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1953/05/08 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 建設委員会 第33号
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1953/05/08 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 建設委員会 第33号

#1
第019回国会 建設委員会 第33号
昭和二十九年五月八日(土曜日)
   午前十一時二十二分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     深川タマヱ君
   理事
           石井  桂君
           石川 榮一君
           三浦 辰雄君
   委員
           石坂 豊一君
           小沢久太郎君
           赤木 正雄君
           飯島連次郎君
          小笠原二三男君
           近藤 信一君
           田中  一君
  国務大臣
   国 務 大 臣 緒方 竹虎君
  政府委員
   建設政務次官  南  好雄君
   建設省計画局長 渋江 操一君
   建設省道路局長 富樫 凱一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       菊池 璋三君
   常任委員会専門
   員       武井  篤君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○土地区画整理法案(内閣提出、衆議
 院提出)
○土地区画整理法施行法案(内閣提
 出、衆議院提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(深川タマヱ君) 只今より建設委員会を開会いたします。
 土地区画整理法案並びに同施行法案を議題にいたします。
#3
○田中一君 私は今日までの審議並びに懇談会で申上げておきましたように、今日大体この上程されましたところの土地区画整理法案並びにその施行法案に対しての討論採決をすることになつておりますが、この際、かねて緒方副総理と約束してありますように、戸塚建設大臣が総括質問並びに採決の場合には出席する可能性があるとも考えられるという言明があり、且つ若しも出席されない場合には自分が必ず出席をいたしたいと、かように言明しております。この副総理の約束を履行して頂きたい。従つて委員長から本日採決する時間をお考えになつて副総理の出席方を要求いたします。
#4
○委員長(深川タマヱ君) ちよつと速記をやめて下さい。
   〔速記中止〕
#5
○委員長(深川タマヱ君) 速記をつけて下さい。
#6
○田中一君 私が今申上げたのは、無論討論採決する場合に来てほしいということを申上げておるのであつて、これを皆さん各同僚委員で御決定願えればそれで十分でございます。従つて今速記をとめての石川君の発言はその通りで結構でございます。
#7
○委員長(深川タマヱ君) 田中委員、石川委員の御意見は似ておるように存じますが、さようお取計いいたしますことに御異議ございませんか。
  [「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(深川タマヱ君) 御異議ないと認めます。よつてさよう決定いたします。速記をおやめ下さい。
   午前十一時二十七分速記中止
   ―――――・―――――
   午後零時二十二分速記開始
#9
○委員長(深川タマヱ君) 速記を始めて。
 暫時休憩いたします。
   午後零時二十三分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時十八分開会
#10
○委員長(深川タマヱ君) これより委員会を開会いたします。土地区画整理法案を問題といたします。
 これより討論に入ります。御意見のおありの方はそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。なお念のため申上げますが、附帯決議案のおありの方は討論中にお述べを願います。
#11
○田中一君 私はこの法案が曾つての旧耕地整理法の準用によるものと違いまして相当前進したものと認めて賛成するものであります。併しながらこの法案の審議の過程におきまして、まだ他と関連があると見られるような法律との関係におきまして未熟なものがあると考えられます。その点につきまして一、二意見を申上げます。
 今日の宅地の価格というものが、所有権よりも借地権のほうが相当高い時価を持つておる状態もありますので、その借地権者を所有権者と同等の資格と申しますか、或いは権利を持たしたことについては了解いたしますが、まだこれに伴う借家権、或いは農地にいたしますれば永小作権その他の法文化されてない諸権利がこの事業遂行の過程において何らかの発言権がないという扱い方についてはもう一段の考慮を払つて頂きたいと思います。
 次に法律第九十三条の宅地の立体化、この条文につきましては現在の日本の占めておりますところの四つの狭隘なる国土、これを立体的な高度の利用を図るという考え方につきましては賛成するものでありますが、一方同じ主務大臣を持つところの住宅金融におきましては、曾つて我々が審議いたしましたところの住宅金融公庫の一部改正の際におきましても、この宅地の立体化を逆行する一つの法案を我々は審議したのでございます。これは徒らに農地、耕地、その他の平面的な宅地を国の予算を使いまして造成するというような、少くともこの土地区画整理法の一番よろしいと、一番進歩的な考え方に逆行する方法を同じ主管大臣を持つておるところの建設省が行なつておる。この二点につきましては甚だ遺憾と考えるのでございます。殊に宅地の立体化につきましては、まだ実施の段階に当ります場合には相当考慮されなければならないところのものが多々あると存じます。この点につきましては政令によりまして土地の所有者、地上権者、殊にこれに附随するところのあらゆる権利に対する十分なる考慮を払われた実施を図つて頂きたい。そうして若しも曾つて政府が審議の過程において言明したように、次の国会かで都市計画法を改正をする場合には、これに基きましてこの土地区画整理法のうちの九十三条「宅地の立体化」をもう少し合法的な或いは具体的な法文に書き改めまして、このような思想が、この区画整理事業という非常に国民の利害に直接関係のある事業を遂行する上におきまして欣然喜んでこの事業に参画するような改正を共に考慮して頂きたい、かように考えます。
 以上社会党第二控室を代表して討論し、同時にこの条文に対しては賛成いたします。
#12
○小笠原二三男君 私は日本社会党を代表して本法案に賛成するものでございますが、ただ昨日当委員会に参議院農林委員会から、食糧の増産を図り、耕作者の地位を安定するため、土地区画整理事業の遂行については、関係農業者の意向を十分に反映させる必要があるから、二点に亙つた修正をして頂きたいという成規の申入れがあつたのでございますが、その際当委員会の委員長としても、慎重審議してその期待に応えたいという御発言がありましたが、我々委員としても、超党派でこの問題について考究することを昨日、本日、先はどまで時間をかけたのでございますが、農林委員会から修正希望になつております二点のうち、第一点について、第八条第二項中の借地権を分割して、各種の農耕者の権益が保護せられるように認可申請の場合の同意の必要条件としたいということで出ておつた問題は非常に大きい問題であります。第二としては、同じく建設大臣が第百二十二条において認可しようとする場合において、農地又は採草放牧地について或る一定の地積の限度をきめ、その限度を超える場合においてはその認可しようという場合にあらかじめ農林大臣の意見を聞かなければならないとして、政令でこれを定めることを明文化すべきであるという修正点があつたのであります。この点は本法の実施の前に行われる都市計画法において考慮せらるるのが望ましいし、なお且つ本法においては第百三十六条において軽微なものについては政令を以てこれを定める規定があるから、この考慮は十分に他の途が選ばれて、又問題解決に資することができるということで、政府側の意見も又その点においては将来において特段の考慮を加えられる点について了解も得ておるのであります。従つて第二点については修正するまでのことではないということで、内容的に理解し合つたのでありますが、第一点については結局この借地権というものを細かく細文化して明文化するという場合に、余りに幅が広くなることによつて実際上本法の施行に著しい障害を、思わざる障害を与える場合も予想せられるという難点がありますために、これを極く小範囲にとどめようということで、諸権利の均衡の問題について各種の論議をいたしましたが、なかなか妥当な結論を得るということが容易でない、不可能に近いという立法上の困難性というものを各会派の議員において確認せられましたために、本法の修正を以て農林委員会の意図せらるるものを期待することが困難である。併しながら何らかの形を以て、これは政府において今後十分な考慮の下に各種の措置がなされて、土地区画整理法の施行に支障を来たさないのみならず、農耕者一般に与える被害を最小限度に食いとめ、農林委員会の希望するような関係農業者の意向を十分にこの事業遂行に当つても反映せしむる、こういう途を開くのには政府に十分な考慮をして頂かなければならないという意見がまとまつたのであります。
 従つて私その立場でこの際、この原案に賛成すると同時に附帯決議を附したいと存ずる次第であつて提案申上げるのでございますが、先ず案文を朗読いたします。
   附帯決議(案)
 本「土地区画整理法案」は旧制度に比し一歩前進せるものとは認められるが、農耕地と市街地との調整に関しての審議の経過に鑑み本法の実施に際し、政府において左の点は十分留意すべきである。
 一、耕作者の諸権利を不当に侵害するが如き事態を生ぜしめないよう努めること。
 二、農地との調整に関する政令立案に当りては建設・農林両省において十分なる連絡をとり前記の趣旨実現かたにつき特段の配慮をなすこと。
 右決議する。
 以上の通りでございますが、最初附帯決議案について、これを提出するまでの経過は十分申上げたつもりでありますし、又その理由とするところは、附帯決議のこの本文で十分理解せらるるところであろうと思いますので、その理由の説明の煩はこれを省略させて頂きます。
 以上提案を申上げます。
#13
○石川榮一君 私は自由党を代表いたしまして本案に賛意を表すると同時に、只今の小笠原君の提案になりました附帯決議に対しても賛成の意を表するものであります。
 その理由は、本土地区画整理法案は、政府の狙つておりますいわゆる市街地の建設、特に文化的都市の建設の促進を図りたいという大きな目標を持ちまして提案されたものと存ずるのでありまして、この点からこの法案の趣旨に全面的に賛成するものであります。併しながら只今附帯決議の条項と、その他審議の経過におきましていろいろ論議を尽された点等から鑑みまして、本法の狙いとするところは、いわゆる文化都市の建設であるのでありまするが、国策の総合的見地に立ちますと、ややともすると市街地のいわゆる不急の都市計画というものが漸次起りやすい傾向にあるのであります。それは現下行われておりまする、全国的に行われておりまするところの市町村合併の問題、これらをめぐりまして、小さな町が五ヵ村、十ヵ村、大きな村落と共に合併実現をしつつ、各地にそういう市が誕生しております。この狙いとするところは、市街地集中の政策に移行しようとする傾向なんでありまして、農村民から考えますれば、ややもしますと食糧増産の面、或いは農民が農事を放擲しまして、市街地に集中しようとする傾向に拍車をかける点も大きく憂えられるのであります。こういう観点から考えましたときに、この法案が狙いまするところのいわゆる文化的都市の建設ということにのみ片寄つて行きますると、国策の面におきまして食糧増産の面或いは農民の農村に対する関心が薄くなる。要するに農耕を放棄するという傾向が青年男女のうちに澎湃として起つて来たのは、これは由々しい大事だと思うのであります。こういう観点に立ちまして、この法案の狙いとするところも結構でありますが、総合的な見地から、都市計画を実施するに当りましては、その点を十分に総合的な観点からその施行の認否を決してもらわなければならん、かように考えるのであります。要するにこれは一つの手続法でありますから、都市計画を実施する場合における計画遂行の手続法でありまするから、あえてこの問題について多く論及する必要はないのでありますが、問題は都市計画を認可する場合、ややもしますと都市集中の傾向が現在起りつつあるものが一層拍車をかける。或いは思わざる農村の荒廃を来すのではないかという憂いすら思想的に起つて来るのではないかと考えるのであります。
 こういう観点から考えまして、都市計画を実施するに当りましては総合的な国策の面からきめられまして、いやしくも不要の都市計画が行われないように十分の考慮を政府に払つて頂くことを条件といたしまして、私は本案に賛成するものであります。(拍手)
#14
○三浦辰雄君 私はこの土地区画整理法案について、緑風会を代表しまして、只今小笠原君の提案されました附帯決議案の採択を前提といたしまして、賛成をいたします。
#15
○委員長(深川タマヱ君) 他に御発言ございませんか。……他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
#16
○委員長(深川タマヱ君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。土地区画整理法案を原案通り賛成の方の御挙手を願います……。
#17
○小笠原二三男君 ちよつと待つた。附帯決議が前提になつて本案に対する……。
#18
○委員長(深川タマヱ君) あとでいたします。
#19
○小笠原二三男君 いや、附帯決議が否決されれば原案に対して反対の態度をとる立場も出て来るんだ、今の議論は。
#20
○委員長(深川タマヱ君) ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#21
○委員長(深川タマヱ君) 速記を始めて。
 もう一度申上げます。土地区画整理法案を原案通り賛成の方の御挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#22
○委員長(深川タマヱ君) 全会一致でございます。よつて本案は全会一致を以て可決されました。
 次に小笠原委員より御提出の附帯決議案について採決いたします。小笠原委員御提出の附帯決議案に賛成の方の御挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#23
○委員長(深川タマヱ君) 全会一致と認めます。よつて附帯決議を附することに決定いたしました。
 只今政府側より発言を求められております。これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#24
○委員長(深川タマヱ君) それでは発言を願います。
#25
○国務大臣(緒方竹虎君) 政府といたしましては、只今議決されました附帯決議の趣旨を尊重し、本法の運営に遺憾なきを期するよう努力をいたす所存でございます。
#26
○委員長(深川タマヱ君) なお、本会議における委員長の口頭報告の内容等、事後の手続は、慣例によりまして委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  [「異議なし」と呼ぶ者あり]
#27
○委員長(深川タマヱ君) 御異議ないと認めます、
 次に本案を可とされた方は、例によりまして順次御署名を願います。
  多故意見者署名
    石井  桂  石川 榮一
    三浦 辰雄  石坂 豊一
    小沢久太郎  赤木 正雄
    飯島連次郎 小笠原二三男
    近藤 信一  田中  一
  ―――――――――――――
#28
○委員長(深川タマヱ君) 次に土地区画整理法施行法案を問題に供します。
 これより討論に入ります。御意見のおありの方はそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。なお修正意見のおありの方は修正案文及びその修正理由を討論中にお述べ願います。
#29
○小沢久太郎君 私は本法案に対しましては全面的に賛成するものであります。但し次のごとき修正案を附して賛成したいと思います。
   土地区画整理法施行法案に対する修正案
  土地区画整理法施行法案の一部を次のように修正する。
  第二十条中「第百十一条の六」を「第七十三条の六」に改める。
 本修正案は、昨大日本院において地方税法の一部を改正する法律案が修正議決されました結果、土地区画整理法施行法案第二十条中の字句を修正する必要が生じましたためでありまして、全く形式的な修正であります。
#30
○委員長(深川タマヱ君) 他に御発言はございませんか。他に御意見もないようですから討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○委員長(深川タマヱ君) それではこれより採決に入ります。
 先ず討論中にございました小澤委員御提出の修正案を問題にいたします。小澤委員御提出の修正案に賛成の方の御挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#32
○委員長(深川タマヱ君) 全会一致でございます。よつて小澤委員御提出の修正案は可決されました。
 次に只今可決されました小澤委員の修正にかかる部分を除いた原案全部を問題にいたします。修正部分を除いた原案に賛成の方の御挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#33
○委員長(深川タマヱ君) 全会一致と認めます。よつて本案は全会一致を以て修正議決されました。
 なお、本会議における委員長の口頭報告の内容等、事後の手続は、慣例によりまして委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○委員長(深川タマヱ君) 御異議ないと認めます。
 次に本案を可とされた方は、例によりまして順次御署名を願います。
  多数意見者署名
    石井  桂  石川 榮一
    三浦 辰雄  石坂 豊一
    小沢久太郎  赤木 正雄
    飯島連次郎 小笠原二三男
    近藤 信一  田中  一
#35
○委員長(深川タマヱ君) 速記やめて下さい。
   午後二時四十六分速記中止
   ―――――・―――――
   午後三時六分速記開始
#36
○委員長(深川タマヱ君) 速記を起して。本日はこれにて散会いたします。
   午後三時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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