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1953/02/08 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 決算委員会 第4号
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1953/02/08 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 決算委員会 第4号

#1
第019回国会 決算委員会 第4号
昭和二十九年二月八日(月曜日)
   午後一時四十二分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     小林 亦治君
   理事
           植竹 春彦君
           長谷山行毅君
           菊田 七平君
           平林 太一君
   委員
           石川 榮一君
           入交 太藏君
           谷口弥三郎君
           宮田 重文君
           飯島連次郎君
           奥 むめお君
           豊田 雅孝君
           大倉 精一君
           東   隆君
           山田 節男君
  政府委員
   林野庁長官   柴田  栄君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       森 荘三郎君
  説明員
   会計検査院検査
   第三局長    小峰 保栄君
   林野庁業務部長 石谷 憲男君
   林野庁業務部監
   査課長     島本 貞哉君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十六年度一般会計歳入歳出決
 算(内閣提出)
○昭和二十六年度特別会計歳入歳出決
 算(内閣提出)
○昭和二十六年度政府関係機関決算報
 告書(内閣提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(小林亦治君) 只今より第四回決算委員会を開会いたします。
 昭和二十六年度決算三件を議題にいたします。
 本日は議事の都合上林野庁、通産省の部を問題に供します。初めに会計検査院検査報告批難事項、林野庁の七百八十八から七百九十、七百九十三から七百九十五、八百六を問題に供します。
 先ず専門員をして説明をいたさせます。
#3
○専門員(森荘三郎君) 国有林野事業特別会計に関しましては、検査報告の百四十七ページに検査院の一般的の御意見が記されてありまするので、ちよつとそこを御参照願いたいと思いまするが、先ず最初に本会計における売渡材は、大半を、相当の分量でありまするが、それを随意契約で処分をしておられる。かような特売を成るべく圧縮するようにということと、それからそういう場合には予定価格をきめるに当つて、どうしてもその特売のほうは安いものでありまするから、普通の公売価格を参酌して、成るべくそれに近付けるようにというようなことをかねがね注意をしている。ところが本年も同様な事情が見受けられるが、従前に比べては幾らかよくなつておる。なお一層その点について努力をしてもらいたいというようなことが一番最初に記されております。
 それから裏へ廻りまして、百四十八ページの三行目以下に、各営林局署の施行にかかる治山及び林道の工事千二百八十カ所、その事業費は四十何億というものでありまするが、それらの中で工事を直営によつて施行したものとして、人夫賃の名義で支払に立てて、実は業者に請負わせたりしている、いわゆる切り投げ工事ということをやつておるものがあるが、これは甚だ適当でないという指摘が先ず最初に載つております。それに対する当局の弁明は説明書のほうの九十一ページに出ておりまするから、そちらをどうぞ御参照を願いたいと存じます。
 それから次に七百八十八号の案件でありまするが、これは材木を販売するに当りまして、買受希望者のほうからあらかじめ金を預つておいて、売払つた場合にあとからその預つておいた金で以て帳簿を整理するという方法をとつていたのでありまするが、とにかく手許に現金が預つてあるものですから、その金を余計なほうに流用したり何かしたという不当な経理があつた。それを検査院のほうから注意して、そういうような取扱をやめさせたというようなことが出ております。弁明書のほうにおきましては、なぜそういうふうな特殊な売り方をしたかということについて説明が出ておりまするが、それはこの材木を買受ける者が大阪方面へ高知あたりから船で以て運ぶことになるが、その船に積みまする際に少しでも船に積込む余裕があれば大急ぎで材木を積込む。そういうふうにすれば運賃が非常に安くつくからというような事情もあるのでそういうふうの扱いをしておつたのであるが、たまたまそんな金を流用するというようなことになつたとすれば、それは甚だ面白くないからやめさした、こういうような話であります。
 それから次の七百八十九号は、材木を安く売り過ぎたというのでありまするが、これは検査報告の二百八ページの終りの三行ほどの間にその日付が出ておりまするが、十六日の日に売払いの認可を受けて、二十九日にその価額で以て売払つた。この価格は従前の安い価格であつたのであります。併し営林局では十六日の日に各営林署に通牒を発して、二十日以後に売渡すものは値上げをした新らしい価格で売らなければいかんと言つているにもかかわらず、今のような事件が起つたので、誠に適当でないということであります。当局の答えは、検査院の御指摘の通りでありまするが、たまたま当時ついその取扱いを誤つた、誠に申訳がないという話のようであります。
 次の七百九十号は、これ又山崎営林署で安く売り過ぎたというのでありますが、その価格の計算を見ますと、山崎営林署のほうでは市場価格というものがはつきりしない、姫路の町まで出ると、そこでは市場価格というものがはつきりしまするから、姫路の市の材木の価格を押えまして、それから山崎から姫路までトラックで運搬する、その運賃を引いたところの値で売ればまあ丁度よかろうと思われるわけでありまするが、たまたまここに指摘されておりまする案件は、そのトラツク運賃を引いたものよりも更にもつと安い値で売つておるから不都合だ、こういうことのようであります。当局の答えも、誠にその通りで申訳ありませんが、当時まだ事務に不慣れとかというような事情のために誤つたことをいたしましたということであります。
 それからその次に職員の不正行為という問題が起つて参りまするが、五つ書いてございます。そのうち初め二つは食糧庁関係のことですからあと廻しにいたしまして、七百九十三、七百九十四、七百九十五、これが林野庁関係の問題なのでございます。
 それからずつと飛びまして八百六号というのは是正済みのことではありまするけれども、正規の手続によらないで売渡した、これがよくない、それを検査院の注意によつて是正させた。それだけの事件が挙つておるのでございます。
#4
○委員長(小林亦治君) 次に会計検査院の説明をお願いいたします。
#5
○説明員(小峰保栄君) 国有林野につきまして御説明申上げます。
 只今専門員から詳細に御説明がありましたので、補足する必要もないわけでございます。それから当局もそれぞれの案件に対しましていずれも遺憾の意を表しておられることでございます。冒頭の百四十八ページに書きました営林局の直営工事の架空経理ということでありますが、これは御承知のように昨年この委員会でも特に小委員会をお設けになりまして、建設省その他の工事の架空経理はよくお調べ願つたわけでありますが、林野庁でも丁度一昨年私どもは検査をしておりますと、建設省ほどまだいわば病膏肓に入つていなかつたのでありますが、ほんの極く初歩の架空経理というようなものがぼつぼつ見付かつて来ておりますが、放つておくと建設省みたいになつて来てしまいますので、これは大変だというので、当局にも強く申しまして、すぐに直す、そういうことをしない手をいろいろ打つて頂いたのでありますが、それで当局のお調べなんかで金額は相当額には達しましたが、併しまあいわば極く初歩のうちでございまして、すぐに是正するのは比較的容易だつたのであります。全部是正の手を打つて頂きまして、全国からこの弊風を一掃いたしまして、建設省とかほかの役所、事務所みたいに非常に悪いものが出ないうちにこういうことに手が打てたのは非常に結構なことだと思つております。個別批難とか特にいたしませんで、総括的にここに書いたわけであります。
 それから七百八十八号の高知営林局の問題でございますが、これもほかの営林局ではなかなか素材の前渡しということは非常にやかましいのでありますが、丁度一昨年の一月に私ども高知に参りますと、高知でたまたまこれをやつておりまして、一億二千四百万円の金を先に取つておつた。そうして材木を渡してしまいましたが、その金は国の歳入に入れないで、営林局限りで不正規の経理をしている。こういう事態がわかつたのであります。これもすぐに当局に申上げまして直して頂いたのでありますが、先に取りました金を国の歳入に納めないで一部国費に流用するというようなことも見えたのでありまして、ここにございますように一億二千四百万円のうら千百万円を立替流用しておつた。これを放つておきますと、この架空経理の質の悪いいろいろな事態を起すことにもなりますので、すぐにこれは御注意申上げて直して頂いたのでありますが、その後はこういう事態は起つておりません。
 それから七百八十九号、七百九十号でございますが、これも先ほど専門員から御説明になりましたように、七百八十九号は、これは価格が改訂になりまして、高いほうの価格で売らなきやいかんという時期になりましたのに、うつかりして安いほうの価格で売つてしまつた、こういうわけで約二割近いものがこれで損をしておるわけであります。三十三万円ほど損をした、こういうわけであります。七百九十号は、これは同じ姫路の市価を調査したのでありますが、山崎の営林署の調査方法が悪かつたと見えまして、安い価格で売つてしまつた。安い価格で売つたところが、私どもが調べますと、姫路の営林署では同じ時期に同種の山崎から保管転換を受けました材木をもつと高い値段で売つておるということがわかりまして、調べた結果、六百六十万円に対しまして二百七十万円ほど安く売り過ぎた、こういうことがわかつたわけであります。
 それから七百九十三以下の不正行為については、先ほど専門員から御説明があつた通りであります。
 それから八百六号の素材を正規の売渡手続によらないで引渡していたもの、これは先ほどの高知の営林局とやや似た案件であります。秋田営林局管内の大曲の営林署で六千九石という素材の金を正規の国の収入にいたしませんで引渡していた、こういう案件でありまして、これも検査でわかりましたのですぐに直して頂いております。
 以上で林野庁を終りますが、農林省関係については非常にいろいろな問題が多いのでありますが、林野庁につきましては、今申上げた程度の問題しか私ども発見しておらんのであります。二十七年度は更に今の高知のような悪い大きな案件もなく過ぎまして、逐次改善に至つておるように見受けられる次第であります。
#6
○委員長(小林亦治君) それでは林野庁当局の御説明を伺います。
#7
○政府委員(柴田栄君) 私どもあらゆる機会に間違い或いは不正の防止に関しまして全力を挙げて参つておるつもりでございまするが、なかなか及ばない点で御厄介をかけることを非常に恐縮に存じております。
 特別会計発足以来、特別会計自体の内容整備等に非常に時間がかかりまして、内部監査が実は遅れて参つておりましたが、会計検査院等の御指導も頂き、会計自体といたしましても内部監査の制度を確立いたさなければならんということで、漸く制度も整備いたしまして、一層内容の検討と能率運営を計画いたしておりまするが、先ほど専門員からもお話のありました総括的な処分の方法等に関しまして、実は私ども非常にこの問題はいつも問題になりますが、むつかしい点がありまして、悩んではおりまするが、原則上、現状におきましては公売を主体とするという原則には十分忠実に進めては参りたいと思つておりまするが、地方の経済構造に関連する問題或いは地方産業の助長の問題、更に重点的な国家計画に対応する問題等を含めまして、なかなか大部分を公売に切替えるということの困難さを感じておる次第であります。それにつきましても、公売をいたしまする場合と随意契約をいたしまする場合と内容の相違も多少はございまするが、価格におきまして常に相当程度の差が出て参る。勿論私どもは公売の結果を価格算定の大きな参考として処理はいたしておりまするが、非常に木材、薪炭、林産物価格の高騰情勢にありますると、私どもが現状を把握いたしまして算出いたしまする予定価格が、常に業界、需要者の見込或いは思惑等によりまして非常に現実の市場性と離れた価格が出て来る。結果的には大変な開きが出て参りまして、何かその間に予定価格の算出に遺漏があるのではないかというような御疑問を生ずる点、私どもも如何にしてこれを明確にすべきかという点では、非常に苦労をいたしておりますが、飽くまでも公正に現実の市場性を把握して国損を来さないようにということに十分今後も注意して参ると同時に、公売価格等は相当重要な参考として取扱つて参りたい、かように考えておる点を本委員会においても御了承を頂きたい、かように考える次第であります。
 なお、治山、林道工事におきまする公共事業の不当な取扱いに関しましては、事情如何にかかわらず、実は御指摘の通り適当ではなかつたのでありまして、この点は指導にも欠けるところがございましたので、御指摘と同時に徹底的に切替えまして、疑問を挟まないように、そうして実行担当者も公明に間違いなくできるように、直営は直営、請負のものは請負と明確にいたしまして、爾後の過誤を来さないように処置をとつておる次第でございます。
 それから七百八十八号に関しましては、会計検査院の御指摘の通り、誠に経理といたしましては不都合な処置をとつて参つたのでありまして、この点理由の如何にかかわらす、私どもといたしましては、直ちにこれを停止し、是正しなければならんということで処置をとつた次第でございまするが、当時の情勢からいたしますると、この案件は高知の特殊事情といたしまして、従来大部分の素材が四国以外の、主として阪神或いは名古屋、東京等の県外業界が買受をしておられたという関係と、お話にもありましたが、海岸線が非常に良好でないために、木材の積み取りに時間がかかる、或いは船の廻漕等に非常に手違いを生ずる。そこで何とか迅速に売払い処置をすべく、それらの点で業界が無駄をしないようにしたいということで、業界の切実な希望によりまして、お預りしたものがだんだん溜まつて、その間に不当な経理にまで及ぼうとしておつたということでございまして、誠にこの点は御指摘の通り遺憾な処置をいたしておりましたので、直ちに停止いたしまして、御指導によつて整理いたし、その後は一切全国有林の管下に亘りましてかような処置のないように厳重に通達をいたし、監督をいたしておる次第でございます。
 それから七百八十九号につきましては、誠に御指摘の通り、非常に営林局といたしまして粗漏な認可をいたしておるということでございまして、かような問題の今後絶対に起らないように慎重を期するよう徹底を期しております。
 それから七百九十号につきましては、これ又山崎営林署の生産材の主たる市場でありまする姫路に一部転換をいたしまして、市場性を的確に把握しつつ処分を進めて参りたいという考えで出発いたしておりましたにもかかわらず、両署間の連絡が不十分のために、算定の基礎に統一されたものがなかつたという点につきましては、これ又事務の連絡の不十分を誠に遺憾に存じておる次第であります。これらの問題は、先刻申上げましたように、処分価額の妥当性という問題をその後も強く取上げまして、市場調査の統一的な取扱い或いは試験挽の活用、品等区分の統一等を図りまして、今後かような不当な取扱をいたさないよう厳重に注意を促しておる次第でございます。
 七百九十三号以下の職員の不正行為に関しましては誠に申訳ない次第でございまして、この点何とも申上げる次第もございませんが、七百九十三号の場合には、実は山県某というのは、従来極めて同僚上長等にも評判のよかつた優秀な技術者として取扱われて参つた人物であつたのでございまするので、全般が当人に対しまする過信をいたしたという点に監督上遺憾の点があつたような気もいたしまするし、なお大きな事業に対しまして、特に奥地で事業をいたしておりまする治山事業等に関しましては、事業の執行、支払の問題に関しまして、取扱の点につきまして、署直接で執行させる、或いは局の直営といたしまして、支払を別途にさせるか等の点をいろいろ検討いたしまして、その後同じようなケースの起らないように十分な注意をいたしております。本人は一応、訴訟をいたしておりますが、目下上告中でございます。当時の営林署長は責任をとりまして退職をいたしております。
 七百九十四号に関しましても、誠にあり得ないような不都合な点でございまして、本人に対しまする日頃の監督、訓練の不行届等に関しましては誠に申訳ない次第でございまするが、それぞれ司直の裁きによりまして刑を確定いたして、本人は服役いたしております。国の損害に対しましては補償の方法を確定いたしまして、只今賠償の取立てをいたしておるという現状でございます。
 大体以上でございまするが、今後におきましても、でき得る限り全機構を挙げて間違いのないように努力をいたして参るというつもりでおりますることを申上げます。
#8
○委員長(小林亦治君) 御質疑ありませんか。
#9
○長谷山行毅君 林野庁でこの国有林を払下げるにつきまして、年々この売渡し計画というようなものがあるならば、それについてその基準とか大体の方針を最初に承わりたいと思います。
#10
○政府委員(柴田栄君) 国有林野材の売払いに関しましては、全体の生産計画をいたしまして、それを樹種、材種によりまして、用途別に一応区分をいたしまして、一般材につきましては、地元の産業保護助長という面に関しまして最低限度の特売量を決定いたします。なお特定用途、例えばパルプ材或いは坑木或いは合板、枕木等に関しましては、それぞれの適材の生産計画を基礎といたしまして、それぞれの業界への特売量を決定いたします。その他の一般材に関しましては地元の従来からの公共用の需要に対しまする一応の目標を予定いたしまして、地元用として企画いたしまして準備をいたします。更に製材業界或いは木工業界等、これは主として地元と申しますると、県内生産は一応県内業者という考え方で地元と考えておりまするが、それらに対しまする従来の実績、これを基礎といたしまして総体の特売量を決定いたしまして、その他のものを公売と予定いたしております。併し林産物は現在直営伐採によりまして処分いたしまするものと、立木によつて売払いまするものとございますが、立木によつて売払いますものは原則といたしまして公売の制度をとつております。ということは立木の場合には大中小径級の木材が取れる原木が一緒に入つておりますので、特定用途に対しましてそれを特売いたしまする場合には、利用の面において却つて集中的に使われない場合が出て参る。或いは転売を余儀なくするというような問題が起るということを考慮いたしまして、公売を原則といたしております。直営伐採につきましては只今申上げたように樹材種、長径級等によります用途区分によつて特売、公売を年度当初において確定いたしまして、これは非常に営林局によつて相違がございまするが、大量に直営伐採をいたしておりまするところは、一応営林局において調整を取りまして、それぞれ具体的な要素によりまする特売基準を定めて、数量を時期別に決定をいたして参る。非常に少量の生産のところは方針を示しまして、数量、総額を指示いたしまして営林署に通牒する、かような措置で処分の計画と実行をいたしております。
#11
○長谷山行毅君 今のお話だと営林署ごとに年度当初に大体この公売と随意契約の分と特売の分がきめられるというふうなことなんですか。
#12
○政府委員(柴田栄君) 大体只今のような方法で年度当初に概数の確定をいたします。
#13
○長谷山行毅君 それからこの価格の問題ですが、この価格算定の基準というのは、何かその地域ごとに、営林署ごとにでも大体の基準がきまつておるのですか。そういうふうな価格算定の基準をお伺いしたいと思います。
#14
○政府委員(柴田栄君) 樹種別にまあ大体産地が確定して参りますが、一応営林局単位において主たる市場をとりまして、その市場の調査を随時いたしておりまして、それが基礎になりまして、更にそのときどきの例えば製材製品等につきましては製材内容の動向の変化等がございまするので、それに対しましては試験挽を随時、大体年一回くらいが普通でございますが、試験挽をいたしまして、最高の価値利用ができるような試験挽結果を基礎として、それを材の長径級、品等別の格差の基準といたしまして、それをもつと詳細に参りますると、例えば秋田杉のごときも、特殊の秋田杉のうちでも、一部の地方においては材質を考えて多少割引をするというようなものを加えまして、営林局で調整をいたしまして、営林署のほうに基準を流す、そうして随時の変化につきましては小さな市場の変化は率によつて連絡をとつて統一を図る、こういう手段をとつております。更に同一樹種につきまして隣接の営林局間の時期を合せまして調整を図つて行くという手段をとつておりまするが、まあ厳格に申上げますると、非常に小さな地域別の特殊事情による変動がなかなか的確に現われない場合が出て来る。これを如何にして調整するかということは、或いは営林署に任すということによつて円滑に行く場合がありますが、却つて過誤を犯すという危険もありますので、実はその辺の調整に苦慮しておる点があることを申上げます。
#15
○長谷山行毅君 この七百八十九号の問題ですが、そうするとこれは新基準価格を適用すべきであるというのですが、こういうふうにときどき価格算定の基礎を変えて林野庁のほうから各営林署に通牒でも発しておるのですか。この問題に関係してのことがちよつと不明確なんですが、その点。
#16
○政府委員(柴田栄君) 只今申上げました通り市場価格の変動によりまして修正を要する時期に、市場調査に基いての修正がありますると、局でそれを調整いたしまして、全管内関係者に同一方針で取扱うように方針を通牒すると、こういうことなんでございますが、それを出す直前にありながら、恐らくこの問題は非常に形に現われた点で粗漏で申訳ありませんが、申込が十月八日にありまするので、当時営林署としては、これは価格の調整につきましてはあらかじめさような情勢がわかるということは、処分上非常に不都合を生じますので、非常に厳格に扱つておる関係上、当時営林署で価格の調整のあるということを承知しないで進めておつたというような関係と、十日に局に協議をいたしておりますので、早く促進しなければならんというのでやつたのが、手続が遅れたというような関係がありはしないかと想像いたしておりますが、いずれにいたしましても、局としては修正の方向はもうすでにきまつておつたはずでございますので、大変連絡が悪くて不都合な取扱いをいたしたということは否定できない事実と思います。
#17
○長谷山行毅君 次に七百九十三号から七百九十五号までの職員の不正行為でありますが、これらの案件は、これは内部的にこういう事実が発覚したわけですか、それとも警察のほうの検挙でもあつてこういうことが発覚したというのですか、その点をお伺いしたい。
#18
○政府委員(柴田栄君) 山形営林署の案件につきましては、警察のほうの捜査によつて私どもも承知したということで、非常に内部的な調査が遅れておつたということを非常に申訳なく存じておりますが、先ほども申上げました通り、山県某という職員は、従来非常に優秀な職員であるということで、内外共に信用を博しておりましたので、一応信頼して来ておつたというところに取扱い上の過誤が生じたのではないかと、かように考えております。
 津山の関係は、実はかようなことは予想もいたしておりませんでしたが、前渡金を取りまして、当然すぐ金庫へ預託いたすべきものを、前渡金を受取りに行つた者がそのまま持つて逃げてしまつたというような、誠にどうもとんでもない問題でございまして、あらかじめ如何ともしようがなかつたという事情になるわけでございます。
#19
○長谷山行毅君 七百九十四号はそういう突発的な事案でありますが、山形営林署なんかは約二年間に亘る不正行為のようですが、こういう不正を内部的な監査によつて防止するような何か方途を今考えておられますか。
#20
○政府委員(柴田栄君) 実はかような奥地で事業をしておりまして、一々の支払に非常に職員の手間が多いということで、正規に取扱いますれば、事業の実行と、その証明によりまする支払の担当人は全然別個の者が取扱うべきはずでございますが、これを止むを得ない事情と本人の信用という点から、本人に委託して支払をさせたというところに大きな間違いが起つたというふうに考えまして、これは能率の上からいいますると、営林署に一任いたしまして、営林署の担当事業として実行するのが非常に能率的ではありますが、かような不正を防止する建前からいたしますと、営林局の直営事業といたしまして、支払を営林署に委託する、実行と支払を分けるというほうが間違いがないということで、その後方法を改正いたして、かような仕事は局の実行というようなことで過誤のないように処置しております。
#21
○山田節男君 この七百八十九号の旭川営林局管内の奥士別の営林署、この問題とちよつと離れますが、上川から層雲峡のほうへ行くところに林野関係の軽便鉄道が敷かれておりますね、そうして同時にあれは層雲峡へ行くバスが通るかなりの道があるわけです。私一昨年北海道へ行つたときに、立派なトラツクで以て木材を運んで来る。もう殆んど材木の運搬はトラツクに依存して、軽便鉄道は全然使用していない。私どもちよつと見ても、週に一回ぐらいは通るか知らんけれども、全然使用していない。道路は非常に破損される。上川の村長の陳情を受けるくらい道路に対する費用が足らない、観光道路であり……、而も殆んど営林関係のトラツクです。私も数回見たのですが、非常に立派なトラツクを使つておる。こういつたような例は全国にほかにもあるのじやないかと思います。こういつたような不要とは言わないが、折角あれだけのレールを敷いて運搬の作業ができるまでにするためには相当金がかかつたものに違いない。この国有林野事業の特別会計としては、こういつたような不動産施設といいますか。こういう施設をどういうふうに処理するのか。これは勿論償却とか何とかいうことはないと思うが、現在レールによる木材運搬がトラックに変るというような、こういうような例が私は全国にもあるのじやないかと思いますが、そういう事例が他にもあるかどうか。そういうような軌道を敷設して、もう殆んど使わないというようなものは、この国有林野特別会計としてどういうふうに扱うのか、この点ちよつと明らかにしてもらいたい。
#22
○政府委員(柴田栄君) 只今御指摘の林道は恐らく層雲峡へ参る途中の林道でないかと思つておりますが、途中で作業いたしておりまして、それを利用いたしておりましたが、その後層雲峡の上流の利用をするのにこれを延長してやろうという計画を当時持つておつたわけでございますが、その後トラツクの事情が非常によくなりまして、トラツク運材のほうが事業として有利であるという結論になりましたので、昨年からあの軌道をトラツク道に全部取替えて、撤去いたして、奥まで運材ができるように計画をいたしております。ただあの道有の道路をそのまま利用いたしますると、観光その他の関係において非常に阻害されるという危険もありましたので、軌道を外しまして、多少あれの幅員の修理等をいたしまして、往復使えるようにいたしまして、両方で利用して頂きながら私どもは運材をいたしている、こういうことで利用いたしまして、軌道は他の運材の部面に転用いたしておりますが、只今御指摘の通り、最近におきましては長い期間に亘りまして一定量が事業化される場合には軌道も相当効率的に考えられますが、順次数量の減少して参るような伐採箇所につきましては、トラツク運材のほうが遙かに有利である。或いは地元等が御活用願う場合にもそのほうが有利であるという場合が相当ございますので、最近の傾向といたしましては、軌道をトラツク道に順次振り替えて参るという方法をとつております。
#23
○山田節男君 この他にもああいつたような例があるかどうかということですね。それからあれだけの距離のものに軌道を設けるということは、相当これは金がかかつているに違いないと思うのですが、こういつたようなことは国有林野事業特別会計としては国有林野事業特別会計上の資産として登録してあるが、恐らく償却なんかしていないと思うのですが、今おつしやるようにこの軌道をトラック道に改造するとか、そういつた場合の会計的な処置はどういうふうにしておられるか、この二つについて御答弁願いたい。
#24
○政府委員(柴田栄君) 本来殆んど永久的に使いますような林道の償却という問題はなかなかむずかしい問題ではございますが、一応償却財産として処理いたしまして、二十年償還で経理をいたしております。すでに償却済のようなものも相当残つておりますが、現在も利用いたしております。軌道で現在約二万キロくらいあるかと思います。
#25
○山田節男君 この層雲峡の場合ですが、なるほど今おつしやるように、もう層雲峡の最も景勝地は、これは木材の伐採をやらないというので、更に奥地にずつと発展して、私名前を忘れましたが、トンネルがあつて、その向うに営林署があつて、その奥を伐採している。ごういつたように新らしく、而もこの道路は聞くところによると将来バスも通り一つの幹線的道路になる。それからあのトンネル、そういうものに相当金がかかつていると思う。これは主たる目的は、今日においては林野事業のために開発道路式にトンネルを作り、道路を敷いているわけですが、こういう場合には、地方自治体のトンネルを穿ち、道路を作るという場合の経費はどういうようなことになつていますか。
#26
○政府委員(柴田栄君) 形の上では林産物運搬用の専用道路といたしまして、全部国有林野事業費で実行いたしております。層雲峡の場合に、実は従来の道有道路を改修して同時に使つたらどうかというようなことで道庁とも十分協議をいたしましたが、却つて非常に経費がかかりますということと、軌道を一部敷設いたしておりましたので、これを改修いたしまして、トラツク道に転用するということによつて機動性を増しつつ、或いは両方必要に応じては兼用して頂くという便宜もあるというので、道ともお打合せの結果、そのほうがいいということで、別の専門線という形でトラツク道に切り替えているという処置をいたしております。
#27
○平林太一君 柴田君にこの際これは尋ねるのではない、同君の責任に対して重大なる反省を求めたい、そういう意味で申上げる。
 七百八十九、七百九十、物件、素材の売渡価額低価に過ぎたもの、一例をここで、特に重複を避けて、七百九十だけを摘出して述べればこう書いてある。
  「大阪営林局管内山崎営林署で、昭和二十六年四月から六月までの間に、随意契約により松本某外四四名にすぎ及びひのき素材九、〇六九〇石を六、六六二、四〇〇円で売り渡したものがある。右売渡価額は、姫路市の市場価格(素材石当りすぎ八二五円から二、五三三円、ひのき九二〇円から一、九二〇円)から山崎、姫路間の運搬費を差し引いたものを基準としたとされているが、その基準となつた姫路市の市場価格の当否をみるに、姫路営林署はこれと同時期に山崎営林署から保管転換を受けた同種材三、八五六石を随意又は競争契約により六、一〇七、七〇五円で売り渡していて、その予定価格五、八〇五、二〇一円の算出に当り基準とした姫路市の市場価格は同種同長径級材で石当りすぎ七〇円から一、一二〇円、ひのき一二〇円から二九〇円高価となつており、山崎営林署の採用した市場価格は低価にすぎたものと認められる。いま仮に、本件を姫路営林署の採用した市場価格を基準として予定価格を算出し売り渡したとすれば、約二百七十万円高価に売り渡すことができた計算である。」、これは七百九十です。
 こういうことは先刻柴田君の弁明を聞いていると、何か出先機関がしたことで、誠に相済まん、こういうように私のほうでは聞いておつたのであるが、出先機関がなすということに対しては、出先機関だけで、例えば大阪営林署、或いは七百八十九号にしても旭川営林局においてもそういうことででき得べきものではない。そのために営林局の東京本庁というものがある。而もそこに柴田という長官がいるのだから、あなたの決裁なりあなたの判を捺さなければこういうことはできないはずである。然るにそういうことになつていない、それはどういう事態であるか、その弁明を承わりたい。そのための長官である。当該の旭川の営林局長だけではこういうことはできないものである。林野庁長官柴田君のこれに対するいわゆる承認なり同意、つまり決裁がなければこういうことはできない。そういう機構であると、我々は法律上、今日国会においてもそういう行政的な組織になさしめている。それをさつきの弁明によれば、当該の何がやつたので、誠に我がほうは遺憾千万であると言われているが、非常に奇怪である。その経緯に対して説明を承わりたい。
#28
○政府委員(柴田栄君) 只今御指摘の点は、実はそれぞれ地方の営林局長に職務を委任をいたしておりまして、一一につきまして私が決裁をいたして売払うという形にはなつておりませんので、御指摘のように、私が決裁したものではないかというお話に関しましては、実はさような形にはなつておりませんが、勿論私の管轄いたしておりまする管下のことでございまするので、誠に申訳ない次第であるということは痛感いたしております。今後かような事態の起らないようにという、或いは監査の方法なり指導の方法なり等をとつて、厳重に反省を求め、過誤を是正いたす手段をとつておるということで御了承願いたい、かように存じます。
#29
○平林太一君 本件に対しましてはすでにこの批難事項として会計検査院がこれを指摘して参つたのであります。で、会計検査院の現在機構からいたせば、極めて会計検査院自体の行為が、予算、人事の上において、すでに我々が承知しておる通り、殆んど全体の三分の一ぐらいしか手が廻らないということなんです。でありますから、従つてここに現われた事件は、その三分の一であるということにこれは相成るわけで、潜在しておりまするものは恐らくこれに数倍するものがあるということを考えて、非常にこの際我々としてはこれを放置するというわけには参らない。たまたまこれはこの問題が出て来たのだが、只今柴田君の御答弁を承わりましても、非常な責任を痛感しないで、今日の事態において依然とした往年のいわゆる官尊民卑的の、官僚による独裁、特権というものを非常に潜在しておるとこるの、反省していない言動であるということをこの際強く我我は承知するわけです。国家の責任は、而もこの出先機関だけでこれをやらしておくということは、事件が起きて来ると、そういうことで逃げてしまう。そういう事柄はあり得ないことなんだ。書類というものは本省に必ずこれは届いている、林野庁本庁に。これは全国の幾多ある営林局かそれぞれ売渡しなり国有財産を処分するに際しての行為というものを全然手放しにあなたはしていらつしやるのか、本庁は一体何をいたしておるか、林野庁長官というものは東京にあつて、そうしてそのことを何しておられるか、必要のないものなら、我々常識的に……、我々行政機構の内容に対して物理的に或いは科学的にこれを論評せんとするものではない。常識上の判断においてそういうことはわかるはずである。そんなら全国の各営林署にその実権を持たして、各営林署が仕事をしておればそれでよろしい。本庁というものは、その営林署の行為というもののいわゆる是非或いは曲直というものを、最高の水準においてこれを判断して、これを許可すべきか、すべからざるかということをいたすために、これは東京にいわゆる全国をまとめた林野庁があるはずである。そういうことをどういうふうにお考えになりますか。実際国において全然それなら手放しに、野放しでやつておるというなら、林野庁長官は東京におつて一体何をしておるのか。そういうことを一つあなたの職務上の範囲及び毎日の行為というものをこの際承りたい、柴田君から。
#30
○政府委員(柴田栄君) 機構の関係で私が何か無責任なことを言い、且つ考えておるというような誤解を生じているのは非常に残念でございますが、只今国有林野の特別会計の事業の機構は、全国を十四の営林局に分けまして、その下に三百三十五の営林署がございまして、それぞれ実務に当つておるのでありまして、本庁は林野庁の下に業務部がございまして、事業の企画、これが指導監督をいたしておりままして、局長が実質的な決裁をいたしており、これを私どもは全体計画を立てまして、それに対しまする実行の監督指導をいたしておるというのが、林野庁の国有林野事業経営に対しまする機構でありまして、私どものほうで全国有林に対する処分の一々に関しまして認可等をいたしておる形にはなつておりませんので、その点は御了承を頂きたい、かように考えます。
#31
○平林太一君 只今監督指導というあなたの責任がみずから、柴田君から、林野庁長官である柴田君……今日初めて会つて見るわけだが、監督指導ということが出た。監督指導ということは具体的にはどういうことなんだ、一件、事務的には、そういうことを承わりたい。監督指導とおつしやるが、どういうことをなさるか。監督指導ということは、全国の林野庁の業務に対し、行為に対し、こういう事件というものを一つの対象にして指導監督というのはどういうことをなさるか。
#32
○政府委員(柴田栄君) 地方におきまして企画いたしまする事業計画を一応中央におきまして全部取りまとめまして年次の計画を進め、予算化を図りまして、これをそれぞれの営林局に事業別に配分をいたして担当させまするので、それらに対しまする処分の実行の方法であるとか、或いは事業の進捗の状況であるとか、或いは収入の内容、実績であるとか等を監督いたしまする機構といたしまして、先ほども申上げましたように、内部監査のための監査機構も整備いたしまして、これによつて監査もいたしまして、是正すべき点は是正させるような指導の方法もとる。まあ、かような形において私の責任を果さなければならんという形をとつておる次第でございまして、企画、実行に対しまする監督と、過誤、或いは能率向上等に対しまする指導をそれぞれの機関を通じて実行いたしておるという現状でございます。
#33
○平林太一君 それでまあ、只今監督指導に対するお話があつた。そうすると今申されたような監督指導の範囲で、私のほうでは非常にそれは寛大、緩和にこれを了承し、取扱つて、考えて、これは重ねて責任を問うのであるが、今申されたような監督指導というようなことであれば、こういう事件は、会計検査院の批難摘発を受ける前にあなたは承知していなければならないはずである、実際に監督指導というものが行われておるならば……。それがたまたま会計検査院によつて批難摘発されて来て、そこで初めて今そういうような弁明になるというようなことになるというと、全然監督指導というものはただ空文に過ぎないものである。ただ言わんがための弁明に過ぎない。平常は何ら行為をいたしていないということである。重大なこれは問題である。ただこの際その監督指導に対しては、全国の営林署に対しまして営林局長だけに決裁事項を任しておいてはいけない。殊にこれは微に入り細に入り多数ありましようが、営林局長に任意で重大な国有財産に対する処分権というものを持たしておいたということは危険千万だ、こういう事件が出て来ることを思うと……。それから情実とか営林局長のいわゆる職権濫用、これは目に見えるようだ。これによつて国有財産に対する損失を受けるということがもう第一に重大なことである。それ以上に、いわゆる営林署に関係するところの取引業者という者に対する道義的な、そういうふうな思想上の悪い習慣を野放しにしておくことにこれは相成るわけだ。今後どうあなたは一体なさるつもりか、こういう問題を。ただ遺憾であつたということだけでは決算委員会は何もならない。これに対する処置ということも考えなければならない。長官としての柴田君自体はいやしくも一国の林野庁長官である。こういう事態が出て来たらば、今度は営林局長にこれは任しておくことはできない、今後はどうするかということをあなたはこの際考えなくちやならない。そういうことについてどういうお考えを持つておるか。
#34
○政府委員(柴田栄君) 監督指導の責任上、私責任を回避するものでは絶対にございませんが、従いましてかような案件の起りましたことは、誠に監督指導の不行届という点は重々承知いたしておりますが、これに対しましては先ほども申上げました通り、内部監査の機構が非常に遅れまして、昨年から出発いたしておりまするので、これらの点を一層過誤なからしむるためにこの機構の活動を円滑適正にいたしまして、今後の過誤絶滅に努力いたす、かような覚悟でおりまするが、それと同時に只今御指摘のような御疑問が生ずる場合を非常に恐れまするので、処分に関しましてはあらゆる面から恣意的な行為のできないような手段を更に一層検討いたしまして、営林局長、営林署長への委任の内容を明確にいたして過誤の絶滅を図る、かような方向へ進めたい、かように考えておる次第でございます。
#35
○平林太一君 まあ一応柴田君に対しては甚だ不満であるが、その程度にいたしておく。
 監査課長島本君が来ておるが、同君は只今までの質疑によつて本件に対して、又将来に対して定めし監査課長として胸を打つものがあろう、なければならない。これは一つ弁明を要求する。
#36
○説明員(島本貞哉君) 只今長官から縷々御説明がございましたが、私監査課長の職務にあります関係で一言意見を申述べてみたいと存じます。
 国有林野の事業の中で産物の売払ということは、お話がございました通りに極めて収入の面においても国有財産の処分ということになりますので、最も注意をしなきやならんということはお話の通りでございまして、その意味におきまして年々会計検査院でいろいろの点を御注意頂いたり、又批難をこうむつたり繰返しておるわけでございます。そこで会計検査院自体の御検査の対象は、お話もございましたように全部に亘つてこれを検査するわけに行かん、その三分の一なり或いはそれ以下の場合もあるかと存じます。そういう関係で、このままの状態では、やはり外部だけで御指摘頂いたのではほんの氷山の一角しか発見できない、こういう点でそういう不当或いは不正、或いは国損というようなものの発見がなかなか困難であるというような点を気付き、又同時に国有林野事業の企業的の運営という面からいたしますと、能率向上ということが重大な問題になりますので、単に国損を生じないというだけではなく、更に能率的な合理的な経営をやつて収益を増加しなきやならんという問題がございます。つまりそういう経営の合理化という面からいたしまして、特別会計発足以来すでに五、六年も過ぎましたので、ここらあたりで本格的の企業の運営に行かなきやならんという長官の強い御意思が反映いたしまして、そのほかにおける国営事業の実体に鑑みまして、林野事業自体として内部的の監査を、しつかりした内部的の監査制度を発足させなきやならん、こういう長官の御意向で、一昨年来この内部監査制度というものが農林省の省令としてはつきり具体的にできまして、監査官が全国で現在……、正規の監査官でございますが、五十七名ほどおりますがそのほかに監査に従事する者が数百名おります。各営林局にも監査官を持ち、林野庁にも監査官を置きまして、会計検査院の別段手伝いという意味では決してございませんけれども、我々自体の、つまり国有林野事業経営自体の必要上内部監査を行うというのでありまして、長官の特命という恰好で、監査官は長官の代りになつて各営林局並びに各営林署に亘つて事業の会計は言うに及ばず、事業の経営の実体、能率、その方面まで広く総合的な経営監査というものを実施する段階に来まして、やつと一年経過したわけでございます。そこで実行いたしました感想から申しますというと、単にそういう監査制度ができたということだけで営林局署の士気、つまり緊張度合というものは非常に変つて参りまして、又書類並びに処分の事務の整理、そういう面も極めて向上しつつあると私は考えておりまして、現に先ほど当初に会計検査院の小峰局長さんが申されましたように、検査院のほうでもその実体はかなりお認め頂いておるようなわけでありまして、私ども自体としてはまだ発足した当時でありますから極めて幼稚で、非常にその点においては不満な点がございますけれども、逐次そういう面には必ず向いて行く、従つて会計検査院における外部監査と我々自体の内部監査と両々相待つて行きますれば、こういうとかく疑問、疑惑を生じがちな国有林野の処分、こういう問題につきましても、皆さん方の御心配の一部でも解消できて行くんじやないかと思つておりましてて、今後もそういう意味におきまして鋭意努力して参る、こういう考えでおる次第であります。
#37
○平林太一君 島本君から只今職務上に対する監査の性格、そういうようなことに聞き取れたわけだが、林野庁内にある監査課である。今日まで我が国の行政機構の中の同一局内にある監査課というものは、何か馴合の監査になる。むしろ監査の本質というものを失つて、事件ができ懸案が生じたときに、それを善意にすべて取扱つて、そうしてむしろ事件をカバーして行く、何か監査の方式なり監査の性格というものをむしろそれを合法的に、却つてその事件に対して或る程度のことであれば今後もいたして差支えないのだというような錯覚を起させるような監査の方法であるということをこの際深く御注意申上げておかなければならない。監査というものはいわゆる独立不覊のものでなければならない。そういうものでなければ監査という必要はない。併しそれは部分的に、大蔵省にしても豊林にしても通産省にしても同じことだが所管いうものを部分的に扱うために監査というものをやつておるということだが、それでそういうことがあるのだが、実はこれは会計検査院のごとく独立自主的のものでなければならん、併しそれの内部にあるものだからどうしても何か多少馴合の傾向がある。よほどそれを御注意して頂かなければならん。それからしていやしくも事ができた場合に、やはり秋霜烈日、そういう態度でそれを処理しなければ、監査課というものの必要がなくなる。それでありますからそういう見解で、会計検査院とも何か協力をするということでなく、検査院のほうは全国的に亘るすべてを取扱つておるのだから非常に手が廻りかねる。あなたのほうの監査課というものは、事いわゆる林野庁に関する監査であるから、微に入り細に入りできるわけであります。それだからそういうことでありますれば、当然こういうような批難事項というものはあなたのほうで我々のほうに向つて、公式でなくともよい、非公式でもよい、もつと多数のものが摘発されて来なければならないはずのものであるが、何もそういうものがない。甚だそれは奇怪至極である。それだからこの際はこれは特に委員長に申上げておきますが、二十六年度において林野庁の監査課が監査をした結果いわゆる非違と監査をした事項を取りまとめて、結果においては先方に注意して、爾後そういうことがないようにしたということでもよろしいから、どういう事件に対し、どういう案件に対して監査課としてそれをしたかということは数件挙げられるはずである。それを資料として当委員会に提出いたすことをこの際要求いたしておきます。委員長にこれを御依頼申上げておきます。それでその点はこれでよろしい。
 次に業務部長の石谷君、同君から以上のあれに対しまして職務上考えられることがあると思いますから、只今まで申しました事態に対して一つその何を承わりたい。
#38
○説明員(石谷憲男君) 只今長官並びに監査課長から当面の問題につきましていろいろ申上げたのでありますが、私業務部長として私の見解を申します。
 国有林野の産物を極力有利に売払いまして、国の収入充実のために役立たせなければならないということにつきましては、今後私どもといたしましても格段な研究を遂げまして、そのような努力をして参りたいと、かように考えておるような次第であります。特に七百九十号で指摘されておりますような事柄は、姫路並びに山崎の両営林署の距離が比較的近いという関係からだけ見ましても、その間の常時の連絡というふうなものは十分とり得るはずでありまして、まあそのような意味合いからいたしまするならば、このような案件を出しましたことは全く申訳ないことでありまして、今後はこの種の事柄の絶対に起り得ませんように十分に気を付けて行かなければならない。
 そこでその手段方法であるのでありますが、どこまでも私どもといたしまして、常時の業務に対します指導監督の中で不十分でありました点を十分反省いたしますと同時に、只今申上げました昭和二十七年度の中葉、一昨年の八月から発足いたしておりますところのこの部内の監査制度を十分に活用し、更にこの機能を一層強化いたしまして、現在林野庁でやつております監査は営林局並びに営林署に及んでやるようになつておりますが、この取調べます営林署の数につきましても今後できるだけ殖やしまして、十分なる内部監査の実の挙がつて行くことを是非とも考えたい。更に現在営林局の監査課でやつておりますところの監査は管内営林署に対して及んでおるのでありまするが、これ又極力法律上行われますところの監査の対象になる営林署が多くなりますように努力いたしまして、今後こういつたような問題の起りますことを未然に防止いたしますると同時に、更に一層の内部におきますところの能率向上その他によりまして完璧を期して参りたいと思います。
#39
○平林太一君 今、石谷君の説明は、可もなし不可もなしで、甚だ我々としては満足しがたい。もつと平生業務に精励、忠実であるならば、もつと突き進んだ答弁があるはずである。併しながらまだ年もお若いようであるから、我々はこれ以上追及しないが、もう少しやはりあなた方、東京の、林野庁の長官の柴田君を初め、申上げるが、平生の業務に対する心がまえというものが、非常に責任というものに対して熱意を持つていないということがよくわかる。これは毎日その日行つてそして一日暮せばそれでいいのだ、而も局長、課長ということで椅子に納まつておればもう一日過せるのだという考えが深い。これは私心を以て申上げるのではない。あなた方はこの国有林に対する全部の責任をお持ちになつておるのであるから、如何にしてこの国有林に対する取扱い、これによつて国の収益を挙げ、又時には欠損をしてもよろしい、例えば木材のごときものはもう刻一刻貴重品になつて行くのである。だから時には売渡すということは急ぐ必要はない、非常な貴重品になつて、鉄鋼以上の貴重品になつて行くでありましよう。木材というものは今日の理化学によつて一瞬にできるものではない。三十年、四十年、五十年なりのそういう年月を費して初めてできる木材である。それを取扱つておるあなた方である。だからあなた方としての一つの構想、経綸というものがこれに考えられなければならない。そうすればどういう取扱いをして行かなければなら、んということを平生お考えになつておりますれば、こういう場合にもつと別な答弁が、我々の胸を打つような答弁ができなければならない。この際大いに一つ反省せられて、官僚としては当然全国的に見ましても低い役柄ではないのですから、禄をただ食むだけではいけない、高禄を取る者はやはり高禄だけの仕事をしなければいけない。この際一つ十分な反省というものを私のほうから求めておきます。
 今まで三君からお話を聞きましたが、そうすると当該の事件の起きた、第七百八十九、第七百九十、共に局長のこの事件に対する粗相……、柴田君のお話によると、自分はそれに対する決裁はしない、だから法律上はそれで御寛容願いたい、こういうことであるからまあそれでもいい、私もそれで了承するが、実際決裁をした、そういうような不正の事実に判を捺した、これは知らずにやつたはずはない。こいうう歴然たることに、つまり甲のほうでは価格がそれだけ高いものを売れるところを、その隣接したところで殊更低い値段で売つた。それだからそういうことに対しては定めしこれは私心、私行為にやつたということは明らかである。弁明の余地はない。だからこの局長は、これは二十六年度の決算であるが、その当時どういう処置をなされたか、及び今日その局長がなおとどまつていれば、今後この事件が発生し、ここで当委員会のこれが審議の対象となつた以上、どういうふうにこれを処置して、そうして今後におけるこういう事件の発生を防止して、みずから粛正のいわゆる実を示すということがなければならん。それに対して柴田君にお話を伺つておきたいと思います。
#40
○政府委員(柴田栄君) 只今御指摘がありましたのは、何か私心を以てかような過誤を犯したというようなふうに御解釈のようでございまするが、実はさように悪意を以てこの問題を処理したというふうには私ども実は考えておらんのでございまするが、いずれにいたしましても、結果からいたしますると、誠に不都合な結果になつておりますが、従いましてかような問題は先刻以来業務部長或いは監査課長からも申上げておりまする通り、全般機構を通じまして今後過誤のないような実行、或いは監督、指導をいたして参ることになつておりまするが、当時の局長も当然これらの問題については十分な責任を感じておることと存じます。ただこれを形式的に如何なる処置をとるべきかということに関しましては、私どもも形式上これを或いは懲戒する或いは免職するというようなところまでは実はいたしておらなかつたのでありまするが、すでに両局とも局長は、勿論その問題でやめ、転勤したというのではないのでございまするが、それぞれ局長は変つておりまするし、勿論全般を通じまして現在におきましては、局長初め全職員が、一つの誠に困つた事件であるということを十分に銘記いたしまして、今後のかような過誤に対する修正の手段にこれを活用して参るという態度をとつておるということを了解いたしておりまするし、私どもも先刻以来しばしば申上げまする通り、再びかような過誤のないように、下部から積み上げました十分な監査と過誤是正に対する処置をとつて参りたい、かように考えておりまするので御了承願います。
#41
○平林太一君 今の答弁甚だ不満である。過誤ということをお話だが、過誤というと間違いということなんです。かような事件が間違いだというようなことでこれを済ましたのでは、全国営林署の随所においてこういう事件が出て来る。間違いということはいたし方ない、間違いということはできるだけ責めないというのが日本の常識である。間違いということは、これは弘法も筆の誤りという言葉がある。これは責めないということになつている。そういうふうに緩和した取扱い方をすれば次々にこういう事態ができて来る。而もそれが過誤である、間違いであるからということでは、その何を絶つことができない。従つて若し間違いだということでこういうことをなしたということであるならば、こういう事件に対していわゆる非常な間違いだということであれば、その営林署長なり当該局長は無能だということになる。木材のこれこれの価格があるという、その価格というものは皆きまつておる。最高価格はどれだけ、最低価格はどれだけ、中間の価格はどれだけ、それから山の状況によつて山出しがどれだけかかる、それだからこの素材はこのくらいかかるのだということははつきりと明瞭のことであつて、そういうことがわからないような営林局長であつては、この営林局長として何ら職務というものに対して尽しておるということは言えないはずなんです。そういうようなことはちやんときまつているのです、そういうことは。それをこういう事態を起すことは過誤であるとか無能であるということではない。実際においてはそういうことは暗に承知して、その間には何らかの私行為というものが取引されておるということは明らかである。我々のほうではそう断定するものである。若しそうでないとするならば、こういうことを知らないような無能の、いわゆるそれだけの力のない、木材の価格など何もわからないというようなことであつたら、そういうような者は、国が重責を担わせる、営林局長をさしておくということは非常に危いことである。こういう事態が出たら、柴田君としては泣いて馬しよくを切るという態度に出なければこういう問題を絶つことはできない。事件が起きたのは昭和二十六年だが、この問題がここに審議せられるということになる今日において、遡つてその事態を今日処理するのが我々の使命なんであります、国民の全体に代つて。であるから今日名誉を重んじてその名前をここで要求することは避けておくが、当時の当該関係営林局長という者は直ちに何らかの処置をしなければいけない。殊にこれが天下に公表されておるこうい’う事態をこのまま、あなたのおつしやるようなことで、間違いであつたというようなことで、そのまま他に転任させるというような程度にしておいたのでは、これは各営林署に対して、こういうことをいたすということが全然改まらない。私自身といえどもこういうことを申上げることは甚だ忍びがたいが、国家全体のために止むを得ない。至急それに対する処置をなさる御意思があるかどうか、これを明らかにして頂きたい。本日その当時の当該営林局長に対して名前を聞くことだけは当方で差し控えたい。ただあなたの今おつしやるようなことで、過誤だからいたし方ないということは許されない。そういうことであれば決算委員会の使命というものは、ただ単なるそれこそ形式に終つて、何らのこの委員会を構成した何はなくなつてしまう、重大な問題です、一つ伺いたい。
#42
○政府委員(柴田栄君) すでに担当の責任者に関しましては御指摘までもなく、私の責任といたしまして、明確な処置と反省を求めておりますが、それらの実態に関しましては後刻書類を以つてこちらのほうに提出いたしたいと思います。
#43
○平林太一君 その書類を一つ早急に提出することを要求しておきます。それから当該の営林局長に対してはその通り。それから只今柴田君の御説明から、非常に林野庁の内部機構に対して欠陥をここに露呈したわけです。我々としては発見したわけです。これを今後はいわゆる東京林野庁において、林野庁長官としてこの決裁ということを、いずれにしても本省において、地方の営林局でこの売渡、その他国のいわゆる財政経済に関係のある財務的な事柄に対しては一応やはり書類を送達させて、そうしてそこでその書類を決裁して返すということにすれば、大体百のうち九十九までがそれが当該の営林局の意思通りに行くとしても、それを如何に自粛させるか、如何に用意周到な態度でこれらの売却に当るかということが当然これは発生して来る。それが今お話を聞いておるというと、全国各地の営林局長にこれを任しておるという。この大切な国有林というものを当該の営林局長だけに任しておくなんということは、これは甚だ職権というものを、非常に国の国有財産を取扱うという点について軽んじておるということである。それはそのように軽くこれは取扱うべきものでない。一応やはりあなたの名において、長官の下において最後の決裁をするということの機構を至急一つお作りにならなければこれは困る。こういう問題は、殊に今後の日本の木材というようなものは、先刻申上げた通り、今日我々が想像も及ばないような貴重品になつて来る。これはそういう貴重品をかくのごとく軽々なる取扱いをいたされておるということでは容易ならんことだ。ですからこの際全国営林局長の持つておる権限というものを、この際決裁権というものを停止して、そうして長官の名において決裁するということを一つおやりにならなければ困る。それに対してどうお考えになるか。
#44
○政府委員(柴田栄君) これは機構の問題といたしまして、全国の個々の処分権に対しまして、中央で一本に決裁をいたして実行するということは、恐らく実際問題として非常に困難且つ不可能に近いことではないかと存じまするが、部下に対しまするそれぞれの責任の明確化と分担という問題とは今後一層検討いたしまして、更に御了解の行くような内容を明示して御審議を頂きたいと、かように考える次第でございす。
#45
○平林太一君 非常にこれは我々として納得がいかないことである。そうすると今まで通りであれば野放しにしておくということである。野放しにしておけば、こういう事態が営林署に今後皆行われるということが明確になつて来る。で、あなたはこれに対して、こういう事件に対して、そういうことは実際上不可能だとおつしやるが、書類を一応こちらで、林野庁に送達させるということは、何らさようにむずかしく考えなくてもいしことなんです。それではあなたは全国の営林局長がやつておりますことを全然御存じないということなんです。そうするというとあなたのやつておるお仕事は一体何だ。どういう仕事をしておるのだ。林野庁長官としてただ威令を示しておるというだけに過ぎんではないか。実務というものは何もしていないということになる。いわんや業務部長なり監査課長というものがあなたの機構内にあるのだ。それなら業務部長なら業務部長の手許でそういう全国営林局長からの報告書類なり、そういうものを取りまとめるということは当然これはできるはずではないか。今の御答弁から言えば、全然これはそういうことはしないのである。全国の営林局で皆やつておつて、それを本庁のほうで取りまとめて取扱うということはできないということなんだが、これはどうも奇怪至極なんです、我々常識から考えると……。どういうふうにお考えになりますか。
#46
○政府委員(柴田栄君) 何か少し誤解がありはしないかと思うのでありますが、勿論計画を我々から指示いたし、それに対しまするそれぞれの内容につきまする報告は定期的に或いは随時徴収をいたして監督をいたしておりまするが、只今私の申上げましたのは、処分の一つ一つの案件に関しまして、全国の国有林の材の処分を長官決裁で実行するということは事実非常に困難である。かように申上げている次第でありまして、報告の徴収は勿論定期に随時に実行いたしております。その結果を審査いたしまして監督の資料にし、或いは指導の資料にいたしているということは、これは実は私当然であると、かように考えて申上げなかつたわけでございまするので、若し誤解がございますれば一つよく御了承を願いたいと思います。
#47
○平林太一君 誤解しているということはあなたのほうで誤解している。そう言うことは、我々の広大な、広い意味の真意というものを理解することができないから、だからそういうことをおつしやつている。柴田君自体が誤解しているわけだ。一つ一つの事態が皆それぞれの営林局長によつて決裁されている。それから後において報告を受けている。こういう今お話だつた。その後において報告を受けているのだというならば、こういう事件というものは、あなたのところでそういう報告を受けているということは皆よく御了承になつているはずだ、それを全然お考えになつておらないということであれば、そういうことは報告を受けたとおつしやつても何ら事実上はいたしていないことだ。それだからどうしてもこれは……、殊にこれの売渡の決裁事項というものは一年にそんなに件数としてはあるはずじやない。本庁に来てあなたの手許で……。そのことは法律になくても、あなたみずから、いわゆるこの林野行政を如何にすれば国家のために貢献することになるか、自己の職務を遂行することができるかということを、そういうことのために任意においても、一応書類なりを売渡のときは本庁に提出しろと言つて然るべきじやないか。それだから今後はそういうことをいたしますということでそれでいいはずだ。又そうあつて然るべきだ。それを何か漠然として、今まで通りこのままにしておつて従来通りと、こうおつしやるだけでは、何らこれに対する今後の措置というものが、解決というものは付かない。そういう点からしてますますこういう事件が出てくるほどにこういう不正が出て来て、それで全国の営林局長を招集する。それでこういう事件が出て来ても、これは一応批難事項として取扱うだけで、何ら実質上に影響するところは何もないのだということで、どしどしこういうことが行われるということに相成るわけです。これに対して長官が何らかこれを防止して行こう、そうして自己の職責を全うしようということをお考えになるならば、私のほうから要求をいたさなくても、こういう問題に対してはいわゆる営林局長だけの単独の決裁事項というものは何らかの措置を以つてこの際別な新しい考え方の下に何らかの措置をすべきだということを考えなくちやならないはずだ。それは一体どうなんですか。
#48
○政府委員(柴田栄君) 生産品処分の認可に対します件数が非常に少いじやないかというお話でございまするが、これは実はそれぞれの地方におきまするそれぞれの時期において生産されるものを一件々々処分を決定いたしておりますので、恐らく非常な件数に上ると思われるのでありまするし、方針を示し、基準を示して、営林局長に委任をいたしているということでございまするが、これを若し全部本庁に集めてやるということになりますれば、恐らく私は先生にはお気に召さないかも知れないが、実際問題としてできないと、こう思われるのでありまして、間違いを起さないようにいたすために、基準に関しまして十分に間違いの起らんような基準を制定させて行く、更に今回御指摘を頂いておりまするような案件に関しましては、具体的事例として監査の大きな資料にも使いまするし、かような問題の更に起らんように管下全部に亘り徹底を図つておりまするし、さような方法でやるのがやはり中央の官庁の仕事ではないかと、かように考えておるわけでございまして、どうも先生のお話のようになぜできないのかとおつしやつても、実際問題として私はそれは不可能であり、中央官庁としてそういうことまでやるという、監査をしなければ間違いを起きないという方法はとれないかどうかということに対しましては、まだ私実は先生とは見解を異にいたしておりまするが、その点は御注意もありましたので、十分検討させて頂くということで御了承をお願いいたしたい、かように存じておるわけであります。
#49
○平林太一君 最後に資料の提出を、これで最後にいたします。只今柴田君から御説明がありましたので、特に本日は非常に私の質疑は長くなりましたので、この程度で打切りたいと思いますが、二十六年度における只今各営林署が取扱いました件数、これが非常に多いのでより監査が多いというお話もありましたが、それもあろうかと私のほうでも了承いたします。ついては二十六年度において各営林署が取扱いました案件、件数、これを全体の数が何件あるか、それから全国の各営林局が取扱つた営林局別の資料を作つて委員会に提出せられることをこの際求めたいと思いますが、委員長から然るべく取り進め方を私は要求いたしておきます。私の質疑はこれで終ります。
#50
○植竹春彦君 一、二点質問を林野庁長官にいたしたいのですが、林野庁の長官も随分厖大な事務を見ておられるので、一々長官決裁ということは到底不可能なことはよく承知しておりますが、そこで事務の軽重によつて各営林局長決裁のようになつていることと思いますが、例えば土地の払下げは、百町歩以下とか或いは立木、木材については何石以下と、そういつたような基準がおありのことと思いますが、その資料は次回にでも提出して頂いて結構ですが、ここで特に材木、この素材、その決裁の範囲、それだけをちよつとお示し願いたいのです。営林局長決裁の範囲です。
#51
○政府委員(柴田栄君) 素材の処分の額につきましては、営林局長には額の制限なく委任をいたしております。営林署長は五十万円以上のものは営林局長に上申し認可を得る、こういう規定になつておりまするがその他の問題につきましてもそれぞれ面積或いは価格によりまして、大抵売払規則によりまして規定をいたしておりますので、後刻それは差上げたい、かように思つております。
#52
○植竹春彦君 先ほど国有林を極力有利に売りさばくように鋭意努力されます旨説明員から御答弁があつたのでありますが、私はこれは極力有利に、有利ということは、営利と有利とは必ずしも一致はいたしませんが、この営利的観念といいますか、或いは営利的観念で御処分なさらずに、公正な価格を以つて払下げ、当時の国民経済全体に寄与せられるような価格をおとりになることを私としては強く要望するのですが、それに対します御意見をちよつと承わりたいと思います。
#53
○説明員(柴田栄君) まあ誠にその点は御尤もでございまするが、非常にむずかしい問題でございまして、これを随時そのときの材料によつて価格を移動させるということは非常に機動性もあり、国家全体の政策に寄与するという点で有効な場合が多いのでございますが、又一面、これを判断する者が、相当任せざるを得ないという場合に、過誤を犯す危険は非常に多いと思うのでありまして、実は特に最近のごとく木材が非常に高騰いたしまして、まあ高物価政策に拍車をかけるというようなことになりますれば、国有事業といたしまして、これは非常に責任があると思いまして心配をいたしておりますが、ここで私どもは何らか明確な基準に基いて処分しなければならん。それには先ず市場、現在の市場価格というものを一つの動かない資料といたしまして、将来の見通しは入れないという考え方を一つ持つております。それが妥当であるというための裏付けとして、試験挽等の方法をとつておりますが、市場性の変化も時々刻々に多少の変動がございますので、一定の幅の基準線を設けまして、その基準線の上下に基いて調整するということで、国有林の処分のために市場をリードするということのないように特に注意をいたしておるという程度でございます。
 ただ、例えば昨年の春の北九州の水害の場合のごとく、或いは八月災害、十三号台風の場合の緊急復旧を要する材等で、流失その他のために地方的な非常な価格の高騰を生ずるというような際には、私どものとりまする手段が、忽ちにして異常な価格の調整可能であるという見通しの場合には、これを調整する意味におきまして、異常な高騰を示しております市場価格を基礎としないで、その前の市場価格を基礎として売払う、こういうような措置もとつて、一般への指導をいたしておるという例もございまするが、これは非常の場合という特例として取扱つておるということも御了承を願いたいのでありまして、只今先生の御指摘の問題に関しましては、誠に意義のある問題でございまするので、私ども非常に常常悩んでおるのでございまするが、ただまあ何か責任上間違いを起しちや悪いからそうしておるというふうに取られたらちよつと困りますが、間違いを起すチヤンスとプラスになるウエートとどちらが多いかということを考えて、場合によりますと全般の国策に副わないような結果に相成るということも一つ御了承を願いたいと、かように考えておる次第であります。
#54
○山田節男君 今、私の質問しようと思つたことを林野庁長官から部分的に回答があつたのですが、まあ昨年の六月、七月の西日本、近畿の風水害、それから次いで九月の第十三号台風で非常な流失家屋があり、又橋梁等の流失もあつたので必ず木材が暴騰するというので、本院水害対策特別委員会におきましては、当時保利農林大臣を呼んで、建設大臣を呼んで、現に我々北九州へ行きましたら木材がどんどん上りつつある、この際もう現在の民有林は非常に食い尽されて若木が多い。この際木材の急騰を避ける意味からいつても、或いは優良な木材を使わせるという意味からも、殊に第一の価格暴騰を防止するという意味から、これは農林大臣に対してこの国有林を開放するというくらいな一つ態度をとつて、木材の暴騰を避けるような処置をしてほしい、この前保利農林大臣は、これをいたしますということを当委員会においてはつきり言つた。ところが我々、その後になつて木材がどんどん暴騰して来て、そうして災害復旧の過程においてどうも国有林は売り惜しみというか、我々に約束したように国有林の開放というか、どんどん優秀な木材を市場に出さないという非難をたびたび聞きました。例えば近畿地方に行つても或いは愛知県に行きましても木材に困つておる。こういう点が、大臣がそういう公約を委員会においてしておきながら、結果においてそういうような事態である、これは我々として誠に残念だ。私のお尋ねしたいことは、保利農林大臣が、少なくとも林野庁の長官に対して、参議院の水害特別委員会においてかようなことを言明した、これに対して善処するというような大臣として指令を発したかどうか。それから我々の聞くところによれば、今回の西日本、近畿の水害、風害の復旧について木材が非常に払底しているにかかわらず、林野庁がこれに対して非常な結果において非協力的であつた、こういう非難を我々非常に聞くわけです。これは今あなたおつしやつた、植竹委員が指摘された営利とか有利とかは違うわけです。あなたたちは国民の国有財産を信託しておられるわけです。国民経済という言葉を使われたが、今のような日本の局部においてこれだけの大きな未曾有の災害を受けるということは、これは一つの国策として、必需品の木材の価格暴騰を避けるために国有林の開放をやるということになれば相場はとまるかも知れない、ところが我我が農林大臣に重ねて我々が強く要求した。それに対して善処しますということを言つて、今日においてかような国民の非難を聞き、現実にこの木材が六、七月の水害を契機としまして暴騰したという実事は、これは何としても否定できない。そういう非難がありますが、果して林野庁としてはこの水害に対しての木材の供給ということに対して相当な寄与をしたということが言い得るかどうか。若しそういう、これはいずれ又他の委員会でも問題になりますが、林野庁として、これは表面的に見えるだけでもよろしうございますから、どのくらい、例えば国有林野六、七月以来特に売却をしたというような若し数字が挙げ得るならば、そういうことも一つ資料として委員長から御要求願いたいと思います。
#55
○政府委員(柴田栄君) その問題に関しましては後刻詳細な資料を差上げたいと存じまするがさような現地の声は当座においてあつたかも存じませんが、実際問題として九州の水害の場合には勿論大臣からも御指示がありましたし、私ども相談いたしまして、忽ち一割五分程度、二、三日して三割も高騰したということなんで、緊急復旧用材に関しましては全部国有林野材で裏付けする。而も災害前の価格を以て裏付けをするということで、それを見返りといたしまして、現在手持している業者の製品を災害前の価格で被害者に分けるという措置をとりまして、現実には価格の高騰を避け得たという事実があるのでございますが、これに対しまして私どもは一応五十万石は緊急に出し得るという態勢を整えたのでございまするが、現実には二十一万石程度で一応安定したと私ども考えております。近畿特に和歌山中心の場合には同様の処置をとりまして、直ちに六万石を放出いたしましたが、その後木材価格が非常に高いために復旧しない、国有林が高く売つておるからだというような非難を聞きましたので、現実に調査させ、且つ需要があれば計画的に直ちに一つ申込を願いたいということで、各県にも連絡をいたした次第でございまするが、具体的にはその後殆んど現われて参つておらない。十三号台風、特に海岸線の決壊等に対しまする緊急復旧用材に関しましては、国有林から積極的に各県に連絡いたしまして、長大なパイリングの供出を連絡をいたして、附近における可能な最大限度の実は供出をいたしておる次第でございまして、ただその当時さような声があつたといたしましても、具体的に相当私どもはさような場合におけ国家的な対策として十分連絡をいたしたつもりでありまするが、なお今後におきましてもさような場合にはさような手段は当然とる覚悟でおります。
 ただ連絡がなお不十分であつて、さような非難を受けるというようなことがありますれば、私どもの手段が足らなかつたということになりまするので、一層研究させて頂きたいと、かように考えておりますが、それぞれの場合におきましてかような処置をとるということは、ラジオ或いは新聞等を通じまして、あらゆる方法で徹底を期したつもりでおりまするが、まだ足らなかつたという事実ありとすれば誠に申訳ないと存じますが、今後は勿論さような際には一層万全の措置はとつて参りたい、かように存じます。
#56
○山田節男君 それでは今のような意味で国民の誤解ということもあるが、理解を深める意味においても、林野庁として昨年の風水害に対してどれだけの寄与をしたということを一つ数字的に資料を御提示を願います。
#57
○委員長(小林亦治君) ほかに御質疑がなければ、林野庁関係の質疑は、補助金関係のものを除いて、なお平林、山田両委員からお求めの資料を追つて頂くことにしまして、質疑は一応終了したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#58
○委員長(小林亦治君) 御異議ないと認めます。それでは本日は通産省の分が日程に上つておつたのでありますが、時間の都合が一ぱいになりましたので、本日はこれを以て散会します。
   午後三時四十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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