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1953/03/23 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 建設委員会 第17号
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1953/03/23 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 建設委員会 第17号

#1
第019回国会 建設委員会 第17号
昭和二十九年三月二十三日(火曜日)
   午前十一時十五分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     深川タマヱ君
   理事
           石井  桂君
           三浦 辰雄君
   委員
           石坂 豊一君
           小沢久太郎君
           鹿島守之助君
           赤木 正雄君
          小笠原二三男君
           近藤 信一君
           田中  一君
  政府委員
   建設政務次官  南  好雄君
   建設省河川局長 米田 正文君
   建設省道路局長 富樫 凱一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       武井  篤君
   常任委員会専門
   員       菊池 璋三君
 説明員
   建設省住宅局住
   宅経済課長   鮎川 幸雄君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○住宅金融公庫法の一部を改正する法
 律案(内閣送付)
○連合委員会開会の件
○岩手県田瀬ダム建設に伴う漁業権補
 償の請願(第一四四五号)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(深川タマヱ君) では只今より建設委員会を開会いたします。
 本日の予定は、最初に前回に引続き住宅金融公庫法の一部を改正する法律案に対する御質疑を願い、次に道路整備費の財源等に関する臨時措置法の一部を改正する法律案の御質疑を願うことになつておりますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(深川タマヱ君) 異議ないものと認め、さよう進行いたします。
 本日御出席の政府委員は、南政務次官、鮎川住宅経済課長でございます。なお、住宅金融公庫より鳥井理事、岩永理事の御出席もございます。では順次御発言を願います。
#4
○田中一君 前回の委員会で私から要求した資料の説明を願います。
#5
○説明員(鮎川幸雄君) 前回田中委員から御要求がございました資料を提出いたしておきましたので、その項目と内容を御説明申上げます。
 先ず第一に主要都府県における宅地開発計画例というのを提出いたしておきました。それから次に同じ紙でございますが、宅地造成費及び譲渡価額の基準というものを掲げております。そのほかに標準建設費内訳書というものも提出いたしておきました。又木造、簡易耐火構造、耐火構造の住宅建設工事使用書いうものを提出いたしておきました。
 それで主要都府県における宅地開発計画例について御説明申上げますと、これは各ここに掲げております東京、大阪、神奈川、兵庫、愛知等におきます或る地域の具体的な地域におきます例でございまして、これについて例えば大阪で申上げますと、造成予定坪数が二万坪、これの取得費は坪当り千五百円、それに整地費、それから水道、ガス等の施設費、道路施設費、事務費等を合わせまして千六百円、それから宅地譲渡をいたします場合の価額はこれらを合せますと大体三千八百七十五円、こういう例でございます。なお、ほかの地域も大体こういう例で一応掲げておきました。
 それから宅地造成費及び譲渡価額の基準というのを下に掲げておきましたが、これは一定の標準の場合におきまする取得費及び造成費の問題でございまして、例えば取得価額がこのように三段階、一応二千五百円、千五百円、七百五十円というふうな取得価額が考えられまして、更に道路敷地の負担額としましてこのほかに五百円、三百円、百五十円というふうに一応標準的に考えられるわけでございます。なおそのほかに造成費といたしまして、給水に三百九十円、排水に二百五十円、それから電気に百三十円、瓦斯に二百五十円、宅地道路構成に百円、それから盛土、切土、擁壁設置等に三百八十円、合計千五百円。で、造成費が千五百円でございますので、取得費が二千五百円の場合におきましては譲渡価額は四千五百円、千五百円の取得の場合には譲渡価額は三千三百円、七百五十円の場合には二千四百円というように、譲渡価額が大体この程度でおさまるだろうというふうに考えておるわけでございます。なお、このほかに譲渡の場合の事務費等につきましては若干加わると思いますが、取得費に造成費を合わしたもの、それに事務費をおさえて大体最終の価額が只今公庫において定めております土地の標準価額の範囲乃至その前後において譲渡できるようなところの宅地開発を予定いたしておるわけでございます。
 それから標準建設費内訳書についてその概略だけを御説明いたしますと、これは公庫におきまして先般も申上げましたように、全国的に二カ月毎に調査をいたしておりますが、その調査の資料によつてこういう数字を出しているわけでございまして、木造住宅十五坪の場合、これは東京における例でございますが、木造住宅の十五坪の場合にはここに掲げておりますような一から十三までの諸経費を見まして総額で五十一万円余りでございまして、これを坪当りにいたしますと三万四千二百九十円になるわけでございます。これを端数を切捨てまして只今の標準価額は三万四千円になつているわけでございます。先般三万三千円と申上げましたが、これは十一月に定めました標準建設費でございまして、只今は三万四千円で施行するように準備いたしておるわけでございます。あと簡易耐火構造住宅の場合、耐火構造の場合というのを例を掲げてございますが、以下同様な趣旨で坪当り単価を出しているわけでございます。なお、その基礎となります使用書につきましては別に各印刷物がございますので、そのような使用書になつているわけでございます。
 簡単でございますが御説明いたします。
#6
○田中一君 このほかに宅地造成を営業としておる会社、即ちこの要綱で見ますと、業務を実施するに適当な組織と能力を有する営利会社のリストをお出し願いたいというように要求しておりますが、それはいつ頃出ますか。
#7
○説明員(鮎川幸雄君) この法律におきます文面におきましては、宅地開発造成事業ができますのは、一応営利会社もできるようになつておるわけでございますが、これは同じ法律におきまして譲渡価額を制限いたすようにいたしておりまして、この内容につきましては、先ほども申上げましたような大体取得費に造成費と事務費を合せたものによつて抑えておるようでありますが、そういうふうにいたしますと、事業そのものといたしましては、営利的にはできないようになつておるわけでございます。従いまして普通の営利事業としてやつておりますところの会社におきましては、この事業はちよつとやり難いのではないかと私どもは考えておりますので、その会社はそういう営利的な開発事業をやつておりますのが全国に相当あると思いますが、私どものほうにおきましては大体の傾向はわかつておりますが、個別的なところはまだわかつていないわけでございます。
#8
○田中一君 先般住宅局長に約束したですね。今私が要求した資料を早急にこれを出して頂きたい。これができなければ私は審議の結論を出すことができないのです。委員長一つ要求して頂きたい。もう一つ要求した資料がまだあるのですが、今述べられた六府県において一応このような計画が立つておるならば、大体どこをどういう場合という構想がなくちやならない。即ちこのように単価を一応坪当りでこれで取得するという計画があるならば、一応目安がなければならない。そのモデルをどこでもいいから、何も明確にしないでいいから、そのモデル地区を指定して頂いて、そうしてそれによつて私たち検討したいと、こう考えておるのです。その資料を要求してあるんですが、それは如何ですか。
#9
○説明員(鮎川幸雄君) 最初に御説明いたしました東京、大阪、神奈川、兵庫、愛知の例は、これは大体開発予定地域の問題と一応考えられます例でございまして、これはその中の一部分を取出したわけでございます。このほかに只今まだ全部詳細にまとまつておりませんが、東京以外の各地域におきましては、大体四万坪から十万坪程度の開発予定地域を予定しておりまして、それに対する予算等の準備をいたしておるわけでございます。
#10
○田中一君 その資料を出して頂きたい。
#11
○説明員(鮎川幸雄君) これは準備のでき次第提出いたしたいと思います。
#12
○田中一君 これは政務次官にお尋ねいたします。今鮎川君からの御説明を聞きますと、営利会社では到底、これがなし得ない、営利的にはこの敷地造成ができないのだというような御説明があつたのですが、私はそう考えております。この今の説明からみると、そう考えております。併しながら若し営利会社ができないものならば、当然法文から削除するのが当り前でしよう。その点どうですか。
#13
○政府委員(南好雄君) お答え申上げます。鮎川君の説明は営利を対象とする会社が宅地の造成のようなことをやりましては、ちよつと譲渡価格を制限いたします関係から、いわゆる会社の目的を達するようになりがたいのではないか、従つて全国にこういう種類のことをやつておりますような法人は、この種のいわゆる宅地造成はなかなかできかねるのではないか、こう返事したのであります。果して適切な例であ、るかどうかはわかりませんけれども、電鉄会社などがその宅地造成そのものを営利の目的とせずに沿線の開発というような、又交通量の増加というようなことを狙いまして、宅地造成そのものにはいわゆる費用だけでやるような場合も出て参りますので、そういうような場合が仮りに出て来れば、これをしも禁止する必要はないのでありまして、目下の状態におきましては御承知の通り、宅地が非常に不自由しております関係から、営利さえ目的とせず、なお且つ、こういうようなつまり住宅政策に協力をなし得られるような態勢になつておりまする法人の、そういう事業をも禁止する要はないので、その他の法人ということを入れたのでございまして、今私が考えられる例といたしましては、交通機関の会社がそのもの自身を営利の目的とせずに事業をやるような場合は、まあ適切な例かどうかわからんかも存じませんけれども、その例に当てはまつて来るのではないか、こういうふうに考えております。
#14
○田中一君 非常に私のあなたに対する質問の結論が私の考えと同じになつたのです。だからいけないというのです。あなたは今電鉄会社は乗客を目当にこうした非営利的な営業として、この敷地造成をやるとおつしやるけれども、大体電鉄会社というものは何百万坪という敷地を持つておるのです、沿線に。そうして成るほどこの造成敷地は或いはただで提供する例もあるのです。東急では日吉に慶応大学を呼んだときには無償でいいから来てくれと言つて呼んだのです。土地は無償にする。その代り、あそこに二万坪の土地を無償でやると、自分の持つておる何百万坪の土地が全部値上りをするのです。電鉄会社の価格の上るのを狙うが先ず一つ、同時にこれは恒久的なものです。すぐにキャッシュにかからない。併し隣接に部落ができ或いは商店街、住宅街ができるというその土地を全部電鉄会社が持つておつて、土地の値上りによつてカバーするのです。これを規制する方法は電鉄の交通云々だといいますけれども、土地が不当に値上りをするという現実を抑える方途をお持ちですか。
#15
○政府委員(南好雄君) お答え申上げます。そういう実例も恐らく将来には出て参るかとも存じます。併し今の状態はむしろ宅地難で非常に困つている。従つて二万坪なら二万坪を非営利でこういう種類に使つて行くということさえも私は禁止すべきではなかろうじやないかというような気持がするのであります。若しも実際問題として、指導の如何によりましては、田中さんの御質問のような実例も将来は起きる虞れは私はあると思いますが、今のところではそういうような虞れは私はまず当分ないのじやないか。
#16
○田中一君 一体住宅金融公庫ができてから土地が上るのです。住宅金融公庫が貸付を発表しますと土地はぐんぐん上るのですよ。あなたのように立流なお家をお持ちのかたは、それけ知らんでしようけれども、庶民が、住宅金融公庫の貸付が発表されると、百人に一人或いは二百人に一人かの当選率しかない。住宅困窮者が一つの土地に対して何百人も殺到して来るのです。それにつけこんでやるのが土地会社なんです。これは現に今まで三年も四年もやつてよくわかつているはずです。だからこそ土地の値上りがあるからこそ取引、金融公庫の取引もありますが、昨年のように当選しても返却するものが多いのです。そういうあまい考えではいかん。こういう法律を出して営利会社を利するということはとんでもない話です。僕は政務次官、あなたは実体を知らないと思うのです。先般住宅局長にもこのことは要求してあるのです。現在までに土地の造成、土地の分譲を目的にした会社がどういうような形で運営して来たかを調査して、資料として出して頂きたい、こう申上げてあるわけです。私ははつきりとその実例を、政府が収集する資料によつて説明します。従つてこれを至急に収集して頂きたい、又そういう資料を、そういう調査をせずして、政府がこういう法律案を出すのが間違いです。我々が納得するような形の資料をお出しになつて、そうして審議をいたしましよう。
#17
○政府委員(南好雄君) お答え申上げます。先の委員会につきましては私出席しておりませんので、田中先生から要求された資料を存じておらんのであります。今日確かに御要求を承わりましたので、次回までには政府において調べ得る資料を提出いたしたいと思つておりますが、田中先生の今の御質問でございますが、一応はそういう考え方も一つの考え方だと思います。とは申しますものの、それでは宅地を造成しないで済むか、或いは何と申しますか、住宅を必要とする資金を貸付けなくてもいいかというような逆の議論にはならんと私は思うのであります。要は今日の世の中の事態、非常に宅地も困つております。国家財政をできるだけ按配いたしまして、及ぶ限りその方面に応じて行くというようなやり方を政府がしておるのであります。そのやり方につきまして、或いは田中さんの言われたように家を建てるのに必要な金を貸す、そのために宅地が上るというようなことも或いはあるかも知れませんけれども、大体今までの公庫の貸出方針と申しますものは、持つておる土地に、さてその家を建てたい、併し金が足らんというのでそれに貸す、一段落そういうものが済んで参りましたから、なかなか建設資金は借りられても土地がない。そこで公庫の業務を拡げて、なお宅地をも造成して、世の中の要望に応じたいというのが今回の、何と申しますか、この法律改正の主たる狙いなんでありまして、だんだんそういう問題についての裏も考えられましようが、素直にそういう実例も又私の申上げるような実例も出て参るのでありまして、彼我勘案して頂いて、一つ慎重に御審議を賜わりたいと存じておるような次第であります。
#18
○委員長(深川タマヱ君) 田中委員に申上げます。住宅局長は本日はお風邪でお休みでございます。
#19
○田中一君 今政務次官は土地が、宅地がないから土地が高いから造成してやるというのは、安く分譲する土地はたくさんあるのです、宅地はたくさんあるのです。それはあなたのほうで、ここに要綱の第五で、土地所有者は多層構造の住宅を設計する云々と書いてある。これを広く用いたならば問題はない。宅地を持つておつて多層式な家を建てれば、空間を貸してあげましようという、土地を持つている人がたくさんいるのです。あえて二十万坪も高度に計画的に利用されるという土地を平面的な延ばし方をするのでなしに、たつた四つになつている島が、人口が先般も調べると八千七百万というのです。それにこのような思想で以て宅地の造成をやつて行けば立ち行かない、こういう考え方が間違いなんです。土地はたくさんあるのです。土地があることはわかつているから、あなたがたが、所有者が云々という、あなたがたが云々という、この要綱第五に規定しておるのです。平面的に何でも使う、平面的に造成することは何でもない。そうして一部の土地所有者に対して不当なる不労所得を与えるという行き方は、これは間違いです。例えば二十九年度に二十万坪の土地の造成ができれば、住宅金融公庫の金を借りる人間がそこに殺倒するが、そんなものではないですよ。土地はたくさんあるのです、市中に……。これがあなたが市中の土地は高いと言う、ちつとも高くないのです。一坪三万円の土地が五カ年にすればそれだけ安くなるのです。殊に現在土地の所有者は要綱第五にあるように、若し五十年、年賦で金を貸してくれるならば、自分の家を建てますよ。五階六階にして、それを貸しましようということがあるのです。ただ、今まで何十年前からかやつているところの電鉄会社その他土地会社と同じようなシステムで以てものを解決しようということは敗戦の今日においてはかなわないことなんです。満洲や朝鮮やあらゆる土地があつた場合にはよかつたでしよう、今そのような思想、数十年前に考えられた土地会社の思想を以て庶民住宅を、宅地の造成というのはおこがましいですよ。時代錯誤ですよ。今日はそのような余裕がないのです。そのほかに未利用の土地がたくさんあります。なぜこれに手を付けないか、それも一応手を付けようとして要綱第五で示しておるのでしよう。これを高度に利用したらどうですか。あなたのような思想で以てやれば二十年たつたら全部空地という空地は全部なくなつてしまう。この四つの島の国土を如何に高度に利用して人間を住まわせよう、生産も増そうという方途に行かなければ、日本は立ち上がれるものではないですよ。三十年、四十年前の土地会社や電鉄会社がやつた無理を政府がしようとしているのです。
#20
○政府委員(南好雄君) 私は田中先生の御質問にお答え申上げたのであります。この個々の改正の狙いはやはり多層住宅を造ろうというのも一つの狙いでありまして、今御意見のような考え方も現在においては私は確かにいい。政府としても取上げなければならんものだと私も考えております。併し一足飛びにそこへ参りますのもどうかとも考えまして、先ず十階程度のいわゆる多層的なアパートを造つて、そうしてそれをやつて見ようというのがこの法律の改正の他の狙いにもなつておるのであります。私は地価が相当上つておりますような、例えて申しますならば、東京や大阪というようなところでは、将来の考え方といたしましては、この法律も改正いたしましたように多層住宅というふうに進んで、狭い土地を高度に利用するというようにならなければならんものと考えております。併し他の都市におきましては、まだ全部多層的に持つて行くというような時期にも達していないようにも考えられますので、それこれと併せてやり得るような形をして行くほうがいいのじやないか、こういうふうに考えまして、今のような法律改正を行なつたような次第なのであります。
#21
○田中一君 ですから一歩引下つて、不当なる利益を受けるものを抑制する方途を持つならば、一応私はこの原案に賛成してもよろしいということです。併しながらこれが営利会社に資金をやることについては全くいけません。私がいけないとかいいというのは甚だあなた不愉快か知らんけれども、今まで数十年前から土地会社や電鉄会社がやつて来た商売の調査をして、資料を出して下さい。そうすると、私がこうしてつべこべと質問するよりも一目瞭然とわかります。土地が狭くなつているにかかわらず、領土が狭くなつておるにかかわらず、何十年前かの営利会社がやつたと同じようなシステムで国家資金を流すなんてよくないですよ。若し一歩下つて私が考えるならば、この新しい宅地の周囲、受益者負担区域をきめまして、道路の場合、何メーターなり何百メーターでもかまいません、その敷地の周囲幾ら、これに対する受益者負担を課せられるような気持があるならば、これ又一応考えましよう。野放図もなく大きな敷地を持つということは、これは金持ちなんですよ。それはどんどん二十万坪のところへ二万坪の敷地が造成される、なるほどそれは安い。安いがその隣接の土地というものは非常に高くなるのです。それを抑制する方途を持つならば考えてもよろしい。道路法第三十一条には受益者負担という項目があるんです。このようなものを発動して、それに附随するところの不当なる地価の値上りを抑制する方途があるならば認めてもよろしいというのです。その点どうですか。
#22
○政府委員(南好雄君) お答え申上げます。私はものの考え方又もののやり方といたしましては、こういうふうにやつて参りまして、そうして今田中さんが虞れをお持ちになつたような問題が起きて来たときには、又それを対象にしてやつて行くのが、まあ平たく常識的な行きかたでなかろうかと考えております。これは御承知のように譲渡価格も制限しておるのでありますから、田中先生の言われる何十万坪のうち一万坪か二万坪を囮販売的に安くして、他の土地の地価の上るようなふうにやつて行く虞れがあるから、何と申しますか、公庫以外の法人にやつてはならないというようなまあ御議論だろうと思います。併し必ずしもそうばかりとも断定はできないと思うのでありまして、例えて申しますならば、電鉄会社の営業の方法が過去においてどうであろうと、将来におきましては住んだ人の交通によつて利益を上げて行くというような、若しやり方をやつて行くならば、それも禁止するようなことは必要はなかろう。若し万一こういう方法にやることによつて御懸念のような例が出て参つたならば、道路の場合、受益者負担と法律にあるのでありますから、やつてもよかろうし、更に進んで高層建築を又逆にするような建築制限法でも作つて行く、で四つの島に成るべく土地を高度に利用するような段階に進んで行かなければならんようになるかも知れないが、現在の段階におきましては、そういう考え方もあるが、まあ私たちの考えているような行き方もある。とかく先のほうを考えましてその手を打つて参りますことは、又打つて参りますこと自身に、いろいろの議論が出て参ります。そこで漸を逐つてやつて行く、そういう憂いが出て参りました時には、それに必要な手を打つて行くというほうが、まあ我々の考え方であり、今回の改正の趣旨でもあるので、一応私の御説明で一つ抂げてお願いしたいと思うのであります。
#23
○田中一君 私はそんな説明じや全然満足できないのですよ。従つていつまでやつても併行線ですから、もう言いませんけれども、ただ私が言う資料をして下さい。資料を出して資料の説明を願つて、そうして質問しましよう。もう到底併行線ですよ。
#24
○三浦辰雄君 今の田中さんの御質問に関連するのですけれども、まあ恐らく今のいわゆる営利法人と言いますか、そういう連中には進んで大いに特別に貸出すというような措置等はないのであつて、要は、目的は、土地のない者に成るべく低廉な便利なところを貸すという意味から、こういうものが出たのだろうと思つておるのですけれども、そこで土地の造成、それは例えば公共団体にしても、或いは今言つた問題の団体なり会社にしても、造成をしようというとき、いろいろまあ計画をお取りになると思うのですがね、その際に、勿論水道、ガスといつたようなものがやはりひけるという計画であり、事実客観的にもひけるというような場所でなければ、これは絶対使わないというか、貸出したくない、貸出さないというふうにお考えなのでしようか。
#25
○説明員(鮎川幸雄君) 只今の御質問は宅地の造成の基準はどの程度に考えておるかという御質問だと考えるわけでございますが、只今私が一応先ほど御説明しました宅地造成費及び譲渡価格基準のところで御説明いたしましたように、まあ成るたけ安い価格で最終の利用者に渡したいという一つの目的がございますので、その価格の中でおさまるような範囲の造成基準を又考えなければならないわけです。これは併しながら造成し開発する地域というものは非常に千差万別でございまして、必ずしもその基準によつてできることは、非常にむずかしい場合があると思います。一応只今のところで考えておりますのは、給水、排水、電気、ガス及び宅地に必要な道路、その他整地ということを一応基準として考えておるわけでございまして、そういう基準を満すところに先ずやつてもらつてはどうかと考えております。併しながらガスはなかなか全部の地域においてこれが満されるかどうか、むずかしい問題だと思いますので、これは標準価格内で、標準価格の前後において、大体ガスがひけるというようなところがありますならば、これも十分にやつてもらいたいと考えておりますが、それ以外のものは大体一応給水、排水、電気、整地、その他は十分やつてもらいたいというふうに大体考えておるわけであります。
#26
○三浦辰雄君 一応希望的にありたいという姿は当然のことだと思うのでありますが、さて実施してみると、今すでに説明しておるように、ガスは勿論、或いは水道等も行かないようなところにもやりかねないというか、場合によつてはやるという点が想像されるのですが、そこで田中委員からさつき言つていた、今日の土地の利用の状況等からみても多層式のものをうんと力を入れたらいいじやないかと、ああやつて熱心に説かれておつたのですが、そういつた方面との調整をとりながらやるんだ、さつき本年は四億程度やるつもりですと、こう言つたのですが、そういう具体的な計画実情を睨み合せて、多層式なものに力を入れるというか、勿論四億という政府の予定は立てておるのだけれども、多層式のほうで処理するほうが本質だから、こういつたような裕りのある運用の方針については、十分お支度になると思いますが、その点どうなんですか。
#27
○説明員(鮎川幸雄君) 開発事業と、高層化をやるための資金の関係の点でございますが、勿論この土地開発事業が、いろんな点において非常に利点がないとしう場合には勿論高層化ということによつてやるべきだということは考えられるわけでございますが、先ほど御質問の中にもありました四億という金も、実は土地費の中の一部を割て、そしてできるだけ安い価格の土地が開発できるというふうに、今年度は考えておるわけでございます。高層化のほうから採択して行くわけではないのでございます。早晩は各都市の状況とか、いろいろ開発事業の実態等をよく考えまして、高層化の方法によつて、宅地の利用というものが高度に利用できて、それで問題が解決できますならば、資金その他、特に高層化の場合には、耐火建築でございますので、そういう耐火建築との資金の関係、その他総合勘案いたしまして、そのほうがあらゆる点から結論としていいということになりますならば、勿論そういう方面に重点を置いて進むべきだと考えますが、只今の段階では、先ほど政務次官が御説明になりましたような趣旨で、両方の方法を以つて進みたいというふうに考えておるわけでございます。
#28
○三浦辰雄君 この例示にありますように、大人口を持つておるところを主として狙つているでしよう。これはやむを得ないでしようが、この距離的な標準と言いますか、既設交通或いは明らかに近く開設せられるであろう交通、こういつたような交通関係から見ての、或る程度の基準というか、制約をお持ちになつておるか。これはいわゆる周辺都市と言いますか、衛星都市と言うか、そういうものとの関連においての恐らく又基準というか、あなたのほうの指導態度があるだろうと思いますが、それについてはどういうふうに考えおりますか。
#29
○説明員(鮎川幸雄君) ここに挙げております例示、距離の例を先に申上げますが、東京の場合は国鉄から十五分、大阪の場合は私鉄から十分、神奈川は私鉄から七分、京都の場合は私鉄から十五分、愛知の場合は私鉄から十五分というふうな大体時間になつております。それでこちらの基準といたしましては、できるだけ、勿論いろいろな方面から交通の便利がいいというふうにいたしたいわけでございますが、これはこの取得費のほうに還元いたしまして、又便利がよくなりますようないろいろな施設をいたしますと、更に造成費等も嵩みますので、費用との関係で理想的な点は、今の段階ではなかなか費用との絡みあわせで、むずかしいとは考えますが、先ほど申上げましたように、現在の開発できますという、予定できます地域におきまして、も、大体交通機関との距離は二十分程度において、まだ開発地域がございますので、一応そういうところを開発いたしてから参つたらどうかというように考えておるわけでございます。
#30
○三浦辰雄君 一体標準の、基準の価格等が出ておりますが、取得価格、特土地の取得価格、これは客観的に見て、便利な所での土地の価格よりも高い、つまり比較的不便であるのに高い。高いが勿論基準の中には入るというようなことが出願をされて来て、それを許すと、先ほど電鉄についての問題もありますが、私は電鉄の問題については、そうわいわい騒ぐということはないと思いますが、これは私の考えです。併し今言つた一つの系統の会社がやるというのではなしに、その電鉄会社みたいなものがやるのではなしに、或る不便なところをこの線にのせることによつて、その間にはさまれる土地の価格というものを異常に高くしてしまうといつたようなことを防ぐことについては、どういうふうな指導によつてお考えになるのですか。つまり極端に表現すれば、たくさんの土地を持つ者或いはその土地持ちの一連の団体が、その持つている、関係することのできる一番不便なところが最低の基準になつているからといつて、これを先ず整地しこの対象にしてもらうことによつて、もろもろの一連の持つている土地というものが、いわゆる線の、てれ以上な当然な値段に釣り上げることができるというようなことも、悪く考えればあり得るのですが、そういうようなものは極力防ぐという考えには間違いないと言いながら、どういうふうな方法によつてそういうようなことを防ぐと言うか、避けるというようなお考えをお持ちになつておりますか。私はそういうこともあり得ると思うのくす。土地の、その辺の一般所有の人たちのいわゆる集りによつて、或るところをいわゆる囮的にこの問題で出して、他のところは勿論自然それ以上便利なんだからして、高くなる、こういうことはあり得るので、いい餌、いい一つの方法ですよ。そういうような問題は当然考えられるのですが、それを極力防ぐ、防止するために、どんなことをお考えになつておりますか。それをお聞きしたい。
#31
○説明員(鮎川幸雄君) 只今の御質問は御尤な点でございまして、開発いたしますと、或る程度その周辺の地域が上るということは考えられるわけでございます。根本的にはこの開発事業と申しますのは、従来の宅地の面積のほかの未開発地を開発いたしまして、宅地の面積を増す、それによつてできるだけ宅地は低いところに抑えたいという根本的な趣旨があるわけでございますが、実際実施したします場合には先ほど御指摘になりましたような或る広い面積があつて、その一部分をやつたら、宅地価格が全体として上つて来るというような場合も考えられるわけでございまして、これにつきましては、これは資金との関連もございますが、できるだけ広い面積を一時に取得いたしまして、一応開発予定地域全体に亘つてこれを取得いたしまして、そうして開発分譲は部分的にやつて行くということが一応理想として考えられるわけでございます。併しながらこれは資金等の制約がございまして、買いたくても全部買取ることができないということも考えられるわけでございますが、一応そういう趣旨で進んで行つたらという考え方でございます。従つて、今年度の公庫におきます計画におきましても、今年度において宅地を開発分譲するというのは一部分でございまして、できるだけ一応広く買つて行く。来年度において造成するという分も含まれておるわけでございます。
#32
○三浦辰雄君 その点は私は前のときにちよつと質問をしたことなんだけれども、いわゆるそのほうがいいと思う。思うけれども、そのことは、来年どういうようにいわゆる引続いて、そういうものを対象にするということ、要約するなら、工事のほうから言えば、それだけの面積のものを一緒にやれば排水にしても、その他の施設、整地にしても、工事する場合には、安くできるのはさまつている。そのことをいろいろの面において心配してやるという考えはないかといつたような意味のことを聞いたら、それは年度々々でやるよりほかないという説明があつたものですから、私は更に今のような皮肉なと言うか、欲張つた考えをする者のことを例にして申上げたのですが、ところが実際の問題を考えるから、それは成るべく広いところを一応対象にして考える。そうして取上げる。年度としては区分々々でやつて行くというふうにして、来年度と併しそれは約束できない性質のものになる。だからして、それは地主の了解に待つて運用して行きたいというような今の御答弁なんですが、私はその点を今御答弁になつたほうが尤だと思うのですが、そういうことになれば、来年度恐らくこれもずつと続けてやつて行くのだということにならざるを得ないと思うのですが、その点はどうなんですか。
#33
○政府委員(南好雄君) お答え申上げます。こういう法律を改正して、一つのそういうような方針を立ててやつて参りますと、政府の立場ですから、予算は年度々々なものですから、或いはこの前そういう説明をいたしたのかも知れませんけれども、方針といたしましては、本年度でこれを打切るというようなことは私はできんと思う。更に又これはなかなかむずかしい問題であります。田中さんもその点について先ほど深刻に御質問なさつたのですが、例えば奥のところを可なり買つて、そこへ水道、ガスを引いた。途中全部買うわけに行きませんので、残つたところが今までの畑が宅地になつた。一反せいぜい百円のものが三百円に上つたということが出て参る。出て参つても、それが不当に価格が上つたという場合には、私はその対策が要ると思うのでありますが、一つの場所が相当弊害の生ずることのないように、宅地を造成することによつて、附近のものが勢い或る程度上つても、これはどうも止むを得ないことであつて、そこまで禁止しようというようなことは、これはやろうといたしましても、なかなかできんと思うのであります。結局根本問題になつて参りまして、土地が非常に狭いですから、成るべく土地を有効に使用する。併しながら大きな都市においては将来は公庫なども多層的な建築をして、土地を有効に使つて行く。その程度まで至らんところについては、こういうような狙いをして行くというような、別々に法律をわけて行くとすれば、田中さんのおつしやるようになると思うのですが、一つの法律で大都市にも中都市にも小都市にも狙つて、将来やるような、でき得るような形に法律を持つていつたものですから、いろいろの設備もしにくい点も生じて参つたのであります。
#34
○三浦辰雄君 資料のことから、やや発展をしたかと思うのですが、以上資料については私は一まずやめます。
#35
○田中一君 これは鮎川さんは調べたと思うのですが、東京で十二万坪、東京都内か東京都外か知れないけれども、一体坪二千五百円というのはどこを考えられておるのですか。
#36
○説明員(鮎川幸雄君) ここに出ておりますのは、二十三区内の或るところでございます。なお、そのほかにも二千五百円で買える土地は二十三区内でも、練馬区のほうにもありますし、まだ若干ございますが、併し東京におきましては、非常に取得費が高いために、どうしても東京の開発をやります場合には、近県の問題と一緒に考えなければならないのではないか。この実施については私どもも相当にこれは検討してやらなければならないのではないかというふうて考えております。
#37
○田中一君 検討しないで二千五百円ということで抑えたのですか。
#38
○説明員(鮎川幸雄君) これは具体的な実例でございますので、はつきりしたところまでもわかつております。
#39
○田中一君 どこですか。
#40
○説明員(鮎川幸雄君) これは二十三区内の一地点でございます。
#41
○赤木正雄君 それに関連してお尋ねいたしたいのですが、東京都内の十二万坪、その他二千五百円はどこだとおつしやると、これはいろいろの関係がありますから、明らかにできないと思います。併し私がちよつと知りたいのは、東京都内の終戦後の坪当りがとういうように上つておるか。それを或いはこの地区ならこの地区、実際問題についてほうぼうは要りませんから、品川方面であるとか、或いは丸の内方面とか、これは参考にもなりますから、この次で結構でありますからして、私はそういう実際の資料を欲しいと思う。そうしないと、現在これを今二千五百円が高いとも安いとも言えませんが、高いか安いかの参考として、どれほど一体地価が上つておるのかということを知りたいのです。そのときに私はお願いするのは、よく業者が、実際売買をしない者に実際の価格以外の安いことを言いますから、本当に今までどれほどに売れていたか、実際の例を少しお示し願いたいのであります。これは法案を審議する上にも、やはりどういうふうにこの価格をお取りになるかという観点から知つてみたいと思うから、御迷惑なことかと存じますが、一つその資料をお願いいたします。
#42
○説明員(鮎川幸雄君) 只今の御質問は具体的な例をという御質問でございまして、そのお答えにはならないかと存じますが、これは勧銀の調査でございますが、昭和二十五年から二十八年九月までの土地の値上り状況を申上げますと、六大都市におきまして、二十五年の三月を一〇〇といたしますと、二十八年の九月は五二一になつております。それから全国の住宅地の平均で申しますと、二十五年三月を一〇〇といたしますと、二十八年九月に三六一になつております。六大都市で申しまして大体五倍、全国の住宅地で申しまして三・六倍の値上りというふうに一応はなつております。
#43
○田中一君 農地法との関係ですが、農地法との関係は、この法律ができますと、農地法よりも優先するわけですか。
#44
○説明員(鮎川幸雄君) これは法律と法律の関係になりますので、この農地法を否定すねようなことは全然期待しておりませんので、これが優先する、しないという問題もないわけでございますが、ただ実際問題といたしましては、私どもといたしましては、開発事業をやります場合には、農林省のほうともよく打合せまして、計画的に農地関係その他は調整いたしてやつて行きたいというふうに考えております。
#45
○田中一君 私が聞いているのは、どちらが優先するかを聞いているのです。
#46
○説明員(鮎川幸雄君) 優先するかしないかという直接のぶつつかりという点は、今のところないように考えております。
#47
○赤木正雄君 先ほど勧銀の調査によると、昭和二十五年の一〇〇に対して昭和二十八年の九月は五二一とおつしやいましたが、私は勧銀は一体何によつて調査したか、これを実際知りたい。と申しますのは、勧銀の調査したようなこういう値段では実際の売買が出ていない。実際の売買の例を一つお示しを願つて、今でなくてもよいのですから、実際の例を一つ知りたい。一つの例を言いますと、確か前の貴族院の、霞ケ関、あの前に実地がございますが、あれなんかも八万円と言つているのです。はつきり申せば言つておる。併しそれは或る業者が八万円と言つているのです。勧銀に言わせると、安いものになる、勧銀の査定は。実際八万円出さなければ売れやしない。そういう実際のことを私は知りたいのです。勧銀の言つておるのは実際と非常にへだたりがありますから、実際の例を、どこでもよろしいのでありますから、土地価格について、赤坂方面でもよし、どれほど東京都内の価値が変つておるか、私は知りたいのです。これは今でなくて結構です。
#48
○説明員(鮎川幸雄君) 土地価格につきまして、国として目下体的な例の調査は今のところ正式なものはございませんので、御期待に副えるだけの資料ができるかどうか、むずかしいと思いますが、できるだけ御趣旨に副う面の調査をいたします。
#49
○田中一君 この農地法の第七条第一項の、「国又は地方公共団体が公用又は公共用に供している」、そうすると、すべてこの都道府県の農業委員会に聞かなければならんとなつています。そうすると、農業委員会がそれを否定した場合には勿論駄目なんですね。
#50
○説明員(鮎川幸雄君) 勿論農地法にございます場合には、農地法の手続に基いてやる予定でございます。
#51
○三浦辰雄君 どうですか。まだこの質疑が続くわけですけれども、若しこの日程にある請願を早くやる必要があれば、それに移つたらいいでしよう。
#52
○石井桂君 一点だけ。只今同僚委員からお聞きになつたことなんですが、東京、千葉あたりが二千五百円というのは甚だ少いように思うのです。併し私は想像するのに、これは何か軍用地とか、そういう特殊なところじやないでしようか。それとも普通の民間で所有しているところですか。
#53
○説明員(鮎川幸雄君) 二千五百円の敷地を二、三調べましたたのが、二十三区内で、特殊の場合も勿論ありますが、そうでない場合も大体二千五百円するわけでございます。
#54
○石井桂君 私も少し所用があつてほうそれ調べて見たのですが、大体省線の環状地、環状の中あたりは二万円以下という土地は殆んどない。これは余り低過ぎるのですが、実際にあるのですか。
#55
○説明員(鮎川幸雄君) 環状線の中か外かはつきりいたしませんが、私どもの調べた二、三の例では、いわゆる二十三区内にもまだこういう点があります。
#56
○田中一君 その土地は、まあ二十の扉のようですが、その土地は東京駅から見て何キロぐらいあるのですか。
#57
○説明員(鮎川幸雄君) 区の名前だけ申上げますと、二千五百円で買取られるのは、練馬区と北区にあるようでございます。
#58
○田中一君 それは道路からどのくらい入つておりますか。
#59
○説明員(鮎川幸雄君) 道路との距離は調べておりませんが、交通機関との関係は、この例によりますと、先ほど申上げましたように、東京の場合は駅から確か十五分程度だろうと思います。
#60
○田中一君 それは湿地帯ですか。それとも山ですか。
#61
○説明員(鮎川幸雄君) 実はそういう詳細のところまで十分に入つておりません。
#62
○田中一君 誰かの話を聞いて例に挙げたのですか。
#63
○説明員(鮎川幸雄君) これは責任のある機関で調査いたしました。
#64
○田中一君 それは売主から聞いたのですか。
#65
○説明員(鮎川幸雄君) これは或る調査資料に基きましたので、当然その売主のほうの事情もよく聞いておると思いますが、私どもから直接に聞いたわけではございません。
#66
○田中一君 私はまあ今石井君も言つたように、実に不可思議でしようがないのです。二千五百円の土地が普通の宅地として造成し得る、そうして四千四百四十四円で売却できるという単価の土地がもう絶対にあると考えられないのです、僕は。従つて本当にあなたはあるならば、場所も何も言わんでいいですから、そういう状態を、こういう条件でこういう状態だということを事細かに説明して下さい。それを資料で要求しているのです。この間言つたのは、どういう形で造成するのか、ガスを引くとか、道路をどうするとか、場所なんかどうでもかまわないのです。どういう状態でどうなるかということを知らせてほしいのです。私はそんな土地があるとは考えられないんだ。いわゆる住宅地として適地であつて、交通が徒歩十五分なんというところがあるならお目にかかりたい。だからどうして幾らになるかということを知らせてほしいのです。現に私も武蔵境、あそこに行つたのです。土地はやはり省線の駅に歩いて二十五分、そうして畑の中で以て七千五百円、これがまあそういう土地があつたのです。七千五百円、これは大島土地というのに案内してもらつて見て来たのです。それが徒歩十五分で行けるのが二千五百円で取得されると思えないのです。だからあなたの実際の考えでニカ所、北区と練馬区、この二つを聞いているのですから、これを現在の状態はこうだ、これをこういう工合にして造成して、こういうふうにするんだということを一つモデル地区として計画を立てて下さい。
#67
○説明員(鮎川幸雄君) ここに掲げました開発計画の例と申しますのは、住宅金融公庫の融資によりまして、確実にここにあると聞いた地域ではないわけでございまして、今後一応候補地として考えているその地域でございます。必ずしもこの地域が、この法案が通りましてから、これによつてやられるというわけではございませんので、この地域が開発されるということは断言できないわけでございますが、一応この開発ができ得るところはこういうところがあるというのを例示いたしたわけでございます。東京につきましては、只今お話がございましたように、全体として非常に取得価格が高いところが大部分でございますが、なお、併し東京におきましてもまだ比較的安い取得費によつて買い得るところも残されておるという点があるわけでございます。併し東京の開発につきましては、先ほども申上げましたように、いろいろな立場を検討いたして十分な検討の後に開発いたさなければならんのじやないかというふうに考えておるわけでございます。
#68
○田中一君 今年十二万坪を東京で求めますと、来年は三倍、四倍になるのです、必ず。又政府が金を出すということになつたというので上る。それが困るのですよ。だからさつき三浦君が言つたように、一つ網をかけて、取得だけして、じわじわと譲渡しなけりやならんというのです。御覧なさい。あなたが四億円を今度放出すれば、来年度は必ず値上りするのです。それは具体的に金があつて、計画をちやんとはつきり立てているなら、今あなたが説明した六大都市の二十八年度が五倍というような、こんななまつちよろい上り方じやないと思うのです。これは皆政府がそうして土地を上げておるのです。国家資金を流して住宅金融公庫なんというもので、庶民と関係もないような貸付け方法を以て金を貸して、そうして国でも貸すと言つている。土地は一つぐらいしきやないのです。その一つに対して何百人が殺倒して、値段を聞きに行つたり、買いに行つたりするものだから値が上つて来るのです。住宅金融公庫が自分で計画的に二十億でも、三十億でも金を出して、一応土地を取得して、そうしてやつて行くなら、こんな危険はないのです。殊に今の北区と練馬区の問題ですが、一体話を持つて来たのはどの会社か。或いは大島土地か、或いは殖産住宅か、或いは野田元建設大臣が最高顧問をしておる日本電建かどつか知らんのですが、一ぺんでもそういう貸付け方式をとれば、直ちに土地は上るということを考えなきやいかんのです。今日の土地というものを上げたのは政府ですよ。住宅金融公庫ですよ、土地を上げたのは。こんなことは常識ですよ。あなたがたは家を持つているから知らんだろうけれども、住宅金融公庫に金を貸してくれと申込む人は皆嘆いているのですよ。こんなことも知らんで、ここに皆来てこんなことをして、特定なる地主なり、金持に不労所得、不当の利潤、利益を受けさすというふうな法案は、断固として排撃しなければならんのです。そんなことは常識なんですよ。今国民の声を公聴会を開いて聞いて御覧なさい。公聴会を。
#69
○三浦辰雄君 関連して。どうしてですか、こういう質問に答えれば一つ私どもわかるのですが、基準価格をお示しになりましたね。この基準価格が高いの、安いのという問題があるのですが、一体基準価格を、いろいろ事情が違つたところに、これを適用しようとされるのですか。一体安ければこれに越したことはない。これ以上高ければだめなんですか。何割まで高ければいいというお考えですか。
#70
○説明員(鮎川幸雄君) ここに提示いたしました額は、現在の住宅金融公庫で定めております土地の標準価格を一応中心として考えた価格でございまして、この公庫の利用者ができるだけ低い価格で取得できるようにということが、この根本の趣旨でございますので、公庫の利用者の手の届く価格にしたいというところがその限界であると思います。その限界が一応只今の公庫のまあ標準価格に見合うものに考えておりますので、この価格を中心にいたして、これをどの程度まで認めるかどうかという点につきましては、更に今詳細に検討をいたしておりますが、この標準価格に或る程度事務費等が加わりまして、若干高くなるということも考えられますが、一応標準価格の大体前後だというふうに考えております。
#71
○赤木正雄君 この選定されている場所につきまして、かれこれ言うのじやありませんが、こういう住宅金融公庫で、そういうまあ大きな家を建てるという場合に、都市計画というふうの部面から、やはり私は東京の土地をどうするとか、大阪にしても、その他兵庫県にしてもそうですが、そういう都市計画という観点からもやはりどういう地区にどういう建物をと、こういうふうなお考えがあつて然るべきだと思いますが、やはり今お示しになつたのは都市計画の観点から、一応お考えになつているのでしようか。どうですか。
#72
○説明員(鮎川幸雄君) 御尤もな点でございまして、開発事業というものは都市計画、地方計画と密接な関係があるわけでございます。これを実施いたします主たる機関は、地方公共団体及び地方公共団体が出資いたしました住宅協会等において実施して頂くというふうに考えておるわけでございます。これを実施いたします前には、単に住宅建設の面からのみならず、都市計画その他の農地の問題或いは道路等その他の関係の部局と十分に計画を練つてもらいまして、その計画の下にこの開発事業を実施してもらうように指導して行く考えでございます。
#73
○赤木正雄君 逆に申しますならば、都市計画のほうの観点から、どういうところにこういう、家を建てるのだという、それをおのずから示されているわけですから、それを聞けば、この首都建設は、この場所はおのずから出て参るということになるのですね。そこまでもう少し具体的の交渉の下に、こういう宅地を御選定されているのでありますか。単にここが安いから、買えるからなんですか、どうなんです。
#74
○説明員(鮎川幸雄君) この例は先ほど申上げました一応開発できます予定として考えられます例でございまして、ここに決定されたわけではないわけでございますので、まだ法案も固まつておりませんし、只今各地方公共団体におきましては、いろいろ準備の段階にございますので、このすべての準備が一応終つたところを提示できなかつたわけでございますが、今後はそういう各都市計画、地方計画その他いろいろな方面から考慮されたところに選定されて行くように、私どもとして十分に考えて行きたいというふうに考えております。
#75
○三浦辰雄君 どうですか。これから又これは審議されることなんですから、このくらいに今日はとどめて、この請願をやられるならやられる、併し請願の紹介者である石川榮一君はたまたま委員会の委員でもあられるわけですが、お見えになりませから、これは延はすなら延ばすと一つ。
#76
○委員長(深川タマヱ君) ちよつと速記をとめて下さい。
   午後零時二十八分速記中止
   ―――――・―――――
   午後零時四十三分速記開始
#77
○委員長(深川タマヱ君) 速記を起して下さい。
 この際お諮り申上げます。昭和二十九年度の揮発油譲与税に関する法律案について地方行政委員会に連合審査の申入を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#78
○委員長(深川タマヱ君) それではさよう決定いたします。なお、日時その他については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#79
○委員長(深川タマヱ君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 速記を止めて。
   午後零時四十四分速記中止
   ―――――・―――――
   午後二時十一分速記開始
#80
○委員長(深川タマヱ君) 速記をつけて。では暫時休憩いたします。
   午後二時十二分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時二十一分開会
#81
○委員長(深川タマヱ君) 大変お待たせいたしました。
 では只今から請願の御審議を願います。
 案件は岩手県田瀬ダム建設に伴う漁業権補償の問題でございます、紹介議員は千田正議員になつておりますが、本日は小笠原委員が代つて趣旨の御説明を下さることになつております。では小笠原委員から請願の趣旨御説明を願います。
#82
○小笠原二三男君 私は請願の趣旨を説明しようとはさらさら思わなかつたので、事務的に請願の趣旨は御披露願つて、それによつて私は問題点を当局にお伺いをしたいと考えておるわけです。
#83
○委員長(深川タマヱ君) それではこちらのほうで代つて趣旨の説明をいたします。
#84
○専門員(菊池璋三君) この請願の趣旨は本文を極く概略申上げますと、田瀬ダム建設に伴う漁業権補償申入趣意書とこういうことになつておりまして、その国家的事業の裏面には多くの犠牲があることを考えなければならん。堰堤によつて水没地帯の農民の転住、河川の水域の変化による漁場の異変、こういうものの被害甚大であることは……。従つて、これに対する措置は慎重に講ぜられておると聞くのでありまして、農民の移転措置につきましては、いろいろ多年折衝の結果、すでに方法が講ぜられておると聞いております。漁業関係についても、過去にいろいろ問題があつたのでありますが、これは実に重大な問題でありまして、今堰堤が完成し、河川が分断せられ、漁場の様相が全く変化して、永久に漁業の利益が失われるときに際し、これらの事業について、法律上の擁護を受けることは、これは当然であると信じます。従つて先に各種の資料を提出してあるのでありますが、今改めて別紙の補償にかかる説明書を添えて申入れるので特段の御配慮を願います。
 こういう本文でありまして、これに伴つて各種の資料としてダム設置に伴う魚族の被害高、それからこれの補償なり又これに対する計画、主としてこれは魚族の放流計画でありますが、こういう計画の詳細なものがついております。
 それから補償の要求としては、年々今後放流事業をやらなければならん、その費用の年々の補償を要求するものと、それから一時的にはやの補殖の事業をやる費用でありますとか、或いは漁船を購入する費用、それから網を購入する費用つまり一時的な臨時的な補償の計画と要求と、この二段になつております。ここに詳細な資料が付けてあります。
 大体以上のような請願であります。
#85
○小笠原二三男君 この田瀬ダムの各般の補償については、過去慎重審議の上、建設当局において相当な御苦心があつて、それぞれの補償がなされておりまして、地元としては、それによつて農家の家屋の移転、その他相当進捗しておる状況でありますが、問題は差当つて、一般的に言いまして補償の問題が解決しなければ、岩手県の総合開発としての、次の地点湯田堰堤の建設等についても、その事業を進捗せしむるのに、いわゆる悪影響を及ぼすというふうに私は考えておるわけであります。
 で、この田瀬の堰堤の補償の問題は全部片付いたのかというと、片付いておらんように私伺つておるのでございまして、この機会に建設当局を追及するという意味合ではなくて、この処理をどういうふうに進められて行く構想で現在おられるのか、基本的な御態度について伺い、他の細かい点については、機会を見て当事者からそれぞれあとで伺つておきたいと思うのであります。
 それで第一点としてお伺いしたいことは、この田瀬の堰堤は湛水をこの四月から始めるというふうに聞いておるのでありますが、具体的にはいつ頃から締切つて水をためるという取運びになるのか、お尋ねしておきます。
#86
○政府委員(米田正文君) 湛水の計画は今のところまだ明確にいたしておりませんが、およそは六月中には、六月末にはゲートを締め得るような工程にまで行きたい、そうしますと、六月末か或いは七月初めには湛水ということになるのでありますが、まだこの湛水時期については関係者との協議、その他の問題がありますので確定はいたしておりませんが、およその予想は以上の通りであります。
#87
○小笠原二三男君 最近地建の技官の諸君が地元の漁業権補償の問題で御調査にお出でになつた場合に、四月から湛水をする運びであるので、そのことに対して漁業権者の承諾書の、印判等による承認が願えるなら欲しいと、こう言われたということを私地元で聞いたんです。従つてそうなりますと、補償の問題について、或る種のめどを得なければならない。日限として非常に計画遂行上必要な、重要なことになると考えて、実は委員長にこの請願だけ特に取上げて審議してもらうようにしたわけです。今伺いますと、六月上旬或いはそれ以後になるということでございますから、仮に補償の問題があるとすれば、それまでは如何に解決をして行くということにしてもらえるのかどうか、この点を基本的な態度としてお伺いしておきたいと思います。
#88
○政府委員(米田正文君) お話がございましたように、補償は湛水以前に全部解決するのを建前にいたしておりますので、この場合についても、そういう処置にいたしたいと思います。
#89
○小笠原二三男君 そこで今この湛水ダムの、それに伴う補償の残つておる分というのは、どういう問題が残つているのか。それから、ダムの仮梁にできている電源開発会社の発電所、これの工事完了と共に生じて来る補償の問題等は何が残つておるのかこの点をお知らせ願いたいと思います。
#90
○政府委員(米田正文君) 極く最近の事情は調べておりませんけれども、私の承知いたしております限りでは、今残つておりますのは、東北電力の発電所の補償の問題と、それから一部ここに出ておるものも多少関係があると思いますが、漁業権の補償の問題が一件残つておると承知いたしております。
#91
○小笠原二三男君 そうすると、この請願は上猿ケ石川漁業協同組合から請願になつておるのですが、上というのはダムのバツク・ウオーターが影響する地点を含む、今この湛水区域になつておる部分よりはちよつと下流、ダムサイドのちよつと下流から上流までが上猿ケ石川漁業協同組合の部分、それから下流部は、普通いわれる猿ケ石川漁業協同組合の部分、只今二つの漁業権がここに設定せられておるわけです。そこで私は、本請願は上猿ケ石川ですが、両方とも関係して来ると思うので、この点からお尋ねしますが、この下のほうの発電所のほうの影響までも受ける猿ケ石川漁業協同組合のほうの補補償は、この電力会社のほうの独自の補償も必要すとる部分があるように考えられる。ダムの影響から来る補償と、この発電所のほうから来る影響とで、二つの問題になるように思うのですが、そういうふうに考えておるのか、そして又、この補償は、建設省が一本にまとめて、計算の上補償をし、建設省が発電会社のほうから、この一部の補償額を取るというような形で、窓口を一本にして、これは補償するのであるのであるかどうか、この点も伺つておきたい。
#92
○政府委員(米田正文君) その点はお話のように、建設省でダムをやつておりまして、このダムの費用は電源開発会社の負担金も入れて、同時に施行いたしております。で、補償の問題もダム及び発電所に伴う分も含めまして、建設省で補償をいたすことになつております。
 それから前の漁業権が二つになつているというお話しがあつたが、この図面を見ますと、漁業権はダムの上下を通じて一本になつているように、図面では見えますのですが、その点はですね、この請願の内容が実はよくわからないのですが、その点はもう少し調査をする必要があるかも知れません。実は今日この請願が、前以て御通知頂いておれば相当調査して来るところでしたけれども、そういう点でまだ私どものほうでは、ちよつとこの図面を見てもよくわからんのであります。
#93
○小笠原二三男君 調査しているかたは、後ろのほうにもおられますからね。まあ大体その程度の答弁で結構です。で、わからないところがあつたらその担当者から聞いて答弁して頂きたい。
 この図面で、この漁場起点とございますが、一番左端にごの漁場起点とあるのですから、上流が上猿ケ石川漁業協同組合という一つの漁業権を設定している地点、これから下が普通猿ケ石川漁業協同組合と言われる一個の漁業権を設定している区域である。それでダム・サイドはどこであるかといいますと、点線で書いてありますね、旧梁と書いてあるところと、漁場起点というところとの中間にあるのです。それでこのバツク・ウオーターがもつと上流まで、点線の水没線というところまで来るということから、上猿ケ石川のほうへ、旧梁を現位置に移転して経営をしているわけである。そうして今のダムは通水しておりますから、魚も上つて来ることは、減少しましたけれども一応魚が上つて来る。或いは稚魚の放流ということで、この梁を経営をしているわけで、各町村の補助金等もあつて、この協同組合は今日まで経営して来ているのである。従つてこれが、ゲイトができて、湛水が始まるということになると、その点は一切終つてしまいますので、本年の鮎漁についての稚魚の放流ということが、ここ四月中旬から五月にかけて行われなければならんのであるが、ところが従来のような稚魚の放流等ではもう間に合わないという事態が起つております。そういう点から、この財源捻出等からいつても、やはりこのダムの竣工に伴つて、漁業権者としても緊急に補償の問題を解決してもらわなければならない、こういう考え方、ところが私先般開発課のほうに行きましてお尋ねした場合には、両漁業権は終戦後に補償があつて、新らしい漁業権として設定せられたものであるから、その当時からもうダム建設を始めつつあるのだから、補償の対象になるとかならんとかいろいろ問題があるやのお話を聞いているのでありますが、この点はもう地建なり或いは地元工事事務所の用地課なりについても解決している、そういうことは問題ではない、どうしてもこのダムが今度はつきり完成することによつて、過去或いは将来に及んで重大な影響のあることは認め合つて、補償せらるるというふうに、気分的にはまあきまつておるやに私聞いておるのです。それで、その前提に立つて、今私質問しているわけです。
 もう一つお尋ねする点は、ここに仮に、ダムができたという場合に、この湛水面の漁業権というものは、旧河川において設定せられている漁業権者が、そのまま権利があるとして継承するものか、湛水面については新たに漁業権を設定して、これを与えるとするのか、まあこれは県側の意向もありますけれども、国としてはどうお考えになつておるかお伺いしておきたい。
#94
○政府委員(米田正文君) 旧漁業権の問題は、形式の上では全然別個にいたしております。で、旧漁業権についてはこれは補償をして、一応漁業権を取り消しにいたします。新らしく漁業権を設定すると、こういう建前でおります。そこで、じや新漁業権は旧漁業権者に許可するのか、こういうお尋ねでございますが、まあ一般の場合には両方、今日全国各地では両方のケースがございます。それは主として漁業補償の話合いのときに、そうした問題が当然入つて来ております。それらが主な要因になつてきめられておるのが普通でございます。この場合の話合いも、或いはそういう新漁業権についての話合いが中に当然話が出て来ておる。それらは、私どもとしては補償の問題と同時に、話が出た線に従つて新設定をする、こういうようにいたしておるわけでございます。
#95
○小笠原二三男君 その場合に、二つの漁業権が一河川で関係があつて、そのダムの影響で、両方の漁業権が悪影響を受けるというような事態であれば、こういうものは優先的に、申請があれば、これが取扱われるというのが素直な考え方でしようか。即ち地元の漁業権者の話合いによつて、この湛水面の漁業権を附与する、こういうようなことが素直な考え方として考えられますが。
#96
○政府委員(米田正文君) この問題は個々のケースに当らないと、そのケース、ケースによつて違うようでありまして、実は藤原ダムの水利権のごときも、新水利権と旧水利権との問題でちよつと話がまとまらないでおるような点もございます。で、我々としては、旧水利権で損害を受ける分についてはこれを補償するという建前でございますから、新らしい水利権は或る意味では旧水利権よりも有利に漁業権が設定できるケースもございます。そういう点を考えるというと、やはりそのときの補償の問題と実際問題としては非常に絡むことが多いと思うのです。で、新らしい漁業権を与えるから旧漁業権は或る程度の補償で、それで解決するというような問題もございますから、そこの原則論は実情に応じて行くよりいたし方がないと思つております。
#97
○小笠原二三男君 そうするとですね。旧漁業権のあつた或る河川区域の一部で、ダムのために湛水した、湖水になつた、併し湖水にはなつても、それは湖水になつた部分を含む上流部と合して一つの漁業権のあつたところだ、現にあるのだ、こういうところは、その湛水面だけは切り離して、その従来の漁業権者からとつてしまつて、新たに漁業権を設定して附与するということが建前なのですか。
#98
○政府委員(米田正文君) そういう旧漁業権にも湛水が影響を及ぼす点については、原則としてはもうその分は補償がされておるというのが建前でございます、それで損害を与えておるならば。ですから、ダムになつて池ができて、水位がずつと上流まで行けば、大体はその池の中は一本の漁業権になるわけなんです。
#99
○小笠原二三男君 そうすると、従来の漁業権は区域を変更して経営をするように漁業権の区域が変更になる。そして湛水面は新しく漁業権というものができて、それをどこに附与するかということは、関係する補償の問題と絡んでですね、解決さるべきものだと、こういうふうに了解してようございますか。
 次に伺つておきますが、そんならその湛水面になる大部分の区域をとられることによつて、今後永久に上流部の漁業権が或る種の損害を受ける。下流部の漁業権も損害を受ける。こういうようなものは、考え方としては一時補償で一本で行くのですか、或いは永年と申しますか、年々の補償をやつて行くというお考え方でありますか。
#100
○政府委員(米田正文君) そういう場合には、湛水によつて損害をこうむるというものについての補償は、将来に権利なり支払の問題を残さないように一挙に解決するのを建前にいたしております。
#101
○小笠原二三男君 もう一つお尋ねしておきますが、そういう漁業権補償の基準と申しますか、一つの物指というものは、聞くところによると、専門の水産庁等にも照会をして研究中だということですが、或る種のめどが今日できておりますか。
#102
○政府委員(米田正文君) これはお説のように、只今細かく研究中でございます。
#103
○小笠原二三男君 その補償は、電源会社等が岐阜県その他で漁業権の補償をした例がございますが、それらと見合つて均衡を失しないような補償をするお考えでございますか。それらとは又別に独自な見解を持つておられますか。
#104
○政府委員(米田正文君) 実情を申上げますと、電源開発に伴うものは、御承知のように電源開発に伴う補償要項というものがございます。この中に漁業権を謳つてございます。ただその細部のものがない。建設省が補償基準というものを作つております。でありますが、その中に水利権を詳細に規定してはございません。そこで建設省としては、最近の水権利のいろいろな複雑さに鑑みて研究いたしておる程度でございまして、それができたら、それを電源開発或いは電力会社でやつて参ります今まで適用するかどうかという点については、まだ関係者と打合せをいたしておりませんから、まだここではつきりお話のできる段階でございません。
#105
○小笠原二三男君 そこが問題なんでしてね。このダム・サイドの上流部のほうは発電所とは相接関係はないのです、今後は。ところが同じ下流部は、今いなくなりました鹿島さんのほうの発電所工事が進められておる。これとダムとの影響と、二つの影響を受けるわけです、下流部の漁業権は、そうしますと、補償の単価なり、或いは補償の対象なりというものが相当変つて来る虞れがあるように思うのです。それが地元に対して不均衡であるというような懸念を与えるということがないとは言えないと思う。それで、岐阜県等における一つの漁業権の補償に一億五千万円も電源開発において補償をしておる例もある。それと、ダムができたことによつてこうむる損害を補償するというものと均衡を失するようなことになるというと、国の補償は薄い。けれども国が投資してやつておる電源会社の補償は厚い。おかしいという苦情が起るのじやないかと、こう考えるので、両者勘案しておきめになるのかどうかということを聞いておるのです。国は国で別なんだ、薄くてもなんでもしようがない、独自の見解でやるのだ、こう言われてしまうのでは、苦情の上にも苦情を言えという結果になるのじやないかと思うので、その点は局長もいい答弁を、含みのある答弁をしておかないと、私も地元に帰つて困るのです。それで各般の事情を勘案して一つの基準を作る考えだと私は思うのですが、そう了解してようございますか。電源会社等の補償の例も勘案して、成るたけ妥当な、納得の行く線でやりたいと思うというのが当局の御意向だというふうに伺つておいてようございますか。
#106
○政府委員(米田正文君) その点は御趣旨に副つて関係者と今後協議をしてみます。が、要するに、私どもの最近の考え方としては、漁業権というものは実態を把握するのに非常に困難なものでございまして、御承知のように、漁業組合というものが正確な従来の資料を持つておるわけでもなし、それと収支の帳簿を持つておるわけでもなし、そういう点で、全く補償の金額決定が非常に困難でございます。で、最も適正な補償をするという行き方は、抽象的に言うと簡単でございますが、これが極端なことを言いますと、多く払い過ぎるということのないように、而も少く払い過ぎることのないようにという、まあ非常に適正さを掴むということがむずかしい問題でございます。これは御承知の通りでございますが、一体に土地にいたしましても、諸権利にいたしましても、だんだん上つて来るという傾向にある。これはもう特に多目的ダムをたくさんやつております建設省としては、補償の適正基準以上のものを支出するということを厳に現地を戒めておる実情でございます。併し適正価額だけは払うようにして行きたい。そういう意味から言いましても、御趣旨のように、ほかの会社との関連、ほかとの均衡という問題については一つ今後の研究問題として話合いをいたすことにします。
#107
○小笠原二三男君 そうすると、今の局長の御意見に私は大体賛成なんですが、確かに、どつち道国のお金は国民の税金ですから、やり過ぎることはいかん。併し、やり過ぎることはいけないということの制約にウェイトを置くと、今度は正確な評価以下で地元のものを苦しめる。こういうことになる。従つて、適正な客観的な基準、物指というものをこの際得るということが、全国的にこの補償の問題を解決するのに一歩前進するものだと私は思うので、今の建設当局のお考えに全面的に賛成ですが、さてその基準というものが建設省当局においてそれぞれ研究して作られて、地建を指導し、現地を指導してやることでしようが、結局これは地建の権限として、或る種の補償金額と申しますか、そういうものが出て来るのでしようか。新らしいケースとして本省のほうも相当な指導をして行くお考でございますか。
#108
○政府委員(米田正文君) これは私どもも今後新らしい基準を作るという建前になれば、どうしてもその線に沿つて地建及び県の関係の者を指導して行かなければいかんと思います。現在のところは、関係者、特に漁業関係の、政府部内の関係のところもそうですが、そういうものの意見を聞き、従来の実績等を組合せてやるという方法をとつておりますけれども、今後或る基準を作つて行くという場合には、当然私は地建及び府県の指導に当らなければいけないと思います。
#109
○小笠原二三男君 それでは事情は相当明白になりましたので、最後にもう簡単な点を伺つておきますが、湛水時期までにはごの漁業権補償問題は解決してやるという言明が得られたと了解してよろしいか。又その補償の裏付けとなる財政措置等も何らかの方途を以つてやれるというお見込み、ちよつとこれ以上意見を聞くのはうまくないからお見込みになつておるのかという二点を伺つておきます。それからその基準なるものは、いつ頃これができる目安でおるのかという点、それからもう一つ附加えて、補償のめどがつかないうちは、湛水については漁業権者は恐らく承諾しないだろうと思う。その場合に、政府当局のほうの補償の問題が、技術的な面、財政的な面から、遅遅として進まない事情があるにもかかわらず、地元側に承諾を求めても承諾が得られないということで、湛水を強行するというようなことがあり得るかどうかという点であります。漁業権は立派な財産権でありますから、それを侵害してあなたがた湛水を強行するということが考えられるのかどうか、この点は地元として心配しているでしようから伺つておきたい。
#110
○政府委員(米田正文君) 基準はいつできるかというお話、まだこれは期日等の目安はございません。そこまでたつておりませんから、今研究の段階にあると御承知を願いたいと思います。それから補償の支払いは先ほども申上げましたように湛水前に補償を完了するのを建前にいたしております。ただこういう問題はとかく地元は非常に多額のものを要求いたすのであります。又企業者側の場合、特に政府の場合には、会計検査等の将来の制約がありますので、非常に厳格に適正値というものを探し出すので非常な開きがその間にございますが、そういう点は恐らく将来起るであろうと思いますが、いずれにしても支払を湛水前にやるというのを建前にして進みたいと思います。ただ最後に、じや漁業権の補償の承諾がない場合に湛水はやらないかというお尋ねでございますが、私どもとしては今の湛水前に支払をするというのを一般の建前にいたしておるのを、裏返して言えばそういうことも出て参りますけれども、これは私はそのときの一般的な情勢によるものであつて、常識的に見て当然であれば、そういうことは強行をいたさんならんかとも思います。併し、今の点おわかりにくかつたと思います。もう一遍言い返しますと、補償者が反対をした場合に、それが常識的に見て尤もだと思われる場合には、私どもは湛水の原則によつて処理いたしますし、一般的に見て常識的におかしいという場合には、これは補償を一部残して湛水をするという場合もあり得るということは申上げておきたいと思います。
#111
○小笠原二三男君 今のところはしつかりお聞きしておきたいのですがね。今の局長のお話はわかる。じやこういうときにはどうですか。湛水時期までに補償のめどがつかない、補償金額の提示もない、そういう場合においても、発電計画上から湛水を強行するというようなこともあり得るか、こういうことです。
#112
○政府委員(米田正文君) それは一番極端な場合を申しますと、全然補償の交渉もしないでおいて、そして補償はもうダムが出来上つたから湛水をやるぞというような場合だと思います。極端な場合……。私はそういうことは絶対ないということを申上げます。必らず補償の折衝をいたしまして、業者の交渉は重ねた上での話であります。そしてそれがまとまることを原則にして私どもは湛水をする。これが一般に大原則であります。併しそれは原則でありまして、併し例えばもうダムができ上つた、洪水を調節する時期にも来た。で、下流の大変多くの人或いは土地が水害から免れるためには、このダムを早く操作をしたいというようなことがございましよう。そういう場合になお値段の問題で解決ができんというような場合等を想像いたしますと、補償が或いは一部繰越しになつても、あとに送られても、湛水を開始することはあるであろうということを申上げたんで、これは極く特殊のケースでございます。
#113
○小笠原二三男君 それで法律的な見解として今のお言葉について伺つておきますが、洪水調節というようなことで全体的な公共の福祉上、止むに止まれないということで湛水するということについては、交渉が妥結しないうちに湛水するということについては、私も結論がどちらのほうがいいのか、これは判断に迷う。常識上わからん。法律的にわからんけれども、そういうことでなしに、ただ事務的にただ一つの発電等の事業の上からそういう財産を補償することなくして、国のやることであるからということで湛水して、直ちにそれが損害を与えるというようなことが法律上やり得るものであるかどうか。やり得るとすればその根拠になる法律は何か、この点伺つておきたいと思います。
#114
○政府委員(米田正文君) これはまあ実は河川法でも一般的に行けると思いますが、これは条文をもう少し研究して見ますが、漁業権は漁業法によつて別途の法律で許可をしておるものであつて、だから漁業権のそういう場合の処置は、公共事業の土地収用法によつてできる途はございます。土地収用法による処置はございます。それははつきりしておりますが、河川法による処置もできないことはないと思いますが、条文の研究はもうちよつとお待ち願いたいと思います。
#115
○小笠原二三男君 土地収用法でもやれる、河川法でもやれると言いますが、土地収用法でやれるのだからということで口でそう言つて、そして実施面に直ちに移るということができるのかどうか。土地収用法によつても手続が必要ではないかということを私はお尋ねしている。単に何月何日が来たから、交渉が妥結しようがしまいが、こちらはこちらでというのでやられるのかどうか。
#116
○政府委員(米田正文君) これはもう申すまでもなくそういう手続はふんでの上の話であります。
#117
○小笠原二三男君 それで手続をふむということになると、又補償の問題に廻つて来るのじやないですか。強権発動ということはそれ自身も手続を必要とすると思うので、これ以上お尋ねしませんが、一つこの点は私全然わからんけれども、今までの機会に法律的にこうこうこういうことでばつさりとやれるのだということをお示し願つておきたい。今日の質疑でいろいろの基本的な態度がわかりましたが、それはこのダム湛水の趣旨から言うて急がれなければならないものであると私たち考えるわけであります。従つてこの漁業権補償、或いは一部他に補償等もできるならば、早い機会にこれが円満解決を見て、地元の者も一層喜んでこのダムの竣工を祝うというふうに一つ一段と御尽力を願いたい。
 五月の上旬にたしかこの堰堤の竣工式が行われるはずですが、できるならば私はそのとき金銭の受渡し等がなくても、一応のめどによつてこの補償の金額等が示されて、よろしいというような形になつて竣工式も挙げられるというふうに、一切のしこりをあの堰堤に関して残さんで、有終の美をなすように希望して止まない次第であります。どうぞ局長も、若しもここの委員会の決定で内閣に送付するようにこの案件がきまりましたならば、特段な御尽力をお願いしたいと思います。
#118
○政府委員(米田正文君) 只今のお話に私も全く同感でございますので、そういう線に行きますように努力をいたそうと考えております。
#119
○委員長(深川タマヱ君) この請願に対しまして他に御質疑ございませんか。
#120
○石坂豊一君 小笠原君からも種々質疑もありましたが、私もこのダムについて請願が昨今四、五件出ておりますが、これはダムの問題で、今に始まつてことではない。この初めにダムを建設するに当りましては私どもも随分えらい場面に逢着したこともありますので、河川の両岸に対して鉱業権を設定するとか或いはその流送の関係について非常な解決のむずかしい問題を持出すとかいういろいろなことがありましたけれども、併しそういう問題も多年の間に皆解決する方法も相当ついておる。ダムを始めましてから、これは河川を締切る堰堤のことですが、長い間の経験を経ておる。建設省は単に治水の関係上ばかりで許可せられるのではないのであるからして、治水、利水その他附近の住民の利害関係を皆考慮して、あらゆる問題を建設前にそれぞれ皆見通しをつけて許可するものと思つておる。然るに昨今に至つてダム対策全国町村連盟というものができて来たり、只今又目のあたりかような請願が出て来るということは、何かその間において特別な事情が、いわゆる日本の国情においてそういうことになつたものか、又建設省なり役所なりが対岸の者に対して極めて冷淡な扱いをせられる関係上こういうことになるのか、その点を一つ明瞭に説明してもらいたい。
#121
○政府委員(米田正文君) 今日たくさんのダムが、建設省もそうですが、農林省もやつております。或いは電源開発会社或いは電力会社、或いは自家会社で百に近いダムが今日行われておりますが、それらで一番問題はどこかと言われますと、今日ではセメントでも鉄筋でもございません。或いは労務者でもございません。殆んど補償の問題と言つてもいいくらいに今日は補償の問題が、補償、買収の問題がダムの建設に伴う主要事務になつて来ておる。そこで昔はどんどん片付けたではないかと、こういうお話でございますが、私どもでやつておりますものについてもどんどん片付くものもございます。多くの中には、片付くものもございますが、そうでなく、非常にいろいろと問題を起して、買収価額、或いは移転先、或いは補償金額の問題というようなことでなかなか両者の話合いがつかないという場合が又多々ございます。どうしてそういうふうになつたかということについては、我々もいろいろ考えさせられますが、これは私は一面非常にいいことだと思います。非常に民主主義が徹底をいたしまして、各人がそれぞれの立場から十分自分の意見を主張するというような気分になつたこともいろいろと問題を起しておる一つの大きな原因だと思います。これはそういうことが一つの原因でいろいろと問題を起しますが、先ほども申上げましたように、半面見れば、又各人の希望を十分言うという点で、我々もよく希望がわかるという点では、私は補償に相当の時間をかけても、この方法が従来よりもいいのじやないか、というのは従来は、無理に安く買われて、将来の生活も非常に困るというような人が出て来た例もよく聞かされます。そういう点については、少くとも今のような制度のほうが改善をされて行つておる。補償についても、昔に比べますと手厚い補償がされつつあるというように言えるのじやないかと思います。併しそれだけに、手を尽すにつれて私はやはり問題は非常にむずかしくなつて来ると思います。各人が非常に自分の権利については主張をして参りますので、これらと話をして両者の話合いがつくのはなかなか時間がかかる。今お話のダムのために水没する村の連中が全国連盟を今度はこしらえてやるようになつておりますが、今Aのダムで幾ら土地に補償を払つたというと、もう数日後には全国の各ダムの候補地点のところには連絡ができるような組織になつております。そこで自分のところはじやそれより少し上でないと困るというようなことで、だんだん値段が吊上げをされるというような傾向がございます。一例ができると、もうそれより下ではなかなか買えないというようなことができるのですが、我々は生活再建をする資金ということに重点を置いて、できるだけ施設で補償して行くというような方針をとりたいと思つております。現金を渡して行くというのは、これは多いですけれども、実際は施設で成るべくやつて行きたい、こういうような考え方を持つております。併し各個人は非常に現金を喜ぶのでございまして、代りの施設をしてやるというよりも、やはり現金を喜ぶ。例えて言えば、家の移転にしても、じや、役所のほうで移転を全部してやると、こう言いましても、それは困る、金をもらつて自分がやるからというようなことで、やはり現金をもらつて自分で任意にやろうというような気持が非常に強いのでありまして、私どもはできるだけ施設補償で行きたい、そうして将来の生活というものを確保するようにしたい。金だけもらつて、金をだまされて取られて、もう生活に困る、困窮しておるというような例も今日でもございますから、成るべくそういうことにならないような方途をとりたいと思つておりますが、要するに今日はだんだん大きいダムができるようになつた。昔は比較的小さいダムでありまして、今日のダムはだんだん大きいダムでありまして、大きいダムができると、補償する水没面積が大きくなる、補償の範囲も大きくなる、補償の規模も大きくなりつつあるというところが、又補償の問題をむずかしくしておるところの一つの原因でもあるが、私どもやはり今日の世の中の情勢というものがだんだん補償問題をむずかしくしておるものだと考えております。
#122
○委員長(深川タマヱ君) 速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#123
○委員長(深川タマヱ君) 速記を起して下さい。
 この際、この請願に対しまして建設省の御意見を伺うことにいたします。
#124
○政府委員(米田正文君) この猿ケ石川の補償についてはここに書いてございます文章ではやや抽象的過ぎてはつきりせぬところもございますのですが、併し補償を当然すべきものについては我々としてもこの請願によつて考慮をいたしたいと思つております。
#125
○小笠原二三男君 そう言われると又質問したくなるわけなんです。この上猿ケ石川漁業協同組合の漁業権、その内容となるものは基準等を設定して考慮することとしましても、この漁業権は補償せらるべきものであるというお考えに立つているのかいないのか、この点が今の話で又ぼけてしまつてちよつとわからない、この漁業権なりそれに伴う各般の問題の基準等を作つて、補償すべきものは補償して、地元のこういう事業が今後においてもできるものはやつて行けるように、手当をしたいならしたいと思うというふうにお聞きしておかないと、元も子もあるのかないのかわからないことになる。さつきから聞いているがさつぱりわからない。
#126
○政府委員(米田正文君) 只今のお話、先ほどからあつた例の基準でございますが、これを処置するのに基準はちよつと間に合わんと思うのです。だから私が先ほどから申上げ、あなたからのお話もあつた基準を作る研究をいたしておるということは、これはこの問題にすぐ結び付いておる意味で申上げたのではございません。これは基準をこしらえて、それからこれを処置しようということではありませんから、これは誤解のないように……。
 それからここにありますこの趣旨については、我々としてはこれば実害を補償するということが原則でございますから、この請願の内容をよく検討した上で実害については補償をいたします。こういうふうに考えております。
#127
○小笠原二三男君 そうすると、これは全国的なケースになると補償にはならないで、具体的に局地的に実情に見合つて補償をして行くほうのケースになるわけですね。
#128
○政府委員(米田正文君) さようでございます。
#129
○小笠原二三男君 そうするとちよつと又駄目押しをしておきたいですが、局長はこの河川について漁業協同組合が二つあるならあるということを、先ほどの説明をしたものについては実害があると、内容の如何にはかかわりませんよ、実害があるとお認めになつておりますか、なつておりませんか。現地の地建或いは事務所等は実害がある。補償しなければならんということで、補償の単価等について検討しているというふうに聞いているのですが、本省として、局長のほうではどうお考えになつておりますか、
#130
○政府委員(米田正文君) この補償は、実害があるかどうかという問題については、私はこの問題について関係者と協議をまだいたしたことはございませんので、実害があるかどうかという点については、私は今必ず実害がありと、こうはまだ申上げられません。ただ今のお話で、これは現地事務でございまして、現地で処理ができない場合には本省に申達をして参る問題でございまして、現地で実害があると査定して払えばそれでもう問題のないことなんです。そこでそれを今私にこれは実害があるということをはつきりしろと言われてもちよつと困るのでありますが、要は現地が実害ありと認定されたということであれば、私どもはそれを基本にして考えるのでありますから、それが上つて来れば、私はそれを見た上で決定をするつもりでおります。
#131
○小笠原二三男君 行政組織上は局長はぢつと上の人だから、成るほど聞き及んでいないということはあり得ると思う。併し私は非常に何と申しますか遺憾に堪えない。この田瀬のダム問題が今やもう竣工の時が来て、一切が完了しようとするときに、補償の問題がまだ残つておることも先ほど局長はお認めになつておられるわけです。そうしてこの漁業権の補償については、実害があるかないか、おれは聞いてないからわからないということは、なぜそういうことを言うのか私はわからない、私のほうがわからん。私はさつき一番先にこの猿ケ石については、田瀬ダムの竣工を見るんだが、まだ補償すべき問題になつているものはございますかございませんかとお尋ねした場合に、今お尋ねがありましたように、その漁業権の問題と言つて、あとをお考えになつて、そのほかにはないようでしたが、その問題はございますということを言つたから、あるならばそれはどういうふうにやるのか、基本的にお尋ねして来たわけです。ところが今になつてそれは実害があるかないか私にはわからないと言うならば、補償の問題が残つているなんということは何を指して言つているのかわからなくなる。そうして速記がついているから、まあそうでも言つておかないと、あとで言質とか何だとかと言われると思つて、考慮の上抽象的な御答弁になるならば、そんな御斟酌は無用です。私はこの問題についてとやこう責任を追及するという考えを以て申上げているのではないのです。少くとも現地を見ても見なくても、わかつているところは、上流部の漁業組合は、この山を……もう、ダムがだんだんだんだんできるということで移転をしている。そうしてこれは数十万円の金をかけて移転をして、経営をしている。又下流の漁業協同組合のほうは、ダムが締切られる、湛水すると、自分たちが最もいい漁場としておつた部分は水が一滴も流れなくなつてしまう。そうして発電所の落水だけで、流れて来る部分だけで今後漁業経営をやつて行くという具体的な事実は、あなたが専門家で考えただけでもわかるはずなんです。それが実害があるかないかわからないということは、私はどうも聞き取れないのですね。その実害の内容については、それは精査して見なければ無論わからんでしようし、協議もしてみなければわからんでしよう。併し漁業権の補償の問題があるという限りは、実害があるということを認定してなかつたらそういうことは言えないじやないですか。私に嘘を言つたのですか、局長、そういうわけでない、各般の考慮の上に、婉曲にそういうことをまあ言つておこうという気持だろうと思いますが、私は綾のある言葉はさつぱり聞き取れない男なんです。はつきりお答えを願つておきます。
#132
○政府委員(米田正文君) 最初の話とあとの話が違うということを言われておられますが、私が最初申上げた意味は、今日まだ補償の問題として残つているのが二件ある、こういうことを申上げたのであります。その内容については、問題として残つているという意味で申上げたのでありまして、じや実害がどのくらいあつて、まだそれは払わんでおるという内容の意味ではございません。問題があるのだ、で、それは先ほどのあなたからのお話もございましたように内容について、相当に漁業権そのものについての問題もいろいろとあつたようであります。疑義もかなりあつたようであります。併し我々としてはまあ今日の情勢上、実害あれば支払うべきであると、こういう意見にはなつておる。そこでまあ最初私が申上げたことを以てもうすでにこれは実害がある、いよいよ払わにやいかんのだという意味にお取り願うと、ちよつと私の意味と違います。ただ問題が残つておるのであつて、それについては今検討をいたしておる次第でございますから、内容に深く入つてお答えするのは適当でないと私は思いましたので、さよう申上げた次第であります。
 それで私はこの請願が出ましたら、こういう趣旨に従つて、その実害の補償をした上で、査定をいたして、支払うべきものは先ほど申上げましたように、湛水、排水前に解決をいたしたい、こういうふうにいたしたいと思います。
#133
○小笠原二三男君 どうも話というものはうまくくるく廻るものでしてね。成るほどそうおつしやられれば、私の聞き違いだつたということになるので、改めて私お尋ねしておきたい。
 今の御答弁でも、いろいろこういう請願が出たら研究して、そして措置しなくちやならんというものは措置するという意味合のお話と伺いましたが、前にはあなたは、これは現地の問題で、現地で補償しなけりやならんと考えれば、そうきめたことでこつちに出て来る。そしたらよろしいとやれば、又現地でさつさとやるのだ。これは現地のほうの地建のほうの問題なんだ、それできまつたら金も払うのだというような、誠に率直な、割切つたお話でありましたが、恐らくこの問題は、若しも補償しなければならないとなつてからでも、補償金の問題については問題があるのでしよう。金はあるのだからどんどん払つてしまえというような筋合のものですか、そうじやないのでしよう。だから私は地建や、現地の問題だけではなくて、具体的にこれを措置するのには局長、あなたのところで、本省でやはりその支払金の操作の面から何から取りきめなくちやならんのじやないのですか。ただ地建でこれだけだときまれば、自動的に地建側で銀行を経由してその漁業権者なら漁業権者に行くのだ、そんな簡単なものですか。私はそういうふうに思わんからいろいろあなたにお尋ねすると共に、結局本省の関係係官等で、腰をすえてということではございません。乗り出して早く解決するという積極的な意思をお示しにならなければ、湛水期までにこの問題は片付かんのじやないかということを必要してお尋ねしておるわけなんです。そんなにただ技術的に片付けば片付くというふうな簡単なものでしようか。若しこの速記があるので困るなら、速記をとめてもいいですからね、はつきりお答え願いたい。
#134
○政府委員(米田正文君) 今のこれか請願として出て来たならば、私のほうで検討をした上で、実害あれば支払うことにいたしましようとこう申上げたことと、それから現地で補償がきまつたら現地で払わせると言つたことが矛盾するといつたようなお話にもちよつととれるのですが、その点はこういうように御了解願いたい。一般の補償事務は、或る予算の枠があつて、地建で現地事務として処理をいたしております。従つて問題なく、今の建設省の持つております補償基準によつて処理のできますものは現地で処分をすることができるので、又するのが建前でございます。ですから補償件数が百件ありましても、殆んど九十何件というものは現地として処置をいたして、我々のほうはあとで書類として報告を受けるだけでございます。
 そこで私が今この請願が出て、検討して云々と申上げましたのは、恐らく問題があるから請願が出たのであろうと思うのです。でこの内容については請願が出ましたらばこの内容については検討をいたすと、こう申上げましたのは、よく今の地建の実情を調査しまして、実害査定の状況を調査の上で研究して決定をしよう、こういうふうに申上げておるのです。その間の、私は事務的な矛盾は申上げておらないので、御了解を願いたい。
#135
○小笠原二三男君 先ほどは元来この種のものは現地でやるものなんだ、それで補償の問題等もあるとするなら現地できめて、現在で支払えばいいんだということをおつしやつたことは、この漁業権の問題で質問したときおつしやつてるおることなんです。一般論は私は切めから承知なんだ、地建の権限でもうやり得ることは私は承知です。併し今は金はないのでしよう。あからさまに言うならば、猿ケ石のダムに関する補償の金は予算にない。それでは湛水期までの間に実害があるとするならば、地建のほうで補償すればいい、支払えばいいと言つたつて、それでは片付かない問題があるでしよう。私はそのために局長にお尋ねしておるわけなんです。それで私は最初に、この最初の質問の最後のときの委員会において、これが採択になつた暁には各種の問題を考慮せられ、局長も積極的に問題を解決するように努力して欲しい。そして共に五月上旬の竣工を祝うというようなことであつて欲しいと希望を言つたんです。それからぐらぐらとどういうものやらわからんというふうな私もう一度申しますが、これは昨年からも問題であり、本年当初においても、私も当局の或る方にはどういうことになつておるか聞いて、確かに局長おつしやつた通り、このダムの関係の補償でなくて、終戦後の漁業権を買上げ、新たに漁業権を設定した場合において、その過去の分の漁業権は買上げておるので補償は済んでおるということから問題があるのだということは、私も伺つて共にそれは研究してもらいたいと言つておる。従つてそれはその通りであつたことは私も認めます。併しそれから一カ月もニカ月もたつて、そうして局長もまだ聞いておらないし、どういうものやらわからない、そうして湛水時期はもう迫つておる。こういうようなことではこの行政がどうなつておるかということについて心配なんだ。それでああでもない、こうでもないという質問になつてなかなかしつこいやつだとあなたは思うかも知れないけれども、私はいざとなると一回食い付いたら必ず解決するまではくつ付いて行くのですから、誰が何と言つたつて、言うことだけははつきり、どの委員会に行つてもわかりますが、私はあいまいなことは大嫌いなんですから、はつきりすぱつとやつてもらいたい。明瞭、果断にやつてもらいたい。そういう意味合いで先ほどからお尋ねしているのですが、じや、結論はいつ私たちがお聞きすることができますか。
#136
○委員長(深川タマヱ君) 小笠原先生にちよつと申上げますが、暫らく速記をとめまして、御懇談下さいますか。
#137
○小笠原二三男君 速記はあつても、なくてもいいですよ。
#138
○委員長(深川タマヱ君) 速記をやめて下さい。
   午後三時四十五分速記中止
   ―――――・―――――
   午後四時三分速記開始
#139
○委員長(深川タマヱ君) 速記を起して下さい。
 では只今の建設省の御意見をも御了承の上この請願第千四百四十五号は採択いたすことにして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#140
○委員長(深川タマヱ君) それではさよう決定いたします。
 次回の日程は三月二十五日の午前十時になつております。案件は午前中に引続きまして住宅金融公庫法の問題と道路整備費の問題の御、質疑を御継続願うことになつております。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四分散会
ソース: 国立国会図書館
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