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1953/12/16 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 建設委員会 第3号
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1953/12/16 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 建設委員会 第3号

#1
第019回国会 建設委員会 第3号
昭和二十八年十二月十六日(水曜日)
   午前十一時一分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     石川 清一君
   理事
           石井  桂君
           石川 榮一君
           三浦 辰雄君
   委員
           小沢久太郎君
           鹿島守之助君
           飯島連次郎君
           江田 三郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       武井  篤君
   常任委員会専門
   員       菊池 璋三君
  説明員
   行政管理庁次長 大野木克彦君
   大蔵省主計局次
   長       原  純夫君
   大蔵省主計局主
   計官      柏木 雄介君
   建設省事務次官 稻浦 鹿蔵君
   建設省建設大臣
   官房長     石破 二朗君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○建設行政に関する調査の件
 (昭和二十九年度建設省関係予算の
 編成方針に関する件)
 (建設省関係の行政機構改革に関す
 る件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(石川清一君) 只今から委員会を開会いたします。
 先般御相談いたしましたように、本日は行政機構の改革と、二十九年度の予算に関して御審議を願うことになりましたが、只今御懇談中に申上げましたように、大蔵省との連絡がまだ十分できておりませんで、まだ関係者がお見えになつておりません。それで先ず行政機構の改革について現在管理庁でお考えになつているうちの、特に建設省関係と申しますか、世間に一応伝わつている国土省なるものの構想並びにこれに対する考え方を先ず承わりたいと存じます。
#3
○説明員(大野木克彦君) このたびの行政機構の改革につきましては、御承知のように八月の末から、政府部内に臨時行政改革本部というものが設けられまして、緒方副総理が本部長となられまして作業を進めて参つたので濱さいます。目下一応本部の案がまとまりまして、実はその案に基きましてそれぞれ各省と折衝をいたしまして、御意見を承わつて、最後的な閣議決定まで持つて行くという予定であつたのでございますが、最近そのやり方がちよつと変りまして、機構につきましては、政府案が決定されます前に、党のほうで各省との調整をされるというような新らしい方式がとられることになりましたので、行政改革本部で一応作りました案に基きまして、先般来ずつと自由党の特別委員会のほうで各省の意見をお聞きになつている状況でございます。従いまして目下ございますこの本部案も、まだ極めて不確定なものでございまして、今後いろいろこれに各省の御意見等も承わつて、それによりまして修正が加えられ、そうして最後に政府案となるものと存じております。
 そういう性格のものでございますので、そういう意味でお聞き取り願いたいと存じますが、ただ建設省につきましては、只今委員長からお話もございましたが、現在のところ行政改革本部としては、まだいわゆる国土省案というものを作成する段階に至つておりませんので、目下のところは現在の建設省をそのまま残すという案で進んでおります。それでその内容といたしましても、建設省につきましては余り簡素化の余地もないという考え方で、内部部局につきましては、この本部案は現状と変りがございません。ただ営繕関係につきまして、できるだけ現在各省に残つております営繕関係をこの建設省の営繕局に統一したい、統合したいという案立てまして、いろいろ各省の御意見を伺つている次第でございますが、併しなかなかこれもいろいろ各省に御事情がありまして、始め考えましたように統合できますかどうか、まあいわば相当難航している状況でございます。
 ただ、なお地方支分部局につきましては、このたびの行政改革の一つの方針といたしまして、出先機関を成るべく簡素化したいということでございまして、地方建設局もできるだけこれを工事実施機関たる性格を、現在もそうでございますけれども、その性格を一層はつきりしたものにしたいという考えを持つております。それから附属機関につきましては変りません。
 なお、首都建設委員会につきましては、これが廃止を考慮したいという考え方もあるのでございますけれども、これもいろいろ計画の御都合もあるようでございますので、今後そういう点はよく考慮させて頂きたいと存じております。
 大体建設省関係につきましての本部案は以上のようでございます。
#4
○委員長(石川清一君) 只今行政機構改革本部の考えている方向が明らかになりました。先に資料を要求をいたしておきましたが、政府案として固まつて提示する段階に至つていない、こういう回答がございまして、又只今の説明もそのようでございます。従つて本日御審議願う行政機構に関する資料はございません。御質疑がございましたら逐次発言を願います。
#5
○石川榮一君 只今御説明を伺いますと、行政簡素化、行政機構の改革、これは大きな現内閣の政治の目標に考えておるのでありますので、私どもも期待しておるわけでありますが、今お伺いしますと、殆んど現状維持ということになつてしまうのじやないかと思うのですが、党でも勿論特別委員会を開いて、臨時行革本部を置いてやつておりますようですが、要は政府が責任を持つて提案すを決心をつけますれば、自由党のほうもこれに協力するという形になると思いますが、与党のほうでもいろいろ議論がありまして、なかなか理想的な案が生れて来ない。そうすると現内閣の大きな政策として、行政機構の簡素化、行政財政の整理ということは一枚看板であります。今までも何回かの計画をしつつ、その最後は余り見るべき成績を見ない、挙げ得ないというようなことに相成つておるのは非常に遺憾でありますが、今回副総理を中心とする臨時行政改革本部というものを堂々と発表せられて、そうしてその本部の中核体として行政管理庁等が原案をお作りなさる建前になつておると思う。今のお話を聞きますと、建設省に関する限りは大体まあ現状維持だろうというように伺うんですが、私どもは建設省自体とは言いませんが、建設省を中心としての行政機構の改革が大きな狙いではないかと思います。他の省にもいろいろありましようけれども、特に伝えられる国土省的な性格のものは殆んど輿論になつているというような状況にあるのですが、行政管理庁みずから研究せられた案があつても、それにはいろいろ党等の喬もあるので、最終的には決定を見ないと言つておりますが、少くもこの行政機構の改革に着手せられて、行政管理庁が第三者的な立場から判断してこういうふうにすべきだというような第一案、いわゆる理想案があるんではないかと思いますが、たとえそれが実現を見なくても、この際できたならばそういう研究をなすつたいわゆる一種の試案ですか、こういうような案があるでありましようが、そういう試案がありましたならばこの際一応お聞きしておきたいと思います。お差支えなければ御発表を願いたいと思います。
#6
○説明員(大野木克彦君) 只今お示しの問題につきましてはいろいろむずかしい問題がございまして、先ほども申上げましたように、まだ本部で審議をするという段階にも至つておりませんのでございます。それで主として首脳部のほうで御方針が大体きまりますれば、それに基いて作業はいたしたいと思つておるところでございます。
 お話の管理庁内部での研究はあるかということでございますが、これにつきましては、実はもうこの問題は前からの問題でございますので、事務的にはいろいろ考えておりますけれども、実はまだ正式な会議にかけたものは一つもございませんし、全く事務当局のいわば私的な研究の段階でございますので、甚だ恐れ入りますが、もう少し時がたちまして、一応の見当がつきましてから申上げたほうが適当じやないかと存ずるのでございます。
#7
○石川榮一君 今のお話からいいますと、更に深く掘り下げてお願いするということは慎しみますが、すでに数ヵ月前でありますか、新聞にも報道せられました、いわゆる国土省案に対するA案、B案というものがその片鱗を各新聞が報道したことがあります。あれも恐らく荒唐無稽のものではなくして、或る程度の根拠があつて発表したものだと思いますが、あのA案、B案というものに対するあれが行政管理庁等で御研究なすつた一つの案であつたかどうか、若しそういう経過があつたとすれば、経過だけでもいいんですが、参考になりますから一つお示しを願いたいと思います。
#8
○説明員(大野木克彦君) 新聞に出ましたのはどういう段階のものが出ましたか、ちよつとはつきり覚えておりませんのでございますが、事務的に研究をいたしたものの幾つかのうちにそういう種類のものもあつたかと思います。例えばこれは全く私的なものでございますけれども、国土省というものにつきまして、例えばこれを国土開発省というふうな考え方でやつてみるか、或いは又治山治水省というようなものでやつてみるかというような研究もいたしました。又更にその後、殊に治山治水の面につきましてそれを少し発展さしたような研究もいたしたことはございます。いずれもまだ私的な研究の段階を出ませんので、新聞等で或いはそういう研究の資料について出されたものがあるかと存じますけれども、大体の状況はそういうことでございます。
#9
○石川榮一君 重ねてお尋ねしますが、野田卯一氏が建設大臣兼行政管理庁長官を兼務されて、当時もこの行政機構の改革の問題に手を染められて、一応国土省的なものを発表せられ、その折衝に入つて、遂に各省の猛反撃を食つてつぶれたということもあるのです。あの構想も決して私どもは悪いとは考えておらない。今のように各省の意見を取りまとめて、そうして行政機構を大きく改革するなんということは、これは殆んど意味がないことであつて、各省は現状維持を主張するのは当り前なんです。これは各官僚の考え方は、勿論自分の省の権限を圧縮、縮小することを非常に恐れるのです。各省に相談かければ各省おのおの現状維持を主張するということに相成つて、結局しまいには出先機関の一部整理ということでお茶を濁すということになり勝ちなんです。そうなんです。そうなれば行政機構の改革なんというものは殆んど不可能に近い。行政管理庁が見たところの現在の省の配分等についてはおのおの研究されたところがあると思う。独自の案を立てて、少くとも行政管理庁がある以上は、行政機構の改革に手を伸ばす以上は、しつかりした案を御研究になつて、他省との折衝に対しては理論を以て闘い得るというしつかりした案を生み出して頂く必要がある。そうしませんと、特に治山治水の災害の多い現在の状況等から考えまして、予算の大部分を、公共事業費の大部分を災害に食われるというような状況から考えれば一日も延ばすことはできない。私どもは建設省を中心とする国土開発省的なものの必要が起つて来ると思う。そういうようなことについて、長官並びに次長等はどういうふうにお考えになつておりますか。まあ各省の意向を取りまとめて行けるのであるか、今聞くとそういうことになつているのですが、もう一歩進んで責任ある官庁としてはこの際こうすべきだという強い線を出して頂きたいのですが、我々も勿論各銘々に意見があるのでありますけれども、要するに行政管理庁それ自体がしつかりした案をとつて以て進んでもらいませんと、なかなか機構改革なんというものは困難だ。長官や次長としていろいろ相談があると思う、行政管理庁自体が案を立てて、そうしてそれを中心として各省に折衝して了解せしめる、或いはあなた方の作つた案が非常にまずいものであれば修正するという基本方針をきめて行くという考え方はお持ちだと思いますが、そういうお考えがありますかどうか伺いたい。
#10
○説明員(大野木克彦君) 現在各省と折衝されております案は臨時行政改革本部の案ということになつておりますが、これにつきましては、原案は、内部事情を申上げますれば、管理庁のほうで作りまして、そうして行政改革本部の案として一応まとまつたわけでございます。それでそれが先ほど申上げましたような各省との折衝は党のほうでおやり下さるということになりましたので、今そういう形で進行いたしておるのでございますが、併し党のほうにおかれましても、この各省に対しては行政簡素化という大きな目的に副うようにということでお話をされておりますので、そしてその場合本部で立てました案を十分御参考下さつておりますので、大体只今お示しのような方向に行つて、いるんじやないかと考えております。
#11
○石井桂君 石川さんの御意見と違うような内容では私はないと思つて申上げたいと思うのですが、その行政機構の改革に対する管理庁の御方針というものを聞きたいのですが、具体的に申上げますと、私は長い間役人をやつて来て、行政機構の改革という声がするたびに悩まされた考の一人なんですが、いつの場合でも実質的には大した成績は挙げてなかつたと思うのです。で、近頃アメリカあたりから帰つて来た人の御研究によりますと、アメリカ等では非常に能率を挙げている機構を見て来ると、そうすると局だの課だのというものは非常にどつさりある。日本は局であれば何百人いなきやならん、課であれば五十人とか六十人いなきやならんということで、形から来て局、課がついているということがある。外国では八人でも十人でも局長はおるし、三人でも五人でも部長はおるというようなことで、それぞれ機構にふさわしいようなポストをこしらえておるのです。そうして能率を挙げておる、こういうことを聞くのです。で、私は行政機構の改革というのは、仕事の能率を先ず挙げるということと、それから無駄な人員がいればこれは減らすということと、それによつて本来の仕事をして行くのが目的でやられるものだと思うのです。
 そこで行政機構の改革をやる場合に、徒らに一つの局を形の上から廃して、一人の局長を首切るとか、或いは部長を廃して部を減らすとか、或いは天引きに一割を減員してしまうということであつては、実際行政機構の改革の目的が達せられないんじやないか。必要な局或いは部であれば、そこの構成の人員如何によらず、私は惜みなく出して、そうして仕事をする意欲を十分何と言いますか、そそるようにして、そうして能率を挙げるのが本来の姿じやないか。又首切るのも実際に必要な人員まで天引一割切るとか二割切るとかというふうなことではなくて、やはり重要なところには必要な人員を与えるということに配置転換等を十分考え、実際に費用が大きくて切らなければならんような場合には、一挙にして切るということは、私は長い間役人をやつての経験ですが、一年で少くとも一割以上の減耗、自然減耗というものはあるわけです。これを不補充方針を厳重にとれば、実際に切るよりはいとやすく節約ができるというのが、私が三十年間役人をやりました経験に基くところなんですが、何か掛声ばかりが大きくて、そうして変えた結果は看板を塗り替えるのですから、表目には非常によろしいのですが、実はなつていないというような今までの行政機構の改革が多いように考えます。
 そこで、私が希望するところは、実際に名を去つて実をとるといつたような、先ほどの必要な局は置いておく、必要な部は置いておく、人数は少くともふさわしいものは設けるというようなことで、逆に能率を挙げるというような行政機構の改革が本然の姿でないかと私は思うのですが、行政管理庁の次長さんとしての大野木さんのお考え、又建設省の次官としてのお考えを承われば大変結構と思います。
#12
○説明員(大野木克彦君) 行政組織の問題でございますが、これは国によつてやはり相当それを構成する人たちの活動の仕方等も違いますので、相当まちまちではないかと存じますが、例えば省なんかにつきましても、御承知のようにイギリスなんかは非常に多いし、アメリカはむしろ少いくらい、最近まあ文部、厚生と合わしたようなものができたというような状況でございます。そういうふうな工合に、日本の従来の行政組織法の考え方から行きますと、やはり段階は少なくし、局の数もできるだけ縮減して行くという方向へ今来ているのではないかと考えております。これは一人の大臣なり或いは又次官なり局長なりの統制の力の限度というような事柄も問題にされると思うのでございますが、従来から組織といたしましては、余り局部が横にもこれが殖えず、縦にも余り段階が多くないほうが、行政のやり方としては簡単であつて、国民に対するサービスの面においても便宜が与えられるのではないかというような考え方で来ております。併し只今お説のように、必ずしも人数とかというような点にばかりはこだわりませんので、人数の少い局などもございます。なおその局の下の課などにつきましては、これは少し職階制等の関係から必要以上に殖えておるというような傾向もないじやないと存じます、現在約手近し訳が各宅にございますが、それらにつきましてはもう少しやはり簡素化していいじやないかというふうに考えております。
 なお人員の点、欠員減ということは誠に御尤もで、いい案で、実はその方法は現在とつてはいるのでございますが、最近の状況は非常に欠員が減りまして、九月の現在で全体で約八千ぐらいだつたと思いますけれども、而もそれは極めて限られた部門にございまして、例えば病院の医師、看護婦であるとか或いは学校の教員であるとかいう固まつたグループだけにありまして、他の一般官庁には今日欠員は極めて少いという状況でございます。行政整理というふうなことが欠員減でできて行けば、誠にスムーズに行くと存ずるのでございますが、現状はこういう状況でございます。
#13
○石井桂君 今のお話で大体わかつたんですが、あれですか、具体的に二つある局を一つにしたほうがいいという、形から言えばいいということなんですが、二人置けばもつと能率が挙がるというような場合でも、これはまあ非常に抽象的ですがね、二人の局長を置けば非常に能率が挙がるというものを、行政機構の改革という金看板の下に一人まあ涙を振つて切るという、その看板のほうをとるか実のほうをとるか、その場合に行政管理庁としてのお考えはどうかということを聞いたわけなんですよ。だからまあ非常に答えるほうもむずかしいのでしようけれどもね、別にそれで私はあなたのお話をあとでそれを利用してどうということはないんですけれどもね。必要なれば速記をとめて頂いてもいいんですが、局長の首一人切つても年に幾らの費用の節約にもならないのです。それよりは実際必要ならばそれは置いて能率を挙げるほうが余計プラスじやないかと思う。そういう場合にも形を整えるために切るんですかと、こういう御質問なんですがね、だから若しお答えにくければ速記をとめてお答え下すつても結構なんですよ。
#14
○説明員(大野木克彦君) 必ずしも無理な統合をしてむしろ能率を下げるというようなことは考えておりませんので、まあこういう点は皆さんの御指示にも待たなければならないと思うのでございますが、ただやはり一局を設ければそれだけに管理部門も殖えますし、何かと余分な経費もかかりますので、事務の性質上統合し得るものならば、又事務量から考えましてそう多くの事務量もないというようものはいろいろな関係で最近拡まつている状況もございますので、まあ現在の国力なり国情なりから考えまして、できるだけこれを圧縮して行きたいという気持で作業をいたしておりますが、ただそのために非常な無理が起るというようなことは勿論避けなければならないと思つております。
#15
○石井桂君 同じことを建設次官に一つ……。
#16
○説明員(稻浦鹿蔵君) 行政機構の改革、殊に建設行政の機構の整備改革というものにつきましては、相当前から問題になつておりまして、我々これに携わつておる者としては責任を持つてやはり検討しなければならないと思つておるわけであります。勿論いろいろ研究してはおりますが、又この建設行政に関心を持たれておる方々もいろいろな案を持つておられますが、私として、建設次官として、この問題を現在問題になつているこのときにいろいろかれこれ申上げるということは、却つていろいろな結果を招くことになりますので、御遠慮申したいと思います。
 ただ政府の方針に従つて十分に協力してやつて行くという覚悟を持つておりますので、その辺で一つ御勘弁を願いたいと思います。
#17
○石井桂君 大変お話がしにくいようでありますから、これ以上お聞きしないのですが、私はなぜその点をしつこく質問したかといいますと、一つの根拠がある。それは二、三年前ですが、東京都庁でも、私がいた役所ですが、あそこの行政機構の話が起つたのです。たしか都の職員は四万人ぐらいおると思いますが、そのときに丁度都知事がアメリカから帰つて来まして、そうして私はどういう態度をとるかと思つて、……これは地方の議会ですかり御参考になるかどうかわかりませんか(その行政機構の改革にとられた態度は、丁度私が言つたように、仕事の能率を挙げるための行政機構の改革なんだということで、逆に部が局に昇格して二つの局ができて能率を挙げた例があるのですよ。そういう例が膝下にあるのに、その行政機構の改革と言えばこれは非常に世間の受けはいいかも知れんけれども、実際にこれを受ける人の身にとると非常に大きな問題なんですから、少しの手違いもないでしようとは思いますけれども、やはり殖やして能率が挙つて、ますくベターなる面もあるのだということを忘れなくやつてもらいたいために私は発言したのでありますから、私の質問はそれで終ります。
#18
○三浦辰雄君 私簡単に大野木次長にお伺いしたいのですが、まあいろいろな案の中に、例の山林関係を国土保全の観点からどつちにか持つて行く案があるのです。これは尤もだと思うのです。そこでただ問題は、まあ土工的な工事的な省の中に入れる場合に、山林の一つの大きな目的である経済面或いは生産面という問題をどうするかという問題もあります。私はそれも必ずしも政府としての心がまえにおいて絶対にどうしろというような問題にもならないとも思うのです。ただここに問題になりますのは、中には農林省で言えば治山事業と言われておる、内務省以来、或いは建設関係では砂防工事と言われておるその部分を持つて行くという問題も過去の歴史においてはあつたのですね。ところが私はそれはいけない、絶対にいけない。丁度今地すべりをしておるとか今禿赭しておる、禿げておるというような所は、つまり八間の皮膚で言えば、皮膚が病的な状況を起しておるのであつて、これをセメントなり石なりといういわゆる土木的な工事で蔽うえば土砂の流出を防ぎ、更には山林のもう一つの目的である優良樹種の育成基盤になるのだというふうに、丁度皮膚で言えばここに吹出物があつたけれども、治つたら又元の農林関係へ行き、新たに吹出物が出たらそれを又省を跨つて行くというふうに、従来数十年と言いましようか、改革のあるたびに問題になつていた。そういつた病的なところだけをあつちへ持つて行きこつちへ持つて行くということだけは絶対にこれは排除しなければ、更に又別なトラブル、もつと大きなトラブルを起すことになると思うのです。この点についてはどうお考えになりますか。
#19
○説明員(大野木克彦君) 実はその林野の問題は、結局国土省の問題と絡みますので、只今のところは林野はそのまま農林省においておくという考え方でおりますので、お示しのような問題は現在は起つていないわけでございますが、ただ現在の案では、むしろ林野行政の部分と営林の部分とを別に考えて、その林政をやるところの附属機関としていわゆる営林のほうをやつてはどうかというふうなことは考えております。
#20
○三浦辰雄君 そうすると、今一応お聞きした以外のことをお答えになつてくれたのですが、山林問題をいろいろな今後の発展において考える場合に、いわゆる病的症状をしている現象の問題だけを取上げるという態度は、私は絶対に戒めたいということから御意見を承わつたのですが、それが一点と、それからさつきの石井委員の能率向上の問題から言つて、まあ部課というものを成るべく少くするという方針については、私は必ずしも賛成をしないが、仮にその方向に行くとすれば、もつと役人の判こを少くして、捺したからには責任を持たせる、こういう意味で、今の人事院の職階制の改正も絡みますけれども、或る仕事についてはそのいわゆる主任が判を捺して、あと課長が捺せばよろしい、一々局長まで上らなくてもいいのだ、こういうふうな判こを少くして、経由点を少くして、責任を持たして能率を挙げるというようなことを勧告する考えがあるかどうか、この点だけ伺いたい。
#21
○説明員(大野木克彦君) 先ほどの山林の病的な部分と申しますか、荒廃地と申しますか、そういうところの問題につきまして、実は私ども素人にはなかなか困難簡題で、いろいろのお説を承わつておるのでございますが、只今のお話はよく記憶いたしまして、将来いろいろ計画を立てますと芝非参考にさせて頂きたいと存じます。
 それから判この数を少くして、要するに責任体制をはつきりするということは是非やつて行きたいと存じております。
#22
○委員長(石川清一君) ちよつと速記をやめて下さい。
   〔速記中止〕
#23
○委員長(石川清一君) 速記をつけて下さい。
 只今御懇談しましたが、二十九年度の予算については本年度の、いわゆる二十八年度の全国的な未曾有の大災害のために特別の補正予算を組まれ、更に三・五・二の比率の当年度残額百五十七億を融資に待たなければならんというような状況で、二十九年度の災害関係その他の予算を組まれるような非常に困難な状況になつておりましたので、特に本委員会では二十九年度予算については慎重を期して参りました。政府も治山治水の協議会を持ちまして、一兆八千億近い一応の線で、財政小委員会で以て最終的な結論を出して二十九年度予算に臨もう、こういうことが過般の緒方副総理の当委員会における説明で明らかになつたのでありますが、これに基いて建設省では三千四百億というふうな予算を一応要求しているようでありますが、一兆以内でとめようとする大蔵大臣の今日までの言明から見ますというと、容易ならんものがあると存じております。当委員会は建設省の出先機関では勿論ありませんが、今日までの災害を見、更に根本的対策を立てるについては慎重審議をしなければならん、こういう建前に立つて、今日査定しつつある大蔵省の公共事業費の現状に対して一つ説明を承わりたいと思います。
#24
○説明員(柏木雄介君) 予算全体の問題につきましては、私申上げる資格ございませんので省略さして頂きますが、とにかく来年度は非常につらい年でございまして、公共事業費等にどれほど計上できるか、まだ結論も出ていない次第でございます。又公共事業費の中でどういうふうに、災害をどうするとか、治山治水その他の経費にどうするかということは、実はまだ局議と申しますか、主計局内の局議も終つていない次第でございまして、今日実は午後からやることになつておりますので、ここで私からあれこれと報告なり申すのはちよつと早いのじやないかと、そういうふうに考えております。今年は補正予算等臨時国会も二回ございまして非常にというか、予算の査定が遅れておりますので、成るべく早く査定を完了したいと思つております。
#25
○委員長(石川清一君) 只今柏木主計官から特に公共事業費に対する現在の状況の説明がありました。御質疑がありましたら……。
#26
○三浦辰雄君 どうも御質疑と言われても、なかなかむずかしいのですけれども、今治山治水協議会で一応まあ事業量一兆八千億に上る仕事を一応適切必要なるものと認め、一方併し財政小委員会でこれをどのくらいにするかということを昨今まだやつているようですが、これは協議会ができたときからすでに、私ども水害委員会でもそうだつたが、今の政府のいわゆるゼスチュアに終るのではないか、そうなつたのでは我々としては全く失望の限りだという話がいち早く出ていた問題ですけれども、これは一体どうされるのですか。あなたは全体のことを言う資格がないと言い、まだ午後の局議で、局議とまでは行かないけれども、打合せをするという程度の段階では、そういうことをお聞きすること自体が無理とは思いますが、一体あの問題を、いわゆるあれの中で取上げている事項でいうと、本年度は四百四、五十億程度でしよう。それを少くともあの一応出ている千三百億程度ほどは行かなくとも、あけすけに言えば、少くとも倍以下であつたのでは全くそういう誇りを免れない。のみならず、とにかく根本問題がいつになつて手が著くかという非常に国民に不安を与え、不満足を与えるということになるので、私どもはそれを心配しているのですが、それについての感想はどうです。もう質問たつてなかなかできないのだから、感想を……。
#27
○説明員(柏木雄介君) 只今委員長から建設省の御要求が三千四百億あるというお話でございましたが、建設省の御要求は大体例の治山治水対策の基本計画ですか、一兆八千億の線に則つた御要求かと存じますが、そういう御要求を一兆億の予算の範囲内に収めるということは非常にもうむずかしいことでございます。治山治水関係の経費がまあ私の記憶だと四百億ちよつと欠けるかと思いますが、それを来年度どうするかということは、実は正直に申しまして非常にむずかしい問題で、ちよつとここでまあ私限りで申上げることはむずかしいのじやないかと、一つ御了承願いたいと思います。
#28
○江田三郎君 一つだけお尋ねしますが、大きなことを聞いたところで答えやせんのだから仕方がない。一番小さい問題をお聞きするのですが、一体大蔵省のあなた方のほうは調査研究費というものをどういう工合に考えておられるかということ。予算を一兆億にとどめればいいとか何とか言う。予算の数字さえ圧縮できればいいということじやないだろうと思うのです。その数字がどうあろうと、その中でそれぞれの一兆億なら一兆億にしても、それが最後の金に至るまで有効適切に使えるということがこれはやはり根本だろうと思う。そういう面から言うと、昨日もこの委員会で調査研究に関係のある民間の人、大学の入或いは官庁の人、そういう人々に集まつてもらつて参考意見を聞かしてもらつたのですが、まあ我々がそこで教えられたことは、ほんの百万か二百万の研究費をもらつたために、そのために公共事業の施行において何千万というような節約をなし得たという例が多々あるということなんです。ところがどうもそういう面について大蔵省というものは非常に認識されているのかおらんのか知らんけれども、少くとも本年度の予算の例から見るというと、調査研究の施設に必要な金を事業費の中から出さしておるとかというような例もあるわけです。かような変則的なことでやつておつたのでは、その場当りのことは何かできるか知れんけれども、少くとも日本の将来の百年の大計という面から考えるというと、これじや全く心細いことになると思うのですが、これはまあ誠に小さい問題だから、一つあなたにお問いするのが手頃だと思うので、(笑声)その点一つどうお考えになりますか。
#29
○説明員(柏木雄介君) 財政がつらいといつて、何でもかんでも抑えるということじやなくて、やはり成るべく重点的に金を活かすように持つて行きたい。調査研究に関する御意見は誠に御尤もだと思います。私のほうとしてもこういうまあいわば小さい金でも成るべく有効に使えるように予算を持つて行きたい、そういうふうに考えております。それから今年の補正予算でも大分、まあ補正予算と申しますか、経費の節約をいたします場合も、研究関係の経費というものは成るべく節約しないように、一般庁費等のほうの節約を大きくしまして、研究関係の経費を成るべく切らないようにという配慮はいたしておりますが、私どもとしても成るべくこういうような金は活かすようにしたい、こう考えております。
#30
○石川榮一君 二十九年度の予算の編成に非常な御苦労をなさることは我々もよくわかるのですが、そうかと言いまして、現在の災害の年次の累増等から考え、将来を考えますというと、治山治水の経費はこの際思い切つて出さなければ、一層予算編成難の様相は三十年も三十一年も続くのではないか。災害のできたものを復旧するのは当然なんで、むしろ政治じやない。凡人といえども災害は必ず復旧する、これは通念です。これ以外に根本的な手を打たなければ、災害は激増するということは何人もわかるのです。そういう観点から治山治水協議会というものを内閣で組織されて方針を決定されたようであります。これが財源がないと言えば止むを得ないのでありますけれども、必ずしも一兆で抑える、一兆二百億で抑えるという機械的な考え方にのみこだわつて大きな国策を取り忘れるようなことがあれば、なお将来悔を残すのじやないか。この点からどうしても、なかつたならば止むを得ませんから、治山治水公債というものを発行されて、そうしてそれは必ず地方等の災害或いは治山治水に関係を持つ土地に、労務賃金として、運搬賃として殆んど撒布されてしまう、それを直ちに又吸い上げて、要するに吸い上げ得ることを考えますれば不可能なことではないと。例えば或る大きな河川の流域、利根川であるとか或いは北上川であるとか信濃川、江戸川であるとか、全国に幾多の河川が荒れております。これらの河川の流域に住む中小企業者或いは農民層というものはもう治山治水を非常に翻呈しておるわけです。年々災害で非常に怯え切つておりますから、あらゆる協力をしようという態勢が整つていると思うのです。そこで各農村方面或いは中小企業方面に余裕の力がある者は、この際治山治水公債というようなものを発行せられて、それでその経費で以て国費と混ぜて治山治水の完璧を期すというような方向に持つて行つたらどうかと思うのですが、ただ公債を発行すればすぐインフレが起るということを頭から言われるようでありますが、私どもは農村に撒布した金は直ちにインフレにならないと思う。なぜかと申しますると、農家は長い間の慣習から殆んどお金というものを浪費するということを考えておりませんし、又浪費する力もなかつた。併しながら戦後相当に潤いのある農村もできておりまするから、例を挙げますれば、一町村の農村協同組合の貯金等も関東地区等ではどの村でも少くとも二千万円、多いのは七、八千万円もあります。その他銀行預金等もありまするから、これらのものを一つ吸収をして、そしてその地域における治山治水、災害復旧費等に充当するということにして、公債発行によつてその金を吸い上げて、そして撒布をしたらば、又それを吸い上げるというような方法にしますれば、私はさまでインフレに影響を持たずして、治山治水については行けるのではないか。現在のなけなしの予算から大きな、厖大な予算を割くということは困難のことは何人もわかるのですが、治山治水のような恒久的なもの、半永久的のものに対しては、現地の人たちが全部負担しなくてもよろしい、二十年、三十年の後代の人がこれを背負つてもいいのであります。ですからそういう観点から考えますれば、私は治山治水公債をこの際思い切つて発行するような計画を立つて頂いて、恒久対策としての治山治水、利水の事業を推進して欲しいと思うのですが、省内においてもいろいろ議論があろうと思いますが、このまま一兆億乃至一兆五百億程度のもので圧縮して、そのしわを公共事業費のみにこれを附加するという形になつておる。
 公共事業費の重点は治山治水を中心とする建設省の主なる事業であります。それと農林省の土地改良事業がありまして、これらのものが私は大切だと思う。それから給与の関係或いは社会保障というものは余裕があつて初めてやるべきであつて、根本的に国土が荒れ果てておるのにもかかわらず、それに手を着けることができないで、その日暮しのいわゆる社会保障にのみ重点を置いて行くというような政治は政治じやないと思う。こういうような考え方もあるのですが、思い切つて治山治水公債のようなものを特に農村を重点として計画をされて、そしてそれを治山治水費或いは災害復旧費に投入するというようなお考えがありますかどうかお伺いしたいと思います。
 もう一つ私は、その狙いは、現在の農村は農地改革によりまして、殆んどコントロールされております。従つて地主という者は殆んど家々たるものであります。その地主も僅かに一町歩以内、七、八反程度しかなく、今までのような地主の立場を持つような土地を持たせ得ないようになつておりまするから、従つて農村が自分の土地によつて自分の労力によつて努力したところのもので、仮に僅かでも貯蓄ができますれば、その貯蓄というものは何に向けるかと申しますると、先ず取りあえず農器具を買う、或いは生活改善に充てるとかいうことに使われるのでありますが、昔は土地を買わんとして貯蓄をしたものですが、今では土地が買えない。そこで今のように農器具或いは生活改善に使うということになつて、その後における貯蓄は結局浪費をするという形になつて行くと思うのであります。ですからそういう観点からも、農村の人たちが貯蓄をしたものを治山治水事業のような公債に充てて、公債をたくさん持たせることが国家のためになることであり、又自分の生活の安定の基礎にもなる、貯蓄増強にも非常に意義があることになると思うのでして、こういう観点からも私は現在の農民層の状況から考えまして、治山治水公債というものを発行することが農民の貯蓄心を振起するゆえんでもあり農民を救うところの、災害を防除する大河川、中小河川というものの改修費ともなり、再生産の根本をなすものに投資をするということになるのでありまして、非常に意義が深いと思います。こういう観点から治山治水公債等をこの際発行して、そしてなけなしの予算から割いたものをプラスしまして、その治山治水公債の原資によつて全国の治山治水、利水の建設事業を進めるという考え方をとつて頂きたいと思いますが、公共事業そのほかを担当しております柏木さんの御意見を伺いたい。
#31
○説明員(柏木雄介君) 治山治水のために公債を出してはどうかという御議論は確かに一つの議論と考えます。十分研究しなければならない問題だと思いますが、何分私から公債を出すことがいいかどうか申上げるのはちよつと私の資格からいつて如何かと存じますので、まあ私の聞いております範囲では、公債は出さないのだというふうに聞いておりますが、私から公債問題あれこれを申上げるのは如何かと思います。一つ御了承願いたいと思います。
#32
○石川榮一君 勿論柏木さんが台所を背負つておるわけじやないからでしようが、併しあなた方のように将来有為のいわゆる官僚ですね。将来相当に期待し得る官僚の諸君は、思い切つてこういう際に財政計画を立て直して行くという決心を持つて案を立てられ、そうして上司に立ち向うということが必要じやないかと思うのです。ただ上司の鼻息ばかり窺つているのならこれは止むを得ません。将来ある者は思い切つたことを研究して見て、いいと思つたことはどしどし進言をし、一つ実現をするというように私はやつてもらいたいと思います。殊に公共事業を担当しているあなたとしては、少くとも公共事業に対しては相当の関心を持つておられると思う。ほかの主計官とは違いまして、あなたは相当の関心を持つておられると思う。こういう観点に立つて、ただ上司のほうで予算を圧縮する或いは公債を発行しないことになつておるからいたし方ないんだと言えばこれは仕方がありませんけれども、あなた方青年官僚としてお考えになつておることがあろうと思う。そういう点を遠慮なしに、若しも何なら速記をとめてもいい、恐らくこういうふうな大きな問題において、二十九年度予算をどうしたらいいか、国のあらゆる状態をお考えなすつて、自分みずから大蔵大臣になつたときにどうするかというお考えがあろうと思う。さもなければあなた方も進歩しないと思う。そういう観点から一つ伺いたい。お困りならいいですが、お差支えなかつたら速記をとめてでもいいですから、あなた方のような有為の諸君が大勢いるんだから、日本の国を救うことを研究されておると思う。ただ月給もらつておるだけが能じやないと思う。もう一つ所懐を伺わしてもらいたい、青年官僚としての所懐を一つ……。
#33
○説明員(柏木雄介君) やはり私としてもいろいろ個人的には意見がございますが、こういう公式の席で議論するということは不適当じやないかと思います。公債を出すとか、こういうような大きい問題につきましては、やはり大臣なり次官、局長、政府委員がお答えするのが至当じやないかと考えます。
#34
○鹿島守之助君 来年度の公共事業費を査定し或いは予算を組む場合に、査定される場合に、労賃ということは非常に大きな要素であることは申すまでもないことと思いますが、前の国会での予算委員会で小笠原大蔵大臣から、今九州では人夫賃が千円だ、それから東北地方ではその村のために土木工事をなしたところが、とても労賃が高いので遠くから労力を入れなければならんような事態を生じたと、地方民は災害があつたとき、最初は協力してくれるものだけれども、しまいになるとなかなか慾が出て、困つた事態が起きると、それで災害復旧法というような一つの法律を作つて、地元の人にも協力さしたいと考えておると、こういうことを大蔵大臣が予算委員会で話されましたが、これは大変結構なことで、又これが予算の、公共事業の査定にも、将来の労銀がどうなるか、どういうところで抑えるかということによつてこれはきまる根本的な問題だと思うのですが、この点について柏木さんの意見並びに建設事務次官の御意見を伺いたいと思います。
#35
○委員長(石川清一君) 私もついでに併せて同じ問題を尋ねておきますが、この住宅金融公庫の申込がありながら住宅が建築されないというのは、地価並びに建築材料費が非常に上つていると、こういうようなことが明らかになつていますが、二十九年度の事務的な査定の中でそういうことは考えているのか、いわゆる建築単価を相当引上げているのかどうか、それも併せてお答え願いたい。
#36
○説明員(柏木雄介君) 災害復旧について何か特別の法律を研究しているかという御趣旨のことかと存じますが、これにつきましては、私のほうでは近年の災害の状況に鑑みまして、現在の法律等において何か改善、改良すべき点はないかということを研究いたしておりますが、まだ成案を得るところまで至つておりません。
 それから労賃が、まあ大臣が九州では千円とか、東北では非常に高くて仕事ができないということを言われまして、私のほうで目下調査中でございますが、部分的には或いはそういうことがあつたかと思いますが、一般にはそれほどに上つてないだろうと考えております。
 それから住宅公庫の単価等は是正しているかということでございますが、毎年予算を編成する際には物価の状況等を見て、単価のうち是正すべきものは是正しております。住宅公庫の予算の単価はどうか、私は公庫の予算そのものをやつておりませんからはつきり覚えておりませんが、官庁のほうの建物につきましては一部是正しております。
#37
○説明員(稻浦鹿蔵君) 労銀の問題でございますが、これは大体労働省で標準賃金をきめておりまして、物価にスライドして上げております。最近も或る程度改正しておりますが、仕事が災害復旧のようにたくさんこうまとまつて来ると、どうしても地元で労銀が上りがちなので、これはやはりそれを担当している者の、一つの手腕だろうと、うまく使つて行くかどうかが。と同時に又地元が自分の郷土を復旧するんだという郷土愛の考えから、やはり或る程度協力的な気分でやつてもらわなければならんというので、我々事に触れてそうした指導宣伝をやつておりますので、まあ先ほど申しましたように、局部的なそういう事例がありまするが、大体そうどこもかもそうむちやくちやに上つているということではありませんので、そういうことがあれば私ども是正しなくちやならんと、かように思つております。
#38
○鹿島守之助君 関連して。災害復旧法は考慮中でございましようか、政府において……。
#39
○説明員(稻浦鹿蔵君) それも考えておりますが、まだ具体的に案ができておりません。
#40
○鹿島守之助君 やるならばできるだけ早くそういうものを作つて頂きたい。
#41
○小沢久太郎君 ちよつと柏木主計官に事務的にお伺いしたいのですが、今の災害の予備費がありましたが、ああいうものは今どういつたようなことになつていますか、ちよつと伺いたい。
#42
○説明員(柏木雄介君) 災害対策予備費が本予算で百億ございましたが、たしかそのうち八十四億は支出済みでございまして、十六億残つております。それから第一次補正予算で十五億更に追加いたしまして、それと合せますと三十一億が現在残つている、そういうふうに考えております。
#43
○小沢久太郎君 それでどうせ今度は補正予算を作るときに、災害復旧費が少いのですが、その予備費を成るべく早く出すようにすべきだと思うのですが、それはどうせ十二月までですから、災害もありはせんし、成るべく早く金を出して地方にやりませんと、地方で仕事ができないので、いつ頃までに出せる見込か、一つ伺いたいと思うのですがね。
#44
○説明員(柏木雄介君) 国の予算は大体四半期ごとにやつておりますので、第四四半期に入りますと、そのときの災害の復旧状況等を勘案して、それからその三十一億をどう使うか研究したいと思つております。
#45
○小沢久太郎君 第四四半期に入らないでぼつぼつ今のうちから研究されて……。第四四半期に入つて考究してでは、金出すのがいつになるのか……。或いはもう来年でしようからね。今年だけのあれでやるんだろうから、今年はもう災害はありはせんし、今のうち研究してどんどんやつてもらわんと片方金のほうは、災害復旧費は、予備費は余つてしまう。そういうことがないように早くやつてもらいたい、そう思うのですが、これは御意見どうですか。
#46
○説明員(柏木雄介君) 三十一億の予備費は最後まで留保して、不用に立てるというつもりじやございません。これはやはり本年度の災害のために使う予定でございますが、成るべく有効に使うように考えたいと思います。
#47
○小沢久太郎君 併し有効に使うというけれども、これまでの災害が起きているんだし、今後の災害の見通しと言つたつて、十二月三十一日まであることはあるんだけれども、早くやつてもらわんと、府県のほうだつて金が来たからといつてすぐ使えるんじやないんだし、あなたのほうも有効に使うと言つておるんだから、早くやつて頂きたい。
 それから建設省ですがね、例の災害の各府県の配賦ですね、あれはどうなつておりますか、ちよつと一つ……。
#48
○説明員(石破二朗君) 第一次補正予算に成立しました建設省予算の配賦状況の大要を申上げますが、公共土木施設の災害復旧費として百二十四億予算に計上されたわけでございます。そのうちの百十億だけはすでに補助指令もし、負担行為契約額も十二月に入つてからでございましたけれども終りました。それから配賦の関係がございますが、これは予算に八億しか計上してありませんので、すでにこれではどうしても足らんという状況でございますけれども、これを配分額を決定して近く配賦する予定になつております。これにつきましては年内にでも予備費を出して頂くように交渉中でございます。
 それから砂防についても各府県の割当をもう終りまして、内定通知は出しております。それから都市災害についても内定通知をすでに出しております。それから住宅についても内定通知を出しております。それから冷害対策につきましても、十億のうち八億だけは各府県の割当を終りまして通知を出しております。地方の声を聞きますと、なかなか国の金が来ないというので、非常に不便を感ぜられる向きが多いのでございますので、余り自慢できるほどの馬力はかけておりませんけれども、できるだけやつております。現に公共事業費のごときは査定はまだ終りませんけれども、大体の被害報告額などから考えて一応終つたような状況でございます。
 予備費のお話が先ほどありましたが、実は予備費を要求するまでの段階に建設省はまだなつておりません。大局的な見地から言えば、もう大災害があつたんですから、三十億や何かの災害費は出してもらつているんですけれども、やはり時間的にはもう少し固めて行かなければいけない、先ず成立予算を配つて、それで足らんところを予備費を出す、これも一月早々には出して、折角金はもらつたが事業は繰越したということが起らんようにいたしたいと思います。
#49
○委員長(石川清一君) 速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#50
○委員長(石川清一君) 速記をつけて下さい。大野木次長に対する質疑が残つておりますので、それを終らして昼食にいたしたいと思います。
#51
○江田三郎君 僕は専ら研究調査のことばかり言つておるのですが、さつきもちよつと大蔵省の人に聞いておるのですが、今度の機構改革についてそういう点をどういうふうに考えるか、この前のときにはやはり最初の、これはあなたがやられたのではない、ほかの人がやられた最初の案で行くと、同じように定員を減らすというようなことがあつて、この調査研究機関については特に考慮しなければならんということで若干修正があつた。一体あなたのほうの根本的な心がまえとして、調査研究機関というようなものを、仮にこの人員を七万とか何とか減らすようになると、こういうものを減らして行つても然るべしと、こういうようにお考えになつておるのか。調査研究機関というのは日本の現状は非常に遅れておる。遅れておるがために国費の有効適切なる使用もできていない。或いはやつたところでつまらない工事をやつて、すぐぶつこわれるような工事しかやらん、こういうようなことを十分お考えになつてやつておられるのか、そのお心がまえだけを伺つておきたい。
#52
○説明員(大野木克彦君) 調査研究機関につきましては、全くお話の通りでございまして、実は人員整理の点はまだ検討中でございますけれども、私どもといたしましても、できるだけ調査研究機関につきましては他の一般官庁とは違つた扱いをして行きたいと存じて今まで作業を進めている次第でございます。ただ全体の関係もございまするので、それがどの程度実現し得るか、今のところまだ申上げかねますけれども、気持としては、できるだけ尊重して行きたいという気持でやつております。
#53
○江田三郎君 これはただ人間が殖えるとか減るとかいうだけではなしに、やはりその何人でやるにしても、それぞれの者が本当の一つの有機的な体系に組立てられんと何もならん。非常に無駄があるわけです。そういう面から言うと、昨日もこの委員会で問題になりましたが、例えば河口の港を作る場合に、これを運輸省のほうの研究所のほうで研究調査をする、併しながらそれは川をどうするかということになつて来ると建設省ということになつて来る、そこにそれらが二つあるがために、分れておるがために、却つて能率的な調査研究ができていないというような面もある。こういう話がありましたが、さような意味から、既存の調査研究機関の整理調整というようなことについてはどういうふうにお考えになつておるか。
#54
○説明員(大野木克彦君) そういう面につきましても、できるだけ重複を省くと共に、能率的にやれるようにということを考えております。ただ現在各省に属しております研究機関を統合するということは、現在の段階では相当困難が予想せられますので、各省に亘る部分の研究機関を統合するということは、今のところまだ出ていないのではないかと存じます。
#55
○江田三郎君 大体先ほど来のあなたのお答えを聞いているというと、結局何かやろうと思うけれども、官庁のセクショナリズムに大いに影響されて、だんだん尻つぼみになるような気配が濃厚だ。そういう心がまえだろうと思います。大体今までやつたのがいつもそうであつて、初め大きなことを言つておつて、何かわけのわからんことをして、ただ末端の諸君を困らせるようなことばかりして、無理な首切りだけをするということになつて、肝心な機構の能率的な整理ということについては一向に実を結ばんというのが例で、今回も御多聞に漏れずそうなると思うので、本気でこちらも考えていないのです。一応お問い質しをするのですが、更にもう一つ、国費の有効適切な利用、或いは災害の防止というような面から考えて、自然状況が変つて来る、例えば具体的に言うと、三重県の海岸の浸蝕が激しくなつている。然るにかかわらず堤防というのは百年前なら百年前の堤防でおる。併しこれは浸蝕が激しくなれば堤防というものはもつと補強しなければならんということになる。そういうことについては建設省あたりは迂闊に言うとおれのほうへ予算の尻を持つて来るというのでいじめられるから、なかなかよう言わない。或いはやつた工事についてもそういうような面がたくさんあるが、そういう国土保全という大局から見て、さようなことに対し一々警告を発し、注意を発して行く、そういう機構というものを必要とお考えになつておられるかどうか。若しそういうものが必要であるとすれば、どういう機構でどういうものをやつたらいいか、若し既存のものでやられるとしたらどういう機関にやらせたらいいか、そういう点についてどうお考えになるか。
#56
○説明員(大野木克彦君) これは非常に技術的な問題につきましてはやはり建設省等でお考えになるべきじやないかと存じますが、なお一般的な国費の効率的な使用という面につきましては、実は行政管理庁にあります監察部で各地方局を持つておりまして、見ておりますので、そういう問題がありますれば調査をいたしまして勧告をするという段階になつております。
#57
○江田三郎君 いろいろお尋ねしたいことがありますけれども、問題点だけ出しておきます。どうせほかのことは大してできやしませんから……。ついでですから、私やはり次官に聞きたいのは、やはり調査研究機関のことなんです。これについては先だつて大臣もこの点については十分考えると言つた、そうしてそのときに私が要求しておるのは、この次の機会までに建設省としてどういう考えなのか、その具体案を出してもらいたいということを言つておるわけです。恐らくそれはできておると思う。それを午後おいでになるなら用意して……。
 今予算の話を聞いても、今日何か理財局とか何やら局とか、局議できまるとか何とかという段階で、そんな予算がきまつてしまつてから又やつたつて一年間何もならん。当然そういうことについては早く用意ができなければならん。
#58
○説明員(稻浦鹿蔵君) 私のほうの仕事は、御承知の通り自然を相手にして全部仕事をしておるものですから、調査ということは、これは非常に慎重に重要視しなければならん。それで試験所を持つておるのですが、これが何といいましても、アメリカあたりに比べて非常に貧弱でありますので、二、三年前から相当これを拡充することに努力をしておりまして、年々或る程度の費用は増してもらつておりまして、どうにも行かんやつは先ほどもお話のあつたように、ちよつと変則ですが、事業費を充当して試験所を作るというようなことをやつて、一応水利試験所というようなものを完成したのです。そうしてその試験の結果を見て実際に移して行くということに十分注意をしておりますが、何と申しましても、結局経費の問題になつて来まして、まだやりたいことが一ぱいあります。例えばダムのスピルウエイというようなことをアメリカあたりは相当やつておりますが、これもなかなか大きな設備ができないために十分な結果が得られない。江田先生の言われることは非常に我々としてもかねぐ考えておるのですが、結局は予算に押されておる。十分努力してやつておるつもりでございます。大臣はどう言われたか、私はおりませんので、聞いておりませんが、これは一つ昼から聞いて来ましてお答えします。
#59
○江田三郎君 もう一つだけ。大臣は調査研究が大事だということは常々考えておるということを言つたわけですが、どうもあの大臣というのは、率直に言うと、あれは本当に馬鹿なのか利口なのか、(笑声)よくわからないので、本気でそういうことを言つておるのか、何かとぼけておるのかよくわからない。本当にいい人かも知れないが、僕らはよくわからない。併し次官のほうは本当に技術者で、日本の建設の技術者のホープとして次官の職に就いておられる。だからこういう仕事こそあなたが体をはつてもけりをつけられなければならんと思います。だから午後おいでになるなら突込んで聞きますから、十分用意して頂きたいと思います。
#60
○委員長(石川清一君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#61
○委員長(石川清一君) 速記を始めて下さい。
#62
○説明員(石破二朗君) 大蔵省の査定中であるのに、この前注文した調査研究の強化についての方策がまだきまつていないのは甚だけしからんというお叱りを先ほど頂きましたが、実は御承知の通り予算要求の経費の中には、我々といたしましては必要と思われます予算の要求をしたのでございまして、すでに一応の説明が終つております。従いまして大蔵省は目下公共事業費なりその他の調査費等も目下査定中でございますが、御承知の通り一方的にきまる問題ではありませんので、今後先生の御意見もあり、建設省としても検討いたしておりますから、それには間に合うように結論を出しまして、御要望に副うように措置いたしたいと思つております。
 なおこの結論を出すにつきましては、そう簡単に結論が出るものでございますならばもうすでにやつておるのでありますが、次官もやつておりますし、私としても考えを持つておりますが、皆集つて結論を出すに至つておりませんので御了解を頂きたいと思います。
#63
○委員長(石川清一君) お諮りを申上げますが、昨日の委員会に各官庁並びに民間の研究所の権威者の御参集を願いまして、日本の建設行政に対する技術的な面における現状の成果並びに将来への見通し、又将来に対する意見等を伺いまして、それらの諸点並びに今日まで御審議願いました日本の建設技術の根幹である科学的研究の立遅れをどうするかという点につきまして、政府関係機関に申入れをいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#64
○委員長(石川清一君) それでは原案を朗読いたします。
#65
○専門員(武井篤君) 申入書を朗読いたします。
   申入書
  建設技術の根幹たる科学的研究及調査の我国における現状は、欧米に比して少くとも十年の立遅れをしているといわれる。
  これを克服するためには、一定のプログラムの下に、大学官庁民間各研究所の脈絡につけ且この研究調査の成果が直ちに現場に反映する如く、能率的な機構と充分なる予算措置をなすべきである。このことは大局において事業費の有効適切なる行使となり節減を可能ならしめるものである。
  更に現状においては科学技術者の待遇に当を失し、その力量の発揮を妨げていることに留意し、速かにこれが適正なる是正をはかるべきである。
#66
○委員長(石川清一君) 只今武井専門員が朗読しました申入れの原案についてお諮りをいたします。原案に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#67
○委員長(石川清一君) それでは異議ないと決定いたしました。
 それでは副総理並びに建設大臣、大蔵大臣、行政管理庁長官に申入れることにいたします。
 午後二時に再開いたしたいと存じます。
   午後零時三十九分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時五十五分開会
#68
○委員長(石川清一君) 午前に引続いて開会いたします。
 大蔵省のほうの連絡が本朝来十分につきませんで、愛知政務次官風邪のために出席目下できません。代理者を交渉いたしております。稲浦次官が見えておりますので、御質疑のあるかたは御質問を願います。
#69
○江田三郎君 午前中の委員会でちよつと言いましたように、調査研究の機構、同時にその予算、こういうようなものについて昨日の各参考人からもいろいろ意見が出て、我々も非常に教えられたのですが、問題の所在とか何とかいうことは、これはほかの人なら昨日勉強したことを又自分の意見のような顔をして言つてもいいんですが、まあ次官にはそんなこと言わなくてもよく御承知と思う。あなたのほうで今考えておられるところの構想を聞かして頂きたい。ただまあ率直に申してこれはなかなかそう簡単な問題ではないと思うのでが、併し若し本当にやるとすれば、次官が技術者出身でもあるし、本当に肚をきめてやられなければならん立場だと思います。これは一つお座なりのことじやなしに身の入つている御説明を願いたい。
#70
○説明員(稻浦鹿蔵君) 午前中に申上げましたように、建設省の仕事は自然のいろいろな現象を相手に取つ組んで行かなければならんものですから、相当科学的な基礎の上に立つて仕事をして行くことは当然なことであります。従つて現在土木試験所、建築研究所というものを持つておりますが、土木試験所はこれは内務省時代から非常に古い歴史を持つておりまして、相当有意義に研究を進めて来たのですが、過去におきましては非常に何と言いますか、抽象的な一つの現地との繋がりが余りなくして、学問の研究というような形でずつと参つて、研究報告など相当毎月一回ぐらい、もう数十回発行しておりますが、これもまあ日本の建設技術を発展さす上において必要ではありますけれども、建設省としましては、河川とか道路、現地との繋がりが最も必要だと思いまして、私次官に就任いたしまして、その翌年二十五年でしたか、アメリカヘやつて頂いて、アメリカの工兵隊の研究所であるジャクソン、それからビつクスバーグですか、それから、あれはデンバーの、これは日本で言えば内務省でしようが、デンバーの研究所など実際に見まして、いろいろそこで調査して参つたのですが、まあ勿論アメリカのほうは財力もありますから非常に大規模な研究をしておりますが、全部やはり現地と密接な連絡をとつた研究をやつておる。例えばミシシつピイ河のごときはミシシつピイ河全体の模型を作つて、あれは二千分の一でしたが、長さは約一キロ近い大きな模型を作つて、そこでいろいろな現象を研究してやつております。それから水制一本出すにしたところが、それの実験の結果設計に移しておる。又ダムの形とか或いは余水吐きの形のごときは実際のものと研究と連絡してやつております。非常に金はかけてやつておりますから、そのときに非常に試験研究に金をかけておるのは羨やましいが、日本から見ればかけ過ぎているように見えるがと質問をしたところが、それはここでできるだけ費用を使つて最も経済的な、最も技術的、効果的な基礎を作つて設計すると、現地において莫大な費用の節約になるのだ、そうしてそれの理論的な基礎の上に立つて設計するのだからいろいろなものが安心できるものができるというようなことを頻りに言つておる。これは勿論当然のことでありますが、日本としても是非そういうことをしなければならんというので帰りまして、試験所を見直しましたが、試験所は先ほど申しましたように非常に古い間から相当な学者がおりましてこれを築いて来たのですから、日本としては相当立派な試験所を持つております。併し規模が小さいし、又設備も不十分でありましたので、逐次予算も要求をやりまして、今では大体八千万円か、午前ちよつと申上げましたように事業費から持つて行きまして、約一億くらいの一年間の研究費を使つております。そうして現地と直結して仕事をしておる。例えば江戸川の問題のごときも、やはり模型を作つて江戸川の実際の問題と対照してやつておる。そういうことをやつていますが、これでは物足りませんので、結局もつと施設を拡充して行くということと、それからそれに従つて予算の拡大を図つて行くということ、煎じ詰めればそれに帰するのだと思います。それからもう一つは現地で実験をやつております。例えば利根川の下流の銚子の河口のごときは、非常に漂砂のために河口が埋りまして、船が入らんというのでいろいろ検討した結果、導流堤を出したのでありますが、導流堤もその形とか方向、或いはその位置とか長さによつていろいろ現われて来る結果が違いますので、試験所が利根川の下流の実物を対象としてそこで作りまして、そして現在それによつて成功いたしまして、大体船が出入りのできるようになりました。それから小さい例は鳥取県に由良川というのがあります。これも漂砂のために入口が埋つてしまつて、そうして上流のほうの相当広範囲の耕地が非常に浸水して困つておつたのですが、これも試験所のこれの関係の係官が参つていろいろ検討して、試験的に仮設備をやりました結果、相当効果がありまして、上流部の湛水がここ二年ばかりなくなりまして、現地が非常に喜んでくれておりますので、これを更にもう少し突込んで今度は実際の永久施設をやりたい。そうするためにはやはり旅費とか、その場所における研究費が相当かかりますので、そういうものを要求しておりますが、大蔵省あたりもこれに対しては認めてくれまして、或る程度予算をつけてくれますが、まだなかなかアメリカあたりに比べてはとても問題にならない。あの程度まで持つて行くことは日本の国力として到底むずかしいのですが、その目標に向つて進んで行きたい。そして毎年の予算要求にはそうした気分でやつておりますが、どうしても枠だけでできないという場合は、これは余り好ましい方法ではないのですが、公共事業費から或る程度これに注ぎ込むことを大蔵省に承認してもらつてやつておるというふうな状態でありますので、これは非常に効果のあつて当然しなければならない、又すれば相当経済的に工事が節約できるというこ ともよくわかつておるのですが、いま一歩、いま一息というところでまだ満足な結果になつておりません。今年もそうした気分で試験所のほうでいろいろ計画を作りまして、現地と必要に応じて連絡をとつて行く、そうした意欲でやつて行こうとかように考えております。勿論年度初めに各地方建設局とそれから試験所といろいろそういう問題を打合せ合つて、この問題を一つやろう、来年度はこのところまで進んでおるのだからこの研究を一つ未解決だから解決してもらいたいというような連絡をとつて最近はやつておりますので、要は設備の完備をもう少しやらなければならん、そして経費の拡充をやつて行くという二点に尽きておると思います。いろいろお気付きの点を御注意願つて、日本の土木試験所としては相当古い由緒のあるものでございますので、これを有効に利用して行きたいとかように思つております。大臣も恐らく十分にその研究の必要なことはよくおわかりになつておるのですが、私連絡ができなかつたものですから、まだ御意思は聞いていないのです。その間まだ出張しておりまして、昨日帰つて来たものですから、一応又これからよく確かめてみますから、足りない点はあとでお答えいたしたいと思います。
                  
 
#71
○江田三郎君 これはあなたに申上げると釈迦に説法というようなことになつて、そんなことは明らかだ、わかつておるということになるわけなんですが、昨日いろいろな参考人の言われたところの問題点、勿論施設の拡充等の予算の問題、或いはスタつフの充実という問題もあるわけなんですが、同時に特に安芸さんなんかの言われる一定の。プログラムを以て大学の研究室なり、民間の研究室なり、或いは運輸省その他のほかの研究所との連絡調整がうまく行つて、効率的に研究なり調査ができるようにという一つの問題があるのです。それからそういうことになると、その中心に土木研究所がなる場合、その人間の頭数だけでなしにもつと人間を質的にもいろいろ考えて行かなければなりません。特に安芸さんあたりの言われる一つのプログラムを以て調査研究すると同時に、その立場から実際の仕事を更に監査して行くということが必要だという点は成るほど聞かされてみるとそうだという感じがするわけですが、私はそういう監査の仕事、監査というか監察というか、そういうような仕事はどこがやつたらいいのか、まあよく言われる技術者は気が楽だ、壊れたら災害だということですまし得るんだと、そういうようなことがいやしくもその技術者以外から口にされるようなことではこれは困つたことなんです。そういうことのないように一つの大きな方針から現実の仕事を監察し監査して行く、或いは警告を発して行く、そういうような機構についてはどういうように考えておられるかということですね。更にこの現場と研究所の直結できるようにするために、そこに或いは人事の交流というようなことも必要なんじやなかろうか、その他貴重な意見がいろいろ出て非常に教えられたのですが、一つただ施設を拡充するというようなことだけでなしに、この際抜本的に調査研究機関というものを考えて頂きたい。我々勿論素人で問題の本当の所在点、これをどうするかということを解答を出せということは我々にはわからないが、あなたならちやんと長年のことでわかつておるわけです。もう少しそういう点について腹を据えてやつて頂きたいという立場から、どういうお考えを持つておられるかという点を一つ……。
#72
○説明員(稻浦鹿蔵君) 現地のつまり仕事に対する技術的な監察をどうするかという問題ですが、これは建設省に技監がおりまして、私も前にやつておつたのですが、技監がそうした立場に立つてやるのが技監の一つの職務だと思つて、私はそういうようなつもりで現地をよく見て来て、技術的に不備な点は注意したり、或いは設計変更をするというようなことをしておりましたが、これも現在の技監というものは一人相撲でございまして、手足がないものだから本当に満足な実績を挙げ得られない。今の菊地技監になつてから少しばかり手を加えてそうした技術的な検討はやつてもらつております。現在のところはその程度で、私の当時のときに、ルース台風のときに徳島の海岸が非常にやられて、それの災害復旧の問題等があつたのですが、その結論と言いますか、査定がきまつて査定設計というものができて、工費を見てみますと、非常に工費が嵩まつて来るので、前の中田技監とどうも余り取り過ぎるじやないか、で技監が一遍行つて見て来てくれ、勿論私も行くつもりでおつたのですが、そういうことで行つたのですが、成るほどやつぱり非常に何と言いますか、無理な決定をしておる。堤防の前に防砂堤と申しますか、それの間隔が非常に細かくやつた、それがために問を二本くらい抜くと技術的に丁度いい間隔になる。それから長さの点においても或る程度長さが長過ぎるというようなことで、そういうところを少し訂正しまして、約七、八千万円からの予算節約ができたというような一例がありますが一技監が一体そういう大きな問題に対する勧告或いは技術的な監察に当るということにして、建設省としては進んでおります。
 それから建設省の研究所の研究連絡でありますが、これは建設省内部の仕事につきましては先ほど申上げましたように、年度初めにつまり堤防問題については研究所と河川局が立会つていろいろ検討しまして、今年度はこれとこれとの問題を研究して片付ける、解決しようということにしてやつておりますが、特に府県の問題がありまして、府県でまあ河川が多いのですが、河川の分流なんというような問題で、どうも分流の方向とか、或いは背割堤なんかの設計が非常にむずかしいものだから、水を二つに分けるときはなかなか計算通り行かない、結局模型実験なんかで検討することが必要なんで、そういうことは府県から依頼を受けてやつておりますが、これも大抵費用は或る程度向うで持つてもらうのですが、相当成果を過去において上げております。
 まあそういうことをして、連絡も或る程度微々たる、そう画期的なものはまだできておりませんが、大体現地との連絡をとつてやつておりますが、安芸君はあれは非常に学者でございまして、前に試験所の所長をしておりますので、非常にそれに精通しておりますので、先生の意見なんか相当やはり貴重な意見として聞くべきものがあるだろう。今お話になつた点なども余りはつきりとはしませんが、大体そういう考えで進んでおるのですが、これも技監にもう少し……審議室というものがありますが、そこに手足をつけてやつてそうしてそれに積極的にやらすということも一つの方法だろうと思いますが“どうもやはり適任者というものがなかなかないもので、そこに入つ良いのがおるとすぐにどこかに換らして現地に持つて行くということになるので、今欠員になつておる、一人だけおりますが、欠員になつておる。いずれそういうのは補充してやつて行きたいと、かように思つております。大体そう満足な結果はないのですが、現在としてはそんな形で大体のことをやつておるのであります。
#73
○江田三郎君 今のお答えは現状がこうなつておるという説明であつて、私がお聞きしておるのは、そこから更に抜本的な考え方で進むべきじやないか、次へ移るべきじやないか、特に今年からこの二、三年は現在受けている災害の跡始末だけでも莫大な国費というものが投入されるし、更に治山治水の例の十カ年計画というようなものが出て来ると、これはどこまで政府のほうで予算を見るかということは別問題にして、ともかくも今までにない大きな経費が使われる条件が出て来ておるわけなんです。それだけにこの貧しい財政からそういう金を使うのには本当に最後の一円まで十分に効率を発揮するような使い方でなければならん。それには現状がこうなつておるという説明はわかりますけれども、その現状では駄目だということを同時に、次官もアメリカを御覧になつたりその他を御覧になつておるし、知つておられる。我々以上にこの問題の所在点をよく知つておられるわけなんで、私は特にこの事務次官、事務屋の次官でなしに、技術者としてあなたのような次官がおられて、先ず何よりも解決すべき点は私はこういう点じやないかと思う。もう少し先へ発展してもらいたい。
#74
○説明員(稻浦鹿蔵君) それは先ほどちよつと申上げましたように、私が建設省の技監になつてから試験所の方針というものを変えまして、そうして本当の学問技術の研究から或る程度、或る程度というより相当ですね、相当抜け出して現地と連絡をとつて仕事を研究すべきものだろうということに一歩踏み出しておることは、これは申上げてもいいと思いますが、その踏み出し方が極めて遅々としておるので誠に目に立たないというようなことですが、進歩した方向に向つてやつておることは事実で、ここに申上げてもいいだろうと思います。
 それから総合研究所というような問題も起つておりますが、私はこの問題についてはこれはセクシヨナリズムではありませんが、建設省としてはやはり建設省自体に試験所を持つて、そうして実際自分がやつておる仕事と試験所とが直結してやるのには、やはり自分の仕事場へ自分が行つて、そうして研究して利用するということが大事であつて、別の官庁があつて、それがこつちに出て来るということになると、そこに或る程度他人行儀の形が出て来るのじやないかという感じがしますので、この現在の試験所を拡充して、そうして現実に即応してやつて行くというのが一番いいのじやないか、かように私は思つております。だからつまりこれを思い切つて拡張するということができるのじやないか。それにはやはり大蔵省あたりに相当協力して頂いて、現在の施設を更に拡張して行く、アメリカのようなああいう大々的なことは国力の差がありますからできませんけれども、できるだけその方向に向つてどんどん進んで行きたい、かように思つておる。一、二年は大体一億近くの研究費の増額をして来ましたから、これを更に拡充して行くという考えで進んでおります。何か皆さんに具体的なお考えがありましたら、御注意も願つたら一つ研究して見まするし、もう一つは一遍研究所を御視察願つたらどうか、かように思いますが、本部は本郷にありますが、赤羽に持つておりますのと、江戸川に昨年から今年にかけて河川の水利実験所を造りました。一つ御覧願つて、そうしてそれに対する御意見を承われれば一番はつきりするだろうと思います。それを一つお願いしたいと思います。
#75
○江田三郎君 私ばかり言つてもいけませんから、どうせほかの委員のかたがたの御意見があると思いますから申しませんが、たださつきこういう申入書を決定したわけです。前から建設大臣のほうも先だつての委員会で、建設省としての具体案を適当な機会に、適当な機会とは言わなかつたけれども、成るべく早く出すということになつているので、昨日の参考人の意見、これはあなたのほうからお見えになつていなかつたようですけれども、速記録もあることですから、そういうことなり……、まあそういうことを言わんでも、もう実際は問題の所在点はよく知つておられるのだから、一つ成るべく早くそういう具体的なお答えを頂きたいと思います。
#76
○説明員(稻浦鹿蔵君) わかりました。
#77
○三浦辰雄君 私この間塚田大臣が見えて、昭和二十九年度の予算の組み方といいますか、大きな考え方を聞いたときにお尋ねしたのですけれども、それによつてわかつたことなんですが、例の河川法を何と言いますか、改正して行く、その際に例のよく言われている同じような仕事を両方の省がやつているじやないかと言われた例の砂防の問題ですが、この問題についてはああいうふうに治山治水協議会では五万分の一の上に各施工個所を出して、そうしていろいろ審査した結果重複してない、両方の省が十分連絡してやつているということにはなつて、一応委員としては認めたことではありますけれども、だんだんと防災ダムというような考え方から行けば、上流まで川を遡つて行く。そういうふうになると、どうしてもあの砂防問題はいわゆる山と川とすつきり分けて行くという段階にそろそろ入つて来たのじやないか、端的な話ですが……。私は建設大臣がお見えのと謹はたまたま例の赤木委員もおられたから、これは私はいい機会だつたので発言したのですが、そういう意味のことを伝えた。で、砂防事業というものが非常に大切であるということは、これはわかるのです。これを否定するものじや決してない。ただ山と川とを考えて行くと、従来から言うと、砂防というのが特に持つている地域、空間というものがあるやに錯覚をとかく起し勝ちであつた。私は稲浦さんよく御存じと思いますが、傾斜地の土砂をとめて行く問題、これは植生を以てとめて行くか、或いは土工的な一つの手法をとり入れるか、いずれにしてもそれは方便であつて、方式なんです。大きな意味から言えば川と川の部分に分けてこれを責任を明らかにして、いわゆる政府としては明らかな形においてやらせるというほうがいいのだというふうに思うのです。これについては差障りもあるかも知れませんが、私はそんなことを言うている時代じやそろくないのじやないかというような気がする、この点どういうふうに思いますか。
#78
○説明員(稻浦鹿蔵君) お説の通りなんです。それでこの前私はここに出席してなかつたのですが、大臣が答弁されて、それについては赤木先生もまあ満足しておられたということで、結局山と川に分けて、そうしてその川のいわゆる中に渓流砂防があるのだというような考えで進むべきものじやないかということを大臣が言われたということを聞いたのですが、我々としても大体そうした考えを以て、できるなら河川法もそういうふうな方向に持つて行きたい。そうして今検討中でございまして、山と川とはつきりするということは、それはお説の通りだと思うのでございます。河川法の改正についてはいろいろ検討しおりますが、これはそう簡単にできるものじやないのですけれども、そういう末端のはつきりした点は、これはもう実行すべきものではないか、かように思つて、赤木先生もその説には賛成しておられたということをあとで聞きました。一応念を押してみよう、かように思つているのですが。
#79
○三浦辰雄君 そこでもう一つ、河川法の問題をやつて行く場合に二つの問題が勿論あるわけです。一つはいわゆる農業から見た利水の問題、一つはいわゆる電源開発という立場から見た今日では通産関係のほうの問題ですね、これについてはうちの部会等においてもいろいろ議論され、そうして通産のご乏きは河川法の改正に対して一つの意見が新聞に出た。出したのか出たのか、この辺はわかりませんが、けれども出たというような事情で、私はこの問題をやつぱりこういつた災害の根本的な対策、そうして利水の基礎を併せ確立しなければならん今日、どうしても早く取上げて、そうしてそういうものをきれいにすると同時に、今言つた根本の治山治水の予算というものも疑いもなく効果的に使える、こういう形に持つて行つてもらいたい、こういうふうに私は念願しているのです。これについてどういうふうにお考えになりますか。
#80
○説明員(稻浦鹿蔵君) 河川法の問題ですが、これはまあ大分前から検討しまして、各省でもいろいろ研究しておりますが、現在の河川法は大体六十年余りこれを余り大した改正もせずにやつて来たのでありまして、まあ余り思い切つた、これを全部根底から考え方を変えてしまうということは、これはどうかと私は思うのです。現在の河川法を根幹として、そうして不備な点を補つてやつて行くというような改正で行けるんじやないか。何といつても御意見の通り川というものは災害の防止、治水というものが、これはもう根本でございまして、治水を根幹として、そして利水を考える、かような観念から河川法を眺めて行きたい。それには今まで利水の点が余りはつきりしておりませんので、もう少しこれは一般によくわかりやすいように利水のほうを行なつて行つたらいいのじやないかというようなことで考えておるのです。話がまだまとまりませんで、各省にいろいろな意見がありますので、ここでこういたしたいということはちよつと申しかねますが、根本方針としては何といつてもやはり治水を根本として考える結果、川の上流から下流に至るまで一貫して、つまり河川管理の一元化ということを基として、そして利用、開発をやつて行く。この精神には恐らくどなたも賛成して頂けるだろう、かように思つております。ただその利水を余り多く取上げると、その点がはつきりしない点が出て来て、いろいろな問題が起つて来るようなことになりますので、この点を今検討している最中でございまして、できるならこの次の国会あたりにでも一遍お目にかけたいというようなことで進んでおります。前からの懸案問題でなかなかまとまりませんので、私ども恐縮しておるのです。さような考えで、先ほどから上流部の砂防と河川の問題は赤木先生も賛成しておられたし、恐らく農林省も賛成して下さると思つております。そうしてはつきりしたふうにしたいと思います。
#81
○三浦辰雄君 恐らく賛成すべき筋合だと思うのですが、問題は川というものはどこから川か、こういう問題も必然出て来ると思うのです。従来の慣用語で言えば沢とか、またとかというような言葉で現わしている所からしまいに今度は川ということになるのだけれども、どこで切るか、私はとにかく或る所で切つて両方ではつきり責任を持つた形にして行くということをこの機会にどうも実現しないと、それは成るほど経費が少いから重複している所は現在ないのですが、世間の言うほどではないのですが、ないのですけれども、或いは或る意味においてはそこのところがやはりエアポケつト的に忘れられておるといいますか、両方で手を付けない、だんだんと基本的なあの対策によつて経費が持たれるようになるとすれば、当然ああいつた砂防の仕事という問題も大きくダムと共に延びて来るわけだから、この際されいにしたらいいと私はこういうふうに思うのです。
#82
○委員長(石川清一君) それでは私ちよつとお尋ねしますが、この間、荒川の下流から上流まで調査しました。あの中で横堤を見ましたが、あれが洪水調節に対し非常に大きな役割を果している。耕地その他について、水没する耕地その他については或る程度の問題点を今も持つているけれども、その調節に尽しておる役割というものは相当大きい。今度の二十九年度の予算の中でこの治水関係で洪水調節ダムを相当大きく取上げるか、又大きく取上げるために広汎な調査を行うか、この点がまあ今までの治水に対して大きな革命になつて来るのじやないかと思いますが、次官にこの点お伺いします。
#83
○説明員(稻浦鹿蔵君) 横堤の問題は、これは恐らく今だつたらああいう仕事は殆んどできないと思います。まああの当時よくも思い切つた仕事ができたものだと思います。現在考えるとよくも思い切つてやつたというような感じがします。それから洪水調節のダムという問題は下流が相当開けて参りまして、河川の改修を更に補修をやる、修補を考えるということになりますと、堤防のほうの蒿上げとか、或いは事によれば堤防の曳堤をやつて耕地をつぶすという不経済なことをやらなければなりませんので、できるなら上流の影響の少い所へ洪水調節ダムを作つて、そうして調節をやつて下のほうにかかつて来るウエイトを小さくしたい、かような考えで進んでおりますが、ダムを作るにはやはり相当調査研究して、地質を初め或いはその個所、洪水量というようなものを相当深く研究した結果やらないと、一ヵ所にまとまつた経費を使うのですから、そう粗末にできませんので、先ず相当調査研究して、確信を持つてその設計をしなければならないということは当然なことでございまして、建設省としましてもさような方針で進んで行きたい。過去におきましては、余り予算獲得をするのに遅れてしまつて、慌てまして、或る程度の調査をやつたぐらいで何したので、あとになつてからどうも誠に申訳ないような、或る程度の修正をしなければならないようなことがありましたが、今後は慎重に一つ調査研究して、自信のある設計をやつて行きたい、かように思つて洪水調節ダムに相当力を注いでやつて行きたい。ところが或る程度の計画といいますか、スケジュールといいますか、構想と申しまか、それを発表しますと、先ず水没地域の反対が起りまして、これの説明にまあ相当骨が折れる、例えば利根川のごときも下流で一万立方メートル、上流のほうで一万四千、洪水が一万四千の計画になつておりますが、ずつと下流になると五千くらいになつてしまう、どうしても沼田あたりに相当思い切つたダムを作つて、そうして三千くらいの調節をやらなければ下のほうがもたないというようなことですが、このダムは相当やはり水没地もありますし、耕地もありますので、なかなかそう簡単にはできない。勿論利水のほうを考えないで洪水調節専門のダムを作りますと、水を湛えないで、いざとなつたときに水をそこで調節をやつて、そうしてふだんは空にして置く、そうしてそのときに相当思い切つた損害に対する補償をやつて行くというような方式をとるのがいいと思いますが、それにしても家は高い所に上げることになり、相当反対がある、私はいつかこの委員会で少し口を辷らしたら盛んに反対が起つておりますが、それから筑後川のごときも五千立方メートルでやつておりますが、現在九千ぐらい出ておる。而も現在いわゆる筑後川の状態としてはあの川幅を拡げるということは殆んど不可能で、美田を、耕地をつぶしてしまうということは、これは国家的にも不経済ですから、まあ上流のほうヘダムを作つて調節するのが一番経済的ではないか。それには、あれは久世畑と申しましたか、あそこに一ヵ所適地があると思います。それの調査をやつと村長さんの了解でできましたが、これ以上はいかんと、それに代るべき第二、第三のダムの研究をしておるというようなことで以て、先ず或る程度反対ということでありますが、勿論押切つてはできませんから、それに代るべきいろいろな研究はやつおりますけれども、相当このダムを作るには将来補償の問題に骨が折れるのではないかと思つておりますが、これは併し骨は折つても我々の責任としてどうしても実行しなければならないと、かように思つております。
#84
○江田三郎君 ちよつと今のに関連して……、そういう補償の問題が一つあるのですが、同時に治水ダムの場合の経費のアロケーションの問題ですね。それについて根本方針としては、原則としてはどういう原則を以て行くのか。この間ちよつと聞きましたら、あそこの秩父のダムあたりは堤防の延長という一つの条件、それから経済効果というのですか、何かそういうような堤防の延長にプラス・アルフアーを付けるのだというようなことを聞きましたが、補償の問題でも要するに究局は額の問題だと思うのですが、そうなると、建設費を高くかけさえすればこれはやつて行けるということで、ただその際にそういう建設費を実際的にどう絞り出すかということなんで、それには一番問題になるのは経費のアロケーションであると思うのですが、そういう点は原則としてはどういう考え方をしておられるのですか。
#85
○説明員(稻浦鹿蔵君) 洪水調節プロパーのダムならば、これは多目的ダムでないのですから、経費は全部洪水調節で持つことになつております。併しそのダムに要する費用と下流における経済効果とも比較をしてみなければならんので、べら棒に金をかけて下流の効果が少なければ、これはもう価値がないものだと、只今申上げましたように、筑後川の現在の川幅を仮に倍にした場合に、五千で今設計しておりますが、これを一万とすれば、相当川幅も拡げなければならない。耕地をつぶしてしまう。それに対する今までの収益とそのダムの経費とを比較してみまして、当然ここヘダムを作つたほうが利益であるという勘定が出て来れば、ダムを作らなければならない。それからもう一つは、洪水を起した場合の被害というものを考えて、当然これはやはり上流でダムを作つて調節したほうが利益であるというような比較をやつて行くわけですが、事によつたら下流を遊水池にして、そうして破壊的な洪水に対して、一時下流で遊水池を作つてやつて行くというような方法もありますから、あながちダムを作つて洪水を軽減するという方法ばかりでなく、遊水の方法をとつて、現在としては、新らしく遊水池を作るということになれば、ダムと同じように、遊水した土地に対しては、或る程度、やはり三日なり五日なり遊水しておれば、それだけの損害がありますから、これは恐らく損害をみてやらなければならん。だから、どつちにしても民間に与えた損害というものをみなければならんのですから、それを比較検討して、そこで有利なほうをとつて行くべきであると思いますが、恐らく遊水池のいい場所があればいいですが、なければ結局ダムを作るということに持つて行かざるを得ない。勿論人命というものは、これは金で評価できませんから、人命救助の方法としてダムを作つたほうがいいということになると思います。多目的ダムになりますと……。
#86
○江田三郎君 今のそういう治水ダムの場合に、具体的に言えば秩父の例ですね。あの秩父の荒川ダムの建設費が幾らになつておるか知りませんけれども、これは国費の分と地方負担の分とありますが、その地方の負担分についてのアロケーションが、堤防の延長ということが中心になつて、これに経済効果というものを加えて行く、プラスして行くのだという考え方が、私は逆じやないかという気がしたのですがね。むしろ埼玉県のあの堤防は長いけれども、併しあの間に一体どこに埼玉としてどれだけの危険があるのか。むしろ危険は東京都にあるのじやないか。若し堤防の延長ということが先ず第一条件になり、それにプラス経済的効果ということになると、埼玉のほうの負担が必要以上に重くなりはしないか。もつとそういうような点は、下流の経済力の豊かな、一旦洪水の被害を受けると想像もできないような大きな被害を受ける、そういう所の負担分のほうが重くなるべきじやないかという感じがするのですがね。
#87
○説明員(稻浦鹿蔵君) そのアロケーションの問題は、これはお説の通り、経済価値を入れると下流と上流と逆に変りますし、これは建設省として一つの標準といいますか、比較というようなものを作ることに今検討しておるので、一応現地で誰か説明したかと思いますが、まだそこのところははつきりきめておりません。その点はやはり経済価値も十分に考えてやるべきものだと思つて、まあできるだけ近いうちにその標準をきめたいと、かように思つております。
#88
○飯島連次郎君 今のアロケーションの問題について、私も江田委員の指摘されたことについて同感です。これは例えば一例を挙げれば、藤原ダムにしても同様ですが、直接ダム建設地の補償の問題とも関連して、このことによる一番大きな受益者、今の荒川ダムの問題にすれば、私はやはり誰が考えても最大の受益者というものは東京都だと思います。ですから、こういう問題は各地のダムに共通して来る問題であるだけに、これはやはり建設省としては、この際はつきりした基準を設定して、そうして各地に起つておるダム建設に伴う反対なり、或いは補償に関連するいろいろなややこしい問題がこのことによつてもよほど軽減されるということが考えられるので、これは一つ十分検討を加えて、それぞれの立場で納得のできるような案を早く作つて欲しいと思います。
#89
○説明員(稻浦鹿蔵君) 承知しました。
#90
○飯島連次郎君 それからもう一つ、今の次官のお話の中に、沼田ダムのお話が出ました。私はこの問題については、特に群馬の関係者であるだけに、非常にこれは遺憾だと思う。事実沼田ダムに関しては、建設省の責任の立場では具体的な調査でも完了して、沼田ダムをあそこへ作るということがすでに内定しておるのですか。
#91
○説明員(稻浦鹿蔵君) 内定はしておりません。それはいつか忘れましたが、建設委員会で御質問に対して、利根川の治水をどうするかというような御質問がありましたので、計画洪水量からいろいろ御説明申上げて、上流でダムを作つて、三千立方メートルをここでカつトするのだ、できれば三千というよりもむしろ全洪水を入れるくらいの大きなダムを作りたい、そうして普段は空にしておいて、いわゆる洪水調節専門のダムを作れば、下流に対して最も効果的であろう。それには沼田あたりは非常に適地であつて、これは調査、研究してみたい、こう申上げたら、早速新聞に、沼田にダムを作つてあそこを水没するのだということが出ましたので、私ども非常に弱りましたが、これは決定しておりません。これは昭和二十四年の河川の再検討の場合にすでにそういう一つの構想がありまして、そうしてとにかく上流でカつトしなければ下流が経営できないと思うので、沼田のダムの一つの構想を持つておりますが、これは本当に技術的な調査もする、そして確かにここは適地であるということはやつておりませんので、一応あの当時地質の簡単な調査をしておりまして、或いは断層のあるようなことも聞いております。そう簡単にはちよつときめるわけには行かない。併し利根川としては何らかの一つの手を打たなければ、現在の状態では非常に危険でございますし、上流でたくさんの支流にダムを作つて、そうしてそれで洪水調節をやるという一つの方法がありますが、これは多目的ダムで今藤原をやつておりますが、あの上流で小さいものを数多く作るということは、洪水には或る程度効果が少い。むしろ大きなところで一ヵ所どんとやつたほうが効果的だという説もありますし、研究しておりまして、これは決定したものではありませんから、ときぞれ反対陳情が来まして、私ども往生しているのですが、そういうわけですから、一つその点御了承願いたいと思います。
#92
○飯島連次郎君 決定してないということで、私もそういうふうに承知をしておつたのですが、とにかく次官のように責任のある立場の入が、仮に委員会においてそういう発言をされたということが、如何にその関係者というか、地元に大きな反響を起すかということはよくおわかりになるだろうと思う。従つて利根川水系の治水の問題を論及する場合に、私は沼田のダムというのは曾つての構想にあつたということも聞いておる。それは地元でもそういうことを承知をしております。それだけに又あの小さな藤原ダム一つの問題ですら、着手しようとすればあれだけ大きな地元の反対或いは反響を巻き起す。更にこれから中流の問題では川辺利島の曳堤の問題、これも利根の治水にとつては中流部の一つのかなり大きな仕事が控えておるわけですから、これらの問題についても、先ず手を着けたところから固めて、そうして而も地元のさつき残つておる補償の問題なりアロケーションの問題等についてもまだかなりいろいろな複雑な問題が内在しておるのを、更に一方、五年か十年か或いは二十年先のことを今すぐにでもやるかのごとき印象を与えるということは、私は極めてこれはまずいと思うのです。利根川治水全体に対して、却つて時を得てやれば可能であつたかも知れないことを、今にしてそういう適当ならざる時期にそういう発言をしたことによつて、恐らく永久にあそこヘダムを作るということが不可能になつてしまうのじやないかということが実は私は憂慮されるわけです。これはひとり沼田のダムには限らないと思いますけれども、若しそういうふうな構想でもある場合には、私は建設省の当局の方々としては十分な調査を遂げられて、そうして而も仮にあそこがどう考えても利根の本流の最適地であるというふうな技術的な判断ができたと仮定をしても、恐らくそのことに要する経費なり或いは時間なりというものは、我々素人が判断してもとても三年や五年ででき上る仕事ではないと思うし、今の日本の建設関係の経費から考えても、そう簡単に私はあそこらはダムを作るなんということは言い切れる地点ではないと思うのです。ですからそういう問題については、私は他にもこういうふうな問題があるのじやないかと思いますが、やはりダムを建設するという問題については、まだ調査なり準備なりについて相当慎重を要する問題がかなり未解決のまま残されておる現在は非常に慎重にやつて頂くことを私は希望いたします、
#93
○三浦辰雄君 これは次官に御意見を承わりたいのですが、さつき審議をした問題が根本なんです。これは事業量で十ヵ年に一兆八千億、二十九年だけでも一千四百億、こういう問題と取組まなければならない、が財政はなかなかということで、当面の担当の係官ではあるけれども困つているということ、恐らく政府も非常に困つておることは事実です。そこで何か財源を国民的ないわゆる協力を以て或る程度確保する、そういうことで前回は石川榮一委員さんから特別会計問題も出たのは御承知の通りですが、もう一つの考え方というのは、いわゆる継続事業にして、その財源を、例えば一級、特級といつたような上級の酒とか、ウイスキーにしても或る価格以上の上級のもの、例えばたばこ、たばこも全部でなくても或いはいいかも知れない、いわゆる大衆たばこといわれるものは除くにしても、こういうもの、或いはその他贅沢品等に求めて、特別に日本の治山治水の根本的建直しだという意味で協力を求めるというようなことも考えられると思うのです。でお聞きしたいのは、財源の問題はともかくですが、継続費、継続事業、この行き方は、新財政法ではなかなか具体的にどこどこのダム、どこどこの堤防、こういうふうにきまつてしまつて、事業によつてのあれは、総括的な事業計画に基いて行く継続というものはいろいろ事情があつてなかなか今日では通りにくい、政府自身が組みにくい、或いは又国会においても、その党のためにするところのいわゆる体裁のいい、その場逃れの、これもやつたといつたような感覚がその中にあるのじやないかといつたような議論もある。で私の聞きたいのは、継続事業といつたものにやはり持つて行けたら持つて行つたほうがいいというようにお考えになるかどうか。
#94
○説明員(稻浦鹿蔵君) その点、治山治水のあれに対しては継続費で行きたいということは、あの説明のときにも申上げておりまして、我々としては継続費を設定してもらいたい、かような希望を持つておりますが、これはやはり同意して頂くには相当骨が折れると思います。現在でも継続費でやつておるのは少しばかりありますが、これは極めてはつきりしたものでないと同意を得ないのです。その点相当はつきりした根拠を持たなければいかんと思いますが、できれば継続費としてやつて行きたいと思いますが、施行する上に非常に便利でありますから、昔は相当継続費として設定してやつていたのですが、新らしくなつてから変つてしまつて非常に不便になつて参りましたので、そういうことにして行きたいと思います。
 それからたばごとか酒の値上げの問題ですが、これは私財政のことはわかりませんので、こうしたもので継続して財源をあずければ非常に結構だと思いますがれこれについてはどうも私としても意見がちよつと吐けません。財政当局から一つ……。
#95
○三浦辰雄君 大蔵省が見えましたが、恐らく今困つているうちの一つに、治山治水のいわゆる治山治水協議会が答申を曾つてもし、今日なお財政小委員会で御研究の基本的な治山治水対策の予算の問題が非常に頭痛の一つだと思われる。災害についての五割という問題も勿論ありましようが、基本的な問題も、折角ああやつて現内閣の総理がみずから声を掛けられてああいうふうな協議会を持つたからには、そうしてそれから答申が出たからには、私はあの案だと、財政小委員会はどう答えるかわからんが、少くとも従来のあの協議会が取上げておる項目についてはおよそ大まかな話ですが、倍程度、例えば昨年は四戸六十億だとすれば千四百億に近い、一応二十九年度要望だけれども、そこまで行かなくても、昨年の倍のまあ八、九百億どうしても出さないと、ほれ見ろ、やはり政府はあの当時ゼスチュアとしてやつただけじやないかという非難が非常に集まる。そこで私は今もあなたが来られるまでいろいろと話をしていたのですが、この際これだけ高まつておる国民の関心事であり熱望なんだから、たばこにしても或る特定のものを除いて全部のもの、酒にしても二級酒といつたようなものを除いた一級、特級といつたようなものに、何かそういつた種類の嗜好品、大衆的でない嗜好品、大衆的なもでも、現在の最下級のものを除いて或る程度の治山治水の根本対策に充てるだけの財源をここ当分の間取る、協力してもらう、何かこんなことも考えられる問題だと思うのですが、この点についてはどうお考えですか。
#96
○説明員(原純夫君) 実は今日もお呼び頂きましたのを大変怠つて申訳ないのですが、連日おつしやいますような諸点につきまして盛んに相談をいたし、研究をいたしておるわけであります。そう申しますのは、今の税を取つて治山治水をやるという点を研究しておるというのではなくて、予算全部が、申訳ございませんが、二十九年度の予算は従来のようなやり方ではいけない、相当緊縮をしてやるようにというふうに、これは政府部内におきましても上からそう言われておりますし、一般の方々、国会方面もそういう御要望でございますし、そうしますと非常に予算を組みにくいというので、率直に申してまだ大きな点がきまらないのでございます。大体明日閣僚懇談会をおやりになつて、問題の論点に対して議論を戦わして頂く、そしてかなり大きな前提的な問題がございます。地方制度の問題だとか地方税制の問題とか、或いは行政機構の問題、これらの中には、簡単にきめますと申しましても非常に大きな問題も入つておりますので、地方制度の中にも警察制度等の問題も入つておりますし、まだ予算の骨格をきめるべき諸元がほぼ未定のままだというのが率直なところで、我々も実は事務をいたします者として非常に焦つでおる。従いまして今の段階では治山治水はもとより、他の重要事項につきましても何とも目途がつかないという段階で、只今おつしやいました点あたりも、この審議会が作られましての話の経過の中で、熱心な御要望としてそういうのが出ておるということは承知いたしておりますけれども、まだそれを具体的に結論をつけるというところまで参つておりません。
#97
○石川榮一君 午前中柏木主計官がおいでになつているく伺つたのですが、柏木さんからは我々の期待するような答弁は殆んど得られなかつた。そこで更にあなたにおいで願つたわけなんです。非常に御多忙なところで気の毒だと思いますが、建設行政の面から現在主計局が考えて査定しつつある状況と照し合せまして、二、三根本の方針に触れた問題を一つお伺いしたいと思います。
 それはもう言い尽されておりますことですが、例の治山治水協議会というものができまして、それが治山治水対策要綱というものを決定してこれを公表しておるのであります。その要綱を見ますと、かなり広汎に亘つた治山治水対策が織り込まれておりまして、これが実施に移されますれば、私どもも非常に国土保全のため、治山治水のために結構なことだと思うので、是非これを実現したいと思うのであります。併し現在限られた予算であり、二十九年度予算の組み方については非常に労苦が多い、何人がその衝に当りましても、現在の段階では各方面に満足を与えるような予算が組めないのはよくわかりますが、そうかといいまして治山治水のようなものを戦後八年にもなりますにもかかわらず、微小な経費を計上しておるために、災害は年々累増して参りまして、遂に今年度の大災害を生んだわけであります。これは本年度だけでありませんで、明年も明後年も続くでありましよう。でありますので、どうしても災害復旧も勿論でありますが、根本的な治山治水対策というものができたならば、これを強力に推し進めなければならない。そこで今までの例を見ますると、政府の発表を見ましても、二十八年度の予算を見ましても、直轄河川の工事費は約二千八百億円程度あるわけであります。それに対して僅かに百五億しか盛つてない、そうなりますと少くともこれから三十年かかる、現在の計画そのものをやるのに三十年かかる、更にまだたくさんの手を若けなくちやならん河川がありますから、それらを加えますと五十年もかかるのじやないかと思う。その間における災害は非常に激化をして参りますから、今にして大災害を契機として非常な決意を以て治山治水と取組んでもらわなくちやならんのです。
 そこで財源の面になりますと全く枯渇しておりまして、我々もよく了承できるのですが、ただ現在の税収を基本としてこれを按配するということでは、到底これは何人もできないと思います。そこで私は午前中もお願いしたのですが、治山治水公債のようなものをこの際思い切つて発行してもらう、そうして国費と治山治水公債費によつて特別会計のようなものを設置しまして、そうして治山治水事業というものを継続年次によつて十年乃至十五年に完成するという方針をとつてもらう必要があるのじやないかと思うのです。これには、公債は発行しない、公債発行はインフレが起るというような説をなしているようです。或いはそうかもわかりません。併しそうかと言つてこのままにしておいて日本の国の経済自立ができるかと申しますれば、恐らく毎年の災害のみに追われて、結局災害復旧もできない。又救うことのできないように国土が荒廃してしまうのじやないかと思うのです。そういう観点から、この際思い切つて財源措置を税収入のみに求めないで、将来の国民に負担させればいいわけですから、長期公債の形をとつて頂いて、治山治水公債というものを各流域の人々から協力を求めて、その費用を結集しまして、そうして計画的な治山治水事業ができますようになすつて頂きたいと、こう思うのです。
 これは関東附近の農村状況等も我々は調べて見ますると、どの農村でも信用農業協同組合の信用部等に集つている金は大体三千万乃至四千万、多いのは五千万、一億とある。これらのものは殆んど再生産に使われておらない。これを農業協同組合中央会に結集してどこかに投資しているようでありますが、治山治水を放置して、荒れ放題にして、そこに投資する金がちつとも廻つて来ないということになりますが、これらに着目して頂きまして、そして仮に若しやる場合に、技術的の問題になりましようが、利根川流域のような大きなところで非常に災害をこうむつており、沿岸民は戦々兢々として恐れをなしているところに若し工事を施工するならば、我々はできる限り公債に応募しようというような空気も相当ある、これは各地にあると思うのです。そういうものを取上げて、その流域から集つたものをその流域に投入する。要するに地元の協力が強いところは早急にできるというふうに一つ指導して頂いて、今逢着している財政計画を見直して頂くことはできないだろうか。そうもしなければ到底治山治水協議会の決定した要綱は本当に机上のプランに過ぎなくなる。又明年の災害、明後年の災害ということになつてしまうのじやないか。こういう観点について大蔵省ではどういうふうにお考えになつていらつしやるのでしようか。一応御研究でもなすつていらつしやるならばその面も伺いたいのですが、ただ現在の税収だけを中心にして予算を組むのか、或いは今私が述べた協力態勢をとれば、治山治水事業その他の公共事業等の問題も解決することができるのではなかろうかと思うのですが、これらの点を率直に御意見を伺いたいと思います。
#98
○説明員(原純夫君) 非常に大きい問題でございますので、私でお答えできることとしては限りがございますが、できる限りのお答えをいたしたいと思います。
 先ず公債発行の問題でございますが、御承知の通り、先ほど申上げましたような雰囲気でもありますし、二十九年度予算の編成に当つては公債発行はしないという建前で仕事を進めているわけでございます。そういうようなわけで、差当つてそれはちよつと二十九年度には問題にならないのではないかというふうに考えております。
 それからこういうような中央で、地方の地元資金を自発的に募つて力を添えるものに対して国も力を余計添えるようにというお話でございますが、そういうようなことが起つて参りまするならば、これは私非常に結構だと思います。率直に申しまして、財政の非常に困難な中で公共事業費、災害復旧費のウエートは、只今、戦後非常に落ちたというふうにお叱りを受けましたけれども、戦後の混乱した数年間は通貨価値もめちやくちやな時代でございますので、お見逃し頂くとすれば、その財政における比率は戦前に比べて遥かに大きなものになつて来ております。そしてまあ率直に申しますれば、その大きくなりました上に更に補助率を上げてほしいという式な御要求が多くて、やはり今おつしやつたような地方的な盛り上りによる資金の供出と言いますか、そういうようなものか自発的にできますならば非常に結構なことではないか。それができますならば、恐らくそういうところは、これはまあ建設省のほうの問題であると思いますが、いろんな工事につきまして国家資金を引く力においても自然強くなるのじやないかというふうに考えます。大体そんな感じです。
#99
○石川榮一君 只今公債は発行しないという建前をとつているということを伺いましたが、それは新聞を見ましてもそうなのですが、公債を発行しないというのは、公債を発行しても、その公債を消化し得ないというために発行しないのか、或いはインフレを恐れて発行しないというのか、これを一つ伺つてみたいのが一つと、もう一つは、地域的に盛り上る力があれば、それを利用することは非常に結構だというお話を承わりましたが、若しそういうような場合には、やはり国家が公債を発行して、その公債を各町村に応募してもらうという形をとらざるを得ない、結局公債ということになつて来る。その公債を発行することが今の内閣がやらないというなら、これはむしろ意味ないが、若し応募する力が相当ある、仮に利根地区なら利根地区でいろいろ会議を開いてみまして、本年何十億引受けよう、明年は何十億引受けようというようなプランが立てば、公債発行をあえてするかどうか、この点を一つお伺いしたい。
#100
○説明員(原純夫君) 公債を発行いたさないということは、要するに財政全般をインフレーション的な傾向を起さないように持つて参りたいということでありまして、これは公債発行だけの問題に限りません。よく言われます蓄積資金を食う、外為資金に国の財産が戦後貯めたのがあるから、あれを食おうというようなものも、結局通貨の増発になるというようなことから厳に抑えて参りたいということと同列のものでございます。特にまあ公債発行をする財政というのは皆様も御記憶の通り満州事変前後で、それまで公債を発行しないでおつたのが、相当な公債発行に移ります際には、日本の社会経済が相当大きな緊張をして、そして財政当局は非常にそれに対して闘かつたわけでありますが、その結果が打ち続く何と言いますか統制がございましたから、破局には至りませんでしたが、非常なインフレーシヨンになるというようなことで、公債発行というものを社会が感ずる心理的な感覚は、これは近頃新聞紙上で御覧になります通り、非常に強いインフレ的な感じ、端的に申しますれば、財政経済の前途に対する不安というようなものになりますので、そういうような意味で公債発行は抑えて参りたいという考えでいるわけであります。
 それから地方で資金が集ります場合には国も公債を発行したらというふうなお話でございますが、只今の制度におきましても、国が補助金を出せない、地方はそれに対してみずから資金を調達して或いは国に対する負担金を出して、工事の実現に地方も非常な力を出すわけであります。そういうわけで、只今実はその力の出し方が、大体補助金の裏になります分は全部に近いほど起債で見るというようなことが行われておりますけれども、率直に申して、やはり私は地方も自己の起債以外の資金でそういうようなものを出す方向に持つて行つて頂きたいと考えております。従いましてそういうような地方的な資金を動員できますならば、できる限り早くそういう風習を打立てて行きたい。国はまだ公債を出さないでこういうような仕事をやつているわけであります。地方は戦前の公債が戦後インフレーシヨンのためにゼロに近くなりましたために、今公債発行余力を相当持つているかのごとくで、毎年毎年相当な起債をいたしておりますけれども、これは地方財政のあり方としても非常に長続きのしない問題ではないかと思いまして、私ども地方の財政を考えます場合には、そういうような面からも心配いたしておりますので、地方で資金を動員して、そうしてそれを使うという場合におきましては、それかまあ公共事業、治山治水事業費を賄う普通の資金源の一つなんだというようなふうに持つて参りいたと私は考えております。
#101
○石川榮一君 私がお尋ねするのは国費の面なんですが、国費で現在の税収を中心とした健全財政で行くのだということになりますと、結局そのしわは公共事業費に及んで来る。公共事業費そのものは、現在治山治水にしましても土地改良にいたしましても、やりかけた仕事がやれないで、いつになつて仕上るかわからんような予算措置がされている。こういうことであつては困るから、その国費で負担すべきものを公債、いわゆる地方の町村民、農民等が持つている資金を一応国家がそれをいわゆる公債の形で吸収して、国費として出してもらいたい。それに対する県の負担金というものは、これは県みずから又県債を起す、町村民に県債を消化してもらつて償うということもできるのですが、ただ問題は、国費を現在のままにしておいて、その負担金だけ、県で足らないものは県で町村の協力を求めて行くというお話のように聞いたのですが、私どもは、国費そのものが足らんから公共事業費も思うように出せない、災害は年々激増するままでおくんだということでは困るものですから申上げるのですが、国費の面にてれを吸収して、国費とこの地域的な公債発行による資金とを集めて治山治小事業をやつて頂くということを考えて見てもらいたいというのですが、御忘見を伺いたい。
#102
○説明員(原純夫君) 国費の面におきまして公共事業、災害復旧に投じております金は、本年度一般会計歳出総額の約一七%に達しております。それでこれは戦前の比率と比べますと、たしか倍以上になつていると考えます。各国の財政における比率と比べましても倍以上、比較する国によりましては三倍くらいにもなつているというふうに見ております。と申しますのは、財政で出しております金が、まあ御要望は非常に多いのでございますけれども、我々は決して過小だとは考えておりません。非常に大きな負担をしている。むしろ財政全般にこの大きな負担がかかりますために、まあ率直に申して、二十九年度予算が組みにくいというあたりに出て来ます負担の一番大きなものの一つがこれなんでございます。そういうようなわけでございまして、決して国費を渋つているという気持は私ども持つておりませんが、おつしやる通り直轄河川は二十五年の歳月を要しなければ、今の支出割合では完成しないということも確かであります。この点は私どもも実は何とか是正しなければいけないと考えておりますが、それを財政の枠を殖やして解決しようということは、甚だ只今申しましたような事情から困難なんであります。
 それでよく新聞紙等に言われております通り、それだけの金を出すならば、二十五年でなければ完成しないというものをまとめて、二十五本のうち五本にすれば五年でできる、三本ですれば三年くらいでできるというふうな方向に経費の効率的な支出をするように持つて行かなければいけないのじやないかと実は私は考えております。これは非常にそれぞれの各河川の工事について地元民の熱烈な御要望がありして参りましたもので、なかなかむずかしい問題だとは思いますが、そういう方向で改めるのでなければ、いわば毎年出します金が、まあ河川の場合は二十五年たたないと全然値打が出ないわけではありませんけれども、例えば放水路の築造というようなものは三十年以上かかるというような例がございます。こういうのは放水路に水が通らなければ価値は先ず先ずないものでありますから、まあいわばこれは毎年の支出が非常に無駄になつているというようなことで、私どもやつておりまして、非常に申訳ないというふうな感じがいたじております。そういうような点を改めますれば、いわば三十分の一の値打ち、そういう表現は正確ではないのでありますけれども、十分の一、二十分の一の値打ちしか出ていない金の出し方をしているのを改めますれば、遥かに現在よりもいい仕事ができるのではないか、その方向で主として事柄を解決したいというふうなことが私どもの率直な希望なんでございます。
#103
○石川榮一君 只今の御意見の効率的に予算を使いたいという意向は私どもも賛成ですが、ただ今のお話のうちに、公共事業費は総予算の一七%使うとおつしやつておりますが、その一七%の大部分は私は災害復旧費だと思います。現に治山治水のようなものの二十九年度予算は大体三百億弱であります。総予算の三%です。これは農林省の土地改良は別にしまして、治山治水だけを考えますと、直轄河川七十六本の改修費は僅かに百五億、このくらいのもので、あとは災害復旧費、災害復旧費は公共事業でありますが、私どもはむしろ災害復旧というものは、これはどんな人でも火災があれば家を建てる、或いはほかにいろいろ事情はありましようが、災害的なものは克服するのはこれは当り前であります。それがだんだん殖えて行くという傾向は、要するに根本である治山治水というものの根本策が進まないから起る現象だと思います。ですから公共事業費が総額において世界的に考えて他の国よりも二倍、三倍だとおつしやいましても、その大部分は私は災害だと思います。その災害は嫌でも殖えます。明年も明後年も殖えます。数年のうちにはどうなるかわかりません。それは公共事業費です。それではこれはいつまでたつても災害は防除できないと思います。そこで災害復旧費というものは無論大事ですが、根本策に手を入れてもらわなければ、いつまでたつても災害は累増して困る。国土は災害亡国になつてしまう、こういう心配をするわけであります。
 そこで私ども考えて見まするのに、何とかして無理をしなければできないことなんですから、一七%がたとえ二〇%になりましても、別途に根本的に災害を防ぐところの工事を進めるということが重大なんですから、その率を引上げてもらいたい。できるならば、私どもは総国費の一割程度は治山治水に投入してもらいたい、一千億程度はどうしても投入してもらいたい、それによつて十五年程度で一応日本の河川は改修が行われるんじやないかと思いますが、現在のような状況で三百億程度のものを全国三百本もある河川に投入しております状況では、いつになつても災害は減らず、公共事業費は殖えると思いますが、その原因は災害が起るからであります。こういう点を一つお考え下さつて、何とか大蔵省でも根本的な治山治水費に思い切つた施策をこの際財政計画の中に織込んで御検討を願いたいと思つて実はお伺いするわけなんでありますが、あなたのおつしやる通り、災害復旧費を加えましたら、恐らく世界に例がないでしよう、恐らく日本ほど災害のある国はないでしよう、又日本ほど災害を作るような工事をやつているところはないでしよう。このままで行けば、災害は年年殖えますから、必ず三年、五年、十年先に又救うことのできないような、いわゆる災害亡国の一途を迫るように思われます。こういう観点から、今お話のありました重点的に考慮する。例えば放水路のようなもの或いはダムのようなもの、こういうものは仕上げなければ意味がない。現に民間事業でやつておりまする電源開発のようなものは夜に日を継いで資金をどんどん投入して、政府の事業ならば十年かかるものを五年、七年のものは二年でやる。そうして資本を効率的に使われて事業を起して成果を挙げるということをやつているんですが、予算が足らないために、折角計画しましたところのダム工事も、初めの四年計画が六年になり、六年のものが八年になるというような傾向であります。ダムのようなものはあなたのおつしやつたような放水路と同じようなものであります。これは三分の一作つたからそれで価値があるというものでもない。誠に非常に多額の経費のかかるものであつて、而もこれが遅れることは非常な損害であります。そういう点は重点的に使つて頂くとか、思い切つた何か計画を大蔵省の主計局で考えて頂いて、将来の災害を漸減するということのために治山治水に重点を置くんだ、それにはこういう手荒いこともしなければならないのだというような御研究をして頂く必要があると思います。
 この際、二十九年度予算の査定をするに当りまして、特にダムの事業、放水路の事業等に対しては勿論重点的にやつてもらいたい、最近聞きますと、ダムの事業も、昨年建設省が着工しましたところのもので十五、六カ所のものを或る程度圧縮するという説も聞えておりますが、始めた以上は一つどしどしやつてもらわんと意業ないと思います。いろいろ申し上げたいことがたくさんありますが、問題は財政計画で治山治水費に相当重点的に投入する、災害を加えての公共事業費ということを考えないで、根本政策として立てるところの根本治山治水政策に重点的な予算を投入しようというように一つ御尽力を願いたい。若しお考えがお聞きできましたら幸いですが、まあ私の私見でもありますけれども、御所感を伺えたら結構だと思います。
#104
○説明員(原純夫君) 治山治水に重点を置いて行かなければならんということは、我々は勿論考えておりますので、いろいろ伺いました点を参考にもいたしまして、研究いたして参りたいと思います。
#105
○江田三郎君 治山治水に重点を置いてやるということはもう同意見で、まあ私どもは本当にやる気なら防衛関係或いは再軍備関係、これに手を著けなければならん、それをやらなければできやしない。こうなつて来ると根本的にあなたと意見が恐らく違うのでしようから、今その議論をしても仕方がないと思います。
 ただ私は一つお願いしておきたいのは、まあどつちみちトータルは幾らになるか知りませんが、相当の公共事業費というものを災害方面で使つて行かなければならん。ところが従来金の使い方は、調査なり研究費なりというものを非常に出し惜みしている、そのために却つてロスをたくさん作つている。今あなたが公共事業費というものは予算の一七%を使つているのは世界一だと、こういうことらしかつたのですが、それでは一体調査研究費のほうのパーセントはどうなつているか、恐らくこれは世界一のほうでなしに、世界の末端のほうへ行つているのじやないかと思うのですが、そうい三点を考えて参れてもなかなかうまく行かんのだと思いますが、一つこの際これからそういう公共事業費が大きくなればなるだけ、これを活かすためにこれの一つ調査研究費というものを見て頂きたい。更にこれは勿論金を殖やすということだけでは駄目なんで、それには調査研究費それ自身が有効に使われるような機構なり人の配置なり、そういうことが必要なわけで、これについては当然我々は建設省のほうへお願いをして行かなければならんのですが、まああなたのほうでは、建設省のほうでそういう点を抜本的に一つ建て替えようというようなことであれは、それに即応した予算の裏付については特に考えて頂きたい、こう思うわけですが、どうでしようか。
#106
○説明員(原純夫君) 只今おつしやいました抜本的にこの治山治水乃至公共事業関係の経費をいわば再組織、再編成するということについていろいろ御心配頂いて大変有難いと思うのでありますが、そういうふうな事柄は非常に私ども必要だと思つております。率直に申して、山か川か砂防か、何かというような点は、私素人でそういう言葉を言うのも少し生意気なようでございますが、いろいろそういうような点を長くやつて参りました係の人たちから聞いて考えます場合にも、かなりにまだ残された問題が多いというように感じておりますので、これは是非そういうような方向に持つて行つて頂きたいというふうに考えております。まあ一例を挙げますれば、例えば同じ百億を或る川に投入します場合に、一体どこに注ぎ込んだらいいかということについての非常に評定かむずかしい、その効果でありますけれども、それについての効果測定がどうも余りびしつとできておらないような感じがいたしますので、そういうものができるような方向に極力持つて参りたいというふうに考えておるわけであります。
 なお、最初におつしやいました調査費につきましては、実はいろいろ具体的なケースで調査不十分だつたというようなものがかなり出て参つております。そういうようなことで、我々一方で経費が無駄になつたのを惜しみますと同時に、又調査費が不十分であつたというようなかどもあつたのじやないかということを、予算を組みます者として反省いたしておるところで、そういう点は十分御要望に副うような方向に持つて参りたいと実は考えておるわけでございます。
#107
○委員長(石川清一君) 今原次長から建設行政のうちにおける技術部門の科学的な調査及び研究機関に対する意思の表明がありましたが、本日の決議に従いまして明日大蔵省へも委員長が参ります。このことは単に大蔵省の立場から見るだけではなく、会計検査院の検査報告書の中にも、はつきりこのことが完全にできなかつたら、会計検査院が幾ら検査を厳格にやつても国家財政資金の有効適切な効果は挙がらない。最近大蔵省は特に災害の査定を懲罰的な立場に立つたような印象を与える査定をしておるようでありますが、仮にそういう査定をするとしましても、必ずそこには優秀な技術、確実な調査がなされておらなければならないのでありまして、単に持つておる財政的な権力のみによつて調査或いは査定するということは私は不可能だと思います。こういうような建前に立つて、字句は非常に簡単でありますけれども、十分二十九年度の予算の事務的な査定に当りましてもこのことを活かすように一つお願いをしておきます。
#108
○説明員(原純夫君) 具体的な予算要求につながるお申入れといたしますと、その予算要求の具体的な内容を拝見して、そうして意見をきめて参りたいと思います。只今申しましたのは、この総体の仕事のバランス、それの価値評価というようなものにつきまして、我々常々非常に不便を感じているということでありまして、こういうような御研究も勿論必要であろうと思いますし、同時に率直に申しますれば、政府部内におけるいろいろな機構、仕事の配分、連絡というようなものにも私は相当問題があるのじやないかというふうにも考えているわけであります。非常に大きな問題でありまするし、私も余り十分な研究をいたしておりませんですけれども、お申入れを頂きましたお気持の根本は非常に有難いことだと思つております。
#109
○委員長(石川清一君) それではこれで委員会を散会いたしますが、大変本年中いろいろ御審議願つて有難うございました。明年国会開会式の行われる前に特別の事情ない限り委員会を開かない予定にいたして、若しその場合は委員長が在京の方と相談の上御通知することにいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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