、こういうふうに特別会計を持えたら、いつまでも合意の必要は永久に続くもの、こういうことになるのですか。あなたの先ほどの説明によれば、場合によつては投資会計こ繰入れるというような、こともあるかも知れない。見返資金の場合もあつしということですが、そういう場合にも皆の合意の必要はあるというのですが。協定というものは生きておる。三十六億はこれは贈与を受けた。この協定は、受けたものはこれはいつまで経つても消えないのですね。こちらから廃棄の通告なり何なりしなければ、双方からその申込の手続なり何なりをとらなければならん。この特別会計というものは念念した上でなければ使えないと、こういうことになるのですか。この資金の運用、使用は年々変つて来るのですから、金も殖えて来る。それは皆一々合意してやつて行かなければならん。こういうことになるのでございますか。
#34
○政府委員(森永貞一郎君) 初めに三十六億をもらうときに、これはどういう方面に、又どういう方法で使うかということを、両方で合点するわけであります。その合意した条件に従つて三十六億を運用して参るわけでございます。その場合に、年々殖えて参りまする利子分をどうするかということは、これは合意のときにそれも含ませるかということで別途の交渉の問題になるわけでございますが、当初の少くとも三十六億の部分につきましては、当初合意いたしました条件で今後年々運用して参るわけであります。私が先ほど、この会計を存置する必要がなくなつた場合には、他の会計に統合するなり一般会計に引継ぐことも可能であるということを申上げましたのは、この協定それ自身がなくなつて、もうこれと特別の資金として特別の目的に運用して行く必要がないということになつたような場合、その場合でも、この会計経理という面から申しますれば、この会計の運用資産がある限りはこれを残しておくということも一つの方法でございますし、会計法の精神としてはそういう考え方で、できておるわけでございますが、併しもうそういう必要がなくなつた場合には、この三十六億が百億になりますか、幾らかに増加いたしますが、それをこういう形で残しておくことは必ずしも必要がないので、そのときの情勢の如何によつて産業投資特別会計に合併することも可能でございましようし、或いはその他の整理をすることもできるわけでございまして、そのことを先ほど申上げたわけでございます。
#35
○堀木鎌三君 関連して……。どうも私、さつき菊川君と主計局長のお話を聞いていると、少しおかしいと思うのですがね。この三十六億に限定してもいいんだが、爾後、大蔵大臣のお話だと、来年もある、併しこの資金運用はちよつと紐が付いておるわけです。大体大蔵大臣がここで言われるように、一つは防衛的な産業に使うんだ、それに関連したものに使う。又それに伴う基礎産業的なものに使う。で、少くともこの金については、個々具体的に、どの会社にどれだけ使うかということは日本政府に任されているんだが、そういう使途については大体協定に従つて両国間で相談するということになつている。そうすると、この会計がどういう処理をされようが、その資金については両国間の協定によつた大枠に従つた姿で便わるべきことが当然のことだと僕は思うのだ。それで、あなたのほうは、菊川君に追及されると、何だか体よく、日本が自主的に全部聞かないで処理できるように言われるけれども、資金というものはもう三十六億だけではなしに、来年又三十六億でも五十億でももらえば、その資金の用途は、大体、今、枠がきまるはずなんであつて、あとで俺のほうは勝手に使えるんだと言つたら、それこそ両国間の協定に反する、そういうことは一体個個の立場でものを考えるということでなくて、国際信義の問題です。それで一片の答弁で、菊川君の耳に入りやすいように成るべく答弁しようと言つたつて、それは無理じやないかという気がするのですが、もつとその点ははつきりお答えになつたら如何ですか。
#36
○政府委員(森永貞一郎君) これは、三十六億をもらいますときに、その協定によりまして相互間に合点された条件に従つて譲与されるわけでございますので、その条件に従い、こういう条件で運用すべきだということになれほ、その通りに運用して行かなければならんことはその通りです。ただ菊川さんのお尋ねは、MSA協定乃至はこり経済的援助措置に関する協定が破棄された場合は自由かということでございますので、それは、元の協定がなくばりますれば、恐らくそのときにこの援助資金の措置も同時に消えることにばるかと思いますが、これは合意した条件に従つて運用するという制約から離れるということになるんじやないひ、これは飽くまでも協定に従つての側約でございますから、協定がなくな札ばそういう状態に置かれるんじやないかということを申上げたわけでございます。
#37
○堀木鎌三君 協定がなくなつたということで、なくなる場合にもいろいろの場合が想定される。MSAのごときものを受けるべきでないという、例えば立場の異なる菊川君の政党が内閣をとつて、アメリカの援助は一切お断わりだということを言つて廃棄する場合もあるだろう。それから又、経済援助の目的を或る程度達成したから、両国間の合点によつてその問題についてはもう今年度から受けなくてもいいという事態が発生する場合があるだろう。いろいろな事態が想像されるが、もらつた金は、もらうときにすでに両国間に協定がついておるのです。これはもとより個々の会社は別だけれども。そうすると、ここに資金が幾ら残つていようと、その両国間のその資金をもらうときの約束は約束なんだ、だから僕はそういう点では非常にあいまいな御答弁だと思う。で、その点については、あなた方が幾ら言われたつて、初め金にもうちやんと紐がついている。いわゆる紐つきの金なんです。個々の会社には紐がついていないが、使途の方向は、大綱はきまつておる。だからそれに従つて運用しなくちやいけない。それは、はつきりしている。第四条の法律に「工業を助成しその他本邦の経済力増強に資するため」と、こう書いてあるけれども、この裏には協定があつて、協定で約束はできているんですよ、両国間に。だから如何に法律上の文句がそう書いてあろうが、お互いの相談で拡張して行くことはできるけれども、相談を破つた形を幾ら法律がこうだからと言つて曲げることはできない。こう私は考える。それが外交ですよ。国際間の信義の問題ですよ。そう考えるべきが本当だと思う。
#38
○政府委員(森永貞一郎君) 御指摘の通りでございまして、この協定がございまする限りは勿論この協定の条件に従つて運用して参らなければならんわけでございます。そこで、まあこの協定が一体なくなる場合があるのかどうかという問題になつて来るわけですが、これは一度もらつてしまえばもう協定の目的は達したので、これをなくするとか何とかいうような事態が物理的に起り得ないのかも知れません、理論的に。そういう意味で、まあもらうときに紐がつけば、その紐はずつとつくということになろうかと存ずるわけでございます。ただ初めこの融資をするについて対象なり方法なりを合意した。ところがそれが一遍運用されて返つて来た。その場合に、それについても初めの合意した条件に従うのかどうか。これはまあ初めの合意の内容如何によるわけでございまして、その辺になりますと、多少弾力性が残されておるというふうにも考えるわけでございます。
#39
○菊川孝夫君 そうしますと、この三十六億に関する協定というのは、農産物の購入に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定、これを意味するか。それとも日本国とアメリカ合衆国との相互防衛援助協定か。この小麦の農産物の購入の協定によつてこれができた乏、こういうふうで、これはただもらうだけの協定であつてこの特別会計ができたのか。それともこの援助協定も効力発生中永久に……この農産物の購入に関するというのはこれは一時のもので、別に効力がいつまで有効だとか何とかいうことは全然ないんですよ。五千万ドルの取引を行うよう努力することが絶対であつて、これは有効期間とかそういうものは全然ありません。廃棄の手続というものはない。ただ五千万ドルの買付けに努力する、こういうだけの協定ではない。この協定に基いて経済援助資金特別会計、これは日本国とアメリカ合衆国の経済援助に関する協定にこう書いてあるんですよ。「基いてこの特別会計は設ける」、こういうふうに書いてあるんですよ。私はそういうふうに理解しておる。ちよつとこれは変つて来たんで、相互防衛援助協定に基いて設ける特別会計じやなくて、この経済援助に関する協定だから、恐らくこの農産物のこれだと思うのですが、そういうふうに解釈してよろしゆうございますか。
#40
○政府委員(森永貞一郎君) 農産物ではございませんで、経済的措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定、この協定の第一条に「次の目的のために使用する」ということがございまして、第一項に「アメリカ合衆国政府は、日本国の工業の援助のため、及び日本国の経済力の増強に資する他の目的のため、相互間で合意する条件に従つて、前記の特別勘定から円価額を日本国政府に贈与するものとする。」この贈与を受けましてその円資金を受けておるわけでございます。併し只今のこの協定だけではございません。今後或いは類似の協定が結ばれる可能性も勿論あるわけでございまして、その場合には、この趣旨が同じような性格の協定でございますれば、この特別会計法の規定が動いて参る余地があるわけでございます。
#41
○菊川孝夫君 それで、その経済的措置に関する日本国とアメリカ合衆国との協定というものにも、効力はどうだとか廃棄の手続はどうだというようなものは全然ないのですな。効力とか廃棄の手続その他のことは全然書いてないでしよう、これには……。だから、もらつて、もらうだけの手続はこれは書いてある。合意で一旦投資なり融資なり或いは何なりに使うと、これだけはやらなければならん。あとはもうこれでこう協定というものは済みじやないか。それともこれは永久に生きているものか。三十六億が日本に特別会計が存在する限りは生きているものか。どういうふうに解釈するか。
#42
○政府委員(森永貞一郎君) 三十六億を贈与する、それをこちらはもらうわけでございますが、その円資金は特別に積立てなくちやならんという規定もございまするし、もらつただけでこの協定の効力がなくなるという性質のものではございませんで、もらつたことに伴うその後の特別勘定なり運用なりにつきましては、この協定の規定がずらつと生きているわけでございます。
#43
○菊川孝夫君 そうすれば、これは必要がなくなつて返すことの手続もこれにはないのですよ、それから、いやだと思えば、こんなものは、日本がこれは自主的にやつておるのですから、今の政府はそういうふうに考えておられるけれども、どうしたつて、これは情勢によつて変るのですから、だから、いやだと言つても、相互防衛援助協定そのものは廃棄の手続その他がございます。これらにはないのですよ、経済的な措置は特別会計が経済的援助に関する協定に基いて云々と書いてあるのだから、相互防衛援助協定によつてできたところの特別会計ではないのですから、そのことを第一条にちやんとあなたのほうの立案の際に調つてあるのだから、だから有効期間があるわけではなし、廃棄の手続がないので、永久にこれは紐つきだ、こういうふうに解釈するのか、それとも一方的に廃棄して、十年先とも、だんだん今まで聞いて来たので、一体、本会計が将来どうなるのかということになつて、では最後に元へ又戻つて、ではこの協定には……この協定には何ら期間もない。廃棄の手続もない。廃棄の手続があれば政府の変つた場合には、これは廃棄したほうがいいと思えば廃棄する。これは永久不変のものであつて、どうしようもないものだ。こういうふうに解釈しなければならんのか。それとも僕らの解釈では、一時的にもらつたのだ、もらつてしまつて一旦こいつを使つてしまつたら、あと五年先、十年の先まで紐がついていないものだ。こういうふうに僕らは解釈するわけですが、その点どうか。
#44
○政府委員(森永貞一郎君) まあもらつてしまうということが第一の問題でございますが、もらつたのち、どういうふうにこれを使うかということについての効力は、ずつと続くわけでありまして、これが只今お話のように三十六億がぐるぐる廻つている限り永遠に続くのかどうかという問題は、これは相互間の合意する条件で、そこで話合いをする余地もあるわけでございまして、その際に、例えば回収金についてはどういうふうな運用をするということを両方で約束すれば、その約束の通りということになるわけでございましよう。併しまあ別な面から申しますと、廃棄の手続がないから、これはずつと永久に効力が存続するかどうか。これは国際法上の問題でございまして、私は専門家ではないのでありまして、或いは事情が変つて参りました場合に、この内容を更に変えるということは、国際法上の手続としても恐らく不可能ではないと考えます。
#45
○菊川孝夫君 併しこれはどう見たつて短期の、殆んどこれを援助というか贈与をするための手続、協定のように私には見えるのだね。精神は勿論これは生きているのだ。相互防衛援助協定は成るほどわかつているのですよ。よくわかつているけれども、法律にも、相互防永援助協定に基いて設ける特別会計ではないということがはつきりしている。ところが、これには廃棄の手続もどういうこともないのだからして、もらつてしまつて、一旦使用してしまつたら、もうあとのものは、堀木氏の言うのでは永久にこれは紐がついているのだとこう言うのだが、この特別会計には……。その解釈をよく聞いておきたいと思う。この特別会計には永久にアメリカの紐がついているのだと堀木君が言つたら、あなたもそうなつていると言うのだが、ところが、この協定を見ると、そんな有効期間というものはない。とすれば、永久のものだ。向うが合意すればいいが、合意しなかつた場合はどうなるのか。
#46
○政府委員(森永貞一郎君) 初めにもらうときに、相互間で合憲した条件に従つて、向うは贈与する、こつちがもらうわけでございます。その合意する条件がどういう条件であるかということにもよるわけです。差当り例えば防衛産業とか、基礎産業、関連産業に融資する場合ということで、合意いたしますれば、そういう方面にそれを融資しなくちやならんわけでございますが、それが回収されたときに、今度はそれをどうするか。それも実は合意の条件として細かく論じておかなければならない問題になるわけでございまして、それをずつと永遠にそういう目的に使用するかどうかということは、合意する条件によつてもきまるわけでございます。その意味で、この条件が三十六億にはずつと付いて廻るということにはなるわけでございますが、永久に例えば防衛産業にこれを融資し続けなくちやならんかどうかということま、条件の内容の問題になるわけでございまして、従つてこの条件につきましては、やはり慎重に先方と折衝しなければならんと私どもは考えるわけでございます。
#47
○菊川孝夫君 大臣が見えていますが、この点、もう少し事務的折衝に当るのは当られるのですか。この点もう少しよく聞きたいと思うのですが、大臣にもう一点だけお聞きして、大臣の質問は終りたいと思います。
 第二条は、「この会計は、大蔵大臣が法令で定めるところに従い、管理する。」と、こうあるのですが、そこで
 「法令」というのは、昨日聞いたところでは、日本のあらゆる法律、憲法も含んでの意味と、こういうことを言われたのですがね。そこで最近この三十六億の金のうちで、或いは十億とも言われているし、それはあなたにお聞きしてもまだはつきりしないと言つているのだが、ジエツト機をこしらえる会社のほうに融資をするというようなことに噂をされているし、又事実あるかも知れんと思つておるが、そうなつて来ると、木村保安庁長官が戦力問答を国会でやつたわけです、盛んに。そのときに、これは戦力とは言えん。今の保安隊は言えん。バスーカ砲、そのぐらいでは戦力とは言えん。ジエツト機と原爆を持たないようなものは戦力とは言えない。こう言つておつたのだが、いよいよこれはジエツト機の会社に対して開銀を通じて融資をするということになつたら、少くともこれはすぐには使いものにならないといたしましても、木村さんの言つた一つのジェット機という条件を整えるための戦力を保有する。そうすると、従つて戦力保有の準備段階へこの特別会計を通じて一歩突入する。こういうふうなことになると思うのでありますが、そのように解釈してよろしうございますか。
#48
○国務大臣(小笠原三九郎君) まあ戦力問答というのは私ここでいたしませんが、よく御承知の通り、木村さんが常に答えておるのは、これはいわゆる近代戦争を遂行するに足る云々ということを言つておりますから、それはそのジエツト機そのものが近代戦争を遂行するためのうちに入るかどうか、それは如何なるものか、はつきりいたしませんが、私はこれは「法令で定めるところに従い、管理する。」とありますから、大蔵大臣としては如何なる場合でも法令に背いてやるということはいたしません。このことは、はつきり申上げておく。但しそれは戦力であるや否やということについては、法制局長官その他それぞれ専門家に聞いてみます。
#49
○菊川孝夫君 あなたはそれは、今日は大蔵大臣であると共に国務大臣としてもお考え願わなきやならんから、その戦力になるかならんかは別として、戦力というものは、それができてから、使いものになつて初めて戦力だ。こしらえて、研究したり、試作をやるというのは戦力じやないが、仮に木村さんが何回も言つて、一つの国会で笑いものみたいになつてしまつたが、原爆、ジエツト機がなければ戦力じやないと言うが、これは政府を代表して、何回聞いても、速記録に残つているが、このジエツト機に対して融資をするということになつたら、少くとも戦力を持とうという意図の下にこの特別会計というものは運用されて来るのじやないか、こういうふうに解釈できると思うが、そういうふうに解釈してよろしうございますか。あなたはどうですか、そういう意味で。
#50
○国務大臣(小笠原三九郎君) 私はまだジェット機がどういう何をするものか、ジエツト機のそれは、機能についてよく知りません。それから又ジエツト機というものが、この日本で作られるようなことについての話を、まだ何ら受けておりません。従いまして若し……。
#51
○菊川孝夫君 もう会社はできて、登録しているのですが。
#52
○国務大臣(小笠原三九郎君) その会社はできているかも知れないが、私のほうがその金を貸すとか何とかということについては、何ら相談を受けておりません。従いまして、そういうことを相談を受けた際に、今菊川さんの言われたように、これが日本の法令に違反するかどうか、こういうことは、私も特別会計の管理者として、自分の責任上、専門家の意見を聴した上で処理いたします。
#53
○菊川孝夫君 そうしますと、憲法の第九条そのものも、「大蔵大臣が、法令で定めるところに従い、」ということは「法令で定める」ということは、憲法その他各種の日本の法律すべてを含んでの意味だ、こういうふうに、そしてあなたは法令に反しないということを十分に考えて処置をする、こういうような御答弁ですね。
#54
○国務大臣(小笠原三九郎君) さようでございます。
#55
○菊川孝夫君 そうしたときに、今の政府の統一した代表的な、国防大臣的な、国防と言うと語弊がありますが、保安庁長官の木村さんが言つている、ジエツト機ができるくらいなら戦力だということを言つておられるのだが、何遍も、予算委員会でも何でも……。だからジエツト機というようなものに貸すというようなことはあり得ないものだ、こういうふうに了解してよろしうございますか。
#56
○国務大臣(小笠原三九郎君) 法令に違反することはいたしません。これははつきり申上げておきます。
#57
○菊川孝夫君 具体的に……。
#58
○国務大臣(小笠原三九郎君) 具体的なことは具体的なことが起きたときにやつて行く仮想的に申上げられません。いずれにしても法令に背いて管理することはいたしません。
#59
○菊川孝夫君 それは当り前です。
#60
○国務大臣(小笠原三九郎君) 当り前のことを申上げております。
#61
○政府委員(森永貞一郎君) 木村保安庁長官の答弁での問題でございますか、速記録により調べてみたの為すか、例えば原爆、ジエツト機というものを持てばとおつしやつておるのですか、それに但書をお付けになりまして、但し総合的な近代戦遂行能力を持つ程度にならなければ戦力とならないということをおつしやつているのです。ジエツト機を持つ場合に、この総合的近代戦遂行能力を持つことになるかどうかというその判断の問題が一つ残されておるのではないかと考えるわけでございます。
#62
○菊川孝夫君 仮想の問題には答えられんと言うから答えなくてもいいのです。ではもう一遍聞いておくが、そういうふうにジェット機で近代戦争遂行の能力を持つように、そのためにはやはりジェット機をこしらえる準備或いは試作その他のことをやらなければならんが、法令には勿論違反しないと、あなたは士つしやるけれども、戦力をこしらえるという今の木村さんの答弁から考えて、法令には違反しないけれども、戦力をこしらえるための準備的行動にはなるということに、ジエツト機に仮に貸すとしたら、なると思うのですが、それはそういうふうに解釈してよろしうございますか。
#63
○国務大臣(小笠原三九郎君) 繰返して申上げます。私は法令に背いて管理いたしませんから、そのときに、その問題が起つたとき、法令に背くや否やは専門家の意見を徴した上でやります。
#64
○菊川孝夫君 それ以上言つても水掛論になるからよろしい。次にお尋ねいたしたいのですが、先ほどからも何回もお聞きしても、ちよつとはつきりしないところがあるんだが、「政令で定めるところにより、運用又は使用する」と、こういう政令案というものは、大体法律を出して来るときは、政令もこういう構想だというので当然付いて来るのは当り前だと思うのです。政令の構想そのものもできておらないのか。どういう構想でこの政令をこしらえるのか。
#65
○国務大臣(小笠原三九郎君) 政令については、政令案そのものはできておりませんけれども、大体のことは過日来御答弁申上げておるのであつて、即ち日本開発銀行に対して貸付として運用する、多少利息の収入を見ておるのもその点であります。場合によつては工業力の質的改善のための試験研究設備等にも若干の経費を向け得る。それで使用という文字が使つてあるのでありまして、その設備の経費にも使用することができる、こういう工合にいたした。かように考えておる次第であります。但し繰返して申しておきますが、私はこの使用という限度は極めて少くしたいと思う。大部分を商業的採算に基く開発銀行の貸付に使わせたい、こういうように考えております。
#66
○菊川孝夫君 それでは、使用というのは国が直接使用するのか、或いはそれとも民間をして使用させるつもりであるかどうか。
#67
○国務大臣(小笠原三九郎君) これは先ほど主計局長があなたに御答弁した通りでございます。
#68
○菊川孝夫君 そうすると、民間にもやらせる場合もある、こういうことですか。
#69
○国務大臣(小笠原三九郎君) やらせる場合があります。
#70
○菊川孝夫君 それでは国がやる場合には管理はどの省がやるのですか。
#71
○国務大臣(小笠原三九郎君) それは大蔵省が管理するに適当なものは大蔵省が管理しましようが、恐らくこういつた試験研究というものは大蔵省が管理するのに適当でないものがありましよう。例えばそれぞれの省で管理するものがありましよう。
#72
○菊川孝夫君 それではこれをもう一遍聞いておくが、それでは一旦試験に使用した場合にはあとの維持費が要るのですね。維持費等もすべてこの会計から使用分としてやつて行くつもりか。或いは又一時そういうものを出すが、一旦設備だけの使用に使つて、あとの維持、経営費はこれはほかの会計からやるか。或いは維持費もこれで使つて行くか。それをちよつと聞きたい。
#73
○国務大臣(小笠原三九郎君) そういうような場合には予算措置を講じなければなりませんので、具体的に問題になつたときに御相談いたしたいと思います。抽象論ではちよつと……。
#74
○菊川孝夫君 抽象論ではないのです。法律の解釈として、使用する場合にはそういうものがやれるかどうか。
#75
○国務大臣(小笠原三九郎君) 使用の場合にはほかに予算措置を伴わなければなりませんから、若し今のお話の通りであれば、そのとき予算措置を講じて御審議願うことにいたします。
#76
○菊川孝夫君 いや、そうではないのです。この法律案を立案したときの解釈として、それをやれるかやれないかということを言つておる。この法律ができて予算措置ができた場合は、それはその予算でやることは当り前です。この法律の解釈を聞いておるのです。立案者としてやれるかやれないか。
#77
○国務大臣(小笠原三九郎君) それはやれそうに思いますが、併し法文の解釈は、厳格に解釈するとなると法制局長官でないと間違うので、これは統一した意見を申上げるのは何ですが、二十九年度中には使用しないということを言つておるので、今後幾らも質問する機会があるのに、何もこの使用だけで、二十九年度には使用しませんといつておるのですから、今後特別会計をお認めになるだけならば、そこまで御追及にならんでもいいと思いますが、どうですかね。
#78
○菊川孝夫君 これは法律を拵えるときに、やはり出発点が大事だから聞いておるのです。法律を立案しておいて、その解釈を、できると思うというような解釈では、大蔵大臣がそんな馬鹿な解釈で、立案者がその解釈がわからないでどうなるのですか。
#79
○国務大臣(小笠原三九郎君) 立案者はできると思うと答弁いたしました。
#80
○菊川孝夫君 それではできるのですから、この四条だけでそれはやれる、こういう解釈でよろしうございますか。
#81
○政府委員(森永貞一郎君) ちよつと補足して申上げますが、この条文の解釈の中からいたしますと、設備費だけでなくて、その維持、運営の費用もここから支出することができると思います。併し私どもの見解といたしましては、維持費的なものはむしろ通常の予算を以て年々計上して参るべきものと考える次第でございまして、この政令を定める場合には、設備費ということに限定して考えたい、かように考えておるわけでございます。
#82
○小林政夫君 資金の使途ですが、連合委員会のときにもずつと引続いて、今日まで全然まだ予定がない、こういうことですが、私が外務との連合委員会の席上で質問をした明くる日だと思うのですが、四月二十一日の日本経済に、いとも詳細な使用計画が出ている。私はそのときに、まだ確定はしておらないでも、少くとも政府の原案なり、米当局と交渉をする腹案というものがあのるではないか、それを知らしてもらいたい、こう言つたのに対して、それもないのだ。大体今お述べになつておる通りの御答弁で今日まで一貫しておるのですが、この日経の記事によると、審議庁の総務部長は米大使館と正式交渉に入ることになつた。云云と書いて、腹案がちやんと載つている。これはどうなのですか。
#83
○政府委員(原純夫君) 只今いろいろ関係り当局、つまり通産省、経済審議庁、それから大蔵省の間でたびたび集まつて議論をいたしおりますが、まだ案の確定というまでには参つておりません。特にどこにこの論議の焦点があるかということを申上げますと、昨日から菊川委員からも特に御指摘のありましたような、日本の将来の兵器等の恒久的な使用というか、使用、或いは設備を作りましても、いわゆる経営基礎といいますか、経営単位というものを考え得るわけでありますが、非常にての需要というものが不安定であるということになりますと、設備投資という固定的な投資に対して非常に不安があるというようなことになります。この防衛計画自体かなり不安定であるわけでありますが、更にこれを兵器産業設備というようなところに集約して参りますと、その問題が非常にいわば尖鋭な角度で問題として出て参りますので、そういうような点を中心にして今三者の間で非常に揉んでおるというような段階で、従いましてアメリカ側にアプローチされたということも、恐らくそういう具体的な内容を持つてアプローチされる段階に全然参つており生ませんので、いわば予備的な、準備的な段階での話をしておられるのであろうというふうに考えております。
#84
○成瀬幡治君 そう突つ放さないで、やはり私らは、試案というものは持つていて、大蔵省なら大蔵省が、通産省なら通産省で話されていると思うのです。例えば今小林委員が指摘したのは、これは私はやはり大蔵、通産、外務と一応まとまつた腹案としてアメリカ政府に出される試案としてのものだというふうなぐらいのことは認めていいと思うのです。余り隠すことは、アメリカとしてもあることですから、日本はこういうことでやつているのだというくらいまでは話されていいと思うのです。それを全然ないのだ、ないのだと言うことは、少し何というか、言質を取られてあとで尻を引つ叩たかれるのをいやがるように思えてしようがない。どうなのですか。
#85
○国務大臣(小笠原三九郎君) 全然そうじやありません。それは私自身のところにまだ出ておりません。ただ事務的にいろいろ話し倉ていることはあるが、これは原案というものは、大蔵省がどちらかといえば持つべきものじやない。各省から希望が出ている。それに私が承知していることは、少し違うかも知れませんが、私が承知しているのは、小林さん言われたのは、向うもこういう意向があるということを、突つかれて話をしている人がある、それがちよつと出ているのじやないかと思うのです。何もきまつたものじやないが、そういうことを言われておると、それは違つておるかも知れないが、私はそういうふうに聞いておる。それで三者が共同して、両方で一致した意見のものが何か今日まで出ておると聞いておりません。これは実は私は何もあなた方に嘘を言うことはありません。私自身がまだ承知しておりません。
#86
○成瀬幡治君 このくらいのことは、あなたの腹案というのですか、大蔵省の日頃の見解はできておりますか。防衛生産を大体国営でやつて行こうとするのか。私企業で行こうとするのか。又兵器管理工場というものがあるわけ下すけれども、これは三千万というの下すから問題にならんと思うのですが、方向としては国営みたいなもので、或いは半官半民になるかも知れません。そういうものが大体私企業を中心として行くのかというような大まかな方針というものはさまつていませんか。
#87
○国務大臣(小笠原三九郎君) それは私企業としてやらす考えであります。国営としての考えは持つておりません。過日来開発銀行を通して金を貸出すということを申しております。つまり私企業であるから貸出す、こういうことでありまして、私どもは国営でやるという考えは全然持つておりません。私企業としてやるというふうに思つております。
#88
○政府委員(森永貞一郎君) この新聞記事につきまして一言申上げたいと思いますが、先ほど原次長からお答え申上げました通りの段階でございまして、配分案につきましては私どもまだいろいろ問題を持つておりまして、具体的に、各省が相談されてきめるという段階には行つておりません。この新聞記事が出ましたときにも、実は経済審議庁なり外務省に異議を申入れたような次第でございまして、何かこういうような話をしたのかどうかということを確かめたようないきさつもございます。そのときの御返事では、何もきまつたものとしての話は全然していない。まあ抽象的に原則等につきましてはいろいろ話合いをしているけれども、計数に亘る部分については交渉をしておるということはしていないというふうな御返事でございまして、私どももそれで安心いたしました。いずれにいたしましても、この配分を至急にきめなければならん状態でございますので、その後、関係各省から大蔵省にも来て頂きまして、折角御相談申上げておる。そういう段階であるというのが率直な事実でございます。
#89
○小林政夫君 それ以上聞いてはお困りになるでしようからやめます。
#90
○菊川孝夫君 下田条約局長が出席しましたからお尋ねしますが、この特別会計と密接な関係があるので、この特別会計は、場合によつては、長く十年でも二十年でも存続することが、この法律だけで行けばそのまま読んでみればできるわけです。又するかも知れませんが、この経済的措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定、それから農産物の購入に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定というのは、別に期限もない。それから又廃棄するというような条項もないとするならば、これは永久に存続するものか。それとも単に五千万ドルに相当する農産物を購入したその資金を特別会計に積み立てて、一応第一次の資金計画というものをこのようにしてきめた。それで、これだけは少くとも消滅してしまうものか。その点を伺つておきたいのですが。
#91
○政府委員(下田武三君) 条約や協定で或る原則事項を定めまして、その原則は何年でも繰返されて適用があるという問題の条約、協定でございましたならば、これは一応の区切りをつけますために、三年とか五年とか或いは十年とかいう期間をつけます。ところが本協定は一定の数量の農産物を買うという、或いはそれに伴いまして一定の金額の贈与をする、或いは域外買付をするということの一時的のことをきめたものでございますから、その数量の買付が終り、或いはその金額の贈与が終るという、協定の予想いたしました事態が完了いたしました場合には、もはや目的を達した条約となりまして、終了したと、普通国際法上そういうふうに考えておるのであります。
#92
○菊川孝夫君 そうすると、これはまあ贈与が終つてしまつたということになると、この二つの協定は一応は効力は消滅した、こういうふうに解釈してよろしゆうございますね。
#93
○政府委員(下田武三君) 私どもの予想では、五千万ドルの農産物の買付ということはそれで終りまするが、米国の只今考えておりますこと、更にこの本協定のような目的で農産物を外国に売るという政策は、むしろ発展しつつあるのではないかと思うのでございます。でございますから、来年度には或いは別な新たな協定ができまして、その協定の中でこの協定に言及いたしまして、この協定は目的を終了してからどうするというような後始末をこれに代る協定で付けられることも十分あり得ると思うのであります。
#94
○菊川孝夫君 そうすると、つまり先ほどの何とは変つて、この二つの経済的な関係の協定は、その授受措置が終つたならば済んでしまう、こうなると。ところがこの特別会計は長く続くといたしましたならば、だから特別会計に対する協定の紐と申しますか、具体的に言うと協定の紐というのはいつまで続いて来るのか。こういうことを一遍聞いておきたい。というのは、一旦協定が終つて、もらつてしまつたそのときには、こういう目的のために使うということになるけれども、相当利子も殖えて来ましたり、或いは長いことやつているうちには、やはり年賦償還その他で貸したやつも返つて来る。だからそのあとの貸付等については一々合意しなくても、こちらでその協定の精神に従つて運用しておればいい、こういうものであるか。それとも、この特別会計の運用使用については、いつまでも向うのほうとやはり合意をしなければならないものか。これを聞いておきたい。
#95
○政府委員(下田武三君) この当初の問題といたしまして、先ずこの贈与の金額をどういう目的で使うかというような大枠をきめるときが、一番日米間の合憲を必要とする時期でございます。そうしてその合意に基いて日本側が使用して参ります。一旦設定された特別勘定の資金でございますから、その資金の存在は続くわけで、協定は死にましても続くわけでありますが、その場合に将来どうするかということは、実はこれからの交渉事項でございます。この協定の第四条に「この協定の実施のため必要があるときは、両政府の間で細目取極を合意するものとする。」、この一年が終りましたのちに、将来の問題を、取扱をやはり協議する必要は当然生ずるでございましようし、その際に日本側が特別勘定に繰入れました資金の将来の使用方法につきましても、当然両国の当局間で話合いが行われる、その話合いに基きまして何らかの決定が行われる。いずれにいたしましても、これは協定の当初には実は合意をしておりませんので、将来の決定に属する問題だと存じます。
#96
○菊川孝夫君 そうすると、その程度の話合いであるとかというものは、これはこういう協定として文書に取交わしてサインして残るわけでもない。単に大使館と外務省との間に話合いをしておるという程度のものでございますから、少くともこの協定のように重要意義を持つておりませんから、情勢の変化によりましては、これはそのまま、別に廃棄の手続も、それをやめてしまうという手続も、そういう複雑な手続も必要でないと思いますが、政権の異動というような事態がこの五年なり十年なり先に起ると思います。そのときにはもうそんなものは一々尾を引いて来るものではない、こう解釈してよろしいですか。それともやはりそのときの取極というものは、やはり尾を引いて永久に続くものですか。どうですか。
#97
○政府委員(下田武三君) 協定第四条に基きまして両国政府間で細目取極をいたします。その際にその細目取極自体の期間についての決定もなし得るわけでありまして、差当り十年間はこれこれの目的で使うという決定をいたしてもよろしいし、又毎年一回その資金の使途について協議をして、個々にその都度きめようという合意をいたしてもよろしうございます。
#98
○菊川孝夫君 そうすると、これはあなたのほうでは、諸外国のMSA援助の例も調べておられると思うので、そういう話合等の例を調べておられると思うのだが、大分もう前例があると思うのですが、毎年そうしてこういう特別勘定を設けておいて、これには毎年々々そういうふうに協議をしておるものか、それとも一旦これは終つてしまつて、贈与して、一応融資或いは投資等で使つてしまつたということになると、そう長く紐を引いておらないのですか、どつちになつておりますか。これは前例によつて、大体よその例によつて処理をされて行くのか。日本だけ特殊な扱いになることは恐らくないと思うのですが、それを聞いておきたいと思います。
#99
○政府委員(下田武三君) 米国の余剰農産物を売りまして、その見返資金によつて経済援助の目的を達するというアイデアは、米国にとりましても新らしい問題でございまして、大体日本と時を同じうしましてイギリス、ドイツ等でやはり協定が行われたのでございますが、その細かいところは発表をいたしておりません。併しこの目的自体がMSA法で、つまり自由世界の防衛力を強化することによつて、世界の平和を確保するというMSAの大目的でございますから、どこの国でもMSAの大目的に適合する以外の使途には使わないということは、これは各国とも共通した問題でございます。それで遠い将来にまでこの資金を防衛関係以外に使うか使わないかという問題は、まだ各国とも米国と話合つておらないと思います。最初の一年が過ぎましたときに、恐らく各国ともその点について米国と協議するものではないかと思います。
#100
○菊川孝夫君 そうすると、もうこれはまさか合意ができないから、一旦話をしておいたやつを返せとか、そんなことはないものですね、贈与ということにはつきりしてあるのですから。長く五年なり十年なり先になつて使い途について意見が合わない、両国の間に大目的については大体において了解しておつても、細かい使い途について意見が合わないというような事態があつても、それによつて両国間の合意が成立しないというような場合があつても、これはそれではあのやつたやつを返せというような事態というものは起らないわけですね。
#101
○政府委員(下田武三君) これは米国の国内法たるMSA自体にも贈与と明確に書いてありまして、贈与する権限を大統領が持つておるからやるわけでありまして、又協定におきましても、はつきり贈与と書いてありますので、将来これを返せというようなことは絶対にあり得ないことだと考えております。
#102
○委員長(大矢半次郎君) 他に御発言もないようでありますが、質疑は終了したものと認めて御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#103
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。
#104
○菊川孝夫君 私は経済援助資金特別会計法案に対しまして反対をいたします。我々の党はこのMSA援助そのものを受けるべきでない、こういう外交方針を堅持いたしております。従いましてこのMSA援助を受けて設けられるところの特別会計法については反対するわけでありますが、反対の理由は、一番根本的にはMSAを受けるべきでない。これはまあMSA援助協定の討論の際に我が党の代表が述べておりますので、繰返して申述べる煩を避けたいと思いますが、ここで一点だけはつきりと大蔵委員会関係の我々として申上げておきたいのは、僅かの援助を受けまして、而も完成兵器をもらつて、僅かな援助資金をもらい、これによつて農産物を購入する、そうして域外買付と軍需産業に投資を認められるということになりまして、これは向うの一つの誘い水だ。それに必らず応えるようにこちらから防衛支出と申しますか、戦力増強のためにだんだんと殖やさなければならん、大体軍隊というのは、どこの歴史を見ましても、減つて行つたというのは極めて少くて、日本の歴史は申すに及ばず、どこでも防衛力であるとか軍隊というものは必らず殖えて行つておるものであります。ましてや近代における武器の異常な発達に伴いまして、日進月歩と申しますか、毎日々々進んでいる時代でございますからして、新しい武器或いは兵器等を生産しなければならん、それに応えなければならん。それをアメリカのほうとしては期待しておるだろう。だからこの法律案とは経済援助といつて、如何にも経済的な援助をもらうよりな見せかけでありまして、これによつて一応潤つて、まあ甘い汁をちよつぴり吸えるのは軍需産業だけで、これは開銀を通じまして長期設備資金を借りて、鉄砲や大砲の弾を携えたり、鉄砲を持えたりするような旧軍需産業の復活はできるかも知れないけれども、それによつて逆に日本の防衛支出はだんだん殖えて来て、そのしわ寄せば国民生活のほうに及んで来る。これははつきりしておると思います。従いまして我々はこの経済援助資金特別会計法に絶対反対するものであります。
#105
○委員長(大矢半次郎君) 他に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#106
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。経済援助資金特別会計法案を衆議院送付案通り可決することに賛成のかたの御挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#107
○委員長(大矢半次郎君) 多数であります。よつて本案は衆議院送付案通り引決すべきものと決定いたしました。なお、諸般の手続は前例により委員長に御一任願いたいと存じます。それから多数意見者の御署名を願います。
 多数意見者署名
   木内 四郎  安井  謙
   藤野 繁雄  山本 米治
   白井  勇  土田國太郎
   青柳 秀夫  小林 政夫
   岡崎 真一
  ―――――――――――――
#108
○委員長(大矢半次郎君) ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#109
○委員長(大矢半次郎君) 速記を始めて。
 次に大蔵省関係法令の整理に関する法律案を議題といたします。質疑願います。
#110
○小林政夫君 この委員会で私は何回も発言して、次の法令整理のときには考えるという言質を前主計局長からもらつておるのです。というのは、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律というのがある。この法律があるにもかかわらず、特別な財政援助、例えば農林漁業金融公庫或いは庶民金融公庫その他の公庫に対して金利の補給をするとか、特別なまあ低利の金を融通するというような場合においては、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律の規定にかかわらず云云と、こういうことでやつておる。電源開発会社に対してもそうだ。だからいずれの場合においても、法律で立法措置をしなければ、そういつた財政援助というものはやれるものでないのだから、この法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律というものは無用じやないか。これは占領期間において一応当時いろいろな財政援助が行われておつたものを打切るためにやつたものであつて、今後は予算を伴えばやはり国会で審議しなければならんし、それでそういう特別な財政援助については立法措置が要るのだ。又立法措置をすべきだ。そういう意味で、この法律は整理すべきだという意見をまあ言つておる。で、前主計局長、現次官は考えますと、こういうはつきり言明をしておるにもかかわらず、この整理案には出ていないのだ。それはどういうわけか。
#111
○政府委員(森永貞一郎君) 只今の経過は私ども伺つておるのでございますが、御承知のように、この財政援助に関する法律で対象にいたしておりますのは、劣後の配当だとか、その他これに類する問題についての財政援助について制限を課しておるわけでございまして、まあこれに対する例外は、今お話がございましたような電源会社その他二、三の会社にとどまるわけでございます。まあ法律でなければ、そういう措置はできないのだから、元の財政援助に関する法律はなくてもいいんじやないかという御意見、誠に御尤もでございますが、別途補助金の整理に関する根本的な検討を遂げたい。実は今国会にも部分的な補助金の整理につきましては御提案申上げておるのでありますが、これはもつと広い観点から根本的にこの問題を取上げる必要があるのじやないかと考えておる次第でございまして、その際には、只今のお話のございました問題をもう一度根本的に検討をし直して、廃止してもいい結論に恐らくなるのじやないかと存じますが、できるだけそういう方向で進みたいと考えておる次第であります。
#112
○小林政夫君 この補助金整理のカテゴリーであろうと思うのですけれども、併し、今までの言明から言うと、どうも私はこの入れてもいいし、文人れなくてもいい、補助金整理の関係のものに入れてもいいと思うのですけれども、特にまあこのいろいろ篤して残しておかなければならんという、今の段階で残さなければならんという何か理由があるのですか。私は先ほど国民金融公庫とか農林中央金庫とか言いましたが、これは聞違いで、このほうはない。電源開発会社とか、まあ二、三ある。おいておかなければならん理由はなくなろうと思うのだけれども、何かあるのですか、一緒に考えなければならんという…。
#113
○政府委員(森永貞一郎君) 純法律的に考えますれば、利子補給なり劣後配当なり、これは今日の財政法、会計法の下におきましては法律を以てしなければできない事事だと考えられまするので、法律的には恐らくは必要がないと申せるのじやないかと存じます。但し、まあこの法律は戦後非常に乱れておりました財政を軌道に乗せ、建て直すのにまあ非常に歴史的な効果も達したわけでございまして、まあその精神はやはり今日も生かして行きたい。その意味からこの法律があることは、財政をより緊縮するということには精神的に寄与しているのじやないかというふうに考えられるわけでございます。そこで、これは併しそういう劣後配当、利子補給の問題等だけでなくて、まあ国の財政的援助全般を通ずる問題として如何にあるべきかという問題を考える必要が今日起つておりますので、まあその根本的な問題を考える際に、その法律の整理も合せて実行いたしたい、さように考えておるわけであります。
#114
○小林政夫君 まあその今おつしやつたような趣旨で当分おいておくということなら、緊縮財政の折から了承しますが、まあこれがあるために、いろいろな法律をそういつた特別な国の必要上是正しなければならんという場合に、まあ常にあれに抵触するのじやないか。除外規定をおかなければならんというような、まあ法制的にも煩鎖と言えば煩鎖、一応あれでいいというわけですが、まあ合せて御検討を願います。
 それからこの法令整理に関する法律ということで、法令整理に名をかりて、例えばにがりの専売をやめるとか、或いは巻たばこの紙を輸出用については或る程度自由にするということは、一つの政策であつて、同じカテゴリーで一本の法律で出すべき性質のものではなかろうと思いますが、これは便乗して簡単だからやるということでばなくて、本来ならば単独に切離して審議を求めるべきであつて、同じ大蔵委員会で審議するのだから、よろしかろうという性質のものではないと思うのでありますが、その点はどうですか。
#115
○政府委員(石田正君) 法律の形式から申しまして、又実態から申しまして小林委員の仰せられるような点があろうかと思います。ただこの法令審議をやりますところの過程と申しますか、考え方と申しますか、その基本から考えまして、国の行政機構一般を簡素化しようということが出発点でございます。これは御承知のごとく機構の改正も考える、それから定員の整理も考える、それから事務の整理も考える、こういうことから大体出発いたしたわけであります。そういう観点から申しまして、例えばにがりとか或いは輸出のライス・ペーパーというものは簡素化して行つたほうがいいのじやないか。まあ法令のほうの問題が、実際の面から申しまして、大体死んでいるような法律ばかりが並びましたものでございますから、そういうお考えが特に強くおありかと思いますが、本来の出発点といたしましては、大体事務の簡素化ということを基磯にいたしまして、そうして法令整理という形において、それが行われるということになりましたので、まあ一つの法律案にいたしてもよろしいのじやないかというふうに考えた次第でございます。
#116
○小林政夫君 そのにがりの専売をやめるとか、或いは巻紙の輸出について今までの扱いを変えるということは、これは単なる事務整理という成るほど結果的には行政整理の役割を果すかも知れませんけれども、簡単にその事務整理というような範疇で考えられるべき性質のものではなかろうと思います。一体にがりというものはもう専売をはずしていいという需給の段階だ、いろいろそこに或る程度の、大げさに言えば、経済政策も織込んでの話であつて、簡単な事務整理というような範鷹ではなかろうと思う。
#117
○政府委員(石田正君) これは私専門家でございませんので、多少間違つているところがございましたら御指摘願いたいと思うのでありますが、私が了承いたしておりますところによりますと、戦時中におきましては、にがりからマグネシウムをとることで相当実際の意味があつたわけであります。最近の実情をいろいろ見ておりますと、専売公社といたしましては、まあにがりを買上げますると同時に、それを生産業者に売払つてしまう。それをただ帳簿につけているに過ぎない、こういう実態であると実は考えるのでありますが、そういうことであるならば、こういうことはやめるべきだと考えました。従いまして予算措置もそれに合わせてやるべきだつたのでありますが、それが法令の審議の過程において予算と一緒に行くことができなかつたという結論から申しまして遅れたわけでありますが、そういう点もございましたので、これは法令整理というほうでやるということにいたしたわけでございます。実態が本当に専売らしきことによりまして、要するに専売公社が買入れて生産業者と別の方向にこれを流している、売つているという実態でありますれば、政策の面に関係することと思いまするけれども、実情は先ほど申しましたような工合いに承知いたしておりましたので、これでいいのではなかろうかというふうに考えた次第でございます。
#118
○小林政夫君 それは実態は今全部買つてそのまま流しておるということであつても、一応それは一つのやはり現在の過程においては、本当に事務的にこの帳面をつけておるだけということであつても、これを専売から離すというようなことについては、これはやはりそれならそれで御説明のような事情を述べてやめようと、こういうことにすればいいのでありまして、これはただ大蔵委員会だけの問題でなしに、他の委員会においても法令整理に名をかりて、かなり政策を加味した改廃が行われておる、こういうことが他の委員会においても問題になつておる。成るほどその審議を促進し、もうあれもこれもつき混ぜてぱつと上げればいいということならともかくも、甚しく国会審議という点からいうと、これは同じ大蔵委員会でやるのだから、必要とあれば専売公社からも来てもらつて、或いは通産省等からも呼んで検討すればいいようなものですけれども、この法令整理なり調整という範疇だけで取りまとめてやられることを、まあこれは一応見逃しますが、今後そういうふうな態度をせんでもらいたい。
#119
○政府委員(石田正君) 御指摘の点は誠にその通りであると思います。ただこれは弁解がましくなりまして申訳ないのでありますが、御承知の通りに、大蔵省関係の法案というのは非常に毎回多うございまして、実はにがりにつきましてはまあ先般からやめたほうがどうかというふうに考えておりまして、単独法案を作つたこともあるわけであります。ところが毎回どうもこれは数が多過ぎるからということで、別に事務が簡素化するだけの話で、積極的にどうも善悪が大したこともないからということで、まあ見送られてしまうという傾きが内部にありましたものでございまするので、この機会に一つ入れてほしいというようなことでございます。これはまあ政府内部の問題を申上げまして誠に恐縮でございますが、そういう事情にありましたことをどうぞ御了承願いたいと思います。今後につきましてはとくと注意いたします。
#120
○小林政夫君 そういう便宜的な考え方が、例えば最近濫用される附則なんです。例えば保安林整備法の附則で以て租税特別措置法の改正をやつて、果せるかな、農林委員会で審議した結果、あなた方の予期している以上に免税範囲が拡がつた。あんなことも必ず当該委員会でやれば範囲が拡がるにきまつておる。ここでやりさえすれば原案通りに通つた。そういうふうに安易につくから……、本当に厳密に考えなければ財政措置等がルーズになる。そういう便宜的な考え方をやめて、純粋に法律案というものを出してもらいたい。あの保安林の附則などで租税特別措置法の改正を政府の手でやつておるが、アブノーマルな措置であり、その結果は予測せざるように範囲が拡がる、官房長は一つ以後十分大蔵省関係の法案については気をつけてもらいたい。
#121
○政府委員(石田正君) わかりました。
#122
○菊川孝夫君 これは何から出て来ているのですが、これはもう幕府が倒れて明治初年当時からのやつが一揃い出て来たのですが、今日までこれを残しておかれたのは、今から見ると、もつとこれは早く整理しなければならんのを、なぜこういうふうに残しておいて今になつて急に出して来られたか、それをお聞きしたい。
#123
○政府委員(石田正君) 大部分の法令につきましては、実際はその役をしておらなかつた。法律がありましても、規定の対象がございませんから、実際においては役をしなかつたというものが多いわけであります。従いましてこれを残しておきまして、別に実際問題として弊害はないではないかということも言えるわけであります。従つてそういうようなものにつきましては、そのままにしておくという傾きがあつたわけであります。それではいかんであろうという内閣の方針がありまして、そうした法令は、この際は整理すべきであるということによりまして、法律的には残つておるものでございますから、これは正常から申しますると、今回のごとく整理するのが至当なのでございます。なぜ残しておつたかということにつきましては、別に殺さなくても弊害がなかつたということに尽きるのではないかと思います。
#124
○菊川孝夫君 例えば帝国憲法とか陸海軍なんというやつがあるのですが、これはもうわざわざここで改廃しないでも、陸海軍がなくなつたときに自然消滅というふうに考えるが、やはり陸海軍がなくなつても、それは活きておるのですか、東京第一国立銀行というのがなくなつても、それはやはり法律として活きておる、こういうふうに解釈するのですか。
#125
○政府委員(石田正君) 法律につきましてはこれは制定いたしました以上、いつから廃止するということがない限りは形式的には残つておる。こういう解釈を法制局も言つております。そういうのを形式的に廃止しよう、こういう次第であります。
#126
○菊川孝夫君 それからもう一つお尋ねしておきたいのは、この際、こういうことをやられるならば、最近の法律の形式というものは、すべて平仮名でわかりやすく書いておるのですが、銀行法等特例法というような勅令を以て定める云々というのが、まだそういうものが残つておりますが、これを一つあなたのほうでやられるならば、片仮名で「何々スベシ、何々二関スル件ハ処罰スル」というふうにありますが、これは今の法律とおよそ時代離れした点が相当ございます。これらについて、この際整理をして新らしい法律と調子を合せて行く、こういう仕事をやるつもりはないか、今活きているやつはそのまま片仮名で残しておくのか、この際聞いておきたい。
#127
○政府委員(石田正君) これは大体存置しておく必要がなくて形式的に残つておるものを整理しようというだけでも、これだけあるのでございますから、従いまして廃止してしまうことは簡単でございますが、いわゆる文語体で書いてありますものを全部口語体に変えるという事業は、これはなかなか大事業ではないかと思います。法制局といたしましても、やはり新らしく作る法律は現在の言葉によつてわかりやすく書きますけれども、昔のものについては、これはその要がなくなつたときに全く廃止するという方向で、実際問題としては進まざるを得ないのではないかと思つております。
#128
○小林政夫君 関東震災に関する善後措置の法律が今度百六十九、百七十八、百八十九、百九十と出ておりますが、これは今でなくても、審議促進のためにあとから関東震災の善後措置としてはどういうことをやつたか、特に金融措置はかなりとられておるようですが、割引手形を日本銀行でやつておられるが、その時の損失の補償というようなことについて、今後の審議の参考にしたいと思うので、法律で一つ一つ読めばわかるのですけれども、その要綱を知らせてもらいたい。
#129
○政府委員(石田正君) これは御承知の通り、特有手形は随分長くかかつております。銀行局に頼みまして資料をお手許に配付するようにいたします。
#130
○委員長(大矢半次郎君) 他に御発言もないようでありますが、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#131
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより討論に入ります。
 御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。別に御発言もないようでありますが、討論は終了したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#132
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。大蔵省関係法令の整理に関する法律案を原案通り可決することに賛成のかたは挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#133
○委員長(大矢半次郎君) 全会一致であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、諸般の手続きは前例により委員長に御一任願いたいと存じます。
 それから多数意見者の御署名を願います。
 多数意見者署名
   木内 四郎  菊川 孝夫
   藤野 繁雄  土田國太郎
   白井  勇  小林政夫
   岡崎真一 東   隆
   山本米治
#134
○委員長(大矢半次郎君) 暫時休憩いたします。
   午後一時一分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時四十分開会
#135
○委員長(大矢半次郎君) 休憩前に引続いて会議を開きます。
 閉鎖機関令の一部を改正する法律案を議題といたします。先ずその内容の説明を聴取いたします。
#136
○説明員(岩動道行君) 閉鎖機関令の改正案につきまして御説明を申上げます。
 閉鎖機関令の改正案は三つの点から成立つております。
 第一が最も眼目となりますところの外地からの本邦向けの未払いの送金為替或いは外地における預金の支払いに関するものであります。
 第二は従来小額の債務の弁済につきましては、これを供託する方法によつて閉鎖機関の債務を免かれる、それによつて清算の結了に持つて行けるようにするという途がありましたが、これを供託或いは信託という方法によつても債務を弁済することができるということに改める点でございます。
 第三の点は、閉鎖機関の発行いたしました社債或いは営団債等におきまして、これを支払う場合には、やはり委託を受けた銀行等で、その支払いの委託を受けた場合には、それによつて閉鎖機関としては債務を免かれるというふうにして、これも又閉鎖機関の清算を促進するという意味におきましての改正になつております。
 この三つの点が改正の重な内容でありますが、第一の未払送金為替等に関する分について、新旧対照表に基きまして御説明申上げたいと思います。
 第一の点は第二条に関する改正でございますが、この第二条におきましては、従来閉鎖機関の清算の対象といたしておるところの内容は、国内にある債権債務或いは財産等の処分ということに限定をされておるのが原則でございます。それにつきまして更に例外といたしまして、在外の店舗に関係したいわゆる在外債権債務につきましては、これは閉鎖機関の特殊清覧の対象外となつておつたのであります。未払いの送金為替或いは外地預金等におきましてはこれは従来在外債務であるということになつて処理されて参りましたので、結局これは閉鎖機関の清算の対象外であるということで未処理になつておつたわけであります。従いまして閉鎖機関令の改正の法律構成から申しますと、これらの在外債務であつたものを、国内の清算として処理をするという場合には、これを国内の債権債務とみなすというような法律構成が必要になつて来るのであります。そのような改正を第二条において加えておるわけであります。
 第一項は、これは従来の規定をそのまま書き改めたものでありまして、第二項がいわゆる在外債務の中でも特に国内の清算に参加さして、国内の残余財産の範囲内において清算をやつて行くという特別な債権債務だけをここに掲げて見たわけでございます。これが一号以下第八号までそのような例外の債権債務を特に提起いたしたわけでございますが、第一号は、これは現行法を御覧になりますと、この点につきましては、現在もこのような「閉鎖機関の本邦内に在る財産をもつて担保された債務」、これは従来も一応国内債務と見倣させて、国内の清算の範囲の中に入れておりますので、この点は変更がなく、現状のままでございます。従いまして二号以下が新らしく今回の改正によつて清算の対象となるということになつております。
 第二号におきましては、先ず未払いの送金為替を今回の支払対象にするというふうにしましたので、これを掲げてございます。これは外地の店舗から本邦内の店舗に向けられた送金為替でございますが、大体終戦の当時は引揚者のために、現地におきましては相当内地送金を勧奨いたしたりいたしまして、終戦前後におきましては、非常にたくさんの送金為替が外地から日本向けに組まれたわけでございます。ところが昭和二十年の九月二十三日に、当時の司令部の命令によりまして、これらの送金為替は一切支払いを停止する措置がとられたわけでございます。その結果、今日までこれが未処理になつて来ておつたようなわけでございますが、そのような九月二十三日までに支払いを受けなかつたもの、或いは九月二十三日以後に現地からは送金をされたが、やはりこれもその未払停止によつて未払いとなつておるもの、こういつたものが対象になつて来るわけでございます。それでこの支払いを受ける権利を持つ資格者は、本邦内に住所を有する者に限定をいたしてございます。これは外国における外国人に対しては、外地においてそれがそれぞれ清算の対象となつて、現地において処理を先ずされるべきものと、従つて引揚者である本邦に還つて来た人は、このような途も開けていないので、その際特にそのような引揚者対策というような魚味も含めまして、特に本邦内に住所を有する人にこれを限定するということにいたしました。但し小切手の性質上、これは本邦人に限定するということはいささか行過ぎであると考えましたので、本邦内に住所を有しておれば、これは外国人でも請求権があるというふうに考えて規定いたしてございます。それがイでございますが、これは原則ですが、それからロ、ハは、閉鎖機関、或いは在外会社もやはり請求権を認めることになるわけでございますが、これはそれぞれ本邦内において現に清算を実行中でございますので、これらの清算をこの際促進するという意味におきまして、本邦内に住所のない閉鎖機関、例えば中央儲備銀行であるとか或いは満洲中央銀行といつたような、いわゆる外地に本店のあつた法人或いは台湾等に本店のあつた在外会社等につきましても清算の対象に組入れるということにいたしてございます。
 第三号は、これは送金為替に準ずるもの、つまり只今申上げました未払の送金為替に準ずるものとして省令で定めるものということになつておりますが、これは本来は外地預金でありまするが、当時の特別な措置によつて、むしろ送金為替と同じに扱うほうが公正である、むしろ常識に合つている、こう考えられるものをここに取上げて、これだけは外地預金ではあるけれども、送金為替に準じて同じように取扱つてやろうという趣旨のものでございます。中味といたしましては、これは終戦の近くになりましてから、外地で預金をいたしまして、それを送金する代りに、内地においても同じ銀行で預金通帳を発行いたしまして、いわゆる非常口送金と称するものでございますが、日本の国内におけるそれらの外地におる人たちの家族の生計費を確保するという意味におきまして、一定金額を限つて毎月外地預金のうちから内地において円払いを認めた制度のものでございます。これは外地で応召した人寺で家族が内地におる人もその中に含まれております。大体一万円を限定として、毎月三百円乃至五百円の引出しを内地において認めたというものでございます。これは当時の制度の精神から見ますと、一種の送金が行われておつたと見られるべき性質のものと考えられますので、この際、これを預金とは別の扱いで送金並に扱つたほうがよかろうという考えで、ここに規定したわけであります。
#137
○小林政夫君 何送金ですか。非常口送金ですか。
#138
○説明員(岩動道行君) これは非常口送金とか、いろいろ毫要砦によつてつけてございますが、大体預金通帳にそういうような明記がいたしておるわけでございます。
 第四号でございますが、これは送金一切の為替と、只今申しました特別な扱いを受けた預金以外の預金、その他金融業務上の債務を今回の支払の対象にする規定でございます。預金のほかに金融業務上の債務と申しますのは、金銭信託でございますとか、積金でございますとか、その他金融業務上のいろいろのものが含まれて来るわけでございます。そのようなものを省令で具体的に明示いたしたい、かように考えております。
#139
○野溝勝君 積金、それから……。
#140
○説明員(岩動道行君) 定期積金或いは貯金、金銭信託或いは本邦外の店舗間に行われた送金為替で未払になつておるもの、こういつたものが組まれる予定になつております。
 第五号におきましては、閉鎖機関自体が只今申しましたような外地預金を持つております場合に、それを取り立てることが今回できるようにする規定でございます。この閉鎖機関が債務として支払う場合も、債権として取立てる場合も、いずれもそれが在外店舗にかかる債権、債務、つまり在外の債権債務である限りは、これは現行の法令におきましては一応取れない建前になつておりますので、この第五号におきまして、そのような債権は取立ててもよろしいという規定でございます。
 第六号は、これは例えば閉鎖機関が他の金融機関から今回の措置によりまして未払の送金為替、或いは外地預金等の支払いを受けるという立場にある場合に、逆に閉鎖機関がその預金をしておつた銀行から借入金がある或いはその他の債務を負つておる場合に、その債務はこの際支払う、つまりこの規定で申しますと、外地預金を仮に受けまずと、その受けた金額の範囲内で、金額の限度で債務を支払う、これは相殺の観念で行われることになりまするが、そのような預金に対する反対債権債務の処理を、この際やつたらどうであろうかというので規定いたしたわけであります。
 六号、七号はその債権、或いは債務という両建で規定いたしております。いずれも反対債権、債務を処理するという観念の規定でございます。
 それから第八号は、これは現行法におきましても、一応特定の債権は場合によつては取立てることができるような規定になつておりますが、これを特に大蔵大臣が指定し或いは特殊清算人が大蔵大臣の承認を受けた場合には取立ててよろしいという弾力性のある規定にしてございます。これは狙いといたしましては、主として在外にありますところの資産、特に凍結されておるような資産が、こつちへ返つて来るような場合、或いはそれを現地において処理して行く場合に、その取立て等が臨機応変にやれるという構成にして行くことが今日の情勢においては必要であろうと考えましたので、このような規定を設けたわけでございます。
 以上が第二条に関する概略の御説明でございますが、説明の便宜からこの未払いの送金為替或いは外地預金に関する部分の改正規定のところを申上げてみたいと思いまするが、第十条に関する規定をあとに廻しまして、第十一条の三に関する規定の御説明を申上げたいと思います。これは、今回の支払いの対象になりますところの未払いの送金為替或いは外地預金等のこれが外貨表示になつております場合に、それを本邦の円に換算する場合の換算率の規定でございます。若しもその通貨が現在におきましても疏通しておるような通貨によつて表示をされております場合は、これは民法の原則に従いまして当然その債務を履行する際の為替相場によるということになつておりますので、例えばドルでありますとかポンドによつて表示されたこのような未払送金為替或いは外地預金は、現在のそのような相場によつて換算されたものが支払われるということになるわけであります。ところが未払いの送金為替或いは外地預金で最も大きな部分を占めておりますのは朝鮮、台湾或いは支那、満洲の地区でございます。従いましてこのような地区におきまするところの通貨は現在においては全く無価値になつておる。或いは流通していない。そのような特殊な通貨で表示されておるものが大部分でございます。従いましてこのようなものをどのように換算するかということにつきましては、別表の一と二にそれが掲げられておるわけでございますが、これは法律案のほうにございますが、この別表の一と二に掲げられていない通貨で而も今日流通していない通貨がございます。例えば南発券に関係したギルダーでございますとか、ヘソでございますとか、そういうようなものがございます。併しながらこのようなものにつきましては、なかなか今日これを早急に換算率を決定することは困難でございますので、更に十分な資料を得て大蔵大臣がこれを告示によつて定めるということにいたしたいと思つております。そこでこの別表の一と二に掲げております換算率でございますが、第一はこれは未払の送金為替に関係する部分でございまして、在外財産問題調査会におきましても、この未払の送金為智に関係した換算率と、それから預金等に関係した換算率とはこれは区別してきめるのがよろしかろうという答申を頂いております。大体送金為替は本邦においてその支払を受けるという意思がはつきりしておつたものでございまして、又当時若し九月二十三百の措置がなければ、当然にそのときのいろいろな為替管理上のレートの中できめられた換算率によつて支払われておつたものでございますので、これは昭和二十年の九月二十三日に当時行われておりましたところの送金に関する換算率を適用してきめるのがよろしかろうという考えで、それに則つて別表第一はできておるわけでございます。外地預金につきましては、これは本来外地において現地通貨でその払出しを受けるというのが契約の本筋でもございますので、これを送金為替の換算率でやるのはむしろ妥当でないので、別に何らかの方法でこれをきめるということが必要なわけでございますが、在外財産問題調査会の答申によりまして、これを原則としては在外公館の借入金等の返済に当つて適用された換算率があればそれに従う、なければそれに準じたものできめると、こういう思想ででき上つております。それが別表第二でございます。それでこの別表第一の満洲からの送金は、これは当時も一円は一円で認められておりましたので、八丁で換算するということにいたしております。それから北支地区の連銀券とそれから蒙疆地区の蒙銀券、これにつきましては当時の送金に関する規制の率を適用いたしまして、このような換算率で算出いたしてございます。
#141
○小林政夫君 この換算率の意味は……。
#142
○説明員(岩動道行君) これは例えば連銀券で百万円という送金の表示がございますれば、それを本邦の円に換算して今回支払うわけでございますが、その換算の割合いを示したわけでございます。従いましてここに例えば中国埋合準備銀行券の表示金額のうち三十三万円以下の部分十一円とございますのは、連銀券で十一円のものは日本で一円で支払いますという表現になつておるのでございます。それから中央儲備銀行券につきましては、この欄に掲げてあるようなものでございまして、これは当時儲備銀行券の百円が日本の十八円という当時の公定レートがございましたので、それをここに加えて更に当時の送金に関する規制のもとに行われておつた実行のレートをここに付け加えたのがこの表の数字になつておるわけでございます。それから軍票でございますが、これはやはり主として海南島地区に多かつたわけでございますが、これもその当時の送金の割合によりまして軍票十円に対して日本円一円で交換する、換算する、こういう規定でございます。それから別表第二、これは外地預金等に関する換算率でございますが、先ほど申上げましたように、在外公館等の借入金に関する換算率のありますものは、それによるということにいたしておりますので、このうち朝鮮、関東州、満洲、華北、華中華南、これにつきましては在外公館等借入金に関するレートがございますので、それに従つたわけでございます。ここで交換レートのなかつたのは台湾と蒙騒地区でございます。そこで台湾と蒙騒地区につきましては、在外公館等の借入金返済に関するレートをきめたのと同じような基準に従つて、当時の物価、或いは通貨の発行状況等を勘案して計算をしてみますと、台湾においては大体朝鮮と同じに出て参りますので、ここでやはり台湾における預金につきましては、仮に百五十円の預金が台湾でありますればこれは今回百円で日本で支払うという率でございます。それから蒙疆地区につきましては、これはやはり在外公館レートの主として行われた当時の邦幣との換算率を交換比率にみまして、これを五十円、つまり蒙疆銀行券五十円で日本円一円に換算する、こういうことになつてございます。それから未払送金為替等に関する法律改正の、更に申出等に関する規定が第十一条の四にございます。これは一定の期間内に清算人は債権者に自分の権利を申し出ることを催告して、その期間内に申し出がなければ一応清算から除斥をして清算をやつて行くという規定でございます。ここで特に配慮をいたしましたのは、引揚者等でまだこの法律施行当時本邦に帰つて来ていない人、今後引揚げて来るような人につきましては特例を設けまして、そのような人は引揚げて来てから何カ月間以内は権利の申出をしてやらせるというふうな特別措置を講じようと考えております。
 第十九条に関する規定は、これは条文の整理だけでございます。
 以上が閉鎖機関令の改正のうち未払の送金為替及び外地預金等に関する部分でございますが、又前にもどりまして第十条の規定の改正について御説明を申します。
 第十条の規定は従来特殊清算人の権限の範囲が国内清算、つまり国内にある財産に関してその処分なり管理なりいろいろなことができるというふうに明記されてございます。併しながら特殊清算人は更に一般的には閉鎖機関の代表者でございます。又閉鎖機関は、在外にある財産についても、その人格を存続させておる規定もございます。従いまして特殊清算人が在外にある財産についてその職務を行い得るかどうかにつきましては、必ずしも明確な規定がなかつたわけでございます。ところが最近に至りまして、例えば正金銀行におきますところのブラジルの資産が返還されるとか、その他各地において凍結資産の返還も予想されるような状態になつて参りましたので、そのような在外財産を管理、処分する権限を、この際特殊清算人に明確に与えておくことのほうが解釈或いは運用上便宜であると考えましたので、この規定を設けたわけでございます。
 次に第十九条の二十八の規定でございますが、これは閉鎖機関の少額の債務等につきましては非常にこれが多数に上り、又相手方の住所等を確認することが困難な場合もございます。そのような場合には、それだけのために閉鎖機関の清算が進まないという状況になつておるような機関もございますので、そのような場合には、これを供託するなり或いは信託をするという方法によつて、清算を促進するという趣旨でこの規定を設けたわけでございます。この供託は国に対してなすわけでございますが、供託をいたしますると、非常に多数の人を一気に供託いたしますので、供託の方法が非常に困難でございます。又供託局に行きましても、その本人が参りまして、還付請求をいたします場合も、非常に複雑な手数を要し、更にそれは精算事務所の証明或いは大蔵省に来て証明をもらうというような手続も必要になりますので、非常に手続上複雑で又簡単に行い得ないような状況でございます。従いましてそのような手続の煩雑を避けて迅速に支払もできるというために、信託という方法もこの際考えてみることにいたしたわけでございます。
 次に第十九条の二十九の規定でございますが、これは閉鎖機関の発行いたしました社債でありますとか、営団債或いは金庫債等につきまして、これを償還いたします場合には特定の銀行等にこれを委託をいたしまして払つてもろうわけでございます。併しながら若しその銀行に取りに来ない人がございますれば、それは又閉鎖機関のほうに引揚げて、そうして債権者が出て来るのを待つというようなことに現在なつておるわけであります。そういたしますると、いつまでも閉鎖機関事務所はその少数の人のために事務所を開いて待つていなければならないというような状況でございますので、この際閉鎖機関といたしましては、特定の銀行に償還の委託をいたしますれば、その委託することによつて閉鎖機関のほうは債務を免れて、その委託を受けた銀行が最後までその支払事務に当るという改正をすることが好ましいと考えられましたので、この規定を設けたわけでございます。これは商法の規定によりますると、一般の会社が社債を発行いたしまして、その発行の場合に特定の銀行に委託をいたしますれば、商法の規定によりますれば、当然その場合にはその委託を受けた銀行が最後まで債務弁済の責任をとつて処理をするということになつておりますので、それにならつた規定でございます。
 なお、附則について御説明申上げますと、附則は第十九条の二十八に関連いたしまして、これはすでに供託をいたしたものを信託の方法に切換えることもできるという規定でございます。その場合には清算人か或いは大蔵大臣の指定したものが、債権者のために供託金を受取つて来て、そこで改めて信託をするという規定でございます。経過規定みたいなものでございます。
 以上概略の説明を申上げました。
#143
○委員長(大矢半次郎君) 質疑を行います。
#144
○小林政夫君 今の御説明の今度改正される第二条の第二項の第二号に該当する金額は大体どのくらいですか。未払送金為替の……。
#145
○説明員(岩動道行君) これは閉鎖機関の関係しておりますところの今回の支払対象となります機関は十五機関でございます。その十五機関によつてそれぞれ未払の送金為替或いは外地預金の金額が異なつておりますので、銀行名とそれぞれのあれを申上げたいと思います。
 先ず蒙疆銀行、これは送金為替は所要資金といたしまして……。
#146
○小林政夫君 よろしうございます。それでは資料があるなら、あとで資料で出してもらいましよう。差支えなければ……。それは今の未払送金為替、それから第三号の外地預金に該当するもの、それから四号に該当するものというように分けて出して下さい。
#147
○説明員(岩動道行君) この送金為替と外地預金に大別いたした資料はできておりますが、この三号の外地預金のうちで未払送金為替に準ずるものという具体的な数字は私どもわかつておりません。ただ申上げられることは、非常に少額、であるということでございますが、一応資料の中には外地預金のほうに含められて計算をされております。
#148
○小林政夫君 それから換算率で第一表と第二表との中で、第一表では中国連合準備銀行券と蒙疆銀行券とは同じ取扱にされる、併し第二表においてはとれが蒙疆のほうが倍の通貨価値を認めておるというのはこれはどういうわけですか。
#149
○説明員(岩動道行君) これはお説のように本来北支と蒙疆地区は同じようば関係で同一に扱うことがむしろ当時の常識であつたかと思うのであります。ところが蒙疆銀行券につきましては、一九四六年の一月から、邦幣との交換比率というものが、当時蒙疆地区において確立されておりまして、その交換比率で計算いたしますと、この五十円という数字が出て参るわけであります。従いまして我々といたしましては、在外交換レートで何かきまつておれば、それによつたわけでありますが、それがなくて、その当時の同じ時期において何か最も寄るべき確実な資料を基礎にいたすべきだと考えましたので、現実にそのような交換比率がありましたので、これを採用いたしたわけであります。
#150
○小林政夫君 それにしても、これは在外預金に適用される交換レートですが、第一表は未払送金為替に使われる換算レート、その換算レートの第一表のほうでは、中国連合準備銀行券と蒙疆銀行券と同じに扱つておる、第二表のほうでは違つておる、この理由なんです。第一表と二表の交換レートが違うということは、或る程度わかる。わかるけれども一表では全部について交換レートが違つておることはわかる。少くとも一表において中国北支と蒙疆とは一緒に扱つておつて、二表ではそれを差別しておりますね。
#151
○説明員(岩動道行君) 未払送金為替のほうは昭和二十年の九月二十三日当時の状況に基いた換算率になつておるわけであります。それから外地預金につきましては、原則として在外交換の借入金が行われた当時、つまり二十一年の上半期が一つの基準になつておるわけでございます。そうしてその当時に現実に蒙疆銀行券については、このような交換比率があつたわけでございますので、これは現実にそれを無視して、更により我々として確信のある交換レートを出すということは、ちよつとできかねたので、この現実の交換比率を採用したということになつております。
#152
○小林政夫君 それではもう一度確認しますと、第一表は昭和二十年九月二十三日には現在の交換レートであつて、そのときには連銀券と蒙疆銀行券とは同一のレートであつた。それから半年ほどたつて二十一年の上期においては、そこに連銀券と蒙疆銀行券との間にはレートにおいて開きが出て来ておる。連銀券のほうが価値が半減したと、こう了承してよろしゆうございますか。
#153
○説明員(岩動道行君) さようでございます。
#154
○小林政夫君 それから第十一条の三の第二項の括弧内で、除くというのは、これはどういう意味ですか。……それじやあとで調べてから答弁して下さい。
 大分時間が経過しておるので、未払送金為替だとか或いは預金だとかというような、証票書類を失つておる人が相当あるのです。もうこんなものはつまらんといつて焼いたというのが、私の承知しておる範囲においてもある。そういうものについては一方債務者のほうに確定した帳簿或いはその他はつきり、この人間に対してこれだけの債務がある、こういう確認できるものがあれば、それで払つてくれるのかどうか。この点はどうですか。
#155
○説明員(岩動道行君) 証拠書類の確認という問題は、非常に今日においては困難な問題を含んでおると思います。そこで、先ず一番はつきりしておりますのは、これは送金小切手或いは預金通帳、そのものを持つております場合には、これは問題ないと思います。あとは現地においてそれを預けて、その預り証でやつて行く、或いは残高証明書だけでやつて行く、そういつたものもございます。又現地で預けた場合にも、その預つた人の信憑性といつたような問題も出て参ります。私どもといたしましても、できるだけ債権者のために有利に、これをできるだけ寛大に取扱うような方針で処理をしてもらいたい、かように考えておりますが、具体的に非常にいろいろなケースが出て参ると思いますので、これは一応はそれぞれの金融機関の判断に任せざるを得ないと考えております。
#156
○小林政夫君 それから第十九条の二十八で、今度信託できることになるわけですが、その信託先はどういうところを予定されておりますか
#157
○説明員(岩動道行君) この信託はむしろ従来のやりましたところの信託に代る、つまり国に代つてそのような事務をやつてもらいたいという考えでございますので、信託をする相手方も信用等、基礎のしつかりしたものを選びたい、かように考えております。原則といたしましては、これは信託会社を選びたい、かように考えております。併しながら必ずしも信託会社に限るということは考えておりませんので、これは個々の場合について、更に具体的な検討をいたしたい、かように考えております。
#158
○安井謙君 ちよつと関連して。個々の場合という場合ですが、何か大蔵省あたりで具体的に考えられておるような場合がありますか。
#159
○説明員(岩動道行君) 只今のところは具体的に考えておる相手先というものはございません。
#160
○安井謙君 今これに関連してであろうと思うのですが、衆議院でも附帯決議もつけておりますが、附帯決議の内容については、大蔵省としてどういうようにお考えになつておりますか。
#161
○説明員(岩動道行君) 只今の御質問は恐らく満鉄会に関連した御質問かと存じますが、満鉄会につきましては、私どもはまだその満鉄会自体が正式に法人設立の認可も受けていないと聞いております。従いまして、この満鉄会がどのような形で、社団法人であるのか、或いは財団法人であるのかも、私どもは承知いたしておりませんが、この満鉄会の出来方如何ということが先ず問題になるかと思います。従いましてそのような具体的な法人が出来上つた上で、その内容を十分に検討いたしまして、この法律の運用をやつて行きたいと、かように考えております。
#162
○安井謙君 今お話の通り、満鉄会も非常に質問の重要な目標の一つなんですが、これは、そういうような場合、法人組織というものでなければ、これは原則は許されないというつもりでおるのですか。
#163
○説明員(岩動道行君) この信託をいたします場合にも、少額の債務をまとめてやるわけでございますが、この金額が僅かなものでありますれば、或いは信用のある個人というものを信託の相手方となすことも、場合によつては考えられないことはないかも知れませんが、併し多くの場合、これは相当の金額になり、一千万或いは数千万に及ぶ金額を信託するというような場合も起つて来るわけでございまして、このような多額の金額を信託をして、それから正確に支払いをして行くということになりますると、余ほどしつかり基礎のある、財産的にも又社会的にも信用がある、組織等におきましても十分に納得のできる立派なものでなければいけない、かように考えておるわけでございます。
#164
○安井謙君 御尤もなんですが、御存じの通りに、ああいつた処理は、非常に人手を食うし、又かなり熱心な団体でなければ、なかなかこれは実施しにくい。信託会社というようなものにそのまま預け放しでは、恐らく期間の目的を達することは非常に困難だと思うので、非常にしつかりした機関であるということが必要であると思う。これは一つそういう趣旨で是非善処して頂きたいと思うのですが、如何ですか。
#165
○説明員(岩動道行君) 具体的に支払いをいたします場合に、全国にその対象者が散らばつておりますとか、その住所も十分にわからないが、いろいろな一つの組織を通じて尋ねて行けば十かそれで尋ね得るというような特定の場合も予想されることでありますのぐ、このような場合には、十分にその黒も考慮して、信託の相手先をきめて行くべきが妥当であろう、かように考えております。
#166
○野溝勝君 今度の法律の改正によりまして、どのぐらい在外の関係者が、これの対象になるのですか。
#167
○説明員(岩動道行君) 未払いの送金為替、或いは外地預金の件数、或いは口数がどのぐらいあるかということは、現在のところ、この法律が通りまして、その申出によつて明らかになるわけでございまして、只今のところ、金融機関によつては、送金為替の程度では或る程度わかつたものもございますが、金融機関の書類によりましては、わかつておるところもございますが、わかつていないところもございます。例えば正金銀行について申しますと、正金銀行の送金為替につきましては約十五万件ほどのものが予想されております。又朝鮮銀行の関係で申しますと、送金為替の関係は約二万七千牛、台湾銀行では約三万一千件のものが予想されております。只今私どもの手許で一応予想される件数は、その程度でございますが、これは先ほど申しましたように、この法律による申出があつて後に、明らかになるような状態でございます。
#168
○野溝勝君 そうすると、件数はおよそわかりましたのですが、関係人員はどのくらいか、そういうようなことも一応検討してみたことがありますか。
#169
○説明員(岩動道行君) 件数と人員との関係でございますが、人員のほうは特に調べたことはございませんのですが、大体件数と人員とは人員のほうがそれよりはやや少いという程度で考えてみたらよろしいのではないかと、かように考えております。
#170
○野溝勝君 この法律改正は非常に長い間の懸案でございまして、戦後からこうした問題を取上げて以来、八年になると思うのでありますが、特に引揚者の方々がリュックサックに一千両を持つて、何ら寄辺もなく憐れな姿となつて帰つても、政府が何らこれに対する補償をするような制度も政策もできていない。このとき引揚者の諸君が期成同盟を作りまして、僅かに外地においてある資産を何らかの形において活かしてもらいたいということを、再三再四長則に亘つて運動を続けて来たのですが、括として顧みられなかつた。それが今回この法律に幾分目をあいて来たということは、私は遅きに失すると思います。けれども、賛成をするものであります。併しこれを見ると、ただ目をあかした、赤児の目をあかしたというだけであつて、赤児の目をあかしても、それに栄養をこれから注ぎ込まないと、立つて歩くことまできない。だから目をあかしてくれたということは誠に賛成であり、結構なんですが、これからこの赤児が立てるようにしなければならない。ところがこの内容を見るというと、これは直ちに歩くわけにはいかない。とにかく五万円以下ということになる。今のお金で五万円以下というのはどういうところに基準をおいて算定いたしたのでありますか。お伺いいたします。
#171
○説明員(岩動道行君) 只今五万円以下というお話がございましたが、閉鎖機関の処理といたしましては、今回の未払いの送金為替或いは外地預金の支払は、国内にある残存資産の限度においてこれを支払う。従いまして支払の金額には一件幾らというような限定は設けないで、ある限りこれを支払つて行くという建前にいたしております。只今のお話は金融機関再建整備法の関係に或いは関係あるお話かと思いますが、それは別に銀行局長のほうから御説明を申上げるほうカ適切かと思します。
#172
○野溝勝君 それではここに銀行局長がおいでだから、あとで御説明を聞くことにいたしまして、この示された表による率でございますが、この第二表、第二表の率の立て方も一体どういう根拠で立てられたのですか。勿論これには拠り所もあつたのでしようけれども、例えば朝鮮と台湾とは大体領土銀行であり、朝鮮と台湾とが同じでありますのに、然るに以上の旧領土銀行と同じである関東州銀行の交換率一・六とあるが、これは率が違つておる。更に華北と華中とは大きく違つておるが、こんなに違うということは想像に苦しむのですけれども、これが根拠及びその拠り所があるか、この際聞かしてもらいたいと思います。
#173
○説明員(上田克郎君) 閉鎖機関課長に代りまして、私外債課長でございますが、レートのことは、旧日本占領地域に本店を有する会社の本邦内にある財産の整理に関する政令の一部を改正する法律案、これと同じ部分もございますので、御説明さして頂きたいと思います。これはその前に在外財産問題調査会の御答申のことから、或いは閉鎖機関課長が御説明申上げたと思いますが、申上げますと、送金為替につきましては、昭和二十年九月二十三日に送金為替の支払を司令部の命令で停止されましたその際に、若し停止がなかつたならば、日本の為替管理法ではどんな支払い方をしておつたであろうかという当時の執行令であります。それを勘案してきめるようにというのがございます。それでここに表が出ておりますが、例えば中国連合準備銀行券で三十三万円以下の部分は、十一円は本邦通貨一円に対する金額である、そういうふうになつております。これは言い換えますと、向うで三十三万円もらうと日本で三万円もらえる、そういうことになるわけであります。当時いわゆる為替の実勢と申しますのは、表面に言つておりました円元パーと違つて、向うからの内地向けの送金を厳重に統制しておつたことは御承知の通りであります。それで実際送ります場合には、先ほどもお言葉が出ましたように、例えば総引揚者だの総退去者のための送金とかいうものにつきましては、三万円までは十倍の調整料で内地に送金することを認める。と申しますのは、いわゆる中国連合準備銀行券十一円を持つて来ると、一円の本邦通貨の為替を取組みまして上げるというような為替統制をやつておつたわけであります。それで原則としては、特に中又は大体そういう形で調整料を取りまして、日本円表示の送金為替を組んだのが普通でございましたが、北支におきましては必ずしも日本円表示ではなくて、連合準備銀行券の表示で組まれて内地に為替が来ておつたものもあるわけであります。そういうものは内地で買取げます際に、三十三万円については、いわゆる三万円というものを内地で円で支払うことを許した、それが当時の事情だつたわけであります。その次に三十三万円を超える部分は七十五万円玄での部分が二十一円と書いてございますが、これは何かと申しますと、三万円を超えて五万円までの部分につきましては二十倍の調整料をとつておつた、そういうことの表現でございます。更に七十五万円を超える部分と言いますのは、五万円を超える部分につきましては北支では五十倍の調整料をとつておつた、従いまして五十一円が本邦通貨の一円と、そういうことが行われておりましたものですから、それでこういう表になつておるわけでございます。それから儲備銀行券について申上げますと、儲備銀行券も三万出までは十倍の調整料でやつておりました。併しどうしてこのあれが出ておるかと申しますと、当時は百元が十八十というのがいわゆるオフイシアルのレートでございましたので、円元パー同様に百元十八円というのを一回作りまして、連銀券の地位に立たせましててして計算いたしますと、三万円までり日本で円をもらうためにはこういう儲備券が要る、それから三万円を超えて五万円までの金額については二十倍り調整料、それ以上は七十倍の調整料、そういうことが当時行われておつたわけです。それをとりまして送金為管のレートとした、そういうことでございます。それから現地預金のレートでございますが、これは在外財産問題調査会の答申によりますと、なかなかとこでレートをとつていいか問題である、と申しますのは、大体預金というものは当時現地通貨でしか預金させませんで、現地で内地の円建の預、金というものはさせなかつたわけです。それから預金というものは原則としまして、その預けた店で預けた通貨で受取るというのが原則なんでございまして、それを今回の措置で改めて日本の円で払おうということで、債務者である金融機関に強いるわけでございます。或る見方からすれば、その通貨の変遷をずつと辿りまして、現在の通貨に至るまでにいろいろな換算率で変遷を辿つておりますが、それを例えば米ドルなら米ドルを基準にして裁定いたしますと、途方もない数字が出る、それでそれでは余りにも債権者にとつてひどい、それで答申書といたしましてはせめて在外公館の借入金の返済の際にとられた換算率に準じた換算率をとつてもらいたい、そういうような答申書になつております。従いまして先ほど閉鎖機関課長が申上げましたように、公館借入金レートがございましたもの、これは主として借入金の一番多かつた最盛時の価値というものをとつておりますが、原則として中国地区につきましては二十一年の二、三月から四、五月頃まで、それから朝鮮につきましては二十一年の四月から八月ぐらいまで、そういうような時を平均してとつております。その当時換算率を作りました鮮銀券、儲備券、満洲中央銀行券、それから連銀券、そういうものにつきましてはその公館借入金の時のレートをとつたのでございます。これを申上げますと、鮮銀券は一円五十銭が一円になる、それから満洲中央銀行券が一円六十銭が一円になる、連銀券は百元が一円である、儲備銀行券は二千四百元が一円である、そういうふうなのがすでに公館借入金レートとしてございますのでそれをそのままとつておる次第であります。あとは蒙疆銀行券と台湾銀行券の問題でございます。この二つは同じ頃の価値の動きを見まして、それで公館借入金に準じて通貨発行高とか物価だとかいうものを勘案いたしまして作つた、そういう形でございます。
#174
○野溝勝君 余ほどわかつたのでございますが、そうなるというと、今の課長さんの御説明だと、戦争当時に軍票という円の幣貨基準があつたわけですが、先ほどお聞きしておるというと、どうもギルダーやペソの問題についてはまだ率はできないのだと、そうすると南方から引揚げて来た同胞などはこの財産問題などについては非常に心配しておるのだが、それでは中支、北支、満洲、朝鮮、台湾にいたものはよろしいが、その他のものはこの関係からおき去りにされるということになるのだが、今の御説明によるというと、この交換率も軍票等価のものですが、これができないのはどういうわけですか。
#175
○説明員(上田克郎君) これ以外の地区の通貨につきましては、現在においても定め得るものも実はございます、例えば蘭印地区におきますところのギルダー、これにつきましては現在でも的確な資料に基いてきめることができるわけでございます。これは実は金融機関再建整備法の関係におきましては、その点を国会で御審議頂いて法律になつて具体的に換算率を書いてございますが、ところが閉鎖機関の関係におきましては、このほかにフィリピン地区或いはマレー地区その他ビルマ等、いろいろな地区に亘つてそのような同じような種類の通貨が出ております。従いましてこれをどのように処置するかは、我々としてはこの法律を作る時期に、できれば十分に資料を得てきめたかつたのでございますが、いろいろな人からいろいろな説がでておりまして、なかなかこれは自信のある換算率を示すことが困難だつたわけでございます。従いましてこの法律案を国会に提案いたしました後におきましても、いろいろな方面の人から資料を集めてもらつたり或いは意見を聞いたりして、できるだけ速かにそれをきめたい。かように考えまして今この検討を盛んにやつているわけでございます。従いましてこの法律につきましては、大蔵大臣の告示に任して頂きたい、かように考えているわけでございます。
#176
○野溝勝君 当局がギルダー、ペソ等等の問題はフイリピンその他ビルマ等守に非常に影響を及ぼすもので関係が少いわけでございますので、早くこれが処理をしたい。併し各方面からいろいろ意見が出ておるのでこの法案のできるまでに間に合わなんだと、かような合弁に承わつたんですがさようですが。そうすると、各方面からの意見というのはこういうことなんてすか。この際承わつておきたい。
#177
○説明員(上田克郎君) 先ず私どもといたしましては、これらの通貨の価値恥いは交換比率をきめます場合には、できるだけ現地の当時の実情を先ず把握するということに重点をおくわけでございます。これが同じフィリピンの地区におきましても、相手の国が上陸をして来た時期、或いは場所によつて非常に違つております。又マニラの陥落する前後といつたようなものは非常に混乱を来たしておりまして、その前りどの時期をとつてきめるべきか、或いはその最も安定した時期をとつてきのるべきか、このへんにつきましても現地の当時関係しておつた人の意見も囲いたりしておるわけであります。そりような当時の実情に関する情報そのものが、又いろいろな情報がございまして、どれを最も信頼してきめるべきか、今非常に迷つておる次第であります。従いましてどの方面の意見と申しましても、これは在外財産問題調査会におきましても、このような問題を仮にお諮りいたしましても、当時の実情を知つておるかたがむしろ最も適当な意見の提供者になると、かように考えて、できるだけ手広くその手を尽しておるわけでございますが、何分にも当時の関係者が東京におりますればよろしいのでございますが、これはと思う人が相当地方のほうに在住せられたり、地方に転勤せられたりという状況で、なかなか手早く何らかの資料を頂くということもできかねておるような状況でございます。
#178
○野溝勝君 そこで今までできておる交換比率につきましては、大体比率の勘案といいますか、その方針については在外問題調査会の意見を徴したということを先ほど外債課長からお話があつたんですが、今のギルダー、ペソの問題につきましては閉鎖機関のほうの課長さんからのお話では、まだ具体的にさような資料が、資料といいましようか、まとまつた意見ができておらない。それには最も現地に詳しいかたの意見を十分徴してみたいという御意見、そうすると、ここに示された表の交換比率というものは金融機関再建整備法のほうによるところの調査会によつてできた案、そうすると、この次に若しペソ、ギルダーの交換率が具体的にできるとすれば、こうした調査会との間における関係、それはどういうふうになつておるんでございますか。
#179
○説明員(岩動道行君) この交換比率につきましては、大蔵省といたしましては、在外財産問題調査会との関係は、むしろ調査会の答申といたしましては、抽象的に一つの基準だけを示されたわけでございまして、個々の通貨について、これを幾らにしたらいいかというような問題までは触れなかつたわけでございます。例えば送金為替については昭和二十年の九月二十三日当時の実行レートを基準とする、或いは外地預金につきましては在外公館等借入金の返済に関する法律に定められた率を基準とするというような答申で、個々の具体的な通貨についての換算率というものについては特別な答申はなかつたわけでございます。併しながら今後私どものほうで特に必要といたしますような、そういう困難な問題のある地域の通貨につきましては、調査会等の御意見も、正式に答申するかどうかは別てございますが、その辺の御意見も一応伺つて我々としてはきめて行きたい、かように考えております。
#180
○野溝勝君 先ほど閉鎖機関令の一部を改正する法律案のところで質問をしたんですが、たまたまそれは金融機関再建整備法のほうの中にありますので、この際、改めて私は銀行局長からお伺いしておきたいんです。一体、交換比率の問題を、外債課長のほうは在外問題調査会の意見、答申を待つてきめた、今の閉鎖機関のほうの課長さんのほうでは別にそれを具体的に率のことまでは聞かない。一体この点は甚だ明確を欠いておるのでありまして、一体、在外問題調査会というものは何をするのか、どういう権限があるか。この際お伺いしておきたい。
#181
○説明員(岩動道行君) 先ほど私が申上げたことについて、或いはまだ十分な御理解を頂いていないのかと存じますが、ちよつと申上げたいと思います。私が申上げましたのは、この換算率につきましては、在外財産問題調査会に意見を伺つて、その答申に基いてきめたわけでございまして、ただ私が申上げましたのは、個々の具体的な朝鮮の地域では幾らにするか、或いは蒙疆ではどうするとかいう個々の通貨について、これはどうする、これはどうしたらいい。こういうような個々の具体的な問題についての答申を頂いたのではなくて、抽象的に外地預金はどういう基準で行くとかいうような点についての御相談をしてきめた。かように申上げたわけであります。
#182
○野溝勝君 私の聞くのは、今の課長さんの考えのおきどころですね、大賛成です。私は本当にこういう率などをきめるのは、やはりその時期は、こういう関係にあるのだからこのくらいだろうというのでなくて、やはり現地の同胞の方々の、その当時における金融並びに財政経済等の動き等を参考にして、それから率をきめるということは誠にいいんでございます。むしろ私はおよその方針だけきめて、あとはどうということでなく、むしろそういう意味において、現地の人の意見を徴してもらいたいという意味を以て質問しているのですから、そういう点について、今後一層そういうところに配慮をおいてもらいたい。それは意見でございますが、この在外問題調査会というのは、一体どういう方々が多くこのメンバーになつておつたのですか。
#183
○説明員(上田克郎君) お答えいたします。一人々々のお名前を申上げたほうがよろしいか、それとも大体抽象的に申上げておいたほうがいいかと思いますが…。
#184
○野溝勝君 余り多くなかつたらちよつと読んで下さい。
#185
○説明員(上田克郎君) 全体は九人おられまして、大野龍太氏が会長で、その他の方々のお名前を先ず申上げて、必要があれば現在の御職業なり経歴なり申上げたいと思います。大野龍太会長、以下あいうえお順に申上げますと、小汀利得先生、中村建城先生、法華津孝太先生、松島鹿夫先生、宮崎太一先生、宮沢俊義先生、柳井恒夫先生、我妻栄先生、以上九人の方々でございまして、皆様が大体御承知のおかたであるかと思います。
#186
○野溝勝君 名士の方々九人が揃つたのでございますが、そうすると、課長さんの先ほどの御答弁の性格の人々と違うように思うのですが……、私はこういう在外財産問題調査会でございますから、やはり現地について詳しい乃至は経験者、そういう人々が入つていると思つたが、その九人のメンバーの中にどうも私の知り得る範囲では入つていないように思います。有名な方々で、それぞれの憲法のエキスパートが天つているらしいのですが、それは憲法も大いに関係あるでしようが、基本的人権の問題ですから、大野龍太先生も官僚出身のちやきちやきでございますから結構でございますけれども、併し実際において現地に関係を持つておる人々が入つていないのです。だから折角今あなたたちがいいことをしても仏作つて魂入れずで、むしろどうですか、私はこういう際にこそ在外財産の補償獲得の期成同盟、或いは満鉄等の関係者、そういう方々がいるのですから、そのいう方々をこういう委員の中に入れて、そうして正確を期するなり、その問題の調査会の本質というものを高めて行くなり、そういうことに対して一つの配慮をしなかつたのですか。
#187
○政府委員(阪田泰二君) 在外財産問題調査会の委員の人選につきましてはいろいろな考え方がありますと思うのでございますが、現在の委員の人選といたしましては、今お話がありましたように一般的な学識経験のある、常識的な判断をこういう問題について下し得るかたというつもりで選定されておるわけでございます。それで実際お説のように現地の一層事情をよく知つておる関係者というような方々の御意見なり、いろいろ知識を拝借いたすということは勿論必要な、肝腎なことであると思います。そういう点につきましてはそれん、そういうかたも参考人と申しますか、そういつたような形でおいで願いまして意見を聴く、こういうようなこともするような予定もございまして、只今お示しの在外財産の獲得と申しますか、そういうふうなほうの代表のかたがた等からも調査会で意見を述べ、話をして頂く、こういうようなことも考えておるような次第でございます。
#188
○野溝勝君 それは阪田さん、駄目だ。そんなことを我々聞かない。そんな素人を欺すようなことをしてはいかん。私はそういうことをお座なりを聞くのでなくて、そうしたはうが折角立案するなり方針を立てる意味でも非常にいいという意見を私は述べたので、参考に呼んで意見を聞くこともありますという程度では、私の質問の趣旨とは違うのです。だから私はそういうことを正しいとしたならば、それも織込んで再検討してみよう、十分考慮してみたい。要するに在外の財産の問題の調査会は今度は閣議決定によつていよいよ審議会をおくことになつた。だから審議会では十分それを考えてみたいという御回答を賜わるくらいに私は思つておつた。そういう点について今後審議会ができるのでございますから、この阪田局長の見解を聞いておきたいのでございますが、私の意見に対してどういうふうにお考えになつておられますか。私はすぐここで大臣ではございませんからイエス、ノーの回答はできないかも知れませんが、私の意見に対して努力するとかいうような意見ぐらいは局長としては御発表できると思うのでございますが、この点に対する御見解を承わつておきたいと思うのでございます。
#189
○政府委員(阪田泰二君) 在外財産問題調査会はお尋ねのように今回は法律によりまして審議会に改組することになりました。その際に今回の委員の顔ぶれ等をどういうふうに考えるかということでありますが、これはやはりお尋ねにありますように私からはつきりこういたすというようなことは申上げかねるわけでございますが、私どもが只今在外財産問題調査会で今日までいろいろとこの幹事等もいたしておりました関係から言いますと、まあ在外財産問題調査会発足当時から、この調査会が審議会に改組されましても、在外財産問題調査会、今回御提案しましたこの三つの法律の関係、この仕事は極めて一部の仕事でございまして、大きな仕事は在外財産問題全般の処理をどうするか、こういう点にあるわけでございます。その問題に委員の方々、大変まあ忙しい方々が、公職のある方々等でありますが、何と言いますか、取組んで頂く、こういうことでいろいろと材料、資料等を御提供いたしまするし御研究を願つて来ておるわけであります。そういうような意味でありまして、私ども今日までその調査会のお世話をしておりましたような立場から言いますと、引続き今までの方々にこの仕事をやつて頂きたい、そのほうが便利であるというふうに考えておるわけであります。ただお説のような点も確かにあります。その点につきましては実は審議会、現在は調査会でありますが、調査会のほうにお願いいたしまして、もう次の回あたりから在外関係の実際の経験のある方々、期成同盟等の代表のかたも、次々と全部意見を順に聞いて行くというふうなことをいたす予定を実は持つておるようであります。そんな形で行つたらどうかという、私のほう、事務局と申しますか、そういう立場で考えておるわけであります。併しお尋ねのような点もありますので、その辺は十分に努力、検討してみたいと思つております。
#190
○野溝勝君 最後に、局長さんから誠意のある御答弁をお伺いいたしましたので、私といたしましては折角いい案を作られたんでございますし、引揚の同胞の方々は喜んでおると思うのでございます。でありますからどうかこの喜びをみのるように一つしてもらわなければなりません。それにはやつぱり今引揚の同胞の方々、特に在外財産の期成同盟のかたがいるのでございますから、むしろ意見を聞くということでなく、積極的にその機関の中に入れて、そうして十分案を立てる仲間にしてもらいたいということの希望でございます。局長さんには大臣と十分相談して一考を願いたいと思います。
 最後に私お伺いしておきたいのは、銀行局長はでこかへ行つてしまつたけれども、金融機関再建整備法、この提案の中にもあります通り、一件金融五万円求での部分を優先的に支払う。それからこれは未払送金為替についてこの五万円ということにしたのはどういう根拠からされたんでございますか。
#191
○説明員(谷村裕君) お答え申上げます。一件五万円といたしました理由は、内外のいろいろ事情等によるのでございますが、第一はやはり御承知のように、我々は預金の切捨などの措置を受けまして、内地におきまして第一封鎖、第二封鎖といつたようなことがございました。そのときにいわゆる第一封鎖として生かしました分は一件一万五千円から家族では最高三万二千円というのが第一封鎖預金として優先的に確保されたわけでございます。それから第二封鎖に廻されましたものの中で大体三割平均というものが生きまして、いわゆる切捨てられずにその後第一封鎖預金に合わさつて生きた。こういうところから勘案いたしまして、当時まあ三万二千円よりは少し上の金額ということが一つのバランスとして国内の旧預金者との関係から出て来るわけであります。
 それから第二には外の関係でございますが、先年在外公館借入金を返済いたします場合に一件金額を五万円というふうにいたしました先例がございます。
 第三に先般成立いたしました旧日銀券の新円引換え、いわゆる引揚者のかたが持つてお帰りになりました旧日銀券の新円引換につきましては、五万円までは無条件で交換するというふうにいたしました。その五万円と一応バランスを取つたわけでございます。
 第四番目には、やはり外地の事情でございますが、大体未払送金小切手の大部分を占めます引揚の際の総退去の送金小切手と言いますが、例えば上海あたりで日本の領事館、大使館あたりが慫慂して取組ませました送金小切手の金額は一人大体三万円を限度としております。従いまして一件五万という金額を限度として優先支払を行いますれば、件数において九七%という部分が確保されることになりますので、先ずこの程度で如何であろうか。
 それから第五番目は、この優先支払をいたすにつきましては、国内の旧預金者の期待の的になつておりました調整勘定の利益金から幾分割いてもらうという形になるわけでございます。その場合にどれくらい割いたらいいか、調整勘定の利益金が内地の旧預金者に帰属しているその程度等も勘案いたしましてこの程度にいたしたわけであります。
#192
○野溝勝君 課長さんの御答弁でその根拠はわかつたんでございますが、その当時の率と今とはよほど物価の関係も違いますし、その当時三万円であつたから、まあ他のこういうような扱い方があつたので、だから五万円にしたらよかろうというようなお考えのようでございますが、併しずつと物価は違つておりますから、この程度ではどうかと思うんです。又五万円というのは今のところではこれでは殆んど役立たない。この際むしろもう少し増額するという意思があるのでしようか。又しようとするお考えはありませんか。その点について、努力目標でも結構ですから、その点をお伺いしておきたいと思います。
#193
○説明員(谷村裕君) 只今御指摘のございましたように、誠に貨幣価値の問題ということを考えますと、昔の預金がこれだつたから今返すのはやはりそのノミナルな金額でいいんじやないかというふうに、実際問題としてそこにいろいろインフレによる不公平があるという点は私どもその通りだと思います。併しながらこの預金の過去の分をこの際どう整理するかということにおきましてはいわゆる金銭債権、これを一々物価に比例してそこにいろいろ差を付けるということにいたしますことは、これはすべての金銭債権の場合においてそういう問題として波及することでございます。例えばかような在外からの引揚者の方々でなくて、御承知のように国内で第二封鎖を受けられました方々も、当時虎の子のようにいたしておりました例えば五千円というような金額が今日もうとにかく五千円でもいいから戻つて来ないかということで首を長くして待つていられるような状況でございまして、過去のさような債権整理をどういうふうに処理したらいいかという点で、インフレ或いは物価、貨幣価値、そういう面を導入いたしますと非常に処理が混乱して参るわけであります。そこで妙な話になりますが、第二封鎖の支払いをいたすことができますのも、又在外預金等について今回調整勘定のほうから金を廻してでも払えるようになりますのも、まあどちらかと申せばインフレ等の結果によつて利益が殖えたというような恰好でございまして、まあもらう金も少いけれども、もらえるようになつたのもインフレのお蔭というので、何ともインフレというものはこの際勘定に入つて来ないようなわけでございます。(笑声)
#194
○野溝勝君 なかなか面白い答弁でユーモアで誠にこれはいい。(笑声)そこで一つ申上げておきたいのですが、インフレの結果封鎖支払いもできるし、在外預金の支払いもできると言うが、これが大臣だつたならば大変な問題になるけれども、まあ課長だから……。これはよほど気を付けないととんでもない問題を起すから、もう少し注意して答弁をしてもらいたいと思いますが、今日はいいでしよう、あなたに警告だけしておきます。
 この第二封鎖の支払いが五千円くらいしか行かない、それにもかかわらず五万円行くのだからというようなふうにも取れたのですが、御承知のごとく引揚者の方々は全部財産を向うに置いて来たのですから、殆んどがリュックサックの一線上というわけなんですから、ですから来てすぐ仕事につくにして寒かくつけはしまし、それから親戚といつても親戚も事情が許しませんし、それでは何かそこに援護的な施策が徹底しているかというとそれもありません。そういう点から見ると、確かに封鎖預金の方々も気の毒であつたかも知れませんけれども、むしろ、それ以上に私は気の毒だと思う。そういう点において考えてもらわなければならない。特に送金為替についても一件五万円ということについてはこの上とも一つ努力を願いたいと思う。ということを申上げまして私の質問は終ります。
#195
○説明員(岩動道行君) 先ほどの小林委員の御質問の中で御返事が遅れておりましたが、その点について御説明を申上げます。
 十一条の三の二項の括孤書の点でございますが、これは具体的な例を以て御説明申上げるとよろしいかと思いますが、例えば大連にある正金銀行の支店とそれから朝鮮にある朝鮮銀行の本店との間の関係を考えてみたいと思います。そういたしますと正金銀行が仮に朝鮮銀行の預金を預つておつたといたしますと、この機会に正金銀行は朝鮮銀行に対して支払をするということになります。その場合に若し正金銀行が朝鮮銀行に貸付債権なり何かの形で債権を、反対債権を持つておつたといたします。そういたしますとその反対債権の取立に関する規定が第二条の第七号の規定になるわけでございます。そのときに正金銀行の立場で申上げますれば、第七号の規定によつて別表第二の規定による換算率を適用されるという立場が出て参ります。一方におきまして朝鮮銀行は又閉鎖機関でございますので、同じ第二項の中の第六号の規定に従つた換算率を適用されるということになりまして、両方がそれぞれの換算率を適用する、そういたしますとこの別表二によりますと、朝鮮銀行は朝鮮地区のあれでございますので一・五円という換算率、それから大連のほうの正金銀行におきましては関東州でございますので丁六円という換算率、そういたしますと同じ債権債務の関係で片方は一・五円で計算するし、一方は一・六円で計算するというような事態が起つて来るわけでございます。従いまして、これをどちらかに一方的にきめておく必要が生じて来るわけでございます。その関係で今回の立場におきましては債務者のほうの、債務の所在地の地域の換算率を出したのを建前とするという原則で今回の措置を閉鎖機関並びに在外会社、金融機関のほうも同様にそういう立場できめております。従いましてこの場合に大連にある正金銀行は債権者の立場で一・六円という換算率を適用するということも可能でございますが、逆に朝鮮銀行は債務者としての立場で一つの原則に則つた立場から換算率一・五円という計算ができる立場になつておりますので、この場合には正金銀行のほうの換算率を除外するという措置が必要になつて参りますので、この括弧書を規定いたしたわけでございます。
#196
○委員長(大矢半次郎君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#197
○委員長(大矢半次郎君) 速記を付けて下さい。
 他に御発言もないようでありますから、質疑は終了したものと認めて御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#198
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。
#199
○安井謙君 私は本案に賛成いたします。
 できる限りこの法案の内容を整備いたしまして、実情に合うように、更に在外会社の資産擁護のために十分に現実的な措置を積極的にとらるることを希望します。
#200
○野溝勝君 先ほども質問の中で強く申上げました通り、私は三つの点を強く要望いたしまして本案に賛成するのであります。
 一つは審議会に実際の事情に通じたと言いましようか、現地におられた、特にこの在外資産の補償確保のために努力をされて参つた団体乃至は関係者をしてこの審議会委員に入れるということ。二、レートの点に対してはまだ非常に不徹底の点がありますから、これを現地における関係者の意見を十分徴して改めて行く。第三点は、未払送金為替の率が低いからこれを二十万円くらいにする。なお国の命によつて引揚げた人々であつて、生活援護の途もなくて、今日非常に困つておる方々が相当多いのでございます。こういう方方に対しまする便宜の処置を講ずるように、この法案の中に十分今後検討することということを申上げまして社会党を代表して本案に賛成するものであります。
#201
○平林太一君 本案に対して反対の意を表明するものであります。
 案の内容に対しまして第一にお断りいたしますことは、一日の急をなすために、本法案の内容というものは、送金に付せられた為替等の関係におきましても非常に僅少である。引揚者同胞が待望してやまなかつたその実情に応えるに完全を期しておらない。従つて本法律案に対してはここ二カ月なり三カ月後の、新内閣の手によつて充実したところの案の内容というものを整えて、今日まで放置せられておりましたこの案の完全を期してこれを成立せしめたいということが第一の私の反対の理由であります。
 第二の理由につきましては、昨月の二十三日に参議院におきまして議決をいたしておりまする現内閣の退陣を求めておりまするその事態が、今日まで放置せられておる。これはいわゆる吉田内閣に対する政治上の根底の問題で、そういうものとの比重を見まして、これを後日の内閣に廻すことを以て妥当とする。従つて今日のこの場合おきましては、吉田内閣の早期退陣を求めるために本案に反対の意を表明する。
 二つの理由を申上げて、明らかに反対の意見を表明するものであります。
#202
○小林政夫君 私は本案に賛成いたします。質疑の際にも述べたように、未払送金為替或いは在外預金等も約十年前のことであります。その間にいろいろ資材等の喪失してある面もあり、或いはこういうものは紙片だというようなここで焼いた引揚者もあるわけでありまして、債権者にとつてはこれはまあ非吊に福音でありますが、その福音の趣旨が生きるように、この証憑書類の突合せ等においては成るべく債権者、即り引揚者に有利なような含みのある措置をとられこることを要望して賛成いたします。
#203
○委員長(大矢半次郎君) 他に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ありませんひ。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#204
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。
 閉鎖機関令の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#205
○委員長(大矢半次郎君) 多数であります。よつて本案は厚案通り可決するものと決定いたしました。
 なお、諸般の手続は前例により、委員長に御一任願いたいと存じます。
 それから多数意見者の御署名を願います。
  多数意見者署名
    木内 四郎  束   隆
    白井  勇  菊川孝夫
    藤野 繁雄  小林 政夫
    岡田 信次  土田國太郎
    安井  謙  前田 久吉
    三木與吉郎  野溝  勝
  ―――――――――――――
#206
○委員長(大矢半次郎君) 次に、金融機関再建整備法の一部を改正する法律案、旧日本占領地域に本店を有する会社の本邦内にある財産の整備に関する政令の一部を改正する法律案、以上、二案を一括議題といたしまして、その内容の説明を聴取いたします。
#207
○説明員(谷村裕君) 銀行課長より御説明申上げます。
 提案理由説明におきましてすでに御承知のことと思いますけれども、改正の要点を法律の条文に従いまして簡単に申上げようと思います。
 今回の金融機関再建整備改正法案の要点は二つございます。第一は調整勘定の処理に関連する問題であります。第二は只今閉鎖機関等におきまして問題となりました在外預金或いは未払送金為替等、在外資産負債の処理に関連する問題であります。
 先ず第一に調整勘定関係から申上げます。調整勘定の第一は、すでに処分が行われました旧勘定所属の資産につきまして、再評価差額が調整勘定利益金として調整勘定のほうに廻わされるという点でございます。これは提案理由説明の先ず第一というところで申上げておる点でございます。条文で申上げますと第三十七条の二項三項のところが中心になるわけでございます。即ち第三十七条の二項、法案で言いますと第一ページ目の後から二行目のところに「前項に規定する処分益又は処分損とは、」というところで、大体旧勘定に属しました資産の処分の益が出る、その処分益とは何であるか、処分損とは何であるかということの定義をはつきりといたしたわけでございます。これによりましていわゆる新旧勘定が併行いたしまして、旧勘定がその資産を新勘定に引き渡しました際の、そのときの引き渡した価額、これが処分損益を決定する基準になるということを今回明らかにいたしました。従いまして再評価差額もそのときを基準にして考えるわけでございますから、処分益の中には当然含まれて来るわけなんでございます。
 その次に二ページのほうに入りまして「第一項に規定する増価益又は減価損とは、」ということで、調整勘定利益に帰属すべき増加益或いは損失となるべき減価損、これは何であるかということを定義として明らかにいたしました。これでここに言う増加益或いは、減価損というものは、暫定評価のものについて確定評価のものについて確定評価がきまつた、そのときに殖えた分が増加益なんだ、減つた分が減価損なんだということを明らかにいたしました。従いまして今まで増加益の規定が不十分でありましたためにわざわざ資産再評価法第百十一条を以ちまして、この増加益の中には資産再評価法による再評価益というものは含まれないという規定がわざわざ設けてありましたが、それが今回要らなくなつたわけであります。それで第二十ページのところの附則の「百十一条削除」と、こう書いてございますが、これは資産再評価法の第百十一条を削除しておるわけであります。二十ページの終りから三行目に書いておるわけであります。
 それから内容を若干細かくなりますが、これから処分をするものばかりではなくて、すでに処分されたものについてもそり再評価益は調整勘定のほうに帰属するという遡及の規定を設けました。これが附則の六項であります。例えば協和銀行が芝にありました建物を売りまして第二丸ビルに移りました。第二丸ビルのほうは借家でございます。そうして旧本店を売りました際に相当大きな処分益が出たのでありますが、その大部分は再評価差益として新勘定のほうに留保されておりまして、これが今回の規定によりまして調整勘定のほうに廻ることにいたしまして、それによりまして第二封鎖預金の支払は今考えておりますよりも余計になる、こういう結果がこれから起つて来るわけであります。
 以上のように再評価差益を調整勘定のほうに廻すということになりますると、どうしても再評価積立金の取くずしが必要となるわけであります。それをやはり附則の八、九というところで、遡及した分につきましてもそうでございますが、附則の八項、九項というところで再評価積立金を取くずすことができるという規定を設けたわけでございます。これは十九ページのところに調整勘定を設けておる金融機関そのものが再評価積立金を取くずすということで書いてございます。以上が大体再評価関係のことを調整勘定との関連においてどう処理するかというポイントでございます。
 第二点は調整勘定の閉鎖の条件として、今の法律三十七条の三第一項にあります資産負債の整理の完了という事態を明らかに、どういうときがこれに該当するのであるかということを明示いたしましたことは、法案の二ページ目の真中辺、第三十七条の三第一項中「整理が完了したとき」の下に「(これらの資産及び負債のうち、第七条第一項の命令で定めるものを除くすべてについて確定評価基準による評価が行われたときを含む)」、こういうふうにいたしまして、調整勘定を閉鎖し得る条件として、すべての旧勘定所属の資産負債について確定評価基準がきめられたときにはもうそれで整理が完了したのであるから、だから調整勘定は一〇〇%分配しなくても閉めてよろしいということをきめた次第でございます。それに関連いたしまして、従来暫定評価のままで来ておりますものについて、この際確定評価をきめることができるという規定を設けまして、これは第一ページ目に第三十六の二として規定してございます。条文の順序は条文の番号に従いますので前後いたしますが、趣旨はそういうことでございます。そこで調整勘定は本来調整勘定利益の全部を旧預金者等に分配いたしましたときに閉め得るのが理想的でございますが、なかなかそういう状態になるのも時間がかかる。併し戦争後のいろいろなそういつた旧秩序関係の整理が十年、十五年たつてもまだ片が付かないというようなことでは困りますので、やはり一定の時限を以て、調整勘定ならば調整勘定というものは整理すべきときが来た、その場合には一〇〇%分配がなくても一応整理する態勢に入る、こういうことにいたしまして、大部分の金融機関のうちまあ相当部分のものは調整勘定一〇〇%分配し得る可能性も持つておりますけれども、そうでなくても調整勘定は閉め得るという条件を作ることにいたしたわけでございます。それが第二点。
 それから第三点は、調整勘定利益に若し余分がありますときには旧株主へも分配ができると、こういう規定でございまして、二ページ目の終りから二行目の「金融機関はその調整勘定の閉鎖の際、同勘定に利益金の残額があるときは、」云々ということにいたしております。これはいろいろ問題がございますが、とにかく再建整備に当りまして損失負担いたしまして資本金を飛ばしてしまつたそういう金融機関におきまして、大体普通で行けば九割減資、もつと少なくて済んだのもございますが、ひどいところは全額飛んでしまつたというそのときに、損を負担した株主に、折角調整勘定の金が余つた場合に、調整勘定のお金というものはそういう意味では一種の清算勘定だ。従つて預金者等に払つてまだ余りがあるならば旧株主にお返ししてもいいではないか、それが公平である。こういう考え方に出ております。但し残金財産の分配のごとき、五十円の株に対して利益がうんと出たからと言つて五百円配るということにはいたしませんで、五十円の株の金額、たまたま五十円という債権を持つておつたというような形で旧株主の地位をあたかも預金者にやや遅れるような形における債権者の形において今回は扱つております。これは金融機関再建整備法による旧勘定の整理というものが特別な清算方式によつておりまして、先ず株に九割手をつけて、それから預金を切り、そうして更に最後に又一割を株に手をつけるというような、株主の地位をやや通常の清算の場合と異なつた地位に置いておりますためにかような扱をするのであります。
 ここで三ページ目のほうに入りますが、「先ず負担した確定損に相当する金額」を配り、更に余裕があれば利息に相当する金額もやるということで、先ず普通の債権者並みの扱いになるわけでございます。そうして若し足りなければ、前項の場合において、均等の割合で分配しろというふうに規定してございます。そうしてなお余つたならば、これは利益準備金として新勘定のほうに廻すということが書いてございます。但し以上のような旧株主に分配するということは、在外資産負債を持つております金融機関については、先ず外の預金者の方々、そういう方々に対する債務の支払が済まなければ申訳ないことでありますから、在外勘定を設けるような金融機関につきましては株主は一番最後です。在外預金のかた等に払いを済ましたあとでいたしますということが三ページの一番最後の「前三項の規定は、」云々というふうに書いてあるわけでございます。
 四ページ目に入りましていろいろ税関係のことが書いてございますが、これは現在第二封鎖預金等の復活という言葉で俗称されておりますが、いわゆる調整勘定利益金の分配に当りましてとられておりますいろいろな税法上のやり方、今度は株主もそれに含まれるわけでございますが、そういつたものについて現在のやり方を法律上明らかにしておこうということで書いたわけでございまして、元来相当分には税金はかかりませんが、利息相当分にはやはりこれは利息とみなして源泉徴収をするというふうな規定になつております。
 以上が大体調整勘定関係でございますが、次に第五ページに入りまして、第五章の二「在外資産負債の処理」というところでいわゆる金融機関再建整備法の適用を受けておりまする生きている金融機関、例えば富士銀行でありますとか三井銀行或いは第一銀行、三菱銀行といつたようなところのそういう金融機関、それについての在外預金なり在外未払送金小切手なりをどうするか、一般的に言つて在外資産負債をどう扱うかという規定が以下あるわけでございます。先ほど閉鎖機関課長のほりから説明しました点と重複するのを避けましてポイントだけ申上げます。
 第三十八条の二は、在外資産負債とはこれはどういうものかという定義を書いたわけでございまして、第一項は、今回の法律によつて処理する範囲を規定してございます。即ち第一には先ず在外資産負債というのはそういつた金融機関の在外店舗に係る資産負債である。即ち上海或いはボンベイ或いは台湾、そういつたようなところは今はもう日本の領土でない。本法施行地外、そういつた所にその当時ありました店舗に係る資産負債、これが今回の処理の対象になる。こういうのが第一点、それから第二点は、現在本法の施行地外に住所を有する者に係る債権債務は除く。即ちパリに住んでおります外国人或いはボンベイにおりまするインド人がボンベイ支店に対して持つている預金、こういうものを除く、こういうことでございます。
 それから第二項は未払送金小切手というものは振出店舗の債務であるということをここに明らかに書いたわけでございます。未払送金小切手というものは御承知の通り、在外店舗から振出されたまま内地で支払われずにシヤツト・アウトされておつたわけでございます。要するに在外店舗の債務となつておりますままで、まだ片が付いておらないというそういう形を、小切手法等の適用を待たずに在外店舗に係る債務であるということを明らかにしたわけでございます。
 六ページに入りますが、第三項、これは換算率のことを書いてございます。換算率の内容については申上げません。
 それから先ほど小林委員お尋ねになりました債務者主義という点につきまして但書以下で書いてございます。どつちのほうの債務者の換算率で行くんだぞということがここに書いてございます。
 それから第四項は、この法律が施行される日からはもう在外預金については利息は付かない、こういう規定でございます。整理の段階に入りますので利息は付かない。但しこの法律が施行されますまでは当時の約束によりまして依然利息がずつと付いている、こういう観念でございます。
 それから第三十八条の三に参りまして、これは在外資産負債の処理のために特別に勘定を設定するという規定でございます。要するにこれも御存じと思いますが、金融機関が昭和二十一年、例の金融機関経理応急措置法という形で国内資産負債について旧勘定、新勘定というふうに区分を作つて整理を進めて参りましたが、当時は金融機関経理応急措置法の第三十二条によりまして在外店舗に係る資産負債というもりばそのまま外枠にして処理を進めて参りました。たまたま外枠になつております部分が今回独立に一つの勘定として扱われる、こういう形でございます。第一項は設定のことが書いてございます。第二項は、これは旧帝国銀行がたまたま第一銀行と新帝国銀行と二つの金融機関に再建整備によつて分れました。そのような場合のことを規定しておるわけでございます。それから第三項は、これは要するに独立勘定である。他の勘定と混清してはならない、分別しろ、こういうことを言つておるわけでございます。
 次に七ページのおしまいから四行目、第三十八条の四の、どういうふうにこの在外勘定というものは経理をして行くかという点について申上げます。原則としましては第一項に書いてございますように、とにかくどういう債務があるのだということを確認するということがここに出ております。金融機関に証憑書類を添えて未払送金小切手なり預金通帳なりを提示する。これは自分が上海銀行に預けておいた金う申出をするわけであります。
 八ページに入りまして、第二項、そういうふうにして確認いたしました債務を、これを在外勘定の債務として計上するわけでございます。それからじや一体資産の部には何を計上するかということですが、これはやはり在外店舗等が持つておりました資産、それがはつきりしたところで、今のところまだ例えば処分、処理が宙に迷つているというようなのはいけませんが、例えば勧業銀行が沖縄に持つておりました支店の敷地が米軍管理の下におきまして処分されまして、二百万円という金額が送られて参りました。例えばそういうようなものはこれは在外資産として計上する。これも第二項に書いてあるところでございます。例えば北拓がたまたま樺太所在の支店が持つておりました国債が内地に登録してあつたというようなものも、これは在外店舗に係わる資産としてはつきりいたしておりますから計上するわけでございます。併し例えばボンベイにおきます三井銀行の昔の支店の資産というようなものはどういうふうにこれから処理せられるかまだわからないわけでございますので、そういうものは資産としては計上しない、こういうことになります。
 それからなおそのほかに第三項と第四項に書いてございますが、第三項は資産の部に国内店舗の在外店舗に対する借というものを計上しろ、こういうことになつております。これは例えば北拓の北海道にございます本店は、樺太所在の北拓支店に対しまして、樺太のほうからどんどん金を送つ参りますために、約五千万円僭越しておりますが、借が立つております。これば金融機関再建整備の債務は在外店舗に対する借として計上しております。その逆の見合になる債権、即ち貸を国内店鋪に対する貸という形で在外店舗のほうは資産に立てるわけでございます。現実には北拓は約五千万円くらいの資金を在外勘定のほうへこの際資産として計上することになります。
 それから第四項は調整勘定をすつかり百パーセント配りましてなお余つておつたらば、その在外勘定の資産のほうへ繰入れろという規定でございます。具体的に申しますれば、又北拓の例になりますが大体調整勘定をすつかり配りまして、なお現在七千万円乃至八千万円ほど、三月末ははつきりいたしませんが、十二月末で七千五百万円ほどだつたと記憶いたしますが、調整勘定の残額がございます。これは株主に行く前に先ずこの在外勘定の資産の部に入つて来る、こういうことになります。そこで大体五項、或いは第六項で書いてございますが、この独立勘定というものは、資産を以てその負債を支払うという見合勘定として経理されるわけでございます。従つて北拓の例を申上げますと、在外資産として例えば国債が約五千万円ほどある、それに在外店舗に対する借として約五千万円ほどのものが注込まれる。それに調整勘定の預金の残額が約七千五百万ほど入る、それに対する在外預金は約一億八千万ほどございますが、まあ三月末の決算を以ていたしますればほぼこの在外勘定の資産の部と負債の部とが見合いまして、樺太の預金は大体支払われるであろう、こういう勘定になります。
 以下、その他金融機関につきましていろいろ問題がございますが、必ずしもこの在外資産が十分在外負債を支払うに足りる銀行ばかりではございません。むしろ北拓が特例でございます。そういうような銀行につきましてはそれじやどうするかということになると、次の三十八条の五或いは三十八条の六で書いてありますように、優先支払をするための金を借りて来るという問題、支払をするために借りて来る、或いは繰入れてもらうということで、先ず三十八条の五では、送金小切手のうち五万円までの部分については金があろうとなかろうと、とにかく優先支払をするのだということが書いてあるわけでございます。そうして第二項でてれを払い終つたならば他の債務を払いなさい、こういうことが書いてあるわけでございます。
 十ページ目に参りまして、第三十八条の六は、この優先支払をいたしますために在外勘定にその支払資産が不足いたします場合に、調整勘定から利益金の範囲内で不足金の一部又は全部を借りてよろしい、これが一般の例でございます。そうしてあとで在外資産がりまく返つて来たらば先ず調整勘定にお返しなさい、こういう規定でございます。第三十八条の七のほうは、これは調整勘定というものがないままで再建整備が終つてしまつた銀行の例でございまして、而も在外勘定ができるというのは、勧銀がまあ銀行としては一つ代表的なものでございます。そのほかにまあ鹿児島県下の無尽会社等がございますが、例を勧銀で申上げますと、若し調整勘定を作つたとすれば、そこに深入れられたであろう金額、即ち最終処理の際の旧勘定の積立金の範囲内で借りて来い、こういう規定になつているわけでございます。
 以上によりまして現行金融機関再建整備法により再建整備をやりました金融機関は、ともかく送金小切手の五万円の分だけは何とかして払えるようにしよう。そうしてその後におきまして在外勘定の資産の部に、どういう理由によりますか、いずれにしてもお金が溜つて来たならば、その余りのものを払うことにいたそう、こういうことになるわけでございます。
 それから十一ページのほうの真中からあとのほうへ入りまして、閉鎖の規定でございます。閉鎖の規定は先ず第三十八条の八では、在外勘定かもう全部負債を払つてしまつたというようなときには、これは誰ももう取りに来る人はいませんかと言つて公告をして、そうして出て来なかつたならば閉める、こういうことでございます。そうして閉めてしまつてから株主に余れば配る、又準備金のほうにも繰入れる、これはまあおめでたいほうでございます。
 ところが第三十八条の九のほうはどうなりますかというと、これはもう払おうにもどうにも在外資産は幾らも返つて来ぬ。債務ばかりでどうにもならないというときは、これは勝手に閉められては困りますから、主務大臣が認可をいたしまして、もうこれでいけませんというほうでございます。これが第三十八条の九の第一項、そうして第二項で、さような閉鎖をいたしましたときには、在外店舗に係わる債権というものは消滅してしまう。こういう規定になつております。まあこの時期をどの程度に考えまして、いろいろ渉外交渉その他の成行きとも併せて考えなければならないわけでございますが、ともかく現在のところではまだ在外資産等について、例えば正金銀行等について、抑留中の資産の返還があつたという例もございます。いろいろこれから先外交交渉上在外資産がうまく行けば返つて来るかも知れないというものもありますので、そう簡単に三十八条の九のほうは発動できないと思いますが、一応態勢としてはこういうことになるわけでございます。
 あとはいろいろ税法上の特例とか罰則とかいう関係でございますから説明を省略いたします。
 なお附則のほうは先ほど若干関連して申上げましたが、十六ページの附則のところに書いてございます二項、三項は、これはすでに調整勘定をもう閉鎖してしまつたようなところと、或いは調整勘定を設けなかつた金融機関、株主だけに損をかけてずつとうまく済ませてしまつた金融機関、これは勧銀がその例でございます。こういうところにも旧株主にはやはり損失を負担したままでは気の毒でありますので、若し調整勘定を設けたとすれば如何かというところから計算したような範囲内で旧株主に分配をする、こういう経過規定と申しますか、そういつたことが書いてあるわけでございます。
 あとは大体先ほど関連して御説明申上げましたのでおわかりになつて頂けると存じます。簡単でございますが…。
#208
○政府委員(阪田泰二君) それでは在外会社に関する法律の改正案につきまして簡単に御説明申上げます。
 この法案の内容につきましては、先般の提案理由のときに御説明申上げました。又内容につきましては閉鎖機関或いは金融機関の整備関係の法案等と大体同様の趣旨のものが多いのであります。
 一応申上げますと、この在外会社の法律案は、御承知のように旧日本占領地域、台湾、朝鮮、中国等に本店がございます会社の内地にあります資産、負債、これを整理いたしますためにできた制度でありまして、従来在外預金或いは未払送金為替、こういうようなものは整理の対象から除かれておつたわけでありますが、これを今回この法律によりまして在外預金、未払送金為替の支払いをいたそう、こういうのが本案の主な趣旨でございます。
 それで法案につきまして新旧対照表がお配りしてありますので、これによりまして逐条的に簡単に御説明申上げてみたいと思います。
 先ず第二条の規定の一の二で「在外金融機関」という言葉が出て参りますが、御承知のように在外会社につきましては当初は非常にたくさんの指定がされたわけでありますが、現在未整理で残つておるものは三十七社ございます。そのうちで金融機関でありますものが約十社あるわけであります。具体的に申上げますと、台湾貯蓄銀行、台湾商工銀行、彰化銀行等、台湾にありました地場銀行であります。それから朝鮮貯蓄銀行、朝鮮商業銀行、商工銀行等、これは朝鮮にありました地場銀行であります。それから済南銀行、漢口銀行、上海銀行、これは中国のほうにありました。そのほかは朝鮮に朝鮮無尽株式会社というのがありました。こういうものが在外会社で未整理のまま残つておりましたもののうちの金融機関であります。こういうものを在外会社中で在外金融機関という特別の名前を持つたものということにこの法令で用語を定めまして、これによりまして今回在外預金の支払或いは未払送金為替の支払、これをいたして行こうという趣旨で、この用語の定義に先ず入れたわけであります。大蔵大臣が只今申上げましたような大体十の金融機関を告示で指定するということになるわけであります。
 その次に五に「未払送金為替に係る債務」ということの定義が書いてございます。それから五の二で「預金等に係る債務」ということの定義が書いてございますが、これは閉鎖機関令その他と同様なことでございますので省略いたします。
 その次の整理財産でありますが、これは最初に申上げましたように在外会社につきましては、内地にあります資産負債だけを整理して行こう、本店のありまする外地における資産負債はまあ整理の対象にならないわけでありますが、今回それらのものの中で未払送金為替、在外預金及びそれに関連する資産負債、或いは今回他の金融機関或いは閉鎖機関が整理されるに伴いましてこちらでも支払或いは受取債権、債務、こういうようなものにつきましてこれを整理の対象に入れて行こう、こういう趣旨で整理財産の範囲を拡げる趣旨の追加がこの六号でされておるわけであります。六号イとその次のページの口と二つありますが、次のページの口に「左に掲げる負債」とありますが、この左に掲げてありますのが未払送金為替と預金、これを今度支払うことになりますので、それについての規定であります。なおこの最後にR第二十七条の三の規定により支払う金額を含む。)」とございますが、これは今まで送金為替或いは預金等の支払がずつと延び延びになつて参りましたので、いろいろ他の債務の支払或いは整理が完了いたしまして株主等に支払をいたしまする場合のいろいろそういつたような点等も考えまして、表示された債務額、預金額以外に一定の割増金を支払うというような趣旨の規定が二十七条の三にございますが、そういう金額を含む、こういう規定でございます。それから(四)は、これは先ほど来いろいろ説明には出ておりました、他の規定で出ておりまする在外金融機関或いは閉鎖機関等から支払を受ける場合がありますが、それに対応してこちらから支払う債務、反対債務がここに掲げてあるわけであります。それで(五)に掲げてありまするように、今後債務を支払うわけでありますが、それに対応して……、前に戻りまして、イの「左に掲げる資産」、その(二)に、整理財産に追加するものが加えてありますが、イの(二)でありますが、これは結局預金、送金為替等を支払いますが、その支払いを受けます者に対しまして、在外会社たる金融機関が債権を持つておりますものは、その対等額だけは相殺して、内部的には回収に立てることになりますので、それを整理の範囲に加えたのであります。その裏のほうに参りまして、イの(二)は、他の法律或いはこの法律によりまして在外会社或いは金融機関、閉鎖機関等が支払いをやることになります。その分を整理財産の範囲内に入れて受取ることができる、こういうことにいたしてあるわけであります。(五)の規定は、これは条文の整理だけであります。
 第八条に参りまして、八条の二項が追加になつておりますが、これはまあ先ほども申上げました預金、未払送金為替等を支払いまする範囲内でその支払を受ける者に対して有する債権を相殺することができる、こういう規定でございます。
 それから第十五条の二は、これはこの在外会社たる金融機関の整理に当つておりまする特殊整理人は、一定の期間におきまして催告をいたしまして、預金、送金為替等を申出さす、こういう規定でございます。
 それから第二十七条の二、一項、二項、これは閉鎖機関等で説明のありました外貨表示の預金或いは送金為替等を一定の換算率によつて換算いたしまする部面の規定でございます。表の換算率等は閉鎖機関或いは銀行等と全く同様でございます。
 なお先ほど小林さんから閉鎖機関等につきましてお尋ねのありました点でありますが、これは二十七条の二の二順におきまして、他の法令に別段の定めのある場合を除いてこの別表に定める換算率で換算しなければならないとありますが、「他の法令に別段の定がある場合を除き」というふうな規定を入れまして調整をしてあるわけでありますが、まあ在外会社の関係、台湾朝鮮或いは中国本土というふうに限られておりまして、余り問題となる点が少かつたと思います。
 それから第二十七条の三、これは先ほど申上げました規定でありまして、まあ預金、送金為替等、大分遅くなつて支払うことになりまするし、なお在外会社等の実情から言いますると、大体国内の財産が相当整理された結果残つておりまして、在外預金もこの別表にありまするような換算率によつて支払いますると、十分支払いまして余りがある。なお株主等に対しても資本金以上に相当の払戻しができる、こういつたような状態に各会社ともありますので、そういういろいろの権衝等も考えまして、今まで支払の遅れておりました預金者等に対しまして一定の割増金と言いますか、追加支払をいたしたいということの規定でございます。具体的にどの程度の金額を預金者に支払うかということにつきましては、主務省令の定むるところによるということになつておりますので、個々の金融機関によつて、多少国内資金の状況等いろいろ事情の違う点がございますので、個々の機関につきまして特殊整理人からこういう金額の支払案を立てさせまして、それを主務大臣が承認して実行させるということに具体的には取扱いたいということを考えております。
 第二十八条は、これは整理人が預金等を支払います場合の支払の優先順位の規定でございますが、大体五万円以下の未払送金為替を第一順位といたしまして、その次に残りの送金為替、それから次に預金をいたしまして、それから次に残りの預金というふうに、その次に二十七条の三の規定によりというふうに順位をきめてございますが、先ほど申上げましたように、実際問題といたしまして、在外会社である金融機関につきましては大体預金等を全額支払うことができるというふうに考えております。
 それから第二十八条の二以下の規定と、いろいろ前のほうで整いたしました関係の…。
#209
○小林政夫君 十号を説明して下さい。
#210
○政府委員(阪田泰二君) これは在外資産の関係につきましては国内資産、内地の資産負債の整理が済みますると、株主に分配して整理が済むわけでありますが、その場合に在外負債が在外資産を超過する額、負債超過額というものを留保しておいて、その上で社債或いは在外資産で株主に分配するという規定になつておりますが、今回いろいろと在外財産中国内で整理をいたすというようなものが範囲が変つて来まして、今まで在外資産負債等と考えて処理しておりましたものを、国内資産負債と同様に支払或いは取立て、相殺等をいたすわけでありますが、その在外資産負債の範囲を調整いたしました。
 二十八条の二は、これは条文の整理でございます。
 三十六条も条文の整理でございまして、在外金融機関の取扱い、或いはいろいろ催告期間をきめる規定等につきましては大蔵大臣が告示して定めるということになつております。
 第三十六条の二項も同様でございます。いろいろこの規定に基きます承認事項等を大蔵省令によりましてその趣旨をきめるということでございます。
 第四十二条も、十五条の二で預金者等に申入れの催告をいたしますが、その催告をいたさないような場合には罰則が適用されることになるということでございます。
 別表は、これは在外金融機関に関係のある分だけを掲げましたもので、内容は閉鎖機関令等と同様であります。
 附則につきましては特に申上げることもございませんが、大蔵省設置法の改正、これは在外会社に関する事務をこの法律が通りますれば理財局から管財局のほうに移す、管財局のほうで閉鎖機関と一諾に適用するということであります。
 以上であります。
#211
○委員長(大矢半次郎君) 両案に対して質疑を願います。
#212
○菊川孝夫君 第一番に、この金融機関再建整備法の一部を改正する法律案からお伺いしたいのですが、この在外負債の処理と、銀行課長から説明されましたように、調整勘定の処理と、これは一諾にしてやられましたのは理由は……、ちよつとわけがありそうに思うのですが、その点なぜ、これは大分在外負債の処理と調整勘定の処理というものは性格が同じものだと、こういう関係から一諸の法律にして出されたのか、この点お伺いいたしたいと思います。
#213
○説明員(谷村裕君) 只今御指摘がございましたように、金融機関再建整備によりまして、金融機関はいわゆる新勘定と申しますか、国内の新らしい経済の体制に即応する新らしい金融秩序の下に活動して参つておるわけでございますが、片秀逼青いろいろな資産負債の始末をいたさなければなりません。その問題の一つが国内のいわゆる旧勘定でございますし、又一つは在外関係の問題でございます。そこで仕外関係のほうは今御指摘になりましたような、今回取上げることになつたわけでございますが、調整勘定のほうで考えておりますことは、たまたま法律が出ますので、この際従来とも違いまして、若干情勢によりまして手直しをしなければならないと思つた点にやや触れたわけでございまして、従来の調整勘定処理のいわゆる筋道というもりは変つておりません。実質的に関係いたしますのは調整勘定の利益金の分配を、在外預金とか未払送金小切手というものがかかつております金融機関については今までとめておりました。側承知のように去年、地方銀行等につきましてはそういうかかり合いがございませんので、調整勘定に分配を認めたわけでございますが、大銀行は未だにいたしておりません。今回在外関係り分について或る程度こういう形で処理するという方針がはつきりいたしますと同時に、国内の第二封鎖等につきましても処理をするということになる途を開くつもりでございまして、これは法律と関係ございません。法律は先はど申上げましたような点でございます。
#214
○菊川孝夫君 次にその調整勘定の処理、第一の目的についてお伺いしたいのだが、非常にむずかしくてどうも理解がなかなかあれだから、明確に御説明があつたのだがちよつとわかりにくくて、具体的にこれは問題を挙げて御説明願いたいと思うのですが、それはあの終戦直後のインフレ昂進時代におきまして、まあ例えば今協和銀行という銀行がございますね、あれは昔は不動貯金と言つたのじやないですか。その不動貯金時代に零細な金をどんどん貯金さして集めておき、あの貯金した者から見れば誠に苦しい積立てから貯金していた。一旦不動貯金というものをすぱつとやめてしまつて、知らん顔して協和銀行というものをこしらえて生れ変つたようにやつてしまつて、前のやつはおれは知らんというふうに見えるのだ。我々見ると、インフレでどうつと上つてしまつて、今まで積立てたやつは殆んど効力がない。あの当時に一万円といつたらこれは相当預金を持つておつたのだが、今じや一万円なんていうのは無価値ということはないけれども、あの当時とは格段の相違になつている。そのときにそういうふうにしてから一体返させるということは如何にもインチキのように思うのですがね、それらのからくりを一遍一つ御説明願いたい、なぜああいうことをやつたのか。三菱なんかは三菱銀行というので残つておるが、あれだけはああいうふうにさしたということはどういう点からであるか、あなた協和銀行の、今説明をされましたので、一つ御説明願いたいと思うのですが……。
#215
○政府委員(河野通一君) 只今例として協和銀行の場合が出たのでありますが、特に協和銀行につきまして戦後における再建整備の処理上特別な不利な扱いをしたということはございません。御案内のように協和銀行になりましたのはたしか終戦前昭和十九年ではないかと思います。これが不動貯金その他が協和銀行になりました当時においては、その前にありましたいわゆる貯蓄銀行としてのいろいろな貯金、これらの問題は法に従つて適正に処置がされてそういう協和銀行に転換したわけであります。その後終戦を迎えて戦争中に起りましたいろいろな債権債務関係が非常に混乱した、これを処理するために例の戦時補償の打切りが行われ、金融機関については再建整備を行なつた、企業についても再建整備を行なつた、この一連の措置が要するに戦後の経済のまあ膿を皆出してし支う大手術をやるためのいわゆる三本建の法律であるわけであります。これによつて金融機関といたしましても各般の処置がなされたわけでありますが、この処置が今ここで御審議頂いております金融機関再建整備法という法律によつて処置がされておるわけであります。その処置はすべての銀行について一律にこの法律によつて処置をされる。勿論その処置の仕方は各金融機関の旧勘定というものを設け、そうして必要最小限度のこの預金者に対してこれを第一封鎖預金ということにして新勘定に入れて打切りの対象から外した。併しそれに見合うべき資産というものがないという場合においては、これは国が補償をしてまでも第一封鎖預金に当るべき預金者の保護を図つて来た、こういうことになつておるわけであります。殊に協和銀行のごとく最も零細な預金が非常に多いところにありましては、第一封鎖預金といつたものがつまり新勘定に入つて政府の補償を受けて保護されておる預金額が非常に多いわけであります。それらが非常に多いために結局勢い旧勘定に残るべき資産というものが非常に少い。従つて協和銀行というものは政府がそれに損失の補償をしております。ちよつと金額ははつきり覚えておりませんが、政府が損失補償しておる。損失補償までしてこれらの零細なる預金者に対してはこれを新勘定に上げたわけです。つまり打切りの対象にしなかつた。こういう措置までこの貯蓄銀行たる協和銀行については行なつて参つております。こういうことであります。
 併しながら一方におきまして、こういう政府の補償まで受けて一定の預金が新勘定によつて保護されたということの裏から見ますと、今度は打切られた第二封鎖預金になつたところの預金についてはこれを払うべき資産が実はない。これはこの法律ではつきり出ておりますが、その調整勘定の利益金が出て参ります場合においては先ず政府に対する補償金を先ず払い、そうして政府に対する補償金を払つてなお且つ調整勘定の利益金に余裕がある場合においてはこれで打切られた預金者に払つて行く、こういう順序に相成るわけであります。現在では協和銀行は政府から受けた補償金は大体支払ができた、大体三億の補償を受けたのでありますが、これを払つて、そうしてなお調整勘定が残つておりますので、これによつて打切られた預金者に支払を中間的に行なつて参つた、こういう経緯になつております。今後におきましても調整勘定の利益金が更に殖えて参りまずれば、まだ支払を受けていない、打切られた預金者に対して更にその利益金の範囲内において続けて調整勘定の分配を行う、こういうことに相成るわけであります。
#216
○菊川孝夫君 そうするとその調整勘定の利益々々とおつしやるのは、調整勘定の利益を生みましたのは何が生んだかというと、結局インフレによる貨幣価値の下落が調整勘定の利益を生んだ、こういうことになるのですか、実態は。
#217
○政府委員(河野通一君) これはなかなかむずかしいところでありますが、例えば非常に銀行等が貸出を行なつておる。貸出がその企業が非常に悪いというためにその貸出を旧勘定の資産として落しておる。ゼロに評価しておる。ところがその企業が立直つて来たという場合にはその債権は生きて来る。そうすると、今までゼロに評価しておつたのは焦げつきだ、欠損だ、とても貸出は取れないと思つておつたのが、これはインフレの影響も勿論あるかも知れませんが、経済全体が立ち直つて、企業自体が立ち直つたために生きて来た。そうするとそれだけの債権が資産の評価としては殖えて来る。それから有価証券等もあります。有価証券等も終戦直後におきましては、株等は将来どうなるかわからんというので殆んど無価値にひとしいような評価がされておつたのであります。ところがその後経済が立ち直つて来るに従つて、これらの無価値と思われたものが百円なり二百円になつた。それが調整勘定の利益金としてたまつて来る。それから不動産について申上げますと、不動産については規定も若干直して頂くことになつておりますが、従来店舗等において例えば不動産評価額が百万出くらいになつておつた。ところがその後貨幣価値が、経済の推移で、インフレと言えばインフレでしようが、その店が要らなくなつた、そこでそれを処分しようとした場合においてそれが十万円に売れたという場合には、百万円の帳簿価額に対して千万円で売れたりでありますから、その差額の九百万円というものは、旧勘定において打切られた預金者に属せしむべきものである。従つてそれだけは調整勘定の利益金として出て来る。こういつたふうなものが多いのであります。それが今菊川さんのおつしやるようなすべてがインフレと申しますか、貨幣価値の下落ということに基く利益とは考えられませんけれども、インフレによつてそういう利益が相当出て来た大きな幾つかの原因の一つであることは間違いないと思います。
#218
○菊川孝夫君 そうするとこの調整勘定によつて生まれた利益については相当長い年数はたつておりますね。これについては今の銀行課長の説明では利息というわけには行かない、利益配分という恰好で以て、これには何らかのての資産の状態によつては配分させるのだ、これについては限度その他は考えておられるのかどうか、そこをもう一遍お伺いしたい。全部ばらまいてある限りはこれは相当全部をやつてしまつても決して悪くはないと思うのですかね、私の考え方ですと……。今の株主の出資というのはこれは株主の責任においてやつているというのはあなたり持論で、預金というやつは優先的に保護しなければならん、株式というもりは保護しなくてもよい、保全経済会りときになんぼ言つても、これは保護は全然しなくても、先ずこれはしようがないと思う。株式は責任において出具して事業をやつておつたのがこういう事態に会つたのだから止むを得ないとして……、従つてそういうものは全然考慮せずに、預金者に対してインフレによつて、その当時に払戻しを受けていれば相当生きたにかかわらず、今日まで放つて置かれて棚上げされたことになれば、できるだけ旧勘定のものはそれにやつてしまう。だから株主というものには全然考慮されないのかどうか、この点伺いたい。
#219
○政府委員(河野通一君) これは再建整理を行いましたときにも先ず株主を先に切つてしまう、特殊の整理でありましたために株主は先ず九割を切つてしまう。千万円の株でありました場合には積立金その他を先ず切つて、その次には千万円の資本金に対して九百万円までは出資者を切つてしまう、一割だけは残そう。その次に今度は預金者を切つて行く。それから又株主に返る、こういつたような措置をいたしております。今度は支払う場合には、つまり調整勘定の利益が今申しましたように出て来た場合には、支払う順序は切つた順序の逆に払つて行く、こういうことになります。従いまして株主に対して九割仮に打切られた、そこで済んだといたしました場合には、その株主は、打切れた預金者が全額支払われて、直接今お話のような利息相当分、これは計算の仕方はここに規定がありますが、約定利息のあるものは約定利息、約定利息のないものはその当時利息のつけられておつたものの最低の利息をつけるということになつておりますが、そういうわけで元本が全部返つてなお且つ利息相当分が支払われる。それでもなお且つ利益金が余つたという場合において、その利益金が最後に株主に打切られた金額を限度として株主に返る。なお且つ余つたものについてはどうするかというと、これは新勘定に入つて行くわけであります。新勘定といいますのはつまり生きている勘定ですね。そうしてその内容を充実して行くというのがこの法律の建前なんであります。
 それじや貨幣価値も変つて来たから、預金者にもつと払われる余裕があるなら、新勘定に入れる代りに預金者に払つたらどうかという議論も先ほど野溝委員でありましたか、お話が出ておつたようでありますが、この点は金銭債権債務の処理に当つて貨幣価値の変動ということを頭において処置をいたしますということは非常にむずかしい。技術的に殊に全体の秩序を非常に混乱させる恐れがある。従いまして金銭債権債務の処理に当つてはやはり貨幣価値の変動というものは、殊に今の場合において預金者に、貨幣価値の変動によるそういう価値の下落を付加して払い戻すというようなことをいたします場合は、それじやその間に銀行から金を借りておつた者にもたくさん払わなければいかんじやないかといつたような問題にもなつて来る。つまりインフレーシヨンによつて金銭債権債務の関係に対して、全般に亘つて貨幣価値の変動によるスライドということを考えなくちやいかん。これは今の現存の法律、経済の秩序からいいますと非常に困難な問題である。のみならず非常に混乱を起す虞れがあるということで、これらの点につきましてはやはり従来の名目に従つて金銭債権の支払は行なつて行くというのがやはり正しい方法ではないか。お話のようにいろいろ貨幣価値の変動に従つて実質的利益からいいますといろいろ問題がございますけれども、全体の処理に当つてはそうすることが結局は経済全体としては正しいやり方ではないかというように考えておるのであります。この点もやはり部内でも議論はいたして参つた問題でありますけれども、結論といたしましては以上申しましたようなことに考えている次第であります。
#220
○菊川孝夫君 次に調整勘定の金額別クラスですね、五万円から十万円がどのくらいの人間がある。それから十万円以上百万円クラスは何ぼというようなことは、大体あなたのほうでは調査はできているのでしようね。ざつとしたところでいいのですが、百万円を超える者は何名ぐらいというような、債権者の金額別人員というようなものはおわかりになつているのでしよう。
#221
○説明員(谷村裕君) ちよつと手許に今そういう資料を用意してございませんので、御必要とあらば調べて資料として差上げるようにいたします。
#222
○菊川孝夫君 これは大きな問題だと思うのだ。例えばその当時に百万円もあるようなものが殆んど調整勘定に入つているのと、二万円、三万円くらいの連中のとは影響するところが大分違うと思うのです。今でも百万円くらいのやつがこれによつて生きて来て、利息相当額もついて返つて来るというのと、三万や二万のものが返つて来るというのとではえらい違うと思うのであります。
 それともう一つ尋ねておきたいのは、戦争の結果それらの人員のうちでも相当数が、広島の原爆によつてもう一家飛び散つてしまつて、証拠書類も何もない。銀行のほうの名簿によつて調べて見たところでどこに行つているかわからんというのも相当出ているだろう。東京でも本所、深川あたりの戦災によつてどうしても調査のできないものというものもできて来るだろうと思うのですが、そういうようなものはやはりこの勘定のほかの、今調査の出ているもののところへ余分に返つて来るということになるのですか。これはどういうふうになりますか。
#223
○説明員(谷村裕君) ちよつと御説明いたしますと、先ほど銀行局長から申上げましたように、先ず預金を切るときにどういう切り方をしたかということでございます。これはいわゆる法人のほうでは大口の法人預金から先ず大きく切つて行きまして、併し個人の預金につきましては全部平等に損を負担させております。従つて今回逆に、分配をいたしますときには、順序から言いますと、やはり先ず個人のほうは全部平等な形で均分に配当するという形になつておりますので、今菊川委員お尋ねのように、小さいものは先にとにかく返させる、大きなものはあとだという形には法律はなつておりませんのでございます。併し今申上げましたのは、いわゆる第二封鎖として打切られたものでございまして、先ほど局長が申しましたように、最低の少くとも当時これだけは補償しなくてはならんという分は補償されておるわけでございますから、それは御承知かと思います。法人のほうは大口のほうからぼつぼつこう切つて参りまして、それは今度あと廻しにする。
#224
○委員長(大矢半次郎君) 速記とめて。
   〔速記中止〕
#225
○委員長(大矢半次郎君) 速記をつけて下さい。
#226
○菊川孝夫君 これはちよつと素人臭い質問ですが、政令を法律で改正しなければならんという理由をちよつと聞かして頂きたいのですが……。
#227
○政府委員(阪田泰二君) この政令は御承知のポツダム政令と申します関係のものでありまして、現在も法律としての効力を持つておるものでありますから、それについて……。
#228
○菊川孝夫君 その占領が解けましたときに、今も大蔵省が法案の整理をやつておられるのだが、占領中のポツダム政令として設けさせられたような緊急勅令に相当するものについてこの際申上げたいのは、いつまでも政令とし、残しておくよりも、法律にして改正する場合には、これは廃止して新しい法律にする、こういうことが特にこういう場合に必要じやないかと思うのだか、いつまでもポ勅を残しておくというのはおかしいと思うのですがね。これは考慮されなかつたのですか。今日の大蔵省のいろいろ法律を整理してしまうという……。
#229
○政府委員(阪田泰二君) お尋ねの点でありますが、大体ポツダム政令関係につきましては、講和条約発効のときたつたと思いますが、その政令のうちでそのまま発効後もその内容を法律として存置しておいたほうがいいと思われるようなものは、全体としてやはりまとめて法律の効力を与える措置をとつたというふうに記憶しておるのでございまして、まあ大体内容につきましては一応そのまま存置しておいて、まあ多少部分的に改正した点もありますか、差支えないものと思われますのでこういうふうに処置したものと思われます。
#230
○菊川孝夫君 もう一点、「旧日本占領地域に本店を有する」というふうに政令にはなつているのだが、それもおかしいと思うのだが、あなたの説明では、朝鮮とかそれから台湾だとかいうような会社だ、こう言つているのだね。これは旧日本占領地域というと、これはジャワだとかスマトラだというと、これは成るほどよく合うのだが、これは明らかにポ勅の性格を余りにはつきり現わし過ぎている。成るほどこの法律の見出しを読んだだけではそういうふうに解されるのだが、該当する会社はどういう会社だと言つて説明員に聞いてみたら朝鮮だと、これは旧日本占領地域と言うのはおかしいだろうと思うのですがね。これもポ勅当時にそういうふうに書けと言われたのですか。
#231
○説明員(上田克郎君) 御指摘の御趣旨御尤もだと思いますが、実は今回の改正のときは従来呼び方は問題はあるといたしましても、一つの法律として動いているものを、呼び方が余り妥当でないからといつて変えて行きますと、占領時代の政令なんかはいろいろ細かくいじらなければならん点が出て参ります。まあそこまでやらなくてもよかろうというので、このまま呼び馴れた名で呼んだというだけでございます。
#232
○小林政夫君 これに該当する今在外金融機関ということでありましたが、これの今回の支払の対象になる……、この前閉鎖機関について要求したと同じ資料出してもらえますか。
#233
○説明員(上田克郎君) 衆議院の大蔵委員会でも御要求がございまして、提出してございます。それで恐らくお手許にお配りする手配になつておりますので、おっつけ参ると思います。
#234
○小林政夫君 会で説明する都合があるので、大体概算幾らくらいですか、総額。
#235
○政府委員(阪田泰二君) これは在外金融機関関係、合計して申上げますが、大体未払送金為替の関係におきましては現在のところ載つておる数字がないわけであります。極く僅かな額があるかも知れないと思われますが、現在のところはまあわからないということになつております。
 これは大体在外金融機関関係は殆んど内地に店舗を持つておりませんでしたので、そういうような金が非常に少いか或いはないのではないかというふうに思つております。
 それから預金り額でありますが、これは別表の換算率で換算しました金額で三億三百五十八万八千円という数字が合計しまして出て来ます。ただこれはやはりこれはいろいろと調査しました時点が違つております。それぞれの金融機関につきましていろいろな資料でわかつておりまする最近のものについて調べた、そういう数字でございます。
#236
○小林政夫君 もう一点簡単なことですが、第二条の五の二の中で「金融業務上の債務で主務省令で定めるものをいう。」というのは……。
#237
○説明員(上田克郎君) 大体今主務省令で定めることを予定しておりますものは預金とそれから貯金、定期積金の給付金、無尽給付金、そういうようなものを考えております。
#238
○委員長(大矢半次郎君) 旧日本占領地域に本店を有する会社の本邦内にある財産の整理に関する政令の一部を改正する法律案について他に御質疑はありませんでしようか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
#239
○委員長(大矢半次郎君) 御質疑はないものと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。……別に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#240
○委員長(大矢半次郎君) それではこれより採決に入ります。旧日本占領地域に本店を有する会社の本邦内にある財産の整理に関する政令の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#241
○委員長(大矢半次郎君) 全会一致であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、諸般の手続は前例により、委員長に御一任願いたいと存じます。
 それから多数意見者の御署名を願います。
  多数意見者署名
    木内 四郎  岡田 信次
    山本 米治  藤野 繁雄
    安井  謙  白井  勇
    小林 政夫  菊川 孝夫
    東   隆  野溝  勝
    三木與吉郎
  ―――――――――――――
#242
○委員長(大矢半次郎君) 金融機関再建整備法の一部を改正する法律案の残余の御質疑は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト