くにさくロゴ
1953/02/04 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 建設委員会 第5号
姉妹サイト
 
1953/02/04 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 建設委員会 第5号

#1
第019回国会 建設委員会 第5号
昭和二十九年二月四日(木曜日)
   午前十時三十九分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     深川タマヱ君
   理事
           石井  桂君
   委員
           石坂 豊一君
           小沢久太郎君
           鹿島守之助君
           赤木 正雄君
           飯島連次郎君
           江田 三郎君
           田中  一君
  国務大臣
   建 設 大 臣 戸塚九一郎君
  政府委員
   大蔵省主計局次
   長       原  純夫君
   建設政務次官  南  好雄君
   建設大臣官房長 石破 二朗君
   建設省計画局長 渋江 操一君
   建設省河川局長 米田 正文君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       武井  篤君
   常任委員会専門
   員       菊池 璋三君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○建設行政に関する調査の件
 (建設行政の基本方針に関する件)
 (昭和二十九年度建設省関係予算に
 関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(深川タマヱ君) 只今より建設委員会を開会いたします。
 本日は先日の委員会で御決定頂きました通り、建設行政の基本方針に関する件と、昭和二十九年度建設省関係予算に関する件を議題といたします。
 先ず建設行政の基本方針について大臣より御説明をお願いいたします。
#3
○国務大臣(戸塚九一郎君) 昭和二十九年度における建設行政についてその概要を御説明を申上げます。
 当省所管の業務は、申すまでもなく治山治水、道路建設、戦災復興、住宅建設等、いずれも国土の保全開発上緊要欠くべからざるものでございまして、二十九年度におきましては、これら各事業の飛躍的発展を図りたい所存で努力して参つたのでありますが、あとで御説明いたします通り、明年度予算は財政規模抑制の全体の方針により十分の予算を計上することができなかつた次第でありまして、この点委員各位の御了承をお願いいたしたいと存じます。以下各項について順次御説明申上げます。
 先ず治山治水事業から申述べますと、河川関係事業費は二百七十七億一千三百余万円を計上いたしておりまして、前年度に比べて三十三億九千八百余万円、約一割四分の増加と相成つております。又砂防事業費は五十八億六百余万円を計上いたしておりまして前年度に比して四億九千百余万円、約九分の増加と相成つており、河川関係事業費、砂防事業費、両者を合計いたしますと、前年度に比して三十八億八千九百余万円、約一割三分の増加と相成つております。
 治山治水事業は政府の重要施策の一つをなすものでありまして昨年内閣に設置いたしました治山治水協議会の治山治水根本対策に関する結論も一応まとまつており、これに従いますと、この程度の予算額を以てしては到底計画の実施は不可能でありまするが、明年度は事業実施の初年度でもあり、又先ほど申上げました財政全般の特別の制約もありましたので、この程度に止むを得ずとどめた次第であります。明年度は乏しい予算ではありますが、これを活用して、前述の対策要綱に則つて砂防、ダム、浚渫等に重点を置いて治山治水事業の施行に遺憾なきを期して行く所存でございます。
 道路事業費は百四十九億三千三百余万円を計上いたしております。前年度に比し二十億八千二百余万円、約一割六分の増加と相成つております。これは道路整備費の財源等に関する臨時措置法に基く五カ年計画の初年度として道路事業を実施するために必要な経費でありまして最近自動車の増加及び大型バス等の重量車輌の増加に対処いたしまして、幹線道路の鋪装並びに橋梁の整備を特に促進すると共に、産業開発道路の建設を実施いたす計画でございます。このほかに道路整備五カ年計画に基く事業といたしまして、都市内の重要街路を整備いたしますために必要な経費として、後に説明いたしますように、都市計画関係事業費の中にも十八億円を計上いたしております。
 なお、道路事業実施に要する地方財源を考慮して、明年度は揮発油税の三分の一相当額を地方に譲与することにいたしておりますが、これが具体的使途等については今後更に検討を加え、道路整備に遺憾なきを期したいと存じております。
 都市計画事業費は四十億三千九百余万円を計上いたしております。前年度に比し三億二千万円、約七分の減少となつております。これは戦災及び火災復興、街路の鋪装、橋梁、立体交叉の整備並びに都市水利等の事業に必要な経費でありましてこのうち道路整備五カ年計画に基く都市内街路の整備費十八億円は戦災復興関係街路七億円、街路事業関係十一億円となつております。なお戦災復興事業は昭和二十九年度を最終年度とする五カ年計画に基いて実施しておるものでありまするが、昭和二十八年末における進捗率は、五大都市において六七%、その他の都市は八八%、平均七七%となつており、本予算を以ては若干不足する見込でありまするが、事業実施の都合並びに財政上の関係をも考慮して、一部の都市については多少完成年度を延長することにいたしたのであります。
 なお、戦災復興は一応完了いたしましたが、なお不十分な都市もありまするので、新規に重要都市整備事業を策定いたしまして、これら不十分な都市の整備を図りたいと考えております。
 建設機械整備費は十二億五千二百余万円を計上いたしております。前年度に比し四億八千五百余万円、約二割八分の減少となつておりまするが、財政規模縮小の方針に則り、機械の新規購入は極力これを差控え、現有建設機械の整備活用に重点を置いて建設事業の機械化を推進いたしたい所存であります。
 公営住宅施設につきましては、所要経費百二十六億余万円を計上いたしております。前年度に比し十六億一千余万円、約一割四分の増加となつております。これは住宅の不足を緩和するため、公営住宅法に基き低廉な賃貸住宅を建設するための経費でございましてこれにより災害分を含めて五万三千戸の公営住宅を建設いたす計画であります。
 次に災害復旧事業について申上げます。昭和二十八年以前に発生いたしました建設省関係災害復旧事業費として三百三十九億九千二百余万円を計上いたしております。これを前年度に比較いたしますと、八十六億三千四百余万円の減額となつておりますが、二十八年度予算には、二十八年発生災害を復旧するに要する経費百七十二億三千余万円を含んでおりまするので、実質的には八十五億九千余万円の増加となつております。このうち河川等災害復旧事業費は三百二十八億九千六百余万円でありまして、これにより直轄災害については、残事業の大部分を完了し、地方公共団体において実施いたします公共土木災害復旧につきましては、二十七年以前の災害については重点的に箇所を選択して残工事の進捗を図り、二十八年災害については再度災害を誘発する危険のある箇所については出水期までに復旧工事を完了すると共に、特に緊要な橋梁についても本復旧を進めたいと考えております。都市災害復旧事業費は十億九千五百余万円でありまして都市村落等の排土事業及び都市施設等の災害を復旧する予定であります。
 以上のほか主な事業といたしましては、高速自動車道路調査に千五百余万円、国土総合開発調査に二千八百余万円、防火建築帯造成補助に一億円、産業開発青年隊導入費補助に千百余万円を計上し、それぞれの事業を行いたいと考えております。
 次に特定道路整備事業につき御説明申上げます。明年度の事業費は二十二億二千六百余万円でありまして、これを前年度に比較いたしますと七億四千二百余万円の減少と相成つております。昭和二十九年度中には、総事業個所二十三カ所のうち戸塚国道のほか三カ所は完成する予定でございます。なお本事業費は前述いたしました通り、前年度に比しても減額となつており、これでは到底十分の成果を期待することはできませんので、今後一般公募債による資金の獲得等に努め、事業の促進を図りたい所存でございます。
 終りに住宅金融公庫の事業計画について一言申上げます。昭和二十九年度の貸付契約額の総額は百八十億円を予定いたしており、その原資として一般会計出資金五十億円、資金運用部よりの借入金九十五億円、回収元金等三十五億円、計百八十億円を予定いたしております。その貸付戸数は、一般が三万戸、産業労務者用一万戸であります。
 以上簡単に御説明いたしましたが、冒頭にも申上げました通り、明年度の事業費はいずれも十分とは申せないのでありまして、私どもといたしましては、極力予算の効率的使用に努め、事業の実施に遺憾なきを期して行きたい所存であります。委員各位の格別の御協力をお願い申上げる次第であります。
#4
○委員長(深川タマヱ君) 御質疑のおありの方は御発言願います。
#5
○江田三郎君 誰も質問しないから私質問しますが、先ほどの御説明で建設省でやらなければならん一番大事な仕事としての治山治水の根本対策については、これが初年度であるということと、緊縮財政のために思うようにならず、例の計画の数字とは離れたものになつた。こういうことなのですが、そうしますと発表されました前の十カ年計画というものは根本的に作り直されるわけですか。
#6
○国務大臣(戸塚九一郎君) あの要綱を直ちに作り直すというふうには考えておりません。ただあの要綱は一応ああいうふうにでき上りましたが、あの中で治山治水協議会でも財政計画は続いて研究するという段取りになつておるのであります。勿論そういう意味で初年度において殆んど要綱のような実施ができないというわけではありません。何分財政の緊縮の都合で目的としたところが十分に予算化されないという点については私どもは非常に残念に思つておるのでありますが、あの要綱を飽くまで貫いて参りたいという気持を持つておるのであります。
 先ほど御説明の中に初年度であるからということを申上げましたが、初年度であるから何も遠慮するということは勿論ないわけであります。そのためにそうした財政の都合についての十分の案も立つておりませんけれども、殊に只今申上げましたような財政の緊縮でどうにも思うようなことができないという結果になつたことは甚だ残念に考えております。
#7
○江田三郎君 あの要綱が発表されましたときに、緒方協議会長さんに対しまして私どもは、一体これを本気でやるのかやらないのか、若しこれが作文に終るということになるとこれほど罪な話はなかろう。皆災害でどうしたらいいか、而も将来に亙つての災害に非常に心配をしなければならんときに、これが若し作文だけに終るような罪な話ならやめてもらいたいということを聞きましたときに、財政計画は別途考究するけれども、何とか実現するのだ、こういう話があつたので、私どもも了解したわけですが、今のようなお話を伺いますと、要するに財政事情からできないということになると、それじや一体三十年度はどうなるのか、三十年度になつて日本の経済状態が改善するという見通しはどこにもないわけでしよう。本年度の緊縮予算というものは今後出て来るデフレ政策の一つの頭を出しただけで、来年やはりそれと同じような日本の経済状態と見なければならん。而も軍事費はあなたがた自由党のほうでは一つ大きくするような計画を立つておられる。そうするとどこにも新らしく財源が出て来る見通しはないわけです。方針を根本的に変えて建設公債というようなことでもなさるならともかく、そうでない限り三十年度になつて二十九年度よりはこれが改善されて、治山治水関係の予算が殖えるという見通しは私はどこにもないと思います。若しあるなら一体どういうような見込があるのかということを言つて頂きたいし、若しないなら初年度においても次年度においても全然この要綱と離れてなさらなければならんとすれば、あの要綱というものはこれはただ作文であつたと言つて天下に罪を謝まつてもらいたいと思います。そのお答えを願いたい。
#8
○国務大臣(戸塚九一郎君) 私どもはあれを単なる作文のつもりでは決しておらないのであります。只今お話のように先の見通しがない、なかなか財源を得るのに困難であるということは誠にお話の通りでございます。それで今後の財政事情も考えまして、然らばこの要綱の実施についてはどういう方法を講じて行くのかということについては、一層政府においてもなお協議をし研究をいたさなければならんと、かように考えております。
#9
○江田三郎君 これが一つの民間の研究所なり個人が発表されたものなら別ですが、例えば鮎川さんが道路整備計画を発表されたものならこれはそれでいいと思う。併し少くとも政府で、今の政府の副総理が責任者になつて発表されたような要綱というものが、全然それと似寄つたものが初年度に出ないだけでなしに、次年度、三年度になつても出る見込というものは私はないと思う。財政については別途考究するというのですが、然らばどういう考究の仕方をするのですか。現在の予算規模の中で或いは再軍備費というものを削つてやろうというのか、或いは建設公債でやろうというのか、何でやろうというのか、それがなかつたなら、これは単なる作文になつてしまう。単なる作文でないと言われるが、客観的に見たら単なる作文だと思います。いやしくもこれが政府のあなた方のされる御答弁なり或いは御説明としては、我々そういうようなものではどうも引下ることができない。一体何をお考えになつておるか、もう少しはつきり言つて頂きたい。
#10
○国務大臣(戸塚九一郎君) 只今お話の中にありました建設公債というようなことも考えられる一つだと思いますが、これは財政の当局ともよく連絡をして考えなければなりませんけれども、殊に只今の政府の方針は、公債を出さないというような方針を貫いておりますので、そういう点についても今後政府内においても十分研究をし、相談をして参らなければならない。何らかの方法で少しでもこの実施についての財源を得たいということは話合いをいたしておる次第であります。
#11
○江田三郎君 そんな希望だけ並べられたところで仕方がないと思うのでして、我々は一体日本の治山治水というものがどういうテンポでどういう規模で進んで行くかということを知りたいわけなんですそれがたまたまああいう要綱が出た。ところが実際やつて見ると予算化はできない。将来においてもされる見込はない。建設公債についても私ども必ずしもこれに賛成するものではありません。併しながらそういうような方法をとると言うなら別問題たが、併しそれを今の政府としてはやる気がないということになると、あれは作文だつた。これは実行できないものだということを言わざるを得んのじやないか。そうなつて来ても、なおこれは作文じやございません、この考えで行きますと言つたところで、考えで行くのならどういうものを考えて行こうとする見通しがあるのか。少くとも今まで大蔵当局と折衝されたと思うのです。今年は駄目だけれども、来年まではあの要綱に間に合わすようなことをなさるのかどうか。来年度とは三十年のことですが、それもできない、見通しがないというのなら、あの計画というものを根本的に改めて、これは天下の国民を偏したことを相済まんという、一つ罪を天下に謝して、計画を改めてもらいたいと思います。
#12
○国務大臣(戸塚九一郎君) でありまするから、あの計画を全部廃止したわけじやありませんので、金額が甚だ少なかつたことは残念であるから、今後一層その点について努力をいたしたいと申上げておるので、現在の予算でもあの要網に合わするような成るべく効率的なやり方で参りたい、かように考えております。ただ程度が開き過ぎるというお叱りを受けることは誠に私ども残念に存ずるところでありますけれども、あの要綱に従つて二十九年度予算も効率的に使つて参りたい、かように考えております。
#13
○江田三郎君 世間の噂では、建設大臣は辞表を懐に入れておられるというので、或いはそういう御心境でやつておられるのかも知れませんが、厚生大臣の例もありますからして、私どもそういう御心境ならあえてかれこれ言う必要ないと思います。ただ今のこの御説明では私どもとしましてはどうも納得ができないということです。
 それからいま一つお伺いしたいのは、災害の復旧については、二十八年度の予算は、あれは三党協定の線によつて行われたということですが、私ども当時あの三党協定を読んで、二十九年度においても三党協定の線に沿うた災害復旧ができるものである、こう了解して、又そう了解するような政府の説明で、私あのときの予算が成立していると思いますが、そうじやないのですか。
#14
○国務大臣(戸塚九一郎君) 災害復旧については三党協定云々のお話でありますが、その趣旨は融資をするということだと思います。これは今事業も進行中でありまするので、必要に応じて融資もいたしておるのでありまするが、又前から引続いて融資されておつた分もありまして、金額は建設省関係だけで八十億ばかりの融資をされております。で、只今極力事業の振興に努めておるわけでありまするが、なお必要があれば更に融資も仰いでやらなければならん、かように考えております。
#15
○江田三郎君 これは融資のことだけでなしに、災害総額の数字の問題、復旧のテンポの問題、そういうことについても私どもはあれによつて或る程度の見通しがあつたと思うのですけれども、今度出て来る予算というものは、そういう線とは相当外れているように思うのですが、そうじやないでしようか。
#16
○国務大臣(戸塚九一郎君) 二十九年度に当りまする二百数十億というものは、これもやはり災害の復旧を希望する点から行けば、少いというお叱りを受けると思いますが、先ほども申上げましたように、この財政の都合から十分に見積ることができなかつた。それでせめてこの金額を最も有効に使つて、今年の出水期までに危険の箇所がなくなるように努力をいたして参りたい、かように考えておるのでありまして、その際に若し足りないという場合には、やはり又引続き融資等の方法も講じなければならん、かように考えております。
#17
○江田三郎君 今の最後のところは、もう少しはつきりおつしやつて下さい。そのときに若し足らん場合にはどうなさるのですか。
#18
○国務大臣(戸塚九一郎君) やはり今年用いたような融資という方法も加味しなければいけないのじやないかと私は考えております。
#19
○江田三郎君 その点は、あなたのおつしやることは、私どもどこまで本気で聞いていいのかわからんのですが、一番肝心な問題でも、発表されたことがあとになつて崩れて行くのですから、どうも大まじめで聞くわけにも行かんのですけれども、今言われたことは、これは念のために聞いておきますが、若し足らん場合には融資をするということは、大蔵省でも認めておるのですか。
#20
○国務大臣(戸塚九一郎君) まだ正確に大蔵省当局とそこまで話はいたしておりませんが、やはり本年に行なつたと同じような趣旨で進めて参らなければならんと私は考えております。
#21
○江田三郎君 大臣のお考えになるというやつは当てにならぬのですよ。実績が当てにならぬのですよ。私はこれは勝手なことだけ言うのじやなしに、ここに出て来た実績が言われた通りでなく、実際出て来たことが違つて来るのだから本気で聞いておれんということなので……。そこで今の点についてだけは大蔵省と話合いができたのか、それもあなたの希望的な御意見なんですか。
#22
○国務大臣(戸塚九一郎君) まだ今申上げた通り大蔵省と正確に話はいたしておりません。
#23
○江田三郎君 その程度のことだつたらもう何を聞いたところで馬鹿々々しくなるということなんで、私はこれで質問を終ります。
#24
○赤木正雄君 私は些細なことを河川局長にお尋ねしたいと思います。
 この前の予算書について注意したことがありますが、又この二十九年度の一般会計予算を見ましても、この八百二十一ページに砂防事業に対してその2の説明の(イ)に、新たに砂防工事は、「渓岸の崩壊を防止するため護岸、水制等を築設するもので、」云々とあります。併し局長も御承知の通り、これでは砂防工事の一部だけを示していて、どうしてもこれに関連している山地の崩壊とか山腹工事は従来から建設省でやつて来ている。又同時にそれは砂防事業の一環なのであります。それを今以て訂正されておられないのはどういうわけですか。
#25
○政府委員(米田正文君) 今お話のように、これは去年も御注意を受けた問題で、そのときに私は、趣旨としては山腹の手当はする方針でありますということをお答えいたしておいたと記憶しておりますが、実はこの説明書には、私どもはここに書いてある字句通りでなくて、勿論山腹工事も実施をする予定でおりますので、正確に言うとこの中に記載いたすべきものでございますが、実はこの説明書については大蔵省と印刷するとき十分に打合せをする余裕がなかつたのも一つの原因でございますので、趣旨としては只今のお話のような方針で進む方針でございます。
#26
○赤木正雄君 私は趣旨ではなしに、砂防工事そのものに対してどういうものが砂防工事であるかを局長の御意見を伺いたい、それならば……。
#27
○政府委員(米田正文君) 砂防の問題は要は、特に水源山地の土砂の崩壊を防止して、その下流への災害防止をするのが目的でございます。それに合う処置をいたすのが必要でございます。そのためには、今建設省のとつております砂防の方針としては、こういう渓流外の工事或いは山脚の工事、護岸の工事が必要であるのみならず、私は山腹の工事も同時に併せ行なつてやる必要があると考えております。ただ御承知のように水源の保全の問題は、我々の建設省の関係と農林省の関係とが相待つて仕事をする制度になつております。そこで農林省の計画と我々の計画とが相マツチして今度できましたのが治山治水対策計画でございます。私どもはこの線に沿つて、あの中で両者の適当な調整をすることによつて山腹、渓流の工事を按配をいたして調整をとつて実施をしたいと、こう考えております。
#28
○赤木正雄君 渓流工事、山腹工事、いわば砂防工事の問題は長年問題になりまして、昭和三年の閣議の決定事項といたしまして、渓流工事、ここに書いてある護岸とか水制とか堰堤、これは主として建設省でやる。併し直接砂防に関連する山腹工事も同時に建設省でやる。これは閣議決定ではつきりしておる、山腹工事と立派に書いてある。又御承知の通り淀川流域の砂防工事は直轄工事でありますが、これは殆んど大部分山腹工事で今日建設省でやつております。殆んど渓流の堰堤工事はやつていない。というのは御承知の通り淀川流域の滋賀県地帯の工事はこれは山腹工事が主である。これは又昔は全部国費で、地方の費用は少しもなしに皆国費でやつている。そういう観点からして、これはあの昭和三年の閣議の決定の際にも、こういう事業を農林省でやつて行くべきじやないとはつきりしている。それで淀川流域だけははつきり除いて今日まで建設省でやつておる、山腹工事を。それにもかかわらず今の局長の話は誠に私は不可解である。それならなぜ山腹工事はその通りにお書きにならない。趣旨としてはやるとおつしやいましても、ここに書いてあるのは渓流工事ばかりである。こういうことをしておられますから、従つて各府県のほうは、私廻つてみても、渓流工事に関連して当然すべき山腹工事は建設省はさしていない。又農林省もそれはやつていない。従つて効果が非常に挙がつていないということは各地にある。このために私はこの前にもその前にも二回もうこのことについてはこの委員会で、この予算書を見たときに御注意といいますか、これでは間違つているということを申した。でありますから、当然三回目でありますから、今度のこの印刷書では御訂正なさつてもいい。大蔵省と十分協議する時間がなかつたとおつしやるならばどうも合点行かないが、単に趣旨というようなことを述べられても……、実際やるべきものならなぜはつきりお書きにならない、これはもう一遍河川局長の御意見を伺いたい。
#29
○政府委員(米田正文君) ここに掲げてない経過は只今申上げた通りですが、私は赤木さんのお説には全く同感であるので、申上げておつたのみならず、二十八年度からは今までやらなかつた山腹工事を始めるように強く推進をいたしておるつもりでございます。従来殆んど山腹工事がやつてなかつた実情に鑑みますと、私は二十八年度中におきまして、少くともそういう方針が大分現地に滲透して来たと実は自信を持つているのでございます。殆んどこの十数年の間そういう問題に触れてなかつたのを、特に赤木さんの強い御意見もあり、我々もそういう趣旨でおりますので、実は強く推進をいたしておりますけれども、これも全体的の態勢として進めるのに相当時間がかかる問題でありますので、極力努力をいたし、而も私は現地において実行しつつあると、一部は実行しつつあるということを御了解願いたい。
#30
○赤木正雄君 まあ実際において実行なさることは結構でございます。併しここで当然なさるべきものならば、こんなこともこれは印刷できたのでありますからして、この次にはこれは訂正してお書きになるのが当然と思いますが、これは訂正なさる御意思はないのですか。
#31
○政府委員(米田正文君) 強い御趣旨でもありますので、大蔵省とは早速折衝いたします。
#32
○赤木正雄君 その次に(ロ)の件でありますが、北上、阿仁田沢、最上の特定地域に相当の金が行くことになつております。又特殊土じよう地帯に、これに対しても五億ほどの金が行きますが、こういう特定した個所にこのきまつた金が行くために、日本全体の各府県に対する砂防行政の工事の重要性に対する適正な按分ができるかどうか承わりたい。
#33
○政府委員(米田正文君) ここで書いてあります特殊土じよう地帯の災害防止の措置なり、或いは最上川或いは北上川等の特定地域の事業計画の中にあります砂防にいたしましても、一般に我々が今普通砂防として実施をいたしておりますものと内容は技術的に殆んど区別を付け得ないものであります。我々としては、特にこういうふうな中を、砂防の中をだんだん区分けをして行くというようなことについては、砂防という観点から必ずしもいいこととは思つておりません。併しいろいろな関係からこういう特殊立法が出て参りました。出て参つて決定されました以上は、その法律に則つた予算を組むということが又必要な事柄でございまするので、こういうふうな計上の仕方になつているのでございます。この書き方等についても大蔵省といろいろと折衝いたした経過はございます。これは内部のことを余り申上げるのは如何かと思いますので申しませんけれども、こういうふうな書き方については、実は相当我々は反対の意見も強く出した結果、こういうような実情になつたのでございます。
 で砂防事業の、特に特殊土じようについての経費も去年より下げて来たというのも、その一つの現われですが、趣旨としては私ども、こういうふうにだんだん砂防が区分けをされて行くということに関しては、砂防全体としての行政から見て余り面白くないという考えでございます。
#34
○赤木正雄君 今局長は特殊土じよう地帯については昨年よりも事業費は下げてあるとおつしやつたので、私はこの点はそれを追及いたしません。併し先ほど法律にもこういうことがあるから止むを得ずなさつた、これをお話ありましたが、それならばあの道路のガソリン税のごとき、これこそ法律ではつきりこのガソリン税は全部持つて来るようにした。それをその三分の一を地方税に持つて来た。これは何ともこの両者関係して見ると変なものなんです。どうせそのうち……、私あなたのほうではなしに、大蔵事務次官を呼んで聞こうと思いますが、その点大蔵省の言い分は、私はこの問題について実は大蔵省の河野君に聞いたのです。河野君はこう言つたのです。法律がこうなつている以上止むを得ません……、実は私憤慨した。こういうことがあるなら打破する法を作つたらどうか。それほどするならば、あのガソリン税を河野君はあれしたが、実はこれを本当に聞きたい。
 次にもう一つ、先ほど質問がありましたが、例の治山治水対策協議会、あれはまだ終結になつていませんからして、これは緒方国務大臣のお考えはどうか知りませんが、あれはまだ引続き結末を出すまでなさるお考えでしようか、どうでしようか。
#35
○国務大臣(戸塚九一郎君) 私はもう少し続けてやらなければいかんと思います。
#36
○赤木正雄君 それから今度は局長にお伺いしたいのですが、あの治山治水対策協議会に際しても、砂防のことは特に重点を置くとはつきり言つております。河川と砂防の事業を今後どういうふうに重点を置くか、これはよく局長は関知して御承知でありますから、ここに詳しく申上げません。砂防の内容におきましても、では同じ大蔵省できめた費用のうちを、直轄事業と補助事業とに、どちらに多くの金を振り向けるか、これは一定した費用のうちどちらに向けようと、これはむしろ治山治水対策協議会の線に持つて行くのが本当と思います。御承知の通りに治山治水対策協議会では、今後直轄としては三百億、それから補助事業としては二千三百四十一億の国費を要する。言い換えれば直轄と補助事業の比は一対七、こういうふうに今後補助事業を重点的にやろう。昨年の和歌山県の水害を見ましても、或いは門司方面の水害を見ましても、直轄事業ではない、補助事業にうんとやらんというと、今後の水害を減すということはできん。これは事実が示しておりますから、ああいうふうに補助事業に重点を置いたことは、局長御承知の通りです。それにもかかわらず、二十九年度の補助事業は僅かに行つておりますが、大部分の事業は直轄に持つて行つてしまう。つまり治山治水対策協議会の線を全然無視している。これはむしろ大蔵省に聞きたいのですが、これに対する局長の御意見どうなんですか。
#37
○政府委員(米田正文君) 只今お話ございましたように、今度の治山治水計画でも殆ど大部分と申しますか、額を補助事業として支出する計画になつております。
 そこでこの問題は、先ほどもお話が出たのでございますが、今後の予算実施、予算をどういうふうに支出して行くかという問題が残つておるのでございます。我々としてはこの計画は是非今後、仮にそれが十年でできないにしても、必ず実施をしなければならん重要な問題だけを今の治山治水計画の中に盛つておる、こう考えております。従つてその予算の大きい割合というものが、おのずから一つの割合の枠が出て来たように考えられ、でそれを実行して、砂防について言えば、直轄九年、補助事業十年というような一応計画になつておつたのですが、ああいう率で進めて行く必要があるという計画でありますので、そういう計画に副つて今後年次計画が立つて行くと、毎年こういうふうに支出しなければ、十年なら十年という計画の中に完成しないということになりまするので、私は、今後治山治水協議会財政小委員会としての問題が残つておりますので、この小委員会でそういう割振りの年次計画を確定することによつて今後はつきりした線を出して行きたいという考え方をいたしております。
#38
○赤木正雄君 今の局長のお話は、私の質問と大分的を外れております。併しこれ以上追及しても何ですからその点追及いたしません。
 ただ私は治山治水協議会の線を今後持つて行こうとおつしやいますが、そこの実際予算の折衝に当つておられました局長として大蔵省に対してあの治山治水協議会の線によつて予算を作成するようなことをお話になつていられたでありましようか、どうでありますか。
#39
○政府委員(米田正文君) 勿論強くあの線を出して折衝をいたしたのであります。が結果としてこういうふうに直轄については増額を見たという結果はあとから、その当時の問題よりもその後いろいろ両省と話した結果でございますけれども、結局補助はうんと殖やさなければならんのだ、併し殖やす金が非常に少くなつて来て、補助にはそれほど増すほどの金が殖えなかつた。ざつくばらんに言つて非常に少いので、直轄のほうに今年は殖やしてその直轄のほうを少しでも進めたという形をとろうじやないかというような結果であります。我々としても、直轄の事業としてやつておりますものはやはり重要な事業でありますので、それに補助事業との甲乙を付けて参りますと、直轄のほうでも今差当り進めなければならん問題も非常に多いのでございますから、あの程度の今殖えた程度のものでありますならば、直轄としても是非必要だということで、結果は御承知のようなことになつたのでございます。
#40
○赤木正雄君 この殖えた額で直轄を進めなければならんとおつしやいますが、直轄でそれほど急を要する所はどこがありますか、承わりたい。
#41
○政府委員(米田正文君) これはまあいろいろございますので、実は直轄二十五水系もやつておるので、いろいろございます。いろいろありますが、神通川とか或いは信濃川の水系だとかいうような、或いは利根川の水系だとかいうような問題も、いろいろのものがたくさんございますので、そういう線に向けたい。
#42
○赤木正雄君 それは非常にあいまいなお言葉で了承しがたい。誰が考えましても、昨年の水害に鑑みて、あの和歌山県の有田川は一体どうするか、その水害を見たら、あのまま放置できないのです。ああいうふうに殆んど上流まで崩壊して、仮にいろいろな工事をやるにしても、上流のほうをやらなければならんということははつきり局長も御承知の通りです。又門司方面においても同じことです。そういう急を要するものがたくさんできておる。それと直轄のどこが……、これはこの委員のかたに皆お聞きになつてもいいと思います。果して直轄のどこがあれに増して急を要するか。
#43
○政府委員(石破二朗君) 私からちよつと御説明にならんかも知れませんが、お答えいたしたいと思います。
 お話の通り、昨年の災害は、従来直轄として施行しておつた区域及びその附近でもなく、又将来必ず直轄でやつたほうがいいと思われる区域において発生しましたものよりか、これをやるとすれば補助事業でやらなければならんというような所に多く災害が発生したということは私も承知いたしておりまして、やるとすれば、これは当然補助事業でやるべきであると思つておりますが、而もそれを急ぐということで、最後まで大蔵省には砂防費を殖やせということで交渉したのでありますけれども、先ほど来大臣がお話になりました通りのいきさつで、十分の予算を計上することができなかつたのですが、更に事務的に申しましても、直轄と補助との殖え方の比率は、先ほど申上げましたような事情を仮に抜きにしましても如何かと私も考えておりましてこの点も話したのでありまして、ただそのときに大蔵省はつきり理由は申しませんけれども、よく考えてみますと、これも大蔵省が直接そう言つたのではありませんけれども、推定に過ぎないのでありますけれども、御承知の通り補助事業にいたしますと、その三分の一はやはり地方財政計画において国が交付金で裏を見るなり或いは起債を認めなければならん。従つて国の予算総額にも響いて来る問題で、預金部資金の操作にも響いて来る問題であります。これを直轄でいたしますと、御承知の通りの交付公債で十年償還でやりますので、直接財政の規模にも響かないというようなところが或いは底意にあつたのではなかろうかと今考えておる次第でございますが、或いはそういうことかも知れません。大蔵省にも、遅れましたけれども、その真意はもう少し確めましてお答えいたしたいと思います。
#44
○赤木正雄君 仮に直轄事業として十万円の金がある。そういたしましても、そのうちの三分の一、つまり三万三千円余りはやはり直轄工事をやつて頂く地方で持たなければならんのであります。それからして補助事業なら、仮に十万円の国の補助があるとすれば、それに県の金が二分の一ありますから、十五万円の事業になるのです。これほど予算が少いときに、少くとも水源を治めようという場合には、建設省としては進んでむしろ補助事業のほうを推進して、少しでも仕事ができるようになさるのが本当なんです。そういう点は全然お考えにならなかつたのですか。
#45
○政府委員(石破二朗君) ここで簡単には御答弁できませんけれども、御承知の通り、砂防事業費の項でございまして、補助にするか直轄にするかという問題でありますが、御意見もありましたので、予算書に、訂正という問題でなしに、国会の御意思がもう少しはつきりしますれば、我々も直轄を補助に組替えるというような方途も全然なきにしもあらずでありますので、今後早急に努力してみたいと思います。
#46
○赤木正雄君 私は委員の各位にお願いしたいのです。今お話する通りに、これは仮に十万円の国の金がありまして、補助事業にするときには、府県がその二分の一、つまり五万円出しますから十五万円の仕事ができます。それから直轄の場合には、十万円あつた場合にはやはり十万円以上の金はできない。併し府県の負担はその三分の一の三万三千円出さなければならん。そういう観点でありますからして、委員の各位は、これほど水源が喘いでいる際において、殊に治山治水の協議会においても、今後は水害その他の観点を以て、どうしても補助事業に重点を置いて行こうということを決定していますからして、この点を委員の各位にお願いいたしたいと思います。そうしなければ水源は治まらないということを端的に申上げます。
#47
○田中一君 大臣に伺いたいのですが……。
#48
○委員長(深川タマヱ君) 只今のと関連がございますか。
#49
○田中一君 関連はありません。
#50
○委員長(深川タマヱ君) それではちよつとお諮りいたします。
 赤木委員のお願いを皆さんお聞き入れなさいますか。
#51
○田中一君 それは内容をちよつと調べませんと、ここで以て言われても、即答はできませんから、私はよく考えます。
#52
○委員長(深川タマヱ君) それでは考えることにいたします。
#53
○田中一君 大臣に伺いたいのですが、大臣が就任されて、河川行政、道路行政、住宅行政、この三つに重点を置かれて行政をやられるということを言つておられたのです。殊に道路問題についてはその財源の確保ということを目途に仕事を進めて行く、こういうようなお考えを六月二日にこの委員会で以て言つておられます。そこで我々はその御意思を尊重して、なかなか損害調査もできなかつたらしいので、道路整備費の財源等に関する臨時措置法を通過させまして、今日現存しております。従いまして大臣の希望、並びに国会の要望というものは道路整備に対して非常な熱意があるということを御承知だと存じます。併し今回提出されましたところの二十九年度予算を見ますと一我々の希望に到底至らない、甚だ大きな開きがあるような予算案を御提出になつていらつしやる。そうして一方、その道路費を地方に交付して同じような目的を達しようじやないかというような欺瞞的な法律違反の行為を犯したというようなことも言えるのではないかと思うのです。そこで建設大臣は、道路行政に対する衆議院、参議院を通じます国会の要望、これをどこまで身体を張つてこの予算編成に対する発言をなさつたかどうか、その内容についてあなたのここで説明し得る範囲のことを開陳して頂きたいと思うのです。
#54
○国務大臣(戸塚九一郎君) 国会の御意思がそこにあつたことも十分承知いたしておりまするし、私自身といたしましても、道路の重要性、この財源を確保して道路の整備をしなければならんということは重々考えておるものでございます。ガソリン税の三分の一を地方に譲与するということは、この法の趣意には大分遠うざかるものでありまして、決してこれがよろしいと初めから考えたわけではありません。併しただ政府の財政規模の圧縮という点から考えまして、地方の財源ということも考慮に入れますというと、申上げるまでもなく、今問題になつておりまする七十九億円というものを法律の通りに政府の一般予算に組入れれば、これに対する地方負担ひとしく七十九億円というものが必要になつて参りまするので、これでは到底地方の財政をうまくやつて行くことができない、かようなことも考えまして、止むを得ず三分の一を地方に譲与することに賛成をいたしました。併しただこれは、今言う地方の財源という関係を考慮したものであるので、この七十九億そのものは、どうしても特に地方の道路費、私の考えでは重要府県道に取るというふうに考えておりまするが、そういうほうに重点を置かせるというはつきりしたやり方をしなければならない。これによつて勿論事業の分量が、今申上げただけの分は減りますけれども、それは一に地方の財政ということを考え、又国の一兆円の枠で予算を収めるという観点から考え合せて止むを得ざるものと考えたのでありまして、それにしてもこの金は譲与いたしましても、地方の道路整備に充てる。勿論単なる道路整備費でなくて、はつきりと紐を付けた、いわば今建設省で策定中でありまする五カ年計画に基く地方の重要府県道の整備に充当するということを固く実施いたしたい、かような考えの下に止むを得ず今回提案をいたしたようなことになつたわけであります。
#55
○田中一君 私は今の臨時措置法を通過する場合にも、五カ年計画というものが完全に計画樹立ができるかどうかという問題は随分強く政府に伺つたのです。ところが提案者ばかりでなく政府も、大体推定されるところのガソリン税相当額というものが道路費に投入されるならば完遂できるという線で打出しておるのが現在計画中のものでありますが、そうしますと今大臣のお考えというか、結論から見ますと、この五カ年計画というものは改訂されるものというお見込ですか。それとも今の地方財源に譲渡してもこの五カ年計画はそのまま完遂するという見込の下に計画を立てていらつしやるかどうか伺いたい。
#56
○国務大臣(戸塚九一郎君) 五カ年計画は御承知のようにまだ建設省の内部で策定中でありまして、確定をいたしておるものではございません。併し今申上げたように、それだけ減つて参りますれば、自然今の策定中のものも変更しなければならんという見方も出て参ります。私どもの希望は、本年こそ止むを得ずそういうようにいたしましても、成るべく今策定中のものを実施する。後年度においても実施することができるようにいたしたい、かように考えておりますが、その点はまだ決定的にはなつておりません。殊に五カ年計画そのものがまだはつきりときまつておるものではございませんので、只今まで一応の案として持つておつたものがそのまま実施できるかどうかということは疑問がありますけれども、只今持つておりまする案そのものも相当大きく考え過ぎている点もございます。でこれが果して財政当局と折衝をして閣議の決定を経るまでにどの程度になるかということもまだはつきりいたしませんけれども、私どもとしては、少くともでき得る限りのものは後年度においてでもこれをやりたいと、かように考えております。
#57
○田中一君 緊縮財政というものに対しては我々は大賛成なんです。併しその使い方が余りに見え透いたような国民の利益というものを蹂躪したような形で使われるから、我々は緊縮財政の今の編成の仕方に対しては困るじやないかということを言つておるのでありまして、それは性格が違うのですから、自由党内閣ですから、自由党の性格で以ておやりになつておるのでしようから止むを得ません。併しながら緊縮財政そのものに対しては私どもは反対してはおりません。ただ今の道路整備費の財源等に関する臨時措置法をこのままにしておいて、今のようなガソリン税相当額というものを地方財政に投入し得ることが法的に可能かどうかという点は御研究なさつていらつしやると思いますが、どういう方法、どういう措置をとつておられるか。
#58
○国務大臣(戸塚九一郎君) まだこれは確定した結論を得ておりません。私が予算の編成当時に考えましたことは、これは国会の全体の意思でできたものであつて、簡単にこれを変更することはできないものであるというふうに主張もし、考えてもおつたのであります。当時まだ大蔵省でこの法律をどういうふうに取扱うかということについては、決定といいますか、意見をはつきり聞いておらなかつたのであります。その当時はこの法律には触れないでも、今の目的を達することができるやに言うておつたのであります。私はこの法律をそう簡単に変更することは恐らくむずかしいのじやないかというふうに当時も言うておつたし、今でも言うております。
#59
○田中一君 そうしますと、この法律をこのままで以てそういう措置が現在はとれるという見解なんですか。
#60
○国務大臣(戸塚九一郎君) 私が当時までに聞いておつたところでは、そういうように承知いたしております。
#61
○田中一君 若し大蔵省のほうでこの法律を動かすような立法の措置をした場合には、大臣はそれに賛成ですか、それとも不賛成を唱えますか。
#62
○国務大臣(戸塚九一郎君) まだいま少しく大蔵省の考えているところなり、或いはこの道路整備についての考え方を聞いた上でなければ私はにわかに賛成とも不賛成とも言いかねると思うのであります。
#63
○田中一君 それでは大臣にお願いしておきますが、この予算委員会で、衆議院における予算委員会においても、予算の審議の継続中に当委員会に向つて、この法律をどう措置したら合法的な予算の編成ができるかどうかという問題を明確に文書でも何でもよろしうございますから御答弁を願いたいと思います。
 次に伺いたいのは、やはり同じように大臣は住宅行政に対して非常に熱意を示しておられる。ところが今回の予算編成を見ますると、少くとも公営住宅法に則つた三カ年計画十八万戸の線を蹂躪しておるということは、私が申上げるまでもなく大臣よく御承知と思います。殊に物価が当時から三〇%乃至四〇%、或いは六〇%も上つているような面かありますし、労銀然りです。この所期の十八万戸計画というものをいつになつたら完成しようという見込の下に今日の財政措置をとられたか。これも又その当時閣議においても大臣はどのような努力をなされたか、どういう経過を経てこういうことになつたかということを御説明願いたい。
#64
○国務大臣(戸塚九一郎君) 私の承知いたしております限りでは、三カ年計画の初年度が非常に少なかつたようであります。従つてこの三年度目には非常に大きく残つておつた。で私どもとしては勿論三カ年計画でありますので、これを全部残りをやりたいという気持は持つておつたのでありますけれども、御承知のような財政状態でもありますし、止むを得ず多分この五万戸が前年度と同様という程度に切詰められざるを得なかつた、こういうことでございます。で、それはこの年度において少くなつたというよりは、一番初めの年度で計画自体にすでに齟齬をしておつたということのほうが主な原因になつておるのじやないか。それだからといつて三年計画でやつたものだから最後にみな穴埋めをすべきだという議論も一応立ちますけれども、それが今年はこういう事態でありますので、その実現を見ることができなかつた。甚だ残念でありますけれども、この程度になつたわけであります。
#65
○田中一君 あなたは本年度はこのような財政状態だと言いますが、これは考え方の違いですから何も言いませんけれども、併し初年度から不可能ということは予想しておりました。建設大臣は何人か変りました。従つて前大臣のやつたことはおれは知らんと言えばそれまでですが、少くとも同じ政党内閣であるから責任はとらなければならん。従つて現在の建設大臣がその跡始末をしてそれを全うするのが当然です。併しながら今日のように予算措置をとられたということは、大臣が今まで言われたところの道路行政についても住宅行政についてもやるということが嘘だということは、さつき江田委員が指摘されたように、客観情勢だから止むを得んということで以て自分の責任を回避する形が多分にある。自分の信念を以てやる行政措置が通らなければおやめになつたらいい、おやめになる決意を以てやればやはり通る場合もある、同じ自由党内閣だから……。私はそこまでの決意が大臣にあられるかどうか念を押したい。それでは甚だ意気地がないと思うのです。そこまでの熱意があられたならば、我々の今後審議する上においても甚だ意を強くして、強い質問もしますけれども、ただそうでない、自分が大臣の職責にありたいとは言いませんけれども、止むを得んからということだけで以て通してしまえば審議も何もありません。この点については強いあなたの意思を表明して頂きたいと思うのです。
#66
○国務大臣(戸塚九一郎君) 私が強い弱いは別として、やめればいいというお話でございましたが、私はやめればいいというのでは本当の責任を考えるものじやないと思つております。勿論財政状態に籍口して止むを得ないのだ、止むを得ないのだとばかり言う気持じやありませんけれども、これが今年の財政状態から行けば、繰返し申すようでありますけれども止むを得ないところだと考えておるのであります。勿論私が意気地がないとか弱いとかという意味で、私自身が考えなければならんことはこれはお任せ願つて、私自身が考えることにいたします。
#67
○田中一君 無論この二十九年度予算の編成方針というものは我々の考えと大分違うのですから、違つた観点からおやりになつたでしようけれども、少くとも最大限の努力を払つていないように考えるのです。住宅問題の三カ年計画にしましても、当初からそれは予想されておつたのです。ところがどうも初年度において少いからこういう結果になつたという言葉は、これは聞かれないのです。同じような責任者です。そこで最後に伺いたいのは、一体この三カ年計画はいつになつたらあなたの見込では完成するつもりでございますか。
#68
○国務大臣(戸塚九一郎君) 三カ年計画が二十九年度五万戸として七〇%くらいになる、あと三〇%でありますから、これも三十年度の財政状況ということも勿論考えなければなりますまいが、私といたしましては、少くともその残りは少しでも早くこれを完成するというふうに持つて行きたいと思つております。
#69
○石井桂君 私も大臣に住宅政策のことをお伺いしたいと思うのですが、今回の査定で大分公営住宅のほうは一割四分増というお話でございますが、戸数は大して殖えてないと思います。そこで一番問題になるのは住宅金融公庫等の予算だと思いますが、これは大幅に削減されておる。そうすると今、田中委員の御質問のように、住宅計画が随分狂いが出て来ておると思うのでございますが、政府とされましては住宅政策としてどういうふうに今後お扱いになるか、どういう御計画で行かれるかということを先ず第一にお伺いしたい。
 それからもう一つ第二点は、何と言つても公営住宅で住宅問題を解消するということは非常にむずかしい問題じやないか、なぜなれば、住宅の建設の統計を見ましてもおわかりになりますように、公営住宅建設戸数というものは十分の一か十分の二くらいしかないのでありまして、民間の住宅というものは非常に多い。建設されておる戸数としては多いパーセンテージを示している。そうするとどうしても民間の住宅建設の奨励策をおとりにならないと住宅問題はなかなか解決して行かない。殊に大都市のように、東京、大阪のようなところでは流入人口が何十万とあるのでありますから、これらを併せ考えると、やはり近来民間でもアパートを建築して、そうして相当に高く貸しておる貸家業が殖えて参つておりますそうで、そういうようなことも併せ考えて、住宅金融公庫の方策ばかりでなくて、別に新しく住宅問題を解決する方法を御考究になつておりますかどうですか、この二つだけ一つお聞かせ願いたい。
#70
○国務大臣(戸塚九一郎君) 住宅金融公庫のほうも昨年と比べても滅つておる。これは誠に私も遺憾に存じて、最後までせめて昨年通りというふうに骨折つたと申しますか、つもりでありますが、これは一面に財政投資の圧縮という面もありまして、財政投資を各事業別に考えれば、まあ変な言訳ですが、率としては必ずしも住宅金融公庫の分が軽く扱われておるわけではございません。併し結果においてはとにかく一万戸減つておるということは本当に残念に思つておりますが、これも繰り返すようでありますが、そういうわけで止むを得なかつたのでございます。
 なお、今後の方策としては決して住宅問題を疎かに考えておるわけではございませんで、できる限りの方法を講じたいと思つております。又只今お話のような別の面からの住宅政策ということについても常に考究をいたしておるのでありまするけれども、まだ十分の結論を、こうした制度を設けるとか、こうした方策をということまでははつきり参つておりません。
 それから申し落しましたが、公営住宅のほうで金額が殖えておりましたのは単価の増を幾らか見積つたのが大きな差であります。
#71
○石井桂君 住宅金融公庫の予算が減つてはおりますが、貸付方法についてもう少しお考えになれば、私は相当に成績が挙げられるのじやないか、承わりますところによりますと、昨年度は相当の住宅金融公庫に対する予算をお取りになつて、その範囲内で契約をなすつておる、そういたしますと、建築というものはどうしても三カ月や四カ月かかるのでありますから、いつも取つた予算の何割かは必ず残るような建前になります。そこでお取りになつた予算を上廻つて、二割とか五割とか上廻つて勇敢に契約なされば、恐らく予算が消化できるのだろうと思います。漏れ聞くところによりますと、今年はそれをやるということですが、一体今取られた百八十億でございますか、これで四万戸できるはずでありますが、今後四万戸だけ今年度で計画する計画でいらつしやるのか、五万戸か六万戸か、その辺の運用の方法ですね、どういうふうにお考えになつていらつしやるか。
#72
○国務大臣(戸塚九一郎君) ちよつと事務当局でどういうふうに計画をしておりますか私十分承知いたしておりませんが、御趣旨のところはよくわかりました。殊に二十八年度は、これは大蔵省の関係の制約もあつたようでありまするが、暫定予算の関係で、貸付の手続が非常に当初遅れたことが、私予算実施に非常な悪い影響を与えたということをあとで実は承知いたしたのであります。これはまあ予算ができるということが明らかになつたときから直ちに、今の何と申しますか、取扱いと申しますかをやつてよかつたのじやないかと思います。今年は余り窮屈に考え過ぎたというか、これは大蔵省のほうでもそういうことを非常に厳重な意見もあつたらしいのでありまして、そういうことでつまり取り掛りが遅れたということで本年度は非常にまずい結果になつた。只今の御趣旨もございますので、来年度については特にそういう点について考慮を加えて参りたいを思います。
#73
○石井桂君 只今大臣の、予算が暫定予算で遅れたとおつしやつておられますが、その点も勿論あると思います。これは私が聞きましたところによりますと、大蔵省は、例えば昨年度の予算が取れたらば、その取れた範囲だけしか契約をしちやいかんという監督を金融公庫のほうに対して厳重にしたそうであります。そうしますと、建築ができる期間が何カ月かあります、もう会計年度の終り頃に契約したやつはできないにきまつていますから、そういう分も含めて説明を十分すれば、幾ら頑迷な大蔵省でももつと契約を許したろうと思います。その点をどのくらい幅を持たせてつまり契約ができるかということで、この百八十億は昨年度の二百四十億くらいにも活用ができると思います。ですからそれは大臣が事務当局にお任かせになるばかりでなく、みずからが御努力なされば私はできると思います。そういうことで一つ住宅を殖やすことをお考え願いたいを思うのが私の発言理由であります。
 それからもう一つ民間のつまり自力住宅といいますか、従来あつた貸家住宅の立ち行くような御研究を重ねて一つお願いしたいと思います。これは幾ら役人が政府の金或いは公共団体の金で住宅を建てても、住宅のない人全部に与えることは、これはとてもできないことであります。それに対してはやはり民間の建築意慾を、住宅に対する意慾を唆るよりほかないので、これらのことを、むずかしいことでありますが、一つこれはまじめになつて取組んで頂きませんと、やはり自由党は住宅政策に冷淡だということの責は私は免かれないと思います。その点我々も非常に残念だと存じますので、一つ是非是非お骨折り願いたいと思います。
#74
○国務大臣(戸塚九一郎君) 先ほど申上げましたのは、本年度のやり方が拙かつたということだけを私は申上げたのでありますが、先のお話の年度初めから早く少し余分に申込を受けるというやり方は、よくお話のことは了承いたします。
 それから民間住宅の問題は、これは家賃の関係とかなかなかいろいろむずかしい点があると思います。すでに研究はいたしておるのでありますが、まだ結論は出ておらないのであります。この上とも十分研究いたします。
#75
○飯島連次郎君 私も大臣に二、三前の委員の述べられなかつたことを主にして質問したいと思います。
 第一に治山治水の対策協議会の問題ですが、これは本会議でも私はお尋ねしましたけれども、この問題の推進に関する特に大臣の御努力に関しては、私は蔭ながら伺つて、その労は多としておる一人でありますが、併し日本の全般の情勢や昨年の特に風水害のあと寄せられた国民のこれに対する大きな期待等から考えると、如何にも龍頭蛇尾といいますか、期待に反したという感が内外に非常に強く上つておりますので、これが推進については緒方会長も決してこれは画に描いた餅ではない、飽くまで一つ、今年は満足ではなかつたけれどもやつて行きたいということを表明されておりますので、これは何と言つても建設大臣が中心になつて頂いて、そうして我々委員会においてもこのためには協力を惜しむ者は恐らく一人もないと思いますから、一つ十分国民の期待にも副い、なお災害亡国の日本を何とか一つ、一歩でも乏しい財政の中から推進させるという具体的な実績を一つ挙げて頂くように、実は今後とも強く大臣に要望申上げておきたいと思います。
 それからお尋ねしたいことは、治山治水の問題で、砂防とダムと河川の浚渫、この三つに重点を置いて今年は推進したいというお話でしたが、この示された予算を拝見すると、特に砂防の点につきましては赤木委員からお話がありましたから、私はあえてこれに加えることは何もありませんが、特に浚渫の問題についてこの予算を見ると、浚渫と言つても、これは結局今の河川の状況からすれば、かなり浚渫船その他の機械力を利用する計画が具体的な方途ではないかと思うのですが、この予算では建設機械の予算は四億八千万余りも昨年に比べると削減されておりますが、浚渫をする具体的なものは何を私は重点的に推進をされるのか、これを一つ大臣に伺いたいと思います。
#76
○国務大臣(戸塚九一郎君) 実は先ほどの説明の中に、やはりこれを言いながらちよつとまずい言い方だつたと思つておりましたが、従来の機械整備の経費について申上げたつもりなので、浚渫の機械は特に一般の河川費のほうで処理いたしたい、かように考えております。浚渫々々と申上げましたが、勿論前からこれは考えられておつたことでもありましよう。特に昨年の水害以来強くそれを考えておるのでありますが、日本の河川の状態が、従来の堤防に重きを置くよりも、浚渫を主として行くほうが効果的であるということは、私ども一致して皆考えておるところであります。それが幸いにして近年そうした機械が多くなつて来たというのも、従来できなかつたことができるという時代が来たというふうにも考えられます。で、機械力による以外にありませんので、そういう意味で機械は民間のものも動員いたしましよう、又河川費のほうからも十分にできるだけの機械を整備して実行いたしたいという考えでおります。
 大変言訳のようでありますが、この二十九年度の予算は決して多いとは申されません。先ほどからだんだん御指摘のありました通り、特に効率的に使うという意味からも、砂防の点も考えておかなければならん点が多いし、又浚渫についても只今申上げたような意味で、十分その辺に力を尽くして、この予算以内でできるだけのことをいたしたいし、今後も一層大きくこれを取上げる時期が来ればこれに超したことはない、かように考えております。
#77
○飯島連次郎君 ちよつと昨年に比べて河川関係が二十三億ばかり殖えております。この殖えた経費のうちで機械関係にどれくらいの費用を充当されるのか。昨年の実績と引比べてどれだけ今年は一体浚渫関係の経費を殖やしておるのか、そういう点について局長でも結構です。
#78
○政府委員(米田正文君) 浚渫に関する二十八年度との対比でございますか、実は二十九年度予算案ができましたのは極く最近でございまして、実はこの予算の中で只今大臣からお話頂きましたように浚渫或いは掘鑿等河川内の整備によつて洪水流量の増加を図るという方途について、そういう方針の下に今年度二十九年度の浚渫計画を今案を作りつつあるところでございます。で各河川について一本ずつについての検討をいたしております。
#79
○飯島連次郎君 それではその問題は成るべく早い機械に一つ局長からでも委員会にお示しを願いたいと思います。
 それから次に、大臣にお伺いしたいことは、ダムの問題ですが、これについてはどうも多少重複のきらいもなきにしもあらずと思います。ですからそういう点から考えると、各県が競つて県営ダムをやろうとしておるのですが、これらを我々素人が見ても、なかなかああいう乏しい技術者でどうかと思うことが目につかんこともないわけです。これらについてはこういうときでもありますので、これは十分一つ建設省としては効率的な国費の使用という点から、重点的な地区をどういうふうに考えておいでになりますか、それらについてのダム建設についての本省の御方針なりを一つ大臣からお伺いしたい。
#80
○国務大臣(戸塚九一郎君) お言葉のようにダムがはやりのようになつたということも穿つたお言葉であると思います。ただ特に治山治水の意味から考えましては、従来のように県で競つてやるという、電気と絡めたダムだけを考えておつたのではいけないので、洪水調節を主眼とした調節ダムというものをもつと今後考えて行かなければならんというふうに只今は考えております。
#81
○飯島連次郎君 最後にお尋ねしたいのは、建設省予算では、例の産業開発青年隊の導入補助金が昨年に比べて今年は若干増額を見ておるのであります。昨年度のこれらについての実績については、私どもは委員会で詳しく報告を受けておりませんし、現場等も拝見してないので、ここでこれの内容等については云々いたしませんが、私はこれと若干の関連があると考えられることは、この間木村保安庁長官の本会議における答弁にもあつたのですが、保安隊を国土建設或いは産業開発等に従来よりももつと積極的に活用する方途を講ずることを私は提唱しておるのであります。これは法に示す通り、保安庁法の八十一条で、国又は地方公共団体の工事を引受けることができるということが、これは明文に書かれておるわけですから、これを我々としてはもつと拡大をして、いわゆる民兵というか、そういう思想、或いはそういつた企画の下に折角こういつた乏しい予算の中から防衛関係の経費が千数百億も使われておるのですから、その経費と公共事業費というものを噛み合せれば、尤に農林関係も含めて三千億を恐らく本年度の予算は越しておるわけですから、こういうのを、小さなセクト的な考えを除いて、もつと大きな点で調整して頂けば、私は建設事業等についてもまだ活用の余地が将来非常に殖えて来るのじやないか。アメリカそ他においてもすでにそういう例はたくさんあるのですから、もう少しこれは建設省当局におかれましても、極めて乏しい経験が保安隊自身においておありのようでありますけれども、今までのそういつた経験だけから将来を判断することなしに、もつと広く大きな見地で国費を重点的に、少い国費を十二分に活用するという考え方で、建設大臣としては将来これが活用について非常に大きな期待を持てるのかどうか。或いは逆に考えれば、こいつはまあ実際は有難迷惑なことなのかそこらを、多少の経験をお聞きになつておる、それらについての御意見が若しお聞かせ頂けるならお聞かせ頂きたいと思います。
#82
○国務大臣(戸塚九一郎君) 保安隊を活用するといいますか、只今お話のような面に働いてもらうということは大変結構なことだと思いまして、私自身といたしましてはこの点はもつと話を進めて、成るべく能率的に働いてもらいたいと思つております。ただ技術面から設計その他については余り一切を任せるというようなところまでは行きにくい点があるので、その点を只今いろいろ考えておるわけでありますが、お話の御趣旨は全く同感でありますし、木村保安庁官ともしばしば話合いをいたしております。それから又保安庁といたしましても、木村長官が考えるようにばかり行かない点もある。各地の部隊になりますと、いろいろそう簡単に参らない点もあるようでありますが、こういう点は順次こういうことを実際にやつて行くようになればその間の連絡もでき、又保安隊の作業などというものもそういうことについて実地の経験が積まれるようになりますので、これら調整のうまきを得て行けば非常に効果を挙げて行くんじやないかと、かように考えます。
 それから最初にお話のありました産業開発青年隊、これは建設省でやつておりまするのは、各現場に地方の青年を四、五十人ずつ集めて、技術を習得させ、或いは機械の扱い方を習得させる、で、それが続いてそうした職に就いて行くところまで進んで行つて、専門の技術を研究して、実習して、それぞれの仕事場に働くようになつて行く。只今各所でやつておりますが、相当いい成績を挙げておるように私も承知いたしております。これはなお適当な機会にもつと詳しく御説明を申上げたいと思います。
#83
○飯島連次郎君 保安隊との関連というか、活用の問題の一つとして、これは小さな問題ですが、現在の機構と編成でいうと、例の施設軍とか特科団というのがありますね、保安隊の中に。これはいずれも二カ年すれば所定の教育を終了するわけですから、これは主としていわば機械化訓練を受けた人たち、そういう保安隊を二カ年終了した、施設軍とか特科団の終了者を建設の面で活用すれば、それだけの教育、それから技術を身に付けておる人たちですから、例えばさつきのブルドーザーなり或いは浚渫船等の操作等に、私はかなり経費、労力、時間等が省ける面も出て来るんじやないかという気がいたしますが、保安隊の予備軍の活用という意味で若し連繋ができるとすれば、一応保安庁と連絡をおとりになつてみる必要があると思いますが……。
#84
○国務大臣(戸塚九一郎君) お話は承わつておきます。
#85
○赤木正雄君 議事進行、本日はこれで……。
#86
○委員長(深川タマヱ君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#87
○委員長(深川タマヱ君) 速記を付けて下さい。
#88
○小沢久太郎君 大臣にちよつとお伺いいたしますが、実は去年の十二月十五日、この委員会でいろいろ試験所の機構の問題いろいろやつたんですが、そのときに参考人の元地建局長の伊藤令二君が、技術官の待遇は非常に悪いんだ、それがために非常に、何と申しますか、事務に支障を来すということを言われておるんですが、そこで委員長にそれに関する資料を要求しておいたのですが、若し今日お持ちになれば出して頂きたいし、それから若しもお持ちでなければ、大臣からそういう事実があるとすればそれを是正する御意思があるかないかということをちよつと伺いたいと思います。
#89
○国務大臣(戸塚九一郎君) 只今資料は恐らくまだ持つて来ておらんと思います。なお、そういう事実については十分私も調べてみまして、考えてみたいと思います。
#90
○小沢久太郎君 それでは一つ資料を提出して頂きましてそれか月又論議さして頂きたいと思います。
 それからもう一つ、去年やはりダムの建設に従事するような方が非常にまあ僻遠地で、生活も二重になる。それで非常に困るというようなことにつきまして、大臣並びに官房長にその待遇につきいろいろ申上げたところ、これは早速善後措置を講ずるというお話でございましたが、そのこともそのとき御返事願いたい、そういうふうに考えます。
#91
○委員長(深川タマヱ君) では赤木委員の御提案の通り、本日はこれで打切つて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#92
○委員長(深川タマヱ君) それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト