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1953/05/25 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 大蔵委員会 第48号
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1953/05/25 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 大蔵委員会 第48号

#1
第019回国会 大蔵委員会 第48号
昭和二十九年五月二十五日(火曜日)
   午前十時五十一分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     大矢半次郎君
   理事
           藤野 繁雄君
           小林 政夫君
           菊川 孝夫君
           東   隆君
   委員
           岡崎 真一君
           木内 四郎君
           白井  勇君
           西川甚五郎君
           山本 米治君
           前田 久吉君
           野溝  勝君
           堀木 鎌三君
  国務大臣
  大 蔵 大 臣 小笠原三九郎君
  政府委員
   自治庁税務部長 奧野 誠亮君
   大蔵省主税局長 渡辺喜久造君
   大蔵省理財局長 阪田 泰二君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       木村常次郎君
   常任委員会専門
   員       小田 正義君
  説明員
   大蔵事務官
   (主税局税制第
   一課勤務)   大倉 真隆君
   大蔵省理財局経
   済課長     高橋 俊英君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○企業資本充実のための資産再評価等
 の特別措置法案(内閣提出、衆議院
 送付)
○参考人の出頭に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(大矢半次郎君) これより大蔵委員会を開会いたします。
 企業資本充実のための資産再評価等の特別措置法案を議題といたしまして質疑を行います。
#3
○小林政夫君 先ず附則のほうで、従来、調整勘定を設けておつた金融機関は、再評価積立金を資本に組入れてはならない、こういうことになつておつたのを、附則で改正をして、調整勘定があつても再評価積立金というものを資本へ組入れてよろしいのだと、こういう改正にしようとしておるわけですが、事務当局に尋ねると、それは一応そういう途は開くけれども、行政措置で十分措置をして、本来調整勘定に帰属すべき再評価積立金については資本組入れを認めないように自信を持つて指導をすると、こう言つておるんでありますが、大臣はどういうふうにお考えになりますか。
#4
○国務大臣(小笠原三九郎君) 実はこれは旧勘定の株主関係等も勘案して適当にやるからと、こういうお話でして、そうかということで……。私は率直に申上げておきますが、これは銀行局長が来るとよくわかるのですが、ああそうかと言つてこれを認めておつた次第です。
#5
○小林政夫君 銀行局長からは直接聞いておらないのですけれども、銀行課長が先般説明をしたわけなんですが、まあ今の情勢で、オーバー・ローンのような情勢、かなり国の施策に銀行が依存しなければならん、こういう事態においては、大蔵省の言うことも金融機関は開くでしようけれどもだんだんひとり歩きができるようになつて、すでに大分力が強くなりつつあるわけですが、そのときに大蔵当局の行政指導だけで十分やれるかどうか。これは一つ大臣としては政治的に判断してもらいたい。旧株主特損負担金の債権者というようなものは、現在の金融機関の姿に対してかなり感情的な反感を持つているし、又、経済秩序の確立という点からいつて、最も経済信義を重んずべき金融機関が、債権者に損はかけつぱなしというような状態では、これは非常に将来問題を残すのじやないか。そういう点から考えて、これは法定をやはりしておく必要があるのじやないか。少くとも、再評価積立金のうちで調整勘定に帰属すべき可能性を持つものは資本組入をしてはならないという程度の法定をしておく必要があるのではなかろうかと思うのですが、どうですか。
#6
○国務大臣(小笠原三九郎君) 小林さんの言われること、非常によくわかりますから、よく考えます、これは。
#7
○小林政夫君 それからこれは少し技術的な細かい問題になりますが、第三次再評価を二十八年度中にやつた会社、これは固定資産税が二十九年は二十八年の基準でやりますから高く、まあ普通に払う。そして三十年、三十一年、三十二年は再評価前の基準でやる。固定資産税というものはこういうわけで安くなつた。二十九年に三次再評価をやるものは二十八年の基準で行くから、二十九、三十、三十一は安い。そこで成績のいい、先に再評価を進んでこの本来の趣旨に副うて第三次再評価を積極的にやる、こういうものは、同じ固定資産税の三カ年間の減免、減税、軽減という意味においては、三カ年間という点は変らないのだけれども、二十九年度だけがぽつと高くなるということは少し困る。上げるにしても、今の三年間安くした趣旨に副つて、二十八年に再評価したものは二十九年、三十年、三十一年と、こういう同じ三年間にしても続けてもらいたい、こういう要望があるのですが、これについて大臣はどういうふうにお考えになつておりますか。
#8
○国務大臣(小笠原三九郎君) これは御尤もに思いますが、二十九年度の事柄はきまつているために、そうできないというふうに聞いておりますが、どうもまずい話であると言つておつたか、ちよつと政府当局のほうから何か意見があると思いますので、私の聞いておりますのはそういうことです。
#9
○政府委員(阪田泰二君) 只今のお話、誠にそういうような、早く率先してやつたものが二十九年度だけ高いというか、固定資産税の減免をしない。ただこういうような問題は実際問題といたしまして今年度の二十九年度の固定資産税の法定基準価額というものは、二十九年度の地方で固定資産税をかけます基準になる価額というものは今年の一月に作つた。で、従来のように確定しておるわけです。こういうものをあとから変えるということになりますと、いろいろ地方の財政計画とかいうものがございまして、むずかしい問題になつて、やむを得ず今年だけはまあ我慢して頂く、こういうことにいたしたわけでございます。ただ実際問題といたしまして、昨年庭中に再評価を、第三次再評価をやりました会社の数が極めて少いわけでございますが、なお再評価をやりましても、その再評価いたしました価格では、何といいますか、いろいろ事務の都合等もありまして、今年の一月の地方におきまして画定資産税の台帳を作りますときに入つているというのは、更にこのうちでも極めて僅かであるというふうに、具体的の事例まで調べたわけでございます。そういうふうに聞いておりますが、まあかたがた実際該当するものが少いということでありまして、この程度で何とかやつて行くということにいたしたわけでございます。
#10
○小林政夫君 その点はかなり技術的の問題もございますから、地方自治庁の税務部長の出席を求めて、一体それは技術的に可能なのかどうか、又、今の二十九年度の地方財政収入額の基準というものは、そういう点がかなり重きを置かなければならない程度に算入されておるのかどうか。そういう点について質したいと思います。
 それから要再評価資産に、工具、器具、備品というような非常な細かいものも入ると思うのですが、原案だとそういうのが非常に、一々そういうのを数え上げるというのか、非常に煩瑣だと思うのですが、金額的にも僅かな金額、要再評価資産の中に占める金額割合というものは非常に軽少なものだ、こういうものも一々こういう厳格な要再評価資産としてやらなければならないかどうか。
#11
○政府委員(阪田泰二君) 今の工具、器具、備品と、こういうような細かいものをどうするかということでありますが、実際問題といたしまして、工具、器具、備品といつたようなものと機械設備といつたようなものとを区別するといたしましても、いろいろその限界をきめて、はつきりこれを除くというようにきめることが、まあ限界が非常に個々について検討してみますとむずかしくなつて来ます。又こういうものを特に再評価しないでいいというような理由もないように思われますので、その点でまあ多少事務的に面倒なというような点もありますが、強制の対象からは除外しないというふうにいたしたわけであります。
#12
○小林政夫君 何かこう規格、基準でも、非常に微細なもの、それはまあ会社の経営者が良心的であればあるほど細かいものでも挙げてあるし、そう良心的でないのは適当に税務当局の審査を免れる範囲において、まあ経費とかその他簿外資産的な経費に計上して行くと思うのです。そういう何か一つの要再評価資産として強制再評価の対象とするのであれば、普通の税務の取扱い方とは別に、このものについては金額的な、何円以上とか、何円以下のものは除くとかいうようなことは考えられなかつたのかどうか。
#13
○政府委員(阪田泰二君) まあこれは実際問題といたしまして税務のほうの取扱いの問題になると思いますが、こういつたような、工具、器具、備品といつたようなものは、まあ資産に挙げないで損金で出しておる、だから或る程度の価格は、詳しいことは存じませんが、一定の価格以下のものは損金で出すことを認めると、こういうような取扱いがありますので、初めから資産に非常に細かい消耗品的なものは挙つていないと思いますが、なお資産の再評価についても、国税庁の取扱いといたしまして、いろいろこういつたものにつきまして、年次別、種類別に一律に一括して計算するというような便法も認めておるようであります。
 それから再評価限度額に百円未満の端数があつた場合、或いは取得価格のほうで十円未満の端数があつた場合というようなときには、これを切捨てて計算するというような扱いもあるようであります。まあ非常に小さいものはそういうふうに切捨てられて除外されるということが実際上やつておるというような場合もあるようであります。或る程度はそういうような取扱いによりましていろいろ面倒なこと除かれると思いますが、今申しましたようなことで、かなり仕事の簡素化はできて行くのじやないかと思いますが、なお今回実施に当りましては、国税庁その他の実施に当るかたとも協議しまして、これにつきましてはできるだけ面倒がないようにいたしたいと思います。
#14
○小林政夫君 それじや只今の理財局長の言明を一つ信頼いたしましで、是非そういうふうな取扱いにしてもらいたいと思います。
 それから次は主税局長の出席を求めておつたわけですが、これは特に大臣に聞いてもらいたいのですけれども、前の租税特別措置法のときに、だいぶ主税局長と論争をやりました。というのは、この同族会社に対して、再評価積立金の資本組入れ、いわゆる無償増資のものに対して五分の配当を同族会社に対しては損金に算入しない。同族会社だけを損金に算入する方針から除外しておるわけであります。ところが、この資産再評価、この法案によると、五百万円以上の法人はすべて、こういう再評価をしたかしないか、この法律で予定されておる再評価限度額であるとか、或いは償却をどうしたとかいうようなことを考課状へ書いて公示する義務がある。これは同族会社は抜いてないのですね。そういうことから行くと、私はそういう義務を課することは同族会社に対して別に構わんと思うが、同時に、そういう義務を課するならば、再評価積立金を資本へ組入れた分に対する五分の配当の損金算入を同族会社について認めない、こういうことに、そつちのほうの措置を取り消してもらつたらどうだろうか。特に同族会社には太洋漁業というような大企業もありますけれども、おおむね中小企業が多い。そして中には今度第三次再評価税は免税になつたけれども、第一次、第二次分は二分の一にはなつたけれども三分の税金がある。それも仔細に検討して見ると、再評価積立金を資本に組入れたものに対する五分の配当の損金の算入、こういうものと睨み合せて考えると、まあまあ二分の一も免税にしてもらつたと同じ結果になる。これは理論的には無償増資に対する五分の配当を免税にする必要はないものですから、実際の税理論から言えば資本蓄積でもない。その資本蓄積を促進する意味における配当の経費算入ということの観点から行くならば、無償増資に再評価積立金を資本に組入れたものに対する、例え一般は一割であつてそつちのほうは五分であつても、これを免税にする理由はない。いわゆる経費に、損金に算入する理由はない。けれども、まあまあということでやつているんでしようから、そういうことから言いますると、同族会社だけを外す理由はない。この点はどういうふうに考えますか。
#15
○国務大臣(小笠原三九郎君) この点はよく一遍なお相談してみたいと思いますが、実は小林さんも御承知のように、同族会社に対する在来の課税というものが相当重くなつておつて、これに対するかれこれの非難もありましたので、この間の措置で、幾らかその同族会社に対する、まあ理論から言えば同族会社をそう区別しなくてもいいじやないかという意見もあつたが、又その反対のものもあつて、一遍に持つて行きにくいものだから、あれだけを残したということで、漸進的に持つて行つたということは御承知の通り。この問題について今お話を伺つて見ておると、おつしやることは御尤もに思いますから……主税局長はどういう理由で除いたか、あなたは聞いておりませんか。
#16
○小林政夫君 それはちよつと理財局長では答弁できないでしよう。そのいきさつを言いますと、中小企業庁の石井振興部長もこの前に来て、ここで主税局長と一騎打ちをやつたわけですがね。余り中小企業庁のほうでも快からず思つておるようですよ、印象はね。相互了承の上で除かれたわけでもない。ただ括弧してあつて「同族会社を除く」と、それを取りさえすればいいんで、どうもこれは私は少し片手落ちではないか。まあ一つ早速研究してもらいたいと思います。
#17
○国務大臣(小笠原三九郎君) まあその在来の考え方はよつぼど個人なみに扱つておつたものですから、そういうふうでございましたが、この間から大分、同族会社に対するいろいろな、これは小林君からもいろいろ御意見があつて、私ども特に地方等の実情から見て、少し苛酷ではないかと思われる点があつて、あれだけにしたのですから、なおこの点はよく考えていろいろなことを措置するようにいたしたいと思います。
#18
○菊川孝夫君 最近、大蔵大臣も御承知の通りに、大分まあ株式の相場は悪くなつております。こういう際に、この再評価等の特別措置法で資本の組入れを強行させて、いよいよこれは株の相場が悪くなつて来るということは一応考えられるのですね。それと金融の逼迫だ何だで、えらい景気は悪い最中ですから、これをやつたらどうせ株の供給過剰になると思うのですがね。これらの点は、果して株式市場等からそんなものは度外視してもいいのだというような考え方ですか。それらを勘案しての法律案であるか。その点を一つ伺いたいと思います。
#19
○国務大臣(小笠原三九郎君) これはまあ主たる点が、株式市場の考慮を全然払わんでもございませんが、又それを払つた結果が、例えば原案でも、或いは四割となり一割五分となつておつたのでありまして、更にそれを市場の考慮を払つたものが或いは三割となり二割となつたものだと思います。併しながら、私どもとしては、それよりも根本の、日本の企業の健全化ということを主にしておるのでありまして、従つて、それは全然今日の場合影響なしとはしませんが、株式市場に対する影響なしとはしませんが、これをやるのでなければ、日本の産業基礎の健全性に欠くるところがある、こういうふうに考えておりまするので、これを今度は強行すると、こういうふうにした次第なんです。
#20
○菊川孝夫君 次に、時期をもつと早くやるべきじやなかつたかという点を私は思うのですがね。というのは、朝鮮特需で浮かれ立つておつたときに、これをやるべきじやなかつたか。この際ちよつと元気がなくなつた、大分衰弱しかけたときにこれをやるというのは、時期的に大蔵大臣の判断は、今日を選んだというのは、どういう判断からこの時期をお選びになつたか、これをお聞きしたいと思います。
#21
○国務大臣(小笠原三九郎君) これは菊川さんが言われるように少し遅れておる憾みが十分あります。日本としてはもつと早く行うべきであつたとも考えますが、併しどうも経済界のことというものは、何と言いますか、おのずからそこに一つの気運が出て参りませんとなかなか行えないのでありまして、従つて、第一次資産再評価を行なつたときには、あの当時まあ六分の課税をしてもいいというようなことでやりました。ところが、第二次では、まあ併し課税はするが、支払いやすいようにこれを五カ年にしようということがありまして、それでどうもこれでは徹底を欠いておるということから、今度のやり方によつて無税にするというところに持つて参つて、そうしてその代りに、株式への組入れとか或いは配当に対する制限とかいうようなことをいたしまして処置しようと、こういうわけであります。これはお話のごとく、今から振返つて考えれば、もつと早くやつたほうがよかつたということは、私も実は同感なんです。
#22
○菊川孝夫君 同感なら、今どきになつて、今から遡つてやるわけにも行きませんからこれは止むを得んと思いますが、さて今度は、あなたの財政演説の際にも強調されましたいわゆる緊縮財政と、これと、やはり関連を持つて、あの緊縮財政を一つ強行される反面において、この資産再評価をやつて行く、これは一つ関連を以つてお考えになつておるのかどうか。この点を伺いたい。
#23
○国務大臣(小笠原三九郎君) これは緊縮財政そのものと直接の関連は持つておりませんけれども、併し日本の経済を健全化するという意味での関連ならば、これはその関連を持つておると考えるのであります。ただ日本で一番今まで欠点とされておつたのは、申すまでもなく、資産の再評価が行われない結果として、実際の、いわば余り儲かりもしないのに儲かつたとして配当したり、重役が賞与をとつておつたりして、安易なやり方のために、そのためにベースアップの因となつたりして、少し本健全な基礎が培われていなかつた。やはりここにこういつた資産の再評価というものをはつきりと打出せば、それぞれの企業が、特に今度は考課状等へ載せることになつておりますから、どういうふうにその企業が現実に運営されておるかということがはつきりわかるようになる。そういうことから、私どもは、どうしてもむしろ財政の緊縮或いは金融の引締め等で日本の国際収支の均衡を合わすということのみでなくて、こういう企業の健全化を図ることによつて生産品のコストを下げることにも役立たせたい、こういう考え方から出ておるものであることは、これはもう申すまでもないことなんです。従つて、これは今お話になつた通り遅れておる。もつと早くやればよかつた。これはその点同感でありますが、遅れておつても、なお、なさざるに優る、こういう考え方でこれをやりたいと考えておる次第であります。
#24
○菊川孝夫君 私のこれは本当に浅い、経験もない、実に見方は或いは間違つておるかも知れないけれども、僕らの見るところでは、今、大蔵大臣も御承知の通りに、中小企業は非常にもうどんどんと倒れて行つておる。率直に言つて火の消えたように問屋街なんかはなりつつある。それから一面におきまして、もう不渡手形も出て来た。それから大企業でも、下請会社に対する支払等は、もう長期の、まさにこれは手形というよりも借用証書みたいな式で支払われておる。こういう状態におきまして、まあ経済界はそういうふうになつて参りますれば、必然的に失業者も出て来ておるわけですが、従つて、日本経済は、率直に申しまして非常な危機と申しますか、一大転機に立たされておるわけであります。この際に、こういう一つの又更に手術をやるわけですが、これは幸いにしてカンフル注射になれば仕合せだけれども、一歩を誤りますると、これは衰弱した病人に手術を施す、こういう結果になることを恐れるのですが、この点については、見通しを持つて、そういう心配はないのだ、これて以て大蔵省は健全化するのだ、而もこれで以て一応切替えられるし、一応健全化され得るものは、私は極く小部分の、今儲かつておる一流会社はそれによつていいかも知れないけれども、それ以下の中小企業者になりますならば、まさにこれはえらいことじやないかと、こういうふうに私は思うのですがね。こういう点は見通しはどうですか。
#25
○国務大臣(小笠原三九郎君) これはまあ御承知のごとく、私どもそういう見方をいたしておりませんが、今お話になつた中小……余り中小には実際やるのでなくて、そのことはよく御承知の通り、中程度以上ですな。
#26
○菊川孝夫君 わかつております。
#27
○国務大臣(小笠原三九郎君) そこで、従つてこういうことは大変私は日本の経済のためにやつて行かなければならん。これは今菊川さんからお話を伺うが、なぜやらんかという批判を絶えず受けておつて、それでまあ誠に時期は少し遅れたという憾みはあるけれども、これはもうこの際やらなければいかんということで決意をした次第なんです。大体私どもの自由党式の考え方を言いますと、余り強制的にものをやらん、つまり自由の、任意にものをやるという建前で来て、それが第一次になり、第二次になつておつたわけなんです。それから今までやつたものの釣り合いというようなものがいろいろ考慮されて、例えば税についても、六のものを五にしてとるとか、支払の方法を緩和するという工合でやつて来たことは、御承知の通りでありますが、併し今日としては、もうそれで行けない。というのは、多少こういつた強制的な方法をとつても、これは日本経済のためにやらなければならんと考えた次第でございます。
#28
○菊川孝夫君 もう一つ、今度は金融面と関係があるじやないかと思うのですが、これは成るほど資産再評価をやつて、資本金が殖えるということになるかも知れないけれども、それだけ株も多くなるのですが、従つて、増資ということは非常にこれはやりにくくなるじやないかというふうに思われるのですがね。今、会社では銀行の借入金がなかなか思うように行かんから、一つ増資でやつて行こうというようにして、盛んに、五十円すれすれぐらいなところの株の値段でありながら、増資をやる。而も一流会社でもなかなか増資がうまく行かないという例は、最近新聞でも言われておりますがね。特に神戸製鋼なんというのは典型的だと言つて攻撃を受けて批判されておるのだが、そういうのは暫く措くとして、個々の会社は暫く措くといたしましても、とにかく自己資金の充実ということから、増資、有償増資ということを非常に各企業も考え出しておる。その矢先、更に株の数が殖えるということになりますと、その辺が非常に苦しくなる。一方では金融の引締めで締められるということになると、この睨み合せをどうお考えになつておるか。これを一つ。
#29
○国務大臣(小笠原三九郎君) これはまあ菊川さん御承知のように、会社の内容自体にも、何にも変りはないのであつて、内容をはつきり出すということだけの問題でありますから、私どもはこれは、内容にプラスするのでも、マイナスするのでもないので、従つてそれが増資の原因になるとか、或いは増資を妨げるというふうにはならないであろう、かように考えます。まあそれを個々の場合について言えば、或いはそういうことがあるかも知れませんが、ただこれは菊川さん御承知の通り、今は増資には時期が悪いときなんだと私は思います。今のような例で将来を律して行くわけには行かないと、かように考えております。
#30
○菊川孝夫君 次に伺つておきたいのは、まあそういう私の今お伺いしたような観点から、各方面からこれはいろいろと陳情があつて、衆議院におきましては大蔵大臣も御承知のように修正がなされたと思うのでありますが、この修正されたものと、あなたのほうの原案と、これはあなた個人としては、原案のほうがいいと思うでしようが、この修正によつて、受ける影響というものは、どのくらいな影響を及ぼすのであるか。あなたの最初の予定計画にどのくらいの影響を及ぼすものであるか。数字まであげて教えてもらわなくてもいいけれども、この影響をあなたは、どういうふうに睨んでおるか。この点を一つ伺つておきたい。
#31
○国務大臣(小笠原三九郎君) 大体から申しますと、原案でございますと、いつぞや御説明申上げました通り、千二百六十億くらいのものが組入れできるであろうと見ておつたものが、今度は大体六百億から六百五十億見当になるのじやないか。この修正によつて……。今のあれで見ても、五百億くらい組入れができていることから見ると、修正案で殖えるのは百億か百五十億に止まるのじやないか。この点は、私どもは、併し百億でも百五十億でもできることが望ましい。一番望ましいのは、資産再評価すればこうなるのだと、公にするという点がこの法律では結果よりしていいのではないか。そうすると、この会社はどういう実体を持つておるのか、誰にもわかるようになりますから、一番望ましいのであります。数学的に見たときには、このくらいの数字、ちよつとどなたかからお叱りを受けたのだけれども、二割か三割くらいのものではないかと仰せになりましたが、そういう点はございますが、修正案より元の案が私どもはベターだと思うことは今なお変りありません。変りありませんけれども、これら今申上げたいろいろな点に長所もありますので、漸進的だというので、この間ここへ出られた自由党の委員は、まあその点で強く御説明になつたから、成るほどそういう考え方もあろう、自分の考え方で押してしまうわけにはいかんと、こう思つて、私どもは、漸進的には、ないよりは望ましいと、こう考えておる。これは菊川さんに極めて率直なことを申上げて相すまんと思いますが、私の考えておるのはそういうことです。
#32
○小林政夫君 菊川君のに関連して、最初にちよつとそれを聞くのを忘れておりましたが、率直に考えて、賛否は別として、自由党の今度の修正案のようなことをやるならば、今おつしやつた公示するというような点は別として、なにも難解な法律を作つて、むずかしいことをやらなくても、又、本来自由党政権の大蔵大臣としては、成るべく企業の自主性を尊重するという意味で、第三次再評価税を免税にするということで足りるんじやないか。衆議院の修正通りだとすれば、こういう小むずかしい法律を作つて、企業に事務的な負担をかけなくても、ただそれだけの再評価税の減免措置だけで、十分目的を達するのじやないか。賛否は別として、どう考えられますか。
#33
○国務大臣(小笠原三九郎君) まあ小林さんのお言葉だが、十分目的を達するかどうかわかりませんが、それは相当目的を達するであろうと思いますが、併しまあお話のように、賛否は別としてとお話になつておりますから、私どもから申しますと、この問題は従来は自由にしておつた問題ですから、財界のほうにも一応話かけてみました。その当時、御記憶があると思いますが、経済同友会などは強制的にやれということを言つて来ましたが、同友会は若い諸君が割合やつておられますから、いわば進歩的な意見が多いのですが、経団連その他でもどうであろうかということで、そのほうにも話かけてみた。それでいろいろ意向をさぐりましたところが、もう今日の段階ではそれはやつてもらつて結構だというのが、実は原案のできたもとなんです。従つて、言い換えますと、減免だけで十分にやれるという小林先生のお言葉ですが、十分に相談した結果であるから、余り強い強制的なものではないので、個々の会社から見れば強い強制的な考え方があつたかも知れませんが、大体そういうような了解の下にやつた次第です。それで、先ほども申します通り、まあ漸進的にこれはやれという御修正に対しては、私としては、多少の不満がないでもございませんが、これは党員として党議に服して、そして漸進的な案で、それでもないよりは余ほどよかろうと、こういうふうに考えておる次第でございます。どうぞその点はよろしくお願いいたします。
#34
○菊川孝夫君 先ほどの大臣のお答弁を伺つておりまして、私は一歩前進と言うか、ちよつと方針が変更になつたものだというふうにさつきの答弁で受取つたのでありますが、次に考えられるのは、こうして一応一方においては資本構成の是正を行う、これは理窟としては一応成り立つと思います。次に考えられるのは、戦後の経済界の一番堕落と申しますか、非難の対象になつている点が社用族の跋扈で、これは戦後非常なものだと思う。従つて官庁へ何か品物を納入しよう或いは何かの入札を行おうとしても、正規の手続だけではなかなかうまく行かない。いきおいいろいろの名目で交際費、運動費等をこれに使う、そうするとそれが習性になりまして、同業間の取引におきましても、やはりこういう運動をするものには必らずそういうものが付きものになつておる。そこへ社用族、公用族の跋扈になつて、遂には政界に運動して国家の財政資金を利用してこれで金儲けをしようというふうに発展して、政界との結びつきから今言われている汚職疑獄事件等になつているわけでありますが、これらの消費するところの金は、見る人によりましては年間三千億くらいも無駄使いされているのではないかと言われておりますが、そのようなことは誰も統計のとりようがないのでわかりませんが、相当むだ使いされておるということは、キヤバレーであるとか、或いは高級料理店、待合等が何よりも、戦後日立つて派手になり、立派な建物を持つようになつた。ここは誰をお客さんにしているかというと、今申上げましたような運動をする場所としてこれが利用されておる。従つて自分の金でないのですから、遠慮なしに札びらを切る。それらは儲かるからどんどん家を建てている。赤坂あたりは僕らはよくわかりませんけれども、戦前以上の水準に皆復興をして殷盛を極めておるということは、余りこれは企業の健全なる発展から見まして好ましいことではない。どう考えても……あなたもこのことはお認めになることでありましようが、そこで第二の段階においてこれらについて一つメスを加えるということも、構想としてお考えになつておるか。これと関連して重大な関連を持つことになると思う。併しあなたのお考えでは、こういうことをやはり自然なかなか儲からん、数字の上では資本に対する利益というものは殆んど減つて或いはなくなる場合も出て来るかも知れない。だからもうそういうようなことにも使わないようになるだろう。こういうふうに考えておられるなら、なかなかそれでは堕性は断ち切れるものではないと思うのでありますが、これらについてメスを加える構想をお持ちになつておるかどうか。これらに重大な関係がありますので、伺つておきたいと思います。
#35
○国務大臣(小笠原三九郎君) これは今お話の公用族、社用族等の非常な大きな弊害については私どもも遺憾千万に思います。これは何としてもこういうことがあつてはならんと思うのでありますが、これは主な原因は戦後のいろいろな秩序の欠けている点もあつたでありましようが、税制が重くなつたという点が一番大きな点じやなかつたかというふうにも考えられる。従つて例えば法人税にほかの事業税その他を合せると、相当大きな額に上つておるものがありまして、そこでどうせ税金に取られてしまうのだというようなことも、これは菊川さんお聞き及びの通りであります。だから少し飲食してしまえというようなことで、弊害もあつたのでありますが、これはアメリカでも税が高いからそういう弊害が多いということを、そういう話を向うでも言つておりました。アメリカからこちらへ来た世界銀行のドール氏一行も、法人税を引下げて資本の蓄積に資するようにしないと、どうしても社用族が出て来るということを言つております。私どももできれば法人税を引下げることも順次やつて参りたい。そうすれば社用族が幾らかでも減つて来るであろうということを考えております。と同時に、そういう税制の措置もこれはいろいろ考慮しなければならんと考えておりますけれども、他方、又、交際費その他に対する課税も従来相当問題になつておるのでありますが、今回はそういう交際費の課税をするということにいたしたことは御承知の通りであります。それで幾らかでも税制の面からそういう弊害を防ぎたいと思つておりますが、併し根本的にそれらに対する問題をどうするかということについては、やはり一つの面だけではこれはいけないので、やはり根本になるものは国民の道義心の高揚に待つべきものである。併しそういう容れ物があるのはいかんじやないかというお話であるが、そこで先般も資金の規制に関する銀行局長からの通牒を出さして、こういうものに金を使つてはいかんというふうに、娯楽機関とかそういう待合、料理屋、そういうものに金を出してはいかんということを通牒を出しておるわけでありますが、容れ物だけでも防いで行こうという考えでおるわけですが、根本的にどういう対策が社用族、或いは公用族をなからしめるということになりますかというと、会社としては社紀を刷新する、役所としてはいわゆる綱紀粛正をするということと、他方では、税制の措置によつてそういう金を使わさぬようにさせる、又そういうことに対して課税をする、或いは又資本の蓄積を認めるということのほうが有利であるということをやらせる。そこで今申上げた容れ物、こういつた娯楽の設備、或いは建物に対する資金を、これは自主的にでありますが、銀行からの規制を図らして行くということが現在考えられておると思います。不十分と思いますが、どうもそれ以上何かこういうことをやればいいというお考えがあれば、一つお聞かせ願いたいと思います。
#36
○小林政夫君 こういうことをやればいいというので、思いつきなんですが、五百万円以上の会社に対する交際費に対する措置が出ましたね、それを交際費の支出明細を必ず株主総会に報告させて、そうして公示させるということはどうですか。
#37
○国務大臣(小笠原三九郎君) 交際費につきましては、今度、御承知の如く財政法上の標準年度、その七割以上のものについては二分の一以上認めない。交際費は当然税務署が細かく調べておりますが、今お話になつた公表するということは全然触れておりません。或いはそういうことが一つの方法かも知れません。これは一つよく考えさして頂きます。或る会社で七千万円も一年に交際費を使つた会社がある。その会社の資本金はと言つたら、二億円とか三億円という会社があつた例も聞いておるのでありますから、或いはそういう公表をさしたら一つの防禦方法になるのではないかと考えられますから、一つこれは十分私のほうでも検討いたしたいと思います。
#38
○菊川孝夫君 そういう方法をとるということになれば、例えばこの間、入場税と遊興飲食税の場合に、私らは遊興飲食税に先ず手をつけるべきじやないかということを言つたが、あなたはそれはなかなか手をつけにくいと言つたけれども、何といつても、今の徴税能力と言いますか、徴税構成と言つてはちよつと言い過ぎになるかも知れないが、徴税能力においては、国税庁は一番だろうと思います。地方自治庁よりもしつかりしていると思う。一応公平にやり得ると思う。これらの遊興飲食税の国税移管ということを私は考えられると思いますが、そこで、一つの方法になるかも知れないが、今更これと並行して論議している暇もありませんけれども、先ず官庁も大臣以下やはり会議とかそういうようなものはすべてでき得る限り官庁の会議室で行う。国会においても、会議は、会館等、いい会議室ができたのですから、これを利用するという習慣を、政府、国会等から率先してつけて行くようにしなければならないのじやないか。会社にしても、その中で、同じ会議をやるにしてもそこでやる。こういう習慣をできるだけつけて行かなければならんと思いますが、そんなことは今更この法律には関係がございませんから一つ省きまして、さて次にお伺いしたいのは、これによつて窮極的には生産費ができるだけ安くなつて、そうして輸出を増進しようというところが狙いだと思うのですが、併し輸出を増進するといつたつて、買つてくれる先でありますが、大蔵大臣、今年下期においてどのくらいどの辺へどういうものを仕向けようということは、一応考えなければならんと思う。ただ値段さえ安ければ買つてくれるといつたつて、どことも生産過剰になつて、市場の争奪戦になつており、一番日本として狙わなければならない東南アジア方面も、フイリツピンの賠償問題がああいうふうな状態だから、ここへ行つたつてむずかしい問題だと思うのですがね。死力を挙げて輸出の増進に当ろうとしたつて、どこへ向けてどういうものを一つうんとできる限り力を注ごうというようなことを、重点的にお考えになつておるところがあつたら、一つお聞かせ願いたいと思うのですがね。そうすれば、そこに政府の方針がきまるとすれば、そういうところに一番率先して資産再評価も実施して、冗費の切りつめも行なつて、生産費のできるだけの低下をして、そこへ品物を売るようにする、政府の方針としてここに見通しがある、こういうものはどうしても有望だ、だからこれを一つ重点的に力を注ぎたいというようなものがおありになつたら、ただ輸出の増進だ、輸出の増進だといつたところで、それじやどこに力を注いで、これには政府としても一肌脱いで、資金の面、或いは在外公館ととの連絡の面においてもでぎるけ一つ応援をするのだ、この辺に力を注ぐ、こういう御方針があつたら、一つ大体見通しを持つことが、これは一番大きな問題だと思う。実に掛声ばかりで具体性がない。非常に見通しが我々の見るところでは極めて非観的な見方をしておるのですけれどもね。大蔵大臣が割合に楽観的に考えておられるので、どういうふうに構想を持つておるというところを、大体の構想をお聞かせ願つておきたいと思います。
#39
○国務大臣(小笠原三九郎君) まあ私どもとしては、勿論この国際収支の改善を図つて、できるだけ、今まで三億一千三百万ドルにも二十八年度上つたような赤字をまあ本年は大体九千万ドルから一億、それも実行予算で成るべくそれをなくして参りたい。来年度はそれをなくそう、そして幾らかの黒字にでもしたい、こういうふうな考えですから、そこに政策の重点があるのですから、従つて日本の輸出に向けられるべきものの価格が下つて国際競争力を持つことが一番考えられるわけであります。併しながら御承知のごとくに、この輸出に向けられるものが競争力を持つのは、今その基礎産業である、例えば電力であるとか鉄であるとか、石炭であるとか、こういう種類のものが下つて参りませんと、なかなかものによつては下らんでも豊富になればいいものがあるのであります。電力なんかそうであります。例えば価格なんか見れば、これは豊富にさえなれば、電力料金が下らんでも実質料金が下つて参ります。そういう類のものがありますが、これを先ず下げて行かなければならん、こういうふうに考えまするが、これは菊川さんも御承知のごとくに、大体経済界は皆それぞれ強い関連性を持つておりまして、これ一つを狙つてこれ一つを下げるということはなかなかむずかしい。どれもこれも下つて行きませんというと、例えばそれが自然と食糧でも仮に下つて来ると、これは一例ですが、食糧が下つて来るとすれば、これは全部の関係で、産業が、誰も労務者を使つておるのですから、一様に或る程度の下りが来ますけれども、只今のところ食糧というようなものについてそう大きな値下りを見るわけに行きません。従つて各種の関連して曲るものの産業がまあどの面でも下つて行くことは、幾らかずつ下つて来ることに、その産業にも若干の影響を及ぼすことになるので、それでまあ狙うところは輸出産業及びその基礎産業にあるのでありますが、ほかのものでもそれと若干の関係を持つて来る次第なので、値下りをして行くことは望ましい、こういうふうに私ども考えておるのであります。特に今お話になりました社用族或いは公用族、こういうものがあつて、お話になつたような三千億とかそういうような金が使われておる。これはいずれ、コストに加わるのでしよう。そういうようなものが省かれることは非常に望ましい。そうすると料理屋なんかが繁昌しないということが結局コスト引下げのもとにもなると考えられるので、ああいつたものが不景気だということは、これは或る意味で言えば望ましいことでもある、こういうふうにも考えられる。とにかく経済というやつは皆それぞれ関連を持つておりますから、広い意味で全体的に見てやはり物価の値下りということが、最後に国際収支の改善、こういうことに役立つて行くと、こういうふうに考えております。
#40
○菊川孝夫君 次にこの法律と直接に関係のないことかもしれませんけれども、やはり密接な私は関係があると思いますので尋ねておきたいと思いますが、何かことが起きますると、すぐ財界方面でも、まあ一部かもしれないけれども、為替レートの問題をすぐ改訂するような動きと言いますか、運動は起きておると思うのですが、そこで今の三百六十円レートの実勢力を大臣がどのくらいに把握しておるか。だからしてこの三百六十円に合わせようとするのか、それとも実勢力に合わすということもやはり一つは考慮をしておられるのか。実勢力はやはり三百六十円十分あると、こういうふうに認めておるか、それとも、わしらはちよつとこれは三百六十円、大蔵大臣はここで幾ら三百六十円の力を持つておると言われても、ちよつと信用できないのですが、率直に言つて三百六十円がちよつと今のところは無理だ。併しこいつに合わせるようにすると、こういうのが目標なんであるか。それとも時期を見て実勢力くらいにまでは考えておるのか。この点が先ほど何かというと頭をもたげて来るのですが、この法律案が通つた暁には、やがては次にそういうことも考えておられるものか、これをお伺いいたしたい。
#41
○国務大臣(小笠原三九郎君) これは現内閣としては、昨年の秋、通貨価値の維持、言い換えれば一ドル三百六十円ということの維持をあらゆる政策の中心として行く。こういうことに閣議決定を経て、爾来その方針の下に、或いは財政の緊縮、金融の引締め、外貨予算の編成、更に税制に関する措置、こういうものを講じた次第でありますので、私どもは三百六十円を変更する意思を持ちませんし、又今後ともさようなことは絶対いたさない所存であります。
 ただ実勢についてのお話でありますが、日本は現在為替管理の下に、私どもが全部の輸出入為替をやつておりまして、それの実勢はそれの外に出ておるものについての話でありますから、これはどうも政府の言明ができないのであります。これは政府としては、これはどう仰せになつても、仮にあれが四百円、四百二十円になつたということになると、これは大変な問題になると思うので、私はやはり大蔵省にとどまつておる以上は三百六十円、ただそれが少し重く考えられるので、従つて私どもとしてはあらゆる政策を早く輸出入の貿易改善に持つて参らなければならない。これがためにあらゆる努力をしておる。こういう次第でございます。
#42
○小林政夫君 ここに提案されている法案によると、第四章の雑則で「再評価実施状況の公示」と、第三十五条以下、その会社に再評価実施状況の公示義務を負わしておる。これは五百万円以上の会社に公示義務を負わしているわけですがね。この中で同族会社を除くということはないでしよう。
 一体、主税局から考えて、いろいろ同族会社と、こういう問題については、同族会社というものを一般に非同族会社と区別して考えて今日まで来ておる。その考え方と、この公示義務を、再評価実施状況の公示の義務を同族会社にも与えるということの考え方は、主税局としてはどう割切つておられますか。
#43
○政府委員(渡辺喜久造君) 主税局としての考え方といたしましては、こういうふうに考えて参りました。再評価を強制するといいますか、促進するために、いろいろな措置を講じて参つておる。こういう関係におきましては、同族会社、非同族会社、同じようにやつて行きたい。従いまして、再評価税の軽減のような場合におきましては、同族会社、非同族会社、同じように、一定の条件を備えますれば、強制もいたしますし、それから同時に又負ける、負けるといつては語弊があるかも知れませんが、再評価税を免除し、軽減することにおきましては、同族会社、非同族会社を同じように扱つて行く。従いまして、再評価関係に関する限りにおきましては、公示関係も、同族会社、非同族会社を同じように扱つて行く。ただ問題として、我々が同族会社、非同族会社を区別しましたのは、その再評価する積立金の資本組入、この関係は、どうも同族会社におきましては資本組入をすることを強制すること自身もどうか。それから又強制といいましても、配当制限の関係になつて、直接的な強制ではありません。同時に税の負担を軽減することもどうか。従いまして、問題が二つあると思いますが、一つは再評価を強制する面、一つはその再評価積立金を資本組入に導いて行くためには間接的な強制の手段をとる面、それと対応しまして税を軽減する面、前のほうにつきましては、同族会社、非同族会社、或いは個人におきましても、同じように、再評価の点につきましては、同じ条件を具備すれば、これは個人の事業資産についても再評価税は軽減する。この面においてに、同族会社、非同族会社を区別することは考える必要もないし、考えるべきでもない。再評価積立金の資本組入ということにつきましては、同族会社は少し事情が違う。従いまして、その面につきましての間接的な強制の面は同族会社を除く、この法律においても除くと同時に、措置法におきましても特別に軽減することはしない、こういうような考えで適当ではないか。こういう考え方で一応我々のほうの考え方は割切つたつもりでございます。
#44
○小林政夫君 その点は、成るほど原案は四割資本組入、衆議院修正は三割で、資本組入は同族会社についてはやらない。従つて一方組入れたものに対する五分の配当を経費に算入するということも同族会社にはやらない、その点だけは割切つている。最近、私は別の考え方を持つに至つたのは、一体あの税法審査のときにも、そういう点はあなた自身からもお話があつたけれども、資本充実をするという意味において、再評価積立金を資本に組入れたものに対する配当を、たとえ五分であろうと、金銭出資の場合は一割、こつちの積立金のほうは五分を経費に算入するということは、何ら資本的にはちつともプラスになつてないで、それの軽減措置をとる、それは減税しただけは資本蓄積でしようけれども、なつてないので、まあ資本充実という意味においては、そういう観点からの減税という効果は非常に薄いし、極端に言えば意味がない。にもかかわらず、一応お附合いの意味で五分のもりは損金算入ということにした。それを私、最近は、第一次、第二次分の再評価税の二分の一はまけるが、二分の一はとるのだ。これと睨み合せて見ると、おおむね全部その一次、二次分の三分の税を免除すると同じような効果になるのじやないか、会社々々によつて違いますよ。併し大体においてそういう計算も成立つのです。同族会社を外すということは、そういう観点から考えると甚だ不公平なんです。同じように第三次再評価をやつたものについては第三次再評価税は免税にするのだ。一次、二次は半分だと、その半分は、一方の非同族法人は本来経費算入すべからざる五分という配当を経費算入にしてもらつておる。従つて二分の一になつた三分の再評価税も減免されたと同じような効果が出ている。同族会社にはそういう効果がないのだということになると、そういう観点から考えると、どうお考えになりますか。
#45
○政府委員(渡辺喜久造君) 再評価の問題、それから資本充実の問題、同じ資本充実の場合におきましても、外部から資本を組入れての資本充実の問題、それから再評価積立金を払込資本金に組替えることによる資本充実、いろいろの意味においてそれ自体の持つ意味もあるし、同時にその間においてはそれぞれ違つた意味があるのじやないかというふうに思つております。それがどの程度、税を軽減することによつて資本充実の促進になるか。これはいろいろ議論のあるところだとは私も思いますし、我々の中にも随分議論をいたした問題であります。その効果につきましては、結局もう少し実施の状況を見て参らなければならないと思つております。そちらのほうの面の税の軽減につきましては、あの法案を御審議願いました際に縷々御説明したところで、繰返すこともいささか恐縮でございますが、外部から資本が入るということは、これは自己資本が、一つは払込資本が殖えるという意味で、同時に実質的に自己資本が殖えるという意味において二重の効果があるのじやないか。とにかく自己資本を殖やす、そういう実質的に自己資本を殖やすということがこれは非常に大事なことだ。この意味において、これは税の軽減をしよう、その場合においては同族会社であつても同じようにそういう必要性はあるわけでございまして、或いは同族会社が積立金を一遍配当にしまして、そうして外部からの払込にするとすれば、そこには所得税の問題も起きて参りますし、そう考えてみますと、同族会社、非同族会社を区別する理由はないから、これはとにかく自由だ。それから再評価積立金自身に振替える。これは実質的な自己資本においては積立金と払込資本になるわけですから、内容的にAの口座がEの口座に移るだけで、実質的にはプラスはないわけでございますが、ただいろいろ議論を伺つて参りますと、とにかく払込資本金を小さくして行く、配当の率が高いというところに、経営が割合にイージーになつている。いろいろな労働攻勢なんかに対する場合も、その会社の姿が歪められた姿で見られるというきらいがある。従つてこれは払込資本金も相当に殖やすべきだ、これはこの組入強制の問題、間接強制でございますが、出て来るわけでございまして、そういうふうに考えて参りますと、外部から資本をとつた場合には我我は二つの効果がある。このほうは一つの効果しかないと言えば大体半分くらいじやないかというところで、その場合に考えられますのは、同族会社の場合においては、配当も何割するとかいう問題は余り頭にない。まあ同時に片方で以て積立が非常に多い場合においては、これは昔からの観念から出ているわけですが、むしろ加算金的な税金を課税して行く、こういつたようなことまで考えて参りますと、どうもこの分について同族会社の五分を認めるのはおかしいじやないかというのが、前回来御説明申上げておるところです。再評価につきましては、できるだけ再評価をし、償却をたくさんしてもらう。これは会社の内容が充実するゆえんである。この点については、非同族会社であろうが同族会社であろうが、更には個人の企業経営であろうが、同じ意味を持つわけで、又その意味においてこれは同族会社、非同族会社を区別する理由はなく、同時に、一定の条件を備えて頂ければ、例えば八割以上再評価するといつたような、限度八割以上再評価するとかいつたような一定の条件を備えて頂ければ、これは同族会社、非同族会社にかかわらず、一応免除し、或いは軽減する、こういうふうな考え方。それで只今お話になりました片方の三をまけるものと、向うの五と、大体つき合うじやないかというお話、これはそういうつき合う会社もあり、つき合わない会社もあるというふうに我々は考えております。と申しますのは、過去において、一次、二次、これは内容的には同じものでございます。限度一ぱいやつて来ている会社はすでに納めているので、第三次の関係だけを今度やつた場合に、それが軽減になるか免除になるか、新らしくやるという会社においてなかなかそういう片方の組入の問題と結びつきますと、そういう問題ができる、こういうわけで、お説のように丁度それがつき合う場合もありましようが、それもやはり過去の第一次、第二次の再評価の仕方によりまして、相当限度に近いところまで再評価していた場合と、全然今まで再評価していなかつた場合、会社によつて相当違うのではないかと思います。従つてたまたまそういうつき合う会社もあろうと思いますが、併し考え方としまして、業者に是非そこに因果関係、因縁を認めて、何か一つのバランスをとるべきだというふうな結論になるとは、我々はこの問題においては思つておりません。
#46
○小林政夫君 前のもう一次、二次の税は払つてしまつたものとしてどうするかという、そこまで上れば、今度の一次、二次分を二分の一にするということもおかしくなるので、同族会社等について、何によらず、既往の納入済みの税金を引合いに出すことはおかしいので、要するに今度から一次、二次分に相当するものは三%の再評価税にする、こういうわけなんです。これは勿論私も言つたように、会社によつて今の再評価積立金の資本組入れ分、五分の配当の損金算入による法人税の減税と正確に見合うところもある、見合わんところもあることは事実で、一応それがそういう観点から行くと、一次二次分に相当する三%の再評価税の軽減に当るという考え方は結びつけて考え得ると思うのです。そういう観点から行けば、今までのあの租税特別措置法を審議した、今あなたから説明があつた同族会社についての五%の配当を損金算入にしなくてもいいという理由だけでは、公平を失するのじやないか。で、私はここにこの公示義務まで同族会社に負わしての再評価の強制ということをやる必要がある、こういうことであつて、できるだけそれには今の税負担等を軽減してまでもやらせよう、こういうことなんだから、この際そつちのほうをもう一遍考え直してみる必要があるのではないか。
#47
○政府委員(渡辺喜久造君) 結局前に申上げたことの繰返しになつて恐縮でございますが、公示義務の問題は再評価のほうの関係でございまして、いわゆる強制再評価の関係でございまして、間接強制ではありますが、いわゆる強制組入の問題、このほうには公示義務は関係ないわけでございます。それで公示義務を課するというのは、結局再評価をできるだけやつて頂きたい。こういう意味における関係でございまして、従いましてそれの関連における再評価税につきましては、一定の条件を備えていれば、同族会社でありましようとも、非同族会社でありましようとも、同じように扱おうと、こういう考え方でございます。ちよつとその間事情も違いますし、一応考え方としてはそうそこに不公平があるというふうには我々は考えておりません。
#48
○小林政夫君 資本組入を同族会社に強制してないということは、私も十分承知しておるのです。それが今の五分を損金に算入しないということに関連して、同族会社だけは資本組入を強制してないということは、この法案審議の際にもはつきり指摘して言つてあることであつて、私どもは十分それは頭においての一話です。公示義務というのは、資産を再評価したかどうか、償却はやつておるかどうか、こういうことの意味で、再評価を督励する意味なんで、再評価自体を督励する意味であるので、再評価を督励するのに、今の第三次再評価では減税をし、一次、二次分は半分にする、こういうことをやつておるので、再評価による負担を軽からしめる措置なんだから、そうすると、一方の、同族会社だから資本に組入れても組入れないでも同じことだ、こういうことだけれども、資本組入したものの五分の配当が経費に算入されるということになれば、余計再評価自体も促進できると、こう思うのです。税負担が軽減になる……。
#49
○政府委員(渡辺喜久造君) 税を軽減することが資本の充実になるということはあると思いますが、併し一応ここで考えておりまするのは、繰返すことになつてどうも恐縮でございますが、再評価は、同族会社、非同族同じように強制する、併しそれについての関係におきましては、再評価税においては、同族会社、非同族会社同じように軽減する、これで一応まあ筋が通つているんじやないかというふうに私は思います。
#50
○小林政夫君 もう一遍最後に言つておきますが、大体租税特別措置法自体において、同族会社を外すこと自体が、政府部内においても相当問題になつたはずなんです。それで我々も問題にした。それで更に今度はこれによつてもう一つ理由が殖えたのではないか。同族会社を除外する必要がない。こういう理由がプラスされたと思つております。それでもう一遍蒸し返しておるわけですが、これはなお最後になつて大蔵大臣も考慮するということを言われておるが、一応よく大臣と相談して再考を願いたいと思います。時間の関係がありますから一応……、又あとで聞きたいと思います。
#51
○菊川孝夫君 もう大蔵大臣が帰る時間だから一点だけ大臣に聞くが、強制再評価、強制組入をやらせなければならん。法律で以てこんなことをやらなければならんということは、企業として本当ならこんなことを言われなくても自主的にやつて行く、いいものなら、なぜ自主的にやれないか。こうして罰則まで附してやらなければならんということを、あなたはなぜこんなことをしなければならんと掴んでおるか。これをはつきりしておいてもらいたい。本当なら、こうまで法律で強制して、そして而もこんな率をどうのこうのと言つて国会で論じなければならんというのはおかしいので、自分の企業を健全に発展さして行こうとすれば、自主的に、こんなことを言われなくてもやつておるというのが当り前だと思うが、それをやらなければならんというのは一つの理由があるわけです。あなたはなぜこんなことをやらなければならんと考えるか。私は私なりにこれを掴んでおるのですが、大臣はどういうふうに掴んでおるか、正確に答弁して頂きたいと思います。
#52
○国務大臣(小笠原三九郎君) この点につきましては、これは菊川さんもよく御承知だが、自分のところはやろう思つても同業の会社がいろいろあります。同じ業を営んでいる会社、それらと一緒でないと、いろいろやりにくいというような問題が、特に経済界にいろいろあることは、あなたも御承知の通りてす。従いまして、私どもも今まで第一次、第二次でやれないのが、ここで踏切りをつけてやらすのには、さつき言つた、根本は日本の経済の健全ということなんですが、踏切りをつけさせてこれをやらすのには、強制といつても、これはいわば半強制で、強い意味の強制ではありませんが、併しそれをやらすということでないとやれないので、それで先ほどもあなたの御答弁に申したように、私どもはよくその方面の人々とも、今の経団連、或いは経済同友会、いろいろな話を皆、聞きまして、それでやつた次第で、これをやることが、最も円満、円滑に経済健全化を進めるのに役立つ、こういう結論から出した次第です。これはあなたも御承知ですが、自分はやりたくても、どうもよそのいろいろな業者が……非常にはつきりと出ているのが紡績会社その他にございます。そこでどうしてもこれをやつてやらないと、やりたい人もやれないといつたような関係もありますので、こういうふうにいたした次第であります。
#53
○菊川孝夫君 それではもう一点。戦前におきましては、これは普通だと思うのですが、俺のところは資本金どれだけだというので、資本金の多いのを誇つたものです。十億の会社の社長より、俺は二十億の会社の社長であるというわけで、戦前においては誇つた。ところが今度戦後においては、それを強制的な看板を以てしなければ、みずからやり得ないというところには、一つの日本の経済の弱点がなければならんと思うのです。本当なら一億の会社として出るよりも、対外信用から言つても二億の会社、資本金二億だと言つておつたほうかいいのか常識てす。極めて幼稚な常識だと思う。それにもかかわらず、それを踏切り得ないというところには、私はもつと何か理由がなければならんと思うのですが、この点は、やつぱり株の値段にすぐ影響して来ると考えてやれないのじやないかと思うのですが、そこをどう……あなたは隣近所の付き合い上からやれない、こういうふうに言われたけれども。
#54
○国務大臣(小笠原三九郎君) これは実質的には別に変りのないことなんですけれども、これは私ども考えて見て、やはり経営者としての立場で見ると配当率の問題、それから株価の問題、それからいろいろの点が考考慮されます。内容にはこれは変りないわけなんですけれども、そういう点があつて、これはその人の、経営者の頭の置き方ということもございますね。それが置かれるために日本経済の健全化を妨げてはどうかと思うので、それでこういうふうに私どもが取上げた次第なんです。
#55
○菊川孝夫君 まあそれでいいです。
#56
○小林政夫君 衆議院の修正案について、経団連及び同友会、証券界の参考人としての意見を聴取したいと思いますので……。
#57
○委員長(大矢半次郎君) 理事会で御相談いたしましよう。
 暫時休憩いたします。
   午後零時十二分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時三十七分開会
#58
○委員長(大矢半次郎君) 休憩前に引続きまして会議を開きます。
 この際お諮りいたします。休憩前の委員会における小林委員の要求による理事会の申合せに基き、明日午前十時より、企業資本充実のための資産再評価等の特別措置法案について、参考人より意見を聞くことにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#59
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。
 なお参考人の人選につきましては委員長に御一任願いたいと存じます。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#60
○委員長(大矢半次郎君) 企業資本充実のための資産再評価等の特別措置法案を議題といたしまして質疑を行います。
#61
○菊川孝夫君 逐条的に小林委員が大分おやりになりましたので、私、疑問の点だけをつまみ出して一つお尋ねしたいと思います。
 第一条の「あわせて必要な減価償却を行わせ、」というのですが、減価償却も行えぬような事態にだんだんなりつつあるのじやないか。御承知の通りに、もう炭鉱でもあのような大きな会社が皆欠損を出しているのだが、こういう時代になつて非常に必要な減価償却さえも行えぬような時代に、特にこの再評価をやりまして資本が大きくなつて参りますると、帳簿価額がふくらんで参りますと、これに伴つての法定の減価償却積立金というものは大分困難になつて来るのではないかと、こう思うのですが、そういう心配は全然ないというふうにお考えになつておるか。それを一つ伺つておきたいと思います。見通しはどうですか、
#62
○政府委員(阪田泰二君) これはお示しのように、業態によりまして、今後の収益の見込、見通しというものはいろいろあり得るだろうと思います。やはり趣旨といたしましては、勿論収益の上からいつて減価償却をやれるものはやれということでありまして、やれないものは、それだけの益金がなければ、これはどうしてもやれない。これは業態によつてはそういうことは起り得る可能性はあると思います。ただこの法律といたしましては、現在再評価といいますか、資産の評価が十分でないために必要な償却をやつていない。形式的には評価額に対して法人税法等にきまつておりますような償却率でやつているような恰好をみせておりましても、実際は本当の償却ができていない。資産を食つて利益が出ておるような恰好をみせておる。こういうような弊害がありますので、それを是正しようということでありまして、お示しのような償却のできないという会社におきましても、やはり必要な償却はこれだけである、併しそれが十分にやれていないという事態がはつきりいたす、利益が上つていないにもかかわらず十分な償却をしておるような恰好が出ておるというような形を是正するという効果があるのだろうと考えるのであります。
#63
○菊川孝夫君 減価償却は、これは法人税法から行きますと損金にみなすことになつていますな。そうすると、今年もこれをやることによりまして法人税の収入に相当これはやはり影響を来たすことだろうと思うのですが、今年の予算額からしてどのくらい見積つておられるか。
#64
○政府委員(阪田泰二君) 今年の法人税の収入等を見込みます場合、この減価償却の増という関係から生じまする法人税の収入につきましては、これは実はそのほかに配当金の、この前御承認を願いました租税特別措置法の改正で、配当金を損金とみるというような措置をとつておりますので、それらを合せまして、自己資本の充実のために特別の措置をとりました関係による減収といたしまして四十九億円を見込んでおります。
#65
○菊川孝夫君 次に、「経営の安定」という字句があるのですが、この経営の安定というのを、いわゆる減価償却を行わせることによつて経営を安定させるという狙いから、あなたのほうでは経営の安定ということを語つておられるのですか。それともほかに理由があるのですか。経営の安定ということはどういうことですか。経営の安定というのは、やはりこういう事態になつて参りますと、こんなことをやつたつて、まあ経理は正しい姿になるか知らんけれども、経営の安定というのはちよつと出にくいように思うのですがね。経理の健全化というのはわかるのですがね。
#66
○政府委員(阪田泰二君) これはまあ経営の安定、経理の健全化が条文としてはこういうふうに書いてあるわけですが、経理の健全化、経営の安定、これはまあ別々に考えるわけでありまして、適正な経理が行われる。資本がはつきりと表現され、利益率等も本当の利益率というものがわかる。更に償却につきましても、はつきりと、どれだけが必要な償却であるか、どの程度やれば元を食わないで利益が出ることになるかということが明確になるわけですから、経理もはつきりして参りますし、その結果、企業の内容が改善されて経営がよくなる。こういうようなことを考えておるわけであります。条文の文章でありますから二つに分けて書いてありますが、これは全然別個のものである、経理の健全化と違うことを書いてある、こういうわけのものではありません。
#67
○菊川孝夫君 それじや第二条の第三項ですけれども、「所得の計算上損金又は必要な経理に算入されなかつた、又は算入さるべきでなかつた」、これは算入されなかつたということと、さるべきでなかつたというのとは随分違うのですが、具体的に、さるべきでなかつた金額、これを一つ御説明願いたい。
#68
○政府委員(阪田泰二君) 実はここにありますように、法人税法上、法定の償却限度、損金に認められる限度があるわけでありますが、その限度を超えて会社が償却いたしました場合が、これが損金に認められない。利益に見られてしまうのでありますが、そういうふうな税法の計算上否認された部分を除くというのが前段の「されなかつた」という意味でございますが、後段のほうは、税務のほうの否認計算とかそういうふうな決定がまだなされていない、税務の基準に合せて計算すれば、これは超過した償却であつて、算入されないはずのものである。併し税務のほうの決定が、否認計算がまだなされていないといつたようなものにつきまして、そういうものにつきましても、やはり勘定に入れるのだというような意味でここに書いてあるわけであります。
#69
○菊川孝夫君 私もそうだろうと思うのだが、先ほどの大蔵大臣も、どうせ税金にとられるのだからして、それじや飲んだり食つたりしてしまえというのじやなくして、減価償却はできるだけやらしたいというときだつたら、少々のところは、減価償却をもう少し……これは僕らこれを言うのはどうかと思いますが、そこで飲んだり食つたりするよりも、減価償却に積立てたほうがまだましだと思うのですね。それと、減価償却はやらして、一定限度以上やつたら損金に認めない。こう言つているんだが、これを飲んだり食つたりしたやつは割合にわからない。減価償却のやつはすぐ帳簿に現われて来るというので摘発するというのは、ちよつと違う。一方のほうは、税法上のいい悪いは別として、税法上できるだけ今のところは資本の再評価をやつて資本の構成を是正してまで減価償却をやらして健全にしようという趣旨と、さてここで税法上の損金算入を認めるか認めないかと言つてきびしくやるのと、ちよつとここで食い違いが出て来ると思うのですが、その撞着する分をあなた方はどういうふうに考えているか、御説明願つておきたいと思う。
#70
○政府委員(阪田泰二君) これは法人税法で、減価償却の限度というのを考えているわけでありますが、これは何も内容のいいほうが、収益のあるほうが法定限度以上に償却を十分するということが、まあ不適当である、けしからんことであるから、これは否認するのだ、こういう意味ではないのでありまして、やはり法人税をかける上において、負担の権衡と言いますか、法人の利益に応じて課税する。こういう建前から、やはり減価償却を損金に認めるものにつきまして、各法人、公平に限度を設けて入れて行かなければならない。儲かつた法人などが余計できる、従つて税法上、利益のある会社が税金を余り納めない、こういう恰好になつてはまずい。もつぱらこういう考慮から入れているわけであります。
#71
○菊川孝夫君 次に再評価法の原則的適用……何か再評価法の原則的適用というのが、ちよつと僕は見出しがおかしいと思うのだが、原則的適用というのは、どういうわけのものだか説明して頂きたい。この見出しをつけられた理由。
#72
○政府委員(阪田泰二君) これは本法律にございます通り、従来個々の再評価そのものはそのままでありまして、それに対する今回の税法の関係その他いろいろ追加するよう規定を、この法律で別の法律として出したような恰好となつているものですから、そういうふうな意味を以て、ここに再評価法の規定が全面的にこの法律に書いてある。再評価ということの適用がある。こういう趣旨が書いてある。「原則的適用」というのは、これは第三条の内容を簡単に標題を付けるので、そういう意味を現わす意味で書いたのですが、ちよつと文章といいますか、表現が、やや、まあこなれない感もあるかも知れませんが、そういう意味でございます。
#73
○菊川孝夫君 それから強制組入れを行わしめる対象の会社の資本金ですが、五千万円以上ということなんですが、この五千万円に切られた理由が一つ。今は、五千万円ということになると、先ほどもちよつと話をしておつたのですが、日本銀行が資本金五千万円だというのですね。だから現在の資本金だけで考えると、非常に国民資産なんかのたくさんある会社でも、五千万円以下というものがあるんじやないか。日本銀行が五千万円、株の値段が一千円くらいしている。これは極端な例外を申上げておるのですが、五千万円ということに限定して、こういう資産再評価をしようとする、させようとする場合、なぜ五千万円ということに切つたのか、ここらを説明して頂きたいと思うのですがね。そういう今調べて見たところの、それ以下の会社ではまずまずこれに適用するというのはない、こういう判断からこれをお切りになつたのか。この頃、資産再評価が第一次、第二次と行われました結果、これ以下のものは問題にするようなものはないと、こういう調査の結果切られたんだと、こういうのだつたら話はわかると思うのですがね。
#74
○政府委員(阪田泰二君) これは資本金五千万ということにつきまして、きつちり五千万円でなければならないと、こういう計算があるわけではありませんが、大体小さな法人、余り大勢から見て影響のないものにつきましてまで一々強制というようなところまでする必要はないのじやないか。大体資本金五千万円以上の法人が千四百三十三ほどあるわけでありますが、その五千万円以上の法人が持つております財産を見ますると、大体、全体の法人の減価償却資産の八割二分程度になる。それくらいのものが、この千四百三十三社を抑えることによりまして強制の対象に入つて来るわけであります。まずまず実質的にこの程度まで強制すれば十分である。こういう意味から五千万円というここにきめたわけであります。なお五千万円以下の資本金でありましても、この法律にございますように、勿論三千万円以上のものにつきましては、資産の再評価限度額の合計額が一億円以上であれば、三千万円以上のものにつきましてはやはりこの法律の対象に入つて来る。資本金三千万円に達しないもので、若し資産が非常に大きいものがあるとしますと、ちよつとその点は外れるわけでありますが、万一、仮にありましても、大勢から見て大したことはないだろうというように考える次第であります。
#75
○菊川孝夫君 それから陳腐化資産についてですけれども、陳腐化資産というのは、場合によつては、都合のいいときにはこれを陳腐化したと言つてしまえば、どれでも相当、戦前のものについては、少くとも設備は、戦後は異常な近代化が諸外国に行われております。で、日本におきましては、どの設備にいたしましても、戦前のものは一応アメリカから見ました場合、殆んど三十年の後進だと今言われておりますが、戦後、戦時中に長い間外国から隔離されておる。こういう関係から、いろいろアメリカから見ると、日本の技術は三十年遅れているといわれているのでありますが、従いまして陳腐化というのは、戦前の設備は殆んど陳腐化、これは建物であるとか、こういうものは別ですけれども、機械類、工場設備等につきましては、大体において陳腐化したといつてもまあ言い過ぎじやない。それから特に戦争中に軍から強制されて急速にこしらえた工場設備等についても言い得ることだと思うのですが、従いまして陳腐化ということを認めるということになりますと、殆んどもう戦前のものは陳腐化だと言えば言えると思うのです。これらのどの程度で陳腐化であるか、陳腐化でないかという判定が、非常にむずかしいと思うのだが、あなた方のこれの判定は、若しもこれは陳腐化であると申請された場合に、一体どういうふうにして判定をしようとしておられるか、伺つておきたい。
#76
○政府委員(阪田泰二君) まあ陳腐化ということにつきましては、非常にはつきりと、これは陳腐化だ、或いは陳腐化でないというような限界をきめるのはむずかしい問題であります。従来の再評価の関係におきましても、陳腐化につきましては、いろいろと、期限といいますか、規定も一応ありますが、その規定を、まあ省令等でどういうものを陳腐化と認めるかというような場合もきめているわけですが、これもなかなか実際問題に当つてみないとむずかしいと思います。ただおつしやるように、戦前の資産はすべて陳腐化であると、こういうふうにはやはり一概には言えないと思うのであります。戦前の資産でありましても、お示しのように、戦時中で粗製濫造した工作機械の設備のようなものでありますとか、そういつたものでございますと、これは、はつきりと陳腐化というような事実も認められるものもあるかと思いますが、まあこういうものは、何といいますか、再評価して、機械的に再評価の基準で時価を、再評価の限度額を割出しますると、その金額が時価に較べて非常に高いものになるというようなことから、まあ大体陳腐化いたしておるという事実もはつきりつかめると思うのでありまして、そういうように、特別なものを除きまして、全面的に何でも古い機械は陳腐化である、こういうふうには一概に言えないのじやないかと思うのであります。
#77
○菊川孝夫君 私の申上げるのは、例えば罐詰をこしらえる会社で、一時間にこの工場で、これはその設備にもよるだろうけれども、これだけの電力を、動力を使つてやる場合には、一日当りに何箱できる。これをアメリカの罐詰会社と日本の罐詰会社を比べましたときに、向うとこつちでは、殆んど距離にして三十年向うは進んでいると言つて威張つているらしいが、それは別といたしまして、一体そのアメリカの設備等を標準において考えた場合には、そんな古い機械を使つているからこそ、日本の品物は高くなるのだと逆にも言えるわけだ。だから、そういうのは殆んど陳腐化だと言つてしまつて、もう捨ててしまつて、新らしくしなければ駄目だ。即ち耐用年数はあるが、国税局で定めたところの耐用年数はあるけれども、そんなものを使つているからこそこれは日本の生産費が高くつくのだということを、一面において盛んに言われているわけで、最近に川崎製鉄なんか新らしい設備を盛んに入れて、競争に耐えようとして努力していると言われているけれども、そうなつてこそはじめて国際競争に耐え得ると思うので、到底私が先ほど言つたような戦前の設備なんかこれは陳腐化だ、これは向うのアメリカなりイギリスなりドイツなりの設備と比べてみたときは、こんなものはもう今更使つて、これを再評価して、今の時価に見積つてみたところでつまらんという機械も、私は相当あるのじやないかと思うのですがね。今の戦前の機械にしたつて、何にしたつて、そういうのを陳腐化と言い得ると思うが、そういうものまであなた方のほうで陳腐化資産として取扱おうとしておられるのじやないか。使いものになるものは一応使おうとしておると、こういうふうに考えているのか。その陳腐化ということはどうもよく僕らはわからんのですが、その筋をどこに引こうとするか、その限界は……、それを聞いているのです。
#78
○説明員(高橋俊英君) 今おつしやられましたように、機械工業の非常に進んだ国と比較しますれば、日本の機械工業全般について、一般的に陳腐化であるというふうなお説も成立つと思うのです。併し私どもとしましては、ただ年代が古い、年式が古い、従つて能力は勿論新式機械に劣つていると、それだけの理由で直ちに陳腐化の扱いをする気持はございません。つまりそれらの機械が今の日本において非常に支配的であるという実情を一応まあ認めざるを得ないわけで、その中でも特に陳腐化しておるもの、つまり一般的なレベル、日本の機械工業の一般的なレベルと比べてみて、それよりも非常に又更に下廻つておるというものは陳腐化であるというふうにみたいと思いまするが、そうでない場合には、これをしも皆陳腐化といつてしまつた場合には、再評価というものは機械工業については殆んど行うべきじやないということになつてしまう。私どもがそういうことを申しますのは、ここにいう陳腐化というのは、一応私どもでは、限度の八割に満たないもの、時価が適正な価格とおぼしきものが限度一ぱいではなくて限度の八割に満たないものというふうに見ておるわけです。ここの法律では陳腐化とは八掛以下のものであるというふうに扱つておるわけでありまして、而も限度そのものは、何年も償却して来ておりますから、非常に古くなつておるわけです。定率法の償却によりますと、概して時価よりは限度のほうが下廻るというのが通例ではないかと見ているわけです。これは定率法によつて毎年同額ずつ償却して来たと見なして限度を作つたとすればかなり高いものでありますけれども、定率法によつてみますと非常に簿価が低くなるものですから、それで償却したものとして限度額をきめるわけであります。限度額そのものが概していえば過大になる虞れがないように作つておるわけであります。それの八掛に満たないものを陳腐化としておりますので、まあ多少の問題はございますが、一般的に年式が古いということはございますけれども、それは償却の面で見て行くということであつて、陳腐化として取扱うのは、日本の一般的なレベルよりも又更に下廻つておるというふうな場合にだけ限らるべきでなかろうかと考えております。
#79
○菊川孝夫君 わかりました。日本のレベルを考えて陳腐化であるか否かということ、日本の現在の段階において世界的な競争……。最初のあなた方の説明は、世界的競争に耐えるための一つの手段であると、こう言つておりながら、日本のようなレベルにおいて陳腐化であるかないかということを判断する、こういつておるのだが、そこに食い違いがあるのじやないか。世界的な競争に耐えようとすれば、世界的な水準から見て……、世界の水準といつたつていろいろあるけれども、日本が国際競争をやろうとすれば、ドイツであるとか、イギリス、アメリカ等のものを、これはやつぱり考えて水準を考えなければいかん。日本だけに閉じ籠つて陳腐化であるということは判定上おかしいのじやないか。こういうふうに思うのです。議論がちぐはぐになるのじやないかと思うのだが……。
#80
○説明員(高橋俊英君) こういう措置をすること自体は、確かに今おつしやられたような世界的な競争に耐え得るようにするという意味なんですが、その事柄は償却を十分にさせようという意味なんですね。今の簿価が、陳腐化であつても、それの時価よりは遥かに低いということは認めざるを得ないのじやないかと思います。ですから非常に低いままでおけば、償却をろくろくしないでやつて行く。従つて社内留保ということは行われないわけです。できるだけこちらが税金をむしろ軽くしてやりたい。適正な償却である限りは十分にやらして、従つて法人税がその結果軽くなる。これは仕方がない。そのことによつて、自己資本、本当の意味の自己資本を充実する。その償却を手厚くすることによつて新らしい機械を導入することも非常に楽になつて来るわけですね。そうでなくて、償却をしないでたくさんの法人税を払えば、残るのは僅かであります。非常に新らしい設備をすることも困難になるわけであります。新らしい設備を導入するためには手厚い償却か必要である。そういう認定に基いたわけであります。
#81
○菊川孝夫君 再評価の最低限度、第七条の規定ですけれども、これは「前条第一項の規定による再評価を行つていない場合においても、同日において同項の規定による再評価を行つたものとみなす。」、こうなつておるのですが、これは具体的にどういうのを指していわれるか、よくわからんのですが、ちよつと説明してもらいたい。第七条の場合を……。
#82
○説明員(高橋俊英君) これは第三次資産再評価をやらなくてもこの法律に基いた再評価をやつたものと見なすという意味なんですが、それは例えば一次、二次を十分にやつた。昭和二十五年、六年、七年と、この三年の間に相当の増設を行なつたというような会社におきましては、昭和五年から七年にかけて増設した施設は再評価限度額に対しまして殆んど差がないのでございます。そういう関係から、第一次、第二次というものを十分にやつておる場合には、限度額に対してもうすでに八割を超えておるという例があるわけであります。そういう場合には、改めて評価をやらなくても、この法律による強制再評価をやらなくても、それは実質において八割をオーバーしておるわけですから、やつたものと見なしていろいろな制限措置その他については合格会社として扱うという意味です。
#83
○菊川孝夫君 こういう会社は、会社の個人別の名前を聞くのは語弊があるから聞きませんけれども、企業別に見まして、どういう企業はどういうレベルに入るか。これは大体企業別になると思うが、個々の会社というよりも、こういう企業はそういうことをやり得たということはあり得ると思う。先ほども小笠原氏が、同業の関係があつてやれなかつたという場合が相当あつた、それがこの法律を制定することによつてまあ一応水準を皆合わすことになつて来る、こう言つて説明しておりましたですね。だからこういうものがあるとすれば、大体企業別に見て、百貨店であるとか、或いは化繊であるとかいうように大体きまつているだろうと思うが、それを一つ、あなたのほうでは調査ができているだろうと思うが、御説明願いたいと思う。
#84
○政府委員(阪田泰二君) これは企業別にどういう業態がこういうものに当て嵌るものが多いかというお尋ねですが、具体的に当つてみたわけではございませんが、むしろこれは企業別というよりも新らしくできた会社、古い資産が少くて新らしく工場等を作りまして、すでに高い評価といいますか、最近の価格で帳簿に計上されている資産の部分が非常に多い、古い再評価によつて見るべき資産が少いというような新設会社といいますか、或いは戦後最近に至つて非常に拡張した会社というようなものがこれに当つて来るのじやないかというふうに考えます。
#85
○菊川孝夫君 戦前からあるような会社におきましては割合にこういうことはないので、戦後のというのならば、新興産業と申しますか、特に化繊なんかは、これは戦後の設備が多いと思います。紡績業に比べまして化繊あたりは……。化繊あたりは大体みんなこの範疇に入るのですか。大体において化繊事業なんかは、ビニロンであるとか、ナイロンなんというものは、こわは皆最近のものなんだ。そういうものはみんな……。大体化繊事業なんかはこれに入るか。これと電力なんかは勿論入るだろうし、先ほどもお話があつたように、えらい陳腐化を持つているようなものでなければ、これは入らん。ところが化繊なんかは戦後盛んに工場拡張して、皆設備なんぞなければできないのだから、みんなできているだろうと思う。そういう事業は入るのですか。
#86
○説明員(高橋俊英君) これは化繊について私たちも、今おつしやられましたことが事実であるかどうか……。新しく拡張したことは事実ですが、そのウエイトですね。全資産に対するウエイトがどうであるかということによつて変つて来ると思いますが、一般に申しますと、繊維工業は、そういう化繊と綿を通じまして、第一次、第二次の再評価の場合も非常に成績がよかつたのであります。減価償却資産については、第一次限度の九二、三%やつていると思います。ですから、極く些細なものについては事務上面倒だからやらなかつたというだけでありまして、昭和二十四年末までに取得しておつた資産につきましての再評価の実績というものは非常に高いのであります。その後、四、五、六年においても、やはり或る程度の増設控除をやつておりますのでありまして、第三次の限度は、第一次の限度に対して、物価指数としては五割高の指数を使つておりますけれども、これらを総合してみますと、繊維工業についてはすでに限度額の八割に達しているというものがかなり実際にはあるのじやないかと思いますが、ところが今回の実際の例をみますると、繊維工業はもともと限度額が低いと嘆いておるほうなんでして、今度の第三次限度に対しても九八、九%まで再評価を実施する向きが非常に多いということを聞いております。ですから、すでにやらなくても八割に達しているものがあるのだけれども、限度が何しろ低いといつているくらいですから、できるだけたくさんやるというような実情であるわけであります。
#87
○小林政夫君 今度のこの法案で、第三十三条で固定資産税の課税標準に特例を設けることにしておりますが、その中で、二十八年度中にすでに第三次再評価をやつてしまつたもの、これが二十九年度はその再評価後の簿価が基準となつて固定資産税をかける。そうして三十年、三十一年、三十二年は、まあ簡単に言えば第三次再評価前の簿価で課税される。従つて非常に再評価に積極的であつて、この法案の趣旨に副うた優良会社が、固定資産税においてちよつとでこぼこができるわけですな。そこで、その二十八年度中に再評価をやつたものは、二十九年、三十年、三十一年、その三年間を、再評価前の評価額を基準として固定資産税をかける、こういうふうにするのが当り前じやないか。この原案にありまする第三十三条の様式で行くのは、二十九年度に第三次再評価をやるのはこれでいいかと思つておるんですが、事実そういうふうにやる場合において、すでに二十九年度の固定資産税収は、もう二十八年度中に再評価をやつた法人については――法人のみならず個人についてもそういうことで財政需要を見積つておる。従つて地方財政計画の中にはその評価増になつたものに対する固定資産税というものを織込んであつて、今更これをそういうふうに変えてもらつては事務的に困るというような面がありますか。
#88
○政府委員(奧野誠亮君) 地方財政計画の面で行くということになつて参りますと、償却資産総体について計算をいたしておりますし、又新規取得の償却資産もございますので、そういうものも一応資金計画等から推定をいたしまして算定をいたしておるわけであります。総体の金額の中で占める割合というものがそれほど大きなものでございませんので、その面からはとやかくいうべきものではないかも知れません。併しながら、勿論そういうことも予想いたしまして、全体的に、地方財政計画上、固定資産税の収入額を見込んでおりますので、その面からはやはり御指摘のようにお答えをせざるを得ないと思います。
#89
○小林政夫君 それは一応理論的といいますか、観念的には当然そういうことになるんですね。併しこれは非常に優良会社というか、二十八年中に償却をやつたほうから、割合に強いそういう要望もあるわけです。それで、直せば著しく事務的に困りますか、地方庁としては。
#90
○政府委員(奧野誠亮君) 総額においては数億の金額でありますけれども、当該市町村に与える打撃というものはかなり大きいものであろうというふうに思つております。事務的な問題から申上げますと、償却資産の所有者が申告いたしました価額を市町村が決定をいたしまして、課税台帳を縦覧に付しますのが三月一日から三月二十日までであります。そうして異議の申立をすることのできまするのは三月一日から三月三十日までであります。従いまして、価額の決定は済んでおります。四月に第一期の調整が行われまして、七月が第二期目になつております。この通り行なつておりまするところにおきましては、やはり相当の混乱が起きて参るというふうに存じます。
#91
○菊川孝夫君 次に、この再評価を行わして資本組入れを強制的にやつた場合に、株式の数は総体的に今の株数と比べまして何パーセントぐらいがふえる見込みであるか。これを一つ、計算は大体できているだろうと思いますがね。これは非常に一々に当つてみてむずかしい問題ですが、上場株について――少くとも東京証券取引所の上場株について、或いは大阪の代表的な取引所の上場株については何パーセントぐらいの株数増加を来たすであろう、ということは、あなたのほうで測定はしてあるだろうと思いますが、お伺いしておきます。
#92
○説明員(高橋俊英君) 私のほうで計算をしたところによりますれば、五千万円以上の会社だけとらえてみた場合に、その資本金額が概ね四千五百億円ぐらい。全部が上場会社とばかりは申されません、中には非上場も相当含まれておりますが、それらを通じて、その組入れ額が昭和三十二年三月までの間に概ね千二、三百億、この間、千二百六十億という計算を申上げましたが、そういう数字が出ておりますので、これから推定いたしまして大体三割――上場会社、非上場会社が同じようにふえるといたしますれば、株数の増加は無償交付のみによつて約三割の増加を来たすであろう、かように大ざつばなところとしては三割という数字を考えております。
#93
○菊川孝夫君 その三割の増加によりまして株式市場を圧迫することが考えられると思うんですね。三割のなんで圧迫する……そうして今は非常に市況が悪い。そこへ持つて来てまあここ三年ぐらいの間に三割ふえるということになれば、ますますこれを圧迫するということになつて、非常に有償増資ということは困難になつて来る。ところが各企業は有償増資をやらなければとても借入金じややつて行けないところから、有償増資をしたい。ところがそれがますます困難になつて来るんじやないか。こう思うんですが、それとの兼ね合いをあなたのほうも考慮しておられるか。この見通しをどういうふうに立てておるか……。
#94
○説明員(高橋俊英君) その点は非常に私どもとしては考慮したつもりなんです。実際のところを申しますれば、現在やつておる配当の如何にかかわらず、それぞれ積立金の四割を資本に組入れるということを一律に強制するのが本当は本筋だろうと思うのです。一律に強制するとこによつて初めてそれぞれの会社が実際に使つている資産、資本と申上げたほうがよろしいですが、それに対してどの程度の収益力があり、且つ配当力があるかという実態が明らかにされる。だから全部の会社に強制するのが本筋であろうと、私はこう思うのです。且つ又一部財界のかたの一部に置かれても、こういう一定率以上の配当をしておるところだけ強制するというのは筋が立たん、全部に強制したほうがいいじやないかという意見を言つておられるかたもございます。私はその点が筋だと思うのです。併しそういたしますと、現に一割或いはせいぜい一割二、三分しか配当してない会社か、つまりその程度しか配当のできない会社が無償交付をやれば、大体電力会社を除きますと一対〇・六或いは〇・七くらいの割当になるのですが、それだけやりますと、配当率が八分だとか、場合によつては五分だとかいうことが、起るわけですね。これではちよつとおかしいんじやないか。配当率五分というのは実例はございません、現在は。一割の次は直ちに無配なんです。そういう事情でございますから、結局において無配の会社が非常に続出する、一律にやれば。そこで、それらは影響を及ぼさないようにしたいという考えなんです。それから又、全体として四千億以上の組入れをするということは余りにもドラステイックです。急激過ぎるということから、三年後の平均配当率は恐らく一割五分を超えないであろうということを見通しまして、一割五分を超える配当を継続しよう、更にその後三年間も一割五分を超える配当をしようという会社だけは組入れを四割やつてもらいたいということにしたわけです。その結果千二、三百億程度にとどまるような、非常に不徹底な案になつておる。はつきり申しまして私はこの案は、これでも非常に不徹底だと思いますが、いわゆる高率配当とか何とかいう問題がそういう三割とか四割とかいう配当をさしているというところから、それらのものをなくしてしまうということができれば目的は達せられる。実力はそれほど高い配当余力はないんだということをみんなに認識させるということが必要であるという考えで、こういう方法をとつたわけですが、一方、有償増資との関連で申しますると、二十八年度中の払込金の総額は一年間に千九百億を超えております。これは中に銀行の増資が四月、五月にずれてたくさんございましたので特別多いのですが、そこで、私どもは、極く平常な状態を予想すれば、まあ一年間に千二百億或いは非常に調子がよければ千五百億というふうな有償増資は可能であろう。これを三年間ということにしますると、今の資本金と同額程度に達するわけでございまするが、まあそこまでは行かないでしよう。併し外部から、つまり株主等から資金を吸収するところの有償増資、と共に、非常に高率であつて有償増資の必要もないというふうな会社に無償交付を強制することによつて、いわゆる適正なる資本金の下に適正なる収益率と配当率を出して行くという狙いは、おおむねこの三年間の間に、実際は両方とも併せてやることによつて片付くんじやないか。併し有償増資は私どもとすれば強制することはできません。それはもうおかしな話ですから、随意に任せるわけですが、大体両者を併せて、今の資本金と同額或いはそれ以上のものが資本金の増加としてこの三年間の間には実現するんじやないか。その後の増資を心配される向きがあるわけです。これは三年後になりましても、その後の有償増資が必要でないということはないのですから……。私どもは先ず三年間の問題が非常に大事であるというふうに考えるわけでありまして、その間において抱き合せ等の方法によりて約四千億近い有償増資の見込額に対して、千二、三百億程度の無償交付は、さほどそれがなかつた場合と比べて非常に大きな株式市場に対する特別な圧迫となつて現われるということはないんじやないか。そういうことを顧慮するよりも、我々の狙つておるところの資本組入れを強制することによる狙いが実現することが、より大事ではないか。どちらにしましても、任意に放置しても或る程度は組入れられるわけですから、それが会社別に少し違つて来るというだけなんですね。そういうように考えております。
#95
○菊川孝夫君 それで僕はお聞きしたい点は、まあ別の角度から聞きたいのは、そうすると、今、今度衆議院で修正したら二割ということになつたのだが、これに該当するような会社というのは本当の優良会社だ、はつきり言つて。これは放つておいても自然になつて行くだろうと思う。これを殊更やつてみたところで非常に……だから大きく大上段に振りかぶつて、こういうふうな目的で、「わが国の経済の正常な運営と発展とに資することを目的とする。」と大上段にかぶつた以上は、荒療治として徹底して、大会社であろうと何であろうと、とにかくやらせるというふうに、大会社ならばなお更やつておかなければ、つまりよくなつて来ると配当するというのじやなくて、やらなきやならん問題だ。特にここで言つておきたいのは、例えば先ほどもちよつと懇談の際に申上げておいたが、八幡製鉄とか富士製鉄なんというのはあのような実情だ。にもかかわらず、今度は政党献金、というのは政治資金規正法によつての……御覧なさい、どこへでも、どこの政党へでも八幡や富士製鉄ひとりで以てぼんぼん出している。そんな金があるなら先ず社内……そういう株じやないんだ、今の社内の状態から言うならば。株の値段もあんな状態、それにもかかわらずやつておるわけだ。こういうふうなものには一つやらして思い知らせるということも必要じやないかと思う。ところが優秀な一流会社になつて来たら、何何団体、いわゆる何々協会だとか何々団体という恰好で以て団体でやつている。ところが柄にもない、やれないものは、図体が大きいからというのでいい気になつてこれをやつておるということなんかは、いつまで放つておいても……従つてこういうのは、いつまでたつてもボロ会社であつて経済の発展にはならん。非常に、バランスがとれなくなり、一方のほうは再評価をやつて、そうして社内留保もどんどんやつているということになると、ますますよくなる。悪いボロはいつまでたつてもボロだ。こういうことになる心配はございませんか。非常にアンバランスになる、こういう心配はございませんか。
#96
○説明員(高橋俊英君) 只今御指摘のような例は、まあここで申上げるのは如何かと思いますけれども、確かにあれらの会社については多少昔からの、出発当初からの問題があるんであります。官営であつたという問題があるわけです。で、完全に資本主義経営、いわゆる昔の資本主義経営に徹してないうらみがあると私は思います。そしてたくさん、非常に実質上は大きな数百億の資産を使いながら資本金は非常に小さい。で、ともかく配当もしておる。そういう献金の件は私よく知りませんけれども、経理内容が堅実であるというふうには必ずしも思いません。そのことは同感でございまするか、併しそれらに仮に資本組入れを強制してみても、まさか五分という配当は当今はやりませんから、五分では何のことやらわからん配当になつてしまうわけなんです。どうしても一割かゼロかということになる。結局配当するなということになるわけです、実質は。配当ができないのが実態なんですが、それがそこまで踏切ることがいいかどうか、私どもとしては多少考えさせられたわけです。で、まあこれはいろいろな考え方があるでしようけれども、まあ無配を強制するというふうなところまでは行きたくなかつた。株式市場に与える影響も、無配会社が続出するということになるとやつぱり人気が余計悪くなりやせんか。そういうことから、あれらの会社についてはとにもかくにも再評価を十分にやらして償却に努めてもらう。償却を十分にするということが先ず我我の会社にとつては第一義的に大切であろうと思うのです。で、今度第三次をやりまして、おのおのあれらが二百数十億円、これは十分でないかも知れませんが、それだけの差額も、差額といいますか、最初からの積立金ができるわけでありまして、従つて簿価でそれだけ非常に高くなるわけでありますし、実際を見ますと、割合に償却に対しては忠実であるという傾向が一般的には認められます。償却を非常にうるさく言うそうでありますが、各会社の重役さんたちも償却にはなかなか熱心である。これは税金を払わんで済むのですから、熱心であるのは当り前ですが、償却に非常によく努めて頂くならば、半分以上の目的は達せられるのじやないだろうか。それらに対して更に無配にしなければいかんというところまできめ付けるかどうか、そこら辺のところは、証券市場を今日まで政府として育成に努めて来たという間に立ちまして、その辺に悩みがあるわけですけれども、事実上無償組入が強制されないというふうに置いた、こういう点を御考慮を願いたいと思うのですが、これらは電力会社についてもやはり問題がある。電力会社の場合、特に或る程度配当をするということは年々の有償増資にどうしても必要なのでございます。無償交付をやつても配当が全然付かなくちや話にならない。電力会社の場合にはどうしても毎年有償増資を続けざるを得ない。そういうことから、電力だけを除外するわけにも行きませんし、いろいろな視点から考えまして、一定限度以上に配当をするものに限つて強制されるというふうにしたわけであります。
#97
○菊川孝夫君 それからこの際これだけインフレによつて貨幣価値が変つて来たのですから大正時代から一株五十円というやつをそのままに据え置いておく、これを何とか、まあ電力会社はこの間九分割されたときに皆五百円にしましたが、これはそろそろ歩調を合せてしなければならん段階に来ているのじやないかと、こう思うのですが、未だに五十円で置いておかれる理由は、どこかにそれを踏み切れない理由があるのか。これも何とか統一する必要があるのではないか。而もこの際に、こうして株の数も殖える、この際にやつてもいいのじやないかと、こういうように思うのですが、これは又別の、法律は勿論違いますけれども、この際に一応附則あたりでやつてしまおうということも考えていいのじやないかと思うのですが、おやりにならん理由はどこかにあるのですか。
#98
○政府委員(阪田泰二君) 御承知のように五十円株というものは非常に今の貨幣価値から見て少額のものになつておりまして、これは株式の流通上も非常に不便も多いし、会社の株式発行関係の事務もすでにこれも非常に負担になつており、これはやはり券面を引上げるということを方向としては考えなければならんと思つております。これは今回のように再評価の組入を奨励するとかいうようなことで、先ほど御説明しましたように、その点が将来数年間の間に非常に殖えるというようなことを想定しますと、一層その辺のことを考えなければならないようなわけなんです。ただ、これはいろいろと法律的にむずかしい問題、殊に端株の整理、これは額面を引上げますと端数株がたくさん出て来るのでありますから、そういうものの整理をどうするか、或いは券面の切替えの技術的な問題をどう処理するか、いろいろな問題がありまして、この関係の法律の附則等で処理すればいいというようなお話ですが、いろいろそれに伴いましてその引上げを実施するにつきましてはむずかしい法律問題があるわけなんです。只今そういうような方向で実はいろいろと私どものほうとしては事務的に検討はいたしておりまするが、この法律の附則で、五十円を五百円ですか、千円ですか、一万円ですか書けば済むというような簡単な問題ではないのでありまして、只今私どものほうでも折角法務省のほうとも連絡をとりまして、研究をしておるような次第でございます。
#99
○菊川孝夫君 理財局長は一万円札も発行したいという考えを持つておるので、新聞でも発表しておられるのだが、そういう考えかららするたらば、当然そこへ及ぼさなきやならんという必要はありと、したいという目的を持つて検討しておられるのですか。本当に真剣に、これは、ここの答弁だけじやなしに。
#100
○政府委員(阪田泰二君) これは私どものほうとしては、先ほど申上げましたように、是非そういうふうに、まあ時期の問題でありますが、或いはどの程度に上げるかという問題でありますが、持つて行きたいということで研究いたしておるわけであります。ただこれは問題としては商法の改正といつたような問題に触れて来るわけでありまして、法務省とも関係があるわけです。そういう方面とも相談いたしまするし、なおこれは証券界或いは金融界その他旨いろいろ影響がある問題でもありますし、或いはまあ事業会社自身にも勿論影響がありますが、そういうような方面の意向、考え方等とも、これも十分に打合せてやつて行きたいというふうに考えております。
#101
○菊川孝夫君 それでは次に十条へ行きまして「追加再評価を行うことができる場合」という、何かこの「最低再評価限度額の計算に誤がある場合において、」というのですが、この「誤がある場合において、」というのは一体誤まりはあなたのほうで発見した場合のことを言うのか、それともあとでこれは誤まつておつたというので、一つ申請者のほうから言つて来ることを指して言つているのか。どちらを意味するのですか。
#102
○政府委員(阪田泰二君) これは十条の一項は「計算に誤がある場合」と書いてありますが、これは申告書を要再評価会社が提出いたしました以後におきまして、その会社がその申告書の計算が間違つておつたという事実を、まあ会社が発見して、これを直そうと、このような場合を指しております。
 なおこの第十条の四項のほうにおきまして、申告書を調査いたしました結果、更正をやるというような場合にその規定がございますが、これは政府におきまして申告書を審査いたしまして誤まりのある点を発見した場合、これはまあ官庁側で申告書につきまして誤まりを発見した場合に当ると思います。
#103
○菊川孝夫君 そうすると、これは実際のこの事務で考えてみますと、税務署長に提出しなければならないとなつているのですが、税務署で、その申請書が出た場合には審査をすることにするのですか。事務の取扱い方ですが、田舎の税務署がそういうことを実際、問題にしてこれをやれるか、そんなことを言つちや失礼だけれども、えらい非常な複雑な何であつて、而もその誤まりがあるかどうかというような問題までもできますか。
#104
○説明員(高橋俊英君) これは金額によりまして、大規模のものは国税局、小規模のものは税務署でやつておるわけですが、その誤まりがある、一項のほうは、提出した側が自分で発見した場合、それで今問題にされているのは更正の場合だと思うのですが、更正ができるかというお尋ねでしようが、これはもう勿論必ず誤まりがあつたものをびた一文残らず更正できるということは私は申上げておりませんけれども、調べております。調べまして一応当つて、本当に間違つておれば更正させる。更正するという手続は、従来からも、この問題じやありませんけれども、再評価の限度額に誤りがあれば現在更正しております。限度額の計算が違つておるという場合ですね、それは表に当て嵌めるわけでございますから、簿価は一応わかつておるわけです。ですから、ここに倍率がありますから、それを掛けて計算するわけですが、その掛けましたときに間違つておるという場合はあるわけでございます。ほかの税の申告、青色申告の場合も同様でございまして、それらと、これらとは、まあ面倒くさい点においては、私は同じことだと思うのです。ですから、できないということはないと思うのです。
#105
○菊川孝夫君 それでは、そういう更正させるようなときに、この最後に立入り検査を認めておりますね。証票を持つて立入り検査をする。それで意見の対立したときには、この立入検査の条項を適用してそこまでやる、こういうつもりでこの法律は立案されているのですか。一々の会社について。
#106
○説明員(高橋俊英君) 立入検査等、どういう場合にやるかという問題ですが、要するに実態をよく見なければわからんという場合ですが、特にその必要が起きるのは、八割を超えて再評価をして来た場合に、まあ陳腐化のものを無理に過大評価するというふうなこともございますが、それらについて、そう私は一々見る必要はないと思うのです。そうでなくて、逆に、八割までできません、自分のところは非常に無理である、資産全体が陳腐化しているから、工場全体が陳腐化しておるからということから、限度よりもずつと低いところで、例えば、うちとしては限度の五割までしか再評価できませんというようなことを申立てて来た場合は、これは予想されます。そういう場合には、果してそんなに本当にひどい施設なのかどうか、これはちよつと中を見せてもらわなければ本当にできんというふうなことがあると思います。そういう場合に立入検査をするという権限が一応与えられておりませんと困る、こういう趣旨であります。
#107
○菊川孝夫君 で、私が先ほどお尋ねした陳腐化の判定は非常にむずかしいのじやないか、これは税務署によつて陳腐化であるかどうかということが皆違うと思うのです。これは或る専門の技術者がおつて判定する場合には、成るほどこれはいいけれども、全国の会社がそんなことを一々するわけには行かん。税務署職員がこれは陳腐化であるかどうかということをいろいろ調べる。陳腐化として認めるか認めぬかということになれば、税務署によつて違うだろうし、又その所属職員によつても取扱いが違う。税務署長はその道の大家ばかりが各署長に控えているわけには行かんと思うのです。そこで、その税務署によつても取扱いがまちまちになるし、ましてや陳腐化の判定のごときについては、これはちよつと素人ではむずかしい問題だと思うのですよ。それらをあなたのほうでは一応統制するような様式というものか、規則というものを設ける予定になつておるかどうか。
#108
○説明員(高橋俊英君) その陳腐化の認定が非常にまちまちになると困るということは事実でありますけれども、従来は再評価法では陳腐化資産を過大評価するのを抑える意味で使つておつたのです。陳腐化というものは、今度は陳腐化を利用して過小評価をやる虞れがあるということになつて、非常に違つて来るのです。そこで、国税庁でもこの点非常にむずかしいということでありました。今までのようなことでは困るというので、税務署には最終的な判定権を与えないことにしたのです。国税局でやることにしたのです。陳腐化に関する限り……。つまり陳腐化があるために八割を下廻るというふうな場合には、その最後の認定は国税局以上で行うということに、事務取扱いとしてきめたわけでございます。税務署長に任せないということにしましたから、それは国税局間の調整は、又、国税庁でやりますが、税務署によつて取扱がまちまちになるということがないように、国税局は十カ所しかないわけですから、国税局がそこで統括することになつております。併し幾ら細かい基準を作りましても、一品ごとにきめるということはとてもできませんし、なかなかむずかしいと思うのです。或る程度抽象的な認定基準というものは研究しておりますから、近いうちにできると思いますが、数字で一一現わすわけには行かんのですね。別表で作つたような工合にはとても参りませんから、最後はやはり事実認定の問題であるということで、これを国税局で統括する。更に国税局で行なつたやつを国税庁で行うというように、全国余りまちまちにならんようにします。
#109
○菊川孝夫君 わかりました。今までの陳腐化の扱いと取組み方が、角度が違うのです。又これを申請する人も、陳腐化ということを、利用と言つては語弊があるけれども、自分のところの資産が陳腐化しているかどうかという見方も大体相当変つた見方をするだろうと思うのです。これはまああなたの説明にもある通り、私も先ほどから陳腐化について聞いておつたのは、そういうふうで今度の場合と違う状態が出て来るということだけは一応考えられると思うので一御質問したわけですが……。
 次に再評価日後に生じた事由による評価減の制限というのがございますね。「再評価を行つた日後生じた事由」、これは火災とかそんなものですか。そんなものは火災保険とかそういうもので行くのだが、どういうのを予想してこの条項を設けられたか。
#110
○政府委員(阪田泰二君) これは再評価日以後に新らたに陳腐化の事由生じた場合、再評価日以前に陳腐化しておれば、再評価のときに考えられると思うが、その後新らしい事由によつて陳腐化が生じた。こういうような場合をここに考えております。
#111
○菊川孝夫君 これは天災地変とか、そういうものを意味しているのじやないですか。そういうふうに考えて読んでおつたのですが、この条文は。
#112
○説明員(高橋俊英君) 天災地変及び滅失毀損の場合、滅失毀損してしまつた場合には、もはや評価減で積立金を取りくずしてという問題ではないという扱いをしております。ただ或る程度、水を被つた。その後、機械なり何なり性能が著しく低下してしまつた。廃棄するまでには至らんけれども非常に工合が悪くなつてしまつたという場合ですね。修繕するという問題じやなくて、性能全体が悪くなつてしまつたというような場合、建物の場合なんかもそういうことがあるわけでございます。水を被つたために非常に建物自体が脆弱な建物になつてしまつたという場合があるわけです。こういう場合に評価減をする。見かけは余り変らないのですね。見かけは一応保つているのですけれども、もう土台が腐つてしまつておる。そういうことから、まあ使つてはいるけれども、もとの効用はない、つまり現在の簿価だけの値うちはないというふうに認定された場合、そういう場合に評価減をする。
#113
○菊川孝夫君 まあこれは極めて例外的なものである。殆んどあるかないかわからんようなものである。だけれども、まさかの場合があるからというので設けた条文ですか。
#114
○政府委員(阪田泰二君) お説のように非常に稀な場合であると思いますが、ただこの規定を置いておきませんと、一応八割以上再評価したという恰好を形式的にとつておりまして、あとでどんどん評価減をしてしますというような脱法的行為を行われる虞れがありますので、そういうような意味からこういう規定が置いてあるわけであります。
#115
○菊川孝夫君 わかりました。
 その次に二十条の「最低限度以上の再評価を行つた場合」の再評価税の免除ですが、この二十条はちよつと読みにくいですが、「第一号に掲げる金額の百分の六に相当する金額と第二号に掲げる金額の百分の三に相当する金額との合計額に相当する金額の再評価税を免除する。」こうなつているのですが、一体何が免除になるのか、よくこれを読んでもわからんのですが、ちよつと説明願いたいのですがね。これは非常にわからん。
#116
○説明員(大倉真隆君) 理財局長に代りまして、ちよつと具体的に御説明申上げますが、よろしゆうございますか。
#117
○委員長(大矢半次郎君) ええ。
#118
○説明員(大倉真隆君) 例えば再評価をやります前の減価償却資産の簿価の総額が四億あります。それで再評価をやります日に限度額を計算しますと、合計で十億、そうすると徴税の対象になりますのはつまり再評価をやつたあとの簿価の総額が八億以上になればいいわけであります。八割以上やつたということになります。そうすると免税が適用になる。仮に八億五千万までやつたといたしますと、一号に書いてございますのは、先ず再評価後の簿価総額と申しますのは八億五千万円でございます。それから限度額の百分の六十五相当額と申しますのは、十億の六五%でございまして、六億五千万円でございます。その差額は八億五千万円と六億五千万円の差額の二億でございます。先ず一号に書いてございます金額が二億になります。それから二号に書いてございます金額は、再評価差額が八億五千万円と四億の差額の四億五千万円、従いまして四億五千万円から一号で計算いたしました二億を引きまして、残りが二億五千万円でございます。免除額の合計は、一号の二億の六%一千二百万円と、二号の二億五千万円の三%、これとの合計額、合計一千九百五十万円ということになります。免除がございませんと、今の例で申上げますと、八億五千万円と四億との差額四億五千万円に六%かけましたもの、二千七百万円が再評価税となります。従つて二千七百万円のうち一千九百五十万円が免除額になると、こういう計算になるわけでございます。
#119
○菊川孝夫君 そうすると、この法律がなければ、そういう例の場合に二千七百万円納めるべきものが、この新らしい法律の適用によりまして千九百五十万円でよくなる……。
#120
○説明員(高橋俊英君) いや、一千九百五十万円が免除になり、差引七百五十万円納めればよい……。
#121
○菊川孝夫君 この資産再評価法に基きますと、今あなたの御説明になつたような二千七百万円の税金がかかるにもかかわらず千九百五十万円だけ免除になる……。
#122
○説明員(高橋俊英君) この法律の結果免除になる。
#123
○菊川孝夫君 わかりました。それでわかりましたが、そうすると、それじや今までにすべてもうすでにやつてしまつてあるというものと、これができてからやるというものとは、同じことでも、先ほど「みなす」というやつを聞きましたけれども、「みなす」というやつは、できておるというのと、これができるまで待つておつたというものと、調整ができるまで待つておつたものとは、先にやつたものは馬鹿を見た、こういう結果になるんじやないですか。その点はどの条項で救済をされるのですか。
#124
○説明員(高橋俊英君) その点、今おつしやいましたのは、恐らく一次、二次も十分にやつた。そうすると、その場合にはすでに納めてしまつている。
#125
○菊川孝夫君 納めてといつても、年賦になつておるけれども。
#126
○説明員(高橋俊英君) 年賦でも大体済んでおるのであります。大部分の会社は殆んど納め切つておる。電力会社は特別措置によつて多少残つておりますけれども、ほかの会社につきましては大部分納めておるわけです。最初三年でございましたが、今では五年になつておりますけれども、当初の一次、二次は三年間に分納でございますから大部分は払つていると見なければならん。併しこれらとの権衡問題ですね。それがこの六十五に現れているわけなんです、一応は。なぜ六十五という数字を作つたかというと、六十五を上廻る分は免税になつておるわけですね。百分の六十五、つまり十億に対しまして六億五千万円を上廻る部分が六%免除されるわけですから、これは全免ということです。六%の税をかけられるところに六%の減税をされるわけですから、これは全部取らない。それから下の差額の部分ですね。差額のうち六十五を下廻つているところの部分は半減ということでございます、半分まけておる。これは今の数字で説明いたしましたが、意味はそういう意味です。その六十五と申しますのは、限度に対して三分の二に当る額が六六・六%です、厳密に言えば。それを切捨てて六十五としたわけですが、第一次の再評価限度額に対しまして、第二、第三次の限度額は五割上なんです。減価償却資産については五割高いんです。ですから、逆算いたしますると、六十五のところが第一次の限度額そのままにして置けばそれに相当するということになるわけです。但しこれは一品ごとに見た場合、一つ一つの品物について見た場合はそういうことが言える。そこで又この免税の措置も一つ一つの計算によつてもいいことになつておるわけです。それでは、きつ過ぎるというので、プール計算を認めたわけです。全体の資産についての六五%という数字をとつたのですが、そういう数字が出て来たというのは、やはり第一次、第二次の限度額に達するところまでは必ずしも全部を免除しない、半分だけ免除したという建前なんです。で、第一次、第二次の限度を上廻る部分ですね、これについては全部免除するという考え方をとり入れた。そこに一つ現われておるわけでございますね。その第一次を十分にやつてもう払つてしまつたものと、全然第一、二次をやつてないものを、一次、二次の限度を飛び越して三次の限度まで再評価するような場合、それとの権衡を考えたわけです。そのほかに、今度の措置をとるにつきましては、実際問題を考えてみますと、大体一次、二次をやつた会社は優良会社なんです。自信のある会社が十分にやつた。これらの会社は三年間に再評価税を払つたとは言いますが、一方で必ずそれを上廻つた法人税の減免を受けておる。減免じやないのですが、法人税のほうを儲けてるんです。
#127
○菊川孝夫君 積立てでね。
#128
○説明員(高橋俊英君) 減価償却の面でです。減価償却をたくさんやつておりますから、それによる法人税の減税の分は絶対に納めた再評価税を下廻ることがないという規定があるのです。それを上廻つて再評価税を払うことはない。
#129
○菊川孝夫君 それでわかりました。
#130
○説明員(高橋俊英君) そういう意味から権衡が保たれているという……。
#131
○菊川孝夫君 そういう点があれば……。
#132
○小林政夫君 それは併し、わかるのだけれども、それは言つてみるだけのことで、今後やるものの免税になるのは両方受けるんだ。半分になる分は法人税もそれだけ減税になるし……。
#133
○説明員(高橋俊英君) 併し今まで法人税はとつてあります。
#134
○菊川孝夫君 今までの経過については法人税で……。
#135
○説明員(高橋俊英君) 今日までの間ではそれだけ違つておるわけです。そして今度再評価をしましても元には戻らないのです。三年間のズレというものは取返しがつかない。減価償却を適用しておりますから、三年分だけ償却率を落したところで限度をきめているんです。上廻つて元へ戻して償却をやるわけに行かない。
#136
○菊川孝夫君 そういう説明がつけばわかります。そうせんと、これは前の第一次、第二次にしたつて、やつぱり政府としてはやらしたい。できるだけ奨励しておつた。ところが今からずるくかまえて第三次まで待つておつたものは一番儲けたじやないかということを、何ならこれまで放つておいたほうがよかつたんじやないかと思うのだが、そういう部面が説明されれば成るほどうまく考えておるわいと思つて……。わかりました。(笑声)
 次に、余り時間がとれますので、私、今度は最後の罰則のところへ行つてお尋ねしたいんですが、この「詐偽その他不正の行為により第二十三条の規定により課される再評価税を免かれた者は、三年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」、こういうふうになつておるのですが、その第二項で「前項の免れた再評価税額が五百万円をこえるときは、情状に因り、同項の罰金は、五百万円をこえ、その免かれた再評価税額に相当する金額以下とすることができる。」とある。これはなぜ第二項を……第一項だけでいいと思うんだが、第二項を設けた理由を一つ伺つておきたいと思う。
#137
○説明員(高橋俊英君) 私、全部の税法の通脱に対する罰則を知つているわけじやありませんけれども、大倉君に聞いてみますと、大体において税法の通脱関係の罰則は免れた税額を下らんというふうな、下らんような罰則を設け得ることになつておるわけでありますけれども、そういう実例が他にもたくさんあります。この規定は今の再評価法にも同様な規定がございまして、再評価税額そのものが五百万円を越えておるという場合に罰金が五百万円であるというのは、税を取るというその罰則として余り適当でない。要するに、こういうものは、幾ら免れたという経済的な利益に見合つて罰則を設けるのが、税の面では非常にそれが適正である、公平である、そういう考え方に基いておるものと私は思います。
#138
○菊川孝夫君 そうしますと、この四十三条の「三年以下の懲役」というのは、実際はこれはおどし文句であつて、これは適用しないのだ、あなたの言われる経済的の何は経済的なもので補えばいい、こういう理窟になれば、これは「三年以下の懲役」というのはおどし文句に過ぎないのだ。これはあなたのほうで適用するのじやないのだからね。これは裁判でやるのだ。そういう二項のあなたの理窟があるということになれば、適用するのは裁判所でやられるのですね。そうすると、そこは経済的な面ですから、経済的な額で以て大体判定するのがいいのである。これは一つは、それはそういうふうにも言えると思うのですが、そうすると「三年以下の懲役」ということは裁判所のほうできめることになる。そうならば、立法の趣旨がどうもそこでおかしくなつて来るのではないかと思うのですが、立案者としてお答え願いたい。
#139
○説明員(高橋俊英君) これは罰則全体については、いろいろな過去の建前なり、従来の慣習なりがあるわけですが、今私が申上げましたのは、少くとも税の場合なんかにつきましては、免れた経済的な利益、つまり非常に税額よりも下廻つておるというような罰金では効果が薄いということを申上げたので、そのほかに、罰則でございますから、これはもう懲役というふうなものが伴うのは何らおかしくない。むしろ重くしておるわけですね。経済的な利益だけを取返せばいいというのではなくて、罰則でございますから、そのほかの懲役というふうな非常に重い刑をも科するということがこの通脱を防ぐという趣旨に適する。罰することが目的じやないのでして、実際に起つて来れば、これは仕方がないから罰しますけれども、この程度の罰則を設けておかないと、税というものは通脱をされやすいものであるということから判断されたわけでありまして、これはまあ商法などでも、大して経済的利益と思われないものについても皆懲役刑を設けておる例もございます。まあこの辺のところが適正な刑量ではないだろうか、ほかのものと比べて特にきついものでもないし、まあ税全体としてはこういうような定め方をしている例が多いという趣旨でございます。
#140
○菊川孝夫君 それで、あなたのほうの立案の趣旨というものは、何ですか、でき得る限りは、でき得る限りと言うのじやないけれども、懲役刑も併科するということは大体原則として考えておられるのですが、併科して、その上に罰金、これを原則として考えての立案か。それとも、成るべくならこれは罰金で済ませたいという趣旨の立案かということなんです。そこで第二項を読んでみると、如何にも罰金刑で済ませたいのだというふうに謳つておつて、一方では懲役刑ということを言つてあるのだがね。これはどうも……。
#141
○説明員(高橋俊英君) 今の菊川先生の言われておるのは、少し勘違いされている面があるのではないかと思うのですが……。
#142
○菊川孝夫君 勘違いでしたら教えて頂きたい。
#143
○説明員(高橋俊英君) 「同項の罰金は、」と、こう書いてありまして、第二項の場合には懲役は要らないのだと言うているのじやないのです。情状によりまして罰金のほうは五百万円よりも上廻ることがあるぞという趣旨でございまして、その場合にはもう三年以下の懲役というのは適用しないというのじやないのです。三年以下の懲役、或いは場合によつては、免れたこの再評価税額に相当する金額まで罰金を科すると、こういう趣旨でございます。
#144
○菊川孝夫君 だから一千万円ということもあり得るということなんですね、場合によつては。それ以下ということですから、一千五百万円脱税してあつた場合には一千二百万円、一千五百万円を超えるわけには行かんけれども。だからあなたの言う説明を聞いていると、成るべくならばいわゆる詐欺その他によつてそういう経済的な脱税行為をやつた者については、極力その限度近くまでは追及するというのが趣旨だ、だから第二項を設けたのだ、こういうお話ですが、そういう趣旨であるならば、懲役ということを言つておるのは、懲役と罰金と併科を原則としたものならば別ですけれども、あなたの説明だけ聞いていると、懲役というのは一つのおどし文句であつて、実は、あとの罰金を取るというのが主たる目的で、一貫して四十三条以下は設けられたものかどうかということを聞いているのです。必ず併科というものはあり得る、大体しなければならんもんだ、こういうふうに初めから取つ組んで罰則を設けられたのかどうか。
#145
○説明員(高橋俊英君) そういう趣旨じやないのですが、要するに実際に刑量をするのは裁判所の判断でございまして、懲役だけで済ますこともあるし、或いは罰金だけのこともあるし、両方重ねてやることもあるということでございまして、まあこれらの刑量をする狙いは、やはり免れることを罰則を設けることによつて予防するという、まあ刑というものは処罰するだけが狙いではございませんから、予防という意味があるわけでございます。その場合に、非常に軽い予防措置では目的が達せられない。ただ脱税しただけの罰金を払えば済むのだということでも不徹底であるから、懲役ということもあるぞということを設けたわけでございまして、実際の適用については、これはもう私どももなかなか、どういう場合には罰金のほうがいいということを今ここで申上げる筋合ではございませんし、全くこれは裁判所の判断にお任せするよりほかない。併し特に刑罰のうちで罰金だけで済ましたいという意向が立案者のほうにあるとか何とかそういうことはないわけです。これは、こういうような並べ方等について、刑全体についてはそれぞれ専門の筋にお伺いしなければならないのであります。私どもとしてはこの程度で……。
#146
○菊川孝夫君 将来この再評価の問題についてまさか「詐偽その他」ということは少いと思うのでありますが、あの戦後の脱税がやかましかつた時代にはこれは非常に厳重に追及したが、こういう法律を設けておけば、裁判にかかつた場合でも、国会においてこの条項を審議する際にどういう観点から論ぜられておるかということは、これはもう裁判の一つの有力な弁護士の資料になるわけですね。だから立案者は、あなたは立案の責任者としてどこを狙つておるかということは、これはもう今度裁判官がそれを判定する場合にでも、この法律がどういう目的で制定されたものであるか、そこでその制定された趣旨に副つて実施するために、これに違反した者についてはどの程度の罰則で以てやつて行こうということが、一つの大きな、今度いよいよ具体的にこれをまあ不幸にして適用しなければならん場合において、私は国会の質疑応答というものは一つの資料になるのじやないかと、こう思うのでお尋ねをしたわけですが、従つて詐欺によつてこういう再評価税を免れるような者については、一応併科するのは当然であるというふうに考えてこれを立法したものであるかどうか、こういうことを最後に伺つておきたい。
#147
○説明員(高橋俊英君) まあ私どもとしては、その辺、併科することが当然だというふうに考えているということは申上げられないのでありますが、……。
#148
○菊川孝夫君 そんならなぜ併科する……。
#149
○説明員(高橋俊英君) つまり概して言えば懲役というものは期間の如何を問わず余り軽い刑じやないと思います。罰金のほうが普通は軽い。併し罰金でも、納めないときは懲役に振替りますし、罰金だから必ずしも軽いというわけじやない。併し片一方だけでは足らんという場合には両方科するということに結果としてはなるのじやないかと思います。だから、つまり三年くらいの懲役だけでは足らん、罰金も十分にとるべきだ、それも五百万円でも足らん、実際に脱税したのは数千万円だから数千万円科すべきである、こういうことになつて来れば、限度一ぱいの重罰を科すべき最も悪質な場合、それらの場合には、当然、併科、両方科するということにならざるを得ないと思う。だから問題は、その悪質であるかどうかの程度によつて、併科したり、しなかつたりする……。
#150
○菊川孝夫君 それでわかりました。そこで今選挙違反の問題についても連坐制をどうするということを言つております。それから収賄罪につきましても、今の斡旋収賄どいうのを設けなければどうも困るというので、論議の対象になつているということは御承知の通りであります。そこで、四十三条には一体、誰がそれなら「免かれた者は、」と書いてあるのだがね。大体この対象になる者はそれぞれ法人だ。個人は少いと思う。だから法人で何々株式会社ということになるのだが、株式会社を罰しようとしても懲役だというようなことになると非常に困る。これはその責任の所在というものは極めて不明確だと思う。経理課長に責任を負わせようと思えば負わされる、或いは経理担当重役を追及するのか、それともその社長を抑えつけるのか、こういうことになつて来て、丁度これは斡旋収賄罪のあれと同じようにあいまいとなつて来ると思うのですが、そうなつて来れば、これの責任を問われるのは最終の今の法人の代表者、代表者と言つても、取締役は代表できることになつておる。それは個人のほうだから代表取締役を最終的には追及すべきものである、こういうふうに解釈してよろしうございますか。その点もはつきりしておいて頂きたい。
#151
○説明員(高橋俊英君) これは第四十六条を開いて御覧を頂きますと「代表者」云々ということが書いてありますね。その行為者を罰するほか、法人に罰金を科するというような場合があります。つまりその意味は、原則としては法人の場合には代表者を罰するのだということを言つているわけです。代表者を罰するほかに、その当該法人そのものにも罰金を科するぞという趣旨でございます。まあ私どもこの間、ついでに申上げますが、この間の取締役の問題ですが、これに関連すると思うのでありまして、その後、法務省の見解を質したのです。まあそこにおられる法務省の担当検事さんにお聞きしたんですが、どうもやはりはつきりとはいたしません。最後は事実認定の問題である。つまり重役会でさんざん論議をしてきめたというものであつて、誰が誰の責任とも言えない。そこに出ておつた者、それの問題に関与した者全員が行為者であるとみなされた場合には全員が対象になる。併しそうではなくて、明らかに一人が専断的にこれを行なつた、他の者は余り関与してなかつたというふうな事態が若しあれば、その者だけが処罰される。ですから、それは単数とも複数とも一概には言えないというようなことでありまして、従来の経済事犯の、違反事件等に関する事例を見てみましても必ずしも一定しておりません。担当取締役だけが処罰された例もございます。連坐して全員がそれぞれ処罰されたという例もあるようです。これはそのときの事実認定の問題にかかつて来るというほかないと思います。これは最近の例はどうかと思いますが、最近のいろんな疑獄事件等に関連しましても、それぞれ重役の全員が引張られているのじやなくて、一部の者だけが容疑を受けているという例もありまして、一番上のほうの人が捕われている場合もあるし、一番上の人は引掛からないで次の者がやられているという場合もございます。一概になんとも言えないと思います。検察当局なりその裁判所の認定の問題であろうと思います。
#152
○菊川孝夫君 これ以上あなたとこの問題を論議しても仕方がございませんが、これは必ず今の造船疑獄のようなことにつきましても、専務が引張られておるところもある。社長が入れられているところもある。専務と社長両方やられているところもある。この法律そのまま読んでみると、誰にでもできるし、又逃れようとすれば一人責任を被ればやれることになつている。併し商法の規定等をよく研究しておりませんが、考えてみた場合には、社長一人の責任においてやるべきではなくて、こういう大きな問題については、すべてやはり重役会議に諮つてやらなければならない問題、最後には株主総会も関連する問題であると思います。それで、これは汚職の問題とは違つて、あれは秘密にやらなければならんですが、これは少くとも株主総会くらいに諮つてやらなければならん問題だと思います。株主総会にまで諮らなくても重役会議くらいまでは相談するものと思う。そうすると、大体において重役全部、取締役全部は連坐しなければならんものだと、こういうふうに解釈してもよろしゆうございますか。大体それは社長個人でそんな馬鹿なことをやりつこない、どこでも……。それは同族会社ならいざ知らず、そうでない一般の法人であつた場合には、社長個人がそんな馬鹿なことをやりつこはないと私は想像するのですが、だから連坐です。取締役である以上は、将来こちらも取締役になるかも知れないけれども、ほかの法人の何になるかも知れないので、そういうような場合に、この法律があるとするならば、よほど気を付けなければならんということになる。重役会におきましても、うつかり社長や経理担当重役がそういうことをやつてしまつて責任を問われることになつては困る。これは誰でもそうだと思うので、これは冗談といたしましても、やはり考えて行かなければならん。大体において取締役会に連なるものはその責任を免れないものである。こういうふうに一応了解して置かなければならんかどうか。それを最後に伺つて私の質問を打切りたいと思います。
#153
○説明員(高橋俊英君) その点、質してみましたが、やはり取締役会を開いてそこで相談した結果、決議をしてきめてやらないということにしたというふうな場合におきましては、少くともそこの場に列席しておつた取締役が連累とみなされる場合が多いであろうという説明でありました。ただその取締役であつても、それらの何らか止むを得ない事情によつて全然出席できなかつた、そういう決定に何ら参加しなかつたというものは、ただ単に取締役であるというだけでは処罰の対象にはならないと思いますが、ただ列席しておつた場合には、極端なことも聞いたのですが、例えば経理担当取締役はやるべきであると主張した。ところが他の者はやるなと主張したことによつて結局やらなかつた、或いはごまかしてしまえというようなことでごまかした。あとでばれたというような場合には、恐らく出ておる者が全員処罰の対象となるし、その場合、反対をした人でも、やらないことに対して反対をした重役、だからといつても、必ずしもその責を免れるものではないという説明でありました。反対をしたからといつてその取締役が責任を免れるものではない。併し必ず処罰をされるという意味ではありませんが、一応それだけではいけないという話でありました。そういうふうなことであります。
#154
○菊川孝夫君 もう一点、あなたに聞いておきたいのですが、これは小林君も質問されまして、これについて答弁があつたわけですが、金融機関再建整備法の規定による調整勘定の問題ですね。これはこの間から聞いておつたのですが、それは再評価して資本に組入れるということは、調整勘定のある以上は、これは銀行局長が、原則としては調整勘定のある以上は再評価すべきでない。先ず調整勘定の犠牲者に対して一応支払をするのだ、それから調整勘定という、今の再評価の利益というものは、大体におきまして調整勘定というものによつて生れて来たというふうに考えられるのが、いろいろのケースはあるかも知れないが、それが多い。だから調整勘定がある以上は資本組入ということは先ず極力やるべきでない。大体原則的にはそういうお話であつた。そうすると、今度のごとき、それを削つておることになるのですが、この点はあなたのほうはどういうふうに考えておられるのですか。この点もう一遍重ねて聞いておきたい。
#155
○説明員(高橋俊英君) 私どもはこの金融機関の特殊事情ということはよくわかりますけれども、金融機関における調整勘定の本質は、法律的に考えた場合には、企業再建整備法によるところの会社の仮勘定と性質は同じだろうと思います。つまり一旦再建整備によつて打切られた債権者、それらに対して利益があつたら穴埋めをするという意味で仮勘定利益というものが積立てられておるわけですけれども、その仮勘定というものと金融機関の調整勘定とは、根本的な性質は全く同じだろうと思う。ただ相手が預金者であるかそうでないかという違いはあると思いますが、併し金融機関の再建整備に当りましても、企業に対する貸付金が打切られた、切られたということによつて、金融機関にそれが跳ね返つて、相当特別損失が殖えたという事情はあるわけです。だから、やかましいことを申しますると、調整勘定の利益をたくさん作れば預金者は満足されるわけですが、それがためには仮勘定を持つている株式会社におきましてもできるだけその仮勘定を殖やす、そうして金融機関に返すというふうな措置がなければならん。そういうことを考えますと、普通の株式会社に対して資本組入れを一方強制する、金融機関の場合にはしてはならんということになつておるというのは、余りにも変則的ではないかという感じがするわけです。事実上やるやらんは別でございます。殊に金融機関の場合には、これは大蔵省が握つておるわけでして、組入れをするかしないかについては認可の権限があるわけです。そういうところで事実上指導によつて抑えて行くということは止むを得ないかも知れませんが、法律の建前上、調整勘定がある間は組入れをしてはならんというのは、一方において、仮勘定があろうがなかろうが資本組入れを四割まではやるべきであろということを、この法律で謳つている建前上、余り開きが大き過ぎるのじやないか。又こういう規定が今までのこういう金融機関に対する特別措置が規定されておつたということは、どちらかといえば日本側当局の意向ではなくて押付けられたものであつたというふうに聞いておりますし、規定の上では、これは今回そういう組入れをしてはならんという規定は削るのが筋としては立つのではないだろうか、筋が通るのではなかろうかというふうに考えております。
#156
○菊川孝夫君 午前中、私、大蔵大臣に質問したときに、これは繰返して聞けばよかつたが、あなたの説明でも千二百六十億円くらいは組入れをするだろう、こういうお話ですね。この千二百六十億というのは衆議院で修正になつて千二百六十億、こういうふうになつたのですか。
#157
○説明員(高橋俊英君) 修正なき場合でございます。
#158
○菊川孝夫君 修正の場合は六百五十億といつておつたがそうですが。
#159
○説明員(高橋俊英君) そうでございます。組入れの割合が三割で、配当制限の割合が二割を超えるというふうなことになりますると、大体私どもの計算では六百億程度にとどまるのじやないかと思います。
#160
○菊川孝夫君 そうすると、単に表面上一割ずつ削るだけで半分になつてしまうということ……、資本に組入れられるのは半分になる。こういうことですね、結果的には……。
#161
○説明員(高橋俊英君) そうでございます。それは単にとおつしやいまするが、一割五分を超えるということと二割を超えるというのが、その辺が会社の数としては大分多いところでございまして、非常に差が大きいわけです。それから四割と三割の違いは、割合で四分の三になるという意味ではありません。それよりはもう少し小さいわけです。と申しますのは、既往においてすでに組入れた分を含めて四割とするか三割とするかという意味でございますからして、根つこの部分は両方共通でございますから、四分の三よりは割合いが小さくなる。
#162
○菊川孝夫君 これは今も小林君も言つておるのだが、放つておいても五百億くらいであるということだから、これはやかましく論議したけれども、これは修正したら骨抜きだということですね、はつきりいつて……。ここでいろいろ論議して、えらい大事な法律だといつてやかましく言つていたけれども、結局は放つておいても五百億であるということなら……。六百億になるかも知らん、あと百億くらいの問題は……。これはえらい法律を設けてみたけれども、こけおどしに過ぎなかつた、折角努力されたが何にも効果が、何にもといつては語弊があるかも知れない、ないよりはいいかも知れませんが、非常に減殺されたということは、数字の上で、それから予想の上で、今後経済状態はどういうふうに変化するかわかりませんが、あながちその通りではないかむ知れませんが、一応数字の上ではこういうことが言える。こういうわけですね。
#163
○説明員(高橋俊英君) おおむねその通りになると思います。(笑声)
#164
○小林政夫君 これは本論とは違うけれども、今朝大蔵大臣のいつた例の交際費を株主総会にかけさせて公表させるということは、事務的にはどう考えますか。
#165
○説明員(高橋俊英君) これは前にも、何といいますか、そういう意見が新聞の欄に出ていたことがあるのです。交際費の制限の税法ですか、税法の改正が発表になつたときだと思いますが、なかなかいい思い付きであるというふうにちよつと一見思われるのです。ただその交際費の額を明確にすることは私は当然必要だと思いまするが、恐らく狙つているところは、だれだれをどこどこで御馳走したというふうなことを一々書かせるところにあるのじやないかと思うのです。若しも非常に突つ込んだ明細を書かせるということになりますると、これは効果がありましようが、一面において非常に面倒である。非常な手間であると同時に、まあいわゆる総会荒しなんかについては打つてつけの材料を提供することになるのです。そのほどほどを考えませんと、これを餌にして総会でどんどんやられる。これは非常にその点が私としては……。若しそういうことさえ懸念しなくてもいいということであれば、やらせれば効果は非常にあると思うのであります。みつともないような交際費の使い方はできないということになるでしよう。一つの思い付きとして、私どもも、若し余り大きな反対がなければ、そういうことも何といいますか、財務諸表の、私のほうでやつております有価証券報告書に附随して提出させる。或いは株主総会にまではどうでしよう、知りませんが、何らかの方法でそれが見得るようにする。ガテス張りでやるという趣旨は、非常に結構だと思います。
#166
○小林政夫君 それは今度の特別措置法でああいう明細基準をきめたというか、損金算入の限度をきめましたね。そのときに、これはあなたに聞くのではないが、主税当局にお伺いするのですが、今どの程度まで明細を出させるか。先ほどあなたが言つた誰を招待してどう使つたということまで書かせるのか、その辺はどうですか。
#167
○説明員(高橋俊英君) それは従来とも、税法上損金に見る以上は使途不明のものは否認するという建前でやつているそうですから、その点は対税務署との関係においては一々内容が明らかにされている。それからその支出したことに対して受領証なり何なりに明らかになつていなければ損金として認めないことになつております。
#168
○小林政夫君 それは受領証で行くのであつて、誰をどこで招待したまでは要りませんよ。だから支払先がどこだということだけであつて、何の何がしをいつ中川へ招待したなんということは要らないと思う。中川に払つたということだけでよろしい。今度の最低再評価限度額等の更正決定をされた、追加決定だというような場合には、はつきり訂正して、総会に報告し、公示しなければなりませんね。交際費の場合にはより多く否認の事例があろうと思います。一応は発表したけれども、この次には、例えばさつきも大蔵大臣が僕の所へ来て言つていたけれども、例えば建設費等に交際費をぶちこんでカモフラージユしている。そういうことを税務当局で発見して否認という問題が起つた場合に、次の総会に、税務当局に否認されて、これだけふえましたということを報告し、公示せざるを得なくなるので、個々の誰をどこへということまで考えなくても、総額において何ぼだ、それが資本の割合或いは事業量というようなものからいつて、こういうようなものは何ぼでなければならんというようなことからいつて、総額だけでもかなり効果があるんではないか。公表させるとなれば……、私は思い付きではあるが、割合これは取上げて、少くとも暫定立法でもいいんだけれども、取上げる価値はあるんじやないかと思う。
#169
○説明員(高橋俊英君) 今おつしやいました公表させるという意味はどういうことなんでしようか、例えば貸借対照表等の公示義務みたいなことをおつしやるのですか。それとも何か株主に刷物で公表させるとかいうことをおつしやるのですか。
#170
○小林政夫君 私の言うのは、今の経費の中で、例えば営業費とか、製造費とか、まあ製造費の中には交際費はないと思いますが、一般管理費の中に入つていると思いますが、その交際費だけは特別の損益計算書においてはつきりと報告する、損益計算書で一般管理費と分けて交際費勘定を置く。勿論、証券委員会や証券取引法による届出書類等には当然書かなければならん。それはまあ書いているでしよう、今までも……。
#171
○説明員(高橋俊英君) 今おつしやいましたのは、恐らく株主等に対して考課状にその項目を記載させろという御趣旨かと思いますが、今の株主に対する通知の実際の例を見てみますと、損益計算書というものは恐ろしく簡単なものであります。何といいますか、総額なんです。いきなり経費の総額と書いてあるだけで、内訳は何にもない。有価証券報出書には書いてありますけれども、株主は何のことだかわからない。益のほうでも当期売上金というような書き方で恐ろしく簡単なんですから、そこに交際費は幾らであるということを書け、こういう御趣旨だと思いますが、これはちよつとどういうふうな強制の仕方をすべきか……あの交際費等の制限に関する法律、まあ特別措置ですか、あれらのところに附帯事項としてそういうことを書けばいいんですけれども、そのためにはどういう措置をとるか、ちよつとむずかしいのですが……。
#172
○小林政夫君 まあそれは私の考えでは、商法で会社の財務諸表を公表しなければならない、こういうことになつておる。その財務諸表の、これは法律まで入れるかどうか、それは考えものですけれども、財務諸表に挙げるべく、例えば損益計算書については少くともこれこれの勘定科目は科目別の内訳の金額がわかるような報告をしなければならん。その財務諸表の勘定科目の分け方の問題ですが、そういうことでやればやれるんじやないかと思います。
#173
○説明員(高橋俊英君) その点よく研究してみたいと思います。
#174
○委員長(大矢半次郎君) 速記をとめて下さい。
   午後四時三十七分速記中止
   ―――――・―――――
   午後五時七分速記開始
#175
○委員長(大矢半次郎君) 速記をつけて。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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